1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:15:02 ID:VD4l2zCk
武闘家「へ?どうしたの、急に」

戦士「あ、いや、何でもない」

武闘家「あ、勇者達が来たよ!」

武闘家「お姫様綺麗だねー!」

戦士「魔王との戦いから2ヶ月しか経ってないのに、結婚パレードかー」

武闘家「戦後で皆の心が落ち込んでる今だからこそ、やるんでしょ!」

戦士「それもそうか」 




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2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:15:35 ID:VD4l2zCk
戦士「しかし…魔王退治して、お姫様と結婚して、時期国王…か」

戦士「やっぱ勇者の奴はすげーな」

武闘家「私たちはそのすげー勇者の仲間なんだよ?」

武闘家「堂々と胸を張って!」
バシッ

戦士「お、おう、そうだな」

武闘家「さ、お祝いに行こうっ!」 


3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:16:16 ID:VD4l2zCk
勇者「よう!2人とも、来てくれてありがとよ!」

武闘家「あったりまえでしょ!」

戦士「俺たちは一緒に魔王と戦った戦友だろ?」

勇者「そうだな。後は魔法使いの奴が居れば」

勇者「世界を救った勇者パーティ勢揃いだったのにな」

戦士「あいつも来られれば良かったんだが」 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:16:52 ID:VD4l2zCk
勇者「まだ行方知れずか?」

戦士「あぁ…連絡も無い…」

勇者「そうか…」

武闘家「あー!暗い話しは無し無し!」

武闘家「今日はせっかくの結婚披露宴だってのに!」

勇者「そうだな!2人とも、楽しんでってくれよ!」

戦士「おう!1ヶ月分位、食い貯めさせてもらうぜ!」

勇者「ははっ!それじゃまた後でな!」 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:17:32 ID:VD4l2zCk
武闘家「…勇者ってば、時期国王の自覚有るのかしらね」

戦士「自覚があろうとなかろうと、あいつは人を惹き付ける」

戦士「この国はきっと良くなる」

戦士「魔王が死んだ今、世界はきっと良くなる」

武闘家「どうしたの?戦士、顔が怖いよ?」

戦士「いや、何でも無い」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:18:12 ID:VD4l2zCk
戦士「さぁ!宮廷料理なんて、この先食う機会ねーんだ」

戦士「腹一杯食おうぜ!」

武闘家「ふふっ、あまり食べ過ぎないでよ?」

戦士「いいや、ここで無理しないでいつするんだよ!」

戦士「さぁ、食うぞ食うぞー」

侍女「あのっ!戦士様!冒険のお話しをお聞かせ下さい!」

貴族女A「わたくしにも是非お聞かせ下さいませ」

貴族女B「わたくしも興味ありますわ」

戦士「あ、あぁ…えっと…その…はは…まいったな」 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:18:47 ID:VD4l2zCk
貴族女A「あら、戦士様はこういうのは苦手なのかしら?」

貴族女B「ウブなのですね、うふふ」

戦士「ええっと…おーい、武闘家!ちょっと…」

武闘家「ふん!鼻の下が伸びてますよ!戦士様?」

戦士「お、おい…」

武闘家「知らないっ!」

貴族女A「あらあら、武闘家様の機嫌を損ねてしまいましたわ」

戦士「あ、あはは…あいつ短気なんで」 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:19:30 ID:VD4l2zCk
貴族女B「戦士様と武闘家様は幼馴染なのですよね?」

戦士「そうです。あと、俺の弟もなんですけどね」

戦士「小さい頃から3人一緒で…」

侍女「魔法使い様ですよね!私、以前この王城でお会いした事があります!」

侍女「侍女の私にも優しく声をかけて下さいました!」

戦士「へぇ?」

戦士(あいつが他人に優しく声を…?珍しい事もあるもんだな) 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:20:07 ID:VD4l2zCk
貴族女A「で?魔法使い様はどちらに?」

貴族女B「わたくしも是非お会いしたいですわ!」

貴族女A「今や世界一の魔道士ですものね」

戦士「あ、あぁ…その、あいつは今、ちょっと旅に出ててさ」

貴族女A「あらそうですの…少し残念ですわ」

貴族女B「魔王を倒した勇者様のお仲間、どのような方なのか大変興味がありましたのに」

貴族女A「いらっしゃらないのでは仕方ありませんわね」

貴族女A「そうですわね。それでは戦士様、旅中のお話しをお聞かせ下さい!」

戦士「あぁー、じゃあ、えーっと…」


武闘家「…」
ジーーーーーーーッ

戦士(そんな、熊をも射殺す様な眼差しで俺を睨むなよ…) 

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:20:53 ID:VD4l2zCk
戦士「それじゃあな、勇者」

勇者「本当に故郷の村に帰るのか?」

戦士「あぁ」

勇者「お前程の剣の腕があれば、宮廷騎士にもなれるのに」

戦士「はっはっは、俺にゃ騎士道精神が欠けてるだろが」

勇者「騎士じゃなくても、剣術指南役でも…」

戦士「俺の剣術は我流。人に教える様な物じゃねぇよ」 

11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:21:31 ID:VD4l2zCk
勇者「そうか…まぁ、たまには遊びに来いよ!」

戦士「あぁ、次来た時は極上の葡萄酒で飲み比べだな!」

勇者「望む所だ!」

戦士「…それじゃあ、な」

勇者「あぁ、元気でな!」

武闘家「ちょっと!私の事、無視して良い感じの雰囲気作んないでよ!」

勇者「してないよ、武闘家」
ナデナデ 

12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:22:04 ID:VD4l2zCk
武闘家「頭を撫でるな!無神経バカ!」
ゲシッ!

勇者「痛てぇ!スネを蹴るな!」

武闘家「あんたが子供扱いするからでしょ!」

勇者「お前は子供だろ?」

武闘家「何度も言うけど、同い年だからね?」

勇者「はははっ、もうこんな掛け合いもしばらくは無いんだし」

勇者「最後ぐらい頭なでなでさせろー」
ナデナデ 

13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:22:41 ID:VD4l2zCk
武闘家「このアホッ!」
ゲシッ!

勇者「んがっ!マジ痛ぇ!」

武闘家「…戦後復興、色々大変だと思うけど、頑張りなさいよ!」

武闘家「期待してるわよ、時期国王様!」

勇者「はは、ま、俺がやれる事を一生懸命頑張るさ」

武闘家「あんたが変な事したら、私たちが懲らしめに来るからね!」 

14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/25(火) 23:23:20 ID:VD4l2zCk
勇者「是非そうしてくれよ」

武闘家「なにかあったら、すぐ駆けつけるからね?」

勇者「あぁ、アテにしてる」

戦士「…武闘家、そろそろ行こう」

武闘家「そうだね。それじゃね、勇者!」

勇者「あぁ、2人とも、元気でな!」 

18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:11:14 ID:IGMR4a56
辺境の村

戦士「帰って来たな」

武闘家「久しぶりだねー。2年ぶり位?」

戦士「そうだな」

武闘家「みんな元気かなー」

戦士「師匠に挨拶してきたらどうだ?」 

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:11:53 ID:IGMR4a56
武闘家「そうだね、ちょっと行って来る」

武闘家「後で戦士の家に行くね!」
タタタッ

戦士「家…か」

戦士「…やっぱりあいつは居ないか」

戦士「帰って来た形跡も無いな」

戦士「魔法使い…」 

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:12:44 ID:IGMR4a56
魔王「グガァァァァァァ!!」

勇者「ど、どうだ!」

魔王「グ、グググ…さすが光の精霊の加護を受けし者よ…」

魔王「我はここまで…だが!」

魔王「人の心に闇がある限り、『魔王』は何度でも蘇る!」

魔王「その時、貴様は再び『魔王』を斬れるかな?」

魔王「クックック…地獄の底から貴様の事を見ているぞ!」

魔王「さらばだ、宿敵……」
ボロボロボロ…
グシャッ… 

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:13:40 ID:IGMR4a56
勇者「や…った」

勇者「勝った!魔王を…魔王を倒したぞ!」

戦士「やったな、勇者!」

武闘家「よ、良かったぁ…もう駄目かと思ったよ」
ヘタッ

勇者「俺もだぜ…今のが渾身の一撃だったんだ」
ガクッ

勇者「また変身されたら、もう駄目だったな…」 

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:14:26 ID:IGMR4a56
戦士「だが俺たちは勝ったんだぜ!」

