2: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/07(火) 22:38:35.67 ID:oah0Q4sA0



対人格闘術・訓練中



アニ「ふっ!」


エレン「くっ…!?」ドサッ


アニ「あいかわらず、足元が甘いよ。あんた」


エレン「いってー…、おまえはあいかわらず、器用な足技だな」


引用元: アニ「あんたの夢ってなに…?」 

 

3: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/07(火) 23:16:45.30 ID:U1udRsBX0



アニ「ほら、立てるかい?」スッ


エレン「ああ、お前と訓練するようになってから受け身ばっかり上手くなってるからな」ガシッ


アニ「減らず口が利けるくらいなら、もう一回だね…」


エレン「ちょ…、少し休憩しようぜ!」


アニ「……それじゃ軽く絞め技の復習にでもしとこうか?」


エレン「まぁ、それくらいなら」


4: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/07(火) 23:25:04.58 ID:U1udRsBX0



エレン「ここで、こう手を回して…」


アニ「そう、そのまま背後に回って」


エレン「体を寄せて、極める…!」グッ


アニ「…っ!? どうやら、絞め技はちゃんと覚えたみたいだね」


エレン「そりゃ、毎晩寝る前に必ずイメージトレーニングしてたからな」


アニ「へー、あんたにしては考えたね」


5: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/07(火) 23:31:38.83 ID:U1udRsBX0



エレン「へへっ、なんたってお前の動きを覚えるためにずーっと観察し続けたんだから」


アニ「……そうかい///」


エレン「っと、そろそろ訓練終了だな」


アニ「じゃあ、最後にもう一度対戦だね」


エレン「えっ、やだよ。だって脚蹴られるの痛いじゃん」


アニ「…そんな遠慮しなくていいから」


6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/07(火) 23:40:17.11 ID:U1udRsBX0



アニ「ふっ!」


エレン「あっ、しまっ…!?」ドサッ


アニ「最初と同じ技でやられるなんて」

アニ「あんた、真面目にやってんの?」


エレン「そんなすぐに対応できるようになるかっつーの」

エレン(くそー、アニの足技は速過ぎて見てても反応しづらい…)


7: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/07(火) 23:43:33.46 ID:U1udRsBX0


アニ「全く。あんたがしつこく教えてくれっていうから付き合ってるのに」


エレン「つ、次は勝ってみせるからな!」


アニ「はいはい、楽しみにしてるよ」スタスタ






エレン「ちくしょー、あの足技に対応するためにはどういう技か知らないと厳しいな」

8: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/07(火) 23:46:21.45 ID:U1udRsBX0



ライナー「よー、エレン。またこっぴどくやられたな」スッ


エレン「ライナー…。ありがとよ」ガシッ


ライナー「まだアニには敵わんようだな?」


エレン「ああ、あいつのあの足技はちょっとやそっとじゃ崩せねぇ」


ライナー「…なぁ、エレン。アニの技、最初の頃に比べて強力になってると思わないか?」


10: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 12:32:36.64 ID:JJdyzseQ0

エレン「…? 言われてみれば確かに…」


ライナー「どうしてか知りたくないか?」


エレン「なんだ。ライナーは知ってんのか?」


ライナー「ああ。もし知りたければ、夕飯の後もう一度ここの訓練場に来てみるといい」


エレン「…なんだか、よく分からんが、分かった」

11: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 12:37:55.95 ID:JJdyzseQ0


ライナー「うし! じゃあ、教官にどやされる前にとっとと戻ろうか?」


エレン「ああ。あー、今日の晩飯は何だったかなぁ…」スタスタ


サシャ「パァン! 今日はパァンですよ! エレン!」


エレン「うわっ!? サシャ! 急に出てくるなって」


サシャ「さぁ、早くパァンを食べに行きましょう!」


エレン「分かった分かった。俺達は後から行くから先に行っててくれ」


12: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 12:42:08.64 ID:JJdyzseQ0


サシャ「了解しました! 待ってて下さいね! 私のパァン!」スタタタ


ライナー「やれやれだな」


エレン「全く」


ミカサ「…エレン。大丈夫? 怪我はない?」


エレン「おう。今日もアニには勝てなかったけど、次は勝ってみせる」


ミカサ「…あまり無理しないで」


13: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 12:56:14.30 ID:JJdyzseQ0


エレン「分かってるよ。お前は俺の母ちゃんかっての」スタスタ


アニ「…」ジー


ライナー「やれやれ…」


14: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 13:00:50.25 ID:JJdyzseQ0



夕食後




エレン「さてと、ライナーが言うにはこの時間に格闘訓練場に行けばいいんだったんだな」

エレン「んっ? 誰かいる…」


アニ「ふっ! ふっ!」


エレン(あれは、アニ…? こんな時間に一人で特訓してんのか…?)


