収益向上に貢献する物流コスト改善のコツ

会社の収益を圧迫しかねない物流コスト。会社の中で目に見えづらい物流コストを可視化し、今日からでも改善できるポイントをやさしく解説します。一緒に物流改善に取り組み、物流改善のプロとして収益向上に貢献しましょう。

2012年03月

物流設備投資を考える(3)

物流工程を効率化するために一定の投資は必要です。しかし、全体のモノの流れを把握した上で工程設計しないと中途半端な物流になってしまいます。

思いつき的な流れでの投資は無駄になってしまうことがあるので十分な検討が必要になってきます。そこで、まずは基本的な部分を正すことからスタートしましょう。

それが前々回にお話したような物流作業環境面の修正です。もちろん、新たな倉庫や工場をつくる場合にはこれら基本的な部分は基本設計に入れておかなければなりません。

荷役時に雨濡れしない、容器は雨や埃がかかるような場所には保管しない、人が常時介在するような場所については暑さ対策、寒さ対策を施す、このような基本をまず正していくことにお金を使いましょう。

次は効率化です。徹底的な自働化を図り、無人で作業ができるような設計も考えられますが、大方の会社では部分的に物流を効率化するための対策が施されるパターンが多いと思われます。

そこで、目的を明確にし、優先度の高いものから投資をしていくことが望まれます。

例えばピッキングミスが多い会社があったとします。その会社では類似した製品が数多くあり、何度もいろいろな改善を行ってきたものの、ミスが無くならないと想定しましょう。

この会社でデジタルピッキング装置の導入や、ピッキング棚への投入時のバーコードチェックシステムを導入するなどは的確な投資だと言えるでしょう。

つまり今まで何度か改善してきたものの、なかなか解決できないためにお金をかけて手を打つというやり方はあると思います。

一方で、どこかの会社で無人運搬車を導入していたので自社でも入れてみようといった、「思いつき」の投資はやめた方がよいでしょう。無人運搬車や自動倉庫は時代に流れによってニーズが変わってくるからです。

JIT生産や調達を始めて在庫削減に取り組めば自動倉庫は無用の長物になってしまいます。工程内レイアウトを直結型にして運搬をなくせば無人運搬車の出番はありません。

このように時代の流れとともに変化していく物流はお金をかけて装置を入れるのではなく、人による対応を行い、徐々に改善していく方が合理的かもしれないのです。


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物流設備投資を考える(2)

物流作業場は冷暖房が無いケースが大半ではないかと思います。しかも建物の中と外を行き来する必要があります。

それは屋外に容器を保管していたり、荷役場が屋外であったりするためです。そのため、物流作業者の労働環境は物流以外の作業者に比べて一般的には悪いと言えるでしょう。

筆者は以前、東北地方に工場を建設した際に物流工程設計を担当したことがあります。この時には東北地方の寒さ対策として、トラックポートをすべて建屋内に設置しました。トラックが完全に工場の建屋の中に入るようにした上で、ゲートを閉めて外気が入らないように工夫をしました。

そのために投資は必要でしたが、これは物流作業にとって当たり前の設備投資として会社側にも認めてもらうことができました。

概して物流にはお金をかけたがりませんが、「基礎投資」まで削ることは本末転倒です。物流品質を損ねたり、物流作業者の士気を下げたりしては逆効果と言えるからです。

一方で、必要以上に物流にお金をかけている会社もあります。

物流の自動化と称して無人運搬車を走らせたり、自動倉庫を設置したりして省力化を図っている会社を見かけることがあります。

もちろん、省力化を否定することはありません。しかし論点は本当にその設備投資が回収できるのか、という点にあると思います。

中途半端な自働化は本当に儲かっているのかどうかは疑問です。例えば無人運搬車にフォークリフトで荷物を載せる工程があります。人手で自動倉庫にプラスチックボックスを投入している工程があります。すべて一貫して自働化されていない場合にこういった工程を目にするのです。

このような物流をよく観察すると、そのままフォークリフトで運搬してしまった方が早かったり、プラスチックボックスを平置きして供給する方が便利であったりすることがあるのです。

会社としては一度設備投資してしまったので、それを使って仕事をしようとするわけです。しかしそれが実際には非効率であったりするのです。

次回に続きます。


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物流設備投資を考える

物流専業社は別として、概して物流に対する設備投資は抑えられがちです。なぜなら物流専業社以外では物流はコア業務ではないため、投資も後回しになりがちです。

こういった会社での物流環境はお世辞にもよいとは言えません。荷役場に屋根が無いため、雨天時には荷物にビニールカバーをかけながら仕事をしています。

雨が物流品質に悪影響を与えることは誰しもわかっていますので、設備投資の代わりに人件費と経費をかけて対応しているのです。

容器を屋外保管している会社も多々あります。この屋外保管も曲者です。雨に降られ、埃にまみれた容器はそのまま使うことができず、これもまた人手をかけて容器清掃を行わなければなりません。

