勇者「魔王は一体どこにいる?Ⅰ」 前編

209: 魔王島 2013/07/12(金) 15:22:03.71 ID:BeTekSFe0
---高速船---

僧侶「この船すごーく早いね~ウフフ」

騎士「船底は頑丈で浅い・・その他に重たいものは一切乗ってない」

盗賊「そうだ・・・だが船底が浅い分嵐が来たら転覆しやすい」

僧侶「転覆する前に気球で~」

盗賊「嵐にならなければ良いが・・」

騎士「今要る海域はどういう場所かな?」

盗賊「商船の航路からは完全に外れている・・どこに岩礁があるか分からんから普通は来ない場所だ」

騎士「陸地が見えないから真っ直ぐ進んでいるかもあやしいね・・」

盗賊「おい!囚人!本当にこの方角で良いんだろうな?」

囚人「さぁな?陸地が見えるまで真っ直ぐ進め」


---

騎士「お~い!!陸地が見えた!!左前方」

盗賊「んん??今はどの海域なんだ?・・」

騎士「座礁してる船も見える!!」

囚人「沈没船には近づくな・・岩礁地帯だ」

盗賊「どうすりゃ良い!?」

囚人「陸地沿いを行け」

盗賊「おい!こんな陸沿いを航海してて良いのか?座礁するぞ?」

囚人「フフこの海域の沖は遠くまで浅い。岩礁だらけでそっちの方が危ない」

盗賊「おまけに霧が深くて前が見えねぇ」

商人「これは裏航路を知らないと航行できないね・・」

盗賊「普通はこんな陸沿いを航行しない」

商人「あそこに見えてる陸地はどこなんだろう」

囚人「地図には乗っていない島だ」

商人「結構大きい島だね」

囚人「かつてはドワーフが住んでいた島らしい・・行った事は無い」

商人「ココだったのか・・聞いたことがある」

盗賊「ドワーフは機械の国の先祖・・だったか?」

商人「人間に滅ぼされた・・とか」

囚人「この島を抜けたら進路を変える・・そこから天候が悪くなる」


引用元: 勇者「魔王は一体どこにいる?Ⅰ」 

 

210: 魔王島 2013/07/12(金) 15:22:59.37 ID:BeTekSFe0
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騎士「・・不思議な島だな・・」

盗賊「なんだ?何か見えるか?・・・霧が深すぎて良く見えんが」

騎士「いや・・雰囲気というか・・音が変なんだ」

盗賊「音?・・波の音しか聞こえん」

騎士「だから変なんだ」

盗賊「何訳のわからねぇ事言ってんだ!!」

騎士「あの島には上陸出来ないかな?」

囚人「座礁したくなければ真っ直ぐ行け」

商人「騎士?どういう風に変なのかな?」

騎士「ん~なんていうか・・島なんか無い様な・・」

商人「ハハハ見えてるじゃないか・・体当たりでもしてみるかい?」

盗賊「まぁまた今度にしろ・・今は魔王島が先決だ」

商人「そうだね・・帰りに同じ所を戻るなら寄って見よう」


---

ビュー ビュー

盗賊「帆を畳まなくて良いのか!?転覆するぞ!!」

囚人「畳んだらだめだ・・海流に流される」

盗賊「騎士!!マストが折れないように反対側からロープで引っ張れ!!」

騎士「ええええ!!?」

盗賊「命綱つけてりゃお前なら行ける!!」

僧侶「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」ザワザワ シュルリ

盗賊「おおおお!やるじゃねぇか」

僧侶「ツタを伝って行って~なんてね~ウフフ」

騎士「・・・結局僕がやらないと・・」

盗賊「行ってこ~い!!」

騎士「分かったよ・・フン!フン!フン!フン!」

盗賊「もっと引っ張れぇぇぇ!!」



211: 魔王島 2013/07/12(金) 15:24:00.23 ID:BeTekSFe0
---

ビュー ビュー

盗賊「・・・何日この風が続くんだ?」

囚人「あと2~3日で着くはずだ」

僧侶「ねぇ!!大変!!商人の具合が悪いの」

盗賊「なにぃ!!ここにきて心臓が・・」

僧侶「薬は持ってきてないの~?」

盗賊「商人はもう全部飲んだのか?」

僧侶「え!?」

盗賊「チッ・・商人・・今まで薬でごまかしてやがったな・・」

騎士「無理してたんだ・・」

盗賊「今回ばっかりは商人の命は無いかもしれん・・」

僧侶「え~~~困るぅ~」




---

僧侶「ねぇ大丈夫~?」

商人「へ、平気さ・・少し横になれば・・」

僧侶「どうして欲しい~?」

商人「ト、トランプでもやろうか」



騎士「大変だあぁぁぁ!!幽霊船が向かって来るうぅ!!」

盗賊「どこだ!!?」

騎士「正面!!」



商人「ハハ休んでいれないねぇ・・」ヨッコラ

僧侶「起きても平気なの~?」

商人「平気さ・・ハハ」



盗賊「ニアミスする!!幽霊船をよく見ておけ!!」ボエーーーーー

魔女「ん、なんじゃ・・・耳鳴りが」ボエーーーー

騎士「幽霊船に誰も乗って居ない!!もうすぐ交差する!!」ボエーーーー

商人「何だ?この音?」ボエーーーー

騎士「!!!!!みんな伏せて!!!!!」ボエーーーー

盗賊「な、なんだぁ!!」ボエーーー

騎士「砲台がこっち向いてる!!」

盗賊「伏せろおおおぉぉ!!」

騎士「交差!!!!!!」

ドカン!! ドカン!! ドカン!! ドカン!!

ドカン!! ドカン!! ドカン!! ドカン!!


212: 魔王島 2013/07/12(金) 15:25:12.09 ID:BeTekSFe0
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騎士「み、みんな生きてるかあぁぁ!?」

盗賊「気球に集~~~合!!!」

僧侶「商人!肩につかまってぇ~」

商人「ハァハァ・・ゼェゼェ」

魔女「エルフの娘や・・手を離すでないぞ?」

エルフの娘「・・」コク

囚人「クックックうわっはっは」

騎士「おい囚人・・大丈夫かい?」

囚人「あいつらどこまでもおちょくってくれる・・」

盗賊「船の損傷は分かるかぁ!!?」

騎士「甲板と胴体に穴が多数!!深刻な水漏れは無さそうだ!!」

盗賊「寝室と積荷室が逝った程度だな?」

商人「よ、よし・・まだ行けるね」

盗賊「今日から仲良く気球で寝泊りだ・・あと2日位で着く」

僧侶「商人は気球の中で横になって~~」



---

盗賊「・・・幽霊船とすれ違ってしまったが・・・どうする?」

商人「ハァハァ・・」

囚人「このまま進むしかあるまい」

騎士「魔王島まであとどれくらいかな?」

囚人「2日は掛からん筈だ・・霧が晴れれば直ぐそこにある」

商人「追いつけなかったか・・ハァハァ」

盗賊「まだ諦めるには早えぇ」

騎士「そうだね・・早く行って探さないと」





213: 魔王島 2013/07/12(金) 15:25:52.59 ID:BeTekSFe0
---

ビュー ビュー

騎士「霧が晴れた・・・」

盗賊「な、なんだここは・・・船の墓場・・か?」

囚人「過去の勇者達の船だ・・沈没船には近づくな」

騎士「ゴクリ」(不安になってきた)

囚人「見えてきたぞ・・・魔王島だ・・中央にあるのが魔王城だ」

盗賊「あれが・・」

僧侶「・・ねぇ・・何か変~」

騎士「ん?どうした?」

僧侶「船が右に傾いてる気がするの~」

盗賊「!!?騎士!!寝室見て来い!!」

騎士「分かった」ダダダ




---

騎士「だめだぁ!!寝室まで水が浸かってる!!」

盗賊「ギリギリまで行って後は気球しか無いな」

騎士「気球の準備を始めるよ」

盗賊「そうだな・・気球の準備は俺がやる。お前は上陸用のボートを気球の前まで引っ張って来い!」

騎士「行って来る!!」


ズル ズル ズル


騎士「ボートは3人しか乗れない・・往復しないと・・」

盗賊「いや・・商人はもう動けん・・俺と商人は気球に残る・・それなら2往復だ」

騎士「分かった・・最初は僕と魔女とエルフの娘で行く」

盗賊「ふむ」

騎士「その後僧侶と囚人を迎えに来る。これで良いね?」

僧侶「は~い」

盗賊「気球は船の船尾にロープで結んでおく。必ず戻って来いよ」

騎士「分かってる」

僧侶「わたしもちゃんと迎えにきてね~ウフフ」

騎士「あぁ・・ちゃんと迎えに来るよ」




ガコン!!ギギギギギギー


214: 魔王島 2013/07/12(金) 15:26:23.39 ID:BeTekSFe0
---

盗賊「座礁したな・・ここまでだ・・後はボートで」

騎士「魔女とエルフの娘は準備良いかい?」

魔女「早よう行くぞ・・愛しい人が危ない」

エルフの娘「魔女様・・」

騎士「よし!行こう!ボートに乗って・・」

僧侶「気をつけてね~」ノシノシ

騎士「多分すぐ迎えに来れるよ」



ギシギシ バキバキ ボキン!!バシャー



騎士「あ!!船が割れた・・」

盗賊「おい!早く行け!沈没する!」

騎士「フン!フン!フン!フン!」

盗賊「くっそぅロープが間に合わねぇ!!僧侶!罠魔法で繋いでくれ!」

僧侶「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」ザワザワ シュルリ

盗賊「だめだ!!もう沈没する!!気球を上げる!!」グイ

ボボボボボボボボボー フワフワ



ブチブチブチ プツン



僧侶「あ~~風がぁ~」




---

騎士「・・・あぁ船が沈む・・・」

魔女「船と気球を繋ぐロープも切れておるのぅ・・」

騎士「風が止むまでこっちには来れそうにない・・かな」

魔女「わらわ達だけで行くしか無さそうじゃのぅ・・急がんと間に合わんぞよ」

騎士「・・そうだね・・僕達だけで勇者の後を追おう」

魔女「心配じゃ・・愛しき人が助けを求めておると思うと・・」

騎士「・・気になってる事が・・その・・2日前に幽霊船とすれ違っている・・」

魔女「分かっておる・・アレは愛しき人を魔王島に下ろして帰る船に違いない」

騎士「2日・・僕達が遅れてる」

魔女「早よう行かねば・・」

騎士「よし!着いた!行こう!」

バシャ バシャ

215: 魔王島 2013/07/12(金) 15:27:14.36 ID:BeTekSFe0
---魔王島---

ヒュー ヒュー

騎士「・・気球はまだ見えるな・・留まってくれる事を祈る!」

魔女「向こうにもわらわ達が見えてる筈じゃ・・行くぞよ」

エルフの娘「来る!!」



プギャー プギャー



騎士「な、なんだこいつは!?見た事ない魔物だ!!」

ギリリ シュン! トス!

魔物「グギャ・・」

魔物は倒れた

騎士「エルフの娘!矢の数に注意して!みんな僕の後に!」




---

ギリリ シュン! トス!

ザクン! ゴゥ ドーン

騎士「ハァハァ・・皆大丈夫かい?」

エルフの娘「ハァハァ・・」

魔女「もうすぐそこじゃ」

騎士「この魔物達はいったい・・」

魔女「胎児の様じゃのぅ・・もうすぐそこじゃ・・早よう行くぞよ」

騎士「こっちだ・・この階段を上がろう」タッタッタ



---魔王城---

魔女「ついに着いたのぅ・・・扉が開いておる!!」

騎士「待って!・・エルフの娘!回復魔法は出来るかい?」

エルフの娘「回復魔法!」ボワ

騎士「よし!行ける!矢が尽きたら回復に回って欲しい・・行けるかい?」

エルフの娘「・・」コク

騎士「魔女!待って・・流行る気は分かるけど僕より前には出ないで・・」

魔女「早よう行くぞよ」ソワソワ

騎士「行こう!!」タッタッタ



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------シーン-------

-------------------

216: 魔王島 2013/07/12(金) 15:29:56.78 ID:BeTekSFe0

騎士「・・・誰も居ない・・・」

魔女「魔物も居らん・・愛しき人は!?」

騎士「こげ臭い匂いが・・」

魔女「どこじゃ?」

エルフの娘「あそこ!!」

魔女「どこじゃ・・どこじゃ?」

騎士「はぅ・・こ、これは・・」

魔女「まさか・・・そんな・・・」



---4人分の黒焦げの亡骸---



魔女「ううううぅぅぅぅ・・・誰じゃ・・誰がやったのじゃ・・」ポロポロ

騎士「探してくる!!」

エルフの娘「魔女様・・」

魔女「わらわはもう愛しき人に会えんのか?・・・・うわぁぁぁぁん」ボロボロ

騎士「無い!!何も無い!!どうなってる!?罠か!!」

魔女「あぅあぅ・・愛しき人はどれじゃ!?・・うぅぅぅ」ボロボロ

騎士「・・・・・」(見分けが付かない)

魔女「うわぁぁぁぁん・・・そうじゃ・・これは夢じゃ・・・」ボロボロ

エルフの娘「・・・」

魔女「また会えると約束したのじゃ・・・ううぅぅぅ」ボロボロ

騎士「魔女・・・」

魔女「・・そうじゃ夢に違いない・・夢じゃ・・これは夢じゃ・・ほれ騎士・・早よう起こせ」

騎士「魔女・・帰ろう」

217: 魔王島 2013/07/12(金) 15:31:20.15 ID:BeTekSFe0

魔女「嫌じゃ・・わらわはここで待つ・・」

騎士「さぁ・・行こう」

魔女「ダメじゃ・・わらわはもう愛しき人と離れん」

騎士「・・・」

魔女「・・・ハッ!!!」

騎士「もう帰ろう」

魔女「騎士!!これを持て!!この指輪を持って3日前を思い出すのじゃ」

騎士「何をする?」

魔女「わらわの命を3日分吸うのじゃ・・わらわは諦め切れん」

エルフの娘「魔女様・・」ポロリ

魔女「わらわは一人で愛しき人を救いに行く・・・お願いじゃ・・お願いじゃ」

騎士「この指輪は魔女の命・・」

魔女「構わん!!わらわは愛しき人と共に逝くのじゃ・・」

騎士「・・分かった」

魔女「こっちへ来い・・指輪を握り3日前を思い出せ・・それだけで良い」

騎士「・・・3日前といえば・・」スッ

エルフ「魔女様?」

騎士「消えた・・」





---3日前---

カーン カーン キーン

勇者「行かせるか!!」

戦士「邪魔をするな!」

勇者「始めからそのつもりだったのか!!」

戦士「それが任務だ!」

勇者「皆お前を信じてたぞ!考え直せ!」

戦士「食らえ!!」ザクッ

勇者「ぐぁ・・回復魔法!」ボワ



スッ



戦士「どわぁ・・な、なんだ!?」

勇者「新手か!?」

218: 魔王島 2013/07/12(金) 15:32:00.10 ID:BeTekSFe0

魔女「愛しき人は何処におる?」

勇者「な、なんでも良い!!味方なら手を貸してくれ!!」

戦士「させるかぁ!!」ザクッ

勇者「っつう」

魔女「賢者は何処じゃ?」

勇者「賢者は女戦士と先に逃げた!!お前は味方なのか!!?」

戦士「賢者を殺せ!!」

勇者「だまれぇ!!」ザクン!

戦士「クゥ・・」

魔女「わらわは愛しき人を助けに来たのじゃ・・」

勇者「よし!!ここは俺が足止めする!!助けに行ってくれぇ!!」

魔女「すまぬ・・わらわは愛しき人の所へ行かねばならぬ・・」ノソノソ

戦士「待てぇ!!」

勇者「お前の相手は俺だ!!」



シュン!シュン!シュン!シュン!

ドス!!ドス!!ドス!!ドス!!



勇者「ぐはぁ・・だ、誰だ・・」

??「そこまでだ・・選ばれた勇者!」



シュン!シュン!シュン!シュン!

ドス!!ドス!!ドス!!ドス!!



勇者「があぁぁぁ・・」

戦士「悪く思うな・・」グサリ!!

勇者「・・・け、賢者を・・・」

??「そこの女を捕まえろ!」

??「ハッ」

魔女「何をするのじゃ・・わらわの邪魔をするでない!!」

戦士「助かった・・賢者と女戦士を逃がしてしまった」

??「このぉ!!抵抗するな!!」

魔女「離すのじゃ・・離さんと・・」

??「!!?」

魔女「爆炎地獄!爆炎地獄!爆炎地獄!爆炎地獄!爆炎地獄!」

チュドーーーン ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


219: 魔王島 2013/07/12(金) 15:32:32.73 ID:BeTekSFe0
---海辺---

ザザー ザザー

魔女「ハァ・・ハァ・・愛しき人は・・どこじゃ?」ズルズル

魔女「あ、足跡が・・」

魔女「!!!!!あれは・・ボートに2人」

魔女「間に合わなんだが・・まだ生きておる・・生きておる」ポロポロ

魔女「愛しき人よ・・生き延びておくれ」



??「あそこに誰かいるぞ!」

??「捕まえろ!!」

??「お前!!ここで何をしている!?」

??「この女・・選ばれた勇者達と違うぞ?」

??「お前は誰だ!?」

魔女「わらわは人を待っておる・・」

??「こんなところで人を!?」

??「捕らえろ!!」

魔女「これ!何をする」

??「騒ぐな!おとなしくしろ!」

魔女「わらわは人を待っておるだけじゃ・・」

??「すまん!!」ゴスン

魔女「はうぅ・・」パタリ

220: 魔王島 2013/07/12(金) 15:33:25.35 ID:BeTekSFe0
---魔王城---

騎士「・・・やっぱり何も無い・・エルフの娘・・何か見つけたかい?」

エルフの娘「・・」フリフリ

騎士「感じるものは何も無い?」

エルフの娘「ここに魔王は居ない」

騎士「外に出よう・・僕から離れないで」



騎士「魔王城への階段を魔物は登れない様だね・・ここは安全だ」

エルフの娘「・・」

騎士「魔女戻って来ないなぁ・・あ!!?・・まてよ?」

騎士「おかしいな・・」

騎士「2日前の幽霊船・・」

騎士「今、魔女が戻って来ないという事は捕まってあの船の中か?」

エルフの娘「・・」

騎士「ぐあああぁ・・しまったぁぁぁ・・気球に戻ろう!」

エルフの娘(待って!!あそこの森の中・・小屋が見える・・何か聞こえる)

騎士「本当だ・・行ってみよう!」




---森の小屋---

騎士「エルフの娘・・離れないでね」

エルフの娘「・・」コク

騎士「この小屋は誰かが住んでる形跡がある・・あやしい」

エルフの娘「遠くで叫び声が聞こえる」

騎士「本当かい?どっちの方向?」

エルフの娘「多分・・地下」

騎士「地下?・・・・なんだ?この音」

エルフの娘「助けを求めてる」

騎士「中に入るよ・・」



騎士「誰も居ない・・アレ?地下に降りる階段は無いぞ?」

エルフの娘「こっち・・」

騎士「裏の井戸か・・・はしごがある・・降りてみよう」

221: 魔王島 2013/07/12(金) 15:34:36.99 ID:BeTekSFe0
---井戸---

ピチャン ピチャン

騎士「エルフの娘?・・泣いてる?どうした?」

エルフの娘「エルフの仲間の魂が沢山・・」ポロポロ

騎士「大丈夫かい?」

エルフの娘「たすけて・・と叫んでる」ポロポロ

騎士「引き返すかい?」

エルフの娘「ダメ・・たすけないと」ポロポロ

騎士「進むよ・・」




---広間---

騎士「これは・・・何だこれは・・・」

エルフの娘「うううううぅぅぅぅ・・・ゆるせない・・」ポロポロ

騎士「この液体に入っているのは・・魔物か?こんなに沢山」

エルフの娘「エルフの血で・・・キマイラを作ってる・・ううううぅぅ」

騎士「キマイラ・・」

エルフの娘「全部壊す!!」ガチャーン ザバー

騎士「お、おい・・」

ガチャーン ザバー ガチャーン ザバー

ガチャーン ザバー ガチャーン ザバー

---

---

---

---

エルフの娘「ハァハァ・・どうしてこんな事ができるの・・」

騎士「・・・」

エルフの娘「憎い・・人間が憎い・・」



ガラガラ!!ガシャーン!!

222: 魔王島 2013/07/12(金) 15:35:59.67 ID:BeTekSFe0

騎士「!!?エルフの娘!!」

エルフの娘「ハッ!!?」



ゴスン!!



エルフの娘「はぅ・・」パタリ

騎士「エ、エルフの娘!!」

??「こんな所に居たのか・・」

騎士「誰だお前は!!この鉄の柵を上げろ!!」ガチャガチャ

??「フハハハ・・それは私の命が危ないハハハ」

騎士「エルフの娘を離せ!!」

??「逃げた2人の内1人がエルフだったとは・・丁度よい材料になりそうだ・・」

騎士「なんだと!?」

??「早く逃げた方が良いぞフハハハ」



プギャー バクバク

騎士「な、なんだ?魔物が共食いしてる・・」

??「そのキマイラ達は魔物を食って進化しながら成獣になる・・逃げないと痛い目をみるぞ?」

騎士「お前は・・魔王なのか・・?」

??「フハハハ私はただの生物研究者だ・・魔王なぞ居ないハハハ」

騎士「キマイラを造ってどうするつもりだ!!?」

??「戦争の道具意外に目的があると思うか?」

騎士「エルフを戦争の道具に使っているのか!!?」

??「エルフも魔物の一種だ・・魔物を道具にして何が悪い?」

騎士「こ、このぉ!!」ガキーン! ガキーン!

??「このエルフを使って又新たな研究が出きる・・・今度こそキマイラを完成させる・・」

騎士「ここを!!あけろおおおお!!」ガキーン! ガキーン!

??「ほれ?早く逃げんとそのキマイラに食われるぞハハハ」



ヴオォォォォォォ バクリ バクリ

騎士「!!!もうこんなに大きく・・こいつは・・」

??「そのキマイラは不良品だ・・成獣になっても寿命が3分しかない・・だがドラゴンを遥かに凌ぐ」

騎士「くそぉ!!エルフの娘を返せ!!」

??「フハハハ何を馬鹿な事を・・貴重な材料を無駄にはできんハハハ」

騎士「何をするつもりだ!!」

??「知りたいか?・・・私の成果を知りたいか?」

223: 魔王島 2013/07/12(金) 15:36:50.54 ID:BeTekSFe0

そのキマイラは決定的な弱点がある

進化が早すぎて寿命が数分しかない

エルフの血で寿命を延ばそうとしたが

長寿の秘訣は血ではなく心臓にある事が分かった

さらにエルフの脳核と骨髄を基礎とする事で

今よりも高い知能を持つ事も期待している




??「このエルフは新たなキマイラを造る材料になるのだよハハハ」

騎士「狂ってる・・」

??「さぁ・・不良品のキマイラが成獣になるぞ?首が3つ揃えば完成だ」

騎士「・・で、でかい・・」タジ

??「今のうちにもと来た井戸を上がって逃げろ・・ハハハ」

騎士「こ、このやろぅ!!」ダダダダ ザクン!!ボトリ

キマイラはダメージを受け首が落ちた

??「フハハハやるつもりか・・面白い臨床実験だハハハ」

騎士「首が・・生えて来る・・」

ザクン! ザクン! ザクン! ザクン!

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・」

??「キマイラの進化の早さと肉体のダメージ・・どっちが早いかな?」

騎士「うおおおぉぉお」

ザクン! ザクン! ザクン! ザクン!

??「フハハハ進化の方が早いな・・」

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・ガルルルルルル」

??「そのキマイラは知能を持たない・・目にした物すべてを食らい尽くす・・3分間耐えてみろハハハハハ」


224: 魔王島 2013/07/12(金) 15:38:08.02 ID:BeTekSFe0

騎士「フン!」ザクリ!

キマイラはダメージを受けたが物ともしない

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・」バシーン!

騎士はダメージを受け床に叩きつけられた

騎士「ぐは・・」

??「そんなものではないぞ?」

騎士「このぉ!!」ザクリ!ザクリ!ザクリ!ザクリ!

キマイラはダメージを受け手足を失った

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・」ゴゥ ボボボボボボボ

騎士はキマイラのブレスをかわした

騎士「ブレス!!」(これはマズイ)

??「フハハハ私は避難しておこう・・研究の続きがあるからなハハハ」

騎士「これでも・・食らえ!!」ザクリ!ザクリ!ザクリ!

キマイラはダメージを受け3本の首を失った

騎士「ま、まだ生えてくるのか!!」

ザクン! ザクン! ザクン! ザクン!

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・」ゴゥ ピカッ

騎士「ブレス・・ちが」

チュドーーーーーーン

騎士「ぐああああああぁぁぁぁ!!」

騎士はブレスのダメージを受けた

騎士「目が・・」(マズイやられる)

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・」ゴゥ ボボボボボボボ

騎士はブレスのダメージを受け燃え上がった

騎士「うぐ・・・・」(皮膚の感覚が無い)

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・」ゴゥ ボボボボボボボ

騎士はブレスのダメージを受けさら燃え上がった

騎士「が・・・・」(ダメだ死ぬ)

キマイラ「ヴオォォォォォォ・・」バシ! バシ! バシ!

騎士「・・・・・」



ヴオォォォォォォ・・・・・・ドタリ




---

フハハさぁ研究の続きを・・

まず心臓を・・ ブシュ トクントクントクン

血液は残らず  ドクドク ポタ ポタ

脳幹と骨髄を  バキ ボキ ドチャ

次に移植・・

225: 魔王島 2013/07/12(金) 15:39:00.96 ID:BeTekSFe0
---気球---

ビュー ビュー

僧侶「ねぇもっと高度下げれないの~?」ソワソワ

盗賊「やってる!今の位置を維持するのがめいっぱいだ!」

囚人「飛び降りるには高すぎるな」

商人「うぅぅ・・この風は止まないのかな?」

囚人「風向きが変わる凪ぎの時に止むだろう」

僧侶「騎士達見えなくなっちゃったよぅ・・」オロオロ

盗賊「あの3人なら大丈夫だ!!この場合先に行くのが正解だ」

商人「そうだね・・風が止んだら僕らも直接魔王城へ向かおう」

盗賊「お前は寝てろ」

囚人「・・・」



---数時間後---

ソヨソヨ

僧侶「風が止んだよ~」

盗賊「分かってる!!直接魔王城の前に下りるぞ!」



ボー ボー フワフワ ドッスン

囚人「先に出る!!」

商人「ぼ、僕も行くよ・・」

盗賊「お前は寝て・・」

僧侶「わたしが肩を貸してあげる~」ヨッコラ ヒョイ

商人「ありがとう」

盗賊「・・・分かった・・俺が背負う!僧侶は囚人の後に付いていけ」よっこらせと

僧侶「は~い」

226: 魔王島 2013/07/12(金) 15:39:44.99 ID:BeTekSFe0
---魔王城---

囚人「静かだ・・」

僧侶「扉開いてるよ~」

盗賊「囚人!先頭行ってくれ!」

囚人「入るぞ・・離れるな!」



僧侶「誰も居ないね~」

囚人「・・・バカな・・・」

盗賊「どうした?」

囚人「・・・おかしい・・・ここでキマイラを育てて居る筈・・」

商人「キマイラ?」

囚人「な、何も・・・無い」

僧侶「ねぇ!!あれ!!」

盗賊「うぉ!黒焦げの亡骸・・4体」

商人「・・騎士のグレートソードとエルフの娘のシルバーボウが無い」

盗賊「・・そうだな・・商人すこし壁にもたれててくれ」ヨッコラ

僧侶「心配だなぁ~」ソワソワ

盗賊「囚人と僧侶も周辺を探してみてくれ」

僧侶「は~い」




---

盗賊「・・・何も無い・・魔物も居ない・・どうなってる!?」

僧侶「騎士達どこ~?」

囚人「・・・まさかキマイラはもう完成しているのか?」ボソ

商人「お、おかしいね・・まさか魔王のまやかしだったりハハ」

囚人「そんな筈は無い・・確かに昔ここでエルフの血を使ってキマイラを・・」

盗賊「魔王城の外もよく探してみよう!!」

商人「そうだね・・」

227: 魔王島 2013/07/12(金) 15:40:15.79 ID:BeTekSFe0
---魔王城前---

ヒュ~ ヒュ~

商人「僧侶・・僕の為にすまないね・・」

僧侶「いいの~気にしないで~」

商人「本当に不便な心臓だよ・・肝心な時に動けない」

僧侶「介抱は慣れてるの~」

商人「それにしても盗賊と囚人遅いね」

僧侶「風が出てきた~気球をロープで良く縛っておかないと・・」

商人「・・そうだね飛ばされると厄介だね」

僧侶「ねぇ・・わたし気になってる事があるの・・」

商人「なにかな?」

僧侶「・・ううん何でもない・・気のせいだと思う」

盗賊「お~い!!」

僧侶「あ!!帰ってきた~見つかった~?」

盗賊「ハァハァ・・ダメだ・・どこにもいねぇ」

僧侶「魔王城の下の方はどうなってるの~?」

盗賊「ちょっとした森になってる・・見たことない魔物がわんさか居る」

僧侶「あそこに見える小屋には行ってみた~?」

盗賊「あぁ・・行ってみたが誰もいねぇ・・囚人は帰って来てないのか?」

僧侶「まだ~」

商人「もうすぐ日が暮れる・・」

盗賊「今日はここで野営だな・・どうやら下に居る魔物は階段を上がれない様だ」


228: 魔王島 2013/07/12(金) 15:40:56.74 ID:BeTekSFe0
---

盗賊「おぉ囚人!どうだった!?」

囚人「海辺を探してみたが誰も居ない・・・だがこの杖を見つけた」

僧侶「あ!!魔女の杖!!どうして海辺に・・」

囚人「さぁな・・・他に沢山の足跡もあった」

商人「何か・・つじつまが合わないな・・」ブツブツ

盗賊「この島には俺たちしか居ないみたいだな・・神隠しにあったようだ・・」

僧侶「!!!!!神隠し!!!!!!」

商人「!!?」

僧侶「魔女は神隠しができるの・・・」

商人「・・・ハッ!!そういう事か!!」

盗賊「んん?」

商人「これは・・かもしれないという話だ・・」




1:騎士達がここに来た時にはもう誰も居なかった

2:4体の黒焦げの亡骸を見て勇者を救うのが遅かったと考えた

3:魔女が神隠しを使って3日分過去に戻った

4:3日前に海辺で争った後・・捕らえられた

5:その後幽霊船に乗せられ連れ去られた




僧侶「魔女は自分の命も吸えるのかなぁ・・」

商人「さぁ・・それは本人じゃないと分からないなぁ」

僧侶「わたしが気になってた事はね・・幽霊船とすれ違った時変な耳鳴りが聞こえたの・・」

盗賊「そういえばそうだな・・」

僧侶「何かの合図だったのかもしれないって・・」

盗賊「明日もう一日この島を探して見つからなかったら幽霊船を探そう」

商人「そうだね・・」

229: 魔王島 2013/07/12(金) 15:41:26.87 ID:BeTekSFe0
---翌日---

盗賊「やっぱり誰一人居ない・・」

僧侶「幽霊船かなぁ?」

商人「その可能性が高そうだね・・」

囚人「それほど大きく無いこの島で隠れる所などそうあるまい・・」

僧侶「心配だなぁ・・」

商人「よし!書置きを残して幽霊船を追いかけよう」

盗賊「書置き?」

商人「まだこの島に居るとしても次落ち合う場所だけ書置きで残す」

盗賊「落ち合う場所ねぇ・・」

僧侶「良い場所知ってるよ~ウフフ」

商人「どこかな?」

僧侶「魔女の塔」

商人「良いね」

僧侶「じゃぁわたしが書くね~」



”騎士へ

”魔女の塔で待ってる



盗賊「よし!日が暮れる前にここを出発しよう」

商人「僕は少し気球で横になる・・心臓が苦しい」

盗賊「ほら!!乗ったぁ!!」






ボーーーーーー ボーーーーーー フワフワ

230: 機械の国 2013/07/12(金) 15:51:40.39 ID:BeTekSFe0
---気球---

ビュー ビュー

盗賊「・・・だめだ・・現在位置が分からなくなった」

僧侶「商人の容態がだんだん悪くなってきたよ~ぅ・・」

盗賊「まだ陸地は見えねぇのか!?」

囚人「遠くにかすかに見える気がするが一向に近づかんな」

盗賊「風が強すぎる・・高度を下げよう」

囚人「これは幽霊船どころか陸地にたどり着くか危ういな」

盗賊「・・やっぱり気球で海上を飛ぶのは船旅より危険だ・・風の流され具合がさっぱり分からん」

商人「ハァ・・ハァ・・」

僧侶「ねぇ・・・もし気球の調子が悪くなったらどうなるのかなぁ・・」

盗賊「・・祈れ」

僧侶「息止める練習したほうが良いかなぁ・・」

盗賊「・・・ムダだ・・・」

囚人「羅針盤は無いのか?」

盗賊「船と一緒に沈んだ・・・太陽と星しか目印が無い」

囚人「食料は残りどれくらいだ?」

盗賊「食料は十分だが水と塩が足りない・・・特に商人には塩が必要だ」

僧侶「どうして商人に塩が必要なの~?」

盗賊「普通の水だと心臓に負担が大きい・・だから塩水を飲ませる」

商人「ハァ・・ハァ・・」




---

僧侶「!!あそこに見えるのって船じゃない!?」

盗賊「おぉ!!・・こりゃ助かった」

僧侶「海賊船じゃないと良いね」

盗賊「いや・・海賊の旗が見えんな・・多分商船だ」

僧侶「乗せてもらえるかなぁ」

盗賊「乗せてもらえんでも水と塩が調達出来れば良い」

僧侶「船に近づける~?」

盗賊「船の方が早いからワンチャンスだな・・気球に弓を撃たれんと良いが・・」

囚人「もし撃たれたら船を奪えば良い」

盗賊「そんなに上手くいくとは思わんがな・・」

僧侶「あ!船に乗ってる人がこっちに気がついた!なんか慌ただしい感じ~」

盗賊「そりゃそうだろう・・海賊と思われてるに違いない」

囚人「白旗出すぞ・・」

231: 機械の国 2013/07/12(金) 15:52:22.57 ID:BeTekSFe0
---

盗賊「お~~~~~い!!助けてくれぇ!!」

船長「どうした~~!!」

盗賊「船が沈んで遭難したんだ~~!!気球を引っ張ってくれぇ~~!!」

船長「ロープを垂らせ~~!!」

盗賊「投げるぞ~~!!」ポイ

船長「よ~し!掴まえた~!!」グイ グイ ギュ

盗賊「この船はどこに行くんだ~?」

船長「機械の国へ向かってる!!良いのか~?」

盗賊「頼む~!!ひとまず陸に上がりたい~!!」

船長「あと3日で付く!!」

盗賊「もう一つ頼みがある~!!水と塩を少し分けて欲しい~!!」

船長「構わ~ん!!一人降りてこ~い!!」

盗賊「今行く!!」

僧侶「どうやって行くの~?」

盗賊「ロープをつたって行く・・俺一人で良い」



---

スルスルスルスル ズダッ

盗賊「船長!助かった・・恩に着る」

船長「この海域は風が強い・・気球じゃ一生陸に辿り付けんぞ」

盗賊「あぁ・・そのようだ」

船長「ところで・・気球には何人乗ってるんだ?」

盗賊「4人だ・・そのうち1人が病人だ」

船長「ロープを手繰って気球を寄せておきな・・水と塩を持ってきてやる」

盗賊「ありがてぇ・・」



---

盗賊「さぁ商人!薄い塩水だ・・飲め・・それと痛み止めももらって来た」

商人「ありがとう・・」

僧侶「心臓痛いの~?」

盗賊「痛いのは心臓じゃなく頭の方だろ・・血が少なくて常時酸欠状態だ」

商人「あぁ・・これで少し横になれば大分良くなると思う」

僧侶「囚人の体よりめんどくさい体なんだね~ウフフ」

商人「ハハハそうかも知れないね」

囚人「しかし機械の国とは・・えらく遠くへ流されたな」

商人「そうだね・・船を調達しないとね」

盗賊「機械の国にはコネクションが無いのがな・・」

商人「うん・・困ったね」

盗賊「まぁ着いてから考えよう」

232: 機械の国 2013/07/12(金) 15:53:07.08 ID:BeTekSFe0
---機械の国---

僧侶「うわあぁぁ~すご~~~い!!大きな船がい~っぱい!!」

商人「機械の国の船はほとんど鉄で出来てるんだよ」

僧侶「え!?あの船全部鉄で出来てるの~?どうして沈まないの~?」

商人「さぁね詳しくは分からない」

僧侶「でもさ~帆が無いのにどうやって進むのかなぁ~?」

商人「魔石を使ってスクリューという物を回して動いているらしい」

盗賊「めちゃくちゃ遅いがな・・」

商人「帆が無い分風の影響無しで確実に進むみたい・・遅いけど」

盗賊「まぁ帆船の方が便利だな」



---宿屋---

盗賊「今日はこの宿屋に泊まろう」

僧侶「久しぶりのふかふかのベット~♪・・・でも騎士が居ない」シュン

盗賊「ごちそうでも食べてゆっくり休もう」

僧侶「なんかね~食欲出ないの~先に休むね~」ノシ

盗賊「じゃぁ俺たちだけで食おう!!」

囚人「俺は酒場で飲んでくる・・夜に戻る」

商人「じゃぁみんなまた明日」



---翌日---

盗賊「昨日の晩に商人と相談したんだが・・今後の事だ」

僧侶「どうするの~?」

盗賊「機械の国はコネクションが無いから金の調達が難しい」

僧侶「うん」

盗賊「だから船を借りる事が出来ない」

僧侶「・・・」

盗賊「明日俺と囚人の2人で中立の国まで民間船で行く。そして中立の国で商船を調達して戻ってくる」

僧侶「どれくらい掛かるの~?」

盗賊「片道2週間って所だ。往復で1ヶ月は掛かる。その間商人と僧侶は機械の国で静養していて欲しい」

僧侶「・・・」

盗賊「騎士が心配な気持ちはわかる。だが船が無いとどうにもならない。それから商人には静養が必要だ」

商人「僧侶すまない・・」

僧侶「ううん・・良いの・・騎士と魔女とエルフの娘の3人ならきっと大丈夫」

商人「僕ももう少し良くなったらここで情報収集するよ」

盗賊「お前は寝てろ」

商人「でも気になる事がいくつかあるんだ」

盗賊「闇商人であることはくれぐれもばれない様に頼む」

商人「わかってるよ・・」


233: 機械の国 2013/07/12(金) 15:53:45.21 ID:BeTekSFe0
---

商人「・・・じゃぁ気をつけて」

盗賊「おう!お前も体を休めておけ」

僧侶「出来るだけ早く帰ってきてね~・・・」

盗賊「あぁ判ってる!!僧侶もあんまり心配するな」

僧侶「・・うん」

盗賊「囚人!行くぞ!早く乗れぇ!」

囚人「・・・」

盗賊「じゃぁな!!・・僧侶!孤独死すんなよ?ぬはは」

僧侶「・・・わたしはかわいそうなウサギさん・・なんてね~」

囚人「船が出るぞ」




---みんな離ればれになってゆく・・さみしぃよぅ---




商人「僧侶?この先に教会があるんだ」

僧侶「本当に?わたしみんなの無事をお祈りしてくる~」

商人「行っておいで・・僕は宿屋で休んでるよ」

僧侶「は~い」




---わたしの愛する人が無事でありますように---



---

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---

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---

234: 機械の国 2013/07/12(金) 15:54:13.37 ID:BeTekSFe0
---2ヶ月後---

盗賊「すまねぇ遅くなっちまった!!」

商人「おぉ!盗賊!船は手に入ったかい?」

盗賊「あぁ!小さい船だが高速な船だ!気球も乗せれる」

商人「それは良かった」

盗賊「体の調子はどうだ!?」

商人「十分な休養が取れたよ。情報収集もまぁまぁかな」

盗賊「ところで僧侶はどこだ?」

商人「毎日教会に行ってるよ。司祭に気に入られた様だ」

盗賊「そうか!後で迎えに行こう!」

商人「そうだねきっと喜ぶ」

盗賊「ところで商人!中立の国では闇商人が居なくなって大騒ぎだったぞ」

商人「だろうね」

盗賊「密売の物流がストップして王国がしびれ切らしてやがる」

商人「逆に言うとそれはチャンスだね・・・だけど今は騎士達の行方が先かな」

盗賊「そうだ!魔女の噂を聞いた」

商人「へぇ・・どんな?」

盗賊「始まりの国に魔王軍の魔女が現れたっていう噂だ」

商人「魔王軍?・・ハハ」

囚人「魔女の可能性が高い・・魔王軍など居ない」

商人「よし!考えがある!始まりの国の港町に戻ってまず幽霊船を探そう」

盗賊「よしきた!!明日早速出航しよう」

商人「身支度しておくよ・・それと僧侶も迎えに行ってあげて」

盗賊「おう!!」


235: 機械の国 2013/07/12(金) 15:54:39.96 ID:BeTekSFe0
---教会---

僧侶「!!ハッ・・盗賊さん」

盗賊「よう!迎えに来たぜ」

僧侶「・・・も~う!!遅~い!!」プン

盗賊「すまねぇ・・色々あってな」

僧侶「・・それでいつ探しに行くの?今日?明日?」ソワソワ

盗賊「まぁ慌てんな・・明日出航する。行き先は始まりの国の港町だ。そこに戻ってもう一度幽霊船を探す」

僧侶「行く行く行く行く今すぐ準備する~」

盗賊「よし!・・・ここにはしばらく戻って来れんぞ?挨拶はして行かなくて良いのか?

