ほむら「目覚めろ、その魂」 前編

186: ◆0coMHZI5p2 2013/08/01(木) 02:38:51.81 ID:41MC191zo
諦めかけたが、結界の中を排気音が響き渡った。
最初は魔女の使い魔かと思った、誰かが入ってくることなんか予想だにしなかったからだ。

杏子(用心深い魔女だな…)

魔女は動きを止めた、それも排気音を聞いて戸惑った様子で。
現れたのは使い魔じゃなくてバイクだった。
普通のバイクじゃなく、まるで龍のようだった。
深紅の車体に金色の装飾が施され、ヘッドライトは眼のように青く光っていた。

近寄っていた魔女は走りこんできたバイクに撥ねられて吹き飛ばされていた。
バイクに乗っていた奴が多分アギトだ、こっちも普通じゃなかった。
金色の二本の角が生えて、両目は赤い巨大な複眼だった。
鎧を着て肩が黒くて、鎧の胸部と腹部はほむらのプロテクターみたいに金色に光っていた。
それで体型がごつかった、正に戦士という感じだった。

そいつはバイクから降りるとあたしをバイクに乗せて、魔女と対峙した。

杏子「誰だか知らねえが、そいつの血は武器だ、気をつけろ」

後はあたしが覚えているのはそいつが魔女に駆けていったこと。
魔女を倒して脱出する際にあたしを乗せてバイクを走らせていたことだけだよ





引用元: ほむら「目覚めろ、その魂」 

 

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187: ◆0coMHZI5p2 2013/08/01(木) 02:39:17.28 ID:41MC191zo
杏子「ここは?」

翔一「杏子ちゃん、大丈夫?」

杏子「お前は…、翔一だったか」

翔一「それでいいよ」

杏子「なんであたしはこんなところに」

翔一「俺がレストランに忘れ物を取りに戻ったら、杏子ちゃんが倒れてたんだよ」

翔一「それで放っておけなくて俺の部屋に」

杏子「お前、見たのか」

翔一「何を?」

杏子「見てないなら別にいい」

翔一「何があったのかは知らないけど、倒れてたんだから少なくとも今日は泊っていくこと」

杏子「そこまで世話になる義理は…」

翔一「駄目駄目、とりあえず洗濯するから服を脱いで」

杏子「ちょっ!?剥ぎとろうとするな!!自分で脱げる!!」

翔一「そう?じゃあお風呂沸かしてくるから準備しておいてね、寝間着は大きいけど俺のを使えばいいし」

杏子「おい、こら待て!…行っちまった」

杏子「本当にあいつは何なんだよ」

翔一「お風呂沸いたから、さっさと入っちゃって」

杏子「はやいな!?」

188: ◆0coMHZI5p2 2013/08/01(木) 02:40:16.12 ID:41MC191zo
翔一「お腹空いてるんじゃない、夜食におにぎりでもどう?」

杏子「もらうよ」

翔一「やっぱり俺たち似てるね」

杏子「違うよ」

翔一「俺さ、姉さんが自殺した原因のものを手に入れたんだ」

杏子「……」

翔一「最初は、それで皆の為にって張りきったんだけどさ」

翔一「俺の親しくなった人の居場所を壊したものでもあったんだ」

杏子「でも、あんたは逃げなかったんだろ、だから居場所作れたんだよ」

翔一「逃げた、それも何回も」

翔一「力を手放そうとしたこともあるよ」

杏子「それでも手放さなかったんだろ」

翔一「中途半端だったし、やることが出来たからね」

杏子「そんな話を聞かせて、あたしにどうしろって」

翔一「別に、似てるなって思ったから」

翔一「それに杏子ちゃんが話してくれたのに俺が話さないのっておかしいじゃん」

杏子「本当に変なやつだな」

翔一「そうかな」

杏子「ごちそうさん、そろそろ寝るわ」

翔一「お粗末様、明日勝手に出ていかないでよ」

杏子「わかったよ」

翔一「それじゃ、お休み」

189: ◆0coMHZI5p2 2013/08/01(木) 02:40:45.27 ID:41MC191zo
翔一「おはよう、勝手に出ていくんじゃないかって心配してたけど、ぐっすり寝てたね」

杏子「色々と心配しないで寝たからな」

翔一「俺信用されてるなー」

杏子「まあ、変な真似するなら昨日散々チャンスはあったはずだからな」

翔一「そうなの?」

杏子「調子狂うな」

翔一「杏子ちゃんはこれからどうするの」

杏子「…色々考えたんだけどな、一度知り合いに会いに行こうかなって」

翔一「杏子ちゃんにもちゃんと居場所があるじゃん」

杏子「わからねえ、家族が死んだ後喧嘩別れしちまったから」

翔一「そうなんだ、それでも待ってるんじゃないかって期待してるんでしょ」

杏子「ちょっとはな」

翔一「よし、じゃあ俺が一肌脱いで送っていこう、そしたらすぐに仲直りだよ」

杏子「ばーか、あたしは見滝原まで行かないといけないんだ、店があるあんたはそこまで離れられないだろ」

翔一「そうかー、じゃあ送っていけない代わりに渡すものがあるから、ちょっと待ってて」

190: ◆0coMHZI5p2 2013/08/01(木) 02:41:12.21 ID:41MC191zo
翔一「これ持っていてよ」

杏子「何だこれ」

翔一「リュック」

杏子「見りゃわかる」

翔一「家庭菜園で作っている野菜を入れてるんだ」

杏子「野菜か、果物とかねえのか」

翔一「果物は作ってないな、けど全部生で食べても美味しいからさ持っていってよ」

杏子「でもなあ」

翔一「これだけあったら、当分食べるのには困らないでしょ」

翔一「残飯漁りとかでお腹を満たさなくても大丈夫だよ」

杏子「んじゃ、ありがたく貰っておくわ」

翔一「うん」

杏子「で、どっちに行けば見滝原に近いんだ」

191: ◆0coMHZI5p2 2013/08/01(木) 02:41:45.95 ID:41MC191zo
杏子「という訳であたしは見滝原に戻ってきたっていうわけだ」

まどか「その翔一さんっていう人がアギトなの?」

杏子「んな訳ねーだろ、あいつは戦う人間っていう柄じゃなかったぞ、体格だって似ても似つかないし」

ほむら「巴さん以上にお節介な人はその人なのね」

杏子「そうだ、貰った野菜がまだ無くならないんだよ、上手いからいいけどな」

まどか「知り合いってマミさんだよね会ってどうするの?」

杏子「どうしようかQBには縄張り奪うかって言ってみたけどな」

杏子「本当は会いたくて仕方なかったけど意地張ってた、翔一と話してたら素直に会おうって思えてな」

まどか「そういえば話の中で出てこなかったけど、東京の方にはQBっていないのかな?」

杏子「ん?そういや見なかったな、普段は呼んでもいないのに現れるくせにな」

ほむら「東京では警察が魔女撃破に乗り出したらしいからそれじゃないかしら」

杏子「東京で魔女が少なかったのはそれが理由か、でもQBが居ない理由にはならないんじゃないか」

杏子「まあ、QBがどうしてようがどうでもいい、明日はマミと話してくるかな」

197: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 01:57:26.55 ID:ZxTE6Mv8o
杏子「ようマミ」

マミ「なんでここにいるのかしら」

杏子「そう警戒するなよ、QBに聞いたんだ」

QB「杏子がマミとさやかの訓練を見たいって言ってね」

マミ「邪魔しに来たのかしら」

杏子「見に来ただけだよ」

マミ「信じていいのね」

杏子「手を出す気ならもう出してる」

杏子「まあ、野次は飛ばすかもしれねえがな」

マミ「それは遠まわしに助言はするって言ってるのかしら」

杏子「解釈はご自由に」

198: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 01:57:56.69 ID:ZxTE6Mv8o
さやか「マミさん、おはようございま…げっ!」

杏子「先輩を目の前にしてその態度はないだろ」

さやか「マミさん!なんでこいつがここに!?」

マミ「佐倉さんは助言をしに来たらしいわよ」

さやか「マミさん、こいつのこと知ってるんですか…」

杏子「あたしは昔マミと組んでたんだよ、あたしの詳しい話は今度マミにでも聞いとけ」

マミ「自分で言えばいいじゃない」

杏子「機会があったらな」

さやか「あんたって言うのもなんだから、名前教えてよ」

杏子「あたしは佐倉杏子だ、よろしくな、さやか」

さやか「なんであたしの名前を知ってるのさ」

杏子「ほむらとまどかに聞いた」

さやか「あんた、まどかに何かしたんじゃないよね」

杏子「するかよ、したらほむらを相手にしなきゃいけなくなる」

さやか「転校生の評価ずいぶん高いんだね」

杏子「本気を出してないとはいえ相当なもんだったからな、あたしのせいで記憶も飛んだらしいから悪いって思ってるのもあるが」

マミ「おしゃべりはそこまで、そろそろ始めないと学校に遅れるわよ」

さやか「よし、訓練で汗を流してさっぱりしますよー」

199: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 01:58:23.76 ID:ZxTE6Mv8o
さやか「やった!マミさんに一太刀当てれた!!」

マミ「…美樹さん」

さやか「どうしたんですか、そんなに怖い顔して」

マミ「さっきみたいな痛みをいとわない戦い方はやめなさい」

さやか「あたしは経験も才能もありませんからね、こうでもしないと勝ち目がありませんよ」

杏子「マミの言うとおりだ、訓練だったから良かったもののあそこで攻撃されてたらソウルジェムが危なかったぞ」

さやか「あたしのソウルジェムすれすれを狙ったあんたが言うなよ」

杏子「普通はあんなことされる前に引くんだよ」

さやか「でも、あの戦い方とあたしの魔法は相性がいいから」

QB「僕としても、もうちょっと気をつけて欲しいな」

マミ「QBが戦い方に口を出すなんて珍しいわね」

QB「戦い方は魔法少女の好きにさせるのが一番いいとは思ってるよ」

さやか「なんで皆して、そんなにあの戦い方を否定するのさ」

QB「僕は否定はしていないよ。ただ気をつけて欲しいだけだ、だってソウルジェムが砕けたら君たちは死んでしまうんだから」

「「「え?」」」

さやか「今、なんて?」

QB「だからソウルジェムは君たちの魂なんだ、それが砕けたら君たちは死ぬ」

マミ「きゅ、QB、なんでそ、そんなことを?」

QB「君たち人間の体は脆弱だ、そのまま戦ったら痛みで魔女との戦闘もままならないだろ、だから肉体と魂を分離させた」

杏子「なんでそれを今言いやがった!!」

QB「さやかが二回もソウルジェムを壊しそうになったからね、三回目はないようにしてほしくてね」

QB「そうそう、君たちとソウルジェムが離れ過ぎても動けなくなるからね、大体100mくらいかな」

杏子「もう黙れ!!」

QB「おっと、殺されるのは非生産的だね、そろそろ僕は行くよ」

さやか「なんで契約する時にそのことを言ってくれなかったのさ!」

QB「聞かれなかったからね」

200: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 01:59:42.90 ID:ZxTE6Mv8o
さやか「マ、マミさん、どうしましょう?」

マミ「とりあえず学校へ出席はしましょう」

さやか「あんなこと言われたのにですか!?」

マミ「考える時間なら明日からの週末で十分にあるわ、それに鹿目さん達に気取られない為にも行く必要があるわ」

さやか「それは…」

杏子「マミも学校へ行くのか?」

マミ「私は、あの人たちに会いに行ってくる」

杏子「…マミも学校行けよ、そっちにはあたしが行く」

マミ「佐倉さん…、連絡はしておくわ、私の知り合いって言えば大丈夫なはずよ」

杏子「それとなさやかを見ておけ、今のあいつじゃ何をするか分からねえし」

さやか「あたしは大丈夫だよ」

杏子「無理せずマミに頼れ、空元気がまるわかりだ」

さやか「…うん」

マミ「佐倉さん、見滝原病院で待ってるらしいわ」

杏子「そうか、あたしはもう行くぞ」

さやか「杏子は平気なの?」

杏子「慣れているだけさ」

201: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:00:08.66 ID:ZxTE6Mv8o
まどか「さやかちゃん、おはよう」

さやか「まどか、おはよう」

まどか「上条君、今日から登校なんだって、話してきたら?」

さやか「あたしはいいや」

まどか「…なにかあったの?」

さやか「何もないよ」

仁美「さやかさん、お話があります」

さやか「仁美どうしたのさ」

仁美「屋上でお話ししましょう」

さやか「まどか、ちょっと行ってくるね」



仁美「さやかさん、上条君のことをどう思っていますか」

さやか「恭介とは幼馴染だよ」

仁美「私は上条君をお慕いしております」

さやか「…恭介も仁美みたいな可愛い子に思われて、隅に置けないな」

仁美「さやかさんも上条君のことが好きなはずです」

さやか「……」

仁美「私はもう自分の心は偽らないと決めました、さやかさんはどうですか」

さやか「あたしは嘘なんかついてないよ」

さやか「元々恭介とあたしは釣り合いが取れてなかったんだよ、仁美となら釣り合いが取れてるよ」

仁美「私はさやかさんを裏切りきれません、覚悟を決める必要があるでしょう来週までに答えを決めておいて下さい」

さやか「あたしは…」

202: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:00:42.96 ID:ZxTE6Mv8o
北條「魔女可視化装置はこちらでは成果を上げてますが東京で活躍できているのでしょうか」

小沢「今のところは良い感じよ、使い魔も含めて撃破報告は結構上がっているわ」

氷川「魔法少女の扱いはどうなっているのでしょうか」

小沢「それが歯切れの悪い返事しか返ってこないのよ」

氷川「どういうことでしょう」

北條「まさか、魔法少女と魔女の関係を報告したのではないでしょうね」

小沢「あなたじゃあるまいし、報告するわけないでしょう」

氷川「ではなぜ魔法少女に関することの返事がないのでしょう」

小沢「考えていても仕方ないわ戻った時に聞けばいいことよ、今は目の前の問題よ」

北條「まもなくワルプルギスの夜が来るはずでしたね」

小沢「そうよ、聞き取りから得られた情報をより精査して、おおよその出現ポイントと交戦ポイントは絞り込めたわ」

氷川「最強の魔女ですか、相当な被害になるんでしょうね」

小沢「警視庁としては物的被害はあっても、人的被害は抑えられるように動くつもりのようよ」

尾室「例の少女が来ました」

杏子「あんた等が警察の人間で、QBが言ってたイレギュラーか」

小沢「そうよ、そしてあなたは佐倉杏子、佐倉家心中で行方不明になっていた子ね」

杏子「よく調べてることだな、魔法少女についてはどれだけ知ってるんだよ」

北條「魔法少女の活動の事ですか、それとも魔法少女の本体ですか」

杏子「本当によく調べてる、誰に聞いた」

小沢「暁美ほむら、今は記憶喪失になっているけれど彼女の正体と目的も聞いているわ」

杏子「なる、じゃあ色々と情報交換といきますか」

203: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:01:30.61 ID:ZxTE6Mv8o
杏子「大体知ってることをなぞるだけだったな」

小沢「ワルプルギスの夜とあなたの事情を共有できただけましじゃないかしら」

北條「暁美さんが記憶を取り戻せば明らかになることは多いはずです」

杏子「ほむらは記憶を取り戻せばね」

小沢「忘れていた方が彼女にとって幸せでしょうね」

杏子「そりゃそうだ、あたしも記憶喪失になれるならなりたいしな」

氷川「佐倉さんはこれからどうするんですか?」

杏子「あんた等もいるんだろ、ならワルプルギスの夜の討伐は手伝ってやる」

杏子「あたし達だけで挑むよりも勝率はよっぽど高いしな」

小沢「怖いくらいに渡りに船な提案ね」

杏子「ただしだ」

北條「戦力を提供する代わりにグリーフシードですか」

杏子「話がはやいやつは好きだよ」

小沢「少ないかもしれないけど前金よ」

杏子「まっさらなグリーフシードが四つか」

氷川「もうちょっと手に入れてますが、巴さんと美樹さんの為にも残しておきたいので」

杏子「…隠していることを教えろよ。警察にとって必要ないはずのグリーフシードをそんなに貯めこんでるんだ、それなりの理由があるんだろ」

204: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:02:03.54 ID:ZxTE6Mv8o
まどか「さやかちゃん、仁美ちゃんに呼ばれてからおかしいよ?」

さやか「まどか…、転校生は?」

まどか「氷川さんに呼ばれたんだって」

さやか「よかった、転校生に会ったら何を言うかわからないからね」

まどか「何かあったの?」

さやか「仁美に恭介が好きだって言われたんだ。あたしの答えを来週まで待つって言われたよ、いつまで待っても一緒なのに」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「まどかは知らないよね、魔法少女の本体はこの石ころなんだってさ、信じられないけどQBがわざわざ忠告するから本当なんだろうね」

さやか「これじゃ、あたしはゾンビだよ、恭介に好きって言えないよ」

まどか「さやかちゃんはゾンビなんかじゃないよ!こんなに暖かいんだから!!」

さやか「ううん、心もゾンビなんだよ、仁美に恭介が好きって言われて、魔女に襲われた時死んでたら良かったのにって思っちゃった」

さやか「あの場にはまどかもいたのに、転校生が居なければって思ったよ、こんなあたしがゾンビじゃないわけないじゃない!」

まどか「落ち付いてさやかちゃん」

さやか「まどかが優しいって分かってるけどね、どうしても嫌なこと考えちゃうんだ」

さやか「まどかが願えばあたしは戻れるかもしれないって!まどかを犠牲にすればって!!」

さやか「あたしは恭介に抱きしめられたい!キスされたい!けどこんな体じゃ駄目なんだよ!!」

まどか「さやかちゃん!!」

さやか「付いてこないで!!」

205: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:02:45.53 ID:ZxTE6Mv8o
ほむら「遅くなりました」

小沢「そこまで急ぐ用事でもないから大丈夫よ」

マミ「暁美さんも呼ばれてたのね」

杏子「重要人物だからな」

ほむら「重要?」

小沢「覚えていないかもしないけど、あなたは魔法少女から元に戻った、いえ更に進化した人間よ」

杏子「一応ソウルジェムがあるか確認させてもらうぞ」

マミ「本当にないわね」

氷川「QBが魔法少女に対してソウルジェムが本体であることを明かしました、出来るだけ早く記憶を取り戻して彼女たちを解放してほしいのです」

ほむら「そういわれても…」

小沢「氷川君やめなさい」

氷川「すいません、無茶なことを言って」

小沢「こういう事情なのよ、元通りの人間に戻ることは出来ないけれど日常生活には戻れるはずよ」

ほむら「私の魔法少女時代ですか…」

杏子「別に思い出さなくてもいいよ」

マミ「佐倉さん?」

杏子「こいつの証言は全て正しかったんだろ、なら目下の問題はワルプルギスの夜が来るっていうことだしな」

マミ「ワルプルギスの夜!?」

杏子「戻る方法がないなら、ワルプルギスの夜を倒してからソウルジェムを砕けばいいしな」

氷川「そんな必要はないはずです!魔法少女から解放されなくても生き続けるのを止める必要はありません!!」

マミ「そうよ佐倉さん、別に自分から死ななくても…」

杏子「誰もすぐ死ぬなんて言ってないさ、限界が来たら砕くんだよ」

マミ「それはどういうことかしら」

杏子「今のあたしは魔法がないと生きていけない、けど将来的にグリーフシードの取得には限界が来るのは目に見えてる」

杏子「なら魔法が使えなくなった時には自分で死に場所を決めたいって思っただけだよ」

206: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:03:19.82 ID:ZxTE6Mv8o
小沢「暗い話はその辺にしときなさい、巴ちゃん、残りのグリーフシードを渡すから分けてあげて」

マミ「こ、こんなにですか!?」

北條「私たちにグリーフシードは必要ありませんからね」

マミ「どうやったらこんなに…」

北條「魔女可視化装置の副次的な成果で出来たレーダーがありますからね、そして車を使用できますから捜索範囲は中学生より広いんですよ」

杏子「あたしはもう貰ってるから、さやかと分けろよ」

北條「私たちはワルプルギスの準備もありますので一度東京へ戻ります」

杏子「戻ってくるんだろうな」

氷川「人命を守るのが警察の使命ですからね」

小沢「どんな戦いになるにせよ、G3とG3-Xを徹底的にメンテナンスする必要があるのよ」

北條「それに警察の上層部にも色々と具申する必要がありますので」

杏子「魔法少女の排除令とか要請すんじゃねえだろうな」

北條「悪事を働かなければ出しませんよ」

マミ「では何か不安要素があるんですか」

小沢「魔法少女に関しては妙に歯切れが悪いのよね、魔女の撃破は順調って返ってくるのに」

杏子「マミ、ワルプルギス超えたら魔女退治は警察に任せて休業しねえか、こいつ等に言ったらグリーフシードは貰えるだろうし」

小沢「あくまで東京での話よ、東京以外に隊を回すのはまだ無理なのよ」

ほむら「どちらにしろ、不在の間は私たちで見滝原を守る必要があるんですね」

小沢「そういうこと」

207: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:03:45.76 ID:ZxTE6Mv8o
QB「今日は魔女退治にはいかないんだね、さやか」

さやか「何の用さ」

QB「機嫌が悪いみたいだね」

さやか「当たり前だろ、騙したあんたに良い感情を抱けるわけがない」

QB「騙したとは人聞きが悪いね、僕は魔法少女になってとお願いしただけだ、詳細は省いたけどね」

QB「それに知らせる必要があったとは思えないね、事実マミも杏子も知らなくても今まで戦えたんだから」

さやか「別にこんな体にしなくても戦えるでしょ!」

QB「君は戦いを甘く見ている、杏子に槍を刺されていたけど実際の痛みはこんなのだ」

さやか「!?…がっ!ぐっ!!」

QB「ほらね、一歩も動けなくなっただろう、魔法少女の戦いは肉体と精神が切り離されているからこそ出来る戦いなんだよ」

QB「今朝やったように痛みを全部カットして戦うことも可能だけど、ソウルジェムの防御が蔑ろになりやすいからお勧めしないよ」

さやか「…な、なんで、あんた達はこんなことをするのさ?」

208: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:04:12.13 ID:ZxTE6Mv8o
QB「実は今、魔女に対して魔法少女の数が圧倒的に少ないんだ」

QB「僕たちは魔法少女の数を把握していたし、時間も正確に記録されているはずだったんだよ」

さやか「なんで過去形なんだよ」

QB「色々と狂っていたんだ、記録されていた時間はずれていたし、天体の位置も変わっていた、極めつけには契約した魔法少女がいなくなっていた」

さやか「自分たちはすごいみたいな言い方だね」

QB「君たちに奇跡を売るぐらいにはね、それに魔女はそのまま残っていたのに魔法少女がいなくなったっていうのはおかしいと思わないかい」

さやか「それは…」

QB「この前、興味深い会話があったんだ」

QB「暁美ほむらは元魔法少女で、時間を操る魔法を持っていたと」

さやか「転校生が元魔法少女?」

QB「まどかが言っていたんだよ」

QB「そこで推測してみた、前の時間軸で暁美ほむらは、まどかに魔法少女システムを別の時間軸に飛ばすように願わせたんじゃないかな」

さやか「そんなことしたら魔法少女も飛ばされるし、あんたが私たちのことを知らないわけないじゃん」

QB「まどかほどの素質があれば可能だと思うよ、魔法少女を残しておくのと僕から君たちの記憶を消すことなんて」

さやか「だったらなんで元魔法少女の転校生が居るんだよ」

QB「失敗したんじゃないかな」

さやか「えっ?」

QB「システムを飛ばしたことでソウルジェムに不具合が起きたのかも、そして暁美ほむらは残りの力でこの時間に来たけど魔法少女ではなくなった」

さやか「なんであたしにそんなこと言うのさ転校生に直接尋ねればいいじゃん」

QB「僕は暁美ほむらの前には立てないんだよ拒絶反応みたいなものが起きるんだ」

さやか「最初のころは普通に居てたじゃない」

QB「あの時はマミに無理を言って保護の魔法をかけてもらっていたんだ、そして彼女から来る敵意がシステムに関するものなら納得だ」

さやか「じゃあ、じゃあ、こんな状況を作ったのは転校生のせいなの…」

QB「あくまで状況や会話から手に入れた情報を元に作られた仮説だよ、けどそれまでいた魔法少女がいなくなったのは事実だ」

さやか「全部あいつのせいなのか!」

QB「どうするんだい?」

さやか「まどかに連絡する!転校生を呼びだして決着をつけてやる!!」

209: ◆0coMHZI5p2 2013/08/04(日) 02:04:39.83 ID:ZxTE6Mv8o
まどか「さやかちゃんが指定した場所はここのはずだけど…」

