1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:19:47.20 ID:qE3fBjFWo
アイドルマスター+トイストーリー 
基本はトイストーリーから、後半オリジナルへ

初めてSSを書いたのでここを利用させてもらいます

まだ書き方が安定していないため地文ありで書いてます

キャラ崩壊などを感じた場合は教えてください

稚拙な文章ですが楽しんでいただければ幸いです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1343431186

引用元: アイドルストーリー 

 

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2: 1 2012/07/28(土) 08:20:41.67 ID:qE3fBjFWo
亜美「どうしよ……。このままじゃライブは成功しないよ→!」

千早「私たちだけじゃ、人数的に無理があるわ……」

律子「ああもう、肝心な時にいないんだから! どこ行っちゃったのよ」

千早「早く戻ってきて、春香っ!」



??「遅くなってごめ、ってうわぁ!」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:22:20.59 ID:qE3fBjFWo
??「春香さん大丈夫ですか?」

??「大丈夫! それとみんな、お待たせ!」

春香「助っ人と一緒に登場! 天海春香、ただ今戻りました!」

やよい「うっうー! 高槻やよいでーす!」

亜美「は、はるるんが帰ってきた→!」

あずさ「戻りましたよ~。次は春香ちゃん?」

春香「はい! やよい、千早ちゃん。一緒に行こう!」

千早「わかったわ。春香がいるなら絶対成功する!」

やよい「私も精一杯がんばります!」

『765プロー、ファイトー!』 『おー!!!』

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:27:16.22 ID:qE3fBjFWo
P「ライブ成功だー! やっぱり春香は最高のアイドルだぜ!」

P「行くぞ春香! 全国ツアーに出発だ!」

 ドタドタと春香を肩車したPが階段を下りていった。Pの部屋にいるのが

ブロックで作られたステージの上の玩具たちだけとなると

ポーズをとったまま動かなかったアイドルたちが勝手気ままに動き出した。

亜美「今回は弱小アイドルって設定か→」

 彼女の名前は双海亜美。双子の真美が販売されているが

今だPが持っていないため次の誕生日プレゼントを待ちわびている。

律子「次は全国ツアーに行くみたいだし、衣裳を考えるだけで楽しくなるわね」

 ステージに散らばった紙吹雪を片づけているのが秋月律子。

彼女のアイテムの鞄は貯金箱となっている。アイドルと事務員役を兼任している設定。

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:29:08.24 ID:qE3fBjFWo
やよい「もしかしたら新しいアイドルを買って来てくれるかもですね。今から楽しみです!」

 最近彼女たちの輪に加わった高槻やよい。

みんなを慕っているが自分と近い年代の友達がやってこないか密かに願っている。

あずさ「プロデューサーさんもいないし、ぷちたちを呼びましょうか~」

 のんびり口調で千早と話しているのは三浦あずさ。最年長でありみんなの事が大好き。

アイドルシリーズの初期メンバーであり、春香、千早を妹のように思っている。

千早「そうですね。みんな出て来てもいいわよ」

 『ぷちます』と書かれた缶をノックしているのが如月千早。

初期メンバーであり歳も近い設定の春香のことを親友と思っている。

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:31:31.03 ID:qE3fBjFWo
 千早の叩いた缶はガタガタと揺れると中からちっちゃい人形が飛び出してきた。

この子たちはアイドルシリーズのキャラを元に作られたぷちますシリーズ。

基本的に自由に過ごしているがアイドルたちの言うことは聞く。

律子「ぷちたちもはしゃぎ過ぎないでねー」

「くっ!」「めっ」「うっうー」「あらー」「とかー」「かっか!」

亜美「兄ちゃんがいないうちに遊ぶぜ→」

律子「亜美ー、いたずら仕掛けるのはやめなさいよ」「めっ!」

千早「この前もプロデューサーの眼鏡を隠してたわね……」

あずさ「あらあら~、みんな仲良く遊びましょうね~」

やよい「うっうー! 明日が待ち遠しいですー!」

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:33:07.86 ID:qE3fBjFWo
しばらくして階段をのぼる音が聞こえてきた。Pの目には出た時とほとんど変わらない部屋。

春香をベッドの上に座らせると玩具箱からサッカーボールを出して外に出ていった。

春香「ただいま。明日は全国だよー!」

ベッドに座っていたはずの彼女は、いつの間にか縁に腰掛けて動かないアイドルたちに向かって手を振っていた。

あずさ「春香ちゃ~ん。いっぱい動いたから髪がぼさぼさよ? こっちいらっしゃい」

春香「はい! 今そっち行きますってうわぁ!?」

亜美「はるるんまた転んだの→? 遊んでる時もよく転んでるよね」

千早「春香のあれはプロデューサーが春香の設定を考慮して動かしているからよね」

亜美「ほほぅ、つまり普段のドジは素というわけですな?」

あずさ「私はドジな春香ちゃんも好きよ~?」

 あずささんのずれた発言にみんなが笑った。春香も顔を真っ赤にしながら照れ笑い。

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:35:21.92 ID:qE3fBjFWo
 本来動かない玩具のアイドルたち、彼女たちは人がいないときに動き出す。

やよい「それにしても春香さんは一番プロデューサーさんと仲良しなんですね」

千早「春香は一番最初にこの家に来たアイドルだから。プロデューサーも春香が大好きなのよ」

律子「私は亜美と一緒に来たけどこんなにいっぱい仲間がいるなんて思わなかったわ。私たちそれなりの値段よ?」

やよい「それにぷちますシリーズもいるなんてすごいです!」

 ぷちたちは付属の遊び場ブロックで公園を作っている。

 こあみがブロックで積み木しているのをちっちゃんが注意しながら他の子に指示しているが

基本的に自由なぷちたちでは作業が進まずにお困りのようだ。はるかさんだけは律子の背中でスヤスヤ眠っている。

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:36:10.18 ID:qE3fBjFWo
あずさ「プロデューサーさんのお父さんが私たちを好きみたいねぇ」

