前回 あかり「最近ごらく部にいてもつまらない」 前編

206: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/02(月) 01:45:33.88 ID:55WnO7c+0



櫻子「え、えぇえええっ!? あかりちゃんと会長が!?」

綾乃「た、多分よ!? でもこの前のあんみつ屋さんの時、赤座さんの家に会長が泊まりに行ったらしいのよ」

向日葵「そ、それがなんでお付き合いしてるという事に?」

綾乃「その日からね、会長が何かそわそわしてるなぁって思ってたの。ほんのちょっとだけだけど。そうしたらこの前生徒会室でね…………」

西垣「キスしている2人を見てしまったと」

綾乃「そうです……って西垣先生!?」

西垣「呼ばれた気がしてな!」

綾乃「誰も呼んでませんけど……」

西垣「まぁとにかく、杉浦はその現場を見てしまったと」

綾乃「い、いえ! もしかしたら私の見間違いかもしれませんし! 赤座さんが会長の顔に顔を近づけてたところを見たくらいなので多分私の勘違い…………」

西垣「いや、2人は付き合っているぞ。キスもしたと言っていたな!」

綾乃「」

千歳「ほ、ほんまなんですか?」

西垣「ああ。最近は松本の惚気話が凄くてな。私の装置が爆発することも多くなったよ。これが本当の“リア充爆発した”という奴だな。ハッハッハ!」


千歳「………………」スチャ



ドバッ!!



千歳「」バタン

綾乃「ち、千歳ぇ!? しっかりしなさい!!」

千歳「」

綾乃「こ、このままじゃいけないわ!」

向日葵「ティッシュですわ! これで早く鼻を塞いでください」

櫻子「メガネはそこにありますんで踏まないように気をつけて下さい!!」

綾乃「わかったわ! 千歳しっかりして!」

向日葵「な、何か言ってますわ!」

千歳「ひ、ひさびさの……豊作…やでぇ………………ガクッ」

引用元: あかり「最近ごらく部にいてもつまらない」 

 

ゆるゆり さん☆ハイ! 第1巻 [Blu-ray]
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207: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/02(月) 01:50:16.10 ID:55WnO7c+0
綾乃「千歳ぇ!! こ、こうなったら保健室へ運ばないと! 」

櫻子「わ、分かりました! 向日葵手伝え!」

向日葵「アンダスタン!」

綾乃「そ、そこの2人も手伝って………いない!!」

西垣「2人なら池田が鼻血を撒き散らす前に走って出て行ったぞ」

綾乃「そんなぁ!!」

向日葵「は、早く鼻に詰め物をしないと!! このままでは出血多量で命が危ないですわ!」

櫻子「でもポケットティッシュがもう一つしかないよ! これじゃ足りないよ!!」

綾乃「ああもう! いまから持ってきたんじゃ間に合わないわ!!」

西垣「ふふふ、私の出番だな!これを見ろ!!」ドーン

綾乃「な、なんですかこれは!? なんかすごい複雑そうな機械ですけれど!」

西垣「ふふふ、これは同一物製造マシーンだ! まだ試作品だから大したものはコピーできないがティッシュの箱くらいなら平気だろう。それ!!」



ビビビビーッ!!


ボンッ!


ポケットティッシュ × 2


櫻子「す、凄い!? ティッシュの箱に光線が当たったと思ったら二つになった!!」

向日葵「な、中身も全く同じですわ!! これなら鼻血が止められますわよ!!」

綾乃「な、な、な………………」ガクガク

西垣「ふふふ、成功だ! どうだ驚いたか!」

綾乃「驚くもなにもないですよ!! これどんな手品なんですか!?」

西垣「科学だとも!」

綾乃「科学の範疇を軽く超えてますよ!! もはやSFです!!」

西垣「SRだとも。Science Fiction ではなくScience REALだ!」

綾乃「そ、そんな馬鹿な………………」

櫻子「この際どっちでもいいです! これで池田先輩は安泰です!」



ヴ……ヴヴヴ…………



櫻子「へ?」

向日葵「あ…………」

綾乃「ま、まさか…………」

西垣「ふっふふふ…………」








西垣「芸術は爆発だ!!」

208: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/02(月) 01:54:27.38 ID:55WnO7c+0

ー赤座家玄関前ー



京子「ぜぇ、ぜえ……ま、まさかあかりが…………」

結衣「い、いやまだ決まったわけじゃない。綾乃の勘違いという可能性も……!」

京子「いやでも! もしかしたらもしかする可能性も……………って、あれちなつちゃんじゃない!?」

結衣「本当だ! ちなつちゃんもあかりのお見舞いかな? おーい、ちなつちゃん!」

ちなつ「あ、結衣先輩。それと京子先輩……」

京子「どうしたのちなつちゃん、なんか元気がないけれど?」

ちなつ「お二人はいつも通りの元気が戻って来ましたね……」

結衣「う、うん。いろいろあってね。ちなつちゃんには心配かけちゃってごめんね」

京子「私たちがいつまでも腑抜けてちゃダメだもんね。これからは私たちも出来るだけ頑張ってみるよ」

ちなつ「…………はい。でももう手遅れかも」

結衣「え?」

ちなつ「いや、それがですね………生徒会長が…」

京子「会長!? ま、まさか……綾乃が言ってたこと…」

ちなつ「恐らくはそのまさかですよ京子先輩。あの2人デキてます。ガチな方で。私見ちゃいましたから!」

結衣「み、見たって……!」

ちなつ「さっきお見舞いに家に上がらせてもらって、あかりちゃんの部屋に行ったんです。そしたら……生徒会長とあかりちゃんが…………」

京子「トランプしてたの?」

ちなつ「そうじゃありませんよ! キスですキス!!」

209: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/02(月) 01:59:45.95 ID:55WnO7c+0

結衣「はぅ…………」カアァァ

京子「あ、あかりが……ちゅうして……たの?」

ちなつ「その前もあ~んとか恋人同士の熱い抱擁、見つめ合い、そしてどちらからともなくキス! ま、まさかあかりちゃんが……!!」ガクガク

京子「…………………………」

結衣「…………………………」

ちなつ「せ、先輩?」

京子「そ、想像できない………あのあかりが……?」

結衣「私たちはあかりの事を小さい頃からずっと知ってるから…………とても想像できない」

ちなつ「で、でもっ……!」



ガチャ




結衣「っ!! 隠れろ京子!ちなつちゃんも!!」グイッ

京子「あわっ!?」

ちなつ(結衣先輩に腕つかまれちゃった♪)

ちなつ(ってそんなこと考えてる場合じゃない!!)

210: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/02(月) 02:01:16.05 ID:55WnO7c+0


あかり「本当にありがとう、りせちゃん。おかげでもうバッチリだよぉ」

りせ「……………」コクコク

あかり「えへへ、でもごめんね。わざわざあかりの家までお見舞いに来てくれちゃって」

りせ「…………」フルフル

あかり「ううん、本当に嬉しかったんだぁ。あかり、りせちゃんの事大好きだよ」

りせ「…………」カアァァ

あかり「え、えへへ。そんなこと言われちゃうと照れちゃうよぉ」




京子「あかりの奴会長と会話してるよ!」ボソッ

結衣「なんで言ってる事が分かるんだ!?」ボソッ

ちなつ「存在感が薄い人同士で波長が合ったんじゃないかって向日葵ちゃんが言ってました」ボソッ

京子「お、おっぱいちゃん……」ボソッ

結衣「以外と黒いこと言うね」ボソッ

京子「で、でもさ! やっぱりあの様子を見るとただのお見舞いみたいじゃない?」ボソッ

結衣「そ、そうみたいだ。生徒会の部下のお見舞いに来た会長って感じじゃない?」

ちなつ「で、でもさっき見たんです! 2人がキスしてるところを! 信じてください!」

結衣「シィー 静かに」ボソッ

京子「多分見間違いだよ。ちなつちゃんって思い込み激しいから~ アハハ」

ちなつ「そんなはずは……」

結衣「だってほら見てご覧。あの様子は恋人って感じじゃ」





りせ「……………」
あかり「……………」


ちゅっ






結衣「」
京子「」
あかね「」

220: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 22:55:46.71 ID:M4xGCWnK0

ちなつ「ほら、やっぱ……え?」


あかね「」





ちなつ「りぃぃぃぃ!!?」

221: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 22:56:57.08 ID:M4xGCWnK0



京子「ひいっ!?」

結衣「あ、あかねさん!!」

あかね「」

ちなつ「ま、まずいわこれは…………」ガクガク

京子「ひ、ひとまずここは」

結衣「お、お先に失礼しま……」

あかね「」ガシッ!

結衣「うわっ!?」

ちなつ「ゆ、結衣先輩!! は、早く逃げ……っ!」

あかね「誰? あの子は?」ゴゴゴゴゴ

京子「ひいっ!?」

あかね「誰・な・の? あかりの唇を奪ったあの娘は。だれもしらないの?」ゴゴゴゴゴ

結衣「い、いやその! あ、あれは…………」

京子「う、うちの学校の……生徒会長…………です」

あかね「ふぅん、そうなの。生徒会長があかりにねぇ…………」サッ

結衣「!」

あかね「………………」コツコツ






ちなつ「結衣先輩、無事ですか!?」

結衣「べ、別に平気だって。そこまで強く掴まれてた訳じゃないし」

京子「し、死んだかと思った…………」

結衣「大袈裟な」

京子・ちなつ(全然大袈裟じゃない!!)

ちなつ「このままじゃ会長さんが危なくないですか!?」

京子「そ、そうだよ!! 八つ裂きにされてもおかしくない!!」ガクガク

結衣「そんな馬鹿な……」ハァ

ちなつ「あっ! 見てください!!」




あかね「」クイッ

あかり「」ニコニコ

りせ「」ペコリ




京子「ああ!! 遠くて何言ってるか分からないけれど、会長が再びあかりの家にぃ!!」

222: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 22:59:54.72 ID:M4xGCWnK0

ちなつ「だ、大丈夫! あかりちゃんがいます! あかりちゃんがいれば流石のあかねさんも何もしないはず!」

京子「そんなのどうとでもなるよ! あかねさんが一言部屋に戻ってなさいと言えばあかりはそれに従うだろうし!! もうどうしょうもない!!」グスッ

ちなつ「そ、そんなっ!! 会長~」グスッ

結衣(この2人大丈夫か?)




ガチャ




結衣「誰か出て来るぞ?」

ちなつ「なっ!? は、早い!!」

京子「血塗れのあかねさんじゃないの?」

結衣「お前はあかねさんをどうしたいんだ!」

ちなつ「逆に血にまみれた会長さんという可能性も!」

京子「うぅ…………い、一体」

ちなつ「生き残ったのは………………」







結衣「え?」
ちなつ「は?」
京子「ふぇ?」







松本りせ

装備品

頭 : くまさんぱんつ
右手: あかり抱き枕(着ぐるみパジャマver)
左手 : 分厚いアルバム






結衣「」
京子「」
ちなつ「」

223: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:04:15.71 ID:M4xGCWnK0



あかね「」フラフラ


結衣「あ、あかねさん!?」

あかね「ま、負けたわ…………」

ちなつ「へ?」

あかね「負けたわ……うふふふ………………」フラフラ

京子「ちょ、ちょっと!!」

あかね「ごめんなさいみんな。今日は帰ってもらってもいいかしら………………気持ちの整理をしたいから」

ちなつ「は、はい…………」

あかね「うふふふ……うふふふふ………………」フラフラ


224: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:08:50.95 ID:M4xGCWnK0

ー帰り道ー



京子「ねぇ、結衣」

結衣「なんだよ、京子」

京子「さっきのさ、その……ちゅーしてるあかり、見てどう思った」

結衣「…………………京子は?」

京子「質問に質問で返すなよ~」

結衣「うん、ごめん」

京子「もう」

結衣「…………なんかさ、すごい恥ずかしい…のかな…よくわからない」

京子「うん、私もだよ。なんか、昔のあかりを思い出すと身を捩りたくなるくらい恥ずかしい感じがする」

結衣「でも恥ずかしいとはちょっと違う気がするんだよなぁ」

京子「うん。なんなんだろねこの気持ち」

ちなつ「多分それは背徳感なんじゃないですかね……」

結衣「背徳感?」

ちなつ「幼馴染の見てはいけない一面を見てしまった事に対する背徳感。小さく無垢だった女の子が大人の女性になった瞬間を見てしまった事に対する……嫌悪感でもなく罪悪感でもない。背徳感」

京子「……………………」

ちなつ「背徳感の使い方が合ってるかどうかは分かりませんけれど、先輩方の感情を表すのはこれが一番近いと思います。私だってもしもお姉ちゃんがって考えると…………」

結衣「背徳感、か…………」

京子「なるほど。確かにそれが一番近いのかもしれない…………」

225: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:13:50.25 ID:M4xGCWnK0

結衣「なぁ、京子」

京子「なに、結衣」

結衣「あかりさ、今すっごく幸せそうだよね」

京子「うん。良い友達に恵まれて、良い先輩にも恵まれて」

結衣「そして恋人まで出来た」

京子「私さ、あのとき泣いちゃったけれど……」

結衣「ん?」

京子「今なら笑って言えるよ。あかりをごらく部から生徒会に行かせて良かったって。心の底から!」

結衣「…………そうだな。あかりにとって本当に必要なものが今は揃ってる」

京子「私みたいにあかりを虐める先輩はいないし」

結衣「私みたいにあかりを無自覚で不快にさせてしまう人もいない」

京子「綾乃も千歳も、心の底からあかりのことを大切に思ってくれてる。それこそ私たち以上に。でなきゃあんなに怒らないもんな」

結衣「大室さんや古谷さんもね。それにちなつちゃんも」

ちなつ「わ、私ですか!?」

結衣「うん。今日だってあかりの為に色々してくれたんでしょ?」

ちなつ「でも結果は空回りしちゃって……」

京子「それでもだよ。あかりの為を思って行動したんだもの。私たちは自分のことしか考えてなかった」

ちなつ「ち、違います! 私だって自分のことしか考えて…………!」

結衣「それでも、私たちよりは全然立派だよ」

ちなつ「そんなっ! そんなこと言わないでください!!」

京子「ううん。分かったんだよちなつちゃん」

ちなつ「分かったって……何がですか!!」

京子「あかりにとって私は」

結衣「あかりにとって私は」





“もはや必要のない人間なんだって事が”

226: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:17:24.60 ID:M4xGCWnK0

その後のことは朧げにしか覚えていない

でも確かなことは、ちなつちゃんが泣きながら去っていった事

そして私たち2人が今後あかりに極力関わらない事を決めた事

この2つくらいだ

もうあかりは私たちを必要としていないしそして私たちもあかりを必要としなくなった

後者に関しては間違いなく強がりだけれどもそれでもいい

今後はこの事に触れずに2人でまた1年前のようにやって行こう

今後はもうこの事で泣くのはよそうと決めた

だからその日の夜だけは涙が枯れるまで泣いた

翌朝に会ったとき向こうも目が真っ赤だった

多分私と同じように泣きつかれるまで泣いたんだと思う

その日の放課後にちなつちゃんのいない部室で2人で話し合った

その結果2人であかりに手紙を書く事になった

内容は掻い摘むとこうだ



今まで私たちに付き合ってくれてありがとう

いままで辛い思いをさせてごめんなさい

あかりが私たちを嫌いになるような態度をとってしまってごめんなさい

もうあかりは私たちに縛られることもない

私たちなんかよりも素晴らしい人たちに囲まれて楽しい学園生活を送って下さい

今後はもう私たちは一切あかりに関わりません

あかりはこのまま生徒会で楽しく充実した日を過ごしてください

いままでありがとう

私たちはあかりの事が大好きだよ




私たちは当然あかりに嫌われている

だからあかりもこの手紙を読んで喜んで私たちと縁を切ってくれると思ってた

そしてら手紙を出した当日にあかりが部室へとやって来た

その後ろからは慌ててついてきたと思われる綾乃と千歳と会長がいた

227: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:21:20.08 ID:M4xGCWnK0

あかり「ねぇ京子ちゃん! 結衣ちゃん! この手紙どういうこと!!」

京子「どういうことってその手紙の通りだよ、あかり」ニコッ

結衣「そうだよ」

あかり「そんなっ……! どうしてもうあかりと関わらないようにするなんて書いたのぉ…………」

京子「それがあかりの為だからだよ」

結衣「そう。あかりは私たちみたいな最低な人間と一緒にいちゃいけないんだ」

あかり「そんなこと言わないで!! 京子ちゃんも結衣ちゃんもあかりの大切な人なの!! 最低な人間だなんて言わないで!!」

千歳「そうやで! うちらもあんな風に怒っちゃったけれども、こんな事をして欲しくて怒ったんやない!」

綾乃「2人とも赤座さんの事を大切に思ってるって私たちは知ってるわよ! だからこんな手紙を出したんでしょう! 完全に空回りしてるわよ!」

千歳「せやで! 今からでも遅くない! 赤座さんの気持ちを汲み取ってあげな!」

結衣「無自覚にあかりの事を傷付けた私がか?」ニコッ

あかり「っ!!」

千歳「ぁ……」

綾乃「そ、それは…………」

京子「いつもあかりの事を虐めて、最終的にあかりから嫌われた私が?」

あかり「そ、そんなことないよぉ! あかりは京子ちゃんも結衣ちゃんも大好きだもん!」

京子「それならなんでごらく部を辞めたんだよ、あかり」ニコッ

あかり「ッ!! そ、それは…………」

結衣「無理しなくていいんだよあかり。あかりは優しいからね、私たちにどうしても気を使っちゃうんだろ?」

京子「遠慮なく言っていいんだよ。あかりは京子ちゃんと結衣ちゃんが大嫌い! ってさ」

あかり「ち、違う………そんな…………違っ………………」プルプル

京子「ほら、無理するなってば。私たちももう踏ん切りがついてるんだから」

結衣「あかりももう自分の考えを押し殺してまでいい子でいる必要はないんだって」

あかり「そ、そうじゃないよぉ…… だってあかりは…………京子ちゃんと結衣ちゃんとちなつちゃんに嫌われてるって勘違いしちゃって……それでぇ…………」

あかり「あかりが勝手に思い込んで落ち込んで……全部全部あかりが悪いんだよぉ……!!」

あかり「あかりは2人に大好きって思われてて本当に嬉しかったんだよ! だから今日は謝りに来たの!」

あかり「あかりの勝手な思い込みで2人の事を嫌っちゃってごめんなさい! あかりも2人の事が大好きなんだもん!」


228: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:24:20.96 ID:M4xGCWnK0


あぁこれだ

あかりは自分を悪者にする天才だ

今回のように100%自分に非がない状況でもこのように謝る事ができる

普通の人間ならこんなことはできないだろう

他ならぬあかりだから出来ることなんだ

こうなってしまうとあかりはとても頑固だ

到底このままでは縁を切ることはできないだろう

目配せをすると向こうも同じ事を考えていたらしい

だから私たちはお互いにしか分からないくらいに小さく頷いて

そして最後までしたくなかった最低な行為をする事を決断した


229: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:26:57.63 ID:M4xGCWnK0

京子「はぁ、面倒臭いなぁ。せっかく波風立たないように手紙を出してあげたのに」

あかり「………………え」

綾乃「と、歳納京子?」

結衣「本当になんでこうなるんだか。あかりは本当に馬鹿だな」

千歳「船見さんまで………」

あかり「京子ちゃん……? 結衣ちゃん……?」ビクッ

京子「これは最後まで言いたくなかったんだよ。いったら多分あかりの事を傷付けちゃうから」

結衣「でもここまで来たらもう言うしかないな。はぁ……」

あかり「ふ、2人とも一体どうしたの…………」




京子・結衣「私達、あかりの事が大嫌いだから」



あかり「………………え?」

綾乃「なっ!?」

千歳「っ!」


京子「だってあかりってさ、何も特徴がないじゃん。正直言っていてもいなくてもどうでもいい存在だし」

結衣「むしろいたらいたで邪魔だもんな。目障りだし」

京子「大して面白い話もできないし、会話を振ってあげたら振ってあげたで特に話も続かないし」

結衣「昔から幼馴染のよしみで付き合ってあげてたら図に乗って先輩の私たちをちゃん付けするしさ。失礼にもほどがある」

京子「まさかあかりは私達が好き好んで遊んでたと思ってた? そんなのは小学校の頃までだよ。中学に入ってからは完全に仕方なく、だったんだよ」

結衣「それを自覚してごらく部を辞めてくれたと思ったらそうじゃなかったのか。本当に呆れちゃうよ」

京子「なにが京子ちゃんも結衣ちゃんも大好き、だよ。気持ち悪くて吐きそうになる」

結衣「本当だよ。せっかくあかりがいなくなって平和が戻って来てたのにさ。まさかこのまま戻ってくるつもりだったの? こっちの迷惑も考えて欲しいよ」

あかり「い、嫌だよ……や、やめ………………」

京子「何度でも行ってあげるよ」

あかり「やめて! お願いだからやめてよぉ!!」

結衣「私たちはあかりの事が」






“世界で一番大嫌いだ”

230: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/04(水) 23:29:21.23 ID:M4xGCWnK0


そこまで言った途端急に視界が真っ白になった

その理由が後ろに控えていた綾乃と千歳のビンタによるものだと気付くのにそう時間はいらなかった

普段なら恐らく泣いていただろうけれどあいにく私たちはもう泣かないと決めてある

だから私達は涙の代わりに笑みを零した

それが気に食わなかったのか2人はまたしても手を振りかぶる

けれどもその手が振り下ろされることはなかった

松本会長の腕の中で泣き噦るあかり

泣き噦りながらも必死に綾乃と千歳を抑えていたから

ビンタするのを止めてくださいと

悪いのは全て自分だからと

私が2人に嫌われるような事をしてしまったからだと

綾乃達はまだ収まらない様子だったけど取り敢えずは手を下ろした

そしてあかりと共にそのまま部室から出て行った

出て生きざまに見せた怒りにまみれた瞳がよく印象に残っている

それと対照に悲しみに満ちた松本会長の瞳もよく印象に残っている

4人が出て行った後に私たちは顔を見合わせて共に微笑んだ

これであかりはもう私たちと関わらないようにするだろう

あかりはもう私たちと縁を切って生徒会で充実した毎日を過ごせるだろう

それが嬉しくてしょうがなかった

そしてそのようにあかりを導けた事を私たちは誇りに思う



それからしばらくしてあかりと会長の事が学校中に知れ渡った

有能な会長とその恋人兼優秀な部下というカップルは瞬く間に生徒の話題の中心となり

全員が全員2人を祝福した

元々クラスで根強い人気があったあかりはその人気を他のクラス

遂には他の学年までに伸ばしていき

ファンクラブと言っては大げさかもしれないけれどとにかくそういう物まで出来たようだった

こうしてみるとやはりあかりは私たちといてはいけないんだなって再認識できる

綾乃と千歳もあかりの事を誇りに思っているようでクラスでよくその話をしている

もちろんその相手は私たちではなく他のクラスメイト達だ

最初の頃は私たちが全く会話をしなくなったことに違和感を覚えていた人もいたみたいだったけれども

やがてそれが日常となってしまった

そして私たちは今日も2人でごらく部にいる

238: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/05(木) 01:44:27.19 ID:rndle7uv0
それからしばらくしてあかりと会長の事が学校中に知れ渡った

