1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:14:18.94 ID:rph7ZoIN0

P「記憶喪失……ですか?」

菜緒『はい……私たち家族や学校の友達のことは覚えているのですけれど、自分のこと――特にアイドルに関することはみんな忘れているみたいなんです』

P「それはまた……」

菜緒『それで、お医者様から思い出すかもしれないと……』

P「事務所に、ということですか?」

菜緒『はい』

P「本当に記憶喪失なんですか?」

菜緒『はい。少なくとも以前の美希とは別人です』

P「わかりました。ともかくお待ちしてます」



 ※記憶喪失ネタなので、キャラ崩壊済み。
  ヤ、という方は右上の核発射ボタンお願いします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373976858

引用元: P「美希が頭打っておとなしくなった時の話」 

 

2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:16:03.73 ID:rph7ZoIN0

小鳥「美希ちゃんが……だいじょうぶかしら?」

P「怪我自体はたいしたことないらしいですが……」

社長「うむむ……心配だねぇ……」


 プロデューサーの電話が鳴る。


P「はい、えぇ。着きましたか? はい、そうです」


 ドアをノックする音、プロデューサー開ける。


菜緒「あ、お久しぶりです、プロデューサーさん」

P「どうも、お久しぶりです……あれ、美希はいっしょじゃ……?」

菜緒「あっ、あの子また……美希! だいじょうぶだからこっち来なさい!」

美希「」コソッ

P「!!!??」

菜緒「ほら、この人がプロデューサーさんよ」

美希「あ、あの……星井美希、です……」モジ

P「す、すみません、ちょっと……あ、どうぞ中に入ってください……」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:16:44.51 ID:rph7ZoIN0

 社長室に入るプロデューサー。


P「ぶはぁっ!」

社長「ど、どうしたかね、キミぃ!? すごい鼻血だよ!」

P「な、なんですあの美希のしおらしさは!? かわいい! かわいすぎます!」

社長「そ、それほど違っていたのかね?」

P「社長も味わってくるといいです」

社長「うぅむ、にわかには信じがたいが……」


 社長室から出る社長、すぐ戻ってくる。


社長「……」ツツー

P「社長、ティッシュどうぞ」

社長「す、すまんね……しかし、あれは反則だよキミぃ……」

P「あれはもう、スケジュール全消去ですね」

社長「う、うむ……ティンとくるどころではない。早く元に戻ってもらわないと、我々も仕事どころではなくなってしまう」

P「知ってますか? 音無さんは既に死んでますよ。ほら、ここまで鼻血が」

社長「と、とにかくこの件はキミに任せた。さぁて私は961プロの牽制にでもいくかなぁ!」

P「ちょ、ちょっと、社長ー!」


 社長、窓から飛び降りて退場。

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:17:47.92 ID:rph7ZoIN0

P「だいじょうぶだ、美希は美希だ。いつもどおりに接すればだいじょうぶさ」


 社長室から出るプロデューサー。


P「お待たせしました」

菜緒「ほら、美希、怖がってちゃダメでしょ」

美希「う、うん」

P「美希、転んだらしいけど、怪我はだいじょうぶか?」

美希「は、はい。ケガはないみたいです。でも、記憶が……」

P「それはこれから思い出せばいいさ。ほら、ここが美希の事務所だ」

美希「ここが、私の通っていた……」

P「思い出さないか?」

美希「ごめんなさい……でも、家にいるみたいにすごく落ち着きます。あ、これ……」

P「あぁ、765プロのライブポスターだよ。これがオールスターの1stで……」

美希「わ、わたし……」

P「ん?」

美希「わたし……こんな格好で、は、はずかしい~!」

P「なっ……!」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:22:35.34 ID:rph7ZoIN0

美希「私、アイドルのお仕事って、テレビでお話してるんじゃないんですか!?」

菜緒「あー……ごめんなさい、アイドルがどういう仕事かっていうのも忘れちゃってたみたいで……」

P「なんと」

美希「だ、だって、おへそまでこんな……はっ! これがあってことは……」

P「これは本当にアイドルどころじゃないな……」

美希「うぅ……」チラッ

P「ん?」

美希「うぅぅ~!」バッ

P「???」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:23:01.13 ID:rph7ZoIN0

