1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 21:38:23.26 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「…………………………ん?」

苗木「何言ってるんだよ、霧切さん」

霧切「昨晩、厨房に包丁を取りに行く苗木君の姿を朝日奈さんは目撃していない……」

霧切「それが、舞園さんを殺害していないと主張する貴方のアリバイよね?」

霧切「でも、もし苗木君に瞬間移動ができたとしたら……どうかしらね?」

苗木「…………え?」

十神「なるほどな」

苗木「え!?」

十神「瞬間移動によって厨房に移動することができれば、食堂にいた朝日奈に姿を見られずに済む……」

霧切「そういうことよ」

苗木「どういうことだよ……!」

引用元: 霧切「苗木君が瞬間移動をつかったとしたら、犯行は可能よ」 



ダンガンロンパ霧切 6 (星海社FICTIONS)
北山 猛邦 小松崎 類
星海社
売り上げランキング: 2,136
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 21:43:15.96 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「で、できないよ! 瞬間移動なんて! できるわけないじゃないか!」

霧切「本当に? 実はヤードラット星人から教わっているんじゃないかしら」

セレス「可能性はゼロではありませんわね」

朝日奈「瞬間移動の可能性が出てきちゃったら……もう苗木を擁護することはできないよ……」

苗木「ま、待ってよ……! 本当だって! できないんだよ! 瞬間移動なんて!」

桑田「なら証明してみせろよ!」

苗木「しょ、証明って……!」

霧切「『瞬間移動が可能である』という証明は、実際に披露すればいいわ」

霧切「だけど、『瞬間移動が不可能である』という証明には、苗木君の全ての能力を観測する必要がある」

十神「悪魔の証明だな。実質不可能だ。苗木が『できない』と主張してしまえば、それまでだしな」

苗木「できないって……僕は瞬間移動なんてできないんだよ!」

大和田「信じられねえな!」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 21:48:25.81 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「そんな……」

モノクマ「…………」

モノクマ(なにこれ。こいつらこんなにオカルティックな連中だったの?)

モノクマ(このまま『苗木瞬間移動説』が続くの? 嫌だなぁ……)

モノクマ「あー。ゴホン。ひとつだけ、スペシャルヒントです! 今回、クロは瞬間移動を使っていません!」

霧切「……」

十神「ッチ……」

苗木「ほっ……」

石丸「ということは、苗木くんは犯人ではないということか……!」

腐川「真相に近づいたと思ったのに……」

セレス「残念ですわね」

霧切「いえ。まだ他の可能性があるわ」

苗木「! ほ、他の可能性……?」

霧切「苗木君は、壁抜けをしたんじゃないかしら」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 21:53:22.39 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「か、壁抜け……!?」

十神「ふん。なるほどな……」

不二咲「倉庫から厨房へ、壁抜けしたってことだね……!」

霧切「そうすれば、朝日奈さんに姿を見られず、包丁を取ることが可能……」

モノクマ(エー……)

葉隠「どうなんだ! 苗木っち!」

苗木「で、できないよ壁抜けなんて……!」

腐川「しょ、証明してみないさいよ……!」

苗木「…………そ、そうだ! もし、僕に壁抜けや瞬間移動ができるなら……」

苗木「もうとっくにこの学園から逃げ出しているはずじゃないか!」

苗木「『殺人を犯して卒業する』っていうのが動機なら、壁抜けができるはずないんだよ……!」

大和田「たしかに、そうだな」

霧切「……一理あるわ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 21:58:13.75 ID:z0Jt6lxJ0
霧切「でも、動機はどうとでも説明がつくわ。そうね、苗木君が異常者だったとしたらどうかしら」