有能な会長とその恋人兼優秀な部下というカップルは瞬く間に生徒の話題の中心となり

全員が全員2人を祝福した

元々クラスで根強い人気があったあかりはその人気を他のクラス

遂には他の学年までに伸ばしていき

ファンクラブと言っては大げさかもしれないけれどとにかくそういう物まで出来たようだった

こうしてみるとやはりあかりは私たちといてはいけないんだなって再認識できる

綾乃と千歳もあかりの事を誇りに思っているようでクラスでよくその話をしている

もちろんその相手は私たちではなく他のクラスメイト達だ

最初の頃は私たちが全く会話をしなくなったことに違和感を覚えていた人もいたみたいだったけれども

やがてそれが日常となってしまった

そして私たちは今日も2人でごらく部にいる










そして時は流れ11月

生徒会選挙が近づいてきた

249: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:06:54.58 ID:pcfybSwD0
ー生徒会室ー



あかり「そ、それじゃあ2人は本当に立候補しないの!?」

向日葵「ええ。そう決めましたの」

櫻子「うんうん」

あかり「べ、別にあかりが副会長に立候補することになったからって遠慮しなくても……」

向日葵「いいえ、そうではありません赤座さん。私たちは赤座さんに遠慮なんてしてませんわ」

あかり「それじゃあなんで……」

櫻子「いやぁ~ だって勝ち目ないでしょ。あかりちゃん相手じゃ」

あかり「そんな事ないよぉ!」オロオロ

綾乃「大室さん。それじゃあ貴女は赤座さんに勝てそうもないから立候補するのをやめるってことなの?」

向日葵「あ、すみません杉浦先輩。そうではありません」

綾乃「それじゃあどうして……?」

向日葵「私が生徒会副会長になりたかったのは、この学校をより良いものにしたかったからです。それが私の目的でした」

綾乃「だったら尚更立候補するべきじゃないのかしら?」

250: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:16:16.05 ID:pcfybSwD0
向日葵「ずっと赤座さんと一緒に仕事をしてきたから分かります。悔しいですが赤座さんの生徒会としての能力は私よりも遥かに卓越しています。櫻子とは比べるのが烏滸がましいくらいに」

櫻子「お、おこ……? なんだって?」

向日葵「更に1年から3年の先輩方まで、殆どの方に赤座さんは愛されています。副会長になる為にはそのような人望も必要だと私は思いました」

あかり「向日葵ちゃん褒めすぎだよぉ!」カアァァ

りせ「………………!!」クワッ

櫻子「会長はなんだって?」

あかり「え、えと…………はぅ……」カアァァ

綾乃(多分赤座さんが愛されてる、の部分に反応してるんでしょうね。一番愛してるのは私だって言ってるみたい)

向日葵「それに私の目的である学校をより良いものにする、という事を実現する為にはなにも私が副会長になる必要はないと思いましたの。赤座さんをサポートするという方法もあるのかな、と」

あかり「そ、そんなこと………」

向日葵「私が副会長になって赤座さんにサポートしてもらうよりもその方が学校の為になる。私はそう確信しました。だからこそわたしは胸を張って副会長の座を赤座さんに譲ることが出来ます」

櫻子「ただでさえ張ってる胸を更に張ると申すかこの巨乳オバケ」ボソッ

向日葵「黙りなさい」バシッ

櫻子「ぎゃふぇ!!」

あかり「さ、櫻子ちゃんしっかりしてぇ!!」

251: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:20:12.42 ID:pcfybSwD0
綾乃「で、でも……古谷さんはあんなに副会長になりがってたのに………………」

千歳「ええんちゃう?」

綾乃「千歳……」

千歳「古谷さんはうちと同じ決断をしたんやね」

向日葵「はい、そうですわ。池田先輩のようになりたいと思ってますの」

千歳「あははは~照れるで古谷さん」

綾乃「大室さんは? 念願の副会長にならなくていいの!?」

櫻子「私ですか? ええ、大丈夫ですとも!」

綾乃「そんなあっさり!?」ガーン

櫻子「だって私が福会長になりたかったのって元々は向日葵に対抗してたからですから。向日葵がいいなら私もいいんです。もぐし! うめぇ!」

綾乃「そんな簡単に……って! それ私のプリンじゃないのぉ!!」

櫻子「いただいてます! 流石は杉浦先輩です! こんなに美味しいプリンを買ってくるなんて!」

りせ「…………」モグモグ

綾乃「会長までぇ!! 私のプリンがぁ……」

向日葵「うふふふ、全く櫻子ったら」

綾乃「笑い事じゃないわよぉ!」

千歳「ところで赤座さんは選挙の時の応援演説は誰に頼むん?」

向日葵・櫻子「それはもちろん私が………って、え?」

あかり「え?」

252: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:29:13.48 ID:pcfybSwD0
向日葵「バカなこと言うのはよしなさいな。貴女に演説の文章を考えるなんて無理でしょうに」ハァ

櫻子「そういうそっちだって! 舞台に立った途端に緊張で一言も喋れなくなるに決まってる!」

向日葵「そ、そんなことはありませんわよ!」

櫻子「ふん、どーだか!」

あかり「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いてよぉ」

櫻子「あかりちゃんはどっちに応援演説してほしいの!」

向日葵「もちろん私ですわよね赤座さん! 生徒会の同級生で一番仲がいいのは私達ですもの!」

櫻子「ぬぁ~にが仲がいいだ! 仲が良かったらあかりちゃんの事を赤座さんだなんて呼ぶわけないじゃんか!」

向日葵「私は親しみと尊敬を込めて色々な方をさん付けで呼んでいるの。同級生では貴女だけですわよ、私が尊敬も親しみも込めてないのは」

櫻子「バカにしてんのかぁ!」

向日葵「櫻子をバカにしてなにがいけないの!」

櫻子「このばかっぱい!!」

向日葵「お黙りなさい!!」

櫻子・向日葵「ぐぬぬぬぬぬぬ~~!!」

あかり「あ、あの!えと! ………杉浦先輩!」チラッ

綾乃「………………………私の演説は任せたわよ千歳」

千歳「任しといて!」

あかり(見捨てられたよぉ!!)ガーン

253: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:37:11.93 ID:pcfybSwD0
りせ「…………………………」クイックイッ

あかり「どうしたのりせちゃん?」

りせ「……………!」フンスッ

あかり「あ、その……えっと……………ゴメンナサイ」ペコリ

りせ「」ガーン

綾乃(まぁ会長じゃ演説する以前の問題だものね)

向日葵「くっ! こうなったらどちらがより素晴らしい文章を書けるか勝負ですわ!!」

櫻子「おおー乗ったとも!! 私の白菜な部分を見せてやる!!」

綾乃(白菜?)チラッ

千歳(多分博識と秀才が混ざったんやろなぁ……どの道“博才”だと賭け事の才能って意味になってまうねんけどな)チラッ

櫻子「よっしゃ! あかりちゃん今日泊まりに来て!! 私の文才を見せてあげるから!」

あかり「え? べ、別にいいけれど……」

向日葵「いえ! 今日は私の家に泊まりに来てくださいな! 私もあまり文才はありませんが、それでも櫻子なんかよりは数十倍はマシな文章に仕上げて見せますわ!」

あかり「いや、その…………あのっ……」

櫻子・向日葵「あかりちゃんの応援演説の座をかけて勝負!!」

あかり「」ポカーン

綾乃(別に演説する人は2人でもいいのだけれども)

千歳(もう言い出せる雰囲気じゃないから黙っとこうなぁ)

りせ「……………」ウルウル

254: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:45:53.14 ID:pcfybSwD0
ー教室ー


ちなつ(はぁ、あれからというもののまったくごらく部に顔出してないなぁ………)

ちなつ(でも京子先輩も結衣先輩も2人だけで楽しくやってるみたいだし……今更私が行っても居づらいだけだもんなぁ……このまま喧嘩別れしちゃうのかなぁ)

ちなつ(…………………………帰ろ)



ガラララ!



「すみません、この教室に吉川さんって方はいますか?」

ちなつ「え、あっ……はい? な、何のようですか?」

「あなたが吉川さん?」

ちなつ「は、はい……」

ちなつ(誰だろこの人? 学年違うよね?)

「あぁ、ごめん。私は3年の者なんだけれども、少しお話ししても良いかしら?」

ちなつ「さ、3年生!? 先輩でしたか!」

「いいわよ、そんなに気を使わないでも。急に押しかけちゃったこっちが悪いんだし」

ちなつ「は、はぁ……」

「それでどう? 少し時間をもらっても良いかしら?」

ちなつ「わ、分かりました」

ちなつ(一体何の用事だろ? こんな人まったく知らないのに)

「実はね、私の姉が吉川ともこさんという人とお友達でね」

ちなつ「私の姉とですか?」

「そうなの。やっぱりあなたのお姉さんだったのね!」

ちなつ「は、はい……」

「それでね、その繋がりから貴女の事を聞いて勧誘に来たの!」

ちなつ「か、勧誘……ですか?」

「えぇ! 吉川さん、貴女ーーーーーー」







ちなつ「……………え?」

255: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:51:21.94 ID:pcfybSwD0
ー大室家ー



あかり「と、いうことがあって…………」

撫子「それで2人ともあんな形相で原稿用紙と睨めっこしてるのか」

花子「櫻子のくせにいつになく真剣な表情だし」

櫻子「………………」カリカリ

向日葵「………………」カリカリ

花子「今日の食事当番は櫻子だから早く終わらせてくれないと困るし」

あかり「あ、それならあかりが変わってあげたんだ。だから今日はあかりが作るよ!」

花子「え? 大丈夫なの?」

あかり「今日も泊めてもらうんだもん。このくらいの恩返しはさせてよぉ」

花子「いや、そうじゃなくて。ちゃんと食べれる物作れるのか心配だし」

あかり「そっちなのぉ!?」ガーン

花子「うっかりしてお団子を鍋に落としちゃうとか、塩と胡椒を間違えるとかしそうだし」

あかり「このお団子は着脱式じゃないよぉ! それにお塩と胡椒って……お塩とお砂糖ですらないのぉ!?」

花子「お鍋とか爆発しない?」

あかり「そんなの現実ではありえないよぉ!! もう花子ちゃん、あかりのことバカにしてるでしょ!」プンプン

花子「ちゃんと作ってくれるし?」

あかり「もちろんだよ!」

花子「それはそれで詰まらないし」

あかり「花子ちゃんはあかりになにを求めてるの!?」

花子「面白い失敗と安全な食事だし!」

あかり「それは絶対に両立できないよねぇ!?」

花子「是非とも頑張って欲しいし!」キラキラ

あかり「無理だよぉ!」

256: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 14:58:29.40 ID:pcfybSwD0
撫子「こら、花子。あまりあかりちゃんを困らすんじゃないよ。ごめんねあかりちゃん」

あかり「い、いえ! 全然平気です。それにむしろ楽しいです!」

花子「!!」パァァ

撫子「そう言ってもらえると助かるよ。花子もね、最近は暇さえあればあかりちゃんの話をしてるもんだからさ」

花子「ちょ、撫子お姉ちゃん! それは言わない約束だし!!」

撫子「ふふふ、だってもう1人姉妹が出来たみたいだってすっごく喜んでたから」

あかり「えへへへ」

撫子「妹が出来たみたいだって」

あかり「あかりお姉ちゃんじゃなくて妹なのぉ!?」ガーン

花子「ふふん、花子の方がお姉ちゃんだし。あかりお姉さんはお姉さんという敬称のついた花子の妹だし」

撫子「ついでに私の妹でもある」

あかり「一気にお姉ちゃんが3人になっちゃったよぉ!?」

花子「ひま姉もいるから4人体制だし。完璧だし!」

あかり「さ、櫻子ちゃんはどうなっちゃうの!?」

花子「とりあえずペットにしとくし」

あかり「人間ですらないよぉ!?」

257: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 15:05:20.23 ID:pcfybSwD0
櫻子「おいこら花子! うっさいから静かにしてろってば!」

あかり「ごめんね櫻子ちゃん。あかりの為に書いてくれてるのに邪魔しちゃって」

向日葵「いえいえ、むしろこれだけ賑やかな方が赤座さんの良いところをより一層鮮明に思い出せますわ」

花子「流石はひま姉だし」

撫子「まぁでも少しは静かにしないとね。せっかく櫻子が本気で頑張ってるんだからそこは汲んであげないと」

花子「……仕方ないし。それじゃあかりお姉さん、一緒にご飯作るし!」

あかり「花子ちゃん手伝ってくれるの?」

花子「もちろんだし! 妹の面倒をみるのも姉の役目だし」

あかり「えへへへ、ありがとう花子お姉ちゃん!」

花子「ふぁっ!? お、お姉ちゃんって……からかうのはやめて欲しいし!」カアァァ

撫子(花子のやつからかわれるのには慣れてないのか)

あかり「ほら、早く作ろうよぉお姉ちゃん」

花子「わ、わ、わ、わかったし! この花子様に任せておけだし!!」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





あかり「向日葵ちゃん、櫻子ちゃん! ご飯できたよ!」

花子「ふふん。2人で頑張って作った肉じゃがだし。櫻子は感激で噎び泣きながら食べるといいし」

櫻子「お前はもう少しお姉様である私に敬意を払え! あ、それと演説の文章できたよ!」

向日葵「私もできましたわ」

あかり「本当!? うわぁ凄い沢山書いてあるよぉ!」

258: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 15:32:44.38 ID:aaHY0DpyO

撫子「一言も喋らず黙々と描いていたからね」

花子「その態度を普段からとって欲しいし」

櫻子「ふっふっふ。そんなことをしたら櫻子様のアイアンマンがなくなるだろう!」

花子「は?」

あかり「あ、アイアンマン?」

向日葵「もしかしてアイデンティティの事ですの?」

櫻子「そうだっけ? まーそんなことはどうでもいい! さぁ! この文章を読んで…………」

撫子「よっと」ヒョイ

櫻子「ちょっとねーちゃん!!」

撫子「櫻子の場合とんでもなくトンチンカンな文章を書いているかもしれないからまず私が読んで推敲してあげないと」

向日葵「それではまずこちらから。私の赤座さんに対する全想いを込めた文章ですわ」

あかり「ありがとう向日葵ちゃん! 早速読んでみるね」

花子「ワクワクするし」

撫子「えっと、ここも違う。ここもか。あとここも。漢字の間違いが多い。それに文脈もおかしい」ブツブツ

櫻子「ああぁ~ 私の文章がどんどん赤字塗れに…………」

259: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 16:01:34.79 ID:aaHY0DpyO



撫子「さてと。2人の文章を読んだけれども、どっちの方がいい?」

あかり「え、えっと…………」チラッ

向日葵「」ドキドキ

櫻子「」ドキドキ

撫子「ひま子の文章は言わずもがなだけど、櫻子の方も伝えたいことは中々上等だったと思う。誤字脱字が非常に多かったけれどもね」

花子「もうなに書いてあるかわからないくらい真っ赤だし。元々なに書いてあるか読めないくらい櫻子の字が汚いというのもあるけど……」ヒョイ

櫻子「うっさい!」

あかり「えっと……その」

向日葵「遠慮することはありません! どちらがいいかをビシッと言ってください。もし負けても悔いはありませんわ」

櫻子「私の圧勝だからって向日葵に気を使う事はないよ!」

向日葵「やかましい!」

櫻子「むしろ負けて凹ませた方が良いってば! おっぱい的な意味でも!」

向日葵「ふんっ!」バシッ

櫻子「あべしっ!!」

花子「いつも通りの展開だし」

撫子(それで本当に凹むのなら私も協力は惜しまないけれども……)

あかり「あのね……あかり2人の文章読んだけれどもどっちもとっても嬉しいから。だからどちらかを選ぶなんて出来ないよぉ」

260: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 16:18:08.92 ID:aaHY0DpyO


向日葵「あ、赤座さん……」

櫻子「むむむむ、でもどっちかを選ばないと演説が出来ないよ……!」

あかり「うん、分かってる……でもあかりの為にこんなに素晴らしい文章を書いてくれた2人のどちらかを切り捨てるなんてあかりには出来ないよぉ……」

花子「あかりお姉さん…………」

撫子「…………確かにね。櫻子にしても向日葵にしてもあかりちゃんのことを本当に想って書いてくれたんだから。あかりちゃんはそれを選ぶなんて出来ないよね」ナデナデ

あかり「はい…… ごめんね、2人とも。せっかく書いてもらったのにこんなこと言っちゃって」

向日葵「べ、別に赤座さんが謝る必要は全くありませんわ!」

櫻子「そうだよ! むしろ私たちの文才があまりにも卓越していたのが間違いだったんだって!」

花子「櫻子のは何か違うし」

向日葵「この子は謙遜という言葉を知らないんですわ」

櫻子「でも、それじゃあどうすればいいの……?」

撫子「足して2で割りなよ」

向日葵「へ?」

櫻子「どういうこと?」

撫子「2人のを読んだけどさ。櫻子には櫻子にしか知らないあかりちゃんの良いところ、ひま子にはひま子にしか知らないあかりちゃんの良いところがそれぞれ書いてあるんだよ」

向日葵「た、確かにそうですわね」

櫻子「私の知らないあかりちゃんの良いところも沢山あるもんね」

撫子「それなら2人で情報を共有して1枚にまとめたら、それが最も素晴らしい応援演説になるんじゃないのかな」

261: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 16:47:25.64 ID:aaHY0DpyO
櫻子「で、でもこれは私と向日葵の勝負だし…………」

撫子「ひま子との勝ち負けとあかりちゃん、どっちが大事なの」

櫻子「あかりちゃん!」

撫子「ならもう答えは出てるでしょ」

向日葵「…………………………」チラッ

櫻子「…………………………」チラッ

向日葵「仕方ありませんわね。ここは呉越同舟ですわね」

櫻子「ごえごえ? なに訳のわからないこと言ってんの向日葵、バカじゃない?」

向日葵「…………確かにそうですわね。櫻子に四字熟語を使った私がバカでしたわ」

櫻子「なんだとごらぁ!!」



ワーワーギャーギャー オッパイチッパイ!



撫子「これでよかったかな、あかりちゃん」

あかり「はい! ありがとうございました撫子さん!」

花子「流石は撫子お姉ちゃんだし。もうお姉ちゃんが応援演説したらどうだし?」

撫子「いいや、私なんかよりもあの2人の方がこの子のことをよく知ってるよ。私にはこんなに良い文章は書けない」

あかり「えへへ、本当に嬉しかったです」

撫子「これからもあの2人のこと、よろしく頼むよあかりちゃん」

あかり「はい!」

262: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 16:54:03.14 ID:aaHY0DpyO


ー同時刻の生徒会ー


綾乃「さてと、これでもうこの辺の整理は終わりましたね会長」

りせ「………………」コクコク

綾乃「でもよかったんですか? 3人を先に帰らせちゃっても。結構時間かかっちゃいましたし」

りせ「………………」

西垣「赤座には素晴らしい演説と応援演説をして貰いたい。だから早めに帰ってもらって用意をして欲しいと松本は言っている」

綾乃「西垣先生いつの間に!? って、このツッコミももうそろそろ飽きてきましたよ」ハァ

千歳「ホンマに会長は赤座さんが好きなんやね」ニコニコ

りせ「………………」ブイッ

綾乃「ま、まぁだって恋人だっていう……ね………」ボソボソ

千歳「それにしてももうすぐ綾乃ちゃんが生徒会長かぁ~ あっという間やったねぇ」

綾乃「まだ決まったわけじゃないわよ。他の人が立候補したりとか……」

千歳「そんなんあり得へんに決まっとるやんか~」

綾乃「そ、そうね! 落ち着かないと!」

千歳(綾乃ちゃん大丈夫かなぁ…… 演説の真っ最中に倒れたりせぇへんよね?)




コンコン




綾乃「はい、どうぞ」

「すみません、失礼します」

綾乃「えっと、なんの用かしら?」

りせ「……………」

西垣「松本と同じクラスの奴らしい」

263: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 17:00:56.51 ID:aaHY0DpyO
綾乃「うぇ!? それじゃあ先輩!? すみませんでした!」

「いや、別に大丈夫ですよ。それでですね、実はこれを受理して貰いたくて」

綾乃「えっと……部活動の申請書ね。分かりました、今日はもう遅いので明日以降なるべく早く処理しますね」

「はい。えっと、これで大丈夫ですか?」

綾乃「何か不備があったらこちらから連絡しますね。確かに預かりました」

「はい、それじゃあ失礼します」



ガラララ




綾乃「こんな時期になって来るなんて珍しいわね。えっとなになに……あぁなるほど」

千歳「どういうこと?」

綾乃「入部希望届けじゃなくて部活動の発足申請書なのよ。最初に5人揃わないといけないやつ。多分今まで色々なところで勧誘活動してたのね」

千歳「へぇ。3年生なのに今から部活始めるんかぁ~」

りせ「………………」

西垣「彼女はもう進学がほとんど決まったも同然らしい。部活に入るのも我慢して勉学に励んでいた奴らしい」

千歳「へぇ~」

264: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 17:07:47.84 ID:aaHY0DpyO

綾乃「なるほど。もう受験が終わったから部活を今からでも始めようってことね」

千歳「そっかぁ、うちらも来年生徒会を引退したら部活を始めてみよっか」

綾乃「あはは、それもいいわね。さて、と。会長、この申請書は会長でないと処理できないので」サッ

りせ「…………………」コク

りせ「…………………………」ジーッ

りせ「っ!?」

りせ「ッ!!」バンッ!

