【艦これ】高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」 前編

318: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:32:10.31 ID:vJNa927fO

< 挟めそうな気がする >





提督「白鵬関強いなぁ」

高雄「ですね。勝ち星の記録も伸ばし続けてますし」

愛宕「単独三位らしいわよぉ」

提督「うん」

高雄「……」

愛宕「……」

提督「力士の●●●●って柔らかいのかな? 」

高雄「や、知りませんよ。見た感じ中身は柔らかいけど皮膚がかなり硬い、のように見えますが」

提督「へぇ……さっすが●●●●マイスター」

高雄「やめて」

愛宕「よっ、マイスター! 」

高雄「だからやめて。……揉み倒すわよ? 」


引用元: ・【艦これ】高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」 



319: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:33:00.48 ID:vJNa927fO

< 挟める >





愛宕「私たちのは柔らかいわよぉ」

提督「うん、知ってる」

高雄「私も入れるのね」

提督「だって柔らかいじゃん? 」

高雄「じゃん? って言われましても」

愛宕「まぁ、提督は硬いものね」

高雄「はぁ」

提督「そうだな」

愛宕「その硬さがいいんだけど」

提督「そうか」

愛宕「ふふっ」

提督「……ふむ」

高雄「…………あくまで胸筋の話ですよね? ね? 」


320: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:33:39.16 ID:vJNa927fO

< ホッと一息 >





提督「今日の誕生カクテルはホットカルーア。
カクテルワードは“ 多彩で豊かな人生経験を持つ ”」

愛宕「ミルクも含めて暖めても美味しいわ」

高雄「冷たいときには白雪姫がどうのというワードだったのに」

提督「あぁ、なんでこんなに変わったのか……」

愛宕「でも、丁度よかったかも。なんだか肌寒いし」

提督「……そうだな」

高雄「……これ凄い好きかもしれません」

提督「そうか。……覚えとくよ」


321: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:34:31.17 ID:vJNa927fO

< 人肌が >





提督「…………ごめん、ちょっと我慢できないかも」

高雄「はい? 」

提督「……ごめん」ギュッ

高雄「あ、ああのまだお風呂に行ってふぁ」

提督「…………」ギュウッ

高雄「……っぁう…………ゅる……んなぁ…………く……」

提督「……たかお…………はぁ」

高雄「……っは……………るゅ…………んぅ…………」

提督「…………脱がすよ」

高雄「ま、まだ愛宕、っが、シャワ」

提督「耐えられない…………逃げさせてくれないか」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………嫌なら」

高雄「……そんなわけないじゃない。………………あなたを、拒めるわけ」


322: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:35:08.67 ID:vJNa927fO

< 壁一枚隔てて >





「っは…………はぁ、はぁっ…………」

「……ッ…………ちょっ…………ペ、エス…………はやっ」

「…………たか、っお………………っぅ……」

「…………やっ…………ゅる…………んんん……! 」

「……もっ…………止まれなっ…………」

「いい、っで………………すか、…………らぁ……! 」

「…………背、中ッ…………爪立てて、い…………からっ……」

「………………はぁーーーー……! 」

「…………はぁ…………はぁ…………」

「……はぁ…………はぁ………………はぁ」





愛宕(……………………シャワー浴びてるうちに何が? )

323: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:36:04.95 ID:vJNa927fO

< 沈んでいくこともまた >





ガチャ



愛宕「はーい。お二人さーん。私も混ぜてくださーい! 」

提督「っはぁ…………はぁ……はぁ」

高雄「あた、ごっ…………はぁ……」

愛宕「…………ねぇ、まだ一回目でしょう? どうしてそんなに消耗してるわけ? 」

高雄「そ、れは提とんむ…………ゅる……ちゅ………………んぁ…………はぁ! 」

提督「理由、なんて、いいから」

愛宕「……そうね。理由とか意味なんていらないわね。
目の前でそんなことされたらーー」

提督「お前もッ……相手してやるよ…………こい」

愛宕「ん、んん……高雄の味がする」

提督「そうか。……お前で塗り潰せるならそうしてみろよ。愛宕」

愛宕「言われなくても」

高雄「ふん……私もいることをお忘れなく」

提督「…………なんでもいい。お前らで俺を、俺を殺す勢いでこいよ」


324: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:36:34.79 ID:vJNa927fO

< 背中の痛みは貴女の痛み >





提督「…………甘えちまったなぁ…………」チラッ

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………背中も腰も痛ぇ。…………寝よ」



325: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:37:27.21 ID:vJNa927fO

< 噛み跡付けて、爪立てて >





愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………高雄? 」

高雄「……なに? 」

愛宕「どうしたの? 」

高雄「……? 」

愛宕「この人、いつになく暴れてたけど」チラッ

提督「…………Zzz」

高雄「あぁ。……わからない。ただ、何かに没頭したいのと人肌が恋しかった印象ね」

愛宕「貪られちゃったものねぇ」

高雄「……少しは癒せたかしら」

愛宕「さぁ? ……でも」

高雄「でも? 」

愛宕「引きずるタイプじゃないじゃない?
きっと明日、じゃなくて朝からはカラッとしてるわよ」

高雄「そうだといいわね」

愛宕「ええ」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……寝ましょう」

愛宕「……そうね」

326: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/12(木) 22:38:16.49 ID:vJNa927fO

< さてさて、場面は変わりまして >





「恐らく二人、いえそれ以上の複数でも問題ないと思うわ」

「それは……理論的には可能ですが」

「そもそも想いの指向性をエネルギーにする概念武装なわけでしょう? 」

「まぁ、そうです。……一応は武装ではなく強化パーツ扱いですけど」

「なんでもいいけれど。なのだからちょっとした嫉妬や妬みもエネルギーになるのではなくて? 」

「…………そう、ですね。まだ理論値しか出ていない段階なので断言はできませんが」

「そう。…………私は上にその旨を上申するけれど。……構わない? 」

「ええ、構いませんよ。たぶん割と簡単に許可も降りるでしょうし」

「そうだといいわね。……でも指輪の形にしたのは英断だったわ」

「そうでしょうか。最初はイヤリングというのも考えていたんですが」

「ふふ…………やはり、私もだけれど……指輪には格別の想いがあるものよ」

「……なるほど」

332: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:28:30.38 ID:bzDhh6/4O

< 職人 >





高雄「…………」

愛宕「ふあーぁ……提督いた? 」

高雄「……そこ、というかキッチンに」

愛宕「ん? 」



提督「…………ふふふ……………ふふふふふ」コネコネ



愛宕「こっわ」

高雄「寝起きでお手洗いでも行ったのかと思ったら、
見つけたときには既にああやってクッキーをひたすら捏ねてました」

愛宕「む、無表情も怖いけど、何あの愉悦スマイルクッキー職人」

高雄「……このあとケーキもつくるらしいわよ」

愛宕「……嬉しいけど、大丈夫かしら…………私たちが」


333: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:29:35.73 ID:bzDhh6/4O

< 菱餅菱餅菱餅菱餅菱餅 >





愛宕「お菓子といえば、だけど」

高雄「? 」

愛宕「あの人菱餅って好きだったの? 」

高雄「さぁ? 私は聞いたことないけど」

愛宕「そう。なんだか一時期菱餅ってひたすら呟いてたことがあって」

高雄「なんですそれ。むしろ嫌いなんじゃないですかその感じだと」

愛宕「そうねぇ。今度訊いてみようっと」


334: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:34:00.62 ID:bzDhh6/4O

< どんな気持ちだよそれ >






提督「ふぃー……今日はこれで終わり! 」

高雄「お疲れ様です? 」

愛宕「大丈夫? ちゃんと戻ってきてる? 」

提督「あ? 戻る? ……まぁ、たぶんしっかりしてるぞ」

高雄「……不気味な笑い方しながらつくってましたよ」

提督「えっ、マジかぁ……言ってくれればよかったのに」

愛宕「ちょーっと、話しかけたくない雰囲気だったから」

提督「そ、そんなにか」

高雄「変なもの混ぜたりしてませんよね? 」

提督「そんなことするかよ……しっかり気持ちだけ込めたって」


335: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:36:46.75 ID:bzDhh6/4O

< 夢中になりすぎて忘れてた >





愛宕「まぁ、それは明日まで楽しみにしておくとして」

高雄「朝食どうします? 」

提督「あっ」

愛宕「……」

高雄「……」

提督「……トーストとサラダでいい? 」

愛宕「いいんじゃない? 私はスープだけつくるから」

高雄「では私は食器でも揃えておきますか」

提督「はいよ。いやー、済まんね」


336: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:37:32.56 ID:bzDhh6/4O

< 帰ってきた日常 >





高雄「はい。この書類にサインをしてお終いです」

提督「ん」

愛宕「あぁぁぁ……肩凝ったわぁ」

提督「揉んでやろうか? 」

愛宕「お願ーい」

提督「はいよ。っと、サイン書いたぞ」

高雄「はい。では私はコーヒーでも淹れてきますね」

提督「頼む」

愛宕「お願いね」

高雄「ええ。……変なことをしないように」

提督「変なこと? 」

愛宕「肩を解してもらうだけよ? 」

高雄「……どうだか」


337: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:40:47.75 ID:bzDhh6/4O

< 心の初めてが欲しいんです >





愛宕「んぅ……きーくーぅ……」

提督「愛宕たち……艦娘でも肩って凝るんだな」モミモミ

愛宕「そうねぇ、一時的に身体を強化したり、
高速修復したりすることはできるけど、
平時はちょっと力の強い女の子だもの」

提督(ちょっと……?)

提督「まぁ、じゃないとその……●も毎回復活するもんな」モミモミ

愛宕「できるわよ? 」

提督「えっ」

愛宕「やったことはないけど……復元してみる? 」

提督「いや、しなくていい。つーかやめろ」

愛宕「わかった。でもどうして? なんとなくだけど男の人って●●好きじゃない? 」

提督「……まぁ、嫌いとは言わないけどさ。
肉体的には痛みを強いてるし、
その癖●●て●●てって発情する女の子は見たくない」

338: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:42:13.58 ID:bzDhh6/4O

< 彼の持論 >





提督「つーかさ」

愛宕「うん」

提督「実際●●とか面倒いだけだもん」

愛宕「え、えぇ……」

提督「文字通り初めてだとそれまで盛り上げてるからこっちだってハイになってるし、
初々しい反応とかそのときしか見れないけど」

愛宕「……」

提督「それがないとしっかり整えて、
でもこっちはあまり激しく動けないし時間考えなきゃいかさないし」

愛宕「……」

提督「別に●●厨じゃねぇしむしろ慣れた女の方が好きだよ、俺は」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……終わった? 」

提督「ん、まぁ」

愛宕「…………割と考えてたのね。
気持ち悪いとかよりも私の初めてのときに、
そんなに考えてたってことに少し感動したわよ。
ただのケダモノじゃなかったのね」



340: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:43:49.20 ID:bzDhh6/4O

< 表現力が欲しい、マジで >





高雄「まぁ、いいでしょう。……3月13日の誕生花&石のお時間です」

提督「イェーイ! 」

愛宕「ぱんぱかぱーんっ! 」

高雄「はい、では……本日の誕生石はブラスインゴット。
石言葉は“ 規律 ”、“ 自信 ”、“ 表現力 ”、そして“ 職人 ”です」

提督「ほーん、石言葉四つってもしかして初めてか? 」

愛宕「しかもなんだか関連性の薄そうな四つねぇ」

提督「……当基地では鉄の規律が自信の源です。
それによって職人気質の艦娘たちを汎用性の高いプロフェッショナルへと育て、
それが結果的に表現力の向上にも繋がるのです」

愛宕「うーん……無理矢理、60点」

高雄「努力有り、70点」

提督「そっか……厳しいな。精進します」

341: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:44:42.96 ID:bzDhh6/4O

< 適性○ >





高雄「続きまして誕生花」

提督「はい」

高雄「誕生花は甘草。花言葉は“ 順応性 ”。
……ここの状況に適応した私たちにこそ相応しい言葉のような」

提督「思えばなぁ……島流し同然に飛ばされて、
暇、ヒマ、ひま、で陸のやつらには嫌味言われて」

愛宕「することといったらお料理とお酒と……夜戦くらいだもの」

提督「よく腐らずにいられたな」

高雄「……ニート適性があるだけかもしれませんけどね」


342: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:49:28.75 ID:bzDhh6/4O

< あいつには勝てない >





提督「あっ」

愛宕「? 」

提督「俺たちより上がいたのを忘れてた」

高雄「はぁ」

提督「どう考えても俺たちよりここに順応してただろ、あいつ」

高雄「はぁ。順応というより朱に交わって真っ赤になったような」

愛宕「あれほっといたら私すら越えてたかも」

提督「いやー……ヤバかったな」







………

……………




??「くちゅん…………花粉かしら」


343: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:50:25.74 ID:bzDhh6/4O

< お詫びと提と……訂正 >





提督「ここでお詫びと訂正があります」

愛宕「なぁに? 」

提督「先日、十二日の夜に誕生カクテルはホットカルーアと言って、
カクテルを提供しました、が」

高雄「はい」

提督「実際は本日十三日のカクテルでした!
本当は十二日のカクテルはルジェカシスティーでした。
本当に申し訳ありませんでした」

高雄「そうですか」

愛宕「まぁ、いいんじゃない? 」

提督「うーん……でもなんか謝っとこうかなって」

高雄「まぁ……昨日は仕方ないですよ」

愛宕「しっかり立ち直ってきてるんだからそれでいいわよ」

提督「そっか。……ありがと」


344: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/13(金) 23:54:03.12 ID:bzDhh6/4O

