とりあえずお品書きの更新です。
抜け番は現在、選択中です。

 おしながき

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室(弥生、神通)
3、赤城日記(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(曙)
6、
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ(提督、グラーフ・過去)
8、あきつ丸VS提督(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅(加賀)
11、霞の不覚(霞・過去)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光を(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃に(五十鈴・過去)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私(山風)←NEW
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)←NEW
24、空谷の跫音(鈴谷)←NEW
その他、新艦好感度コンマ(記名)

【未開放】
ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
初期艦はなんでもしってる【叢雲の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
特務艦【間宮の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【雲龍型・大鳳の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
降涙恋慕【二部完結で開放】
胡蝶乱舞【二部完結で開放】
萩風提督観察記【川内の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・l国後・占守の感情度コンマで開放】
あの航路へと【飛鷹の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】←NEW


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引用元: 【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 二隻目【安価・コンマ】 



500: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:09:52.86 ID:Cw8OE4vE0


 鎮守府 重巡洋艦寮 廊下

蒼龍「ちょ、ちょっと、提督、そんなに急いでどちらにいかれるんですか?」

提督「安心して写真を撮れる艦娘の元にだ!」

蒼龍「うぅ……不安だなぁ……」

提督「大丈夫だ! 今回は絶対の自信がある!」

?「? 提督と蒼龍さん、こんな場所でいかがしましたか?」

提督「ん? 神通か、お前こそどうしてここにいる?」

神通「はっ! 少しこちらの艦娘にようがありましたのでその帰りです」ビシッ!

提督「そうか、ご苦労」ビシッ!

神通「それで提督はどのようなご用件で?」

提督「作戦行動中だ」

神通「? ああ、それで蒼龍さんがついているわけですか。ふふ……ご武運を」

提督「すまんな。それでは行くぞ、蒼龍」

蒼龍「はぁ……本当にこれでひどい数字でたらどうしよう……」

神通「……うふ」

蒼龍「え? 神通、どうかしたの?」

神通「いえ、なんでもありません」

蒼龍「そう?」

提督「おい、何をしている! 早くしろ!」

蒼龍「あ、はい! それじゃあ、また今度」

神通「ええ。ふふ……」

501: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:16:59.58 ID:Cw8OE4vE0


 鎮守府 重巡洋艦寮 鈴谷・熊野の部屋

コン! コン!

鈴谷「はーい、今、あけまーす!」

ガチャ

提督「食事前にすまんな」

鈴谷「お! やっぱり提督じゃーん!」

提督「む? わかったのか?」

鈴谷「ノックの仕方で分かるって! さ、熊野居ないし、入って、入って!」

蒼龍「あ、あの私もいるんだけど大丈夫……?」

鈴谷「あ、ごめんなさい、蒼龍さんもどうぞ!」

蒼龍「え?」

鈴谷「どうしました?」

蒼龍「あ、いや、なんでもないよ。勘違いだと思うから、ごめんね?」

鈴谷「?」

提督「スンスン……お前、このあいだ買ってやった香焚いていたのか」

鈴谷「うん! ありがとね! やっぱ女の子の部屋はいいにおいしてたほうがいいっしょ?」

提督「まぁ、そうだな」

蒼龍「は? なんで?」

提督「どうした」

蒼龍「あ、いや、なんでもないです……」

鈴谷「ねぇ、この間、非番だったんでしょ?」

提督「そうだな」

鈴谷「ちぇ、何で教えてくれなかったのー。どっか連れて行ってくれればよかったのにぃ」

提督「何分、急なことだったからな。すまん」

鈴谷「んー、じゃあ、今度はどっか連れてってね」

提督「考えておく」

鈴谷「えー? 連れてってよ!」

提督「あ、いや、行く場所を考えておくと言いたかったのだ」

鈴谷「マジ! やりぃ! 提督、スキーとかウィンタースポーツ好きだったでしょ? いい機会だし教えてよ」

提督「教えるのは構わんが、スキーだと泊りがけになるだろ。今は無理だな」

鈴谷「んー、分かった。じゃあ、この戦争が終わったら絶対だよ?」

提督「分かった、分かった」

蒼龍「――」ゼック

提督「さて、鈴谷、これを見てほしい」

鈴谷「カメラじゃん? どったの?」

503: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:21:40.40 ID:Cw8OE4vE0

提督「……お前、青葉の新聞を読んでないのか?」

鈴谷「ああ、あれね! 熊野から聞いたよ。でも、鈴谷との数字、計ってもしょうがないじゃん? 分かってるでしょ?」

提督「まぁ、あれだ……色々とあったのだ……。ここは一つ安心材料がほしい。なんとか協力してくれんか」

鈴谷「まぁ、別に提督のためなら一肌脱ぐのもやぶさかじゃないんだけどさぁ。蒼龍さんがとるんですか?」

蒼龍「――え!? あ、うん、そうだよ!」

鈴谷「それだとちょっと恥ずいかな」

提督「む、それなら蒼龍、見ないでやってもらってもいいか?」

蒼龍「……分かりました」ズキ

鈴谷「それじゃあ、ちゃっちゃっとやっちゃおっか!」

提督「すまんな。それでは蒼龍、頼んだぞ」

蒼龍「……あ、はい。それじゃあ、行きますね!」

鈴谷「ピース!」

提督「……」

鈴谷「ちょ!? ストップ! 蒼龍さん、待ってください!」

蒼龍「え? あ、はい」

鈴谷「提督、駄目じゃん! ちゃんとピースしないと!」

提督「む? 別に必要ないだろ」

鈴谷「はぁ……これだから提督は駄目なんだよ」

提督「ぐっ!?」

鈴谷「やっぱり写真残すならちゃんとしないと。ほら軍帽もちょっと曲がってるし」

提督「こ、こうか?」

鈴谷「うーん、なんかちょっと違うなぁ。鈴谷が直してあげるから、かがんで」

提督「分かった」

鈴谷「えっと、ちょと斜めの方が……いや、やっぱりちゃんとしてたほうが提督らしくてかっこいいよね!」

提督「お、おい! 普通でいいぞ!」

鈴谷「はいはいっと。オッケーだよ!」

提督「む、すまんな」

鈴谷「良いってことよ」

提督「はっ、なんだそれは」

鈴谷「えー、別にいいじゃん」


504: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:25:53.94 ID:Cw8OE4vE0

提督「……よし、これでいいな?」

鈴谷「ちゃんとピースしてよね!」

提督「いや、それはちょっと気恥ずかしい……」

鈴谷「いいじゃん! いいじゃん!」

蒼龍「……そ、そうですよ、金剛さんとの時は勝手にピースしてたじゃないですか?」

提督「ぐっ!?」

鈴谷「えー、なにそれ!」

提督「あの時はなんというか、浮かれていただけだ。別に他意はない」

鈴谷「なら尚更、いいじゅん! こんな可愛い子と写真撮れて嬉しいでしょ? テンションあがるでしょ?」

提督「ぐ……ま、まぁ、否定はせん」

鈴谷「え……あわわ……いきなり恥ずいこといわないでよ……」マッカ

提督「……わかった、わかったから。おい、蒼龍、さっさとやってくれ!」ピース

蒼龍「……」ガリッ……ガリッ

提督「蒼龍? どうした爪など噛んで。みっともないぞ」

蒼龍「あ! え?! は、はい! それじゃあいきますね!」

提督「ああ」

鈴谷「腕組んじゃおっと!」

提督「お、おい、やめろ! はしたない!」

鈴谷「大丈夫、大丈夫。提督以外にはしないからさ」

提督「ちっ……」

 カシャ

蒼龍「はい……どうぞ」

鈴谷「蒼龍さん、ありがとうございます!」

蒼龍「あ、いえ、別に……」

提督「はぁ……私はみても良いんだな?」

鈴谷「まぁ、はずいけどしょうがないよね。はい、これが鈴谷の気持ちだよ!」

提督「む……やはりか。安堵した」

鈴谷「だからいったじゃん!」

蒼龍「あ、あの……私、帰ります……」

提督「む? いきなり、どうした?」

506: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:29:50.10 ID:Cw8OE4vE0

蒼龍「ちょっと具合が……」

鈴谷「えっ!? だ、大丈夫ですか? 良ければ薬ありますけど……」

蒼龍「ううん……大丈夫だから。ちょっと疲れたのにはしゃぎすぎちゃったかなって、あはは……」

提督「送っていく」

蒼龍「い、いえ、大丈夫ですから」

鈴谷「えぇ? でも、顔、真っ青ですよ?」

蒼龍「うっ……そ、そうかな?」

提督「いかんな。肩を貸してやるから早く行くぞ」

蒼龍「け、結構です! 失礼します!」

 バタン!

提督「――は?」

鈴谷「え、えっと……」

提督「貴様はどういうことか分かるか?」

鈴谷「いや、ちょっと鈴谷にもわかんないけど……あ! 蒼龍さんもずっとお手伝いしてたんでしょ?」

提督「まぁ、そうだな。こんな私のことを支えてくれてありがたいと思っている」

鈴谷「気持ちだけじゃ駄目じゃん! きっと疲れてるのに無理言って、つき合わせたんでしょ!」

提督「そ、そんなことはない!」

鈴谷「ふーん」

提督「な、なんだ……」

鈴谷「はぁ……艦娘っていっても女の子なんだからちゃんと気を使ってあげないと駄目だよ? あと思ったことはちゃんと本人に伝えること! 分かった?」

提督「分かった。以後、気をつけよう」

鈴谷「お願いだよ?」

提督「……ああ」メソラシ

鈴谷「ああ! 目、そらしちゃってんじゃん!」

提督「そ、そんなことはない!」

鈴谷「もう! またそうやってすぐばれる嘘つくんだから!」

提督「ぐっ!?」

508: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:34:48.13 ID:Cw8OE4vE0

 鈴谷編前章 艦


――以下、幕間――


 鎮守府 空母寮 蒼龍・飛龍の部屋

飛龍「ちょ、ちょっと蒼龍!? どうしたの!?」

蒼龍「……なんでもないよ?」

飛龍「なんでもないってことないでしょ!? 目、真っ赤じゃん!」

蒼龍「……うるさい」ボソッ

飛龍「へ? なんて――」

蒼龍「うるさい!」

飛龍「!」

蒼龍「分かってたのにぃ! 分かってたから、あの人の役に立つだけで、守っていくだけでよかったのにぃ! なんで艦娘なのよ! 人間同士なら諦めもつくって言うのに!」

飛龍「あ、え、えっと……ど、どうしたの? 私で良ければ聞く――」

蒼龍「――」ギロッ

飛龍「あ、あはは……ご、ごめん……。私、ちょっと羽黒のところに――」

蒼龍「はぁ!? 私の前で重巡洋艦の名前なんか出さないで!」

飛龍「ひゃっ!? ご、ごめん……」

蒼龍「こっちこそ……ごめん」ガリガリ

飛龍「……あ、赤城さんのところにいるから落ち着いたら呼んで?」

蒼龍「うん……」ガリガリ

 パタン……

飛龍「こ、怖かった……あの子があんなにつめ噛むなんてなにがあったのよ……」ペタン

509: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:38:18.34 ID:Cw8OE4vE0
というわけで鈴谷編前章 艦です。
蒼龍覚醒。正直、書いてる間にやってたモンハンのゴア・マガラから影響されたなんていえない……

続いて安価いきます。
お品書きは>>499を参考にタイトルor番号でどうぞ、新規の子は名前でお願いします。
分からない場合は下にずれます。(あとZara、浦波は不可です)

安価↓
安価↓×2
安価↓×3

514: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:41:02.48 ID:Cw8OE4vE0
ご協力ありがとうございます。
次回からの流れは

鈴谷後編→間宮→羽黒翔ぶⅡ→黒潮→リシュリュー→ろーちゃん

となります。 

518: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:42:06.39 ID:Cw8OE4vE0
やばい、直してなかった。

提督から間宮への感情度 ↓コンマ以下
間宮から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

取り直しです。すみません!

524: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:43:48.68 ID:Cw8OE4vE0
ん? んん? えげつない数字無い?
間宮から提督への感情度が90OVERです! 好感度コンマにうつります!

提督から間宮への好感度 ↓コンマ以下
間宮から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

534: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 00:55:06.06 ID:Cw8OE4vE0
あ……奇数ですね……
コンマ神は実在したんやね……

書き換えです。

提督から間宮への感情度:47 提督から間宮への好感度:16
間宮から提督への感情度:97 間宮から提督への好感度:100

間宮→中立派・ヤンデレ(強)

三回目のコンマにご協力いただいた方に本当に申し訳ない……
この処置、まずかったかも知れんけどコンマ周りでミスったの2回目やし、ちょっとどうしていいかわかんなかったわ……
すまぬ……すまぬ……

563: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 20:41:50.63 ID:Cw8OE4vE0


 鈴谷編後章
 
 xx13年 11月

 サーモン海域 リコリス島基地周辺

 暗い、暗い闇の中を私達は駆けていた。
 先ほどから無線機は私たちに、本隊と敵との砲音をひっきりなしに伝え続けるだけだったが、それは合流が遅くなった私たちを嫉妬するように聞こえた。

鈴谷「急いで! このままじゃ、間に合わない!」

熊野「分かっていますわ! ああ、それよりもさっきからドッカン! ドッカン! ばかりで飽き飽きしてきましたわ! クラシックの一つでも流してくださればいいのに!」

?『ぐっ! まだだ……まだこの程度では……沈まんぞ!』

 熊野の声に反応したなどあるはずも無かったが、無線機は砲音以外の言葉を久しぶりに発した。
 悲痛な搾り出すような怨嗟の声を聞いた瞬間、私の背中に氷柱を押し付けられたような強烈な嫌悪感が走った。

鈴谷「だ、だめ!! 進軍、止め!」

熊野「はぁ!?」

 気づけば私の足はとまり、声は勝手に飛び出していた。
 熊野の場に不釣合いな間抜けな声だけが寒々しく黒い海面を打った。
 ごくりと一つ生唾を飲み込む。自身がなぜこんなことを命令してしまったのかが、分からなかった。

564: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 20:56:07.92 ID:Cw8OE4vE0

熊野「はやくしなければ! 間に合わなくなってしまいますわよ!」

鈴谷「うっ、そ、それは分かっているけど……」

熊野「であれば、すぐに進軍を再開なさい!!」

鈴谷「わ、わか――」

司令官『と、突破されただと!? い、いかん、ぜ、全艦、撤退せ――!』

鈴谷「……え? ちょ、ちょっと! 司令部、応答願います!」

 私の声を打ち消すように響いた悲壮な司令官の言葉すらも掻き消すようように、耳を劈くような轟音が無線から響いた。
 痛いと錯覚するほどに早鐘を打つ心臓をおさえながら司令部へと呼びかけたが、それに応えたのは無情にも砂嵐のような音一つだった。

熊野「ちっ……まずいですわ」

鈴谷「ど、どういうことよ!? マジ意味分かんないんですけど!」

熊野「そんなはずないでしょ。現実を直視なさいな」

鈴谷「あ、ああぁぁ……」

 そんなことは言われ無くても分かっている。熊野の言う通り、ただただ目の前に鎌首をもたげてやってきた絶望から逃げ出したいだけなのだ。
 酷く喉がかわく。
 上げたはずの反論は意味を成さず、ただただ水面に吸い込まれていった。

熊野「ちょっと、旗艦がそんな声を上げないでくださる? みっともない」

鈴谷「ご、ごめん……」

 熊野の泰然とした様子を見ていると、胸の底で蠕動していた恐怖が少しばかりおとなしくなる。
 ……そうだ、このたった二人の姉妹で構成された周辺偵察部隊。なんとしてでも帰らなければならない。
 握った拳の痛みが体に回っていた毒をゆっくりと追い出していく。
 
鈴谷「ねぇ、熊野、どうしよ――」

熊野「鈴谷、旗艦は貴方です。司令官の安否を確認しに行くか、逃げるのか、貴方が決断なさい」

 鋭い光をともした熊野の視線に貫かれ、私は自然と一歩、後ずさってしまっていた。

 決断する? 私が?

 敵と戦うのは構わない。熊野のおかげか、敵の目の前で恐怖に竦むなどという醜態は晒さなくなったはずだ。
 けれど、それとこれでは話が違う。
 私の決定で、この励まししてくれたのであろうこの不器用な妹まで巻き込むことになる。
 どうすればいい? 司令官の下に駆けつけて確認だけでもするべきなのか? それともネズミのように逃げ出してしまうべきか? いや、逃げるにしてもどこへ向かえば――

565: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 20:59:42.86 ID:Cw8OE4vE0

熊野「早くなさい! 敵は待ってくれませんわよ!」

鈴谷「う……く、熊野が決めて!」

熊野「いい加減になさい! 折角なんだから生きてるうちに頭を使いなさい!」

鈴谷「っ……」

 大声一喝。 あふれそうになる涙をこらえながらも、私の頭はすこしづつ『今』を考えはじめた
 司令官のもとに駆けつける? いや、それは無謀だ。本隊に護衛された司令部が抜かれたのだ、新兵である私たちでは敵の姿も確認できないうちに海底に帰ることすら考えられる。

鈴谷「……熊野、一応、聞くけどあなたの無線も通じないのよね?」

熊野「ええ、司令部どころか本隊の方たちとも通信不能ですわ。余計なことは考えなくていいのよ? 私はあなたの命令に従いますわ」

鈴谷「……」

 そうなら本隊は既に全滅した可能性が高い……私たちの勝ちは、玉砕じゃない。情報を持ち帰ることだ。
 生き恥をさらしてでも、味方の犠牲を無駄にはしちゃいけない!

鈴谷「……回頭! 全速をもって当該海域を離脱する!」

熊野「はぁ……やればできるじゃない。まったく無駄な時間でしたわね」

鈴谷「ちょ!? 人がせっかくかっこよく決めたのに!」

熊野「ええ、ええ、そうですわね」

鈴谷「ひどくない……?」

熊野「ふふっ……肩の力もだいぶ、抜けたようで安心しましたわ」

鈴谷「!」

熊野「さぁ、殿は私が務めます。たった二人だけでも逃げますわよ」

鈴谷「あったりまえじゃん! 二人そろってればこんなのへっちゃらだって!」

熊野「その意気ですわ! 行きますわよ!」

鈴谷「おうよ!」

 駆ける。機関が焼き付いても構わない。無我夢中で二人、暗闇の中を駆けた。

566: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 21:04:25.38 ID:Cw8OE4vE0


熊野「しつこい!」

イ級「Gi!?」

 振り向きざまにはなった一撃だったけれど、熊野の一撃は見事に敵を捉えていた。
 すでに燃料の残りも少なくなった。
 
鈴谷「やるじゃん!」

熊野「誰に向かって言ってるのかしら? 私は改鈴谷型の熊野なのよ!」

鈴谷「ひゅー! かっこいい!」

熊野「ふっふっふ……!」

 刻一刻と迫っているであろう燃料切れという逃走劇の終わり。
 その予感を振り払うように底抜けに明るい声を出し合う。その光が少しでも目の前を照らしてほしい。
 そんな益体もないことを考えながらもチラリと後ろに目をやれば、追ってきている敵がまるで鬼火のようにこの新月の夜でもくっきりと見えた。

鈴谷「あいつら、目なんか光らせてるから丸見えじゃん!」

熊野「くっくっ……そうですわね」

鈴谷「さぁて……熊野、私の合図で回頭して!」

熊野「よろしくってよ!」

鈴谷「よっしゃ! 回頭! 魚雷、発射!」

熊野「とぉぉ↑おう↓!! 」

鈴谷「ぷっ!」

熊野「あ?」

鈴谷「ご、ごめん……」

 魚雷の発射とともに私の号令もなく、また敵へと背を向ける。
 今日だけで何度とも無くこなした動作。
 戦果など確認する必要もない。後ろからじきに響き渡る爆発音こそが、敵を葬った証拠なのだ。

鈴谷「なんとか、燃料も持つかも知れない! このまま味方部隊に合流しよう!」

熊野「ちっ……鈴谷!」

鈴谷「え?――きゃ!」

 目の前の希望を大きくしようとした瞬間、小さな熊野の舌打ちの音ともに体に衝撃が走った。
 直後、雷が落ちたのかと思われるほどの地鳴りが響き渡る。

567: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 21:13:15.81 ID:Cw8OE4vE0
熊野「服が少し汚れましたわ……ね……ゲッホ……」

 私に覆いかぶさるように上に載っていた熊野の口から血があふれ出した。
 ガチガチとどこかで音がした。
 今までの気持ちがまるで蜃気楼であったかのように雲散霧消していく。必死に繋ぎとめようとしても、そんな努力すらも嘲笑うように闇の奥でゆれる紅の誘蛾灯に誘われて逃げていってしまう。
 そして、冷静に頭がはじけだした答えに血が凍りついた。
 間違えたのだ……私は間違えた……。

熊野「いまさら何をそんなに震えているのかしら? 酷い顔ですわよ? ふ、ふふ……」

 言われて音を鳴らしていたのが、自身の歯であったということに気がついた。
 しかし、そんなことなどもうどうでもいい。間違えたのは私なのだ。なぜ、熊野が傷つかなければならない。

鈴谷「!? く、熊野、私が敵を止めるから逃げ――」

熊野「うるさい! 私に構わずいきなさい! 淑女に二言はありませんのよ、殿ぐらいは見事に務め上げます!」

 爆風と砲弾の破片にさらされ酷く傷ついた彼女の背中に息を飲む。
 ……どうして?

