2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:29:24.09 ID:wREI71bJO
凛「というわけで、事件を探しに行こうか」

奈緒「いやいやいや、何がというわけでなんだ?」

加蓮「はあ、奈緒、察しが悪いのもほどほどにしてよね」

奈緒「え? 何? 私が悪いの!?」

凛「当たり前じゃん。私たちは何?」

奈緒「ええー……いや、アイドルだろ?」

加蓮「そうアイドル。アイドルとは?」

奈緒「歌ったり踊ったりする……」

引用元: 凛「事件は!」加蓮「私たちが解決する!」奈緒「何言ってんだ?」 


 

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3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:30:12.57 ID:wREI71bJO
凛「すぅぅぅ、はあああああ、奈緒、残念なんてレベルじゃないよ」

加蓮「アイドルは事件を解決するもの、なんでそんな当たり前なこともわからないの?」

奈緒「うん、私の常識の中には無いな」

凛「じゃあ一個賢くなったね」

奈緒「殴るぞお前」

加蓮「暴力は良くない。私たちアイドルなんだよ?」

奈緒「その暗にアイドルじゃなければ殴っていいような言い方するな」

凛「まあ奈緒が賢くなったところで、事件が私たちを待ってるよ」

奈緒「てんめえ……まあいいや、そもそも事件なんてそうそう」

ドッターン

加蓮「凛! 今の音!」

凛「うん! レッスンルームからだ!」

奈緒「マジかよ……」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:31:04.58 ID:wREI71bJO
レッスンルーム前

凛「あ、あれは!?」

菜々「うぅ……だ、誰か」

奈緒「うぉ! 菜々さんが倒れてる!!」

加蓮「何があったんですか!?」

菜々「うぐぐ……い、医務室へ……つ、つれ……あがががが」

凛「医療班」パチッ

茜「はい!!!! 任せてください!!!!!」

愛海「うん! 任せて!!」ワキワキ

奈緒「何この間違った人選?」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:31:55.11 ID:wREI71bJO
茜「では菜々さんを担架に固定して……ボンバーーーーーーーー!!!!!」

愛海「ちょちょ! 待って! 私まだ揉ん……持ってない!!!」

奈緒「菜々さんに何の恨みがあるんだよ。引きずられていったぞ」

加蓮「ちょっと奈緒、そうやって悪く言うの悪い癖だよ」

奈緒「いやあれは明らかにダメだろ!! 誰だよあいつらに医療班任せたの!」

凛「私が厳密な面談の下揃えた精鋭部隊だよ」

奈緒「お前か犯人は!!!」

凛「いやだな奈緒、犯人探しはこれからやるんだよ」

加蓮「早くもやる気になって嬉しい限りだね」

奈緒「お前らとは会話できる気がしねえ」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:33:16.63 ID:wREI71bJO
凛「さて、ここが現場なんだけど、何もないね」

加蓮「うん見事に証拠隠滅されてる」

奈緒「そもそもあの様子だとただの腰つ」

凛「奈緒!!」

奈緒「な、なんだよ?」

凛「そういう決めつけは良くない。事件はそういう固い考えのせいで凍結されちゃうんだよ」

加蓮「はあ、奈緒も頭を使ってよ」

奈緒「お前ら私のこと嫌いなのか?」

凛・加蓮「大好きに決まってるでしょ」

奈緒「うぉ、お……おお、ありがとう」

凛「照れちゃう可愛い奈緒を見てるのも良いけど、まずは目撃証言を集めようか」

加蓮「赤面しちゃう可愛い奈緒をもっと見てたいけど、そうだね」

奈緒「やめろよお前ら!!」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:34:10.71 ID:wREI71bJO
レッスンルーム内

凛「中には誰もいないね」

加蓮「菜々さんが運ばれるまでに誰も出入りしていないことは私たち自身がわかってる」

凛「菜々さんを襲った後、犯人は逃げて行ったということだね」

加蓮「倒れた音を聞いてすぐさま私たちは向かったけど、誰ともすれ違わなかった」

凛「つまり犯人は私たちが来た方向と反対に逃げたということ」

加蓮「反対ということは医務室?」

凛「!? いけない! このままじゃ菜々さんが!」

加蓮「早く行こう!!」

奈緒「お前らちょっと待てよ!!」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:35:54.69 ID:wREI71bJO
医務室