綾乃「きゃっ!?」

千歳「か、会長!」

綾乃「ど、どうしたんですか!? 会長がそこまで取り乱すなんて……なにが?」

りせ「………………」

西垣「ま、松本……?」

りせ「…………………」チラッ

千歳「あの、会長はなんて?」

西垣「少し1人になりたいらしい」

りせ「………………」コクッ

綾乃「え、あの……私たちは………」

千歳「それじゃ帰ろか。まだ千鶴もいるはずだから図書室に寄ってってもええ?」

綾乃「い、いいけれど……」

千歳「それじゃあお先に失礼します~」

綾乃「お、お先に失礼します」





西垣「松本、私には教えてくれてもいいだろう。それは一体なんなんだ? ただの申請書ではないのは察したんだが」

りせ「……………………」サッ

西垣「ふむふむ、見た所別におかしくはないな。爆発もしなさそうだし……」

りせ「…………………」スッ

西垣「ん? …………………………………」ジーッ

りせ「………………」フルフル

西垣「…………………なるほど。そういう事か」

りせ「…………………」ハァ

西垣「辛い立場だな、松本」

りせ「………」

西垣「どうするんだ?」

りせ「………」フルフル

西垣「決断は早めにな。せめて松本が生徒会長であるうちに全てに片をつけた方がいい。それが赤座と杉浦の為になる」

りせ「…………………………」ガタッ




パサッ

265: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/06(金) 17:08:44.28 ID:aaHY0DpyO



部活動発足申請書

発起人代表 : ○○○○
発起人 : ○○○○
同 : ○○○○
同 : ○○○○
同 : 吉川ちなつ
同 : ○○○○


顧問 : ○○○○ 先生



発足希望部名 : 茶道部



271: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/14(土) 18:18:15.53 ID:reEieHXhO
ーごらく部ー




結衣「そろそろ帰ろうか、京子」

京子「そうしよっか。宿題ももうとっくに終わっちゃったし」

結衣「2人だけだとお前も真面目に宿題やってくれるんだな。そこは喜ぶべきところかな」

京子「不幸中の幸いって奴だね!」ブイッ

結衣「はいはい。さて、と………」

京子「ねえ、結衣。もうさ、私たち元には戻れないよね」

結衣「なんだよいきなり、別れたカップルみたいなこと言いだして」

京子「いやさ、あかりのこと。もうすぐ副会長になるじゃん。そうなっちゃったらもう本当に終わっちゃうんだなあって思って」

結衣「今更にもほどがある」ビシィ

京子「あははは、最近あかりの話題が凄いからつい思っちゃって」

結衣「本当にもう天の上の人だからなぁ。この前サインを求められてるのを見かけたよ」

京子「サイン!? あかりの!?」

結衣「私もあれはびっくりした」

京子「はんぱねーな……」

272: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/14(土) 18:20:50.73 ID:reEieHXhO

結衣「全学年でいまやあかりの事を知らない人はいないくらいだからね。会長とセットでみんなから慕われてるよ」

京子「ううむ…………」

結衣「京子?」

京子「私の家にあるあかりグッズ、売れば金持ちになれっかな」

結衣「下世話すぎる!!」

京子「ははは、まぁ冗談だけどね。半分は!」

結衣「半分本気だったのかよ!?」

京子「お金は大事!」

結衣「身も蓋もない……!」

京子「よし、帰ろう!」

結衣「お、おい! ったく、本当にマイペースなんだから……」

京子「ほらほら、置いてっちゃうぞ!」

結衣「今いくよ!」




ー下駄箱前ー




結衣「ふぅ、走るなって」

京子「時間は待ってくれないのだよ!」

りせ「…………」

結衣「あっ…………」

京子「ん? へぁ!?」

りせ「……………」

結衣「か、会長。どうも」

りせ「…………」コク

273: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/14(土) 18:24:10.28 ID:reEieHXhO

京子「あの、それじゃあ私たちはこれで……」

りせ「………………」スッ

結衣「あ、あの……ひとつだけ聞いていいですか?」

京子「ゆ、結衣!」

結衣「いいから! あの、会長。あかり、最近どうですか? ちゃんと生徒会で頑張ってますか!」

りせ「………………」コク

結衣「そうですか。よかった」

りせ「…………………………」

結衣「あと、あかりって最近は私たちの事とかごらく部の事とか話題にしてますか?」

りせ「…………………」フルフル

結衣「そうですか」ホッ

りせ「…………!」

結衣「すみません会長、ありがとうございました。それじゃ帰るぞ京子」

京子「う、うん……… あの、お先に失礼します!」





京子「ちょっと結衣! ダメだよあんなこと聞いちゃ! 会長にとって私たちはあかりの敵だよ!?」

結衣「それでもどうしても聞いておきたかったんだ。あかりの事をさ」

京子「そう」

結衣「良かったよ本当に」

京子「うん」

274: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/14(土) 19:07:23.96 ID:reEieHXhO

結衣「それにちょっと心配もしてたんだよ。あかりが自分の事を未だに責めてるんじゃないかって」

京子「ああ、あれね」

結衣「あそこまであかりの事を攻撃したのに」




あかり『全部あかりが悪いんです!! あかりが結衣ちゃんと京子ちゃんに嫌われるようなことをしちゃったからです!!』




結衣「とか言い出すんだもんな」

京子「あれには驚いたよ。あかりはどこまでいい子なんだってさ」

結衣「あの時、もう少しで泣きそうだったよ。心が痛すぎて」

京子「私も私も! あかりに抱き付いて泣きかけた!」

結衣「千歳にビンタしてもらって良かったよ」

京子「結衣、何てことを!?」

結衣「は?」

京子「ビンタされて嬉しいだなんて……そんな性癖持ってたなんて……」ガクガク

結衣「………」バシッ

京子「あたっ!!」








りせ「……………………」コソコソ

西垣「……………………」コソコソ

りせ「……………」ハァ

西垣「なんとなく想像はしていたが、やはりこういうことだったのか」

りせ「………………」

275: ◆ZeBo7btR1E 2015/11/14(土) 19:29:47.94 ID:reEieHXhO

西垣「なに? 私は最初から気づいていただと?」

りせ「………………」

西垣「そもそも最初から赤座とごらく部の間にはなんの確執もない。ただのすれ違いだった、だって?」

りせ「…………………………」

西垣「だから歳納にはもうその事を伝えている。悲しい事だけど赤座がごらく部を選ぶなら私はそれを尊重すると。だから貴女も早く誤解を解きなさい、だって?」

りせ「…………」コクコク

西垣「因みにそれいつの事だ?」

りせ「………………」

西垣「随分前? たまたま図書室近くの空き教室にいたからその時に話した、か」

りせ「…………」コクコク

西垣「………………なぁ、言いにくいんだが」

りせ「……………?」キョトン

西垣「多分それ伝わってないぞ」

りせ「」ガーン

西垣「でもそれなら今からでも赤座にその事を伝えれば」

りせ「…………!」フルフル

西垣「なに? もう嫌だ、あかりちゃんはごらく部に渡したくない! だって?」

りせ「…………」ウルウル

西垣「ふふふ、大丈夫だ松本。お前がそんな事を考えても私はお前の事を見損なったりなんてしない」ナデナデ

りせ「……………」

西垣「それでも赤座の事を決めるのは赤座自身、どんな決断でも赤座の意思を尊重する、か」

りせ「………………」

西垣「ふふふ」ナデナデ

りせ「…………」

西垣「あ、ところで……」

りせ「……………?」

西垣「その、程々にしとけよ。赤座が好きなのは分かるんだが、部屋を見たら多分、いや絶対に引かれると思うから」

りせ「…………………!」グッ

301: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:27:56.35 ID:I6/A77pc0
ー大室家ー



花子「うりゃ! うりゃ!」

あかり「ふわぁあああん! 花子ちゃん、レース中なのにわざわざあかりに甲羅をぶつけてこないでよぉ!!」

花子「さっき花子にファイアーボールを当てた罪は大きいし! んふふふ!」

あかり「ひぇえええ!!」

撫子「アタック」

花子「ぎゃあ!? 花子が崖下に吹っ飛ばされたし!?」

あかり「やったぁ! これで助かった……」

向日葵「あ」

あかり「ああぁ! あかりまで崖下にぃ!!」

向日葵「ごめんなさい赤座さん。当たるつもりはなかったんですのよ」

櫻子「くっそ! あかりちゃんの仇だ! このバナナの皮でも喰らえい!」

向日葵「おっと」

櫻子「ちょ!? 避けるな……ああぁ!!」

撫子「櫻子は皮投げるとほぼ確実に自分で踏んじゃうんだから……」

302: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:30:36.14 ID:I6/A77pc0

花子「くっ! かなり遅れたし……なんでこんなに順位を落としたし!」

あかり「確実にあかりに構ってたからだよね!?」

花子「つまりあかりお姉さんのせいだし! こうなったら甲羅ぶつけてやるし!!」

あかり「見事に原点回帰だよぉ!!」

向日葵「あ」

花子「ぎゃあす!?」

向日葵「ご、ごめんなさい花子ちゃん! わざとじゃないんですのよ!?」

あかり(い、今のうちに影の薄さを使ってこっそりアクセル全開だよぉ!)

櫻子「向日葵にバナナアタック!」

あかり「ひゃあっ!? ああああ!! また落ちたよぉ~!!」

櫻子「しまった!? あかりちゃんに気付かなかった!」

撫子「それにしても花子とあかりちゃんは仲がいいね」

花子「仲良きことは美しき事だけどこんな風に蟻地獄で仲良くもがくのはゴメンだし!」

あかり「早くゴールしたいよぉ!」

向日葵「あ」

あかり・花子「嫌ぁあああぁ!!!」

向日葵「ゴメンなさい!!」

撫子「ひま子ぜったいわざとでしょ」

櫻子「向日葵は以外と腹黒いからなぁ~」

向日葵「ち、違います! 本当にぶつかるつもりはなくて!!」

あかり「向日葵ちゃんの鬼ィ~!」

花子「やるならあかりお姉ちゃんだけをやるし!!」

あかり「あかり花子ちゃんに売られたよ!?」

櫻子「どーでもいいけど早くゴールしてよ」

花子「ていっ! ていっ!」

あかり「やめてぇ~!!」

303: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:32:34.41 ID:I6/A77pc0


ー花子の部屋ー




あかり「それじゃあお休み花子ちゃん」

花子「お休みなさいあかりお姉さん」

あかり「ふぁ~ 今日は楽しかったねぇ。あかりと遊んでくれてありがとう、花子ちゃん」

花子「遊んでもらったのはこっちだし。礼を言うのはこっちだし」

あかり「あはは、そうだねぇ」

花子「…………………………うん」

あかり「花子ちゃん? どうかしたの?」

花子「………………ねぇ、さっきの怒ってる?」

あかり「さっきのって?」

花子「ゲームであかりお姉さんを攻撃した事。あの時は深く考えなかったけど今考えてみると…………その……」

あかり「ん?」

花子「ゴメンなさい………」

あかり「ううん、謝る必要なんてないよ」

花子「え……」

あかり「あかり全然怒ってないもん。さっきだって花子ちゃん凄く楽しそうな顔してたからさ、その顔を見てるだけであかりとっても嬉しかったよぉ」

304: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:35:52.16 ID:I6/A77pc0

花子「でもそのせいであかりお姉さんが……」

あかり「全然大丈夫だよぉ。花子ちゃんの嬉しそうな顔を見るだけであかりも嬉しくなっちゃうもん。だから全然気にしなくていいよぉ」ニコッ

花子「あかりお姉さんゴメンなさい。そしてありがとうだし……」

あかり「えへへ、どう致しまして」

花子「あかりお姉ちゃんって今まで本気で怒った事ってあるし?」

あかり「へ? うーんと……えっと…………」

花子「やっぱりないみたいだし」

あかり「えへへへ……人を怒るのって難しいね」

花子「花子は毎日櫻子に怒ってばっかだし」

あかり「あっはは、なんか想像できちゃう」

花子「それでも最近は少しマシになって来たところだし」

あかり「へぇ、そうなんだ。どんなところが?」

花子「以前までは宿題をさせるまでに撫子お姉ちゃんが10回は催促してたのに、最近は8回くらいに減ったし!」

あかり(あんまり変わってない気がするよぉ!?)

花子「あんまり変わってないと思うかもしれないけれど、櫻子にとっては大きな進歩だし!」

あかり「そ、そっかぁ……」

305: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:38:24.06 ID:I6/A77pc0

花子「学校ではどうだし? ちゃんとあかりお姉さんの指示に従ってるし?」

あかり「あかりは指示はしてないよぉ。でもお願いするんだ、これをやってもらってもいいかなって」

花子「それじゃどんどん付け上がるんじゃ……」

あかり「ぜんぜんそんな事ないよぉ。多分花子ちゃんは櫻子ちゃんの事を少し勘違いしてるんだと思うよ」

花子「勘違い………」

あかり「姉妹だからっていうのもあるとは思うけれども、花子ちゃんもよく櫻子ちゃんの事を見てあげて。きっと良いところがたくさん見つかるから」

花子「あ、うん。分かったし……」

あかり「とは言っても花子ちゃんは既に櫻子ちゃんの良いところを全部知ってると思うけどもね」

花子「うん、その自信は一応あるし。あんなでも一応姉だし」

あかり「あんなでも、とか言っちゃダメだよ花子ちゃん」

花子「あ、はい……」

花子(こうしてみるとやっぱりあかりお姉さんも立派なお姉さんだし…………)

あかり「だから、ひゃあなてね………」

花子「へ?」

あかり「スースー…………」

花子「寝付きよすぎだし…………」

花子(あかりお姉さんはやっぱり妹みたいだし…………)


306: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:40:29.90 ID:I6/A77pc0


ー生徒会総選挙当日ー



あかり「もう少しで演説! 緊張するよぉ!!」

向日葵「お、おおお落ち着いてくださいましな赤座さん!!」ガクガク

櫻子「いや、お前が落ち着け向日葵。あかりちゃん以上に緊張してるじゃん」

向日葵「だだだだって!! こんなに人が集まるなんて思いませんでしたの!!」

櫻子「それは想定しておけよ! 全校生徒が集まってるんだから」

向日葵「なんであなたは平気な風なのよ!? これだけ人がいて緊張しないのは馬鹿だからなんですの!?」

櫻子「うっさいおっぱい! ほら、向日葵は池田先輩を見習う事にしたんだろ! ともかくあれを見ろ!」ビシィッ

向日葵「は、はい!?」




千歳「しっかりせんといかんで綾乃ちゃん! 早く落ち着かんと!」

綾乃「ももも問題ないわよ!! ないないナイアガラやよ!! この伊波綾乃は無敵よ!」

千歳「伊波ってだれやねん! 綾乃ちゃんは杉浦綾乃や!」

綾乃「ゴメン! でもね大丈夫な気がしないのよぉ! ハクション大魔王にでも替え玉を頼みたい!」

千歳「なぜにハクション大魔王?」

綾乃「ガッチャマンの方が良かったかしら!? それともヤッターマン!?」

千歳「タツノコプロから離れぇや!」

綾乃「う……吐きそう…………私はこんな風に目立つの嫌なのよ苦手なのよ!!」

千歳「あ、綾乃ちゃん…………」

綾乃「ふえぇぇん…………もう泣きたいわよ! わたしの代わりに千歳が会長になりなさいよぉ!」

千歳「それもええけど、結局綾乃ちゃんはうちの応援演説するから全校生徒の前に出なきゃいけへんで?」

綾乃「…………………………」

綾乃「終焉(おわり)だぁぁぁ……!!」ガバッ

千歳「ちょっと綾乃ちゃん! 抱きつくならうち以外にしてくれんと! 鼻血垂らす暇がないやんか!」

307: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:43:46.56 ID:I6/A77pc0



櫻子「なっ? すごく落ち着いてるでしょ!」

向日葵「杉浦先輩の方に目を奪われてしまいましたわよ……」

あかり「あかりもあの様子を見てたら逆に落ち着いちゃって。えへへへ」

櫻子「ほら、向日葵もあれを見たら落ち着いたでしょ?」

向日葵「た、確かに落ち着きましたけれども」

櫻子「よし、オッケーだ! しっかりとわたしの傍に立っているが良い!! あとは櫻子様に全て任せろ!!」

向日葵「わ、分かりましたわ!」

あかり(そういえば演説は結局、向日葵ちゃんが文を書いて櫻子ちゃんが読む事になったんだよねぇ)

あかり「って、向日葵ちゃん裏で待機してるだけなのに緊張しすぎだよぉ!!」

向日葵「な、慣れてませんもの……! そこは汲んでください!」

あかり「櫻子ちゃんは逆に落ち着いてるね。実際に壇上に立って読むんだからもっと緊張してても良いはずなのに」

櫻子「だってここまで来ちゃったらもう緊張したって仕方ないじゃん。やるだけやるしかない!」

向日葵「バカって凄いわね」

櫻子「さっきから本当にうっさいなぁ! 裏で待ってるだけの役立たずは黙ってなよ!」

向日葵「誰がその文を書いたと思ってるんですのぉ!!?」

あかり「あ、あははは」

308: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:48:00.19 ID:I6/A77pc0

綾乃「アァアアア赤座さん!!」ガシッ

あかり「はいっ!?」

綾乃「私の救世主(メシア)ァアアアア!!!」ガバッ

向日葵「ちょっと杉浦先輩!!」

櫻子「頭良い人って凄いですね……」

千歳「ここまで壊れるとは思わんかったわ……」

櫻子「でももうすぐ……」

「すみません、もうすぐ出番ですので準備お願いします」

綾乃「ははははははぁあああ!?」

千歳「あ、ごめんなさい。すぐ行かせます」

綾乃「ちちちちととととととせせせせ!!!」ガクガク

千歳「ほら、さっさと行き」

綾乃「薄情者ォオオオ!!!」



千歳「やっと行ったなぁ~」

櫻子「あれ、池田先輩は行かないんですか?」

向日葵「まず先に候補者が演説。その後に演説者から呼ばれて応援演説者が壇上に上がるのよ。聞いてなかったの?」

櫻子「てへっ!」

向日葵「全くもう……」

千歳「それにしてもやけに静かになったなぁ。綾乃ちゃんもいざとなったら落ち着いて演説を…………」




綾乃『千歳ぇ! 早く来て頂戴ぃいいいい!!!』




千歳「ダメやったみたいやね……」

櫻子「でも会場からは笑い声が聞こえてるからウケはいい感じじゃないですか!」

千歳「ウケ狙いしてたわけではなかったと思うけどなぁ。ま、とにかく行ってくるわぁ」

向日葵「はい、ご武運を!」

櫻子「頑張ってください!」

千歳「そんじゃなぁ~」

309: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:50:08.06 ID:I6/A77pc0



向日葵「さて、池田先輩なら心配はないでしょう。櫻子、準備はよろしいかしら? 当然練習はしたのでしょう?」

櫻子「へ? 練習なんてしてないよ」

向日葵「は、はあぁぁ!?」

櫻子「だって台本読んでいいんでしょ? そんなの簡単じゃんか」

向日葵「そんなわけないじゃないの! 一度は練習するのが普通の精神を持つ人間ですわ!!」

櫻子「うむむ~ これを読むだけだから簡単だと思うんだけど……」

向日葵「赤座さんを見て御覧なさい! さっきからずっと原稿用紙とにらめっとして練習してるんですよ!」

あかり「……………」ブツブツ

櫻子「おお、さっきから一言も喋ってないと思ってたらそんな事をしてたのか!」

向日葵「ほら、貴女も…………」



綾乃「おわ゛っだぁあああ!!」

あかり「ひゃあ!?」

向日葵「きゃう!」

櫻子「ゾンビ!?」

千歳「綾乃ちゃんやで~」

綾乃「」バタン

櫻子「だ、大丈夫ですか?」

向日葵「今は静かにしてあげましょう」

あかり「それじゃあ次はあかりの番だね!」

向日葵「ええ」

櫻子「よっしゃ! ぶちかましてこーい!」

あかり「うん、行ってくるね!」ガタッ

310: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:54:15.07 ID:I6/A77pc0


向日葵「ええ、行ってらっしゃい。さて、もうすぐですわね。櫻子、今のうちに練習を…………」

櫻子「よっしゃ! それじゃあ本番を想定してこれを!」

向日葵「な、なにそれ? どこから持ってきたの!?」

櫻子「なんか杉浦先輩が持ってた」

向日葵「ま、まぁいいですわ。それじゃあ練習しましょう」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



あかり(さて、こうして実際に壇上に上がったのはいいけれど……)

あかり(やっぱり、凄く緊張するよぉ!!)

あかり(当然のことながら全員の目線があかりに向いているから、かなりのプレッシャーだよぉ…… と、とりあえずマイクを…………)

あかり(って!? マイクがないよぉ!?)

あかり(え!? なんで!? 何処にもないよぉ!!)キョロキョロ

「どうぞ」ボソッ

あかり「へ、あっ! ありがとうございます!」ボソッ

あかり(進行役の人ありがとう! よし!)

あかり「あーあー えと、こんにちは。1年生の赤座あかりです。今回は生徒会副会長に立候補しました!よろしくお願いします!」ペコリ

あかり「私が副会長に立候補したのは、この中学校の多くの人を笑顔にするためです!」

あかり「この中学校の人たちはみんないい人であると、私は胸を張って言い切ることが出来ます」

あかり「例えば私が生徒会の仕事でたくさんの荷物を運んでいるとそれを運んでくれる、花壇の水やりをする時に一緒に手伝ってくれる、私に微笑んでくれる、具体例を挙げればキリがありません」

あかり「えっと、さっき廊下で緊張してた私を励ましてくれた2年生の方もありがとうございました!」ニコッ



キャーアカリチャンカワイー!

アカリチャンガワラッタワー!

アカリチャンコッチムイテー!

マツモトカイチョーガウラヤマシイワー!



あかり「えへへへ」フリフリ

あかり「私はそのような人の温かさや優しさに触れ……………」



ピーガガーー


あかり「そんな皆さんに精一杯の恩返しを…………ってアレ?」


ガ、ガガガー


あかり「な、何だろうこの音…………」

311: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:57:05.84 ID:I6/A77pc0


『だからそこはそうじゃないと言ってるじゃありませんの!!』

『うっさい! このおっぱいオバケ!!』


あかり「なっ!?」



ナンダナンダー

コノコエダレダロ

オッパイオバケダッテ

ドコカデキイタヨウナ



『だから貴女はダメなんですの! もっと大きい声でハキハキと読みなさい! 舌ったらずなのはダメなんです!』

『生まれつきなんだから仕方ないだろー!』

『バカなのもの生まれつきでしたわね。なら仕方ありませんわ』

『やかましいわ! そういうそっちだってそのおっぱいは生まれつきだろ!』

『そんなわけないでしょう! 生まれた時は今の櫻子並みでしたわ!』

『なにおー!! 私の今のおっぱいを知らんだろ! 今見てみるか!?』

『ないものを見てもなにも感じませんわよ』フフン

『あるっての!! おいこら向日葵! その顔をやめろー!!』



あかり「な、な、なんであの2人の声がマイクに拾われて………」




『そんなバカなこと言ってる場合じゃありません! 早く練習しないと赤座さんが恥をかきますわ!』

『うむむむ~仕方ない。えっと、あかりちゃんは学校の多くの“ほうぼー”から“ぼ“われてて、生徒会ではいつも物静かに仕事を………』

『多くの“方々”から“慕”われてて!! 貴女はこんな簡単な漢字も読めないんですの!?』

『うっさい! 向日葵がこんなに難しい漢字を使うのが悪いんだよ!』

『小学生レベルの漢字ですわよ!? 貴女本当に中学生なの!?』

『バカでも年取れば中学生になれるんだもんねーだ!』フフン

『そんな事を威張るんじゃありません!』

312: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 16:59:41.89 ID:I6/A77pc0


『あとさー、ここんところ』

『なんですの?』

『あかりちゃんって物静かに作業してなくない? いっつも会長とベタベタしてるじゃん』

『……あ、あれはどちらかと言えば会長の方がベタベタしに行ってるじゃありませんの』

『でもあかりちゃんも満更じゃなくない?』

『………………ま、まぁそうですわね』

『そんじゃさ、ここん所は“いつも会長とベタベタしてて、この頃の寒さも全く感じさせないくらい熱々の中で仕事をしてて”にすれば?』

『流石にそれは赤座さんに酷でしょう!?』

『でも、向日葵もそう思うよね?』

『………………否定はしませんわ』

『この前なんかプリンをあ~んしあってたもん。もう見てるこっちまで熱くなってくるねあれは』

『生徒会温暖化の原因は確実にアレのせいですわよね』

『そのくせ仕事が早いんだもんなー 卑怯だよね』

『恋する乙女は強いんですわ』

『あの2人、何処まで行ったんだろ? もう同じお風呂に入って同じ布団で寝てたりするのかな?』

『は、はぁ!? さ、櫻子はなに言って……!?』

『だって仲の悪い私たちですらもうそれはこなしてるんだよ? あの2人だってもうそれくらいはさ……』

『あ、プラトニックな意味なんですのね…………まぁ櫻子ですから…………』

『んあ?』

『ま、まぁでもあ~んを私たちの前で恥ずかしげもなくするくらいですから……そのくらいはもしかしたら…………』

『プラスチックにね!』

『プラトニック!!』




わははははー!
あははははー!
あっはははー!





