1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 13:41:45.14 ID:LIGsz8ELo
忍「びじゅちゅ?」

綾「び、美術よ」

忍「ああ、びじゅちゅですね」

忍「えーと、びじゅちゅびじゅちゅ……びじゅちゅのの教科書はっと……」

忍「あれ? ありませんね……びじゅちゅの教科書」

忍「もしかして忘れてしまったんでしょうか? びじゅちゅの教科書」

綾「もう! ちょっと噛んじゃっただけなのにそんな何回も言わないでよ!///」

忍「すみません、テストに出るかと思って」

綾「何のテストよ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423370504

引用元: 忍「綾ちゃん、次の授業って何でしたっけ?」綾「びじゅちゅよ」 

 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 13:45:54.47 ID:LIGsz8ELo
カレン「何の話してるデース?」

綾「なんでもないわ……移動だから急ぎましょ、びじゅちゅひちゅ遠いし」

カレン「びじゅちゅひちゅ?」

綾「び、美術室よ」

カレン「Oh、びじゅちゅひちゅデスネ」

カレン「びじゅちゅひちゅはこの時期寒いんデスよねー」

カレン「びじゅちゅぶの人もいることデスシ、エアコンでも着けたらいいと思うのデスが」

カレン「びじゅちゅの先生は一日中びちゅちゅひちゅにいて辛くないんデショウか?」

綾「もう! カレンも真似しないでよ!///」

カレン「スミマセン、そういう呼び方もあるのかと思ったデス」

綾「噛んじゃっただけよ!」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 13:53:55.22 ID:LIGsz8ELo
忍「うーん、やっぱり忘れてしまったようです、びじゅちゅの教科書」

カレン「今日から絵を描くのでびじゅちゅの教科書はもってこなくていいって前回言われマシタよ」

忍「ああ、そういえばそうでした!」

カレン「でも、替わりに今日からびじゅちゅセットが必要デス」

忍「あぁ……びじゅちゅセットも持ってきてませんね……」

カレン「実は私もびじゅちゅセット忘れちゃったデス、隣のクラスに借りに行きマショウ!」

忍「アリスと陽子ちゃんに借りればちょうど足りますね! びじゅちゅセット!」

綾「もう! 何なのよびじゅちゅびじゅちゅって! もういいでしょ!////」

忍「すみません、今のは素で噛みました」

カレン「デース」

綾「う、ウソよ! そんなに噛むわけないじゃない!」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 14:01:47.23 ID:LIGsz8ELo
カレン「じゃあアヤヤ、美術室って10回言ってみてクダサイよ」

綾「え? えっと……」

綾「び、びじゅちゅひちゅ、びづつひちゅ、びづちゅしちゅ、あ、あれ? びじゅつひちゅ、びづつひつ、び、びじゅ……」

カレン「全然言えてないデース!」キャッキャ

忍「噛まずに言うのは難しいですよね」ニッコリ

綾「う、ううう……///」

カレン「じゃあ行きマショウか、びじゅちゅセットを借りに!」

忍「急ぎましょう、びじゅちゅひちゅは遠いですからね」

綾「うぐぐ……////」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 14:14:28.04 ID:LIGsz8ELo
隣のクラス

忍「ハロー!」

カレン「コニチワー!」

綾「お、お邪魔しまーす……」

アリス「あ、シノ!」

陽子「お、どうしたの、遊びに来たのか?」

忍「実は美術セットを忘れてしまって……」

カレン「貸してもらえまセンカ?」

陽子「まったくしょうがないなー」

アリス「はい、シノ」

忍「ありがとうございます!」

陽子「はい、次からは持ってくるんだぞ」

カレン「サンクスヨーコ!」

ダキッ

陽子「おいおい、大げさだな……」

綾「な、な……///」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 14:26:25.57 ID:LIGsz8ELo
カレン「やっぱりヨーコはコンビニみたいな人デース!」

陽子「それ褒め言葉になってないからな!」

カレン「ついでに肉まんひとつー」フカフカ

綾(む、胸を……!///)