ほむら「美樹さん、何の用事なのかしらね」

さやか「来たね、転校生」

ほむら「用事は何かしら、美樹さん」

さやか「薄々見当がついてるんじゃないかな」

ほむら「思い当たることは何も」

まどか「わたしもほむらちゃんが何かをしたとは思えないけど」

さやか「まどかは騙されてるんだよ!」

まどか「え?」

さやか「こいつはね全ての元凶なんだ、この世界に魔法少女システムを持ちこんだ」

ほむら「私はそんなこと出来ないわよ」

さやか「QBから聞いてるんだよ、転校生が元魔法少女で時間を操る魔法を持っていたって」

ほむら「そうらしいわね」

さやか「それで別の時間で魔法少女システムをまどかに頼んで飛ばしてもらったんでしょ!」

まどか「さやかちゃん、流石にそれは」

さやか「まどかは黙っていて!時間を操る魔法を持っていたから考え付いたんだろうけど失敗だった!そのくせ自分だけ魔法少女じゃなくなって!!」

ほむら「流石に覚えていないことで責任を取れって言われても」

さやか「黙れ!あたしはあんたのせいで!!」

ほむら「まどか離れて」

さやか「あたしはあんたを許さない!!」

231: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:30:29.49 ID:C58HNg26o
さやかは魔法少女の姿になって、ほむらへと飛びかかる。
不意を突かれたほむらは成す術なく地面に押し倒される。
さやかはマウントを取ろうと上半身をもたげようとするが、我に返ったほむらに腕を掴まれ頭突きを貰う。
当たる直前にほむらはさやかの腕を放し、さやかは吹き飛ばされる。

さやか「変身される前にけりをつけようと思ったけど甘かったか」

ほむら「流石に不意は突かれたわよ」

さやか「あんたはいいよね、ゾンビにならずに力を手に入れて」

ほむら「願い事は叶わないわよ」

さやか「今は生身の身体が羨ましいよっ!」

さやかはほむらに斬りかかるがほむらは紙一重でかわしていく。

さやか「変身していないのに魔法少女になっているあたしの攻撃が当たらないなんて」

ほむら「美樹さん、落ち着いて」

さやか「うるさい!黙れよ!!」

さやかはほむらに突撃していく。
何も考えていないがむしゃらな突進、ちょっと進路からずれるだけで何もないところに突撃するであろう攻撃。
それをほむらは避けようともせずに直立し、さやかのサーベルが肩に突き刺さる。

232: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:31:12.18 ID:C58HNg26o
さやか「どうして変身して、反撃してこないんだよ」

ほむら「戦う理由がないからよ」

さやか「なんでこんな攻撃を食らったんだよ」

ほむら「受け止めたら落ち着いてくれると思ったのよ」

さやか「もう知ってるんでしょ、魔法少女の正体」

ほむら「聞いてるわ」

さやか「あたし勝手だよね、勝手に疑って、勝手に落ち込んで、勝手に激昂し、勝手に憎んで」

ほむら「でも私を疑うに足る心象や証拠があったのでしょ」

さやか「あんたと杏子を相手に戦った、それとあんたは杏子の事を知っていた」

さやか「本当はどうでもよかった。こんな体にされて死にたかったんだ、でも自殺する勇気なんてないからあんたを利用しようとした」

ほむら「私は美樹さんに生きていて欲しいわ」

まどか「わたしもさやかちゃんに生きていて欲しいよ」

さやか「転校生、正直あたしはまだあんたを疑ってる」

ほむら「仕方ないわ」

さやか「だからさ、記憶を取り戻してQBが言っていたことは間違っているって証明して」

さやか「そしたら少なくとも今は死なないって思えるから」

ほむら「努力するわ」

さやか「期限は明日まで」

そういうとさやかはサーベルを消して、ほむらの肩の傷を治療する。

ほむら「美樹さん、これを」

さやか「グリーフシードね、明日までは死ぬ気はないから貰っとくよ」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「まどかは転校生の近くにいなよ、QBは転校生の周りに近づきたくないみたいだし」

さやか「それとあたしの為に契約しようとしないで、そんなことされたらあたしが余計惨めだ」


233: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:31:39.41 ID:C58HNg26o
杏子「マミから連絡貰って来たけど、何の用だ」

ほむら「杏子、ちょうど良かったわ、まどかからの聞き取りが終わったところなのよ」

杏子「なんだってんだよ」

ほむら「私の記憶についてよ」

まどか「さやかちゃんと約束したんだ、ほむらちゃんのせいじゃないって証明するって」

杏子「一応簡単に説明してくれ」

ほむら「さやかがQBからこの時間軸での魔法少女システムの元凶は私だと説明されて襲ってきたのよ」

杏子「は?なんだそれ」

ほむら「私が元魔法少女で時間を操っていたことからまどかに契約させてこの時間軸にシステムを飛ばしたんじゃないかって話よ」

杏子「なるほど、それで記憶を思い出すために記憶を取り戻していた時に話をしたあたしを呼びだしたと」

ほむら「そういうことよ」

杏子「といっても、あたしもそんなに話してないからな」

杏子「そうだ、警察のやつらから聞いた予想なんだが役に立つか」

ほむら「予想?何か思い当たることがあるかもしれないからお願いするわ」

杏子「魔法少女が魔女になるっていう予想だ」

ほむら「魔法少女が…、魔女に…」

まどか「え?え?ど、どういうこと」

杏子「向こうも確証はないんだがソウルジェムが濁りきったら魔女になるんじゃないかっていう予想だ」

杏子「ほむらが言ったんだろ、魔法少女は奴らのエネルギー回収手段だって、魔女になるのが関係してるんじゃねえの」

まどか「本当だったらQBはなんでそんな酷いことを…」

杏子「知るかよ、知りたいならあいつに直接聞けばいいんじゃね」

234: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:32:25.44 ID:C58HNg26o
幹部A「君たちから上げられてくる魔女と魔法少女のレポートは実に有意義だ」

氷川「ありがとうございます」

幹部B「だが、この魔法少女は本当に実在するのかね」

北條「どういうことでしょうか」

幹部B「君たちを疑っているわけではない、事実魔女に関しては現場から発見及び撃破ないし撃退の報告が上がっている」

氷川「ではなぜ魔法少女の存在に懐疑的なのですか」

幹部A「現場から上がってきた報告では魔法少女を目撃した例が全くないのだよ」

幹部B「その為に魔法少女に対する扱いに関しては議論が進まないのだよ」

氷川「東京には魔法少女が居ない!?」

幹部A「だが君たちは実際に魔法少女に接触している、故に魔法少女は居ると断定はしている」

北條「ですが、発見も保護もされていないものを中心に議論を進めるわけにはいかないと」

幹部B「そういうことだ、事実存在を否定してくる者までいるからな」

氷川「魔女がいるのに魔法少女がいるのを認めないなんて」

幹部A「馬鹿らしいとは思うが時間の無駄という意見もある」

幹部B「しかし、少なくともここに居る面々は君たちの事を信頼しているし、支援もしている」

幹部A「そして今回報告書に上がった魔女ワルプルギスの夜か」

氷川「被害は甚大になるとは予想されます、今すぐに避難の呼びかけを」

幹部A「我々も既に呼びかけたが、口を挟むなと言われたよ」

幹部B「出来るのは君たちの情報を基に被害が甚大になると思われる場所を気象情報に混ぜ、その付近を避難場所に設定しないように誘導するしかない」

北條「管轄が違いますので、それが限界でしょう」

幹部A「そう言ってくれるだけでも骨を折った甲斐がある」

幹部B「ワルプルギスの夜、是非に戦果を挙げて無事に帰ってきてくれたまえ」

「「はい!」」

235: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:32:57.95 ID:C58HNg26o
北條「てっきり契約に際して得られる奇跡で色々と画策していた面々がいると予想していましたが」

幹部A「実際、魔法少女候補を保護して我々に有益なように契約させるべきだと声を挙げたもの達はいた」

幹部B「しかし、我々は民間人を保護する存在であるべきだ、民間人を犠牲にして益を得るなんてとんでもないことだ」

氷川「その通りだと思います」

北條「まあ建前はそうだと思いますが現実問題デメリットの方が圧倒的に大きいですよね」

幹部A「それも事実だ、魔女や契約を持ちかけるものの存在を発見するのは小沢教授の発明で可能だが、魔法少女の素質をはかりようがないからな」

幹部B「更には全国の女児を一括で管理するとして、どのくらいの金額が必要なのかも想像できんし、したくもない」

北條「そして必ずしも全員が警察組織に友好的であるとは限らないと」

幹部A「そうだ、それならば魔法少女を作りださない方が有益だろう」

氷川「契約推奨派の人たちから反論は出なかったのですか」

幹部B「もちろん出たさ、しかし警視総監がその場に訪れてな推奨派を全員連れていってしまった」

北條「ああ、それはご愁傷様です」

幹部A「私もあれは遠慮したいよ」

236: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:33:29.82 ID:C58HNg26o
北條「私たちは魔法少女はアギトの力を利用していると思っていましたが違ったのかもしれません」

氷川「その時は情報が少なかったので仕方がないと思いますが」

北條「東京に魔法少女が見当たらない、そしてよく考えれば東京でインキュベーターを一体も見かけてはいません」

氷川「姿を隠しているだけでは、魔女のように」

北條「インキュベーターは出来るかもしれませんが、魔法少女には無理でしょう」

氷川「こういうのはどうでしょう、インキュベーターが東京にいられないから東京で魔法少女は作られない」

北條「インキュベーターにとって私たちの存在が不都合だから出てこないと思っていました」

北條「ですが、思い返せば佐倉さんとの情報交換を除いては彼女たちと接触する時は暁美さんを介していました」

氷川「つまりアギトはインキュベーターの天敵」

北條「インキュベーターはそうは思っていないかもしれませんがね」

氷川「そう考えれば東京には津上さんと葦原さんの二人が居ます」

北條「そして二人とも相当な実力を持っています、その二人の存在をインキュベーターは無意識で避けたのでしょう」

氷川「そうなると、なぜインキュベーターはアギトを避けるのでしょうか」

北條「魔法少女システムとアギトというものが絶望的に相性が悪いのかもしれません」

北條「今までの私たちはアギトを土台に魔法少女が作られていたと思っていました」

氷川「もしその前提が違うのならばアギトの上に魔法少女システムの土台を乗せて魔法少女を作っていた」

北條「アギトの力が覚醒すると魔法少女システムの土台を破壊してアギトが浮かび上がる、その為に暁美さんは魔法少女じゃなくなった」

氷川「それを利用すればもしかしたら」

北條「まあ現在の人類の科学ではどちらも解明できませんけどね」

氷川「全く解決方法がないよりマシです」

237: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:34:12.39 ID:C58HNg26o
小沢「北條君、G3のガードチェイサーにあれを付けるの本当にやる気?」

北條「やりますよ、今は一つでも大きい火力が欲しいですからね」

小沢「止めても無駄みたいね、プログラミングはしているわ、演習室で訓練してきなさい」

北條「ぶっつけ本番でこけたら洒落になりませんしね」

小沢「G3のGG-02はG3-Xの方に積み込んでおくわよ」

北條「そうして下さい」

氷川「小沢さん、北條さん!!」

小沢「氷川君、どうした?」

氷川「さっき鹿目さんから連絡があって、インキュベーターに美樹さんがそそのかされたそうです!!」

北條「内容は」

氷川「美樹さんが言うには暁美さんが魔法少女システムを願いによってこの時間に飛ばしたんじゃないかと予測したらしいです」

小沢「そう来たか、暁美ちゃんを排除するための一計ね、明確な証拠を出しようがない推測を立てて不信を煽っているのよ」

北條「仮に暁美さんが記憶を取り戻したとしてもその証言を信用出来るかは別問題ですからね」

小沢「私たちに通用するワルプルギスの夜を撃破できる戦力を確実に減らせる手ね」

小沢「そのインキュベーター、ワルプルギスの夜が倒される確率が出る度に今回のような手を打って内部崩壊させていたのでしょうね」

氷川「しかし、長期間組んでるチームもいそうなのに簡単に内部崩壊を引き起こせるものでしょうか」

小沢「組んでる時間は関係ないわ、推測通りなら相手は常に切り札を二枚持っているようなものよ、魔法少女の正体と行く末の二枚をね」

北條「暁美さんの証言が頼みになりますが、私たちの方でも出来る限りの証拠を見つけましょうか」

氷川「そんな証拠あるんでしょうか」

北條「可能性程度でいいならば示せるはずですよ」

238: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:34:42.50 ID:C58HNg26o
QB「さやか、君が暁美ほむらを倒す唯一と言ってもいいチャンスを捨てるなんて、どうかしているとしか思えない」

さやか「あんたに唆されたまんまじゃ嫌だからね、転校生の言い分を聞きたいんだよ」

QB「唆されしとは心外だな、僕はただ事実と興味深い話、そしてそこから導き出された推測を話しただけじゃないか」

さやか「聞いてもいない話をするのは唆すって言わない?」

QB「あくまで推測を話しただけじゃないか、それに一時は僕の言い分が正しいと思ったんだろ」

さやか「そうだよあんたの推測が正しいと思って、あたしは転校生を殺そうとした」

さやか「よく考えないでもわかることだけど、転校生がそれをやったっていう証拠はどこにもないのにね」

QB「やっていないという証拠もないけどね」

さやか「それに転校生が目覚めた時間とあんたが活動していた時間にはずれがあるし」

QB「暁美ほむらの時間移動が限定的なだけかもしれないよ、まどかが願うのなら何年も遡るのは不可能じゃない」

さやか「もういいQB、ここであたしに殺されるか黙るかを選んで」

QB「殺されるのは遠慮したいな、それに近くにいると口を出して刺激しそうだからどこかに行くとするよ」

239: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:35:43.27 ID:C58HNg26o
さやか「転校生にあんなこと言って、あたし馬鹿だ」

さやか「生き続ける勇気も、恭介に正体を明かす勇気もないのに」

さやか「でも事実を知りたいって知ってどうするんだよ」

??「独り言をするなら、もうちょっと離れてしてくれ」

さやか「なにさ、あんた」

??「適当にバイクを走らせてたら、ここに辿り着いて休憩してるだけだ」

さやか「ふーん、バイクか…」

??「なんだ、お前も嫌なことがあるのか」

さやか「嫌なことがない人はいないんじゃないの、でもなんでそう思うの」

??「そういう人間の雰囲気や表情が顔に出てるのさ」

さやか「分かるの?」

??「何回も見てきたからな」

さやか「あんたもそうなの?」

??「さあな」

さやか「あたしは嫌なことに立ち向かってもないし、逃げようともしていない」

??「別にいいんじゃないか、立ち止まっていても」

さやか「そこは普通『勇気出せ』って言う場面だと思うけど」

??「俺には資格がない」

さやか「あたしの事情知りたい?」

??「どうでもいい」

さやか「じゃあ、勝手に話す」

240: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:37:11.52 ID:C58HNg26o
さやか「あたし、大切だと思うもののために自分を売ったんだ」

さやか「聞いていただけでも大きい代価だったのに、不可能なことを叶えてくれるなら絶対にやり遂げられるって思ってた」

さやか「けど本当の意味で自分を売り払ったって分かった、それであたし、あたし」

??「話したくないなら話すな」

さやか「少し詰まっただけだよ、ちゃんと聞いときなよ」

さやか「今のあたしは空っぽだったんだ、この体に何もない、それを知ってあたし自身ショックだった」

さやか「それで自分を売ってまで手に入れたものを取られそうになって焦った、こんなあたしじゃ資格なんてないんじゃないかって」

??「それで空っぽの自分を知られたのか」

さやか「まだ知られてない、知られたくない」

さやか「こんな空っぽのあたしじゃ絶対に拒絶される、愛してもらえない、それが怖くてあたしは」

??「拒絶は誰かにされたのか」

さやか「事情を知っている友達は受け止めてくれた」

??「じゃあ、それでいいじゃないか、そして隠せるなら隠し続ければいい」

さやか「そういう訳にはいかないよ、あたしには残っているのはあたしの正義をやり遂げるだけで」

??「やめとけ」

さやか「もう遅いんだよ、突っ走って知り合いを傷つけた、そいつは悪くないかもしれないのに」

さやか「魂をこんな石にされて、肉体はゾンビみたいなもので、知り合いを傷つけて、あたしは、あたしは!!」

??「お前は俺に似ているな」

さやか「どこが!?あんたは普通の人間じゃない、化け物みたいなあたしとは大違いだよ!!」

??「化け物か、本当にそっくりだ」

さやか「はあはあ、喋りたいこと喋ってすっきりした」

??「なんだ、俺はサンドバック代わりか」

さやか「そんなつもりはなかったんですけど」

??「まあ多少は前向きになれたならそれでいいんじゃないか」

さやか「そうだね、素直に答えを受け入れる気にはなれた」

さやか「なんかすいませんでした、目上の人にため口で怒鳴り散らして」

??「別にいいさ、慣れてる」

さやか「あの名前聞いていいですか、あたしは美樹さやかです」

??「葦原涼だ」

さやか「葦原さん、本当にすいませんでした、今度お詫びします」

葦原「だからもういい、詫びる必要もない」

241: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:39:08.01 ID:C58HNg26o
さやか「え、これは!?」

葦原「ん?」

さやかと葦原が喋っていた付近は魔女の結界に呑みこまれた。
目の前にいるのは太陽を模した塔に向かって祈り続ける黒い女性の姿をした魔女だ。
視界は悪くないむしろはっきりと見えているが、周囲は不自然に暗く形があるものは全て黒く見える

葦原「おい、お前何をしている」

さやか「駄目!」

葦原は女性を不審に思い近寄っていくがさやかが引きとめる。
葦原が行こうとした先へと無数の黒い枝が地面から突き出してきた。

葦原「すまん」

さやか「気にしないで、とりあえず逃げよう」

そう言うと二人は魔女に背を向けて走り出す。
走っていくと道は螺旋を描き下へと続いている。

葦原「全く妙な所に飛ばされたもんだ」

さやか「大丈夫、葦原さんはあたしが守ります」

葦原「普通は立場逆じゃないか」

さやか「普通じゃないから、仕方ないですよ」

道をどんどんと下っていく。
阻むものはいない、追ってくるものもいない好調な道のりだった、下りきるまでは。

さやか「道理で追ってこないわけだ」

葦原「こんなにいるならわざわざ狭いところで戦う必要もないしな」

242: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:40:15.42 ID:C58HNg26o
葦原「俺が道を開けるから先に行け」

さやか「今なら転校生の気持ちが凄いわかるよ」

葦原「どうした?」

さやか「似たような状況の時に知り合いを罵倒したんですよ、戦える力があるなら最初から使えって」

さやか「うん、凄い躊躇う、ちょっと前まで話していた相手の前で常識外の力を振るうって凄い怖い」

葦原「今度謝ればいいさ、その時は名前で呼んでやれ」

さやか「わかってる、言っときますけど、後で逃げてもいいですよ」

葦原「おい待て!!」

葦原の静止を振り切り、さやかは魔法少女に変身して触手のような使い魔の前に躍り出る。
両手にサーベルを持って襲ってくる使い魔を次々と切り刻んでいく。

さやか「今だ!行って!!」

さやかの声と同時に葦原は走り出していた。
開けた道の先は未だ出口は見えないが使い魔の姿はない。

葦原「あいつらはなんだ」

さやか「多分最初に見たのが魔女で触手みたいなのが使い魔かな」

葦原「あいつらと戦うために契約したのか」

さやか「それが代償だと思ってた」

さやかはそう答えると出口を探るために魔力を飛ばす。
一分も経たないうちに出口は見つかったようで進み始める。
辿り着いた先の空間で出口を開けようと試みる。

243: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:41:17.43 ID:C58HNg26o
葦原「敵が出てきたな」

さやか「こんな時に」

葦原「ここは俺がやる、出口を開くことに注力していろ」

そう言うと葦原は走り出す。
腕を交差させベルトを出現させ「変身!」と叫ぶ、葦原の姿が歪んでいく。
歪みが元に戻りその場にいたのは元の葦原ではなく、緑色の皮膚を持った異形の戦士だった。
アギトとはまた違う戦士、ギルスだ。

ギルス「うおぉぉぉぉ」

ギルスは吠え、爪を呼びだして使い魔の群れへと飛び込んでいく。
まさに鎧袖一触、ギルスの爪が触れるだけで容易く使い魔は切り裂かれていく。

さやか「葦原さんも変身して戦えたの!?」

ギルス「俺が行く前に飛び出した馬鹿はどいつだ!」

さやか「それは悪かったけど…、後で事情聞かせてもらうからね!!」

ギルス「答えるかは別だぞ!」

軽口を飛ばし合いながらギルスは使い魔をほぼ一掃する。
同時にさやかは結界の出口を開くことに成功する。

さやか「出口を維持するから先に!」

ギルスは結界の外へと飛び出し、手をさやかへと突きだす。
その手を取ろうとした時、さやかの腹部を使い魔が掴む。

さやか「こいつ!?」

さやかは使い魔を引きちぎろうと試みるがうまくいかない。
突如使い魔の力が弱まり、さやかはギルスに引っ張り上げられる。

244: ◆0coMHZI5p2 2013/08/06(火) 02:42:13.92 ID:C58HNg26o
葦原「大丈夫か!?」

さやか「最後に掴まれたけど怪我はないですよ」

葦原「そうか」

さやか「でも、葦原さんも戦えたなら魔女を倒せばよかったね」

葦原「お互い事情が分からなかったんだ、次に会ったら倒せばいいさ」

さやか「はは、そうだね色々あったけどすっきりしました」

葦原「巻き込まれた俺はたまったものじゃなかったがな」

さやか「いや、本当に申し訳ないです」

葦原「まあ、沈んでいるよりはましか…ん?」

さやか「どうかしました?」

葦原「お前、へそに付いてた宝石はどうした」

さやか「え?あ!!」

さやか「あ、あれが今のあたしの本体なの!!」

葦原「何!?最後に掴んできたやつか!」

さやか「駄目、ソウルジェムがないと結界の場所が分からない!!」

葦原「落ち着け、代わりに見つけられそうな相手はいないのか」

さやか「そうだ!まどかに伝えたら転校生にもマミさんとも連絡がと…」

葦原「おい!?しっかりしろ!!」

葦原「心臓が動いていない!?だがあっちが本体ならまだ生きてはいるのか、『まどか』だったな携帯借りるぞ」

265: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:21:03.86 ID:pVWGo7xlo
ほむら「駄目ね、全然思い出せない」

