1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 10:23:47 ID:XDiVpq7A
「お兄ちゃん、」
「おー、どうした。ひまわり」
「あたし、風間さんと結婚するんだ」
「・・・そうか」


お兄ちゃんは、私に向かって、いつものように、幼い頃と変わらない顔で笑った。



「風間くんは、幸せ者だゾ」 


2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 10:42:23 ID:XDiVpq7A


結婚式。
ウェディングベール。
どれも、どれも。
幼い頃から、夢見てたものばかり。


でも、
・・・なんでかな?
なんだか、嬉しくない。
鏡の中にいる、着飾った誰かは、私じゃないみたい。


「綺麗だよ、ひまわりちゃん」
「・・・風間さん、」



風間さんは、照れたように「その呼び方も、今日で聞き納めだね」と微笑む。優しい人。幼い頃から、彼はずっと私を大切にしてくれた。 

3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 10:55:35 ID:XDiVpq7A

・・・ロリコンだったのかもしれないけれど。
それでも構わないくらい、あたしも風間さんを大好きになった。


幸せ?
幸せ。
でも・・・何かが足りないの。


何が? 

4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 10:56:47 ID:XDiVpq7A

「ひまわりちゃん?緊張してる?」
「あ、大丈夫です・・・緊張、してるのかな」
「してるみたいだね。大丈夫だよ、


僕がいるから」



優しい人。
両手で、あたしの掌を包みこんでくれる。
大丈夫。あたしの選択は、間違ってなんかいない。



そうよ、大丈夫よ。 

5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 11:31:04 ID:XDiVpq7A
ウェディングロード
お父さんとお母さんが泣いている。ボロボロ涙を溢して。


あぁ、あたし…結婚、するんだ。
でも、あたし…涙が出ないの。



一歩。
また、一歩。
神父さんと、風間さんが微笑んで待っている。 

6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 11:31:53 ID:XDiVpq7A
その時だった。
目の前が黒で、いっぱいになる。


「父ちゃん、交代」


え?


「お兄、ちゃん…?」
「オラだって、ひまの父ちゃんだからな」


スーツを着た、お兄ちゃんの姿。


パリッとしたスーツを着こなしているけれども、いつもと変わらない行動に、かすかべ防衛隊のみんなも、お父さんもお母さんも
お兄ちゃんらしい行動に笑っていた。 

7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 11:32:26 ID:XDiVpq7A
あと少し。
あたしは、彼のお嫁さんになる。
風間さんの手と、あたしの手、そして、お兄ちゃんの手が、重なる。



「ひま、」
「ん?」
「まだ、言ってなかったよな。結婚、おめでとう。
風間くんは、良い男だゾ」
「しんのすけ…」


お兄ちゃんは、風間さんとあたしの手を力一杯に握りしめる。


「ひま、お前は、いつまでも野原一家の一員だゾ

そして、オラのたった一人の妹だゾ」 

8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 11:33:36 ID:XDiVpq7A
あれ……あれあれれ?
熱い。目も鼻も、呼吸が、しにくい。苦しい。



「ひまわりちゃん…」



あたし、寂しかったんだ。お兄ちゃんが、何も言ってくれなかったことや。



もう、パパやママ、お兄ちゃんと家族じゃなくなるかもしれないって、思ってたんだ。


「…、お兄…ちゃん…」
「もぉ~母ちゃんに似て、泣き方が豪快だゾ!ひま。
風間くん、ひまは母ちゃんに似て素直じゃないから大変だけど、宜しくだゾ」
「お兄ちゃんのバカ!」 

9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 11:35:31 ID:XDiVpq7A
何かが、塞がった。
あたし、風間さんと生きていっていいんだね。



あたし。
新しい家族を作って、いいんだよね。



みんな、家族だから。
みんな、あたしの大切な人たちだから。 

10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 11:36:10 ID:XDiVpq7A



「お兄ちゃん、」
「お?」
「お兄ちゃん、あたし、お兄ちゃんの妹で幸せだよ」


お兄ちゃんが、ニッと笑った。


「当たり前だゾ」



あたしは、歩いていく。
この道を、ずっと。
彼と共に。
家族と、一緒に。




ー完ー 

19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:29:45 ID:XDiVpq7A
以下、ほんのり鬱SSです。 

