2: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 00:59:53.28 ID:VqWLWTOi0


「いらっしゃいませ、お、兄ちゃん、また来てくれたんやな」

モバP「いつもお世話になってます」

「今日もいつものでええんか」

モバP「はい、お願いします」

「はいよ、ちょっと待っててな」

モバP「ちょっとほかのも見ていていいですか」

「おーもちろん。のんびりしててな。周子、お客さんにお茶出して」

塩見周子「はいはーい」

モバP「あれ、こちらは……?」

「あれ、会ったことなかった? うちの娘や。周子、ごあいさつし」

周子「この店の娘、シューコです。看板娘ってことで、よろしゅう」

モバP「…………」

周子「んー、どうしたん、そんなじっと見て……」

モバP「……だいふく、雪見大福」

周子「はあ?」

モバP「え、あ、いや」

周子「ほー。アンタ初対面の娘をじっと見て言うことがだいふくー。ほっほー」

モバP「いや、違うんだ。すごい肌が白くって、きれいだなって……」

周子「他にもっと言いようあったんちゃう? あーあ、傷ついたわあ」

モバP「ごめん! そんなつもりは」

周子「何か甘くておいしいもん食べたいなー 八つ橋とかいいなー」

モバP「わかった、わかった。すみません、八つ橋……ええと、二人で食べれるくらいの量」

「はい、毎度あり!」



引用元: 【モバマスSS】家出娘と一夜の強ばり 

 

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3: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:01:07.96 ID:VqWLWTOi0





