最初は本当に、深い意味はない単なる思い付きだったのかもしれない。


「きぬはた荘、ですか?」

「うん」


 だがその思い付きに小さな偶然がいくつも重なり合い、それぞれの理由で
居場所を探していた7人の大能力者が出会うこととなった。
性格も育ちもタイプも価値観も七者七様。そんな彼らが営む集団生活は、
それはそれは賑やかなものだったという。

 一匹増え、一人増え、共に過ごす日数が増えるに連れて、
彼らの関係は簡単には揺るがない強固なものとなっていった。

 そして一年に渡る集団生活も、ある日終わりを告げる。
だが、離れたからといってそれまで培ってきたものが失われるということはない。

 これから語られるのはちょっと長めの後日談。
集団生活終了から半年、彼あるいは彼女がどのような日常を送っているか、
共に垣間見るとしよう。

引用元: 絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」 

 

とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲 (10) (電撃コミックス)
冬川基
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-07-26)
2: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:04:45.13 ID:EHWDC8Rzo


~10月初旬早朝 第7学区 常盤台新寮~


 【目覚まし時計】<クロコォォォォォ


白井 「……うぅん、朝ですの」ムクリ

ユリコ 「(・ω・)」

白井 「あら、ユリコ。お早いですわね」

絹旗 「」フピー

白井 「またあられもない恰好で……ユリコ、貴女のご主人も起こしてあげてくださいまし」

ユリコ 「( ・ω・)ノ」シュタッ


<オアーン
<ふがっ!?ひゅりほ!?


白井 「♪」シュルシュル

絹旗 「まったく、人の口に前足を超突っ込んで起こすなんてどこで覚えたんですか」

ユリコ 「(*・ω・*)」

3: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:06:28.81 ID:EHWDC8Rzo

白井 「よし、準備完了ですの」キリッ

絹旗 「……こっちのテール、超ちょっと元気がないですね」クイクイ

白井 「え? 結びが甘かったのでしょうか」シュルシュル

絹旗 「あ、ユリコ! 私のブレザーで寝るなと超何度も言ってるじゃないですか」

ユリコ 「(・ω・ )三三三」

絹旗 「あぅ、毛が……白井さーん、コロコロ貸してください」

白井 「きちんとハンガーに掛けておかないからですの」つ【コロコロ】

絹旗 「もー、人の衣服に執着するなんて。白井さんの超変態成分が伝染りましたかね」コロコロ

白井 「人を超変態みたいに言わないでくださいまし!」

絹旗 「よし、超完了!」ピャー

白井 「はあ……早く身支度を整えてください。そろそろ朝食の時間ですの」

絹旗 「え、超待ってくださいよ。すぐ終わらせますから」ドタドタ

白井 「5分早く起きれば余裕もございますのに」

絹旗 「その5分の睡眠延長戦が超快感☆なんですよ」

白井 「分からなくはありませんが……」

絹旗 「よし、準備おkです!」

4: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:08:17.16 ID:EHWDC8Rzo


~朝食後~


絹旗 「今日のメニューは超イマイチ好みじゃなかったですね」

白井 「あら、和食など物珍しくて良かったと思いますが」

絹旗 「あれまるっきり某チェーン店の牛鮭定食じゃないですか」

白井 「食べれるだけマシと思いませんと」

絹旗 「そうなんですけどね……ま、行きましょ、あれ?」

白井 「どうしました?」

絹旗 「あの時計、なんかおかしくないですか?」

白井 「……あー、15分ばかし遅れているようですの」

絹旗 「バスの時間て」

白井 「あの時計を基準にした場合、15分後ですの」

絹旗白井 「「……」」

絹旗 「はっ、超走れーーーー!!」

白井 「走っては間に合いませんの! ここはわたくしが、ああ、寮内で能力は禁止ですのぉ!」

寮監 「貴様ら、廊下を全力疾走とはいい度胸だ!」ドン

絹旗白井 「「ぴぎゃーー!」」

5: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:09:45.34 ID:EHWDC8Rzo

以上、プロローグ。

当SSは「とある魔術の禁書目録」の二次創作SSです。
下記の関連SSから設定諸々を引き継ぐ形となります。

絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」←諸悪の根源
絹旗「……超暑いです」白井「沖縄ですし」←その後の番外編


読んでない、今から読むのメンドいという方向けに簡易まとめ。

・7人のLEVEL4が一年ばかし一つ屋根の下で暮らしてました。
・今は離れたけど、頻繁に連絡を取り合う程度には仲良し。
・集団生活終了から半年後、メンバーがどう過ごしてるかをお送りします。
・時系列的には原作22巻終了時から2年ほど経過したぐらい。
・微エロとシリアスをちょこっと含むまったりSS。>>1が嫌だからグロと欝は一切なし。
・成立済みCP:浜面×滝壺、番外×通行、結標×海原(偽)


次に主要登場人物の紹介。未読の方向けに、少し詳しめにしてます。

6: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:10:55.60 ID:EHWDC8Rzo

【主要登場人物】

・絹旗
  世界大戦終了後に暗部クビ。復学し、現在は常盤台中学3年。
  白井の現ルームメイト。その小動物的可愛さで、学内にファンを増やしつつある。
  が、超ナデナデされたり獣耳付けられたりと、本人は正直かなり鬱陶しいらしい。
  寮の門限のせいでレイトショーに行けないのが最近の悩みだとか。

・白井
  絹旗のルームメイト。常盤台中学3年。敏腕ジャッジメントですの。
  奔放な絹旗に振り回され気味。さらに絹旗に巻き込まれる形で寮監から締められ気味。
  固法先輩が風紀委員本部へ出向することが決まっているので、
  風紀委員177支部の次期支部長殿でもある。

・婚后
  長点上機学園1年。高貴な身分の生粋のお嬢様。
  濃い面々に存在感を食われがちだが、修学旅行編や大覇星祭編などは
  彼女なしには成り立たなかった、影の功労者。
  最近、交換留学制度の第一回候補生に大抜擢されたとか。

・ユリコ
  絹旗の飼い猫。人見知りしないお利口さん。
  拾われた直後は若猫だったが、今や立派なオトナの女。
  そのため、今まで通り頭に乗せるには非常に厳しい重量なのだが、
  お構いなしに絹旗の頭頂部に鎮座しようとしている。

・滝壺
  世界大戦終了後に暗部クビ。自分の経験を活かし、同じ境遇の
  能力者は生み出させまいという志のもと、能力開発教官を目指す。
  いわゆる脱力系女子なのだが、決めたことは簡単には曲げない意志の強さも持つ。
  怒らせたら怖い人ナンバーワンとも言われている。

7: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:12:06.56 ID:EHWDC8Rzo

・浜面
  自動車整備士の資格目指して勤勉に励んでいる。
  安定のイジられキャラだが、本人はこの生活を平穏なものと捉えて楽しんでいる。
  意外と子どもの相手が巧みで、また子どもからもよく好かれるとか。
  一方通行から打ち止めを預けられるという快挙を遂げた、実はすごい人。

・番外個体
  カフェ店員。単なるバイトだったが、店主帰国により店を継ぐ形となった。
  ロシア滞在時に通行止めの協力でMNWから強制追放、以来接続していない。
  冥土帰しの協力でIDゲットしており、ロシアからの帰国子女として暮らしている。
  周りからミサワさんとか真琴とか呼ばれてるのは戸籍上の名前。

・結標
  保育士目指して勉強中。化学兵器クラスと謳われたメシマズも改善されつつある。
  好きな異性のタイプは年下、加えて性別問わず子ども好き。ショタコンではないらしい。
  メインメンバーでは滝壺、番外個体と並び最年長であるため、姉ポジション兼ツッコミ役。
  番外個体とはかなり早い段階から打ち解け、お互いファーストネームで呼び合うほど仲良し。

・海原
  海原として過ごしているが、その正体はアステカからやってきた正義の魔術師。
  現在は風呂場のカビ取りからご近所付き合いまでこなすカリスマ主夫。
  本人たちの希望もあり、結標とショチトルの前では素顔で過ごしている。
  が、うっかりそのまま人前に出てしまうこともあり、あわきん二股疑惑を招いたとか。

8: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:13:10.99 ID:EHWDC8Rzo

【限りなくレギュラーなサブレギュラー】

・19090
  冥土帰しのもとで勤労中。控えめな性格で、むぎのんのような女傑に憧れている。
  セクハラ患者に容赦なく悲鳴と電撃を浴びせるダーティナース。

・麦野ん
  冥土帰しのもとで勤労中。職場では19090の後輩。
  不良患者に容赦なく鉄拳制裁を下すバイオレンスナース。

・フレメア
  浜面が拾ってきた後、浜面滝壺ペアと同居中。
  打ち止めとは旅行で知り合い、今では互いの家を行き来するほど仲良し。

・一方通行
  番外止めと同居中。最強の能力者であり、最強の自宅警備員。
  最近では打ち止めとフレメアの家庭教師でもある。

・打ち止め
  番外通行ペアと同居中。IDをゲットし、戸籍上は番外個体の実妹扱い。
  最近は家事全般を担当してるそうだ。

・ショチトル
  長い長い入院生活も終わり、海原結標ペアと同居中。ちなみに表向きは留学生。
  リハビリと穀潰し脱却を兼ねて、番外個体の店でバイトを始めた。

・黒夜
  絹旗の幼なじみにして自称ライバル。ちょっとスレててお年頃な不良少女。
  絹旗とは能力ファイトの他、格ゲーやポップンなどで勝負をしているが現在23連敗中。

9: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:14:20.96 ID:EHWDC8Rzo


             アンラッキーデー
  ――序章・絹旗の不幸日和



10: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:15:43.07 ID:EHWDC8Rzo


~10月初旬 第7学区 常盤台中学~


絹旗 「超お腹空きました!」トテトテ

白井 「今から食堂に行っても、おそらく混んでおりますわね」コツコツ

絹旗 「帰っていいですか」

白井 「ダメですの」


 ポムッ


絹旗 「?」

後輩A 「あぁ~、やっぱり絹旗先輩の頭って撫で心地が最高ですぅ」ナデナデ

絹旗 「ちょっとちょっと、何してるんですか!」

後輩A 「しかも撫でてくださいと言わんばかりの丁度いい高さが」ハァハァ

白井 (うわぁ、この変態すっかり欲情してますの……)

絹旗 「超やめてくださいってば!」

後輩A 「その怒ってる姿も、尻尾を引っ張られたぬこみたいで最高です!」ナデナデナデナデ

絹旗 「白井さん、超助けてください。私の手に負えません」

白井 「……まぁ、昼休みの時間も限りがございますし」ヒュンッ

後輩A 「あ、あれ……もー、また逃げられちゃいました。もっとモフりたいのに……」

12: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:17:40.62 ID:EHWDC8Rzo

絹旗 「うぅ、こんなのばっか」

白井 「絹旗さんは後輩から好かれておりますもの」

絹旗 「こんな形で好かれても超嬉しくないですよ」


<あっ、絹旗!


絹旗 「げっ!」

教師A「貴様、進路希望調査票をまだ出していないな!? 締切はとうに過ぎているんだぞ!」

絹旗 「しっ、白井さん! 逃げましょう! 超逃げましょう!」グイグイ

白井 「……」

絹旗 「白井さーん!」

白井 「あぁ~、わたくし空腹でもう演算もまともにできませんの~」ナヨナヨ

絹旗 「超嘘つけー!」

白井 「という訳でわたくし、これから昼食に向かいますので。ごきげんよう」ヒュンッ

絹旗 「ちょ、ちょっと!? 超つれないですよ!? ていうか演算できてますよね!」

教師A 「確保」ガシィ

絹旗 「ぐえ」

教師A 「さあ、生徒指導室へ行こう。茶ぐらいは出すぞ」ズルズル

13: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:19:13.00 ID:EHWDC8Rzo


~放課後~


<ジリリリリリン♪


教師Z 「よし、今日はこれまで」


<キリーツレーイ


絹旗 「お、終わった……」バタッ

白井 「昼食抜きでよく頑張りましたわね」

絹旗 「何か用ですか、超裏切り者の白井さん」ジトー

白井 「自業自得でしょうに」

絹旗 「うー、私を超見捨てて一人でピザを食べに行ってたくせに」

白井 「ピザなど食べておりませんの」ハァ

絹旗 「超白井さんなんかピザになっちゃえばいいんです」

白井 「遠慮しておきますの」

絹旗 「腹さんと結婚してください。そんで腹黒子って名乗ってください」

14: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:21:14.71 ID:EHWDC8Rzo

白井 「知り合いに腹さんはおりませんの」

絹旗 「むー」

白井 「さ、いつまでも残ってるとまたどやされますわよ」

絹旗 「そうですね、何か食べないと超死んじゃいますし。白井さんはどうします?」

白井 「いつも通りですの」

絹旗 「超風紀委員ですの」キリッ

白井 「馬鹿にしてません?」

絹旗 「超気のせいですよ。んじゃ、私はミサワさんのところにでも」

白井 「むむ……風紀委員の用事がなければわたくしも飛んでいくところでしたのに」

絹旗 「それはそれは超残念でした」ニヨニヨ

白井 「終わってからだと閉まってますし……そういえば、海原さんの妹さんがバイトしてると」

絹旗 「ええ、やってますね。海原さんも超変装して様子見に行ってるらしいですよ」

白井 「超変装って……なんでまた?」

絹旗 「ガチガチに緊張させてしまうからだそうです」

絹旗 (まー、その変装も3回目ぐらいで既に超バレてるらしいですけど)

15: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:23:26.16 ID:EHWDC8Rzo


~同日夕方 第7学区 とある大通り~


白井 「絹旗さん、先ほどからふらついておいでですが」

絹旗 「空腹が超空きすぎてピークです……」

白井 「車には気をつけてくださいまし。うっかり絹旗さんに突っ込んだ車が気の毒ですので」

絹旗 「いやいや、そこは私の心配をしてくださいよ」

白井 「いやいや、絹旗さんに突っ込んだ車のほうが無事では済みませんの」

絹旗 「そりゃそうかもしれませんけども」

白井 「わたくしの11次元殺法も通じないほどの耐久力ですもの」ハァ

絹旗 「私を倒したければ、この世の窒素を超消滅させることですね」ニシシ

白井 「空気中の78%を占める窒素をどう消滅させるのですか」

絹旗 「つまり超無理って訳ですね。って言ってる間に177支部ですよ」ホラホラ

白井 「あら。では、わたくしはここで。くれぐれも門限に遅れないようにしてくださいまし」

絹旗 「超分かってますよ」

白井 「ごきげんようですの」トテテテ

絹旗 「さて、なにか食べにいきますか」ヨテヨテ

16: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:25:04.80 ID:EHWDC8Rzo


~第7学区 隠れ家的喫茶店~


婚后 「ええ。それで、エサには生の鶏肉をあげることが多いですわね」

ショチトル 「興味深い……今度見に行ってもいいか?」

婚后 「ええ、是非おいでくださいな。あまりの可愛さにノックアウトされますわよ」クスクス


<カランカラン♪


ショチトル 「あ、いらっしゃい」

絹旗 「うー」ストン グテー

婚后 「絹旗さん? どうなされたんですか」

絹旗 「超お腹空きました……」

ショチトル 「食べ物ならあるぞ。もちろん、費用はかかるが」

絹旗 「じゃあホットドッグをマスタード抜きで」

ショチトル 「承った。マスターを起こしてくるから待っててくれ」

絹旗 「起こしてくる?」

ショチトル 「ああ、奥で寝てるから」

17: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:26:54.54 ID:EHWDC8Rzo

絹旗 「え? ミサワさん、体調でも悪いんですか?」

婚后 「体調は問題ないのですが、ひどく眠いそうで」

絹旗 「……超相変わらずの適当さですね」


<マスター起きてくれ。軽食の注文だ。
<はいはーい……


絹旗 「しっかりしてくださいよ、超マスターさん」

番外個体 「仕方ないでしょ。昨日はあまり寝れなかったんだから」

婚后 「何かあったのですか?」

番外個体 「格ゲーでネット対戦やってた」

絹旗 「え、なんで誘ってくれなかったんですか」

番外個体 「絹旗さんはアーケード派じゃん。さて、ホットドッグだったね」スチャ

婚后 「ミ、ミサワさん。それは……?」

ショチトル 「マスター。それはパンスライサーではなくてマクアフティルだ」

番外個体 「いけね、寝ぼけて間違えた」

絹旗 「寝ぼけるにも超ほどがあるでしょう。ていうか、なんでこんなもんがあるんですか」

18: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:28:25.34 ID:EHWDC8Rzo

ショチトル 「泥棒避けの護身具だ。パンを切るならこちらを使ってくれ」スチャ

番外個体 「お、ありがとー」

ショチトル 「あ、そうだ。ホットドッグ用の腸詰、茹でないとないぞ」

番外個体 「え、なんで?」

ショチトル「さっき昼食に焼いて食べたから。あるもので済ませって言われてたし」

番外個体 「あー……じゃあ追加で茹でといて」

ショチトル 「分かった」ガサガサ

 :
 :
 :

番外個体 「なるほどなるほど。それで昼ご飯抜きか」

婚后 「こう言ってはなんですが、自業自得ですわね」

絹旗 「いやいや、超災難ですよ。うお、あちち」ハムハム

番外個体 「んな急いで食べなくても、誰もとらないよ」

絹旗 「お腹空いててつい……ところで、婚后さんは」

婚后 「はい?」ズズ...

19: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:30:51.57 ID:EHWDC8Rzo

絹旗 「ロンドンに行くのっていつでしたっけ?」

婚后 「来週末からですわね」

番外個体 「え、なにそれ」

婚后 「文化交流を名目にした交換留学制度が検討されているらしくて、
    まず短期でやってみようかという話になっておりまして」

番外個体 「あー、それで抜擢されたってこと? さすが長点上機の人だけあるね」

絹旗 「でも今回は超短期なんですよね。テストケースだから」

婚后 「ええ、予定ですと10月一杯まで向こうに滞在することになっています」

ショチトル 「マスター、暇だ」クイクイ

番外個体 「んー、あ、じゃあ豆ローストしてくれる? マンデリンを200グラム、イタリアンね」

ショチトル 「よし、任せてくれ」フンス

番外個体 「しっかしロンドンかー……もしかしたら先代マスターに会えるかもね」

絹旗 「え。故郷に帰ったとは聞きましたけど、ロンドンなんですか?」

番外個体 「ロンドン近いらしいよ。この間、絵葉書が来てね。今は観光名所で警備員してるって」

絹旗 「ミサワさんの彼氏さんも警備員ですよね」

番外個体 「自宅のね」

ショチトル 「♪」ザラザラジャッジャッ

20: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:32:53.01 ID:EHWDC8Rzo


<カランカラン♪


ショチトル 「いらっしゃ……あっ!」パァ

結標 「はーい、ちゃんとやってる?」

海原 「どうも。近くを通ったので寄ってみました」

ショチトル 「今日はそっちの顔なんだな」

絹旗婚后 (((そっちの顔?)))

