前回 勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」  その3

5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:06:04.959 ID:B5O8B/Xq0
王都
王城、外

……

……

勇者「……」

メロンパン職人「勇者さん、どうしたんですか」

勇者「ん? ……ちょっとな」

メロンパン職人「まあ勇者さんが何かを考え込んでるのは珍しいことじゃないですけど」

引用元: 勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」 




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7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:06:46.570 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「それより、聖女様のアポイント、王様達の方で取ってもらえるみたいですね」

メロンパン職人「これは期待できそうだ……」

勇者「……アポイントって、なんかちょっと大げさじゃないか?」

メロンパン職人「何言ってるんですか。聖女様は多忙なんですよ。聖女様に会いたいと希望して会えない人なんて世の中沢山いるんですし」

メロンパン職人「王様のおかげで会えるんだから感謝しないと」

勇者「……お前、ちょっとワクワクしてないか?」

9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:07:32.762 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「そりゃあそうですよ。生きてる内に一回会えたらなあくらいに考えてた人と会えるんですからね」

メロンパン職人「むしろ勇者さんが知らなすぎです。知らないことにびっくりです」

勇者「そういうもんか」

メロンパン職人「いつ会えるんだろうなぁ。楽しみだなぁ。早く日程決まらないかなぁ」

勇者「……」

10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:08:03.101 ID:B5O8B/Xq0
勇者(姫が言ってたこと、少し気になるんだよな)

勇者(……)

11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:08:36.928 ID:B5O8B/Xq0
傭兵「……では、私はこの辺で」

勇者「なんだよ、もう行っちゃうのか」

傭兵「私は傭兵だからな。別に、王に忠誠を誓う騎士でもない。北の都市にも調査隊として雇われて行っただけの話だ」

傭兵「報酬もいただいた。これでこの仕事は終わり。次の仕事を待つさ」

勇者「……」

傭兵「何だその顔は」

勇者「いや、別に……」

12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:09:19.134 ID:B5O8B/Xq0
傭兵「……まあ、私の拠点は王都だ。君もこの地に暫く留まると言うのなら、街で見かけることもあるだろう」

勇者「……それもそうか」

傭兵「今回は散々な目に遭ったが……君達と会えたことは悪くなかったかもしれないな」

勇者「! 俺もだ」

13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:09:44.076 ID:B5O8B/Xq0
傭兵「では、失礼する」


勇者「また会った時はよろしくな」

メロンパン職人「お元気でー!」

主「キィ」

ズタ袋「……」

14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:10:40.432 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「……そう言えば、今日の宿どうするつもりです? 普通の宿で、主を部屋に入れてもらえるとは思えないんですけど」


勇者「あっ」

18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:12:53.701 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「……主には外で寝てもらいますかね」

勇者「ばか、そんなのダメに決まってるだろ。主が外で寝るなら俺たちだって外で寝るぞ」

メロンパン職人「そう言うと思った……久々に屋根の下で寝たいし。宿探し、頑張らないとなぁ……」

主「キィ……」

19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:14:55.847 ID:B5O8B/Xq0
チリンチリーン

宿屋「いらっしゃい」

メロンパン職人「二人と、鳥が一匹なんですけど」

勇者「お前……!」

メロンパン職人「今は黙っててくださいね」

20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:15:24.133 ID:B5O8B/Xq0
宿屋「はぁ。鳥ですか……」

主「キィ」バササッ

宿屋「……でかっ!」

メロンパン職人「体は大きいですけど、賢い子なので粗相とかはしたりしないです。何とかなりませんかね」

宿屋「うーん……そう言われてもな」

宿屋「……外で寝かすのはダメなのかい?」

勇者「論外ですね」

宿屋「困ったな。うちはそういうのはちょっと……」


聖剣「>>25

25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:17:47.037 ID:qpBvRgVP0
燃やせ

32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:29:29.898 ID:B5O8B/Xq0
聖剣「燃やせ」

勇者「はっ?」

聖剣「……」

勇者「……何を?」

聖剣「燃やせ」

勇者「……」

33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:34:34.929 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「そこを何とか……部屋は汚さないようにするし、他の宿泊客に迷惑も掛けないことを約束するので」

宿屋「うーん……」

メロンパン職人「料金もその分多めに払いますから」

宿屋「……」


勇者「……主よ」

主「キィ」

勇者「炎を」

主「……」


ボゥッ!


宿屋「!?」

メロンパン職人「!?」

35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:46:30.609 ID:B5O8B/Xq0
宿屋「熱っ!?」

宿屋「なんだなんだなんだ、突然火がっ!? 鳥が燃えてる!?」

メロンパン職人「何やってんですかアンタ!!」

勇者「いやだって、燃やせって言われても何を燃やせばいいのかわからないし、安価出たタイミングから考えてもここかなって」

メロンパン職人「ちょっと何言ってるかわからないんですけど!?」

37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:47:34.946 ID:B5O8B/Xq0
主「……」メラメラ

宿屋「ああああああああ!!! 机に燃え移ったぁ!?」

メロンパン職人「今すぐ消してください!!」

……

……

宿屋「はぁ、はぁ……」

メロンパン職人「はぁ、はぁ……」

メロンパン職人「なんとか、宿自体に燃え広がるのは阻止できましたが……」

勇者(内装は大体燃やし尽くしたかな?)

38: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:48:17.572 ID:B5O8B/Xq0
宿屋「……」

メロンパン職人「……」

宿屋「出て行け」

メロンパン職人「はい」


宿屋「……いや、やっぱり出て行かなくていい。衛兵呼ぶからちょっと待ってて」

メロンパン職人「!!」

勇者「そ、それは困るんだけど」

宿屋「どの口が言いやがる」

39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:54:36.434 ID:B5O8B/Xq0
勇者「や、だってさ。俺たち、今日やっとひと段落して、王様たちに色々報告して、これからやることだって決まったんだぜ?」

勇者「今から捕まって牢屋で面会って、どの面下げて会えばいいんだよ」

メロンパン職人「どの口からそんな言葉がでてくるんですかね!」


宿屋「こいつらどうかしてる……そもそもこんな危険な鳥を連れ歩いてるとか何者なんだ……」

40: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:56:10.274 ID:B5O8B/Xq0
宿屋「とにかく、今から呼ぶから」

勇者「ま、待ってくれよ!」

宿屋「待たない」

勇者「どうしても?」

宿屋「当たり前だ」

勇者「……」

勇者「本当はこんなところで使いたくなかったんだけどな……」

41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 14:56:40.990 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……赤ちゃんになぁれ!」

ぺかーっ!


宿屋「……ばぶぅ」


勇者「さっ、今のうちに逃げようメロンパン職人」

メロンパン職人「今何をしたんですか!?」

43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 15:06:37.102 ID:B5O8B/Xq0
……

勇者「結局、どの宿屋もダメだったな」

メロンパン職人「最初の宿屋さんは押せばなんとか行けそうだったんですけどね」

勇者「負け惜しみ言うなよ。結局ダメだったことに変わりはないだろ?」

メロンパン職人「誰のせいだと思ってるんです?」


主「キィ……」

ズタ袋「……」

45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 15:15:38.030 ID:B5O8B/Xq0
勇者「とにかく、日も暮れてきたし寝場所を探さないとな」

メロンパン職人「どうして王都に来てまで野宿をするハメに……」

勇者「おっ。あの橋の下とかいいんじゃないか?」

メロンパン職人「……はぁ……」


勇者「そういや、お前の実家って王都にあるんだよな。そこ、ダメなのか?」

メロンパン職人「……勇者さんについて行くとき、黙って勝手に出て来たようなもんですからね。親父、怖いから。絶対殴られるし。嫌ですよ」

勇者「なるほどな」

46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 15:22:27.365 ID:B5O8B/Xq0
橋の下

メロンパン職人「はぁーー……明日、勇者さんの方から王城の人に掛け合ってみてくださいよ。聖女様と会える日までずっと野宿とか、俺嫌ですからね」

勇者「お前、野宿慣れたとか言ってなかったか?」

メロンパン職人「旅の最中の野宿と街中の野宿じゃミジメさが違いますってば……」

勇者「そういうもんか」

メロンパン職人「勇者さんは平気なんですか?」

勇者「俺は割とそういうの気にならない方だから」

メロンパン職人「神経太そうですもんね」

勇者「……お前、最近俺に対してちょっと辛らつになってきてないか?」

メロンパン職人「自分の胸に聞いてみてください」

62: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 18:54:55.043 ID:B5O8B/Xq0
勇者「まあ、寝床も確保できたことだし、今日のところはさっさと寝ちまおうぜ」

メロンパン職人「これを寝床の確保と呼ぶのが悲しいですが、仕方ないですね」


勇者(安価についても考えなきゃならんしな)

勇者(確か、光ってあげる、だったかか……)

勇者(光……光……光ってあげる。方法に指定はないんだよな)


??「……あの」

勇者「ん?」

63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 18:57:47.182 ID:B5O8B/Xq0
女「旅人さん、ですか? こんな時間に、こんな所で……何をしているのですか?」

勇者「いや。ここ、屋根があるだろ?」

女「……屋根? もしかして、この橋のことでしょうか」

勇者「まあ、野晒しで寝るよりは雨風が凌げていいかなって」

女「ま、まさかここで眠るつもりなのですか?」

勇者「うん」

女「……」

64: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 18:59:02.189 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「勇者さん、俺らめっちゃ怪しまれてますって。通行人が思わず声を掛けちゃうくらい怪しいんですよきっと」ヒソヒソ

勇者「そんなこと言ったって仕方ないだろ。泊まれる宿がないんだからここで寝るしかないじゃないか」ヒソヒソ


女「王都で野宿とは……祭りの時期でもないのに、宿が空いていなかったのですか? もしかして、お金がないとか」

勇者「金ならあるよ。ただ、主が一緒に泊まれる宿がなかったからな」

女「主?」

勇者「主」


勇者「ほら、見ろよこの姿を。神々しいだろ?」

主「キィ」

女「はぁ……大きな鳥さんですね」

女「……」

65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:00:29.964 ID:B5O8B/Xq0
女「これが宿に泊まれない理由……?」

女「言われてみれば確かにそうだけど……」

女「でも……」

キョロキョロ


勇者「……な、なんだなんだ?」

女「……」

66: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:01:37.726 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「ほら怪しまれてる。何か悪いことしてないかチェックされてる。このままだと俺ら通報されちゃいますよ!」ヒソヒソ

勇者「ばかやろう、うろたえるな。俺たちにやましいことなんて何もないだろ」ヒソヒソ

メロンパン職人「何もない」

勇者「うん」

67: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:02:29.544 ID:B5O8B/Xq0
勇者「だから胸を張って、堂々としていようぜ。何も見つからなきゃあの人もそのうち飽きて帰るだろうさ」

メロンパン職人「……まあ確かに、やましいことが無いと言われれば嘘になりますけど。俺ら、見られて困るような物なんて何も持ってないですもんね」



女「……」

ズタ袋「……」


勇者「あっ」

メロンパン職人「あっ」

68: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:05:47.389 ID:B5O8B/Xq0
女「……ここ、かな?」

ズタ袋「……」

女「……」

ズタ袋「……」

女「……」ジーーッ

ズタ袋「……」



女「これ、開けてみてもいいですか?」

勇者「!?」

69: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:08:03.865 ID:B5O8B/Xq0
勇者「何を言ってるんだお嬢さん。それは俺たちの大事な荷物。勝手に開けちゃあいけないよ。さ、早くその袋から離れるんだ」

女「な、なんだか急に口数が増えましたね……怪しい……何が入っているんですか?」


勇者「ばか言っちゃいけない。いいか、俺たちは決して怪しい者なんかじゃない。それはただの旅の荷物。やましい物なんて何も入っていないよ。俺のこの真っ直ぐな目を見ろ。どうだ、これが嘘を吐いてる人間の目か?」

女「ものすごい勢いで泳いでますね」

71: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:10:33.439 ID:B5O8B/Xq0
勇者「それより、早くそのズタ袋から離れるんだ。ゆっくり。ゆっくりな。そして早くお家に帰りなさい。もう夜だ。女の子ひとりで街を彷徨いていい時間じゃない。そして帰ってご飯を食べて、ゆっくり眠って忘れなさい。」

女「あの……」

勇者「あっ。あと、ここで見たことは誰にも話しちゃけないよ。いいね?」

女「……」

72: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:11:16.746 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人(何だろう、この人に喋らせると何でもないものだとしても途端に怪しさが倍増してしまう気がする)

メロンパン職人(事情を知ってる俺ですら怪しく見えてきてるんだもの)

メロンパン職人(……)

74: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:12:24.860 ID:B5O8B/Xq0
女「……」

勇者「……」


女「……」

勇者「……」


女「……えいっ」ペロン

勇者「あっ!」 
76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:13:56.745 ID:B5O8B/Xq0
氷の魔女「…………」


女「なっ……女の人!?」

勇者「……」


女「こっ、これは……!」


女「……ゆ」

勇者「……ゆ?」


女「誘拐犯ーーーーっ!?」


勇者「……あっ。そう見えるのか」

メロンパン職人「側から見ると確かに。正体を知ってる俺らからするとその発想はありませんでしたね」

77: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:17:48.229 ID:B5O8B/Xq0
女「どうしよう……邪な気と聖の気、二つが入り混じったような不思議な気配がしたから辿ってみれば……まさかこんな。普通に危ない身近な犯罪者が見つかるだなんて」

勇者「ちょ、ちょっと落ち着いてくれ」

女「お、落ち着いてなんかいられません!」

勇者「君は何かを誤解している。俺たちは決して誘拐犯なんかじゃないんだよ」

女「女の人の手足を縛って袋に詰めておいて何を言っているんですかっ!」

勇者「こ、これには事情があってだな……」


勇者(ど、どう説明したもんか……なんとか切り抜けないと……!)


