1: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 15:14:47.83 ID:kbXv/CnwO


-金剛姉妹の部屋-



金剛「今日も紅茶が美味しいネー」ズズズ

比叡「霧島、最近スコーン作るの上手くなったね、今度私にも教えてよ」モグモグ

霧島「ええ、いいですよ」

金剛「じゃあ皆でスコーン作りでもしまショウ」

榛名「それはいい考えです」

霧島「できたスコーンは他の方に配るなり司令に配るなりしましょう」

金剛「それがいいネー」


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引用元: 提督「金剛姉妹に彼氏ができた?」 

 

2: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 15:15:54.62 ID:kbXv/CnwO

榛名「料理が上手になれば提督は喜んでくれるでしょうか」

比叡「そもそも司令って私達の事どう思ってるんだろうね」モグモグ

霧島「そうですね、司令のそういう話は聞いたことがないです」

比叡「この鎮守府って司令の事が好きな艦娘って多いじゃん、私達も含めて」

金剛「そうデスネ、ライバルは多いデース」

3: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 15:16:31.41 ID:kbXv/CnwO

榛名「でもいくらアピールしても提督の反応は薄いです」

霧島「もしかして私達は女性として見られてないのでは?」

比叡「それはないでしょー」ハハ

金剛「でもテートクが私達の事をどう思ってるのか気になりマス」

榛名「榛名も気になります」

比叡「まあ私もちょっと気になるかなぁ」

金剛「霧島、何かいい案はないデスカー?」

4: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 15:17:16.09 ID:kbXv/CnwO

霧島「そうですね……ではこういうのはどうでしょう」キラーン

霧島「私達の誰かに彼氏ができたと嘘をついてそれを聞いた司令がどんな反応をするか見てみればいいのでは?」

比叡「なるほど、それはいいかもね」

榛名「もし提督が私達に気があれば動揺するかもしれないし」

金剛「なければ無反応って事デスネ?」

霧島「その通りです」クイッ

5: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 15:17:51.45 ID:kbXv/CnwO

比叡「それで誰に彼氏ができたことにしよっか」

金剛「そうですネー、ここは公平にジャンケンで決めまショー」

霧島「そうですね」

榛名「榛名は大丈夫です」

比叡「よーし、負けないんだから!」

金剛「ではいきマス、ジャーンケーン……」

6: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 15:46:01.56 ID:kbXv/CnwO
――――――――――
――――――
―――


