1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:40:32.78 ID:PzukCsMj0
58「てーとく、オリョールから戻ったよ」

悪徳提督「……」

58「て、てーとく?」

悪徳提督「おいでち公。いま、ウチが受けてる任務はなんだ?」

58「ろ、ろ号作戦でち」

悪徳提督「だよなぁ。南西諸島じゃないよなぁ」

58「……」

悪徳提督「それがわかってて、なんでボスに突っ込んでんだよテメーはぁ!?」

58「ご、ごめんなさいでちーっ!」

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引用元: 【艦これ】地獄艦娘 

 

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:41:48.61 ID:PzukCsMj0
悪徳提督「10回以上出撃させて戦果がたったの4隻とか、いい物笑いの種だろうが!」

58「全ては羅針盤娘が…」

悪徳提督「あぁ!?」

58「な、なんでもないでち」

悪徳提督「ったく、使えねーポンコツだな。いっそバラしちまうかぁ?」

58「それはあんまりでち!」

悪徳提督「チッ、解体が嫌ならさっさと補給済ませて出撃しやがれ!時間まで無駄にすんじゃねーよ!」

58「はいでちーっ!」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:43:29.74 ID:PzukCsMj0
ハチ「また、ひどく怒られたみたいね」

58「仕方ないよ。てーとくの期待に応えられず、資材を無駄にしたゴーヤが悪いんでち」

ハチ「資材ね……そういえばこんな噂を知ってる?あの人が私たちを酷使して、物資を密かに貯めこんでるって」

58「急に何を言い出すかと思えば。笑えない冗談でち」

ハチ「ホントに冗談だと思う?」

58「…早く出撃するでち。任務を達成して、てーとくに褒めてもらうでちよ」

ハチ「疲労回復の暇もないんだね…」



ハチ(噂だと信じたかった。あの隠し倉庫を見つけるまでは)

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:45:10.53 ID:PzukCsMj0
58「ゴーヤより鎮守府。南ルートでワ級2隻を撃破、こちらの被害は伊168が小破、伊8が大破でち」


悪徳提督『よしいいぞ。そのまま進軍だ』


58「えっ!?で、でも伊8が大破で…」


悪徳提督『どうせ3戦目は逸れるんだろ?だったら弾薬だけでも持って帰れよ』


58「そんな…」

ハチ「命令には従わなきゃ……はっちゃん、提督の指示通り進軍します」


悪徳提督『おう、その意気だ』



普段なら、確かにコースを逸れて提督に怒られるところ。


しかし何の因果か、こういう時に限って羅針盤は真東を指したのだった。

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:47:37.63 ID:PzukCsMj0
58「やばい!輪形陣を組むでち!」


悪徳提督『おい舐めてんのか?魚雷がロクに当たらなくなるだろうが!』


58「でもこのままじゃ…」


悪徳提督『爆雷持ってるのはたった1隻だろ?テメーが仕留めりゃいいんだよ!』


現場は混乱を極め、結局は満足な陣形を組めないまま戦闘に突入してしまうゴーヤたち。


58「開幕雷撃!攻撃可能な艦は軽巡ホ級を狙って!」

ろー「了解だよでっち」

19「イクの魚雷攻撃、行きますなのね!」


渾身の力を込めて発射した魚雷。


しかし連戦による疲労のためか、狙いは目標から外れてしまったのだった。

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:49:13.11 ID:PzukCsMj0
58「敵の損害は軽微、各艦は回避行動を開始!爆雷が来るでちよ!」

ハチ「……」

58「な、何やってるでちか!?早く回避を!」

ハチ「はっちゃん……疲労と大破損傷で、もうまともに動けないの……」







58「経過報告でち。南ルート最深部にてワ級2隻を撃沈、ヌ級1隻を中破、損害は…」


悪徳提督『やりゃあできんじゃねーか。次の出撃が控えてんだから、夜戦はせずに速やかに帰投しろ。以上だ』


58「損害は……伊8が……」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:50:47.24 ID:PzukCsMj0
午後一一四五