陽子「やめなさい」ポフ

カレン「ノー! ヨーコまん!」

陽子「ミクまんみたいに言うなよ……急がないと遅刻するよ?」

カレン「廊下は寒いのであったかさを補給してから行きマース!」

ギュー

陽子「足を巻きつけるな足を」

カレン「足が一番寒いのでー」

綾(こ、公衆の面前で……////)

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 14:35:46.06 ID:LIGsz8ELo
綾「ほ、ほらもういいでしょ! じゃれてないで早く行くわよ!」

カレン「……どこに?」

綾「え?」

カレン「今からどこに行くデス?」

綾「びじゅちゅひちゅに決まってるでしょ!! もう!」

綾「……あ」

カレン「びじゅちゅひちゅ?」

陽子「あはは、びじゅつひちゅってすごい噛み方だな」

綾「////」

ザワザワ

キイタ? イマノ ビジュチュヒチュッテ

カワイー

忍「声が大きかったので周りにも聞こえてたみたいですね」

綾「/////////」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 14:44:50.14 ID:LIGsz8ELo
カレン「それにしても、アヤヤはテンパるとよく噛んじゃいマスよね」

綾「しょ、しょうがないでしょ……好きで噛んでるわけじゃ」

綾「! って今のわざと私に噛ませようとしたわね!」

カレン「さ、さすがアヤヤ、するどいデスね!」

綾「もう! カレンのバカ!」バシバシ

カレン「い、イタイイタイ」

綾「クラス中に聞かれちゃったじゃない!」バシバシ

カレン「それは計算外だったデス! アイムソーソーリー!」

綾「もうカレンには勉強教えてあげないから!」プイッ

カレン「オーノー! ゆるしてクダサイ!」

カレン「ホラ! このとおり謝りますカラ!」

綾「土下座までしなくていいわよ!」

カレン「お代官様ー! 許しておくんなマシー!」

ザワザワ

カレンチャンガドゲザシテル!

エッナニナニー?

綾「や、やめてぇ! こっちが悪いことしてるみたいじゃない!/////」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 14:54:40.99 ID:LIGsz8ELo
綾「はぁ……はぁ……もう……疲れたわよ」

アリス「カレン、ドゲザは日本の最上級の謝り方だから、むやみに発動したらダメなんだよ」

カレン「オー、そうデシタか」

綾(今のもわざとな気がしてならないわ……)

陽子「あはは、そっちのクラスも賑やかそうじゃん」

陽子「2年生になったころの綾は私と一緒じゃなくて死にそうな顔してたのにさ」

綾「べ、別に死にそうな顔なんてしてないわよ!//」

綾「ただ……陽子がいないとツッコミ役がいなくて大変そうだなって思っただけ! 勘違いしないで!//」

カレン「でも、4月のアヤヤはとっても寂しそうだったデース」

忍「寂しさのせいか先生を『陽子!』って間違えて呼んだりもしてましたね」

陽子「マジで!?」

綾「そ、そんなエピソードないわよ! 勝手にねつ造しないで!」

忍「あれ? じゃあ先生を『お母さん』って呼んだのでしたっけ?」

綾「それはシノの話でしょ!」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:04:15.60 ID:LIGsz8ELo
カレン「見ましたか、ヨーコ?」

カレン「今ではアヤヤは立派なツッコミ隊長デス」

綾「何よその称号……」

カレン「ほら、こんなささいなボケも拾ってくれマス」

綾「うぐぐ……」

陽子「よかったじゃん、綾」

綾「よ、よくないわよ……なんかすごく疲れるし」

綾「それに……」


アヤは思った

それに……ホントはツッコむよりツッコまれる方が好きダ

ヨーコにツッコまれる、あのなんとも言えない快感が恋しk


綾「変なナレーション入れないでよカレン!」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:10:35.43 ID:LIGsz8ELo
綾「しかも何よ! ツッコまれるとか快感とか!」