海原 「下手な変装はもうバレてしまっていますしね」

番外個体 (ウソ、変装して来てたの? 気付かなかった)

絹旗 「お二人とも、超お久しぶりです」

結標 「超が付くほど久しぶりでもないでしょ」

海原 「おや、婚后さんに絹旗さんもいらしてましたか。ご無沙汰してます」

婚后 「変わりなく仲睦まじいで何よりですわね」クスクス

海原 「はは、もはや逆らえませんからね」ニコニコ

結標 「ちょ、ちょっと何よそれ」

21: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:34:37.85 ID:EHWDC8Rzo

番外個体 「おい、ウザップル。注文は?」

結標 「ウザップルって、貴女に言われたくないわよ。いつものね」

番外個体 「5倍圧縮ブレンド入りまーす」

絹旗 「うっわ、超苦そう」

結標 「それいつものじゃないじゃない!」

ショチトル 「はい」コトッ

海原 「おや? 僕はまだ頼んでいませんが」

ショチトル 「家でもここでも、いつもこれだからな」

婚后 「あら、好きなメニューを覚えて貰えるのは愛されている証拠ですわよ」

ショチトル 「え、なー! あ、愛されてってそんな!」

海原 「ありがたく頂かないといけませんね」

ショチトル 「……か、勝手にしろ」

絹旗 「結標さん、砂糖超入れすぎじゃないですか?」

結標 「こうでもしないと苦すぎて飲めないのよ」

ショチトル 「それ、私も一口でギブアップしたミサワブレンド32号か」

22: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:36:22.05 ID:EHWDC8Rzo

婚后 「ミサワブレンドとは?」

番外個体 「私の実験作のこと」

ショチトル 「ちなみに商品化までこぎ着けたことは一度もない」

海原 「探究心が溢れてるって素敵ですよね」

結標 「探究心とは違くない?」

番外個体 「ちなみに絹旗さん専用メニューのモアイブレンドもあるよ」

絹旗 「その呼び方はやめてくださいと超何度も言ってるじゃないですか!!」ムキー

結標 「今絹旗さんが飲んでるのがそう? 一口味見させてよ」

絹旗 「ええ、どうぞ」

海原 「見た目はアイスカフェオレのようですが」

結標 「……っ……いやぁ、なにこれ。甘すぎでしょ」

婚后 「苦いものを飲んだ後なので余計なのでは」

絹旗 「超美味しいと思うんですけどねー」ズチュー

ショチトル 「モアイブレンドは私も好きだぞ」

海原 「ショチトルも甘いものが好きですからね」

23: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:38:06.79 ID:EHWDC8Rzo


~2時間後~


ショチトル 「ゴミは裏に出しておいたぞ」

番外個体 「おk。じゃ帰ろっか」

ショチトル 「これは?」

絹旗 「」ウトウト

番外個体 「それ備品だから置いといていいや」

ショチトル 「分かった」バタン

番外個体 「さーて、帰ろ帰ろ。ほら行こうよ」

ショチトル 「いや、でも。毎日毎日送ってもらうのも」

番外個体 「まだ本調子じゃないんでしょ? バイトしてるのも身体の調子を戻したいからなんだし」

ショチトル 「う……」

番外個体 「それに、あなたになんかあったら私が淡希に半殺しにされるし?」クスクス

ショチトル 「義姉さんはそんなこと……するかも」

24: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:39:59.14 ID:EHWDC8Rzo


<ガチャガチャッ ドンドンドン


ショチトル 「な」ビクッ

番外個体 「なんの音?」

ショチトル 「……絹旗さんがドアを叩いてるようだな」

番外個体 「え、やっば。ドア壊される前に鍵開けてあげて」

ショチトル 「しかし、つくづく変わったドアだな……内側からの解錠にも鍵が必要だなんて」ガチャガチャ

番外個体 「先に戸締りされたら外に出られないんだよね」ケラケラ

絹旗 「なんで私だけ超置いてってるんですか!」ウガー

番外個体 「閉店なのに起きないほうが悪い」

絹旗 「むう……超お腹いっぱいで、つい眠くなっちゃったんですよ」

ショチトル 「そろそろ戻ったほうが良いのでは? 門限とやらがあるのだろう?」

絹旗 「まだ超余裕ありますけど、ここに居残ってもしょうがなさそうですね」

番外個体 「私たちももう帰らないといけないしね。解散解散」ガチャリ

ショチトル 「じゃあ、絹旗さんも気をつけて」

絹旗 「超お疲れ様でーす」ノシ

25: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/25(月) 01:41:38.26 ID:EHWDC8Rzo


<あ、義姉さんからメール……買い物の依頼だ。
<んじゃスーパーにでも寄ってこうか。
<いいのか?
<私も買い足したいものがあったしね。


絹旗 「……さーて。私も行くと……ん? あれ?」ガサガサ

絹旗 「……」ゴソゴソ

絹旗 「あれ? あれあれ? あれれ?」

絹旗 「財布と携帯が……ない」

絹旗 「か、カバンに入れましたっけ。私ってば、超うっかりさん☆」ガサガサ

絹旗 「…………ッ!」バッ

絹旗 「あぁぁ! やっぱり店のカウンターに超置きっぱなしですー!!」

絹旗 「ミサワさーん超待ってください! ミサワさーーーん!」ダダダダ

 :
 :
 :

絹旗 「ううう……見つかりませんでした。どんだけ歩くの速いんですか」

絹旗 「どうしましょ……明日の朝イチで取りにくるしかなさそうですね……」

絹旗 「……今日はいいことないですね」ハァ

55: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:35:50.12 ID:EYPJVFuVo


~その頃 第7学区 浜滝邸~


 【テレビ】<ヴォォオオオ


フレメア 「ゾンビは消毒だーー」カチカチ

打ち止め 「ひゃっ……ね、ねえ、フレメア。もっと違うゲームしない?」

フレメア 「うりゃりゃりゃ」カチカチ

打ち止め 「うわ……」

浜面 「まーたB級ホラゲやってるのか、お前は」ハァ

フレメア 「にゃあ♪」

浜面 「悪いな、せっかく遊びに来てもらってるのに見てるだけになっちまってよ」

打ち止め 「ううん、むしろお呼ばれしてもらったのはこっちだし」

浜面 「なんだったら、俺と将棋でも指すか?」

打ち止め 「んー、でも三下2号さんにはこの間勝ったし」

浜面 「そ、そうだった……」orz

打ち止め 「それにそろそろ」チラッ


<ピンポーン


56: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:37:34.88 ID:EYPJVFuVo

浜面 「おっ。お迎えが来たか?」

滝壺 「はーい」ガチャ

一方通行 「よォ」

打ち止め 「来てくれたんだねー♪」トテテテ

一方通行 「オマエ大人しくしてたか? 迷惑かけてねェだろォな」

フレメア 「あ、シロだシロだ」

浜面 「なんでフレメアは一方通行のことシロって呼んでんだ?」

滝壺 「フレメアが読んでる漫画の登場人物。似てるんだって」

一方通行 「何度も邪魔させちまって、悪いな」

浜面 「フレメアも喜んでるしな。家もそんな遠くないんだし、気にするな」

滝壺 「もうすぐご飯できるけど。よかったらどう?」

一方通行 「悪いが遠慮しておく。そろそろうちのも帰ってくる頃なンでな」

浜面 「そうか。なら帰って出迎えてやらんとな」ニヤニヤ

一方通行 「思わずフッ飛ばしたくなるニヤケ面だな、オイ」

フレメア 「ねーねー、また遊びに来てね」

打ち止め 「うん、また来るからね!」

57: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:39:14.40 ID:EYPJVFuVo

フレメア 「あっ、そうだ。ねー、シロー」

一方通行 「ン?」

フレメア 「今度は大体、理科教えてほしいかも」

一方通行 「ウチに来たときにな。必要なモンは揃えておけ」

フレメア 「大体了解、にゃあ」シュタッ

滝壺 「いつもごめんね」

一方通行 「クソガキに教えるついでだ。気にすンな」

フレメア 「シロってね、教えるのが大体上手なの」

一方通行 「大体なのかよ」

フレメア 「浜面より上手」

浜面 「そりゃ比べるのが失礼なぐらいの頭の出来だからな……」

一方通行 「オマエも一緒に小学校に通ったらどォだ?」ニヤニヤ

滝壺 「はまづらがランドセル……」

浜面 「俺がランドセルしょって外歩いてみろ。即通報されるわ」

一方通行 「試してみるか?」

浜面 「おいやめろ」

打ち止め 「ねーねー。そろそろ帰ってくるんじゃない?」

一方通行 「あァ、それもそォか」

58: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:41:21.22 ID:EYPJVFuVo

滝壺 「はい、これ。お土産兼いつものお礼に」

フレメア 「私と滝壺お姉ちゃんで作った、にゃあ」ピョンピョン

打ち止め 「これなに?」

滝壺 「ソフトクッキー」

浜面 「滝壺手製のクッキーは絶品なんだぜ! 食って驚きやがれ!」

一方通行 「あァ。コーヒーの肴にでもさせてもらうわ」

打ち止め 「コーヒーの肴なんて言い方するのはあなただけだよ」

浜面 「ミサワの姐さんが作ったコーヒーに、滝壺のクッキーか。羨ましすぎだろ」

一方通行 「アイツのが飲みたきゃ店に行ってやってくれ」

滝壺 「うん。またその内行くって伝えてあげて」

フレメア 「伝えてあげて」

打ち止め 「うん、来てあげてね!」

一方通行 「さて……ちと長居しすぎだな。もォ行くわ」

浜面 「ああ。気をつけてな」

打ち止め 「またねーー♪」


<バタン

59: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:43:38.85 ID:EYPJVFuVo

打ち止め 「それでねそれでね! 三下2号さんがね!」キャッキャッ

一方通行 (アイツ……整備士より保父の方が向いてるンじゃねェか?)


<タッタッタッタッ


一方通行 「?」クルッ

番外個体 「たっだいまー♪」ドーン

一方通行 「ぐっ、お……ぬぅぅぅ……!」ギギギ

打ち止め 「おー、すごい! 耐えた耐えた!」

番外個体 「うっれしー☆ 全身全霊で受け止めてくれるなんて」ベタベタ

打ち止め 「てっ、ていうか! ワーストばっかりずるいー!」ガッチリ

番外個体 「なに、邪魔しないでよ。これ私のなんだから」ベリッ

打ち止め 「み、みんなのだもん! ミサカはがさないでー!」

番外個体 「なんでよ、ちゃんと決めたでしょ。昼の相手は最終信号、夜の相手は私だって」

一方通行 「オマエらなァ、場所を考えろ……あとその取り決めに俺の意見は反映されてねェ」ハァ

番外個体 「細かいこと気にせずに♪ ほら、帰ろうよ。早く戻って夕飯の準備もしないとね」

打ち止め 「今日もたくさん手伝うよ! ってミサカはミサカは名乗りをあげてみたり!」

60: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:45:25.81 ID:EYPJVFuVo


~同日夜 第7学区 とある裏路地~


絹旗 (だー。超めんどくせー)

チンピラA 「だからさ、俺たちと一緒に来ればいい思いさせてやるってんだぜ?」

チンピラB 「どうせ一人でこんなところ来るぐらいなんだから、暇なんだろ?」

絹旗 (たまに近道を使うと超ご覧の有様です)

絹旗 (どうしましょうかね。殴り倒すのは超簡単なんですが)

絹旗 (後で白井さんと寮監に怒られるんですよね)

チンピラA 「怖がらなくていいんだぜ? な?」ナデナデ

チンピラB 「にしても、頭が撫でやすい高さにあるよなー。え、何この触り心地」ナデナデ

チンピラA 「あ、すごい。なんか不思議」

絹旗 (もういいや、殴る、超決定)


<おい!何やってんだ三下ども!


チンピラAB 「あ?」

絹旗 「お?」

61: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:47:57.75 ID:EYPJVFuVo

黒夜 「おりゃぁぁぁぁぁ!」ズポパゴン

チンピラA 「あべしっ」

チンピラB 「ひでぶっ」

絹旗 (もっとめんどくせーのが来たー!?)ガボーン

チンピラA 「」ピヨピヨ

チンピラB 「」ブクブク

絹旗 「ありゃりゃ……」

黒夜 「絹旗ちゃんよぉ、私は情けないぜ。絹旗ちゃんならこんな連中、一人一秒合計ニ秒でブッ倒せるだろうに」

絹旗 「こっちにも色々事情があるんですよ。超ぼっちのあなたと一緒にしないでください」

黒夜 「ふーん、事情ねぇ?……ま、いいや。それよりさ」

絹旗 「なんですか」

黒夜 「この間のリベンジを」コキコキ

絹旗 「冗談じゃないです! やってられませんよ!」ピュー

黒夜 「あ! 待ちやがれ!」ヒュゴォォン

62: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:50:15.25 ID:EYPJVFuVo


  ドパン ドパーン


絹旗 「あーもー! 周りを見ずに能力を超ブッ放すクセどうにかしてから来て下さい!」

黒夜 「知らねーよ! こっちだってなぁ、負けっぱなしで黙ってられねぇんだよ!!」

絹旗 「なんなんですか今日は! 超厄日です!」



~その頃 第7学区 常盤台新寮~


白井 「……絹旗さんはまだ戻られませんのね」

ユリコ 「(・ω・ )」プンスコ

白井 「電話にも出ませんし……映画でも見ておられるのでしょうか」

ユリコ 「( ・ω・)」プンスコ

白井 「ユリコ、少し落ち着いてくださいまし」

白井 「本当に体重増えましたわね。ダイエットしなければならなくなりますわよ?」クスクス

ユリコ 「(・ω・)?」

白井 「気のせいかお腹も……え? ユリコ、貴女まさか……」

ユリコ 「(・ω・*)」

63: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:51:36.03 ID:EYPJVFuVo


~第7学区 とある倉庫街~


黒夜 「待てっつってンだろォォ!!」

絹旗 「超お断りです!」

黒夜 「勝ち逃げか!? フザけやがって卑怯者ォ!」

絹旗 「」ピタッ

黒夜 「?」

絹旗 「勝てば満足するんですか?」

黒夜 「え……?」

絹旗 「手加減ナシで勝てば、それで超満足するんですね?」

黒夜 「ま、まー、そんなところ、なのかな?」

絹旗 「この絹旗サマに勝てると、超本気で思ってンですか?」

黒夜 「……あ?」

絹旗 「始めましょうよ。もォ勝負を挑もうという気が起きない程度には叩きのめしてあげますよ」

黒夜 「……ッ!?」ゾクッ

黒夜 (おいおいおい、これマズくね!? 本気でキレさせちゃったんじゃないか!?)

絹旗 「っりゃァァァァ!」→→A

黒夜 「!?」バッ

64: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:53:46.33 ID:EYPJVFuVo


 ビュオッ


黒夜 「……!」

絹旗 「おっ、私の超バックナックルを寸前で回避するとは。なかなかの反応じゃないですか」

黒夜 「テメェ、本気でやろうってンだな……?」

絹旗 「私はいつだって超本気ですよ」

黒夜 「望むところだオルァァァァ!」→AAAAB

絹旗 「くっ!?」ガガガガ

黒夜 「どォしたどォした! 脚が止まってンぞ!?」

絹旗 「こンの……手から吹き出すだけの、超脳ナシがァァァ!!」

黒夜 「オマエは皮膚に貼っつけるしかできねェぼンくらだろォがァ!!」

絹旗 「(ビキッ)黒夜ゥゥゥゥ!!」ゴッ

黒夜 「絹旗ァァァァァァ!!」ボッ


  ドパッ ボゴォォン


通行人A 「なんだあれは……童女がじゃれあってるだけなのに、なぜ大地が抉れ街灯が吹き飛ばされる?」

通行人B 「まさかあの技はッ……」

通行人A 「知っているのか雷電!」

通行人B 「知らん!」

65: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:55:36.75 ID:EYPJVFuVo

絹旗 「ちェすとーーー!!」←A

黒夜 「遅ェンだよォォォ!」↓B

絹旗 「!? しまっ……」

黒夜 「ズッパシ食らいやがれェェェェェ!!」→←→AB

絹旗 「あっ、がは……っ!?」


  ズシャァァァ


黒夜 「……ふふふっ。窒素爆槍の両手ゼロ距離噴射決まったぁ! これで私の1勝23敗1引き分けだからな!」テッテレー

絹旗 「うっ……うぅ……」

黒夜 「ブザマだねぇ、絹旗ちゃーん? 優等生だったアンタが地べた這いつくばってるなんてさー」ケラケラ

絹旗 「……あっ……」ガクッ

黒夜 「……おい、ちょっと?」

絹旗 「」

黒夜 「えっ、いや……急所は外したよな!? いや、マジで!?」ユサユサ

絹旗 「」

黒夜 「」ピラッ

黒夜 (赤!)

66: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:57:25.75 ID:EYPJVFuVo

絹旗 「」

黒夜 「ど、どうしよ、これ。そうだ、救急車救急車」カチカチ

絹旗 「超ヤーラーレーマーシーター」

黒夜 「」

絹旗 「」チラッ

黒夜 「………………ふっ」

絹旗 「超ヤーラーレー」

黒夜 「ふざけンなやァ! ゴルァァァァァァ!!」ズガン

絹旗 「うっひゃぁぁぁ!?」

黒夜 「テッメェェェ! 人をおちょくりやがってェェェェ!!」

絹旗 「なんでですか! 勝ったら超満足するんじゃないんですか!」

黒夜 「こんな茶番、無効試合に決まってンだろ!!」

絹旗 「勝ったんだから終わりです! 超終わりですよ!」

黒夜 「終わらせてたまるかよォ! 待ちやがれ!」

絹旗 「もー、超しつこいですよ! この狂犬! 能ナシ! 窒素女!」

黒夜 「窒素女はテメェもだろォがァ!」


  マーテェーイ
    イーヤーデースゥー

67: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/26(火) 23:59:14.42 ID:EYPJVFuVo


~第7学区 常盤台新寮~


絹旗 (ようやく逃げられました……)コソコソ

絹旗 (……誰もいませんね、よし)キョロキョロ


  ススス...コソコソ...


絹旗 (うーん、頭の中でピンクパンサーのテーマが流れてきましたよ)

絹旗 (超どうにか部屋まで辿り着きました……)ガチャ

絹旗 「ただいま戻りましたー」

ユリコ 「(・ω・ )?」

白井 「だっ、段ボールが喋ってますのぉ!」gkbr

絹旗 「私ですよ、私」CAST OFF

白井 「ど、どうしたんですの。その恰好は」

絹旗 「スニーキングミッションに段ボールは超必須アイテムじゃないですか」

白井 「……それで、いったいこんな時間まで何を」

68: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/27(水) 00:01:11.70 ID:EXcB9JLTo

絹旗 「いやー……超ちょっと色々」

白井 「大方また追い掛け回されていたのでしょう」

絹旗 「超お見通しでしたか」タハハ

白井 「そろそろ寮監の見回りが来るでしょうから、シャワーでも浴びておいてくださいまし」

絹旗 「ええ、そうさせてもらいます」


<バタン


白井 「大変ですわね、絹旗さんも」ハァ

白井 「……あら? ユリコ?」


 【段ボール】<オアーン♪


白井 「本当に貴女は、絹旗さんの匂いが大好きなのですね」

白井 「……あぁ、でも、わかる気も致しますの。好きな方の香りというのは」クネクネ

寮監 「何をしてるんだ?」

白井 「ばっ、ばんでもございませんの!」

寮監 「?」

69: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/27(水) 00:03:48.56 ID:EXcB9JLTo


~翌朝 第7学区 隠れ家的喫茶店~


番外個体 「ぶっふー」バンバン

絹旗 「まったく、昨日は超厄日でした、って笑いすぎですよ!」

番外個体 「人の不幸はナントカの味って言うじゃん?」

絹旗 「うわぁ、超性悪です……とりあえず、もう行きますね」

番外個体 「何も注文しないで帰るなんて、失礼な客だね」

絹旗 「まだ開店してないから注文しても超無効なんですー」

番外個体 「ふふ、これぐらいは飲んでいきなよ」コトッ

絹旗 「……なんで牛乳なんですか? まあ、頂きますけども」クピクピ

番外個体 「目標の150cmまであと[ピー]cm! 頑張れ!」グッ

絹旗 「か、勝手に人の目標を設定しないでくださいよ!」


<カランカラン♪


ショチトル 「おはようございます」

70: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/27(水) 00:05:32.17 ID:EXcB9JLTo