熊野「ふん、大破ってとこかしらね。機関部がいけないとはいえ、砲は無事でよかったわ。まだ重巡洋艦・熊野は戦えますわ!」

鈴谷「無理だよ! 逃げられるだけ逃げてみようよ! 鈴谷が熊野を守るから!」

熊野「ふん、私を守るなんてそんな生まれたての小鹿みたいな足で行ったことだけはほめてあげてもよろしくってよ」

 なんで? 全部、鈴谷のせいでしょ……? なんで熊野が無理をするの?
 もっと別の航路から逃げればよかったんだ……遠回りになったって、それが正解だったんだ、。
 不正解の中でも最悪を引いた私がいけないのに……。

熊野「何を腑抜けているのですか、さっさと逃げな――あら? くっくっく、これは流石に年貢の納め時かもしれませんね」

 言われて顔をあげれば暗闇の中に揺れる黄色の4つの光を従えるようにして、そびえる白い鬼が居た。
 装甲空母姫。
 プツン、と地獄の中に伸びていたくもの糸が切れる音がした。

熊野「感謝しますわ」

鈴谷「……え?」

熊野「私はもともと逃げるのには反対でしたが、貴方の命令を聞いたおかげで最後にあんなの戦えるんですのよ? 雑兵に沈められたとあっては浮かばれませんでしたが、大物です。死出の道連れには丁度、いいでしょう?」

鈴谷「や、やめて……」

 ぺろりと普段のさめた態度からは想像できないほどに艶かしく熊野の舌が動いた。
 
鈴谷「駄目! 旗艦として命令するし、相棒としてもお願いするから、なんとか一緒に逃げようよ!!」

熊野「ふん……仰向けに沈むなど私の矜持が許しませんわ。そんなのは貴方だけで結構よ」

鈴谷「やめて!!」

熊野「ふふふ……今回は貴方のおかげでちょっと楽しかったですわ……」

?「Hey! Give upにはまだ早いネー!」

568: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 21:18:09.92 ID:Cw8OE4vE0

鈴谷「え?」

装甲空母姫「アガッ――!?」
 
 暗闇を引き裂いて飛来した一筋の光は忍び寄る絶望の元へと吸い込まれるようにして消えていった。
 響く爆音、まるで昼になったかのように目の前が真っ白になった。

金剛「どこの艦隊か知らないけど危ないところだったネー!」

利根「うむ、我輩たちにはむせび泣いて感謝するが良いぞ! わっはっは……!!」

青葉「いやいや、こんなの拾ってどうするんですか!? 撤退しなきゃいけなくなっちゃったじゃないですか!?」

榛名「あ、あの、そんなに怒らなくても――」

青葉「司令にまたなんか言われるんですよ!?」

榛名「あう……」

北上「いやぁ、そんなことよりもまだ戦艦二隻も残ってんじゃん……早く片付けてよぉ、あたし、紙装甲なんだからさぁ」

金剛「No problem! 榛名、私に続くネー! 一気に殲滅してやりマース!」

榛名「は、はい! 榛名、おして参ります!」

利根「なんじゃ! なんじゃ! 二人だけでずるいのう、我輩も続くぞ!」

青葉「あぁ、いっちゃったよぉ……」

夕立「ご愁傷さまっぽい!」

青葉「うぐぐ……はぁ、あの人たちが敵を片付けたら帰りますよ……」

 目の前で起こっていることに理解がついていかない。
 渋面いっぱいの青葉と呼ばれた艦娘が、まるで忌まわしいもので見るようにこちらを見ていたが、それさえもどうでもいいほどに現実におこっていることが信じられなかった。

鈴谷「夢じゃないよね……」

熊野「そのようですわね……」

青葉「ちょっと! 夢なら早く消えてください! これで司令官に青葉たちは嫌味言われるの決まっちゃったんですから!」

夕立「流石に言いすぎっぽい。ねぇ、お姉さんたち、立てる?」

鈴谷「あ、うん……」

夕立「それならよかったっぽい! じゃあ、夕立も行ってくるね!」

青葉「はぁ!?」

夕立「いっぱい、いっぱい沈めないと駄目っぽい!」

青葉「いやいや、貴方も曳航――行っちゃった……ああ、もう! なんでソロモンの狼なんて言われた青葉がこんな貧乏籤引かされるんですか!」

569: ◆idiDHwDMwc 2017/12/21(木) 21:33:32.43 ID:Cw8OE4vE0


 サーモン海域 リコリス島攻略基地

提督『で? 今度はどうした誰が中破した……くそ、頭が痛くなってきた……』

金剛「誰も中破どころか、小破もしてないネー」

提督『……ふざけているのならばそのまま出撃して来い』

金剛「Oh! テートク、最後まで話を聞いてほしいネー」

提督『む』

 モニターに映し出されたのはどこか陰湿そうな印象を与える男性だった。
 若いのか、年をとっているのか、それさえも判然としない。声の威圧的な雰囲気だけが唯一の第一印象だった。

熊野「ちょっと狐っぽいですわね……」

青葉「ちょ!?」

提督『……なんだ』

青葉「い、いえ、なんでもないです……」

提督『なら、いちいち大声を上げるな。ばか者!』

青葉「は、はい……」

金剛「えっと、いいですカー?」

提督『結構』

金剛「偶然、見つけた友軍がpinchだったから撤退したネー。これは――」

提督『はぁ……もういい、分かった。次回の出撃は榛名に変えて比叡を出す。準備させておけ』

金剛「……それだけですカー?」

提督『他に言葉がいるか? 賞賛の言葉などすべてがうまく言った後で構うまい』

金剛「……Yes! さすがはテートクデース」

提督『下らん世辞は言い。戦果を期待している』

 プツリと通信が着られて、モニターには引きつった笑みを浮かべている金剛さんがうつっていた。
 この提督はやばい。
 私は直感したのだ、あれは見えてる地雷だと。


 鈴谷編後章 艦

600: ◆idiDHwDMwc 2017/12/23(土) 00:31:39.79 ID:XNXKlx6b0

――18:00――

鎮守府 食堂 厨房

間宮「ふーん♪ ふん、ふーん♪」

伊良湖「間宮さん、随分、ご機嫌ですね」

間宮「そうかしら?」

伊良湖「はい!」

間宮「うーん、本当にそんなことないんだけどなぁ……」

伊良湖「えぇ? でも、鼻歌まで歌ったてましたよ?」

間宮「……あ」

伊良湖「どうしたんですか?」

間宮「うふ、なんでもないわよ」

伊良湖「教えてくださいよぉ」

間宮「……まぁ、伊良湖ちゃんならいっか。最近、やっと完成したから毎日が楽しくってしょうがないのよね」

伊良湖「?」

間宮「えっと今日の予定は――よし、マルフタマルマルに私の部屋これる?」

伊良湖「え? 流石にその時間はちょっと……」

間宮「そう? 残念ね……」

伊良湖「ご、ごめんなさい」

間宮「ううん、べつにいいのよ? それなら、今日もゆっくりとお話できるし」

伊良湖「お話ですか……あの誰となのかって聞いても大丈夫ですか?」

間宮「ダーメ♪ ナイショ」ニッコリ

伊良湖「へ!?」ゾク

間宮「うふ、うふふ……」


601: ◆idiDHwDMwc 2017/12/23(土) 00:38:48.81 ID:XNXKlx6b0


 ――02:00――

 鎮守府 本棟 間宮の部屋

目覚し  ジリ! ジリ! ジリ!

間宮「ふぁ……あ! いけない、早く受信機つけないと!」

 ジー……ジ、ジジ……
 
 ガチャ

提督『はぁ……今日も疲れたな』

間宮「はい、お疲れ様です!」

提督『時雨の奴も好き勝手いいおってからに……まったく私のことをなんだと思ってるんだ!』

間宮「そうですね、提督はこんな素敵な人なのに。わからないんですね……可愛そうな子たちですよ」

提督『うぅ……冷えてきたな。暖房をつけるか』

間宮「つけっぱなししちゃ駄目ですよ? のどが痛くなっちゃったら、私のお店にもこれなくなっちゃうじゃないですか」

提督『さて、少しだけ手品の練習でもしておくか。この前、失敗しかけたロープ系はしっかりとやっておかなければな』

間宮「わぁ! 待ってました!」

提督『ここに取り出したるは――いや、この口調はいかん。もっと子供に分かりやすい形がいい」

間宮「うふ、そうですね、いつもどおりが一番ですよ」

提督『まぁ、話芸はあとで良いな。先に構成を考えるべきか――鳩からいくか?』

間宮「私はトランプのほうが好きです」

提督『むむむ……やはり最初はトランプだな、その際に鳩を出して気をひいてタネを仕込もう』

間宮「やった! 私なんかの提案を受け入れてくれて嬉しいです!」

提督『それでいいか?』

鳩『ポッポー、クルッポー』

提督『おー、よしよし、お前たちは本当に可愛い奴らだな。手品の際は毎回、狭い思いをさせているのに健気で泣かせてくれる』

間宮「はぁ……私も鳩になりたいですねぇ……あ、いいこと思いつきました♪ 明日、とりにいってきますから楽しみにしていてくださいね」

603: ◆idiDHwDMwc 2017/12/23(土) 00:44:32.64 ID:XNXKlx6b0


提督『あとはいつものようにコイン、ハンケチ、ロープでいいか……』

間宮「いいんじゃないですか? この前の孤児院でやった時も大好評でしたよ」

提督『……しかし、協力していただいている有志の方たちも居るわけだし、あまり同じものばかりでは芸が無いと思われるかもしれん。お前たちはどう思う?』

鳩『ポー、ポー』

提督『そうか、そうか。やはり新しいものに何事も挑戦しなければな』

間宮「流石は提督です。向上心を忘れないのは料理でも大事ですからね」

提督『よし、また何か考えるか。ああ、メビウスの環に色塗るやつをネタ晴らししながらやれば、子供の教育にもいいかもしれんな。うむ、名案だな! これが元で数学への興味に目覚めた子供がゆくゆくは立派な学者になるかも知れんぞ、なぁ?』

鳩『クルッポ?』

提督『ははは……そうか、お前たちもそうおもうか。よし、よし』

間宮「えっと、めびうすのわですね? あとで調べておきます、不勉強でごめんなさい……」

提督『いや、いいことを思いついた! やはり子供は楽しみながら学ばなければな! はっはっは……」

間宮「うふふ……そんなにお喜びになられると私も嬉しいです」

提督『いやぁ、私も軍人にならなければ教師にでもなっていたかもしれんな。はぁ……本当に、今の惨状を思えば、その方がお国の為にも良かったかもしれん……』

間宮「そうなってしまうと私たちが会うことも出来ませんでしたね……」

提督『……いや、戦果は上げている。しっかりと私は私の仕事しているではないか。慕ってくれている艦娘も少ないが居るには――居るはずだ……』

間宮「大丈夫ですよ! 心配しないでください、いつでも美味しいお菓子とお料理作って私は待ってますから!」

提督『いかんな、こんな時まで仕事のことは考えるべきではない。気分転換に風呂でも入るか』

間宮「うふ、うふふ……ああ、早く『あれ』を食べさせてあげたいですねぇ……。二人で材料から作るんですから提督もお気に入りになりますよ、きっと」ペロリ

604: ◆idiDHwDMwc 2017/12/23(土) 00:47:12.19 ID:XNXKlx6b0


 ――05:00――

 鎮守府 執務室前 廊下

提督「……」カリカリ

 コン、コン

提督「入れ」

間宮「おはようございます」

提督「なんだ。お前がここに来るなんて珍しいな」

間宮「ご朝食をお待ちしました」

提督「は? いきなりどうした?」

間宮「いえ、最近はたびたびご来店いただいているので、そのお礼にと思いまして」

提督「そうか、そこにおいておけ。後で食べる」

間宮「暖かいうちに食べてくださいね」

提督「しかし、やはりなんというか……」

間宮「え?」

提督「いや、なんでもない。すまないな」

間宮「はぁ」

提督「ふん、気の抜けた返事を朝から聞かすな。不愉快だ」

間宮「うふ、申し訳ありませんでした」

提督「……ほかに用がないならささっと店なり厨房にもどれ、仕込みもあるだろ」

間宮「! お気遣いいただきましてありがとうございます。それでは失礼します」

提督「ああ」

605: ◆idiDHwDMwc 2017/12/23(土) 00:52:20.58 ID:XNXKlx6b0


 ――06:00――

 鎮守府 執務室

赤城「おはようござい――あら、お食事中でしたか」

提督「ああ、間宮の奴からの差し入れだそうだ」

赤城「それは羨ましいですね。間宮さんのお料理、美味しいですもんね」

提督「……ああ」

赤城「どうかなさったのですか? ひょっとしてお口に合わないとか」

提督「いや、そんなことはない。朝から鳥肉はどうかと思ったが、食べられるものだな。間宮の仕事はたいしたものだ」

赤城「その割にはお顔の色が優れませんが?」

提督「お前と一緒だ」

赤城「は?」

提督「お前といい、間宮といい、なにを考えているのかさっぱり分からん」

赤城「そうですか? まぁ……大丈夫ですよ、大丈夫」

提督「なにが大丈夫なのか知らんが、たまにひどく不気味におもうことがある。気をつけねが男に逃げられるぞ、はっはっは……!」

赤城「うふふ……くっくっく……」

提督「その笑い方がいかんといっているのだ。 ばか者」

赤城「ふふ……失礼しました」

608: ◆idiDHwDMwc 2017/12/23(土) 00:56:12.10 ID:XNXKlx6b0


 鎮守府 食堂前廊下

間宮「うふふ……提督が私のことを心配してくれた……あはは……! 今日はいい日になりそうです」

?「はぁ……やはり正解でしたか」

間宮「? あら、誰か居るの?」

 シーン

間宮「そんなわけないわよね……やだなぁ、暗いとここも不気味なのよねぇ……」

 間宮編 艦

634: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 00:43:16.46 ID:DgJjbZzD0

――09;00――

インド洋 リランカ島周辺海域

加賀「鎧袖一触です。沈め」

ル級「Aaaa!!」ドーン

羽黒「す、すごい……」

加賀「ふん、なにを驚いているのです。本来、戦場に出るのであればこの程度の練度がなければ、話になりません」

蒼龍「いやぁ、それはちょっときびしいかなぁって……」

加賀「はぁ、あなた達はいつもいいわけばかり。こんな任務、さっさと片付けますから帰って訓練なさい」

蒼龍「あはは……了解です」

加賀「まったく……時間を無駄にしました。さきほどと同じように私を中心に輪形陣を組みなさい」

筑摩「偵察はいかがなさいますか?」

加賀「前方の警戒には私が彩雲を出します。提督からも索敵を怠らないようにいわれていますし、蒼龍も一応は彩雲をだしておきなさい」

蒼龍「了解しました!」

加賀「駆逐艦、潜水艦には警戒しておきなさい」

不知火「了解しました」

加賀「良い返事です。それでは進路270度、第二戦速前進!」

羽黒「りょ、了解! 先陣をつとめます!」

635: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 01:02:46.53 ID:DgJjbZzD0

――09:30――

不知火「ん……水中探信儀に感有り。九時方向に潜水艦ですね」

加賀「さて、どうしま――」

比叡「わかりました! 数を報告なさい!」

加賀「は?」

比叡「えっと、なんですか?」

加賀「なんですか?ってことはないでしょう?」

比叡「?」

不知火「ひぃ、ふぅ、みぃ……四隻ですね」

比叡「よぉし! 一気に突破しましょう!」

加賀「……ちょと、さっきから聞いてればなんなんですか? なぜ、あなたが指示を出すのです。旗艦は私のはずですが」

比叡「あ……いや、すみません。意見具申のつもりでした……」

加賀「……別にいいですけど」

比叡「……」

加賀「……」

羽黒「あ、あの!」

加賀「なんですか?」

羽黒「あ、あう……す、すみません」

加賀「……いえ、こちらこそごめんなさい。少し気がたっていました。いいたいことがあるなら具申なさい」

羽黒「! あ。あの……わ、私は迂回して敵基地を目指すべきだと思います!」

加賀「……なぜ?」

羽黒「作戦の目的はリランカの基地をたたくことによって、敵の主力である高速艦隊を誘引、撃滅することだと指令書に書いてありました。それであれば無駄な消耗は極力避けるべきだと思います」

加賀「なるほど……」

636: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 01:07:27.61 ID:DgJjbZzD0

加賀「駆逐艦、爆雷の用意をしなさい。いくつまでなら沈める自信がありますか」

羽黒「え?」

加賀「残念ですが、却下です。敵を誘い出すのであれば派手にやったほうが効果的です。で、駆逐艦、どうなのですか?」

不知火「確実に一隻は沈めます。しかし、二隻めは相手の連度によりけりかと」

加賀「む……それでは何隻かはとりのがすのね?」

不知火「……申し訳ありません」

加賀「かまいません。航行を第三戦速に変更、一気に――」

羽黒「……い、いえ、待ってください!」

加賀「ちっ。なんですか?」

羽黒「もう一度、よく考えてください。敵を殲滅出来ないのであれば、後方から攻撃される可能性があります。やはり迂回したほうが……」

加賀「ふん、あなたは古参とは聞いていますが、臆病に過ぎます。戦場には戦機というものがあるのです、それを逃がさないためにも拙速となろうとも早めに仕掛けるべきだということが分からないのですか?」

羽黒「そ、それは……」

加賀「言い分がすぐに出てこないようなことは口に出さないことね。指揮の妨げになります」

羽黒「はい……ごめんなさい」

加賀「分かったのであれば、すぐに前進なさい。あなたがいかねば艦隊は動きません」

羽黒「は、はい!」

比叡「……むぅ」

不知火「比叡さん、いかがなさいましたか?」

比叡「いえ、なんでも無いですよ。不知火、潜水艦は任せましたよ! 頑張りなさい!」

不知火「はっ!」ビシッ

638: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 01:43:31.09 ID:DgJjbZzD0

――10:30――

不知火「……一隻、撃破です。二射目の爆雷はうまくかわされましたが、敵はどうやら逃げていきましたね」

加賀「了解。このまま速度を緩めずに一気に敵基地まで抜けます! くれぐれも魚雷には注意なさい!」

羽黒「は、はい!」

比叡「……ん?」

加賀「どうしました?」

比叡「あ、いやぁ、電探に感あり。6時方向におそらく戦艦1、空母2、重巡洋艦2、駆逐1ですね。けど……うーん……」

加賀「はっきりしないわね。いいから情報をよこしなさい」

比叡「いやぁ、どうもこの反応は深海棲艦じゃないような気がしますけど」

加賀「は? インド洋に展開しているのは私たちの鎮守府のみのはずです」

比叡「それはそうなんですけど……うん、偵察を出しましょう!」

加賀「……結構です。駆逐艦、敵の潜水艦はもう居ないのね?」

不知火「はい、逃げ出したと思います」

加賀「それならば――全艦、停止! 攻撃機を向かわせます! 戦は先手をとらなければ話になりません」

蒼龍「え? い、いや、提督から偵察はしっかりとするようにって……」

加賀「その提督は今、龍驤たちの別働隊を指揮しています。現時点でのこの艦隊の指揮官は私です」

蒼龍「は、はい……」

加賀「分かったのであればすぐに発艦の用意をなさい! 敵は待ってくれないわよ!」

蒼龍「了解……」

羽黒「あ、あの!」

加賀「はぁ……またですか」

羽黒「やっぱり偵察機を出すべきだと思います! 比叡さんが深海棲艦でないといっているのですし――」

加賀「却下です」

羽黒「で、でも!」

加賀「もういいです。すぐに口を閉じなさい」

羽黒「うっ……」

加賀「さぁ、一気に吹き飛ばしますよ。全機、発艦! 蒼龍所属機は加賀所属機に続きなさい!」

639: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 01:49:35.18 ID:DgJjbZzD0

 ――11:00――

 リランカ島 南東部

?「ふぅ、ここまで来ると流石に熱いわね……」

?「お、お姉さま! 空襲です! 下がってください!」

?「そんなにあわててはいけないわ。レディはどんな時でも優雅でなければいけないわ」

?「そんな悠長な……」

?「はぁ……あなたの艦載機を迎撃に向かわせればいいだけでしょう? なにをそんな取り乱す必要があるの?」

?「そ、それが……」

?「?」

?「報告の前に一応、迎撃に向かわせた艦載機が全滅しました……」

?「は? ちょっとまちなさい。それじゃあ、敵は――」

?「もう爆撃機の攻撃可能の距離まで近づかれています! だから下がってくださいといったではないですか!」

?「ま、まずい! すぐに引き返し――NO!」ドーン

?「ああ! Warspite お姉さま!」

Warspite 「一撃で大破か……くぅ、まさかこのWarspite がこんな無様を晒すとは……撤退します! ハーミーズ、死ぬ気で制空権を取りもどしなさい!」

ハーミーズ「は、はい!」

641: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 01:56:13.80 ID:DgJjbZzD0

 ――11:00――

加賀「やりました。 敵戦艦、大破。くっくっく……重巡洋艦二隻ともに大破です」

蒼龍「ん? なんか、硬いなぁ……駆逐艦、大破させました」

加賀「空母は?」

蒼龍「応戦してきましたけど――うん、中破させました」

加賀「さて、あれが本命ですね。ほぼほぼ無力化させたのです、おめおめと逃がす必要もありません」

筑摩「では、追撃ですか?」

加賀「当たり前でしょう? せっかく、敵が背を見せてくれたのです。絶好の戦機を逃しては罰が当たります」

羽黒「……」

加賀「はぁ……なにか問題が――」

提督『こちら司令部、第一艦隊、応答せよ』

加賀「はい、こちら第一艦隊旗艦・加賀」

提督『退却だ。こちらで既に敵主力を叩いた』

加賀「え?」

提督『龍驤の第2艦隊のほうに釣られたようだ。無駄足になってしまったが、お前たちもご苦労だったな』

加賀「し、しかし、敵は――」

提督『雑魚にはかまわんでいい。それよりもすこしでも資源が惜しい』

加賀「か、畏まりました。蒼龍、全機、戻しなさい」

蒼龍「は、はい」

比叡「なんか嫌な予感がします……」

不知火「? どういうことですか?」

羽黒「……」

642: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 01:59:43.63 ID:DgJjbZzD0
というわけで 羽黒翔ぶⅡ 艦 です。
これは大変なことやと思うよ?

