1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:53:17.47 ID:T9vB9dCX0
ショタ「…」

エルフ「大丈夫?怪我はない?」

ショタ「…」

エルフ「よしよし、もう大丈夫だから」

ショタ「…」

エルフ(ひょっとして私に怯えてるのかな…)

ショタ「…」

エルフ「えーと…危害を加えるつもりはないから安心して」

ショタ「…」

エルフ(…さてどうしたものか)

引用元: エルフ「人間拾った」 


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2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:53:34.28 ID:T9vB9dCX0
エルフ「歩けるか?」

ショタ「…」コク

エルフ「私の家がすぐそこだから」

ショタ「…」

エルフ(見た感じ外傷はないようだけど)

エルフ(人里からこんな離れた場所で一体どうして…)

エルフ(ひょっとして捨てられたのだろうか)

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:54:06.64 ID:T9vB9dCX0
エルフ(家に連れてきたはいいがこれからどうしたものか)

ショタ「…」

エルフ「ええと…どうして森の奥で倒れてたの?」

ショタ「…」

エルフ「自分がどこから来たか分かる?」

ショタ「…」

エルフ「お父さんやお母さんは?」

ショタ「…」

エルフ(むー…埒が明かない)

エルフ「…とりあえず何か食べるものつくってくるから」

ショタ「…」

エルフ「お腹くらいは空いてるでしょ」

ショタ「…」

エルフ(はあ…)

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:54:55.56 ID:T9vB9dCX0
エルフ「はいどうぞ召し上がれ」

ショタ「…」

エルフ「毒なんて入ってないわよ」

ショタ「…」

エルフ(人間の好みに合わなかったかしら?)

ショタ「ん…」

エルフ「…」

ショタ「…美味しい」

エルフ「…!……そう、なら良かった」

ショタ「…」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:55:12.10 ID:T9vB9dCX0
ショタ「…ごちそうさまでした」

エルフ「はいはいお粗末さまでした」

ショタ「…さっきはごめんなさい」

エルフ「何が?」

ショタ「…その…何も話さなかったこと」

エルフ「気にしてないわよ」

ショタ「本当?」

エルフ「ええ、本当よ。それで、今度はさっきの質問に答えてくれるのかしら」

ショタ「…」

エルフ「…言いたくなければ別に話さなくてもいいのよ」

ショタ「…よく覚えてないんだ」

エルフ「?」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:55:30.71 ID:T9vB9dCX0
ショタ「…気が付いたらあの場所に居て」

エルフ「ふうん…住んでいた町とかは分かるの?」

ショタ「ええと…東の王国に」

エルフ「東の王国…?聞いたことないわね」

ショタ「…ヒック」

エルフ「だっ、大丈夫よ!ちゃんとお家に帰れるから!」

ショタ「…」

エルフ「私がちゃんと責任を持って連れて行ってあげるから」

ショタ「…ほんとう?」

エルフ「ええ、本当よ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:55:45.05 ID:T9vB9dCX0
ショタ「ありがとう…ええと…」

エルフ「エルフよ」

ショタ「ありがとうエルフおばさん!」

エルフ「おばさんじゃないわ!まだ百歳手前だってば!」

ショタ「おばあさん?」

エルフ(人間め…!)

エルフ「…お姉さんと呼びなさい」

ショタ「ありがとうエルフお姉さん」

エルフ「よろしい」

エルフ(さて…場所も分からない以上しばらくはこの子の面倒を見ないといけないな…)


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:56:43.96 ID:T9vB9dCX0
エルフ「さて…とりあえず考えるのは後にしてお風呂にでも入りましょうか」

ショタ「え…」

エルフ「私が入りたいの。いいでしょ?」

ショタ「うん…」

エルフ「お風呂はこっちよ」

ショタ「ぼっ、僕も一緒に入るの!?」

エルフ「襲いはしないわよ」

ショタ「いっ、いいよ!一人で大丈夫だよ」

エルフ「いいから来なさい」

ショタ「あう…」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:02:49.81 ID:T9vB9dCX0
エルフ「まだまだ背中もちっこいわね。いくつっていったっけ?」

ショタ「八歳だけど…」

エルフ「生まれたばっかりじゃないの」

ショタ「それはエルフお姉さんが年をとりすぎじゃ」

エルフ「何か言った?」

ショタ「何も…」

エルフ(生意気言うわね…なら…)