菜緒「あの、プロデューサーさん」

P「あ、はい」

菜緒「とりあえず、今日はここに美希をおいていきますので、あとはよろしくお願いしますね」

美希「そ、そんなお姉ちゃん!」

菜緒「ダメよ~、ちゃーんと思い出す努力ぐらいはしないと」

美希「うぅ……」チラッ

P「ん?」

美希「~っ!」バッ

P「???」

菜緒「という訳で、よろしくお願いします」

P「あ、は、はい!」

菜緒「駄々こねるようでしたら、ガッといってバッといってチュッとしてオッケーですから」

P「し、しません!」

菜緒「ふふ、それじゃ失礼しますね」


 菜緒、事務所から退場。シナリオからも退場。

7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:23:29.99 ID:rph7ZoIN0

P「ま、まあそんなところでへたれてないで、こっちソファに座ってくれ」

美希「は、はい」


 遠慮がちに座る美希、そんなの見たことない。


P「なにか飲むか? たしか冷蔵庫にいちごオレあったな」

美希「い、いえっ、お気遣いなく……」

P(すげぇやりにくい。かわいいし)

美希「」モジ

P「そのソファな」

美希「は、はい!」

P「美希がいつも昼寝してたソファなんだ」

美希「私が?」

P「昼寝もしなくなったのか?」

美希「は、はい……以前の私はいっぱいしていたみたいですけど、今は……」

P「ちなみに、今日は何時に起きたんだ?」

美希「朝5時くらいには……」

P「5時!? え、寝たのは何時だ?」

美希「えと、9時くらいには」

P「健康的すぎる。やよいかっ」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:24:11.16 ID:rph7ZoIN0

美希「あ、あの」

P「なんだ?」

美希「その、ちょっと、横になってみてもいいですか?」

P「ん? あぁ、そうだな、何か思いだすかもしれないな」

美希「失礼します……」

P「……どうだ?」

美希「はい、なんだか知っているような気がします……でも、何か物足りないような気も……」

P「あ、たぶん、これだ」

美希「なんですか?」

P「このクッション、よく使っていたよ」

美希「そうなんですか? 少し、お借りします」

P「あぁ。ん、すまん、ちょっと席を外すよ」

美希「はい」

P(美希が記憶喪失だって、みんなに伝えないとな)

美希(なんだろう、ここ、すごく心地良い……私、たしかにここを知ってる……でも、何か足りない……)

9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:24:39.46 ID:rph7ZoIN0

千早「プロデューサー、美希が記憶喪失って、本当ですか!?」

P「おぉ、千早、早かったな」

千早「えぇ、今日は早く目が覚めて……じゃなくて、美希は!?」

P「そこ」

千早「えっ?」

美希「あ、あの……おはようございます」

千早「!!?」プシッ

P「おい、千早、鼻血出てるぞ」

千早「ハッ! す、すみません!」

P「いや、わかる。社長ですらK.O.された」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:25:36.54 ID:rph7ZoIN0

千早「本当に、美希なのよね?」

美希「は、はい。星井美希です……ごめんなさい」

千早「あ、謝ることなんてないわ! むしろなんというか、その……いいわ!」

P「鼻血注意のメールも送っておくか……」

美希「あなたも……その、アイドルなんですか?」

千早「そうよ、如月千早。美希からは……そう、千早お姉ちゃんと呼ばれていたわ!」

P「おい」

美希「千早……お姉ちゃん?」

千早「ゴザァッ!!」ブシュゥ!

