1 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:01:47 ID:6V6RHUzI
幼稚園

幼「今日も交換ごっこしよ!」

男「それじゃ、これ幼ちゃんにあげる!」

幼「ありがとう!それじゃあこれはおかえしです!」

男「ありがとう!幼ちゃん!」

幼「かいぐいしてるのバレたら怒られるから…」

男「うん。あそこの公園でたべてかえろう!」 


 

バレンタインデーの秘密: 愛の宗教文化史 (平凡社新書)
浜本 隆志
平凡社
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2 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:02:27 ID:6V6RHUzI
ペリペリ
男「ぼく、チロルチョコだーいすき」
パクッ

ペリペリ
幼「わたし、すももキャンディーだーいすき!」
パクッ

男・幼「えへへー」

男「おいしいね!」

幼「うん!」 


3 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:03:14 ID:6V6RHUzI
幼「男くんはチロルチョコとわたし、どっちがすき?」

男「もちろん幼ちゃんの方がすきだよ!だいすきだもん!」

幼「えへへー。私も、すももより男くんの方がだいすき!」

男「ずーっといっしょにいたいね」

幼「そうだね!ずっといっしょにいたいね!」

幼「わたしを男くんのおよめさんにしてくれる?」

男「うん!ぼくのおよめさんになってください!」

男・幼「えへへー」 

4 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:03:53 ID:6V6RHUzI
幼「あ、男くん」

男「幼ちゃん、こっちにボールがこなかった?」

幼「ううん、きてないよ…って」

幼「また男子Aに無理やり野球やらされてるの?」

男「う、うん…」

幼「また私が言ってあげる!行こう!」 

5 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:04:44 ID:6V6RHUzI
幼「男子A!男君は野球が苦手なんだから!」

男子A「うっせー。オンナが口出しするなー」

男子A「ブーちゃん!また幼の後ろにかくれるのかよ!」

男「う…」

男子A「お前デブだし、野球もできないし」

男子A「幼にかくれてばっかりでチョーカッコ悪い!」

幼「男君はカッコ悪くない!」 

6 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:05:32 ID:6V6RHUzI
男子A「カッコ悪いだろっ!」

幼「弱いものイジメする方がカッコ悪い!」

男子A「幼もブーちゃんのこと、弱虫って思ってるんだろ!」

男子A「それを俺たちがきたえてるんだ!」

男子A「だからジャマすんな!」

幼「ちがう!」

幼「男くんは弱虫じゃない!優しいんだっ!」

男「あ、あの…ふたりとも、ケンカしないで…」 

7 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:06:16 ID:6V6RHUzI
男子A「ブーちゃんはだまってろよ」

幼「男くん、ちょっと待っててね」

幼「今、あいつやっつけるから!」

ポカッ

男子A「やったなこいつ!」

ドカッ

幼「いたっ!」 

8 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:07:23 ID:6V6RHUzI
男「お、幼ちゃん、大丈夫?」

幼「わたしはっ…大丈夫だから!」

男「も、もうケンカはやめてよ…」

男「ぼく、幼ちゃんがケガしたらイヤだよ!」

幼「男くん…」

先生「こらっ!またあなた達!?何してるの!」

男子A「幼が先に手だしたんだ!」

幼「でも男子Aが先に男くんをいじめてたんです!」 

9 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:08:03 ID:6V6RHUzI
先生「喧嘩は駄目!どっちも悪い!」
ポカッ ポカッ

男子A・幼「いたっ!」

男「せんせい!2人はわるくないんです!」

男「ぼ、ぼくがダメだから…」

男「だから2人をしからないでください…」

先生「…それじゃ、男君も」
コツン

男「うっ…」 

10 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:08:58 ID:6V6RHUzI
先生「喧嘩した人は皆、悪い!」

先生「だから、喧嘩はしないように!」

先生「わかりましたか?」

園児達「はーい」

男(ぼくがしっかりしてないから、幼ちゃんが…)

男(しっかりしなきゃ…) 

11 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:09:50 ID:6V6RHUzI
幼稚園の卒園式

幼「わたし、男くんのこと、ほんとにとってもだいすき!」

男「うん!ぼくも幼ちゃんのこと、だーいすき!」

幼「わたし、ぜったい男くんのおよめさんになる!」

男「うん!やくそくね!」

幼「小学校にいっても、ずーっとなかよしでいてね?」

男「もちろん!」 

12 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:10:27 ID:6V6RHUzI
小学1年生

幼「おんなじ組じゃなかったね…」

男「うん…でも、しかたないよ」

幼「だけどずっとなかよしのともだちだからね?」

男「もちろんだよ!」

幼「それじゃ、今日いっしょにかえろうね!」

男「うん!またあとでね!」

幼「うん!」 

13 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:11:14 ID:6V6RHUzI
男「お、男と言います!みなさんなかよくしてくださいっ!」

担任「はい、男君、元気な挨拶ありがとうね」

男子A「デブだから、あだ名はブーちゃんでーす」

アハハハ

男「う…」

担任「こらっ!男子A君!意地悪な事、言わないの!」

男子A「ほんとーのことだし!なー?ブーちゃん?」

男「ぅ、うん…」 

14 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:11:53 ID:6V6RHUzI
放課後

幼「おーい、男くー…」

女子A「ねぇねぇ、幼ちゃんっ」

幼「…ん?な、なぁに?」

女子A「これからみんなで遊ぼうよー」

幼「え…あの…」

女子B「運動場で鬼ごっこやろーよ」

幼「う、うん…」 

15 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:12:45 ID:6V6RHUzI
男「あ…幼ちゃん…」

男「…」ショボン

男子A「なーなー、ブーちゃん」

男「な、何?」

男子A「運動場で野球やろうぜー」

男「え、ぼく、野球は…」

男子A「いいから行こうぜー」
グイッ
男子A「いつもジャマしてた幼のやつもいねーし」

男「う…うん…」 

16 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:13:26 ID:6V6RHUzI
男子A「行くぞー、男子B!」

男子B「こい!ホームランにしてやる!」

男子A「おりゃー!」
ブンッ

ガスッ
男「いたっ!」

男子A「ちゃんと取れよ、ブーちゃん!」

男「ご、ごめん…」

男子A「早くボール取ってこいよー」

男「う、うん…」 

17 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:14:14 ID:6V6RHUzI
男「ボール、ないなぁ」
ガサガサ


幼「つかまらないよっ!」
タタタッ

女子A「幼ちゃん、ちょーはやいー!」

女子B「ぜ、ぜんぜん…おいつけない…」


男「幼ちゃん…みんなと楽しそうに遊んでる…」

男「ぼく、幼ちゃんと遊びたいのに…」

男「…」ショボン 

18 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:15:33 ID:6V6RHUzI
オーイ、ハヤクボールトッテコーイ

男「あ、早く探してもっていかないと…」

男(幼ちゃん、女の子たちと楽しそうに遊んでるし…)

男(ジャマしたらダメだ…)

男(ぼく、幼ちゃんがだいすきだから…迷惑かけたくない)

男(自分でなんとかしないと…) 

19 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:16:03 ID:6V6RHUzI
男子A「ブーちゃんはダメだなー」

男子B「デブだからダメだなー」

男「ご、ごめん…おそくなっちゃって…」

男子A「きょうは5時までとっくんだな!」

男子B「オレたちがボールのとりかたおしえてやるよ!」

男「あ、あの、ぼくは…」

男子A「にがさねーぞ」

男(幼ちゃんと、いっしょにかえるやくそくが…) 

20 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:16:53 ID:6V6RHUzI
女子A「はー。やっぱり幼ちゃん足はやいー」

女子B「ぜんぜんおいつけないよー」

幼「ね、ねえ、今日はそろそろ帰ろう?」

女子C「ねーねー!帰りにみんなでコンビニ行こうよー」

女子B「おー!いいねー!」

幼「あの…わたしは…ちょっと…」

女子A「いいじゃん!みんなでいったら楽しいよ!」

幼(男くんと、いっしょにかえるやくそくが…) 