絹旗 「あ、超おはようございます」

ショチトル 「絹旗さん? 何してるんだ?」

絹旗 「ええ、ちょっと忘れ物の回収をですね」

ショチトル 「な……す、すまない、昨日気づかなくて」

番外個体 「気にしないで。忘れるほうが超悪いんだから」

絹旗 「うわぁ、言おうと思ってたのに人に言われると超ムカつきます」


  【ラジオ】<8時になりました。首都圏のニュースをお伝えします。


番外個体 「おや、開ける時間だね。準備して」

絹旗 「え、8時!? やばい、超やばい!!」ドタタタ


<カランカラン♪


ショチトル 「相変わらず慌ただしい人だな」

番外個体 「らしくていいと思うけどね」クスクス



絹旗 「よし、今日も超適度に張り切っていきましょー」トテテテ

98: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:48:16.58 ID:zL/PGEyRo



  ――#1 とある秋風の休日模様



99: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:49:31.46 ID:zL/PGEyRo


~10月中旬 第7学区 いつものファミレス~


白井 「婚后さんは無事出発致しましたわね」

番外個体 「今朝見送ったから。もう着いてるんじゃないかな」

結標 「まさか。ロンドンよ? どれだけかかると思ってるのよ」

絹旗 「……私の見間違いじゃなければ、婚后さんが乗ったのって超超音速旅客機ですよね」

滝壺 「超は一個でいいよ」

白井 「音速? ということは、すごく速いということですか?」

番外個体 「ヴェネチアに一時間ちょいで到着できるオバケ飛行機だよ」

絹旗 「乗り心地が超最悪なんですよ。私もアメリカに行くのに乗ったことありますけど、
    内臓ごと全部吐くかと思いました。もう金輪際乗りたくないですね」

結標 「……そんな絶叫マシーンに婚后さん積みこんで大丈夫なの?」

白井 「酔い止めの薬と飴ちゃんは渡しておきましたが」

番外個体 「意味ないんじゃないかな……」

絹旗 「一応電話してみますか」

滝壺 「こっちの携帯って海外でも使えるのかな」

白井 「多分無理かと。婚后さん携帯は国際ローミング非対応でしたし」

100: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:51:17.43 ID:zL/PGEyRo

全員 「「「「「……」」」」」アチャー

絹旗 「ま、まあ、向こうについて超落ち着いたら連絡すると言ってましたし」

白井 「婚后さん、こんなときにやられ役体質を発揮しなくても……」

結標 「地味に非道いこと言ってるわね」


  [[携帯電話]]<キミト デーアーッテカラー イークツモノ ヨルヲカタ-リーアカーシタ♪


番外個体 「電話鳴ってるよ。誰?」

絹旗 「あ、私です……んぁ?」

白井 「どうかなさいましたの?」

絹旗 「なんですか、これ。番号通知が超空白なんですけど」

滝壺 「それたぶん国際電話」

絹旗 「お、てことは……もしもし?」ピッ

?? 『……』

絹旗 「……? もしもーし? あれ?」

結標 「何やってるのよ」

絹旗 「いや、超無言なんですよ。あの、もしもし?」

101: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:52:52.02 ID:zL/PGEyRo

?? 『ぐぇ』

絹旗 「!?」ゾゾゾ

滝壺 「きぬはた?」

絹旗 「いやぁぁぁ。超呪いの電話ですぅぅ。超着信ナシですぅぅ!」

結標 「着信ナシならいいじゃない」

?? 『あ、あの……わたくしです……』

絹旗 「ひぃ!?」

番外個体 「あ、ヤバイ。絹旗さん泣きそう」

白井 「ちょっと貸してくださいまし。あの、もしもし?」

?? 『はい……その特徴ある声は、白井さんですか……』

白井 「……婚后さん?」

婚后 『今、空港におりまして……到着したと報せようとしたのですが……』

白井 「え、ええ? もうそこまで到着しましたの?」

婚后 『酷い目に遭いましたわ……手短で申し訳ないのですが、少々休ませて頂きます……』

白井 「はい、是非そうなさってください。……はい、では失礼いたしますの」ピッ

102: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:54:33.45 ID:zL/PGEyRo

番外個体 「で、どこの幽霊から?」

白井 「幽霊ではなく婚后さんですの」

絹旗 「はぇ? 婚后さん? でもホントに幽霊みたいな声でしたが」

白井 「なにやら衰弱しきっておりましたし」

結標 「やっぱり例の飛行機はダメだったみたいね」

白井 「今空港だそうで。とりあえずそこで休むそうですが」

番外個体 「ロンドンって今真夜中だよね。空港で夜を明かすつもりなのかな」

滝壺 「真夜中にフラフラするほうが危ないと思う」

結標 「だからって、空港で寝るのも無防備すぎない?」

白井 「外よりはマシ、という程度でしょうね」

絹旗 「タクシー使えばいいじゃないですか」

番外個体 「飛行機で磨り減った婚后さんにはトドメになっちゃうでしょ」

滝壺 「それに深夜だと別料金かかっちゃうし」

結標 (気にするのそこなの?)

絹旗 「超ちょっと心配になってきましたね……白井さん、ロンドンまで飛べますか?」

白井 「婚后さんは心配ですが、絹旗さんはふざけるなですの」

絹旗 「結標さ 「ムリよ」

絹旗 「(´・ω・`)」

103: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:56:12.87 ID:zL/PGEyRo


~その頃 ロンドン ヒースロー空港~


???? 「まったく、失態だ。大失態だよ」カツカツ

???? 「日本時間で出発の時間は聞いてた。だからこっちには朝方に着くと思ってたのに」

???? 「まさかロンドンまで1時間半で来るとは思わないだろうよ」

???? 「さて、どこにいるのかしら」

婚后 「」ウトウト

???? 「……こいつか? 他に東洋人は見当たらないし」

婚后 「」ウトウト

???? 「ほら、起きな」

婚后 「はい……?」

???? 「空港ロビーで微睡むなんて、タフなお嬢さんだ」

婚后 「……あ、あの、貴女は?」

シェリー 「シェリー・クロムウェル。こっちの側の担当者よ」

婚后 「シェリー・クロム……あっ、では貴女がクロムウェルさんですのね」

104: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:58:16.98 ID:zL/PGEyRo

シェリー 「アンタが婚后さんでいいのかい」

婚后 「ええ、申し遅れましたが婚后光子と申します。滞在中はお世話になりますわ」ペコリ

シェリー 「悪かったね。本当は出迎えの一つでもするつもりだったんだけど。こんな早く来ると思わなくてさ」ガシガシ

婚后 「それはわたくしも全くの想定外でした」

シェリー 「とりあえず移動するぞ。車は用意してあるから」

婚后 「あ、はい……あの、流暢な日本語をお話しになるのですね」

シェリー 「ん、まあ、仕事柄ね。アンタが望むならイングランドの片田舎風の英語でも話そうか?」

婚后 「それはわたくしにはハードルが……」

シェリー 「はっ、まあ気楽にやるこった」

婚后 「はい、そうさせて頂きます」

シェリー 「あ、それと」

婚后 「?」

シェリー 「もし身の危険を感じたら、すぐに私に言うように。いいな?」

婚后 「え……ええ、かしこまりました」

シェリー (……同じ轍は踏まない、踏ませない。そのために私はここにいるんだ)

シェリー (騎士派の連中、何か仕出かしたら泥臭ぇ墓穴に沈めてやるからな)

105: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 19:59:25.46 ID:zL/PGEyRo


~所戻って学園都市~


白井 「……はい、そうでしたか。かしこまりましたの。では、失礼致します」ピッ

滝壺 「どうだって?」

白井 「一応向こうには出発時刻は伝えていたそうですの。ただ」

絹旗 「ただ?」

白井 「到着予定時刻は伝え漏れていたそうで、それは"先程"連絡したと」

結標 「先程って……向こう真夜中でしょ?」

番外個体 「非常識だよ、いくらなんでも」

絹旗 「でもまぁ、婚后さんが空港まで運び込まれたことは超伝わったんですよね」

白井 「結果論ですけどね」

滝壺 「……安心したらお腹空いた」

結標 「そろそろ店員さんの目が冷たくなってきてるしね。何か頼みましょうか」

絹旗 「え? ファミレスって水だけで5~6時間は超過ごせますよね?」

白井 「ダメに決まってますの!」

番外個体 「ツマミだされるよ。ていうかウチの店でそれやってみろ。ツマミだすから」

106: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:00:59.49 ID:zL/PGEyRo

結標 「……ね、今ので思い出したんだけどさ」

番外個体 「ん?」

結標 「貴女、最近ショチトルに妙なこと教えてない?」

番外個体 「身に覚えはないね」

白井 「妙なことといいますと、結標さんを"お姉様"呼びして夜な夜な飛び掛かったりとか」

絹旗 「それを教えてるとしたら超白井さんじゃないですか」

滝壺 (何にしようかな)ペラペラ

結標 「貴女から護身術を教えてもらった、って話してたけど?」

番外個体 「あ、それ私だ」

白井 「淑女たるもの、自分の身ぐらいは自分で守れませんと」

絹旗 「えー、守ってくれる超強い人がいてもいいじゃないですか」

番外個体 「絹旗さんにはいらないじゃん。文字通りアイアンメイデンなんだから」

絹旗 「発電小町に言われたくないです」

滝壺 「」ポチットナ

白井 「でも、護身術なら変でもないのでは?」

107: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:03:12.64 ID:zL/PGEyRo

結標 「中身の問題なのよ」

絹旗 「中身?」

番外個体 「だから、変なことなんか教えてないってば」

結標 「ドラゴンスクリューとか毒霧は護身術の範疇を超えてるでしょ」

絹旗 「毒霧て……」

白井 「大きいお姉様の意外な特技ですの」

番外個体 「元々は、うちの人とキスする瞬間にびっくりさせたくて覚えたんだけどね」ケラケラ

結標 「まさか、それやったの? アイツどんな顔してた?」

番外個体 「一回やったらメチャクチャ怒られたから封印推奨」

絹旗 「そりゃそうですよ。やるんだったら超浜面とかで」

白井 「いや、その理屈はおかしいですの。という訳で大きいお姉様、黒子の顔面に」

結標 「その理屈もおかしいでしょ!」

店員 「お決まりですか?」

滝壺 「シーフードドリアお願いします」

店員 「……え、えと、以上ですか?」

滝壺 「みんなは?」

108: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:04:49.23 ID:zL/PGEyRo

番外個体 「へ?」

結標 「え? まだメニュー見てないわよ」ワタワタ

絹旗 「んーと、どうしましょうかね。どうしましょうかね」

白井 「あ、すみません。すぐに決めますので」

絹旗 「うーんと……超エビフライセット」

番外個体 「チキンステーキでいいや」

白井 「では、BLTサンドをひとつ」

結標 「……蒸し鶏のサラダ」

絹旗 「あとドリンクバーを人数分お願いします」

店員 「かしこまりました。ドリンクバーのコーナーはあちらになりますのでご自由にお取りください」

結標 「……はー、びっくりした」

絹旗 「あの店員さん、超空間移動能力者ですか」

番外個体 「いきなり目の前にいたよね」

滝壺 「ごめん。みんなもう決めてるんだと思って呼んじゃった」

白井 「いえいえ、さっさと決めなかったほうに責がございますので」

109: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:06:25.35 ID:zL/PGEyRo

番外個体 「ていうか淡希はまた葉っぱだけかい。牛のマネすんのはこれだけにしといてよね」ツンツン

結標 「牛みたいな体系にならないようにってつつかないでよバカ!」

絹旗 「浜面ー、メロンソーダ」

白井 「浜面さんはおりませんが」

絹旗 「いけね。浜面=ドリンクバーという超潜在意識が」

滝壺 「はまづらはミスタードリンクバーだから」フンス

番外個体 「どうなんだろう、それ」

結標 「そういえば浜面くんはどうしたの?」

滝壺 「家にいるよ。一緒に行こうって誘ったんだけど、なんか宅配便受け取らないといけないらしくて」

白井 「ではフレメアも一緒ですのね」

滝壺 「一緒に遊んでると思う」

絹旗 「海原さんは?」

結標 「ショチトルが定期健診だから、その付き添いにね」

番外個体 「ありゃ? じゃ海原さんたちも病院なんだ」

滝壺 「も?」

110: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:08:07.03 ID:zL/PGEyRo

番外個体 「今日、うちの小さいのが病院に用事あるからさ」

白井 「第一位さんが付き添っておられると」

番外個体 「そういうこと」

結標 「妹さん、どこか悪いの?」

番外個体 「うーん……頭?」

滝壺 「みさわ妹は頭いいよ。この間もはまづらに将棋で勝ってたし」

番外個体 (それ多分MNWアシストだよ)

絹旗 「とりあえず、ドリンクバーとってきましょうよ」

結標 「そうね、じゃ行ってくるわ。ほら、貴女も来て」

番外個体 「へ? なんで?」

結標 「通路側に座ってるからよ」

絹旗 「超メロンソーダをお願いします」

滝壺 「私はあの白いの」

結標 「アンバサね」

白井 「お願いしてもよろしいんですの?」

111: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:09:30.55 ID:zL/PGEyRo

番外個体 「まー……しゃぁない」

白井 「ではアイスティーで」

結標 「オッケー。じゃ、ちょっと待っててね」


<ねー。2人で5人分運べるの?
<往復するしかないんじゃない?


絹旗 「ところで、滝壺さん。今日は超ちょっとオシャレですね」

滝壺 「うん。なんとなく気合い入った」フンス

白井 (? いつものピンクジャージでは)

絹旗 「前回お会いしたときはアレな服装だったんで、家事疲れとか超心配しちゃいましたよ」

滝壺 「違うの。あれは雨が続いてて洗濯できなくて服がなかったの」

白井 「あの、前回というのは?」

絹旗 「超ペットショップに行ったときですよ」

滝壺 「しらいも一緒だったよね」

白井 「ああ、はいはい。あの時の……って」

白井 (あの時もピンジャーでしたのぉ!)

112: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:12:01.52 ID:zL/PGEyRo

絹旗 「滝壺さんは超こだわり派ですからね」

滝壺 「これは譲れない」

白井 (そこそこ長い付き合いなのに見分けられないとは、わたくしも修業が足りませんわね……)

滝壺 「二人はいつも制服だよね」

絹旗 「そりゃまぁ」

白井 「校則ですし」

結標 「お待たせー」カチャカチャ

番外個体 「ど、どうにか3つ持ってきた……」ゴトッ

絹旗 「お、超ありがとうございます」

滝壺 「ありがと」

白井 「大きいお姉様のジュース、ありがたく頂戴しますの」

番外個体 「その言い方なんかヤダ」

結標 「なんか盛り上がってたわね。なんの話してたの?」

絹旗 「超ファッションの話です」

番外個体 「略して?」

滝壺 「ふぁばな?」

113: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:13:17.08 ID:zL/PGEyRo

白井 「語呂が悪いですの」

結標 「ファッションねぇ」

番外個体 「それはあれだね。淡希はノーブラ主義者とかいうあれだね」

結標 「ちょっ、ウソ教えないでよ!!」バチコーン

番外個体 「いたっ」

滝壺 「」ゴクリ

絹旗 「さすが超結標さん」

白井 「その大きさで且つノーブラとは……本物は違いますの」

結標 「なんで普通に信じてるの! おかしいでしょ!」ムキー

番外個体 「え、なんで? 寝るときとか外してるって前言ってたじゃん」

結標 「寝るとき限定の話よ」

番外個体 「じゃここで証明すればいいんだ。さあ、脱げ」

結標 「それ以上続けるなら、能力を駆使して貴女を今ここで全裸にしてあげる」

番外個体 「すみませんでした」

店員 「お待たせ致しました。シーフードドリアのお客様」カチャカチャ

滝壺 「」ノシ

114: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:14:50.56 ID:zL/PGEyRo

店員 「BLTサンドのお客様」

白井 「あ、はい」

店員 「ごゆっくりどうぞ」

結標 「先食べてて。冷めちゃうしね」

滝壺 「いただきます」モシュモシュ

番外個体 「あー、シーフー・ドドリアも美味しそう」

結標 「そこで切らないでよ」

絹旗 「超ミサワさんのせいでシーフー・ドドリアとしか発音できなくなりました」

白井 「大体シーフーってなんですの?」モギュモギュ

滝壺 「SEA風」アチチ

番外個体 「海の食べ物を使ってるからSEA風なんだ。目から天鱗だね」

結標 「なんで目からレアアイテム落ちてくるのよ」

絹旗 「それで、何の話してましたっけ?」

白井 「たしかファッションかと」

結標 「そういえば、貴女っていつも白とか黒よね。彼の影響かしら?」ニヨニヨ

番外個体 「……好みが似てるのは否定できないな。アイツの私服も似たようなモンだし」

115: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:16:26.74 ID:zL/PGEyRo

絹旗 「一方通行も超モノトーンが多いですよね」

滝壺 「うなばらはいつもパリィッとしてるよね」

白井 「ええ。いつでも清潔感が出てて素敵ですの」

結標 「アイツ、家でもあの調子なのよ。疲れないのかしら」

絹旗 「慣れじゃないですかね」

番外個体 「あ、そういえば聞いてみたかったんだけどさ。浜面さんが
       いつも着てるジャージってもしかしてビンテージ?」

滝壺 「ううん。古いだけの安物」

絹旗 「超浜面ですから」ケラケラ

店員 「お待たせいたしました、チキンステーキのお客様」

番外個体 「はいはーい」

店員 「蒸し鶏のサラダのお客様」

結標 「こっち」

店員 「超エビフライセットのお客様」

絹旗 「私でーす」

白井 「超エビフライセットってきぬはた語じゃなくてそういうメニューでしたのね」

116: ◆8GNB4AEvC. 2011/07/31(日) 20:18:09.47 ID:zL/PGEyRo

店員 「ご注文は以上でお揃いでしょうか」

黒夜 「追加でメキシカンピラフ」

絹旗 「へ?」

店員 「かしこまりました」ペコリ

滝壺 「あれ? ドリンクバー足りない?」

結標 「人数分持ってきたわよ?」

番外個体 「でもグラス5個しかないね」

黒夜 「誰か飲めないってワケだな」ズチュー

白井 「あら、これは困りましたわね」

絹旗 「ちょっとちょっと! なんでいるんですか! それ私のメロンソーダ!」

黒夜 「いや、暇でフラフラしてたら店にいるのが見えたからさ」

番外個体 「あ、黒イルカじゃん」

白井 「ご無沙汰しておりますの」

滝壺 (誰?)

結標 (誰?)