僧侶「あ!司祭様に別れのご挨拶してくる~」

盗賊「待ってるから行って来い」



---

司祭「聞いていたよ。大事な人を探しに行くのだね?」

僧侶「はい!今までお世話になりました~」

司祭「ホッホッホ毎日の祈りが通じると良いねぇ・・」

僧侶「はい!祈りで心が少し救われました」

司祭「それで良い・・祈りの心を忘れてはいけないよ」

僧侶「また会いに来るね~」ノシ

司祭「困ったことがあったら又来なさい・・」




僧侶「早く行こおぉ~~!!ウフフ」

盗賊「おう!もう良いのか?帰りに買い物行くぞ!」

僧侶「わ~い♪」


236: 機械の国 2013/07/12(金) 15:55:08.86 ID:BeTekSFe0
---宿屋---

商人「・・よし!集まったね。明日出発する前に僕が調べた事を教えておくよ」

僧侶「は~い」

商人「まず・・海賊の事だ」



今まで海賊は始まりの国と癒着してると思ってたけどどうやら違うみたいだ

海賊王は2人の娘が居てそのうち一人は始まりの国の衛兵隊長

もう一人は・・選ばれた勇者達の仲間の一人になっていたみたいだ・・女戦士としてね

海賊王が何を考えているかというと・・多分僕達と同じ様に王国を探ってる

つまり仲間になりうる



盗賊「そりゃすげぇ・・」

商人「続けるよ・・」



前魔王城に行ったときに4人分の黒焦げの亡骸を覚えてるかい?

あの中に女性の遺体は無い・・ひょっとしたら騎士達と接触しているかもしれない

僕の作戦はまず幽霊船を探して奪う・・もちろん騎士達の行方も捜す

次に幽霊船で海賊王と接触して取引がしたい

僕が持っている情報と引き換えに同志になる



盗賊「幽霊船を奪うって・・4人でか?」

商人「ハハ・・囚人の力を甘く見てるぞ?」

囚人「・・・」

商人「幽霊船に囚人を1人降ろせば多分・・・1人で殲滅できる筈」

盗賊「なぬ?」

商人「出来るよね?囚人」

囚人「俺は銀の武器で心臓を貫かれない限り死ぬことは無い」

商人「・・・という事さ」

盗賊「うはは・・銀の武器なんて普通持ってねぇな」

商人「まだその先の作戦も考えてる・・その時が来たら言うよ」

僧侶「ねぇその作戦ってさぁ~寝ながら考えたの~?」

商人「ぶっ・・ハハハまぁそうだよ」

僧侶「明日は何時に出発するの~?」

盗賊「日の出前だ・・・もう必要な物は積んである」

僧侶「あぁ・・はやく騎士に会いたいなぁ~」

商人「きっと見つかるさ」

237: 機械の国 2013/07/12(金) 15:55:45.07 ID:BeTekSFe0
---翌朝---

僧侶「え~~小さい~~!!」

盗賊「そりゃ機械の国の船と比べると小さいがな・・」

商人「でもこの船の速さは1,2位を争う速さの船だよ」

盗賊「そうだ!!始まりの国の港町までは10日で行ける・・普通は倍かかる」

僧侶「へ~そういえば他の船に比べて帆が沢山あるね~」

盗賊「その分僧侶にも働いてもらわんとイカン」

僧侶「え!!?」

盗賊「帆の折り畳みは後で教えてやる」

僧侶「わたしは乙女なのに~?」

盗賊「4人しか乗ってないんだから働いて貰わんと困る!」

僧侶「ショボン」

盗賊「操舵は商人頼む」

商人「じゃぁ出発するよ」

僧侶「ねぇ~わたしが舵取りやって良い?」

盗賊「ダメだ!碇上げるの手伝え!」

僧侶「ええええええ・・」




---高速船---

僧侶「・・・それでね~わたしは4箇所の教会の巡礼が終わったから精霊の加護を受けれるの~」

盗賊「なんだそりゃ?」

僧侶「うふふのふ~」

盗賊「ふむ・・まずやってみろ」

僧侶「いくよ~精霊の加護!」ボワン

僧侶は精霊の加護を受けた

僧侶「わたしに近寄ってみて~ウフフ」

盗賊「こうか?おわっ・・」

僧侶「多分わたしに触れないと思うの~」

商人「ハハそれはすごいね」

盗賊「魔法は効くのか?」

僧侶「司祭様が言ってたけど魔法も弾くんだって~」

盗賊「そりゃすげぇな」

僧侶「でもね~祈り続けていないとすぐに終わっちゃうんだ~」

商人「精霊の加護を受けれるのは君だけかい?」

僧侶「わたしが触れている人だけかな?右手と左手だったら2人かな?」

商人「それは使い方によっては凄い便利だね」

僧侶「ウフフ~わたしが騎士を守ってあげるんだ~」

盗賊「ヌハハそれは良い・・いつでも手を繋いでおけ」

僧侶「うん」

238: 機械の国 2013/07/12(金) 15:56:26.11 ID:BeTekSFe0
---

盗賊「・・・なんだって!?それは本当か?」

商人「ゴーレムと名付けられてる」

盗賊「それは神話に出てくる石の魔物だな」

商人「まぁ・・あやかってるんだろうね」

盗賊「商人はゴーレムを見たのか?」

商人「いや・・見てない。ただの酒場の噂だよ。でも・・想像は付く」

盗賊「どこで作ってるかは分からないのか?」

商人「それは分からない・・だから海賊王と接触したい」

盗賊「3つの王国がそれぞれ武器を持ってる訳か」

商人「機械の国のゴーレムの中身は多分・・トロールだ」

盗賊「だろうな・・でもトロールは太陽の光で石になって動かなくなる」

商人「機械で覆って太陽の光が当たらないようにでもしてるんじゃないかな」

盗賊「ロボットが聞いて呆れるな」

商人「ハハ・・そうだね・・」

盗賊「・・どうした?」

商人「いや・・ドラゴンやエルフと違って・・トロールは捕らえられてる数が断然多い・・」

盗賊「数百を超える3メートル越えのロボット兵団か?」

商人「機械の国の大型船を見ただろう?全部運ぶつもりじゃないとあんなの作らない」

盗賊「・・・」

囚人「この流れはもう止まらんかも知れんな・・」

商人「騎士と魔女がカギだと思う・・時間を操れる」

盗賊「魔女がカギなのは判るが・・なぜ騎士まで?」

商人「・・わからないのかい?・・いろんな物を導いてるのは多分・・騎士だよ」

商人「なんだかんだ皆騎士の旅に巻き込まれてる」

僧侶「わたしも忘れないでね~ウフフ」

商人「あぁ・・本当の導き手は君なのかも知れないね」

239: 機械の国 2013/07/12(金) 15:57:01.55 ID:BeTekSFe0
---

盗賊「お~い!!みんな来てくれぇ!!あれを見ろぉ!!」

商人「小船!?ボートか・・どうしてこんな所に」

盗賊「人は乗ってないな・・丁度良い引き上げて使おう」



えっさ ほいさ えっさ ほいさ



商人「何か乗ってたかい?」

盗賊「いや何も・・ん?・・短刀があるな」

商人「見せて・・あれ?柄の文様に見覚えが・・何だったかなぁ・・」

僧侶「ねぇ・・どうしたのぉ?」

商人「引き上げたボートに短刀が乗ってたんだ」

僧侶「見せて見せて~ウフフ何かな何かな~~」

盗賊「まぁ他に何も無い様だ・・」

僧侶「アレ~この短刀・・隊長が持ってた短刀にそっくり~」

商人「隊長?・・・始まりの国の衛兵隊長かい?」

僧侶「そうだよ~ウフフ」

商人「・・なるほど・・盗賊!この海域の座標わかるかい?」

盗賊「おう!ちょっとまて海図に描いてやる!」

商人「ちょっと小船を見せて・・縦帆一本で漂流か・・初心者じゃないな」

盗賊「まさかと思うが・・海賊王の娘か?」

商人「多分そうだと思うよ・・ここら辺で誰かに拾われた感じ・・かな?」

盗賊「この辺りは商船の往来が多い場所だ」

商人「よし!この短刀は僧侶が持っておいて」

僧侶「は~い」

240: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:18:46.87 ID:BeTekSFe0
---港町---

盗賊「よっし!着いた!今日は陸で休憩だ」

僧侶「ただいま~♪ウフフ」

盗賊「すまんが全員フードで顔を隠して行動してくれぇ」

僧侶「え~どうして~?」

盗賊「前来た時とは状況が変わってる・・闇商人不在で物流が滞っててな・・略奪が増えている」

商人「・・僕の不在で流通品の物価がすごく上がってると思うよ」

盗賊「その通りだ・・物によっては前の20倍近い」

商人「旅商人が一番襲われやすいかな・・これから皆一緒に行動しよう」

僧侶「教会に行きたかったなぁ~・・」シュン

商人「済まない・・今回はガマンしておくれ」




---宿屋---

商人「みんな一息つけたかい?」

僧侶「ふううぅぅぅおなかいっぱ~い」

盗賊「それにしても食材が随分偏ってるな・・肉がねぇ・・」

商人「しょうがないね・・流してた格安の肉も僕が流さないと止まる」

僧侶「商人って色んな物を流通させてたんだね~」

商人「タダ同然で流通させてたから本来の価格に戻ったっていう言い方もあるけどね」

盗賊「さて・・これからどうする?酒場行くか?」

商人「あぁ皆で行こう」

僧侶「わ~い」

商人「2~3杯だけの約束ね」

僧侶「は~い」

241: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:20:00.87 ID:BeTekSFe0
---酒場---

カランコロン

マスター「いらっしゃいませ。4名様ですか?」

盗賊「カウンターで頼む。ハチミツ酒を4つ持ってきてくれ」

マスター「かしこまりました」



商人「マスター最近の話題は何か無いかな?」

マスター「ん~最近は景気が悪くてね~良い情報も入って来ないんですよ」

商人「始まりの国周辺では薬は需要ないのかな?」

マスター「!!?お客さんそんな話を人前でするのは・・」

商人「これを捌きたいんだ・・」

マスター「こ、これは・・こんなに沢山」

商人「売人に会いたいんだ・・知ってるよね?」

マスター「表の街道にいるアクセサリー商人が知ってると思います・・」

商人「ハハありがとう!景気良くなると良いねぇ」ジャラリ

マスター「金貨が多い様ですが?」

商人「わかってるでしょう?口止めも含めたお礼だよ」

マスター「あ、ありがとう御座います!」

商人「そうだ!お土産にハチミツ酒を少し貰えるかな?」

マスター「はい!よろこんで」

242: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:20:40.70 ID:BeTekSFe0
---表街道---

商人「僧侶。ゆっくり飲めなくてごめんよ」

僧侶「いいの~歩きながらでも楽し~いウフフ」

商人「ここからは盗賊に頼むよ」

盗賊「わかった・・まかせろ・・顔見知りだ」

商人「あそこのアクセサリー商人だよ」



盗賊「さぁ!ハチミツ酒持って来たぞ飲め!」

売人「!!?ハッ・・・お前は!!」

盗賊「乾杯しようじゃないか」

売人「お前は闇商人!!」

盗賊「おいおいそんな事を声を出して言うなよ」

売人「ブツを捌きに来たのかい?」

盗賊「まぁ・・そんな所だ」

売人「条件は?」

盗賊「1袋目:幽霊船の情報 2袋目:海賊と王国の情報 3袋目:魔女の情報」

売人「・・・1袋目しか情報を持っていない」

盗賊「まぁ良い・・他の情報はまた仕入れといてくれ」

売人「幽霊船については確かな情報がある・・」



あの船の乗組員は全員薬漬けの始まりの国の衛兵だ

幽霊船に偽装してヤバイ物を運んでいるらしい

今は薬の流通があんたのせいで止まっている

じきに薬が切れて暴動が起きるのを王国が恐れている



盗賊「居場所はわかるか?」

売人「それはわからない・・薬の到着を待っているから近くに居るとは思う」

盗賊「そうか・・十分な情報だ・・ほら」ドサッ

売人「こ、これからどうやって連絡を取れば良いんだ?中立の国へ行っても・・」

盗賊「こちらから連絡を取る・・十分な情報があればの話だがな」

売人「わ、わかった・・露店しながら待ってる」

盗賊「僧侶!」

僧侶「ふぁ~い」

盗賊「アクセサリー好きなもの一つ選んで良いぞ」

僧侶「わ~いウフフ」


243: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:21:13.77 ID:BeTekSFe0
---宿屋---

商人「十分な情報は入らなかったけど幽霊船の情報は大きいね」

盗賊「そうだな・・乗組員が人間だと判った分動きやすい」

商人「そうとわかったら明日の早朝に探しに出よう」

僧侶「ぐががすぴーぐががすぴー」

盗賊「・・・僧侶はのん気だな・・」

商人「ハハ良いじゃないか。でも毎日お祈りは欠かしてないよ」

盗賊「囚人!やっと新鮮な血にありつけるな」

囚人「フン!人を魔物扱いするな。俺は今酒を楽しんでいる」グビ

商人「死人でも酔えるのかい?」

囚人「少しは気が楽になる・・」

盗賊「そりゃ良かった」




---翌朝---

僧侶「むにゃ~ねも~い」

盗賊「もう出発するぞ早く気球に乗れ!!」

商人「あれ?騎士?」

僧侶「!!?ハッどこどこどこ?」キョロ

盗賊「おぉ~そりゃ良い手だヌハハ」

僧侶「・・・・・」

盗賊「さぁ!!出発だ!!」グイ



ボーーーー ボーーーー フワ フワ


244: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:21:56.29 ID:BeTekSFe0
---気球---

ヒョーゥ ギシ

僧侶「ねぇ~・・なにしてるの~?」

盗賊「気球に船の帆を張ってる・・これで風を受けて進むスピードが上がる」

僧侶「へぇ~そういえば機械の国の気球はみんな羽がついてたね~」

商人「アレは軍事用で一般では買えないらしい」

盗賊「それをマネてみたんだ。船と同じなら横風でスピードが上がる筈」

僧侶「でも帆が小さいね」

盗賊「風の魔石だけで進むよりはマシだろう」

商人「ハハ早くなったかどうかは空に居ると良くわからないね」

盗賊「んむ・・だが操作は船の帆と同じだ・・進んでいる・・と思う」

商人「まぁ幽霊船が見つかるまではゆっくりしていよう」



---

商人「僧侶?何してるんだい?」

僧侶「騎士が持ってた貝殻の音を聞いてるの~」

商人「何か聞こえるかい?」

僧侶「ううん・・な~んにも」

商人「僕にも貸してくれるかな?」

僧侶「は~い」

商人「・・・不思議な感覚だね・・」

僧侶「何か聞こえる?」

商人「う~ん・・砂の音みたいな・・言い表しにくいね」

僧侶「騎士はその貝殻で何を思ってたのかな~・・なんてねウフフ」

盗賊「貸して見ろ・・俺には海の音にしか聞こえんが・・ん?」

僧侶「何か聞こえる~?」

盗賊「・・こりゃ貝殻に何か細工がしてるあるな」

商人「え?・・・もしかして貝殻にエンチャントが掛かってる?」

盗賊「そうかもしれん」

商人「ハハ凄いじゃないか・・エンチャントが出来るのはエルフしか居ない」

僧侶「ねぇねぇ何の効果かなぁ~?」

盗賊「さぁな?・・でもこりゃ高く売れる」

商人「多分・・知識のエンチャントだよ・・ホラ耳に当てたら考え事をする」

僧侶「私も賢くなりた~い!!もっと聞く~」

245: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:22:28.06 ID:BeTekSFe0
---1週間後---

僧侶「ねぇねぇ!アレ幽霊船じゃない?」

盗賊「おぉ!!やっと見つけたか!!」

商人「高度を上げて真上から様子を見よう」

盗賊「囚人!!起きろ!!仕事が近いぞ!!」



ゴゴゴゴゴゴー フワフワ



商人「やっぱり気球が大分スピードアップしてるね」

盗賊「お前もそう思うか!?上空に行けば海よりも良い風に乗れる」

僧侶「幽霊船は動いてないみた~い」

盗賊「真昼間だが・・どうする?」

商人「囚人!行けるかい?」

囚人「もちろんだ・・後で傷だけは僧侶の回復で頼む」

盗賊「ヌハハ死人は自力で傷は塞がらんか?」

囚人「だまれ」

盗賊「真上から高度下げるぞ」

商人「囚人!全員ヤルのは避けて欲しい。情報を聞きだせる相手を残して」

囚人「わかっている」

盗賊「甲板には誰も居ないぞ?囚人が飛び降りたら安全高度まで離脱する」

囚人「もう少し・・行って来る」ダダダッ



ゴゴゴゴゴゴー フワフワ

246: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:23:20.48 ID:BeTekSFe0
---幽霊船---

ドサッ!! ガタガタ!!



??「な、なんの音だ?」

??「お前見て来い」

??「薬が切れてやる気がでねぇ」

??「海賊船が来たのかも知れん・・見て来い」



??「ぎゃああああ」

??「だ、誰だお前は!!」

囚人「死神だ・・」ガブリ ゴクゴク

??「敵だぁ!!敵がきたぞおおおお!!」



囚人「グフフ・・新鮮な生き血だ」

??「1人だ!!囲めぇ!!」

囚人「死にたい奴はどいつだ?」ダダダ ザクン!

??「ぐぁ」

??「このぉ!」ザク ザク ザク

囚人「効かんなぁ・・」ブン! ザクン!

??「な、何だこいつ・・」



カーン キーン ザクン!

---

---

---

??「バ、バケモノだぁ!!」

囚人「この船は俺が頂く!!命が惜しい奴は自分で牢に入れ!!」

??「たたたた助けてくれぇ・・」

囚人「逃げる者は容赦無く殺す!!」

??「頼むぅぅ殺さないでくれぇぇ」ガクブル

囚人「早く牢に入れ!!全員だ!!」

??「あいつ・・死体から血を吸ってやがる・・本物の魔物だ」ガクブル

囚人「殺されたいのか?」



ガチャリ ガチン!



囚人「全員牢に入ったな・・無駄口を叩いたやつは容赦なく殺す!」

??「・・・・・」

囚人「見ていろ・・こういう風に全部血を吸うぞ!?」ガブリ ゴクゴク

??「ゴクリ・・」ガクブル

247: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:23:48.28 ID:BeTekSFe0
---気球---

ヒョーゥ ギシ

盗賊「幽霊船の占拠は終わった様だな・・」

商人「囚人が死体を海へ片付けてるね」

盗賊「思ったより少ないな・・」

商人「降伏したかな・・囚人もなかなかやる」

盗賊「甲板に降りるぞ」

商人「僧侶!君はフードを深くかぶって顔を隠して」

僧侶「は~い」

商人「それから僕が許可するまで一言もしゃべらないでね」

僧侶「オッケーウフフ」




---幽霊船---

フワ フワ ドッスン

盗賊「よし!降りて良い!僧侶は商人の後に続け」

僧侶「・・・」

商人「囚人!上手くいったみたいだね」

囚人「20人程牢に入れた。こいつは牢の鍵だ」

商人「船長らしき人は?」

囚人「残念だが抵抗してきたから殺した」

商人「僧侶!囚人に回復魔法を掛けてあげて」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワ

盗賊「死人にも回復魔法が効くとは・・」

囚人「だまれ」

商人「よし!片づけが終わったら積荷室へ行こう」

248: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:24:31.81 ID:BeTekSFe0
---積荷室---

商人(大きな声は出さないで)

僧侶(・・・)

盗賊(えらくでかい牢だな・・キマイラを運ぶ牢か?)

囚人(恐らくそうだろう・・)

商人(騎士達は居なかったのかい?)

囚人(俺が見た範囲では居ない)

商人(他の積荷は?)

囚人(この幽霊船は恐らく積荷待ちだ・・ほとんどが空だ)

商人(それはチャンスだね・・海賊を待ってれば良い)

盗賊(あの捕らえた衛兵達はどうする?)

商人(海賊との取引が終わったら解放する)

盗賊(俺が情報聞きに行って来る)

商人(頼むよ)



スタスタスタ



衛兵「・・・」ガクブル

盗賊「聞きたい事が有る・・・位の高いものは前に出ろ」

精鋭兵「・・・」ガクブル

盗賊「この船がエルフや魔物・・それからキマイラを運搬しようとしている事は分かっている」

精鋭兵「!!?」

盗賊「魔王島から連れてきた魔女と騎士とエルフの娘の行方を捜している」

精鋭兵「・・・」

盗賊「知らんと言うなら全員ここで死んでもらう!!」グサッ

精鋭兵「ぎゃあああ」

盗賊「では話せ!!」

精鋭兵「たたた助けてくれ・・」

盗賊「命乞いは聞きたくない!知っている事を全部話せ」

精鋭兵「わ、わかった・・魔王島から連れて来た女は始まりの国へ送った・・」

盗賊「残りの2人はどこだ?」

精鋭兵「の、残りの2人はこの船には乗っていない・・魔王島から逃げたらしい」

盗賊「死んでもらおう・・」

精鋭兵「まままま待ってくれ・・本当にこの船には乗っていない・・ゴクリ」ガクブル

盗賊「では質問を変える・・キマイラはどこに行った?」

精鋭兵「キマイラは不良品のまま始まりの国へ・・」

盗賊「不良品とは何だ?」

精鋭兵「キマイラを目覚めさせて数分しか動かないらしい・・」

盗賊「どんな形をしている?」

精鋭兵「鉄の戦車の中で寝ている」

249: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:25:07.83 ID:BeTekSFe0


商人「十分だ!」

盗賊「命が惜しかったらおとなしくしていろ・・」

精鋭兵「お、お前達はいったい・・・本物の魔王軍なのか?」

盗賊「だまれ!」

商人「ハハ良いねぇ・・帰ったらそう伝えると良い・・」




---船長室---

盗賊「この船は新型の軍用艦だな・・幽霊船に偽装してるが装備が半端ない・・」

商人「ハハ真上からは無防備だったね・・対艦船特化かな」

盗賊「おい!これを見ろ・・すげぇ」

商人「これは・・すごい収穫だよ・・裏航路が全部書いてある」

盗賊「魔王島、終わりの国、機械の国への裏航路だな」

囚人「始まりの国が各地へ魔物を運んでいるのは事実なようだな」

盗賊「この事実を掴んだ以上タダでは済まんな・・」

商人「僕達の顔が割れたら一生追われる身だね」

盗賊「んむ・・・まだ顔が割れてないのが幸いか」



僧侶「ねぇねぇ!!海賊船みたいのが近づいてくるよ~」

盗賊「本当か!?ちぃと早いな・・」

商人「・・よし!僧侶にお願いがある」

僧侶「なぁに~?」

商人「僕と盗賊から離れないで例の精霊の加護を祈ってて欲しいんだ」

僧侶「何するの~?」

商人「海賊と取引をする・・これはとても危ない・・君の力が必要だ」

僧侶「わかった~」

商人「囚人!僕らはあまり動けないから有事のときは囚人が動いて」

囚人「わかっている」

250: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:26:30.70 ID:BeTekSFe0
---甲板---

ガコン! ガコン!

盗賊(接舷した・・慣れてるな)

商人(盗賊!こっちに乗り移るのは少数にしろと言って)

盗賊(わかってる)

商人(僧侶・・離れないでね・・加護の祈りをお願い)

僧侶(オッケ~ウフフ)


海賊「遅くなっちまったぁ!!船長は居るかぁ!!?今回はブツが無ぇ~!!」

盗賊「積荷は何だ!?」

海賊「誰だお前ぇぇ!?」

盗賊「質問に答えろ!!」

海賊「薬と補給物資だ!!エルフは居ねぇ!!」

盗賊「海賊王は居るか!?」

海賊「この船には乗ってねぇ!!」

盗賊「薬だけ降ろして海賊王を呼べ!!」

海賊「補給物資はいらねぇのか~!?」

盗賊「良いから早くしろぉ!!」



海賊「おい!お前ら薬の入った箱だけ移せ!!あと照明弾を撃て!!」

ヒュルルルルル~ ピカーーーー!!



海賊「これで海賊王がじきに来る!!」

盗賊「ではさっさと行けぇ!!」

海賊「んああ!!?おい金貨はどうなってる!!」

盗賊「・・金貨は後で海賊王にまとめて払う!!」

海賊「・・おい!!ざけんなぁ!!こっちに金貨回ってこねぇだろ!!」

商人(まずいな・・)

盗賊「わかった・・ひとまず薬は後で良い!!今は海賊王と話をするのが先だ!!」

海賊「・・なんかいつもと違うじゃねぇか・・おい!お前は誰だ!?」

囚人「・・やるのか?」スラーン チャキリ

盗賊「待て!!取引の最中だ」

海賊「おいおい物騒じゃねぇか・・いつもアブネェ物運ばせておいて金貨がねぇじゃすまねぇぞ?」

盗賊「どてっぱらに穴明けられたい様だな・・囚人!!大砲主に伝令しろ!!」

商人(囚人!ハッタリだハッタリ)

囚人「わかった・・」

海賊「待て待て・・分かった・・おい!お前ら船を幽霊船の前に付けろ!!」

盗賊「始めからそうしてれば良い・・」

海賊「・・だがこれで逃げっこ無しだ・・幽霊船の前方に大砲は無いだろう?ウハハ」

商人(状況は変わってないな・・)

海賊「金貨はしっかり払ってもらうぜぇ!!」

251: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:27:00.03 ID:BeTekSFe0
---

僧侶(ヒヤヒヤするよぅ・・)

商人(大丈夫だよ)

盗賊(俺も口が渇いた・・)

商人(僧侶?海賊王の娘の短刀を貸して)

僧侶(ほい)




---

ガコン! ガコン!

盗賊(海賊王の船は割りと小さい船なんだな・・)

商人(速度重視なんだろうね・・賢いといえば賢い)

盗賊(出てきたぞ・・手足が義手義足の奴だな?)

商人(噂では聞くけど実際見るのは初めてだよ)

盗賊(取り巻きがすげぇな・・)



海賊王「わいを呼ぶからには半端な理由じゃないやろうなぁ!!」

盗賊「海賊王と取引がしたい!!」

海賊王「誰やお前は!!?顔を見せんと取引せぇちゅうんかい!!?」

盗賊「大砲がどてっぱらに向いてるのを忘れたのか!?」

海賊王「わっはっは・・お前らぁ!!全員幽霊船に乗り込め!!」

盗賊「待て!!少数で来い!!」

海賊王「お前ら幽霊船に乗っとる人数に比べりゃ少数だわ!!全員のれぇ!!」

海賊達「うおおおおおぉぉぉ!!」

商人(まぁ・・しょうがない)

252: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:27:59.78 ID:BeTekSFe0
---

商人「動くな!!!!これが何だか分かるかい?」シャキーン

海賊王「・・・短刀?・・・まさか・・・」

商人「この場合察しが良いと言うのかな?」

海賊王「お前らぁ!!乗り込むのはちょっと待てぃ!!」

海賊達「・・・・」

商人「海賊王と1対1で取引がしたい」

海賊王「お前・・何者や?・・闇商人やな!?」

商人「ハハこの船は僕が頂いたんだ」

海賊王「なんやとぅ!!?」

海賊達「頭ぁ!!4人しか居ませんぜ!?」

海賊王「お前らぁ!!あの4人を捕まえろぉ!!」

海賊達「うおおおおおおぉぉぉ!!」



商人「囚人!殺さないように頼む!」



カーン カーン キーン ゴズン!!



海賊1「頭ぁ!!あいつらに傷一つ付けれやせん!!」

海賊2「バケモノが居る!!切っても死なねぇ!!」

海賊3「ぐぁぁぁ!!」ゴスン!!

海賊4「どうなってんだぁぁぁ!!」



商人「そろそろ止めにしないかい?」

海賊王「はぁはぁ・・何が望みや!?」タジ

商人「僕は取引がしたいだけさ」

囚人「近づくと切るぞ!?」

海賊王「お前らぁ!!!やめい!!!」



商人「さて取引しよう」

海賊王「・・・・」

商人「海賊王の娘2人の内1人は始まりの国の衛兵隊長・・そしてもう1人は・・」シャキーン

海賊王「・・それをどうしよった?」

商人「取引に応じたと見ていいのかな?」

海賊王「・・・・」

商人「まず・・人を払ってもらおう」

海賊王「・・お前ら!!海賊船に戻れ!!倒れてる奴は引きずって行けぇ!!」

海賊達「頭ぁ!!良いんですか!?」

海賊王「何度も言わせるな!!馬鹿どもぉ!!」


253: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:29:00.60 ID:BeTekSFe0
---

商人「条件は簡単さ・・・同志になってもらう」

海賊王「なんやとぅ!?」

商人「多分僕達の利害は一致してる・・海賊は物資が欲しい」

海賊王「・・・・」

商人「そして・・王国の秘密を探っている・・違うかい?」

海賊王「!!!!」

商人「ハハその顔は当たりだね」

海賊王「娘は生きておるんか?」

商人「選ばれた勇者達の仲間として娘を紛れ込ませたね?」

海賊王「生きておるんか!?」

商人「さぁね・・まだ取引の最中だよ・・同志になるかならないか!?」

海賊王「・・分かった同志になってやる」

商人「はい!この短刀を返す」ポイ

海賊王「ま、間違いない・・娘の短刀だ・・」

商人「さぁここからだ・・僕はまだ海賊王から決定的な情報を得ていない」

海賊王「娘は無事なんか?」

商人「さぁね?同志になるという口約束だけじゃ信用できないなぁ」

海賊王「ちぃぃぃ・・」

商人「ズバリ聞く。海賊は王国をどうするつもりかな?答えによっては娘の事と僕達の目的を話す」

海賊王「海賊は本物の勇者を保護し今の王国を潰すつもりや・・」

商人「フハハハハ・・それで薬をばら撒いてる訳かハハハハハ」

海賊王「次はお前の番や・・娘はどこにおる?」

商人「盗賊!!例の海図を持ってきて!!」

盗賊「おう!」

海賊王「海図?」

商人「娘はきっと生きている。勇者達と魔王島へ行った後ボートで逃げた。海図の印の場所でボートを発見した」

盗賊「ほらよ!!」バサ

海賊王「この場所は商船の航路や!」

商人「そう!!たぶん商船に拾われている筈・・ほんの1週間前だよ・・じきに連絡がある」

海賊王「ほんまかぁ・・」

商人「もう少し話したい・・船長室に来て欲しい」


254: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:29:30.66 ID:BeTekSFe0
---船長室---

商人「・・・娘さんが戻って来たら話が聞きたい」

海賊王「ところでこの幽霊船はどないするんや?」

商人「ハハ僕はこんなお荷物は要らないよ。海賊が好きに使えばいい」

海賊王「そらあかん!上の娘がが始まりの国の衛兵隊長や。捕らわれの身と同じ様なもんや」

商人「・・ならこうしよう。僕達魔王軍から海賊が幽霊船を取り戻した事にすればいい」

海賊王「おお!!ええなぁ」

商人「この船には武器が沢山積んである。全部海賊船に積み替えてしまおう」

海賊王「わっはっはボロ儲けやなぁ!!」

商人「幽霊船に乗ってた衛兵は牢に入れてある。これが牢の鍵だよ」ポイ

海賊王「これで王国に対しては義を尽くした事になるわけやな?。たんまり金せびれるなぁ」

商人「じゃぁ僕達はこれで引き上げるよ」

盗賊「裏航路の海図は貰っていくぜぇ!」

商人「あ・・そうだ・・海賊王にもう一つ。機械の国で作っているゴーレムの話は知ってるかな?」

海賊王「ゴーレム?」

商人「・・知らない様だね・・質問を変える。トロールが何処に運ばれてるか知ってるかな?」

海賊王「あぁ・・トロールは馬鹿でかい船に積まれとる。あの馬鹿でかい船で何か作っとるらしいが・・」

商人「なるほど・・ありがとう」

海賊王「ゴーレムちゅうもんを作っとるんか?」

商人「ただの噂だよ・・気にしなくて良い」

海賊王「じゃぁわいらは今からこの船の武器をあさってくるわ」

商人「また連絡するよ」

海賊王「そうや!!これを持って行け・・・海賊のバッチや・・これを見せれば襲われんで済む」

商人「助かるよ」

海賊王「ほんじゃぁ・・うまくヤレな」


255: 幽霊船 2013/07/12(金) 17:30:03.54 ID:BeTekSFe0
---甲板---

海賊王「おっしゃぁ!!お前らぁ!!幽霊船から武器全部移し替えろぉぉ!!」

海賊「うおぉぉぉぉ!!頭ぁ!!金目の物取っていーっすか!!?」

海賊王「好きにしろぉぉぉ!!但し!!積荷室の牢には近づくなぁ!!」

海賊「ひゃっほ~ぅ!!」

海賊王「照明弾上げて仲間を集めろぉ~~!!」



ヒュルルルルル~ ピカーーーー!!



商人「じゃぁ僕達はこれで引き上げる・・あとは海賊王に任せた」

海賊王「任せとけぇ!!

