1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/01(日) 16:12:30.63 ID:Mktnjw1f0
???(その日 僕たちは思い出した)




???「エクストリーーーーーーーム!」

???「これってまさに…絶望だよね!」




???(ヤツに支配されていた恐怖を…)




???「アーッハッハッハッハッハ!!」




???(鳥籠の中に囚われていた屈辱を…)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385881950

引用元: シンゲキロンパ 

 

進撃の巨人(15) (講談社コミックス)
諫山 創
講談社 (2014-12-09)
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:13:56.61 ID:Mktnjw1f0
アルミン(まずはオーソドックスに自己紹介から始めたいと思う。
     僕の名前はアルミン・アルレルトだ)

アルミン(外見は、ご覧の通り、どうしようもないほど平均的な普通の男子…)

アルミン(中身の方も同じ…いや、普通の子よりも弱虫で、
いつも親友に助けられてばかりいる)

アルミン(そんな弱虫の僕は、今…)

アルミン(兵団の訓練所という似つかわしくない場所に立っている訳だけど…
     これには理由があるんだ)

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:14:37.69 ID:Mktnjw1f0
アルミン(今から2年前、超大型巨人と鎧の巨人の出現によって、
僕たちは故郷を失った)

アルミン(親友の母親は巨人に食われ…
僕の家族も、壁内の口減らしのために殺された)




???『駆逐してやる!!』

???『この世から…一匹残らず!!』




アルミン(かつて親友がそう誓ったように…)

アルミン(僕も強い意志を持って、訓練兵団への入団を決めた)

アルミン(そして…)

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/01(日) 16:15:39.61 ID:Mktnjw1f0
???「ただいまより、第104期訓練兵団の入団式を行う!」




アルミン(そう…今日この日こそ、待ち望んでいた兵士への第一歩なのだ)

アルミン(正直不安はある。軟弱な僕が、
     生き地獄とよばれる過酷な訓練に耐えられるのかどうか…)




???「私が運悪く貴様らを監督することになった…」




アルミン(でも、もう決めたんだ。自分の心で決めたんだ)

アルミン(僕は親友の…)

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/01(日) 16:16:25.01 ID:Mktnjw1f0








アルミン(親友…の…)








6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/01(日) 16:17:00.80 ID:Mktnjw1f0








PROLOGUE

ようこそ絶望兵団








7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:17:50.05 ID:Mktnjw1f0
???「アルミン!?」




アルミン(あれ…)




???「アルミン!しっかりして!」




アルミン(おかしいな…眠っちゃってたのかな)

アルミン(じゃあ今のは…夢?)




???「アルミン!大丈夫!?私がわかる!?」




アルミン(誰かが僕を呼んでる…この声は…)

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:18:52.77 ID:Mktnjw1f0
アルミン「ミカサ…?」




アルミン(僕が名前を呼ぶと、“その人”の顔がパッと明るくなった)




ミカサ「アルミン!よかった!」

アルミン「…えっと、ミカサ…だよね?」

ミカサ「? 何を言ってるの。もしかしてまだ意識が…」

アルミン「意識?」

ミカサ「あなたは今まで気絶していた。私も…ついさっき目が覚めた」

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/01(日) 16:19:44.58 ID:Mktnjw1f0
アルミン「気絶?僕だけじゃなくてミカサも?」

ミカサ「うん」

アルミン「おかしいな…たしか僕は入団式にいたはずだけど…」

ミカサ「私も同じ。急にめまいがして、気がついたらここにいた」




アルミン(訳がわからない…やっぱり夢じゃなかったのかな)

アルミン(…そう、たしかに僕は…入団式にいたはずなんだ)

アルミン(それなのに、その最中に二人同時に気を失うなんて…
     あり得るんだろうか)

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:20:46.89 ID:Mktnjw1f0
アルミン(…“二人同時”?)




アルミン「ねえ、ミカサ…エレンは?」

ミカサ「…わからない。この部屋にいるのは、私とあなただけ」




アルミン(僕は周囲を見回した)

アルミン(かなり大きな部屋だ。簡素なテーブルやイスがたくさん並んでいる)

アルミン(…集会場だろうか?)




ミカサ「あっちに扉がある。とりあえずここから出よう」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:22:01.93 ID:Mktnjw1f0
アルミン(扉を開けると…)




???「おっ、また新しいやつが来たみたいだぜ」

???「君たちも入団志願者…だよね?」




アルミン(10人ほどの男女が、こちらに顔を向けた)




アルミン「えっ…じゃあ君たちも?」

ライナー「まあな。俺はライナー・ブラウンってんだ」

ベルトルト「僕はベルトルト・フーバーだよ。よろしくね」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:24:40.31 ID:Mktnjw1f0
アルミン(見上げるような長身に、ガッシリとした体格…
     まさに“兵士”と呼ぶにふさわしい、そんな外見の二人だった)




ライナー「そちらさんの名前も教えてもらっていいか?」

アルミン「ん?…ああ、ごめん。僕はアルミン・アルレルト。
     シガンシナ区の出身なんだ」

ベルトルト「えっ、シガンシナ区って…」

アルミン「うん…超大型巨人と鎧の巨人の襲撃を受けた地区だよ。
     僕とここにいるミカサは、間一髪で逃れてきたんだ」

ミカサ「…どうも」

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:26:05.75 ID:Mktnjw1f0
ライナー「そうか…そいつは大変だったな」

アルミン「うん…」

ベルトルト「…」

ライナー「…ん?そういえば、お前らの他にも
     シガンシナ区出身の奴がいたような…」

ミカサ「!」

アルミン「そ、その人って…」

ライナー「ああ、名前は確か…」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:27:13.40 ID:Mktnjw1f0
???「ミカサ…?アルミン…?」




アルミン(その時,不意に誰かが声をかけてきた)

アルミン(聞き慣れた声だ。間違えるわけがない)




ミカサ「エレン!」

エレン「やっぱりそうだよな!?お前らだよな!?」

ライナー「なんだ、知り合いだったのかよ」

ミカサ「エレン、怪我はない?私がわかる?」

エレン「だからわかるっつってんだろ…ていうか」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:28:18.49 ID:Mktnjw1f0
エレン「ミカサ…お前いつの間に髪切ったんだ?」

ミカサ「?」

エレン「それにその頬の傷…怪我してんのはお前じゃねえか」

ミカサ「さっきから何言ってるの。私は髪なんか切って…」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:29:57.68 ID:Mktnjw1f0
アルミン(そう言ったミカサは、自らの指で髪を梳いて…)

アルミン(そこで手を止めた)




ミカサ「…あれ?」




アルミン(そして、確かめるように何度も何度も、同じ動作を繰り返す)

アルミン(しかし…)

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:31:24.31 ID:Mktnjw1f0
ミカサ「…おかしい」

エレン「は?」

ミカサ「私は髪なんか切ってない」

エレン「いやいや,実際に短くなってるじゃねーか」

ミカサ「…きっと誰かに切られた。私が気絶してる間に」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:32:50.03 ID:Mktnjw1f0
エレン「気絶?お前らもか?」

アルミン「えっ,じゃあエレンも…!?」

ライナー「エレンだけじゃないぜ。ここにいる全員がそうだ」




アルミン(僕は改めて,その場にいる人たちを見た)

アルミン(訓練兵団への入団志願者…それは間違いないはずだ。
     なぜなら彼らは皆,訓練兵専用の制服を着ていたから)

アルミン(それはもちろん,僕やエレン,ミカサだって同じだ)

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:34:28.39 ID:Mktnjw1f0
???「不可解な点はまだあるだろ」




アルミン(新しい声だった。そばかすの女性から発せられたものらしい)




ライナー「まだあるって…何だよ,ユミル」

ユミル「わからないのか?今来た2人を含めてもたったの12人なんだぞ?
    他の連中はどこに行ったんだよ」

ベルトルト「…確かに。入団式には,ざっと見ても100人以上いたはずだよね」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:35:37.79 ID:Mktnjw1f0
???「みんな別の場所にいるんじゃないかな?」

???「さっき他の場所を見て回ったけど,人気はなかったよ」

???「よくわかんねーけど,これって入団試験なんじゃねえの」

???「入団試験!?そんなの聞いてないぞ!」




アルミン(…いや,違う。これは入団試験なんかじゃない)

アルミン(そもそも異常なんだ。入団式の最中に,12人が同時に気を失うなんて)

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:36:52.67 ID:Mktnjw1f0
ライナー「一体何がどうなってるんだ?」

エレン「別にいいんじゃねえか?結構似合ってるしよ」

ミカサ「…まあ、エレンがそう言うなら」

???「あれっ…ていうか,私の芋がないんですけど!」




アルミン(みんな混乱していた。頭の整理ができていなかった)

アルミン(そんな中で,僕の胸中に渦巻き始めていたのは…)

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/01(日) 16:39:37.06 ID:Mktnjw1f0
「キーン,コーン… カーン,コーン…」




アルミン(とてつもなく嫌な予感)




???『あー、あー…! マイクテスッ、マイクテスッ!』

???『大丈夫? 聞こえてるよね?』

???『えーっ,ではでは… 入団志願者のみなさん!』

???『これから入団式を再開しますので,至急,訓練所に集まってください!』

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/02(月) 16:36:09.95 ID:h7Z7FwAf0
― 訓練所 ―




???「…なあ、訓練所ってここでいいのか?」

???「間違いねーよ。ご丁寧に看板まで出てただろうが」

???「で、でもよ…さっき入団式やってた場所とは明らかに違うような…」

???「…」

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/02(月) 16:40:40.62 ID:h7Z7FwAf0
???「どんなところが違うと思う?」

???「…?えーっと…」

アニ「アニだよ。アニ・レオンハート」

コニー「あ、ああ…よろしく。俺はコニーだ」

アニ「じゃあコニー、もう一回聞くけど、どんなところが違うと思う?」

コニー「えっ…えーっと…」

アニ「…」

コニー「…ふいんき?」

アニ「…」

27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/02(月) 16:46:31.24 ID:h7Z7FwAf0
アルミン「…屋内」

コニー「え?」

アルミン「決定的に違うのはそこだよ。さっき入団式をやっていた場所は外だったのに、
     ここはどう見ても建物の中だ」

コニー「建物の中?そうは感じねーけど」

ユミル「どんだけ鈍いんだよお前…」

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/02(月) 16:50:44.28 ID:h7Z7FwAf0
ライナー「だがまあ、コニーがそう感じるのも無理はないだろ」

ユミル「あん?」

ライナー「下は地面だ。ちゃんと土がある。それに…」

???「広すぎるよね、ここ。空がないことを除けば、
    屋外だと言われても全然違和感がないよ」

ユミル「…何が言いたいんだ、クリスタ」

クリスタ「だ、だからさ…そんな大きな施設、壁の中にあったかなって…」

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/02(月) 17:00:28.76 ID:h7Z7FwAf0
アルミン(その言葉に、誰もが押し黙った)

アルミン(もちろんそれは、その疑問に答えられなかったからじゃない)




ユミル「…なあ、いい加減に回りくどい言い方はやめないか」

クリスタ「…」

ユミル「お前らだって気づいてるんだろ?これは入団式なんかじゃない」

ライナー「…」
    
ユミル「私たちはな…【よからぬ事】に巻き込まれてるんだよ」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/02(月) 17:02:31.02 ID:h7Z7FwAf0
???『人聞き悪いなぁ』




アルミン(何の前触れもなく、その声は聞こえてきた)




ミカサ「さっきの声…!」

エレン「クソッ、どこだ!どこにいやがる!」




???『ここだよ』




アルミン(それは場違いなほど明るい声…)




???「ふざけた真似しやがって…!」

???「隠れてないで出てきなさいよ!」




???『うぷぷ…ちゃんと集まってくれたみたいだね。
    それじゃあ、さっそく始めよっか!』

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/02(月) 17:05:04.33 ID:h7Z7FwAf0
~♪
~♪


~~♪
~~♪


~~~~♪
~~~~♪




ポヨヨーン




???「ハロー!ナイストゥーミーチュー!」

???「ボクが運悪くオマエラを監督することになった…」




モノクマ「モノクマなのだっ!」

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 19:41:13.26 ID:B4p36ovf0
アルミン(…やっぱり、僕は夢を見ているんだろうか)

アルミン(軽快な音楽とともに壇上から現れたのは…)




クリスタ「え…?ヌイグルミ…?」

モノクマ「ヌイグルミじゃないよ。ボクはモノクマだよ」

コニー「ク…クマだ!クマが喋ったぞ!?」

モノクマ「だからさぁ…クマじゃなくて…」

モノクマ「モノクマなんですけど!しかも、監督教官…って、あれ?」

???「…ねぇジャン、私疲れてるのかな?
    白黒マスコットの幻覚が見えるんだけど…」

ジャン「…安心しろ。オレにもちゃんと見えてるから」

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 19:49:36.61 ID:B4p36ovf0
モノクマ「はぁ…予想はしてたけど、その使い古されたリアクション…
     テンション下がるなあ」




アルミン(それは場違いなほど明るい声…
     それは場違いなほど能天気な振る舞い…)

アルミン(僕の抱いていた不快感は
     いつの間にか、底知れぬ恐怖へと変わっていた)




エレン「ど…どうなってんだ!?なんで人形が動いてんだ!?」

モノクマ「あー、それはですね」

モノクマ「ボクには、立体起動装置を手掛ける技巧班も真っ青の
     遠隔操作システムが搭載されてて…」

モノクマ「…って、夢をデストロイするような発言を
     させないで欲しいクマー!!」

コニー「???」

アニ「…結局人形だって認めてるじゃない」

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 19:57:59.50 ID:B4p36ovf0
モノクマ「じゃあ、進行もおしてるんで、さっさと始めちゃうナリよ!」

???「キャラがブレてない…?」

モノクマ「ご静粛にご静粛に…えー、ではではっ!」

モノクマ「これより、記念すべき入団式を執り行いたいと思います!」

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 20:03:02.58 ID:B4p36ovf0
モノクマ「まず最初に、これから始まる
     オマエラの訓練兵生活について一言…」

モノクマ「えー、オマエラのような才能溢れる兵士のタマゴは、
     “人類の希望”に他なりません!」

モノクマ「そんな素晴らしい希望を保護する為、オマエラには…」

モノクマ「“この施設内だけ”で、共同生活を送ってもらいます!」

モノクマ「みんな、仲良く秩序を守って暮らすようにね!」

エレン「は…?」

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 20:59:24.95 ID:B4p36ovf0
モノクマ「えー、そしてですね…
     その共同生活の期限についてなんですが…」

モノクマ「期限はありませんっ!!」

モノクマ「つまり、【一生ここで暮らしていく】のです!
     それがオマエラに課せられた訓練兵生活なのです!」

ジャン「…い、今なんつった?」

クリスタ「一生…?ここで…?」

モノクマ「あぁ…心配しなくても大丈夫だよ。
     予算は豊富だから、オマエラに不自由はさせないし!」

???「ほ、本当ですか!?やっぱり食糧も豊富なんですね!?」

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:02:01.29 ID:B4p36ovf0
???「ウソでしょ…?」

モノクマ「ボクはウソつきじゃない!その自信がボクにはある!」

ジャン「な、何だよそれ…」

モノクマ「あ、ついでに言っておくけど…
     外の世界とは完全にシャットアウトされてますから」

モノクマ「だから、巨人に好き放題やられた外の世界の心配なんて、
     もう必要ないからねっ!!」

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:06:26.82 ID:B4p36ovf0
アルミン(一方的にまくし立てるモノクマに、
     僕たちはあっけにとられていたが…)

アルミン(“その一言”を聞いた瞬間、全員がピクリと反応した)




エレン「…ちょっと待て」

モノクマ「はい?」

エレン「巨人の心配はない…お前はそう言ったのか?」

モノクマ「うん、そう言ったよ」

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:09:02.39 ID:B4p36ovf0
バン!




エレン「ふざけんな!さっきから聞いてりゃふざけたこと言いやがって!」

モノクマ「ふざけてないよ?ボクはいつだって大真面目だよ」

エレン「オレは巨人をぶっ[ピーーー]ために訓練兵団に志願したんだ!
    今すぐここから出しやがれ!」

モノクマ「だからさぁ、ここにいる限り外の世界の心配はいらないんだって。
     もう巨人なんかに怯えることないんだって」

エレン「オレは…オレは駆逐しなきゃならねえんだ!
    オレの目の前で大事なもんを奪いやがったあいつらを!」

モノクマ「あー、はいはい。そういう
     『悲劇的な目に遭った俺カッケー!』的な不幸自慢はいいから」

エレン「…っ!!てめえええええええええええええええええ!」

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:10:46.89 ID:B4p36ovf0
ミカサ「エレン、落ち着いて」

エレン「止めんじゃねえよミカサ!お前だって…」

ミカサ「落ち着いて」

エレン「…っ」

モノクマ「…うぷぷ、危なかったねイェーガーくん。
     監督教官であるボクへの暴力は規則違反ですよ」

ユミル「…規則?」

モノクマ「ていうかさぁ、ちゃんとクマの話は最後まで聞こうね。
     肝心な部分はここからなんだから」

44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:14:23.01 ID:B4p36ovf0
ライナー「…何だ。言ってみろ」

モノクマ「うん、あのね…」

モノクマ「ぶっちゃけた話、ない訳じゃないよ。ここから出られる方法…」

ベルトルト「本当に…?」

モノクマ「監督教官であるボクは、この施設から出たい人の為に、
     【ある特別ルール】を設けたのですっ!」

モノクマ「それが『卒業』というルール!!」

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:16:05.06 ID:B4p36ovf0
モノクマ「では、この特別ルールについて説明していきましょーう」

モノクマ「オマエラには、施設内での“秩序”を守った共同生活が
     義務付けられた訳ですが…」

モノクマ「もし、その秩序を破った者が現れた場合…
     その人物だけは、施設から出て行く事になるのです」

モノクマ「それが『卒業』のルールなのですっ!」

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:18:24.25 ID:B4p36ovf0
ユミル「その“秩序を破る”ってのは、何を意味するんだ?」

モノクマ「うぷぷ…それはね…」




モノクマ「【人が人を[ピーーー]事】だよ…」




アルミン「こ、[ピーーー]…ッ!?」

モノクマ「殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺…殺し方は問いません」

モノクマ「『誰かを殺した訓練兵だけがここから出られる…』
     それだけの簡単なルールだよ」

モノクマ「最悪の手段で最良の結果を導けるよう、せいぜい努力してください」

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:20:05.38 ID:B4p36ovf0
アルミン(ゾワリとした…)

アルミン(『誰かを殺した訓練兵だけがここから出られる』
     その言葉を聞いた途端…)

アルミン(猛烈な寒気が、足元から背中を通り、
     頭のてっぺんまで一気に駆け上がっていった)




