1: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:23:18.81 ID:U3oFyeNIo

―――事務所


加蓮「…………」ボーッ…


李衣菜「はー、寒いねぇ。12月だよ12月」

泰葉「ね……。朝なんてお布団から中々出られなくて大変よね」

李衣菜「分かる分かる! 私も寒くて寒くて全然起きれなくてさー」

泰葉「李衣菜は年中じゃない?」

李衣菜「うっ。そ、そんなことナイヨ……」

泰葉「ふふっ……加蓮はどう、朝ちゃんと起きられて――加蓮?」


加蓮「……はぁ……」

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引用元: モバP「だりやすかれんと冬の思い出」 

 

2: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:27:13.19 ID:U3oFyeNIo
李衣菜「加蓮? どしたの、ぐでっとして」

加蓮「……ん。なんでもない」

泰葉「なんでもないって……。どう見ても……」

李衣菜「なんでもあるような顔してるじゃん……」

加蓮「…………」

3: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:31:25.82 ID:U3oFyeNIo
泰葉「熱は……ないみたいだけど」ペタッ

李衣菜「あ、みかん食べる? 美味しいよ、元気出してっ」

加蓮「うん……あとで食べる」

李衣菜「……ほんと大丈夫? なにかあったなら相談乗るよ?」

泰葉「私たち、出来る限り力になるから……」

加蓮「ん……ごめん、迷惑かけちゃって」

4: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:33:37.28 ID:U3oFyeNIo
泰葉「迷惑だなんて、そんなこと全然……!」

李衣菜「そうだよっ、遠慮しないで言っていいんだから!」

加蓮「……えへへ、ありがと。じゃあ……ちょっとだけ、話してもいいかな?」

泰葉「ええ、もちろんっ」

李衣菜「どんと来いっ」

加蓮「ふふ……♪ ――昔、今くらいの時期に入院したことがあってね」

5: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:36:55.28 ID:U3oFyeNIo
泰葉「入院……」

加蓮「うん、そう。昨日ね、そのときの夢を見ちゃって」

李衣菜「…………」ギュ

加蓮「あ……ふふっ、大丈夫だよ李衣菜。……手、あったかい」

李衣菜「うん。いいよ」

加蓮「……でね、年末だったから……クリスマスも大晦日もお正月も、病院で過ごしたの」

泰葉「……うん……」

6: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:39:42.22 ID:U3oFyeNIo
加蓮「『お家帰りたい』って泣き喚いたの、今も覚えてる。……入院自体は何度もしてたんだけど。あはは」

李衣菜「っ……」

泰葉「……加蓮」

加蓮「やっぱりさ、特別な日くらい友だちや家族と過ごしたい、って思ってたんだろうなぁ……」

加蓮「今がすごく幸せだからかな……昔のことだけど、思い出すと結構心に来るもんだね」

加蓮「……とまぁ、こんな感じ。なんかごめんね、心配かけちゃったみたいで。話したら楽に――」


泰葉「……すんっ」

李衣菜「ぐすっ」

加蓮「あれなんで二人が泣くの!?」

7: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:41:52.33 ID:U3oFyeNIo
李衣菜「ひぐっ、だ、だってさぁ……!」グシュ

加蓮「あぁもう、ほらティッシュ! 泰葉も!」

泰葉「かれんん……!」ギュウ

加蓮「ちょ、な、なんで抱きついて……ちょっとぉ!」

李衣菜「つらかったね加蓮……! もう私たちがいるからね……大丈夫だから……!」

泰葉「いっぱいいっぱい、思い出作りましょうっ……昔のこと忘れるくらい、たくさんの思い出……!」

加蓮「う、うん……もう、私なんかのために泣かなくてもいいのに……」

8: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:45:33.76 ID:U3oFyeNIo
李衣菜「『なんか』じゃないよっ……このバカ、アホ加蓮」ペシ

加蓮「あうっ」

泰葉「……加蓮は」

加蓮「え? な、なに?」

泰葉「加蓮はっ! 大切な、大切な友だちなんだからっ……!」

加蓮「あ……」

李衣菜「友だちのためにくらい、泣かせてよ……!」

泰葉「っ……!」コクン

加蓮「……うん、ありがとう。……なんだか私までうるうるしてきたんだけど」

9: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:48:07.47 ID:U3oFyeNIo
李衣菜「ぐす……へへ、泣いてもいいよ?」