亜美「こんなご時世だけど男の子がねだるものではないよね」

千早「たまにお父さんが部屋を覗きながら頷いてるのを見るわね」

やよい「いっぱい遊んでもらってるから私は大満足です!」

春香「でも不思議なんだよね。後ろ姿とかはよく見るんだけど、未だにどんな顔かは知らないんだよ?」

律子「お父さんについてはこの家の七不思議ね……」

亜美「それよりもさ→来週の引っ越しパーティーはどうなんの→?」

千早「そうね。そろそろ引っ越しマニュアルを作らないといけないわね。移動中のペア決めもしないと」


春香「ん? 大変! 忘れてたよーーー!!」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:37:32.74 ID:qE3fBjFWo
律子「急にどうしたのよ、春香」

春香「引っ越しパーティー、今日になったんだ……!」

 そこにいたみんなの動きが止まった。ぷちたちも春香の声に驚いて聞いていたようだ。

千早「……新しい玩具が来るのかしら」

 その言葉がきっかけになったのか、全員が大慌て。ぷちたちは大声で鳴きながら走り回りだした。

亜美とやよいも一緒になって動き回る。あずささんは頬笑みながらあらあらと言うだけだ。

律子「ちょっ! みんな落ちついて!」

 律子が宥めるがなかなか騒ぎは収まらない。ため息をついたあと、背中のはるかさんを起こした。

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:39:01.11 ID:qE3fBjFWo
律子「はるかさん、みんなを止めなさい」 「ヴぁ~い」

 はるかさんは普通のぷちたちとは住処が違う。その場所の名は、はるかさんボックス。

はるかさんの顔を大きくしたような箱の口がぱかっと開くと、たくさんのチビはるかさんが雪崩のように出てきた。

はるかさんの指示で全員の体にしがみついて、やっと全員動きを止めた。

千早「春香、説明したほうが良いと思うわよ」

春香「はい……」

 下の階に行った時にお母さんとプロデューサーが話しているのを聞いたらしい。

遊びに行ったのではなく、友だちを呼びに行ったようだ。

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:41:11.47 ID:qE3fBjFWo
あずさ「それじゃ、もうすぐ来るんじゃないかしら?」

 みんなが窓に近づく。道路にはプレゼントを持った子供たちが集まり始めていた。

亜美「やばいよこれ、もう始まるんじゃないの?」

やよい「どどど、どうなちゃうんですか?」

律子「急いで偵察準備をしないとまずいわね、小鳥! ぷちたち!」

小鳥「その言葉を待ってたわ! 無線の準備はできてるピヨ!」

 無線機の傍に居るのがアイドルシリーズの事務員、音無小鳥。

電子機器なら彼女にお任せ。アイドルに比べて売れ行きはよくないが熱狂的ファンも多い。

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:42:06.51 ID:qE3fBjFWo
春香「よーし、プレゼント偵察任務スタート!」

千早「指示したのほとんど律子よね」

 ぷちたちと小鳥さんは無線機を持って廊下に出ていく。

ちっちゃんと小鳥さんの指示によって無事に植木鉢に隠れる事に成功した。

春香「みんな静かにね。そろそろ着く頃だから」

小鳥「応答せよ、こちら小鳥、応答せよって一方通行なんだっけ」

やよい「あー、聞こえてきましたよ」

小鳥「プレゼントは五つですかね。今最初の中身が開けられています。中身は……お弁当箱です!」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:43:02.37 ID:qE3fBjFWo
亜美「弁当箱か→、それよりも真美を出せ真美を→」

あずさ「うふふ、来てくれるといいわね」

小鳥「次のプレゼントは……」

 それからも新しい玩具が来ることなく、なんとなく安心したような空気が流れる。

小鳥「最後のプレゼントは……目覚まし時計ですね。あ、春香ちゃんのシール付いてるわ」

春香「えへへ、だから慌てるようなことじゃないって言ったでしょ?」

千早「そんなこと言ってたかしら?」

小鳥「これで任務完了ですね? それじゃ帰りましょー」

15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:44:17.78 ID:qE3fBjFWo
 みんなが撤収準備をしているとき、子供たちがいる方を見ていたちひゃーが鳴き出した。

小鳥「どうしたんですか? お母さんが新しい箱を持ってる? 大変!」「くっ!」

「大変よみんな! まだプレゼントがあったわ!」

やよい「なにかあったんですか?」

律子「最後に出したってことは相当凄いものが出てくるはずよ」

「子供・ちが邪魔・・かな・見・・いピヨー!?」

あずさ「よく聞こえないわね……」

亜美「こういう時は! ななめ45度チョーップ!」

 ガシャーンと思いっきり叩かれた無線機は衝撃でなにも聞こえなくなってしまった。

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:48:50.40 ID:qE3fBjFWo
やよい「あわわわわ、壊れちゃいました」

春香「とにかく直さないと! うーんと、えーと?」

「・・・中・・プロデュー・・部屋に向かってます!」

 ようやく聞こえるようになったと思ったらこっちに向かっていると大慌てで叫んでいる小鳥さんの声が響いた。

みんなは急いで元いた場所に戻っていく。

 複数の子供が部屋に向かっている音が聞こえてきた。それから勢いよく扉が開けられ、なだれ込んできた子供たちは興奮しながら何かについて語っている。

特にプロデューサーのはしゃぐ声は聞いただけで喜びが伝わってくるようだ。

P「すごいすごい! これ欲しかったんだよ!」

 子供たちが騒ぐ中、下の階からお母さんが料理ができたことを知らせる声が聞こえてきた。

子供たちはプレゼントをベッドの上に置くと、これまた大慌てで下の階に向かって行った。

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:51:23.61 ID:qE3fBjFWo
春香「何が貰えたのかな?」

