1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 19:47:43.70 ID:AEDyy7FL0
・モバマスの二宮飛鳥のSSです

・かなり独自設定あります

・言葉遣いがコレジャナイかも

・出てくるけど台詞少ないコもいます、担当Pすまない


それでもいいという方はどうぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455101263

引用元: 【モバマス】二宮飛鳥「Fakin’ It」 


 

アイドルマスターシンデレラガールズ 9  (完全生産限定版) [Blu-ray]
アニプレックス (2016-02-25)
売り上げランキング: 46
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 19:49:42.16 ID:AEDyy7FL0
P「ちょっと、いる人だけでいいから聞いてほしい」


エ、ナンダロ…
マサカ、カイサントカ
キンダンノグリモワールガ テンカイヲクロクオオイツクスヒガキタワ
ワケワカンネーデヤガリマス


P「今日から我々の仲間が増えることになった」


P「では飛鳥、自己紹介を」


二宮飛鳥「ああ」


飛鳥「ボクはアスカ、二宮飛鳥、この世のかりそめの名前さ」


飛鳥「ボクが希求する新しい世界≪非日常≫が、ここにあると踏んでやってきた」



一同「「「「??」」」」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 19:53:32.48 ID:AEDyy7FL0
飛鳥「ああ申し訳ない、ボクはボクだけの世界を、この身に内包している」


飛鳥「その世界の一端が、今この刹那に零れ落ちた、それだけのことさ」


飛鳥「キミ達には、敵意も無関心もないつもりだ、≪痛いヤツ≫で片付けるもいいけれど」


飛鳥「ボク自身は、こうして出会えた奇跡を悦んでいるよ」


飛鳥「これからよろしく」



渋谷凛「ktkr(こちらこそよろしく、ニヒリズムのレゾナンツこと飛鳥)」


前川みく「凛ちゃんなんか漏れてるにゃ」


神崎蘭子「屈折の渡り鳥よ、その迷宮の鍵、いまこそこの偶像の館へ差し込む刻!(飛鳥さん、ようこそ当プロダクションへ)」


市原仁奈「ここはどこのくにでごぜーますか」


ヤイノヤイノ
ワーワー
チョンワチョンワ

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 19:55:48.18 ID:AEDyy7FL0
P「ま、ちょーーっとばかし馴染むまで時間かかるかもしれないが、きっといい仲間になると思うので」


P「先輩として、飛鳥にしっかり接してほしい」


一同「うむ!「「「はーい」」でやがります」」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:00:55.38 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「さて…ボクはこのあとの行く末をまるで聞いていないのだが」


飛鳥「なにか、為すべきことはあるかな」


P「今日はこれから、事務所の設備とかを一通り説明してまわることにしている」


飛鳥「そうなのか…早速心が躍るよ」


P「ただその前に片づけておきたいデスクワークがあるんで、その間は」


P「いま挨拶した皆と、話をしたりしてお互いの理解を深めたりしてほしい」


P「飛鳥が頃合いいと思ったら、そこの席にいるんで声をかけてくれ」


飛鳥「わかった」


飛鳥「…流石にさっきの挨拶では、一方通行の感が拭えないんでね、話睦を深めるかな」


---------------------

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:04:28.79 ID:AEDyy7FL0

---------------------


P「…」カタカタカタカタ


安部菜々「二宮飛鳥ちゃん、14歳、ですか…」


P「…」カタカタカタカタ


菜々「いやー… 若いって、いいですねえー」


P「…」ピタ



P「…俺はそれに、なんて答えるのが正解なんですかねぇ」


菜々「深ぁーく、心から納得してもらえればいいんですよ」


P「はぁ…」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:09:45.70 ID:AEDyy7FL0

菜々「3つ年下っていうのは、それはそれは眩しいものですから」


P「3つ…? ああ、そうか」


菜々「羨ましさ山の如しですよ」


菜々「やりたいこと、挑戦したいこと、いろいろできますから」


菜々「崖っぷちで選択肢なんにもない菜々と違って…」


P「あんまり悲しいこと言わないでくださいよ」


P「今じゅうぶん輝いているじゃないですか」


菜々「…そう言ってもらえると、嬉しいな、キャハッ☆」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:14:22.91 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「菜々先輩、おはようございます」


菜々「おや噂をすれば、飛鳥ちゃんおはようございます」


P「おう戻ってきたか、というか飛鳥は菜々さんのこと、知ってるのか」


飛鳥「まあね…液晶を隔てて、ではあるけれど、以前から一方的に」


菜々「嬉しいです、ようやくウサミン星もメジャーな存在に…うっうっ」


P「…菜々さん…お化粧崩れますよ」


菜々「あ゛あ゛あ゛い゛けない、お仕事前なのにボロボロになっちゃう…」


菜々「それじゃ、行ってきまーす、ウーサミン☆」バタン

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:19:20.82 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「…イメージ通りだな、ある面羨むよ」


