1: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)20:57:06 ID:dtp
※「シキヨク-死期欲-夢魅テルは夢見てる」と「ガヴリールドロップアウト」という異色のクロスオーバー作品です。
※両作品が好きなので、クロスオーバーしました。また、作品の中心はガヴドロになります。


~ある日のこと~

ガヴリール「旅行?」

ヴィーネ「えぇ。ちょうどせっかくの連休なのに、勿体無いと思ってね」

ガヴリール「ヤダよ。つまらなそうだし…」

ヴィーネ「ラフィとサターニャは行くって言ってたけど」

ガヴリール「あの二人がいたって、一緒だろ! 大体、旅費ってもんが掛かるだろ!!」

ヴィーネ「あら、旅費の事は心配しないで、今回は私持ちだから」

ガヴリール「はぁっ?」

ヴィーネ「実は、連休ぐらいは皆と楽しんでおいでって、実家の両親から仕送りがあったの。で、旅費ぐらいにはなりそうだから」

ガヴリール「マジで!?」

ヴィーネ「どう?」

ガヴリール「…………分かった。まぁ、ヴィーネが全額出してくれるって言うなら…」

ヴィーネ「これで決定ね」

引用元: ガヴリール「シキヨク?」 



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2: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)21:11:34 ID:dtp
ザッザッザ

少し寂れたような旅館『…』バーン

ガヴリール「ふぅ、やっと着いた。で、ここが今日泊まる所か?」

ヴィーネ「そうよ。ここの旅館…山奥にあって来るまでは大変だけど、ネットで凄い評判が良いとこなのよ」

サターニャ「旅行っていう割にはこんな山奥ばかりだし、旅館だってこんな寂れたとこじゃなくてもいいって思うんだけど?」

ヴィーネ「これも社会勉強の一環として人間があまり目を向けない山奥に泊まる事も大事かと思うのよ」

ガヴリール「ヴィーネって変なとこ真面目なんだな…。連休で遊びに行くって話だったのに」

ヴィーネ「連休で訪れた場所を通して、学べる事だってあるから言ってるのよ」

ラフィエル「まぁまぁ。とりあえず、中に入りましょう」

3: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)21:23:54 ID:dtp
ヴィーネ「すみません」ガラッ

主人「いらっしゃいませ」

ヴィーネ「予約した月乃瀬ですが…」

主人「はい、お待ちしておりました。四名様、月の間になります。ご案内します」


ギシ、ギシ

ガヴリール「まぁ、中は外よりマシな方か…」

サターニャ「やや狭いのね」

ラフィエル「なんだか古風というか、レトロな感じですね」

主人「どうも。当旅館は創業ちょうど50年ですので…」

ガヴリール「50年!?」

サターニャ「意外に長いのね」

ラフィエル「成る程。それは下界に住む方々が頑張っているからこそ営業出来て、こうして長く続く賜物になった訳ですね」

ヴィーネ「ね? 人間の事を良く知る社会勉強には最適な場所でしょ」

4: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)21:36:18 ID:dtp
~月の間~

ガヴリール「ここが和室ってヤツか」

ラフィエル「わぉ、正に人々の和って事ですね」

サターニャ「何言ってるのよ…?」

主人「食事は夜の7時近くにこちらにご用意します。お風呂は12時までですので、ご了承くださいませ」

ヴィーネ「ありがとうございます。あ、それと、私たちの他にお客様は?」

主人「月乃瀬様の他は、後2名様の方が来られますが…」

ヴィーネ「という事は、私たちともう一組だけという事ですね」

主人「はい。連休とは言ってもこちらにお泊りになられるお客様はやや少なめなもんで…。ですが、帰る時は楽しかったや良かったと感想を伝えてくれるお客様がおりますので、評判は保障付きですよ」

ヴィーネ「そうですか」


ガラッ

<すみませーーん

主人「あ、きっと、もう一組のお客様だ。では、私はこれで。どうぞ、ごゆっくり」

ヴィーネ「はい!」

パタン

5: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)21:44:04 ID:dtp
サターニャ「さて、夕飯まで時間はあるけど、どうする?」

ラフィエル「サターニャを導っtサターニャ「それ以外でよ!?」

ヴィーネ「お風呂に行きましょうか」

ガヴリール「だったら、お前らだけで行ってこいよ」

ヴィーネ「ガヴ、どうしたの?」

ガヴリール「ふわぁ~。ずっと山ん中歩いたせいで疲れて眠くなっちまったから、少し寝るよ」ゴロン

サターニャ「なーはっはっは。あれぐらいで疲れるなんて情けないわね、ガヴリール」

ガヴリール「勝手に……言って……ろ……ZZZ」

ラフィエル「寝ちゃいましたね」

ヴィーネ「しょうがないわね。じゃあ、三人だけで行きましょうか」

6: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)21:59:15 ID:dtp
~廊下~

サターニャ「どんなお風呂なのかしらね?」

ラフィエル「旅館ですから、広いと思いますよ」

ヴィーネ「情報だと露天風呂だそうよ。空気が気持ち良くて心地よいとか、思ったより良い感じだって評判y???「おっと!」ドンッ

ヴィーネ「きゃあ!」ドサッ

ラフィエル「ヴィーネさん!!」

???「あっ、ごめん!大丈夫?」スッ

ヴィーネ「あ、はい…」

サターニャ「ちょっとアンタ、どこ見て歩いてんのよ?!」グイッ

???「あっ!?えぇと、すみません!?」

ヴィーネ「ちょっと、サターニャ、そこまでしなくてもいいから!?」

サターニャ「ヴィネット。でも…」

ヴィーネ「私もあまり前を見てなかったから、ぶつかったのはしょうがない事よ」

サターニャ「分かったわよ。今回はヴィネットに免じて許してやるわ、感謝しなさい」

???「は、はぁ…。(なんで感謝…?)」

ラフィエル(ぶつかったのはヴィーネさんのはずですが、なぜサターニャが仕切っているのでしょう?)

7: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)22:15:39 ID:dtp
???「本当にすみません!」

ヴィーネ「いえ、気になさらないでください」

<お兄ちゃーーーーーーん

サターニャ「んっ?」

???「あ、すみません。妹の声です」

ヴィーネ「妹さんですか…」

???「はい。妹に呼ばれているので、俺はこれで。本当にすみませんでした」

タッタッタ


ラフィエル「行っちゃいましたね…」

ヴィーネ「いきなりぶつかって驚いたけど、今の男の人は旅館の主人が話した「2名様の方」かしらね」

サターニャ「どうでもいいけど、今の人間…なんだかスカした感じね」

ラフィエル「お二人様という事でしたから、今の人と妹さんだけみたいですね。それにしても、声だけですが、幼い感じですので、妹さんは小さいのでしょうか?」

8: 名無しさん@おーぷん 2018/12/18(火)23:49:00 ID:dtp
~風呂場~

ラフィエル「サターニャさぁーん、お背中を…」

サターニャ「あら、珍しく気が利くじゃないの。じゃあ、お願いしようかしら」

ラフィエル「流して下さい、私の?」ニコニコ

サターニャ「って、アンタのかい!? こういう流れは普通私の背中でしょうが!!」

ラフィエル「でしたら、私はサターニャさんのお背中を、サターニャさんは私の背中をお願いします」

サターニャ「い、いや、遠慮しておくわ…。 アンタの事だから、どうせ変なイタズラする気でしょ…。」

ラフィエル「まぁまぁ遠慮なさらず?」ワシワシ

サターニャ「な、なによ、その手つきは!?」

ヴィーネ「やれやれ…。」ゴシゴシ



ラフィエル「おおぉーー、露天風呂から見る空が綺麗ですね♪」

サターニャ「露天風呂もなかなかねぇ~」

ヴィーネ「山の中だから空が良く見える上に都会と違って澄んでるからね。それに露天風呂は効能が良くて、温度もちょうどいいようになってるらしいわよ」

サターニャ「良く知ってるわね、ヴィネット」

ヴィーネ「ネットの情報よ。どんな場所でも情報ぐらい把握しておくことは当然でしょ」

ラフィエル「ふふふ。流石はヴィーネさんですね」

9: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)00:18:13 ID:d71
サターニャ「はぁ~、いい湯だったわ///」ホカホカ

ラフィエル「ほんとですね///」ホカホカ

ヴィーネ「食事まで後30分くらいだけど、少し早めに部屋で待っていても遅くは無いわね///」ホカホカ


タッタッタッタ

サターニャ「なに、何か足音が…」

ラフィエル「あ、ヴィーネさん、前!?」

ヴィーネ「んっ?」クルッ

???「わぁーー!」

ヴィーネ「っ!?」

ドンッ

???「きゃあっ!」ドサッ

ヴィーネ「あっ!?」

???「イタタ…」

ヴィーネ「ご、ごめんね、大丈夫!?」

サターニャ「また、ヴィネットが人間の子とぶつかったわね」

ラフィエル「先ほどみたく怒るのはダメですよ。小さな子ですので」

サターニャ「怒らないわよ!?私だってそれくらい分かってるし」

ヴィーネ「大丈夫?怪我はない?!」

???「…」

タッタッタ

サターニャ「んっ?」チラッ

???「す、すみません!!」

10: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)00:41:35 ID:d71
ラフィエル(あれ、この人…)

