1: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:18:24 ID:UqP

P「すみません、仕事手伝ってもらって」

留美「いいのよ、ふたりで協力した方が早いでしょう? 合理的よ」

P「そうかもしれませんけど、留美さんはアイドルなのに…」

留美「アイドル、ね。まだ見習いよ。それに職業病なのかしらね、こういうお仕事をしていると気が紛れるの」

P「留美さん…」

引用元: P「留美さん」 留美「何かしら」 



29: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:33:30 ID:UqP

P「ああ、言われてみれば確かに楓さん猫っぽいかもなあ。あまり話したことがないからかもしれないけど、ミステリアスな感じで…」

留美「そうなの! 他にも……って、ごめんなさい、熱く語っちゃって」

P「いえいえ! 楽しいですよ! そんな風に仕事以外の何かを語る留美さん、新鮮です」

留美「前にP君に「ありのままの私を見せろ」って言われてから、どうもこう、締まりがないというか…」

P「そんなことないですよ! お仕事してる時の留美さん、プロフェッショナルって感じがします」

30: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:34:05 ID:UqP

留美「それはそうよ。お仕事だもの。でも、プライベートな時に…」

P「いいじゃないですかプライベートなんですから。留美さんの話、もっと聞きたいです」

留美「私というか、猫ちゃんの話になってしまったけど…」

P「いいんですよそれで」

留美「そう…なら、そうなのよね」

P「そうですそうです」

留美「……ありがとう。ところで、P君は猫ちゃんは好きなのかしら…詳しいようだけれど」

31: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:34:25 ID:UqP

P「あー…好きですよ。知識はないですけど、実体験なら」

留美「実体験…?」

P「あれ? 言ってませんでした? 俺、実家が猫飼ってるんですよ」

留美「え!?」

P「俺が就職した時はまだ子猫だったけど、最近は立派になって…」

留美「…実家に」

P「え?」

留美「P君の実家に今度お邪魔してもいいかしら!?」

32: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:35:13 ID:UqP

P「ええ!?」

留美「あ…こほん。ごめんなさい。つい」

P「あ…いえ。ウチの両親、テレビとかあんまり見ない人だから留美さんみたいな綺麗で可愛い人を連れて帰ったら恋人だと思われちゃいますよ」

留美「あ……そ、そうなの」

P「流石にそれは困るでしょう?」

留美「そう……なのかしら?」

P「そうですよー」

留美(そうかしら…)

33: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:35:48 ID:UqP


ーーーーーーーーーーーーー


P「留美さん」

留美「何かしら」

P「その、楽しいですか?」

留美「ええ、楽しいわよ?」

P「でも、俺ばっかり打ってるから…」

留美「私がバッティングセンターに来る理由ってストレス発散だもの。それも思いっきり空振りしてね。それよりは本来のバッティングができる人を見てる方が健全でしょう?」

34: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:36:18 ID:UqP

P「まあ、そうとも言えますけどっ…」カキーン

留美「あら、ナイスバッティング」

P「野球は子どもの頃やってたんですよー。4番サードで」

留美「それは…すごいことなんじゃないかしら?」

P「まあ少年野球ですから。あの頃が人生で一番モテてた気がしますっ」カキーン

留美「ふふ、そんなことないわよ」

P「そうですかね」

留美「P君の周りにはいつもたくさんの女性がいるじゃない」

35: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:36:46 ID:UqP

P「それは…仕事仲間でしょう。俺のこと好きな人なんていませんよ」

留美「そう……なのかしらね」

P「そうですよ」

留美「……ねえ、次、変わってくれないかしら?」

P「お、打ちますか?」

留美「空振りするの」

P「狙ってみましょうよ。たくさん振ってるからフォームも安定感ありますし。せっかくなら欲張ってホームランを!」

36: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:37:25 ID:UqP

留美(欲張って、ね…)

留美「…わかったわ。やってみる」

P「はい!」

留美(…もし次の一球を当てられたら…)

留美「ーっ!」


カキーン!