聖剣「>>81

81: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:21:01.008 ID:mYB+bajpd
荷物が一つ増えるだけだ

86: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:28:44.162 ID:B5O8B/Xq0
聖剣「荷物が一つ増えるだけだ」


勇者「荷物が一つ増えるだけ? どういう意味だっ」

女「荷物が一つ増えるだけ? 今の声は……!」


勇者「……ん?」

女「……え?」

87: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:29:16.812 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……」

女「……」


勇者「何だ、俺の声に反応しただけか……」

女「私の言葉を復唱しただけですか……」


勇者「……ん?」

女「……あれ?」

88: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:41:53.743 ID:B5O8B/Xq0
勇者「………………」

女「………………」


氷の魔女「うぅん……なんだ、騒々しい……朝か?」

メロンパン職人「まだ夜ですよ……さすがに寝すぎですってば」

氷の魔女「いつ寝ようとわたしの自由だ。おまえに口出しされる謂れはないぞ」

メロンパン職人「ダメだこの人……」

89: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:46:58.570 ID:B5O8B/Xq0
女「今のが誘拐犯とその被害者のやりとり……? でも、それにしては……」

勇者「……なぁ」

女「邪の気は……あの女の人から感じる。なら、それを拘束しているこの人達は……?」

勇者「なぁってば」

女「もしかして、同時に感じる聖の気はこの人から……? 確かに、この人の方から主の声が聞こえたような……」


勇者「おい」

女「あっ、はい」

90: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 19:47:53.530 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……あんた、もしかして聖剣の安価が聞こえるのか?」

女「聖剣の安価? もしかして、主の声のことですか?」

勇者「主の声? 主なら、そこにいるけど」


主「キィ」


女「……?」

勇者「???」

96: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:23:27.797 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人(二人とも何の話をしているんだろう)

97: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:24:08.952 ID:B5O8B/Xq0
氷の魔女「こんな時間に起こして何の用だ、勇者よ」

勇者「こんな時間は普通起きてる時間だぞ魔女さんよ」


勇者「いやな? そこの人が袋の中身が気になるって言って、無理やり開けちゃったんだよ。言っておくけど俺は止めたんだからな。俺は悪くない」

氷の魔女「……お前か」

女「……」


女(……あれ? これってもしかして私が悪い流れ?)

98: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:27:27.037 ID:B5O8B/Xq0
女「えぇと……はい。ひとまずお話をしましょう」

勇者「お話?」

女「そうです。ほら、私もあなたに聞きたいことがありますし、きっとあなたもそうでしょう? こんな所で話すのも何ですし、教会とかどうですか?」

勇者「えぇー……俺もう今日は動きたくないんだけど。完全にオフのモードになってたんだけど。ここじゃだめなの? 話くらいできるだろ」

氷の魔女「教会……? ああ、人が神を崇める場所か。わたしは好かんな。そういう雰囲気は嫌いだ」

女「……」

女「……」

女「…………」


女「………………そう、ですか……」


メロンパン職人「あっ、ちょっ」

99: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:28:08.522 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「行きましょう。行ってあげましょうよ勇者さん! ほら、勇者さんの方も聞きたいことあるんでしょ!?」

メロンパン職人「いやー、俺、なんだか寒くなってきちゃったなぁ。屋根のある場所で暖まりたいなあ!」

女「!」

100: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:29:58.364 ID:B5O8B/Xq0
女「こほん。……えぇ、それがいいでしょう。ここは寒いでしょうし、教会に来ていただければ暖かい飲み物くらいはお出ししますよ?」

女「勇者さんと言いましたか。私、あなたに聞きたいことがあるんです」

勇者「……」

勇者「……まあ、いいけどさ。行って話をするくらい」

女「じゃあ……!」

勇者「ただし、一つだけ条件がある」

女「!」

101: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:30:49.402 ID:B5O8B/Xq0
女「条件……? な、なんでしょうか……?」

女「私に叶えられることであれば良いのですが……」

勇者「そんな大したことじゃない」


勇者「アンタの持ってるその荷物……買い物帰りか? それ、持たせてくれよ」

女「え?」

勇者「荷物、一つ増やさなきゃいけなくなっちまったからな。安価達成に協力してくれたら行ってやるよ」

112: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:56:06.869 ID:B5O8B/Xq0
教会


女「どうぞ、お茶です」スッ

コトッ

勇者「どうも」

メロンパン職人「ありがとうございます」


氷の魔女(わたしの分はないのか)

主「キィ」

113: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:57:08.680 ID:B5O8B/Xq0
女「道中でも感じましたが、やはりこの強い聖の気は、あなたから感じますね」

勇者「聖の気……?」

勇者「それってもしかしてこいつのことか」シャラン


聖剣「……」


女「!」

114: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:58:15.260 ID:B5O8B/Xq0
女「その剣……もしかして、古の勇者の聖剣ですかっ?」

勇者「そうらしい。この剣、なんかすごい聖属性があるって長老が言ってたし、アンタが感じるって言う聖の気も、多分こいつのことで合ってると思うぞ」

女「……これが、あの……」

女「……」

115: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:58:46.670 ID:B5O8B/Xq0
女「聖剣と、そこのズタ袋の女性の件も含めてお話を聞かせてもらえませんか?」

女「彼女から感じる魔の気配。只者ではないですよね?」

女(もし只者だとしたらそれはそれで通報ものですが)

勇者「うーん……なんか、アンタに隠し事は出来なそうだな。……説明するのはいいけど、後でそっちの事情も話してくれよ?」

116: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:59:21.669 ID:B5O8B/Xq0
……

……

女「聖剣に選ばれし勇者……氷の魔女……そして、その裏で糸を引く者ですか……」

女「私の知らないところで、そんなことが起きていただなんて……」

勇者「魔女の件、知らなかったのか? 結構大ごとだったと思うけど」

メロンパン職人「勇者さん、俺らが王様に報告したのは今日ですからね。北の都市も連絡が途絶えてたし、一般市民が知らないのも仕方ないですよ」

女「……」

勇者「一般市民ねぇ……」

117: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:00:21.825 ID:B5O8B/Xq0
勇者「こっちの事情は話したんだから、そろそろそっちの話も聞かせてくれよ」

勇者「アンタ、一般市民なんかじゃないだろう」

女「!」

メロンパン職人「えっ?」


勇者「考えてもみろよ。さっきから聖の気だの邪の気だの、この人はそれを感じ取ってわざわざ橋の下の俺たちに接触して来たんだろ」

勇者「一般市民にそんなの感じ取れると思うか?」

メロンパン職人「た、確かに」

女「……」

118: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:00:56.720 ID:B5O8B/Xq0
勇者「それに……」チラッ


聖剣「……」


勇者「こいつの声、聞こえるんだろ?」

女「!」


勇者「アンタ、一体何者だ?」

女「……」

119: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:02:18.207 ID:B5O8B/Xq0
女「私は……」

女「私はこの王都で、皆さんから聖女と呼ばれている者です」

女「……この身には勿体ないと言うか、大変畏れ多い称号とは思っているのですが……」

120: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:02:28.433 ID:B5O8B/Xq0
女→聖女

121: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:03:53.639 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……なるほどな。アンタが聖女様ってやつか」

勇者「ちょっと納得したかも。確かに姫が––––––––」


メロンパン職人「せ、せ、聖女様っ!??」

122: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:04:59.120 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……急に大声出すなよ。びっくりするだろ」

メロンパン職人「むしろ何で落ち着いてるんですか勇者さん!」

メロンパン職人「……サイン、サイン……サインもらわないと……!」

メロンパン職人「あぁ……事前に会うことがわかっていれば……!」

勇者「お前って結構ミーハーだったりする?」

聖女「あ、あはは……」

123: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:12:50.731 ID:B5O8B/Xq0
勇者「と言うか、聖女様がそんな普通の町娘みたいな格好してるのが意外だったな」

勇者「もっとこう……聖女!って感じの雰囲気だと思ってたんだが」

聖女「公の場で着るような、先祖代々の正式な服装はありますが、さすがに四六時中あの服を着てるわけにはいかないですからね」

聖女「ずっと着てたら、疲れちゃいます」

勇者「そういうもんか」

聖女「そういうものです」

126: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:35:03.773 ID:B5O8B/Xq0
勇者「しかし、未だにちょっと信じられないんだよな。今まで、こいつの声が聞こえる奴なんて––––––––」

メロンパン職人「信じられないって!!」

勇者「うおっ」

メロンパン職人「勇者さん、この人は聖女様ですよ! 信じられないって何ですか、信じられないって。いくら勇者さんでも、聖女様に対して失礼なことを言うのは俺が許しませんよ!」

勇者「……お前、ちょっとあっち言って暇そうにしてる氷の魔女の相手でもしてこいよ。話が進まないだろ」

127: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:35:22.541 ID:B5O8B/Xq0
勇者「あっ。主への供物も頼むな。忘れずによろしく」

メロンパン職人「なにおう……!」


聖女「メロンパン職人さん、私からもお願いできますか?」

メロンパン職人「わかりました。行ってきます」


勇者「このやろう……」

128: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:37:22.310 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……ごほん。それで、聖剣の話なんだが」

聖女「はい。聖剣の伝承については私もある程度は知っています。女神様の声を、選ばれし勇者に伝えることができるとか」

勇者「アンタは勇者じゃないのに聞こえるのか?」

聖女「……私は、そうですね。いつでも、という訳ではないですが、お祈り中や集中してる時は声を聞くことができていました」

勇者「……マジで? 聖剣ナシで?」

聖女「はい。なので、その同質のものである聖剣の声も聞こえたのではないかと」

勇者「そいつは……すごいな」

130: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:39:21.510 ID:B5O8B/Xq0
勇者「おい聖剣、試しになんか適当に喋ってみろよ」

聖女「え、えぇ……そんな雑に神の呼び掛けを……」

勇者「いいからいいから。こいつとはもう長い付き合いだし、多分大丈夫だって」


聖剣「>>134

134: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:40:47.505 ID:aBCJ+PsH0
聖女の●を●め

143: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:43:28.801 ID:B5O8B/Xq0
聖剣「聖女の●を●め」


勇者「…………………………」

聖女「…………………………」

145: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:44:24.887 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……」

聖女「……」

勇者「……」

聖女「……」


聖女「……あの……」

勇者「………………」


勇者「……では、失礼して」ガタッ

聖女「ちょっと!?」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)

152: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:04:11.095 ID:B5O8B/Xq0
聖女「ままま、待ってくださいって!」

勇者「なんだよ、アンタも安価が聞こえてたんだろ」

聖女「き、聞こえてましたけども……!」

勇者「だったら話が早い。いやぁ、助かった。これが安価の聞こえない一般人だったらエライ目に遭うところだったけど、アンタ聖女様だもんな。これが神の声だって知ってるもんな」

勇者「事情はわかってるし、これが俺の意思とは無関係の行動であることも理解してる。俺が罪に問われることはないもんな」

聖女「えぇ……」

153: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:06:08.778 ID:B5O8B/Xq0
聖女「ま、まさか、本気で……!?」

勇者「当たり前だろ。安価は絶対なんだ」

勇者「これが聞こえるアンタならわかるだろ? 安価を破ると俺にどんな災いが降りかかるかわからないんだ。手っ取り早く済ませちまおうぜ」

聖女「ふ、降りかかるって……えっ?」


聖女「それを破ると、何が起きるんです?」


勇者「……えっ?」

聖女「えっ?」

155: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:07:10.314 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……まさか、降りかからないのか?」

聖女「わ、私も、聞こえる声の中にたまに滅茶苦茶なものが混ざっていることがありますけど……」

聖女「それはあくまでも神の戯れでしょうし、別に実行できなかったからと言って特に何かがある訳では……」

勇者「……」


勇者「……」

勇者「……マジで?」

156: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:07:42.448 ID:B5O8B/Xq0
勇者「そ、そんなのってアリかよ……!!」

勇者「ずるいぞそんなの!! 聖女だからって贔屓しやがって!」

勇者「おい聖剣! 何とか言えよ!」

聖剣「…………」

勇者「このやろう……!!」


聖女「お、落ち着いてくださいっ」

159: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:09:26.255 ID:B5O8B/Xq0
勇者「なぁ、頼むよ聖女様……俺を助けると思ってさ……」

聖女「うっ……で、ですが……」

勇者「減るもんじゃないし、いいじゃないか……なぁ、聖剣の安価は絶対なんだって……」

聖女「……」

勇者「お願いだよぉ……別に、やましい気持ちで言ってるわけじゃないんだ。助けてくれよ……」

聖女「……」


聖女「ほ、本当に……やましい気持ちはないんですか……?」

160: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:10:46.234 ID:B5O8B/Xq0
勇者「うん」

聖女「本当の、本当に?」

勇者「……」

勇者「…………」

チラッ

勇者「…………ああ」

聖女「今どこを見ました?」

勇者「何も見てない」

172: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:23:53.729 ID:B5O8B/Xq0
勇者(し、仕方ないだろ……俺だって男の子なんだぞっ)

勇者(……)チラッ

勇者(……結構、大きいよな)


聖女「ほら、また見た! 絶対見た!!」

勇者「み、見てない」

174: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:24:54.474 ID:B5O8B/Xq0
勇者「いいから、早く。聖女様なんだろ?」

勇者「まさか聖女様とあろうものが、神の声に逆らうようなマネなんてしないよな?」

勇者「聖剣に選ばれし勇者が実行しようとする安価の手助けをするべき立場だよな?」

聖女「う……うぅぅ……」

勇者「……」

聖女「……」

176: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:26:04.728 ID:B5O8B/Xq0
勇者「じゃ、じゃあ……揉むぞ」

聖女「……!!」

勇者「……」


聖女「……」

勇者「……」そ~っ


聖女「……」

聖女「………………」

179: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:27:20.593 ID:B5O8B/Xq0
聖女「や、やっぱりだめぇっ!!!」

パチーーーーン!!!


勇者「ぶべらっ!!」


ゴツン!!


聖女「…………あっ」

180: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:27:39.651 ID:B5O8B/Xq0
聖女「ゆ、勇者さん……?」

聖女「い、今すごい勢いで机の角に頭ぶつけちゃいましたね……」

聖女「大丈夫ですか……?」

聖女「……もしもーし……」


勇者「…………………………」


聖女「き、気絶してる……」

187: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:33:46.061 ID:B5O8B/Xq0
翌朝


勇者「……」

勇者「…………うぅん……」

勇者(ここは……どこだ……?)

勇者(……教会?)

勇者(俺は確か……昨日……)

188: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:34:05.093 ID:B5O8B/Xq0
勇者「……」

勇者「…………」

勇者「……………………」



勇者「●●●●!!!!」ガバッ!!