杏子「まあ、簡単に思い出せるなら苦労はしないわな」

まどか「そうだよ、気に病まないで」

まどか「あれ?さやかちゃんから電話だ、ちょっとごめんね」

まどか「もしもし」

葦原『お前がまどかか?』

まどか「えっと、どちらさまでしょうか?」

葦原『俺のことはどうでもいい、美樹が本体の宝石とやらを奪われたから助けが欲しい』

まどか「え!?さやかちゃんが!!」

葦原『今は橋が見える河川敷付近にいる』

まどか「わかりました!すぐ行きます!!」

杏子「さやかがどうかしたのか!?」

まどか「ソウルジェムを奪われたらしいの!!」

杏子「まどかはマミに連絡をしてからほむらと後で来い!!」

まどか「う、うん、わかった!」

杏子「どこに行けばいいんだ!?」

まどか「橋の近くの河川敷って言ってたよ!」

杏子「行ってくる!!」


266: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:21:29.32 ID:pVWGo7xlo
マミ「美樹さんが暁美さんに襲い掛かったっていうのも驚きだったのに、その美樹さんがソウルジェムを奪われるなんて」

まどか「きっと大丈夫ですよ、ソウルジェムを砕かれてもおかしくなかったのにわざわざ奪ったんですから」

マミ「そうね、電話をかけてきた男性に会って話を聞かないとね」

ほむら「あれがそうみたいね」

まどか「さやかちゃん!!」

葦原「心臓は動いていないが怪我はないから安心しろ」

ほむら「あなたは?」

葦原「俺は葦原涼、美樹に愚痴られていたら魔女とやらに襲撃された」

マミ「あなたにも魔女が見えたということはアギトなんですか」

葦原「知っているのか、確かに俺はアギトだが、今は美樹のことだ」

杏子「駄目だ、付近を捜索したが結界の反応はみつからねえ」

葦原「そうか、後は虱潰しに捜していくしかないか」

マミ「そうなりますね」

葦原「なら二組に分かれた方がいいな」

杏子「なんでだ、全員ばらけて捜した方が効率は良いだろう」

ほむら「美樹さんのソウルジェムを確保する役割と脅威を排除する役割の分担ですね」

葦原「そうだ、この中で戦闘可能なのは」

まどか「わたし以外全員です」

葦原「なら、二人ずつに分かれられるな」

まどか「わたしはどうすればいいんですか?」

葦原「美樹を人目の付かないところに運んでやってくれ」

ほむら「なら、私の家を使えばいいわ、まどかもそこで待っていて」

まどか「うん、わかったよ」


267: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:22:10.22 ID:pVWGo7xlo
杏子「よし、マミはあたしとペアだ」

マミ「前から思ってたけど、やけに積極的ね、佐倉さん」

杏子「気にするなよ、急造のペアが二つできるよりも片方は慣れているペアにしといたほうがいいだろ」

ほむら「じゃあ、私たちはアギトペアですね」

葦原「津上みたいなことを言うやつだな」

杏子「ん?気にしすぎか、あいつの本名とは違うし」

マミ「どうしたの佐倉さん」

杏子「なんでもねえ」

葦原「暁美だったな、ヘルメットを付けろ俺たちはこいつで探すぞ」

ほむら「バイクですか」

葦原「振り落とされないようにしっかりと掴まっていろよ」

ほむら「は、はい」

杏子「行っちまったな」

マミ「取れるようになったら私もバイクの免許取ろうかしら」

杏子「かっこいいからって理由じゃねえよな」

マミ「それもあるけど、魔女を探す際に便利だと思わない」

杏子「まあな、歩きじゃ一日で探せる範囲はどうしてもな」

マミ「よし、私たちも行きましょうか」

268: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:22:37.95 ID:pVWGo7xlo
杏子「魔女が多い場所っていうのはこういう時に厄介だな」

マミ「そうね、流石に今回は目当ての結界以外は無視させてもらうわ」

杏子「あたしもグリーフシードは欲しいがさやかを助けてからだな」

マミ「私は先輩だし、魔法少女に引きずり込んだ原因でもあるからわかるけど、佐倉さんはやけに熱心ね」

杏子「分かってるんだろう、さやかは昔のあたしに似てるって」

マミ「ええ、マミさんマミさんって言いながら付いてきて可愛かったわね」

杏子「あたしも若かったな」

マミ「今からでもマミさんって呼んでくれてもいいのよ」

杏子「流石にそれはなあ」

マミ「っと、反応はあるけどハズレね」

杏子「こっちも反応はあったけど違うな」

マミ「でも、なんで美樹さんのソウルジェムを奪ったのかしらね」

杏子「殺すだけなら、そのまま破壊すればよかったんだからな」

QB「僕としてはさやかのソウルジェムが結界内にあるほうがありがたいんだけどね」

269: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:23:11.07 ID:pVWGo7xlo
杏子「どっから湧いて出てきやがった」

マミ「さっきの言葉どういうことかしら」

QB「おや、マミからも銃を向けられるなんて思いもしなかった」

杏子「さやかを焚きつけたのはお前だって知ってるからな」

QB「僕にも誤算だったんだよ、さやかが多少とはいえ持ち直すなんて」

杏子「そこまで追いつめたのはお前じゃないか」

マミ「そうよ、あまりにも乱暴な説明をしたらしいじゃない」

QB「僕はちゃんと事実を踏まえたうえでの仮説と言ったよ」

杏子「はっ、それがほむら黒幕説か普通信じねえだろ」

QB「僕には理解できないことだけど、弱っている時ほど何かを盲目的に信じたいんだろうね」

杏子「で、最初に言ってたさやかはこのままのほうがいいっていうのはどういうことだよ」

QB「ソウルジェムがさやかの肉体に戻ってしまうと僕の予想通りにはならない公算が高くなったからね」

マミ「まだ美樹さんに暁美さんを殺させようなんて目論んでいるのかしら」

QB「そもそも最初から期待していないよ、僕にとってはさやかは勝っても負けてもどっちでもいいんだ」

QB「さやかが勝てば暁美ほむらはいなくなる、彼女が勝ってもさやかを殺そうとはしないだろ」

QB「そしたらさやかは暁美ほむらを憎むことになって呪いを貯めこんでいく速度が上がったはずだ」

杏子「まさかお前!?」

QB「おや、いつの間に知ったんだいこの事を推測で辿り着く魔法少女なんて滅多にいないはずなのに」

杏子「マミ!こいつの話を聞くな!!」

マミ「え?え?」

QB「そうだ、僕の目的はさやかの魔女化だ、さやかが魔女化してしまえば戦力が削れるし、今までのように内部崩壊しやすいからね」

QB「そして魔女の結界は正に負の感情の吹溜りだ、数日も置いとけば真っ黒になるはずだ」

マミ「魔法少女が…、魔女に…?」

マミ「嘘よねQB?私の傍にいてあんなに助言をしてくれていたじゃない」

QB「希望から絶望に落ちる時の落差が大きければ大きいほどエネルギーを多く生み出すからね」


270: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:23:37.80 ID:pVWGo7xlo
これ以上余計な発言をさせないように杏子は槍でQBを突き殺して、会話を遮る。

マミ「QBは私を裏切っていたの?」

杏子「落ちつけマミ」

マミ「落ち付けるわけないじゃない!!」

マミ「私は美樹さんを魔法少女に勧誘して人間をやめさせただけじゃなくて、破滅への道に引きずり込んだのよ!!」

杏子「すぐに破滅するわけじゃねえ、それにあいつも言ってただろ持ち直したって」

マミ「でも、私達はいつかは魔女になる!その運命から逃れるには死ぬしかないじゃない!!」

マミは杏子のソウルジェムに向けて銃撃を放つが、杏子はそれを読み槍で銃弾を防ぐ。

杏子「こんなときでも狙いは完璧とか笑えねえ」

マミ「佐倉さん、家族のことでも苦しんだのに魔女化について苦しむ必要はないわ」

杏子「まだグリーフシードには余裕があるから、遠慮するよ」

マミは銃で殴りに来るが一歩引いて攻撃をかわす。
銃を絡み取ることも考えたがマミは銃の召喚と罠のスペシャリストだ。
自らの武器を一時的とはいえ使えなくするのは愚行だ。

杏子「もうちょっと余裕を持てよ」

マミ「無理よ!!」

銃弾を地面に撃ちこんで罠の布石を作ろうと試みるが杏子は銃弾を切り捨てる。

杏子「お互いの手の内が解っているっていうのはこういう時には厄介だろ」

マミ「そうね」

そういいながらもマミはリボンで直接絡み取ろうと伸ばしてくる。
切り捨てた銃弾の一つを蹴り飛ばして、リボンに絡み取らせる。

271: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:24:34.30 ID:pVWGo7xlo
杏子「もういいだろ、止めようぜ」

マミ「なら、私の不安を拭い去ってよ!!」

そう叫ぶとマミは肉弾戦をするために間合いを詰めてくる。
杏子は自らマミの懐に飛び込んでマミを抱きしめる。

杏子「絶対に魔女になるって決まってるわけじゃねえ!!」

杏子「ほむらは魔法少女だったが今は魔法少女じゃねえ!もしかしたら元に戻る術があるかもしれないだろ!」

マミ「佐倉さん…」

杏子「あたしはマミに死んで欲しくないんだ、昔の居場所で残ってるのはマミの所だけなんだよ」

マミ「私も魔法少女で昔からの知り合いは佐倉さん以外には…」

杏子「だったら自分から一人になろうとするな!何度も後悔した、何度も顔を見せに行こうと思ったんだ!!」

マミ「私、駄目ね。佐倉さんが心を開こうとしてくれていたのに、美樹さんの前だからって突っぱねて」

杏子「見栄っ張りっていうのは知っているが、これからは見栄張らなくていいんじゃねえか」

マミ「駄目よ、先輩なんだもの見栄は張り続けるわ」

杏子「で、落ち着いたか」

マミ「ええ、もう大丈夫よ。私は街を守るって決めたのよ、ワルプルギスの夜を放っておいて自分から死にはしないわ」

杏子「それでこそ、マミだ」

マミ「ねえ佐倉さん、心を開いてくれたんだから一緒に住まない?」

杏子「それはまだ遠慮する」

マミ「もう佐倉さんったら!」


272: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:25:01.31 ID:pVWGo7xlo
QB「話は終わったかい」

杏子「生きていたのかよ」

QB「僕の体はストックがあるからね、けどもったいないから殺すのは控えて欲しいね」

マミ「じゃあなんで、また私たちの前に出てきたのかしら」

QB「死体の処理が必要だったからね、でも驚いたよマミまでもが立ち直るなんて」

マミ「失礼な言い草ね、不思議ではないはずよ」

QB「僕が見ていた君は常に陰で泣いていたからね、特に杏子と別れてからは簡単に崩れそうだったよ」

マミ「そうね、私はずっと孤独を感じていた。あの時に魔女化を聞いていたらすぐにでも魔女化していたでしょうね」

QB「人間の感情はよくわからないね、底に着いたと思ったら、あっという間に浮上するんだから」

杏子「そういや宇宙人って話だったな、もしかして感情とかないのか」

QB「そうだよ、僕には感情はない」

杏子「じゃあ、理解できるわけないよな、マミが立ち直った理由なんて」

マミ「でも、なんで私をすぐに魔女にしないで助言をくれていたの」

QB「魔法少女をすぐに魔女にしていたら、あっという間に素質を持った少女は底を尽きるからね」

QB「それにマミは派手な戦い方を好むからね、素質があるものが見たら君に惹かれて魔法少女になる可能性もある」

QB「助言をしていたのは死なれたら困るからだよ、魔女にならずに死なれたらエネルギーが回収できないじゃないか」

マミ「善意で私を助けてくれていると思っていたけど間違いだったようね」

QB「善意で助けていたよ、ただ君たちが家畜に対して向ける善意に近いけどね」

杏子「もういいよ、どうせ時間稼ぎなんだろ」

QB「そうだよ、判りきっていたことだろ」

マミ「けど、私ははっきりさせときたかったのよ」

QB「本当に人間と言うのは不可解だ、じゃあね杏子、マミ」


273: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:25:28.45 ID:pVWGo7xlo
葦原「ここだな、雰囲気がよく似ている」

ほむら「ここに美樹さんのソウルジェムが…」

葦原「最大速度で飛ばす、しっかりと掴まっていろ」

ほむらの返事を待たずに葦原はバイクを思いっきり走らせる。
アギトの力で結界の入口はこじ開けられ桟橋を一気に走り渡る。

前は急に取りこまれて観察する余裕がなかったが結界の中は無数のステンドグラスから光が差し込んでいるが不自然に暗い。
そして道は桟橋で形成され、橋の下は底が見えないほど黒い。
さやかと葦原が最初に出たと思われる場所は巨大な像の手の上だったらしい。

葦原「この場所を形成しているのは魔女なんだろう、ならソウルジェムもそいつの手元にあるはずだ」

使い魔が進行を遮るように道に群がっているが、葦原はギルスに変身し、バイクもギルスレイダーへと変化し使い魔を蹴散らしていく。
ほむらは必死にギルスの体に掴まり振り落とされないようにしている。

何体かの使い魔はタイヤにしがみつき、ギルスレイダーの速度を下げようとするが、
ギルスレイダーのタイヤは凄まじい勢いで回転し入り込んだ使い魔を切り刻む。
何度目か数えるのも面倒になるぐらいの群れを突破し巨大な像を登る螺旋の道へとたどり着く。

像を登りきった先は一本道で相変わらず魔女が熱心に祈りをささげている。
その祈りの先にあったのは果たしてさやかの青く輝くソウルジェムだった。

ギルスはほむらを降ろしていつでも突撃できるように用意している。
ほむらはベルトを出して変身する、速度を高める青のフォームだ。

274: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:26:02.36 ID:pVWGo7xlo
魔女を守るように使い魔が一本道に溢れかえる。
ほむらは青いサーベルを構えて、力を込める。

ほむら「私が道を開きます」

そういうとほむらは使い魔の群れへと飛び込む。
サーベルは風の力を携えているために見かけよりも攻撃範囲は広い。
サーベルの刀身には触れていなくても風に依って切り裂かれていく。

使い魔は密集しているためにサーベルの一振りで数をどんどん減らしていく。
戦いに躍り出るほむらに使い魔は群がっていく。
そして使い魔の群れに一筋の空白地帯が作りだされる。

ほむら「今です!!」

その声を聞いてギルスはギルスレイダーを走りださせる。
邪魔する使い魔の影はなく群れの居た場所を最高速度のままに走り抜ける。

後は後ろを向いている魔女に突撃する勢いでさやかのソウルジェムを取り返す。
魔女が生きていたとしても撥ねられた後ならば楽に倒せるはずだ。

魔女に向けて一直線にギルスレイダーは走っていく。
残りわずかというところでギルスレイダーに衝撃が走る。

魔女は肉体の一部を根のように地面に張り巡らせており。
それを知らずに走ってきたギルスレイダーは車体を絡み取られたのだ。
ギルスは宙に投げ出されそうになるがギルスレイダーから飛び降りて地に転がる。

ギルスレイダー自身は衝撃に耐えられず宙に放り出される。
数秒後凄まじい音が鳴り響く、ギルスレイダーが下の桟橋に叩きつけられた音だ。
地面にいるギルスは体勢を立て直すために魔女の攻撃を後退しながら回避する。

魔女の妨害を受けて後退するギルスを見て、ほむらは金色のフォームに変身する。
そしてほむらは邪魔する使い魔だけを倒し、必殺のキックの構えを取る。
ほむらは魔女に向かって跳び上がる。
魔女は髪の毛を束ねて巨大な木の幹を作りだす。
空中で跳び蹴りの態勢を取っていたほむらは木の幹に蹴りをぶつける形になる。
しかし、勢いに負けてほむらは吹き飛ばされる。

275: ◆0coMHZI5p2 2013/08/08(木) 23:26:28.21 ID:pVWGo7xlo
ほむらは像の体近くまで吹き飛ばされて地面に倒れこむ。
受けたダメージ量は大きくほむらの変身は解除される。

ギルス「暁美!!」

ほむらが吹き飛ばされたのを見て、ギルスは魔女と距離を取った後に使い魔の群れに襲いかかる。
いくら使い魔が弱いとはいえ数が多くては排除には時間がかかる。

使い魔はほむらのことを戦闘不能と判断したのか、
新たな脅威となったギルスに群がり始める。

ほむら「葦原さん…、美樹さん…」

ほむらは閉じてしまいそうな眼を必死に開き、さやかのソウルジェムがある場所を凝視する。
魔女の真っ黒い髪の隙間から見え隠れしているソウルジェムの無事を確認する。
さやかのソウルジェムは未だに輝きを曇らせずに青く輝く。
魔女は一心不乱にそのソウルジェムに対して祈っているようにも見える。

魔女の真っ黒な髪の揺らめきのせいで、ほむらの眼にはソウルジェムが黒く濁っていくようにも見える。
それを見ているとほむらの頭に思い出したくない光景が浮かび上がってくる。
それは黒く染まったソウルジェムが、グリーフシードになっていく光景だ。

ほむら「思い出した…、全部思い出した!」

ほむらは倒れていた体をゆっくりと起き上がらせる。
しっかりと地面を踏みしめて魔女をにらみつける。

ほむら「もう二度と繰り返させない!私も皆も!!」

両手を前に突き出す、そしてベルトが出現させる位置の上のあたりに右手を引き寄せてベルトを出現させる。
今までのベルトとは形状が違い、バックルを三つの爪が囲い、中心も紫色に光っている。
ベルトの上に置いていた右手を再び突き出して、今度は両腕を交差させる。
そして声を張り上げ、両脇のボタンを押し込む。

ほむら「変身!!」

282: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:12:23.61 ID:Lw7vQ6SXo
ほむらが変身した姿は以前のプロテクターを付けた姿ではなかった。
魔法少女姿を基調とした姿は変わらないものの黒のブーツは赤のブーツに、
菱形の穴から見える光は全てが紫色に光っている。
胸部と肩部を覆う真っ赤な重装甲を身にまとい、背中からは時折エネルギーが紫の光となって放出されている。

ギルスに殺到していた使い魔はほむらの復活を受けて再びほむらを攻撃し始める。
ほむらは近寄ってきた使い魔の一体を拳で殴り飛ばす。
殴られた使い魔は吹き飛んでいる間に燃え上がり焼失した。
ほむらの拳には小さい炎の残滓が残っている。
近寄ってくる使い魔を次々に燃やし飛ばしていく。
しかし、重装甲のせいなのか、強化が上半身に偏っているせいか以前までのフォームに比べると鈍重だ。

ほむらの復活を見てギルスは思考の片隅で安堵の息を吐き、雄叫びをあげる。

ギルス「うおぉぉぉぉ!!」

その雄叫びに階下で大破していたギルスレイダーが呼応する。
上空から落とされた時に曲がっていたボディは元通りになり、吹き飛ばされたパーツが集まり元の位置に収まる。
数秒後そこにあったのは大破した姿ではなく、新車同様となった姿だ。
そしてギルスレイダーは操るものが居ないはずなのにヘッドライトを点灯させ走り出す。
走りつく場所はただ一つ戦場だ。
勢いをそのままにほむらとギルスを取り囲む使い魔の外縁にボディをぶつけ撥ね飛ばしていく。

ほむらとギルスの二人はその場にいた使い魔を殲滅して一息を入れる。
魔女が動かないことを踏まえて使い魔が再び出現するまでの間に作戦を練る。

283: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:12:49.81 ID:Lw7vQ6SXo
ギルス「このまま一気に二人で魔女を仕留めるか」

ほむら「魔女をすぐに倒せればいいですが足止めされてしまえば、使い魔が新しく出てきてソウルジェムを持っていきますよ」

ギルス「やはりさっきと同じよう宝石の回収と戦闘で役割をわけるか」

ほむら「さっきとはちょっと役割を変えましょう」

ギルス「どういう風にだ」

ほむら「私が魔女の気を引きます、葦原さんはその間にソウルジェムを、使い魔は葦原さんが必要だと思ったら倒してください」

ほむら「美樹さやかのソウルジェムが人質に取られている状況なので、これが一番可能性があると思いますが」

ギルス「それでいい」

ほむら「私は魔女との戦闘に入りますので、葦原さんは魔女の隙をついてソウルジェムを」

ギルス「任せろ」

ほむら「お願いします」


284: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:14:54.76 ID:Lw7vQ6SXo
ほむらは魔女へと進んでいく、魔女はほむらへ根を突き出す。
しかし、ほむらの新たなフォームの重装甲に阻まれて攻撃は通らない。
次に魔女はギルスレイダーにしたように足を絡ませようと試みるも、ほむらが脚に力を籠める度に出てくる炎に燃やされていく。

ギルスは元の位置から動かずにほむらと魔女の戦いを見守る。
魔女は今のところ隙を見せないために、ギルスレイダーを走らせられずにいるのだ。
そしてギルスを妨害するために使い魔が再び現れる。

ギルスレイダーから離れるわけにはいかないギルスは跨ったままの状態で使い魔を攻撃する。
足を離せないために腕だけでの撃退になる。
数が増え続ける使い魔に対応すべくギルスは腕からギルスフィーラーを伸ばし、薙ぎ払う。

ギルスフィーラーはギルスの腕に内蔵している鞭状の武器だ。
広範囲の敵を薙ぎ払ったり、敵を拘束するなど様々な使用方法が可能である。

ほむらは魔女と向き合っている。
魔女からの攻撃は根を利用した攻撃ばかりでほむらが狙っている攻撃が来ない。
拳が魔女に届くか届かないかの距離に入ると魔女は髪を束ね始める。
ほむらが狙っていた攻撃が来たのだ。

ほむらは魔女が作りだした巨大な木の攻撃を受け止める。
流石に攻撃は重くほむらは後ろへと押し戻される。
それを見たギルスはギルスレイダーを急発進させ、ソウルジェムへと向かって行く。

駆け抜けていくギルスを確認し、ほむらは脚に力を込める。
急に自らの攻撃の勢いが止まったことに戸惑う魔女はギルスへの対応が疎かになる。
ギルスの進行を体で阻むように使い魔は自らの体を壁にして立ち塞がる。

ギルスはギルスフィーラーで使い魔の壁を仰け反らせ隙間を作る。
そのままギルスフィーラーを伸ばしてさやかのソウルジェムを掴み回収する。
ブレーキをかけると同時に途中に生えている木にギルスフィーラーを突きさし速度を殺していく。
魔女の手前で停まると反転させて元来た道を戻っていく。

285: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:15:23.05 ID:Lw7vQ6SXo
ソウルジェムの回収を確認し、ほむらは受け止めていた魔女の攻撃から片腕を離す。
片腕で魔女の攻撃を止め続けるのは流石に無理で、力を込めている脚を引きずらせながら後退させられていく。
離した腕に全力を込めて目の前の巨木に叩きつける。

拳から発生した炎は先ほど使い魔を燃やした時よりも遥かに強い勢いで燃え広る。
魔女は木にしていた髪を素早く分離させていくが炎の勢いの方が速い。
結果、魔女は自らの髪を大胆に切り捨てる、先ほどまでの地面に届きそうな長い髪は首筋にかかる程度のショートカットになった。

一方、ほむらも体力を使いきってしまったらしく呼吸が荒い。
魔女からの攻撃を食らい、新フォームの開眼、使い慣れていない力を使うと体力が切れるのは当たり前だ。
膠着状態に陥っている中にギルスが戻ってくる。

