前回 箒「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」

1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:37:15.24 ID:rLk4qdGc0



     ボクは、私用でIS学園から外出していた。

     夕方ごろ帰ってきたけど……ボクは気まぐれで、いつもと違う夕日を眺めようと

     IS学園の裏にある、雑木林の先を目指した。

     ……そして、ボクはアレを見つけた。


     

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1368927435

引用元: 【改訂版】シャル「もしも一夏が、ボクにぞっこんだったら!」

 

 
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:39:01.58 ID:rLk4qdGc0

シャル「……あれ?」

シャル「なんでこんな所に電話ボックスが……?」

シャル「不法投棄?」

     カチャ……キィ……

シャル「見たところ普通の電話ボックスだけど」

シャル「でも電話線も電線もないし……」

シャル「…………」 ウ~ン…

シャル「……あ」

シャル「そういえば、ラウラに見せてもらった日本のアニメに」

シャル「こんな不思議な道具があったっけ」

     ガチャ……

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:39:41.56 ID:rLk4qdGc0



シャル「もしも一夏が、ボクにぞっこんだったら!」



シャル「なんてn」

     ジリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!!

シャル「わあっ!?」

     バッ……ギィッ……バタン!

シャル「…………」 ドキドキ…

シャル「な、なんなの?」

シャル「…………」

シャル「……帰ろう」


4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:40:18.80 ID:rLk4qdGc0

 ――IS学園・校門付近――



シャル「~♪」 フフ~ン フン

一夏「……!! シャル!?」

シャル「あ、一夏。 ただいm」

一夏「なんて格好してるんだよ! こっちへ来い!」 グイッ

シャル「えっ!? 格好って……ちょっ……! 一夏!?」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:41:19.87 ID:rLk4qdGc0

 ――IS学園寮・一夏の部屋――



一夏「ふ~……。 なんとか見つからずにすんだな……」

シャル「……いったい、どうしたの? 一夏?」

一夏「そりゃ、こっちのセリフだよ……」

一夏「なんで女の……それも、女子の制服なんて着てるんだよ?」

シャル「……は?」

一夏「……大丈夫か? シャル?」

シャル「…………」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:42:15.54 ID:rLk4qdGc0

シャル「……えっと、ごめん」

シャル「まず、一夏が『おかしい』と思うことを言ってくれるかな?」

一夏「……? ああ、わかった……」

一夏「女子の……女の子の服を着ていたからだ」

シャル「……それの何がおかしいの?」

シャル「ボクは女の子だもん。 女の子の服くらい着るよ……」

一夏「……おいおい、シャル」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:42:59.65 ID:rLk4qdGc0



一夏「男装してるのがバレたら、フランスへ強制送還なんだぞ?」



シャル「……えっ?」

一夏「……シャル、どうしたんだよ?」

一夏「フランスに帰りたいのか?」

シャル「……そんなわけない」

一夏「じゃあ、どうして女子の格好を?」

シャル「……えっと」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:44:05.60 ID:rLk4qdGc0

シャル(……!)

シャル(……もしかして、あの電話ボックス)

シャル(あれのせい……?)



シャル「……その、ね。 き、気分転換……」

シャル「気分転換で着てみたんだけど……つい、うっかり……」

一夏「…………」

一夏「……シャル」

シャル「う、うん……」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:44:45.25 ID:rLk4qdGc0

     ギュッ……

シャル「!!!?!???!!?!?」 ///

シャル(ええええええええ!? い、一夏が、ボクを抱きしめて……!?) ///

一夏「勘弁してくれよ……」

一夏「ちょっとした不注意で……シャルが居なくなるなんて」

一夏「俺、嫌だからな……?」

シャル「う、うん」 ///

シャル(ど、どうしたの!? 一夏……) ///

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:45:30.81 ID:rLk4qdGc0

一夏「……シャル?」

シャル「う、うん?」 ///

一夏「本当に大丈夫か?」

シャル「だ、大丈夫……」 ///

一夏「顔が紅いけど……」

シャル(一夏のせいだよ……!!) ///

シャル「ホ、ホントに大丈夫だから……」 ///

一夏「なら……いいが」 スッ…

シャル(あ……離れちゃった……。 ちょっと残念) ///


11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:47:29.82 ID:rLk4qdGc0

シャル(……これは、たぶんあの電話ボックスのせい)

シャル(と、いう事は……)

シャル(この一夏は、ボクに、ぞっこん……)

シャル(………………) ///

シャル(……も、もう少し、様子を見てみようかな) ///



一夏「安心したら、なんか腹減ってきたな……」

シャル「そういえばボクも」

一夏「じゃあ、食堂に行くか?」

シャル「うん!」

シャル「あ、ボクは着替えて行くから、先に行っててくれる?」

一夏「おう、待ってるぜ!」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:48:21.12 ID:rLk4qdGc0