メロンパン職人「うわびっくりした」

189: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:34:41.916 ID:B5O8B/Xq0
メロンパン職人「朝から何てこと言ってんですか勇者さん……」

勇者「はっ……俺は……!」

メロンパン職人「変な夢でも見たんです?」

勇者「……」

メロンパン職人「……まあ、今の寝言で薄々察しましたけど。程々にしといてくださいよね……」

勇者「……」


勇者「……おのれ聖女め……!!」

205: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 02:02:01.590 ID:Msa/B4QJ0
メロンパン職人「もうっ。勇者さんのおかげで昨日は大変だったんですからね」

勇者「……一応、話を聞かせてもらおうか」

メロンパン職人「覚えてないんですか? まあ、俺も直接見ていたわけじゃないですけど」

メロンパン職人「勇者さん、椅子から立ち上がった拍子に滑って転んで頭をぶつけて気絶しちゃったらしいじゃないですか」


勇者「……」

206: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 02:02:22.893 ID:Msa/B4QJ0
メロンパン職人「いやぁ、勇者さんって、意外とドジですよね。俺、それを聖女様から聞いて思わず笑っちゃいましたもん」

勇者「……」

メロンパン職人「あっ。もしかして、勇者さんもなんだかんだ言って聖女様の前で緊張しゃったりしてたとか?」

メロンパン職人「興味ないふりして、素直じゃないですねぇ」


勇者「……」

207: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 02:02:49.476 ID:Msa/B4QJ0
メロンパン職人「あっ。そうそう、そう言えば見てくださいよ、これ」ゴソゴソ

メロンパン職人「……じゃーん! 聖女様のサイン!」

メロンパン職人「俺は何も持ち合わせてなかったんですけどね。お願いしたら、教会の方で紙を用意してもらえたんです!」

メロンパン職人「どうです? 羨ましいでしょう? あの図太い勇者さんですら、目の前にいると緊張して転んでしまう、あの聖女様のサインですよ!」


勇者「……」

208: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 02:03:35.526 ID:Msa/B4QJ0
勇者「……それ、ちょっと貸してみろ」

メロンパン職人「うん? ははぁん。やっぱり勇者さんも欲しかったんですね。でも残念ながら『メロンパン職人さんへ』って書いて貰ってますからね。あげることはできないですよ」

勇者「……」

メロンパン職人「今度聖女様に会えた時にお願いしたらどうですか?」

メロンパン職人「まあ? 勇者さんがどうしてもって言うなら貸してあげるくらいは別にいいですけど?」

スッ

勇者「……」

209: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 02:04:22.974 ID:Msa/B4QJ0
メロンパン職人「いやぁ、さすがは聖女様ですよね。もうね。本人も超美人さんだし、その上、字まで綺麗とか。完璧かよって」

メロンパン職人「なんと言うかこう、字からも滲み出る神聖さ? みたいな? 人柄を写すと言うか? そういうのが感じられますよね」

メロンパン職人「いやぁ、昨日は宿が全部断られてよかった。橋の下に居て良かった。おかげで聖女様と出会うことができたんですもの」

メロンパン職人「俺、もう完全に聖女様のファンになっちゃいましたよ。生きてて良かった。あはははは」



勇者「何が聖女だよ」ビリビリビリッ


メロンパン職人「あああああああああああああ!!?」

211: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 02:15:22.342 ID:Msa/B4QJ0
勇者「あの暴力聖女め。人が気絶している間に調子に乗りやがって」


メロンパン職人「ああっ!! ああっ!! ああああああああああああ!!!」


勇者「……今に見てろよ。次に会った時は絶対●●●●揉んでやるからな」


メロンパン職人「ああああああああああああああ!!!」

212: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 02:16:10.289 ID:Msa/B4QJ0
氷の魔女「……朝からうるさいぞ……少しは静かにしろ」モソモソ

氷の魔女「……む?」


メロンパン職人「あぁ……ああぁぁ……」


氷の魔女「勇者、この男は何故、泣きべそをかきながら床に散らばった紙片を拾い集めている……?」

勇者「ほっとけ」


メロンパン職人「あああぁぁぁ……」メソメソ

242: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 16:12:32.830 ID:Msa/B4QJ0
神父「おはようございます、勇者さん」

勇者「おはようございます……アンタは?」

神父「この教会の神父です。あなた達のことは聖女様からお聞きしていますよ」

神父「なんでも、宿に困っているとか。王都に滞在している間はいつでもここを利用してくださって構いません。部屋は余っているのでね」

勇者「ああ。ありがとう。主を入れてくれる宿がなくて困ってたんだ。助かるよ」

神父「……主?」

勇者「うん」


主「キィキィ」

メロンパン職人「うぅ……聞いてください、主よ……勇者さんが酷いんです」

主「キィ」パクパク


勇者「まったく罰当たりな話だよな」

神父「うぅん……」

243: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 16:18:16.987 ID:Msa/B4QJ0
勇者「なあ、聖女に会いたいんだけど。どうすれば会えるかわからないか?」

神父「聖女様ですか……時折、教会に祈りを捧げに来ることはありますが、そう頻繁ではありませんね」

神父「……あの方は忙しいですから。そう会えるものでは」

神父「聖女様との面会を求めて遠くの街からいらっしゃる方も多いのですが、その全てが叶っているわけではありませんのが現状でね」

勇者「なるほど……」

244: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 16:19:40.842 ID:Msa/B4QJ0
勇者「有名な聖女様だけあって、そう簡単に会えるわけじゃないってことか」

勇者「まあいいさ。いずれ、王様の紹介で会えることは決まっているんだ」

勇者「逃げられるとは思うなよ……!」


メロンパン職人「はぁ……今度は破られたりしない頑丈な物にサイン貰おう……鉄板とかどうですかね」

主「キィ」

247: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 16:23:33.781 ID:Msa/B4QJ0
メロンパン職人「勇者さん、今日はどうするんですか?」

勇者「うーん。聖女と会える日がまだわからないんだよな。適当に時間潰さなきゃならないわけだが」

勇者「とりあえず街にでも出てみるか……?」

勇者「聖女の胸もそうだが、光の安価についても考えなきゃならんしな」

勇者「……ここに篭ってても良い案が浮かばなそうだし、出てみるか」

248: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 16:24:11.081 ID:Msa/B4QJ0
勇者「行き先、どうしようか」


聖剣「>>251

252: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 16:26:50.246 ID:Msa/B4QJ0
聖剣「女騎士」


勇者「女騎士?」

勇者「あいつに会えってことなのか?」

勇者「まあいいけど。とりあえず王城にでも行ってみるか」

256: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:08:24.355 ID:Msa/B4QJ0
王城前


勇者「たのもーっ」

門番「また君か」

257: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:09:25.677 ID:Msa/B4QJ0
門番「今日は何の用かね」

勇者「女騎士に会いたいんだけど、いま城にいるかな?」

門番「女騎士殿に? それはまた……何故?」

勇者「女騎士に会えれば、その理由もまたわかるかなって」

門番「??」


メロンパン職人「王城って、こんな曖昧な理由で訪問していいもんなんですかね……」

主「キィ」

ズタ袋「……」

258: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:10:46.870 ID:Msa/B4QJ0
門番「……まあいいだろう。君は女騎士殿と知り合いのようだし、昨日の話も一応本当だったみたいだし」

勇者「一応って何だよ」

門番「一応な」


勇者「とりあえず、ありがとうな」

門番「女騎士殿もお仕事中だから、邪魔になるようなことだけはするんじゃないぞ」

勇者「わかってるって」

259: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:20:42.271 ID:Msa/B4QJ0
勇者「えーと、門番さんが言うには……この時間の女騎士は……」


女騎士「……」テクテク


勇者「おっ。あっさり見つかったぞ」




勇者「おーい、女騎士」

女騎士「む。勇者さんですか」

260: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:21:35.089 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「今日はどうされたんですか?」

女騎士「聖女様との面会は日時が決まり次第連絡するように言っていたはずですが」

女騎士「それとも、何か昨日伝え忘れたことでもあったのですか?」

勇者「うん? いや、そういう訳じゃないんだ」

女騎士「?」

勇者「今日は女騎士に会いに来たんだよ」

女騎士「……」

261: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:22:05.829 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「……はぁ。」

女騎士「それで、私に何か用事でも?」

勇者「いや別に」

女騎士「別に?」

勇者「女騎士に会いに来たんだ」

女騎士「……」


女騎士「あの、私だって忙しいんですけど……」

勇者「おう、お疲れ様」

女騎士「……」


女騎士(この人、暇なのでしょうか)

262: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:24:10.240 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「お連れの方……メロンパン職人さんと、鳥と、……氷の魔女まで連れて来たのですか」

勇者「ああ。今は無害だけど、いつ回復して暴れるかもわからないし、目を離す訳にもいかないだろ? 大体俺と主が見張ってないとな」

女騎士「確かにそうですが、私の立場上、あまり王城に危険人物を入れたくはありませんね。この間の大臣の一件もありますし」

勇者「大臣の一件ねぇ。……なぁ、今まではあんなこと、一度も無かったのか?」

女騎士「ある訳がないじゃないですか。城であんなものが暴れ回るだなんて、前代未聞ですよ」

263: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:32:06.880 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「おかげで、あれから城内の警備や魔法使いさんの結界がより強固で厳しいものになりました」

女騎士「それに……」

勇者「それに?」

女騎士「もともとの原因は、大臣のあの悪趣味で違法なコレクションのせいですからね」

勇者「コレクション……ああ、あの悪魔の右腕のことか」

女騎士「はい。王都の貴族、ましてや大臣とあろうものがあんな物を所持していたなんて、おそらく勇者さんが思っているよりもずっと大きなスキャンダルだったんですよ」

267: >>265の前にこれ 2018/11/18(日) 17:43:48.908 ID:Msa/B4QJ0
勇者「まあ、国を治める立場の人間が自分から法を破ってちゃいけないよな」

女騎士「この国も、遥か昔に魔王が退治されて以来、特に大きな事件もなく平和な日常が続いていましたからね」

女騎士「平和になりすぎて……暇を持て余した貴族があのように刺激を求めて危険な物に手を出してしまった。そういうことだと思われます」

勇者「平和自体はいいことなんだけどなぁ」

268: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:44:11.932 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「でも、最近になって不穏な事件が起こっています」

勇者「……氷の魔女のことか」

女騎士「えぇ。都市ひとつを巻き込むような魔物の大きな動きは。これまでに無かったことです」

勇者「ましてや裏で操ってる奴がいることまでわかっちまったからな」

女騎士「はい。そこが知れたのは、勇者さんのお手柄です……もう一度、お礼を言わせてください」

269: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:44:57.142 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「そして敵がいるとわかった今、国の内部の問題で時間を使っている訳にもいきませんからね」

女騎士「これを機会に、この国の貴族の身辺を一斉に調査しようという流れが起きています」

勇者「一斉調査?」

270: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:45:27.523 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「はい。これは、王の発案です。国の敵と向かい合うためにも、内部の膿を全て絞り出してしまおうとのことです」

勇者「内部の膿、か。あの大臣みたいな貴族がそこら中にゴロゴロいたら溜まったもんじゃないもんな」

女騎士「その手の貴族は狡猾で、隠し事が上手いものですからね。正直、一度の調査でどこまで暴けるものかはわかりませんが……」

女騎士「そこで、昨日話題にも出た聖女様にも声を掛けているそうですよ」

勇者「!」

271: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 17:46:01.284 ID:Msa/B4QJ0
勇者「聖女なんかに声掛けて何するんだよ。悪い貴族をぶん殴らせようってのか?」

女騎士「あなたは聖女様を何だと思っているのですか」

274: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 18:05:24.786 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「聖女様は聖気と邪気を感じ取る能力が常人よりも遥かに優れているそうですよ」

勇者「!」

勇者(確か、昨日俺たちが見つかったのもその能力おかげって言ってたな)


女騎士「もし、大臣のように邪気を発する物を所持している貴族がいるならば、聖女様の力が頼りになるはずです」

勇者「悪い物探知機で使えるってことか」

女騎士「もうちょっと他に言い方はないのですか……まあ、概ね合ってはいますけど……」

275: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 18:09:01.522 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「聖女様にはその他にも、様々な能力が備わっているとのこと」

女騎士「今代の聖女様は歴代で最高の力を持つと言われていて……特に、神の声を直接聞き取る能力は今までの聖女には備わって無かったものだそうですよ?」

女騎士「その聖女様のお力が借りられるのなら、今回の調査も上手く行くと思われるのですが……」

勇者「……へー」


女騎士「実は私も、遠目から見たことはあるのですが直接会ったことは無いので、今回お仕事でお会いできそうで、ちょっぴり楽しみに思ってたり」

女騎士「サイン貰おうかな……えへへ」

勇者「……あっそ」

295: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 19:56:44.958 ID:Msa/B4QJ0
勇者「……ちなみにさ」

女騎士「はい?」

勇者「聖女って光ったりする?」

女騎士「……はい?」

勇者「こう、ぴかーってさ」

勇者「光れるの?」

女騎士「……あなたは何を言っているのですか?」

297: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 19:57:40.182 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「あなたが不思議な言動をするのはいつものことですが……」

女騎士「まあ、聖女様の力は私達もすべてを知っているわけではないですからね。もしかしたら、そんな力を持っていたりするかも……?」

勇者「……と言うことはっ」

女騎士「けど、そんな話は一度も聞いたことがありませんね」

勇者「……」


勇者「使えない聖女だな」ボソッ

女騎士「失礼な!」

298: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:01:01.662 ID:Msa/B4QJ0
勇者(……待てよ?)

勇者(貴族の身辺調査の件)

勇者(聖女もその調査とやらに参加するって言うなら……会えるチャンスだったりするのか?)

勇者(いやまあ、何もしなくても魔女の力の相談の件でいずれ会えるわけだし)

勇者(光の安価もまだ達成してないから、この話に関わってこれ以上やること増やしちまうのも問題かもしれんが……)

勇者(どうせ会えるのならここは一旦、一つの安価に専念すべきなのか?)

勇者(それとも女騎士に頼んで、関わらせてもらうのもアリなのか?)