-司令室-


扉『』コンコン

榛名「失礼します」ガチャ

提督「どうしたー?」カキカキ

榛名「実は提督に大事な話がありまして」

提督「大事な話?何か欲しいものでもあるのか?」カキカキ

榛名「いえ、そういうのではなくて……」

提督「じゃああれか?何か壊しちゃったとか?まあ元帥の銅像までなら許そう」カキカキ

榛名「それはまずいですよ!?ってそうじゃなくて」

7: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 15:47:00.03 ID:kbXv/CnwO

提督「ん?違うのか?」カキカキ

榛名「実は……榛名、彼氏ができたんです……」

提督「はい?」ピタッ

榛名「……」

提督「すまん、聞こえなかったからもう一回言ってくれ」

榛名「彼氏が……できたんです……」カァァ

提督「……」

榛名「……」

14: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:06:08.45 ID:kbXv/CnwO

提督「はーん……ほーん……まあ、いんじゃない?」

榛名「提督は、その、何も感じないのですか?」

提督「だってお前たちも子供じゃないしな、恋愛を止める権利とか俺にはねーし」

榛名「提督、手が震えてますが」

提督「執務が忙しいだけだから、動揺とかじゃないから。さ、執務再開するか」

榛名「提督、ペンが逆さまですが」

提督「え、お前知らないのこれ?逆さまからインク出るやつだから、最新型だから」

榛名「提督、汗が物凄く出てますが」

提督「あーこの部屋暑いからなー窓開けるか!」ガラッ

榛名「今日は吹雪ですよ!?」

提督「いやー涼しいなー」ガチガチ

榛名「雪で真っ白になってますけど大丈夫ですか!?」

15: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:07:00.24 ID:kbXv/CnwO

榛名「で、では榛名はこれで失礼します」

提督「ちょっと待った」

榛名「え?」

提督「あーあれだ、ほら、今度相手を呼んで来なさい」

榛名「え?何故ですか?」

提督「別に深い意味はないぞ、ただ一応お前ら国家機密みたいな所あるじゃん、だからそこんとこ説明しなきゃいけないじゃん」

提督「俺としてはお前たちがどんな相手と付き合おうが関係無いんだけどな、やっぱりルール的な?そういうの説明しなくちゃいけないじゃん」

16: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:07:44.66 ID:kbXv/CnwO

榛名「そうなのですか。では彼氏の都合もありますのでいつか連れてきますね」

提督「あーちょっと待ってちょっと待って」

榛名「はい?」

提督「今度って言ったけど?やっぱお前らの秘密とか相手が勝手に漏らしたら大変じゃん?危険じゃん?」

提督「だから今週中っていうか?できれば明日っていうか?それ位の間に連れてきてもらえない?」

17: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:08:39.20 ID:kbXv/CnwO

榛名「……」

提督「俺はいいんだけどね、大本営がこういうのしつこいからさ」

提督「いやーほんと大本営うるさいわー恋愛位自由にさせてほしいよなー」

榛名「わ、わかりました。では明日には連れてこようと思います、榛名の用事は以上ですのでこれで失礼します」ガチャ

提督「お、おう。じゃあな」

19: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:10:35.68 ID:kbXv/CnwO

提督「……」

提督「……電」

電「はいなのです」シュタ

提督「ちょっと榛名の相手調べて息の根止めておいてくんない?」

電「嫌なのです」ニコッ

提督「頼むよぉ!どこぞの馬の骨なんかにうちの艦娘渡したくないよぉ!」ドゲザ

電「さっき恋愛は自由だと言ってたじゃないですか……」

20: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:11:11.68 ID:kbXv/CnwO

提督「ちょっと首と胴体切り離すだけでいいから」

電「それを一般的には息の根を止めると言うのです」

提督「どうすればいいんだ、このままでは榛名が奪われてしまう」

電「ではこういうのはどうですか?その彼氏の前で自分の方が榛名さんの相手に相応しいという事をわからせるのは」

提督「それだっ!」

提督「そうと決まれば早速準備だ!榛名は渡さんぞおおおおおお!」ダッ

電「今日も鎮守府は平和なのです」

21: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:12:12.52 ID:kbXv/CnwO


-金剛姉妹の部屋-

榛名「ということになりました」

比叡「あちゃー」

霧島「でも話を聞く限り司令は動揺してたみたいですね」

榛名「そうでしょうか?いつもと変わらなかったような気もしますが」

金剛「でも収穫はあったネー」

比叡「いやー良かった良かった。やっぱり司令私達に気が無い訳じゃないんだねー」

23: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:13:10.96 ID:kbXv/CnwO

榛名「でも明日までに彼氏を連れてこないと榛名は嘘つきになってしまいます」オロオロ

比叡「あーそうだったね」

榛名「今から誰か男の人を連れてこようにも提督以外の男性とは話したこともないですし」

霧島「それなら誰かボーイッシュな艦娘を見つけて男装させれば問題ないでしょう」

金剛「それは良い案デース」

榛名「大丈夫でしょうか?」

霧島「大丈夫でしょう……多分」

榛名「霧島!?」

24: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 18:14:10.35 ID:kbXv/CnwO