P「お…おおー! すごいすごい! 留美さん! ホームランですよホームラン!!」

留美「わ…私もびっくりしてるわ…」

37: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:38:04 ID:UqP

留美(そうよね…どうせ狙うなら…欲張って、ホームランを…!)

P「ーと、もうこんな時間ですねそろそろ夕飯時ですし、帰りましょうか?」

留美「……ねえ」

P「はい?」

留美「もしよかったらなんだけど…この後、一緒に過ごさない?」

38: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:38:25 ID:UqP

P「え」

留美「一緒に買い物でもして…その後夕ご飯を」

P「……なんか、それって」

留美「ええ。デートよ。してみない?」

P「…その、俺でよかったら、是非!」

留美「!」

39: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:38:26 ID:UqP

P「え」

留美「一緒に買い物でもして…その後夕ご飯を」

P「……なんか、それって」

留美「ええ。デートよ。してみない?」

P「…その、俺でよかったら、是非!」

留美「!」

40: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:39:08 ID:UqP


ーーーーーーーーーーーーー


P「留美さん」

留美「何かしら」コーホー

P「それ、苦しくないですか…?」

留美「苦しくないと言えば嘘になるわ。でも、アレルギーで猫ちゃんと戯れられない方がずっと苦しいもの」コーホー

P「そうですか…」

41: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:39:34 ID:UqP

留美「雪美ちゃんからペロちゃんに伝えてもらったおかげで警戒もされないし…ああ、これが望んでいた瞬間…! ありがとうP君、こんないい物見つけられたのは、君と買い物したおかげよ!」コーホー

P「いえいえ…」

P(確かにアレルギーをシャットアウトしてくれるんだろうけど…ガスマスクを着けて猫を可愛がる留美さん、シュールだ…)

42: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:40:00 ID:UqP


瞳子「あの光景も見慣れてきたわね」

美優「人間の適応力はすごいですよね」

瞳子「私ね、あの留美さんを見た時から何かに似てるなって思ってたのよ。既視感というか」

美優「何にでしょうか?」

瞳子「アレね、ダースベーダー」

美優「ああ…既視感の正体はそれですね」


留美「はにゃーん…♪」

43: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:40:24 ID:UqP


ーーーーーーーーーーーーー


P「留美さん」

留美「何かしら」

P「よかったですね」

留美「…そうね」

P「…顔、ニヤけてますよ」

留美「! だ、だって…しょうがないじゃない」

44: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:40:43 ID:UqP

P「そうですよね…だって」

留美「私にあんな小さい子のファンがいたなんて…!」

P「俺も正直びっくりしちゃいました。留美さんのファンの方って社会人くらいの人が多いから…」

留美「「ドラマを見て怖い人なんだと思ったけど、猫を可愛がってるシーンを見て可愛いお姉さんだって思った!」ですって」

P「俺のプロデュースの狙い通りですね! ギャップですよ!」

留美「ふふ、さすが私のプロデューサー君ね。私、あんな可愛い子の憧れになれたのね…」

45: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:41:22 ID:UqP

P「正真正銘のアイドルですよ留美さんは。俺の目に狂いはなかったです!」

留美「瞳子さんも美優さんも、そして私も……やっぱり君って、年上趣味なのかしら?」

P「あー…どうでしょう? 年の離れた姉がいるんで、それかなー…小さい頃は姉にべったりだったので」

留美「あら、初耳」

P「なんか、シスコンみたいで恥ずかしいじゃないですか」

留美「私には話してもいいの?」

P「あー、はい。留美さん、なんだか俺のお姉さんみたいな人ですし」

46: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:41:40 ID:UqP

留美「似ているの?」

P「まあ、そうですね。しっかり者だけど、可愛らしい人というか……あ、やっぱりシスコンっぽいですよね? あはは」

留美「…」

P「留美さん?」

留美「実はね、ちょっと提案があるのよ」

P「あ、はい。なんでしょう」

留美「あ、そんなにかしこまらなくてもいいのよ。その…私、P君って呼んでるでしょう?」

47: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:42:16 ID:UqP

P「はい」

留美「Pさんって呼んでもいいかしら?」

P「え?」

留美「ああ、その、嫌ならいいのよ? ただ、君付けって職場の先輩後輩みたいというか、私たちはパートナーなわけで、対等な関係だから、ああでも、本当に、なんとなくそう思っただけで」