シャル「……さてと」

シャル「男装しなきゃならないって事は……」

シャル「ボクはここに……、一夏と同じ部屋のままって事だよね……」

シャル「…………」 ゴソゴソ…

シャル「あった」

シャル「…………」 シュル……スススッ……

シャル(……また、この胸バンドを着ける事になるなんて……)

シャル(これ着けると、窮屈なんだよね……)

シャル「…………」


13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:49:03.85 ID:rLk4qdGc0

 ――IS学園・食堂――



一夏「シャルル、ここだ! ここ!」

シャル「あ、うん」

シャル(そっか……ボクは『シャルル』って呼ばれてたっけ……)

シャル「お待たせ、一夏」

一夏「お、今日は焼き魚定食か」

シャル「一夏はまたラーメン? 最近ちょっと多くない?」

一夏「う……確かにそうかも……」

シャル「ちゃんとバランスを考えないとね」

一夏「かなわないな、シャルルには……」

シャル「アハハ……」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:49:38.48 ID:rLk4qdGc0

シャル「……さすがに、人が少ないね」

一夏「ちょっと遅い時間だからな」

シャル「…………」

シャル(……あれ?)

シャル「……ねえ、一夏」

一夏「うん?」

シャル「もしかして……待っててくれたの?」

一夏「当然だろ?」

一夏「一人で食うのは味気ないしな……」 ハハハ…

シャル「一夏……」 ///

シャル(凄く嬉しい……) ///

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:51:18.15 ID:rLk4qdGc0

 ――夜――

 ――IS学園寮・一夏とシャルルの部屋――



     ☆一夏はシャワー中☆

シャル(……そうだった)

シャル(ど、同室って事は……同じ部屋で寝るって事で……)

シャル(ボ、ボクに、ぞっこんな一夏は……) ///

シャル(ボクと…………しちゃってる……のかな……?) ///

     ガラッ…

一夏「シャル、お待たせ。 シャワー空いたぞ?」

シャル「!!」 ビクッ!///

シャル「う、うん! じゃ、行ってくるね!」 ///

     タタタッ…

一夏「?」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:52:07.08 ID:rLk4qdGc0

シャル(…………) ///

シャル(ど、どうしよう、こ、心の準備が……) ドキドキ///

シャル(…………) ドキドキ///

シャル(……ううん、い、一夏が、それを……) ドキドキ///

シャル(ボクを、望むのなら……) ドキドキ///

シャル(ボクは……) ドキドキ///

シャル(…………) ドキドキ///

シャル(と、とりあえず、念入りに体を洗っておこう……うん) ドキドキ///

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:53:25.88 ID:rLk4qdGc0

     ガラッ……

シャル「……お、おまたせ」

一夏「おう」

シャル「…………」

シャル(……なんか、普通にくつろいでる)

シャル(……良かったような……がっかりしたような……) ハァ…



一夏「…………」 チラ見

一夏(……やっぱり様子が変だな)

一夏(…………)

一夏(そうだ!)

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:54:10.54 ID:rLk4qdGc0

一夏「シャル」

シャル「ん? なに?」

一夏「明日の休日、ヒマか?」

シャル「うん。 特に用事は無いけど?」

一夏「そっか。 じゃあさ、明日」


19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:55:12.13 ID:rLk4qdGc0



一夏「デートしないか?」



シャル「…………」

シャル「えっ!?」

一夏「……嫌か?」

シャル「ううん! そんな事無い! 行きたいよ!」 ///

一夏「よし! 決まりだ」

一夏「どこに行くかは、任せてもらえるか?」

シャル「うん! 一夏の行きたい所ならどこでもいいよ!」 ///

一夏「そっか。 じゃ、明日モノレールの○○駅前8:00くらいに……」

シャル「……? 一緒にここを出ればいいんじゃない?」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:55:55.50 ID:rLk4qdGc0

一夏「……おいおい、シャル」

一夏「前、一緒に行動しすぎて、ホモ疑惑かけられた事」

一夏「もう忘れたのか?」

シャル「」

一夏「……みたいだな」

シャル「ごめん……」

一夏「……いや、いいんだ」

一夏「明日、楽しみにしててくれ」

シャル「うん!」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:56:57.22 ID:rLk4qdGc0