58「…長い一日が終わったでち」


(最後にこれを……お願い、怨みを晴らして……)


58「ハチから預かった手紙。それには鎮守府の隠し倉庫の存在と、地獄艦娘とのコンタクトの取り方が書いてあったでち」


58「午前マルマルマルマル時に通信回線を開き、憎い相手の名前を告げると、地獄艦娘が怨みを晴らしてくれる…」


58「バカバカしいでち。ハチには悪いけど、てーとくを憎むだなんてゴーヤにはできないでち」


58「そもそも隠し倉庫だなんて、この鎮守府には…」


ガコンッ、ギィィィ


58「…あったでち」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:52:32.24 ID:PzukCsMj0
午後一一五五


58「すごい量の資材でち。もう一つくらい鎮守府を賄えるほどの…」


58「さ、さすがはてーとく。これはあれでち。万が一の緊急用の分でち」


午後一一五八


58「………金塊(課金カード)まであったでち。これはもはや…」


58「てーとく、ゴーヤは……ゴーヤはどうすればいいでちか?」


午前〇〇〇〇


58「通信回線オープン……あ、悪徳……てーとく!」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:54:13.11 ID:PzukCsMj0
58「…何も起きないでち。やっぱり地獄艦娘なんて嘘だったでち」

「来たよ…」

58「ほひゃぁっ!」


突然の声に驚いたゴーヤが振り返ると、そこには一人の駆逐艦と思われる娘が立っていた。


58「び、びっくりしたぁ。あなたは確か、駆逐艦の不知…」

「私は、閻魔ぬい」

58「閻魔……ぬい?」

不知火改め閻魔ぬい「あなたが呼んだのでしょう?」

58「まさか、地獄艦娘!?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:56:21.55 ID:PzukCsMj0
閻魔ぬい「受け取りなさい」

58「これは妖精さん……の、ぬいぐるみ?」

閻魔ぬい「あなたが本当に怨みを晴らしたいと思うなら、その赤いマフラーを解けばいい」

58「……」

閻魔ぬい「マフラーを解けば正式に契約を交わしたことになり、怨んだ相手は速やかに地獄へ流される」

58「地獄へ…」

閻魔ぬい「但し、怨みを晴らしたら、あなた自身にも代償を支払ってもらうわ」

58「代償?」

閻魔ぬい「人を呪わば穴二つ。契約を交わしたら、あなたも地獄に落ちる」

58「…ッ!」

閻魔ぬい「轟沈した後の話だけどね」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 22:58:16.14 ID:PzukCsMj0
58「地獄に落ちたら……どうなるでちか?」

閻魔ぬい「あなたの魂は深海に捕らわれ、痛みと苦しみを味わいながら永遠に彷徨うことになる」

58「そ、そんな!」

閻魔ぬい「あとは、あなたが決めることね」


チリーン…


58「……はっ!?今のは……夢?」


しかしゴーヤの手の中には、閻魔ぬいから受け取ったぬいぐるみが残されていた。


58「こ、こんなもの必要ないでち。ゴーヤは……これからも、てーとくを信じて戦うでち!」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:00:12.93 ID:PzukCsMj0
翌朝


58「てーとく、おはようでち!ゴーヤは今日も頑張るよ!」

悪徳提督「でち公か……残念だが、もうその必要はない」

58「えっ、どういうこと?」

悪徳提督「現時刻をもって、伊58を潜水艦隊旗艦から解任する」

58「解任って…」

悪徳提督「伊8を沈めた責任は取ってもらわんとなぁ」

58「そ、それはてーとくが進軍を命じたせいであって…」

悪徳提督「あ?味方を守れなかったどころか司令部批判か?これは軍法会議ものだなぁ」

58「てーとく…」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:03:10.14 ID:PzukCsMj0
コンコン