あかり「は、はうぅぅ~」カアァァ

あかり「も、もう櫻子ちゃん! 向日葵ちゃん!!」カアァァ

313: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:02:27.15 ID:I6/A77pc0


『お、呼ばれたぞ! よっしゃ行くぞー!!』

『が、頑張ってらっしゃい櫻子! ちゃんと読んできなさいよ』

『なに言ってんの? ほら、向日葵も行くよ』

『な、ななななんで!?』

『だってあかりちゃん、私たち2人を呼んだんだよ?』

『む、むむむ無理!! 無理無理無理ですわよ!! あ、あんなにたくさん人がいるのにそんなところに私が出ていけるはずがありませんわ!!』

『読むのは私なんだから。向日葵は後ろで控えといてよ』

『そ、そんなこと言われても!! さ、さすがに無理ですわぁ!!』

『いいからほら!』グイッ

『きゃっ! って…………』

『なんだよ?』

『震えてますの? 櫻子』

『べ、別に震えてねーし』

『…………………』

ぎゅっ

『うわっ! なに手握って来てんだ!』

『櫻子、付いていきますわよ。ずっと後ろについててあげます』

『向日葵……』

『まったく、本当は緊張してたんですのね。流石にこの辺りの漢字を間違えるのはおかしいと思ってました。さっきまでもずっと空元気でしたのね』

『ふ、ふん!』

『ほら、行きましょう櫻子。私はずっと櫻子を見守ります。貴女が素晴らしい演説をしてくれると信じてますわ』

314: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:04:13.44 ID:I6/A77pc0

『…………………………』

『櫻子?』

『よくぞ言った! それでこそ我が下僕、褒めて使わす!! 何処までも私の後ろをついてこい!』

『はいはい、そうですわね』

『向日葵?』

『どこまでも付いていきますわよ櫻子。絶対に』

『んなっ!?』

『ほら、早くしないと赤座さんが困っちゃいますわよ』

『…………はっ! そうだったよ。急ぐぞ向日葵!!』

『はいはい』

『あ、この練習用のマイクどうすればいいかな?』

『杉浦先輩に返したらいいんじゃありません』

『でも、2人とも保健室行っちゃったよ?』

『それではその辺に置いておきましょう』ガタッ




ドタドタドタドタ!



櫻子「ども~! あかりちゃんの応援演説をする生徒会の大室櫻子です…………って、あれ?」

向日葵「あ、あの……赤座さん、なんで皆さん、その………尊いものを見るような表情を……?」

あかり「…………えっとね、あの」

櫻子「よっしゃ! なんか知らんが注目されてる今がチャンス! ここでアレを……あれ、あれ?」

向日葵「櫻子、まさか……」

櫻子「台本裏に忘れた」テヘッ

向日葵「……………」ハァ

櫻子「ちょっと取ってくるから待ってて!」

向日葵「え、ちょ!? さ、櫻子! 私を1人にしないでぇ!!」

あかり「…………………………」



あかり「もうメチャクチャだよぉ………」







りせ「…………」グッ

西垣「いや、多分狙ってたことじゃないとは思うぞ? まぁ結果的にこれで生徒会の株はウナギのぼりだろうな」


315: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:06:00.84 ID:I6/A77pc0

ー放課後ー



向日葵「」ズーン

櫻子「」ズーン

綾乃「」ズーン

あかり「あ、あの…………」オロオロ

千歳「流石にダメージが大きかったみたいやなぁ~」

綾乃「もう嫌……あんな恥を…………全校生徒の前で…………」プルプル

向日葵「聞かれてた……全部聞かれてた…………あんな恥を…………」ズーン

櫻子「ごめんあかりちゃん……こんな…………バカが演説なんて………あかりちゃんの迷惑に……………」ズーン

綾乃「大室さんは悪くない……わ、私が……緊張のあまりマイクを……裏まで持って行きさえしなければ………」ズーン

向日葵「ち、違います……わ、私がマイクを使うのを……止めておけば………」ズーン

櫻子「ごめんよあかりちゃん~~!!」ズーン

あかり「べ、別に気にしてないよぉ! だから櫻子ちゃんは元気出してぇ!!」オロオロ

向日葵「もういや…………………」

綾乃「こんな私が生徒会長なんかになれる訳がない……………」

千歳「あ、綾乃ちゃん……」



ガラララ



西垣「死屍累々だな、松本」

松本「……………」

千歳「あ、西垣先生に会長……」

松本「………」

千歳「あの、結果出たんですか?」

綾乃「!!」ガバッ!
櫻子「!!」ガバッ!

あかり「うわぉ!? 急に起き上がったよぉ!?」

綾乃「ああああああわわわわわわ、私ははははは!! 」ガクガク

櫻子「あああああああかりちゃんはぁぁああああ!!?」ガクガク

向日葵「なんという失態を………みんなの前で………………うぅ……」グスッ

西垣「めでたく2人とも当選だ」

綾乃「」

櫻子「」

316: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:10:17.46 ID:I6/A77pc0

千歳「ほんまにか! おめでとう赤座さん~!」

あかり「ほ、本当ですか!! 良かったぁ~ あかりホッとしたよ…………」

櫻子「うおっしゃああああぁぁああぁああぁッッ!!!」ダキッ!

あかり「ちょっと櫻子ちゃん!?」

櫻子「良かったよぉ!! あかりちゃん!! 私達のせいでもしもあかりちゃんが落選してたらって思うとドキドキしてたよぉ!!」グスッ

あかり「だ、大丈夫だよぉ! だって櫻子ちゃん達、あかりの為に一生懸命演説してくれたんだもん! あかり絶対に当選すると思ってたよぉ!」

櫻子「あ~が~りぃ~ぢゃあぁあん!!」グスッ

あかり「よしよし」ナデナデ

りせ「……!」ムッ

西垣「こらこら、後輩に嫉妬するんじゃないぞ」

りせ「……」コク

櫻子「あかりちゃん大好きだよぉ~!」グスッ

あかり「あかりも櫻子ちゃん大好きだよぉ」

りせ「」グッ!

西垣「待て松本! とりあえずその振りかぶった手を降ろせ!!」

綾乃「」

千歳「あ、綾乃ちゃん~ しっかりしぃや…… ほら、受かったんやからもっと喜びなってば!」

綾乃「」

千歳「え、えっと古谷さん。ほら、赤座さんも綾乃ちゃんも無事に受かったんやから、そろそろ落ち着いてぇな」

向日葵「も、もういや……学校に来れない…………」プルプル

千歳「……………」ハァ


西垣「因みに杉浦は投票率100%で当選したぞ。例年は欠席とか無投票とかあって80%が平均なんだがな」

千歳「そりゃなぁ……あんな可愛い演説をされたらみんなメロメロになるでぇ」

あかり「そんなに凄かったんですか?」

千歳「うん。だって真っ赤な顔でシドロモドロになりながら読んでたんよ。端から見てても可愛かったもん~」

綾乃「」

千歳「まだ反応ないなぁ……」

西垣「そして赤座に至っては驚異の150%だ!」

あかり「150%!? そ、その数字は一体どこから出てきたの!?」

西垣「投票率100% + 紙の裏にまで名前を書いた人が50% で150%だ」

あかり「そ、そんなに!?」

千歳「赤座さんは元から根強い人気があったからなぁ~ 会長が嫉妬するくらいに」

りせ「……………」コクコク!

櫻子「やっほぉ~い!! あかりちゃんが福会長!! あっはははは!!」

向日葵「…………………」ズーン

綾乃「」

西垣「こりゃ赤座と池田以外はカオスだな」

りせ「………………」

西垣「そうだな。しばらく放っておくとしよう」

317: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:12:25.77 ID:I6/A77pc0

ー赤座家ー



櫻子「よっしゃ! それじゃあ杉浦先輩とあかりちゃんの当選を祝して!!」



「「乾杯!!」」



綾乃「あ、ありがとう!」

あかり「ありがとうみんな!」

向日葵「おめでとうございます杉浦先輩! 赤座さん!」

千歳「おめでとうなぁ~ 2人とも! うちもホッと一安心やで!」

りせ「…………」

櫻子「今日は我々の奢りだ! さぁ皆の者、存分に食べて飲むが良い!!」

向日葵「なんで貴方がそこまで偉そうなんですの……」

綾乃「で、でも本当にいいのかしら? こんなに沢山の豪華な料理を……」

千歳「ええよええよ、うちらにはこんくらいしかできへんもん」

向日葵「うふふふ、豪華と言っていただけて嬉しいです。腕をふるった甲斐がありましたわ」

あかり「え? これ向日葵ちゃんが作ったの!?」

櫻子「私と会長と池田先輩とついでに向日葵で!」

向日葵「貴女はお皿に盛り付けただけでしょう!」

櫻子「日本人は美を大事にするから、盛り付けが重要なの!」

向日葵「バイキング行った時には、非常に前衛的な盛り付けをしてたくせに……」

櫻子「うっさいなもー!!」

318: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:14:26.15 ID:I6/A77pc0

千歳「うふふふ~」

りせ「…………」

綾乃「会長はなんだって?」

あかり「2人が仲良くって安心してます。これなら生徒会を任せられるって」

向日葵「べ、別に仲良くはありませんわよ?」

櫻子「そうですわよ~?」

りせ「……………………」

あかり「あ、あははは」

千歳「なんやって?」

あかり「な、なんでもないです……」

あかり(あの放送のことをぶり返したら向日葵ちゃんがまた伏せっちゃうよぉ……)

りせ「…………………」グッ!

向日葵「相変わらず綺麗なサムズアップですわね」

櫻子「はい、あかりちゃん! 杉浦先輩! どうぞ!」

綾乃「ありがとう大室さん。まぁ、美味しそう」

あかり「ありがとう櫻子ちゃん! うわぁ~唐揚げだぁ! あかり唐揚げ大好き!」

向日葵「他にも玉子焼きや手作りのお寿司、ロールキャベツや煮込みハンバーグ、サラダもたくさん作ってありますわよ!」

千歳「うちも沢山の漬物持って来たで。ほら、これとかとっても美味しいんよ綾乃ちゃん。はいあ~ん」

綾乃「あ~ん………美味しい!! なにこれ千歳!? これ千歳が作ったんでしょ!?」

千歳「それは千鶴が作ったものやねん。今日のために持ってけって言ってくれたんよ」

綾乃「千鶴さんが?」

あかり「美味しいなぁ~ はい、りせちゃんあ~ん」

りせ「…………」モグモグ

あかり「あむ! えへへ、りせちゃんに食べさせてもらうといつもより美味しいよぉ!」

櫻子「ほれ、向日葵。食え」

向日葵「貴女はいつになったらニンジンを食べられるように…………ゲッ!」

櫻子「……………ほら、よこしなよ」

向日葵「し、仕方ありませんわね。ほら」

櫻子「あむ。なんで向日葵ピーマン嫌いなんだよ? 別に不味くないのに」

向日葵「なにってこの味ですわよ。臭いとかも……あ、それと!」

櫻子「ん?」

向日葵「中身が空っぽのところが櫻子に似てるところとか」

櫻子「あぁ~なるほど! …………ってどういう意味だぁ!!」

向日葵「おっほっほっほ!!」


319: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:17:14.92 ID:I6/A77pc0







あかね「」ゴゴゴゴゴ

あかね(くっ!! せっかく私のあかりが副会長に就任することになったからお祝いに来たのに、入るには入れない……!!)ゴゴゴゴゴ

あかね(なんなのよこの生徒会は!! ガチゆりしかいないの!? なんでみんなみんなあ~んし合ってるのよ!! そんなの普通はしないでしょ!?)ゴゴゴゴゴ

あかね(私だってあかりとあ~んしたいわ! あかりの事を抱きしめてぎゅってして! ナデナデして! チュッチュしたいのに!!)ゴゴゴゴゴ

あかね(それもこれも全部あの女のせいよ………あの松本りせとかいう小娘に私の幸せは全部破滅させられた!! しかもこの私を凌駕する程のあかり愛を持つだなんて!!)ゴゴゴゴゴ

あかね(ええ乾杯よ! 間違えた完敗よ!! あの中学生に私は完膚なきまでに叩きのめされたわよ! この私が!!)ゴゴゴゴゴ

あかね(私がなにを言っても目をそらさずまっすぐにこっちを見てきて、片時も目をそらさなかった! しかも無言で! これは私と話すまでもなく勝利を宣言されたのも同じ事!)

あかね(私のあかり愛を確かめさせる為に部屋に案内したら満面の笑みで私に握手してきて、なにを勘違いしたかあかり三大神具を持っていかれる始末!!)

あかね(それでも私はまだ諦めない! なぜなら私にはあかりが必要だから!! だから私は戦うわ! 見ててねあかり!!)ゴゴゴゴゴ

あかね(とりあえずはこのプレゼントよ! 私が選んだ高級万年筆!! とはいっても中学生に持たせるものだからそこまで高くできなかったけど……精々3万円くらいだけどもね!)

りせ「…………」チョン

あかね(ふっふふふ! プレゼントは誠意という言葉があるかもしれないけれども実際は金額! 価値よ! 価値がすべてを決めるのよ!!)ゴゴゴゴゴ

りせ「………………」チョンチョン

あかね(あの中学生にこの3万円の万年筆が買える?買えないわよねぇ! 精々それがあの女の限界! そこを私は飛び越えるわよ! うっふふふ! あっははは!!)

りせ「…………………………」チョンチョン

あかね(さぁて? このまま部屋に突撃してこのプレゼントをあかりに渡してきましょう! あの女の悔しがる様を見たいものよ!)

りせ「…………………………………」チョンチョン

あかね(うっふふふふ! あっははははははははは!!)

りせ「…………………………………………」チョンチョン

あかね「…………………………は?」

りせ「…………………」ペコリ

あかね「は、はあぁあああぁああ!? あ、貴女なぜここに!?」

320: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 17:19:17.86 ID:I6/A77pc0


りせ「………………」ユビサシ

あかね「あ、あぁ……トイレ? 行きたいの? え、もう帰ってきたところ?」

りせ「…………………………」コクン

あかね(全然気づかなかった! いつの間に部屋から出ていつの間に行ってきたっての!?)

りせ「………………」クイクイッ

あかね「へ、なに? 引っ張ってどうしたの?」

りせ「……………」クイクイッ

あかね「え? へ?」




ガチャ




あかり「りせちゃん帰ってきた…………お姉ちゃん!?」

綾乃「お姉ちゃん!? ってことはこの人が!」

千歳「噂の赤座さんのお姉さんか!」

櫻子「うわぁ! そっくりだ! ちなつちゃんの言ってた通りあかりちゃんとそっくりだよ!ね、向日葵!! へぶっ!?」

向日葵「ば、バカ! 人を指差さない! しかも初対面の方に対して失礼極まりませんわ!!」

あかね「あ、べ、別にいいのよ!? あかりの友達なんですもの、そんな事くらいで怒ったりしないわよ」アタフタ

綾乃「あ、あの! は、初めまして!! わ、私は杉浦綾乃といいまして、生徒会で赤座さんとご一緒させて頂いてていつも赤座さんにはお世話になってたりしてそれで……!!」オロオロ

千歳「綾乃ちゃん、落ち着きぃ」

向日葵「あの、うちの櫻子が本当に失礼を働きまして……!」

櫻子「すみませんでした!」ゲザァ!

あかね「あ、いや……その……」

あかり「み、みんな落ち着いてよぉ! あかりのお姉ちゃんだから大丈夫だってぇ!」

櫻子(いや、私たちはちなつちゃんから……)

向日葵(お姉さんの事を前もって聞いてたから……)

櫻子・向日葵(安心できない気がする!!)

322: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 18:46:57.28 ID:I6/A77pc0

りせ「……………」

あかり「あはは、確かにそうかもねぇ」

あかね「あ、あのあかり。この子は一体なんて言ってるの?」

あかり「お姉ちゃんみたいな大学生の人って珍しいからみんな緊張してるんだよって言ってるよぉ」

あかね「な、なんで分かるの!?」

あかり「なんでだろうねぇ? えへへ」

あかね(か、可愛いっ!!)

綾乃「あ、あの!」

あかね「はい?」

綾乃「初めまして! 私は杉浦綾乃といいます。赤座さんと同じ生徒会には入ってる者です。赤座さん…………あかりさんには普段からお世話になってます!」

千歳「うちは池田千歳といいます。あかりちゃんには普段からお世話になってます」ペコリ

櫻子「ども、あかりちゃんのお姉さん! あかりちゃんの大親友の大室櫻子です! 今後あかりちゃんのお世話は私におまかせくださ……っぐへっ!!」

向日葵「あなたはいい加減にしなさいっ!! 本当に申し訳ありません! この子はこのパジャマから見ても分かるように鳥頭でして!」

櫻子「ピヨピヨッ!」

向日葵「私、古谷向日葵です。この櫻子と同様赤座さんのクラスメイト、そして生徒会でもご一緒させていただいています」

あかり「杉浦綾乃先輩と池田千歳先輩は2年生、こちらの松本りせ先輩は3年生なんだぁ! あ、りせちゃんはこの前会ったから知ってるよねぇ」

りせ「……………」

あかね「も、もちろん忘れるわけがないわよ! この前は楽しかったわ!」

りせ「……………」ペコリ

あかり「りせちゃんも楽しかったって言ってるよ! 2人とももう仲良しなんだね!」

あかね「も、もちろんよぉ!」

櫻子「さすが会長です! もうあかりちゃんのお姉さんと仲良しになってるだなんて!」

綾乃(もうお姉さんに、妹を下さいって頭下げに行ったのかしら?)

千歳(なんかこのお姉さん匂うねんなぁ……… うちと近い雰囲気を感じるで……… いや、うちよりも行動的な感じが…………)

あかり「それでね、これがあかりのお姉ちゃん! あかりのことをとっても大切に想ってくれる優しいお姉ちゃんなんだ!」

あかね「赤座あかねよ。みんなの事はあかりからいつも聞いてるわ。いつもあかりがお世話になってます」ペコリ

櫻子「あかりちゃん、私たちの事お姉さんに話してくれてたんだね!」

向日葵「ま、櫻子の事はあまりいいことじゃないでしょうけどもね」

323: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 18:48:50.15 ID:I6/A77pc0

あかね「あら、そんな事ないわよ。あなたが櫻子ちゃんね?」

櫻子「はい!」

あかね「とっても元気な子で、いつもあかりを元気にしてくれる子だって聞いてるわ。それにとても優しくて運動神経も抜群だって」

櫻子「て、照れるなぁ~ あかりちゃん」カアァァ

あかね「そして貴女が向日葵ちゃんね? 私が想像してた通りの子だわ」

向日葵「初めまして」

あかね「気配りが出来てとても真面目なんですってね。あかりがいつも助けてもらってるって感謝してたわ」

向日葵「そ、そんなことありませんわ! 私の方が赤座さんに余程助けていただいてます!」

あかり「そんな事ないよぉ。向日葵ちゃんはいつもあかりの事を助けてくれてるもん!」

向日葵「そ、そんな事言われると……うぅ…………」カアァァ

あかね「うふふふ、そして貴女が綾乃ちゃんね。格好いい先輩だっていつもあかりから聞いてたの。一度会いたかったのよ」

綾乃「か、格好いい!? わ、私がですかぁ!!」

あかり「そうなんだよお姉ちゃん! いつもあかりの事を気に掛けてくれる優しい先輩で、お仕事してる時なんかはとっても格好いいんだよ!!」

綾乃「あ、赤座さん!? あ、あまりそういう事言わないでくれないかしら……恥ずかしい………」カアァァ

千歳「綾乃ちゃんは恥ずかしがり屋さんやなぁ」

綾乃「ち、千歳ぇ~」グスッ

あかね「千歳ちゃんの事ももちろん聞いてるわよ。優しくてとっても可愛い綿あめみたいな先輩がいるってね」

千歳「う、うちが可愛い……? そ、そんな事あらへんよ赤座さんったら~」

あかね「ううん、とっても可愛いわよ千歳ちゃん。それにあかりが頭を撫でたいって言ってた意味が分かるわねぇ~」

千歳「あ、そんなことないですって! そ、そんな綿あめなんてなぁ……」

あかり「ちょっとお姉ちゃん、そんな事まで言わないでよぉ~!」

あかね「うふふふ、ごめんなさい。でもあかりが皆さんの話をするとき本当に嬉しそうな顔をしてたから」

あかり「もぉ~」プンプン

あかね「そしてりせちゃんね。この前は楽しくお話し(?)出来たわ」

324: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 18:51:08.28 ID:I6/A77pc0

りせ「…………」

あかり「え、そうなのりせちゃん?」

あかね「へ?」

あかり「なんかりせちゃんがね、お姉ちゃんがさっきからずっと部屋の外にいたって言ってるんだぁ」

あかね「ギクッ!!」

櫻子「そうだったんですか!? 早く入ってきてくれればよかったのに! なんかあったんですか?」

あかね「いえ、別にやましい気持ちはなにも!! ただ生徒会のみんなが集まって楽しんでるのにそこに私なんかが入っていいのかなって思っちゃって!」

あかね(まさかりせちゃんに呪詛を飛ばしてただなんて言えない! あかりに嫌われちゃう!)

あかり「それじゃあなんであかりの部屋の前にいたの?」

あかね「そ、それはね……これを渡そうかと…………」

あかり「なにこれ?」

あかね「ほら、あかりの生徒会副会長当選のお祝いに買ってきたの!」

あかり「え、本当!?」パァァ

あかね(か、可愛いわぁあああ!! この笑顔が見られただけでご飯10倍は行けるわよぉ~!! つまり30杯はいけるわぁ!!)

あかり「ねぇ開けてもいい?」

あかね「もちろん」ニコッ

あかり「えっと、これは……」ゴソゴソ

あかり「ペン?」

向日葵「ま、万年筆じゃありませんの!? そ、それにこんなに高級そうな!!」

櫻子「流石大学生!!」

あかね「うふふふ、多分これからはあかりも文を書くことが多くなるでしょう? それならこれが一番いいかなって思ったのだけれども……気に入ってくれたかしら?」

あかり「うんっ! あかりとっても嬉しい! ありがとうお姉ちゃん、大好き!!」

あかね「~~~~~~~~~~~~!!」

あかね(天使降臨!!)

325: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 18:53:52.55 ID:I6/A77pc0

千歳「赤座さん良かったなぁ」ニコッ

綾乃「そうね。多分これからは沢山それを使うことになるわよぉ~」

あかり「はい! あかりの宝物にします! ずっと大切に使います!! 本当にありがとうお姉ちゃん!」

あかね「あっはぁああああああ!! こんな事当然よあかり!! 可愛い私の妹ですもの!!」ギュッ

あかり「えへへへ」

りせ「………………」

あかり「え、りせちゃんも私に何かくれるの!?」

りせ「………」コクコク

あかり「うわぁなんだろう!」ゴソゴソ

りせ「………」

綾乃「え、私にもですか!?」ゴソゴソ

あかり「あ、キーホルダーだ!」

綾乃「私もよ! 赤座さんとは色違いのやつ。ほら」

あかり「えへへ、お揃いですね杉浦先輩!」

あかね(……ふふふ、勝った!)

千歳「うちからはこれや!」

綾乃「うっ! これは…………」

あかり「あ、ぬか漬け! あかりぬか漬け大好き!」

千歳「何プレゼントしたらええか思い浮かばんかったからいつも通りのこれにしたんよ」

綾乃「あ、あははは、ありがとう千歳」

綾乃(貰っておいて何だけど流石にこれはどうかと思うわよ、千歳…………赤座さんは喜んでるけども)

326: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 18:56:27.14 ID:I6/A77pc0


向日葵「私からはこれですわ。大したものではないのですけども…………」

あかり「わぁお人形さんだぁ!」

綾乃「こ、この人形ってもしかして……」

千歳「えらいそっくりやなぁ~ すぐに赤座さんと綾乃ちゃんだって分かったもんなぁ」

綾乃「手作りしたの!?」

向日葵「は、はい。試行錯誤を繰り返してなんとか渡せそうなものを作る事ができました。本当につまらない物で恐縮ですが……」

あかり「ううん、とっても可愛い! ありがとう向日葵ちゃん!」

綾乃「私も嬉しいわ。ありがとう古谷さん!」

向日葵「気に入っていただければ幸いですわ」ニコッ

櫻子「よし、最後は私だ! えーオホン! 2人ともよく聞いててね」

あかり「?」

綾乃「?」

櫻子「わたし大室櫻子は一生あかりちゃんと親友でいる事を誓います! わたしと友達になってくれてありがとうあかりちゃん! これからもずっとずっとよろしくね!」

あかり「へ?」

櫻子「わたし大室櫻子は一生杉浦先輩の後輩でいる事を誓います! 普段からわたしの面倒を見てくれてありがとうございます! 今後もどうぞよろしくお願いします!!」

綾乃「あ、ありがとう……?」

向日葵「?」

千歳「?」

向日葵「………………って、それで終わりですの!?」

櫻子「へ? うん、そーだよ」

向日葵「さ、櫻子…………」ガクッ

櫻子「え、えへへへ~ プレゼント何にしようか迷ってたんだけどさ、お小遣いは使い尽くしちゃったし、かと言ってなにかあげられるものもなかったから」

向日葵「あ、貴女って子は…………」

327: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 18:58:48.17 ID:I6/A77pc0


りせ「……………」パチパチパチパチ

千歳「会長?」

向日葵「な、なんですの?」

りせ「…………………………」

りせ「………………………」

りせ「………………」

あかり「うん、あかりもそう思う!」

りせ「………………」ナデナデ

櫻子「わわわ!? か、会長!」

千歳「赤座さん、会長はなんて?」

あかり「その、もらった私が言うのは少し恥ずかしいんですけども……」

りせ「…………」コク

あかり「プレゼントは相手を想う気持ちがあれば何でもいい。心がこもっているものはどんな物であれ最高のプレゼントになる、と言ってます」

あかね(ッ!!)