P「お、おい、千早ァーッ!」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:26:30.50 ID:rph7ZoIN0

美希「春香お姉ちゃん?」

春香「ヴァイッ!」ブシッ

美希「雪歩お姉ちゃん?」

雪歩「ぽえっ!」シュブッ

美希「真お姉ちゃん?」

真「まきょぉっ!」マッコマッコリーン

美希「貴音お姉ちゃん?」

貴音「しじょっ!」ブッシャァ

美希「あずさお姉ちゃん?」

あずさ「あっらー」ドタプシャァ

美希「やよいちゃん?」

やよい「うっうー!」ヨロコビ

美希「亜美ちゃん?」

亜美「とか!」グッ

美希「真美ちゃん?」

真美「ちー!」ガッ

美希「デコちゃん?」

伊織「なんでよ!?」ペカッ

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:26:58.06 ID:rph7ZoIN0

亜美「せっかくだからりっちゃんも呼んでもらいなよー」

律子「わ、私はいいわよ、別に……」

美希「あ……あぅ」

P「どうした、美希?」

美希「そ、その……なんだか、こわい、です……」

律子「――」

亜美「あー……」

真美「普段厳しくしてきたケツがまわってきたねぇ」

律子「い、いいわよ、別に……ぐすん」

P「あー、美希、ちょい耳」

美希「はい……はい、えっと……いつもありがとうございます、律子おねえちゃん」

律子「――!? み、美希ぃ~!」ダバー

P「ハハハ……」

美希「……?」ホワッ

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/16(火) 21:28:36.06 ID:rph7ZoIN0

美希(なんだろう、この人の傍にいると、ポカポカしてくる……この人の手……これが……)


 ぎゅっ


P「わっ!」

美希「――! ご、ごめんなさい!」

P「い、いや、こっちこそスマン。びっくりしただけだ」

美希「ち、違います! 私こそ勝手に……ぷ、プロデューサーさんの腕が、その……今、すごくふわって……あ、あの……」

P「な、なんだ?」

美希「……おにいちゃん?」

P「」パリン!

亜美「に、兄ちゃんの眼鏡が……」

真美「割れた……!」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/17(水) 01:01:18.34 ID:+zpMQN610

 閉め切られた社長室。灯りはランタン。


春香「さて、みんなに集まってもらったのは他でもないよ」

真「美希のことだね?」

真美「このままじゃヤバイね」

亜美「ぶつりタイプがいきなりとくこうタイプに進化したからね」

真美「ゆきぴょんとやよいっちを足して2で掛けたみたいな破壊力だからね」

雪歩「でも、今の美希ちゃんも、すっごくかわいいよ」

響「たしかにあの美希は捨てがたいけれど」

春香「私たちには、それ以上に守らなければならないものがあるんだよ。仲間だもんね」

伊織「いったい、ナニ仲間なのかしらねぇ」

貴音「それで、具体的に何をするというのですか?」

亜美「そりゃー、ミキミキの記憶を取り戻すんだよ!」

千早「どうやって?」

真美「あぅ」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/17(水) 01:04:32.41 ID:+zpMQN610

あずさ「たしか、頭を打ったって言ったわねぇ……」

響「じゃあ、もう一回頭を打てば……」

伊織「殺人に発展しそうだからやめてほしいわ」

真「うーん、偶然を装って……」

春香「偶然かぁ……」

千早「……」

春香「ん? なに、千早ちゃん?」

真「……」

春香「え? 真もなに?」

真美「……」

亜美「……」

春香「え? え?」

雪歩「……」

貴音「……」

伊織「……」

響「……」

あずさ「……」

春香「…………わたし?」


 律子とやよいは出かけてます。Pが出れないから。

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/17(水) 01:05:14.53 ID:+zpMQN610

 同じ時間。テレビの前。美希のライブ映像。


美希「これが、私……?」

P「あぁ、アイドルの美希だ」

美希「すごい……」

P「思い出さないか?」

美希「……ごめんなさい」

P「そうか、まあ、無理しなくていいさ」

美希「あの……」

P「なんだ?」

美希「プロデューサーさんにとって、私はどんな子でしたか?」

P「そうだなぁ……すぐに寝て、練習しなくて、敬語も使えない時のほうが多かったなぁ……」

美希「す、すごくご迷惑をかけていたみたいで……」

P「でもな」

美希「?」

P「ステージに立つ時、美希は誰よりも輝こうとしていた」

美希「!」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/17(水) 01:06:32.50 ID:+zpMQN610

P「きっと、唯一本気になれること。それが美希にとってのアイドルだったんだと思う」

美希「……」

P「誰よりも強く、まっすぐに、自分を世界に向けて訴えていた。それが美希の力で、みんなを引きつけていたんだと思う」

美希「私は、そんなにすごい子だったんですか……?」

P「あぁ」

美希「あの……わたし……」

春香「プッロデュッサーッさーん! お茶もってきましたよー! お茶ー!」

亜美(いっけぇぇー! はるるん!)