続いて黒潮の感情度コンマいきます。
安価ですが、やろうと思ったけど時間が時間だし、予告忘れていたので明日にしますね。

提督から黒潮への感情度コンマ ↓コンマ以下
黒潮から提督への感情度コンマ ↓↓コンマ以下

646: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 02:07:23.08 ID:DgJjbZzD0
ご協力ありがとうございます。

提督から黒潮への感情度コンマ:56
黒潮から提督への感情度コンマ:11

黒潮→戦艦派

ついに神通さんのお足元もゆれてきましたね。

658: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 16:37:55.10 ID:DgJjbZzD0
――09:00――

鎮守府 戦艦寮 扶桑・山城の部屋

扶桑「はぁ……」

黒潮「今日はいつもよりため息が多いですけど、どないしはったんですか?」

扶桑「あ……折角、来てもらったのにごめんなさい」

黒潮「いえ、なんか悩み事あるんなら、うちにも言うてください」

扶桑「……でも、流石に申し訳ないわ」

黒潮「なにいうてはるんですか! 毎回、うちが扶桑さんに相談させてもろうてるんですし、今回ぐらいはお力になりますよ!」

扶桑「……それならお言葉に甘えさせてもらうわね。愚痴になっちゃうんだけど、また提督からお叱りをうけてしまったの……」

黒潮「えぇ!? ほんにあの司令はんはしょうもないことばっかりしはるわぁ……」

扶桑「そんな風にひとのことを悪く言ってはだめよ? 提督のおっしゃることも一理あるのだから」

黒潮「せやけど……」

扶桑「うふふ、心配してくれてありがとう。けど、そんなに深刻に考えることは無いのよ?」

黒潮「……扶桑はんがそうおっしゃるなら、うちも司令はんについてはよういわんことにしますわ」

扶桑「ええ、ええ。それよりせっかく買ってきたのだからお饅頭もどんどん食べてね」ニコニコ

黒潮「あ、いやぁ、えらいおおきに。ほんま扶桑はんは優しくて涙が出ますわ」

扶桑「ふふ……大げさなんだから」

黒潮「いや、ほんまですって!」

扶桑「うふふ……ええ、ええ。分かりました」

黒潮「まぁたいっこも信じてくれへんのやからかなんわ」

扶桑「そんなことないわよ?」

黒潮「ほんまですか?」

扶桑「ええ、ええ」ニコニコ

黒潮「はぁ……それよか何が原因でそないなことになったんです?」

659: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 16:43:05.34 ID:DgJjbZzD0
扶桑「この前、空母の人たちがあんまりにも私たちを蔑ろにしてるんじゃないかって言ったでしょ。えっと、そのことは覚えてる?」

黒潮「ええ、しっかり覚えてます」

扶桑「あの件でどうも私が派閥を作って文句を言ってるって思われたみたいなの……」

黒潮「なんやそれ! 扶桑はんがそないなことするわけないやん! うち、司令はんに言うてきます!」

扶桑「い、いや、それはやめましょう? 黒潮ちゃんのところの神通ちゃんも困ると思うし……」

黒潮「そない言ったって、あのしょうもない人ははっきり言わんと分かりませんよ!?」

扶桑「うっ……」

黒潮「確かに司令はんはおっかない人ですけど、扶桑はんのためならうちが一肌脱ぎます。安心してください」

扶桑「いえ、私にその気は無いんですから黙っておけば分かってもらえると思うの。反論しても余計な不興を買うだけよ」

黒潮「はぁ……沐猴にして冠すとは、まさにあの人のことやわ。扶桑さんはこんなええひとなのに!」

扶桑「だ、だから、あまりそういうことはいってはだめよ」

黒潮「いや、言わしてもらいます。神通さんがあそこまで忠義、忠義、言うのはあの人の性格やけど……陽炎たちはなにがうれしくてあんなの持ち上げてるのか、うちにはさっぱりわかりませんわ」

扶桑「あ、あわわ……」

黒潮「確かにおっかないけど、所詮はあんなん威を借る狐に過ぎまへん!」

扶桑「も、もうこのj話はやめましょう? ほら、お茶も飲んで落ち着いて――」

黒潮「そんないつまでもなぁなぁにしてちゃ、あきまへん! インド洋のほうなんて加賀はんの大失態で扶桑はんたちがおらな回らんのにようそんなことが言えるわ!」

扶桑「うん、まぁ、それはそうなんだけど……」

黒潮「もう我慢の限界や! うちがなんとかしますさかい、扶桑さんは大船にのったつもりでおってください!」

扶桑「あ、あ、いや……」

黒潮「思い立ったが吉日や! ほな行ってきますわ!」

 バーン!

扶桑「ま、待って!」

660: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 16:47:31.53 ID:DgJjbZzD0

 鎮守府 執務室

提督「はぁ……」

霧島「どうかなさいましたか?」

提督「いや、少しな」

霧島「?」

提督「たいしたこと出ない。面倒ごとには縁遠そうな奴らだと思っていたのに見事に裏切られただけだ」

霧島「ああ、比叡お姉さまの件ですか? 随分としょげてましたね」

提督「当たり前だ! 今後、二度とあんな馬鹿げた真似をしてもらってはこまる!」

霧島「まぁ、そうですね」

提督「まったく……それよりも赤城の奴はいつまで出ているつもりだ。落ち着いたとはいえ、まだまだ仕事はあるんだぞ」

霧島「まぁまぁ、それよりもお茶でも――」

 バーン!!

黒潮「司令はん!」

提督「……おい、霧島」シッシッシ

霧島「あ、はい」

黒潮「え?  ちょ、ちょっと、姐さん、なにしはるんですか! うちは司令はんに――」

霧島「はいはい、一回、外に出ましょうね」

黒潮「あ、ちょっと!」

 ガチャ

661: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 16:51:06.47 ID:DgJjbZzD0

霧島「はぁ……駄目じゃないですか。ちゃんとノックしないと」

黒潮「そんなん言うてる場合じゃ――」

霧島「駄目よ。どんな時でも上官には礼節をもって接するように神通は教えていないの? あなたの軽率な行動が神通の評価にも影響するんだから、気をつけなさい」

黒潮「うぐぅ……わ、分かりました。以後、きぃつけます」

霧島「それであればいいわ。さぁ、ノックして?」

黒潮「……はい」

 コン、コン

提督「はぁ……入れ」

黒潮「失礼します! 司令はんに言いたいことがあって来ました!」

提督「意見具申か……かまわん、言ってみろ」

黒潮「最近、司令はんは空母に肩いれしすぎ――」

提督「は?」ギロ

黒潮「ひぇ……あ、あの……」

提督「誰にそそのかされたのか知らんが、お前も下らんことを言いにきたのならば直ぐに帰れ」

黒潮「せ、せやけど!」

提督「はぁ……わかった。よく分かった」

黒潮「! ほ、ほんなら! 扶桑はんたちを――」

提督「何を勘違いしている? 私はお前の頭の中にはねずみほどの脳も入っていないことが分かったといったのだ!」

黒潮「うぇ!? そ、そんな言い方、いくらなんでも――」

提督「徒党を組んで編成に文句を言ってくるなど話にならんわ!」

黒潮「あぅ……え、えらい、すんまへん。扶桑はんはそんなつもりやないんです……」

提督「お前たちにその気がなくても、そう思われることが問題なのだ。わかったら、頭を冷やしこい!」

黒潮「は、はい……」

662: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 16:54:49.60 ID:DgJjbZzD0


鎮守府 執務室前廊下

黒潮「うぅ……」トボトボ

扶桑「あ! 黒潮ちゃん! ……ひょっとしてもう提督のところにいっちゃったの?」

黒潮「扶桑さん、えらいすんません……余計に怒らせちゃいました……」

扶桑「いいの、いいの。気にしないで」

黒潮「あんな大見得きったのに面目次第もあらしまへん……」

扶桑「その心意気だけでもうれしいわ。さぁ、部屋に帰ってお茶しましょう? いつもみたいに楽しくお話してれば嫌なことも忘れますよ」

黒潮「あう……うー、うぅう……」

扶桑「ほら、そんなにおっかない顔しないの? 陽炎型の中ではお姉さんなんだから、ね?」

黒潮「あい……」

扶桑「うふふ……笑わないと幸せが逃げていきますよ? ほら笑って?」

黒潮「は、はい!」

扶桑「そう、そう」ニコニコ

 黒潮編 艦

663: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 16:56:56.81 ID:DgJjbZzD0
というわけで黒潮編 艦です。
なんか黒潮が小物くさくてすまんな……

続いてリシュリューの感情度いきます。

提督からリシュリューへの感情度 ↓コンマ以下
リシュリューから提督への感情度 ↓↓コンマ以下

666: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 16:58:59.63 ID:DgJjbZzD0
ご協力ありがとうございます!
次の更新は24:00ぐらいよていです。お付き合いいただければうれしいやで。

提督からリシュリューへの感情度:75
リシュリューから提督への感情度:46

669: ◆idiDHwDMwc 2017/12/24(日) 21:19:17.56 ID:DgJjbZzD0
>>668
未開放にある『冷戦』という球磨型のお話が開放されます。
それが球磨型全員イベですね。分かりにくくて申し訳ない。

とりあえず、おしながきの更新です。


 おしながき

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室(弥生、神通)
3、赤城日記(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(曙)
6、羽黒翔ぶⅢ(羽黒)←NEW
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ(提督、グラーフ・過去)
8、あきつ丸VS提督(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅(加賀)
11、霞の不覚(霞・過去)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光を(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃に(五十鈴・過去)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音(鈴谷)
25、提督ラヂオ(間宮)←NEW
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)←NEW
27、特務艦(間宮・大淀・明石)←開放
その他、新艦好感度コンマ(記名)

【未開放】
ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
初期艦はなんでもしってる【叢雲の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【雲龍型・大鳳の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
降涙恋慕【二部完結で開放】
胡蝶乱舞【二部完結で開放】
萩風提督観察記【川内の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・l国後・占守の感情度コンマで開放】
あの航路へと【飛鷹の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】

675: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 00:19:20.67 ID:t33BtxuB0

 ――18:00――

 鎮守府 海外艦寮 談話室

リシュリュー「うーん……これでどうかしら?」

プリンツ「! キター! それですよ、それ! ロン! ロン!」

リシュリュー「はぁ……またあなたなの……」

ビスマルク「ワースパイト呼んできましょう……」

リシュリュー「Es-tu fou? 私たちのくびをしめるだけでしょ……」

ビスマルク「それもそうね……」

ガングート「……おい、仲良くボロボロだぞ。どうするのだ!?」

ビスマルク「しょ、しょうがないじゃない! それなら次は青天井ではこってもいいように――」

リシュリュー「だから、やめなさいって……流れが来てないんだからもうやめましょうよ」

プリンツ「今日はぶんぶん役ができます! さぁさぁ、もう半荘いきましょう!」

ガングート「いかんな、引き時だ……ちっ」

リシュリュー「ええ、そうね……」

ビスマルク「うぅ……けど、このまま、勝ち逃げされるのは……あ!」ピコーン

リシュリュー「またろくでもないこと思いついた顔ね……」

ビスマルク「喧嘩売ってるの?」

リシュリュー「別にそんなことないわ」

ビスマルク「むぅ……まぁ、いいわ。これよ、これ!」

ガングート「なんだ?」

ビスマルク「百人一首よ! これなら勝てるわ! 全力でやるわよ!」

プリンツ「へ!? い、嫌です!」

呂500「あ、あう……」コソコソ

グラーフ「ヒャクニーンイッシュッか……それなら私もやるぞ」

ビスマルク「ダ、ダメよ!」

グラーフ「え? な、なぜだ!?」

ビスマルク「あんたとやると手が痛いの!」

プリンツ「え……ビスマルク姉さま、わたしたちの気持ち分かってたんですか?」

ビスマルク「!? な、なんのことかしらね?」

リシュリュー「……無しね。ビスマルク、あなたはやっぱりろくなこと考えないわ」

ビスマルク「むぅ!」

676: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 00:30:51.70 ID:t33BtxuB0

ローマ「はぁ……くだらない。よくそんなに熱中できるわね、所詮、確率じゃない」

ビスマルク「む……あんなすまし顔だけど麻雀よわいからやらないのよ?」

リシュリュー「へぇ……Une personne misérable」

ローマ「は?」

ガングート「なんだ敗北主義者か、吊ってしまえ」

ローマ「はぁぁ!? いいわよ! やってやろうじゃない! プリンツ、かわりなさい!」

プリンツ「え、え? やめたほうが――」

ローマ「うるさい! 大丈夫よ! なんたって、このまえ、グラーフたちとやったら2位になったもの!」

プリンツ「……グラーフさんと他の面子は誰だったんです?」

グラーフ「うーん、あの時はヤマシィロとユキカゼだな」

プリンツ「うわぁ……なんで、その面子集めたんですか……? 絶対、雪風ちゃんの一人がちだよぉ……」

ローマ「う、うるさいわね!」

リシュリュー「はぁ…… Tu es un idiot」

ビスマルク「よっし! 取り戻すわよ」ヒソヒソ

ガングート「おうとも。任せておけ同志」ヒソヒソ

ビスマルク「はぁ!? 私はコミュニストじゃないわよ! 一緒にしないで!」

ガングート「は! なんだ、私たちを否定するつもりか!?」

リシュリュー「はぁ……やめなさい。くだらない」

ガングート「くだらないとはなんだ、くだらないとは!」

リシュリュー「ここでは思想も信条も自由でしょ? 喧嘩するなら後になさい」

ビスマルク「うっ……」

リシュリュー「それに今を逃したらおやつは逃げるわよ」ボソッ

ビスマルク「……そ、そうね! 少しでも戻さないと流石に死活問題だわ!」

ガングート「……おう! 流石にマミーヤに1ヶ月近くいけんのは困る!」

リシュリュー「わかってるじゃない」

ローマ「あんまり私をなめないことね!」


――21:00――


ローマ「……」チーン

呂500「うわぁ……これって大丈夫なのかなって……」

プリンツ「えーと、最短のあがりがチートイなんだとおもうけど……四向聴って……ほんと、ついてないですね……」

ローマ「つ、ツモよ! これ以上悪くなんてならないんだし、このあとは有効牌がビシバシ――」

677: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 00:36:52.59 ID:t33BtxuB0

ローマ「来なかったわ……」パシッ……

リシュリュー「Je suis désolé。それよ、ロン」

ローマ「ど、どうせノミ手でしょ! 問題ないわよ!」

リシュリュー「リーチ、タンヤオ……えっとなんだったかしらね」

ビスマルク「いいわ、みせてみなさい。どれどれ……三色、ドラ1で満貫ね」

ガングート「裏ドラは――うむ、乗ったな」

リシュリュー「えっと、ロクハーンだからハネマンね」

ローマ「うぅ……またとんだわ……」

プリンツ「あわわ……だ、大丈夫で――ガシッ!――へ?」

ローマ「……貸しなさい」

プリンツ「え、えっと……なにをでしょうか?」

ローマ「お金よ! お金! 今までの勝ちがあるんでしょ!?」

プリンツ「うぇ!? こ、困りますよぉ……。ね、ローマさん、今日はやめましょうよぉ」

ローマ「きっとこれから好転するわ! いままであんなに悪かったんだから、これからは上がり目よ!」

プリンツ「うぇぇ! 絶対、駄目だよ、これ! だ、だれか助けてー!」

提督「ん……うるさい、なにをして――なんだ、お前たち、麻雀なんてやっていたのか?」

ローマ「!? 提督、いいところにきたわ! お給金、前借させて!」

提督「はぁ? ダメに決まってるだろ、ばか者め」

ローマ「負け続けてもうすってんてんなのよ!」

提督「はぁ? ……おい、どんなレートでやったらこんなことになるんだ」

ビスマルク「デ、デカピンで、ちょっと……」

提督「話にならん!」

ビスマルク「だって、ローマが取り返すからレート上げろって言うんだもの……」

提督「……馬鹿だな、こいつは」

ローマ「だ、だって……」

グラーフ「それよりなぜ、Admiralがここにいるのだ? ここは私たちの寮だぞ」

提督「酔いつぶれたアクィラを送ってきたのだ」

グラーフ「ふーん……そうか。送り狼とはな、いいご身分だ」

提督「なんだ、その言い草は? もともとは私一人で間宮に呼ばれて飲んでいたんだ。そこにアクィラが合流してきただけだ」

グラーフ「別にそんなことは聞いていない」

提督「そうであれば、あまり突っかかってくるような物言いはやめろ。不愉快だ」

グラーフ「はぁ?」

リシュリュー「……ちょっと、あの二人どうしたの?」

プリンツ「あの二人のことはそっとしておいて上げてください……」

リシュリュー「?」

グラーフ「もういい! 私は部屋に帰る!」

提督「勝手にしろ!」

ビスマルク「はぁ……」

678: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 00:47:03.57 ID:t33BtxuB0

提督「まったく……ローマ、お前の代わりに私が入る。いいな?」

ローマ「え……それだと私のお金が……」

提督「安心しろ。今回だけは助けてやる。これに懲りたら馬鹿な真似はやめるのだな」

ビスマルク「むっ! もうAdmiralに教えてもらったときの私じゃないわよ、ほえ面かかせてあげる!」

リシュリュー「え、Amiralはマージャンがつよいの?」

提督「仕官学校時代に少しやっただけだ。気にするな」

リシュリュー「いや、それなら私はやめて――」ガシッ

ガングート「敵前逃亡はゆるさん」

リシュリュー「Es-tu fou!? 私は勝てない戦いはしないのよ!」

ガングート「ならん、折角の余興だ、最後まで付き合え」

リシュリュー「Libère-moi!!」

提督「ふん、消灯までに、まぁ、半荘2回ぐらいは出来そうだな。さっさとはじめるぞ」

ビスマルク「今日こそ泣かせる!」

呂500「あ、ろーちゃん、これしってる……」

プリンツ「へ?」

呂500「フラグって言うんですって! 漣がいてましたって!」

プリンツ「あぁ、そういうこと……」

679: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 00:49:14.29 ID:t33BtxuB0

――22:30――

ビスマルク(張った! 辺張とはいえ、これで倍満確定!結局、Admiralにボコボコニされたけど一矢報いてやるわ! えっと他の子達は――)

リシュリュー「はぁ……手がすすまないわねぇ……」カチャ

ガングート「…… むむむ」カチャ

提督「……」パシッ

ビスマルク(よっし、初心者のリシュリューやガングートは張れば即リーしてくるはず。あの様子ではまだ一向聴にもなってないわ! それにまだ筒子は河に少ないし、十分、勝負できる!)

提督「おい、ビスマルク、お前のツモだぞ」

ビスマルク「あ、ごめんなさい」サッ

ビスマルク(うっ……パーピン。あと一つずれてればツモ上がりだったのにぃ!)

提督「はぁ……」

ビスマルク「え? あ、こ、これで!」ビシッ

提督「ロンだ」

ビスマルク「は?」

提督「タンのみ」

ビスマルク「はぁぁ!?」

提督「……なんだ、うるさい」

ビスマルク「納得いかないわ!」

提督「納得がいかないではないだろ……現に手は成立している」

ビスマルク「うぐぅ……」

リシュリュー「えっと……提督の点数が42000点で――」

提督「計算しないでよろしい」

リシュリュー「どういうこと?」

提督「ローマに金を返してやれ。今回は見逃してやるが、あまり馬鹿みたいなレートで遊ぶものでもないだろ」ジャラジャラ

ビスマルク「うぅ……分かったわ。あなたたちもそれでいいわね?」

ガングート「まぁ、仕方ないな」

リシュリュー「はぁ……だから抜けたかったのに……」

提督「馬鹿! 本来はこんなことは許さんのだからな! ありがたく思え!」

リシュリュー「はいはい……」

提督「はい、は一回だ! もう消灯も近いさっさと寝ろ!」

ビスマルク「はぁい……」トボトボ

680: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 00:54:44.81 ID:t33BtxuB0


 ――22:50――

 鎮守府 海外艦寮 リシュリューの部屋

リシュリュー「ふぁ……ねむい。まぁ、なんだかんだで今日も楽しかったわね。えっと明日の予定は――」ゴソゴソ

リシュリュー「あ……いけない、談話室にノート置いてきてしまったわ……面倒だけどとりにいかないと」



 カチャカチャ

リシュリュー(ん? 談話室から聞こえるけど……なんの音かしら?)

リシュリュー「えっと、誰かいるの?」

提督「!」ビクッ

リシュリュー「Amiralじゃない……なにをしているの?」

提督「いや、なんでもない」

リシュリュー「? マージャン牌なんか今更、とり出して――あ! ひょっとしてズルしてたの!?」

提督「なんのことだ? 私は牌をみがいていただけだ」

リシュリュー「……」ジトー

提督「……なんだ、その目は?」

リシュリュー「別に」

提督「ふん……それよりもお前も随分とここに慣れてきたようだな」

リシュリュー「ええ、おかげさまで」

提督「そうか……よかったな」

リシュリュー「?」

提督「お前たちは少し特殊な立ち場だからな。うまくいっているようなら良かった」

リシュリュー「Amiralがそんなことをいうなんて明日は槍が降るわね」

提督「……ひどいいいようだな。まぁ、今は気分がいい、大目に見てやる」

リシュリュー「ねぇ、Amiralももっと今日みたいに羽目をはずせばいいじゃない。そうすれば、もっとみんなも寄ってくるわ」

提督「そうだな……この戦いが無事に終わったら、そうしよう。それではな」

リシュリュー「はぁ……」

 リシュリュー編 艦

681: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 00:58:09.19 ID:t33BtxuB0
というわけでリシュリュー編 艦です。
海外勢に麻雀してもらいたかったんや……

つづいて安価いきます。
おしながきは>>669参照してください。
既出は番号orタイトル、新規は艦娘の名前でどうぞ(Zara、浦波は下にずれます)


↓×2
↓×3
↓×4

688: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 01:01:49.22 ID:t33BtxuB0
すさまじい速さ。島風もびっくりですわ……

今後の流れは

ろーちゃん→浦風→雪風→羽黒翔ぶⅢ→龍田

になります。


つづいてろーちゃんのコンマですね。

提督から呂500への感情度 ↓コンマ以下
呂500から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

693: ◆idiDHwDMwc 2017/12/25(月) 01:11:15.66 ID:t33BtxuB0
うん、低くまとまりましたね。
ある意味、平和ですし、1の提督へのぷっくぷーWW がとまらない。

提督から呂500への感情度:13
呂500から提督への感情度:31

呂500→戦艦派

本日はここまでです。明日はまた24:00あたりから更新予定です。浦風まで終わったらまた安価とりますのでまたご協力いただければ幸いです。
それではおやすみなさい

712: ◆idiDHwDMwc 2017/12/26(火) 01:06:44.42 ID:bKTKwoWD0

 XX10年 9月

 ――18:00――

 ドイツ ベルリン

提督「くそっ……こんなときに限ってうまく酔いがまわらん。帰って飲みなおすか……ヒック」フラフラ

U‐511「あ……やっとみつけた!」

提督「うん? 君は確か……」

U‐511「えっと、ユーはU‐511です」

提督「そうだったな……ん」ゴソゴソ

U‐511「?」

提督「すまんな、今はこれしか持ち合わせが無かった」

U‐511「キャンディ?」

提督「ああ。私をさがしていたということはおつかいだろ? 帰り道にでもたべなさい」

U‐511「あ、あの、違うんです! いわなきゃいけないんです!」

提督「ん? なにかね?」

U‐511「……グラーフさん、泣いてました」

提督「……そうか」

U‐511「そうかって……心配じゃないんですか? 二人、仲良しなのに」

提督「……」

U‐511「なんでなにもいわないの?」

提督「う、うるさ――い、いや、なんでもない。君の用件がそれだけなら、私は失礼する」

U‐511「だめ! ちゃんと、言ってくれないといかせない!」

提督「うっ! は、放してくれ!」バッ!

U‐511「きゃ!」

提督「す、すまない! 大丈夫――うっぷ……クソ……頭が痛い……」フラフラ

U‐511「え、えっと、大丈夫?」

提督「ははは……くそ……大丈夫なものか……なにが分かる、泣きたいのは私もだ……」ボソッ

U‐511「え?」

提督「な、なんでもない! 失礼した!」

U‐511「で、でも、今――」

提督「なにもいってないと言っている!」フラフラ

U‐511「……」

提督「グラーフのところには後で行く、だから、もうやめてくれ!」

U‐511「……嘘つき!」

提督「うぐ……勝手に言っていろ! 私は、私には……ううっ……なんでなんだ、俺はいつも……クソッ!」ダッ!

U‐511「ま、待っ――駄目、行っちゃった……グラーフさん、ごめんなさい……ユー、お役に立てませんでした……」

 ぽつ……ぽつ、ぽつ

U‐511「あ、雨……」バキッ

U‐511「キャンディ……割ちゃった……うぅ……うえーん!」

 ザー、ザー

713: ◆idiDHwDMwc 2017/12/26(火) 01:14:55.92 ID:bKTKwoWD0


 XX17年 11月

 鎮守府 潜水艦寮 伊58の部屋

伊58「うぅ……駄目でち……ゴーヤ一人じゃ、ぜんぜん集まらないでち。協力者必要でち……」

呂500「こんばんわー! 遊びに来ましたって!」

伊58「わっ!?」グシャ!