霧切「卒業や学園からの脱出には興味がなく、ただ舞園さんの殺害が目的だったかもしれないじゃない」

苗木「そ、それは……僕が理由も無くそんなことするわけない……って言っても信じてもらえないよね」

霧切「信じられないわね。私には、貴方が倉庫で服を脱ぎ、壁抜けして厨房へ行ったとしか思えないわ」

葉隠「な、なんで服を脱ぐんだ?」

霧切「服はすり抜けられないからよ。壁抜けできる特異体質である苗木君の身体しか、壁を越えられないのよ」

不二咲「あの、気になるんだけど……」

大和田「なんだ、言ってみろよ」

不二咲「今の霧切さんの話からすると……包丁は壁抜けできないんじゃないかな」

霧切「……!」

セレス「たしかに。包丁は壁に当たり、厨房に残されますわね……」

霧切「……どうやら、この仮説は間違っていたようね」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:03:36.59 ID:z0Jt6lxJ0
桑田「と、透明化…………(ボソッ」

朝日奈「え?」

大神「どうした」

桑田「透明化したんじゃねえか!? そうすれば、食堂にいる朝日奈は苗木に気づかねえだろ!」

霧切「それよ!」

石丸「うむ! まさに盲点だった!」

霧切「苗木君は身体を透明化させ、包丁を厨房から持ち出した……!」

苗木「ま、待ってよ! さっきと同じで、包丁までは透明化できないんじゃないの!?」

苗木「……いや、そもそも僕は身体の透明化なんてできないよ!!!」

霧切「包丁を透明化することができなくとも、床スレスレを移動させれば気づかれない可能性はあるわ」

霧切「朝日奈さん。あなたは食堂の床を注視していたかしら」

朝日奈「ううん。たしかに、包丁が床を移動してても気づかなかったかもしれない……」

苗木「あ、朝日奈さんが気づかなかったとしても、大神さんは気づくよ! だよね」

大神「うむ。我は透明化した人間も気配で察知するだろう……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:08:12.96 ID:z0Jt6lxJ0
十神「待て、食堂には朝日奈だけでなく、大神もいたのか?」

朝日奈「そうだよ。さくらちゃんと一緒にいたんだ」

葉隠「オーガなら、透明化しても無駄だべ……」

大和田「なら、透明化した説も無しか……」

霧切「……」

山田「記憶を改竄した……とか……ありえませんかな」

十神「記憶の改竄?」

霧切「聞かせて」

山田「つまり、苗木誠殿は、食堂にいたおふたりの記憶を改竄したのですよ……」

山田「『包丁を片手に食堂を通り過ぎる苗木』というビジョンを、忘れるようにね……!」

霧切「……なるほど」

苗木「待って待って待ってよ。できないよ!」

葉隠「苗木っち! さっきから『できない』しか言ってないべ!」

苗木「だってホントにできないんだもん!!!」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:14:00.31 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「記憶の改竄なんて、どうやってやるのさ!」

霧切「記憶の制御……実際に研究が進んでいる脳科学の一種よ。それを利用すれば、改竄も可能」

モノクマ「……ドキッ」

苗木「いや、脳科学なんてさっぱりだよ! そんな知識無いよ!」

霧切「催眠術はどう? 五円玉と紐さえあれば、可能でしょう?」

苗木「そ、そんな……!」

十神「いや、どうだろうな」

霧切「? 反論があるの?」

十神「朝日奈に催眠術をかけるのは容易だろう……」

朝日奈「それどういう意味!?」

十神「だが、大神に催眠術をかけるのは難しいのではないか?」

霧切「……」

十神「俺の目測では、大神のPSE(潜在精神エネルギー)は15000」

苗木「PSEって何!?」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:19:20.91 ID:z0Jt6lxJ0
十神「対して、苗木のPSEは120程度……真っ向から挑むには実力差があり過ぎる」

苗木「ねえ十神クン、PSEってなんなの……!?」

霧切「たしかに、大神さんのPSEは私の目から見ても驚異的よ」

苗木「霧切さん! PSEってなんなの!?」

霧切「でも、苗木君がPSEを一時的に増幅させることのできる民族だとしたら……」

十神「何……!?」

大和田「な、苗木が……!?」

不二咲「そ、そんな……!」

セレス「何という事でしょう……!」

石丸「そうだったのか……!」

苗木「なに!? ねえ! なんの話なのさ!?」

モノクマ(そうか……わかった……! こいつら……! ノリだ……!)

