言峰「聖壺戦争」 前編

343: ◆nd9x4dt9shCh 2015/06/30(火) 01:12:56.33 ID:FP/LnN400
先に仕掛けたのはライダーの方であった

ライダーはワゴンカートを呼び出し、それに乗り込んだ


壺セイバー「…」グッ


そしてそのまま――大きく後ろにバックした


壺セイバー「は?」

壺ライダー「距離を詰めるわけ無いだろ!バーカ!」


そのままライダーはセイバーとの距離を保ちながら

セイバーを中心に円を描くように高速で周回し始めた

引用元: 言峰「聖壺戦争」  


Fate/stay night「Unlimited Blade Works」コミ るびー (IDコミックス DNAメディアコミックス)
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344: ◆nd9x4dt9shCh 2015/06/30(火) 01:14:22.81 ID:FP/LnN400
壺セイバー「!おい馬鹿やめろ!」ダッ

壺ライダー「もう遅い!オラァ!」ヒュン

壺セイバー「ウボァ!」ドガ


ライダーは高速で移動しながら、頭部にある球体

『エナジーボンボン』を投擲しセイバーに攻撃を仕掛けた


セイバー「飛び道具……!そうか、ライダーの主な攻撃手段は頭の球体の投擲。あれなら、接近しなくても攻撃できる」

壺ランサー「加えて、あの変な乗物による機動力のお陰で、攻撃のタイミングが掴めない」

壺ランサー「全方位から繰り出される予測の付かない一撃。さすがのブロントさんも手を焼くだろうさ」

セイバー「…ですが、あの球体の射程はそれほど長くないようです。だからこそライダーもあの距離を保っているのでしょう」

345: ◆nd9x4dt9shCh 2015/06/30(火) 01:16:11.23 ID:FP/LnN400
桜「その調子よ!頑張って、ライダー!」

壺ライダー「シャオラアアアアアアアアア!」ブン

壺セイバー「ちい!ウザイなお前!」キン


セイバーは、ライダーの攻撃を腕に、足に、背中に

全身の至る所に喰らい続けた

ライダーとしても一撃の重さよりも数を優先しているのか

攻撃の一つ一つのダメージはさほど大きくはなかった

しかし、一度手を合わせたことでライダーは確信していた

このセイバー相手には、『一撃』を当てようとするのは滑稽だと

耐久の高いセイバー相手に、こちらの渾身の一撃を放っても致命傷を与えられる保証はない

逆に、その一撃を凌がれ、攻撃後の隙に致命的なカウンターを喰らってしまう危険性の方が高い

ならば、数を稼ぐ。蓄積を重視する。一のダメージを数百と積み上げる。

この『メイン盾』に、微細なヒビが入るまで――

349: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/01(水) 22:36:53.62 ID:YBKyfFTU0
壺セイバー「いやこれハメでしょ?俺のシマじゃノーカンだから」

壺ライダー「私のシマでは立派な戦術だ!」ブゥン

壺セイバー「何か粘着がいつまで立っても鬼の首みたいに粘着してるが時代は進んでる」

壺セイバー「オラァ!」カン

壺ライダー「手で弾いたか。少しは目が慣れてきたのか?」

壺セイバー「その早さでは俺のところに投げるのがやっとといったところか。軌道を謎みたいに変えていないのがその証拠」

壺ライダー「だからどうした?貴様も弾くのがやっとではないか」ヒュン

壺セイバー「…」カン

壺ライダー「さっきまでの威勢はどうした!」ビュン

壺セイバー「…」キィン

350: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/01(水) 22:37:44.15 ID:YBKyfFTU0
壺ランサー「…妙だな」

セイバー「あなたも気づきましたか、ランサー。彼は何故か、剣を持たぬ左手でライダーの攻撃を弾いています。あれではいずれ左手が使い物にならなく…」

壺ランサー「それもそうだが…先程からライダーの動きがおかしい」


壺セイバー「そんなに馬鹿みたいに回ってるとお前はそのままバターになる」カァン

壺ライダー「ライダーのクラスは伊達ではない。この程度の速度、なんということは…」

壺セイバー「無理を隠そうと必死なのかバレてる証拠に笑顔が出てしまう」

壺セイバー「――俺の『攻撃』をくらい続けていたことにいい加減気づけよ」

壺ライダー「何…!?」

351: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/01(水) 22:38:25.77 ID:YBKyfFTU0
桜「…!?ライダー!接近しすぎよ!」

壺ライダー「ばっ…!?何だと!?」

壺セイバー「ナイトはライダーよりも高みにいるからお前らのイタズラにも笑顔だったがいい加減にしろよ」ダッ

壺ライダー「しまっ…」

壺セイバー「グランドヴァイパ!」ブンッ

壺ライダー「ちっ!」バッ

ズサアアアアア


セイバーの攻撃を躱すために、ライダーは自らカートから脱出した

主を失ったカートはセイバーの元へ突進し、グラットンソードの餌食となった


壺ライダー「ハァ…ハァ…。そうか、その左手…電撃を帯びていたのだな」ヨロッ

壺セイバー「前も喰らっていたのだからもっと早く気づくべきだったな?お前調子ぶっこきすぎてた結果だよ?」


士郎「せ、セイバー…宝具の乱発はやめふぇ下さい(瀕死)」

352: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/01(水) 22:40:37.16 ID:YBKyfFTU0
壺ランサー「成程。ライダーのあの頭部の武器は…毎回生成しているわけではなく、持ち主の元へ戻るのだな。ブロントさんは前回の手合わせでそのことに気づいた」

セイバー「だからそれに宝具による電撃を蓄積させることで、ライダーの体に影響を与えた…というわけですか。意外と繊細な戦い方をしますね」

壺ランサー「それだけ油断ならない相手ということさ。だが…遂にライダーを引きずり下ろしたぞ」


壺ライダー「だがこの状況は…あの時と同じだな、セイバー!」ブゥン

壺セイバー「…」チャキッ


ライダーはエナジーボンボンをセイバーに目掛けて放った

セイバーは、本来片手剣であるグラットンソードを両手で構え、迎撃の体勢をとった

ボンボンがセイバーの間合いに入った瞬間、それを思い切り振り下ろした


壺ライダー「甘い!」


セイバーが攻撃を仕掛けると同時に、ボンボンは軌道を変えた

剣を躱し、そのまま高速でセイバーの頭部めがけて突撃していった


壺セイバー「――『グラットンスウィフト』!!」

353: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/01(水) 22:41:32.72 ID:YBKyfFTU0
その瞬間、セイバーの前方から大きな爆発を起こった

いや、正確には爆発ではなく、セイバーの渾身の一振りによって

空気がバラバラに引き裂かれた事によって生じた空気の断層だった

剣の軌跡は真空状態を作り出し、辺りの空気を吸い寄せ、同時に猛烈な突風を発生させた

それはかまいたち、といった生易しいものではなく

小規模なブラックホールのようなものだった


範囲は剣の届くところまで、という狭さではあるが

その分比類無き威力を誇る、セイバーの最も得意とする『対人宝具』

ボンボンはアワレにもその一撃に吸い寄せられ、バラバラどころか欠片も残さずこの世から消滅した



シュウウウウ…

壺ライダー「…私の宝具が」

壺セイバー「優秀なクラス→宝具が充実→心が豊かなので性格も良い→彼女ができる」

壺セイバー「せこいクラス→宝具が雑魚→心が狭く顔にまででてくる→いくえ不明」


壺セイバー「――完 全 論 破」

354: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/01(水) 22:42:43.40 ID:YBKyfFTU0
壺ランサー「…決まったな。ブロントさんの勝ちだ」

セイバー「攻撃手段を全て奪われたとあっては…どうしようもありませんね」


壺ライダー「参ったな。私のチャームポイントだったのだが…」

壺セイバー「時既に時間切れ。俺はこのままタイムアップでいいんだが?」

壺ライダー「それはどうかな?セイバー、貴様それでいいのか?マスターを放っておいて」

壺セイバー「hai?…うおっ!?」

士郎「」

壺ライダー「宝具を使いすぎたな。このままではマスターが病院で栄養食を食べるハメになるぞ?」

355: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/01(水) 22:43:19.26 ID:YBKyfFTU0
桜「先輩!大丈夫ですか!?」

壺ライダー「いや、マスター。今はこっちの方を心配してくれると嬉しかなーって…」

壺ライダー「…コホン。コレで、貴様はしばらく宝具を使えない」

壺セイバー「…宝具がないお前ごとき素手で充分すぐる 不良だから喧嘩も強いしバイクもヘルメットかぶらないで乗る」

壺ライダー「宝具がない、か。本当にそうだったらよかったのだが」

壺セイバー「…?」


壺ライダー「我々の存在は、我々の意思とは関係なく多くの人間の信仰によって形作られたもの。セイバーよ、お前は想像したことがあるか」

壺ライダー「…自分の心象風景すら、第三者によって作られたものであるという苦しみが」


セイバー「心象風景…まさか…!?」


壺ライダー「――体は在庫で出来ている」

364: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/02(木) 20:45:31.84 ID:ykGl11i+0
~~~~

言峰「全く…彼らは本当に私を飽きさせないな」

壺アサシン「面白い展開になってまちゅね。まさかこのタイミングでライダーとセイバーが対決するなんて。これはバーサーカーたちにとっては都合のいい展開でちょうか?」

言峰「数で劣る分、バーサーカー・キャスター陣営は戦略を煉る必要がある。この段階での想定外の事態が吉と出るか凶と出るか。それは定かではないがな」

言峰「傍から見ている我々にとっては、楽しくて仕方がないといったところだ」

壺アサシン「…ところで、あたちはいつまでここで黒幕ごっこやってればいいんでちゅかね?そろそろ覗き見にも飽きてきまちた」

言峰「必要数のサーヴァントの魂(データ)が集まれば、もう戦いを続ける必要はない。その時に残ったサーヴァントを始末するため、お前には働いてもらう」

壺アサシン「……ひどい男でちゅね、マスターは」

言峰「不満はあるまい、お前たちはもともとそういうものとして生み出された存在だ。――さて、そろそろこの戦いにも決着がつきそうだ」

言峰「順当にセイバーの勝利、か。もともとライダーは敗北者として用意したサーヴァントだ。展開こそ楽しめたが、結末は陳腐だったな」

365: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/02(木) 20:46:38.08 ID:ykGl11i+0
壺アサシン「…その敗北者が、何かやらかそうとしてまちゅよ」

言峰「…奴に設定された攻撃パターンは全て出尽くした筈だが…?」

言峰「…!?――またか。サーバーに異常な負荷が…いや、違う。データ容量が不自然に増減している…!」

言峰「心象風景…固有結界を使おうとでもいうのか、ライダーは。それは何としてでも妨害せねばならんな」

壺アサシン「えっ。どうしてでちゅか?」

言峰「この世界そのものがネットワーク上に形成された固有結界のようなものなのだ。そこで別の固有結界を発動したらどうなることか」

言峰「…固有結界が同時に発動された例はかつて存在しない。最悪の場合、この世界が上書きされ、データが全て消失してしまう恐れもある」

言峰「やれやれ、また緊急処置だ。ライダーの魔力供給のパスを切断する」カタカタ

壺アサシン「前のアーチャーの場合は兎も角、GMが戦いの勝敗に関わる介入までするのはどうなんでちゅかね…」

言峰「たかが1サーヴァントの宝具ごときで、世界そのものが消されては敵わん。当然の行動だ」

言峰「観客を楽しませるのは結構だが…そのために劇場を吹き飛ばそうとするのは本末転倒だ。思い上がった役者にはここで退場してもらおう」

366: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/02(木) 20:47:25.06 ID:ykGl11i+0
~~~~

壺ライダー「…むっ。これはどういうことだ…!?」シュウウ

桜「ライダー!?体が…消えかかってる…!?」

壺ライダー「…マスターからの魔力供給が途絶えたようだ」

桜「えっ!?そんな筈は…」

壺ライダー「わかっているさ、マスター。魔力供給のパスをマスターが一方的に切ることなど不可能だ。令呪でも使わない限りはな」

壺ライダー「こんなことが可能なのは…システムそのものに介入する事ができるやつだけだ」

士郎「……言…峰…」ヨロッ

壺セイバー「おい馬鹿やめろ!マスターはもう少し休むべきそうすべき」

367: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/02(木) 20:48:26.00 ID:ykGl11i+0
壺ライダー「…ははは。偉そうなことを言っておきながら最後はこれか。迷惑をかけたな、マスター…」シュウウウ

桜「そんな…!そんなこと言わないで、ライダー!戦いに決着も付けずに終わりなんて…!」


桜「…そうだ。令呪なら…令呪は魔力の塊の筈」

桜「令呪を全部使うわ。令呪の魔力を、全てライダーに!」ポワアア


壺ライダー「…ありがとう、マスター。この魔力、大切に使わせてもらうぞ」

壺ライダー「さて、仕切りなおしだ、セイバー」

壺セイバー「…」グッ


壺ライダー「正真正銘最後の切り札だ。おそらく、勝っても負けてもな」

368: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/02(木) 20:48:57.64 ID:ykGl11i+0
――体は在庫で出来ている


血潮は権利で 心はミリオン


幾たびのクソゲーを越えて不買


ただの一人も客はなく


ただの一度も購入されない


彼の者は常に独り 在庫の丘で売り上げに酔う


故に、値段に意味はなく。


その体はきっと在庫で出来ていた。

377: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:18:40.02 ID:26V5X3xw0
ライダーが詠唱を終えると、世界は真っ白な光に包まれた

いや、正しく描写するなら、世界そのものが白く染まった、というべきだろう

先ほどまでライダー達が存在していた世界とは別の世界

ライダーの心象風景を具現化した世界

『固有結界』の中に、セイバー達は引き込まれた

----

セイバー「やはり…固有結界でしたか」

壺ランサー「これが固有結界…たしか、術者の心象風景を形にしたものだったな?」

壺ランサー「…その割には殺風景だな。何も無いじゃないか」

セイバー「展開型の固有結界も存在すると聞いたことがあります。…いえ、そもそもこの『聖壺戦争』内での固有結界が、外の世界のものと同じとは限りませんね」

士郎「おい…ライダー…勝手に人の詠sYうパクんなよ訴えられたいのか…!」ゼェゼェ

378: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:20:25.18 ID:26V5X3xw0
桜「この世界がライダーの心象風景…?…なんだか、寂しい場所ね…」


壺セイバー「「訳わからんね」「笑う坪どこ?」こんなのがお前の切り札かよ」

壺ライダー「その通りだ、セイバー。ここに引きずり込まれた以上、お前の勝利は」


ライダーが言葉を言い終える前に、セイバーは距離を詰めた

これがとてつもない大魔術であることを、セイバーは充分に理解していた

時間を掛ければ、相手の術中に嵌ってしまう

ならば、狙いはひとつ。相手のやりたいことをやらせずに、速攻で決着を付けてしまうこと

ライダーの気を引いたほんの一瞬、その一瞬でセイバーはライダーの目前に迫った

そして、その勢いのままにグラットンソードを



テキストがまだない

379: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:21:12.18 ID:26V5X3xw0
壺セイバー「…!?」

士郎「お、おいセイバー!何敵の目の前で仁王立ちしてるんだよ前歯へし折られたいのか!?」


壺セイバー「ま…マジでふざけンなよ!?」バッ


セイバーは再びグラットンソードを振りかぶり

テキストがまだない

テキストがまだない

テキストがまだない


壺セイバー「お、おいィ…これは…!?」


壺ランサー「…ブロントさんの様子がおかしい」

セイバー「絶好の好機なのに…何故敵の前で棒立ちになっているのですか…?」

380: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:21:58.11 ID:26V5X3xw0
壺ライダー「最後まで人の話を聞いておくんだな、セイバー。ここに引きずり込まれた以上、お前の勝ちはない」

壺ライダー「たとえ、お前が黄金の鉄の塊で出来たナイトだとしても…」グッ

壺セイバー「…!?バックステッ…!」ユラァ

壺セイバー「…!おいやめろ馬鹿!!」


壺ランサー「処理落ち、だと…!?このタイミングでか!?」

セイバー「そういえば、先程までと違い妙に体の動きが鈍いですね…」ギュッ


壺ライダー「ふんっ!」ブン

壺セイバー「ウボォ!」グシャ


ズシャアアアアアアア


壺ライダー「…物理の前では無力だ」シュウウウ

381: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:23:09.42 ID:26V5X3xw0
士郎「お、黄金の鉄の塊で出来たセイバーが、素手装備のライダーのパンチごときで吹き飛ぶはずがない!」

壺ランサー「…彼の言うとおりだ。耐久の高いブロントさんが、ライダー程度のパンチでダメージを受けるはずがない…!」

セイバー「この世界は、法則(ルール)を改変してしまうような効果があるのでしょうか…?」


壺ライダー「ルールを改変…?――違うな、それは間違っているぞ」

壺ライダー「法則?技術?世界観?詳細(ディティール)?バランス?」


壺ライダー「――そんなもの、『未実装』だ」

382: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:24:52.66 ID:26V5X3xw0
壺セイバー「ハァ…ハァ…粋がるなよ雑魚が」

壺セイバー「こっちが礼儀正しい大人の対応してればつけあがりやがってよ!」ダッ

桜「…!?ライダー!避けて!」


壺セイバー「ハイスラァ!」ブンッ

ザシュ

壺ライダー「――ハズレだ、セイバー」

壺セイバー「ちょ、ちょとsYレならんしょこれは……?」


セイバーは確実にライダーを両断できる一撃を繰り出したが

その攻撃はライダーから外れ、代わりにすぐ側の地面にヒビが入った

383: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:26:26.87 ID:26V5X3xw0
壺セイバー「このっ!このっ!」ブンッブンッ

壺ライダー「…気が済むまで続けるといい」


セイバーの剣は確実にライダーを捉えているが

攻撃は一つも命中しない

代わりに地面にヒビが増えるのみであった


セイバー「何故アレが当たらないのですか!?真正面じゃないですか!」

壺ランサー「…当たり判定がおかしい、というべきか。ブロントさんの攻撃は、先程から決まった数カ所にしか命中していない」

384: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:27:32.49 ID:26V5X3xw0
壺ライダー「気は済んだか?」
壺ライダー「ではそろそろ」


壺セイバー「…!?」


壺ライダー「「この戦いに決着を付けるとするか、セイバー」」


突如、ライダーが脈絡も無く2体に分裂し

2体同時に拳を繰り出してきた


壺ライダー「「ゆゆうじょうパパワー!」」


壺セイバー「ぬわーーーー!」


ライダーの攻撃により、セイバーは大きく吹き飛ばされた

セイバーは先程ライダーのパンチによって吹き飛ばされた時と同じ場所に落下した

どうやら、この結界内では、攻撃、移動共に判定箇所は数パターンしか用意されていないようだった

385: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/03(金) 23:28:53.65 ID:26V5X3xw0
壺ランサー「…なんなんだ!?この世界は…!」

セイバー「これが、ライダーの心象風景…。心に刻み込まれた情景、だというのですか…?」


壺ライダー「諸君、楽しんでいただけたかな?――いや、楽しめるわけもないか。こんなひどい世界では」

壺ライダー「そうだ、コレが…こんなものが、私の心象風景だ。そして、私を私たらしめるシンボルでもある」


壺ライダー「私の最大にして最悪の宝具――固有結界、『クソゲーオブザイヤー』」


壺ライダー「心ゆくまで…堪能してもらおうか」

400: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/05(日) 18:28:37.75 ID:cmYTEz8W0
壺ランサー「…『クソゲーオブザイヤー』、か。成程、それならばこの世界も一応は納得できるな」

セイバー「どういうことですか?ランサー」

壺ランサー「――『2ちゃんねる』に存在する『家庭用ゲーム板』内のとあるスレでは…その年一番のゲームを決定するために日々議論が行われている」

セイバー「一番のゲーム…それならば名誉なことでは?この世界と一体何の関係があるというのですか?」

壺ランサー「一番と言っても…一番の『クソゲー』、だがな。そしてライダーは、そのスレのマスコットキャラクターだ」

セイバー「……」

壺ランサー「その知名度は、もはや『2ちゃんねる』のみに留まらない。多くのサイトを通じて宣伝され、ネットユーザーの間では毎年の風物詩のようになっている」

セイバー「…それらによって多くの人からの信仰を得て、イメージが形成された存在がライダーであり…あの宝具である、ということですか」

壺ランサー「勿論、ライダーがサーヴァントとして呼び出されるほどの信仰を得たのは、もともと『2ちゃんねる』上でイメージが形成されていたからこそだ」

壺ランサー「だが、固有結界としてこの世界を作り上げるまでになってしまったのは、間違いなくそれらが原因だろう」

401: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/05(日) 18:29:13.64 ID:cmYTEz8W0
セイバー「ライダーが言っていた最悪の宝具、と言うのはそういうことですか…。自身の意志とは関係なく身につけてしまった、呪いのような力であると」

壺ランサー「この世界は、言ってみればクソゲーをクソゲーたらしめている要素の体現。全く、恐ろしい宝具だ」

壺ランサー「…だが、今ライダーは魔力供給を受けていない状態。この固有結界を…いや、ライダーの肉体を維持できるのも、令呪によるブーストが尽きるまでの間だけだ」

壺ランサー「言い換えれば、もうライダーの消滅は決定している。この状況でセイバーが倒されたら…こちらとしてはあまり好ましくない状況になるな」

セイバー「…ですが」

壺ランサー「わかってるさ、マスター。それでも私達は、この戦いに干渉しない」

壺ランサー「二人の死力を尽くした戦い。どんな結末を迎えようと、最後まで見届けるつもりだ」

402: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/05(日) 18:30:08.44 ID:cmYTEz8W0
壺セイバー「…」ムクッ

壺ライダー「流石に頑丈だな。だが、いつまで持つかな」

壺セイバー「…お前、それでいいのか?」

壺ライダー「…どういう意味だ?」

壺セイバー「このまま俺が何もしなければ、お前が消えるのは火を煮るより明らか。つまり俺はこのままタイムアップでいいんだが?」

壺ライダー「…」

壺セイバー「俺は体力もかなり高い。このまま攻撃を耐え続けるくらいチョロいもん。お前が自分から仕掛けてこない限り時既に時間切れ」

壺セイバー「俺が思うに、このクソゲー世界はお前にも制御できていないのではないか?暗黒っぽい力は自分でも制御できない系の話は稀によくあるらしいぞ?」

壺ライダー「…その通りだ。先程も言ったように、この世界に法則など未実装だからな」

壺ライダー「この世界に引きずり込まれた者は、皆、プレイヤーだ。…攻略に挑むプレイヤーに理不尽を突きつけ、破滅させる。それがこの宝具というわけだ」

403: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/05(日) 18:31:33.95 ID:cmYTEz8W0
壺セイバー「やはりナイトの洞察力は鬼の力といったところか」

壺ライダー「真のクソゲーというものは、実際にプレイしてみなければわからないものだ。ただの傍観者であれば、この宝具の効力は及ばない場合もある」

壺ライダー「…まぁ、それが正しいクソゲーへの対応なのかもしれないがな」

壺セイバー「…お前は何もわかってないな そのネガ丸出しな考えが雑魚の証」

壺ライダー「…何だと?貴様…!」

壺セイバー「お前には心を広くすることが必要不可欠。…マスター!俺にも令呪を使わせろ」

士郎「な、何ィ?」

壺セイバー「このままではマスターの寿命は魔力切れでマッハ。ライダーみたいに令呪の魔力を使わせろと言っているサル!」

士郎「や、やるます!」パァァ

壺ライダー「な…!?この宝具の特性を理解しているというのに、何をするつもりだ…?」


壺セイバー「『生半可なナイトでは使えないホーリ』!」カッ

404: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/05(日) 18:33:04.41 ID:cmYTEz8W0
ササッ

壺ランサー「ぐあああああああ!」バシュッ

セイバー「ラ、ランサー!?」

壺セイバー「ちい、外れたか…」


セイバーは、今回の聖壺戦争の中で最も多彩な宝具の使い手であった

その場その場の状況、戦いを挑む相手によって宝具を使い分ける事が可能であり、それが最大の強みとなっている

セイバーの有する宝具の中で、最も射程の長い『生半可なナイトでは使えないホーリ』をライダーに対して発動したが

何故か射線上にランサーが割り込み、攻撃が遮られた


セイバー「ランサー、大丈夫ですか!?」

壺ランサー「あ、ああ…対魔力のお陰で、痛い程度で済んだよ…」


壺ライダー「何の真似だ、セイバー!?貴様は自分で言っていたではないか、そのまま時間切れを狙えば済む話だと…」

壺セイバー「…お前は馬鹿すぐる。クソゲーオブザイヤーの意義を忘れたのかよ」

壺ライダー「…意…義……」

409: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/09(木) 00:37:22.17 ID:8+YIuXtp0
壺セイバー「本当にクソゲーをスルーすることが正解ならよ、そもそもクソゲーオブザイヤーなんていらないんですわ?お?」

壺ライダー「……」

壺セイバー「どれが1番のクソゲーか決めるってことはよ、それを実際にプレイしたプレイヤーが居るってことだろ 英語で言えばサクリファイス」

壺セイバー「つまり、クソゲーだとわかってても逃げずに立ち向かった挑戦者たちだ 見事な仕事だと感心はするがどこもおかしくはないな」

壺セイバー「それなのにお前はネガってばっかりでよ 決着を付けるとかいいながら突っ立ってるだけの亀頭頭の雑魚」

壺セイバー「――俺が思うに、『クソゲーに絶望する』ではなく『クソゲーを笑い飛ばす』ってのがこの世界の正しい姿なのではないか?」

壺ライダー「…クソゲーを、笑い飛ばす…か」

410: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/09(木) 00:37:58.46 ID:8+YIuXtp0
壺ランサー「…クソゲーオブザイヤーの根底にある考えは、ブロントさんの言ったとおりだ」

壺ランサー「クソゲーを掴まされた怒り、悲しみ、悔しさ…そして、製作者への憎しみ。それらを全て大げさにして笑い飛ばしてやろう、というわけだ」

セイバー「成程…単に怒りに任せて当たり散らそう、というわけではないのですね」

壺ランサー「ああ。スレ住民が苦しみを堪えながら必死にクソゲーをプレイするのも…『絶対にこれを笑い飛ばしてやる』という強い意思によるものだ」

壺ランサー「…勿論、容易なことではない。クリアまで辿りつけずに、無念のまま散った者も多くいる」

セイバー(ちょっと大げさじゃないでしょうか…?)