???「あ、お兄ちゃん?」

???「コラ、急いで走ると転ぶ危険性があるっていつも言っているのに、なんで走ったんだ?」

???「だって、温泉だよ、温泉。旅館に来たら楽しみは温泉…ウェルカム入浴だよ!」

サターニャ「………うぇるかむ……入浴……??」

ラフィエル(入浴とニューヨークをかけているんですね)

???「コラッ!こういう時にボケるのは止めなさい!!」

ヴィーネ(ぼ、ボケ……)

???「じゃあ、ボケるのがダメだったら、何をすればいいのー?」

???「とにかく、お前の方からぶつかったんだ。あのお姉さんに謝りなさい」

???「………ごめん、なさい」

ヴィーネ「えっ!」

???「本当にすみません。俺だけでなく、妹まで貴方たちに迷惑を…」

ヴィーネ「えっ、あ、その……決して迷惑をかけたとは思っていませんから、そんなに気にはなさらないで下さい!?」

ヴィーネ「私の方こそ二度も前を見なかったせいで起きたことでもありますから!!」

???「そうですか…。そう言って頂けるなら、有り難いです」

???「ほら、あのお姉さんに頭を下げなさい」

???「…」ペコッ

11: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)00:49:40 ID:d71
ヴィーネ「あ、ほんとにそんな丁寧に頭を下げて頂かなくても…!?」

サターニャ「いつまでやるのよ…」

ラフィエル「ヴィーネさんはいつでも礼儀正しいですね」



ヴィーネ「あのう…」

???「はい?」

ヴィーネ「最初にぶつかった後、貴方を呼んでいた例の妹さんって…」

???「はい、こいつです!」

???「ぷぅ~。お兄ちゃん…なんでこいつ呼ばわり……」

ラフィエル(可愛いですね?)ニコニコ

12: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)01:13:18 ID:d71
……


テル「どうも初めまして、夢魅テルです!」

ルナ「夢魅ルナ…でーす」

ヴィーネ「夢魅さんとルナちゃんですか。私の方こそ…初めまして、月乃瀬=ヴィネット=エイプリルです」

ラフィエル「白羽=ラフィエル=エインズワースです。よろしくお願いします♪」

サターニャ「我が名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル!いずれ地獄を統べる者となる大悪魔よ!」

テル「……………えぇと、その聞きたい事がありますが、その……胡桃沢さんでしたっけ?貴方は、その…中二病的なアレですか…?」

サターニャ「なっ!!?」ガーン

ラフィエル「ぷっ///」プルプル



テル「次なんですが、月乃瀬さんたちってハーフなんですか?」

ラフィサタヴィネ「えっ!」

テル「いや、その…あまり名前を指摘するのもアレですが、お名前が外国人っぽかったので、気になりまして」

ヴィーネ「え、えぇと……は、はい!!顔はあまり海外っぽくはありませんが、実はハーフなんです!!(悪魔だけど、正体を隠さないと!)」

テル「やっぱりハーフですか!」

ヴィーネ「は、はい…」

ラフィサタ(まぁ、この場合嘘で通すべきですね(悪魔行為だからOKよ、ヴィネット))

13: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)12:12:21 ID:d71
テル「もう一つ、月乃瀬さんたちは学生さんですか?」

ヴィーネ「は、はい。浜松にある高校に通っています。高校一年生です」

ラフィエル「私達とも同学年ですよ。ねぇ、サターニャさん?」

サターニャ「わ、私に振らないでよ!? まぁ、そうだけど」

テル「そうですか。仲が良いんですね」

ヴィーネ「えぇと、夢魅さんは……」

テル「あ、俺の事は気軽にテルでも大丈夫です」

ルナ「っ!?」

サターニャ(んっ?)チラッ

ヴィーネ「えっ、でも、いきなり名前は……」

ラフィエル「分かりました、テルさん♪」

ルナ「っ!!?」

ヴィーネ「ちょっ、ラフィ!?」

ラフィエル「まぁ、よろしいじゃありませんか。相手の意思を尊重する事も大切ですよ」ニコリ

ヴィーネ「……じゃあ、テルさん…」

ルナ(っ!!?…お兄ちゃんが名前で呼ばせて、向こうも名前で呼んだ!?)

ルナ(まさか……このお姉さん達、お兄ちゃんの事が…。)ジイィィィィーーーーー

サターニャ(なんか、この子から発せられる視線が変におかしい気がするんだけど…)チラッ

14: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)12:21:36 ID:d71
テル「そうですか。連休で旅行に…」

ヴィーネ「はい。」

サターニャ「で、少しだけ気になったけど、アンタは学生なの、それとも大人?」

ヴィーネ「ちょっ、サターニャ!?」

テル「あ、俺も学生です。ちなみに、東京の高校に通ってまして、学年は三年生です」←注意 背景は本編以前という設定なので、まだ高校に在学しています。

ラフィエル「成る程、貴方も私たちと同じ学生さんでしたか。ですが、三年生という事は私たちよりも年上なんですね」

ヴィーネ「年上という事は、私たちから見たら先輩に当たりますね」

テル「ははは。まぁ、そういう事になりますね」

ルナ(まだ仲良しそうに話してる……)ジイィィーーー

サターニャ(まだ視線が痛いわね…)チラッ

15: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)12:31:33 ID:d71
ラフィエル「テルさんも旅行かなにかで?」

テル「え、えぇと、まぁそんな感じです」

ラフィエル「そうですか…そちらのルナちゃんと兄妹二人だけで…。

テル「えぇと、何が仰りたいんですか?」

ラフィエル「あ、いえ…私たちが言えるアレではないのですが、兄妹だけで旅行というのも少々おかしく感じまして…。保護者さんか、親御さんとかはいらっしゃらないんですか?」

テル「………」

ヴィーネ「ちょ、ラフィ!? いくらなんでも相手のプライバシーに触れる事hテル「父は分かりませんが、ずっと育ててくれた母は既に亡くなりまして、今は兄妹の二人暮らしです」

ヴィーネ「えっ!?」

サターニャ「それって親がいないってこと?」

テル「はい…。」

ラフィエル「おや、それはお気の毒に。」

ヴィーネ「ラフィ!? すみません、友達が!!」

テル「いえ、よく聞かれますので、大丈夫ですよ」

16: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)12:48:08 ID:d71
……


ヴィーネ「そうなんですか…。お母さんが亡くなってからはずっと一人でルナちゃんの面倒を……大変だったんですね」グスッ

テル「えっ!?月乃瀬さん、涙が出てますが、どうしたんですか?!」

ラフィエル「ヴィーネさんは泣ける話には弱い方でして…」

テル「あ、そういう風に涙もろいんですね…。」

ヴィーネ「ルナちゃんの為にも頑張って下さい!」

テル「あ、ありがとうございます…。」

ルナ「お兄ちゃん」

テル「んっ、どうした、ルナ?」

ルナ「早くお風呂、行こうよ」

テル「あ、そうだったな。すみません、長々と話し込んじゃいまして…」

ラフィエル「いいえ♪」

17: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)13:03:09 ID:d71
ヴィーネ「ではまた。ルナちゃんもまたね」

ルナ「………」

ルナ「私とお兄ちゃんは赤い糸で結ばれてるの!」

ヴィーネ「えっ?」

ルナ「だから、お姉さんたちにお兄ちゃんは渡さない」

サターニャ「っ!?」

ラフィエル「あら……」

テル「こらっ、ルナ!? その…最近、生意気になりまして、本当にすみません!!?」アタフタ

ヴィーネ「ははは、いいですよ。」

ラフィエル「随分と可愛がっているようですね。今の発言からして、お兄ちゃん子なんですね」ニコリ

テル「ははは…。」

サターニャ(お兄ちゃん子というか、今のは明らかにヤンデレ…ブラコン……かしら)