モノクマ「うぷぷ…こんな脳汁ほとばしるドキドキ感は、
     鮭や人間を襲う程度じゃ得られませんな…」

モノクマ「さっきも言った通り、
     オマエラは言わば“人類の希望”な訳だけど…」

モノクマ「そんな“希望”同士が殺し合う、
     “絶望”的シチュエーションなんて…」

モノクマ「ドキドキする~!」

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:21:34.91 ID:B4p36ovf0
ジャン「な、何言ってんだ!?殺し合うって…なんだよ!」

モノクマ「殺し合いは殺し合いだよ。辞書ならそこらに…」

クリスタ「そうじゃなくて!どうして私たちが殺し合わなきゃいけないの!?」

コニー「そ、そうだ!よくわかんねーことばっかり言うなよ!
    さっさと家に帰せ!」

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:23:04.69 ID:B4p36ovf0
モノクマ「…ばっかり?」

コニー「…!」ビクッ

モノクマ「ばっかりってなんだよ、ばっかりって…
     ばっかりなんて言い草ばっかりするなっての!」

アニ「…」

モノクマ「ホントに物分かりの悪い連中だよ」

モノクマ「何が帰してだ。
     同じ事を何度も何度も何度も何度も…」

モノクマ「いいかい?これからは、この施設が、
     オマエラの家であり世界なんだよ?」

モノクマ「殺りたい放題、殺らして[ピーーー]から、
     殺って殺って殺って殺りまくっちゃえっつーの!!」

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:25:07.84 ID:B4p36ovf0
アルミン(…無茶苦茶だった)

アルミン(僕たちは兵士になりたくて集まったんだ。それなのに…)

アルミン(いきなり気を失わされ、訳のわからない空間に閉じ込められ、
     挙句の果てには仲間同士の殺し合いを強いられる…)

アルミン(とても現実として受け入れられる事ではなかった。
     本当に夢を見ているのではないかと、錯覚しそうになるほど…)




ミカサ「…」

エレン「…ッ」




アルミン(誰もがこの状況に黙り込んだ、その時)

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/03(火) 21:30:19.40 ID:B4p36ovf0
ムシャリ




アルミン(何の前触れもなく、その音は聞こえてきた)




モグモグ




モノクマ「!」

エレン「…!?」

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:00:50.37 ID:Mrotp+Rg0
モノクマ「…キミ、何やってんの?」

???「…?」キョロキョロ




ムシャリ




モノクマ「キミだよキミ!キミに言ってるんだよ!
     誰なんだよキミは!」

サシャ「ウォール・ローゼ南区、ダウパー村出身!!
    サシャ・ブラウスです!」

56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:10:03.55 ID:Mrotp+Rg0
モノクマ「…サシャ・ブラウスさん、今キミが右手に持っているモノは何?」

サシャ「『蒸かした芋』です!調理場に丁度頃合いのものがあったので!つい!」

モノクマ「…よくわからないんだけど、どうしてキミは今芋を食べたの?」

サシャ「…?それは、『何故人は芋を食べるのか』という話でしょうか?」




アルミン(それは場違いなほど明るい声…
     それは場違いなほど能天気な…)

57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:18:05.15 ID:Mrotp+Rg0
ジャン「お、おい!お前ちゃんと話聞いてたのかよ!
    今はそんな場合じゃねえだろ!」

サシャ「そんな場合ですよ」

ジャン「あぁ…!?」

サシャ「ちゃんと話も聞いてましたよ。
    私たちはここに閉じ込められた。出ていきたければ人を殺せ…」

サシャ「そういうことですよね?」

ジャン「そ、そうだけどよ…」

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:22:56.24 ID:Mrotp+Rg0
サシャ「それなら簡単じゃないですか。一生ここから出なければいいんです」

ジャン「なっ…!?」

サシャ「さっき言ったように、この芋は調理場から持ってきたんですけど…
    そこには芋だけじゃなくて、あらゆる食材がたくさんありました」

サシャ「しかもよく見てみると、それらの食材は外部から定期的に、
    自動的に供給されるみたいなんです」

サシャ「それだけでもう…万々歳じゃないですか」

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:30:07.06 ID:Mrotp+Rg0
ユミル「…信じられないね。食糧不足に悩む壁内で、
    どうしてそんなことが可能なんだ」

サシャ「それを言ったらこの建物だってそうですよ。
    こんな大規模な施設、見たこともなければ聞いたこともない」

サシャ「でも、それは確かに存在するんです。
    今私がかじっているこの芋のように…」




ムシャリ




エレン「ここでの暮らしを受け入れろってのか!?
    そんな家畜みたいな生き方を…!」

サシャ「それでも鬼畜よりはずっとマシですよ。
    私利私欲のために人を殺めるような…鬼畜よりは」

エレン「…!!」

サシャ「仲間同士で殺し合うなんて…そんなの間違ってます」

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:34:18.98 ID:Mrotp+Rg0
アルミン(…てっきり、能天気で自分勝手な子だとばかり思っていたけど)

アルミン(まるっきり逆だったのかもしれない)




エレン「…ッ」




アルミン(おそらく、彼女だけがわかっていたんだ)

アルミン(彼女だけが“今の状況”をよく理解していたんだ)




モノクマ「…」

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:44:08.67 ID:Mrotp+Rg0
モノクマ「…気に入らないなぁ」

サシャ「えっ」

モノクマ「気に入らないよ“オマエ”」




アルミン(それは今までとは違う、ドスの聞いた声だった)

アルミン(その奥底に憎悪が見え隠れするような…そんな声)

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/04(水) 16:50:06.80 ID:Mrotp+Rg0
モノクマ「…」




アルミン(モノクマはしばらく考えるような素振りを見せた後)

アルミン(独り言のように呟いた)




モノクマ「…よし、決めた」

サシャ「…?」

モノクマ「今回の見せしめは…“オマエ”だーっ!!」

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/05(木) 16:02:42.35 ID:3d7wnCE/0
アルミン「…見せしめ?」




アルミン(背筋が凍りつくのを感じた)

アルミン(見せしめ、見せしめ、ミセシメ…)




アルミン「危ないっ!逃げて!」

サシャ「えっ」




アルミン(でも、僕がそう叫んだときにはもう…)

アルミン(何もかもが手遅れだった)

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/05(木) 16:04:35.35 ID:3d7wnCE/0








モノクマ「召喚魔法を発動する!
     出でよ!グングニルの槍ッ!!」








69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/05(木) 16:11:20.86 ID:3d7wnCE/0
ドスッ




アルミン(まるで時が止まったようだった)

アルミン(モノクマの合図とともに、どこからともなく槍が飛来し…)

アルミン(寸分の狂いもなく、“それ”のど真ん中を貫いたのだ)




サシャ「…え…あ…」





アルミン(誰一人として、身動きがとれなかった)

アルミン(その場にいる誰もが目を奪われてしまった)

アルミン(“それ”を貫いたまま地面に突き刺さる槍に…)

70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/05(木) 16:20:28.01 ID:3d7wnCE/0
モノクマ「ふぅ~!危なかったねブラウスさん!」

サシャ「…え…えっ…」

サシャ「今の…は…?」

モノクマ「ボクに感謝してよね!キミを助けてあげたんだよ!
     あの忌々しい“悪魔の根っこ”からさ!」

サシャ「悪魔の…根っこ…?」

モノクマ「じゃがいもっていうのは恐ろしい食べ物だよ。
     どんなに痩せた土壌でも生えてくるし、その芽には毒がある」

モノクマ「おまけに、大昔は邪神召喚の儀式に使われていたんだとか…
     まあこれは今思いついたんだけどね」

71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/05(木) 16:22:28.57 ID:3d7wnCE/0
アルミン(いつの間にか、モノクマは明るい口調に戻っていた)

アルミン(でもなぜだろう…さっきの憎悪が消えたように感じないのは)




モノクマ「きっとブラウスさんは、“悪魔の根っこ”にそそのかされて、
     あんなおかしな事言っちゃったんだよね?」

サシャ「え…あの…私は…」

モノクマ「そうだよね?」

サシャ「え…あ…」

モノクマ「でももう大丈夫!諸悪の根源はボクがやっつけておいたから!」




アルミン(顔面蒼白のサシャは、そのままゆっくりと視線を移動させる)

アルミン(地面に刺さり、小刻みに揺れ続ける黒い槍…)

アルミン(その刃には、“先ほどまで彼女がかじっていた物”の無残な姿があった)

72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/05(木) 16:24:06.43 ID:3d7wnCE/0








プロローグ

ようこそ絶望兵団


END








73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/05(木) 16:25:26.19 ID:3d7wnCE/0
生き残りメンバー 12人




【ミカサ・アッカーマン】
【ライナー・ブラウン】
【ベルトルト・フーバー】
【アニ・レオンハート】
【エレン・イェーガー】
【ジャン・キルシュタイン】
【コニー・スプリンガー】
【サシャ・ブラウス】
【クリスタ・レンズ】
【アルミン・アルレルト】
【ミーナ・カロライナ】
【ユミル】

79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/09(月) 16:25:42.88 ID:7IdA0Dkf0
■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
 共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
 夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
 他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
 特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
 自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。

80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/09(月) 16:30:19.27 ID:7IdA0Dkf0
― 食堂 ―




エレン「クソッ!何が“規則”だ!」




アルミン(エレンは舌打ちをして、手帳をテーブルに叩きつけた)




???「やっぱり、悪ふざけじゃなさそうだね…」

サシャ「…」

81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/09(月) 16:35:19.35 ID:7IdA0Dkf0
アルミン(僕たちはあの後、“訓練兵手帳”と記された
     革張りの手帳を渡された)




モノクマ『訓練兵手帳はここでの生活に欠かす事の出来ない
     必需品だから、絶対になくさないようにね!!』

モノクマ『それと、表紙の裏側に自分の本名が記載されてるから、
     ちゃんと確認しておいてね』

モノクマ『単なる手帳以外の使い道もあるんでね…』

82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/09(月) 16:40:23.04 ID:7IdA0Dkf0
モノクマ『ちなみに、その訓練兵手帳は完全耐火性で、
     火にかけても燃えない優れ物!』

モノクマ『耐破性も抜群で、
     10トンくらいの引張応力なら平気だよ!』

モノクマ『詳しい“規則”もここに書いてあるんで、
     各自、じっくりと読んでおくよーに!』




アルミン(モノクマはそう言って、僕らの前から姿を消した)

アルミン(唖然とする僕らを残して…)

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/09(月) 16:45:23.98 ID:7IdA0Dkf0








CHAPTER 01

イキキノレ

(非)日常編








84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/09(月) 17:00:57.17 ID:7IdA0Dkf0
ライナー「ようお前ら、もう集まってたのか」

ベルトルト「待たせてごめんね」




アルミン(ライナーとベルトルトが現れたことで、食堂には12人全員が揃った)

アルミン(ちなみにこの食堂は、僕とミカサが最初に倒れていた場所だ)




ジャン「おせーよ。待ちくたびれて誰か殺すかと思っちまった」

アルミン「ジャン!!」

ライナー「おい、冗談でも言っていいことと悪いことが…」

ジャン「へいへい、悪かったよ。それよりさっさと始めようぜ」

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 00:07:36.24 ID:Zc0tGSx60
アルミン(しばらくジャンを睨みつけていたライナーだったが…)




ライナー「…なら、遅刻した俺たちから報告させてもらう」




アルミン(ため息を吐いた後、気を取り直して切り出した)




ライナー「訓練所で話し合った通り、俺とベルトルトは地面の何ヶ所かに
     穴を掘ってみた。で、その結果なんだが…」

ベルトルト「結論から言うと、穴を掘っての脱出は無理そうだよ」

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 00:12:13.01 ID:Zc0tGSx60
エレン「無理って…なんでわかるんだよ。掘り進めてみなきゃわかんねえだろ」

ライナー「3メートルほど掘ったところで、金属質のものにぶち当たったんだ」

コニー「金属質ってなんだ?」

ライナー「どこを掘っても同じだった。おそらく、
     地下3メートル付近に【巨大な鉄板】か何かが敷かれているんだろうな」

ベルトルト「まあ、数ヶ所掘っただけだから確かなことは言えないけど…
      もう少し続けてみるよ」

ミカサ「…無意味だと思う。こんな大がかりな事を企む黒幕に、
    そんな抜け目があるとは考えられない」

ユミル「だな。時間と労力の無駄使いってやつだ」

88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 00:13:38.39 ID:Zc0tGSx60
クリスタ「じゃあ次は私たちから。私とユミルは
     この食堂と調理場を調べてみたんだけど…」

ユミル「どうやら、芋女の言ってたことは本当だったらしい。
    調理場には食糧が充実してた」

ユミル「少なくとも食うのには困らなさそうだったな。ただ…」

ベルトルト「ただ…?」

ユミル「芋がなかった」

サシャ「…っ」

クリスタ「…きっとモノクマが撤去したんだろうね。
     気にすることないよ、サシャ」

89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 00:18:20.50 ID:Zc0tGSx60
ライナー「寄宿舎の方はどうだった、ミーナ?」

ミーナ「けっこう立派な建物だったよ。大浴場なんかもあったし…」

ジャン「それと手帳に書いてある通り、全員分の個室も用意してあったぜ。
    夜はそこで寝ろってことなんだろうな」

コニー「俺も見に行ったけどよ、ベッドがスゲーふかふかだったぞ!
    俺はいっつも弟たちと寝てたから、一人部屋なんて夢みてえだ!」

アニ「…あんたはもっと危機感持ちなよ」

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 00:19:45.45 ID:Zc0tGSx60
ミカサ「私たち3人は倉庫に行ってきた」

ライナー「倉庫なら俺たちも行ったな。穴を掘るための
     つるはしやショベルはそこから持ってきたんだ」

エレン「ああ、本当に何でも揃ってたぜ。訓練道具はもちろん、
    生活用品、衣類、工具、お菓子、それに…」

アルミン「薬品類…医療用のものから毒薬まで」

クリスタ「ど、毒薬…!?」

アルミン「種類もいろいろあったよ。即効性のあるものから
     遅延性のあるもの、さらには混ぜ合わせるタイプとかね」

ユミル「…そいつはまた物騒だな」

91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 00:21:16.16 ID:Zc0tGSx60
コニー「俺とアニは適当に散歩してたぞ」

アニ「…それはあんただけでしょ。
   私はちゃんとこのフロア全体を見て回ったよ」

ミカサ「どうだった?」

アニ「わかってはいたけど…相当広かったね。
   寄宿舎や倉庫のような建築物の他に、林まであったよ」

ジャン「おいおい、林って…ここは建物の中なんだろ?」

アニ「そう…それがこの施設の特徴なんだよ。
   言ってみれば、【屋外をそのまま建物で囲った構造】をしているんだ」

92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 00:23:02.15 ID:Zc0tGSx60
ライナー「他には何かあったか?」

アニ「鍵がかかっていて開かない場所がいくつか。それと…」

コニー「?」

アニ「施設の壁…このフロアの末端だね、そこに【赤い扉】があった」

エレン「…! まさか出口か!?」

アニ「さあね。どっちにしろ、そこも施錠されていたよ」

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 07:40:29.29 ID:Zc0tGSx60
ライナー「…これで一通りの報告は終わったようだな」

ベルトルト「そうだね。とりあえず、今までの情報をまとめてみようか」








  施設の特徴


・ 地下3メートルに巨大な鉄板?

・ 屋外をそのまま建物で囲った構造




  施設内の場所


・ 訓練所
 
・ 食堂・調理場(食糧が充実)

・ 寄宿舎(大浴場、各々の個室がある)

・ 倉庫(訓練道具、生活用品、薬品類などが充実)

・ 林

・ 赤い扉(出口?)

・ その他、鍵のかかっている箇所

94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 08:03:11.86 ID:Zc0tGSx60
ユミル「へえ…わかりやすいじゃねえか。やるもんだな、ベルトルさん」

ベルトルト「えっ、そうかな…ははは」

アルミン「…でもこうして見てみると、
     僕たちを一生この中で過ごさせるっていうのは本気みたいだね」

ミーナ「そうだよねー…
    食べ物は豊富みたいだし、ちゃんと寝泊りする場所もある」

ジャン「おまけに生活用品や医薬品まで完備ときた。
    本当に巨人の脅威がないのなら、案外ここでの暮らしも快適かもな」

95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/10(火) 08:12:42.13 ID:Zc0tGSx60
エレン「…ちょっと待てよ」

ジャン「あ?」

エレン「ここでの暮らしが快適…?本気で言ってんのか」

ジャン「当たり前だろ。巨人の心配も食糧の心配もしなくていい。
    憲兵団にすら入らずにそんな生活ができるなんて最高じゃねえか」

エレン「…ああ,そういえばお前は,内地で快適な生活を送るために
    憲兵団に入るとか言ってたヤツか」

ジャン「そうさ。そのためなら訓練兵団でのむさ苦しい生活も覚悟してたが,
    どうやらそんな心配も無用みたいだな」

エレン「…ジャン」

ジャン「あ?」

エレン「内地に行かなくても,お前の脳内は“快適”だと思うぞ?」

99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/11(水) 07:25:18.33 ID:ZlrfjI380
ミカサ「やめなさい」

アルミン「エレン!」




アルミン(僕の親友に欠点があるとすれば,それは“短気”なところだ)

アルミン(近所のガキ大将に喧嘩を売られた時,
     どんなに安い挑発でもエレンは真に受けて,殴りかかっていったっけ)

アルミン(でも今は…)

100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/11(水) 08:00:49.54 ID:ZlrfjI380
ジャン「オレが頭のめでたいヤツだと…そう言いたいのかエレン?」

エレン「…」

ジャン「それは違うな…オレは誰よりも現実を見てる」




アルミン(ジャンはそう言うと自分の手帳を取り出し…)

アルミン(近くにあった燭台に掲げた)




ジャン「見ろよ…本当に火にかけても燃えないらしいぜ。
    それにいくら力を入れても破けない…どうなってんだこりゃ」

101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/11(水) 09:11:06.38 ID:ZlrfjI380
エレン「…何が言いたいんだ,ジャン」

ジャン「考えてもみろよ。“燃えない紙”だぞ?
    “破れない紙”だぞ?信じられると思うか?」

エレン「…」

ジャン「でもな,それは確かに燃えないんだ。破れないんだ。
    これが一体何を意味するのか…お前にはわかるか?」

エレン「…」

アルミン「…黒幕の言っていることは本気,でもそれだけじゃない。
     【それを実行できるだけの力を持っている】ってことだよね?」

ジャン「そうだ…おそらく王制府レベルのな」

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/11(水) 09:36:31.06 ID:ZlrfjI380
サシャ「ま,まさか…今回の一件には王政府が関わっていると!?」