P「お、おい春香! お前事務所で走ったら――」


 ガッ!


24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/17(水) 01:07:27.98 ID:+zpMQN610

春香「あっ! うわぁぁ!」

千早(――早いわ!)

真(あれじゃあ美希まで届かない!)


 バーン!!


美希「!!」

春香「アツゥイ!!」ビシャー

響(あれは!)

真美(はるるんの手から飛んだおぼんがミキミキに!)

貴音(さすが春香! ドジを完全に操る面妖な女!)

あずさ(美希ちゃん、だいじょうぶかしら……)

伊織(誰か春香の心配もしなさいよ……)

美希「……」

P「だ、だいじょうぶか、美希?」

美希「ひ、ひぐっ……えぅぅ……」

 ((((!!!!!????)))))


25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/17(水) 01:08:00.81 ID:+zpMQN610

亜美(な、泣いたー!?)

真美(どうすんの!? 泣いちゃったよ、ミキミキ!)

真(まさか、あそこまで打たれ弱くなっていたなんて!)

響(雪歩以上の豆腐メンタルだぞ!)

雪歩(あぅぅぅ~)

春香「ご、ごめんね、美希! だいじょうぶ!?」

美希「ひぐっ、ぐすっ……」

P「痛いか? たんこぶとかできてないか?」

春香「ひ、冷やすもの持ってきます!」

美希「だ、だいじょうぶです……ちょっと、びっくりしただけで……」

春香「ほ、ほんとに……?」

美希「そ、それより、春香さんこそ、びしょぬれで……拭かないと風邪ひいちゃいます……」ニコッ

春香「――!!」アマミハルカデスッ!

亜美(は、はるるんが……)

春香「み、美希ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」ガバチュ

真美(墜ちたーーーーー!!)

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:36:29.72 ID:GW0vvq/q0


 765プロ。レッスン場。


美希「きゃっ!」

 どん

美希「あぅっ!」

 がら

美希「あっ――」

 がっしゃーん


響「あちゃー……」

千早「だいじょうぶ、美希?」

美希「は、はい……」

響「う~ん、ダンスの記憶もさっぱいないのか」

美希「……ごめんなさい」

千早「もしかして、歌や演技とかも忘れているんじゃないのかしら……?」

美希「……そうかもしれません」

千早「テストしてみましょう。美希、あなたの曲よ」

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:37:00.78 ID:GW0vvq/q0


 ふるふるフューチャーを歌う美希。


響「どう、千早?」

千早「音程やリズムは問題ないと思うわ。でも……」

響「でも?」

千早「言ってしまうと、美希の歌じゃないのよね」

響「あ、それは自分も思ったぞ。美希らしくないなぁって」

美希「実は昨日、プロデューサーさんからライブの映像を見せてもらって、そんな風に歌えばいいかなって……」

千早「……そう」

響「千早?」

千早「今の美希は前の美希を模倣しているだけ……本来あったはずの美希の気持ちがそっくり欠けているのよ」

美希「私の、気持ち……?」

響「千早、それって……」

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:37:29.28 ID:GW0vvq/q0


千早「美希が誰のために歌って、誰のためにアイドルを続けていたのか……それは……」

響「千早! ちょっと待ってよ!」

千早「でも、やはり美希のことを思い出すためには……」

美希「プロデューサーさん、ですか……?」

千早「!?」

美希「その……私の部屋に写真が……プロデューサーさんと写ってハニーって……携帯も、手帳も……」

響「あー……たしかに美希ならやりかねないなー……」

美希「やっぱり、私はプロデューサーさんを好き、だったんですか?」

千早「そうね……誰の目にもわかるくらいに」

美希「でも、アイドルは恋愛禁止で……」

千早「そうね。だから美希は……」


 レッスン場のドアが開く。


P「おっす。三人とも、調子はどうだ?」

 「「「!」」」

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:38:49.05 ID:GW0vvq/q0


P「美希、調子はどうだ? ダンスは出来てるか?」

美希「プ、プロデューサーさん……」

 (私は星井美希)

 (ミキは、プロデューサーが好き)

 (私はアイドル)

 (プロデューサーがミキのハニー)

 (アイドルなのに)

P「おい、美希?」

美希「いやっ!」


 パシンッ!