壺ランサー「いわばクソゲーオブザイヤーとは…そういった挑戦者達への鎮魂歌でもあるんだ」

セイバー「…ええ……?」

411: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/09(木) 00:39:53.63 ID:8+YIuXtp0
壺ライダー「貴様は私に、この世界から目を背けず挑戦しろ…と言いたいわけか」

壺セイバー「口で説明するくらいならおれは牙をむくだろうな おれパンチングマシンで100とか普通に出すし」

壺ライダー「…ふっ。たまにはプレイヤーの立場になるのも悪くはない」



壺ライダー「――行くぞ、セイバー!この世界をも攻略して、私が真の勝者になる!」ダッ


壺セイバー「――封印が解けられた!うおおおおおおおおおおおお」ダッ



壺ライダー「…」ダッダッダ

壺セイバー「…」ダッダッダ


壺ライダー「…」

壺セイバー「…」


壺ライダー「…」ダッダッダ

壺セイバー「…」ダッダッダ


セイバー「…あの二人、全然距離が縮まりませんね」

壺ランサー「おそらく、移動距離の判定が常に最低値になってるんだろうな…」

412: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/09(木) 00:40:34.51 ID:8+YIuXtp0
桜「きゃあ!?わ、私の下半身が…消えた!?」

士郎「もしかしてこっちでなんか生えてるコレのことですかねぇ…?」

桜「ちょっ!?ジロジロ見ないで下さい先輩!目を後ろから破壊しますよ!?」

士郎「マジ震えてきやがった・・怖いです;;」


壺ランサー「ははは、ライダーの奴が覚悟を決めてから、この世界も更に活発に活動し始めたな」ゴオオオ

壺ランサー「傍観してれば安全なんて、嘘っぱちじゃないか」ゴオオオ

セイバー「笑ってる場合ですか!?ランサー!気を抜いたら後ろの何かに吸い込まれますよ!?」ゴオオオ

壺ランサー「ああ、絶対に体勢を崩しちゃ駄目だ、マスター。下手したら2度と出てこれなくなる」ゴオオ

セイバー「はぁ!?」ゴオオ

413: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/09(木) 00:42:10.32 ID:8+YIuXtp0
壺セイバー「何だコイツら!一歩歩く毎に湧いてくるなよたいがいにしろよカスが!!」ザシュ

壺セイバー「おいィ!?先制で麻痺はやめふぇ下さい!経験値ロストが怖いんです!」


壺ライダー「ええい!前に進むだけなのに変なイベントを発生させるな!それはもう5回は見た!」

壺ライダー「何ィ!?ここより先に進むためには…課金(魔力供給)が必要だと!?」シュウウ

壺ライダー「や、やめろ!タダでさえ私の体に残された魔力は残り僅かなのに…うわああああ!」シュウウ


壺セイバー「まただよ(泣)スタート地点に戻され想像を絶する悲しみがブロントを襲った」


壺ライダー「ひいい!首が…首が反対に!」


壺ランサー「あの二人、まだ直接やりあってないのに…どっちも既にボロボロだな」ゴオオオ

セイバー「最初にライダーが物理を喰らわしていましたが、確かにそれだけですね。…それよりもランサー。そろそろ限界が近いのですが」プルプル

壺ランサー「…我々が消えるのが先か、二人の決着が付くのが先か、だな…」ゴオオオ

セイバー「……」ゴオオ

414: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/09(木) 00:43:45.56 ID:8+YIuXtp0
壺セイバー「ハァ…ハァ…たいがいにしろよカスが…」

壺ライダー「ふぅ…遂にここまで辿りついたか…」


セイバーとライダーは、数多くの苦難を乗り越え

遂に至近距離で対峙した

お互い、既に心身ともに疲労のピークを迎えてはいたが

闘志の減衰は全く感じられなかった


壺セイバー「…俺は俺は武器なんか持たなくても素手で怪力だから強い 多分奥歯が揺れるくらいの威力はあるはずだしね」ググッ

壺ライダー「グラットンソードを置いてきたか。懸命な判断だな。この世界では、余計な処理を引き起こすような要素はなるべく排除しておいた方がいい」

壺ライダー「結局、最後は拳(物理)での決着か。…面白い」グッ

415: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/09(木) 00:44:31.82 ID:8+YIuXtp0
二人は拳を固め、ゆっくりと近づいた

そして、相手の体が自分の攻撃の射程圏内に入った瞬間――


壺セイバー「――!!」ブンッ

壺ライダー「――!!」ブンッ


互いの顔面目掛け、渾身の一撃を繰り出した




――しかし、その一撃が届くことはなかった


壺セイバー「…おいィ……」


壺ライダー「…スマンな、セイバー。時間切れのようだ」シュウウウ


ライダーの拳は、もはや形をとどめていなかった

428: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/11(土) 00:13:12.73 ID:6mLuV8Ti0
桜「ライダー!?」

壺ランサー「…ライダーの体が、消えていく。…スッキリしないが、コレで決着のようだな」

セイバー「もはや、ライダーに肉体を維持するだけの魔力が残っていない…ということですね。ということは、この世界も…」


シュウウウ…


ライダーの生み出した世界は、徐々に崩壊し始めた

ライダーの体が消え去るのを待たずに、固有結界は完全に消え去り

セイバー達は、元の世界に再び足を付けた

429: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/11(土) 00:14:14.95 ID:6mLuV8Ti0
桜「そんな…ライダーが唯一望んだ、戦いの決着…それすらも叶わないなんて」

桜「そんなの、悲しすぎるよ…」シュウウ

ライダー「…そうか。私の敗北によってマスターも消え去る運命なのだったな」

ライダー「不甲斐ないサーヴァントで済まなかった。最後まで付き合ってくれて…」

壺セイバー「…マスター、令呪を全部使うべき」

士郎「…!?おい馬鹿やめろ 流石にそれは頭がおかしくな」

壺セイバー「はやくしテ!!」

士郎「hai!!!」ピカアア

430: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/11(土) 00:15:05.82 ID:6mLuV8Ti0
壺ライダー「…何の真似だ?セイバー」

壺セイバー「俺には令呪が2個も残っていた もうここまででも十分に俺の勝ちは圧勝に決まっていたのだが更に攻撃は続く」

壺セイバー「それを全部使ってればよ、リアル世界よりも充実したクソゲー生活が認可されていただろうな」

壺セイバー「…この戦いの決着は付いた。お前安心して消えていいぞ」

壺ライダー「…要するに令呪を全部使い切って、全てを出し尽くした戦いならば…自分が勝っている、と言いたいのだろう」

壺ライダー「んなこと認めるか!私だって令呪全部温存してたらまだまだ戦えていたわ!」

壺ライダー「……だが…感謝する、セイバー」

壺ライダー「その令呪、手向けとして受け取っておこう」シュウウウ

431: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/11(土) 00:16:56.58 ID:6mLuV8Ti0
桜「…ライダー……」シュウウ

壺ライダー「…泣いてくれているのか、マスター。こんな私のために…」

壺ライダー「悲しむことはない。例えもう二度と会えなくなったとしても…思い出は消えない筈だ」

壺ライダー「そうだ、是非『オプーナ』を購入して遊んでみてくれ!それをプレイすれば、いつでも私のことを思い出せるさ」

桜「ううん…必要ないわ、ライダー。あなたの言うとおり、そんなものが無くたって…思い出は消えないもの」

壺ライダー「あ、うん。そうだな…」シュウウウ

桜「…先輩、セイバーさん。私は一足早く脱落しちゃいますけど…姉さんにだけは負けないでくださいね?」シュウウ

桜「負けたら私…怒りますよ?」シュウウウウウウウ

壺ライダー「では、さらばだ諸君!君達に神ゲーの加護があらんことを!」シュウウウウウウウウウウ


残った者たちへ真情を吐露し

ライダーと桜は、完全に世界から消滅した

そこには遺恨も後悔も残ってはいなかった

432: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/11(土) 00:19:01.37 ID:6mLuV8Ti0
士郎「…実際俺は時計塔でも結構有名でケンカとかでもたいしてビビる事はまず無かったが生まれて初めてほんの少しビビった」

壺ランサー「…お疲れ様だ、ブロントさん。今は少しでも傷を癒やすんだ。すぐにバーサーカー達との戦いも控えている」

セイバー「前回の戦いを踏まえると、凛達の取る戦法がおおよそ推測できます。あまり時間を与えたくはないですね」

壺セイバー「休憩は9分でいい。ナイトがあの程度でダメージを受けると思う浅はかさは愚かしい」

セイバー「…幸い、ここは癒しの湖の畔です。本当に9分だけだとしても、体力の回復ぐらいは…」

士郎「…湖がいくえ不明なんだが?」

セイバー「え?…そんな!?」


先ほどまで湖があった場所には

大きな穴のような暗闇が広がっていた

吸い込まれそうな感覚を覚える程暗く、底すらも見えなかった

433: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/11(土) 00:20:52.82 ID:6mLuV8Ti0
~~~~

壺アサシン「うひょおおお。色んな所に大穴が開いてまちゅ!大事でちゅよ!」

言峰「…データに破損が見られる。この世界の20%程度の面積が消失したようだ」

壺アサシン「うわぁ…固有結界一つで大惨事でちゅわね。ま、もともとが大きすぎたからちょうどいいくらいでちょ」

言峰「これではサービス開始はまた数ヶ月は先送りになるな。全く、笑えない冗談だ」

言峰「…お前を除けば、残るサーヴァントは4体。そして、2陣営別れての2対2での戦いがもうすぐ始まる。――結末が見えてきたか」

壺アサシン「思ったんでちゅけど、魔力のパスの切断とかGM権限でできるなら、あたち必要ないんじゃないでちゅか?」

言峰「魔力供給はサーヴァントとマスターを繋ぐ、『聖壺戦争』の根幹とも言えるシステムだ。いくらGMとはいえ、容易に介入できるわけがなかろう」

言峰「パスの切断には、そのサーヴァントを構成している魔力…つまり、そのサーヴァントの魂とほぼ同じ容量の魔力が必要となる」

言峰「サーヴァントの魂を収集するためにこの『聖壺戦争』のシステムを作ったというのに、それでは本末転倒だ」

言峰「…加えて、固有結界の影響により発生したバグによって、システムにも異常が出ている。端末に情報を発信することもできなくなった。ましてやパスの切断などもっての外だろうな」

壺アサシン「うーん…とりあえずは準備しておいたほうがよさそうでちゅね」

言峰「そういうことだ。――この先の戦い、本当に何が起こるかわからんぞ」

439: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/14(火) 23:32:29.50 ID:JsILzHuM0
~~~~

凛「…駄目。端末にアクセス出来ない」

壺キャスター「やっぱり、さっきの地震となんか関係あるのか?」

凛「それを確認しようと思ったんだけど…綺礼のやつ何してるのよ」

アーチャー「いつまでそうしているつもりだ、凛。我々には時間がない。セイバーはこの場所を知っているのだろう?」

凛「…ええ。そして、私達が今ここにいることもお見通しでしょうね」

アーチャー「だからこそ、奴らに攻めてこられる前に準備を整えねばならんのだ。確かに、先程の大きな揺れは気になるところだが…遊んでいる暇はない」

凛「…フン。わかってますよーだ。で、そっちは何してるわけ?私達が工房を作ってる間に、アンタはせっせと野良稼ぎ?」

アーチャー「森の中での戦いとなれば、取れる手段は他にもある。準備は必要だ」

アーチャー「この薄暗い森の中は、私にとっても好都合だ。何、君らにとっても悪い様にはならないさ」

凛「だったらいいけど。ついでに、『切り札』ってやつにも期待していいのよね?」

アーチャー「無論だ。…尤も、それを使うと私の魔力も底をつく。使うタイミングは見極める必要があるな」

凛「…ふぅん」

キャスター「……」

440: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/14(火) 23:33:03.64 ID:JsILzHuM0
~~~~

セイバー「…言峰綺礼に問い合わせをしようと思ったのですが…支給された端末が全く反応しなくなってしまいました」

士郎「俺の投影でも直せない直しにくい!この端末作ったの絶対忍者だろ…」

壺セイバー「通話も出来ないスマほに未来はにい。このまま埋め立てゴミとしてひっそりと幕を閉じる」

壺ランサー「…そうなると、バーサーカーのマスター達も端末を確認できない可能性が高いな。彼らはまだ、ライダーが脱落したことも知らないのかもしれない」

セイバー「…情報の優位性はこちらにあり、ですか。おそらくこの世界に起きている崩壊の原因は、ライダーの固有結界の影響と見て間違いなさそうですね」

壺セイバー「…そういえばお前敵の居場所に心当たりがありそうなおかしな事言ってたな どういうことなのか説明すべき」

セイバー「…先日、凛とキャスターは、我々を迎え撃つために森に陣地を構えていました。その森の中ではキャスタークラスのスキルに上方修正がかかるようです」

セイバー「陣地内での戦いでは、ランサーの攻撃も通じませんでした。あそこで陣地形成に時間を懸けられてしまうと、非常に厳しい戦いになるでしょうね」

壺ランサー「彼らにあまり時間を与えたくはない、と言うのはそういうことだ。相手がキャスターだからといって、侮らない方がいい」

壺ランサー「あの時と違いこちらにはブロントさんがいるが、あっちにもバーサーカーがいる。素直に正面突破もさせてくれないだろうさ」

441: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/14(火) 23:33:43.80 ID:JsILzHuM0
壺セイバー「…なら、今すぐにでも出発した方がいいと思った」ググッ

壺ランサー「……ブロントさん、無理はしない方がいい。君もかなりダメージを受けているだろう」

壺セイバー「ナイトならこの程度チョロいもん。…休憩時間は9秒でいい。謙虚なナイトは人気者でLSでも引っ張りだこ…」

壺ランサー「…休憩したまえ^^」

壺セイバー「休憩した^^」

士郎「すごく休憩したい^^」

壺ランサー「やれやれ…休息を取るのは君だけではなく、君のマスターのためでもあるんだよ。令呪は0、魔力も空っぽじゃとても戦えないだろ?」

壺セイバー「「」確かにな だがそれではキャスターの奴が調子ぶっこくのではないか?」

442: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/14(火) 23:39:28.76 ID:JsILzHuM0
セイバー「…凛達は我々がすぐにでも攻め込んでくると思っているはず。もう森に着いているとしたら、今こうしている間にも陣地の作成を進めているでしょうね」

セイバー「ならば、彼女たちにはこのまま作業を進めてもらいましょう。そして、我々は夜明けまで休憩した後出発します」

セイバー「彼女たちは工房を一晩中作り続けることでフィールドのアドバンテージを得ますが、代わりに夜通し作業を続けることで疲労がピークを迎えるはずです。少なくとも、マスターである凛やアーチャーは」

壺ランサー「逆に我々は、不利なフィールドでの戦闘を強いられるが、体力的なアドバンテージを得る…ってことかな?」

壺ランサー「さらに言えば、我々は攻めこむ側、キャスター達は攻め込まれる側だ。あちらは一瞬たりとも油断ができない状況に追い込まれている。精神的な疲労も大きいってわけだ」

セイバー「その通りです。ライダーが健在で我々の状態も万全であればすぐさま攻め込んでも良かったのですが…現状ではコレが最良でしょう」

壺セイバー「…」

セイバー「夜明けまでゆっくり休んでいて下さい。士郎、セイバー。――決戦は明日です」

445: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/15(水) 23:17:31.83 ID:qz2+E3wm0
~~~~

凛「ハァ…何とか形になったわね。疲れた…」

壺キャスター「全くだ。いつセイバー達が攻めてくるか気が気じゃなかったぜ」

凛「けど、充分に戦えるだけの陣地は出来たわ。これでいつ桜達が攻めてきても…」

壺ライダー「そんなヘトヘトな状態で戦えるのか?少し休んだ方がいいんじゃないか、マスター」

凛「…そうね。あっちも急いで攻めてくるつもりも無いみたいだし、少しくらい…」


アーチャー「――そうも言っていられないようだぞ、凛」


アーチャーは、木の上から森の外を見渡し、そう呟いた

森に貼られた結界の効果により、アーチャーの姿は森の外からは視認できない

しかし、アーチャーもこの世界では弓兵としての視力は失われているので

近づいてくる敵に対して、遥か遠くからその姿を確認することは出来なかった


凛「…!?まさか、このタイミングで…」

アーチャー「…ライダーの姿が見えない。まさか…」ボソッ

壺キャスター「いきなり結界を破壊される訳にはいかない。俺達は迎撃に向かうぞ」

アーチャー「私も行こう。…少し計画に修正が必要かも知れないな」

446: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/15(水) 23:18:39.75 ID:qz2+E3wm0
~~~~

セイバー「やはり…結界が貼られているようですね」

壺ランサー「体が重いな…だが、逆に考えれば、ここにキャスターがいることの証明でもある」

壺セイバー「この程度の結界、鬼の破壊活動で破壊してしまおうという意見」

壺ランサー「しかし、よくよく考えて見れば…本当にバーサーカーとキャスターが組んでいるのか、まだ確証は…」

「いいや、その考えは間違っていないぞ、ランサー」

士郎「…!この声は…」

アーチャー「随分とのんびりしているじゃないか、セイバー。お陰でここら一帯は我々の陣地となったわけだが」

壺キャスター「オイオイ、まるで自分が作ったみたいに言うじゃねぇか。…久しぶりだな、ランサー」

セイバー「アーチャー…!やはり、凛と…!」

アーチャー「勘違いするなよ、先に手を組んでほしいと懇願してきたのは彼女の方だ」

凛「余計なこと言わなくていい!…まったく、いっつもセイバーは変なタイミングで攻めてくるんだから…」

447: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/15(水) 23:19:41.48 ID:qz2+E3wm0
アーチャー「それより…ライダーの姿が見当たらないようだが?」

壺セイバー「…」

アーチャー「まさか、仲間割れでも起こしたのか?ふっ…大方、報酬の取り分のことで揉めでもしたのだろう」

士郎「…!おいお前マジ」

壺セイバー「その程度の挑発に乗ると思ってるならお前の頭は必要ないな後ろから破壊してやろうか?お前らにライダーの何がわかるっていうんだよ」

壺ランサー「…ライダーはブロントさんとの一騎打ちを望み、そして…消滅した。つまり、この戦いは2対2のイーブンな状態ってわけさ。嬉しいだろ?」

壺キャスター「…!?」

凛「へ、マジで!?」

アーチャー「…ほう。それは我々にとっては僥倖だ。無論、3対2でも勝算はあったがね」

凛(…いけしゃあしゃあとよく言うわコイツ!)

448: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/15(水) 23:21:53.67 ID:qz2+E3wm0
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凛『…ライダーを利用する?』

アーチャー『ああ。3対2での戦いになれば、どうあがいたところで我々の勝ちは薄い』

アーチャー『だが、フィールドを森で固定すれば、ある程度持ちこたえることはできる。…そうだろう、キャスター?』

壺キャスター『ああ。あの森の中なら、俺のお守りも親父のお守りと同等の力を宿せる』

アーチャー『それが聞ければ充分だ。――筋書きを説明するぞ』

アーチャー『森に着いたら、キャスターと凛には協力して工房を作成してもらう。これは前回、君達がランサーと戦った時と同じ事をしてくれればいい』

アーチャー『そして、戦闘が始まったら…奴らはまず結界を破壊しようとするだろう。そこでキャスターは全力でセイバー、ランサーの2体を抑えこんでくれ』

壺キャスター『…それだけでもかなり無理難題ではあるんだが…宝具も併用すれば出来ないことも無いだろう。だけど、2体だけでいいのか?ライダーはどうするんだ?』

アーチャー『ここからが重要だ。ライダーには敢えて隙を見せる。我々に取って一番厄介なのは、あの機動力で好き勝手暴れられてしまうことだ』

アーチャー『そこで、敢えて結界内に手薄な箇所を作り…ライダーを侵入させる。そうなれば当然、ライダーは術者のキャスターを狙うだろう』

アーチャー『ライダーが突撃してきたら、凛は令呪を使いキャスターを転移させてくれ。そして、キャスターの後方で控えさせたバーサーカーの力を使い、ライダーを狂化させ…』

449: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/15(水) 23:22:52.29 ID:qz2+E3wm0
凛『ちょ,ちょっと待ちなさいよ!アンタ、私に令呪を1画無駄遣いさせておきながら、また令呪を使わせる気!?いくらなんでもそんなこと…』

アーチャー『いいか、凛。これは君への嫌がらせで言っているわけじゃない。令呪を使って転移をさせる理由はある』

アーチャー『バーサーカーの力についてはある程度知っているだろう。こいつの力の影響を受けたものは、狂化していない相手を優先して狙う』

アーチャー『つまり、せっかくライダーを狂化させても、キャスターに狙いを定められては意味が無いんだ』

凛『…』

アーチャー『逆に、キャスターがその場から離脱してしまえば…奴は狂化されていないセイバーとランサーを標的にする』

アーチャー『そうなれば、あとは簡単だ。奴らは力の制限される結界の中で、激しく動きまわるライダーを相手にしなければならない』

アーチャー『それなりに傷を負わせて退場してくれれば上出来だ。手負いのサーヴァント相手ならば、キャスターの宝具でも十分仕留められるだろう』

アーチャー『理想としては、ライダーが2体のうちどちらかと相打ちになってくれるのがベストだ。そうなれば、残った1体に心置きなく『切り札』を使用できる』

450: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/15(水) 23:23:48.06 ID:qz2+E3wm0
壺キャスター『…一応、こっちにも令呪は1画余るわけだな。いいんじゃないか、それで。なぁ、マスター?』

凛『…ハァ。ま、私達ももともと厳しい戦いになることは覚悟してたし、少しでも勝機がつかめるなら文句はないわ』

アーチャー『…決まりだな。勿論、うまく計画通り事が進むとは限らない。常に最悪のケースを想定し行動してくれ』


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凛(あんなこと言ってたくせに、いきなり予定変更じゃない!)


アーチャー(やれやれ…どうもここでは格好がつかないな)

アーチャー(しかし…面白くなってきた)

453: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/22(水) 23:53:15.90 ID:og3Fn3G10
壺ランサー「ライダーの損失は私の働きで補おう」チャキッ

壺ランサー「マスター、指示を」

セイバー「…ランサー、宝具の使用をお願いします!」

壺ランサー「心得た!」ググッ

凛「ちょ!?いきなり!?キャスター、障壁を展開して!」

壺キャスター「応っ!」


壺ランサー「紫電の槍(ライトニングスピア)!!」


ランサーの槍から放たれた一閃は

雷撃となって激しく発光し、轟音をあげながらキャスター達に向かって放たれた

いや、正確に言えばそれはキャスターや凛を狙ったものでなく

その場そのものを吹き飛ばそうという一撃であった

しかし――

シュウウ

壺キャスター「…無謀なやつだな。結界内で宝具を使おうとするなんて。入り口なら効果が薄いとでも思ったのか?」



その雷光は本来の威力を発揮することができず

キャスターの展開した障壁によって完全に防がれた

454: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/22(水) 23:54:45.94 ID:og3Fn3G10
壺ランサー「無謀?いや、違うな。前回の戦いがあったからこそ、この戦いでは死力を尽くすと決めたのさ」

壺ランサー「君のその障壁…そのお守りのような魔術礼装によって瞬時に展開しているのだろう?当然、数に限りはあるはずだ」

壺ランサー「いくら威力と範囲が削がれているからといって、僕の宝具の一撃を一個や二個消費した程度で防ぎ切れるとは思えない」

壺ランサー「だったら、障壁を展開できなくなるまで攻撃を叩き込むまでだ。そして丸裸になった君ごと、ここの結界を破壊すればいい」


壺キャスター「…それを、俺が黙って見てると思うのか?ここでなら、お前とも互角にやりあえるぞ」ググッ

壺ランサー「自分に有利なフィールドだからって、ずいぶん強気だなキャスター」

壺キャスター「キャスターってのは、そもそもそういうクラスだ。マスター、念のため奥に引っ込んでてくれ。体力も限界だろ?」

凛「…ごめんね。ここは頼んだわ、キャスター」タタタッ

455: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/22(水) 23:56:03.04 ID:og3Fn3G10
壺セイバー「俺にも一撃を使わせろ。こういう時は出し惜しみしないのが人気の秘訣」

壺ランサー「いいや、ブロントさんはまだ下がっていてくれ。…下手に視線を動かして、バーサーカーにやられるのが怖い」

壺バーサーカー「……」

壺キャスター「それでこっちを禄に見もせずに宝具をぶっ放したのか。まぁ、そのほうがこっちにとっても好都合だが」


アーチャー「…キャスター。その礼装を全て使い…ここで奴らを足止めしてくれ」

壺キャスター「…!?」


壺ランサー「なんだと…!?」

セイバー「虎の子の防御手段を、ここで全て使い切る、と…!?」


キャスター「お前、何言って――」

アーチャー「『アレ』を使うには少々時間が必要だ。しかし、そいつらを完全に仕留めるには『アレ』を使う以外にはない」

キャスター「……?」


アーチャー「だから、そいつらの動きを封じている間に…我々は『予定通り』森の奥でアレを起動させる」

456: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/22(水) 23:57:04.62 ID:og3Fn3G10
壺キャスター「…!チッ…そういうことかよ」


その場の誰もが、アーチャーの発言に耳を疑った

その僅かな不意を突き、キャスターは空中にお守りをばら撒いた


壺ランサー「しまっ…!」

セイバー「ランサー!全部吹き飛ばして――!」


壺キャスター「『破ぁ!!』」


キャスターの叫びとともに、お守りから光の障壁が展開された

空中に散らばった複数のお守り一つ一つから展開された障壁は連鎖的に結合していき

一つの強固なドーム状の障壁となってランサーたちを包み込んだ

457: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/22(水) 23:58:28.51 ID:og3Fn3G10
アーチャー「上出来だ。行くぞ、キャスター」

壺キャスター「…しばらくそこでじっとしててくれ。じゃあな」


相手の動きを一方的に封じた有利な状況にもかかわらず、敵の方へは目もくれず

キャスターたちは、そのまま森の奥へと消えていった


壺セイバー「は、恥知らずなキャスターがいた!ガード固めるのは結構だが他人にガード強制するのは犯罪だろ・・・。こんなことしなくてもナイトは既にガードがかなり硬い 早く出せよ切り裂かれたいのか!?」ガンガン

壺ランサー「この!クソッ、かなり強固なバリアだ。生半可な攻撃じゃびくともしないぞ!」

セイバー「くっ…こんな狭い空間内に閉じ込められてしまったのでは、ランサーの宝具は使えませんね…」

士郎「やはり頼りになるのはソロ装備の貧弱一般ジョブではなく黄金の鉄の塊で出来たセイバーであるということが証明されたな セイバーお前全力出してもいいぞ」

壺セイバー「どちかというと大賛成だが…マスターはそれでいいのか?たしかに俺の一撃は破壊力ばつ牛ンだが使う魔力の量もえごいぞ?バーサーカーでもないのに魔力切れをおこして死ぬことはまれによくあるらしい」

士郎「俺の身を案じるくらいなら令呪を無駄に使わせていないという時点で俺の勝率は100%だった。今更gdgdいってないで早く始めろといっているサル!」

壺セイバー「…俺がこの程度でビビると思う浅はかさは愚かしい。――グラットンスイフトでバラバラに切り裂いてやろうか!」

458: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/23(木) 00:00:19.71 ID:++pwKHfB0
~~~~