ジャン「それくらいしか考えらんねえだろ。規模のでかい施設,食糧の大量調達,
    オレたちの知らないような先端技術…王制府が仕組んだことなら辻褄が合う」

クリスタ「でも,もしそうなら…なおさら不自然じゃない?
     どうして壁の中のトップが,たかだか12人の訓練兵のためにそこまでするの?」

ミーナ「ましてや『殺し合いをしろ』だもんねー…
    莫大な資源をつぎ込んでるのに全然割に合ってないっていうか」

ジャン「んなこと知るかよ…だがな,黒幕の思惑が何であろうと,これだけは十分わかった」




ジャン「オレたちは…アイツに逆らえない…」

103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/11(水) 09:53:18.23 ID:ZlrfjI380
アルミン(場が静まり返った)

アルミン(黒幕の言っていることは本気であり,それだけの力があり,
     僕たちはそれに逆らえない…)

アルミン(それは最初から見えていた事実だったのかもしれない。
     でも,だからこそ…)

アルミン(僕たちは“その先”を考えるのが怖かったんだ)




ジャン「見ろ…お前のせいでお通夜になっちまった」

104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/11(水) 10:00:33.88 ID:ZlrfjI380
エレン「それで?」

ジャン「はぁ?話聞いてたか?」

エレン「『逆らえないと思うから諦める』ってとこまで聞いた」

ジャン「…」

エレン「なぁ…諦めて良いことあるのか?」

エレン「あえて希望を捨ててまで現実逃避する方が良いのか?」

106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/12(木) 07:08:26.88 ID:cjXIX+mz0
ジャン「…じゃあどうすんだ。誰か殺すのか?」

エレン「…!」

ジャン「お前が言ってるのはそういう事だぞ。ここから出たいんだろ?」

エレン「…」

ジャン「…綺麗事ばっかり言いやがって」




ガシッ




ジャン「現実逃避してんのはどっちだよ!
    テメーは自分の希望のために誰かを犠牲にすんのか!ああ!?」

アルミン「ジャン!!」

ユミル「…お前もさっき殺すとか言ってたじゃねえか」

ジャン「本気なワケねーだろ!そんなこともわかんねーのかこのブス!」

107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/12(木) 07:14:52.68 ID:cjXIX+mz0
クリスタ「もうやめて!!」




ジャン「…!」

クリスタ「こんなの不毛だよ!
     今ここで言い争ったって何にもならないでしょ!?」

ユミル「…」

クリスタ「きっとみんな疲れてるんだよ…頭がいっぱいになってるんだよ。
     そんな状態で無理したって何も良いことないよ」

エレン「…」

クリスタ「ねっ?今日はみんなよく頑張ったよ」
     
クリスタ「夜も更けてきたし…おなかいっぱい食べて,
     みんなでお風呂に入って,ふかふかのベッドでゆっくり眠ろ?」

クリスタ「そうすればきっと…良い考えだって浮かんでくるよ」

108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/12(木) 07:22:58.03 ID:cjXIX+mz0
アルミン(…涙を浮かべながら訴える彼女に,一体誰が反論できただろう)

アルミン(それまで熱くなっていた二人も,ようやく落ち着きを取り戻したようだった)




エレン「オレには夢がある…」

ジャン「あ…?」

エレン「巨人を駆逐してこの狭い壁内の世界を出たら」

エレン「…外の世界を探検するんだ」

アルミン「エレン…」

エレン「だからオレはここから出る。殺し合いなんて死んでもやらねえ。
    あのふざけた人形の中身を引っぱり出して,鼻っ柱を叩き折って…」

エレン「絶対に…ここから出てやる」

109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/12(木) 07:31:45.43 ID:cjXIX+mz0
モノクマ「ふむふむ,それで?」

エレン「…クリスタの言う通りだ。今ここで熱くなっても仕方ねえ。
    まずは英気を養って…」

モノクマ「養って?」

エレン「…!!」

コニー「うわああああああああああ!?クマが出たあああああああ!」

モノクマ「だからさぁ…クマじゃなくて…」

モノクマ「モノクマなんですけど!しかも,監督教官…って,あれ?」

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/12(木) 07:36:21.70 ID:cjXIX+mz0
アニ「…何しに来たの」

モノクマ「…何しに来たの,じゃないよ!」

サシャ「…!」ビクッ

モノクマ「ボクは…ボクはねぇ…」

コニー「…?」




モノクマ「ボクは怒ってるんだよっ!!」

113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/13(金) 18:09:52.47 ID:40MiRO+N0
ミーナ「お、怒ってる…?」

モノクマ「そうだよ!激おこプンプン丸なんだよっ!」

ユミル「…殺し合いが起きないことに腹立ててんのか?
    あいにく私たちはそんなに暇じゃ…」

モノクマ「そうじゃない!
     …まあ確かにそれもムカつくけど、そうじゃなくて!」

モノクマ「ボクが怒ってるのはオマエラに対してだよ!
     ライナー・ブラウンにベルトルト・フーバー!」

114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/13(金) 18:20:55.68 ID:40MiRO+N0
ベルトルト「え…?」

モノクマ「オマエラさあ、この外のあちこちに穴掘ったでしょ!」

ライナー「それがどうしたんだ」

モノクマ「何開き直ってんの!ちゃんと元に戻しなさいよ!」

ベルトルト「いや、でも流石にそこまでの時間はなくて…」

モノクマ「そんなのオマエラの都合でしょーが!とにかく穴を塞ぎなさい!
     ヤリ逃げなんて許さないんだからね!」

115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/13(金) 18:38:28.82 ID:40MiRO+N0
ミカサ「“この施設について調べるのは自由です。 特に行動に制限は課せられません。”
    …兵団規則にはそうあったはず」

ライナー「ミカサの言う通りだ。俺はその一項を確認したからこそ、
     ああいう行動に踏み切ったんだ。何も問題はないはずだぞ?」

モノクマ「ムキーッ!そうやっていちいち規則で縛らないと行動できないの!?
     まったくこれだからゆとり世代は!」

ベルトルト「…わかったよ。ちゃんと戻すよ。それでいいんでしょ?」

モノクマ「そう!投げやりな返答が気に入らないけど、
     最初から従っていればいいんだよ!」

モノクマ「大体、外が穴だらけだったら危なくて訓練できないでしょーが!」

116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/13(金) 18:56:57.26 ID:40MiRO+N0
アルミン「ちょっと待って」

モノクマ「ん?」

アルミン「訓練?今訓練って言ったの?」

モノクマ「はい、言いましたけど?」

ユミル「…まさかとは思うが、私たちに
    兵士としての訓練をさせるってことじゃないだろうな」

モノクマ「何言ってんのさ。そのまさかだよ。
     だってオマエラは兵士になりたくてここに集まったんでしょ?」

117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/13(金) 19:15:12.50 ID:40MiRO+N0
ジャン「…なあ、言ってることメチャクチャじゃねえか?
    オレたちを一生ここに住まわせる気なら、兵士になんてなる必要ねーだろ」

ミカサ「そもそも兵団というのは巨人に対抗するために組織されたもの。
    本当に巨人の脅威がないのなら、巨人を殺すための訓練なんて意味がない」

モノクマ「まあまあ旦那、そうカタイこと言わずにさぁ。
     だって訓練しなかったら、もはや“訓練兵”じゃないじゃん」

サシャ「た、確かにそうですけど…」

モノクマ「とにかく、明日から訓練始めるから!
     今日は各自しっかりと休んで体調を整えておくよーに!以上!」




ポヨヨーン

118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/13(金) 19:53:30.81 ID:40MiRO+N0
アルミン(モノクマはそう言って、再び僕らの前から姿を消した)




クリスタ「ねえ、今のってどういう事なのかな」

ジャン「…そのままの意味だろ。どうやらアイツは明日から、
    オレたちにきっつい訓練を強いて虐めるつもりらしい」

コニー「な、なあ…よく状況が呑み込めてねーんだけど…
    結局アイツは殺し合いをさせたいのか?訓練をさせたいのか?」

アニ「さあね。でも今日はもうご飯を食べて休もう。
   クリスタも言ったけど、これ以上考えたって良い結果は出ないよ」

ライナー「…だな。今日はいろんな事がありすぎた」

121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/14(土) 12:34:10.70 ID:tsZr9peE0
アルミン(こうして僕たちの長い一日は終わった)

アルミン(食事と入浴を済ませた僕は、そのままベッドへと倒れ込み…)

アルミン(それと同時に目を閉じた)




アルミン「…」




アルミン(眠かった訳じゃないけど、
     ただ、ものすごい疲労感だった)

アルミン(まるで1日中ぶっ通しで、
     紙芝居を見せ続けられたような疲労感…)

122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/14(土) 12:43:38.04 ID:tsZr9peE0
アルミン(自分がフィクションの世界に
     放り出されてしまったような錯覚…)




アルミン「…当たり前だ」

アルミン「いきなり、こんな状況に巻き込まれて、
     簡単に受け入れられる訳ないじゃないか…」




アルミン(このまま眠ってしまって…)

アルミン(目が覚めたら全部夢だった…
     なんてオチはどうだろう?)

アルミン(オチとしては最低だけど、
     でも最高だ。それが1番いい)

123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/14(土) 12:55:13.80 ID:tsZr9peE0
◆ モノクマげきじょう ◆




モノクマ「整った設備、優しそうなモノクマ先生。
     そんな中でこれからの日々がスタートを切ると思うと…」

モノクマ「ボクはとても誇らしく、嬉しくてなりません」

モノクマ「今日は私たち入団志願者の為にこのような素晴らしい式典を
     執り行っていただき、誠にありがとうございました」

モノクマ「訓練兵団の一員としての自覚を失う事なく、
     それぞれ、新しい自分の理想を目指して…」


モノクマ「明日からの生活を、送っていく事を誓いますっ!」

124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/14(土) 13:00:21.70 ID:tsZr9peE0








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『オマエラ、おはようございます!
     朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!』

モノクマ『訓練兵諸君は、訓練場に集合してくださーい!』








125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/14(土) 13:12:21.41 ID:tsZr9peE0
CHAPTER 1 

DAY 2




アルミン(朝…らしいな…
     天気がわからないから確かめようもないけど…)




アルミン「…」




アルミン(夢オチだなんて…そんなに上手くいく訳ないか)

127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 12:22:09.43 ID:nCZMA64h0
― 訓練所 ―




ベルトルト「おはようアルミン…」

アルミン「ちょっ…二人とも大丈夫!?目が死んでるよ!」

ライナー「あー…」

ジャン「…徹夜で穴埋め作業やらされてたらしいぜ。ご苦労なこった」

クリスタ「ごめんね…私も手伝いたいって言ったんだけど、
     モノクマが許してくれなくて…」

ライナー「気にすんな…お前にそう言ってもらえただけで十分だ…」

128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 12:31:06.49 ID:nCZMA64h0
サシャ「おはようございます…」

ユミル「遅えぞ芋女。お前が最後だ」

サシャ「だって…朝ごはんも食べてないんですよ…?」

ミーナ「昨日の夜がっつり食ってたじゃん…」

サシャ「それとこれとは別ですよ…
    昨日の夜中も食堂に行ったのに閉まってたし…」

エレン「お、おい!あれだけ食って
    さらにつまみ食いしようとしてたのかよ!」

サシャ「ああ…おなかが減って力が…」

129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 12:49:11.92 ID:nCZMA64h0
モノクマ『やあ』




ミカサ「!」




モノクマ『いやぁ、実に清々しい朝です!
     訓練にはもってこいの日和ですな!』




ユミル「…おい、こっちはお前と遊んでる時間はないんだ。
    隠れてないでさっさと出てこいよ」




モノクマ『もう、ノリ悪いなぁ…まあいいや。
     それじゃあ、さっそく始めよっか!』

130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 12:54:07.09 ID:nCZMA64h0
~♪
~♪


~~♪
~~♪


~~~~♪
~~~~♪




ポヨヨーン




モノクマ「いやぁ、実に清々しい朝です!
     訓練にはもってこいの日和ですな!」



131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 13:00:25.51 ID:nCZMA64h0
ミーナ「…それさっき聞いた」

モノクマ「もう、ノリ悪いなぁ…まあいいや。
     それじゃあ、さっそく始めよっか!」

ジャン「…それもさっき聞いたぞ」

モノクマ「まあまあ旦那、そうカタイこと言わずにさぁ。
     だって訓練しなかったら、もはや“訓練兵”じゃないじゃん」

アニ「…」

モノクマ「…オマエラって本当ノリ悪いよね。
     そこは普通さ、『それは昨日聞いた』ってツッコミを…」

ユミル「いいからさっさと始めろ」

132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 13:13:30.61 ID:nCZMA64h0
モノクマ「ショボーン…それじゃあ、訓練についての説明をしまーす…」

モノクマ「オマエラにはこれから、
     血沸き肉躍るコロシアイ生活を送ってもらう訳ですが…」

モノクマ「それと同時に、50日間の訓練生活も送ってもらいまーす…」

モノクマ「オマエラ…1位目指して頑張ってくださーい…」

133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 13:22:18.04 ID:nCZMA64h0
ジャン「…は?」

サシャ「な、何ですか…?50日間って…」

モノクマ「だって…流石に一生訓練し続けろってのも辛いでしょ…」

モノクマ「それにオマエラみたいなシラケ世代は…
     期間を設けてやらないとすぐにブーたれるし…」

ミカサ「ねえ、その訓練っていうのは強制?」

モノクマ「はい…?」

ミカサ「兵団規則には訓練参加に関することが書かれていない。
    つまり訓練を受けなくても、罰を受けることにはならないはず」

モノクマ「そうですね…アッカーマンさんの言う通りです…
     訓練は強制ではありません…あくまで自由参加です…」

134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 13:27:58.56 ID:nCZMA64h0
コニー「? なんだそりゃ。
    それじゃあ、今ここに集まってる必要ねーじゃんか」

モノクマ「あります…大いにあります…」

ユミル「…馬鹿馬鹿しい。解散だ解散」

ベルトルト「ライナー、部屋に行って休もう…」

ライナー「ああ…」

モノクマ「あの…だからですね…」




モノクマ「クマの話は最後まで聞けって言ってるでしょーが!!」

135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 13:36:07.48 ID:nCZMA64h0
サシャ「…!」ビクッ

モノクマ「全くオマエラはよォ…
     反応が予想通りすぎて絶望してんだよこっちは!あァん!?」

ミーナ「ちょ、ちょっと…キャラがブレブレだよ?」

モノクマ「ったくよォ…そんな蜂蜜みたいに甘ったれた事も言うと思ってなァ…
     こっちはご褒美まで用意してやったっつーのによォ…」

クリスタ「…ご褒美?」

モノクマ「そう!50日間の成績上位1名には、
     とんでもねえビッグなサプライズが用意してあんのさァ!」

モノクマ「それがなんと!【願いを一つだけ叶えられる】ってやつだァ!」

136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 13:45:14.72 ID:nCZMA64h0
ライナー「なんだと…?」

モノクマ「あ、でもなァ!【空を自由に飛びたい】とか【世界旅行に行きたい】とか、
     そんな非現実的なことは受けつけねェからなァ!」

モノクマ「あくまでも、このオレができる範囲内のことを頼みやがれェ!」

ジャン「な…何言ってんださっきから…」

モノクマ「例えば…そうだなァ…」




モノクマ「【ここから全員で出たい】とか【ボクの処刑をしたい】とかね?」

137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 14:00:06.69 ID:nCZMA64h0
アルミン「…えっ」

モノクマ「ひゃっほうううう!ボクってすごく太っ腹じゃない?
     それだけオマエラには頑張ってほしいってことだよ!」

ベルトルト「ね、ねえ…今のって本気なの?」

モノクマ「当たり前じゃん!クマに二言はありません!
     1番っていう数字にはそれだけ重みがある、権利があるんだ!」

ユミル「…なあ、お前は一体何がしたいんだ?
    それなら50日間耐えればここから出られるってことじゃねえか」

サシャ「そ、それどころか…訓練が自由参加なら…」

ライナー「誰か一人が訓練に参加して他の全員がサボれば、
     自動的にそいつが1位になるな…」

ミーナ「何それ…メチャクチャ楽勝じゃん」

138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 14:08:44.53 ID:nCZMA64h0
モノクマ「…ああ、違う違う」

コニー「…?」

モノクマ「【願いを一つだけ叶えられる】っていうのは、
     命がけのゲームを勝ち残った場合の話ね」

ミカサ「命がけの…ゲーム?」

モノクマ「成績1位の人に与えられるのはそのゲームへの挑戦権だよ。
     それに勝つことができたら、【願いを一つだけ叶えられる】の」

ライナー「何だそりゃ…」

モノクマ「うぷぷ…それにオマエラ、随分喜んでるけどさぁ…」




モノクマ「もし、【裏切り者】が1位獲っちゃったらどうすんの?」

139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 16:18:51.51 ID:nCZMA64h0
クリスタ「…え?」

モノクマ「サボるのは別に構わないよ?でもさ、オマエラに
     訓練を任された人が【裏切り者】だったらどうすんの?」

ジャン「…何…言ってんだ…?」

モノクマ「ネタばらしするとさぁ、
     実はオマエラの中には【裏切り者】がいるんだよ」

コニー「は…?」

モノクマ「そして仮にその【裏切り者】が1位を勝ち取った場合…」

モノクマ「【自分だけここから出たい】とか【自分以外を処刑してほしい】とか、
     そんな事言うかもしれないよねー!」

140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 16:31:39.50 ID:nCZMA64h0
エレン「ふざけんな!!」

モノクマ「は?」

エレン「そんな訳ねえだろ!オレたちの中に…そんなヤツはいない!」

モノクマ「いやいや…じゃあ逆に聞くけどさ、
     どうして【裏切り者】がいないなんて言い切れるの?」

モノクマ「互いの素性を何も知らないクセに」

エレン「…ッ!」

モノクマ「【裏切り者】はいるんだよ、確実に。
     そしてそいつはね…オマエラのことを耽々と狙っているんだよ」

141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 16:58:42.42 ID:nCZMA64h0
ユミル「…誰なんだよ、その【裏切り者】ってのは」

モノクマ「そんな事、ボクの口から言える訳ないじゃーん!」

ライナー「…まあそうだろうな。
     そこまでバラしたら【裏切り者】の意味がない」

ベルトルト「いや、待って。そもそも今の発言が本当だとは限らないよ。
      だっていきなり【裏切り者】がいるだなんて…」

モノクマ「うぷぷ…信じる信じないはオマエラの自由だよ」

モノクマ「ボクの話を信じて訓練に励むのも自由!
     ボクの話を信じず裏切り者に出し抜かれるのも自由!」

モノクマ「そして1位を獲れる自信がない人は、
     誰かを殺してここから出ていくのも自由!」

モノクマ「全てはオマエラの自由だーっ!」

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 17:03:52.13 ID:nCZMA64h0
アルミン(…とてもじゃないけど、頭が追い付かなかった)

アルミン(僕たちの中に…裏切り者がいる…?)