21 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:17:35 ID:6V6RHUzI
3ヶ月後

男子A「ブーちゃん、やっぱりお前はちゃんとボール取れないなー」

男「や、やっぱりぼくには、キャッチャーは向いてないよ…」

男子A「デブはみんなキャッチャーって決まってるんだよ!」

男子B「そうだぞ、ブーちゃん」

男「う、うん…」

男子A「それじゃ今日も特訓なー」

男「…う、うん」 

22 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:18:47 ID:6V6RHUzI
男(さいきん、ぜんぜん幼ちゃんと遊んでない…)

男(幼ちゃんは1組の女の子たちと楽しそうに遊んでるし…)

男(ぼくは毎日、野球の特訓だし…)

男(さびしいけど、幼ちゃんに心配かけないように…)

男(がんばらなくっちゃ…) 

23 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:19:31 ID:6V6RHUzI
女子A「今日はわたしの家であそぼー」

女子B「いいねー!」

幼「う、うん」

女子A「みんなでお菓子食べながら、ゲームしようよー」

女子B「じゃ、またコンビニに寄ってからかえろー」

幼「…」 

24 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:20:13 ID:6V6RHUzI
幼(…さいきん、ぜんぜん男くんと遊べてない)

幼(学校の帰りも別々だし…)

幼(男くん、わたしのこと、きらいになったのかな…)

幼(私も同じ組の子たちと一緒に遊ぶことが多くなったし…)

幼(…) 

25 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:21:05 ID:6V6RHUzI
小学3年生

幼(また男くんと別の組だ…)

幼(…もう全然お話しもしてない)

幼(男君…)


男(また幼ちゃんと別々の組だ…)

男(幼ちゃん、いつも女の子達と楽しそうに遊んでるし…)

男(もう、僕とは友達じゃないのかな…) 

26 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:22:20 ID:6V6RHUzI
男子C「なぁなぁ」

男子C「何でお前ら、男の事をブーちゃんって呼ぶんだ?」

男子A「それはあいつがブタみたいだからだぜ」

男子C「ブタ?」

男子B「前はブクブク太ったデブだったんだぜ」

男子C「へぇ、でも今は別にデブじゃないじゃん」

男子C「ちょっと身体は大きいけどな」

男子A「でも今さらあだ名は変えられねーよ」

男子B「だよなー!あいつはブーちゃんのままだ!」 

27 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:23:30 ID:6V6RHUzI
男子A「おら、ブーちゃん、俺たちのカバン持てよ」

男「お、重い…」

男子A「これは修行なんだからなー」

男子B「そうだぞー。デブじゃなくするための修行だー」

男子A「しっかり持てよー」

男「う、うん…」


男(うぅ…重くてキツい…)

男(僕がデブだからこんなにキツいんだ)

男(それにきっとデブだから幼ちゃんも…)

男(僕、やせなきゃ…) 

28 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:24:16 ID:6V6RHUzI
男「お母さん、僕、やせたいんだけど」

男「どうしたらやせられる?」

男の母「うーん。男ちゃん、そんなに気にしなくても…」

男「でも僕、やせたいんだ」

男「それにもう、運動オンチって言われるの、イヤなんだ…」

男母(…特別太ってる訳じゃないのに)

男母(これは…どうすれば良いのかしら) 

29 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:24:59 ID:6V6RHUzI
男「か、空手の道場とかに行きたいんだけど!」

男母「うーん…お母さんは反対です」

男「な、なんで?お母さんは僕がずっとデブのままでもいいの?」

男母「男ちゃんは全然太ってないわよ」

男「でも僕、学校で、デブデブって…」

男母「それじゃ、毎朝ご近所をウォーキングとかどうかしら?」

男「ウォーキング?」 

30 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:25:35 ID:6V6RHUzI
男母「男ちゃんは優しいから、空手は向いてないと思うの」

男母「男ちゃんは誰かを叩いたり出来ないでしょ?」

男「う…うん…無理かも…」

男母「だから、痩せたいのならね」

男母「毎朝ちょっぴり早起きして、歩くだけで良いと思う」

男母「お母さんも付き合うし、食事にも気をつけるから」

男母「しばらくはそれで、ね?」

男「う、うん…それで…頑張ってみるよ!」 

31 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:26:11 ID:6V6RHUzI
半年後

男「お母さん、早く早く!」

男母「はあっ…はあっ…ちょっと待って、男ちゃん」

男母「これはもう…ウォーキングじゃなくて…」

男母「ランニング…」

男「僕、先に行くよー」
タッタッタッ

男母「あの子ったら、す…すっかり健康的になっちゃって」 

32 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:26:50 ID:6V6RHUzI
男母「ハァッ…ハァッ…」

男「お母さん、おそいー」

男母「男ちゃんが早くなったのよ」

男母(とは言え、この歳で息子に負けるなんて…)

男「ねぇ、お母さん、もっとやせるにはどうしたらいい?」

男「もっといっぱい走ればやせる?」

男母「もう男ちゃんは充分痩せているでしょ?」

男「でも、僕もっともっとやせたいんだよー」

男母(…どうしましょ) 

33 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:27:46 ID:6V6RHUzI
近所のおばちゃん「なるほどねぇ」

男母「どうしたら良いと思う?」

おばちゃん「小3で過度なダイエットなんて危険よ」

男母「私もそう思うんだけど…」

男母「どうやら学校で太ってるとか」

男母「運動音痴って言われてるらしくて」

男母「確かに幼稚園の頃はぽっちゃりしてたけど」

男母「今は体重的には普通なはずなんだけどね」

おばちゃん「そうよね。むしろ痩せて見えるわよ」 

34 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:28:36 ID:6V6RHUzI
おばちゃん「んー…小3だとちょっと早いかもしれないけど」

おばちゃん「ウチのバレークラブに参加させてみる?」

男母「バレークラブ?」

おばちゃん「私が監督だから無理はさせないし」

おばちゃん「スポーツすれば、健康的に痩せられるって説明すれば…」

男母「そうして貰えると助かるわ」

おばちゃん「それじゃ、男君の意思確認しておいて」

男母「今夜、聞いてみるわ」 

35 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:29:37 ID:6V6RHUzI
男母「と言う訳なんだけど…どう?」

男「バレーボール…」

男「僕、デブだし、運動神経にぶいけど、できるかな?」

男「僕のせいで試合に負けたら…」

男母「大丈夫。皆が健康になる為にやる事だから」

男母「勝ち負けで怒られたりはしないわよ」

男「じゃ、じゃあ僕、やってみようかな…」

男母「うん!頑張ってみなさい!」




男(やせて、バレーも出来るようになったら…)

男(幼ちゃんもまた僕と話してくれるかも…)

男(…頑張って、カッコ良くなりたい!) 

36 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:30:30 ID:6V6RHUzI
おばちゃん「今日からみんなと練習する事になった男君です」

おばちゃん「はい、挨拶して」

男「男と言います!よ、よろしくお願いしますっ!」

バレークラブの皆「よろしくー!」

キャプテン「宜しく、男君!」

男「は、はい!えっと…頑張ります!」

キャプテン「このバレークラブは4年生から6年生で」

キャプテン「全員男君より年上だから」

キャプテン「皆にはさん付けな?」

男「はい!」 

37 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:31:15 ID:6V6RHUzI
3ヶ月後

おばちゃん(思ってた以上に動けるわね…)

おばちゃん(小3だから身長は全然足りないけど)

おばちゃん(ボールにはちゃんと付いて行けてる)

おばちゃん(これで運動音痴なんてとんでもない)

おばちゃん(これは…) 

38 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:31:52 ID:6V6RHUzI
おばちゃん「どう?男君、バレーは楽しい?」

男「はい、監督!楽しいです!」

おばちゃん「そう。良かった」

男「身体動かすの、とっても楽しいです!」

おばちゃん「その調子で続けてれば、試合にも出られるわよ」

男「えっ?し、試合は…僕には無理です…」 

39 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:32:36 ID:6V6RHUzI
おばちゃん「男君、もっと自分に自信を持って!」

おばちゃん「おばちゃんが保証する!」

おばちゃん「男君は出来る子だよ!」

男「は、はい…頑張ります!」


男(身体動かすの楽しい!)