綾「そんな下ネタ昼間の学校で女の子が言わないの!」

カレン「……下ネタ?」

カレン「別に下ネタなんて言ってませんケド……」

綾「え?」

カレン「アヤヤはさっきのナレーションのどこが下ネタに聞こえたんデスか?」

綾「そ、それは……」

綾「その……分かるでしょ!//」

カレン「えー? 分からないデース」

忍「綾ちゃん痛恨の誤爆ですね」

綾「だ、だって……」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:14:54.15 ID:LIGsz8ELo
カレン「まあこのあたりがヨーコのツッコミとの経験値の差を感じマスネ」

綾「何よその上から目線!」

カレン「とはいえ初めはよくあることデス……『ツッコむ場所を間違える』なんて」

綾「あっ! 絶対分かって言ってるでしょ! //」

カレン「え、何がデス?」

綾「もーー! 何とか言ってよ陽子!」ウワアアン

陽子「はいはい、あんまりいじめてやるなよカレン」

カレン「ハーイ」

陽子「でさ、綾……」

陽子「さっきのナレーションってどこが下ネタだったの? 気になる」

綾「もー! 陽子までー!」

ギャーギャー

アリス「ひ、昼間っから大和撫子と英国淑女が大声でやっていい会話じゃないよ……//」モンモン

忍「アリスは今のネタ分かったんですか?」

アリス「え? だって……//」モンモン

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:17:27.32 ID:LIGsz8ELo
陽子「っていうかお前ら時間大丈夫なの?」

忍「え?」

綾「あっ」

キーンコーンカーンコーン

カレン「Oh....」

綾「あ、ああ……遅刻だわ!」

忍「のんびりしすぎましたね」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:35:00.64 ID:LIGsz8ELo
美術の時間中


黒板『テーマ:青春』

黒板『一般的な青春、自分にとっての青春、どちらでも可、絵を一枚描きタイトルをつけ提出すること』


忍「うーん、青春ですか……」

綾「描きやすそうで描きにくいわね」

カレン「そもそも青春って何デスか? ちゃんとした意味は知らないデス」

綾「青春っていうのは、大人になる前の青年時代、つまり私たちくらいの時期を表す言葉ね」

カレン「若者ってことデスか?」

綾「うーんどっちかと言うと、若者特有のイベントを指すというか……」

忍「部活をしたり、勉強を頑張ったり、学校で友達を作ったり、恋をしたり、色々と思春期の悩みを抱えたり、そういうのをひっくるめて青春って感じですね」

カレン「ああ、アヤヤがヨーコのことを想うのも、青春ってことデスネ」

忍「ええ、そうですね」

綾「ど、どういう意味よ!///」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:43:50.65 ID:LIGsz8ELo
カレン「なるほど……青春とは何か、つかめてキマシタよ」

綾「とはいえ何を描けばいいのか、迷うわね……」

忍「そうですねー、一体どの金髪を描けばいいのやら」

綾「……金髪は確定なのね」

忍「もちろん、私にとっての青春は金髪ですから!」

綾(金髪が青春ってどういうことよ……)

綾「……でも、これが青春ってはっきり言えるほどのめり込める何かがあるのは羨ましいわね」

綾(私にとっての青春って何かしら?)

綾(部活もやってないし、趣味に打ち込んだわけでもない)

綾(勉強はそこそこやって、遊びもそこそこ……)

綾(恋愛小説は大量に読みふけったような……恋愛か……)

陽子『俺の嫁になれよ……』

綾(ってなんで陽子の顔が浮かぶのよ!////)

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:45:49.76 ID:LIGsz8ELo
綾(でも2年生になってから、陽子との距離は少し開いたような気がする)

綾(休み時間にわざわざ隣のクラスに会いに行くことも減ったし……)

綾(いや、でもそれは自分のクラスでの人間関係が充実してるから)

綾(シノやカレンや穂乃花と親しくなるほど、相対的に私の頭の中で陽子の存在が小さくなる……?)

