1: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 00:50:03.64 ID:iXVzg41g0
コンマスレ。
何番煎じか分かりませんが、艦娘と提督の相性をコンマで決めていくスレです。
50を平均として01に近いほど相性が悪く、100に近いほど相性がよくなります。(00は100扱いとします)
また提督or艦娘の相性度が10以下or90以上の場合は好感度コンマを行い、それによって小話を書けたらと思います。


阿武隈 ↓コンマ以下8 相性度8
提督  ↓↓コンマ以下72 相性度72

↓阿武隈の相性度が10以下なので再度、好感度コンマ

阿武隈 ↓コンマ以下92 好感度92
提督   ↓↓コンマ以下00 好感度100

どうやって提督への第一印象最悪の阿武隈を提督が攻略したかのエピソード。

こんな感じに進めていきます。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509205803

引用元: 【コンマ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 



2: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 00:51:02.07 ID:iXVzg41g0
とある鎮守府の執務室

大淀「提督、こちらを御覧下さい」

提督「これはカメラかね?」

大淀「はい。しかし、ただのカメラではないんです」

提督「というと、明石謹製か。見た目はただの三脚とカメラだが。どんな機能があるのだ?」

大淀「なんとですね! これで写真を二人で撮るとお互いの相性が分かるんです!」

提督「なるほどな、それで艦娘同士の相性を測り、艦隊運営の役に立てようかと言うのか。素晴らしい発明ではないか」

大淀「え?」

提督「なんだ、その反応は」

大淀「あのぉ、提督と艦娘との相性はお気になられないのですか?」

提督「なに? どういうことだね。私が艦娘との関係が険悪だとでもいうのかね?」

大淀「あ、いえ、そういうわけではないのですが……」

提督「では、どういうことかね?」

大淀「おそれながら申し上げますと一部……そう、ほんの一部なんですが提督のことを怖がっている艦娘もいるとおもうんです」

3: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 00:51:38.92 ID:iXVzg41g0
提督「何ッ!? どういうことだ!」

大淀「ヒッ!」

提督「……すまない。取り乱した」

大淀「あ、あのですね、提督は生真面目で寡黙な方ですので一部の艦娘からはやはり畏敬といいますか……」

提督「気を使わなくて良い。確かに私も仕官学校時代はさんざん、仏頂面だ、感情がないとからかわれたからな。そこらへんに自覚はある」

大淀「当鎮守府も開設してはや4年ですので多くの艦娘は提督のことをわかっているとは思うんですが、やはり提督を怖がってしまって転属願いを出した子もいまして――」

提督「ちょっと待て!? 話をさえぎるがな、冗談はやめてくれ!」

大淀「いやいや、冗談じゃないですよ!」

提督「馬鹿をいうんじゃない! おかしいだろ? なんだね、私が気に食わないのは別にいいさ。しかしだね、軍人がそんなに簡単に転属願いなどだしていいのか? わたしはそんなに嫌われているのか!?」

大淀「そういう娘を説得している私にいわれましても ……」

提督「あ、いや、そういうつもりではなかったんだ。すまん」

大淀「と、とにかくですね、親密になりやすい相性がよい子達からでも良いので交流していっていただければと思いまして私と明石の独断でこの『相性測定写真機』を開発したんです」

提督「なるほどな。私も鎮守府の運営には腐心してきたつもりだが、そのせいで艦娘との関係がおろそかになっているとは思わなかった。今まで苦労をかけてすまなかったな、私も努力してみよう」

大淀「提督……微力ながら、この大淀もご協力いたします!」

提督「うむ。まぁ、大淀のことだから安心だと思うが、念のために私達の相性も計っておこうじゃないか」

大淀「えっ?」

提督「……そんなに嫌そうな顔をするなよ。傷つくじゃないか」

大淀「す、すいません」

提督「タイマー機能を使って、と。よし、大淀、こちらに来い」

大淀「は、はい!」

提督から大淀への相性↓ コンマ以下

大淀から提督への相性↓↓↓ コンマ以下

7: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 00:59:48.42 ID:iXVzg41g0
提督から大淀への相性:03

大淀から提督への相性:97

相性が10以下、90以上なので好感度コンマです。


提督から大淀への好感度↓ コンマ以下

大淀から提督への交換↓↓ コンマ以下

11: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 01:06:01.15 ID:iXVzg41g0


提督から大淀への相性:03

大淀から提督への相性:20

相性が10以下、90以上なので好感度コンマです


提督から大淀への好感度↓ コンマ以下

大淀から提督への好感度↓↓ コンマ以下

14: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 01:18:54.43 ID:iXVzg41g0
提督から大淀への好感度:19

大淀から提督への好感度:09


提督「ん。すぐに写真が出てきたな。よし大淀説明をしてくれ」

大淀「は、はい」

提督「まずは二人の頭の上に青い数字が出ているな。その下に桃色の数字があるな」

大淀「えっ、まさか、そんなはずは……ブッー!」

提督「ちょっ!? な、どうした、いきなり吐き出して!? 大和撫子にあるまじき表情だぞ!?」

大淀「あ、あのですね、青色の数字が相性度になります。なので、提督は私という艦娘とかなり相性が悪いということになります」

提督「……は? では、何かね、私は君と一緒にいると疲れると思っているし、君も同様だと」

大淀「相性度の具体的な説明してませんよね? なんで私といると疲れると思ったんですか? ねぇ?」

提督「い、いや、そんなことはおもって――」

大淀「思ってますよね?」

提督「は、はい……」

15: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 01:30:50.69 ID:iXVzg41g0
大淀「まさか、提督がこのタウイタウイ泊地に鎮守府を解説して以来、4年も支え続けた私をずっとそんなふうに思っているなんて思いもよりませんでした」

提督「ぐっ。ちなみに最も相性がよい場合はいくつで表示される?」

大淀「100ですよ。それをたったの3ですよ、3」

提督「だとしたらお前も大概じゃないか! 20ってどうなんだ!?」

大淀「だー! もうこなったら、いいますけどね?! 私はあなたのその偉そうな態度が元から好きじゃないんです! 新任の一言めが、挨拶もなしに『大本営からの指令を伝えろ』って私のことなんかまるで眼中にない感じで最悪の気分でしたよ!」

提督「そ、それはすまなかった。あのころはお前たちのことを兵器の一部としか――」

大淀「今もそうなんじゃないですか?」

提督「馬鹿を言うな! 今は大切な仲間だと思っている! だからこうしてこういうことにも参加しているのではないか!」

大淀「……言葉が過ぎました。申し訳ありません」

提督「いや、こちらも売り言葉に買い言葉だったすまない」

17: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 01:55:05.33 ID:iXVzg41g0
提督「まぁ、落ち着いたところですまないがこの下の桃色の数字は何だ?」

大淀「……すみません。気分が悪いので工廠にいる明石に聞いてもらってもいいですか」

提督「お、おい、大淀! どこに行くんだ!?」

大淀「部屋に戻ります」

提督「ま、待てく――」 ガシャン!

提督「出て行ってしまった……。緊急の執務はないが、大丈夫なのかこれは……?」



大淀の部屋

大淀(正直、今の提督に最初からいい印象なんてなかった。ほかの艦娘は喜んで向かえた参謀上がりという経歴も、いかにも抜け目のなさそう見た目のせいでいやみな人ぐらいにしか私にはうつっていなかったのだからそれも当然だったとおもいます)

大淀「だけど、いつからかな、本当にあの人のことを嫌いになったの?」



 XX13年 9月 鎮守府執務室

大淀「アイアンボトムサウンドより、緊急通信! 第一艦隊二番艦比叡、中破です!」

提督「ぐっ、これで何度目だ!? もう資源も残りが少ないというのに!」

大淀「そんなことを言ってる場合ではありません! 指示を!」

提督「……進撃だ」

大淀「は?」

提督「説明は後だ! 進撃命令を出せ!」

大淀「て、提督、お待ちください! 比叡さんは先週に新たな改装を行ったばかりで――」


19: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 02:21:56.88 ID:iXVzg41g0


提督「議論している余地はない! 通信機を貸せ! 比叡、聞こえるか? 進撃だ!」

比叡『そ、それは沈んでも敵の飛行場を破壊しろということですか?』

提督「馬鹿をいうな、私を信じろ! お前は沈まない、俺を信じろ!」

比叡『……わかりました。進撃します』

金剛『Why?! テートク! 第一艦隊の旗艦として即時撤退を具申します!」

提督「却下だ、異論は認めない。戦艦金剛、敵リコリス島基地を破壊せよ」

金剛『……OK。今はテートクを信じましょう。でもね、比叡がもしですよ、沈んだら――」

提督「それ以上は言わなくて結構。私も貴重な戦艦を沈めたとなればタダではすまんさ。覚悟はできている」

大淀「ちょっと何を勝手なことを! 私は特務艦で、提督への監察官もかねているのです! こんな無茶な作戦は――」

提督「うるさい!」

金剛『OHー! 提督、声がSo Bigデース! 喧嘩は通信を切った後にしてくだサーイ」

提督「す、すまない。では、リコリス島に近づいたら、再度、通信を頼む」

金剛『OK!』

提督「……よし、通信は切れたな。では、大淀、通信士も務まらない役立たずは執務室から出て行け。作戦行動の邪魔だ」

大淀「い、言うに事欠いて、自分の無能を棚に上げないでください!」

提督「3度目はないぞ。退室しろ」

大淀「……くっ。ありえません! 艦娘は中破以上の傷を負った後に中、長距離の航行をすれば轟沈してしまうなんて提督であれば常識のはずです!」

提督「中破からの航行によっての轟沈は確認されていない。資料に目は通してある。いいか、今を逃せばリコリス島基地はまた復元してしまうのだ、つまりは取り残された友軍の救援は失敗し、壊滅する。そんな迷信じみたことを信じていてはこの海域は突破できない」

大淀「迷信!? はっ! それではご勝手にどうぞ!」

提督「結構」



21: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 02:39:45.03 ID:iXVzg41g0
 
 現在 大淀の部屋

大淀(あの時はまだ新人として気を張りすぎていたんでしょうね、私は自分の意見を曲げて提督の意見を精査できなかった。結果は提督の言うとおり、比叡さんは夜戦からの昼戦で飛行場姫を見事に撃破して凱旋。あの時、第一艦隊が帰還したときの提督の顔を見ればあの人がただ冷血な打算だけの人ではないことはわかったんです)

大淀(でも、私に見せた、あの態度は絶対に忘れません)

大淀(執務室に羞恥で顔を真っ赤にしてやってきた私への『どうだ、私の言うことも信じてみるものだろ?』という言葉といつものすまし顔。上手く上辺をごまかせていたというのにィ! あの写真機がここまで正確だなんて予想外でした!)

大淀(絶対に、絶対にいつか見返してみせる! その時、言ってやるんだ! 『どうです、私の言ったとおりでしょ』と! そのとき、提督、あなたはどんな顔を見せてくれますかね? 今から楽しみで仕方ないです!)

大淀「あはは……アハハハ!!」




 大淀編 艦


22: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 03:38:39.35 ID:iXVzg41g0

提督「日本男児として情けないがもう止めたい。大規模作戦のたびに大淀と喧々諤々としていたせいか、最近ではいつか溝が出来てしまうのではないかとおびえていたがまさかすでに現実になっているとはな……落ち込んでいても、仕方ないか。工廠へ行こう……」


 鎮守府 工廠

提督「明石! 明石はいるかー!」

明石「は、はい! 提督、そんなに大きな声を出されてどうしたんですか?」

提督「いやな、この写真を見て欲しい」

明石「ファッ!?」

明石(な、なんなんですか、これ。まさか、一見、提督と仲よさそうにしてた大淀の相性度と好感度が悲惨の一言なんですが……)

提督「その様子を見るにやはり、その桃色の数字も低いほど悪いものなのだな」

明石「あ、いや、これはですね――」

提督「ごまかさなくて結構。素直に教えてくれ」

明石「ピンクの数字は現在の好感度です……」

提督「好感度? ん。つまりは相手へのプラスの気持ちということか」

明石「あ、そうです。相性が極端に低かったり、高かった場合はもうそれなりの関係がお互いにあるだろうと思いまして、それを自覚してもらうためにつけた機能なんです」

提督「……つまりなんだ、大淀と俺は相性は最悪で、お互いに無関心と」

明石「そういうことだと思います」

提督「なるほど。先ほどまでは落ち込んでいたが、少し元気が出てきたぞ」

明石「は?」

提督「大淀と溝が出来てしまったと思ったが、好感度が低いということは私に対してビジネスライクな姿勢を崩していなかったということだ。うむ、やっと特務艦として板についてきたということだな」

明石「いや、それは……」

提督「では、私が大淀に負の感情を持たれていると?」

明石「あ、あはは、どうなんでしょうねー」

提督「そんなことはないと思うぞ。大淀と私の意見は大規模作戦のたびにぶつかるが、あれはお互いに仲間の勝利をより強固にするためにやっていることだからな、それを恨みになど思うまい」

明石(石田三成とかこんな性格だったのかも知れないなぁ)

提督「よし、大淀がいないのは残念だが、このまま相性度の測定は続行しよう。早速だが、明石、一緒に計ってみようじゃないか」

明石「ちょ!? 心の準備を――」 カシャ

提督から明石への相性 ↓コンマ以下
明石から提督への相性 ↓↓コンマ以下

25: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 04:14:22.04 ID:iXVzg41g0
提督から明石の相性:61
明石から提督の相性:85

提督「ふむ、写真が出てきたな。お、今度は桃色の数字がないぞ」

明石「普通はないんですよ……どれどれ、あ、いい感じですね」

提督「ふむ、具体的にはどの具来の相性なんだ?」

明石「そうですねぇ、提督からしたら私はいい友人になりたいと思うぐらいの相性ですね」

提督「で、明石からはどうなんだ」

明石「……そ、それはですね、憧れているぐらいの感じだと思います」

提督「本当か! それは嬉しい!」

明石「こ、声が大きいです!」 

提督「ははは、すまないな。うん、これからも仲良くやっていこうじゃないか。よろしく頼むぞ」

明石「はい! どんどん明石の改修工廠に来てくださいね!」

26: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 04:25:51.70 ID:iXVzg41g0
提督「うん! 明石とは元から上手くやれていると思っていたが、なるほど、相性が良かったのだな。明石とは話題も合うしな、装備改修の話も面白いからな。よし! この調子でどんどんいこうじゃないか!」

?「hey! テートク! ゴキゲンですネー」

提督「おぉ、金剛か。ああ、ゴキゲンだとも、中飛車だ」

金剛「what? ナカビシャ?」

提督「いやいや、なんでもない。それよりどうだ? どうだ一緒に写真をとらないか?」

金剛「okですヨー!」

提督「よしよし、いくぞ、ポーズ取れよ」 カシャ!

提督から金剛への相性 ↓
金剛から提督への相性 ↓↓

31: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 05:07:20.42 ID:iXVzg41g0
ファッ!? 偽装love勢やん!

提督から金剛への相性:04
金剛から提督への相性:03


両者の相性コンマが10以下なので好感度コンマをとります

提督から金剛への好感度 ↓コンマ以下
金剛から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

35: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 05:24:29.92 ID:iXVzg41g0
提督から金剛への好感度:32
金剛から提督への好感度:21

これは言い訳の仕様がないですわぁ……さすがの三枚舌外交デスネ

さすがに明日、お休みでもきついので寝ます。
明日は竜王戦の中継終わってから金剛の小話(なんで偽装love勢なのか)を投稿してから残りの金剛姉妹やっていきます。

42: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 22:46:46.29 ID:iXVzg41g0
提督(申し訳ないが、私からすると金剛は苦手だ。しかしだ、第一艦隊の種戦力として大いに信頼している。そして、金剛は私への好意をかなりあけっぴろげにしてくれているからな。70ぐらい、いや、80台の数字が出てきてもおかしくないはず! なに、私が少し我慢して歩み寄れば良いだけだ。どれどれ数字は――)

提督「……え?」

金剛「提督? どうしましたカー? 鳩が豆鉄砲食ったような顔してるネー」

提督「いや、そんなはずはない! こ、金剛、少し時間をもらってもいいか?」

金剛「yes! この後、My SisterたちとTea partyがありますから、それまでなら良いヨー」

提督(今、気がついたが思い返してみれば、そうだ。金剛は私と姉妹との約束では先約であっても、私との約束は断っていたな……。ひょっとして私は金剛に嫌われているのか? いやしかしだ、21の金剛に嫌われているとしたら09の大淀にも当然、嫌われているというわけで……いやいや、うじうじ考えては機を逸する! 日本男児としては迷ったときは吶喊あるのみ!)

提督「よし、なら作戦会議室が近いな。そこで話そう」

金剛「エー、ここじゃダメなんですカー?」

提督「い、いや、出来ればほかの人間に聞かれたくないんだ。頼む」

金剛「ンー。仕方ないネー、でも変なことはNGなんだからネー?」

提督「あ、ああ、大丈夫だ」

43: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 22:55:49.15 ID:iXVzg41g0
 鎮守府 作戦会議室

提督「ゴホッ! 少し埃っぽいな、大規模作戦も近いからここも掃除しなくてはならないな」

金剛「Ohー! spider webがいっぱいネー」

提督「すまない、少しの間我慢してくれ。こんな場所だし、時間もないので単刀直入に聞くぞ。金剛、俺のことをどう思ってる?」

金剛「テートクのことですか? ンー、信頼してるヨー」

提督「そ、そうか、うん、そうだよな」

金剛「hey、hey。 今更、どうしたノー?」

提督「いやな、この写真を見て欲しいんだ」

金剛「oh! さっきの写真デース! あれ? でも、この頭の上の数字は何ですカー?」

提督「いやな、それは青いのが俺とお前の相性でな、桃色のが好感度だというのだ」

金剛「コーカンドですカ?」
提督「ああ、正の感情……たとえば、尊敬や愛情などを数値化したものだそうだ。お前がそういうのであれば、やはり、これは欠陥品か」

金剛「そんなことないと思いマース」 ボソッ

提督「ん? どういう――」

金剛「……何のことですカー?」

提督「いや、そんなことないといったではないか? どういう意味だ」

金剛「そんなことってないデース」

提督「聞こえたといっている!はっきりと、な! くだらんごまかしをしてる間があるならば、はっきり具申しろ!」

金剛「shit! テートクはいつも大淀の舌打ちも聞こえないぐらいの難聴ななのになんでそんなとこだけ聞こえるんデース!!」

提督「……は? 大淀が舌打ち?」

46: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 23:04:04.86 ID:iXVzg41g0
金剛「いいデースか、提督、一度しか言わないからよく聞くデース。これからこの鎮守府で提督だけが知らない3つの秘密を教えてあげます」

提督「う、うむ」

金剛「1つめデース。提督は見た目も性格も嫌な将校を思い出させるから嫌ったり、怖がってる艦娘はいっぱいいマース」

提督「そ、そんなはずはな――」

金剛「普段はGentleman 見たいな顔しているのにちょっと都合が悪くなれば声を荒げますよネー?」

提督「ぐっ! そ、それはだな――」

金剛「はい! それ! それもそうデース。すぐに屁理屈こねてうやむやにしようとしマース」

提督「……そんなつもりはなかったのだが、不快にさせたのならすまない。これからは気をつける」

金剛「次に行きマース。2つ目は私たちとまったく顔をあわせようとしないからいまだに艦娘を兵器としか見てないってもっぱらの噂デース。まぁ、この件につきましては私は信じてないですヨー」

提督「そ、そんな馬鹿な! 私などと話しても面白くないとわかっているから、彼女たちの好きにさせているのではないか!」

金剛「じゃあ、提督と話したい子はどーするんデース?」

提督「そんな艦娘がいるとは――」

金剛「いたはずデース。それをあなたはうっとうしいと思ったんじゃないんですカー?」

提督「そ、そんなことはない」

金剛「へー、ソーデスカ。so sorry」

提督(い、いや、よくおもいだせ。確かに執務中にやって来た金剛のように活発な艦娘や駆逐艦は邪険に扱ったことがある。騒いだり、邪魔したわけでもなくそうしそうにおもったから、だ。ダメだな、やはり私に非があるか……)

金剛「最後の3つ目デース。これは前のよりも良く聞いておいて欲しいデース」

提督「おい、さっきまでと随分、雰囲気が違うじゃないか」

金剛「まぁ、最後のはいいことですからネー! 最大にいっとくネ」

提督「は、はぁ……」

金剛「まぁ、なんだかんだいって、提督の指揮並びに艦隊運営能力はみんな信頼していマース」

提督「つまり?」

金剛「ヒトとしては全然信頼してないけど、能力については文句ないってことデース。嬉しいでしょ? あなたみたいなのは人間性なんてほめられても嬉しいと思わないんじゃないですカー?」

提督「……随分、痛い指摘だったが妥当な意見具申だろうな。今後は気をつける」

金剛「随分、詰まんない返事ですネー。まるで私たちにまるっきり興味ない見たいデース」

47: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 23:07:18.54 ID:iXVzg41g0
提督「……そこまでいうのならば、私も言わせてもらうがな。私はお前を第一艦隊の戦力としては評価している。好感度の32というのはほとんどそのことだろう。 しかし、お前が私を毛嫌いしているように私も普段のお前は騒がしくてたまったものではないと思っていたのだ! 私の執務を妨害したいならば大成功だ! 『お前がどうやったら黙ってくれるのか?』そういう点では興味しんしんだったな!」

金剛「oh! sorry!機嫌を損ねたら、リコリス島攻略戦の時の比叡みたいに滅茶苦茶な命令が来るんじゃないかと思って、ゴマすってましたけど、それも終わりで良いみたいですネー!」

提督「なんだと!? その言葉は即時、撤回しろ! あれは無茶な命令ではなかった!」

金剛「ok,ok、撤回しマース。だけどね、あなたはあの瞬間、比叡よりも見たこともない友軍の救援を優先したのは事実デース。それに私のことよりもそっちを訂正させようとするなんて本当につめたい人デースね!」

提督「お前のことはこの際、どうでもいい!! 中破状態での航行は問題がないというレポートは当時から出てはいた! 事実、大破状態で航行しない限りは轟沈はありえないと今では証明されているではないか、私は正解を採用しただけ――」

金剛「綺麗ごとはやめてくだサーイ! 事実はそうだとしても、当時はそんなことは解明されてなかったデース! 沈む可能性と戦果をあなたは天秤にかけたのは事実じゃないんですカー?」

提督「そんなことはない! 私は詳しい情報を得ていたからこそ沈むことなど考慮していなかった!」

金剛「……まぁ、過ぎたことデース。もういいません」

提督「なら、いい」

金剛「……もうべたべたしまセーン」

提督「そうか。そうしてくれると私も助かる」

金剛「本当に詰まらない男デース! みんな、テートクのことなんか大嫌いなはずデース! そのカメラでよーく見てみることデース! good bye!」



金剛編 艦


51: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 23:17:16.75 ID:iXVzg41g0
というわけで、金剛編終わりデース。
書いてて楽しかった(小並感)

次、比叡やって終わったら、榛名と霧島は同時に好感度コンマとって見ます。

提督から比叡への相性 ↓コンマ以下
比叡から提督への相性 ↓↓コンマ以下

55: ◆idiDHwDMwc 2017/10/29(日) 23:25:02.05 ID:iXVzg41g0
提督から比叡への相性:20
比叡から提督への相性:83

さすがの御召艦!



57: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 00:25:25.89 ID:mOKocv1x0
バタン!