エルフ「どうせおばあさんですよーだ」ムニッ

ショタ「あ…ちょ…///」

エルフ(フフ、胸が当たっただけでうろたえてる)

ショタ「あう…///」

エルフ(ああ…反応が可愛いわ…)

ショタ「…///」

エルフ(耳まで真っ赤にして…うふふ…)

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:08:27.11 ID:T9vB9dCX0
エルフ「ちゃんと肩まで浸かるのよ」

ショタ「…」

エルフ「あらあら顔真っ赤にしてどうしたの?」

ショタ「…///」

エルフ(随分うぶな子ね、この年なら悪戯で胸とか触ってきそうなものだけれど)

エルフ(年齢の割におとなしいというか内気というか…落ち着いてるとは少し違うけど)

エルフ(親が過保護なのかしら?)

エルフ(それよりもどうやってこの子を帰そうか)

エルフ(場所が分からないんじゃねえ…)

エルフ「…そろそろあがりましょうか」

ショタ「うん」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:13:23.48 ID:T9vB9dCX0
エルフ「ベッド一つしかないから一緒でいいわよね」

ショタ「ぼっ、僕は床でも大丈夫だけど」

エルフ「子供のくせに遠慮するんじゃないの」

ショタ「えっ、えと…」

エルフ「いいからおいで」

ショタ「うん…///」

エルフ(やっぱり照れてる姿は可愛いわねぇ…)

ショタ「うう…」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:16:30.35 ID:T9vB9dCX0
エルフ「ぎゅってしてあげようか?」

ショタ「へっ、平気だよ…あっ…」

エルフ「今日あったばかりの人にこんなことされるのはいや?」

ショタ「えと…その…エルフお姉ちゃんは優しい人だってよく分かってるから…」

エルフ「そう」

ショタ「それに…あったかい」

エルフ「ふふ…」

エルフ(まあ不安はあるけどこれから先を考えるのは明日にしようか)

ショタ「おやすみ…なさい」

エルフ「おやすみ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:20:58.48 ID:T9vB9dCX0
エルフ友「聞いたわよ」

エルフ「何を?」

エルフ友「やるじゃないの、人間の隠し子がいたなんて」

エルフ「何を勘違いしてるのかは知らないけど、私の子じゃないわよ」

エルフ友「あれ?そうなんだ。村の男どもを突っぱね続けたあんたが、やることやってたって噂でもちきりなのに」

エルフ「はあ…」

エルフ友「本当のところはどうなの?」

エルフ「拾ったのよ」

エルフ友「拾ったって…犬じゃあるまいし」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:24:30.37 ID:T9vB9dCX0
エルフ友「それで、養子にでもするつもりなの?」

エルフ「ちゃんと親のところに帰すわよ。ただ…」

エルフ友「ただ?」

エルフ「あの子が住んでた東の王国ってのがどこにあるのか分からないの」

エルフ友「東の王国ねえ…」

エルフ「大体どの辺りかわからない?」

エルフ友「うーん…悪いけど全然わからないわ」

エルフ「そう…他の皆も知らないって言ってたし、お手上げかしら」

エルフ友「となるとやっぱり養子?もしくは結婚?」

エルフ「馬鹿言わないの。旅人が寄った時に聞いたりするわ。もしくは近くの人間の街にまで情報を集めに行っても良いし」

エルフ友「ふーん、大変ね」

エルフ「しょうがないわよ」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:30:44.09 ID:T9vB9dCX0
ショタ「お帰りなさい」

エルフ「ただいま」

ショタ「どこに出かけてたの?」

エルフ「あなたの住んでた街について、誰か知らないか聞いて回ってたんだけど…」

ショタ「うん」

エルフ「収穫なしだったわ」

ショタ「…」

エルフ「こっ、今度近くの人間の町に行って情報収集してくるから大丈夫よ!ね!?」

ショタ「うん…」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:39:36.33 ID:T9vB9dCX0
ショタ「でも平気なの?エルフお姉さんが人の住む町に行くなんて」

エルフ「問題ないわ。ここいらの人たちは私たちに対しては寛容だし」

ショタ「そうなの?」

エルフ「ええ、あなたが住んでた街はそうじゃないのかしら」

ショタ「ええと…あんまり良くは思ってないみたい」

エルフ「なら私のことも嫌い?」

ショタ「そっ、そんなことないよ!」

エルフ「じゃあどう思ってるのかしら?」

ショタ「えと…その…」

エルフ「是非聞きたいわ」

ショタ「お姉さんの…ことは…その…」

エルフ「その?」

ショタ「す…好き…」

エルフ(ああもう可愛いわ!恥じらうとこがほんと良いわ!いっそのことこのまま養子にでもしようかしら?)