P「!?」

千早「美希!?」

美希「いやあああああああああああああ!!」

響「あっ! 美希!!」


 美希、頭を抱えてしゃがみこむ。響と千早が支える。


40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:39:22.86 ID:GW0vvq/q0


 事務所。プロデューサーと千早。

P「そうか……余計なことしちゃったんだな、俺……」

千早「いえ、プロデューサーのせいではありません。私が勝手に話をしてしまったのが良くなかったんです」


 響、入場。


P「響、美希はどうだ?」

響「今は落ち着いて、寝てるよ」

P「そうか……ありがとう」

響「ううん。これから美希、どうするんだ?」

千早「少なくとも、アイドルとして活動はできなさそうですね」

響「アイドル、やめちゃうのか……?」

P「それは、俺じゃ決められない。しばらくは活動休止にして、社長や家族の人と相談しないと……」


 携帯『イキテクツヨサヲォーカサネアワセェーアイニイキルゥーウッウー』


P「はい、どうした、雪歩?」

雪歩『あ、あの今、事務所の近くまで来てて、その、美希が走って行っちゃうのを見たんですけれど……』

P「なんだって!?」


 プロデューサー、退場し、すぐに戻ってくる。


P「しまった!」

響「いなくなっちゃのか!?」

P「あぁ!」

響「そんな……! さっきまで……」

P「雪歩! 美希はどこに向かった!?」

雪歩『え、えっと……』


41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:39:52.46 ID:GW0vvq/q0


 商店街。ジャージ姿の美希。


美希「私、どうしたら……」

 『大人気コーナー! 星井美希の先週のジョーシキ非ジョーシキ!』

美希「!」ビクッ

 『今週はねー、キラッ☆ってして、あはっ☆なカンジ?』

美希「前の私……プロデューサーさんが好きなのに、アイドルやっていた……」

 『ミキ的にはー、帽子が欲しい気分かな?』

美希(私じゃないわたし……ミキ……)

 「お、おい、あれ星井美希じゃね?」

美希「!」ビクッ

 「ホントだよ、絶対そうだって!」

 「ホントだ!」

美希「え、あ、あの」

 「サインください!」

 「握手してください!」

美希「あ、あの、私は……」

 「星井美希だって!」

 「ホント!?」

 「マジ!?」

美希「ご、ごめんなさい!」


 人だかりから逃げる。


42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:40:21.86 ID:GW0vvq/q0


 公園。息を切らした美希。


美希「はあ、はあ……」

 (歌って、踊って、はずかしい格好もして……さっきみたいにたくさんの人に追いかけられて……)

美希「わたし……できないよぉ……」

 「グワッ」

美希「……?」


 公園の池に鴨。


 「グワッ」

美希「いいなぁ……」

 (私も、あんな風にゆったりと生きられたら……)