比叡「し、司令!」

提督「……比叡か。どうした」

提督(金剛と同じだ。私からすると見ていて嫌になるほどの明るさ、いや、下手をすれば金剛以上に私の苦手なタイプだ。どうせ、こいつも私のことなど苦手に思っているさ)

比叡「司令! ちょっと聞いてますか?!」

提督「聞いている。そう大きな声を出さないでくれ」

比叡「す、すみません。って、違いますよ! 五月雨ちゃんから作戦会議室から司令とお姉さまの怒鳴り声が聞こえるって言われ飛んできたんです!」

提督「そうか。大した事じゃない、五月雨には気にしないように言っておいてくれ」

比叡「司令といつも優しいお姉さまが怒鳴りあうなんて大した事じゃないです! 教えてください!」

提督「意見の相違というやつだ。大規模作戦のたびに大淀と怒鳴りあっているじゃないか、今回はたまたまそれが金剛とだった、ということだけだ」

比叡「……納得できません」

提督「そうか……。しかし、私は今、以上の説明をするつもりはないぞ」

比叡「なら! お姉さまに聞きます!」

提督「そうしてくれ。私は疲れた、すこしここで休んでいく。頭に血が上りすぎたのか、ふらついて仕方ない」

比叡「? そういえば、随分とお顔の色が悪いみたいですけどどうしたんですか?」

提督「なに、自覚があった病気が思ったよりも重かっただけだ」

比叡「ヒエー! 提督、病気なんですか!?」

提督「冗談だ、冗談。性格以外に悪い点はない」

比叡「そうですか? 私は提督はいかにも軍人って感じで好きですよ?」

提督「おべんちゃらはいい」

比叡「そんなことないです! いつも遅くまで執務に励んでくれているじゃないですか、それに警邏も憲兵隊に混じってやってるのも知ってるんです! だから私は頑張り屋で優秀な司令のこと尊敬してます」

58: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 00:28:59.70 ID:mOKocv1x0
提督「そ、そうか。なら、悪いんだが、そのカメラで一緒に写真を撮ってくれないか?」

比叡「いいですよ? えっとタイマーってどうやって使えばいいんですか?」

提督「ちょっと持ってきてくれセットする……よし、後はこのボタンを押せば10秒後に写真がとれる」

比叡「このボタンですね!」 ポチッ

提督「ば、馬鹿! あっちの三脚に置いてからだ!」

比叡「ヒエー!! ど、どうしましょう!? あー、もう! 司令! 失礼します!」

提督「な、何をする!? グェ」

 カシャ

提督「ゴホッ、ゴホッ……急に抱き寄せるな。完全に決まっていたぞ!?」

比叡「ひえぇぇ……す、すみません」

提督「わかった、分かったからそんな目で私を見るな。どれ、写真は――ん?」

比叡「どうしました?」

提督「なんでもない。それよりもだ、お前とはいろんなことがあったな」

比叡「突然なんですか?」

提督「まぁ、いいじゃないか。よくよく思い出せばお前とは作戦行動以外ではまともに話し合ったことがなかったと思ってな」

比叡「そうですねー。私が着任して4年、大規模作戦の露払いには大体、私を使ってもらっていますよね」

提督「ああ、敵主力艦隊までの道のりでは必ずといって良いほどお前の力を借りている。その点については感謝している」

比叡「や、やめてください。私は当然のことをしているだけです」

提督「そうか」

比叡「そうです!」

提督「……」

比叡「……」

提督「はぁ、お前のその破顔一笑を見ていると悩んでいるのが馬鹿らしくなってきた」

比叡「?」

59: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 00:30:48.25 ID:mOKocv1x0
提督「さっきの件だが、実はな、金剛と言い争いをしてしまったのだ」

比叡「あのぉ、それは分かっているんですけど……」

提督「そ、そうか」

比叡「はい」

提督「ではな、なんだ、あれだ、うん。金剛ともう一度話し合ってみたいのだ、私も少し言い過ぎたところがあると思っていたのだ。なにか良案はないか?」

比叡「それなら料理をしましょう! この間、お姉さまがイギリス料理を久しぶりに食べたいといっていたんです!」

提督「料理か……まぁ、仕官学校時代に少しだが経験があるな。しかし、イギリス料理というとどんなものがあるのだ?」

比叡「うなぎのゼリー寄席です! 漣ちゃんに聞いたら『キタコレ!』って教えてくれました」

提督「ほう! ウナギか! それはいいな、今度、間宮か鳳翔のところで作り方を聞きながらやってみるか」

比叡「私もお手伝いします!」

提督「よし、今度の非番にでも一緒にやってみるか」

比叡「はい!」



63: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 00:45:42.73 ID:mOKocv1x0
提督から榛名への相性 ↓コンマ以下
榛名から提督への相性 ↓↓コンマ以下

提督から霧島への相性 ↓↓↓コンマ以下
霧島から提督への相性 ↓↓↓↓コンマ以下


71: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 00:55:37.68 ID:mOKocv1x0




霧島から提督への相性が10以下なので好感度コンマ取ります

提督から霧島への好感度 ↓コンマ以下
霧島から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

75: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 01:06:50.83 ID:mOKocv1x0
とりあえず、ラストコンマ

榛名から霧島への相性度 ↓コンマ以下
霧島から榛名への相性度 ↓↓コンマ以下

79: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 01:10:13.89 ID:mOKocv1x0
榛名から霧島への相性度が90を超えましたので好感度安価とります。

榛名から霧島への好感度 ↓コンマ以下
霧島から榛名への好感度 ↓↓コンマ以下

84: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 01:26:52.61 ID:mOKocv1x0

提督から榛名への相性:46
榛名から提督への相性:24

提督から霧島への相性:62  提督から霧島への好感度:72
霧島から提督への相性:01  霧島から提督への好感度:88

榛名から霧島への相性度:92  榛名から霧島への好感度:21
霧島から榛名への相性度:45  霧島から榛名への好感度:98

こんなにコンマって乱高下するんやね(白目)
ご協力ありがとうございます。
書いていくので金剛姉妹の後の艦娘で希望あったりしたら書いてくれたらありがたいです。書けそうな子から高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応していきます。

89: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:01:13.72 ID:mOKocv1x0
 鎮守府 中庭

提督「比叡とあれほどいい関係を築けているとはな。私からすると騒がしくて、苦手な艦娘であったが人の心というのは複雑奇怪と言うわけか」

?「司令!」

提督「ん? ああ、霧島か。どうした?」

霧島「これから資料室にいこうと思うのですが、ご一緒していただけないですか?」

提督「資料室? なにか調べものか?」

霧島「ええ、最近は我が鎮守府近海にも軽空母のような強力な深海棲艦が報告されるようになりましたので、それらの進軍ルートを特定しようと思っているんです。そうすれば待ち伏せからの方位殲滅も容易いかと」

提督「確かにそうだ。私も常日頃から鎮守府近海に侵入してくる敵潜水艦には頭を悩ませていたのだ。近くに敵泊地があるのだとすればそれらを炙り出して、一網打尽にすることも可能か」

霧島「はい」

提督「よし! 私も協力しよう。まずは敵が発見されているエリアをピックアップして行き、どちらの方面に向かっていたかを調べよう」

霧島「そうですね。ほかには敵の戦略行動の目的も推察しなければなりませんね」

提督「うむ。大仕事になるかもしれないが、それだけの成果を得られるやもしれん」

霧島「腕が鳴ります!」



90: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:06:30.57 ID:mOKocv1x0
 鎮守府 資料室前

榛名「霧島、遅か――って、ああ、て、提督、お疲れ様です!」

提督「ご苦労」

榛名「は、はい……」

霧島「司令、榛名にも私から無理を言って協力してもらったんです」

提督「そうか。霧島の提案だが、成功を収めれば鎮守府近海での安全性を大きく向上させられる。榛名、私がいるからといって緊張する必要はない」

榛名「は、はい……」

提督「まぁ。榛名の性格であれば手を抜くような心配はないが、心してかかるように」

榛名「了解しました……榛名は大丈夫です」

提督「よし、それでは潜水艦出没の始めての報告があったXX14年3月からXX15年のものを確認する。榛名と霧島はお互いに手分けしてXX16年から現在までの物を確認するように」

榛名・霧島「「はい」」


 二時間後

榛名(霧島に無理やり頼まれごとをされたのはこれで何回めでしょうか……流石の榛名も疲れてきました。大体、いつも何かあれば私に相談してくるけどそういうのは普通、長姉の金剛お姉さまか優しい比叡お姉さまにしてほしいです。それにおっかない提督までつれてこられると榛名、全然、大丈夫じゃないです……)

霧島「榛名、さっきから手が止まっているけどどうかしたの?」

榛名「あ、いえ、ちょっと考え事をしてました」

霧島「そう。さっき提督も言っていたけれどこの作業は鎮守府近海の安全性を大きく向上させることが出来るかもしれない作業なの。だから姉妹の中で一番、信頼している榛名に作業の手伝いをお願いしているんだから一緒に頑張りましょう?」

榛名「は、はひ……」

榛名(霧島が悪い子じゃないのはすっごく分かっているんですけど、この量の資料を精査するなんて専門職でもない榛名には荷が重いです! 帰って金剛お姉さまたちとお茶会したいです!)

提督「どうした? なにか分かったか?」

霧島「あ、す、すみません、お邪魔してしまいましたか?」

提督「いや、作業が終わったらお前たちの声が聞こえてきたから様子を見に来ただけだ」

霧島「もう終わったんですか?」

提督「ああ。得意分野だからな。ん? 榛名、何を縮こまっている?」

榛名「あ、いえ、なんでもないです」

提督「そうか? まぁ、いい。俺の分の資料だが、むこうの机にまとめてあるからお前たち分の資料がまとまり次第、目を通してくれ」

霧島「はい、分かりました。明日までには所見も含めてすべてまとめた資料を提出します」

提督「……まぁ、なんだ。お前たちの本分は海の平和を守ることだ。感謝しているが、無理はしないようにな」

霧島「ありがとうございます」

提督「ん。榛名もご苦労。私はこれで退出するが、お前も無理をしないように」

榛名「りょ、了解しました……榛名は大丈夫です」

提督「はぁ……お前はさっきからそればかりだな」

榛名「はひぃ。す、すみません」

提督「別にいい。ああ。そうだ。最後に写真を一緒にとらせてもらってもいいか?」

霧島「? はい、大丈夫ですが、突然、どうしたのですか?」

提督「なに、執務の一環だ」

霧島「さっぱり意味が分からないのですが……」

提督「まぁ、いい。追って説明する。榛名もも問題ないか?」

榛名「は、はい」

 カシャ

提督「よし、三人でも使用可能だな。なるほど交互に数字がうつるようになるのか。これだけでも何かに転用できそうなものだが」

霧島「?」

提督「ああ、すまない。それではな」


91: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:10:33.55 ID:mOKocv1x0
ギィー、バタン

榛名「……はぁ、やっと提督がいなくなってくれましたぁ」

霧島「あら? 榛名は提督が嫌いなの?」

榛名「嫌いというか怖いじゃないですか……もう見た目が曲者とか鼻につくって感じですから。おまけにあの低い声ですよ? 絶対に駆逐艦の皆さんからはお化けより怖がられてますよ」

霧島「ブフフ……! だ、ダメよ、そんなふうに言っちゃ」

榛名「良いじゃないですか、それぐらい。はぁ、緊張しっぱなしだったから体中、強張っちゃってますよ」

霧島「後でお礼にマッサージでもしてあげましょうか?」

榛名「遠慮しておきます。霧島のマッサージ強すぎて、この前は骨おれちゃうかと思ったんですからね!」

霧島「そ、そうかしら? 司令はちょうどいいって言ってくれたんだけど……」

榛名「絶対、強がりです。って、それよりも霧島って提督のこと、私が着任したときは悪く言ってたとおもうのに最近は随分と仲よさそうですね」

霧島「そ、そんなことは――!」

榛名「いえいえ、それは通しませんよ! 仲が悪くてマッサージなんか男女でするわけないんです! 勝手は榛名が許しません! さぁ、面白い話をしてください!」

霧島「あ、あのねぇ、それよりも資料を――」

榛名「OK、OKデース。手と目は資料に、口と耳は霧島のお話。OK?」

霧島「お、OK」


92: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:15:27.84 ID:mOKocv1x0
  XX13年 鎮守府

提督「ふむ、霧島、お前がここに召喚された理由は分かるか?」

霧島「……分かりません」

提督「分からないのだとしたらお前の頭にはふくさでもはいっているのだろうな。私が指示した編成と今回報告にあがっている編成が違う。こんな馬鹿げたことができるのは旗艦であるお前だけだ。お前が編成をほかの艦娘に偽って伝えた、間違いないか?」

霧島「失礼ですが、あなたの指揮に問題があったから現場で判断したまでです。提督は実際に戦闘を行わないので現場のことがまるで分かっていないようですので修正いたしました」

提督「それは自白ととってかまわないな?」

霧島「沖ノ島海域は攻略するには圧倒的な火力が必要です! ですから、戦艦6隻の大艦隊で敵を叩きつぶすべきです」

提督「制空権の無い、低速高速交じりの戦艦部隊による攻撃が有効だと? それに私の作戦行動の意味を完全にお前は理解しているのか?」

霧島「前者にお答えするなら、私はそう判断しました。後者は海域の突破でしょ? 当たり前のことを聞かないでください」

提督「話にならないな。もう少し頭が回ると思ったが見込み違いだったな。まるで白痴のようだ! お前のような歓待の頭脳を持てた私は本当に幸せ者だよ、涙が出そうだ! 当分、顔も見たくない! 本来であれば、憲兵に引き渡して軍法会議にかけてやりたいが、難所を前に戦力を減らしたくはない。独房入り7日だ!」

霧島「……」

提督「返事はどうした!? お前のその口はたわ言しか吐けないのか?」

霧島「……了解しました」 ギリッ!ギリッ!

提督「返事が遅い! 腹から声を出せ!」

霧島「了解!!」




93: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:21:00.96 ID:mOKocv1x0
 鎮守府 独房

赤城「ごめんなさいね。提督からの命令ですから」

霧島「いえ、赤城さんが謝ることじゃないです」

赤城「……本来ならばこの独房入りの最長期間は3日だというのに提督にも困ったものだわ」

霧島「下士官の気持ちなんかわから無そうですからね、エリート育ちの提督は楽で良いですよ。私たちが海面で命を欠けている間にしていることは椅子を磨くだけ、なんであんなやつの命令に従わなければならないんですかね。最初ッから気に入らないかったんです! あいつの変わりに私が指揮すれば沖ノ島なんて一週間で超えて見せます! そうだ、ここから出た後、いっそ、後ろから――」

赤城「ちょ、ちょっと落ち着いて! それ以上は流石に……」

霧島「……失礼しました」

赤城「いえ、聞かなかったことにします。とにかく、食事は一日麦飯六合と塩と水で寝具はありません。つらいと思いますが、どうぞ耐えて下さい」

霧島「はい」

赤城「……それでは失礼します」


 鎮守府 独房

霧島(あれ、遠くで虫の声が聞こえる。ということは夜になったのね)

霧島「いけない、まだ一日もたっていないのに時間の感覚が狂ってきてる」

?「ここはいつでも薄暗いからな。そうもなる」

霧島「誰ですか?」

提督「私だ」

霧島「……何のようです」

提督「別に特別なようは無い。ただ視察に来ただけだ」

霧島「それはご立派なことで」

提督「で、少しは頭が冷えたか?」

霧島「私は間違っていたとは思いません。現在、開発されている艦航・艦爆機では敵の分厚い走行を抜けないのは自明の理です」

提督「言いたいことはわかる。しかし、だ。それをなぜ私に最初から具申しなかった?」

霧島「どうせ、私たちの言うことなんて取り上げる気もないんでしょ? よくいえたものです」

提督「そんなことは無い。有効と判断すればお前の意見にも耳を貸した」

霧島「信用できません」

提督「はぁ……なら、勝手にしろ」

霧島「うっ! ちょっと何を投げつけて、ってこれは?」

提督「冬用の毛布だが勝手に使え。くれぐれも赤城にばれるなよ? 端に紐を縫い付けておいた。昼はその鉄格子に紐をかけて外に出しておけ。こんな鎮守府のはずれを通るやつがいるとも思えん」

霧島「何のつもりです」

提督「お前が犯したのは重大な命令違反であるからな、厳しい罰が見せしめの意味でも必要だったが体を壊されたら元も子もないんだよ。お前を出したら再度、沖ノ島海域の攻略作戦を発動する」

霧島「……」

94: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:22:42.40 ID:mOKocv1x0
 xx17年 資料室

榛名「それで? それで? どうしたんです? 早く続きを教えてください」

霧島「はぁ……手が止まってますよ」

榛名「あ、ごめんなさい。でも、榛名は鎮守府に着任したの金剛型の中で一番、遅かったからその話は知りませんでした」 

霧島「私が独房から出た日に入れ替わるように着任しましたからね。榛名が提督を怖いと思うのも、そのせいでしょうね。あれ以来、提督のことを極度に怖がる子も出てきてしまいましたし」

榛名「へぇー、そうなんですか。だから、私が着任してきたとき提督の怖い噂話で鎮守府がいっぱいだったわけですね」

霧島「そういうこと。それにしてもまさか自分から独房入りを命じたのに毎日、生活必需品を持って訪れるなんて間抜けを見ているうちに毒気が徐々に抜かれてしまいましたよ」

榛名「それでも私が着任してきたときは霧島まだ提督のこと随分と嫌っていましたよね?」

霧島「当たり前です! それだけで今みたいに信頼するようになるなんてとんだマッチポンプにひかかってるだけじゃない」

榛名「あー、それもそうですね」

霧島「そうね、私が司令を初めて尊敬するようになったのは実はそのすこし、後のことで――」


95: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:24:02.59 ID:mOKocv1x0
  XX13年 鎮守府


提督「ふむ、赤城から報告書が上がったか」

大淀「はい、一度、目を通しておかれるようにお願いします」

提督「分かった」

提督(やはり、私の予想よりもだいぶ低い結果になったな)

提督「大淀、執務が終わったら霧島に出頭するように伝えておいてくれ」

大淀「霧島さんですか? 座学の成績も優秀だったとおもうのですが――」

提督「こんなことで意見具申は求めていない」

大淀「チッ。了解しました!」

提督「頼んだぞ」




霧島「霧島、出頭いたしました」

提督「今回は罰則与えるために呼んだのではない。楽にしていい」

霧島「はぁ」

提督「まずはお前の座学の成績を見せてもらった。比叡以上、金剛以下。よくこれで艦隊の頭脳云々いえたものだな」

霧島「……嫌味を言うためによんだのですか?」

提督「違う。これは話の枕というものだ」

霧島「はぁ?」

提督「なんだ」

霧島(あれで話の枕だと思っているなら頭おかしいです。この人)

提督「……いや、なんだ、あれだ。沖ノ鳥島海域の攻略であるがお前の案を採用してみようと思う」

霧島「提督、本気で仰っているのですか?」

提督「敵、空母の艦載機についても赤城が何度も出撃してくれたおかげでデーターが集まった。結論だけで言えば、私の想定以下の能力であった。お前たちの装甲をそうそう抜けるとは思えない」

霧島「それで」

提督「……都合が良いとは思っているが、お前を再度、旗艦に任命する。敵の状態は収集しているのだろう?」

霧島「は、はい!」

提督「ならばいい。艦隊旗艦は霧島、2番艦以降の策定は任せる。最後に私の元へ報告するように」

霧島「了解しました! 艦隊旗艦、霧島、見事に沖ノ鳥島を奪回して見せます!」

提督「期待している」



 鎮守府 資料室

榛名「え? それだけですか?」

霧島「それだけってことはないでしょ。私は自分が一番、やりたかったことを提督はやらせてくれたのよ? それに自分の案をとれたデーターから即座に部下の――それも険悪な関係にある部下の案に転換させた。なかなか出来ることじゃないと思うの」

榛名「ま、まぁ、それはそうですね……」

霧島「それにね、そうやってそれまでの色眼鏡をはずしてみるとね、努力の方向間違えてたり、ちょっと感性がずれていたりしてて見てて可愛いなんて思うときもあるのよ」

榛名「それはちっと分かんないです……」

霧島「そうかしら?」

榛名(霧島って男性の趣味悪いんですね……)



榛名・霧島編 艦

96: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 05:33:21.17 ID:mOKocv1x0
今日はここまで

次回以降は

二航戦→霞→満潮→曙

こんな感じを予定しています。コンマ取れてないときとかに比叡と提督のドクドククッキングとか、霧島と提督のお話とかも書いていって出来次第、あげる予定なのです。


最後にコンマだけ投げとくぜよ

提督から飛龍への相性度 ↓ コンマ以下
飛龍から提督への相性度 ↓×2 コンマ以下

提督から蒼龍への相性度 ↓×3 コンマ以下
蒼龍から提督への相性度 ↓×4 コンマ以下

飛龍から蒼龍への相性度 ↓×5 コンマ以下
蒼龍から飛龍への相性度 ↓×6 コンマ以下

112: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 14:58:44.62 ID:mOKocv1x0
微妙な時間やけど、再開します。

提督から飛龍への相性度:77 
飛龍から提督への相性度:46

提督から蒼龍への相性度:73
蒼龍から提督への相性度:08

飛龍から蒼龍への相性度:72
蒼龍から飛龍への相性度:65

平均値約57……普通だな!(目そらし)

蒼龍から提督への相性度が10を下回ったので好感度コンマとります

提督から蒼龍への好感度 ↓コンマ以下
蒼龍から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

115: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 15:18:54.76 ID:mOKocv1x0
提督から蒼龍への好感度:83
蒼龍から提督への好感度:89

ご協力感謝します!
書いてくけど、仕事中なんで遅くなるかもしらぬい。

119: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 20:49:42.92 ID:mOKocv1x0
鎮守府 執務室

コン、コン

提督「……入れ」

蒼龍・飛龍「失礼します!」

飛龍「第一艦隊帰投いたしましたので、旗艦・飛龍、ご報告にあがりました」

提督「ご苦労。報告を」

飛龍「はっ! 我が艦隊は南方方面サーモン海域を進撃、敵中枢艦隊と交戦の後にこれを撃破いたしました」

提督「損傷はどうだ?」

飛龍「山雲が中破しましたが、ほかの僚艦はほぼ無傷です」

提督「そうか……山雲は入渠させたのち、朝雲を伴って8時間後に再出撃せよ」

飛龍「任務受諾しました。ただ一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?」

提督「なんだ」

飛龍「私たちは連日、サーモン海域に出撃していますが、作戦行動の目的がいまいちはっきりしません。作戦完遂の要項を示してください」

提督「成る程な。サーモン海域の中枢部隊とされる敵の編成は覚えているか?」

飛龍「はい、補給艦1隻・戦艦2隻・軽巡洋艦1隻・駆逐艦2隻による輪形陣もしくは駆逐艦を軽空母に、軽巡洋艦を空母に変えた編成が確認されています」

提督「そうだ。サーモン海域は前哨戦において姫級まで現れる海域だ。しかし、中枢部隊は補給艦を守るように布陣している。これはおそらくサーモン海域奥地にから敵の大部隊が現れる前の橋頭堡を築こうとしているのだろう。よって、これを妨害し、敵本隊の進軍の遅滞を図ることが本作戦の目的である」

飛龍「えっ、それじゃあ敵との物量作戦に勝利するまで終わりはないということですか?」

提督「そんなことは言っていない。もうしばらくすれば偵察にだした第2艦隊によって、敵大部隊の補足が成功するだろう。その後、精鋭艦隊による強襲を仕掛け、これを撃滅する。それまでの辛抱だ、疲労もたまると思うがしばらくは耐えてくれ」

飛龍「はっ! 了解しました」

提督「苦労をかけるな。お前たちの奮戦を祈る」

飛龍「ありがとうございます。それでは失礼します!」

提督「……少し待て。一枚、写真を取らせてもらってもいいか」

蒼龍「? ええ、大丈夫ですけど突然、どうしたんですか?」

飛龍「出撃前に写真なんてちょっと不吉ですね」

提督「執務の一環でな。大淀より艦隊と私の不和があると上申された。それを改善するためにこの写真機を使って私とお前たちの相性を調べている」

蒼龍「調べているってそれでどうするつもりなんですか?」

提督「最初は相性が良い艦娘と積極的に交流を図っていき、その艦娘たちを橋頭堡に私と鎮守府全体のコミュニケーション不全を改善していく計画なのだ」

蒼龍「やっとそういうことをしてくれるんですね! 提督にとっての草鹿さんは大淀さんだっただ!」

提督「は?」

蒼龍「いえいえ、こっちのお話ですから気にしないでください」

提督「まぁ、いい。そういうわけで協力してもらえないだろうか?」

蒼龍「私たちは大丈夫ですよ! ね、飛龍?」

飛龍「え? まぁ、いいけど」

提督「よし、それならばこっちに来てくれ」

 カシャッ

120: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 20:53:24.19 ID:mOKocv1x0
提督「よし、出てきたな」

蒼龍「どれどれ、見せてくださいよ。あれ? なんか数字が出たり消えたりしてますし、
なんかピンクの数字が私と提督にだけありますよ」

提督「おそらく一人が表示がない際にほかの二人から表示されているのが、その人間に対しての相性度なのだろう」

飛龍「なるほどね。それだと今は私に表示がないから、これが提督と蒼龍が私に対しての相性度なのね」

提督「そういうことだろうな」

蒼龍「ピンクの数字は何なんですか?」

提督「これは極端な相性が出た場合にお互いの気持ちを知るために表示される好感度だ。尊敬、愛情などのプラスの感情を表示したものらしい」

飛龍「えっ? じゃあ、なんですか蒼龍は提督に対して嫌な人って思ってたけど、今では憎からず思っているって感じですか? っていうか、提督、私たちのこと結構、気に入ってくれてたんですね」

提督「蒼龍の件は本人に確認しろ。まぁ、私からお前たちに大してはあったときから大いに期待していた。なんせ、燃費が安かったからな。赤城や加賀の出撃させると資材の備蓄が難しいと思っていたところだったからな、お前たちはうまく機能してくれた」

飛龍「はぁ……本当に提督は朴念仁というか。で、蒼龍はどうなのよ、そこんとこ」

蒼龍「あ、あ、あわわ……! わ、私は急用を思い出したので失礼します!」

バタン!