 すぐにベッドの上に向かう。ベッドの縁に手をかけて上を覗いてみると

そこには仁王立ちをした、キラキラ輝く衣装を着たアイドルがいた。

??「ここは、どこなの? ハニーはどこいったの?」

 くるくると周りを見ながら不安そうに呟いている。春香はベッドの上に乗るとアイドルシリーズと思われる玩具に声をかけた。

春香「あのー、初めまして!」

??「あなたは、誰なの?」

春香「私は天海春香です。他にもいっぱい仲間がいるんだよ! あなたの名前は?」

美希「ミキは星井美希なの。ところでハニ―を知らない?」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:52:20.62 ID:qE3fBjFWo
春香「ハニ―? もしかしてプロデューサーのこと?」

美希「そうなの! どこにいっちゃったの?」

律子「プロデューサーなら下の階にいると思うわよ。私は律子、よろしくね?」

 ベッドの下にいた玩具たちもやってきたようだ。

千早「私は如月千早よ。よろしく」

亜美「亜美だよ→、よろしくちゃ~ん」

やよい「高槻やよいですー。うっうー! 新しい人です!」

あずさ「三浦あずさよ。よろしくね~」

 ぷちたちもそれぞれ挨拶をする。しかし美希は下の階にいるプロデューサーに意識が向いているようだ。

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:53:03.86 ID:qE3fBjFWo
美希「下の階に行ってくるの」

律子「ちょっちょ、なんのために行くのよ!?」

春香「そ、そうだよ! もし人に見られたらこの家に居られなくなっちゃうよ!」

美希「うぅ、でもプロデューサーに会いたいの……」

亜美「帰ってきたら遊んでくれるよ→」

やよい「美希さんも一緒にライブごっこです!」

あずさ「それまではお話してましょう?」

美希「……わかったの」

千早「それにしても可愛らしく作られてるわね。今のものは全部こうなのかしら」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:54:09.43 ID:qE3fBjFWo
律子「ホントいい仕事するわね。子供が遊べるようにしっかりと考えて作られてる」

美希「当然なの。ミキは最高のSランクアイドルなの。トップアイドルでハニ―のことが大好きなの」

亜美「亜美はBランクって設定だったからちょっち羨ましいね→」

あずさ「あらあら、みんな最高のアイドルよ?」

美希「……ここではどんな仕事をしてるの?」

春香「いつもはライブごっこだよ? たまにレッスンごっこだったり営業ごっこだったり」

美希「ごっこ? 本当にやるんじゃないの?」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:54:53.48 ID:qE3fBjFWo
律子「うーん、私たちは本当のアイドルじゃないし、子供の遊びだからごっこって言うべきでしょうね」

美希「ミキはトップアイドルなの!」

あずさ「そうよ~、プロデューサーの前ではいつだってトップアイドルだわ~」

やよい「うっうー! 遊びもいつでも全力でがんばりまーす!」

 ぷちたちも自分をアピールするように飛び跳ねる。美希は少し不満そうにその様子を眺めていた。

千早「春香? どうかしたの?」

春香「ううん、何でもないの。なんでも」

 不安そうに見える春香は大丈夫と、まるで自分に言い聞かせるように呟いた。

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:55:47.63 ID:qE3fBjFWo
 それからの生活は以前とは違うものだった。プロデューサーは美希といつも一緒にいるようになった。

春香がいた場所には今では美希が幸せそうな表情でいる。春香のキャラシールは美希のものに変わり

いつもプロデューサーと一緒に寝ていたはずの春香が今は玩具箱の中にいた。

 遊ぶ時は全員一緒。それでも終わってからは美希の方にみんな寄っていった。

たまに千早やあずささんが話しかけているが、春香はぎこちなく笑うだけだった。


春香「うーん、朝か。あれ? リボンが無い」

亜美「天海春香です! ちょっとドジだけどがんばります!」

 春香のリボンを付けてモノマネを披露している亜美がいた。

春香「もうっ亜美! 返しなさい!」

亜美「うっ、そんな怒ることないじゃんかよ→」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:56:48.05 ID:qE3fBjFWo
 亜美はリボンを返すとそそくさと美希のところに向かった。美希はあずささんに髪を手入れされながら話していた。

美希「今日はハニ―とアイドル展にデートなの!」

あずさ「あらあら、羨ましいわ~」

美希「ミキね、ハニ―が大人になったら結婚するの~」

あずさ「結婚か~。私の運命の人、なんて発売されないかしらね」

美希「きっとあずさも結婚できるの。そんなにきれいなんだから男はほっとかないの!」

 あらあらとあずささんが受け答えするのを春香は聞いていた。

美希に対して感じていた疑問が春香の中で確かな形になった。

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 08:57:35.67 ID:qE3fBjFWo
春香「美希、ちょっと話があるの」

美希「わかったの。あずさ、行ってくるね」

 美希と春香が誰にも聞かれない場所まで移動して行った。

あずささんには心配そうに二人を見送ることしかできなかった。

春香「ここなら誰にも聞こえないよね……」

美希「それで、なんの話なの?」

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:01:36.78 ID:qE3fBjFWo
春香「美希、プロデューサーのことが好き?」

美希「もちろん、だ―い好きなの! 世界で一番好きなの!」

春香「それでも美希も私も玩具なんだよ? 人間と結婚なんてできないんだよ!?」

美希「ミキはトップアイドルなの! 玩具なんかじゃないの!」

春香「玩具だよ! その眼も髪も体も、全部作りものなんだよ!」

美希「ミキはアイドルなの! 全部本物で、ステージでキラキラ輝くの!」

「玩具だよ!」「アイドルなの!」「玩具!」「アイドル!」

春香「そんなに言うならプロデューサーと話してくればいいじゃない!」

美希「そんなの簡単なの、行ってくるの!」

 美希が扉の隙間から廊下に出ていく。幸いその様子を見ている人はいなかった。

心のどこかで安心した美希は下の階に行こうとするが、誰かが階段を上がってくる音が聞こえてきた。

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:02:26.62 ID:qE3fBjFWo
亜美「ミキミキなんで外出たの? やばげじゃない?」