15: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 13:18:44.13 ID:JJdyzseQ0


アニ「ふー…」ヘタリ


エレン(あいつ、内緒で訓練してまで負けたくないのかよ)

エレン(すげー根性だ。俺も見習わないとな…)


アニ(もう少し続けるか、最近あいつも強くなってきてるし)

アニ「…あんな芋女にも腹筋女にも負けるわけにはいかない」ボソボソ


エレン(まだ続けるみたいだ、助かった。これでアニの足技の研究ができるぜ!)ジー



16: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 13:24:55.10 ID:JJdyzseQ0




ベルトルト「面白いものが見れるって言うから来たのに、これのどこがおもしろいんだい?」


ライナー「まぁ、そういうなって」


アルミン「確かに。アニが隠れて訓練しているのをエレンが見ているだけだね」


ライナー「…言葉で表すと、何だか変な状況だな」


ジャン「それにしても、アニの奴。前まで格闘訓練のこと嫌がってたのに、急にどうしたんだ?」


17: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 13:40:27.51 ID:JJdyzseQ0


アルミン「…!? そういうことか…!」


ライナー「さすが。察しがいいな、アルミン」


ベルトルト「?」


ジャン「おい、アルミン。一体何に気付いたんだ?」


アルミン「…僕の推測に過ぎないけど、おそらくアニはエレンのことが好き、なんだと思う」


ベルトルト・ジャン「!?」


18: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 13:43:47.83 ID:JJdyzseQ0


アルミン「アニは前まで格闘訓練をサボるための訓練とみなしていた」

アルミン「それなのに、最近はエレンにもまさる訓練への打ち込みよう」

アルミン「アニがやる気になったきっかけは間違いなくエレンだよ」


ベルトルト「確かにエレンがアニに格闘訓練を申し込むようになってから」


ジャン「アニは今まで以上に格闘訓練に打ち込んでる」


19: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 13:49:34.07 ID:JJdyzseQ0


アルミン「じゃあ何故アニが格闘訓練に対して本気になっているかを考えると」

アルミン「それは多分、エレンに負けたくないから」

アルミン「エレンの性格から考えると、格闘訓練で勝つまではアニに挑戦し続けるだろうし」


ベルトルト「つまりアニは、エレンに相手をしてもらえるように」


ジャン「こんな必死になって特訓してるってことか…?」


20: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 14:12:01.46 ID:JJdyzseQ0


ベルトルト「まぁ、確かにあり得ない話じゃないね」


ライナー「さすがアルミンだ。そこまで気付くとはな」


ジャン「なんだライナー。お前知ってたのか?」


ライナー「ああ。こないだそれとなくアニに相談されてな。それでピンと来たのよ」


21: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 14:14:38.96 ID:JJdyzseQ0




アニ『ライナー。ちょっと聞きたいことがあるんだけど…』


ライナー『アニか。どうしたんだ?』


アニ『最近、あいつが妙に突っかかってくるんだよ』


ライナー『あいつって…? エレンか?』


アニ『…///』コクリ


22: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 14:23:25.30 ID:JJdyzseQ0


ライナー『ははっ、こないだお前にけしかけたせいかな』


アニ『…あいつはあたしに勝つまで勝負する気なの?』


ライナー『さぁな。そりゃあ本人に聞かなきゃ分からんだろうが』

ライナー『エレンの奴、負けず嫌いだからなぁ』


23: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/09(木) 14:25:34.11 ID:JJdyzseQ0


アニ『そっか。ありがと』


ライナー『なんだ? 相手にするのが面倒なのか?』


アニ『…別に。そんなんじゃない///』スタスタ


ライナー『……まさかな』

27: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 22:30:17.19 ID:NEsdibxw0