勇者「おう!これで世界は平和にっ!ひゃっほーい!」

魔法使い「…」

戦士「どうした、魔法使い?」

魔法使い「何でも無いよ、兄さん」

勇者「ちょ、ちょっと休憩な…全力出し切って、ヘトヘトだ…」

武闘家「そだね…私もちょー疲れたよ…はぁ…」 

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:15:59 ID:IGMR4a56
魔法使い「…」
ポワッ

武闘家「あ!ありがと、魔法使いっ」

魔法使い「…」
ポワッ

勇者「おっと、すまないな、魔法使い」

魔法使い「体力が回復したなら警告する。今すぐここを離れるべき」

勇者「は?なんで?」 

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:16:57 ID:IGMR4a56
魔法使い「魔王が死んだ事で、魔王城を支えていた魔力が尽きつつある」

魔法使い「魔力の供給が無ければ、城は崩壊する」

勇者「ま、マジで?ここまで来るのに2時間はかかったんだぜ?」

魔法使い「城に潜んでいた魔族はすでに撤退を開始している様子」

勇者「やべぇ!皆、逃げるぞ!」

戦士「おう!」

武闘家「敵が居ないなら、出口まで走って行ける!」

魔法使い「僕の予測では、後30分程で魔王城は完全に崩壊する」

勇者「い、急げー!」
ダダダッ 

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:18:07 ID:IGMR4a56
戦士「はぁっ、はぁっ」

武闘家「戦士!しっかり!ちょっと遅れてるよ!魔法使いも!」

戦士「あぁっ!わかってるっつーの!」

戦士「こっちは回復してもらってねーんだっ!」

魔法使い「ごめんね、兄さん。僕の魔力はもう空っぽなんだ…」

戦士「お前が気にする事じゃねぇ!」 

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:18:56 ID:IGMR4a56
戦士「最悪お前を担いで走ってやるからな!」

魔法使い「…」

勇者「おっ!?あれが出口だっけ?」

武闘家「そ、そうだよ。あの入り口の彫像に見覚えがあるし!」

ガラガラガラ…

戦士「もうかなり崩れて来てる!注意して…」

ドズゥゥゥン 

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:20:06 ID:IGMR4a56
戦士「なっ!?」

勇者「おい、冗談だろ!」

武闘家「石橋が割れて、道が分断された…」

戦士「あと数メートルって所でっ!」

魔法使い「…三人とも、先に行ってくれ」

戦士「何を言う!お前を置いて行けるか!」

勇者「そうだ!すぐ助けるぞ!」

魔法使い「僕の事は良い。皆は平和な世界へ」 

28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:21:12 ID:IGMR4a56
戦士「馬鹿な事を言うな!弟を捨てて行けるか!」

魔法使い「僕がそちらに渡る手段はない。皆が僕と一緒に死ぬ事はない」

魔法使い「さぁ、出口はすぐそこだ…行ってくれ」
クルッ
スタスタ

戦士「待て!魔法使い!」

魔法使い「…じゃあね、兄さん」

ガラガラ
ゴシャァ! 

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:22:21 ID:IGMR4a56
戦士「そんな…そんなっ!」

勇者「…戦士!行くぞ!」

戦士「でも、弟が!魔法使いがまだ!」

武闘家「…戦士、ごめん」
ドスッ

戦士「てめ…なにしやが…」
ガクッ

勇者「俺が担ぐ!行くぞ武闘家!」

武闘家「うんっ!」

勇者「後で俺を憎んでくれていいから…今は…」

武闘家「…」
タタタッ

ズズゥゥゥゥゥン…… 

30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:23:39 ID:IGMR4a56
戦士「…はっ!?」

武闘家「あっ!戦士!目、覚めた?」

戦士「…ここは?」

武闘家「船室だよ」

戦士「魔法使いは…?」

武闘家「…」
フルフル 

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:24:27 ID:IGMR4a56
戦士「そうか…俺はアイツを守れなかったのか…」

武闘家「戦士は悪くないよ!」

武闘家「私が戦士を気絶させたんだから、私が…」

戦士「違うだろ?あの時、お前が動かなかったら」

戦士「パーティ全員瓦礫の下敷きで全滅」

戦士「魔王と勇者は相打ちって事になってただろ?」

武闘家「…」 

32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:25:23 ID:IGMR4a56
戦士「だから、お前がした事は正しいんだ…」

武闘家「ひっく…ご、ごめんねぇ、戦士…あたし…」

戦士「いいんだ、武闘家。これで…よかったんだ」

戦士「でも…俺は…ぐっ…」
ガクッ

武闘家「戦士?ねぇ戦士!大丈夫?」
ユサユサ 

33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:26:28 ID:IGMR4a56
勇者「…寝かせといてやれ」

武闘家「…でも!」

勇者「戦士は、怪我はしてないが、疲労している」

勇者「それに一晩寝れば俺も回復法術が使える様になる」

勇者「だから今は…」

武闘家「うん…」 

34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:27:14 ID:IGMR4a56
?『…いさん』

戦士「…ん?」

魔法使い『兄さん』

戦士「ま、魔法使い!?生きて…生きてたんだな!」
ガバッ

魔法使い『あぁ、僕は無事だよ…』

戦士「本当に無事で良かった…」
スカッ 

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:27:47 ID:IGMR4a56
戦士「な、なんだ!?魔法使いの身体をすり抜けた??」

魔法使い『僕は今、魔力を使って、離れた所から話しかけているんだよ』

魔法使い『兄さんが今見ているのは幻影なんだ』

戦士「お前、今、どこにいるんだ?」

魔法使い『言えない』

戦士「言えない?どう言う事なんだよ!」

魔法使い『僕は今、魔力の根源を解明している』 

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:29:24 ID:IGMR4a56
戦士「魔力?根源?意味がわからん!」

魔法使い『凡人に言っても解らないよ』

魔法使い『可哀想な兄さん』

魔法使い『これからの事を思うと、兄さんを救ってあげたくなってしまう』

魔法使い『でもそれは出来ない』

魔法使い『僕はすでに魔の一部になりつつあるからね』

戦士「な、何を言ってるんだ?お前」 

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:30:15 ID:IGMR4a56
戦士「ひょっとして魔族の残党に捕まってるのか?ならすぐに…」

魔法使い『優しい兄さん』

魔法使い『だから僕はあの時、兄さんにだけ、回復魔法を使わなかったんだよ』

戦士「どういう事だ?」

魔法使い『兄さんの体力が全快していたら』

魔法使い『あの壊れた石橋を跳んで渡って来ただろう?』

戦士「あ、当たり前だろ!」 

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:30:58 ID:IGMR4a56
魔法使い『おせっかいな兄さん』

魔法使い『それが嫌だから回復させなかったんだよ』

戦士「なんで…なんでだ?」

魔法使い『無知な兄さん』

魔法使い『だから、そんな兄さんに』

魔法使い『一つだけ、魔法を教えてあげる』

戦士「俺に魔力は無い…それは解ってるだろ?」 

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:33:24 ID:IGMR4a56
魔法使い『大丈夫。魔法が使えない人間なんて、この世に居ないんだよ』

魔法使い『器の大きさに個人差はあるけどね』

魔法使い『今から教える魔法はね』

魔法使い『ごくわずかな魔力で使えるんだ』

魔法使い『それでいて、絶大な効力を発揮する』

魔法使い『代わりに自分自身の生命を削るからね』

戦士「それって…」 

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:34:10 ID:IGMR4a56
魔法使い『伝説の禁呪、自爆魔法だよ』

戦士「なんでそんな魔法を…俺に?」

魔法使い『兄さんはきっとこの魔法を使いたくなるよ』

魔法使い『だから教えるのさ』

戦士「だからなんで…」

魔法使い『その時になれば解るさ』
ポウッ

戦士「い、今、何を?」 

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:35:24 ID:IGMR4a56
魔法使い『今、兄さんの頭に直接呪文を送り込んだよ』