綾(でも、頭のなかってそんな単純なものじゃないわ……)

綾(でもでも一緒に過ごす時間が去年より減ったのは事実だし……)

綾(でもでもでも単純に一緒にいる時間の長さが心の距離を表すものではないはずで……)

カレン「ふーむ」

カレン(アヤヤは今、ものすごく何かを悩んでいるようデス)

カレン(悩みにぶつかること、これはものすごく青春っぽいデスネ)

カレン「アヤヤ、私アヤヤの絵を描いてもいいデスカ?」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:47:32.46 ID:LIGsz8ELo
綾「え、私の絵?」

カレン「ハイ、今真剣に何かを思い悩むアヤヤの姿、これはまさに青春そのものデス」

綾「そ、そうかしら……」

カレン「そうデスヨ、それをありのままに写生しようと思いマス」

綾「分かったわ、じゃああんまり動かない方がいいかしら」

カレン「いえ、気を遣わなくても大丈夫デスヨ」

カレン「……」サラサラ

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:50:18.05 ID:LIGsz8ELo
カレン「下絵完成デス!」

綾「え、もうできたの!?」

忍「見せてください!……ん?」

綾「この絵は……何?」

カレン「アヤヤデス」

忍「綾ちゃん、ですか?」

綾「線が縦に2本引いてあるようにしか見えないけど」

カレン「正確にはアヤヤのお腹だけ写生シマシタ」

綾「……どういうこと?」

カレン「タイトルは……『乙女の悩み』……イタッ!」

綾「どういう意味よ! 私体型で悩んでたわけじゃないわよ!」バシバシ

カレン「お……落ち着いてアヤヤ! カームダウン!」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 15:57:54.00 ID:LIGsz8ELo
カレン「ジョ、ジョークデスよ、イングリッシュジョーク」

綾「描くんなら真面目に描きなさいよ……」

カレン「OK、今度は真剣にアヤヤを写生シマス」

カレン「……さっきのおわびに胸はワンランク大きくしておきマスね」

綾「余計なお世話よ!///」


数分後

カレン「下絵完成デス」

忍「わあ! 綾ちゃんそっくりです!」

綾「見せて……」

カレン「どうデス!」フフン

綾「! う、上手い!」

綾「でも……」

綾「でもなんで裸なのよ!////」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 16:07:49.06 ID:LIGsz8ELo
忍「すごい完成度ですね……写真かと思うくらい繊細なタッチです」

綾「こんな卑猥な絵、授業課題として認められないわよ!」

カレン「でも、芸術として描く以上は卑猥物ではないはずデス」

綾「そもそもなんでわざわざ裸にしたのよ」

カレン「そのまま写生しても芸が無いデスシ、脱がせてミマシタ」

綾「理由適当すぎじゃない! 何か表現したいテーマがあったんじゃないの!?」

忍「タイトルはどうするんです?」

カレン「タイトルは、そうデスね……」 

カレン「『アヤヤ、剥いちゃいました』」

綾「甘栗みたいに言わないでよ!」

綾「と言うかそれじゃなんだかAVのタイトルみたいじゃない!」

カレン「AV?」

綾「い、いえ、今のは失言ね……忘れてちょうだい」

カレン「Audio Visual? タイトルってどういうことデス?」

綾「な、なんでもないわ……!」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 17:46:34.89 ID:LIGsz8ELo
忍「カレン、そっちじゃなくてアダルトビデオの方です」

綾「し、シノ!」

カレン「アダルトビデオ? なんデスか、それ?」

忍「え? 英語なのに知らないんですか?」

綾「和製英語なのかも……ってこの話題やめない?」

カレン「でも、気になりマース」

綾「授業中に話すことじゃないわよ……」

カレン「アヤヤが言い出したんじゃないデスカー」

綾「そ、それは……」

忍「カレンが純粋すぎて知らないというのも考えられますね」

カレン「アダルトビデオってなんなのか聞いたら和製英語かどうか分かる気がシマス」

カレン「アヤヤ、アダルトビデオってなんですか?」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 17:48:09.71 ID:LIGsz8ELo
綾「ア、アダルトビデオっていうのは……大人向けのビデオのことよ」

カレン「大人向けとは?」

綾「こ、子供は見ちゃいけないようなビデオってことよ」

カレン「どうして子どもがみちゃいけないんデスカ?」

綾「子どもにはまだ早すぎる内容だからよ」

カレン「早すぎるってどういうことデス?」

綾「もう! ここまで言えば分かるでしょ! 察してよ!//」

カレン「もっとはっきり言ってくれナイと判別できマセン」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 17:56:12.84 ID:LIGsz8ELo
綾「お、大きな声では言えないわ……顔を寄せて」