比叡「でもさぁ、誰に頼むつもり?この鎮守府にボーイッシュな女の子なんて……」

金剛「それなら心配いりまセン」

比叡「さっすがお姉様!もう目星がついているんですね!」

金剛「イエース!頼みましたヨ!」ポン

比叡「なんで私の肩を叩くんですかお姉様?」

榛名「比叡お姉様、ありがとうございます!」

比叡「私まだ何も言ってないんだけど」

霧島「比叡お姉様、採寸をするのでこちらの部屋へ」

比叡「え?何?もう決定事項なのこれ?」

金剛「さ、行きまショウカ」

榛名「榛名も手伝います!」

霧島「胸はさらしをきつく巻いとけば大丈夫でしょう」

比叡「ひえ~!」ズルズル

39: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:27:50.94 ID:UtUV3ZCnO

―次の日―


扉『』コンコン

榛名「失礼します」ガチャ

男(以下比叡)「失礼します」

榛名「……」

榛名「何故執務室が畳と卓袱台だけになっているのですか?」

提督「え?いつも通りじゃん。いつも和の心を大事にしてたじゃん、侍目指してたじゃん」

榛名「初耳ですが」

40: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:28:58.25 ID:UtUV3ZCnO

提督「ていうか何しに来たの?俺今新聞読むので忙しいんだけど」

榛名「この時間に彼氏を連れてこいと言ってたじゃないですか」

提督「それとお前誰?ここは部外者立ち入り禁止なんだけど」

榛名「だから彼氏を連れて来いと言ったのは提督じゃないですか……」

提督「へぇ、彼氏?ほーん、君がねぇ……ふーん」チラッチラッ

比叡「ど、どうも榛名さんとお付き合いさせてもらってる男と言います、よろしくお願いします!」

提督「男君ねえ。まあ座りなさい」

41: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:29:46.58 ID:UtUV3ZCnO

提督「わざわざ来てくれてありがとうね、今お茶を淹れるから待っててくれ」

比叡「はい!」

提督「はい、榛名」コト

榛名「ありがとうございます」

提督「ほらよ」ドン

比叡「あ、ありがとうございます」

コポコポ

比叡「(ひえぇ、お茶が紫色なんですけど)」

44: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:33:57.32 ID:UtUV3ZCnO
提督「では質問させてもらうが榛名と出会ったのはいつかね?」

比叡「三年前にここで会いました!」

提督「ここで!?」

榛名「coco壱ですよ!カレー食べてる時に会ったんですよ!」

提督「まあ出会いは突然だしな」

提督「じゃあ榛名のどんなところが可愛いか言ってみろ」

比叡「そうですねぇ・・・夜寂しくて布団に潜ってくるところですかね」

提督「お前らどこまで進んでるんだ!?」

榛名「違います!これはあれです!そんな夢を見たそうです!妄想癖が強いんですよ彼!」


47: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:50:44.67 ID:UtUV3ZCnO

提督「くそう・・・俺の知らない間に榛名とイチャつきやがって・・・」

提督「ええい!姉御!」

霧島「何でしょう?」クイッ

比叡「(なんで霧島が出てくるの!?)」

榛名「(というか霧島は一体どっちの味方なんですか!)」


48: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:55:12.10 ID:UtUV3ZCnO

提督「霧島からも何か言ってやりなさい」

霧島「そうですね、失礼ですが男さん、貴方は艦娘と結婚するということがどれほどのことか理解していますか?」

比叡「は、はあ」

霧島「価値観の違いだってありますし深海棲艦とも戦っている私達はいつ死んでしまうかもわかりません」

霧島「貴方は支えられる側でなくて支える側になるんですよ?覚悟はできてますか?」

提督「霧島の言う通りだ。俺はこれが言いたかった」

比叡「う……!?」

49: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:55:55.13 ID:UtUV3ZCnO

比叡「(榛名……どうすればいいかな?)」

榛名「!」

榛名「(榛名、気づいてしまいました!)」

榛名「(きっと霧島は比叡お姉様が諦めやすい状況を作ってるんです!)」

比叡「(そっか、この状況なら諦めやすいしこれでこの話も終わりで一件落着だね!)」

50: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:57:02.44 ID:UtUV3ZCnO

比叡「そうですね、霧島さんの言う通りここは……」

霧島「皆まで言わなくても大丈夫です。司令、この方の決意は固いようです」

比叡「!?」

提督「ぐぬぬ……」

榛名「(霧島!?これはどういうことですか!?)」

霧島「ここはどうでしょうか、その熱意に免じて二人の仲を認めてあげるのは」

榛名「!?」

提督「!?」

51: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/26(火) 23:58:10.15 ID:UtUV3ZCnO

霧島「榛名ももう旅立つときがきたのです。ただでさえ風当たりも厳しいでしょうし私達が認めてあげなくて誰が認めるというのですか」

霧島「私達も大人になりましょう、司令」

提督「う~む」

比叡「(え?え?どういうこと?)」

榛名「(霧島、いったい何を考えて……)」

霧島「」ニヤリ

榛名「!」ハッ

比叡「!」ハッ

榛名「(まさか……)」

比叡「(もしかして……)」

比叡榛名「「(私達をくっつけてライバルを減らそうとしている!)」」

57: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/27(水) 00:25:32.75 ID:fI2XK+/1O