魔法使い『使いたい時、強く念じれば、ちゃんと発動するからね』

魔法使い『強く強く念じないと発動しないからね』

魔法使い『それじゃあ兄さん、そろそろお別れだ』

戦士「ま、待ってくれ!お前は…帰って来ないのか?」

魔法使い『おそらく無理だと思うよ』

魔法使い『あの2人にもよろしく言っておいて』

戦士「…あ」 

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:36:14 ID:IGMR4a56
魔法使い『それじゃあね、兄さん』

魔法使い『一応、僕が本当に生きている証に…』
コトッ

魔法使い『僕の指輪を転移させておくよ』

戦士「ま、待て!」

魔法使い『兄さんに光の精霊の加護がありませんように…』
フッ

戦士「魔法使い…お前は…」 

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:37:06 ID:IGMR4a56
武闘家「そっか…魔法使い、生きてるんだね!」

戦士「あぁ、この指輪は確かに魔法使いの物だ」

戦士「俺の夢なんかじゃなく、確かにあいつは生きている」

勇者「あんの野郎、どこにいやがるんだ!」

勇者「絶対探し出してやる!」

勇者「さぁ行くぞ!2人とも!」

武闘家「おー!」

戦士「…」 

44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:38:06 ID:IGMR4a56
勇者「戦士?どうした?」

戦士「俺たちはこのまま王城に戻るべきだ」

武闘家「なんで?魔法使いの事が心配じゃないの?」

戦士「あいつは…きっと見つからない」

武闘家「なんで?」

戦士「兄弟だから解る」

戦士「もし見つかるような所に居るなら」

戦士「あんな魔法を使ってまで、生きてる事を連絡してこない」 

45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:39:03 ID:IGMR4a56
戦士「あいつは俺たち3人に見つからない所で」

戦士「魔法について、研究をしてるんだ」

戦士「研究が終われば帰ってくるかもしれない」

戦士「でも今は…多分俺たちの事を邪魔だと思っている」

勇者・武闘家「…」

戦士「それに、魔王を倒した報告は必要だろ?」

戦士「世界は救われました!って、俺たちが報告しないとな!」

武闘家「それで良いの?」

戦士「あぁ、それで良い」

勇者「よし。じゃあまずは王城に向かうか!」

戦士「おう!」 

46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:39:45 ID:IGMR4a56
戦士「あれから2ヶ月か…」

戦士「あっと言う間だったな…」

戦士「この家、こんなに広かったかな」

戦士「…」

戦士「勇者は時期国王」

戦士「あいつは良い王様になるだろうな」

戦士「ははっ、王冠は似合わないだろうけどな」

戦士「いつの間に姫様を口説いたんだか…」

戦士「でもまぁ、幸せそうだったしな」 

47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:40:19 ID:IGMR4a56
戦士「武闘家は…やっぱり拳法道場の後継者になるだろうな」

戦士「何せ魔王を倒したパーティの1人だもんな」

戦士「道場、繁盛するだろうな」

戦士「優しくて、強くて、可愛くて」

戦士「非の打ち所がないな」

戦士「あー、幼児体型なのが唯一の弱点かな」

戦士「まぁ、幸せに暮らして行けるんだろうな」 

48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:41:09 ID:IGMR4a56
戦士「魔法使いは…魔法の研究、か」

戦士「あいつは昔からそういう奴だったしな」

戦士「魔法の研究に生涯を費やすんだろうな」

戦士「未来に語り継がれる大魔道士になるかもしれんな」

戦士「いや、魔王を倒した英雄の一人なんだ」

戦士「もう充分、大魔道士だな」 

49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/26(水) 19:42:43 ID:IGMR4a56
戦士「じゃあ俺は?」

戦士「…俺はどうすればいい?」

戦士「腕っぷしには自信があるが、ただそれだけだ」

戦士「他に何も無い…」

戦士「魔物の数が激減した今、用心棒の仕事も無い」

戦士「頭も悪いしな…」

戦士「どうすっかな…」
・ 


54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:14:24 ID:EBRBxdjU
3ヶ月後

バタン
武闘家「おーい、戦士ー、居るー?」

戦士「…あぁ、居るさ」

武闘家「む!またお酒飲んでるね?」

戦士「今は飲んでない…夜飲んでたんだ…」

武闘家「もう!しっかりしてよ!」 

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:14:56 ID:EBRBxdjU
戦士「しっかり?俺がしっかりすると、誰がどうなるんだ?」

武闘家「世界を救った英雄が、二日酔いでフラフラしてんなって言ってんの!」

戦士「世界は救われたけど、俺は救われていない…」

武闘家「は?どういう意味?」

戦士「なぁ、武闘家…」

武闘家「何?」

戦士「俺はどうしたらいい?」 

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:16:23 ID:EBRBxdjU
武闘家「…戦士はさ」

戦士「…」

武闘家「やりたい事とか、無いの?」

戦士「…無い」

武闘家「剣の腕を更に磨く!とか」

戦士「平和な世の中になったんだ、剣技を磨いてなんになるんだ?」 

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:17:27 ID:EBRBxdjU
武闘家「じゃあ、弟子を取って、戦士の剣技を伝えて行くとか?」

戦士「魔王は滅んだ…魔物も大人しくなった」

戦士「俺の剣技は必要無い」

武闘家「じゃあ私の武術も必要無いって言うの?」

戦士「お前の武道は人の生きる道だ」

戦士「暗い心を照らす光だ…」

戦士「力無き正義は無力、正義無き力は暴力」

戦士「って、師匠が言ってたろ…」 

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:18:36 ID:EBRBxdjU
武闘家「それなら、戦士も…」

戦士「俺の剣技は只の暴力」

戦士「力任せに斬りつける、破壊の技だ…」

戦士「…なぁ、武道家」

武道家「何?」

戦士「俺は…魔王との戦いで、死ぬべきだったんじゃないか?」

武道家「!?」 

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:19:57 ID:EBRBxdjU
戦士「魔王城に近づくにつれ、こうなる予感がしてたんだ」

戦士「戦いが終わった後、俺は落ちぶれるんじゃないかってな…」

戦士「見事に当たっちまったな、はは…」
ゴクッゴクッ
プハッ

戦士「帰ってきてしばらくは旅の話を聞きたがっていた連中も」

戦士「今じゃ俺の事を木偶の棒呼ばわりだ」 

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:20:51 ID:EBRBxdjU
戦士「仕事を手伝いたいと申し出ても…」

戦士「『世界を救った英雄様に木こりなんてさせられません』ときたもんだ」

戦士「お前や勇者と違って、俺には何もない」

戦士「あの時…魔法使いを助けて俺が死ねば…」 

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:22:45 ID:EBRBxdjU
武闘家「何で…何でそんな事言うのっ!」

武闘家「私が知ってる戦士は…勇敢で、頼り甲斐があって…」

武闘家「仲間思いで…格好良くて!」

武闘家「私が好きだった戦士はどこに行っちゃったのっ!」

戦士「…お前が知ってる戦士は多分もう死んだんだよ」

武闘家「ばかっ!!」
ドスッ!

戦士「うぐぅ…お、お前…」
ドサッ 

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:23:34 ID:EBRBxdjU
武闘家「魔法使いの事は?探しに行かないの?」

武闘家「勇者ともう一度酒を酌み交わす約束は?」

武闘家「私とした、昔の約束は守ってくれないの?」

戦士「…」

武闘家「もう知らないっ!」
ダダダッ
バタン

戦士「はは…久しぶりに思い切り蹴られたな…」

戦士「約束…か」

戦士「…」 

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:25:37 ID:EBRBxdjU
戦士「勇者は次期国王として、魔物に荒らされた町や村を」

戦士「次々と復興させて行ってる」

戦士「王の代理で、他国との交渉の席につくこともあるらしい」

戦士「本当にあいつは凄い奴だ…」

戦士「魔法使い…お前は今、どこに居るんだ…」

戦士「まだ魔法の研究は終わらないのか?」

戦士「俺が会いに行っても拒否するのか?」

戦士「するんだろうな…」 

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:26:43 ID:EBRBxdjU
戦士「武闘家との約束…あいつが俺から一本取ったら、結婚するって約束…」

戦士「今じゃ実力的に武闘家の方が数倍上だろ…」

戦士「それに…こんな落ちぶれた俺には釣り合わない」

戦士「結局、何も出来ずに、酒を飲む毎日…か」
ゴクッゴクッ
プハッ

戦士「ふぅ……」 

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:28:00 ID:EBRBxdjU
戦士「自爆魔法…か」