呂500「あれ? でっち、なにしてるの?」

伊58「もう! ちゃんとノックするようにいつもいってるのに、なんでローは先輩のいうことがきけないんでち!」

呂500「あ、忘れてましたって……ごめんなさい」

伊58「ちょ、ちょっと! そんな申し訳なさそうにしないでほしいでち、なんかすごい罪悪感でち……」

呂500「あう……」

伊58「はぁ……まぁ、ちょうどいいところにきてくれたでち。ローも手伝ってくだち」

呂500「はい! おてつだいしますって! そででなにをすればいいの?」

伊58「これに海外艦のみんなの署名をしてもらってきてほしいでち。物事はやっぱり民主的に決めるべきでち」

呂500「えっと……潜水艦呼称問題について?」 

伊58「そう! 提督が一向にゴーヤをゴーヤと呼んでくれないの! かくなるうえは数の力で提督を圧倒するでち!」

呂500「でっちはこの前、テートクとがるるーってしてたもんね! 仲良しですって!」

伊58「違う! 今は敵なの!」

呂500「えぇ!?」

伊58「このままじゃ、神通さんや二水戦の子たちはゴーヤのことを可愛く呼んでくれないでち! 目指すは敵本丸の提督でち!」

呂500「えっと、えっと、喧嘩はだめですって……!」

伊58「喧嘩じゃないでち。これは提督の意固地とゴーヤの知恵の勝負でち!」

呂500「えっと……なんか、よくわからなけど分かりましたって」

伊58「それならいいでち。さぁ、早くいってくるでち!」

呂500「わかりましたって!」

717: ◆idiDHwDMwc 2017/12/26(火) 01:53:18.98 ID:bKTKwoWD0


 鎮守府 海外艦寮 談話室

ビスマルク「どうして、こたつで食べるみかんはこんなに美味しいのかしらね」

プリンツ「そうですねー……わふぅ……」

グラーフ「おい、そんなところで寝るなよ。風邪をひくぞ」

プリンツ「うへへ……大丈夫です、大丈夫……グー……」

グラーフ「はぁ……ぜんぜん、大丈夫ではなさそうだな」

ビスマルク「まだそんなに寒くないんだから大丈夫でしょ。それより暇だし、あれやりましょうよ」

グラーフ「あれ?」

ビスマルク「将棋よ、将棋。利根に穴熊っての教わったの!」

グラーフ「チェスならいいぞ」

ビスマルク「えー? 折角、日本にいるんだから日本のものにしましょうよ」

グラーフ「嫌だ」

ビスマルク「ちぇ……いいわよ、金剛たちと遊んでくるわよ」

グラーフ「いくのはかまわんが、金剛たちは出撃中だぞ」

ビスマルク「えぇ? それじゃあ行ってもしょうがないじゃない。つまんないわねぇ」

 バーン!

呂500「ビスマルク姉さん、これに名前かいてくださいって!」

ビスマルク「ちょっと……うぅ……はやくドアを閉めて。廊下の冷たい空気が来ちゃうでしょ」

呂500「あ、ごめんなさい」

ビスマルク「ほら、こっち来なさい。抱っこしてあげるから」

呂500「やった!」ゴソゴソ

ビスマルク「うぅ……子供は体温が高いから助かるわ」ギュー

グラーフ「おい、ユーボートは湯たんぽじゃないぞ。まったく、どてらまで着て、まだ寒いのか」

呂500「でも、でも、ビスマルク姉さんにぎゅってしてもらえるとろーちゃんもきもちいいですって!」

ビスマルク「うふふ、そうよね」ナデナデ

呂500「ふわぁ」

718: ◆idiDHwDMwc 2017/12/26(火) 02:02:45.19 ID:bKTKwoWD0

グラーフ「はぁ……それでユーボート、なにかビスマルクに用があったのではないか?」

呂500「あ! これに名前書いてくださいって」

ビスマルク「なになに……潜水艦呼称問題について?」

呂500「提督にでっちをゴーヤって呼んでもらうためなんですって!」

ビスマルク「ああ、この前、言ってたがるるーって奴ね。別にいいわよ――はい、どうぞ」

呂500「ありがとうございますって! グラーフさんとプリンツさんもお願いしますって!」

プリンツ「うへ……スピー……」

グラーフ「Prinz Eugenは疲れているようだから後にしてあげなさい」

呂500「分かりましたって!」

グラーフ「よしよし、いい子だ」

ビスマルク「ちょっと、あんまり撫でないで。私のよ」

グラーフ「何をいっているんだ……はぁ」

呂500「えっと、次はだれのとこにいこうかな」

ビスマルク「それならローマのところにでも行けば? 直ぐに書いてくれそうじゃない」

呂500「分かりましたって! ありがとうございました!」

ビスマルク「あぁ……私の湯たんぽが……」

グラーフ「おい」

ビスマルク「冗談よ、冗談。遊びまわるのはいいけど、気をつけなさいよ?」

呂500「はぁい!」

グラーフ「はぁ……子供は風の子とはよくいったものだ」

ビスマルク「全くね」ず、ずー

グラーフ「……おい、あまり音を立てて飲むな。下品だぞ」

ビスマルク「分かってないわね。郷に入りては郷に従えよ」

グラーフ「ふん、そんなことを言っていては祖国に戻ったときに苦労するぞ」

ビスマルク「ねぇ……あなた、この戦いが終わったらドイツに帰るの?」

グラーフ「当たり前ではないか?」

ビスマルク「ふーん……」

グラーフ「?」

ビスマルク「ろーちゃんには頑張ってほしいものね」

グラーフ「ろ、ろーちゃん? 誰だそれは? ローマか?」

ビスマルク 「ローマがろーちゃんって……うふ、ぶふぉっ!」

プリンツ「ビチャ! うーん……へ? え、え、な、なんれすか!? なんで私、濡れてるの!?」

グラーフ「あ、おい、動くな! 汚い!」

プリンツ「えぇ!?」

719: ◆idiDHwDMwc 2017/12/26(火) 02:07:35.53 ID:bKTKwoWD0



 鎮守府 海外艦寮 ローマの部屋

ローマ「はぁ? 署名?」

呂500「ですって!」

ローマ「……まぁ、別にいいけど――はい、どうぞ」

呂500「ありがとうございますって!」

ローマ「よくゴーヤーのために頑張るわね。ほら飴ちゃん、ご褒美よ」

呂500「あ……」ビクッ

ローマ「? 嫌いだったかしら?」

呂500「ご、ごめんなさい」

ローマ「別に謝る必要はないでしょ」

呂500「……」

ローマ「ねぇ、本当にどうしたの?」

呂500「……なんでもないですって!」ニコ

ローマ「ふーん……それならいいけど」

 呂500編 艦

721: ◆idiDHwDMwc 2017/12/26(火) 02:15:05.38 ID:bKTKwoWD0
というわけで呂500編 艦です。
ネクストコナンズヒント→飴
……ヒント?

つづいて浦風のコンマですね。お嬢もそうだけど、広島弁はさっぱりなんだ……関西弁もそうだけど、不自然でもゆるしちくり~
正直、ちょっと京都にいただけの1が京言葉ベースに書いた黒潮弁とか本場の人に申し訳なかった……

提督から浦風への感情度 ↓コンマ以下
浦風から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

734: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 00:17:00.30 ID:ZABr1cxg0
とりあえず、おしながきの更新

 おしながき

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室(弥生、神通)
3、赤城日記(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(曙)
6、羽黒翔ぶⅢ(羽黒)←NEW
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ(提督、グラーフ・過去)
8、あきつ丸VS提督(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅(加賀)
11、霞の不覚(霞・過去)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光を(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃に(五十鈴・過去)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音(鈴谷)
25、提督ラヂオ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)←NEW
その他、新艦好感度コンマ(記名)

【未開放】
ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
初期艦はなんでもしってる【叢雲の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
降涙恋慕【二部完結で開放】
胡蝶乱舞【二部完結で開放】
萩風提督観察記【川内の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・l国後・占守の感情度コンマで開放】
あの航路へと【飛鷹の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】

724 : ◆idiDHwDMwc saga 2017年12月26日 (火) 02:19:24 ID: bKTKwoWD0 
お、これは平和&平和。 
……平和。 
提督から浦風への感情度:68 
浦風から提督への感情度:66


735: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 00:21:56.59 ID:ZABr1cxg0
つづいて安価いきます。
おしながきは>>734を参照してください。
既出は番号orタイトル、新規は艦娘の名前でどうぞ(Zara、浦波は下にずれます)


↓×2
↓×3
↓×4
↓×5
↓×6

744: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 00:28:05.24 ID:ZABr1cxg0
あ、雪風、かぶちゃってますので下にずれますね。

今後の流れですが

雪風→羽黒翔ぶⅢ→龍田→夕雲→五十鈴のなく頃に→雷→提督語教室→提督から見た世界→お父さんと私

になります。
次の安価ですが、雷おわったあたりでいきます。

745: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 00:47:12.42 ID:ZABr1cxg0
 鎮守府 中庭

飛龍「はぁ……」

浦風「飛龍さん、どしたんねぇ。えらいつらそうじゃけど」

飛龍「あ、浦風……あ、あはは……なんでもないよ……」

浦風「本格的に元気ないのぅ。流石にこれでなんでもないってことないじゃろ」

飛龍「……恥ずかしい話なんだけどさぁ、昨日、提督にものすごいおこられちゃって……」

浦風「へぇ、飛龍さんが怒られるなんて珍しいのう」

飛龍「あはは……確かに他の子に比べたら少ないかもね。けど、浦風だって怒られること少ないんじゃない?」

浦風「はっはっは……まぁ、うち、個人が怒られることは少ないけんど、不知火姉がなんかやらかして一緒に怒られることは多いからのぅ」

飛龍「あぁ、不知火はちょっとやる気が空回りしちゃうこと多いからね」

浦風「そういうことじゃ。だから、飛龍さんもあんま気にせんことじゃ」

飛龍「……でもさ、今回は不知火とかの時と違って、結構、ガチめなトーンだったんだよね……。ひょっとしてなにか重い罰則でもあるかと思うと不安で……」

浦風「そりゃあ、いくらなんでもちょっと大げさじゃと思うのぅ」

飛龍「私もそう思いたいわよ! けど、あんなふうに怒ってるの久しぶりに見たし……」

浦風「むむむ……分かった! そういうことならうちが一肌脱ぐわ!」

飛龍「え? どういうこと?」

浦風「うちが提督に飛龍さんのこと、それとなく聞いてくるわ」

飛龍「本当!?」

浦風「船のときも、今も飛龍さんには世話になったけん、まかしとき!」

飛龍「よかったぁ……それじゃあ、私は部屋で待ってるから、お願いね!」

浦風「おう!」

746: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 01:23:10.23 ID:ZABr1cxg0

 鎮守府 執務室

コン! コン!

提督「……入れ」

浦風「失礼するわ」

提督「浦風か、珍しいな。何のようだ」

浦風「そのな、飛龍さんがえらいしょげてるんじゃ」

提督「……なんだ、お前まで黒潮たちのまねをしにきたのか?」

浦風「?」

提督「はぁ……なにを言っても現状の編成をいじる気はないぞ」

霧島「ええ、今の体制にするのには私も知恵を振り絞ったんだから、あまり無理を言わないで」

浦風「えっと、編成って何の話じゃ?」

提督「ん? なんだ、違うのか?」

浦風「うちは飛龍さんになんか罰があるなら軽くしてほしいって言いにきただけじゃ」

提督「ふむ……そうか。しかし、無駄足だったな」

浦風「どういうことじゃ」

提督「罰は与えない。今回はひどく叱りつけたからな、それで十分だと判断した」

霧島「え?」

提督「……なんだ」

霧島「いや、さすがに鎮守府の和を乱そうとしたんですし、軽くても罰を与えるべきだと思いますが」

提督「かまわん」

747: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 01:28:15.75 ID:ZABr1cxg0

浦風「まぁ、鎮守府の和を一番。乱してるのは提督じゃしのぅ。はっはっは……」

提督「本気ではないと思うが、黙れ。非常に不愉快だ」

浦風「冗談じゃ、冗談じゃ。そげに怒らんでもええじゃろ」

提督「ちっ……」

霧島「はぁ……またそんなに顔を真っ赤にして。冗談だって分かってるのなら、流しましょうよ? いちいち、怒ってたら血管切れますよ」

提督「うるさい。それで、用件はそれだけか」

浦風「まぁ、そうじゃな」

提督「であれば、さっさとでていけ。仕事の邪魔だ」

浦風「なぁ、提督さん、ひょっとして血圧たかいんか?」

提督「おい、霧島」

霧島「はいはい、余計なこといいました」

提督「ふん……薬を飲んでいる。問題ない」

浦風「不健康じゃのぅ……普段の食事から萩風に作ってもらったらどうじゃ? うちが世話やいてもいいんじゃけど、ここは可愛い妹に譲ることにするわ」ニヤニヤ

提督「萩風に? はっ! 馬鹿な! 結構だ!」

浦風「えー、なんでじゃ? 萩風も提督のお世話が出来て喜ぶと思うんじゃけど」

提督「だから冗談はやめろ」

浦風「いや、本気なんじゃけど……」

提督「しつこい!」

浦風「はぁ……分からん人じゃのぅ。まぁ、いいわ。用件もすんだし、失礼するわ」

提督「次に来るときはもう少し笑える話を考えてくるのだな」

 ガチャ

748: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 01:32:47.86 ID:ZABr1cxg0

提督「まったく。私をからかいおってからに」ブツブツ

霧島「あぁ……もう……」

提督「なんだ」

霧島「この間、萩風にクッキーもらったんじゃないんですか?」

提督「ああ」

霧島「なら、萩風が提督のことを嫌ってるとは思いませんけど」

提督「あれは潮や弥生もいたからな。多く作りすぎただけだろう」

霧島「そんなこと無いと思いますよ?」

提督「無責任なことを言うな! あれが赴任してきたときなど露骨に避けられたのだぞ!」

霧島「うーん、じゃあ、こんどカメラもっていってみればどうです?」

提督「無駄なことだ」

霧島「何事もやってみなければ分かりませんよ? 案外、良い数字出たりして」

提督「はぁ……分かった、分かった。試しておくから、さっさと手を動かせ」

霧島「ふふ……ええ、そうしてください」

提督「気がすすまんな……はぁ……」

750: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 01:37:09.34 ID:ZABr1cxg0


 鎮守府 空母寮 二航戦の部屋

飛龍「で、どうだった?」

浦風「特に罰も考えてないっていってたわ。よかったのぅ」

飛龍「はぁ、よかったぁ……。浦風、ありがとう!」

浦風「いやぁ、普段、世話になってる飛龍さんのためじゃ。これぐらいなんでもないわ、ははは……」

蒼龍「ねぇ……なんの話?」

飛龍「え!? いや、ちょっと……」

浦風「いやぁ、飛龍さんが提督におこられてのぅ。なにか罰が――へ?」

蒼龍「へぇ……なに、また提督に迷惑かけたの?」ガリガリ

飛龍「そ、そんなことないって!」

蒼龍「ふーん」ガリガリ

浦風「あ、あの、蒼龍さん、どうしたんじゃ?」

蒼龍「別に。なんでもないよ」ガリガリ

浦風「……」

蒼龍「なに?」

飛龍「あ、あ、あの、浦風、不知火は元気!?」

浦風「へ!?」

飛龍「だ・か・ら、不知火よ!」

浦風「そ、そりゃあ、元気じゃけど……」

飛龍「そ、そう……」

蒼龍「……」ガリガリ

浦風「それじゃあ、うちはこれで失礼します……」

飛龍「あ、うん……ごめんね」

 バタン

浦風「おぉ、怖……蒼龍さん、なにがあったんじゃ……」

 浦風編 艦

751: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 01:39:43.37 ID:ZABr1cxg0
というわけで浦風編 艦です。
良いお姉さんで世話焼きな感じを出したかったけど……うーん……個別で補修やね。

つづいて雪風のコンマですね。幸運の武勲艦だけど、闇がすごそう……

提督から雪風への感情度 ↓コンマ以下
雪風から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

757: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 01:43:41.16 ID:ZABr1cxg0
陽炎型、本当に優秀ですね……
びっくりですわ……

提督から雪風への感情度:62
雪風から提督への感情度:67

明日の更新ですが、夕方に一度、出来れば一度したいです。やる場合は一度、ageで報告しますね。
ただ十中八九。24:00からです。
それではおやすみなさい。

772: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 19:41:37.50 ID:ZABr1cxg0
 鎮守府 軽巡洋艦寮 談話室

神通「おしいしいですか?」

雪風「はい!」サクサク

神通「それはよかったです」

川内「うわぁ……」

神通「なんですか?」

川内「いや、珍しいことしてるなぁと思って。雪風も戸惑ってるんじゃない?」

雪風「いえ、神通さんはいつもご褒美くれます!」

神通「そういうことです。姉さんは私をなんだとおもってるんです」

川内「そりゃあ、鬼教官だと。それよりも一つもら――いたッ! もう! なにするのよ!」

神通「だめですよ。これは頑張った雪風の分ですから」

川内「うへ……雪風、ちょっと私にもわけてよー」

雪風「はい!」

川内「お、話が分かるね。サンキュー」

神通「まったく……」

川内「モグモグ……お、これ美味しいじゃん!」

神通「褒賞用に取り寄せていただいてるものですからね」

川内「いいな、いいなぁ。私もやってみようかなぁ、それならあの子達ももう少し頑張れると思うし」

雪風「えっと……それはどうなんでしょう」

川内「へ?」

雪風「あ、ごめんなさい……」

川内「いいよ、いいよ。言いたいことはいわないとね」

雪風「あう、雪風はご褒美をもらうために訓練を頑張るのは、ちょっと違うかなぁって……」

川内「むむむ……どういうこと?」

雪風「訓練は自分のためにするんですから、頑張るのは当たり前だと思います。練度の差が判断の速度に直結するんですし、装甲の薄い私たち駆逐艦はそれこそ死に物狂いで訓練は励むべきです」

神通「うふふ……」

雪風「頑張ったからご褒美をもらえるかもしれないのであって、ご褒美をもらえるから頑張るのでは本末転倒だと思います。そんなふうに考えてたら訓練にも身が入らないんじゃないでしょうか?」

川内「いやぁ、びっくりした。さすがは『神宿る艦』だわ」

雪風「あ、あの……生意気、言ってごめんなさい」

川内「いや、いいよ、いいよ。確かに雪風の言うとおりだと思うし、神通が目をかけるだけあるわ」

雪風「そ、そんなにほめられると照れちゃいます……」

神通「照れなくていいんですよ? 折角、ほめてもらったのだから胸を張っておきなさい」

雪風「はい!」

773: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 19:47:02.27 ID:ZABr1cxg0

川内「うちにも綾波とかいるけどさぁ、やっぱり一回は揃えて夜戦の指揮をしてみたいもんだよね」

神通「揃えるってなにをですか?」

川内「そんなのわかりきってるじゃん! うちの鎮守府で優秀な駆逐艦だよ! 時雨、雪風、綾波、夕立に――んー、あれ? あと一人は誰が良いかなぁ?」

神通「なるほど、そういうことですか……さて、艦娘になってからは皆、頑張っていますから、どの子も甲乙つけがたいですね。ねぇ、雪風?」

雪風「はい! 皆、頑張ってます!」

川内「よしよし、そうだよね。皆、頑張ってるよね」ナデナデ

雪風「わわわ……!」

神通「ふふ……けれど、姉さんのあげた五人はやはり特別ですね」

川内「うん、まぁ、そうよねぇ。あんまりこういうことを私たちがいうのはどうかと思うけど、僚艦のときの安心感が違うって言うかさぁ……」

神通「ええ、わかります」

雪風「……」サクサク

川内「おっと、もうこんな時間か――さぁて、訓練、いってくるよ」

神通「夜戦の訓練は事故も多いですし、お気をつけて」

川内「了解」

雪風「あ、川内さん!」

川内「んー?」

雪風「よければもう一枚どうぞ」

川内「お、あんがとね。でもいいの?」

雪風「はい! 訓練が終わって疲れたときに食べてください!」

川内「お、気がきくね。本当に良い子だなぁ、うちの卯月あたりと交換しない?」

神通「ふふ……駄目ですよ」

川内「残念だなぁ……ま、冗談だけどさ。それじゃあね」

雪風「頑張ってくださいね!」

775: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 20:12:36.22 ID:ZABr1cxg0

 鎮守府 戦艦寮 談話室

大和「それでね、私が放った主砲が見事に旗艦に命中したの。すると、敵はものすごい爆発とともに断末魔の叫びを上げたのよ!」

雪風「はい!」

初霜「わぁ!」キラキラ

大和「それは、もうすごい光だったのよ! 夜戦だったのにもかかわらずあたり一面、真っ白になってそれこそ目も開けられなかったんだから!」

金剛「ぷぷぷ……」

榛名「ちょ!?」

大和「……あの、なにか?」

金剛「いえ、なんでもないデース。流石は宇宙戦艦ネー」

大和「……ちょっと、あんまりからかわないでください」

金剛「Sorry! さ、榛名、部屋に帰りますヨー」

榛名「は、はい!」

大和「まったく……金剛さんももう少しまじめになっていただければ、大和も安心なのですが」

初霜「えっと……」

大和「あ、愚痴になってしまったわね、ごめんなさい。さぁて、さっきの続きをしましょうか――」

雪風「……」

776: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 20:19:34.63 ID:ZABr1cxg0


 鎮守府 重巡洋艦寮  利根型の部屋

利根「おぉ、そうじゃ、そうじゃ! 雪風は筋がいいぞ!」

雪風「ありがとうございます!」

筑摩「あら、また将棋ですか?」

利根「おうとも。今、矢倉を教えているんじゃが覚えが早くてのぅ。まぁ、我輩の教え方がいいからな! 当然じゃ!」

筑摩「ふふ……そうなんですか」

利根「よしよし、おさらいすると初手▲7六歩 に△8四歩 と応じれば、後手が矢倉にのってきたと思ってよい。 以下、▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀 ▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金 ▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △5二金 ▲7七銀 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩 ▲6七金右 △7四歩 ▲3七銀 △6四角 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉 ▲8八玉 △2二玉 までが矢倉の基本的な定跡じゃな。古い形じゃが、まぁ、アマで楽しむ分には問題なかろう」

筑摩「え? 将棋って随分、覚えることが多いいんですね」

利根「記号で言うとそうおもうが、別にそんな大変なことでない。こういうのは意味と形で覚えるとよいのじゃ」

雪風「えっと、これって▲6八角 にかえて▲4六角 だと駄目なんですか? 角が交換できそうですけど……」

利根「ほう! それは脇システムじゃな。こういう将棋は激しい展開になりやすいからのぅ、それに定跡を知らんとまずい変化も多いし……まぁ、はじめのうちはやめておくが吉じゃ」