アルミン(…いや、だとしても…)




モノクマ「じゃあとりあえず、今言った内容を規則に加えておくから、
     各自ちゃんとメモを取ってね!」

143: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 17:12:49.45 ID:nCZMA64h0
■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
 夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
 他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
 特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
 自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
 訓練への参加は強制ではありません。

9 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
 “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。

10 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。

144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 17:26:08.06 ID:nCZMA64h0
サシャ「ファ、ファイナル…デッドルーム?」

モノクマ「命がけのゲームの会場だよ。そこで勝てば、
     オマエラは自分の希望を手にすることができるんだ」

ミーナ「その命がけのゲームっていうのは…【裏切り者】もやるの?」

モノクマ「もっちろん!そうしないと不公平でしょ?」

ユミル「なら…そのゲームってのは何をするんだ?」

モノクマ「それは後々のお楽しみってことで…
     あんまりいっぺんに言ってもツマラナイからね」

アニ「…」

モノクマ「うぷぷ…ボクからは以上だよ。
     訓練は午後からやるから、参加したい人はまたここに集まってね」




ポヨヨーン

147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 17:43:42.23 ID:+uEPOKbZ0
アルミン(…もういっそ思考停止してしまえば、どんなに楽だろうか)

アルミン(次から次へと迫りくる事象に、
     僕たちの頭はパニックを起こしかけていた)




コニー「ははは…なんかもう…全然わかんねえや」

サシャ「…」

ミカサ「…」

ジャン「裏切り者…って言ったのか…?
    オレたちの中に…いるって…?」

148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 17:55:19.42 ID:+uEPOKbZ0
アルミン(【裏切り者】…)

アルミン(考えもしなかった、考える余裕すらなかった、その可能性…)

アルミン(僕たちの思考と体は…
     その可能性にすっかり絡め取られていた)

アルミン(恐怖と不安が、ゆっくりと浸透していき…
     全身を支配していく)

アルミン(あたりに漂った重い空気が、
     容赦なく、僕の頭や肩にのしかかる)

アルミン(その重みに耐えるだけで…精一杯だった)

149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 18:05:26.92 ID:+uEPOKbZ0
アルミン(そんな重苦しい空気…)

アルミン(それを打ち破ったのは…
     彼女の無愛想な一言だった)




アニ「それで、これからどうする気?」

アニ「このまま…ずっと、にらめっこしている気?」

150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 19:09:23.53 ID:+uEPOKbZ0
アルミン(彼女のトゲのある言葉は、
     その場の全員に向けられていた…)

アルミン(だけど、そのトゲが…
     僕らを現実へと引き戻した)




アニ「私は訓練に参加するよ」

エレン「…!」

アニ「【裏切り者】がいようがいまいが関係ない…
   どちらにしても、自分の命運を他人に託す気はないからね」

ミーナ「…」

ライナー「…そうだな。今はそんなことで頭を悩ませている場合じゃない」

ライナー「殺し合いなんぞやらずにここから出れるっていうなら…
     俺は自分にできることをやるだけだ」

154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 16:00:39.57 ID:9omPlnZ70
― 食堂 ―




ミカサ「…」モグモグ

アルミン「…ね…ねえ、ミカサ」

ミカサ「…」モグモグ

エレン「…おいミカサ、せめてもっと旨そうに食えよ」

ミカサ「…」モグモグ

アルミン「ねえ、本当にどうしたの…?
     まるで獲物を狙っているような目だけど…」

ミカサ「…それは逆」ゴックン

エレン「は?」

ミカサ「いつ誰がエレンを襲ってくるかわからない」

155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 16:18:07.51 ID:9omPlnZ70
ライナー「それはねえよ」




アルミン(見上げるとそこには、昼食のトレイを持った
     ライナーとベルトルトが立っていた)




ミカサ「…」

ライナー「おいおい、そんな怖い顔で睨むなって。
     兵団規則にもあっただろ?」

ライナー「“仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
     自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。”」

ライナー「つまり今誰かを襲ったところで何もメリットはない…
     かえって規則違反で罰を受けちまうんだから全くの無意味だ」

ミカサ「…」

ベルトルト「ま、まあまあ…そんな理屈以前に、
      僕たちには誰かを殺そうなんて考えは微塵もないからさ」

ベルトルト「…隣、座ってもいいかな」

157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 16:35:53.08 ID:9omPlnZ70
ライナー「…」モグモグ

ベルトルト「…」モグモグ

エレン「…なあ」

ライナー「ん?」モグモグ

エレン「やっぱりお前らも…訓練に参加するのか?」

ライナー「ああ」モグモグ

エレン「…そうか。結局みんなやるんだな」

158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 16:44:16.48 ID:9omPlnZ70
アルミン「…」

ライナー「? どうしたアルミン、お前までそんな顔して…」

アルミン「いや、なんていうか…」

アルミン「…腑に落ちないんだよ」

ベルトルト「え?」

アルミン「モノクマは昨日、僕たちにこう言ったよね」




モノクマ『えー、そしてですね…
     その共同生活の期限についてなんですが…』

モノクマ『期限はありませんっ!!』

モノクマ『つまり、【一生ここで暮らしていく】のです!
     それがオマエラに課せられた訓練兵生活なのです!』

159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 16:52:05.74 ID:9omPlnZ70
ライナー「…ああ。そしてここから脱出する条件として、
     仲間の誰かを殺せと言ってきた」

アルミン「うん。それなのにモノクマは、今日になっていきなり…」




モノクマ『オマエラにはこれから、
     血沸き肉躍るコロシアイ生活を送ってもらう訳ですが…』

モノクマ『それと同時に、50日間の訓練生活も送ってもらいまーす…』




アルミン「…本当に殺し合いをさせたいのなら、
     訓練生活なんて逆効果だよ」

アルミン「みんなが訓練に参加すればそれだけ殺人の機会も減るし、
     疲弊してしまえばそれを実行するだけの気力もなくなる」

アルミン「それどころか…」

160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 17:01:41.85 ID:9omPlnZ70
モノクマ『【ここから全員で出たい】とか【ボクの処刑をしたい】とかね?』




アルミン「自分で設定した“卒業”というルールを無視するかのように、
     わざわざ別の脱出方法を提示した…」

アルミン「これは明らかに悪手だよ。そんな事を言ったら、
     誰かを殺してここから出ていこうとする人なんていなくなってしまう」

ベルトルト「…現に僕たちは、
      その望みに賭けて訓練に参加しようとしているからね」

ライナー「…」

アルミン「モノクマはどうして…あんな事を言ったんだろう」

161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 17:09:01.94 ID:9omPlnZ70
ライナー「…俺は思うんだがな」

アルミン「…?」

ライナー「あいつの…モノクマの真の目的は
     仲間同士で殺し合わせることじゃなくて…」

ライナー「俺たちに…訓練を受けさせることじゃないのか?」

エレン「…何だって?」

ライナー「殺し合いという間違った選択肢に惑わされずに訓練に励む…」

ライナー「それを狙った入団試験だと…そうは考えられないか?」

162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 17:15:31.70 ID:9omPlnZ70
ミカサ「…この期に及んで何を言っているの?これが入団試験?」

ライナー「そう考えれば辻褄も合ってくるだろ。
     アルミンの言うような、殺し合いをさせるには不利な提案も…」

ライナー「【裏切り者】という存在を示唆してまで、
     俺たちに訓練への参加を促したのも…ある程度までは納得がいく」

ミカサ「そんなの回りくどすぎる。クリスタも言ったけど、
    たった12人の訓練兵のためにやるような事じゃない」

アルミン「…」




アルミン(…モノクマは一体何を考えているんだ?)

アルミン(殺し合いが狙いじゃないのか?
     もしこれが入団試験でもないのだとしたら…)

アルミン(本当の目的は…もっと他のところにあるのか?)

163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 17:17:20.04 ID:9omPlnZ70








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『えー、施設内放送でーす。
     午後1時になりました』

モノクマ『さあオマエラ、決断の刻でございます。
     熱血モノクマ先生の教えを乞いたいという人は…』

モノクマ『今すぐ訓練所に…出てこいやぁ!』








165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 13:39:42.39 ID:bk0ndoAj0
― 訓練所 ―




~♪
~♪


~~♪
~~♪


~~~~♪
~~~~♪




ポヨヨーン




モノクマ「いやぁ、実に清々しい朝です!
     訓練にはもってこいの日和ですな!」

166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 13:48:16.77 ID:bk0ndoAj0
ユミル「…」

モノクマ「うぷぷ…結局全員参加してくれるんだね!
     まったくもう、みんなしてツンデレなんだから!」

サシャ「…」

モノクマ「…まあいいや。それじゃあ、
     さっそく訓練を始めましょー!!」

モノクマ「…と、言いたいところなのですが」

ミーナ「…まだ何かあるの?」

モノクマ「うん、ボクはオマエラに
     すっきりとした気持ちで訓練に臨んでもらいたいから…」

モノクマ「訓練を始める前に、
     オマエラの心配を解消してあげようと思って」

167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 14:08:14.99 ID:bk0ndoAj0
クリスタ「…?」

モノクマ「実を言うとね、ボクは嬉しくて仕方がないのです!」

モノクマ「“このままではコロシアイが起こらないんじゃないか”…
     そんな心配をしてくれるオマエラが、愛おしくて仕方がないのです!」

ジャン「…誰もそんな心配してねーよ」

モノクマ「でも安心してね!【コロシアイは100%起きる】から!」

モノクマ「なぜならオマエラはそういう生き物であり…
     これからボクが提示する“あるモノ”に、必ず喰いつくはずだから!」

168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 14:13:47.68 ID:bk0ndoAj0
コニー「“あるモノ”?」

モノクマ「もし誰にも気づかれずに殺人を成功させたクロが現れた場合、
     卒業記念品として…」








モノクマ「【巨人に関する重大なヒミツ】をプレゼントしまーす!!」








169: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 14:30:02.83 ID:bk0ndoAj0
エレン「…!!」

モノクマ「いやっほうううううううう!出血大サービスー!!」

ライナー「ま、待て!巨人に関する…重大な秘密だと!?」

モノクマ「あっ、一応言っておくけど…“うなじを切り取ったら死ぬ”とか
     “夜間の活動は極端に鈍い”とか、そういう当たり前の事じゃないからね」

モノクマ「もっとこう…【巨人の存在そのものに関わること】だから」

ベルトルト「なっ…!」

アニ「…」

170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 14:40:29.81 ID:bk0ndoAj0
モノクマ「もちろん嘘や冗談なんかじゃないよ?」

モノクマ「その証拠にほら…ボクはこうして、
     巨人の脅威からオマエラを守ることができている訳で」

ユミル「…まさか、このバカでかい施設に
    ヤツらが攻め込んで来ないのは…」

モノクマ「うぷぷ…その通り」

モノクマ「ボクがヤツらのヒミツを握っているからー!!」

171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 15:02:14.49 ID:bk0ndoAj0
アルミン(もう…何回目だろうか)

アルミン(この異常な生活に放り込まれてからというもの…
     僕たちは驚きの連続だった)

アルミン(…もちろん、悪い意味で)




モノクマ「今朝も言ったけど、信じる信じないはオマエラの自由だよ」

モノクマ「別にボクは絶対にコロシアイをしろと言っている訳でもないし、
     絶対に訓練に参加しろと言っている訳でもない…」

モノクマ「ルールさえ守ってくれれば、どう動くかはオマエラ次第なんだ」

ミカサ「…」

モノクマ「とりあえず、ボクが言いたかった事はこれでおしまい!
     もうゴチャゴチャとした説明は何もないから…」

モノクマ「ヘイユー!ヤっちゃいなヨ!
     自分の好きなこと殺っちゃいなヨ!」

エレン「…ッ!」

モノクマ「というわけで…訓練開始~!!」

174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 12:47:06.69 ID:3EeXqBZi0
CHAPTER 01 

DAY 02




モノクマ「まずはオマエラの適正を見るよ!」

モノクマ「方法はいたってシンプル!
     両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけ!」

モノクマ「全身のベルトで体のバランスを取ってね!
     これが出来ないヤツは囮にも使えないよ!」

クリスタ「これってもしかして…立体機動の?」

モノクマ「そう!これはまだ初歩の初歩だけど、
     この段階から立体機動の素質は見て取れるんだ!」

モノクマ「ちなみにこの出来も成績に反映されるから、
     適性検査だからって気を抜かないよーに!」

175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 13:00:13.79 ID:3EeXqBZi0
アルミン(通常、人間と巨人の間には圧倒的な戦力差が存在する)

アルミン(仮に生身の人間が巨人の前に放り出された場合、
     その人間が生き残る確率はゼロと言っていいだろう)

アルミン(しかしそんな巨人に対して、兵士は立ち向かわなければならない。
     歴然たる力の差があっても、市民のために心臓を捧げなければならない)

アルミン(そこで、兵士が巨人と対等に渡り合うために
     開発されたのが…この“立体機動”と呼ばれる技術だ)

176: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 13:07:47.61 ID:3EeXqBZi0
アルミン(この技術と特定の装備を用いることで、兵士は
     立体的で高速な機動力を獲得し…)

アルミン(上手く扱えば、巨人の弱点である
     うなじ部分へ斬りつけることもできる)

アルミン(でもこの技術…)




コニー「ぐっ…」プルプル




アルミン(口で言うほど簡単なものじゃない)

177: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 13:36:20.44 ID:3EeXqBZi0




ジャン「ふんッ…!」プルプル

クリスタ「…っ」プルプル




アルミン(立体機動を可能にする為には、全身に張り巡らされた
     固定ベルトを利用して、細かい体重移動を行わなければならない)

アルミン(強靭な体力と脚力、空間把握能力、
     そしてパニックに陥らない為の精神力…その全てが要求されるのだ)

178: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 16:04:40.35 ID:3EeXqBZi0




ミカサ「…」プラーン




アルミン(したがって、この適正検査は初歩の初歩…)

アルミン(この程度の姿勢制御ができない者に
     立体機動などこなせる訳がない…)

アルミン(…それがモノクマの言い分だった)




モノクマ「うぷぷ…まったくブレがないね」

モノクマ「何をどうすればいいかすべてわかるんだろうね…
     素質っていうのはそういうものだよ」

179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 16:19:01.48 ID:3EeXqBZi0
アルミン(やがて、一通りの結果を見終えたモノクマは…)

アルミン(僕たちにこう言った)




モノクマ「ふぅ~!このクラスはできる人が多いねぇ!」

モノクマ「ボクなんかは体型のせいで中々苦労したクチだけど、
     オマエラはみんな優秀で心強いよ!」








モノクマ「ただ一人を除いては」

182: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 16:29:00.58 ID:3EeXqBZi0




ギギ…ギギ…




エレン「…!!」








モノクマ「うぷぷぷぷ…これも素質っていうものなんだろうね。
     人並み以上にできることがあれば…」

モノクマ「人並み以上にできないこともある!」








エレン「…は…?」




ジャン「…」プクク

コニー「…」ニヤニヤ




エレン「…な…な…」

エレン「…なんだよ…これ…」

186: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 14:18:30.13 ID:h35NRD7z0
CHAPTER 01 

DAY 03




ミカサ「基本通りにやればできるはず。
    上手くやろうとか考えなくていい」

ミカサ「上半身の筋肉は固く、下半身は柔らかく」

ミカサ「前後のバランスにだけ気を付けて。
    腰巻きと足裏のベルトにゆっくり体重を乗せる」

アルミン「落ち着いてやればできるよ。
     運動苦手な僕だってできたんだから」

187: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 14:24:58.41 ID:h35NRD7z0
エレン「…今度こそできる気がする。
    上げてくれアルミン!」

アルミン「いくよ」




キリキリキリキリキリキリ




ガン




エレン「!?」ブンッ




ゴッ










188: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 14:31:41.54 ID:h35NRD7z0




『オイ…あいつ確か…』

『巨人を皆殺しに…言ってた…』

『それがあの初歩の…既に死にかけ…』

『本当かよ…あんなことも…』

『あいつ…一体どうやって巨人を…』

『さぁな…しかしこのままじゃいずれ…』

『役立たずに食わせるメシなんか…』




189: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 14:36:30.36 ID:h35NRD7z0
ミカサ「エレン!」

エレン「…!」

アルミン「気にしても仕方ないよ。
     明日できるようになればいいんだから」

アルミン「それよりちゃんと食べて
     今日失った血を取り戻そう」

エレン「…」




エレン「なんだ…さっきの…」

190: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 14:43:35.22 ID:h35NRD7z0
アルミン「え?」

エレン「…! あ、ああ…悪い。こっちの話だ」

ミカサ「…」

エレン「…明日…」

エレン「明日できなかったら…
    オレ……どうすりゃいいんだ…」

アルミン「だから今は悩んでも仕方ないって…」

エレン「情けねえ…こんなんじゃここから出るどころか…」

エレン「奴らを…根絶やしにすることなんか……」

191: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 14:49:45.77 ID:h35NRD7z0
ミカサ「もうそんなこと目指すべきじゃない」

エレン「…は!?」

アルミン「え?」

ミカサ「向いてないのなら仕方ない。
    ようやくできる程度では無駄に死ぬだけ」

ミカサ「きっと夢も努力も徒労に終わる」

エレン「な…何だって…?」

ミカサ「兵士を目指すべきじゃないと言っている。
    ここから出た後は、生産者として人類を支える選択もある」

192: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 14:58:02.00 ID:h35NRD7z0
ミカサ「何も命をなげうつことだけが戦うことじゃない」

エレン「お…お前なあ…」

エレン「オレは…あの日あの光景を見ちまったんだぞ…?
    そんな理屈で納得できると思うのか?」

ミカサ「…でも、その覚悟の程は関係ない」

エレン「は? 何でだよ。言ってみろ」

ミカサ「兵士になれるかどうか…
    一番になれるかどうか判断するのはエレンじゃないから…」

エレン「う…」

193: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 15:13:21.08 ID:h35NRD7z0
アルミン(そこから、エレンはすっかり黙り込んでしまった)

アルミン(手元の皿に視線を落とし、
     急かされているようにスプーンを口元に運ぶ)




ミカサ「それに…」

アルミン「…?」

ミカサ「一位は私が獲る」

エレン「…」

ミカサ「私がいる限り、【裏切り者】を一番にはさせない。
    エレンもアルミンも…私が無事にここから出す」

アルミン「ミカサ…」

ミカサ「そして私は…エレンだけ
    開拓地に戻れと言ってるんじゃない…」

ミカサ「ここから出たら私も一緒に行くので…
    だから…」

194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 15:19:18.26 ID:h35NRD7z0




ガンッ




ミカサ「!」

エレン「…ッ」

アルミン「エ、エレン…?」

エレン「…それじゃあ…」




エレン「それじゃあ駄目なんだッ…!」




ダッダッダッダッ




アルミン「ま、待ってよ!エレン!」

197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 02:53:23.73 ID:DyKCakpP0
― 寄宿舎 ―