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:57:14.79 ID:T9vB9dCX0
エルフ「ふふ…私もあなたのことが大好きよ」

ショタ「…///」

エルフ(とはいえいまだに私たちを排斥する国があったとは)

エルフ(最初この子がなにも話そうとしなかったのはそのせいもあるのかしら?)

エルフ(ここ数日で大分心を開いてくれたとは思うけど…)

エルフ(ひょっとしてこの子の故郷って私が凄い行き辛いんじゃあ…)

エルフ(まあ、しょうがないか…この子のためだし)

エルフ「えーと…」

ショタ「?」

エルフ「お家に帰るのはもうしばらく後になるかもしれないけど構わないかしら?」

ショタ「…うん」

ショタ「お母様たちも心配してるだろうけど…多分大丈夫」

ショタ「それに…エルフお姉さんと一緒に居るのも楽しいし」

エルフ「私もよ」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:13:26.73 ID:T9vB9dCX0
旅人「東の王国?」

エルフ「ええ、あなたはそこを旅したことはないの?」

旅人「うーん…俺は行ったことがないなあ」

エルフ「どの辺りにあるのかはわからない?」

旅人「確か海の向こうにあるって話だが」

エルフ「海の向こう…」

旅人「とても大きな国だそうだ。街は活気にあふれていて、多くの人で賑わっているらしい」

エルフ「へえ…この辛気臭い森の連中にも分けて欲しいくらいだわ」

旅人「おいおい自分の住む場所に何言ってるんだよ」

エルフ「冗談よ、それよりもその国までどれくらいで行けるのかしら?」

旅人「大体ひと月くらいじゃないかな?」

エルフ「…」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:21:27.49 ID:T9vB9dCX0
エルフ「はあ…いくらなんでも遠すぎよ…」

エルフ(片道一カ月かあ…しょうがないけども)

エルフ(でも…どうしてそんな遠く離れた場所からあの子は…)

エルフ(どこかへ行く途中で親とはぐれてしまったのかしら?)

エルフ(親御さん心配してるだろうな…もう何日も会ってないんだし…)

エルフ(ならなおさら行かないわけにはいかないんだよなあ…)

エルフ(うん、可愛いあの子のためだ)


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:59:43.77 ID:T9vB9dCX0
エルフ友「片道ひと月ねえ…」

エルフ「まあ、しょうがないわ」

エルフ友「いっそのこと引き取っちゃえば?」

エルフ「無理言わないの」

エルフ友「あんたのその無駄乳で養えばいいじゃないってあいたっ!」

エルフ「いい加減にして頂戴」

エルフ友「いてて…」

エルフ「しばらく家を空けることになるわ」

エルフ友「寂しくなるね」

エルフ「心にもないことを」

エルフ友「長旅になりそうだけど…大丈夫なの?」

エルフ「ずっと歩くわけじゃないし…あの子の様子も見ながらかな。お金に余裕があれば馬車を使えばいいし」

エルフ友「森の民も堕ちたものね」

エルフ「最初からそんなプライドなんて持ち合わせてはいないわよ」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 08:09:46.08 ID:y/H0kbOB0
エルフ「と言うわけで長旅になりそうなの」

ショタ「ここからどのくらい離れてるの?」

エルフ「大体ひと月くらいかかるらしいわ。海も越えるみたいだし」

ショタ「海!?海も越えるんだ」

エルフ「海なんて初めてだから楽しみだわ」

ショタ「お姉ちゃん海を見たことないの?」

エルフ「ええ、そこまで遠出することはなかったし」

ショタ「海って凄いんだよ!ずっとずうっと向こうまで水平線が続いてるの」

エルフ「へえ…」

ショタ「エルフお姉ちゃんは海の大きさにびっくりするかもね」

エルフ「そうかもしれないわね」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 08:24:56.83 ID:y/H0kbOB0
エルフ「あなたの住んでいた街も大きなところらしいわね」