壺キャスター「…なぁ、さっきのって…」タッタッタ

アーチャー「無論、フェイクだ。このままあの場所で奴らの攻撃を受け続けていてはジリ貧なのでな。どうしても奴らには森の奥にまで入ってきてもらう必要があった」タッタッタ

アーチャー「あそこまですれば、奴らも『急いで森の奥に向かって、我々を止めなければ』と考えてくれるだろうさ。その結果、一番留意すべき『敵の本拠地に乗り込む』ということへの警戒心が薄れるというわけだ」

壺キャスター「やっぱりな。しかし、発言に説得力を持たせるためとはいえ…貴重なお守りをアレだけ消費するのは痛いぜ」

アーチャー「それに見合う成果は得られる筈だ。ライダーの脱落は予想外の出来事ではあったが…念の為に準備しておいた別の方法に切り替える」

壺キャスター「そんなのまで用意してたのか。用意周到なことだ」

アーチャー「バーサーカーがまっとうな戦いができるサーヴァントではないのでな。その分頭を使わねばならんのだ」

アーチャー「まぁ、どちらかと言えばこういう戦い方のほうが私の性に合う。――例え騎士クラス相手だろうと、沈めてみせよう」

462: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 17:58:23.94 ID:inr+3Jng0
~~~~

壺セイバー「うおおおおおおおおおお」ザシュッ

壺セイバー「ついげきのグランドヴァイパ!」ガキィ


壺ランサー「よし!障壁が消滅した」

士郎「まぁわかってた(予知夢) ナイトの剣を三度までという名セリフを知らないのかよ」

セイバー「キャスター達が何を企んでいるのかはわかりませんが…このまま放置してはまずいことになるのは確定的に明らかです。急いで追いかけましょう!」

壺セイバー「おい、待…うっ…」ガクッ

壺ランサー「ブロントさん!?…やはり、まだライダー戦のダメージが回復しきっていないようだな」

士郎「!?おい、しっかりすろセイ…バー…」フラッ

セイバー「士郎!…障壁を破壊するのにも、かなりの魔力を使ったようですね」

463: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 17:59:01.41 ID:inr+3Jng0
セイバー「2人共、しばらくここで待っていてください。我々が先行して彼らを止めます。行きましょう、ランサー!」ダッ

壺ランサー「ああ!待ってるぞ、ブロントさん!」ダッ

壺セイバー「お、おいィ!待て…」

士郎「…ナイトの必死の制止を振りきって先行する恥知らずな槍使いがいた!ナイトがいないPTに未来はにい…」

壺セイバー「…あのくっころ騎士は気持ちが先走ってて結構危険 これが罠ならあいつ死んでるぞ」

士郎「こっちの世界ではマスターになったことで何か策士気取ってるがリアルでは猪タイプだからな。人間そうそう生き方は変えられないと思った」

壺セイバー「…これはモタモタしていられない感。時既に時間切れになる前に動くべき」

464: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 18:00:19.09 ID:inr+3Jng0
~~~~

壺ランサー「何個か結界の起点らしきものを潰したが…まだ結界が完全に消える気配はないな。この森中に起点を分散させているのだろう」タッタッ

セイバー「…起点潰しなら私一人でも可能ですね。ランサー、あなた一人の方が早くキャスター達に追いつけるはずだ。私のことは気にせず先に行ってください」タッタッ

壺ランサー「…いいのか?俺が離れた瞬間に奴らに襲われたら…」タッタッ

セイバー「キャスターもバーサーカーも、攻撃に秀でたサーヴァントではありません。キャスターの宝具も数発なら耐えられます」

セイバー「それでももし襲われたら…令呪を使ってあなたを呼び戻します。だから、今は一刻も早く彼らに追いついてください!」

壺ランサー「…わかった!気をつけろよ、マスター!」ビュン


そういうとランサーは一気にスピードを上げ、大地を蹴り大きく前方に跳躍した

その滞空時間の長さと移動距離の長さは、まるで空中を闊歩しているかのようだった

数秒後には、完全にランサーの姿は完全にセイバーの視界から消えた

465: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 18:01:02.78 ID:inr+3Jng0
セイバー(これで問題ない筈です。キャスター達は、この陣地の奥で何かを企んでいる。おそらくはアーチャーを倒したバーサーカーの力と何か関わりが…?)

セイバー(…しかし、何故こうも胸騒ぎがするのでしょうか。何か、大きな間違いを犯してしまったような…)


そこまで考えた時、突然世界が大きく揺れた

いや、正確に言えば…変化を起こしたのはセイバー自身だった

突如地面を踏みしめる感覚が消滅し、そのまま下へと引きずり降ろされた

急激な視界の変化に気が動転したセイバーであったが、次の瞬間には何が起きたかを完全に理解した


セイバー(お、落とし穴…!?こんな、こんなものに…私が引っかかってしまうとは…!)


騎士王として円卓の騎士を率いて、多くの戦場で戦果を上げ

自身も多くの怪物、豪傑たちと死闘を繰り広げ、勝利してきたセイバーにとって

このような幼稚な手に不覚を取るなど、全く予測しかねる事であった

当然、本来のセイバーであればこの程度の罠にかかることはありえない

466: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 18:01:33.90 ID:inr+3Jng0
セイバー(油断した…!今の私は、士郎たちと同じくただのマスターでしかないというのに…!)

セイバー(しかし…中に何かが仕掛けられているわけでもない。ただの時間稼ぎの足止め用の罠ということでしょうか?)

セイバー(…それにしても妙だ。この程度、サーヴァントであれば回避など容易でしょうに)

セイバー(とにかく、今はここから脱出することを考えなければ…)クイッ

セイバー「…え?」


上を見上げたセイバーの視界に入ったのは

穴からセイバーを見下ろすバーサーカーの姿だった

その『眼』は、確実にセイバーの目を見据えていた

467: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 18:03:41.77 ID:inr+3Jng0
~~~~
壺キャスター「おい!もうランサーがそこまで来てるぞ!」ダッダ

アーチャー「さすがに早いな…。二手に別れるぞ。私は右、お前は左だ」ダッダ

壺キャスター「おうよ。まだ、死ぬなよ!」ダッダッダ


壺ランサー「見つけたぞ!キャスター、バーサーカーのマスター!」

壺ランサー(どっちを狙う?キャスターを倒せれば結界も消滅するだろう。だが…結界が貼られた状態でキャスター相手に勝つのは容易じゃない)

壺ランサー(バーサーカーは得体の知れないサーヴァントだ。だが、マスターだけならば容易に倒せる)


壺ランサー「悪く思うなよ、バーサーカーのマスター!」ダッ

アーチャー「やはり、こちらに来たか…!」

壺ランサー「うおおおおおおおおお!」バッ


ランサーは距離を詰め、アーチャーめがけ槍を突き出した

ガキン

壺ランサー「…やはり、まだ持ってたな」シュウウ

アーチャー「随分冷静じゃないか、ランサー。経験から学んでいたというわけか」


ランサーの槍は、キャスターが作成したお守りから発生した障壁によって防がれた

しかし、これはランサーの予測していた通りであり、動揺は一切無かった

468: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 18:05:33.25 ID:inr+3Jng0
壺ランサー「今のは確認のためさ。あわよくばこれで仕留めようと思っていたのは事実だけどね」

壺ランサー「そして、今の私に躊躇はない」グッ

アーチャー「…!宝具を、使うつもりか。マスターもいないのに勝手な真似をしていいのか?」

壺ランサー「私のマスターはやわな人じゃない。宝具の1つや2つ、発動したところで十分補える魔力量と回復力がある」

壺ランサー「もう礼装も尽きかけているだろう?マスター相手だろうと容赦はしない。ここで終わりにする」

アーチャー「…やってみろ」

壺ランサー「紫電の(ライトニング)…!」


壺ランサー「…!?宝具が、発動できない…!?」


アーチャー「やれやれ…一か八か、不確定要素の大きい策だったが…なんとかうまく行ったようだな」

壺ランサー(どういうことだ?宝具を発動するほどの魔力量が、マスターから供給されていない…?)

壺ランサー「…!?バーサーカーは、どこだ!?――マスター!」

469: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/26(日) 18:09:43.22 ID:inr+3Jng0
アーチャー「さて、どうする、ランサー。我々が二手に別れた理由を考えることだな」

アーチャー「ここで宝具を使わずに私を倒すのが先か、君のマスターがバーサーカーとキャスターによって倒されるのが先か…試してみるか?」


壺ランサー「…!」

壺ランサー(キャスターはマスターの元に向かっている…!?例えここでバーサーカーのマスターを倒しても、私のマスターがやられてしまったら…)

壺ランサー「…クソッ!待ってろ、マスター!」ダッ


アーチャー「…行った、か。全く、肝が冷えたよ。もう少しランサーが冷静だったら危なかった」

壺キャスター「そう言う割には、アンタはなかなか肝が座ってるな。この状況でハッタリかませるなんてな」スゥ

アーチャー「何、あのアーチャーもそれで倒したようなものだ。…そろそろ穴の中で休息を取っている凛を引きずり出してくれ」


アーチャー「今度はハッタリなどではなく…本当にセイバーのもとに向かうぞ」



471: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/30(木) 22:16:43.11 ID:CwYGBb/10
~~~~

壺ランサー「マスター!大丈夫か!?」

壺ランサー(おかしい…この近くに確実にマスターがいるはずなのに…姿がどこにも見えない)

壺ランサー「…!あの穴…まさか!?」

壺ランサー「マスター!くっ!こんな罠を仕掛けていたとは…怪我はないか、マスター!?」

セイバー「あ…あアァ…グアあああ…アアア…!」

壺ランサー「落ち着きたまえ!落ち着きたまえー!!」カッ


セイバー「ア…ラン…サー…?」

壺ランサー「よかった…自分を取り戻したか、マスター」

セイバー「え…ええ…すごく…落ち着きました…。です、が…気を抜くとまた、狂気に飲まれてしまい…そうです…」

壺ランサー「気にするな、マスター。マスターはここでおとなしくしていてくれ。キャスター達の相手は、私が…」


壺キャスター「誰の相手をするって?ランサー」

壺ランサー「…キャスター」

472: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/30(木) 22:18:26.61 ID:CwYGBb/10
凛「アーチャー…あんなもの仕掛けてたなら教えなさいよ…お陰で穴の中で休憩するハメになったじゃない…」

アーチャー「すまないな、凛。まさか自分の結界内で罠を察知できないマスターがいるとは思わなくてな」

凛「私はものすごく疲れてたのよ!今にも倒れそうなくらいフラフラだったの!」

アーチャー「それだけ喋れれば十分だろう。それに、疲れていたのは私とて同じことだ」

アーチャー「なにせこの森に、万が一のことを考え罠を張り巡らせていたのだからな。質よりは数を重視したがね」

壺キャスター「いくら相手に深手を追わせられるような罠を作ったところで、相手が引っかからなければ意味が無い。なら簡素でも数多く仕掛けて、敵がかかる確率をあげとこうってわけだな」

壺キャスター「それは正解だったみたいだぜ。今のこの状況を見る限りな」

壺ランサー「…」


アーチャー「バーサーカーは特別なサーヴァントでな。戦う力をほとんど持たない分、サーヴァント特有の気配も何も感じさせないのだ」

アーチャー「現に、バーサーカーを入口付近で待機させ、セイバーの後を付けさせていたのだが…全く気づかなかっただろう?」

アーチャー「我々を急いで止めようと思ったら、君たちはサーヴァントに先行させると読んだのだ。いや、うまく事が運びすぎて怖いくらいだよ」

アーチャー「…衛宮士郎とセイバーの2人が別行動だったのは予想外だったがな」

473: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/30(木) 22:20:35.28 ID:CwYGBb/10
セイバー「汚い、な…さすが切嗣の息子きたない…。私はこれで士郎のこと嫌いになった、な…あ…あもりにも…ひきょうすぎる、でしょう…?」

壺ランサー「…まんまとお前たちの策に嵌ってしまったというわけか」

壺キャスター「今まで散々お前に付きまとわれて迷惑してたんだ。俺達の因縁もここで終わらせようぜ、ランサー」

壺ランサー「…」


セイバー「ラン…サー…!私に構わず…宝具を…!」

壺ランサー「…それはできない、マスター。今のマスターからでは、十分な魔力供給が受けられないのだ」

セイバー「…!そん…な…」

壺ランサー「仮に魔力が十分でも…『紫電の槍(ライトニングスピア)』は使えない」

壺ランサー「今のマスターは、辛うじて正気を保っている状況なんだ。アレだけの発光と轟音による刺激を受けたら、今度こそ完全に狂化してしまうかもしれない」

セイバー「……」



壺キャスター「…それで?諦めたわけじゃないんだろ?見せてみろよ。前話してた、『最後の宝具』ってやつを」

474: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/30(木) 22:23:16.58 ID:CwYGBb/10
アーチャー「…!その話は初耳だぞ、キャスター」

壺キャスター「お前も俺たちに全てを話したわけじゃないだろうが。ま、ここで油断したら負けもありえるってことだ」


壺ランサー「マスター。申し訳ないがしばらくその穴の中でじっとしておいてくれ。そこが一番安全だ。今からここは戦場に変わる」

セイバー「…ならば…せめて…私の、残りの令呪を…魔力として使ってください…。桜がしたように…私も、あなたに…託します…」ピカアア

壺ランサー「ありがとう、マスター。そして…さようなら」

壺ランサー「これを使ったら…勝っても負けても、私はもう元には戻れない」スッ


ランサーが宙に手をかざすと、魔力の発生とともに『それ』は出現した

ランサーは事もあろうに槍を投げ捨て、『それ』を両手で掴んだ


凛「何、あれ…?武器…じゃないわよね…?」

アーチャー「冠…いや、兜か…?」


壺ランサー(エースの力よ…私とマスターに…勝利の栄光を…!)


ランサーは装着していた兜を脱ぎ捨て、『それ』を頭に装備した

『それ』の正体は、かつて限られた栄誉ある戦士にのみ与えられた装備品であり

ランサーの最後の宝具、『エースヘルム』であった

475: ◆nd9x4dt9shCh 2015/07/30(木) 22:24:30.13 ID:CwYGBb/10
アーチャー「…それを被ったからどうだというのだ。様子見はもういいだろう、キャスター。ランサーに攻撃を…」

壺キャスター「…!ランサーの様子がおかしい…!」


『エースヘルム』を被ったランサーの容姿は、みるみるうちに変容していった

腕と足は大きく肥大化し、もはや以前の肉体の原型を留めていなかった

あまりに巨大で、あまりにアンバランスなその体型を見て

かつてのランサーの姿を想像できるものはいないだろう


アーチャー「…馬鹿な…!」

凛「嘘…でしょ…!?」

壺キャスター「…想像以上だったぜ、ランサー」



パンパンに膨れ上がった顔に張り付くのは、寒気すら感じる邪悪な笑顔

その口元をいびつに歪めながら、かつてランサーだった『もの』は静かにつぶやいた




no title

482: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/05(水) 01:04:09.03 ID:ZVyYL49S0
凛「な、何よあれ!?」

アーチャー「信じられないが…あれがランサーの切り札というわけか。やれやれ、とても槍兵を名乗れる姿ではないな」

壺キャスター「言ってる場合か。でかくなったのなら逆に好都合だ。喰らえ!『破ぁ!!』」ビュン

壺ランサー「^ ^」シュン


凛「嘘!?消えた!?」

壺キャスター「…!違う!あの時と同じだ!今すぐここから離れろマスター!!」ダッ

凛「えっ…!!」

壺ランサー「^ ^」ゴオオオ

アーチャー「…!?上か!?こっちだ、凛!」バッ

凛「ちょ!?」グイッ


ドゴオオオオオ


壺キャスター「…マジかよ」



ランサーはその巨体からは想像もつかない程の速度で跳躍し

その両足で大地を踏み抜くかのような勢いで着地した

足元に発生した大きなクレーターが

着地の際の衝撃の威力を物語っていた

483: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/05(水) 01:05:04.80 ID:ZVyYL49S0
アーチャー「あの巨体であの速度…まるでどこぞの神話の英雄のようだな」

壺キャスター「油断すんな!2撃目が来るぞ!」


ランサー「^^」ブンッ


ゴオオオ

凛「きゃあ!?」

アーチャー「チィ!」

ベキベキ


ランサーは間髪入れずに攻撃を仕掛けたいた

攻撃、と言っても…ランサーはただ腕を横に振り回しただけに過ぎなかった

だが、その振りによって周りの木々はなぎ倒され、突風が発生した

直接攻撃を食らったわけでもないのに、凛はランサーの後ろへ吹き飛ばされた

484: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/05(水) 01:05:30.76 ID:ZVyYL49S0
壺キャスター「マスター!…かなり男前になったじゃないか、ランサー。化け物と呼ぶのすら烏滸がましい、立派な怪物だ」

壺キャスター「だがな…そっちの姿のほうがやり甲斐があるってもんだ。俺の専門である怪異の類にだいぶ近づいてるぜ」

アーチャー「…身体能力の向上…いや、もはや変容というべきか。確かに著しい変化だ」

アーチャー「だが同時に、かなり大雑把な動きしかできなくなっているようだ。狂化とはかくあるべき、という理想の姿とも言える。バーサーカーにも見習ってほしいものだな」


2人は、努めて冷静に目の前の怪物を観察しようと試みた

身長は5メートルに届こうかという程の巨体であり

顔は不気味な笑顔を絶やさない

かと言ってそれを嫌って目を背けようものなら

丸太と形容するのすら躊躇われるほどの太く長い手足からいつ攻撃が飛んでくるかわからない

これ程の肉体から繰り出される攻撃に、もはや防御は意味を成さないだろう

485: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/05(水) 01:06:13.28 ID:ZVyYL49S0
壺キャスター「…おい、バーサーカーのマスター。あの怪物の動きを封じることができたら…バーサーカーの『切り札』とやらで仕留めることはできるか?」

アーチャー「無論だ。発動さえできれば、あいつがどれだけ頑丈だろうが関係ない。あのアーチャーですら仕留めたのだからな」

壺キャスター「…俺が何とかしてアイツの動きを止める。それまでバーサーカーは引っ込めておけ」

アーチャー「…できるのか?君に」

壺キャスター「できなきゃきゃどっちにしろ負けだろうが。…絶対に、しくじるなよ」

アーチャー「…ふっ。それは私のセリフだと思うが?」


壺ランサー「^ ^」ズウウウウウン


壺キャスター「…ってそんなに甘いわけないよな!しばらく逃げまわって時間を稼ぐぞ!『破ぁ!!』」ダッ

アーチャー「言われなくともそうするつもりだ!攻撃手段を持っているのは君だけなんだ、しっかりとヘイトコントロールを頼むぞ!」ダッダッダ


489: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:39:29.05 ID:/+ms5KYJ0
~~~~

壺セイバー「何やら森が騒がしい感じを出してきたんだがマスターの魔力が心もとないらしく先に進みにくいというある様 ああナイトはいつも理不尽な目に合わされると実感するな」

士郎「自分の負傷を棚に上げてマスターを批判する恥知らずなエルヴァーンがいた!けど「」確かに少し様子が変だな」

壺セイバー「ここでリューサンがやられたら俺達にも未来はにい 多少無理してでも援護に向かうべきだと思った」

士郎「どちかというと大賛成だな 普段は頼りなく貧弱なランサーのクラスでも黄金の鉄の塊であるセイバーと組めば鬼の力を発揮できるのは確定的に明らか」

壺セイバー「というわけで戦場にのりこめー^^」

士郎「わぁい^^」

490: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:40:11.29 ID:/+ms5KYJ0
~~~~