飛龍「青春だねぇ、あんな子に好かれちゃって提督がうらやましいなぁ。あっ! 提督、その写真、もらってもいいですか?」

提督「写真の譲渡については問題ない。ただ馬鹿なことをいっている暇があるなら、さっさと休養をとれ」

飛龍「またまたぁ、てれなくていいんですよ?」

提督「? 何の話だ」

飛龍「えっ……」

提督「用件がないならさっさと退室しろ。私も午前の間、執務をおろそかにしてしまって忙しいのだ」

飛龍「えぇ……失礼しました」


121: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 20:54:19.44 ID:mOKocv1x0
 鎮守府 食堂

飛龍「お、いた、いた。おーい、蒼龍!」

蒼龍「……なによ」

飛龍「そんなに怒らなくていいじゃん。ほら写真、もらってきたからあげる」

蒼龍「……まぁ、写真はもらっておくよ。でも、さっきのはないじゃん! 滅茶苦茶、恥ずかしかったんだから!」

飛龍「ああ、大丈夫、大丈夫。提督、全然、気にしてなかったよ」

蒼龍「それはそれで嫌だなぁ」

飛龍「まぁまぁ、でも確かに提督のこと避けてた蒼龍がいつのまにかそんなことになってるとは思わなかったよ」

蒼龍「むぅ」

飛龍「で、何があったのよ? お姉さんに教えてみなさいな」

蒼龍「笑わない?」

飛龍「笑わない、笑わない」

蒼龍「なら、いうけど、飛龍は私の艦長だった柳本大佐のこと覚えてる?」

飛龍「そりゃあ、もちろん覚えてるよ! 柳本柳作大佐でしょ? 多聞丸ほどじゃないけどい立派な人だったと思うよ」

蒼龍「多聞丸云々は飛龍だからおいておくけど、あのね、赴任してきたとき、どうしても提督を見てると柳本大佐を思い出しちゃったね、辛かったんだ」

飛龍「? 見た目も違うし、性格も提督はあんなに優しいとは思えないんだけど……」

蒼龍「柳本大佐も私に着任してきた当初はあんな感じだったの。融通が聞かないし、部下にはかなり厳しかったし……」

飛龍「へぇ。それは初耳だなぁ」

蒼龍「友人の草鹿航空参謀長に助言を受けるまではそりゃあもう凄かったんだから」

飛龍「あはは……それじゃあ提督を見てると思い出すのも分かるわ」

蒼龍「うん。だからね、私、提督を見ると胸が張り裂けそうだったの。悲しくて、辛くて声も聞きたくなかった」

飛龍「そういうものかなぁ? 私は提督が多聞丸そっくりなすっごく嬉しいけど」

蒼龍「それでも私はだめだったの! 艦娘として誕生したときから心にこびりついていたの! 炎の中に響く大好きだった艦長の『蒼龍、万歳!』の声が」

飛龍「……ちょっと軽はずみだったね。ごめん」

蒼龍「……そんなことないよ」

飛龍「まぁ、それでどうしてそんなところから提督のこと気にいったのよ?」

蒼龍「それはね――」

122: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 20:55:09.13 ID:mOKocv1x0
XX14年 8月 鎮守府執務室

提督「この度、大本営よりアリューシャン列島の攻略を目的とするAL/MI作戦の発動が通達された。各員、奮戦努力せよ」

加賀「それで私たち一航戦・二航戦を呼び出したのなら、随分、いい趣味をしてますね」

提督「無駄口をたたくな! お前たちを召喚したのにはしっかりとわけがある。最近では艦娘が各々発する微弱な電磁波によって深海棲艦の発する妨害電波を弱めることが可能であるという報告があがっているのだ。その多くは各艦娘が戦没した地域や活躍した海域と重なるという」

赤城「と、いいますと、今回の作戦では私たちを活用するおつもりでしょうか?」

提督「そういうことだ。現在は他の鎮守府が先行して海域の調査を行っている。それが済み次第、われらも出撃する。今回は多方面に同時展開する作戦指揮をとらなければならない。よって、執務室に定番するのでそのことも覚えておくように」

飛龍「作戦の詳細はどんな感じですか?」

提督「今はまだ情報が少ないので明言は避ける。追って、大淀から編成ならびに出撃ポイントなどは伝達させる」

提督「……他になければ解散だ。各位、しっかりと艤装の整備をしておくように」

赤城・加賀・飛龍・蒼龍「「「「了解しました!」」」」



123: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:02:41.70 ID:mOKocv1x0
  XX14年 8月 鎮守府 間宮

赤城「しかし、AL/MI作戦とはさすがに気分が高揚します!」

加賀「赤城さん、それは私のセリフです。前回と同じ轍は踏みません」

飛龍「あ、あはは……一航戦のお二人は随分とやる気ですね」

赤城「ムシャムシャ……ゴクン。当たり前です、飛龍は敵に一矢報いていますが、私たちはそれも適わずに沈んだのです。報復戦の覚悟は十分です」

加賀「右に同じよ」

飛龍「まぁ、それもそうですね。私だって今度こそはしっかりと止めまでさすつもりです!」

蒼龍「……」

赤城「あれ? 蒼龍、元気が無いですけど、どうかしました?」

蒼龍「え、え? そ、そんなこと無いですよ! 美味しいですよね、間宮さんのお菓子!」

加賀「……一番最初に沈んだのに随分と浮ついているようね。そんなことじゃ、今回も同じ結果になるわよ」

蒼龍「そ、そんなつもりは――」

赤城「まぁまぁ、落ち着いてください。加賀さん、今は戦場にいるわけではないんですから」

加賀「……蒼龍、言い過ぎたわ。ごめんなさい」

蒼龍「い、いえ、私もちょっとAL/MI作戦と聞いて浮ついていました」

飛龍「蒼龍、大丈夫? なんだか、随分と顔色悪いけど」

蒼龍「だ、大丈夫! さ、残りも食べてちゃいましょう!」

赤城「あ、ちょっとそれは私の安倍川ですよ!」

飛龍「……」


124: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:04:20.03 ID:mOKocv1x0
  XX14年 8月 鎮守府 波止場


蒼龍(真っ赤……まるで海も空も燃えてるみたい)

――『蒼龍、万歳!』――

蒼龍「うっ!」

蒼龍(やだ、やだ……! 折角、飛龍や赤城さん、加賀さんにまた会えたのにまた誰かが沈んでしまうかもしれないなんて……またあんな冷たくて暗い水底に戻るなんて絶対に嫌! そうよ、指揮する提督がいなくなっちゃえばこんな作戦――)

提督「何をしている」

蒼龍「ひぃ! て、提督!」

提督「なにを驚いている? まぁいい」

蒼龍「? あれ、おタバコ、吸われるんですか?」

提督「たまにな。恩賜のタバコを腐らせるわけにもいかんだろ」

蒼龍「へぇ」

提督「ふぅー、駄目だ、やはりうまく感じない」

蒼龍「え? それなのにすってるんですか?」

提督「恩賜だからといっているだろう! 陛下からの頂き物を粗末にできんだろう!」

蒼龍「は、はぁ……」

提督「……何をあきれたような顔をしている! 菊の御紋を粗末に扱ったらお前たちも独房にぶち込むからな!」

蒼龍「そんなことしませんよ……」

提督「なら、いい。そういえば、いつも金魚のフンみたいに一緒にいる飛龍はどうした?」

蒼龍「その言い方止めてください」

提督「ん?」

蒼龍「もういいです……」

提督「とにかくだ、AL/MI作戦においてお前たち一、二航戦が勝敗の鍵を握ることになるだろう。奮起せよ」

蒼龍「……ね。ねぇ、提督、やっぱり私たちを使うのは考え直してもらえませんか?」

提督「何を言ってる?」

蒼龍「やっぱり変ですよ!? 史実で敗れた私たちが行ったところで同じことを繰り返すだけなのかもしれないんですよ!? いいえ、きっとそうなります!」

提督「泣き言は聞かんぞ。必要な艦娘を必要な戦場に送り指揮するのが私の仕事だ。必要とあれば海底での戦場にでもいってもらう」

蒼龍「私は潜水艦じゃありません!」

提督「冗談だ、馬鹿者」

蒼龍「!? なんなんですか! 普段は冗談の一つも言えないくせに、こんなときばっかり!

提督「ふむ、同期には場を和ませるなら冗句の一つも言えといわれたのだがな」

蒼龍「タイミングを考えてください!」

提督「成る程な。今後は控えるようにするが、私の意見は変わらないぞ」

蒼龍「ッ!! なら、もういいです!」

提督「ふん。何を心配しているのか知らないが、お前たちが沈むことは無いさ」

蒼龍「どうして言い切れるんですか!?」

提督「艦娘を沈めたとなれば、私の首にも響くのだ。そんな馬鹿な作戦は立案しない。お前たちはせいぜい、大破しないことと奮戦することだけを考えておけ」

蒼龍「不測の事態だってあるでしょ! 気軽に言わないで!」

提督「……あ」

蒼龍「?」

提督「ば、馬鹿者! 話が長かったせいで菊の御紋まで燃えるところだったでは無いか! ここ一年で一番の失態だ!」

蒼龍「えぇ……」

提督「とにかくだ、 お前たちが沈むようなことは絶対にさせんからそこだけは了解しておけ! いいな! くそ! なんと無様なことだ、自分の頭を勝ち割ってやりたい!」ブツブツ……

蒼龍「行っちゃった……さすがにあんな人と一緒にしたら柳本艦長怒るかな……」

125: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:06:22.02 ID:mOKocv1x0
 XX14年 8月  MI島 近海

赤城「……提督、敵艦隊の消失を確認しました」

提督『油断するなよ。彩雲を全機発艦させて、周囲の偵察を怠るな』

赤城「はい!」

加賀「どうやら全員無事ですね」

飛龍「あ、あはは、大破しちゃいましたけどなんとか」

加賀「……まったく。あれだけのことを言ったのに、蒼龍にMVPをとられてしまったわね。この間のことはもう一度、謝るわ。ごめんなさい」

蒼龍「そ、それよりもみんな、無事で本当に良かったです!」ポロポロ

加賀「はぁ……何を泣いているの。そういうのは祝勝会までとっておきなさい」

蒼龍「は、はい!」

提督『ん? どうした、大淀、何をあわてている?』

大淀『はぁ、はぁ……きゅ、急報! 敵別働隊が本土近海に来襲!」

提督『何だと!? 敵艦隊の規模は!?』

大淀『せ、戦艦棲姫2隻とMI島で確認された空母棲姫1隻を確認したということです』

提督『馬鹿な! そんな余剰戦力があったというのか!? ……赤城、聞こえていたと思うが、すぐに反転せよ!」

赤城「はい! 皆さん、聞いていましたね! すぐに鎮守府に戻ります!」

加賀「やられましたね……! 飛龍、捕まりなさい! すぐに反転します!」 ギリッ!

飛龍「は、はい!」


126: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:08:40.57 ID:mOKocv1x0
 XX14年 鎮守府 近海

提督『き――えるか!? お――うせよ、赤城!』

赤城「はい!」

提督『我が鎮守府に残された戦力――って敵艦隊の邀げ――は成功した。しかし、空母棲姫をとり逃――た。そのせいか、鎮守府に重度のジャミングを受けている、一度、鎮守府――偵察をおこなえ』

赤城「了解」

飛龍「はぁ、良かった。本土は一安心みたいですね」

加賀「ええ、それに空母棲姫がいかに強力とはいえたかが一隻。私たちが戻れば鎧袖一触よ」

蒼龍(なにか嫌な予感がする。本当に大丈夫なの? なにか見落としがあるんじゃないの?)

赤城「ん? ノイズ? 提督、どうしました?」

大淀『て、提――! 退避し――!』

提督『何が――!?』

大淀『空母棲姫が発見――』

提督『――! ――たぞ!』

 ドーン!

無線機『ザー……』

赤城「いけません! 全速力で鎮守府に向かいます!」

加賀「……赤城さん、私は飛龍を曳航しています。二人で後から向かうので先にいってください」

赤城「了解! 蒼龍、急ぎますよ!」

蒼龍「は、はい!」



128: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:12:05.25 ID:mOKocv1x0
 XX14年 8月  鎮守府 港湾内

赤城「……予感的中ですね」

蒼龍「嘘……」

赤城「燃えているのは執務室がある本棟です、ドッグや寮に残っていた駆逐艦や軽巡洋艦が消火に当たっているはずです。私たちもすぐに向かいますよ!」

蒼龍「はい……」



 XX14年 8月  鎮守府 本棟入り口前

大淀「はやく消火器を持ってきなさい! 少しでも火の勢いを弱めるんです!」

赤城「くれぐれも中に入らないで!! 届く範囲からでいいわ!」

蒼龍(なにこれ……? なんなの? どうして? 私たちは勝ったのよ? なんで、またこんなのを見ないといけないの?)

――『蒼龍、万歳!』――

蒼龍(やめて!やめてよ! 助けて! 助けて、柳本艦長……!)

赤城「大淀! 提督はどうしました!?」

大淀「そ、それが逃げ遅れた艦娘がいると言って鎮守府の中に――」

赤城「チッ! それよりも消化指揮があの人の仕事だというのに! 独善的な広瀬中佐にかまっている間はありません!蒼龍! 蒼龍、何を呆け――ちょ、ちょっと! 待ちなさい! 鎮守府の中に行ってはいけません!」

大淀「ど、どうします?」

赤城「あー、もう! どうするもくそも無いでしょう! さっさと消火活動を継続しなさい!」

129: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:19:05.35 ID:mOKocv1x0
  XX14年 鎮守府 談話室

提督「しっかりしろ! 大丈夫か!? いっていることが分かるなら返事をしろ!」

?「う、あ……」

提督「チッ! 意識がないか……」

提督「クッソ! どうしてこいつらは見た目より重いんだ! ぐ、ぐぬぬ……日本男児の底力を見せてくれる!」

バタン!

蒼龍「提督!」

提督「おお! 蒼龍か! いいところに来た! こいつを運んでくれ! 私は他の部屋にも残っている者がいないか確認に行く!」

蒼龍「馬鹿言わないでください!」

提督「馬鹿を言っているのはお前だ! 私は鎮守府の責任者だ、避難するのは一番後と決まっている! さぁ、早く行け!」

蒼龍「……大淀さんが全員、そろっているのを確認しています!」

提督「嘘をつくな! ゲホ、ゴホ……あいつに短時間でそこまでできるはずが無い! 精々、指示しておいた消化処理に追われているはずだ! いいから行け!」

蒼龍「嫌です!」

提督「命令だ! 行け!」

蒼龍「……あー、もう! どうしてそうなんですか!? さっさと逃げればいいんですよ! どうして、どうして、そんなふうに命を粗末に出来るんですか!?」

提督「 陸でお前たちを守るのは私の職務だ! 邪魔だ!」

蒼龍「このぉ! 分からずや!」 ドゴォ!

提督「ぐ、ぐ……き、貴様、上官に向かって何をす――ドゴォ!――ギャッ!」

蒼龍「はぁはぁ……無我夢中で思いっきり二発も殴っちゃたけど、だ、大丈夫だよね?」

 ドクン、ドクン……!

蒼龍「し、心臓はちゃんと動いてる。よかったぁ……」



 XX14年 8月 鎮守府本棟正面

赤城「チィ! 火勢が強くなってきましたか! ……もう駄目ですね、総員退避!」

舞風「ちょ、ちょっと赤城さん、て、提督がまだいないよ! それに蒼龍さんだって!」

赤城「かといってあなたたちを危険な目に合わせるわけにはいかないの。聞き分けてください」

舞風「そ、そんな……!」

大淀「だ、駄目です! 何度、点呼してもやっぱり一人足りません!」

赤城「くっ! 総員退避! この命令は変わりません! さぁ、あなたたちも――」

舞風「あ、赤城さん! あれ見て!」

赤城「こんなときに何を――そ、蒼龍!!」

130: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:21:06.65 ID:mOKocv1x0
 XX14年 8月 鎮守府 正面エントランス

蒼龍(はぁ、はぁ……熱い、重い、意識がふらふらしてくる。やっぱり陸上じゃ艤装つけててもこれぐらいしか出力が出ない。おまけに提督殴ったときに無理しちゃった艦かな、手首もずきずきする)

蒼龍(あとちょっとなのにもう少しで外なのに……!)

――『蒼龍、万歳!』――

蒼龍(ねぇ、艦長、私がんばったよね?)

――『蒼龍、万歳!』――

蒼龍(だって、あの作戦を今度は成功させたもん。誰も沈まずに、それもあの時は一番最初に沈んじゃった私がMVPなんだよ……?)

――『蒼龍、万歳!』――

蒼龍(だから、もう……)

?「――!」

ドンッ! 蒼龍(えっ。突き飛ばされた……?)

ガタン!
蒼龍(あ、ああ……危なかった。も、もう少しで瓦礫の下敷きになってた)

赤城「蒼龍! 提督をこちらに!」

蒼龍「あ、赤城さん!」

赤城「早く!」

蒼龍「は、はい!」

?「――、万歳」

131: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:24:26.39 ID:mOKocv1x0
 XX14年 8月 鎮守府本棟 正面

提督「ぐっ……か、艦娘はしっかりと全員、そろっているか?」

大淀「はい! 全員の避難を確認しました!」ニコニコ

提督「蒼龍め、加減もせずに殴りおって……! 下手をすればあれで死んでいたぞ!」

大淀「そうですね」ニコニコ



赤城「はぁ……相変わらずにぎやかな人ですね。しかし、蒼龍、今回はお手柄でしたが、旗艦の命令はちゃんときいてくださいね?」

蒼龍「は、はい……すみませんでした」

赤城「はぁ、そこまでに萎縮しないでください。あなたのおかげで鎮守府の戦力を減らさなくかったのだから誇ってしかるべきです」

蒼龍「そんなこと無いです」

赤城「? なにか、ふっきれたような顔ですが何かあったんですか?」

蒼龍「はい!」

赤城「そうですか。なんだか、分かりませんが、あなたがいいならよしとしましょう」

132: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 21:27:59.20 ID:mOKocv1x0
 鎮守府 食堂

蒼龍「――って感じかな」

飛龍「へぇ、でもよくわかんないなぁ。その中に提督を気に入るようになる要素あった? あたしとしては心動かされないんだけど」

蒼龍「うん、あれ以来ね、提督を見ても何か暖かい気持ちになるようになったの。きっとこの人も柳本艦長みたいになれるって」

飛龍「ふぅーん、そんなものかなぁ……」

蒼龍「そんなもんだよ」

蒼龍(大丈夫。今度は絶対に沈まない。そうなんでしょ? 提督。大丈夫、私がいればまた殴ってでも助けてあげます。そう、ずっと守ってあげますから……)


 蒼龍・飛龍編 艦

137: ◆idiDHwDMwc 2017/10/30(月) 22:03:52.03 ID:mOKocv1x0
提督から霞への相性:56
霞から提督への相性:88

これはお母さんですわ。

144: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 02:55:12.40 ID:Qkb+P5Hn0
霞編出来たデー
投下していきます


 鎮守府 執務室

?「入るわよ!」

バタン!

提督「……ノックをしてから入室しろ」

霞「はっ! やましいことがないならいつ誰が入ってきてもいいじゃない」

提督「礼節の問題だ。来客があった場合はどうするつもりだ」

霞「あっ、そう。礼節云々いうならこっちの目を見て話しなさいよ! 説得力がないのよ! このクズ!」

提督「……はぁ。再三、言っているがその呼び方はどうにかならんのか」

霞「クズ司令官なんだからクズで十分じゃない。それといい加減、こっちを見なさい!」

提督「はぁ……その点については、すまなかったな。最後の一枚だったものでな」

霞「なんの書類よ、それ」

提督「お前が知る必要はない」

霞「へー、そーですか。一人で隠し事なんて随分と悪巧みがすきなのね!」

提督「……今後の作戦についてだ。それ以上は言わん」

霞「なによ、それなら早く言えばいいじゃない。で、どんな作戦なのよ。ちょっと見せなさい」

提督「馬鹿を言うな! 作戦というものは微に入り細を穿ったものではないといけないのだ。不完全なものが部下の耳に入れば、作戦行動事態に疑問を抱くことになる。その不信がかさなり、命令違反という形で噴出する。それを防ぐためには隠密性は非常に重要だ」

霞「少しはあんたも頭は使ってるのね。その心がけは立派だけど、艦隊の空気を先に何とかしなさいよ。いつかその大事な頭も吹っ飛ぶわよ」

提督「最近になってやっと私もその件に気がつけた。現在は改善に向けて鋭意努力している。それよりもだ、私が頭以外使ってないような言い方をするな」

霞「事実でしょ?」

提督「……まぁ、最近ではそうだな」

霞「はぁー、やだやだ。そんなんじゃ、すぐに体壊すわよ」

提督「む。それもそうだな、善処しよう」

霞「まぁ、いいけど。とにかく作戦が完了したわ。報告を聞きなさい」

提督「結構」

145: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 02:57:20.40 ID:Qkb+P5Hn0
霞「第二艦隊は第一艦隊の攻勢で敵がひるんだ隙をついて、南方方面サーモン海域北方に突入。その後に敵前哨部隊と思われる敵艦隊と交戦、その際に新型と思われる敵艦を確認したわ」

提督「む? 新型の特徴はどうだった?」

霞「まだ報告の途中でしょ、黙って最後まで聞きなさいよ!」

提督「……はぁ」

霞「なによ、なんか文句あるの?」

提督「いや、もういい。報告を続けてくれ」

霞「もういいのか、報告を続けるのかはっきりしなさいよ!」

提督「言いがかりは止めろ」

霞「あら、逆切れしないの? そういえば今日は随分と堪忍袋の尾が長いわね」

提督「……金剛に少したしなめられてな。意識している」

霞「あっそう。殊勝な心がけじゃない。それじゃあ、報告の続きよ。敵の編成は新型深海棲艦1隻、軽空母ヌ級1隻、重巡洋艦リ級1隻、軽巡洋艦チ級1隻、駆逐イ級2隻よ。まず航空戦において制空権は確保したけれど、敵艦載機の攻撃によって、千代田さんが中破。砲撃戦に移行するも敵新型の砲撃によって長門さんが大破。続く雷撃戦において神通さんが放った魚雷が敵新型に命中。轟沈を確認したけれど、新型の魚雷が赤城さんにあたって中破。これ以上の調査は断念して撤退したわ。以上よ」

提督「軽空母一隻の艦載機が千代田と赤城、瑞鶴の艦載機群を抜けて、千代田を中破せしめるほどの攻撃を行ったということか?」

霞「ああ、さっきの質問に先に答えておくけどね、新型深海棲艦は航空戦、砲撃戦、雷撃戦のすべてに参加してきたわ。長門さんの装甲を一撃で抜いたのだから、ラッキーヒットでもなければ相当の火力ね」

提督「……水上機母艦か?」

霞「さぁ? 発艦してたのは水上機には見えなかったけどどうかしらね」

提督「厄介だな。まぁ、いい。次回の第一艦隊突入時に威力偵察を行って、さらに調査を続行する」

霞「あっそ。じゃあ、あたしもお役ごめんかしらね」

提督「ああ、ご苦労だったな。期間は扶桑に引き継ぐように」

霞「はい、はい」

提督「さて、編成はどうしたものか――」

ポッポー、ポッポー

提督「――む。もうこんな時間か」

霞「はぁ、私はお腹すいたから戻るわね」

提督「まぁ、待て。第二艦隊旗艦を勤めた労をねぎらいたい。夕食でもどうだ?」

霞「あら、本当に珍しいわね。明日は槍が降るわね」

提督「槍が降っては困る。出撃、演習ができないではないか」

霞「……冗談に決まってるじゃない。頭おかしいんじゃない!?」

提督「私のほうも冗談で返しただけではないか? なんでそこまで言われないといけないのだ」

霞「冗談に聞こえないのよね、その真顔で言われると」

提督「……そういえば蒼龍に冗談を言うのは止めろといわれていたな」

霞「それ、蒼龍さんが入ったことが正しいわよ。あんたが言うと面白くない上に正気を疑う感じに聞こえるもの」

提督「ふむ、そうする」

霞「で、何を食べに連れて行ってくれるの?」

提督「ウナギだ」

霞「へぇ、いいじゃない。ちょっと待ってなさい、着替えてくるわ」

提督「ああ、ちょっと待てくれ。執務の一環なんだが一緒に写真を撮ってもらえないか」

霞「はぁ? 嫌よ。何に使われるか分からない写真なんて絶対に嫌」

 バタン!

提督「執務だといっているではないか……」


146: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 03:01:26.43 ID:Qkb+P5Hn0
 鎮守府 駆逐艦寮 第八駆の部屋

朝潮「あっ、お帰りなさい。任務はどうでした?」

霞「まぁまぁよ。それよりもちょっと出かけてくるわ」

朝潮「む! こんな時間から外出なんて駄目です!」

霞「いいのよ、クズのお供だから」

朝潮「クズ?」

荒潮「司令官のことよねぇ。それよりも随分、おめかししてるけど何しにいくのかしら~」

朝潮「むむ! 司令官のことをクズだなんていってはいけません! 独房入りになったらどうするつもりなんですか!」

霞「いいのよ、あいつもそこらへんはもう諦めてるみたいだし。それと別にご飯食べに行くだけ!」

荒潮「あらぁ~」

霞「なによ、その目は! 喧嘩売ってるなら買うわよ」

荒潮「そんなつもりはないわよ。まぁ、楽しんできてねぇ」

霞「もういい! さっさと行ってくるわ!」

大潮「大潮、お土産は食べられるものがいいです!」

霞「買ってくるわけないでしょ!?」



147: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 03:09:42.95 ID:Qkb+P5Hn0

 鎮守府 正門前

提督「随分と冷え込んできたな。この分では今年は暖房器具は早めに出してやったほうがいいかも知れんな」

霞「待たせたわね」

提督「いや、別に5分ほどだ。気にするな」

霞「……本当に一言多いわね」

提督「何だ?」

霞「はいはい、いいから、行くわよ」

提督「? ああ、こっちだ、私が普段、使っている店がある」

霞「せいぜい、美味しい鰻を期待しているわ」

148: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 03:12:27.69 ID:Qkb+P5Hn0
 鎮守府近くの町 鰻屋

大将「らっしゃい」

提督「ご無沙汰している。座敷をつかわせてもらってもいいか?」

大将「あ? 娘さんかい? 提督さんがひと連れてくるなんて珍しいじゃねぇか」

提督「まぁ、そんなもんだ」

霞「ち・が・うでしょ! あんたの娘なんか絶対、嫌よ!」

提督「……そうか」

大将「まぁ、いいよ。提督さんのことだ、誘拐ってわけでもねぇだろ? で、今日も鰻重の特上を三つでいいのかい?」

提督「む。私はそれでいい。霞はどうする?」

霞「じゃあ、あたしも特上でいいわ」

提督「では、特上4つだな。あと大将にひとつ頼みがあるんだがいいか?」

大将「海軍さんにはお世話になってるし、無理なことじゃなければ聞いてやるよ」

提督「それはありがたい。鰻のゼリー寄せという料理を作れるか? 出来れば作り方を教えて欲しいのだ」

大将「ゼリー寄せだぁ? にこごりとかじゃなくて?」

提督「ああ」

大将「……悪いけど、ちょっと分からねぇわ。力になれなくてわりぃな」

提督「いや、問題ない。こちらこそ無理を言って申し訳なかった」

霞「ゼリー寄せってなによ? 美味しいの?」

提督「む。私も今日、知ったのだがロンドンの郷土料理の一つらしい」

霞「それじゃあ、鰻屋にあるわけないじゃない。ちょっとは考えてから口、動かしなさいよ」

提督「餅は餅屋というではないか。もしやと思って聞いただけだ」

霞「それよりお客、あたしたちしかいないけど本当に美味しいの? まずかったらぶっ飛ばすわよ」

提督「大将は無愛想だからな。しかし、味は保障する。ファミレスの鰻なんか目じゃないほどにうまいぞ」

霞「あんたはいけしゃあしゃあとよくいえるわね……。あんた随分と食べるみたいだけど大丈夫なの?」

提督「ああ、飯は食えるときに食っておく性質でな。何時、配給制に切り替わるかも分からんからな。まぁ、前線で戦うお前たちの食事に関しては最優先で手配するから気にすることはない」

霞「あっそ。そういうことは赤城さんにでも言えば喜ぶんじゃない?」

提督「そうか」

霞「……一応、言っておくけどやめなさいよ。きっと怒るわよ」

提督「? ならば、止めておこう」

霞「ほんっとうにあんたの頭、一度勝ち割ってみてみたいわ」

提督「お前は本当に口が悪いな……将来が心配になる」

霞「大きなお世話よ」

大将「賑やかなところ悪いけど、出来たぜ。へい、お待ち。熱いうちに食ってくれよ」

提督「む。それでは食うか」

霞「はいはい」


149: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 03:14:32.72 ID:Qkb+P5Hn0
 鎮守府近くの町 商店街

提督「どうだ、美味かっただろ?」

霞「まぁまぁね」

提督「満足したようで良かった。そういえばお前の部屋は八駆でひとまとめだったな」

霞「? そうだけど、それがどうしたのよ」

提督「どれ、折角だ。土産を待たしてやる。こっちだ」

霞「ちょ、ちょっと! いいわよ、そんなの」

提督「遠慮するな。労をねぎらってやるといったのだから最後まで馳走されておけ。お前も一人で上手いものを食ったと会っては居心地が悪いだろう?」

霞「……ふん! ならありがたく貰っておいてやるわ」

提督「そうしろ。近くに遅くまでやってるケーキ屋があったな。それで良いか?」

霞「な、なんでもいいわよ」

提督「ならさっさと行くぞ」

霞「ちょ、ちょっと!」

提督「なんだ」

霞「ぁ、ありがとう」

提督「……ふむ。礼には及ばんさ」

霞「あぁ! もう! もうちょっと反応しなさいよ!」

提督「十分、驚いているではないか! 心臓がとまるかと思ったぞ!」

霞「そこまでいう必要ないでしょ?!」

ワーワー、ギャーギャー……

150: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 03:35:26.06 ID:Qkb+P5Hn0
というわけで霞編・艦です。
霞は80代でもちょっとデレるぐらいにしました。正直、ツンデレ四天王で一番きつい性格してると思う。
ねねねね、そこが可愛いいよね? 