コニー「コツだって?」

コニー「悪ぃけど俺…天才だから
    “感じろ”としか言えん」

ジャン「オレは逆に教えてほしい」

ジャン「あんな無様な姿晒しておいて
    正気を保って保っていられる秘訣とかをよぉ…」

エレン「お…お前ら
    人が頭下げて頼んでるのに…」

198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 03:00:08.53 ID:DyKCakpP0
ライナー「う~ん…姿勢制御のコツか…」

エレン「頼む!」

ライナー「すまんが…ぶら下がるのに
     コツがいるとは思えん」

ライナー「期待するような助言はできそうにないな…」

エレン「…ッ!」




ダッダッダッダッ




アルミン「エ、エレン!待ってってば!」

199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:00:34.54 ID:DyKCakpP0
アルミン(エレンを追いかけようとした時だった)




ベルトルト「…アルミン」

ベルトルト「ずっと気になってた事があるんだけど…」

アルミン「え…?」

ベルトルト「二人は…シガンシナ区出身だって言ったよね」

アルミン「うん…そうだけど…」

ベルトルト「じゃあ…巨人の恐ろしさも知ってるはずだ」

ベルトルト「なのに…どうして兵士を目指すの?」

200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:02:42.06 ID:DyKCakpP0
アルミン(僕は思わずベルトルトを見た)

アルミン(僕を呼び止める声やその表情には、
     どこか焦りを含んでいるように思えたのだ)




アルミン「えーと」

アルミン「僕は…直接巨人の脅威を
     目の当たりにしたわけじゃないんだ」

アルミン「開拓地に残らなかったのも…」

アルミン「あんなめちゃくちゃな奪還作戦を強行した
     王政があることを考えるとじっとしてられなかっただけで…」

ライナー「…」

アルミン「体力に自信は無いし、
     自分に何かできることがあるか…わからないけど…」

アルミン「この状況を黙って見てることなんて…できないよ」

ベルトルト「…」

アルミン「…まあ今となっては、
     兵士になれるかどうかすら怪しい状況だけどね」

201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:04:42.36 ID:DyKCakpP0
アルミン(僕の返答を聞いたベルトルトが
     何を思ったかわからないが…)

アルミン(やがて伏し目がちになって、こう呟いた)




ベルトルト「そ、そっか…」




アルミン(この呟きを聞いたとき…
     この時点で、僕は立ち去ってよかったのかもしれない)

アルミン(エレンを追いかけてよかったのかもしれない)




アルミン「…」




アルミン(しかし僕にはできなかった)

アルミン(心のどこかで“何か”が引っかかっていたからだ)

202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:06:41.42 ID:DyKCakpP0
アルミン「…そういえば、
     僕にも気なってたことがあるんだけどさ」

アルミン「聞いてもいいかな?
     二人はどこ出身なの?」

ベルトルト「えっ…」

ライナー「…」

203: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:08:15.59 ID:DyKCakpP0
アルミン(僕の質問を受けた二人は、何故か動揺しているようだった)




アルミン「? どうしたの」

ベルトルト「…」




アルミン(…ただ出身を聞いただけ。
     何もおかしなことは聞いていないはず)

アルミン(それなのに何故…?)

204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:10:15.67 ID:DyKCakpP0
ライナー「…」

ベルトルト「…」




アルミン(やがて二人は神妙な面持ちで目配せをし…)

アルミン(意を決したように頷いた)





ライナー「…怪しまずに聞いてくれるか」

アルミン「…?」

ライナー「実はな、俺たちには…」




ライナー「記憶がないんだ」




205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:12:34.82 ID:DyKCakpP0
アルミン「え…?」

ライナー「俺とベルトルトには、
     この施設に連れて来られるまでの記憶が一切なかった」

ライナー「自分の出身はもちろん、家族の名前や
     小さい頃の思い出なんかが全部…抜け落ちてしまっているんだ」

アルミン「き、記憶が…ない?」

ベルトルト「唯一覚えていたのは自分の名前と、
      日常生活や壁の中についての知識…」

ベルトルト「それと、“自分は兵士にならなきゃいけない”っていう…
      異様な使命感だけなんだよ」

206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:16:28.71 ID:DyKCakpP0
アルミン(突然の告白。そしてあまりにも衝撃的な内容…)

アルミン(しかし、それを聞いてもなお…
     僕の中の“違和感”は拭えなかった)




アルミン「で、でもちょっと待って…」

アルミン「確かベルトルトはあの時…」

207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:18:50.17 ID:DyKCakpP0
ライナー『まだあるって…何だよ,ユミル』

ユミル『わからないのか?今来た2人を含めてもたったの12人なんだぞ?
    他の連中はどこに行ったんだよ』

ベルトルト『…確かに。入団式には,ざっと見ても100人以上いたはずだよね』




アルミン「ライナーだって…」




エレン『気絶?お前らもか?』

アルミン『えっ,じゃあエレンも…!?』

ライナー『エレンだけじゃないぜ。ここにいる全員がそうだ』

208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:26:15.61 ID:DyKCakpP0
ライナー「あれは…断片的に思い出していたんだ。
     あいつらの話を聞いてるうちに…ちょっとずつな」

アルミン「じゃあもう既に…いくつかの記憶は取り戻してるの?」

ベルトルト「うん。でもそれら全てがなんだか曖昧で…
      そうだったような気もするし、違うような気もするし…」

アルミン「…」

ライナー「それに話を聞くとどうも…俺たち以外には
     全員記憶があるらしいんだ」

ベルトルト「だから記憶のない者同士、
      ライナーとは妙に息が合っちゃってね」

209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:30:36.97 ID:DyKCakpP0
アルミン「そうなんだ…僕はてっきり、
     二人は古くからの友人だと思っていたんだけど」

ライナー「…信じられねえのはわかる。
     だから俺たちも言い出せなかった」

ライナー「特に【裏切り者】の存在が示唆された今…
     真っ先に怪しまれるのは俺たちだろうからな」

アルミン「…」

ベルトルト「でも、信じてほしいんだ。
      僕たちは【裏切り者】なんかじゃない」

ベルトルト「そもそも、記憶がほとんどない状態なんだ…
      裏切るも何もないよ」

アルミン「…」

210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:36:20.48 ID:DyKCakpP0








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『えー、施設内放送でーす。
     午後10時になりました』

モノクマ『ただいまより“夜時間”になります』

モノクマ『間もなく食堂はドアをロックされますので、
     立ち入り禁止となりま~す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。
     おやすみなさい…』








211: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 07:40:27.83 ID:DyKCakpP0
ライナー「…と、もうこんな時間か」

アルミン「…」

ベルトルト「…ねえアルミン、
      虫のいい頼みだっていうのは承知してる。だけど…」

アルミン「…わかってる。この件は誰にも言わないよ」

ライナー「…すまねえな」

アルミン「とにかく今日はもう休もう。
     明日の訓練も早いんだしさ」

ベルトルト「うん…おやすみ」

213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 08:30:45.19 ID:DyKCakpP0
アルミン(二人と別れた僕は、そのまま自室へと戻り…)

アルミン(ベッドに倒れ込んで目を閉じた)




アルミン「…」




アルミン(妙に頭が冴えていた)

アルミン(決して頭の整理ができていた訳じゃない…
     それでも僕は冷静だった)

214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 08:32:18.89 ID:DyKCakpP0
アルミン「…」




アルミン(あの時の“違和感”はまだ拭えない)

アルミン(その正体が何なのかも…僕にはわからない)




アルミン「…」




アルミン(そして、何よりもわからなかったのは…)




アルミン「…どうして僕は…」

アルミン「あの二人に攻撃的な感情を抱いたんだろう…」

215: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 08:33:57.50 ID:DyKCakpP0
◆ モノクマげきじょう ◆




モノクマ「『人生』はクソゲーです」

モノクマ「まず、セーブ&ロードがありません。
     この時点でもう駄目です」

モノクマ「そしてプレイヤーは常に、
     やたらと多い選択肢に頭を悩ませなければいけません」

モノクマ「もちろん、セーブ&ロードがないので、
     間違った選択をしても元には戻せません」

モノクマ「救いようのないクソゲーです」

モノクマ「そしてもし、間違った選択をしたせいで
     誰かを死なせてしまったら…」

モノクマ「そのプレイヤーは、涙を流しながら
     コントローラーを握り締めることになるでしょう」

モノクマ「美し過ぎるグラフィックも相まって、
     その絶望感はより生々しさを増すでしょう」

モノクマ「うぷぷ…」


モノクマ「ボクが何を言いたいのか…オマエラならわかってくれるよね?」

217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 12:52:51.96 ID:lr8ZcXrK0
CHAPTER 01 

DAY 04




アルミン「うぅ…」




アルミン(最悪の目覚めだった)

アルミン(結局あの後は、あれこれ考え続けたせいで
     なかなか寝付けず…)

アルミン(ようやく夢の中に堕ちたのは、
     午前3時をまわった頃だった)

218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 13:00:35.59 ID:lr8ZcXrK0
アルミン「えーっと…今は…」




アルミン(壁に掛けられた時計を確認する)




アルミン「えっ、もう8時!?」




アルミン(しまった…完全に寝坊してしまった)

アルミン(いつもなら7時にモノクマの“声”が聞こえてくるはずだけど…
     それすら聞き逃してしまったのか)

219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 13:06:17.68 ID:lr8ZcXrK0
アルミン「ま、まずい!遅刻だ!」




アルミン(昨日まで抱えていた“違和感”は
     どこかに引っ込んでしまっていた)

アルミン(そんな事を考えている場合ではなかった)




アルミン「早くみんなと合流しないと…!」

220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 13:17:44.30 ID:lr8ZcXrK0
ガサゴソ

カチャカチャ




モノクマ「どうしたの、そんなに慌てちゃって」

アルミン「決まってるだろ!遅刻しそうだから急いでるんだ!」

モノクマ「遅刻しそうっていうか、もう完全に遅刻ですけど」

アルミン「そ、そりゃそうだけど…」




アルミン「…って…」




モノクマ「?」

アルミン「うわああああああああああああああああ!?」

221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 13:26:43.99 ID:lr8ZcXrK0
アルミン「モ、モノクマ…どうしてここに!?」

モノクマ「どうしてって…決まってんじゃん。
     キミがあんまりお寝坊さんだから起こしに来てあげたんだよ」

アルミン「…!」

モノクマ「あらやだ、あんた目ヤニ付いてるわよ!
     ほらこっち来なさい!お母さんが取ってあげるから!」カーッ ペッ

アルミン「や、やめろ!きたない!」

モノクマ「おとなしくしなさい!まったくあんたって子は!
     遅刻は問答無用で減点だって、あれほど言って聞かせたでしょ!」

222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 13:38:27.91 ID:lr8ZcXrK0
アルミン(最悪の目覚めだった)

アルミン(寝不足で体がだるい上に、訓練には遅刻をし…)

アルミン(挙句の果てには、ヨチヨチ歩きのヌイグルミに
     羽交い絞めを受けている)

アルミン(…こんな朝を誰が想像しただろうか)




アルミン「は、離せっ…離せったら!」

モノクマ「…」

223: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 13:51:41.23 ID:lr8ZcXrK0
アルミン(僕は決死の抵抗を試みた)

アルミン(すると…)




バッ




アルミン「!?」




アルミン(両肩を捉えていた力が急に消え…)




ガツン!




アルミン(僕は勢い余って、ベッドの角に頭をぶつけてしまった)

224: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 13:59:36.00 ID:lr8ZcXrK0
アルミン「痛っっ…!急に離すなよ!」

モノクマ「…離せって言ったり、離すなって言ったり、
     本当にワガママだなあ」

アルミン「何をっ…!」

モノクマ「でもまぁいいや!今はそれどころじゃないし…」

モノクマ「何よりボクはとっても機嫌がいいので、
     今回は特別に許してあげま~す!」

225: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 14:10:10.44 ID:lr8ZcXrK0
アルミン(全く悪びれる様子のないモノクマに腹を立てていたとき…)

アルミン(僕の中に“違和感”が生じた)




アルミン「…ねえモノクマ」

モノクマ「ん?」




アルミン(それは、昨晩あの二人に抱いたものとは別の…)

アルミン(もっと不吉な“違和感”だった)

226: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 14:16:08.51 ID:lr8ZcXrK0
アルミン「どうしてここにいるの?」

モノクマ「はぁ?話聞いてなかったの?
     ボクは寝坊助のキミを起こしに…」

アルミン「そうじゃなくて…訓練はどうしたの?
     みんなを見てなくていいの?」

モノクマ「訓練?そんなのやってませんけど」




アルミン(膨らむ“違和感”)




アルミン「…さっきさ、『今はそれどころじゃない』って言ってたよね?」

モノクマ「うん、言ったね」

アルミン「それに…どうして機嫌がいいの?何かいい事でもあったの?」

モノクマ「うん、あったよ。とってもいい事」

227: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 14:18:32.09 ID:lr8ZcXrK0








モノクマ「コ・ロ・シ・ア・イ」








228: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 14:32:28.28 ID:lr8ZcXrK0
アルミン(思考が停止した)

アルミン(それはほんの一瞬だったけど…
     僕にとっては永遠にも感じられる時間だった)




アルミン「…今…何て…?」

モノクマ「だーかーらー…」








モノクマ「コ・ロ・シ・ア・イ !!」








229: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 17:36:40.73 ID:lr8ZcXrK0
アルミン(コロシアイ…コロシアイ…コロシアイ…)

アルミン(頭の中で無機質に鳴り響く単語…)




アルミン「ウソだ…」

モノクマ「ボクはウソつきじゃない!その自信がボクにはある!」

アルミン「そんなのウソに決まってる…
     だって…訓練が始まってからまだ3日も…」

モノクマ「ていうかさぁ、仮にそんなウソをついたとして、
     ボクに一体何の得があるの?」

アルミン「…!!」

モノクマ「うぷぷぷぷ…でも、本当に驚きだよね…」

モノクマ「まさか“アイツ”が最初の犠牲者になるなんて!」

230: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 17:45:25.54 ID:lr8ZcXrK0
ガタン




アルミン(モノクマの言葉を聞き終わらないうちに、
     僕は部屋から飛び出していた)




モノクマ「いってらっしゃーい!
     ちなみに場所は【訓練所】だからねー!」




アルミン(心臓が一気に跳ね上がる)

231: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 17:51:45.29 ID:lr8ZcXrK0
ダッダッダッダッ

ハァ ハァ




アルミン(ウソだ…)




ハァ ハァ




アルミン(ウソに決まってる…!)








ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!








アルミン(誰かの雄叫びが聞こえる…この声は…)




アルミン「ミカサ…?」

232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 18:04:13.47 ID:lr8ZcXrK0
― 訓練所 ―




ガヤガヤ ガヤガヤ…
ザワザワザワザワ…




ミカサ「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」




ライナー「ミカサ!落ち着け!」




ドゴッ




ライナー「オゥ…ッ!?」

ベルトルト「ライナー!」

ジャン「おい、早く誰か取り押さえろ!」

233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 18:10:41.49 ID:lr8ZcXrK0
アルミン「ミカサ…?」

ライナー「…! ア、アルミン、無事だったのか!」

ジャン「何処ほっつき歩いてたんだ!」

アルミン「ご、ごめん…ついさっき目が覚めて…」

ユミル「…呑気なもんだな」

アルミン「え…?」

ユミル「見ろよ、あれ」

234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 18:15:27.09 ID:lr8ZcXrK0








アルミン(ユミルが指差した先…)

アルミン(僕はその光景を、一生忘れることができないだろう)








235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 18:17:26.29 ID:lr8ZcXrK0








アルミン「エレン!!!!」








236: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 18:19:30.82 ID:lr8ZcXrK0








CHAPTER 01

イキキノレ

非日常編








239: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 16:45:46.27 ID:muGsiqXe0
アルミン(まずはオーソドックスに自己紹介から始めたいと思う。
     僕の名前はアルミン・アルレルトだ)

アルミン(外見は、ご覧の通り、どうしようもないほど平均的な普通の男子…)

アルミン(中身の方も同じ…いや、普通の子よりも弱虫で、
     いつも親友に助けられてばかりいる)

アルミン(そんな弱虫の僕は、今…)

アルミン(兵団の訓練所という似つかわしくない場所に立っている訳だけど…
     これには理由があるんだ)

240: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 16:50:12.99 ID:muGsiqXe0
アルミン(今から2年前、超大型巨人と鎧の巨人の出現によって、
     僕たちは故郷を失った)

アルミン(親友の母親は巨人に食われ…
     僕の家族も、壁内の口減らしのために殺された)




???『駆逐してやる!!』

???『この世から…一匹残らず!!』




アルミン(かつて親友がそう誓ったように…)

アルミン(僕も強い意志を持って、訓練兵団への入団を決めた)

アルミン(そして…)

241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 17:35:49.66 ID:muGsiqXe0
???「ただいまより、第104期訓練兵団の入団式を行う!」




アルミン(そう…今日この日こそ、待ち望んでいた兵士への第一歩なのだ)

アルミン(正直不安はある。軟弱な僕が、
     生き地獄とよばれる過酷な訓練に耐えられるのかどうか…)




???「私が運悪く貴様らを監督することになった…」




アルミン(でも、もう決めたんだ。自分の心で決めたんだ)

アルミン(僕は親友の…)

242: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 17:38:06.30 ID:muGsiqXe0








アルミン(親友…の…)








243: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 17:40:30.49 ID:muGsiqXe0
???「アルミン?」




アルミン(あれ…)




???「アルミン、しっかりして」




アルミン(おかしいな…眠っちゃってたのかな)

アルミン(じゃあ今のは…夢?)