男(クラブの皆も優しいし…)

男(バレー始めて良かった!) 

40 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:33:18 ID:6V6RHUzI
男子A「なぁブーちゃん」

男「何?男子A君」

男子A「お前最近…なんか…」

男「ん?」

男子A「いや、やっぱなんでもねーよ」

男子B「おーい!2人とも、野球やろうぜー」

男子A「おー!俺の魔球を見せてやるぜー」 

41 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:33:52 ID:6V6RHUzI
男子A「行くぞ、ブーちゃん!」

男「あの…僕はバレーの練習があるから」

男子A「…なら仕方ねーな」

男子A「じゃーな、ブーちゃん」

男「うん、また明日ね」

男子A「…」 

43 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:34:32 ID:6V6RHUzI
幼(男君、バレークラブに入ってから)

幼(毎日放課後は体育館だ…)

幼(話しも全然できない…)

幼(…もう、私の事も忘れちゃってるんだ)

幼(…きっとしかたない事なんだ)

幼(………)ショボン

女子A「幼ちゃん、今日も帰りにコンビニ行こー」

幼「う、うん」 

44 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:36:01 ID:6V6RHUzI
小学4年生

幼(あっ!やったっ!男君と同じ組だっ!)

幼(また、幼稚園の時みたいに一緒に遊べるかな…)

幼(おしゃべり出来るかな…)

幼(…楽しみだなっ)

幼(また幼稚園の時みたいに…)


幼「あ、あの…男君っ」

男「あ、幼さん。1年間よろしくね!」

幼(幼…さん…)

幼「う、うん。よろしく…ね」

幼(…) 

45 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:36:53 ID:6V6RHUzI
7月中旬
幼(もうすぐ夏休み…)

幼(ほとんど会話もしてないけど)

幼(夏休みなら、一緒に遊べるかも!)


男子A「ブーちゃん、夏休み俺らと旅行行こうぜ」

男子B「ウチのばあちゃんの家に皆で行くんだ」

男子A「家の裏がすぐ海らしいぜ!」

男「あ、僕、夏休みはバレー部の練習と合宿があるから…」 

46 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:37:51 ID:6V6RHUzI
男子A「何だよ、全然休み無いのかよー」

男「ごめんね、男子A君、男子B君」

男子A「まぁ、お前バレー頑張ってるし仕方ねーな」

男子B「練習頑張れよ、ブーちゃん」

男「うん。頑張るよ!」


幼(男君…バレー、頑張ってるんだ)

幼(私が声かける間も無いや…)

幼(…私、ホントにダメだ) 

47 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:38:29 ID:6V6RHUzI
夏休み中頃

幼母「それじゃ、そろそろ出発するわよ」

幼「はーい」

幼母「幼ちゃん、玄関の鍵よろしく」

幼「はいはい」
ガチャガチャカチッ

幼母「今年もおばあちゃん、幼ちゃんが来るの楽しみにしてるって」

幼「私もおばあちゃんと会うの楽しみ!」 

48 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:39:41 ID:6V6RHUzI
幼母「それじゃ、駐車場から車出して来るから、ちょっと待っててね」

幼「うん」


幼「あ!男君!」

男「あれ?幼さん、こんにちは!…お出掛け?」

幼「う、うん。おばあちゃんの家に…」

男「そっか。気をつけて行ってらっしゃい!」 

49 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:42:21 ID:6V6RHUzI
幼「お、男君は?」

男「今、合宿の帰りなんだ」

幼「そ、そうなんだ?」

男「それで明日から一週間、バレーの練習お休みなんだ」

幼「!」

男「でも、一週間休んだら、××小学校のバレークラブと」

男「また一週間の合同合宿があるんだけどね」

幼「そ、そうなんだ…」 

50 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:42:53 ID:6V6RHUzI
男「だからこの一週間の休みで、頑張って宿題を終わらせようと思ってるんだ」

男「幼さんは宿題終わった?」

幼「は、半分くらい。残りはおばあちゃんの家でやろうと思って」

男「そっか、お互い頑張ろうね」

幼母「幼ちゃん、行くわよー」

男「あ、それじゃあね、幼さん」

幼「うん、またね、男君」 

51 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:44:11 ID:6V6RHUzI
幼母「なぁに?幼ちゃん」

幼「え?な、なに?」

幼母「ニヤけちゃって…そんなにおばあちゃんの家に行くのが楽しみなの?」

幼「う、うん。すっごく楽しみだよ!」


幼(男君と久しぶりにお話し出来た…)

幼(何か、嬉しいなー)

幼(でも一週間しかお休みないんじゃ…)

幼(丁度私がおばあちゃんの家から戻ってくる頃に)

幼(男君はまたバレーか…)

幼(全然上手く行かないなぁ…)ショボン 

52 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:44:47 ID:6V6RHUzI
数ヶ月後

幼(…せっかく一緒のクラスになれたのに)

幼(夏休みにした会話が一番長い会話だった…)

幼(全然お話し出来ない…)

幼(バレー頑張ってるから、声かけにくいし…)

幼(もう…仲良く出来ないのかな…) 

53 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:45:23 ID:6V6RHUzI
2月12日

幼「…はぁ」

幼「もう4年生も終わっちゃう…」

幼「結局ほとんど話しも出来ないし…」

幼「…はぁ」
トボトボ 

54 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:49:59 ID:6V6RHUzI
幼「あ、駄菓子屋…」

幼「幼稚園の頃は男君と一緒によく来たなぁ…」

幼「最近はコンビニでも駄菓子はあるもんね」

幼「久しぶりに入ってみよ」
ガラガラ

幼「こんにちはー」

駄菓子屋のおばあちゃん「あら幼ちゃん、いらっしゃい」 

55 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:50:49 ID:6V6RHUzI
おばあちゃん「久しぶりだねぇ」

幼「おばあちゃん、久しぶりー」

おばあちゃん「随分大きくなって…今何年生?」

幼「今、4年生です」

幼「4年生かい。お姉ちゃんになったわねぇ」

おばあちゃん「今日は男ちゃんは一緒じゃないの?」

幼「えっ?あ、あの…」 

56 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:52:03 ID:6V6RHUzI
おばあちゃん「幼稚園の頃はいつも一緒に来てたじゃない」

おばあちゃん「喧嘩でもしちゃった?」

幼「いやっ…その…ケンカした訳じゃないんだけど…」

幼「小学校に上がってから、一緒に遊ばなくなって…」

おばあちゃん「また仲良く遊べるようになるさー」

幼「ホントに?ホントにそうかな?」

おばあちゃん「2人がいつもニコニコ仲良しだった事」

おばあちゃん「おばあちゃんはちゃんと覚えてるからね」 

57 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:52:44 ID:6V6RHUzI
おばあちゃん「だから絶対大丈夫!ね?」

幼「おばあちゃん、ありがとう!」

おばあちゃん「それじゃ、2人がまた仲良くニコニコ出来るように…」
ガサガサ

おばあちゃん「これをあげよう」
サッ 

58 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:53:26 ID:6V6RHUzI
幼「これ…」