勇者(……)


聖剣「>>302

302: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:04:33.155 ID:gw2knOVL0
赤ちゃん魔法

304: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:06:33.769 ID:Msa/B4QJ0
聖剣「赤ちゃん魔法」

勇者「何故に今それが出てくるのか」

305: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:07:17.674 ID:Msa/B4QJ0
勇者「えっ。使うの? 今?」

勇者「周りに人は……確かに、メロンパン職人くらいしかいないけどさ」

聖剣「……」

勇者「……」

勇者「まあいいだろう。やってやるさ」

309: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:14:42.966 ID:Msa/B4QJ0
勇者「なぁ女騎士」

女騎士「?」

勇者「……あそこに何か見えないか?」

女騎士「何か、とは」

勇者「ほらあそこだよあそこ。あの上の方」

女騎士「なんだか要領の悪い説明ですね」

女騎士「あそこですか……?」

勇者「……」



勇者「赤ちゃんになぁれ!」

ぺかーっ

310: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:15:18.450 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「うっ……」

勇者「とりあえず女騎士に赤ちゃん魔法掛けてみたのはいいけど」

女騎士「……」

勇者「どうすっかな。このまま放置するわけにもいかないし」

女騎士「……」

勇者「どっか人目に付かないような所に運んで休ませておくか……」



女騎士「……うぅっ、今のは……?」


勇者「!?」

312: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:18:44.176 ID:Msa/B4QJ0
勇者「ん? あれっ?」

女騎士「なんだか急に立ち眩みが……」フラッ

勇者「えっ、何でっ?」

女騎士「……?」

314: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:19:31.665 ID:Msa/B4QJ0
女騎士「……勇者さん?」

勇者「は、はい」

女騎士「今、何かやったんですか……?」

勇者「何にもやってません」

女騎士「あなたが何かを言ったと思ったら、急に目眩がしてきたのですが」

勇者「気のせいじゃないですかね」


女騎士「……ものすごい汗のようですが」

勇者「……俺、汗っかきなんで」


女騎士「……」

勇者「……」

315: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:20:30.171 ID:Msa/B4QJ0
勇者「じゃ、じゃあ俺はこの辺で! お仕事頑張ってくれよな!」

女騎士「あっ、ちょっと!」

勇者「ほら行くぞメロンパン職人! 主も、早く行きましょう!」

メロンパン職人「……今何をしてたんです?」

勇者「何でもねえって言ってるだろ! 早く行くぞ」

主「キィ」

ズタ袋「……」


女騎士「……」

女騎士「……何だったのでしょうか」

318: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:24:31.618 ID:Msa/B4QJ0
勇者「……くそっ、どう言うことなんだ!」

勇者「赤ちゃん魔法、今まで失敗したことなんて無かったはずなのに……今のは何がいけなかったんだ?」

勇者「魔法を放った時の手応えはいつもと同じだったはずなのに」

メロンパン職人「赤ちゃん魔法?」

勇者「こっちの話だ」


ズタ袋「……」

320: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:30:59.231 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「ふふっ。見ていたぞ勇者よ」

勇者「!」

ズタ袋「わたしほどの者となれば、袋越しでもわかる」

ズタ袋「お前、魔法を使えたのだな」

勇者「……あ、ああ」


メロンパン職人「魔法?」

勇者「お前はちょっと黙ってて」

321: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:32:13.659 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「だが、無様な結果に終わったと見る。よほどの素人のようだな?」

勇者「……うるさいな。今まで何回か使ったことはあるけど、失敗したことはなかったんだ。今回は……まあ、たまたまだろ」

ズタ袋「ほう……今の失敗を偶然と言うか。やはり素人よな」

勇者「……お前、わかるのか?」

ズタ袋「お前、わたしを誰だと思っている?」


メロンパン職人(なんかシュールな絵面だなぁ)

主「キィ……」

326: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:44:09.561 ID:Msa/B4QJ0
勇者「……教えてくれ。今の俺の魔法は、何がいけなかったんだ?」

ズタ袋「ふむ。そうさな…………おっと」

勇者「?」

ズタ袋「そもそもお前とわたしは敵同士だ。まさかタダで教えてもらえるとは思うまい?」

勇者「……何が目的だ」

ズタ袋「対価だ」

327: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:44:37.480 ID:Msa/B4QJ0
勇者「対価だぁ?」

ズタ袋「そうだ、対価だ」

勇者「……」

ズタ袋「さすがにこれの対価として、この拘束から解放しろとは言うまい。お前にとっては釣り合わんことだろうからな」

勇者「何が目的だよ」

ズタ袋「それはお前が考えよ」

331: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:46:42.462 ID:Msa/B4QJ0
勇者「……はぁ?」

ズタ袋「わたしは暇だ。とても退屈だ。この袋の中から動けないからな。たまには刺激がほしい」

ズタ袋「だが、現世で何が刺激になるのか、よくわからん。封印を解かれたばかりでな。疎いのだ」

ズタ袋「だから、お前が思うように、わたしをもてなしてみせよ。お前の知識を総動員してわたしを楽しませてみせよ」

ズタ袋「それでわたしが満足したと思ったのならば……まぁ、教えてやっても良いかもしれないな?」

332: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:47:16.858 ID:Msa/B4QJ0
勇者「……つまり、いま俺のできる精一杯で、お前を楽しませろと」

ズタ袋「そうだ。自分で考えてみせよ」


勇者「……」

ズタ袋「……」


勇者「…………」

ズタ袋「…………」

333: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:47:36.125 ID:Msa/B4QJ0
勇者「めんどくさっ。別にいいよ。そんなことするくらいなら師匠に聞いてくるわ」

ズタ袋「!?」

337: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:50:00.770 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「し、師匠?」

勇者「俺に魔法を教えてくれた師匠だよ。すげえ頭がいいんだ」

勇者「教え方も丁寧でわかりやすいしな。お前みたいにめんどくさいことも言わないし」

勇者「別にそんなめんどくさいことしてまでお前に聞かなくても、師匠に教えてもらえばそれでいいかなって」

ズタ袋「ま、待てっ!」

339: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 20:52:13.806 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「わたしは魔女だぞ? あの氷の魔女だぞ?」

ズタ袋「現世では伝説となっている、このわたし自らお前に教えてやろうと言っているのだ。光栄に思わないか?」

勇者「別に」


ズタ袋「……」

勇者「……」

341: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:00:44.508 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「な、なら少しで良い。わたしが少しでも良いな、と思えるようなことができれば、教えてやらんでもないぞ……?」

勇者「だから何をしろって言うんだよ。少しってなんだよ」

勇者「こっちはそういう曖昧な指示は聖剣だけでおなかいっぱいなんだ。これ以上他のワガママを聞いてられるかってんだ」

ズタ袋「お、お前……!」

勇者「はいはい、袋の中から凄まれても何にも怖くありません」

勇者「もういいや、師匠の所に行こう」

勇者「おい、メロンパン職人。ちょっと今から行く所決まったから、そっち向かうぞ」

メロンパン職人「は、はぁ……」


ズタ袋「ま、待たぬかっ!」

345: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:14:17.575 ID:Msa/B4QJ0
勇者「何だよ。俺、忙しいんだけど」

ズタ袋「……教えてやる」

勇者「ん?」

ズタ袋「教えてやると言っているのだ。この氷の魔女自らな」

勇者「……対価は?」

ズタ袋「……」

勇者「あんまりめんどくさいのは嫌だぞ」

ズタ袋「くっ……」

346: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:15:12.423 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「……ならば」

勇者「……」


ズタ袋「寝床の改善……これで手を打とう」

勇者「寝床の改善……?」

347: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:16:08.620 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「この袋は…………思う所が無いではないが、まあ良いだろう」

ズタ袋「だが、生地が薄いのでな。些か寝心地が悪いのだ」

ズタ袋「鳥に運ばれている間は宙に浮いているから良いが、硬い床に置かれるとお尻が痛い」

ズタ袋「クッションを買ってくれ。下に敷きたい」

勇者「……」

メロンパン職人「……」

351: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:24:43.544 ID:Msa/B4QJ0
……

……

王都、街中


勇者「ほら、これでいいか?」

ズタ袋「うむ」

ズタ袋「……袋の中に入れたいから、口の所まで持ってきてくれ」

勇者「……」ヒョイ

ズタ袋「……」


モゾモゾ、モゾモゾ

……


ズタ袋「ふむ……安物だな」

勇者「うるせえな」

357: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:39:45.258 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「だが、まあ良いだろう。取引成立だ」

ズタ袋「わたしは約束は守る魔女だ。お前に魔法の失敗の原因を教えてやろう」

勇者「ああ」

358: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:40:26.663 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「失敗の原因は……」

勇者「……」


ズタ袋「単純に、相手に魔法耐性がついただけであろうな」

勇者「……」

359: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:40:43.671 ID:Msa/B4QJ0
勇者「……」

ズタ袋「……」


勇者「……」

ズタ袋「……」


ユッサユッサユッサユッサユッサユッサ

ズタ袋「あっ! やめろ、袋を揺らすんじゃない!」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)

360: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:41:42.053 ID:Msa/B4QJ0
勇者「お前、あれだけ引っ張っておいて内容がこれか。いい加減にしろよ」

ズタ袋「な、なぜ魔法が弾かれたのか、原因を一目見ただけで判断できるのはなかなかできることではないぞっ」

勇者「で、耐性だっけ?」

ズタ袋「そうだ。お前、あの女騎士に一度あの魔法を掛けたことがあるだろう?」

勇者「……」

362: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:42:53.854 ID:Msa/B4QJ0
勇者「わかるのか」

ズタ袋「わたしを誰だと思っている? 見ればわかる」

ズタ袋「なかなか複雑な魔法だ。むしろ何故その魔法しか使うことができないのかが不思議でならないところだが、そこは問うまい」

ズタ袋「精神干渉系の魔法は、一度掛かる毎に耐性がつく」

ズタ袋「たった一度掛かった程度で耐性が付くのは不思議に思うかもしれないが、そこはあの女騎士本人の魔法耐性に依るものと……」

ズタ袋「そもそもお前の使ったあの魔法自体の繊細さが原因だ。術式の内容が無駄に細かすぎる」

363: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/18(日) 21:43:49.774 ID:Msa/B4QJ0
ズタ袋「例えば、『意識を奪う』のような単純な内容の魔法であれば込める魔力量次第でどうにか押せることもあろうが」

ズタ袋「『対象の精神を幼児化させる』というのは無駄に複雑なものだ。少しでも術が崩れるとあっさり弾かれる」

勇者「つまり、一回魔法をかけて、ちょっとでも耐性がついちゃうとあの魔法は効かなくなっちまうと」

ズタ袋「お前の技量ではな。常人であれ、一度か二度が限度であろう。わたしのような高位の耐性持ちには一度ですら通じないと思え」

勇者「……なるほど」

415: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 19:49:07.764 ID:BeLITBEH0
勇者「……」

ズタ袋「む。どうした」

勇者「いや。お前って普通に魔法詳しいんだなって素直に感心してた。ありがとうな」

ズタ袋「……当然だ。わたしは魔の秘技によって不死の法を得た者だぞ」

ズタ袋「自らの知と技を持って手に入れたのだ。呪われし者や悪魔の力を持って不死を得たような半端者と一緒にされては困る」

勇者「へぇ。不死者って言っても色々あるんだな。お前はあくまでも魔法使いってことか」

ズタ袋「……その、そこらの人間の職と同じ呼び方はやめよ。わたしが安っぽくなるであろう」

416: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 19:50:27.643 ID:BeLITBEH0
ズタ袋(……それにしても)

ズタ袋(傷と魔力の治りが遅すぎる)

ズタ袋(いくら聖剣に貫かれたとは言え、治りの進みが想定の半分にも満たない)

ズタ袋(どうにもこの王都は居心地が悪い……何か裏があるのか?)

ズタ袋(このままでは、いつこの状況から抜け出せるかもわからぬ……)


ズタ袋「……」



メロンパン職人「勇者さん、今日は残り、どうします?」

勇者「んー。俺はちょっと調べたいことがあるかな。大した用でもないし、お前は自由にしてていいぞ」

419: 「ズタ袋」表記の時は、頭まですっぽり隠れてる時。名前がちゃんと出る時は頭が出てる時 2018/11/19(月) 19:53:32.825 ID:BeLITBEH0
王城

……

……

監察官「……では予定通り、今宵、王都貴族の身辺調査を実施するということで宜しいですな」

王「抜き打ちだからな。もちろん事前連絡は一切ナシだ」

騎士長「後ろ暗いものを持つ貴族が、調査の際に悪足掻きとして抵抗するかもしれません。手筈通り、騎士達を同行させましょう」

監察官「よろしく頼みます」

420: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 19:56:12.749 ID:BeLITBEH0
監察官「……して、その……聖女様の方は……?」

王「少し遅れているらしい」

王「彼女も多忙だからな。じきに到着する頃とは思うが……」


ガチャッ

姫「お父様」

421: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 19:57:29.870 ID:BeLITBEH0
王「……今は取り込みだ。何の用だ?」

姫「もうっ。今みなさんがお話していることに関係することですよ」

姫「聖女様がお見えになられたので、お連れしました」

王「! 来たか」

422: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 19:58:42.978 ID:BeLITBEH0
聖女「遅れてしまい、申し訳ありません……」

王「なに、気にしないでくれ聖女殿。こちらこそ、急な呼び出しですまなかった。応えてくれて感謝する」


監察官(聖女様……こんなに近くで見るのは初めてだ)

騎士長(そう言えば娘がサインを欲しがっていたな)


女騎士(……)

姫(女騎士……何やら話しかけたそうにうずうずしていますね)

423: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:00:08.155 ID:BeLITBEH0
……

……

王「––––––––と言うわけで、今夜中に全ての貴族の屋敷を回りたい」

聖女「わかりました。微力ながら、お手伝いさせていただきます」

王「……夜通しの仕事になるだろう。無理をさせてすまないな」

聖女「いえ。この力がみなさんのお役に立てると言うのなら……こう言う時のために授かった力なのですから、存分に使ってください」

424: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:01:19.914 ID:BeLITBEH0
姫「あの……」

王「む? 何だ?」

姫「今回の一件、勇者さまには声を掛けなかったのですか?」

王「……勇者殿か」


聖女「!」ビクッ!


王「む。聖女殿、どうかされたか」

聖女「い、いえ。何でもありません」

王「?」

425: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:06:02.435 ID:BeLITBEH0
姫「勇者さまなら、お願いすればきっと力になってくれると思うのですが」

王「確かに、勇者殿が居れば心強いことではあるが……彼もまた北の都市の件を解決してきたばかりだ。疲れもあるだろう」

王「それに、元はと言えばこの国の貴族の問題なのだ。今回は聖女殿の力を借りることになってしまったが、本来なら我々のみで解決するべき案件だ」

王「彼にはまた、彼が必要となる場面で動いてもらう日が来るだろう。国の内部のいざこざなどに、無闇に巻き込むようなことはしたくない」

姫「……そうですか」

女騎士「姫、私も王の仰る通りと思いますよ」

女騎士(彼がいると何をしでかすかわからないですし)


聖女(ゆ、勇者さんは来ないのですね)

聖女「……」ホッ

426: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:06:56.938 ID:BeLITBEH0
図書館前

勇者「何だか悪口を言われている気がする」

勇者「……」

勇者「気のせいか」

主「キィ」

427: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:08:30.077 ID:BeLITBEH0
勇者「しかしなぁ……光……光……光ってあげる……」

勇者「……俺が光るのか?」

勇者「ここはやはり、赤ちゃんプレイの時と同じように魔法でも覚えるべきか」

勇者「ピカッと光るような魔法の一つや二つ、探せばどこかにあるだろう」

勇者「魔道書を片っ端から調べて行くとしようか」

435: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:36:20.480 ID:BeLITBEH0


監察官「……一件目はここです」

騎士「あまり入り口でゴネられても困る。まずは我々を先頭に、手っ取り早く行きましょう」

聖女「あ、あまり乱暴にはしないであげてくださいね」

騎士「時間が無いですからな。今晩中にすべての屋敷を回り切るのが王様の望みです。多少荒っぽくなってしまいますがサクサク済ませましょう」

監察官「見落としが無い程度に、ですがね」

437: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:39:39.896 ID:BeLITBEH0
……