ライナー「最初は俺もまさかと思ったんだが…」

ライナー「アニの奴、それから毎晩ああして訓練してんだぜ」クックック


ベルトルト「ふーん…」


ジャン「それで、何でライナーはそれをエレンに教えたんだ?」


アルミン「確かに疑問だね。エレンがこうしてアニの特訓を見れば」

アルミン「エレンがあの足技に対して対策を思いついてしまうよ」


28: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 22:35:47.16 ID:NEsdibxw0


ライナー「そうだな。もしエレンがアニに勝つことがあれば、もうエレンはアニに挑戦しなくなるかもしれないが…」


ベルトルト「それじゃ、せっかくのアニの特訓が裏目になっちゃうね」


ジャン「ちっ! 余計なことするなよな。エレンとアニがくっつきさえすれば…」


アルミン(たとえエレンとアニがくっついいてもジャンにミカサが惹かれるとは思えないけど…)


29: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 22:44:03.83 ID:NEsdibxw0


アルミン(でも、疑問が残るのは、何故ライナーがエレンにアニのことを教えたか)

アルミン「何か考えがあるんだね。ライナー」


ライナー「考えって程のもんじゃないけどな」

ライナー「今後の格闘訓練も見方が変わって楽しいだろう?」


ベルトルト「それはそうだけど。それだけかい?」


ライナー「まぁ、見てなって」


30: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 22:57:45.48 ID:NEsdibxw0



~数日後~ 対人格闘術・訓練中






エレン「へへっ、今日も相手してもらうぜ。アニ」


アニ「…こりないね、あんたも」

31: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 23:06:49.65 ID:NEsdibxw0


アニ(マズイ、最近こいつ何だかあたしの足技に慣れてきてる)

アニ(このままじゃ負けるかも……)


ライナー「おっ、エレンとアニが始めるみたいだな」


アルミン「あれから随分日も経ったし、そろそろエレンが勝つかもしれないね」


ベルトルト「うん。最近のエレンの動きは尋常じゃないよ」


32: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 23:16:43.75 ID:NEsdibxw0


ミカサ(…頑張れ、エレン)


ジャン(エレン、負けろ! 負けろ!)


エレン「せっ!」


アニ「っく!?」


エレン「はっ!」


アニ「っ!?」


33: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 23:21:24.05 ID:NEsdibxw0


エレン(これは、いける!?)

エレン「うらっ!!」


アニ(まずいっ!?)

アニ「…あっ」ドサッ


エレン「や、やった…」

エレン「へへっ、ついにアニから一本取ったぞ!」


34: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 23:29:43.28 ID:NEsdibxw0


アニ(ま、負けた…)ヘナヘナ

アニ「…」グスッ


エレン「!?」

エレン(な、泣いてんのか? そ、そんな悔しかったのか?)


アニ「…やるじゃないか。まさか負けるとは思ってなかったよ」


35: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 23:35:51.60 ID:NEsdibxw0


エレン「アニ。お前…」


アニ「何?」キッ


エレン「い、いや…」

エレン(気のせいか? 確かに泣いてるように見えた気がしたが…)


アニ「…さぁ、次はあいつに勝つ番だよ」

アニ「ずっとこっち見てるし、そろそろ行ってあげたら?」

36: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/11(土) 23:39:05.04 ID:NEsdibxw0



ミカサ(さすが私のエレン。必ず勝つと信じていた)

ミカサ(そして、次は私の番のはず。早くエレン。早く)ブツブツ


エレン「あー…、ミカサとはまた今度にする」

エレン「アニ、もう一回やろうぜ」


アニ・ミカサ「!?」


42: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 21:54:49.66 ID:4NE1mgLY0


アニ「…どうして?」


エレン「一回勝っただけじゃ、本当の実力か分からないだろ?」

エレン「それに、俺アニが一人で特訓してるの見てたから、対策を考えられたんだ」

エレン「だから自分の力で勝てたのか、あんまり自信が無い」


アニ「…!?」

43: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 22:06:54.81 ID:4NE1mgLY0


アニ「……知ってたの?」


エレン「ああ。実は、ライナーが教えてくれてな」

エレン「アニって、本当は凄く格闘術が好きなんだなってのが伝わってきた」

エレン「やっぱり、父さんのこと好きなんだろ?」


アニ「…別にそんなんじゃない///」


44: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 22:20:47.05 ID:4NE1mgLY0