盗賊「薬の箱だけは貰っていくぜ」

海賊王「好きにせぇ!!そんなもんワイらには要らん」




---気球---

ヒョーゥ ギシ

僧侶「・・・結局騎士たちの行方は分からなかったね・・」ショボン

商人「あとは・・魔女を追うしかないね」

盗賊「始まりの国か・・」

商人「魔女が幽霊船に乗ってたって事は魔王島で過去に戻ったのは間違いなさそうだね」

盗賊「なにか引っかかるな・・」

商人「・・逃げた2人っていうのが・・誰なのか・・」

僧侶「心配だなぁ・・」

商人「きっと大丈夫さ・・僕の情報網で必ず探してあげる」

僧侶「うん」


商人「取りあえず魔女を追おう」

256: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:31:55.57 ID:BeTekSFe0
---港町---

盗賊「おい!?何か様子が変だぞ?」

商人「本当だね・・衛兵が慌しいね」

僧侶「顔隠しておいた方が良いかな~?」

商人「そうだね・・」



衛兵「おい!お前達!顔を見せろ!旅商人か?」

商人「どうしたんですか?」ファサ

衛兵「男か・・違うな・・他のやつも顔を見せろ!」

盗賊「・・・」ファサ

囚人「・・・」ファサ

僧侶「ウフフ」ファサ

衛兵「む・・・違うな・・・通って良いぞ!」

商人「誰か探しているんですか?」

衛兵「魔女狩りだ!始まりの国に魔女が現れて逃げている」

僧侶「!!!」

衛兵「!!?どうした?顔色が変わったぞ?」

僧侶「お、おなかが・・・生まれるぅぅぅ」

盗賊「ぶっ・・・」

衛兵「おい!!何が生まれるんだ!!」

商人「す、すいません・・・生まれそうなんで少し宿屋で休憩を・・」

257: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:33:18.14 ID:BeTekSFe0
---宿屋---

盗賊「ぶはははは・・あそこで生まれるは無いだろ・・くっくっく」

商人「新手の回避技だね」

盗賊「・・で何が生まれるんだ?」

僧侶「たまご~ウフフ」



盗賊「ところで魔女が逃げているという事だが・・」

商人「情報がそれだけじゃ何とも動けないね」

盗賊「港町にも捜索がきているという事は行方が分かっていないと見るか・・」

商人「だろうねぇ・・」

僧侶「あのね・・私の知ってる過去の話なんだけどね~」

商人「話して」

僧侶「魔女騒動があったとき沢山の兵隊さんが死んじゃうの~」

商人「それで?」

僧侶「それで兵隊さんが不足したからわたしが始まりの国の衛兵に召集されたの~」

商人「魔女が何処に行ったとかは分からないかな?」

僧侶「それは知らない~・・でもね・・魔女の塔が壊されるのは知ってる~」

商人「・・・それだね」

僧侶「騎士との待ち合わせ場所が無くなっちゃうね~どうしよ~?」

商人「!!!!!!ハッ!!!!!!!!しまったぁ・・・・」ブツブツ

盗賊「???どうした???」

僧侶「ブツブツた~いむ!!ウフフ」



258: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:33:52.14 ID:BeTekSFe0

商人「・・・僕達はミスをしてる・・・」

僧侶「え?」

商人「魔王城に待ち合わせの場所について書置きを残してしまった・・」

盗賊「まさか・・」

商人「書置きが渡った先は・・きっと始まりの国だ・・」

盗賊「王国にとっての内通者の待ち合わせ場所を消すつもり・・か?」

商人「王国からみると僕達は色んな事を邪魔をする内通者に見えてる・・」

盗賊「・・・」

商人「今回の幽霊船の件もそうだ・・内通者・・あるいは魔王軍がやっている様に見えてる」

僧侶「わたしたちってさぁ~魔王軍なの?」

商人「魔王城に不可解な書置きが残ってればそういう風にしか見えない・・現に囚人の姿も見られてる」

囚人「切っても切っても死なない不死者・・」

盗賊「・・この流れをどうやって変える?」

商人「黙って見ててもきっと魔女の塔は壊される」

盗賊「魔女の塔はそんなに簡単に壊せる物なのか?」

僧侶「すご~~~く大きい塔だよ~~始まりの国のお城より立派~ウフフ」

商人「・・・キマイラだ・・キマイラで破壊するに違いない」

僧侶「魔女を探さないと~」

商人「そうだね・・盗賊!!薬の売人にもう少し情報を聞き出せないかな?」

盗賊「おう!!聞いてきてやる・・薬はたっぷり有る!」




---表街道---

売人「いらっしゃ・・・」

盗賊「儲かってるかい?」

売人(今はマズイ・・衛兵がこっちを見てる)

盗賊「・・・このアクセサリーは誰が作ってるのかな?」

売人「・・・私が家で作って居ます」

衛兵「・・・・・」ジロジロ

盗賊「作ってるところを見せてほしいんだが・・」

売人「見せるのは作る所だけで良いでしょうか?」

盗賊「ヌハハ他に見せる物があれば見たいな」

売人「お高いですよ?」

衛兵「・・・・・」ケッ

盗賊「家には誰か居るのかい?」

売人「私一人なのでご心配なさらず・・」

盗賊「じゃぁ少し見せてもらいたい」

売人「・・・先払いで」

衛兵「・・・・・」ヤレヤレ

259: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:34:25.50 ID:BeTekSFe0
---売人宅---

バタン ガチャリ

売人「薬が不足してて衛兵が張り付いてんだ・・」

盗賊「お前は薬をやらんのか?」

売人「薬は止めた」

盗賊「正解だ」

売人「闇商人が何を・・」

盗賊「薬を欲しがっているのは主に衛兵だろう?」

売人「・・・なぜそれを?」

盗賊「いらん詮索はするな・・・今日は協力してもらいたくて来た」

売人「私を信用していいのかい?」

盗賊「終わったら薬を一箱やる・・5年は楽して過ごせる金になる」

売人「そんなに危ない仕事は御免だね」

盗賊「信用しろ・・いざとなったら守ってやる」

売人「・・・」

盗賊「しかし殺風景な部屋だな・・男は居ないのか?」

売人「金が溜まったら中立の国で商売するつもりだよ」

盗賊「ヌハハ丁度良い・・仕度して宿屋に来い」

売人「・・・」

盗賊「心配するな取って食ったりはしねぇ」




---宿屋---

盗賊「連れてきたぜ」

商人「やぁ・・」

僧侶「はろ~ウフフ」

囚人「信用出来る奴だろうな?」

盗賊「信用できるかは置いておいて腕は確かだ」

売人「・・・」

盗賊「世間じゃ売人って事になってるが・・女盗賊だ隠密を専門にしてる」

売人「これは一体・・お前は闇商人じゃなかったのか?」

盗賊「そこらへんの詮索は無しだ・・女盗賊への報酬は先に払う。あそこの木箱の薬全部持っていって良い」

女盗賊「こ、こんなに・・」

盗賊「さて・・その辺に掛けてくれ・・・ゆっくり話がしたい」

女盗賊「何が知りたいんだ?」

盗賊「始まりの国の情勢、最近の噂、知っている事全部だ」

女盗賊「フフフどこから話して良いか・・質問に答える形で良いかしら」

260: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:35:03.66 ID:BeTekSFe0
---

盗賊「・・・魔女が複数人居るだって!?」

女盗賊「目撃情報がバラバラで少女から中年女まで魔女の仲間が数人いるらしいわ」

盗賊「んーむ・・・」

女盗賊「共通するのは瞳の色が赤いのが特長だそうよ」

僧侶(魔女の瞳は赤だったよ~)ヒソ

盗賊「なるほど・・それで衛兵は赤い瞳の女性を魔女狩りと称して追ってる訳か」

女盗賊「始まりの国では相当数の衛兵が高位魔法で焼かれたみたい」

盗賊「・・次の質問だが・・キマイラは知っているか?」

女盗賊「キマイラ?」

盗賊「質問を変える・・最近大型の戦車の様な物が王国に運ばれた話は聞いてないか?」

女盗賊「2ヶ月程前に大きな物を運んでるのは見たわ」

盗賊「始まりの国ではそれを何処に保管するか分かるか?」

女盗賊「潜入しないと分からないわね」

盗賊「出来るか?」

女盗賊「それは無茶・・第一何処に置くかの目星も無いわ・・危険すぎる」

僧侶「それ私知ってるかも~ウフフ」

盗賊「何!?」

僧侶「衛兵宿舎の裏に大きな武器庫があってね~大砲とかみんなそこに置いてるの~」

女盗賊「・・・この子は・・城の関係者か何かかい?」

盗賊「・・まぁそんな所だ」

女盗賊「それにしても衛兵宿舎の近くじゃぁ・・どちらにしても手が出せないわ」

囚人「・・・俺が潜入してやる」

盗賊「!!?どうやって?」

囚人「簡単だ・・俺一人で正面から城に入る」

商人「ハハハハその作戦面白いね・・囚人!別室で僕と作戦を話そう」




---別室---

商人「正面から城に入る作戦気に入った!」

囚人「俺は終わりの国衛兵隊長で顔が通ってる・・だから城には入れるだろう」

商人「うん」

囚人「城内で武器庫まで走って中を確認して騒ぎを起こす」

商人「ワクワクするね」

囚人「衛兵に捕まって牢屋行きだろう・・・次に死んだフリをする・・どうせ俺の心臓は止まっている」

商人「ハハハハ」

囚人「死んだ囚人はどうなるかというと・・」

商人「墓地に埋葬されて無事帰還する・・完璧だね」

261: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:35:47.36 ID:BeTekSFe0
---宿屋---

商人「戻ったよ・・囚人が始まりの国の城に潜入する作戦で決まったよ」

盗賊「大丈夫か?」

囚人「問題ない」

女盗賊「・・・」

商人「女盗賊!始まりの国の墓地の場所は分かるかな?」

女盗賊「墓地?・・分かるけど・・どうして?」

商人「墓地の管理人に成りすませれるかな?」

女盗賊「いや・・それは簡単だけど」

商人「じゃぁ決まりだ・・みんなで墓地の管理人をやる」

僧侶「ウフフ~なんかおもしろそ~う」

盗賊「ついでに魔女の近況情報も探れるな」

商人「始まりの国までは気球を使えば1日くらいかな?」

盗賊「女盗賊!気球を隠しておける場所は無いか?」

女盗賊「始まりの国の少し北の森なら人目には付かない・・・魔女捜索隊に見つかる可能性は・・」

商人「いや・・この際堂々と町の近くに置こう」

盗賊「・・変に怪しまれない方が良いか」

女盗賊「私は案内すれば良いのかしら?」

盗賊「そうだな・・僧侶の面倒も見てくれると助かる」

僧侶「・・・ねぇねぇどういうこと~?」

女盗賊「フフフ今日は一緒に寝ましょ」



262: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:36:20.70 ID:BeTekSFe0
---翌日気球---

盗賊「じゃぁ出発するぞ!!」プシュ ゴゴゴゴゴゴ

僧侶「オッケ~♪ウフフ」

盗賊「女盗賊!薬は良かったのか?」

女盗賊「あの薬は私が帰ってからの財産にするわ」

盗賊「空き巣に入られないのを祈るんだなヌハハ」

女盗賊「私にはあなた達の秘密を教えてもらえないのかしら?」

盗賊「まぁ付いてくりゃじきに分かる」

女盗賊「今裏切られて情報を流されるのが怖いって事かしら・・」

盗賊「怖くはねぇが・・お前もフードで顔は隠しておいた方が良い事は確かだ」



ヒョーーゥ ギシ

僧侶「始まりの国が見えてきたよ~すごく早いね~」

盗賊「陸地の上だと普通の気球より早いのが良くわかるな」

商人「1日かかる予定だったのに日が落ちる頃には付きそうだね」

盗賊「そうだな・・高度下げ始める」

商人「まぁ・・人目に付きにくいし丁度良かった」

女盗賊「それなら墓地に直接降りましょう」

商人「良いね」




---墓地---

フワフワ ドッスン

盗賊「結局誰にも見つからず到着したな」

商人「都合が良い!墓地に隠しておこう」

盗賊「急いで気球をたたむ!囚人も手伝ってくれ!」

囚人「・・・」

僧侶「ねぇねぇよく見て~新しいお墓がいっぱ~い」

商人「・・そうか・・魔女騒動で亡くなった人はみんなここに・・」

僧侶「ん~でも魔女がこんなに沢山の人を殺しちゃうのってなぁ~本当かなぁ?」

商人「そういえば・・そうだね・・何か引っかかるね」



盗賊「よっし終わった!今晩は宿屋だな」


263: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:36:47.78 ID:BeTekSFe0
---始まりの国宿屋---

カランコロン

店主「いらっしゃいませ旅のお方・・今夜は休んで行かれますか?」

盗賊「5人だ・・」

店主「失礼ですがお顔を拝見させてもらってよろしいでしょうか?」

盗賊「・・・」ファサ

店主「ホッ・・物騒な事に危険な魔法を使う魔女達が居るそうですので・・」

商人「そんなにひどかったのかな?」

店主「それはもう・・爆音と閃光が轟きましたわ」ガクブル

商人「へぇ・・」

店主「3分程で納まりましたがお城の城壁は穴だらけ・・兵隊さんも沢山亡くなりました」

商人「3分!!?・・・」

店主「もう城壁は復旧したのですが穴の開いた城壁から魔女が脱走したそうです・・怖いですねぇ・・」

商人「ハハ・・そうですね・・部屋に案内してもらって良いかな?」

店主「あら失礼しました・・こちらになります」

商人「ありがとう」




---部屋---

ガチャリ バタン

商人「・・・面白い話を聞いてしまったね」

盗賊「そうだな」

囚人「キマイラが暴れだした隙に魔女が逃げたと考えるのが正解だな」

商人「一連の騒動を魔女のせいにして隠蔽してるね」

盗賊「・・・だとすると魔女の塔をどうやって破壊するんだ?・・」

商人「もしキマイラが数匹居るとしたら?」

盗賊「なるほど・・」

商人「でも王国が魔女を追う理由が良くわからないね」

僧侶「魔女がキマちゃんを暴れさせたのかもね~ウフフ」

商人「魔女はそんな事できるのかい?」

僧侶「ほら~エルフの娘ってさぁ~魔女にはなついていたじゃない?」

商人「!!ハッ・・キマイラは元はエルフか・・なるほどツジツマが合う」

盗賊「まぁこれで魔女が大量に兵隊を殺した訳じゃないって線が強いな」

商人「囚人!明日城の内部の調査をよろしく頼むよ」

囚人「わかっている」

264: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:37:50.57 ID:BeTekSFe0
---翌日城門---

門番「止まれ!ここは始まりの国王様の城である」

囚人「終わりの国の衛兵隊長が来たと伝えろ」

門番「身分の無い物を通す事は出来・・・ハッ・・もしや」ジロジロ

囚人「早くしろ」

門番「衛兵!!み、見張っておけぇ!!」タッタッタ

衛兵「ハッ!!・・・お、終わりの国の衛兵隊長がなぜ直々に・・」

囚人「お前は俺を知っているのか?」

衛兵「い、いえ・・噂でしか」

衛兵「ほう・・どんな噂だ?」

衛兵「世界一の戦士・・」ボソボソ

門番「衛兵!!門を開けろおぉぉ!!」

衛兵「ハ、ハイ!!」



ガラリゴロリガラリゴロリ



ドヤドヤ

精鋭兵「始まりの国の衛兵隊長は魔女捜索に出ている故私が城内を案内する」

囚人「ほう・・衛兵隊長が不在か」

精鋭兵「変な真似はゆるさん!!」

囚人「クックックたかが一人に衛兵20人付けるとは用心深い」

精鋭兵「衛兵!!周囲を囲め!!」

衛兵「ハッ!!」

囚人「右手にあるのが衛兵宿舎か?」

精鋭兵「そうだ!!何かあったら宿舎から300人は出てくる!!」

囚人「クックック手負いが300人出てきて役に立つのか?」

精鋭兵「何!!!!?お、お前・・・なぜそれを・・」

囚人「奥にあるのが武器庫だな?」

精鋭兵「・・・待て!!止まれ!!終わりの国の衛兵体長がこの国に何の用事だ!?」

囚人「別にどうという事は無い」

精鋭兵「怪しい!!衛兵!!取り押さえろ!!」

囚人「気が早いな・・もう少し落ち付かんと偉くはなれんぞ?」スラーン チャキリ

精鋭兵「ぬ、抜いた・・構わ~ん切れえぇぇぇぇ!!」

265: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:38:26.86 ID:BeTekSFe0

カーン キーン ゴスン!

---

---

---

---

---

衛兵「つ、強い・・」バタッ

精鋭兵「ななななんと・・切られても物ともせんとは・・」

囚人「武器庫へ行かせてもらう!!」

精鋭兵「だめだぁ!!!!衛兵~~出会え出会ええええぇぇ」



な、なんだなんだ?ゾロゾロ




---武器庫---

ギギギー ガターン

囚人「雑魚がうるさい・・放せ!!」ゴスン!!

精鋭兵「あいつを止めろおぉぉぉ!!」

衛兵「うおぉぉぉぉぉ」ドタドタ



タッタッタ

(武器庫の中に血の臭い)

(間違いない・・・ここで戦闘している)

(広いな・・・あそこの角か?)

(有った!!戦車1基)



精鋭兵「待てえぇぇぇ!!それに触るなぁぁ」

囚人「お前はこれが何か知っているのか?」

精鋭兵「・・・」

囚人「この戦車・・いやキマイラは何匹居る!!?答えろ!!」

精鋭兵「だまれ!!衛兵!!取り押さえろ!!殺しても構わん!!」



(仕方が無い・・・捕まっておくか)



ザクッ グサッ ゴスン!

---

---

---

266: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:38:58.87 ID:BeTekSFe0
---牢屋---

ピチョン ピチョン

(クックック)

(死んだフリするのもなかなかに苦痛だ)

(見た感じ囚人は10名程か)



男の声「例の囚人もキマイラの事を知っていた様です」

女の声「そうか・・」

男の声「ですが・・おそらくもう死んでいます」

女の声「まぁ良い・・仕方がない・・墓地へ運んでおけ」

男の声「それにしてもこの新入り・・ひどいですな」

女の声「舌を噛み切らん様にくつわをはめておけ」

男の声「はぁ・・しかし」

女の声「食事はしっかり与えろ・・重要な参考人だ・・手当ても怠るな」

男の声「ハッ」



ガチャリ ギー

看守「やはり死んでいます・・」

隊長「引きずり出せ・・新入りと交代だ」

看守「ハッ・・」ズルズル



---もう少し丁寧に扱って貰いたいものだ---



隊長「私はもう少しここに居る。お前はその死体を早く外へ出せ。ヘドが出そうだ」

看守「ハッ!!10分で戻ります!くれぐれも囚人には近づかないで下さい」

隊長「なぜだ?」

看守「隊長にもしもの事があったら他の衛兵に袋叩きに合います」

隊長「フフ馬鹿にするな!そこらの男には負けん」



(こいつが海賊王の娘か)

(なかなかに勝気な娘だ)

267: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:39:26.41 ID:BeTekSFe0
---墓地---

僧侶「毎日人が亡くなってるんだね~」

盗賊「火傷を負った遺体ばかりだな・・そして亡くなってから随分経ってる」

商人「たぶん一気に遺体を出せないから分けて持ってきてるんじゃないかな?」

盗賊「それにしても穴掘り忙しい・・」わっせ わっせ

僧侶「埋葬も教会のお仕事~そして私はお祈りがお仕事~」

女盗賊「おい!新しい遺体が来たぞ!」



看守「囚人の遺体を持ってきた!埋めておいてくれ!墓標は要らん!」

僧侶「は~い」

看守「ほ~フードで顔は見えんが良い返事だねぇ」

盗賊「おい~早くしろよ!こっちは疲れてるんだよ!!」

女盗賊「あぁ手伝うわ」

盗賊「看守!!後は俺達でやっておくから戻っていいぞ」

看守「おぅ!すまんな~司祭には良く言っておく」

盗賊「僧侶!この遺体は傷だらけだ・・埋葬する前に回復魔法掛けてやってくれ」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

盗賊「・・・・・看守は・・・・行ったか?」

商人「・・もう少し・・」

僧侶「・・・・・」グイット

囚人「・・・」ギロ

僧侶「ウフフ~目が動いてる~」

商人「よし!もう良いよ!」

盗賊「立てるか?囚人」

囚人「問題ない・・」ムクリ



??「あわわわわわ・・死体が蘇った・・あわわわわわ」



商人「まずい!誰かに見られた・・」

??「ままま魔女達が死体を操っている・・あわわわ

僧侶「え!?え!?違うの~~!!」

??「たたたた助けてくれぇぇぇぇ」ダダダダ

商人「まずいな・・気球で逃げよう!」

盗賊「そうだな・・面倒が起きそうだ」

商人「早く!」

268: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:40:02.12 ID:BeTekSFe0
---気球---

ゴゴゴゴゴゴー

盗賊「早く乗れぇ!!」

僧侶「オッケーみんな乗ったよぉ~ウフフ」

盗賊「人に見られる前にここを離れよう・・北に行くのが目に付きにくいか?」

女盗賊「そうね!城を迂回して北に向かえば大丈夫だと思う」



ヒョーーゥ ギシ

盗賊「ここまで来ればもう安心だ」

商人「さて囚人・・城での3日間・・何があったか教えて」

囚人「・・やはり俺達の読み通りキマイラが暴れた様だ・・」



キマイラは恐らくもう一体居る

武器庫の奥で戦車を一基見た・・たぶんその中だ

暴れた原因は分からないが武器庫の中は相当破壊されていた

衛兵の被害も相当だろう半数は火傷を負っている

特に気になったのは牢屋には鍵が掛かっていない

出るためには衛兵宿舎の中を通る必要があるからだろう

囚人は衛兵宿舎の地下を自由に動くことが出来るが

足かせを付けてる一部の囚人は恐らく階段を上がることが出来ない

俺が思うに・・魔女は足かせ無しで捕まっていて

キマイラが暴れた隙に簡単に脱出が出来たと考える



商人「ハハ鍵無しの牢屋か」

盗賊「そりゃ牢屋とは言わんな」

僧侶「鍵無しにしたのは隊長だって聞いたことあるよ~ウフフ」

囚人「ほぅ・・その理由は知っているか?」

僧侶「囚人をわざと泳がせる?・・だっけなぁ・・良くわかんな~い」

商人「泳がせる・・ね・・・どうやら僕達は泳がされてるのかもね」

盗賊「・・誘いに乗るか?」

商人「・・・考えさせて欲しい」ブツブツ

僧侶「ブツブツた~いむ!ウフフ」


269: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:40:40.55 ID:BeTekSFe0
---林の中の洞窟---

盗賊「・・よしここなら見つかるまい」

僧侶「ここの林の雰囲気懐かしいなぁ・・あの時は騎士と一緒に・・」

盗賊「そうか・・この辺りは騎士と一緒に来たことがあるのか」

僧侶「騎士は今頃何してるかなぁ~?心配だなぁ・・」



商人「そうか!!」ピーン!!

盗賊「ん!!?どうした?」

商人「僧侶!!もう一度君と騎士との事を話して欲しい」

僧侶「えっとぉ~武闘会の時にドラゴンに襲われて・・」



カクカクシカジカ

---

---

---

商人「ちょ、ちょっと待って・・魔女に初めて会った時はお婆さんだったんだね?」

僧侶「そうだよ~・・・指輪を使って命を吸うって言ってた~」

商人「・・という事は魔女はその時まで死なないで生きている・・・つまり」

僧侶「つまり?」

商人「今慌てて探さなくても魔女は無事って事だ」

僧侶「そうだね~・・でもどうしてお婆ちゃんだったのかなぁ?」

商人「指輪が無いと若さを保てないんだっけ?・・・・あ!!!!」ブツブツ

僧侶「なになになになに?」

商人「女盗賊!!魔女の目撃証言は?」

女盗賊「情報がバラバラで少女から中年女で瞳の色が共通して赤色・・」

商人「・・魔女は1人だ・・年を取っている・・だから証言がバラバラだ」

盗賊「なるほど」

商人「じゃぁ指輪は何処に行った?」

僧侶「愛しの人の為じゃないと絶対外さないって言ってたよ~」

商人「・・・そこが分からない・・・魔王城で一体何があったんだ?」


270: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:41:17.33 ID:BeTekSFe0
---

女盗賊「ねぇ僧侶?もう寝た?」

僧侶「むにゃ~まだかろうじて起きてるょ」

女盗賊「・・あなた達って一体何者なの?闇商人一味?」

僧侶「ん~闇商人一味っていうのは半分正解~」

女盗賊「半分?」

僧侶「本当は魔王を倒すための勇者一味が正解なんだけど・・魔王が居ないの~」

女盗賊「からかってる?」

僧侶「からかってなんかないよ~ウフフそれとね~本物の勇者もまだ見つけてないの~」

女盗賊「・・・・」

僧侶「勇者も魔王も居ないのに・・わたしたち何やってるんだろうね~」



ガバッ!!

商人「ソレだ!!」

僧侶「びびびびびっくりしたぁ~」

商人「今の世界に魔王は居ない・・でも200年前には確かに居る」

僧侶「え?え?」

商人「本物の勇者は魔女の指輪で200年前に戻って魔王を倒す・・そういうシナリオだ」

僧侶「へ?」

商人「魔女はこれから必ず本物の勇者と出逢う・・本物の勇者が探し求めてるのは魔女が持つ指輪だ」

僧侶「ねぇ騎士の事忘れてない~?」

商人「魔女は君達に始めて会うまで本物の勇者には会って居ないよね?」

僧侶「うん・・そう言ってた」

商人「魔王城で何かあって魔女は指輪を騎士に預けた・・それならつじつまが合う」

僧侶「・・・」

商人「・・今指輪を持っているのは多分・・騎士だ・・そして」

僧侶「そして?」

商人「君が言う武闘会でドラゴンに食われる囚人は多分・・騎士だ・・指輪を持っている」

僧侶「え・・イヤ・・」

商人「僕達はドラゴンと一緒に騎士を救うんだよ」

僧侶「・・そんなのいや・・それまで待てない~騎士がかわいそう」

商人「囚人を起こしてくれ!!」


271: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:41:57.40 ID:BeTekSFe0
---

囚人「・・・俺が見たかぎり牢屋の中に騎士らしき人物は見ていない」

商人「・・そうか・・結局行方不明か・・」

囚人「ひどい火傷を負った囚人も居たが騎士かどうかは分からん」

商人「火傷?・・もしかするとその人かも知れないな」

囚人「城の中は火傷を負った者ばかりだ・・囚人達も例外ではない」

僧侶「ふぇ~ん・・騎士がかわいそう~」

商人「まだ決まった訳じゃないよ・・・」

僧侶「ねぇ囚人!もう一回お城に入れないの~?」

囚人「俺は顔が割れてしまっている・・いくら死なんとはいえ一人で数百人の衛兵を振り切るのは無理だ」

商人「囚人の言う通りだよ・・もう死んだ振りも通用しないね」

僧侶「あああぁぁおなかがムズムズして来たぁ~」

商人「居ても立っても居られないのは分かるよ・・でもここは慎重に行こう」

囚人「その火傷を負った囚人が騎士だと分かっていれば無茶のし甲斐もあるが・・」

商人「そうだね・・情報が足りない」

僧侶「どうすれば良いかなぁ~?」

商人「僕に考えがある!女盗賊に協力してもらいたい!」



272: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:42:31.39 ID:BeTekSFe0
---

女盗賊「!!?え・・わたしに何が・・」

商人「まだ付き合って短いけど君はもう僕達の仲間だ・・君なら出来る事がある」

女盗賊「私に?」

商人「君の情報収集能力は非常に高い・・」

女盗賊「・・・」

商人「始まりの国の町で武器屋か防具屋に成りすまして情報を集めて欲しい」

女盗賊「武器屋か防具屋?・・・それは出来るけど・・どうして?」

商人「武器や防具の交換の為に月に何回か城内に入れると思う」

女盗賊「!!その手が・・でも資金が無いわ」

商人「それは僕に任せて・・質の良い物を送るようにする」

女盗賊「フフフ面白そうね」

商人「仲間であるからには全力で支援するのを約束するよ」

女盗賊「連絡はどうやって?」

商人「配達人に手紙を渡してくれれば良い」

女盗賊「あなた達はこれからどうするの?」

商人「まず魔女を探さないといけない・・事情が聞きたいんだ・・その後は中立の国で情報を集める」

女盗賊「ねぇ・・一つ質問して良いかしら?」

商人「なんだい?」

女盗賊「本物の闇商人はあたなね?」

商人「ハハハそうさ・・でも今は違う・・勇者を捜し求める魔王一味?ハハ」

女盗賊「ぷっ・・見えないわねフフフ・・わかったわ協力してあげる」

商人「君はこれから僕達と別れて武器屋か防具屋に成りすまして・・・必ず物資を送ってあげる」


273: 城への潜入 2013/07/12(金) 20:42:59.11 ID:BeTekSFe0
---翌日---

盗賊「・・そうか歩いて戻るか・・寂しくなるな」

女盗賊「私は歩きの方が性に合ってる・・あなた達の無事を祈ってるわ」

商人「じゃぁ女盗賊・・よろしく頼むよ・・これ資金の足しにして」ドサ

女盗賊「こんなにくれるのかい?金貨一袋・・十分すぎるわね」

盗賊「無駄遣いすんじゃねぇぞ?」

女盗賊「わかってるわよ」

盗賊「じゃぁまたな!しくじるなよ?」

僧侶「女盗賊さんまたね~」ノシノシ



ゴゴゴゴゴゴゴゴ フワフワ



盗賊「よし!!魔女の塔へ向かうぞ!」

商人「2日くらいかな?」



盗賊「そんなもんだ」

274: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:51:32.84 ID:BeTekSFe0
---魔女の塔---

ヒョーゥ ギシ

商人「す、すごいな・・噂には聞くけど一面の花・・」

僧侶「このお花はね~魔女が200年間毎日植え続けたんだって~」

商人「魔女の塔もすばらしいね」

盗賊「これを破壊するなんて頭がどうかしてるぜ」

僧侶「わたし泣いちゃうかも~」

盗賊「塔の天辺に降りるぜ?」

商人「そうだね・・降りるのに丁度良さそうだ」



フワフワ ドッスン



商人「しばらくはこの塔を拠点に情報を集めよう」

僧侶「森の町が歩いて30分くらいのところにあるよ~ハチミツ酒がすごく美味しいの~」

盗賊「俺が買出しと情報収集に行って来る」

僧侶「えええええ私も行きたい~~」

盗賊「顔はフードで隠してもらうぞ?」

商人「ハハ良いじゃないか・・男女2人の方が怪しまれにくい」

僧侶「わ~いウフフ」

商人「盗賊!頼みがある・・僕は歴史の事が知りたい・・古文書の様な物があったら買ってきて」

盗賊「歴史かヌハハ・・本気で200年前の伝説を調べるつもりだな?」

商人「僕は本気だよ・・僕の勘は結構当たる」




---

僧侶「♪ラ--ララ--♪ラー」

商人「その歌は?」

僧侶「魔女に教えて貰ったの~『愛の歌』だって~♪ラ--ララ--♪ラー」

商人「・・この古文書にその歌詞と同じフレーズが載ってる・・見て」

僧侶「アレ~本当だ~・・魔女ってすごいね~ウフフ」

商人「その歌のルーツはエルフにあるらしい・・エルフと人間の愛を歌った叙事詩だってさ」

僧侶「へ~・・・そういえばエルフの長老も聞かせてくれって言ってたなぁ・・」

盗賊「ロマンチックな話だな」

商人「いや・・もしもの話だ・・魔女は牢屋でその歌を歌ったとしよう」

僧侶「???」

商人「キマイラがその歌を聞いて目覚めた・・話が出来すぎかな?」

囚人「その可能性は否定できんな・・キマイラはエルフの血から造られている」

商人「まぁ・・考えすぎかな・・それにしても歴史は色々と面白い」

僧侶「商人辞めて学者になるぅ~?ウフフ」

275: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:52:28.43 ID:BeTekSFe0
---一週間後---

僧侶「魔女来ないなぁ・・シュン」

盗賊「そう簡単にはいかない様だな」

商人「・・魔女は来ないかもしれないね」

僧侶「どういう事~?」



僧侶・・君が経験して来た事だ

魔女はこの塔がじきに壊される事を知っている

数年後君達がここに指輪を持ってくる事も知っている

魔女はそれを止め様が無い事も分かってる筈さ

僕なら思い出の地が壊される所は見たくない



僧侶「・・全部私が知ってる過去の事の通りに進んでる?」

商人「そうだよ・・たぶん始まりの国で気球が禁止されるのも・・僕達が関係している」

僧侶「え!?」

商人「幽霊船の時、墓地から逃げる時、それから魔女の塔が壊される時も・・僕達は気球で逃げる」

僧侶「・・そんな・・」

商人「もっとある・・君の時代では始まりの国とエルフの森で争いが活発になってると言ったね?」

僧侶「うん」

商人「僕がエルフの密売をやらなくなったから始まりの国は自分で狩りに行くしか無いんだ」

僧侶「・・・」

商人「まだある・・魔王軍が活発になってるとも言ったね?」

僧侶「うん」

商人「王国から見たら不振な行動をする僕達は魔王軍にしか見えないんだよ・・全部が予定通りだ」

僧侶「今居る世界は・・まだ過去?」

商人「そう・・信じられないけど今はもう過去なんだ・・物事が動くのはまだ先さ」

盗賊「おい!!変える事は出来ないのか?」

商人「きっと無理だ・・僕達がキマイラを防いだとしても他の誰かが塔を壊す」

僧侶「じゃぁわたし達がこの塔に居る理由って何?」

商人「すまない・・分からないんだ・・ただ導かれている様に思う」

盗賊「何か方法は無いのかぁ!!」

商人「僕達が歩んでる道はいつも選択肢が少ない・・ひょっとしたら一本道かもしれない」

盗賊「未来を知ってるなら変える方法を・・」

商人「うん・・僕も考えてるよ」

276: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:53:03.25 ID:BeTekSFe0
---数日後---

盗賊「おう!買出しから戻ったぞ」

商人「何か変わった情報は無かったかい?」

盗賊「・・・選ばれた勇者が行方不明になったという噂が出始めた」

僧侶「・・・・・」

商人「僧侶・・心配しなくて良い・・騎士は必ず生きている」

盗賊「それと・・始まりの国の衛兵達が森の町で集まり出した」

商人「そうか・・やっぱり予定通りだね」

盗賊「どうする?」

商人「すこし考えたんだけど・・衛兵隊長と取引がしたい」

僧侶「隊長と!?」

商人「そうさ・・こっちにはコレがある」シャキーン

盗賊「海賊のバッチ!!」

商人「洗いざらい隊長に打ち明けるとどうなると思う?」

囚人「衛兵隊長自ら正体不明の我らの前に出てくるとは思えんがな」

商人「僕は未来を変えてみたいんだ・・この世界は僕達の物だ」




---

盗賊「おい!見ろ!!衛兵隊が来るぞ・・すげぇ数だ」

囚人「クックックたかが4人に随分な数を集めたな」

商人「いや・・これはパフォーマンスだ・・人の目が必要なんだと思う」

盗賊「パフォーマンスだと?」

商人「キマイラの入った戦車の圧倒的火力を他の国へ知らしめる為さ」

盗賊「・・そんな事の為に?」

商人「キマイラが不良品だというのは知れてはマズイんだよ」

囚人「なるほど」

商人「それと同時に魔女騒動を収束させたい狙いかな」

僧侶「魔女はこれをどこかで見てないかなぁ?」

商人「・・・そうだね・・・見てるかも知れないね」



ガラガラガラガラガラガラガラガラ



盗賊「戦車だ!!砲身がこっち向いてるぞ・・やばくないか!?」

商人「気球は何分で動く?」

盗賊「1分は掛かる!」

商人「盗賊は気球の準備をしておいて」

盗賊「わかった!!」ダダダ

商人「僧侶は僕と囚人から離れないでお祈りをお願い」

僧侶「は~い」

277: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:54:05.58 ID:BeTekSFe0
---

隊長「魔女の塔で待つ者!!そこに居る事は分かっている!!」

僧侶(どうして知ってるのかなぁ?)ヒソ

商人(さぁね?パフォーマンスじゃない?)

隊長「出てこないとこの塔を破壊するぞ!!」

僧侶(どうするの~?)

商人「ハハハ見つかってしまっては仕方が無い」

隊長「!!!!!?な・・に?」

商人「始まりの国の衛兵隊長と少し話がしたい」

隊長「お、お前は何者だ!?」

商人「僕は魔女を率いる魔王軍の側近さ」

隊長「何ぃ!!・・そんな筈は・・・何が望みだ!?」



ドヨドヨ ザワザワ



商人「君と少し話がしたいだけさ」

隊長「姿を見せろぉ!」

商人「これで良いかい?高い所から済まないね」

隊長「ここで何を待っている!!?」

商人「あまり大きな声で話したくないなぁ・・・これを持って上がってきてくれないか」ポイ

隊長「・・・・」パス

商人「一人で来ないなら取引は中止だよ」

隊長「!!!?これは・・・・・これを何処で?」



衛兵「隊長!!これは罠です!!一人で行ってはいけません!!」

隊長「だまれ・・相手は数人しか居ない・・10分で戻らなければ全員で突撃しろ!」

衛兵「し、しかし・・」

隊長「全員戦闘態勢で待て!!」ツカツカツカ


278: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:55:08.16 ID:BeTekSFe0
---

囚人「クックック隊長一人で来るとは・・」

商人「やぁ・・」

隊長「お前達・・海賊のバッチをなぜ?」

商人「君のお父様とは仲間なんだよ」

隊長「こんな所に居てもらっては困る!!この塔は今から破壊する」

商人「それを待って欲しい・・いや・・塔を破壊すると歴史を変えられない」

隊長「言っている事が分からない」

商人「魔女と僕達は仲間だ・・海賊達、エルフも仲間だ・・信じて欲しい・・キマイラを止めて戦争を無くしたい」

隊長「キマイラは戦争を無くす為の兵器だ」

商人「そうやってキマイラ、ドラゴンの大砲、機械のゴーレムが造られている・・いずれ破綻する」

隊長「・・・・」

商人「キマイラは暴走したでしょう?」

隊長「いつか暴走するのは分かっている・・だからここで使わないと又被害が出る」

商人「他に処分する方法は無いかな?」

隊長「国王が納得すると思うか?」



♪ラ--ララ--♪ラー



衛兵「??何の音だ?」

??「♪ラ--ララ--♪ラー」

衛兵「魔女だ!魔女が現れた!」



僧侶「この声は魔女!!魔女が来た!!」

商人「え!?こんなタイミングで・・・囚人!!魔女を助けに!!」

囚人「分かっている」ダダダッ

隊長「待てぇ!!どうするつもりだ!?」



ヴオォォォォォォ

279: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:55:41.35 ID:BeTekSFe0

衛兵「!!!!!戦車が唸ってる!!!!!」

隊長「まずい!!キマイラが目覚めた・・なぜ急に・・」

商人「どうやら思い通りに事が進まないようだね」

隊長「塔から避難しろ!!砲身は塔に向いている!!衛兵は私が何とかする!!」ダダダッ

商人「囚人と魔女は何処に?」

僧侶「・・あそこ!!囚人が衛兵と戦ってる」



カ-ン カーン キーン

囚人「邪魔をするなぁ!!」ゴスン

魔女「おぉ囚人・・わらわを迎えにきたのかえ?」

囚人「魔女!付いて来い!キマイラが目覚めた・・塔は破壊される」

隊長「衛兵!!!!!!全員避難しろおぉぉぉ!!爆発するぞぉぉぉ」

衛兵「ハッ・・隊長・・ひ、避難?」

囚人「魔女いそげ!」

魔女「わらわは少し年を取ってしまってのぉ・・走るのはしんどいのじゃ」

囚人「・・・背中に乗れぇ」ヨッコラ



ピカー チュドーーーーーン



衛兵「はう・・塔を貫通して森が吹き飛んだ・・ととと・・とんでもねぇ」

囚人「魔女!しっかり捕まっておけよ?」ダダダ

僧侶「囚人~早くぅぅぅ塔が崩れるぅぅぅ」

商人「僧侶・・僕達も急ごう・・すまないけど僕の手を引っ張ってくれないか?」

僧侶「え?また心臓が?」

商人「いや階段がきついんだ・・僕は走れない」

盗賊「お前ら急げぇぇぇぇ!!」



ピカー チュドーーーーーン ゴゴゴゴゴゴゴ



隊長「衛兵!!森の火事が拡大しないように木を切り倒せ!!」(不良品のキマイラでこの火力か)

隊長「他の者は近くの川から水を運んで来い!!」(もし完全なキマイラが暴走したら世界を滅ぼすな)

隊長「森の町からも助けを呼んで来い!!」

衛兵「隊長!!塔の天辺から気球が上がって行きます!!」

隊長「アレはもう良い!魔女はもう戻って来ない・・忘れろ!」

衛兵「しかし・・あんな形の気球は見たことありません・・早い」



ピカー チュドーーーーーン ゴゴゴゴゴゴゴ

280: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:57:36.20 ID:BeTekSFe0
---気球---

盗賊「危機一髪だな・・」

魔女「わらわの塔が・・・」

商人「魔女・・塔が破壊されるのは分かっていたよね?」

魔女「あの塔の地下には愛しき人の墓が有るのじゃ・・」

商人「墓?・・そうか・・地下があったんだ」

僧侶「塔は崩れても地下は無事そうだね~」

盗賊「ところでキマイラの火力はとんでもねぇな・・どうやって沈めるんだ?」

商人「不良品で数分しか動かない筈だけど・・」

囚人「完全なキマイラが造られれば世界は破滅する」

盗賊「こりゃなんとしても阻止せんといかんな」

商人「キマイラのブレスが収まった様だ・・塔が崩れて行く・・」

魔女「見とうない・・わらわの記憶が崩れて行く様じゃ・・」

僧侶「ふぇ~ん・・魔女ぉだっこしても良い?」




---

---

---

魔女「・・・それでわらわは魔王島で愛しき人を見送ったのじゃ」

商人「そうか・・やっぱり指輪は騎士が持っているのか」

魔女「指輪が無いとわらわは普通よりも早く年を取る・・このままじゃと2年程で朽ちるのぅ」

僧侶「魔女に指輪は帰ってくるよ~ウフフ返す約束とか言ってたもん」

魔女「返しておくれ・・わらわはまだ愛しき人に会っておらん」

僧侶「わたしに言われてもなぁ・・」

商人「いや大丈夫・・約束しても問題ない」

魔女「この後どこに向かうつもりじゃ?」

商人「砂漠の町を経由して中立の国に行こうかと・・」

魔女「わらわをエルフの森に下ろして行ってもらえんか?」

商人「良いけどどうして?」

魔女「エルフの長老にエルフの娘を守れなんだ事を伝えねばならん」

商人「そうか・・大事なことだね」

魔女「エルフの森は安全じゃ・・指輪が帰るまでは森でゆっくり待つとするよ」

商人「その方が良いね」

魔女「エルフの森の中は時間の流れがゆっくりしておるでのぅ」

僧侶「ねぇ魔女?あの歌の事なんだけど・・エルフと人間との愛の歌って本当~?」

魔女「あの歌はエルフの長老がわらわの為に作った歌じゃよ・・エルフの長老はわらわを愛しておった」

僧侶「!!!?」ニヤ

281: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:58:15.31 ID:BeTekSFe0

商人「ちょっと待って・・エルフの長老は何歳になるのかな?」

魔女「わらわと同じ位かのぅ・・」

商人「魔女の指輪で命を吸う時はどうすれば良いの?」

魔女「数年前を思い出すだけじゃ・・」

商人「200年分命を吸うとしたら200年前を思い出す必要がある?」

魔女「そういう事になるのぅ・・なぜそんな事を聞くんじゃ?」

商人「・・い、いや・・聞いてみただけだよ」



---

僧侶「魔女?一人で大丈夫?危なくない~?」

魔女「わらわの事は心配せんでも良い。じきにエルフが迎えに来るじゃろぅ」

商人「それじゃぁ魔女・・体に気をつけて・・必ず迎えに来るよ」

魔女「愛しき人の事が分かったら迎えに来ておくれや・・エルフの長老の所におるでのぅ」

商人「うん約束するよ」

魔女「そなたらの方こそ無茶をするでないぞ?」

商人「ハハハ僕は少し無茶をするかもね」

魔女「考えがあるのじゃな?」

商人「そうだよ・・必ず世界を元に戻す・・いや変えてみせる」

魔女「良い心意気じゃのぅ」

盗賊「さぁ行くぞ!みんな乗れぇ!」

僧侶「じゃぁ~またね~」ノシノシ



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ フワフワ

282: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:58:49.75 ID:BeTekSFe0
---