< お風呂にて >





提督「痛ぇ……滅茶背中染みた」

愛宕「ごめんなさいね? 」

提督「あぁ、いや俺がアレだったからなぁ」

高雄「でもかなり食い込んでましたね。
そんなに爪を立てた気はなかったんですが」

愛宕「ふふっ、じゃあ手も足も絡めて叫んでたのは覚えてる? 」

提督「あれなぁ……今思えばちょっと耳痛いかも」

高雄「はぁ、すみませんね。まぁ、そもそもあなたがあんな激しくっ」

提督「うーん……たぶんなんもなくても月に一、二回はあぁなるしな。
次からは指でも貸そうか? 」

高雄「や、それは遠慮しときます」

提督「そう? 」

高雄「はい。噛みちぎってしまいそうなので」





愛宕「私より感じやすい。さすがむっつり●●●高雄」

高雄「あなたは何をほざいているの? 」

350: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/14(土) 07:08:25.71 ID:Apf5BzwvO

< この想い、詰め込む器が見つからない >





提督「…………」

愛宕「…………うん」モグモグ

高雄「…………はい」モグモグ

提督「…………」

愛宕「…………悔しいけど美味しいわ」

高雄「あんな不気味な笑いをしてたのに」

提督「や、それは知らないけど……お返しになったかな」

愛宕「うん。とっても美味しい」

高雄「あなたの想い、確かに受け取りました」

提督「そうか。……まぁ、そのクッキーとマカロンとケーキと……。
兎に角その辺のやつ全てで二人が感じたものは、
俺が二人に貰ったモノだよ」

愛宕「……こんなに? 」

高雄「……過ぎた光栄……愛ですよ」

提督「それでいいんだ。
俺は二人の想いよりも大きく二人を想ってるって自負してるから」


351: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/14(土) 07:09:35.97 ID:Apf5BzwvO

< 本当に時間がないんです >





提督「高」

高雄「十四日の誕生石はイネサイト。
石言葉は“ 挑戦的 ”、“ 企画力 ”、そして“ 研究開発です ”」

愛宕「た」

高雄「誕生花はチューリップ。花言葉は“ あなたの目の美しさ ”。
提督は私の瞳を見ていなさい」

提督「は、はい」

高雄「で、カクテル」

提督「ん、んん? 」

高雄「い・い・か・ら! 」

提督「はい! ……本日の誕生カクテルはビターカルーア。
カクテルワードは“ 暖かな親切心に満ちた人 ”だ」

高雄「以上! 」

愛宕「あの……なにこれ? どうしたの? 」

高雄「兎に角時間がないの」

愛宕「いつも通り、というか今日ホワイトデー……時間はあるような」

高雄「ないものはない。ない袖はふれない。ない胸は張れない。いいですね? 」

愛宕「はい」

提督「はい」

提督(…………どうしたんだこいつ)


352: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/14(土) 07:11:41.71 ID:Apf5BzwvO

< 言葉はゼロ距離まで近付けない >





愛宕「ん……」

提督「…………んぅ」

愛宕「れる…………んぁ…………ゅる………………ちゅ…………はぁぅ」

提督「っはぁ……! 」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「想いは……私のこの想いはあなたに貰いました」

提督「…………」

愛宕「確かに生まれ出でた瞬間から心を得ていた私だけれど。
……真のココロはあなたに……提督……いいえ、__さんにいただきました」

提督「…………」

愛宕「あなたを愛する気持ちを与えてくれたあなたを私は愛している。
今日という日を与えてくれたあなたを私は愛している。
明日も、その次も……! 本当に……言葉の稚拙さがこんなに悔しいほど」

提督「…………伝わったよ」

愛宕「でもっ、でも……! 」

提督「そんな涙流してさ……伝わらないはずないだろ」

愛宕「…………ッ」ギュッ

提督「それに……伝わらない、伝わりきらないと思ってるのは俺も、
きっと高雄も同じだから。
……その想いを共有できてるんだから。
それは伝わったのと同じだよ」ギュッ

愛宕「………………悔しいほどに……全てを捧げても足りないほどに……あなたと溶け合いたい」ギュウ

提督「あぁ。……今日ばかりは仕事も親も、軍も世界もなにもかも。
全部忘れて…………一緒だよ、おいで」


353: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/14(土) 07:14:21.99 ID:Apf5BzwvO

< 風吹く寂れた岬にて >





提督「…………」シュボ……スゥ……ハッ……





高雄「…………__さん? 」

提督「ッハァ……近付くなよ。匂いが移る」

高雄「……」ギュッ

提督「……高雄」

高雄「構いません。それも……普段は吸わない煙草の匂いも含めて……あなたという人の一部だから」

提督「……はぁ…………ん」ギュッ

高雄「ぁ……」ギュウ

提督「…………カッコつけて●●て…………こんなときは煙草でもっとカッコつけるしかないんだよ、男って」

高雄「…………」

提督「ッゲホッ…………」

高雄「……大丈夫? 」

提督「ん、大丈夫。……普段は吸わないこいつもさ。
こんなときだけベッドサイドで目立ってるんだ」

高雄「…………昨日から探してたくせに」

提督「カッコつける男は嫌いか? 」

高雄「そう、ですね。あなた以外の男なら嫌いです」

提督「…………まったく……一途なやつだよ」

高雄「いえ……愛宕も同じくらい好きです。私の一部です」

提督「ふっ……あいつに聞かせてやりたい」

高雄「やめてくださいよ。私のキャラじゃない」

提督「俺の煙草もだけどな。…………ッハァ……わかったよ。俺とお前の秘密だ」

高雄「………………はい」ギュッ


354: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/14(土) 07:26:48.04 ID:Apf5BzwvO

< 寒空の下で >





提督「…………っはぁ」

高雄「…………はぁ」

提督「……煙草なんて吸うなよ」

高雄「女の煙草は許せない? 」

提督「そういうわけじゃ……身体に障るだろ」

高雄「ふふ……優しいのですね」

提督「当たり前だろ…………ふんっ」

高雄「……ご心配なく。艦娘としての力を発言させればニコチンやタールなんていう小物は跡形なく消滅させっはぁっ」

提督「……」ガチッ


提督「……」

高雄「っはぁ……痛いです。キスで歯を当てるなんて●●ですか? 」

提督「…………」

高雄「…………私は人間じゃないんですよ。
姿形も普段の行動もそう見えるけれど。
その成り立ちも存在理由も人間じゃない。……もちろん愛宕も」

提督「…………」

高雄「……ふふっ…………そんなあなただから私は惹かれたのかもしれません。
頑なに私を欲しながら私という存在を認めない姿に」

提督「…………寒いな。俺は部屋に戻る。お前は精々煙草がなくなるまで冷えてろよ」クルッ

高雄「あらあら…………怒らせましたか? 」

提督「…………」

高雄「……いえ、いじめ過ぎたかもしれません。私は仰せの通りに風でも浴びてから戻りますよ」


355: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/14(土) 07:29:10.43 ID:Apf5BzwvO

< 不貞腐れて、甘えて >





ガチャ、バタン



提督「…………」

愛宕「…………ん、__さん? 」

提督「……顔」

愛宕「? ……!……んぅ……ゅる…………ちゅ…………ぇろ……」

提督「…………急ですまないな」

愛宕「煙草の匂い」

提督「…………すまない」

愛宕「それはいいけど…………高雄に何か言われた? 」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………もう少し、やりましょうか」

提督「あ? 」

愛宕「私、あなたがまだ欲しい。半日くらいじゃ全然足りない。
丁度高雄もいないじゃない? 」

提督「…………」

愛宕「口の中のニコチンも、それ以外の苦味も私に共有させて?
私をあなたから離さないでほしい」

提督「…………お前たち、強いな」

愛宕「……ええ、あなたの、__さんの女だもの」

提督「ククッ……違いない。あぁ、俺もお前が欲しいよ、愛宕」ギュッ

愛宕「うんん……私が癒してあげる。それができなくても……忘れさせてあげる」ギュッ

361: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:40:39.62 ID:nui4IB8OO

< まるで仮眠じゃないか >





提督「……んー…………眠い身体痛い怠い」

高雄「仕方ないでしょう。何時まで●●てたと思ってるんです」

提督「えっと……マルゴーマルマルくらい? 」

高雄「そうです。正確にはマルゴーヒトサンが最後に時計を見た時間です」

提督「そっか」

高雄「で、ですよ? 今現在の時刻をもう一度確認していただけますか? 」

提督「…………マルロクマルマル」

高雄「はい」

愛宕「私が落ちてからもう一回シてただなんてっ。んもうっ」

提督(……とかいう愛宕に無理矢理起こされた。
なんというか仕方ない気もするけど……眠い)

高雄「…………」

提督「…………」

愛宕「今日も執務は待ってくれないわよ……ふふ」


362: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:43:11.87 ID:nui4IB8OO

< 目の球磨……隈が酷い >





提督「」ドヨ-ン

高雄「」ドヨ-ン

愛宕「」ドヨ-ン

提督(言葉を発する気力もない……こういう日に限って面倒な裁可案件が多いし)

提督「…………コーヒー」

高雄「…………あ、私も」

愛宕「…………いやよ。提督か高雄が淹れてよ」

提督「……や、上官命令で」

愛宕「……汚ない。さすが提督汚ない」

高雄「…………はぁ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………ジャンケンするか」


363: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:44:05.65 ID:nui4IB8OO

< 惨めな敗者 >





提督「…………はぁ」

提督(こんな予感はしてた)





提督『…………負けた』

愛宕『ふふ……腐れ上官滅びたり』

高雄『じゃ、お願いしますね。久々に砂糖入れて』

提督『…………死ぬほどしっぶい渋いやつ淹れてやろうか』

愛宕『あぁ……恨みの目線が心地いい』

高雄『…………苦かったら怒りますよ』

提督『…………へい』





提督「…………せめて高雄との最後一発はやめればよかった」

364: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:45:29.41 ID:nui4IB8OO

< 勝ち誇る勝者たち >





愛宕「ふぁーぁ……私このまま溶けそう」

高雄「そうね……コーヒーの後はちょっとお休みしましょう」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「……んふ、あのジャンケンで負けたときの提督の顔」

高雄「ははは…………あれは傑作だったわね」

愛宕「やっぱり初手はグーが鉄板なのよ」

高雄「そうかしら? 結局最初は全員違ってあいこだったのだし」

愛宕「でも決まり手はグー二つとチョキ一つだったじゃない」

高雄「決まり手って……まぁ、これが本当の決まり手? 」

愛宕「ふふっ……それちょっと面白いかも」





提督「…………戻ってきたらジャンケン談義が始まっていた。なんだこれは」


365: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:47:59.24 ID:nui4IB8OO

< 少しだけ湿気ったクッキーも悪くない >





提督「茶請けはクッキーの余りだ」

愛宕「うーん……やっぱり美味しい」サクサク

高雄「チャーハンとおつまみ以外にお菓子もつくれるのを忘れていました」サクサク

提督「あぁ、母さんにおしえてもらったんだ」

愛宕「……提督のお母様って一体」

高雄「本当に何者なんでしょう」

提督「ん? 普通の人だよ。
ただ昔から一つのことに集中するとそればかりに執着する人ではあったかな」

愛宕「なるほどねぇ……コーヒーおかわり」

高雄「あ、私もいいですか? 」

提督「ん」


366: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:49:24.91 ID:nui4IB8OO

< もういっそこのままにしたい >





提督「ふぅ…………お昼寝お昼寝っと」

愛宕「お布団幸せぇ……」ボフッ

高雄「執務は大丈夫ですか? 」

提督「あぁ、夕食後にちょっとやればな。
今はとりあえず睡眠とらないと死ぬ」

愛宕「………………」

提督「? ……どうした愛宕。もう寝たのか」

高雄「そんな馬鹿な」

愛宕「…………忘れてた」

提督「あ? 」

愛宕「……わ、忘れてたのよ。シーツを交換するのを」

提督「あっ」

高雄「あっ」

愛宕「…………すっごいベトベトカピカピするし……牡臭い牝臭い」

提督「…………今のでどっと疲れた」

高雄「…………仕方ありませんね…………はぁ」

367: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:52:53.65 ID:nui4IB8OO

< 眠気限界時の謎テンション >





提督「本日二度目の敗北……無念」

愛宕「替えのシーツと取り替えるだけじゃなーい」

提督「そうだけどさ。気分の問題だよ」

高雄「どうせ同じ部屋にあるんだからさっさと替えてください」

提督「……へーい」ゴソゴソ

愛宕「…………それにしても●●たわねぇ」

高雄「……かなりヒリヒリします」

愛宕「んー? どこがぁ? 」ニヤニヤ

高雄「…………なんなのこの妹」

提督「うぃー……どいてどいて。シーツ替えるから」


368: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:55:38.40 ID:nui4IB8OO

< グルグル巻きで >





提督「おらー! ミイラにしてやるわっ」

愛宕「キャーキャー! 」

高雄「…………」

提督「さっさと古いシーツを洗濯籠に入れるのだ」

愛宕「ま、負けないんだからぁ」

高雄「…………」

提督「それならば、ふむ。お前ごと洗濯機に突っ込んでやろう」

愛宕「いやー! 回されるー」

高雄「…………」

提督「回す? ふむ…………●●い」

愛宕「ちょ、ちょーっと今どんなこと考えたのよぉ」

高雄「…………」

高雄(この人たちなんなんでしょう。
……眠いのとか疲れとかどうでもよくなるくらい脱力しそう)