 ――8:00ごろ――

 ――モノレール○○駅前――



シャル「一夏、お待たせ!」

一夏「おっ、来たか、シャ……」

一夏「」

シャル「えへへ……どうかな?」 ///

一夏「お、おう、凄く……可愛い」 ///



一夏(白のワンピースに若草色のカーデガン……すげえ似合ってる) ///


22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:57:39.41 ID:rLk4qdGc0

シャル「よかった……」 ///

一夏「けど……その格好で学園を出たわけじゃないよな?」

シャル「大丈夫。 さっき、この駅の化粧室で着替えたの」

一夏「そうか……」

シャル「一夏の私服もカッコいいね」 ///

一夏「そ、そうか? ありがとう……シャル」 ///


23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:58:50.93 ID:rLk4qdGc0

 ――午前中――

 ――水族館――



シャル「へえ~、水族館かぁ」

一夏「まだまだ暑い日が続くし、涼しげでいいだろ?」 クス

一夏「さて、先ずは何を見るか……」

一夏「シャルは行きたい所ある?」

シャル「あ、ペンギンを見て見たいかな」

一夏「よし、ペンギンな」 ギュッ…

シャル「!!」

シャル(い、一夏、手を……) ///

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 10:59:34.60 ID:rLk4qdGc0

シャル「うわぁ~! 可愛い~♪」

シャル「あ! ねえ、一夏、あれって親子かな?」

一夏「どれ?」

シャル「ほら、あそこ……ちょっと岩場の影の所にいる二羽」

一夏「ああ、あれな。 ……う~ん」

一夏「……俺には、俺達みたいなカップルに見えるけどな」 ///

シャル「!?」 ドキッ///

シャル「も、もう……、一夏ったら……」 ///

シャル(ふふ……でも、確かにそう見えるかも♪) ///

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:00:13.42 ID:rLk4qdGc0

一夏「ペンギンも 結構種類があるんだな……」

シャル「ホントだね」

シャル「南極にしか居ないって思ってたけど……」

一夏「ハハ……そんなイメージあるよな」

シャル「わっ! これ……大きいね?」

一夏「どれどれ……。 おお……でかいな」

一夏「お! しかも、その名もコウテイペンギン!」

シャル「ふふ、まさにピッタリの名前だね!」

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:01:03.86 ID:rLk4qdGc0

一夏「さて、次は、どこがいい?」

シャル「やっぱり巨大水槽かな?」

シャル「パンフも相当、力を入れてるし、期待しちゃうな」

一夏「なになに……悠然と泳ぐジンベイザメと、彩り豊かな魚達をお楽しみください……か」

一夏「面白そうだな」

シャル「うん!」


27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:01:41.31 ID:rLk4qdGc0

一夏「おお……」

シャル「うわぁ……」

一夏「凄いな……」

シャル「うん……きれい……」

一夏(……シャルの方が、もっとキレイで可愛いよ) ///

シャル「ん?」

一夏「な、なんでもない」 ///

シャル「?」


28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:02:48.03 ID:rLk4qdGc0

一夏「お! あれがジンベイザメかな?」

シャル「え? どれどれ? ……って、あれはエイじゃない?」

一夏「……どう見てもエイだな」 ハハハ…

一夏「でも、これもでかいな……」

シャル「え~と……。 あっ これかな?」

シャル「オニイトマキエイ……世界最大のエイだって」

シャル「マンタ、とも呼ばれてるって書いてる」

一夏「へえ……世界最大かぁ……なるほど」

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:04:02.97 ID:rLk4qdGc0

シャル「あ!! 見て見て!! 一夏!!」

一夏「おおー!!」

シャル「おっきい……」

一夏「すごいな……」

シャル「ふふふ……」

一夏「? なにか可笑しいか?」

シャル「うん、あのね、サメって言うから、もっと怖いのを想像してたんだけど……」

シャル「なんだか愛嬌のある姿だなぁって思って……」 クス

一夏「はは、確かにそうだな」

一夏(水中で絶対、遭遇したくないけどな……)



一夏「さてと……そろそろ昼飯にしないか?」

シャル「うん、いいね」

一夏「え~っと……、レストランは、と……」

一夏「こっちか」


30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:05:29.45 ID:rLk4qdGc0

シャル「一夏は、何にする?」

一夏「そうだな……」 パラパラ…

一夏「……?」

シャル「? どうかしたの?」

一夏「いや……なんか普通のメニューだな、と思って」

シャル「普通?」

一夏「だってさ、水族館だから魚の……例えば、サバとかアジとか」

一夏「そういう海の幸のオンパレードかと……」

シャル「……それは逆に斬新だけど」

シャル「ボクは、さっきまで元気に泳いでた魚達が……って思うと」

シャル「食欲無くすかな……」

一夏「…………なるほど」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:06:13.93 ID:rLk4qdGc0