ヒョーーゥ ギシ

盗賊「ひとまず砂漠の町で身を落ち着ける・・でいいのか?」

商人「・・うん」

僧侶「商人なんか元気ない?」

商人「いや・・考え事さ」

盗賊「なんだ?言って見ろ」

商人「僧侶・・回復魔法をかけてもらえないかい?」

僧侶「良いよ~どこか痛いの~?」

商人「ちょっとね・・確かめたい事があるんだ」

僧侶「行くよ~回復魔法!」ボワ

商人「・・・・やっぱりそうか・・」

僧侶「???どうしたの???」

商人「僧侶・・君はまだ自分の凄さに気が付いていないね」

僧侶「え!??なに?わたし凄いの?」

商人「君の回復魔法は体の傷を癒すだけじゃないんだ・・心も癒す力を持っている」

僧侶「え?え?え?どういう事?」

商人「思い出してごらん・・僕や盗賊や囚人・・エルフの娘も君の回復魔法で変わってるんだよ」

僧侶「わたしの?」

商人「罪や復讐の意識を改める方向に君の回復魔法が変えてるんだ」

僧侶「ウフフ~ほめられるってうれしいなぁ~うふふのふ~♪」

商人「僕は人間だからちょっとした事で諦めたり疑ったり良くない方向へ感情が流れる」

僧侶「それはみんな同じじゃないの~?」

商人「君の回復魔法はそういう良くない方向を正す力があるんだ」

盗賊「200年前の魔王が掛けた呪いはその感情の事かもな」

商人「するどいね・・きっとそうに違いない・・僕達の心に魔王が住んでいる・・それを考えていた」

盗賊「ぬはは・・ってことはこの世はすでに魔王に支配されてるな」

商人「そう言い換える事が出来るね・・魔王の心に支配されて滅亡の道を歩んでる」

盗賊「まぁでも考えすぎな気もするがな」

囚人「いや・・あながち外しては居ない・・監獄に居る間は復習の心が芽生えてくる」

商人「そういう心こそ魔王の正体かもしれない・・」

盗賊「ん~む・・僧侶がすべての人間に回復魔法を掛ければ良いのか?」

商人「・・・キーワードは200年前さ・・ともあれ僕はもっと歴史の勉強が必要かなハハ」


283: 魔女の塔 2013/07/12(金) 20:59:16.26 ID:BeTekSFe0
---砂漠の町---

盗賊「さぁ!久しぶりの砂漠の町だ」

僧侶「わたしね~騎士と過ごした宿屋に泊まりたいなぁ~」

商人「かまわないよ・・この町は危険に見えるけど本当は安全さ」

僧侶「はぁぁぁ~あの頃はわたし幸せだったなぁ~」

盗賊「騎士も大変だったろうな・・」

僧侶「・・ん?そんな事ないと思う~ウフフだってわたし達夫婦だもん」

盗賊「・・・・・」

商人「さて!仕事が待ってる・・僕は商人ギルドに行ってくるよ」

盗賊「囚人!荷物を下ろすのを手伝ってくれ・・少し教えたいこともある」

囚人「かまわんが雑用はやらんぞ」

盗賊「雑用じゃねぇ大事な事だ」

僧侶「・・じゃあ後で商人ギルドに行くね~」ノシノシ




---宿屋---

ガチャリ バタン

僧侶「・・・」


---この部屋で騎士と一緒に過ごした---

---あの時と変わらないお部屋---

---魔女もこうやって愛しき人の香りを探したのかな---

---騎士が掛けてた椅子---

---騎士と一緒に寝たベット---

---だっこしたい---

---わたし騎士を愛してる---


284: 魔女の塔 2013/07/12(金) 21:00:11.38 ID:BeTekSFe0
---商人ギルド---

僧侶「やほ~」

盗賊「あぁ・・俺は俺のやり方で騎士を救う」

僧侶「!!?何の話~?」

商人「盗賊が一人で旅に出るって・・」

僧侶「え!?」

盗賊「確か・・騎士の故郷は辺境の村だったな?」

僧侶「え?あ・・うん。そう言ってた・・どうするの?」

盗賊「・・・コレだ」

商人「ドラゴンの涙?」

盗賊「そうだ・・ドラゴンの涙を飲ませれば騎士はそう簡単には死なない」

商人「ドラゴンの耐性を付けるのか・・暑さ寒さ飢えに耐性が出来る」

僧侶「わたしも連れて行って!!」

盗賊「それはダメだ・・僧侶は商人を守ってくれ・・囚人にはあらかた仕事を教えておいた」

僧侶「シュン・・」

盗賊「大丈夫だ!僧侶・・ドラゴンの涙を飲ませたら俺は必ず帰ってくる」

商人「・・そうだね・・今騎士の行方が分からない以上その方法が効果的かもしれない」

盗賊「馬を一頭借りていくぜ!!早速辺境の村に向かう」

商人「分かったよ・・合流は中立の国で良いかな?」

盗賊「おう!!商人!!お前もお前のやり方で頑張れ」

商人「ハハ影武者の癖に対等に口を利くじゃないか」

盗賊「これからは闇商人の影武者は囚人と僧侶だ」

僧侶「ねぇ・・お願いがあるの」

盗賊「なんだ?」

僧侶「若い騎士に会ったら『わたしを置いていかないで』って伝えて」

盗賊「ヌハハ分かった必ず伝えてやる」

商人「じゃぁ盗賊!気をつけて!」

盗賊「おう!!行ってくるわ!!」





---結局盗賊が騎士の師匠になるのもわたしの知ってる過去の通りに進んでいく---


285: 魔女の塔 2013/07/12(金) 21:00:58.27 ID:BeTekSFe0
---

商人「しばらくは商隊が中心になるよ」

商人「僕の考えを先に言っておく」

商人「結論から言うよ。エルフ、ドラゴン、クラーケン、海賊を仲間にする」

商人「やり方はまず中立の国で物流を僕がコントロールする」

商人「物流さえストップしてしまえばキマイラもゴーレムも造れない」

商人「そして海賊にはこれからもっと力をつけてもらう」

商人「その後ドラゴンと取引をしたい・・・ドラゴンの子供を解放するのを条件にね」

商人「海賊にはその時発生する終わりの国の難民を避難させてもらう」

商人「その為には大量の船が必要なんだ」

商人「次にエルフを・・・」



---わたしたちはいつの間にか魔王軍になってる---



---何と戦うのかな---

286: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:20:17.00 ID:BeTekSFe0
---

ザー ザー ガガーン ザー

盗賊「腹減ったな・・この辺りの筈なんだが・・」

??「おい!誰かくるぞ!」

盗賊「おいおい山賊のお出ましかぁ!?」

??「どしゃぶりの中こんな田舎に来るのは誰だ!!」

盗賊「ようよう威勢が良いじゃねぇか!?辺境の村を探してる・・」

??「村に何の用事だ!?」

盗賊「ほう・・近い様だな・・腹が減っている・・案内してくれんか?」

??「質問に答えてない!!」

盗賊「用心深いな・・人を探している・・悪さをするつもりは無い」

??「こいつは兵隊じゃなさそうだ・・どうする?」ヒソ

盗賊「まる聞こえだぞバ~カ」

??「バカって言われたぞ!」

盗賊「だからまる聞こえだって~の」

??「多分兵隊じゃない・・連れて行こう」



---辺境の村---

盗賊「な、なんだこりゃ・・病人ばっかりじゃねぇか」

村人1「疫病が流行ってるんだ・・早く村を出た方が良い」

盗賊「疫病?お前達は無事なのか?」

村人1「だいぶん前にどこかの兵隊達が来てそれ以来得たいの知れない魔物が出るように・・」

村人2「魔物の体液が疫病の元になってるらしい」

盗賊「その兵隊達はどこからやってくる?」

村人1「わからない・・薬だといって謎の液体を置いていく」

村人2「俺は兵隊達が疫病の犯人だと思ってる・・もう村に入れる気は無い」

盗賊「なぜ兵隊が犯人だと思う?」

村人2「病人の血液を採取して持っていく」

盗賊「・・・」(細菌兵器まで開発してるとは)

村人1「ところでこの村には宿屋は無いよ・・」

盗賊「まいったな・・腹が減ってしょうがない」

村人1「・・その・・疫病が流行ってから働き手が居なくなって」

盗賊「お前らが収穫すれば良いだろう!・・・ってお前ら子供か」

村人2「子供じゃない!!今は村を守る戦士だ」

盗賊「・・・話の出来る大人は居ないのか?」

村人1「・・・・・」

村人2「大人はみんな薬を飲まないで・・寝てる」

盗賊「死んだのか?」

村人1「・・・・・」

盗賊「・・・よし!俺について来い!あと元気な奴を集めて来い!」

287: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:20:56.19 ID:BeTekSFe0
---

パチ パチ メラ

盗賊「よ~し!並べぇ!!ご馳走だぞ!!」

少年達「おおおおおぉぉぉ久しぶりのご馳走だ!!」




うめぇ!!

待てよ!小さい子から順番だ

どうやって作るんだ?

見て見て!よく勉強して!




盗賊「よ~し!これで全員か?30~40人?」(騎士らしいのが居ない)

少年「お兄ちゃんが具合悪くて寝てるよ」

盗賊「そのお兄ちゃんはどうしたんだ?」

少年「魔物と闘って怪我をしたんだ・・それ以来具合が悪いって」

盗賊「どこに居る?」

少年「村の教会で横になってる」

盗賊「呼んで来い!・・俺が手当てしてやる」

少年「・・でも歩けないみたい」

盗賊「そうか・・おい!お前ら!!ご馳走残したらタダじゃ済まんからなぁ!!」

少年達「おおおおぉぉぉ全部食うぞぉぉぉ!!」

盗賊「おい少年!教会に案内しろ!」



288: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:21:22.41 ID:BeTekSFe0
---教会---

??「う~ん・・・」

少年「ここだよ」

盗賊「そうか・・お前は戻ってご馳走食っとけ!」

少年「うん!」

盗賊「おい!お前・・大丈夫か!?」(間違いない騎士だ)

青年「んあ・・・はぁはぁ」

盗賊(こりゃひでぇ・・一人で村を守ってたのか?)

青年「あ、あんたは誰だい?」

盗賊「今クスリを飲ませてやる」(ドラゴンの涙)

青年「いや・・・クスリは他の子供達に・・」

盗賊「お前が死んだら誰が村を守るんだ!?」

青年「・・・それは何のクスリかな?」

盗賊「ただの豆だ・・せめて豆くらい食え・・体力が無いと傷も治らんぞ」

青年「ハハ豆か・・頂くよ」パク モグモグ

盗賊「まぁおまじないだと思え」

青年「いや・・僕は多分もうすぐ死ぬ・・村の子供達をおねが・・」

盗賊「あぁしばらくは面倒みてやるよ」

青年「・・アレ?・・・なんだか痛みが引いていく」

盗賊「そりゃ良かった・・しばらく休め」

青年「痛みが無いと良く寝れそうだ・・よ」スヤ




---とりあえずコレで俺の仕事は終わりだ---


289: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:21:52.54 ID:BeTekSFe0
---翌日---

盗賊「おおぅ今日は快晴だ」

少年達「おはようございます!!先生!!」

盗賊「ぬあ!!先生!?」

少年達「はい!!先生!!ご馳走の作り方を教えてください!!」

盗賊「なぬ!?いや俺は忙しくてな」

少年達「あれを見てください!!みんな先生を待っています」

盗賊「んあ?どこだ?」

少年達「まず・・火の起こし方を・・」

盗賊「なんだありゃ?木を叩いてる?・・お前ら火の起こし方も知らんのか?」

少年達「みんな元気になりました・・たぶん皆お腹が空いてたから・・」

盗賊「ぬはは・・腹が張ったら元気が出てきたか」

少年達「はい!!今度は僕たちがご馳走を作ります!!」

盗賊「ん~む・・」(仕方が無い付き合うか)

少年達「おねがいします!!」

盗賊「あ~分かった分かった・・・火の起こし方はだなぁ・・」




---

盗賊「よし!!明日から狩りの仕方と料理を教えてやる・・日の出前に来るように!!」

少年達「はい!!」

少女達「は~い!」

青年「・・・僕も混ぜてもらって良いかな?」

盗賊「お!?体の具合はどうだ?」

青年「死ぬかと思ったけど・・なんか大丈夫そうだよ」

盗賊「腹は減ってないか?」

青年「ぺこぺこだよ」

盗賊「おう!そりゃ丁度良い!お前らぁ!!火を起こせぇ!!ご馳走作るぞ!!」

少年達「うおおおおぉぉぉ」

少女達「野菜取ってくる~」

290: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:22:33.11 ID:BeTekSFe0
---

青年「この村には何の用事で?」パク

盗賊「あぁもう用事は済んだ」モグ

青年「見ての通りこの村には大人が居ないんだ」パク

盗賊「そのようだな・・お前一人で面倒見てたのか?」モグ

青年「僕が狩りしてこないと食べるものがね・・」パク

盗賊「その傷は何にやられたんだ?」モグ

青年「熊だよ・・」

盗賊「ぶっ・・熊と闘うのは無茶だろう」

青年「いや・・熊が襲ってきたという方が正しい」

盗賊「肉が足りんか?」

青年「家畜もみんな疫病にやられてしまって野菜だけじゃやっていけないよ」

盗賊「そうか・・明日皆で狩りに行こう!夜はバーベキューだ」

青年「ハハ良いね子供たちが喜ぶ」




---森---

盗賊「そうだ!大物は狙わなくて良い。ウサギ、鳥、猪で十分」

少年1「・・・」コソ~リ ギリ シュン スト

盗賊「釣りの方はどうだ?」

少年2「餌の食い逃げが・・」

盗賊「そりゃ餌のつけ方だな・・こうすれば食い逃げされ難い」

少年2「おお」

盗賊「青年!お前は弓は使えんのか?」

青年「僕は弓を使えるほど器用じゃないんだ」

盗賊「やってみろ!」

青年「こ、こうかな?」

盗賊「呼吸を整えて・・獲物の前方上を狙え」

青年「・・・」ギリリリリリリリ ミシミシ

盗賊「バカ・・弓を引きすぎだ半分の力で良い」(やっぱり体力バカは変わらんな)

291: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:23:00.70 ID:BeTekSFe0
---夜---

パチ メラ メラ

少年達「ぷはぁ・・久しぶりに肉食ったぁ」

少女達「まだスープが余ってるわよ~」



青年「この村が子供達だけでやっていけるまでこの村に居てほしい」

盗賊「ん~・・・お前は武術の経験はあるのか?」

青年「教えてもらった事は無い・・自己流だよ」

盗賊「立ち回りやってみるか?」

青年「え!?」

盗賊「木の棒でチャンバラだ」

青年「で、できるかな?」

盗賊「ちょっとした運動だ・・・木の棒を持て」

青年「わかったよ・・」



少年達「おぉ!お兄と先生がチャンバラやるみたいだ」

少女達「お兄!!がんばってぇ~」



盗賊「いくぞ・・」

青年「ゴクリ・・」

カン カン コン バシッ

青年「いたっ」

盗賊「全然ダメだな・・足裁きがべた足だ」

青年「べた足?」

盗賊「よし!お前が立ち回り上達するまでは村に居てやる」

青年「おーみんな聞いたか!?」

少年達「すげぇ!僕達にも教えて!」

盗賊「お前らは青年から教われ!青年より強くなるまではダメだ」

少年達「おい!みんな聞いたか!?練習するそ!!」

盗賊「青年!!俺はちぃと厳しいぞ?」

青年「もう一回!!」

カン カン コン バシッ

青年「あいた!」

292: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:24:04.12 ID:BeTekSFe0
---数日後---

青年「はぁはぁ・・」

盗賊「こらぁ!!畑仕事サボるなぁ!!これも訓練の内だ!!」

青年「わ、わかってる」フンッ フンッ

少年「お~~~い!!お兄ぃ~~~」

青年「ん!?」

少年「はぁはぁ・・」

青年「どうした?」

少年「始めて見る兵隊が大勢来てる!!お兄ぃを探してる」

盗賊「どこだ?」

少年「村の入り口だよ」

盗賊「・・・あれは中立の国の衛兵だな」(勇者選びか?)

青年「今行くよ・・師匠も一緒に来て」

盗賊「いや・・俺は遠くで見てる・・俺の事は言うな」

青年「わかったよ・・じゃぁ行って来る」

盗賊「・・・」(勇者の選定は中立の国がやっているのか)



---

盗賊「どうだ?奴らは帰ったか?」

青年「あぁ・・帰った・・師匠はどうして隠れてるんだい?」

盗賊「んあ・・事情があってな・・隠居中の身だ」

青年「師匠は本当は何者なのかな?」

盗賊「俺は・・・元衛兵隊長だ・・終わりの国のな」

青年「元衛兵隊長ならなおさら堂々と・・」

盗賊「俺の顔は衛兵には知れ渡ってる・・面倒は御免だ」

青年「そっか・・政治絡みの事もあるんだね」

盗賊「ところで用事は何だった?」

青年「・・・・・」

293: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:24:34.35 ID:BeTekSFe0

盗賊「勇者の案内だな?」

青年「!!!?どうして分かる・・の?」

盗賊「俺の耳は地獄耳だ」

青年「勇者候補の一人になってるから親御の了解を得て置けと・・」

盗賊「親御は居るのか?」(なるほど普通の親御は了解しないな)

青年「居ない」

盗賊「そうか」(我が子を死地へ向かわす訳が無い)

青年「勇者って魔王を倒す為に闘うんだよね?」

盗賊「さぁな?そうとも限らん」

青年「あの兵隊達は又返事を聞きに来ると言ってた」

盗賊「どうするんだ?」

青年「子供達がはやし立ててる・・」

盗賊「勇者にはなりたくないのか?」

青年「いや・・どうして僕なのか分からない・・魔法も弓も扱えないのに」

盗賊「誰かを救う気持ちだけで良いとは思うがな」

青年「!!!誰か・・・か」

盗賊「おい!!畑仕事残ってるぞ!!休憩は終わりだ!!」

青年「う、うん」

盗賊「次は種植えるのを手伝え!!」

青年「わかった!!」フンッ フンッ



---数週間後---

カン カン コン

盗賊「大分板についてきたな・・次は足裁きを教えてやる」

青年「はい!!」

盗賊「まずは走りこみだな」

青年「え?」

盗賊「短い距離を全力で往復だ・・3メートルから行こう」

青年「3メートルを全力!?2歩か3歩で・・」

盗賊「そうだ・・出来るだけ早く往復するんだ」



ダダ ダダ ダダ ダダ



盗賊「ダメだ遅すぎる!!」

青年「はぁはぁ・・」



少年達「おい!俺たちも真似してやるぞ!!」


294: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:25:03.59 ID:BeTekSFe0
---数ヵ月後---

盗賊「ヌハハ生傷が耐えんな」

青年「ハァハァ・・もう剥ける足の裏の皮が無いよ・・」ガクガク

盗賊「次は土砂を運ぶぞ」

青年「土砂?」

盗賊「この村の全周に土砂を積んで柵を立てる・・安全の為だ」

青年「僕一人で?」

盗賊「そうだ・・柵を立てておけば村を守る場所は一箇所で良い」

青年「土砂を積む理由は?」

盗賊「かっこいいからに決まってるだろ!」

青年「・・・」

盗賊「裏の山から土砂を運ぶぞ」

青年「人力でしかも車輪無しで引きずる?」

盗賊「ヌハハ察しが良いな・・足腰と上半身の強化だ」

青年「わ、わかったよ・・」



少年達「あ、あれは真似出来ないな・・」




---半年後---

少年「お~いそっち引っ張ってくれ~」

少女「こう?」

少年「そうそう!これで見張り台になる」

少女「みせてみせて~」



盗賊「この村の子供たちは良く協力し合うな」

青年「半年前とは見違える程元気になったね」

盗賊「狩りも大分上手くなって食事に困ることは無くなったな」

青年「魔物が来なければ割りと上手くやっていける」

盗賊「どんな魔物が来る?」

青年「粘菌のような魔物だよ」

盗賊「聞いたことが無いな」

青年「毒か病気を持ってるんだ」

盗賊「昔話ではスライムという魔物が居たらしいが・・」

青年「それかも知れないね」

盗賊「良い事を教えてやる・・魔物は階段を上がれない事が多い」

青年「え?」

盗賊「次は村の周りに堀を作ろう・・階段に出来れば尚良い」

青年「・・・・・そう来るか」

盗賊「もちろんお前一人でだヌフフ」

295: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:25:47.05 ID:BeTekSFe0
---

盗賊「たまには立ち回りやるか?」

青年「よし!!今度こそ!!」

少年「お~お兄ぃ!頑張れ!」

青年「いくよ!!」

盗賊「来い!!」

カン カン コン スッ

盗賊「!!!そうだ・・そうやって間を詰める」

青年「行ける・・」

カン カン コン スッ

盗賊「良い!!自分の間合いから離すな」

少年「おぉぉすげぇぇぇ」

少女「お兄ぃかっこいい~~」

盗賊「よし!明日から立ち回りも毎日やって行こう」

青年「穴掘りの後に?」

盗賊「そうだ・・疲れている時の方が荒が分かりやすい」



---

少年「お~~い!!大変だ~~」

盗賊「どうしたぁ!?」

少年「荷物が届いてる・・盗賊さん宛てに」

盗賊「なんだと!?見せろ」

配達人「盗賊さん宛てに商人から届け物です」

盗賊「うわ・・えらい沢山持ってきたな」

配達人「手紙も預かってます・・どうぞ」



”やぁ盗賊、元気にしているかな?

”君が騎士の師匠になる事は僧侶から聞いたよ

”どうやらこれも予定通りらしい

”こっちは順調に情報を集めている

”辺境の村で役に立ちそうな物を送るから

”有効に使って欲しい

”帰りを待っている



盗賊「荷物は何だ!?」

配達人「武器と防具類・・塩にコショウ・・薬と食料・・全部大量にあります」

盗賊「そりゃすげぇな・・お~いお前らぁ今日は今までに無いご馳走が食えるぞ!!」

少年達「うおぉぉぉぉ」

盗賊「おい!配達人!今から手紙を書くから商人に届けてやってくれ」

配達人「わかりました」

296: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:26:29.16 ID:BeTekSFe0


”商人へ

”辺境の村で掴んだ情報を送る

”勇者の選定は中立の国がやっている

”始まりの国は細菌兵器の開発もやっている

”細菌兵器に効く薬の開発も終わっているようだ

”ここ最近は魔物の数が減っている

”帰るのはもう少し掛かりそうだ

”僧侶へ

”騎士には親御が居ない

”騎士は非常に良い奴だ

”村の子供たちの為に一人で闘っている

”まだ例の伝言は伝えていない




盗賊「よし・・これで良い・・配達人!よろしく頼む」

297: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:27:01.73 ID:BeTekSFe0
---8ヵ月後---

カーン カーン キーン

盗賊「よし!少年達もいっぱしの戦士になってきたな」

青年「お~い実戦用の武器使うと危ないぞ」

少年「まだまだぁ!!」

カーン カーン キーン

盗賊「自主的にやったにしちゃ上出来だ!」

少年「これで魔物も怖くない!」

盗賊「その意気だヌハハ」



青年「師匠!村の全周に堀と階段作るの終わりました!」

盗賊「そうか!じゃぁ次の事を教えてやる」

青年「次?」

盗賊「お前の腕力と速さはもう十分だ・・次は技だ・・必殺技を教えてやる」

青年「必殺技・・」

盗賊「来い!立ち回りをやる!全力で力任せにやってみろ」

青年「はい!行きます」

盗賊「おっと・・ちょっとまて木の棒でやろう・・来い」

ガス! ガス! ゴス!

盗賊「おっとっと待て待て・・俺じゃお前の腕力には叶わん・・見てろもう一回来い」

青年「全力で行く!」

ガス! ガス! ゴス!

フラリ スッ ピタ

青年「ハッ!!!!!消えた・・」

盗賊「残念だがお前の首はもう無い」

青年「う、うしろに・・」ゾクリ

盗賊「これはなぁ・・アサシンスタイルと言う」

青年「どうして目の前から消える?」

盗賊「目の盲点に入って背後に回るんだ・・盲点は意外とあちこちにある」

青年「どうやって・・」

盗賊「1対1で対峙すると剣の先や柄の動きに目が行くだろう?・・・その時ここが見えない」ボカッ

青年「いだっ!!」

盗賊「俺の目を見ている時は・・・ここが見えない」ボカッ

青年「あたっ!!」

盗賊「相手の視線の死角に入り続けて背後に回る」フラリ スッ ピタ

青年「え?え?・・・ゴクリ」

盗賊「やってみろ」



少年達「アレなにやってるんだ?2人で踊ってるみたいだ」


298: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/12(金) 23:27:50.37 ID:BeTekSFe0
---9ヵ月後---

フラリ スッ ピタ

盗賊「そうだ!それで良い・・お前は正攻法よりもそっちの方が向いているな」

青年「アサシンスタイルは盲点さえ分かれば色んな派生が出来るね」

盗賊「そうだな・・左右上下どこに回っても良いな・・足裁きが重要だ」

青年「こんな所で3メートル往復の練習が役に立つなんて・・」

盗賊「お前の脚力なら背後に回るのは1歩で済む・・だがな・・これは人間にしか通用しない」

青年「魔物を相手にする勇者の技じゃないねハハ」

盗賊「それがアサシンスタイルと言われる由縁だ・・忌み嫌われる」



少年「お~~い!!大変だぁ!!」

盗賊「あの少年いつも大変だ大変だって・・オオカミ少年になるぞ」

青年「ハハ・・・どうしたんだい?」

少年「はぁはぁ・・また兵隊が来た・・多分勇者の件だと思う」

青年「!!!今行く」

盗賊「俺は隠れて様子を見ておく・・行って来い!」

青年「わかった・・」




---

盗賊「・・・」(今回は長いな・・)

盗賊「お!?」(兵隊と1対1か?)

盗賊「面白そうだな・・・近くまで行くか」

299: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:28:35.84 ID:BeTekSFe0


??「・・では試合を始める・・両者礼!!」ペコリ

青年「お手柔らかに・・」

衛兵「本気で行くぞ!」ダダダ キーン

青年「つつつ」

カーン キーン キーン カーン

衛兵「防戦一方か?」

カーン キーン キーン

フラリ スッ ピタ

衛兵「消えた!?」

??「それまで・・」

衛兵「何!?」ギクリ

青年「・・・」

衛兵「いつの間に背後に・・」タラリ



??「これで決まりの様だな・・新しい勇者は青年!!君に決定だ」

青年「他の勇者候補は?」

??「何度も言わせないで欲しい。両親の理解を得れなかったり、模擬戦で勝てなかったり・・」

青年「僕には両親が居ない」

??「尚のこと都合が良い。十分な強さも持っている様だし申し分無い」

少年「お兄ぃ~すげえぇぇぇ・・お兄ぃが勇者だ!!」

青年「待って・・僕は辺境の村を守らないと・・」

少年「村は僕達で守るよ・・お兄ぃは安心して魔王退治に行って!」

??「・・という事だ。これが勇者の証だ。それと支度金として金貨1袋もある」

少年「すげええぇぇぇ金貨1袋って一生暮らせる・・」

青年「いや一生は無理だよ」

??「勇者に選ばれたからには1年以内に各王国のどこかに近況を報告に行く義務がある」

青年「そんな・・一方的な・・」

??「義務を放棄した場合は重罪で監獄行きになる事を忘れるな」

青年「重罪・・」

??「近況の報告は衛兵もしくは門番でも構わない・・とにかく生存情報だけは伝える様に」

青年「はあ・・」

??「では我々はこれにて帰還する・・新しい勇者よ・・精進せよ」

300: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:29:05.34 ID:BeTekSFe0
---10ヵ月後---

盗賊「よし!お前らみんな集まれ!これから金の稼ぎ方を教えてやる!」

少年達「は~い!!」

盗賊「裏山に咲く・・この葉っぱだ・・これはいやし草と言ってな・・集めて売れば金になる」

少年達「へぇ~・・」

盗賊「それからこれは毒消し草・・これは気付け草・・まんげつ草、つきみ草・・全部薬草だ」

少年達「いっぱいあるんだね」

盗賊「みんなで特徴を絵に描いておけ!・・あとで俺が薬草の効果を書いてやる」

少年達「はい!!」

盗賊「それから薬草を採るのは葉っぱだけにして根っこは残せ・・又生えてくる」

少年達「薬草ってそんなにお金になるんですか?」

盗賊「砂漠では薬草は高級品だ・・上手に育てて売れば金持ちになれるぞ」

少年達「おおおぉぉぉ!!」

盗賊「闇商人という奴に売れば全部買い取ってくれるぞ・・あとで売り方も教えてやる」

少年「みなぎってきたぁぁぁぁ!!」




---

盗賊「青年!お前には旅の仕方を教えてやる」

青年「・・・」

盗賊「なんだ元気が無いな」

青年「どうして僕が勇者に?」

盗賊「それは運命だ・・心配するな・・お前を助ける仲間が必ず現れる」

青年「仲間?」

盗賊「俺にもお前に似た仲間が居たが・・行方が分からなくなった」

青年「探さなくて良いのかい?」

盗賊「他の仲間が必死に探している・・かならず見つかるさ」

青年「僕は・・・勇者になる自信がないな」

盗賊「自信は俺も無い・・だが仲間である以上必ず助ける気構えだ」

青年「気構えか・・」

盗賊「だからお前は前を向いて生きる気構えを持て・・・絶対に途中で投げ出すな」

青年「わかった!!ありがとう・・師匠」

301: 辺境の村 2013/07/12(金) 23:29:34.39 ID:BeTekSFe0
---11ヵ月後---

盗賊「おぅ・・十分だな」

青年「馬の気持ちが分かってきたよ」

盗賊「旅では体温をいかに維持するかだ・・馬も同じだ」

青年「僕の最初の仲間は馬かもね」

盗賊「ぬはは馬は人間並みに賢いぞ?食事、寝床、休憩・・・それから友情だな」

青年「馬との友情?ハハ」

盗賊「笑い事ではない!!馬はお前を最後まで守ってくれるぞ」

青年「馬に守られる・・か」

盗賊「・・そういえばお前に伝えておかなければならない事がある」

青年「え?何?」

盗賊「お前を愛し守ろうとする者からの伝言だ・・」

青年「・・何の話?」

盗賊「『わたしを置いていかないで』」

青年「???馬の気持ち?・・かな?」

盗賊「いずれこの言葉の意味が分かるときが来る・・絶対に忘れるな」




---1年後---

青年「・・・先生・・今までありがとう」

少年達「グスン・・」シクシク

盗賊「おいおい・・湿っぽいのは勘弁してくれぇ」

青年「村の子供達はみんな師匠の事を父親として見てたんだ」

盗賊「お前らはもう一端の戦士だ!!戦士が泣くんじゃねぇ!!」

青年「みんな!!これは最後の別れじゃないよ・・笑って見送りしよう!」

少年達「ぉぅ・・」

盗賊「んあぁ!!声が小さい!!腹から声を出せ!!」

少年達「うおおぉぉぉう!!また来てね~~!!」

盗賊「薬草たっぷり集めて置けよ?買取に来るからよ!?」

青年「師匠はこれから何処に向かうの?」

盗賊「・・・まぁ古巣に戻る」

青年「また会えるよね?」

盗賊「あぁ・・必ず会える・・約束してやる」

少年達「僕たちにも約束してくれる?」

盗賊「もちろんだ!!」

少年達「うおおおおぉぉ・・いってらっしゃーい!!」

盗賊「じゃぁな・・土産楽しみに待ってろ!!」ノシ

パカ パカ パカラッタ パカラッタ




---まいったな子供が出来ちまった---

304: 憎悪 2013/07/13(土) 20:27:59.10 ID:kVtvDP8q0
---魔王島地下---

ピチョン ピチョン

騎士「ガガガ・・」(喉が焼けて声が出ない)

騎士「・・・」ズル ズル

騎士「ンガー」(まぶたも垂れ下がって目が開かない)

騎士「グガガ・・」ズル ズル



??「ほう・・ブレスに焼かれてまだ息があるか」

??「体表皮の70%以上を失うと生き残る可能性はゼロだよハハハ」

??「君の場合90%は失っている・・じきに体温が上がって死ぬ」

??「呼吸器も焼けているな?面白い実験結果だ・・だが興味は無い」



騎士「ンガガ・・」ヨロ ガチャン!



??「フハハハまだ立つかね・・見たまえ・・新たなキマイラの幼獣を」

騎士「ガガガ・・」(エルフの娘)