雪風「わかりました!」

利根「まったく雪風はいいこじゃのぅ。どうじゃ、陽炎型はやめてうちの末っ子にならんか?」

雪風「え、えっと……」

筑摩「だめですよ、利根姉さん? 雪風がこまってるじゃないですか」

利根「わはは……冗談じゃ! 冗談! 可愛い奴じゃのう!」ギュー

雪風「わわわ……」

筑摩「ふふ……もう姉さんたら」

778: ◆idiDHwDMwc 2017/12/27(水) 20:28:25.68 ID:ZABr1cxg0


 鎮守府 執務室

提督「……いかんな」

霧島「どうしたんですか?」

提督「いや、思ったよりも資材の集まりが悪い。遠征の見直しをせねばならんかもしれん」

霧島「ああ、なるほど」

提督「急に編成をいじることになるからな、協調性が大事だ……さて、どこに入れても問題の無い艦娘などいたか」

赤城「……雪風はどうですか? 誰とでも仲良くできる子だと思いますが」

提督「ん。確かにあれは癖がない上に優秀だからな、その線で考えてみるか」

赤城「ええ、ええ、それがいいと思いますよ」

蒼龍「あの、待ってください……それはどうなんでしょう?」

提督「なんだ、異論があるのか」

蒼龍「雪風は特別、燃費が良い訳でもないですし、そんなまどろっこしいこと考えずに睦月型か神風型でいいんじゃないですか?」

提督「ふむ……」

蒼龍「……」

提督「分かった。今まで遠征の編成で問題が起こったことはなかったしな、今回は燃費重視でいくことにしよう」

蒼龍「はい……それに雪風だってだれとでもうまくやるなんて無理だと思いますよ?」

提督「は? あれは私とすら、それなりにうまくやっているとおもうぞ」

霧島「提督……その発言はちょっと……」

提督「なんだ、なにか問題があったか?」

霧島「いえ……」

蒼龍「ふふ……私だって提督とはうまくやれていますよね? 雪風以上に」

提督「……まぁ、それはそうだが」

蒼龍「けど、私にも嫌いな人はいるんですよ?」

提督「しかし、お前と雪風ではタイプが違うだろ」

蒼龍「ええ、ええ、そうですね。けど、誰とでもうまくやるなんて不可能なんですよ、カメラのおかげで提督はそれが良く分かったんじゃないですか?」

提督「……」

蒼龍「無理をしてるのかもしれませんよ? ちょっと気をつけてあげたほうがいいんじゃないですか?」

提督「い、いや、しかし……お、おい、赤城、お前はどう思う?」

赤城「……へ?」

提督「お、おい!」

赤城「し、失礼しました! そ、そうですね、蒼龍のいうことにも一理あるかと思います……」

提督「むぅ……わかった。気にとめておこう」

蒼龍「ええ、ええ、そうしてください」ニコリ

 雪風編 艦

790: ◆idiDHwDMwc 2017/12/29(金) 00:39:00.03 ID:spzM3d0c0
 羽黒翔ぶⅢ


 XX14年 4月

 鎮守府 執務室

提督「……」トントン

叢雲「なによ、随分と顔色が悪いわね? 風邪でもひいた?」

提督「い、いや、いたって健康だ」

叢雲「ふーん、ならいいけど」

提督「……」トントン

叢雲「……はぁ、あのねぇ、トントン、トントン、うるさいのよ!」

提督「む……すまん」

叢雲「!?」

提督「な、なんだ?」

叢雲「い、いや、今日はやけに素直じゃない。不気味だわ……」

提督「う、うるさい」

叢雲「本格的にしおらしいわね。今日は休んだら?」

提督「かまわん。それよりも加賀……いや、羽黒を呼んで来てくれ」

叢雲「それはかまわないけど、あのこ、なにかやらかしたの?」

提督「うっ……それを確かめるために呼ぶのだ。とにかく、すぐに行動に移せ」

叢雲「はい、はい」

791: ◆idiDHwDMwc 2017/12/29(金) 00:46:48.01 ID:spzM3d0c0


 鎮守府 食堂

羽黒「……」ハムハム

蒼龍「あれ、羽黒、今日は一人なの?」

羽黒「今日は妙高姉さんたちも那珂さんも出撃してるので……」

蒼龍「ふーん、それよりもこの間はお疲れ様」

羽黒「あ、いえ、蒼龍さんこそお疲れ様でした」

蒼龍「いやぁ、けどさぁ、提督もあんな大物逃がしてよかったのかなぁ?」

羽黒「えっと……?」

蒼龍「ほら、最後にうちらが奇襲した部隊。結構な規模だったじゃない」

羽黒「そ、そうですね」

蒼龍「いくら、龍驤たちが本隊を潰したって言ったって、敵なんだしちゃんと殲滅しておいたほうがよかったと思うんだけど」

羽黒「うーん……資源のことを仰ってましたし、私にはちょっと……」

蒼龍「まぁ、そうよねぇ。あの提督の考えてることなんて全然、わかんないしね」

叢雲「その司令官からお呼びよ」

蒼龍・羽黒「「!?」」

叢雲「……ちょっと、驚きすぎじゃない?」

蒼龍「ご、ごめん、ごめん」

叢雲「はぁ……まぁ、いいわ。それよりも羽黒、食事が終わったら執務室に着なさい」

羽黒「あ、あの、私またなにかやっちゃいました?」

叢雲「知らないわよ。私はただ呼んでくるように言われただけだし」

羽黒「……はい」

叢雲「それじゃあ、伝えたわよ。まったく秘書艦は小間使いじゃないって言うのに」ブツブツ

蒼龍「……ご愁傷様」

羽黒「うぅ……はい」

792: ◆idiDHwDMwc 2017/12/29(金) 00:55:51.97 ID:spzM3d0c0


 鎮守府 執務室

提督「遅い。 本当に呼び出したんだろうな?」

叢雲「伝えたわよ。そんなに心配ならあんたが行けばよかったじゃない」

提督「む……」

 コン、コン

提督「来たか! 入れ!」

赤城「失礼します。ん? なんですか?」

提督「はぁ……なんでもない」

赤城「人の顔を見るなりため息ってどうなんですか?」

提督「なんでもない。用件があるなら手短に済ませろ」

赤城「はい、はい。パラオ沖で座礁した際に故障した箇所ですが、完治しました」

提督「そうか。しかし、お前が離脱したからといって、加賀に任せるのではなかった……二航戦に経験を積ませる上でも五航戦とともに出撃させるべきだったか……」ブツブツ

赤城「? なにかお悩みですか?」

提督「……なんでもない」

赤城「なんでもないってことはないでしょう? よければご相談ぐらいには乗りますよ?」

提督「いや、いい。これは私の問題だ」

赤城「そうですか? まぁ、なにかあれば声をかけてください」

提督「ああ、そうする」

赤城「はい、それでは失礼しますね」

 バタン

提督「はぁ……どうしたものか。弱った……」

叢雲「……これはこれで調子狂うわね」

提督「! そ、そうだ、探しにいこう!」

叢雲「はぁ?」

提督「羽黒はどこにいたのだ? 探してくる」

叢雲「やめておきなさい。普段ほどでなくていいから、机でふてぶてしくしていなさい。いまのあんたはみっともなくて見てられないわ」

提督「うっ……し、しかしだな、事実であれば私の軍歴が……いや、それよりも――」

 コン……コン……

提督「! 入れ!」

805: ◆idiDHwDMwc 2017/12/29(金) 23:53:24.37 ID:spzM3d0c0

羽黒「し、失礼します」ソォー

提督「待っていたぞ!」

羽黒「ひぃっ……」

提督「す、すまなかった。いいから落ち着いてくれ、別にとって食うために呼び出したわけではない」

羽黒「は、はい……」

提督「先日、リランカに出撃した際、お前たちは敵に奇襲を仕掛けたといったな? 間違いないか?」

羽黒「?」

提督「どうなのだ」

羽黒「は、はい! 間違いありません……」

提督「……編成はどうだったか覚えているか?」

羽黒「え、えっと……戦艦1、空母2、重巡洋艦2、駆逐艦1だったと思います」

提督「そこに間違いないなか?」

羽黒「うっ……多分、間違いないと思います……」

提督「はぁ……お前がそういうのだ、間違いないのだろうな。もういいぞ、下がれ……」

羽黒「?」

提督「なにをぼさっとしている、さっさと出て行け……今後のことについては全て私がかたしておく」

羽黒「え? ど、どういうことでしょう?」

提督「本件についてこれ以上、お前に話す必要性は認めない」

叢雲「はぁ……また意味わかんないわね。まぁ、ご苦労様だったわね」

提督「なにを言っている。お前も退出しろ」

叢雲「わかって――はぁ!?」

806: ◆idiDHwDMwc 2017/12/29(金) 23:58:52.77 ID:spzM3d0c0

提督「……善後策を講じる。やかましいお前がいても邪魔だ」

叢雲「まちなさいよ、何があったのかぐらいは説明しなさい。仮にも私は秘書艦よ?」

提督「ふん、お前には関係の無い話だ」

叢雲「……」

提督「なんだ、その目は。さっさと失せろ、ばか者」

叢雲「はぁ? ばかってなによ! むかつくわね! いちいち、喧嘩売ってこないで!」

提督「ふん、ばかにばか者といって何が悪い。事実だろ」

叢雲「こ、この! ――もういい! 勝手になさい!」

羽黒「え、え……? あ、あの……」

叢雲「羽黒、いきましょ! こんな奴のことを少しでも心配したのが、いわれたとおり馬鹿だったわ!」

提督「言っていろ」

叢雲「! まったく、ふざけんじゃないわよ!」

提督「はぁ……本当にうるさい奴だ」

叢雲「なによ、やるつもり?」

羽黒「……あ、あの! け、喧嘩はやめてください! お、お願いします……」

叢雲「……ちっ」

 バタン!

羽黒「ど、どうしよう……あ、あやまらなきゃ……」

提督「おい……なにをしている」

羽黒「え?」

提督「お前もさっさと出て行け!」

羽黒「ひゃ!?」ビクッ

提督「あ……すまな――い、いや、早く消えろ!」

羽黒「ご、ごめんなさい……!」

 ガチャ

提督「ちっ……」

807: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 00:06:30.11 ID:7l6O2yB00


 ――22:00――-

 鎮守府 執務室前

羽黒「……え、えっと」オソルオソル

?「……なにやってるんですか?」

羽黒「ひゃ、ひゃあぁ!!」

曙「きゃ!?」

羽黒「あ、曙ちゃん……おっきな声出しちゃって、ごめんなさい……」

曙「……あ、いえ、こっちこそ急に声かけてごめんなさい」

羽黒「そ、そんなことないよ……私こそ、本当にごめんなさい……」

曙「いえ、こっちこそごめんなさい……」

羽黒「ううん……私が悪いよ……」

曙「そ、そんなことないですよ!」

叢雲「はぁ……なにやってるのよ。執務室の前で邪魔よ」

曙「……叢雲じゃない。こんな時間にどうしたのよ」

叢雲「手帳よ」

曙「はぁ?」

叢雲「だから、執務室に手帳を忘れたのよ」

曙「ふーん……」

叢雲「なによ? それよりあんたこそ何でこんなとこにいるのよ」

曙「うっ……あの、あれよ……――が止まちゃったのよ……」

羽黒「え? ――あ、ご、ごめんなさい!」

曙「そ、そんなあやまらないでください!」

叢雲「だったら、はっきり言いなさいよ。私も聞こえなかったわ」

曙「ちっ……あいつに貰った時計が止まっちゃったのよ……だから見てもらおうと思って……」

叢雲「へぇ、なに壊したの? くっくっく……ぞんざいにあつかったら駄目じゃない」

曙「ち、違うわよ! 大切にしてたわよ!」

叢雲「どうだか」

曙「はぁ!?」

羽黒「あ、あの、落ち着いて? ね?」

叢雲「……うるさいわね」

曙「ちょっと! 羽黒さんに失礼じゃない!」

叢雲「なによ、羽黒が那智の妹だからって随分と肩を持つのね」

曙「べ、べつにそういうわけじゃないし!」

羽黒「うぅ……」

叢雲「はぁ……付き合いきれない。私はさっさと手帳とって帰って寝るわ」

曙「ちっ……勝手になさい。私もクソ提督に治してもらってねることにするわよ! クソ提督、入るわよ!」

 ガチャ

811: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 00:18:58.99 ID:7l6O2yB00

提督「なっ!? く、来るな! 近づけば頭を打ち抜くぞ!」カチャ

曙「え? ――はぁ!?」

叢雲「ちょっと早くはいり――は?」

羽黒「ど、どうしたの? ――う、嘘!?」

提督「ちっ……三人ともなんの用だ。見てのとおり、私は忙しい。出て行け」

叢雲「……ちょ、ちょっと悪い冗談はやめなさい? じ、自決の真似なんて洒落にもなんないわよ?」

曙「そ、そうよ! 心臓に悪いんだから、あのねクソ提督――」

 パァン!

曙「ひゃ!?」

羽黒「きゃぁぁ!」

提督「だまれ、お前たちに当てる気はない。いいから、出て行くんだ」カチャ

曙「で、出て行けって……この状況でそんなことできるわけないじゃない!」

提督「最後ぐらいは私のいうことを素直に聞け。引継ぎの資料はしっかりと作った。次の鎮守府司令長官は私のような間抜けでないことを祈るのだな」

羽黒「ま、まってください! なんでそんなことするんですか!?」

提督「……うるさい。お前はいつものように怯えて逃げていけばいい」

羽黒「に、逃げません! いくらあなただって私は絶対に見捨てません!」

提督「……ふん、良くぞ大見得切ったものだな。馬鹿が」

叢雲「……ちょ、ちょっと刺激しないほうがいいわよ! それにこの状況、どうするつもりなのよ!?」

羽黒「うっ……わ、私がなんとかします! だから静かに」

叢雲「はぁ!?」

羽黒「あの……司令官さん、なにがあったんですか? 話してください」

提督「……」

羽黒「司令官さん!」

提督「……ちっ、こんな無様なところをお前たちには見せたくなかったが。已むを得ん――」スッ

羽黒「駄目!」ビュン!

提督「!? ――がはぁ!」

羽黒「はぁはぁ……なんとか間に合った……。曙ちゃん! 縄!」

曙「――え?」

羽黒「早く持ってきて!」

曙「は、はい!」

叢雲「や、やめなさい! 完全に腕、きまってるじゃない! こんなんでも上官よ!?」

羽黒「そうしてるんです!」

叢雲「うっ……」

提督「や、やめろ! 放――ぐぅ!」

羽黒「いいえ! 絶対に放しません!」

叢雲「ちょ、ちょっと、今度こそ、本当にやめなさい! そんなに力いれたら折れちゃうわよ!?」

羽黒「已むを得ません! 折れたら、そのときはそのときです!」

叢雲「!?」

提督「うぐ……き、貴様……」

812: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 00:34:44.91 ID:7l6O2yB00

羽黒「教えてください! なんでこんな馬鹿な真似をしたんですか!」

提督「うるさい、放せ!」バタバタ

羽黒「うっ……暴れないで!」ギュー

提督「あがっ、うぐぐ……この馬鹿力めぇ……」

羽黒「はぁはぁ……理由を教えてください」

提督「……知らんな。そういう気分だっただけだ」

羽黒「司令官さん!」

提督「……ふん!」

叢雲「……駄目ね、こうなったら死んでも話すたまじゃないわ。いいわ、そのまま押さえつけときなさい。家捜しするわ」

提督「……分かった。話す、話すから開放してくれ」

叢雲「どう思う?」

羽黒「……別にこのままでも話せると思います」

提督「な、ななな……き、貴様らに武士の情けないのか!?」

羽黒「情けよりも命のほうが大切です!」

提督「うっ……」

曙「はぁはぁ……そ、倉庫から持ってきました……」

羽黒「それじゃあ、巻いちゃってください」

曙「え? い、いいんですか?」

羽黒「はい。このまま暴れられると確実に折っちゃいます」

叢雲「そ、それは困るわ! そいつが事務仕事できないんじゃ、存在価値ないじゃない! 曙、早くやりなさい!」

曙「あ、あの……ご、ごめんね……?」

提督「……別に気にする必要はない」

818: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 01:51:38.50 ID:7l6O2yB00

曙「お、終わりました……」

羽黒「ありがとう。はい、司令官さん、腕は放しました」

提督「ちっ……それなら縄も解け」

羽黒「全部、お話してくれれば」

提督「はぁ……加賀ではなく、やはりお前のほうが旗艦に向いていたな」

叢雲「ま、まちなさいよ! そのことと何か今回の件が関係あるの!?」

提督「……そんなつもりで言ったのではない。気にするな」

叢雲「うっ……そ、そう」

羽黒「? 私たちにも分かるように話をしてください」

提督「はぁ……曙、お前は出て行け」

曙「な、なんでよ」

提督「お前が護衛によくつく一航戦のことだ。聞かないほうがいいだろう」

曙「そ、そんなこといっても……」チラリ

羽黒「聞くべきです。司令官さんも今更、無駄な抵抗をしないでください」

提督「ちっ……リランカ島空襲の際、味方を攻撃した可能性がある」

羽黒「え?」

提督「あそこは英吉利も攻略を目指していた。本来であればありえないが部隊がかち合う可能性も考えられたのだ」

羽黒「……偵察の徹底するように通達していたのはそのためですか? なら、なんでそのことを加賀さんたちに教えてあげなかったんですか?」

提督「ふん……流石にそんな低い可能性まで考慮していては作戦行動など取れるか。大体、偵察の徹底については、あそこはいわくつきの海域だったからな。念には念を入れて、というだけだった」

曙「それならそこまでしなくてもいいじゃない!」

提督「全責任は私にある。お国に迷惑をかけたのであれば潔く死んで詫びるべきだ」

叢雲「……現地の指揮官は加賀だったじゃない、本来は加賀を軍法会議にかけて――」

提督「馬鹿を言うな!」

叢雲「うっ……」

提督「加賀を旗艦にしたのは私だ、責任は私が取る。それに空母一隻と指揮官なら、指揮官のほうが安い」

曙「や、安いって……そんないいかたしないでよ……」

叢雲「うぐぐ……それにあんたは羽黒を旗艦に――」

提督「そんな昔のことはしらんな」

叢雲「呆れた……」

曙「? さっきからなんなのよ」

叢雲「なんでも無いわよ……」

羽黒「とにかく、お話は分かりました。確かに今回の作戦は編成に問題があったから、起こったともいえると思います」

提督「そうだろう。であれば、私が死んで詫びるのが一番だ。さぁ、縄を解いて、部屋に帰れ。お前たちは何も知らなかった、いいな?」

曙「……あ、あの」

羽黒「大丈夫」

曙「え?」

819: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 01:58:53.46 ID:7l6O2yB00

羽黒「すぅ、はぁ、すぅー……司令官さんのおっしゃるように提督の責任もあるのは確かです。けど、一番の責任は私たち現地にいた艦娘です。自決するというなら全員、お供します!」

提督「はぁ!? そんな馬鹿な話があるか! それでは私が死ぬ意味が無いではないか!」

羽黒「……」

提督「な、なんだ……?」

羽黒「な、なんでもないです……」

提督「?」

羽黒「そ、それよりも、一応、聞かせて欲しいですけど、そのイギリスの艦隊を襲ったのが、私たちだっていうことは大本営は知っているんですよね?」

提督「いや、流石に戦場で同盟国同士の艦娘がかち合ったなどというばかげた可能性は考えていない。烈風に似た艦載機を深海棲艦が開発したと、てんやわんやしているだけだ」

羽黒「え? それなら黙ってれば……」

提督「馬鹿! 軍人としてそんなことできるか!」

羽黒「あ、あの、その志は立派だとは思うんですけどぉ……」

曙「そ、そうよ! クソ提督、そうしましょう! ばれないわよ!」

叢雲「……キチガイじみた艦載機運用する加賀でよかったわね。あんな動きの艦載機を艦娘が操ってるとは思われなかったのよ」

提督「馬鹿な。虚偽の報告など謀反だ、陸軍の暴走があの大戦につながったように――」

羽黒「それなら6隻、全艦、お供します」

提督「ぐぅ……ふん、そんな脅しに乗ると思っているのか? さきほどは動転していたが、現実的にありえんな。もうすこしまともな嘘を考えろ」

羽黒「あぅ……」

曙「あ、あの……」

羽黒「な、なに?」

曙「クソ提督にいいたいことがあるんです。いいですか?」

羽黒「う、うん……」

提督「……なんだ、曙」

曙「えっと、2度は言わないわよ」

提督「?」

曙「……あんたがいなくなると私は悲しいわよ」ボソッ

提督「? そうか」

曙「わかんない奴ね! 私以外にもクソ提督にいなくなってほしくないって思っている子もいるわよ! ……きっと」

提督「だ、だから、どうしたというのだ」

叢雲「はぁ……曙はあんたがいなくなると士気が落ちるっていってるのよ。それに新任がきまるまでの期間にここを抜けられたらどうするつもりよ? 本土まで一直線よ?」

曙「え? わ、わたしは――」

叢雲「いいから」

提督「む……」

叢雲「あんたのせいで本土の無辜の国民が大勢死ぬかもしれないけどいいなら勝手になさい」

提督「しかし……」

825: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 06:07:25.36 ID:7l6O2yB00

羽黒「あ、あのそれなら私たちが司令官さんを見張りますから、もうやめませんか……?」

提督「む……どういうことだ」

羽黒「暴走してお国のためにならないようなことをしそうになったら、私たちが司令官さんを止めます」

提督「いや、しかし、な……ばれたらどうするのだ……。それこそ刑が重くなるぞ」

叢雲「知らないっていいはりなさい。幸い戦果を挙げたのは龍驤なんだから、加賀たちの行動なんて誰も注目してないわよ」

提督「ぐぅ……」

羽黒「どうするんですか?」

提督「分かった……お前たちの言うとおりにしよう……」

羽黒「はい!」

曙「やった!」

叢雲「はぁ……疲れた……」

提督「しかし……お前たち、こんな時間に何をしにきたのだ……」

曙「あ、そ、そうよ! みて、止まっちゃったのよ!」

提督「はぁ? そんな簡単に壊れる安物ではないぞ、ねじは巻いていたか?」

曙「ねじ?」

提督「……あとで説明してやる、馬鹿者。で、羽黒、お前はどうしたのだ? これと同じようにくだらない理由であれば笑うしかないな」

羽黒「あ、あの私はお昼に司令官さんの様子が変だったので、一応……」

提督「ちっ、ついてないな」

叢雲「ついてないのは私よ。今日に限って手帳忘れるなんて最悪よ……」

提督「やはりばか者ではないか」

叢雲「うるさい!」

羽黒「うふふ……」

提督「なんだ」

羽黒「いえ、司令官さんってもっと怖い人だと思ってました。私たちのことも便利なこまぐらいにしか思ってないんじゃないかなって」

提督「そう思っている」

羽黒「ふふ……」

提督「なんだ」

羽黒「え、えっと……なんでもないです。うふ」

提督「ちっ」


 羽黒翔ぶ 艦



827: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 07:49:34.79 ID:7l6O2yB00
というわけで羽黒翔ぶ 艦です。
続きは妙高型の開放でやっていきたいと思います。
……また寝落ちして、ほんとに申し訳ないです。起きた瞬間、心臓とまるかと思いました。

今日・明日は午後に顔出せばいいだけのはずなので17:00と23:00の2回づつ更新予定です。


スキルを入手しました。

羽黒の支援:妙高型が関係するコンマの際に任意発動。出たコンマに+3することが可能。(1回の更新で使用は1回)

……まぁ、+3やしおまけみたいなもんですね。


つづいて龍田のコンマです。朝の微妙な時間からごめんなさい……

提督から龍田への感情度 ↓コンマ以下
龍田から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

831: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 08:12:11.90 ID:7l6O2yB00
ん……?
あきつ丸かな?