戦士「はぁ…魔王が復活とかしねーかな…」

戦士「そしたら、俺は…魔王相手に格好良く自爆魔法を炸裂させて…」

戦士「死んで…英雄になれるのか?」

戦士「俺はアホか…そんな事…」

戦士「そんな事…」

戦士「……」
・ 

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:28:59 ID:EBRBxdjU
王城

勇者「何?魔王城跡に異変?」

兵士長「はっ!各地に分散した魔物が集結しつつあります!」

勇者「…まさか魔王が復活したのか?」

兵士長「それはわかりません。が、城跡に塔の様な物が出来つつあります」

勇者「出来つつある?魔物が塔を築いているのか?」 

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:30:08 ID:EBRBxdjU
兵士長「いえ…何と申しますか…その…」

兵士長「じわじわと何かが天に向かって伸びていくような…」

兵士長「説明し辛いのですが、その…あれは魔法ではないかと思います」

勇者「魔法…」

兵士長「しかもその中心に人影らしきものが見えました」

勇者「人影…やはり魔王が!?」

兵士長「いえ、魔族独特の羽根や角は見当たらず…」 

68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:32:30 ID:EBRBxdjU
兵士長「深緑色のローブを纏って居たので」

兵士長「あれは人間の魔道士だったのではないかと思うのですが…」

勇者「まさか…」

兵士長「魔物どもはその塔らしき物と人影を守るように動いていました」

勇者「…兵士長、偵察ご苦労だった」

兵士長「勇者様、如何いたしましょう」

勇者「辺境の村に急ぎ伝令を!」

兵士長「はっ!」

勇者「…」 

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:33:41 ID:EBRBxdjU
武闘家「戦士っ!」
バンッ

戦士「…ん?武闘家か?せめてノックくらいしろよ」

武闘家「ごめん」
コンコン

戦士「開けてからノックしても意味ねーよ」

戦士「で?なんだ?なにか用でもあるのか?」 

70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:35:05 ID:EBRBxdjU
武闘家「勇者から使いが来たよ!」

戦士「勇者から?城に来いって?」

武闘家「うん!大至急だって!」

戦士「ははは、上等の葡萄酒を飲み放題か!そりゃあ良い…」

武闘家「違うよ!ばか!」

戦士「あぁ?なんだ、違うのか…じゃあ俺行かねー」
ゴロン
モゾモゾ

武闘家「…」 

71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:36:38 ID:EBRBxdjU
戦士「おい武闘家…寒いから扉閉めてくれ…」

武闘家「ねぇ、ちょっと…」

戦士「酒が飲めねーなら城には行かないからなー」

武闘家「こ…」

戦士「こ?」

武闘家「このやろーっ!いい加減、目ぇ覚ませーっ!」
ドスッ!

戦士「げはっ!がはっ…いってぇ!」 

72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:37:54 ID:EBRBxdjU
武闘家「さっさと起きなさい!迎えの馬車待たせてるんだから!」

戦士「げふっ…俺は行かねぇって言ってんだろが!」

武闘家「両手両足縛ってでも連れて行くからね!」

戦士「やれるもんなら…」

武闘家「マジでやるよ?今の戦士がわたしに勝てると思ってるの?」

武闘家「殴って、蹴って、気絶させて、縛って、連れて行く」

武闘家「出来れば自分の足で歩いて欲しいけど」

武闘家「言う事聞かなければ、本気で実行するからね?」
パキポキ

戦士「…」 

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:38:59 ID:EBRBxdjU
武闘家「抵抗してみる?私、手加減しないよ?」

戦士「上等だ…やってみろ!」
スッ

戦士「俺だって12歳までは拳法やってたんだぜ?」

戦士「それに腕力なら俺の方が遥かに上だぜ?」

戦士「一発当たればお前のちびっこい身体なんて吹き飛ぶぜ」

武闘家「言ったね…それじゃ、ちょっと寝て貰うよ!」
ビュンッ

ガスッ! 

74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:40:48 ID:EBRBxdjU
戦士「もがーー!もがもが!」

武闘家「戦士!五月蝿い!」

戦士「もがもがもがー!もが!」

武闘家「もー!それじゃ、猿ぐつわだけ外すから、五月蝿くしないでよ?」
ガサゴソ

戦士「ぶはっ!ばーかばーか!お前ばっかじゃねえの!?」 

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:42:09 ID:EBRBxdjU
戦士「こんな飲んだくれ相手に秘奥義使うとか、ばっかじゃねーの?」

武闘家「五月蝿くしないでって言ったでしょ!また猿ぐつわ…」

戦士「待て!それは嫌だ!マジで止めろ!」

武闘家「じゃあ大人しくしてて。そろそろ王都なんだから」

戦士「くそっ!当たりさえすれば…」

武闘家「当たればね?でもかすりもしなかったじゃん?」

戦士「うぐ…」

武闘家「久々に全力で暴れて、どうだった?」

戦士「…」 

76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:44:40 ID:EBRBxdjU
武闘家「ちょっとはスッとしたんじゃない?」

戦士「まぁ…ちょっとはな」

武闘家「ま、あんたの家は半分以上壊れちゃったけどね」

戦士「いいさ。もうあの家には戻らないからな」

武闘家「へ?」

戦士「勇者が俺達を呼んだって事は、何かあったって事だろ?」

戦士「それに全力を尽くす」 

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:47:00 ID:EBRBxdjU
戦士「それが終わったら…魔法使いを探す旅にでも出るさ」

武闘家「そっか」

戦士「あぁ」

武闘家「やっと戦士らしい事言えるようになったね!」

戦士「そうか?俺は元々こうだろ?」

武闘家「はぁ?ここんとこ酒浸りだったのにぃ?」

武闘家「どの口がそんな事言うの?」

戦士「違いねぇや…すまなかったな、武闘家」 

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:48:03 ID:EBRBxdjU
武闘家「いえいえ、私とあんたの仲じゃない」

武闘家「それにね、戦士」

戦士「ん?」

武闘家「実は私、知ってるんだー」

武闘家「私が怒鳴りつけた日から、戦士が毎日素振りを続けていたのを」

戦士「うっ…見てたのか?」

武闘家「それにその剣も、毎日研いでたでしょ?」

戦士「…他にやる事もなかったしな」 

79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:48:44 ID:EBRBxdjU
武闘家「さっきの大暴れだって、わたしに当たらない様にわざと外してたでしょ?」

戦士「それは気のせいだろ…」

武闘家「ふふん!これでも師範ですからね!それくらいわかるって!」

戦士「なんか、なんでもお見通しなのな、お前は」

戦士「一生勝てる気がしねぇよ」

武闘家「ふふっ、私の好きな戦士が帰ってきてくれて嬉しいよ!」

戦士「…ありがとよ」 

80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:49:50 ID:EBRBxdjU
勇者「おう!よく来てくれたな、2人とも!」

勇者「まずは落ち着いて、食事でも…」

武闘家「勇者!一体何があったの?」

戦士「俺達はお前の仲間だ。社交辞令は必要ねぇ」

戦士「俺は何をすればいい?何でもするぞ?」

勇者「ん…これはお前らにしか頼めない事でな…」

勇者「力を貸してくれ!」 

81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:50:52 ID:EBRBxdjU
戦士「深緑のローブ…」

勇者「な?な?」

武闘家「それってひょっとして…魔法使いの奴じゃない?」

勇者「俺自身が見た訳じゃないから何とも言えないけどな」

勇者「2人に頼みたいのは、魔王城跡の調査だ」

勇者「俺も一緒に行きたいんだが、立場上、城を抜け出せねーんだ」

勇者「王にも姫にも行くなって言われちまってな…」

勇者「それにもし、魔王城跡に居るのが魔法使いの奴なら…」

勇者「他の奴には見られたくねぇ」 

82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:51:48 ID:EBRBxdjU
戦士「…わかった、行こう」

武闘家「だね!」

勇者「すまんな、2人とも…」

戦士「気にするなよ、勇者」

武闘家「そうだよ、仲間でしょ?」

勇者「頼む。信頼出来るのはお前たちだけだ」 

83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/27(木) 21:52:31 ID:EBRBxdjU
勇者「くれぐれも言っておくが、今回はあくまでも調査だ」