??「君はそのゴミの方が気になるのかね?」

??「美しい四肢も動かなければタダのゴミだ・・研究の材料にすらならん・・持って帰るか?」

??「鉄柵を上げてやろう」



ガラガラガラガラガラ



騎士「・・・」ズル ズル

??「フハハハそんなにそのゴミが欲しいかハハハ」

騎士「ガガガガ」ポロポロ

??「研究室を汚さないで欲しいな・・そのゴミと一緒にお前も処分してやる」グイ



ズルズル ズルズル ズルズル



??「なかなかに重いな・・ゴミに抱きついて離さんかハハハハ」

??「冥土の土産に教えてやろう・・この研究室は直接海に繋がっているのだよ」

??「ゴミを海に捨てる為になハハハハ」



ズルズル ズルズル ズルズル


305: 憎悪 2013/07/13(土) 20:28:49.30 ID:kVtvDP8q0

??「最後に言いたい事はあるか?」

騎士「ヴォォォォォ」

??「フハハハ怖い怖い・・負け犬にはお仕置きが必要だなハハハ」

??「これが何か分かるかな?・・カナヅチだ・・お仕置きをして海に捨ててやるフハハハハハハ」



ドカ ゴン ガス

---

---

---

フハハハハハ

306: 憎悪 2013/07/13(土) 20:29:41.78 ID:kVtvDP8q0
---

---

---

---

---

---

---

---

”必死で逃げた

”エルフの娘を抱えながら

”目が見えないから

”耳だけが頼りだった

”漂流していたボートによじ登り

”二人で横たわった

”彼女の傷口を手で何度も塞ごうとした

”でもピクリとも動かない

”耳を澄ませても

”何の音もしない

”もう動かない

”もう居ない


---ピーン---


”指で弾く銀のアクセサリーの音だけが

”彼女が存在していた事を僕に教える


---ピーン---

---

---

---

---

---

---

307: 憎悪 2013/07/13(土) 20:30:16.22 ID:kVtvDP8q0
---海---

ザザー ザザー

??「お~い!!ボートが遭難してるぞ!!」

??「どこだぁ!!?」

??「あそこだ!!」

??「人は乗ってそうか!?」

??「見えねぇな・・」

??「お~い!!誰か居るかぁ!?」

??「もっと寄せろぉ!!」

??「ボートに何か乗ってるぞ!?」

??「停船してくれぇ!!小船出せるか!?」

??「おぅ!準備する!!」



---小船---

??「お~い!!大丈夫かぁ?」

??「うわぁ!!・・」

??「こ、こりゃひでぇ・・海鳥に突かれまくってる」

??「亡くなって大分立ってるな」

??「・・でも肌はまだ白いぜ?」

??「こっちのデカイ遺体は・・うわ・・焼け死んでるのか」

??「金目の物だけもらって・・うぉ!!」

??「どうした?」

??「デカイ方はまだ息があるぞ!!」

??「おい!!おい!!だめだ・・」

??「とりあえずデカイ方は連れて行こう」

??「白い方はどうする?」

??「・・・まぁ連れて帰って海葬してやるか」

??「この白い方は女だな」

??「海鳥も女を食うってか?」

??「おい!いたずらするなよ」


308: 憎悪 2013/07/13(土) 20:30:45.10 ID:kVtvDP8q0
---船---

??「どうだった!?」

??「2人居たが1人は死んでる・・もう一人は虫の息だ」

??「小船を上げてくれぇ!!」

??「生きてる方はひどい火傷だ・・海水に漬けて置いた方が良さそうだ」

??「何か持ってるか?」

??「いや・・まだ見てない」

??「死んでる方は後で海葬しよう」

??「お~い!!引き上げるの手伝ってくれぇ!!」

??「がっちりしてるな・・重い・・」

??「白い方は食い荒らされ方がひどいな・・おえぇぇ」

??「でもふにゃふにゃだな・・血抜きが終わった後みてぇだ」

??「だめだ・・先に海葬しよう・・飯がまずくなる




---

ボチャーン

??「黙祷!!」

??「よし!!デカイのはどうだ?」

??「息はしてる・・」

??「持ち物を確認してくれ」

??「何も持ってねぇなぁ・・お!?金貨が少し・・と」

??「おい!これ何だ?」

??「見せて見ろ!!」

??「・・・これって勇者の証じゃねぇか?」

??「えええええええ!!?」

??「おいおいおいおいおい・・・こ、こりゃえらい物見つけたぞ」

??「・・・って事はさっきの白いのは勇者の仲間か?」

??「うっわ・・・船止めろおぉぉぉぉ!!」

??「さっきの白い遺体何処行ったかわかるか!!?」

??「・・わかんねぇよ・・もう沈んでるよ」

??「いいから探せええ!!」

??「薬草無ぇか!?水も持って来い!!つぶした果物も用意してくれぇ!」


309: 憎悪 2013/07/13(土) 20:31:11.18 ID:kVtvDP8q0
---

騎士「ぐが・ががが」

漁師「お!?お~い!!だれか来てくれぇ!!目ぇ覚ましたぞぉ~!!」

騎士「あがが」---ここはどこだ?---

船乗り「水持ってきたぞ!!飲めるか?」

騎士「・・・」---まだ生きている---

漁師「体起こせるか?」グイ

騎士「ぐあ!!」---なんで死なない?---

船乗り「うお!!・・変な方向に曲がってる・・背骨あたりが折れてそうだ」

漁師「動かさない方が良いな」

船乗り「話は出来そうか?」

騎士「あぐぐ・・」---声が出ない---

漁師「駄目そうだ・・つぶした果物だ・・口に流し込むぞ」グイ

騎士「んぐ・・んぐ・・んぐ」

漁師「こりゃ看護で一人付けた方が良いな」

船乗り「漁師村まであと3日だ・・辛抱してくれ」





---翌日---

漁師「お~い!あれを見ろぉ~!!」

船乗り「おぉ!!軍船だ・・でもこんな所に居るのはおかしくないか?」

漁師「・・・まさか幽霊船!?」

船乗り「逃げろ逃げろ逃げろ逃げろおぉぉぉ」

漁師「どどどどんどん近づいて来る」

船乗り「方向変える!!」

漁師「あわわわ・・早く曲がれ早く曲がれ・・」

船乗り「ゴクリ・・」

漁師「甲板に誰も乗ってねぇ・・」

船乗り「ギリギリぶつかる進路は避けた・・ヒヤー」



ギシギシ ザブーン ギシギシ ザブーン



漁師「うはぁ・・気味悪りぃ」

船乗り「なんまんだぶなんまんだぶ・・」


310: 憎悪 2013/07/13(土) 20:31:39.08 ID:kVtvDP8q0
---漁師村---

漁師「・・・なんか様子がおかしいぞ?」

船乗り「漁船がみんな離岸してる・・何かあったのか?」

漁師「あの漁船に聞いてみよう」

船乗り「寄るぞ」




漁師「お~い!!何かあったのかぁ~?・・・うお!何だお前ら漁船に何人乗ってる!?」

避難民「漁師村に魔物が現れてみんな避難しちょる~~!!」

漁師「なにーーー!!?みんなは無事なんか~!?」

避難民「全員無事や~~!!」

漁師「陸に上がれんのかぁ~~?」

避難民「今はやめといた方がええ~~!!」

漁師「こっちは遭難者乗せてるんだ!そっちに乗せれるか~!?」

避難民「無理や~~!!こっちも人乗せすぎや~~!!」

漁師「なら遭難者の面倒見れる人2~3人こっちに寄こせんかぁ~?」

避難民「そら助かる~!!」

船乗り「接舷するぞ~!!」



ドッスン



漁師「薬草と水があると助かる」

避難民「たんまり有るけぇ持ってけぇ~」

漁師「遭難者の状態が酷いんだ・・治療できそうな奴は居るか?」

薬剤師「あたしが行こうか?」

漁師「おうネーチャン頼む・・あと料理できるやつも居た方が良い」

調理人「わかった!!そっちに移る」

311: 憎悪 2013/07/13(土) 20:32:25.08 ID:kVtvDP8q0
---

薬剤師「・・・・・」

漁師「・・言葉も出んか・・」

薬剤師「これは漁師村で手当ては無理だと思う」

漁師「困ったなぁ・・」

薬剤師「どうしてこんな風になったんだろう・・・うぇっぷ」

漁師「・・これを見ろ・・この遭難者は勇者だ・・恐らく魔物にでも・・」

薬剤師「え!!?それは大変!!早く治療の出来る町まで・・」

漁師「この漁船だと一番近い始まりの国の港町まで1ヶ月は掛かる」

船乗り「ダメだ・・こんな小さな漁船じゃこっちが遭難する」

薬剤師「半月待てば連絡用の商船が来る筈・・それに乗せるのが良いと思う」

漁師「半月この状態で持たせれるか?」

薬剤師「やるしかない・・よね?」

漁師「せめて陸に上がれれば良いのにな・・」

船乗り「しばらくは上がれそうに無いんだろう?」

薬剤師「調理人に言って包丁を持って来てもらえる?」

漁師「何するんだ?」

薬剤師「皮膚に張り付いた衣類を剥がさないと手当ても何も・・」

漁師「包丁で剥がすのか!?」

薬剤師「他になにか良い物ある?」

漁師「・・・」

薬剤師「あと調理師にお豆腐作らせておいて」

漁師「はぁ??豆腐??」

薬剤師「火傷には冷やしたお豆腐が薬の変わりになると思うの」

漁師「へいへい」


312: 憎悪 2013/07/13(土) 20:32:55.66 ID:kVtvDP8q0
---数日後---

船乗り「・・・まだ陸に上がれねぇのか・・」

漁師「漁師村の方じゃ魔物退治が大変だって聞いてる」

船乗り「どんな魔物か聞いてるか?」

漁師「粘菌みたいな奴だとよ・・強くは無いが数が多いらしい」

船乗り「ん~む」

漁師「ところで例の勇者の事だが・・薬剤師の話聞いたか?」

船乗り「いや?」

漁師「全身の骨が折れてるらしい」

船乗り「全身?・・全身て何処の事だ?」

漁師「頭、手、足、背骨、肋骨・・全部ばらばらだそうだ」

船乗り「ひょーーーーーどうやったらそんなになる?」

漁師「さぁ?動けないのは火傷のせいじゃなく骨が折れてるせいだとよ」

船乗り「さすが勇者?・・ありえない怪我をするなヒヒヒ」

漁師「普通なら死んでる筈だと首をかしげてた」

船乗り「勇者を助けたってのは何か褒美が出るんかな?」

漁師「そりゃ王国からたんまり礼金が・・」

船乗り「船買い換えれるなヒヒヒ」

漁師「金貨一袋とか貰ったらぶっ飛ぶな!!」




---2週間後---

漁師「よ~し商船が入港した・・これで」

船乗り「おい!見てみろ・・傭兵達が降りて行く」

漁師「助かったな・・魔物退治がこれで終わると良い」

船乗り「お前は商船に乗るのか?」

漁師「そうだな・・あの勇者を王国に届けて礼金を貰いにいく」

船乗り「俺も行きてぇなぁ・・」

漁師「まぁ・・礼金が入ればしばらく休暇でも良いが・・一緒にいくか?」

船乗り「おおぅ・・勇者を担ぐ手伝いくらいするぜヒヒヒ」

薬剤師「あたしも一緒に行って良いかな?あの勇者の容体が気になるの」

漁師「おう・・そのかわり商船で面倒みるのはネーチャン・・お前がやれよ?」

薬剤師「あの勇者がどうして生きてるのか不思議なの・・皮膚の下にウロコみたいのもあるし・・」

漁師「ウロコだと!?」

薬剤師「ウロコかどうか分からないけど焼けてるのは皮膚だけでその下の筋肉はほとんど無傷・・」

漁師「へぇ~たまげた話もあるもんだ」

薬剤師「それよりも頭の骨が鈍器かなにかで殴られてバラバラなのに生きてるのが不思議で」

漁師「頭の中にも筋肉が入ってたりしてな!?うはは」

313: 憎悪 2013/07/13(土) 20:33:54.41 ID:kVtvDP8q0
---商船---

船長「・・・始まりの国の港町まで4人乗せて欲しいと?」

漁師「頼む・・重症の怪我人を港町まで送りたいんだ」

船長「ふむ・・仕方が無いな積荷室の開いてるスペースで良いなら乗せてやる」

漁師「よしきた!出航はいつになる?」

船長「明日傭兵達が戻って来たら出航する」

船乗り「じゃぁ必要な積荷を乗せるよ~」




---

わっせ わっせ わっせ

漁師「おい!起きてるか?これから治療の出来るところに運んでやる」

騎士「・・・」

船乗り「おい・・目が虚ろだぞ?」

薬剤師「仕方が無いと思う・・かなりの痛みにこらえてるからそっとしておいた方が・・」

漁師「背骨を折るとか考えられんな・・全身麻痺状態か?」

薬剤師「運ぶときは振動を与えないようにゆっくり運んであげて」

漁師「おおぅそりゃ気が付かなかった・・そりゃ痛むわなぁ・・」

船乗り「どこに運ぶ?」

漁師「そうだな・・壁際で動かないように固定しよう」

船乗り「こっちで良いか?風通しも良さそうだ」

漁師「いや・・窓が見える所にしよう・・こっちだ・・ゆっくり降ろすぞ」

薬剤師「水と薬草も近くに置いて」

船乗り「わーってるよ!!」

薬剤師「到着するまでどれくらいかな?」

船乗り「この船なら2~3週間か?良い風が吹けば2週間だ」




---翌日---

薬剤師「あ!船が動き出した・・」

漁師「じゃぁ俺達は甲板に出てるから後はよろしく」

船乗り「なにかあったら呼びに来てな」ノシ

薬剤師「ふぅ・・」

騎士「・・・」

薬剤師「まだ話は出来ないかしら?」

騎士「ガガガ」

薬剤師「ダメね・・無理はしないで・・なにかあったら少し声を出してね」


314: 憎悪 2013/07/13(土) 20:34:21.01 ID:kVtvDP8q0


---自分がこれからどうなるか分かってきた---

---魔女の指輪は手元にある---

---火傷を負って声が出ない---

---きっと行き付く先は始まりの国だろう---

---ドラゴンに食われた囚人は多分自分だ---

---やっとすべてを理解した------

---なぜ盗賊が師匠だったのか---

---自分がなかなか死なない理由---

---師匠が言った言葉の意味---

---必ず自分を助けに来る---




---生きて必ず復讐してやる!!---


315: 憎悪 2013/07/13(土) 20:34:47.28 ID:kVtvDP8q0
---数日後---

ドタドタドタ

漁師「おい!!薬剤師のネーチャン!!船長が呼んでる」

薬剤師「え!?あたしに?」

漁師「船長室に来てくれだとよ」

薬剤師「じゃぁ勇者さんを見ててくれるかしら?」

漁師「わかった・・早く行って来い」

薬剤師「何だろう?」

漁師「なんだか薬を作って欲しいとか言ってた」

薬剤師「何の薬かな?」

漁師「どうやら傭兵達が熱を出してるらしい」

薬剤師「解熱剤かぁ・・」

漁師「詳しい話は船長に聞いてくれよ」

薬剤師「うん・・行って来る・・あとお願いね」




---船長室---

コンコン

薬剤師「入ります」ガチャリ

船長「おー良く来てくれた・・実は頼みがあるのだが・・」

薬剤師「解熱剤ですか?」

船長「んむ・・傭兵達が魔物の毒に犯されている様だ・・毒消しか解熱剤を作れんか?」

薬剤師「毒消しは作れますけど解熱剤は器具が無いので難しいです」

船長「まぁ毒消しだけでも良い・・傭兵の毒が他の者に移ってる様なんだ・・」

薬剤師「移ってる?・・・それは毒消しじゃダメかも・・」

船長「なぜだ?」

薬剤師「普通は毒が他人に伝染することは無いんです・・なにかの病気が原因と思います」

船長「ん~む・・どうすれば良いんだ?」

薬剤師「衛兵さんは何処に居るんですか?・・・隔離しないともっと広がるかも知れない」

船長「寝室で寝ているが?・・場所を移した方が良いか?」

薬剤師「はい・・空いてる場所はありますか?」

船長「ん~む・・他の者を甲板で寝るように指示を出す」

薬剤師「それが良いです・・具合の悪くなった人は寝室で隔離するようにお願いします」

船長「薬は何とかなるか?」

薬剤師「一応毒消しを作ります・・後で持ってきます」

船長「手数かけてすまんな」

316: 憎悪 2013/07/13(土) 20:35:17.65 ID:kVtvDP8q0
---1週間後---

漁師「おい!船乗り!人手が足りんお前も手伝え!」

船乗り「うはぁーーーラクは出来んな・・」

薬剤師「病気が広がってるの?」

漁師「あぁ・・寝室に居た奴らは全員移った様だ・・働き手は俺達しかいねぇ」

薬剤師「寝室には近づかない方が良いと思う」

漁師「わかってる・・」

船乗り「食事は誰が運ぶ?」

漁師「くじ引き・・」

船乗り「息止めれば大丈夫か?」

漁師「なんとかなるだろう・・」




---

漁師「薬剤師のネーチャン!!食事何か作れるか?俺達じゃダメだ・・」

薬剤師「わかった~勇者さんの看護お願い~」

漁師「おう!!はぁはぁ・・」

薬剤師「!!?具合悪いの?」

漁師「いや大丈夫だ・・少し働き過ぎた・・丁度休憩したかった」

薬剤師「・・・」




---調理場---

ガチャガチャ

船乗り「手伝ってやろうか?ヒヒヒ」

薬剤師「あ!!お願い~」

船乗り「何作ってるんだ?」

薬剤師「上毒消し薬を作ってるの・・これを船長さんまで運んで」

船乗り「わかった」

薬剤師「船乗りさんは体調悪くない?」

船乗り「俺は大丈夫だなぁ・・」

薬剤師「一応今日から甲板で寝てくれるかな?」

船乗り「なに~~!!?そりゃないべ?」

薬剤師「船乗りさんまで病気になったらこの船の操作誰がやるの?」

船乗り「そんなもん・・大丈夫だべ?」

薬剤師「お願い・・多分漁師さんも病気に掛かってると思う」

船乗り「うは・・」

薬剤師「まだ到着まで1~2週間掛かるよね?」

船乗り「ん~~・・まぁしょうがねぇなぁ・・」


317: 憎悪 2013/07/13(土) 20:35:46.10 ID:kVtvDP8q0
---2週間後---

船乗り「はぁはぁ・・もうだめだぁ・・はぁはぁ」

漁師「ううぅぅ・・」

薬剤師「どうしよう・・病気に掛かってないのはあたしだけ・・」

漁師「せ、船長もダメか?はぁはぁ」

薬剤師「ダメみたい・・船の操作分からないよぅ・・」

漁師「なんでネーチャンだけ掛からないんだ?」

薬剤師「免疫・・だと思うんだけど・・あたしの血清だと毒消しにならないの」

漁師「この間目に入れた液体の事か?」

薬剤師「どうしてあたしだけ免疫が出来たのかな?・・・」

漁師「その勇者は病気に掛かってないのか?・・はぁはぁ」

薬剤師「熱は出てないみたい・・あぁ・・そろそろ薬草を張り替えないと」

騎士「・・・」

薬剤師「・・・ハッ!!衣服に付いた血・・・あたし触ってる・・」

漁師「???」

薬剤師「免疫があるのは勇者さんかも・・」

騎士「・・・」

薬剤師「ごめんね勇者さん・・少し血を貰うね?」チクッ

騎士「あが・・」ポタポタ

薬剤師「・・・これで血清を作ってみる!」ゴソゴソ



ブンブン グルグルグルグル




---翌日---

薬剤師「どう?少しは良くなってる?」

漁師「・・わからんがラクになった気はする」

船乗り「んがーーーすぴーーーんがーーーすぴーーー」

薬剤師「血清が少ししか無いから一滴づつしか使えないの・・他の人にもあげてくる」

騎士「・・・」

薬剤師「待っててね・・すぐ戻ってくるから」



タッタッタ


318: 憎悪 2013/07/13(土) 20:36:13.05 ID:kVtvDP8q0
---3週間後---

船乗り「ひょーーう見えて来たぁ!!」

漁師「おう!!病気でどうなるかと思ったけど・・なんとかなったなぁ」

船乗り「薬剤師のネーチャン呼んでくるわ」

船長「薬剤師には礼を言わんといかんな」

漁師「本当だ・・あのネーチャンが居なかったら今頃この船は幽霊船になってたハハハ」

船長「まったくだ・・」

船乗り「連れてきたぜぇヒヒヒ」

薬剤師「・・みんな元気になって良かったですね」

船長「少し到着が遅れたが昼中には始まりの国の港町に到着する」

漁師「降りる準備をしておこう!」

船長「薬剤師さん・・今回は大変お世話になった・・乗船員を代表してお礼を言わせて貰う」

薬剤師「いえ~とても勉強になりました」

船長「少ないがコレを持って行きなさい」ジャラリ

薬剤師「え!?こんなに?」

船乗り「ひょーーー儲けたなぁ!!帰りの船代でもお釣りが出る!」

薬剤師「ありがとうございます!」

319: 憎悪 2013/07/13(土) 20:36:41.06 ID:kVtvDP8q0
---港町---

漁師「到着!!」

船乗り「これからどうする?」

漁師「怪我人をタンカに乗せながら動くのはあからさまにおかしいな・・」

薬剤師「馬車を借りれないかな?・・お金はあるし」

漁師「そんなのに使うのはもったいない」

船乗り「あそこに居る衛兵に声を掛けてみよう」

漁師「俺が行って来る」




衛兵「・・・どこだ?」

漁師「ここですわ・・そしてこれが所持していた勇者の証です」

衛兵「!!!・・・ここで少し待ってろ!町の警備隊を呼んでくる」




漁師「ほらな?これで泊まる宿の心配も無しだ」

薬剤師「直接始まりの国へ行った方が良かった気もするけどなぁ・・」

船乗り「馬車は揺れるぞ?」

薬剤師「そうかぁ・・背骨が折れてるから揺れない方が良いかぁ」

漁師「これで適切な処置をしてもらえる」




衛兵「こっちだ!!」

警備隊「ひとまず警備隊宿舎に運ぼう」

薬剤師「あ!!!待って!!!」

衛兵「ん?」

薬剤師「全身骨折してるから動かさないで・・」

衛兵「全身骨折だと?」

薬剤師「特に背骨が折れてるから動かすとショック死する可能性が・・」

衛兵「なんと!?」

薬剤師「タンカを使ってゆっくり運んで下さい」

衛兵「わかった・・警備隊!・・揺らさないように運べ」

320: 憎悪 2013/07/13(土) 20:37:14.77 ID:kVtvDP8q0
---警備隊宿舎---

薬剤師「・・・大丈夫でしょうか?」

治療師「絶対安静です・・・生きているのが不思議なくらいです」

漁師「俺達はどうすれば良いかな?」

衛兵「今始まりの国へ連絡が行ってる・・指示があるまで警備隊宿舎で過ごして良い」

船乗り「港町に少し出ても?」

衛兵「それは少し待ってくれ・・君達が居なくなると私が上官に怒られる」

船乗り「・・・」

衛兵「事情を今聞く事も私には出来ない・・上官が来るまで待って欲しい」

漁師「・・せめて美味い食事だけでも・・」

衛兵「それは心配しなくて良い・・この客室でゆっくりしてくれ」



---数日後---

??「ここに居るのだな?」

??「はい!勇者を発見した者と思われるのが他に3名居ます」

??「分かった・・他の者を払え」

??「はぁ・・治療師もですか?」

??「そうだ」

??「分かりました」



ガチャリ

衛兵「治療師!部屋を出ろ!」

治療師「は、はい・・」スタスタ

衛兵「では・・どうぞ・・」

隊長「・・・」スタスタ



バタン



隊長「私は始まりの国の衛兵隊長だ・・緊張しなくて良い・・まずは今回の件・・礼を言う」

漁師「は、はい!」

隊長「3名にはそれぞれ礼金として金貨一袋を用意させる・・のちほど衛兵より渡されるだろう」

漁師「き、金貨一袋!!?」

船乗り「それぞれ!!?」

薬剤師「あわわわ・・」

隊長「して少し聞きたい事がある・・勇者を発見した場所と状況を詳しく教えてくれ」

漁師「はははははい!!それは・・・」

カクカクシカジカ

---

---

---

321: 憎悪 2013/07/13(土) 20:37:45.55 ID:kVtvDP8q0


隊長「そうか・・・その海葬をしたのは女性だったのだな?」

漁師「はい・・勇者の仲間とは知らずに」

隊長「特徴は覚えているか?」

漁師「海鳥に食い荒らされて居まして・・肌の色は白でした・・」

隊長「!!?なに?・・私と同じ褐色では無いのか?」(白だと?)

漁師「間違いなく肌の色は白でした・・あ!あと毛髪は金色で腰までの長さがありました」

隊長「ふむ・・」(妹では無いな)

船乗り「・・銀のアクセサリーを・・」

漁師「何!?お前!!金目の物を盗ったなぁ!!」

隊長「今持っているか?」

船乗り「こ、これです」



騎士「ヴオオオォォォ!!」ググググ



薬剤師「ハッ!!動いちゃダメぇ!!」

隊長「かまわん!!やらせろ」

騎士「うががが・・」ズル ズル

船乗り「ひゃぁ・・・す、すまねぇ」

隊長「ふむ・・そのアクセサリーに思い入れがある様だ」

薬剤師「動ける体じゃないのに・・」

隊長「・・・3名!話は良くわかった!衛兵から礼金を受け取り帰路に戻って良い!」

薬剤師「あとはお任せしても良いのでしょうか?」

隊長「良い!万全の治療を施す」

薬剤師「ありがとうございます!!」

漁師「ではよろしくお願いします」

船乗り「うひゃぁ・・俺は金持ちだぁ・・」

322: 憎悪 2013/07/13(土) 20:38:14.44 ID:kVtvDP8q0
---

隊長「さて・・勇者・・話は出来るか?」

騎士「ががが・・」

隊長「無理なようだな・・まぁ良い・・今はまず体を直せ・・のちに聞きたい事が山ほどある」

騎士「がっがっがっがっが・・」

隊長「なんだ?笑っているのか?」

騎士「がっがっがっがっが・・」

隊長「気でも狂ったか!?それにしても火傷が酷いな・・以前の面影がまったく分からない」

騎士「ぐっぐっぐっぐ・・・・」

隊長「まだ目は生きているな・・・それほどまでにやられて今何を望む?」

騎士「・・・」

隊長「タフな男だ・・魔王城へ行って来たのだろう?・・私は未だ行ったことが無い」

騎士「・・・」

隊長「前任の隊長から話は聞かされているが・・これほどとはな」

騎士「ぐっぐっぐっぐ・・・・」





---自分がどうなるか知っているのはこんなにも愉快とは---




323: 憎悪 2013/07/13(土) 20:38:42.12 ID:kVtvDP8q0
---1ヵ月後始まりの国---



ガラリゴロリガラリゴロリ



門番「馬車を早く入れろ!」

衛兵「隊長はどこに?」

門番「今来る・・衛兵宿舎前で待て」



ガラリゴロリガラリゴロリ



隊長「・・・」スタスタスタ

衛兵「連行して来ました」

隊長「容体はどうだ?」

衛兵「順調に回復しているとの事です・・肩を貸せば歩ける様です」

隊長「そうか・・驚くほど早いな」

衛兵「治療師も同じ事を言ってました・・一体何者なんですか?」

隊長「それは機密事項だ」

衛兵「はぁ・・」

隊長「よし!私が肩を貸して連れて行く!衛兵は戻れ!」

衛兵「ハッ!」

隊長「いくぞ・・」グイ

騎士「あがが・・」


324: 憎悪 2013/07/13(土) 20:39:09.58 ID:kVtvDP8q0
---地下牢---

隊長「看守!手を貸せ!」

看守「ハッ!」

隊長「先日の騒動の囚人から何か聞き出せたか?」

看守「例の囚人もキマイラの事を知っていた様です」

隊長「そうか・・」

看守「ですが・・おそらくもう死んでいます」

隊長「まぁ良い・・仕方がない・・墓地へ運んでおけ」

看守「それにしてもこの新入り・・ひどいですな」

隊長「舌を噛み切らん様にくつわをはめておけ」

看守「はぁ・・しかし」

隊長「食事はしっかり与えろ・・重要な参考人だ・・手当ても怠るな」

看守「ハッ」




ガチャリ ギー

看守「やはり死んでいます・・」

隊長「引きずり出せ・・新入りと交代だ」

看守「ハッ・・」ズルズル




隊長「私はもう少しここに居る。お前はその死体を早く外へ出せ。ヘドが出そうだ」

看守「ハッ!!10分で戻ります!くれぐれも他の囚人には近づかないで下さい」

隊長「なぜだ?」

看守「隊長にもしもの事があったら他の衛兵に袋叩きに合います」

隊長「フフ馬鹿にするな!そこらの男には負けん」


325: 憎悪 2013/07/13(土) 20:40:08.46 ID:kVtvDP8q0
---

隊長「今日からお前の寝床はここだ・・・国王様の指示だ」

騎士「ぐっぐっぐっぐ・・・・」

隊長「何が可笑しい?・・気味の悪い奴だ・・ここの牢は鍵を掛けていない」

騎士「・・・」

隊長「逃げようと思えばいつでも逃げれる・・お前のその状態なら無理だろうがな」

騎士「・・・」

隊長(さわぐなよ?)ヒソ

隊長(模範的な囚人のフリをしていろ・・体をしっかり直したら逃げろ)

隊長(海賊王に会え・・始まりの国の隊長の遣いだといえば通る)

隊長(私ができる事はここまでだ・・)

隊長(但し・・知っている事すべてを私に話してからにしてくれ)

騎士「・・・」---なんだ?予定が違う---



---数日後---

囚人1「・・ちぃ!!この足枷どうやっても外れねぇ!!」

囚人2「脱走しようとするからだよアハハ」

囚人3「おい!見てみろよ・・新入りは特別扱いだぜ?」

囚人4「看守の隙を狙ってシメるか?」

囚人1「看守は外だ・・お前ら足枷無ぇんだから静かにシメてこい」

囚人2「ひゅぅぅぅちょっくら行ってくる」



騎士「・・・」

囚人2「おい!新入り・・なんでお前だけ食事が違うんだ?アー?」

囚人3「寝転がってんじゃねぇぞゴラ」ドス

騎士「がが・・」

囚人4「うお!!!なんだこいつ・・ひでぇ火傷だな」

騎士「・・・」ギロ

囚人2「んあぁぁ!!?気に入らねぇ目ぇしてんな?」

囚人3「うははぁ・・・なんか言って見ろ」

騎士「・・・」

囚人2「なんだお前!?そんなツラしてシカト決めてんのかぁ!?アー?」

騎士「ががが」

囚人3「うひゃっはぁー声も出ねぇのか!!」



囚人1「お前ら騒ぎすぎるな!!適当にシメておけ!!・・・静かにな」



囚人2(俺ぁ甘やかされてる奴が気に入らねぇんだ)ゴス ゴス

騎士「うが・・」

326: 憎悪 2013/07/13(土) 20:40:36.99 ID:kVtvDP8q0

囚人3(うひゃひゃひゃ・・抵抗もしねえぞ?もっとやっちまえ!)ガス ガス

囚人4(おいおい!!俺にもやらせろ)ドス ドス

騎士「んがが・・」カラン

囚人2(お!!?なんだこりゃ?銀のアクセサリーか?)

囚人3(ひゃひゃひゃ・・乙女チックじゃ~ん?)

囚人4(貰っちまえ!!)

騎士「うがああああ」---思い出した!!---

囚人2(ひょー反応したぜぇ~うははぁ・・)

騎士「ぐぐぐぐぐ」---こいつら・・--

囚人3(返して欲しいのかぁぁぁぁ!?そうはいくか・・這いつくばってろ!)ゲシ ゲシ

騎士「ヴォオオオオオ」---エルフの娘をさらった奴らだ---

囚人4「雄叫びぃぃぃ・・ひゃっはぁ~」グリ グリ

騎士「・・・」---くそう・・もっと力が欲しい・・---



囚人4「うはぁ!!・・」ドタリ・・

囚人2「!!?なんだ?お前何した!!」

騎士「???」

囚人3「何かしやがったぞ!!!ふざけんなぁ!!」ゴン ゴン ゴン

騎士「うぐう」---くそ・・体が動かない・・---

囚人2「急所ねらえ!急所!!」ゴスン ゴスン

騎士「・・・」---動けぇ!!---

囚人3「くぅぅ!!・・」ドタリ・・

騎士「???」

囚人2「な、なんだぁ!!」



看守「お前らぁ!!何してる!!」

囚人2「!!?・・いや・・この新入りが他の囚人に襲い掛かってくるんだ・・」

看守「なにぃ!!?」

囚人2「見てくれ・・囚人3と囚人4がこの新入りにやられた」

看守「そんな訳ないだろ!!新入りは動けない筈だ!!」

囚人1「いや・・俺は見てたぜ・・新入りが無慈悲に殴り倒す所を」

看守「他の囚人も見てたのか!?」

囚人1「見てたよなぁ!・・全員!!」

他囚人「・・・」コク

騎士「・・・」

看守「ん~む・・足枷を着けるか」

囚人1「手枷もつけた方が良い・・そいつの手は早い」

看守「・・・他囚人!!倒れてる囚人を元の部屋に引きずって行け!」

囚人1「あんまり暴れる囚人とは過ごしたくねぇなぁ・・」

327: 憎悪 2013/07/13(土) 20:41:18.60 ID:kVtvDP8q0
---

囚人2「おい!おい!目ぇ覚ませ」パシパシ

囚人3「ぅぅぅぅぅ」

囚人2「急にどうした?何されたぁ!?」

囚人3「わ、わからねぇ・・急に力が抜けた・・今も全身だるい」

囚人4「くぁぁぁ・・」

囚人2「お前もか?囚人4!!」

囚人4「俺は体が急に動かなくなった・・今も関節が動かしにくい」

囚人2「あの新入り何かやったのか!?」

囚人4「わからん・・」

囚人2「気味悪りぃな・・・今日はもう止めとくか?」

囚人3「少し横にさせてくれぇ・・」

囚人4「俺もだ・・少し関節曲げるの手伝ってくれんか?」

囚人2「めんどくせぇ・・自分でやれ」




---

看守「衛兵!奥にある足枷と手枷を引っ張ってきてくれ・・」

衛兵「またかよ・・」

看守「新入りが暴れるらしい」

衛兵「怪我人は?」

看守「放っておいて良い・・枷を付ける事は隊長には内緒にしておいてくれ」

衛兵「はぁ?」

看守「枷を付けるなという指示なんだ・・」

衛兵「くつわに足枷と手枷ってどんだけ罪人なんだ?」

看守「暴れて問題起こすよりは良い」

衛兵「・・・仕方が無い」




---

ズルズル ズルズル ガチャリ

騎士「・・・」---結局こうなるか---

衛兵「暴れるとこうなる・・悪く思うな」

看守「・・もう騒ぎを起こすな・・俺が責任取らされる」

騎士「・・・」

看守「ん!?お前・・体を起こせるのか?」

騎士「!!ハッ・・・」---そういえば体が少し動かせる---

看守「全身骨折だった筈だが・・おかしいな・・」

衛兵「じゃぁ俺は外に出るぞ」

看守「わかった・・新入りもおとなしくしてろ」

328: 憎悪 2013/07/13(土) 20:42:42.75 ID:kVtvDP8q0
---1週間後---

看守「囚人1、囚人2、囚人3、囚人4!!条件付きで釈放が決まった」

囚人1「条件付きだとぉ~!?何の条件だ!?」

看守「大きな声では言えん・・」

囚人2「小さな声で言ってくれよぅ」

看守(エルフを狩ってくるのが条件だ)

囚人1「ぐぁーっはっははぁ~・・・早く足枷を外せぇ」

囚人2「ひゅ~~~~魔物狩りは俺達の専門だ!!最高の条件だな」

看守「外で執政が待ってる・・詳しい話はそっちで聞いてくれ!!」

囚人1「またエルフが食えるぜぇ~~!!ひゃっほ~う」

看守「大きな声でソレを言うな・・」



ガシャーン!! ドカーン!!



看守「な、なんだ!?」

囚人2「おい!あの気味の悪りぃ新入りが動いてるぜ?」

騎士「ががが・・や・めろ」ズル ズル

看守「しゃべった!?」

囚人1「おい!!早く足枷外せゴラ!!」

看守「分かってる!!」カチャ カチャ

囚人2「・・・あいつ足枷と手枷引きずって近寄ってくるぞ・・」

看守「新入り!!動くなぁ!!それ以上動くと衛兵を呼ぶぞ!!」

騎士「エル・・フ・・がりを・・やめ・・ろ」ズル ズル

囚人2「あいつ動けるのか!?」

看守「よし!足枷を外した」

囚人1「・・・やんのか?ゴラ・・ギッタギタのボッコボコにすんぞ!?」

看守「お前らもここで問題起こすのは止めろ!」

囚人1「だまってろ!!おい!囚人2!あいつを羽交い絞めにしろ」

囚人2「ひゅ~~~おい!囚人3と囚人4も手伝え!!」

囚人3「俺は力が出ねぇよ・・」

囚人4「まだ関節が動かしにくい」

囚人2「ちぃ・・・役立たずだな」

看守「新入り!!牢に戻れ!!」

騎士「ぐがが・・」グイ ブン ガシャーン!

看守「手枷の鉄塊を投げた・・・衛兵!!!!衛兵!!!!」ダダダダ

囚人1「おうおう危ねぇ事しやがる・・だがさすがに足枷の鉄塊は重いだろ」

騎士「ゆ・・る・・さ・・ん」ズルズル

囚人2「あんなバケモノ羽交い絞めできねぇぞ?」

囚人1「かまうか!!やっちまえ!!」ボカン ボカン


329: 憎悪 2013/07/13(土) 20:43:12.42 ID:kVtvDP8q0

騎士「ヴォオオオ」グイ ブン ガシャーン!

囚人2「ぐはぁぁ・・」

囚人1「ボケっと見てるな避けろ!!」

囚人2「なんなんだ?こいつ・・てててて」

衛兵「おい!!止めろ!!」

看守「あの新入り囚人を止めろ・・手枷の鉄塊を投げてくる」



ダダダダダダ

衛兵「押さえろ!」グイ

囚人1「ぐあっはっはぁ~形勢逆転かぁ!?」ボカ ボカ

看守「囚人1!!お前も止めろ!!さっさと外に出ろ」

騎士「うがぁ!!」グイ ブン ドスン!!

囚人1「あぎゃああぁぁ」

囚人2「おい衛兵!!武器使えよ!!」

衛兵「もっと押さえろぉ!!」

騎士「ぐぐぐ・・」

囚人1「・・っつつつ・・こんなバケモノ相手してられるか・・」

看守「早く行けぇ!!」

騎士「・・ま・・て」

囚人1「おい!お前らこんなの放っておいて行くぞ」

囚人2「おう!最後に一発・・・」ボカッ

囚人3「あへ」

囚人4「うい」

騎士「んがががが」---もっと力を---



囚人2「!!?はう・・」ドタリ



囚人1「!!また始まった・・囚人2!!しっかりしろ・・」

衛兵「押さえろおぉぉぉ!!」

看守「早く行けと言っとるだろうが!!」グググ

囚人1「いくぞ・・囚人2!肩を貸す!!来い!!」

騎士「ぐぐぐ・・」---力を---



看守「!!?あへ・・」ドタリ



囚人1「逃げろ逃げろ逃げろぉ!!」

衛兵「んむむむ押さえ切れん・・」

330: 憎悪 2013/07/13(土) 20:43:40.37 ID:kVtvDP8q0
---数週間後---

スタスタスタ

隊長「・・私が不在の間何があったのか説明しろ」

衛兵「ハッ!例の新入りが他の囚人と揉めまして・・その・・暴れだしました」

隊長「被害は!?」

衛兵「・・いや・・ありません・・」

隊長「看守はどうした!?」

衛兵「血圧が上がったかどうかで倒れました・・今は静養しています」

隊長「私はどうしろと命令した!?」

衛兵「・・・・新入りには枷を付けるなと」

隊長「新入りが暴れたときには枷を付けていたのか?」

衛兵「はい・・・」

隊長「新入りが暴れた理由は何だ?」

衛兵「詳しくは分かりませんが4人の囚人にチャカされていた様です」

隊長「囚人同士の揉め事は囚人同士で解決させれば良いのでは無いか?」

衛兵「・・・・はい」

隊長「新入りを独房に入れた理由は何だ!?」

衛兵「・・・暴れた際に押さえつけるのに20人必要でした」

隊長「もう一度言う・・何か被害はあったのか?」

衛兵「あ、ありません・・数名血圧が上がって倒れたくらいです」

隊長「衛兵が上官の命令に背く事を何と言う!?」

衛兵「は、反逆罪・・です」

隊長「反逆罪はどうなる!?」

衛兵「・・・・・」

隊長「これは連帯責任だ!!衛兵全員に100日間の強制強化訓練を命ずる」

衛兵「ゴクリ・・」ブルブル

隊長「終身刑では無い分やさしいと思え!!新入り1人抑えるのに20人掛かる腑抜けが問題だ!!」

衛兵「ハッ!!」

隊長「下がれ!!」

331: 憎悪 2013/07/13(土) 20:44:08.93 ID:kVtvDP8q0
---独房---

ピチョン ピチョン

隊長「・・・」スタスタ

騎士「・・・」

隊長「・・せめて・・くつわを外してやる」ガチャ ガチャ ドサリ

隊長「手にも足枷と同じ重さの鉄塊を付けられてるのか・・」

隊長「気の毒だが・・独房は私の管轄では無い・・・国王直下なんだ」

隊長「私に出来るのはくつわを外してやる事位しか出来ない・・」

隊長「模範的な囚人をしていろと言ったはずだ・・なぜ騒ぎを起こした?」

騎士「がが・・エ・ルフ・・がり・・をやめさ・・・・せろ」

隊長「!!?何ぃ・・・どういう事だ!?」

騎士「し・・っせい・・が・・エ・・ルフが・・りを・・しき・・してい・・る」

隊長「執政だと!?・・・」---私に隠れて何か動いているな---

隊長「・・なるほど囚人を釈放する条件でエルフ狩りをやらせているな?」

騎士「・・・」コク

隊長「フフフお前には出来る限り会いに来てやる」

騎士「ぐっぐっぐっぐっぐ・・」

隊長「・・その笑い方・・衛兵の言う通りお前はバケモノかも知れんな」

騎士「・・・」




---少しずつ自分がバケモノになって行くのを感じる---

---怒り、悲しみ、恨み、憎しみ、復讐心、憎悪---

---だが絶望は感じ無い---


332: 憎悪 2013/07/13(土) 20:44:51.70 ID:kVtvDP8q0

---

ピチョン ピチョン

---

---

---

---

---

”滴るしずくの音

”石から伝わる地面の音

”隙間から吹く風の音

”自分の心臓の音

”そして耳の奥で鳴る深淵の音

”深淵の奥から何かが這い出してくる

”憎悪


---ピーン---


”分かった事がある

”銀の響きが深淵の音を掻き消していく

”彼女が伝えようとしたのは

”多分これだ

”そして僕は

”この音に救われている

---

---

---

---

---


334: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:23:51.11 ID:kVtvDP8q0
---中立の国のとある倉庫---


囚人「材料が入ったぞ」

商人「よし!じゃぁこの図面の通り組み立てて欲しい」

僧侶「あぁぁぁぁ・・商人立ったらダメ~ェ・・」

商人「ハハ少しくらい平気さ」

囚人「こでれ最後だな?」

商人「そうだよ・・完成だよ」

僧侶「商人!!座ってて~~」グイ

商人「じゃぁ・・僕は古文書の解読に専念するかな・・また凄い事を発見したんだ」

僧侶「今度はなに~ウフフでもわたしには理解できないかなぁ~」

商人「見てよこれ・・祈りの指輪っていう項」

僧侶「えーっと・・他人から魔力を吸う?・・そんな感じの絵だね~」

商人「その後だよ・・他人から命を吸うとも書いてある」

僧侶「へぇ~魔女の指輪の事かなぁ?」

商人「この指輪は他人からあらゆる力を吸えるらしい・・製法はエルフの秘伝だってさ」

僧侶「じゃぁエルフの長老とかが知ってるかもね~」

商人「古代の魔術師達はこの指輪で魔物達から魔力を吸ってたみたいだ」

僧侶「・・ねぇ商人?・・少し休憩すれば~?」

商人「大丈夫だよ」

僧侶「もうわたしよりずっと体重軽いよ~?」

商人「やる気が出てる最中なんだ・・回復魔法してくれれば良いよ」

僧侶「回復魔法!」ボワー

335: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:24:22.01 ID:kVtvDP8q0
---

女海賊「はぁ~い♪」

囚人「女海賊か・・丁度良い所に来た・・手伝え」

女海賊「あたしは忙しいの!!」

僧侶「あ!!ねぇねぇ~女海賊~眼帯変えたの~?」

女海賊「パパが変えろってうるさくってさぁ・・あたしはハート型が良かったのに」

僧侶「キャプテンって感じ~ウフフ似合ってるかも~」

商人「やぁ女海賊!調子はどうだい?」

女海賊「中立の国の外の海域はもうあたし達の物だよ・・海路の封鎖は完璧!!」

商人「順調だねハハハ通った商船は全部奪って良いよ・・民間船は通してあげてね」

女海賊「海路の物流を止めてしまって良かったのかい?」

商人「良いよ・・どうせ王国は僕に泣きついて来る・・そこで君のパパ海賊王が運搬役になれば良いのさ」

女海賊「・・・バレないかな?」

商人「気球で襲撃する君達と船の海賊王が繋がってるとは考えにくいんじゃないかな?」

女海賊「気球はまだ有る?」

商人「買い占めた気球が大量にあるよ・・全部持っていくかい?」

女海賊「帆付きなら全部貰う」

商人「じゃぁ囚人を少し手伝った方が良いかなハハ」



囚人「おい!!女海賊!!手伝って行けぇ!!」

女海賊「ダメダメェ~あたしはこれから弓矢の仕入れに行くの!!」

囚人「帆付き気球と弓矢はセットになってる・・手伝え!」グイ

女海賊「・・・間違った煙玉と閃光玉だった」

囚人「それもセットだ」グイ

女海賊「ちょちょっとぉぉぉ~」

336: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:24:56.64 ID:kVtvDP8q0
---翌日---

