1: saga sage 2015/12/08(火) 12:52:17.42 ID:3wQTNYMl0
 ——中一初夏、湯町中学校

はやり「私はアイドル始めたときかな。いずれ必要になるからって、マネージャーさんが色々教えてくれた」

杏果「私は……本格的なのは小五かな。ほら、みんなで海行ったとき。いい機会だからってお母さんが」

閑無「私は卒業式のあとだな。中学生になるし、無敵感を上げておこうと思って」

慕「そっか……みんな持ってるんだ」

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引用元: 【咲SS】慕「みんな持ってるんだ」【シノハユ】 

 

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 12:55:57.86 ID:3wQTNYMl0
 ——耕介宅

慕「ねえ、おじさん。来月のお小遣いなんだけど……前借り、とか、できたりしないかな?」

耕介「なんだ? ほしいものでもあるのか?」

慕「あっ……えっと、うん」

耕介(うーん……いつぞやの自転車のこともあったしな。慕が何かをほしいと自分から言うなんて珍しい。よし、ここは一つ!)

耕介「わかった。前借りなんかじゃなくて、俺が出すよ。一緒に買いに行こう!」

慕「えっ!?」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 12:57:20.12 ID:3wQTNYMl0
耕介「お金のことなら、気にしなくていいぞ。ボーナスが入ったからな」

慕「……あぅ、えっと」

耕介「それで、何がほしいんだ? 新しい携帯電話か? ゲーム機か?」

慕「……そ、それは、その」

耕介「遠慮しなくていいんだぞ」

慕「……いや、遠慮というか……///」

耕介(あ、さてはアクセサリーや化粧品の類いか! お洒落に気を遣う年頃になったんだなあ……)

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 12:58:40.64 ID:3wQTNYMl0
耕介「……そっか、うん、中学生になったんだもんなあ。そりゃそうか」シミジミ

慕「! おじさん……私のほしいもの、わかったの……?」

耕介「ああ、無理に聞き出そうとして、悪かったな」

慕「む、無理になんて、そんな……」

耕介「言いにくかった理由も、なんとなくわかるよ。けど、大丈夫だ、慕。そういうのは、大人になるための大切な準備なんだって、俺は思ってるから」

慕「大人になるための……」

耕介「姉貴の買い物に付き合わされたこともあるしな」

慕「おかーさんに付き合——ええっ!?」

耕介「ことあるごとに連れて行かれて、最初は恥ずかしかったんだが、だんだん慣れたよ」

慕「そ、そうだったんだ……」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:00:18.49 ID:3wQTNYMl0
耕介「慕も、最初から一人で買うのは大変じゃないか? なんなら俺が慕に似合うのを選んでやろうか?」

慕「選……っ!? ほ、ほんとに!?」

耕介「ああ。自慢じゃないが、姉貴に『あんた見る目あるよ』って言われたことだってあるんだぞ」

慕「おかーさんのもおじさんが選んでたの!?」

耕介「ああ。ある程度だが、どんな種類があるのかもわかるし、使い方も教わった」

慕「使い方までわかるの!?」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:03:41.33 ID:3wQTNYMl0
耕介「いや、姉貴がさ、『そっちのセンスがあるかも』って強引に」

慕「そっちってどっち!? え!? それに強引にって、その」

耕介「お試しみたいな感じでな。何度かしたこともある」

慕「したことあるんだ!!?」

耕介「当時はまだ顔立ちも幼かったし線も華奢だったからな。鏡で見たら案外似合ってて、どうしようかと思った」

慕「それはどどどどどうしたの!!!?」

耕介「どうしたってほどでもないが、その時のことがあったからか、今でもたまにすることあるぞ」

慕「今でもたまにするの!!?!?!」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:05:16.53 ID:3wQTNYMl0
耕介「……って、あ、そっか。俺はよくても、慕が恥ずかしいか……ごめんな」

慕「あっ、いや、私は……」

耕介「友達と選びたいっていうなら、それでも構わないよ。いや、そっちのほうがいいのか、普通」

慕「わ、私は……///」

耕介「ん?」

慕「私は……おじさんと行きたい、かな……って///」

耕介「慕……」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:08:00.97 ID:3wQTNYMl0
慕「閑無ちゃんたちと行くことも……あると、思うけど。初めて……は、おじさんとがいいな……」

耕介「……ありがとう、慕。ははっ、頼られるって、やっぱ嬉しいな」

慕「ふふっ……/// あ、その代わり、ちゃんと可愛いの選んでね?」

耕介「ああ、その点は任せろ」

慕「あと……実は、使い方もよくわからないから、教えてほしいなって」

耕介「大丈夫。なんならその場で教えてやるよ」

慕「その場……!? ほ、ほんとにいいの!?」

耕介「俺はいいぞ。姉貴がだるがりで、俺がそういうの面倒見てた時期もあるし」

慕「おかーさんとおじさんってどういう関係なの!?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:10:20.49 ID:3wQTNYMl0
耕介「どういうってそりゃ……お互い相手のことを大切に思ってる、仲のいい家族だよ。おまえと俺もそうじゃないのか?」