勇者「もし魔法使いが原因なら、引きずってでも連れて来い」

勇者「だが…もし万が一、魔王が復活している様なら」

勇者「俺じゃなきゃ倒せない」

勇者「だから調査に徹してくれ」

勇者「無茶だけはしないでくれよ?」

戦士・武闘家「了解!」 

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:41:25 ID:TJQ5pmbI
戦士「けどよー…よかったのか?武闘家」

武闘家「は?何が?」

戦士「俺一人でもよかったんだが」

武闘家「無理でしょ」

戦士「…はっきり言いやがる」

武闘家「相手が魔法使いなら、あんたは絶対負けないけど勝てない」

武闘家「相手がもし魔王なら…あんたはきっと死ぬ」

戦士「そうか…そうかもな」 

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:42:06 ID:TJQ5pmbI
武闘家「だからね、戦士」

武闘家「ちゃんと背中は守るから」

武闘家「前を向いてね?」

戦士「あぁ」

武闘家「絶対、約束守って貰うんだから!」

戦士「…」 

89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:42:49 ID:TJQ5pmbI
魔王城跡

戦士「…あれか」

武闘家「んー、確かに塔にも見えるけど…あれ、何か透けてない?」

戦士「そうだな…」

戦士(あの時、魔法使いが使ってた幻影の魔法と似てるな…)

戦士「勇者から聞いてたよりもデカいな…中心部分が見えない」

戦士「もうちょっと近付いてみるか…」

武闘家「見つかっちゃうよ、多分」

戦士「そしたら蹴散らせばいいだけだろ?」

武闘家「よっしゃ!久々に本気でやっちゃおうか!」

戦士「おう!」 

90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:44:16 ID:TJQ5pmbI
ザシュッ

戦士「ふぅっ」
キンッ

武闘家「今ので最後?」

戦士「この辺りのはな」

戦士「向こう側にも居るみたいだけど、バレてないみたいだな」

武闘家「さすが戦士、鮮やかなお手並み!」

戦士「お前もだろ」

武闘家「じゃ、中を覗いてみましょうかね?」

戦士「そうだな…」 


91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:45:09 ID:TJQ5pmbI
武闘家「…これって触っても何とも無いかな?」

戦士「俺から行く…」
スッ

戦士(やっぱり、幻影…)

武闘家「ちょっ!大丈夫なの?」

戦士「大丈夫だ、問題ない」

武闘家「じゃ、こそーっと、お顔を拝見しましょうかね?」

戦士「おう」 

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:45:40 ID:TJQ5pmbI
魔王城跡中心部

?「…」

?「やあ、兄さん、来たんだね…」

戦士「!?」

?「武闘家も、久しぶり。相変わらず元気だね…」

武闘家「魔法使い!あんたここで何やってんのっ!」

?「魔法使い?…あぁ、僕はそんな名前だったね」 

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:46:23 ID:TJQ5pmbI
?「でも今はちょっと違うんだよね」
スッ

戦士「武闘家っ!下がれっ!」

武闘家「!?」

ボワッ!

武闘家「ちょっと!なにすんのよ!」

?「君たちが知っている魔法使いはもう居ない…」

?「今の僕は…」

?「『魔王』だ!」 

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:47:05 ID:TJQ5pmbI
戦士「どういう事だ、魔法使い!」

魔王「僕はね…ついに魔力の根源を識ることが出来たんだよ」

戦士「アホの俺にもわかるように言え!」

魔王「ふふ…可哀想な兄さん」

魔王「それじゃ、一応教えてあげるね」

魔王「その前に…」
ピッ

武闘家「あっ…」
ピキーン 

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:48:01 ID:TJQ5pmbI
戦士「!」

魔王「邪魔者には黙っててもらおうかな」

戦士「お前っ!武闘家に何をした!?」

魔王「時間停止の禁呪を使ったんだよ」

魔王「大丈夫、動けない代わりに、何があっても傷つかないから」

魔王「それじゃあ、無知な兄さんに一から説明してあげるね」

魔王「あ、話しの前に…兄さん、自爆魔法を使わなかったんだね」

戦士「…」 

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:48:55 ID:TJQ5pmbI
魔王「兄さんは心が弱いから、自殺するために使うかと思ったんだけど」

戦士「それも少しは考えた」

戦士「でも、命の捨て所はちゃんと考えるさ」

戦士「さすがに森の熊相手に自爆魔法なんて、もったいなくてな」

魔王「ふふふ、そうなんだ。ちょっと残念」

戦士「!」

魔王「それじゃ話すからね。質問あったらどうぞ。何でも答えるからね」 

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:49:46 ID:TJQ5pmbI
魔王「前に少し話したけども、覚えているかな?」

魔王「魔力はね、実は誰にでもあるものなんだ」

戦士「…」

魔王「魔法はね…言葉の通り、魔の下法なんだ」

魔王「人は誰でも邪な心を持っているだろう?」

魔王「魔力は邪な心から創られる」

魔王「だから誰でも魔法を使えるんだよ」 

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:50:37 ID:TJQ5pmbI
魔王「真に清らかな心を持つ者なんて」

魔王「世界中探しても1人しか居ない」

魔王「それが光の精霊の加護をその身に受けた、勇気の象徴、勇者」

魔王「勇者だけは魔力を持てないんだ」

魔王「光の加護で、負の力は打ち消されてしまうからね」

魔王「でも光の精霊は全知全能じゃない」

魔王「精霊の加護は世界中で只1人しか受けられないんだよ」 

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:51:36 ID:TJQ5pmbI
魔王「だから、精霊法術を使えるのは勇者だけ」

魔王「普通の人間と魔族が使えるのは魔法」

魔王「勇者が使うのは法術と言うんだよ」

戦士「…それで?何でお前が魔王になるんだよ!」

魔王「ふふふっ…僕はね」

魔王「元々、『前魔王』を倒す事に別段興味は無かったんだよ」

魔王「君たちと旅を続けていたのも、世界各地に伝わる禁呪を収集する為だったんだ」

戦士「禁呪?」 

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:52:28 ID:TJQ5pmbI
魔王「歴代の魔王や、大魔道士が創り出した、呪文でね」

魔王「威力が強すぎて、精霊達に封印されてしまったんだよ」

戦士「お前、そんな物を…」

魔王「ふふふ…僕らは色んな所を旅してまわったよね」

魔王「あの古龍の塔では、実は禁呪を3つも習得してたんだよ」

魔王「そうして禁呪を習得する度にね」

魔王「僕の心は魔の深淵に近付いていったんだ」 

101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:53:11 ID:TJQ5pmbI
魔王「僕の魔力の源は『知識欲』」

魔王「どんどん満たされて行く反面」

魔王「さらに知りたくなったんだ」

魔王「世界の理すべてをね」

魔王「ここまで、理解出来てるかな?」

戦士「…魔王らしい、長ゼリフご苦労なこった」

戦士「話しはまだ続くのか?」

魔王「もう少しだけね」

戦士「…」 

102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:54:14 ID:TJQ5pmbI
魔王「伝説の剣を探しに入った地下迷宮を覚えてるかな?」

戦士「あぁ…覚えてるさ」

戦士「あの時、お前は道に迷って、敵に襲われ…死にかけたよな」

魔王「ふふ…あれはね、敵に襲われたんじゃなくて」

魔王「覚えた禁呪を使ってみたんだよ」

魔王「その禁呪は唱えただけで、無限の魔力を得られる呪文だったのさ」

魔王「その見返りに、全身の血液が毛穴から吹き出して、魔の血液に変わってしまうんだけどね」

戦士「魔の血液?」 

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:54:48 ID:TJQ5pmbI
魔王「魔族になったって事さ」

戦士「!?」

魔王「驚いたかい?歴代の魔王の中でも相当珍しいらしいよ」

魔王「元人間の魔王なんてね」

戦士「それじゃお前は…」

魔王「おっと、話しはまだ終わってないよ」

魔王「僕がここで何をしていたのか、調べに来たんでしょ?」

魔王「それを勇者に報告しなきゃね?」 

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:55:50 ID:TJQ5pmbI
魔王「魔王を倒せるのは、勇者の一太刀だもんね」