ショタ「そうなの?」

エルフ「ええ、旅人が言っていたわ」

ショタ「うーんと…特にはそう思わなかったけど」

エルフ「住んでいればそんな風にはかんじないのかしら?」

ショタ「あんまり他の町に行ったことがないからかも」

エルフ「ふうん…でも羨ましいわ、都会暮らしなんて一度は憧れるものよね」

ショタ「でっ、でもエルフお姉ちゃんみたいな綺麗な人はいなかったよ…///」

エルフ「うふふ、お世辞でも嬉しいわ」

ショタ「本当だよ!」

エルフ「はいはい、旅の支度にもうしばらくかかるからちょっと出発は後になるわね」

ショタ「むー…」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 08:46:14.45 ID:y/H0kbOB0
エルフ「ふー…やっぱり風呂はいいわね」

ショタ「おじさんみたい」

エルフ「…」

ショタ「ねえエルフお姉さん」

エルフ「何?」

ショタ「ずっと一人で暮らしてるの?」

エルフ「どうせ私はおじさんで貰い手がないですよーだ」

ショタ「…ごめんなさい」

エルフ「分かればいいのよ分かれば。そうねえ…二十歳の時に親元を離れてからずっと一人で暮らしてきたわ」

ショタ「ふうん…寂しくないの?」

エルフ「慣れたわ。それに一人とは言ってもこの村の人とも交流はあるし」

ショタ「そうなんだ」



102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 08:59:16.37 ID:y/H0kbOB0
エルフ「ここまできたら一生一人身でいいわよ」

ショタ「…」

エルフ「どうしたの?まじまじと私を見て」

ショタ「なっ、何でもないよ///」

エルフ「でもあなたが来て前より生活が楽しくなったってのはあるわね」 ギュッ

ショタ「ひゃうっ…!むっ、胸が…!」

エルフ「いいわよ別に減るもんじゃあないし。いい加減慣れたら?」

ショタ「あうう…」

エルフ「あなたがいなくなれば寂しくなるけど、私のわがままで引き留めるわけにはいかないもの」

ショタ「…」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 09:12:07.72 ID:y/H0kbOB0
ショタ「僕…帰らない方がいいのかな?」

エルフ「馬鹿言わないの、あなたを心配してる人は沢山いるんだから」

ショタ「でも…」

エルフ「出会って数週間しか経ってないような人よりはあなたの家族や友人のほうが大事よ」

ショタ「…」

エルフ「そんなに悲しそうな顔をしないの」

ショタ「また…会いに来ても良いかな?」

エルフ「それは無事にあなたを送り届けてからの話よ」

ショタ「…うん」



144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 13:29:23.11 ID:y/H0kbOB0
エルフ「ええと必要なものはこのくらいかしら…」

商人「随分買い込むんだねえ、旅にでも出るのかい?」

エルフ「ええ、長い旅になりそうなの。ええと…フード付きのローブとかないかしら?」

商人「確かこのあたりに…あった、これでいいかい」

エルフ「ありがとう、サイズも丁度いいわ」

商人「どうしてそれを?」

エルフ「長い耳がコンプレックスなのよ」

商人「僕は素敵な耳だと思うよ」

エルフ「あら、そんな風に褒めてくれるのは嬉しいわ」

商人「ついでに食事でもどうだい?」

エルフ「遠慮しとくわ」

商人「…これは残念」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 13:38:19.75 ID:y/H0kbOB0
商人「君らに対して快く思ってない地域もまだあるみたいだからね」

エルフ「先に喧嘩を仕掛けたのは私たちのご先祖様なんだから当然よ」

商人「君らの森を奪おうとしたのは僕らのせいだけどね」

エルフ「むしろ大歓迎よ。夢の都会暮らしが目の前だわ」

商人「そんなこと言ったらご先祖様が黙っちゃいないだろうさ」

エルフ「その時は幽霊の第一発見者にでもなれるかもしれないわね」

商人「…まあともかくそういうところがあるようだから気をつけてね」

エルフ「ええ、ついでに安くしてもらえるとありがたいんだけど」

商人「それは無理な相談だね」

エルフ「残念ね」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 14:00:40.54 ID:y/H0kbOB0
エルフ「ただいま…はいこれ」

