1: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:11:16.91 ID:KNq1aCgx0

春香「ありがと、冬馬くん。いきなり呼び出したのに来てくれて」コトッ

冬馬「ったく……早く済ませてくれよ、こちとら疲れてんだ」

春香「うん」

冬馬「……うめぇ」

春香「そう? よかった」

冬馬「天海が作ったドーナツじゃねえだろ。まぁ、おごってもらって有難いけど」

春香「あはは……」


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引用元: 冬馬「失恋ドーナツ」 

 

2: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:11:51.72 ID:KNq1aCgx0

冬馬「それで?」

春香「え?」

冬馬「いきなり俺を呼び出して『ドーナツ食べない?』で終わり、じゃないよな」

春香「あはは……鋭いなぁ」

冬馬「当たり前だ。何年765プロのライバルやってると思ってる」

春香「もう、いい加減に友達、って認めてくれてもいいのに」

冬馬「おっさんが面倒だからな、ライバルってことにしとけ」

春香「うん」


3: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:12:43.30 ID:KNq1aCgx0

冬馬「で、どうしたんだよ」

春香「えーっと……」

冬馬「天海、食わないのか。ポンドリング」

春香「た、食べるよっ」

冬馬「食わないならもらおうと思ったんだけどな」

春香「それにしても冬馬くん、甘党だね」

冬馬「あまとうって言うな!」

春香「あだ名じゃないってば……」


4: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:13:28.41 ID:KNq1aCgx0

冬馬「悪いな、茶化して」

春香「ううん、おかげで言う決心がついた」

冬馬「おう」

春香「……実はね、私」

冬馬「……」

春香「プロデューサーさんのこと、好きなの」

冬馬「…………」

春香「あのね、ずっと昔から」

冬馬「何を今更……」


5: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:13:56.12 ID:KNq1aCgx0

春香「……えっ?」

冬馬「知ってるっつーの。そんなの」

春香「え……えええっ!? だ、だって私、誰にも」

冬馬「ずーっとアイツのこと見てんじゃねえかよ。嫌でも気づくわ」

春香「そ、そんな……」

冬馬「少なくとも俺は、2年前から知ってたけどな」

春香「2年前?」

冬馬「おう」ムシャムシャ


6: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:14:45.54 ID:KNq1aCgx0

春香「……」モグモグ

冬馬「結構、ショックだった」

春香「うん……」

冬馬「『ごめんなさい』よりも、『好きな人がいるんだ』の台詞がな」

春香「……そんなこと言ったっけ」

冬馬「言ったろ」

春香「あんまり覚えてないなぁ、罪悪感で」

冬馬「なんか、悪ぃ」

春香「ううん、私こそごめんなさい」


7: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:15:25.22 ID:KNq1aCgx0

冬馬「そんで、天海の好きな人って誰だーって夜通し考えた結果アイツになった」

春香「……その時にもうバレてたんだね」

冬馬「ああ」

春香「……」

冬馬「そんで、お前はどうしたいんだ?」

春香「え……?」

冬馬「好きで終わらせたくないんだろ」

春香「……告白したい」

冬馬「なら、頑張れ。俺はそれしか言えねぇよ」


8: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:16:15.45 ID:KNq1aCgx0

春香「でも、美希もきっとプロデューサーさんのこと、好きだと」

冬馬「星井は関係ないだろ」

春香「……」

冬馬「天海がアイツのことを好きなら、他の奴なんか関係ねえ」

春香「……でも」

冬馬「星井に気を遣う方が、失礼だと思うぞ」

春香「失礼?」

冬馬「きっと星井なら、天海がアイツを好きだって分かってても告白すると思う、俺はな」


9: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:16:51.74 ID:KNq1aCgx0

春香「……うん」

冬馬「なんでか分かるか?」

春香「…………分からない」

冬馬「星井は天海のことが大好きだからだ」

春香「私だって美希のこと……」

冬馬「本当に星井のことを考えてるなら、遠慮すんな」

春香「……」

冬馬「正々堂々と行かないのは相手にも失礼だ」

春香「……うん」


10: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:17:21.23 ID:KNq1aCgx0

冬馬「……天海」

春香「……?」

冬馬「それ、食わないなら俺が」

春香「だから食べるって!」

冬馬「いつまでポンドリング食ってんだよ。ゴールドチョコレートを俺にくれ」

春香「あげないってば! 冬馬くんには抹茶ポンドリングがあるじゃん!」

冬馬「これは最後にとっとく。お楽しみだ」

春香「何言ってるのっ」


11: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:17:54.29 ID:KNq1aCgx0

冬馬「ほーら」

春香「え?」

冬馬「その元気がお前の魅力、なんだろ?」

春香「……へ?」

冬馬「その勢いでアイツに言ってみろよ」

春香「冬馬くん…………」

冬馬「……さ、食おうぜ」

春香「……うんっ」


12: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:18:39.70 ID:KNq1aCgx0

春香「今日はありがと。またお茶しようね」

冬馬「ああ。お前の方が忙しいんだから、俺様と話すならちゃんとスケジュール調整しとけよ」

春香「あはは……じゃあ、またね」ガタッ

冬馬「おう」

春香「冬馬くんはまだお店出ないの?」

冬馬「俺はこの後、別のドーナツを追加で頼む」

春香「もう……太らないようにね」

冬馬「分かってるよ」

春香「それじゃっ」

冬馬「じゃーな」


13: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:19:25.39 ID:KNq1aCgx0

冬馬「……渋澤のおっさん」

渋澤「なっ!?」ガタッ

冬馬「これ、記事とかにしたら許さねえぞ。誰にも伝えんじゃねえ」

渋澤「俺がここにいるって知ってたのか、お前」

冬馬「気配で分かる」

渋澤「なんだそれ」

冬馬「あと、録音も消せよ」

渋澤「ちっ……」


14: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:20:59.38 ID:KNq1aCgx0

冬馬「罰としてドーナツおごりな」

渋澤「なんだと!? こんな店にひとりで入った俺の気持ちもちょっとは考えろ!」

冬馬「うるせぇ。おっさんに言いつけるぞ、俺のことつけ回してるって」

渋澤「くそっ……」

冬馬「シュガーチュロスとグラタンパイな」

渋澤「……ところで、お前」

冬馬「ん?」


15: ◆K8xLCj98/Y 2013/07/23(火) 14:22:28.78 ID:KNq1aCgx0

渋澤「いつの間に天海春香に告白してたんだ?」

冬馬「……言ったろ、2年前だよ」

渋澤「2年前、ねぇ」

冬馬「アイドルアルティメイトで俺らが、765プロに『僅差で』負けたあの時な」

渋澤「社長が激怒してたあれか。あと結構差がついてたぞ、票数」

冬馬「まあ、ダメだったけどな。喋った通りだ」

渋澤「……そうか、お前はロリコンじゃなかったんだな、安心した」

冬馬「うっせーな、勝手に安心してんじゃねえ!」

  おわり