あかり「それに今回はあかりと杉浦先輩に一生涯付き合っていける友人ができた。そんな友人は一生でそう多くはできない。2人も櫻子ちゃんを手放さないように大事にしなさい、とも言ってます」

櫻子「てへへ~」

あかり「あかりとっても嬉しかったよ櫻子ちゃん! 普段あかりの事を大事に思ってくれてる気持ちが伝わってきたもん!」

綾乃「わ、私もよ。ちょっとストレートに感謝されちゃったから恥ずかしかっただけで……とっても嬉しかったからね!」



あかね(…………そうよ赤座あかね。貴女は一体なにを言っていたのよ!)

あかね(プレゼントが価値だけで決まるのなら、私があかりから貰った幸せな日々は無価値なの!? 幼い日にもらったあの指輪は意味のないものなの!? 違うでしょ赤座あかね!)

あかね(私はこのりせちゃんを憎むばかりに、あかりの心すらを蔑ろにしていたわ! 姉として失格よ! 最低よ! )

あかね(まさか中学生の女の子、それもあかりを奪って行った子にその事を気づかされるなんて………ふふふ、もう本当にダメなお姉ちゃんね…………)

あかね「りせちゃん」

りせ「……?」

あかね「ありがとう」ナデナデ

りせ「っ!」ピクッ

あかね「うふふ」

りせ「…………………」

りせ「…………」ニコッ

あかね(尤も、まだ認めたわけではないけどもね)ゴゴゴゴゴ

328: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:00:44.45 ID:I6/A77pc0





綾乃「ごちそうさまでした」

あかり「ごちそうさまでした! とっても美味しかったぁ」

向日葵「お粗末様でした。喜んで頂けて良かったですわ」

千歳「頑張って作った甲斐があったなぁ」

あかね「ごちそうさま。とっても美味しかったわ! 私まで頂いちゃって申し訳なかったわね」

向日葵「いえいえ、お姉様にも気に入って頂けて良かったです」

あかね「今日はみんな泊まっていくのでしょう?」

櫻子「はい! 生徒会全員でのお泊まり会です!」

あかね「あらあら、楽しそう。それじゃあ私はこの食器を台所に置いてくるわね」

あかり「あ、あかりも一緒に行くよぉ」

向日葵「いえ、それは私達が……」

あかね「まぁまぁ。あかりの事を気にしてくれるのは嬉しいけどもここは私たちの家だもの。お客様にはそこまでさせられないわ」

あかり「あ、それじゃあみんなはこの円机の片付けと押入れから布団出してもらっていいかな?」

櫻子「了解! この櫻子様が綺麗に布団を敷いてやろう!」

向日葵「貴女はまた調子に乗って…………」

りせ「……………」

あかね「それじゃあ行きましょう、あかり」

あかり「うん、お姉ちゃん! それじゃあちょっと行ってくるね!」

329: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:03:25.32 ID:I6/A77pc0





あかね「よっと。それにしてもみんなきれいに食べたわね、おかげで軽く洗うだけで済みそう」

あかり「そうだねお姉ちゃん。あかりも一緒に洗うよぉ」

あかね「お願いするわあかり。それにしてもあかりはいいお友達と先輩を持ったわね」キュッキュッ

あかり「えへへ、そうでしょ!」

あかね「あ、ところでみんなはどうしたの? またお祝いしてくれるのかしらね?」キュッキュッ

あかり「みんなって?」

あかね「何言ってるのよあかり。京子ちゃんたちのことに決まってるじゃないの」

あかり「……………ッ!!」


パリーン!



あかり「あ…………」

あかね「あかり! 大丈夫? 怪我はない!?」

あかり「う、うん。大丈夫だよお姉ちゃん。いまあかりが拾うから……」

あかね「ダメよ! 怪我したらどうするの! いま私が拾うからあかりは動いちゃダメよ!」

あかり「う、うん。ごめんねお姉ちゃん……」

あかね「いえ、大丈夫」

あかり「…………………」

あかね「…………何かあったの?」

あかり「え…………」

あかね「あかりがその顔をしてる時は何かあった時、昔から変わってないわね」

あかり「…………う、うぅ」

あかね「無理して話してくれなくてもいいわよ。でももしも私が相談に乗ってあげることであかりの気が軽くなるのなら話して貰いたい」

あかり「…………………うん」

あかね「……えっと、もう大丈夫かしらね。残りの細かいのは掃除機で吸い取りましょう」

あかり「…………………………」

あかね「あかり?」

あかり「お姉ちゃん………」

あかり「お、お姉……ちゃ…………うぅ…………」グスッ

あかね「大丈夫よあかり」ギュ

あかり「あ…………」

あかね「お姉ちゃんはあかりの味方だから。大丈夫よ、大丈夫」ギュッ

あかり「…………ふ、ふぇ…………ふわあああぁぁぁあぁぁぁあ!!」

330: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:05:39.95 ID:I6/A77pc0


あかね「なるほど、私の知らないうちにそんなことになってただなんて」

あかり「……………………」

あかね「京子ちゃんと結衣ちゃんがそんなことを言うなんて夢にも思わなかったわ。辛いことを思い出させてしまってゴメンなさい、あかり」

あかり「ううん、大丈夫だよ」

あかね「ふふ、ありがとう」

あかり「ねぇ、お姉ちゃん。あかりはどうしたらいいのかな…………」

あかね「あかりはどうしたいの?」

あかり「……………分からない、どうしたらいいのか分からないの」

あかね「………………」

あかり「あかりは京子ちゃんも結衣ちゃんも大好き。これからも2人とずっと仲良くしていたい。でも…………」

あかね「2人はあかりの事を嫌いって言ったのね」

あかり「うん…………」

あかね「そっか、難しいわね」

あかり「……………………」

あかね「喧嘩だったならゴメンなさいをすれば良いのだけど、今回は喧嘩ですらない。あかりには謝ることがなにもないものね」

あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんに嫌われちゃったあかりが悪いの……あかりがもっとしっかりしてて、楽しいお話もできればこんな事にはならなかったの…………」

あかね「それは違うわよあかり」

あかり「え……」

あかね「あかりはね、自分では気づいてないのかもしれないけれど、とってもしっかりしてて明るく元気な子なの。楽しいお話だっていっぱい出来る子なのよ」

あかり「でも……京子ちゃんたちが…………」

あかね「あの2人がどう言おうとも私はそう思う。上にいるみんなにも聞いてごらん。絶対に私と同じ答えを出すと思うわよ」

あかり「……でも…………」

331: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:07:23.13 ID:I6/A77pc0


あかね「あかり、自信を持ちなさい」

あかり「……………え?」

あかね「謙虚な心は美徳、でも自らを過小評価しすぎるのは良くないわ。あかり自身にとっても、あかりを認めてくれているお友達にとっても」

あかり「………あ」

あかね「ね?」

あかり「うん……そうだね………」

あかね「でしょ?」

あかり「うん………」

あかね「……………………ふふ」ナデナデ

あかり「お姉ちゃん?」

あかね「ねぇあかり。あかりはもう京子ちゃん達と関わるのは嫌? 京子ちゃん達のことを嫌いになった?」

あかり「………………」

あかね「もしそうなら無理は言わないわ。あかりにだってお友達を選ぶ権利はあるもの、このまま関わらないで学校生活を送るのも1つの選択肢よ」

あかり「…………………………」

あかね「でもねあかり。もしあかりがまだ心のどこかで迷っているのなら………お姉ちゃんはその心を尊重すべきだと思う」

あかり「…………………………」

あかね「りせちゃんもさっき言ってたけれども、一生大切にできるお友達なんてそう簡単にできないわ。私はあの2人ならあかりにとってそういうお友達になれると思うの」

あかり「…………大嫌いって言われてたとしても?」

あかね「ええ。私にもなんでか分からないけども……お姉ちゃんの勘よ」

あかり「…………」

あかね「あかりは、今まで京子ちゃんと結衣ちゃんと、そしてちなつちゃんと一緒にいて楽しかった? 楽しくなかった?」

あかり「……………………し…っ……」

あかね「あかり?」

あかり「たのし……かった………」

あかり「京子ちゃんと一緒にダラダラしてたのも、結衣ちゃんと一緒にゲームしたのも、ちなつちゃんと一緒にお買い物に行ったのも……」

あかね「…………………………」

あかり「全部…………全部楽しかった!!」

332: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:09:38.26 ID:I6/A77pc0


あかね「…………………」

あかり「でもっ……怖いの!」

あかね「怖い?」

あかり「今までの全てが……全部全部が嘘だったって考えちゃうと怖いの!! 京子ちゃんも結衣ちゃんも本当は楽しくなかったんじゃないかってどうしても考えちゃうの!!」グスッ

あかね「………………」ナデナデ

あかり「好きだったのも楽しかったのも全部あかりだけで、2人とも実は嫌々あかりに付き合ってたのかもって考えちゃうと怖いの!!」

あかね「そんなわけないわ」

あかり「そうだもん!! 2人ともそう言ったの!! あかりと嫌々一緒にいたって!! 全部全部嘘だったんだって!!」

あかね「あかりはそう思うの?」

あかり「だって本人がそう言ったんだもん!」

あかね「あかりはそれを信じられるの?」

あかり「だって……そういう風に言われちゃったんだから…………信じるしか……」

あかね「ふぅ、そうね。聴き方を変えましょう」

あかり「え?」

あかね「小さい頃からずっと仲良く遊んできて、2人が中学1年生になってからもほぼ毎日会いに来てくれて、あかりが中学生になったらすぐに部活に誘ってくれて、それから毎日毎日笑いながら過ごしていた京子ちゃんと結衣ちゃん」

あかね「そしてあかりの事をたった一度だけ嫌いと言った、3分にも満たない時間の2人」

あかね「あかりは……どっちを信じたいの?」

あかり「…………………」

あかね「私が言いたいのはそれだけよ。さぁ、そろそろ部屋に戻らないと。みんなが心配するわよ」

あかり「あ、でもお皿を掃除しないと……」

あかね「お姉ちゃんがやっておいてあげるわ。ほら、今日はもう寝ないとね」

あかり「……うん、わかったよ。ね、お姉ちゃん」

あかね「なにかしら?」

あかり「ありがとう……」ニコッ

あかね「…………えぇ、どういたしまして」ニコッ




りせ「……………」

りせ「…………………」コソコソ




ガチャ




りせ「………………」

りせ「…………」


prrrrr……prrrrr……

333: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:11:50.96 ID:I6/A77pc0



西垣『どうした松本? こんな時間に電話してくるのは珍しいな』

りせ「…………………!」

西垣『茶道部のことを考えるとお腹が痛い? なに!? まだあれを処理していなかったのか!?』

りせ「…………」

西垣『確かに赤座はショックを受けるとは思う。しかしこればっかりはどうしようもないからな』

りせ「…………」

西垣『そうだろうな。誰がどう考えてもごらく部が出て行かなくてはならないだろう。そもそも不法占拠しているようなものだからな』

りせ「…………」

西垣『どうにかしたいと? 具体的にはどうしたいんだ?』

りせ「………………」

西垣『そんな事私にだって分からん。お手上げ状態だ』

りせ「…………!!」

西垣『落ち着け松本。お前がそのように猛ってもなにも解決はしない』

りせ「………………」

西垣『ああ、いや気にしてない。むしろ珍しい松本を見れて……いや、聞けてか。とりあえず嬉しかったぞ』

りせ「…………」

西垣『ああ、腹を出して眠るなよ。それじゃな』

りせ「……………」ピッ

りせ「……………………」ハァ


ガチャ


りせ「……………!」ビクッ

あかり「あ、いたいた。どうしたのりせちゃん? 外に出てるなんて」

りせ「……………」

あかり「部屋にいなかったから探しに来たんだよぉ。こんな時間に1人で外に出るなんて危ないよぉ~」プンプン

りせ「…………」

あかり「ほら、外は寒いんだから早く戻ろ? あかりもう眠いもん」

りせ「……………」コクン

あかり「一緒に寝よ~ ふわぁああぁ……」

りせ「…………」

334: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:14:40.09 ID:I6/A77pc0


櫻子「…………はっ!?」

千歳「大室さん、どないしたん?」

櫻子「いや、なんか胸騒ぎが……」

向日葵「はぁ?」

櫻子「なんか嫌な予感がするんだよねー なんだろ?」

綾乃「嫌な予感って?」

櫻子「うーん……… なんだろ?」

向日葵「バカな事言ってないでもう寝ますわよ」

櫻子「ううむ……まあいいいや。今日もまた向日葵の抉れた胸の夢を見て楽しむとしよう」

向日葵「バカな事言わないでよ!」

335: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:17:32.39 ID:I6/A77pc0



ー翌日の生徒会室ー



綾乃「うーん……」カキカキ

あかり「うーん……」カキカキ

松本「……………」

櫻子「なぁ向日葵、2人はなにを書いてるの?」

向日葵「何って……原稿ですわよ。今度の就任演説の」

櫻子「就任演説?」

千歳「綾乃ちゃんと赤座さんの事を選んでくれた人へのお礼文みたいなもんやな。それと今後頑張るからよろしくって事とか」

櫻子「なるほど!」

向日葵「まったく、そんな事を知らずによく以前は立候補したがってたものね」

松本「…………」

櫻子「てか会長はいつまで会長なの? 多分会長じゃなくなってもここには来ると思うけどさ」

千歳「就任演説まではまだ松本りせさんが会長やね。その後に腕章をそれぞれ貰うねんな」

向日葵「それならばもう暫くは松本会長が生徒会長なんですのね」

櫻子「なんだよーそんな事も知らなかったのか向日葵はー」

向日葵「お黙り」

綾乃「えっと……どうしようかしらここ」

あかり「あかりもここの所をどうしようか迷ってます」

千歳「なんかこうして見てると2人は姉妹みたいやね」

向日葵「そうですわね。髪の色もなんとなく似てますし」

千歳「姉妹ってのはええよ~ 楽しい時は2倍で悲しい時は半分で済むもんなぁ。これからはこの2人がお互いに助け合いつつやってくんやね」

向日葵「もちろん私達もサポートしますわ! ね、櫻子」

櫻子「うむ。この櫻子様に任せなさい!」

向日葵「またこの子は威張ったりして……あら?」



コンコン




綾乃「はーい、どうぞ」

「失礼します」

りせ「……………っ!!」ビクッ

336: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:19:39.05 ID:I6/A77pc0


千歳「あ、この前の人やね」

「はい。お忙しいところ失礼します。あの、この前の件についてお話しに来ました」

りせ「………………」ダラダラ

綾乃「か、会長!? 汗が滝のように!!」

あかり「りせちゃん!?」

「あの、りせさん? 大丈夫? 凄く顔色悪いけども……」

りせ「……………」ダラダラダラダラ

あかり「あ、あの! 会長は具合が悪いようなので私が代わりにお聞きします!」

「あ、貴女が赤座さんね。応援演説見てました。凄く可愛かったです」

あかり「ありがとうございます!」

「それで私の用事なのだけれども、この前提出に来た書類の通り部活動の発足にいてなのだけれども、少し問題が出てしまって」

あかり「部活動の発足、ですか?」

「うん。茶道部なんだけれども」



りせ「……………っ!!」

千歳「え」

綾乃「なっ!?」

向日葵「さ、茶道部……!? それって……」



あかり「どのような問題があったんですか?」

「先ほど部室の下見に行ったのですが、何やらなかで人の声がしまして……」

あかり「誰かいたんですか?」

337: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:22:56.44 ID:I6/A77pc0


「恐らくそのようです。昔の顧問の先生に聞いたところスペアキーが1つ紛失していたみたいで………」

あかり「つまり誰かがそれを拾って、部室を勝手に使っているという事ですね」

「はい」

あかり「分かりました、その人達には理由を説明してスペアキーを返して貰います。えっと、部活はいつから始めますか?」

「できるだけ早い方が。私も3月で卒業してしまいますし」

あかり「分かりました。任してくださいね!」ニコッ

「ありがとう赤座さん。副会長頑張ってくださいね」

あかり「はい!」




ガラララ




あかり「うう……とは言っちゃったものの、恐い人たちだったらどうしよう……」

櫻子「ふっふふふ! あかりちゃん大丈夫! この櫻子様に任せておきなさい!! 一緒について行ってあげるよ!」

あかり「本当!? ありがとう櫻子ちゃん!」

櫻子「はっははは! 頼りになるあかりちゃんの右手は私だ!!」

あかり「櫻子ちゃん、多分それを言うなら右腕だと思うな……」

櫻子「うえっ!?」

あかり「あはははは」


りせ「…………」

綾乃「も、もしかして……」

千歳「き、気付いてへんの?」

向日葵「あ、あの! 赤座さん!!」

あかり「え、どうしたの向日葵ちゃん?」

櫻子「なんだぁ向日葵? まさか私たちについてくる気なのか! ふふん、もう遅い! あかりちゃんの右腕ポジはこの天才櫻子様が貰い受けたのだ!」

向日葵「違いますわ」

櫻子「む……どうしたの向日葵、そんな深刻そーな顔しちゃって」

あかり「向日葵ちゃん?」

338: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:26:28.50 ID:I6/A77pc0

綾乃「ねえ、赤座さん。茶道部の部室ってどこにあるのか知ってる?」

あかり「部室ですか? えっと……そういえば知りません。だいたい茶道部があった事だって知りませんでしたし。皆さんは知ってるんですか?」

櫻子「多分畳の部屋なんじゃない? 豪勢に掛け軸とかもかかってたりして!」

向日葵「あ、その……」

綾乃「え、えっとね赤座さん……そのっ……」

千歳「ちょ、ちょっと2人ともこっち来て」




千歳「こうなったらこの件はうちらだけで処理せなあかん」ボソボソ

綾乃「処理って言われても……どうすればいいの?」

向日葵「先輩方は何もしなくても構いませんわ。ここは先輩方と確執がない私と櫻子がなんとかします」

千歳「それはあかんで。うちらが全部始末つけるから2人は手を出さんでええ」

綾乃「そうよ。ここで私たちが甘えてちゃいけないもの!」

向日葵「しかしそれでは歳納先輩と船見先輩との仲がまた………」

千歳「……………でもこれはうちらがやるべき事やからね」

綾乃「辛いけれども……ね。あれからアヤフヤになっていた私たちの関係が完全に崩れーーー」





櫻子「畳って言えばごらく部の部室も畳張りだったよねー」

あかり「え……」


向日葵「あ」

千歳「あ」

綾乃「あ」

りせ「」



櫻子「どーしたのみんな? そんな固まっちゃってさ」

向日葵「さ、櫻子…貴女って人はとこまで馬鹿なんですの!!」

櫻子「ちょ、やめろってば! なんなの一体! べつにごらく部とか関係ないんだからいいじゃんか!」

綾乃「ち、違うのよ大室さん。ごらく部の部室が茶道部の部室なの……」

櫻子「へ? てことは皆んなは本当は茶道部だったって事?」

綾乃「いえ、そうじゃなくって………」

千歳「あれや、いわゆる不法占拠って奴や。元々ごらく部というのは歳納さんが作った実態のない部活動やから」

櫻子「実態のない部活? え、でもごらく部と生徒会で合同合宿とかしたじゃないですか」

千歳「あんなんはただのお泊まり会みたいなもんや。第一生徒会が合宿なんてする必要あらへんやろ?」

櫻子「た、確かに言われてみれば……」

339: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:29:16.63 ID:I6/A77pc0


あかり「りせちゃん……さっきの人が言っていた発足用紙、見せて」

りせ「……………………」

あかり「お願い、りせちゃん」

りせ「…………………………」

あかり「ううん、あかりがやるから…………お願いだから…………」

りせ「…………」


りせ「」ゴソゴソ

あかり「ありがとう、りせちゃん」ペラッ





部活動発足申請書

発起人代表 : ○○○○
発起人 : ○○○○
同 : ○○○○
同 : ○○○○
同 : 吉川ちなつ
同 : ○○○○


顧問 : ○○○○ 先生



発足希望部名 : 茶道部





あかり「………………」

櫻子「え、うそ! ちなつちゃん!?」

向日葵「な、なんですって!?」ガタッ

あかり「…………やっぱり」

向日葵「やっぱりって、気づいてましたの?」

あかり「最近ちなつちゃん、ごらく部に行ってなかったみたいだったから……それに元々茶道部志望だったみたいだし」

綾乃「吉川さんまでごらく部からいなくなっていたなんて」

千歳「そう言えばこの前行った時もいなかったもんなぁ」

あかり「…………………………」

千歳「赤座さん?」

あかり「…………………………ッ!」ガタッ

綾乃「あ、赤座さんどこに行く気!?」

あかり「さっきの人のところです。どうにかして茶道部を諦めて貰いに行きます!」

綾乃「え!?」

千歳「そ、そんなん無茶や! ごらく部の方が圧倒的に不利やねんて!」

あかり「それでもです! このままじゃ京子ちゃんと結衣ちゃんの思い出が詰まったごらく部がなくなっちゃうんです!」

向日葵「そ、それはそうですが………」

綾乃「赤座さん、気持ちはわかるわよ。でもね、こればっかりはどうにもならないの」

あかり「それでも! あかりは何もしないうちに諦めたくないです! 頼むだけでも頼んでみたいです!」

向日葵「赤座さん………」

341: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:32:57.64 ID:I6/A77pc0


櫻子「よし! それなら私も一緒に行くよあかりちゃん!」

向日葵「櫻子!?」

あかり「櫻子ちゃん……」

千歳「そんなことしたらあかん。うちらには部活動の発足を禁止する権限はないんやで?」

綾乃「そ、そうよ! そんなこと無理無理ムー大陸なんだから!」

櫻子「でもこのあかりちゃんがですよ? いつも文句やわがままの1つも口にしないあかりちゃんが、初めてわがままを言ったんですよ! それって余程のことだと思いません?」

綾乃「そ、それはそうだけど……」

櫻子「それなら一回くらい、いいじゃないですか。頼みに行くくらいならタダですし!」

千歳「……………まあ、それくらいなら確かに」

綾乃「べつに平気かしらね。それに他ならぬ赤座さんの頼みでもあるわけだし……」

向日葵「はぁ、わかりましたわよ櫻子。それなら私もついていきましょう」

櫻子「よっし! 流石は向日葵、私の下僕!」

向日葵「ぶん殴りますわよ?」

あかり「あ、あははは……それじゃ行こっか」



りせ「………………」スッ

あかり「りせちゃん?」

りせ「……………」フルフル

向日葵「会長が扉の前で両手を広げて仁王立ちを……」

あかり「な、なんでだめなの!? 頼みに行くくらいならいいでしょ!」

りせ「…………」フルフル

あかり「そんなっ! どいてよりせちゃん! 頼みに行くだけだから! 断られたら諦めるから!!」

りせ「…………………!!」ググッ

綾乃「あ、赤座さん落ち着いて!」

千歳「手を出したらあかんで赤座さん!」

あかり「早くどいてよ! お願いだから早くッ!!」

りせ「…………………!!」







りせ「いい加減に……しなさいッ!」

342: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:35:35.86 ID:I6/A77pc0


あかり「………………え」



綾乃「なっ!?」

千歳「か、会長が……」

向日葵「しゃ、しゃ、しゃ……」

櫻子「喋った!?」








りせ「あなたに、2年半も…部活を行うのを我慢してきたあの子を……邪魔する権利はない」



あかり「…………………………」

あかり「………………」

りせ「…………」

あかり「……で、でも………」

りせ「……だめ……」

あかり「は、話だけでもッ!!」

りせ「……………許さない」





りせ「これは……わたしが処理する……………」





あかり「……………」プルプル

櫻子「あ、あかりちゃん………」

向日葵「赤座さん……」




ガラララ!