アニ「あたしはただ、あんたに教えるなら、もっと上手でないといけないかと思って」


エレン「ははっ、アニって意外と優しいんだな」


アニ「意外は余計だよ…///」


エレン「…なぁ、もしアニが嫌じゃないならでいいんだけど」

エレン「俺も夜の特訓に付き合ってもいいか?」

エレン「アニが特訓してるのずっと見てたから、体が疼いて仕方ないんだ」


45: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 22:27:58.20 ID:4NE1mgLY0




ミカサ「」


アニ「…///」


アルミン(え、エレン…)アセアセ


ライナー(別の意味に聞こえてしまうな)クックック


ベルトルト(本人はそんなつもり全くないのにね)ヒソヒソ


ジャン「よしっ! よしっ!」


46: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 22:33:32.76 ID:4NE1mgLY0



アニ「あ、あんたが、どうしてもってんなら…///」


エレン「うしっ! じゃあ、今日から俺も一緒に訓練させてもらうな」


アニ「ああ、手加減しないからね?」


エレン「望むところだ!」


47: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 22:47:08.76 ID:4NE1mgLY0



ミカサ「」


アルミン(今はミカサに近づかない方がよさそうだ…)ソロー


ミカサ「アルミン。ちょっと話がある」


アルミン「」


48: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:02:59.52 ID:4NE1mgLY0




夕食後






アルミン(はぁー…、結局二人の監視を付きあわさせられることになった)

アルミン(元を辿ればライナーの責任なのに、何で僕が)


ミカサ「アルミン。エレンはあの女に騙されてる可能性がある」


アルミン「えーと…、騙されてるってどういうこと?」


ミカサ「あの女はエレンと二人きりになることで、エレンの貞操を狙っている」


49: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:08:35.06 ID:4NE1mgLY0


アルミン「そ、そうかな? 僕には、二人は対人格闘の訓練をしているようにしか見えないけど…」


ミカサ「あの女はエレンを襲おうとするはず。そうなったら私は容赦しない」


アルミン(はぁー…、何事もなく終わればいいけど)







エレン「おっ! 来た来た」


51: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:22:43.83 ID:4NE1mgLY0


アニ「…また、随分早く来たね」


エレン「いてもたってもいられなくてよ。さぁ、始めようぜ」


アニ「じゃ、いつも通り組手から始めるかい?」


エレン「いや、今日はアニの足技をもっと近くで見てみたいんだ」

エレン「俺のことは気にしないでいいから、今までみたいに練習してみてくれ」


アニ「………そう///」


52: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:30:19.53 ID:4NE1mgLY0




アルミン(あれ? 組手をするんじゃないのか…)

アルミン「どうやら、アニの訓練を見学してるだけみたいだね…」

アルミン「これなら心配ないみたいだし、僕達は部屋に戻ったほうがいいんじゃないかな?」


ミカサ「アルミン。あなたはそんなに考え方が甘い人ではないはず」

ミカサ「当然、私には二人が離れるまで監視する義務がある」


アルミン(うぅ…。明日も朝早いのになぁ…)


53: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:39:41.38 ID:4NE1mgLY0




アニ「…ふぅー、ちょっと休憩するよ」


エレン「ああ。それにしても毎晩もよく続いたな」


アニ「これくらいはしないと、ね…///」


エレン「?」


アニ「…何でもないよ」


エレン「まぁいいや。じゃあ次は俺がするから、見ててくれないか?」


アニ「…中途半端な蹴りだと、後で容赦しないからね」



54: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:44:20.11 ID:4NE1mgLY0





アルミン(今度はエレンがミット打ちの番か…)

アルミン「ねぇ、ミカサ。組手も始めないし、今日はもういいんじゃないかな?」


ミカサ「…甘い」

ミカサ「あの泥棒猫は私たちがいなくなるのを待っているに違いない」


アルミン(この場所からじゃアニに僕達は見えてないよ。ミカサ)

アルミン(って、ああっ!? アニがエレンに近づいて…)

アルミン(どうやら動きの訂正をしてるみたいだけど、近すぎるよ!?)チラッ


ミカサ「」ゴゴゴゴゴゴ


アルミン(うっ…!? 胃が痛い…)



55: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:49:10.72 ID:4NE1mgLY0


エレン「こんな感じか…?」シュ


アニ「…大分いい感じだね」

アニ「もう遅いし、組手でもして終わろうか?」


エレン「よーし、手加減なしだぜ!」


アニ「ふっ、こっちのセリフだよ」



56: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/13(月) 23:52:37.21 ID:4NE1mgLY0