ギルス「大丈夫か!?」

ほむら「大丈夫ですけど、これ以上の戦闘はきつそうです」

ギルス「こいつを頼む」

ギルスはさやかのソウルジェムとギルスレイダーをほむらに預ける。
そして魔女にとどめを刺すべく駆けていく。

髪での戦闘手段は無くなったとはいえ、魔女にはまだ地面からの根の攻撃がある。
ギルスはクロウを伸ばして、生えてきた根を切り払って進んでいく。

ギルス「うおぉぉぉぉ!!」

ギルスは口を開き、咆哮をあげる。
魔女はその声に驚き、攻撃の手を一瞬止める。
ギルスは踵に巨大な爪を作りだして跳び上がり、片足を魔女に対して振り下ろす。

魔女に刺さってない方の脚で魔女を蹴り、振り下ろした脚を抜くと同時に距離を取る。
ギルスが離れると魔女の体は崩れ落ち、消滅した。
ギルスの変身を解いた葦原は落ちていたグリーフシードを拾い戻ってくる。


286: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:15:52.15 ID:Lw7vQ6SXo
葦原「戻るぞ」

ほむら「ここにいても戻りますよ」

葦原「変な所に放り出されたら面倒だ、乗れ」

ほむら「はい」

ほむらを後ろに乗せて、葦原は元に戻ったバイクを走らせる。
像を降りた辺りで結界は崩壊して元の世界に復帰する。
出た場所は運良くゲートがない駐車場のようだ。

葦原「とりあえずお前の家まで送っていく」

葦原「その前に、今も捜索してるかもしれない二人に連絡を取っておけ」

ほむら「ちょっと待って下さいね」

ほむら「マミ、美樹さやかのソウルジェムは取り返したから私の家へ」

ほむら「場所は杏子が知ってるはずだから」

ほむら「行きましょう」

葦原「もういいのか」

ほむら「詳しい話は後で出来ますので」

葦原「じゃあ残りのちっこいのもさっさと安心させてやるか」

ほむら「ナビしますね」

葦原「ああ」

287: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:16:21.85 ID:Lw7vQ6SXo
葦原「ここか」

ほむら「はい、明日も見滝原にまだいますか?」

葦原「今日は色々あったからな、今日はこの辺りで泊らせてもらうさ」

ほむら「なら明日、美樹さやかに礼をさせますので同じ場所にいてあげてくれませんか」

葦原「断る、礼を言われる筋合いはないからな」

ほむら「あなたはそれで良いかもしれませんが、彼女が気に病むかもしれませんので」

ほむら「折角助けたのにそんなことになったら面倒ですので」

葦原「…はあ、分かった。但し午前中までだ午後には発つ」

ほむら「それで構いません」

葦原「どことは分からんが、雰囲気変わったな」

ほむら「記憶取り戻してしまったので」

葦原「お前もか世の中には意外と記憶喪失っていうやつが多いのかもな」

ほむら「そうなんですか」

葦原「まあ記憶を取り戻そうが取り戻すまいがお前はお前だ、今まで通り接してやれ」

ほむら「そうします」

葦原「とりあえず来るなら、美樹にはちゃんと午前中に来るように伝えろ」

288: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:16:49.73 ID:Lw7vQ6SXo
まどか「ほむらちゃん!さやかちゃんは大丈夫!?」

ほむら「まどか落ち着いて、ちゃんとここにあるわ、グリーフシードも」

まどか「良かったー」

ほむら「マミも杏子もそのうち来るはずだから、ちゃんと起こしておかないとね」

まどか「本当に起きるの?」

ほむら「大丈夫よ」

さやか「あれ!?携帯は!?葦原さんは!?ソウルジェムは!?」

ほむら「落ち着きなさい」

さやか「転校生!?」

まどか「さやかちゃん良かったー!!」

さやか「まどかまで!?」

マミ「美樹さん!大丈夫!?」

杏子「よっ、あんまり世話掛けるなよ」

さやか「マミさんに、杏子!?」

ほむら「マミに杏子、ノックぐらいしてちょうだい」

マミ「暁美さんごめんなさい、でも急いで確認したくて」

杏子「結局お前に面倒を押しつけた形になっちまったな」

ほむら「気にしないでいいわ」

289: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:17:35.97 ID:Lw7vQ6SXo
ほむら「皆色々言いたいことも、聞きたいこともあるでしょうけど今日は帰って休みなさい」

さやか「なんでだよ」

杏子「あたしは家ないからほむらの所に泊めてくれ」

マミ「佐倉さんは私の所に泊ってもいいのよ」

杏子「なんか怖いから遠慮しとく」

まどか「ほむらちゃんも理由なく言ってるはずだから、話を聞こうよ」

ほむら「美樹さやかは今日色々ありすぎたでしょ、身体と精神を休めなさい」

ほむら「杏子を泊めるのは別に構わないわ」

ほむら「マミもそんなに寂しいならあなたも泊って良いから」

ほむら「まどかは相変わらず清涼剤ね、時には起爆剤になるけど」

杏子「ありがとよ、色々と取ってこないとな」

マミ「お友達とお泊りなんて、いつ以来かしら」

さやか「というか、あたしが聞いたことは大丈夫なの」

ほむら「大丈夫だけど、今日は帰りなさいって言ってるでしょ」

まどか「記憶を思い出したんだね」

ほむら「ええ、前の時間のことも全部」

杏子「あたしもそれは気になるな」

マミ「お泊りー」

ほむら「あなた達はもう荷物とりに行きなさい、前の時間のことも明日説明してあげるから」

290: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:19:03.98 ID:Lw7vQ6SXo
さやか「転校生、あのさ」

ほむら「なにかしら美樹さやか、お礼も罵倒も明日聞くわ」

さやか「なにさ人が折角歩み寄ろうとしてるのに」

ほむら「あなたには私よりも先にお礼をすべき人が居るはずよ」

さやか「もしかして、葦原さん?」

ほむら「彼が助けてくれたのよ」

さやか「でも、どこにいけば…」

ほむら「明日の午前中までは今日と同じ場所にいるそうよ、午後には発つって」

さやか「え?え?」

ほむら「私からお願いしたのよ」

まどか「ほむらちゃん、優しいね」

ほむら「私の為でもあるのよ、美樹さやかはこういうことは引きずるタイプだから」

さやか「あー、うー」

ほむら「一人で行けないっていうなら一緒に行きましょうか」

さやか「ひ、一人で行けるよ!」

さやか「あ、あとさ」

ほむら「まだ何か言いたいことがあるのかしら」

さやか「初めてあんたが戦って助けてくれた時に酷いこと言ってごめんね、ほむら」

まどか「嬉しそうだね、ほむらちゃん」

ほむら「あの子と良い関係が築けるなんていつ以来か分からないからね」

291: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:21:34.87 ID:Lw7vQ6SXo
葦原「よお」

さやか「葦原さんって義理堅いですよね」

葦原「どうしてだ」

さやか「だって、ほむらに嘘言っててもいいのに、ちゃんと居るんですもん」

葦原「出来るだけ約束は破りたくないだけだ」

さやか「そうなんだ」

さやか「昨日は色々とありがとうございました」

葦原「構わん、目の前で死なれる方が後味悪かったしな」

さやか「でも、友人たちに伝えてくれただけじゃなくて、また結界に入って助けてくれたなんて」

葦原「お前が俺の立場でもそうするだろ」

さやか「それは、そうですけど」

葦原「話がそれだけなら、俺はもう行くぞ」

さやか「ちょ、ちょっと待って」

葦原「話すならさっさと話せ」

さやか「前と同じですね」

292: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:22:33.06 ID:Lw7vQ6SXo

さやか「あたしの抱えている秘密は大体昨日の通りなんですよ」

葦原「確かに事情を知らないやつや、慣れていないやつには化け物に見えるかもしれないな」

さやか「それで魔法少女になる時に願い事を一つ叶えてもらえるんです、奇跡のようなものでも」

葦原「奇跡の代価か、知っていたら願い下げだな」

さやか「本当にそう思います。幼馴染の治らないって言われていた腕を治してもらったんですよ」

さやか「そこまでしたのに身体に魂がないことを聞いた後は、話すのすら躊躇ってました」

さやか「それで友人がそいつのことが好きだって宣戦布告してきたんですよ」

葦原「で、昨日うだうだしてたわけか」

さやか「他にも色々ありますがそれが主因です、はい」

葦原「別に身体の事を馬鹿正直に話す必要はないんじゃないか、気をつければ普段通りの生活は送れるはずだ」

さやか「いいんでしょうか」

葦原「俺はそうしている」

さやか「葦原さんは、その体でも平気なんですか」

葦原「俺は自分を憐れんだりはしない」

さやか「そうですか…、よし!!」

293: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:22:59.65 ID:Lw7vQ6SXo
葦原「もういいのか」

さやか「はい、お世話になりました」

葦原「別に何もしていない、お前が自分で答えを出しただけだ」

さやか「葦原さんがいなかったら、あたし絶対間違った答えを出していました」

さやか「今ならほむらの話を聞いても大丈夫です」

葦原「暁美の名前を素直に呼べるようになったんだな」

さやか「これも葦原さんのおかげですよ」

葦原「そうか、お前が吹っ切れたなら俺はもう行くぞ」

さやか「はい!」

葦原「じゃあな」

さやか「またいつか会えると良いですね」

葦原「厄介事に巻き込まれるのは御免だがな」

294: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:24:53.76 ID:Lw7vQ6SXo
さやか「落ち着け、大丈夫だよあたし」

さやか「ほむら、入るよー」

マミ「美樹さん、あの人とはどうだったの?」

さやか「うわ!?」

ほむら「マミ、先に入れてあげて」

マミ「あ、ごめんなさい」

杏子「後輩に怒られてやんの」

マミ「だって美樹さんが心配だったもの」

まどか「あ、さやかちゃん、もういいの?」

さやか「まどかもいるってことはあたしが最後か」

ほむら「仕方ないわ、結局全員泊ったもの」

さやか「え、さやかちゃんだけ仲間外れですか?」

ほむら「昨日あんなことがあった後でこの面々と一晩過ごせるなら構わないわよ」

さやか「ごめんなさい、ほむら様の心配りがとても心にしみます」

ほむら「それと私の話をするのはお昼を取ってからにしましょうか」

295: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:25:20.74 ID:Lw7vQ6SXo
杏子「はあ、美味かった」

マミ「佐倉さんの持ってきた野菜も良いものばかりだったわよ」

ほむら「これを自家栽培してレストラン経営してる人ってすごいわね」

まどか「今度、皆で行こうよ」

杏子「東京だけどな、まあもう一回あいつの料理は食いたいけどな」

さやか「あのー、そろそろ本題に入りたいんですが」

ほむら「別にいいけど、残りの秘密を知らないのはあなただけなのよ心の準備は良いかしら」

マミ「そうよね、あの秘密はきついわよね」

杏子「あー、体に魂がないだけであんなに取り乱してたからな」

まどか「もうちょっと時間おいても大丈夫だよ」

さやか「さやかちゃんは大丈夫だよー、ってかまどかも知ってるの!?」

ほむら「むしろ私を除けばこの中で一番最初にソウルジェムが魂っていうのを知ったわね」

さやか「あたし蚊帳の外かー」

マミ「鹿目さんに教えて私に教えてくれなかったのは納得いかないわ」

ほむら「あなた達はタイミングが悪いと精神が脆くなるから言い辛いのよ」

マミさや「「すいませんでした!」」

296: ◆0coMHZI5p2 2013/08/13(火) 22:26:01.53 ID:Lw7vQ6SXo
ほむら「気を取り直して、話を始めるわよ」

ほむら「簡単に説明するけど魔法少女の末路は魔女よ」

さやか「いきなりどぎついです」

ほむら「あなた以外皆知ってることよ」

杏子「さやかのソウルジェムをマミと探してる時にQBに言われたよ」

まどか「杏子ちゃんから、氷川さん達の推測を教えてもらったんだ」

さやか「マジであたしだけ知らなかったよ」

ほむら「昔はこれを知ったマミが発狂したわ」

杏子「今回も発狂しかけたぞ」

ほむら「ちなみにさやかは高い割合で魔女化してたわ」

さやか「迷惑かけてすいません」

ほむら「それとこれはまどかを魔法少女にしない理由でもあるのよ」

まどか「どういうこと?」

ほむら「その時のインキュベーターの話によるとまどかの魔女は十日で地球を滅ぼすそうよ」

まどか「うぇぇぇ!?」

ほむら「魔法少女の秘密はそれで全部よ、次は私の事を、ん?」

ほむら「電話みたいだから、ちょっと待ってちょうだい」

ほむら「どうかしたんですか、北條さん」

308: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:41:15.55 ID:7+m16q+Zo
北條「氷川さん、何か用ですか」

氷川「僕もお手伝いをと思いまして」

北條「手伝いと言っても調べられる範囲は調べ終わっています」

氷川「では、北條さんは未だに何を調べているのですか」

北條「魔法少女関連と思われる最初の行方不明者はかなり前に遡ることは解ったんです」

氷川「それで暁美さんは関係していないと証明出来るとは思いますが」

北條「根拠が欲しいのです、暁美さんは大体この一ヶ月を繰り返しているので時期だけ見れば無関係とは言えるのですが」

氷川「どうしてこの年に魔法少女システムが動き始めたかですか」

北條「インキュベーターは相当狡賢いみたいですからね、時間のずれを彼女のせいにできそうな推測を出しているでしょう」

氷川「ん、この年は…」

北條「どうかしましたか」

氷川「覚えがある数字なんですよね」

北條「なにか魔法少女と関係したことがあったんですか」

氷川「ええと、そうだ確か津上さんがアンノウンの首魁と思われる人物を倒した年です」

北條「アンノウン……、!」

氷川「何かわかったんですか!?」

北條「もしかしてアンノウンが魔法少女システムを封じていたのではないでしょうか」

氷川「アンノウンは普通の人間は襲わずにアギトに成りうる人物を襲っていた」

北條「奴らにとってみれば人間を捨てさせるような魔法少女システムも忌むべき存在だった」

309: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:42:03.52 ID:7+m16q+Zo
ほむら「どうかしたんですか?」

北條『美樹さんの話を聞いてこちらでも調べてみたんです』

ほむら「ちょうどそれに関係する話をするところでした」

北條『私の方が明確な答えを示せるかもしれないので先に話をしてもよろしいですか』

ほむら「構いませんが」

北條『スピーカーフォンにして皆さんに聞こえるようにしてください』

北條『皆さん私の声は聞こえていますか』

まどか「は、はい」

マミ「北條さんから連絡が来るなんて」

杏子「この声は確か偉そうなやつだったな」

さやか「あたしのせいで大変なことになってる予感がする」

ほむら「こちらは聞こえているみたいですが、そちらは」

北條『こっちもはっきりと聞こえていますよ』

北條『結論から言わせてもらいます、暁美さんが原因でこの世界に魔法少女システムが持ち込まれたわけではありません』

さやか「時間のずれだったら、QBがまどかの願いなら結構ずらせるって聞きましたが」

北條『やはりそう説明されてましたか、私たちの推測ですが魔法少女システムはこの世界では封印されていたと思われます』

310: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:46:34.13 ID:7+m16q+Zo
北條『暁美さんと鹿目さんには説明しましたよね、過去にあった不可能犯罪とアンノウンのことは』

ほむまど「はい」

北條『他の方々にも簡単に説明させていただきます』

北條『アンノウンは超常的な力を用いて特定の人間を殺害していました、それを不可能犯罪と呼んでいるのです』

杏子「特定の人間ってどういった相手を殺していたんだよ」

北條『超能力者やその片鱗が見える人とその親族が殺されていました』

北條『そのアンノウンに対抗するためにG3が使用されたのです』

さやか「もしかして魔法少女システムを封印してたのが、そいつら」

北條『私たちはそう推測しています、統計では魔法少女関連と思われる事件の発生と不可能犯罪の終結が同じ年です』

マミ「QBは宇宙人なんですよね、そんな存在が作ったものを封印なんて出来るんですか」

北條『人類には不可能でしょうが、アンノウンの首魁ならば可能だとは思います、実際にその首魁がやったと思われる現象は星すらも動かしています』

杏子「とりあえず、魔法少女システムにほむらは無関係なんだな」

北條『私たちの推測ではそうです』

まどか「ほむらちゃん、良かったね」

さやか「ほむら、ごめん」

ほむら「別にいいわ、悪いのは全てインキュベーターなんだから」

北條『では、私はこの辺で』

ほむら「ありがとうございます」

北條『お礼はワルプルギスの夜の後に改めてお受けします』

311: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:47:18.80 ID:7+m16q+Zo
QB「そんな生命体が活動していたんだね」

さやか「この詐欺師!!何の用だ!!」

QB「詐欺師は自己の利益を得るために他者に不利益を被らせるものの総称だろ、僕には当てはまらないよ」

さやか「あたしにあんな当てずっぽうな説明しておいて!そんな言い訳が通用するか!!」

QB「何度も言ったけど僕は事実を基に仮説を立てただけだよ、それを勝手に鵜呑みにしておいて非難されるいわれはないよ」

さやか「こいつ!!」

ほむら「こいつには言うだけ無駄よ」

QB「君は冷静なんだね、暁美ほむら」

ほむら「本当は殺したくてたまらないけどね、ところで美樹さやかの話ではあなたは私に近寄れないんじゃなかったの」

QB「正確には近寄りたくないだけだよ、未知のものに接触する時は十二分の対策を施してからじゃないとどんな危険があるかわからないじゃないか」

杏子「それは別にいいじゃないか、とりあえずなんでこいつがここに来たかだよ」

QB「さやかが元に戻ってどんな感じか様子を見に来たんだ」

さやか「どうせソウルジェムの濁り具合を確認しに来たんでしょ!」

QB「そうだよ君が魔女になりそうならば言うことなしだよ」

さやか「よし、死ね」

まどか「さやかちゃん、ちょっと待って」

さやか「なんで止めるのさ」

まどか「QBはなんでこんな酷いことをするの」

QB「酷いことだって?君たちは家畜に対して行っていることにもそう思うのかな」

QB「僕たちが魔法少女システムを作った理由はね」


312: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:47:44.64 ID:7+m16q+Zo
QB「と言う訳なんだよ、良ければ宇宙の寿命を延ばす為に魔女になってくれ」

マミ「黙りなさい」

杏子「遠慮するよ」

さやか「もういいよ、死ね」

まどか「縛られて、突き刺されて、切り刻まれちゃった」

ほむら「どうせ次が来ているのでしょう、掃除してさっさと帰りなさい」

QB「きゅっぷい、じゃあ処理している間は殺さないでくれよ」

さやか「QBが!」

まどか「二体も!?」

杏子「こいつの体はストックが沢山あるらしいぜ」

ほむら「今は掃除させないといけないから駄目だけど、外で会ったらストレス発散に殺しても良いわよ」

マミ「私は外で銃を出す趣味はないわよ」

さやか「あたしも通報されるしな」

杏子「人目が付かないところだったら殺しとくさ」

ほむら「殺し続けるのも手間だから、掃除が終わったらさっさと出ていきなさい」

QB「そうさせてもらうよ」

さやか「どんだけ時間かかるんだよ」

QB「さやかがみじん切りにしたから手間がかかるんだよ」





313: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:48:57.43 ID:7+m16q+Zo
マミ「やっぱり駄目ね、意図的に見滝原で魔女が生まれないようにしているみたい」

さやか「今の手持ちのグリーフシードじゃ、ちょっと心もとないですね」

杏子「ほむらも入れれば四人だ、ワルプルギスの夜は倒しきれるとは思うが…」

マミ「そういえば暁美さんはどこに行ったの」

杏子「ほむらは別の場所で魔女を探してくるって遠出してる」

さやか「そう言って逃げたんじゃないだろうな」

マミ「冗談でも止めなさい、鹿目さんも居るんだし彼女は帰ってくるわよ」

まどか「ごめんなさい、わたしが契約すれば簡単に倒せるはずなのに」

さやか「まどかを責めたつもりじゃないよ、それにまどかもこんな体になる必要はないよ」

マミ「そうよ鹿目さん、あなたにはあなたにしか出来ないことがあるはずよ」

杏子「ワルプルギスを倒すために契約しようとしたら殺すからな」

まどか「皆、ありがとう…」

さやか「でもさ、ほむらはまどかの為にやり直し続けてるんだから尊敬するよ」

マミ「暁美さんにとっては生き地獄なのにね、やり直す度に鹿目さんや私たちが目の前で死に続けるんだから」

杏子「本当ならあいつはとっくに壊れていてもおかしくないんだよな」

まどか「……皆にわたしが契約する時の願いを聞いておいて欲しいの」

マミ「鹿目さん、自分が何を言っているか分かっているの?」

まどか「もしもの為です、契約しないで済むといいなとは思っています」

杏子「言えよ、ほむらが居ない間に言っておきたいんだろ」

まどか「うん、わたしの願いはね」

314: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:50:01.31 ID:7+m16q+Zo
ほむら「ここまでやったのにワルプルギスの夜は倒せないの!?」

マミ「暁美さん、時間を巻き戻すのは可能かしら」

ほむら「無理よ、もう魔力が残ってないもの」

杏子「グリーフシードもストック切れか」

ほむら「使いきったわ、今回で終わらせるつもりで戦ったから」

まどか「ほむらちゃん、皆、わたし契約する!」

ほむら「まどか!?」

QB「まどか、君はどんな願いで魂を輝かせるんだい」

まどか「わたしの願いは、ほむらちゃんにわたしを含めた四人の魔力を注ぐこと!」

QB「契約は成立だ、受け取るといいそれが君の魂だ」

ほむら「まどか…、なんでそんな願いを…」

まどか「ほむらちゃんが無事なら、最高の結末に辿り着けるってわたしが信じているから」

ほむら「無理よ!今回で辿り着けなかった私には…」

まどか「泣かないで、わたし達と一緒なんだから次は大丈夫だよ」

ほむら「なら、私もこのままあなた達と一緒に戦って!!」

マミ「駄目よ、何のために私たちが鹿目さんから願いを前もって聞いて、それに手を加えて許可を出したと思っているの」

さやか「そうだよ、それに時間を巻き戻せないでほむらがここで死んだら折角のあたし達の魔力もまどかの決意も無駄になる」

杏子「あんたは誓ったんだろ救ってみせるって、ならさっさと救って来いよ」

ほむら「皆…」

まどか「ほむらちゃん、わたしは大丈夫だよ。QBの思惑通りにはならないから」

ほむら「まどか…、私は次の時間に行くわ、絶対に皆を助けてみせるから…」


315: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:50:53.59 ID:7+m16q+Zo
時間を巻き戻して、目覚めた場所はいつもの病室。

ほむら「絶好の機会だったはずなのに、皆で運命を乗り越えられるはずだったのに…」

ほむら「いつもこう、いつでも時間を巻き戻せると思っているせいで私は常に逃げている」

ほむら「皆から貰った魔力に誓うわ、今回で最後にしてみせると!」

その時、ほむらのソウルジェムが輝きを増し、五つの光が現れる。
ほむらの思考は驚きに支配され眼の前の光景を見ているだけで身動き一つ出来ない。
そして五つの光はほむらに近づき、一つずつほむらの身体の中に入っていく。

ほむら「ぐっ!」

光が一つ身体に入る度にほむらは苦悶の表情を濃くする。
ほむらは痛みで気が付いていないが急速に体温も上昇している。
そして最後の光が入ると同時にほむらのソウルジェムもほむらの身体の中に入りこみ、ほむらは気を失った。
その後目覚めたほむらは魔法少女のころの記憶を失っていた。


316: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:51:20.48 ID:7+m16q+Zo
ほむら「以上が私が思い出した前回の記憶よ」