モノクマ(こいつら……ノリで話してる……! 真面目な苗木クンは置いてかれちゃってるんだ……!)

モノクマ(この極限状態でバカ学生の仲間内のノリを持ち出すなんて……さすが超高校級……!)

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:25:14.92 ID:z0Jt6lxJ0
霧切「残念ながら、ここにPSE計測器は無いわ……確かめようがないけれど」

モノクマ「えーっとね! スペシャルヒントを……」

霧切「あら、『ひとつだけ』と言っていなかった?」

モノクマ「だ、大サービスだよ! クロは朝日奈さんと大神さんに対して何もしていません!」

十神「……そうか」

霧切「……」

セレス「そう……ですの……」

朝日奈「ふぅーん……」

モノクマ(なんでちょっとガッカリしてんだよ! ボクが空気読めてないみたいじゃないか……!)

苗木「ねえ! PSEってなんなの!? 教えてよ!」

十神「その話はもう終わった!」

苗木「えっ!」

霧切「ええ。もう忘れなさい」

苗木「わ、忘れなさいって……」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:31:09.96 ID:z0Jt6lxJ0
十神「ふん……そろそろ、先へ進むか」

セレス「話がまったく進んでいませんものね」

大和田「じゃあ、苗木はシロってことでいいな」

苗木「え!? どうして急に僕の疑いが晴れたの!?」

朝日奈「だって、苗木は厨房から包丁を持ち出してないじゃん」

葉隠「苗木っちが自分で言ってたことだべ」

苗木「そ、そうだけど……!」

霧切「じゃあ、真面目に話を進めるわよ」

苗木「え? い、今までのは真面目じゃなかったの……? あっ! ふざけてたんだね!?」

モノクマ(気づくの遅っ……苗木クンらしいけどさ)

苗木「なんだー。それならそうと言ってくれれば」

霧切「それでも苗木君が怪しいわ」

苗木「えええええええええええええええええ」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:36:07.03 ID:z0Jt6lxJ0
十神「なぜだ?」

霧切「さっき、苗木君は大神さんが食堂にいたことを、誰よりもはやく発言したわね」

不二咲「えっと……透明化のくだりだよね……?」

霧切「ええ。おかしいじゃない。苗木君……どうして、食堂へ行っていないと主張していたあなたが……」

霧切「大神さんが食堂にいたことを知っていたの?」

十神「俺も知らなかったことだ」

苗木「そ、それは……朝日奈さんに聞いたから……!」

朝日奈「あれ、私……さくらちゃんと一緒にいたことは話してないよ?」

大神「我も、苗木には話していない……」

苗木「それは……あ、あれだよ! 朝日奈さんと大神さんがいつも一緒にいるから……!」

苗木「そのときも一緒にいたのかなぁって思ったんだよ! うん!」

霧切「本当にそうかしら……」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:41:11.07 ID:z0Jt6lxJ0
霧切「苗木君……あなた、実は……」

苗木「……」

霧切「透視ができるんじゃない?」

モノクマ(またかよ!!!!!!!)

モノクマ「あ、あのさぁ……オマエラ」

苗木「実はそうなんだ……」

モノクマ「ええええええええええええええええ」

モノクマ(な、苗木クンがのっかった……!)