おばあちゃん「明後日はバレンタインデーでしょ?」

幼「バレンタイン…」

おばあちゃん「ウチには高級なチョコは無いけど」

おばあちゃん「これ、男ちゃんが好きだった味だから」

おばあちゃん「男ちゃんも喜んでくれると思うわ」

おばあちゃん「ね?」 

59 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:55:23 ID:6V6RHUzI
幼「うん!ありがとう、おばあちゃん!」

幼「私、頑張ってみる!また男君と仲良くしたいから…」

おばあちゃん「幼ちゃん、またおいでね」

おばあちゃん「今度は男ちゃんと2人で、ね?」

幼「うん!」 

60 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:56:25 ID:6V6RHUzI
幼「おばあちゃんから、10個ももらっちゃったけど…」

幼「たくさんだと、男くんも気を使っちゃうかもだし」

幼「…3個くらいを可愛い袋に入れてあげようっと」
ガサガサ
ギュッ

幼「これで良しっと」

幼「明後日…ちゃんと渡せるかなぁ…」

幼「また、仲良く遊べるかなぁ…」

幼「男君…」 

61 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:56:58 ID:6V6RHUzI
次の日

女子A「えー?男の子にチョコあげるの?」

女子A「面倒だし、あげないでいいでしょー」

女子C「そ、そうだよね。面倒だよね」

幼「そうかな?面倒かな?」

女子A「え?幼ちゃん、もしかしてチョコ用意してるの?」

幼「え?ううん。ぜ、全然用意とかはしてないよ…」 

63 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:58:18 ID:6V6RHUzI
女子A「だよねー」

女子A「義理チョコの為に自分のおこづかい使いたくないしー」

女子B「そ、そうだよね。義理チョコとか意味わかんないよねー」

女子A「帰りに自分達が食べる用のお菓子買って帰ろう」

女子C「そ、そうだね…」

幼「うん…」

幼(…どうしよう) 

64 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 17:59:08 ID:6V6RHUzI
2月14日

男子A「おはよー、男子B」

男子B「オッス」

男子A「あれ?ブーちゃんまだ来てないのかー」

男子B「バレーの朝練みたいだぜ」

男子A「あいつ、バレーやり始めて変わったよなー」

男子B「だよなー」 

65 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:00:11 ID:6V6RHUzI
女子C「あの…おはよう、男子A君」

男子A「おはよう…ん?なんか用か?」

女子C「えっと…これ…バレンタインのチョコなんだけど…」

女子C「う、受け取ってくれる?」

男子A「お、俺にかよ?いいのかよ?」

男子B「マジかー」

女子A「ちょっと!アンタ!チョコあげないって言ってたのに!」 

66 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:01:12 ID:6V6RHUzI
女子C「ゴメン、女子Aちゃん…これ義理チョコじゃないから…」

女子B「なら…あの…男子B君…これ私から…チョコ」

男子B「マジかー?ありがとー!」

女子A「女子B!アンタまで…裏切り者ー!」

女子A「お、幼ちゃんは何も準備してないんだよね?」

幼「う…うん…」

幼(男君にあげたいけど…)

幼(…) 

67 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:01:43 ID:6V6RHUzI
放課後

男子A「ブーちゃん、俺らの分もトイレ掃除よろしくなー」

男子B「俺ら野球の練習あるから、頼むなー」

男「う、うん…」

男(早く掃除終わらせて、バレーの練習に行かなきゃ…) 

68 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:02:28 ID:6V6RHUzI
30分後

男「はぁ…やっと終わった…」

男「早く荷物取って、体育館に行かなきゃ…」
ガラッ

男「あっ!」

幼「ひゃっ!?」

男「あれっ?幼さん…今日って日直だっけ?」

幼「ち、違うけど…」 

69 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:03:08 ID:6V6RHUzI
幼(みんなが帰るの待ってたら、こんな時間になっちゃった)

幼(男君のカバンにチョコ入れようとしたら急に入ってきたから)

幼(ビックリして変な声出しちゃった…)

男「もう誰も残ってないと思ってたからビックリしたよ」

幼「わ、私もビックリしたけどね」 

70 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:04:02 ID:6V6RHUzI
男「っと…僕、もう行かなきゃ」

男「もう幼さん以外は帰っちゃってるよね?」

幼「うん、ついさっきみんな帰ったよ」

男「幼さんも出るなら、教室の鍵かけちゃうけど…」

幼「う、うん…私ももう帰る所だったから」

男「それじゃ、戸締り確認するね」

幼「う、うん…」

幼(今だ!今、渡さなきゃ…)

幼(でも、何て言って渡せば…) 

71 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:05:15 ID:6V6RHUzI
男「窓、全部締まってる」

男「幼さん、忘れ物無い?」

幼「う、うん、大丈夫」

男「それじゃ、鍵かけるよー」
ガチャガチャ

男「これで戸締りオッケー」

幼「…鍵、私が職員室に持っていくよ」

男「ホント?ありがとう」

男「それじゃお願いします」
チャリッ 

72 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:05:57 ID:6V6RHUzI
幼「…これから体育館?」

男「うん!バレーの練習なんだー」

幼「ふーん」

幼(…知ってるけど)

男「それじゃ、鍵、お願いね」

男「また明日」

幼「お、男君!ちょっと!」

男「うん?なぁに?」 

73 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:06:33 ID:6V6RHUzI
幼「男君は今日、誰かからチョコ貰ったの?」

男「チョコ?」

幼「今日はバレンタインデーでしょ?」

男「あー…いやー、誰からも貰ってないよー」

幼「そ、そう言えば、男子A君たちは貰ってたみたいよ」

男「そうなんだー。良いなー」

男「僕、チョコレート好きなんだけどなー」

幼(知ってるし) 

74 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:07:33 ID:6V6RHUzI
男「僕だけもらえないや、えへへ」

幼「そっか。そ、それじゃ、これあげる」
サッ

男「え?これって…」

幼「一個も貰えないと可哀想かなって」

男「ありがとう!幼さん!」

幼「べ、別にお礼とか、良いから」

幼「中身、チロルチョコ3個だし」 

75 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:08:23 ID:6V6RHUzI
男「それでも嬉しいよ、ホントにありがとう!」

幼「そ、それじゃ、バレー頑張ってね」

男「うん!それじゃ!また明日ね!」


幼(結局…また仲良くしたいとか)

幼(何も言えなかったなぁ…)

幼(もう、一生仲良く出来ないのかなぁ…)

幼(せっかくおばあちゃんがくれたチャンスだったのになぁ…)

幼(はぁ…もうダメだ…) 

76 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:09:03 ID:6V6RHUzI
男の妹「兄ちゃん、それ何?」

男「あぁ、これ学校でもらったチョコレート」

妹「私にちょーだい!」

男の弟「ズルい!僕にも!」

男「あはは、3個あるから、3人でわけようね」

妹「なーんだ、チロルチョコかー」

弟「俺、きなこ味あんま好きじゃなーい」 

77 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:09:41 ID:6V6RHUzI
妹「なら私にちょうだい!」

弟「だめー!きなこ味でもチョコはチョコ!」
パクッ

妹「なら最初から文句言わなければ良いのに!」
パクッ

男「2人とも、喧嘩しないでね」
パクッ 


78 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:11:01 ID:6V6RHUzI
1ヶ月後

男母「あんたそう言えば、誰かからチョコ貰って無かった?」

男「あ!幼さんから貰ったや」

男「しまった…僕、お返し用意してない…」

男母「丁度貰い物のクッキーあるから、これ包んで持って行きなさい」

男「ありがとう、母さん!」 

79 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:11:55 ID:6V6RHUzI
男「幼さん、ちょっと良い?」

幼「な、何?」

男「これ、先月のお返し」

男「クッキーなんだけど」
サッ

幼「あ、ありがとう…」

男「出来合いの物でごめんね」 

80 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:12:34 ID:6V6RHUzI
幼「別に気にしなくて良いわよ」