まどか「ほむらちゃんに入った五つの光はなんだったの?」

ほむら「わからないわ、もしかしたらあなた達に貰った魔力がアギトによって具現化した光なのかもしれないわね」

さやか「ということはアギトに覚醒すればあたし達の魂も肉体に戻るかもしれない」

マミ「余り期待は出来ないわ、暁美さんの場合は鹿目さんの願いによって覚醒が促されたみたいだし」

杏子「でもさ、この宝石が魂っていうのは良い気がしないよな」

ほむら「私なんて目の前で杏子がマミにソウルジェムを射ち抜かれて以来、ソウルジェムの取り扱いには敏感になったわ」

杏子「今回もマミはソウルジェムを狙ってきぞ」

マミ「さ、佐倉さん!」

ほむら「マミは自殺するんじゃなくて心中を図るから面倒よね」

ほむら「この中では最年長なんだからもうちょっとしっかりしなさいよ」

マミ「に、肉体的にはそうかもしれないけど繰り返した時間を考えればあなたの方が年上じゃない!」

マミ「それに一人で死ぬのはやっぱり寂しいのよ!!」

317: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:52:32.14 ID:7+m16q+Zo
ほむら「さて、いつも通りだったら今週中にはワルプルギスの夜が来るはずよ。準備や訓練、やり残しがあるならしっかりしておきなさい」

杏子「そうだな、やっておきたいことも出来たしな」

マミ「佐倉さん、あなた…」

杏子「死ぬ気はないけどさ、この戦いが終わって絶対に無事とは限らねえからさ」

ほむら「美樹さやか、あなたも分かってるわね」

さやか「何をさ、ほむらもいい加減フルネーム呼びはやめて、さやかって呼んでもいいんだよ」

マミ「そういえば私はなんで呼び捨てにされているのかしら」

ほむら「マミはマミじゃない、巴マミって呼ぶのも今さらだし、かといってさん付けするのはね」

ほむら「美樹さやかに関しては急に襲われたからフルネーム呼びで継続よ」

さやか「あの時は本当にごめんって、だからそんなに壁作らずに名前で呼んでよ」

ほむら「…良いわよ名前で呼んであげる、ただし条件があるわ」

さやか「何々、どんな無茶でも一つや二つ簡単に」

ほむら「上条恭介、志筑仁美との恋路の決着を着けてきなさい」

さやか「」

ほむら「いい加減にこの話題で振り回されるのは御免なのよ。告白してもいいし、諦めてもいいからあなたなりの決着を着けてきなさい」

さやか「うぅ、人が忘れてたのに」

まどか「ほむらちゃんの言うとおりだよ、はっきりさせないと仁美ちゃんにも悪いよ」

杏子「あんたが願いを使った相手なんだろ、はっきりさせておきな」

マミ「後悔するような選択をしたら…、わかっているわね」

さやか「味方はいないんですかー!!」

318: ◆0coMHZI5p2 2013/08/18(日) 00:53:05.33 ID:7+m16q+Zo
QB「僕の思惑通りにはならないとは言っていたけど、君はワルプルギスの夜を倒して最悪の魔女になる運命しかないよ」

まどか「本当にそう思う?」

QB「何を言ってるんだい?君ほどの力の持ち主なら……!?」

まどか「今のわたしはQBが望むほどのエネルギーは取れないし、世界を滅ぼすような魔女にはなれないよ」

QB「さっきまで君に溜まっていた力は一体どこに…、まさか!!」

まどか「そうだよ、QBとの契約でほむらちゃんにあげちゃった」

QB「そんな手を打ってくるとは予想外だったけど、それなら君だけではワルプルギスの夜は倒せない」

さやか「まどかが」

杏子「一人だけだと」

マミ「誰が言ったのかしら」

QB「君たちの魔力はほむらに供給して残っていないはずだよ」

杏子「まどかから事前に聞いていたからな、グリーフシードを残しておいたんだよ」

マミ「これなら最悪でも相討ちに持ち込めるんじゃないかしら」

さやか「ほむらが諦めなかったんだ、あたし達も諦めるわけにはいかないでしょ」

QB「僕には理解できないことだけど、大人しく魔女になる気はないことはわかったよ」

「「「当たり前!!」」」

まどか「わたしの最初で最後の魔女退治やり遂げてみせる!」


325: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:20:36.11 ID:LGRO9zOqo
仁美「さやかさん、何故私をお呼びになったのでしょうか」

さやか「提案しに来たんだよ、一緒に恭介に告白しようってね」

仁美「私はさやかさんの後でも…」

さやか「それはどういう理由で?あたしが恭介に振られると思っているの、それともあたしの態度にやきもきして発破をかけているのかな」

仁美「私はさやかさんとの友情を壊したくないだけで」

さやか「恋愛感情で友情がどうとか言ってられるって、もしかして仁美は恭介のこと本気じゃないんじゃない」

仁美「違います!私は上条君を慕っているのは嘘偽りありません!!ですが…」

さやか「まあ、あたしがはっきりと恭介に告白しなかったのも問題かな」

さやか「幼馴染の立ち位置に安心感を覚えていたのも確かだしね」

仁美「なのでさやかさんにこそ優先権が…」

さやか「だからさあ、そんな譲られたみたいな感じで彼女の座を手に入れてもあたしは嬉しくないわけ」

さやか「仁美が恭介のことをどう思っているか告白した後で分かっても気にならないけど、事前に聞かされているとね」

さやか「仮にそれで手に入れたとしても、あたし勝手に悩んで勝手に破局を選択することになるよ」

仁美「私はそんなつもりでは…」

さやか「うん、わかってる。仁美もさんざん悩んだんだろうしね」

さやか「だからさ、恭介に一緒に告白しようよ。どっちを選ばれたとしても恨みっこなしで」

仁美「…わかりました、私は負けるつもりはありませんよ」

さやか「手加減無用だよ、あたしも負けるつもりはないんだから」

326: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:21:30.44 ID:LGRO9zOqo
上条「えーと、急に二人から呼ばれたから来たけど何の用かな」

仁美「上条君、私はあなたにお伝えすることがあります」

さやか「あたしも言わなきゃいけないことがあるんだ」

恭介「なにか二人から鬼気迫るものがあるんだけど…」

さや仁「「あたし(私)と付き合って下さい(ませ)」」

恭介「それは買い物とかに付き合うっていうことかな」

さやか「そんなわけないじゃん!」

恭介「だよね」

仁美「付き合いの長さはさやかさんに劣りますが、上条君を思う気持ちは負けてはおりません!」

さやか「あたしだって、何の下心もない純情な気持ちで恭介のお見舞いに足繁く通っていたんだから!」

仁美「私だってお稽古ごとの合間を縫って、上条君のお見舞いに行っておりましたわ!」

さやか「恭介のリハビリを手伝っていた!」

仁美「学業のノートを渡しておりました!」

上条「二人ともそこらへんで落ち着いて」

さやか「恭介!」

仁美「どっちを!」

「「選ぶ(んです)の!!」

上条「選ぶって僕にはさやかも志筑さんも大切な人だから、選べないよ」

上条「それにまだ脚のリハビリも終わってないし、指のリハビリもしないといけないんだから」

さやか「指って…、もう完治したんじゃないの!?」

上条「言い方が悪かったね指自体は自由に動くんだけどね、長い間バイオリンを弾いてなかったからまだまだ練習が必要なんだ」

仁美「驚かせないでくださいまし」

上条「どちらにしろ、音楽から長い間離れていたから当分は音楽に没頭したいんだ」

上条「どうしてもっていうなら選ぶけど、多分今の僕じゃ恋人を作ったとしても構ってあげることは出来ないよ」

さや仁「……」

上条「僕から言えることは全部言ったから特に言いたいことがないなら、僕はもう行くよ」

327: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:22:11.11 ID:LGRO9zOqo
さやか「勇気を振り絞ったのにこの結果だよ」

仁美「例え一人で告白しに行っていたとしても和やかに会話をして終わってたかもしれません」

さやか「仁美は恭介のことを諦める?」

仁美「諦めません…、とは思うのですが、恋愛対象と見てもらえるのか不安になってきましたわ」

さやか「あたしも諦める気はないけど、異性として見てもらえるかは不安だなー」

さやか「でもさ、すっきりしたよね溜めこんでた気持ちを明かせて」

仁美「そうですわね、私も以前はさやかさんにどこかで一歩引いていたので」

さやか「考えてみれば、あたしが病院に行こうって言ったらいつもお稽古って言って居なくなってたよね」

仁美「本当にお稽古があった日もありましたが、さやかさんと上条君の仲のよさを見せつけられるのは乙女としては」

さやか「いちゃいちゃしてたわけじゃないけどね、それで仁美が勇気を出したらあたしが怖気づいたと」

仁美「ふふ、私たち意外と似た者同士だったんですのね」

さやか「そうだね、どっちも勝手に一歩引いてたね」

さやか「これからどうしようか、恭介は当分答えをくれない気がするけど」

仁美「もっと良い人が出てくるなら話は別になりますが、このまま答えを待つつもりですわ」

さやか「まだあたし達中学生だもんね、魅力的な人が現れたらそっちに乗り換えるかもしれないか…」

仁美「現れたらの話です、今はまだ恋敵ですわ」

さやか「そりゃそうだ、これからもよろしくね」

仁美「私こそ、これからもよろしくお願いします」

さやか「恭介はバイオリンの練習に行っちゃったし、仁美がよかったらこれから一緒に遊ばない」

仁美「いいですわね、行きましょうか」

328: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:23:07.90 ID:LGRO9zOqo
杏子「逃げ出したんだよな、何もせずにそのまま全てを放っておいて」

杏子「風見野を拠点にしていたけど、この辺りには最低限溜まり場になっていないか見に来るだけで寝泊まりは余所でしていた」

杏子「ちゃんと捨て去りもせず、かといって留まり続ける訳でもなくあたしも中途半端だったよな」

マミ「やっぱり、ここだったのね佐倉さん」

杏子「マミか、どうしたんだ心霊スポットか廃墟スポットに登録されてそうな場所に」

マミ「そんなこと言うものではないわ、あなたの大切な場所でしょこの教会は」

杏子「本当に大切なら住みつくなりちゃんと管理するなりしとけって話だけどな」

杏子「住みつかない、かといってよそ者が何かしようとすれば追い払うだけでそれ以上は何もしない」

マミ「ここでご家族が亡くなったのでしょ、仕方ないわ普通は逃げ出すわよ」

杏子「言うなよ、あたしが父さんにちゃんと説明しておくなり、誤魔化し続ける努力をするなりすればこんなことにはならなかったはずさ」

杏子「だから全部あたしのせいなんだ、家族が死んだのも、あたしが魔法を使えなくなったのも」

マミ「でも、あなたは!」

杏子「原因はあたしの自分勝手だ、父さんの話を聞いて欲しいってな。それに巻き込んだのはあたしだ」

杏子「あたしに身寄りが無くなったのは自業自得だ、もし願いを叶えなかったとしたら今頃一緒にあの世だったかもしれない」

杏子「けどな、自分よりも小さくて力がない妹のモモを助けてやれなかったのかってどうしても考えちまうんだ」

マミ「でも、あの日は平日であなたは学校に…」

杏子「あたしの魔法は幻術だったんだぞ、父さんを化かすことだって出来たはずさ」

杏子「今はそんなこと考えてないぞ、自分で後片付けする気になったぐらいだしな」

マミ「…手伝うわ」

杏子「いいけど、見返りはねえぞ」

329: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:23:33.96 ID:LGRO9zOqo
マミ「佐倉さんは強いわね」

杏子「強くねえよ、東京の方であいつと会わなかったらここに来る気にもならなかっただろうしな」

マミ「それでも過去を直視して進もうとしている、私はまだ引きずっているものパパとママを助けられなかったこと」

マミ「QBに助けてって願って自分は助かったけどパパとママを助けれたんじゃないかって一人になるといつも考えてた」

杏子「仕方ないんじゃないか、自業自得なあたしでも出来たことがあったんじゃないかって思うぐらいだしな」

マミ「私は自分勝手なのよ、一人になるとそんなことを考えてしまうから仲間が欲しかった」

マミ「それで佐倉さんが一緒に戦おうって誘ってくれた時は嬉しかったのに」

マミ「あなたの家族が亡くなった時に止めてあげられなかった、慰めてあげられなかった」

杏子「あたしも一方的にマミを拒絶したから仕方ねえよ、それにあの時は綺麗なマミと汚れたあたしって自分で思ってたしな」

マミ「鹿目さんも美樹さんも私が勧誘した、暁美さんが止めていなかったら鹿目さんも魔法少女にしてたかもしれないと思うと」

マミ「あの時も折角歩み寄ってきてくれた佐倉さんを殺して私も死のうとした…」

杏子「あたしも真実を知った時はそのまま死のうと思ったさ、けどなやり残したことを放っておいて死ぬのは後味が悪くてな」

杏子「……マミの心を軽くしてやれるかはわからないが、警察のやつらが調べてわかったことだが、マミの両親は即死だった」

マミ「それでも私が願っていれば助かる可能性が…」

杏子「違う!肉体的破損が酷かったんだ、生きていたとしても一瞬の間だけって話だ、だからマミが目覚めたときには既に」

マミ「それだったら願いで生き返らせてもらえば!」

杏子「マミは才能がある魔法少女だって言うのはあたしがよく知っているよ。けどな!二人の人間を蘇らせることが可能だと思うのか!!」

杏子「正確に言えばマミも含めて三人だ!例え蘇らせたとしても事故に遭った車の中で救出されるまでの間、生き残れたのか!!」

マミ「それは…、でも…」

杏子「マミは偉いよ、あたしに比べると自分の罪と向き合い続けてる。けどな、いい加減楽にしてやれよ自分も親も」

マミ「私は…、私は…」

杏子「あたしは別のところやってくるから、ここの掃除を頼むな」

マミ「ぐすっ、何よ、ここの掃除ってもう終わってるくせに」

330: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:24:29.84 ID:LGRO9zOqo
杏子「今まで作ってなかったからな、ちゃんとした墓石じゃないけど立派なもんだろ」

マミ「そうね、ここに遺骨が入っていれば完璧だと思うわ」

杏子「遺骨か、あいつらに頼んだらどこに眠ってるか教えてもらえるかな」

杏子「ここに入れたいって訳じゃないけどさ、ちゃんとした場所にあるなら手を合わせておきたいしな」

マミ「私もちゃんとお墓参りしたことなかったから、行かないと…」

杏子「二人揃って親不孝者だな」

マミ「こんな身体になって孝行娘って言い張るのは無理よ」

杏子「ははっ、そりゃそうだ」

杏子「最近確認したんだけどさ、この教会あたしが相続することになっているらしいぜ」

マミ「あなたの父親の財産だったのね」

杏子「みたいだ、てっきり借地、借家かと思ってたんだけどな、この戦いが終わったら色々と手続きしようかなって思う」

杏子「相続税とかもあるけどさ、このまま宙ぶらりんにし続けるのもあれだしな」

マミ「ふふっ、佐倉さんがシスターになって運営するのかしら」

杏子「破門された親の娘だけどな、それに運営するならちゃんと勉強しないといけないしな」

マミ「佐倉さんなら大丈夫よ」

マミ「私にはまだ明確な目標はないけど生きていたいって今は素直に思ってるわ」

杏子「だったら全員で無事にワルプルギスの夜を乗り切ろうぜ」

331: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:25:10.33 ID:LGRO9zOqo
ほむら「ちゃんとこの姿に変身出来るみたいね」

まどか「それがほむらちゃんの新しい姿なんだね」

まどか「本当にすごいね、ほむらちゃんの名前みたいに燃え上がれーって感じで」

ほむら「ふふっ、まさか本当に約束を果たせる日が来るなんてね」

まどか「約束?それってわたしとの?」

ほむら「ええそうよ、まどかと私の初めての約束」

ほむら「言ったわよね、私は病弱で弱気だったって」

まどか「うん、眼鏡も着けていて、みつあみのおさげだったんだよね」

ほむら「そうよ、何事にも自信が持てなくて、オドオドしてばっかりだった」

ほむら「そんな時に言ってくれたのよ、名前の通りに格好良くなればいいって。まさか本当に燃えるような姿になるとは思いもしなかったけど」

まどか「同じわたしだけど羨ましいな、ほむらちゃんの支えになれて」

ほむら「今のあなたも十分私の支えよ」

まどか「ウェヒヒヒ、嬉しいな」

まどか「わたしも格好良くなれるかな…」

ほむら「きっかけは違えどなれるわよ、私が保証する」

まどか「ほむらちゃん…、わたし頑張るね」

332: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:26:05.73 ID:LGRO9zOqo
氷川「お久しぶりです、津上さん」

翔一「氷川さんじゃないですか、こんなに長い間顔を見せなかったのは珍しいですね」

翔一「ニュースでも大きい事件があったって聞かなかったんで、ちょっと心配していたんですよ」

氷川「すいません、出張で東京を離れるって言っておけば良かったですね」

翔一「東京を離れていたんですか、どんな事件かは聞きませんからどこに行ってたかぐらいは、ね」

氷川「見滝原っていう場所に行ってたんです。また行くことになりますが」

翔一「見滝原…ですか」

氷川「本当は津上さんに色々と伝えておくべきかもしれないのですが、色々と問題あるので」

翔一「そんな俺なんかが事件を知っても何も出来ませんって、不可能犯罪とかなら別ですけどね」

氷川「すいません」

翔一「謝るようなことじゃありませんよ、話はここら辺にして注文してくださいよ、氷川さんの為に腕を振るいますから」

氷川「そうですね、久々なので翔一スペシャルをお願いします」

翔一「氷川さんはよく食べますからね、大盛りでいいですよね」

氷川「はい、お願いします」

氷川「…津上さん」

翔一「どうかしましたか、やっぱり大盛りじゃなくて徳盛りっていう感じにしますか」

氷川「いえ、なんでもないです」

翔一「変な氷川さんですね」

333: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:26:49.70 ID:LGRO9zOqo
葦原「おやっさん居るか?」

おやっさん「涼じゃないか、いつ戻ってきたんだ」

葦原「近くまで来ていたんだがな色々あって、先日こっちに戻ってこれた」

おやっさん「戻ってきた時でいいからバイトじゃなくて正規の従業員としてここで働いて欲しいんだがな」

葦原「それで継いでくれって言うんだろ」

おやっさん「別にいいとは思うんだがな、お前さんが居る時に来る客からの評判も悪くはないぞ」

葦原「おやっさんがまだ元気なのに継げるかよ」

犬「ウォン!」

おやっさん「ほら、こいつもこう言ってるんだ」

葦原「勝手に訳すなよ、しかしこいつも大きくなったな」

おやっさん「いきなり連れてきた時は驚いたぞ、それで預かってくれだからな」

葦原「悪かったよ、ここまで大きくなるとは思わなかったんだ」

おやっさん「小さいままだったらお前が連れまわしていたんだろうけどな、そもそもお前マンションだろ」

葦原「勢いで連れてきた感はあるな」

おやっさん「まあ、今ではマスコットみたいなもんだけどな、客にも評判良いぞ」

おやっさん「それでバイクはいつも通りでいいのか」

葦原「頼む、久々に無理させたんでな」

おやっさん「今度はいつまでいるんだ」

葦原「わからん」

334: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:27:15.53 ID:LGRO9zOqo
葦原「津上、いつものを頼む」

翔一「葦原さん、今回来るのに間が空きましたね」

葦原「ちょっとな」

翔一「三人が揃うなんて思わなかったな。いつものですね、すぐに作ってきますよ」

葦原「三人?誰だ」

氷川「葦原さん」

葦原「ああ、氷川か」

氷川「お久しぶりです、ここに来れば津上さんとは顔を会わせられますが、葦原さんとはなかなか会えなくて」

葦原「まあな、俺はお前らと違って落ち着いていないしな」

氷川「僕も最近はここに来れてないんですが」

翔一「でも氷川さんも葦原さんもこの店に来てくれるんで俺は定期的に二人に会えますけどね」

葦原「津上は店を構えているから一番会いやすい」

氷川「そうですね、僕も葦原さんも東京に住んではいますが津上さんみたいにここに行けば会えるっていう場所はありませんからね」

翔一「そんなに褒めないでください、氷川さんはおかわりはどうですか」

氷川「結構です」

335: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:27:45.89 ID:LGRO9zOqo
氷川「ごちそうさまです」

葦原「ごちそうさん」

翔一「ありがとうございました」

葦原「津上、営業時間は終了だよな」

翔一「そうですよ」

葦原「最近変なことに巻き込まれてな一応話しておくべきだと思ってな」

翔一「変なことですか」

氷川「まさか…」

葦原「魔法少女と魔女って知っているか、それに巻き込まれてなちょっとその魔女と戦ってきた」

氷川「!?」

葦原「氷川のその顔は知っているな」

翔一「何かはわかりませんが、俺もちょっと前に変身して戦いましたよ」

氷川「な、なんで言ってくれなかったんですか!?」

翔一「いや信じて貰えるとは思ってなかったですし、会った時に話そうって思っていたから」

翔一「そいつと戦った時に杏子ちゃんっていう女の子を助けたんです」

葦原「そいつが赤い髪なら、俺も知っているぞ」

氷川「僕が話さなかった意味はなかったということですか…」

翔一「そういう時もありますよ」

葦原「俺たちは巻き込まれただけだからな、お前の知っている事情を詳しく話せ」

336: ◆0coMHZI5p2 2013/08/24(土) 02:28:14.16 ID:LGRO9zOqo
氷川「という話ですよ」

翔一「魔法少女と魔女って作り話の中だけじゃなかったんですね」

葦原「少なくともあの異形を初見で魔女と分かるやつはいないな」

氷川「当面の問題はワルプルギスの夜を撃破することなんですがそれ以上先のことが」

翔一「簡単ですよ、ほむらちゃん?でしたっけ彼女のようにアギト化すればいいんですよ」

葦原「そもそもアギト化の方法が分からないだろ、魔女になるのに比べればましだとは思うがな」

翔一「そこはほら、俺と葦原さんが変身する時に近くにいてもらえればアギト化進みそうじゃないですか」

氷川「津上さんと葦原さんが変身するようなことがないのが一番なんですが」

翔一「それもそうですね、聞かなかったことにしてください」

氷川「お二人とも出来れば見滝原には近づかないで…」

翔一「あっ!それ以上言わないでくださいよ、街一個吹き飛ばすぐらいの敵が出てくるなら行くに決まってるじゃないですか」

葦原「邪魔をするなら戦うだけだ」

氷川「止めても無駄でしょうが、無茶はしないでください」

翔一「氷川さんには言われたくないなー」

344: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:35:54.67 ID:fCf/avjVo
さやか「第一回!」

マミ「ワルプルギス対策会議!!」

ほむら「…」

杏子「テンションたけえ」

まどか「な、なにかあったの?」

さやか「ふふ、勇気出して仁美と一緒に告白したのにさ結果は二人揃って玉砕だったよ、まあ仁美との友情は深まったけど」

ほむら「さやか、チャンスがあるだけましよ」

さやか「うう、ほむらが約束守って名前で呼んでくれるのも慰めてくれるのも心にしみる」

マミ「過去のことを振り切った私に不可能はないわ!生きて見滝原を守るわよ!!」

杏子「あれは多分あたしのせいだな、すまん」

ほむら「暗い雰囲気のなか進行するよりましだと思っとくわ」

マミ「暁美さん何でも言ってちょうだい、今なら囮でもこなせるわよ」

さやか「待った待った、囮ならあたしの方が適任だよ、回復能力高いし」

杏子「少なくともワルプルギスの夜の能力を聞いてからにしようぜ」

ほむら「冷静なのが一人いるだけでも楽だわ」

杏子「最初に冷静な方の味方って言ってた気持ちがよくわかるよ」

まどか「あの二人を落ち着ける方法ってあるの」

ほむら「思いつかないから落ち着くまで放っときましょう」

杏子「何か飲み食いしながら雑談でもしてようぜ」

ほむら「冷蔵庫から適当に飲み物を持ってくるわね」

まどか「わたしもお菓子持ってきてるよ」


345: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:36:23.56 ID:fCf/avjVo
さやか「ぜぇ、作戦、ぜぇ、会議じゃ」