壺キャスター「『破ぁ!!』『破ぁ!!』」ビュン

壺ランサー「^^」シュン

壺キャスター「チッ。まるで当たりやしねぇ。…それにしても妙だな。さっきから暴れてはいるが、こっちを深追いしようとしない。ただの環境破壊野郎じゃないか」

アーチャー「気をつけろ!敵の攻撃が来るぞ!」

壺ランサー「^^」バッ

壺キャスター「また上か!行動は相変わらずワンパターンだな!」サッ

壺ランサー「^^」ズドオオオオオオオオオン


壺キャスター「…?明後日の方向に飛んでいきやがった。何がしたいんだ?」


壺ランサー「^^」ズンッ ブンブンブンッ

バキッグシャッ


アーチャー「我々と距離を取ってくれるのはありがたいな。やはり理性を失っているのか?」

壺キャスター「…まさか!」

491: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:41:41.82 ID:/+ms5KYJ0
壺ランサー「^^」バッ


アーチャー「また我々のいる方向とは逆に向かっていったな。肉体の強化と引き換えの精神の狂化、か。恐れる必要はなさそうだな」

壺キャスター「クソッ!おい、ランサーを追うぞ!」ダッ

アーチャー「何だと…!わざわざ危険を犯しに行くというのか!?」

壺キャスター「アイツはいきなり俺たちを倒すつもりなんてなかったんだ!アイツの目的はこの森の結界を消すことだ!」

アーチャー「…!?そういうことか…!」

壺キャスター「アイツは理性を失ってなんかいない!確かに精細な動きはできなくなったんだろうが…代わりに得たリーチとパワーで大暴れするつもりだ!」

アーチャー「辺り一帯を目茶目茶にして、結界の起点を潰そうという訳か…」

壺キャスター「完全に陣地を破壊される前に、アイツを倒すぞ!結界が消えてしまったら、もう奴らを止められない!」

アーチャー「くっ…まさかあんな怪物に対して、我々が追う立場になるとはな…!」ダッ

492: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:42:55.60 ID:/+ms5KYJ0
~~~~

壺セイバー「確かに戦場とはいったが…それなりの出迎え方があるでしょう?」

士郎「…森かと思ったら荒野だったという顔になる 誰か説明しテ!」


森の奥にしばらく進むと、暗く生い茂った木々の中で不自然に明るい木漏れ日が見えた

そこまで進んだ士郎たちの目に入ったのは、大きく開けた空間であった

そこに存在するはずの木々はなぎ倒され、地面には大きなクレーターが複数点在していた

その様子はまるで爆心地を思わせるものであり、そこで激しい戦闘があったことを推測させた


壺セイバー「肉体が貧弱なバーサーカーや魔術がそれほどでもないキャスターにこんなことができるはずがにい これはリューサンの仕業でFA!」

士郎「俺は古代より視力の高さには定評のある正義の味方志望なのだが…あそこら辺に穴が空いているように見えた」

壺セイバー「ほう、経験が生きたな 中に何が入っているか教えるべき」

士郎「何あれ…?人…?外人…?…!セイバー!!」

壺セイバー「おいおい(笑)冗談は魔力の少なさだけにしておけよ」

士郎「うるさい気が散る!セイバー!セイバーどうしたんだ!」

セイバー「…士郎…?来て、くれたのですか…ですが…すみません…あまり大きな声を出すのはやめてください…。今にも理性が飛んでしまいそうなのです…」

壺セイバー「いやらしい……」

セイバー「黙っててください…前歯へし折られたいんですか…!…失礼。ですが…私のことは気にせず…彼を助けてあげてください」

セイバー「彼は今…たった一人で戦いに挑んでいます…」

士郎「…ランサー…!」

493: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:43:42.60 ID:/+ms5KYJ0
~~~~

アーチャー「キャスター!今結界はどの程度維持できている!」

壺キャスター「もう4割ほど拠点が破壊された!徐々に結界の効力が弱まっている!」

アーチャー「これ以上の破壊は絶対阻止せねば。だがしかし…ヤツにまるで追いつけていない」


壺ランサー「^^」ビュン


ランサーはその巨体を駆使し、触れる木々は全てなぎ倒し、大地を抉っていた

破壊の限りを尽くしながら猛スピードで森中を蹂躙するその様は

もはや怪物ではなく、天災に例えるのが妥当といったところだろう



壺キャスター「あのスピードで迫られるのはゴメンだが…逃げられるのはもっと厄介だ」

壺キャスター「アイツを止める、か…。多少無理する必要があるな」

アーチャー「…何か策があるようだな」

壺キャスター「策といえるかどうかも怪しいがな。…お前、確か投影とやらを使えるんだったな」

壺キャスター「『釣り竿』の投影は可能か?」

494: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:46:11.46 ID:/+ms5KYJ0
アーチャー「…可能だ。かつて投影した経験もある」

アーチャー「だが、今の私に投影できるのは何の力を持たない、本当にただの釣り竿だ。一体何に使おうというのだ?」

壺キャスター「なら、今すぐ投影して俺に貸してくれ。時間が惜しい。早めに頼む」

アーチャー「…トレース・オン」シュウウ

アーチャー「これでいいか?」サッ

壺キャスター「ありがとよ。充分だ。力は俺が与えられる」

アーチャー「…一体何をするつもりだ?」

壺キャスター「俺の宝具は色々応用が効くのさ。今まではあえて使おうとも思わなかったが…」シュウウウウ

壺キャスター「『破ぁ!!』」ピカアアアアアア

アーチャー「…これは…!」

壺キャスター「いつまでも暴れてんじゃねぇぞ、ランサー!『破ぁ!!』」バシュッ


キャスターが詠唱をすると、釣り竿は光に包まれた

糸は眩しく輝き、光の剣を思わせる形状へと姿を変えていた

キャスターが釣り竿を思い切り振り回すと、糸はまっすぐランサーの元へと向かっていった

背後から迫る一筋の閃光をランサーは躱せず、光の剣はランサーの胴体を貫いた

495: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:47:12.50 ID:/+ms5KYJ0
壺ランサー「^^;」グハッ

壺キャスター「どうだ?少しは効いただろ」

アーチャー「…!何をしている!今すぐ釣り竿を手放せ!」


一瞬動きを止めたランサーであったが

すぐさま自分に起きたことを理解した

そして、自分の体を貫いた糸を掴み

思い切り引っ張った


グン

壺キャスター「…!くっ…!」ズオオ

アーチャー「キャスター!!」


キャスターは釣り竿ごとランサーの元へ手繰り寄せられ

その巨大な手によって胴をワシ掴みにされた

496: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:48:37.43 ID:/+ms5KYJ0
壺キャスター「グハッ!ぐ…あ…」

壺ランサー「^^」ギリギリ


ランサーは徐々に手に力を込めていき、そのままキャスターを握りつぶそうとしていた

そして、今まさに渾身の力を込めてキャスターを葬らんと――


壺キャスター「…へ、へへっ…どう、だ…動きを、止めてやった…ぜ…」

壺ランサー「^^!?」ギチギチ


キャスターは、ランサーによって釣り竿を引き寄せられていた時

更に、ランサーによって体を締め上げられていた時

宝具の魔力によって糸を巧みに操り、逆にランサーの体を縛り上げていた

激しく動いている相手を、遠距離から止めるのは難しい

あえて危険を承知で敵の懐に潜り込み、察知されないように動きを封じる

最初からそれがキャスターの狙いであった



アーチャー「上出来だ、キャスター。…来い、バーサーカー」

壺バーサーカー「……」ブゥン

497: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:49:52.62 ID:/+ms5KYJ0
壺ランサー「^^#」ギリギリ

壺キャスター「けど…まずったな…このままじゃ…俺も共倒れだ…ガハッ!」


「――令呪を持って命じるわ。…私のもとに戻りなさい、キャスター!」

ビュン

壺ランサー「^^!?」スカッ



壺キャスター「ヒュウ…ゼェ…ハァ…ハァ…来てくれる、って…信じてたぜ、マス、ター…」

凛「嘘付きなさい。どう見ても後先考えなしの行動でしょ!」

壺キャスター「まぁ…な…。だけど…値千金の働き…だと思うぜ」

壺キャスター「あとは…バーサーカーの『切り札』とやらを…じっくり拝ませてもらうじゃ…ないか」

498: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/06(木) 23:54:17.87 ID:/+ms5KYJ0
アーチャー「令呪を持って命じる。重ねて令呪を持って命じる。更に重ねて令呪を持って命じる」


アーチャー「バーサーカーよ――魔力の贄を喰らい、汝の逸話に眠りし秘法を解放せよ」


それは、令呪を用いた命令というよりは、魔術の詠唱に近いものであった

アーチャーが『詠唱』を始めると、バーサーカーにも変化が現れた

虚ろで濁った目は赤く染まり、顔は初めてバーサーカーらしく狂気を映し出していた

腕に巻かれた包帯はまるで拘束が解かれたかのように激しく棚引きはじめ

対照的に周辺の空気は、まるで真冬のように冷たく静かになっていった


アーチャー「森羅万象、生あるもの全てに確実な死をもたらす凍れる禁術。その名は――」



壺バーサーカー「――エターナル…フォース……ブリザード!!」

503: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/12(水) 18:14:54.17 ID:p8W5susV0
~~~~

セイバー「…あっ…」シュウウウ

士郎「…!?セイバー、体が…!?」

セイバー「今、はっきりと分かりました…ランサーが、敗れたのだと…」

壺セイバー「…リューサン」

セイバー「…申し訳ありません、ランサー。ここまで共に戦ってきたというのに」

セイバー「最後の最後に、感謝の意も…別れの言葉すら伝えられないなんて…」シュウウウウウウ


士郎「……」

壺セイバー「…だが、リューサンはどうやらかなり暴れたらしいな 体の軽さがその証拠」

士郎「結界の効力が、弱まっているのか…流石は竜騎士だと感心はするがどこもおかしくはない」

壺セイバー「…心配しなくてもリューサンはソロ専だからよ、一人で逝くのは慣れてるべ」

壺セイバー「キャスター達の弱体化も決定した 後は俺達で決着を着けるぞ」

504: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/12(水) 18:15:28.21 ID:p8W5susV0
~~~~
シュウウウウ

壺バーサーカー「……」

アーチャー「…くっ。やはり発動後の反動がキツイな…」ヨロッ

壺キャスター「ランサーが、一撃で…」

凛「今のは、何…?」

壺キャスター「…『エターナルフォースブリザード』か。成程、それなら納得できる」

凛「何よ、それ…」


アーチャー「――2ちゃんねるで最も名の知られた創作魔法、それが『エターナルフォースブリザード』だ」

アーチャー「一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる、という効果が設定されているが…それがもたらす結果は至ってシンプルでな」

アーチャー「――『相手は死ぬ』。この一点のみだ」

505: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/12(水) 18:16:06.27 ID:p8W5susV0
壺キャスター「ある種の因果の逆転のようなもんだな。この魔法を発動した時点で、相手の死は確定している。大気の氷結はそれに付随するオマケみたいなもんさ」

壺キャスター「それほどまでに、2ちゃんねる上で『発動=死』のイメージが定着してる技だってことだ」

凛「…よくわかんないけど。要するにその技を使ったら、対象を確実に仕留められる…ってことなのよね?」

アーチャー「その通りだ。尤も、本来の担い手ではないバーサーカーにこの技を再現させるには、それなりの代償を払わねばならんがな」

壺キャスター「令呪3画か…本来ならば1度しか使えない、正真正銘最後の切り札ってわけだな」

アーチャー「ああ。幸いアーチャー討伐の褒章として、新たに6画の令呪が支給されたためこうして戦略に組み込むことができてはいるが」

アーチャー「残る令呪は後3画。つまり、もう一度だけエターナルフォースブリザードの使用が可能だ」

凛「…」

アーチャー「だが…見ての通りこれを使うと私の魔力も根こそぎ持っていかれる。当分の間戦闘は不可能だ。悪いが、残るセイバーの相手は君達が先にやってくれ。私も後から合流しよう」

アーチャー「結界はまだ完全に破壊された訳ではないのだろう?私の見立てでは、セイバーもライダーとの戦闘でかなり消耗している筈だ。君達にもまだ十分勝機はあるさ」

凛「…そうみたいね。だからこそランサーもあれだけ好きに暴れられたんでしょうね」

壺キャスター「…よし、かなりダメージも回復してきた。いつでも大丈夫だ、マスター」

凛「……わかったわ。お願い、キャスター」

510: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/16(日) 19:04:25.94 ID:CPu25fn80
~~~~

士郎「…セイバー」

壺セイバー「ああ。やっと敵と相まみえるのだという顔になる」

凛「…さっきぶりね、士郎。さっきよりは顔色良さそうじゃない」

壺キャスター「マスターもな。そういや、セイバーの戦い方って俺はあんまり覚えてないんだよな。闘技場の時は記憶が曖昧でな」

壺キャスター「まぁ、逸話には事欠かないサーヴァントだ。どんな攻撃パターンを持ってるかはある程度予想つく」

壺セイバー「勝手に人の実力を決めつけるなよ雑魚が。 …と普通ならこう返すのが全員だろうが」

士郎「ナイトは忍者とは比べ物にならないほどの懐の広さの持ち手なのでその程度の挑発も「ほう…」と受け流す」

凛「…あなた達と会話してると私の頭がおかしくなって死にそうになるわ。お互い、もう御託はいいでしょ?」

壺キャスター「あとは決着を付けるだけだ。今更結界を貼り直す時間もないしな」

士郎「歯垢のジョブであり最高のクラスであるナイトなセイバーとタイマン貼るとかお前頭わりぃな。INTは9でいい」

壺セイバー「タイマンとか言いながらなにか企んでるのはバレバレテで バーサーカーはどこに隠してんだよ」

511: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/16(日) 19:05:17.92 ID:CPu25fn80
壺キャスター「…バーサーカーか。さぁて、どこに身を隠してることか」

凛「…いいわ、キャスター。この際だから全部話しちゃいましょ」

壺キャスター「いいのか?マスター。相手に警戒してもらってた方がこっちにとってはありがたいんじゃ」

凛「これが最後の戦いだもの。最後くらい覚悟決めて真っ向から戦いましょ」

壺キャスター「…ま、そういうマスターだってことは、短い付き合いでもなんとなくわかってたけどよ。いいぜ、好きにしな」

士郎「お前ら一体何の話をしてるのだと言って――」


凛「バーサーカーは、もういない。…これが最後の戦いよ、士郎」

512: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/16(日) 19:06:14.04 ID:CPu25fn80
~~~~
凛「……わかったわ。お願い、キャスター」

壺キャスター「おうよ。…悪く思うなよ」クルッ

アーチャー「…?一体、何を」

壺キャスター「『破ぁ!!』」バシュン


キャスターはバーサーカーに向き直り、宝具を使用した

キャスターの放った一撃は、バーサーカーの華奢な体を貫いた

513: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/16(日) 19:07:14.79 ID:CPu25fn80
壺バーサーカー「……ぁ」シュウウウウウウウ

壺キャスター「おーおー。一発食らっただけでだけで致命傷か。やっぱり、サーヴァントとしては貧弱だな」

アーチャー「…!?馬鹿な…!?凛、君は一体何を…!?」

凛「……アーチャー。私だってアンタに言われるままに内職してたわけじゃなくて、いろいろ考えてたのよ」

凛「それで、結論がでたの。――バーサーカーのその『切り札』」

凛「このまま戦いが順調に進めば…それの最後の犠牲になるのはキャスターの予定だったんじゃないの?」

アーチャー「……!」

514: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/16(日) 19:08:12.12 ID:CPu25fn80
凛「そもそも、周りくどいのよ。やってることがものすごく。罠を森中に仕掛けておきながら、セイバーとランサーを入り口で足止めしたり」

凛「キャスターを通じて森の中での戦いを見せてもらったけど…最初に足止めした時にその切り札を使っておけば、確実に敵の戦力を1騎削れたでしょ?」

アーチャー「…」

凛「でも、アンタはそれをしなかった。そこで仕留めておけば、ランサーにあそこまで大暴れされることもなかったでしょうに」

凛「…アンタの狙いは、令呪を温存したまま、セイバーとランサーを倒し、かつ、キャスターも満身創痍の状況を作ること。この森は、そのための布石ってところかしら」

凛「セイバーを罠にかけたのも、本当はキャスターにランサーを倒させるつもりだったんでしょう?それとも窮鼠の大暴れに期待して、相打ち狙い?」

壺キャスター「ま、それはランサーの宝具のせいで台無しになったけどな。…こっちも結構なダメージを負ったが」

515: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/16(日) 19:12:47.85 ID:CPu25fn80
アーチャー「…君はそこまで気づいておきながら、あえて私を泳がせておいたというわけか。目的は――」

凛「あなたと同じよ。…勝ちたいのよ、この戦いに」

凛「現実世界でのルールが適用されないこの世界で、与えられた『武器』と知略を駆使して最後まで勝ち残る…これ以上に自分の実力を試すことができる好機はそう無いでしょう?」