???「アルミン、大丈夫?私がわかる?」




アルミン(誰かが僕を呼んでる…この声は…)

244: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 17:42:23.40 ID:muGsiqXe0
アルミン「ミカサ…?」




アルミン(僕が名前を呼ぶと、“その人”は呆れ顔で溜息をついた)




アニ「…なに寝ぼけてんの。アニだよ」

アルミン「…えっ」

アニ「もしかしてまだ意識が…」

アルミン「意識?」

アニ「あんたは今まで気絶してたんだ。もうかれこれ5時間だよ」

245: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 17:44:15.74 ID:muGsiqXe0
アルミン「5時間?じゃあ今は…」

アニ「午後1時」

アルミン「…もしかしてアニは、ずっと僕の傍に?」

アニ「私が来たのはついさっきだよ。
   それまではクリスタがあんたを看てた」




アルミン(訳がわからない…やっぱり夢じゃなかったのかな)

アルミン(…そう、たしかに僕は…)

アルミン(…僕は…)

246: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 17:46:17.48 ID:muGsiqXe0
アルミン(…)




アルミン「ねえ、アニ…エレンは?」




アルミン(僕はアニを見た)

アルミン(その整った顔からは、全く思考を読み取ることができない)

247: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 17:50:25.19 ID:muGsiqXe0
アニ「…」




アルミン(アニはしばらく何かを躊躇った後…)

アルミン(静かにこう告げた)








アニ「死んだよ」








250: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 12:00:19.01 ID:+qRbuOlu0




アルミン「うわああああああああああああああああああああああ!!」




ダッダッダッダッ




ガシッ


アニ「どこに行く気…?」

アルミン「決まってるだろっ!
     エレンを! エレンを! エレンを!!」

アニ「…さんざん確かめた。
   エレンは間違いなく死んでいたよ」

アルミン「イヤだっ! 僕は行くっ!!」

251: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:00:18.51 ID:+qRbuOlu0
アルミン(僕はアニを突き飛ばそうとした)

アルミン(すると…)




ガン




アルミン「!?」ブンッ




アルミン(急に視界がぐるりと反転し…)




ゴッ




アルミン(気が付くと僕は、床に叩きつけられていた)

252: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:06:41.50 ID:+qRbuOlu0
アルミン「痛っっ…!な、何を…!」

アニ「アルミン…頼むから、あんたまで
   私に手を掛けさせないでよ」




アルミン(そう言ったアニの顔は、先ほどまでの無表情ではなく…)

アルミン(とても苦しそうに歪んでいた)




アルミン「…アニ? それは…」

アニ「ミカサにやられた」

アルミン「…!」

アニ「まったく、とんでもないバケモノだよ…あいつは。
   私とミーナの二人がかりでやっと縛り付けたんだから」

253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:10:55.99 ID:+qRbuOlu0
モノクマ「そうそう!すごい見世物だったよね!」

モノクマ「猛獣を押さえつける二人の女兵士!
     さながら情熱の国の闘牛ショーを見ているようだったよ!」

アルミン「…!!」




アルミン(いつの間にか部屋の片隅に佇んでいた“そいつ”は、
     今朝と何も変わっていなかった)

アルミン(憎たらしいほど変わっていなかった)




アニ「…よくもやってくれたね」

モノクマ「うぷぷ…それは違うよ」

モノクマ「だって、やってくれたのはオマエラの方じゃーん!!」

254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:15:46.01 ID:+qRbuOlu0
モノクマ「ボクはちゃんと言ったはずだよ?」




モノクマ『今朝も言ったけど、信じる信じないはオマエラの自由だよ』

モノクマ『別にボクは絶対にコロシアイをしろと言っている訳でもないし、
     絶対に訓練に参加しろと言っている訳でもない…』

モノクマ『ルールさえ守ってくれれば、どう動くかはオマエラ次第なんだ』




モノクマ「つまり、今回の事件はね…」

モノクマ「オマエラの中の誰かが自分で考えて、
     自分の意志でやった事なんだよっ!」

255: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:20:26.10 ID:+qRbuOlu0
アルミン(頭が混乱していた)

アルミン(僕らの中の誰かが…自分で考えて…)

アルミン(僕の…親友を…?)




モノクマ「うぷぷぷぷ…ていうかさぁ、
     そんな風にボクに突っかかってる暇ないんじゃないの?」

モノクマ「もう時間はほとんど残されてないんだよ?」

アルミン「時間…?」

モノクマ「おやおや、キミはどこまでクマの話を…」

モノクマ「…ああそっか!気絶しててあの場にはいなかったんだっけ!」

アルミン「一体何の…」

モノクマ「じゃあレオンハートさん、
     アルレルトくんに例のモノ見せてやって!」

256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:25:15.97 ID:+qRbuOlu0
アルミン(モノクマに言われてアニが取り出したのは…)

アルミン(彼女の訓練兵手帳だった)




アニ「…」




アルミン(アニは無言で手帳を開き…)

アルミン(とある1ページを僕の前に広げてみせた)

257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:30:11.51 ID:+qRbuOlu0
■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
  特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。

11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。

13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。

14 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。

258: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:35:16.77 ID:+qRbuOlu0
アルミン(それは兵団規則だった)

アルミン(僕が知っている規則よりも
     さらに新しい項目が追加されている)

アルミン(中でも気になったのが…)




アルミン「兵団…裁判……?」

モノクマ「そう!兵団裁判!」

アルミン「誰かを殺した人間は…すぐに卒業できるんじゃないの?」

モノクマ「うぷぷ…うぽぽぽぽ…」

モノクマ「…ぶひゃっひゃっひゃ!!」

259: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:41:33.71 ID:+qRbuOlu0
アルミン「な、なんで…笑ってるんだよ…」

モノクマ「うぷぷ…だってさ…」

モノクマ「甘い…甘過ぎるッ!」

モノクマ「人を殺しただけで、簡単に出られると?」

モノクマ「そんなの大甘だよ! デビル甘だよ!
     地獄甘だよっ!!」

モノクマ「むしろ…本番はこれからじゃん!!」

260: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:45:11.40 ID:+qRbuOlu0
アルミン「本番…?」

モノクマ「では、ここで…!!
     『卒業』に関する補足ルールの説明を始めます!!」

モノクマ「『誰かを殺した者だけが卒業出来る』という点は、
     以前、説明した通りですが…」

モノクマ「その際に、守っていただかなければならない約束が
     あったよね?」

261: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:46:16.74 ID:+qRbuOlu0
アルミン「本番…?」

モノクマ「では、ここで…!!
     『卒業』に関する補足ルールの説明を始めます!!」

モノクマ「『誰かを殺した者だけが卒業出来る』という点は、
     以前、説明した通りですが…」

モノクマ「その際に、守っていただかなければならない約束が
     あったよね?」

262: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:50:05.18 ID:+qRbuOlu0
アニ「規則の7条目の項目だね…」




7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。




アニ「自分が殺人を犯したクロだと、
   他の訓練兵に知られてはならない…」

アニ「その点を言ってるんでしょ?」

モノクマ「そう、ただ殺すだけじゃ駄目なの。
     他の訓練兵に知られないように殺さなければならないの!」

モノクマ「で、その条件がクリア出来ているかどうかを
     査定する為のシステムとして…」

モノクマ「殺人が起きた一定時間後に、
     『兵団裁判』を開く事とします!」

263: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:55:39.20 ID:+qRbuOlu0
モノクマ「兵団裁判は、殺人が起きた数時間後に開催されます!」

モノクマ「兵団裁判の場では、
     殺人を犯した“クロ”と…」

モノクマ「その他の訓練兵である“シロ”との対決が
     行われるのですっ!!」

264: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:00:12.54 ID:+qRbuOlu0
モノクマ「兵団裁判では『身内に潜んだクロは誰か?』を、
     オマエラに議論してもらいます」

モノクマ「その結果は、兵団裁判の最後に行われる
     “投票”により決定されます」

モノクマ「そこで、オマエラが導き出した答えが
     正解だった場合は…」

モノクマ「秩序を乱したクロだけが“おしおき”となりますので、
     残った他のメンバーは共同生活を続けてください」

モノクマ「ただし…もし間違った人物を
     クロとしてしまった場合は…」

モノクマ「罪を逃れたクロだけが生き残り、
     残ったシロ全員が“おしおき”されてしまいます」

モノクマ「その場合、もちろん共同生活は強制終了となります!」

モノクマ「以上、これが兵団裁判のルールなのですッ!!」

265: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:05:11.29 ID:+qRbuOlu0
アルミン「さっきから連呼している“おしおき”って…」

モノクマ「そう!この規則でいうと処刑ってやつだね!」

モノクマ「電気イスでビリビリ! 毒ガスでモクモク!
     ハリケーンなんちゃらで体がバラったりってヤツだよ!」

アルミン「つ、つまり…」

アルミン「犯人を当てれば、犯人だけが殺されるけど…
     もし犯人を外せば…」

アルミン「僕ら全員が処刑される?」

モノクマ「賢いチンパンジーだね!
     さりげなく自分が犯人じゃないとアピる小技もグッド!」

266: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:10:06.19 ID:+qRbuOlu0
アルミン(混乱した頭にムチを打つ)

アルミン(ダメだ…考えるのをやめるな)

アルミン(考えろ…考えろ…)




モノクマ「わかってると思うけど…ボクは本気だよ」

モノクマ「逆らう訓練兵は…ハチの巣になったり爆発させられたり、
     生き埋めにされたり溶かされたり……エトセトラ」

モノクマ「そんな風になりたくなかったら…
     オマエラは、施設の規則にしっかりと従う事ッ!!」

267: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:15:30.00 ID:+qRbuOlu0
アルミン(考えろ…考えろ…)

アルミン(正面から向き合え…状況から逃げるな)

アルミン(僕が今やるべきことは…)




モノクマ「…もうゴチャゴチャとした説明はしないって言ったのに、
     またずいぶんと喋っちゃった」

モノクマ「でもとりあえず、兵団裁判についての細かい説明は
     これでおしまい!」

モノクマ「残り少ない時間をフルに使って、
     有意義な捜査をしていってね!」

モノクマ「では後ほど、兵団裁判でお会いしましょう!」




ポヨヨーン

268: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:20:31.38 ID:+qRbuOlu0
アニ「…これでわかったでしょ?」

アニ「今あいつの死を悲しんでる余裕はないんだ。
   ここで正解を見つけなければ、私たちは…」

アルミン「わかってる」

アニ「え…?」

アルミン「犯人は僕が見つけてみせる。
     エレンを…僕の親友の命を奪った人間は…」

アルミン「必ず…僕が追いつめてみせる」

269: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:25:14.49 ID:+qRbuOlu0
アルミン(心に火がともる)

アルミン(その火は僕の中で静かに燃えはじめ…)

アルミン(確固たる決意を僕に抱かせた)




アニ「…」

270: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:31:07.88 ID:+qRbuOlu0




アニ「…ふふっ」




アルミン「…えっ」

アニ「…いいね」

アニ「それでこそアルミンだ」




アルミン(見間違いだろうか)




アニ「…期待してるからね」




アルミン(その時、ずっと表情を見せなかったアニが…)

アルミン(ほんの少しだけ…僕に微笑んだ気がした)

271: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 17:35:43.07 ID:+qRbuOlu0








―  捜 査 開 始  ―








276: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 16:00:31.97 ID:5fXg6tUq0
アニ「まずはこれを渡しておくよ」




アルミン(そういってアニが差し出したのは…)

アルミン(一冊の黒いノートだった)




アルミン「これは?」

アニ「モノクマから全員に配られたものだよ。
   あんたの分も貰っておいたんだ」

アルミン「えっ…」

アニ「あいつが言うには…」

277: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 16:05:45.37 ID:5fXg6tUq0
モノクマ『これはボクがまとめた死体に関するファイル。
     その名も…』

モノクマ『…ザ・モノクマファイル!!』

モノクマ『まぁ、結局のところオマエラは素人さんな訳だし、
     死体を調べるって言っても限度があるでしょうから…』

モノクマ『代わりに、ボクが死亡状況や死因っぽいのを
     まとめておいてやったの!』

モノクマ『えっ? そういうお前は、
     どうやって死因なんかを調べたんだって?』

モノクマ『一部始終を見てたから、一目瞭然なのだっ!!』

278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 16:15:20.63 ID:5fXg6tUq0
ジャン『な、なら…お前は…
    あいつが殺された瞬間を見てたっていうのか!?』

ミーナ『そのとき現場にいたの!?』

モノクマ『うぷぷ…まあ、そういう事にしておこうかな』

ライナー『…? ずいぶん含みのある言い方だな』

アニ『じゃあ、あんたは知ってるんだね?
   エレン・イェーガーを殺した犯人を…』

モノクマ『モチロンですともっ!!』

モノクマ『じゃなきゃ、兵団裁判のジャッジを
     公正に下せないでしょ?』

アニ『そう、ジャッジは公正に下されるんだね。
   それを聞いて少しだけ安心したよ…』

279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 16:25:09.42 ID:5fXg6tUq0
アルミン「つまり、このファイルには…」

アルミン「エレンが死んだときの状況が記されてる…?」

アニ「誰がやったかまでは書かれていなかったけどね…」

アニ「有力な情報もそれなりにあるから、
   目を通しておいて損はないよ」




アルミン(確かに…現場に向かう前に、
     事件の詳細を頭に入れておいた方がいいかもしれない)

アルミン(まずはこのファイルを見てみよう)

280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 16:30:20.40 ID:5fXg6tUq0
■ モノクマファイル 1 ■


被害者はエレン・イェーガー。
死亡時刻は午前1時半頃。

死体発見現場となったのは訓練所の一角、
立体機動の適性検査を行った場所。

被害者はそこにあった姿勢制御訓練の装置で、
半ば宙吊りの状態で死亡していた。

死因は頭部への打撃による頭蓋内圧の上昇。
その他、身体に目立った外傷は見られない。

281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 16:35:21.17 ID:5fXg6tUq0
アニ「…どう?」

アルミン「うん、これは確かに有力な情報だね」




【モノクマファイル 1】




アルミン(でも、これを見る限りだと…)

アルミン(今回の事件って…)




アニ「とにかく…
   まずは現場となった“訓練所”に行こう」

アニ「あそこを調べない限り…何も始まらないからね」

285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 16:00:25.40 ID:RYe5HWEc0
― 訓練所 ―




クリスタ「アルミン!もう大丈夫なの!?」

アルミン「うん…」

アニ「あんたが行ってから間もなく目を覚ましたんだ」

アルミン「クリスタ…色々とありがとね」

クリスタ「そんなの気にしなくていいよ!
     だって…あんな事があったら…!」

286: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 16:05:46.08 ID:RYe5HWEc0
アルミン(クリスタはそう言って涙を浮かべる)

アルミン(こんな状況でなければ、
     その姿に魅了されない男性はいないだろう)




アルミン「…それで、エレンは?」




アルミン(クリスタは泣きそうな顔になった)




クリスタ「まだあの状態…」

クリスタ「降ろしてあげようって言ったんだけど…
     現場の保存が第一だからって…」

アルミン「…うん、それでいいよ。その方が助かる」

クリスタ「ごめんなさい…」

アニ「謝るようなことじゃないよ。
   それより早くエレンのところに行こう」

287: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 16:15:16.99 ID:RYe5HWEc0
アルミン(僕たちはそのまま訓練所の片隅…
     事件現場となった装置の設置場所に向かった)




ドクン




アルミン(鼓動が早くなる)

アルミン(できれば見たくない)




ドクン




アルミン(でも、見なければならない)

アルミン(見なければ道は開けない)

288: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 16:20:17.15 ID:RYe5HWEc0
― 訓練所(事件現場) ―




アルミン「…っ」




アルミン(エレンは相変わらずそこにいた)

アルミン(今朝に見た光景と何も変わらずに…)

アルミン(無残な抜け殻となって、エレンはそこにいた)




アルミン「…うっ」




アルミン(吐き気とともに様々な感情が押し寄せる)

アルミン(悲しみ、怒り、恐怖、憎悪…)

アルミン(そして…とてつもない絶望)

289: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 16:25:13.94 ID:RYe5HWEc0
アニ「…アルミン」




アルミン(気が付くと、アニが僕の目を覗き込んでいた)




アニ「…」




アルミン(…わかってるよ)

アルミン(今はそんな場合じゃない)

アルミン(もうほとんど時間は残されていないんだ)

290: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 16:30:16.66 ID:RYe5HWEc0
クリスタ「…これってやっぱり、事故だったのかな」




アルミン(突然、クリスタが独り言のように呟いた)




アルミン「…え?」

クリスタ「だってあの恰好…あれってどう見ても、
     【姿勢制御の訓練中の事故】だよね…?」




アルミン(クリスタはエレンに目を向ける)

アルミン(モノクマファイルにあった通り…
     エレンは腰から宙吊りになって、頭を地面に接触させていた)

291: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 16:35:12.11 ID:RYe5HWEc0
アニ「モノクマファイルによると、
   死亡した時刻は午前1時半頃だったね」

クリスタ「うん…だからエレンは、
     夜中にこっそり練習しようとして…」

クリスタ「それで…頭を打って死んじゃったんじゃないかな」

アルミン「…」

クリスタ「そうとしか考えられないよ。
     だって…私たちの中に殺人犯がいるなんて…」

クリスタ「どうしても信じられないよ…」




【クリスタの証言】




293: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 16:00:44.46 ID:V8fXnCWy0
ライナー「アルミン」

アルミン「…! ライナー、ベルトルトも…」

ベルトルト「身体の方は大丈夫?」

アルミン「うん、おかげさまでね」

ライナー「…こういう時は何て言えばいいのかわからないんだが」

ライナー「その…気の毒だったな」

アルミン「…」

294: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 16:15:08.38 ID:V8fXnCWy0
アルミン「二人はここで何をやってるの?」

ベルトルト「えっ…」

ライナー「俺たちか?俺たちはまぁ…“見張り役”ってやつだな」

アルミン「“見張り役”?」

ライナー「現場を荒らされない為に監視する人間のことだ。
     犯人に証拠を隠滅されたら、手詰まりになりかねないからな」

アルミン「それで…二人がその役目なの?」

ベルトルト「最初はライナーが一人で買って出てくれたんだけど…
      ユミルが『こいつが犯人だったらどうするんだ?』って言い出してね」

アルミン「…」




アルミン(現場の見張りには二人以上の人間が必要…確かに理には適ってる)

アルミン(だけどこの二人は…)

295: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 16:30:12.95 ID:V8fXnCWy0
アニ「共犯者の可能性がある…」

アルミン「…!」

アニ「見張り役を二人にすれば証拠を隠滅される心配はなくなる。
   ただし、それは単独犯の場合…」

アニ「この二人が共犯していたら話は別…そう言いたいんでしょ」

アルミン「なっ…なんでわかるの!?」

アニ「エスパーだから」

アルミン「は!?」

アニ「…なんてね」

296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 16:42:22.19 ID:V8fXnCWy0
ライナー「お、おいおい…いきなり何言ってんだ!?」

ベルトルト「僕たちがそんな事するわけない!
      第一、見張り役を二人にしようと提案してきたのはアニじゃないか!」

アニ「落ち着きなよ。私はあんたらが共犯してたなんて思ってないから」

アルミン「え…?」

アニ「これは【単独犯】の仕業だよ。
   共犯者がいたっていう線は限りなく薄いだろうね」

アルミン「…? どうして言い切れるの?」

アニ「“兵団規則”だよ。
   あれを熟読すれば、誰だって察せると思うけどね」




【兵団規則】




297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 17:00:15.37 ID:V8fXnCWy0
アニ「…と、話が逸れたね」




アルミン(アニはそう言うと、宙吊り状態のエレンの隣に屈んだ)




アニ「早く始めよう。アルミン、こっちに来て」

アルミン「…」コクッ

298: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 18:10:28.06 ID:V8fXnCWy0
アルミン(アニの真似をするように、エレンの隣に屈む)

アルミン(そして、僕はエレンの死体にそっと手を触れてみた…)




アルミン「…」




アルミン(医学の本で読んだように、
     彼の手や首の脈を確かめてみたのだが…)




アルミン「………………」

アルミン「本当に…死んでる……」

299: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 18:23:21.46 ID:V8fXnCWy0
アニ「モノクマファイルによると、
   致命傷となったのは頭部への打撃だったね」




アルミン(アニに促されるようにエレンの頭部を確認する)

アルミン(しかし、伸ばした手がエレンの髪に触れた瞬間…)

アルミン(僕は思わず腕を引っ込めてしまった)




アルミン「…!!」




アルミン(ベトリという嫌な感触。
     手にこびり付いたドス黒いタール…)

アルミン(それが“血”であると理解するまで、
     またしばらく時間が必要だった)

300: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 18:29:57.52 ID:V8fXnCWy0
アルミン「…っ、落ち着け…」




アルミン(考えてみれば当たり前の事だ)

アルミン(アニが言ったように、致命傷となったのは
     頭部への打撃…)

アルミン(つまり、髪が血で濡れていたからといって、
     何も不自然ではない…)




アルミン「…」




アルミン(…あれ?でも待てよ…)

アルミン(髪に…血…?)