……

一件目

貴族A「こんな時間に誰かね……」

貴族A「ッ!? き、騎士達? 監察官? えっ、身辺調査?」

……

……

二件目

貴族B「そ、そんな話、聞いてないぞ!」

貴族B「あっ、こらっ、勝手に中に入るなっ!」

……

……

三件目

貴族C「抜き打ちの身辺調査、ですか。まあ、構わないですけど」

貴族C「それはそうと……あの、失礼ですが、そちらに居る方はもしや聖女様ですか?」

……

……

……

……

438: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:50:03.777 ID:BeLITBEH0
聖女「……」

監察官「ふむ……この屋敷は軽度に違法な物は数点ありましたが、これ以上は何もありますまい」

貴族D「は、ははっ……これくらい見逃してくれませんかね。ちょっとした趣味じゃあないですか。そこまで危ない物でもないですし」

監察官「……あまり良い趣味とは言えませんね」

439: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:50:36.486 ID:BeLITBEH0
聖女「これは……」

監察官「? 聖女殿、どうされましたか?」

聖女「……あの部屋の奥。何かありますね」

貴族D「!!」

監察官「……調べさせてもらっても?」

貴族D「あ、ああ……」

441: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:51:46.777 ID:BeLITBEH0
ゴソゴソ

聖女「……」

聖女「……」


聖女「……!!」



聖女「監察官さん!」

監察官「!」

貴族D「あぁぁ……見つかってしまったか……」

442: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 20:52:21.747 ID:BeLITBEH0
監察官「これは……中の魔力を外に漏らさないように簡易な結界を張っているのか」

聖女「この箱に貼られている札が、おそらくその類の物でしょう。私も、この屋敷に入るまで気付くことができませんでした」

監察官「何と周到な……!」

監察官「……して、中身は」

スッ

聖女「その箱を開けてはいけません」

監察官「!」

聖女「今までの屋敷で見つかってきたような物とはまるで違います……相当危険な物ではないかと」

監察官「……」

監察官「どうなんですか?」

貴族D「……くっ」

444: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:03:08.775 ID:BeLITBEH0
……

聖女「まさかあんな物を所持している人がいるだなんて……」

監察官「正直、想像以上の代物でしたな。決して放っておけるような物ではない……」

監察官「この調査は、行って正解でした。そして、聖女殿に同行して貰えたことも。私どもだけではもしかしたら見つからなかったかもしれない」

聖女「……先を急ぎましょう。これと同じレベルの物が、他の屋敷にもあるとしたら大変なことです」

聖女「こんな物を……どうして……」

監察官「……」

447: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:16:52.412 ID:BeLITBEH0
勇者「……」

ペラッ、ペラッ、ペラッ、


勇者「……」

ペラッ、ペラッ、ペラッ、


勇者「……うーむ」

司書「あの、もう閉館の時間とっくに過ぎてるんですけど……」

勇者「ん? ああ、ごめんな。今出るからさ」

司書「あと、表で待ってるあの大きな鳥、ペットですか? ずっとあそこで待たれてると人があまり寄り付かなくなっちゃうんですけど」

勇者「ペットじゃなくて主だ。失礼なことを言うなよな」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)

449: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 21:18:01.232 ID:BeLITBEH0
勇者「うーん……今日は魔女のやつのワガママに付き合ったからあんまり調べる時間がなかったな」

司書「何の本を探しているんですか?」

勇者「こう、光る魔法を探してるんだけどさ。意外と見つからないんだよな」

司書「光る魔法……? 光を出す魔法なら、そっちの本に載ってると思いますけど」

勇者「俺が光らなきゃいけないんだよ」

司書「???」

勇者「とりあえず、これとこれとこれ、貸してください」

453: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:02:10.251 ID:BeLITBEH0
教会

メロンパン職人「勇者さん、遅いなぁ」

神父「おや、メロンパン職人さん。お一人ですか?」

メロンパン職人「あっ、神父さん」

メロンパン職人「勇者さんはまだ街に用事があるって言ってたので、先に帰って来ちゃいました」

神父「そうでしたか」


メロンパン職人「それと……もうちょっと待ってくださいね」

神父「何をされているのですか?」

メロンパン職人「へへっ。宿をお世話になってるんだから、決まってるでしょう」

メロンパン職人「俺はメロンパン職人です。せめてもの恩返しに、晩御飯だけでもご馳走させてもらおうと思いまして」

455: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:03:04.019 ID:BeLITBEH0
神父「これはこれは……そのようなお気遣い……聖女様にお願いされたことですから、当然のことをしているまでですよ」

メロンパン職人「けど、だからって黙っているのは俺の気が済まないんですよ。いいから任せてください。今日は腕によりをかけて振る舞いますからね」

神父「そこまで言われるのでしたら……楽しみにしていますよ」

メロンパン職人「はい!」


神父(晩御飯に甘いものとか正直どうかと思うんですが……)

460: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:11:18.757 ID:BeLITBEH0
王都周辺、平原


??「……」

??「ここが人の王の住む都か」

461: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:11:58.750 ID:BeLITBEH0
??「ここに……」

??「……!」


フードの男「お疲れ様です……今日、仕掛けるつもりだったんですね。私にも教えてくれれば良いのに」

??「……伝えなくても、貴様は勝手に嗅ぎつけて来るだろう。ここに居るのがその証拠だ」

フードの男「もし嗅ぎ付けられなかったらどうするつもりだったのですか?」

??「知ったことか。こちらはこちらで勝手にやらせてもらう」

フードの男「……そう邪険にしないでいただきたい。私の目的も、貴方達の目的も、目指すところは同じでしょう?」

フードの男「仲良くできませんかね」

??「……」

462: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:15:15.385 ID:BeLITBEH0
??「貴様はどうにもキナ臭い」

??「一つ聞くが。貴様は、一度でも我らに本音を見せたことがあるか?」

フードの男「私は一度も、貴方達に嘘を吐いたことはありませんよ」

??「……」


フードの男「何なら、魔族の神の名にでも誓ってあげましょうか?」

??「……ふん」

464: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:16:50.130 ID:BeLITBEH0
??「やはり貴様は気に喰わん」

??「だが、まあいい。貴様がどうあれ、今回の戦いは我らの悲願を成就する、その一歩となるもの。そこは変わらん」

??「……」

??「………………必ず…………を…………」

465: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:21:24.524 ID:BeLITBEH0
……

……

監察官「これは……!」

聖女「……偶然、なのでしょうか」

監察官「……私はそうは思えません。あれほどの危険な代物。それと同じ物が計五つ……」

監察官「すべてが同じ素材の箱で、そのすべて同じ札による結界で封印処理がされている」

聖女「これらを所持していた貴族達に、互いの繋がりがあったようにも見えませんでしたね」

監察官「共通点は、どの貴族達も蒐集物の趣味が同じ類の物であったことくらい」

聖女「入手の経路が同じだったとか……だとすると、これを王都の貴族達に、流している者がいる……?」

466: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:22:13.288 ID:BeLITBEH0
聖女「それと、この箱……」

聖女「……」

聖女(五つとも、共鳴している……?)

聖女「……」


472: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:24:26.463 ID:BeLITBEH0
監察官「聖女殿、どうされましたか?」


聖女「いえ、実はこの箱が––––––––」


声「>>476

476: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:26:42.154 ID:AydnxApfd
幼女を封印している

482: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:31:35.992 ID:BeLITBEH0
声「幼女を封印している」


聖女「……」

聖女「……」

聖女「そんな訳がないじゃないですか」

監察官「……せ、聖女殿?」

聖女「あっ、いえ。何でもありません」

483: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/19(月) 22:32:31.850 ID:BeLITBEH0
聖女(今のは確かに主の声でしたが……)

聖女(勇者さんの聖剣の時といい、最近戯れが過ぎるような気がしますね)

聖女(何を伝えたいのか、さっぱりわかりません)

聖女(とにかく、監察官さんに私が気付いたことを伝えなければ……)

539: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:18:45.938 ID:EaElA+aY0HAPPY
……


監察官「……共鳴? この箱達が、ですか?」

聖女「はい。これは、惹かれ合っている……ように感じると言うか、なんというか」

聖女「五つの箱が、互いに向けて強い邪気を示しています」

540: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:20:11.982 ID:EaElA+aY0HAPPY
監察官「簡易とは言え各々に結界が張られていると言うのに、その結界越しに反応しているとなると……厄介ですな」

聖女「ええ。おそらく、この箱の中に入っているものはまだ生きています」

聖女「押収した貴族達の言う通りのものであるならば、早急に対応しないと大変なことになるかと……」

監察官「……ふむ。対応となると、その役は聖女殿が適任でしょうな。今の王都で、これを対処することにおいてあなた以上に適した者はおりますまい」

聖女「……少し準備が必要になります。モノがモノですからね。一刻も早く浄化をしなければ」

541: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:22:02.528 ID:EaElA+aY0HAPPY
監察官「今から行うのですか?」

聖女「はい。どこか安全な場所……人が立ち入らなくて、それなりの広さを確保できる場所はありませんか?」

監察官「うぅむ。私の立場ですぐに用意するのは難しいですな……騎士殿は?」

騎士A「はっ。話は聞いておりました」

騎士A「急ぎ王城に戻りましょう。今夜中に手配して貰えるように報告します」

聖女「……お願いします」

監察官「箱は、一旦私の方で預かっておきますぞ」

聖女「……」

543: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:29:10.669 ID:EaElA+aY0HAPPY
聖女(箱の中身は悪魔の身体の、それぞれ一部ずつパーツが揃っています)

聖女(共鳴の反応を見るに、おそらく元となった悪魔は同じ個体でしょう……)

聖女(こんな物が、都合よくすべて王都の貴族達の手に渡っている……)

聖女(偶然とは考えられないですね)

聖女(……何か、裏があるのでしょうか)

544: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:33:49.715 ID:EaElA+aY0HAPPY
王都周辺、平原

……

フードの男「おや?」

??「……どうした」

フードの男「……いやぁ。いずれここに攻め入ることは決まっていたのでね。あらかじめ、蒔いておいた保険があるのですが」

フードの男「どうやらバレてしまったようだ。人間というのも中々侮れない」

??「貴様が裏で何やらこそこそと動いているのはわかっていたが、その策が看破されたと?」

フードの男「そうなりますね」

545: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:34:26.193 ID:EaElA+aY0HAPPY
??「無様だな」

フードの男「そう言わないでいただきたい……見破られはしましたが、まだ破られた訳ではない」

フードの男「ただ……もう少し、ここぞと言う場面まで温存しておきたかった物を、今すぐにでも使わなければならなくなった。それだけの話です」

??「……」

546: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:35:19.253 ID:EaElA+aY0HAPPY
フードの男(……しかし、どうしたことか)

フードの男(一所に集められているようだが、数が合わない)

フードの男(……)

フードの男(一つくらい無くとも大きな支障はないが……このことは覚えておいた方が良さそうだ)

フードの男(無くなっていることが問題なのではない)

フードの男(誰が、どうやってそれを消したのかが問題だ)

547: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:36:11.683 ID:EaElA+aY0HAPPY
下級悪魔「妖術師殿より報告! 王都全域に張られた悪魔避けの結界、間も無く解除できるとのことです!」

??「悪魔避けの結界……難儀なものだ」

フードの男「氷の魔女の魔物が使えていればここで手間を取られずに済んだのですがね」

??「……誰の落ち度と思っている」

フードの男「これは失礼」

549: ??→死霊騎士 2018/11/20(火) 20:37:55.961 ID:EaElA+aY0HAPPY
フードの男「さて、死霊騎士殿」

死霊騎士「……」

フードの男「結界が解かれる前ですが、先に動かせてもらっても?」

フードの男「放っておいたら、使い物にならなくなってしまいそうだ」

フードの男「手に入れるのにそれなりに苦労した品なのでね。無駄遣いはしたくありません」

死霊騎士「……好きにしろ」

551: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:39:15.060 ID:EaElA+aY0HAPPY
……


ガタガタッ…

監察官「……む?」


ガタガタガタガタッ…

監察官「こ、これは……!?」


聖女「監察官さん、何が……?」

監察官「聖女殿……! は、箱がっ」

聖女「ッ!!」

552: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:39:37.589 ID:EaElA+aY0HAPPY
聖女「ッ! ……不味いです!」

聖女「その箱から離れてっ!」


監察官「ひっ、ひぃぃ!?」バッ



カッ!!

554: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:40:28.670 ID:EaElA+aY0HAPPY
シュウウゥゥ……


監察官「はぁ、はぁ……」

監察官「い、一体、何が!?」

騎士A「土埃で前が……!」

聖女「……」

555: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:41:11.647 ID:EaElA+aY0HAPPY
聖女「……監察官さん、下がってください」

聖女「そしてすぐにお城に行って、報告を」

監察官「……ほ、報告とはっ」

聖女「……」



隻腕の悪魔「…………」


騎士達「!!」

監察官「あ、あれは、まさか!?」

556: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:41:56.995 ID:EaElA+aY0HAPPY
聖女「悪魔……それも、下級ではなく相当に上位のもの」

聖女「……どうやら箱に張られていた結界が突然消滅し、あれが現れたみたいです」

聖女「箱の中身はそれぞれ、頭、左腕、両脚。そして心臓……」

聖女「出来上がった物が、これです……!!」


隻腕の悪魔「グオオオオオオオオ!!!」


騎士A「く、来るぞっ!」

558: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:54:57.235 ID:EaElA+aY0HAPPY
図書館からの帰り道

勇者「……」

ズシッ

勇者「重い……」

560: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:56:17.577 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「魔導書、少し借りすぎたかな?」

勇者「とりあえず、早く帰って魔法を探さなきゃな……」


主「キィ」バサバサ

勇者「うん?」

561: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:56:53.815 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「主よ。もしかして、この本を持ってくれると言っているのですか?」

主「キィ」

勇者「いやいやそんな……」

勇者「ただでさえズタ袋を持ってもらってるって言うのに、これ以上主に重しを持たせる訳にはいきませんよ」

主「キィ」

勇者「なぁに、このくらいへっちゃらですって。これでも鍛えてるんでね。わはは」



聖剣「>>565

565: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 20:58:33.957 ID:V9/Lc0kv0HAPPY
姫を守れ

569: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:02:30.386 ID:EaElA+aY0HAPPY
聖剣「姫を守れ」

勇者「!」

570: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:03:15.684 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「……なんだって?」

勇者「姫を守れって、急にどうしたんだよ」

聖剣「……」

勇者「……これはまた、急で意味のわからない安価だな」

571: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:04:33.699 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「腹減ってるし、本重いし早く帰りたいんだが……」

勇者「だけど、お前がこんな指示を出すのも珍しい」

勇者「……もしかして、姫に何かがあったってのか?」

聖剣「……」


勇者「……」


勇者「……王城、行ってみるか」


タタタッ

576: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:25:40.272 ID:EaElA+aY0HAPPY
ドガッ!!