アーチャー「…家計の心配はしなくていいのか?」

凛「あのねぇ…。大体、あのエセ神父がちゃんと約束を守って賞金を出すかどうかだって怪しいもんじゃない!」

凛「アイツの性格の悪さは、私が一番良く知ってるわよ。あん畜生、嫌がらせのためならなんだってするんだから」

アーチャー「…ふっ。何、冗談だ。まさか、あの凛が私を出し抜くとはな」

アーチャー「柄にもなく、感激してしまったよ。…親心とは、こういう気分を言うのだろうか」

凛「…」

アーチャー「…肝心なところで重大なミスを犯し、余裕もなく優雅さも投げ捨てていくあの凛に、この私がやられるとはな……」

凛「うっさい!さっさと消えなさい!」

アーチャー「――勝て、凛。今の君なら、衛宮士郎などに負けはしない筈だ」

凛「…言われなくてもそのつもりよ。行くわよ、キャスター。――最後の決着を付けに」

526: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/21(金) 00:54:51.16 ID:gD46/M6Z0
~~~~

壺キャスター「まぁ、そういうわけで…バーサーカーは俺がきっちり仕留めておいた」

壺キャスター「お前たちがランサーの敵討をしようなんて考える必要もないってことだ。ありがたいだろ?」


士郎「……」

壺セイバー「…普段は確かに心優しく言葉使いも良いナイトでも おまえらのあまりの粘着ぶりに完全な怒りとなった」

壺セイバー「――リューサンの分も一撃を食らわせてやる 覚悟しろよカスが」


凛「何よ、結局怒ってるじゃない…」

壺キャスター「敵のペースに飲まれるな、マスター。ふざけた言葉喋っちゃいるがかなりの遣い手だ」

壺キャスター「ただ、アイツはランサーやアーチャーと違い…俊敏さを活かした『回避』ではなく、耐久を活かした『防御』を得意とするタイプのサーヴァント」

壺キャスター「つまり…俺の宝具の格好の獲物ってわけさ」グッ

凛「令呪もまだひとつ残ってるし、結界も一応まだ機能してる。充分に勝機はあるわ。もう真っ向からぶつかるしかないわよね…!」

527: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/21(金) 00:56:07.12 ID:gD46/M6Z0

士郎「セイバー、行けるか?」

壺セイバー「そんな心配ひ不要です。ナイトは回復力もかなり高い むしろマスターのほうが心配で身動きがとりにくいというある様」

士郎「俺は主人公だし腕とかも結構もげたりするけど生半可なマスターには真似できない根性で耐えたりする つまり全く問題はないな」

壺セイバー「助かった、終わったかと思ったよ。じゃああとはこいつらをぶっ飛ばすだけだな」


「「……」」

「「……」」


凛「行くわよ、キャスター!」
士郎「行くぞ、セイバー!」


壺キャスター「おう!」
壺セイバー「hai!」



「あの~…誰か忘れてないでちゅか?」

528: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/21(金) 00:57:56.73 ID:gD46/M6Z0

士郎「!?」

凛「しまった…!このタイミングで…!」


壺キャスター「やっぱり来やがったな、アサシン!『破ぁ!!』」ヒュッ

「ちょ、いきなり何するんでちゅか!」サッ

壺セイバー「俺は常人ならば対応できない程の反応速度でカカッとアサシンに斬りかかった!」バシュ

「や、やめてくだちゃい!」シュッ


動揺するマスターたちとは裏腹に

サーヴァントはこの突然の来訪者を予期していたかのように

即座に攻撃対象を変更した


壺アサシン「…いきなりひどいじゃないでちゅか」パッパッ


壺キャスター「いきなりはこっちのセリフだ。毎度毎度戦いに水を差すタイミングで現れやがって」

壺セイバー「ナイトに同じ手が通じると思って粋がるなよ雑魚が 黄金聖鉄塊に同じ技は2度通じぬという名セリフを知らないのかよ」

壺アサシン「今すぐ戦うつもりはないのでちゅ。マスターからのメッセージをあなた達に伝えるために来たのでちゅわ」

529: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/21(金) 00:59:41.10 ID:gD46/M6Z0
士郎「メッセージ…?大事な要件を伝えるなら自分から教えに来るべき 支給されたカス端末も壊れてるしよ」

壺アサシン「だから、こうしてあたちが出向いたのでちゅ。よっと…」


アサシンが懐から取り出したのは、士郎たちに支給されたものよりもサイズの大きい

タブレット型の端末であった

その画面には、言峰綺礼の顔が映し出されていた。


言峰『やぁ、盛り上がっているかね、諸君』

壺キャスター「ああ、かなりな。それをたった今お前たちに邪魔されたわけだが」

言峰『それは悪かったな。だが、一刻も早く伝えねばならぬ事があったのでな』

凛「…わざわざアンタが言い出すってことは、確実に悪い話題よね」

言峰『そうでもないぞ、凛。むしろ君らにとっては朗報となりえる話だ』

士郎「もったいぶらずに話すべき死にたくなければな」


言峰『――おめでとう、遠坂凛。そして、衛宮士郎。君たち2人がこの『聖壺戦争』の勝者だ』


士郎「…おいィ?」

凛「…はぁ!?アンタ、何言って」

言峰『約束の報酬は、優勝者に用意されたものと同額を、君たち2人にそれぞれ支給しよう。差し当たって――』


言峰『この『聖壺戦争』を終結させる必要がある。速やかに自らのサーヴァントを自害させてくれたまえ』

534: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 03:24:40.22 ID:JNf2x1UF0
凛「…アンタ、自分が何言ってるかわかってんの?」

凛「――ふざけないでよ!私達が今まで勝利をつかむためにどれだけ汗かいたと思ってるわけ!?」

凛「それを、勝たせてやるからサーヴァントを自害させろですって…?人を馬鹿にするのも、いい加減にしろっての!」

壺キャスター「お、おい。抑えろよマスター…腹立たしいのは俺も同じだけどな」


壺セイバー「おいィ?マスター、今の言葉聞こえたか?」

士郎「聞こえてない 何か言ったの?そもそも自害させるための令呪がないという時点で俺の勝率は最初から100%だった」


言峰『ふむ…君たちは、賞金が欲しくはないのか?こちらの提案を飲まないのであれば君たちは評価対象外だ。参加賞すら支給されない』

言峰『それでもいいかね?これが最後の問いかけだ』

535: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 03:25:12.99 ID:JNf2x1UF0
凛「…ふん。そっちこそ素直にお願いすれば?『お金が勿体ないので、賞金出したくないんです;許してくだふぁい;;』って」

言峰『……』

凛「こっちはとっくに、賞金なんて眼中にないのよ。それに、どっちにしろあと3騎だけなんだし、ここで決着を付けても同じことでしょ?」

言峰『…ふん、交渉は決裂というわけか。仕方あるまい』

言峰『君たちが素直にサーヴァントを自害させてくれれば、こちらとしても面白…失礼、楽だったのだが』

壺キャスター「おい、サラッとコイツ本音を漏らしたぞ」

壺セイバー「…それにしても妙だな 今更急いで戦争終わらせて何になるっていうんだよ」

536: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 03:26:30.78 ID:JNf2x1UF0
言峰『…あの『バーサーカー』は…最期まで想像以上の働きをしてくれた』

言峰『奴のお陰で、予想をはるかに上回るペースで魂の回収ができたのだ』

言峰『サービスの実装を待つ必要もなくなった。…あと2騎分もあれば充分に満たされるだだろう』


士郎「意味わかんね 笑う坪どこ?何言ってるか全然理解不能状態なんだが」

言峰『君たちがこれ以上知る必要のないことだ。――さて、決着をつけようではないか』

言峰『君たちの望んだ方法でな。アサシン、セイバーとキャスターを始末しろ』


壺アサシン「やっと出番でちゅね。――了解しまちたわ」

541: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:15:51.33 ID:JNf2x1UF0
アサシンは端末をその場に置き、臨戦態勢に入った

しかし、今まさに戦いが始まろうかという時に、予期せぬ来訪者がその場に現れた



「これは一体…どういうことだ」ザッ

壺キャスター「新手か!?」バッ

凛「…って、ええ!?なんでアンタがいるのよ」


アーチャー「…それは私が教えてほしいくらいだ。バーサーカーが消滅した後も何故か私はこの世界に留まったままだ。言峰綺礼、説明を要求する」

言峰『ふむ…ライダーの宝具の影響、及びバーサーカーの消滅によりバグが発生したのかもしれん。まぁ、些細なことだ』

言峰『…サーヴァントを持たぬマスターが死亡すると、一体どのようなことになるのだろうな。少し興味がわいた。アサシン、ついでにそいつも始末しろ』

壺アサシン「わかりまちた」

アーチャー「な…!?貴様、何を…!?」

542: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:16:31.92 ID:JNf2x1UF0
壺セイバー「ハイスラァ!」ブンッ

壺アサシン「おっと」ヒュン

壺キャスター「瞬間移動…やっぱり厄介なスキルだな」

壺セイバー「お前の相手は俺達だと言っているサル!履き違えんなよカスが」

壺アサシン「やれやれでちゅわ。じゃあまずはあなた達から相手してあげまちゅ」スゥ

凛「消えた…!今度はどこに…」


スッ

バチッ!!

壺アサシン「痛っ!」シュウウウ

凛「きゃあ!コイツ、私の背後にいたの!?」

壺キャスター「俺達の相手をする、と言っておきながらマスター狙いか。わかりやすすぎるな。マスターに何個かお守りを分けておいて正解だったぜ」

壺セイバー「追撃のグランドヴァイパ!」

壺アサシン「ちっ…!」シュン

壺セイバー「ヨミヨミですよ?お前の動きは」

543: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:17:24.30 ID:JNf2x1UF0
シュン

壺キャスター「『破ぁ!!』」ビュン

士郎「お、おいやめろバカ!」サッ

壺アサシン「ぶへぇ!!」ドガッ


凛「今度は士郎を狙ったのね。キャスター、ナイス!」

壺キャスター「結構効いたな。お前も、バーサーカーと同じでさほど耐久が高くないタイプと見たぜ」

壺アサシン「ふうう…多くの戦いを経験して、かなり手強くなってまちゅねえ。初期とは大違いでちゅ」

言峰『…どうした、アサシン。お前の力を駆使すれば、その程度の相手に苦労することは無いはずだが?』

壺アサシン「戦いは単純なスペック差で決まるものではないのでちゅよ。もはや彼らは歴戦の勇士でちゅわ」

壺アサシン「マスター、この際でちゅし、あたちのプロテクトを全て解除してみるのはどうでちゅか?」


凛「プロテクト…ってどういうこと?」

アーチャ「…奴の能力を制限するためのプロテクト、というのが妥当な考えだろう。どんな理由で制限されていたのかは不明だが…」

壺キャスター「それを解除するってことは…今よりも弱くなるってことは無いだろうな」

544: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:18:33.24 ID:JNf2x1UF0
言峰『…ふむ。確かにこの世界ももはや修正不能な歪みもいくつか生じている。お前のプロテクトを外したところで、大きな影響もないやもしれん』

言峰『良いだろう。お前のプロテクトを全て解除する。持てる力を存分に発揮して、そいつらを仕留めるがいい』

壺アサシン「ふふふ。封印が解けられまちたわね」パアアアア


壺セイバー「…汚いアサシンごときが何をしようと無駄なこと」グッ

士郎「気をつけるべきセイバー。アサシンはひきょうな真似をするものだと決まっているからな」


壺キャスター「さて、どう出る。見た目には変化は無いが…」

凛「ランサーくらい見た目に変化があるとわかりやすいんだけどね」




壺アサシン「…ランサーは、どういうふうに姿を変えたんでちゅか?」

545: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:19:53.25 ID:JNf2x1UF0
凛「え?そうね…あれはひどかったわね。体のバランスが悪すぎるというか…」

壺キャスター「おい!今は戦闘の最中だ。無駄話をするな!マスター、アサシン!」


凛「う…悪かったわよ…」

壺アサシン「ご、ごめんなちゃい…」シュン

壺アサシン「…そんなことよりキャスター」スタスタ

壺キャスター「ん?どうした」

壺アサシン「オラァ!」ブン

壺キャスター「ぐおっ!」バキッ


ズサァ

凛「!ちょっと、なにしてるのよアサシン!」

壺アサシン「そんなに大声出したら敵に気づかれちゃうでちょうが!気をつけてくだちゃい!」

壺キャスター「ゲホッ…す、すまねぇ、アサシン」ヨロッ

546: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:20:53.73 ID:JNf2x1UF0
壺セイバー「おいおい(笑) 今はアサシンとの戦いの真最中なんだが?あんまり調子こいてると痛い目を見るぞ」

壺アサシン「全くでちゅ。相手を侮ってたら勝てる戦いも落としまちゅよ」

壺アサシン「…ところで、セイバーのマスター。私に武器を投影してくれまちぇんか?素手では心もとないでちゅわ」

士郎「魔力が少ないので普通なら断るのがぜいいんだろうが俺はアサシンに武器を作ってやることにした」パアア

壺アサシン「ありがとう。まぁ、素敵な棍棒でちゅ。少し試させてもらいまちゅね」ブンブン

壺アサシン「せいっ!」ビュン

壺セイバー「ウボァ!」バキッ

壺アサシン「顔面にフルスイングを食らっても平気だなんて、さすがはセイバーでちゅね!」

壺セイバー「ま、まぁな…ナイトならこのくらいチョロイ事…」プルプル


アーチャー「……」

547: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:21:38.15 ID:JNf2x1UF0
――おかしい。

何かが、おかしい。

何がおかしいのかと言われると答えに困るが…

なにか普通でないことが起こっている気がする。

この場にいる全員を冷静に観察してみるとしよう。何かがわかるかもしれない。

凛とキャスター。衛宮士郎とセイバー。アサシン、そして私

…私の思い過ごしだろうか?ここにいる者達は皆、アサシンを倒すという目的で一致している。

離反者がいるわけでも…

――アサシンを倒す?

アサシン…アサシン…!?

548: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:23:09.51 ID:JNf2x1UF0
アーチャー「凛!正気に戻れ!そのアサシンは敵だ!」

凛「は?何言ってんのよ。そんなのわかりきってるじゃないの。だから今こうしてアサシンを倒そうとしているんでしょ?」

アーチャー「…確かにその通りだ。私は一体何を…?」

士郎「ついに頭がおかしくなったようだな。やっぱりセイバーじゃないとダメかー。圧倒的にさすがって感じ」

壺アサシン「全く…一発くれてやるから、冷静になりなちゃい!」ブン

アーチャー「ぐはぁ!!」ズサアアアア


アーチャー「ゲホ、、ハァ・・・ハァ…今ので…完全に思い出したぞ…!お前は、一体何なんだ!?」

壺アサシン「あなたが思い出したのではないでちゅわ。あたちが退屈したからスキルを解除しただけでちゅ」

凛「え…!?嘘…なんで私達コイツを受け入れてたの…!?」

549: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:24:56.17 ID:JNf2x1UF0
壺セイバー「な、ナイトはアサシンよりも高みにいるからイタズラにも笑顔だったが…いい加減にしろよ!」

士郎「オイ!人の魔力使うのは犯罪だぞ聞いてんのか!?」

壺キャスター「…!?コイツ…どこかで見たことがあると思ったら…『ぼっさん』か!!」


言峰『その通りだ。ニュー速より生まれ出た、『世界最強のフリー素材』。それが我がサーヴァント…アサシン、『ぼっさん』』

言峰『コイツはフリー素材として多くのネットユーザーの間で知名度を獲得し、数多くのコラが制作されている』

言峰『コラの種類も多種多様だ。アサシンの力もそれらの信仰を元に形成されている』

言峰『言うなれば、存在自体が『使われるもの』として、サーヴァントであり…同時に宝具でもあると言えよう』

言峰『能力を全開放したアサシンに勝てるものは存在しない。そのままケリを付けてしまえ、アサシン』


壺キャスター「くそっ…!GMがこんな隠し球を用意していやがったとはな…!」

凛「ど、どうすればいいのよこんなの…!?こっちの意識にまで介入されたら、勝ち目ないじゃない!」

550: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/22(土) 23:25:59.27 ID:JNf2x1UF0
壺アサシン「うーん…でもこのまま嬲り倒すにしても…腕が疲れそうでちゅわ」

壺アサシン「…そうだ、いいことを思いつきまちたわ」

壺アサシン「ライダーの宝具の影響で、この世界のあちこちでデータがロストして、巨大な穴が空いているのでちゅ」

壺アサシン「――その中にこの人達を全員落としてみまちょう。何が起こるかちょっと楽しみでちゅわね」


士郎「な…!?」

壺セイバー「おい馬鹿やめ――」


アサシンはスキルの発動中、闇雲に攻撃を仕掛けていたわけはなかった

アサシンの巧みな誘導により、いつの間にかセイバー達は一定の範囲内にまとめられていたのであった

そして、アサシンの発言によりセイバー達が不意を突かれたその一瞬で

アサシンは彼らの背後に回りこんでいた――

557: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/23(日) 21:57:35.80 ID:lNfslzyf0
~~~~

凛「…って、アレ?何処よ、ここ」

壺キャスター「さっきまでいた森じゃなさそうだな。アサシンの力で飛ばされたか?」

壺セイバー「じゃあここがアイツの言ってた穴の中なのかよ 穴に落とされても無傷で耐えちぇしまう超パワー!やはりナイトは格が違った」

アーチャー「…その割には、私達全員が無傷というのが気になるが。本当にここは穴の中なのか?」

士郎「じゃあお前はここが何処だって言うんだよ ほら見事なカウンターで返した。アサシンが俺たちを殺すために穴に放り込んだでFA!」


「いや、そうではないでちゅよ」

558: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/23(日) 21:59:22.20 ID:lNfslzyf0
凛「!?」バッ

壺キャスター「お前…!」

壺アサシン「おっと、ストップでちゅよ。そうでないと、またスキルを発動せざるをえまちぇん」

壺アサシン「あたちがその気になれば、ここにいる人たちみんな抵抗すらさせずに…それどころか、目の前の出来事に一切違和感すら覚えさせずに暗殺することも可能でちゅ」

壺アサシン「さっきは使わなかったけど…マスターからこんなのも渡されていたのでちゅよ」サッ

凛「…それって…!」

士郎「…見事なナイフだと関心するがどこもおかしくはないな」

アーチャー「正確にはナイフ形の概念礼装、といった感じだな。これならばサーヴァント相手にも深傷を与えることができそうだ」

壺アサシン「わかったらおとなしく話をきいてくだちゃい。できればこれは使いたくないのでちゅよ」

559: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/23(日) 22:00:20.08 ID:lNfslzyf0
壺キャスター「…ちっ」

アーチャー「やはりここはどこか別の場所…というわけか。話というのは何だ?」

壺アサシン「単純な事でちゅわ。あなた達にお願いがあるのでちゅ」

壺キャスター「お願い…?圧倒的に優位な立場にいるお前が、今更俺達に願うことがあるっていうのか?」

壺セイバー「ああやはりナイトは敵からも信頼を集めてしまうのだと実感した いいぞ話してみろ」

壺アサシン「うふふ。ありがとうございまちゅ。これは、あたちには無理なのでちゅ。あなた達にお願いするしかありまちぇん。そう――」


壺アサシン「あたちのマスターを、止めてくだちゃい」

560: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/23(日) 22:01:18.92 ID:lNfslzyf0
凛「マスターって…つまり、綺礼を止めろってこと?」

壺アサシン「その通りでちゅわ」

凛「…どうして綺礼のサーヴァントであるあなたが、綺礼を裏切るような真似をするわけ?」

凛「いや、そういうサーヴァントもいるってことはわかってるんだけど…」チラッ

アーチャー「…お前が離反を決意するほどの危険な企みを、言峰綺礼が企てているということか?」

壺アサシン「それもありまちゅ。マスターはあたちにも詳細は伝えず、この『聖壺戦争』を利用して何か良からぬことを企んでいまちゅわ」

壺アサシン「けど、一番の理由は…考えが気に食わないからでちゅ」

凛「…へ?」

壺セイバー「気に食わないとかいう理由で自分のマスターを売る恥知らずなアサシンがいた!」

壺キャスター「気に食わないって、何が…って聞くのも馬鹿らしいな。アレを気に入る奴がいるのかって話だ」

士郎「蓼食う虫も好き好きという名セリフを知らないのかよ 世界はえごいからよあんなんでも好きになるやつはいるしあれで娘もいる」

壺キャスター「マジかよ…」

561: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/23(日) 22:02:09.36 ID:lNfslzyf0
アーチャー「…気に食わない、とだけ言われてもな。君の思考が見えてこない」

壺アサシン「あたちだって、この『聖壺戦争』で戦うために生み出されたサーヴァントなんでちゅよ?それなのに戦いには参加させず、雑用ばかり…」

壺アサシン「…まぁ、ここまではよかったのでちゅよ。その代わりに、みんなの戦いを特等席から眺めることができまちたからね」

壺アサシン「自分の存在意義をかけて戦う他のサーヴァント達は羨ましいと思いまちたけど…この戦いの行く末を見届けられるのならそれでもいいとおもったのでちゅわ」

壺セイバー「……」

壺アサシン「なのにマスターったら、最後のセイバーとキャスターの決戦を見届けず、2人を消せと命じて」

壺アサシン「正直、カチンときまちたわ。目的を遂行するにしたって、2人の戦いが終わってから勝ち残った方を消したほうが効率的でちょうに」

壺キャスター「「」確かにな。そこまで急ぐ理由でもあったのか?」

凛「断言してもいいけど、それは綺礼の嫌がらせでしょうね。私達が最後に望んだ願い、つまり戦いの決着を付けさせずに『聖壺戦争』を終わらせるのが目的よ」

壺キャスター「どこまで性格が悪いんだここのGMは…」

562: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/23(日) 22:03:04.81 ID:lNfslzyf0
壺アサシン「ライダーのマスターも言ってまちたけど、あたち達サーヴァントにとってはこのゲーム内だけが全てなのでちゅ」

壺アサシン「それを全部自分の目的のために、自分が楽しむためだけに利用するマスターに愛想が尽きたのでちゅわ」

アーチャー「…成程。筋は通るな。だが、それならば君自身の手でマスターに手を下せばよいのではないか?」

アーチャー「それほどの力を持っているのなら、言峰綺礼を始末することなどたやすいだろう」

壺アサシン「…それは無理でちゅわ。だからこそあなた達にお願いしたのでちゅ」

壺アサシン「マスターは自分のサーヴァントの裏切り防止のために、自身にはあたちのスキルが通じない特別な処理(プログラム)を施してまちゅ」

壺アサシン「更にこの世界の全てを見渡せる管理人専用ルームの他に、あたちにすら侵入不可能な強固なマスター専用ルームを作っているのでちゅ」

壺アサシン「そこに逃げ込まれてしまったら、もう手も足も出まちぇん。令呪で自害を命じられておしまいでちゅわ」

壺アサシン「もしその部屋をこじ開けられるとしたら、強烈な負可によるデータのロスト。つまり…」

壺アサシン「この『聖壺戦争』内における、高威力の『物理』しか手段がないのでちゅ」

563: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/23(日) 22:04:06.69 ID:lNfslzyf0
士郎「…それなら話は簡単だな セイバーのグラットンスウィフトで部屋ごと言峰をバラバラに引き裂けばいいだけのこと」

壺セイバー「やはりアサシンよりもセイバーだな 今回のでそれがよくわかったよ>>アサシン感謝」

壺キャスター「俺もその話に乗ったぜ。そいつを始末しなければ戦いの決着もクソもなさそうだからな」

凛「けど、大丈夫なの?ここの会話も聞かれてるんじゃない?」

壺アサシン「心配しないでくだちゃい。ここはライダーの宝具の影響で発生した、コントロールルームですら把握できていない虚数空間なのでちゅ」

壺アサシン「前に散歩途中に見つけたのでちゅわ。位置情報が消滅すれば、さすがのマスターでもみんな一斉に脱落したとしか…」ピクッ

アーチャー「…どうした?アサシン」

壺アサシン「あっ…あっ…そんな…!」プルプル

壺セイバー「…!おい馬鹿やめろ!」


アサシンは絶望の表情を浮かべていた

手中の短刀を逆手に持ち換え、ゆっくりと振りかぶった

何かに抵抗するように体中小刻みに震わせていたが、それでも腕の動きが止まることはなく

その短刀を深々と自らの身体に突き立てた

570: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/24(月) 23:45:05.99 ID:stqVvnL30
凛「アサシン!」