テル「それでは、失礼しました!!」ダッ

ルナ「お兄ちゃん、待ってぇ~」ダッ



サターニャ「行っちゃったわね」

ヴィーネ「本当に仲が良いのね…テルさんとルナちゃん」

ラフィエル「本当ですね!(…………気のせいです…よね。先ほどの感じ…。)」ジィィィーーー

18: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)14:10:37 ID:d71
~月の間~

ガヴリール「遅かったな…」

ヴィーネ「あら、ガヴ…起きてたの?」

ガヴリール「少し前にな。で、どうした、長風呂か?」

ラフィエル「ある方達と話し込んでただけですよ」

ガヴリール「ある方達??」

サターニャ「それが変な名前なのよ。夢見てるとか、夢見ないとか……」

ガヴリール「夢?? よくわかんねぇよ!」

ヴィーネ「あのね、詳しく説明するとね……」カクカクシカジカ



ヴィーネ「って、訳よ!」

ガヴリール「ふぅ~ん。要は、私らの他に泊まりにきた客と話してたって事か」

ラフィエル「そういう事です」

19: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)14:26:49 ID:d71
サターニャ「でも、相手が兄妹だけで、兄の方が年上でも私達と同じ高校生とか、両親がいないとか……少し訳ありって感じで変わってるって思ったわよ」

ガヴリール「別に普通だろ。人間界だって色々訳ありの奴は多いし、例えば親のいない子供もいるって聞いた事があるからな…」

ヴィーネ「訳アリでもお兄さんのテルさんは妹のルナちゃんを頑張って育ててるみたいだし、これからもあの二人には頑張って貰いたいわね」

ガヴリール「夢魅テルに、夢魅ルナか…。私は会わなかったが、確かに少し変わった名前だな」

ラフィエル「……………」

ガヴリール「んっ、どうした?」

ラフィエル「あ、いえ、なんでもありません」

ガヴリール「?」

ラフィエル(少々違和感を覚えましたが、夢魅………どこかで聞いた事がある名です)

ラフィエル(それにあの二人と出会って少ししてから、変な感じというか、不思議な力を感じました…。ただの人間では何も感じないのですが、もしやあの二人、ただの人間ではないという事でしょうか…。)

20: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)18:25:21 ID:d71
~夕食後~

ガヴリール「あぁ~、美味かった!」

ラフィエル「ほんとですね。都会では味わえない、山の幸を味わえましたね」

主人「ありがとうございます」

サターニャ「ちょっと、お茶おかわりね」

主人「はい。ただいま」

ヴィーネ「そうだ、ちょっとお尋ねしていいですか?」

主人公「なんでしょう?」

ヴィーネ「この辺りに祈願とか厄除け抜群の神社があるってネットで見つけたんですけど、どこに行けば着きますか?」

主人「えっ、神社ですか!?」

ヴィーネ「はい!」

ガヴリール「神社?」

ヴィーネ「この山奥には様々な祈願や厄除けに効果があるって評判の神社があるらしいの」

ラフィエル「成る程。旅行のお目当てはその神社という訳ですか」

ヴィーネ「実はそうなのよ。伝えてなくてごめんね」

サターニャ「別にいいわよ。じゃあ、明日はそこに?」

ヴィーネ「えぇ。そこで祈願して、お守りでも貰おうかなって思ってるけど」

主人「い、いけません!? 確かに神社はございますし、道も知ってはおりますが、あそこに行ってはなりません!?」

21: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)19:00:31 ID:d71
ヴィーネ「えっ!?」

ラフィエル「行ってはいけない、というのはどういうことですか?」

主人「その、お客様にお話しするのも、アレですが…」

サターニャ「なによ、勿体振らず教えなさいよ!?」

主人「…分かりました。実は……あの神社、出るんですよ……」

ガヴリール「出る? なにが??」

主人「………幽霊、いいえ悪霊というべきでしょうか」

ヴィーネ「ヒィッ!?」

サターニャ「悪霊?」

主人「はい。もう半年ぐらい前のことです……」

主人「確かにあの神社は祈願や厄除けに効果あるって評判でたくさんのお客様が訪れていました…。しかし…」

ガヴリール「しかし?」

主人「半年前、ある日を境に霧のような白いモヤが発生するようになり、今はモヤから現れるようにして昔の兵隊の霊が多数出没するという恐ろしいミステリースポットに変わってしまった訳です」

ラフィエル「なんと…!」

22: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)19:01:10 ID:d71
主人「ですが、話はこれだけではありません。」

ヴィーネ「えっ!?」

主人「ここから先は一番恐ろしい事ですが、実は半年前から霊の出没の話を聞いて興味本位に神社に行った観光客が数人失踪したんです」

サターニャ「えっ、失踪!?」

主人「噂ではありますが、兵隊の霊は実は怨霊で、今生きている人たちを憎んでいるそうな…。で、生きてる人は怨霊に見つかればすぐにでもあの世に連れて行かれるとか…」

ヴィーネ「ヒイィィィィィィーーーーーッ!!?」

主人「そんな訳で私みたいに山奥に住むわずかな住人も気味悪がって誰も近付かない訳で…。」

サターニャ「なんだか胡散臭い話ね…。」

ラフィエル「ですが、話は本当であれば、なぜ怨霊が出没するように? それも兵隊さんの?」

主人「分かりません。ただ、もう一つ噂ですが、あの神社の近くには昔から兵隊を弔う為の慰霊碑があって、神社を訪れた誰かがふざけて慰霊碑を壊したから、怒った兵隊が出没するようになったとか…そんな話もあります」

ガヴリール「へぇ~」

ヴィーネ「うぅ~………」ブルブル

サターニャ「そういう問題のある神社だったら、どうしてそこも把握してなかったのよ、ヴィネット?」

ヴィーネ「だ、だってぇ~、私も神社の評判を聞いただけであって、まさかそんな怖い事になっていたなんて知らなかったのよ…。」ガタガタ

ラフィエル「ヴィーネさんは確か、お化けとか怖い話が苦手でしたよね? でしたら、怖い話には触れないでいた為に、詳しい情報を把握できなかったとも頷けますね」

23: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)21:21:57 ID:d71
主人「とにかくあの神社には近付かない事が一番。行く事を希望していても止めておく事です」

主人「では、お布団も敷いておきましたので、ごゆっくりお休みくださいませ」ペコッ

パタン


ガヴリール「って事だ…どうする、ヴィーネ?」

ヴィーネ「や、やっぱり止めておきましょうか…。」

サターニャ「さっきまで行く気だったのに、話を聞いてもう怖気づいたの」

ヴィーネ「だって、幽霊よ!? わ、私には無理よ!!」ガタガタ

ラフィエル「え~、なんだか面白そうじゃありませんかっ///」ワクワク

ヴィーネ「面白くないわよ、ラフィ!?」

ヴィーネ「とにかく神社はやっぱり中止にして、明日は山を下りて別の場所に行きましょう」

ラフィエル「あらあら、すっかり怖がってますね」

サターニャ「しょうがないわね、ヴィネットは」

ガヴリール「まぁ、私は別にどっちでもいいけどさ…。」

24: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)21:30:40 ID:d71
~就寝~

ヴィーネ「…」スースー

ラフィエル「…」スヤスヤ

サターニャ「…」ムニャムニャ

ガヴリール「………眠れん」パチッ

ガヴリール「ヴィーネ達は寝てるっていうのに、私だけ眠れないとは…」ムクッ

ガヴリール「しょうがない。眠くなるまで外を散歩しようかな」スッ

パタン



ラフィエル「………」パチッ

25: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)21:41:56 ID:d71
ホォーホォー、ゲコゲコッ

ガヴリール「はぁ……。都会と違って、田舎ってこんなに静かなんだな」

ガヴリール「でも、ここまで静かだとかえって怖いよな…」

???「ガヴちゃん!」

ガヴリール「っ!?」ビクッ、クルッ

ラフィエル「うふふっ?」ニコニコ

ガヴリール「なんだ、ラフィエルかよ…。驚かすなよ」

ラフィエル「すみません。それより、夜中なのに散歩という事は眠れないんですね」

ガヴリール「見りゃあ分かるだろ、そうだよ」

ガヴリール「で、ラフィエルはどうして起きたんだよ?」

ラフィエル「たまたま目が覚めたら、ガヴちゃんが居なかったものですから…外にいるかと思って来た訳ですよ」

ガヴリール「そうか…。まぁ、眠くなったらまた布団に戻るから、先に戻ってていいぞ」

ラフィエル「同じ天使のよしみでガヴちゃんと一緒に居てあげますよ」

ガヴリール「面白い事期待しても、なにも出ないぞ?」

ラフィエル「ご心配なく?」ニコリ

26: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)21:57:34 ID:d71
ガサガサ・・・ガサガサ・・・


ガヴリール「んっ?」

ラフィエル「どうしたんですか、ガヴちゃん?」

ガヴリール「いや、今……変な音がしたと思ってな…」

ラフィエル「変な音ですか?」


???「お兄ちゃん、この先を行けば例の神社だよね?」ボソボソ

???「あぁ。旅館の主人は行くなと言ってたけど、救える人が居るのなら助けないとな」ボソボソ


ガヴリール「なんだ?! 今、声も聞こえたようだけど」

ラフィエル「おや、今の声、聞き覚えがあるような…」

ガヴリール「えっ?」

ラフィエル「とにかく、声のする方に行ってみますか」

ガヴリール「………面倒な気もするが、まぁ散歩に行くと考えていいか…。」

27: 名無しさん@おーぷん 2018/12/19(水)23:42:57 ID:d71
???「地元の人は教えてくれなくても、場所さえ調べれば分かるから、助かるよ」