果たしてこういった措置をずっと続けていくことがその会社にとって得策であるのかどうか疑問に思えてくるのです。

物流専業社であれ、それ以外の業種であれ、荷役場が露天という状況は好ましくありません。やはり基本的な考え方として、荷役場には屋根があってしかるべきです。

手狭な敷地の中にあっては消防法の絡みで屋根を設置できない可能性があります。しかし、その制約が無く、お金だけの問題であれば物流品質を守るための設備投資は必要ではないでしょうか。

これは容器保管場でも同様です。雨にぬれると容器を乾かしたり汚れを落としたりする手間がかかります。これは通常物流担当が実施していますが、やったことのない人たちにはその苦労はなかなか伝わらないものです。

物流はコア業務ではないにせよ、基本的なことにはお金は使うべきです。上記で示した例に限らず、物流作業場の環境問題にも目を向けましょう。

冬場は極端に寒く、夏場は極端に暑いのが物流作業場です。物流だけ劣悪な環境であることは異常です。物流作業場も基本的な環境整備のためにお金をかけることは決して無駄ではありません。

次回に続きます。


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物流業は特殊か(3)

突き詰めて考えてみると、物流業は決して特殊な業界ではありません。やり方次第では今困難と思って手を付けていないところも改善できるのです。

これを今後改善していくためには、まず経営層の考え方を変えてもらう必要がありそうです。「物流は特殊」というような言い訳をすることで改善を凍結させてしまうことはあってはなりません。

他業界から人材をスカウトしてでも作業の標準化や物流標準時間の導入はすべきでしょうし、作業編成を可能にするために技能向上施策も進めていくべきでしょう。

繁閑差が無くならないのであれば、暇な時間帯にできる仕事を受注すべきです。そのために営業力を強化しなければなりません。

これからは物流業も海外に進出していくことも視野に入れなければなりません。もし海外に行って現地の物流会社と戦うとなれば、自分たちは特殊だといった内向きの発想は改めなければなりません。

特に荷主企業の新興国進出が盛んになってきている以上、そういった国で仕事をするチャンスは増えるでしょう。新興国の物流会社には負けないと高をくくっていたとしたら足元をすくわれることは必至でしょう。

なぜなら彼らは必死になって競争力をつけようと努力をしているからです。仮に現時点で日系物流会社が技術力で勝っていたとしても、油断していたら2、3年で逆転されるでしょう。

物流業は少なくとも現在の製造会社並みの現場力を付けることが必要であると思われます。現場マネジメントを導入し、しっかりと定着させることが第一に行うべきことです。

この現場マネジメントは製造業でも物流業でもサービス業でも基本は同じと考えられます。自分たちは特殊だからと言い訳を言って逃れる余地はありません。

たしかに物流は顧客の動きに合わせて後追いで仕事をしなければならないこともあるでしょう。しかし、そのやり方を100%とするのではなく、自ら顧客に提案しつつ、彼らをリードできるような仕事の仕方をしていかない限り物流の地位向上はありえないと考えるべきでしょう。


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物流業は特殊か(2)

もう一つ例を挙げましょう。それは次のような例です。「物流は繁閑差が大きいため、作業の生産性を向上しづらい」、という話を倉庫内作業を統括される方がよく口にすることがあります。

倉庫内作業では作業者の作業充実度を出来るだけ向上し、作業ロス時間を協力縮めることが望まれます。しかし、午前は比較的忙しいものの、夕方には仕事が無くなってしまい、作業者が遊んでしまうことがあるのです。

この状況を改善するためには作業を平準化するか、新たな仕事をとって来て空いた時間でその仕事をこなしていかなければなりません。

できればいろいろな仕事を受注し、それらを組み合わせて作業者の充実度を向上させていくことがベストだと考えられます。

ところがこのような論議に対して、「物流は製造業のようにはうまくいかない」という話が出てくることが多いように感じます。

これもまた「物流の特殊性」ゆえ、改善は難しいという論法です。

実はこういった発言の裏には「本当は改善したいものの、それができる人材がいない」といった本音が隠されていると推測します。

これはウソではなく、物流業では本当に人材の育成が追い付いていないということが言えるのです。

したがいまして、物流作業を標準化できないのは物流の特殊性が要因ではなく、それを実行できる人材が不足していると考えるべきなのです。

物流標準時間も同様です。物流標準時間は物流作業を科学的に評価するためのツールですから、あって当たり前ですが、まだまだ物流業の中では一般的ではありません。それを扱える人材もほとんどいない状態なのです。