【血で濡れた髪】




301: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 18:54:14.48 ID:V8fXnCWy0
アルミン(…少し状況を整理してみよう)




クリスタ『うん…だからエレンは、
     夜中にこっそり練習しようとして…』

クリスタ『それで…頭を打って死んじゃったんじゃないかな』




アルミン(クリスタはさっき、
     これは殺人ではなく事故であると主張していた)

アルミン(別にそれ自体は不自然な発想じゃない)

アルミン(現にモノクマファイルを始めて見た時…
     僕だってその可能性を考えたのだから)

302: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 19:00:10.22 ID:V8fXnCWy0
アルミン「…」




アルミン(…もし、これがクリスタの言うように事故なのだとしたら)

アルミン(エレンは空中でバランスを崩し、
     そのまま地面に頭をぶつけて死んだ事になる)

アルミン(だとすると…)

303: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 19:07:04.28 ID:V8fXnCWy0
アルミン「ねえアニ…ちょっと手伝ってもらっていいかな」

アニ「? いいけど」




アルミン(僕たちはエレンの身体に手をかけた)




ライナー「! おいおい、勝手に現場を荒らすんじゃ…」

アルミン「大丈夫、すぐに終わるから」

アニ「ていうか、そんなに心配なら注意して監視してなよ」

ライナー「…」

304: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 19:17:33.74 ID:V8fXnCWy0
アルミン(僕たちはそのままエレンの身体を持ち上げ…)

アルミン(宙吊りの状態のまま、頭が置かれていた位置を少しずらした)




ベルトルト「…!」

アルミン「これは…」




アルミン(そうして姿を現した、エレンの頭の下にあったもの…)

アルミン(それは【地面から突き出た大きな石】だった)

305: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 19:30:14.85 ID:V8fXnCWy0
アルミン「…すごく歪な形をしてるね。
     エレンの血もべっとり付いてる」

アニ「間違いない…エレンはこれで頭をぶったんだ」




アルミン(僕やミカサと一緒に訓練をした時も、
     エレンはバランスを崩して頭をぶつけていた)

アルミン(それにも拘わらず無事だったのは、
     ぶつけた先が平らな地面だったからだ)

アルミン(クリスタが言うように、
     エレンが夜中に練習をしていたのなら…)

アルミン(暗い中でこの石を見落としてしまっても不思議じゃない)

アルミン(そして、あの勢いでこの固い石に頭を突っ込んだら…
     絶対にただでは済まないだろう)




【地面から突き出た大きな石】




306: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 19:36:27.28 ID:V8fXnCWy0
ベルトルト「ちょ、ちょっと待って!これはおかしいよ!」




アルミン(ベルトルトが声を張り上げる)




ライナー「…そうだな。これはどう考えてもおかしい」

アニ「何がおかしいの」

ライナー「覚えてるか?今から大体3日前…
     ここに連れて来られた初日の夜のことだ」

307: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 19:45:19.35 ID:V8fXnCWy0
モノクマ『オマエラさあ、この外のあちこちに穴掘ったでしょ!』

ライナー『それがどうしたんだ』

モノクマ『何開き直ってんの!ちゃんと元に戻しなさいよ!』

ベルトルト『いや、でも流石にそこまでの時間はなくて…』

モノクマ『そんなのオマエラの都合でしょーが!とにかく穴を塞ぎなさい!
     ヤリ逃げなんて許さないんだからね!』




ライナー「モノクマからああ言われた俺たちは、
     徹夜で穴埋め作業をさせられた…」

ライナー「それはお前らも知ってるよな?」

アルミン「…うん」

ライナー「で、そもそも何故そんな事をさせられたかなんだが…」

308: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 19:59:24.82 ID:V8fXnCWy0
モノクマ『大体、外が穴だらけだったら危なくて訓練できないでしょーが!』




アルミン「…そういえば、確かにそんな事を言ってたね」

ライナー「ああ…つまりアイツが穴を塞がせた理由は、
     【訓練所の安全性を確保する為】だったんだ」

アニ「回りくどいよ。つまり何が言いたいの」

ベルトルト「穴を塞いだ後、僕らは訓練所を隈なくチェックさせられたんだ。
      訓練に支障をきたすものが他にないか…徹底的にね」

309: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 20:04:38.07 ID:V8fXnCWy0
アルミン「…なるほど、なんとなくわかってきたよ」

ライナー「そうだ…地面から飛び出してる石なんてあったら、
     間違いなく俺たちが見つけているはずなんだ」

ベルトルト「そうでないと、モノクマにつべこべ言われるからね」

アニ「…」

ライナー「大体、この場所は昨日まで散々使われてただろ?
     その時に誰も気付かないなんて…流石におかしいと思わないか?」




【ライナーとベルトルトの証言】




312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 13:16:48.35 ID:O2ihWxKc0
アニ「…」

アルミン「…? アニ、どうしたの?」

アニ「…ねえアルミン」

アニ「私も手伝ってくれない?」

アルミン「えっ?いいけど…」

313: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 13:32:03.93 ID:O2ihWxKc0
アルミン(アニはそう言うとエレンに向き直り…)

アルミン(腰に付いた金具を外し始めた)




ライナー「! お、おいおい!いくらなんでもそれは…」

アニ「大丈夫、すぐに終わるから」

ライナー「お前らさっきもそう言ってただろ!」

アニ「いちいちうるさいね…
   現場の保全にこだわり過ぎてたら何もできないでしょ」

アニ「今見つけた石だって、そのせいで見落としてたじゃない」

ライナー「…」

アニ「それにこれは…どうしても必要な事なんだよ」

314: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 13:45:22.75 ID:O2ihWxKc0
アルミン(アニはそのまま金具を外すと、
     食い入るように目を走らせた)




アニ「…」

ライナー「…」

アニ「…ねえライナー」

ライナー「…な、何だよ」

アニ「あんたって姿勢制御上手かったよね」

ライナー「…お前ほどじゃないけどな」

アニ「ちょっと私に見せてくれない?」

315: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 13:54:58.26 ID:O2ihWxKc0
ライナー「はぁ?今はそれどころじゃ…」

アニ「…」

ライナー「…わ、わかったよ」




アルミン(無言の圧力に負けたライナーは、
     しぶしぶ隣の装置に向かっていった)

アルミン(自分の金具にロープを付け、
     脇にいたベルトルトに声をかける)




ライナー「…いいぞ、上げてくれ」

316: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 14:11:04.92 ID:O2ihWxKc0
ベルトルト「いくよ」




キリキリキリキリキリキリ




アルミン(ベルトルトが困惑した様子でクランクを動かす)

アルミン(やがてライナーの足が浮き、その巨体が空中で静止した)




ライナー「…」




アルミン(いつの間にかライナーも集中していた)

アルミン(隅々まで神経を張り巡らせ、しかし余計に力むことなく、
     空中でピタリとその肉体を止めている)

アルミン(…改めて見ると、やっぱり凄いな)

317: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 14:18:08.90 ID:O2ihWxKc0
ライナー「…これでいいか?」

アニ「うん、ありがとう」




アルミン(アニの返事を聞いたベルトルトは、
     再びクランクを回してライナーを降ろした)




アニ「じゃあ、今度はこっちでやってみて」

ライナー「はぁ?まだやる…」

アニ「…」

ライナー「…」




アルミン(アニがそう言ってライナーに差し出した物…)

アルミン(それは、先ほど外したエレンの金具だった)

318: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 20:50:52.58 ID:O2ihWxKc0
アルミン(ライナーは不服そうに金具を付け替える)

アルミン(そして、そこにロープを繋ぐと、
     ベルトルトに向けて目で合図をした)




ベルトルト「いくよ」




キリキリキリキリキリキリ




アルミン(前の動作を繰り返すように、
     ベルトルトがクランクを動かす)

アルミン(その時だった)




ガン




ライナー「!?」ブンッ




ゴッ

319: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 21:13:23.58 ID:O2ihWxKc0
アルミン(僕は目を疑った)

アルミン(お手本のように姿勢を維持してみせたライナーが…)

アルミン(今度は一瞬で地に額を打ったのだ)




ベルトルト「ライナー!」

ライナー「な…なんだこりゃ…!?」




アルミン(そして僕は気付く)

アルミン(宙で反転した身体、地面に向かって突っ込む頭、
     ロープに吊られて逆さになるライナー…)

アルミン(それらはまるで…)

320: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 21:23:07.83 ID:O2ihWxKc0
アニ「…なるほどね」

ライナー「お、おい!一体どうなってるんだ!?」

アニ「やっぱりあんたでも無理だったか」

ライナー「む、無理も何も…
     こんなの【1秒だってもたない】ぞ!?」




アルミン(…どうやら間違いなさそうだ)

アルミン(アニが確かめたかったのは…)




【アニの実験】




323: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 08:54:49.87 ID:DHNzSASw0
アニ「そしてもう一つ」

ライナー「ま、まだ何かやるのか!?」

アニ「そうじゃなくて…そこ見なよ」




アルミン(アニが示した先…
     そこはエレンが吊り下がっている装置だった)




ベルトルト「…! 確かに、今のライナーの状態って…」

アニ「だから、そうじゃなくて…」

ベルトルト「えっ?」

アニ「そこだよ、そこ」

324: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 09:10:07.56 ID:DHNzSASw0
アルミン(アニはエレンに近づき、ある一点を指し示した)




アニ「さっき見つけた石の脇…血が飛び散ってるでしょ?」

ライナー「それがどうしたんだ?その石に頭ぶつけたんだから、
     何も不思議じゃないだろ」

ベルトルト「…いや、ちょっと待って」

ライナー「?」

ベルトルト「この血痕…四角だよ」

325: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 09:16:52.38 ID:DHNzSASw0
ライナー「…は?」

ベルトルト「血痕が途切れてるんだ。その形が…四角なんだよ」

ライナー「四角…?途切れてる…?」

アニ「…ねえアルミン、これってどういう事だと思う?」

アルミン「…」




【途切れた血痕】




326: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 11:41:29.45 ID:u0O4p+jX0
アルミン(クリスタの証言、兵団規則…)

アルミン(血で濡れた髪、地面から突き出た大きな石…)

アルミン(ライナーとベルトルトの証言、アニの実験…)

アルミン(そして、途切れた血痕…)




アルミン「…」




アルミン(必死に動揺を抑えて得た手がかり…)

アルミン(繋がる気がする…一つに…)

327: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 11:45:27.50 ID:u0O4p+jX0
アルミン(でも…)




アルミン「…」




アルミン(まだ…足りない)




アニ「…決まりだね」

アルミン「…えっ」

アニ「今度はあそこに行こう」

328: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 11:55:04.43 ID:u0O4p+jX0
― 倉庫 ―




アルミン「…? サシャ?」

サシャ「ひいっ!?」

アルミン「おわっ!…ぼ、僕だよ、アルミンだ」

サシャ「な、何もやってませんから!」

アルミン「え?」

サシャ「私やってませんから!!」

アニ「…まだ何も言ってないんだけど」

329: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 12:04:17.82 ID:u0O4p+jX0
アルミン(次に僕たちが訪れたのは倉庫だった)

アルミン(てっきり誰もいないと思ってたけど…
     思わぬ先客がいたのだ)




アルミン「それにしても奇遇だね…サシャもここの捜査に?」

サシャ「え…ええ、まあ…ハハハ…」

アニ「…へぇ、じゃあ聞くけど」




アニ「昨日の夜は何をやってたの?」




330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 12:36:14.75 ID:u0O4p+jX0




アルミン(…え?)




サシャ「…!!」

アニ「昨日の夜は何をやってたの?」

サシャ「…何をって…
    …何を…言ってるんですか…?」

アニ「昨日の夜…それも、かなり遅くに…
   あんたは寄宿舎から出て行ってるよね?」

サシャ「そ、そんな…まさか…」

サシャ「見てたんですか…!?」

331: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 12:42:33.31 ID:u0O4p+jX0




アルミン(…え?)




サシャ「…ハッ!しまっ…」

アニ「…」

サシャ「ち、違うんです!違うんですよ!」

アニ「何がどう違うの?」

サシャ「本当に違うんですって!
    何だったらジャンに聞いてみてくださいよ!」

332: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 13:01:39.56 ID:u0O4p+jX0




アルミン(…え?)




アニ「なんでそこでジャンが出てくるのさ」

サシャ「とにかく!私は違いますから!
    ジャンに聞けばわかりますから!」

サシャ「私は…何もやましい事なんてやってませんから!!」




ダッダッダッダッ




【サシャの証言】




336: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 07:38:28.46 ID:cPdKrLFw0
アニ「…どう思う?」

アルミン「どう思うって…」




アルミン(いきなりすぎて何が何だか…)




アルミン「寄宿舎を出て行くサシャを見たっていうのは本当なの?」

アニ「ウソだよ。鎌をかけたんだ」

アルミン「それにしても…アニには確信があるように思えたんだけど」

アニ「まあね」

337: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 07:44:59.29 ID:cPdKrLFw0
アルミン(アニは入り口付近から何かを取り出す)

アルミン(それはヒモで綴じられた紙の束だった)




アニ「これ見てみなよ」

アルミン「…?」

338: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 08:11:44.40 ID:cPdKrLFw0
物品 ショベル、つるはし

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 01 11:54
返却 DAY 02 06:45   


物品 工具セット

名前 ジャン・キルシュタイン

持出 DAY 03 19:25
返却 DAY 04 00:20


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 04 00:20
返却 DAY 04 13:48

339: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 08:43:38.85 ID:cPdKrLFw0
アルミン「これって…」

アニ「部屋で手帳を見せたでしょ?
   規則の13条目…新しく追加された項目だよ」




13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。




アルミン「じゃあ、これが…」

アニ「ここで言うところの“管理表”だね」




【倉庫の物品管理表】




340: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 08:52:55.76 ID:cPdKrLFw0
アルミン(なるほど…これなら確かに理解できるかもしれない)

アルミン(サシャが寄宿舎を抜け出した理由も、
     アニがその事実を知っていた理由も…)

アルミン(そして、サシャがあんな事を言った真意も…)




アルミン「…どうやら、詳しく話を聞かなきゃいけない人がいるみたいだね」

アニ「うん、まあ…」

アニ「そうしたいところなんだけど…」

アルミン「?」

341: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 09:07:46.01 ID:cPdKrLFw0








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『えー、ボクも待ち疲れたんで…
     そろそろ始めちゃいますか?』

モノクマ『お待ちかねの…』

モノクマ『兵団裁判をっ!!』








342: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 09:09:00.51 ID:cPdKrLFw0








モノクマ『ではでは、集合場所を指定します!』

モノクマ『施設のフロア末端にある、
     赤い扉にお入りください』

モノクマ『うぷぷ、じゃあ後でね~!!』








343: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 09:41:54.27 ID:cPdKrLFw0
アルミン「…!!」

アニ「どうやらここまでみたいだね」

アルミン「そんな…!僕はまだ…」

アニ「仕方ないよ。そもそも、
   あんたにはロスタイムがあったから」




アルミン(ロスタイム…そうだ)

アルミン(僕があそこで気絶なんかしなければ…)

344: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 09:49:06.52 ID:cPdKrLFw0
アルミン「くそっ!」




アルミン(はがゆい気持ちを抱えながら、僕は倉庫から出ようとした)




アニ「待って」

アルミン「…?」

アニ「最後に…これを渡しておくよ」




【訓練成績】




345: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 10:02:31.29 ID:cPdKrLFw0
アルミン「…? これは?」

アニ「モノクマに頼んだらね…くれたんだ」

アニ「昨日までの訓練成績、それを全員分まとめたものだよ」

アルミン「訓練成績…?なんでそんなものを…」

アニ「ちなみにこの成績表、モノクマに頼んだのは
   私が初めてじゃないらしいよ」

アニ「昨日の夜…エレンにせがまれて渡したみたいなんだ」

アルミン「えっ!?」

346: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 10:16:58.23 ID:cPdKrLFw0
アルミン(慌てて成績表に目を落とす)

アルミン(アニの言った通り…そこには全員分の訓練成績がまとめられ、
     付けられた点数によって順位が示されていた)




アルミン「…」




アルミン(特に不自然な点は見られない)

アルミン(おそらく…昨日までの訓練に参加した者であれば、
     その順位は極めて妥当だと答えるだろう)

347: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 10:30:23.97 ID:cPdKrLFw0
アルミン(…何だ?)

アルミン(アニが言うように、この成績表をエレンが欲したのだとすれば…
     その理由は何だ?)

アルミン(アニはどうして…これに目を付けたんだ?)