???「うん!」



ガヴリール「声のする方に行ってみたら…そこに居たのは見知らぬ男と小さい女の子の、二人だな」ガサガサ

ラフィエル「あっ!」ガサガサ

ガヴリール「んっ、どうした?」

ラフィエル「あの二人……私たち以外に泊まりに来たお客の、夢魅テルさんと妹のルナちゃんです!」

ガヴリール「あぁん、私ら以外の客? そんなのいたっけ??」

ラフィエル「ほら、私にヴィーネさん、サターニャさんがお風呂から部屋に戻った直後、ガヴちゃんに説明した兄妹の方ですよ」

ガヴリール「あぁ!!……そういやあ、そんな奴らが泊まってるって話を聞いたなぁ…。私だけ風呂に入ってなかったから、話はおろか会ってすらもないし、分からないはずだよ」

ガヴリール「しっかし、なんでこんな夜中に山ん中を歩いてんだよ? どう考えても散歩って雰囲気じゃなさそうなのは確かだな」

ラフィエル「………わずかに聞こえる会話からして、『神社』というワードが聞き取れました」

ガヴリール「神社……あっ、ヴィーネが言ってて、旅館の男が霊が出るとか話してた、その神社の事か?」

ラフィエル「これは……跡を付けていく必要がありそうですね…。」

28: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)00:13:23 ID:hFd
ガヴリール「はぁっ?」

ラフィエル「だって、気になるじゃありませんか。こんな時間に、それもなぜ霊が出るとされるその神社にわざわざ行くのかが…」

ガヴリール「確かに気にはなるかもしれないけど、行くのは誰かの勝手だし、私らに関係ないからわざわざ尾行する必要はないだろ!」

ラフィエル「いいえ。今回は捨てておけません」

ガヴリール「おい、なんでそんなに拘るんだ? あの二人見た限りただの人だし、別に気にすることは」

ラフィエル「いいえ、実はあの人達のことで少々、気になることがありまして…」

ガヴリール「気になること?」

ラフィエル「えぇ!実は初めてあの人達…いえ、テルさんやルナちゃんと会って話してた時、二人から何かしらの不思議な力を感じ取ったような気がしまして…」

ガヴリール「はぁっ?」

ラフィエル「つまりは、二人は一見すれば人間ですが、実際中身はただ者ではない…という疑問が浮かびました」

ガヴリール「いや、冗談だろ、それ!?」

ラフィエル「私だって最初はそう思いましたが、実は今もテルさんとルナちゃんの両方からまた不思議な力を感じ取ったんです…」

ガヴリール「はあぁーー!? つまり、そいつらは人間だけど、人間離れした力を持ってて何かしらの能力が使えるって事か!?」

ラフィエル「そうなりますね…。」

ガヴリール「いやいや、ありえないって!?天使や悪魔は別として、なんで普通の人間がそれなりの力と能力を秘めてんだよ!!?」

ラフィエル「そこまでは分かりませんが、当然人間から感じ取れない普通じゃない力をテルさんとルナちゃんから感じ取った訳ですから、秘めている事は間違いありません」

ガヴリール「マジかよ…。私は感じ取れなかったから分からなかったが、なんでラフィエルは普通に感じ取れたんだよ?」

ラフィエル「恐らく、ガヴちゃんが堕天したせいで天使力が弱まりつつあるからだと思います。逆に私は堕天せずにそのままですから、それでだと…」

ガヴリール「……………」

ラフィエル「それより、説明し終えたところで早くテルさんとルナちゃんを追い掛けましょう。きっと何かしらの力と能力が見れて、正体も掴めると思います」ダッ

ガヴリール「あ……あぁ。」ダッ



ガサガサ・・・・・・ガサガサ・・・・・・

???「……………」ジイイィィーーーー

???「……………」ジイィィーーーー

29: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)00:38:37 ID:hFd
~神社近く~

テル「あった!!少し遠くに見えるアレが、例の神社だ」

ルナ「旅館のおじさんが言ってたように、確かに白い煙のようなものが発生してるね…」

ラフィエル「ふぅ~、追いつきましたね」

ガヴリール「はぁはぁ…」

ラフィエル「さて、遠目に見えるのが噂の神社ですね。で、テルさんとルナちゃんはどうするのでしょうか?」

ガヴリール「別に大した事は…」

テル「ここから『夢』に入れそうだな…。」


ガヴリール「んっ?」

ラフィエル「夢??」


ルナ「ねぇ、お兄ちゃん?」

テル「どうした?」

ルナ「もし、救えそうな人が居たら、最後まで救えるといいね」

テル「あぁ。そうだな」


ガヴリール「な、何言っているんだ、あいつら…?」

ラフィエル「『夢』に『人を救う』……意味深なワードだらけですね」


テル「とりあえず、夢に…『霊が作り出す世界』に入り込む為の入口を…」スッ

テル「ルナ、下がってろ」

ルナ「うん」サッ

30: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)00:50:34 ID:hFd
ラフィエル「『霊が作り出す世界』……また意味深なワードが…」

ガヴリール「おい、あいついきなり手をかざしてるけど、一体何をする気なんだ?」


テル『ドリームリンク』パアァーー

入口『…』バーーン


ガヴラフィ「っ!!?」


ルナ「これでいつものように夢に入り込むことが出来るね」

テル「あぁ!」

ガサガサ、ガサガサ・・・・・・

ルナ「!?………きゃあああぁーーー!!?」

テル「!………誰だ!?」クルッ


サターニャ「ちょっとぉ、今のは一体なんなのよっ!!?」バッ

ヴィーネ「サターニャ、ダメよ、まだ隠れないと!?」バッ


ルナ「………あれ」

テル「あ、貴方たちは……!」


ガヴリール「ヴィーネ、それにサターニャ!!?」ガサガサ

ラフィエル「どうして、お二人までここに!?」ガサガサ


ルナ「!?」

テル「えっ?!」

31: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)12:29:32 ID:hFd
……


テル「白羽さんたちはずっと俺達の跡を付けていたんですか?」

ラフィエル「すみません。たまたま目が覚めて外に出たところ、テルさんとルナちゃんの声が聞こえ、気になってつい跡を…」

テル「そうでしたか…。」

ヴィーネ「私は寝ていた時にサターニャに起こされたのよ」

サターニャ「だって、目が覚めたらガヴリールもラフィエルも居なかったから、ひとまずヴィネットを起こしたのよ」

サターニャ「それから一緒にガヴリール達を探してたら、コソコソ動くガヴリール達となぜか夜道を歩くアンタ達兄妹を見つけたのよ」

ヴィーネ「なんだか様子がおかしいと思って、つい……黙って跡を付けちゃいました…。」

ガヴリール「そういう事かよ」

32: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)12:39:21 ID:hFd
ラフィエル「あ、ガヴちゃんは、テルさんとルナちゃんとは自己紹介がまだでしたね…」

ガヴリール「あぁ、そういえばそうだったな」

ヴィーネ「テルさん、ルナちゃん……こっちは私たちの友達の……」

ガヴリール「お前らがラフィエル達が話してた例の客で、兄妹だな。私は天真=ガヴリール=ホワイト」

テル「天真さんですね。どうも初めまして、夢魅テルです」

ルナ「夢魅ルナでーす……」

ガヴリール「名前は聞いてるが、テルとルナだな。まぁ、よろしく」

ヴィーネ「ちょっ、テルさんは私達よりも年上なのに、いきなり呼び捨ては!?」

テル「あっ、別に構いません。好きに呼んでください」

ルナ(私と同じくらいの背丈なのに、私よりも年上…。しかもお兄ちゃんよりも年下なのに、名前で呼ばせた!)