女海賊「・・じゃぁ気球全部貰うね!!」

囚人「フン・・お前が作った分はお前の物だ・・」

女海賊「アレ?奥にある変な形の気球は?」

商人「アレは僕達の気球だよ・・砂漠の砂嵐でも飛べるように改造してるんだ」

女海賊「超かっこいい!!・・もう一つ作って?あたしも欲しい」

商人「作戦が全部済んだら君にあげるよ」

女海賊「キタコレ!!聞いたよ!!約束だかんね!?」

商人「約束してあげるよ」

囚人「おい!むさくるしい奴らを早く連れて行け」

女海賊「野郎共ぉ~~気球に乗り込めぇ~~!!」

野郎共「おう!!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ フワフワ

---

---

---



商人「さぁ僕達は商人ギルドに戻ろう!」

僧侶「は~い」

囚人「商人・・背中に乗れ・・」ヨッコラ

商人「いつもすまないね・・囚人」

337: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:25:32.52 ID:kVtvDP8q0
---商人ギルド---

ブルルルル ヒヒ~ン

僧侶「あっ!!あの馬は!!盗賊が帰ってきてる~」

商人「!!?お?」



盗賊「よう!!待ってたぜ・・どこ行ってたんだよ」

商人「盗賊!!やっと帰ってきたか」

盗賊「・・・商人・・・お前痩せたな・・・体は大丈夫なのか?」

商人「大丈夫さ」

僧侶「ねぇ盗賊~~騎士はどうだった?」

盗賊「あぁ・・良い男だった・・最高の弟子だ」

僧侶「うわぁ~ん・・わたしも会いたいよ~ぅ」ポロポロ

盗賊「まぁまぁ・・中に入って話そう」

商人「そうだね今日はもう商人ギルドを閉めよう」

囚人「商人・・ベットに運ぶぞ?良いのか?」

商人「あぁそうして」

338: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:26:32.22 ID:kVtvDP8q0
---商人の部屋---

---

---

---

カクカクシカジカ



盗賊「・・・で辺境の村は子供達だけで生活している」

僧侶「うぇ~ん・・」シクシク

盗賊「まぁそんなに泣くな・・騎士はドラゴンの耐性があるから簡単には死なん」

囚人「ドラゴンの耐性は生きている内は驚く程の回復力を持つ・・心臓を貫かない限り死ぬことは無い」

商人「騎士のしぶとさはソコから来てたんだね・・予定通りといえば予定通りかぁ」

盗賊「商人!お前の情報収集はどうだ?」

商人「あぁ・・結論から言うと騎士はまだ見つかっていない」



何から話そうかな・・女盗賊から行くか

彼女は始まりの国の防具屋に扮して情報収集してくれている

防具の交換で城に入った時に間違ったフリをして牢屋に行ったそうだ

火傷を負った囚人はもう居なかったらしい

変わりに城の詳細見取り図を作ってくれた

あと最近では衛兵の間で奇病が流行っているとの事

ある日突然衰弱するんだって



僧侶「!!!それ知ってる~」

商人「お!?そういえば君も始まりの国の衛兵だったね」

僧侶「牢屋の他に監獄塔というのが有ってね・・そこの看守になると病気になるとか」

商人「え?監獄塔!?女盗賊が書いてくれた見取り図でいうと何処になる?」パサ

僧侶「本当は王族が使う塔なんだけど・・姫が居ないから監獄として使ってるの~ここだよ」

商人「・・それは一般人では分からない情報だね」

僧侶「それでね~衛兵の皆は看守になりたがらないんだ~呪いだとかの噂もあったよ」

商人「ふ~む・・なんか気になるなぁ」


339: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:27:00.61 ID:kVtvDP8q0

盗賊「おお!!そういえば大事な話を忘れてた・・」

商人「なんだい?」

盗賊「腕の良い薬剤師の噂を聞いた・・漁師村に居るらしい」

商人「薬剤師が何の関係が?」

盗賊「お前の心臓に効く薬が作れるかもしれん・・難病を治したとかいう話だ」

商人「僕は大丈夫だよ」

盗賊「もう立つ事もままならないんじゃないのか?」

商人「・・・」

盗賊「高速船を使えば7日~10日で行ける・・・一度行って見よう」

僧侶「賛成~商人は少しお休みが必要」

囚人「・・・新しい気球を使えばもう少し早く行けるのではないか?」

盗賊「新しい気球って何だ?」

商人「砂漠の砂嵐でも飛べる気球を作ったんだ・・そうだね・・テスト飛行で行ってみようか」

盗賊「お~そりゃすげぇ」

商人「囚人!明日から僕の変わりに商談をやってもらえるかな?」

囚人「構わん・・」

盗賊「囚人でもやれるのか?」

商人「ハハハ盗賊より良い仕事をするよ・・今はみんな囚人の事を闇商人だと思ってるよ」

盗賊「ほぅ・・良い影武者が出来たな」

340: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:27:31.53 ID:kVtvDP8q0
---翌日---

商人「・・・じゃぁ囚人!作戦通りよろしく」

囚人「わかっている・・早く行け」

盗賊「この気球・・球皮がえらく小さくて細長い・・飛べるのか?」

商人「これは熱だけで浮くんじゃないんだ・・船の帆の原理と同じで飛ぶんだよ」

盗賊「言ってる意味が分からん」

商人「風の力を帆で受けて浮く方向に力を作用させるんだ」

盗賊「操作方法は?」

商人「前の気球とそんなに変わらないよ・・帆の操作も帆船と変わらない」

盗賊「まぁ動かして覚えるが早そうだな」

僧侶「ごーごーしゅっぱ~つ!!」

盗賊「い、いくぞ?」



ゴゴゴゴゴゴゴ フワ フワ



商人「そう!それで風の魔石のバルブを開けてみて」

盗賊「お、おう!」グイ プシュー

商人「後は帆の操作だけでどんどん高度が上がるよ」

盗賊「わかった・・じゃぁ出航する!!」




---飛行船---

ヒョーーーーウ バサバサ

盗賊「こりゃすげぇ!!めちゃくちゃ早えぇ!!」

商人「今までの気球は大きな球皮が進む速さを殺していたんだよ」

盗賊「なるほど・・高度上げれば上げるほど速度が出るな・・縦帆もあるから風上にも進める訳か」

商人「この技術は機械の国の気球より上だと思う」

盗賊「空中で止まれるか?」

商人「それは出来ない・・すこしづつ高度が下がる」

盗賊「ふむ・・大体出来る事がわかった」

商人「後は慣れだね・・ハァハァ・・少し・・横になる」

盗賊「おい!大丈夫か?空気が薄いか?」

商人「平気さ・・横になれば多分良い」

341: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:28:08.23 ID:kVtvDP8q0
---

盗賊「よし!安定飛行に入った」

僧侶「手伝わなくて大丈夫~?」

盗賊「もう手は要らん・・ところで商人」

商人「ん?」

盗賊「勇者の行方はどうなった?海賊王の娘は?」

商人「あぁ・・海賊王の娘は無事だよ・・今は女海賊で名が通ってる」

盗賊「勇者はどうなってる?」

商人「しばらく海賊王の所に居たらしい・・・でも何も言わず去ったってさ」

盗賊「そうか・・魔女には報告できんな」

商人「そうだね・・でも女海賊が仲間になった・・あの子は勝機を見る才能がある」

盗賊「勝機?」

僧侶「魔王城に行った時も罠だと察知していの一番で本物の勇者と一緒に逃げたんだって~」

盗賊「ふむ魔女が言ってた事と合致するな・・女海賊は本物の勇者だと知っているのか?」

商人「いや本人は気付いていない・・けど勘で察知してるかもね」

盗賊「勘だと!?」

商人「そうなんだよ・・勘が鋭い子だよ」


342: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:28:43.68 ID:kVtvDP8q0
---翌日---

ヒョーーーーウ バサバサ

盗賊「何をそんなに熱心に勉強しているんだ?」

商人「古文書の解読さ・・過去の伝説ばかりだよ」

盗賊「伝説に興味があるとはお前らしくないな」

商人「なかなかに馬鹿にできないよ?」

盗賊「どんな事が書いてある?」

商人「魔王が倒されたそのずっと昔の話さ」




第1の時代

エルフが世界を支配していた

エルフは祈りの指輪を用いその時代を築け上げた

しかしその祈りの指輪を封印しようとする者が現れた・・・後に魔王と呼ばれる


第2の時代

魔王はエルフから指輪を取り上げ指輪の乱用を禁止した

ところが魔王が持つ祈りの指輪を人間が盗み

人間は祈りの指輪の製法を復活させ時代を支配しようとした・・ここまでは割りと平和な時代


第3の時代

魔王は怒り狂ったが祈りの指輪を持つ人間に対して苦戦していた

魔王は人間は水が無いと生きていけない性質を逆手に取り

命の泉から湧き出る水を汚染する事で人間達は徐々に弱体していった

その後人間は滅ぶ寸前まで行ったが

突如、勇者を名乗る者が現れ魔王は倒された・・・これが200年前




盗賊「祈りの指輪を巡る争いだな」

商人「最後に走り書きで水が汚染されてる以上必ず人間は滅びるとある」

盗賊「続きは無いのか?」

商人「魔王が倒されて以降の記述が無い・・誰が書いたのかは不明」

盗賊「なるほど・・・全部解読出来そうか?」

商人「まだ半分だよ」

盗賊「そうか・・解読も大変だな」


343: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:29:14.27 ID:kVtvDP8q0
---3日後---

盗賊「漁師村が見えて来たぞ!」

僧侶「すご~く早かったね~ウフフ」

盗賊「これだけ早いと旅がラクだな」

商人「盗賊?陸に降りる場合は広い場所に下りて」

盗賊「大丈夫だ!!空中で静止するように帆を操作すれば良いんだろ?」

商人「ハハさすが飲み込みが早い」

盗賊「まかせろ!!降りるぞ!!」



フワフワ ドッスン



---漁師村---

商人「ここが漁師村?」

盗賊「・・・ようよう・・なんだか寂しい村だな・・本当に薬剤師居るのか心配になって来た」

僧侶「わたし先に行って聞いてくるね~」

盗賊「おう!俺は商人背負って後から行く」

僧侶「迷子になったら宿屋でね~」ノシノシ

盗賊「俺達は先に宿屋に入る」

僧侶「オッケ~♪ウフフ」

盗賊「さぁ・・商人俺の背中に乗れ」よっこら

商人「すまないね・・」



---

僧侶「ねぇねぇ~すみませ~ん・・薬剤師さんを探しているのですが・・」

村人「あんた何処から来なすった?悪いことは言わん・・早く村を立ち去れ」

僧侶「え~困ったなぁ・・何かあったんですか~?」

村人「1年程前にな・・疫病が流行って村人はみんな亡くなってしもうた・・」

僧侶「薬剤師さんはどうしてるのかなぁ?」

村人「村外れで薬の研究をしておる・・魔物を捕らえてな・・」

僧侶「え!?魔物を??」

村人「なんでも疫病は魔物から移るという話だ・・近づかん方が良いぞ」

僧侶「た、大変・・・商人に病気が移っちゃう・・」

344: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:29:52.28 ID:kVtvDP8q0
---宿屋---

ガチャリ バタン

盗賊「お、おう!僧侶・・早かったじゃねぇか」

僧侶「あのね~疫病が流行ってるからね~商人に移らないか心配で戻ってきたの~」

商人「今も疫病が?」

僧侶「分からないけど・・薬剤師さんが飼ってる魔物から移るかもしれないって・・」

盗賊「魔物を飼ってるだと?」

僧侶「近づかない方が良いカモ~」

商人「無駄足だったかな?」

盗賊「おいおい・・そりゃ無えぜ」

僧侶「もし行くなら精霊の加護の祈りをしておいた方が良いと思うんだ~」

商人「加護の祈りは疫病も跳ね返すかな?」

僧侶「試した事ないけど守れるカモ~」

商人「ハハハ君は割りと賢いね・・そうしよう」

盗賊「じゃぁ商人を背負って一緒に行動するか」

僧侶「うん・・」

盗賊「付いたばかりで悪いが・・商人!背中に乗れ」ヨッコラ

僧侶「わたしはお祈りしておくね~」



345: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:30:20.49 ID:kVtvDP8q0
---薬剤師の家---

『立ち入り禁止』

盗賊「・・・ここだな・・・立ち入り禁止となってるが」

商人「行ってみよう・・」



プギャー



盗賊「うお!!何だ?」

薬剤師「誰か来たの!!?・・・あ!!・・・ここは立ち入り禁止です!」

盗賊「立ち入り禁止って・・お前も立ち入ってるだろう」

薬剤師「あたしは・・病気に掛からないから・・」

盗賊「まぁよく分からんが・・・腕の良い薬剤師を訪ねに来た・・お前か?」

薬剤師「腕が良いかは分かりませんが・・一応薬剤師です」

盗賊「この商人は心臓に病気を持ってる・・良い薬を作ってもらいたい」

薬剤師「え!?あの・・困ります」

盗賊「作れないのか?」

薬剤師「今あたしは他の病気の薬を研究してる所でして・・」

盗賊「頼む!・・見てやってくれ・・もう死にそうなんだ」

薬剤師「・・・少し顔を・・・!!?これは低酸素症・・」

盗賊「何だ?」

薬剤師「あの・・ここは魔物の病気が移るかもしれないので・・」

盗賊「宿屋なら良いか?待ってる・・」

薬剤師「・・・・・はい・・後で行きます」

盗賊「すまねぇ恩に着る」



346: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:31:10.45 ID:kVtvDP8q0
---宿屋---

コンコン

薬剤師「あたしです」

盗賊「おぉ!待ってた・・入ってくれ」

薬剤師「失礼します・・」ガチャリ

僧侶「来てくれてありがと~ウフフ」

薬剤師「ベットで横になっている方ですね・・すこし見せてください」

商人「あぁ・・ありがとう」

---

---

---

薬剤師「・・・大分心臓に負担が掛かっています・・・この病気は治す事ができません」

盗賊「心臓に耳を当てて分かるのか?」

薬剤師「心臓の音に雑音が混ざってます・・穴が空いているのかと・・」

商人「ハハそれは承知さ」

盗賊「数年の命と言われてもう数年経っているんだ・・なんとか出来ないか?」

薬剤師「症状を和らげる薬なら作る事ができます」

商人「それで良いよ・・僕は今死にたくないんだ」

薬剤師「その保障は出来ません」

商人「問題ないよ」

薬剤師「ただ・・副作用がキツイです」

商人「どんな副作用なんだい?」

薬剤師「血液の性質を変える薬ですが・・出血した時に血が止まり難くなります」

商人「出血しなければ良いんでしょ?」

薬剤師「体の中の出血は分からないので今よりも貧血気味になるのは間違いないです」

盗賊「じゃぁ増血剤も一緒に・・」

薬剤師「それだと血の性質を変えて心臓の負担を和らげる意味が無くなります」

盗賊「・・・」

商人「数年の命はどのくらい伸びそうかな?」

薬剤師「数年と数ヶ月・・・数年と言っても1年の人も居れば10年の人も・・」

商人「ハハハ気休めでも楽になるなら良いよ」

薬剤師「分かりました・・明日持ってきますので安静にして待ってて下さい」

商人「ありがとう」

347: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:31:53.54 ID:kVtvDP8q0
---翌日---

薬剤師「持ってきました・・1週間分です」

盗賊「なぬ!!?1週間分しか無いのか?」

薬剤師「この薬はすぐに痛んでしまうので1週間分しか出せません」

盗賊「・・・まいったな」

商人「まぁ良いよ・・飲ませておくれ」ゴクリ

薬剤師「30分程で効き目が出てきます」

盗賊「なぁ・・薬剤師・・俺達に付いて来てくれないか?」

僧侶「そうだね~その方が商人も安心~」

薬剤師「いえ・・・あの・・・わたしは疫病の薬を研究してる所でして・・」

商人「・・その疫病の話を少し聞かせてくれないかな?」

薬剤師「構いませんが何かの役にでも立つのでしょうか?」

商人「たしか辺境の村でも魔物を媒体とした疫病が流行ったらしいんだ・・そうだろ盗賊?」

盗賊「あぁ・・俺は見てないが・・そうらしい」

薬剤師「・・ではお話します」

カクカクシカジカ

---

---

---

商人「ちょちょっと待って!!君が言う火傷を負った人は勇者の証を持っていたんだね?」

薬剤師「はい・・間違いありません・・始まりの国の港町まで看護をしました」

商人「これは・・とんだ所から情報が入ってきたね」

薬剤師「え!?」

盗賊「騎士に間違いないな」

商人「それでその火傷を負った人から血清を作って疫病を治したんだね?」

薬剤師「はい・・でも量が少なくて」

盗賊「ドラゴンの耐性だ・・・毒の耐性が出来る」

薬剤師「え?え?どういう事ですか?ドラゴンの涙を服用していたのですか?」

商人「そうだよ・・騎士はドラゴンの耐性がある」

薬剤師「・・・それでつじつまが合う・・・免疫だけ血清に出来たんだ・・」ブツブツ



盗賊「よし!これで決まったな・・俺達はその火傷を負った人を探しているんだ」

僧侶「わたしの婚約者なの・・」グスリ

商人「薬剤師さん・・君と僕達の目的が一致してる・・付いて来て欲しい」

薬剤師「・・でも家に捕まえてる魔物を・・」

盗賊「それは俺が後で処分してやる」

薬剤師「魔物の体液が付着すると病気に掛かります」

商人「それは大丈夫さ・・ねぇ僧侶」

僧侶「グスン・・」コクリ

348: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:32:21.52 ID:kVtvDP8q0
---

商人「じゃぁ旅の準備をしてきて・・薬を作る道具も全部飛行船に乗せて」

薬剤師「はい・・一つお願いが・・無害な魔物を一匹連れて行って良いでしょうか?」

商人「無害なら問題ないよ・・あ!あとあんまり大きいのは無理かな」

薬剤師「いえ・・大きさは手のひらに乗ります・・スライムと言うんです」

商人「スライム?・・古代の魔物だね・・僕も見て見たいな」

薬剤師「良かった・・魔物は知能が無い訳じゃなく教えられてないだけなんです」

商人「へぇ・・」

薬剤師「教えてあげれば良い子に育ちます」

商人「君はどうやら僕達の良い仲間になれそうだ・・スライム王国でも作ろう」

薬剤師「えへへ」




---飛行船---

盗賊「じゃぁ出発するぞー!!」

薬剤師「すごい!!こんな乗り物初めて」

商人「僕が造ったんだ・・ここでバーベキューだって出来るんだ」

僧侶「なんか商人元気でてきたね~ウフフ」

商人「うん・・元気になったらお腹が空いてきた」

盗賊「おぉ!!じゃぁ今日は飛行船でバーベキューだ・・保存肉しかないが・・」

僧侶「水で戻せば~?」

商人「ハハハ良いね・・そういえばスライムは何を食べるのかな?」

薬剤師「この子は毒を食べて体に蓄えるんです」

盗賊「ほぅ・・毒を・・」

薬剤師「体内で毒の免疫を作るのでそれを利用出来ないか研究をしていました」

商人「すごいね」

薬剤師「でもスライムには血液が無いので人間に効果のある血清は作れないんです」

僧侶「良くわかんな~い・・わたしバカかなぁ?」

盗賊「・・・・・」

商人「ま、まぁバーベキューしよう」

349: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:32:58.87 ID:kVtvDP8q0
---

ジュージュー

僧侶「頂きま~パク」モグモグ

商人「まぁまぁ美味しいね」モグモグ

盗賊「薬剤師!?何やってるんだ?」モグモグ

薬剤師「スライムに毒をあげてます・・このお肉にも微妙に毒が入ってます」

盗賊「肉にも毒が?」

薬剤師「どんな食べ物にも少しだけ毒が入っててスライムはその毒だけ食べます」

盗賊「・・・その肉はそのあとどうするんだ?」

薬剤師「あたしが食べる・・」

盗賊「おぇ・・・」

商人「ハハハ良いじゃないか毒の一切入ってない肉だよ」

僧侶「ねぇ~私も食べてみたいなぁ・・どんな味がするんだろ~」

薬剤師「味は・・無くなります」

盗賊「味が毒って事か」

商人「なるほど・・そうかもしれないね」




---

商人「・・・そうか・・その女性は海葬されたのか・・」

僧侶「ひっく・・ひっく・・」ポロポロ

盗賊「言葉もねぇな」

薬剤師「お知り合いでしたか?」

商人「仲間だったんだよ」

僧侶「エルフの娘がかわいそう~うぇ~ん」

薬剤師「火傷を負った人はその女性の身に付けてた銀のアクセサリーを大事にしてました」

僧侶「・・・一緒に買いに行ったのに」ポロポロ

商人「・・・でもどうして騎士は火傷を負ったんだろう?」

薬剤師「全身骨折もしていました」

商人「キマイラしか考えられないな」

盗賊「どこに居たんだ?魔王島には何も無かった・・」

商人「謎だね」

薬剤師「あの~・・キマイラとは何でしょう?」

商人「話すと長いんだけど・・遺伝子操作された魔物?って所かな」

薬剤師「遺伝子操作!!・・例の疫病も普通の病気と違って人工の病気じゃないかと疑っていました!」

商人「なるほど・・君の考えは正しいよ」

薬剤師「・・という事は」ブツブツ

盗賊「薬剤師は商人に似てるなヌハハ」

350: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:33:35.11 ID:kVtvDP8q0
---中立の国の商人ギルド---

ワイワイ ガヤガヤ

商人「囚人!戻ったよ」

囚人「早かったな・・往復で10日程か」

盗賊「あの飛行船はめちゃくちゃ早かったぞ」

囚人「俺が組み立てたからだ」

商人「例の作戦は順調かい?」

囚人「この通り物流が停滞して大混乱中だ」

商人「王国の動きは?」

囚人「思惑通り・・闇商人と取引したがっている・・どうする?」

商人「よし!食料だけ流通させる・・ただし・・塩だけは流通させない」

囚人「買い占めて良いんだな?」

商人「良い・・これで王国は戦争を出来ない・・」

囚人「クックックお前のやり方は本当に闇商人だな・・いや魔王か」

商人「まだまだこれからだよ」

351: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:34:13.10 ID:kVtvDP8q0
---秘密基地---

商人「・・・情報が揃ったね多分こういう事だ」



騎士は始まりの国の監獄塔に幽閉されている

魔女の指輪で看守の力を吸いながら生き長らえてるんだ

でも僕達5人だけで1000人近い衛兵を潜り抜けるのは無理がある

やっぱりドラゴンを先に仲間にする必要があるかな



盗賊「・・まぁ・・その通りだな」

僧侶「心配だよ~う」ソワソワ

商人「きっと大丈夫さ・・僧侶は未来を知っている」

僧侶「・・・」

盗賊「これからどうするんだ?」

商人「砂漠の砂嵐を飛び越えてドラゴンの棲家に行って・・取引をする」

盗賊「終わりの国のドラゴンの子を解放するのか?・・被害が大きすぎないか?」

商人「もうほとんどの商船は僕の手にある・・海賊王に裏航路で待機させる」

盗賊「全部避難させるつもりか?」

商人「そうだよ」

盗賊「出来るのか?」

商人「出来るのか?じゃなくてやるんだよ」



やり方は終わりの国の地下墓地のゾンビを全部解放する

衛兵達はゾンビを相手にしなくてはならない

混乱に乗じて僕達は城の内部からドラゴンの子を解放する

城の内部は囚人が熟知している筈さ

ドラゴンの子を解放したら市民を全部船に乗せる

これは海賊王達がやるんだ・・話は付けてある



囚人「やっと復讐の時が来た・・」

商人「今回は囚人と盗賊が肝だよ」

盗賊「俺が?」

商人「ドラゴンの解放は盗賊の鍵開けに掛かってる」

盗賊「!!!俺の専門分野か」

商人「そうだよドラゴンの入ってる大砲には鍵が掛かってるのさ」



商人「中立の国での取引がひと段落したらドラゴンの棲家に行く」

商人「そこは命の泉という場所さ・・親ドラゴンはそこを守っている」


352: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:34:44.77 ID:kVtvDP8q0
---数日後---

僧侶「ねぇ・・塩が無いとどうして戦争ができないの~?」

盗賊「おう!それはだな・・保存食が作れないからだ」

僧侶「保存食?」

盗賊「普通の食べ物は塩が無いとすぐに腐ってしまう・・1週間もすれば兵士は食べるのもが無くなる」

僧侶「へ~」

盗賊「その他にもな・・戦いで血を流すと動けなくなる・・塩水を与えないとしばらくは動けん」

僧侶「そんなに大事な物だったんだぁ~」

盗賊「塩が無いと逃げる敵も1週間で追えなくなる・・いや往復を考えると3日しか動けん」



商人「よし!取引が終わった!明日ドラゴンの棲家に向かおう!」

囚人「商人ギルドは他の者に任せて良いのだな?」

商人「塩だけは流通させないように徹底させて」

囚人「わかった・・他の者に言い聞かせておく」





---飛行船---

盗賊「よ~し荷物全部積んだぞ」

囚人「商人!お前はもう歩けるようになったのか?」

商人「薬剤師の薬のおかげで随分楽になったよ・・食欲もあるんだ」

囚人「食欲があるのは良い事だ・・」

商人「ハハハ囚人には関係の無い話か・・血は足りているかい?」

囚人「闇取引では生き血も手に入る」

商人「血を売って金貨を稼ぐ人もいるからね」



盗賊「おい!!早くのれぇ!!出発するぞぉ~」

僧侶「どれくらいかかるの~?」

盗賊「地図によると歩けば2ヶ月だ・・この飛行船なら10日で行けるかもしれん」

商人「砂漠を歩くのは大変だよ・・僕はムリだ」



ゴゴゴゴゴゴゴ プシュー フワフワ


353: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:35:13.96 ID:kVtvDP8q0
---

僧侶「薬剤師は何してるの~?」

薬剤師「・・これはねスライムがあたしの体に入った毒だけ食べれるか実験してるの」

僧侶「なんか気持ち良さそ~うウフフ」

薬剤師「全身なめまわされてる感じよ・・」

僧侶「わたしもやって欲し~い」

薬剤師「うん・・・やっぱり・・・反応が消えてる」

僧侶「???」

薬剤師「すごい事を発見したかも・・・」

商人「どうしたんだい?」

薬剤師「スライム・・この子はどんな毒でも直せる事を発見したみたい」

商人「僕にもやってもらえるかな?」

薬剤師「多分・・大丈夫」

商人「どうすれば良い?」

薬剤師「少し横になって・・・ハイご飯でちゅよ~」ベチャ

商人「うはは・・くすぐったいな」

薬剤師「そのままじっとしててね」

---

---

---

商人「なんか体がすごい楽になった気がする」

薬剤師「多分商人は心臓の機能が低下した事で腎臓の機能も低下してて体の毒を排泄しにくくなってるの」

商人「体に溜まった毒を全部食べてくれた?」

薬剤師「・・・これはすごい発見だわ!!スライムと人間は共存出来る!!」

僧侶「ねぇねぇ私達ってさぁ~本当に魔王軍みたいだね~」

盗賊「ヌハハ薬剤師連れてきて本当に良かったな」

354: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:35:46.11 ID:kVtvDP8q0
---砂嵐地帯---

ビョーーーーウ バサバサバサ

盗賊「・・・こりゃ巻き込まれたら終わりだな」

僧侶「地面から空まで渦が繋がってるぅ~」

商人「地上から見ると砂嵐だけど上空から見ると竜巻だね」

盗賊「この間を縫って行けば良いんだな?」

商人「そうだよ・・抜けると高い山がそびえ立ってる筈さ」

盗賊「ハンター達はここを通ってドラゴンを狩りに行くのか?」

商人「いや・・山の尾根沿いに行くと聞いてる・・普通に行くのは難しいらしい」

盗賊「・・その命の泉って所の場所は分かってるのか?」

商人「一番高い山の頂さ・・行って見れば分かるはず」

盗賊「いきなり山頂に降りるのか?」

商人「ハハハ盗賊ならできるだろう?」

盗賊「ドラゴンに襲われたらどうする?」

商人「その時はその時だよ」

囚人「クックック・・命がいくつあっても足りんな」




---山頂---

ビョーーーーウ バサバサバサ

盗賊「見えて来た・・た、高けぇ・・まだ高度上げるのか」

商人「はぁはぁ・・さすがに息苦しいね」

薬剤師「商人!ゆっくり深く呼吸をしてね・・息を乱さないで」

商人「僕はやっぱり背負ってもらわないといけない様だ」

盗賊「それは気にするな」

僧侶「ねぇねぇもしドラゴンさんが居たらどうするの~?」

商人「僧侶は精霊の加護の祈りをしてて欲しい」

僧侶「わかった~」

盗賊「よし!!じゃぁ直接命の泉の前に下りるぞ」



フワフワ ドッスン



シーン・・・

355: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:36:22.21 ID:kVtvDP8q0


盗賊「静かだな・・」

囚人「ドラゴンの気配は無い様だ・・」

盗賊「・・商人背中に乗れ」

商人「先頭は囚人にお願い・・僧侶と薬剤師は後から付いてきて」

囚人「行くぞ」

僧侶「命の泉って言うのに草木も生えてないんだね~」

盗賊「ここは標高が高すぎる・・高山植物すら・・」

商人「よく足元を見てごらん」

僧侶「・・・苔だぁ・・すごく小さな花が咲いてる~かわいい~♪」

商人「古文書にはその苔に癒しの効果があると書いていた・・さわってごらん」

僧侶「・・やわらかくて気持ち良い~ウフフ」



商人「僕は少し確かめたい事があるんだ・・命の泉まで行ってくれるかな?」

囚人「泉のある場所だな?こっちだ」

盗賊「音が・・俺達の足音しか聞こえない」

囚人「下界とは隔離された場所の様だ」

商人「いや・・そうでもないよ・・微かに水の音がする」サラサラ

356: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:37:05.92 ID:kVtvDP8q0
---命の泉---

サラサラ サラサラ

盗賊「ここが・・命の泉?」

商人「何か見えないかい?」

僧侶「湖の真ん中に何か突き立ってるぅ~」

商人「!!!やっぱり古文書の内容は本当だったんだ・・」

盗賊「なんだアレは?」

商人「多分・・魔王が突き立てた魔槍だよ・・囚人!!あの魔槍を抜けるかな?」

囚人「・・・」ジャブジャブ

僧侶「浅~いウフフ」

囚人「フン!フンッ!フーンッ!・・だめだ俺の力では引き抜けん」

商人「そうか・・仕方が無いね」

盗賊「あの魔槍がどうかしたのか?」

商人「古文書では魔王は命の泉を汚して人間を弱体化させたとある・・」

盗賊「伝説の話だろ?」

商人「ひょっとして僕達の飲む水はこの魔槍のせいですべて汚れているのかも知れない・・」



ギャオース



盗賊「!!!ドラゴンが戻って来た!!!」

囚人「待て!!水場の方が都合が良い」

商人「僧侶・・精霊の加護を・・」

僧侶「は~い。オッケ~」



ギャオース バッサ バッサ ゴゴ~ン


357: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:37:47.81 ID:kVtvDP8q0


盗賊「で、でけぇ・・」

商人「ドラゴンと取引をしに来た!!助けになって欲しい!!」



ギャオース ゴゥ ゴーン



盗賊「うわ・・いきなりブレスか」ヒヤ

商人「大丈夫だよ・・精霊の加護に守られている」


ドラゴン”精霊の加護を持つ人間か”

ドラゴン”人間よ我は下等な生物とは取引などしない”

ドラゴン”命の泉が汚れる・・立ち去れ”


商人「6匹のドラゴンの子を解放すると言ってもかい?」


ドラゴン”・・・・・”


商人「終わりの国でドラゴンの子が捕らえられてるのは知っている・・それを解放する」


ドラゴン”人間は信用出来ん・・立ち去れ”


商人「ならこうしよう・・僕達がドラゴンの子を解放する様を見ていてくれ」


ドラゴン”・・・・・”


商人「話はその後にしよう・・ただ・・少し協力してもらわないと解放できないかもしれない」


ドラゴン”・・・・・”


商人「解放したドラゴンの子を導いて欲しい・・必ず助ける」


ドラゴン”話は終わりか?・・・ならば立ち去れ”


358: 手掛かり 2013/07/13(土) 22:38:18.44 ID:kVtvDP8q0
---飛行船---

ゴゴゴゴゴゴゴ フワ フワ

盗賊「おい!良いのか?取引が成立したとは思えんが・・」

商人「フフならどうして僕達は自由に飛行船で帰れる?」

盗賊「・・・そういやそうだな」

商人「ドラゴンは僕達を殺すことなんて簡単な筈さ」

僧侶「商人!あったまい~~ウフフ」

商人「ドラゴンは何も言わないけど了解したんだよ・・僕達の行動を遠くで見てる」

盗賊「次はどうする?」

商人「海賊王と接触する・・いよいよドラゴンの子を解放する最後の調整だ」




---

僧侶「ねぇねぇ・・命の泉に突き立ってた魔槍・・なんか気になるなぁ・・」

商人「・・・君もそう思うかい?・・・僕もなんだ」

僧侶「あの魔槍は抜かないといけない気がするの~」

商人「水を汚して人間を弱体化さてたってどういう事なんだろう」

僧侶「もしもわたしが命の泉だったらね~あんなの刺さってたら痛いと思うんだ~」

商人「痛い・・ねぇ・・・」

囚人「痛みは憎悪に似た感情を産む・・それが流れ出てるのかもしれんな」

商人「その水を長い年月僕達は飲み続けてるのかな」

囚人「・・かもしれんな」

360: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:48:11.72 ID:c7XYuKUC0
---1ヵ月後海賊船---

ザザー ザブーン

盗賊「この義手と義足すげぇな・・」

海賊王「それはなぁ・・機械の国で作った特注品や・・力の魔石と風の魔石が入っとる」

盗賊「どんな効果だ?」

海賊王「義手の方は力の魔石でな・・重い物でも持てるようになるんや」

盗賊「ほぅ・・」

海賊王「義足の方は風の魔石や・・すばやく動けるんや」

盗賊「・・でもなんでこんなに沢山・・」

海賊王「わいの趣味や・・海賊王たるものかっこ良くなくてはイカン」

盗賊「・・元がかっこ悪いのはどうする?」

海賊王「!!?なんやとぅ!!」

女海賊「まぁまぁまぁまぁ・・パパ落ち着いて」

盗賊「うはぁ・・恐えぇ恐えぇ」




---船長室---

商人「じゃぁ良いかな?・・海賊船は終わりの国の裏航路で待機」

海賊王「わかっとるわ・・市民を避難させれば良いんやな?」

商人「うん・・行き先はこの裏航路を通って辺境の村に降ろせば良い」

海賊王「辺境の村に全部移せるんか?」

盗賊「大丈夫だ・・十分な広さと最低限の食料も自給できる」

海賊王「怪我人も運んでえーか?」

盗賊「辺境の村には薬草が大量にある筈だ・・よほど足りる」

商人「・・それで終わりの国の地下墓地への横穴は完成したのかな?」

海賊王「大丈夫や!!教会の裏から斜めに地下墓地まで掘った・・柵を上げればわんさか出てきよるで」

盗賊「よし!最初は俺と囚人が柵を上げに行く」

商人「分かった・・騒ぎが起きた後は女海賊がゾンビを導いて・・良いかい?」

女海賊「アタシに不可能は無いよ!!」

商人「ドラゴンの解放は囚人と盗賊の2人でお願い」

囚人「わかっている」

商人「僧侶と薬剤師は僕と一緒に怪我人の処置だ」

僧侶「は~い」

商人「女海賊は最後に囚人と盗賊が脱出するまで教会付近で待機してて欲しい」

女海賊「だからアタシに不可能は無いって!!」

商人「よし・・じゃぁ行こうか・・」





---わたしたちがやっていることは正しいことなのかな?---


361: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:48:57.24 ID:c7XYuKUC0
---終わりの国---

ガヤガヤ ガヤガヤ

盗賊(囚人!顔を隠しておけ!お前はこの国じゃ有名すぎる)

囚人(余計な世話だ・・早く行くぞ)

盗賊(おい!慌てるな)

囚人(クックック・・無様な国王の姿が目に浮かぶ)

盗賊(・・・そんなに酷い仕打ちを受けたのか?)

囚人(家族を全員な・・)

盗賊(・・・)

囚人(教会はこっちだ・・先に家族に会いたい)

盗賊(わかった・・手短に済ませろ)




---教会---

盗賊(・・・そうか・・子供が居たのか)

囚人(この日の為に苦難の道を歩んできた・・涙が出ないのが悲しい)

盗賊(死者だとバカにしてきて済まなかった・・お前の心はまだ人間のままだ)

囚人(・・・・・)

盗賊(悪いが・・そろそろ時間だ)

囚人(よし・・行くぞ)

盗賊(教会の裏だったな・・あの林の中か?)

囚人(おそらくそうだろう・・待て!!・・上空でドラゴンが旋回してるな)

盗賊(ん??高い・・・見てるのか?)

囚人(急ごう!)




---林の中の洞窟---

ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ

ガラガラガラガラ ガシャーン

盗賊「よし!開けた!ゾンビを誘ってくる!」タッタッタ

囚人「お前はムリをするな・・後で解錠の役がある」

盗賊「分かってる!だが俺の脚力もバカにはならんぞ?」

囚人「クックック・・まぁ良い・・好きにしろ」



ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ

盗賊「うはぁ・・大量だぜ!!100は居るぞ」

囚人「このまま洞窟を出ろ」

タッタッタ

362: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:49:24.88 ID:c7XYuKUC0
---街道---

ガヤガヤ ガヤガヤ

盗賊(・・・そろそろ騒ぎ立てるか)

囚人(よかろう)



盗賊「助けてくれええええゾンビの大群が出たぁぁぁぁ!!」

盗賊「早く逃げろおおおおぉぉぉ」

盗賊「すごい大群だぁぁぁぁぁ!!」

盗賊「海に向かって逃げろおおおぉぉぉ」



(なんだ?ゾンビだって?)

(どこだどこだ?)

(うわああぁぁ教会からゾンビがぁぁ!!)

(に、逃げろおぉぉ!!)