369: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 19:56:55.85 ID:nui4IB8OO

< 布団と一体化したい >





提督「」チ-ン

愛宕「」チ-ン

高雄「……そりゃ、無駄にはしゃいでたらそうなりますよ」

提督「」チ-ン

愛宕「」チ-ン

高雄「ま、とりあえず寝ますか。一応シーツは替えてくれたみたいですし」

提督「…………起きれないかも」

愛宕「…………同じくぅ〜……」

高雄「ご安心を。無理矢理にでも叩き起こしますので」

提督「えぇ……」

高雄「特に愛宕は」

愛宕「」

提督「……朝の仕返しかぁ。高雄ちゃんこわーい」

高雄「あなたもそうしますよ。今決めました」

提督「」

370: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:00:02.99 ID:nui4IB8OO

< 眠たいのに、寝れない >





提督「…………そういえばさ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「ベッドの真ん中にいるとなかなか寝返りうちにくいんだよ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「だからたまに一人で昼寝すると新鮮なんだ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「……もう寝てた? 」

愛宕「…………」

高雄「…………背中を向けてほしくないんですよ」ボソッ

提督「え? 」

高雄「…………」

提督「え? 」

高雄「………………寝ましょうよ。本当眠いんですよ」


371: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:02:07.97 ID:nui4IB8OO

< 祝:開通 >





提督「ふぁ…………北陸新幹線か」

高雄「加賀さんの地元ですね」

愛宕「地元……? 」

高雄「そのようなものでしょう? 」

愛宕「うーん……それなら私たちは京都なのね」

提督「でも愛宕が呉で高雄が横須賀でもいいと思うよ」

高雄「現在の私自身も艦艇の高雄と同じで横須賀出身ですしね」

愛宕「……それだと私は京都と呉工廠と横須賀にルーツがあることに」

提督「まぁ、なんでもいいよ。とりあえずここを家というか実家だと思っとけ」

高雄「ですね」

愛宕「そうね」

372: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:03:24.01 ID:nui4IB8OO

< 唐突にこんな話 >





提督「愛宕は無駄に絶妙な力加減だったな。しかも身体寄せてくるし」

高雄「はぁ」

提督「高雄は相当おっかなびっくりだった。握るのが怖いみたいな」

愛宕「へぇ……」

提督「俺は思ったね。全然違う二人だけどどっちも●●い」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「ち、ちなみにオチはない! 」

愛宕「……ついに開き直ってるし」

373: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:04:52.50 ID:nui4IB8OO

< 耳●めとは違う >





愛宕「あっ、でも私もちょっと」

提督「ん? 」

愛宕「提督って結構耳元で囁いてくるじゃない? 」

高雄「まぁ……そうね」

愛宕「あれってかなりクるのよねぇ。
あぁ、私今耳を●●れてるんだなって」

提督「なんだよそれ……」

愛宕「感覚的にいえば耳から指突っ込まれて脳に直接提督を刻み込むみたいな。
すっごく気持ちいいんだから」

提督「うーん……? 高雄は? 」

高雄「………………わからないので今度試してみてください。私がわかるまで」

愛宕「えぇ……ずっるーい。私も私もぉ」

374: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:06:36.01 ID:nui4IB8OO

< 酷い……言わせるなんて >





提督「……」チラッ

愛宕「……」チラッ

高雄「……なんです」

提督「なにって……なぁ? 」

愛宕「ねぇ? 」

高雄「私はあなたたちよりも恥じらいを持っているので」

提督「そんなぁ。あたごーん、高雄ちゃんがひどーい」

愛宕「そうねぇ。我が姉ながら……よしよし」

提督「……」チラッ

愛宕「……」チラッ

高雄「…………持ち上げられるのが」

提督「うーん? 」

高雄「私は一応自分が重い方だと……大柄な方だと思っていますので」

愛宕「それでそれで? 」

高雄「身体を持ち上げられたり、逆に押さえつけられただけで……その」

愛宕「●れる? 」

高雄「…………」カァァ…


375: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:07:27.19 ID:nui4IB8OO

< まことに小さな国が…… >





提督「これさ。俺かなり好きで原作の方の小説も学生の頃読んだんだよ」

高雄「私もお借りして読みました」

愛宕「私たちが生まれる、というか建造される前の話だものね」

提督「おう。金剛すらまだだ」

高雄「そこで出すなんて彼女に怒られてもおかしくないですよ」

提督「いいんだよ。本人の前でも言ったことあるし」

愛宕「それは別に許容されてるわけじゃないと思うの」

提督「まぁ、顔引きつってたけど」

高雄「当たり前でしょう……」

提督「そうかな? 」

高雄「……はぁ」

愛宕「………………『坂の上の雲』、か。私も読んでみようかしら」


376: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:08:11.93 ID:nui4IB8OO

< 三笠 >





提督「連合艦隊の旗艦がマザーの時代だもんなぁ」

愛宕「その呼び名本気で嫌がってるんだからやめてあげなさいよ」

提督「えっ、マジ? 」

高雄「どう考えてもそうだったでしょう……」

提督「うっそだろおい……フリだと思ってた」

愛宕「まぁ、彼女なんでも許しちゃう人だから……」

高雄「今度機会があったら謝っておくんですよ」

提督「おう。……や、マザーって名前好きなんだけどなぁ」



377: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:09:26.73 ID:nui4IB8OO

< ベッドでは一日しおらしい >





提督「本日は三月十五日です」

愛宕「はーい」

高雄「……三月十五日の誕生石はオレンジムーンストーン。
石言葉は“ 気前 ”、“ 気まぐれ ”、そして“ ナイーブ ”です」

提督「ムーンストーンにオレンジなんてあったのか……」

高雄「まぁ、宝石というよりは感覚的にはパワーストーン側ですし」

愛宕「うーん……ナイーブねぇ」

提督「なんか前にも言ったけど割と図太いのばっかだよな」

高雄「まぁ、一応兵士ですから。それなりに図太くないと」





愛宕「と、言いつつ喧嘩の後には嫌われないか悩む高雄であった」

高雄「うるさいわよ。いいでしょ別に」

378: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:13:21.70 ID:nui4IB8OO

< しじまの向こうへ >





提督「じゃあ次はお花で」

高雄「はい。……誕生花はレースフラワー。花言葉は“ 静寂 ”」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「……ガーデニングではドーム状に整えるのが人気らしいです」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「……別に黙らなくても」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「……肩が凝りました。解してほしいです」ボソッ

提督「よしきた。任せろ」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……ふっ」

提督(は、鼻で笑われた……)

379: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:15:08.83 ID:nui4IB8OO

< 自由がほしい >





提督「で、誕生カクテルはローザロッサ。
カクテルワードは“ 理屈抜きで人付き合いができる自由人 ”」

愛宕「んー……隼鷹とか? 」

高雄「あの人はお酒が条件なような」

愛宕「じゃあ……龍驤? 」

提督「自由ではないな。あいつ割と真面目だったぞ」

愛宕「ならもういっそ足柄とか」

提督「いや……勝利に囚われまくってるだろ……」

高雄「そもそも私たち全員が戦争にも生き方にも囚われてますからね」


380: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:17:03.38 ID:nui4IB8OO

< 脚を組んで長椅子にバスローブで >





愛宕「…………」ペラッ

高雄「……まだ寝ないの? 」

愛宕「……うん。もう少し」

高雄「そう」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」ペラッ

高雄「…………」

愛宕「……あの人は? 」

高雄「あと少しで執務が終わると思う」

愛宕「そう…………」ペラッ

高雄「…………」


381: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:18:50.30 ID:nui4IB8OO

< あなたと私を繋ぐもの >





ガチャ、バタン



提督「ふぃー……終わった終わった」

高雄「お疲れ様です」

提督「ん」

愛宕「…………」ペラッ

提督「ん? あぁ、もう読み始めたのか」

愛宕「……借りてるわよ」

提督「どうぞどうぞ。……明後日の昼前に新兵装が運ばれてくるらしい」

高雄「新兵装、ですか? 」

提督「おう。なんかよくわからない効果だったけどな。
演算力の向上だか思考野の励起だかなんだか」

高雄「ははぁ。こんな場末にも支給されるくらいなので、
大したことのないものなのでしょうか」

提督「さてね。ま、貰えるんだから貰っとけ」


382: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/15(日) 20:31:23.05 ID:nui4IB8OO

< 額に手を置いて、鼻にはあなたの香りを >





愛宕「…………ふぅ」パタン

提督「…………Zzz」

高雄「…………ん……Zzz」ギュッ

愛宕「……ふふ、幸せそうだこと」

提督「…………Zzz」

高雄「…………Zzz」

愛宕(…………今から寝ても背中向けられちゃうじゃない)

提督「…………ぅ……Zzz」

高雄「…………Zzz」

愛宕「……あっ、それなら…………」ゴソゴソ

提督「……………Zzz」

愛宕「…………好きよ」チュ

提督「…………? ……Zzz」

愛宕「………………ふふ」

386: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:24:32.39 ID:jr1CeWQlO

< 唐突なのは苦手 >





提督「ラブちゃんラブちゃん。ちょっと」チョンチョン

愛宕「ら、ラブちゃんって私? 」

提督「おう」

高雄「……私はなに? ハイちゃん? メールちゃん? うーん……? 」

提督「うん? 高雄はあれだ。夫人」

高雄「はい? 」

提督「だから高雄夫人」

高雄「ちょっと意味がわからないんですが」

愛宕「ていうか私に用があるんじゃないのー? 高雄夫人とイチャイチャしないでよ」

高雄「夫人はやめて」

提督「まぁまぁ。夫人はお淑やかにな? 」

高雄「…………」

提督「ん? 夫人怒った? 」

高雄「……いえ、夫人と呼ぶからにはお嫁さんにしてくれるんですね? 」

提督「おう。お前も愛宕も俺は嫁だと思ってるよ」

高雄「えっ」

提督「顔、真っ赤だぞ」

高雄「えっ……えっ……」カァァ…

愛宕「うふっ、旦那様♪ 積極的ぃ」ギュッ

提督「うん。なんでもいいからちょっと着いてきてくれ。」




388: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:26:36.66 ID:jr1CeWQlO

< 彼女の印象 >





高雄「明日、新兵装が届くんですよね? 」

提督「あぁ、その予定だ。気になるか? 」

高雄「うーん……そうですね。新たな装備というよりは既にある能力を増強するタイプのようなので。
どのような方法なのかな、と」

提督「確かにな。薬品タイプとかだろうか」

高雄「あー……それでホルモンバランスとかを操作するような」

提督「それに常用なのか取り外しができるのか。なんにしろ危険はないと思いたいが」

高雄「そうですね。拒否権なんてないのでしょうが……」

提督「あ? それくらい嫌なら俺から拒否してやるよ。
左遷組って言っても数人しかいない提督身分だしな。
人脈だってフルに使ってやる」

高雄「そう、ですか。……ありがとうございます」

提督「礼はいらねぇよ。それに……たぶん大丈夫だろうよ。
開発主任は横須賀の明石だったし。設計から一人でやったらしいぞ」

高雄「横須賀のって……あの? 」

提督「あの」

高雄「…………別の意味で不安になりました」


389: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:27:35.36 ID:jr1CeWQlO

< 無い >





提督「今日も今日とて書類仕事ばかりなわけだが」

愛宕「あ、あのぅ……これやってなきゃだめ? 」

提督「当たり前だ。よかったな、高雄が明日の為に客室を用意しに行って」

愛宕「まさか高雄がいてもさせたの? 」

提督「なにか問題が? 」

愛宕「それはもちろんっ。恥ずかしいじゃない? それにとってもはしたない」

提督「今更なに言ってるんだ。高雄型の色ボケ筆頭」

愛宕「なんだか落ち着かないのよ。あるのとないのじゃ全然違うのっ」

提督「ふーん? まぁ、スカートだと特にそうなのかな」

愛宕「そうかも……これじゃあ脚組んだら見えちゃうっ」

提督「…………普段の●●●●はいいんですか」

愛宕「それはそれ。これはこれ…………うぅっ……」カァァ…

提督(新鮮な反応だな。今度高雄にも理由つけてやらせてみようか……●●●●)