小早川紗枝「で、プロデューサーはんはまんまとごちそうさせられはったんどすな」

モバP「親父さんも親父さんだよ。娘は良く食べるからってたくさん八つ橋出してきてさ」

紗枝「京の商売人を甘く見たらあきまへんえ。うふふ」

モバP「いい勉強になりました」

紗枝「それにしても、初対面の女の子にだいふくてー」

モバP「いや、本当にすごく白かったんだ」

紗枝「としても、言いようありますやろ」

モバP「はい、その子、周子にも言われました」

紗枝「周子はんって言いはるんどすか、その子。あ、さてはまたプロデューサーはん、すかうとしたんやろ?」

モバP「何してる人なん、って聞かれたから名刺だけ、な」

紗枝「おやまあ、すかうとせえへんかったん?」

モバP「紗枝がすねるからな。女の子と約束あるのに、他に声かけるなんて、って」

紗枝「そういうことばーっか覚えてはる。ほんにプロデューサーはんはいけずやわぁ」

モバP「で、ごきげんはいかが」

紗枝「これ聞いてしもたから、ちょっぴり斜めどす」

モバP「なかなか機嫌を取るのはむずかしいな」

紗枝「もう、他人事みたいに言うて。さ、両親が待っとります。面談、よろしゅう頼みます」

モバP「任せとき~」

紗枝「下手な京都弁は禁止や言うたのに。もう、心配やわ……」


4: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:01:37.84 ID:VqWLWTOi0




紗枝「……プロデューサーはんって仕事はいつもきっちりやなぁ」

モバP「仕事は?」

紗枝「仕事は」

モバP「……その他も精進します」

紗枝「よろしゅう」

モバP「はは」

紗枝「うふふ」

モバP「それもこれも、紗枝がしっかり仕事してくれてるからだよ。おかげで面談もうまくいくんだ」

紗枝「その仕事を取ってきてくれはるんがプロデューサーはんなんやから、お互いさまどす」

モバP「これからも、お互いよろしゅう頼んます」

紗枝「プロデューサーはん」

モバP「よろしくお願いします」

紗枝「はい、よろし。ふふ」


5: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:02:31.05 ID:VqWLWTOi0




モバP「さて、宿に行きますかね」

紗枝「うちに泊まっていってくれたらええのに」

モバP「さすがにご迷惑だろ。紗枝も滅多にこっちには帰れないんだからさ、家族水入らずも必要だよ」

紗枝「それもそうなんやけど……」

モバP「けど?」

紗枝「プロデューサーはんを独占できるんは京都に来てくれてはるときだけやろ。一緒に過ごしたいなあ、思て」

モバP「……紗枝って時々すごい大胆なこと言うよな」

紗枝「あ、プロデューサーはん顔赤なっとる。うふふ」

モバP「紗枝も……うーん、ほっぺに桜が咲いてるよ」

紗枝「プロデューサーはん。だいふくはあきまへんけど、普通に言うたらええと思いますえ」

モバP「むずかしいなあ」

紗枝「もう、台無しやわ。ごまかすんうまいなあプロデューサーはんは」

モバP「まあまあ、すねないで」

紗枝「すねてまへん」

モバP「ごめん」

紗枝「知りまへん」

モバP「東京で今度、二人で出かけよう。仕事じゃなしにさ」

紗枝「ほんまに?」

モバP「約束する」

紗枝「ふふ、楽しみどすなあ」

モバP「ああ! その顔、これが狙いか!」

紗枝「学習しまへんな、プロデューサーはんは。京の女は強かどすえ」

モバP「やられた……でも、約束な。じゃあまた、東京で」

紗枝「はい♪ お気をつけて」


6: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:03:05.01 ID:VqWLWTOi0






ヴィーヴィーヴィー

モバP「電話……ちひろさんかな?」

モバP「ん、知らない番号」

モバP「はい、Pでございます」

『あ、Pさん』

モバP「そうですが、ええと、どちら様で?」

『周子。さっきのさ、和菓子屋の』

モバP「ああ! 手土産の和菓子、喜んでもらえたよ、ありがとう。で、どうした?」

『今日帰っちゃうん?』

モバP「いや、こっちに宿泊だけど」

『ならさ、Pさん。出会いは一期一会って言うしさ、しゅーこちゃんと少しおしゃべりしない?』

モバP「構わないけど……もう夜だし、大丈夫なのか」

『うん、へーき。お店の場所、名刺のアドレスに送ればわかる?』

モバP「いや、あれはパソコンのアドレスだから……SMSメッセージで送れる?」

『わかった。送っとく。早く来てね、じゃ、後ほど』

モバP「あ、ああ……切れてら」

7: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:03:36.18 ID:VqWLWTOi0



モバP「ダーツ、ビリヤード……」

モバP「あんまり未成年がいていい感じの店とは思わないけど」

カランカラン

周子「あ、やっときた。待ちくたびれたよー」

モバP「馴れない土地だもんで……いいのか、未成年」

周子「もちろん、補導の時間前に帰ればね」

モバP「その時間は?」

周子「んーまあ10時くらいかな」

モバP「今、9時半なんだけどな」

周子「もう、来るの遅いから。ハンデあげるから、ダーツやろ」

モバP「おいおい、今から店を出ないと間に合わいんじゃないか」

周子「そういけずなこと言わんといて。せっかく来て、何もしないで帰るなんてだーめ」

モバP「しかたないな……ハンデって?」

周子「あたし左利きなんだ。でも右でやってあげる」

モバP「利き手と逆か。なかなかなハンデだな」

周子「でしょう? さ、やってみよ」

8: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:04:20.15 ID:VqWLWTOi0


モバP「コテンパンに負けた」

周子「さすだに下手すぎかな。これからがんばり?」

モバP「負けっぱなしはいやだからな……ちょっと練習しようかな」

周子「いい心がけやん~ さ、罰ゲームね」

モバP「え、罰ゲームあるなんて聞いてないぞ」

周子「そりゃ聞かれなかったし?」

モバP「さすがにズルくないか」

周子「勝負じゃないのにハンデはあげないでしょ?」

モバP「一理ある……で、罰ゲームの内容は?」

周子「シューコちゃんお願いを1つ叶えてあげる」

モバP「お願いって」

周子「今日、泊めて?」

モバP「なんだ、それくらい……は?」

9: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:05:44.49 ID:VqWLWTOi0

モバP「ダメだって言ってるだろ」

周子「親と喧嘩して家に帰れないんやもん」

モバP「仲直りしなさい」

周子「やだ」

モバP「やだ、じゃなくて」

周子「お願い!」

モバP「友達の家とかあるだろ」

周子「地元の友達じゃ親にばれるやん」

モバP「仲直りできないなら、せめてバレて安心させてやれよ」

周子「やーだ」

モバP「全く……ダメなもんはダメだ」

周子「じゃあいいよ、そこらの男に声かけるし」

モバP「本気で言ってるのか」

周子「だって仕方ないやん!」

モバP「わかった! わかりましたよ、泊めてやるよ」

周子「やた! ありがとPさん!」

モバP「あー、もう。くっつくな」

周子「看板娘のサービスってことで」

モバP「あのなあ、もっと自分を大……」

モバP(この子、口ではこんなだけど、すごい心拍数……)