マミ「ハァ、なかった、ハァ、かしら」

杏子「やっと終わったか」

まどか「マミさんも、さやかちゃんも飲み物どうぞ」

さやか「ぷはぁ、ありがとうまどか」

マミ「ふう、落ち着いたわ」

さやか「結局どういう風に動けばいいのさ」

ほむら「あなた達二人だけで盛り上がって会議が出来なかったのよ」

ほむら「改めて作戦会議を始めるわよ」

杏子「そこの二人も今回は落ち着いて聞いとけよ」

マミさや「「ショボーン」」


346: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:38:00.40 ID:fCf/avjVo
ほむら「先ずはワルプルギスの夜の能力よ」

ほむら「ワルプルギスの夜自体も強力だけど、それ以上に使い魔も厄介よ」

さやか「使い魔なんてこのさやかちゃんがバーっとやっつけちゃいますよ」

ほむら「そう簡単な相手じゃないわ、下手な魔女や魔法少女以上の戦闘能力を有している使い魔よ」

ほむら「倒せない相手ではないとはいえ、その戦闘能力に数とワルプルギスの夜の存在も相まって難敵と言えるわ」

杏子「で、肝心のワルプルギスの夜の戦闘能力は」

ほむら「知っているかもしれないけれど、ワルプルギスの夜は出現した際に嵐を巻き起こすわ」

まどか「それがスーパーセルとして観測されるんだよね」

マミ「私たちは天災相手に挑むようなものね」

ほむら「そう思ってもらっても構わないわ」

ほむら「私が実際に戦闘した際にワルプルギスの夜の戦闘方法は念動力によるビルや瓦礫の投擲と火炎弾ね」

ほむら「どれだけの攻撃を加えれば倒せるのかというのは正直わからないわ」

杏子「目安みたいなのはあるのか」

ほむら「当てになるのかは分からないけれど、私、マミ、まどかの三人で戦った時は倒せたわ」

さやか「じゃあ、楽勝じゃないの」

ほむら「とはいってもその時はマミは死亡、まどかは魔女化よ」

ほむら「それに万全だったはずの前回はグリーフシードが足りなくて負けたわけだし」


347: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:40:05.32 ID:fCf/avjVo
ほむら「能力はこんなものね。次は戦場での動きの確認よ」

ほむら「先ずは前半戦、過去の時間での話で私がやってきた近代兵器を使用した戦術は出来ないのを心得て頂戴」

杏子「ほむらにとってはそうだろうけど、あたし達にとってはほむらは格闘戦しかしてる印象しかねえ」

ほむら「それもそうだったわね、先ずは手堅くマミの砲撃でダメージを与えるわ」

マミ「遠距離戦が出来るのは私ぐらいだものね」

ほむら「そうよ、そして私たち近距離組はマミの護衛兼使い魔掃討よ」

さやか「マミさんの安全はこのさやかちゃんに任せてよ」

ほむら「それから距離が近づいた中盤戦にはマミは使い魔の足止め、さやかがそれを倒していく」

杏子「マミがそのままとどめを刺すのは駄目なのか」

ほむら「出来るだけマミには無駄な魔力は使って欲しくないのと、足止めだけに力を入れれば相当な範囲の敵を絡みとれると踏んでるわ」

ほむら「私と杏子はワルプルギスの夜に接近して直接戦闘よ、この時は大技を控えて小さいダメージを積み重ねていくわ」

ほむら「そして弱ったところを全員の最大威力の技で仕留める」

ほむら「色々と詰めが甘いとは思うけど作戦通りに事を運ばせようと無理をしないでちょうだい」

杏子「まあ妥当なところだろうな」

マミ「無理をしないでいいのは少し気持ちが楽になるわね」

さやか「無理をしなきゃ倒せないのになんで無理をするなっていうのさ」

ほむら「今回の戦いで誰かが死ぬとまどかが契約する可能性が高くなるからよ」

まどか「大丈夫だよ!絶対に契約なんてしないよ!」

ほむら「仮に私たち全員死んでも?」

まどか「そ、そんなこと考えたくもないよ!!」

ほむら「まどかが契約しないと決めていてもインキュベーターに付け入る隙を与えるから自分の命だけは守り切るように」

348: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:42:39.33 ID:fCf/avjVo
見滝原郊外にてワルプルギスの夜が出現する様子をインキュベーターが見つめている。
インキュベーターにとっては想定外のことだらけだったためにワルプルギスの夜の出現を確認しているのだ。

QB(アギトという存在、既にいなくなったみたいだけどアンノウンの存在、魔女を撃退する人類の装備)

QB(正直、予想外だらけだったけどワルプルギスの夜は無事だね)

QB(魔法少女が一人も脱落しなかったからこのワルプルギスは倒されるだろうが何人かは道連れに出来るだろう)

QB(そうなれば鹿目まどかが契約する可能性も出てくる)

無事にワルプルギスの夜が出現することを確認するとインキュベーターはその場を離れようとする。
しかし、その場で聞こえるはずもないエンジン音が流れ、インキュベーターは立ち止まる。
ワルプルギスの夜と対峙するように停まるバイク、メットの下から出てきた顔は葦原だった。

葦原「お前がインキュベーターで、そっちのでかいのがワルプルギスの夜か」

QB「そういう君は誰だい、暁美ほむらの関係者かな」

葦原「お前に教える義理はないな」

QB「まさかとは思うけど君はワルプルギスの夜を倒すつもりなのかい」

葦原「そうだといったらどうする気だ」

QB「僕は何もしないよ、だけど君がワルプルギスの夜を倒せるとは思えないけどな」

葦原「勝手にそう思っておけ」

QB「なんでむざむざ自殺行為をするのか全く理解できないよ」

葦原「お前に理解される必要はない」

葦原「変身!!」



349: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:46:38.41 ID:fCf/avjVo
ほむら「皆、準備は良いかしら」

マミ「私たちの準備は何時でもいいわよ」

さやか「避難に遅れている人とか残っている人もいなかったよ」

杏子「まあ、建物はどうしようもないけどな」

ほむら「仕方ないわ、ワルプルギスの夜が結界を張れば話は別だけど」

マミ「結界を張らないのは最強の魔女たる証かしら」

さやか「でもさ、氷川さん達のお陰で出現地点から戦場になる場所までの進路には避難場所はないんだから良しとしておくべきじゃない」

ほむら「そうね、今まではワルプルギスの夜のことは一般人には明かせなかったからどれだけの避難所が潰されたか」

杏子「ガキの話を真剣に聞いてくれる奴なんか稀だからな」

ほむら「そういう意味でもこの時間で氷川さん達に会えたのは幸運ね」

ほむら「とはいってもここを抜けられたらワルプルギスの動き次第だけど避難所が襲われる可能性は高いわ」

さやか「じゃあ、しっかりと倒さないとね。あたしの家族とまどかもそうだけど恭介と仁美も避難所に居るみたいだし」

ほむら「志筑仁美の名前が出るなんてずいぶん関係が改善されたのね」

さやか「ぶっちゃけ振り向いてくれない恭介の愚痴を二人して延々と吐きあう仲だよ」

杏子「色々と気を付けろよ」

さやか「なんでさ?」

杏子「マミが寂しさを紛らわそうと色々とスキンシップしてくるからな…」

ほむら「マミ……」

マミ「な、何も出来ていないわ!だから引かないで!!」

さやか「あー、気をつけるよ」


350: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:47:29.92 ID:fCf/avjVo
言っている間にも使い魔のパレードがやって来た、いつもだったら素通りしてワルプルギスの夜が視認できるまで待つのだが、
使い魔たちはほむらたちを視認すると襲いかかってきた。

杏子「おい!こいつら襲ってこないんじゃなかったのかよ!?」

ほむら「私も初めての経験よ!!」

マミ「二人とも口を動かしていてもいいから敵を倒して!!」

次々と襲いかかってくる使い魔を倒していく四人。
しかし、途切れることなく後続の使い魔が溢れてくる。

杏子「おらよっ!!」

ほむら「はあっ!!」

杏子が使い魔の群れを多接棍で拘束して一カ所に集める。
それをほむらが飛び蹴りで吹き飛ばして、すぐさま次の使い魔に狙いを定める。
ほむらが単独の敵を倒している間に、杏子が敵を固めて、それをほむらが蹴り飛ばすの繰り返しで使い魔を倒していく。

マミ「レガ―レ!!」

さやか「一撃で仕留める!!」

マミが敵を絡め取り、絡め取られた敵をさやかが力強く丁寧に切り裂いていく。
マミが魔法を使う隙を埋めるようにさやかはマミを護衛する。

作戦会議の際のは想定とは異なる戦闘が行われたが、無事に敵の第一陣を退ける。


351: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:48:52.20 ID:fCf/avjVo
杏子「使い魔だけだったから対処できたが、ワルプルギスの夜が来たら厳しいなこりゃ」

ほむら「本当ならもうちょっと余裕があるはずだったんだけど」

QB「さっきの攻撃を軽傷で納めるなんて流石だね」

マミ「QB…、どうしてここに」

QB「君たちの様子を見に来たんだよ」

さやか「やけに優しいじゃない、何を考えているのさ」

ほむら「どうせ、私たちが戦闘不能になっていたらまどかに契約を迫る気だったんでしょう」

QB「当たり前だろ、君たちがやられたらこの場で対抗できるのは彼女だけだ。十分契約を促せる」

杏子「ワルプルギスの夜の使い魔がこんなに凶暴なのはお前の差し金か」

QB「違うよ、最初は使い魔は何もやってこないはずだったけどね」

ほむら「ならば何故、私が繰り返した時間では一度も…」

QB「人類の進化は予想以上だね、緑の戦士に変身した人間がワルプルギスの夜を痛めつけるとは思わなかった」

QB「だが、君たちに不運だったのは彼のせいでワルプルギスの夜が戦闘態勢に入ったことだ」

さやか「緑の戦士って…、葦原さん!?葦原さんはどうしたの!?」

QB「彼は善戦していたけど、吹き飛ばされて川に叩きこまれていたよ。追いかけてこないことを考えると死んだんじゃないかな」

さやか「そ…そんな…」

QB「ところで君たちは避難所の方はいいのかい?既に戦闘済みの使い魔たちが避難所にも向かっているよ」

ほむら「なっ!?」

QB「一番近い避難所はまどかが居る避難所だよ」

ほむら「うるさい!!」

QB「きゅぶっ」


352: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:50:06.69 ID:fCf/avjVo
杏子「ワルプルギスの夜はあたし達に任せて、ほむらは避難所に向かえよ」

マミ「QBは嘘はつかないのでしょ、なら使い魔が別経路から避難所に向かっているのは事実よ」

ほむら「そうするとここが…」

さやか「気にしない気にしない、ほむらの第一目標はまどかを助けることなんだから」

杏子「向こうに誰か行かないとまどかが契約するか皆殺しだからな、この中では移動力と戦闘能力が高いお前が適任だよ」

マミ「それに暁美さんは私たちと違ってグリーフシードを必要としないから継戦能力が高いでしょ」

ほむら「あなた達…、分かったわ行ってくるけど、一人も欠けずにいなさいよ」

さやか「当たり前だよ、そっちこそまどかとあたしの大事な人たちをちゃんと守ってよ」

杏子「そう言うなら、あたし達がワルプルギスの夜を仕留める前に戻ってこいよ」

マミ「行ったみたいね」

さやか「脚早いなー、魔法少女じゃなくて人間の進化系があれって言うんだから魔法少女になったのが損した気分になる」

杏子「魔力強化で脚に集中したら似たような速度出せるが、あれ素だからな」

マミ「はいはい、愚痴ってないで回復とソウルジェムの濁りを取りましょ」

さやか「ほいっと」

杏子「良し、次が来てたなこれ食っとけ」

QB「きゅっぷい」

マミ「QB、私たちはワルプルギスの夜を倒せると思うかしら」

QB「今のワルプルギスの夜の状態を考えれば可能性はあるよ」

さやか「てっきり無理だと思ってたけどあたし達相当強いんだね」

QB「いや、君たちが強いんじゃなくて葦原という男が強すぎただけだよ」


353: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:51:44.53 ID:fCf/avjVo
小沢「氷川君、発進よ!」

氷川「わかりました!」

北條「やけに氷川さんを発進させるのが早いですが何かあったのですか」

小沢「避難所に進行する複数の光点がレーダーに映ったのよ」

氷川「ワルプルギスの夜ですか!?」

尾室「いえ小さい反応だけなので使い魔だと思われます」

北條「私はいつ頃に発進すればいいのでしょうか」

小沢「もうちょっと距離を縮めてからね、無理したせいで航続距離が短いのよ」

北條「仕方ありませんか、着いて戦闘不可能では意味がありませんし」

小沢「どっちにしろ改造のせいでG-3のガードチェイサーにはほとんど装備が積んでないから対ワルプルギスの夜用よ」

尾室「それ、道進めるんですかね…」

小沢「道が崩れてたり塞がっていなければ理論上は大丈夫よ、後は北條君の腕次第」

北條「シミュレーションでは完璧でしたが」

小沢「何があるか分からないわ、使う前にこけたら悲惨よ」

北條「心得ておきます」

G3-X「準備完了しました!」

小沢「良し!G3-X発進よ!」

354: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:54:18.60 ID:fCf/avjVo
ほむら(間に合った)

ほむらが避難所付近に辿り着いた時には使い魔はいなかった。
避難所の扉や窓は荒れた様子もなく、悲鳴も聞こえないことから避難所の中にもいないことは明らかだ。

ほむら(作戦が予定通りにいかないことは想定していたけどここまでとは)

ほむらにとって誰かがワルプルギスの夜に先制攻撃を加えることは想定外であり、まして痛打を与えるとは思っていなかった。
勝ち目が大きく見えたと言う意味では良いニュースではあるが、避難所が襲われるというのは悪いニュースだ。
そしてほむらは葦原と共闘したことから彼は生きていると確信している。
インキュベーターは嘘をつかないから葦原が追ってこなかったのは気を失っているだけと当たりもつける。

ほむら(傷ついているワルプルギスの夜を彼女たちが倒せないとは思えないけど…)

次々と出てくる悪い考えを遮るかのように使い魔の群れが現れ始める。
先ほど戦ったパレードを率いていた使い魔ではなくいつも戦っていた魔法少女に似た使い魔だ。

ほむら「インキュベーターの策に乗せられているようで癪だけど、まどかを守れるというならどちらでもいいわ」

ほむらは使い魔に立ち向かい、拳と脚を大いに振るい撃ち倒していく。
以前までならこの使い魔たちに苦戦を強いられていたことだろう。
しかし、アギトの力は新フォームの覚醒だけに留まらずに既存フォームすらも成長させている。

ほむらの死角から攻撃を仕掛けようとしていた使い魔が発砲音と共に崩れさる。
ほむらは発砲音がした方に目を向けるとG3-Xが立っていた。

G3-X「暁美さん、無事ですか!?」

ほむら「氷川さん!私も避難所も無事です!!」

G3-Xはその返事に安堵して右手にGM-01、左手にGK-06を持って使い魔の掃討に入る。
GK-06は電磁コンバットナイフで、普段はG3-Xの左上腕部に装着・携行し、使用時には刃を伸長させ使用する。
普段は使う機会がないものの、アンノウンの上位クラスの武器を受け止めたこともある逸品である。

使い魔の数が減り始めると使い魔の一部はほむらたちを避けるように避難所の裏手に回り込み始める。

ほむら「氷川さん!ここはいいので避難所の裏手を!!」

G3-Xはほむらと避難所の裏手に回ろうとする使い魔を交互に見る。
迷ったのは一瞬ですぐに裏手に回る使い魔を追いかけていく。


355: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:55:34.40 ID:fCf/avjVo
ワルプルギスの夜が炎弾を飛ばしてくる。
それをマミが予め設置していた簡易結界に入り防いだ後に杏子は槍でワルプルギスの夜に突きかかる。

さやか「杏子は流石ですね、魔法が使えないのをマミさんの簡易結界で補って攻防盤石じゃないですか」

マミ「佐倉さんは魔法が使えなくなってから肉体的な強さや技術を追い求めていたからね」

杏子「くっちゃべってないでお前らも働けよ!!」

叫ぶ杏子に使い魔が殺到している。
それを見てマミは狙撃で敵を葬る。
さやかは後続が続かないように囮になりながら、適度に敵を切り裂いていく。

ワルプルギスの夜は念動力でビルを持ちあげて叩き潰そうと試みるが。

杏子「マミ、気を散らせてやれ!」

マミ「私の銃弾は痛いわよ!」

杏子の声を受けてマミがワルプルギスの夜の人型の眉間あたりに銃弾を撃ち込んでいく。
集中が途切れて念動力の支えを失った建物は宙に一瞬停止した後、落ちていく。

杏子「そろそろ大技で行くか」

マミ「盛大にやるわよ」

さやか「よーし、……あたしの大技ってなんだろ」

杏子「とりあえずお前の剣に魔力を乗っけて叩きつけるなり飛ばすなりすればいいんじゃねえの」

杏子は槍に魔力を籠めて巨大化させ飛び上がる。
マミはティロ・フィナーレの発射の態勢に入る。
さやかはサーベルの刀身と発射装置に魔力を籠める。

杏子「うおりゃ!!」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」

さやか「せいっ!!」

巨大な槍が降り降ろされ、巨大な砲弾が発射され、貫通力が上げられたサーベルが飛んでいく。
三つの攻撃がワルプルギスの夜に直撃し、ワルプルギスの夜はふらつき始める。


356: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:56:21.75 ID:fCf/avjVo
「キャ…ハハ…ハハ…」

杏子「しぶてえ!」

マミ「でも、だいぶ弱っているはずよ、回復して次のチャンスを狙いましょう」

さやか「な…、なんかおかしいよ」

ワルプルギスの夜はふらついていたかと思えば、徐々に反転していく。

マミ「なにかやってきそうね、離れるわよ!!」

三人が離れ始めると同時にワルプルギスの夜の反転が終わり、頭が上になった。
そしてワルプルギスの夜は高速で回転し始める。

「キャハハハハハハ」

風が強くなったことを感じ三人は物陰に隠れる。
その抵抗をあざ笑うかのような突風が巻き起こり三人は吹き飛ばされる。

杏子「おい、大丈夫か!?」

さやか「いつつ、腰打っただけで済んだ」

マミ「らいりょーふ」

杏子「顔面ダイブの状態で返事しなくてもいいぞ」

さやか「これは流石に聞いてないんだけど」

杏子「ほむらも食らったことないんじゃないか、知ってたら忠告ぐらいするだろうし」

マミ「げふっ、多分最初にダメージを食らっていたのに加えて私たちのさっきの一撃で脅威と認定されたのよ」

さやか「さっきまでは敵として認定されていなかったってことかー」

杏子「元の態勢に戻ろうとしているな、元の態勢に戻ったら仕掛けるか」

さやか「今、攻撃すればいいじゃん」

マミ「駄目よ、あの突風を出され続けたら私たちじゃ突破できないわ」

杏子「そういうことだ、さっさと回復するぞ」

357: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 01:57:47.17 ID:fCf/avjVo
まどか「QB?なんでこんなところにいるの」

QB「契約を勧めに来たんだよ」

まどか「わたしに契約する気はないよ」

QB「僕の話を聞けば、考えを改めざるを得ないとは思うけどね」

QB「マミ、さやか、杏子の三人が奮闘したけど危機的状況だ」

まどか「それでも皆は勝って帰ってきてくれるよ」

QB「話は最後まで聞くべきだよ、彼女たちが僕の予想を超えた戦いをしたのは認めよう」

QB「けれどやりすぎた、ワルプルギスの夜の本気を引き出してしまうなんてね」

QB「受けた傷が深くて全力は出せなかったみたいだけど、本来なら地球上の文明を無に帰すほどの攻撃を繰り出せるんだ」

まどか「そ、そんな…」

QB「君の途方もない素質だったらどんな願いでも叶えられるだろう、それこそ魔法少女システムに干渉出来るぐらいにね」

QB「だからこそ、忠告しておくけど時代を超えて魔法少女システムを地球上から無くすという願いは叶えない方がいい」

QB「それは僕たちが介入しないということを意味するからね、僕たちが介入しなかったら君たちは今でも穴蔵暮らしだろう」

まどか「わたしは…」

QB「まだ時間はあるからよく考えて願いを叶えるといいよ」


358: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 02:00:17.55 ID:fCf/avjVo
まどか「……」

詢子「そんな顔して、何かあったのかまどか」

まどか「ママ…」

詢子「このスーパーセルで不安っていう顔じゃなさそうだな」

まどか「もしもだよ、このスーパーセルが今よりも規模が大きくなるのが分かっていて、自分に止められる力があるってわかってたらどうする?」

詢子「…どうにも出来ないって言ってやりたいが、そうだな私ならお前とパパとタツヤが危ないなら何とかするかな」

まどか「…」

詢子「行くのか?」

詢子「お前は良い子に育ったよ、我がままも言わない優しい子にな」

まどか「けど、わたしは今、いけないことを考えてる…」

詢子「やらないで後悔するぐらいならやればいいさ。けどなそれは自分が本当にやりたいことか、誰かに騙されてじゃないよな」

まどか「ううん、違う、それだけは断言できる」

詢子「そうか、しっかりやってこい。私たちの立派な娘なんだからよ」

まどか「うん、行ってきます!」

詢子「……見てたのか?」

知久「ちょっと気になってね、けど行かせて良かったの」

詢子「ああなったら止まらないってのは分かってるだろ、私たちが出来るのは無事に帰って来ると信じることさ」

知久「無理しなくてもいいんだよ」

詢子「娘が覚悟決めたんだ、私が引きとめるわけにはいかないよ」


359: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 02:01:34.39 ID:fCf/avjVo
まどか「ほむらちゃん!!」

ほむら「まどか!?なんで出てきたの!?」

まどか「さっきQBからマミさん達が危ないって聞いて!」

ほむら「インキュベーター!!」

QB「本当のことだよ、マミ達はワルプルギスの夜の本気を引き出してしまった。早く倒さないとマミ達の身が危ないだろうね」

ほむら「まどかを魔法少女にはさせない!!」

QB「出来るのかい?使い魔が来ているよ」

ほむら「くっ」

QB「前から推測していたんだけど、まどかがここまでの素質を持つ原因は君じゃないかな」

ほむら「どういうこと!?」

QB「君が初めてまどかの魔女化を確認したのは二週目だけど、その時には地球を滅ぼすほどの魔女ではなかったのだろ」

QB「だけど四週目には地球を滅ぼすほどの魔女になっていた、君が時間を巻き戻すたびにまどかに因果の糸が絡みついていったんじゃないかな」

ほむら「それは…」

QB「暁美ほむら、ある意味君こそが宇宙の救世主だろうね。ここまでまどかを育ててくれて感謝するよ」

ほむら「させない!くっ、邪魔よあなた達!!」


360: ◆0coMHZI5p2 2013/08/31(土) 02:02:11.81 ID:fCf/avjVo
QB「さあ、まどか、君はどんな願いで魂を輝かせる」