一夏「てなわけで、オムライス!」

シャル「ボクは……ナポリタン!」

     アハハ…

一夏「次はどこに行こうかな?」 モグモグ

シャル「今度は、一夏の行きたい所がいいな」 モグモグ

一夏「俺の行きたい所か……」 モグモグ

一夏「そうだな……」


33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:08:08.59 ID:rLk4qdGc0

シャル「深海魚……」

一夏「普段は、絶対見れないからな」

一夏「……って、シャル?」

シャル「うん!? な、なに?」

一夏「…………」

一夏「か、変えようか?」

シャル「ううん! いいよ? ぜ、全然、おっけー!」



一夏(どう見ても……明らかに怖がってるじゃないか……)

一夏「シャル、無理しないでくれ……」

一夏「今日はシャルのために来たんだから」

シャル「!? ううん! む、無理なんて!」

シャル「…………」

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:08:59.08 ID:rLk4qdGc0

シャル「……ごめん。 やっぱり……怖い」

一夏「……いや、いいんだよ。 それくらい」 ニコ

一夏「じゃ、場所をかえy」

     ギュッ…

シャル「こ、怖いから、う、腕組んで、いい? ……って言うか、もう組んでるけど」 ///

一夏「」 ///

一夏(むむむ、胸がっ! お、大物だっ!) ///

一夏「じゃ、じゃあ、行く、か!」 ///

シャル「う、うん……」 ///

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:10:01.19 ID:rLk4qdGc0

一夏(……いかん! き、今日のシャルは、いつもの200倍(当社比)可愛い!!) ///

一夏(お、おまけに! 腕にとてつもなく、き、気持ちのいい感触がっ!!) ///

シャル(こ、怖いけど……これなら、怖くない……) ///



シャル「最後のリュウグウノツカイは、神秘的だったね!」

一夏「おう……」 ポー…///

シャル「一夏?」

一夏「!! う、うん? なんだ? シャル?」 ///

シャル「話……聞いてた?」

一夏「お、おう! 竜宮城な! 浦島太郎が行ってきたって童話が……」 ///

シャル(……聞いてないじゃない) ムウー……

シャル「あ! 一夏! もうすぐイルカのショーが、始まるって!」

一夏「おっ、もうそんな時間か」

シャル「行こう! 一夏!」

一夏「ああ、行こう!」

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:11:14.67 ID:rLk4qdGc0

     ザザーン……

シャル「わあっ! 可愛い!」

シャル「見て見て! 一夏!」

一夏「うおっ! イルカって、あんなにジャンプするんだ!」

シャル「すごい!」

一夏「おー! 今度は三頭同時にジャンプ!」

シャル「きれいにそろってる! お見事だね!」

一夏「たくさん訓練したんだろうな……」 シミジミ…

シャル「ボク達にとっても連携は大変だもの……。 感心しちゃう」 クス

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:12:35.14 ID:rLk4qdGc0

シャル「楽しかったね~♪」

一夏「最後のイルカの寸劇は、なかなか凝ってたな」 クス

シャル「ふふ、確かに面白かった。 あのネタを考えた人、センスあるよね!」

一夏「ホント……涙あり、お笑いあり、老若男女、関係なく楽しめる内容だった」

シャル「また見に来ようね!」 ニコ

一夏「ああ……また来よう!」 ニコ

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:13:44.38 ID:rLk4qdGc0

一夏「おっ、売店がある」

シャル「記念に何か買っていこうかな?」

一夏「いいな、俺も何か買うかな」

シャル「わあ……ぬいぐるみがいっぱい」 キラキラ…

一夏「ジンベイザメが一番人気です……か」

一夏「どうだ? これなんて?」 ヒョイ

シャル「…………」

シャル「ううん……いい」

シャル「ボクは、『男』だから……そんな可愛いのは飾れないよ」 クスッ…

一夏「……!」

一夏「す、すまん……」

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:14:48.30 ID:rLk4qdGc0

シャル「これにしようかな」

一夏「キーホルダーか」

シャル「寸劇のイルカ君だね」

シャル「これなら大丈夫かな……」

     コレクダサイ  ハイ、ドウゾ…

一夏「…………」

シャル「一夏?」

一夏「! ……え、えっと」

一夏「じゃあ……俺は、これにしよう」

シャル「……!? それって……イルカちゃんじゃない?」

一夏「おう」


40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:15:42.77 ID:rLk4qdGc0

シャル「……いいの? またホモ疑惑がかけられるよ?」

一夏「ふふ……それは、カンベンして欲しいな」

     コレヲ…  マイドアリー…

一夏「はい、シャル」 スッ…

シャル「えっ?」

一夏「寸劇通りなら、イルカ君とイルカちゃんは」

一夏「一緒にいないとな」 ニコ

シャル「一夏……」

シャル「…………」