P「俺は、構いませんけど」

留美「え……本当?」

48: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:42:46 ID:UqP

P「はい。留美さんがそれでいいのなら」

留美「そ、そう。それなら……Pさん」

P「は、はい。留美さん」

留美「…」

P「…」

留美「Pさん」

P「る…留美さん」

留美「…恥ずかしいわね、なんだか」

49: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:43:13 ID:UqP

P「そ、そうですね。やっぱり、やめ」

留美「慣れていかないとね、Pさん」

P「あ、はい」

留美「さて! それじゃあ握手会の成功を祝して飲みにでも行こうかしら、Pさん!」

P「は、はい留美さん!」

留美(…やった、やった♪)

50: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:43:45 ID:UqP


ーーーーーーーーーーーーー


P「留美さん」

留美「何かしら」

P「いよいよ明日ですね」

留美「ええ、そうね」

P「緊張しますか?」

留美「ふふ、当たり前よ」

51: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:44:13 ID:UqP

P「そうですよね」

留美「…明日、私と瞳子さんと美優さんで、このステージに立つのね」

P「…はい」

留美「「私、明日武道館のステージに立つのよ」って秘書時代の私に伝えたらどんな顔するでしょうね」

P「信じないんじゃないかなあ」

留美「ふふ、仕事のストレスでおかしくなったと思われるかもしれないわね」

P「出会った頃の留美さん、懐かしいですね…」

52: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:44:40 ID:UqP

留美「覚えてる?」

P「忘れませんよ。でも本当に留美さん、綺麗で、可愛くなりましたね…出会った頃よりずっとずっと」

留美「……ありがとう。可愛い、ね」

P「ええ。可愛い人です留美さんは」

留美「……ええ」

P「あ、認めますか?」

留美「ファンのみんなが、仲間が、そしてあなたがそう言ってくれるんだもの。信じるわ」

P「留美さん…」

53: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:45:36 ID:UqP

留美「…見ててね、Pさん。明日のステージ」

P「はい。3人の姿、心に刻みます」

留美「あれから数年、もうアイドルとしては若くはないのかもしれないけれど…」

P「そんなの関係ありません」

留美「ふふ、そうよね。私の人生、たくさんの遠回りをしてきた気がするけれど…全部の道に価値があるのよね。秘書をして挫折したことも、Pさんに出会えたことも、アイドルになれたことも…」