物流に波動があることは事実ですが、それをオフセットするために他の作業を取り込んで作業を組み合わせれば作業者の充実度が向上することも事実です。

これはこういった発想が出てこないことと、他の作業を受注してくる営業力が不足していると考えるべきでしょう。

次回に続きます。


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物流業は特殊か

今回のテーマに戸惑われた方もいらっしゃるかもしれません。「物流業は特殊」という発想自体が思いつかないことかもしれません。

しかし、物流に携わる人の中にはそうとも取れるような発言をされる方がいらっしゃいます。また、筆者が見ていてもそう感じることがあるのです。

この意識は決してポジティブなものではありません。むしろ自分たちは他の業種と違うから、という言い訳に使われることが多いように思われます。

ただしこういった発言をしても何もよいことはありません。それに気づいている物流マンはすでに言い訳から脱して前向きに進んでいることでしょう。

一つの例を挙げてみましょう。

よく話される会話の中で「物流は作業の標準化は難しい」という言葉が出てくることがあります。日本企業の強みがこの「標準化」にあり、それを物流業としても取り込んでいく必要があるという話をすると先のような発言が出てくるのです。

物流業務は非常に多くの作業があるため、作業パターンを決めることが困難と言いたいところでしょうが、仮に非常に多くの作業を抱えていたとしても、それは物流業だけの話ではありません。

厳しい見方をすると、何となく作業を標準化することが難しそうだということで、言い訳を言ってその仕事から逃れているような気がします。

この作業の標準化の延長線上に「物流標準時間の導入」があります。これについても同様に、「物流に標準時間はなじまない」という言い訳が語られます。

これも作業の標準化と同様、何となく難しそうだから新たに手を付けることはやめておきたいという逃れの意識が垣間見えます。

これは特定の企業というよりも、物流業というくくりの中で見えてきた現象です。では本当に「物流業は特殊」なのでしょうか。

次回に続きます。


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ライン供給作業での留意点(3)

供給作業の出来栄えを皆さんだったらどのように評価しますでしょうか。一人当たり供給数などは作業者の効率を図る上では効果的な指標かもしれませんね。

でもその前にもっと有効なひょうかの仕方があります。ライン供給作業の出来栄えは「生産ライン」に表れるのです。

何度も書かせていただいていますが、ライン供給者の一番重要な役割は生産ラインに対する「サービス業としての役割」なのです。

いかに生産ラインに喜ばれるような供給を行えているかが評価ポイントになると言えると思います。その評価ポイントをチェック項目にしてみました。一つの例として参考にしていただければ、と思います。

生産ライン作業者が次のような動作を行っていなければ供給作業はよくできていると考えられるでしょう。
☑部品取り時に歩行は発生しない
☑部品取り時に迷いは発生しない
☑供給部品の開梱は行わない
☑空箱処理、ごみ処理を行わない
☑部品入れ替えを行わない
☑供給部品どうしの絡みほぐし動作は発生しない

次に評価すべきは、物流が生産統制できているかどうかです。その評価として次のような項目をチェックするとよいでしょう。
☑部品は必要なタイミングで必要数だけ供給している
☑容器は必要なタイミングで必要数だけ供給している
☑生産指示情報(カンバン、出荷ラベルなど)を届けている
☑完成品は必要なタイミングで引き取っている
☑常に在庫数を見ながら情報を関連部署へフィードバックしている

最後にライン供給とはいえ、常に効率化を図る必要があります。したがって次のような項目をチェックするとよいでしょう。
☑物流が発生しない工程設計を実施している
☑特定の通路に物流が集中しない工夫をしている
☑物流効率化を評価する原単位がある
☑日々の改善を通して原単位が向上している
☑作業編成容易化のために多能工化が図られている
☑何かしらの作業指示情報が与えられている


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ライン供給作業での留意点(2)

工場で供給コールを行うということは、生産ラインが必要な時にものを届けてもらうことを意味します。しかしこの「必要な時」の解釈の仕方に問題があるのです。

本来であればライン供給作業者は生産ラインごとの生産計画を知った上で、生産に着手する直前に供給することが求められます。

生産計画に基づいて生産開始直前に届けることは生産計画の遵守につながります。これがもし生産ラインが「好きな時」に供給されてしまうと生産計画が遵守されないことになってしまう危険性があるのです。