コンマだけ投げるで
提督から満潮への感情度 ↓コンマ以下
満潮から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

154: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 04:09:45.74 ID:Qkb+P5Hn0

提督から満潮への感情度:100
満潮から提督への感情度:62

提督から満潮への感情度が90超えたので、好感度コンマとります

提督から満潮への好感度 ↓コンマ以下
満潮から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

160: ◆idiDHwDMwc 2017/10/31(火) 08:37:25.15 ID:Qkb+P5Hn0
おはようございます
今日は21~22時ぐらいから更新できそうですが、予想通りギリギリ三群落ちてましたので周回効率次第になります。
ついでに明日からちょっと忙しくなるので満潮編投稿して曙コンマとって投下自体は明日投稿予定やね……

提督から満潮への好感度:18
満潮から提督への好感度:02

174: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 10:50:19.81 ID:78HynXVR0
寝落ちしてました……これだから無能は困る

ただほとんど出来ていたのでちょろっと加筆して完了しました。ただ満潮編というか提督編に近くなったしまいました……

前回までもあれではあるんですが、提督が更生していくためにも必要な部分かとおもっていたのでさっさと提督に関して書いてしまうことにした今話ですが、皆さんのご期待を裏切って今まで以上に不快に思われるかもしれない要素があります。
いやな思いさせたら申し訳ない。

あと1は満潮とケッコン済みやで。嫌いなわけちゃうんや! なんもかんもコンマがわるい

職場からですので投下だけします


175: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 10:57:08.64 ID:78HynXVR0
――――

?「こっちだ! 早く!」

?「ちょ、ちょっと待って……もう足が痛くて――!」

?「ッ! 気づかずにすまなかった! さぁ、はやく捕ま――」

 ドーン!

――――


鎮守府 提督私室

提督「!?」 ガバッ!

提督「はぁはぁ……ゆ、夢か」

提督「……まだだ。まだ鮮明に覚えている」

提督「私は忘れない。忘れんぞ……」

176: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 11:38:29.90 ID:78HynXVR0
 鎮守府 執務室

飛龍「第一艦隊旗艦・飛龍、出頭いたしました!」

提督「ご苦労」

飛龍「……あれ? 提督、クマがすごいんですけど大丈夫ですか?」

提督「問題ない」

飛龍「そうみえませんよ? 少しお休みになったほうがいいんじゃないですか?」

提督「無駄口をたたくな。作戦の不備を直していたら朝になっていただけだ。先の大戦では栗田艦長は三日間、ほとんど寝ずに指揮を執ったという。それに比べたら微細なことだ」

飛龍「はぁ、そうですか」

提督「本題に入るぞ。先日下した命令であるが、一部、撤回する。サーモン海域北部に展開する敵艦隊であるが、第二艦隊の偵察によってこちらの予想を超えた戦力であることが判明した。よって突入部隊に大和、武蔵を採用する。これらを気取られずに展開するにはさらなる大規模な陽動作戦が必要であるが、そうなってくると朝雲・山雲・秋雲では練度が不足していると考える。よって大潮・荒潮・島風の編入を検討したい」

飛龍「意見具申します」

提督「続けろ」

飛龍「私も提督と同じく朝雲たちでは今回の作戦においては練度が不足していると思います。ただ今作戦旗艦としましては、先日、更なる改装を実装された満潮の登用を推薦します」

提督「……」

飛龍「? 改装によってさらに汎用的な能力を獲得し、火力も駆逐艦としては申し分ありません。今回の作戦でその力を確認してみるのはいかがでしょうか?」

提督「本作戦は二個艦隊を同時展開する。わが鎮守府の全力を以ってことに挑むからには失敗は許されない。そのような試験的な提案は却下する」

飛龍「あの、提督……失礼ですが、提督は満潮を過小評価していませんか?」

提督「なんだと?」

飛龍「改二改装された偽装を扱えるだけで相当な練度です。夕立にも練度だけであれば引けをとらないと愚考します」

提督「いいたいことはそれだけか」

飛龍「提督は最近、第八駆の改二改装を施された子達を集中運用していますが、満潮だけが戦果を挙げていません。せっかく改装されたというのに、これでは腐ってしまいます」

提督「……飛龍、お前は私の艦隊運用にケチをつけるつもりか? なんだ、この鎮守府の提督はいつからお前になった? そうであればすぐに辞令をもってこい」

飛龍「そんなつもりは……」

提督「なら余計なことまでは言わないでいい! 私は常に適材適所に努めてきたつもりだ! 対潜戦闘であれば朝潮を、対地攻撃であれば揚陸艇としても運用可能な上で火力の高い大潮、荒潮を使い、索敵の要を認めれば大型電探を積める霞を使う。そこになにか間違いはあるか? 満潮の艤装は改装したばかりで改修途中だが、それを押して使うほどの理由はあるのか? 以上、二点に答申せよ!」

飛龍「……いえ、おっしゃるとおりかと思います。失礼しました」

提督「……すまない、私も少し興奮してしまった。編成についてはこれを最終決定とする。決戦時期については赤城、長門、叢雲、大淀、霧島とつめたのちに追って通達する。退室しろ」

飛龍「……了解しました」

177: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 11:45:57.29 ID:78HynXVR0

 鎮守府 中庭

飛龍「あ、朝潮!」

朝潮「これは飛龍さん、朝潮に何か御用ですか!」 ビシッ!

飛龍「うん、ご苦労様。それでね、満潮、どこにいるか知らないかな? ちょっと頼まれごとしてたんだけど」

朝潮「満潮ならば、この時間は演習場にいるはずですよ。ほかに御用がないようなら私は対潜哨戒任務に向かわなければいけないので失礼させていただきますが」

飛龍「時間をとらせちゃってごめんね」

朝潮「いえ! それでは失礼します」



 鎮守府 演習場


満潮「はぁはぁ……やっとこの偽装にも慣れてきたわね。もう少し馴染んでくれば射撃精度はまだあげられそうね」

飛龍「あ、いたいた。おーい! 満潮、ちょっとこっち来て!」

満潮「……ちょっと飛龍さん、さけば無くても聞こえるわよ」。恥ずかしいじゃない」

飛龍「あ、ゴメン、ゴメン。頼まれてたけんなんだけど、ちょっと報告したいことがあるの。間宮でアイスでも食べながら話しましょう」

満潮「……わかったわ」


178: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 11:55:03.57 ID:78HynXVR0
 鎮守府 甘味処・間宮

満潮「で、なんで途中で蒼龍さんを拾ったのよ」

飛龍「うーん、私の知ってる範囲では一番、提督が信任してそうだからかな。まぁ、蒼龍は私の分身みたいなものだからそんなに気にしないでよ」

満潮「気にするわよ!」

蒼龍「あはは……飛龍が強引でゴメンね」

満潮「むむむぅ……別にいいけど」

飛龍「蒼龍、この間、提督に編成を変えさせたいって話したじゃない?」

蒼龍「ああ、そういえばあったわね。ちゃんと理屈つけておけばそれなりに納得したでしょ?」

飛龍「これは満潮に頼まれたことに対する返事にもなるんだけど、けんもほろろよ。すっごい剣幕で嫌味言われたわ」

蒼龍「ええ? 飛龍のことだから、気に障るようなことでもいったんじゃないの?」

飛龍「ない、ない。第一、それどころじゃないわよ。一瞬だったけど目を剥いてすごい剣幕だったんだから。あんなふうにいわれるのは大淀だけで結構よ」

蒼龍「ふーん」

飛龍「ふーんって随分、無責任じゃないのよぉ。蒼龍の作戦で私は心に大きな傷を負ったのよ! ここは蒼龍のおごりね!」

蒼龍「えぇ……そんなこといわれても困るよ。でも、私たちの艦隊に編入したいって言ってたのが満潮なの私としては意外だったな」

満潮「どういうことよ」

蒼龍「いや、だって、満潮って相当古参じゃない。叢雲が初期艦で、初霜、時雨、朝潮、衣笠、響、夕立の次に着任したのが満潮でしょ? もう十分に練度だって高いし、功名争いがしたいような子にも見えないし」

満潮「……そんなのどうだっていいでしょ? とにかく、私は前線にいたいのよ」

蒼龍「いや、まぁ、それはそうだし、その気持ちもわかるんだけどさぁ」

飛龍「うーん、あたしたち以外の艦隊で駆逐艦が必要なところってあったっけ?」

蒼龍「五十鈴と朝潮の対潜哨戒部隊、利根の航空偵察隊は防衛戦力みたいなもんだしなぁ。第一、今のところ前線部隊があたしたちのところぐらいなんだよね」

満潮「そんなことはわかってるわよ。だから、飛龍さんに頼んだんじゃない」

飛龍「うーん、でも、意見具申も拒絶されちゃったし、私にできることってもうないのよね。ゴメンね? これ以上はちょっと力に慣れそうにないよ」

満潮「別にいいわ。そんな簡単にいくと思ってなかったから」

蒼龍「まさか直談判する気? やめておいたほうがいいよ、飛龍の意見を退けたからにはかなり難しいと思うよ」

満潮「……私にもこうなったら別の考えがあるわ。司令官とは話したくもなかったけど、こうなったからには贅沢も言ってられないもの」

蒼龍「ならいいけど……」

179: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 11:57:31.12 ID:78HynXVR0

 鎮守府 執務室

コンコン、コン

満潮「満潮、入ります」

提督「……呼び出した覚えが無い。退室しろ」

満潮「司令官に用がなかったとしても、私からは用があるのよ」

提督「執務の邪魔だ」

満潮「……さっきから黙って聞いてれば随分と好き勝手言ってくれるじゃない。まずはこっちの目を見て話しなさいよ! 霞に何度もいわれてるんでしょ!」

提督「私にその意思が無い。お前は壁に向かって話しかけてるのと変わらんぞ」

満潮「随分といやみな壁があったものね。それなら真実の口にみたいに口を開いてもらえるかしら、手を突っ込んでから舌を引っこ抜くわ」

提督「帰れ」

満潮「司令官にはなんの期待もしてなかったけど、本当にあんたって嫌味でクズな奴ね! 良いからこっちこっちをみなさい!」 グイッ!

提督「うっ……! 何をする! 離せ、無礼者が!」

満潮「無礼者はあんたでしょ!? やってることがいちいち陰湿なのよ!」 パシーン!

提督「っ! 上官に手を上げたな……!」

満潮「ええ。通報する何なり御自由にどうぞ。ただその前にこの拳銃が誤作動を起こして暴発するかもしれないわよ」 スっ

提督「ふん、私の九四式か。生憎だがそんな脅しには乗ら――」

パァン!

満潮「ただの脅しだと思ってるの? ここまでしてるのよ、それで済むわけ無いじゃない」

提督「……わかった。話を聞こう」

満潮「ここまでしないと顔も合わさないんだからすごいわよね。恐れ入るわ」

提督「無駄話をするつもりはない、要件だけ手身近に話せ。それとまずは射線を外せ、そいつは年代物の骨董品だ。暴発の危険性もある」

満潮「あっそ」

提督「……」


180: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 12:04:11.60 ID:78HynXVR0
満潮「私が聞きたいことは一つだけよ。どうして私を前線に出さないの」

提督「能力の不足だ」

満潮「そんなの通るわけないでしょ?! 司令官は随分とうちの荒潮や大潮のことは評価してるみたいだけど、改装した私の性能だってほとんど同じよ! 練度だって、私は二人より上よ!」

提督「……近代化改修の途中である。それが終わってから本格的に運用していく予定で――」

満潮「嘘はやめなさいよ! いっつもそうあんた、私が気がついてないとでも思ってるの?」

提督「は?」

満潮「特別扱いするのはやめてっていってるのよ! なに? そんなに私のことが信用できないの? 艤装の改修だってほとんど終わっているじゃない! 現状、対空能力の余地がわずかにあるだけよね!?」

提督「……改修についてはそうだな。しかし、それは万全を期すためのものであり、お前の信用云々とは関係が無い」

満潮「嘘! 入渠の順番、新鋭装備への転換、撤退の優先順位。同じ条件であるなら、誰よりも先に私を選ぶわよね」

提督「たまたまだろう。馬鹿馬鹿しい」

満潮「このっ! 着任してからずっとそうだったのよ、そんな馬鹿な話があるわけないじゃない!」

提督「……例え、例えばだがな、それが事実であったとしても何か問題があるのか。それの何が不満だ? 新鋭装備に身を包み、最も安全に敵海域から離脱し、傷を治す。おかしなことか?」

満潮「……もういい。あんたに私の気持ちなんかわかるわけないんだから」

提督「……」

満潮「私はもう絶対にあの子達と離れ離れにはなりたくないの! もう絶対に先にいかせない! 前だって私がいればどうにか出来たかもしれない!」

提督「……現在では艦娘の轟沈条件は既に判明している。」

満潮「はっ! どうだか、私は金剛さんや飛龍さんと違ってあんたの話なんか信用してないのよ! 万が一、憶が一ってこともあるのよ!」

提督「そうか……」

満潮「とにかく、あんたになんかに絶対、あの子たちのことは任せない。いい、必ず私を出撃させなさい。この改装はそのためのものなんだから」

提督「……分かった。しかし、既に最終決定をした案件なので飛龍や第二艦隊旗艦の予定である金剛に確認した上で通達を行う。それでいいか?」

満潮「ええ、結構よ。絶対に余計なこと言うんじゃないわよ」

提督「分かっている」

満潮「なら良いわ」

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/01(水) 12:07:54.22 ID:78HynXVR0
 鎮守府 執務室

提督「……そんなつもりは無かったんだ」

提督「満潮を特別扱いしたつもりも無かったし、艦娘とはうまくやっていけてるつもりだった」

提督「分からんなぁ。人の心も全てが可視化されていればもう少しはうまくやっていけるのにな。私はどうすればいいんだ? 教えてくれ」

コン、コン、コン

?「提督、失礼します。霧島です」

提督「少し待て……入れ」

霧島「失礼します。資料をお待ちいたしました」

提督「ああ、すまなかったな」

霧島「ありがとうございます。 ? 写真ですか? 拝見しても」

提督「かまわんよ」

霧島「あら、随分とお若いですが提督と……満潮ですか」

提督「違う。妹だ」

霧島「あ、失礼しました」

提督「いや、いい。それよりも可愛いだろう? 自慢の妹だった」

霧島「え、ええ、そうですね。妹さんは現在はどちらにいらっしゃるのですか? 疎開中でしょうか」

提督「いや、既に鬼籍だ」

霧島「し、失礼しました!」

提督「気にすることは無い。深海棲艦が現れ、まだ艦娘という存在が確認されていない頃だったからな、既に二十年近く前の話だ」

霧島「そうですか……では、妹さんは深海棲艦に?」

提督「ああ、本土を空襲されたさいに死んだよ」

霧島「……」

提督「そう暗い顔をするな。おかげで今の私があるともいえるのだ。目的があったからこそほかの事にかまけずに勉学や訓練だけに専念できた。私以上の才能を持ちながら遊びで身を持ち崩した奴を士官学校ではごまんと見てきたからな。だからな、もし妹が生きていたら未だに下士官――いや、軍人にもならなかったかもしれないな」

霧島「……そうですか」

提督「無駄話が過ぎたな。さぁ、退室しろ。私も執務で忙しい」

霧島「了解いたしました。失礼します」

提督「ああ」


 満潮編 艦

185: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 13:38:40.62 ID:78HynXVR0
とりあえずコンマ投げます。
提督から曙への感情度 ↓コンマ以下
曙から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

189: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 13:45:44.09 ID:78HynXVR0
提督から曙への感情度:65
曙から提督への感情度:10

曙から提督への感情度が10以下なので好感度コンマです

提督から曙への好感度 ↓コンマ以下
曙から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

194: ◆idiDHwDMwc 2017/11/01(水) 13:58:32.29 ID:78HynXVR0
提督から曙への感情度:65
曙から提督への感情度:10

提督から曙への好感度:97
曙から提督への好感度:83

満潮と逆になりましたね。提督から声かけていった感じやね

昼休み終わるので落ちます。また2時ぐらい帰宅やから3~5時に投下できるようならしていきます。

215: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 14:57:40.23 ID:cLJlcQaV0
鎮守府 執務室

コン、コン

提督「入れ」

霧島「霧島、出頭いたしました」

蒼龍「あ、こんにちわ」

霧島「? どうも」

提督「ご苦労。、まずはかけてほしい。実は由々しき事態が本日の昼に起こったので、その対策のために二人を呼び出した」

蒼龍「由々しき事態といいますと?」

提督「……詳しくはその艦のためにも言わないが、軍法会議ものの事件であったとだけ言わせてもらう。今回のようなことが頻発してしまうと艦隊運営に支障をきたすので解決に協力してもらいたい」

蒼龍「ちょ、ちょっと待ってください! その子の処分はどうするつもりなんですか?」

提督「……不問にふす」

霧島「? それはいかがなものでしょうか? 軽度でも罰則を与えなければ、再犯の可能性がありますよ」

提督「今回の問題を公表すれば艦娘に対する世論にも影響を与える可能性がある。加えて私に責任の一端があったと自覚しているので今回だけは見逃す」

霧島「ですが――」

提督「お前を独房にぶち込んだ私がこういっては贔屓に聞こえるかもしれないが、今回については私の過失が招いたことだ。頼む、聞き入れてくれ」

霧島「いえ、そんなつもりでは……はぁ、もう結構ですから頭を上げてください」

提督「む。すまんな」

霧島「いえ。それよりも解決策ですが、どのようなものをお考えで?」

提督「まずは私と艦娘の間で円滑な関係を築いていくことから始めてようと思う。そのためのアドバイザーとしてお前達を呼んだのだ」

蒼龍「なるほど。そういうことは提督、お一人だとちょっと難しそうですもんね」

提督「……反論はしない」

霧島「初めてのことをする場合、まずは簡単なことで慣れていく必要があります。やはり金剛お姉さまのような明るく、物怖じしない方から話し合いをしていく必要があるのではないですか?」

提督「……蒼龍は知っていると思うがお互いの感情度を計るカメラというものを大淀が昨日、持ってきた。すでに金剛との間で使用を試みたが、言い合いに発展してしまった」

霧島「ああ、昨日、突然に写真を取りだされたのはそのためでしたか」

蒼龍「というか、金剛さんとどんな数字が出たらそんなことになるんですか……」

提督「む。写真はここにある」

霧島「提督もお姉さまも一見、仲がよさそうに見えますが?」

蒼龍「えぇ……この写真からこの数字はいくらなんでもひどくないですか?」

提督「私もそう思うが、事実だ」

霧島「しかし、私たち二人を協力者として選ばれたことについてはこれで納得しました。金剛お姉さまで低い結果が出てくるとすると、確かにこの鎮守府で提督のことをお慕いしている艦娘は少数かと思います」

蒼龍「ちょっ!?」



216: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 15:05:40.01 ID:cLJlcQaV0
提督「結構だ。正しい認識は、正しい情報の元でしか成り立たない。特にこのような不得手なことを一人でやってみたところでなんの戦果もあげられないどころか、惨劇を生むことになるのだ」

霧島「その言い方ですと昨日から随分とひどい目に合われたようですね……」

提督「そんなことはない。私の現状認識が間違っていたことがわかっただけでも大戦果である」

蒼龍「は、ははは……」

提督「まずは当面の目標を設定したい。私としてはこの写真機を使って既に良好な関係を持てている艦娘をあぶりだし、それらを使って険悪な艦娘から私の欠点を聞きだしていく形を考えている。意見具申を」

霧島「具申します。それですとカメラの使用段階はローラー作戦になりますので、提督に対しての被害が多いかと」

提督「……先ほども述べたが、私も今回の件でやっと事態の深刻さに気がついた。そういった場合は今後の教訓にしていくほかあるまい」

蒼龍「まぁ、選んでいく時に気をつけていけば大丈夫じゃないですか? 霧島さんと私で多少なりとも意見は出せると思いますし」

霧島「まぁ、そういうことでしたら、私にも否やはありません。しかし、これでこの作戦の秘匿性は大きく上がりましたね」

提督「む。確かにな」

蒼龍「どういうことですか?」

霧島「提督のことを嫌っていても隠したい場合は写真の撮影を断ればよくなるということです。金剛お姉さまもカメラの機能を知っていれば、撮影自体に理由をつけて断っていたと思います」

蒼龍「ああ、なるほど。じゃあ、提督、このカメラの機能を説明したり知っている人はどれぐらいいるんです?」

提督「大淀、明石は当然として、私から説明したのは金剛、飛龍とお前だけだな」

霧島「……どれぐらいの方に使用なされたのですか?」

提督「大淀、明石、金剛型、二航戦の計8名だ。写真は私のほうで保管してあるものは5枚だな」

霧島「見せていただいても?」

提督「うむ」

蒼龍「うわぁ……これ、よく大淀さんと今日も執務できましたね。秘書艦変えたほうがいいじゃないですか?」

提督「確かに私といては大淀も苦痛だろうな……検討しておく」

霧島「その際は是非、この霧島をお使いください! 必ずや艦隊の頭脳として活躍してみせます!」

提督「……ああ、候補に入れておこう」

霧島「では、今回の作戦を進めていきましょう! まず感想ですが私が思っている以上に提督が私たちのことを気にかけているのに驚ました」

蒼龍「ええ!? 提督の数字すっごく低いのが多いよ!? これが相性なら山に引きこもってたほうがよさそうな数字がゴロゴロしてるよ!?」

霧島「あ、いえ、てっきり、もっと低いものばっかりかと思ってましたので……」

提督「……まぁ、そう思われていても仕方ないのだろうな、昨日、今日でよく身にしみた。とにかく飛龍と金剛にはお前たちからカメラのことを内密にしておくように伝えておいてくれ」

霧島・蒼龍「「はい!」」


217: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 15:11:40.53 ID:cLJlcQaV0
提督「よし。今夜は既に遅くなってきた、翌日に使用する艦娘を決めていったんは解散としよう」

霧島「提督に腹案はありますか?」

提督「曙から始めて行こうと思うが、どうだ」

蒼龍「えぇ……絶対にやめたほうがいいですよ。ル級の射線に明石さん立たせるみたいなものですって。クソ提督がああだこうだってあんまり関係の無い私にも話してきますし」

提督「……いや、大丈夫。思ったことを素直に表現しているだけで悪意はないはずだ。あいつは素直な艦娘なはずだ、私には分かる!」

霧島「曙が素直というのは異論がありますが、悪意がないという点では提督に賛成します」

蒼龍「霧島さんがそういうなら私も別に構いませんけど……どうなっても知りませんよ」

提督「結構。では、明日は曙の撮影を行い、今後の作戦をつめていくので視昼食をとり次第、執務室に集まるように」

霧島・蒼龍「「はい!」」



 鎮守府 執務室前廊下

?「青葉、良い事聞いちゃいました」 

青葉「いやぁ、たまにはまじめに報告書持って来るもんですね。これはいい意味でも悪い意味でも皆が読んでくれる提督のことを記事にする絶好の機会ですよ」

青葉「もう少し提督も面白い子としてくれると青葉も助かるんですけどねぇ……まぁ、いっか。さぁて、見出しはどうしましょうかね? 『提督、ついに艦娘のこことまで暴き出す!』。うん、こんな感じにしましょう。さぁて、今日は徹夜ですねぇ!」

青葉「さぁて、どうせ作ったのは明石さんでしょうから、取材は明石さんだけで十分ですね。うん、あの記事とこの記事をほかに移せば……よし! 起床ラッパの1時間前にはいつもどおりに投函できそうです。うふふ……楽しみだなぁ」

220: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 15:25:08.95 ID:cLJlcQaV0


――翌朝 05:15――

 鎮守府 執務室

霧島「て、提督! 大変です!」

提督「どうした。出撃作戦に不備があったか?」

霧島「いえ、そちらではなく。昨夜の作戦が漏れています!」

提督「何!? かん口令は敷いたはずだ! どこから漏れた! 後回しにした大淀か、明石か!?」

霧島「まずはこちらをご覧ください」

提督「ん? 鎮守府新聞だと? たしか青葉が発行している機関紙だったな」

霧島「はい。それよりもとにかくご一読を」

提督「 『提督、ついに艦娘のこことまで暴き出す!』か……まずいな。カメラの機能のことまで明石から聞きだしたか」

霧島「青葉への処分はどうしますか? 作戦情報の漏えいは重罪のはずです」

提督「……まず、これは大本営の正式な認可を受けた作戦ではない。加えて言えば青葉に対してのかん口令も出していなかったからな、それを咎めることは出来ん。艦娘と私の数値だが撮影を断られた際は推定有罪の方向で行く」

霧島「くっ! 仕方ありませんね。では、曙の撮影には私も同行します」

提督「なぜだ?」

霧島「提督に数値を見られるのがいやでも第3者の私にであれば、問題ないということもあるかと思います」

提督「そんなものか」

霧島「そんなものです」

提督「了解した。それでは、霧島に私との同行を命じる。では、すぐに第七駆の部屋に向かうぞ! まだ知らない可能性にかけて強襲する!」

霧島「知っていた場合はどうします?」

提督「曙をほかの艦と強引にでも分断し、孤立させたところで撮影の説得を行う!」

霧島「了解!」


221: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 15:28:06.83 ID:cLJlcQaV0
 駆逐艦寮 第7駆部屋前

ドン!ドン!

提督「私だ! 曙はいるか!」

霧島「隠れてもだめですよ! 早く出てきなさい! これは作戦行動の一環です!」

ギィー

漣「あ、あのー、ご主人様に霧島さん、そんなに大声上げなくても聞こえてます……」

提督「む? そうか、とにかく曙を出せ、これは艦隊指揮官としての命令である」

霧島「隠しても無駄ですよ」

漣「あ、あはは……私たちまだ寝巻きなので着替えたら出頭するように伝えますね」

提督「いや、1分、1秒が惜しい。なに写真を撮るだけだ、手間はとらせん」

霧島「ええ、カシャッてやって終わりよ」

漣「あ、いやぁ、それはちょっと――」

曙「あー! もうまどろっこしいわね!! 漣、ちょっとどきなさい! いい?! 朝早くからうっさいのよ、あんた達! そんなもん後でいくらでも撮らせてやるからさっさとどっかいけー!」

提督「む。どうする?」

霧島「言質はとったからには作戦目的は達したかと。一旦、退却するべきです。これ以上、食い下がってこじれては元も子もありません」

提督「了解。それでは着替え次第、執務室に出頭するように! 霧島、いくぞ!」

霧島「はい!」

曙「だ・か・ら、うるさいって言ってんのよ!! 」

222: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 15:36:37.51 ID:cLJlcQaV0
 鎮守府 駆逐艦寮 第七駆部屋

潮「て、提督と霧島さん、すごい勢いだったね……」

漣「あれはなにか作戦やってるときの顔だね、この中で2番目にご主人様と付き合いの長い私が言うんだから間違いない」

朧「んー、でも漣の言うことは適当だからなぁ。それに4人中2番目ってすっごい微妙」

漣「ちょっ!? ひどくない!?」

曙「ぐー、あのクソ提督、何考えてるのよ!? まだ起床ラッパのまえよ!」 ドン! ドン!