390: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:28:17.63 ID:jr1CeWQlO

< 暑い× 涼しい○ >





高雄「あなたなんでそんなに顔赤いの? 熱でもあるの? 」

愛宕「ちょーっと、ね。暑いだけ? 。大丈夫、大丈夫だから」

高雄「そう? 明日新兵装が届くんだから気をつけなさいよ」

愛宕「ええ、明日は元気になってると思う」

高雄「そう……でも、万が一があるし。私が代わっておきましょうか?
提督には私から言っておくから休んでいても」

愛宕「あの人には絶対言わないで」

高雄「はぁ」

愛宕「揶揄われるだけだもの」

高雄「そんな体調とかを揶揄する人では」

愛宕「いいのっ。本当に……ええ」

高雄「? ……そう。ならいいけど」


391: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:29:21.95 ID:jr1CeWQlO

< パンツスーツなんてどうでしょう >





愛宕「………………慣れたかも」

提督「ほんとか? 」

愛宕「たぶん。よく考えたら一日婦警コスでいたときの方が、
客観的に見てよっぽど恥ずかしいと思うの」

提督「まぁ、そうだな。これは俺しか他に知ってるやついないし」

愛宕「というかあれよね。
この機会にたまにはジーンズとかも穿いてみればよかったわ」

提督「今からは? 」

愛宕「うーん……もうお昼も過ぎちゃったし。今日はもう諦めようかなって」

提督「そっか。……いっそフレアミニとかデニムミニでもいいんだぞ」

愛宕「や、そのときは●●●●なんてしないけど? 」

提督「えぇ……そんなぁ……」

愛宕「当たり前でしょ……●●●なんだからぁ、もうっ♪ 」




393: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:31:31.80 ID:jr1CeWQlO

< あなたのためなら火の中でも >





高雄「三月十六日の誕生石はローズクォーツ。
石言葉は“ 行動力 ”と“ 外向性 ”です」

愛宕「行動力、というと何人も思いつくわね」

提督「んー……俺は大井かな。主に姉妹愛で」

高雄「私は島風で」

愛宕「私は……私? 」

提督「ん? どうして? 」

愛宕「どれだけ行動したかよりもその行動で何をしたかだと思うのよね。
だからここまで提督に着いてきた私もなかなかだと思うの」

提督「なるほど」

高雄「ならば私もですね。…………外向性? 」

提督「あー……なくはないだろ。うん。現在は三人とも引きこもりみたいなもんだけど」


394: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:32:42.04 ID:jr1CeWQlO

< 思いやる理由とは何か >





提督「じゃあ次は花か。その後はそろそろ飯の準備」

高雄「えっ、もうこんな時間? 長々と休み過ぎましたか」

愛宕「いいんじゃない? 珍しく執務は書類が少なかったから」

提督「そういうこと」

高雄「そうですか。それでは……本日の誕生花はスペアミント。花言葉は“ 思いやり ”です」

提督「思いやりかぁ。うーん……」

愛宕「私たちある方じゃない? 」

提督「まぁな。ただ、さ。あるなしって話じゃないような気が」

高雄「人によって基準も違いますしね」

愛宕「でも、それなら私の基準は私よ。
で、私にとって思いやりの基準は提督といるときの私だから」

提督「へぇ……」

高雄「……気持ちはわかりますけど。
それを基準にしたら他の人なんてほとんど思いやりに欠けてることになるじゃない」

愛宕「問題ある? 」

高雄「あぁ……いえ、ないわね、私もそうだし」


395: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:33:32.08 ID:jr1CeWQlO

< 赤ワインベース >





提督「誕生カクテルはオータムリーブス。
枯葉や紅葉って意味の単語だな」

愛宕「綺麗な色ね」

提督「おう。どっかの漫画やジャズスタンダードの曲でも見るかもしれない」

高雄「なるほど」

提督「で、カクテルワードは“ 複雑な問題もシンプルに片付ける ”」

愛宕「まとめ役に必要な能力? 」

提督「つまり俺か」

高雄「まぁ、そうですね」

提督「おっ、認めてくれんの? 」

高雄「はい。あなたに“ 必要な ”能力ですから」

提督「」

396: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/16(月) 22:39:53.75 ID:jr1CeWQlO

< それはちょっと恥ずかしい >





提督「…………で? 一日●●●●で過ごしてみてどうだった? 」

愛宕「思ったより快適だったかも」

提督「そうか。まぁ、全●健康法とかあったし開放感みたいなのはありそうだが」

愛宕「うーん……開放感もそうなんだけど……ふとした拍子に●●っときたりするのがよかったような」

提督「はぁ? 」

愛宕「こう、物を拾うために屈んだときとか」

提督「はぁん……で、なんでそれがいいんだよ」

愛宕「提督が一々視線動かすのが楽しくて」

提督「えっ」

愛宕「ときどき凝視してなかった? 普通に気付いてたし高雄も気付いてたと思うわよ? 」

提督「マジかよ……」

愛宕「ふふ、だからたまにはしてみてもいいかなって、思ったりしてぇ」

提督「ほう」

愛宕「でもいつしてるかはおしえてあげなーい。
ときどき脚を組んでたりしたら覗いてみるといいかもね」

提督「……や、さすがにそんな……いやいやいや」



403: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:24:46.04 ID:YtkB72qKO

<風も大分暖かくなりまして >





提督「あー……大分暖かくなってきたなぁ」

高雄「そうですね。三月も半ばまできましたから」

愛宕「今年は最後の最後で寒波が来て辛かったわねぇ」

提督「そうだな。どうさ降るなら雪もせめて騙し討ちみたいなのはやめてほしい」

高雄「そこは自然の難しいところですね」

愛宕「まぁ、もうさすがに、ね。……もうそろそろ来るかしら」

提督「予定だとあと二、三分だけどな」

高雄「横須賀からの新兵装ですか。私たちが何かを出迎えるのって初めてじゃないです? 」

提督「そうだったか? 」

愛宕「……一番最近のお客様がほら……漂流物だったから」

提督「あぁ…………元気かなぁ、あいつ」

404: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:25:45.67 ID:YtkB72qKO

< そこは軍内でちょちょいと >





提督「お、あれか? 」

高雄「トラック? そんなに大きなものなのでしょうか」

提督「パワードスーツみたいな? ちょっとワクワクしてきた」

愛宕「さすがにそれは……って、どうしたの? 」

提督「……運転席」

高雄「はい? ……あっ」

愛宕「明石じゃない…………滅茶笑顔。運転ってそんなに楽しいものなの? 」

高雄「私たち免許取る機会ありませんからね」

提督「おう。…………なんであいつ乗ってるんだ? ここまで公道走ってるだろ……」

405: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:26:55.70 ID:YtkB72qKO

< 内部はかなり快適に改装されている >





ブロロロロロ……キィ……



明石「提督ー、お久しぶりです! 」

提督「お、おう、久しぶり」

明石「沢山お話したいところですが、
まずはコンテナ内の機材を運び込むの手伝ってください」

提督「はいよ。……まさか、コンテナ一杯には入ってないよな? 」

明石「そんなことないですよー。
それに後ろに二人乗ってるのですぐ終わらせちゃいましょう」

提督「二人、ね。艦娘五人と俺か。なんとかなる、か? 」



ガチャ、ガチャ、バタン



雲龍「…………酔った、気がする」

天城「姉様、大丈夫ですか? 」



高雄(よかった……知らない子だけど一人はツッコミっぽい子がいる。
提督、愛宕、明石は言うに及ばず雲龍も天然型……あの子に期待ね)