幼「私なんか、チロルチョコだったんだし」

男「それでも、嬉しかったから」

幼「そ、そう…それは良かったわ」

男「あ…僕そろそろバレーの練習に行かなきゃ」

男「それじゃ、また明日ね、幼さん」

幼「あ…うん…また明日、ね」


幼(お返し、ちゃんと貰えた…嬉しい…)

幼(だけど、やっぱりちょっと胸が苦しいよ…) 

81 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:13:06 ID:6V6RHUzI
小学6年生

男「キャプテンとして一生懸命頑張ります!」

男「皆さん、よろしくお願いします!」

バレークラブの皆「よろしくお願いします!」

おばちゃん「男君、頑張ってね!」

男「はいっ!」 

82 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:13:56 ID:6V6RHUzI
幼(男君、バレークラブのキャプテンになったんだ…)

幼(背も凄く高くなって、カッコよくなって…)

幼(私はチンチクリンのまんま…)

幼(もう違う世界の人みたい…)

幼(せめて普通に話しだけでも出来れば…)

幼(組も違うし、無理か…)

幼(はぁ…) 

83 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:14:57 ID:6V6RHUzI
男「それじゃ、今日の練習はこれで終わります」

バレークラブの皆「はいっ!お疲れ様でしたっ!」

男「皆、気をつけて帰ってね」

バレー部員「男さんは帰らないんですか?」

男「僕はちょっと用事があるんだ」

男「気にせず帰って」

バレー部員「はいっ!それじゃ、お疲れ様でした!」

男「また明日ね」 

84 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:17:02 ID:6V6RHUzI
キュッキュッ
男「…っと、こんなもんかな」

おばちゃん「一人で居残りして、掃除?」

男「あ、監督…バレちゃいましたか」

おばちゃん「まぁ、ちょっと前から気付いてたけど」

男「もう片付け終わりますんで…」

おばちゃん「なんで掃除?」 

85 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:18:12 ID:6V6RHUzI
男「あの…僕もうじき卒業じゃないですか」

おばちゃん「もう2月だもんね」

男「だから、お世話になった体育館を綺麗にしたいなぁって」

おばちゃん「そう…男君、中学行ってもバレー続ける?」

男「はい!頑張ろうと思ってます!」

男「監督にはとっても感謝してます」

おばちゃん「感謝?」 

86 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:18:52 ID:6V6RHUzI
男「僕を、このバレークラブに誘ってくれて」

男「おかげで僕は変われました!」

おばちゃん「そう言って貰えると嬉しいわ」

おばちゃん「すっかり格好良くなっちゃって」

男「そ、それは…解らないですけど…」

おばちゃん「大丈夫、男君はもう、大丈夫!」

おばちゃん「私が保証する!」

男「ありがとうございますっ!」 

87 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:19:40 ID:6V6RHUzI
中学1年生

幼(…男君は中学もバレー部なんだろうなぁ)

幼(私も何か部活入ろうかな…)

幼(…そうだ)

幼(バレー部って、マネージャーとか募集してないかな?)

幼(こう言うのって、直接バレー部に行くのかな?)

幼(顧問の先生に聞くのかな)

幼(どうすれば良いんだろう…) 

88 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:20:24 ID:6V6RHUzI
男「○○小学校からきました、男と言います!」

男「よろしくお願いしますっ」

友「友と言います!ガンガン頑張るタイプです!」

友「よろしくお願いします!」

バレー部部員「よろしく!」

バレー部部長「今年の1年は元気良いな!」

部長「3年間、しっかり頑張ってくれ!」 

89 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:21:35 ID:6V6RHUzI
友「なぁなぁ、男」

男「何?友君」

友「俺も高い方だけど、お前、背高いな」

友「何センチ?」

男「ん…今178くらいだと思う」

友「小学生で178あったら、学校一デカかったろ?」

男「いやー、全校生徒の中では3番目だったよ」

友「マジで?1番と2番の奴はバレーやってねーの?」

男「その2人はバスケットやっててね」

友「あぁ、そっち行ったのかー」 

90 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:22:14 ID:6V6RHUzI
男「レギュラーになれるように、お互い頑張ろうね」

友「お、良いねー。そんで全国制覇とかしようぜ!」

男「ぜ、全国は…まぁ…」

友「夢はデカい方が良いだろ?」

友「なんなら、世界制覇でも良いくらいだぜ!」

男「ふふっ、世界制覇って…」

友「へへっ、良いだろ?」 

91 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:24:17 ID:6V6RHUzI
男「うん…夢はデカい方が良いもんね!頑張ろう!」

友「おうよ!やるぜやるぜー!」
タッタッタッ

幼友(あの2人、喋りながら走ってるのに、何で他の部員より速いのかしら)

幼友(友のバカは良いとして…)

幼友(男君…か)

幼友(○○小って言ったら…幼と同じかな?) 

92 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:24:53 ID:6V6RHUzI
幼友「ねぇねぇ、幼」

幼「んっ?何?」

幼友「幼って○○小学校から来たんだよね?」

幼「うん、そうだけど」

幼友「3組の男君も、○○小学校だよね?」

幼「う、うん…なんで?」

幼友「彼、かなり格好良いと思うんだけど、どう?」 

93 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:25:41 ID:6V6RHUzI
幼「う、うん。まあ格好良いと思うけど」

幼友「何か、接点とか、無い?」

幼「と、特に無いかなぁ…」

幼友「そっか…私バレー部のマネージャーになったんだけどさー」

幼友「男君、ちょっと良いなーと思って」

幼「そ、そうなんだ?」

幼友「優しいし、練習一生懸命だし」

幼友「背高いし、顔格好良いし」

幼「そ、そうかもね…」 

94 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:26:27 ID:6V6RHUzI
幼友「彼女とか好きな人とか居るのかなぁ」

幼友「知ってる?」

幼「ちょっと解んないなぁ」

幼(私も知りたいけど…)

幼「ね、ねえ、幼友ちゃん」

幼「男子バレー部って、マネージャーまだ募集してる?」

幼友「あー、私が最後の一枠だったんだー」 

95 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:27:15 ID:6V6RHUzI
幼友「2年生のマネージャーが5人も居るんだよ」

幼友「マネージャー多過ぎだって」

幼「そ、そっか」

幼友「幼、入りたかった?」

幼「いやー、折角中学生になったんだから」

幼「私も何か始めたいなぁと思って」

幼「マネージャーなら出来るかなって」

幼「でもまぁ、他の部活考えて見るよ」 

96 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:27:54 ID:6V6RHUzI
幼友「男君、お疲れっ。コレどうぞ」

男「あ、幼友さん、ありがとう」

友「幼友、俺の分は?」

幼友「今ので最後でーす」

友「ひでーな、オイ。イジメかよ」

幼友「冗談よ、はい」
ポイッ

友「っと。男に対する態度と随分違うじゃねーか」
パシッ 

97 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:28:43 ID:6V6RHUzI
幼友「男君、今のやり取りちゃんと見てた?」

友「そうだぞ、男。俺達は仲良くは無いぞ」

男「でも2人、すっごく楽しそうにおしゃべりしてたじゃない」

男「2人は同じ小学校だっけ?」

幼友「まぁ、保育園から一緒だわね」

友「でも仲良しでは無いぞ?」

幼友「むしろライバル的ポジションだわ」 

98 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:29:21 ID:6V6RHUzI
男「やっぱり仲良しでしょ?」

友・幼友「仲良くは無い!」

男「息ピッタリ、ふふっ」

友・幼友「…」

部長「おいそこー。そろそろ休憩終われー」

男・友「はいっ!」

幼友「…」 

99 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:30:01 ID:6V6RHUzI
幼友「はぁ…」