136: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:08:58.31 ID:f1lRzTgRo

黒夜 「初対面の人もいるし、一つ名乗っておくかな。絹旗ちゃんと再会した幼馴染の黒夜だ」

滝壺 「きぬはたがいつもお世話になってます」ペコリ

黒夜 「これはご丁寧に」ペコリ

結標 「もしかして、絹旗さんがいつも"あの狂犬"とか"妖怪窒素女"って言ってる人?」

白井 「妖怪はあんまりですの」

番外個体 「ていうか、絹旗さんも窒素女じゃん」

絹旗 「超一緒にしないでください」ムスー

黒夜 「なんだよ、そんな言い方してるのか。エビフライにレモンかけるぞ」

絹旗 「なんですか、その超地味ながらも高ダメージな嫌がらせhってかけるな!」ボカッ

黒夜 「ふごっ」

絹旗 「あ、あとこれ返してくださいよ! 私の超メロンソーダですよ!」パシッ

黒夜 「分かった、分かったよ。……ところで、なんでストローの曲がる方を下にしてんだ?」

絹旗 「え? あっ……」

番外個体 「」プルプル

絹旗 「ミサワさーん!」ウガー

137: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:11:01.31 ID:f1lRzTgRo

番外個体 「すっ、すぐ気付くかと、思ってたのに」ケラケラ

結標 「よくやるわね、貴女も」ハァ

白井 「……よく見たらわたくしのも。今日日曲がらないストローなんて珍しいとは思いましたが」

絹旗 「もー……とりあえずみんなの前では超暴れないで下さいよ」

黒夜 「分かってるって。私だって最低限のTPOは弁えてるさ」

番外個体 (一緒にいるお兄さんもいつもTPOって言ってるよな)

黒夜 「ところで、私はピンクジャージときょぬーの名前がわからないんだけど」

滝壺 「たきつぼだよ」ハイ

結標 「消去法でいくときょぬーって私よね……結標よ、ヨロシクね」

番外個体 「私はいいよね、店で顔合わせてるし」

白井 「わたくしも決闘に巻き込まれておりますし」

黒夜 「マスターと風紀委員は何回か会ったことあるな」

絹旗 「超驚きの瞬間ですね。黒夜に友達が増えるなんて」

黒夜 「オイ、どういう意味だ」

店員 「お待たせ致しました。メキシカンピラフになります」

138: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:12:59.89 ID:f1lRzTgRo

黒夜 「お、きたきた」

滝壺 「ところで、くろよるときぬはたって同じ能力なの?」マフマフ

結標 「そうね。窒素女の絹旗さんに窒素女呼ばわりされてるし」ポイポイ

番外個体 「いや、あのさ。蒸し鶏のサラダ頼んでおいて、なんで鶏を私の皿に寄越すかな」

白井 「わたくしが決闘に立ち会ったときは、なにやら見えない何かを飛ばしてるような感じが」

黒夜 「自分の手の内についてペラペラ喋るワケないだろ?」キシシ

絹旗 「じゃ私が説明しましょうか。超黒夜の能力はですね」

黒夜 「きーぬはーたちゃーん。これうまいぜ、一口食えよ」グイ

絹旗 「モガ」

結標 「ジュースの回し飲みに、食事もあーんして分けあって」

番外個体 「本当に仲良しだよねぇ、あなたたち」ニヨニヨ

絹旗 「超一方的に口にねじ込まれてるだけですぅ!」

白井 「絹旗さん、口に一方的にねじ込まれるなんて過激な……」

絹旗 「は? 何言って…………っ!? ちょ、超滅びろ!」ポカポカ

黒夜 「」ケラケラ

139: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:14:38.14 ID:f1lRzTgRo

 :
 :
 :

滝壺 「ごちそうさま」

番外個体 「はー、食べた」ケフ

結標 「はしたないからやめろって言ってるでしょ」

白井 「そうですの、大きいお姉様。人前でケフッなどと」

黒夜 「いいんじゃないの? 食後ぐらいゆっくりしたってさ」ズチュー

絹旗 「だから私のを飲むなと超言ってるんですよ!」ムキー

結標 「ここが家だったらとやかく言わないけどね」

番外個体 「嘘だね。淡希は一緒に住んでたころからとやかく言ってた」

結標 「貴女がだらしなさすぎだからよ」

黒夜 「まあ、ホラ、赤子が泣いても食休みって言うじゃん」

白井 「なにか違くないですか?」

黒夜 「ん? 間違ったかな?」

滝壺 「赤子が泣いても蓋とるな、だよ」

140: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:16:49.08 ID:f1lRzTgRo

番外個体 「実際赤子が泣いたら食休みどこじゃないだろうね」

黒夜 「じゃ食休みのペアは?」

白井 「親が死んでも食休み、ですの」

絹旗 「親が死んだら超食休みどこじゃないんじゃないですか?」

結標 「まあ、あくまで昔の知恵みたいなものだからね」

滝壺 「ところで、みんなはこの後どうするの?」

黒夜 「私は絹旗ちゃんと」

絹旗 「何を前提に話してるんですか、あなたは」

白井 「予定もございませんし……散歩と警邏を兼ねて少し歩こうかと」

絹旗 「私も行っていいですか?」

黒夜 「私も私も」

白井 「かえって騒ぎが起こりそうなのですが」

滝壺 「私はどうしようかなー……スピー」

番外個体 「目開けたまま寝ちゃったよ」

結標 「この寝つきの良さはたまにうらやましいわね」

141: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:18:35.50 ID:f1lRzTgRo


~その頃 第7学区 浜滝邸~


フレメア 「ねー、浜面」

浜面 「どうした」

フレメア 「大体ヒマ」

浜面 「お、気が合うな。俺もヒマだ」

フレメア 「せっかくお天気がいいんだから、どっか行こうよー」

浜面 「どっかってどこだ?」

フレメア 「大体ここではないどこか」

浜面 「いや、だからどこだよ」

フレメア 「ねー、どーこーかー、にゃあ」グイグイ

浜面 「引っ張るな。って、おい何でもうリュックしょってんだよ、出かける準備万端じゃねえか」

フレメア 「ふんぬー」グイー

浜面 「分かった分かった! ちょっと待て、滝壺に出かけるって言っておくから」カチカチ

フレメア 「♪」

142: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:20:23.87 ID:f1lRzTgRo

浜面 「あ、もしもし? 俺だ、俺。……いや、オレオレ詐欺じゃねえよ、あなたのための浜面ですよ!」

フレメア 「」ウロウロ

浜面 「フレメアがヒマだって言うからさ、どっか連れてフラフラしてくるわ」

フレメア 「」ゴソゴソ

浜面 「迷子に? ああ、分かって……あ、俺が!? 俺が迷子になる心配してんの!?」

フレメア 「ふぃー」

浜面 「夕食の時間にゃ戻るから。はい、失礼します」ピッ

フレメア 「終わった? 終わった?」

浜面 「おお、んじゃ出かけるとしますか!」

フレメア 「大体どこいくの?」

浜面 「そうだなぁ。とりあえずデカイ公園でも行くか」

フレメア 「どこかな」

浜面 「ほら、病院の横に広ーーい公園あっただろ。あそこだ、あそこ」

フレメア 「じゃあ出発ー、にゃあ」トテテテ

浜面 「おい、転ぶなよ」

143: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:22:15.69 ID:f1lRzTgRo


~第7学区 いつものファミレス~


滝壺 「」ピッ

結標 「電話、浜面くんから?」

滝壺 「うん」

黒夜 「浜面ってあの浜面?」

絹旗 「はい、犬です」

滝壺 「違うよ」ムー

番外個体 「滝壺さんのワイフだよ」

白井 「それはもう、仲がよろしいんですのよ」

結標 「二人がいたら固有結界が出来上がるぐらいね」

滝壺 「固有結界張るのはむすじめとみさわもだよ」

黒夜 「ふーん……つまり、姐さんたちはもう売約済みだと」ズチュー

白井 「お姉様のみならず、大きいお姉様までとられるとは……」ギギギ

絹旗 「超諦めたほうがいいと思いますけどね」

144: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:24:13.62 ID:f1lRzTgRo

黒夜 「ま、私には絹旗ちゃんが」

絹旗 「やめてください。超気色悪いです。あとジュース返してください」

番外個体 「黒イルカだって、ちょくちょく超絶イケメン連れ回してるじゃん」

結標 「あら、そうなの? 最近の子は進んでるわね」

白井 「オバちゃんみたいな発言ですの」

結標 「」グリグリ

白井 「いや、あの、テーブルの下で足を踏まないでくださいまし」

結標 「私じゃないわよ」グリグリ

白井 「他におりませんの!」ムキー

滝壺 「そんな進んでるくろよるも応援してる」

黒夜 「やめてくれ、アレはそんじゃないから」

絹旗 「あ、もしかしてあの長髪のお兄さんですか」

黒夜 「そうだけど、そうじゃないから!」

絹旗 「あーんな超イケメンといつも一緒なんですか。超羨ましいですねぇ」ニヤニヤ

黒夜 「あんな不良債権、欲しいんだったらくれてやる」

145: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:26:21.09 ID:f1lRzTgRo

絹旗 「聞きましたか。これが超ツンデレテンプレです」

黒夜 「違うっつーのぉぉぉ!!」

結標 「気になるわね。写真とかないの?」

番外個体 「ほら、ツーショット写真」パカ

滝壺 「あ、いけめんさんだ」

結標 「すれ違った女の子が10人中9人は振り返る容姿よね」

黒夜 「なんであんの!? ねえ、なんで!?」

白井 「このそっぽを向いてるながらも照れを隠しきれてない表情、ツンデレの鑑ですの」

黒夜 「これ盗撮だよ盗撮! ほら風紀委員、取り締まれよぉ!」グイグイ

白井 「わたくし、今日は非番でございますので」

絹旗 「ぶふぃー」

黒夜 「笑ってんじゃねぇ! とっ、とにかくマスターは携帯は没収……」

絹旗 「超させませんよ!」ガッチリ

黒夜 「はーなーせーよー!!」

滝壺 「」カシャッ

絹旗黒夜 「「えっ?」」

147: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:28:27.81 ID:f1lRzTgRo

滝壺 「きぬはたとくろよる、愛の抱擁を激写」

絹旗 「たっ、滝壺さーん!?」

黒夜 「何してんのぉ!?」

結標 「これ、すごいタイミングね。本当に抱き合ってるように見えるじゃない」

番外個体 「絹旗さんが悪戯っぽい笑顔で腰に抱き着いて……」

白井 「黒夜さんは"何してんだよ。ったくしょうがねぇヤツだなぁ"って顔ですの」

黒夜 「」

絹旗 「」

滝壺 「二人に送信するから、待ち受けにしておくといいよ」カチカチ

絹旗 「いや、超いらないですよ」

黒夜 「待ち受けにはしねぇし……待ち受けには」

滝壺 「あっ」

白井 「どうかされましたか?」

滝壺 「間違えて電話帳の"ともだち"グループに一斉送信しちゃった」

絹旗黒夜 「( ゚A゚)( ゚A゚)」

148: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:30:43.05 ID:f1lRzTgRo

 :
 :
 :

黒夜 (……よく見たら悪くない写真じゃん)カチカチ

絹旗 「そうだ、ミサワさん。誰か超腕のいい医者を知らないですかね」

番外個体 「腕のいい医者? 私の主治医の先生はカエルに似てて凄腕だと思うけど」

白井 「カエル……あぁ、あの先生は確かに凄腕ですわね」ウンウン

結標 「カエルは余計でしょ……」

滝壺 「何かあったの?」

絹旗 「(ユリコに)子どもができたかもしれないんですよ。それで診せようかと」

番外個体 「」ブーッ

滝壺 「」ズルッ

結標 「」ポカン

黒夜 「」ガシャン

白井 「」

149: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:32:19.90 ID:f1lRzTgRo

番外個体 「なっ、なな、ななななっ」

滝壺 「きぬはた、侮れない」

結標 「だっ……誰の子どもよ」

黒夜 「」

絹旗 「超分かりません」

4人 「「「「!?」」」」

絹旗 「いや、だって。私が知るわけないじゃないですか」

白井 「きっ、絹旗さん! いろいろ言葉が足りてませんの!!」

滝壺 「あ、もしかしてきぬはたとしらいの子?」

番外個体 「滝壺さん、まずは落ち着こうか。お茶でも飲んで」コポコポ

結標 「お茶にソース入れてどうするのよ」

白井 「み、みなさん! まず落ち着いて話を」

黒夜 「」グビ

白井 「ソース茶飲まないでくださいましぃ!」

結標 「絹旗さん妊娠なう……」カチカチ

白井 「お願いだから落ち着いてくださいぃぃ!」

150: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:34:07.05 ID:f1lRzTgRo


~白井による決死の説明後~


結標 「なるほど、ユリコがね」

番外個体 「いや、びっくりしたぁ」

滝壺 「きぬはたとしらいの子じゃなかったんだね」

白井 「いくら学園都市でもそれはないかと……」

黒夜 「おい、誰だこの変な味のお茶もってきたの」

絹旗 「みなさん、発想が超ぶっとびすぎですよ」

白井 「そもそもは絹旗さんの説明不足が原因ですの」

番外個体 「んでも、ユリコって室内飼いじゃなかった? 父親は誰なの?」

絹旗 「それが超分からないんですよね……」

白井 「でも、外に一歩も出さないかというと、そうでもないでしょう」

絹旗 「ですね。昼間は超預けてますし、私自身が散歩に連れていくこともあるし」

黒夜 「つまり飼い主に隠れてコッソリヒッソリ」

絹旗 「ユ、ユリコはそんな子じゃありません!!」

151: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:36:21.03 ID:f1lRzTgRo

結標 「まあ、それはそれとして。そうすると、一つ問題があるわね」

絹旗 「な、なんですか……?」

結標 「いくらカエル先生が凄腕でも、人間の体が専門ってことよ」

番外個体 「いや、でもあの先生ならもしかしたら……」

滝壺 「素直に動物のお医者さんに連れていったほうがいいと思う」

黒夜 「猫でも予防接種とか定期健診とかしてんだろ? そこ行きゃいいじゃん」

絹旗 「あー……そうですね。そうしましょうか」

白井 「病院が開いてるときですから、学校が終わった後ですわね」

絹旗 「ユリコのためなら超しょうがないですね」

滝壺 「子猫生まれたら見せてね」wktk

絹旗 「超もちろんです」

白井 (子猫……それも考えなければなりませんの)

番外個体 「にしても、あのユリコが母親か」

結標 「時間の流れを実感するわね」

152: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:38:44.71 ID:f1lRzTgRo


~しばらくして~


滝壺 「それじゃ、私そろそろいくね」

絹旗 「どっか行くんですか?」

滝壺 「はまづらとフレメアのところ。で、帰りに一緒に夕飯の買い物しようと思って」

番外個体 「丁度いいし、適度に解散するとしよっか。結構居座っちゃったしね」

結標 「みんなはどうするの?」

白井 「先程お話した通り、散歩と警邏を兼ねて歩こうかと思ってますの」

絹旗 「で、私も行くと」

黒夜 「私も私も」

白井 「贅沢は言いません、くれぐれも騒ぎは起こさないでくださいまし」ハァ

絹旗 「不埒な輩を見つけたら問答無用で超成敗すればいいんですよね?」

黒夜 「楽勝楽勝、任せとけって」

白井 「ダメですの!」

結標 「ねえ、真琴。貴女この後ヒマよね」

番外個体 「なんで断言してるの。いや、ヒマだけどさ」

153: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/03(水) 22:41:07.52 ID:f1lRzTgRo

結標 「ちょっと付き合いなさいよ。私も空いてるし」

番外個体 「まあ、いいけども」

白井 「では清算をいたしますの」

黒夜 「……絹旗ちゃん、万札くずれないか?」

絹旗 「はあ……超しょうがないですね」つ【お金】

黒夜 「ひい、ふう……おい、9000円しかないぞ」

絹旗 「超手数料です」

黒夜 「ふざけんな」

結標 「はい、置いとくわね」

番外個体 「これ私の分ね」チャリン

滝壺 「じゃ私がまとめて払っておくよ」

白井 「お願い致しますの」

結標 「ほら、二人とも。行くわよ」

黒夜 「あれ? イルカみなかった?」

絹旗 「あ、すいません。超クッション代わりにしてました」つ【イルカ】

黒夜 「オイ、てめェ何してくれちゃってるンだコラ」

187: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/05(金) 23:47:08.00 ID:aMqg6Cqeo


~同日 第7学区 とある公園~


フレメア 「着いたー」トテテテ

浜面 「」キョロキョロ

浜面 (すぐ横が病院だからなぁ。散歩に来てる患者さんとかも結構いるな)

浜面 「おーい、フレメア。他の人の迷惑にならないように、もうちっと広いとこいくぞ」

フレメア 「大体らじゃー」

浜面 「さて、広場はどっちかな、と……」キョロキョロ


  ドンッ


???? 「キャッ!?」コテッ

浜面 「あ、すいません! 余所見してた……って」

打ち止め 「あいたたた、ってミサ……あ」

浜面 「ありゃ? 小さい方の姐さんじゃないか。大丈夫か?」

打ち止め 「何かにぶつかったと思ったら三下2号さんだった!」

188: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/05(金) 23:49:46.77 ID:aMqg6Cqeo

フレメア 「あ、みさわ妹だ」トテテテ

打ち止め 「フレメアも一緒だったんだねー」

浜面 「……ん、待て。お前さんがいるってことは」

打ち止め 「うん、あの人も一緒だよ。今はあなたの後ろでコーヒー飲んでるよ」

浜面 「へ?」クルッ

一方通行 「よォ」

浜面 「おぉぉ!? お、驚かすな! いきなり現れてるんじゃねぇよ!」

一方通行 「オマエが真後ろガラ空きだから気付かなかっただけだろォが」ケッ

浜面 「あのね、普通の人は日常生活でそこまで気を張って生きてるわけじゃないからね」

フレメア 「シロも来てたんだね」

一方通行 「そこの病院にちと用事があってな」

フレメア 「用事終わったんだよね? ねー、大体遊ぼうよ」グイグイ

一方通行 「ンで俺なンだよ。クソガキと遊ンでやってくれ」

フレメア 「ごー♪」

打ち止め 「あ、待ってよ!」

189: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/05(金) 23:53:19.77 ID:aMqg6Cqeo

一方通行 「オイ、オマエもだ。行って来い」ゲシゲシ

浜面 「い、いてぇよ。なんだよ、おい!」

一方通行 「ガキ二人だけ放し飼いにするつもりか? 危機感なさすぎだろ」

浜面 「あぁ、そういうことな。分かった分かった、行ってきますよ」タッ


<おーーーい、待ってくれぇぇぇ。


一方通行 「……ジュース2本追加、か。やれやれ」カツッ

 :
 :
 :

フレメア 「ねえねえ、大体これで遊ぶ」スチャ

打ち止め 「これなに? レコード?」

浜面 「これはな、フリスビーってんだ。うん、いいんじゃないか?」

打ち止め 「これ、どうやって使うの??」

フレメア 「大体、私がお手本みせてあげる、にゃあ」

打ち止め 「」wktk

190: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/05(金) 23:55:02.65 ID:aMqg6Cqeo

フレメア 「私が投げるから、浜面は地面に落ちないようにキャッチしてね」

浜面 「よしきた!」

フレメア 「じゃいくよ。そーーー……れっ!」ブンッ


  ヒュルルルル


浜面 「おいおい、どこ投げてんだよ」

フレメア 「ほら、浜面」

浜面 「……え?」

フレメア 「行った、向こう」

浜面 「あ、そういうこと!? これ、そういうルールなの!?」

打ち止め 「三下2号さん、頑張ってー!」ピョンピョン

浜面 「くっそぉ、フレメアお前素質あるよ、アイテム女子の素質がよぉ!」ダダダダ


<うぉぉぉ、届けぇぇぇぇ!


打ち止め 「すごい! ダイビングキャッチだ!」

フレメア 「浜面、大体かっこいー!」

191: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/05(金) 23:56:31.09 ID:aMqg6Cqeo

浜面 「ゼェゼェ……み、見たか! これが俺の実力よ!」フンス

打ち止め 「次やらせてやらせて!」

フレメア 「大体OKにゃあ!」

打ち止め 「いっくよー……」ブンブン

浜面 「ちょ、気合い入れすぎ」

打ち止め 「跳べーーーー!」ブォン


  ギュルルルルル


フレメア 「おー、すごい」

浜面 「うぉぉぉ、やってやらぁぁぁぁ!」ダダダダ


<もらったぁ!(バシィ)いってぇぇぇぇ!?