P「…飛鳥は、ウサミン星人で売り出して欲しいのか?」


飛鳥「まさか…羨むのと、その道を歩むのは、別の話だろう?」


P「まあな、冗談だから安心しろ…それより」


飛鳥「ふむ」


P「なんか向こうが へんな空気だが」


飛鳥「…ちょっとした世界の相違があってね」


P「世界の、相違?」


飛鳥「彼女なんだが…」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:28:01.65 ID:AEDyy7FL0

P「…蘭子、どうした」


蘭子「…」.....ξ(;ω[壁]ササッ



P「…何があったんだ」


飛鳥「さぁ…最初は普通に交歓できていた、つもりなんだが」


飛鳥「そのうち視線が外れてきて…」


飛鳥「似たイデアを持っていると知って、ボクも知らず口調が舞い上がっていたかもしれない」


P「なるほどな…蘭子は根がシャイだから、それが出ちゃったか」


P「蘭子、何か気になることがあるのか、話を聞くぞ」



蘭子「…か、かの…飛ぶ鳥を堕とす屈折の渡り鳥の前では、グリモワールの…詠唱も…」



P「?? ちょっとそっちの、応接室で話すか」


P「飛鳥すまない、もうちょっとだけ待ってくれ」


飛鳥「ああ…風のざわめきが収まるのを祈るよ」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:33:01.47 ID:AEDyy7FL0

仁奈「あすかおねーさーん」


飛鳥「ん?仁奈ちゃん、だっけ、何だい」


仁奈「これはなんでごぜーますか」クイックイッ


飛鳥「ああ…これはボクの、この世界に対する≪ささやかな抵抗≫さ」


仁奈「ささやかな、てーこー…ってなんでやがりますか」クイックイッ


飛鳥「…まだ理解、できないかな、というかあんまり引っ張らないでほしいたたたたt」


仁奈「あ…すまねーでごぜーます…おこらねーでくだせー、ざんきにたえねー ですよ」


飛鳥「わかってくれれば、ありがたいよ、怒ったりしないから、安心してほしい」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:37:00.56 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「ただ、この髪…エクステは、ボクにとって大事なモノだからね」


仁奈「仁奈のきぐるみくらい だいじでやがりますか」


飛鳥「ああ、同じくらい大事だよ」ナデナデ


飛鳥「キミも、いい色をしたセカイを持っているね…ではわからないかな」


飛鳥「かわいい着ぐるみだね」ナデナデ


仁奈「えへへへ」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:39:41.87 ID:AEDyy7FL0

P「すまん飛鳥、待たせた」


飛鳥「おかえり、蘭子は…どうなんだい」


蘭子「…」


P「ちょっとばかり、その…人見知り、みたいなものが出たようだ」


P「飛鳥が大人びていて、引け目を感じてしまった、というところかな」


飛鳥「そうか…ボクも同じ波動を持つ共鳴者が現れて、喜びのあまりついアツく語ってしまった」


飛鳥「蘭子、すまない」


蘭子「!そんな、私は…ただ、その…ううう///////」


P「徐々に距離を縮めてゆくしかないかな、何かあったら都度相談に乗る」


蘭子「…うむ」


飛鳥「ああ、せめて握手くらいはしておきたいが」


蘭子「は…はい///」ギュ


飛鳥「これから宜しく、蘭子先輩」


蘭子「!!セ、センパイ、だなんて…ぷしゅー////////」


P・飛鳥「(カワイイ)」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:44:34.75 ID:AEDyy7FL0

-------------------

P「その後、飛鳥のボーイッシュかつ中二な言動と、エッジの効いたファッションが」


P「ローティーンをメインに徐々に支持されだし」


P「おかげさまで忙しい日々を送っている」


P「蘭子ともうちとけて、いい師弟関係のようなものが醸成されている」


P「どっちが『師』だかよくわからない雰囲気があるが」



P「ただ…俺の中で 飛鳥に対する『ある疑問』が、ずっとこびりついている」


P「アイドル活動も軌道に乗ってきた今、その『疑問』にいよいよ触れてみたい」


千川ちひろ「何をぶつぶつしゃべっているんですか」


P「モノローグ」


ちひろ「はぁ…」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:46:10.76 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「おはよう」


P「おはよう…すまない早くから」


飛鳥「いや、元々朝が早いから、苦にもならないさ…それより」


P「ん?」


飛鳥「なにか話があるんだろう…顔に書いてある」


P「ああ、話、というか…ちょっと奥へ」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:51:08.35 ID:AEDyy7FL0