幼「どうしたの、溜息なんかついて」

幼友「男君って格好良いし、良い人なんだけど…何て言うか…」

幼「何?」

幼友「ニブいよね」

幼「そ、そうなの?私良く知らないけど」

幼友「私、部活で結構喋りかけてるんだけどさぁ」 

100 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:31:15 ID:6V6RHUzI
幼友「なんかいつもふわふわっと返されちゃうんだよね」

幼「そ、そうなんだ」

幼友「それとも誰か好きな人が居るのかなぁ」

幼友「小学生の頃はどうだったの?」

幼友「やっぱり凄くモテたんでしょうね」

幼「私、知らない…男君ってモテてたのかな」

幼友「今は凄いよー」 

101 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:32:51 ID:6V6RHUzI
幼「そうなの?」

幼友「体育館で部活してたら目立つからねー」

幼友「1年の中でも一番動けるし」

幼友「女子バレーの連中とか、クリスマスパーティに誘ったらしいよ」

幼友「家族と過ごすからって断られたらしいけど」

幼「そ、そうなんだ」

幼友「来月のバレンタイン、凄い事になるんじゃないかなー」 

102 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:33:35 ID:6V6RHUzI
幼「…バレンタインかぁ」

幼友「私もあげるけどね!」

幼「幼友ちゃん、本気なの?」

幼友「まぁ、ダメ元で、ね」

幼友「幼は誰かにあげないの?」

幼「あ、あはは、私はそう言うのは…」

幼友「気になる人とか居ないの?」

幼「うん…居ない…かな」

幼(本当は1人、居るんだけど…) 

103 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:34:40 ID:6V6RHUzI
2月14日

女子バレー部員「男さん、これ、受け取って下さいっ」

男「あ、ありがとう」

女子バスケ部員「男君っ!これ、私の気持ち!」

男「ど、どうも…ありがとう」


友「部長、アレ、どう思います?」

部長「まぁ、アイツ格好良いからなぁ」

友「どうにかなれ!って思いません?」

幼友「僻み?みっともないわね、友」 

104 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:35:20 ID:6V6RHUzI
友「なんだよ、お前も男に渡すのか?」

幼友「まぁね。準備してきたし」

幼友「イチかバチかの賭けよ!」

友「分の悪い賭けだと思うがなぁ」

幼友「うっさい!」

友「ほれ、さっさと渡してこいよ」

幼友「もうちょっと落ち着いてから渡すわよ」 

105 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:35:54 ID:6V6RHUzI
部長「男ー!そろそろ練習始めるぞー!」

男「はーい!今行きまーす」

男「あの…皆さん、どうもありがとう」

男「必ずお返ししますから」

女子達「はいっ!練習頑張ってくださいっ!」

男「うんっ。それじゃ!」

幼友(あんなに沢山…) 

106 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:38:05 ID:6V6RHUzI
友「俺とお前の違いはなんだろうな」

男「そう言われても…」

幼友「顔じゃないの?」

友「顔…そんなに悪くねーと思うんだがなー」

友「俺、チョコ貰った事ねーし」

幼友「だから顔じゃないの?」

友「…」

幼友「ほら、ボヤいてんじゃないわよ…練習始まるわよ」

友「へいへい」 

107 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:38:47 ID:6V6RHUzI
幼友「あと…男君、これ、私からもチョコ」

男「どうもありがとう、幼友さん」

幼友「…おまけでアンタにも」
ポイッ

友「お?マジで?ありがとよ」
パシッ

友「イャッホー!初めて家族以外からチョコ貰ったぜー!」 

108 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:39:26 ID:6V6RHUzI
幼友「うっさい。ほら、さっさと練習始めなさいよ!」

男「やっぱり、2人は仲良しだなぁ」

友・幼友「仲良く無いっての!」

男「あはは、相変わらず息ぴったりだね」

友・幼友「…ぐ」 

109 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:40:08 ID:6V6RHUzI
幼(一応、チョコ準備して、体育館まで来てみたけど…)

幼(やっぱり駄目だ)

幼(あんなに沢山貰ってるし)

幼(今年もこのチョコは自分で食べよう…)

幼(はぁ…) 

110 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:41:11 ID:6V6RHUzI
中学2年生

幼(あ…男君と同じ組だ…)

幼(嬉しいけど、切ないなぁ…)

幼(また話しも出来ないで終わるんだろうなぁ)

幼(幼友も男君の事本当に好きみたいだし…)

幼(私、いつからこんなダメな感じなんだっけ…) 

111 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:41:42 ID:6V6RHUzI
幼友「男君ってさぁ」

男「ん?何?」

幼友「好きな人とか、居ないの?」

男「今は…居ないかなぁ」

男「強いて言うなら、バレーが恋人…的な?」

幼友「去年あれだけバレンタインにチョコ貰っておいて」

幼友「一人も良い人居なかったの?」 

112 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:42:54 ID:6V6RHUzI
男「うーん…本当に今はバレーするのが楽しくてね」

男「あんまり他の事、考えられないんだ」

幼友「私とか、どう?」

男「え?」

幼友「なーんてね。今のは冗談!」

男「ビックリしたー」

幼友「…でも、男君の事、好きって言う子、結構居るよ?」

男「うーん…俺、そう言うのあんまりわからなくて」 

113 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:43:39 ID:6V6RHUzI
男「小3の頃からずっとバレー頑張って来たから」

男「やっぱり今はバレー頑張りたいんだ」

男「俺、バカだから、2つの事一生懸命にはなれそうもないしね」

幼友「そっか。バレーが恋人か、ふふっ」

幼友「そう言う一途な所、見てる人は見てるもんだよ」

男「そんなもんかな?」

幼友「鈍感な男君は一生気付かないかもしれないけどねっ」

男「あはは、ひどいなぁ」 

114 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:45:08 ID:6V6RHUzI
幼友「…なんて会話がありましてね」

幼「そうなんだ」

幼友「はー…、私にはどうにもならないと悟ったわー」

幼「ど、ドンマイ?」

幼友「あぁ…私の運命の人はどこに居るのかしらね」

幼「案外近くに居るかもよ?」 

115 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:46:29 ID:6V6RHUzI
幼友「本当にそうなら、今すぐ出てきて欲しいわー」

ガラッ
キョロキョロ
友「おーい、幼友」

幼友「んー?何?」

友「悪い、歴史の教科書貸してくれ」

幼友「男君から借りれば?」

友「あいつ今いねーじゃん」

友「頼むよ!俺、今日当てられそうな気がするんだ」 

116 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:47:06 ID:6V6RHUzI
幼友「しょうがないわねー。落書きとかしないでよ?」
ガサゴソ
ポイッ

パシッ
友「助かった!サンキュ!」

幼友「今度ミスドおごりね」

友「…まぁ、金ある時にな」
タタタッ

幼「幼友と友君って仲良いよね」

幼友「そんなでもないけどね」 

117 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:47:55 ID:6V6RHUzI
幼友「家が隣り同士の幼馴染なのよ」

幼友「小学校の頃もずっと同じクラスだったしね」

幼友「まぁ、腐れ縁ってやつよ」

幼「…何か羨ましいなぁ」

幼友「そう?」

幼「案外、友君が、幼友の運命の人なのかもよ?」 

118 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:48:31 ID:6V6RHUzI
幼友「ちょっとー、冗談でもそんな事言わないでよ」

幼友「私はもっと格好良い人とお付き合いしたい!」

幼(贅沢だなぁ)

幼友「取り敢えず、男君の事は諦める事にする」

幼友「次の恋を探す!」

幼「が、頑張って!」 

119 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:49:26 ID:6V6RHUzI
2月14日

男「友ー、今日練習無しだって」

友「マジで?でもまぁ、たまには良いか…」

友「そんじゃ、帰りは久しぶりにゲーセンでも…」

後輩女「あ、あの、男先輩っ!」

男「は、はい?後輩女さん、俺に用事?」

後輩女「これ、バレンタインのチョコです!」

後輩女「受け取って下さいっ!」 

120 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:50:10 ID:6V6RHUzI
男「ありがとう、嬉しいよ」