カレン「ハイ」グイーッ

綾「ち、近い近い! 誰がミリ単位で接近しろって言ったのよ!////」

カレン「Oh、日本語って難しいデス」

綾「日本語の問題じゃないわよ……」

綾「いい? アダルトビデオっていうのは……」

ボソボソ

カレン「ふんふん……」

カレン「Oh! I see! アヤヤが言いたかったのはポルノビデオのことデスね!」

綾「こ、声が大きいわよ!」

チラチラ

忍「あの、さっきから周りの人たちがこっちをチラチラ見てますよ」

綾「っ!」

カレン「あー、アヤヤがむっつりなのがばれちゃいマシタね」

綾「むっつりじゃないわよ!!////」バシバシ

カレン「Ah、ソーリーソーリー!」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:01:46.89 ID:LIGsz8ELo
綾「とにかくタイトルはそれじゃ駄目よ」

カレン「そうですね……じゃあ『少女、性への目覚め』にしま……なんで叩こうとするんデスか!」

綾「それじゃ私がHな子みたいじゃない!////」

カレン「でも青春とHなことって密接な関係にあると思うんデス」

綾「Hがテーマなら芸術というより単なるHな絵じゃない!」

カレン「えー」

綾「せめて繊細で傷つきやすい青春時代の心を表現した、とかそういうテーマなら分かるけど……」

カレン「あ、いいデスネそれ、いただきデス」

綾「もはやテーマが後付けになってるじゃない……」

カレン「タイトルは『お願い、優しくして……』」

綾「Hなことから離れてないわよ!//」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:05:10.54 ID:LIGsz8ELo
綾「も、もうあったま来たわ……」

綾「私もカレンの裸を描いてやるんだから!」

カレン「Oh!」 

カレン「では胸マシマシでお願いシマース!」

綾「却下よ! これ以上ないくらい正確な裸婦像にしてあげるわ! 覚悟しなさい!」

カレン「ではどっちがリアリティあふれた絵にできるか勝負デース!」

綾「の、望むところよ!」

忍「いいですねー、これぞ青春です」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:18:32.54 ID:LIGsz8ELo
放課後

陽子「で」

陽子「その結果が2人とも居残りなんだね」

忍「先生に、『芸術としては間違ってないけど普通科高校の授業としてはちょっと受け取れないわ』と書き直しを命じられました」

アリス「…………」

陽子「ちょっと様子見に行くかー」

忍「そうですね」

アリス「シノはどんな絵を描いたの?」

忍「アリスの裸像を描いたら危うく再提出になりそうでしたが、モザイクを描き加えることで難を逃れました」

アリス「私の裸像!?」

陽子「お前ら青春をなんだと思ってるんだ」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:24:01.81 ID:LIGsz8ELo
美術室

綾「はぁ……我ながら冷静さを失ってたわ」

カレン「若気の至りってやつデスねー」

綾「何を描こうかしらね……青春かぁ」

カレン「アヤヤにとってはヨーコが青春デスヨね?」

綾「な、なんでよ!///」

カレン「いつもヨーコヨーコ言ってるデス!」

綾「さ、最近はそうでもないでしょ! 別のクラスであんまり会えないし……」

カレン「えー? そんなの関係ありマス?」

綾「あるわよ……はぁ……」

カレン「あっモッタイナイ!」スーッ!

綾「……何やってるの?」

カレン「アヤヤの口から逃げた幸せを私が吸い込みマシタ」

カレン「ため息なんてついてたら、アヤヤのハピネスを全部吸い取っちゃいますよ?」

綾「……ばか」

カレン「むむっ、バカとはなんデスか」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:33:36.55 ID:LIGsz8ELo
綾「カレンが羨ましいわ、誰に対しても遠慮なく距離を詰められるんだから」