エレン「っぐわっ!?」


アニ「ふぅー…、今日の訓練はまぐれかい?」


エレン「っててー…。へへっ」


アニ「…なに笑ってんのさ?」


エレン「いや、ちょっと嬉しくてさ」

57: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/14(火) 00:01:13.64 ID:zeLUs1kd0

エレン「アニは俺の師匠っていうか、パートナーだからさ。やっぱこうじゃないと」


アニ「………//////」

アニ「はっ…! あたしのパートナーのつもりなら、もっと訓練しなよ///」


エレン「そうだな。これからもアニに特訓してもらうわ」ニッ

エレン「明日も同じ時間でいいか?」


アニ「す、好きにしなよっ///」スタスタ



66: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 20:51:07.32 ID:1EseXXm60



ミカサ「…っ」ゴゴゴゴゴゴゴ


アルミン「ひっ…!?」

アルミン(こ、これは本格的にマズイ状況になってきたぞ…)





~次の日~ 朝食時





アルミン「や、やあ。エレン、おはよう」


エレン「おう! アルミン、おはよ」


67: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 21:03:32.67 ID:1EseXXm60


アルミン「何かあったの? 朝からやけに元気だけど…」


エレン「へ? そうか? 特にこれといってないけどなぁ…」


アルミン「そ、そっか…。まぁ、元気なことはいいことだよね」ハハッ

アルミン(くっ、エレンは無自覚だけど、多分昨晩ことだよね…)

アルミン(このままじゃ、またミカサに付き合わされるよ…)


アニ「…」ジー


エレン「おっ! アニ! おはよ!」


68: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 21:12:40.28 ID:1EseXXm60


アニ「お、おはよう…///」


エレン「何だー? 元気ねぇな。これから朝飯だぜ」


アニ「こんな朝食で喜ぶのはあんたとあいつくらいのもんさ」


サシャ「パァン! 私のパァン!」ダダダダダダ

サシャ「早い者勝ちですよー!!」ダダダダダダ


エレン「ははっ。サシャは今朝も相変わらずだな」

69: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 21:19:10.63 ID:1EseXXm60


エレン「俺達もさっさと貰いに行こうぜ?」


アニ「はっ? ひ、一人で行きなよ。子どもじゃないんだから…///」


エレン「何だよー。アニまで子ども扱いすることないだろ?」

エレン「ほら、早く行こうぜ」スタスタ


アニ「あっ…。分かったよ」スタスタ


71: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 21:36:00.09 ID:1EseXXm60




アニ「よかったの? あんた?」


エレン「ん? 何がだ?」


アニ「ほら、あの子と一緒じゃなくて」


エレン「…ミカサか? 何でかみんなそう言うけどな、あいつはただの家族なんだ」

エレン「いつまでもべったりじゃお互いに困るだろ?」


アニ「……そう」


72: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 21:48:32.61 ID:1EseXXm60


アルミン(ああ、朝からフラグを立てるのが上手だね、エレン)

アルミン(でも、そのせいで別のフラグが立ってることにも気づいてくれよ!)


ミカサ「」ゴゴゴゴゴ




対人格闘術・訓練中



エレン「せっ!」


アニ「ふっ!」


73: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 21:58:31.37 ID:1EseXXm60


エレン「くっ!」


アニ「…甘いよ」


エレン「なっ…! ぐはっ!?」ドサッ


アニ「ふぅー…、あんたにしてはらしくないミスだね」


エレン「ちくしょー…、その技は出さないと踏んでたんだけどな」

74: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 22:21:53.21 ID:1EseXXm60

エレン「っと、もうこんな時間か。そろそろ戻らないとな」


アニ「そうだね。いつまでも座ってないで、早く立ちなよ」


エレン「ん? 今日は待っててくれんのか?」

エレン「うしっ! じゃあ一緒に戻るか」


アニ「…///」

アニ(しまった…。いつもはこいつ置いて帰ってるんだった)スタスタ


ライナー・ベルトルト・ジャン「…」ニヤニヤ


アルミン(もうこれ以上は抑えていられないよ。僕の胃痛もミカサも!!)