苗木「昨日、舞園さんと部屋の入れ替えを行った後……僕は透視能力で寄宿舎の中を監視していたんだ」

苗木「その時、食堂で話してる朝日奈さんと大神さんを見つけたんだよ」

不二咲「でも、透視なんて非現実的だよね……?」

山田「そうですぞ! し、信じられませんなぁ! 実際に見せてもらいませんと?」

十神「そうだな。見せてもらわないとな」

霧切「そうね。実際に見てみないと」

腐川「見せてみなさいよぉ……!」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:46:19.63 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「本当は……あまり見せたくないんだけど……今回は特別に披露するよ」

ヒュー ピーピー ヨッ イイゾォ

霧切「じゃあ、この封筒に図形を書いた紙を入れるわ。その図形を見事、透視してみなさい」

苗木「うん」


「なんて書く~?」「複雑なのがいいべ」「いえ、あえてシンプルな方が」「モノクマにさ……」


~数分後~

霧切「さあ。モノクマが書いた図形を当ててみなさい。私たちも中身を知らないわ」

苗木「…………」

モノクマ(どうすんだろう苗木君……無茶ぶりだよね……)

苗木「……星マークじゃないかな……」

霧切「そう。確認するわね」

ペラ

【 ☆ 】

霧切「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:51:40.49 ID:z0Jt6lxJ0
霧切「!?!?!?!?!?!?wwwwwwwwwwwwwww」

十神「なんだ。どうした霧切」

霧切「………!!! ……ふひーっ! …………ップ! !!!」

バシバシバシ

十神「な、なんだ! 背中を叩くな! おい! どうしたんだ、紙か? 見せてみろ」

ペラ

【 ☆ 】

十神「こ、これは……!!! オイお前たち! 見てみろ!!!」

葉隠「おわ!!! すっげーーーー!!! ほんとに当たってるべ!!!!!」

セレス「奇跡ですわ……!!!!」

朝日奈「え!?!?!? ちょ、え!?!?!? すごくない!?!?!?!」

不二咲「すごい!!! すごいよ!!! すごいすごい!!!!」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 22:56:15.15 ID:z0Jt6lxJ0
霧切「も、もう一度! も、ゴホッ、もう一度苗木君やってみせて!!!」

ガッ

苗木「わっ、ちょっと……!」

モノクマ「お、落ち着きなよ! 偶然かもしれないでしょっ」

大和田「そ、そうだな……! まだ決めつけるのははええ……!」

霧切「だからもう一度……!」

苗木「わ、わかったよ……」


~数分後~

苗木「……漢字だね。『羆(ヒグマ)』かな」

霧切「……」ゴクリ

ペラ

【 羆 】

霧切「ブホッ!!!!!!!」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:00:04.30 ID:z0Jt6lxJ0
十神「二連続だと……!?」

山田「これは本物ですぞおおおおおおおおおお」

葉隠「やべー! 鳥肌立ってきたべ!!!」

セレス「苗木君……あ、あなた……本当に……!?」

苗木「うん。透視能力を持っているんだ」

石丸「これは緊急事態だ!」

大神「まだ検証を続ける必要があるな……」

朝日奈「うん! そうだね!」

モノクマ「いや、ちょっと、主旨がさ! 脱線気味な気が!」

霧切「私の部屋の私物も透視できるかしら」

不二咲「えっと……ボクのポケットの中身とか」

苗木「うん。いいよ」

モノクマ「……」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:04:18.79 ID:z0Jt6lxJ0
十神「全て正解か……!」

大和田「ホントに超能力者かよ!!!」

苗木「うん……隠してたんだけど、霧切さんに見抜かれるなんて思わなかった」

霧切「て、手掛かりを元に推理したまでよ……(キリッ」

朝日奈「じゃあさじゃあさ! 舞園ちゃんが死んでた……フフッ!、ごめん」

朝日奈「シャワールームに数字が書かれてたじゃん!?」

朝日奈「もう忘れちゃったんだけど、あれも正確に透視できるの!?」

苗木「うん。書き写すこともできるよ」

葉隠「うおおおおおおおおお! マジかよ!」

山田「や、やってみせてもらえますかな……!」

苗木「うん」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:08:08.55 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「ほら」