カレン「アヤヤは遠慮しすぎデース」

カレン「隣のクラスに入るのにも気が引けてマスし、ヨーコとの距離も相手任せデス」

カレン「友達との距離を詰めるのに、遠慮なんていりマセンよ」

カレン「アヤヤだって、ヨーコにハグして足をからめるくらいはしていいんデス」

綾「そ、そんなこと……//」

カレン「いえ、もっと上のことだって……」

綾「もっと上のこと……」

綾「ってどういう意味よこのH!///」

カレン「好きって伝えることデス」

カレン「……何想像したんデスか、このH」

綾「な、なんでもないわよ……//」

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:42:01.31 ID:LIGsz8ELo
綾「す、好きって、別に私はヨーコのこと……」

カレン「オーノー、もう2年生の冬デスよ、アヤヤ」

カレン「来年は受験で忙しくなって……それが終われば、隣のクラスどころか、別の学校になるかも知れないデスよ?」

カレン「そろそろ自分の気持ちに素直になってもイイと思いマス」

綾「……」

綾「……そうね」

綾「私は陽子のことが……」

カレン「……」

綾「陽子のことが……」

カレン「……」

綾「す」

綾「す!」

綾「す……!」

綾「すー……!」

綾「す……k……」

綾「す、k……」

綾「す、k、k、k、k、k」

カレン「どんだけ素直になれないんデスか!!」

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:48:13.88 ID:LIGsz8ELo
カレン「自分の気持ちを正直に言うことは恥ずかしいことじゃないんデスよ?」

カレン「ほら、続けて言ってみてクダサイ」

カレン「『私は』」

綾「わ、私は……」

カレン「『ヨーコと』」

綾「陽子と……」

カレン「『Hなことがしたい!』」

綾「エッチ……って何言わせるのよバカバカバカ!//////」バシバシ

カレン「イタイイタイ」

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:53:21.11 ID:LIGsz8ELo
カレン「イ、イングリッシュジョークデスよ……」

綾「英国淑女はそんなこと言わないわ、母国に謝りなさい」

綾「……気持ちをはっきり伝えてしまえば、結果がどうであれ、陽子と今の関係には戻れなくなるような気がする」

綾「陽子だけじゃなくて、もしかしたらシノやカレンやアリスとも」

カレン「……」

カレン「私たちは、何があってもずっと綾と一緒にイマスよ」

カレン「卒業したら離れ離れになるかもしれないけど、それでも一緒にいられる時間ギリギリまでは、そばにイマス」

綾「カレン……」

綾「……はぁ」

カレン「モッタイナイ!」スゥーッ!

綾「やめなさいそれ!」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 18:56:25.16 ID:LIGsz8ELo
綾「こうやって相談に乗ってくれる、カレンが好きだから」

カレン「……え?」

綾「シノも、アリスも、陽子も、一緒にいる時間が好き」

綾「陽子に自分の気持ちを知ってもらいたい、陽子に愛してもらいたい」

綾「そんな気持ちと同じくらい、今の関係も大好きだから」

綾「皆が友達どうし、遊んで騒いで喧嘩するような関係が大事だから」

綾「今のままでもいたい……っていう自分もいる」

綾「だから……分からない」

カレン「アヤヤ……」

綾「……って何言わせるのよ! 今のナシ! 聞かなかったことにして!////」バシバシ

カレン「照れなくてもいいじゃないデスか!」

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:00:30.71 ID:LIGsz8ELo
カレン「聞いてクダサイアヤヤ」

カレン「私も……」

カレン「私も、アヤヤとこうやって一緒に過ごせる時間が好きデス」

綾「カレン……」

カレン「それに、かしこくて、照れ屋で、たまにおっちょこちょいなところもあるケド」

カレン「そんなアヤヤが……好」

綾「ヘックシ!」

カレン「…………ブレスユー」

綾「ご、ごめんなさい」

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:05:15.78 ID:LIGsz8ELo
カレン「アヤヤ、寒いデスか?」