ミカサ「」ゴゴゴゴゴゴゴ


75: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 22:31:21.15 ID:1EseXXm60


夕食後




アルミン「ねぇ、エレン。ちょっといいかな?」


エレン「ん? どうかしたのか? アルミン」


アルミン「少し話したいことがあるから、人のいないところで…」


エレン「ああ。いいけど、俺この後用事あるから、手短に頼むぜ」


76: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 22:41:33.08 ID:1EseXXm60





アルミン「エレン。単刀直入に聞くけど、アニのことをどう思ってるんだい?」


エレン「…何だよ、急に。アルミン」


アルミン「聞かせてくれないか? エレンの考えを聞くことができれば」

アルミン「その、僕も手伝えると思うからさ…」


エレン「気付いてたのか…?」


77: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 22:59:06.86 ID:1EseXXm60


アルミン「うん」


エレン「他の奴らは?」


アルミン「それはどうか分からない。今のところ、僕は他の人には話してないよ」


エレン「そうか…。まぁ、アルミンになら言えるかな…」

エレン「実を言うと俺、アニのことが好き、なんだと思う」


アルミン「やっぱりね。そうだと思ってたよ」


エレン「俺ってそんなに分かりやすいかな?」


78: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 23:16:03.10 ID:1EseXXm60


アルミン「いや、僕以外に気付いてる人はいなさそうだから、そんなことはないと思うよ」

アルミン「それより、どうするんだい?」


エレン「ど、どうするって?」


アルミン「アニに告白するのかい? それともこのまま何もせず離れ離れになりたいのかい?」


エレン「そ、そんな、急に言われてもな…」

エレン「俺だって、まだ自分の気持ちが分かんないんだよ」

79: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 23:21:45.00 ID:1EseXXm60


アルミン「エレン。昔、話してくれただろ?」

アルミン「この残酷な世界で生きて行くためには、戦って勝つしかないって」

アルミン「僕には、今こそ戦うときだって思うよ?」


エレン「アルミン…」


アルミン「他のことは、僕が何とかできると思うから…」

アルミン「エレンは、エレンの思う道を進んでほしい」


83: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 23:30:28.99 ID:1EseXXm60


エレン「…ありがとう」


アルミン「それじゃ、特訓頑張ってね」


エレン「ああ、行ってくる。アルミン、お前が友達で本当に良かったぜ」タッタッタ


アルミン「さて、僕も戦わなくちゃね…」


84: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 23:44:54.07 ID:1EseXXm60





ミカサ「アルミン! 一体どこにいたの?」

ミカサ「急がないとエレンがあの女狐に襲われてしまう」


アルミン「ミカサ! もう止めよう」


ミカサ「…何を言っているの?」


アルミン「こんなことを続けてもエレンは振り返ってくれないさ」

アルミン「ミカサ。君はもっと正々堂々と戦うべきだよ」

85: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/18(土) 23:52:58.10 ID:1EseXXm60


ミカサ「アルミン。あの女狐に脅されているの?」


アルミン「違うよ! ミカサ、僕は確かに君の友達だ」

アルミン「そして、エレンの友達でもあるんだよ」


ミカサ「…」


アルミン「君達二人の気持ちを知った以上、僕にはどっちかを選ぶことなんてできなくなってしまったんだ」

アルミン「だから、ミカサ。僕にできる最後の助言だよ」

アルミン「もう、こんなことは止めよう」


86: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:00:22.83 ID:dooMhRAk0


ミカサ「でも、それじゃエレンが…」


アルミン「エレンももう子どもじゃない」

アルミン「自分のことは自分で決めるし、自分の身は自分で守るさ」

アルミン「だから、ミカサも家族としてでなく、一人の女の子としてエレンに接してみようよ?」


ミカサ「…分かった」

ミカサ「アルミンがそこまで言うのなら、私もそうしよう」

87: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:06:36.46 ID:dooMhRAk0


ミカサ「でも、あの女狐がエレンを傷つけたら、削ぐ…」


アルミン「」ゾクッ

アルミン(と、とりあえずこっちはなんとかなったかな?)

