1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:01:12.27 ID:JJwEZqaNI
エレン「何かあったのか?」

ライナー「お前……知らないのか?」

エレン「えっ」

ライナー「今日の夕食だよ」

エレン「夕食……?」

ライナー「今日の夕食にはな」

ライナー「牛肉が出るんだ」

引用元: エレン「なんだ?みんなソワソワして……」 


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5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:02:44.94 ID:JJwEZqaNI
エレン「ぎゅ、牛肉!?」

ライナー「ああ……しかも、とびっきりの良い肉らしい」

エレン「嘘だろ!?ただでさえ肉なんて貴重なのに……」

ライナー「それがな、昔から訓練兵には一度だけ……」

ライナー「そういう行事があるらしいんだ」

エレン「……!」

ライナー「で、今日がその日ってわけさ」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:04:10.24 ID:JJwEZqaNI
エレン「な、なるほど……」

エレン「それでみんなあんなに……」

ライナー「それだけじゃないぜ」

エレン「?」

ライナー「見ろよ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:05:38.31 ID:JJwEZqaNI
サシャ「……ククク」

サシャ「ゲヘ……グヘヘヘ……」

サシャ「ムヒョオォォ……アバババァ……」






エレン「……いつにも増して頭イッてんな」

ライナー「無理もないさ。牛肉なんて滅多にお目にかかれないからな」

ライナー「あいつはその為に入隊したってウワサもあるくらいだ」

エレン「……」

ライナー「ま、お前もせいぜい気をつけろよ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:07:49.59 ID:JJwEZqaNI
夕食


教官「いいか、よく聞け!」

教官「今夜、貴様らには特別に!」

教官「牛肉が振舞われる!」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

教官「本来、貴様らごときに振る舞うなど!」

教官「もったいことこの上ない!」

アニ「……」

ジャン「……」

教官「ありがたく食せ!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:09:38.23 ID:JJwEZqaNI
バタン!


ユミル「……」

クリスタ「……」

コニー「……」

マルコ「……」

トーマス「……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:10:45.71 ID:JJwEZqaNI
うおおおおおおおおおおおおお!!!!




ジャン「!!」ガツガツガツガツ

ライナー「うおおおっ!!」ガツガツガツガツ

コニー「おいこらサシャ!こっちくんな!」

サシャ「あひィィィィィィ!!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:13:05.28 ID:JJwEZqaNI
ユミル「ん?クリスタ、もう食べたのか?」

クリスタ「え……あ、ああ、いつの間にかなくなっちゃった」

ユミル「……盗られたのか?」

クリスタ「みたいだね……」

ユミル「……」

クリスタ「はは、別にいいよ」

クリスタ「私、そんなにお肉好きじゃないし……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:15:45.45 ID:JJwEZqaNI
ホグッ


クリスタ「んぐっ……!?」

ユミル「ちっ……」

クリスタ「ふ、ふいう……?(ユ、ユミル……?)」

ユミル「最後の一口だ」

ユミル「味わって食え」

クリスタ「……!」

クリスタ「あいはほう……(ありがとう……)」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:19:37.99 ID:JJwEZqaNI
エレン「ん?どうしたんだよミカサ」

エレン「全然食べてないじゃないか」

ミカサ「私はいらない」

ミカサ「エレンにあげる」

エレン「あ、あげるって……牛肉嫌いなのか?」

ミカサ「ううん、好き」

エレン「じゃあ食えよ!またとないチャンスだぞ!」

ミカサ「エレンに食べてほしい」

エレン「は!?何言って……」

ミカサ「私は……」

ミカサ「私はエレンが……」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:24:48.26 ID:JJwEZqaNI
ぱくっ


エレン「!?」

サシャ「んんんんんんんん!!」モグモグモグモグ モグモグ

エレン「サ、サシャ!?」

サシャ「あひはほおおおお!!(ありがとおおおお!!)」

サシャ「いははいっへいっへはひはほんへ!(要らないって言ってましたもんね!)」

エレン「お、お前な!」

エレン「少しは節操ってもんを……」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:27:36.81 ID:JJwEZqaNI
ドゴッ


サシャ「!?」

サシャ「ゲフッ……ゲホッゲホッゲホッ……!!」

エレン「……!」

ミカサ「……」

エレン「ミ、ミカサ……!?」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:32:42.59 ID:JJwEZqaNI
シーン……

ザワザワ……




ライナー「(まずい……)」

ライナー「おい!ミカサ、やめろ!」

ミカサ「……」

ライナー「おわっ!?」ドゴッ

ミカサ「……邪魔しないで」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:35:18.87 ID:JJwEZqaNI
ライナー「……!」

ジャン「(め、目が……)」

コニー「(本気だ……)」

ミカサ「返して」

サシャ「は、はい……?」

ミカサ「肉を返して」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:37:39.74 ID:JJwEZqaNI
ホグッ


サシャ「!!?」

ミカサ「返しなさい」

ミカサ「早く」

サシャ「あ、あが……」

サシャ「は、はいは……(は、吐いちゃ……)」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:41:26.46 ID:JJwEZqaNI
パシン!!