軽巡A「提督、失礼します。ご指示通り伊58の部屋を捜索したところ、横領したと思われる多数の間宮券を発見しました」

軽巡B「報告します。オリョール航路付近の無人島より、伊58が隠したと思われる資材を発見しました」

58「でち!?」

悪徳提督「やれやれ、旗艦の立場を利用してそんなことまでしてやがったのか」

58「ち、違うでち!ゴーヤはそんなこと…」

悪徳提督「言い訳はいらん。伊58を連行しろ。容疑が固まり次第、銃殺刑だ」

軽巡A、B「了解!」

58「何かの間違いでち!話を聞いてほしいでち!」

悪徳提督「余計な詮索をしなければ長生きできたものを……ま、伊8共々あの世で仲良くな」

58「!!!」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:05:38.14 ID:PzukCsMj0
てーとくは……ゴーヤが隠し倉庫を見つけたことに気付いていた?


ハチに大破進軍を命じたのも、今、ゴーヤを処罰しようとしてるのも、口封じのため…?


58「ゴーヤは……ゴーヤはてーとくが何をしていようと、信じ続けるつもりだったよ?」

悪徳提督「そうかそうか。なら、処分も甘んじて受けてくれるよなぁ」

58「ゴーヤはもう、いらない子になったでちか?」

悪徳提督「…っせーな。おい、いつまでもベラベラと喋らせるな。さっさと連れていけ」


無意識のうちに手にしていたぬいぐるみ。


58「てーとく……さよならでち」


ゴーヤが取り押さえられる前に赤いマフラーを解くと、悪徳提督の身体は瞬時にしてこの世から消え去ったのだった。

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:07:47.98 ID:PzukCsMj0
悪徳提督「ん……ここはどこだ?」

愛乳道「ぱんぱかぱーん!やってきました、お仕置きターイム」

悪徳提督「あ?お仕置き?」

愛乳道「さてさて、資材横領や横流しで有名な悪徳提督ですが、まずはその悪事の数々をご覧になってもらいましょう」

悪徳提督「え、ちょ、おま」

愛乳道「青目蓮さーん、お願いねー♪」

青目蓮「はいはーい。青目蓮、やっちゃいました。スクープですよ大スクープ!」

悪徳提督「や、やめろお前ら!勝手に中に入るな!」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:09:15.71 ID:PzukCsMj0
青目蓮「凄い量の資材ですねー。これ、どうやって貯めたんですかー?」

悪徳提督「効率よく戦っていたら、いつの間にかだ」

愛乳道「うふっ、戦艦や空母を出したように見せかけて、実際は潜水艦を酷使してたものね~」

悪徳提督「…っ!知らん!俺は無実だ!」

愛乳道「んもぅ、白々しいんだから」

青目蓮「おや、どうしたんでしょう?資材の数値がどんどん下がっているような…」

悪徳提督「なんだと!?」


278000

259000

223000


悪徳提督「ど、どういうことだ!俺が一生懸命貯めた資材が…!?」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:11:32.64 ID:PzukCsMj0
愛乳道「あらあら、誰かと思えば赤g…いえ、飯女さんじゃない」

飯女「はぐはぐ……これはなかなか、んぐんぐ……良質のボーキですね、あぐあぐ」

悪徳提督「おいやめろ!俺の資材を勝手に食うんじゃねえ!」

青目蓮「まあまあ。まだこんなに沢山あるんですよ?ここはパーッと、大型建造をぶん回しちゃいましょう!」

愛乳道「目指せ大和、武蔵、ビスマルク♪」

青目蓮「モニター前の提督の皆さんも、どうぞ応援しちゃってください」

悪徳提督「やめろぉぉぉぉぉ!!!」



資材横領だと?ふざけてやがんな
ちょwwボーキマジ食いしてやがるww
運営さんコイツです
はっちゃんの仇、思いしれ!
陸奥になるビーム!陸奥になるビーム!
ヒャッハー!BAN祭りだー!
おい陸奥はもったいない那珂ちゃんにしろ
↑貴様は俺を怒らせた