潮「さ、漣ちゃん、落ち着いて! ほ、ほら、ヒッ、ヒッ、フーって」

曙「ヒッ、ヒッ、フー、ヒッ、ヒッ、フー……」

漣「なに? ぼのたん、なんか生むの?」

朧「生むわけないでしょ……ていうか、やるんだ」

コンコン

曙「あー! もう次は何よ!?」

青葉「ども。青葉です、いやぁ、司令官の声聞いてきたんですけど面白いことになってますねぇ」

朧「あ、鎮守府新聞配りにきたんですか?」

青葉「ええ。ですけど丁度、いいタイミングですからねぇ……うん、今日の記事は皆さんだけ特別に青葉がじきじきに教えてあげますよ」ニッコリ

226: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 15:47:12.23 ID:cLJlcQaV0

 鎮守府 執務室

提督「遅い」

霧島「はい、もうすぐ起床ラッパがなってしまいます」

提督「考えたくはないが反故にされたか?」

霧島「確かにその可能性もあります」

提督「……五省は口をすっぱくして教えてきた。そんなことはないと思いたい」

 バーン!

曙「き、来てやったわよ! クソ提督!」

提督「遅い。起床ラッパ15分前ではないか」

霧島「ええ。本来であれば5分で用意してくるべきよ」

曙「あ、あんたたちねぇ……」

提督「まぁ、いい。それよりも写真撮影を行う。霧島、準備はいいか?」

霧島「はい、すべて完了しています」

提督「よし。では、曙、こちらへ」

曙「……ちょっと待ちなさいよ。写真、クソ提督もみるの?」

提督「私に見せたくないなら霧島だけに見せるという方法もある。どうする?」

曙「だったら、あんたには見せたくない」

提督「む。分かった」

曙「……い、言っとくけどクソ提督のこと別に嫌いじゃないわよ」

提督「ああ。分かっているとも」

霧島「あ、もうちょっとよってください。写しにくいです」

曙「あー!! もう空気読みなさいよ!」

 カシャッ

230: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 16:17:23.01 ID:cLJlcQaV0

 鎮守府 執務室

提督「朝の号令時の様子だがざわついていたな。おそらくは既に鎮守府中に知れ渡っていると見て間違いない」

霧島「ええ、これは厄介な事態になりましたね」

蒼龍「……いや、あれはお二人が朝から駆逐艦寮で騒いでいたのも原因ですからね?! みんな、ちょっと眠そうでしたよ! かわいそうじゃないですか!」

提督「む。私はマルヨンマルマルには起きて執務の準備をしている。少しばかり起床が早まったからと言って、たいしたものではあるまい」

蒼龍「そんなの提督だけです!」

提督「そうか……まぁ、いい。霧島、それよりも写真の数値はどうだった?」

蒼龍(こういうのの積み重ねが絶対にいけないんだよねぇ……)

霧島「驚きました。提督と私の予想がまさか当たるとは」

蒼龍「えぇ……昨日は自信満々だったじゃないですか」

霧島「……榛名の好感度思い返してみたら、ひょっとしたら私も提督と同じ部類なのかもしれないと 自信がなくなったんです」

蒼龍「はぁ……」

提督「そんなことはどうでもいい! それよりもだ、やはり曙は私のことを信頼していただろう! なんといっても私のカリュキュラムを終えた初めての生徒だからな!」

霧島「ああ、あの戦術教室の……」

蒼龍「え? そんなのやってたんですか?」

霧島「鎮守府開設時に新兵訓練の一環で提督も講座を受け持っていたんです。ただ不評ですぐに生徒がいなくなったはず」

提督「不評? そんなことはない、訓練自体はやさしいものだったはずだ」

霧島「……比叡姉さまが血反吐はいたって真顔で言ってましたよ」

提督「馬鹿な。血反吐も吐かないで何が訓練だ、死人が出てないだけ優しいものだ」

蒼龍「うっわぁ」

霧島「一理ありますね」

蒼龍「全然、無いよ!? そんなの多聞丸じゃないんですからやめて下さいよ! 今は昔と違って誤射があるんですよ!」

提督「む。確かに乱戦中に指揮官座乗の高速艇を撃っても陸軍と同じように誤射で通るのか。ハッ!しかし、 陸のやつらの浅知恵に我ら帝国海軍の高潔な士が染まるとは思えんがね」

蒼龍「もう! そんなこと言ってると本当に拳銃向けられますよ」

提督「……ぐっ!? ぜ、善処する」

蒼龍「? なら、いいですけど」

提督「ええい! そのことよりもだ! やはり生徒に好かれていたというのは嬉しいものだ。狂喜乱舞、ゴキゲン中飛車とはこういうことをいうのだな!」

蒼龍「はぁ、本当に分かってるのかなぁ……? それよりよくそんなことして曙と仲良くなれましたね」

提督「あいつは厳しい指導も自分たちのためだと分かっていたのだろう! 素晴らしい話ではないか! そういう真面目な艦娘だけなら私の心も分かってくれるはずだ!」

霧島「……いやぁ、それはどうですかね。私はキス島撤退戦のときのことがあったからの数値だと思いますよ?」

蒼龍「というと?」

霧島「比叡姉さまから聞いた話ですが――」


231: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 16:25:19.16 ID:cLJlcQaV0
 XX13年9月 鎮守府 執務室

曙「綾波型八番艦曙、着任したわ」 ビシッ!

提督「ご苦労。私は当鎮守府を統括する――だ」 ビシッ!」

曙「……私のことはあの提督から聞いてるわよね」

提督「ああ、厄介な上にどうしようもない駆逐艦がいるので引き取るように――中将からは言われたし、資料にも目を通してある」

曙「う、ぐぐぐ……!」

提督「私は口だけの人間が大嫌いだ! いいか、お前がここに着たからにはその大口に見合った戦果を要求するからな! 心しておくように」

叢雲「はぁ……あんたはどうしてそう一言多いのよ。見なさいよ、新任殿の顔が真っ赤よ」

提督「? まぁいい。さっさと荷物をまとめて来い。私が直々に貴様のゆがんだ性根を叩きなおしてやる。まったく上官に暴行など前代未聞だ」

曙「ガー!! さっきから黙って聞いてれば好き勝手言ってんじゃないわよ! このクソ提督! あの無能が作戦失敗を私のせいにするから蹴っ飛ばしただけじゃない!?」

提督「蹴っ飛ばしただけ、か。はっ! 聞いたか、叢雲! こんな問題児は初めてだ! 当鎮守府にはそんな間抜けは一人もいなかったな!」

叢雲「はいはい」

提督「曙、今の発言の中に私と中将への暴言があった。罰として鎮守府周り4周を全力で走れ!」

叢雲「はぁ……」

提督「なんだ、そのため息は。ああ、叢雲としては少ないということか。しかし、相手は着任したばかりだぞ? うむむ……よし! それでは2周追加する! 早く荷物をまとめてこい!」

曙「ぐが、ぐぎぎぎ……!」

叢雲「……まぁ、ここに来ちゃった、己の運の無さを呪うのね。血管が切れないことを祈るわ」



 鎮守府 グラウンド

曙「ゼー、ゼー、死ぬ、本当に死んじゃう……」

提督「なんだ、お前は地面と接吻するのが好きなのか。変わった奴だ」

曙「コロス! あんたは自転車に乗ってるからいいけど、それと併走しろとか私は死ぬかと思ったわよ!」

提督「元気があって結構、体を動かして目が覚めただろう。それでは続いて座学に移る」

曙「グギギギ……!!」

提督「いいか、私の課題が出来なければ、そのたびに地面と感動の再開を味わうことになるからな! 心してかかれよ!」

232: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 16:28:12.25 ID:cLJlcQaV0
 XX13年 10月 鎮守府 食堂

漣「あんのぉ、ぼのたん、すんごい顔してるけど大丈夫?」

曙「……うるさい」

潮「気分悪くてもご飯食べないと体に悪いよ」

曙「魚と蟻のえさを何で食べなきゃいけないのよ」

漣「うっわぁ……これはドンビキですわ」

曙「もう嫌! 来る日も来る日もあの鉄面皮に殺されそうになるなんて冗談じゃないわよ! なんなの? これ、どんな罰ゲームなの!?」

潮「あ、あわわ……」

曙「最近なんか夢の中でも勉強して、訓練してるのよ? 頭おかしくなるわ!!」

漣「手遅れですわ……これ」

潮「あ、あのね、訓練部隊の転属願いだしてみたらどうかな?」

曙「そんなの絶対に嫌! そんなことしたらあいつのしごきに負けたことになるじゃない!」

漣「いやいや、そんなの命あってのものだねだって。漣なんか、ご主人様の訓練部隊1日でやめたよ! さくせんはいのちだいじに!」

潮「私は別の鎮守府から艦娘きてくれた阿武隈さんにずっとお世話になってるよ」

漣「あー、阿武隈さんの部隊は評判いいよね」

潮「うん!」

曙「それでも絶対に私は負けない! いつかほえ面かかせてやるわ!!」

提督「ええい! 曙はどこだ! 既に開講10分前だ! すぐに講義の準備を始めろ!」

曙「……クソ悪魔が呼んでるわ。ちょっとしか口つけてないからよければ食べて」

漣「あ、うん、ご愁傷様……」

237: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 17:13:46.56 ID:cLJlcQaV0
 XX13年11月 鎮守府 執務室

提督「……ふむ、だいぶものになってきたな」

曙「ホッ……」

提督「よし、これで私の訓練は終わりだ。よくこの2ヶ月を耐え切った。正直、途中で転属願いを出してきても何も言うまいと思っていたが、驚きだ。艦娘とは軟弱ものの集まりではなかったことが証明されたな」

曙「……ふん。たいしたこと無いわよ」

提督「その態度はどうかと思うが、まぁいい。いままではクソ提督といえば、罰を与えていたが今後は好きにしろ」

曙「どういうことよ」

提督「私は正直者は好きだ。クソ提督と言いたければ、好きに言え。この訓練を終えたお前だ、実力が伴ったのだから生意気なことも大言壮語も大目に見てやる」

曙「クックック……ざまぁ見なさい、一生、クソ提督って言ってやるわ」

提督「結構。しかし、お前は本当にぶれないな。見習いたいものだ」

曙「そりゃどうも」

提督「なにか欲しい物はあるか。特別褒章だ、私に出来ることなら何でも聞いてやろう」

曙「あんたが一番、大事にしてるものって何よ」

提督「む。恩賜の銀時計だな。私のすべてといってもいい」

曙「なら、それを寄越しなさいよ」

提督「馬鹿を言うな! 陛下から下賜されたものを他人に渡すことなど出来るわけがないだろう!?」

曙「なんでもっていったじゃない」

提督「ぐっ! 私に出来ることといっただろ! これは出来ないことだ!」

曙「はぁ……まさか誇りある海軍軍人がうそつきだったとは思わなかったわ」

提督「なにィ!? 撤回しろ! 私はそのような軽薄な男ではない!」

曙「あっそ、もういいわよ」

提督「ぐ、が、グギギギ!! そこまで言うなら、分か――いや、無理だ! 陛下からの恩賜の品を他人に譲るなど! 陛下に対して申し訳が立たない! 腕の一本や二本であれば……うぐぐぐ!!」

曙「ならその指寄越しなさい」

提督「なに?」

曙「左手の薬指。いらないでしょ? あんたみたいのには永遠に縁が無いでしょうし」

提督「む。本当にそんなものでいいのか? よし、少し待て。 ホルマリンと包丁を持ってくる」

曙「冗談よ、冗談! 本当に切ろうとするんじゃないわよ!?」

提督「む。私も冗談のつもりだったのだが、何をそんなに慌てている?」

曙「はぁ……もういいわ。貸しにしておくから、何かあったら遠慮なく言わせてもらうわ」

提督「? そういうことであれば希望が決まり次第、報告しろ。最後になったが、これをもっていくように」

曙「なによ、これ」

提督「ケーキだ。ワンホール丸々あるからな、七駆の全員で食べろ。祝いだ」

曙「ふん、もらっとくわ」

提督「今後も修練は欠かさないようにしろよ。せっかく、作ったからだと得た知識。さび付かせてはもったいないぞ」

曙「言われなくてもそうするわよ。もう2度と最初のころみたいに死にそうな思いなんかしたくないわ」

提督「なら、結構。本隊合流の辞令は追って下すので、以後は所属艦隊旗艦の指示に従うように」

曙「了解よ」

238: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 17:46:06.02 ID:cLJlcQaV0

 XX13年 12月 キス島近海

提督「ちっ。なかなか時化ないな。旗艦・叢雲応答せよ。そちらの状況を報告しろ」

叢雲『こちら叢雲。目視の範囲では異常なし。ったく、何をイライラしてるのよ、みっともないわね』

提督「時化に乗じて救出作戦を行うのだ。作戦の前提条件がクリアされなければイライラするのも道理だろう。ああ、くそ! 作戦指揮官と輸送船の艦長まで兼任して陸軍の救出作戦を行うとは夢にも思わなかった! まったく、なんだなんだあいつらは! 陸は無能しかいないなら出しゃばって来なければいいものを!」

叢雲『はいはい。分かったわよ。で、本当に時化になるの?』

提督「私の予想では今夜にも大時化になるはずだ。間違いない」

曙『随分な自信ね。お天気キャスターにでも転職したら』

提督「馬鹿なこと言うな! 恩給を受けている身だ、すでに国に一生を尽くすことは決めている」

叢雲『それだけこいつの被害にあう艦娘が増えると思うと涙が出てくるわね』

曙『ああ、確かに』

――3時間後――

ザー、ザー……!!

提督「くっくっく……どうだ! 私の予想は的中したぞ!さぁ、出撃するぞ! 全艦、碇、あげ!」

叢雲『……呆れた。まさか、本当に一発で当てるとは思わなかったわ』

曙『本当にね』

提督「さぁ、キス島に向けて舵を取れ!」


239: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 17:55:18.00 ID:cLJlcQaV0
 XX13年 12月 キス島

曙『ちょっと何やってるのよ! まだ収容作業終わらないの!? とっくに敵は気づかれてるわよ!』

提督「点呼が終わっていないのだ、もう少し待て! ああ、クソ! これだから陸の奴らは――!」

将校「失礼する! 提督殿、全員の退避を確認した!」

提督「――了解! 全艦に告ぐ! キス島より陸軍の総員退避を確認! 全速力で当海域より離脱する!」

叢雲・曙・朝潮・霞・夕立『『『『『『了解!』』』』』』

時雨『……緊急! 時雨、4時方向に敵の部隊を確認したよ!』

提督「編成はどうなっている!」

時雨『軽巡洋艦へ級2隻、軽巡洋艦ト級、駆逐艦ニ級2隻を確認!』

提督「こちらは護衛対象の輸送船を抱えている、まともな戦闘行動は取れない! 各自、回避行動に専念しろ! この時化だ、よほどの悪運でない限りあたることなどないぞ!」

曙『随分と簡単に言ってくれるじゃない! このクソ提督!』

提督「お前たちの練度を信じている! 最後の手段ではあるが私に秘策もある。安心しろ!」

夕立『緊急! 夕立、11時方向に敵を見つけたっぽい! 編成、軽巡洋艦ホ級2隻、駆逐イ級2隻!」

叢雲『チッ!東西から一気に来たわね!』

提督「愚痴を言ってる暇は無いぞ、おそらく奴らは哨戒部隊だ! グズグズしていては包囲部隊の主力まで動き出すかもしれない! 副艦長、すぐに輸送船を出航させろ! 」

曙『あ……!』

提督「どうした!?」

曙『遠目ではあるけど7時の方向に敵水上打撃舞台を確認! 戦艦ル級2隻、重巡洋艦リ級2隻、駆逐艦ハ級2隻!』

提督「ぐっ、包囲されただと!? 敵の連携を甘く見たか! 仕方が無い! 当輸送船を中心に輪形陣を組め! 敵が薄い11時方向から包囲を突破し、迂回しながら主力艦隊との合流を目指す!」

叢雲『そうなると殿は曙ね。醜態さらすんじゃないわよ!』

曙『そっちこそ横っ面を吹っ飛ばされないようにしなさいよ!』

夕立『そんなこより夕立、一番槍っぽい! さぁ、素敵なパーティしましょう!」


240: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 18:07:05.16 ID:cLJlcQaV0
――2時間後――

叢雲『ちょっと! 味形艦隊とはまだ合流できないの!? 『ドーン!』 くっ!』

提督「もう少しで赤城たちが待機しているポイントに到着する! 耐えてくれ!」

時雨『やれやれだね、提督の作戦が読まれていたかな? それにしても追撃がしつこい!』 ドーン!

提督「……」

曙『なに急に黙ってんのよ! 時雨の軽口ぐらい一喝しなさいよ! 気持ち悪い!』

時雨『そうだね。作戦はまだ失敗したわけじゃない、提督、君がそんな調子だと気味が悪いよ』

夕立『すっごい楽しいっぽい! 適当に撃てば敵に当たるなんて最高のパーティっぽい! もっとこっちに来て!』

叢雲『ちょっとあんたの撃ち漏らしはこっちで処理してんだから変なこと言ってんじゃないわよ!』

夕立『魚雷をポーイって感じっぽい! アッハハ……!!』 ドーン!ドーン!

叢雲『……聞いちゃいないわね。馬鹿が楽しそうで何よりよ』

曙『くっ、この――きゃー!?』 ドカーン!!

提督「! 曙、被害を報告せよ!」

曙『たかが主砲と魚雷管と機関部がやられただけよ! 問題ないわ!』

時雨『すごい損害報告が聞こえたけど聞き間違えかな?』」

叢雲『あたしもそう思ったわ』

提督「馬鹿を言っているな! 機関部の出力はどうだ!」

曙『40%まで低下……チッ! ここまでね。意見具申! 駆逐艦・曙、敵追撃部隊の足止めをするわ! 無線はきるから私にかまわずさっさと行きなさい!』

叢雲『……なら殿軍の役目ぐらいは最後まで務めてもらわないと損ね。意見具申よ。朝潮の配置を東に10度修正!』

時雨『うん、仕方ないね。骨は拾えないけど、お経の一つくらいは手向けるよ』

提督「……何を言っている、勝手に話を進めるな! 意見具申は却下する! 副艦長!」

副艦長「は、はい!」

提督「現時点を以って貴様に指揮権を委譲する! 夕立の先導に従って、当海域より離脱せよ!」

副艦長「拝命します! て、提督はどちらへ!?」

提督「曙の救出に向かう! 救命艇の用意をさせろ!」

時雨『意見具申。提督、死ににいくようなものだよ? やめるべきだ』

叢雲『時雨の意見に同意するわ。この時化で小型艇がまともに動かせるわけ無いでしょ!?』

朝潮『……僭越ながら朝潮は司令官の意見を支持します。曙さんを助けられる可能性があるのなら、それにかけるべきです』

叢雲『ちょっと! 無責任なこと言ってんじゃないわよ! いい? 曙一人助けに行って輸送船を撃沈されてみなさいよ! 少しは考えれば分かるでしょ!? 指揮官が現場を離れるとか無能もいいところよ!』

提督「現段階で艦隊指揮官は既に私ではない! 副艦長、頼んだぞ!」

時雨『はぁ……本当に救えないね』

241: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 18:14:11.04 ID:cLJlcQaV0
曙「ぐっ! まだよ! まだ行けるわ!」 ドーン!

イ級「--!?」 ドーン!

曙「ほらほらさっさとかかって来なさい! 前みたいに私のせいで味方が沈んだなんて絶対に言わせないわ! 一隻でも海底に引きずり込んであげる!」

曙(そうはいっても弾薬の残りも少ないし、いつ雷撃されてもおかしくない距離までもう接敵されてるわね……最後の足掻きで特攻するぐらいしかないか……まぁ、私の魚雷管が全部誘発すれば戦艦の1隻ぐらい道ずれに出来るはず)

曙「よし……今度は誰も沈めなかったし、作戦も失敗させなかった。私としては上々だったわね。あとはこいつらを片付けて終わりなら立派な一生だわ――駆逐艦・曙、いざまい――」

?「――! あ――の!」

曙「る!って、えっ?」

提督「曙! 救助に来た! こっちにこい!」

曙「はぁ……最後に見るのがあんたの顔になるなんて最悪ね」

提督「馬鹿を言うな! 早くこちらへ来い! グッ!?」ドーン!

曙「ふん! この時化と砲撃の中でそんなのに二人も乗って逃げ切れるわけ無いじゃない! ちょっとは頭使いなさいよ、このクソ提督!」

提督「やって見なければ分からないだろ!! 最善を尽くさない結果など見る必要も無い! 早く
、こっちへ来い!」

曙「嫌! たとえ大っ嫌いなあんたでも私のせいで死んだら寝覚めが――クッ! このぉ!」

イ級「――!!」 ドーン!

提督「頼む! 早くしろ! この手をつかんでくれ!」

曙「だから、嫌だって言ってんじゃない! あのときの特別褒章を使うわ! あんたは逃げなさ――きゃ!!」 ドカーン!

提督「……クソ! そこまで言うなら最初の願いを聞いてやるから早く来い!」

曙「どういう――って、それ恩師の銀時計!」

提督「お前の命には代えられん! 特別褒章だ、受け取れ!」 ブンッ!

曙「ちょっ!? あぶな!?」 パシッ!

提督「よし! 受け取ったな! 早くしろ!」 ドーン、ドーン

曙「……ああ、もう! 分かったわよ! だけど、あんたが死んでもあたしのせいじゃないわよ!」

提督「安心しろ陸軍ではなく、部下を守って死ねば、それも本望だ! おまけに特進で中将になれるかもしれないぞ! いいこと尽くめだ!」 ドーン、ドーン

248: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 20:13:55.16 ID:cLJlcQaV0
 XX13年 12月 鎮守府 執務室

提督「死ぬかと思った……もう2度とあんな無茶はやらんぞ。クソ! 私たちの提案を蹴って、陸軍が戦線を広げたからこうなったのだ! あいつらはロクなもんじゃない!」

叢雲「はいはい。っていうか、あんたも相当のもんよ。よくあの砲撃の中、生きて帰ってこれたわね」

提督「秘策があるといっただろ。霞を先行させて、本隊をこちらに誘導させていたのだ。まぁ、私の予想よりも遅くなってしまったが、それは今後に活かしていくさ。それに私は仕官学校時代、操船技術も1番だったからな! 艦娘が出現してから、無用の長物であったが芸は身を助けるとはまさにこのことだ! いいか、お前達も余計だと思ったことも積極的に学べ。それが己の身を助けることになるかもしれん」

時雨「それよりもさ、提督が銀時計組だったことに僕は驚いたよ」

提督「む。どういう意味だ?」

時雨「あ、いやぁ、別に他意はないよ」

提督「……ならいい。それよりも、曙、そいつは大事にしてくれよ。私の魂と言っても過言ではない!」

曙「そういわれると壊したくなるわね……」

叢雲「ああ、確かに」

提督「何故だ!?」

霞「クズ司令官だからじゃない」

提督「納得がいかん!」 バタ! バタ!

曙「ああ、もう冗談よ! さすがに菊の御紋が入ったものを壊そうとか思わないわよ! いい大人が顔真っ赤にして地団駄ふむんじゃ無いわよ! 気持ち悪い!」

提督「……はぁ、もういい。疲れた。各自、充分な休養をとるように」

叢雲「了解よ」

霞「あー、もう本当に疲れたわ。東に西って私は小間使いじゃないんだから勘弁して欲しいわ」

朝潮「失礼します!」ビシッ!