朝日奈「答え合わせ! モノクマ! 現場の写真映してよ!」

モノクマ「ああ……はいはい」

パッ

大和田「おお! まんま、同じじゃねえか!」

十神「記憶して描いたとは思えないほど、完璧だ。模写と言えるだろう」

山田「この『11』が『N』に見えるところとか、そっくりですな!」

霧切「……? これ……本当に『11』なのかしら」

不二咲「言われてみれば……山田君の言うとおり、『N』に見えるね……」

セレス「それ、こちら側から見ると、『LEON』と読めますわ」

朝日奈「レオン? じゃあ犯人って桑田なんじゃない?」

桑田「!?」

モノクマ「びっくりした! 急にきたね! 油断してたよ!」

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:12:03.34 ID:z0Jt6lxJ0
桑田「いや、ち、ちげーよ馬鹿! なに言ってんだよ! こじつけだろ!」

霧切「いえ。これは舞園さんが残した、ダイイングメッセージ……」

十神「間違いないな」

セレス「決まりですわね」

苗木「く、桑田クン……」

桑田「証拠は!? 偶然、オレの名前に読めるだけかもしれねーだろ!? 物的証拠を出せよ!!!」

朝日奈「別にいいんじゃない? そういうの」

腐川「流れ的に……桑田が犯人でいいわよ……」

桑田「流れ……?」

霧切「そうね。飽きてきたし」

大和田「おう。犯人は桑田だ」

不二咲「桑田君……」

十神「このノリで投票へいくか。オイ、モノクマ」

モノクマ「……え? と、投票? は、はい」

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:16:06.96 ID:z0Jt6lxJ0
モノクマ「大正解!!! 舞園さやかさんを殺したのは桑田クンでした!」

モノクマ「……って、なんかイマイチ決まらないよね……」

セレス「さ、解散ですわね」

朝日奈「あー楽しかった。もう出てきていいよー舞園ちゃーん! 江ノ島ちゃーん!」

モノクマ「は???」

葉隠「おーい、舞園っちー! 江ノ島っちー?」

苗木「な、何言ってんだよ……朝日奈さん、葉隠クン……。ふたりは……もう……」

葉隠「何って……もう学級裁判終わったべ?」

モノクマ「え?」

霧切「もう舞園さんと江ノ島さんが死んだフリをする必要はないでしょう」

モノクマ「……? 何? 死んだフリ? ふたりは本当に死んでるよ?」

大和田「わーったわーった。もういいだろ、そのノリは」

十神「冗談は短い方がいい。はやく出てこい、舞園、江ノ島」

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:20:19.20 ID:z0Jt6lxJ0
モノクマ「いや……ほんとに死んでるって」

苗木「そうだよ! みんなの目の前で……みんなの目で、見たじゃないか!」

葉隠「っは! あれはトリックなんだべ?」

霧切「よくできていたわよね。本当に死んでいるようにみえたもの」

不二咲「ちょっと怖かったかな……」

十神「くだらん遊びだったが、楽しめた。ネタばらしをして解散するのが妥当だろう」

モノクマ「いやいやいや。だから、本当に死んでるんだってば」

山田「またまたー! しつこいと笑えませんぞ!」

モノクマ「いや、本当に死んでるよ。もう帰ってこないよ。当たり前だろ」

セレス「…………え」

大和田「……ま、マジ……なのか……?」

霧切「そ、そんなこと……あるわけないじゃない。そういうノリよね? そうでしょう?」

大神「『閉じ込められた生徒がデスゲームに巻き込まれる』というノリではないのか……?」

モノクマ「何言ってんだよ……ノリじゃないよ。本当にやってるんだよ」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:24:03.85 ID:z0Jt6lxJ0
「「「 …… 」」」