凛「菜々さん!!」

菜々「……」

加蓮「そん、な……こんなにボロボロにされて……」

奈緒「いや、これさっきの医療班のせいだろ」

凛「犯人め! 許さない!!」

奈緒「いやだから」

茜「私たちがついていながら!!」

愛海「良い感触でした」

奈緒「おい、この生傷作った犯人がここにいるぞ」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:36:52.17 ID:wREI71bJO
加蓮「二人とも、犯人は見なかった?」

茜「いえ、気付いた時にはもうボロボロで!」

愛海「でも、犯人は運んでいる最中に攻撃してきたと言って間違いないよ」

凛「愛海は見てなかったの」

愛海「うん、二つのお山が邪魔して犯人を見ることはできなかったよ。ごめん」

加蓮「じゃあしょうがないね」

奈緒「何もしょうがなくないな」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:37:38.04 ID:wREI71bJO
茜「とりあえず応急手当は済ませておきました!! では私は仕事なので!!!!」

愛海「私もこれからレッスンだから」

凛「うん、二人ともご苦労様」

奈緒「みすみす犯人を取り逃がすんだな」

加蓮「もう、奈緒ったらまたそうやって」

凛「さて、ガイシャの遺体を調べようか」

奈緒「菜々さん生きてるからな」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:38:50.97 ID:wREI71bJO
菜々「う、うう」

凛「菜々さん! よかった目を覚ましたんだね!!」

奈緒「おうさっきまで遺体扱いしてたやつの態度とは思えねえな」

加蓮「菜々さん、いったい何があったの?」

菜々「ナ、ナナが一人レッスンをしているときに、猛烈な痛みが腰に来て」

凛「具体的にどんな痛み?」

菜々「ぐ、具体的? えーっと、ねじ切れるような、そうまるであれは"獣王激烈掌"を受けたかのような痛みでした」

奈緒「いやんなもん受けてたら死ぬわ」

凛「これは大事な証言だね」

加蓮「うん、外部からの攻撃ってことがわかったわ」

奈緒「いやただの痛みの喩だろ」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:40:28.42 ID:wREI71bJO
菜々「その後は痛みで意識が朦朧としてたので、あれは夢だったのかもしれません」

凛「些細なことでもお願い」

菜々「えっと、西部劇であるような馬に引きずられるあれを体験してた気がするんです」

奈緒「うん、間違いなくしてたな。その犯人は茜だ」

菜々「それで、気を完全に失って、今に至ります」

加蓮「"獣王激烈掌"……使い手は"獣王"クロコダイン……リザードマン=ワニ男……ワニ……は!?」

奈緒「おう悪い予感しかしないな」

凛「私にもわかったよ。ワニは爬虫類。この事務所で爬虫類といえば」

凛・加蓮「ヒョウくん!」

奈緒「一応言っておくぞ、絶対違うから迷惑かけるなよ」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:42:35.13 ID:wREI71bJO
菜々「さてと、痛みも無くなったのでナナはお暇させていただきますね」

凛「え? 腰の"獣王激烈傷"は?」

奈緒「おいうまいこと言ったつもりか?」

菜々「腰は、ナナの持病みたいなものですので、いや17歳JKですけど、腰は17歳でもやってしまう時はやってしまうんですよ!! みなさんも気を付けてくださいね!! では!」

凛「……」

加蓮「……」

奈緒「……強いて言えばあの生傷作った茜が犯人だな」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/28(木) 11:43:12.99 ID:wREI71bJO
凛「はあ、菜々さんも人騒がせだな」

加蓮「まあ被害者はいなかった。事件はなかったってことを喜びましょう」

奈緒「おい、お前らの編成した医療班のせいで菜々さん怪我してるんだぞ!」

凛「やだなあ奈緒、大事の前の小事。仕方なかったんだよ」

奈緒「その言い草、お前わかってたな?」

加蓮「まあまあ、次の事件が私たちを待ってるよ!」

奈緒「まだ懲りてねえのか!!」

凛・加蓮「私たちの捜査はこれからだ!!」



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