P「はい。一度挫折しても前を向いて輝く女性の美しさ、可愛さがあるんです。瞳子さんも、美優さんも、そして…留美さんも」

54: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:46:13 ID:UqP

留美「その輝き、存分に見せつけるわ」

P「はい!」

55: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:46:44 ID:UqP


ーーーーーーーーーーーーー


P「留美さん」

留美「何かしら」

P「ここにいたんですね」

留美「ええ」

P「ほんの数時間前まではすごい熱気だったのに…まるで嘘のように静まり返ってますよね」

留美「そうね…」

P「この寂しい感じは、いつまで経っても慣れません」

56: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:47:20 ID:UqP

留美「そう? でも、終わりがあるからこそライブの一瞬が輝くのよ」

P「そう…なんですよね。うわー、留美さんたちって、こんなみんなの視線が集まるところで歌ったり踊ったりしてるんですよね」

留美「ええ、そうよ」

P「なんか…スゲーや」

留美「ふふ、何よそれ」

P「いや、俺だったらもうガチガチになっちゃいますよ」

留美「私だってそうよ。不安で不安で、怖くてたまらないわ」

57: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:47:44 ID:UqP

P「それでも、留美さんはやり遂げたじゃないですか」

留美「ええ。それはね……応援してくれるファンのみんな、スタッフの皆さん、一緒に舞台に立ってくれる仲間、そして…Pさん、私の大切なプロデューサーさんがいたからよ」

P「留美さん…」

留美「…私を、アイドルにしてくれてありがとう。Pさん」

P「はは、なんですか改まって。照れますよ」

留美「……わかってると思うけど、私のアイドルとしての寿命は多分もうそんなに長くないわよ」

58: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:48:23 ID:UqP

P「……はい」

留美「まあ、流石にそうよね。三十路近いし、どんどん新しい若い子たちが出てきてるし」

P「でも、それと同じくらいアイドルを夢見てこの世界に来てくれる20代の方も最近多いんですよ」

留美「あら、そうなの?」

P「はい。その流れを作ったのはウチの事務所の人たちと…瞳子さん美優さんそして、留美さん、あなたもですよ」

留美「…ええ」

59: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:49:52 ID:UqP

P「夢をいつまでも見るっていいなって。前を向いていれば挫折しても次の夢が生まれるんだって。青臭いけどそんなメッセージを堂々と言えるようになったって思うんですよね。自惚れもあるでしょうけど」