ショタ「…これは服?ひょっとして僕の?」

エルフ「そうよ。いつまでも近所でもらったお古蛇悪いと思って」

ショタ「ごめんなさい…」

エルフ「『ありがとう』よ」

ショタ「うん…ありがとうエルフお姉さん」

エルフ「よろしい」

ショタ「…?……スカートがあるんだけど」

エルフ「似合うと思って」

ショタ「僕は着ないからね!」

エルフ「一度だけっ!一度だけでいいから!」

ショタ「絶対着ないからっ!」


152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 14:24:32.76 ID:y/H0kbOB0
エルフ「必要なものは買った…有事の際にと貯めておいたお金ももった」

エルフ「忘れ物はないわね、それじゃあ行きましょうか」

ショタ「うん!」

エルフ「スカート履かないの?」

ショタ「履かないよっ!」

エルフ「せっかく買ってあげたのに」

ショタ「でっ、でも…」

エルフ「冗談よ」

ショタ「…本当?」

エルフ「さあ、でも一応持ってきてあげたから」

ショタ「え…」

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 19:12:10.80 ID:y/H0kbOB0
ショタ「エルフお姉さん」

エルフ「なあに?」

ショタ「エルフお姉さんの家族ってどんな人たちなの?」

エルフ「うーん…どんな人たちと言われてもねえ…うちの両親は能天気な人たちだし」

ショタ「ふーん」

エルフ「姉は八人とも好き勝手にやる人たちだし…一番マシなのは生まれたばかりの妹かしら?」

ショタ「そんなに沢山いるの!?」

エルフ「あんだけ長生きしてりゃ楽しみもセッ…子育てくらいしかないんじゃないのかしら?」

ショタ「ふうん…妹ってのはどんな人なの?」

エルフ「ひょっとして興味湧いた?お姉さん嫉妬しちゃうわあ」

ショタ「ちっ、違うよ!」

エルフ「生まれたばかりって言ってもあなたよりは年上だけどね。多分うちの中じゃ一番優しい子だと思うわ」

ショタ「家族のこと好き?」

エルフ「ええ、大好きよ」

ショタ「…」

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 19:25:52.75 ID:y/H0kbOB0
エルフ「あなたはどうなの?」

ショタ「え?」

エルフ「あなたは家族のことをどう思っているの?」

ショタ「…あんまり好きじゃないかも」

エルフ「…」

ショタ「お父様は僕に対して凄く厳しいし…お母様はお父様の言いなりだし…」

エルフ「…あなたのためを思ってやっているんじゃないのかしら」

ショタ「…うん」

エルフ「兄弟はいないの?」

ショタ「うん、僕一人っ子なんだ」

エルフ「うちと正反対ね」

ショタ「エルフお姉さんのお家に生まれたかったなあ…」

エルフ「その言葉、父さんが聞いたら泣いて喜ぶわね。男一人で立場なかったから」

エルフ「私としては可愛い弟ができるのは大歓迎なんだけれども、あなたにはちゃんと家族がいるから」

ショタ「そうだね…」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 19:42:12.49 ID:y/H0kbOB0
宿屋「いらっしゃい」

エルフ「一部屋借りれるかしら?」

宿屋「一晩だけでいいかい?」

エルフ「ええ、大丈夫よ」

宿屋「食堂、浴室は共同だからね。料金は前払いだよ」

エルフ「ええと…はい」

宿屋「まいどあり、部屋はこの奥だよ」

エルフ「分かったわ…ところでここから港まであとどれくらいかかるかしら?」

宿屋「港まで?うーんと…三日くらいだと思うが」

エルフ「教えてくれてありがとう、ショタ!おいで!」

ショタ「うん!」

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 19:55:41.48 ID:y/H0kbOB0
エルフ「あと三日もすれば港に着くそうよ」

ショタ「本当?海が見れるの?」

エルフ「そうよ」

ショタ「エルフお姉さんのびっくりする顔が楽しみだなあ」

エルフ「そんなに驚くほどのものかしら」

ショタ「僕はびーっくりしたよ」

エルフ「…なら期待しておこうかしら」

202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 20:02:26.29 ID:y/H0kbOB0
ショタ「すー…すー…」

エルフ(今日もずっと移動しっぱなしだったしすぐに寝ちゃったわね)

エルフ(…途中で色々と話を聞いて思ったけれどもどこかの貴族の息子なのかしら?)