アニ「行こう…ここまで来たらやるしかない」

アニ「逃げ道なんてどこにもないんだ」

アルミン「ねえ、アニ…」

アニ「…前にも言ったけど」




アニ「あんたには…期待してるから」




350: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 04:04:27.92 ID:9jh2ND7u0
― 赤い扉 ―




アニ『施設の壁…このフロアの末端だね、そこに【赤い扉】があった』

エレン『…! まさか出口か!?』

アニ『さあね。どっちにしろ、そこも施錠されていたよ』




アルミン(初日の報告会でアニが言っていた赤い扉…)

アルミン(今や11人となった僕らは、
     鍵の開いた扉を開けて中に入っていた)

351: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 04:17:34.44 ID:9jh2ND7u0
コニー「ん?兵団裁判ってのはここでやるのか?」

モノクマ「そんな訳ないじゃん!!」

サシャ「ひいっ!?」

モノクマ「裁判所はここじゃないよ。もう少し進んだ先」

クリスタ「あの金網の扉のことを言ってるの…?」

モノクマ「そうそう。んじゃ、さっさと全員乗り込んじゃって」

352: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 04:26:38.29 ID:9jh2ND7u0
アルミン(モノクマに促され、
     次々と金網の扉に入っていく訓練兵達…)

アルミン(僕はさっきから、
     その中の一人が気になって仕方なかった)








ミカサ「…」








353: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 04:36:59.51 ID:9jh2ND7u0
ジャン『ミ…ミカサ…!?』

ミカサ『…』

ミーナ『え、なんで!?ちゃんと縛っておいたはずなのに…』

ミカサ『自分で解いた』

ライナー『…どうやって、ってのは聞かない方がいいんだろうな』

ミカサ『今朝は取り乱してしまって悪かった。私はもう大丈夫』

354: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 04:39:40.63 ID:9jh2ND7u0
アルミン『ミ、ミカサ…本当に…』

ミカサ『私はもう大丈夫』

アルミン『でも…』

ミカサ『アルミン』

アルミン『え…?』




ミカサ『今は感傷的になってる場合じゃない』




355: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 04:43:57.11 ID:9jh2ND7u0
アルミン(ミカサはああ言っていたけど…)




ミカサ「…」




アルミン(…ダメだ。考えたって仕方ない)

アルミン(本人が大丈夫だと言っている以上、
     僕が何か言ったところでどうしようもないんだ)

アルミン(それに今は…)

356: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:09:25.71 ID:9jh2ND7u0
パンパン




アルミン(気を引き締めるように、自らの頬を両手で叩く)

アルミン(そうだ…今はそんな場合じゃない)

アルミン(ここで真実を言い当てなければ…
     僕たちもエレンの後を追うことになるんだ)




アルミン「行こう、ミーナ」




アルミン(僕は傍らにいた人物に声をかけ、
     金網の扉へと足を踏み出した)

357: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:13:40.88 ID:9jh2ND7u0
ミーナ「…」

アルミン「…? ミーナ?」

ミーナ「…ごめんね、アルミン」

アルミン「えっ…」

ミーナ「私があの時…エレンを止めていれば…」

358: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:20:41.11 ID:9jh2ND7u0




アルミン(…え?)




ミーナ「実はね…私、エレンに会ってるの」

ミーナ「あれは確か、昨夜のモノクマアナウンスがあった後…
    午後10時半の前だったかな」

アルミン「…!!」

359: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:26:14.68 ID:9jh2ND7u0
アルミン(午後10時半の前…)

アルミン(ライナーとベルトルトの話を聞いた後、
     僕が部屋に戻った時間帯…!)




アルミン「そ、それで…エレンは何か言ってた!?」

ミーナ「うん、何て言うか…」

ミーナ「普通じゃなかったよ…」

360: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:33:07.76 ID:9jh2ND7u0
ミーナ『エレン…?』

エレン『! ミーナか』

ミーナ『どうしたの?そんなに怖い顔して…』

エレン『…オレは』

ミーナ『え?』

エレン『オレはもう、あいつの御守にはなりたくないんだ…!』

361: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:42:58.61 ID:9jh2ND7u0
アルミン「“あいつの御守にはなりたくない”?」

ミーナ「うん…確かにそう言ってた」

アルミン「それで、その後は?」

ミーナ「わかんない…そのまま怖い顔してどこかに行っちゃったから…」

アルミン「…」




【ミーナの証言】




362: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:48:56.69 ID:9jh2ND7u0




エレン『それじゃあ駄目なんだッ…!』




アルミン(もしかして…)




モノクマ「おいコラ!そこの二人!」

アルミン「!」

モノクマ「何イチャついてんのさ!
     そういうの見せつけられると腹立つんだけど」

363: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 05:58:07.73 ID:9jh2ND7u0
アルミン「ごめん…今行くよ」

ミーナ「て、ていうか!そういうのじゃないから!」

モノクマ「顔真っ赤にして言われたって全然説得力ないよ?」

ミーナ「…!」

モノクマ「あーもう余計にムカつく!よし決めたぞ!
     オマエラをおしおきする時は爆発させてやる!ってか爆発しろ!」

アルミン「縁起でもないこと言わないでよ…」

364: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 06:07:59.77 ID:9jh2ND7u0
アニ「…ねえ、いつまで無駄話してるの」

モノクマ「ああ、メンゴメンゴ!全員乗ったね!
     それじゃあ出発しましょーか!」

コニー「ん?ここでやるんじゃないのか?」

モノクマ「だから、こんな狭苦しい場所でやる訳ないじゃん…えいっ」




ポチッ

365: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 06:18:26.60 ID:9jh2ND7u0
ガコン




コニー「!?」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




ジャン「な…なんだ…!?」

ベルトルト「部屋が…動いてる!?」

モノクマ「いやっほうううううううう!」




モノクマ「上へ参りまーす!!」




367: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/02(木) 06:59:15.53 ID:tMD8bq/+0
ウィィィィィィィィン




アルミン(僕たちが入った小部屋は、そのままゆっくりと上昇していった)

アルミン(ゴウン、ゴウンと耳障りな音を響かせながら…)




ユミル「…昇降機か」

クリスタ「え?」

ユミル「壁の上に馬や物資を載せるために作られた装置のことだ。
    多分これもその一種だろう」

368: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/02(木) 07:05:18.23 ID:tMD8bq/+0
ウィィィィィィィィン




アルミン(僕らの不安な気持ちをよそに、
     小部屋はどんどん上へと昇っていった…)




ユミル「…」

サシャ「…」

ミーナ「…」




アルミン(誰も何も話さない)

アルミン(重苦しい静寂…)

369: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/02(木) 07:10:09.91 ID:tMD8bq/+0




クリスタ「…」

ライナー「…」

ベルトルト「…」

ジャン「…」

ミカサ「…」




アルミン(そして…)




370: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/02(木) 07:17:14.46 ID:tMD8bq/+0
― 裁判場 ―




モノクマ「にょほほ! いらっしゃ~い!」

モノクマ「どう、これって、
     いかにも裁判場って感じじゃない?」

モノクマ「某Hクラスのリアルな再現性じゃない?」

ジャン「どこがだ…悪趣味な空間だぜ…」

モノクマ「はいはい、じゃあオマエラは、
     自分の名前が書かれた席に着いてくださいな」

モノクマ「ハリーアップ、ハリーアップ!!」

371: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/02(木) 07:24:31.65 ID:tMD8bq/+0
アルミン(モノクマに言われるまま、
     僕らは、指定された席へと向かった)




アルミン「…」




アルミン(一同が、円状に陣取るように配置された席…)

アルミン(みんなの顔が、
     ぐるりと見回せるようになっている)




アニ「…」

コニー「…」




アルミン(互いの緊張感が、互いへと飛び火し…)

アルミン(その場の空気は、
     一気に重苦しいものへと変化していった)

372: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/02(木) 07:28:56.30 ID:tMD8bq/+0








アルミン(そして、幕は開く…)




アルミン(命がけの裁判…)

アルミン(命がけの騙し合い…)

アルミン(命がけの裏切り…)

アルミン(命がけの謎解き…命がけの言い訳…命がけの信頼…)




アルミン(命がけの…兵団裁判……)








373: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/02(木) 07:37:44.65 ID:tMD8bq/+0








兵団裁判 開廷!








376: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 18:17:29.11 ID:EB4Seubi0
モノクマ「まずは、兵団裁判の簡単な説明から始めましょう!」

モノクマ「兵団裁判の結果は、オマエラの投票により決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘出来れば、クロだけがおしおき。
     だけど…もし間違った人物をクロとした場合は…」

モノクマ「クロ以外の全員がおしおきされ、みんなを欺いたクロだけが
     晴れて卒業となりまーす!」

377: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 18:21:12.46 ID:EB4Seubi0
ライナー「…ちょっと待て」

モノクマ「はい?」

ライナー「議論の前に聞いておきたいんだが…あれってどういう意味だ?」




アルミン(ライナーの指差した先には、空いた席に立てられた顔写真があった)

アルミン(エレンの写真だ。大きなバッテン印が描かれている)




モノクマ「死んだからって、仲間外れにするのは可哀想でしょ?
     友情は生死を飛び越えるんだよ」

ユミル「じゃああれは何だ?私たちは12人なのに、どうして席が16もあるんだよ」

モノクマ「深い意味はないよ。16人収容可能な裁判所ってだけ」

378: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 18:37:36.45 ID:EB4Seubi0
モノクマ「では、くだらない前置きはこれくらいにして、
     とっとと始めちゃってくださいな!」

コニー「始めるっつってもよ、何を話し合えばいいんだ?」

ユミル「…ルール聞いてたのか?」

アニ「事件の状況を照らし合わせて、誰が殺人犯かを議論する」

アニ「もし当てることができれば犯人は処刑され、
   外せば犯人以外が処刑される…そういうことだよ」

379: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 18:39:51.38 ID:EB4Seubi0
ジャン「んなもん全部…テメーの仕業だろ、モノクマ」

モノクマ「ボクはそんな事しないよっ! それだけは信じてっ!!」

モノクマ「規則違反をされない限りは、
     ボクは自ら手を下したりしません」

モノクマ「この訓練兵生活の趣旨に反するような事は
     決してしませんッ!」

モノクマ「ボクって、クマ1倍ルールにはうるさいって
     サファリパークでも有名だったんだから!!」

380: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 18:52:31.41 ID:EB4Seubi0
アルミン(ついに始まった兵団裁判…)

アルミン(開廷早々に混沌となる裁判場…)




ガヤガヤ ガヤガヤ…
ザワザワザワザワ…




アルミン(そこに最初の一石を投じたのは…)

アルミン(あの人だった)

381: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 18:55:27.59 ID:EB4Seubi0




ミカサ「犯人ならもう判っている」




アルミン「…え?」

ミカサ「犯人はあなた達以外には考えられない」

ミカサ「そうでしょう?」








ミカサ「ライナー、ベルトルト」








382: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 19:04:35.58 ID:EB4Seubi0
ライナー「…!!」

ベルトルト「なっ…何を言っているんだ!
      僕たちはそんな…」

ミカサ「とぼけたって無駄。私は聞いている」

ライナー「なに…?」

ミカサ「私は…昨日の夜に聞いている」




ミカサ「あなた達が【裏切り者】だという証拠を!!」




383: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 19:08:20.65 ID:EB4Seubi0








―  議 論 開 始  ―




▶【兵団規則】








384: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 19:18:49.51 ID:EB4Seubi0
ミカサ「私は聞いている」

ミカサ「その二人は昨日の夜に…」

ミカサ「自分たちは記憶喪失だとアルミンに打ち明けていた」

ライナー「…!!」

ミーナ「記憶喪失…?」

ミカサ「そんな都合のいい話…ある訳がない」

ミカサ「つまりそれこそが、二人が裏切り者であるという証拠…」

ミカサ「【二人が共謀して】エレンを殺したという何よりの証拠!」

ベルトルト「ちょ…ちょっと待ってくれ!」

ユミル「なあ、一体何の話をしてるんだ?」




アルミン(ミカサ…やっぱり冷静じゃない)

385: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 19:21:01.34 ID:EB4Seubi0
ミカサ「私は聞いている」

ミカサ「その二人は昨日の夜に…」

ミカサ「自分たちは記憶喪失だとアルミンに打ち明けていた」

ライナー「…!!」

ミーナ「記憶喪失…?」

ミカサ「そんな都合のいい話…ある訳がない」

ミカサ「つまりそれこそが、二人が裏切り者であるという証拠…」

ミカサ「【二人が共謀して】








それは違うよ!








386: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 19:27:57.56 ID:EB4Seubi0
アルミン「ミカサ、ちょっと待って。
     二人が共謀したっていう線はかなり薄いと思うよ」

ミカサ「…何を言うの…アルミン…」

アルミン「兵団規則だよ。あれを思い出して欲しいんだ」




7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。




387: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 19:49:45.57 ID:EB4Seubi0
アルミン「ここでいう“クロ”っていうのは殺人犯…
     つまり実際に殺人を行った人物だと定義づけられているよね?」

ミカサ「それがどうしたと言うの。今回はその二人がクロだっただけ」

アルミン「いや…人を殺すってことは、
     その人に致命傷を与えるってことなんだ」

アルミン「特殊なケースを除けば、
     人が死ぬ致命傷っていうのは一つだけなんだよ」

ミカサ「…よくわからない。何が言いたいの」

アルミン「つまり、致命傷が一つだけだということは、
     それを与えた人間も一人だけということになる」

アルミン「だって…二人以上の人間が同時に一つの致命傷を与えたなんて、
     なんだか不自然じゃない?」

388: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 20:02:57.02 ID:EB4Seubi0
コニー「?? なあ、さっぱり話についていけてねーんだけど…」

アニ「つまりこういうことだよ。
   被害者が一人だった場合、殺人犯も一人だけ」

アニ「ミカサが主張するように、その二人が共謀していた場合…」

アニ「殺人を実行したのはどちらか一人だけで、
   もう一人はそれ以外…現場工作なんかを手伝ったってことになる」

アニ「兵団規則に当てはめてみると、殺人を実行したのがクロ、
   その手伝いをしたのがシロってことになるんだよ」

389: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 20:13:06.37 ID:EB4Seubi0
サシャ「…すみません、私もよく理解できません」

アルミン「要するに、現場工作なんかを手伝ったところでシロはシロなんだ。
     殺人を犯していない限り、クロにはなり得ないんだよ」

ユミル「…なるほどな。卒業できるのは実行犯であるクロだけ」

ユミル「つまり共謀して手伝ったところで、
    クロじゃない方には何の得にもならないってことか」

クリスタ「と、得にならないどころか…」

ミーナ「他のメンバーと一緒に殺されちゃうんだから、それこそ大損だよね…」

390: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 20:23:24.77 ID:EB4Seubi0
アルミン「これが二人が共謀していないっていう根拠だよ」

アルミン「…どうかな、ミカサ?」

ミカサ「…っ!」

モノクマ「うぷぷ…なかなかやるねぇ、アルレルトくん」

モノクマ「規則の条文からそこまで導き出せるなんて、
     とんだダークホースが現れたものですなぁ!」

ジャン「ちなみに確認しておくけどよ…
    今言ったように、共犯者の可能性は省いていいんだな?」

モノクマ「うん、省いていいよ」

モノクマ「今回の事件に【共犯者はいません】。
     オマエラが見つけるべきはクロただ一人…それだけなのです!」

394: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 10:35:55.23 ID:gIOVaPVL0
モノクマ「では、無事に疑問を解消したところで、
     とっとと再開させちゃってくださいな!」

コニー「ちょ、ちょっと待てよ!疑問ならまだあるぞ!」

モノクマ「はい?」

クリスタ「ライナーとベルトルトが記憶喪失…
     確かにそう言ってたよね?」

ライナー「…!!」

クリスタ「ミカサ…どういう事なのか、
     もう一度説明してくれないかな」

395: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 10:47:57.31 ID:gIOVaPVL0
ミカサ「…」

アルミン「ミカサ…」

ミカサ「…」

アニ「ミカサ、話して」

ミカサ「…」

ミカサ「…昨日の夜」

ミカサ「あれはそう、モノクマの“声”が聞こえてきた時間…
    午後10時ごろだった」

396: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 11:00:21.06 ID:gIOVaPVL0
アルミン『え…?』

ライナー『俺とベルトルトには、
     この施設に連れて来られるまでの記憶が一切なかった』

ライナー『自分の出身はもちろん、家族の名前や
     小さい頃の思い出なんかが全部…抜け落ちてしまっているんだ』

アルミン『き、記憶が…ない?』

ベルトルト『唯一覚えていたのは自分の名前と、
      日常生活や壁の中についての知識…』

ベルトルト『それと、“自分は兵士にならなきゃいけない”っていう…
      異様な使命感だけなんだよ』

397: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 11:16:22.42 ID:gIOVaPVL0
ミカサ「エレンを探していたとき、
    その二人とアルミンが一緒にいるのを見た」

ミカサ「気になったので…物陰から様子を伺っていたら、
    二人がアルミンにそんな話をしていた」




アルミン『そうなんだ…僕はてっきり、
     二人は古くからの友人だと思っていたんだけど』

ライナー『…信じられねえのはわかる。
     だから俺たちも言い出せなかった』

ライナー『特に【裏切り者】の存在が示唆された今…
     真っ先に怪しまれるのは俺たちだろうからな』

398: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 13:13:31.21 ID:gIOVaPVL0
ミカサ「そして二人は…」

ミカサ「アルミンに口止めもしていた…!」




ベルトルト『…ねえアルミン、
      虫のいい頼みだっていうのは承知してる。だけど…』

アルミン『…わかってる。この件は誰にも言わないよ』

ライナー『…すまねえな』




ミカサ「これが二人を怪しいと思う根拠」

ミカサ「確かに共謀していた線は薄いかもしれない…
    でもだからと言って、二人への疑惑が晴れたわけじゃない!」

ベルトルト「ミ、ミカサ!だから僕たちは!」

ミカサ「黙れ!二人のどちらかが勝手に動いたか、
    自らの犠牲を覚悟で手伝っていた可能性もある!」

399: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 13:22:51.93 ID:gIOVaPVL0
アニ「…なるほどね。それぞれの言い分は理解できたよ」

ベルトルト「アニ、信じてくれ!僕たちは誓って…」

アニ「で、この話を聞いた上でみんなに確認するけど…」

コニー「?」

アニ「この中で…」




アニ「その二人のように、自分の記憶がない人はいる?」




404: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/05(日) 13:08:13.13 ID:RSycHaF10
ミーナ「えっ…」

サシャ「記憶…ですか?」

アニ「そう。他にいる?」

コニー「俺はあるぞ。父ちゃんや母ちゃん、
    兄弟の名前だってちゃんと言えるし」

ジャン「右に同じだ」

クリスタ「私も…小さい頃の記憶、あるよ」

アニ「…そっか」




アニ「やっぱりみんな気付いてないんだね」




405: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/05(日) 13:22:41.29 ID:RSycHaF10




アルミン(…え?)




モノクマ「ボクもあるよ。付き合ってた雌ネコの性癖とか、
     サポートセンターのお姉さんの3サイズだってちゃんと言えるし」

ユミル「お前には聞いてねえよ」

モノクマ「ていうかさぁ、なんだか話逸れてない?」

モノクマ「今議論してるのは『イェーガーくんを殺したのは誰か』であって、
     『裏切り者は誰か』ではないんだよ?」

407: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/05(日) 13:34:45.72 ID:RSycHaF10
ミーナ「別に逸れてないでしょ。この中に裏切り者がいるんだとしたら、
    そいつが殺人犯だって考えるのが自然なんじゃないの?」

モノクマ「自然?何が自然なの?無農薬栽培か何か?」

モノクマ「短絡的だなあ。実に短絡的。
     そうやって思考停止するから、今時の子どもは学力不足なんて言われるんだよ」

アニ「…ずいぶん突っかかってくるんだね。
   それ以上触れられたら不都合な事でもあるの?」

モノクマ「キミの方こそ。そういうあからさまな話題転換って、
     いかにも犯人がやりそうな戦略じゃない?」