シャル「うん……そうだね。 ありがとう、一夏」 ニコ

一夏「どういたしまして」 ニコ


41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:16:35.14 ID:rLk4qdGc0

一夏「さ~て、そろそろシメと行きますか!」

シャル「うん!」

シャル「最後はどこに行くの?」

一夏「クラゲのコーナーだ!」

シャル「……クラゲ?」

シャル「クラゲって……あのキミの悪い……?」

一夏「おっ、その反応!」

一夏「ふふふ……そういう反応のシャルにこそ、ぜひ、見てもらいたいんだ!」 ニコ

シャル「え~……」

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:17:22.63 ID:rLk4qdGc0

シャル「わあ……!」

一夏「どう?」

シャル「凄く……幻想的だね……」

一夏「だろ?」 ニコ

一夏「受け売りだけど、光のあて具合とか、色々計算して」

一夏「こんな風になるんだそうだ……」

シャル「へえ……そうなんだ」

一夏「…………」

一夏「……えっと、シャル」 ///

シャル「うん?」

一夏「す、座らないか?」 ///

シャル「え? うん、いいけど……」

シャル「…………!?」

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:18:52.49 ID:rLk4qdGc0



     一夏にうながされて振り向いたボクは、そこがどういう空間か、わかった……。

     あえて通路状に、横長な水槽と見学スペース……

     ほとんど水槽からの明かりしかない、薄暗さ……

     ベンチとベンチの間に置かれている、仕切りの様な観葉植物(造花)……

     そして……薄暗くて、よく見えないけど……何組かのカップルがいる……。


     

44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:19:41.44 ID:rLk4qdGc0

シャル(……こ……これって!) ドキドキ///

一夏「……い、嫌、か?」 ///

シャル「……! う、ううん! ……そんな事、ないよ?」 ///

一夏「そ、そうか……」 ///

シャル「……す、座るね?」 ///

一夏「……お、おう」 ///

     ストン……

一夏「……今日は、楽しんでくれたかな?」 ///

シャル「……うん」 ///

一夏「そ、そうか……良かった」 ///

シャル「…………」 ///

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:20:44.34 ID:rLk4qdGc0

シャル(……き、期待、しても、いいのかな?) ///

シャル(ううん……こんなに雰囲気のある場所で) ///

シャル(な、何にもしなかったら……) ///

シャル(ボクだって、お、怒るんだから、ね……!) ///

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:21:42.99 ID:rLk4qdGc0



     目の前には、ゆらゆらと漂う 幻想的なクラゲ達……

     ロマンチックだけど、それとは正反対にボクの胸の鼓動は

     早鐘を打つように激しく動いていた。

     すぐ右隣に、一夏が……大好きな人が、いる……。


     

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:22:54.85 ID:rLk4qdGc0



     一夏の左手が、ボクにそっと触れる。 思わず、ビクッ、としてしまうボク……。

     でも、一夏の手は……戸惑いながらもボクの肩に回され、一夏の方へ抱き寄せられた。



     今度は、一夏の右手がボクの顔に触れる。

     そして一夏の方へ、そうっと顔を向けさせられた……。

     ボクは……、一夏の顔を見ながら、静かに目を閉じる。


     

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:23:50.36 ID:rLk4qdGc0



     ああ…………これが一夏の唇。 たどたどしいけど……とっても優しい。

     ふふ……キスの時も『一夏』なんだね。



     唇をあわせる。 ただ、それだけの事なのに、一夏の事が全部わかった気がしちゃうよ。

     うれしい……ボク、本当に幸せだよ? 一夏……。



     大好き……。


     

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:24:43.59 ID:rLk4qdGc0

 ――夕方――

 ――モノレール○○前駅――



一夏「…………」 ///

シャル「…………」 ///

シャル「きょ、今日は、ありがとうね」 ニコ///

一夏「えっ? い、いや、シャルが元気になってくれたのなら」 ///

一夏「俺はうれしい」 ///

シャル「うん! 元気になれたよ?」 ///

一夏「そうか……。 よかった」 ニコ///

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:26:01.91 ID:rLk4qdGc0

一夏「じゃあ、俺は先に帰っているから」

シャル「……!」

シャル「う、うん! わかった」

シャル(あれ……?)