友「…」

後輩女「そ、それじゃっ」
タタタッ

男「えへへ。チョコレートを貰ってしまった」

友「チッ…去年も沢山貰ってただろ?」

友「モッテモテで羨ましいですなぁ」

友「お返しで破産しろ!」 

121 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:50:47 ID:6V6RHUzI
先輩女「あ、あの、男君、ちょっと良いかな?」

男「あ、先輩女さん、お早うございます」

男「今日って3年生は登校日でしたっけ?」

先輩女「あ、あぁ。今日は普通の3年は休みだな」

男「何か用事でした?」

先輩女「べ、別に他意は無いのだけど」

先輩女「いつも部活で頑張っている君に…これを」
サッ 

122 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:52:12 ID:6V6RHUzI
先輩女「チョ、チョコレートだ」

男「は、はい」

先輩女「これからもバレー部の事を、よろしく頼む」

先輩女「これは先払いの報酬と思ってくれ」

男「ありがとうございます!先輩女さん」

先輩女「う、うん。それではな」
タタタッ 

123 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:52:49 ID:6V6RHUzI
友「…恋する乙女って感じだったな」

友「あの厳しかった先輩女さんが…」

男「そうかな?バレー部の仲間としてくれただけじゃないかな」

友「なら何で俺には無いんだよ!」

友「お前、そこまで行くとイヤミだぜ?」

男「あ、あの…何かゴメン」 

124 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:53:53 ID:6V6RHUzI
委員長「あの、男君、ちょっと良いかな?」

友「…またかよ」

男「うん?何?委員長さん。また何かお手伝い?」

委員長「そ、そうじゃなくてね」

委員長「いつも色々手伝ってもらってるから、これ」
サッ

委員長「お礼の気持ちをこめたチョコレート…」

委員長「受け取ってくれる?」

男「ありがとう、委員長さん」 

125 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:54:33 ID:6V6RHUzI
委員長「出来ればこれからも、その、お手伝いとか…」

男「いつでも声かけてよ。出来る事なら何でもするから」

委員長「うん、本当にいつもありがとうね」

委員長「そ、それじゃ」
タタタッ

友「ほら、これは最近流行りのアレだ」

男「何?」

友「リア充爆発しろってやつだ」

男「そう言われても困るんだけど」 

126 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:55:17 ID:6V6RHUzI
放課後

男「チョコ、またこんなにもらっちゃったなぁ」

友「自分のモテ度を誇示してる訳か?爆発しろよ」

男「そんな事無いよ」

友「まぁ、お前好きな人とかいなさそうだもんな」

友「ひょっとして、俺の事が好きとか?」

男「そんな趣味は無いよ」

幼(男君…今年もあんなに沢山チョコ貰って…) 

127 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:55:49 ID:6V6RHUzI
友「それにしても…そんなに沢山、食べきれるのか?」

男「うーん…甘いもの好きなんだけど…さすがに多いかなぁ」

友「俺が食ってやろうか?」

男「それは…」

友「いいだろ?家族からしかチョコ貰えない俺に」

友「少しでも幸せを分けてくれよ!」

幼(まさか、友君に分けるつもり!?) 

128 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:56:25 ID:6V6RHUzI
男「うーん、じゃあ何個か貰ってくれる?」

友「イェイ!じゃあ半分位くれっ!」

友「俺は三度の飯よりチョコが好きなんだ!」

幼「ちょっと待ちなさいよっ!」

男「え?な、何?幼さん」

幼「あんた今、友君にチョコわけようとしたでしょ!」

男「あぁ、うん。さすがにこんなに沢山は食べられないし…」 

129 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:57:06 ID:6V6RHUzI
幼「バレンタインのチョコなんだよ?」

幼「たとえ義理チョコでも!」

幼「その一つ一つに、女の子の気持ちがこめられてるんだよ?」

幼「それをアンタは他人に譲るって言うの?」

男「ご、ごめんなさい」

友「あの…幼さん、俺がくれって言ったからで…」

友「こいつは悪くないんだ」 

130 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:57:44 ID:6V6RHUzI
男「ごめんなさい、幼さん」

男「俺、このチョコくれた人の気持ち考えて無かったよ」

男「教えてくれて、どうもありがとう」

幼「…別に、解れば良いのよ、解れば」

男「このチョコ全部、食べてから帰るよ」

幼「なんで?」

男「家に持って帰ったら、妹や弟が欲しがると思うから」 

131 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:58:23 ID:6V6RHUzI
友「大変だなぁ…」

男「ウチの家族、皆甘いもの好きだからね」

友「んじゃ、俺、お茶でも買って来るぜ」

男「ありがとう、友」

友「ダッシュで行ってくるぜ!」
タタタッ

男「…それじゃ、一個目」
ガサガサ

男「手作りだ…」
パキッモグモグ 

132 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:58:57 ID:6V6RHUzI
幼「ちゃんと全員にお返ししなさいよ?」

男「う、うん…」
モグモグ

幼「そ、それだけあると、食べるの大変そうね」

男「まぁ、でも俺チョコ好きだし」
モグモグ 

133 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 18:59:32 ID:6V6RHUzI
幼「そうだよね、昔から…」

男「ん?何?」
モグモグ

幼「それじゃ、一個くらい増えても問題無いよね?」

男「え?」

幼「ほらっ」
ポイッ

男「おっと」
パシッ 

134 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:00:30 ID:6V6RHUzI
男「チロルチョコ?」

幼「バレンタインだから、私からもね」

男「あ、ありがとう」

幼「義理ですけどね」

男「あ…そういえばさ」

幼「何?」

男「小4の頃、こんな事あったよね」 

135 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:01:02 ID:6V6RHUzI
幼「お、覚えてるの?」

男「今、思い出した」

男「俺だけ誰からもチョコ貰えないーって言ったら」

男「幼さんがチロルチョコを三個くれたんだよね」

幼「…あの頃からは想像も出来ないわよね」

幼「アンタは今や校内一のモテ男だもんね」

男・幼「…」 

136 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:01:41 ID:6V6RHUzI
ガラッ
友「ふぃーお待たせー」

友「温かいお茶と冷たいココア、どっちがいい?」

男「それ、選ばせる気無いよね?」

幼「ふふっ」

男「…幼さん、ありがとうね」

幼「…別に。それじゃ、私帰るね」

男「うん、それじゃあ、また明日ね」 

137 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:02:17 ID:6V6RHUzI
幼「…今年は渡せたなぁ」

幼「チロルチョコでも、チョコはチョコだもんね」

幼「…もうこれで忘れよう」

幼「男君は小さい頃仲良しだった人」

幼「それ以上でもそれ以下でも無い…」

幼「今は只のクラスメイト」

幼「寂しいけど、仕方無いよね…」 

138 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:03:45 ID:6V6RHUzI
男「ちょっとチョコ食べ過ぎたかな…」

男「3日位に分けて食べれば良かった…」

男「このチロルだけ、明日食べよう」

男(チロルチョコかぁ)

男(あぁ、なんか、懐かしいな…)

男(昔、よく駄菓子屋で買ってたなー)

男(お返しにキャンディーを準備しよう)

男(駄菓子屋で…あ…そう言えば、幼さんの好きだった…) 

139 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:04:40 ID:6V6RHUzI
男(そう言えば小さい頃はよく公園で食べたなぁ)

男(俺がキャンディーを買って)

男(幼さんがチョコを買って)

男(それを交換して、食べて…)

男(…いつも2人で笑ってて)

男(仲良しで、ずっと一緒に…)

男(!) 