406: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:28:15.95 ID:YtkB72qKO

< 四人並ぶと壮観 >





提督「で、挨拶もそこそこに機材を運び込んだわけだが」





愛宕「和服ってどうなの? ここ締め付けられて苦しくない? 」ツンツン

天城「ひゃっ……そ、そうですね。慣れてくると苦しくない着付けもできるようになるので」

雲龍「美味しい……横須賀のものとは違う、美味しさ」モグモグ

高雄「…………それ月餅だから。横浜の月餅なんですけど」





提督「……馴染むのはっや」

明石「どうしました? なぜ、私だけこっちなんです。
まぁ、提督がいるからいいですけど」


407: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:29:05.03 ID:YtkB72qKO

< こんなことがあった >





天城「雲龍型航空母艦、その二番艦、天城です。
お初にお目にかかります、提督」

提督「はいよ。雲龍の……なるほど。似てるね」

雲龍「……特にどこが? 」

提督「それはお前……雰囲気? 」

雲龍「そう……まぁ、なんでもいいけど」

天城「あ、あのっ。姉様は提督たちとお知り合いなんですか? 」

雲龍「ええ。あなたが来る前に横須賀にいたの。愛宕も高雄も」

愛宕「よろしくね。天城ちゃん」

高雄「よろしくお願いします」

明石「はいはいはい! 挨拶も終わりましたね?
とりあえず機材運んでこのトラックも移動させちゃいますよ! 」

提督「そうだな。早く飯食いてぇし」

408: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:29:40.27 ID:YtkB72qKO

< お昼ですよ、皆さん >





天城「わぁ! 手巻き寿司ですか。美味しそうです」

高雄「何人かわからなかったので一人一人自由に食べられるものを選んだんです。
多めにあるので遠慮せず食べてくださいね」

天城「はい! 姉様。お寿司ですよ、お寿司! 」

雲龍「え、ええ。よかったわね……」

愛宕「さ、明石もそんなの放っておいて食べるわよぉ」

明石「や、そんなのってこれ受け渡しについての報告書……。
あぁ、はいはい、わかりましたから引っ張らないでっ」

提督「カオスだな、おい。俺の執務室じゃなくて食堂開けるべきだったか」

409: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:30:57.81 ID:YtkB72qKO

< 匂いにやられた >





雲龍「…………胃が痛い」

提督「あ? お前はまだそれやってんのかよ」

雲龍「これはおいそれと治せるものじゃ……お水」

提督「はい」スッ

雲龍「ありがとう。……はぁ、美味しそう」

提督「……高そうな食べ物に拒否反応出るってなんだよ。食えるか? 缶詰あるぞ」

雲龍「私だけ缶詰って……いじめ? 」

天城「姉様……天城のお料理は食べられるのに……はっ、もしかして」

雲龍「ち、違うから……家庭的なものは食べられるだけだから。
こういう普段は見ないものが……あぁ」

提督「まぁ、ゆっくり食え。すぐそばに明石がいるんだし大丈夫だろ」

雲龍「……そうね」



410: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:32:19.71 ID:YtkB72qKO

< 初めて >





提督「……ふぅ…………食べた食べた」

高雄「このあと執務が……ふぁ」

愛宕「可愛い欠伸ねぇ、高雄」

高雄「くっ……不覚」

提督「可愛いけりゃいいんだよ」

高雄「そうですか…………ふふ」

愛宕「私も、と思ったけど欠伸ってどうやって出すのかしら」

提督「……感染? 」

高雄「私ももう出ないような」



雲龍「……あぁ、相変わらずなのね」

明石「加賀さんの言っていた通りです」





天城「え? え? なんですこの雰囲気。ぽわぽわしてません? ここ一応基地ですよ? はい? 」

411: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:33:13.02 ID:YtkB72qKO

< 説明した。それはもうぼかしまくって >





天城「えっ……じゃあ、なんですか?
お二人とも提督のお手つき? 」

雲龍「そうね」

提督「まぁ、うん……間違ってはないかな」

高雄「間違ってないどころかまだ柔らかめの表現じゃないですか」

天城「これ以上酷い……? 」

愛宕「高雄も同じ穴の狢なのだけどねぇ~ 」

高雄「……」

天城「こんなに真面目そうな高雄さんまで……雲龍姉様は違いますよね? ね? 」

雲龍「……」チラッ

提督「ん? 」チラッ

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……まぁ、今のところは」

412: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:34:06.83 ID:YtkB72qKO

< 便利な言葉 >





提督「あぁ、もう俺の印象が……つーかどうしてこの二人なんだ?
雲龍は兎も角天城と俺たちには面識ないしなぁ」

明石「最初は加賀さんが立候補してたんですよ。
そもそも強化後の動作確認演習で空母の力を使いたいと言ったのは私なんですが」

提督「はーん。で、なんであいつはダメだったんだ? 」

明石「軍機です」

提督「は? 」

明石「だから軍機」

提督「あのさぁ……またそれ? 」

明石「軍機ですから」

413: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:34:44.95 ID:YtkB72qKO

< キャミとジャージでした >





明石「で、この際着任して間もない天城さんの練度上げも並行して行おう、と。
雲龍さんは仲介みたいなものです」

提督「なるほどな。……どうする? 強化ってどんなんだ? パワードスーツか? そうだろ? な? 」

明石「やけにパワードスーツ推しますね……。
や、私もいつかつくってはみたいんですが今回は違います」

提督「そうか………………」

雲龍「なぜそんな見るからに落ち込むの……? 」

高雄「この人ガキですからね。未だにそういったものが好きなんですよ」

雲龍「ふーん……? 」

明石「ま、それは明日のお楽しみですよ。
今日はまずバイタルの検査です。
健康問題はないでしょうが、
他の子に対応するために少しのデータも採っておきたいですから」

提督「それであの機材か。よし、じゃあさっさとやっちゃってくれ。
俺は書類でも相手にしてるよ」

明石「はーい。じゃ、高雄さんと愛宕さんは着替えあるんでこっちに」

提督「……着替え? 」

明石「…………なぜそこに反応するんです」

414: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:36:01.25 ID:YtkB72qKO

< 普段はまとも >





提督「くっ……検査着みたいなやつかと思ったらキャミにジャージだったぜ」

雲龍「当然のようにキャミソールは見たことあるのね」

提督「まぁな。そのせいでキャミに種類が沢山あることも知ってしまった。
キャミソールってんだから下着類だけなのかと思ってたよ」

雲龍「そう……」

天城「さぁ、提督。今日は私と姉様が執務をサポートしますから!
高雄さんたちが帰ってくる前に終わらせちゃいましょう」

提督「ん、そうだな。さて……」

雲龍「……眠い」

天城「ね、姉様? お昼のあとで辛いのはわかりますが、あの」

雲龍「……そうね…………Zzz」

天城「姉様? ちょっと姉様ぁ…、」ユサユサ





提督「…………サポート? 」

415: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:36:42.62 ID:YtkB72qKO

< 揉まれるとやはり……? >





明石「あの人はまったく……普段から見ているんだから今日くらい」

愛宕「違うのよぉ。着ているものが同じでもシチュエーションによって」

明石「は、はぁ」

高雄「まずは何をしましょう? MRIみたいなものまでありますけど」

明石「あぁ、まずは三計測とかですね。
そっから脳波や艤装展開時の心拍などを」

愛宕「てことは……もしかしてスリーサイズとかも測るの? 」

明石「必要ないですけど……測ります? 」

愛宕「そうね。是非」

明石「了解です。高雄さんは? 」

高雄「え、いや私は……わかったから。ええ、私も測るわよ」

愛宕「ふふ……最近ブラがきつくなってきてたのよねぇ」


416: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:37:20.86 ID:YtkB72qKO

< 天国か地獄か >





愛宕「んっ……」バイ-ン

明石「……はい、大丈夫です。身長はよしっと」



高雄「顎を引いて……はい」ギュ-

明石「座高もよし……」



愛宕「きゃあっ……やっぱりおっきくなってるぅ」

明石「あの……次ウエスト」



高雄「…………私もだ」

明石「……よかったんじゃないです? 」





明石「……私が並よりあるくらいでよかった。複雑な気持ちだけど、うん。
どっかの軽空母さんとかなら大破してた。間違いない」

417: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:38:31.71 ID:YtkB72qKO

< 執務は●……遅々として進まず >





提督「雲龍は俺渾身のコーヒーで覚醒させた」

天城「ありがとうこざいます。私までいただいてしまって」

雲龍「…………苦い」

提督「砂糖とミルク入れたからマシになっただろ」

雲龍「それなら最初から入れて」

提督「だってそれだと覚醒しないじゃん」

天城「私普段は緑茶が多いんですが……コーヒーも美味しいですね」

提督「だろ? ここにいる間はいつでも淹れるから。
なんなら横須賀に戻ったら布教してくれ」

雲龍「紅茶党と緑茶党には勝てないような」

提督「いや、いつかは勝てる。そう、コーヒーならばな」

雲龍「何言ってるんだか」

天城「うーん……この苦味がお茶菓子にも合いそうです」


418: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:39:24.09 ID:YtkB72qKO

< 執務中はまとも >





提督「…………」カリカリ

雲龍「…………」カタカタ

天城「…………」カリカリ

提督「…………ん、雲龍」

雲龍「これ? 」

提督「うん、それ。サンキュー」

天城「…………」

提督「…………」カリカリ

雲龍「…………」カタカタ

天城「…………」

提督「…………」カリカリ

雲龍「…………」カタカタ

天城(早い……認識も判断も。ただの変態じゃなかったんですね)

提督「……天城。資料室の3C-17からファイル持ってきて」

天城「は、はい。ただいま! 」



419: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:40:04.05 ID:YtkB72qKO

< 不思議ちゃんも好き >





提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……天城だけどさ」

雲龍「はぁ」

提督「さっき露骨に俺のこと見てたけどなにあれ」

雲龍「……あの子真面目だから。高雄と愛宕が二人ともイかれてるの見て不審がってたんでしょ」

提督「そうか。で、俺が雲龍になにかしないかって? 」

雲龍「たぶん。……してみる? 」

提督「や、遠慮しとく」

雲龍「そう……残念ね」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……真面目な子を堕とすのってワクワクしそうじゃない? 」

雲龍「……クズね。…………否定しないけど」


420: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:41:17.56 ID:YtkB72qKO

< 懊悩しない者など…… >





雲龍「天城もいいと思うけど……私じゃだめなの? 」

提督「そんなことねぇよ。何度その●●と太ももに目を奪われたことか」

雲龍「……嬉しいような嬉しくないような」

提督「実際さ。俺ってクズじゃん」

雲龍「まぁ…………そうね。普通の人間ならば」

提督「おう。まさに問題はそこなんだよ」

雲龍「……? 」

提督「高雄も愛宕も言ってたけど艦娘は人間じゃない。
俺の気持ちは兎も角必ずしも人間として扱ってほしいわけじゃないって」

雲龍「……」

提督「あと、加賀にも似たようなこと言われたな。
……だからさ。俺がいつか踏ん切りをつければたちまち更なるクズになると思うよ」

雲龍「ふーん……私が他のものに気を取られる前にそうなるといいわね」

提督「俺はむしろそれを願ってるよ」

雲龍「…………本当に」

提督「…………ごめんな」

雲龍「いいえ…………会えたことは、嬉しかったから」

421: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:41:55.40 ID:YtkB72qKO

< エセじゃないデース! >





提督「さーて、執務も粗方終わらせたし」

雲龍「終わらせたし? 」

提督「ティータイムデース」

天城「わぁ、そんな時間が? 」

提督「え、あぁ、うん」

雲龍「……金剛? 」

提督「まぁ、今日は珍しいメンツだしな。
茶菓子もコーヒーも俺の担当だ。
一応紅茶も緑茶もあるが俺が淹れても大して美味くない」

雲龍「……コーヒーで」

天城「あっ、私も。先ほどは本当に美味しかったので」

提督「ん、ゆっくり待ってて」



422: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:42:36.35 ID:YtkB72qKO

< 本日は代理が >





提督「コーヒーと茶菓子が行き渡ったところで……本日の誕生石&誕生花のお時間です」

天城「……? 」モグモグ

雲龍「そう……」モグモグ

提督「興味ないんですね……はい」

天城「そういわけでは……」モグモグ

雲龍「これ美味しいわね」モグモグ

提督「あ、そう。よかったね。……まぁ、聞いてってよ」

天城「……」モグモグ

雲龍「……」モグモグ

提督「うーん……本当に聞くだけって態勢。……ていうかよく食べるね君ら。
ちゃんと普段から食べてる? 」


423: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:43:34.81 ID:YtkB72qKO

< エメラルド色の宝石たちと >





提督「……三月十七日の誕生石はエメラルド。
石言葉は“ 穏健 ”、“ 快活 ”、そして“ 協力的 ”、だ」

雲龍「へぇ……それで? 」

提督「や、ここから普段なら会話に持ってくんですが」

天城「……私も姉様も快活って感じじゃないですよね。
穏健というか穏やかな方だとは思いますけど」

雲龍「そうね。協力的かどうかといえば相手によるけど」

天城「提督は割といい人そうなのでちゃんと協力しますよ? 」

提督(割と、か……いいのか悪いのか)


424: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:44:42.24 ID:YtkB72qKO

< 的確に突く能力も >





提督「で、誕生花はルピナス。花言葉は“ 貪欲 ”だ」

雲龍「貪欲……まさにあなたじゃない」

提督「いや、菓子貪り食ってたお前らだろ……」

天城「そんな貪るだなんて」

雲龍「どうせ毎晩貪ってるんでしょう? 」

提督「それがだな雲龍。むしろ子羊が俺で狼二人を相手にしなくちゃならないんだよ」

雲龍「それなら今更何人か増えても変わらない? 」

提督「変わるよ。少なくとも一日何リットルも出るようにはできてない」

雲龍「そこはほら、高速修復で」

提督「高速なのは腰だけだ」

雲龍「ふーん……? 」

天城「…………はぁ……耳から爛れていってる気がします。やはりこちらが本性なのですね……」

425: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:46:02.10 ID:YtkB72qKO

< でもそれを聞いて少し…… >





ガチャ



愛宕「たっだいまー」

提督「ん? あぁ、おかえり。どうだった? 」

愛宕「提督が揉んでたからまーた大きくなってたわよぉ」

雲龍「…………」ジ-

天城「…………」ジ-

提督「あ、あぁそう……俺は体調とか訊いたんだぞ。本当に」

高雄「……これならばおそらく予定通り明日試用できるそうですよ」

提督「そうか。安心安心。……飯の準備でもするか」

高雄「ですね。……執務ももう? 」

提督「おう」

愛宕「明石はしばらくデータをまとめてるから遅れるって」

提督「うん。……さて、久々に本気出すか」

高雄「ちゃんと指示に従ってくださいね。変なもの出せないんですから」

提督「……はい」


426: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:46:50.80 ID:YtkB72qKO

< たまたま二人になって >





高雄「大丈夫でした? あの人ちゃんと仕事できてました? 」

天城「はい。こう言ってはなんですが……考えられないくらい早かったです」

高雄「あれで一応提督の名前は伊達じゃないですからね……」

天城「あの、私も質問いいですか? 」

高雄「ええ、どうぞ」

天城「あの人の……提督のどこがいいんでしょう?
確かにルックスや仕事はできるようですが」

高雄「まぁ、クズで変態ですからね」

天城「じゃあ、どうして」

高雄「うーん……優しいとか愛してくれるとかありきたりなことなら沢山あるんですが。
……そういう言葉じゃ表せない部分ですね。
天城さんも雲龍さんのどこが好きか上手く説明できないでしょう? 」

天城「いえ、私は説明できると思いますけど」

高雄「そうですか。……あぁ、そうですね。
天城さんに一番伝わりやすい言葉なら」

天城「……」

高雄「私も愛宕も同じなんです。提督と一緒にここまで堕ちてしまいましたから。
この泥沼がどれだけ泥濘んでいて毒を放っていても」

天城「……」

高雄「抜け出そうとは思わないほど馴染んでしまって。
あの人無しじゃ生きていけないんですよ」

天城「……私にもわかるときがくるでしょうか? 」

高雄「さぁ? ……ただ……わからない方がきっと幸せですよ」


427: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:47:28.63 ID:YtkB72qKO

< あの人無しじゃ、もう…… >





雲龍「そんなに凄いの? 」

愛宕「は、はい? 」

雲龍「提督のアレ」

愛宕「えーっと……他の人と比べたことないけど……凄いわよ? 」

雲龍「ふーん……痛かったりしない? 」

愛宕「最初はね? でも段々慣れてくるし前戯とかアフターに時間かけてくれるから」

雲龍「そう……」

愛宕「あとあれね。パブロフの犬みたいな」

雲龍「…………調教の成果? 」

愛宕「そうかも。そういう雰囲気になったら勝手に●れやすくなってるし」


428: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:48:24.41 ID:YtkB72qKO

< 味付けには手を出さないで >





提督「…………」トントントントン

明石「好き放題言われてますよ」

提督「…………そうか」トントントントン

明石「そんなに凄いんですか? 私にもメンテさせてくれません? 」

提督「…………●●だろ? 」トントントントン

明石「そうですけど」

提督「……面倒いからやだ」

明石「そんな無茶苦茶な。初めてより●●●がいいってことですか? 」

提督「そこまでは言わないけど……ちょっとよけて」

明石「あぁ、すみません。……何やってるんです? 」

提督「……サラダとか野菜のカット。これしか許可されなかった」

明石「……は? 」


429: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:49:28.37 ID:YtkB72qKO

< 自覚があることが逆に >





提督「大体さ。俺のなにがいいわけ? こう言うとマジモンのクズみたいだけどさ」

明石「ルックスだけでも割と最初は寄ってくるんじゃないです? 」

提督「……その後が続かないだろ。あんまり大きな声じゃ言えないけど加賀とか雲龍もだぜ」

明石「まぁ、その辺はわかりやすい部類ですから。
赤城さんから離れても着いていきたいだなんて普通の理由じゃないですよ」

提督「あいつは……まぁ」

明石「じゃあ、あれです。ルックスで引き寄せて下半身で虜にする」

提督「下世話だなぁ……俺高雄と愛宕以外とは寝てないぞ」

明石「…………」

提督「…………」

明石「……ちょっとマジなことを言うと」

提督「? 」

明石「愛とか好きとかそういうのでしょ。
私はあなたのこと好きですけど理由なんて説明できないですよ。
科学の徒にはあるまじきことですけど」

提督「あぁ…………愛、ね。最低だ」

明石「…………そこで笑い飛ばさない辺りが好きです。……クズな部分でもあるけど」


430: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:50:26.73 ID:YtkB72qKO

< 同列の者同士でしか >





明石「それに他がダメでしょ。軍なんてあなた以外も色んなベクトルのクズの集まりですから」

提督「確かにな」

明石「その中で無茶な作戦を立てない。拒否権を認める。
執務室でお菓子を貰えたり食堂で奢ってくれたりする。
多少変態でも……ね。肉欲が湧かなくても嫌いにはならないでしょ」