-応接室-



P「…そんなに 顔に出てたか」


飛鳥「まぁね、ボクが気に掛ける程には」


P「そうか、いかんな…変に他人に勘繰られるとまずい、しっかりしないと」


飛鳥「なにやら 穏当でない話かい」


P「2~3 訊きたいことがあるだけだ、今後のプロデュース方針に関わることで」


飛鳥「…聞こう」


P「単刀直入に訊く、飛鳥お前…」




P「 年いくつ誤魔化してるんだ 」




飛鳥「…」


17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:56:45.95 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「なぜそれを訊きたいんだい」


P「飛鳥の売り出し方を、変える必要があるかないか、見極めるためだ」


飛鳥「ボクはボクだ、変わるつもりはないよ」


P「それはわかっている」


P「飛鳥の魅力を訴求する年齢層を、場合によっては練り直したい」


P「もちろん飛鳥がアイドルとして挑戦したいことがあれば」


P「これからも積極的に応じてゆくつもりだ」


飛鳥「そうか…その言葉、信じていいんだね?」


P「ああ、最初に飛鳥に約束した通り」


P「『アイドルという”非日常”を味わわせる』ことを変えるつもりはない」


P「飛鳥が変わらないのと、同じように」


飛鳥「…ありがとう」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 20:57:57.41 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「だいぶ前から、気づいていたんだろう?」


P「ああ、いろいろと他のアイドルからウワサ話があってね」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:01:46.90 ID:AEDyy7FL0

--------


 凛「プロデューサー、今度入ってきた飛鳥って娘…『蒼』じゃない」


 凛「『碧』だよ」


 P「ごめんさっぱりわかんない」


 凛「中二病の割に、雰囲気が大人…っていうか、あれ 本物の大人なんじゃないか ってこと」


 みく「みくも『なんか隠してるっぽい』って思ったから、飛鳥ちゃんにそれとなく訊いてみても」


 みく「いっつも『ボクと君とは、インスタンスであって、インディビジュアルなままさ』とか」


 みく「はぐらかされるにゃ」


 みく「他のことなら、言葉がわかりにくいけど、それなりにちゃんと答えてくれるのににゃ」


 P「お前の言葉も語尾おかしいけどな」


--------


飛鳥「筒抜けだった、ということか…滑稽だね」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:04:55.75 ID:AEDyy7FL0

P「そもそも、蘭子が最初に…」


--------


-飛鳥に初めて会った日の応接室-



蘭子「…かの飛ぶ鳥を堕とす屈折の渡り鳥…怪鳥に非ず、ハドリアヌスの壁たり…」


P「その壁は、己が築きしものではないのか…飛鳥は城の門を開けている、空城の計ではないはずだ」


蘭子「城の中を知られるのは、敗北に等しいわ…ロゼッタストーンの頃からそう言われている」


P「飛鳥はトロイの木馬を有しているとでも?」


蘭子「そ、そんなことは…同盟を結ぶに足る、誇り高き名士(シュバリエ)よ…ただ…」


P「ただ?」


蘭子「…知り過ぎている…かの屈折の渡り鳥は、一度猖獗を呑み、退魔した末に現世に顕現している」


蘭子「私のシックスセンスが、語りかけるわ…不平等条約を結ぶ憂き目に遭うと」



--------

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:06:52.59 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「…やはり気づかぬうちに、上から目線になっていたというわけか」


P「きっと自分の手の内をあっさり見透かされて、うろたえたんだろう」


P「そして確信した、飛鳥が年長であることを」


飛鳥「なるほど…幸い今はお互いのセカイを尊重しあって、変にこじれずに済んでいるから」


飛鳥「雨降ってなんとやら、かな」


P「だな」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:10:31.66 ID:AEDyy7FL0

P「で、いくつなんだ本当の年齢は」


飛鳥「…キミだからいいけれど、まっすぐ年齢を訊くのはデリカシーがないな」


飛鳥「多感な女性はガラスのように壊れやすくて、破片はキミをたやすく傷つける…」


P「すまない…つい仕事の延長で」




飛鳥「菜々さんの3つ下」




P「…………え」


飛鳥「菜々さん流に言えば≪永遠の14歳≫、かな」


飛鳥「これくらいオブラートに包むのは、許容範囲だろう?」


P「…いろいろ驚いてる」


飛鳥「意外だな…キミはどんな世界も包容しうる人だと思っていた」


P「主に、菜々さんの年齢を飛鳥が知っている件で」


飛鳥「そこか」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:13:22.23 ID:AEDyy7FL0

P「…ずいぶん昔から、菜々さんのファンだったんだな」


飛鳥「年齢を隠していなかった地下アイドルの時期からずっと、追いかけていたよ」


飛鳥「というか…こんなことを知ったところで、今後のプロデュースの参考になるのかい」


飛鳥「方針を決めるのは、キミだけれど」


P「ああそうだった、まだほかにもあるんだ」


飛鳥「ほう」


P「その髪のことだ」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:14:15.81 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「この、エクステのことかい」