一夏「今日は夕食、部屋で一緒に食べようぜ」

一夏「サンドイッチかなんか用意しとくからさ」

シャル「うん、いいね」 ニコ

一夏「じゃ、部屋でまってるからな?」

シャル「うん、待っててね……」

一夏「ああ……」


シャル「…………」

シャル「……さ、さてと! 着替えないと!」

シャル「…………」

51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:26:40.17 ID:rLk4qdGc0

 ――モノレール○○駅・化粧室――



シャル(…………) シュル……ススス……

シャル(……なんだろう、この気持ち)

シャル(…………) ススス……ササッ……

シャル(幸せ気分が、どこかに行っちゃった……)

シャル(…………)


52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:27:27.85 ID:rLk4qdGc0

 ――夜――

 ――IS学園寮・一夏とシャルの部屋――



シャル「ただいま~」

一夏「おう、おかえり!」

シャル「……あ、準備してくれてたんだ」

一夏「ハハハ……大丈夫。 さっき用意し終わったばかりだから」

一夏「さ、手を洗って、食おうぜ!」

シャル「うん!」

シャル「…………」

53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:28:19.43 ID:rLk4qdGc0

 ――翌日の朝――

 ――IS学園・1組教室――



シャル「みんな、おはよう」

セシリア「あら、シャルルさん、おはようございます」

箒「おはよう」

ラウラ「うむ、おはよう、シャルル」

鈴「おはよう、シャルル」

54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:29:14.05 ID:rLk4qdGc0

セシリア「あのう……、一夏さんは?」

シャル「後五分~とか言ってたんで、そのままにしてきたよ」

鈴「うわ……遅刻したら、千冬さんの雷が落ちるってのに」

シャル「そんな事言われても……。 ボクは一夏の目覚まし時計じゃないから」 クスッ

箒「……ま、たまにはいい薬だろう」

セシリア「あら? ラウラさんは?」

鈴「え?」

箒「は?」

シャル「……あれ?」

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:29:46.10 ID:rLk4qdGc0

鈴「!! ラウラ……! もしかして!」 ダッ

箒「一夏の所か!」 ダッ

セシリア「抜け駆けは許しませんわー!!」 ダッ

     ドドドドドド……

シャル「……アハハ」

シャル「…………」


56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:30:24.86 ID:rLk4qdGc0

 ――昼休み――

 ――IS学園・食堂――



モブ子「デュノアくん! ここで食べない?」

モブ美「ねっねっ! いいでしょ?」

モブ枝「一緒に食べようよ~!」

シャル「うん、いいよ」

     ワ~イ! ウレシー! キャッ キャッ

モブ子「ねえねえ、昨日のテレビでさ!」

モブ美「あ、それってあれじゃない?」

モブ枝「それよりもさ、駅前に出来た新しいケーキ屋さんなんだけど」

シャル「ああ……あの可愛いマスコットの?」

モブ枝「そうそう! それ!」


57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:31:39.23 ID:rLk4qdGc0

シャル(…………)

シャル(一夏は……?) チラ見

シャル(ふふ……いつも通りのみんなに囲まれてる)

シャル(…………)

シャル(あ……鈴に殴られた)

シャル(何があったのかな?)

シャル(…………)

シャル(…………)

シャル(ちょっとぐらい、いいじゃない)

シャル(ボクは、後で一夏を独り占めできるんだから)

シャル(…………)

シャル(…………)

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:32:47.35 ID:rLk4qdGc0

 ――放課後――

 ――IS学園寮・一夏とシャルの部屋――



シャル「ただいま」

一夏「おかえり」

シャル「一夏……」

一夏「ん?」

シャル「あの、ね……」

一夏「うん」

シャル「……ホントの事、言っちゃ駄目かな?」

一夏「ホントの事?」

シャル「だから……ボクが女だって事を……」

一夏「」

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:33:39.97 ID:rLk4qdGc0

一夏「……どうしてだ?」

一夏「フランスに帰りたいわけじゃないんだよな?」

シャル「うん……」

シャル「でも……特記事項だってあるし、きっと大丈夫だよ」

一夏「…………」

一夏「もし……」

一夏「もし、大丈夫じゃなかったら?」

一夏「単なる便宜上の記述だとしたら?」

シャル「…………」


60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:34:22.67 ID:rLk4qdGc0

一夏「…………」

シャル「…………」

一夏「シャル」

シャル「うん……」

一夏「俺が告白した時の事、覚えているか?」

シャル「……え? えっと……」

一夏「……ほら、鈴とセシリアが、ラウラに負けた日の夜」

シャル「ああ! そうだったね……」

シャル(……そ、そんなに早い段階で告白したんだ) ///

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:35:19.34 ID:rLk4qdGc0

一夏「……まあ、最初は同情だったかな」

一夏「シャルの境遇とか、似てるところあったし……」

シャル「……うん」

一夏「だけど……ほんの数日だったけど、シャルは、とても優しくて」

一夏「いつも俺の隣にいて、可愛い笑顔を見せてくれてて……」 ///

シャル「う、うん」 ///

一夏「俺の中で、どんどん存在が大きくなっていって……」 ///

一夏「か、掛け替えの無い、大切な人だって……思うようになってたんだ……」 ///

シャル「…………」 カァ…///

シャル(……う、うれしい) ///


62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:35:57.65 ID:rLk4qdGc0

一夏「……でも」

シャル「……?」

一夏「同時に怖くなった……」

一夏「男装がばれて、シャルがいなくなる事が……」

一夏「とてつもなく……恐ろしくなったんだ」

シャル「…………」

シャル(……そっか。 そう、だったんだ)

