収益向上に貢献する物流コスト改善のコツ

会社の収益を圧迫しかねない物流コスト。会社の中で目に見えづらい物流コストを可視化し、今日からでも改善できるポイントをやさしく解説します。一緒に物流改善に取り組み、物流改善のプロとして収益向上に貢献しましょう。

2008年10月

物流省エネについて考える(6)

CO2削減のためのトラック輸送の改善に、「トラックの大型化」という手法があります。荷を積みきれずに分割で運んでいる場合、トラックを大型化することでまとめて運ぶことが可能になります。

「がさモノ」、つまり輸送時に容積的にネックになるモノを輸送している場合は、トラックの荷台が大きくなる車種へ変更していくことで、1回あたりの輸送量を増やすことができますよね。2トン車から4トン車へ、4トン車から10トン車へと変更することが改善につながるでしょう。この大きさのトラックの場合、徐々に荷台の容積が大きくなりますので、がさモノのは多く運ぶことが可能になります。

一方で「重量モノ」つまり容積的にはかさばらないが重量がネックになるモノを輸送している場合には、荷台のサイズというより積載可能重量が重要になります。この場合、10トン車から14トン車、さらに19トン車と積載重量を大きくしていくことでまとめて運ぶことが可能になります。この大きさのトラックの場合、積載重量が大きくなっても荷台の容積はあまり増えません。まさに重量物の積載を増やすことが有効なのです。

これらの改善のためには、荷主と輸送会社が共同で改善を進めていく必要があります。こういったパートナーシップは物流省エネにはとても大切なことでしょう。前回お話したライバル会社との協調や、荷主・輸送会社間の連携が効果的な改善を生むことになるからです。

なお、こういった改善を進める過程では投資が必要になる場合もあります。これに対して、補助金が出るケースもあります。ちょうど今の時期に補助金を対象とした改善プロジェクトを募集している情報があります。ご関心があれば、以下のサイトから情報を入手されると良いと思います。

グリーン物流パートナーシップ

投資が必要な場合、ぜひこういった補助金を活用したいものですね。もちろん、補助金をもらうためにはそれなりの改善ストーリーが必要になることは言うまでもありません。

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物流省エネについて考える(5)

物流省エネのためにすべき改善活動について考えてみましょう。

まず誰しも頭に浮かぶのはCO2の削減でしょう。モノを運ぶことでCO2が発生しますが、それは輸送手段によって程度に差があります。
一般的にトラックを1とした時に、船舶は4分の1、鉄道は8分の1と言われています。従って、輸送手段(輸送モード)をよりCO2の発生の少ないものへと変更していく活動が有効と考えられます。これをモーダルシフトと呼びます。
特に遠距離輸送では環境対応のみならず、コスト的にも効果が現れてきます。積極的にモーダルシフトを進める企業が増えている所以です。

CO2の発生は、輸送手段を変更しなくても、輸送改善をすることによって抑制することが可能です。
トラック輸送を考えた時に、効率的な輸送を行うことでCO2を減らしていくことができます。効率的な輸送とは、トラックのもつ能力を十分に発揮させる輸送と表現しましょう。言うまでもないことですが、そのために最も重要なことは「トラック積載率」を向上させることです。

以前からお話させていただいているとおり、ここで大切なことは2つあります。それは・・・
トラックを重量的にも容積的にも能力目いっぱいに活用すること
容器内充填率を向上させ、真の積載率を向上させること
です。これは簡単ではありませんが、トラックを配車するたびに「重量的積載率」「容積的積載率」「容器内充填率」を数値としてとらえていくこと、つまり常に「意識している」状態を継続することが改善へつながるものと考えています。

では、「トラック積載率」を向上させるためには何をしたらよいでしょうか。ここでぜひ考えていただきたいのが「混載」ということです。自社だけでは積載率を向上できなければ、他社とタッグを組んででも改善していくという行動が必要になると思います。
ライバル会社と協調するのはちょっと・・・という考え方もわからないではありません。しかし、製品では競合、物流では協調と言う意識をぜひ持っていただきたいと思います。これが環境改善に役立つとともに、お互いの物流コストを下げる要因となればハッピーではないでしょうか。