まどか「わたしは全ての魔女が生まれる前に消し去りたい!全ての宇宙、過去、現在、未来の魔女をこの手で!!」

QB「その願いは!そんな願いが叶うとしたら、時間干渉なんてものじゃない因果律への反逆だ!!」

QB「君は本当に神になるつもりか!?」

まどか「神様でも何でもいい、希望を信じた皆を泣かせたくない、笑顔でいて欲しい」

まどか「だから、それを邪魔するルールなら、壊してやる!変えてやる!!」

まどか「それがわたしの願い!さあ、叶えてよインキュベーター!!」

379: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:17:22.83 ID:UtiEl72Oo
まどか「ここは?」

まどかはインキュベーターに対して願いを告げた。
本来ならばその場で魔法少女に変身して全宇宙の全ての時代の魔女を消し去るはずだった。
しかし、今いる場所はワルプルギスの夜との死闘が行われている見滝原市ではなかった。
どこまでも広がる闇の空間。

まどか「もしかして!」

特殊な願いだったせいでこの不思議な空間に移動させられたのではないかと考え、まどかは自分の持ち物を検める。
一通り持ち物を検め、身体のどこかに装着されていないかも確かめてみたが目当てのソウルジェムは見当たらない。
嫌な予感を感じつつも、まどかは諦めずに魔法少女への変身を試みる。
様々なポーズをとる、力と気合を込める、掛け声を出してみるの一通り試してみるが変身出来ない。

まどか「契約…出来て…ない?」

まどか「まだ、まだ諦めちゃだめ。見滝原からどこか分からない場所に飛ばされたからには何かあるはず」

そう呟くとまどかは謎の空間を歩んでいく。
空間自体は固定されているのか、身体に浮遊感もなく、脚で普通に歩くこともでき、普段通りの行動が可能だ。
最初の位置から前進し続けているが壁がないのか、はたまた果てがないのか行き詰ることはなかった。

実際の時間はどれだけ進んだかもわからない時間歩き続ける。
まどかの体感ではさっき歩き始めたような気もするし、ずっと歩き続けているような気もする。
時間の感覚が狂っているせいなのか、そんな現象が引き起こされているのか疲労感も感じずに歩いていく。

まどかの視界の端に一筋の光が入りこんでくる。
思わぬ手掛かりにまどかはそこに走りよる。
光が入ってくる場所は近づいてみると扉になっており、その扉を開く。


380: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:18:14.83 ID:UtiEl72Oo
扉を開いた先に広がる光景にまどかは驚愕する。
目の前にある光景はテレビなどでよく目にする宇宙から見た地球だ。
そして、ティーセットが用意されたテーブルで一人の青年が地球を見つめて座っている。
青年はまどかの方を見ずに声をかけてきた。

???「適当な椅子にお座り下さい」

青年の声に促されてまどかはテーブルを囲んでいる椅子の一つに腰掛ける。
そして青年の方に顔を向ける。
その青年は男とも女とも取れない美貌の持ち主だった。

座る前は席には何も置かれていなかったが、座った後にはいつの間にかお茶が入ったティーカップが置かれていた。

???「本来は必要ないのですが、趣向みたいなものです向かい合って話をするよりも落ち着いて話せると思います」

まどか「あの、ここはどこなんでしょうか」

???「ここは地球を一望できる特等席です」

まどか「何のために地球を見ているんですか」

???「見守っているのですよ」

まどか「誰をですか」

???「あなた達、人を」

まどか「わたし達を見守っているって、あなたは一体」

???「私はテオス、人の言うところの神です」


381: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:19:03.67 ID:UtiEl72Oo
まどか「えっ!?か、神様なんですか!?」

テオス「何をそんなに驚いているのですか?」

まどか「だ、だって神様って言われてもわたし達と同じような人間に見えますし」

テオス「それはそうでしょう、人は私が私を基にして創りだした種族なのですから」

テオス「ですから、私にとってみれば人は子の様なものです」

まどか「えっと、一番最初の御先祖様なんですか」

テオス「その認識で構いません」

まどか「なんでそんな偉い人がわたしを…」

テオス「わかりませんか?」

まどか「すいません…」

テオス「謝らなくても大丈夫ですよ、私はあなたを導きに来ただけですから」

まどか「導く?」

テオス「私と同じ位置に就こうとしている子がいるのですから、当たり前だと思いますが」

テオス「先ほども宇宙の始まりと神の時間を体験したでしょう」

まどか「さっきって……、あの暗い空間ですか?確かに時間の感覚がおかしかったですけど」

テオス「そうです、宇宙の始まりは暗闇です。そして神に取ってみれば途方もない時間も瞬きのように過ぎていきます」

テオス「あなたが願いを叶えれば神となって世界を一から改変する事になります」

テオス「あなたがその世界に足を踏み入れるならば多少なりとも体験させ、心構えをさせてあげるのが親心かと思いまして」

まどか「あれが始まり…」

まどか「!あ、あのなんでQBを放っておくんですか、人間を子供と言うなら邪魔な存在じゃないんですか」

テオス「インキュベーターですか、あれはアギト以上に忌むべき存在です。滅ぼしきれなかったのは私の落ち度でしょう」

まどか「アギトが忌むべき存在ってどういうことなんですか」

テオス「私はアギトを嫌い滅ぼそうとしました。アギトは人を人ならざるものへと変えてしまいますからね」

テオス「その話は今は関係ないのでインキュベーターの話をしましょう」


382: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:27:03.46 ID:UtiEl72Oo
テオス「あれが地球に来たのは時を遥かに遡ります。
     当時地球にいた人は数は少なくとも私が寵愛していたもの達ばかりでした。
     そこにあれが近づいたのです。今とは姿が違いますがやることはおおむね一緒です。
     最初のうちは契約を断っても、あれは言葉巧みに契約を結んでいくのです」

まどか「話を遮るみたいなんですが、アギトを嫌ってたみたいですけど魔法少女は滅ぼそうとしなかったんですか」

テオス「構いません、疑問点があるならば答えましょう。
     魔法少女を滅ぼそうとしなかったのは私にとってはまだ愛すべき存在であると同時に騙された被害者だったからですよ。
     しかし、人を人ならざるものへと変えるインキュベーターに日に日に怒りを積もらせていきました。
     私は元から断つべくインキュベーターの本星を時間をかけて捜し出し一度惑星ごと滅ぼしたのですが」

まどか「それでもQBは生き残ったんですか…」

テオス「生き残ったのか別の種族だったのかはわかりませんが結果としては別の惑星があれの本星になっただけでした。
     そうこうしているうちに人は発展を遂げ、他の生物の安寧を脅かし始めました。
     その生物の主たる僕からは人を滅ぶすべしとの声が高まり私は彼らを宥める必要も出てきました」

テオス 「その合間を縫って復活したインキュベーターの本星の捜索や魔法少女システム自体の解析も進めていました。
     ですが、痺れを切らした僕の一部が私に断りなく人類を攻撃し始めました、人類側は成す術もなく殺戮されていきました。
     そして光も私の制止を振り切り、人へとアギトの力を与えるために地球へと降り立ちました」

まどか「アギトを人類に渡すのはどうして駄目だったんですか?」

テオス「アギトは人が制御できるようなものではないのです、事実光がアギトを授けた人は暴走して敵味方の区別なく虐殺をしました。
    その為に私は光をうち倒すこととなり、光は滅びる前に人にアギトの力を降り注いだのです。
    私は悩んだ末に当時の地球上の生物のつがいを一組ずつ隔離してから、一度地上全てを水の底に沈めました」

テオス「その際に同じことを繰り返されてはいけないので解析が一通り進んだ魔法少女システムを凍結しました。
     システムに繋がっている全ての個体を凍結したので新しき世界ではインキュベーターの跳梁は起きませんでした」

まどか「え、えっとつまりどういうこうとですか」

テオス「地球の文明は一度滅びて再興しました、再興した文明にはインキュベーターによる介入は起きていないので、
     今の人の文明は間違いなく人だけで創りえたものです。
     しかし地球にインキュベーターが介入していなくても今と同じ文明レベルには達したはずですがね」


383: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:28:56.11 ID:UtiEl72Oo
まどか「アギトとQBを嫌っているのは分かりましたけど、今の地球には手出ししないんですか」

テオス「しましたよ、私は人にアギトが覚醒する可能性を考えアギト覚醒の兆しが見えれば僕に抹殺するよう命令しました。
     そして、私は人、いいえ人間とアギトに負けたのです。
     その際にある人間と賭けをしました。アギトを人が滅ぼすか、許容するかの賭けをね、
     その結果が出るまで人を見守ることにしたのですよ」

まどか「神様が負けたんですか!?こんなことが出来る人が負けるなんて信じられません!?」

テオス「私も甘かったのですよ、人を愛せなくなったといいながら直接人を殺そうとしませんでしたからね、
     迂遠な対応を取った結果です。私はどこかで人を愛することを止めていなかったのでしょう」

まどか「でも…、なんでそんな話を私にしてくれたんですか?」

テオス「あなたが諦めているように見えたもので人間の可能性に」

まどか「希望を信じて魔法少女になった皆を絶望で終わらせない為にはこれしか…」

テオス「結局のところ、あなたがやろうとしていることは魔法少女の安楽死に過ぎません。
     今の私は信じています人間にこそ絶望を乗り越える力があることを、
     少なくともあの青い鎧を着た人間は唯の人の身で私たちに立ち向かい続けましたよ」

テオス「ちょうどいい頃合いのようです。あなたはここに至る資格を失いました、すぐに元の場所で目覚めるでしょう」

まどか「ど、どういうことですか!?」

テオス「可能性が花開いたということです」

まどか「ちょ、ちょっと待って下さい!!」


384: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:29:51.84 ID:UtiEl72Oo
まどかが再び目を覚ますと見滝原だった。まどかの前ではインキュベーターがまどかの胸に耳を差し込んで契約を完遂させようとしている。

ほむら「まどかー!駄目ー!!」

ほむらは契約を止めようとこちらに近づこうとするが使い魔に囲まれて思うように動けていない。

インキュベーターにとって不都合な契約だが、インキュベーター自身には拒否権はないようだ。
ソウルジェムを抜き出すためにまどかの魂の情報を読み取り始め、爆発した。

まどか「え?」

ほむら「え?」

目の前で起こった出来事に二人とも困惑の色を浮かべる。
使い魔も突然の爆発に動きを止めている。
誰も動かないまま、遠方から聞こえるワルプルギスの笑い声と避難所の裏口を守るG3-Xの銃声が一帯に響く。

QB「まさかアギトの力がこれほどのものとはね」

ほむら「何が起こったの、インキュベーター」

QB「まどかがアギトの力に目覚めたようだ、それを知らずに魂を読み込んだらアギトの力が処理できなくて自己崩壊したんだ」

QB「全く計算外続きの中でも飛んだ計算外だ、まどかと契約できなくなるなんて」

まどか「ど、どういうことなの!?」

QB「魔法少女システムはあくまでも普通の人間を対象にしている。システムを上回る力を持っているものと契約できないのは当たり前だろ」

QB「君から得られるエネルギーは惜しいけど、今回は君の願いのせいで今までの成果が無に帰すことが無くなったことを良しとするよ」

そういうとインキュベーターはワルプルギスの夜の方へと向かって行く。

ほむら「どこに行く気かしら」

QB「君たちからはエネルギーを回収できないからね、ワルプルギスの夜に追い詰められているであろう三人から得ようかなと」

ほむら「させない!」

ほむらの動きを察知して使い魔も行動を再開する。
使い魔に守られるようにインキュベーターはその場を離れていく。


385: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:30:33.39 ID:UtiEl72Oo
三人の魔法少女とワルプルギスの夜の戦いは魔法少女側が押されていた。
ワルプルギスの夜が一度反転して三人を吹き飛ばしてからは三人は態勢を立て直すものの使い魔の数に押され有効打を放てない。
魔力にはまだ余裕があるから攻め切られずに済んでいるがこのままでは敗北は目に見えている。

マミ「二人ともグリーフシードの残りは大丈夫かしら」

杏子「ギリギリってところだな」

さやか「こっちもそんなもんです、むしろ射撃技が多いマミさんこそ大丈夫ですか?」

マミ「燃費は悪くても使い方で次第どうとでもなるわ、まあこっちもギリギリだけどね」

杏子「どうするよ、ワルプルギスの夜が一回反転した後は元の状態に戻っているとはいえこのままじゃじり貧だぞ」

さやか「一発燃費無視して薙ぎ払うってのはどう?」

マミ「そうね、長期戦になったら不利なのは私たちなのだから派手にやりましょうか」

杏子「どっちでいくよ、ワルプルギスの夜狙いの大技でいくのか、使い魔掃討をするために範囲が広い技でいくのか」

マミ「範囲で行くわよ、最悪ワルプルギスの夜は暁美さんと氷川さんに任せましょう」

さやか「あたし達は舞台を整える役ってことですか」

杏子「嫌だったら、あたし達で仕留められるようにやればいいんだよ」

三人は一度後退し、各々が持つ広範囲攻撃の準備に入る。
マミは魔力を練り上げ、さやかはサーベルを大量に作りだして地面に突き刺し、杏子は槍を地面に突き刺して魔力を注ぐ。

ワルプルギスの夜が射程ギリギリに入り込み、それぞれの攻撃を開始する。
マミは飛び上がり練り上げた魔力で無数のマスケット銃を作り出して一斉射撃。
さやかは地面に突き刺したサーベルを魔力強化された体で次々と投げていく。
杏子は槍を通して地面や壁に魔力を注ぎ込み一斉に槍衾のように出現させる。

広範囲技ゆえに一撃の威力は低いものの、それをカバーするための三人がかりだ。
ワルプルギスの夜に与えたダメージは軽微だが使い魔を一掃することはできた。


386: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:31:18.67 ID:UtiEl72Oo
さやか「どうだ!!」

杏子「ワルプルギスの夜まで攻撃が届いたのはラッキーだな」

QB「まだ生きていてたんだね、良かったよ」

杏子「何だよ、お前が良かったっていうと悪い意味にしか聞こえねえ」

QB「まどかとの契約が無理になったからね、君たちで補いたいんだ」

さやか「本当に嫌なやつだな!!」

マミ「待って!鹿目さんとの契約が無理になったってどういうことかしら」

QB「彼女はアギトとして覚醒してしまった、僕の契約対象外だ。お陰で莫大なエネルギー源を一つ失ってしまった」

杏子「ざまあ」

QB「おまけにストックを一つ失うし」

さやか「あたし達もあんた達のエネルギーになる気はないけどね」

マミ「でも、これで懸念が一つ消えたわね」

QB「それはこの戦いに勝てたらの話だろう」

さやか「ここまで押しているんだ、勝利は時間の問題だよ」

マミ「……QB、あなた!?」

QB「予想よりも早く気付かれたね、まあいいか」

マミ「二人とも退避するわよ!!」

さやか「ど、どういうことですか?」

杏子「そういうことかよ。さやか走れ!気になるなら逃げながらワルプルギスの夜を見ろ!!」

さやか「ワルプルギスの夜って…、げっ!?」

さやかが目にしたのは反転しようとしているワルプルギスの夜だった。

マミ「時間稼ぎよ、タイミングを見計らって声をかけてきて気になる情報を私たちに聞かせて足止めさせたのよ」

三人は必死に逃げるもののインキュベーターに妨害された影響は大きく隠れる為の遮蔽物に辿り着けない。
ワルプルギスの夜の頭部が再び頂点に達しようとした時、嵐と暗雲を何かが切り裂いてワルプルギスの夜に直撃した。
ワルプルギスの夜は反転を遂げられずに地に落ち、物体は落ちてきた勢いを止めずにとこかへと飛んでいった。

387: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:31:47.42 ID:UtiEl72Oo
<数分前>

翔一は嵐の中バイクを走らせていた。
本来なら嵐が来る前に見滝原に到着する予定だった。
だが、細々とした用事を済ませていたら出発時刻が遅れたのだ。

出発時刻が遅れたのは飛ばせばどうとでもなる。
一番の問題は見滝原への道を翔一はよく知らないのだ。
準備段階で何度か道筋を確認したものの紙上で確認するのと実際に走らせるのは別だ。
その上、この嵐で使おうとしていた道が何箇所も通行不能となっているために迂回する度に分からない道に入っていく。
結果、見滝原に到着できずに嵐の中でまだバイクを走らせている。

翔一(ワルプルギスの夜がいつ来るのかちゃんと教えてくれなかった氷川さんには今度文句を言おう)

氷川は翔一と葦原が関わってくることを黙認したが頑なにいつ頃にワルプルギスの夜が来るかを言おうとはしなかった。
葦原は翔一と違い自由に動きやすいために早々に見滝原入りしている。

翔一「あれは?」

見滝原に近づきつつあった翔一が見たのはワルプルギスの夜だった。
ワルプルギスの夜は反転するために徐々に傾いている。

翔一「何か、まずい気がする」

翔一はバイクに乗った状態で変身する。
アギトへと変身する光の余波を受けて翔一のバイクはマシントルネイダーへと変化する。
いつぞや杏子が助けられた際に目撃したバイクだ。

マシントルネイダーは速度をそのまま上げていく。
そしてアギトはマシントルネイダーから跳び上がる。
マシントルネイダーは前輪と後輪を90度回転させて車体が伸びて宙に浮く。
アギトは変形したマシントルネイダーに降り立つ。
マシントルネイダースライダーモードだ。

元々マシントルネイダーはバイクモードしかなかったのだが、テオスが干渉した際にこの形態を覚醒させた。
バイクモードは最高時速450km、スライダーモードは最高時速750kmになる。

そのまま遥か上空へと飛び上がる。
雲を抜けてワルプルギスの夜に当たるように位置を調整していく。
そして、最高速度に達した後に急制動をかける。
750kmの勢いと急制動をかけた際に梃のように持ちあがる車体の勢いも加わった速度で飛び蹴りを放つ。

飛び蹴りは上空から地上へと落ちる勢いも加わり嵐を吹き飛ばしてワルプルギスの夜を蹴り飛ばす。
余りにも勢いが付きすぎたために、その場に降り立てずに勢いのまま飛んでいく。


388: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:32:38.91 ID:UtiEl72Oo

ほむらは使い魔の群れを後わずかの所まで追い詰めた。
追い詰められた使い魔たちは高層ビルに突撃する。

まどか「あれは何をしているの?」

ほむら「!まどか危ない!!」

使い魔の群れが突撃していたビルが崩れ始め石片がまどかに向かって落ちていく。
ほむらは駆けながらバーニングフォームへと変身し、まどかの前に立ちはだかる。
落ちてきた石片をまどかに当たらないように処理していく。

ほむら「まどか、怪我はない!?」

まどか「大丈夫だよ」

ほむら「良かった」

まどかに怪我が無いことに安堵するが破砕音が響き始める。
ビルが中ほどから折れたのだ。
処理できないと判断したほむらはまどかに覆いかぶさり守ろうとする。

その時、立ち込めていた暗雲が晴れて青空が広がる。
そして落ちてくるビルの残骸に何かが突っ込み粉々に打ち砕いた。

翔一「いたたた、反動で変身が解けちゃった」

まどか「あなたは?」

翔一「俺?俺は沢木哲也、アギトだよ」

ほむら「あなたもアギトなんですか」

翔一「そうだよ、ん?君のその姿もアギトだね。っていうことは君がほむらちゃんでピンクの髪がまどかちゃんか」

まどか「わたし達のこと知っているんですか!?」

翔一「氷川さんから聞いてるよ、杏子ちゃんから話を聞いているなら津上翔一って名乗った方が良かったかな?」

ほむら「津上翔一…、杏子はあなたがアギトはあり得ないって言ってたけど」

翔一「仕方ないよ、俺の変身はほむらちゃんみたいなタイプじゃなくて葦原さんみたいに姿が変わるタイプだから」

ほむら「葦原さんの名前まで…、世間って意外と狭いんですね…」

翔一「俺もそう思うよ、誰が何と繋がるか分かんないよね」


389: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:33:41.47 ID:UtiEl72Oo
G3-X「暁美さん!無事ですか!!」

翔一「あ、氷川さん」

G3-X「津上さん!?いつ見滝原に!!」

翔一「さっき飛んできました」

ほむら「それよりも、ワルプルギスの夜は…」

翔一「さっき危なそうだったから蹴り飛ばしたんだけど、多分まだ生きてるだろうな」

まどか「あ、あの!そこに三人の魔法少女がいたはずなんですけど無事でしたか!?」

翔一「えっと、確か怪我はしてたけど全員無事なはずだよ」

まどか「良かったー」

G3-X「ここは安全が確保できたようなので僕は先にワルプルギスの夜を倒しに行きます」

翔一「俺もバイクが戻ってきたらすぐに行きますよ」

ほむら「私も行きます」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「何かしらまどか」

まどか「わたしも一緒に行く!!」

まどか「わたしもアギトに覚醒したなら戦えるはずだよ、それにもう守られてばかりじゃ嫌なの!!」

ほむら「でも…」

翔一「連れていってあげればいいじゃない」

翔一「このままだったら勝手に付いてくると思うしね」

ほむら「分かったわ、一緒に行きましょう」

まどか「ほむらちゃん!」

翔一「俺付いていた方がいい?」

ほむら「大丈夫です、私たちは私たちで行きますので」


390: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:34:23.24 ID:UtiEl72Oo
まどか「ごめんね、あんなに言われていたのに契約しようとして」

ほむら「本当にもう、でも私たちを助けたかったのでしょ。危機に陥った私たちの落ち度よ」

まどか「ほむらちゃんはわたしを魔女にしないようにQBの契約から守ろうとしてくれていた」

まどか「でも、今のわたしはQBと契約できないから一緒に戦ってもいいでしょ」

ほむら「それは……」

まどか「心配してくれているのは分かるけど、いつまでも皆の背中を見てるだけじゃ嫌なの隣で同じ光景を見ちゃ駄目かな…」

ほむら(私は何のために魔法少女の契約をしたのだろう、まどかを守るため?違う本当はあの時に置き去りにされたみたいで悲しかったから…)

その思いに至った時、バーニングフォームの鎧が鳴動する。
日の光を吸収するかのように光が鎧に集まり、鎧にひびが入る。
ひびが鎧全体に行き渡り崩れ落ちていく、中から現れたのは光にも劣らない輝きを持つ白銀の鎧。

現れた白銀の鎧に対応するかのようにほむらの衣装も変化が現れる。
バーニンフフォームに変化した際に深紅だったブーツも白く輝き、無防備だった腕も白銀の籠手に覆われる。
背中から放出されていた黒い光も白く輝いている。

まどか「ほむらちゃん、綺麗…」

ほむら「一緒に戦いましょう、まどか」

まどか「うん!」

まどか「そういえば、どうやったら変身できるのかな」

ほむら「その時になったらわかるわよ、多分」

391: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:35:54.33 ID:UtiEl72Oo
さやか「ワルプルギスの夜の反転が止まって地面に落ちてるけど、まだ生きてるよね」

QB「生きているね、証拠に使い魔が溢れ始めたよ」

杏子「あー、うぜえ。どっか行けよ!」

QB「結果はどうあれ見届けたいからね、ワルプルギスの夜を倒したところで君たち魔法少女の運命は決まっているけどね」

マミ「魔女になる運命なんか弾き飛ばして見せるわよ」

杏子「その前にこっちだ、さっきとは比べ物にならないぐらい出てきてやがる」

さやか「全員倒れてもここでワルプルギスの夜を倒せればいいでしょ」

三人がグリーフシードで回復し戦闘態勢を整えたところで排気音が聞こえてきた。
ワルプルギスの夜が来た方角からバイクが走りこんできた。

葦原「運命が塞がっているなら、こじ開ければいい」

さやか「葦原さん!?生きてたんですか!?」

葦原「俺は不死身だ、あの程度では死にはしない」

葦原は両腕を胸の前で交差させてから広げ、叫ぶ。

葦原「変身!!」

変身した姿は普段のギルスではなかった。
ギルスの肩、肘、腕、脛、踵に爪が生えている。
胸部にはギルスの時には存在しなかった金色の宝石が埋め込まれている。
ギルスの強化形態エクシードギルスだ。