モバP(まったく……)

モバP「とにかく、これ以上面倒なことになる前に宿に行くぞ」

周子「うん、よろしゅ~」

10: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:08:16.03 ID:VqWLWTOi0



周子「シングル……」

モバP「そりゃそうだろ。1人で出張に来てるんだから」

周子「そ、そうだよね」

ガシ

周子「な、Pさん? ど、どうしたの急に肩をつかんだりして」

モバP「男と2人でこういうところに入ったら、どうなるかわかってんだろうな」

周子「っ……はい」

モバP「覚悟、できてるな」

周子「あ、当たり前じゃん。誘ったのあたしだし……いいよ、好きにして」

モバP「はあ……青ざめた顔して。俺が本当にその気だったらどうすんだ」

周子「……え? 何もせえへんの?」

モバP「当たり前だろ。人の家の娘さんを傷物にできるか」

周子「…………ぐす」

モバP「ほら、ハンカチ」

周子「……怖かった……もしかしたらそうなるんかもと思って怖かった……さっきのほんま怖かったんやからね……」

モバP「だろうな。エレベーター乗ってからはずっと震えてたもんな」

周子「……ん」

モバP「24時まで大浴場が使えるから、俺はそっちに行ってくる。その間、シャワー浴びるなり一息つくなり、好きにしてくれ」

周子「……わかった」

モバP「よろしい」

周子「Pさん」

モバP「ん?」

周子「どうもありがと。ごめんなさい」

モバP「もういいって。じゃ行ってくるから」



11: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:08:45.30 ID:VqWLWTOi0




モバP「ただいま」

周子「おかえりなさい」

モバP「あ、シャワー浴びたのか」

周子「わかるもんなん?」

モバP「うん、雪見大福が上気してイチゴ大福に」

周子「むー」

モバP「はは」

周子「ぷ、ふふ。あはは」

モバP「やっと笑った」

周子「うん。ちょっとホッとしたかも」

ぐうう

モバP「おっと」

周子「ホッとしたらおなかすいた……」

モバP「しゃーないな。ちょっと待ってて」


12: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:09:45.14 ID:VqWLWTOi0



周子「カップラーメン……」

モバP「ホテルの自販機に売ってるんだ。まさか、食べたことないとか?」

周子「うち、食には厳しいから」

モバP「案外そうかもなあ。俺も実家にいたころはそうだったし」

トポポポポ

周子「いいにおい」

モバP「食欲そそるだろ。家出にカップラーメンってのもぴったりだし」

周子「ふふ、そうかも」

モバP「はい、3分」

周子「いただきます」

ズズズズズ

周子「……おいしい」

モバP「しみるよなあ……」

周子「……うん」グズ

モバP(また泣いて……本当に不安だったんだろうな)