盗賊「よし!上手く行った・・次は城だ!!」

囚人「付いて来い!こっちだ」




---城門---

門番「止まれ~い!ここは終わりの国王様の城である・・」

盗賊「たたた大変だ!!町にゾンビの大群が現れた・・100体以上居る!!」

門番「!!?な、なんだと?」

盗賊「一般民が襲われてる・・なんとかしてくれ!!」

門番「衛兵!!隊長に報告しろぉ!!」

衛兵「ハッ!」

盗賊「おい!!ここからでも見える・・ゾンビが100体じゃきかねぇ・・」

門番「・・どれ・・・うお!!・・・こりゃ大変だ」

盗賊「早く城門を空けてくれぇ!!みんなゾンビにやられちまう!!」

門番「わ、わかった・・」



ガラリゴロリガラリゴロリ



盗賊「衛兵!!衛兵!!助けてくれぇぇ!!町で大量のゾンビが暴れてるんだ!!」


363: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:49:57.17 ID:c7XYuKUC0
---

隊長「武器を持って町の守備につけぇ!!」

衛兵「ハッ!!」

隊長「手の空いてる者は大砲を一基1番塔から下ろせ!!」

衛兵「ハッ!!」



ゾロゾロ ゾロゾロ



囚人「よし・・1番塔のやつから行くぞ」

盗賊「どれだ?」

囚人「付いて来い・・途中で衛兵の兜をかぶって行く」タッタッタ

盗賊「ぬはは慎重じゃねぇか」タッタッタ

囚人「面倒は避ける・・これをかぶれ!」ガポ




---1番塔---

盗賊「隊長からこの1番塔の大砲を一基降ろせと指示があった」

衛兵「何!?町はそんなに大変な状況なのか?」

盗賊「ゾンビの大群が100体以上は居る!!」

衛兵「100体だと!?・・」

盗賊「もっと居るかも知れない・・ここは俺達に任せて応援に行った方が良い」

衛兵「し、しかし・・」

盗賊「このままだとお前の家族もやられるぞ」

衛兵「くぅ!!!・・大砲の下ろし方は分かるか?」

囚人「分かっている・・魔法師はどうしてる?」

衛兵「魔法師は宿舎で休憩中だ・・呼んだ方がいいか?」

囚人「いや・・まだ呼ばなくて良い・・後で俺達が呼びに行く」

衛兵「わかった・・後は頼む!!」



囚人「盗賊!お前は上に上がって大砲の施錠を開けろ・・俺はここで大砲を降ろす」

盗賊「まかせろ!」

囚人「リミットは大砲が下に降りきるまでと思え・・降ろし始めるぞ」



ガラガラガラガラ



盗賊「そりゃ難易度高けぇな・・行って来る!!」ダダダ

364: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:50:47.61 ID:c7XYuKUC0
---1番塔の上---

盗賊「おおぅ・・町が良く見える・・大混乱だな」

盗賊「こうしちゃ居られねぇ・・早く解錠しないとな」

盗賊「ぬぁ!!鍵が6つも有るのか・・間に合うか?」ガチャガチャ

盗賊「今出してやるからよカワイ子ちゃん・・親ドラゴンが迎えに来てるぜ?」ガチャガチャ



ガラガラガラガラ



---1番塔の下---

盗賊「ふぅ・・ギリギリ間に合ったな・・鍵が6つあるなんて聞いてないぜ」

囚人「子ドラゴンを引きずり出すぞ」

盗賊「お、おう・・」グイ グイ

囚人「よし!いい子だ」グイ グイ



ギャオース



盗賊「上に親ドラゴンが迎えに来てる・・適当に城の中で暴れて良いぞ!」

囚人「次の塔に行く・・来い」

盗賊「俺達に攻撃すんなよ?他の子ドラゴンが助けられなくなるぞ?」

囚人「急げ!!こっちだ」



ギャオース



---終わりの国の街道---

ヴヴヴヴ ヴヴヴヴ

衛兵「数が多すぎる・・」ダダダ ザク

一般民「船だ!!船が来てる!!船に逃げろ~!!」

衛兵「くそう・・倒してもキリが・・・うわ!!こんな時にドラゴンが」


ギャオース


海賊達「海賊が助けに来たぁ!!一般民は海賊船に乗れぇ!!」

一般民「たたた助けてくれぇ・・」



(海賊船が助けに来てるらしい・・船に向かって走れぇ)

(ド、ドラゴンも沢山来てるぅ)

(王国の大砲はどうなってる!?)

(家がぁ家が燃えるぅ~)

(早く海へ逃げろぉぉぉ!!)



衛兵「これは魔王軍の仕業なのか!?」

365: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:51:57.99 ID:c7XYuKUC0
---城内---

ゴゥ ゴーン

盗賊「大砲がブレス打ち始めたぜ・・」

囚人「魔法師に感づかれたな・・あと2つ」

盗賊「次はあの塔だな?はぁはぁ」

囚人「魔法師だけヤレるか?」

盗賊「俺を誰だと思ってる・・隠密のプロだ」

囚人「よし・・5番塔の下は俺が守ってやる・・盗賊だけで上の大砲を処理しろ」


衛兵「見つけたぞぉ!!」

囚人「盗賊!早く行け!!」

盗賊「5分で片付ける・・持ちこたえてくれ」ダダダ


囚人「・・・ここは通さん」

衛兵「!!!お、お前は・・・」

囚人「元・終わりの国衛兵隊長だ・・顔に見覚えがあるだろう」

衛兵「この騒ぎ・・すべてお前が仕組んだのか!?」

囚人「借りを返して貰いに来ただけだ」

衛兵「全員弓を持てぇ!!」

囚人「クックック・・賢い選択だ・・」ジャキリ

衛兵「盾持ちか・・構わん!撃てぇ!!」


スン スンスン シュン ススン スンスン スン フォンスススススン

ドス カンカン ドス カカン ドスドス カン ドドドカカカン


囚人「クックック・・それだけか?」

衛兵「なにぃ・・まだ立ってる」

囚人「俺は死なん・・いや俺は不死身だ・・お前らでは倒せん」

衛兵「もっと撃てぇ!!」


ドラゴン「ギャオース」 バッサ バッサ ドッスーン


衛兵「うお!!ドラゴンが・・」

囚人「逃げんとブレスが来るぞ?」

衛兵「散開!!散開!!」


ゴゥ! ボボボボボボボ


衛兵「うがぁぁぁぁ・・衛生兵!!衛生兵!!」

衛生兵「建物の影に!!」


盗賊「囚人!!大砲を下ろしてくれぇ!!」

囚人「・・・・」ガラガラガラガラ


366: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:52:25.04 ID:c7XYuKUC0
---

盗賊「つつつ・・火傷しちまったぜ・・」

囚人「手は無事か?」

盗賊「あぁ手だけは無事だ・・魔法師が2人居て反撃された」

囚人「子ドラゴンを引きずり出すぞ」ズルズル

盗賊「お前はハリネズミみたいだな・・よくそれで生きてる」ズルズル

囚人「無駄口を叩くな・・あと1つだ」

盗賊「・・俺達の避難は間に合うか?」

囚人「さぁな・・なるようになる」

盗賊「早くしないと船に乗り遅れるな・・急ごう!!」




---6番塔---

隊長「この大砲だけは死守しろ!!」

衛兵「ハッ!!」

隊長「来たな!!」

衛兵「あの2人に間違いありません」

隊長「大砲を放て!!」



ゴゥ ゴーン



盗賊「うお!ブレス!!」ヒラリ

囚人「むぅ最後の大砲には近づけんな・・」

盗賊「ちぃ・・ここまでか・・」

囚人「待て・・考えがある・・来い!!」ダダダ

衛兵「逃げたぞ!!」

隊長「追うな!!今はこの大砲を守る事が優先だ」

衛兵「しかしあの先には姫君が・・」

隊長「んむむ・・精鋭兵が居る筈だ・・」

衛兵「くぅ・・」

367: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:52:54.57 ID:c7XYuKUC0
---姫の部屋---

姫「ハラハラ・・ソワソワ」



ゴゥ ゴーン ガガーン



ゴトリ・・


姫「!!?ハッ・・」

囚人「姫・・お助けに参った」

姫「・・あなたは・・元衛兵隊長様・・よくぞご無事で」

囚人「今は囚人だ・・囚人と呼んでくれ」

姫「なぜ秘密の裏口から?」

囚人「この国はもう終わりだ・・俺の理解者である姫だけは助けてやる」

姫「ついにお父様の悪行が払われるのですね?」

囚人「・・未練は無いか?」

姫「一般民が心配に御座います」

囚人「その心配は要らん・・船に避難を始めている」

姫「船に?」

囚人「そうだ・・すべての一般民を収容できる船を用意している」

姫「私はどうすれば良いのでしょう?」

囚人「囚われたドラゴンを解放している・・付いて来れるか?」

姫「はい・・やっと解放されるのですね?」

囚人「あと1匹だ」

盗賊「姫には捕らわれたフリをしてもらいたい・・・少々手荒になるが・・」

姫「終わりの国の業は謹んでお受けします・・」

囚人「業を受けるのは姫では無い・・姫の父君だ」

姫「・・・・」ポロ

囚人「心配するな・・民が生きてる以上この国はまだ復興が出来る」

姫「行きますわ・・私にも復興のお手伝いをさせて下さい」

盗賊「ようし!!姫の命預かった!!」

囚人「行くぞ・・裏口から出ろ」

ゴトリ・・

368: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:53:40.64 ID:c7XYuKUC0
---6番塔---

ゴゥ ゴーン

スン スンスン シュン ススン スンスン スン フォンスススススン

隊長「ドラゴンは弓に弱い!!休まず撃てぇ!!」

衛兵「隊長!!例の2人が姫君を!!」

隊長「何ぃぃぃ!!?」



囚人「大砲を明け渡してもらおう」

隊長「ハッ・・お前は・・元衛兵隊長・・さては裏口から姫君を・・」

囚人「クックックその通りだ」

隊長「くぅ・・抜かった」

囚人「えらく出世したな・・旧友よ」

隊長「だまれぇ!!このままだとこの国は滅ぶぞ!!」

囚人「もう遅い・・ドラゴンとゾンビの怒りはもう収まらん」

隊長「お前こそ不死者の癖に・・」

囚人「そうだ・・この国は不死者の怒りを買っている・・お前も同様にな」

隊長「お前の家族を殺したのは・・国王の指示だ」

姫「・・・・」

囚人「もう失ったものは戻らない・・お前への信頼ももう戻らない」

隊長「姫をどうするつもりだ!?」

囚人「人質以外に何に見える?」

盗賊「大砲を渡さないと殺すぞ!?」

隊長「お前達にそれが出来るか?姫を育てたのはお前だろう!!」

囚人「・・・・」

盗賊「俺はこんな女に未練は無ぇ!」グサッ ポタポタ

姫「きゃあぁぁぁ・・痛いぃ」

衛兵「!!!姫ぇ!!!」

隊長「ま、待て・・分かった・・衛兵!!大砲から離れろぉ・・」

盗賊「さっさとどいてりゃ良いんだよ・・」---くぁぁ痛てぇぇ---

囚人「・・・・」---姫を刺すフリで自分を刺したか---

369: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:54:21.22 ID:c7XYuKUC0


盗賊「ようし!!最後のドラゴンだ・・」---ちぃ出血が多い---

囚人「引きずりだすぞ」ズルズル

隊長「お、お前達・・なんと卑怯な」

囚人「クックックお前に言われたくないがな」

盗賊「大砲無しでドラゴンと戦う事を考えた方が良いぜ?」

隊長「姫君を放せ!!」

囚人「残念だが今放すと俺達の命が危ない」



ギャオース



盗賊「ドラゴンとやり合ってな!!」

隊長「逃げるのか!!」

囚人「クックック精々頑張るんだな」

隊長「くそぅ・・卑怯者めぇ!!」


盗賊「行くぞ!!」

囚人「衛兵を振り切ったら姫は自分の足で付いて来い!」

姫「は、はい・・」

盗賊「傷は痛むか?」

姫「かすり傷です・・あなたは?」

盗賊「ちぃと刺しすぎた・・力が入りすぎちまった」ボタボタ



ゴゥ ゴーン

スン スンスン シュン ススン スンスン スン フォンスススススン


370: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:54:51.54 ID:c7XYuKUC0
---海賊船---

ザザー ザブーン

商人「ドラゴンが7匹・・上手くいったみたいだ」

海賊王「・・・この世の終わりの様な光景やな・・・」

商人「後は女海賊が盗賊と囚人を無事確保してくれれば良い・・」

海賊王「まだ避難民の収容は終わってないで?」

商人「ドラゴンのお陰で避難は慌てなくて済みそうだ」

海賊王「ほんまかいな・・町の中は地獄とちゃうんか?」

商人「・・・それにしても僧侶の回復魔法は凄いな」

海賊王「そうやな・・」

商人「正直驚いた・・あんなに回復魔法が回せるとは・・」

海賊王「魔力が良く持つのう」

商人「あんなに回して・・まだ魔力が持つのが不思議だ」

海賊王「勇者並みの魔力かえ?」




---僕は大きな勘違いをしているかもしれない---

---本当に世界を救えるのは心も癒せる彼女なのかもしれない---


371: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:55:33.58 ID:c7XYuKUC0
---終わりの国の教会---

タッタッタ

盗賊「くそぅ・・目が霞んできやがる」ヨロ

囚人「女海賊が教会付近に居る筈だ・・もう少し辛抱しろ」

盗賊「分かってるが・・血が足りねぇ」

囚人「商人はいつもそういう具合なんだがな・・」

盗賊「こりゃきついわ・・」



女海賊「よ~し!!柵から全部ゾンビ出たね?」

海賊「あっしらもそろそろ逃げた方が・・」

女海賊「銀製品全部積んだかい?」

海賊「手当り次第積みましたぜ」

女海賊「アタシが最初に気に入った奴選ぶかんね?」

海賊「分かってますぜ」

女海賊「お!!盗賊と囚人が来たね・・飛行船の準備を!!」



盗賊「飛行船だ・・女海賊が居る・・助かった」ヨロ

囚人「女海賊!盗賊の手当てを出来るか?」

姫「私がやります!」

女海賊「誰さ!?この女」

囚人「終わりの国の姫だ・・俺の理解者だ」

女海賊「早く飛行船に乗って!!」

372: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:56:04.47 ID:c7XYuKUC0
---飛行船---

ゴゴゴゴゴゴ フワフワ プシュー

女海賊「この飛行船凄いね!!」

盗賊「俺達の飛行船を勝手に・・」

女海賊「商人が使って良いってさ」

盗賊「お前こんなギリギリまで教会で・・」

女海賊「あんた達が空けた地下墓地の柵以外に他に何個もあるんだよ」

盗賊「1つだけじゃなかったのか・・」

女海賊「1つだけじゃ一気にゾンビ出すのはムリ!!アタシのお陰なんだから」

盗賊「それにしちゃ・・この銀製品の山はなんだ?」

女海賊「ヘヘー戦利品」

盗賊「抜け目ねぇな・・・」

女盗賊「ドラゴンはアタシ達をガン無視してるねぇ・・」

盗賊「恐くねぇのか?」

女盗賊「アタシの美貌を無視してるのが気に入らない!!キィィィ」

盗賊「・・・・・さすが海賊王の娘だ」



---海賊船---

ゴゴゴ フワフワ ドッスン

海賊王「おぉ!!我が自慢の娘!!戻ったか!!」

女海賊「もう!!パパ面倒くさい!!盗賊が重傷なの・・僧侶はどこ?」

海賊王「僧侶は他の船や」

女海賊「早く手当てしないと・・出血が多すぎる」

姫「わたしの血を使ってください!!」

海賊王「うお!!終わりの国の姫やないか・・」

商人「・・そんなに出血してるのかい?」

盗賊「・・・・」グッタリ

商人「意識が無いな・・・薬剤師!!来て!!」

薬剤師「うん!!分かってる・・塩水を用意して!!」

商人「盗賊・・大丈夫だよね?」

薬剤師「早く血を入れてあげないと・・傷口はどこ?」

囚人「左腕だ・・太い血管を傷付けてしまった様だ」

薬剤師「針と糸を持って来て・・それから姫から皮袋1つ分の血を抜いて」

女海賊「手伝おうか?」

薬剤師「お願い・・他に血を抜いても良い人を探してきて・・皮袋10個は必要」

女海賊「野郎どもぉ~!!アタシに抜いて欲しい奴は並べぇ~」

海賊達「うおぉぉぉ抜いてくれぇぇ」

女海賊「特別サービスだよ!!パンツ脱ぎな!!」



グサ・・うがぁ・・いてぇぇぇぇ

373: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:56:49.82 ID:c7XYuKUC0
---翌日---

ザザー ザブ~ン

海賊王「一般民の避難は全部終わったで・・」

商人「よし・・僕達の船が最後かな?」

海賊王「そうや!!」

商人「ドラゴンは昼夜問わず終わりの国を攻撃してるね・・」

海賊王「塩が無いなら長いことは持たんやろ・・」

商人「僕がやっていることが恐くなってきたよ」

海賊王「そうやなぁ・・ほんまに魔王の仕業としか思えんわ・・地獄や」

商人「あそこで戦っている衛兵達を思うと心が痛い」

海賊王「もっと平和的に解決できたらなぁ」



---いつもの心臓の痛みとは違う---

---僕が犯した罪の痛みだ---

---苦しい---



---

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

盗賊「・・・すまねぇな僧侶」

僧侶「い~の~ウフフ」

盗賊「商人の言ってた意味が分かった・・僧侶の回復魔法を貰うと正義感が沸く」

僧侶「本当に~?うふふのふ~ウレシイなぁ~もっと言ってぇ~♪」

盗賊「そんなに魔法使って魔力は尽きねぇのか?」

僧侶「わかんな~い・・でもお腹は減る~」

盗賊「食ったもんが魔力になってるのかヌハハ」

商人「すまない・・僕にも回復魔法を貰えるかな・・」

僧侶「は~い!回復魔法!」ボワー

盗賊「おい・・大丈夫か?」

商人「違うんだ・・体調が悪いわけじゃないけど・・心が痛む」

盗賊「んむ・・そうだな」

374: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:57:26.08 ID:c7XYuKUC0
---3日後---

盗賊「どうだ?」

商人「盗賊!もう立てるようになったのかい?」

盗賊「まぁな・・」

商人「盗賊も見ておいた方が良い・・国が滅ぶ様を」

盗賊「・・・・・」

囚人「言葉が無いな」

商人「軍事力で繁栄を極めた国も3日で滅ぶ」

囚人「一人も生きてはおるまい」

商人「これは人間が招いている人災だよ・・まだキマイラもゴーレムも居る」

盗賊「人間が持つ兵器にしちゃぁ部が大きすぎだな」

商人「僕はゴーレムが一番恐いよ」

盗賊「数百を超える巨人兵団か・・」



ギャオース



商人「来たな・・」

海賊王「おわ・・わわわわ」

商人「慌てなくて良いよ・・襲っては来ない」



バッサ バッサ ドッスーン



海賊王「うおぉ・・船が傾く・・」

375: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:57:54.47 ID:c7XYuKUC0
商人「さぁドラゴン!取引だ!」


ドラゴン”我らは人間と取引はせぬ”


商人「僕の目的を話しておこう!人間が造るキマイラとゴーレムを止めさせる」


ドラゴン”下等な人間の言葉にしては良く言う”


商人「キマイラやゴーレム相手ではドラゴンでも只では済まないだろう?」


ドラゴン”・・・・”


商人「世界を救いたいんだ・・協力して欲しい」


ドラゴン”汝が王となるのか?”


商人「王?ハハハハ僕はもう世間では魔王さ」


ドラゴン”かつての魔王も始めは小さき力しか持っておらぬ”


商人「魔王を知っているのか?」


ドラゴン”我は1000年を生きる時の証人なり”


商人「では今変わろうとする時代に少し汲みする気は無いか?」


ドラゴン”汝は何を望む?”


商人「まず始まりの国で囚われの身になっている仲間を救いたい・・」


ドラゴン”何故その仲間にこだわる”


商人「今祈りの指輪を持っているのは彼だからだ」


ドラゴン”!!?祈りの指輪がまだ存在するか・・”


商人「フフ協力する気になったかい?」


ドラゴン”良いだろう・・但し・・祈りの指輪は破壊すると約束せよ”


商人「わかった・・事が済んだら破壊する」

376: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:58:32.93 ID:c7XYuKUC0
---

ザザー ザブーン

海賊王「うっはっは~ドラゴンを載せた海賊なんざ他に居らんわぁ」

女海賊「パパ!アタシは飛行船で空から行くね」

海賊王「空からわいの勇士を眺めるんか?」

女海賊「・・え・・あ・・うん!そうそう」

海賊王「うっはっは~そうやろそうやろ」



商人「じゃぁ作戦通り一般民を辺境の村に降ろしたら中立の国の海域で・・

海賊王「わかっとる・・終わりの国の姫はどうするんや?」

姫「私も辺境の村で復興のお手伝いを・・」

盗賊「それが良い・・子供達が沢山居るぞ」

商人「僕達は途中で分かれて始まりの国へ向かう・・武闘会まであと2ヶ月だ」

僧侶「私も行く~」

商人「もちろんだよ・・君が居ないとこの作戦は失敗する」

盗賊「しばらくは船旅だな?」

商人「そうだね・・海図で言うとこの辺でドラゴンの背に乗ろう」

海賊王「そこまでは2週間って所やな」

商人「それまではゆっくりしよう」

377: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:59:15.05 ID:c7XYuKUC0
---1週間後---

僧侶「商人と薬剤師はドラゴンに付きっ切りだね~」

盗賊「そうだな・・良い先生になってるんじゃないか?」

僧侶「ドラゴンさんっておとなしいんだね~」

海賊王「ドラゴンは賢いから無暗に襲ったりはせんらしいわ」

僧侶「神話で聞くドラゴンとは違うんだね~」

盗賊「どんな神話だ?」

僧侶「ドラゴンは私みたいな姫を捕まえて閉じ込めるとか~」

盗賊「僧侶みたいな姫かは知らんが理由があるんだろ・・」

僧侶「あ!!!薬剤師がドラゴンにスライム乗せてる~ウフフ面白そ~う♪」トコトコ



僧侶「ねぇねぇ何してるの~?ウフフ」

薬剤師「ドラゴンの毒を吸ってあげてるの・・高齢で毒の耐性が弱くなってるって」

僧侶「高齢だったんだ・・へぇ~」

薬剤師「ドラゴンの寿命は約1000年でもう1000歳を超えてるみたい」

商人「ドラゴンは寿命で死ぬ間際に子孫を産むんだってさ」

僧侶「へぇ~それで6匹の子ドラゴンが居るんだぁ~」

商人「間際と言ってももう10年以上前に生まれたそうだけどね」

僧侶「どれどれ私にも見せて~・・・あれ?目が濁ってる?」

商人「もう目は微かにしか見えてないらしい・・もうすぐ寿命だよ」

僧侶「良く見ると傷だらけだぁ・・回復魔法してあげよっか?」

商人「そうだね・・それが良い」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー


ドラゴン”汝は浄化の力を持って居るな”


僧侶「へ?」


378: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 08:59:43.56 ID:c7XYuKUC0
商人「そうなんだよ・・僧侶は魔力も尽きることが無い」


ドラゴン”その力・・役に立つかも知れぬ・・事が済んだら命の泉へ向かえ”


商人「え!?どういう事かな?」


ドラゴン”命の泉の中にある命の源から憎悪が流れ出して数百年”

ドラゴン”人間はその水を飲み現在に至る”


商人「!!?やっぱり僕の考えが正しかったのか・・」


ドラゴン”浄化には命の源を回復させる必要がある”


商人「じゃぁ突き刺さった魔槍を抜かないと・・」


ドラゴン”魔槍は普通の人間では抜く事は出来ぬ”


商人「抜く事が出来たとしてその後の手順を教えて欲しい」


ドラゴン”銀を使い穴を埋め浄化の回復魔法で命の源を復元させる”


商人「浄化の回復魔法が必要って事は・・命の源は憎悪で満たされてる?」


ドラゴン”汝は人間にしては賢いのう”


379: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 09:00:31.53 ID:c7XYuKUC0
---2週間後---

商人「・・僕と薬剤師はドラゴンに2人で乗るよ」

僧侶「え~私達は~?」

商人「後で子ドラゴンが飛んでくるから僧侶と盗賊と囚人は一人ずつ乗って」

盗賊「子ドラゴンは話通じるのか?」

商人「さぁ?なんとかなるでしょ?」

盗賊「・・お、おいおい」

商人「冗談だよハハハ港町の宿屋で落ち合おう・・じゃぁ先に行くね」



ギャオース バッサ バッサ



盗賊「お~い!!・・行っちまった・・」

僧侶「大丈夫かなぁ・・」



---数時間後---

僧侶「おそいな~・・本当に来るのかなぁ・・」

盗賊「ん~む・・もう日が暮れる・・今日は来んかもしれんな」

海賊王「お~い!!そろそろ進路変えるけの~!!」

僧侶「大丈夫かな~・・」ソワソワ

盗賊「まぁ仕方ないな・・まだ1ヶ月半有る・・慌てないで待とう」

囚人「商人は何か考えが有りそうだな」

盗賊「あいつの考えてる事は良くわからん」

380: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 09:01:03.23 ID:c7XYuKUC0
---翌日---

僧侶「ねぇねぇ今どこら辺?」

盗賊「海図だと・・この辺りだ」

僧侶「港町に遠ざかってるね・・大丈夫かなぁ?」

盗賊「ん~む飛行船の方が確実だったかもしれんな」

囚人「海賊王の娘が乗り回している」

盗賊「あのアバズレ・・親の教育が悪い!」

海賊王「う~はっくしょ~ん!!」ズル



盗賊「おい!!見ろ!!なんだありゃ・・」

海賊王「んん?・・・ありゃ機械の国の船や・・・遠いな」

盗賊「望遠鏡あるか!?」

海賊王「でかいのはわいのや・・お前はこの小さいのを使え」ポイ

盗賊「・・・・チッ」パス

海賊王「どれどれ・・」

盗賊「うお!・・クラーケンに襲われてやがる」

海賊王「まてまて・・ドラゴンもおるで?」

盗賊「おい!!甲板の上に乗ってる奴は何だ?何撃ってる?」

海賊王「巨人や・・あれがゴーレムちゅうやつか?」

盗賊「ちぃ・・望遠鏡が小さくてよく見えん!」

海賊王「巨人が手に大砲を持っとる・・クラーケン1匹とドラゴン6匹相手にしとるわ・・」

盗賊「巨人は・・・1体しか見えねぇな」

海賊王「そうやな・・1対しかおらんな・・あの大砲火吹いとるで?」

盗賊「でかいイカ焼きが出来そうだな・・・うわぁすげぇクラーケンが船持ち上げやがった」

海賊王「がははは巨人が海に落ちよったわ」

盗賊「あの船相当硬いな・・普通ならへし折れてるぞ」

海賊王「鉄の塊や・・中に閉じこもりゃぁ亀みたいなもんや」

盗賊「ドラゴンじゃ攻略できそうに無いな」

海賊王「そうやな・・クラーケンでも無理やろ」

381: 滅びの兆し 2013/07/14(日) 09:01:53.74 ID:c7XYuKUC0
---

僧侶「来たぁぁぁ~子ドラゴンさんがこっちに来たぁぁぁ~♪」

盗賊「機械の国の船は諦めたか?」

僧侶「・・アレ~なんか様子がヘンだなぁ~」

盗賊「巨人に大分やられた様だな・・僧侶!近づいたら回復魔法してやってくれ!」

僧侶「わかった~」

海賊王「クラーケンはまだ機械の国の船に抱きついとるで・・今の内に離れとかな・・」


ギャース バッサ バッサ ドサ


僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「子ドラゴンは傷だらけやな・・」

盗賊「囚人!!子ドラゴンが来たぞ!!行けるか?」

囚人「乗れば良いのか?」

盗賊「先に乗ってくれぇ!!俺は次に乗る!!」

僧侶「話通じるかなぁ?」

子ドラゴン「ギャース」

盗賊「・・・ダメそうだ・・まぁなんとかなるだろ!!囚人!!行ってくれぇ!!」

囚人「先に行く」ドサ


ギャース バッサ バッサ


盗賊「僧侶は子ドラゴン回復して最後に来てくれ」

僧侶「なんかこわいよぅ・・わたし馬にも乗れないの~」

盗賊「つかまってれば何とかなる!!」

僧侶「ええええ~大丈夫かなぁ・・困ったなぁ・・」




---

僧侶「・・最後の子ドラゴンさん回復魔法!」ボワー

子ドラゴン「ギャース」

僧侶「ここここわいよぅ・・どうすればいいの?」


ギャース バッサ バッサ グワシ


僧侶「!!?お?捕まえられた?・・・あれ?捕らわれた姫の感じかも~ウフフ」

僧侶「ねぇねぇ子ドラゴンさん今から何処行くの~?」

子ドラゴン「ギャース」バッサ バッサ

僧侶「うわぁぁぁ・・早~い!!」

僧侶「ねぇねぇ皆に追いついてくれるかなぁ?回復魔法してあげるからさぁ」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー


ギャース バッサ バッサ

382: 救出 2013/07/14(日) 10:15:13.66 ID:c7XYuKUC0
---砂浜---

ザザー ザザー

僧侶「・・・困ったなぁ・・こんな所に降ろされてどうしよう」トボトボ

僧侶「ここは何処かなぁ・・」

僧侶「砂浜沿いに行けば何処かに着くかなぁ・・」

僧侶「え~っと・・迷った時は・・」

僧侶「1:水の確保 2:食料の確保 3:体力温存 だったっけ・・」

僧侶「もうすぐ日が暮れちゃうなぁ」

僧侶「海辺は寒くなりそうだなぁ~林を探さないと・・」トボトボ




---林---

ワッサ ワッサ

僧侶「よし!これで寝床はヨシと・・次は火を起こさなきゃ」

僧侶「火魔法!」ポ

僧侶「ふ~ふ~ふ~」メラ メラ

僧侶「騎士って一人でこんな事してたのかなぁ・・」

僧侶「罠張っておこ~っと」

僧侶「罠魔法!罠魔法!罠魔法!」ザワザワ シュルリ

僧侶「よし!っと・・・寂しいなぁ」

僧侶「焚き木は足りるかなぁ・・お腹空いてきたなぁ・・」



??「明かりが見えるぞ」

僧侶「!!?」---まずいかも---

??「しっ・・」

僧侶「どかーん!!!!」

??「うお!!!僧侶か?」

僧侶「その声は盗賊さん?」

盗賊「おいおい探したぜ・・囚人!!こっちだ」

僧侶「良かった~~ふぇ~ん」

盗賊「・・・良かったはいいが・・どかーん!!は無ぇだろ」

僧侶「ど~ん!!の方が良かった?」

盗賊「ま、まぁ・・僧侶にしちゃ上出来だなヌハハ」

囚人「寝床まで作ってある」

盗賊「もう燃やしちまえ!港町はすぐソコだ・・こんな所で野営してるこっちが恥ずかしい」

僧侶「え!?そうなの~?」

盗賊「この林の先だ・・あんまり遅いから探しに来たんだよ」

僧侶「えへへ~」

盗賊「えへへじゃねぇ!早く来い!」

383: 救出 2013/07/14(日) 10:15:51.76 ID:c7XYuKUC0
---港町の宿屋---

ガチャリ バタン

盗賊「僧侶見つけて来たぜ・・すぐそこの林で野営してやがった」

商人「大変だったね・・ご馳走用意してるよ」

僧侶「わ~い!食べていいの~?ウフフ」モグモグ

盗賊「ったく世話がやける・・」

商人「今日は疲れただろうから話は明日にしよう」

盗賊「そうだな」

僧侶「は~い」モグモグ

商人「薬剤師!後で例のやつおねがい」

薬剤師「うん」




---

僧侶「え!?何するの~?」

薬剤師「あなたの髪の毛伸びっぱなしでしょ?」

僧侶「・・そういえば3年くらい手入れしてないな~」

薬剤師「少し色を変えるのと髪の毛を切ってあげる」

僧侶「色?」

薬剤師「そう・・これからあなたは昔の自分に会う事になるって商人に聞いたわ」

僧侶「・・・」

薬剤師「面倒にはなりたくないでしょう?・・だから色を少し変えるの」

僧侶「髪の色もお薬で変わるの~?」

薬剤師「簡単な薬で変わるわ・・すこし時間掛かるけどね」

僧侶「眠たくなってきたなぁ・・ふぁ~あ」

薬剤師「目をつぶってて良いよ」

僧侶「うん・・そうする~むにゃ」


384: 救出 2013/07/14(日) 10:16:27.29 ID:c7XYuKUC0
---翌日---

僧侶「おっは~♪」

盗賊「うお!!金髪か!!」

僧侶「うふふのふ~今日からエルフになるの~♪」

盗賊「エルフ狩りに合うぞ?」

商人「さて・・揃ったね・・今後について話すよ」

盗賊「おう!!」

商人「まず僧侶・・君は武闘会に出てもらう・・知ってるよね?」

僧侶「やっぱりそうだと思った~ウフフ」

商人「武闘会参加登録の為に身分証明を偽装する必要がある・・2週間は港町に居てもらう事になるかな」

僧侶「オッケ~♪」

商人「僕と薬剤師と盗賊はその間ちょっと探したい物があるんだ」

盗賊「何を探すんだ?」

商人「ドラゴンの話だと予言の書という物が始まりの国にあるらしい」

盗賊「なんだそれ?」

商人「どうやら僕が読んでいた古文書の続きらしいんだ・・複製されたものが各王国にある」

盗賊「城に有るのか?」

商人「城の書物庫だよ・・盗賊と女盗賊で忍び込んで欲しい」

盗賊「ふむ・・武器屋と防具屋のフリか?」

商人「察しが良いね・・その通りだよ」

僧侶「私と囚人はお留守番で良いの~?」

商人「君達はしばらくお休みだ・・自由にしていて構わない」

盗賊「今日行くのか?」

商人「そうだね・・馬車で行って2日かな」


385: 救出 2013/07/14(日) 10:17:01.52 ID:c7XYuKUC0
---馬車---

僧侶「じゃぁ行ってらっしゃ~い!!」

盗賊「おう!エルフ狩りだけは注意しろよ!」



グイ ヒヒ~ン ブルル ガタガタ



盗賊「良いのか?僧侶を自由にして・・」

商人「ハハ良いんだよ・・港町で目立つように行動してもらった方が良い」

盗賊「なんでだ?」

商人「僧侶は武闘会に出るから王国にマークされるんだ・・僕らとは別の方が良いんだよ」

盗賊「ふむ・・囚人はそれを知ってるのか?」

商人「囚人からの提案だよ・・上手くやるさ」」

盗賊「ヌハハ抜かり無いな・・ところで予言の書の事だが・・」

商人「気になるかい?」

盗賊「あぁ・・お前も気になってるんだろ?」

商人「王国は予言の書に記されている予言を回避する為に軍事力に力を入れているらしい」

盗賊「何!?」

商人「ただ他国を凌駕する為じゃないかもしれないんだ・・気になるだろう?」

盗賊「そんな話聞いたこと無いぞ?」

商人「多分機密事項だろうね・・ただ僕は真実が知りたい」

盗賊「そんな重要機密が簡単に盗めると思うか?」

商人「解読する前の原本の写しなら割と沢山出回ってるってさ」

盗賊「じゃぁ解読にまた時間が掛かるな」

商人「ハハハその通りだよ・・僕はもう本を読むくらいしか君達の役に立てないからね」

盗賊「・・・心臓は悪化してるのか?」

商人「僕はもう薬剤師無しでは生きていけないよ」

薬剤師「・・・・・」


386: 救出 2013/07/14(日) 10:17:28.70 ID:c7XYuKUC0
---始まりの国---

ガタガタ ヒヒ~ン ブルル

盗賊「さあ!付いたぜ!」

商人「まず防具屋に行こう」

盗賊「んむ・・女盗賊に会うのは久しぶりだな」

商人「ハハ気になるのかい?」

盗賊「薬漬けになってなけりゃ良いが・・」

商人「防具屋は何処かな?・・宿屋の近くらしいけど」

盗賊「あそこじゃねぇか?」




---防具屋---

店主「いらっしゃいま・・せ」

盗賊「よう!変わってないな商売はどうだ?」

店主「来月の武闘会のおかげで良く売れています」タラリ

盗賊「そりゃ良かった」

店主「装備品をお求めでしたら奥の部屋に・・」

盗賊「そうか・・じゃぁ奥の部屋から見させてもらおう」




---奥の部屋---

女盗賊(来るなら来るって先に言ってよ!!)ヒソ

盗賊(まずかったか?)

女盗賊(衛兵に少し疑われ出してる・・時間の問題よ)

盗賊(悪かったな・・今晩宿屋に来れるか?)

女盗賊(分かったわ・・配達で行くから待ってて)

盗賊(何か買っていった方が良いか?)

女盗賊(当たり前でしょ!)



盗賊「ゴホン!じゃぁこの皮鎧を頼む!」

女盗賊「かしこまりました・・サイズを合わせて配達致します・・」


387: 救出 2013/07/14(日) 10:18:01.35 ID:c7XYuKUC0
---宿屋---

コンコン

女盗賊「装備品をお届けに参りました・・」

盗賊「鍵は開いているから入ってくれぇ」



ガチャリ バタン



商人「やぁ!女盗賊!久しぶりだねぇ」

女盗賊「・・・事前に連絡くらいして欲しいわ」

商人「ハハいつも感謝しているよ」

女盗賊「今回は私を迎えに来たのかしら?それともまた何かやらかす気?」

商人「両方だよ」

女盗賊「危険な仕事じゃないでしょうね?」

商人「結論から言うよ・・武闘会の後に君は僕達と一緒に来てもらう・・それと」

女盗賊「それと?」

商人「最後の隠密だよ・・城の書物庫から『予言の書』という物を盗んできて欲しい・・盗賊と一緒にね」

女盗賊「書物庫は衛兵宿舎の反対側ね・・入るのは簡単・・でも時間が掛かりそう」

盗賊「書物庫で『予言の書』を探すのは俺がやってやる・・どのくらい時間が作れる?」

女盗賊「武器と防具の交換で大体30分ね・・それ以上は無理」

商人「次に城へ交換に入るのはいつになるんだい?」

女盗賊「10日後」

商人「そうか・・じゃぁ盗賊は10日間防具屋で働いておいた方が良さそうだね」

盗賊「なぬ!!?」

女盗賊「フフ怪しまれないようにするんだったらその方がいいわね」

商人「良いじゃないかハハハどうせ10日間はヒマさ」

女盗賊「お手伝いという事で良いかしら?」

盗賊「ん~む・・仕方があるまい」

商人「僕と薬剤師はその間情報でも集めておくよ」


388: 救出 2013/07/14(日) 10:18:30.71 ID:c7XYuKUC0
---翌日防具屋---

盗賊「・・・おいおい・・これ全部手直しするのか?」

女盗賊「その装備品を直して衛兵宿舎の壊れた装備品と交換するのよ」

盗賊「防具屋は結構大変だな」

女盗賊「・・・その大変な仕事を私にやらせてたって訳よ」

盗賊「武器屋の方が良かったかもな」

女盗賊「武器屋はもっと大変」

盗賊「うへぇ・・」

女盗賊「早くしないと食事に間に合わないわよ!」

盗賊「お前もヤレよ」

女盗賊「私は店番よフフ」




---10日後---

女盗賊「城門をくぐったら書物庫まで行って!左手にある建物よ・・見つからないように」

盗賊「分かった・・書物庫には誰も居ないよな?」

女盗賊「普段は人が入ることは滅多に無いわ」

盗賊「他に注意する事は?」

女盗賊「もし衛兵に見つかっても騒ぎは起こさないで・・私が何とかする」

盗賊「わかった」

389: 救出 2013/07/14(日) 10:19:00.55 ID:c7XYuKUC0
---城門---

門番「止まれ!ここは始まりの国王様の城である」

女盗賊「武器と防具の交換に来ました」

門番「むむ・・もう一人は誰だ?」

女盗賊「見習いです・・人手が足りないので来月から配達を任せようかと」

門番「ん~む・・武闘会の前では仕方ないか」

女盗賊「入ってもよろしいでしょうか?」

門番「防具屋の店主・・今度食事でも・・」

女盗賊「はい!喜んでお受けいたします」

門番「!!!衛兵!門を開けよ!」ニヤ

衛兵1「ハッ!!」

衛兵2「ハ~イ!!」



ガラリゴロリガラリゴロリ ガタン



女盗賊「では失礼します」ペコリ

盗賊「・・・」ペコリ

女盗賊(今よ!!)ヒソ

盗賊(すぐ戻る!)コソ~リ




---書物庫---

コソ~リ コソ~リ

盗賊(まず鍵開けか・・)カチャ カチャ カチン

盗賊(楽勝、楽勝・・)

盗賊(うお・・・こりゃまずい・・書物が多すぎる)

盗賊(予言の書って言うくらいだからそれなりに風格のある書物か?)ガサ ゴソ

盗賊(まいったな・・書物の色だけでも分かってれば)ガサ ゴソ

盗賊(原本の写しとか言ってたな・・まてよ?)

盗賊(解読する必要があるって事は俺は読めない書物だな)

盗賊(背表紙で読めない奴は・・・あれ?無いぞ?)

