1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 20:40:34.79 ID:n7pw+o2ro
卯月「あ、おはよう凛ちゃん!」

凛「あ、あのさ……二人に、話しておきたいことがあって」



卯月「プロジェクト、クローネ……」

未央「迷ってるってどういうこと?」

凛「………」

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引用元: 渋谷凛「可能性の獣」 

 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 20:41:50.77 ID:n7pw+o2ro
未央「迷う必要なくない?これから皆で立ち向かおうって時じゃん!」

凛「感じたんだ……奈緒と加蓮と歌った時に、新しい何かを」

未央「じゃあニュージェネはどうするの……?」

凛「辞めない!掛け持ちして、何とか……」

未央「しまむーはどう思う?」

卯月「私……私、分かりません……」

凛「………」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 20:43:32.45 ID:n7pw+o2ro
~翌日~


凛「………」

卯月「おはよう、凛ちゃん」

未央「おはようしぶりん!」

凛「あのさ……二人に、話しておきたいことがあって」

卯月「え……?」

未央「また?」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 20:45:15.25 ID:n7pw+o2ro
凛「………」

未央「……迷ってるって、どういうこと?迷う必要なくない?」

凛「感じたんだ……新しい何かを」

未央「しまむーはどう思う?」

卯月「……私より、そこの二人に聞いた方がいいと思うんですけど」



加蓮「ちょっと凛!一体どういうこと!?」

奈緒「リハをキャンセルって……こないだは大丈夫だって言ってたろ!?」

凛「えっと……」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 20:49:17.15 ID:n7pw+o2ro
~昨日~


瑞樹「ちょっといいかしら」

凛「え?」

瑞樹「あなた、プロジェクトクローネに入るってホント?」

凛「まだ、そういう訳じゃ……」

楓「これを」スッ

凛「温泉の……無料券?」


トゥンク…


凛「……!」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 20:52:25.48 ID:n7pw+o2ro
凛「という訳なんだけど」

奈緒「どういう訳だよ!?」

未央「……何で温泉のタダ券にときめいたの?」

凛「あの二人、新しくできたプロジェクトクローネにエールを送ろーねって話してたみたいで……」

凛「偶然にも券が余ってたから、一緒に行かないかって誘われて……」

凛「それで一緒に露天風呂に入ってたら、酔った二人が『私達とユニット立ち上げましょう』って話になって」

卯月「券もらってからの行動が早すぎませんか?」

凛「新しい何かを感じたから、それを確かめたいと思って」

加蓮「………」

凛「だ、大丈夫だから。また掛け持ちになるけど、何とか……」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 20:57:14.50 ID:n7pw+o2ro
~廊下~


凛「はぁ……加蓮、怒らせちゃったかな」

凛「でも、自分の気持ちには正直でいたいし……」



みく「だからヘッドホンやめるにゃ!せめてイヤホンにするにゃ!!」

李衣菜「異物感がすごいんだよイヤホンは!音質も下がっちゃうし!」

みく「そんなの関係ないにゃ!ヘッドホンのせいで人の話聞いてない風に見えるから外せって言ってるにゃ!」

李衣菜「つ、つけてる時もちゃんと聞いてるし!ヘッドホン無くしてロックはあり得ないから!」

みく「じゃあ解散にゃあー!!」


トゥンク…


凛「……!」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:03:09.84 ID:n7pw+o2ro
~翌日~


凛「………」

未央「迷ってるって、どういうこと?迷う必要なくない?」

凛「感じたんだ……新しい何かを」

奈緒「マジかよ……」

加蓮「とりあえず、そのヘッドホン外してよ」

凛「それはちょっと無理かな」

加蓮「………」

未央「しまむーはどう思う?」

卯月「凛ちゃんって感受性が豊か過ぎますよね」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:05:27.37 ID:n7pw+o2ro
凛「今更だけど、ロックもいいかなって思って……」

未央「本当に今更過ぎるよしぶりん」

卯月「李衣菜ちゃん、今までずっとロックのアピールしてましたからね……」

加蓮「私達とじゃ、そのロックはできないの?」

凛「………」

奈緒「つーか、ロックってそもそも何なんだ?」

凛「……また掛け持ちになるけど、ちゃんと何とかするから」

奈緒「なぁ、ロックって」

加蓮「奈緒はちょっと黙ってて」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:09:56.31 ID:n7pw+o2ro
~廊下~


凛「……加蓮、また怒らせちゃったかな」

凛「でも、自分の気持ちには正直でいたいから……」



美波「ソロデビューの話を聞いたから、今まで頑張ってきたのに……!」

美波「私にメイド服着せて!こんなこと!させたかっただけだなんてっ!」ピシーン

武内P「ありがとうございます」

美波「夏は蘭子ちゃんに代わられ!秋は別々のソロデビュー!まるで私とアーニャちゃん、不仲みたいじゃない!」

武内P「その結果は当然のもn」

美波「プロデューサーさんっ!」バシーン

武内P「ありがとうございます」


トゥンク…


凛「……!」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:14:09.22 ID:n7pw+o2ro
~翌日~


凛「………」

未央「迷ってるって、どういうこと?迷う必要なくない?」

凛「感じたんだ……新しい何かを」

奈緒「……これがボンテージってヤツかぁ。ちょっと際どくないか?」

加蓮「………」

未央「しまむーはどう思う?」

卯月「冬に予定されてるのは仮面舞踏会でしたっけ?」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:17:25.20 ID:n7pw+o2ro
凛「うまく言い表せないんだけど……鞭で引っぱたいたり、罵倒もしてみたくなって」