西垣「おい! 松本の怒鳴り声が聞こえたが何が………………ッ!」

千歳「西垣先生……あの、これは………」

西垣「いや、全て把握した。赤座、お前は今日は帰れ。大室と古谷も一緒でいい」

向日葵「で、でもまだ仕事が……」

西垣「松本が全て終わらせる。とにかく帰れ」

櫻子「わ、わかりました」

向日葵「わかりましたわ西垣先生」

あかり「…………」グスッ

西垣「荷物を忘れるな。ほれ」

向日葵「有難うございます、西垣先生。それでは」ペコ

櫻子「とりあえず今日は帰ろうよあかりちゃん。今から家で作戦会議だ!」

343: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:38:08.69 ID:I6/A77pc0



りせ「……………」

綾乃「会長、あの……」

西垣「先程ここに来たという生徒はな、非常に優しい少女だ。もし赤座があのまま頼みに行ったら恐らく二つ返事でOKしただろう。自分の希望を押し殺してでもな」

りせ「………………」

西垣「だから松本は絶対にあれを許すわけにはいかなかった。いくら赤座の頼みとはいえそんなエゴを許すことは松本にはできん」

綾乃「………………」

千歳「そ、そんなら……」

りせ「………」コクン

綾乃「そ、それならその役目は私が!」

西垣「ダメだ」

綾乃「な、なんでですか!」

西垣「この件についてはお前たちの介入は不要だ。松本が1人で全ての片をつけると言っている」

りせ「…………………………」

西垣「お前たちはいずれも歳納達と仲が良かった。だから一番関わりの少なかった自分が全てを終わらせると言っている」

千歳「でも赤座さんがいるのに会長がそんな憎まれ役を買って出るのはマズイんじゃ……」

西垣「それは仕方がないだろう。松本はまだ生徒会長なんだからな。書類を受け取った以上受理をする義務がある」

りせ「……………」

西垣「ただ、行動は少ししてからにするらしい」

綾乃「へ?」

りせ「…………………」

西垣「あまりにも大声で怒鳴ったせいで声が枯れてしまったらしい。喉も痛いらしいから当分は無理だ」

千歳「あれ、怒鳴り声だったんですか……」

綾乃「ま、まぁ初めて私たちが聞けた会長の肉声だったしね…………」

344: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:40:47.68 ID:I6/A77pc0


ー3日後の生徒会室ー





西垣「さて、松本よ。ごらく部に攻め入る準備はいいか?」

りせ「…………」コクン

西垣「私の役目はあくまで会話の橋渡し。それ以上のことはしないからな」

りせ「……………………」

西垣「赤座のことを思うなら変に長引かせず今日中に終わらせてやれ」

りせ「………………」コクン

綾乃「会長、ご武運を! 私たちはここで見守りミケランジェロしてますから!」

千歳「ほんまにうちら行かんでええんですか?」

西垣「松本は必要ないと言っている。安心してここで待っていればいい」

りせ「………………」




ガラララ





綾乃「行っちゃったわね」

千歳「会長も辛いやろな。自分の大切な人の幼馴染の居場所を奪いに行くんやから……」

綾乃「でもあの2人、赤座さんに酷いこと言ってたじゃない。それなのに赤座さんがあそこまでショックを受けるとは思ってなかったわ」

千歳「それが赤座さんの良いところなんやろな。ごらく部からいなくなって一番罪悪感を感じてるのも赤座さんやろしなぁ」

綾乃「追い出した罪悪感よりも追い出された罪悪感の方が大きいなんてのも変な話だけどもね」

千歳「せやなぁ」

綾乃「ところで今日、赤座さん達来てないけれどどうしたんでしょうね?」

千歳「さあ? クラスで係でもあるとちゃう?」

綾乃「もしかしてごらく部に行ってたりして」

千歳「…………………………」

綾乃「…………………………」

千歳「まさかぁ~」

綾乃「まさかね~」

345: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:42:58.67 ID:I6/A77pc0



りせ「………………ッ!」ジタバタ

櫻子「ここは通しませんからねー!!」ガバッ

向日葵「も、申し訳ありません会長! この非礼は後ほど必ずお詫びします!」ガシッ

りせ「………………ッ!!」ジタバタ

西垣「はっはっは、何を言う松本よ。私は言ったはずだ、会話の橋渡し以外のことはしないと」

りせ「…………………ッ!」ジタバタ

向日葵「くっ! 意外と力がありますわね……!」

櫻子「こら向日葵! もっとちゃんと抑えとかないと!」

向日葵「わかってますわよ! 櫻子こそ力が弱まってるんじゃないですの?」

櫻子「そんなことあるか! ほらっ!」ガシッ

りせ「………………ッ!?」

櫻子「ほぉら! 向日葵の方が力ないんだよ!」

向日葵「な、なんの! 私だって!」ムニュ

りせ「…………………………!?」

西垣「あぁ、松本の顔があの胸に埋もれて…………」

向日葵「どうです? 私が抑えた途端こんなにも力が弱まりましたわよ!」

櫻子「ぐぐっ! ま、負けてたまるかぁー!!」ガシッ

向日葵「こっちだって!」ムニュ

りせ「………………ッ!! …………………………!!!」

西垣「松本よ、お前にとってはただ苦しいだけかもしれないが、それは全国の男子生徒の夢の死に方だ。名付けて愛の窒息死」

櫻子「おりゃー!!」

向日葵「なんのー!!」

りせ「」ブクブク

西垣「あとで酸素ボンベでも渡してやるか」

346: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:45:46.76 ID:I6/A77pc0

京子「結衣~暇だよ~」

結衣「今日何回目だよそれを言うの」

京子「だってさ~最近二人っきりだから何もすることがないんだもん。まるで1年前に戻ったみたいだよ」

結衣「コムケの原稿はどうなんだ?」

京子「もう終わらせちゃった。だってそれくらいしかすることがなかったし」

結衣「それじゃあ宿題するか」

京子「えぇ~ めんどくさいんだけど。もっと別のことやろうぜ!」

結衣「何をだよ?」

京子「話題ボックス!」

結衣「2人でやるとか冒険すぎるだろ! 誰も得しないぞ!」

京子「王様ゲーム!」

結衣「だから意味がないってば」

京子「うむむむ~ これが俗に言う倦怠期ってやつか……」

結衣「なっ!? へ、変なこと言うな!」バシッ

京子「あ痛ッ! へ、へへっ! ツッコミのキレが増したようだな。流石だぞ結衣よ!」

結衣「なにキャラだよ……」

京子「京キャラだよ!」

結衣「強キャラには到底なり得ないな」

京子「むっはははー!」

結衣「まったく………」



コンコン



京子「ん? 誰だろ?」

結衣「さぁ? ここまで訪ねて来る人なんてもう誰もいないと思うけど」

京子「まさかあかりだったりしてね。“京子ちゃん結衣ちゃん、あかりをまたごらく部に入れてよびえぇ~ん”みたいに来たりして」

結衣「バカなこと言ってないでさっさと開けてやれ!」

京子「はいは~い、今開けますよ~」
















あかり「みんなのハートにドッキューン! お久しぶり赤座あかりだぴょ~ん♪」

347: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:51:09.82 ID:I6/A77pc0

京子「」

結衣「」

あかり「あ、あれ……? あかりとしては場を和ませる出来うる限りの挨拶をしたはずなのに」

京子「」

結衣「」

あかり「きょ、京子ちゃん結衣ちゃん? か、固まっちゃってるけれども大丈夫!?」ユサユサ

京子「はっ!? あまりの衝撃に頭がフリーズしてた!」

結衣「一瞬白昼夢かと思ってしまった」

あかり「えへへへ、2人のあんな顔は久しぶりだったよぉ。あ、入らせてもらうね」

京子「う、うん……」

結衣「…………はっ!? ダメだ京子ッ!」

京子「え……あっ!!」

結衣「あかり、目障りだから早くーーー」

あかり「あかり久しぶりに結衣ちゃんの淹れたお茶が飲みたいなぁ」

結衣「いや、だから早くーーー」

あかり「お茶お茶~♪ あったかいお茶~が飲みたいなぁ~♪」

京子「あ、あのあかりーーー」

あかり「京子ちゃんはお茶請けを持ってきてよ。あかりうすしおが食べたいなぁ」

京子「うぇ、あ、は…………わ、分かった」

結衣「京子!?」

京子「とりあえずあっち行こ」

結衣「う、うん…………」

あかり「…………………」

あかり(追い出されずに済んだ。な、なんとかここまでは作戦通りだよぉ)





結衣「京子、はやくあかりを追い出さないと!」

京子「いや、ありゃもう無理だろ。出オチのせいで追い出すタイミングをとうに逃してるし」

京子(もしかしたらこれを狙ってあんな挨拶で飛び込んできたのか?)

結衣「大体なんであんな風に飛び込んできたんだ? いや、それ以前になんであかりがここに来たんだ! なんの用事で!」

京子「そんなの知らないよ。結衣は慌てすぎだってば、少し落ち着きなよ」

結衣「京子」

京子「なに?」

結衣「おまえ、あかりのお茶請けに自分のリボン出す気か?」

京子「あ………」


348: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:54:57.66 ID:I6/A77pc0




京子「はい、お茶とお茶請け」

あかり「わぁいうすしお あかりうすしお大好き!」

結衣「それ食べ終わったらさっさと帰ってよ。邪魔だから」

あかり「わぁい! そういう事は食べ終わるまでいていいんだね?」

結衣「は? いや、そうじゃない!」

あかり「えへへ、結衣ちゃんの淹れてくれたお茶美味しいなぁ」ズズッ

結衣「話を聞けッ!」

京子「うすしおだって本当は私が食べたかったのに、あかりのせいで食べられなくなったし」

あかり「そんなに食べたかったうすしおをあかりのためにくれたんだね! 京子ちゃんは本当に優しいね!」ニコッ

京子「ふぇ!?」

あかり「あ、そうだ! あかりの家にラムレーズンあるから今日帰りに寄って行ってよ!」

京子「マジで!!」ガバッ

結衣「バカッ!」バシッ

京子「痛い!!」

あかり「本当に2人は仲がいいんだねぇ。あかりも幼馴染なのになんか妬けちゃうなぁ」ポリポリ

結衣「なぁあかり。わかってるとは思うけれど私たちはあかりの事が大嫌いなんだよ。だからあかりがここにいると本当に不愉快で仕方ない。だからはやく出て行ってくれないか?」

京子「そ、そうだそうだ! あかりは即刻この部室から出て行けー」

結衣「大体あかりは綾乃と千歳から私達に会う事は禁止されてるはずだろ?」

あかり「えへへ、黙って来ちゃった」ニコッ

結衣「次期生徒会副会長が会長からの命令を無視するのは大問題なんじゃないのか?」

京子「そうだそうだー! 2人とも怒るとすごく恐いんだぞー!」

あかり「あかりの心配をしてくれてありがとう2人とも」ポリポリ

349: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 19:57:40.48 ID:I6/A77pc0


結衣「別にあかりの心配をしてるわけじゃない。ただ綾乃と千歳に私達が怒られるんだよ。それが嫌なだけだ」

あかり「それは絶対にさせないもん。心配しなくて大丈夫だよぉ」ポリポリ

結衣(さっきから絶えずうすしおチップス食べてるけど…………)

京子(これならしばらく放っておけば勝手に食べ切って帰ってくれるんじゃないのかな)

あかり「それよりもね、今日は大事なお話があって来たんだ。多分2人にとってとっても大切な事が。どちらかと言えば生徒会よりのことなんだけども」

結衣「?」

京子「生徒会よりの?」

あかり「うん。ほら、これを見て欲しいんだけど」ゴソゴソ

結衣「なにこれ、なんかの書類?」

あかり「うん。ほら、茶道部を作るっていう書類だよ」

京子「それがなんだっての?」

結衣「私達に関係あるのか?」

あかり「だから茶道部の部室を不当占拠している2人には出て行ってもらわなくちゃいけないんだよぉ」

京子「不当占拠?」キョトン

結衣「どういう事?」キョトン

あかり「へ? いや、だって……ここ、もともと茶道部の部室……………」

結衣「…………………………」

京子「…………………………」

あかり「…………………………」

結衣「…………………忘れてた」

京子「…………………………右に同じ」

あかり(あかりもすっかり忘れてたもんね……)

あかり「それとさ、ほらここのところを見て。ちなつちゃんの名前があるでしょ」

結衣「……………ッ!」

京子「そ、そんな………ち、ちなつちゃんまで…………わ、私たちの事を見捨てて…………」ジワァ

あかり「このことに関してちなつちゃんを責めるのはやめてあげて。勧誘してきた人のお姉さんがちなつちゃんのお姉さんと知り合いで断れなかったみたいなの。それにちなつちゃんもここが元茶道部だって事を忘れてたみたいで」

結衣(元茶道部志望なのに!)

あかり「それでね、このままだと2人にはここを出て行ってもらわなくちゃいけないんだけども……」

京子「ちょ、ちょっと待ってよあかり! い、いきなりそんな事言われても……」

あかり「元々は杉浦先輩が何度もここに言いに来てたでしょ。不当占拠しちゃダメだって」ポリポリ

京子「それはそうだけども……」

結衣「そうか、とうとう私たちはここから追い出されてしまうのか………」

結衣(しかもそれが他ならぬあかりの手で行われるだなんて思ってもみなかったけども)

350: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:00:10.25 ID:I6/A77pc0


結衣「………………くっ」ウルッ

京子「ゆ、結衣ぃ………どうしよう…」グスッ

あかり「………………」

京子「私は嫌だよ。このたくさんの思い出の詰まった場所を明け渡すなんて絶対に嫌だ……」

結衣「そんな事言っても仕方ないだろ!」ジワァ

京子「そんなぁ………」ウルウル

あかり「出て行かせなんてしないよ」

結衣「え?」

京子「あ、あかり……?」

あかり「今日あかりはそれを言いに来たの。確かにどう考えても2人は出て行かなくちゃいけない。けれどもあかりはそんな事を2人には絶対にさせない!」

結衣「な、なに言ってるんだよあかり! そんな事できるわけがないしやってもらう義理もない!」

あかり「確かに義理なんかないかもしれないね。というよりも義理なんていう言葉じゃ片付けられないほどの絆があかりたちにはあると思ってる」

結衣「なにを今更……そんな生ぬるい事を言ってるんだ」

あかり「結衣ちゃん、どんなにあかりの事を貶めても無駄だよ! あかりは絶対に2人の事を嫌いになんてならない!!」

結衣「それなら勝手にしろ。独断で動いて生徒会の全員から嫌われて! ここと同じように追い出されでもしちゃえ!!」

京子「ゆ、結衣言い過ぎなんじゃ………」

結衣「煩い! もう私は帰るからな!!」

京子「ま、待ってーーー」

結衣「それじゃあ!」


バタン!


京子「ひっ!!」

あかり「結衣ちゃん帰っちゃったねぇ」

京子「あ、あの……あかり、そのっ…………」

あかり「大丈夫だよ京子ちゃん」

京子「え?」

あかり「あかりはね、今の2人よりもあかりに優しくしてくれたあの頃の2人を信じる事にしたんだ。だからなにを言われても平気だよ」

京子「それってどういう事……?」

あかり「京子ちゃん、安心して」ギュッ

京子「あ、ちょっ…………」カアア

あかり「ごらく部は絶対にあかりが守ってあげるからね。絶対にどんな事をしてでもだよぉ」

京子「あか……り…………」ジワァ

あかり「あかりが生徒会副会長に就任するまであと2日。それまでに絶対になんとかしてみせるからね。またね、京子ちゃん」



ガラララ




あかり「さて、頑張らなくちゃ……」



351: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:02:23.26 ID:I6/A77pc0



千鶴「さて、そろそろ帰るとするか……ん?」

「グスッ…………うぅ……ごめん、ごめんねあかりぃ………………」

千鶴「……………嫌な予感がする。ここはまっすぐ帰った方が」

結衣「………………」ガシッ

千鶴「うぐっ……!?」

結衣「少し、話に付き合って行って……」

千鶴「…………今度はお前か、船見結衣。ごらく部の4人中3人が私に泣きついてきやがって………………」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




千鶴「つまり赤座にひどい事を言ってしまってグズグズ泣いていると」

結衣「端折り過ぎだけどそういう事……」グスッ

千鶴「そもそも後悔するなら初めから言わなければいいだろう」

結衣「後悔はしてないんだよ。ただ罪悪感がいっぱいなだけで」

千鶴「はぁ?」

結衣「あのままじゃあかりはごらく部を守ろうとして色々としちゃうだろ? そんな事をしたら綾乃や千歳に悪い印象を与えちゃうだろ」

千鶴「別にそんな事はないと思うけどな」

結衣「下手をすれば綾乃たちに生徒会から追い出される可能性もあるし………」

千鶴(お前たちごらく部の連中じゃあるまいし、と言ったら泣くだろうな。よっぽど言ってやりたいが)

千鶴(しかしまぁどうしたものか。“あの事”を言ってやってもいいが、それは赤座にとって悪い影響を与えるだろうし。ここははぐらかしておこう)

千鶴「言ってしまった事は取り返せない。覆水盆に返らず、後の祭りとも言うしな」

結衣「……………」

千鶴「しかし覆水は新しい盆に入れ直す事はできる、祭りが終わったのなら後片付けに参加する事はできる」

結衣「え……」

千鶴「要は、終わってしまった事をうじうじ考える事は時間の無駄という事だ。それならそこからのフォローをどうするかを考えた方がいい」

千鶴「罪悪感をどうするかはこれからのお前次第だ。このままそれに押しつぶされるもよし、どうにかしてそれを解決するもよし。そういう事だ」

結衣「…………………」

千鶴「それにな、お前が今更なにをしようともう遅い。それだけだ」

結衣「…………え? それってどういう意味?」

千鶴「別になんでもない。それじゃあな」

結衣「ま、待って!」

千鶴「もう赤座は覚悟を決めた、次はお前の番だ。2日後に覚悟を決める為の覚悟をしておけ」



ガラララ



結衣「千鶴……いったいどういう意味だったんだろう………………」

352: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:04:59.65 ID:I6/A77pc0




りせ「…………………」ハァハァ

京子「…………………」

西垣「…………………」

櫻子「向日葵、これはどういう…………」

向日葵「櫻子は黙ってなさい!」ハァハァ

京子(あの後1人で部室にいるのが居た堪れなくて帰ろうと廊下を歩いていたら、なんか騒がしい声が聞こえてきてなんだろうと見に来たら…………)

西垣(まだ部室にいると思っていた歳納が何故か曲がり角から姿を現した。流石の松本も少し面食らっているみたいだな)

向日葵(赤座さんはもう先輩方とお話を終えた後なんですの? それともまだお話ししていないんですの? い、一体どっち…………)

櫻子「歳納先輩、あかりちゃんと話は終わったんですか?」

京子「……ッ! な、なんでその事を知ってるのさくっちゃん!?」

櫻子「その様子だと終わったみたいですね! よっしゃ、帰るよ向日葵!」グイッ

向日葵「ちょっと、櫻子! 引っ張らないでください!」

櫻子「へっへ~ん! 歳納先輩、悔しいですけれど私たちの負けはもう決まってます! 2日後を楽しみにしてて下さいね!」

向日葵「そ、それではまた…………」

京子「…………え…うん」

りせ「……………ッ!」ハァハァ

西垣「松本、色々と問いただしたい事があるかもしれんがとりあえず今日は引き上げた方がいい。髪や服がグチャグチャだぞ」

りせ「…………………」コクン

西垣「私は少し歳納と話をしていく。なに、変な事は言わないから安心しろ」

りせ「…………………」フラフラ

353: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:06:53.13 ID:I6/A77pc0

西垣「……………………行ったか」

京子「あ、西垣ちゃん。話ってなに……ですか…………?」

西垣「どうした歳納、そんなにしおらしくなって。いつも通りでいいぞ」

京子「あ、あははは……」

西垣「赤座から話は聞いたな?」

京子「は、はい………」

西垣「それなら話は早い。赤座は今お前たちを救おうと必死に走り回っている。色々な場所をな」

京子「走るってそういう意味で!?」

西垣「あながち間違ってはいないな。赤座のフットワークの軽さはかなりのものだ。茶道部の事を知ってから僅か3日でごらく部を救う算段を立ててしまったくらいだ」

京子「えぇ!?」

西垣「まぁ後もう少し壁はあるがな。杉浦と池田、後は松本。この3人の説得をしなくてはならない」

京子「そ、その……それって…………」

西垣「まぁ説得というよりは一方的な宣言だな。赤座の腹は決まっているからもうなにを言われても自分を曲げはしないだろう」

西垣「ただ、それを受け入れるかどうかは歳納と船見次第だ。2日後に選択しろ、赤座を受け入れるかどうかをな」

京子「ま、待ってよ西垣ちゃん! なにを言ってるのか全然わからないってば!」

西垣「果報は寝て待てと言うだろう。ふっふふふ、私も少し忙しいから。またな」

京子「あ、ちょっと!!」

京子「……………………一体なんなんだろ、こんな状況からごらく部を守れるだなんてそんなわけないのに……」



354: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:08:56.90 ID:I6/A77pc0


ー生徒会室ー



ガラララ




綾乃「あ、会長おかえりなさ…………って!? なんでそんなにグチャグチャになってるんですか!?」

千歳「あらあら~ えっとクシとかここに置いてあったはずやけどなぁ」ゴソゴソ

りせ「………………」キョロキョロ

綾乃「えっと、赤座さんたちですか? まだ帰ってきてないですけれども」

千歳「あったクシ! 会長、これで髪の毛を整えて下さい」

りせ「………………」ペコリ

りせ「…………………」サッサッ

綾乃「それにしても、最近赤座さんたちここへ来るの遅いわよね。まぁ仕事とかは真面目にしてくれるし問題はないんだけれども」

千歳「せやな。西垣先生も最近理科室にこもりきりでここに来ないし。普段の生徒会室とは少し違った風景やね」

りせ「…………………」

千歳「会長の顔も心なしか暗いみたいや」

綾乃「普段からあれほどベタベタしてたらね。会長、赤座さんいなくて寂しいのはわかりますけども2日後までまだ会長なんですからきちんと仕事は終わらせてくださいね」

りせ「………………」コクン

千歳「古谷さんや大室さんまで揃って遅れるのは初めてやね。一体どこで何をしてるんやろ?」

りせ「……………ッ!」

綾乃「会長?」

りせ「…………………………ッ!」サッ バッ!

りせ「…………………………ッ!」ググッ フルフル!

りせ「…………………………ッ!」ババババッ!