周子「……おいじい」グズ

モバP「ゆっくり、よく噛んで」

周子「……母親みたい」

モバP「それでけっこう」

ズズズズズ



13: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:11:16.89 ID:VqWLWTOi0




モバP「ごちそうさま」

周子「ごちそうさまでした」

モバP「さ、寝るか。周子ベッド、俺が床。以上」

周子「そ、そんなんダメ。転がり込んできたのあたしなんだから」

モバP「それを許したのは俺。この部屋で偉いのも俺。良いから、ベッドに潜れ。疲れてんだろ」

周子「それやったら、あたし小さいし二人で」

モバP「男の怖さ、もう忘れたか」

周子「でもPさんはそんなことしないって」

モバP「言い切れるのか」

周子「そんな怖い顔しないで……」

モバP「ごめん。さ、ほらベッドに行くぞ」

周子「え、ちょっと」ヒョイ

モバP「周子くらい、男だったら簡単に持ち上げられるし、好きにできちゃうってこと」

周子「う、うん」

モバP「何赤くなってんだよ」

周子「ばか、お姫様だっこなんてされたん初めてやし」

モバP「あらあらかいらしいなあ」

周子「あ、下手な京都弁使うと嫌われるよ」

モバP「よく言われる」ヒョイ

周子「きゃっ」

ポスン

モバP「はい、おやすみ」

周子「ちょっと……もう」



14: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:11:53.85 ID:VqWLWTOi0




周子「Pさん、寝た?」

モバP「……いや、まだ」

周子「家出の理由、聞かないの?」

モバP「うん。人の家庭のことだから、な」

周子「……そっか。じゃあさ」

モバP「うん」

周子「ちょっと独り言、言うね」

モバP「うん」

周子「ちゃんと、起きててね」

モバP「……うん」

周子「今日、Pさんが帰ったあと、親と将来の話になったん」

モバP「うん」

周子「あたしはさ、のんびりまったり、ぬくぬく実家の手伝いするつもりやったん」

モバP「看板娘、だもんな」

周子「うん。それが当たり前というか、他に何も考えてなくて」

モバP「うん」

周子「そしたら怒られて。もっときちんと将来考えろって」

モバP「親父さん、真面目な職人さんって感じだもんな」

周子「そうなん。あたしと違って真面目。だからぶつかっちゃうんだよね」

モバP「今日もぶつかったんだ」

周子「うん……今まで散々休みの日は店の手伝いさせられてたし、誕生日だってケーキじゃなくて和菓子だったし……

ずっと店に染めてきたのにさ、いざ店に入ろうとしたら怒るっておかしいやんな。頭きちゃって」

モバP「それで家出したのか」

周子「うん。出てけ! とも言われたし」

モバP「でも、今は心配してるんじゃないか」

周子「……そうかもね」

モバP「独り言らしいから、聞かなかったふりもできるけどさ

聞いちゃったからな。明日、俺も一緒に店に行くよ」

周子「……うん」

モバP「ほら、もう遅いから寝なさい」

周子「うん……Pさん」

モバP「ん?」

周子「ほんま、ありがと。おやすみなさい」

モバP「おやすみ」


15: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:12:21.99 ID:VqWLWTOi0




モバP(ついていくとは言ったものの……)

モバP(この子次第だな、結局のところは)

モバP(どっちに転ぶか。また紗枝に怒られそうだな……)