慕「そ、それは…………うん……////」

耕介「なら、決まりだな」

慕「う、うん。不束者ですが……当日はよろしくお願いします」フカブカ

耕介「おう。じゃあ、今週の日曜日でいいな。せっかくだから、色んな種類がある大きなお店に行こう」

慕「ありがとう。お店選びも、おじさんに任せるよ」

耕介「ははっ、じゃあきっちり予習しないとな」

慕「予習……」

耕介「慕は、俺がしてるとこ、見たいか?」

慕「い、いや!! そういうのはレベルが高いというか!! まだ早いんじゃないかな、うん!!」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:13:21.77 ID:3wQTNYMl0
耕介「それもそうか。まずは、自分のを手に入れてからだよな」

慕「う、うん……。というか、おじさん、その……持ってるの?」

耕介「ん? もちろん持ってるぞ。気付かなかったのか?」

慕「全然気付かなかった……」

耕介「特に隠してたつもりはなかったんだが……まあ、いいか」

慕「私はびっくりだよ……長い間一緒に住んでたのに」

耕介「そういうこともあるよな」

慕「ちょっとまだ心の準備ができてないから……買い物が終わった後で、見せて」

耕介「うん、わかった」

慕「じゃあ、日曜日ね。楽しみにしてるから」

耕介「おう!」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:15:03.44 ID:3wQTNYMl0
 ——日曜日・大きなデパート・アクセサリー売り場

慕「えっ?」

耕介「えっ?」

耕介(あれ……!? やばい、何か間違えたか!?)アタフタ

慕(………………あっ)サッシ

耕介「あ、ごめんな、こっちだったか……?」テトテト

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:15:34.25 ID:3wQTNYMl0
 ——化粧品売り場

慕「えっ?」

耕介「えっ?」

耕介(あっれ!? うそ、こっちでもないのか!?)アタフタ

慕(…………やっぱり……)

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:22:43.17 ID:3wQTNYMl0
耕介「す、すまん、慕! もしかして、思ってたのと、違ったか……?」

慕「……うん」

耕介「——!? ご、ごめん! 俺はてっきり」

慕「ううん、大丈夫。私がほしいものも、近くにあるから」

耕介「そ、そうだったか……っ!」

慕「来る途中に見かけたの。こっち」トテトテ

耕介(よ、よかった……一時はどうなることかと——)ホッ

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:24:37.94 ID:3wQTNYMl0
 ——○○○売り場

耕介(………………どうしよう……)ダラダラ

慕「…………ねえ、おじさん?」

耕介「…………な、なんだ、慕?」

慕「選んでくれる、って言ったよね」

耕介「お、おう」

慕「使い方も、その場で、教えてくれるって」

耕介「あ、ああ」

慕「嘘じゃない、よね?」

耕介「それは、その、えっと……」

慕「私、あの時から、ついさっきまで……ずぅーっと恥ずかしいの我慢してたんだよ?」

耕介「す、すまん!」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:25:41.75 ID:3wQTNYMl0
慕「…………でも、それ以上に、嬉しかったの」

耕介「慕……?」

慕「おじさんが、私のこと……大切な家族だ、って言ってくれたから」

耕介「慕……」

慕「その気持ちに嘘がないなら……勘違いだったとしても、約束は守ってほしいなって」

耕介「…………」

慕「…………ダメ、かな?」シュン

耕介「…………いや、ダメじゃない」

慕「!」バッ

耕介「だから、そんな寂しそうな顔すんな」ポム

慕「おじさんっ!」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:27:31.01 ID:3wQTNYMl0
耕介「約束は守るよ。おまえは俺の大切な家族だからなっ!」

慕「ありがとう、おじさんっ!」ギュ

耕介「どういたしまして」ニコッ

慕「それで……その、ちゃんと、可愛いの、選んでね?」ウワメヅカイ

耕介「っ……任せろ///!」

慕「おじさん、大好きっ!!」

<かわいいは無敵・完>

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:39:59.63 ID:3wQTNYMl0
以下、本編とは一切関係のない、R指定ルート。

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:41:40.65 ID:3wQTNYMl0
 ——○○○売り場

耕介「こ、この白くて花柄のやつとか、似合うんじゃないか!?」

慕「えっ?」

耕介「えっ?」

慕「あっ、ごめん、ここはちょっと立ち寄っただけで、私のほしいものが売ってるのはデパートの外の……」

耕介「???」

慕「と、とにかく、ついてくればわかるからっ///!!」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/08(火) 13:46:23.69 ID:3wQTNYMl0
 ——○○の○○屋さん

慕「ここっ!!」

耕介「あかん!!」

慕「そんなっ!? だってみんな持ってるんだよ!?」

耕介「余所は余所!! うちはうちですっ!!」

慕「おじさんの嘘つきっ!!」

耕介「ダメなものはダメ!!」

慕「っ……!! じゃあ、閑無ちゃんたちに言うよ!?」

耕介「な、なにを!?」

慕「おじさんが持ってるって!! あとたまにしてるって!!」

耕介「俺はいいんだ!! 大人だから!!」

慕「えっ?」

耕介「ん?」

慕「…………えっ?」

耕介「…………んぅ」

<このあと滅茶苦茶した>