140 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:06:07 ID:6V6RHUzI
男(そうだ!俺、幼さんと…)

男(結婚の約束とかする位仲良しで…)

男(でも小学校に上がってから、組が別になって…)

男(幼さんに心配かけないように、色々頑張って…)

男(なのに、同じクラスになっても、殆ど話しもしてない…)

男(俺がバレー始めた理由だって…)

男(何でこんな大切な事、忘れちゃってたんだろう)

男(…)

男(気持ちのこもったチョコ…)

男(それなら俺も…気持ちを込めて…) 

141 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:06:39 ID:6V6RHUzI
3月13日

男「帰り道なのに全然寄らなくなったなぁ」

男「おばあちゃん、元気かな…」
ガラガラ

男「こんにちはー」

おばあちゃん「あら!男ちゃん!久しぶりねぇ!」

男「おばあちゃん、お久しぶりです」
ペコッ 

142 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:07:17 ID:6V6RHUzI
おばあちゃん「もうすっかりお兄ちゃんになっちゃって」

おばあちゃん「今、何年生になったんだい?」

男「今、中学2年です」

おばあちゃん「ずいぶんと背も伸びてー」

男「はい、幼稚園の頃と比べたら大きくなりましたよー」

おばあちゃん「ふふ…久しぶりに来てくれて嬉しいよ」

男「今日はちょっと欲しいものがあって…」

おばあちゃん「なんだい?」

男「すももキャンディー、ありますか?」 

143 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:08:10 ID:6V6RHUzI
3月14日

男「幼さん、これ」

幼「え?何これ」

男「ほら、先月チョコ貰ったから、お返しに」

幼「…あ、ありがと」

男「中身はクッキーが3枚だけどね」

幼「他の皆にはコンビニで買ったっぽいの配ってたじゃない」

幼「なんで私だけ、クッキー3枚なのよ」 

144 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:09:28 ID:6V6RHUzI
男「幼さんから貰ったのは、チロルチョコ1個だったからね」

男「3倍返しだよ、ふふっ」

幼「ぐっ…そうね。確かに3倍ね」

幼「まぁ良いわ。別に期待もしてなかったし」

幼「元々、偶然持ってたチョコを義理であげただけだし」
ガサガサ

幼「いただきまーす」
カリッモグモグ

幼「あ、このクッキー美味しい。何処のクッキー?」 

145 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:10:30 ID:6V6RHUzI
男「ふっふっふ、それ皆に配った、出来合いのクッキーじゃないよ」

男「特別、俺の手作りクッキーです」

幼「へぇ?男君って料理出来るんだ?」

男「実はお菓子だけは作れるんだよ」

男「普通の料理と違って、分量きっちり量って、レシピ通りにやれば」

男「ほとんど失敗もしないしね」

幼「凄く美味しいよ」
モグモグ 

146 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:11:07 ID:6V6RHUzI
男「それとね…」

幼「ん?まだ何かあるの?」

男「はい、これ」

幼「この包みは何?」

男「バレンタインのお返しその2だよ」

男「…どっちかって言うと、こっちが本命だったりして」

幼「ほ、本命って…」
ガサガサ 

147 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:11:39 ID:6V6RHUzI
幼「これ…これって私が昔好きだったすももキャンディー…」

幼「3個…」

男「3倍返しだしね」

男「駄菓子屋に行って買ってきたんだ」

幼「あ、あぁ…男君も行ったんだ」

男「おばあちゃんが、今度は2人で来なさいねーって」

幼「…」 

148 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:12:11 ID:6V6RHUzI
男「幼稚園の頃に…僕とした約束って覚えてる?」

幼「と、突然何?何の事?」

男「覚えて無い?」

幼「…」

男「ちょっと個人的な話しなんだけどさ」

男「実は俺、最近までその約束を忘れててね」

幼「ふ、ふーん」 

149 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:12:48 ID:6V6RHUzI
男「バレーやり始めたのも、最初は目標があったのに」

男「やってるうちにバレーが楽しくなっちゃって」

男「身体動かすのに夢中になっちゃって」

男「目標を完全に忘れちゃってたんだ」

男「本当に馬鹿だよね」

幼「目標?」 

150 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:13:37 ID:6V6RHUzI
男「ある人に心配かけたくない」

男「ある人に頑張ってる所を見て欲しい」

男「スポーツして、格好良くなりたい」

男「最初はそんな邪な気持ちだったんだよ」

幼「別に邪じゃないんじゃない?」

幼「誰かに見て欲しい、認めて欲しいって、普通でしょ?」

男「でも俺はその目標を忘れちゃってたんだ」 

151 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:15:13 ID:6V6RHUzI
幼「何で今、それを私に言うのよ」

男「バレンタインの夜、思い出したんだよ」

男「幼ちゃんが、言ってくれた言葉でね」

幼「わ、私、何か言ったっけ?」

幼(い、今、私の事、幼ちゃんって…)

幼(昔の呼び方で…)

男「義理でもチョコの一つ一つに気持ちがこもってるって」 

152 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:18:09 ID:6V6RHUzI
幼「そ、そんな事言ったっけ?」

幼「覚えてないし」

男「小4の時も、今年も…」

男「あのきなこ味のチロルチョコをくれたのは」

男「昔みたいに仲良くしたいって事なのかなって…」

男「そう言う気持ちを込めてくれたのかなって…」

男「だから…」 

153 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:19:15 ID:6V6RHUzI
幼(やめてよ…何を言うつもりよ…)

幼(変な期待しちゃうじゃない…)

男「俺、幼ちゃんの事が好きだって事、忘れちゃってた」

幼「!」

男「それを思い出させてくれて、ありがとう」

幼「あ、あれは義理だって言ったでしょ?」

男「でも、気持ちこもってたんだよね?」

幼「う…」 

154 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:19:50 ID:6V6RHUzI
幼「よ、幼稚園の頃の男君はぽっちゃりで」

幼「いっつも私の後ろに隠れてて」

幼「男子Aとかに無理やり野球やらされて」

幼「泣いたりしてたもんね」

男「あ、あはは…懐かしいね」

幼「そんなアンタが今や校内一のスポーツマンだもんね」

男・幼「…」 

155 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:20:38 ID:6V6RHUzI
幼「私が傍に居なくても…別に困らないもんね」

幼「だから昔の約束なんて無効だよ、無効」

幼「それこそ、子供の言った事だもんね」

幼「男君は何も気にしなくて良いよ」

男「そう言う訳にはいかないよ」

男「確かに結婚の約束は…まだ解らないけど」

男「俺が幼ちゃんの事好きだって言うのは、今の気持ちだからね」 

156 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:21:22 ID:6V6RHUzI
男「俺の事、嫌いなら嫌いって言って欲しい」

男「もしそうじゃないなら、まずは友達から…」

男「昔みたいに、2人で遊んで、話して、笑って…」

男「そうしたいんだけど…どうかな?」

幼「…ありがとう、男君」

男「え?ありがとう?」 

157 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:22:14 ID:6V6RHUzI
幼「バレンタインのお返しに」

幼「男君は、今、私が一番欲しい言葉をくれた」

幼「こんなに嬉しい事って無いよ」

幼「私、ずっと…ずっとね?」

幼「昔みたいに、男君と仲良くしたいって思ってたよ」

幼「だから、ありがとう、男君」

幼「これから、よろしくね」

幼「出来れば、ずっとずっと、ね?」

幼「大好きだよ、男君っ」 


158 : ◆L0dG93FE2w:2013/04/06(土) 19:23:43 ID:6V6RHUzI
大学2回生の2月14日

幼「またそんなにチョコ貰って…」

男「あ、あはは…サークルの皆から…ね」

幼「ちゃんとお返しはしなさいよ」

男「もちろんするよ」

幼「それじゃ、これも追加で」
ポンッ

男「ありがと。これが一番嬉しいよ、幼」

幼「今年も、お返し、期待してるわよ、男」

男「おばあちゃんの駄菓子屋で、交換ごっこ、ね?」

幼「うんっ!」


おわり