泰葉「泣き止むまで慰めてあげるから……ふふっ」

加蓮「んーん、やっぱ泣かないっ。代わりに、二人がつらい目にあったら、そのときに泣いてあげる」

加蓮「……だから、ずっとそばにいてね。約束だよ♪」

李衣菜「あはは、言われなくてもっ」

泰葉「年末まで……ううん、年が明けても予定は詰まってるものね」

加蓮「うんっ、だよね!」


加蓮「これからもよろしくねっ、李衣菜、泰葉!」


―――

――


10: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:50:06.19 ID:U3oFyeNIo

―――朝


加蓮「――ん……」パチッ


加蓮「ふあ……。朝、か……」


加蓮(なんか……夢を見てた気がする。なんだっけ)

加蓮(誰か……とっても大切な、二人がいたような……)

11: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:53:57.24 ID:U3oFyeNIo
加蓮「うーさむっ……もう少しだけ……」モゾモゾ…


むにっ


加蓮「……むに?」


ばさっ


李衣菜「むにゃ」Zzz…

加蓮「……は? なんでりーな?」

13: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:56:09.25 ID:U3oFyeNIo
李衣菜「んんぅ……しゃむいぃ……」コロン

加蓮「……あっ。そっか、昨日――」


李衣菜『加蓮が寂しくないように、泊まりに行ってあげるよ!』

泰葉『また変な夢を見たら、遠慮なく起こしてね。ふふふっ』


加蓮「……えへ。おかげでいい夢、見れたよ」ナデ…

李衣菜「んん……んぇへへ……♪」

14: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 00:58:33.75 ID:U3oFyeNIo

かちゃり


泰葉「二人とも、朝ご飯出来たから――あ、おはよう加蓮」ヒョコッ

加蓮「泰葉。うん、おはよ……朝ご飯って、もしかしてお母さんの手伝いしてたの?」

泰葉「ええ、少しだけ。ふふ、加蓮のかわいいエピソードを聞かせてもらいながらね」

加蓮「は!?」

泰葉「いつもニコニコしながら私たちのこと話してくれてるんだ? ふふふ、嬉しい♪」クスクス

加蓮「わぁー! わーわーわー!!」

15: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 01:00:58.48 ID:U3oFyeNIo
李衣菜「うぅ~ん……うるさいぃ」ムクリ

泰葉「あ、李衣菜。おはよう」

李衣菜「うん、おぁよーやすは……」クシクシ…

李衣菜「ってあれ、泰葉の部屋じゃない……あ、そっか! 昨日は加蓮んちに泊まったんだっけ」

加蓮「」

李衣菜「……なんで加蓮突っ伏してるの? まだ寝てる?」

泰葉「ふふ、あとで話すね」

加蓮「だめぇーッ!」ガバッ

李衣菜「うわぁ!?」

16: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 01:02:02.24 ID:U3oFyeNIo
加蓮「ほ、ほら李衣菜も起きたし! 下行ってご飯食べよ!?」

李衣菜「え、えええ? なんかすごく気になるんだけど」

加蓮「気にしないの! しちゃだめ! したら殴る!」

李衣菜「えっ怖い!?」

泰葉「くすくす……♪」

17: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 01:03:05.85 ID:U3oFyeNIo
加蓮「早くしないとお仕事遅れちゃうでしょ!」

李衣菜「そ、そうだけどっ。だめって言われたら余計気になるじゃん!」

泰葉「李衣菜、あとでこっそり……ね?」ヒソ

李衣菜「……おっけー♪」ヒソッ

加蓮「こらぁ!」

18: ◆5F5enKB7wjS6 2015/12/07(月) 01:05:16.96 ID:U3oFyeNIo
泰葉「ふふっ♪ さ、今日もお仕事、頑張りましょう!」

李衣菜「へへっ! もうすぐクリスマスだもんね、気合い入れてこうっ!」

加蓮「もぉ~、いつか絶対泣かしてやるんだから!」



加蓮(――冬の思い出……楽しい、素敵な思い出にしようね。ねっ、二人とも♪)



おわり