P「それはエクステとは言わない」




P「 ウィッグだ 」




飛鳥「…そこまで お見通しだったのか」

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:17:48.92 ID:AEDyy7FL0

P「地毛の一部だけ染めて、あとは団子にしてウィッグの下に隠すとか」


P「手の込んだことをする…」


飛鳥「いつ頃気づいたんだい」


P「飛鳥がここに来た、初日だな」


P「仁奈が髪をひっぱって悲鳴あげる声が、応接室まで聞こえてきたからな」


飛鳥「参ったね、あれか…アイデンティティを揺さぶられたんだ、穏やかであろうはずがない」


P「そこは同情する…そして最後の質問だが」


飛鳥「ああ」


P「…何故こういう自分の飾り方をしようと思ったか、だ」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:23:10.26 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「…」



飛鳥「…やり直したかったから、だね」


P「やり直す?」


飛鳥「ボクの青春時代…そう、リアルな14歳の頃」


飛鳥「あの頃は、ずいぶんとつまらないルールに抑圧されてきた」


P「うん」


飛鳥「親とか学校とかから、ことあるごとに」


飛鳥「その少年のような口調を直せ、着衣を乱すな、長髪禁止、染めたら放校…」


飛鳥「嫌気がさして、向こう腹を立てて、ずっと優等生で居続けた」


飛鳥「およそこんな嗜好がボクにあるなんて、同級生は誰も知らなかったハズさ」


P「そうだったのか」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:27:47.98 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「…で、社会に出たら急に好きなように何でもできるようになった」


飛鳥「今もお忍びで大学に通ってはいるけれど、あの頃とは比べ物にならないほどの自由があった」


飛鳥「着こなしも、言葉遣いも、自分が責任を負う限りは、無限に広げられるセカイがあった」


飛鳥「アイドルは、その最たるもの」


飛鳥「ボクの求める≪<非日常≫は、退屈な≪日常≫から自然に延長していったのさ」


飛鳥「…ただひとつ…」


P「ん?」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:32:37.26 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「この髪…これだけは、いきなりロングにするのに抵抗があって、大人になってもショートのままだったが」


飛鳥「時がボクを変えてしまった」


飛鳥「ロングがボク相応の髪とはだんだん思えなくなってきてね」


飛鳥「背格好は幸か不幸か、中学の頃から殆ど変わらないのに」


P「≪ささやかな抵抗≫っていうのは、自分への抵抗だった、というわけか」


飛鳥「まあ それが半分、あとは髪形を無理強いした あの頃の大人への静かなレジスタンス」


P「なるほど…概ねわかった」


飛鳥「概ね、か…キミらしい」


P「飛鳥らしくもある」


飛鳥「ああ、ボクたちは 似た波長を持っているから、今こうして互いに背を任せられるんだね」


飛鳥「ボクをどうするかはキミ次第だが、まずは話せてすっきりした」


P「こちらこそ、言いづらいことを有難う」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:35:07.20 ID:AEDyy7FL0

--------------

飛鳥「いつわりの人生を歩んできたボクが、いまアイドルという、別の≪いつわり(偶像)≫を演じている」


飛鳥「でも、そのことに何の後ろめたさも、違和感もない」


飛鳥「あれから、プロデュース方針にはささやかな変更があった」


飛鳥「実年齢などは積極的にカミングアウトせず、それとなく大人な雰囲気を纏うことで、周囲ににおわせることになった」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:38:46.42 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「ボクのプロフィールにも若干修正が入った」


飛鳥「年齢の前に修辞がつき≪ガラスの14歳≫になった」


飛鳥「ボーイッシュでエッジの効いた路線ばかりでない、フェミニンな仕事も少しずつ入ってくるようになった」


飛鳥「…ブラックコーヒー並に苦手ではあるけどね」



飛鳥「蘭子とはユニット(ダークイルミネイト)まで組ませてもらっている」


飛鳥「ボクの歌声がソロCDというカタチになるのも、もうすぐだ」


飛鳥「プロデューサーの手腕は…ボクの見込んだ通りだった」


飛鳥「ボクの退屈な人生を、ボクの飾るままに、見事に昇華させてくれている」


飛鳥「こんな稀有なことはない」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/02/10(水) 21:40:25.31 ID:AEDyy7FL0

飛鳥「ただ…そのまま感謝を示すのでは…ボクの矜持が揺らぐ」


飛鳥「あくまでさりげなく、素知らぬふりをして、聖バレンタインの日を迎えることにするかな」


P「丸聞こえだぞ」



おしまい