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:13:20.02 ID:PzukCsMj0
悪徳提督「俺の……俺の資材が……」

愛乳道「ぱんぱかぱーん!おめでとうございます!超レア艦の誕生よ♪」

青目蓮「おお~っこれは弩級戦艦【悪徳】ですね?初めて見ました」

悪徳提督「な、なんだこりゃ?俺が艤装付けて…?」

愛乳道「さあ、早速実戦テストね」

飯女「一航戦の誇りにかけて!第一次攻撃隊、発艦!」

青目蓮「主砲全門!」

愛乳道「撃てぇーいっ!」


ドドドドドドドド


悪徳提督「あああああああ!!!」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:15:59.01 ID:PzukCsMj0
悪徳提督「うぅ、大破しちまった……撤退だ撤退」

青目蓮「おやおや、資材を目の前にして何をおっしゃいますやら」

愛乳道「そうよぉ。残りはたかだかダブルダイソンじゃない」


2D「「やぁ」」


悪徳提督「ふざけんな!轟沈したらどうするんだ!」

飯女「…あなたも艦娘たちに命じてたじゃないですか」

悪徳提督「あいつらは兵器だろうが!ぶっ壊れるまで使って何が悪い!」

青目蓮「あーあー、全く反省してませんねぇ。それじゃ大破進軍ポチーで」

悪徳提督「お前ら何が目的だ!資材か?金か?好きなだけくれてやるからもうやめろぉぉ!」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:18:08.37 ID:PzukCsMj0
愛乳道「ですってお嬢」

閻魔ぬい「……」

悪徳提督「あ、あんたがボスか!?だったらこいつらを止めろ!」


閻魔ぬい「闇に惑いし哀れな影よ……艦娘を傷つけ貶めて……」

悪徳提督「おいやめろ!頼むから助けてくれ!」

閻魔ぬい「罪に溺れし業の魂……」

悪徳提督「ひっ、ひいいいい!!!」



閻魔ぬい「不 知 火 に 落 ち 度 で も ?」



悪徳提督「ぎゃあああああ!!!」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:20:12.72 ID:PzukCsMj0
無数の燈籠が浮かぶ静かな水面


その中を一隻の駆逐艦がゆっくりと進む


悪徳提督が入ったドラム缶を曳航しながら…


悪徳提督「へへ…資材だぁ…俺の資材だぁ…俺が資材だぁ…」


閻魔ぬい「この怨み、地獄へ流します…」



チリーン…

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:21:59.22 ID:PzukCsMj0
あれから数週間。ゴーヤの日々は少しずつ落ち着きを取り戻してきたでち。


てーとくが消えた直後、鎮守府は上へ下への大騒ぎになり、その機能は完全に停止。


パニックに紛れてゴーヤの処分もうやむやになったでち。


そして緊急事態のコールを受けた海警隊の調査により、数々の不正行為が発覚。


事態を重く見た大本営はこれを揉み消すために、てーとくは行方不明による戦死扱い。


不正に関わった艦娘も記憶を消された上で艤装解体、放逐処分となったでち。

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/10/22(木) 23:24:34.10 ID:PzukCsMj0
―鎮守府内入渠ドック―


58「これで……良かったのかな」

168「ゴーヤ、何か言った?」

58「ううん、なんでもない。ゴーヤは先にあがるね」

168「ちょっと、そのお尻のアザどうしたのよ」

58「こ、これはあれでち。少しぶつけてしまっただけでち」

168「ふーん、なんだかぷかぷか丸みたいなアザね」

58「……」


58(これはゴーヤの罪の証……いつの日かゴーヤも轟沈したとき、てーとくと同じ地獄に逝くでちよ…)





「あなたの怨み、晴らします」



地獄艦娘―完―


次回 【艦これ】地獄艦娘(あきつ丸ver.)