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:37:00.82 ID:rLk4qdGc0

シャル「…………」

シャル「……ごめん、一夏」

シャル「もう……言わないから」 クスッ

一夏「……俺の方こそ、ごめん」

一夏「わかってるんだ……シャルに負担をかけている事は」

一夏「だけど……俺、もう……シャルが居なくなる事には、耐えられない」

一夏「俺……」 グスッ…

シャル「一夏……」 ///

シャル(…………) ///

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:37:45.90 ID:rLk4qdGc0

 ――夜中――

 ――IS学園寮・一夏とシャルの部屋――



シャル(…………)

シャル(……どうしよう)

シャル(凄く……嬉しい) ///

シャル(…………) ///

シャル(一夏が……ボクと、離れたくないって言ってくれてる) ///

シャル(ボクの知ってる一夏じゃないみたい) ///

シャル(…………) ///


65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:39:04.22 ID:rLk4qdGc0

シャル(……!!)

シャル(…………)

シャル(……そうだ、違うんだ)

シャル(この一夏は……)



シャル(あの電話ボックスで作られた、ボクの理想の一夏なんだ……!!)



シャル(…………)

シャル(でも……それでもいいじゃない)

シャル(今、隣のベッドで寝ている一夏は、理想の一夏だし……)

シャル(それでいいじゃない)

シャル(それで………)

シャル(…………)

66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:40:11.71 ID:rLk4qdGc0

 ――深夜――

 ――IS学園裏・雑木林――



シャル「…………」

シャル「……あった!」

シャル「…………」

シャル「いったい、誰が何の為に……」

シャル「…………」

シャル「……考えても無駄だよね」

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:41:08.25 ID:rLk4qdGc0



     涼しい風が心地よい月明かりの中、ボクは、あの電話ボックスの中に入った。


     

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:42:21.05 ID:rLk4qdGc0

シャル(…………)

シャル(ホントにいいの? シャルロット……)

シャル(あの一夏は、理想だよ?)

シャル(元に戻ったら……)

シャル(また、他のみんなと取り合いになるんだよ?)

シャル(…………)



シャル(…………でも)

シャル(ボクは知ってるもの……)

シャル(日の当たる場所が、心地いい事を)

シャル(ウソ偽り無く、みんなと話せることが)

シャル(とっても楽しいって事を……) クスッ…

69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:43:19.98 ID:rLk4qdGc0

シャル(…………)

シャル(そして、日陰にいたボクの背中を)

シャル(優しく、そっと押してくれたのは……)

シャル(元の世界の一夏)

シャル(……ふふっ)

シャル(本人にその自覚が、全然無いけどね……) クスッ

70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:44:05.85 ID:rLk4qdGc0



     ボクは、電話ボックスの受話器を手に取った。


     

71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:44:51.29 ID:rLk4qdGc0

シャル「元の世界に……もどって!」



     ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!!


     

72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:46:06.68 ID:rLk4qdGc0



     ボクは電話ボックスを出ると、ISを起動してそれを持ち上げる。

     そして……湖の真ん中まで来ると、思い切りそれを放り投げた。


     

73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:47:04.67 ID:rLk4qdGc0

シャル「ライフル、榴弾、装填!」



     ダン!ダン!ダン! ……ボウンッ!!


     

74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 11:47:57.01 ID:rLk4qdGc0



     爆散して湖面に消える、不思議な電話ボックス。

     後悔してない……と言えば、それはウソになる。 でも……あれは、在ってはいけない物だ。

     それは確信していた……。


     

75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:10:13.38 ID:rLk4qdGc0

 ――次の日の朝――

 ――IS学園・1組教室――



シャル「おはよう、みんな」

セシリア「あら、おはようございます、シャルロットさん」

箒「おはよう」

鈴「おはよう、シャルロット」

一夏「おう! おはよう!」

ラウラ「おはよう、シャルロット」


76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:11:04.58 ID:rLk4qdGc0

シャル「……ラウラ、今朝起きたら居なかったけど」

シャル「まさかまた、裸で一夏のベッドに潜り込んでたりしてないよね?」

ラウラ「ああ」



ラウラ「ちゃんとパジャマは着ていた」 ドヤッ!