ルナ(このお姉さんも、お兄ちゃんの事が……。)ジイイィィーーーー

ガヴリール(……ルナからおかしな視線を感じるな)チラッ

33: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)12:59:31 ID:hFd
サターニャ「で、聞きたいけど、アンタ達本当に何者よ?」

テル「えっ……」

ガヴリール「私もラフィエルと共に見てたんだよ……テルが能力を使うところをさ」

テル「!」

ラフィエル「ガヴちゃんの言った通り見ていました」

ヴィーネ「すみません。私もサターニャと一緒に見てて…。本当は他人のプライバシーに首を突っ込む事がしたくありませんが、ただ気になって…」

サターニャ「ただの人間が、能力を使えるなんてありえないわ!?」


ルナ「お兄ちゃん……」

テル「ルナ…心配するな。」

テル「分かりました。本当のことを言います」


テル「実は俺、怪奇探偵なんです。」

ガヴリール「怪奇探偵?」

テル「怪奇現象が話題になるとそこへ出向いて何も知らないまま霊たちの縄張りに囚われた人々を救い出す事をしています」

ヴィネサタ「「えっ!!?」」

テル「そして、貴方たちの睨んだ通り、俺は能力を使えます。貴方たちが見ていた能力こそ俺が使える力……「ドリームリンク」というものです」

ラフィエル「ドリームリンク……」

テル「霊が必ず夢を見ます。その夢はかつて霊にとってその場所に思い入れがある所に具現化し、その場所は霊の縄張り…つまりは霊が作り出す世界へと変り果てるんです」

テル「霊が作り出す世界は主に夢と称されていて、その中に普通の人間が入り込む事は不可能ですが、ドリームリンクはその夢に入口を作り、自由自在に入り込む事が可能になる訳です」

ガヴラフィヴィネサタ「「「「えっ!!?」」」」

34: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)16:20:15 ID:hFd
テル「俺は今までドリームリンクを使って、夢に迷い込んだ人々を助けてきました」

サターニャ「えぇと……」

ヴィーネ「その、霊が作り出す世界とか、夢とか、ドリームリンクとか……その……」

テル「普通はありえない事ですし、実際に説明しても理解できない部分はありますよね」

ラフィエル「私は理解できますよ」

テル「えっ?」

サターニャ「アンタは、どうしてすぐ、理解できるのよ?」

ラフィエル「だって、初めて会った時から既にテルさん達の不思議な力を感じ取ったからです」

テル・ルナ「「っ!?」」

ヴィーネ「えっ、感じ取ったってどういうこと、ラフィ?」

ガヴリール「そういえば、その二人から不思議な力を感じて、ただ者じゃないって言ってたよな…?」

ラフィエル「えぇ。私も最初は信じられませんでしたが、二度も同じ不思議な力を、テルさん達から感じ取ったことで確信に至った訳です!」

35: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)16:31:49 ID:hFd
ヴィーネ「じゃあ、ラフィはテルさんからその、不思議な力を感じたから、今の話を理解できるって事ね。」

ラフィエル「そうです」

サターニャ「ラフィエル、アンタってそんなに気配に敏感なの? 私は感じ取れなかったけど…」

ヴィーネ「えぇ、私も同じ」

ガヴリール「そういったら、私だって同じだよ。」

ヴィーネ「えっ、ガヴも感じることが出来なかったの?!」

ラフィエル「ガヴちゃんの場合は、堕天してたこともあってか、天使力が弱まりつつあるせいだと推測しましたが…。」


ルナ「お姉さんたち……」

テル「………まさか、俺とルナの能力に薄々気が付いていたとは…。」

テル「白羽さん、いえ白羽さん達と、言うべきでしょうか…。貴方がたは、一体?」

サターニャ「一体と言われても……特に名乗るもんもないわよ!?」

ヴィーネ「そ、そうですよ…!? 私たちは普通の……!?」

ラフィエル「別々ですが、私とガヴちゃんは天使、ヴィーネさんとサターニャさんは悪魔ですよ」ニコリ

テル・ルナ「「えっ!!?」」

ラフィエル「ラフィッ!?」

サターニャ「ちょっ、アンタ!?」

36: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)18:31:50 ID:hFd
ガヴリール「ラフィエル、教えていいのか? 元々、私らの正体は人間にバラしちゃ駄目な決まりだろ?」

ラフィエル「正体をバラしてはいけないのは普通の人間ですよ」

ガヴリール「………まぁ、テルは何かしらの力がある事は確かだし、能力を使ってる所は目の前で見てたから、普通の人間ではない事は分かったけどさ」

ラフィエル「でしょ? ですから、普通の人間ではないテルさん達でしたらバラしても問題はないと思います」

ヴィネサタ「「………」」

テル「ちょ、ちょっと、待って下さい!!? えっ、天真さんと白羽さんが天使で、月乃瀬さんと胡桃沢さんが悪魔って、冗談ですよね?」

ラフィエル「ほんとです。証拠をお見せしますよ……ガヴちゃん、ヴィーネさんにサターニャさん!」

ガヴリール「……あぁ、分かった」

ヴィーネ「ね、ねぇ……本当に正体を……」

ラフィエル「バラしたのなら、もう完全に明かすしかないじゃないですか!」

サターニャ「あ~ぁ、もう分かったわよ。ほら、ヴィネット」

ヴィーネ「まぁ、しょうがないか…。」

37: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)18:37:29 ID:hFd
ガヴリール「」パアアァーーーー

ラフィエル「」パアアァァーーーー

ヴィーネ「」ニョキ

サターニャ「」ニョキ


テル・ルナ「「っ!?」」

ラフィエル「これで信じて頂けますか?」

テル「………こ、ここまで見せられたのなら、信じるしかないですよ。な、ルナ?」

ルナ「うん……。でも、本当だったんだ…。」

ヴィーネ「人間に正体を明かすなんて、初めてよ」

サターニャ「私も」

ガヴリール「まぁ、こいつらが普通の人間ではないのなら、お互い様って事だな」

ラフィエル「まぁ、私達は人間を装った、別の存在ですが…。」

38: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)18:45:05 ID:hFd
ルナ「お兄ちゃん、天使に悪魔って伝説じゃなくて、本当に存在していたんだね」

テル「あぁ。だけど、幽霊が存在するなら、天使や悪魔の実在だってあり得ない話じゃないかもな」

テル「でも、どうして、天使と悪魔が人間の住む世界に?」

ラフィエル「一種の社会勉強です」

ヴィーネ「悪魔も同じく社会勉強で…」

テル「天使や悪魔も、人間と同じような部分があるんですね…。」

サターニャ「でも、悪魔からして、人間は下等な存在。同等とは思わない事ね…くっくっく?」

ガヴリール「気にしないでくれ。こいつ、口ばっかで、中身は大バカだから」

サターニャ「ちょっと、喧嘩売ってんの!!?」


テル「ははは…。」

ルナ「なんだか、楽しそうなお姉さん達だね」

39: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)20:21:50 ID:hFd
ラフィエル「とりあえず、私たちの事はお話ししましたが、まだテルさん達から聞かされていない事があります」

テル「えぇと、なんですか?」

ラフィエル「その、ドリームリンクという力……それはどうして使えるんですか?」

テル「その説明がまだでしたね。実は、俺が使う力は元々母の霊感の一種で、母が使っていたんですが、母が亡くなった後で俺が受け継いで使えるようになった訳でして…」

サターニャ「霊感?」

ヴィーネ「人間の世界で良く言われる、神や仏が示す霊妙な感応のことよ。主に霊的なものを感じ取るとかで、主に霊が見えるとか霊が寄ってきやすくなるって話もあるのよ」

ガヴリール「んじゃあ、テルはその霊感ってヤツのおかげで力が使えるって事か」

テル「まぁ、ほんとに母から受け継いだ力なもんで、ドリームリンクしか使えないんですけどね」

ラフィエル「成る程。使えるようになった経緯はそういう事でしたか」

40: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)20:27:30 ID:hFd
テル「とりあえず、これでスッキリしましたか?」

ラフィエル「はい」

テル「では、俺はこれから夢の中に入って、今回の神社に関する失踪事件で救える人が居たら救わないといけませんので、これで!」

ヴィーネ「その……頑張ってください」

テル「あ、どうも!」

サターニャ「……………」

サターニャ「ちょっと、待ちなさい」

テル「はい?」

サターニャ「その…夢ってヤツにはアンタしか入れないの?」

テル「え、えぇと……一応、入口さえあれば、誰でも出入りは可能ですけど…」

サターニャ「なら、私を連れて行きなさい」

テル「えっ!?」

ヴィーネ「ちょ、サターニャ!?」

41: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)20:33:08 ID:hFd
ガヴリール「なんだ?なんでお前が行こうとするんだ?」

サターニャ「もちろん、興味があるからよ」

テル「興味?」

サターニャ「まっ、人間を助けるのは癪だけど、幽霊が作り出す世界がどんなもんか、見て見たいだけよ」

ラフィエル「おぉ、好奇心ですか」

ヴィーネ「ちょっと待って!?好奇心で、その…夢の中に入りたいだ、なんてテルさんに迷惑よ!?」

テル「う~ん。正直、一般人を入れるのは危ないですし、遊びで行く訳ではありませんので、出来れば遠慮して頂きたいのですが…」

ヴィーネ「ほら、みなさい」

サターニャ「ふん、いいわよ。勝手についていくから!」

テル「えぇっ!?」

ラフィエル「でしたら、私たちも同行しますよ!!」

ガヴリール「はぁっ?」

ヴィーネ「えっ!?」

テル「えっ、白羽さん達もですか!?」

42: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)21:11:26 ID:hFd
ラフィエル「今まで過ごしてた中でこのような霊の作り出す世界を見れるなんて、いくら私が天使だとしても滅多にありませんしね」