壺キャスター「おい!クソッ!令呪か!」

壺アサシン「ハハハ…結局こうなるんでちゅね…」シュウウウウ

壺アサシン「あたちが…完全に消える前に…最後の力を振り絞って…あなた達をコントロールルームまで飛ばしまちゅ…」シュウウウウ

壺アサシン「あそこには…聖壺戦争に関わるデータが…保存して…ありま…」

士郎「…アサシン」

壺アサシン「どう…か…マスターを…」シュウウウウウ

壺セイバー「……」


シュンッ

571: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/24(月) 23:46:15.29 ID:stqVvnL30
~~~~

アーチャー「…また見覚えのない場所に付いたな。ここがGMの拠点、コントロールルームか」

壺セイバー「…アサシンはどこだよ」

凛「…消えちゃったみたいね」

壺キャスター「どう見ても致命傷だったからな。よくここまで俺たちを連れてきてくれたぜ」

士郎「…アサシンの覚悟を無駄にしないためにも早速行動に移るべきだと思った」

アーチャー「確かアサシンはここにデータが保存してあるといったな。手分けして閲覧するとしよう。言峰綺礼の目的がわかるかもしれん」

----

凛「わ、すごく大きいテレビね」

壺キャスター「いや、テレビではないだろこれは。監視用のモニタだな。ここで俺たちの戦いも全て見られてたってわけだ」

凛「映像が映ることには変わりないでしょ?テレビと何処が違うのよ」

壺キャスター「…ああ、それでいいぜ、マスター」

凛「あ、私達が最初に戦った場所も映ってるわ!」

壺キャスター「逆に、俺達が見たこともないような場所もたくさん映ってるな。よくこんな馬鹿みたいに広い世界で戦い合わせようなんて思ったぜ」

凛「ここを抑えられたのは良かったわね。綺礼のやつ、もう私達の行動を把握できないわよ」

壺キャスター「…問題はそこだ。アサシンのマスターは、今何処で何をやってんだ?何故この部屋を空にしている?」

572: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/24(月) 23:47:41.26 ID:stqVvnL30
----

壺セイバー「如何にも怪しげなスイッチがたくさん並べてあるな 普通なら押したくなる奴が全員だろうがここで一歩引くのが大人の醍醐味」

士郎「ここに遠坂がいなくてよかったな いたらアイツ片っ端から押してたぞ」

壺セイバー「地名がかいてあるところを見るとどうやらこれはフィールド効果のオんオフスイッチらしいな」

士郎「戦ってる最中にオフにもできるとかちょとsyレならんしょこれは…下手に触らないでおこう(戒め)」

凛「士郎ー。そっち何か見つかったー?」

士郎「【何もありません】【帰れ】」

凛「ちょ、何よそれ!」

アーチャー「無駄口はそこまでだ。…こっちへ来てみろ」

壺キャスター「何か、見つかったのか?」


アーチャー「ああ。――これは、『過去』の聖壺戦争の記録だ」

573: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/24(月) 23:49:21.86 ID:stqVvnL30
凛「え?どういうこと?私達以外にも、聖壺戦争を体験したプレイヤーがいるってこと?」

アーチャー「どうやら、そのようだ。このデータによれば、過去、既に4回ほどテストプレイが行われていたらしい」

アーチャー「つまり、我々が今戦っているこの舞台は…『第五次聖壺戦争』ということになるな」

凛「どれどれ。『第1回~第3回のテストプレイでは、知名度を優先してサーヴァントを選出していたため、まともな戦いにならなかった』…ですって」

凛「ようやくきちんとした戦いになったのは前回、つまり4回目のテストプレイから。なんだ、結構最近じゃない」

士郎「過去にはどんなサーヴァんトが呼ばれてたんだ?まぁ至高のナイトに及ぶものは無いのは確定的に明らかだが」

凛「えーっと…『身長2m超の女バーサーカー』に『不快な言葉で話すキャスター』とか書いてあるわ。…このセイバーと比べてどっちが不快かしらね」ボソッ

壺セイバー「おいィ?今なにか言ったか?」

凛「私のログにはなにもないわね。というか、これってGMの日記帳のようなもんよね?」

アーチャー「ああ。言峰綺礼の前任のGMの残した記録のようだな」

壺キャスター「その『女バーサーカー』ってやつは…ひょっとすると俺の知っているやつかもしれん」

壺キャスター「だが、今はどうでもいいことだ。今必要なのは――」

アーチャー「言峰綺礼本人が記した記録、だろう?…それも、発見済みだ」

574: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/24(月) 23:51:43.82 ID:stqVvnL30
凛「ちょっと!それを早く見せなさいよ!」

アーチャー「前任者の記録を先に見たほうが理解が進みやすいと思ってな。さて、これによれば前回、言峰綺礼は一マスターとして聖壺戦争に参加している」

アーチャー「こうして記録に残したのはGMに就任してからのようだがな。だが、自身が参加した『第四次聖壺戦争』に付いて幾つか記述している部分がある」

アーチャー「その中で、気になる文章を見つけた。…ここだ」


――あれは、アーチャーが宝具を使用した時の出来事だった。

音は砕け、目の前の風景にはノイズが走り

まるでこの世の終わりを想像させるようであった。

世界が崩壊しかける中、ヒビ割れた空の隙間から顔を出す『それ』を

私は確かに目に焼き付けた。

もしあれが自分の意志で自由に動き回ることができたのなら

暴れまわることができるのなら

一体私に何を見せてくれるのだろうか?

もう一度、会うことはできないだろうか?

いや、もし、自らの手で生み出すことができるのならば――



『そこまでだ、諸君』

594: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/26(水) 22:44:07.70 ID:4bB394aR0
凛「――!綺礼!?どこよ!」

壺セイバー「声は聞こえるのに姿は見えない不具合」

アーチャー「机の上に、先ほどアサシンが持ってきたものと同種の端末があるのを確認した。おそらくはそこから聞こえているのだろう」

士郎「またかよ(怒) さっさと自分の姿を見せろよ雑魚が」


言峰『人の部屋で好き勝手言ってくれる。…全く、まさかアサシンが裏切るとはな。厄介なことをしてくれたものだ』

595: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/26(水) 22:46:25.12 ID:4bB394aR0
凛「ふーん。人を散々コケにしておきながら、自分が裏切られたら即報復なんて、やることが小者臭いんじゃなくて?言峰神父」

『…ふっ。凛、お前は勘違いをしているようだ』

凛「は?何言ってんの?勘違いも何も、アンタがアサシンに裏切られてショック受けて令呪で自害を命じたのは確定的に明らかでしょ?今更コレも計算ずくだったとでも主張するのかしら?」


言峰『そうではない。確かにアサシンは見た目に似合わぬ気色の悪い口調のサーヴァントではあったが』

壺キャスター「誰もそんなこと言ってねぇだろうが…」

言峰『私はお前たちの誰よりも奴の能力を高く評価し、その働きに全幅の信頼を寄せていた。だからこそ――』


言峰『お前たちを確実に仕留めたと確信し、用済みとなったアサシンを自害させることに何の躊躇もなかった、というわけだ』

596: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/26(水) 22:47:45.64 ID:4bB394aR0
壺セイバー「…カスが」

凛「…今更確認するまでも無いけど、やっぱりアンタって性格最悪よね…!」

アーチャー「我々にわざわざ通信を寄越したということは、よほどここに見られたくない情報があるとみえる」

言峰『半分正解だ、守護者エミヤよ。そのまま君たちが記録を探れば、答えに行き着くであろう』


言峰『――ならばいっその事、私が直接答えを教えても同じことだと思ってね』


アーチャー「…ほう。それは殊勝な心がけだな」

凛「また何か企んでるんじゃないでしょうね?」

言峰『それは、私の話を聞いて君たち自身が判断するといい』

597: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/26(水) 22:51:09.30 ID:4bB394aR0
士郎「…聞いておくべき遠坂。コイツは周りくどいことは稀によく言うが嘘は滅多に付かない付きにくい」

凛「その代わり肝心なことは話さなかったりするんだけど…まぁ、いいわ。話しなさい綺礼」


言峰『では、語らせてもらおう。そもそも…君たちは『聖壺戦争』の名の由来は知っているか?』

壺キャスター「由来も何も…『2ちゃんねる』のTOP画像が壺だからって理由じゃないのか?」

言峰『そうだ。聖堂教会はそのTOP画像からインスピレーションを受け、あるシステムを構築しようと画策したのだ』

アーチャー「システム…?この『聖壺戦争』というゲームを作るのが目的ではなかったのか?」

言峰『『聖壺戦争』は副産物に過ぎん。当初、我々の真の狙いは別にあった』

言峰『世界最大のインターネット掲示板、『2ちゃんねる』。当然、利用者数も世界最大規模だ。そのユーザー一人一人から――』


言峰『微量な魔力を徴収し、擬似的な『聖杯』…いや、『聖壺』を作るという目的がな』

598: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/26(水) 22:53:12.89 ID:4bB394aR0
以上です。
ついでに設定だけ考えて今後二度と出す予定がない第四次のメンツを貼っておきます

セイバー:紳士的な元ソルジャー

アーチャー:かつて神と呼ばれた男

ランサー:甲子園に棲む悪魔

キャスター:6体の式神を使役する論者

ライダー:人間に寄生する魚類の王

バーサーカー:超長身の白い怪異

アサシン:だからお前は誰なんだよ

611: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/29(土) 02:43:57.91 ID:/+yCfzYr0
士郎「oi みうs みす おい 人の魔力かってに盗るとか犯罪だろ…証拠のログは確保したからなもう言い逃れはできない」

壺キャスター「2ちゃんねるユーザーから集めた魔力で聖杯を作るだと…!?そんなことが可能なのか!?」

凛「その聖壺、とやらも…万能の願望機ってことかしら」

アーチャー「…いや、例え仮に魔力を収集できたとしても…収集した魔力を自由に使うのはそう容易では無いはずだ」

壺セイバー「どういうことだよ?」

アーチャー「『2ちゃんねる』の運営と結託すればサイトに魔力回収用の術式を書き加えることはできるかも知れんが…その回収した魔力は何処に蓄積される?」

アーチャー「当然、ネットワーク上で管理されることになるだろう。つまり、収集の際、魔力をデータの形に変換する必要があるわけだ」

アーチャー「一度データ化されたものを、再び純粋な魔力として取り出せるとは到底思えん。そうだな、少し例は異なるが…電子マネーというものがあるだろう?」

アーチャー「あれも現金をネット上で取り扱い可能な仮想通貨に換えているわけだが、その逆は基本的には不可能だ」

凛「アンタが何を言っているのかはよくわからないけど…要するに魔力のデータ変換は不可逆の性質を持っている、ってことよね?」

アーチャー「…まぁ、そういうことだ。もしそんなことが可能であれば、ただのテキストファイルからでも魔力が生成できることになってしまうからな」

612: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/29(土) 02:45:27.78 ID:/+yCfzYr0
言峰『その通りだ。その利用者数の多さゆえに短期間で期待以上に魔力を回収することはできた』

言峰『だが、その魔力の殆どはネットワーク上のみで使用可能な魔力であった。いわば電子マネーならぬ…電子マナといったところか』


壺キャスター「金と違って、魔力なんてネットワーク上で使えたところで何の役にも立たなそうだな」


言峰『それも間違ってはいない。せいぜい、このような電子結界を創りだすのが関の山だ。ネットワーク上限定の願望機など、本来存在価値を見出すのは難しい』

言峰『しかし、計画が破綻したからといって…それまでに投入した膨大な時間と資金が帰ってくるわけではない』

言峰『そこでネットワーク上に集めた魔力をなんとか有効活用するため、私から上層部に『聖壺戦争』の構想を提案したというわけだ』


アーチャー「資金回収のための苦肉の策、というわけか。コレほどの規模の世界が副産物でしか無いというのは驚きだがな」

613: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/29(土) 02:47:39.56 ID:/+yCfzYr0
凛「…癪だけど、アンタにしてはいいアイディアだったと思うわよ。殺しあう必要のない本気の競い合いができる機会なんて、そうそうないもの」

凛「それなのに、アンタの余計な行動のせいで台無しよ!そろそろ目的をハッキリさせなさい!」

壺セイバー「そのまま素直にゲームを作っていればよかったのにな お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」


言峰『私も最初はオンラインゲームの路線を計画通りに進めていたさ。テストプレイのたびにプレイヤーとして参加し、情報収集も広く行った』

言峰『だが、前回の聖壺戦争で…私は出会ったのだ。この世界が生み出した、『ある存在』に』

言峰『あれは微小なバグの集積のようなものだったのだろう。デバックを逃れたそれらは宛もなく彷徨い、虚数空間を根城にしていたが…アーチャーの宝具の影響で一瞬露呈させられたのだ』

言峰『思えば、前回も優勝候補はアーチャーのサーヴァントだった。アーチャーの扱う宝具の威力は絶大で、この世界も一度消滅しかけた』


アーチャー「記録に書かれていた部分か…それで?肝心の『ある存在』とはなんだ?」


言峰『もはや話すまでもないとは思うが…私の目的はその存在――『アヴェンジャー』を呼び出すことだ』

614: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/29(土) 02:50:43.23 ID:/+yCfzYr0
士郎「『アヴェんジャー』…これ以上サーヴァんトを召喚しようっていうのかよ」


言峰『虚数空間に姿を隠しているアヴェンジャーをこの世界に呼びこむのは容易なことではない。しかし、よくよく考えれば、もう必要なものは手中にあったのだ」


アーチャー「…ネットワーク上限定の願望機、『聖壺』か」


言峰『ああ。ここまで言えばもう察しがつくだろう。私は聖壺を利用してアヴェンジャーを呼びだそうと考えた』

言峰『壺を満たすのに必要なモノは高濃度に圧縮された魔力…つまり、聖壺戦争に於けるサーヴァントの魂だ』

言峰『アヴェンジャーを完全なカタチで呼び出すには、まだ当分かかると踏んでいたのだが…嬉しい誤算ということにしておこう』

言峰『嬉しくない誤算も多々あったがな。――さて、そろそろ頃合いか。凛、君の質問に答えよう』


凛「へ?私?なにか言ったっけ?」


言峰『何か企んでいるのではないか?と尋ねただろう。――正解だ。勿論、私が自ら秘密を暴露したのには理由がある』

615: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/29(土) 02:52:05.11 ID:/+yCfzYr0
壺セイバー「さっさと話せよ雑魚が 死にたいのか?」


言峰『君たちの注意を、『ある物』から逸らすのが狙いだ。そして、その目論見は無事成功した』


壺キャスター「ある物…?」

アーチャー「…!モニターか!?」


言峰『ふっ、そうだ。誕生したての不安定な状態を狙われるのが一番困ることだったのでな。さて諸君、紹介しよう。モニターで空の状況を確認して見給え』


壺キャスター「チッ。まんまとしてやられたな」

士郎「空だと…?」

凛「…あれ?曇ってる?青空が見えないわね」

アーチャー「…!?いや、違う。…何だ、アレは…!?」

616: ◆nd9x4dt9shCh 2015/08/29(土) 02:53:34.96 ID:/+yCfzYr0
一見曇り空のように見えたそれは

形容しようもない、本能的な恐怖を覚えさせる『何か』だった

その『何か』は空を覆い尽くすように広大に広がり

世界を灰色に染め上げていた



no title

627: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/06(日) 19:58:19.30 ID:AHk03M7A0
凛「キャスター!アイツの正体は何なの!?心当たりがあるんでしょ!?」

壺キャスター「悪いがマスター…『tanasinn』という存在を知ってる奴は大勢いるだろうが…『tanasinn』が何なのか、ということを知ってる奴は一人もいないと思うぜ」

凛「ど、どういうことよ…」


アーチャー「肝心なことをまだ聞いていないぞ、言峰綺礼!お前はアレを呼び出して一体何をするつもりだ!?」

言峰『呼び出せた時点で、ほぼ私の目的は完了している。あとはアヴェンジャー自身がどう動くか、それは私にもわからん』

言峰『いや、むしろ…アヴェンジャーが自らの意志で一体何を為すのか。それを見届けるのが目的というべきか』

言峰『しかし、おおよその予想はつく。奴自身の特性を考えればな』


士郎「…!?おい、何だよアレは」

628: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/06(日) 19:59:25.07 ID:AHk03M7A0
∵∴∵∴(●)∴∵∴∵∵∴∵∴(●)∴∵∴∵



凛「風景を…侵食してる…!?」

壺セイバー「おい馬鹿やめろ データ消すとか犯罪だぞ」

壺キャスター「いや…単純にデータをデリートしてるって感じでも無いぞ」

アーチャー「この世界を構成するデータに、アヴェンジャー自身が同化、そして増殖している…といった感じだな」

アーチャー「言い換えれば、データに不純物を混ぜて自身の肉体として再構築している。どちらにしろ、データが破壊されていることには変わりがないが」

凛「…この世界のデータが破壊されたら、今ゲーム内にいる私たちはどうなっちゃうのよ」

アーチャー「…それだけでは済むまい。アレはバグやウイルスの範疇を超えている。あんなものがもし、このゲームから外部のネットワークに流出してみろ」

アーチャー「――アレは徐々に勢力を拡大しながら、世界中のネットワーク全体を蹂躙し尽くすぞ」

凛「それって、大変なことなの?」

アーチャー「…君に説明してる時間も惜しいが…まぁ、死人の1人や2人では収まらないだろうな」

壺キャスター「大変どころの話じゃないぜ、マスター!もう元の日常を送れないと思ったほうがいい」

629: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/06(日) 20:01:11.60 ID:AHk03M7A0
言峰『くっく…では諸君、検討を祈る。尤も、もはや君たちに為す術はなにもないとは思うがね』


壺セイバー「おい何笑ってんだお前殺してやろうか?」

凛「やっぱり、自分が楽しむのが目的じゃないアンタ!」


アーチャー「…為す術なし、か。本当にそうか?言峰綺礼よ」


言峰『……!』


士郎「おいお前あまり調子にのるなよぶっ飛ばされたいのか?」

アーチャー「セイバー陣営は黙っていてくれ私の寿命がストレスでマッハだ。――お前はさっきこう言ったな、『嬉しくない誤算も多々あった』、と」

アーチャー「私にはそれの検討が付いている。…アサシンのことだろう?」


言峰『……』

630: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/06(日) 20:05:26.74 ID:AHk03M7A0
アーチャー「私は途中からしか話を聞けていないのだが…お前は凛達にこう話していたな?『あと2騎分の魂で満たされる』と」

アーチャー「今となっては、その意味がわかる。お前が言っていたのは『聖壺』のことだ。本当ならばセイバー、キャスターの魂が回収されることで、壺は完全に満たされたのであろう」

アーチャー「しかし、アサシンの裏切りにより、それは妨害された。お前はアサシンが2騎を始末したと誤解したままアサシンを自害させ、壺を起動させてしまった」

アーチャー「するとどうなる。アサシン自身の魂が捧げられたとしても、壺を満たすには必要な魂が一つ足りない」

アーチャー「つまり、あのアベンジャーは未完成の『聖壺』から生み出された、不完全な存在だ。ただのバグの集まりをあそこまでの脅威へと成長させたのは、壺のバックアップあってこそだと私は考えている」

アーチャー「誕生の瞬間を私たちに悟られたくなかったのも、おそらくはそういった理由なのだろう?アレが不完全な存在だというのならば、付け入る隙はある筈だ」


言峰『…ふむ。確かにお前の言うとおり…アヴェンジャーは本来の力を持たぬまま生まれたのかも知れん』

言峰『だから、何だというのだ。お前たちはアヴェンジャーのあの力を目の当たりにしても、止めることができると?』

言峰『それに…このままこのゲーム世界を完全に侵食し、その膨大な魔力を取り込めば…ほぼ完全体に近い状態へと成長するであろう。そうなれば、もはやいかなる手段を用いてもアヴェンジャーを止めることは不可能だ』

言峰『例えどれほど高性能なウイルスソフトを使い、どれほど優秀なハッカーが対処を試みたところで、な』

631: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/06(日) 20:08:27.99 ID:AHk03M7A0
アーチャー「ならばなおのこと、我々が止めなければならないな」

アーチャー「言峰、俺はお前が遠坂や衛宮士郎達に嫌がらせをしたい、というだけならば別に何も咎める理由もなかった」

アーチャー「サーヴァントたちには悪いが、所詮はゲーム世界の話だ。この世界での悪ふざけは、この世界だけで完結するものだと思っていたからな」

アーチャー「――しかし、そのゲームを利用して現実世界の人々に害を為そうと言うのならば、話は別だ。何としてでもお前の計画を打ち砕いてやろう」


言峰『…ふっ。やってみろ、衛宮切嗣の息子よ』プツッ

634: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/09(水) 23:53:05.77 ID:tnhVPKA30
凛「アーチャー…」

壺キャスター「…随分大きくでたな。頼もしいこった。だけどサーヴァントもいないお前がどうするつもりだ?」

アーチャー「…私としたことが柄にもなく冷静さを欠いてしまったな。まぁ、言ってしまったものは仕方があるまい」

士郎「お前の調子こいた発言のログは証拠として確保したからもうダメ 黒歴史として晒されてお前はそのまま骨ぬなる」

アーチャー「私が消し去りたい最大の黒歴史は今まさに現在進行形で目の前に存在しているのだが?」


壺セイバー「こいつらが何を言っているのかさっぱり理解不能状態なんだが」

凛「この2人の関係性はちょっと特殊だから…というか言い争ってる場合じゃないわよ、アーチャー。アレだけ大見得切ったんだから、何か考えがあるんでしょ?」

アーチャー「そうだな。少し考えをまとめるか。一刻を争う事態だからこそ、情報の整理は必須だ」

635: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/09(水) 23:54:49.86 ID:tnhVPKA30
アーチャー「サーヴァントである君たちに聞きたいこともある。今回の戦いでは、サーヴァントは敗北するとその魂は壺に回収される。だがそれは本来の仕様とは異なっているのだろう?」

壺キャスター「俺達に与えられた知識によれば…本来、敗北したサーヴァントの魂はまたこの世界を構成する魔力の一部として還元されることになっている」

壺キャスター「サーヴァントの肉体の維持、及び戦闘に必要な魔力はマスターから供給されるが、核となる魂を作り出す分の魔力は結局この世界の何処かから持ってこなくちゃあいけないからな」

壺キャスター「結界内に集められた魔力にも限りがある。サーヴァントが消えるたびに魔力も消滅していったんじゃ、いずれ結界を維持できなくなるだろうさ」

凛「魔力のリサイクル、ってところかしら。そして綺礼はその魔力を横から掠め取ってた訳ね」

壺セイバー「それがなんだって言うんだよ お前は早く説明すべき」

アーチャー「うるさい気が散る。一瞬の油断が命取りだというのがわからんのか」

636: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/09(水) 23:57:00.65 ID:tnhVPKA30
アーチャー「今の話を聞いて確信が持てた。『聖壺』は確実にこの世界のどこかに存在している」

アーチャー「虚数空間や他のサーバーにではなく、この『聖壺戦争』というゲームの内部にな」

壺キャスター「本来ゲーム内に再び放流されるものを、『聖壺』に送られるようシステムを改変すればいいだけだからな。ま、それが一番効率的だろ」

アーチャー「そして、言峰綺礼が我々の目を欺く必要があった本当の理由…それは、アヴェンジャーが生み出された位置を知られたくなかったから」

アーチャー「つまりは…『聖壺』の位置を知られたくなかったから、ではないか?」

アーチャー「おそらく、そこに言峰綺礼もいるのだろう」

凛「そっか…!もしアヴェンジャーが綺礼と契約したサーヴァント、って扱いなら…綺礼の奴をぶっ飛ばせばアヴェンジャーも消えるってことね!」

壺キャスター「アサシンの言っていた専用ルームってやつか。アヴェンジャーの発生位置なら、モニタで奴の増殖状況を観察すればある程度の目星はつくな」

637: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/09(水) 23:58:19.30 ID:tnhVPKA30
士郎「そうと分かれば早速言峰を病院送りに…」

壺セイバー「待てマスター。あまり焦りすぎると裏世界でひっそりと幕を閉じることになる そもももこの部屋からどうやって出るつもりだよ」

士郎「オイオイ(笑)お前のグラットンは飾りですか?俺なら疑問を投げかける前に牙を剥くだろうな」

壺キャスター「そういや、ここは何処なんだ?入り口が外から見えないだけで、ゲームの中に確実に存在する場所なんだろ?」

アーチャー「…成程、そういうことか。凛、端末で自分の座標情報を確認してみろ」

凛「座標?えっと…X428、Y63、Z…150000…!?」

凛「え、何…!ここ、空中なの!?」

壺キャスター「間違ってもプレイヤーが中に侵入できないよう、コントロールルームは宙に浮かせてるってわけか…」

638: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/09(水) 23:59:51.97 ID:tnhVPKA30
凛「下手に飛び降りたら、そのままゲームオーバーになっちゃったりするのかしら…?」

アーチャー「それは…試してみなければなんとも言えんな」

凛「…ん?ねぇ、アーチャー。今気づいたんだけど、何もそんなまわりくどい事しなくても」



∵∴∵∴(●)∴∵∴∵∵∴∵∴∴∵∴∵シ∴∵∴∵ア∴(●)



士郎「うお!?」

凛「きゃあ!?」

アーチャー「馬鹿な!?侵食がもうここまで進んでいるだと!?」

壺セイバー「チィ!『グラットンスウィフト』!!」バシュン

壺セイバー「急なことで普通ならあたふたするのがぜいいんだろうがナイトはすぐさま行動し突破口を開いた この亀裂からとんずらするぞ!」

壺キャスター「一か八か飛び降りるしか無いみたいだな…!方角の検討は付いた、ここから北東にアヴェンジャーの発生源がある!」

アーチャー「まずは、無事に着地できることを祈るしか無いな…行くぞ!」

642: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/11(金) 00:34:10.56 ID:3BOD+BRK0
~~~~

ヒュウウウウウ

ズドン

ムクッ

凛「…無事、みたいね」

壺キャスター「生きた心地はしなかったけどな…」

壺セイバー「玉がヒュンヒュン行く…」

士郎「下ネタはやめろと言っているサル!」

アーチャー「うむ…確かに無傷のようだな。意志の伴った攻撃でなければ、この世界ではダメージが入らないのか…?」

凛「それなら、アンタの作った落とし穴とか無意味だったわね、アーチャー」

アーチャー「な…!?凛、君は馬鹿すぐる。アレは足止めのためだと――」


∴∵∴キ∵∵∴リ∵∴∴∵∴∵エシ∴∵∴∵ア∴

643: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/11(金) 00:35:32.02 ID:3BOD+BRK0
壺キャスター「『破ぁ!!』」


バシュ

∴∵∴キ∵         エシ∴∵∴∵ア∴


壺キャスター「おい、後にしろ!空に比べりゃ地上はまだ侵食が緩やかだが、そのうちここも行き場がなくなるぞ!」

アーチャー「…済まない。しかし驚いたな、キャスター。君の宝具はアヴェンジャーにも通用するのか」

壺キャスター「効いてんのか効いてないのかよくわからんがな。命中した部分は吹き飛ばせるみたいだが、如何せん奴はデカすぎる」

壺キャスター「消しても消しても、キリがない。増殖速度のほうがはるかに早いみたいだしな」

壺セイバー「このくらい俺にだってチョロいこと 追撃の――」

壺キャスター「やめろ、セイバー!コイツは物理的にどうこうできる存在じゃない。斬りつけたところで、その剣が取り込まれるのがオチだぜ」

壺セイバー「むむむ…」

644: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/11(金) 00:36:42.40 ID:3BOD+BRK0
凛「アヴェンジャーに直接攻撃をくわえることができるのは、キャスターだけ。しかも、その攻撃でも一部を消し去るのが精一杯…」

凛「やっぱり、大本を絶たないと根本的な解決にはならないわね。早速綺礼のところに向かいましょう」

壺キャスター「先陣は俺が切る。いずれ侵食が進んで道が閉ざされることもあるだろうが、そんときゃ俺の宝具で突破口をこじ開ければいい」

壺キャスター「セイバー、お前は余計な手出しをするなよ。お前には、無傷でGMのところまでたどり着いてもらわなきゃならないんだからな」

壺セイバー「…ナイトなのに守られるというあるさま」

アーチャー「アサシンのいうことを信じるのならば、言峰綺礼の専用ルームとやらを突破するにはセイバーの力が不可欠だ。異論はない」

士郎「けどよ、防御が貧弱なキャスターではアヴェんジャーにちょっと触れられただけで一巻の終わりなのではないか?」

壺キャスター「心配無用だ。俺の持つ『対怪異』のスキルは、憑依や侵食といった肉体、精神への侵略行為に対して高い耐性を得る」

壺キャスター「同時に、こっちがメインだが…攻撃面でも怪異に対してはダメージボーナスを得る。アヴェンジャーはランサーと違って、意志を持つ怪物ですら無い。充分怪異のカテゴリーに分類していいだろ」

壺キャスター「…ま、さすがの俺でも、こんな厄災クラスの怪異と遭遇するのは初めての経験だがな」

アーチャー「方針はまとまったな。急拵えではあるが、妥当な策といえる」

アーチャー「私は…まぁ、せいぜい足手まといにならぬよう用心して付いて行くとしよう」

648: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/12(土) 03:09:25.25 ID:f6XHk1S50
~~~~

壺キャスター「『破ぁ!!』『破ぁ!!』」バシュ

凛「…」

壺キャスター「ハァ、ハァ…ちっ、元凶に近づくほど侵食がひどくなってるな。わかってたことだけどよ」



∵∴<・>∵∴∵∴∵
∵∴∵∴∵∴∵<・>∴∵∴∵∴∵
∵∴∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
∵∴∵∴∵∴∵∴∵<・>∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵


士郎「tanasinnはtanasinnで在り続けるからこそtanasinnである。
またそのtanasinnがtanasinnでなくなる時、そのtanasinnは
本当のtanasinnではなくなり、tanasinnとしての存在ではなくな」

壺セイバー「ギガトンパンチ!」

士郎「ぐへぇ!」バキッ

壺セイバー「そのバカみたいにヒットした頭を冷やせ!」

アーチャー「あまりアヴェンジャーを視界に入れないほうがいいぞ。だが…このままでは四方を囲まれるのも時間の問題か」

649: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/12(土) 03:10:50.00 ID:f6XHk1S50
壺キャスター「…おい、セイバー」ピタッ

壺セイバー「おいィ?何立ち止まって」


(●)
∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵

ヒュンッ

壺セイバー「…!?」バッ

アーチャー「な…!?コイツ、我々に対して攻撃を加えようと…!」

壺キャスター「…どうやら、俺達が向かっていることをGMに勘付かれたらしいな。明らかに俺をピンポイントで狙ってきてやがった」ジュウウウウ

士郎「おい、お前…!腕が地獄の宴に」

壺キャスター「心配∵すんな。このtanasinn程度のtanasinn侵tanasinn食なんtanasinnてtanasinntanasinntanasinntanasinntanasinntanasinn」


壺キャスター「『破ぁ!!』」バシュウ


壺キャスター「ハァ…ハァ…流石に…そろそろしんどくなって来たな」

壺キャスター「だからセイバー。ここで交代だ」

壺セイバー「交代?」

壺キャスター「ああ。お前が先行しろ。俺とマスターは、しばらくここに留まる」

650: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/12(土) 03:11:54.66 ID:f6XHk1S50
アーチャー「…どういうつもりだ?」

壺キャスター「それが一番安全なんだ。敵も、アヴェンジャーにダメージを与えられるのは俺だけだと気づいたようだ。つまり、俺が優先的に狙われる」

壺キャスター「逆に、こっちに攻撃が集中すれば、その分お前たちから注意が離れるかもしれない。ま、コレはただの願望だがな」

壺セイバー「…わかった。先に行ってGMぶっ飛ばしてくるからよ お前も決着付けるまで消えるんじゃにいぞ」

士郎「キャスター、ここまでの先導は見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない お前全力で誇っていいぞ」

アーチャー「コイツと同じ感想なのは気に食わんが、今は素直に君に感謝するとしよう。…凛を頼んだぞ」

アーチャー「急げ!アヴェンジャーが外部に侵食を始める前に言峰を止めるぞ!」ダッ

651: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/12(土) 03:13:32.02 ID:f6XHk1S50
壺キャスター「…行ったか。まぁ、ちょうどいい機会だったな」

壺キャスター「あんなのに目付けられたんじゃ、な」
no title

652: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/12(土) 03:15:41.37 ID:f6XHk1S50
壺キャスター「謝るなよ、マスター。普通に戦ってれば俺はこの『聖壺戦争』じゃ最下位を争うレベルのサーヴァントなんだ。そんな俺がここまで生き残れたのも、マスターのおかげだ」

凛「…セイバーとの決着も付けられそうにないわね」

壺キャスター「まぁな。だからせめて…セイバーに後を託したわけだ」

壺キャスター「アレにセイバー達の邪魔をさせるわけにはいかない。消える前に一仕事しなくちゃな」シュウウウ

凛「…そうね。魔力はもう空だけど…令呪が残ってる」

凛「令呪を持って命じるわ。――キャスター、アイツにどデカいのを一発かましてやりなさい!」



壺キャスター「『破 ぁ ! !』」


653: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/12(土) 03:17:37.92 ID:f6XHk1S50
----

∴∵∴ ∵∴  ∵∴∵  


∴∵ ∴∵


シュウウウ…

凛「――やれば出来るじゃない、キャスター。でも、自分の体ごと吹き飛ばすなんて…やり過ぎよ」

凛「ねぇ、キャスター。――無理してたのはあなたも同じでしょ?ランサーとの戦いで受けたダメージ…禄に休息も取ってないのに、回復なんかするはずがないもの」シュウウウ

凛「それなのに、根性見せちゃって。勝利者になれないのも覚悟の上で、体を張って私達を導いてくれて」シュウウウウウ


凛「――寺生まれって、やっぱり凄い。改めてそう思ったわ」シュウウウウウウウ

664: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/13(日) 22:13:28.55 ID:wl/pZUoA0
~~~~