律子「とにかく連れ戻さないと、でも誰か上ってきてるし……どうすればいいのよ~!」

春香「……私、行ってくるよ」

 春香が同じように出ていく。隠れる場所がなくておろおろしている美希を見つけた春香は美希に飛びついた。

美希「春香? 何するの!」

春香「しっ、動かないで」

 動かなくなれば彼女たちはただの玩具だ。階段を上ってきたのは父親のようだ。

廊下に転がっている彼女たちを見て不思議そうに首を傾げている。

27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:03:36.07 ID:qE3fBjFWo
父「おや? どうしてこんなところに置いてあるんだ? こんなところに放置するような子に育てた覚えはないんだがな」

 父親はやさしく彼女たちを掴むと子供部屋の扉を開けた。

部屋に残っていた玩具たちもいつの間にか普段通りの位置に戻っていた。

父親は手に持っている春香と美希を置いてある玩具の傍に置いた。

父「うん、仲良きことは美しきかな。こうして見ると本当のアイドルだな」

 満足げに頷いているとプロデューサーが部屋に入ってきた。

P「お父さん? 何してるの?」

父「いや、ちょっと玩具を見たくてな。もう行く時間だから用意しておくように」

P「ねぇねぇ、玩具持って行きたいんだけどだめ?」

父「そうだな……、二つなら持ってきてもいいだろう」

P「本当? やったぁ!」

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:04:16.54 ID:qE3fBjFWo
 出かける準備をすると最後に春香と美希を鞄に入れてアイドル展に向けて出発した。

 アイドル展、アイドルシリーズを販売している会社の主催する展覧会である。

そこでは専用ステージに置かれたアイドルたちがこの会場限定発売のアクセサリーを身につけてポーズをとっている。

今まで発売された限定品なども展示され、お土産コーナーではアイドルシリーズからグッズ、カスタマイズパーツなどが販売されている。

会場限定の一般公開ステージではここで買ったアクセサリーを付けて写真撮影をする人たちでいっぱいだ。

P「僕も写真撮りたい。お父さん撮って撮って!」

父「よし! 他の人に家のアイドルが最高だと教えてやろう」

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:05:05.36 ID:qE3fBjFWo
 パシャパシャと写真を撮っていく。しばらくやって満足した2人は別のコーナーに行こうとした。

しかし人で混み合っているこの場所から出るのは結構な苦労で父親と息子は離れないように必死だった。

そんな混雑の中、人にぶつかった拍子に鞄からアイドルが飛び出してしまった。気付かずに行ってしまう2人。

春香と美希は人に踏まれないように急いで物陰に隠れた。

春香「どうしよう、急いで探さないと……」

美希「あっちに行ったの! 追いかけるの!」

 美希と春香は急いで追いかけた。美希はスイスイと物陰や人を避けながら進んでいくが

春香は転びそうになりながらやっとの思いで美希を追いかける。

美希「遅いよ春香。あっ、見つけたの!」

春香「美希、は、速いよ……。それでどこにいるの?」

 見気が指さす方には2人の姿が見えた。しかしそこまで行くのに物陰が少なく歩いていれば人に見られてしまう。

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:06:07.11 ID:qE3fBjFWo
美希「これじゃ進めないの……」

春香「うーん……、あれを使おう!」

 誰かの置いた紙コップとお菓子の箱があった。2人はそれを被るとゆっくりと進んでいく。

春香「美希、気をつけて」

美希「ごめんなの」

 トコトコと歩いていく。2人の近くの物陰に美希がようやくたどり着いた。

美希「春香着いたの、って春香は?」

 来た道を覗くと春香の被っていたコップが倒れていた。

くぐもった声で先に行ってと春香の声が聞こえてきた。

移動しそうな2人と春香を交互に見た後、美希は春香の方に向かって走り出した。

 春香は小さな溝に足をとられて動けなくなっていた。

春香「美希! どうしてこっち来たの!?」

美希「とにかく一緒に行くの!」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:07:23.98 ID:qE3fBjFWo
 春香の足をなんとか溝から出して進もうとしたら、人の足がコップを踏みつぶそうとしていた。

それに気づいた春香が美希を連れてコップの外に飛び出した。

春香「コップも潰れちゃったし、道のど真ん中。動けないよ~」

美希「誰かに拾われた後、隙を見て逃げ出すの」

 じっと機会を待っていると一人の子供が春香と美希を拾った。

春香はその顔に見覚えがあった。隣の家に住む女の子だ。

「あれ? こんなところに落ちてる……? 持ってても大丈夫かな」

 可愛らしい鞄に美希と春香を入れると、女の子は会場から出てしまった。

美希「やばいの。このままじゃハニ―とお別れなの……」

春香「……大丈夫だよ! きっと家に帰れるよ!」

 春香が明るい声を出して美希を励まそうとするが美希は落ち込んだままだ。

春香も不安そうな顔をしながら、小声で何かを呟いたきり黙ってしまった。

32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:08:36.82 ID:qE3fBjFWo
「ただいまー! ママ、帰ったよー!」

