1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 01:53:45 ID:pYAnIwAk
魔王「……そうか。勇者はもうこの城まで辿り着いたか」

魔王がそう呟いた瞬間、王の間の物々しい扉が物凄い音を立てて吹き飛んだ。

勇者「紙のように薄い扉だな。少し蹴ってみただけでこれとは」

現れたのは一人の男。
異様なのはその出で立ちだ。
男は半裸だった。全身の筋肉を惜し気もなく晒している。
片手には剣を提げていた。
魔王にはわかる。あれは聖剣だ。

勇者「剣など要らぬ!」グシャァ

魔王「えっ。ちょ」

勇者「私は勇者。そして彼らは私の仲間――」

勇者の後ろから、スキンヘッドのマッチョたちが部屋に雪崩れ込んでくる。

マッチョ「フンハッフンハッ」

マッチョ「フンハァーーッ!」

光る汗。筋肉。
大勢の筋肉たちに囲まれ、勇者が不敵に笑った。

勇者「武闘家だ」

魔王「」 



2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 01:54:24 ID:pYAnIwAk
マッチョ「ゼハァッ!」

マッチョ「シャァッ!」

先頭のマッチョが両腕を広げて魔王に躍りかかってくる。咄嗟に魔法で壁を作り、進撃を止める。

魔王「――っ!」

勇者「フンハァッ! ラリアット!」

しかし、勇者の一撃により、魔法の壁が粉々に砕け散った。

魔王「ば、ばかな!」

マッチョ「ウーーーホッ! ホッ!」

マッチョ「ハァハァフゥーーッ」

好機とばかりに、後続のマッチョたちが、腕を鎌首のように曲げて飛びかかってきた。
まるでホラーだ。

魔王「ひい!」

魔王は魔法で火の壁をつくり、後ろに下がる。
マッチョたちは壁を越えてこようとはしない。 

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 01:55:03 ID:pYAnIwAk
だが――

マッチョ「フンハァッ!」

魔王「うわあっ!」

床を突き破って、さらにもう一体のマッチョが姿を現した!
そして、その逞しい腕で魔王の体を押さえ込む。

マッチョ「ハァ、ハァハァフゥーー」

魔王「離れろ――こ、の! ……ぐ、なんて力だ、拘束が溶けぬ」

勇者「無駄だ。彼らの筋肉は、すでに人の域を越えている。神の肉体なのだ」

炎の壁が二つに裂けた。
勇者が壁を両断するように手を降り下ろすと、その風圧で炎がかき消えたのだ。

魔王「は? ……ウワァァア!?」

そして、壁の消失はマッチョたちの侵入を許すことになる。 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 01:55:29 ID:pYAnIwAk

マッチョ「ウハァ!」

マッチョ「フンッ。フンッ」

マッチョ「ンホォッ! ハッ、ゼヤァ!」

マッチョ「シェェエエッ!」

魔王「化け物だ! 貴様らは化け物だ!」

四脚を地につけ、尻を高くあげ、高速で地面を移動する。
マッチョたちの瞳はギラギラと闘志に燃え、その視線は魔王に注がれていた。
犬のように舌を出し、涎を垂らしている。

マッチョ「ハッハッ! ハッハッ!」

魔王「私が想像してたんとちゃう! 私が想像してた勇者と魔王の最終決戦とちゃうぅぅ!」

魔王が暴れるが、マッチョに固く絡み付かれて身動きがとれない。
残る四人のマッチョたちが近づく。
勇者の前に横並び一列に座った。 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 01:56:59 ID:pYAnIwAk

勇者「おいで」

勇者が一番端にいるマッチョを呼ぶと、勇者の側まで歩いてくる。

勇者「仰向けになるんだ」

マッチョが仰向けになった。
体の前で腕を小さく折り曲げる、犬の服従のポーズだ。

勇者「いいこだ」

勇者がマッチョの割れた腹を優しく撫でた。
勇者の太い指が腹筋の割れ目を沿うたび、マッチョは息を荒げて高く鳴く。
喜んでいる。喜んでいるのだ。

魔王「おえええええええ」

魔王は吐いた。
そして泣いた。

勇者「君もやってごらん」 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 01:59:25 ID:pYAnIwAk
勇者が魔王の腕を掴んだ。
魔王はいやいやと首を振るが、勇者の力には逆らえず、マッチョの腹に手のひらを押しあてられる。
魔王は撫でた。
やけくそだ。
マッチョを見ないように撫でた。
ざらざらとした感触がやけにリアルだ。

勇者「ふふふ、彼も喜んでいるよ」

勇者は次のマッチョを呼ぶ。
今度のやつはやけに元気だった。

勇者「やってごらん」

勇者が言う。 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 02:00:01 ID:pYAnIwAk

魔王はマッチョの腹を撫でてみる。
ふさふさとしている。
胸毛だった。

マッチョ「フゥ、フゥ」

そのまま手を下に持っていく。
少しごつごつしていた。
これは腹筋だ。
汗の滑りが気持ち悪かった。

魔王「うう……」

マッチョ「ハッハッ」

魔王「ぎゃあ!」

後ろにいたやつに耳を舐められる。
熱い吐息が頬にかかる。

勇者「ははっ。気に入られたようだ」

魔王は吐いた。 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/02/23(土) 02:01:41 ID:pYAnIwAk
勇者「よし、次だ」

魔王「イヤダアアアアア!」

――こうして魔王は

マッチョ「フンハッ」

マッチョ「ハァッ!」

勇者「さあ、次だ」

魔王「……やめて……許して……」

――マッチョたちが満足するまで

勇者「フンハッ! フンッ!」

――ひたすらマッチョたちの腹を撫で続けたとさ

魔王「……」

マッチョ「ゼェヤァ!」

マッチョ「フンッ! ハハン!」


完