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物流省エネについて考える(4)

前回は物流に関わるエネルギー使用量の求め方の内、「トンキロ法」についてお話しました。今回は残り2つの方法についてお話します。

1つは「燃料法」と言われる求め方です。これは燃料使用量を一定の式に代入して求める方法です。実際に輸送時に使った燃料をとらえて省エネ実績を測るやり方ですから、最も精度が高いと言えるでしょう。

ただし、このデータは輸送会社に提出してもらわなければなりません。自社分のみの燃料使用量は専用便であれば把握ができますが、混載便の場合には他社分と按分する必要があります。

もう1つが「燃費法」と言われる求め方です。輸送距離と燃費データを用いて燃料消費量を算出します。それを一定の式に代入してエネルギー使用量を求めることになります。燃費を実測できれば精度の高いやり方と言えるでしょう。

一方で、燃料法と同様で、混載便の場合に他社分と按分する必要があります。

これら3つの方法を組み合わせながら、エネルギー使用量を求めていきます。これが目標どおり減っているのかどうかが問われることになります。

なお、3つの方法は輸送モードにより適用が異なります。トラック輸送の場合はいずれの方法でも計算可能ですが、船舶、鉄道、航空機輸送の場合は「トンキロ法」による計算となることに注意して下さい。

今まで説明してきた中で、「一定の式に代入して」エネルギー使用量を求めるとしてきましたが、専門的になるため、あえてその式は示しておりません。詳しくは資源エネルギー庁のホームページをご覧いただければと思います。

次回からは実際に物流省エネするための改善活動についてお話させていただきます。

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物流省エネについて考える(3)

前回は特定荷主の義務についてお話しました。今回からは具体的な取組についてお話していきたいと思います。物流省エネですから、まずエネルギー使用量を把握し、それをどう減らしていくか、という活動になると思います。

では最初に、「トンキロ」の把握について考えて見ましょう。
貨物輸送量(トンキロ)=貨物重量(t)×輸送距離(km)
という式で前回ご説明しました。式を見る限り、非常にすっきりしていますね。簡単に結果は求められます。データさえ持っていれば・・・。

さて、ここで先月の貨物重量(荷量)を教えてください、と質問された時にすぐに回答できる会社は結構意識の高い会社だと思います。
以前から再三触れていますが、物流関連データをきっちりと把握している会社はそれほど多くありません。データがまとまっていて、すぐに回答できればかなり良いレベルにあるのではないでしょうか。
次に、データはまとまってはいないが、各事業所が個々に把握しているので時間さえあれば回答できるという会社もあるでしょう。
こういった会社ではデータを一元化するようにしていくことで、改善が図られるのではないでしょうか。物流データ管理システムが構築できれば最高でしょう。

一方、輸送距離はどうでしょうか。輸送ごとに距離を把握している会社はほとんどないのではないでしょうか。多分、輸送区間ごとの距離をとらえている会社であれば、あとは計算するだけですが、原則一回輸送するごとに重量×距離の計算をする必要がありますので、そう簡単ではなさそうです。

物流データ管理システムを持っていない会社の場合、手作業になりますので時間がかかるのではないかと思います。
特定荷主にあたる場合は、システムを構えて業務を進めていったほうがよさそうです。

トンキロがわかれば、これを一定の算式に代入することでエネルギー使用量が求められます。これを「トンキロ法」と呼んでいます。一方で、これ以外の方法が2つあります。これについては次回お話していきたいと思います。

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物流省エネについて考える(2)

特に厳しい義務を課される荷主(ユーザー)のことを特定荷主と呼びます。

まず特定荷主の定義についてお話いたします。
経済産業大臣は、全業種を対象として、自らの事業活動に伴って貨物輸送を委託している量(自ら輸送している量も含む)が3000万トンキロ以上の者を特定荷主として指定しています。

ここで聞きなれない言葉が出てきましたね。「トンキロ」という言葉です。トンキロとは貨物輸送量を測る単位のことで、次の式で表します。
貨物輸送量(トンキロ)=貨物重量(t)×輸送距離(km)