両者ともに10以下です。好感度コンマにうつります。

提督から龍田への好感度 ↓コンマ以下
龍田から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

836: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 08:24:45.97 ID:7l6O2yB00
これはいい龍田

提督から龍田への感情度:05 提督から龍田への好感度:62
龍田から提督への感情度:10 龍田から提督への好感度:75

それでは次回更新まで失礼します

847: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 19:57:05.84 ID:7l6O2yB00

 鎮守府 軽巡洋艦寮 廊下

神通「それでは頼みましたよ」

雪風「はい! おまかせください!」

龍田「あらぁ、こんにちわ。こんなところでどうしたのぉ?」

神通「……雪風」チラッ

雪風「え、えっと……し、失礼します!」

龍田「? あ、あのぉ、神通ちゃん、この間のことでちょっとお話があるのだけれど……」

神通「私は特にお話しすることがあるとはおもいませんが?」

龍田「そんな邪険にしなくてもいいじゃない」

神通「失礼します」

龍田「あ……行っちゃった……」

848: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 20:01:01.00 ID:7l6O2yB00


 鎮守府 中庭

龍田「はぁ……困ったわねぇ。どうやって謝ればいいのかしらぁ……」チクチク

嵐「お! 龍田さんじゃん! こんにちわ!」

龍田「ふふ、こんにちわ。今日も元気そうね」

嵐「まぁ、それが俺のとりえですから。で、なにしてんです?」

龍田「最近、寒くなってきたからマフラー作ってたのよ」

嵐「へぇ、そりゃあいいな」

龍田「うふふ、嵐の分も作りましょうか?」

嵐「え、いや、さすがに悪いですよ」

龍田「遠慮しないの。ミルン湾のときは一緒に戦った仲じゃない」

嵐「……それじゃあ、お願いします」

龍田「ええ、ええ、色はなにがいいかしら」

嵐「うーん、どうしようかなぁ、黒とかもかっこいいけど……やっぱ赤で!」

龍田「ふふ……いいわよぉ。とびっきり暖かいのつくるわね」

嵐「ありがとうございます!」

龍田「どういたしまして」

提督「――それで遠征の件だが、ボーキサイトを中心に集めておきたい。異論はあるか」スタスタ

赤城「いえ、よろしいかと思います。他はそれなりにたまってきていますし」スタスタ

提督「うむ」

龍田「あ……提督……」

嵐「どうかしたんですか?」

龍田「な、なんでもないわよぉ」

嵐「そうですか?」

龍田「ええ……」

849: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 20:08:14.08 ID:7l6O2yB00


 鎮守府 駆逐艦寮 第6駆逐隊の部屋

龍田「うーん……難しいわねぇ。このピースが多分、ここらへんだとおもうんだけど……」

電「なのです」

暁「ふぁ……眠くなってきちゃったわ。パズルなんてやめて別のことしましょうよ」

雷「駄目よ、始めたからには最後までやらないと。初志貫徹よ」

響「まぁ、それはそうだけど、一日でやる必要はないだろ?」

電「け、けど、もうちょっとでできそうなのです」

暁「さっきからそればっかりじゃない。折角、龍田さんに来てもらったのに申し訳ないわ」

龍田「いいのよぉ? パズルなんて久しぶりだから楽しいわ」

電「あ、これです! あったのです!」

龍田「本当ね。ふふ……」

暁「ふーん……あれ、ここってこれじゃないの?」カチッ

電「本当なのです! 流石は暁お姉ちゃんなのです!」

暁「ふふん、これぐらい当然よ」

響「へぇ、暁、よくわかったね」

暁「そうでしょ、そうでしょ! さぁ、残りをやっていくわよ!」フンスー

雷「もう、暁ねぇは単純なんだから」

龍田「うふふ……」

電「これがこうなって多分、こうなのです」

響「え? 電、そんなに無理やりくっつけるものじゃないだろ?」

雷「そうよ!たぶん、こうじゃない? ――あれ、違うわね」

暁「下手ねぇ。こうでしょ」

響「まず絵柄が全然、違うじゃないか」

暁「あれ、まちがえたかしら? おかしいわね……」

響「おかしいのは暁の感性だよ……」

龍田「そこなら、これじゃないかしら」

暁「あ……そっかぁ」

 ワイワイ、ガヤガヤ

850: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 20:29:48.51 ID:7l6O2yB00

 ――1時間後――

電「スー……スー……むにゃむにゃ……」

響「zz……」

飛龍「おーい、萩風、いる――って、龍田、なにやってんのよ?」

龍田「遊び疲れてねむちゃったみたいなの。うふふ……だから静かにお願いしますねぇ?」

飛龍「ふーん。しかし、暁型4つ装備とは恐れ入るわね」

龍田「うふふ……暖かいですよ」ナデナデ

飛龍「そりゃあそうでしょうね」

暁「……」ムクッ

龍田「あら、どうしたのぉ?」

暁「……なのです」バタッ

龍田「あらあら、寝ぼけちゃったみたいねぇ」ナデ

飛龍「可愛いなぁ……って、違うわよ。萩風、見なかった?」

龍田「萩風ちゃんですかぁ? うーん、今日はみてないわねぇ」

飛龍「そっかぁ……萩風にも謝っておかないといけないんだけどなぁ……」

龍田「どうしたんですか?」

飛龍「あ、いや、大したことじゃないわ。それよりも邪魔したわね、ごめんなさい」

龍田「いいのよぉ? それよりも今度は起きてる時にこの子たちとも遊んであげてくださいねぇ」

飛龍「ん……分かった」

龍田「ふふ……」ナデナデ

飛龍「それじゃあ、失礼するわ」

 バタン

龍田「皆、よく眠ってるわねぇ……やっぱり疲れてたのかしら。――あら」

響「ふぁ……あれ? 寝ちゃったのか……」ゴシゴシ

龍田「うふふ、おはよう」

響「あ……ごめんなさい……」

龍田「あら、どうしたの?」

響「来てもらったのに寝てしまったから……」

龍田「ふふ……いいのよぉ? それよりこの後は何をしましょうか?」

響「えっと……」

龍田「そうねぇ、皆がおきたらお買い物に行くのはどうかしら? それでちょっと気が早いけど今日のお夕飯の材料を買ってきましょう」

響「Дах」

龍田「ふふ……良い子ねぇ」

853: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 21:16:01.33 ID:7l6O2yB00

 鎮守府 正門前

暁「今日のお夕飯はなににするの?」

龍田「そうねぇ、寒くなってきたからお鍋にしましょうか」

電「ほわぁ、電もおなべ食べたいのです」

龍田「ならそうしましょうねぇ。えっと、雷ちゃん、ポン酢ってあったかしら」

雷「え? うーん……無かったと思うけど」

龍田「それならすぐに悪くなるものでもないし、買ってきましょうね?」

暁「はーい」

龍田「うふふ……あ」

提督「留守については頼んだぞ」

霧島「はい、お任せください」

提督「ちっ……しかし、なんで私が新米の迎えになんぞいかねばならんのだ。向こうから挨拶に来るのが筋ではないのか?」

霧島「はぁ……この人は全く……」

提督「ため息をつきたいのは私――」

暁「司令官、霧島さん、こんにちわなのです」

龍田「!? あ、暁ちゃん」

提督「む……なんだ、これからでかけるのか?」

響「……Дах」

提督「気をつけていくように。――おい、霧島、車はまだか?」

霧島「はぁ……もうすこしで来ると思いますよ」

提督「ちっ」

龍田「ほ、ほら、皆、早く行きましょう? 提督も忙しいみたいだから、ねぇ?」

電「え、えっと……」チラッ

提督「ん? なんだ」

電「なんでもないのです……」

 キィー、バタン

提督「やっと来たか。遅いぞ」

あきつ丸「お休みだと思ったら、叩き起こされたのに無茶苦茶言わないでほしいであります……」

提督「月月火水木金金だ、非番でも最低限の準備ぐらいはしておけ」

龍田「……あ、あの」

提督「今度は龍田か。はぁ……なんだ? 手短に話せ」

龍田「この間の訓練はごめんなさい……」

提督「幸い今回は大事に至らなかったが、以後、気をつけるように」

龍田「……」

提督「それでは行ってくる。あきつ丸、出せ」

あきつ丸「……了解であります」

響「……」チラッ

龍田「……」

暁「龍田さん、どうかしたの?」

龍田「ううん、なんでもないわよぉ。それじゃあ、私たちもいきましょうか?」

 龍田編 艦

854: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 21:20:05.32 ID:7l6O2yB00
というわけで龍田編 艦です。
龍田のお話ですが三保関事件と提督との交友、どっちを先に書いていくか、それが問題だ。

……最近、だらしなくて本当に申し訳ないです。
なんも言い訳のしようが無い……


つづいて夕雲のコンマです。

提督から夕雲への感情度 ↓コンマ以下
夕雲から提督への感情度 ↓↓コンマ以下

858: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 21:23:30.78 ID:7l6O2yB00
ご協力ありがとうございます!

提督から夕雲への感情度:63
夕雲から提督への感情度:42

平和なコンマ。穏やかなスレですね。

次回の更新ですが、23:00からとかいったけど今日も24:00からの更新になります……
ごめんなさい。

860: ◆idiDHwDMwc 2017/12/30(土) 21:26:46.65 ID:7l6O2yB00
あ、あと入れ忘れてたんですが。

 龍田→空母派

コンマで1~40までが後、最短3、最大7で長かった2部も終わりですね。
このペースだと1月半ばぐらいかなぁって

865: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 00:24:57.68 ID:2bfSMLg+0

 
 ――17:00――

 鎮守府 中庭

夕雲「ふぁ……今日も訓練厳しかったわね」

巻雲「あれ、夕雲姉さんお疲れですか?」

夕雲「ええ、昨日もおそかったものだからこの時間になると眠くて……」

巻雲「それじゃあ今日は早く寝ないとですね!」

夕雲「ふふ……ありがとうね」

鈴谷「はぁ……お、夕雲たちじゃん、なにしてんの?」

夕雲「あら、鈴谷、こんばんわ」

巻雲「こんばんわ。訓練がおわったところなんです」

鈴谷「ふーん、がんばってるじゃん。偉い、偉い」

夕雲「それよりも鈴谷さん、お元気が無いですけどなにかあったんですか?」

鈴谷「いやぁ、ちょっと約束すっぽかされただけだから。気にしないで」

夕雲「あら、熊野さんでしたら最上さんたちと一緒にいましたよ」

鈴谷「え? あぁ、違う、違う、約束してたの熊野じゃないよ」

夕雲「えっと……では金剛さんたちでしょうか?」

鈴谷「うーん……」

夕雲「あら、違いましたか。それではどなたでしょう?」

鈴谷「な、内緒!」

夕雲「へぇ……あ、ひょっとして殿方ですか? 誰にも言いませんから教えてくださいな」

巻雲「えぇ!? と、殿方って男の人ですか!?」

鈴谷「へ!? だ、だから内緒だって!」

夕雲「うふ、この反応はあたりですね」

鈴谷「あー、もう! 調子狂うなぁ! 確かに男っちゃ男だけど……」ガシガシ

巻雲「ふぁぁ!すっごい!」

夕雲「本当ですねぇ」

鈴谷「いや、本当にそんなんじゃないって」

867: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 00:27:33.97 ID:2bfSMLg+0
夕雲「それで相手は――あ……」

巻雲「どうしたんですか?」

夕雲「鎮守府で殿方って提督しかいないような……」

巻雲「え……」

鈴谷「な、なによ?」

夕雲「ちょ、ちょっとだけ趣味悪くないですか……?」

鈴谷「!?」

夕雲「そんなに驚くことかしら……ねぇ、巻雲さん?」

巻雲「え、え? の、ノーコメントで……」

鈴谷「うっ、べ、別にご飯食べに行く約束してただけだし! そんなんじゃないし!」

夕雲「その反応は流石に自白してるような気がしますけど……」

鈴谷「うぐぅ!?」

巻雲「……」

夕雲「ま、まぁ、愛の形は人それぞれって、テレビでも言ってましたし……」

鈴谷「だ、だから違うの!」

蒼龍「……そんな否定しなくてもいいんじゃない。あんなに仲よさそうだったんだし」

鈴谷「!?」

夕雲「!?」

巻雲「ふぁ!?」

870: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 00:50:31.02 ID:2bfSMLg+0

蒼龍「なに? 驚きすぎじゃない?」

夕雲「あ、あの蒼龍さん、いつもと雰囲気が少し……」

蒼龍「……だから?」

夕雲「あ、あう……」

蒼龍「まぁ、それにしても食事は残念だったね。今ぐらいはいい思いしておかないと」

鈴谷「え? ど、どういうことですか?」

蒼龍「別に。なんでもないよ、うふ」

鈴谷「!」ゾク

蒼龍「それじゃあ、ね」ガリガリ

夕雲「び、びっくりしました……」

巻雲「は、はい」

鈴谷「ねぇ、蒼龍さんってあんなひとだっけ?」

夕雲「い、いえ、もっと穏やかというか……ねぇ、巻雲さん」

巻雲「はい! ちょっと、信じられないというか、具合でもよろしくなかったんでしょうか……?」

夕雲「そ、そうかもしれないわね……」

鈴谷「うーん、確かにこの間、具合悪くなたって言ってたしなぁ」

巻雲「それなら後で飛龍さんにお薬とか渡しておかないと」

夕雲「ええ、蒼龍さんがあの調子じゃ駆逐艦の子達もあまり士気あがらないでしょうし……」

鈴谷「へぇ、二航戦の人たちも駆逐艦にはやっぱり慕われてるんだ」

夕雲「当然です」

鈴谷「いいなぁ」

巻雲「あ、で、でも鈴谷さんだってみんなに慕われてると思いますよ?」

鈴谷「お、サンキュ!」ナデナデ

巻熊「うわうわ……!!」

鈴谷「可愛いなぁ……このこの」

夕雲「鈴谷さん、それぐらいにしてあげてください」

鈴谷「んー? 了解、了解。あはは……」

巻雲「あうぅ……」

鈴谷「さぁてと、動いたらおなか減っちゃったし、ご飯どうしようかなぁ。一人でお店行くのもあれだしなぁ」

夕雲「あら、よければ私たちとご一緒しませんか?」

鈴谷「うーん……そうしようかなぁ」

夕雲「うふ……」

鈴谷「な、なによ?」

夕雲「なんでもないですよ?」


872: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 01:23:55.43 ID:2bfSMLg+0


 鎮守府 食堂

夕雲「そ、それで提督はどこまでいったんですか? A、B、C?」モグモグ

鈴谷「はぁ!?」

長門「おい……飯のときぐらい静かにしろ」

鈴谷「あ、ご、ごめんなさい」

長門「全く……」

陸奥「長門がごめんなさいねぇ」

鈴谷「いえ、こっちこそ隣りで騒いじゃってごめんなさい」

陸奥「いいの、いいの。それより楽しそうなお話してるわね」

加賀「なんですか? デザートの話ですか?」

長門「おい、どこから沸いた」

加賀「食堂で楽しい話といえばデザートかと思ったので」

長門「意味が分からん……」

夕雲「デ、デザートの話ではないですねぇ」

加賀「そうですか……はぁ、紛らわしい」

瑞鶴「はぁはぁ……加賀さん、いきなりどうしたんですか?」

加賀「なんでもありません。それより姉のほうはちゃんと席とっているんでしょうね」

瑞鶴「も、勿論ですよ! こっちで待ってますよ」

加賀「そう……」

長門「なんだったんだ……あいつは」

夕雲「そ、それでさっきの質問ですけど。どうなんですか?」

873: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 01:26:41.48 ID:2bfSMLg+0

鈴谷「いや、あのさぁ、それって意味分かってんの?」

夕雲「え? ま、まぁ」

鈴谷「ほんと……?」

夕雲「も、勿論です!」

鈴谷「ふーん……」

夕雲「あう」

陸奥「あらあら、かわいいわねぇ」

長門「うむ」

鈴谷「それよりさぁ、ねぇ、夕雲はどんなタイプがすきなの?」ニヤニヤ

夕雲「はぁ? わ、私のタイプなんて――」

巻雲「き、きになります!」

夕雲「ちょ、ちょっと! 巻雲さん!」

巻雲「!」フンスー

鈴谷「くっくっく……あきらめて話しちゃいなよ。減るもんじゃないしさぁ」

夕雲「うぅ……」

陸奥「うふふ……うぶねぇ」

長門「……なんだ、男の話か。つまらんな」モグモグ

陸奥「長門……」

夕雲「ぐっ、そ、それじゃあ、私が話したら鈴谷さんも私の質問に答えてくれますか?」

鈴谷「へ?」

夕雲「それが等価交換てものじゃないですか」

鈴谷「え、え、それじゃあ、話さなくていいよ!」

夕雲「だ、駄目です! ここまで来てそれはなしですよ!」

鈴谷「あー、もうなんでこうなるのよ! ちょっとからかっただけなのに!」

874: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 01:31:55.22 ID:2bfSMLg+0

夕雲「う、うふふ……わ、私のタイプは甘えてくれる人です!」

巻雲「ふぁ!? ま、巻雲のことですか!?」

長門「はぁ? お前はなにをいっているのだ?」

巻雲「へ?」

長門「男の話だろ」

巻雲「あう……」

長門「しかし、甘えてくれる人とはな……夕雲、ちゃんと相手を選ばないと苦労するぞ」

夕雲「うっ……い、いいじゃないですか」

長門「別に悪いとは言ってない。まぁ、一番近いところにいる男性である提督が人を頼りにしないからな、知らないものにあこがれているのだろう」

夕雲「ど、そんなことないです!」

長門「そうか。しかし、甘えてくる男などろくなものではないだぞ、やはり男性は強くなければ」

鈴谷「お、やっぱ、長門さんもそうおもいます?」

長門「まぁな」

陸奥「へぇ、じゃあ、提督とかどうなの?」

長門「あの人は強いというか、怖いとか厳しいの部類だろ……」

鈴谷「えぇ? そっかなぁ」

夕雲「嫌な予感がしますけど、ちなみに強いってどれぐらいがいいんですか?」

長門「ふむ、やはり強いというぐらいだから素手で深海棲艦を倒せるぐらい出ないとな」

陸奥「長門……」

夕雲「長門さんは一生、独身かもしれないですね……」

長門「む……失礼な。そんなことをいうなら言うが、夕雲、お前にあまえるなどはたから見たら事案だぞ。諦めろ」モグモグ

夕雲「じ、事案……」ガクッ

巻雲「だ、大丈夫です! 巻雲が甘えます!」

陸奥「い、いや、それはちょっと違うんじゃない」

 夕雲編 艦

882: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 17:28:33.32 ID:2bfSMLg+0

 五十鈴のなくころに


 XX1―年 ――月 ――日 

 日― ――私室

――「うぐっ……放して……くれ」 

――「大丈夫、大丈夫だから。――? もう少しで――」 

提督「や、やめ……」 

 ――ン! 

――「へぇ……」 

下士官A「今の銃声はなんだ!?」 

下士官B「――殿の部屋から聞こえたぞ!」 

――「そ――んだ……――」 

――「ち、違! ゲッホ……私の話を……――!」 

五十鈴「……そんなに取り繕わなくても。――よ、――一番、私が――」 

少将「おい! なんの騒ぎだ!! ちっ! ――を拘束せよ!」 

提督「ま、まってくれ! 違うのだ! 私の話を聞いてくれ!」 

五十鈴「うふ……うふふ……あははは……!!」 

884: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 17:40:14.65 ID:2bfSMLg+0


 XX10年 1月

 日本 軍令部

提督「ふむ……」

五十鈴「なにみてるのよ?」

提督「君の訓練データだ」

五十鈴「仕事熱心で感心、感心。それで五十鈴に何か問題でもあったかしら」

提督「いや、これといって特に言うことはない。全てが高いレベルでそろっている」

五十鈴「まぁ、五十鈴にかかれば当然よね」フフン

提督「まぁ、そのとおりだとは思うが……欲を言えばもうすこし対潜訓練の成績をあげてほしい。装備のわりに数値が低く感じられるぞ」

五十鈴「うっ……」

提督「どうした? 潜水艦が苦手なのか?」

五十鈴「……提督なら五十鈴がなんで沈んだのかは知ってるでしょ?」

提督「ん、勿論だ」

五十鈴「それなら理由も見当がつくんじゃない?」

提督「……なるほどな、先の大戦では常に空襲・潜水艦との戦いであったしな。最後も潜水艦とあっては君の気持ちも分からんでもない」

五十鈴「分かってもらえたのならよかったわ。まぁ、そういうことだから対潜は――」

提督「しかし、このままではいけない」

五十鈴「はぁ?」

提督「苦手というのは克服するべき課題であるということだ」

五十鈴「えぇ……長所を伸ばしていきましょうよ。対空とかは自信あるわよ?」

提督「それは苦手が克服できてからだ。一点特化というのはどうしても運用が限られる」

五十鈴「いいたいことは分かるけど……」

提督「さきに言っておくが、私はうまく言葉選びが出来ん。君には嫌な思いをさせるかもしれんが許してほしい」

五十鈴「?」

885: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 17:47:09.42 ID:2bfSMLg+0

提督「あ、うん……五十鈴、君は艦娘とはなんだと思ってる?」

五十鈴「……兵器よ」

提督「そ、そうだな……」メソラシ

 シーン……

五十鈴「ちょ、ちょっと、急に黙らないでよ」

提督「あ、いや、いきなりこちらの諭そうとしたことを言われたのでな……困った」

五十鈴「あなたがいままでどんな艦娘とあってきたのかは知らないけど、大本営所属の艦娘なら全員、そう答えるわよ」

提督「そ、そうか……いや、無粋なことを言ってしまったな」

五十鈴「別に」

提督「うっ……」

五十鈴「それで?」

提督「あ、うむ……兵器に必要なのは汎用性だ。ある一定の条件化ですさまじい威力を発揮できようとも、それ以外ではお荷物ではまずいだろ?」

五十鈴「でも、対空射撃はどんな場所でも腐らないと思うわよ」

提督「いや、敵に空母がいなければ実力を発揮することが出来ないではないか」

五十鈴「だったら、空母のいる戦場をにいけばいいだけじゃない」

提督「……偶発的な戦闘も考えられる。とにかく、対空をさらに磨き上げるのは全てが高いレベルで出来るようになってからだ」

五十鈴「えぇ! 嫌よ! 対潜なら妹の由良に任せておくわ!」

提督「いや、そういうわけにもいかんだろ。そんな運用など欠陥があることを吹聴して回るようなものだ。それで君はいいのか?」

五十鈴「うぐっ……」

提督「大丈夫だ、君ならできると信じている」

五十鈴「……分かったわよ! ……やればいいんでしょ、やれば! 上等じゃない!」

提督「よし! その心意気だ! 私も協力して大本営中を驚かせるほどの結果を上げて見せようではないか!」

五十鈴「え……そこまでは――」

提督「遠慮するな! とことん付き合うぞ! ははは……!」

五十鈴「失敗したわ……」

887: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 18:38:17.90 ID:2bfSMLg+0


 ――2時間後――

 軍令部 軽巡洋艦練兵場

提督「うむ……悪くはないんだが……」

五十鈴「はぁはぁ……な、なによ。はっきり言いなさい」

提督「よくは無いな」

五十鈴「ちょっと! あんなに必死にやったんだからもうちょっといいかたってもんがあるでしょ!?」

提督「あ、いや、すまん」

五十鈴「はぁ……やっぱり才能無いのよ……」

提督「いや、そう決断するのはまだ早いだろ。石の上にも三年というではないか」

五十鈴「三年もやってたら戦いが終わっちゃうわよ!」

提督「例えだ。しかし、それぐらいじっくりやっていくべきではないか? そうだな、これからは毎日、2時間は対潜訓練を行っていこう」

五十鈴「いやいや、こんなの毎日、やってたら普段の訓練なんてできないわよ!」

提督「む……確かにオーバーワーク気味かもしれん。よし、訓練のほうも私が組みなおしておく」

五十鈴「へ? あなたにそんなことできるの?」

提督「いや……私は君の指揮官になったといっただろ。それぐらいの裁量は任されている」

五十鈴「ふーん」

提督「気の抜けた返事だな……」

五十鈴「はいはい、ごめんなさい」

提督「……技術的な問題などがあるのかは私のほうでよくよく調べておく。君はしっかりと休んでおくように」

五十鈴「任せたわ。はぁ、おかげさまで今日はゆっくり休めそうよ」

提督「それはよかった」

五十鈴「ちょっと本気にしてないわよね? 嫌味よ?」

提督「も、勿論! わかっている……」

五十鈴「ぷっ……」

提督「な、なんだね」

五十鈴「アハハ……嘘だってばればれじゃない!」

提督「そ、そんなことはな!それよりもしっかりとやすむのだぞ! 失礼する」

五十鈴「はぁあ……笑わせてくれるわ、本当に。まぁ、あんなんでもなんの面白みも無い大本営の連中よりはましよね、くっくっく……」


892: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 18:58:58.75 ID:2bfSMLg+0
ありがとうございます!
やっぱり母性と相性悪いんじゃないんですかね、この提督……

提督から雷への感情度:39
雷から提督への感情度:22

 雷→空母派

あと1隻でリーチ!

