大麻汚染が全国的に広がる中、インターネットなどを通じて、栽培目的での「種子」の売買が増えている。種子は葉などと違って幻覚成分を含まないため、押収しても大麻と証明するのが難しいが、石川県警科学捜査研究所は、DNA鑑定で迅速に判別する方法を開発した。捜査関係者は、現場ですぐに判別できれば、捜査に素早く着手できると、実用化に期待を寄せている。
 大麻草の中で「テトラヒドロカンナビノール(THC)」という幻覚作用成分を含むのは葉と花のみで、種子や茎を持っていても大麻取締法の「所持」では摘発対象にならない。種子の所持は「栽培予備」、売った場合は「栽培ほう助」となることもあるが、栽培キットや自白などがそろわなければ立件は難しい。
 現在の捜査では、押収した植物が大麻かどうか調べるには、顕微鏡で形状を見るか、成分検査でTHCを検出するのが主流。しかし、種子の形状判別は難しく、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課は「植えて芽が出るまで1週間以上待たなければ大麻と認定できない」とする。
 こうした中、石川県警の科捜研は、大麻草のDNA型が種子を含めた草全体から検出できることに着目。公開されているデータベースを基に大麻草特有のDNA型を洗い出し、それに反応する試薬をつぶした種子に付着させて、大麻かどうか鑑定する方法を開発した。
 捜査現場に鑑定キットを持ち運ぶこともでき、約1時間で判別できるという。科捜研の研究に協力する北陸大の渡辺和人教授(59)は「鑑定は訓練すれば素人でも可能で、客観的に判断できる」としている。 

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