士郎「ここは…」

アーチャー「――まるで台風の目の中にいるようだ。ここだけアヴェンジャーの影響をほとんど受けていない」

壺セイバー「つまりここが…」


「やはりここまでたどり着いたか。全く大したものだ」


士郎「…言峰」


言峰「わざわざ私に別れの挨拶をしに来てくれるとはな。生憎だが、『聖壺』はもう存在しない。未完成の状態で使用してしまったせいか、アヴェンジャーを生み出すと同時に消滅してしまったのでな」


アーチャー「今更『聖壺』自体をどうこうしようなどとは思っていない。用があるのは言峰綺礼、貴様の方だ」

壺セイバー「お前はどこにも逃げられないプレッシャーを背負うことになった 後ろに気をつけておくことをお進めする不意だまでお前の命は非常にまずい事になる」

言峰「こちらも今更逃げも隠れもするつもりはない。もう目的は達成された」

アーチャー「そうか。では、その首を差し出してもらおうか」

アーチャー「外部への影響が出ていない今の段階であれば、まだ酌量の余地もあるだろう」

665: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/13(日) 22:14:05.63 ID:wl/pZUoA0
士郎「リアルで国家権力の世話になりたくなかったらさっさとアヴェんジャーを引っ込めるんだな 訴えられたら色々調べられて人生がゲームオーバーになる」

言峰「…ククク」

壺セイバー「「訳わからんね」「笑う坪どこ?」」

アーチャー「…何が可笑しい?」

言峰「いや、失礼。お前たちが未だに一縷の望みに縋っているのがなかなかに愉快でな」スッ

アーチャー「それは、どういう…!?」


アーチャーの言葉はそこで遮られた

言峰が自身の右手を掲げたためである

一見、何も異常は無いように感じられた

しかし、そこには本来あるべきものが存在していなかった

厳密に言えば、『そこにあって欲しかった』ものが存在していなかった


――言峰の右手には、令呪が宿っていなかったのだ

666: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/13(日) 22:16:04.95 ID:wl/pZUoA0
言峰「アヴェンジャーは、私と契約したサーヴァントであり、私を倒せばアヴェンジャーも消滅する…そう考えていたのだろう?」

言峰「だが、見ての通りだ。アレは私の制限化に置かれたサーヴァントなどではない。自らの意思で生を謳歌する独立した存在なのだ」

言峰「つまり、私を消したところで…アヴェンジャーを止めることはできん」


アーチャー「バカな…!?ならば、キャスターを狙って攻撃してきたのはどういうことだ!?お前がアヴェンジャーに命じてそうさせたのではないのか!?」


言峰「成程、そのようなこともあったのか。しかし…お前たちは未だにアヴェンジャーを理解していないようだな」

言峰「今説明したとおりだ。アレは自らの意思を持ち本能に従って行動している。単なるバグではなく、AIに近いモノだと思えばいい」

言峰「アヴェンジャー自身がキャスターを脅威だと認識し、排除しようとしたわけだな。結果、無事キャスターは消滅している」


アーチャー「何だと…!?」

壺セイバー「…キャスター」

667: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/13(日) 22:17:26.45 ID:wl/pZUoA0
士郎「お、おい!遠坂はどうなったんだよマジでふざけんなよ!」

言峰「私が認識できるのはキャスター、凛ともに消滅したということだけだ。アヴェンジャーに取り込まれてしまった可能性も十分にある」

士郎「てめぇ…!」

言峰「私としてもキャスターに消えてもらって一安心と言ったところだ。唯一恐れていたのはキャスターの宝具でアヴェンジャーの霊核を破壊されてしまうことだった」

言峰「ここまで規模が拡大してしまえば霊核の位置を把握することなど不可能だろうが、それでもリスクは低いに越したことはない」

言峰「それだというのに…クク…お前たちはキャスターを犠牲にしてまで、その無用の長物をここまで連れてきたというわけだ」

言峰「いや、実に面白いものを見せてもらった。それだけでもここで待っていた甲斐があったというものだ」


壺セイバー「…専用ルームとやらに引きこもってなかったのはそのせいかよ 汚いなさすがGMきたない」

士郎「言峰ェ!貧弱一般神父のくせに一級廃人のセイバーに対してナメた言葉を使うことで俺の怒りが」


壺セイバー「だが、俺が思うに…霊格の位置がわからないんならアヴェんジャーの体をまるごと破壊してやればよいのではないか?」

675: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/16(水) 23:28:06.97 ID:eSQV4dPY0
アーチャー「……」

士郎「セイバー…?」


言峰「…私の聞き間違いか?今とても愉快な…妄言が聞こえたようだが」

壺セイバー「さっきのが聞こえないようならお前の耳は必要ないな後ろからそぎ落としてやろうか?」

言峰「ふっ…どうやら言葉だけではなく頭までおかしくなったようだな、セイバー。アヴェンジャーを破壊するだと?お前ごときがか」

士郎「お前何回も暴言はかれる気持ちがわかりませんか?煽りは氏ねマジ氏ね」

言峰「セイバー、私は知っているぞ?お前の最後の宝具の詳細をな」

壺セイバー「…!」

676: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/16(水) 23:30:31.40 ID:eSQV4dPY0
言峰「『光と闇が両方そなわり最強(ダークパワー)』…それがお前の切り札だろう。…ライダー消滅後、再びあのような事態が起こらぬよう全てのサーヴァントのステータスデータは閲覧済みだ」

言峰「自身のステータス、宝具の威力を大幅に上昇させる強力な宝具だが…その分魔力消費も凄まじい。確かに、最後の切り札にふさわしい性能ではある」

言峰「だが、それが本当にアベンジャーに通用すると考えているのなら、その浅はかさは…実に愚かしい。例え『グラットンスウィフト』が対軍宝具…いや、対城宝具レベルになったところで、アヴェンジャーを消滅させるのは不可能だ」


アーチャー「…今の話は、本当か?」

士郎「…そうだ。今回の聖壺戦争でも最初からダークパワー全開で戦えば、絶望的な破壊力も誇る破壊力を持つことになって 完 全 勝 利 間違いなしだったんだが」

士郎「…魔力消費がエゴすぎるから使いたくても使えない系の事情があるらしいぞ」

677: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/16(水) 23:32:10.40 ID:eSQV4dPY0
壺セイバー「本当はライダーやキャスターと決着を付けるときに使いたかったんだけどよ このままじゃ人工的に淘汰されるのが目に見えているからな」スッ

壺セイバー「――『光と闇が両方そなわり最強(ダークパワー)』」


セイバーが静かにつぶやくと、その体を中心に旋風が巻き起こった

見た目には全く変化はないが、全身からかもし出すエネルギー量はオーラとして見えそうになる程であった


壺セイバー「――『生半可なナイトでは使えないホーリ』!!」


瞬間、静寂を切り裂く轟音とともに

稲妻が直撃したかのような強烈な閃光が走った

セイバーの指先から放たれた『生半可なナイトでは使えないホーリ』は

まるで極太のレーザー光線のようになって

遥か上空を漂うアヴェンジャーの体に大きな風穴を開けた


――だが、しかし。アヴェンジャーの体ははもはや空全体を覆っており

その風穴もアヴェンジャーからすれば針で刺された程度の傷でしか無いだろう

678: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/16(水) 23:34:09.82 ID:eSQV4dPY0
ゴオオオオ

アーチャー「くっ…セイバーのくせに魔術だと…!?しかも、なんという威力だ…これが、セイバーの真の実力だというのか…!」

言峰「成程、確かに凄まじい力だ。だが…それだけだ。そうだろう?衛宮士郎よ」


士郎「ぐっ…ぐああああああ…」

壺セイバー「……マスター」

アーチャー「…宝具を一回使っただけでこの調子では、とてもアヴェンジャーを殺しきることは…!?」


再び空を見上げたアーチャーは言葉を失った

セイバーの攻撃によってアヴェンジャーに空けられた大穴が、既に塞がっていたのだ

679: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/16(水) 23:35:06.85 ID:eSQV4dPY0
言峰「ようやく、理解できたようだな。セイバーの攻撃ではアヴェンジャーを消すことなど到底不可能だと。お前たちに為す術はない」

言峰「セイバー、お前の言葉を借りるならば…『時既に時間切れ』だ」


壺セイバー「…ふっ」

言峰「…?」

壺セイバー「お前が何もわかってないのがバレてる証拠に笑顔が出てしまう アレを攻撃だと思っている時点で大したことない頭なのは証明されたな」

言峰「なんだと…?」


壺セイバー「アレは『挑発』なんだが? さっきのでアヴェんジャーも俺を敵と認識したはず。ヘイトを上げたくて上げるんじゃない上がってしまうものがナイト」

686: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/18(金) 22:40:24.28 ID:ygJQiKiS0
言峰「…そこまで言うのなら、試してみるがいい」

言峰「お前のその思い上がりがどこまで持つか、見届けてやろう」

壺セイバー「お前が見届けるのはアヴェんジャーの 完 全 敗 北 になるだろうな」


士郎「お、俺のことは気にせず戦ってくれセイバー…お前全力出していいぞ…」

アーチャー「…無謀だな。いくらお前が無理をしたところで…お前の魔力が尽きればセイバーも消えてしまうのだぞ」


壺セイバー「さっきのは挑発ではあるが俺は別に強さをアッピルなどしていない口で説明するくらいなら牙を剥くというだけのこと。…来いよ、アヴェんジャー」

687: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/18(金) 22:41:32.18 ID:ygJQiKiS0
∴∵∴∵||||||||||||||||||||||||||||||||
∴∵∴∵∴|||||||||||||||||||||||||||||||
∴∵∴∵∴∵|||||||||||||||||||||||||||||||||
∵∴∵∴∵∴∵::|||||||||||||||||||||||||||||||||
∴∵∴∵∴∵∴∵∴||||||||||||||||||||||||||||||||||
∴∵(・)∴∴.(・)∴∴∵∴:::||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



セイバーの言葉に反応したかのように

アヴェンジャーは自身のその広大な身体の一部を、セイバーへと伸ばしていった

正確に言えば、ただ身体を伸ばしているわけではなく

セイバーのいる座標に向かってバグを誘発させ、データを破壊、同時に自身の身体として取り込むという侵食活動を進めていたのであった


――それは、『攻撃』という定義にすらもう当てはめることは出来ず

如何にセイバーの身体が強固で体力が無尽蔵であろうと、何も意味を成さない

『防御力』『体力』と言ったステータスを構築している、ゲームのシステムそのものに対する侵食行為であるがゆえに

事実上、アヴェンジャーの行動に対して、『逃亡』以外の防御手段は存在しない

そんなアヴェンジャーの明確な敵意を前にして、セイバーは――


言峰「何だと…?」

アーチャー「バカな…!?」

士郎「――!?セイバー!!」


無抵抗のまま、それを受け入れた

688: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/18(金) 22:42:20.81 ID:ygJQiKiS0
壺セイバー「∵∵∵マス<・>∴ター、ダー●●クパワー∵∵∵の本質∵∵∵を忘れ∵∵∵∵●∵∵∵∵∵な」


∴∵∴∵∴
  ∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
∵∵∵∵∵∵∵(●)∵∵
....∵∵ ∴∵∴∵∵
∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
∵∴∵∴∵∴∵∴∵
∴∵∴∵∴



アヴェンジャーの侵食行為に飲まれたセイバーは

体全体でバグを誘発させられ

不快なノイズを発生させながらゆっくりとアヴェンジャーに溶け込んでいった

やがて、完全に原型を失い――


アヴェンジャーの一部となった



アーチャー「セイバーが、アヴェンジャーに…取り込まれてしまった…」

言峰「…余りにも呆気無い幕切れだったな。興ざめもいいところだ」

士郎「…セイ、バー……」

689: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/18(金) 22:43:44.90 ID:ygJQiKiS0
言峰「――これで、7騎のサーヴァントは皆消滅し、『聖壺戦争』は完全なる終幕を迎えた」

言峰「なかなかに楽しませてくれる演目ではあったが…アヴェンジャーが暴れるには少々手狭な舞台だったようだ」

言峰「演者のいなくなったこの舞台に用はあるまい。早々に次の舞台に移るとしよう」

アーチャー「貴様…!」

言峰「ふっ、心配するな。お前たちの始末は、この世界ごとアヴェンジャーが」

士郎「――そうか。ダークパワーの、本質…」

言峰「…この期に及んでまだありもしない希望に縋ろうと言うのか。あのアヴェンジャーの脅威を見てもなお…」


言峰「…何!?」

690: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/18(金) 22:46:19.28 ID:ygJQiKiS0
アヴェンジャーの様子に明らかに変化が見られた

先程まで隙間なく空を覆い、地上付近まで侵食の手を伸ばしていたアヴェンジャーの身体に

所々穴が空き、それらは以前のように塞がることはなく隙間から光が漏れていた

欠損は時間経過と共にはっきりと確認できるほどになり

一部では穴と穴がつながり、空を漂う雲のように身体が千切れ、散り散りになっていった

少しづつではあるが、末端部分から徐々にアヴェンジャーの崩壊が始まっていた



 ∴ :∵ ∴:
  ∴ : :∵
  ∴ ∵:
::


言峰「一体、何が起きている!?サーヴァントがいなくなった今、アヴェンジャーに対抗できる者は存在しない筈だ!」

アーチャー「…セイバーが、何かやったのか?」


士郎「――ダークパワーっぽいのは、ナイトが持つと光と闇が両方そなわり最強に見える」

士郎「暗黒が持つと、逆に…『頭がおかしくなって死ぬ』」

695: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:32:27.53 ID:iUh3VyT30
アーチャー「…私にわかるような言葉で説明してくれないか」

士郎「お前頭わりぃな もともと暗黒属性持ってる奴が更にダークパワー持つのはずるい」

アーチャー「…聞いた私が愚かだった。状況から客観的に判断するとしよう

アーチャー「――こういうことか?あの『ダークパワー』とやらは…『悪霊』や『反英霊』といった存在が持つ闇の性質をセイバーにも付与する効果を持っている」

アーチャー「成程、水をやり過ぎた花が逆に枯れてしまうように、アヴェンジャーが取り込んだセイバーの暗黒の力は…奴自身の力を異常に増幅させてしまう『毒』となっているわけか」

アーチャー「正当な英霊であるセイバーにとっては、真逆の性質を持った力は神の賜物だが――」

言峰「…正当な英霊として召喚されていない、『反英霊』としての属性を持つアヴェンジャーにとっては…地獄の宴というわけか」

アーチャー「行き過ぎた力は破滅を導く…末端から消滅し始めているところを見ると、どうやら魔力が体全体に行き渡らなくなっているようだ」

アーチャー「まるで、凍傷によって血液が行き届かなくなった指先から壊死してしまうようにな」

言峰「なんということだ…全てを自身に取り込んでしまうアヴェンジャーの特性が…裏目に出るとは…!」

士郎「やはり、ナイトは――格が違った!」

696: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:33:26.86 ID:iUh3VyT30
アヴェンジャーの崩壊は加速度的に早く、大きくなっていき

空全体を覆っていたアヴェンジャーの身体は

今や、士郎達の真上――アヴェンジャーの発生地点付近を残すのみとなった


        . ∵  ∵   ∵∵
    .    ∵∵∴∵∴∵∴∵\∵    .
     .∵/∵.∴∵∴<○>∵∴∵   .
   . ∵∴<○>∵∴∵∴∵∴∵∴   . .
       ∵∴.∵∴∵∴.∵∴∵∴    .
     .. .  ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴  .
       ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴ .
           ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴ ..
     .    .    ∵∴∵∴∵∴∵∴   ..
      .  .     ∵∴∵○∵∴
           . ∵∴∵/| \∵
    ..        ∵∴∵|≡|≡ |∴  .
    ::.∵     ∵ | _|__, |∵∴
  ∵∴  . ∵∴∵|  ===  |∴ .
 ∵∴   ∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵∴    ...
   ∵∵∴∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴..
     ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
    . .  :
   .    . .
     .


言峰「こんな、このようなことが…!?」


そして――

やがて、アヴェンジャーの肉体は…

完全に、消滅した

697: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:34:27.70 ID:iUh3VyT30
アーチャー「…終わった、か」

士郎「…セイバー」

言峰「…」

アーチャー「――さて、言峰綺礼。報いを受ける時が来たようだな」

アーチャー「お前の処罰は、現実世界に戻ってからゆっくりと考えるとしよう。それまで、身柄を拘束させて…」

言峰「――くっく。どうやら…まだ終わりではないようだ」

アーチャー「何…?」

言峰「一つ、お前に問おう。――お前は、何故自分がまだ消滅していないと思う?」

アーチャー「…以前お前が言ったように、バグやエラーのせいではないのか?」

言峰「私もそう思っていたのだがね、どうやらそれは勘違いだったようだ」

言峰「プレイヤーが消滅する条件は、サーヴァントが消滅し、魔力のパスが完全に切断されること。例外として、ライダーのようにパスが切断されてもサーヴァントが残っていれば話は違ってくるが」

言峰「そして、お前も知っての通り、バーサーカーというサーヴァントは複数の逸話の集合体であり、決まった形を持たない。言い換えれば――複数の魂の集合体だ」

アーチャー「…それがどうした」

698: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:36:38.77 ID:iUh3VyT30
言峰「キャスターの攻撃により、確かにバーサーカーというサーヴァントの肉体は消滅したのだろう。しかし――それはバーサーカーの死を意味してはいなかったのだ」

アーチャー「何…!?」

言峰「ダメージを受けたことによって、魂同士を結びつけ、肉体を維持するだけの機能は失われたのだろう。しかし、辛うじて消滅を免れた魂がまだ存在していた」

言峰「その浮遊霊のごとく彷徨う魂とお前との間に未だにパスが通っているため、お前は依然この世界に存在しているというわけだ」

アーチャー「…話が見えてこないな。命乞いにしては回りくどい。それが今どういう意味を持つ?」

言峰「お前は疑問に思わないのか?――何故衛宮士郎がまだここにいるのか」

士郎「俺がここにいちゃいけないっていうのかよ マスターがいない聖壺戦争に未来はにい」

アーチャー「…!?そういう、ことか…!」


言峰「衛宮士郎が残っているということ――即ち、アヴェンジャーに取り込まれたセイバーとパスが切れていないということ」

言峰「無論、セイバーはもはや全く別の性質のデータの塊に成り果てているだろうがな。そこは問題ではない。要点は、かつて『セイバーだったデータ』はまだ存在しているという事実だ」


言峰「つまり――アヴェンジャーはまだ完全に消滅したわけではない、ということだ!」

699: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:40:25.48 ID:iUh3VyT30
           ∴∵∴∵∴
              ∴∵∴∵∴∵
           ∴∵∴∵∴∵∵∴∵∴∵
       .∵∴∵:(・)∴∵∴∵∴∵
         ∴∵rミ ,○、:(・)∴∵∴∵
        ∴∵/  / ミ 〉∴∵∵
     ∴∵∴∵|  ̄\ /∴∵∴∵
      ∴∴∵∴.、`  /∴∵∴∵∴∵
      ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
      ,∴∵∴∴tanasinn∵∴
      ∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵
    ∴∵∵∴∵∴∵∴
      ∴∵∴∵∴∵
       ∴∵∴∵ 


言峰がそう発するやいなや、つい先程アヴェンジャーが消滅したかに見えた場所から

再びアヴェンジャーが発生した

消滅前に比べれば遥かに小規模で

侵食速度もかなりスローなペースではあったが

もはや、対抗手段を持たぬ士郎たちにとって

死刑宣告に等しい絶望の再臨であった



アーチャー「…ここまで、来たというのに…!」

士郎「…想像を絶する悲しみが俺を襲った……」


言峰「全て、全て無駄な足掻きであったな。さぁ、コレで終わりだ!もはやアヴェンジャーを止められる者は――」




それは、あまりにも急すぎた

突如、視界が遮られ

世界は漆黒に包まれた――

700: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:43:12.74 ID:iUh3VyT30
サーヴァント紹介 完全版

【CLASS】セイバー
【マスター】衛宮士郎
【真名】ブロント
【出典】ネトゲ実況,他
【触媒】親のダイヤの結婚指輪のネックレス
【性別】男
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力A 耐久A+ 敏捷C 魔力C 幸運B 宝具A
【クラス別スキル】

対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:A
 幻獣・神獣ランクを除く全ての獣、乗り物を自在に操れる。

【保有スキル】

言語汚染:A++
 日本語の不自由さを表すスキル。言語汚染のランクが高いほど意思の疎通が困難となる。
 しかし極めて高いランクになると、それがひとつの言語として確立する。
 A++まで行くと逆に相手の言語を侵食するため、会話が成立する。

ナイトはジョブを選ばない:A
 クラスによる能力の制限を軽減するスキル。Aランクでは適正クラス以外で使用した宝具の威力をもほぼ100%引き出すことができる。

【宝具】
『グラットンソード』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2~5 最大捕捉:1人
 暴食の名を冠する片手剣。ブロントを象徴する武器の一つ
 間隔が長いので遠くまで届き、尖っている部分で敵に致命的な致命傷を追わせることもできる
 真の力を開放することで『グラットンスウィフト』の発動条件を満たす

『雷属性の左』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 リアルではモンクタイプで喧嘩チームのリーダーでもあるブロントの左手から放たれる一撃
 電撃を帯びており、敵の防具の属性によって追加のダメージを発生させる 。
 ブロントが使用可能な宝具の中では最も魔力消費が少ない。

『生半可なナイトでは使えないホーリ』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:20~30 最大捕捉:5人
 セイバーとして召喚されたブロントが使用できる唯一の魔術系統の宝具
 複数人相手に使うこと想定した攻撃魔術ではあるが、対軍宝具に至るほどの攻撃範囲を持ちあわせてはいない
 しかし射程距離自体はブロントの持つ宝具の中で最も大きいため、主に飛び道具としての活用がメインである。
 
『グラットンスウィフト』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
 ブロントが使用する最強の宝具。グラットンソードから放たれる必殺の一撃。
 グラットンソードのギザギザした部分で敵に致命的な致命傷を与える。
 全力を込めた一振りで、空気であろうがなんだろうがバラバラに引き裂いてしまう。
 同ランクまでの耐久を無力化できる。
 
『光と闇が備わり最強(ダークパワー)』
ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大捕捉:1人
 対象に『魔力放出(暗黒)』を付与する宝具。
 『魔力放出(暗黒)』を得たサーヴァントは属性:暗黒が追加される。
 魔力放出の効果によりステータス、宝具の威力共に著しく上昇するが
 魔力消費量の激しさも増す。
 具体的には狂化Aランク相当の魔力消費が追加で必要となる。
 宝具の威力、ランクの上昇に関しては
 種別を対人→対軍へと変化させ、ランクを一段階上昇させる。
 理論上セイバーとして召喚されたブロントの最強の攻撃は
 ダークパワーを纏って放つグラットンスウィフトである。

 また、もともと暗黒属性を持つ存在がダークパワーの効果を得た場合
 暗黒属性同士の共鳴効果によって力が異常なまでに増幅してしまい、魔力の暴走を引き起こす。
 結果逆に身体を侵食され、崩壊へと至る。