戦士「で?お前はここで何をしてたんだ?」

魔王「実はね、魔力の源である魔結晶は魔王城の地下深くにあったんだよ」

魔王「魔結晶っていうのは、全世界の負の感情を集めて、魔力に変換する結晶でね」

魔王「魔法はその魔結晶の力をほんの少しわけてもらって、使うのさ」

魔王「普段は詠唱を使って、引き出すんだけど」

魔王「魔族になると、高レベルの魔法すら、詠唱無しで使えるんだよ」

魔王「伝説の禁呪でさえ、ね」 

105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 19:58:11 ID:TJQ5pmbI
魔王「その魔結晶の力を借りて、僕は血液だけじゃなく、肉体も魔族化していたんだ」

魔王「この幻影の塔は、見る人間の恐怖心を引き出させる為の物さ」

魔王「今はまだ僕の肉体改変の為に膨大な魔力を使っているので」

魔王「塔は小さいけどね。これからどんどん大きくなるよ」

魔王「いずれは幻影ではなく、実体化させるよ」

魔王「だから今度の最後の迷宮は魔王城ではなく、魔王の塔って事になるかな」

魔王「100階くらいの塔にしようと思ってるんだよ」

魔王「そこで魔王らしく、勇者が来るのを待ったりしてね。ふふふ……」

戦士「そんな…お前、何でそんな事を…」 

106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:00:07 ID:TJQ5pmbI
魔王「弟である僕を殺すの?」

戦士「いいや、殺さねぇよ」
ガシャンガチャガチャガシャン

魔王「武器も防具も捨てて、死ぬつもりなの?」

戦士「違う」

戦士「殴って、蹴って、気絶させて、ふん縛って、王城に連れて帰る!」

魔王「兄さんにそれが出来るかな?」

戦士「出来ないと思ってんのか?」

魔王「僕の身体はもうほぼ魔族だよ?」

魔王「無尽蔵の魔力を持ち、多少の傷なら自然に治癒する」

魔王「兄さんの後ろについて歩いてた頃とは全然違うよ?」 

107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:00:59 ID:TJQ5pmbI
戦士「それでも!俺はお前を…止めなきゃならねぇ!」

戦士「家族だからな!」

魔王「ふふっ…やっぱりこうなるんだね」

魔王「じゃあ、ちょっと相手をしてあげる」

魔王「死なない程度にね!」
ボッボッボッ!

魔王「でもこれ、当たったら即死する禁呪だよ!三つ、かわせるかな?」
ヒュッ! 

108 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:01:55 ID:TJQ5pmbI
戦士「当たるか、アホ!」
サッ

ボン!ボン!ボン!

戦士「へっ!余裕だっつーの」

魔王「それじゃ、これはどうかな?」
ボボボボボボボボボボッ

戦士「なっ!?んなに沢山出せるのかよ!?反則だろ!」

魔王「詠唱無しで禁呪使い放題なんだよ?」

魔王「体力馬鹿の兄さんにどうにか出来る訳ないでしょ?」
ヒュヒュヒュヒュッ 

109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:03:01 ID:TJQ5pmbI
戦士「だぁぁぁぁぁ!」
ダッ!
ガシッ

魔王「なっ!は、離せ!」

戦士「なあ、あの魔法、お前に当たったらどうなるんだ?」

魔王「…」
バチバチバチバチッ!

戦士「へっ…どこが即死魔法なんだよっ!傷一つ無いじゃねーか!」

魔王「ふふふ、魔の根源たる僕に魔法が効く訳ないでしょ?」 

110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:03:39 ID:TJQ5pmbI
魔王「それよりも…兄さんの素早さをちょっと甘く見てたよ」
パチン

フッ
武闘家「あれっ?私、今何をして…」

戦士「なっ!」

魔王「ほらほら、僕を抑えてる場合じゃないんじゃない?」

魔王「僕は念じただけで、禁呪を使えるんだよ?」

戦士「あのままじゃ、武闘家は訳もわからないまま死ぬんじゃない?」 

111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:04:25 ID:TJQ5pmbI
魔王「ま、殺すには一つで充分だよね」
ボッ
ヒュッ

戦士「武闘家!危ねぇ!」
ダダッ!

武闘家「えっ?」

バチバチッ! 

112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:05:15 ID:TJQ5pmbI
戦士「がっ!かはっ!」

武闘家「せ、戦士?何して…」

戦士「お、おう…無事で良かった…」

魔王「あれ?即死する禁呪のはずなんだけど違ったのかな?」

魔王「ちょっと魔力が足りなかったのかな?」

魔王「ま、どっちでもいいか」

武闘家「せ、戦士!血が!」 

113 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:08:50 ID:TJQ5pmbI
戦士「ぶ、武闘家、勇者に報告してくれ…」

武闘家「な、何を?て言うか、取り敢えず逃げようよ!」

魔王「今、勇者に報告されたら厄介な事になるかな…」

魔王「やっぱり二人とも、ここで死んでくれる?」

武闘家「…あいつ、ヤバいよ!逃げようよ、戦士!」

戦士「多分、無理だ…」

武闘家「え?」

魔王「わかってるね、兄さん。魔王からは逃げられないよ」

魔王「もう既にこの辺り一帯に、結界を張ってあるからね」

戦士「…俺が……お前を、止めてやるからな、魔法使い」
グググッ 

114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:10:06 ID:TJQ5pmbI
武闘家「な、何するつもり?その怪我じゃ…」

武闘家「でも、戦士が戦うつもりなら私も…一緒に!」

戦士「…悪いな、お前との約束、守れそうにねーわ」

武闘家「な、何?」
ガシッ
ブンッ!

ドサッ
武闘家「痛っ!何すんの!」

戦士「離れてろ!」

武闘家「えっ?」 

115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:10:52 ID:TJQ5pmbI
魔王「まだ立ち上がる意味あるの?楽になっちゃいなよ」

戦士「お前、まだ完全に魔王じゃ無いんだろ?」

魔王「肉体の方はね、ま、あと少しで終わるけど」

戦士「精神は?」

魔王「僕の精神はすでに魔そのものと完全に繋がっている」

魔王「それこそ人間とは次元が違うんだよ」

戦士「そうか…一応聞くが、元の魔法使いに戻る事は…?」

魔王「無いね」 

116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:11:57 ID:TJQ5pmbI
戦士「解った…今、終わらせてやるかなら…」
ビュッ!

魔王「!?」
ガシッ

戦士「さっきより速くてビビったか?」
グググッ

魔王「な、何を…」

戦士「なぁ、魔法使い…」

魔王「ぐっ!離せっ!」
グイッグイッ 

117 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:12:38 ID:TJQ5pmbI
戦士「世界の理とか、どうでもいいじゃねえか」

魔王「五月蝿い!無知で無能な兄さんに解る訳がない!」

魔王「全てを知りたいという、この僕の欲求を、否定するなっ!」

戦士「そんなもん知らなくたって、人は生きていけるだろ?」

戦士「人間辞めてまで、何を知る必要があるんだよ…」

魔王「五月蝿い五月蝿い!」

魔王「小さい頃から体が弱くて、ろくに運動も出来なかった僕にとっては!」

魔王「識る事が全てだったんだ!」 

118 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:13:32 ID:TJQ5pmbI
魔王「それを極限まで追求して何が悪い!」

魔王「兄さんみたいな筋肉馬鹿には絶対に理解出来ない!出来るはずがない!」

戦士「あぁ、理解出来ないな…」

戦士「ただな…弟のお前がこのまま魔王になっちまうってんなら」

戦士「俺はそれをほうってはおけない!」 

119 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:14:24 ID:TJQ5pmbI
戦士「俺がお前を止めてやるからな」

魔王「ぐぎぎぎぎ!」
ググググッ

魔王「クックック…我は『魔王』だぞ?」

戦士(喋り方が…変わった?)