騎士A「うわぁぁぁ!!」


隻腕の悪魔「グオオオオオオオオ!!!」


騎士B「く、くそっ、俺たちの攻撃、全然通用してないぞ!?」

聖女「……ッ」

577: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:26:17.157 ID:EaElA+aY0HAPPY
聖女(相手は上位の悪魔……! 騎士さん達だけでは、少し厳しい……!)


聖女「監察官さん! 早くっ!」

監察官「わ、わかりました! すぐに救援を呼んで来ます!」

監察官「聖女殿も、どうかご無事で!」

タタタッ

578: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:27:08.166 ID:EaElA+aY0HAPPY
隻腕の悪魔「グオオオオオオオオ!!」


聖女「敵は……知性を失っている?」

聖女「見境なく暴れ回ると言うことですか……!」

聖女「知性が無いことで戦い自体は優位に進められるかもしれませんが……ここはまだ市街地」

聖女「周囲に被害を出さないことを優先しなければいけませんね……!」

580: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:27:46.841 ID:EaElA+aY0HAPPY
聖女「––––––––!」


パァァァ…

騎士A「こ、これはっ?」

騎士B「力が湧いてくる……これは、聖女様のお力か!」

騎士C「これで何とか持ち堪えられるか……?」


聖女「みなさん! まずは悪魔の足止めを!」

聖女「救援が来るまで何とか持ち堪えてください!」

聖女「救援が来て、時間さえ作ることが出来れば、あとは私が何とかします!」


隻腕の悪魔「グオオオオオオオオ!!!」

585: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:44:13.517 ID:EaElA+aY0HAPPY
王城前

タタタッ


門番「ん?」


勇者「はぁ、はぁ、はぁ……」

門番「……また君か。昼間ぶりだな」

586: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:45:24.945 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「も、門番さん。こんな時間に悪いんだけど、中に入れてくれ」

門番「こんな時間に、城に何の用だ?」

勇者「俺もよくわからないんだが……姫を守らなくちゃいけないみたいなんだ」

門番「……姫を? どうしてまた」

勇者「わかんねえよ。けど、もしかしたら姫がピンチかもしれないんだ。開けてくれ」

門番「……」

587: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:46:08.117 ID:EaElA+aY0HAPPY
門番「却下だ。仮にその通りだったとしても、王城には優秀な騎士達が揃っている。君の出番は無いだろう」

勇者「!」


門番「女騎士殿の知り合いのようだし、君が聖剣の勇者という話も聞いているからこの場は見逃すが……」

門番「そのような曖昧な理由で突然来られても、こんな時間に軽々しく姫と合わせる訳にはいかない」

勇者「この……!!」

門番「今日の所は大人しく帰りたまえ––––––––」

勇者「赤ちゃんになぁれ!」ぺかーっ

門番「ばぶぅ」

588: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:47:31.485 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「悪いな、門番さん。急いでるんだ」

勇者「とりあえず、赤ちゃんになった門番さんは物陰に隠しておいて……」ガサガサ

勇者「……行くぞ!」


タタタッ

590: すまん一行抜けてた 2018/11/20(火) 21:49:22.911 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「悪いな、門番さん。急いでるんだ」

勇者「とりあえず、赤ちゃんになった門番さんは物陰に隠しておいて……」ガサガサ

勇者「……おっ。鍵はこれか」カチャカチャ

勇者「……行くぞ!」


タタタッ

593: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 21:59:33.786 ID:EaElA+aY0HAPPY
タタタッ

警備「ん? あれは……」

勇者「はぁ、はぁ……!」

警備「ゆ、勇者殿? 何故こんな時間に城内に?」

勇者「詳しい話は後にしてくれ。姫がどこにいるかわかるか?」

警備「この時間は自室にいると思いますが……しかし、なぜ?」

勇者「悪い、急いでるんだ」

警備「ダ、ダメです! いくら勇者殿とは言え、このような時間に勝手に城内を動き回られては」

勇者「ええい、お前も赤ちゃんにしてやろうか!!」

警備「ひっ!?」

594: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:00:11.160 ID:EaElA+aY0HAPPY
女騎士「何の騒ぎですか? 今、姫と聞こえましたが……」

警備「お、女騎士殿っ!」

勇者「女騎士! ちょうど良かった!」

女騎士「勇者さん? なぜこんな所に……」

勇者「なぁ、いま姫は無事か? 何をしてるんだ? どこに居る?」

女騎士「ちょ、ちょっと……急にどうしたって言うんですか」

596: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:13:06.124 ID:EaElA+aY0HAPPY
女騎士「姫なら寝室にいるはずですが……いま別れて来たところですし」

勇者「よーし、じゃあ行こう。お前も一緒について来てくれ」

女騎士「はぁ?」

勇者「いいからいいから」ガシッ

女騎士「ちょ、ちょっと待ってくださいって!」


警備「ゆ、勇者殿、勝手に動き回られては困ると……!」

勇者「こいつも一緒なら大丈夫だろ? お付きの女騎士が付いてきてくれるんだし、固いこと言うなよ」

警備「いやいやいや……えっ、でも女騎士殿が許可を出しているのなら……」

女騎士「私はそんなもの出していませんけど!?」

597: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:13:38.151 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「いいから。頼むって! もしかしたら姫がピンチかもしれないんだよ!」

女騎士「!」


勇者「この通りだ! 頼む!」ガバッ!

女騎士「……」

598: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:14:27.858 ID:EaElA+aY0HAPPY
女騎士「何やら只事ではない雰囲気ですね」

勇者「……」

女騎士「……」


女騎士「はぁ……仕方ありません……今回だけですからね?」

勇者「!」

599: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:14:53.961 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「ありがとう、女騎士!」

女騎士「もちろん、事情は説明してくれるんでしょうね」

勇者「後で話す! 今は急いで姫の所へ!」ダッ

女騎士「ちょ、ちょっと! 引っ張らないでくださいよ!」

タタタッ


警備「い、行ってしまわれた……」

警備「……良かったのだろうか?」

602: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:24:15.405 ID:EaElA+aY0HAPPY
女騎士「……ところで、どうして姫の部屋の方向がわかるんですか? いや、合っていますけど」

勇者「内緒!」

603: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:25:14.604 ID:EaElA+aY0HAPPY
姫の部屋の前

勇者「はぁ、はぁ……ここだなっ!」

女騎士「なぜ部屋の場所まで……」

勇者「いいからいいから。さっ、開けるぞ」

女騎士「あっ! 扉は私が––––––––」


バン!!

勇者「姫!! ご無事ですか!?」


姫「えっ?」

勇者「…………あっ」

604: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:25:52.126 ID:EaElA+aY0HAPPY
姫「……」

勇者「……」


姫「……あの」

勇者「……はい」


姫「へ、部屋に入る前に、ノックくらいはしてほしいのですが……」

勇者「……」

605: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:26:44.560 ID:EaElA+aY0HAPPY
女騎士「……勇者さん」

勇者「っ!?」ビクッ!


女騎士「あなたは、こんなことのためにわざわざ姫のもとへ来たのですか?」

勇者「あ、いや、その。まさか、タイミング悪くお着替え中とは……」

女騎士「……まずは部屋を出て。外でお話をしましょうか」

608: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:40:02.293 ID:EaElA+aY0HAPPY
……

……

姫「……あの、大丈夫ですか?」

勇者「だ、大丈夫」

姫「顔が倍くらいに腫れ上がっているように見えますが……」

勇者「大丈夫だから……」

女騎士「……」

609: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:40:30.035 ID:EaElA+aY0HAPPY
女騎士「では、約束通り。事情を説明してください」

勇者「は、はい……」

姫「事情?」

女騎士「勇者さんが、どうしても姫に会いたいとこんな時間に押しかけて来たのです」

女騎士「緊急の件かと思い、ここまで通しましたが……」

勇者「すいませんでした」

610: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:41:27.558 ID:EaElA+aY0HAPPY
女騎士「では、約束通り。事情を説明してください」

勇者「は、はい……」

姫「事情?」

女騎士「勇者さんがどうしても姫に会いたいと、こんな時間に押しかけて来たのです」

女騎士「緊急の件かと思い、ここまで通しましたが……」

勇者「すいませんでした」

612: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:41:52.306 ID:EaElA+aY0HAPPY
勇者「お、俺が姫の所へ来たのは……」

姫「来たのは?」

女騎士「……」


勇者「……えー、……姫を守りにここへ来ました」

姫「わたしを?」

女騎士「守りに?」

勇者「はい……」

613: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:42:18.677 ID:EaElA+aY0HAPPY
姫「……」

女騎士「……」

勇者「……」


勇者「……あれぇ? 姫、何とも無さそうなんだけど。俺はいったい何から姫を守ればいいんだ?」

女騎士「何を言っているのかよくわかりませんが、少なくとも今撃退される立場にあるのはあなたなのでは?」

615: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 22:48:09.603 ID:EaElA+aY0HAPPY
王都周辺、平原


下級悪魔「王都の結界処理、完了しました! いつでも破れるとのことです!」


死霊騎士「……頃合いだな。号令を出す」


死霊騎士「妖術師に伝えておけ。合図と共に結界を破壊しろと」

死霊騎士「一気に雪崩れ込むぞ」


下級悪魔「はっ!」

623: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 23:39:17.407 ID:EaElA+aY0HAPPY
王城


バタバタ……

姫「……?」

姫「なんだか外が慌ただしいようですが」

女騎士「何かあったのでしょうか?」

勇者「!」

勇者「お、俺が見てくるよ」バッ


女騎士「あっ! 逃げた!」

624: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 23:40:26.397 ID:EaElA+aY0HAPPY
廊下

勇者「なぁ、なんだか騒がしいみたいだけど。何かあったのか?」

騎士「ゆ、勇者殿!? 何故こんな時間に……いや、でも、この人が居るのはある意味丁度良いのか……!?」

勇者「?」


女騎士「勇者さん、話はまだ終わって……」


騎士「緊急事態です! 王都の市街に、悪魔が現れました!」

勇者「!」

女騎士「!」

625: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/20(火) 23:42:24.708 ID:EaElA+aY0HAPPY
騎士「貴族の身辺調査、監察官からの報告です!」

騎士「現在、護衛の騎士と聖女様が応戦中です!」


勇者「護衛の騎士と……聖女が? と言うか、王都で悪魔ってお前……」

騎士「聖女様曰く、相手は上位の悪魔らしいです! このままでは苦戦は必至とのこと……至急、救援に––––––––」



ジリリリリリリリリリリリリ!!!!


騎士「!? こ、これは……」

女騎士「この警報は……まさか……!?」

勇者「今度は何だよ!」


女騎士「…………王都の結界に、何かがあったみたいです」

勇者「……えぇと、つまり?」


女騎士「王都が……何者かに襲撃されています!」

673: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:36:33.037 ID:EMCaa/uM0
王城の外、上空

主「キィキィ」バサバサッ

ズタ袋「……」

674: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:36:56.196 ID:EMCaa/uM0
ズタ袋「……」


ズタ袋「……」


モゾモゾ……モゾモゾ……


氷の魔女「……ぷはっ」

677: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:37:47.811 ID:EMCaa/uM0
氷の魔女「ふぅ」

氷の魔女「今日は久々に外の空気を吸った気がするな」

氷の魔女「しかし、勇者め……城に入ったまま出て来ないぞ」

氷の魔女「まさか、わたしとこの鳥のことを忘れているのではあるまいな」

主「キィ」

678: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:39:06.201 ID:EMCaa/uM0
氷の魔女「空で待機していろと言われたが……」

氷の魔女「……暇だ」

氷の魔女「奴め、人を待たせているという自覚があるのか?」

氷の魔女「わたしは待たされることが嫌いなのだぞ」

氷の魔女「……」

氷の魔女「そもそもあの男。最近、本当にわたしのことを荷物と思い始めていないか……?」

主「キィ」

氷の魔女「……」

679: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:39:26.959 ID:EMCaa/uM0
氷の魔女「……」


氷の魔女「……おや?」

680: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:40:31.956 ID:EMCaa/uM0
主「––––––––キィキィ!!」バサバサバサッ!

氷の魔女「鳥。貴様も感じているか」

氷の魔女「……ふふっ、何やら面白いことが起ころうとしているようだな」

氷の魔女「……だが」

氷の魔女「自分が参加できない祭りは、つまらないものよな」

681: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:45:36.101 ID:EMCaa/uM0
王都、市街


隻腕の悪魔「グオオオオオオオオ!!」

ドガッ!

騎士A「がはっ……!!」ドサッ

騎士B「くそっ、大丈夫か!?」

騎士C「救援はまだ来ないのかっ!」


聖女「……ッ」

682: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:46:28.169 ID:EMCaa/uM0
聖女(これ以上は、騎士さん達が持ち堪えられない……!)

聖女(こんな戦闘があるのなら、最初から準備を整えておくべきでした……)


聖女「……」

聖女「……」


聖女「やむを得ませんね……」

685: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:47:43.353 ID:EMCaa/uM0
パァァァ…!!


隻腕の悪魔「ッ!?」


騎士B「この光は……!?」

騎士C「悪魔の身体を包んでいる……もしかしてっ」


聖女「––––––––!」

パァァァ…!!

隻腕の悪魔「グ……グゥッ……!?」


騎士B「き、効いてる……? 悪魔が苦しんでいるように見えるぞ」

騎士C「聖女様の聖言……!」

騎士D「これなら倒せるのかもしれない!」

686: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:48:18.407 ID:EMCaa/uM0
隻腕の悪魔「グオオオオオオオオ!!」

バッ!


騎士B「あぁっ、動いた!?」

騎士C「聖女様、危ない!」


隻腕の悪魔「グオオオオオオオオ!!」

聖女「––––––––ッ!!」


ザシュッ!! 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)

688: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:49:14.173 ID:EMCaa/uM0
ポタ……ポタ……

聖女「はぁっ、はぁっ……!!」


騎士B「だ、大丈夫ですかっ!?」

聖女「はぁっ……平気です……少し、掠めただけですから……!」


騎士C「しかし聖言が中断されてしまった……!」

騎士D「くっ……我らが不甲斐ないばかりにっ」

689: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:50:28.489 ID:EMCaa/uM0
聖女「……」


聖女「––––––––!」

パァァァ…!!


騎士B「また聖言を!?」


隻腕の悪魔「グオオオオ……!!」

690: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:51:26.901 ID:EMCaa/uM0
騎士C「これでは、また……!」

騎士D「聖女様を守れ! 時間を稼ぐんだ!」


隻腕の悪魔「グオオオオオオ!!」

ドガッ!!

騎士達「ぐあぁっ!!」


聖女「––––––––!!」


隻腕の悪魔「ッ!!」ジャッ!

聖女「…………!!」

ザシュッ!!