盗賊(・・・・・おかしい・・やっぱり無い)

盗賊(!!?ん?まてよ?あれは地図か・・)

盗賊(・・まぁ見たことのある普通の地図だが・・地名が読めんな)

盗賊(まさかこれか?・・・矢印と謎の文字)

盗賊(ちぃ・・時間が無い!この地図がきっとそうだろう・・)



コソ~リ コソ~リ

390: 救出 2013/07/14(日) 10:19:29.96 ID:c7XYuKUC0
---衛兵宿舎前---

女盗賊「・・・はい・・では武闘会の後に又交換に参ります」

隊長「ご苦労であった!まっすぐ帰られよ」

女盗賊「え、えぇ」ソワソワ

隊長「んん?どうした?」

女盗賊「いえ・・忘れ物は無いかと思い直しております」---遅い---

隊長「あぁ何か見つけたら防具屋まで届けさせる。心配しなくて良い」

女盗賊「はい・・よろしくお願いします」



衛兵「ねぇねぇ防具屋さんの見習いさんはここで何してるの~」

盗賊「どかーん!!」

衛兵「わお!!ウフフ~ばっかみた~い」

盗賊「驚かそうと思ったんだが・・」タラリ



隊長「おい!衛兵を小馬鹿にするな!衛兵!お前もしっかり見張っていろ!」

衛兵「は~い!!」

女盗賊「・・・すいません見習いが失礼しました・・ただいま連れて返ります」

隊長「気を付けてな」

女盗賊「ありがとう御座います隊長様」




---街道---

女盗賊「・・まったくヒヤヒヤしたよ・・上手くいった?」

盗賊「ん~む予言の書らしき書物は無かったが・・見たことの無い文字が書いてある地図を見つけた」

女盗賊「見せてもらって良い?」

盗賊「構わんが・・お前に読めるか?」パサ

女盗賊「・・・う~ん確かに読めないわね」

盗賊「もう同じ手で書物庫に入るのは無理だな」

女盗賊「そうね・・私も大分目を付けられてる」

盗賊「まぁ・・まずこの地図を商人に見てもらうだな」

女盗賊「私は防具屋に戻るからあなたは宿屋に行って」

盗賊「おう!夜は宿屋に来いよ?」

女盗賊「フフ行けたら行くわ」

391: 救出 2013/07/14(日) 10:20:02.35 ID:c7XYuKUC0
---宿屋---

盗賊「予言の書かどうか分からんが謎の地図を持ってきたぜ」

商人「待ってたよ・・見せて」

盗賊「俺には読めん文字が書いてある」パサ

商人「・・・いや僕にも読めないんだけど・・待てよ・・」

盗賊「何か分かるか?」

商人「×印の位置が・・・これは辺境の村辺りかな?」

盗賊「んむ・・その辺りだが」

商人「各王国の場所には沢山文字が書いてあるね・・何だろう?」

盗賊「王国に起きる惨事が書いてあったりしてなヌハハ」

商人「エルフの森は特に文字が多いね」

盗賊「こりゃエルフの文字か?」

商人「それは無いよ・・エルフは書物を残さない・・オーブを使って知識を残すんだ」

盗賊「そりゃ知らなんだ」

商人「この文字・・魔女なら読めたりするかもしれないなぁ」

盗賊「お前の持ってる古文書の文字と違うのか?」

商人「全然違うね・・さっぱり分からないよハハハ」

盗賊「これが予言の書だと良いな」

商人「そうだね・・まぁ信じよう」




---翌日---

商人「じゃぁ盗賊は港町まで僧侶と囚人を迎えに行ってくれるかな?」

盗賊「うむ・・お前は予言の書の解読か?」

商人「そうしたい所だけどちょっとね・・」

盗賊「む?まだ何か考えてるのか?」

商人「違うんだよ・・薬剤師の飼ってるスライムが分裂しそうなんだ」

盗賊「なぬ?増えるのか?」

商人「僕も見ておきたいと思ってね」

盗賊「ヌハハ勝手にしろ」

商人「新たな命の誕生の瞬間だよ?馬鹿にしちゃいけない」

盗賊「まぁ俺は興味ないな」

商人「免疫がそのまま遺伝するか・・変異するか・・興味深いよ」

盗賊「あ~分からん分からん・・港町まで行ってくる・・じゃぁな!」ノシ


392: 救出 2013/07/14(日) 10:20:31.35 ID:c7XYuKUC0
---港町の宿屋---

盗賊「よう!戻ってきたぜ」

囚人「・・・」

盗賊「おい!僧侶はどうした?」

囚人「教会に行っている」

盗賊「そうか・・武闘会の参加証はもらえたか?」

囚人「あと1週間掛かる」

盗賊「なんだ!?遅いな・・」

囚人「塩不足の影響で羊皮紙も不足してるらしい」

盗賊「そんなところにも影響出てるのか・・原皮の保存が出来んのか」

囚人「そのようだ・・だが武闘会には間に合う」

盗賊「しょうがねぇな・・待つか」




---1週間後---

盗賊「お~い!!早く乗れぇ!!」

僧侶「・・・」

盗賊「どうした?腹でも痛てぇのか?」

僧侶「教会で司祭様に言われたことがあるの・・運命を受け入れなさいだって」

盗賊「なんだ?運命って・・」

僧侶「わかんな~い・・私の運命って何かなぁ?」

盗賊「さぁな・・良いから早く乗れ!騎士を助けに行くぞ」

僧侶「うん・・でもこわいの」

盗賊「大丈夫だ!」

僧侶「また同じ場面に出くわして・・違う事が起こるのがこわいよぅ」

盗賊「良く分からんが・・それを超えればやっと前に進みだす・・その筈だろ?」

僧侶「うん・・でもこわいよぅ・・わたしが消えてしまいそうで」

盗賊「・・・・・なるほど」

僧侶「違うことが起きた時・・わたしが消える気がしてこわいの」

盗賊「運命を受け入れろって事だな」

僧侶「うん・・」

盗賊「行くぞ!!」グイ ヒヒ~ン ガラガラ

393: 救出 2013/07/14(日) 10:21:05.27 ID:c7XYuKUC0
---始まりの国の宿屋---

商人「やぁ!遅かったね」

盗賊「塩不足で羊皮紙も不足してるんだとよ・・武闘会の参加証も発行が遅れた」

商人「ハハハそんな所まで影響が出てるんだ」

盗賊「スライムは無事に分裂したか?」

僧侶「え!?分裂?なになに?」

商人「すごい事が分かったよ・・スライムは分裂して片方は変異するんだ」

僧侶「え?え?え?」

商人「変異というか・・進化になるのかな?」

盗賊「まぁ無事に増えた訳だな?」

僧侶「見せて見せて~ウフフ」

薬剤師「ほら!2匹」

僧侶「小さくなってる~かわいい~」

薬剤師「毒をあげないと大きくならないのよ」

商人「分裂を繰り返すといつか知能の高いスライムが生まれるかもね」

僧侶「ねぇねぇどうやって見分けるの~?」

薬剤師「・・・あたしもどっちがどっちか分からなくなった」

僧侶「わたしもほし~い」




---

商人「・・・もうすぐ武闘会だ・・ドラゴンには足枷で繋がれた騎士だけ助けて欲しいと言って置いた」

僧侶「わたしは何をすれば良いのかなぁ?」

商人「君は足枷に繋がれた騎士に回復魔法を掛けて欲しい」

僧侶「え!?回復魔法?」

商人「それが一番重要なんだ」

囚人「牢の中で捕えられている間は自分が正気では無くなる・・憎悪が膨れ上がる」

商人「そういう事なんだ・・救えるのは僧侶・・君しか居ない」

僧侶「うん!わかった・・目いっぱい癒してあげる」

商人「はっきり言うと今の騎士は祈りの指輪で看守の力を吸って手に負えないくらいの力を持ってる筈」

僧侶「・・・」

商人「正気に戻してあげないとドラゴンだって殺されかねない」

盗賊「ドラゴンを倒すとかそんなに強くなる物なのか?」

商人「かつての魔王もそうやって力を得たのさ」

盗賊「騎士を救出した後はどうするんだ?」

商人「ドラゴンは海賊船まで騎士と僧侶を運んでくれる筈・・後で海賊船で落ち会おう」

僧侶「やっと騎士に会える~」ポロリ

商人「僕達は観客席かな・・混乱に乗じてさっさと始まりの国を離れよう」


394: 救出 2013/07/14(日) 10:22:28.93 ID:c7XYuKUC0
---武闘会2日前の監獄塔---

ピチョン ピチョン

隊長「・・・」スタスタスタ

騎士「がががが」ガシャン!! ガシャン!!

隊長「お前の言う通り・・武闘会の2日前に選ばれた勇者が来た」

隊長「お前は私に結局何も話さなかったが・・何故来ることを知っている?」

騎士「ぐっぐっぐっぐ」

隊長「・・・衛兵に内通者が居るとも思えん・・・お前は本当は何者だ?」

隊長「お前の望み通り・・・選ばれた勇者と闘う事も決まった」

隊長「選ばれた勇者に何か伝言でもするつもりか?」

騎士「ぐっぐっぐっぐ」

隊長「その笑い声・・まさにバケモノだな・・寒気がする」

隊長「選ばれた勇者はまだ死なせる訳には行かない・・お前は足枷手枷付きで闘う事になるが・・」

隊長「何の意味がある?」

騎士「ぐっぐっぐっぐ」

隊長「・・・結局何も語らずか」




---やっと復讐の時が来た---

395: 救出 2013/07/14(日) 10:22:55.90 ID:c7XYuKUC0
---武闘会当日---

ザワザワ勇者が出るんだってさー

ザワザワどんな奴?

ザワザワ誰か知ってるか?

ザワザワ多分あいつだよ

ザワザワほらあのでかい奴

ザワザワあっちも強そうだよ

ザワザワ女だっていう噂

ザワザワ今回の勇者は女か?

ザワザワあの檻に入ってるのは何だ?

ザワザワ囚人じゃないか?

ザワザワ魔物だって噂

ザワザワなんか見たこと有る気が

ザワザワ・・でどれが勇者?

ザワザワ勝てば勇者だよ


396: 救出 2013/07/14(日) 10:23:28.14 ID:c7XYuKUC0
---檻---

騎士(ドラゴンはどこだ?)

騎士(僧侶達は何処に居る?)

騎士(観客席の何処かに居るのか?)



ガチャン ギギー



審判「出ろ!!次はお前の番だ!!」

騎士「・・・」ズル ズル



---闘技場---



司会「さぁいよいよ選手が出て参りました」

司会「正統派剣士と正統派僧侶の対決はAブロック・・なぜか僧侶の装備はこん棒です・・どうなるのでしょうか?」

司会「魔法剣士と聖戦士の対決はBブロック・・聖と魔の魔法対決!!魔法剣士は優勝候補と言われている様です!」

司会「勇者とレンジャーの対決はCブロック・・噂の勇者の実力はいかに!!」

司会「盗賊と謎の囚人の対決はDブロック・・囚人は重い足かせを付けての対戦となります」

司会「少し天気が悪くなって来ましたが決勝までは持つでしょう!」ドヨー



ワーワーワーワーワーワー



ヤンヤザワザワヤンヤ魔法剣士さまあああ?

ヤンヤザワザワヤンヤあいつが勇者?

ヤンヤザワザワヤンヤ囚人が出て来たぞー

ヤンヤザワザワヤンヤなんだあいつ?

ヤンヤザワザワヤンヤ剣士えらく小さいな

ヤンヤザワザワヤンヤ弓は反則じゃねーか?

ヤンヤザワザワヤンヤ盗賊の癖になんかでけぇ

ヤンヤザワザワヤンヤ聖戦士は美人らしいぞ

ヤンヤザワザワヤンヤキャーキャー魔法剣士様あ



ワーワーワーワーワーワー

397: 救出 2013/07/14(日) 10:24:08.80 ID:c7XYuKUC0
---闘技場Dブロック---

騎士(懐かしい・・あの時のままだ)

審判「お前はこれを使え!!」

騎士(鉄槌・・)

審判「両者!!闘技場へ上がれ!!」

騎士「・・・」ズル ズル

賊「ぐあっはー・・どっかで見たと思えば・・まだ囚人やってんのかぁ?」

騎士「!!?」---あいつは---

賊「今度こそギッタギタのボッコボコにしてやんよ!」

騎士「うががががが」---怒りが溢れて来る---

賊「こっちぁ即効性の毒ナイフだ・・一発で決めてやんよ」

騎士「ヴォオオオオ」---収まらない---

賊「お~恐えぇ恐えぇ・・負け犬にはお仕置きが必要だな」



審判「3・・・2・・・1・・・始め!!!」



賊「ひゃっほ~う」ダダッ グサ

騎士はダメージを受けた

賊「ぐあっは~即効性の毒だぁ!!」

騎士「ががが・・」

398: 救出 2013/07/14(日) 10:24:36.28 ID:c7XYuKUC0

賊「どうだぁ?苦しいか~?・・・ん?動けるの・・か?」



騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!

賊「ぐはぁぁぁぁ・・」

賊はパリーをしたが効果が無かった



審判「!!?」---片手で鉄槌を!?---



騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!

賊「「ぐあぁ・・」グチャ

賊はダメージを受け異様な形に曲がった



審判「し、勝負あり!!」---まずい!死ぬ---



騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!

賊「ぐえ・・うがが」グチャ

賊はダメージを受け破裂した



審判「え、衛兵!!止めろ!!」---ミンチになる---



衛兵「は、はい!!」ダダダ

騎士「ヴォオオオオ」ブン ドカン!

衛兵「押さえろぉ~!!・・・ぐあ」

審判「もっとだ!!押さえつけろぉ!!」

騎士「ががが・・」


---リーン---


騎士「ハッ・・銀の音・・」---我を忘れていた---

399: 救出 2013/07/14(日) 10:25:04.50 ID:c7XYuKUC0
---檻---

騎士「ハァ・・ハァ・・」---自分が自分では無いみたいだ---

騎士「・・・」---次は昔の自分と戦う事になる---

騎士「ぐがが」---自分を保てるか---

騎士「うがああああ」---これが憎悪か---

騎士「ハァ・・ハァ・・」---自分の中に住む魔王か?---



ボエーーーー

騎士「!!?」---耳鳴り?---

ボエーーーー

騎士「うがががが」---違う・・深淵の音が共鳴している---



---闘技場---



司会「準決勝の組み合わせを発表します

司会「正統派剣士vs怒涛の魔法剣士」

司会「期待の勇者vs謎の囚人」ボエーーー

司会「・・・」

司会「少し小雨がパラついて来ましたが問題ないでしょう!!」

司会「次の試合は試合終了の早かった勇者vs囚人から行います」ボエーーー

司会「・・・」



ドヨドヨザワザワ何か聞こえなかったか?

ドヨドヨザワザワ気のせいだろ

ドヨドヨザワザワさっきの囚人すごかったな

ドヨドヨザワザワこれは面白い試合になるぞ


400: 救出 2013/07/14(日) 10:25:45.55 ID:c7XYuKUC0
---闘技場中央---

ガラガラガラガラガラガラ ガシャン

司会「いよいよ暴れん坊の囚人が出てきました



騎士「ガガガ グァ・・・・プシャー」ズル ズル

騎士「・・・」---なんと弱々しい---



ズルズル チャラン ズルズル チャラン



騎士(勇者下がれ!!)ズル ズル

勇者「何!?」

審判「それではこれより準決勝を始める」

騎士(近づくと死ぬぞ)

審判「黙れ囚人!!両者位置に付いて・・・」

騎士(来るな!!)

勇者「い・いくぞ!!」



審判「3・・・2・・・1・・・始め!!!」



---シーン---



勇者「来ないならこっちから行くぞ!」ダダダ ギーン

騎士は勇者の攻撃をパリーした

勇者「っつぅ!!」タジ

騎士(やめろ!!近づくな!!)ブン ガギーン

勇者は囚人の攻撃をパリーし損ねて吹っ飛んだ

勇者は武器を落とした

勇者「ぐあぁ」

騎士(下がれ!!・・)---上だ!!来てる---

勇者「・・・」ダダダ チャキン

勇者は武器を拾って身構えた



審判「何をしているバケモノ!!お前の望みを忘れたのか!」

勇者「え?!」


401: 救出 2013/07/14(日) 10:26:16.29 ID:c7XYuKUC0

審判「勇者!!何を躊躇している!早くこのバケモノを倒せ!」

勇者「くっ」ダダダ シュ ザクン

騎士はダメージを受けた

騎士「ヴヴヴヴヴヴヴォォォ・・・」グイ ブン ガッサー

勇者は囚人の攻撃をヒラリとかわした

騎士(今ドラゴンが来る!!近づけば殺されるぞ!!)ブン

勇者「・・・」ユラリ ブシュ

勇者は騎士の攻撃をかわしカウンター攻撃を与えた

騎士はダメージを受けた

勇者「やったか!?・・・・回復が早い!」

囚人「ヴヴヴヴヴウヴォォォー」---仕方が無い---

ブン ドカン!

勇者「ぐあ・・」

勇者はダメージを受けた

騎士(下がれぇ!!)ブン ドサー

勇者は囚人の攻撃をヒラリかわした



ギャオース



勇者「ド、ドラゴン?」

騎士(僧侶達は!?)---何故だ?---

勇者「試合どころじゃなくなったな」

騎士(迎えに来た・・筈だ)

勇者「何?」

騎士(・・・そうだ・・ここで指輪を渡すんだ)

勇者「どういう事だ?」

騎士「ヴォォエー」ゲロゲロ コロン

勇者「指輪?」

騎士(魔女に返せ・・魔女の塔に居る!)ポイ

勇者「マジョ?おい!どういう事だ」パス

騎士(北の森だ!北へ行け!!)

勇者「森?・・・森って何だ?おい!」



ギャオース バサッ バサッ ゴウゥ ゴーン


402: 救出 2013/07/14(日) 10:26:57.96 ID:c7XYuKUC0
---

??「私がおとりになる~」

??「何処に行く?!」

??「勇者の所まで~援護してね~」タッタッタ



ギャオース バッサ バッサ



??「ドラゴンさんこっちこっち~」

??「そっちじゃないよぅ」



ギャオース ドスドスドス



騎士(・・あれは誰だ?僧侶か?)---金髪?---

??「助けに来たよ」

騎士(ドラゴンと僧侶か!?)

??「回復魔法!」ボワ

騎士「!!?」---音が・・消えた・・---

??「勇者下がってぇ~」

騎士「ハッ・・」---何が起こってる!?---



ギャオース ドシッ



勇者「ぐああああ」

??「あ!ダメ~~・・このぉ~やめ・・」ゴン ゴン



---思い出した---

---この光景は何度も見ている---

---これは魔王が掛けた呪いだ---

---この世界は幻だ---

---ループするように造られている---



ギャオーース バクッ ゴクリ

---

---

---

---

---

403: 救出 2013/07/14(日) 10:28:57.26 ID:c7XYuKUC0
---夢---


??「回復魔法!あ~もう飽きた~~」ボワ

??「・・・う」

??「あ!目が覚めそうウフフ」グイット

??「うぅぅ・・・」

??「・・・」ジロ

??「・・・強制的に目を開けるのは止めてくれないかい?」

??「起きた~~~ウフフ」

??「生きてるな・・」

??「私のおかげかも~ギッタギタのボッコボコだったよ~かっこわる~い」

??「その言い回しも止めてくれないかい?」ヨッコラセ

??「ほら勇者ならさ~チョイチョイってさウフフ」

??「いたたた」

??「あれれ~回復魔法足りなかったかな~まいっか~」

??「あの後どうなったのかな?」

??「え~その話なんか退屈~ちょっと隊長呼んでくるね~」

??「え、あ、うん」(どうも会話にならないな)

??「じゃね~」ガチャ バタン

??(ここに居るって事は何とかなったって事か・・・)

??(ゆっくりもして居れなさそうかな)ガサ ゴソ


カツカツカツ ガチャ


404: 救出 2013/07/14(日) 10:29:42.29 ID:c7XYuKUC0

??「おはよう勇者!もう大丈夫なようだな。立てるか?」

??「大丈夫」スク グイグイ

??「大した回復力だな。あれほど重傷でも半日で回復するとは・・・僧侶の甲斐があったかな?」

??「そんなに重傷だったかな?」

??「肋骨は全部骨折、内臓破裂、普通なら手遅れだ。フフ相当頑丈に出来てるらしい」

??「隊長~わたし横になっても良いですか~?ふぁ~あ」

??「寝ずの介抱ご苦労だった。ゆっくり休め」

??「ふぁ~い失礼しまむにゃ・・」トコトコ


ガチャ ガチン


??「!!?・・・なぜ鍵を?」マサカ・・


ツカツカツカ ソソソ


??「・・・」ゴクリ

??「シッ」

??「まぁ座れ」サワワ 

??「んむぐぐ」ストン

??(大きな声は出すな・・・昨日の事を少し聞きたい)

??(あ、あぁ・・)

??(私はドラゴン襲撃で町の守備に出たから闘技場で起きた事を見ていない)

??(囚人がドラゴンに食われたのは本当か?詳しく話せ)

??(え・・僕の目の前で一飲みにされたよ)

??(何かやり取りは無かったか?)

??(やり取り・・か・・僕は囚人が何を言ってたのかはさっぱり分からなかった)

??(他には何か無いか?)

??(そうだ・・途中で聖戦士が僕を助けに来た・・その後どうなったのかは分からない)





---違う・・僧侶が僕を助けに来た---


406: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:42:42.74 ID:c7XYuKUC0
---海賊船---

ザザー ザザー

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「おいおい・・もう十分やろう・・」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「まぁしゃぁないなぁ・・わいの義手と義足使ったらええ」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「失った手足はもう生えて来んが・・それほど不自由はせんで?」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「それより心の方やな・・生きる事を拒否しとるかもしれんわ」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「!!?なんやそれ・・・鎖で繋いどるんか?」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「がはは・・もう置いて行かれんようにしとるんか?」

僧侶「回復魔法!回復魔法!回復魔法!」ボワー

海賊王「わいから言わすと置いて行ったのはどっちや?って話やな」



---『わたしを置いていかないで』---

---君だったのか---



海賊王「お!?指が動いたで?」

僧侶「え?え?え?・・・」グイット

騎士「・・・・・」

僧侶「・・・・・」

海賊王「無理やり目を開けんでもえーがな・・」

騎士「・・置いていって・・ごめんよ」

海賊王「うお!!なんちゅう目覚めの言葉や!!」

僧侶「うわぁぁぁぁぁん・・」グスグス

海賊王「目ぇ覚ましよった・・えらいこっちゃ・・えらいこっちゃ」


407: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:43:19.29 ID:c7XYuKUC0
---翌日---

海賊王「もうすぐ商人達が海賊船まで来る筈や・・・」

僧侶「シクシク」

海賊王「なんやまだ泣いとるんか?」

僧侶「騎士の手と足が無いの・・」シクシク

海賊王「わいの義手と義足があるがな・・今持ってくるわ」

騎士「・・僧侶・・も・・う大丈夫・・だよ」

僧侶「ごめんね」

海賊王「ほれ!!この義手と義足を使ってみぃ!!」ドサリ

騎士「・・・」

海賊王「こうやってはめるんや・・」グイ ガチャ ジャキン

騎士「立て・・るの・・か?」

海賊王「立ってみぃ!!慣れれば普通に走れるで?」

騎士「んむむ・・」ヨッコラ ヨロ

僧侶「!!!手を・・」グイ

騎士「・・・」ギッタン バッタン

海賊王「その義足は風の魔石が付いとるけー慣れれば今までより早く動けるで?」

騎士「義手の・・方は?」

海賊王「力の魔石が付いとる!!おっ!!そうや!!巨人用の武器を海で引き上げたんやった」

騎士「巨人?」

海賊王「お~い!!お前らぁ~巨人の武器を引きずって来い~~!!」

海賊達「へい!!お頭ぁ!!」ダダダ

海賊王「2メートル越えの馬鹿でかい両手剣や・・わいは持てんかったがお前なら持てるか思うてな」

海賊達「持ってきましたぜぇ・・はぁはぁ」ズル ズル

海賊王「持ってみぃ!!」

騎士「・・・」グイ ブン!

海賊王「うお!!!た、たまげた・・・片手で持ちよるんか!!」



盗賊達「頭ぁ!!娘さんの飛行船が来やしたぜ!!」

海賊王「がはは・・予定通りやな・・商人達が乗っとる筈や!」


408: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:43:46.00 ID:c7XYuKUC0
---

フワフワ ドッスン

女海賊「はろはろ~・・アレ?僧侶元気無いねぇ~」

盗賊「騎士!!!無事か!!?」

騎士「・・なん・・とか・・ゲホッゲホッ」

盗賊「喉がやられてるのか・・」

商人「やぁ!!良かった・・心配してたんだよ」

盗賊「それにしても大変だったな」

商人「ハハ僧侶は大分目が腫れてるね」

盗賊「無理も無ぇだろ!」

騎士「皆と・・少し話・がした・・い」

商人「そうだね・・ご馳走でも食べながら話そう!・・体は大丈夫そうかな?」

盗賊「うお!!・・お前手と足はどうした?」

海賊王「手と足はもう壊死しとったから切り取ったわ・・放っておくと広がるけな」

盗賊「切り取った・・って・・おい!!」

海賊王「わいの義手と義足があるけぇ不自由はせん筈や」

盗賊「ん~む・・良いのか悪いのか・・」

海賊王「僧侶は大分落ち込んどるがな~」

僧侶「シクシク」

商人「・・・まぁまず美味しいご馳走でも食べよう」


409: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:44:32.17 ID:c7XYuKUC0
---

商人「喉に効く薬だよ・・薬剤師が作ってくれた・・飲んで見て」

騎士「ゴクリ・・」

商人「それからスライムに体の毒を抜いてもらおう」

薬剤師「・・・じっとしてて」ポイ

スライム「プギャー」ニュルリ

商人「あとご馳走と一緒にハチミツ酒も仕入れてきた」

僧侶「!!?」モジモジ

盗賊「僧侶!お前も飲め!!悪いことは忘れろ!!」

僧侶「グビビ・・プハァ」ジャラリ

盗賊「んん?なんだぁ?僧侶・・お前騎士と鎖で繋いでるのか?」

僧侶「わたしはもう騎士のそばを絶対離れないもん」

盗賊「鎖で繋ぐのはやりすぎな気がするがな・・」

商人「さて・・お腹も膨れたところで騎士に今までの事を教えてもらいたい」

盗賊「まだ喉の調子が悪いんじゃないのか?」

商人「ゆっくりでいいさ」

騎士「・・・」

商人「まぁ・・まず僕達の事から話そうか・・魔王城の後からで良いかな」

---

---

---

---

---

商人「・・・そしてやっと騎士を見つけた訳だよ」

盗賊「エルフの娘は海葬されたと聞いたが本当なのか?」

騎士「・・・エルフ・・の娘は・・・」

---

---

---

---

---

商人「そうか・・キマイラにされたって言うのか」

盗賊「なんてこった・・魔王城に地下があったとは・・」

410: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:45:05.89 ID:c7XYuKUC0


騎士「・・もう一つ気が付いた・・事がある」

商人「ん?何かな?」

騎士「信じられない・・かもしれないけ・・ど・・きっとこの世界は・・幻だ」

商人「幻?」

騎士「魔王が仕組んだ幻・・・魔王の予定通りにループする世界」

商人「・・ハッ・・もしかして予言の書の事か!?」

盗賊「何の事だか分からんが俺達は幻なのか?」

商人「僕達自体が幻?・・・まてよ・・そういえば古文書には200年前より以前の事は良く書かれている」

商人「どうしてそれ以降の記述が一切無いんだろう・・もしかして今は本当はまだ200年前なのか?」

盗賊「言ってる事がさっぱりわかんねぇぞ」

商人「騎士はこれからどうすれば良いと思う?」

騎士「魔女・・を探す」

商人「やっぱりそう来るか」

僧侶「・・・あのねぇ~私見たの~」

商人「見た?って?」

僧侶「武闘会で闘った魔法剣士さん・・瞳が青かったの~」

商人「なんだって!?」

僧侶「無口で瞳が透き通った青色だったよ~魔女の愛しき人だと思う~ヒック」

盗賊「そりゃ気が付かなかったな」

商人「ハハハ・・最初から君達のすぐ近くに居た訳か」

盗賊「・・どうする?探す相手が2人になったぞ」

商人「こうしよう・・エルフの森の上なら飛行船で飛べる。エルフの森経由で魔女の塔まで行こう」

盗賊「全員飛行船に乗れるか?」

商人「いや・・行くのは騎士と僧侶と女海賊だけさ・・僕達は魔法剣士の行き先を探ろう」

女海賊「何処で落ち合えば良い?」

商人「中立の国かな・・一番情報が集まる」


411: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:45:33.92 ID:c7XYuKUC0
---翌日---

海賊王「えらい格好やな・・でかい両手剣が目立ち過ぎや」

商人「ハハハ完全に黒騎士って感じだね」

女海賊「アタシのコーディネイトだからぁ」

僧侶「ねぇねぇ私は捕らわれた姫に見えるかなぁ~」

盗賊「お前らぁ!!無駄口叩いてないでさっさと行けぇ!!」

女海賊「はいはい・・じゃぁパパ行ってくるね~」



ゴゴゴゴゴゴゴ フワフワ プシュー



騎士「・・・」

僧侶「ねぇ何考えてるの?」

騎士「すべてが幻だなんて・・」

僧侶「わたしの想いも幻なのかなぁ?」

騎士「少し思い出したんだ・・この光景も夢で見たことがある」

僧侶「え!?わたしたちどうなるの?」

騎士「・・予言の通りになる」

僧侶「予言って?」

騎士「そして元に戻る」

僧侶「ねぇ・・だっこして」

騎士「・・・」グイ ギュー




女海賊「!!?ベタベタしてんじゃねぇ!!アタシが居るの忘れないでよ」プン



412: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:45:59.62 ID:c7XYuKUC0
---飛行船---

ビョーーーウ バサバサ

女海賊「どうだい?めちゃめちゃ早いでしょ!?」

僧侶「どれくらいで着くの~?」

女海賊「2日で森の町付近まで行ける筈!森の外れに降ろすからさ・・あんた達2人で魔女を探して来て」

僧侶「え~女海賊はどうするの?」

女海賊「アタシは飛行船が盗まれないように森の上空で旋回してるさ」

僧侶「迷子にならないかなぁ~?」

女海賊「煙玉と閃光玉を渡しておくよ・・魔女を連れてきたらソレを使ってネ」ポイ

僧侶「どうやって使うのかなぁ~?」

女海賊「紐みたいな所に火を付ければ良いさ」

僧侶「火魔法!」ポ チリチリ もくもくもくもく

女海賊「あわわわわわ・・こんな所で使うなって!!」

僧侶「オッケ~使い方わかったぁ~ウフフ」

女海賊「フフ僧侶!少し元気出てきたネ」




---2日後---

フワフワ ドッスン

女海賊「着いたよ!ここからしばらく東に行けば森の町よ」

僧侶「うん!わかった~ウフフ」

女海賊「アタシは上空で待つから魔女を連れてきたら合図して!」

僧侶「は~い!!行こ!!騎士ぃ」

騎士「・・・」ノソリ

女海賊「フフ惚れ惚れする黒騎士っぷりネ」

僧侶「だめぇ~騎士はわたしのもの~」

騎士「僧侶・・行こう」

僧侶「は~い!!」ルンルン

413: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:46:26.57 ID:c7XYuKUC0
---森の町---

ガヤガヤ ガヤガヤ



(偽勇者が逃げてるらしいよ?)

(物騒だねぇ・・)

(何か悪いことでもしたのか?)

(さぁ?兵隊が沢山捜索に来てる)



僧侶「ねぇねぇ・・偽勇者ってさぁ」

騎士「昔の僕達の事だ・・多分宿屋に馬が繋がれてる」

僧侶「馬?・・・初めて乗ったあの黒くて大きなお馬さんの事?」

騎士「宿屋に繋いでる馬に乗って行こう」

僧侶「ウフフ~騎士の喉良くなってきてるね~」

騎士「僧侶と薬剤師のお陰だ・・」

僧侶「毎日癒してあげる~ウフフ」




---宿屋---

ヒヒ~ン ブルルル

僧侶「あ!!お馬さんが沢山居るぅ~」

騎士「王国からの追っ手の様だ・・さぁ馬に乗ろう」グイ

僧侶「ねぇねぇ覚えてる?わたし達この宿屋で結ばれたの~」

騎士「・・・」

僧侶「全部・・幻なの?わたしの気持ちも幻なの?」

騎士「・・・どうかな・・ずっと一緒に居よう」

僧侶「うん」

414: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:47:47.33 ID:c7XYuKUC0
---遺跡の森---

パカラッ パカラッ ブルルル



衛兵「馬に乗った怪しい2人が来ます!!」

精鋭兵「止めて確かめろ!」

衛兵「おい!!そこの2人!!止まれ!!」



パカパカ ブルル~



衛兵「顔を見せろ!!」

騎士「・・・」

衛兵「怪しい!!馬から下りろ!!」

騎士「邪魔をするな」

衛兵「なにぃ!!」スラン チャキリ

僧侶(精霊の加護!!)

衛兵「止まれ!!」



パカパカ パカパカ



衛兵「止まれと言っている!!」

精鋭兵「構わん!!馬から引きずり降ろせ!!」

衛兵「このぉ・・」ブワッ

精鋭兵「!!?なぬ?」

衛兵「何だ?吹き飛ばされた・・」

精鋭兵「衛兵!!全員集まれぇ!!」ゾロゾロ

415: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:48:19.59 ID:c7XYuKUC0


パカパカ パカパカ



僧侶(ねぇ覚えてる?あの精鋭兵・・闘士だよ)ヒソ

騎士(分かってる・・)

僧侶(魔女どこだろう?)

騎士(追憶の森へ行って見よう)

精鋭兵「弓を構え!!」ギリリ

精鋭兵「止まらんと撃つぞ!?」

騎士「邪魔をするな」

精鋭兵「ぐぬぬ・・構わん!!馬を射抜け!!」



シュン シュン シュン シュン



衛兵「あ、当たりません・・」

精鋭兵「馬にも当てれんのかぁ!!貸せ!!」ギリリ シュン

騎士(少し脅かす)グイ ジャキリ

衛兵「あわわわわ・・・あんなでかい武器を片手で・・」

精鋭兵「・・・」ゴクリ

騎士「邪魔をするなと言った筈だ」ブン! ザクリ!



グラグラ ドッスーン!!



衛兵「かかか片手で大木を切り落とした・・」

精鋭兵「お、お前は何者だ!!?」タジ

騎士「・・・黒騎士だ」

精鋭兵「魔王の手先だな?」

騎士「・・・フフフ・・ハッハッハ」

精鋭兵「な、何が可笑しい」

騎士「怪我をしたくなければ邪魔をするな」グイ



ヒヒ~ン パカラッ パカラッ


416: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:48:50.36 ID:c7XYuKUC0
---追憶の森---

♪ラ--ララ--♪ラー

僧侶「魔女の声だぁ!」

魔女「♪ラ--ララ--♪ラー」

僧侶「魔女~迎えに来たよ~」

魔女「おやおや・・僧侶かい?わらわを迎えに来たのかえ?」

騎士「・・・」

魔女「お前は騎士かの?無事だった様じゃな」

僧侶「うん!!もう騎士と離れないから」

魔女「わらわの愛しき人は見つかったかの?」

僧侶「うん!!見つけた~」

魔女「おぉぉ・・では一緒に行くかのぅ・・ここは危ない様じゃ」

僧侶「馬にもう一人乗れるかなぁ?」

魔女「わらわの心配はせんで良い・・兵隊が乗ってきた馬が居るでのぅ・・すこし待っておれ」




---

パカポコ パカポコ

僧侶「すご~い!魔女はお馬さんに乗れるんだぁ~」

魔女「わらわの生まれは古き王族じゃ・・乗馬は小さき頃よりたしなんでおる」

騎士「ついて来い・・」

魔女「!?騎士は少々人が変わったのぅ」

僧侶「でも騎士は騎士なの~」

魔女「甘さが抜けたかの?」

騎士「追っ手が来る前にこのまま森沿いにエルフの森まで走る・・」

魔女「その容姿は黒騎士にしか見えん・・他人に恐怖を与えるのは良くないぞよ?」

僧侶「この格好はね~女海賊のセンスなの~海賊はまず格好からなんだって~」


417: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:49:20.61 ID:c7XYuKUC0
---エルフの森のはずれ---

僧侶「上に飛行船見える~?」

騎士「いや・・見えない」

僧侶「大丈夫かなぁ・・煙球と閃光球使うね?・・火魔法!」ポ チリチリ



もくもくもくもく



僧侶「・・・・・」

魔女「気球で迎えに来るんかの?」

僧侶「うん・・その筈~」

魔女「来んのぅ・・」

騎士「・・・来てる」

僧侶「どこどこ~?アレ~?何かヘン?」

騎士「様子がおかしい・・」

僧侶「あ!!他の気球も見える~」

騎士「あれは・・追われてるな」

僧侶「!!?煙球を落とした・・」

騎士「行こう!!」




---森の中---

僧侶「見つけたよ~~ビンの中に手紙が有る~」



”王国の気球に見つかった”

”砂漠の町まで自力で来い”

”酒場で待つ”



騎士「・・・早くこの場所を離れよう・・じきに面倒が起きる」

魔女「わらわの後について参れ・・エルフの森の道を知っておる」

僧侶「騎士の持ち物のエルフのオーブもわたしが持ってるよ~ウフフ」

騎士「馬で行くと森を抜けるまで・・」

魔女「10日は掛からんと思うがのぅ」

僧侶「食べ物が無いカモ~」

魔女「木の実はいくらでも有るから心配せんでも良い」

僧侶「ウフフ~わたしエルフになろっかな~」

418: 黒騎士 2013/07/14(日) 14:49:58.53 ID:c7XYuKUC0
---エルフの森---

パカ パカ パカ パカ

魔女「森の中央にエルフの里があるのじゃが・・寄って行くか?」

僧侶「食べ物とかもらえるかなぁ?」

魔女「それは期待せん方が良いな・・」

僧侶「ん~今は寄り道しない方が良いかなぁ~?」

魔女「砂漠の町へ抜けるなら森の奥へは入らず川沿いを行った方が早よう抜けれる」

騎士「早く森を抜けよう・・今はエルフ達に会わせる顔が無い」

魔女「・・どういう事じゃ?・・なぜ会うのを避けるのじゃ?」

騎士「深淵の音だよ・・エルフ達に恐怖を与えてしまう・・」

魔女「言っている事が分からんのぅ」

僧侶「ねぇねぇ・・この世界は幻という事と関係あるお話~?」

魔女「む!!?騎士・・・お主も気が付いたのかえ?」

騎士「魔女も知っているのか?」

魔女「魔王は死ぬ間際に人間に呪いを掛け滅んだのは知っておる・・何の呪いかは知らんが・・」

騎士「この世界は幻だと気が付いた・・世界は200年前から何度も同じ繰り返しをしている」

魔女「やはりお主もそう感じたか・・」

騎士「何度も夢で見ている・・ただ覚えていないだけ」

魔女「気になるのぅ・・」




---

パカ パカ パカ パカ

魔女「そなたらは一時も離れんのじゃな」

僧侶「わたしと騎士は鎖で繋いでるの~ウフフ」

魔女「のう・・騎士や・・わらわは少し思い出した事がある」

騎士「??」



わらわは光の国の姫じゃった・・

世界が魔王に滅ぼされようとしておった200年前

どこからか預言者が現れたのじゃ

その預言者は異世界から勇者が現れると言い残し

数日後に亡くなったと聞いておる

わらわはその言葉を信じ、わらわの塔・・光の塔で祈った

ほどなくして予言の通り・・勇者が舞い降りた



魔女「今思えば・・その預言者は何故勇者が現れると知っておったのじゃろう?」

騎士「・・・・・」

僧侶「魔女って姫だったんだぁ~いいなぁ~」



次回 勇者「魔王は一体どこにいる?Ⅰ」 後編