2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 03:48:51.59 ID:yQFrW8E5O
ー手に入れてしまったよ
お目当てのあの娘をー
貴方はそんな風に思っているんでしょうか?
でもそれは、私も同じ。
貴方が、ずっと欲しかったんです。

引用元: 美波「Kissin' In The Dark」 

 

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3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 03:50:13.49 ID:yQFrW8E5O
外に出て空を見上げると、声が出ないくらいの満天の星空。
星が一つ流れました。
でも、願い事は叶いましたから、今の私にとりあえず願うことはなさそうです。
いつも見上げる夜空はもっと暗いのに、今日は私達の想いのように、
星たちを惜しげもなく見せます。
暑くて嫌になるようなこの夏の夜も
、今は抱き締めたい。
貴方に積もり積もったこの想いを、
打ち明けるきっかけになってくれたんだもの。

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 03:52:51.07 ID:yQFrW8E5O
きっと貴方は、今晩もギターの代わりにパソコンを持って、仕事と格闘するんでしょう?
でも、今日だけはダメです。
今日だけは、私を見て。
どうか、貴方の想いを聞かせて。

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 03:56:09.15 ID:yQFrW8E5O
散歩、したいんです。
と私がいうと、貴方はすぐに来てくれました。
撮影でもなければ、こんな場所には来られませんもの。ね?
手を繋ぐと、少し冷たい貴方の手。
心が暖かい人は、手が冷たいんですって。
私がそう言うと、貴方は照れたように笑いました。

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 03:58:33.17 ID:yQFrW8E5O
海沿いの道に出て、遠くに対岸の街の灯が見えても、二人無言のまま。
でも、居心地がいい静寂です。
貴方もそう思ってくれてるのは、
たまに横顔を見るとよくわかるんですよ?
でも、出来ることならこの胸のときめきを、貴方にも知って欲しい。
こう思ってしまうのは、ワガママ、
なんでしょうか。
街灯がなくなって、貴方の顔も朧げにしか見えなくなったところで、
私は少し背伸びして、貴方と唇を重ねました。
今は、これが私にできる精一杯。
ときめき、伝わりましたか?
驚いた顔を見る限り、その心配はなさそうです。
唇を離すと、せつなさそうにしている貴方がいます。
愛しくて、もう一度唇を重ねます。
まるで今までの想いが全て唇から伝わるようでした。

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:03:25.18 ID:yQFrW8E5O
何度も何度も、もう貴方と私の区別がつかなくなる位に唇を重ねた後、
ようやく唇は離れました。
良いものですね、キスって。
クセになりそうです。
だいぶ夜目が効いてきて、貴方の顔もはっきり見えます。
目が合うと、優しく微笑んでくれました

そうやって私の心を掴もうとしたって、無駄ですよ?
もう、完全に掴まれちゃってるんですから。

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:09:41.99 ID:yQFrW8E5O
宿への帰り道、貴方は今日の仕事の話を持ち出してきました。
仕事の出来、反省、監督さんが褒めてくださったこと、そして、一緒に仕事した娘のこと。
私の中で言いようのない気持ちが、むくむくと頭をもたげます。
仕方ない、と心の中で思いつつも、私はその気持ちを抑えられませんでした。

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:13:53.62 ID:yQFrW8E5O
不意に立ち止まった私を見た貴方の不思議そうな顔に背伸びして、また唇を奪い、すぐに離します。
他の娘の話は、今はイヤ、なんです。
私がそう言うと、貴方はゆっくりと私の頭を撫でてくれました。
この気持ちが独占欲でしょうか?
だとしたら、私は面倒臭い女だと、そう、思われてしまうんじゃないんでしょうか。
そんな気持ちを見透かしたように、貴方は私の体を抱きしめ、愛の言葉を囁いてくれました。
私もその胸に体を預け、安らかな気分になるのを、ただぼんやりと知覚していました。

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:17:40.81 ID:yQFrW8E5O
宿に帰って部屋に入ると、貴方は外にある椅子に腰掛けました。
私も隣の椅子に座って、一緒に空を見上げました。いつ間にか地平線の上に、満月が浮かんでいます。
そして、また心地よい沈黙が私達をゆっくりと包みます。
ふと示し合わせたように、お互いに横顔を見ようとして、目が合いました。
ふとおかしくなって漏れ出た、二人分の控えめな笑い声は、すぐに夜空へと溶けて行きました。

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:22:11.46 ID:yQFrW8E5O
夏の恋は短い。
夏の終わりは別れの時。
人はよくそう言います。
そんな季節に始まった恋は、少しだけ、特別な気がしませんか?

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:25:15.16 ID:yQFrW8E5O
ねぇ、プロデューサーさん?
今、私は幸せなんですよ?
こうしてアイドルをしていること。いろんな人に喜んでもらえること。
でも、そんな日々には必ず終わりが来るのはわかっています。
その時、貴方はこの手を取ってくれますか?

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:27:46.27 ID:yQFrW8E5O
...ふふっ、その答えを聞いて安心しました。


ねぇ、プロデューサーさん?
今私が幸せなのは、何よりも貴方のそばにいられるからなんですよ?


ウェディングドレスに身を包んで、貴方の隣に並ぶ日、待ってますから。


あ、そういえば...

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/30(日) 04:31:26.63 ID:yQFrW8E5O
「ウオォーン♪」
「どうした美波?いきなり月に向かって遠吠えの真似なんかして...?」
「...ふふっ、こうすると幸せが増えるらしいですよ?」


fin