提督「なるほど……でも、なんで肉欲」

明石「愛とは肉欲の別表現……なんて言いませんけどね。
恋愛感情ほど悲劇的でもピュアでもなくて、
直線的にあなたが欲しいと想うなら、これは肉欲では? 」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……そんなに欲しい? 」

明石「はい」

提督「…………」

明石「私たち艦娘って図太く見えて実は怖がりなんです。
力尽くで押さえ付けても繋がることはできます。でも、しない」

提督「…………」

明石「あなたや、他の想い人に嫌われては生きていけないからです。
基地や海の上の狭い世界しか知らないから。
だからせめてちいさな箱庭では愛を受けたい」

提督「…………」

明石「くれるなら何番目でもいい。それはそれがいいと思っているんじゃないです。
それでもいいから欲しいと渇望しているから。覚えていてください」

提督「…………あぁ」

明石「…………」

提督「…………ほんと最低だな」

明石「…………私も、ですけどね」


431: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:51:06.88 ID:YtkB72qKO

< やっぱり食事は楽しくなきゃ >





提督「えー、時間が遅くはなりましたが食堂を開放してささやかなパーティとしました。
自分も面倒な挨拶は嫌いなのでこれで終わります。……乾杯」



「「「「「「 乾杯 」」」」」」



天城「こんなに沢山お料理もお酒もいただいて……天城、感無量です」

高雄「一応はホスト側ですからね。
それにホールケーキなんて人がいないとつくる機会もないですから」

雲龍「け、ケーキまであるの? 胃、持つかしら……」

愛宕「大丈夫でしょ。お昼も凌いだんだし。
大分治ってきてるのよ」

明石「その体質もいつか研究してみたいですね。なにかの役に立つかもしれませんし」

高雄「なんの役に立つんです……」

愛宕「人々の食生活を変える? 」

天城「民衆には質素な生活に不満を抱かせない……自分たちは気兼ねなく食べる……」

雲龍「ディストピア……? あなた我が妹ながら怖いこと言うわね……」

明石「提督ー。世界でも取りにいきますかー? 」

提督「いや、いかねぇよ。とりあえず飯でも食ってろ。
雲龍と天城は酒も飲め。普段はカクテルとかウイスキーには縁ないだろ?
あと、愛宕はドサクサに俺の腕を抱くな。
高雄は止めろ。笑ってる場合じゃねぇ。それお前の仕事だろうが。あとはえーと……ーー」


432: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:51:56.50 ID:YtkB72qKO

< 着替えるのが面倒だった >





提督「酒も程よく回ったところで……本日の誕生カクテルのお時間です」

明石「イェーイ! 」

高雄「い、いぇーい」

愛宕「ぱんぱかぱーんっ! 」

提督「ありがとう。……んん、三月十七日の誕生カクテルはビトウィーンザシーツ。
カクテルワードは“ 氷の結晶ように繊細な心の持ち主 ”」

天城「カクテルって初めてなのですけど……食堂の木製テーブルにちいさなカクテルグラスって……」

雲龍「……味がよければ」

提督「内容はブランデーとコアントロー……コアントローはロックでもなかなかいけるな。
あんまり聞かないかもしれないが薬用として胃によかったりする。
レストランなどでは食後酒としても」

愛宕「話がなっがーい! 早く出してよー」

明石「おっそーい」

提督「……の二つにホワイト・ラムをカクテルして、レモンジュースを一匙だ。
……今からカクテルするから見てろよ」

高雄「……失敗して軍服汚さないでくださいね。洗濯面倒なんですから」

雲龍「…………夫婦どころか母親じゃない」

433: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:52:46.97 ID:YtkB72qKO

< カクテルなのにストレート >





愛宕「ん、結構甘いのね」

提督「あぁ。コアントローはオレンジのリキュールだからな。
他はそれを抑えるのと酸味用だ」

高雄「……このカクテルって意味が……」

明石「ふふ……ベッドに入って、ですか」

愛宕「全員相手にしちゃう? ふふっ」

提督「や、あの」

天城「私と姉様は遠慮しておきます」

雲龍「え、私もなの……」

明石「サラッと私は狼に捧げられてますけど」

高雄「あなたはむしろ少ない方が喜ぶんじゃあ」





提督「いや、酷い酔い方とか絡み酒するよりマシだけどさ。
俺滅茶苦茶居心地悪いんだけど」


434: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:53:39.51 ID:YtkB72qKO

< 有名なだけあった。マジで >





天城「あのれすねぇ…………姉様はあんなにお綺麗なのひ……。
あなたみひゃいなぁっ……あなたみたいな人にはっ……ぅぅっ……」

提督「はぁ」

天城「私は別にですね……どっかの軽巡や重巡みたいに●●じゃないれふ。
でも姉様の相手がこんな人非人だなんてっ……認められないですぅ」

提督「……人非人って」

天城「…………くぅっ、姉様がいい人だって言うからぁ……っ」

提督「…………」

天城「…………バーテンダー、おかわり」

提督「……バーテンダーに喧嘩売る客とかねーよ」

天城「早くぅ……」ダンダン

提督「……何がいい? 」

天城「獺祭」

提督「……ちょっと待ってて。さっき一本空けちゃったから」

提督(これ三ヶ月待ちであと二本しかないんだけど……恨むぞ雲龍)


435: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:54:45.85 ID:YtkB72qKO

< それを遠巻きにして >





明石「なんかやたら哀愁漂わせて出ていきましたけどどうしたんですかね」

高雄「あぁ……天城さんが頼んだ日本酒ね。ストックが少なくて」

明石「はぁ。そんなの補充すればいいんじゃ」

愛宕「それがねぇ」チラッ

雲龍「ん、そうね。認めるのは癪だけれど」

明石「? 」

愛宕「酒飲みは急に飲みたくなって仕方なくなったりするものなのよ。
それに天城だって価値がわかるからあれだけ飲んでるんだし」

高雄「あれ、見た目ほど酔ってませんよ。絶対酔ったフリして八つ当たりしてるだけです」

明石「ははぁ……あの人そんな風には見えませんが」

雲龍「女ってそういうものよ。…………もちろんあなたも」

436: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:55:47.01 ID:YtkB72qKO

< 朝ドラ的なチョイス >





高雄「あの子手酌で飲んでる……あれは、ボトル……うーん21年かしら」

雲龍「……今まで日本酒と麦くらいしか飲んだことないはずなんだけど」

愛宕「あははは……お酒の味広がっちゃったわね、あれは」

雲龍「頭が痛い。二日酔いとかじゃなくて」

明石「私既に死にそうなんですけど……よく皆そんなに飲めますね。これでもかなり調子よかったのに」

愛宕「んー……これは体質だものねぇ。でも、艤装の力展開させればよくない? 」

明石「や、疲れますし。……それに無粋ですから」

雲龍「そうね。あなたは正しいわ」

高雄「さて……それなら口元が寂しいでしょうしおつまみでも持ってきますか」

明石「ありがとうございまーす」

雲龍「あっ、それなら場所をおしえて? お手洗いついでに行くから」


437: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:56:41.68 ID:YtkB72qKO

< いっそ二人で月でも見に行こうか >





提督「うーん……どこやったかな」

雲龍「…………どうしたの? 」

提督「おうっ? あぁ、雲龍か。びっくりした」

雲龍「ここでおつまみ貰えるからって」

提督「あぁ、それならそこの棚とそっちのケースかな」

雲龍「ありがとう」

提督「…………ここじゃないのか」ゴソゴソ

雲龍「…………」

提督「…………」ゴソゴソ

雲龍「…………」

提督「…………」バタン

雲龍「…………ねぇ」

提督「別の棚か…………うん? 」

雲龍「…………私、酔ったかも。いえ、酔っている」

提督「…………部屋に案内しようか? 」

雲龍「……まさか、部屋の前でさようなら、なんてことはないわよね? 」

提督「さぁ? …………本当に行くか? 」

雲龍「………………ええ、案内して」


438: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/17(火) 22:57:35.97 ID:YtkB72qKO

< 明日になれば >





高雄「これは…………途中で寝落ち? 」

愛宕「雲龍にそれは……でも、そうかもね」チラッ




天城「…………Zzz……姉様ぁ…………」

明石「…………Zzz……ふふ…………手を……アームに……」





愛宕「そういえば提督も帰ってこないけど」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………まさかね」

446: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:35:29.66 ID:Cx64XY4RO

< 今夜月の見える丘で ♪ >





雲龍「…………単車なんて初めてだった」

提督「そうか。どうだった? 」

雲龍「正直に言うとあまり好きじゃない」

提督「……そうか」

雲龍「でも……あなたの後ろにつかまっていられるなんて……これくらいよね」

提督「……そうだな」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………月が、いや……星が綺麗だな」

雲龍「…………ええ、本当に」


447: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:36:37.77 ID:Cx64XY4RO

< 傷を●めて重ね合ったその痛みも ♪ >





雲龍「少し、寒い」

提督「……ん」バサッ

雲龍「ありがとう。……あなたの匂いがする」

提督「それ大丈夫かよ。臭くないか」

雲龍「そんなわけ……いえ、相当なものね」

提督「え? 本当? 割と冗談だったんだけど。
普段ジャケットなんて着ないしなぁ。匂いなんて殆どないと」

雲龍「…………他の女の匂いがする」

提督「……なるほど」

雲龍「……あなたが抱き締めてくれない? まだ、今日は他の女の匂い、付いてないでしょう? 」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………ん」ギュッ

雲龍「ぁ……」ギュッ

提督「……………………ごめんな」

448: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:38:02.12 ID:Cx64XY4RO

< あなたを想う私を想って >





雲龍「…………あなたはこんなに近くにいるのに」

提督「……近いか遠いかなんて個人の主観だろ」

雲龍「そうね。だからこれは私の主観。世界で私だけが持つ感情」

提督「…………」

雲龍「でも、私自身を受け取ってくれる人がいるなら。その人のモノにもなると思う」

提督「…………所有しても中身がわからないんじゃあな」

雲龍「わかってるくせに。……所有していない今でも」

提督「…………わかんねぇよ。わかってたらこんなとこ来てない」

雲龍「……あなたがわかっていないのは自分の感情の先でしょう?
私の気持ちを理解しているからこそこんなところに逃げて来たのだから」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………厳しいね」

雲龍「…………厳しいと感じるってことは、と返してあげる」


449: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:38:42.10 ID:Cx64XY4RO

< ここではあなたと私だけだから >





提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………帰るか」

雲龍「…………そうね」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………離してくれないか。歩けない」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………イヤ」ギュッ