つまり、どれ位の重さの貨物をどれ位の距離を輸送したか、を示す指標のことです。
この式で算出した解が3000万トンキロ以上であれば「特定荷主」になるわけです。

では特定荷主に課される義務には何があるのでしょうか。
第一に「計画の策定」が挙げられます。特定荷主は年に1回、計画を作成し主務大臣(経済産業大臣+事業主管大臣)に提出しなければなりません。この中に、前回示した「判断基準」の中から事業者自身の判断によって実施可能な取り組みを選定し織り込む必要があります。
(例) ・ 事業部ごとに省エネ責任者の設置
    ・ モーダルシフト実施のためのマニュアルを策定  等
第二に「定期の報告」が求められます。年に1回、主務大臣(経済産業大臣+事業主管大臣)に提出しなければなりません。以下の項目を報告する必要があります。
・ 委託輸送に係るエネルギー使用量
・ エネルギー消費原単位(委託輸送に係るエネルギー消費量÷売上高、輸送コスト 等)
・ 省エネ措置の実施状況
この際、エネルギー消費原単位が判断基準の目標として定められた年間低減目標(1%)以上改善できなかった場合には、その理由も提出する必要があります。

次回以降に、トンキロの具体的な求め方や、省エネのための取り組みについてお話を続けたいと思います。

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物流省エネについて考える

皆さんの会社では物流省エネに関する取り組みは何かやられていますでしょうか。この物流省エネは荷主(ユーザー側)と輸送業者の双方が取り組むことにより、初めて効果を上げることができます。立場によって取り組み方が違ってくると思いますので、それぞれの立場での取り組みについてお話させていただきたいと思います。

まず荷主側の取り組みについてお話を進めたいと思います。

経済産業大臣と国土交通大臣は、荷主が省エネの取り組みを実施するにあたって、具体的に措置すべき事項を定めて公表しています。これは「判断基準」と呼ばれ、以下のような事項が例示されています。
・ 省エネ責任者を設置する
・ 社内研修を実施する
・ モーダルシフトを推進する
・ 自家用貨物車から営業用貨物車への転換を図る
・ 他事業者との共同輸配送を実施する

このような活動を具体的に実施することによる、エネルギー消費原単位の中長期的にみた年間低減目標を1%としています。
また、主務大臣(経済産業大臣+事業所管大臣)は、荷主に対して必要な指導及び助言を行う、とされています。

実は一定規模以上の貨物輸送を委託している荷主(特定荷主)に対しては、特に厳しい義務を課しています。詳しくは次回でお話しますが、今回はその荷主に対する法的措置についてだけ解説しておきます。

・ 省エネ取り組みが判断基準に照らして著しく不十分 → 必要な措置をとる旨勧告
・ その勧告に従わなかった場合 → 企業名等を公表
・ 正当な理由がなくその勧告に係る措置を講じなかった場合 → その措置に従うように命令
・ その命令に違反した場合 → 100万円以下の罰金

次回に特定荷主についての詳細についてお話をさせていただきます。

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委託先現場を見て気づくこと

物流業務を外部の業者に委託しており、作業条件を明確に提示できていなかった場合、委託先の現場を見て驚くことがあります。

その驚きとは、「こんな作業のやり方をしていたんだ」という素直な驚きがあるでしょう。このケースの場合、ただ単に自身が仕事の仕方がわかっていなかっただけですので、まずは3現主義に基づき改めて委託した作業を認識できた、というポジティブな捉え方もできるかもしれません。

もう一つの驚きもあるでしょう。それは、「こんな作業のやり方を頼んだつもりはない」という驚きです。仕様を明確に提示していない場合、そう言われても業者側は困るばかりだとは思いますが・・・。

先日、機械製造会社P社の物流担当者の話を聞いて驚かされたことがあります。その人は他部署から異動してきたばかりで、初めて物流業務を委託している物流会社W社の倉庫を見に行ったそうです。倉庫ではP社の貨物を複数の仕向地別に仕分けを行い、トラックへの積載を行っています。その仕分けのための作業をP社が依頼していたつもりが、よくよく見ると、W社のトラック積載率向上のための作業もやっており、その作業費をP社に請求していたそうです。それが3年以上にわたり行われていたにもかかわらず、P社の担当者は気づかずにいたとのことです。