打ち止め 「?」

フレメア 「フリスビーが浜面の指弾いたね」

打ち止め 「ありゃりゃ」テヘ

192: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/05(金) 23:58:22.03 ID:aMqg6Cqeo


~その頃 とある病院 自販機コーナー~


一方通行 「」コツコツ

一方通行 (ン? ありゃ確か……)

ショチトル 「……やっぱりブラックは苦いな」チビチビ

ショチトル 「なぜマスターは平気な顔して飲めるんだろう」

一方通行 「よォ」

ショチトル 「ぴゃ!」ビクッ

一方通行 「なンだなンだ、今日はよく驚かれる日だなオイ」

ショチトル 「真後ろからいきなり声を掛けられれば驚くに決まっているだろう……」ドキドキ

一方通行 「そりゃすいませンねェ」

ショチトル 「で、誰かと思えば白い人だったか。久しいな」

一方通行 「オマエ、今日はどォしたンだよ。まさかうちの性悪に限界超えて働かされて」

ショチトル 「ち、違う! 経過観察! マスターにいびられたわけではない!」

一方通行 「あ、そう。ならいいけどよ」ピッ ガコン

193: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/05(金) 23:59:55.26 ID:aMqg6Cqeo

ショチトル 「そういう白い人はどうしたんだ」

一方通行 「付き添いだ、クソガキのな。あ、先に言っておくがクソガキも定期健診みてェなもンだ」ピッ ガコン

ショチトル 「なるほどな……う」チビチビ

一方通行 「……オイ。ンな不味そうに飲むぐらいなら寄越せ」

ショチトル 「え、でも」

一方通行 「お前は黙ってこっち飲ンどきゃいいンだよ」つ【いちごおでン】

ショチトル 「……それはちょっと」

一方通行 「だったら自分で選べ、メンドくせェ」チッ

ショチトル (怒ってるんだか優しくしてくれてるんだか……)

ショチトル 「じゃあ、これを頂く」

一方通行 「はいはい、どォぞ」ピッ ガコン

ショチトル 「杖をついてる身ではそんなに持てないだろう。礼の代わりに運ぶのを手伝わせてもらう」

一方通行 「……好きにしろ」

ショチトル 「これで全部なのか?」

一方通行 「あァ、全部だな」

194: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:02:17.53 ID:H1t+qlaWo

ショチトル 「どこまで運べばいい」

一方通行 「ついてこい」

ショチトル 「よっと……」

一方通行 「さすが本職のウェイトレスってところか」キシシ

ショチトル 「バイト中でも大量の缶ジュースを運ぶことなどない」

一方通行 「……どォなンだ、最近は。大分慣れたか?」

ショチトル 「まあ、どうにか」

一方通行 「アレはいつだっけなァ。オマエがコケて、頭からナポリタンをぶっかけられたことがあったなァ」

ショチトル 「そっ、そ、それについては死ぬほど謝罪したじゃないか!!」

一方通行 「オマエの上司であるマスターは笑い転げてたぞ」

ショチトル 「それは……マスターと白い人の間柄があればこそだし」

一方通行 「つまり、俺が相手じゃなければアイツもそれなりの対応をしたってことか」

ショチトル 「その筈だ」

一方通行 「まァ、ならそれでよしってことにしといてやる」

ショチトル 「それに、あんな失態は二度と犯さない……たぶん」

一方通行 「その言葉、間に受けといてやるよ」

195: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:04:00.16 ID:H1t+qlaWo

一方通行 「そォいやオマエ、愛しのお兄ちゃンとは一緒じゃねェのか」

ショチトル 「愛しは余計だ! ……まあ、後から追いついてくるだろう」

一方通行 「いいのか、そンなンで」

ショチトル 「あの男はどういう訳か、人を見つけるのが得意だからな」

一方通行 「あー……なンか分かる気がするわ」

ショチトル 「それで、どこまで行くんだ」

一方通行 「もォそこだ。……オイ、ちと一本寄越せ」ヒョイ

ショチトル 「?」

一方通行 「」シャカシャカシャカシャカシャカシャカ

ショチトル 「え」

一方通行 「オーイ、戻ったぜェ」

打ち止め 「あ、お帰りー」トテテテ

フレメア 「あれ? ショチトルのお姉ちゃんだ」

ショチトル 「お前たちも一緒だったのか」

浜面 「」ゼェゼェハァハァ

196: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:06:45.41 ID:H1t+qlaWo

ショチトル 「なぜそんな疲れてるんだ」

浜面 「いやー、最近ちと運動不足だったみたいだな」

一方通行 「お疲れさン。まァ、飲め」つ【ヤシの実サイダー】

浜面 「おっ、この汗かいたところにヤシの実サイダーとか、気が利きすぎだろ」

ショチトル 「ほら、お前たちもこの中から選んで」

フレメア 「3倍コーヒー牛乳もーらい」

打ち止め 「じゃ私はきなこ練乳」

一方通行 「ぬるくなる前に飲めよ」ニヤニヤ

浜面 「おお、悪いな。いただきます!」カシュッ


  ブシュワーーーー


浜面 「」ポタポタ

一方通行 「悪ィ悪ィ、それさっき落としたヤツだわ」

浜面 「そ、そうか。ならしょうがないよな」

ショチトル (イタズラ好きなところはマスターにそっくりだな……)


197: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:08:44.13 ID:H1t+qlaWo


<あ、ここにいましたか。


ショチトル 「ん、やっときたか」

海原 「探してしまいましたよ」

浜面 「なんだ、お兄ちゃんも一緒だったのか」

海原 「これはこれは、想定外の賑やかさですね」

フレメア 「海原お兄ちゃんこんにちはー」ピョンピョン

打ち止め 「お久しぶりー」ミョンミョン

海原 「お二人とも、ご無沙汰してます」

浜面 「お前も病院に来てたのか?」

海原 「ええ、付き添いで」

ショチトル 「一人でも大丈夫だって言ってるのに……」

浜面 「そう言うなよ。心配してもらえる内が華ってもんだ」

一方通行 「オイ、最後の一本だ。飲ンどけ」つ【いちごおでン】

海原 「おや、では折角なので頂きますね」ニコニコ

198: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:10:18.19 ID:H1t+qlaWo

 :
 :
 :

ショチトル 「」ポケー

海原 「すごしやすい季節になったものですね」

一方通行 「まあな」


フレメア 「」orz

打ち止め 「」orz

浜面 「」orz


海原 「彼女らはなにを?」

ショチトル 「四葉のクローバーを探してるそうだ」

一方通行 「くだらねェ……見つけてどォにかなるもンでもねェだろ」

海原 「こういうのは気の持ちようです。存外バカにできませんよ?」

一方通行 「そンなもンかねェ」

ショチトル (私も小さいころはよく探したものだ)

199: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:11:35.67 ID:H1t+qlaWo

打ち止め 「うーん、全然見つからない……」

フレメア 「」モジモジ

打ち止め 「フレメア? どうしたの?」

フレメア 「う、うん、えっとね」

浜面 「はー、ちと休憩するか」

フレメア 「ねえ、浜面。大体お手洗い行きたい」

浜面 「トイレか? ここからだと、病院の借りるのが早いか?」

海原 「クローバーは見つかりましたか?」

打ち止め 「全然だめー」

ショチトル 「今日は日も傾いてきたし、また別な日に改めたらどうだ?」

打ち止め 「ぶー」

一方通行 「簡単には見つからねェから、幸運のシンボルとか言われてンだろ」

フレメア 「」モジモジ

浜面 「じゃ、今日はそろそろおうちに帰るとしますか」

打ち止め 「ちぇー……」

200: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:13:17.84 ID:H1t+qlaWo

一方通行 「またその内、探しにくりゃいいだろ」

打ち止め 「みんなで来るんだよ! 約束だからね!」

フレメア 「約束にゃあ」モジモジ

海原 「では、行くとしましょうか」

浜面 「悪ぃ、先行っててくれ。ちょっとトイレ寄ってくからよ」

フレメア 「は、浜面、大体早く」

一方通行 「ン、じゃここでな」ノシ

打ち止め 「フレメア、また遊ぼうねー!」ノシ

フレメア 「」ノシ

海原 「では、またその内に」

浜面 「おう。よし、行くぞフレメア。もうちょいの辛抱だ」

ショチトル 「おい」

浜面 「なんだ?」

ショチトル 「付き添っていいのはお手洗いの入り口までだからな」

浜面 「わかっとるわ!」

201: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:15:24.05 ID:H1t+qlaWo


~とある病院 1階ロビー~


浜面 「ここで待ってるからな。行ってこい」

フレメア 「いてね、大体ここにいてよね」トテテテ



麦野 「あー、なんかクマができてる……」

19090 「しずりんは昨夜夜勤でしたからね、とミサカはお疲れ気味のしずりんをねぎらいます」

麦野 「夜中の見回りってさー、すごい怖いのよ……昨日もさ、地下2階の霊安室の前で」

19090 「やっ、やや、やめてください!」ガクブル

麦野 「なーにビビってんだか、なんもないっての」ケラケラ

フレメア 「うー」

19090 「おや?」

麦野 (えっ……?)

フレメア 「あ、こんにちは」ペコリ

19090 「こんにちは」ペコリ

202: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/06(土) 00:17:03.86 ID:H1t+qlaWo

麦野 「」

フレメア 「おトイレおトイレ」トテテテ


<バタン


19090 「礼儀正しくて可愛い子ですね、とミサカは……」

麦野 「」

19090 「? しずりん?」

麦野 「嘘……違う……」

19090 「あれ? しーずりーん?」

麦野 「違う……だって、私……!」フルフル

19090 「???」

麦野 「……っ!」フルフル

19090 (な、何事ですか?)

19090 (あの少女の顔を見た途端に……?)

19090 (一体なにが……)

223: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:05:22.63 ID:dqiDd+fRo

麦野 (さっきの子、似すぎだろ……)

麦野 (まさか、フレンダの……)

麦野 (いやいや、まず落ち着け)

19090 「あの、しずりん?」

麦野 「あ、ああ、ゴメン、なんでもないの」

麦野 (まず、あの子が何者か確かめる。話はそれからね)


<ジャーーーー
<バタン


フレメア 「ふぅ」

麦野 (……似てるなんてレベルじゃない。じゃ、やっぱり……)

フレメア 「♪」バシャバシャ

麦野 「ねえ、あなた」

フレメア 「看護婦さん? どうしたの?」

19090 「正確には看護婦さんではなく看護助手さんですよ、とミサカは訂正を求めます」

224: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:07:14.84 ID:dqiDd+fRo

麦野 「どうでもいいわ、黙ってろ」ベシッ

19090 「いたいっ」

フレメア 「?」

麦野 「あなたのお名前って、もしかして、フ……フレ……」

フレメア 「あれ? お姉ちゃん、なんで私の名前知ってるの?」

麦野 「!? じゃ、じゃあやっぱり生まれ変わりなの……!?」

フレメア 「?」

19090 「?」

麦野 「そうよね、私に言いたいことあるのよね。それであなたは……
    ええ、もちろんどんな言葉でも受け入れるわよ。
    私はあなたにそれだけのことを」

19090 「おっ、落ち着いてください!」ズビシッ

麦野 「ふぎゃ」

フレメア 「???」

19090 「しずりん、あなた疲れているのです」

麦野 「え、あ、アンタまで……!」

225: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:08:25.47 ID:dqiDd+fRo

19090 「そ、そうでなければ更年期障害」

麦野 「」ガシッ

19090 「ぴぎゃ!? い、痛いです痛いです!」メリメリ

麦野 「誰が更年期だ、誰が!」

フレメア 「大体ケンカはだめーーー!」

麦野 「」ピタッ

19090 「あ、頭が割れるかと……」ズキズキ

麦野 (はー、今のでちょっとほぐれたわ……落ち着いてもう一回)

麦野 「ね、あなたのお名前教えてくれるかな」

フレメア 「フレメア。フレメア=セイヴェルン」

麦野 (セイヴェルン……)

フレメア 「」ジー...

麦野 「?」

フレメア 「むぎ、の……?」

麦野 「えっ?」

226: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:10:21.17 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「お姉ちゃんの名札、大体むぎのって読むの?」

麦野 「あ、これ? ええ、むぎので正解よ」

19090 「ちなみにミサカのはミサカと読みます、とミサカは名札を天高く掲げて」

麦野 「アンタのは片仮名で書いてあるでしょうが」

フレメア 「もしかして、フレンダお姉ちゃんがいつも自慢してた人?」

麦野 「お姉ちゃん……フレンダの妹なの……?」

フレメア 「うん」

麦野 「……」

フレメア 「お姉ちゃん、たまに電話でお話してたんだけど」

フレメア 「自分の周りには強くて綺麗な人がたくさんいるんだ、っていつも自慢してた」

フレメア 「ちょっぴり羨ましかった、にゃあ」

麦野 「あいつ、そんなこと……」

フレメア 「でね、でね」

フレメア 「お姉ちゃんがいつも言ってたの」

麦野 「どんなこと?」

227: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:12:21.32 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「もしお姉ちゃんに何かあったら、麦野ってお姉さんを頼りなさい」

フレメア 「麦野は喧嘩がすごく強いから助けてくれる訳よ、って」

麦野 「ほかにセールスポイントあるだろ……」

19090 「腕っ節の強さは本物ではないですか、とミサカは」

麦野 「アンタちょっと黙ってろ」

フレメア 「麦野お姉ちゃんはすっごく綺麗だけど、大体強いの?」

麦野 「……弱いわよ、すっごく弱い」

フレメア 「?」

麦野 「あなたのお姉ちゃんの方が、ずっと強かったんじゃないかしら」

フレメア 「そうなの?」

麦野 (信じ続けることができたか、できなかったか)

麦野 (あの時、フレンダはそれができて私はできなかった)

麦野 (結局私が弱かったから)

フレメア 「ねえ、麦野お姉ちゃん」

麦野 「ん?」

228: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:13:50.84 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「…………ええとね、麦野お姉ちゃん」

麦野 「どうしたの?」

フレメア 「…………」

麦野 「黙ってても分からないわよ」

フレメア 「大体、メールアドレス教えてほしい」

麦野 「あ、えっと……」

19090 「仕事中は携帯を持ってないのです、とミサカは致命的な問題を指摘します」

フレメア 「」ムー

麦野 「じゃあ、携帯貸して。打ち込んであげるから」

フレメア 「にゃあ」つ【携帯電話】

麦野 「」カチカチ

19090 「次ミサカです」

麦野 「なんでよ」

フレメア 「そっちのお姉ちゃんも入れて。大体電話帳が増えると嬉しい」ピョンピョン

19090 「ええと、19090アットマ-ク……」カチカチ

麦野 「覚えやすくていいわよね、アンタのアドレス」

229: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:15:29.78 ID:dqiDd+fRo


~その頃~


浜面 「」ソワソワ

浜面 「なんだ随分長いな」

浜面 「まさか、中でなんかあったのか?」

浜面 「突入……していいものかどうか……」


<あ、いたいた。


浜面 「?」

滝壺 「いぇい」

浜面 「おお、滝壺か。よくここがわかったな」

滝壺 「AIM……じゃなくてGPS発信機」

浜面 「そういえばそんなのも持たされてましたね、俺……」

滝壺 「フレメアは一緒じゃないの?」

浜面 「あ、そうそう。フレメアなんだけどよ。どうもトイレが長いんだ、ちょっと見てきてくれねぇか」

滝壺 「そうなの? ちょっと見てくるね」

230: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:17:13.99 ID:dqiDd+fRo

滝壺 「フレメアー? フレ……あっ」

フレメア 「あっ、滝壺お姉ちゃんだ」トテテテ

麦野 「えっ、滝壺?」

滝壺 「むぎのだ。久しぶりだね」

麦野 「ああ、1か月ぶりぐらい?」

フレメア 「大体登録完了、にゃあ」カチカチ

滝壺 「フレメアと話してたの?」

麦野 「うん、そんなところ」

滝壺 「……そっか。仲良くしてあげてね」

麦野 「もちろんよ。ところで、今は……」

滝壺 「私とはまづらと、3人で一緒に住んでるよ」

麦野 「なるほど。なら安心だな」

フレメア 「滝壺お姉ちゃんは優しいし、浜面は面白くて楽しいよ」

麦野 「ふふ、よかったわね」ナデナデ

231: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:19:10.27 ID:dqiDd+fRo

フレメア 「今度お姉ちゃんも遊びに来てほしい」

滝壺 「うん、ご飯でも食べてって」

麦野 「そうね、そういえば新居にはまだ行ったことなかったわね」

フレメア 「大体来てね、約束だからね!」

麦野 「ええ、約束ね。あ、そうだ」

フレメア 「?」

麦野 「フレメア、もしあなたに何かしようするおバカさんがいたら」

フレメア 「うん」

麦野 「私に連絡しな。すぐにやっつけてやるからさ」

滝壺 「むぎのはすっごい強いから頼りになるよ」

フレメア 「浜面より強いの?」

滝壺 「どっちだろう」ウーン

フレメア 「……でも、考えてみたら浜面は滝壺お姉ちゃんより弱かった」

麦野 「相変わらず尻に敷いてるのね、滝壺は」

滝壺 「浜面が優しいだけだよ」

232: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:21:35.13 ID:dqiDd+fRo

 :
 :
 :

フレメア 「お待たせー」トテテテ

浜面 「遅いっ! トイレするだけなのにどんだけ時間かけてるんだ!」

麦野 「はーまづらー。女の子相手にその発言はちょっと頂けないにゃー」

浜面 「げぇっ、麦野!?」

滝壺 「むぎの、はまづらは悪気はないんだよ。デリカシーもないけど」

浜面 「滝壺まで! ひどい!」

麦野 「浜面にそこまで期待するのが酷ってもんよね」

19090 (ミサカすっかり空気です、とミサカは己の過酷な境遇を嘆きます……)

浜面 「遅かったのは麦野と話し込んでたからか」

フレメア 「メルアドももらったんだよ」フンス

浜面 「そうかそうか、よかったな。麦野はすげぇ力持ちだから、心強いぞ」

麦野 「なんでみんなそう言うんだ……」

19090 「事実ですし」

233: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:23:14.00 ID:dqiDd+fRo

浜面 「よし、じゃ帰るとするか。麦野も仕事中みたいだしな」

滝壺 「むぎの、またね」

フレメア 「またねー」ノシ

麦野 「気をつけてな」


<あ、帰りに夕飯の買い物していこう。
<大体カレーが食べたい!
<俺、麻婆豆腐!
<じゃ、混ぜてみようか。


19090 「家族とはああいうものなのでしょうか、とミサカは感慨深げに語ります」

麦野 「……」

麦野 (今更許されるとは思わないし、何をしてもこの後悔は消えないけど)

麦野 (せめて、あの子の……いや、あの3人の日常を壊そうってヤツがもしいるなら)

麦野 (私が真っ先にそのおバカさんを懲らしめてやる)

19090 「しずりん、そろそろ戻りましょうか」

麦野 「そうね。よしっ、もう一頑張りといくか」

234: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:25:09.61 ID:dqiDd+fRo


~同日夜 第7学区 海原結標邸~


結標 「はぁ……どうしよ」

ショチトル 「どうしたんだ?」

結標 「今月ちょっと出費が多いなーと思って」

ショチトル 「そうなのか」

結標 「外出が多かったから、外食も多くなっちゃったしね」

ショチトル 「……こういってはなんだけど」

結標 「なに?」

ショチトル 「1回の食事を作るのに、3日分の食材が犠牲になるのが」

結標 「ま、前に比べればマシになったじゃない! 前は5日分が犠牲になってたんだから!」

ショチトル 「それはそうなんだけど」

結標 「この間だって、どうにかコロッケ作ったでしょ」

ショチトル 「お兄ちゃんが"ダイナマイトコロッケ"と名付けたアレか。見た目はともかく、味はまともだったな」

235: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:27:18.59 ID:dqiDd+fRo

結標 「でしょ? 前は見た目は酷くて味はもっと酷かったんだから」フンス

ショチトル 「威張ることではない」

結標 「分かってるわよ。じゃ、さっさと夕食の準備しましょうか」

ショチトル 「といっても兵糧が若干不足しているが」

結標 「買い物もしてないし、あるものでどうにかするしかないわね」

ショチトル (ありあわせって、義姉さんにはハードル高いんじゃ……)

結標 「さーて、何があったかしらね」ガチャ

ショチトル (まあ、どうにかなるよね)

結標 「……うん……親子丼ね」

ショチトル 「親子丼?」

ショチトル (あれ? 鶏肉なんてあったっけ?)