この危険性を誘引してしまうのが「供給コール」なのです。生産ラインは段取り替えせずに同じ製品をつくり続けるために必要以上の資材を欲しがることがあります。

このような生産ラインの「わがまま」を許してしまっては工場の生産統制が取れなくなってしまいます。したがってラインからのコール方式はあまりよい方式とは言えないのです。

ラインが「必要とする時」と「欲しい時」とは異なります。この点には十分注意が必要です。

ライン供給の第二の留意点は「ラインが使いやすいように届ける」ことです。

生産ラインは資材を「取って取り付ける」作業に専念すべきです。これ以外の動作を行うことは生産効率を落とすだけではなく、誤組みつけによる品質不良を招くことにもつながるのです。

そこで供給作業者はライン作業者が「取って取り付ける」以外の動作をしなくて済むようにあらかじめ準備した上で届けるようにしなければなりません。

例えばライン作業者が空になった容器を片付けることのないように、資材は容器から取り出してラインサイドに並べる、数種類の中から選ぶ必要のないように生産順にならべて届ける、歩行が発生しないように供給間口は極力縮めるなどのサービスを実施します。

次回に続きます。


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ライン供給作業での留意点

工場内物流でもライン供給作業は中心的な業務と言えます。ライン供給作業は所謂補給作業です。戦線に必要なものを供給することで、第一線が滞りのない仕事ができるのです。

このライン供給作業ではいくつかの留意点がありますので、その点について確認をしていきましょう。

第一に「必要なものを必要なタイミングで必要な量だけ」供給することを常に念頭に置いて仕事をすることです。

タイミング遅れでラインを停止させることは絶対にあってはならないことです。したがって、ライン供給部隊は常に工場の生産計画を認識できるようにしておかなければなりません。

生産に着手する直前に必要なものをラインに運んで行く必要があります。できればラインごとの生産計画を記入した表を入手し、どこにどのタイミングで供給すべきかを検討するとよいでしょう。

また供給遅れが許されないのと同様に、先行供給もあってはなりません。なぜなら、ラインが必要としていないのにものを供給することは物流の都合による押し売りになるからです。

あくまでも生産計画に基づき、生産着手の直前に届けることを心がけるべきなのです。

時々工場で供給作業者を生産ラインが呼ぶ方式をとっていることを見かけることがあります。ある時は館内マイクで、またある時はランプで呼び出すのです。

この方式はあまり感心しません。その理由は供給を生産ラインが促す点にあります。本来ライン供給は一種の生産管理行為でもあります。それは供給が生産ラインのペースメーカーになっているということです。

もし生産ラインが供給を促せば、自分たちが必要とする時にものを届けてもらうことになります。必要な時に必要なものを届けてもらって何が悪いのか、という声が聞こえてきそうですね。

この理由については次回にお話させていただきたいと思います。


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物流マンの勉強とは(6)

物流マンにもう一つだけ学んで欲しいものがあります。それは問題可決力です。日々業務を遂行する過程で発生するさまざまな問題を解決していく能力のことです。

顧客への納入遅れは1時間の遅れは問題があるけれども、15分程度なら大きな影響は無いなどと考えていたとしたら大変なことになります。

この納入遅れは一つの例に過ぎません。要はほんの小さな問題であったとしても、それをその都度タイムリーに片づけていく必要があるということを言いたかったのです。

この問題可決力は物流現場の第一線で働く物流マンのみならず、営業マンや管理スタッフも同様に身につける必要があります。

この問題解決力を養う勉強方法として有効なのが「QCサークル活動」です。特定の課題に対して5〜6人のメンバーで活動を行うことから小集団活動とも呼ばれています。

この活動では課題を解決するためにさまざまな分析を行い、要因追求のために深堀を行っていきます。表面的な分析では問題が再発することが考えられるからです。

「QCサークル活動」を行うためのツールがあります。それが「QC7つ道具」と呼ばれるものです。7つ道具は以下の通りとなります。
1. 層別
2. パレート図
3. 特性要因図
4. ヒストグラム
5. 散布図
6. チェックシート
7. 管理図

これらのいくつかは今までもお使いになったことがあるのではないでしょうか。QCについては多くの書物が出ていますので詳しくはそちらを参照されて下さい。

この活動を通して問題解決力が身に付くとともに、効率的な業務を確立していくマインドが習得できると思います。ぜひ職場に「QCサークル活動」を導入しましょう。


工場管理 好評連載中! 3月号「すぐできる!工場管理者のための“儲ける”輸送改善 : 第5回 調達物流と“儲ける”輸送改善(中)」
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月間ロジスティクスIT 新連載開始! 2月号「他社に一歩差をつける!物流品質向上戦略 : 第3回 物流品質不良を防ぐ(上)」
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