16: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:13:16.48 ID:VqWLWTOi0



モバP「はあ」

周子「ちょっと、ため息つかんといて」

モバP「さすがに緊張するというか、怒られるだろうし、ため息の一つくらい勘弁してくれ」

周子「あたしだって嫌なんやから……」

モバP「2人でいれば、苦しみは半分、喜びは倍」

周子「なにそれ」

モバP「結婚の格言らしいけど、うちの会社じゃ良く言われること」

周子「よくわかんない。あー、やになってきたー」

モバP「はいはい、行くぞ」


17: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:14:20.13 ID:VqWLWTOi0

「周子!」

周子「いきなり大きな声ださんといてくれる?」

「あんた、いつもの兄ちゃんやんか。どういうことや!」

周子「家出したあたしをたす」

モバP「出歩いていたお嬢さんに声をかけて私が連れ歩きました」

「……なんやと?」

周子「ちょ、何を」

モバP「昨日のうちに家に帰るつもりだったお嬢さんを、家出なら家出らしく1日帰らずにいてみろってそそのかして」

「おのれ、何言うとんのかわかっとるんか」

モバP「店の看板娘に留めておくのがもったいない人材だと思いまして。ぜひうちの事務所からアイドルにしたいと思ったんです」

周子「ねえ、さっきから何言うてんの」

モバP「ですが、お嬢さんはうんとは言いませんでした。実家の和菓子屋の看板娘になるんだって。だから、お返しに来ました」

「お返しにきた? それで済むと思っとるんか!」

モバP「申し訳、ございませんでした」

「おのれぇぇいっ!」ガバッ

モバP「っ!」

「……はぁ。やめや」

モバP「……え?」

「あんた、首を右に向けてみ」

モバP「うっ、つつ」

「まだ立ち上がっただけやのに、それでびっくりしたあんた、ずいぶん痛そうな顔したな」

モバP「……」

「大方、かたーいとこで寝て、寝違えでもしたんやろ。それでわかった。うちの娘は傷物にされてへん」

モバP「ですが、連れまわしたのは本当です」

「それもウソや。あんた見てもわからんが、うちの娘見たら、あんたがかばっとることくらいわかるわ」

モバP「む……」

「そうやろ、周子」

周子「うん。あたしが無理言うて泊めてもらった」

「そうか。あんたにはほんま迷惑かけてしもたな。すまんかった」

モバP「いえ、こちらこそ。……失礼します」

18: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:14:48.39 ID:VqWLWTOi0


周子「ちょっと待って」

モバP「ん」

周子「あたし、アイドルやってみたい」

「周子! さっきのは方便やろ! これ以上、迷惑かけたらあかん」

周子「方便なの、Pさん?」

モバP「いや、アイドルにしたいというのは本音」

周子「じゃあ、良いよね?」

「周子!」

モバP「俺は構わないが……」

周子「親以外で、信頼できるって思った大人、初めてかもしれない。やってみたい、って思うことができたのも」

「またお前は……もっと真剣に」

周子「真剣。それが本当かどうか、結果で見せるから」

「嫌になって逃げかえってくるんは許さんぞ」

周子「……逃げ帰らない」

「あんたはどう思うんや。うちの娘は通用するんか」

モバP「本人の努力次第ですが、素材は間違いなく通用します」

「わかった、好きにせえ。Pはん言うたな」

モバP「はい」

「娘をよろしゅう頼んます」

モバP「はい」

19: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:15:23.23 ID:VqWLWTOi0




周子「Pさん、首、大丈夫なん?」

モバP「正直結構痛い。けど、大丈夫だよ」

周子「そっか……ごめんね。いろいろと気を使ってくれたのに、結局好き勝手お願いしちゃって」

モバP「こうなるといいな、って実は思ってたんだ」

周子「え、そうなん?」

モバP「どういう展開になるか、想像もつかなかったけどな。

アイドルにしたいという気持ちがあったことを織り交ぜておけば、可能性はあるかなってな」

周子「はー、それじゃあもうすでに、ちょっとしたプロデュースをされたってこと」

モバP「そういうことになるのかな。でも周子はなんでアイドルになる気になったんだ?」

周子「家に帰る前、苦しさは半分、喜びは倍って言ったでしょ?」

モバP「言った」

周子「この人のパートナーになったら、本当にそうなるかもって思ったから。さっきも、本当に守ってくれようとしたし」

モバP「約束するよ。担当として、そんなパートナーになるように」

周子「ふふ、よろしゅう」

モバP「さて、送りはここで大丈夫。明後日には書類が届くように手配するから、それを書いて上京してくれ」

周子「わかった」

モバP「目を離した隙に、気が変わったとか言わないでくれよ」

周子「どうかな~なんて。ふふ」

モバP「おいおい、頼むぞ。じゃあ、また」

周子「うん、次は東京で」



20: ◆w72AKbkgD2 2015/12/25(金) 01:15:53.76 ID:VqWLWTOi0






紗枝「で、一夜を共にしたあげく、すかうとしはったと」

モバP「紗枝さーん、ちょっと言い方に棘があるかな、と思うんですが」

紗枝「なーんにも棘はありまへん。事実を並べただけどす」

モバP「ごめん、ごめんて」

紗枝「なんで謝るんどすか。家出娘を助けて、仕事熱心なことしただけですやろ。謝ることありまへん」

モバP「いや、まあ、そうなんだけどさ」

紗枝「……うちももう少し悪い子の方がええんやろか。こあくまちっくー言うて」

モバP「それはそれで魅力的だとも思うけど」

紗枝「あーあー。やーっぱりプロデューサーはんはそういう子が好きなんや。あーあー」

モバP「違う、いや、違わないけど、違う。紗枝には今のままの紗枝でいてほしいというか」

紗枝「うふふ。もうええんどす。意地悪言うんもこのくらいにしておきましょか」

モバP「はあ、良かった……」

紗枝「プロデューサーはんが、優しくて、ほんに真面目な人やって改めてわかったんは、良かったなとも思うてますう」

モバP「…………」ポリポリ

紗枝「あ、照れてはる。うふふ。今日の東京でーと、楽しませてくださいな」

モバP「で、デート?」

紗枝「またそういういけずな反応しはる……先が思いやられますなあ」

モバP「あーっごめんっ! よし、エスコートは任せろ!」

紗枝「ふふ、おおきに、よろしゅう」




終わり