不二咲「えっ……じゃああのDVDは……ド、ドッキリじゃないの……?」

モノクマ「当たり前だろ。フィクションじゃないよ。全部、本当のことだよ」

葉隠「え、江ノ島っちが串刺しになったっぽいあれは……?」

モノクマ「串刺しになったっぽい? 本当に串刺しだよ?」

朝日奈「ま、舞園ちゃんが血まみれで……ナイフが刺さってるように見えたのは……?」

モノクマ「本当に刺さってたんだよ、ナイフが」

石丸「そんな……まさか……」

モノクマ「そんなに信じられないなら、死体を見てみなよ。ほら」

ゴロン

舞園「」

葉隠「ま、舞園っち……!」

腐川「ちょ、ちょっと……起きなさいよ……!」

霧切「ま、舞園さん……?」

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:28:12.92 ID:z0Jt6lxJ0
霧切「…………ひぃ!」

ドテン

霧切「みゃ……みゃ……脈が……ななな、な、ない……!」ガタガタガタ

霧切「し、死んでいるわ……!!!」

「「「 きゃああああああああああ 」」」
「「「 うわああああああああああ 」」」

モノクマ「おっそ! おそいよ! 今更なんだよ!」

モノクマ「数時間前に出ておくべきリアクションだよ!」

大和田「だ、誰が殺したんだよ!?」

モノクマ「だから、桑田クンだってば!」

苗木「み、みんなで出した結論じゃないか……!」

朝日奈「え? え? 嘘でしょ?」

大神「信じられん……!」

霧切「た、助けて……立てない……」ガクガク

セレス「漏らしましたわ」ビッショビショ

モノクマ「嬉しいリアクションだけど! タイミングが無茶苦茶だから微妙だよね!」

262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:32:08.58 ID:z0Jt6lxJ0
十神「桑田……貴様、なぜ人殺しなんてしたんだ……!? 怖すぎるぞ!!!」

桑田「しょ、しょうがねえだろ……初めはノリだったんだよ……」

モノクマ「君たちは『ノリ』が何よりも大切なんだね!」

桑田「昨日の夜……極限状態に置かれた学生っぽいノリに浮かれたオレと舞園は……」


―――
~昨日~

舞園「いや! こないでぇ!」ブンブン

桑田「おちつけ! その包丁を俺に渡すんだ!」ガバッ

ザクッ

舞園「きゃあああああああああ」

ドサッ

桑田「うはっ! 今の演技良かったぜ舞園! なんかそれっぽかった! さすがアイドル」

舞園「…………本当に刺さっちゃいました……うっ」

桑田「おおおおおおい! だ、大丈夫かよ!」

278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:35:17.80 ID:z0Jt6lxJ0
舞園「い、痛い……」

桑田「ちょ、ごめ、ほんと……」

舞園「……」

桑田「お、おい、舞園……?」

舞園「…………………死にそう」

桑田「ひ、ひえええええええええええ」

タッタッタッタ

舞園「…………うっ」

舞園(このノリでいくと……ダイイングメッセージとか残しちゃったり……)カキカキ

舞園「かはっ……」ガクッ

―――

295: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:39:10.73 ID:z0Jt6lxJ0
モノクマ「『ノリ』に振り回されすぎだよ!」

桑田「しかたねえだろぉ! そういうノリだったんだから!」

苗木「ノ、ノリ……? わからないよ……」

苗木「じゃ、じゃあ……! 舞園さんが、あんなに怯えて、僕に部屋の交換を持ちかけてきたのも……」

桑田「『極限状態で病むヒロイン』ってノリを楽しんでたにきまってんだろ……」

苗木「なんなんだよ……なんなんだよ! ノリって! わからないよ!」

「「「 …… 」」」

霧切「ねえ、今、この時が、そういうノリということはないの……?」

十神「どういうことだ?」

霧切「『デスゲームに巻き込まれたノリだと思っていたら本当に巻き込まれていた』というノリ……」

朝日奈「あ! なーんだ、そういうノリか!」

葉隠「さすがに今回のはわかりにくいべ!」

モノクマ「ノリノリノリノリうるさいよ!!! ゲシュタルト崩壊おこしそうだよ!」

モノクマ「そんなに信じられないなら、オシオキを見て現実を知れ!!!」

309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:43:34.29 ID:z0Jt6lxJ0
『千本ノック』