692: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:52:10.655 ID:EMCaa/uM0
聖女「はぁっ、はぁっ……もう一度……!!」ググッ…

騎士B「も、もうおやめ下さい聖女様! それを使うと、また狙われてしまいます!」

聖女「……けれどっ……今の状況であの悪魔を倒すには、この方法しかありません!」

騎士C「しかし、あなたの身に何かがあれば、我らは……」

騎士D「……」

693: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:52:37.680 ID:EMCaa/uM0
バサバサッ…

騎士D「!」

696: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:53:50.532 ID:EMCaa/uM0
騎士D「な、なぁ……何か、聞こえないか……?」

騎士B「こんな時に何だ!」

697: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:54:23.195 ID:EMCaa/uM0
バサバサ……バサバサッ……

騎士C「……い、いや……。確かに、何か聞こえるぞ……?」

騎士D「これは……羽ばたきの、音?」

聖女「……? みなさん、何を––––––––」

699: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:55:56.366 ID:EMCaa/uM0
聖女「––––––––ッ!?」


聖女(これは、とてつもない量の邪気が……!?)

聖女「みなさん、上をッ!!」


騎士B「上……? …………なっ!?」

騎士C「そんな……なんだよ、あれ……」

騎士D「空が……!! こんなことって……!?」




悪魔の群れ「––––––––––––––––––––!!!」

バサバサバサバサッバサバサバサッバサッ
バサッバサバサバサッバサバサバサバサバサッ

702: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 20:59:22.455 ID:EMCaa/uM0
王城

勇者「……襲撃って。急にどうしたんだよ、大げさだな」

勇者「街に悪魔が一匹入り込んだってのはさっき聞いたけどさ。そんな言い方するほどのものなのか?」

騎士「し、しかし……」

女騎士「……これは王都に張られている結界に異常があった際に鳴る警報……悪魔の件と言い、嫌な予感がします

女騎士「おそらく、何かが……!」

705: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 21:03:25.284 ID:EMCaa/uM0
勇者「と言うか、王都に張られた結界とか初耳なんだけど。何だそれ?」

女騎士「王都に常時張られている対悪魔用の結界です。これがある限り、王都に悪魔の類いの者は侵入できません」

勇者「知らなかった……そんなものが張られていたのか」


勇者「ちなみにそれも魔法使いの師匠が張ったやつなのか?」

女騎士「え、えぇ……大部分は彼女が」

勇者「やっぱり師匠ってすごいんだな」

707: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 21:04:58.127 ID:EMCaa/uM0
勇者「……」

テクテク


女騎士「ゆ、勇者さん、どこへ?」

勇者「いや。その結界、目を凝らせば窓からでも見えるのかなって思って」

708: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 21:05:50.061 ID:EMCaa/uM0
勇者「王都全部を覆ってるんだろ?」

勇者「師匠の張った結界なら、一応見ておきたいかなって」

勇者「ここから見えるかなぁ……」

ガララッ





下級悪魔「ギャァァァァァァァァァァァァ!!!!」バッ!!

勇者「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」ビクッ!!

711: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 21:08:13.899 ID:EMCaa/uM0
女騎士「なっ!?」

騎士「あっ、あっ、悪魔だ!? 悪魔が、城の中に!?」


下級悪魔「ギャギャギャギャ、ギィッ!!」


勇者「……」

下級悪魔「……ギ?」


ズバッ!!


下級悪魔「––––––––」ドチャッ


勇者「……び、びっくりした……めちゃくちゃびっくりした……!」

勇者「その顔で、開けた窓から急に飛び込んでくるのやめろよ……心臓に悪いだろ……!」シャラン

716: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 21:12:51.534 ID:EMCaa/uM0
女騎士「それより、窓の外の状況はっ!?」

勇者「あ、ああ……」



悪魔の群れ「––––––––––––––––––––!!!」


女騎士「……!!」

勇者「なんだよこの量……!」

勇者「空が、こいつらで埋め尽くされてるじゃないか」

720: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 21:19:55.269 ID:EMCaa/uM0
女騎士「勇者さんッ!!」

勇者「ああ、わかってる!!」


女騎士「えぇ、お願いします! あなたの聖剣が頼りです! まずは聖女様のもとへ!」

勇者「姫を守ればいいんだろ! 城の守りは任せておけ!」


女騎士「……」

勇者「……」


女騎士「え?」

勇者「ん?」

724: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 21:33:09.649 ID:EMCaa/uM0
女騎士「この状況をどうにかするためにはおそらく、あなたの力と聖女様のお力が必要です!」

女騎士「まずは、先に現れた上位の悪魔と戦っている聖女様の救援に行き、合流してください!」

勇者「いやいや、こんな状況だからこそ守りを固めるべきだろう。聖女は……多分大丈夫だろ」

勇者「それよりもまずは姫の安全を確保しなければならないと俺は思うかな!」

女騎士「王城の守りはこちらに任せてください! 姫は私が責任を持って守ります! なので、あなたはあなたの役割を……」

勇者「いやいや、俺も姫を守らなくちゃいけないんだって。姫も俺と聖剣がここに残ってた方がより安心できるだろ」

女騎士「何故そこまで姫に拘るのですか! 私が守るから大丈夫と言っているでしょう!」

勇者「だって安価が!!」

女騎士「またそれですか!!」

735: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:00:57.459 ID:EMCaa/uM0
姫「勇者さま……」

女騎士「ひ、姫っ」

勇者「……聞こえてたのか」

姫「あれだけ大声で怒鳴り合っていたのですから。聞こえて当然です」


姫「二人とも、こんな時に何を喧嘩しているのですか?」

女騎士「っ、申し訳ありません……」

勇者「……」

736: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:02:03.128 ID:EMCaa/uM0
姫「……勇者さま?」

勇者「……」

勇者「俺は……そりゃあ、うん。こんな時に言い合いをしてたのは悪かったよ」

勇者「ごめん、女騎士」

女騎士「……」


勇者「けど、言ってることを曲げるつもりはないぞ。俺はここから離れないからな」

女騎士「! まだそんなことを……!」

737: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:02:32.365 ID:EMCaa/uM0
姫「勇者さま」

勇者「な、なんだよ」

姫「……」

勇者「……」

姫「……」

勇者「……」

738: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:03:50.406 ID:EMCaa/uM0
姫「先ほどの言い合いは全部聞こえていました。勇者さまは、わたしを守ろうとしてくれていたのですよね?」

勇者「……そうだよ。そもそもこんな時間にここに来たのだって、姫を守れって安価が出たからなんだ」

姫「安価……」

勇者「ごめん、こんな言い方しても姫にはわからないよな」


勇者「だけど言わせてくれ。こいつが、こういう事態でこんな真面目臭い指示を出すのはすげぇ珍しいことなんだ」

勇者「それってやっぱり、それだけ切羽詰まった事情があるんだと俺は思う」

姫「……」

739: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:05:32.423 ID:EMCaa/uM0
勇者「今日、多分……いつかはわからないけど……姫には、守られなくちゃならない瞬間ってのが来る気がするんだ」

姫「守られなくてはならない、瞬間……?」

勇者「そうだ。もしも俺が外に出ている間にその瞬間ってヤツが来たらどうする? 誰が姫を守る? 守られなかったら姫はどうなる?」

勇者「俺は絶対、その瞬間に姫の所に居合わせなくちゃならない。そのタイミングを逃すわけには行かない」

勇者「本当に、命の危険があるかもしれないんだから」

姫「……」

女騎士「……」

740: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:05:56.157 ID:EMCaa/uM0
女騎士「……あの、勇者さん––––––––」

姫「……勇者さま。まずは、それほどわたしのことを思ってくれていることに感謝を」


姫「けれど……やはり行ってください、勇者さま。聖女さまのもとへ」

勇者「!」

女騎士「!」

741: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:06:40.896 ID:EMCaa/uM0
勇者「……話を聞いてなかったのか?」

勇者「俺がここを動かないのは、安価が絶対ってのはもちろんあるけど……」

勇者「これで仮に安価を破って外に出て俺に災いがあるだけなら……最悪、何とか飲み込んでやってもいい。本当は嫌だけど」

勇者「けど今回の安価は今までと毛色が違う。姫を守れって安価を破って、一番の被害を受けるのは誰だ?」

勇者「今一番危ないのは、アンタの命なんだよ」

姫「……」


女騎士「……」

742: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:07:08.795 ID:EMCaa/uM0
女騎士「……姫。申し訳ありません。こうなっては、この人は意地でもこの場を動かないでしょう」

女騎士「それに……何故かはわかりませんが、言葉に確信があるというか……。おかしな話ですが、彼には本当に何か起こることが、見えているのかもしれません」

女騎士「……本当に姫の命に危機が迫っていると言うのならば……私は、勇者さんに……姫を––––––––」


姫「なりません」


女騎士「!」

勇者「!」

743: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:07:56.003 ID:EMCaa/uM0
姫「今は国の一大事です。みんな、それに立ち向かうために戦っています」

姫「今一番苦しんでいるのは誰ですか? 今、一番あなたの力を必要としている人は誰ですか?」

姫「それはきっと、わたしではありません」

姫「お気持ちはありがたいのですが、勇者さまの剣はこんなところでわたしが独り占めしてしまって良いものではないと思うのです」

姫「どうか今戦っている人のもとへ行ってくださいませんか、勇者さま」

姫「彼らを、助けてあげてほしいのです」


勇者「……」

744: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:08:44.595 ID:EMCaa/uM0
姫「わたしなら大丈夫。ここには城の騎士達が居ますし、女騎士もいます」

姫「女騎士の強さについては、あなたもよく知っているでしょう?」

勇者「……そりゃあ、まぁ」

姫「それに……」


姫「守るために篭ってばかりなのは性に合いません。なんだかむずむずします」


勇者「……えっ」

女騎士「えっ」

745: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:09:24.644 ID:EMCaa/uM0
姫「そもそも攻められる前に敵を倒してしまえば、守る必要もないのでは?」

姫「早く倒してしまってください。こういうときは、攻撃は最大の防御! と言うのでしょう?」

姫「殲滅あるのみです。あんな悪魔達なんか、やっつけてしまってくださいよ」

姫「このくらい、勇者さまならできるでしょう?」


勇者「……」

746: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:09:57.913 ID:EMCaa/uM0
勇者「……なぁ。姫ってこんな過激な人だったのか?」

女騎士「い、いえ……そんなことは……」

勇者「……」


勇者「……」


勇者「…………」


勇者「………………」


勇者「姫にそこまで言われちゃぁなぁ……」

747: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:10:32.176 ID:EMCaa/uM0
女騎士「!」

姫「で、では……」

勇者「姫がここまで脳筋な人だとは思わなかった……いや、初めて会った時も結構お転婆な人だったか?」

勇者「それに、守るって言ってもずっと引きこもってるのは確かに俺も性に合わない」

勇者「行くよ。俺、外に行ってくる」

勇者「そんでサクッと敵を倒してきて、こんなこと早く終わらせてやるさ」

勇者「元凶を倒して来れば、それはそれで姫を守ったことになるだろ。多分」

748: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:11:06.912 ID:EMCaa/uM0
勇者「……っと。丁度、この窓から見える位置に居てくれたな」



勇者「主よ!!」


主「キィ!!」バサバサッ


勇者「……失礼します。また、あなたの背に乗ってしまうことをお許しください」

スタッ

751: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:12:00.570 ID:EMCaa/uM0
姫「勇者さま!」

勇者「姫、どうかご無事で! 俺は一旦外に出るけど、城に何かあったらすぐに飛んで戻って来るから!」

姫「……はい! その時はお願いしますね!」



勇者「女騎士! 姫のことは頼んだぞ! あとお前も気をつけてな!」

女騎士「……あなたに言われるまでもありません」

女騎士「そっちこそ気を付けてくださいね。剣の腕だけなら、まだまだ私の方が上なんですから」

女騎士「聖剣に頼りきりで、無様な負け方だけはしないように!」

勇者「もうちょっと優しく送り出すことができないのか、お前は!」

752: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:12:52.245 ID:EMCaa/uM0
勇者「……じゃあ、行こうか。こんなめんどくさい事態を引き起こしてくれた奴を、倒しに!」

主「キィーーーー!!」


バサッ!!

755: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:14:13.512 ID:EMCaa/uM0
姫「……」

女騎士「……行ってしまいましたね」


姫「……えぇ」



姫「……」フラッ

756: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:15:21.809 ID:EMCaa/uM0
女騎士「!? 姫っ!」

ガシッ!

姫「ご、ごめんなさい、女騎士……」

女騎士「どこか体調が悪いのですかっ? もしかして何かが……」

女騎士「!」

757: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:16:28.451 ID:EMCaa/uM0
女騎士(…………この震えは……)


姫「……女騎士、気づいてしまいましたか?」

女騎士「……」

姫「勇者さまの前であれだけのことを言っておいて、こうなのです」

姫「勇者さまのあの話を聞いて、わたしは、本当は……」

女騎士「……」

758: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:17:17.288 ID:EMCaa/uM0
女騎士「……大丈夫です。姫のことは私が守ります」

女騎士「それに、彼も城に何かがあれば姫を守りに帰ってくると言っていたではないですか」

女騎士「もしかしたら、その前に解決して来てしまうかもしれないですけどね」

姫「……」


女騎士(勇者さん……)

759: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/21(水) 23:18:13.252 ID:EMCaa/uM0
勇者「……」

勇者「勢いに任せて飛び出して来たはいいんだけどさ」

勇者「……」



勇者「やべぇ、聖女がどこにいるのか聞き忘れてたわ」

主「キィ」


バササッ!!

820: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:01:47.669 ID:sSbFQAma0
バサッ!!

主「キィーーーー!」


勇者「……おいおい。窓からも見えてはいたけどさ」

勇者「本当にどこもかしこも360度悪魔の群れじゃないか」

ズバッ!

下級悪魔「ギギャッ!?」

821: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:03:20.401 ID:sSbFQAma0
勇者「聖女のやつ、どこにいるんだ? わかんねえなぁ……」

勇者「確か、今は上位の悪魔と戦ってるんだっけ?」

ドシュッ!

下級悪魔A「ギィィ……!!」


勇者「なんか派手なことでもしてくれていれば見つけやすいんだけどなぁ」

ザンッ!

下級悪魔B「ギャアア!?」


勇者「……ところで、聖女が戦ってるって、どうやって戦ってるんだろ」

勇者「もしかして素手とか? あいつのビンタ、強烈だったもんな」

ズバッ!