結標 「じゃ、始めましょ。今日はサクッと作れるわよ」

ショチトル 「……義姉さん、それをどう使うんだ」

結標 「まあ見てなさいって」クスッ

236: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:29:26.72 ID:dqiDd+fRo


~30分後~


ショチトル 「お兄ちゃん、夕食にするぞ」

エツァリ 「ああ、はい。今向かいます」

ショチトル 「」ハァ

エツァリ 「いやぁ、お腹が空きました。今日のメニューはなんですか?」

ショチトル 「親子丼らしい」

エツァリ 「らしい?」

ショチトル 「見ればわかる」

結標 「あ、来た? じゃ食べましょうか」

エツァリ 「お米の上に……これは子持ちししゃもですか。なるほど、親子丼ですね」

ショチトル 「済まない、食材があまりなくて」

エツァリ 「いやいや、独創的でいいと思いますよ。では、頂きます」

ショチトル 「いただきます……」

結標 「今日は……そんなに失敗してないと思うんだけどな」

ショチトル (焼いてのせただけだからな)

237: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:31:29.76 ID:dqiDd+fRo


~その頃 第7学区 番外通行邸~


番外個体 「ごち」

一方通行 「ごち」

打ち止め 「ちゃんとごちそうさまって言わなきゃダメなんだよ! ってミサカはミサカは指摘してみたり!」

番外個体 「ごちそうさまでした」

一方通行 「ごちでェす」

打ち止め 「もぉー、何度も言ってるのに! ってミサカはミサカは憤慨してみるんだけど!」プンスコ

番外個体 「はいはい、もう言ってもムダだから。それより今日はあなたの番でしょ」

打ち止め 「むー……とりあえず、洗い物してくる」カチャカチャ

番外個体 「」ハフー

一方通行 「なあ、コーヒー飲みてェ」

番外個体 「最終信号のお仕事が終わったらね」

一方通行 「しょォがねェな……」

番外個体 「早く飲みたいんだったら手伝っておいで」

238: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:33:15.83 ID:dqiDd+fRo

一方通行 「待ちますよ。……ンで、ワースト」

番外個体 「ん?」コキコキ

一方通行 「オマエ、溜まってンだろ」

番外個体 「……なんでバレたし」

一方通行 「見てりゃわかるっての。来いよ、ほぐしてやる」

番外個体 「えー、今ここで? 最終信号が見たらどう思うかな?」

一方通行 「今更どォもしねェだろ。いいからこい」グイ

番外個体 「あふ」



打ち止め 「Butterfly♪ 今日は いままーでーの♪」ジャブジャブ

打ち止め 「どんな 時よーりすばーらしい♪」カチャカチャ


<いたっ! いたたたた!
<これぐらいで叫ぶンじゃねェ。


打ち止め 「赤い糸で むすばーれて……?」ジャブ

打ち止め 「今何か聞こえたような……」

239: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/07(日) 05:34:54.17 ID:dqiDd+fRo


<や、あぁっ……痛いってば!
<こンななるまでほっとくほうが悪ィンだろ。


打ち止め 「!?」ドタタタ

打ち止め 「ふっ、二人して何してるの! ってミサカはミサカはリビングに突入してみたり!」バン

番外個体 「ん、マッサージ」

一方通行 「溜めすぎだろ、ガチガチじゃねェか」グニグニ

番外個体 「うひゃーぁう……」フニャー

打ち止め 「ずーるーいー! ミサカもミサカも!」

番外個体 「あなた肉体的には全然若いんだからいらないでしょ」

打ち止め 「でもでもミサカだって疲れるもん!」

一方通行 「後でやってやるから、まず食器かたしてこい」

打ち止め 「約束だからね! 絶対だからね!」ドタタタ

一方通行 「ったく、騒々しい」

番外個体 「悪い気はしてないクセに素直じゃない(ゴリッ)いぎゃわぁぁ!?」

一方通行 「おっ、悪ィ悪ィ。なんか変なツボに入っちまったみてェだ」

266: 前回の続きより開始です ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:08:25.17 ID:3TNHgbV7o


~その頃 第7学区 常盤台新寮~


<ガチャ バタン


白井 「……」

絹旗 「あ、超おかえりなさい」

白井 「きーぬーはーたー」


 ヒュンッ


白井 「さん!」カッ

絹旗 「うひゃぁぁぁぁ!?」ズザザザ

白井 「」ヒクヒク

絹旗 「な、なんですか! キスまであと超少しの距離に突然テレポしてこないでくださいよ!」

白井 「貴女と言う人はぁぁ! ぐぉぉぉ!!」

絹旗 「え、この人なんでこんな怒ってるんですか」

267: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:10:51.56 ID:3TNHgbV7o

白井 「分かりませんか! 分かりませんか!」ブンブン

絹旗 「頭振り回さないでくださいよ! ツインテールが当たって超地味に痛いんですよ!」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

絹旗 「ユリコ! 今の白井テールにじゃれちゃ超ダメです!」

白井 「そもそも! わたくしがなぜこんな時間に帰宅したのかは分かっておられますの?」

絹旗 「超風紀委員の支部に寄ってたんですよね」

白井 「なぜ寄る必要ができたのしょう」

絹旗 「?」

白井 「貴女と黒夜さんの姉妹ゲンカの後始末をしてましたの!」

絹旗 「なんで姉妹ゲンカなんですか! 超違いますよ!」

白井 「しかも往来のど真ん中で暴れた挙句、二人して姿を消して……お陰で事態がややこしくなりましたの」

絹旗 「いや、あれはですね。真正面から超ぶつかり合った結果でして、つまり超不可抗力なんですよ」

白井 「どういうことですの」

絹旗 「超圧縮した窒素の塊同士がぶつかり合って、その際に発生した衝撃に二人して吹っ飛ばされました」

白井 「吹っ飛ばされたと……ああ、あの突風のタイミングですのね」

絹旗 「ええ。軽く数百メートルほど、ノーバウンドで」

268: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:12:45.83 ID:3TNHgbV7o

白井 「絹旗さんだからほぼ無傷で済んで……おや? では黒夜さんは……」

絹旗 「自分の能力で超逆噴射でもして助かってると思いますけどね」

白井 「あれから連絡はとっておられないので?」

絹旗 「ええ、用事もないですし」

白井 「向こうからも?」

絹旗 「ないですね。疲れ果てて帰って超不貞寝でもしてるんだと思いますよ」

白井 「はあ……念のため、無事を確認しておいてくださいまし」

絹旗 「いいですよ、黒夜ですし」

白井 「やれ」

絹旗 「はい」

白井 「あと、あまり派手に立ち回らないように一言釘を」

絹旗 「え、なんで私が」

白井 「わたくしが言うよりは絹旗さんから言ったほうが通じるでしょう」

絹旗 「まあ……超ついでに言っておきますよ」

白井 「お願い致しますの」

269: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:14:38.92 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「んーと、あれ? 携帯、携帯……」

白井 「どうかされましたか」

絹旗 「私の携帯、知りません?」

白井 「存じませんの」ゴソゴソ

絹旗 「いや、さっきまで超あったと思うんですけど、あれ?」

白井 「絹旗さん、シャワーは?」

絹旗 「あ、超お先にどうぞ」

白井 「ではお先に頂きますの」


<バタン


絹旗 「ないですね……ユリコ、見ませんでした?」

ユリコ 「(・ω・ )」フモー

絹旗 「あ、これですこれ! ユリコ、超お手柄です!」ピャー

ユリコ 「(*・ω・)」

絹旗 「さて、メールメールと」カチカチ

270: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:16:11.24 ID:3TNHgbV7o


 件名:今日のことについて
 日付:20yy/m/d 21:15
 ───────────────
 生きてますか?
 
 あなたが超暴れまわったお蔭で白
 井さんが超ご立腹ですよ。いい加
 減、能力をすぐぶっぱするクセを
 超どうにかしてください。


271: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:17:43.07 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「こんなもんですかね。超送信」ピッ

ユリコ 「((( ・ω・)」スリスリ

絹旗 「まったく、黒夜にも超困ったものですね」

絹旗 「ユリコもそう思いますよね?」

ユリコ 「(・ω・)」オミャー

絹旗 「ですよねー」

絹旗 「黒夜もあのバトル癖さえなければ、超普通にゲーセンとかに行く仲ですのに」


  [[携帯電話]]<キミト デーアーッテカラー イークツモノ ヨルヲカタ-リーアカーシタ♪


ユリコ 「( ・ω・)ノシ」バコバコ

絹旗 「ユリコ、超ダメですよ」

絹旗 「さっそく返信ですか。反省文の一つや二つ……」カチカチ

272: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:19:28.59 ID:3TNHgbV7o


 差出人:窒素女
      <kuro-iruka@comodo.ne.jp>
 件名:Re:今日のことについて
 日付:20yy/m/d 21:19
 ───────────────
.  ヽ(´・∀・`)ノ
      くく


273: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:20:20.64 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「……」

絹旗 「」バキン

ユリコ 「(・ω・)」ビクッ

絹旗 「あんの狂犬がぁ……!」

 :
 :
 :

白井 「ふぅ……」ホコホコ

絹旗 「」ゴロゴロ

白井 「絹旗さん、また制服のまま横になって」

絹旗 「だって超ダルかったんですもん」

白井 「はぁ、まったく……ッ!? い、いたっ!?」

絹旗 「どうしたんですか!?」ガバッ

白井 「これは……撒菱!? まさかこの寮に忍者が侵入して……」

絹旗 「あ、あー……超違いますよ、それ携帯電話です」

白井 「……た、たしかによく見たらボタンやら基盤やら……」

275: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:23:05.22 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「さて、私もシャワーを」イソイソ

白井 「お待ちなさいな。どうしてこんなことを」

絹旗 「超、勢いで」

白井 「困るのは絹旗さんですのに。もっと大事に扱いませんと」

絹旗 「超反省してまーす」

白井 「それともう一つ」

絹旗 「なんでしょう」

白井 「人が通るところに破片をバラまくなんて、何事ですか!」ポイポイポイ

絹旗 「あ、超やめてくださいよ! なんで私のベッドに投げるんですか!」

白井 「踏んづけたおかげで軽く出血しましたの!」

絹旗 「だからって、やめてくださいよ! 私が寝れないじゃないですか!」

白井 「ご自分で片づけてくださいまし!」

絹旗 「後で超片付けるつもりだったんですよ!」

ユリコ 「?( ・ω・)」クンカクンカ

絹旗白井 「「あ、ユリコダメーー!!」」

276: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:25:21.15 ID:3TNHgbV7o


~絹旗入浴中~


白井 「ええと、バンドエイドは……もう、なんでわたくしがこんな……」ペタ

白井 「しかし絹旗さんも。あそこまで粉々だとデータ復旧もできませんのに」

白井 「どうなさるおつもりなのでしょう」

ユリコ 「(・ω・ )」ピトッ

白井 「ユリコ、今のわたくしは火照っていて熱いですのよ?」クスクス

ユリコ 「(・ω・)?」

白井 「……ちょっと失礼いたしますの」ダッコ

白井 「やっぱり……重いですわね」

白井 「まさか貴女が新しい命を身に宿す日がくるなんて」

ユリコ 「(*・ω・)」

白井 「とりあえず、今度きちんと病院で診てもらいましょうね」

白井 「そうそう。絹旗さんにそのこともちゃんとお話しませんと」

白井 「……そのことも」

277: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:27:34.12 ID:3TNHgbV7o


<ガチャ


絹旗 「はひ~……」

白井 「随分長風呂でしたわね。いつもは10分少々で出てきますのに」

絹旗 「お湯の中で超寝ちゃってました……んで、超のぼせて……」

白井 「風邪ひきますわよ」

絹旗 「気を付けまーす……」バタッ


  [[携帯電話]]<ヒビキアウー ネガイガイマ メザメテクー♪


絹旗 「ほらほら、携帯が超鳴ってますよぅ~」

白井 「聞こえてますの。あら? 番号通知が空白……このパターンは」ピッ

白井 「はい、白井ですの」

婚后 『あ、わたくしでございます』

白井 「わたくしわたくし詐欺なら間にあってますの」

婚后 『ちっ、違います! 婚后です!』

278: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:29:19.39 ID:3TNHgbV7o

白井 「もう落ち着かれました?」

婚后 『ええ、どうにか。そちらはそろそろ就寝時間でしょうか?』

白井 「ということは、そちらはそろそろお昼ですのね」

婚后 『ええ、先程済ませました……あの、ところで』

白井 「はい?」

婚后 『今、絹旗さんはご不在ですか?』

白井 「絹旗さんならわたくしの隣におりますが」

絹旗 「はいはーい……」ノシ

ユリコ 「( ・ω・)ノシ」

婚后 『左様で……先程、絹旗さんの携帯電話に掛けたのですが、繋がらなかったので』

白井 「あー……色々ございまして」

婚后 『?』

絹旗 「」ショボン

ユリコ 「( ・ω・)っ」ナデナデ

279: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:31:11.30 ID:3TNHgbV7o

白井 「それで、そちらでの生活はいかがですの?」

婚后 『まだなんとも』

白井 「あら、存外タンパクですのね」

婚后 『まだ起きてからあまり時間も経っておりませんし』

白井 「では慣れたところでまたお話を聞かせてくださいまし」

婚后 『ええ。楽しみにしていてくださいな。……あっ』

白井 「?」

婚后 『そろそろ出かける準備をいたしませんと』

白井 「出かける? こんな時間に?」

婚后 『こちらはまだ真昼間ですわ』クスクス

白井 「そうでしたわね」クスクス

婚后 『では、失礼致します』

白井 「くれぐれもお気をつけて」ピッ

絹旗 「」フニャー

白井 「ほら、絹旗さんも。そろそろ寝る準備をしてください」

280: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:33:34.72 ID:3TNHgbV7o

絹旗 「今の電話、婚后さんですかー?」

白井 「ええ。元気そうでしたの」

絹旗 「そりゃ超良かったですねー」

白井 「婚后さんはああ見えて器用ですから、何だかんだでやっていけるかと」

絹旗 「」ハニャー

白井 「絹旗さん、いつまでも下着姿でのびてないで」

絹旗 「超メンドイですー」

白井 「ちょっとオープンすぎですの」

絹旗 「どうせ私と超白井さんしかいませんしぃ」

白井 「……では、わたくしの知る限りの超絶テクを絹旗さんの肢体に」

絹旗 「さあ、パジャマはどこにしまいましたかね」シャキッ

白井 「」ハァ

絹旗 「あ、そうだ。ユリコ、明日の夕方に超病院行きますよ」

白井 「あら? 随分手早いですのね」

絹旗 「こういうのは早い方が超いいですからね」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

281: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/09(火) 00:35:50.09 ID:3TNHgbV7o


~その頃 ロンドン~


婚后 「ふぅ……」

婚后 「この紅茶。やはり本場の味は違いますわ……」ズズ...


<コンコン ガチャ


シェリー 「よう、極東。メシは済ませたか?」

婚后 「あら、ミス・クロムウェル。ごきげんよう」

シェリー 「あ、ああ、ごきげんよう……ダメね、このテの挨拶は慣れなくて」

婚后 「逆に言えば、慣れるか慣れないかだけの問題ですわ」

シェリー 「あとさ。ミス・クロムウェルとか、そこまでしなくていいから」

婚后 「え? ですが」

シェリー 「いいって。適当にファーストネームで呼んでくれりゃ」

婚后 「で、では次回からはそうさせて頂きます」

シェリー 「よろしい。さて、直近の予定について確認しましょう」ドサッ

341: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:09:33.70 ID:6jlHkXSqo

シェリー 「しかしまあ、留学ではあるんだけど」ガリガリ

婚后 「はい」

シェリー 「傍から見たら、修学旅行にしか見えないかもね」フー

婚后 「そ、そうなのですか?」

シェリー 「今回の短期留学の目的は2つ。こっちの文化に触れることと、語学学習なんだけど」

婚后 「はい」

シェリー 「極東は日常会話程度の英語なら問題ないみたいだし」ガリガリ

婚后 (それにしてもニックネームが極東というのも……)

シェリー 「文化に触れるって言ったって、それ結局観光名所巡りか私の授業受けるかどっちかだからな」

婚后 「シェリーさんの授業と言うのは?」

シェリー 「美術史とか芸術論とかね」

婚后 「あ、やはりそちらの分野の方でしたのね」

シェリー 「やはり?」

婚后 「あ、いえ。どうぞお気になさらず」

シェリー 「……まあいいや。とりあえずー……」ガリガリ

342: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:11:36.52 ID:6jlHkXSqo

婚后 「とりあえず」

シェリー 「大英博物館とかナショナルギャラリーでも見てもらって感想文かなんか書いてもらえばいいのか?」

婚后 「わたくしに聞かれましても」

シェリー 「まあ、色々やってみましょうか。どうせ模索段階なんだしな」ガリガリ

婚后 「は、はあ」

シェリー 「それで何か得るものがあればそれでいいだろ」

婚后 (存外アバウトなのですね……)

シェリー 「以上。質問は?」

婚后 「先ほどからガリガリと何を彫ってらっしゃるのですか?」

シェリー 「あ、これ? あなたにお土産代わりに贈ろうと思ってさ」フー

婚后 「そこまでして頂かなくても」

シェリー 「そう言うなよ。趣味も兼ねてるしね」

婚后 「では楽しみにしておきますわ」

シェリー 「さて、とりあえず出ましょうか」

婚后 「どちらに?」

シェリー 「本格的に動き出すのは明日からだとして。今日はこの辺の案内だな」

343: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:13:26.82 ID:6jlHkXSqo


~ロンドン近郊 日本人街~


婚后 「」キョロキョロ

シェリー 「あまりキョロキョロしてると異国人だと思われるぞ」

婚后 「そこは否定できませんし」

シェリー 「まあ、こっちでその黒髪は目立つでしょうしね」

婚后 「シェリーさんの髪も違う意味で目立ちそうですが」

シェリー 「ほっとけ」

婚后 「それにしても意外でした。ロンドンにもこんなところがあるのですね」

シェリー 「日本にだって中華街とかあるでしょう? 似たようなもんだ」

婚后 「言われてみれば、確かに」

シェリー 「あ、そうそう。夜の食事はここいらで済ませようと思うから、気になる店があれば」

婚后 「え?」

シェリー 「ん?」

婚后 「せっかくですし、こちらの食事を頂いてみたいと思うのですが」

346: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:15:24.27 ID:6jlHkXSqo

シェリー 「あ、そうか? そろそろ故郷の味が恋しくなる頃かと思ったんだけど」

婚后 「いえ、さすがにそこに至るほど時間は経っておりませんわ」

シェリー 「じゃ、夜は安くて脂っぽいフィッシュ&チップスでも噛じるとするか」

婚后 (それジャンクフードでは……?)

???? 「あら? シェリーさん?」

シェリー 「ん? アンタか、真昼間から何フラフラしてんの」

婚后 (シスターさん? お知り合いのようですわね)

シスター 「ええ、今日はすごしやすい陽気でございますね」ニコニコ

シェリー 「うん、そうね。で、なんかしてたの?」

シスター 「シェリーさんはお昼はもう済まされましたか?」

シェリー 「さっき食べたわよ」

シスター 「はい、今日の炊飯当番はわたくしでございますので買い出しにでも行こうかと」

シェリー 「あれ? アンタだったっけ?」

婚后 (……なぜ日本語で会話を?)

シスター 「こちらの方とは初対面ですね。はじめまして、オルソラ=アクィナスと申します」ペコペコ

347: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:17:35.37 ID:6jlHkXSqo

婚后 「はっ、はい、はじめまして。シェリーさんにご厄介になっている婚后と申します」ペコリ

オルソラ 「綺麗な黒髪でございますね。お手入れはさぞ大変なのでしょう?」

婚后 「人並みには気を使っておりますが」

オルソラ 「はい、今日の当番はわたくしでございますよ」

婚后 (あれ?)