896: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 23:07:05.71 ID:2bfSMLg+0
とりあえず、おしながきの更新です

 おしながき

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せ(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室(弥生、神通)
3、赤城日記(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(曙)
7、提督~追想の刻・独逸編~Ⅱ(提督、グラーフ・過去)
8、あきつ丸VS提督(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴)
10、加賀の鎮守府ぶらり旅(加賀)
11、霞の不覚(霞・過去)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光を(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶ(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にⅡ(五十鈴・過去) ←NEW
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音(鈴谷)
25、提督ラヂオ(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、三保関事件(龍田・神通)←NEW
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・黒潮)←NEW
31、幸運の価値(雪風)←NEW
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮)←NEW
その他、新艦好感度コンマ(記名)

【未開放】
ドイツ組と観劇【プリンツ・呂500の感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
初期艦はなんでもしってる【叢雲の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
降涙恋慕【二部完結で開放】
胡蝶乱舞【二部完結で開放】
萩風提督観察記【川内の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【択捉・l国後・占守の感情度コンマで開放】
あの航路へと【飛鷹の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】

898: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 23:47:39.80 ID:2bfSMLg+0

 ――20:00――

 鎮守府 中庭

雷「ふん、ふーん」

電「雷ちゃん、ごきげんですね」

雷「あたりまえじゃない! 龍田さんとお夕飯なんだから!」

電「せっかくなら天龍さんともご一緒できればよかったのです……」

雷「仕方ないわよ。任務だもの」

電「だけど……あ、あっちから来るの司令官さんじゃないですか?」

電「あ、ほんとうだ」

899: ◆idiDHwDMwc 2017/12/31(日) 23:51:40.39 ID:2bfSMLg+0

提督「……少将の後任が貴様とはな。とことんついてない」

女提督「いやいや、そんな邪険にしないでくださいよ」

提督「うるさい」

女提督「本当に無愛想なところ変わりませんねぇ」

提督「ちっ……む、お前たち、なにをしている。今日は龍田に飯を作ってもらうのではないのか」

電「あ、はい……お鍋にするので材料を運んでいたのです」

提督「そうか」

電「えっと……隣りの人って」

提督「少将の後任だ。あの優秀な男の後任がこんな馬鹿になるとは……世も末だ」

女提督「流石に傷つきます……えっと、女提督です、よろしくね」

電「はわわ……」サッ

雷「あ、こら。私の陰に隠れないの!」

女提督「……ありゃ、きらわれちゃったかな?」

雷「あ、この子、人見知りなだけだから気にしないで! 私は雷よ、よろしくね」

女提督「こちらこそよろしくね」

電「……」

提督「おい、さっさと行くぞ。お前のせいで私はまだ今日の仕事が終わっていないのだ」

女提督「あー、はい、はい。それじゃあね」

雷「はーい!」

電「……」

提督「まったくふらふら0するな。ここはお前の鎮守府ではない」

女提督「あー、すみません」

 スタスタ

900: ◆idiDHwDMwc 2018/01/01(月) 00:03:03.46 ID:aPuG+Xcg0

電「……いきました?」

雷「ええ」

電「よかったのです……」

雷「あなたはその性格なおさないとだめよ?けど、優しそうな人だったわね」

電「そうですか……?」

雷「電は初めて会う人に対しては評価厳しいわねぇ。でも私たちの司令官よりはよさそうじゃない?」

電「……なのです」

雷「今の司令官ってセクハラとかはしないかもしれないけど、あんまり艦娘とお話してくれる人でないもの。つまんないし、なんか物足りないのよね」

電「それはそうかもしれないとおもいますけど……」

雷「あの龍田さんですら苦手って言ってたのよ? 私たち第六駆逐隊とは気が合わないと思うの」

電「……」

雷「少なくとも私はあんまり好きじゃないわね。いっつも仏頂面で、すぐ怒るじゃない? あれじゃ早死にするわよ、きっと。ぷっぷっぷ……!」

電「はわわ……! そんなこといっちゃ駄目――」

?「くだらない」

雷「! な、なによ!」

901: ◆idiDHwDMwc 2018/01/01(月) 00:07:59.49 ID:aPuG+Xcg0

不知火「ふん……役立たずの癖に口だけは達者ね」

陽炎「ちょっと! なんであんたはそうやってすぐに喧嘩売るのよ! もうちょっと考えてから行動なさい!」

黒潮「せや、せや! 今度、あんなんやったら軽い罰ですむわけ無いやん」

不知火「ちっ……それよりも司令官の悪口を言ってたようだけど感心しないわ。すぐに訂正なさい」

電「あう……ご、ごめんなさいなのです。雷ちゃんもあやまりましょう、ね?」

雷「な、なによ! 私は謝らないわよ! 本当のことじゃない」

不知火「本当かどうかなどは関係ありません。上官を誹謗するなどあってはなりません」

黒潮「ちょ、ちょっと不知火、やめや!」

陽炎「うーん……」

黒潮「陽炎もなに黙ってるん!? はよ、手伝って!」

陽炎「満潮のときと違って六駆なら手も出してこないか……よし!」

黒潮「はあ?」

陽炎「私も今回は不知火に賛成よ。龍田さんは温すぎるのよ、だから上官にそういうことをいっても許されるなんて勘違いするの。反省なさい」

黒潮「お、おま……!?」

雷「はぁ!? 龍田さんのことを悪く言うのなら許さないわよ!」

不知火「なら、私たちの気持ちも分かるはずです」

雷「?」

不知火「尊敬する人を悪く言われるのは誰であっても気分のいいものではないです。訂正なさい」

電「雷ちゃん、不知火さんのいうとおりなのです……」

雷「うっ……わ、分かったわよ。取り消すわ、ごめんなさい」

不知火「分かればいいんです」

黒潮「ほっ……」

雷「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。私たちが譲ったんだから、龍田さんへの発言を訂正していきなさい!」

不知火「は?」ギロッ

雷「あう……」

不知火「龍田さんについて、なにか悪口を言ったつもりはありません」

陽炎「うっ……ね、ねぇ、不知火、私たちもここは譲りましょうよ」

不知火「なぜ?」

陽炎「確かにこの間のこともあって神通さんが怒ってるのは分かるけど、雷も謝ってくれたんだし……」

不知火「馬鹿な、話になりません」スタスタ

陽炎「ちょ!? ま、待ちなさいよ!」

黒潮「あわわ……雷、すまんな!」

雷「……やっぱり私、司令官も二水戦も嫌いだわ」

電「なのです……」
 
 雷編 艦

902: ◆idiDHwDMwc 2018/01/01(月) 00:12:19.92 ID:aPuG+Xcg0
というわけで雷編 艦です。
爆弾をちゃくちゃくと埋め込んでいく。提督に処理できるのかはコンマ次第なんだよなぁ……
女提督ですが、こんごチラッと出てきたりすると思いますが、重要キャラにはならないと思います。
目立ち始めたら死期の法則。

遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
新年一発目の安価いきます。
おしながきは>>896を参照してください。
既出のお話は番号orタイトル、新規は艦娘の名前でどうぞ(Zara、浦波は下にずれます)


↓×2
↓×3
↓×4
↓×5
↓×6

937: ◆idiDHwDMwc 2018/01/02(火) 07:02:32.04 ID:hFn7ksMR0

 ――22:30――

 弥生の提督語教室

 鎮守府 駆逐艦寮 談話室

弥生「……」ペラ

霞「ふぁ、流石に眠くなってきたね……弥生、あんたさっきからなによんでるのよ?」

弥生「……はい」

霞「料理本?」

弥生「そう……」

霞「ふーん。まぁ、頑張りなさいよ」

 バーン!

弥生・霞「「!?」」

不知火「はぁはぁ……た、大変です」

霞「……読書に戻りましょう」

不知火「は?」

938: ◆idiDHwDMwc 2018/01/02(火) 07:10:16.82 ID:hFn7ksMR0

霞「あんたの大変が本当に大変だったこと無いのよ。いつも神通さんに落ち着くように注意されてるのに治らないんだから、よっぽどよね」

不知火「うぐ……で、でも、今回は本当に大変なのよ! 弥生、教えてください!」

弥生「……別にいいけど……」

不知火「恩に着ます! さっそく本題に入るけれど、さっき陽炎が司令とすれ違いざまに挨拶したら笑ったらしいのよ」

霞「……ん? いや、確かに珍しいけど、そんなに騒ぐこと?」

不知火「分かってないわね。冷笑ならいつものことだけど、まるで実験動物でも見るかのような酷薄な笑みだったということよ」

弥生「……何時?」

不知火「え?」

弥生「何時のこと……? それと……眉毛の角度も教えて」

不知火「あ、いや……暗がりだったから眉の角度は流石に分からなかったみたいです」

弥生「じゃあ……わからない……」

不知火「そ、そんな……」

霞「……ちょっと、眉毛の角度ってそんなに大事なの?」

不知火「司令と話すときは角度に注意してないと地雷を踏み抜くわよ」

霞「そんなこと気にしたこと無いわよ」

不知火「だから、あなたは重用されてるわりにほめられないのよ」

霞「はぁ? なに、あんた、あのクズにほめられたことあるの?」

不知火「勿論よ。あとクズっていうのはやめなさい」

霞「別にいいのよ。あれもいいって言ってんだから」

不知火「はぁ……そんなことをいっていては信頼を損ないますよ?」

霞「べつにぃ。かまわないけど」

939: ◆idiDHwDMwc 2018/01/02(火) 07:16:04.27 ID:hFn7ksMR0

弥生「……」ペラ

不知火「ちょ、ちょっと、なんで読書に戻ってるの?」

弥生「だって……分からないし……」

不知火「じ、時間は教えます! だから考えて!」

弥生「……クッキー」

不知火「ぐぅ……わ、分かりました。5枚で手を打ちましょう」

弥生「分かった…。なら……時間と場所を教えて……」

霞「場所?」

弥生「場所も……大事……」

不知火「えっと、フタフタマルマルごろに中庭でです」

弥生「うーん……えっと……あれが……こうで。これが……ああだから」

霞「ちょっとなにいってんのか、わかんないわ」

不知火「しっ! 弥生が考えてるんです! 静かに」

霞「はい、はい」

弥生「分かった……多分……酔ってただけ……」

不知火「酔ってた? 司令が?」

弥生「そう。……酔ってるときは……チャンスタイム……良かったですね」グッ!

霞「チャンスってなんのよ?」

弥生「気分が……いいからお願いすれば……何かもらえる」

霞「へぇ、いいこと聞いたわ」

弥生「悪用しねいで……ね?」

霞「わ、分かってるわよ!」

不知火「……つまり?」

弥生「ただ……笑っただけ……心配いらないよ」

不知火「そうですか……よかったぁ……」

霞「ほら、見なさいよ! たいしたこと無いじゃない!」

不知火「うっ……」

弥生「司令官の笑顔……熊さんみたいでかわいいのに……」

霞「……それも無いわね。威嚇してくるグリズリーがかわいいって、感覚やばいわよ?」

弥生「そう?」

霞「すくなくとも私はそう思うわ」

940: ◆idiDHwDMwc 2018/01/02(火) 07:23:07.78 ID:hFn7ksMR0

弥生「……残念、無念、また来年……」

霞「いきなりなによ?……くっだらない」

弥生「司令官……直伝の駄洒落なのに……」

霞「はぁ? それって煽るためにやってんでしょ?」

神通「違います。場を和ませようとしてるんです」

霞・不知火「!? お、お疲れ様です!」ビシッ

神通「お疲れ様です」ビシッ!

弥生「……」ペラ

神通「不知火、陽炎はどこにいますか?」

不知火「え!?」

神通「……」ニコニコ

不知火「あ、あう……へ、部屋で休んでます……」

神通「そうですか。ならば急ぐ用事でもありませんし、ご遠慮しておきましょう」

不知火「そ、そんなお気遣いなさらないでください」

神通「休むことも訓練のうちです。それを邪魔するわけには行かないでしょ?」

不知火「あ、はい」

神通「提督が陽炎は挨拶のときに声が大きくて、背筋も伸びていて様になっていたと仰っていたわ。弥生、あなたはどうおもいますか?」

弥生「眉毛は……?」

神通「普段の位置よりも2、3度、下がっていたわね」

弥生「それなら……喜んでると思います……」

神通「やはり」

霞「あ、あの……この場合、眉毛がつりあがっていると皮肉になるんですか?」

神通「そうですよ? 」

霞「いや、そんな当たり前でしょ? みたいな顔されても……」


941: ◆idiDHwDMwc 2018/01/02(火) 07:33:32.40 ID:hFn7ksMR0

弥生「霞が知らないのは……意外……」

霞「そんなの気にしたことも無かったわよ」

弥生「じゃあ……『結構だ』のときはどうするの……?」

霞「は?」

弥生「頻出単語。眉が上がってるときの……『結構だ』は……止めてほしいなぁ。下がってれば……よくやった、頑張ったね……でしょ?」

霞「いや、それは雰囲気で分かるでしょ」

弥生「……」

神通「……ちょっと待ってください」

弥生へ?」

神通「眉が下がってるときの『結構だ』は『勝手にしろ』といった非難めいたときが多いです」

弥生「そんなことない……基本的に下がってるときは喜んでるとき……」

神通「む……これと『下がれ』は例外になると思います」

弥生「そんなことない……この法則は絶対……」

 ワー……ワー、ギャー……ギャー

霞「……」

不知火「どうかしたの?」

霞「いや、あのクズのことで皆、難儀してるんだなぁって」

不知火「そ、そんなことないわ」

霞「はぁ……」

954: ◆idiDHwDMwc 2018/01/03(水) 00:38:21.65 ID:YOpp9G+oO
提督から見た世界


――13:00――

 鎮守府 執務室

提督「……む」

赤城「どうかしましたか?」

提督「なんでもない。少し出てくる、お前は書類の整理をしておけ」

赤城「了解しました」

霧島「あのどちらへ?」

提督「工廠だ。装備改修について上申があった確認してくる」

霧島「あ、なるほど」

 コン、コン

提督「む。入れ」

由良「えっと、失礼します」

提督「お前がここにくるなど珍しいな。なんの用だ」

由良「対潜部隊から意見具申に来ました。あのお時間よろしいでしょうか?」

提督「これから工廠に向かう、その道すがらでもいいか」

由良「それは勿論、大丈夫ですよ」

提督「では、ついて来い」

由良「はい」


955: ◆idiDHwDMwc 2018/01/03(水) 00:49:01.47 ID:YOpp9G+oO


 鎮守府 中庭

提督「……今の編成では数が足りないというのか? 海防艦の連中をそちらに編成したばかりではないか」

由良「うーん、それもそうなんですけど……それ以上に最近、潜水艦の確認が増えてるじゃないですか?」

提督「報告は受けている」

由良「その影響がやっぱりね。ね? 一時的な移動でもいいので、誰かまわしてもらえないでしょうか?」

提督「分かった、考えておく」

由良「ありがとうございます。お礼にまた夕立ちゃんとご飯作りますね、ね?」

提督「結構だ。さて……誰か手ごろな奴はいたものか」

由良「夕立ちゃんとかほしいなぁって」

提督「却下だ。四水戦は朝潮やお前を対潜部隊に回しているのだ、これ以上、戦力を減らしたくない」

由良「……はぁい」

提督「なんだ、その不満そうな返事は」

由良「いえ、なんでもないです」

提督「三水戦は旗艦の川内が対潜を軽視しているから期待出来ん。……となると一水戦か二水戦からになるか」

由良「えっ、二水戦はちょっと……」

提督「? 何故だ」

由良「あの、こんなふうにいっていいのか分からないんですけど……二水戦って砲雷撃戦のイメージが強いのであんまり対潜部隊には向いてない気がします」

提督「そんなことはない。あの連中は大体、なんでもこなしてくれる」

由良「はぁ」

提督「なんだ信用できんのか?」

由良「そんなことはないですけど……うーん」

提督「はぁ……面倒な奴だ。私としては不知火・陽炎あたりならば何をやらしても問題ないと考えている」

956: ◆idiDHwDMwc 2018/01/03(水) 00:57:52.23 ID:YOpp9G+oO

由良「へぇ、随分と高評価なんですね」

提督「ああ、あいつらは無駄なことは言わんしな。便利な連中だ」

由良「そういうことですか……」

提督「? それ以外に何がある?――む、噂をすればなんとやらだな」

由良「え?」

神通「さて、これから午後の訓練です。胃を空にするつもりでいなさい」スタスタ

霞「……はい」スタスタ

神通「なんですかその気の抜けた返事は――あ、提督、失礼しました! お疲れ様です!」ビシッ!