エルフ(ならなおさらどうしてあんなとこで倒れてたのか気になるんだけれど…)

エルフ(貧しい家なら捨てられた可能性もあるかもしれないけど…)

エルフ(やっぱりはぐれたって考えるのが一番かしら?)

エルフ(憶測をしてもしょうがないわね。きっと着いてみれば分かるでしょ)

エルフ(さて…私も寝ようか)

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 20:14:40.56 ID:y/H0kbOB0
エルフ「さて、港に向けて出発するわよ」

ショタ「どうして今日はフードなんて被ってるの?」

エルフ「日焼け防止よ」

ショタ「ええと…もしかして」

エルフ「行きましょうか」

ショタ「うん…」

エルフ「にしてもこれあっついわね…」

ショタ「…僕の住んでた国って変だよね」

エルフ「変じゃないわ。うちの近所がおかしいだけ」

ショタ「…どうして?」

エルフ「結局はずっと前に先に戦争仕掛けた私たちが悪いのよ」

ショタ「そうなの?」

エルフ「だからあなたが気に病むことはないわ」

ショタ「…うん」

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 20:31:23.90 ID:y/H0kbOB0
ショタ「エルフお姉さん!見て見て!海だよ!」

エルフ「はいはい海は逃げないわよ…まあ…!」

ショタ「ほら!」

エルフ「大きいわねえ…向こう岸が見えないわ…」

ショタ「びっくりした?」

エルフ「書物や人から聞いたことしかなかったもの…でもこんなに綺麗だなんて…」

エルフ「旅をして大正解だったわね…」

ショタ「クスッ」

エルフ「どうしたの?」

ショタ「エルフお姉さんのぽかーんてした顔が面白くって」

エルフ「悪かったわね」

ショタ「ううん、凄く綺麗だよ」

エルフ「ふふ、言うわね」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 20:39:01.01 ID:y/H0kbOB0
ショタ「エルフお姉さん!早く早く!」

エルフ「ちょっ…待って…!」

ショタ「船行っちゃうよ!」

エルフ「次が…次があるじゃない…」

ショタ「ほら!手引っ張ってってあげるから!」

エルフ「あ…」

ショタ「急がないと!」

エルフ「…」

ショタ「せーふ!間に合った」

エルフ「ハア…ハア…」

エルフ(森に引きこもってたとは言え…子供に手を引かれるまで体力がないとは…)


213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 20:52:28.86 ID:y/H0kbOB0
エルフ「船の上からだとまた凄いわねぇ…」

ショタ「エルフお姉さん!カモメがいるよ!」

エルフ「あら…沢山飛んでるわねえ」

エルフ(こういうとこではしゃぐのはやっぱり子供だわね)

エルフ(さっき手を引かれた時は少しばかりドキリとしたけれど…)

エルフ(この子の成長が傍で見られないのは残念だわ)

ショタ「エルフお姉さん?どうしたのまたぼーっとして」

エルフ「なっ、なんでもないわ」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 20:57:21.44 ID:y/H0kbOB0
少し出かけてきます

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 21:50:38.99 ID:y/H0kbOB0
ショタ「そうだ!エルフお姉さんがうちに住めばいつでも会えるよ!」

エルフ「そうねえ…そうしてもいいかもしれないけど」

ショタ「ダメ?」

エルフ「あなたの両親が快く思わないんじゃない?」

ショタ「うーん…お母様は大丈夫…けどお父様は…」

エルフ「それに私はあそこに何十年も住んできたの。村の皆とも離れ離れになるのは悲しいわね」

ショタ「…うん」

エルフ(もし私が行ったとしても混乱を引き起こすだけだし…)

エルフ「素敵なお誘いを断ってごめんなさいね」

ショタ「ううん、いきなり我がまま言ってごめん」

238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 22:00:41.96 ID:y/H0kbOB0
ショタ「エルフお姉さん!陸が見えたよ!」

エルフ「あ゛ー…」

ショタ「大丈夫?」

エルフ「なんとか…」

ショタ「初めてなんだからしょうがないよ」

エルフ「うう…情けない…船酔いなんて…」

ショタ「もうすぐだから頑張って」

エルフ(ようやくか…死ぬかと思った…)

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 22:12:34.89 ID:y/H0kbOB0
エルフ「ごめん…今日はここで休ませて…」