シャル「…… 一夏?」 ゴゴゴ…

一夏「お、俺は悪くないだろ!?」

箒「ハレンチな……」 ゴゴゴ…

セシリア「一夏さぁん……」 ゴゴゴ…

鈴「一夏ぁ……」 ゴゴゴ…

一夏「」

77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:11:45.22 ID:rLk4qdGc0

 ――昼休み――

 ――IS学園・屋上――



鈴「まったく……あの朴念仁!」

ラウラ「嫁の悪口は止めてもらおう」

鈴「元はと言えば、あんたの所為でしょーが!」

シャル「ラウラ……何度も言うけど、人のベッドに勝手に入っちゃダメだよ?」

ラウラ「そうか……ならば今度は、ことわりを入れてから」

セシリア「そう言う問題ではありませんわ!」

ラウラ「むう?」

箒(いくら言っても、平行線か……)

78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:12:25.73 ID:rLk4qdGc0

シャル「ねえ、ラウラ。 一夏の事、好き?」

箒・鈴・セシ「!!」

ラウラ「もちろんだ」

シャル「そっか」 ニコ

シャル「……でもね、ラウラ」

シャル「『好きだから』 といって、それを押し付けるのは良くないと思うよ?」

ラウラ「……?」

箒・鈴・セシ「…………」


79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:13:12.89 ID:rLk4qdGc0

シャル「ボクね、怖い夢を見たんだ」

ラウラ「夢?」

シャル「うん。 その夢の中での一夏は、ボクにぞっこんでね」

ラウラ「……どこが怖い夢だ」

箒・鈴・セシ(う、うらやましい……)

シャル「最初は、ボクもそう思ったよ」 クス

シャル「でも……」

シャル「夢の中の一夏は、ボクと一緒に居たいために」

シャル「ボクに男装を続けさせていたんだ……」

ラウラ「……!」

箒・鈴・セシ(…………)

80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:13:51.38 ID:rLk4qdGc0

シャル「もちろん……ボクもそれを望んでいたのかも知れないけどね」

シャル「だけど、人に好きって想いを押し付けてしまうと……」

シャル「それは迷惑な事なのかな?って、思える様になったの」

ラウラ「…………」

箒(……今日は)

鈴(いつにも増して……)

セシリア(説得力が、ありますわ……)


81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:14:48.90 ID:rLk4qdGc0

ラウラ「……そ、そんな事は、無い!」

ラウラ「私の嫁は、喜んでいるはずだ!」

シャル「…………そう」

シャル「じゃあ、もう何も言わない」

シャル「ラウラが、それでいいなら それでいいよ」

シャル「忠告はしたからね? どうなってもラウラの責任だから」 ニコ

ラウラ「ひっ……!」

82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:15:35.63 ID:rLk4qdGc0

鈴(うわぁ……出たよ。 デーモンスマイル)

箒(……せ、背筋が凍りつくような感覚が) ブルッ…

セシリア(わ、わたくしは、負けません事ですわよ!) ブルブル…

ラウラ(い、いつものシャルロットじゃない……!) ブルブル…

シャル「ん? どうしたの? みんな?」

箒・鈴・セシ「な、なんでもない!」 デスワ!

ラウラ(放課後……部屋に帰ったら謝っておこう……) ガクブル…

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:16:58.05 ID:rLk4qdGc0



     こうして、ボクの不思議な体験は幕を閉じた。 

     本当に夢だったんじゃないの? と思えるほど。

     でも……そうではない、と伝える証拠が一つ……ううん、二つあった。


     

84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:18:04.03 ID:rLk4qdGc0

 ――夜――

 ――IS学園寮・ラウラとシャルの部屋――



シャル「…………」 チャラ…

シャル(イルカ君と イルカちゃんの キーホルダー……)

シャル(どうしてあるのかな?)

シャル(…………) チャラ…

シャル(ふふ……まあ、いっか) クス

シャル(…………)

シャル(それにしても……)

シャル(やっぱり もったいなかったかな……) チャラ…

85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/19(日) 13:18:54.08 ID:rLk4qdGc0

シャル(……ううん)

シャル(それは……考えちゃいけないよね……)

シャル(でも……いつか)

シャル(…………)

シャル(ボクの好きな一夏と……あんなキスをしたいな) ///

シャル(うふふ……) ///

シャル(おやすみ、一夏……) ///



     それは、ボクだけの大切な宝物になっていた。



     おしまい

 


次回  ラウラ「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」