ここで問題は2つあると思います。一つはP社の担当者がW社に発注している業務を見ることもせず、過払いを放置していたこと、もう一つは請求書のチェックの時に請求値が割高であることに気づかなかったことです。

本件はレアケースなのでしょうか。私はあちこちで発生しているのではないかと考えています。業者側が知りつつやっていたかどうかは別として、ユーザーから仕様を提示されなければ起こりうると言うことです。

まずは現場に出て実際に確認する仕事を怠ってはならないと思います。

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対外支払い費を理解していますか

物流業務を外部の会社に委託しているケースは多々あると思います。では委託するに際し、業者に対して仕様書を作って提示しているでしょうか。

この問いに対して多くの会社が「No」と回答します。ざっくりとやって欲しいことを示すことはあっても、具体的に作業条件を提示できているところは少ないと思われます。

たとえば、「1日あたり200箱の製品を出荷して欲しい」という提示はしていても、保管面積や保管の仕方(例:棚置きか平置きか)、大体の作業時間(例:1箱あたり2分)、使用機器(例:PC、フォークリフト)といった、「どのように」作業を行うかのガイドにあたる部分の提示をしている会社は稀でしょう。

もし明確な仕様があらかじめ提示されない場合、業者としてはどういった対応をとるでしょうか。業者としては赤字で仕事を引き受けるわけには行かないので、不明な部分のリスクはカバーしようとします。つまり、危ない部分はあらかじめ価格に織り込んでおこうとします。

業務が開始されてみると、意外と外注化した効果が現れないという現象に気づくことがあります。その多くが、こういった要因によることがあるのです。

問題は自分たちが高い金を外部に対して支払っていることに気づかない場合です。なぜ気づかないのでしょうか。外部支払は「こんなものだ」との思い込みでしょうか。あるいは会社が収益的にゆとりがあり、対外支払い費に気をとめないからでしょうか・・・。

収益向上を目指す会社であれば、対外支払い費への感度は高いものと思います。まず、どこにいくら位支払っているかをチェックしてみましょう。

次回は具体的に外部の委託先に出かけて行って、実際に作業を見てみる重要性についてお話したいと思います。

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物流会社の意識向上について

先日ある物流会社(X社)の人と話をする機会がありました。顧客と倉庫作業の価格交渉を行っているが、話がかみ合わないとのこと。どういうことか詳しく聞いてみました。

この会社は中堅どころの物流会社で、倉庫保管業務のみならず、輸送業務や輸出入業務等幅広く物流業務を請け負っています。

今回取引先から現在実施している倉庫での保管、入出庫業務の価格改定の要請を受け、先方と交渉を始めたものの話が前に進まないそうです。

ポイントを聞いてみると、先方からは「標準時間」に基づき作業を定量化し、それに見合った価格としたいとの話があったそうです。それに対し、X社は自分たちは物流会社であり、生産ラインと異なるために作業を定量化することはできないので、提案方式は受け入れられない旨回答したそうです。

これに対して納得いかない客先から、もし提案を受け入れてもらえないならば来年以降の発注の継続はできないと言われたそうです。

さて、この状況について皆さんはどう考えますでしょうか。やはり物流会社は作業を定量的に把握することはできないのでしょうか・・・。

私の結論を申し上げると、X社のような発言が物流業界の地位を低いままにしていると言えます。大変厳しい言い方になりますが、いつまでもどんぶり勘定を続け、KKD(カン、コツ、度胸)で仕事をしている限り物流の地位向上は遠い手の届かない夢でしょう。

確かに今まで物流と言えば大雑把な管理、勘に頼る作業、標準化とはほど遠い仕事の仕方というイメージはあるかもしれません。また、今回のように物流会社の人からそのような発言が出ること自体、まだそのイメージから脱却できないことを示しています。

でも、意識ある物流会社は明らかに変わってきています。進化してきています。まずマインドを変えなければ競争から脱落するだけでしょう。
ぜひ物流会社には意識を変え、進化していって欲しいと思います。

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