綾乃「…………………………」

千歳「…………………………」

綾乃(た、多分何かしら私たちに伝えたくてボディランゲージをしてるのだろうけれども)

千歳(必死さだけが前面に伝わってきて何にも理解できへん……………)

りせ「…………………………」クイックイッ!

りせ「…………………………」クイックイッ!

綾乃(なに、この変なポーズ……!?)

千歳(ダイナマイト四国?)


355: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:13:43.49 ID:I6/A77pc0



櫻子「どもーこんにちは! 遅れてすみませんでした!」

向日葵「あ、よかった。みなさんお揃いでしたわね」

りせ「………………」ビシィ!

りせ「……………………!」プンプン

綾乃「古谷さんと大室さんを見た瞬間、会長が烈火の如く取り乱し始めたわ!?」

千歳「なにかあったんかなぁ? あ、後ろに赤座さんもおるなぁ」

あかり「すみません、お待たせしました」

りせ「…………………!」パァァ

千歳「赤座さんを見た途端会長が輝きだした!?」

綾乃「ものすごい豹変だわ!?」

りせ「…………………」ムギュ

あかり「ごめんねりせちゃん。お待たせ」ナデナデ

りせ「……………」スリスリ

綾乃「赤座さんは一体どこに行ってたの? 最近は来るの遅いけれど、今日はいつにも増して遅れてない?」

あかり「えと……すみません、杉浦先輩。あかり、京子ちゃんと結衣ちゃんに会いに行ってました」

綾乃「なっ!?」

千歳「あ、あれほど会いに行っちゃダメと言うたのに………」

あかり「すみません。でもどうしても会いに行かなくちゃいけなかったんです」

綾乃「大丈夫!? なにか嫌なこととか言われなかった!? 泣いたりしてないわよね!?」

あかり「えへへ、大丈夫です。2人とも京子ちゃんと結衣ちゃんを誤解しすぎですってば。あの後京子ちゃん達とお話とかしてます?」

綾乃「あ、それはその……」

千歳「少し気まずいのもあって話はしとらん。まぁうちらの腹の虫が治ってないのもあるけどなぁ」

櫻子(池田先輩の怒りって結構尾をひくんだなぁ)

向日葵(やはりこういう方に限っては、絶対に怒らせてはいけないことを再認識しましたわ)

あかり「あのですね。実は今日は先輩方に大事なお話があって…………」

綾乃「大事な」

千歳「はなし?」

りせ「…………?」

櫻子「はい。私たちも同じ気持ちです」

向日葵「赤座さんも大分迷った果てにたどり着いた結論です。私達は赤座さんを最後まで支持します」

千歳「そんなに畏るくらいの話なん?」

綾乃「な、なにかしら井の頭公園?」

りせ「……………」




あかり「はい。実はあかりーーーー」







356: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:18:41.43 ID:I6/A77pc0





向日葵「始まりましたわね、演説が」

櫻子「杉浦先輩大丈夫かなぁ。あんなに顔真っ赤にしちゃって。途中で気絶しちゃうんじゃない?」

千歳「今回は大分練習したから大丈夫とは思うけど」

櫻子「万が一のことを考えてここに水と簡易ベッドは用意してあります!」

向日葵「西垣先生が用意した、というところに一抹の不安を感じ得ませんが……」

千歳「さすがに爆発はせえへんよ~ 多分」

向日葵「だといいのですが……」

櫻子「それよりもあかりちゃん、準備は大丈夫?」

あかり「うん、大丈夫だよ。さすがに少し緊張するけどもねぇ」

櫻子「でもアレほどじゃないでしょ?」



綾乃『あ、あっ! うひゅっ……! あわわわわ…………!』←アレ




あかり「た、多分……」

櫻子「それなら平気だよ! さっ、頑張ってこい!」

あかり「うん!」

千歳「……………………」

向日葵「どうかしまして? 池田先輩」

千歳「いや、赤座さんはやっぱり凄いなぁ思って」

向日葵「?」

千歳「ごらく部のためにこの5日間必死に考え続けて、それで結果を出してしまう。うちらには到底できん所業や」

向日葵「そうですわね。よほど赤座さんのごらく部への愛が深かったという事なんでしょう」

櫻子「あ、ほら! 杉浦先輩の演説終わったよ! 頑張ってきてねあかりちゃん!」

向日葵「私たちはここで赤座さんの帰りを待っていますわ」

千歳「気ばってなぁ! 心から応援しとるで!」

あかり「はいっ! みんな、行ってきます!」

357: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:21:20.63 ID:I6/A77pc0


体育館を埋め尽くす拍手の中、あかりは壇上にゆっくりと上っていく

心臓はこれ以上ないくらいバクバクしていたけれども、心はこれ以上ないくらい落ち着いていた

マイクスタンドの前で立ち止まり一礼してからゆっくりと会場を見渡して…………見つけた。京子ちゃんと結衣ちゃん、そしてちなつちゃん

3人とも不安そうな風にこっちを見ている。あ、京子ちゃんは心なしか目が潤んでる! だ、大丈夫かなぁ

あぁ、ダメだよあかり! 今はそんな事を考えてる場合じゃないよぉ! 落ち着いて深呼吸だよぉ!

スーハースーハー よし! もう大丈夫!

そしてあかりはゆっくりと口を開いた。ごらく部を……京子ちゃんと結衣ちゃん、ちなつちゃんを救うために








こんにちは、改めまして一年生の赤座あかりです。今日はよろしくお願いします

早速ですが皆さんには大切な人はいますか?

私は友達やクラスメート、その他にも私に関わってくれる全ての人を大切に思っています

その中で私が特に大切にしている人たちについて今日はお話をしたいと思っています

まずは私の姉についてお話をさせていただきます

358: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:23:28.45 ID:I6/A77pc0


『どうしよう………どうしたら京子ちゃん達を………………』

コンコン

『あかり、入ってもいい?』

『あ、お姉ちゃん? うん、入ってもいいよぉ』

ガチャ

『ありがとうあかり。デパートでマカロンを買ってきたから一緒に食べましょう』

『マカロン?』

『そうよ。どう、美味しそうでしょう?』

『うわぁ綺麗! とっても可愛い食べ物だねお姉ちゃん!』

『そうね。こかの赤いマカロンなんてまるであかりみたい! うふふ、本当に美味しそう』

『あかりを食べちゃダメだからねお姉ちゃん』

『うふふ、もちろんよ! もちろん………うふふふふ』

『もぅお姉ちゃんったらぁ』プンプン

『冗談よ。さ、紅茶もあるからティータイムといきましょう』

『わぁい紅茶、あかりお姉ちゃんの淹れた紅茶大好き!』

『あら、机の上色々とゴチャゴチャしてるわね? 何かしてた?』

『あ、ごめんねお姉ちゃん! すぐ退かすから!』

『あら、別にいいわよ。少しお行儀悪いけれど床にお皿とティーカップを置いちゃいましょう』

『ごめんね、お姉ちゃん』

『大丈夫、お姉ちゃんに謝る必要なんてないわ』





『マカロンって美味しいねお姉ちゃん!』モグモグ

『でしょう? あまりにも美味しかったからあかりにお土産を買って行きたくなったの! この前のあんみつのお礼も兼ねてね』

『えへへ、お姉ちゃん大好き』

『ふふふふ、お姉ちゃんもあかりのことが大好きよ』

359: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:26:45.55 ID:I6/A77pc0


(あ~もうなんて可愛いのかしらこの子は! もうギュって抱きしめてチュッチュしてしまいたい!)

(…………ってそうじゃないでしょうあかね! 私は何をしに来たと思ってるのよ!!)


『ねぇ、あかり。さっきから何か悩んでるみたいだったけど、一体どうしたのかしら?』

『ふぇ!? べ、べつになななにも悩んでなんて!! あはははは!!』

『…………いくらなんでも分かり易すぎよあかり』ハァ

『う、うぅ…………』カアァァ

『こういう時こそお姉ちゃんを頼りなさい』

『じ、実は…………』



ーーーーー


ーーー






『成る程、そんなことになっちゃったのね』

『う、うん……』

『とりあえずともこにキツイお仕置きをしに行って来るわね!!』

『ダメェ~!!』ガシッ

『と、いうのは冗談だけど』

『も、もぉ~お姉ちゃんったら! 危うく本気にするところだったよぉ~!』プンプン

『うふふごめんなさい。でもそれを解決するのはかなり難しそうね……このままではあと3日後にごらく部はなくなってしまうのよね』

360: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:30:05.97 ID:I6/A77pc0


『そうなの。だからどうすればいいのか分からなくて困ってるんだぁ……』

『あかりはごらく部を守ることはもう決めたのよね?』

『うん、それはもう決めたよ。池田先輩っていう人に後押しもしてもらったもん!』

『あら、私よりも先に相談した人がいたのね。妬けちゃうわ~』

『え、えへへ成り行きでつい……』

『あかりが困っているのは、ごらく部が顧問もいないし活動もしていないような実態のないものだからなのでしょう?』

『うん。それに部員も5人集まってないしちなつちゃんはいないし………もうどうしようもないよぉ』グスッ

『う~ん……ともこの妹さんが茶道部に入ろうとしちゃってるのよね。それに茶道部としても妹さんを外したら5人揃わなくなっちゃうんでしょう? それじゃあ引き抜きもできないし』

『………………』グスッ

『妹さんともう話しはした?』

『うん。茶道部の部長さんがともこさんの知り合いの妹さんらしくて、断るに断れなかったらしいの。それに今更断るにしても自分が抜けたら茶道部が始められなくなるから申し訳なくてできないって……』

『あら、あかりだってともこさんの知り合いの妹のはずなのに?』

『そ、それはそうだけど…………』

『う~ん………でもともこさんの知り合いということは私の知り合いでもあるかもしれないわね。ちょっとその茶道部の部長さんの名前を教えてくれないかしら?』

『えっと……あ! ここに発足上の写しがあるから…………』ゴソゴソ

『あった! はいお姉ちゃん』

『ありがとうあかり。う~ん……残念だけど知り合いじゃないわねぇ………………ん?』

『どうしたのお姉ちゃん?』

『………………えっとあかり、もしかしたら妹さんの件は解決したかもしれないわよ?』

『……………………え?』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



私の姉は、私が知る誰よりも優しく誰よりも私の事を愛してくれました

それは生まれた頃から今までずっと変わらず、どんな逆境に立たされた時もいつも私を正しく導いてくれました

私はそんな姉の事をとても尊敬し、なにものにも代えがたい大切な人だと心から思っています


361: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:31:17.50 ID:I6/A77pc0


えっと、次はある1人の先輩についてお話をしたいと思います

実のところこの方とはつい最近まで全く関わりがありませんでした。それにも関わらず私にとても親身になってくれた先輩の話です



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『はぁ………どうしよう。初めてだよ、生徒会室に行きたいと思わないのは。このままサボっちゃおうかなぁ』

『おい、何をしている』

『ひゃあ!?』ビクッ

『なにもそんなに驚くことはないだろ』

『す、すすすすみません池田先輩! べ、べつにサボろうとしたのは冗談でっ! す、すぐに行きますからぁ!!』

『図書室で騒ぐな。お前は歳納か』

『へ、へ? あ、もしかして千鶴先輩?』

『当たり前だ。姉さんは今頃生徒会室にいる。それはお前が一番分かっているだろう』

『あ、あははそうですね。ついうっかりしちゃって……』

『はぁ……ほら、さっきの独り言は聞かなかったことにしてやる。とっとと生徒会室に行け』

『は、はい…………すみませんでした……………』

『………………』

『はぁ……………』トボトボ

『…………………………』

『……………………』トボトボ

『………待て』

『へ?』

(ったく、最近の私はどうかしてるな。楓ちゃんと会った辺りからここまでお節介になるだなんてな)

『なにか悩みでもあるのか?』

『……………い、いえべべべ別に!!』

『嘘を付くのならせめてバレないように努力しろ』

『あ、あうぅ………』カアァァ

『取り敢えず話していけ。今のお前たちの関係は大体把握している。話すことで何かの糸口が見えるかもしれない』

『は、はい。実は…………』



ーーーーー


ーーー






『つまり迷ってるわけか。ごらく部を守るべきかこのまま生徒会長に従うかを』

『はい。私は京子ちゃんたちを……ごらく部を守りたいと思ってます。でも生徒会長をはじめ生徒会の皆さんにも返そうとしても返せないほどの恩があります』

『どちらかを立てればどちらかが立たず、か』

『どうすればいいか分からないんです。ごらく部を守ろうとすれば会長、杉浦先輩、千歳先輩、それに友達2人を裏切っちゃう』

『かといってこのまま何もしなければ京子ちゃんや結衣ちゃんを泣かせちゃう………大切な幼馴染で今までずっとあかりの事を守ってくれたのにッ……! あかりは何もできない…………』グスッ

『……………泣くな。対処に困るだろ』

『ご、ごめんなさい…………』

362: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:37:07.91 ID:I6/A77pc0

『ふん、歳納なんかの為に何かしようとする気持ちは私には全く理解できないな。大体娯楽部を救うメリットなんて何もないだろ。内申だって生徒会にいたほうがいいに決まってる』

『………………………』

『ただ、もしも私がお前の立場であったと仮定してだ。生徒会を最近できた私の数少ない2人の友人、ごらく部を姉さんと置き換えたとしたら…………』

『……………』グスッ

『私は躊躇なく姉さんを取る』

『……………え?』

『もちろん私にとってどっちも大切な存在であることは間違いない。ただそれでもだ、私は誰に憎まれようが嫌われようが蔑まれようが姉さんを取る』

『そ、そんな簡単に………』

『現に私は今までずっとそうして来た』

『な、なんで…………』

『理由なんてない。私は姉さんが大好きでとても大切に思っている。でもそれも理由じゃない』

『……?』キョトン

『理屈じゃないだろ。そんなものに理由なんてない。両方を比べて姉さんの方が大切だから守る、なんてのは後付けの理由だ。気づいたら行動してるもんだろ』

『…………………………』

『ただな。もしも赤座が私のように一方を切り捨てることができないというならば、折衷案を見つけ出せばいい』

『折衷案ですか……?』

『そうだ。ごらく部を守りつつ生徒会のみんなを裏切る事のない案をだ。お前ならできるだろう? 友達も多いんだしな』

『………………』

『……………歳納も待ってるぞ』

『え?』

『あいつも大分懲りただろう。そろそろ助けてやれ』

『……………京子ちゃん』

(そうしないといつまで経っても私のところにアイツが来やがるからな)

『千鶴先輩……』

『なんだ?』

『ありがとうございました!!』

『別に…………まぁ頑張れよ…』



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



その人は自分の事を冷たい人間だ、酷い人間だと思っています。でも私はそうは思いません

その人は自分で気付いていないだけで、本当は誰よりも暖かく優しい心を持っている人だと私は知っています

私の事を励ましてくれ、悩んでいた私の背中を押してくれた先輩。この場を借りて改めてお礼を言わせてください。本当にありがとうございました

363: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:42:06.34 ID:I6/A77pc0


そして次にお話しするのは私の大切なお友達です

2人は生徒会に入ってからの私をいつも近くで支えてくれました



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



『あ、赤座さん! それは本気なのですか!?』

『うん、本気だよ。あかりはもう決めたんだもん』

『でもせっかく私たちよりもみんなから認められたのに、そんなの勿体無いよ!』

『勿体無いかは放っておくにしても、いささか無礼なのではありませんか? それはもう全校生徒の皆さんに対しての裏切りとも言えるべき行為ですのよ?』

『うん、わかってる』

『そ、それなら!』

『わかってるけど! それでもあかりはやるよ! 例えみんなから悪口を言われる事になったとしても、絶対に!』

『なんでそこまでして……… あかりちゃんはもう許しちゃったの!?』

『表向きには出さなかったものの、私たちもまだ先輩方を許してはおりません。赤座さんの本心はどうなんですの?』

『許すも何も、あかりは初めから怒ってなんかないよぉ』

『なっ、それは嘘でしょう流石に!?』

『関係ない私たちだって怒ってるのに当の本人がそんな事って…………』

『あかりお姉さんの言ってる事は本当だし』

『あ、こら花子! お前はここに来るなって言っただろ!』

『櫻子たちがあまりにもうるさいからだし。おかげで勉強もできないし』

『う、それは申し訳ありませんでしたわ』

『前にあかりお姉さんと怒る事についてお話しした時、あかりお姉さんは今まで本気で怒った事なんか一度もないって言ってたし』


364: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:45:56.08 ID:I6/A77pc0


『そんなの本当かどうかなんて分からないじゃん』

『ほほぅ、つまり櫻子はあかりお姉さんが嘘をついてあると言いたいわけだし?』

『別に嘘をついていると疑っているわけではありません。しかし赤座さん自身が分かっていないだけかもしれませんし……』

『それなら別にいいんじゃないのひま子?』

『ね、ねーちゃんまで!?』

『自分が怒ってるか怒ってないかわからない時なんて、大概怒ってないもんだよ。それなら別にいいでしょ』

『し、しかし撫子さん!』

『あかりちゃんだって悩んだ末の結果、こうして2人に打ち明けたんだよ。それを尊重してあげるのも親友としての務めじゃないの?』

(まぁ、3人がなんの話をしてたのかなんて私は全く知らないわけだが)

『やっぱり本気なの? 私は正直嫌だよ、せっかくあかりちゃんとクラスメート以上の親しい関係になれたのに』

『ごめんね櫻子ちゃん。でも本気だよ。あかりはもう決めたんだもん』

『で、でもそんな事したら先生からすごく怒られるよ! それに杉浦先輩たちからも嫌われちゃう可能性だって……!』

『あかりはね、たとえ杉浦先輩や池田先輩に嫌われたとしても……りせちゃんに嫌われたとしても! ごらく部を守るもん。京子ちゃん達を絶対に見捨てたりしない!』

『そ、そんな……!!』

『もちろんそうはならないようにするよ! あかりはごらく部を守るけど、茶道部も生徒会の人たちも全員を納得させてみせるもん!!』

『そんなことできるのあかりちゃん!?』

『ううん、分からない。もしかしたら櫻子ちゃんの言った通り多くの人から嫌われちゃうかもしれない。それでもあかりは絶対にごらく部の味方だもん!』

『………………はぁ、仕方ありませんわね』

『ひ、向日葵!? お前本気か!?』

『こうなった時の赤座さんは櫻子並みに頑固で意地を張ってしまいますから。もう説得するのは無理です』

『喧嘩売ってんのかおっぱいやろう!!』

『貧相な胸を持ってるのはあなたの責任でしょう!!』


365: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:49:06.74 ID:I6/A77pc0


『貧相な胸…………』

『牛乳飲んでるのに…………』

『やっぱり遺伝なのかな…………』

『向日葵ちゃんの発言で3人が一気にテンションダウンだよぉ!?』

『し、しまった…………撫子さん花子ちゃん! お気になさらないで…………』

『ひま子、そのおっぱい2つに増やして私に分けてくれない?』

『そうだし。撫子お姉ちゃんがこれじゃあお先真っ暗なのは目に見えてるし! 早くその胸を分裂させて花子たちに寄越すし!』

『そ、そんな事できるわけないじゃない!』

『………………増やす』

『…………………………それだッ!!』

『櫻子ちゃん!?』

『どうしましたのいきなり!?』

『あかりちゃん一気に解決だよ!! これでごらく部と茶道部は守られた!!』

『え、え!?』

『櫻子、何か妙案が!?』

『私たちの胸も増やす目処があるの!?』

『もったいぶらずに教えるし!!』

『いや、そういうわけではないかと思いますが………………』



366: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:52:01.80 ID:I6/A77pc0


そして生徒会の先輩方3人

皆さんも知ってると思いますが、松本会長、杉浦副会長、池田先輩の3人です

時に厳しく時に優しく、そしてどんな時でも私たちの事を心配してくれる素晴らしい先輩方



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



『反対よ! 絶対に反対よ!!』

『す、杉浦先輩…………』

『うちもやなぁ。赤座さんはもう既に生徒会になくてはならん人材や。それにここまで事が進んだ後にそんな事をしたら全校生徒から大顰蹙やで』

『わかってます。それでもあかりは決心を変えるつもりはありません』

『いい加減にしなさい赤座さん!!』

『流石にそれは許されへんよ? 無責任にも程がある』

『そうよ、千歳の言う通りだわ! 古谷さんと大室さんからも何か言ってあげて!』

『御二方、申し訳有りませんが私たちは赤座さんに最後まで味方すると約束をしてしまいましたの』

『ふ、古谷さん……!!』

『それに話を最後まで聞いてください! あかりちゃんが考えた作戦があるんです!!』

『作戦?』

『分かったわ、確かに何も聞かんうちに全てを反対するのはいかんしな。ただ、それはうちらを納得させられるものなん?』

367: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:55:00.69 ID:I6/A77pc0



『多分大丈夫です。だよねあかりちゃん!』

『た、多分………』チラッ

『』チーン

『か、会長……しっかりしてください!!』

『よほどショックやったんやね……』

『りせちゃん、お願いだから聞いて。あかりは絶対にりせちゃんを蔑ろになんてしないから』

『……………』ピクッ

『りせちゃん。お願い』

『…………………………』コクン



ーーーーー


ーーー






『と、いうわけなんです。これならごらく部も茶道部も生徒会も全て円満に解決できると思います』

『………………』

『………………』

『………………』コクン

『あ、あの杉浦先輩? 池田先輩?』

『な、何か問題があったでしょうか?』

『いえ、なんていうか…………』

『まさかそんな事を考えてたとは思っとらんかったから…………』

『既に西垣先生にはお話を通してあります。多分2日後までには何とかなると仰ってくださいました』

『まぁアレを見てしまったので多少不安はありますが……でも確実に効果は期待できると思います』

『ふふん、凄くないですか? これは私が考えたんですよ!』

『……………』パチパチ

『会長有難うございます!』フフン

『あまり調子に乗らないようにしなさいよ櫻子』

『分かってるってば』

368: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 20:59:48.08 ID:I6/A77pc0

『で、でもだからと言ってやっぱり私は反対よ! 赤座さんがあんな2人のためにそこまでする義理はないと思うわ!』

『それはうちも思っとることや。赤座さんはなんでそこまでして2人の事を守ろうとするん?』

『………私とって一番大切な2人だからです。たとえ杉浦先輩、池田先輩、りせちゃんに嫌われたとしても守る価値があるものだからです』

『………………なっ!?』

『…………………ッ!』

『……………………』

『気分を悪くしてしまったならすみません。でもごらく部はあかりにとってそれほどの価値があるんです。京子ちゃんと結衣ちゃんはあかりにとってそれほど大切な人なんです』

『………赤座さん』

『う、ん……ここまでストレートに言われるとは思っとらんかった…………なんか千鶴みたいやなぁ』

『……………………』コクン

『はい。あかりにはもう既に一生付き合っていける友達が2人もいたんです。その2人を守るためならあかりは誰にどう思われても平気です』

『………………』ナデナデ

『えへへ、分かってくれてありがとうりせちゃん』

『会長、という事はあの件も!』

『…………』グッ

『やったー!! やったよあかりちゃん向日葵!!』

『やりましたわ! 赤座さん櫻子!!』

『分かったわよ、負けたわ。私もそれでいい』

『綾乃ちゃん…………』

『でもね、1つだけ条件があるわ!!』

『条件ですか?』

『えぇ! あの2人に何としてでも謝ってもらうからね!! 今までのこと全部! 赤座さんに!!』

『うちもそれが条件や。今まで赤座さんにした酷いことすべてを謝ってもらう。それだけは譲れん! もしもそれをせんなら、ごらく部はうちらが絶対に認めんからな』

『分かりました、大丈夫です』

『本当に?』

『はい、あかりは2人のことを信じてますから!』ニコッ

369: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:06:56.80 ID:I6/A77pc0


そして中学生になってから初めてできた友達の話もしたいと思います

実はこの子とはいま少し気まずい関係になってしまい、最近は殆ど話もしていません

ですので恥ずかしながらこの場を借りてその子に伝えたい事を言いたいと思います

その子は少し思い込みが激しくて、独特の美術センスを持っている少し変わった子です

正直のところ私もたまに、ごくたま~にですよ? その子の行動や言葉に少しびっくりしちゃったりした事もありました

でもあるとき気付きました。その子の行動や言動は、全て一途な想いから来るものだということにです

そう知ってから思い返してみると、その子の全てがとても可愛らしく思えてきました

行動の一つ一つが必死に自分をアピールしているという事、そのとき少し暴走してしまい後で後悔している様子

そしてその事を私に必死に謝ってきた事もありました

そんな日常を思い返して私はこう思いました

あの時は気づいてなかったけど、私はそんな毎日をずっと楽しく過ごしていたんだという事に

月並みな言葉ですがこういう事です

“大切なものは失ってから初めてわかる”

その子は私に迷惑ばっかりかけていたと思い込んでいるかもしれないけれども、実はそんな事はなかったんです

彼女は毎日、私にかけがえのない宝物をプレゼントしていてくれていたのです

だから私はこう伝えたいです





ちなつちゃん、今まであかりとお友達でいてくれてありがとう。あかりに宝物をたくさんプレゼントしてくれてありがとう。これからもあかりと一生友達でいてください

370: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:08:51.31 ID:I6/A77pc0

次で最後になります。とは言っても2人いますけれどもね

この2人とも最近気まずくなってしまってあまりお話はできていません。ですのでこの2人にもこの場を借りて伝えたい事を言いたいと思います

まず1人目、とっても格好いい幼馴染からです

その子は私やもう1人の幼馴染にとってヒーローのような存在でした

あっ、ヒーローとはいっても女の子なんですけれどもね。でもとにかくそんな存在だったんです

その子はいつも私たちの事を前へ前へと導いてくれた存在でした

辛い時は必死に励ましてくれて悲しい時は笑わせようとしてくれて、どんな時でも私たちの事を第一に考えてくれた女の子

自分が辛いときや悲しい時にはそれを必死で私たちに隠し、決して弱みを見せようとはしなかった女の子

この子の存在があったからこそ、いまの私たちがあると言っても過言ではありません。むしろこの子がいなかったらいまの私は確実になかったと断言できます

このように言うとその子には欠点のない素晴らしい人だという印象を受けると思いますが、私から見ればその子は欠点だらけです。ふふふっ

まず第一に虫が大嫌いで、ちょっとでも虫を見ようものなら悲鳴をあげて逃げ出しちゃいます。目尻を見るとうっすらと涙も出てたりします。あっ、でもそんな様子がとても可愛らしいと思います!