下級悪魔C「ギャギャギャ……!!」

822: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:04:00.123 ID:sSbFQAma0
勇者「うーん……俺一人じゃ見つけるのに時間がかかりそうだな……」

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……そうだ!」



勇者「おーい、ズタ袋。起きてるか?」

ズタ袋「……」

823: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:04:54.065 ID:sSbFQAma0
勇者「起きてるなら返事してくれ」

ズタ袋「……」

勇者「日中あんだけ寝てるんだからまさかまだ寝てるとか言わないだろ?」

ズタ袋「……」

勇者「……起きてるんだろ?」

ズタ袋「……」

勇者「なぁ、ズタ袋ってば」

ズタ袋「……」


ズタ袋「……お前……ついにわたしの名前さえ呼ばなくなったな……!」

824: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:06:01.001 ID:sSbFQAma0
勇者「やっぱり起きてるじゃん。急いでるんだからさっさと返事しろよな」

ズタ袋「……お前の呼びかけに応えてやる必要を感じない」

ズタ袋「そもそも、わたしの名前はズタ袋などではないからな」

勇者「拗ねるなよ、めんどくさい……」

825: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:06:26.036 ID:sSbFQAma0
勇者「氷の魔女、謝るから頭出してくれよ。頼みがあるんだ」

ズタ袋「……」

モゾモゾ…

スポッ


氷の魔女「……わたしに何の用だ」

826: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:07:00.334 ID:sSbFQAma0
勇者「人を探してるんだ。お前も下見て手伝ってくれよ」

氷の魔女「人探しだと……?」

勇者「うん。ほら、この間橋の下で会った聖女だよ」

氷の魔女「聖女」

勇者「空は悪魔だらけでイマイチ下が見難いし、俺はこいつらの相手もしなきゃいけないからあんまりじっくり探せないんだ……っと」

ズバッ!

下級悪魔「ギギャッ!?」

827: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:07:32.909 ID:sSbFQAma0
勇者「聖女、結構苦戦してるって話だったし。早く見つけてやらないとだろ? 頼むよ」

氷の魔女「……手伝ってやる義理がないな」

氷の魔女「そもそもわたしはお前の敵だぞ。何故わたしに声をかけたのだ」

勇者「暇そうだったし」

氷の魔女「この男……!」

829: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:08:54.819 ID:sSbFQAma0
氷の魔女「そもそもわたしはあの聖女が嫌いなのだ。奴がどこで野垂れ死のうとも知ったことではない」

勇者「嫌いって。お前、嫌いになるほどあの聖女と関わったことないんじゃないか?」

氷の魔女「……」

勇者「橋の下と教会で会った時もそんなに話したことないだろ」

氷の魔女「……」

831: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:09:50.692 ID:sSbFQAma0
氷の魔女「……」

氷の魔女「……お茶出さなかった」

勇者「ん?」

氷の魔女「教会に行った時、あの女はわたしにだけお茶出さなかった」

勇者「……」

833: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:10:21.058 ID:sSbFQAma0
氷の魔女「まぁわたしは熱いお茶は嫌いだし、冷たいお茶しか飲まない主義だが」

氷の魔女「それとこれとは別の話だ」

氷の魔女「お前とあのメロンパン職人にだけお茶を出して、わたしにだけ何も出さなかった。それが気に入らぬ」

勇者「お前って結構小っさいこと根に持つタイプなんだな」

834: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:12:24.108 ID:sSbFQAma0
氷の魔女「どうとでも言え。そもそもあの聖女に関係あろうとなかろうと、お前に協力してやるつもりはない」

氷の魔女「せいぜい苦しむと良いだろう。わたしはお前が無様に困ってる様を見て笑ってやる」

氷の魔女「ふふっ、これはいい暇潰しを見つけたな」

スポッ


勇者「こいつ……首を引っ込めやがった」

837: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:16:21.447 ID:sSbFQAma0
下級悪魔「ギギャギャギャギャ!」

勇者「ああもうっ、邪魔くせえ!」

ズバッ!


勇者「ズタ袋はこんなんだし、自力でなんとかするしかないか……ッ!」

勇者「せめて、あいつの居場所にわかりやすい何かがあればいいんだが……」

839: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:21:37.233 ID:sSbFQAma0
王都、市街


聖女「そんな……なぜ、王都にこの量の悪魔が?」

聖女「悪魔避けの結界はどうしたというのですか……!?」

騎士B「ッ! 聖女様、危ないっ!!」


隻腕の悪魔「グオオオオオオ!!」


ドガッ!!

騎士B「ぐああっ!!」


聖女「騎士さんっ!?」

840: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:22:12.159 ID:sSbFQAma0
聖女「大丈夫ですかっ」

騎士B「はぁ、はぁ……なんとか……聖女様の加護のおかげで……」

聖女「……ッ」


聖女(目の前の隻腕の悪魔だけでも手一杯だと言うのに、こんなことが……)

聖女(これでは救援も望めそうにない……)

聖女(どうすれば……!!)



声「>>845

845: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:23:47.467 ID:mJJuEdVO0
勇者の持ってるズタ袋の住人に助けを請え

848: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 00:32:44.415 ID:sSbFQAma0
声「勇者の持ってるズタ袋の住人に助けを請え」


聖女(これは……主の声……!?)

聖女(ズタ袋の住人って、あの氷の魔女のことですよね……?)

聖女(今は無害とは言え、あの魔女が人間に手を貸してくれるとは思えません……)

聖女(そもそもどうやって会いに行けばいいと言うのですか)

聖女(確かにあの袋は勇者さんが持ち歩いているようですが……)

聖女(……勇者さんが…………)


聖女「……」

聖女「…………」

聖女「…………あっ」


聖女「今王都には、あの伝説の聖剣と、それに選ばれた勇者さんがいるんでした」

855: >>852 ロープで手足縛られただけでズタ袋から抜け出せないレベル 2018/11/23(金) 01:24:56.297 ID:sSbFQAma0
聖女「あの氷の魔女を倒した勇者さんなら、この事態を黙って見ていることは無いはず……!」

聖女「それに、聖剣ならば悪魔とも十分に渡り合えるはず」

聖女「けど、どこにいるんでしょうか……会う手段がありません……」

聖女「どこかで戦っているとは思うのですが……」


隻腕の悪魔「グオオオオオオオオオ!!」


聖女「!!」

ガッ!


騎士C「聖女様っ!!」

856: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 01:26:09.077 ID:sSbFQAma0
聖女「はぁっ、はぁっ……」ググッ

騎士C「も、もうその傷では無理です! 無茶をしないでください!」

騎士C「そんな体で、立ち上がれるわけが……!」

聖女「……一番傷ついているのは、前線で戦っているあなたたちの方じゃないですか」

聖女「あなたたちがまだ戦っていると言うのに、わたしが、このくらいで……!」グググッ…

騎士C「く……くそぉ……」

857: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 01:26:27.040 ID:sSbFQAma0
下級悪魔「ギャギャギャギャ!!」


聖女「ッ!?」

騎士C「そ、空からも来やがった……!?」

騎士C「こんな時に……!!」

858: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 01:26:57.179 ID:sSbFQAma0
下級悪魔「ギャギィィ!!」バッ!

騎士C「あ、悪魔め! こっちに来るなぁ!」ブンッ!

スカッ

下級悪魔「ギヒヒッ!!」

騎士C「こ、こいつ……!」

859: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 01:27:46.980 ID:sSbFQAma0
下級悪魔A「ギャギャギャギャ!!」

下級悪魔B「ギィィ!!」

下級悪魔C「ギギャハハ!!」


聖女「…………群れが……!」

騎士C「な、なんだっ!? 何でこいつら、こっちにばかり集まって来るんだ!?」

聖女「……」

865: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:02:10.587 ID:sSbFQAma0
騎士C「く、来るなぁ! 聖女様に近寄るんじゃない!」

ブンッ! ブンッ!

下級悪魔達「ギャハハハ!!」

騎士C「くそっ、どんどん増えて来る……!」

騎士「こいつら、どうしてこっちにばかり集まって来るんだよ!!」

ザクッ!

騎士C「ぐぁっ!」


聖女「騎士さん……!」

869: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:05:16.407 ID:sSbFQAma0
下級悪魔A「ギャハハハ!!」

下級悪魔B「ギャハハハハ!!」


聖女「……」

聖女「騎士さん、ここはもうダメです……」

聖女「どう言うわけか、悪魔達がどんどんこちらに向かって集まってきています……」

聖女「あの悪魔達の狙いは、私みたいですね……」

騎士C「!!」

871: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:05:50.161 ID:sSbFQAma0
聖女「彼らの注意がこちらに向いているのなら……」

聖女「……」

聖女「騎士さん、逃げてください。いま隻腕の悪魔と戦っているみなさんを達を連れて」

騎士C「なっ!?」

873: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:07:29.486 ID:sSbFQAma0
騎士C「なんてことを言っているんですかっ! 貴女を置いて逃げるだなんて!」

聖女「……隻腕の悪魔もいる状況で、このまままともに戦っていては勝ち目がありません」

聖女「みんな、集まってきた悪魔達によって殺されてしまいます」

聖女「けど、彼らの狙いが私だと言うのならば、あなたたちだけでも逃げることができるはずです」

騎士C「そ、そんな……」

875: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:09:15.691 ID:sSbFQAma0
聖女「早く行ってください。前で戦っているみなさんも、もう限界が近いはず」

騎士C「……」

聖女「……」

聖女「……私なら大丈夫です。これでも足は速い方なんですから。みなさんが行った後、どうにか逃げ切ってみせます」

聖女「教会にまで行ければ、手段はまだありますので……!」

騎士C「……!!」

876: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:10:38.148 ID:sSbFQAma0
下級悪魔の群れ「ギギャギャギャギャ!!」


騎士C「!!」

聖女「もうこんなに集まって……!」

聖女「騎士さん、行ってください! 早く!」

聖女「自分のことは自分でどうにかしますから、私のことはお気になさらず!!」

878: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:12:46.210 ID:sSbFQAma0
下級悪魔達「ギャハハハハハハハハ!!」


騎士C「……」

騎士C(自分のことは自分で何とかするって……?)

騎士C(聖女様……!)

騎士C(そんな身体で、走れるわけがないじゃないかっ!!)



バッ!

騎士C「悪魔め、こっちに来るなあああ!!」

聖女「!!」

881: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:13:27.635 ID:sSbFQAma0
下級悪魔達「ギ?」

騎士C「どっか行けよおおおおおおおお!!」

ブンッ、ブンッ、ブンッ!


下級悪魔達「…………」

882: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:14:33.717 ID:sSbFQAma0
聖女「騎士さん!!」

騎士C「逃げないですから!!」

聖女「ッ!」

騎士C「俺が、こいつらのこと引きつけますから!!」

騎士C「聖女様、自分で逃げられるって言うんなら、聖女様の方こそ今のうちに逃げてくださいよ!!」

883: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:15:02.636 ID:sSbFQAma0
騎士C「貴女は王都の希望なんですから! 生きてください!」

騎士C「王都がこんなことになっていても、貴女さえいれば、まだどうにか立て直せるはずでしょう!」

聖女「ッ……それは……!」


騎士C「ここには、俺の家族もいるんです……けど、ここで俺だけが生き延びたって、こんな状況から守り切ることなんて……!」

騎士C「だから貴女が生きて王都を……俺の代わりに、家族を……!!」

騎士C「どうか、ここで諦めることなんて、しないでください……!!」

聖女「…………!!」

885: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:20:19.379 ID:sSbFQAma0
下級悪魔A「ギギィ!!」

ガブッ!

騎士C「うわあっ!!」


聖女「騎士さんッ!?」

888: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:21:51.134 ID:sSbFQAma0
下級悪魔達「ギギャギャギャギャ!!」

ガブッ! ガブッ!


騎士C「はぁ、はぁ……聖女様……」

騎士C「どうか、ご無事で……」


聖女「そんな、ダメです!! 騎士さん!!」

聖女「誰か……誰か騎士さんを!!」バッ



隻腕の悪魔「グオオオオオオオオオ!!」

ドガッ!!

騎士達「くそぉっ!!」


聖女「……!!」

890: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:23:14.496 ID:sSbFQAma0
聖女「誰か……誰かいるのなら…………」


聖女「誰か、皆を助けてください!!!」

891: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:23:25.476 ID:sSbFQAma0
キィーーーー!!

バササッ!!



聖女「!?」

892: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:24:14.816 ID:sSbFQAma0
ボウッ!!


聖女「あれは……炎!?」

聖女「……こっちに、向かって来る……?」




ゴウッ!!

下級悪魔達「––––––––ギ?」


ドパァァァァァァン!!!

894: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:25:57.297 ID:sSbFQAma0
聖女「悪魔の群れに、炎が……!」

聖女「って、騎士さんは!?」


騎士C「……」ドサッ


聖女「大丈夫ですかッ!」タタタッ

騎士C「……」

聖女「気絶している……けど、あの炎の塊が来たというのに……火傷が……?」

聖女「これはどういう……」



勇者「あっ。暴力聖女」

聖女「!」

896: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:35:54.921 ID:sSbFQAma0
勇者「急に悪魔達が一箇所に向けて集まり始めたから様子を見に来てみたけど、当たりだったみたいだな」

聖女「ゆ、勇者さん……」

勇者「良かった良かった。早く聖女の所に行けって城から追い出されたってのに、お前全然見つからないんだもん」

聖女「……」

勇者「こんな所で何やってんだ?」

勇者「と言うか、お前が戦ってたとか言う上位の悪魔だったっか。そいつはどこに––––––––」


隻腕の悪魔「グオオオオオオオオオ!!」


勇者「あそこか」

聖女「……」

897: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:36:27.626 ID:sSbFQAma0
勇者「先に戦ってる騎士さん達も苦戦してるみたいだな」

勇者「ちょっと加勢してくる」

聖女「勇者さん……」

勇者「なんだよ」

聖女「…………あの……」



氷の魔女「勇者!!! お前!!!」

勇者「!」

聖女「!」

898: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:38:29.299 ID:sSbFQAma0
氷の魔女「鳥を燃やすなら先に言え、馬鹿者! わたしがどこにいると思っている!」

勇者「うるさいな……袋は燃えないように主が気を遣ってくれただろうが」

氷の魔女「袋が燃えなくともあの炎はわたしに効く」

勇者「でも死なないんだろ?」

氷の魔女「熱いのは嫌いだ!」

勇者「元気じゃねえか」

900: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:49:03.818 ID:sSbFQAma0
勇者「悪いな。なんか話があったみたいだけど」

聖女「……いえ」

勇者「今はそれどころじゃないな。騎士さん達が危ないみたいだ」

勇者「本当は俺もお前に用事があるんだけど……今は一旦忘れる。あの片腕の、デカイ悪魔をやっつけるのが優先だ」

聖女「……」

901: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 02:49:44.427 ID:sSbFQAma0
勇者「じゃあ、ちょっと行ってくる」

勇者「すぐ戻ってくるからな。お前、そこから逃げるんじゃないぞ」

タタタッ


聖女「……」


聖女「……勇者さん」

聖女「どうか、主のご加護があらんことを……」

927: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2018/11/23(金) 13:34:42.892 ID:sSbFQAma0
おはよう