桑田「ぐあああああああああああああああああああああああ」

ドドドドドドドドド


十神「……ふん。大げさだな(ボソッ」

霧切「なんて酷い(棒」

朝日奈「桑田ー! もうやめてー!(棒」

セレス「おそろしいですわ(棒」

モノクマ「オマエラ……! 本気にしてないな……!」



苗木「桑田くううううううううううううん!!!!!!!」

モノクマ(苗木クンは素直な良い子だなぁ……抱きしめたいよ)

320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:47:02.49 ID:z0Jt6lxJ0
モノクマ「これでわかったでしょ? 桑田クン死んじゃったよ? これは、コロシアイ学園生活なの! 本物の!」

苗木「なんて酷いことを……モノクマ……よくもぉ……よくもぉ!!!」

ガシッ

霧切「やめておきなさい。彼女たちの仇を討ちたいのなら、モノクマに手をあげるのではなく……ふひっ」

霧切「真相を突き止めること。それが私たちのやるべきことよ!(キリッ」

モノクマ(今ちょっと笑ったな?)

朝日奈「そうだよ……! フフッ みんな、一致団結して、黒幕を突き止めよう!」

石丸「うむ! 皆が協力すれば、乗り越えられぬ壁はない!」

プー クスクス

葉隠「おのれ黒幕めぇ……ヘヘ 許さないべ!!!」ググッ

セレス「そうですわ……決して、負けませんわよー(棒」

モノクマ「オマエラ馬鹿にしてるな? 表出ろ」

十神「バカになどしていない。本心だ」

331: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:51:18.14 ID:z0Jt6lxJ0
霧切「はい。こんなところかしら」

石丸「皆、解散しよう!」

朝日奈「おつかれー」

ガヤガヤ ワイワイ

「ちょっと台詞臭かったかなー」「で? 死んだフリしてるみんなはどこにいんの?」「さあ」
「オシオキはさー、熱々おでんとかのほうが面白かったよねー」「熱湯とか?」「そうそう」
「どうして舞園は脈がなかったんだ?」「テニスボールを脇にはさむと……」



モノクマ「くそ……なにやっても、そういう『ノリ』としか受け取ってもらないよ……」ガクッ

苗木「…………ねえ、モノクマ。ノリってなんなのかな」

モノクマ「……わからない人には、一生わからないよ」

346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:55:25.68 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「みんな『ノリ』を大切にするんだ……中学でもそうだった……」

苗木「ノリってなんだよ……乗れなきゃ悪いのかよ……空気読めてないっていうのかよ……」

苗木「さっきもそういうノリだったの? みんなでショック受けたふりをするっていうノリ?」

モノクマ「さあ……」

苗木「本気で受け止めてるのは僕だけなんだね……」

モノクマ「……」

苗木「頑張ったんだよ。周囲を気にしてさ……見えない空気を読もうと思ってさ……ノリをわかろうとして……」

苗木「とうとう、透視能力まで身に着けちゃったよ……」

モノクマ「苗木クン……」

361: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/09/23(月) 23:59:03.29 ID:z0Jt6lxJ0
苗木「でも、人の心までは透視できないんだ……」

モノクマ「……」

苗木「これから先も……ノリを気にしていかなきゃならないのかな……」

モノクマ「ノリってのはどこにでもあるからねぇ。ゼミとか、職場にもあるんじゃない?」

苗木「……ノリを理解できず、乗れない人間が淘汰される世界が外に待つなら……」

苗木「僕は一生、ここで過ごすよ……」

モノクマ「…………え?」

苗木「ありがとう、モノクマ。僕をこの学園に監禁してくれて」

モノクマ「えっ」

モノクマが見送る苗木の背中は、どこか清々しいものに見えた。
そして、その日を契機に、苗木は超高校級の引きこもりとなった―――

~完~