「お帰り、どうだった?」

「楽しかったよ! 部屋行ってるね!」

 慌てた様子で階段を上っていく。女の子は部屋に入っていった。

「えっと、春香さんと美希さんだよね。新しいお家ですよー」

 春香と美希の見た光景はプロデューサーの家とよく似ていた。

キャラクターこそ違うもののアイドルシリーズのグッズやポスターの貼られている。

空いている棚に春香と美希を置いた時、母親の呼ぶ声が聞こえ女の子は部屋を出ていった。

??「新しい仲間が来たみたいだね」

??「ど、どうしましょう。怖いです~!」

??「大丈夫よ! ちょっと見てくるわ」

33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:09:15.88 ID:qE3fBjFWo
伊織「あんたたちが新しいやつね。私はアイドルシリーズ一番人気の水瀬伊織よ!」

真「伊織、この2人もアイドルシリーズだよ……。僕は真でこっちが」

雪歩「こ、怖い人じゃなくてよかったです。私、萩原雪歩です」

春香「よかった~。天海春香です。ちょっと窓の外見ていい?」

真「うん? いいけどなにかあるの?」

春香「うん、私たち落ちているところを拾ってもらったの。それであの子が私たちの隣の家の子だったと思ったから」

 カーテンの隙間から窓の外を見ると見覚えのある家が見えた。

春香「やっぱり! 美希、家に帰れるよ!」

美希「ホント? やったの!」

 美希と春香がはしゃぐ中で気まずそうに真たちは顔を見合わせていた。

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:09:59.80 ID:qE3fBjFWo
伊織「まさか隣の家とはね。それじゃたまに聞こえてくる声の主があんたたちの持ち主ってわけね」

雪歩「持ち主がすでにいたんですね。どんな人なんですか?」

 春香と美希がプロデューサーについて語った。明るく楽しく、いつも一緒に遊んでいること。家族とも仲良しでいつも楽しそうだと。

真「そうなんだ。……僕達のプロデューサーはね?」

 女の子は一言で言うなら引きこもりだった。普段お家で遊んでいて友達は彼女たちだけ。

両親との間でいろいろあったらしく、元気に振る舞ってはいるが時々寂しそうな顔をしているという。

伊織たちと遊んでいるときも急に泣き出してしまったりしているらしい。

伊織「昔はこんなんじゃなかったのよ。でも私たちには何もできないし……」

雪歩「今のプロデューサーを見るのは辛いです…・・・」

真「自分たちが玩具なのをこんなに辛いって思うなんてね。玩具失格かな」

春香「そうなんだ……」

伊織「まっ、あんたたちには関係ないわ。出ていくなら明日の朝には行きなさい」

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:12:22.39 ID:qE3fBjFWo
美希「朝まで待ってられないの。悪いけど先に帰ってるの!」

春香「美希! そんなに焦らなくても!」

 廊下に出ていく美希と春香、続けて真が追いかけていった。

真「今下に行ったって帰れないよ! とにかく戻った方がいい」

 真と春香が美希を止めている時、下で物音が聞こえた。

それから女の子の泣き声と母親が何かを言っている声が聞こえる。

階段に向かって誰かが走ってくる音で、聞き入っていた3人は慌てて近くの部屋に駆け込んだ。

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:13:06.76 ID:qE3fBjFWo
 女の子が部屋に入り、母親が扉の前で呼び掛けている。

なんどかやって諦めた母親は3人が入った扉に入っていった。

「はぁ、やっぱりだめか。どうしたらいいんだろ」

 母親が電気を付けるとそこにはトロフィーや写真などが飾られていた。

その中の一つを取りながら、懐かしむように見る。

「アイドルか。あの時はこんなことになるなんて思わなかったのにね」


春香「今の内に部屋に戻れないかな」

真「お母さんが下に戻ったら動こう」

春香「わかった。美希も大丈夫?」

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:13:47.79 ID:qE3fBjFWo
 春香が美希に声をかける。美希はそこに置いてあったアイドルシリーズの箱を眺めていた。

美希「これ、ミキの名前が書いてあるの。ミキはこの中に入ってたの?」

美希「真たちのもあるの。箱にいっぱい説明が書いてあるの」

『ミキはトップアイドルでハニ―のことが大好きなの。ミキね、大人になったらハニ―と結婚するの!』

美希「私はハニ―が大好きで、いつか結婚、するの」

美希「そういう設定の玩具だったの……? この気持ちは勘違いだったの……?」

春香「美希……」

真「ちょっと、どうしちゃったの?」

美希「なんでもないの。やっと気付いたの。春香の言ったことも、自分のことも」

真「とりあえず、お母さんも戻ったし部屋に行こう?」

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:14:39.02 ID:qE3fBjFWo
 3人は女の子の部屋に戻った。部屋のベッドには泣き疲れて眠った女の子と心配そうにベッドを見上げる玩具たちがいた。

伊織「お帰り、何があったのよ」

真「お母さんと何かあったみたい。こっちに来た時は焦ったよ」

雪歩「プロデューサーを元気づけたいです……」

伊織「無理よ。私たちは玩具、遊んでもらわない限り、動いてはいけない人形よ」

春香「みんな……」

 それから全員が自分の場所に戻った。春香と美希は床で眠る事にした。

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:15:23.95 ID:qE3fBjFWo
 夜中、美希が動く気配で春香は起きた。美希は窓の傍に立つと外を見たまま動かなくなった。

春香「……美希?」

美希「春香? 美希ね、家に帰らないことにしたの」

春香「え、なんで? あんなに楽しくやってきて。プロデューサーとも仲良く遊んでたのに」

美希「美希ね、気付いたの。私は玩具なの。今までの感情も嘘だったの」

美希「私はハニ―が好きだって思いも、きっと思いこみなの……」

春香「美希、あのね? プロデューサーと一緒に遊んで楽しくなかった?