魔王「精霊の加護を受けた勇者ならいざ知らず」

魔王「貴様如きが我を止めるだと?どうやってだ?」 

120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:18:42 ID:TJQ5pmbI
戦士「哀れな俺に、お前が教えてくれたんじゃねぇか」

魔王「フハハハハ。あの自爆魔法の事か?」

魔王「さっきまでの我なら倒せていたかもなぁ」

魔王「だがすでに肉体の改変も終わった」

魔王「我は真の魔王となったのだ!」

魔王「貴様の自爆魔法など、効かぬわ!」

戦士「それでも、試す価値はあるだろ?」

戦士「こんな近距離で自爆魔法とやらを使ったら」

戦士「さすがのお前も、魔法を使い続けられないんじゃないか?」

魔王「…」

戦士「武闘家が逃げ出す隙くらいは作れるんじゃねぇか?」 

121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/28(金) 20:19:53 ID:TJQ5pmbI
魔王「くっ!馬鹿が!無駄死にするつもりか!」

戦士「武闘家が逃げ切れれば、勇者の奴がお前を倒してくれるだろ?」

戦士「だから無駄死にじゃねぇよ!」

戦士「……すまねえな、武闘家」

武闘家「ちょ…」

戦士「『自爆魔法』」

カッ!

ドォォォォォン!

武闘家「せ、戦士っ!戦士ーーーーーっ!」
・ 

125 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:18:15 ID:opgeZtfY
ユサユサ
戦士「…ん?」

?「そろそろ起きて下さい」

戦士「はっ!?ここは…天国?」

?「正確には天界です」

戦士「あんたは?」

?「私は光の精霊です」

戦士「おぉ…精霊様ってホントに居たんだなぁ」

戦士「てか、やっぱり俺、死んだんだなぁ…」

精霊「…」 

126 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:19:33 ID:opgeZtfY
戦士「……武闘家はちゃんと逃げ切れたのかな?」

戦士「魔王は倒せたかな…ってやっぱ無理でしたよね?」

精霊「いいえ。魔王は貴方の自爆魔法で、確かに倒れました」

戦士「へ?魔王を倒せるのは、精霊様の加護を受けた勇者の…」

精霊「ですから、貴方の自爆魔法で、魔王を倒せたのです」

戦士「どういう事ですか?」

精霊「勇者が前魔王を倒した瞬間、私の加護は勇者の身体から離れました」

戦士「はぁ?マジですか?」

精霊「ふふ、マジですよ」 

127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:20:26 ID:opgeZtfY
精霊「精霊は、魔王がこの世に現れた時のみ」

精霊「人間の身体に加護を授ける事が出来るのです」

精霊「魔王が滅びれば、授けた加護は精霊に戻ります」

戦士「そんな事が…」

精霊「私は貴方たちの事をずっと見ていました」

精霊「貴方が自爆魔法を使う直前、魔法使いさんは魔王へと変化しました」

精霊「本来ならば、無垢な子供に加護を授けるのですが」

精霊「今回だけは特別。貴方に加護を授けたのです」 

128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:21:41 ID:opgeZtfY
精霊「だからあの自爆魔法は精霊の加護がついた、勇者の一太刀だったのです」

精霊「太刀じゃなくて、法術でしたけどね」

戦士「そうですか…俺はあいつを止められたんですね…」

戦士「魔法使いはどうなったんですか?」

精霊「魔法使いさんは、この世界が始まってから、恐らく一番多くの禁呪を習得した魔王です」

精霊「彼は複数の禁呪を組み合わせて」

精霊「自分の肉体が滅んでも、精神を残す呪文を編み出しました」

精霊「あの若さで、あの域まで達するのは並大抵の事ではありません」

精霊「まさに大魔道士でした」 

129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:22:20 ID:opgeZtfY
戦士「それじゃあいつは…」

精霊「魔結晶の話しは聞いてましたよね?」

戦士「はい。魔王城の地下深くにある、魔力の元だって…」

精霊「彼の精神は魔結晶と完全に一体化しました」

戦士「…」

精霊「この先、地獄に行く事も、転生する事も無く」

精霊「永遠に魔結晶の中で生き続けます」

戦士「そうですか…」 

130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:23:05 ID:opgeZtfY
精霊「彼はそうありたいと思って、そうなったのです」

精霊「世界の先を識る為に」

精霊「だから貴方が抱え込む事はありません」

精霊「弟に会えなくなって寂しいとは思いますけども、ね?」

戦士「そうですね…あいつはそんなやつです」

精霊「はい」
ニコッ 

131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:24:49 ID:opgeZtfY
戦士「あー、それでこの後、俺はどうなるんですか?」

戦士「沢山の魔物を斬ってきたから、やっぱ地獄行きですかね?」

精霊「…」
ニコニコ

戦士「それにしても…天界って案外何も無いんですね」

戦士「小さな扉と一面雲だらけ」

戦士「随分と殺風景ですね」 

132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:25:51 ID:opgeZtfY
精霊「ここは天界の中でも最下層の入口ですからね」

精霊「ここからでは、審判の門すら見えませんよ」

戦士「あ!俺、ひょっとして天界の住人になれるとか?」

精霊「いいえ、駄目です」

戦士「で、ですよねー。自分の手で弟殺しちゃう様な奴が、天界なんて…」

精霊「勘違いしないでくださいね」

精霊「貴方は天界にも地獄にも行けません」

精霊「だって貴方はまだ死んでいないんですから」 

133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:27:05 ID:opgeZtfY
戦士「え?でも…実際ここに居る訳だし」

戦士「あの自爆魔法は、自分の生命を削るって…」

精霊「精霊の加護を受けた人間は、魔力を持てません」

戦士「!?」

精霊「貴方が使ったのは正確には自爆法術」

精霊「勇者だけが使える法術です」

精霊「生命を削ったりはしません」

戦士「そ、そうだったんですか」 

134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:28:09 ID:opgeZtfY
精霊「そして、勇者の身体は何度でも蘇るんですよ」

精霊「私たち精霊の力でね」

精霊「だから貴方はまだ生きているんです」

戦士「じゃあ何で俺はここに?」

精霊「貴方と少しお話しがしてみたくって、ね?」

戦士「話し…ですか?」

精霊「あの時、あなたは自爆魔法を使う事を躊躇わなかった」

精霊「それは何故?」 

135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:29:22 ID:opgeZtfY
戦士「それは…その…武闘家を逃がすのと、弟を止めるため…」

精霊「本当に?」

戦士「…ずっと見てたならわかってるんでしょ?」

戦士「俺は…死にたかったんですよ」

戦士「俺は戦う事しか出来ないバカだから…」

戦士「死ぬなら戦いの中で死にたかったんです」

戦士「それでついでに世界も救えるならって思って」

精霊「後悔は無かったの?」 

136 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:30:11 ID:opgeZtfY
戦士「そりゃまぁ、少しくらいはありますよ」

戦士「泣いてくれる人も…居るし」

精霊「正直なのですね」

戦士「全部見てたんですよね?そんな精霊様に嘘ついてどうすんですか」

精霊「フフフッ。確かにそうですね」

精霊「その人をもう悲しませないでくださいね?」

精霊「人が悲しむと、私たちも悲しくなります」

精霊「だから私たち精霊は人に力を貸すのです」 

137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:31:38 ID:opgeZtfY
精霊「でも、人の心は弱いです」

精霊「またしばらくすれば、新たな魔王が生まれるでしょう」

精霊「その時がいつになるかはわかりません」

精霊「今回の様に、半年足らずで新たな魔王が生まれるかもしれない」

精霊「10年後、100年後かもしれない」

精霊「貴方はその時、どうしますか?」

戦士「俺は…」 

138 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:32:38 ID:opgeZtfY
精霊「生きる道を見つけて下さいね?」

戦士「…はい」

精霊「そろそろ貴方の身体の修復が終わります」

精霊「地上に戻ったら、真っ先に愛する人を抱きしめてあげて下さいね?」

戦士「…そうしますよ」

精霊「あと、私の加護はもう受けられませんからね?」

精霊「くれぐれも自爆魔法を使わないように!ね?」

戦士「わかってます」

精霊「それでは戦士様、これから貴方の歩む道が光に包まれていますように」
スーッ

戦士「…ありがとうございました」 

139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:33:42 ID:opgeZtfY
戦士「ん、重い…」

武闘家「…」
スースー

戦士「看病してくれてたんだな、武闘家」
ナデナデ

戦士「ありがとな」
ナデナデ

武闘家「!!!!」 

140 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:34:26 ID:opgeZtfY
戦士「悪い、起こしちまったな」