未央「それをアイドル活動でやるのはちょっと冒険過ぎると思うよしぶりん」

卯月「キラキラじゃなくてギラギラしてますしね」

凛「そうかな?プロデューサーも進んでやってたみたいだけど……」

加蓮「……ちょっと頭痛がしてきた」

奈緒「大丈夫か加蓮?救急車呼んだ方がいい?」スッ

加蓮「呼ばなくていいから。すぐケータイ出して呼ぼうとするのやめて」

凛「今回はソロデビューになるけど、これも掛け持ちしていくから……」

未央「やりたいことあり過ぎるのは分かるけどさ……ホントに大丈夫?」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:23:07.95 ID:n7pw+o2ro
~廊下~


凛「……未央を心配させちゃったかな」

凛「でも、自分の気持ちには正直で……」



蘭子「ククク……魔王の居城たるこの地に、自ら足を踏み入れるとは……」

蘭子「我自ら、憐れな子羊どもを出迎えよう」

ベテラントレーナー「そこ、もっと威厳を出す!」

蘭子「我自ら、憐れな子羊どもを出迎えよう!」

ちひろ「うーん……やっぱり一度、お空の上に行かせた方が良さそうですね」


トゥンク…


凛「……!」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:28:45.36 ID:n7pw+o2ro
~翌日~


凛「胸の内が、蒼くなるような……新しい何かを、感じたんだ」

未央「昨日も思ったんだけどさ。気合入れて衣装着てるのに迷ってるって、どういうこと?」

加蓮「あの……青くなるって、どういう意味?」

凛「青じゃなくて、蒼だよ」

未央「しまむーはどう思う?」

卯月「えっと……さっきの必殺技?なんて言いましたっけ」

凛「アイオライト・ブルー」

卯月「え?」

凛「蒼の剣、アイオライト・ブルー」キリッ

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:35:09.68 ID:n7pw+o2ro
奈緒「つーかお空の上って何なんだ一体……」

凛「ファータ・グランデ空域だよ」

奈緒「いや、そう言われても分かんねぇよ」

加蓮「一応聞くけど……蒼くなる何かって、私達とじゃ感じられないの?」

凛「……ローマかヴェネツィアに行ければ、多分」

未央「何でローマとヴェネツィア?」

凛「よく分からないけど、何か……足跡を、残せるような気がして」

卯月「凛ちゃんがちょっと何を言ってるのか分かりません……」

凛「……これもソロデビューになるけど、何とか掛け持ちしてみせるから」

未央「え、またソロデビューするの?」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:44:53.17 ID:n7pw+o2ro
~廊下~


凛「……未央達に呆れられちゃったかな」

凛「でも、自分の気持ちには正直……」



武内P「渋谷さん。今お話をしても、よろしいですか?」

凛「いいけど」

武内P「その……自主性を尊重したいのは、やまやまなのですが」

武内P「これ程のユニットを掛け持ちされるとなると、流石に……」

凛「いけない?」

武内P「……いけないという訳では、無いのですが」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:49:20.95 ID:n7pw+o2ro
凛「私は、新しい何かを感じたから。だから……」

武内P「全部に、ですか」

凛「うん。全部に」

武内P「しかし……」

凛「さっきから何が言いたいの?」

武内P「………」

凛「答えてよ、プロデューサー」



武内P「……私は、渋谷さんが心配なんです」


トゥンク…


凛「……!」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 21:55:03.72 ID:n7pw+o2ro
~翌日~


凛「………」

未央「………」

卯月「………」

加蓮「………」

奈緒「ほ、惚れちまったってのか?鞭打たれて感謝する変態に?」

凛「……だって、新しい何か……可能性を感じたから」

未央「そのうち可能性に殺されるよ、しぶりん」

加蓮「私もそう思う」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 22:09:32.07 ID:n7pw+o2ro
凛「……アイドル活動と、何とか両立していければと思ってるんだけど」

加蓮「出来なくはないとは思うけど……」

奈緒「外にバレちまったら大変だろ?プロデューサーと付き合ってたなんて、スキャンダルだよな完全に」

凛「それでもこの気持ち、大事にしたくて。今でも抑えられてるのが、不思議なくらいだし……」

未央「しぶりんは自分の気持ちに正直過ぎだって……しまむーはどう思う?」

卯月「………」

凛「卯月……?」



卯月「凛ちゃん!」ガタッ

凛「え?」

卯月「病院に行きましょう!」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 22:12:12.31 ID:n7pw+o2ro
未央「病院?」

卯月「ここ何日か、毎日胸がときめいてる訳ですよね?凛ちゃんは」

加蓮「……毎度毎度ときめくのは、心臓がおかしいからってこと?」

凛「まさか、そんな訳……」

卯月「ときめきじゃなくて発作なんですよ、きっと!」

未央「あー、それはあるかも……」

奈緒「お、救急車呼んどくか?」スッ

凛「ちょっと待って」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 22:19:40.32 ID:n7pw+o2ro
加蓮「一度、診てもらった方がいいんじゃない?そういう『可能性』だってあるし」

奈緒「可能性があるならまぁ、仕方ないよな」

凛「だから、私はどこも悪くなんか……!」

未央「それを確かめるためにもさ、ここで行っとこうよしぶりん」

加蓮「あ、病院ならいいトコ知ってるよ私」

卯月「善は急げです!行きましょう、凛ちゃん!」ガシッ



凛「……どうしてこうなったの……?」ズルズル

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/06(日) 22:33:03.66 ID:n7pw+o2ro
~翌日~


常務「ほう、新しい企画か」

武内P「ご検討下さい」

常務「どれ……」チラ



『緊急放送!入院中に倒れた、渋谷凛さんを偲んで…』



武内P「精密検査中の渋谷さんに、新しい可能性を感じたんです」

常務「却下する」

武内P「!?」



おわり