春香「私は楽しかったよ? いつも一緒で、私は本物のアイドルになったみたいで」

春香「プロデューサーが笑顔になると私も嬉しくなるの。それは玩具も人も変わらないんじゃない?」

美希「……その通りなの」

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:16:22.95 ID:qE3fBjFWo
春香「私ね、美希が羨ましいの。元気でキラキラでかわいくて。私はそんなに可愛くもないし、素直に想いも言えない……」

美希「春香、もしかして」

春香「だから! 私は美希に帰ってほしい。たぶん家のみんなもそれを望んでるよ。

春香「もしあの子が気がかりなら私が残る。私は必要されてもいないだろうし」

美希「そんなことないの。春香がいるとみんな笑って、どんな人でも元気になっちゃうの。みんなにも、私にも春香が必要なの」

美希「みんな揃って765プロ、でしょ?」

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:17:18.87 ID:qE3fBjFWo
春香「うん、そうだね。一緒に帰ろう」

春香「でも、ここの家も心配だよ。何とかしてあげたい」

美希「そうだよね。それでこそ春香なの!」

「そういうことなら私たちも話に加えなさいよね?」

雪歩「プロデューサーを元気にさせたい気持ちは私たちも同じです!」

真「僕達はどうなってもいい。プロデューサーが元気になってくれればね」

伊織「それじゃ作戦会議といきましょう!」

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:17:45.44 ID:qE3fBjFWo
春香「あのね、考えたんだけど。私たちは玩具でしょ? だから想いを伝えることは許されないよね」

春香「それなら、玩具のルールを破れば想いを伝えられるんじゃないかな?」

真「一番近くで見てきた僕達の想いを伝えるのか。だけどそんなことをしたら」

雪歩「もう一緒にはいられなくなっちゃうかも……」

伊織「それでも、玩具の私たちにはそれぐらいしかできないわ」

美希「うーん、私たちが人間ならいいのにね」

伊織「そんなことが起きるのは夢の世界だけよ」

春香「夢……? そうだ!」


 春香の思いつきから始まった作戦は次の日から始まる。

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:18:13.02 ID:qE3fBjFWo
プロデューサーの家


あずさ「春香ちゃんも美希ちゃんもどこ行っちゃったのかしら~」

律子「迷子なんてなるわけがないし……」

やよい「うー、プロデューサー元気ないです」

亜美「はるるんもミキミキもいないとつまんないよ→!」

千早「春香、どこ行ったのよ」

 そのとき窓から音がした。律子が外を見るとそこには春香がいた。

律子「春香!? なんでそんなところにいるのよ!」

春香「律子さん? 開けてくれますか」

44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:18:42.79 ID:qE3fBjFWo
 春香が入ると様子をうかがっていた彼女たちが駆け寄ってきた。

千早「春香! ホントに春香なのよね?」

あずさ「はるかちゃん、おかえり~」

春香「ちょっと、ちょっと、落ちついてー! 私の話を聞いてちょうだい!」

春香「今まで隣の家にいたの。で、そこの女の子が……」

亜美「はるる→ん、それまじでやるの?」

やよい「でもその子も家族もみんなかわいそうです。家族は笑顔が一番です!」

あずさ「春香ちゃんの言うことなら私は協力するわ~」

律子「そうね、わかったわ。夜になったらそっちに行く」

春香「みんな、ありがとう!」

千早「当然よ。私たちは春香の仲間なんだから」

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:20:01.26 ID:qE3fBjFWo
 深夜、女の子の家


「みんな準備はいい?」

「まさか本当に来るなんてね」

「でも、心強いや」

「精一杯やらせてもらうわ」

「うっうー! がんばりまーす!」

「それじゃそろそろ始めますか!」

「掛け声はやっぱいつものやつっしょ→?」

「私たちもいいんですか?」

「あらあら、当然よ~」

「だってもうミキたちはみんな」

「『仲間』だもんね!!」

『765プロー、ファイトー!』『オー!!!』

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:21:06.56 ID:qE3fBjFWo
「うーん、あれ? なんか明るいような……」

伊織「プロデューサー! 私たちのライブにようこそ!」

「あれ……、伊織ちゃんが動いてる……?」

真「当然だよ! だってこれは夢なんだから!」

雪歩「だけど、私たちの想いはみんなみんな本物だよ!」

伊織「プロデューサーが元気になってくれることが、私たちの願い」

伊織「だから、あんたのためだけに用意した一夜限りのスペシャルライブよ!」

「うわー、うわぁ! すごいよすごいよ! みんな動いてるんだ!」

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:21:47.21 ID:qE3fBjFWo
春香「私の友達もみんな連れて来たんだよ!」

美希「精一杯がんばるから、楽しんでほしいの!」

「それじゃいくよ!」



THE IDOLM@STER!!!


幸せな日々を思い出せるように楽しく踊ろう

感謝の想いが伝わるように精一杯歌おう

観客は1人、この世でただ1人の私たちのファン

伏し目がちな昨日を忘れるために、夢に向かって進めるように

私たちはアイドルになろう

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:22:18.82 ID:qE3fBjFWo
「すごいすごい! みんなすごい! 本当に楽しかったよ!」

伊織「ありがとう! プロデューサー!」

真「感謝の気持ちで胸がいっぱいだよ!」

雪歩「本当にありがとうですー!」

「明日もいっぱい遊ぼうね! みんな!」

伊織「……その通りよ! いつまでも一緒よ!」

真「! だから、これからは元気いっぱいの明るいプロデューサーになっていこう!」

雪歩「友だちもたくさんいて、お母さんともお父さんとも仲良しです!」

「うん! 私、みんなと一緒ならがんばれるよ!」

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:23:46.08 ID:qE3fBjFWo
伊織「私たちだけじゃなくて親にも頼りなさい! あんたはもっと親に甘えてもいいのよ!」