夕立「夕立、もうくたくたっぽい……時雨、おぶってぇ」

時雨「駄目だよ、僕も疲れてるんだから。ほら、肩を貸してあげるから」

提督「……む。どうした、曙、お前も退室して良いぞ?」

曙「……別に残ってたっていいじゃない」

提督「それは別にかまわんが」

曙「……今日はその、ありがとう」

提督「ああ。ただな、今後はああいう場面になったらすぐに命令に従うように。少し遅れただけでも命に関わる」

曙「はぁ……普段は動かさないくせに何で動き出すと余計なことまでいうのかしらね、その口は」

提督「?」

曙「まぁ、いいわ。それじゃあ、お休みなさい」

提督「ああ、それではな」



 曙編 艦

251: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 20:28:40.13 ID:cLJlcQaV0
というわけで曙編艦です。
仕事中に投下始めるもんじゃないですね、急に忙しくなったりして投稿時間あきまくってしまいました。
すまぬ、すまぬ……

とりあえず、一航戦の感情度コンマ投げておきます。
赤城さん、たびたび出してるけどさてどうなりますかね(ゲス顔)


提督から赤城への感情度 ↓コンマ以下
赤城から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

提督から加賀への感情度 ↓×3 コンマ以下
加賀から提督への感情度 ↓×4 コンマ以下

赤城から加賀への感情度 ↓×5 コンマ以下
加賀から赤城への感情度 ↓×6 コンマ以下

259: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 20:43:28.77 ID:cLJlcQaV0
これは一航戦のやべぇ方ですわ……さわるもの全て傷つけそう
ちなみに好感度コンマとらない際の好感度は感情度に8掛けして少数一位の繰上げぐらいを1は想定して書いています。

提督から赤城への好感度 ↓ コンマ以下
赤城から提督への好感度 ↓×2 コンマ以下

赤城から加賀への好感度 ↓×3 コンマ以下
加賀から赤城への好感度 ↓×4 コンマ以下


269: ◆idiDHwDMwc 2017/11/03(金) 21:22:57.89 ID:cLJlcQaV0
提督から赤城への感情度:3
赤城から提督への感情度:60

提督から加賀への感情度:32
加賀から提督への感情度:13

赤城から加賀への感情度:38
加賀から赤城への感情度:4


提督から赤城への好感度:39
赤城から提督への好感度:94

赤城から加賀への好感度:13
加賀から赤城への好感度:76

帰ったら一回、各艦娘のコンマまとめてみます。
提督のコンマすごそう(小並)

282: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 18:16:27.10 ID:Bc2t1PIX0
蒼龍「まぁ、霧島さんの話で提督と曙が仲の良い理由は分かりました。それで、提督って以外に体張ってますよね。MI島攻略戦のあとで鎮守府を襲われたときも自分で火の中飛び込んでますし、普段は肉体派ってイメージ全然無いから以外です」

提督「おい、私は軍人だぞ。本来は前線で戦ってしかるべきなのだ。資料整理など本来はしたく無い」

霧島「? 資料整理など事務作業はお得意ではなかったのですか?」

提督「馬鹿をいうな、物事の才能と好悪は必ずしも一致しない。剣林弾雨の中に身をおいてこその軍属であろう? 蒼龍、お前もそう思わないか?」

蒼龍「えぇ……私はそうは思いませんけど」

提督「……まぁ、お前らはそれぐらいでも良い。いざとなれば、この身を盾にしてやる」

霧島「その発言は艦隊司令官としてどうかと」

提督「ふん。だからこそだ、私のような将校を作るのにも莫大な金がかかる。この血肉全て血税で出来ているといっても過言ではない。ならば、国のため……まぁ、貴重な戦力であるお前たちのためになるであろう場面で戦死した方が畳の上で死ぬよりも意義がある」

霧島「しかし、兵隊に代えはいても指揮官に代わりがいないというのが古今の常識かと」

提督「別にこの件ではお前の意見を求めていない。私の個人的な信条だ」

蒼龍「はぁ……提督の決意は固いようですし、そうならないように私たちががんばりますよ。ね、霧島さん?」

霧島「納得はいきませんが仕方ありませんね」

提督「では、今後の作戦を決定する。蒼龍、次の対象であるがなにか提案はあるか?」

蒼龍「私、曙の件で外してますし、霧島さんの意見からのほうがいいんじゃないですか?」

提督「む。では、霧島、お前はどうだ」

霧島「そうですね……加賀さんはどうでしょう? 失礼ですが、加賀さんは提督と似たところがあるように思います」

蒼龍「うーん……それなら私は赤城さんのほうが提督に好印象を抱いていると思いますよ? 加賀さんって口下手なだけで五航戦に熱心に指導したり、人付き合い自体を嫌がるタイプじゃないですし提督とはちょっと違うというか……」

提督「一航戦か……」

蒼龍「あれ? 曙のときと違って乗り気じゃないんですね? 正規空母の中では赤城さんは最古参だし、大規模作戦のたびに加賀さんを運用してるじゃないですか」

提督「実力は信頼している。しかし、加賀とは話が持たないのだ。生意気といってもそれに見合う実力を持ってるので怒鳴りつけるわけにもいかないし、仕事はそれなりにこなすので注意することもない」

蒼龍「……それ話をもたせる手段じゃないって分かってますよね? 欠点探しじゃなくて、長所を褒めるとかにしましょうよ!?」

提督「それは作戦行動のたびに行ってる」

蒼龍「えっ? 記憶に無いんですけど」

提督「なに? 蒼龍、お前の頭はどうなっている? 私はつねづね『素晴らしい搭載数だな』と言っているではないか」

蒼龍「あぁ、なるほど……もう結構です」

提督「?」


283: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 18:19:51.00 ID:Bc2t1PIX0
霧島「まぁ、加賀さんについてはそんな風に思っているとして、赤城さんはどうなんですか? 純粋に強いだけでなく、凛とした姿に憧れている艦娘も多いとききますよ?」

提督「赤城か……正直なところ、赤城ともあいつが着任して以来、作戦行動以外で話をした覚えはほとんど無いな。ニ抗戦とのほうがよく話す」

蒼龍「ちょっ!?」

提督「仕方ないだろ。あいつは口を開けば飯か、戦闘の話だ。それが悪いとは言わんが、正直、大和撫子としてどうかとは思う。加えていえば、あいつと話すとなにか違和感を覚える」

霧島「それはなんというか……」

提督「いや、別におまえたちも軍属だ。食事や戦闘のウェイトが日常のほとんどを占めているのだから、それが間違っているとは言わない。しかし、時折、お前たちの将来を考えると不安になるのも事実だ」

蒼龍「提督がそれ言うんですか?」

提督「どういうことだ」

蒼龍「いやいや、深海棲艦との戦争が終わったら提督みたいなタイプって絶対に閑職に回されますよ」

提督「さっきから聞いていればお前たちは私をなんだと思っているのだ! これでもイスを用意されたことがあるくらいには上層部とはうまくやっている! 私は軍属として一生、安泰だ! まるで人が派閥政治が出来ないように言うな!」

蒼龍「その能力を少しは艦娘との交流に役立ててください……」

提督「ぐっ!?」

霧島「まぁまぁ、それはともかくとして次の目標は一航戦のお二人ということで宜しいでしょうか?」

提督「……あまり気乗りしないが、な」

蒼龍「まぁまぁ、大丈夫ですよ。なんだかんだであの二人も提督のことはわかってるはずです」

霧島「それでは今回は蒼龍さんが提督に同行してください。私よりも一航戦のお二人のことは詳しいでしょうし、サーモン海域攻略の作戦について金剛お姉さまたちと詰めておきたいと思います」

提督「む。確かにそうだな。今朝、連絡したように第一艦隊に満潮を登用することについても話しておけ」

霧島「了解しました」

284: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 18:23:57.64 ID:Bc2t1PIX0
 鎮守府 空母寮 談話室

赤城「なるほど。青葉の新聞は読みましたが、そのような目的での作戦だったのですね。てっきり、提督のいつもの奇行かと思いました」

提督「いつもの奇行とはなんだ! 私はいつも品行方正であろう!」

赤城「冗談ですよ、冗談。そんなに怒らないで下さい」

提督「うぐぐ……!」

加賀「私としてはそれを使うのは出来れば遠慮したいわね」

提督「ふん! 別にかまわんぞ。断るという選択肢が無いわけではない」

赤城「かといって、断れば提督たちの中ではそれなりの数値としてしか判断しないということですよね」

提督「何事も最悪の事態を想定しなければならないからな」

加賀「はぁ……そこまでいわれると断るという選択肢はなさそうですね。赤城さん、どうしますか?」

赤城「ええ、私はかまいませんよ。ただ条件があります」

提督「ん」

赤城「まず写真ですが確認するのは私と蒼龍だけにしてください。次に写真は私に譲渡することを望みます」

加賀「私は確認できないのですか?」

赤城「加賀さんは提督にどう思われていようとあまり関係ないでしょう?」

加賀「……それはそうですが」

提督「……」

赤城「大丈夫ですよ。一航戦の絆を信じてください」

加賀「……赤城さんがそこまでいうのならば私に否やはありません」

赤城「と、私達の意見はまとまりましたがいかがですか?」

提督「別にそれぐらいはかまわない。私としては大まかな状態のみでも判明すれば結構だからな」

赤城「それじゃあ、蒼龍、よろしくお願いしますね。さぁ、提督、こちらへどうぞ」

蒼龍「は、はい! それじゃあ、とりますね」

赤城「あ、ちょっと待って! 提督、駄目ですよ! ちゃんと笑ってください」

提督「何故だ? これはあくまで執務の一環だ。第一、日本男児ともあろうものがヘラヘラと写真など取れるか」

赤城「そういうこと言ってるからとっつきにくく感じちゃうんです。さぁ、これも艦娘と円滑な関係を築く一環だと思って、ね? 蒼龍もそう思うでしょ?」 ニコ

蒼龍「え? そ、そうですよ! 提督、せっかく形に残るんですから、いいものにしましょう!」

提督「むむむ……蒼龍まで言うならば、仕方ない。こ、こうか」ニッゴリ

加賀「……酷い顔ですね」

赤城「ええ、そんな感じです!」

蒼龍・加賀「「!?」」

赤城「さぁ、提督の表情筋がつってしまってもいけませんからね! 蒼龍、早く!」

蒼龍「は、はい!」

 カシャ!


285: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 18:27:15.70 ID:Bc2t1PIX0
蒼龍「あ、出てきましたね……わ、私は見てもいいんですよね?」

赤城「ええ、ただ見たらすぐに私に下さいね」

蒼龍「どれどれ……って、えっ!? こ、これって――」 シュッ!

赤城「はい、もう良いですよね。どうでした、一航戦の強固な絆は」

蒼龍「……はい、勉強になりました」

赤城「さぁ、提督、そろそろ良いでしょう。私達はこれから間宮に用があるので、結果は蒼龍から聞いてください」

提督「? 分かった、蒼龍、行くぞ」

蒼龍「……は、はい」

 バタン!

加賀「疲れました……。どうしても提督と話していると緊張します」

赤城「そうですね」

加賀「……ところで赤城さん、間宮にいくなんて私は知りませんが」

赤城「ええ、そうでしょうね」

加賀「随分、嬉しそうですがなにかこのあとに良い事でも」

赤城「いえ、そんなことはありませんよ? 私は部屋に一旦、戻りますが加賀さんはどうしますか?」

加賀「はぁ、そうですか。私は間宮に行ってから五航戦の練習でも見ようかと思います」

赤城「それは結構なことですね。私も御一緒しますから、間宮で少し待っていてください」

加賀「了解しました」



 鎮守府 空母寮 赤城の部屋

赤城「うふふ……こっそりと提督の写真は撮っていましたが、私も一緒に写真に入れるなんて明石と大淀には感謝ですねぇ」 チョキチョキ

赤城「ああ、でも、これ以上、写真機を使われるのは考え物ではありますね。提督がトラウマになられても困りますし。なにかの拍子に壊れたりしてくれると嬉しいんですけどねぇ」チョキチョキ

赤城「うん、良い感じにできたわ! 大丈夫ですよ、そんな固い笑顔でも私にはあなたの気持ちはちゃんと伝わっていますよ!」

赤城「うふふ……これで私と提督だけ」

赤城「大丈夫、大丈夫ですよ。あなたが本当は私達を大切に思っているのも、それなりに優しいことも私は分かっていますから。ねぇ、私のような艦娘だけなら提督もこんな御心労をしなくて済むと言うのに、まったくわがままな子達だらけで困ってしまいますね」

赤城「さて、間宮に行ってどうしますかね、提督は甘い物は好きだけど滅多に食べないですし、あんまりお話のネタにならないかしら? ああ、確か別の提督が出した艦載機運用論のレポートがありましたね、あれを読んでおきましょう。提督も興味をもってくれるかもしれません」

赤城「……私も将棋でも始めてみようかしら。そうすればもう少し提督とお話できるかもしれないし」



286: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 18:28:32.88 ID:Bc2t1PIX0
 鎮守府 執務室

提督「む。なにか寒気を感じる」

蒼龍「……」

霧島「お二人とも大丈夫ですか? 特に蒼龍さん」

蒼龍「……な、なんでもないです」

提督「で、結果はどうだったのだ」

蒼龍「……赤城さんから提督に対しての数値は高くて、加賀さんは低かったです。おまけで提督は二人に対して低かったです」

霧島「? そうなると蒼龍さんの予想があたりましたね」

提督「うむ。しかし、赤城の結果が良かったのは意外だな。これからはもう少し目を向けてみるとしよう」

蒼龍「あの、提督……もう私、この作戦から降りたいです」

提督「それは許可できん」

蒼龍「はぁ……ですよねぇ。ねぇ、霧島さん、金剛さんが比叡さんのこと本当は嫌ってたらどうします?」

霧島「? 質問の意図がわかりかねますが、それも仕方ないのではないですか。人物の好悪など作戦に響かない限りは個人の自由ですし」

提督「……それだ!」

霧島「……提督は管理職なんですから、そんな言い訳通用しませんよ? それに艦隊運用に支障をきたしているといったのはあなたじゃないですか」

提督「ぐっ!? 」

蒼龍「明日から本当にどんな顔して赤城さんと会えばいいんだろう……」

288: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 18:46:26.04 ID:Bc2t1PIX0
 XX13年 12月 鎮守府談話室

青葉「あ、あのぉ……青葉に何か御用でしょうか?」

赤城「ええ、それよりもまずはそのお菓子を食べてみて? 美味しいわよ、提督もお気に入りのお店のものなの」

加賀「ええ、さっき私も頂いたけど美味しかったわよ」 ポリポリ

青葉「きょ、恐縮です」

赤城「大丈夫、毒なんか入ってませんから」ニコニコ

青葉「は、はい!」

青葉(赤城さんと加賀さんに食べ物もらうなんて、なんかありそうです……)

赤城「まぁ、本題に行きましょうか。明日の鎮守府新聞の見出しどうするつもりですか?」

青葉「へ? 明日は司令官が曙ちゃんをキス島で救ったことについて書こうと――」

赤城「そうですよねぇ……ねぇ、その記事、やめませんか?」

青葉「えぇ!? だ、駄目ですよ! 意外性もありますし、司令官のことは結構、読まれてる感じなんですから!」

赤城「意外性?」

青葉「はい」

赤城「……まぁ、いいです。あなたの言うように提督の記事が読まれるというのも事実でしょう」

青葉「ええ、ええ。良かれ悪しかれ司令官はとがった方ですからねぇ、遠くで見ている分には皆、興味があるわけですよ」

赤城「だからこそ、今回の失態については書かないで欲しいんです」

青葉「失態ですか? 曙ちゃんの件については美談じゃないですか? これを機に司令官の艦隊内での評価も改善されたりするんじゃないですか?」

赤城「いいえ、今回の作戦は珍しく提督の見通しが甘かったから窮地に陥ったのです。それに指揮官が一兵卒を助けに行くなど本来はあってはならないことです。私としてはこの話が美談だとはとても思えません」

加賀「右に同じです。今でも艦隊内の空気が悪いんですから、それを悪化させるようなことは慎むべきです」

青葉「……勝ち戦なんですからそれほど気にすることも無いんじゃないですか?」

加賀「勝ち戦だからこそよ。折角の勝利に提督の失態で水を差す必要も無いでしょ」

赤城「ええ、ええ、加賀さんの言うとおりです。『我々の艦隊はキス島を包囲する敵深海棲艦の艦隊を戦い、駆逐艦・夕立の奮戦により、これを撃滅。陸軍を誰一人かけることなく救出した』。ね、これでいいじゃないですか」

青葉「……それは事実と異なります!」

加賀「事実かどうかは重要ではないわ。艦娘の戦意高揚に繋がるかどうかが大事。違うかしら?」

青葉「そ、そんなことをしてまで艦娘の指揮を鼓舞するほどに戦況は逼迫していません!」

289: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 18:48:02.81 ID:Bc2t1PIX0

赤城「戦況のことはあなたが判断することじゃないでしょ? 私は執務のお手伝いをすることが多いから、あなた以上にこの鎮守府の状態は分かっているつもりよ。資源の備蓄状況、艦娘の配置、今後の作戦行動。あなたはその中のどれか一つでも私以上に詳しいかしら?」

青葉「それとこれとは話が別です!」

赤城「はぁ……私の言うことを今回は聞き入れなさい。何かあった際にはあなたの力になりますから。それとも私達、一航戦が信用できないと?」 ニッコリ

青葉(今、赤城さんの袖から見えたのって九四式……!!)

赤城「ああ、そういえば、艤装を外せば艦娘の耐久は人間と同じという論文が出ていましたね。加賀さんは読みましたか?」

加賀「? いえ、寡聞にして知りませんね。 それより、青葉、どうしました? 随分と顔色が優れませんが」

青葉「は、ハヒッ!? わ、分かりました! 今回の件は書きません!」

赤城「本当ですか? ちゃんと手形を切ってもらわないと信用できませんねぇ」 ニコニコ

青葉「ひ、ひぃぃ…・・・」

加賀「あ、赤城さん、さすがにそこまでしなくても……」

赤城「……加賀さんが言うなら、まぁ、いいでしょう。青葉さん、私達はあなたを信頼していますからね?」

青葉「は、はい……だ、だいじょうぶです! そ、それでは、し、失礼します!!」

 バタン!!

加賀「? 何をあんなに慌ててたのかしら? お菓子もまだあるのに」 ポリポリ

赤城「ええ、そうですねぇ。急用でもあったんじゃないですか?」 ニコニコ

加賀「……しかし、赤城さんの手前、ああは言いましたが、今回の件、青葉にかん口令を敷くほどでしたか?」

赤城「ええ、これ以上、鎮守府の中で不満をためる必要は無いでしょう? 唯一、評価されているであろう提督の作戦指揮の手腕にまで疑問をもたれるのは得策ではありません」

加賀「……まぁ、それはそうですが」

赤城「大丈夫。加賀さん、先任の私の言うことを信じてください。今まで私の行ったことが間違っていたことはなかったでしょ?」

加賀「……分かりました。後のことはお任せします」ポリポリ

赤城「ええ、ええ、そうしてください。大丈夫ですよ、大丈夫」

 一航戦編 艦


292: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 19:44:50.09 ID:Bc2t1PIX0
というわけで一航戦編 艦です。
うまく純愛になったね!(白目)

次、潮編、いきます!

提督から潮への感情度 ↓コンマ以下
潮から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

297: ◆idiDHwDMwc 2017/11/04(土) 19:53:27.28 ID:Bc2t1PIX0
これは曙との関係を知ってるっぽいコンマだけど、潮は魔性の女やからね……提督の明日はどっちだ!

提督から潮への感情度:27
潮から提督への感情度:87

仕事終わり次第、書いていきますので更新は明日を予定やで

309: ◆idiDHwDMwc 2017/11/05(日) 10:42:04.62 ID:7glm02WM0
 鎮守府 中庭

提督「むむむ……やはりバケツが足りないな。大本営より大規模作戦に備えるように言われていたが、サーモン海域の不穏な情勢に気をとられ過ぎた」

提督「蒼龍たちを本日もサーモン海域に出撃させたが、早期に決着をつけねばなるまい。かくなるうえは一日でも早く、大攻勢をかけねば」

曙「ちょっとクソ提督、なに難しい顔してるのよ」

提督「ん? 曙か。何のようだ。私は忙しい、用事が無いなら呼び止めるな」

曙「あー、はいはい、分かりましたよ。べー!だ」

提督「……ふむ。まぁ、お前にも一応、聞いておくか」

曙「なにをよ?」

提督「曙、お前の知っている範囲で私を慕っている艦娘はいるか?」

曙「はぁ? ああ、例の写真の件?」

提督「ああ、一航戦で試してみたがそこのそこの結果を出した。今後は赤城ともう少し交流を深めていこうと思う」

曙「ああ、それはいいんじゃない? 赤城さんなら私も前はトンボ釣りで一緒だったりしたから協力できるとおもうわよ」

提督「む。そうか、やはり食べ物を持って行ったりすればいいのか? 加賀の事はわからんが、赤城はそんなことで喜びそうだ」

曙「? 赤城さんってそんなに食べないでしょ? 確かに資材は消費するけどそれだけじゃない。大食いなクソ提督基準で物事考えるんじゃないわよ」

提督「ハッハッハ……馬鹿をいうな。赤城といえば、戦闘と食事ではないか」

曙「えぇ……ちょっと同意しかねるわ。むしろ食べ物っていえば、加賀さんじゃないの? あの人、いっつも何か食べてるイメージがあるわ。この前も会議中に黙って飴食べてたわよ」

提督「何だと!? 会議中に飲食などもってのほかだ! それはいつの会議だ!」

曙「あ、やば……い、いや、忘れちゃったわ。それに加賀さんじゃなかったかもしれない!」

提督「む。ならばいい。ただし報告は正確にするようにな。お前の報告一つで戦況が大きく変わる場合もあるのだ」

曙「はいはい」

赤城「あら? 提督と曙じゃないですか? そんなところでなにかありましたか?」

提督「む。赤城か。曙に会議中、加賀が飴を食べていたと聞いたのだが、どうやら間違いだったらしい。赤城、お前も報告は正確を期して行うように」

赤城「ええ、気をつけます」

赤城「曙、ありがとうね。加賀さんには後で注意しておくから」ヒソヒソ

曙「あ、いえ、そんな」ヒソヒソ

提督「? 何を二人で話している?」

赤城「いえ、なんでもないですよ? 女の子の秘密話です」

提督「む? ならば、結構」

赤城「ああ、そういえば提督、――提督が出された艦載機の運用論ですがお読みになりましたか?」

提督「読んだが、少し時代遅れだと感じた。あいつは私よりも新任のくせに情けないことだ」

赤城「やはり提督もそう思いましたか、私としてもそのように感じていました。提督があの意見を取り上げられるのであれば、注進をと思いましたけど取り越し苦労でしたね」

提督「はっはっは……!! 甘く見るなよ。これでも歴戦と言ってもいいぐらいには場数をふんできているからな!」

赤城「ええ、ええ、知っていますとも。私も随分とあなたとは一緒にいたんですから。さて、私はこれから五航戦の訓練をみに行きますが、提督はどうしますか?」

提督「む。私はもう少し曙と話があるし、執務もある。遠慮しよう」

赤城「残念ですねぇ。では、私はこれで失礼しますね。曙もさようなら」

曙「あ、どうも……」

提督「ふむ、やはり奴は戦闘に関することばかりだな。もう少しなにか興味のあることはないのか?」

曙「まぁ、それも赤城さんらしいわよね。でもやっぱりあの人は格好いいわね! 出来る女って感じだし、お淑やかだし、本当に憧れるわぁ」

提督「本人に言ってやれ。お前がそういっているんだ、あいつも喜ぶだろう」

曙「そ、そうかしら?」

提督「ああ」

曙「そ、そうしてみるわね!」

310: ◆idiDHwDMwc 2017/11/05(日) 10:49:12.65 ID:7glm02WM0
提督「ああ――それで私の件であるが」

曙「ああ、ごめんなさい。話がそれたわね、それで潮とかはどうなのよ?」

提督「潮か……そうだな。お前は友人が少ないのだから、私の人選ミスだった。すまない」

曙「ちょっ!? 何を失礼なこと言ってるのよ! あんただけには絶対に言われたくないわ!」

提督「……しかしだな、私は慕っているものといったのだ。いくらなんでも潮はないだろう? 疲れているなら明日の任務はほかの艦を手配してやる。休んでおけ」

曙「こ、この!! 人がまじめに話してやってるのに!!」

提督「私も真面目だ。冗談は不評だったから、封印している」

曙「もう知らない! 勝手にしなさい!」

提督「む……そうはいっても潮はないだろ。あのての輩が私と相性が悪いことなど最初から分かりきっているではないか。まったく適当なことばかり言いおってからに!」

?「あ、あれ? 提督、曙ちゃん知りませんか? こっちに来たと思うんですけど」

提督「む。潮か」

潮「は、はい、それで曙ちゃんなんですけど……」

提督「あちらに行ったぞ。まったく、お前からもあいつに生きてるうちに頭を使うようによくよく言っておけ。最近は私の口を無駄に動かすのが趣味なのではないかと思うことがある!」

潮「あ、あはは……」

提督「笑い事ではない! 潮、お前も困ったことがあったらとりつくろうのをやめろ! 不愉快だ」

潮「す、すみません……」

提督「まったく……いいか? 私に言いたいことがあったら意見具申をする旨を伝え、了承の返事を受けてから話せ。そうすれば無理難題で無い限りは話ぐらいは聞いてやる」

潮「! 分かりました。では、意見具申をさせてください」

提督「結構だ」

潮「? えっと話をしてもいいでしょうか?」

提督「はぁ……『結構』というのは『それでよい』という意味と『さっさと話せ』という意味で言っている」

潮「あ、す、すみませんでした。今朝の鎮守府新聞って本当なんですか?」

提督「お前は第七駆の部屋にいただろう。少しは頭を使え。もし誤報であれば、朝から曙を呼び出したりしないだろう?」

潮「ああ、そうですね。曙ちゃん、提督のこと大好きですもんね。提督も曙ちゃんのこと好きですよね?」

提督「ああ、好きだな。少なくとも嫌いではない」

潮「ひゃぁぁぁっ!」キラキラ

提督「……どうした?」

潮「い、いえ、なんでもないです」

提督「む! お前には前から注意をしておこうと思っていたが、話をしているときに目をそらすな。馬鹿者め、私がスターリンだったらシベリア行きだぞ! まったく!」

潮「す、すみません」

提督「いいか? お前の戦果は素晴らしいものだ。私もお前の性能や真面目に任務に取り組んでいる姿勢などは最大限に評価しているつもりだ。だというのに増長しない点も素晴らしい。それに控えめな性格も大和撫子としては良い事だろう。赤城や曙にもそういった点は是非、見習ってもらいたいものだ」

潮「え、えへへ……」

提督「しかしだ! 卑屈であることと恭謙であることは大違いだ! まぁ、水呑み鳥になりたいのならばそれも結構だがな、そうではないだろ? いいか、その撃墜マークが飾りで無いというのであれば誇りを持ちたまえ」

潮「はい! がんばります」

提督「結構……まぁ、駄目もとであるしな。一応、聞いておくか」

潮「?」

311: ◆idiDHwDMwc 2017/11/05(日) 10:52:30.36 ID:7glm02WM0
提督「潮、お前は私のことをどう評価している?」

潮「て、提督のことですか……」

提督「素直に言ってくれて構わんぞ。私もお前にすかれていると思うほどに耄碌しているつもりは無い」

潮「うーん……もし私たちが学校に行っていたら先生って提督みたいなんだろうなぁって思うことはあります」

提督「私が教職者に見えるだと? むむむ……思い当たる節が無いがどうしてだ?」

潮「あ、いえ、なんとなくなので」

提督「まぁいい。お前であれば適当なことは言うまい。で、曙を探していたということはなにか用事があるのか?」

潮「さっき落ち葉はきをしたので、焼き芋をしようって漣ちゃんと話してたんです。だから曙ちゃんもどうかなって」

提督「焼き芋か……ふむ。そういえばこの間、甘藷を大量に仕入れさせたな」

潮「?」

提督「よし! 私から間宮に甘薯を出すように言っておくので手があいている駆逐艦を動員して焼き芋大会を開いてみろ」

潮「えっ?」

提督「いいか? これは作戦行動の一環だと思え。お前のその性格を直すためには荒療治も必要だろう。焼き芋大会であろうが、クリスマス会だろうが何でもいいが何か催し事の主催してみろ。多くの艦娘に声をかけ、統率しなければ成功は望めないからな。良い経験になるだろう」

漣「キタコレ! ねぇ、ご主人様、本当にみんなで焼き芋やっていいんですか!?」

提督「……どこから沸いて出た」

漣「つれないなぁ。潮たんが戻ってこないから様子を見に来たんですー」ブーブー

提督「はぁ……潮、どうだ出来そうか?」

漣「ちょ!? 無視ですか? 放置プレイ?」

提督「今は潮と話している。お前は口をひらかんでよろしい」

潮「……はい! 必ず焼き芋大会成功させます!」

提督「結構だ。それでは上手く出来たら私のところにもいくつか持って来るように」

潮「はい!」

312: ◆idiDHwDMwc 2017/11/05(日) 10:55:46.28 ID:7glm02WM0

 鎮守府 執務室

 コン、コン……

提督「……開いているぞ」

潮「し、失礼します」

提督「良い匂いだ。その様子では上手くいったようで何よりだ」

潮「はい。皆が手伝ってくれたので」

提督「……だからそこを治せといっているのだ。そこまで他の人間に気を使うことはない。かといって、私や加賀のようになってもらっても困るがな」

潮「え、えっと、はい、気をつけます……」

提督「どれどれ……む? 2本か……」

潮「あ、あの、その、ごめんなさい……2本も大きいの食べちゃうと夕ご飯食べれないと思ったんですけど……」

提督「違う、少ないのだ。どうせ曙の奴が2本といったのだろ? 何の嫌がらせだ、まったく! いいか? 今後、食事を作る際は私のところには最低でも3人前は持ってくるように」

潮「えぇ!? そんなに食べるんですか?」

提督「何を驚いている。食事はとれる時にとるのが私の信条だ」

潮「そ、そうなんですか……」

 コンコンコン……

赤城「失礼します。って、あら潮、どうしたの?」

潮「あ、赤城さん! え、えっと、その、て、提督にお芋を……」

赤城「ああ、さっき私達のところにも曙が持ってきてくれましたね。美味しかったですよ」ニコニコ

潮「あ、ありがとうございます!」

提督「赤城、ノックをしたら返事を待ってから入室しろと毎回言っているだろう。お前も正規空母なんだ、少しは駆逐艦の見本となるように行動するように」

赤城「ええ、分かりました。以後、気をつけますね」

提督「……まったくこれで何回目だと思っているのだ」

赤城「ふふ……大丈夫ですよ。今後は気をつけますから」

提督「む。それで?」

赤城「五航戦の子達についてご報告に上がりました。けれど、書類にして後で来たほうがよさそうですね。折角のお芋ですから熱いうちに召し上がって下さい」

提督「おお! それはすまんな。よしよし、なかなかどうして気が利くじゃないか」

赤城「いえいえ、そんなことはありませんよ。んー、そうですねぇ……潮、もう少し提督のほうに寄ってもらえるかしら?」

潮「? こうですか?」

赤城「ええ、そんな感じ。はい、それじゃあ、写真とりますよ」

潮「え? ええ?!」

 カシャッ!