霞「……」ビシィ

提督「ご苦労。ちょうどいいところにきてくれたな」ビシィ!
神通「なにか御用でしょうか?」

提督「話がある。時間はいいか?」

神通「はい、なんなりとお申し付けください」

提督「うむ。そちらから誰か対潜部隊に移動させられる艦娘はいるか」

神通「え? そ、それはちょっと……」

提督「一時的なものだ。黒潮あたりでかまわんぞ」

神通「黒潮ですか……」

提督「なにか問題があるか?」

神通「問題というほどでもないのですが……霞!」

霞「は、はい!」

神通「あなたを対潜部隊に移動させます。――提督、霞でもかまいませんか?」

提督「む、いいのか? こいつは使い勝手の良い奴だが」

霞「ちょっと! なによ、その言い方!」

神通「……」ギロッ

霞「あ、いえ、なんでもありません……」

神通「……はい、それほど長期の移動にならなければ問題ないかと思います。それに霞であれば先制対潜行動も可能ですが、黒潮ではそうは行かないと思います」

提督「ふむ……まぁ、お前のところには雪風もいるからな。あまり戦力については心配する必要もないか」

神通「はい」

霞「え? ちょ、ちょっと私、対潜部隊なんて嫌――」

神通「は?」

霞「なんでもないです!」

提督「由良、そちらも霞でかまわんな」

由良「え、ええ、勿論です。朝潮ちゃんもいますし、ちょうどいいと思いますよ?」

提督「結構。それでは移動についてはこちらで手続きを行っておく。移動は翌週から――一ヶ月ほどでいいな?」

由良「うーん、まぁ、当面のことですし。大丈夫だと思いますよ?」

提督「……分かった。五十鈴や朝潮ともつめておけ」

由良「はい」

957: ◆idiDHwDMwc 2018/01/03(水) 01:39:26.43 ID:YOpp9G+oO


 鎮守府 工廠

明石「うーん、やっぱりだめかぁ」

秋津洲「なに、なに? 秋津洲にも教えてほしいかも!」

明石「あ、いや、ほら長門さんから主砲の改修を急ぐように言われてたじゃない?」

秋津洲「ああ……あれ、絶対、無理かも」

明石「やっぱりそうおもう?」

秋津洲「当たり前かも! 提督から支給されてる資材とどうやっても要求が合わないかも!」

明石「そうよねぇ……資材、ちょろまかしてみる?」

秋津洲「秋津洲としては長門さんのいうことも聞いてあげたいけど、無理なものは無理!それにそんなことしたら提督からすっごい怒られるかも……絶対、嫌かも……」

明石「けどさぁ、なんとかしないと長門さんから怒られるし……」

秋津洲「本当に『鎮守府とかいう地雷原』かも……」

明石「ちょ!? 聞かれたら怒られるわよ?」

秋津洲「漣がいってただけだから私は知らないかも」メソラシ

明石「えぇ……」

敷波「おーい、明石さんいる?」

秋津洲「!?」

敷波「どうしたの?」

秋津洲「な、なんでもないかも」

敷波「ふーん」

明石「あ、あの、それよりどうしたの?」

敷波「? 川内さんからこの間、頼んだ副砲とってきてくれっていわれたんだ」

明石「あ……」

敷波「どうかした?」

秋津洲「……あれ、まだ終わってないかも」

敷波「えぇ? だって、期限、今日の昼までなんでしょ?」

明石「うぐっ……それはそうなんだけど、後から長門さんの依頼があって……」

敷波「いやいや、確かにうちら三水戦は第一艦隊の所属だけど、こっちのが先に頼んでたんでしょ?」

明石「きょ、今日の夜までには何とかするから! ね、秋津洲!」

秋津洲「え?」

敷波「うーん、川内さんになんて言えばいいかなぁ。長門さんとこに文句言いに行かれても困るし」

明石「本当にゴメンね?」

提督「……敷波か」

敷波「あ、司令官、それがさぁ――」

提督「結構だ」

敷波「?」

958: ◆idiDHwDMwc 2018/01/03(水) 01:59:38.01 ID:YOpp9G+oO

提督「明石、なにがあった?」

明石「それが川内さんから頼まれていた副砲の改修が遅れてしまっていまして……」

提督「ふむ……それで駄々をこねていたのか」

敷波「いや、そんなことないし」

提督「……」

敷波「な、なに?」

提督「はぁ……あとどれぐらいかかるのだ?」

明石「ほとんど終わってますし、あと2、3時間もあればなんとか……」

提督「そうか。敷波、お前は下がれ」

敷波「下がれって言われてもなぁ……川内さんになんていえばいいのかわかんなくてさぁ」

提督「私のほうから工廠に緊急の指令があって遅れたといっておけ。これでいいか?」

敷波「う、うん、大丈夫だと思う」

提督「それではさっさと下がれ」

敷波「あーい、分かったよ。明石さんたちもそれじゃあね」

明石「ゴメンね? 無駄足になっちゃって」

敷波「いいよ、いいよ。気にしないで」

明石「うん……」

 バタン

提督「はぁ……それで上申書の件だが」

明石「あ、読んでいただけました? もうすこしだけ予算増やしてもらえませんか?」

提督「却下だ」

明石「そこをなんとか!」

提督「ふん、艦娘の給金を下げていいなら、捻出できるぞ。まぁ、一律10%カットあたりだな」

明石「いやいや、そんなことしたら私たち怒った子達に殺されちゃいますよ!?」

秋津洲「え? 私も?」

明石「当たり前じゃない! おなじ工作艦でしょ?」

秋津洲「私、本当は鎮守府周辺海域偵察部隊所属かも!? それに水上機母艦かも!」

明石「あ……そうだったわね」

秋津洲「えぇ……? ひどくないかも?」

提督「はぁ……」

明石「あら? どうかなさいましたか?」

提督「いや、なんでもない」

明石「なんでもないって感じでもないですけど……」

提督「……お前たちならば、まぁ、いいか」

明石・秋津洲「「?」」

959: ◆idiDHwDMwc 2018/01/03(水) 02:05:34.12 ID:YOpp9G+oO

提督「敷波の奴、口を開けばすぐに嫌味を言ってくるがなんとかならんのか」

明石「え? そんなことないとおもいますよ?」

秋津洲「そ、そうかも……それに曙とか、霞のがよっぽどだと思うかも……」

提督「あれは違うだろ」

秋津洲「へ?」

提督「嫌味ではなく、ただ思ったことがすぐに口から出ているだけではないか。それにあいつらが好き勝手言うのは褒章として認めている」

秋津洲「えぇ……?」

提督「なんだ?」

秋津洲「な、なんでもないかも……」

提督「敷浪はたまにカチンとくるようなことを言われるからな。話すと疲れる」

明石「うわぁ……これは……」

提督「なんだ」

明石「いや、カメラ使ってくださいよ。敷波ちゃんもべつに嫌味で言ってるわけじゃないって分かりますから……」

提督「む、そうか……?」

明石「ええ」

提督「分かった。今度、ためしてみよう」

明石「……あ、あの、先に言っておきますけど、敷波ちゃんには写真見せないほうがいいですよ?」

提督「なぜだ?」

明石「そりゃあ、絶対、提督の数値、悲惨ですし……」

提督「はぁ? 別に敷波ならかまわんだろ、あれも私とは馬が合わないと思っているはずだ」

明石「そんなことないですって……」

提督「まぁ、いい。手があいたらやっておく」

秋津洲「……これ、絶対にろくなことにならないかも」

明石「……うん、提案した私が言うのもなんだけど、そう思う」


970: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:03:53.18 ID:tqOkbLRw0

XXXX年 8月 15日

 ――10:00――

鎮守府 裏庭

提督「……」ゴソゴソ

叢雲「あぁ、やっと見つけた。こんなとこでコソコソなにやってんのよ?」

提督「……いや、たいしたことじゃない。気にしないでくれ」

叢雲「ふーん」

提督「さて、私に何か用か?」

叢雲「金剛さんが哨戒の編成はどうするのかって」

提督「その件は霧島に任せてある」

叢雲「あっそ」

提督「……」

叢雲「……」

提督「……まだなにか用があるのか?」

叢雲「ううん、それじゃあね」

提督「ああ」

971: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:05:31.86 ID:tqOkbLRw0


 夢の島


――11:00――

 鎮守府 中庭

朝潮「あ、司令官! こんにちわ!」

提督「ああ、こんにちわ。今日も元気だな」

朝潮「はい! 司令官、すごい汗ですが大丈夫ですか?」

提督「うん? ああ、ちょっと外にいたからな」

霞「ちゃんと着替えておきなさい。風邪ひくわよ」

提督「ああ、そうしよう。それでお前達はこれから任務か?」

霞「ええ、対潜哨戒にいってくるわ」

提督「そうか、頑張ってきてくれ」

朝潮「はい! 朝潮、全力で取り組む所存です!」

提督「ははは……いい心がけだが、怪我には気をつけるようにな」

朝潮「了解しました!」ビシッ

霞「……」

提督「それではな」

朝潮「はい!」

霞「……大丈夫なのかしらね」ボソッ

朝潮「え? なにがかしら?」

霞「別に何でもないわよ」

朝潮「?」

霞「……」

972: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:13:36.54 ID:tqOkbLRw0

 ――12:00――

 鎮守府 執務室

提督「むむむ……よし!」

初霜「え? え?」

提督「いくぞ? よくみてろよ?」

初霜「は、はい……」ゴクリ

提督「先ほどまでは何も無かったはずの手のひらに――」

比叡「わっ! これって私がさっき選んだビー玉ですよね!? コップの中に入れたのに、なんで?」

提督「コップの中を見てみるんだな」

初霜「は、はい!  『ジャラジャラ』 わ、わわわ、おっこっちゃう……!」

比叡「ひえー! ビー玉がいっぱい出てきました!」

提督「ははは……どうだ、驚いたか?」

霧島「……提督、手品はその辺で終わりにして仕事をしてください」

提督「ん? もうこんな時間か……そうだなお開きにするか」

比叡「えぇ? もう少しいいじゃないですか?」

提督「だめだ、だめだ。あんまり遊んでいると霧島に怒られてしまう」

比叡「ぶぅー!」

霧島「比叡姉さん?」

比叡「あ、いや、うん……ごめんなさい」

初霜「じゃ、じゃあ、最後に鳩ちゃん、出すやつだけおねがいします!」

提督「……ん、すまん。今日は出来ないんだ」

比叡「あれ? 鳩ちゃん、どうかしたんですか?」

初霜「もしかして、病気になっちゃったとか!?」

提督「いや、心配しないでくれ……逃げてしまったんだ」

比叡「えぇ!? 大変じゃないですか! 私、探してきますよ!」

初霜「私もお手伝いします!」

提督「あ、あぁ、ありがとう。気をつけてな」

比叡「よっし! 初霜、気合、入れていきますよ!」

初霜「はい!」

提督「は、ははは……」

霧島「さぁ、書類はいっぱいありますからね。頑張ってください」

提督「……ああ」

973: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:18:53.92 ID:tqOkbLRw0

 ――14:00――

 鎮守府 空母寮 談話室

加賀「……」ポリポリ

赤城「……」ペラ

瑞鶴「ふぁ……暇ですね」

蒼龍「うん。まぁ、でもあたし達が暇なんていいことじゃない」チクチク

瑞鶴「そりゃあ、そうですけど……。あ! それなら買い物でもいきませんか?」

飛龍「お! いいこというじゃん! 私も瑞鶴に賛成!」

蒼龍「えぇ? 私はやめとくよ。暑し」チクチク

飛龍「蒼龍はノリが悪いなぁ。それなら赤城さん達はどうしますか?」

赤城「私も結構です。ちょっとこの本を読んでしまいたいので」

加賀「ふぁ……こんな日に外に出るとか正気を疑うわ」パリパリ

翔鶴「えっと、加賀さんが残るなら私も残りますね?」

加賀「は?」

翔鶴「え、え? 私、なにかお気に障ること言っちゃいましたか?」

加賀「……なんでもないわ」

飛龍「ちぇ。瑞鶴と二人だけっていうのもあれだし、大鳳たちにも声かけてみるか」

瑞鶴「あれってなんですか! あれって!」

飛龍「いやぁ、あたし一人だと瑞鶴もボケ甲斐がないかなぁってね」

瑞鶴「いやいや、ボケ甲斐ってなんですか!? 私、どっちかっていうと突っ込担当みじゃないですか!」

飛龍「えぇ?」

瑞鶴「え? だ、だって加賀さんが――」

飛龍「あぁ、それは勘違いするわね……さ、いきましょ」

瑞鶴「いやいや!そんな中途半端な!」

 ワー! ワー! キャッキャ!

974: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:27:32.82 ID:tqOkbLRw0

加賀「はぁ……あの二人は相変わらず騒がしいわね。こんな日はゆっくりと優雅な午後を楽しむべきだというのに」

蒼龍「そういうのはテレビの前で寝転がりながらいうことじゃないですよ」チクチク

加賀「ふっ……金剛もこんな感じじゃない。本場英国式よ」

蒼龍「……いやぁ、金剛さんはこういうときはちゃんとお行儀よくお茶会してるじゃないですか?」チクチク

加賀「え?」

蒼龍「なんで驚くんですか?」

加賀「いや、蒼龍に嘘をつかれたもので」

蒼龍「嘘じゃないですよ」チクチク

加賀「まさか五航戦ではなく、二航戦が私に嘘をつく日が来るとは……ショックです」パリパリ

蒼龍「えぇ……?」

翔鶴「え、えっと……そ、蒼龍さんはさっきからなに作ってらっしゃるんですか?」

蒼龍「ん? 冬に向けてね、下手だけどマフラーだよ」

翔鶴「へぇ! どなたかにあげるんですか?」

蒼龍「……提督だけど」チクチク

翔鶴「はぁ、なるほどぉ! 頑張って下さい!」

蒼龍「はい、はい」チクチク

加賀「……マフラーよりケーキのほうが喜ぶわよ? それにケーキなら私も味見できますし」

蒼龍「……」チクチク

赤城「……」ペラ

翔鶴「か、加賀さん、ケーキなら私が買ってきましょうか?」

加賀「……いらないわ」

翔鶴「すみません……」

975: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:30:44.13 ID:tqOkbLRw0

 ガチャ

龍驤「ふぁ……おはようさん」

蒼龍「あ、おはようございます」チクチク

龍驤「ねむぅ……いかんわ。牛乳飲んでねなおそ……」

加賀「感心しないですね、夜更かしですか?」

龍驤「ん? ああ、昨日は司令官達とのんどったんや。ふふふ……それに子供みたいな生活習慣のあんたからしたら皆、夜更かしやろ」ケラケラ

加賀「? 空母は夜戦出来ませんからね、さっさっと――」

蒼龍「待った。……ねぇ、他に誰かいらっしゃってんですか?」

龍驤「川内がおったけど……なんなん? 言い方に随分ととげがある気がするけど?」

蒼龍「いえ、そんなことないと思いますよ?」ガリガリ

龍驤「ほーん……」

 パタン

赤城「……」スクッ

加賀「どうかなさいましたか?」

 ガチャ

赤城「本も読み終えましたので少し散歩にいってきます」

加賀「そうですか。お気をつけて」

赤城「ええ、ええ、大丈夫ですよ、大丈夫」

蒼龍「……」チクチク

龍驤「……」ゴクゴク

加賀「ふぁ……翔鶴」

翔鶴「あ、はい! 掛け布団もってきますね!」

加賀「はぁ……遅い――すぅ、すぅ……」

翔鶴「えぇ……?」

976: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:34:53.93 ID:tqOkbLRw0

 ――19:00――

 鎮守府 間宮

提督「……」チビチビ

間宮「……」ニコニコ

 ガラッ

神通「失礼します」

間宮「あ、いらっしゃいませ。えっと、席は――」

神通「提督、おとなりよろしいでしょうか?」

提督「ん? 別に構わんぞ」

神通「それでは失礼します」

間宮「……えっと、ご注文は何にしますか?」

神通「焼き魚定食でお願いします」

間宮「あら? 今日はお酒の方はよろしいんですか?」

神通「お気遣いありがとうございます。ただ、この後に夜警がありますので控えさせていただきます」

間宮「なるほど。すぐに用意しますから、ちょっと待ってて下さいね」

神通「ありがとうございます」

提督「……」チビチビ

神通「……提督、この間、上申しました編成案についてのお考えをお聞かせください」

提督「ん? ああ、あれな……いいんじゃないか?」

神通「具体的にどのあたりがよろしかったのですか?」

提督「そう言われてもな。ははは……なんとなくとしかいえんな」チビチビ

神通「……そうですか」

提督「水雷戦隊のことはお前たちに任せてある。なに、今は戦時ではない。いつもいっているが、よっぽどのことがないかぎりはお前達で合議して決めていいぞ」チビチビ

神通「了解しました……」

提督「……」チビチビ

977: ◆idiDHwDMwc 2018/01/24(水) 23:43:55.68 ID:tqOkbLRw0

 ――21:00――

 鎮守府 提督私室

曙「で、今度はなにするのよ?」

提督「ヒック……切断はあれだしな……脱出マジックとかはどうだ?」

鈴谷「へぇ、いいじゃん、いいじゃん! 面白そう!」

曙「……ま、まぁ、面白うだけど危なくないの?」

提督「ん? ああ、大丈夫だ。安全なものしかやらない」

曙「なら、いいけど……」

提督「ウィ……しかし、お前達にも助手なんか頼んですまないな」

鈴谷「ううん、大丈夫! 提督、いると楽しいし。ね?」

曙「うっ……ま、まぁ、つまんなくはないわよ」

提督「そうか……ヒック……」

鈴谷「それより逃げちゃった鳩の代わりの子探さないとね」

曙「あ、そういえば最後の子も逃げちゃったのね。なんで急に逃げちゃったのかしら?」

提督「うっ……昨日、酔って檻の蓋を閉めずに寝てしまってな……」

曙「はぁ……まったくなにやってるんだか……」

提督「すまん……私が悪かった……」

曙「え? あ、いや、えっと――」

鈴谷「う、うん! しょうがないよ! そういうミスもあるって!」

曙「そ、そうよ! そんなに落ち込まなくてもいいじゃない!」

提督「……そうか」

鈴谷「……」

曙「……」

提督「すまない。今日はもう休ませてくれ」

鈴谷「そう? 本当に大丈夫?」

提督「あ、ああ、もちろんだ。少し変な酔い方をしただけだから」

鈴谷「……うん」

提督「それではな。お休み」

鈴谷「……おやすみなさい」

曙「……お、おやすみ。あとごめんなさい」

 バタン

提督「はぁ……」

?「ため息なんからしくないですねぇ」

提督「!? だ、誰だ!」

978: ◆idiDHwDMwc 2018/01/25(木) 00:19:59.95 ID:9ITtawjY0

赤城「こんばんは、提督」

提督「ど、どうやって入った?」

赤城「ふふ……いやぁ、手品が得意な提督にそんな驚いてもらえるなんて光栄ですねぇ」

提督「……」

赤城「そんなに怒らないでくださいよ。戸棚のなかに隠れてただけです」

提督「ちっ……それで何のようだ」

赤城「あら、化けの皮が剥がれかけて――」

提督「うるさい!」

赤城「――ふふ、いえね、無理をなさってる提督に耳寄りなお話を持ってきたんです」

提督「そんな話など聞きたくもない! すぐに出て行け!」

赤城「本当に?」ズイッ

提督「うっ……は、離れろ!」グイッ

赤城「いけずですねぇ。私は本当にあなたのことを心配して、この話を持ってきたのに。あぁ、こんな邪険にされるなんて、今日の提督は昔みたいですねぇ」

提督「うぐ……すまなかった」

赤城「ふふ……本当にそう思うなら、お休み前に少しだけお時間をいただけませんか? きっと目が醒めますよ?」

提督「……怒鳴ったことは謝る。だが、今日は色々とあって本当に疲れているの――」

赤城「ああ、残った最後の鳩が死んでしまいましたものね。あんなに大切にしたんです、心中お察しします」

提督「――なぜ、それを知っている」

赤城「提督、私のことを見くびらないで下さい」

提督「は?」

赤城「あなたのことなら何でも――ああ、それは言いすぎですかね? えっと、大体のことは知っているんですよ? うふふ……」

提督「……」ゾク

赤城「さぁ、ソファにおかけになって下さい。夜は長いんです、お話だけだと退屈でしょうし将棋でも指しながらお話しましょう」

提督「……いや、そういった気遣いは結構だ。はやく話してくれ」

赤城「えぇ? やっと定跡も覚えてきたというのに……」

提督「すまないな。そんな気分でもない」

赤城「はぁ……しょうがないですねぇ。まぁ、私にとっては縁起のいいものでもないですし、今日は諦めますね?」

提督「……」

赤城「はい、はい、さっさと本題に移りますね。えっと、まずはこれを聞いてほしいんですよ」

提督「……ん? それは録音機か」

赤城「ええ。たまたま食堂にいたら面白い話をしていたので録音しておいたんです」

提督「また面白い話か……。はっ! 随分といい話が続くようだな」

赤城「ああ、これは提督にとっては面白くない話でした。すみません」

提督「はぁ?」

赤城「でも、私には愉しい話なんですよ?」

 カチッ

979: ◆idiDHwDMwc 2018/01/25(木) 01:04:24.69 ID:9ITtawjY0

長門『そうか。しかし、甘えてくる男などろくなものではないだぞ、やはり男性は強くなければ』 

鈴谷『お、やっぱ、長門さんもそうおもいます?』 

提督「? なんだこれは?」

赤城「食堂での会話ですよ?」

提督「むぅ……お前の意図が分からんな」

赤城「へぇ……」

提督「な、なんだ……」

赤城「ねぇ……提督、あなたは強いんですか?」

提督「?」

赤城「質問には答えてくださいね? たかだか飼っていた鳩が死んだだけで塞ぎ込むあなたが強いんですか?」

提督「……」

赤城「友人や後輩が戦場で散ったことに女々しく涙するあなたが強いんですか?」

提督「やめろ……」

赤城「数隻。たった数隻の艦娘が沈んだけで馬鹿みたいに取り乱したあなたが強いんですか?」

提督「やめろ!」

赤城「戻らない昔のことをいつまでも引きずり続けているあなたが強いんですか?」

提督「やめろといっているだろ!!」

赤城「ふふ……また化けの皮がはがれましたね。やっと私の提督になってくれました」

提督「! うるさい!」

赤城「ええ、ええ、そうですね。クックック……アハハ!」

提督「!? な、なにがおかしい!」

赤城「やっぱりあなたはそのほうがいいなぁって。あの最後の戦いの日から今日まで無理してまで被っていた『優しい提督』なんて必要ないんですよ?」

提督「ぐっ……わ、わけの分からないことをいうな!」

赤城「沈んだ子たちに厳しくあたりすぎたのでは? 少将や女提督にはちゃんと感謝の言葉を伝えるべきだったのでは? 自分が指揮をとらなければ敵に突破を許さずに助かる命もあったのでは? こんな自分が艦娘たちの上に立っていたいいのだろうか?」

提督「わ、私はそんなことを思っていない!」

赤城「嘘はやめましょう? みんな、日記に書いてありましたよ?」

提督「う……しかし、私は――」

赤城「ええ、あの最後の戦いではあなたは最善を尽くしましたよ? たらればになりますが、指揮官が少将ではあっという間に突破されて戦線自体が崩壊していたでしょうし」

提督「そんなことはないあいつなら――」

赤城「そんなこと思ってないでしょう?」

提督「……どういうことだ」

赤城「いえいえ、少将の本当の能力については提督が一番、よくご存知でしょう? だから、あの人を殺したのは自分だってこともわかっている」

提督「私がやつを殺しただと!? ふざけるな!!」

赤城「はて? だから嘘はやめましょうよ」

提督「 もう結構だ! 出て行け!」

赤城「ふふ……あんな指揮能力に欠ける人を無理を言って、前線にださせたのは提督ですよねぇ? いうなればあなたの我侭なお友達人事の被害者。違いますか?」

提督「やめろ! やつは優秀だった! だから上層部に掛け合って基地指令に任命していただいたのだ!」

赤城「ふーん……そうですか。とにかく、あなたはあの戦いでは出来る限りのことをしましたよ。だからそんなに無理をしなくてもいいじゃないですか?」

提督「無理などしていない!」

980: ◆idiDHwDMwc 2018/01/25(木) 01:42:34.10 ID:Xyrwb6APO

赤城「ふふ……私にはそう見えないですけどねぇ」

提督「はっ! おまえになにが分かる!」

赤城「……さて、提督、もう一度、聞かせてください」

提督「うるさい! うるさい!!」

赤城「あなたは強いんですか?」

提督「……」

赤城「あら、残念ですねぇ。鈴谷も長門も強い人が好きだといっていますよ? もう一度、ききますか?」

提督「はっ! それがどうした鈴谷は私のことを分かってくれてい――」

赤城「ないですねぇ」

提督「――うるさい! 今度は何が言いたい!」

赤城「滑稽ですね」

提督「なんだと?」

赤城「あなたが本当は弱い人だってあの子は分からなかったんですよ? 私にはあなたとあの子は理想を押し付けあっているようにしか見えないんですがねぇ」

提督「……」

赤城「あの子が隙なのは所詮、自分で都合良く作ったあなた。ああ、その顔はどこかで気づいていましたか?」

提督「うるさい……」

赤城「はて、聞こえませんね」

提督「うるさい!! そんなわけがない!! そ、そう、カメラだ! カメラで確認をしたんだ!」

赤城「確認しなければいけないなんて、随分と安っぽい気持ちなんですね」

提督「!?」

赤城「私はそんなもの必要なかったですよ? あなたからどう思われようと私はあなたを愛していますからね」

提督「え? 愛……してる?」

赤城「ええ、ええ、大好きですよ? 他の有象無象なんか目に入らないぐらいに」ヒタ…ヒタ……

提督「や、やめろ! 近寄るな!」

赤城「ねぇ、提督、初めてだったんですよ?」

提督「や、やめ……」

赤城「こんなに心の底から『欲しい』って思ったの」スッ

提督「な、なにを――ゴホっ!? あ、赤城、お前……」バタッ

赤城「ふふ……だからこんなくだらない場所であなた自身が壊れてしまう前に私があなたを助けましょう」

赤城「さぁ、提督、準備はずっと前から整えていたんです。二人だけの夢を見ましょう?」

 夢の島 艦


次回 
【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 三隻目【安価・コンマ】 前編