 「ねぇねぇ、キミ、星井美希ちゃんだよねぇ?」

美希「きゃあっ!」

 「やべー、本物だよモノホン」

 「マブい! 超マブいんだけどぉ!」


43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:41:00.43 ID:GW0vvq/q0


 「ねぇねぇ、星井美希ちゃんだよねぇ?」

美希「はぃ、い、いえ、違います……」

 「ウッソだー! 本物だよぜってー本物!」

 「なぁなぁ、俺のこの二等辺三角形のリーゼント見てくれよ、こいつをどう思う?」

美希「すごく……尖ってます」

 「ヒューッ!」

 「ヤベー! チョーマブい! チョマチョブ!!」

 「でも美希ちゃんテレビとぜんぜんちがくね?」

 「バッカ、じゃないからだろ。こっちが素なんだよきっと」

 「やべー、ギャップ萌えー」

美希「ひ、ひっ……」

 「おぉっと逃がさないぜぇ」

 「俺たちとカラオケ行こうぜぇ」

 「そんで米米クラブの浪漫飛行とか歌おうぜぇ」

 「ブランキーのわるいひとたちとかもデュエットしようぜぇ」

美希「う、うぅ……」

 「美希ぃぃぃ!」

美希「!」


44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:41:28.53 ID:GW0vvq/q0


 プロデューサー、登場。


P「美希! だいじょうぶか!?」

美希「プロデューサーさん!」

 「プロデューサー? じゃあホントに美希ちゃん?」

P「はい、765プロのプロデューサーです。美希を返していただけませんか?」

 「やだー」

 「これからカラオケ行くんだもーん」

 「俺たちはこれから美希ちゃんと惑星のランデブーだもんねー」

 「プラネットパトロールしちゃうもんねー」

P「強硬な手段を取らせてもらうこともありますよ」

 「どんなー?」

 「おせーてー?」


45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:41:59.39 ID:GW0vvq/q0


P「765プロは水瀬財閥と懇意にさせていただいています。電話一本で水瀬セキュリティーの者が来ます」

 「げぇっ! 水瀬!」

 「水瀬セキュリティーって言ったら!」

 「絶対安心・家内安全・一族安泰でおなじみの水瀬セキュリティー!」

 「やべぇよ、やべぇよ……」

 「じゃ、じゃあ、せめて握手してください!」

美希「あ、は、はい……」

 「一生の思い出にします!」

 「これで真面目に生きられます!」

 「東大合格できます!」

 「童貞卒業できます!」

美希「は、はい……がんばってください……」


46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:43:59.37 ID:GW0vvq/q0


P「落ち着いたか?」

美希「はい……」

P「気を付けないと、美希はアイドルなんだから、ジャージのままなんかで出かけたらすぐにバレちゃうぞ」

美希「どうして……」

P「ん?」

美希「どうして、私の場所がわかったんですか?」

P「わかった訳じゃないよ」

美希「それじゃあ……」

P「……ここで、美希と約束したからな」

美希「やくそく……?」

P「美希をトップアイドルにして、キラキラさせてやるって」

47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:44:31.68 ID:GW0vvq/q0


美希「それは……前の私との約束ですよね」

P「そうだけど……俺にとっては美希は美希だよ」

美希「でも、私にアイドルなんて……」

P「……ちょっと都合よく考えちゃうけどな。今の美希がやりたいことを応援する、じゃダメか?」

美希「私の、やりたいこと?」

P「前の美希はやりたいことがなくて、きっとアイドルなら人生おもしろくなるかもしれないって思って、デビューしたんだよ。たぶん、生きがいを探していたんだよ」

美希「生きがい……」

P「今の美希も、前の美希もスタートラインは同じなんだよ。アイドルじゃなくていい。ダンスがダメならモデルや歌だけでもいい。何か、思いっきり別のことでもいいさ――それを765プロで探してほしいんだ」

美希「プロデューサーさん……」

P「それなら、俺にも手伝えるしな、はは」

 「ばぅわぅ!」

P「うわっ! い、いぬ美か?」

 「ばぅわぅ!」

P「ってことは」


 「「「「プロデューサー! 美希ー!!」」」」


美希「みなさん……」

P「頼むから、いなくならないでくれよ」

美希「……」

P「みんな、お前が好きなんだからさ」

美希「……はいっ!」

 「グワッ」


48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/07/21(日) 00:45:02.99 ID:GW0vvq/q0


 765プロ前。箒を持つやよいと美希。


やよい「うっうー! 美希さんとお掃除なんて初めてでなんだか楽しいですー!」

美希「ふふ、ありがとう、やよいちゃん。しばらくまたお世話になるからね」

やよい「うぅ、じゃあじゃあ、やっぱりアイドルやめちゃうんですかぁ?」

美希「それはわからないかな。やっぱりアイドルが一番かもしれないし……あ、でも、なりたいものなら見つかったかな」

やよい「え、なんですかぁー?」

美希「は、恥ずかしいから、耳かして……」

やよい「はいー」

美希「えっと……お・よ・め・さん」

やよい「え……えええぇぇぇぇー!!」

美希「あはっ☆」


 ――おわり。