ミカサ「!!」

エレン「いい加減にしろ!!」

エレン「たかが牛肉で何やってんだ!」

ジャン「……!」

アルミン「エ、エレン……!」

エレン「サシャもサシャだ!」

エレン「お前はもう少しわきまえろ!」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:46:26.59 ID:JJwEZqaNI
部下「……予想はしてましたが」

部下「まさかここまでになるとは……」

教官「ああ……」

部下「この行事……本当に意味があるんですか?」

教官「……欲望を制限される環境に」

教官「あえて欲望を増長させるものを放り込む」

教官「そうすることで、その者の隠れた一面を見ることができる」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:51:22.63 ID:JJwEZqaNI
部下「……」

教官「お前も見ただろう」

教官「他人の肉を狙うもの」

教官「他人に取られる前にそそくさと平らげる者」

教官「自分の肉を分け与える者」

教官「実に多種多様だ」

部下「……」

教官「普段の訓練では見えないものが、ここでは見える」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 15:56:25.65 ID:JJwEZqaNI
部下「しかしこのままでは……大変なことに……」

教官「それもこの行事の狙いだ」

部下「はっ……?」

教官「この行事の目的はもう一つある」

教官「あのような事態に陥ったときに、自分たちの力で乗り越えることだ」

部下「……」

教官「先ほどエレン・イェーガーも言ったが」

教官「たかが牛肉だ」

教官「こんな状態では、巨人には太刀打ちできない」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:00:15.61 ID:JJwEZqaNI
部下「乗り越えられるでしょうか……彼らに」

教官「奴らはこれまで、想像を絶する苦行に耐えてきた」

教官「きっと乗り越えられる」

部下「教官……」

教官「……いや、乗り越えてもらわなければ困る」

教官「奴らは全員、私が育てたのだからな」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:06:06.14 ID:JJwEZqaNI
翌日


ミカサ「……」

サシャ「……」




アルミン「あの二人……ずっとあんな感じだね」

エレン「ああ……」

アルミン「久しぶりに見たよ……ミカサがあんなに怒ってるところ」

エレン「……俺もだ」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:09:17.18 ID:JJwEZqaNI
教官「よし!次は軍隊格闘術の訓練だ!」

教官「全員すみやかに開始しろ!」


「はっ!!」




ミカサ「……」

サシャ「……」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:12:26.15 ID:JJwEZqaNI
ミカサ「……サシャ」

サシャ「……な、なんですか」

ミカサ「今日は一緒に組もう」

サシャ「えっ……」

ミカサ「……」

ミカサ「仲直り」

ミカサ「昨日の……」

サシャ「ミカサ……」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:16:01.49 ID:JJwEZqaNI
アルミン「……あれ?昨日はあんなに怒ってたのに」

アルミン「意外とあっさりだね」

エレン「心配しすぎだ、アルミン」

アルミン「えっ……」

エレン「あいつはいつまでも根にもつタイプじゃねえよ」

エレン「ずっと一緒に暮らしてきたからわかる」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:18:49.85 ID:JJwEZqaNI
サシャ「よし!」

サシャ「どっちからやります?」

ミカサ「じゃあ」

ミカサ「私が暴漢役」

サシャ「いいですよ~」

サシャ「かかってらっしゃい!」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:22:12.49 ID:JJwEZqaNI
ヒュン!!


サシャ「!?」


ガシィッ!!