アルミン(後は任せたよ! エレン)


88: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:14:49.94 ID:dooMhRAk0





アニ「…遅い」


エレン「…はぁ、はぁ。すまん、遅れた」


アニ「昨日はえらくやる気だったのにね」


エレン「ちょっと野暮用があってな。さぁ、始めようぜ」


アニ「まだいいよ。息が切れてる状態でやったってしょうがないし」


89: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:19:05.52 ID:dooMhRAk0


エレン「…やっぱアニって優しいよな」ニッ


アニ「…///」


エレン「なぁ、アニ」


アニ「…なに?」


エレン「アニは憲兵団を希望してんだよな?」


アニ「…そうだけど?」


90: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:32:18.19 ID:dooMhRAk0


エレン「なんで憲兵団になりたいんだ? やっぱ内地で暮らしたいからなのか?」


アニ「……そうだよ」


エレン「じゃあ訓練が終わったら、アニとは会えなくなっちまうなー…」


アニ「あんたは、やっぱり調査兵団に行くの?」


エレン「ああ。この世界の巨人共を駆逐してやるんだ」


アニ「ねぇ…」

アニ「あんたの夢ってなに…?」


91: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:52:34.72 ID:dooMhRAk0


エレン「え?」


アニ「別に巨人を駆逐することだけが、夢じゃないだろ?」


エレン「あ、あぁ。まぁな」


アニ「巨人を殺して、その後どうするの?」


エレン「そんなの決まってる。壁の外を探検するんだよ!」

エレン「今は、壁から少し離れた場所までしか人類は進めないけど」

エレン「いつか、もっと遠くまで旅ができる日が来るはずなんだ!」


92: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:55:34.46 ID:dooMhRAk0


アニ「…それがあんたの夢?」


エレン「ああ。知ってるか? アニ」

エレン「壁の外には、使いきれないほどの塩水の湖や、氷の大地、この世界を見渡せるほど高い場所もあるんだってよ」

エレン「俺は、絶対に見てみせるぜ!」


アニ「……そう」


エレン「アニは何か夢はないのか…?」


アニ「夢、ね…」

93: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 00:59:00.71 ID:dooMhRAk0

アニ「そんなのがあったら、あんたみたいに生きていけるんだろうね」

アニ「ちょっとだけ、あんたが羨ましいよ」


エレン「そっか…」

エレン「なぁ、アニ。もし俺が調査兵団に入って、この世界の巨人たちを駆逐した後に」

エレン「お前も俺も生きていることができたら、その、一緒に世界を見て回らないか?」


アニ「…!?」

アニ「あ、あたしと…?」


94: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 01:03:00.10 ID:dooMhRAk0


エレン「ああ。いつになるか分からない、ずっと先の話だけど」

エレン「アニが嫌じゃないなら、この世界が美しいってことを知ってほしいんだ」

エレン「それまで、俺が生きてたらの話だけどさ…」ハハッ


アニ「ありがと。嬉しいよ…///」


エレン「…///」


96: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 01:11:48.40 ID:dooMhRAk0





教官「貴様ら!! 就寝時間はとうに過ぎてるぞ!!」


エレン・アニ「!?」


エレン(げっ!? きょ、教官だっ!?)


アニ(ちっ…)


教官「規律を破ってまで訓練したいというのなら、貴様らに特別訓練を施してやらんこともないが…?」


97: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 01:16:43.06 ID:dooMhRAk0

エレン「し、失礼しました!」


アニ「…」


教官「ふん…。貴様らの処分は後日決める。とっとと寮へと戻らんか!」


エレン「はっ! 失礼します!」


アニ「…はっ」

98: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 01:24:39.36 ID:dooMhRAk0



エレン「すまん、アニ。話が長引いて、お前にまで迷惑かけちまった」


アニ「別に、気にしてないよ。あたしのせいでもあるし…」


エレン「しばらくは、夜の訓練は控えたほうがよさそうだな」


アニ「…そうだね」


エレン「はぁー…、っと、俺はこっちだ。また明日な」


アニ「…ねぇ」


99: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 01:29:35.51 ID:dooMhRAk0


エレン「ん? どうかしたか?」


アニ「さっきの話、信じるから」


エレン「?」


アニ「あたしと旅するんだろ? 死ぬんじゃないよ。エレン///」スタスタ


エレン「…ああ、死なねぇよ。アニ///」





アニ(今はまだ、あんな口約束でもかまわない)

アニ(あたしにも、夢ができたから…///)

100: ◆d2J/m6gXS6 2013/05/19(日) 01:32:07.29 ID:dooMhRAk0
だらだら長引いて申し訳なかったがこれで完結
読んでくれた方ありがとうございます