霧島「(よくよく考えたらここで二人共くっつけた方が私にとって都合がいいですね。さようならお姉様方)」フフフ

提督「いやしかしだな……」

霧島「他にも艦娘はいるじゃないですか、例えば私とか……」

比叡「提督さん!このままでいいんですか!?」バン

提督「いきなり何言ってんのお前!?」

榛名「そうですよ提督、もっと頑張ってください!」バン

提督「榛名までどうした!?」

58: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/27(水) 00:26:10.22 ID:fI2XK+/1O

比叡「私はあれですよ!暴力とか振るっちゃいますよ!いいんですか!」

提督「よくねーよ!」

榛名「もっと言ってください提督、この人は榛名には合わないって!」

提督「お前本当にこの男が好きなのか!?」

榛名「そもそもこんなの金剛お姉様が認めませんよ!」

扉『』バンッ

金剛「おねーちゃんは認めマース」

榛名「何故ここで来るんですか!?」

59: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/27(水) 00:34:02.77 ID:fI2XK+/1O

霧島「さあ司令、榛名を失った悲しみを埋めるために私と旅行に行きましょう」

榛名「させません、私だって提督と旅行に行きたいです!」

比叡「いいえ、私が行きます!」

提督「もう頭が……」

金剛「テートクとハネムーンに行くのはこの私デース!お姉ちゃん権限デース!」

提督「さりげなくハネムーンにするな」

榛名「そんなの横暴です!」

比叡「そうですよお姉様!いくらなんでもそれは酷すぎです!」

提督「ん?お姉様?」

金剛「あ」

比叡「あ」

榛名「あ」

霧島「あ」


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60: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/27(水) 00:49:36.99 ID:fI2XK+/1O

提督「つまり、全部嘘だったと」

金剛「イエース」

榛名「ごめんなさい」

提督「全く、俺以外の提督だったらお前ら解体だぞ?」

比叡「ひえぇ」

霧島「申し訳ありません」

提督「そもそもなんでこんな事したんだ」

榛名「それは……」

金剛「テートクが私達に気があるか気になったからデース……」

比叡「だって提督あんまり興味なさそうだったし……」

霧島「もしかして私達は恋愛対象じゃないのかと……」

提督「全く、お前らときたら……」ハァ

61: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/27(水) 00:50:58.58 ID:fI2XK+/1O

提督「お前らに処分を言い渡す!」

榛名「」ビクッ

提督「これから四人でお使いに行ってこい!以上!」

金剛「へ?」

比叡「それだけですか?」

提督「ああ、お前らを不安にさせた俺にも責任はあるからな」

霧島「ちなみに何を買ってくるのですか?」

提督「……四人分の指輪だ」

金剛「テートクゥ……」

比叡「司令……」

榛名「提督……」

霧島「司令……」

62: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/27(水) 00:52:06.07 ID:fI2XK+/1O

提督「いいから俺の気が変わらないうちにはやく行け」

金剛「わかりマシタ!テートク、愛してマース!」ダッ

比叡「やっぱり司令が一番です!」ダッ

榛名「榛名、提督の為に行ってきます!」ダッ

霧島「質のいい指輪を買ってきますね司令!」ダッ




提督「初めから素直に言ってればいいものを」

提督「……」

提督「……電」

電「はいなのです」シュタ

提督「お前、初めから知ってたな?」

電「さあ?」ニコニコ

提督「お前という奴は……」

電「見てて面白かったですよ」ニコニコ

提督「全く、ついでにあの四姉妹がちゃんとお使いできるか見てこい」

電「はいなのです」スゥ

提督「(本当に大丈夫だろうか……)」

63: ◆.X9wOpIDBQ 2016/01/27(水) 00:56:06.77 ID:fI2XK+/1O
終わり。金剛姉妹は素直可愛いということが言いたかっただけのss

最近MMDに興味を持ちまして、いつか金剛姉妹の仲が悪い話をできたらいいなぁと思っております。過保護な暁提督の話の方がやりやすそうですが。

榛名の話はもう少し待ってくだせぇ