赤城「……あら、可愛い。提督も御覧になりますか?」

313: ◆idiDHwDMwc 2017/11/05(日) 11:00:30.88 ID:7glm02WM0
提督「モグモグ……ゴクン。お前は急に何をするんだ……」

赤城「つれませんねぇ。仲睦まじい指揮官と兵卒の写真を撮っただけじゃないですか」

提督「お前がそんなに写真好きだったとはしらなかったな」

赤城「まぁ、あんまり写真自体に興味はありませんね。そういえば潮は写真好きでしたよね」

潮「あ、はい、昔、私の艦長だった神田中佐がお好きだったので、お休みの日とかは写真とりに出かけてます」

赤城「うんうん、良い事ですね。今度、私にも見せてください」

潮「え、えへへ……はい、頑張って良い写真を撮っておきます」

赤城「じゃあ、私も良い写真をとってみようかしら。もう一枚いきますよ。さぁ、二人とも笑ってください」ニコ

潮「は、はい!」

提督「む」

 カシャッ!

赤城「今度のほうがいいですねぇ。ほら提督も凛々しく写ってますよ?」

提督「世辞は結構」ムシャムシャ

赤城「本当なのになぁ。あっ、それより潮の数値、結構、高めですよ。意外でした」

潮「え、ええ!?」

赤城「良かったですね、提督。こんな可愛い子に良い印象をもたれてるなんて」

提督「モグモグ……そうか」

赤城「? あんまり嬉しそうじゃないですね」

提督「これでも喜んでいる」

赤城「本当ですか? んー、今後のサンプルの為にも提督の喜色満面も撮っておきましょう」

 カシャッ!

提督「お、おい! いきなりカメラに目覚めるな! もういいだろ――」

赤城「提督、ほっぺにお弁当ついてますよ?」

提督「な、何?」

 カシャ!

赤城「隙ありですねぇ」

提督「こ、この……!」

潮「はは……あはは!!」

提督「む」

潮「あ、ご、ごめんなさい。でも、やっぱりこういうのって良いなって思ったんです。今日の焼き芋大会のときも思ったんです、鎮守府の皆が何時もこんな風に仲良くできたら嬉しいなって……」

提督「……そうか」

赤城「ええ、ええ、そうですね。まぁ、それは提督の手腕に掛かっているわけですから頑張ってくださいね」

提督「……ああ、そうだな。安心しろ、私もできる限りの事をする」

潮「はい!」

 潮編 艦

318: ◆idiDHwDMwc 2017/11/05(日) 11:28:11.66 ID:7glm02WM0
あっ……(察し)

羽黒から提督への感情度が10以下ですので好感度コンマです

提督から羽黒への好感度 ↓コンマ以下
羽黒から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

321: ◆idiDHwDMwc 2017/11/05(日) 11:36:20.08 ID:7glm02WM0
上司と部下ならば良い距離感にまとまりましたね。

提督から羽黒への感情度:85 提督から羽黒への好感度:47
羽黒から提督への感情度:09 羽黒から提督への好感度:57

350: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:06:45.06 ID:Jy7BHOVO0

――04:00――

 鎮守府 執務室

 コン!

提督「……入れ」

利根「まったく人使いが荒い奴じゃのぅ。おかげで我輩の玉の肌がボロボロじゃ」

提督「無駄口は結構。首尾はどうだ」

利根「はぁ……最初は乗り気ではなかったようじゃが、おぬしの手紙を見せてやったらすぐに二つ返事で了承したぞ。いったいどんな魔法を使った? あれじゃな、ハブマジックならぬアドミラルマジックというかんじか」

提督「……それはお前が知る必要の無いことだ」

利根「つれないのぉ。まぁ、よい。返事はこれじゃ」

提督「む……予想通りだな。ご苦労だったな、退室してもいいぞ」

利根「で、我輩はあと何度、あちらまでいけばよいのじゃ?」

提督「今回で全ての問題が解消された。今回の任務はここまでだ」

利根「ほぅ……では、後は実働部隊の仕事と言うわけか。では、我輩はゆっくり休ませてもらうとするぞ」

提督「? 何を勘違いしている、お前も作戦当日は大いに働いてもらうからな」

利根「はあぁ? 本当に人使いが荒い奴じゃのぉ! もういい! 寝る!」

提督「そうしてくれ」

351: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:12:20.44 ID:Jy7BHOVO0
――07:00――

 鎮守府 執務室

 コン…コン…

提督「入れ」

羽黒「し、失礼します! 重巡洋艦・羽黒、出頭しました!」

長門「む……これで全員、揃ったか?」

金剛「Hey、テートク、これはなんの集まりですカー? レイテ方面の大規模作戦か怪しいサーモン海域での作戦通達デース?」

龍驤「まぁ、この面子集めたからにはそういうことやろね。まさか皆で焼き芋大会やろうってわけでもないやろ」ケラケラ

赤城「いえいえ、焼き芋も悪いものでもないですよ」

加賀「そうです! 大変、美味しかったです!」

飛龍「そ、そうですね……」

龍驤「なんや、一航戦は焼き芋やってたんか。うちにも持ってきてくれればよかったのに。うちもお芋さんすきやで」

朝潮「? いえ、昨日、駆逐艦たちで――」

長門「――あ。焼き芋の話はやめようじゃないか! 提督の御前だぞ!」

利根「はぁ……寝不足じゃ。眠くてしょうがない」

筑摩「姉さん、もう少しの辛抱ですから」

提督「相変わらず騒がしい奴らだ。いいか、作戦の通達を行う! 静聴!」

 シーン

提督「よし。それではサーモン海域における敵主力殲滅作戦を説明する」

提督「作戦概要は飛龍率いる第一艦隊による大規模な陽動作戦を行い、敵主力をつり出し金剛率いる第二艦隊がこれを叩くという当初の方針に変更は無い」

金剛「で、面子はどうするんデース?」

提督「まだ説明の途中だ! 黙って聞いていろ」

金剛「ハイハイ」

提督「しかし、ニューギニアやニューカレドニア方面より敵増援が向かってくる可能性を考慮し、新たに第3艦隊、第4艦隊を結成し、これに備える。また今作戦は我らだけでなく、他の鎮守府との共同作戦となるので同士討ちには注意するように」

提督「それでは各艦隊の編成を発表する第一艦隊旗艦を飛龍とし、僚艦は蒼龍、雲龍、比叡、満潮、荒潮とする。大いに暴れて敵を混乱させろ! お前達の行動が作戦を左右するのを忘れるなよ」

飛龍「はい! お任せください!」

提督「第二艦隊旗艦は金剛とする。大和・武蔵・長門・赤城・加賀を率いてサーモン海域に展開する敵精鋭部隊を強襲し、これを討て!」

金剛「了解デース」

提督「第三艦隊旗艦は利根とする。第一艦隊のうちもらしと敵増援に挟まれる可能性もある補佐に筑摩・霧島をつけるのでなにごとも相談するように。以下、僚艦は大潮、霞、隼鷹とする」

利根「よし、旗艦の任は任された。筑摩、よろしく頼むぞ」

筑摩「ええ、がんばりましょうね」

提督「第4艦隊であるが、これは他鎮守府の艦隊の補助として設置する。旗艦は羽黒とし、以下、朝潮、潮、曙、龍驤、飛鷹で編成する」

羽黒「はい! 頑張りま――」

龍驤「ちょ、ちょい待ち! そんなん納得いかんわ! うちのが羽黒よりも練度も高いし、艦隊旗艦をつとめた経験もある! 昔ならいざ知らず、艦娘になってからのことを考えれば旗艦はうちのほうがふさわしいはずや! それに羽黒の性格自体が旗艦に向いてるとは思えへん! 再考を意見具申するで!」

羽黒「あ、あぅ……」

352: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:19:13.16 ID:Jy7BHOVO0
提督「変更は無い。これより今月中旬に予定されているレイテ方面における大規模作戦に備える為に戦艦・空母の運用を一時的にではあるが凍結し、重巡洋艦・軽巡洋艦を集中的に運用する。よって艦隊旗艦の経験を積ませる上で、戦果抜群で歴戦の士であるお前と組ませることにした。この件もあって特別に呼び出したのだが、先に述べておくべきだったな」

龍驤「……ほぉう! まぁ、そういうことならうちに否やは無いわ。よっしゃ! 羽黒もなんかあったらうちに相談するんやで? 知恵かしたるからな」

羽黒「は、はい……」

龍驤「よっしゃ! よっしゃ! 久しぶりの戦場や! 赤城や加賀に負けへんように頑張るで!」

赤城「龍驤にそんなに張り切られるとまけるわけにはいきませんねぇ。提督、よく私の活躍を御覧になって下さいね?」

提督「張り切るのは結構だが慢心だけはするなよ。他に異議のあるものはいるか?」

朝潮「はい! よろしいでしょうか、司令官」

提督「結構」

朝潮「はい! それでは失礼します。私と利根さんたちが鎮守府をあけると近海における制海権に問題が発生した場合の対処をいかがするおつもりでしょうか」

提督「敵潜水艦には五十鈴・由良を中心に艦隊を再編する。偵察は二式大艇を秋津島に運用させる予定だ。さらに言えば本作戦は短期決戦を目的とするものだ。予備戦力で充分な防衛・哨戒を行えると考えている」

朝潮「了解しました!」

提督「他はどうだ? ――よし、それでは作戦発動は一週間後とする。各自、準備を怠るなよ!」

一同「了解!」

金剛「さぁて、もういいですカー? Sisterたちとtea party の約束があるんで早く帰りたいデース」

提督「……構わん。羽黒と利根以外は退室しろ」

金剛「Ok。さぁて、陰気くさい顔ともオサラバできてせいせいしマース」 べー!

赤城「……それでは失礼しますね。そんなこといっては駄目ですよ、金剛さん?」

金剛「Ok、Ok。さぁて楽しいTea Party の時間デース。赤城と加賀もどうですカー? スコーンもいっぱい焼いてありますヨー」

赤城「いえ、私達は結構です。ね、加賀さん?」

加賀「え? ……そ、そうですね、遠慮しておきます」

 ワイワイガヤガヤ

提督「はぁ……やっと出て行ったか」

利根「どうした? 金剛と喧嘩でもしたか?」

提督「そんなところだ」

利根「はっはっは……! 艦娘を酷使し過ぎるからそういう目にあうのじゃ! ざまぁないのう」

提督「……ぐっ。で、用件はそれだけか」

利根「うむ! さぁて、それでは我輩も失礼するぞ。どうせ、羽黒に要件があるんじゃろ?」

提督「……よく気がついたな」

羽黒「え、ええ?!」

利根「わからいでか。一人残せば龍驤が不審に思うかもしれんからの、新編艦隊の旗艦を残したんじゃろ?」

提督「話が早くて助かる」

利根「さて、それではもう一眠りしてくるか。どこかの誰かさんが酷使してくれたおかげで疲れたぞ」

提督「結構。無駄口をたたいている暇があるのなら寝ることだな」

利根「はぁ……それはではの。作戦の前じゃ、羽黒も気合を入れておけよ」 ポン

羽黒「は、はい!」

利根「失礼する」

 バタン!

提督「残した理由は分かるか?」

羽黒「わ、わたしが旗艦の経験が浅いからでしょうか?」

提督「違う。はぁ……龍驤の手前、ああいったがお前には期待している。旗艦経験自体は確かに浅いだろうが、戦歴であれば龍驤に劣らないはずだ。……まぁ、あれはあれで悪気はないのだ、大目に見てやってくれ」

羽黒「はい!」

提督「とにかくそれなりに期待はしている。龍驤も頭の回る艦娘だ、協力してことに当たればたいていのことはこなせるはずだ。奮戦を期待する」

羽黒「司令官さんのご期待に沿えるように私も粉骨砕身がんばります!」

353: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:24:36.24 ID:Jy7BHOVO0


 コン、コン

明石「失礼します。ご依頼のあった装備の改修案をまとめてきました」

提督「ああ、ご苦労だったな。毎回、無理をさせて申し訳ないな」

明石「いえいえ、好きでやっていることですから。それよりも随分とお疲れみたいですけど……」

提督「はぁ……ああ、あの写真機のおかげで随分とくたびれた。装備は喋らないというのに艦娘は喋る、私には難儀なものだ」

明石「それを艦娘の私に言うんですか?」

提督「? ああ、いや、そういう意味ではない。艦娘に意思があるのは素晴らしいことだと思うがね、色々と考えさせられることがここ最近は多かったからな」

明石「はぁ」

提督「なんだその生返事は? ふん……色々あったんだ。察しろ」

明石「提督がそこまで仰るんだから、何かがあったということはわかりますけど……まぁ、私も工廠こもってますからねぇ。あんまり人付き合いは得意じゃないので心中お察ししますぐらいしかいえないです」

提督「どれで結構」

明石「そこで羽黒さんとすれ違いましたけど、まさか、あの件ですか? 駄目ですよ、あんまりプレッシャーかけちゃ。彼女には逆効果にならないと思います」

提督「違う! あれは私も未熟だったのだ! さっさと忘れろ」

明石「えぇ! いいじゃないですか、そんなに大きな問題にならなかったんですし」

提督「五月蝿い!!」


354: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:27:05.51 ID:Jy7BHOVO0

 XX13年 9月 鎮守府

叢雲「で、随分と嬉しそうだけど?」

提督「む。そうか分かるか」

叢雲「ええ、嫌だけどこの1週間であんたの顔色もだいぶ分かってきたわ」

提督「それは結構」

叢雲「はぁ……それでどうしたのよ」

提督「新しい重巡洋艦が配属される。国防の要である当鎮守府が評価されている証拠だ」

叢雲「へぇ」

提督「おまけにだ、その重巡洋艦が羽黒だという! 歴戦の武勲艦だ。おそらく武人然とした凛々しい艦娘だろう、期待に胸が高鳴るな!」

叢雲「あんた、それ神通のときも言ってじゃない……」

提督「あれはあれで立派な奴だ。不満は無い」

叢雲「どうだか」

コン…コン…・

提督「む。入れ」

?「し、失礼します」

提督「噂をしていれば影だな」

叢雲「はぁ、不安だわ」

?「? あ、あの……」

提督「……まずは着任の挨拶をしろ!私はお前を知らんぞ」

羽黒「ひゃ!? す、すみません……羽黒です。妙高型重巡洋艦姉妹の末っ子です。あ、あの……ごめんなさい」

提督「結構だ。私が当鎮守府を運営する――だ。お前には期待している、以後、励めよ」

羽黒「は、はい……」

提督「おい、叢雲、本物なのか……? いくらなんでも慎ましやかにすぎんか」ヒソヒソ

叢雲「本人が言うんだからそうなんでしょ」ヒソヒソ

羽黒「あ、あのぉ」

提督「ああ、すまんな。着任して早速だが叢雲の指揮に入って欲しい。当鎮守府は現在、近海の製油所地帯沿岸の海上輸送路の奪還ならびに海上護衛である。詳しいことは先任に衣笠がいるので鎮守府内のことなども、なにか疑問があったらそちらへ聞くように」

羽黒「了解しました」

提督「重ねて言うがお前には期待している。私の期待を裏切らないようにしてくれよ」

羽黒「は、はい……」

提督「気の抜けた返事だな。はぁ……結構だ。叢雲、あとは頼んだ」

叢雲「はい、はい。任せておきなさい」

355: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:30:40.72 ID:Jy7BHOVO0
 XX13年 9月 鎮守府 廊下

叢雲「――ってわけよ。どう鎮守府の中のことについてはわかった?」

羽黒「は、はい! なんとか覚えられました」

叢雲「そう。それなら良いけどうちの司令官はめんどくさいから気をつけなさい。できれば話すときは目を離さないようにして、大声で話しなさい。そうすれば多少は向こうからの印象が良くなるはずよ」

羽黒「はい」

叢雲「だからそれが駄目だって言ってんのよ! はぁ……もういいわ。せいぜい、自分の運の無さを悔やむのね」

羽黒「え?」

叢雲「なんでもないわよ。わたしは執務室に戻らせてもらうから、あとは勝手になさい」

羽黒「え、ちょっと待ってください!」

叢雲「なによ」

羽黒「そのぉ私の部屋は……」

叢雲「ああ、言い忘れてたわね。そこらへんに空いてる部屋があるから勝手に使いなさい」

羽黒「えぇ!? そんなぁ」

叢雲「うるさいわね。私達の部屋は増築中だから少し我慢しなさい。新設された鎮守府だからまだ徴用した建物をそのまま使ってるのよ。 なによ? 文句があるの?」

羽黒「そ、そんなことないです……」

叢雲「いい? 私はあなたの旗艦であってお姉さんでもお母さんでもないの。文句は司令官に直接言いなさい!」

羽黒「あう……」

叢雲「はぁ……こんなのが歴戦の武勲艦なんて眉唾もいいところだわ。じゃあね」

羽黒「ど、どうしよう部屋探さないと……」



――深夜――

 鎮守府 執務室

 クルッポー、クルッポー

提督「む。もうこんな時間か……あと一息とはいえ、連日の作業に疲れてきたな」

提督「いかんな。愚痴が出るなど日本男児として情け無い。珈琲でものんで一息入れるか」

 ガチャ

提督「うっ……だいぶ、冷え込んできたな。まだ暖房を入れるほどではないが、冬に備えて新築の建物には暖房器具はそろえさせなければならん――」

?「へ、へっくしょん!」

提督「む。一体、だれだ。こんな時間までうろついているなど」


356: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:33:21.38 ID:Jy7BHOVO0
  鎮守府 廊下


提督「おい! 消灯時間はとっくに過ぎているぞ! そこで何をしている!」

羽黒「さ、寒い……あ、し、司令官さん」

提督「羽黒か……こんな時間に何をしている早く部屋に戻れ」

羽黒「それが部屋が決められなくて……」

提督「? 空き部屋ならばそこら中にあるだろ。好きに使え」

羽黒「で、でも、誰かが使ってたりすると迷惑かなって思うと……」

提督「下らん。そんなことを気にしていたら歩くのも難儀しそうだな」

羽黒「?」

提督「はぁ……察しの悪い奴だ。歩くたびに花だ、蟻だなどと気にしていそうだと言う意味だ」

羽黒「それは普通なんじゃ……」

提督「底抜けのお人よしだな。もういい。部屋は私のほうで手配してやる。使っていて問題が発生したら私の指示だといっておけ。いいな?」

羽黒「は、はい」

提督「よし。それではこの部屋だ」

羽黒「えぇ!?」

提督「騒々しい奴だ。何か問題があるのか?」

羽黒「そ、そんなことは無いですけど……そんな適当でいいのかなって」

提督「いいに決まってるだろ。どうせ空き部屋だ。ベッドは各部屋に備え付けてある。もういいな、私は行くぞ?」

羽黒「ご、ご迷惑をお掛けしてしまいました」

提督「全くだ。ふん!」

 スタスタ……

羽黒「妙高姉さん、私、ここでやって行けるか不安です……」

357: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:37:04.86 ID:Jy7BHOVO0

 XX13年 10月 鎮守府執務室

提督「叢雲、応答せよ」

叢雲『なによ。作戦は成功したのよ? ちょっとは落ち着きなさい』

提督「今回のMVPだが」

叢雲『羽黒じゃないの。悔しいけど火力が違いすぎるわ。私達じゃ抜けない空母の装甲もきれいに打ち抜いてたわよ』

提督「ふむ。なるほどな。やはり衣笠では少し旧式に過ぎたか……衣笠の近代化改修は今後の課題だな」ブツブツ

叢雲『はぁ……もういいかしら?』

提督「少し待て。製油所から緊急入電が入った……む!? いかん! 全速力を持って海域を離脱しろ!」

叢雲『はぁ? 急にどうしたのよ』

提督「私たちが敵部隊を迎撃した直後に近隣の製油所が襲われた! 私達は囮部隊と交戦していたようだ!」

叢雲『ちょっと待ちなさい! 敵には重巡洋艦もいたのよ!?』

提督「製油所を砲撃した部隊には戦艦も認められた! 敵は製油所を砲撃したのちに追撃に移ったようだ! 残念であるが準備もなしに連戦できる戦力差でない。一旦、退いた上で新たな策を練る」

叢雲『了か――ドーン!――チッ!』 ドーン

叢雲『緊急! 3時の方向に敵影を確認! すでに敵の射程内!』

提督「馬鹿な! ……早すぎる! 製油所を襲ってまだ1時間だぞ!」

叢雲『ぼやいている場合じゃないでしょ! 指示を早くだしなさい!』

提督「チッ! 損害状況ならびに敵編成を報告しろ!」

叢雲『叢雲、小破よ! 他は損害なし! 目視の範囲で戦艦1隻、重雷装巡洋艦1隻、軽巡洋艦1隻、駆逐艦2隻!』

提督「……波が荒いな。速度を活かして撤退するのは小型船が多い状況では愚策か……よし、叢雲を中心に単縦陣を組め、一気に接敵して雷撃戦に持ち込む! 一度目の接触で勝とうと思うな! 敵陣形を突破したのちに反転、一気に敵の背後を突け!」

叢雲『了解! 全艦、私に続きなさい! 一気に敵をぶちやるわよ!』

朝潮・響・夕立・衣笠・羽黒『了解!』

358: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:41:51.19 ID:Jy7BHOVO0

 XX13年 同日 鎮守府 港湾

提督「……」

大淀「なにも提督が外に出て待つ必要がありますか? 皆さんの無事は無線で分かっているんですし……」

提督「羽黒が大破したのは私の責任だ。水上偵察機を積んでいれば、敵の奇襲は防げた」

大淀「はぁ……しかし、それですと火力が不足していた可能性も有るんですよ? 結果論です。さぁ、執務室にお戻りを」

提督「うるさい! そんなことは私の勝手だろ!?」

大淀「チッ」

提督「……クソ。私としたことが本隊と陽動部隊を誤認するとはッ! 確かに敵の戦力を把握できていなかった。解決策はどうする? 水上偵察機の運用? いや、大型電探を重巡洋艦に……」ブツブツ

大淀「はぁ……。あっ! 提督! 皆さん、お帰りです!」

提督「空母の必要性が――む」

叢雲「はぁはぁ……叢雲ほか5隻。敵水上打撃部隊を撃滅。帰還したわ」

提督「ご、ご苦労だった……」

叢雲「……報告は後でもいいかしら? 先に入居させて頂戴」

提督「勿論だ。今回の作戦であるが――」

叢雲「立派な戦闘指揮だったわ。格上の艦隊と連戦して、勝利したことを誇りなさい」

提督「――む。すまないな。羽黒、叢雲、朝潮、まずはお前たちから入渠するように」

羽黒「あ、あの! 私より夕立ちゃんを先に――」

夕立「ちょ、ちょっと待ってほしいっぽい! 私たちを庇って羽黒さんのほうがぼろぼろっぽい……」

羽黒「いいのよ。私はみんなが無事なら。司令官さん、お願いします!」

提督「――クックック。ハッハッハ……!」

大淀「て、提督?」

叢雲「ぶっ壊れたかしらね」

提督「いや、すまなかったな。やはりお前は羽黒だったよ。私の目は随分と節穴だったようだ」

羽黒「え?」

提督「構わない。こちらも予備戦力が無いからな。長時間のドッグ使用は鎮守府にとって問題になる。よし、駆逐隊を優先修理しよう。いいか、お前たち羽黒に感謝しておけよ」

 羽黒編 艦

359: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:46:32.38 ID:Jy7BHOVO0
というわけで羽黒編 艦です。
眠い……明日は早くから会議なので今日はここまでにして寝ます。

とりあえず、弥生のコンマだけ投げておきます。
希望としては明日の明日の昼休みに書いて23時ぐらいに投下したいです……

提督から弥生への感情度 ↓コンマ以下
弥生から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

362: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 02:59:36.59 ID:Jy7BHOVO0
意外と好印象やね

提督から弥生への感情度が90を超えたため好感度コンマ取ります

提督から弥生への好感度 ↓コンマ以下
弥生から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

366: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 03:11:34.31 ID:Jy7BHOVO0
提督から弥生への感情度:91 提督から弥生への好感度:83
弥生から提督への感情度:43 弥生から提督への好感度:67

結構、仲良し!