綾「そ、そうね……カレンの言うとおり、この部屋冷えるわ……」

カレン「じゃあ、私のあったかさを分けてあげるデス」

ギュッ

綾「!」

カレン「どうデスか? あったかいデスか?」

綾「う、うん……//」

カレン「アヤヤ」

綾「な、何?」

カレン「今の関係を壊したくないっていう気持ち、よく分かりマス」

カレン「友達なら安心してずっとそばにいられるデス」

カレン「でも、自分の気持ちを伝えないまま終わるのは……辛いこと」

綾「……うん」

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:07:50.76 ID:LIGsz8ELo
カレン「アヤヤに必要なのは、一歩踏み出す勇気デス」

カレン「大丈夫……きっとできマスよ」

綾「カレン……」

カレン「……あったまりマシタか?」

綾「うん……」

カレン「じゃあ、私はもう行きマス」

綾「え、絵はもう完成したの?」

カレン「ハイ」

カレン「またアヤヤを写生しました」

綾「今度はちゃんと服着てるのね」

カレン「『どういう意味よこのH!』って言ってたときのアヤヤ、つまりHなことを想像してた瞬間のアヤヤをこの一枚に絵として保存したデス」

綾「よりにもよってその瞬間を絵にしないでよ!////」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:10:15.53 ID:LIGsz8ELo
綾「っていうか青春関係ないじゃない!」

カレン「いえ、青春デスよ」

カレン「私にとっては、今生きてるこの一瞬一瞬が、愛すべき青春そのものデス」

カレン「だから、描き始めたときに目に映っていた光景をそのまま絵にシマシタ」

カレン「その絵が、その時その光景を見ていた私にとっての青春……」

カレン「つまり、青春とは今この瞬間だ! 今を生きろ! というメッセージをこめた絵なのデス」

綾「な、なるほど……」

綾「それで、タイトルは?」

カレン「タイトルは……」

カレン「『青春っていつなの? 今でしょ!』」

カレン「フフン、どうデスカ」

綾「……タイトルは今を生きてないわね」

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:13:53.80 ID:LIGsz8ELo
カレン「そう言えば、私が吸い取ってた幸せをアヤヤに返してなかったデス」

綾「え?」

カレン「イキマスよー」

カレン「フーッ」

カレン「ほら、早く吸い込んで!」

綾「え、えっ?」

綾「スーッ」

カレン「OK! これでアヤヤの幸せは元通りデース!」

綾「……う、うん」

カレン「ではアヤヤ、Bye!」

綾「あ、ちょっと……」

綾「行っちゃった……」

綾「待ってくれてもよかったのに……」

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:15:49.62 ID:LIGsz8ELo
廊下

陽子「お、カレン!」

カレン「Oh、ちょうどいいところに!」

アリス「今から美術室に行こうと思ってたんだよ」

忍「もう絵は完成したんですか?」

カレン「シノ、アリス! ちょっと来るデース!」

忍アリス「え?」

陽子「私はいいの?」

カレン「ヨーコは美術室に行っててクダサイ、アヤヤがいるデス!」

陽子「よくわからんけどわかった、じゃーねー」

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:18:22.01 ID:LIGsz8ELo
美術室

陽子「おー、やってるかー?」

綾「よ、陽子!」

綾「シノとアリスは?」

陽子「うーん、さっきまで一緒だったんだけど、カレンが連れてっちゃった」

綾「そう……」

綾(二人きりにしてくれたのかしら)

陽子「ところでさ、綾は何の絵描いてるの?」

綾「み、見るの?」

陽子「嫌なの?」

綾「は、恥ずかしいじゃない……」

陽子「え、また恥ずかしい絵描いてるの? 再再提出食らうよ?」

綾「そ、そういう意味じゃなくて!//」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:21:02.45 ID:LIGsz8ELo
陽子「いいじゃん、減るもんじゃないしー」

綾「もう……」

陽子「これは……つないだ手?」

綾「ええ、そうよ」

綾「覚えてる? 中学のとき、私の手を引いてくれたじゃない」

陽子「ああ、懐かしいなー」

綾(思い返せば、あのときからずっと陽子のことを想っていた)

綾「ねぇ陽子、大事な話があるんだけど……」

陽子「ん、何?」

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:22:26.03 ID:LIGsz8ELo
美術室前廊下

カレン「…………」

アリス「ねえカレン、なんでこんなところで隠れるの?」

忍「入らないんですか?」

カレン「シッ」

カレン(アヤヤ、ヨーコに想いを伝えるデショウか?)