武闘家「な、な、な…」

戦士「なんだよ、幽霊でも見たような顔して」

武闘家「だ、だってあんた…心臓止まってたんだよ?」

戦士「へ?」

武闘家「今日、埋葬の予定だったんだから!」

武闘家「起き上がって、自分の居る場所確認しなよ!」

戦士「は?」
ムクリ 

141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:35:47 ID:opgeZtfY
戦士「おい…冗談だろ…これ、カンオケじゃねーか!」

戦士「俺、生きてるっつーの!」

武闘家「一発殴っていい?」

戦士「良い訳ねーだろ!アホか!」

武闘家「アホはどっちだよ!」
ドスッ

ガタタン

戦士「うげっ…な、殴るなって言ったのに…」 

142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:38:20 ID:opgeZtfY
武闘家「ばかっ!ばかっ!私がどんな思いで…」

戦士「ごめんな、武闘家…」
ギュッ

武闘家「うぅ…このアホたれっ!」

武闘家「こ、こんなんで誤魔化されないんだから…」
ぎゅうっ

武闘家「今度またこんな事したら…」

武闘家「絶対、一生許さないんだから!」

戦士「精霊様と約束したから大丈夫だ」

武闘家「精霊様?約束?」

戦士「もう二度と、自爆魔法なんて使わないってな」

戦士(あと、戻ったら、愛する人を抱きしめるって約束もな) 

143 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:40:09 ID:opgeZtfY
勇者「マジかよ!俺、もう精霊の加護ねーのかよっ」

戦士「そう言ってたぞ?」

勇者「あっぶねー。そういう仕組みならよー」

勇者「当事者である俺にも一言あってもよくね?」

戦士「そりゃそうだ、違いねぇ」

勇者「…何にせよ、お前らが無事で良かったぜ」

戦士「あぁ…そうだな」 

144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:40:51 ID:opgeZtfY
武闘家「こらー!二人でコソコソ何やってんの!」

勇者「男同士でしか出来ない秘密の話しだよ!」

戦士「武闘家にはまだ早えーよ、な?」

勇者「だな!はっはっはっ!」

武闘家「二人まとめてぶっ飛ばしてやろうかしらね?」

戦士「元・勇者二人相手に、勝てると思ってんのか?」

武闘家「うっさい!ほら、王様達が呼んでるよ!」

勇者「おうよ」 

145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:42:18 ID:opgeZtfY
王様「皆の者!再び、世界は救われた!」

王様「勇者一行によって、新たな魔王は倒された!」

王様「この英雄達に惜しみない賞賛を!」
パチパチパチ
ワーワーワー

戦士「…なぁ、勇者」

勇者「なんだ?今は愛想笑いの時間だぞ?」

勇者「英雄様なんだから、愛想良く、手を振れ」

戦士「一つだけ、恩賞が欲しい」

勇者「このパレードが終わったら聞いてやる」

戦士「頼むぜ」 

146 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:43:22 ID:opgeZtfY
勇者「で?何だ?欲しい恩賞って」

戦士「俺をここの剣術指南役として雇ってくれ」

戦士「若い兵士に剣技を教えさせてくれ!」

勇者「どういう心境の変化だ?こっちとしては大歓迎だけど…」

戦士「魔王はいずれまた、この世に現れる」

戦士「その時、俺やお前はこの世に居ないかもしれない」

戦士「だから…未来に希望を残したいんだ」 

147 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:44:32 ID:opgeZtfY
戦士「俺の我流剣法でも、誰かの、何かの役に立つかもしれねぇ」

戦士「俺もこの世に何かを残したいんだよ」

戦士「お前は国を残す」

戦士「武闘家は武術を残す」

戦士「魔法使いは魔法を残す」

戦士「俺は…戦う術を残したい」

戦士「それに俺の弟子が勇者になるかもしれねーしな!」

勇者「わかったよ、戦士」 

148 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:45:28 ID:opgeZtfY
勇者「俺がやろうかと思ってたんだがなぁ」

勇者「ぶっちゃけ国王代理とか超大変でよぉ」

勇者「剣を振る暇もねぇんだ」

勇者「剣の腕もすっかり鈍っちまったぜ」

勇者「だから、助かる」

勇者「よろしく頼む、戦士!」

戦士「あぁ!」 

149 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:46:12 ID:opgeZtfY
戦士「は?お前も王都に残る?」

武闘家「うん」

戦士「お前、道場はどうすんだよ!師範だろ?」

武闘家「王都に支部を出す事にしたから」

戦士「なんで、お前そんな事を…」

武闘家「言ったでしょ!約束守ってもらうって!」 

150 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:47:19 ID:opgeZtfY
武闘家「私、戦士から一本取ったよね?」

戦士「う…あれは俺、手加減してたし!」

武闘家「関係ありませーん」

武闘家「正々堂々戦って、私はあんたから一本取った!」

武闘家「白目剥いて倒れてたでしょ?」

戦士「白目剥いてたかどうかはわからんが…確かに俺は一本取られたな」

武闘家「だから!約束、守ってよね!」 

151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:48:44 ID:opgeZtfY
戦士「それってひょっとしなくても、結婚の事…だよな?」

武闘家「うんっ!」

戦士「あぁ…そうだな…えっと、その…」

戦士「武闘家、俺は…」

武闘家「いつもみたいに『どうすればいい?』なぁんて眠たい事言ったら…」
パキポキ

戦士「言わねぇよ、バカ」 

152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:49:43 ID:opgeZtfY
戦士「武闘家、俺と結婚してくれ!」

武闘家「あっ!?えっ!?い、良いの??」

戦士「俺もお前の事が大好きだ。小さい頃からずっとな」

武闘家「もうっ!不意打ちでそんな事…」

戦士「これからも、俺が道を踏み外しそうになったら」

戦士「お前の蹴りで目を覚まさせてくれな、武闘家!」

武闘家「任せてよ!戦士っ、世界で一番愛してるよっ!」 

153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:50:34 ID:opgeZtfY
数十年後

?「ひいじいちゃん、用事って何?今日も剣術の稽古?」

?「あぁ…剣術もそうじゃが…聞きたい事があってな」

?「何?」

?「お前、精霊様の声を聞いたって本当か?」 

154 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:51:57 ID:opgeZtfY
?「うん!毎日じゃないけど、たまに話しかけてくるよ!」

?「でも、頭の中に直接話しかけてくるから、周囲には変な目で見られるけどね」

?「ひいじいちゃんは信じてくれる?」

?「あぁ、信じるよ…実はワシも精霊様の声を聞いた事があるんじゃ」

?「マジで?」

?「それどころか、天界の入り口で、精霊様に会った事もあるんじゃ」

?「マジで!?すっげー!」 

155 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:52:42 ID:opgeZtfY
?「しかしまさかワシの曾孫が次の勇者とはなぁ」

?「は?勇者?俺の事?まさかぁ」

?「精霊様の加護を受けたから、精霊様の声が聞こえるんじゃよ」

?「精霊様の加護を受けられる人間は世界で只一人『勇者』だけなんじゃ」

?「じゃあ、ひいじいちゃんも勇者様だったの?」

?「はっはっは、一瞬だけな」

?「どういう事?」 

156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:53:31 ID:opgeZtfY
?「そんな事よりな」

?「勇者がこの世に誕生したという事は…」

?「世界のどこかで、魔王が復活したという事じゃ」

?「えっ!?ま、魔王?マジで?世界どうなっちゃうの?」

?(武闘家…俺はどうしたらいい?)

?(…)

?(ふふっ…そんな事は決まってるよな!)

?(この若き光に、生き残る術を!俺の持つ技術全てを教える!) 

157 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:54:06 ID:opgeZtfY
?「お前は近い将来、旅立たねばならん」

?「うぅ…でも俺なんかに…魔王を倒す力なんてないよ!」

?「勇者に必要なのは力だけではないっ」

?「勇気だ!」

?「お前は旅を通して、それを身につけるだろう」

?「信頼出来る仲間と共に、魔王を倒すんじゃ!」

?「…わかった!やってみるよ!」 


158 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/06/29(土) 21:54:40 ID:opgeZtfY
?「ま、とりあえず、ヨボヨボのワシから一本取ってからじゃがな!」

?「よーしっ!今日こそひいじいちゃんに勝ってみせるっ!」

老戦士「その意気じゃ!来い!新たな勇者っ!」

若勇者「いっくぞー!」
ダダッ!


おわり