ショタ「近くに休めるところがないか探してこようか?」

エルフ「一人じゃ危ないわ…」

ショタ「でも…」

エルフ「大丈夫…近くを探せば宿屋があるだろうし…」

ショタ「ほんとに大丈夫…?」

エルフ「ええ…船旅は二度としないようにするわ」

ショタ「帰りはどうするの?」

エルフ「およいで…帰る…」

ショタ「ふふ、いくらエルフお姉さんでも無理だと思うよ」


245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 22:18:18.81 ID:y/H0kbOB0
宿屋「いらっしゃいませ」

エルフ「一部屋…いいかしら…?」

ショタ「お姉さん本当に大丈夫…?」

宿屋「…?」

宿屋「…はい、空いております。こちらは二人部屋でよろしかったでしょうか」

エルフ「いえ…一人部屋で大丈夫よ…」

宿屋「かしこまりました。では案内しますのでどうぞ」

エルフ「行くわよ…」

ショタ「うん」

宿屋「…」

249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 22:27:20.49 ID:y/H0kbOB0
エルフ「ごめん…もうギブ…」

ショタ「よしよし」

エルフ(うう…何十歳も年下の子供に撫でられるとは…)

ショタ「気分良くなった?」

エルフ「ええ…」

エルフ(今日でしっかり休んでおこう…)

エルフ(もう少しで東の王国だから…もうひと踏ん張り)


255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 22:38:16.52 ID:y/H0kbOB0
コンコン

宿屋「…失礼します」

ガチャッ

宿屋「この少年です」

男「…間違いない」

エルフ「…何か問題でも起きたのですか?」

男「そこの女、どうしてお前が誘拐された王子と一緒にいるのだ」

エルフ「王子…?」

ショタ「…」

男「フードを外せ」

エルフ「…」

宿屋「…!この女…!」

男「…一緒に来てもらおうか」



258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 22:47:25.95 ID:y/H0kbOB0
エルフ「そんなに偉い人だなんて聞いてないわよ」

ショタ「その…ごめんなさい」

エルフ「ショタ様とでも呼べばいいのかしら?」

ショタ「エルフお姉さんが言うとなんだかくすぐったいからやめて」

男「王子はこちらへ、女は尋問まで牢にいれておけ」

ショタ「そんな…!」

エルフ「大丈夫よ」

ショタ「でも…」

262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 22:56:27.10 ID:y/H0kbOB0
ショタ「エルフお姉さん!大丈夫だった?」

エルフ「話してみると案外話の通じる人たちだったわ」

ショタ「良かった…」

エルフ「ただ、私の役目はこれまでみたい」

ショタ「え…?」

エルフ「迎えがくるそうよ、あなたの」

ショタ「…どういう」

エルフ「つまりはここでお別れね」

ショタ「…」

エルフ「ここをすぐに出て行けば私に罪はないみたい。誘拐犯は別で捕まってたみたいだし」

ショタ「でも…!」

266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 23:02:12.43 ID:y/H0kbOB0
エルフ「じゃあ私はこれで」

ショタ「待って!」

エルフ「何?」

ショタ「いきなりすぎるよ…」

エルフ「そんな顔しないの、永遠の別れって訳じゃないんだから」

ショタ「エルフお姉さんは何も悪くないのに…」

エルフ「私がここに来るってことは喧嘩売りに来てるようなもんなのよ、これでもましなほうだわ」

ショタ「でも…でも…」

エルフ「泣かないで」

ショタ「…」

エルフ「目、つぶって」

ショタ「え…?」


エルフ「じゃあ、またね」


268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 23:05:53.54 ID:y/H0kbOB0
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エルフ友「あら?帰ってたの?」

エルフ「何よその言い草」

エルフ友「それで、どうだったの?」

エルフ「二度と船には乗らないわ」

エルフ友「それじゃなくて、無事送り届けられたの?」

エルフ「多分、大丈夫だと思う」

エルフ友「多分?」

エルフ「その辺はまた詳しく話すわ」

エルフ友「やれやれ…ようやくあんたにも春が来たと思ったんだけどねえ…」

エルフ「余計なお世話よ」

エルフ友「きっといい男になるわよあの子」

エルフ「そうねえ…」

エルフ「そうなればいいわねえ…」


おわり