避難所がある方角からもバイクが二台走ってくる、翔一とG3-Xだ。

G3-X「皆さん、無事ですか!」

翔一「杏子ちゃん、久しぶり」

杏子「翔一!?なんでここに!?」

翔一「色々と氷川さんに教えてもらったから、助けに来たんだよ」

翔一「そこにいるインキュベーターに好き勝手にさせるわけにはいかないしね」

QB「好き勝手にやっているわけではないよ、それに助けに来たと言うけど魔法少女の運命は決まっている一時しのぎにしかならないよ」

翔一「お前が魔法少女の運命は決まっていると言うなら、打ち砕いてみせる!!」

翔一は両手を突き出して交差させ、腰に戻してベルトを出現させる。
左手を前に突き出し、右手を左手の上で交差させ、叫ぶ。

翔一「変身!!」

翔一はアギトへと変身する。
基本となる金色のグランドフォームではなく、光り輝くシャイニングフォームだ。

纏うのは深紅の鎧を白銀でコーティングした鎧。
腕には白銀の籠手、くるぶしと膝を白銀の装甲で覆っている。
常に六本角に展開している深紅のクロスホーン、大きな複眼は黄色だ。


392: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:36:32.84 ID:UtiEl72Oo
使い魔は全て出てきたのだろう、一斉に行動を開始する。

アギトはシャイニングカリバーを出現させて装備する。
シャイニングカリバーはバーニングフォーム時には薙刀として扱うがシャイニングフォーム時には二刀流として用いる。
斬撃の軌道が残るほどの剣速でシャイニングカリバーを振るい使い魔を切り刻んでいく。

エクシードギルスの見た目の大きな特徴は各部に装着されている爪だが、もう一つギルス時にはなかった武器がある。
普段は背中に収納して分からないが、触手状の鞭ギルススティンガーが四本収納されている。
ギルススティンガーは拘束はもちろん刺殺にも使える。
ギルスは近寄る敵を爪で屠る、腕だけでは対応できない敵にはギルススティンガーで刺し殺していく。

G3-Xはアギトやギルスと違い超常的な力は一切用いていない。
基本スペックはアギトやギルスに比べると大きく劣るが武装を用いての戦闘を主としており且つ装着者に悪影響を及ぼさないことを想定してである。
遠距離から寄せてくる使い魔の後方を狙いGX-05で敵を薙ぎ払う。

魔法少女たちは盾になるように戦う三人から漏れてきた使い魔を撃破していく。

杏子「庇われてるみたいで嫌なんだがな」

マミ「私たちのさっきまでの戦闘の消耗を考えてでしょう」

さやか「この使い魔も強いですから、有り難いっていえば有り難いですね」

何体かの使い魔が魔法少女たちを後ろから襲おうとする。
その使い魔に向かって数発の矢が飛んできて突き刺さる。
現れたのはまどかを背負って戦場に跳んできたほむらだ、片手には弓を持っている。

ほむら「やっと着いたわ」

まどか「皆!大丈夫!?」

さやか「まどか!?」

マミ「暁美さんも!また新しい姿に覚醒したの!?」

ほむら「色々あってね」

杏子「その弓はどうしたんだ?」

ほむら「この姿の時の武器よ」

まどかを降ろして弓を構えると残った手に矢が作り出される。
手を放し、こぼれ出てきた使い魔を撃ち抜いていく。


393: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:37:34.48 ID:UtiEl72Oo
小沢「氷川君、聞こえる?」

G3-X『小沢さん?どうかしましたか?』

小沢「北條君を戦場に送りだしたいんだけど、戦場に続く道に使い魔が溢れているの掃討をお願いするわ』

小沢「それとそろそろ決めるわよ、GG-02を全弾ワルプルギスの夜に撃ちこんで、北條君の攻撃が終わったらGXランチャーよ」

G3-X『分かりました!』

小沢「北條君は今から発進よ、これ以上は近づけないわ」

G3「大丈夫です、この程度ならどうとでもなります」

小沢「頼もしいわね、さっさと発進なさい」

発進したG3の進む先の道でワルプルギスの夜と溢れかえる使い魔が見える。
G3-XがGG-02を撃ちこんだのだろう、数回の爆発がワルプルギスの夜に起きる。
態勢を立て直しつつあるのだろう、ワルプルギスの夜が徐々に浮上している。

小沢『今よ!ギガントアクティブ!!』

ギガントは元々G4用の装備として設計されていたが、G4に対して危険を感じた小沢がG4の設計図ごと封印していたのだが、
ある時、G3ユニットに潜り込んだ自衛官にG4の設計図ごと盗まれて製造されてしまったのだ。
その自衛官が計画していたプロジェクトをアンノウンが襲った際に壊滅したそのプロジェクトからG4ごと押収していた。
今回のワルプルギスの夜の為に北條が引っ張り出して使用することとなった。

ギガントは元は肩掛け式の四連ミサイルランチャーだったがG3が使用するにあたり改造してガードチェイサーに積み込んでいる。
その為にガードチェイサーにはそれ以外の装備は全て取り外され、左右に計四発のミサイルが装備されている。
有効射程は4000m、最大目標速度は秒速450m、威力は二発で十体以上のアンノウンを殲滅する威力を持つ。

ワルプルギスの夜に爆発が起きた後、道にいた使い魔が次々と薙ぎ払われていく。
邪魔をする使い魔がいなくなったのを確認してギガントを全てワルプルギスの夜に撃ちこむ。


G3-Xは飛んできたギガントがワルプルギスの夜に突き刺さり爆発するのを確認する。
既に掃射を終えたGX-05はGXランチャーに形を変えている。
そして砲身にGX弾を装着し発射する。
駄目押しの一撃を受けてワルプルギスの夜は浮上を止める。

394: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:38:01.56 ID:UtiEl72Oo
使い魔を減らしたギルスはギルススティンガーを利用してワルプルギスの夜よりも高く跳び上がる。
そして強化された踵の爪を振り下ろす。通常の踵落としではなく両方の踵を敵に振り下ろすダブルエクシードヒールクロウだ。
強烈な一撃を受けて浮いていたワルプルギスの夜は地上に叩き落とされる。

アギトはシャイニングカリバーをしまいこみ、飛び蹴りの態勢に入る。
両手を広げ、左手を腰に右腕を胸の前に移動させながら身体を思いっきり左に向ける。
その瞬間、空中にアギトの紋章が二枚出現する。

その紋章に向かって飛び蹴りを放つ。
紋章を突き抜ける度に飛び蹴りの速度が増していく。
速度が増した飛び蹴りがワルプルギスの夜に放たれる。

二枚の紋章を突き抜けたアギトの飛び蹴りでワルプルギスの夜の耐久は限界を超えたのだろう。
歯車の動きはどんどん鈍っていく、逆さまになっている身体も力なく腕を地に落とす。
そして、複数のパーツで構成されていたワルプルギスの夜はばらばらに弾け飛んだ。

さやか「たお…した?」

杏子「ああ、やったんだよあたし達は」

マミ「二人とも使い魔が残ってないか警戒しなさい!」

ほむら「そう言うけど顔が緩んでるわよ、マミ」

マミ「暁美さんこそ…、念願が叶った割には浮かない顔ね?」

ほむら「まだだからよ」

まどか「ほむらちゃん!!」

ほむら「あれね!!」

そう言うと二人は一際大きな歯車に目を向ける。
厳密にはまだワルプルギスの夜は死んだわけではなく、魔法少女や魔女の呪いで構成されていたパーツが吹き飛んだだけで本体はまだ生きている。
ほむらは弓を構えて矢を放つがダメージが通っている様子はない。

まどか「わたしも一緒に!」

まどかがほむらが持つ弓矢を一緒に握った時まどかに変化が現れる。
服は白いドレスの様な服に変わり、髪は腰よりも長く伸びる。
そして背中に実体のような白く大きな翼が広がる。

ほむらとまどかが弓矢に力を込めると宙に五枚の紋章が浮かび上がる。
それぞれ色が異なり、黄、青、赤、紫、ピンクに輝いている。
そこに矢を撃ちこむと紋章を通る度に矢はその色の光を纏い大きくなっていく。
五つの光を纏った巨大な矢は本体の歯車を突き破りグリーフシードに突き刺さり光が溢れ出す。


395: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:40:01.62 ID:UtiEl72Oo
ほむら「やっと終わったわ…」

まどか「うん…」

葦原「悪いな、最後の詰めが甘くて」

ほむら「いいんです、私も自分の手で決着を着けれたので」

まどか「わたしもこれで良かったと思います」

葦原「そうか」

翔一「久々に張り切ったから疲れたー」

杏子「おい!翔一!」

翔一「どうしたの杏子ちゃん?」

杏子「お前があのアギトだったんだろう、ってことはだなあの時あたしを助けたのは…」

翔一「俺だよ」

杏子「なんで、あの時に言わなかったんだよ!そうすりゃちゃんと礼の一つや二つ言ってたのによ…」

翔一「俺が詳しく話さなかっただけだから気にしないで」

翔一「ところでほむらちゃんにまどかちゃん、この降り注いでる光はなんなの?」

ほむら「よくわかりません。ワルプルギスの夜のグリーフシードにあの矢が刺さったせいだと思うんですけど」

まどか「グリーフシード絡みだったならソウルジェムを見てみれば」

杏子「ん、濁りが減ってるな」

さやか「今も凄い勢いで濁りが減ってるんだけど」

マミ「それどころか普段よりも輝きが…」

翔一「そっか、害が無いなら別にいっか」


396: ◆0coMHZI5p2 2013/09/06(金) 02:43:18.59 ID:UtiEl72Oo
小沢「おーい、皆無事?」

ほむら「小沢さん、ええ無事です」

小沢「そう、良かった。じゃあ打ち上げに避難所の前でパーっと焼き肉やるわよ」

まどか「網とかはどうするんですか」

小沢「Gトレイラーに積んでるわよ、もう尾室君がGトレイラーをそっちに持っていって準備してるはずよ」

マミ「そういえば、氷川さんと北條さんはどうしたんです」

小沢「一緒に被害状況の確認に向かったわ、熱心よね」

杏子「本当か!?なあ速く戻ろうぜ、魔力は戻っても腹は減ってるんだからよ」

さやか「焼き肉ですか、でも避難所の前でやったら皆も出てきて足りなくなりません」

小沢「結構積んできたから大丈夫なはずよ、それにあそこらへんでしか出来そうにないんだから仕方ないわよ」

翔一「あ、お肉とか野菜とかは絶対に大丈夫ですよ。この嵐が去ったらすぐに持ってきてもらえるように手配してきたんで」

小沢「ナイスよ津上君」

さやか「葦原さんも行きましょうよ」

葦原「そうだな、急ぐ用事もない。ゆっくりしていくか」

まどか「…ほむらちゃん」

ほむら「何かしら」

まどか「どこにも行かないよね」

ほむら「魔法少女のころだったら答えを渋っていたわね、行かないわよ行く必要もないわ」

まどか「ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「私こそありがとう、まどか。あなたのお陰で無事に乗り越えられた」

さやか「まどかー、ほむらー、何してるの置いてくよー!」

マミ「美樹さん!!」

杏子「空気読めよ!!」

ほむら「ふふっ、行きましょうか」

まどか「うん!」

406: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:39:41.21 ID:VYIy84olo
テオス「どうかしましたか」

沢木「鹿目まどかの契約を妨害するためにアギト化の時間を稼いでいたように見えたもので、何の気まぐれかと思って」

テオス「そうですか、彼女は無事にアギトになれましたか」

沢木「否定はしないと」

テオス「あなたが言った通り人間はアギトを駆逐せずに共存の方向に向かっています」

テオス「私がアギトを嫌ったのは人が人でなくなるのを嫌ったからですが、制御できずに破滅へと向かうと思ったからです」

テオス「制御を可能にし人と共存できるならば手出しはしません」

沢木「昔に比べるとえらい変わりようだ」

テオス「私は変わっていません、人間が変わったのです」

沢木「魔法少女システムに手出ししなくてもいいのか」

テオス「本来ならば私が直接手を下しても良かったのですが、見守るのが今の私の役目です」

407: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:40:08.59 ID:VYIy84olo
テオス「それに遠からず魔法少女の魂の問題は解決の糸口が見出されることでしょう」

沢木「ワルプルギスの夜のグリーフシードから放たれた光か」

テオス「そうです、彼女はアギトの力をあのグリーフシードに注ぎこみました」

テオス「その為、あの場にいて光を浴びた魔法少女たちには相当なアギトの因子が宿ったことでしょう」

沢木「あの場にいた魔法少女だけならば魔法少女全体の解決にはならないんじゃないのか」

テオス「あの光は別にあの場だけに降り注がれた訳ではありませんよ」

テオス「全世界にあの光は降り注がれています。あの場の光に比べると微々たるものですがね」

沢木「少ないながらも全世界の魔法少女にアギトの因子が宿ったと」

テオス「ですがアギトになれる魔法少女は少ないでしょう、なれたとしても生き残れるかはその魔法少女次第です」

沢木「アギト化の前に魔女化してしまうと」

テオス「アギトになるのは無理でしょうね、生きる希望を諦めた人間はアギトにはなりえません」

テオス「逆に生きる希望を諦めなければアギトの因子は力を貸すでしょう」

沢木「だが、現存する魔法少女だけではないのかその恩恵に預かれるのは」

テオス「ワルプルギスの夜がなんと呼ばれているか知っていますか」

沢木「さて、俺は魔女に詳しくないもので」

テオス「舞台装置の魔女だそうです、ならば舞台とはどこでしょうね」

沢木「普通ならば特定の場所を舞台と言うが、あれは結界を作らずに動き回ってるんだったな。なら地球が舞台か」

テオス「ワルプルギスの夜は地球上の魔法少女となんらかの繋がりを持っています」

テオス「地球上のどこかで魔法少女が死ぬなり魔女化するなりすればその魂はワルプルギスの夜に引かれ、ワルプルギスの夜に取り込まれます」

テオス「魔法少女の魂に宿ったアギトの因子はワルプルギスの夜の繋がりを利用して現存する魔法少女に拡散されることでしょう」

沢木「魔法少女たちの間で起き続けるアギトの因子の譲渡…、インキュベーターは対処しますかね」

テオス「無理でしょう、あれとアギトの相性は最悪です。彼女が証明してくれました」

沢木「……本来ならば俺が言う言葉なんですがね」

テオス「では、どうぞ」

沢木「きっと勝つさ、魔法少女たちはな」

テオス「ええ」

408: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:40:35.36 ID:VYIy84olo
まどか「おーはよー」

ほむら「おはようまどか、早いわね」

まどか「なんか、やっと安心できたような、不安なような気持で早起きしちゃった」

ほむら「あれから丁度一か月だものね、節目だから仕方ないわ」

まどか「でも、東京の学校に今回の生徒受け入れに選ばれた時には焦ったけど、ほむらちゃんが部屋を借りていて良かったよ」

ほむら「箱の魔女を倒して記憶を取り戻した時にね、念のために借りていたのよ」

まどか「あっ、わたし達の前からいなくなるためでしょ」

ほむら「ええ、でも結果オーライでしょ」

まどか「わたしとしてはほむらちゃんがいなくならないだけで十分だけどね」

ほむら「ありがとう、まどか」

まどか「今日の予定は?」

ほむら「確か午前は身体検査と問診、午後に杏子関連の色々ね」

まどか「行方不明から見つかるのも色々と面倒なんだね」

ほむら「杏子の場合は結構長い間行方不明だったからね、氷川さん達が色々とやるそうよ」

まどか「そうなんだ、問診と身体検査はなんで?」

ほむら「さっきも言った通り節目だからよ。当日に何か無くても間が空いてから何かあるかもしれないから念のためにね」

ほむら「準備もあるでしょうから、皆をそろそろ起こしておいて」

まどか「わかったー」

409: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:41:01.89 ID:VYIy84olo
まどか「おーきろー」

マミ「ほえ、朝?」

さやか「あと、五分…」

杏子「ふわー、なんで毎度私がこの二人の間で寝ることになるんだろうな」

まどか「小さいから仕方ないんじゃないかなー」

マミ「んー、佐倉さん」

杏子「寝ぼけてないで起きろ」

さやか「ぐー」

まどか「さやかちゃんも、またご飯抜かれるよ」

410: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:41:34.61 ID:VYIy84olo
さやか「いや、ごめんごめん」

ほむら「別に構わないから、早く食べてしまいなさい」

杏子「何度も声掛けたんだがな、その度に途中で寝やがる」

さやか「この生活に慣れたら、気楽でさー」

まどか「次からは起こしてあげないよ」

マミ「でも、鹿目さんと美樹さんのご両親がこの生活に良く許可を出したものね」

まどか「ほむらちゃんとマミさんが居るなら大丈夫だろうって」

さやか「本当は付いてこようとしていたみたいだけど」

ほむら「見滝原でやる事が残っているんでしょ、大人の方が自由に動けなくなるのは仕方ないわ」

杏子「ま、東京にいる成人の知り合いも多いからな。それもあるんじゃね」

411: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:42:39.99 ID:VYIy84olo
さやか「まどかはまだ変身できないの?」

まどか「あの時は無我夢中だったから…、どうやったら変身できるのかはさっぱり」

まどか「そういえばQBが偶に顔を見せに来て、色々と聞いてくるんだけど」

ほむら「まどかがアギトじゃなくなったか確認してるんじゃないかしら、どこかで見てればこの一カ月まどかが変身してないのは分かるから」

マミ「ソウルジェムみたいな目印が無いから分かりにくいものね」

杏子「ソウルジェムと言えば、あたし達のソウルジェムの光は何時収まるんだよ」

ほむら「知らないわ、経験したことが無いし」

さやか「でもさ、この光って津上さんとか、葦原さんが変身する時の光と似いてるから、アギトの光なんじゃないの」

マミ「となると、いつかはソウルジェムを突き破って私たちの身体に魂が戻るのね」

さやか「それを考えるともっと光れーって願っときましょうか」

ほむら「そして身体に魂が戻ったら私と同じように激痛に襲われるのね」

さやか「ううー、痛いのは嫌だけど、魂は身体に戻ってきて欲しいし、ううー」

杏子「まどかはあん時、痛みは無かったのかよ」

まどか「無かったよ、むしろ身体が軽く感じたよ」

さやか「ずーるーいー」

ほむら「話していたらいつの間にかいい時間ね、そろそろ出ましょうか」


412: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:43:39.57 ID:VYIy84olo
小沢「二人とも、捜査一課に戻ることになったのか」

氷川「ええ」

北條「そういう、あなたはイギリスで教授に戻るんですか」

小沢「放ったらかしにしていたから当分教授業に専念よ」

北條「それはご愁傷様です」

小沢「それはどうかしら」

氷川「これは許可証?」

小沢「そ、ワルプルギスの夜みたいな規模の魔女が再び出現したらあなた達に命令する権限貰っちゃった」

北條「それは勘弁してもらいたい」

小沢「何、私の下に着くのは嫌か」

北條「いえいえ、ワルプルギスの夜みたいなのとまた戦うのを遠慮したいだけですよ」

氷川「ですが、二度と現れないとは限りませんよ」

小沢「そういうこと、その時はまたよろしく」

北條「全くもっと教授業に専念してください」

氷川「僕としてはやはり小沢さんに戻ってきて欲しいのですが」

小沢「そうしたいのはやまやまだけど、こっちにいると前みたいに主旨から外れたことをやらされかねないからね」

北條「それだけ、あなたが有能だということですよ」

小沢「お世辞は結構、今夜の節目のお祝いにあなた達も出るんでしょ。しっかり空けときなさいよ」

氷川「もちろんです」


413: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:44:42.37 ID:VYIy84olo
おやっさん「おい涼、今日はもういいから上がれ」

葦原「いいのか、まだ営業時間だろ」

おやっさん「いいんだよ、嬢ちゃん達に招待されてるんだろ」

葦原「いいって言ってるんだがな」

おやっさん「何をしたのかわからないが、悪い気はしないだろ」

葦原「……」

おやっさん「わかったら、身綺麗にして行け」

葦原「わかったよ」

おやっさん「嬢ちゃん達には優しくしろよ」

葦原「知るか」

414: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:46:24.60 ID:VYIy84olo
まどか「失礼します」

ほむら「こんばんは」

翔一「あれ二人だけ?」

ほむら「他の三人は巻き込まれたのか首を突っ込んだのかわかりませんが何かの犯人を捕まえて氷川さんに説教されてます」

まどか「三人は正義感が強いから」

翔一「そっか、氷川さんも普通の事件に首突っ込まれるのは嫌がるからね」

ほむら「私たちは長くなりそうなので先に行っておくようにと小沢さんから」

翔一「小沢さんには俺も色々と助けてもらったよ」

まどか「そうだ、津上さんはアギトですよね。わたし変身できないんですけど何か分からないですか?」

翔一「うーん、俺はアギトだけど詳しいわけじゃないからね」

翔一「まあ、アギトは無くなるわけじゃないから、心配しないでも大丈夫。多分身体に馴染んでないだけだと思うよ」

まどか「良かったー」

ほむら「今度インキュベーターが来たら、そう言って追い返してやりなさい」


415: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:46:51.98 ID:VYIy84olo
氷川「すいません、遅くなりました」

マミ「氷川さんが謝ることではないですよ」

さやか「そうですよ、勝手に首を突っ込んだあたし達が悪いんですから」

北條「そう言わないであげましょう、そこが氷川さんの良いところなんですから」

杏子「あんたはもうちょっと殊勝な態度はとれないのかよ」

小沢「無理ね、北條君の性格はもはや矯正不可能だもの」

尾室「忘れられてなかったのが嬉しいです」

小沢「また髭伸ばして、剃りなさい」

尾室「あ、これ付け髭です」

翔一「後は葦原さんだけですね、来てくれると良いんだけど」

さやか「来てくれますって、あの人は」

葦原「入るぞ」

さやか「ほら」

416: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 01:48:12.36 ID:VYIy84olo
翔一「やっぱり、今回のお祝いはほむらちゃんの慰労会だよね」

氷川「祝賀会でもいいんじゃないですか」

葦原「どっちでもいい」

北條「単純に全員で暁美さんにお疲れ様でいいじゃないですか」

小沢「名目なんかなんでもいいわ、彼女の区切りになるならね」

尾室「そうですよ、全ては暁美さん次第なんですから」

ほむら「そんな、私はお礼を言う立場で労われる立場じゃ」

まどか「じゃあ、ほむらちゃんがお礼を言ってから全員がお疲れ様って返すのは」

マミ「それは、良いアイディアね。お礼の言いあいになったら切りが無いわ」

さやか「そうそう、あたし達はほむらにお世話になってるんだから」

杏子「ほら、前に出て言えよ」

ほむら「ちょ、ちょっと」



ほむら「え、えっと、み、皆、わ、私の為に本当にありがとうございました!」

「お疲れ様ー!!」


417: ◆0coMHZI5p2 2013/09/12(木) 02:02:10.72 ID:VYIy84olo
これでこのSSは完結です。

沢木さんが居たのはテオスさんから権威を貰ってるから肉体が死を迎えた時に魂がテオスさんに回収されていたからという解釈です。