ヴィーネ「ラフィも好奇心なの!?」

ラフィエル「まぁ、面白そうなのを期待したのも確かですが」

テル「ちょっと、困りますよ!?いくら天使や悪魔でもこればかりは流石に!?」

ガヴリール「ってか、私も行く事前提なんだな…。」

ルナ(んっ、お兄ちゃんがお姉さん達と行く事になれば、お兄ちゃんの周りは………)

ルナ(女の人だらけにっ!!? や、ヤバい………)


ルナ「お兄ちゃん!」

テル「んっ、どうした?」

ルナ「私もお兄ちゃんと行きたい!!」

テル「いや、ルナ…お前はここで待ってろ」

ルナ「えぇ~~~!!」

ヴィーネ「えっ!?」

テル「この先はなにが待ち受けているか分からないからな。それにお前が『外』にいないと帰れない」

ルナ「で、でもぉ!でもぉ~!」

ヴィーネ「あのぉ、テルさん、なぜルナちゃんを連れて行こうとしないんですか?」

サターニャ「そうね。流石に小さいのを、ここに置いていくのも危ない気がするわよ」

テル「あ、いや、それは…」

ガヴリール「なぁ、テル?今、ルナに対して『外にいないと帰れない』って言ったが、ここにルナを置いていくのは何か訳でもあるんじゃないか?」

テル「えぇ。実は、ルナはここから帰るのに必要なんです」

ラフィエル「ここから帰るのに必要だという事はやはりルナちゃんにも不思議な力が…」

テル「はい。ルナには『赤い糸の呪い』という力があります」

サターニャ「赤い糸の……?」

ヴィーネ「呪いっ!!?」

43: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)21:26:53 ID:hFd
ガヴリール「なんか恐ろしい感じがするが…」

テル「あ、呪いは呪いでも、むしろ良い力なんです」

テル「赤い糸の呪いは文字通りルナの指から赤い糸を生み出し、その赤い糸は俺と繋がっていて、夢の中から俺を現実へ連れ戻せるんです。いわば、唯一の道標という事です」

テル「更に説明しますと、赤い糸で俺とルナはお互いの場所が把握できる訳です。」

サターニャ「なに、その便利な能力!?」

ヴィーネ「でも、話を聞くと赤い糸でお互いを知りつつ、繋がって助けにもなるなんて…そこに兄妹愛を感じるわ」

ラフィエル「その赤い糸の呪いも、やはりお母様から?」

テル「そうです。ルナも母から霊感を受け継いでます。そして、赤い糸の呪いは掛けた相手にしか効果を発さないため、唯一掛けられた俺にしか繋がりません。ですので、他人が一人で夢に入り込んだら大変な事になります」

テル「あ、もう一つ、赤い糸の呪いはルナ自身がずっと念じないと、赤い糸はすぐに切れてしまうという欠点があります」

ガヴリール「便利だけど、欠点があるとまた不便に思えるな」

44: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)21:35:01 ID:hFd
テル「だから、ここで待ってもらわないと…な、ルナ」

ルナ「うぅ~~~…………でもぉ………」

ヴィーネ「………じゃあ、私と一緒にここで待ってましょうか、ルナちゃん」

ルナ「えっ!」

サターニャ「ヴィネット…?」

テル「あ、いや、流石にそれは月乃瀬さんにご迷惑が!?」

ヴィーネ「大丈夫です。それにこんなに小さいルナちゃんを一人で置いておくのは可哀想ですし」

ルナ「お姉さん…」


テル「そうですか…。その、すみません!」

ヴィーネ「いえ、本当に大丈夫ですから」

サターニャ「じゃあ、ヴィネットがここに残るって事だから、私たちはこいつと一緒に夢に入りましょうか」

ラフィエル「はい♪」

ガヴリール「おい、私もやっぱ行くのかよ!?」

サターニャ「当たり前でしょ」

ラフィエル「ほら、ガヴちゃん!」

ガヴリール「ったく、しょうがねぇな…。」

テル「って、結局俺と一緒に行く事になってませんか!?」

サターニャ「いいから、連れて行きなさい」

ラフィエル「お願いします」

テル「はぁ~。分かりました。ただし、いくら人間ではなくても、無茶はしないで下さいね」

45: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)21:45:40 ID:hFd
テル「という訳で行ってくるから、大人しくな…ルナ。それと月乃瀬さん、ルナをお願いします」

ヴィーネ「はい。ルナちゃんは私が責任を持って守ります。テルさんもガヴ達をお願いします、ガヴ達もテルさんに迷惑をかけない事ね」

ガヴリール「分かってるよ。大体、私は好きで行く訳じゃねぇっての…」

サターニャ「行ってくるわよ」

ラフィエル「では、ヴィーネさん、後で。ルナちゃんも後でお会いしましょう」

ルナ「………お姉さんたち」



ルナ「お兄ちゃんにあまりくっつかないで」

ガヴリール「えっ!?」

ヴィーネ「っ!?」

サターニャ(で、出た…。この感じ……)

ラフィエル(ふふふっ。お兄ちゃん子が、また可愛いですね♪)

テル「ルナ、止めろよ」

ルナ「…」

46: 名無しさん@おーぷん 2018/12/20(木)21:55:22 ID:hFd
~夢~

サターニャ「なによ、これ…。周りが白い煙のようなものばかりで、視界が悪いわね」

テル「これが胡桃沢さんが見たがっていた夢、つまりは霊が作り出した世界です」

テル「幽霊はこの夢の中を自在に移動できますが、夢の外からは出る事が出来ないので、もし追いかけられても外に出れば追ってこれなくなるので大丈夫となります」

ラフィエル「成る程…。」

ガヴリール「で、救える人間ってのは見つけられるのか?」

テル「ひとまず、神社と周辺のみが夢ですので一通り見て、もし居なければ終了です。後、出るだけです」

サターニャ「なに、元凶を突き止めて、夢を無くすことはしないの?」

テル「まぁ、原因が分かれば、出来るかもしれませんが、分からない場合は基本しませんね」

ガヴリール「視界が悪いな。ここから先はどうするんだ?」

テル「ライトがありますので、これで進みましょう」パッ

47: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)00:02:01 ID:Q5C
ザッザッ・・・・・・、ザッザッ・・・・・・


ガヴリール「それにしても、さっきのルナの発言…少し怖かったな」

サターニャ「あぁ、アレね。実は旅館で会った時もさっき同じような発言だったから、正直驚いたわよ」

ラフィエル「『私とお兄ちゃんは赤い糸で結ばれてる』、『お兄ちゃんにあまりくっつかないで』…なんてルナちゃんはよっぽどテルさんに懐いているんですね。兄想いなルナちゃん、可愛いです♪」ニコリ

テル「別にそういう訳では!?ただ、最近、ああなんです。両親がいないせいか、寂しいと思うんです」

ラフィエル「そうなんですか…。」


ラフィエル「あ、一つよろしいですか?」

テル「はい?」

ラフィエル「その、夢魅という名字、どこかで聞いた事があると思っていましたが、もしや『夢魅美々子』という人の関係者ですか?」

テル「!」

サターニャ「ゆめみ……みみこ……?」

ガヴリール「誰だ、それ?」

ラフィエル「ちょっとだけ聞いた事がある話ですが、有名な占い師ですよ。随分前にテレビにも良く出演されていたとか…。」

ガヴリール「へぇ~。で、それがどうした?なぜ、テルと関係あるって話になるんだよ?」

ラフィエル「夢魅美々子とテルさんの、夢魅という名字が同じである事に気付いて、もしやと思って聞いたんですよ」

テル「関係者とか名字が同じも何も夢魅美々子は、俺の母親だよ。そして、ルナのな…。」

ラフィエル「やはり、そうでしたか…」

テル「亡くなった母は夢魅美々子って占い師で、当然霊感も力も持っていた。実はというと、母が生きていた頃は母自身が夢に入って人々を救っていたんです。けど、母の死後は妹と共に霊感と力、母の意思を引き継いで怪奇探偵を始めたんです」

サターニャ「へぇ~。お母様の意思と力を継いで今に至る…なんて人間の癖してやるじゃないの」

ガヴリール「まぁ、確かに感心するよな」

48: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)00:16:06 ID:Q5C
ガヴリール「にしても、不気味だな…。」