20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:36:19 ID:XDiVpq7A
ひまわり「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
しんのすけ「・・・」
ひまわり「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」






「お兄ちゃん、」
「あたし、風間さんと結婚するんだ」

「・・・・・」

「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」 

21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:37:09 ID:XDiVpq7A
結婚式。
ウェディングベール。
どれも、どれも。
幼い頃から、夢見てたものばかり。





でも、
・・・なんでかな?
なんだか、嬉しくない。
鏡の中にいる、着飾った誰かは、私じゃないみたい。


「綺麗だよ、ひまわりちゃん」
「・・・風間さん、」



風間さんは、照れたように「その呼び方も、今日で聞き納めだね」と微笑んでいるように見える。優しい人。幼い頃から、彼はずっと私を大切にしてくれた。
・・・ロリコンだったかもしれない。


それでも構わないくらい、あたしも風間さんを大好きになった。 

22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:43:30 ID:XDiVpq7A
幸せ?
幸せ。
でも・・・何かが足りないの。


何が?


「ひまわりちゃん?緊張してる?」
「あ、大丈夫です・・・緊張、してるのかな」
「してるみたいだね。大丈夫だよ、


僕がいるから」



優しい人。
あたしは、彼の手をぎゅっと握り締める。
ヒヤっとした冷たくて、心地良い温度があたしの心を和ませてくれる。



大丈夫。
あたしの選択は、間違ってなんかいない。


そうよ、大丈夫よ。 

23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:44:12 ID:XDiVpq7A
ウェディングロード
あたし…結婚、するんだ。ずっと、夢見てた結婚指輪。でも、あたし…涙が出ないの。




一歩。
また、一歩。
神父さんと、風間さんが微笑んで待っている。
あと少し。
あたしは、彼のお嫁さんになる。
風間さんの手と、あたしの手が重なる。ひんやりとして、心地よい。



そのときだった。 

24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:44:46 ID:XDiVpq7A
「ひま!!」
「・・・おにいちゃん?」


息を切らしたお兄ちゃんは、駆け寄ってきて
風間さんとあたしの手を力一杯に握りしめる。



「ひま、お前は、いつまでも野原一家の一員だゾ
何があっても・・・オラのたった一人の妹だゾ!!


だから、ダメだゾ!!風間くん! 
ひまを、連れて行かないで!!」



あれ……あれあれれ?
熱い。目も鼻も、呼吸が、しにくい。苦しい。
酸素を、うまく吸えない。
・・なんで?



「ひまわりちゃん…」
「ごめんなさい・・・風間さん・・・
あたし、あなたとは結婚できない」 

25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:45:29 ID:XDiVpq7A

あたし、寂しかったんだ。
風間さんが、死んでしまったこと。
あたしをおいて行ってしまったこと。



「…、しんのすけ…
ひまわりちゃんを、頼むよ」
「当たり前だゾ。ひまわりは、オラの妹だ」
「風間さん・・・・!」



何かが、塞がった。
あたし、生きていっていいんだね。


あたし。
生きていいんだよね。
みんな、家族だから。
みんな、あたしの大切な人たちだから。
風間さんの傍に、ずっと、いたかったの。
あなたは、あたしの心の中で生きていってくれるのね 

26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:47:53 ID:XDiVpq7A

「風間さん、」
「なんだい?」
「あたし、あなたに会えて幸せだったわ・・・」



風間さんの顔が、崩れていく。



「ありがとう。美味しかったわ、風間さん」



あたしは、歩いていく。
この道を、ずっと。
彼と共に。
永遠に。 

27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/14(火) 17:48:29 ID:XDiVpq7A
「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
「・・・」
「ねえ、お兄ちゃん・・・」
「お兄ちゃん、風間さんと、結婚、するんだぁあたし」
「ね?幸せでしょお兄ちゃん」
「お兄ちゃん」
「お兄ちゃん、あたし結婚するんだ」
「ひま・・・」
「あたし、結婚するんだもん」
「お前は・・・結婚できないんだよ」
「? 意味が分からないよ」
「もう・・・風間くんは、死んでるんだゾ」
「? 意味が分からないよ、お兄ちゃん。
だって、あたし結婚するんだもん。


ほら。風間さんなら、ここにいるじゃない。
ここに・・・」



「ね?」




ー完ー