シェリー 「おい、せめて会話する相手は一人に絞れ。ワケが分からなくなる」

オルソラ 「それで、日本からおいでになったのでしょうか」

婚后 「…………あ、あっ、わたくしですか!? はい、日本から参りました」

オルソラ 「まあまあ、遠路遥々よくお越しくださいました」ペコリ

婚后 「いえいえ、そんな」

オルソラ 「仰るとおり、多人数との会話は混乱しがちですね」ニコニコ

婚后 「?」

シェリー 「人数の問題じゃないのよ、アンタの場合は」

婚后 (あ、わたくしに振った話ではないのですね)

オルソラ 「あ! もしよろしければ……」

349: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:19:33.11 ID:6jlHkXSqo

 :
 :
 :

婚后 (いつの間にか一緒に買物する流れになってしまいました)

シェリー 「おい、オリーブ買いすぎでしょ。一生分買うつもり?」

オルソラ 「いえいえ、あくまでも必要分でございますよ」

シェリー 「何に使うんだよ……」

オルソラ 「それで、ええと……あら?」

婚后 「?」

シェリー 「極東」

オルソラ 「極東さんは何か食べたいものはございますか?」

婚后 (シェリーさん、恨みますわよ)

婚后 「ご馳走して頂く身でリクエストなどできませんわよ」

シェリー 「そう言わないの。こういうときは素直に甘えときゃいいんだ」

オルソラ 「そうですよ。こうして出会えたのも何かの縁なのですから」ニコニコ

婚后 「はあ……では、そうですわね……」

350: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:21:25.06 ID:6jlHkXSqo

婚后 「こちらでの家庭料理など、頂いてみたいですわ」

オルソラ 「」ウーン

シェリー 「言ってなかったけど、こいつイタリア育ちでイギリスに来たのは割と最近だぞ?」

婚后 「えっ、あ、そうだったのですか?」

オルソラ 「家庭料理でございますか……」ウーン

婚后 「あの、ここはやはり作りやすいもので」

オルソラ 「!」ピンポン

シェリー 「?」

婚后 「?」

オルソラ 「かしこまりました。家庭料理でございますね」

婚后 「あっ、あの」

オルソラ 「それでは材料を調達致しましょう」トテテテ

婚后 「」

シェリー 「慣れてないと疲れるでしょ?」

婚后 「ええ、まあ……」

351: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:23:30.80 ID:6jlHkXSqo


~30分後~


オルソラ 「これで全部でございますね」

シェリー 「あとは会計ね。ここは歓迎会代わりに私が出してやるよ」

婚后 「そんな、申し訳ないですわ」

シェリー 「学生の身分なんだから、下手に遠慮するな」

婚后 「す、すみません」

オルソラ 「これが日本で流行している"つんでれ"でございますね」

シェリー 「アレってまだ流行ってんのか?」

婚后 「わたくしもそちらの分野には明るくないので」

オルソラ 「それではシェリーさん、ごちそうになります」

シェリー 「作るのはアンタだけどね」

婚后 「それにしても、みなさん日本語がお上手ですのね」

オルソラ 「私はすこし前まで仕事で世界中の国に赴いておりましたから」

婚后 「まあ、すごい……」

352: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:25:16.85 ID:6jlHkXSqo

シェリー 「ああ、イタリアにいたときの話か」

オルソラ 「いえいえ、そんな大それたことはしておりませんし」

婚后 「オルソラさんは、シェリーさんのご友人ですか?」

オルソラ 「そうですね……敢えて申し上げるならパートナーでございましょうか」

婚后 「まあ、パートナー……素敵ですわね」ハゥ

シェリー 「いつからそうなったんだ!」

オルソラ 「素敵だなんて、とんでもないことでございます。
       私などマイペースですから、シェリーさんを怒らせてばかりで」

シェリー 「あ、自覚あったのね」

オルソラ 「二人で膨大な書物に立ち向かったあの日から」

婚后 「書物ですか?」

オルソラ 「はい、たしかあの時はクローチェ・」

シェリー 「やめやめ! 話していいことと悪いことがあるだろ!」

オルソラ 「あら、私としたことが」ニコニコ

シェリー 「」ハァ

婚后 「やはりパートナーですわね。息があっておりますわ」

シェリー 「そりゃどうも……」

353: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:27:38.99 ID:6jlHkXSqo


~ロンドン近郊 とあるアパートメント~


婚后 「どうぞ。まだ荷解きをしていないので散らかっておりますが」

シェリー 「しかしすげぇな。2週間ちょいの滞在のためにアパート借り上げるなんて」

オルソラ 「お邪魔いたしますー」ペコリ

婚后 「どうぞ、おくつろぎになって」

オルソラ 「まあ、素敵な部屋でございますね」

シェリー 「」ガリガリ

婚后 (シェリーさんは創作活動中ですか……)

シェリー 「そういえばアンタ、炊事当番の方は大丈夫なのか?」

オルソラ 「ではキッチンお借り致します」ペコリ

婚后 「何か手伝えることはございませんか?」

オルソラ 「女子寮の方は夕食はまだ先なので、大丈夫でございますよ」

婚后 (焦らない、ここで待つ)

シェリー 「あ、そう」ガリガリ

354: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:29:28.15 ID:6jlHkXSqo

オルソラ 「いえいえ、手伝って頂くのも申し訳ないですし」

婚后 「それではわたくしの気が済みませんもの」

シェリー 「極東がこう言うんだから、なんかやってもらったら?」ガリガリ

オルソラ 「では……オリーブを洗って刻んでいただけますか?」

婚后 「任せてくださいな」

 :
 :
 :

オルソラ 「♪」ジャッジャッ

婚后 「……」

婚后 (手際が鮮やかすぎて、手伝うスキもございませんわ……!)

オルソラ 「ここでお塩さんを♪」パッパッ

婚后 (結局わたくしはオリーブを切っただけ)

シェリー 「喉乾いたな」ガリガリ

婚后 「あっ、ではお茶でも淹れますわね」

シェリー 「あ、悪い。催促したつもりじゃなくてさ。これやってると独り言多くなっちゃって」

355: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:31:41.50 ID:6jlHkXSqo

婚后 「わたくしも手持無沙汰でしたし」コポコポ

シェリー 「手伝うことなんてなかっただろ?」

婚后 「……もしや分かってて」

シェリー 「うん、なんか像がブレるな」ガリガリ

婚后 (英国というのは良くも悪くもクセ者ばかりですわね)ズズ...

オルソラ 「♪」ジュワジュワ



~完成~


オルソラ 「完成です。それでは頂きましょう」

婚后 「スパゲティですか。まあ、美味しそう」

シェリー 「ボロネーゼね。んじゃ頂きます」

婚后 「頂きます」

オルソラ 「はい、どうぞ」ニコニコ

シェリー 「料理の腕は一級なんだよな」ムグムグ

婚后 「これはプロ並……」

356: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:33:22.64 ID:6jlHkXSqo

オルソラ 「」ブツブツ

婚后 「?」

オルソラ 「」ゴニョゴニョ

婚后 「あの……」

シェリー (気にすんな。食事の前のお祈りよ)ヒソヒソ

婚后 (そういえばシスターさんでしたわね)ヒソヒソ

シェリー (そういうこと)ヒソヒソ

オルソラ 「……」

婚后 「……」カチャ...

シェリー (? おい、合わせる必要ないのよ)ヒソヒソ

婚后 (郷に入れば郷に従えと申しますし。日本式ですが、形だけでも)ヒソヒソ

シェリー (……これ私もやる流れじゃねぇか)

オルソラ 「それでは頂きます」ペコリ

婚后 「改めて、頂きます」

357: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/11(木) 00:35:26.94 ID:6jlHkXSqo


~その夜~


オルソラ 「それでは、お邪魔いたしました」ペコリ

シェリー 「あ、私今日は寮に帰らないんで」

オルソラ 「お仕事でございますすか?」

シェリー 「王立芸術院に仕事残ってるんだ。下手すりゃ徹夜ね」

婚后 (王立……! シェリーさんもすごい方ですのね)

オルソラ 「まあまあ……では、徹夜明けにいい食事を用意しておきますね」

シェリー 「頼むわ」

オルソラ 「では、失礼いたします」ペコリ

婚后 「今日はありがとうございました」ペコリ


<バタン


シェリー 「私ももうちょいしたら出るからね」ガリガリ

婚后 「心得ました」

シェリー 「一日目、どうだったよ。やっていけそう?」

婚后 「ええ。これからが楽しみですわ」

393: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:46:21.86 ID:0B/JVif8o


~翌日~


婚后 「ヒマですわ」

婚后 「シェリーさんは……今日になってからアクションがないですわね」


<アッアー。マイクノテストチュウ。


結婚 「!?」


<オーイ、キコエテルカ?


婚后 「なっ、な、え……!?」

婚后 「声……ど、どなたですか!」


<コッチヨ、コッチ。


婚后 「?」クルッ

婚后 「ひっ……!?」

394: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:48:27.28 ID:0B/JVif8o

目玉 「あ、やっと見つけてくれた?」ギョロリ

婚后 「いっ……は……やぁぁぁぁぁ!!」ガクブル

目玉 「何ビビってんのよ。私よ、シェリー・クロムウェル」

婚后 「シェ……シェリー、さん……?」

目玉 「うん。つかビビりすぎだろ」

婚后 「壁に生えた目玉と目が合えば誰だって驚きますわよ!」ムキー

目玉 「なんだよ、意気地なし」

婚后 「そ、それで……これは……なんとも面妖な……」ツンツン

目玉 「おいやめろ、つつくな。くすぐったいから」モゾモゾ

婚后 「なんなのですか、この目玉さんは」

目玉 「たぶん説明してもピンとこないわよ。まあ、テレビ電話みてぇなもんだと思っとけ」

婚后 (なら電話を使ってくださいな……)

目玉 「それでね。予告通り、私徹夜明けだからさ。今日は付き合えない」

婚后 「はあ、お疲れ様です」

目玉 「だから今日は適当に過ごしといて」

395: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:49:43.48 ID:0B/JVif8o

婚后 「適当にと申されましても」

目玉 「あ、暗くなったらさっさと家に戻るようにな」

婚后 「それは心得ておりますが」

目玉 「やべ、限界。それじゃ、気を付けてな」

婚后 「あっ、あの」


  シュワシュワシュワ


婚后 「……霧のように消えてしまいました。なんだったのでしょう……?」

婚后 「あら?」

婚后 「目玉さんがあったところに落書き? こんなの、前からありましたかしら」

婚后 「……」

婚后 「消しておきましょう」ゴシゴシ


<アッ、コラ!ナニシテンノヨ!


婚后 「ひゃぁ!?」ビクッ

396: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:51:40.34 ID:0B/JVif8o


~ロンドン市内~


婚后 「気の赴くままに出てきてしまいましたが……」コツコツ

婚后 「なんでしょうか、この既視感は」

婚后 (どこか懐かしい……)

婚后 「……ああ」

婚后 「街並みがどこか、学び舎の園に似ているからですね」

婚后 「まさか、始めて来る異国の地で郷愁にかられるとは」

婚后 「なんだかおかしいですわね」クスクス

婚后 「よし、目的地を決めずに気ままに歩いてみるとしましょうか」

 :
 :
 :

婚后 「さて、何やら荘厳な建物が見えてきましたが」

婚后 「あれはなんでしょうか……?」

397: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:53:49.04 ID:0B/JVif8o

 ※『』は英語での会話です。

じじい 『ありゃロンドン塔だ!』

婚后 「わっ!?」ビクッ

じじい 『よう、お嬢ちゃん。日本から来たのかい?』

婚后 『え、ええまぁ……』

じじい 『暇人のおっさんが案内してやろう! さあ、おいで!』グイグイ

婚后 『ちょ、ちょっと! 離してください!』



~ロンドン塔~


婚后 (旅は道連れといいますが、これでは……)

じじい 『ここがどういうところは知ってるかい?』

婚后 『少しばかりは』

婚后 (たしか……重たい歴史がある場所なのですよね)

じじい 『なら話が早いな。ここにはな、亡霊が出るんだ』

婚后 『まさか』クスクス

398: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:55:51.88 ID:0B/JVif8o

じじい 『ホントなんだな、それが』

婚后 『何か奇妙な出来事でも?』

じじい 『たまにな、魔女の釜の底から響いてくるようなおっそろしい叫び声が聞こえてくんだよ』

婚后 『それはぜひ聞いてみ』


<ぶるわぁぁぁぁぁぁぁ!!


婚后 「」ビクッ

じじい 『おい、まただ。くわばらくわばら』

婚后 『いっ、今の声が……?』

じじい 『そうだ。ロンドン塔に住まう亡霊だよ』ニヤリ


   アイテム
<七つ道具に頼るか!異教のサァルどもがぁ!


婚后 「……?」

婚后 (これ、人間なのでは?)

399: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:57:34.78 ID:0B/JVif8o

じじい 『こんなところにいたら亡霊に吸収されちまう。行こうぜ』

婚后 (ご好意はありがたいのですが、どうにか逃げ道は)

婚后 (しかたないですわね。本当はいけないのですが)

婚后 『おじいさん、ありがとうございました。わたくしはここまでで結構ですわ』ニコニコ

じじい 『お? そういうなよ。これからバーガーが上手い店を教えてやるから』

婚后 『申し訳ございません。ご好意だけ頂きますわ』ペコリ

婚后 (エアロ噴射)ヒュパッ

婚后 『それではおじいさん、ごきげんよう♪』ノシ


  シュパァァァァン


じじい 『』ポカーン

じじい 『最近のジャパニーズスクールガールは飛ぶような速さで移動すんのか?』

じじい 『いや、まさかあれは……』

青年 『じいさん、何呆けてんだよ』

じじい 『おい、見たか!? 俺はついさっきまで、地上に舞い降りた天使と一緒にいたんだぜ!』

青年 『はあ? もうお迎えがきたってのか?』

400: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 00:59:36.86 ID:0B/JVif8o


~タワーブリッジ~


婚后 「少々つれなかったでしょうか」

婚后 「でもわたくし決めたんです。今日は一人旅を満喫するって」フンス

婚后 「さて……これはまた有名な景色ですわね」

婚后 「ロンドン塔のすぐ近くだとは存じませんでしたわ」

婚后 「せっかくですし、渡ってみましょう♪」トテテテ

 :
 :
 :

婚后 「まあ、すごい綺麗……」

婚后 「カメラを持っておいて正解でしたわね」カシャカシャ

少年 「」ススス

婚后 「?」

少年 「」ピースピース

婚后 「あらあら」クスクス

401: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:01:41.41 ID:0B/JVif8o

婚后 「」カシャ

少年 「」b グッ

婚后 「」b グッ

少年 「」ノシ


 タッタッタッタッ...


婚后 「フレンドリーな少年ですこと」クスクス

婚后 (それにしても、こちらの子供は美男美女ばかりですわね)

婚后 (隣の芝は青く見えるとはいえ……)

婚后 「さっきの子も、きっと将来有望ですわね」

婚后 「さて、お腹も空いてきましたし」

婚后 「橋を渡り切ったところでお昼にいたしましょうか」コツコツ

婚后 (といっても、こちらの食事はあまりいい評判をきかないですわね)

婚后 「ま、お腹に入ってしまえば同じですわ」

402: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:03:19.00 ID:0B/JVif8o


~1時間後~


婚后 「信じられませんわ!」プンスコ

婚后 「なんなのですか、あの食事は! あれでお金を取るなんて!」

婚后 「アレなら結標さんの手料理の方がまだマシですわよ」

婚后 「……はあ。結局半分以上残してしまって」

婚后 「お腹空きましたわね」

婚后 「そういえば、怒りに任せて歩いてしまいましたが……」

婚后 「ここはどこでしょうか?」


  【Southwark Park】


婚后 「サザークパーク……?」

婚后 「公園ということはわかりましたし、行ってみましょうか」コツコツ

婚后 「」グゥゥゥ

婚后 「こ、こらっ。しずまりなさい!」

403: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:05:22.54 ID:0B/JVif8o


~サザークパーク~


婚后 「いかにも公園、といった感じですわね」

婚后 「いいですわね。こういうところも」

婚后 「」スンスン

婚后 「こ、この香りは……!?」

婚后 (ああ、いけません。いけませんわ。このままでは……)

婚后 (意識が持っていかれる……!)

婚后 「」フラッ

婚后 「今のわたくしでは……抗えませんわ……」フラフラ

 :
 :
 :

?? 「♪」ジュワジュワ

婚后 (やはり! この香りの正体は、あのやきそばの屋台!)

婚后 (なぜこんなところにあるのかは疑問ですが)

?? (さっきから、木の陰から顔を覗かして凝視してる少女は何者なのよな……?)

404: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:07:05.42 ID:0B/JVif8o

婚后 「あの……」

?? 「はっ、はい! しゃせ!」

?? (ありえんのよな! 術式構築のために焼きそば屋やってるのに、売る羽目になるなんて!)

婚后 「お一ついただけますか?」

?? 「はい、えーと、200円なのよな!」

婚后 「? 円?」

?? 「はい!」

婚后 「は、はあ」チャリチャリ

?? 「はい、まいど!」



?? 「むむ、まずいぞ。手元が狂い始めてる」

?? 「建宮さん、何焦ってるんすかね」

?? 「まさかこれほどまで自然に買おうとする者が現れるとは思ってなかったんだろう」

?? 「諫早さん、どうします?」

諫早 「さあ、香焼くん行ってくるんだ!」

香焼 「まじっすか!」

405: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:08:53.49 ID:0B/JVif8o

婚后 「」チョコン

建宮 (なぜすぐ近くのベンチに落ち着くのよな! どっかいけ! あ、やっぱ行かないで!)

婚后 「あ、おいしい」

建宮 (しかしなんという隠れ巨乳に脚線美! 日本人離れした体系の割に日本人の象徴である黒髪ロング!)

香焼 「お姉さん、隣いいすか?」ニコニコ

婚后 「え? あ、どうぞ」

香焼 「失礼するっす!」

香焼 (建宮さん、今にうちに!)

建宮 (恩にきるのよな!)

婚后 (日本人の男の子なんて珍しいですわね)

香焼 「お姉さんは旅行すか?」

婚后 「いえ、留学ですわよ」

香焼 「りゅ、留学! すごいっす!」

婚后 「そんな大したことはしてませんわ」クスクス

香焼 「……あの、もしかしてなんすけど。その制服って、学園都市の?」

406: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:10:40.77 ID:0B/JVif8o

婚后 「あら? ご存じなのですね」

香焼 (ビンゴォ!? 諫早さん情報ヒットォ!?)

婚后 「ご察しの通り、学園都市から来ましたのよ」

香焼 「すっごいすね! 自分も一度でいいから行ってみたいんすよ!」

香焼 (行ったことはあるけど、ゆっくり見たことはないんすよね)

婚后 「ぜひおいでなさいな。その時には案内してさしあげますわ」

香焼 「まじっすか! 約束すよ! 何年経っても忘れないくださいよ!」

婚后 「心得ました」クスクス

香焼 「」チラッ

香焼 「じゃ、自分もう行くっすね! ありがとうございました!」

婚后 「ええ、またいずれ」


 タッタッタッ


婚后 「……あ、名前を聞きそびれましたわね」

婚后 「あら?」

婚后 「焼きそばの屋台が消えてる……いつの間に?」

407: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:12:44.97 ID:0B/JVif8o


~同日夕方 とあるアパートメント~


<ガチャ バタン


婚后 「はー……」

目玉 「おはよーう」

婚后 (なぜだか、これにも慣れてしまいましたわね……)

婚后 「おはようって、もう日も暮れてますわよ」

目玉 「さっき起きたのよ」

婚后 「お忙しいのですね」

目玉 「まあね。あなたのこともあるし」

婚后 「ほったらかしだったではないですか」

目玉 「」ウルウル

婚后 (えー……)

目玉 「で、どうだったよ。今日は」

408: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/13(土) 01:14:38.61 ID:0B/JVif8o

婚后 「ロンドン市内を歩いて回ってましたわ」コポコポ

目玉 「なんか面白いもんはあったか?」

婚后 「ええ、それはもう色々と。あ、お茶いかがですか?」

目玉 「どうやって飲めってのよ」

婚后 「これは失礼しました」クスクス

目玉 「ったく……で、他になんかあったか?」

婚后 「ええ。とりあえず、食事は極力自炊すると誓いましたわ」

目玉 「地雷踏んだわね」

婚后 「あとはそうですわね……面白い出会いでしょうか」

目玉 「出会いねぇ」

婚后 「ええ、退屈しませんわね。この街は」クスクス

目玉 「分からなくもないけどさ」

婚后 「次はどんな出会いがあるか、楽しみですわね」

目玉 「……ちょうどいい。とびっきりのを用意しといてやる」

婚后 「?」

目玉 「じゃ、また明日な」シュワシュワシュワ

婚后 「とびっきり……どんなのでしょうか」

444: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 00:49:24.78 ID:fau4hUCCo


  ――#2 子どもができたら名前を考えないとね


445: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 00:51:34.59 ID:fau4hUCCo


~10月中旬 第7学区 某所~


ユリコ 「(・ω・三・ω・)」

絹旗 「どうでしょうか」

獣医 「とくに問題はないと思うね?」

絹旗 「それは超よかったです」

獣医 「ところで、猫は満月の夜に出産をすること多いね」

絹旗 「え? そうなんですか?」

獣医 「もし、この子も満月の夜を選ぶとすると、もう1週間以内ということになる」

絹旗 「な」

ユリコ 「ノシ・ω・)ノシ」

絹旗 「こっちで準備しておくこととかってなんですか?」

獣医 「特にないね?」

絹旗 「へ? ない?」

獣医 「むしろあれこれ構いすぎるのは逆にまずい」

446: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 00:53:23.02 ID:fau4hUCCo

絹旗 「そうなんですか」

獣医 「出産前後は猫ちゃんもナーバスになるし、子どもに手を出されると勘違いすれば必死に守ろうとする」

絹旗 「言われてみりゃ超当然ですね……」

獣医 「飼い主を信頼している場合は側にいてほしいとアクションを起こすこともある」

獣医 「逆にいえば、そういう場合を除いてあまり近寄らない方がいいね?」

絹旗 「超覚えておきます」

獣医 「後は……猫ちゃんが安心して出産に臨める場所を用意するとベターかな」

絹旗 「といいますと?」

獣医 「明るすぎない場所に、新聞を敷いた段ボールを用意するだけでも効果的だね?」

絹旗 「段ボールですか……なら超すぐに用意できますね」

獣医 「君まで神経質になりすぎる必要はないね?」

獣医 「極論だが、勝手に産んで勝手に育てる。必要なときに手を貸してあげればいい」

絹旗 「超了解です」

獣医 「何かおかしなことがあれば、すぐに僕に連絡すればいいね?」

絹旗 「その時はお願いします。私も正直不安というか、超心配なので……」

ユリコ 「( ・ω・)ノ」

447: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 00:55:49.18 ID:fau4hUCCo