サターニャ「さぁ、亡霊。来るならきなさい!!」ガクガク

ラフィエル「サターニャさん、足ガクガクですよ?」

テル「とりあえず、救えそうな人を探したり、神社の中も一応覗きましょうか」


~それから30分後~

ガヴリール「救える人って言ったって、誰も居なかったな」

サターニャ「しばらく周辺を歩いたり、神社も覗いたけど、亡霊なんていないじゃない。まぁ、大したことはなかったわね…ホッ」

ラフィエル「ふふふ。何もなくて良かったと、安心しましたね、サターニャさん♪」

サターニャ「そんな事、微塵も思ってないわよ!?」

テル「ですが、一つだけ書物らしいのを見つけましたので、一応収穫はありでした」

49: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)00:39:18 ID:Q5C
ガヴリール「本?」

サターニャ「なんなの、これ?」

ラフィエル「どうやら、日記みたいですね」

テル「日記なら、中を見ましょうか」ペラッ

ラフィエル「そうですね」

テル「えぇと……」

日記『どこかの観光客がふざけて、兵隊を弔う為の慰霊碑を壊してしまった。それ以降、神社や周辺に霧がかかるようになった。きっと兵隊の霊の怒りだ』

日記『怒りを鎮める為に急いで慰霊碑を修理したが、既に遅かったようだ。兵隊の霊が多数出没し始め、話を聞いてやってきた観光客が失踪してしまった。もう、この神社はお終いだ』

日記『巫女も宮司も怖がって既に出て行ったが、私は神主だ、神社の責任者として最後までここに残る事にする。いずれ霊に襲われ、取り殺されるかもしれないが、それならそれでいい。慰霊碑を壊させてしまった責任もあるからだ。』


テル「日記はここで終わってるな」

ラフィエル「日記の主は神主さんでしたか」

サターニャ「神主?」

ラフィエル「神社に仕えて、神道や神社において神に奉仕して祭儀や社務を行う者の事ですよ」

ガヴリール「ふぅ~ん。日記からして、こいつ死を覚悟してたみたいだけど、今はいないって事は本当に死んだのかな…。」

50: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)01:04:29 ID:Q5C
テル「この日記で大体は分かりました」

テル「兵隊の霊が神社と周辺に出没するようになった理由は観光客がふざけて神社の周辺にある慰霊碑を壊したせいだ」

テル「それに怒った兵隊の霊たちが、慰霊碑がある神社と周辺に夢(霊が作り出す世界)を生み出した。ちなみにこの白い霧は、きっと霊にとってあの世とこの世を繋げる道のようなものなんだ!」

テル「ただし、道は霊にしか通れないが、霊は興味本位で神社に来る観光客を捕まえては霧の道を使って観光客をあの世に連れて行った。だから、失踪者が続出したんだ…。」

テル「そして、霊たちがなぜそんな事をするのか……理由は、生きてる人間に恨みを持った事や霊たちの人間に対する復讐の為だ。勝手な行動で慰霊碑を壊された為に怒りだけでなく恨みも芽生え、捕まえた人間たちをあの世に連れて行く事で霊たちは精一杯の復讐を果たしてるって事だ」

テル「しかも失踪者を増やすことでネットに怖い話として広まらせ、それによって多くの人間をこの神社に呼び寄せた訳か…。」

テル「これが全て!そして、事件の真相に関して納得がいくはずだ!!」


サターニャ「………」

ガヴリール「淡々と凄い長い推理してたようだけど、私には良く分からないな…。」

ラフィエル「あ、私は理解できましたよ。それにしても全て復讐の為に起きた事だとは、恨みやら原因を作った人やらがある意味怖いですねぇ~」

51: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)20:09:02 ID:Q5C
テル「という事は失踪者はほとんど霊に捕まってもう……。だから、見つからないんだ」

ガヴリール「で、これからどうする?」

テル「元凶は分かっても、俺に霊を倒すはおろか、鎮める方法もないようじゃ、後はここから出るしかありません」

ラフィエル「この夢から出た後はどうするつもりで…?」

テル「後は二度とこの場所には来ないだけです。」

サターニャ「放置ってこと?!」

テル「情けない話……ドリームリンクはあくまで入り込んだ人だけを救う事や『霊から逃げる能力』でもありまして、つまり霊を倒す事は出来ないんです」

サターニャ「それで尻尾巻いて逃げるなんて、確かに情けないわね」

テル「すみません…。」

ガヴリール「おい、夢から出るならさっさと出ようぜ。このままだと…」

サターニャ・テル「「んっ?」」チラッ

ラフィエル「えぇ。どうやら取り囲んで、まとめて私たちを捕らえる気ですね…。」

霊たち『…』ズラーーー

サターニャ・テル「「っ!!?」」ビクッ

52: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)20:29:10 ID:Q5C
テル「に、逃げましょう…早く!!」ダッ

ガヴリール「ったく…」ダッ

サターニャ「なによ、こんな奴ら!私の力でイチコロn」

ラフィエル「残念ながら、サターニャさんが悪魔であろうと霊に物理攻撃は効きませんよ」ダッ

サターニャ「えっ………あっ! し、知ってるわよ!?」ダッ


霊たち『…』フワフワフワッ

サターニャ「ヒィッ、追いかけてきたわ!?」

ガヴリール「チッ。面倒の奴らだな」

サターニャ「ガヴリール、ラフィエル…アンタら、天使でしょ!? 天使なら霊専門よね?!」

ガヴリール「残念だが、除霊はできない」

ラフィエル「天使は人を幸せに導くのが役目ですから、幽霊相手は専門外ですね」

サターニャ「もぉぉーー、役に立たないわね!!」

ガヴリール「それよりテル、ほんとにこっちが出口なのか?」

テル「もちろんです。見て下さい…」スッ

ラフィエル「おぉ、赤い糸が見えます!!という事は、例の赤い糸の呪いというのは…。」

テル「はい。文字通りルナが夢の外から中に居る俺の所まで赤い糸を繋げているんです」

ガヴリール「成る程。確かに道標になるし、便利な力だな」

サターニャ「じゃあ、このまま突っ走っていきましょう」

53: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)20:38:09 ID:Q5C
~夢の外~

ルナ「お兄ちゃん…」

ヴィーネ「大丈夫よ、ルナちゃん。テルさんはガヴ達と一緒に必ず無事に戻ってくるわ」

ルナ「………うん」

ヴィーネ「それにしても、これが赤い糸の呪いって力なのね。赤い糸がしっかり見えて、長く伸びてるし、確かに道標になるわね」

ヴィーネ「それと、テルさんの助けになっているルナちゃんも偉いわね♪」ナデナデ

ルナ「………///」



テル「はぁはぁ。もうすぐで夢の外です」

ルナ「!」

ガヴリール「はぁはぁ。」

ヴィーネ「こ、この声は!?」


テル「はぁはぁ。出られました。安心してください、もう夢の外です」

ガヴリール「はぁはぁ、疲れたぁ~」

サターニャ「ったく、ガヴリールは情けないわね。こんな距離、なんともないじゃないの」

ラフィエル「仕方ありませんよ。ガヴちゃんは、普段運動不足ですし…。」


ルナ「お兄ちゃん!」

ヴィーネ「ガヴ、ラフィ、サターニャも!」

54: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)20:44:05 ID:Q5C
テル「ルナ、ちゃんといい子にしてたな」

ルナ「うん。お兄ちゃんこそ、大丈夫そうで良かった」

ガヴリール「はぁはぁ。あんなに走ったのは久しぶりだ」

ヴィーネ「ガヴ、足引っ張ってないでしょうね?」

ガヴリール「ひ、引っ張ってねぇよ…」

ルナ「それでお兄ちゃん、どうだったの?」

テル「あぁ。霊が出る原因も失踪者の行方も分かったが、救えそうな人はいなかったし、霊を鎮める方法もないから、後は多数の兵隊の霊から逃げてきて…終わりだ」

ルナ「そうなんだ…。」

サターニャ「でも、もう幽霊は追ってこないのよね?」

テル「はい。夢の外に出てしまえば、幽霊は追って来ることは出来ません」

ラフィエル「あっ、兵隊さんの霊がたくさん…こちらに!」

55: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)20:53:38 ID:Q5C
霊たち『…』フワフワフワッ

ヴィーネ「きゃああぁぁーーーーーーっ!!?」

ルナ「幽霊っ!?」

テル「夢の外まで出て来れないはずなので……」


霊たち『…』ググッ

テル「えっ?」

ガヴリール「お、おい、何だか変だぞ!?」

霊たち『…』グググッ

サターニャ「なに、まるで突っかかったのに、無理に抜けようとするかのような仕草は……?」

霊たち『…』グググッ

ラフィエル「ハッ!もしや、ここから先は夢の外だから来られないにも関わらず、無理矢理夢から出ようとしているのでは!!」

霊たち『…』グググッ

テル「そ、そんな馬鹿な!?こんな事今まで無かったのに!!?」

ルナ「お、お兄ちゃん…!?」ブルブル

56: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)21:04:22 ID:Q5C
テル「もし、このまま霊たちが夢を突き破って来たら、更に夢が広く作り出され、旅館の主人やわずかな住むっていう住人までもが被害に遭ってしまう!?」