真「お母さんもお父さんも、もっともっと甘えてほしいはずだよ!」

雪歩「私たち玩具が言うんだから間違いないです!」

「うん! がんばってみる!」

律子「私たちも忘れてもらっちゃ困るわよ?」

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:24:26.88 ID:qE3fBjFWo
春香「私たち実は隣の家の玩具なの! 私たちの持ち主もすっごく元気なんだ!」

亜美「話しかければすぐ仲良くなれるよ! だって亜美たちとチョ→仲良しだもんね!」

千早「そうね。私たちの友だちであるあなたなら、すぐに友だちになれるわ!」

あずさ「それから、友だち百人目指してファイトおーよ!」

美希「一緒にキラキラ輝くの!」

やよい「うっうー! がんばってくださーい!」

「そっかー、話してみるね!」

51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:25:01.44 ID:qE3fBjFWo
伊織「それじゃ、そろそろ時間ね!」

真「うん! 夢の、時間も、もう終わりだ!」

雪歩「また、明日ですー! プロデューサー!」

「うん、なんだかすっごく、眠くなってきたよ……」

「そうだ、最後にちゃんと、名前で、呼んで……」



伊織「……さようなら、愛。もう泣くんじゃ、ないわよ」

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:25:34.56 ID:qE3fBjFWo

 なんだかいつにもましてぼんやりとした寝起きです。

愛「うーん、あれ、おかしいな」

愛「なんだか夢見てるみたいー」

 外はもう太陽が昇っていて鳥が鳴いてます。

 時計をみるとすでに8時を過ぎていました。こんなお寝坊さんだったかな?

愛「って! もうこんな時間だ!」

 急いで下に行きます。キッチンではママがのんびり朝ご飯を用意しています。

53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:26:00.39 ID:qE3fBjFWo
愛「ママ! なんで起こしてくれなかったの! これじゃ遅刻しちゃうよ!」

 ママ、なんだかすんごい変な顔でこっちを見てます。

舞「愛? 遅刻って急にどうしたのよ」

愛「もう! 学校に決まってるでしょ! 早くしないと遅刻しちゃうよ!」

舞「学校……? 愛、学校行く気になったの?」

愛「? なんだかママおかしいよ? いつものママじゃないみたい」

 なんだか、ちょっと元気がないというか悲しそうでした。今はすっごいびっくりした顔をしてます。

54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:26:26.99 ID:qE3fBjFWo
舞「いつもって」

愛「いつでもキラキラ元気いっぱいで、私の大好きなママだよ!」

 そう言ったらママは私を思いっきり抱きしめてくれました。

愛「な、なにしてんのー! 大げさだよー!」

舞「愛、ごめん。今までごめんね?」

愛「ちょっとー、もう……」

 びっくりしたけど。ママに抱っこしてもらうなんて恥ずかしいけど、なんだかすっごい安心しちゃいました。

気付いたら私は泣いてて、ママも泣いてて、しばらく一緒になって泣いてました。

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:26:58.90 ID:qE3fBjFWo
伊織「2人とも子どもみたいね?」

真「そうだね。でも幸せそうだ」

雪歩「仲直りできてよかったです」

伊織「さてと、もうすぐこの家ともお別れよ。今のうち目に焼き付けておきなさい」

真「ルールを破れば持ち主は全て忘れる。どうやらその通りになったね」

雪歩「朝の挨拶がないっていうのは、なんだか新鮮だよね?」

伊織「そうね。覚えがない物をいつまでも置いてくれるはずがないし、近い内に私たちは捨てられるでしょうね」

56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:28:11.35 ID:qE3fBjFWo

真「でも、後悔なんて無い。そうだよね?」

雪歩「私は愛ちゃんが幸せならそれでいいです」

伊織「当然よ。それが私たち玩具の役目、幸せにすることよ」

雪歩「それにしても、あのライブは楽しかったね」

真「うん、いつかまた、みんなと一緒にやりたいよ」

伊織「765プロか。良い奴らだったわね」

雪歩「私たちも765プロの一員だよ?」

伊織「そうだったわね。私たちみんな仲間、だものね」

真「向こうも楽しくやっていけるさ。こっちも余暇を楽しまなくちゃ」

伊織「もちろんよ。愛の成長を、ずっと見ててやるんだから!」

雪歩「夢、叶うといいよね」

真「愛なら大丈夫。絶対叶うさ」



愛「ママ、私ママみたいなアイドルになりたい!」

57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:28:52.66 ID:qE3fBjFWo
P宅、引っ越し当日


春香「準備は大丈夫だよね? 小鳥さーん!」

小鳥「大丈夫よ春香ちゃん。みんな準備OK」

千早「もうそろそろ運ばれる時間よ。春香も音無さんも箱に入って」

春香「やっぱり緊張するよぉ~!」

千早「ふぅ、あらチャイムが鳴ってる。誰か来たのかしら」

P「はーい、どちらさまですかー」

「ごめんくださーい! Pさんっていますかー?」

P「僕に用? はい、Pですけど」

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:29:21.47 ID:qE3fBjFWo
「急にお邪魔してすいません! お引っ越しが今日だって聞いて慌ててきちゃいました!」

愛「私、愛っていいます! お隣に住んでいる者です」

P「ああ、日高さんか。どうしたの?」

愛「Pくんじゃないですか! ちょっとPくんに渡したいものがあって」


千早「春香? 何してるのよ」

春香「今愛ちゃんが来てるんだよ! だからこう隙間から見えないかなーって」

千早「そうね……、少しくらい開けてもばれないんじゃないかしら。私も一緒に見ていい?」

春香「大丈夫だよ。一緒に見よ」

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:30:00.46 ID:qE3fBjFWo
愛「これなんですけど、やっぱりいらないですかね?」