提督「…………仕方ない、な」

450: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:40:20.57 ID:Cx64XY4RO

< 深夜というよりも既に >





愛宕「あぁぁぁっ……! 」

高雄「なんです、うるさぁぁぁっ……! 」

提督「………………うるさいぞ夜中に。頭に響く」

愛宕「どこほっつき歩いてたのよ! こっちは天城と明石が酔いつぶれてそれを介抱して、
それからあなたと雲龍を探すに探せなくて……もうっ」

提督「……すまない」

高雄「……まぁ、ちゃんと何事もなく帰ってきたんですから。それでいいじゃない」

愛宕「何事もなく? 私たちほったらかして消えて、
他の女抱き上げて帰ってきたのが何事もない? 」

雲龍「……ん…………ぁ……Zzz」

提督「……起きちゃうから。静かに」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………あた」

愛宕「私もう寝るからっ」クルッ

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………明日謝るんですよ」

提督「…………あぁ」





雲龍「んぅ…………ふふ…………Zzz」

451: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:41:54.49 ID:Cx64XY4RO

< 起きたのは昼過ぎでした >





提督「…………あぁ、そう」

明石「すみません。……羽目を外しすぎまして」

提督「いや、問題な」

愛宕「この人ほどじゃないからいいわよ。
どうせ期間は決まってないんでしょ? なら明日でも明後日でもいいのよ」

明石「はぁ。それでも、です。申し訳ありません」

提督「…………」チラッ

愛宕「なに? 」

提督「い、いや………、あー、兎に角だな。
愛宕の言った通り新兵装の試用実験は明日の朝を予定に変更。これでいいな? 」

明石「はい。了解です」

提督「じゃあ、また寝てこい。明日は体調を万全にしてくるんだぞ」

452: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:43:43.72 ID:Cx64XY4RO

< 事情を知らない人 >





明石「……あの」

高雄「はい、なんでしょう」

明石「提督と愛宕さんどうしたんですか? なんかやたら険悪ですけど」

高雄「あははは…………や、昨日あなたが潰れた後に、
提督ってば雲龍さん連れて二人で出かけまして」

明石「ははぁ」

高雄「しかも私と愛宕すら乗せてもらったことのない単車で二人乗りだったのが暴露て……」

明石「あー……それはもうあれですね。ギルティ」

高雄「はい。なのであんな感じで一方がビクビクして、
もう片方がそれに満足するまではあのままです」

明石「……明日まで続くでしょうか? 」

高雄「わかりません」

明石「それは……ちょっと困るかもしれませんね」

高雄「ただなんとなくですが愛宕もそこまで怒った様子ではないので。
おそらく今夜単車か別の排気音が聞こえたら明日は大丈夫です」

明石「なるほど。……じゃないとアレに支障が」ボソッ

高雄「はい? 」

明石「いえ…………じゃあ私は寝てきます。作業をこれ以上遅らせるわけにもいかないので」


453: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:45:07.00 ID:Cx64XY4RO

< 事情を知っている人 >





天城「あのですね、姉様」

雲龍「…………はぁ」

天城「姉様があの男と二人きりで出かけたのも問題です。……ですが! 」ダンッ

雲龍「……」ピクッ

天城「そもそも彼には一応心に決めた方がいるでしょう?
それを知りながら関係を持とうとするなんて……。
姉様は道義というものを知らないんですか? 」

雲龍「知ってるけど」

天城「そ・れ・な・らっ。姉様がとるべき行動、わかりますよね? 」

雲龍「さぁ? 」

天城「姉様! 」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……ねぇ、天城」

天城「……なんですか? 」

雲龍「……私にも譲れないものがあるの。たとえそれが人の道に外れているとしても」

天城「…………」

雲龍「既に人ならぬ身だからとは言わないけれど。……落ち始めたらもう這い上がることはできないのよ」

天城「…………姉様」

雲龍「……それにこれは私の問題だから。あなたには……ただの妹である天城には関係ない」

天城「ッ……! 」

雲龍「ごめんなさい。…………でも、そういうことだから」



454: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:46:53.93 ID:Cx64XY4RO

< 意味深な眼差し >





愛宕「はい、では本日の誕生石&誕生花&カクテルのお知らせです」

天城「はぁ……あの、私たち昨日しか聞いてませんけど、
こんなに素早く終わらせるものなんですか? 」

高雄「……今日は特別です。提督が夜まで私たちの補助無し休憩無しのお仕事なので」

提督「……」コクコク

愛宕「そういうこと」

高雄「はい。……と、いうことで。三月十八日の誕生石はエピドート。石言葉は“ 責任感 ”」

愛宕「へぇ……」チラッ

提督「…………」

高雄「誕生花はハナミズキ。花言葉は“ 夢中 ”と“ 幸福 ”」

愛宕「…………」

提督「…………」

高雄「提督の代わりですが……誕生カクテルはアレキサンダー。
カクテルワードは“ 前を行く冒険者 ”」

愛宕「冒険ねぇ……ふーん……」

提督「…………」

高雄「…………はぁ」





天城「…………なんですかこの雰囲気。…………まぁ、いい気味ですけど」


455: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/18(水) 23:48:00.57 ID:Cx64XY4RO

< 待つことも幸せ >





提督「…………いいのか? 」

高雄「ええ。今夜は愛宕を連れて行ってあげてください」

提督「……俺が言うのもなんだがお前も来たいんじゃないのか」

高雄「そうですね。……前にも言いましたが私はあなたと愛宕を同じくらい想っているので」

提督「…………そうか」

高雄「…………でも、いつか連れていってくださいね」

提督「あぁ、約束する」

高雄「はい。さ、今夜はあの子だけの王子様ですから。迎えに行ってあげてください」

提督「……じゃあ、行ってくる」

高雄「いってらっしゃい…………佳い夜を」


458: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:21:20.83 ID:JVBWBj87O

< 光る金糸がよく映える >





提督「…………よくそんなの持ってたな」

愛宕「悪い? 」

提督「いや、悪かないけど」

愛宕「そう」

提督「……似合ってるよ」

愛宕「ありがと」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………あなたの単車見たときからずっと期待してたんだから」

提督「あぁ……ごめん」

愛宕「いいけど。……うーんと飛ばしてよね。苛々とか振り切れるくらい」

提督「法定そ……まぁ、わかったよ」

愛宕「さ、出発出発」

提督「はいよ。手、腰に回してくれ」

提督(ライダースーツがここまで似合うってのもすげぇな。
あのファスナー今度触らせてもらおう)

459: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:23:36.84 ID:JVBWBj87O

< 二人だけの展望台 >





愛宕「海の見えない場所って始めてかも」

提督「まぁ、山奥だしな」

愛宕「……よくこんな場所知ってたわね」

提督「いや? なんとなく走らせて偶然着いただけだよ」

愛宕「よくそれでこんないい眺めの場所に……それ、今日よね? 」

提督「ん? ……あぁ、お前と来たのが初めてだ」

愛宕「そう……よかった」

提督「…………ごめんな。軽率だった」

愛宕「…………それはもういいの。一日一人で執務こなしてもらってそれでチャラ」

提督「…………」

愛宕「ただ……私と高雄もまだだったのに雲龍を単車に乗せたのはねぇ」

提督「……それも含めて、な。軽率、というか周りが見えてなかった」

愛宕「本当に、ええ。周りが見えていなくてもいいから、
私だけ見ていてくれればそれでよかったのに」

提督「…………今は」

愛宕「…………」

提督「今はお前しか見えねぇよ」

愛宕「当たり前じゃない。そうじゃなかったら許さないわよ」

460: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:25:12.18 ID:JVBWBj87O

< 伝えたいことがまとまらない >





愛宕「……加賀さんが来たときには受け入れられると思っていたのに」

提督「うん? 」

愛宕「ダメね。私、兵士としての矜恃も兵器としての意識も失ってきてる」

提督「…………悪いことじゃないだろ」

愛宕「んーん、悪いことなのよ。私にとっては。
どんどん人間らしくなるってことは素晴らしいことに聞こえるけど」

提督「…………」

愛宕「人間を馬鹿にするわけじゃないわよ?
ただ……私は提督が好きになった私でいたいから」

提督「俺はお前が仮に人間で……たとえば同級生だったり同僚だったりしても好きになったはずだぞ」

愛宕「ありがと。……でもね。私これでも艦娘としての自分が誇りだから」

提督「…………」

愛宕「……狭い世界であなたが皆の希望なら。
私はそれを独り占めしちゃいけないって思ってたのに。
思って、たのに…………私は」

提督「…………それが、普通なんだよ」ギュッ

愛宕「私、あなたの特別でいたいから……だから……普通、なんて」ギュッ

提督「……………………胸、貸すよ」


461: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:27:57.88 ID:JVBWBj87O

< 月が、星が、夜空が >





艶やかな金糸の大河が不規則にゆらりゆらりと揺れ動く。

大泣きという程大袈裟でもなく、ただ単に涙を零すという程簡単でもない。

複雑で自分さえ何に涙を流すのか完全にはわからない彼女。

悲しいから泣くのではない。

痛むから泣くのではない。

さりとて嬉し泣きでは決してない。

行き場の無い感情が溢れ出て身体を軽くするためのそれは自浄だった。

嗚咽を堪え、涙を彼の服の布地に染み込ませながら何かがゆっくりと溶けてゆく。

肩を抱き胸板に押し付けるように彼女を抱き寄せた彼も、また。

黒光りする特異なスーツは撫でるにはやや不向きで、
自然と肩に回したのと逆の手は嗚咽で揺れる髪の束の始まりからその下へ。



「…………あったかいな」

「ふふ…………生きて、いるから」



人間ではない。人間ではありたくないと漏らした彼女。

それでも生きていることは確かだから。

涙を流し身体を苦悩で震わせ深く懊悩する。

彼女は彼女として。

彼も彼女を彼女として。

人間ではないなにか別のモノを定義するには決定的になにかかが足りないけれど。

彼と彼女と。

その他に何人かを知っておきたいだけならば。

今は。今だけはそれでいい。



「……………………月が綺麗だな」

「……………………ええ、本当に」



462: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:29:29.64 ID:JVBWBj87O

< どれだけ辛くても愛は >





提督「…………満足した? 」

愛宕「ぜーんぜん」

提督「それは困った」

愛宕「これからは今までよりも一層私を楽しませてよね」

提督「おう、努力する」

愛宕「あー……でもね」

提督「なんだ」

愛宕「…………もし、加賀さんや雲龍や……誰か別の人に求められたときに。
少なくとも私に気兼ねする必要はないから」

提督「…………」

愛宕「提督自身とか高雄のことは知らないけど。
……私はあなたが好き。でも皆の希望でいてほしいから」

提督「…………」

愛宕「狭くて息苦しくて戦場で気を張って。
そんな特殊な環境にいる私たちだから。
同じ世界にいるあなたを求めるのは仕方ないと思う」

提督「…………そうか」

愛宕「うん。最後に私のところへ帰ってきてくれるなら。
それならあくまであなたを貸すくらいなら。許さないといけない気がして」

提督「…………まったく。なんでお前はお前なんだろうな」

愛宕「それは…………提督が提督だからでしょう? 」

提督「はっ……違いない」


463: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:31:05.49 ID:JVBWBj87O

< 愛LOVEユー >





提督「それにしても……月が綺麗だなぁ」

愛宕「ふふ……そうね」

提督「満月とか三日月でもないんだが。
やっぱあの独特の光り方がいいのかな」

愛宕「……月の光は太陽の光」

提督「あぁ、聞いたことあるよ」

愛宕「まるで、そう……私たちみたいに」

提督「俺が……いや、どっちでもいいか」

愛宕「ええ、どうせ意見合わないでしょ」

提督「…………帰るか」

愛宕「そうね、高雄が待っているもの」



464: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:32:43.36 ID:JVBWBj87O

< 一方で >





雲龍「ん……よく待てるわね」

高雄「あなたが付き合ってくれますから。こんなにいい酌婦もなかなか」

雲龍「酌婦って……まぁ、私から見ればあなたが、だけど」

高雄「……待つ、ということに楽しみを覚える者もいるんですよ。
私はこのなんとも言えない焦燥感みたいなのが好きです」

雲龍「……趣味悪い」

高雄「今更なにを」

雲龍「…………私は割とまともな部類だと思うけど」

高雄「はっ……つまらない冗談ですね」

雲龍「本気なのに……」

雲龍(待つのが好きってより私相手に喋り続けて発散してるだけじゃない。面倒な酔い方してるし……)


465: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:34:02.59 ID:JVBWBj87O

< さらに他方で >





天城「大丈夫ですか? 」

明石「はい、さすがに一日寝て過ごせば」

天城「そうですか。次回から飲むときは抑えるんですよ? 」

明石「そうします。ザルとかワクと飲むのがこんなに辛いとは」

天城「むっ……並だと思っているのですが」

明石「いやいやいや……さすがにそれはないです」

天城「はぁ……」

明石「……もう、寝ますね。色々ありがとう。
お水持ってきてくれたりとても助かりました」

天城「いえ、普段から助けていただいてますから。
……明日……あぁ、もう今日ですか。よろしくお願いしますね」


466: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:35:28.87 ID:JVBWBj87O

< あれから暫く >





天城「姉さ」

雲龍「天城っ……ちょっと助けて」

天城「はい? 」

高雄「大体ですね……愛宕はズルいんですよ。
いつもいつも積極的にいくのにときどきしおらしくなったり泣いてみたり。
私だって、私だって……」

天城「」

雲龍「さっきまでは普通に飲んでたんだけど……」

高雄「なんなんですかもう……私がお姉ちゃんなのにぃ」

天城「……この基地大丈夫なんですかね。
責任者と補佐一人は抜け出してもう一人は飲んだくれって」

雲龍「…………私たちがいるから、まぁ」

天城(姉様もかなり酔ってると思いますけどね。明石さんは寝たし。
……もしかしてまともに動けそうなのって私だけですか? )