サシャ「ちょっ……」

ミカサ「……」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:25:00.43 ID:JJwEZqaNI
エレン「なっ……!?」

アルミン「エ、エレン!やっぱり根にもってるよ!」


サシャ「ぐぬぬ……」

ミカサ「……」


エレン「あのバカ……サシャを殺す気かよ!」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:26:36.89 ID:JJwEZqaNI
サシャ「ミ、ミカサ……」

ミカサ「……」

サシャ「や、やめ……」

ミカサ「……」

サシャ「ミカサ……」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:30:44.19 ID:JJwEZqaNI
エレン「ミカサ!」


ドゴッ


エレン「おい!ミカサ!」

ミカサ「離して」

エレン「お前!昨日言ったことがわからないのかよ!」

ミカサ「わかってる」

エレン「わかってない!」

ミカサ「……」

エレン「なあ、どうしちまったんだよ」

エレン「こんなのお前らしくな……」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:35:25.68 ID:JJwEZqaNI
バッ


エレン「なっ……」


ドゴッ


エレン「お、おいミカサ!離せ!」

ミカサ「離さない」

エレン「どうしたんだよ!やっぱりお前普通じゃないぞ!」

ミカサ「……」

エレン「……ミカサ?」

ミカサ「エレン……」

エレン「……?」

ミカサ「私は……」

ミカサ「私はただ……」


ミカサ「エレンに幸せになってほしいだけ」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:38:02.04 ID:JJwEZqaNI
エレン「……!」

ミカサ「私はエレンに幸せになってほしい」

ミカサ「本当にそれだけ」

ミカサ「あとは何もいらない」

エレン「ミカサ……」

ミカサ「エレンが幸せになるためなら何でもする」

ミカサ「だから私は……」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:40:58.79 ID:JJwEZqaNI
バッ


ミカサ「!」


バサッ


ミカサ「……っ」

アニ「いい加減にしなよ」

エレン「ア、アニ……?」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:44:20.62 ID:JJwEZqaNI
アニ「エレンも言ってたけど」

アニ「やっぱりあんた普通じゃないね」

アニ「こんなに簡単に技にかかるなんて」

ミカサ「……」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:50:36.74 ID:JJwEZqaNI
エレン「アニ……?」

アニ「別にあんたらの関係なんかどうでもいいし」

アニ「馴れ合うつもりは毛頭ない」

ミカサ「……」

アニ「でもさ……もっと周りを見なよ」

アルミン「……!」

アニ「あんたもサシャも」

アニ「結局は自分の欲のために動いてる」

エレン「……」

アニ「私に言わせれば」

アニ「あんたらは……巨人とそう変わらない」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 16:57:31.76 ID:JJwEZqaNI
ミカサ「……」

サシャ「……」

アニ「……私たちはこれまで」

アニ「文字通り血反吐を吐いてきた」

アニ「逃げ出したやつもいたけど」

アニ「それでも耐えた」

アニ「違う?」

エレン「アニ……」

アニ「そういう意味では、あんたらのことは認めてるんだ」

アニ「こんなことで無駄にしないでよ」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 17:02:12.43 ID:JJwEZqaNI
部下「……思わぬ人物が収めましたね」

教官「……そうだな」

部下「彼女、元からああでしたっけ?」

教官「あれも隠れた一面だ」

教官「普段の訓練では見られない」

部下「なるほど……」

教官「……まあ何にせよ、一応は乗り越えたようだ」

部下「ええ」

教官「あとは卒業まで、みっちり鍛えるだけだ」

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 17:07:31.42 ID:JJwEZqaNI
エレン「……なあ、ミカサ」

ミカサ「なに?」

エレン「さっきのやつだけど……」

ミカサ「……?」

エレン「一応礼は言っとくよ」

エレン「ありがとな」

ミカサ「……」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 17:10:54.76 ID:JJwEZqaNI
エレン「でも俺は」

エレン「お前を犠牲にした幸せなんていらねえよ」

ミカサ「私は別に……」

エレン「お前はよくても俺はダメだ」

エレン「そんなんで俺が喜ぶと思ってんなら」

エレン「お前もまだまだだな」

ミカサ「……」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 17:13:14.26 ID:JJwEZqaNI
サシャ「ミカサ……」

ミカサ「……!」

サシャ「昨日は……本当にごめんなさい」

ミカサ「……いや」

ミカサ「私も悪かった」

ミカサ「どうかしていた」

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 17:17:28.01 ID:JJwEZqaNI
コニー「よっ!」

エレン「コ、コニー!?」

クリスタ「仲直りはできた?」

ベルトルト「もう肉なんかでケンカしないでくれよ?」

ジャン「ったく……全くだぜ」

エレン「お前ら……」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/11(土) 17:19:37.02 ID:JJwEZqaNI
ライナー「よし!それじゃあ元通りになったところで!」

ライナー「訓練再開だっ!」


「おおーーっ!」










部下「大丈夫ですね……彼らなら」

教官「うむ……そうだな」


おわり