 プレゼントを渡す瞬間って、ちょっと不安でドキドキです。

P「すごい……、伊織に雪歩に真。3人もいる。でも貰っていいの?」

愛「はい! それがどうして私がそれを持ってるのか、よく憶えてないんです」

 いつから置いてあったのか、私の部屋にはこの3人の玩具が置いてあった。

いつ買ったのかも、どんな風に遊んだのかも思い出せない。だけど私がお気に入りのものを置く場所に置いてあったから。

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:32:14.99 ID:qE3fBjFWo
愛「だから、私の代わりに一緒に遊んであげてください。そう望んでるような気がするんです」

 玩具が望んだりするかはわからないけど、まだまだ遊び足りないんじゃないかなって思っちゃいます。

念のため段ボールに箱ごと詰めておいてよかったな。段ボールを渡します.。

嬉しそうにしていたはずなのに、貰った時Pくんは不思議そうに私を見ていました。

P「うん、わかった。けど、どうして日高さんは泣いてるの?」


愛「あれ? 私泣いてますか?」

 触ってみると、確かに涙が出ていました。おかしいですね、なんで泣いてるんでしょう。

愛「おっかしいなぁ。もう泣かないって約束したのに……」

愛「元気いっぱいになるって約束したのに……」

愛「涙が、止まんないよぅ!」

 Pくんがあたふたしているのがわかります。でも涙は止まりませんでした。

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:33:03.04 ID:qE3fBjFWo
P「うーんうーん、あっそうだ!」

 Pくんが近くにあった段ボールと私の渡した段ボールでゴソゴソなにかやっています。

P「じゃーん、春香、千早に伊織、雪歩、真だよ!」

P「私たち765プロ! いつも元気いっぱいで仲良しなんだ!」

P「おや? 泣いてる子がいるぞ? 私たちの歌で元気にしちゃおう!」

P「日高さんのための、スペシャルライブだよ!」

愛「Pくん……、うん!」

 Pくんと一緒にライブをしました。Pくんが春香さんと千早さんを動かして

私が伊織ちゃん、真さん、雪歩さんを動かします。歌って踊って、初めて誰かと一緒にやったライブです。

それは今までで一番楽しかったです。

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:33:55.70 ID:qE3fBjFWo
P「日高さん、どうだった?」

愛「うん! すっごく楽しかったよ!」

P「それじゃまたやろうね!」

愛「でもPくんはもうすぐ引っ越しちゃいます。だからもう会えないかもです」

P「大丈夫だよ。だって僕達はもう友だちなんだから! 絶対に会えるよ!」

愛「友だち? 私とPくんは友だちですか?」

P「うん! 友だちだよ!」

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:35:02.84 ID:qE3fBjFWo
今日はなんだか初めてなことがいっぱいです。

初めて人の家を1人で尋ねました。

初めてプレゼントを渡しました。

初めて一緒に遊びました。

初めて、友だちができました!


愛「はい!」

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:37:03.59 ID:qE3fBjFWo
それからPくんが車に乗るまで一緒に遊んでいました。

Pくんの乗った車に向かって見えなくなるまで手を振ってました。

離れ離れは辛いけど、きっと大丈夫です。

いっぱい元気を貰った私は、もう1人でも歩いていけます。


愛「だから安心してね。みんな」

私の大好きなアイドルたち

65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:37:46.78 ID:qE3fBjFWo
春香「なんだかまた2人っきりだね」

美希「ハニ―と愛が私たちを出したからなの」

春香「ハニ―って呼び方、やめないんだね」

美希「もちろんなの、もうこの気持ちは本物だって気付いたの」

美希「だから私はやりたいようにするよ? もちろんルールは守ってなの」

春香「……そう、なんだ」

美希「春香はそのままでいいの?」

春香「私は、よくわからないの。この気持ちが好きってことなのかな」

美希「春香は絶対ハニ―が好きなの。こういう時は客観的視点が大事なの!」

春香「はは、そうなのかな」

66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 09:39:38.75 ID:qE3fBjFWo
美希「そうなの、だから私たちはライバルなの」

春香「そっか、ライバルか~」

美希「ハニ―のベッドもハニ―の肩も私の場所なの」

春香「それは譲れないな。プロデューサーの傍が私の居場所なんだから!」

美希「負けないの!」

春香「私だって負けないよ!」


玩具には玩具の事情がある。

玩具には玩具の役割がある。

玩具にだって、叶えたい願いはある

おわり

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 10:18:24.26 ID:qE3fBjFWo
小鳥「所定の位置に着いたわ。これより作戦を開始します」

春香「今年の誕生日プレゼントはなにかな?」

亜美「うおおおおおお! 真美来いやあああああ!!」

やよい「伊織ちゃんはどう思う?」

伊織「そうね、そろそろ専用の家があってもいいんじゃないかしら?」

真「僕はステージの上で満足だけどなー」

雪歩「怖い玩具じゃなければなんでもいいですー!」

あずさ「今年こそ真美ちゃんが来るといいわね~」

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 10:19:15.88 ID:qE3fBjFWo
小鳥「最初のプレゼントを開けています。中身は……真美ピヨー!!」

亜美「よっしゃああ!!」

律子「ちょっと亜美、静かにしてくれないと聞こえないでしょ!」

千早「そろそろ次のが来るわよっ!」

小鳥「たぶんこれが最後のプレゼントよ」

69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2012/07/28(土) 10:19:46.67 ID:qE3fBjFWo
美希「ハロー春香、調子はどうなの?」

春香「いつも通り。今から楽しみだよ!」

美希「よかったの! 仲間が増えるともっともっと楽しくなるの!」

美希「春香、こんな時だから言うけどあの時はありがとうなの」

春香「美希……、当然でしょ? だって私たち」

春香・美希『仲間だもんね!』

春香「みんなと一緒なら大丈夫!」

美希「どんなことでも乗り越えられるの!」


「ん? なんだ? うわぁ! ハムスターだ!?」


春香・美希「うっそぉ……、ふふっ!」

おまけ おわり