701: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:43:56.02 ID:iUh3VyT30
【CLASS】ランサー
【マスター】セイバー(アルトリア)
【真名】リューサン
【出典】ネトゲ実況
【触媒】ガリ
【性別】男
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力B 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運E 宝具B+
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
孤高の騎士:A
 PTを組めず、ソロ専などと虐げられたリューサンの不遇さを象徴するスキル。
 味方のいない状況でも精神的動揺を起こさず実力を発揮することができる。
 ただし、一度でも協力関係を成立させるとランクが大きくダウンする。

鎮魂の金言:A
 精神的な動揺、感情の昂ぶりを鎮めるスキル。
 ランクAでは一時的に狂化を抑えることすらできる。
 ただし、既に完成してしまった呪いや、精神の汚染が完了している相手に対しては効果を発揮しない。
 また、自身の狂化に対してはこのスキルは使用不能となる。

【宝具】
『紫電の槍(ライトニングスピア)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:5~30 最大捕捉:30人 
 幻獣イクシオンの力を宿した一撃。雷撃を槍に纏わせて放つ
 本来竜騎士が使える技ではないが、リューサンの使う技としてイメージが定着したために発動可能となった宝具

『無毀なる孤高(エースヘルム)』
ランク:B+ 種別:対人宝具(自身) レンジ:1 最大捕捉:1人 
 選ばれし勇者(トライエース)にのみ与えられる兜型の宝具。
 しかしその用途は防御ではなく、自らの肉体を強化し、怪物へと変容させる攻撃特化の宝具である。
 装備したものは他の宝具、スキルの使用を封じられる代わりに、大幅なステータスアップの恩恵を受ける。
 バーサーカークラスの狂化と異なり、肉体が変容しても理性は残っている。
 しかし一部の言葉しか発することができなくなるため、意思の疎通は困難となる。
 自らの意志でこの宝具を解除することはできない。

702: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:44:33.59 ID:iUh3VyT30
【CLASS】アーチャー
【マスター】ライダー(メドゥーサ)
【真名】全盛期のイチロー
【出典】ニュー速VIP
【触媒】折れたバット
【性別】男
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力B 耐久A 敏捷A+ 魔力C 幸運C 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力:A
 Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。

単独行動:A+
 マスター不在でも行動できる能力。

【保有スキル】
心眼(真):A
 修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。

メジャーリーガー:A+++
 己の精神と肉体を駆使し、世界最高の舞台で戦う偉大なる挑戦者に与えられるスキル。
 A+++までいくと精神攻撃は100%シャットアウトし、物理攻撃も7割ほどダメージを低減できる。
 また、言語が堪能になる、戦いの気配を敏感に察する等の副次的効果もある。

【宝具】
『投げ穿つ死翔の球(レーザービーム)』
ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:5~40 最大捕捉:50人 
 本塁への送球の凄まじさからその呼び名がついた全盛期のイチローを象徴する宝具。
 球を投擲するだけのシンプルな攻撃方法だが、威力は絶大。
 それだけでも強力な宝具だが、本領を発揮するのは『自分で放ったレーザービームを自分で打ち返した時』であり
 その場合は対軍宝具から対城宝具へと種別が変化し、速度、範囲、威力全てが大幅に上昇する。

703: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:45:28.76 ID:iUh3VyT30
【CLASS】キャスター
【マスター】遠坂凛
【真名】寺生まれのTさん
【出典】オカルト板
【触媒】お守り
【性別】男
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運C 宝具EX
【クラス別スキル】
陣地作成:B
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”の形成が可能。

道具作成:C
 魔術的な道具を作成する技能。

【保有スキル】
対怪異:A+
 現実からかけ離れた現象、もしくは怪物、妖怪、悪霊等に対する優位性を表すスキル。
 夫婦剣:干将莫邪の持つ性質のように、怪異に対する攻撃の威力が大幅に上昇する。
 逆に、怪異からスキル保有者への干渉は高確率でシャットアウトされる。
 結果として、外部から精神及び肉体へ影響を与えるスキルは極めて高ランクの物以外は無効となる。
 ランクA+ともなれば、対象が霊体であれば例え神霊クラスであってもこのスキルの影響を無効化することはできない。

寺生まれ:--
 因果を捻じ曲げてでも人を救済することに特化したTさんが持つ固有のスキル。
 寺生まれを持つサーヴァントは、覆りようのない最悪の状況でも起死回生の一手、最良の一手、思いがけぬ幸運を呼びこむことができる。
 特に一番このスキルの効力を発揮するのは、Tさんによる『救済』が必要とされている状況である。
 寺生まれってやっぱり凄い。

【宝具】
『破戒すべき全ての恐怖体験(破ぁ!!)』
ランク:EX 種別:対霊宝具 レンジ:2~30 最大捕捉:1人 
 Tさんの代名詞とも言える宝具。基本形は手から放たれる光球である。
 『霊を殺す』ことに特化しており、相手が霊に定義できるものであればサーヴァントであろうが神であろうが問答無用で消滅させてしまう。
 また、魔力消費量も非常に少なく、並のマスターの魔力量でも数十発は連続使用が可能である。
 反面物理的な威力はさほど大きくなく、生身の人間に使った場合でも致命傷にすら至らない。
 状況に応じて様々な用途で使い分けることができ、応用の幅が大きい。
 逸話の中では釣り竿に力を宿したり、呪文のように詠唱して使用した例が存在する。

704: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:46:18.18 ID:iUh3VyT30
【CLASS】ライダー
【マスター】間桐桜
【真名】やるオプーナ
【出典】ゲーム・ハード板
【触媒】オプーナの購入権利書
【性別】男
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷B 魔力B 幸運E 宝具D
【クラス別スキル】
騎乗:B
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。


【保有スキル】
遊戯審美:C
 ゲーム作品、システムに関する知識。
 ゲーム作品に関わるサーヴァントと対峙した時、低確率で真名を看破することができる。
 また、裏技や隠し要素といったゲームに関わる裏のルールを見破る事が可能となる。

【宝具】
『エナジーボンボン』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:2~30 最大捕捉:1人
 オプーナの頭部に装備された球体。
 ある程度遠くまで飛ばすことができ、飛び道具として運用される。
 オプーナのメインの攻撃手段である。

『ワゴンカート』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:4人
 オプーナの移動手段かつ突撃用の武器。
 クソゲーがよく並べられるワゴンを模した乗り物であるため
 オプーナ本人はこの宝具をあまり好んでおらず、戦闘以外ではなるべく使用を避けている。
 カートで高速移動しつつ『エナジーボンボン』で敵の範囲外から攻撃を仕掛けるというのが必勝パターン。

『招き蕩うクソゲー劇場(クソゲーオブザイヤー)』
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000人
 クソゲーを司る者、としてのオプーナが持つ固有結界。
 術者の心象を具現化するのが固有結界だが、この心象というものはオプーナ自身が持っていたものというより
 サーヴァント化されるにあたって、ネットユーザーによって『オプーナといえばクソゲー』というイメージが定着していたために
 本人が望んだわけでもなく無理やり心象を押し付けられた、呪いのような宝具である。
 能力としては、クソゲーが持つクソゲーを構成する要素を空間内に再現する。
 空間内に引きずり込まれたものは『術者であるオプーナを討伐する』というゲームに挑まされる。
 勿論そのゲームはバグ、理不尽、単純につまらないといったクソゲー要素で溢れているので
 クリアすることは非常に困難である。
 術者であるオプーナ本人にも制御は不可能であり、下手に挑めば自身もクソゲーの荒波に巻き込まれる。
 
 固有結界という大魔術であるにもかかわらず宝具としてのランクが低いのは
 本人曰く「クソゲーに神秘性など無い」ためである。

705: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:47:02.86 ID:iUh3VyT30
【CLASS】バーサーカー
【マスター】アーチャー(エミヤ)
【真名】無し(邪気眼使い)
【出典】2ちゃんねる全土
【触媒】黒歴史ノート
【性別】--
【属性】--
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力E 幸運E 宝具--(EX)
【クラス別スキル】
狂化:--
 狂化のスキルは失われている。

【保有スキル】
邪気眼(偽):A+++
 『狂化させる者』としてバーサーカーのクラスで現界した
 『邪気眼』に関わる逸話の集合体に与えられたスキル。
 『邪気眼』自体の効果は原典でも不明だが、『邪気眼』というジャンルの逸話に共通する
 『消し去ってしまいたいほどの過去の痛い言動・黒歴史』という部分をスキルとして昇華している。
 『邪気眼』に囚われた対象は自身の負の感情、触れられたくない心の傷、過去のトラウマを増幅させられ
 理性を失い、バーサーカーのクラススキル『狂化』に近い状態となる。
 『狂化』と違い、『邪気眼』の犠牲になった者も宝具の使用は可能。
 しかし、狂化後は攻撃対象にバーサーカー自身を選ぶことは出来ず
 『少しでも多くの人を仲間に引きずり込んでやろう』という思考から
 『邪気眼』の効果が及んでいないものを優先して狙う。
 自身の内面の感情を増幅する効果であるため
 キャスターが持つ、外部からの侵略行為を抑制する『対怪異』スキルで防ぐことは困難。
 
 また、自分の心に曇るものが一切無い者(またはそう思い込んでいる者)
 高ランクの『精神汚染』を持つ者に対しては効果が無い。

【宝具】
本来、自身の宝具を持たないサーヴァントである。

『天地乖離す永久の氷結(エターナルフォースブリザード)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大捕捉:1人
 令呪3画を消費することによって再現することが可能となる
 2ちゃんねるの『邪気眼』系統の逸話の中で最大の知名度を持つ究極の宝具。
 この宝具を受けた対象を確実に死に至らしめる。
 死の概念がない相手に対しても、この宝具によって勝手に死を定義され、その定義された死を与える。
 つまり、どんな存在であっても絶対に逃れられない死を与える事ができ、防ぐ手段は存在しない。
 分類的には『魔法』に属する。
 
 具体的に目に見える事象としては、一瞬で相手の周囲の大気ごと氷結させる。
 相手は死ぬ。

706: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/21(月) 21:48:17.84 ID:iUh3VyT30
【CLASS】アサシン
【マスター】言峰綺礼
【真名】ぼっさん
【出典】ニュース速報
【触媒】シチメンソウ
【性別】男
【属性】中立・中庸
【ステータス】筋力D 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具--
【クラス別スキル】
気配遮断:--
後述のスキルが気配遮断を兼ねている。

【保有スキル】
コラ素材:EX
 日本のネット史上最大クラスに普及した『世界最強のコラ素材』たるぼっさんの持つスキル。
 コラ素材として『使われる』という特性から、ぼっさん自身が宝具のようなものとして扱われる。
 実質、このスキルが実質ぼっさんの宝具の代わりとなっている
 非常に強力なスキルであるが、『聖壺戦争』内で再現するにはシステムの整備が追いついておらず
 バグの発生を避けるためいくつかの段階に分けて封印が施されている。
 
 第一段階:世界の跳躍
 自身が認知・認識した場所へ一瞬で移動することができる。某国民的RPGのルー○のようなスキル。
 実際は本人がその場所を一度訪れたことがなければ移動はできないが、今回はGMの言峰に召喚されたため
 『聖壺戦争』の世界の地理情報が全てインプットされている。
 結果、ぼっさんは世界の何処にでも一瞬で移動することができる。
 
 第二段階:風景と同化
 自身の肉体を背景と一体化することができる。擬態能力。
 完全に同化すれば肉眼での識別は不可能。ただし、近くにぼっさんがいるとわかってしまうと無差別に攻撃をされる恐れがある。

 第三段階:認識の改変
 全ての封印を解いたぼっさんが使用可能となる最後の能力。
 コラ素材として、違和感なく『最初からそこに混じっていた』ようにすら思わせることに起因したスキル。
 敵はぼっさんという存在に対して全く違和感を覚えることが出来ず
 ぼっさんを倒すべき対象と認識している場合ですら
 その場にいるぼっさんを当然のものとして受け入れてしまう。
 『鳥が空を飛んでいる』ことや『歩くと前に進む』といった
 当たり前の事象に対して違和感を覚えるくらいの倒錯した精神の持ち主でないと
 ぼっさんのスキルを破ることは難しい。

714: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 00:12:12.09 ID:JV8Dy78q0
~~~~

アーチャー「…うっ……一体、何が……?」

言峰「くっ…」

士郎「うう…」

アーチャー「…?言峰綺礼まで、倒れてるだと…?本当に、何が起きたんだ…?」


凛「アーチャー!よかった…やっぱり私の思った通りね!」

アーチャー「凛!?何故君が……いや、ここは…教会…?」

アーチャー「つまり…私たちの方が…戻ってきた、というわけか…」

士郎「いてて…エライ目にあったな…。って、あれ?ここって…?」

桜「あ、先輩!目が覚めたんですね!」

士郎「桜!?じゃあ、ここは…現実世界、ってことか?」

桜「良かった…口調も元に戻ったみたいですね」

士郎「何を言ってるんだ?桜。俺は何も変わってないだろう?むしろ、途中から桜の様子が変になってて心配したんだぞ」

桜「…うん、何も無いならそれでいいです…」

715: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 00:13:25.25 ID:JV8Dy78q0
アーチャー「どうして、私たちはゲームの世界から排出されたんだ?凛、君は何か知っているのか?」

凛「知ってるも何も、私があなた達を戻してあげたのよ」

アーチャー「…?どういうことだ?」

凛「私、思ったのよ。聖壺戦争って、結局はゲームなわけじゃない?だから…」


凛「電源を切ってやれば、すぐ終わらせることができるんじゃないか、って」



アーチャー「………え?」

716: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 00:15:28.95 ID:JV8Dy78q0
凛「こっちに戻ってきてから、すぐ行動に移ったの。いやー苦労したわよ。なんてったって」

アーチャー「ま、待て、凛!き、君は…君というやつは…!」

アーチャー「電源を、切っただと!?私達がゲーム内にいるにも関わらずに!?私達がゲームデータごと消滅してしまうとは、考えなかったのか!?」

凛「な、何よそんな血相変えて…ちゃんと、五体満足で帰ってきてるじゃない…」

アーチャー「いや、まぁ…それはそうなのだが…。…しかし!君もわかっていただろう!?アヴェンジャーの脅威を」

アーチャー「電源を切ったことで、行き場をなくしたアヴェンジャーがそのまま外部のネットワークに流出してしまう危険性だって有るんだ!いや、もしかしたらもう…!」

士郎「…いや、それは大丈夫みたいだぞ。――見てみろ」

アーチャー「…こ、これは…」

士郎「…電源ケーブルとLANケーブル、どっちも見事に切断されてる。これは、セイバーがやったのか?」

セイバー「はい。私たち脱落組はお茶を頂いていたのですが、凛が戻ってくるなり大慌てでパソコンの前に座りまして」

セイバー「しばらく何か操作しようとしていたようでしたが…その後こちらに救援を求めて来たのです」

士郎「…ちなみに、何て?」

セイバー「『どうやってもPCの電源が消せないから、線を切断して欲しい』と」

アーチャー「…うわぁ」

717: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 00:17:32.03 ID:JV8Dy78q0
セイバー「何やら切迫した状況のようでしたので、事情は後から聞くことにして引き受けました」

セイバー「ですが…その…私もそういった知識には乏しくて…どれが電源ケーブルか瞬時に判断することが出来なくて…」

士郎「…とりあえず、出てる線全部切ってみた、と」

セイバー「はい…」

士郎「遠坂…電源を引っこ抜くって発想は無かったのか?」

凛「しょ、しょうがないじゃない…焦ってたんだから…。大体、このパソコンもおかしいのよ!何回電源切っても、アーチャーたちが帰ってこないんだもの」

アーチャー「…凛。恐らく…君が電源だと思っているのは、ディスプレイの電源だろう。そこを何回押したところで、ディスプレイが付いたり消えたりするだけだ」

凛「へっ?」

アーチャー「本体は、こっちの箱の方だ。コイツの電源を切らなければ、PCが止まることはない」

凛「どうしてよ!こっちには映像も何も映らないじゃない!」

アーチャー「……」

718: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 00:19:40.29 ID:JV8Dy78q0
士郎「…何だかなぁ」

アーチャー「皆まで言うな。…私だっていろいろと思うところはある」

アーチャー「だが、まぁ…よくよく考えれば、我々がログインに使用したのはこのPCのみ。つまりこのPCからの流出さえ防げればよかったわけだ」

アーチャー「あの時、セイバーのおかげで一瞬だがアヴェンジャーは消滅した。おかげで奴の末端のデータが外部に漏れた可能性を危惧する必要もない」

士郎「つまり…電源が切れたのが絶妙のタイミングだったわけだな。あれより早くても遅くても、アヴェンジャーの侵食範囲がもっと広がっていた可能性があった」

アーチャー「ああ。その絶好のタイミングで電源だけでなくLANケーブルも切断されたことで、アヴェンジャーには行き場がなくなった。あとはこのPCの内部データさえ削除してしまえば、アヴェンジャーは完全に討伐完了だ」

士郎「…俺達が無事に戻ってこれたことと言い、本当に運が良かった。…これも、壺のサーヴァントたちが頑張ってくれたおかげだな」

アーチャー「…ああ」

719: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 00:21:04.05 ID:JV8Dy78q0
凛「何かごちゃごちゃ話し込んでるけど、とにかく、私がやったことは間違いじゃなかったんでしょう?」

アーチャー「…非常に不本意だが、その通りだ」

アーチャー「凛、君は電子機器のことを何も理解していないし、今後も間違いなく理解することは出来ないだろうが…とにかくよくやった!感謝する」

凛「えっと…それ、褒めてるの?」

アーチャー「無論だ。さて、問題は…」

アーチャー「そこでコソコソと逃げおおせようとしている言峰神父に、どのような処罰を下すか…だな」

言峰「…ふっ」ガシッ

ライダー「一応、捕らえておきました。――ゲームの中ではいいところ無しでしたが、こちらではそうは行きませんとも。ええ」

凛「言っておくけど、殺すってのは無しよ。殺したところで地獄行き確定だもの。ただコイツを喜ばせるだけよ」

アーチャー「心得ている。事情は聖堂教会に伝えるとして…まずは徹底的に社会奉仕活動に取り組ませよう。起きている間は常に人の為になることだけを考えてもらう。それから――」

720: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 00:22:07.93 ID:JV8Dy78q0
桜「なんだか、盛り上がってますね、姉さんたち。楽しそうです」

士郎「それを聞いてる言峰の顔は心なしか青ざめてる気がするけどな。これにて一件落着って感じか」

桜「…『聖壺戦争』は、どうなっちゃうんでしょうか?」

士郎「…残念だけど、管理者の言峰があんなことをやらかしちゃった以上、お蔵入りになるだろうな。そもそも、データ自体がアヴェンジャーのせいでもうほとんど壊滅状態だ」

桜「そう、ですか…」


桜「……ライダー」

ライダー「どうかしましたか?桜」

桜「あ、ううん…何でもないの」

ライダー「?ならば良いのですが…」

730: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 21:33:13.03 ID:JV8Dy78q0
~数日後~

桜「お邪魔します。…あら?姉さんたちも来てるみたい」


――あれから数日が過ぎ、私たちはすっかり元の生活に戻りました。

言峰神父の暴走に関しては、混乱を避けるため参加者である私達を含めごく一部の人にしか知らされていないようです。

世界中のネットワーク全体に危機が及ぶ恐れがあった、という事態を重く見た聖堂教会は

『聖壺戦争』の計画を永久に凍結することを決定しました。

データが保存されていたPCは回収され、現在解析中とのことです。

もしかしたら、彼らはまだPC内に保管されている膨大な魔力に未練が有るのかもしれませんね。

731: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 21:34:52.62 ID:JV8Dy78q0
そして、首謀者である言峰神父ですが…

なんと、彼は今ハワイにいるそうです。

ハワイで幸せな結婚式を挙げる新婚夫婦達と間近で接し

祝福を捧げるという仕事を通じて、更生をはかるようです。

1人だけだとまた何をするかわからない、ということで

サポートとしてもう一人、シスターさんが派遣されているみたいです。

なんでもかなり若い女性らしくて、言峰神父とは親子ほども歳が離れているんだとか。

――何だか、普通の人にとってはむしろご褒美みたいな環境の気がしますけど

姉さん曰く、『アイツが更生なんてするわけ無いから、できるだけアイツが嫌がる状況に追い込んでやる』…だそうです。

姉さんもだんだん神父さんに性格が似てきたんじゃないでしょうか?

732: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 21:36:06.08 ID:JV8Dy78q0
ドタドタ

ライダー「さ、桜!よく来てくれました…!」

大河「桜ちゃーん!た、大変なのよう…!お願い、何とかしてぇ!!」

大河「桜ちゃんも聞いてるでしょう!?士郎と遠坂さんの話。学校でちょっと問題になってるんだから!」

桜「ああ…ええ、まぁ。というか、普通に学校で会ってますしね」

ライダー「桜の言うことならば、士郎たちも聞いてくれると思います!だから、お願いします桜!」

桜「……」

733: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 21:38:07.07 ID:JV8Dy78q0
――『聖壺戦争』は計画が凍結されたため

もう二度と、あの世界で出会った個性豊かなサーヴァント達が陽の目を見ることはないでしょう。

『聖壺戦争』というゲームを成立させるためだけに生み出され、自我を与えられ

そして…用が済めばまたただの魔力の塊として世界に還元される。


自分の望みをかなえられるわけでもなく

本来、私達マスターに力を貸す義理は全く無いのに

彼らは、死力を尽くして戦ってくれました。

私達マスターのため、自分自身の存在する意義を確かめるため――


ほんの短い間だったけど、心を通わせ共に戦った壺のサーヴァント達

そんな彼らと二度と会うことが出来ないというのは、やっぱりちょっと寂しいですね。

734: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 21:38:39.50 ID:JV8Dy78q0
――でもね、ライダー。

私、あなたの事…

あなた達の事、きっと忘れない。


何故なら、ここには

あなた達と共に過ごした確かな『証』が有るんだから――

735: ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 21:39:53.51 ID:JV8Dy78q0
士郎「人の家で勝手に料理し始める恥知らずな弓兵がいた!ここを自分の家だと勘違いしているのならお前の頭は意味ないな後ろから破壊してやろうか?」

アーチャー「生前は私の家だったという理由で最初から私の勝率は100%だった 見ろ見事なカウンターで返した調子に乗ってるからこうやって痛い目に遭う 」

セイバー「私の胃袋が空腹でマッハなんですが…士郎!アーチャー!くだらない喧嘩は今すぐやめるべきこのままでは私は骨になる」

凛「藤村先生に迷惑かけるとかちょとsYレならんしょこれは・・?アーチャー、はやくあやまっテ!それくらいも出来ない卑怯者はマジでかなぐり捨てンぞ?」

アーチャー「お前頭わりぃな 私の手料理を食わせてやれば藤ねぇの機嫌も有頂天になるのは確定的に明らか」

凛「…アタシの言うこと聞かない気?そうならあんたもう死ね!」

士郎「やっぱりアーチャーよりセイバーだな…今回のでそれがよくわかったよ>>遠坂感謝 アーチャーは前門の虎前門のライオン状態でなす術なしだしな」

セイバー「想像を絶する空腹がアルトリアを襲った…あまり待たされると病院で栄養食を食べる事になります」


桜「……」

741: >>736訂正 ◆nd9x4dt9shCh 2015/09/26(土) 21:51:10.40 ID:JV8Dy78q0
大河「ここ最近、ずっとこんな感じなのよう!それでいて本人たちは全く自覚がないみたいだし…」

ライダー「原因も皆目検討が付きません…呪いの類でしょうか…。いずれにせよ、このままでは聞いている私達のほうがおかしくなってしまいそうです!」

ライダー「お願いです、桜!元に戻るよう、彼らを説得してください!」

桜「……」


桜「――ふふっ。楽しそうで、いいんじゃないかしら?」

大河「!?」

ライダー「そ、そんな!?」


桜「姉さーん!何抜け駆けして先輩の家に来てるんですか?あまり調子に乗ってると裏世界でひっそり幕を閉じる事になりますよ?」

凛「げ、桜!?ど、どうやって私が抜け駆けしたって証拠よ!居候の多い衛宮家を気遣って家事の手伝いに来ていただけであって抜け駆けとは無関係。我ながら見事な仕事だと感心はするがどこもおかしくはないわね」

桜「動揺を隠そうと必死なのがバレてる証拠に笑顔が出ちゃいます。姉さんはどこにも逃げられないプレシャーを背負う事になった後ろに気をつけておくことをお進めします」



ライダー「さ、桜まで…!?そんな…わ、私は一体どうしたら…!?」オロオロ


大河「うわーん!!もうやだー!元のみんなを返してよ~!!」



END