ヴィーネ「えぇっ!?」

ルナ「そんな…!」

テル「どうしよう…?!俺やルナには霊を倒す手段がないというのに!!」

ラフィエル「…………こうなれば、アレしかありませんね」

テル「えっ?」

ヴィーネ「ラフィ?」

ガヴリール「どうした、なにか霊を何とかする方法でもあんのか?」

ラフィエル「はい。一つだけですが、私やガヴちゃんの天使力とヴィーネさんやサターニャさんの魔力を合わせるんです!」

サターニャ「はぁっ!?」

ヴィーネ「えっ!?」

ガヴリール「おい、天使力と魔力を合わせるって、いくら天使と悪魔だからって幽霊に攻撃をぶつけるのは難しいだろ!!」

ラフィエル「いいえ、天使力と魔力を合わせたら、霊たちに攻撃ではなく、ここからテルさんの出番です」

テル「えっ、俺?!」

57: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)21:23:30 ID:Q5C
ガヴリール「ど、どういう事だよ?テルの出番って??」

ラフィエル「いいですか…それぞれの天使力と魔力を合わせたら、それをテルさんに与えるんです」

ガヴリール「なにぃっ!?」

サターニャ「私たちの力を、よりによって人間になんかに与えるですって!?」

ヴィーネ「ラフィ、いくらなんでもそれは!?」

ラフィエル「えぇ。確かに無茶苦茶ではありますが、力を持つテルさんなら私たちの力を与えれば、きっとテルさんの力は進化し、霊に対抗できるかもしれません!」

テル「ちょっと待ってください!? 白羽さん達の力を貰うって、それで俺の力は変わるんですか?!」

ラフィエル「可能性はあります。力同士なら、なんとかなるはずです」

テル「…………」

ルナ「お兄ちゃん…」

テル「分かりました。俺も被害は出したくありませんし、幽霊たちがなんとか出来るなら、お願いします」

ラフィエル「決意してくれましたね。もちろんです」

ヴィーネ「ほ、ほんとにやるの…?」

ガヴリール「まぁ、いいや。面倒事が済むなら、力を貸してやるよ。それにテルが普通じゃなければ、何とかなりそうだしな」

サターニャ「チッ。人間に力を貸すのは、今回だけだからね!」

ラフィエル「後は、ヴィーネさんだけですよ?」

ヴィーネ「分かった…。私も被害が広がって欲しくないからやるわ」

ラフィエル「これで決まりですね」ニコリ

58: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)21:47:55 ID:Q5C
ラフィエル「いいですか、作戦はこうです。まず私たちがそれぞれの天使力と魔力をテルさんに与え、同時にテルさんはドリームリンクを試してみて下さい」

ラフィエル「きっと、何かしらの変化が見られ、それにより霊たちを撃退できるという訳です」

テル「分かりました。じゃあ、お願いします」

ラフィエル「分かりました。では、皆さん……」


ガヴリール「いくぞ、私の力しっかりと受け取れ、テルウウウゥゥゥーーーーーーッ!!!」シュバーン

ラフィエル「作戦通り、お願いします」シュバーン

サターニャ「フン!」シュバーン

ヴィーネ「お願いします…」シュバーン

テル「うおっ、天真さんに白羽さん、月乃瀬さんに胡桃沢さん…それぞれの力がしっかりと伝わってくる!?」パアアアァァーーーー

ルナ「これは……!」

テル「うおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!!!」ピカアアァァーーーーー


テル「ドリームリンクウウウウウウゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーッ!!!!!」カアアァァーーーーー

59: 名無しさん@おーぷん 2018/12/21(金)21:59:39 ID:Q5C
パアアアァァァーーーーーーー

霊たち『!』ピタッ

霊たち『!!?』ジタバタ



テル「ドリームリンクで霊たちが苦しんでるの!?まさか、ドリームリンクが本当に進化したというのか!?」

ルナ「凄い!?」

ラフィエル「成功はしましたが、まだまだ霊たちを撃退できていません。もうひと頑張りです」シュバーーン

ガヴリール「行くぞおおぉぉーーー」シュバーーーン

サターニャ「フン、言われなくても」シュバーーン

ヴィーネ「もうひと頑張り!」シュバーーン

テル「よぉし、うおおおぉぉーーーーーっ!!!」カアアアァァーーーーーーーー


パアアアァァーーーーーーーーーーーーーーー

霊たち『!!!?』ジタバタ、ジタバタ

パアアアァァーーーーーーーーー

霊たち『……!……!………!』ピクピクッ


シュン

60: 名無しさん@おーぷん 2018/12/22(土)00:04:33 ID:8ZS
……


テル「ふぅ~、なんとか撃退できた」

ラフィエル「私たちの力を受け取ったテルさんの力に、進化がきて除霊が備わったようです」

テル「成る程。だから、霊が苦しんでいたんですね」

ヴィーネ「その除霊の力で幽霊たちは苦しんだ後、その夢の中に逃げて行った訳ね」

ラフィエル「えぇ。これで夢の外に出て行くのも阻止できたし、霊たちも二度と出ようとはしないでしょう」

サターニャ「まぁ、そうだといいけど…。」

ガヴリール「ふわぁ~。いつの間にか、眠気が襲ってきたから、寝るよ。」ゴロン

ヴィーネ「こら、ガヴ、こんなとこで寝ないの!?風邪引くでしょ!?」

テル「ふわぁ~、そういやあ、俺も眠くなってきたな…。」

ルナ「お兄ちゃん、お疲れ様?」ニコリ

61: 名無しさん@おーぷん 2018/12/22(土)00:15:01 ID:8ZS
~そして、翌朝~

テル「昨夜はどうもありがとうございます。人は救えなくても、おかげで霊の進行を食い止める事は出来ました」

ラフィエル「いえいえ、こちらこそ…途中から首を突っ込みまして、申し訳ありません」

ルナ「私からも…ありがとう、お姉ちゃん」

ヴィーネ「どういたしまして♪」

サターニャ「ヴィネット、人間の女の子にニヘラしちゃって、やっぱ一人っ子の分…妹みたいな感じがして良かったのかしら~?」

ヴィーネ「ち、違うわよ、そんなんじゃ!?///」

ガヴリール「ここでお別れだな…。」

テル「そうですね」

ヴィーネ「あの、テルさん…」

テル「はい?」

ヴィーネ「その、私たちがそれぞれ天使と悪魔である事は、他の人達には内緒にして頂けないでしょうか?」

ラフィエル「私からもお願いします。力を持つテルさんとルナちゃんは別としまして、それ以外の方々にはバレてはいけない決まりですので…」

テル「えぇ、もちろん。この秘密は、俺とルナの心の中にしまっておきますよ!な、ルナ?」

ルナ「うん♪」

ラフィエル「うふふ、お利口さんですね♪」ナデナデ

ルナ「っ///」

62: 名無しさん@おーぷん 2018/12/22(土)00:23:07 ID:8ZS
テル「おっと、そろそろ行かないと!」

テル「あっ、天真さん、白羽さん、月乃瀬さん、胡桃沢さん……本当にありがとうございました。昨夜の出来事は決して忘れません。それと社会勉強、これからも頑張って下さい」

テル「では、俺はこれで!ルナ、行くぞ!」

ルナ「待って、お兄ちゃん! あっ、お姉さん達もまたねぇ~♪」フリフリ


ガヴリール「おう、またな!」フリフリ

ヴィーネ「テルさん、ルナちゃん、さようなら」フリフリ

ラフィエル「さようなら~♪」フリフリ

サターニャ「フン。まっ、少しは楽しかったわ」フリフリ

63: 名無しさん@おーぷん 2018/12/22(土)00:33:07 ID:8ZS
~帰りのバス~

ラフィエル「今回は色々とありましたが、最終的には良かったですね♪」

サターニャ「しっかし、人間の世界にあんな人間が居たとはねぇ…」

ガヴリール「なんだ、怖がってんのか?」

サターニャ「ち、違うわよ!? ったく、この大悪魔が、あんな下等生物風情なんかに、なぜ…!」プイッ

ヴィーネ「はぁ~、今回の旅行はいつもより一層疲れたわ」

ヴィーネ「けど、学ぶ以上に学ぶことはたくさん出来たし、それはそれでありかな!」


ヴィーネ「さぁ、帰るまでは旅行よ!」

ガヴリール「なんだよ、そりゃあ」

ラフィエル「まるで遠足みたいですね」

サターニャ「ほんとね。ヴィネットはいっつもこういう調子よね」



おしまい