~同日 第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「ただいま戻りましたー」

ユリコ 「(・ω・)」オアーン

白井 「あら、おかえりなさいませ」

絹旗 「」ガサガサ

白井 「絹旗さん? 帰ってきて早々なにを?」

絹旗 「ユリコのために場所を超作ってるんですよ」

白井 「それはスニーキングミッション用の段ボールでは」

絹旗 「いやいや、スニーキングミッションてあの1回きりだったじゃないですか」

白井 「そう何度もされては困りますの」

絹旗 「超分かってますって。あ、白井さん、新聞紙ないですか?」

白井 「新聞紙? 寮監に聞けばあるかと思いますが……」

絹旗 「ちょっと行ってきます!」トテテテ


<バタン

448: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 00:57:23.54 ID:fau4hUCCo

白井 「……張り切っておられますの」

ユリコ 「(・ω・ )」

白井 「ユリコ、貴女は安心してお産に臨んでくださって結構ですのよ?」

ユリコ 「( ・ω・)ノ」ビシィ

白井 「元気でかわいい子を産んでくださいね」ナデナデ

白井 (やはり……言い出すべきなのでしょうけど)

白井 (どう切り出したものでしょう)


<ガチャ バタン


絹旗 「戻りましたー」ガサガサ

白井 「ユリコはもうスタンバってますわよ」


 【段ボール】<オアーン♪


絹旗 「え、え? まさかもうですか?」

白井 「……表情を見る限り、リラックスしておられるので、まだ焦る時間ではないかと」

絹旗 「まったく、超驚いちゃいましたよ」

449: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 00:59:47.85 ID:fau4hUCCo

白井 「……絹旗さん。何匹生まれるかは分かりますの?」

絹旗 「獣医さんの見立てでは、3匹か4匹らしいですよ」

白井 「3匹か4匹……」

絹旗 「ここも超賑やかになりますね」

白井 「やはり、飼うつもりなのですね?」

絹旗 「他に選択肢なんてないじゃないですか」

白井 「わたくしたちだけで、面倒を見きれるのでしょうか」

絹旗 「……正直、不安はありますよ」

白井 「ならば、里親に出すという選択肢もございますのに」

絹旗 「それも考えました。でも……私にはできません」

白井 「……」

絹旗 「生まれたばかりの子どもを、母親から引き離すようなマネ。私には超できません」

白井 「……そうですか」

絹旗 「どう言われようと、どう思われようと。これは超譲れないんですよ」

絹旗 「ここに置けないというなら、私ごと追い出してくれても」

450: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:01:28.62 ID:fau4hUCCo

白井 「落ち着いてくださいまし」

絹旗 「むう」

白井 「本音を言いますと、わたくしも不安です。里親に出すよう強く勧めるつもりでもありました」

絹旗 「だから、それは」

白井 「ですが絹旗さんのいうこともごもっともですの」

ユリコ 「(・ω・)?」

絹旗 「……」ナデナデ

白井 「絹旗さんの決意が窒素装甲のように固い以上、わたくしから申し上げることもございませんわね」

絹旗 「白井さん……」

白井 「た、だ、し」

絹旗 「な、なんでしょう」

白井 「途中で投げ出すことは絶対に許されませんの」

絹旗 「超分かってますよ。何があったって、ユリコと私で面倒を見ますから」

ユリコ 「ノ・ω・)ノ」

白井 「……頼もしいですわね」クスクス

451: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:04:13.90 ID:fau4hUCCo

寮監 「しかし、まさかユリコに先をこされてしまうとはな」

絹旗白井 「「うひゃぁ!?」」ビクッ

寮監 「何を驚いている。見回りの時間だ」

絹旗 「なんでいつも気配を断っているんですか……」

寮監 「ちょうどいい機会だ。絹旗、いいか」

絹旗 「?」

寮監 「命を育むというのは簡単なことではない。途中で投げ出すことは許されん」

白井 「仰る通りですの」

寮監 「お前たちが面倒を見るというのなら、私も応援しよう。だが」

絹旗 「だが……?」

寮監 「途中で役目と責任を放棄しようというならば、その時は」

絹旗白井 「「……」」ドキドキ

寮監 「子ぬこたちは私が問答無用で引き取る。良いな?」

絹旗白井 「「……」」

寮監 「よ、い、な?」

絹旗白井 「「は、はいっ!」」

452: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:06:36.10 ID:fau4hUCCo


~翌日 第7学区 とある病院~


19090 「あ、あの、今日は番外個体にお願いがあります、とミサカは改まった態度で申し出ます」

番外個体 「えっ……な、なにかな」

19090 「このミサカに、検体番号以外の名前といいますか、別称をつけて欲しいのです」

番外個体 「はい? なんで私なの? 先生とかお姉様の方がいいんじゃ……」

19090 「あの、その、このミサカが一番仲良くさせて頂いてるのがあなたでしたので……」

番外個体 「あー、そういうこと。……IDの発行とかだったら先生に頼んでね?」

19090 「い、今の時点ではそこまでは求めてません」

打ち止め 「でも検体番号以外の名前を欲しがるっていい傾向かも、ってミサカはミサカは的確に分析してみたり」

番外個体 「というと?」

打ち止め 「名前も個性を構成する要素の一つだよ。自分の名前が欲しいってことは、
       妹達がそれぞれ個を持ち始めたってことを意味するとみた、とミサカはミサカは
       一息に吐いてみたり」

19090 「長セリフ乙」

番外個体 「……私のときは正直そこまで考えてなかったわ」

453: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:08:26.11 ID:fau4hUCCo

19090 「それと、羨ましいというのもあると思います」

番外止め 「?」

19090 「あなたたちは真琴、静琴という名を持ち周囲からもそう認識されています。
     一味違うぜって感じがして羨ましいのです」

番外個体 「うん、まあ……」

打ち止め 「特別扱い不公平だって言われたら否定できないかも……
       ってミサカはミサカはちょっぴり罪悪感を感じてみたり……」

19090 「あっ、そ、そういう意味で言ったのではなく! その、憧れと申しますか」

番外個体 「分かってるって。で、なんか考えればいいんだよね」

打ち止め 「言うほど簡単じゃないかも、ってミサカはミサカは大いに悩んでみたり」

番外個体 「うーん……19090……うん? 19090、190……か」

打ち止め 「何か思いついたの? ってミサカはミサカは悪い笑みを浮かべてるワーストを怪しんでみたり」

番外個体 「19090→190→いくお。よしっ、今日からあなたはいく夫だ」

19090 「ふえ? い、嫌ですそんな可愛いとか可愛くないとかいう前に女性らしさのカケラもない名前は!」

打ち止め 「これはヒドイ……」

いく夫 「せ、せめてもうちょっとマシ、あっ!? 変えないでくださいまだ決定じゃないです!!」

454: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:10:26.03 ID:fau4hUCCo

番外個体 「ダメかー。こう、頭ん中にピコーンって浮かんだんだけどなぁ」

19090 「あ、あの、言い忘れていたのですが……」

打ち止め 「なになに? ってミサカはミサカは19090号の顔を覗き込んでみたり」ジー

19090 「琴、という漢字を使ってください」

番外個体 「今の一言で難易度がすごい上がったよ」

打ち止め 「もうミサカの頭じゃ無理かも……」プスプス

番外個体 「ちょっと考えさせてもらっていいかな?」

19090 「はい待ちます! いつまでも待ち続けます!」

番外個体 (どうしたもんかね……名前を考えるなんてやったことないよ)

打ち止め 「名前を考えるって難しいね、ってミサカはミサカはショート寸前」

19090 「そういえば前から気になっていたんですが」

番外止め 「「なにかな」」

19090 「番外個体と上位個体は、御坂性ではないのはなぜでしょうか」

番外個体 「あー、それね。先生の意向も絡んでるみたいよ」

19090 「先生と言うと、冥土帰しの?」

455: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:12:50.69 ID:fau4hUCCo

番外個体 「気になって聞いたことがあるんだけどね。出生や境遇、ましてやクローンだという事に
       囚われず、一人の人間として個を確立して欲しい。だから敢えて御坂姓にはしなかったんだって」

19090 「あの先生の考えそうなことですね」

番外個体 「そういう訳だから。あなたも名前が欲しいって言えば苗字もセットで考えてくれるかも」

19090 「……もし全員分考える事になったらと思うとぞっとしますね」

番外個体 「でもね、なるほど、とは思ったけどさ。メンドいこともあったんだよ? 一人称の矯正とか」

打ち止め 「ミサワなのにミサカじゃ不自然だよね、ってミサカはミサカは当然の指摘をしてみたり」

番外個体 「あなたたちの場合は語尾も……そういやあなた、語尾はどうした?」

19090 「あっ、いけません。最近抜けがちです、とミサカはうっかり属性持ちをアピールします」

番外個体 「あなたもTPOによってあったりなかったりするよね」

打ち止め 「ミサカは器用に使い分けるのだ」フンス

19090 (むしろ最近は語尾がない時間の方が長いですね……見習いとはいえ就業もしてますし)



~同日夜 第7学区 番外通行邸~


番外個体 (どーしよー。なんも思いつかねー)ジャブジャブ

番外個体 (琴って字を使え、か。うー……)

456: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:14:45.62 ID:fau4hUCCo

一方通行 「? オイ、この本はどォしたンだ」

番外個体 「それ? 今日帰り道に買ってきたんだよ」カチャカチャ

一方通行 「出しっぱなしにしてンじゃ……名付け辞典、姓名判断……? オマエ、まさか……」

番外個体 「どうしたのさ」フキフキ

一方通行 「なンでもっと早く言わねェンだ!? そンなに俺のことが信用できねェか!?」

番外個体 「えっ、な……なんで怒ってるの……?」

一方通行 「ちょっと待ってろ」カチカチ

番外個体 「??」

一方通行 「もしもし、俺だ。……あァ、変わりねェよ。ところでアンタ、産婦人科は専門範囲か?」

番外個体 「」ブーッ

一方通行 「……あァ? 患者のためならなンだってするって豪語してたろォが」

番外個体 「せいや」ガンッ

一方通行 「がっ、は……!?」

番外個体 「あ、もしもし? 先生? ゴメンなさい、うちの人がトチ狂ったこと言い出して。
       えー、そんなこと全然ないんで。勘違いなんで。はい、ごめんあそばせー」ピッ

一方通行 「いきなり何しやがンだ! フライパンで人の頭どつくヤツがあるか!」

番外個体 「こっちのセリフだ! 早合点にも程があるだろうが!!」

一方通行 「え……違ェの?」キョトン

番外個体 「違うわボケェ!!」

457: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:16:28.53 ID:fau4hUCCo


~翌日 第7学区 隠れ家的喫茶店~


番外個体 「はー……」カキカキ

ショチトル 「マスター? さっきから紙とペンで何をやっているんだ?」

番外個体 「んー……思考の整理」

ショチトル 「なんだか難しそうだな」

番外個体 「名前を考えてるんだけどね。いいアイデアが出ないなぁ」

ショチトル 「名前? ペットでも飼うのか」

番外個体 「いんや、人間」

ショチトル 「人間を飼うのか!?」

番外個体 「違うって! 人間の名前考えてるの!」

ショチトル 「? つまり……どういうことだ?」

番外個体 「あー、まぁ、ニックネームをつけてと頼まれたというか」

ショチトル 「ふむん」


<カランカラン♪


458: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:18:09.96 ID:fau4hUCCo

ショチトル 「いらっしゃいませ」

結標 「いらっしゃいました」

絹旗 「どうも、絹旗です」

番外個体 「おや? 珍しい組み合わせだね」

結標 「偶然出くわしてね」

絹旗 「というわけで、超いつものください」

ショチトル 「モアイブレンドだな」

絹旗 「だから超いい加減その言い方は……もういいです」ハァ

ショチトル 「義姉さんは?」

結標 「そうね……アップルティー、ホットでね」

ショチトル 「承った」

番外個体 「そういえば、ユリコの調子はどうよ?」

絹旗 「超いよいよって感じですね」

結標 「あら、もうそこまで来たの?」

ショチトル 「子猫……ぜひ抱いてみたいな」

459: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:20:22.25 ID:fau4hUCCo

絹旗 「ええ、落ち着いたらぜひ見に来てくださいよ」

結標 「私も行っていい?」wktk

絹旗 「超モチロンです」

番外個体 「はい、お待ちどう。ところで、いつ頃生まれるかってわかるの?」カチャ

絹旗 「獣医の先生が言うには、猫は満月の夜に出産することが多いそうですよ」

結標 「へえ、なんだか神秘的ね」

番外個体 「月の引力とか関係してるのかな」

絹旗 「超もしかしたら、次の満月の夜に……」

ショチトル 「次の満月って……今夜だぞ?」

絹旗 「な」


  [[携帯電話]]<キミト デーアーッテカラー イークツモノ ヨルヲカタ-リーアカーシタ♪


番外個体 「このタイミングでの電話ってまさか……」

絹旗 「は、はい、もしもしっ」

白井 『絹旗さん!? ユリコの様子が少しおかしいんですの。すぐに戻ってくださいまし』

460: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/15(月) 01:22:28.47 ID:fau4hUCCo

絹旗 「ち、超了解です! すぐ戻ります!」ピッ

絹旗 「そのまさかでした……すいません、今日はこれで失礼します!」

結標 「絹旗さん、待って」

絹旗 「なんですか、超緊急事態なんですよ」

結標 「緊急事態なんでしょ? だったら」ヒュッ

番外個体 「淡希が懐中電灯を出した……!?」

ショチトル 「あぁ、どうやら本気だ……!」

結標 「乗っていきなさい」

絹旗 「……結標さんに乗るのは海原さんの役 「ちっがーーーーう!!」

結標 「そうじゃないでしょ! 違うでしょ!」

ショチトル 「?」

番外個体 「深くは追及しなくていいよ」

結標 「もう! とりあえず行くわよ!」

絹旗 「ちょ、超お願いします!」


 ヒュッ


514: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/16(火) 23:28:29.09 ID:fm6OYpHso


~同日 常盤台新寮~


 ダダダダダ バーン


絹旗 「はっ、はぁっ……ユ、ユリコは!?」

白井 「」シー

絹旗 「」

白井 「夕方から段ボールに籠ったきり、一歩も出てきませんの」

絹旗 「超いよいよなんですか……」

白井 「段ボールに入る前も、なんだか落ち着きがございませんでしたし」


 【段ボール】<ゴソゴソ


絹旗 「?」

ユリコ 「( ・ω・)」ポテポテ

絹旗 「ユリコ? 出てきて大丈夫なんですか?」

515: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/16(火) 23:30:33.75 ID:fm6OYpHso

ユリコ 「(・ω・)」クイクイ

絹旗 「どうしたんですか?」

白井 「服をくわえて引っ張るなんて、珍しいですの……」

絹旗 「いや、初めてですよ。ここまでしたの」

白井 「側にいてほしいのでは?」

絹旗 「……私がいても、超大丈夫なんですか?」

ユリコ 「( ・ω・)ノシ」オミャー

絹旗 「超分かりました。すべて見届けましょう」

ユリコ 「(・ω・)」ジー

白井 「わ、わたくしもですか?」

絹旗 「白井さん、超お願いです」

白井 「……分かりましたの。もとよりわたくしにできることなど限られておりますし、せめて立会いぐらいは」

絹旗 「決まりですね」

ユリコ 「(・ω・ )」ポテポテ

白井 「今夜は長い夜になりそうですわね」

絹旗 「超望むところですよ」

516: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/16(火) 23:32:23.73 ID:fm6OYpHso

 :
 :
 :

白井 「ふとあの頃を思い出しました」

絹旗 「どの頃ですか?」

白井 「ユリコは、絹旗さんがどこからか拾ってきたのですよね」

絹旗 「あー、そうですそうです。家の裏庭の掃除してたら茂みから超飛び出てきたんですよ」

白井 「しかも素直に言えばいいものを、最初隠してましたわね」

絹旗 「いや……さすがにみんなの賛同が得られるか超不安だったんです」

白井 「あら、わたくし信用されておりませんのね」プイ

絹旗 「昔の話じゃないですか」

白井 「でもちゃんとみなさん受け入れて、名前まで一緒になって考えたではないですか」

絹旗 「懐かしいですね、何時間も議論してましたよね」

白井 「そういえば、名前は考えておられますの?」

絹旗 「名前は考えてないですが、考えはあります」

白井 「考え?」

517: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/16(火) 23:34:45.60 ID:fm6OYpHso

絹旗 「まあ、それは元気な仔猫を超拝んでからです」

白井 「そうですわね。今はそれだけを祈りましょう」

ユリコ 「(;-ω-)」ヒフー

絹旗 「あれ? 呼吸が……」

白井 「お腹が動いてますの……これは」

絹旗 「ユリコー、超頑張ってください」ナデナデ

白井 「……絹旗さんの仰る通りでしたの」

絹旗 「何がですか?」

白井 「窓の外をご覧になって」

絹旗 「あ、そっか。満月……」

白井 「部屋の電気を落としていると、月明かりでも存外明るいものですの」

絹旗 「……ユリコもやっぱり満月の夜を選んだんですね」

白井 「不思議なものですわね」

ユリコ 「(゚ω゚)」カッ

絹旗 「? ユリコ?」

518: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/16(火) 23:36:44.63 ID:fm6OYpHso

白井 「絹旗さん、後ろ……!」

絹旗 「え? あっ!」

白井 「出てきてますの……」

絹旗 「……」ナデナデ

白井 「ユリコ、もう一息ですの」

絹旗 「こ、こういうとき、なんでしたっけ。超ラマーズ法でしたっけ」

白井 「それは猫にも適用できるのしょうか?」

絹旗 「ええとええと、超掴んで引っ張ればいいんですか?」

白井 「絶対ダメですの」

絹旗 「あ、でも、なんかこう」

白井 「もう少しですの。ユリコ、頑張って」

絹旗 「しかし、すごい匂いですね」

白井 「台無しですの」ハァ

絹旗 「あ、一匹目……!」

白井 「え?」

519: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/16(火) 23:40:59.79 ID:fm6OYpHso

仔猫 「ピー」モゾモゾ

絹旗 「わ、あ……」

白井 「小さい、ですわね……でも、元気に動いてますの」

絹旗 「そ、それで、どうすれば」

白井 「お待ちになって。ユリコが」

ユリコ 「( ・ω・)」バクッ

絹旗 「ちょ、ちょっとユリコ?」

白井 「膜を破って身体を綺麗にしてるんですのね」

絹旗 「超びっくりしました、食べちゃうのかと」

ユリコ 「(・ω・)」ペロペロペロペロ

絹旗 「動いてますよ。仔猫超動いてますよ」

仔猫 「ピー」モゾモゾ

白井 「元気なお子さんのようですの」

絹旗 「あ、ユリコのお腹に」

白井 「お乳を求めているんでしょう」

520: ◆8GNB4AEvC. 2011/08/16(火) 23:45:41.66 ID:fm6OYpHso

絹旗 「まだ目も空いてないのに、分かるんですね」

白井 「逞しいですわね、こんなに小さいのに」

仔猫 「ピー」

ユリコ 「(*・ω・)」

絹旗 「ユリコと同じで超真っ白な子ですね」

白井 「ええ。まずは一匹ですわね」

絹旗 「そっか、まだ続くんですよね」

白井 「ユリコ、この調子で頑張って。わたくしたちはずっとここにおりますので」ナデナデ

ユリコ 「( ・ω・)ノ」ビシィ

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絹旗 「一匹目から30分ほど経ちましたが……」

白井 「出てきませんわね……」

絹旗 「ユリコ、大丈夫ですか?」

ユリコ 「(;・ω・)」ヒフー