384: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 23:30:42.02 ID:Jy7BHOVO0
短めコメディ回


 鎮守府 中庭

ワイワイ、ガヤガヤ……ヒソヒソ……

提督(いかんな鎮守府が浮き足立っている。先ほどからすれ違う艦娘の誰もが張りつめたような顔をしている。このままでは作戦行動前にばてることすら予測される。何とかせねばな……はぁ、しかし、ここ最近の騒動で私も疲れてき――) クイ、クイ……

弥生「あの、司令官……」

提督「む。弥生か。何か用か?」

弥生「あ、はい。あの、怒ってます……?」

提督「別に怒っていない」

弥生「そう……ですか」

提督「で、用件は?」

弥生「もっち、あ、いえ、望月から作戦にむけて遠征のスケジュール変わるなら早く教えて欲しいって……」

提督「ああ、遠征も見直さねばならないな。早めに策定するので連絡を待つように伝えてくれ。ふむ、睦月型は連日、遠征に行かせているが何か不満など出ていないか?」

弥生「うっ、うーん……望月が休みたいって言うぐらいで……えっと、他はあんまり」

提督「そうか」

弥生「はい」

提督「……」

弥生「……怒ってます?」

提督「だから怒っていないといっている!」

弥生「やっぱり、おこってるじゃない……ですか」

提督「これは素だ!」

弥生「でも、声がおっきいです」

提督「ぐぬぬぬ……癖なのだ! 私がまだ下士官であったときは失敗したときほど声を大きくしなければ、上官にひどく扱かれた。お前も昔の記憶でそういう思い出があるのではないか?」

弥生「私はあんまり昔のことおぼえてない……です」

提督「む……逆に言えばどんなことは覚えているのだ? 艦娘の記憶という点では非常に気になる」

弥生「えっと、炎とすごい光……爆撃機……沈んでいく睦月と如月……そんな感じです」

提督「……すまなかったな」

弥生「いえ、気にしないで……ください」

提督「まぁ、なんだ、あれだ。今回はまだ轟沈した艦娘はいない」

弥生「……はい」

提督「……」

弥生「あ、あの今度の作戦ですけど……」

提督「そのことについてはお前の心配することではない」

弥生「あ、あの、ありがとう……ございます」

提督「私の言いたいことが過不足無く分かるのはお前ぐらいのものだ。はぁ……ほかの艦娘もお前のように話が早ければ随分と楽ができるのだがな」

弥生「私、あんまり話すの得意じゃないから……最近は司令官の言いたいこと、なんとなく……わかります」

提督「そうか」

弥生「はい」

385: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 23:32:45.44 ID:Jy7BHOVO0

提督「……よし、間宮に行くか」

弥生「え?」

提督「艦娘たちがどうも浮き足立ってしまっている。私ぐらいは普段以上に余裕を見せねばなるまい? 奢ってやるぞ、喜べ」

弥生「えっと、そういうときは普通に誘えばいいんだと思います……それに疲れたなら甘いものはみんなほしくなる……はず」

提督「ぐ!? 何を勘違いしている! これは示威行動と似たようなもので――」

弥生「……かわいいね」

提督「皐月の真似はやめろ! それは日本男児に対して褒める言葉になっていない!」

弥生「えっと、じゃあ……かわいいにゃしい」

提督「言い方の問題ではない! かわいいという言葉が問題だといっているのだ!」

弥生「知って……ます。冗談だから……」

提督「こ、この! 上官をからかうものではない! 私は心が広いから許してやるが、下手をすれば独房入りだぞ!」

弥生「……大丈夫です、大丈夫」

提督「む? そういえばその言い方ははやっているのか?」

弥生「?」

提督「大丈夫というやつだ。最近、駆逐艦がよく言っているのを聞く」

弥生「赤城さんの口癖です……みんな、赤城さん、好きだから」

提督「むむむ……どうしてあいつに関しては私とお前たちの間でそんなに認識の齟齬があるのだ。とてもじゃないが、いたいけな少女が憧れるようなやつには思えん。蒼龍や飛龍を見習うようにしろ」

弥生「? 赤城さん、かっこいいですよ……?」

提督「はぁ……わからんなぁ。まぁ、いい。とにかく、間宮に行くぞ!」

弥生「……はい」

386: ◆idiDHwDMwc 2017/11/07(火) 23:38:23.65 ID:Jy7BHOVO0

 鎮守府 間宮

加賀「美味しいですねぇ……赤城さんには悪いけれど、金剛たちのぱーてぃにいけなかったんです。これぐらいの役得は許してもらいましょう」

瑞鶴「か、加賀さん、も、もう私たちのお給金が……」

加賀「はぁ……これだから五航戦は駄目なのよ。教えを請うて来たのはあなたたちでしょう? 私の貴重な時間を割いてまで練習を見てあげているのよ? 謝礼を提供することなんて当たり前のことでしょ?」

翔鶴「そ、それはそうですが……もう私たちの分を買うお金すら……」

加賀「いい? 何かを人に求めるのであれば、それなりの対価を用意する。当たり前のことよ。第一、まだ未熟者の五航戦に間宮なんて百年早いんです」

瑞鶴「こ、この……! 下手に出てれば調子に乗って……!」

翔鶴「お、抑え――」

提督「邪魔をするぞ! 間宮はいるか!」

加賀「うっ!? ゲッホ!……ゴッホ!?」

翔鶴「か、加賀さん!? 大丈夫ですか!?」

加賀「ぐっ……の、のどに最中の皮が……」

瑞鶴「ぷっ!」

加賀「コ、コロス……!!」

間宮「て、提督、いかがなさいましたか!? あ、あの大規模作戦の際に艦隊へ提供するお菓子の発注でしょうか?」

提督「いや、今回はこいつがぱふぇが食べたいといったのでつれてきたのだ」

弥生「……え?」

提督「そうだな?」

弥生「……はい」

 ザワ……ザワ……!!

間宮「あ、あの、それではそちらのお席にどうぞ」

提督「うむ。随分、久しぶりに来たな。何かおすすめはあるか?」

間宮「え、えっと、それでしたら伊良湖ちゃんの最中が――」

提督「最中は駄目だ」

間宮「え?」

提督「最中は、なんだ、あれだ……うむ」

弥生「司令官は間宮さんのお菓子がいいって……言ってます」

提督「いってない! あれだ、私は抹茶を使ったものをだな……」

間宮「は、はぁ……で、では、弥生ちゃんのご希望通り、パフェはどうでしょう? 抹茶パフェでしたらすぐにご用意できますよ」

提督「む……弥生、お前はどう思う」

弥生「弥生はなんでも……いいです」

提督「だ、そうだ」

間宮「え?」

提督「察しの悪いやつだ……その抹茶ぱふぇとやらを二つ! 早急に用意するように!」

間宮「は、はい!」

提督「はぁ……疲れた」

弥生「甘いものが好きなら……どうどうと頼めばいいじゃないですか」

提督「はっはっは……なにを言っている! 別に私は甘いものなど好きではない! 栄えある帝国軍人がそんなご婦人方のようにだな――」ブツブツ

弥生「ふ、ふふ……やっぱりかわいい」

提督「なんだ?」

弥生「いえ……別に」

 弥生編 艦

395: ◆idiDHwDMwc 2017/11/08(水) 00:03:05.23 ID:ZjgaMCA10
提督から伊58への感情度:51
伊58から提督への感情度:44

数字は不吉だけど、ブラックか悩む数字やね……

とりあえず、短いけど今日はここまでの予定です。
あと明後日から1週間出張なので更新速度がガクッと落ちます。17日以降は1日1隻のペースで出来ればと思います。

明日は15時ぐらいに一旦、仕事空きそうなのでそこで58編投下して、深夜に不知火できればやりたいと思います。

今後の艦娘
58→不知火→グラーフ→長門→神通→ビスマルク→朝潮→由良→あきつ丸→木曽→大井&北上→球磨

404: ◆idiDHwDMwc 2017/11/08(水) 15:35:44.27 ID:ZjgaMCA10

 鎮守府 執務室

蒼龍「あれ? 提督、ごきげんですね」

提督「そんなことはないぞ」

蒼龍「またまたぁ。顔に出てますよ」

提督「しつこい! そんなはずは無い!」

蒼龍「うふふ……」

提督「なんだその笑い方は」

蒼龍「なんでもないですヨー。それよりも提督、この間の写真機の件で思ったんですけど、もう少し提督も艦娘に対してフレンドリーな感じで接したらどうですか?」

提督「いきなりなんだ」

蒼龍「赤城さんなんか感情度もそこそこ良かったし、好感度なんかもう凄かったんですよ! それなのに提督は事務的なことばっかり言ってるじゃないですか! それがいけないんです!」

提督「知らんな」

蒼龍「はぁ……折角、やる気出したんですからもうちょっと考え方を変えてみましょ?」

提督「う、うぐぐ……しかしだな、こういう考え方もあるでは――」

 コンコン、コンコン……

提督「ちっ……入れ」

58「失礼するでち。今日のオリョール海域の調査報告にきたでち」

提督「今回の報告は伊号第五十八潜水艦か。よし報告を聞こう」

58「といっても特に変わったことは無かったでち。いつもみたいに補給基地へ預かった燃料・弾薬を運び込んで、敵の輸送部隊にちょっかいをかけただけでち。てーとく、これ本当に意味あるんでちか? 毎日、毎日、ゴーヤはオリョールの海に出かけてやんなっちゃうでち」

405: ◆idiDHwDMwc 2017/11/08(水) 15:39:11.58 ID:ZjgaMCA10
提督「馬鹿を言うな。そういった地道な戦果の積み重ねが中長期的にはモノをいうのだ。加えてレイテ方面で大規模作戦が予定されている。前線であるオリョールに資材を運び込んでおくのは戦略的に大きな意義がある」

58「はぁ……まぁ、お仕事でち。仕方ないと思って我慢するでち」

提督「当たり前だ。軍属が仕事をえり好みできると思うなよ」

58「はいはい」

蒼龍「あはは……それでもやっぱり潜水艦の子達はすごいですね! 私達の出撃先の基地にも資材を運んでくれてたなんて縁の下の力持ちです!」

提督「? ああ、そういえばお前は潜水艦が好きだったな」

蒼龍「はい! 今度、生まれ変わるなら潜水艦がいいです!」

58「ほえー、蒼龍さんは変わってるでちね。普通は花形の空母からゴーヤ達みたいな潜水艦になりたいなんて思わないでち」

提督「確かにな。私も艦娘になれるのならば潜水艦よりも空母がいい。なにか理由でもあるのか?」

58「それを潜水艦のごーやの前でいうんでちか!?」

提督「何を驚いている。当たり前であろう」

蒼龍「あ、あはは……理由ですか? うーん、海の中を自由に泳ぎまわりたいっていうのもあるんですけど、やっぱりミッドウェーの時に一矢むくいてくれたからっていうのが大きいんじゃないですか?」

58「ああ、なるほど。あの時はイムヤが頑張ったからね! 潜水艦のすごさが分かるのも無理も無いでち!」

提督「自分のことのように言うな、まったくたわけたやつだ。大体、その口癖はどうにかならんのか? でちでちいいおってからにでち公とでも呼んでやろうか?」

58「ちょっ!? ひどいでち! 潜水艦のいいところを知ってもらえてるから喜んでただけなのに、なんでそこまで言うんでち?!」

提督「? なんだ不満か? この雰囲気ならと私なりに親しく振舞ったつもりだったのだが、作戦失敗ではないか蒼龍!」

58「当たり前でち! いきなり意味不明なことをするのはやめてくだち……」

蒼龍「あ、あはは……提督に期待した私が馬鹿でした」

406: ◆idiDHwDMwc 2017/11/08(水) 15:41:09.16 ID:ZjgaMCA10
提督「おい! どういう意味だ! はぁ……まぁ、いい」

58「なにがいいのかさっぱりでち……でもでも、蒼龍さんにはもっと潜水艦のいいところを知って欲しいでち! 海のなかはとっても綺麗なところもあるんだよ!」

提督「ああ、確かにな。私も昔は訓練でよく泳がされたものだが、心を奪われるような一瞬と言うのは確かに存在した」

蒼龍「へぇー。いいなぁ、私も今度、もぐってみようかな。泳ぎ方はゴーヤちゃんが教えてくれる?」

58「もちろんでち!」

提督「それは訓練の一環にもなるし、結構なことだ。ただあまり熱中するなよ? 海女にでもなられたら我が鎮守府には大損害だからな! はっはっは……!!」

蒼龍「……」

58「提督、頭大丈夫?」

提督「なぜだ!? 軽口の一つでも言ってフレンドリーにしているだけではないか! もういい! 今後は絶対にこんな間抜けは演じないからな!」

蒼龍「ほんとうになんというか、不器用な人ですよね……」

提督「そんなことはない! 指先には自信が――」

58「やめるんじゃなかったんでちか?}

提督「――うぐ!?」

58「壊滅的にセンスが無いことをするからそういうことになるんでち」

蒼龍「まぁまぁ、提督も頑張ってくれたわけだし、そこまでにしておいてあげて」

提督「……もういい。写真を撮ってくれ」

蒼龍「突然どうしたんですか?」

提督「普段の私でどの程度の数値が出るのかだけでも確認しておきたい。伊号第五十八潜水艦、お前も構わないか?」

58「別にいいけど。提督のこといい上司ぐらいにしか思ってないからいい結果は期待しないで欲しいでち」

提督「それで結構! 上司として認めていれば私は1だろうが2だろうが構わん!」

58「えぇ……ハードル低すぎない?」

提督「黙れ! 蒼龍、さっさとやってくれ」

蒼龍「はぁ……全く仕方が無いんですから。それじゃあいきますよー。1、2、3、ハイ!」

 カシャッ!


408: ◆idiDHwDMwc 2017/11/08(水) 15:46:23.96 ID:ZjgaMCA10
提督「ふむ……結果はどうだ?」

58「ちょっとのぞかせてもらうでち。うわぁ、案外、普通の数字でちょっとびっくりでち」

提督「どういう意味だ?」

58「いや、提督のことだから潜水艦なんか通商破壊のコマぐらいにしか思ってないと思ったんだけど案外、ゴーヤにも興味があってビックリでち」

提督「ああ、お前のことは艦艇時代のインディアナポリス撃沈も含めて大いに評価しているからな」

58「ほえー、提督、ゴーヤのこと案外、知ってるんでちね」

提督「頭が痛くなる……私は軍人だぞ! 知っているに決まっているだろ!?」

58「でも、艦娘になってからの性格とかは全然知らないでしょ?」

提督「それはそうだが……」

58「それって軍人と言うか管理職としてダメダメってことでち」

提督「お、お、お前という奴は――! ぐぐぐ……」

蒼龍「まぁまぁ、二人の数値もそんなに悪くないんだし、これからお互いのことを知っていけばいいじゃないですか?」

58「まぁ、それもそうでちね。始めの一歩はゴーヤのことはゴーヤって呼ぶことからでち」

提督「却下だ。伊号第五十八潜水艦でいいではないか」

58「それだと可愛くないでち」

提督「艦名を可愛いとか可愛くないなどふざけているのか?」

58「そんなつもりないでち。だけど、長いし分かりにくいから呼ばれるならゴーヤのがいいでち! 正式な名前もゴーヤにして欲しいぐらいでち」

提督「そんなもの通るわけが無い! 無理だ!無理だ! 伊号第五十八潜水艦! 素晴らしい艦名ではないか! 私は死ぬまで変えないからな!」

58「あー、もう! このわからずや! いいから、ゴーヤって呼ぶでち!」

提督「断る!」

 ギャー、ギャー……!!

蒼龍「あ、あはは……本当に大丈夫なのかなぁ?」

 伊号第五十八潜水艦編 艦

411: ◆idiDHwDMwc 2017/11/08(水) 16:36:36.00 ID:ZjgaMCA10
呼ばれて少しあけてました。
ゴーヤ編 艦です。レイテ突入前にして、オリョールは大事。

加賀さんに関しては赤城さんが背負うはずだったコメディ成分を一身に受けてもらったから、しょうがないね。
餌付けのレスとAAみて電流が走ったんや……

というわけで不知火のコンマ投げます。

提督から不知火への感情度 ↓コンマ以下
不知火から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

415: ◆idiDHwDMwc 2017/11/08(水) 16:43:24.98 ID:ZjgaMCA10
提督から不知火への感情度:74
不知火から提督への感情度:75

427: ◆idiDHwDMwc 2017/11/09(木) 01:24:10.57 ID:UrhBXaLH0

 鎮守府 執務室

提督「疲れた……蒼龍、お前も一緒になって私をからかうんじゃない。どうして、婦女子はああも姦しいのだ」

蒼龍「いや、そういうつもりでは――」

提督「結果はそうなっている。まだ昼だというのにそうそうに疲れてしまったぞ」

蒼龍「はぁ……申し訳ありません」

提督「まぁ、いい。お前には少し話していたが秘書官の件だ。2日ほど考えた結果、大淀は更迭する」

蒼龍「ええ!? 本気ですか!?」

提督「当たり前だ。お互いに苦労して作業をしても効率を落とす。関係の改善にはそれなりの時間を要するだろう。大規模な連戦を控えている当鎮守府にそんな余裕は無い」

蒼龍「……作戦が終わった後に話し合いの機会をとるおつもりはあるんですよね?」

提督「それはもちろんだ。ただ時が今ではないというだけのことだ」

蒼龍「け、けど、大淀さんは特務艦ですし、大本営との連絡も――」

提督「はっ! MI作戦時に本土奇襲を行われた際に裏切り者の可能性を指摘されている! そんな状況下で艦娘個人に大本営との連絡を一手に任せるなど無能の極みだ! 私はすでにあいつを通さずとも大本営と連動して作戦行動を起こせる。最悪、いなくなったとしても鎮守府運営に支障はきたさない」

蒼龍「……」

提督「なにをだまっている? 私は全てに備える義務がある。たとえ部下になんと言われようともだ」

蒼龍「はぁ……この件に関しては私のほうが折れます。だけど、気軽にいなくなるなんて言うものじゃないですよ?」

提督「……む。確かにな、軽率だった」

蒼龍「気をつけてくださいよ? で、次の秘書官の候補ですけど提督の中では案はあるんですか?」

提督「ああ。まずはニ航戦を考えたがこれから資材の備蓄に入る我らにとって、お前たちは雲龍型とともに航空戦の要とするので外したが問題はあるか?」

蒼龍「いえ、私たちもこの時期は赤城さんたちのお鉢が回ってきますし、異議は無いです」

提督「よし。次に霧島であるが、これは既に作戦参謀のような役割を持っている。これ以上に職責を与えることはあいつの性格を考えると不安がある」

蒼龍「ああ、霧島さん、ちょっとそそっかしいところありますからね。仕方ないと思いますよ?」

提督「ほかに思いついた艦娘だが弥生や朝潮はまだ幼く見えて外部の人間が見た際に不信感を与える恐れがあるので却下したい。そうして消去法で選んでいくと残念ながら赤城という結果が出た」

蒼龍「あ、赤城さんですか……い、いいんじゃないですか?」

提督「む。お前がそういうのであれば明日にでも辞令を下すことにしよ――」

 バン!

弥生「た、大変……!」

提督「む!? なにがあった!」

弥生「け、喧嘩です……はぁはぁ……陽炎型と朝潮型で……」

提督「な、なに!? 場所はどこだ!」

弥生「しょ、食堂……です」

提督「大規模作戦前になんと無様な!! 蒼龍、食堂に急行するぞ! 弥生は一旦、休んでいていい!」

蒼龍「は、はい!!」


428: ◆idiDHwDMwc 2017/11/09(木) 01:26:26.83 ID:UrhBXaLH0
 鎮守府 食堂

不知火「もう一度言ってみなさい」

満潮「はっ! なんどだって言ってやるわよ! あんなのただの欲ボケじゃない! イスを磨くのにご執心で艦娘なんかこれっぽちも信用してないのよ」

不知火「いいでしょう。売られた喧嘩は買います」

陽炎「ちょ、ちょっと! 何言ってんのよ! 私闘は厳罰の対象よ!?」

黒潮「せ、せや! 不知火、抑えてや!」

朝潮「……これはどうすればいいのでしょうか?」

霞「ちょっと! 固まってないであんたも満潮止めるの手伝いなさいよ!」

――

 鎮守府 食堂二階

金剛「Hey! なんの騒ぎデース?」

赤城「ああ、金剛さん、こんにちわ。吹き抜けから下を見ればすぐに分かりますけど駆逐艦の喧嘩ですよ。仕方ない子達ですねぇ、本当に」

榛名「あ、あの赤城さん、止めないんですか?」

赤城「私が? ……ああ、今行くのは得策ではないですからね。最後に残った子をのして提督に報告すれば済むことですよ」

金剛「Oh! 流石は赤城ね、Coolデース。でも大丈夫ですカー?」

加賀「そ、そうです! け、けが人が出る恐れも――」オロオロ

赤城「私たちは軍属ですよ? それも罰のひとつです。ふふ……第一、それぐらいで大怪我するのでは戦場に出てしまえば木っ端微塵ですよ。まぁ、大丈夫ですよ、大丈夫」

瑞鶴「ちょ、ちょっと赤城さん、それは流石に――」

赤城「なにか間違いでも?」ニコ

瑞鶴「!? あ、いえ。なんでもないです……」

赤城「少しは痛い目にあってもらいましょうね、うふふ……」

――

不知火「それ以上の司令への暴言は許しません。即刻撤回しなさい」

満潮「はっきりしないわねぇ! 言えっていったり撤回しろっていったり、あの間抜けにそっくりだわ!」

不知火「――排除します」

黒潮「わぁー! 止めや! ちょ、ちょっとそこの綾波型もみとらんで助けてや!」

曙「なんで私がそんなことに加わらなきゃいけないのよ。いやよ」

潮「あ、あわわわ……」

陽炎「ああ! 使えない! 落ち着きなさい! どうどう!」

不知火「陽炎も喧嘩を売ってるのなら言い値で買いましょう」

陽炎「えぇ!? なんで!?」

黒潮「……今のは陽炎が悪いわぁ。ちょ!? ちょい待ち――」

 バーン!!

提督「なにを騒いでいる馬鹿者ども!! 総員傾注!!」

 シーン――


429: ◆idiDHwDMwc 2017/11/09(木) 01:32:43.90 ID:UrhBXaLH0
――

提督『なにを騒いでいる馬鹿者ども!! 総員傾注!!』

赤城「……あら、到着が予想より早かったですね。誰か駆け込んだ子がいましたか、これは失敗しましたね」

翔鶴「あ、赤城さん、どちらへ……?」

赤城「作戦失敗です。さぁ、さっさと出て行かないと巻き込まれますよ?」

瑞鶴・榛名「「……え?」」

金剛「Why? 説明してくだサーイ!」

赤城「はぁ……さっさと出て行かないと今まで止めなかった私たちまで雷が落ちそうだということですよ。事後であればなんとでもいえますが、現場を見られてはそううまくはいかないでしょうし」

加賀「あ、あのまだ昼食が――」

赤城「では、加賀さんはお一人でどうぞ。私はさっさと避難させてもらいますよ。瑞鶴、翔鶴はついてきなさい」

瑞鶴「は、はい……」

加賀「ちょ、ちょっと待ってくださ―― ゴックン! うっ! うぐぐぐ……い、息が……!」

翔鶴「か、加賀さん!? お、お茶をすぐにお持ちします!」

赤城「はぁ……残念ですねぇ。どうせ今回も大したお咎めなしでしょうし……さて、どうしましょうか? まぁ、大丈夫でしょう……うん、大丈夫、大丈夫」

――

430: ◆idiDHwDMwc 2017/11/09(木) 01:36:40.23 ID:UrhBXaLH0

提督「で? これはなんの騒ぎだ!! 朝潮、説明しろ!」

朝潮「あ、あの、これはなんといいますか……申し訳ありません」

提督「鎮守府でも一、二を争う古参兵がこれとは情けない!! もういい! 説明も出来ない口ならいっそ縫い付けておけ! そうすればお前に話すことなど期待しない!!」

朝潮「も、申し訳ありません」

提督「陽炎!!」

陽炎「は、はひ……」

提督「お前はまともに口の動く無能か!?」

陽炎「は、はいぃ!! 説明させていただきます!」

提督「結構」

陽炎「満潮が司令への暴言を吐きましたので――あ、あわわ……」

提督「早くしろ!! お前の口は普段はよく動くくせに有事の際はまったく動かんのか!!」

陽炎「す、すみません……そ、それを不知火が聞きとがめて私闘に及ぼうとしましたので私たちで止めようとしていました!!」

提督「……不知火、満潮、間違いは無いか?」

不知火「……間違いありません」

満潮「ええ、そのとおりよ」

蒼龍「ちょ!? 満潮、それは本と――」

提督「うるさい!! 朝潮、陽炎の両名には、こういったことが起こらないようにしっかりと姉妹艦を統率するよう命じておいたはずだ!! なにかいいぶんはあるか?」

陽炎「い、いえ……」

朝潮「……」

提督「では連座して鎮守府外周10周と外出不許可3ヶ月だ」

陽炎・朝潮「「は、はい……」」

提督「なにをぼさっと突っ立ている! さっさと行け!!」

陽炎「は、はい!!」

朝潮「……」ビシッ!!

431: ◆idiDHwDMwc 2017/11/09(木) 01:40:20.95 ID:UrhBXaLH0

提督「黒潮、霞、お前たち両名も制止はしようとしたのだな?」

霞「……そうね」

黒潮「あわわ……」

提督「結構。それでは外周の連座は除いてやる。陽炎型ならびに朝潮型は全て3ヶ月外出を禁じる!」

黒潮「……あ、え、それはちょ――」

提督「黒潮、お前も外周を5周だ」

黒潮「え? いやいや、ちょっと待って――」

提督「10周だ!」

黒潮「……不知火、うらむで」

提督「早く行け!」

黒潮「は、はいぃぃ!」

提督「はぁ……満潮、お前には今度の作戦参加も認められて期待していたが残念だ」

満潮「はぁ!? ちょ、ちょっと今更編成いじるつもり!?」

提督「……他鎮守府や大本営へすでに報告済みであるので残念ではあるが編成は変えない。しかし、独房で少しは頭を冷やせ!! 馬鹿者が!!」

満潮「……」

提督「不知火、お前もだ。一日独房へ入れ」

不知火「……了解しました」

提督「結構。蒼龍、あとは任せたぞ」

蒼龍「は、はい……」

 ざわ、ざわ……

提督「む! 何を見ている! 本来は止めなかったお前らも同罪であることを忘れるなよ!!」

 シーン……

提督「……ふん! 気分が悪い!」

 バターン!!


432: ◆idiDHwDMwc 2017/11/09(木) 01:47:04.63 ID:UrhBXaLH0

 鎮守府 執務室前廊下

赤城「あら提督? 随分とお顔の色が優れませんが、どうかしましたか?」

提督「……赤城か。お前こそ、こんなところでどうした」

赤城「いえ、先ほどまで資料に目を通していましたので、これから食事に行こうかと思っていたところです」

提督「そうか……ひょっとすればお前がいてくれればあんなことにもならなかったのかもしれないな。不思議なことにお前は駆逐艦に人気がある」

赤城「まぁ、護衛対象ですからね。悪いところは見せないようにがんばっているつもりですよ? それよりも『あんなこと』とは何かあったんですか?」

提督「……未遂ではあるが駆逐艦の間で私闘があった。この大事な時期に大きな処分は避けたいがやむをえない」

赤城「重い処分ですか?」

提督「主犯は1日独房入りに3ヶ月の謹慎だ。謹慎については姉妹間にも連座させる」

赤城「はぁ……重い処分とは解体の後に軍法会議へ送ることをいうんですよ? その程度であれば悩むことはありません。大丈夫ですよ、大丈夫」

提督「……そうか。私も未遂であるのに、すこし今回は厳しくしすぎたかと思ったが」

赤城「駆逐艦といっても艦娘ですから下手な気の使い方をしては矜持を傷つけるだけですよ?」

提督「確かに……な。すまなかった、お前の言うとおりだ」

赤城「いえ、おきなさらず。それとこういうことはしっかりと本人たちの主張を聞いて、再発防止に努めなければいけませんよ?」

提督「ああ、肝に銘じておこう。明日、出牢した二人に改めて聴取を行う」

赤城「ええ、ええ、そうしてください」

提督「ふむ……赤城、正式な書類はあとになってしまうが本日付けをもって秘書官の辞令を下す」

赤城「……ええ、ええ、大丈夫ですよ。喜んで拝命しましょう」ニッコリ

 不知火編 前編 艦


次回 【コンマ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 後編