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:24:44.93 ID:LIGsz8ELo
綾「ずっと前から言わなくちゃって思ってたんだけど」

陽子「……うん」

綾「あのね、陽子」

綾「私、陽子が……」



カレン(頑張るデス、アヤヤ!)



綾「す……」



カレン(アヤヤ!)



綾「す……」



カレン(ファイト!)



綾「す……」



陽子「……?」



綾「す……」



アリス忍(す……?)

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:26:15.84 ID:LIGsz8ELo
綾「す……!」

綾「す……!」

綾「すー……!」

綾「す……k……」

綾「す、k、k、k」

綾「す、k、k、k、k」


カレン(アヤヤ! もう一息デス!)


綾「すき……」


カレン(!)

陽子「!」

アリス忍(!)


綾「……すきやき」


カレン「えっ」

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:28:05.51 ID:LIGsz8ELo
綾「陽子がすきやき好きだと思って……」

綾「すき焼きパーティーしたいなって」

陽子「すきやき好きだよ! パーティー? いいね!」


カレン(アアアアアアアアアアアアア……)

カレン(なんてベタな……)


綾「ソウ ヨカッタ」

綾「ヨカッタ……」


カレン(なんでヨーコも気づかないんデスか!)


陽子「……なんか綾元気ない? どうしたの?」


カレン(なんでそういうとこだけ察しがいいんデスか!)

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:29:34.57 ID:LIGsz8ELo
綾「ウウン……」

綾「絵デキタシ 帰リマショウ」

陽子「お、おう、お疲れ様だな」


忍(あ、出てきますよ……!)

アリス(盗み聞きしてたのがばれちゃうよ?)

カレン(仕方アリマセンね……)

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:31:24.53 ID:LIGsz8ELo
陽子「じゃあ帰ろうか……」


カレン「バアアアアアアアアアアアアアアアア!」


陽子「うわあああああああああああああああ!」


カレン「ドッキリ大成功デース!」

陽子「もーーーーー! びっくりさせんなよーー!」

カレン「まんまと騙されマシタね」

陽子「寿命3年くらい縮んだよ! どうしてくれる!」

カレン「大丈夫デス、ヨーコはなんか5000年くらい生きそうデスし」

陽子「私をなんだと思ってるんだ!」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:34:14.27 ID:LIGsz8ELo
忍「陽子ちゃんの絶叫すごかったですねー」

陽子「ホントにもー」

アリス「あんな陽子の叫び声初めて聞いたよ」

陽子「私もあんな声出したの久しぶりだよー」

カレン「アヤヤ、ちょっと来てクダサイ」

綾「ウン……」

カレン「あの、ちょっと用事を思い出したので先に帰っててクダサイ!」

陽子「いつか忘れたころにやり返してやるからなー! ちくしょー!」

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:36:17.45 ID:LIGsz8ELo
綾「うう……プレッシャーに……プレッシャーに負けたわ……」

カレン「大丈夫デスよアヤヤ、フラれたわけじゃアリマセンし」

カレン「まだそのときじゃなかったってことデス」

綾「ごめんなさい、せっかく勇気づけてもらったのに……」

カレン「いえ、私こそアヤヤを急かして申し訳ないデス……」

綾「……でも、告白一歩手前まで行った、行けたわ」

カレン「手前というかオーバーランデスけど」

綾「明日からは、前より陽子に積極的になれるような気がする……!」

綾「ありがとう、カレン」

カレン「アヤヤ……」

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/02/08(日) 19:40:23.43 ID:LIGsz8ELo
カレン(惜しくも失敗こそしたものの、アヤヤはそれをポジティブに受け止めてイマシタ)

カレン(きっといつか、ヨーコにはっきりと想いを告げることデショウ)

カレン(その日に向けて、アヤヤは今日一回り成長したのだと思いマス)

カレン(つまり……)

カレン(『アヤヤ、一皮剥けちゃいました』ということデス)

カレン(なんてね)




陽子「ばあああああああああああああああああああああ!」

カレン「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」



END