そして次の欠点が自分の容姿に自信がない点です。みんなが羨むくらい可愛いのに自分ではそんな事ないと決め付けていて、少しでも可愛い格好をさせようものならすぐに顔を真っ赤にして押入れに立て篭っちゃうくらいです

なにせ写真を撮る時に可愛い笑顔をする事すら恥ずかしがるくらいですから。あ、でもそんな様子がとても可愛いと思います! だよねちなつちゃん!


< ソノトオリヨアカリチャン!


えへへ、ここから見てもいま顔を赤くして俯いてる様子が見えます。本当に昔から変わらない可愛い幼馴染です

でも私がその子の最大の欠点と思っているところは、自分の気持ちを押し殺してしまうところだと思っています


371: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:11:46.60 ID:I6/A77pc0


例えば……そうですね。本当は離れるのが辛いのに、私の為になると信じ込んでワザと私を突き放したり

私に嫌われる為にワザと悪口を言ったり、自分の窮地にも関わらず助けを求めてこなかったり

そのくせ陰ではそれを後悔して泣いたりしてるんです。尤もこれはつい最近知った事です。たぶん私が気づいてなかっただけで、昔っからそうだったに違いないと思います

そう考えるとその幼馴染には昔から随分と迷惑をかけてしまったと思います。多分いままで私達が気づいてなかっただけでその子は何度も何度も泣いていたんだと思います

だから私はこう思います。もうその子に助けてもらうだけなのは嫌だと、その子と助け合って二人三脚のように歩んでいきたいと

ねぇ結衣ちゃん。あかりはまだ結衣ちゃんにとって守られるだけの存在なのかな? まだあかりは結衣ちゃんを守ってあげられないのかな? そんなにあかりは頼りないかな?

あかりはもう守られるだけの弱いあかりじゃない。もう結衣ちゃんの隣を並んで歩ける自信はあるよ

だからもっとあかりの事を頼ってほしい、弱い所を見せてほしい。あかり結衣ちゃんの事が大好きだよ。結衣ちゃんのためならなんだってできるよ!

だから……もしもあかりの事を頼ってくれるというのなら、何か反応を見せてくれると嬉しいな。笑うとか! もしもあかりにまだその資格がないのならこのまま黙ってて


< ………………



えっと…………ここで新生徒会長の言葉を一節

こほん、こんなに人が多い前で話すと緊張金閣寺だよぉ



< ブフッ!



結衣ちゃん、笑ってくれてありがとう! これからあかり、結衣ちゃんに置いて行かれないように頑張るからね!



< イヤッチガウ!



372: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:13:54.60 ID:I6/A77pc0


それじゃあこれで本当に最後です。さっきから話に出ていたもう1人の幼馴染。少し臆病で泣き虫な幼馴染のお話です

先ほどの幼馴染が私たちのヒーローであったなら、この子は私たちのヒロインのような子でした

いつも私たちの2歩3歩後ろを黙って付いてくるような可愛い女の子、引っ込み思案で人見知りの女の子

泣き虫でちょっと転んだだけで泣き出しちゃうような弱虫で、そんな子を守るため私ともう1人はいつも頑張っていました

でもそんな女の子は時とともに段々と強く変わっていきました。そしてついには私なんかよりも強く明るく、そして可愛く成長していました

そんな女の子を見て私はこう思っていました。もうこの幼馴染は私なんかよりもよっぽど強いと。私なんか必要としていないんだって

でもそれが誤りだったと気付いたのは、これまたつい最近の事でした。それも他の人によって気付かされたんです

私はそのことに気付かず、その子にこう言ってしまったんです

もうこの部活をやめるねって……

いまから思えばとても無神経な言葉であったと思います。しかしその時の私は自分が必要とされていることに気付いてなく、平然とその部を出て行ってしまいました

そんな私が今更こんなお願いをするなんて虫がいいかもしれませんが、それでもこれだけは伝えたいんです


京子ちゃん、あかりは中学生の初日とても嬉しかったんだぁ

放課後にあかりをあの部室へ連れて行ってくれた事、あかりを快く迎え入れてくれた事、とっても嬉しかった

それからの毎日はあかりにとってまさに幸せの階段を上り続けてるような毎日だったんだぁ

だって京子ちゃんってば、いつも楽しい催し物を考えてきてあかり達を1日だって飽きさせる事をしなかったんだもん

目立たないあかりを目立たせようとしてくれた事、結果はどうであれとても嬉しかった

373: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:16:08.00 ID:I6/A77pc0


あかりに勉強を教えてくれた事もあったよねぇ。京子ちゃんの教え方、少しいい加減だったけれどもそれでも本当に楽しくお勉強が出来たんだぁ

あかりの為に紙芝居を作ってくれた事もあったよね。あれ、本当に嬉しかったんだ。だってあんな紙芝居、あかりの事をよく理解してくれてないと描けないんだもん

他にはね……まだまだいっぱいあったよね。それこそあかりが思い出せないくらいのたくさんの思い出が

思い出せないのはそれがあかりにとってごく当たり前の日常の一部だったから。今にして思えばすごく贅沢だよね、えへへへ

だからね京子ちゃん、あかりはそんな楽しい日常をもう一度過ごしたい。もう一度京子ちゃん、結衣ちゃん、ちなつちゃんと一緒にごらく部で毎日を過ごしたい!

だから京子ちゃん、あかりをもう一度ごらく部に入部させてください。あかりに楽しい毎日を過ごさせてください、お願いします



そして全校生徒の皆さん。私は先日の演説でみんなを笑顔にするために副会長になるとお話をしました

しかしずっと一緒だった幼馴染や、中学で初めてのお友達を笑顔にする事すら出来ずにそんな事ができるとは思えません




京子「あ、あかり…………」

結衣「まさか…………!」







わたくし赤座あかりは生徒会副会長を辞退させていただきます






こうしてあかりの演説は幕を閉じた

374: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:19:34.97 ID:I6/A77pc0


京子「あかりぃ!!」

結衣「お前はなにを考えてるんだよ!!」

あかり「あ、京子ちゃん結衣ちゃん! やっぱり来てくれたんだね」

ちなつ「京子先輩、結衣先輩………」

結衣「ち、ちなつちゃん!」

ちなつ「ほ、本当に……本当にすみませんでした!!」

京子「な、なんで急に頭下げるの!?」

ちなつ「だって………半ば先輩方を追い出す事に加担したようなもので…………」

結衣「べ、別に怒ってなんてないよ。そんな頭を下げないで……」

京子「てかちなつちゃん、あそこが茶道部の部室だって事忘れてたんだろぉ~? 元茶道部志望のくせに」ニヤニヤ

ちなつ「な、そっそれはアレですよ! ほら、あまりにもごらく部の活動が面白かったからすっかり失念してたんですよ!」

京子「おぉちなちゅがデレたぁ!! よっしゃ! チュッチュ~!!」ガバッ

ちなつ「うぎゃ~ひっつかないで下さい!! た、助けてぇ~!」

結衣「いい加減にしろ京子!!」ガツン

京子「んげっ!?」

ちなつ「あ~ん結衣先輩、怖かったですぅ~♡」

結衣「ち、ちなつちゃん! 近いってば!」

あかり「………………」ニコニコ

京子「ってそんな事してる場合じゃないって! あかり、さっきの演説は一体どういう事なんだよ!」

結衣「そうだよ! 一体なにバカな事を言ってるんだよ! はやくさっきの発言を撤回しろ!」

あかり「ううん、撤回はしないよ。絶対にね」

結衣「ふざけるな! なんであかりは私たちの言う事を全く聞かないんだよ!! 振り回されるこっちの気にもなれよ!」

あかり「結衣ちゃんだって今まで散々あかりを振り回してきたくせにぃ~ 特に昔なんて酷かったよぉ」

結衣「うっ……それとこれとは別だ!」

あかり「えへへ、そうだねぇ」ニコニコ

結衣「う………」

ちなつ「結衣先輩が押されてる……!」


375: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:24:00.09 ID:I6/A77pc0


京子「あかり」

あかり「なに、京子ちゃん?」

京子「残念だけどあかりの再入部は認めないよ」

あかり「どうして?」

京子「べ、別に理由なんてないよ。部長がダメって言ってるんだからダメ!」

あかり「もしかしてあかりが生徒会を辞めるのが心配なの?」

京子「……………」

あかり「その事なら心配ないよ。だってあかりが辞めるのはもう全員に納得してもらってるんだもの」

京子「はへっ!?」

あかり「ですよね、杉浦先輩」

綾乃「……………えぇ」

京子「綾乃!?」

千歳「うちもいるで」

結衣「千歳……」

綾乃「赤座さんが辞めるのはもう決定事項よ。それもこれも全てごらく部の為」

千歳「うちらも全員納得した結果や。もうこの決定は覆らへんよ」

京子「なっ!?」

あかり「えへへへ」

京子「な、なんで…………」

あかり「…………………」

京子「なんで……あかり、は……そこまで私たちの事を……………」ジワァ

あかり「………………」

京子「私たちの事なんか放っておけばいいじゃん! あかりの事をあそこまでバカにしたのに! 嫌いになったって言ったのに!! なんでここまでするんだよッ!!」ジワァ

あかり「京子ちゃんだからだよ」

376: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:27:00.47 ID:I6/A77pc0


京子「あかりぃ…………あかりぃ!!」グスッ

結衣「そ、そんな哀れみなんて私たちにいらないんだよ!!」

あかり「結衣ちゃん……」

結衣「そ、そんなこと必要ない! あかりなんて邪魔なんだよもう別にいらないんだって!! もう二度とごらく部に来るなんて許さなーーー」

あかり「結衣ちゃん、もう大丈夫だよ」ギュッ

結衣「………っ!!」

あかり「そんなに苦しい思いをしてまであかりの事を悪く言う必要なんてないんだよ。あかりはどんな事があっても結衣ちゃんの味方だもん。だからほら、もう泣かないで」ナデナデ

結衣「な、泣いてなんか………ない………………」ポロッ

あかり「結衣ちゃん、あかりとちなつちゃんが抜けてから今までずっと1人で頑張ってくれたんだよね。京子ちゃんに弱いところを見せないように必死に我慢してくれてたんだよね」

結衣「……………うぅ……そ、そんな…こ……と…………」ポロポロ

あかり「もう大丈夫。これからはずっとあかりが付いててあげるから。だからさ、もう泣いてもいいんだよ」ナデナデ

結衣「………………あ、かり………」グスッ

あかり「京子ちゃんも、ほら」ナデナデ

京子「……………あかりぃ」ウルッ

あかり「なぁに京子ちゃん?」ニコッ

京子「……………うわあああぁぁぁあぁぁぁあん!! ごめん! ごめんねっあかりぃ!!」

あかり「ううん、謝る事なんてなんにもないよ。京子ちゃんもずっと辛かったんだもんね。ずっと放っておいて本当にごめんね京子ちゃん」ナデナデ

京子「ほ、ほんっ、とだよ!! ぜった……いに…………許さっ……ない、から! あかりは……ずっと、ごらく部………で、辞める…………ことっ…………許さ…………うあああぁぁぁっ!!」

あかり「うん、大丈夫……だから……! あかりは、ずっと……ごらく部、だ…から!」ウルッ

結衣「…………………」ギュッ

あかり「ゆ、いちゃ…んも……今は………泣いていいっ……から! 絶対に、あかり……は、離れないっ……か、ら……!!」グスッ

結衣「……………………ッ!!」ギュッ

ちなつ「………うぅ……ひっく、うわあぁああん…………ヒック…グスッ……」

あかり「ち、なつ………ちゃんも…………ね、ごめんっ……ね!!」グスッ

ちなつ「…………………ッ!」フルフル

あかり「ちなつちゃんとあかりっ……は…………ずっとずっと……とも、だち……だからっ……絶対に……離れなっ……い…………からっ!」グスッ

ちなつ「…………………………」ギュッ





綾乃「……………千歳行きましょう」

千歳「あはは、綾乃ちゃんもらい泣き?」

綾乃「なっ!? べ、別に泣いてなんかない……わよ!!」

千歳「ほら、ハンカチ。うちも少し泣きそうやもん、綾乃ちゃんが泣いたって何にもおかしいことなんかあらへんよ」

綾乃「……………ごめん……借りるわね」

千歳「どうぞ、会長」クスッ

綾乃「これから……頑張りましょう…………!」

千歳「ずっと付いてくで、綾乃ちゃん」

377: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:28:32.19 ID:I6/A77pc0


ー後日談ー


京子「………………」

結衣「………………」

京子「遅いね、3人とも……」

結衣「そうだな……なんにもやることがないとつまらないな…………」

京子「しりとりでもする?」

結衣「2人で?」

京子「文字数指定しりとりとか!」

結衣「なるほど」

京子「それじゃあ13文字しりとり! 私からね、“パルミジャーノレッジャーノ”」

結衣「難易度高いしズルいぞこら!!」

京子「えっへへへ、私の勝ちぃ~」

結衣「…………ったく!」



ちなつ「お待たせしました~ これが今日の分の書類ですよ!」

京子「お、ちなちゅ~♡ チュッチュ~!」

ちなつ「ちょっ!? いきなり抱きついてこないで下さい!!」

結衣「お前は少しは成長しろ!!」

京子「あぁ~ん! 結衣のいけず~♡」

結衣「……………………キモイ」

京子「ひどっ!?」

結衣「ところであかり達は?」

ちなつ「多分もうすぐ来ますよ。恐らく帰りのホームルームが長引いてるんだと思います」

京子「やっぱり私たちよりも長引くのかな? 私たちも来年は長く教室に缶詰にされるのかぁ~」

結衣「たまたまだろ、きっと。そんなことよりもほら、私たちにわかる分だけ終わらせちゃおうよ」

京子「よっし! あかり達が来る前に私たちで終わらせてビックリさせちゃえ!」

ちなつ「いいですねそれ! 頑張りましょう!」





あかり「みんなお待たせ~!」

京子「おっ、来たなあかり! 遅いぞ全く!」

結衣「ほら、もう一クラス分は終わらせちゃったぞ」

ちなつ「早く2人も手伝って下さいよぉ!」

あかり「えへへ、ごめんごめん。あかり達も頑張るよ」





あかり「ね、りせちゃん」

りせ「……………」コクン






ごらく部が実態のない部活だというのならば、活動内容を作って正規の部活動にしてしまえば問題ない。これはあかりが考えた

378: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:30:52.69 ID:I6/A77pc0


京子「それにしてもあかりも考えたもんだよね。まさかごらく部を生徒会の傘下にしちゃうなんて」

あかり「思いついた時は自画自賛しちゃったよぉ。これ以上のいい考えはないって思ったんだぁ」

りせ「………………」コクコク






正規の部活発足には最低5人の部員が必要。それならば生徒会を引退するりせちゃんを入部させてしまえばいい

生徒会の傘下に入って事務仕事を行うなら、りせちゃんの加入は正に一石二鳥だもん。これもあかりが考えた






コンコン

結衣「はーいどうぞ!」

「どうも、失礼します」

京子「あ、またお茶を持ってきてくれたんですか!」

「ええ、みんなが美味しいって言ってくれるから私たちも活動のしがいがあるわ」ニコッ

あかり「ありがとうございます!」






茶道部の部室はあの後もう一つそっくりの部屋を作って対処した

え、どういう風に作ったかって? それはなんと西垣先生が発明した同一物製造マシーンで!

櫻子ちゃんがこの装置のことを覚えておいてくれたのは本当に幸いだった。だってそれがなかったら、いまこうしてあかり達がこの部屋で活動をすることはできなかったから!

379: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:33:19.53 ID:I6/A77pc0


「でも残念だわ吉川さん。茶道に興味のあるあなたにこそ茶道部に入ってもらいたかったのに」

ちなつ「すみません先輩。でも私はやっぱりごらく部が好きなんです。先輩のお誘いは本当に嬉しかったんですけれども…………」

「別に平気だってば! 私たちも5人集まってるんだからね! それじゃあまた!」






お姉ちゃんが気付いてくれた事だけど、なんと茶道部の部活発足状にはちなつちゃんの下にもう1人の名前が連ねてあった

これはちなつちゃんにサインをしてもらった後、さらにもう1人からサインをもらえていたっていう事だ

つまり書類にはちなつちゃんを含めて6人のサインがしてあった。でもちなつちゃんはもう1人サインしてくれた事を知らなかったから、自分が抜けたら茶道部が発足できないと思い込んでいた

あかりはちなつちゃんのその言葉によって先入観があったから、書類に6人のサインがあった事に気付けなかった。うぅ、お姉ちゃんには本当に感謝だよぉ~






西垣「おう、やってるな」

京子「あ、西垣ちゃん! もうばっちしやってるよ!」

結衣「こら京子! 顧問の先生に対してその口の利き方はダメだろ!」

西垣「あぁ~別にいいよそれくらい。むしろ歳納から敬語で話されたらそれはそれで気持ち悪い」

ちなつ「あはは、確かに」

京子「ちなちゅまで酷い!!」

ちなつ「ちなちゅ言うな!」

あかり「あはは、相変わらずだねぇ」

りせ「………………」

西垣「そういうお前達も相変わらずそんなベッタリくっついて作業してるのか」

あかり「だ、だってりせちゃんが………」

りせ「…………………」スリスリ

西垣「あ~分かった分かった。松本もそんなに頬ずりするな。お前達の愛はよくわかったから」






あかりの演説の時京子ちゃんと結衣ちゃんの本意に気がついていたのは、何を隠そう千鶴先輩と西垣先生のおかげだったりする

同一物製造マシーンの事をお願いしに行った時、西垣先生がすべて教えてくれたから

その時一緒に、“松本を頼む” とも言われたけれど、正直のところどういう事だったのか、まだよく分かっていない

けど多分これで良かったんだよねぇ?

380: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:36:24.94 ID:I6/A77pc0


結衣「ところで今日はいつ頃うちに来る?」

京子「活動終わってから家で身支度を整えてすぐに!」

結衣「3人ともそれでいい?」

ちなつ「大丈夫ですぅ!」

あかり「もちろん!」

りせ「…………」コクン

ちなつ「あ、そうだ結衣先輩! 私実は先輩のために洋服を編んだんです! 今日持って行くんで良かったら着てください!」

結衣「え゛!?」

ちなつ「なんと私の服とペアルックにしたんです! 私の無償の愛を受け止めてくださいぃいい!!」

京子「…………うわぁ地獄だ」

あかり「あ、あははは………結衣ちゃんご愁傷様…………」

りせ「……」ブルブル

京子「ちなつちゃん、別に編まなくてもあかりとまっちゃんみたいにお揃いの服を買えば良かったんじゃ…………」

ちなつ「手作りのものこそ真の愛が宿るんです!! もう既に真の愛を持っているあかりちゃん達は市販のものでも構わないと思いますけど、私と結衣先輩にはそれ以上のものが必要なんです!!」

京子「あれ? てことはちょっと待って!? もしかして私1人だけのけもの扱いされちゃう感じ!?」

結衣「い、いや! あかりとりせはまだしも私とちなつちゃんは別にそういうわけじゃ!!」

ちなつ「あ~ん結衣先輩♡ 照れなくてもいいですってばぁ!」

結衣「て、照れてるわけじゃ…………」

ちなつ「あかりちゃんにもりせちゃんにも負けない愛を育みましょう!!」グッ

結衣「お、落ち着いて…………」

りせ「………………」フンスッ

あかり「愛の勝負受けて立つって言ってるよぉ~」

西垣「ははは、松本よ。青春しているな」

りせ「…………………!」フンスッ

京子「くっそ~ 私だけ1人ものかよぉ!」

りせ「………………」ポンッ

京子「へ、まつもっちゃん?」

りせ「……………………」ニヤリ

京子「ば、馬鹿にされたぁ~!!」

あかり「り、りせちゃん! あんまりいじめちゃダメだよぉ~」アタフタ

りせ「……………」フフン

京子「メソメソメソポタミア~」グスン

381: ◆ZeBo7btR1E 2016/01/11(月) 21:38:53.50 ID:I6/A77pc0


京子「よっしゃ! それじゃあ今日はこの話題ボックスだ! 引いた紙に書いてある事に従わなくちゃいけないんだからね!」

結衣「変なの入れてないよな?」

ちなつ「この前任意の人にキスとかいう紙が出たせいで、あかりちゃんとりせちゃんがとんでもない事になったんですから!」

京子「だ、大丈夫だよ! さ、流石に前回のアレで私も、そのっ……反省したというかなんというか…………」カアァァ

あかり「う、うぅ…………」カアァァ

りせ「……………」フンスッ

京子「こ、今回は無難なものしか入れてないから平気だってば! さ、一番手はあかりだよ! 早く引いて!!」

あかり「あ、あかりが最初なのぉ!? え、えっと…………」ゴソゴソ


“最近うれしかった事”




あかり「えっと、最近うれしかった事。それはもちろん………………」












あかり「最近ごらく部にいるのがたまらなく楽しいことだよぉ!」ニコッ





おわり