留美「…うん」

P「そんなアイドルをプロデュースできて、本当に俺は幸せです」

留美「…私も、そんなプロデューサーさんに出会えて幸せよ」

60: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:50:16 ID:UqP

P「アイドルの夢から覚める時間まで、まだまだ頑張りましょうね!」

留美「ええ、まだ舞踏会の時計は12時を指していないみたいだし……でも、ひとつお願いをしてもいいかしら?」

P「はい、なんですか?」

留美「私がアイドルじゃなくなったら…私と旅行にでも行ってくれない? そうね、温泉なんてどうかしら。アイドルとしてではなく、ひとりの女性、和久井留美と」

61: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:50:34 ID:UqP


ーーーーーーーーーーーーー


P「留美さん」

留美「何かしら」

P「…どうして俺は、膝枕をされているんでしょう…」

留美「それはね、あなたが温泉卓球に夢中になってヘトヘトになったからよ」

P「いや、でも…」

62: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:51:12 ID:UqP

留美「嫌ならやめるわよ?」

P「嫌ではない、ですけど…」

留美「ふふ、よろしい」

P「それにしても、元はと言えば留美さんがムキになるからなのに…なんでそんなに疲れてないんですか」

留美「アイドル時代に培った体力の賜物よ。それにね、負けっぱなしなのは嫌なの。手を抜かれるのもね。Pさん、たまにあからさまに動きが鈍るんだもの」

P「それはー」

留美「それは?」

63: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:52:20 ID:UqP

P「ー留美さん、浴衣がはだけて色々見えるから…」

留美「色々って?」

P「そ、その…鎖骨とか、えっと、ブラ、とか…」

留美「…こんなおばさんの下着なんて見えて興奮するかしら」

P「興奮って…それに、まだまだおばさんって年じゃないでしょう。アイドルを引退したのだってつい最近なのに、心が老けすぎですよ」

留美「耳をつねるわ」

P「痛いっ!」

64: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:53:07 ID:UqP

留美「あのねPさん、20代後半以降の女性には「老ける」なんて言ってはダメよ」

P「すみません…でも実際、肌だって綺麗だし全然出会った頃と変わってないっていうか、むしろあの頃より綺麗になったというか…」

留美「嬉しいことを言ってくれるのね。頭を撫でてあげる」ナデナデ

P「子ども扱いしないでくださいよ…俺だって中堅プロデューサーくらいの立ち位置なんですよ?」

留美「知ってるわよ。それでも、いつまでたってもPさんはPさんなの」

P「なんですかそれ…」

65: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:53:28 ID:UqP

留美「…」

P「…」

留美「……ねえ、Pさん」

P「……はい」

留美「……一緒に旅館まで来て、さらに一緒の部屋に泊まるなんて時点で予測できたかもしれないけど、言うわね」

P「……はい」

留美「私、Pさんが好きよ。ひとりの女性として」

P「…俺も、留美さんが好きです。ひとりの男として」

66: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:53:56 ID:UqP

留美「…」

P「…」

留美「……ありがとう、それと、これからもよろしくね」

P「……はい、こちらこそ」

留美「…Pさん、顔、見せて」

P「…はい。んっ…」

留美「……」

P「……」

留美「…ふふ、やっぱり、Pさんも好きでいてくれたのね。いつから?」

67: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:54:34 ID:UqP

P「どうでしょう…さすがに出会った時、ではないとは思うんですけど…でも、「可愛い人だな」って思ったのは最初からで…」

留美「あら、そんな瞬間あったかしら? 私、荒れてたわよ」

P「留美さん、他のお客さんの話を聞いていてこっそり笑ってたんですよ。覚えてないかもしれないですけど。その笑顔に惹かれて…」

留美「へえ…。…Pさんは気になる? 私がいつから…とか」

P「それも気になるんですけど……留美さんっ」ガバッ

68: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:54:56 ID:UqP

留美「きゃっ」

P「留美さんと……その」

留美「…ふふ、いいわよ。男の人だものね」

P「いや、こんな綺麗な人と両想になれて、キスまでしちゃったらこれはもう…浴衣、すごく色っぽいですし」

留美「私…据え膳かしら?」

P「はい」

69: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:55:37 ID:UqP

留美「ふふ、そう思ってくれるのね。それならたくさん味わってもらわなきゃ」

P「いただきます」

留美「ええ。でも、それが終わったら…たくさんお話ししたいわ。これまでのことと、そしてー」

留美「ー明るい未来の話を」

70: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:56:02 ID:UqP

ーーーーーーーーーーーーー


P「留美さん」

留美「何かしら」

P「その猫のぬいぐるみ、気に入ったんですか?」

留美「ええ、とっても。夫婦になってはじめての誕生日プレゼントだもの。ねー?」

P「ぬいぐるみに話しかける留美さんなんて、旦那さんしか見れませんね」

留美「ふふ、今度一緒にお出迎えしてあげるわ」

71: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:56:33 ID:UqP

P「はい。帰ってくるのが楽しみです」

留美「ふふ…♪」

P「…留美さん」

留美「なあに?」

P「…」

留美「…?」

P「…あー、何言おうとしてたんだっけ?」

留美「ふふ、どうしたの?」

72: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:57:20 ID:UqP

P「何か言おうとしてたことがあったんです…何かしら」

留美「何かしら?」

P「はい、なんだっけかな…?」

留美「…ゆっくり思い出せばいいじゃない。私たちにはたくさんの時間があるんだから」

P「……そうです、よね」

留美「ええ。だからとりあえず、私が話してあげるわね。これからはふたりの時間が3人の時間になることとか」

P「……え?」

留美「ふふ、驚いた?」

73: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:57:51 ID:UqP

P「え、それって、俺と留美さんの、え?」

留美「そうよ。2ヶ月目ですって」

P「や…やったー!」ギュウウウ

留美「こらこら、苦しいわよ」

P「あ、すみません、つい…!」

留美「いいの。喜んでくれてよかったわ」

74: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:58:13 ID:UqP

P「そりゃもう…! …あ」

留美「どうしたの?」

P「さっき言おうとしたことは忘れちゃいましたけど、代わりに今言いたい言葉が浮かびました」

留美「…何かしら」

75: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:58:36 ID:UqP

P「…留美さん、愛してます! これからも、ずっと、ずっと!」

留美「ええ、私もよ♪」

76: ◆dOYH2O5oOo 2018/10/20(土)01:59:46 ID:UqP

留美さん、婚姻届とか重いとかのイメージが先行してますけど
本当はすっごく可愛い人だと思います。笑うと目尻が下がるのが素敵。

それでは、またの機会に。