467: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:36:31.20 ID:JVBWBj87O

< 帰ってきた >





提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………ぅん…………Zzz」

提督「…………なにがあった? 」

愛宕「天城は着替えさせて寝させたって言ってたけど」

高雄「…………Zzz」

提督「…………滅茶苦茶はだけてるしさぁ……なんで一升瓶抱えてんの」

愛宕「さぁ? 」

高雄「…………しゃけぇ…………Zzz」

提督「鮭? 酒? ……とりあえず服直してやれよ」

愛宕「そうね。瓶で殴られないといいけど」

提督「いや、さすがに……」



468: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:38:17.31 ID:JVBWBj87O

< 過保護 >





提督「あれ……鼻血出てる」

愛宕「大丈夫? 」

提督「まぁ、詰め物しとけば大丈夫だろ」

高雄「これ、コットンです」

提督「ありがとう。……うーん、疲れてたかな」

愛宕「二日連続で朝帰りだったものねぇ」

提督「そんな負担にはなってないと思うんだが」

高雄「……なら、今夜も行きますか? 」

提督「いいよ」

高雄「や、行きませんけどね。しっかり休んでくださいよ」

提督「……そう? 」

愛宕「お酒も今日は控えてね? 」

提督「えぇ……」

高雄「当然です。なに考えてるんですか」


469: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:39:54.25 ID:JVBWBj87O

< 嬉々として語る >





明石「工作艦明石、今日は大丈夫です」

提督「おう。じゃあ説明頼む」

明石「了解です! ……と、言っても大した説明というほどの説明なんてないんですけどね」

提督「そうなのか。うーん……じゃあその新兵装の具体的な効果はなんなんだ? 」

明石「効果はですね現行の艤装能力と能力発現時の身体能力を強化・向上させることです」

提督「なるほどな。だから強化パーツみたいなこと書いてたのか」

明石「はい。まぁ、理論的には思考野を強制励起させて演算能力を拡大させるものなんですが……」

提督「聞いてもわからないし興味ないな」

明石「でしょうね……ただですね。
内容は兎も角これを行うエネルギーには興味が湧くと思います」

提督「はーん? 」

明石「なんとですね……資源や開発費の乏しいこの国の限界を越えるための画期的な」

提督「ほーん」

明石「…………少しくらい語らせてくださいよ。いじけますよ」



470: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:43:05.41 ID:JVBWBj87O

< いいから聞け >





明石「まぁ、仕方ありませんね……簡単に言うとある種の想いをエネルギーにするわけです」

提督「は? 」

明石「人間も艦娘も誰しもが意識や想いの指向性を持ってますからね。
そのベクトルの向きと元を動かせば半永久機関として成り立つわけです」

提督「いや、ちょっと待て。今度は説明が雑すぎる。
まるで意味がわからんぞ」

明石「はぁ……や、じゃあレクチャー用にまとめた箇条書きがあるのでそれ見てください。
それでわからなければ最初から理論立てて説明するので」

提督(まるでわからなければいいみたいな顔してやがる……。
誰かちゃんと聞いてやれよ。俺は嫌だけど)


471: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:55:25.48 ID:JVBWBj87O

< 明石さんの簡単解説 >





弌、新兵装は正式採用までケッコンカッコカリと称する

弐、この兵装は強い想いの執着を互いに持つ者同志が、
相互に装備することで効力を発揮する

・、ただしあくまでもこの強化は、
意識のベクトルをエネルギーとするため強い想いがなくては効力を発揮しない

肆、なお兵装の形は想いを確実にしダイレクトに意志を向けることができるように、
指環の形にするものとする




提督「わっかりやすっ。最初からこう言えよ! さっきまでの前フリいらねぇよっ。
つーか、なんだこの名前! 」



472: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 22:57:25.02 ID:JVBWBj87O

< ロード・オブ・ザ・指環 >





提督「で、まぁなんだ。その指環を嵌めれば燃費が向上して、
さらには一発の威力も上がるって? 」

明石「はい! まさにこの国の実情に即した発明ですね」

愛宕「……指環、ね」

高雄「……私たちの指に合うんでしょうか」

提督「そこかよ問題は……あ、ちょっと待て。
これって一応は婚約指環みたいなものだろ?
本式の結婚指環じゃないとしても複数と契約、というか使えるわけ? 」

明石「理論的には。まぁ、本来は一対一が理想であって複数の艦娘と契約して、
万が一依怙贔屓による破局や心変わりがあった場合は割と悲惨なんですが」

提督「ひえー」

愛宕「ま、私たちの仲が認められたってことでしょ?
私と高雄は今のところお互いを認め合ってるし」

高雄「三人で指環を交換する、というのも悪くありません」

明石「と、いうことです。完全な机上の空論ですが、
もし仮に十字架の御子がいたなさとして、
その忠実な信徒たちにこれを配ったならば」

提督「全ての指環が効力を発揮すると。……慈愛と平等ね」

明石「そういうことです。式を挙げるってわけにはいきませんけどね」


473: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:00:13.93 ID:JVBWBj87O

< 年にイニシャルに愛の言葉 >





明石「ちなみに現物はこれです」

提督「……ほう」

高雄「ちゃんと箱に一つずつ入ってるんですね」

愛宕「これ嵌めればいいの? 」

明石「はい。ただ、一度嵌めれば自動でチューニングされるので、
首に掛けるなりポケットに入れるなりしても大丈夫です」

高雄「これって使い回しとかはできたり? 」

明石「うーん……さすがに難しいと思いますよ。
指環自体はただの指向性操作装置ですから不可能ではないでしょうけど。
高雄さんも他の女性が提督に嵌めてもらった指環を自分のものにはしたくないしできないでしょう? 」

高雄「そう、ですね」

明石「大事なのは提督と高雄さんの結びつきとそれへの意志のベクトルです。
それをエネルギーに変換するわけですから、
指環にもある程度執着していただかないと困ります」

愛宕「うーん……プラチナはいいんだけど……どうせならこの人に選んでもらいたかったのは確かねぇ」

明石「それはいずれ本物を貰ってくださいよ。
これは婚約だと思って次は結婚指環を」

提督「…………そうだな。それがいい」


474: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:03:14.48 ID:JVBWBj87O

< 節操くらいある >





提督「……ちょっと出てくれないか」

明石「はぁ」

提督「その……これを嵌めるだけだろ?
それなら俺だけでもできるし」

明石「そうですけど」

提督「色々言いたいこととかもあるしな。
雲龍と天城が艤装の整備してるはずだから。
見に行ってやってくれないか」

明石「……わかりました。遅れないでくださいね? 」

提督「なんでだよ」

明石「ほら、感情が昂ぶって燃え上がったり? 」

提督「ねぇよ。ほら、さっさと行け」


475: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:04:29.71 ID:JVBWBj87O

< こもっているのは力だけだから >





バタン



提督「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「……それだけどさ。ずっと嵌めていたい? 」

高雄「はぁ」

愛宕「どういうこと? 」

提督「提案なんだけど、その指環今嵌めたら首に掛けておかないか。
確かそれに使えるチェーンは持ってるから」

高雄「なぜそんなものが……というのは置いておいて理由を訊いても? 」

提督「……俺が自分で選びたいから」

愛宕「ん? 」

提督「二人には……別の機会に三人で選んだ指環を渡したいんだ。
明石には悪いがそれには仮初めの想いしか宿ってないと思う」

高雄「なるほど」

提督「もし嵌めていたいなら止めないが……できれば俺の見えるところではやめてほしい」

愛宕「わかった。私はいいわよ? むしろそうしてほしいくらい」

高雄「そういうことなら。私も愛宕と同じ意見です」

提督「そうか。……ありがとう」


476: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:08:47.54 ID:JVBWBj87O

< 光差す窓の下で >





提督『…………今までも、そしてこれからも……俺と共にあってほしい』

愛宕『ええ、私こそ』

高雄『死が私たちを別つことの無きように、尽力しましょう』





………

……………



提督「…………写真なんていつ振りかな」

愛宕「さぁ? でも三人だけで撮るのは初めてのはず」

高雄「これからは何度も撮れるといいですね」

提督「あぁ……ほら、もっと寄って」

愛宕「はーい」ギュッ

高雄「では……」ギュッ

提督「タイマーくるぞーー」





提督(殺風景な部屋にそこだけ輝いて見えるような。
そんな存在があってもいいんだと。
そう思えるようなこの幸せがいつまでも続きますように)


477: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:10:40.34 ID:JVBWBj87O

< 科学の発展に〜(中略)〜デース >





提督「よっ、待たせたな」

明石「もういいんですか? そんなに待ってませんけど」

提督「おう。今更長々とお喋りして誓い合う仲じゃねぇから」

明石「おおう……ご馳走様です」

雲龍「……私たちも準備できてるけど。始める? 」

天城「まさか観測機ばかりの出撃とは……これが左遷? 」

明石「この後には攻撃機の出番もありますよ。
とりあえずはお二人の単純な能力の伸長を計測します」

提督「高雄と愛宕は海上へ。雲龍と天城は湾から観測機の操縦。
で、俺と明石は隣でモニタ観測か」

明石「ふっふっふ……我が最高傑作の運用第一号ですよぉ……! 」

提督「おい、人格変わってるぞ。直せ直せ」

478: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:15:13.54 ID:JVBWBj87O

< 強さは誰がため >





明石『えー、じゃあまずは砲塔などの艤装を最大展開してください』

愛宕『いいの? 最大限に出しても完全な操作はできないけど』

明石『はい。まずはどれだけ展開数を増やせているかを計測。
その後徐々に展開を減らして基準値を満たした操作を何基からできるかを確認します』

高雄『なるほど……では』





………

……………



愛宕「うーん……なにか変わったようには思えないけど」

高雄「展開数は増えたし砲弾の初速は速くなってたじゃない。
疲労度に比べて今までより火力が上がったということでしょう」

明石「そういうことです。むしろ理論値より大幅に能力の向上が見られましたけどね」

愛宕「と、いうことは……私たちの結びつきが」

高雄「強かったということでしょう。……なかなか嬉しいものですね」

愛宕「本来は想いの程度なんて形や数字には現れないものね。
これは艦娘である特権かしら? 」

明石「…………惚気はあっちでお願いします。はい」


479: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:18:01.71 ID:JVBWBj87O

< 花自体は綺麗 >





提督「本日の誕生花だが」

明石「はぁ……今、四人の模擬戦闘中なんですが」

提督「いいじゃんいいじゃん。俺暇なんだよ」

明石「暇でいいじゃないですか」

提督「だって、ねぇ? 」

明石「ねぇ、じゃないですが。……まぁ、聞くだけは聞きますよ」

提督「よし。んん……三月十九日の誕生花は芥子。
花言葉は“ 幸せ者 ”。芥子と言えば真っ赤で綺麗な花だな」

明石「…………普通は危ない使い方の方思いつくと思いますけど」

提督「…………」

明石「あー……あと芥子粒はおクスリの原材料ですが、
芥子の葉は新鮮だとレタスのような味で、
なかなかに美味しいサラダになるそうですよ」

提督「お、おう……どこで知るんだそんなこと」

明石「科学者の嗜みです」

提督「…………何言ってんだこいつ」



480: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:24:41.88 ID:JVBWBj87O

< 人にはあらず、化け物にもあらず >





提督「あー……続きまして誕生石」

明石「わー……楽しみー」パチパチ

提督「雑な扱いでも嬉しいぞ。……誕生石はバイカラークォーツ。
石言葉は“ 社会的 ”、“ 行動力 ”、そして……“ 人間らしさ ”」

明石「人間らしさ……ねぇ」

提督「一応はいい意味の言葉だろ」

明石「それは提督から見れば、でしょう?
私たちにとっては必ずしも褒め言葉ではないです」

提督「……そういうもんか」

明石「提督にこの感情を理解していただくのは難しいでしょうけど……。
そうですね、提督が女らしさを褒められるような」

提督「んー……? 」

明石「別に嬉しくないというわけではないです。
ただ、あまりにも自分や自分の目指すものから外れているんです」

提督「なるほど……わからないけどわかったよ」

明石「……感覚的にはわかっているはずですよ。
そうじゃないと高雄さんも愛宕さんも……私も好意を持ちませんから」


481: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:28:11.88 ID:R720+oSKO

< 中破しなくても割と…… >





雲龍「…………けふっ……」

天城「姉様……大丈夫ですか? 」

雲龍「大丈夫……模擬弾だったし」

提督「そうか……中破しないのか……」

明石「あったりまえじゃないですか」

愛宕「ていうか……そんなに見たいの? 」

提督「見たい」

高雄「……中破といわず大破させて差し上げましょうか? ……あなたを」

提督「や、遠慮します、はい」




483: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:30:38.73 ID:R720+oSKO

< 名前が少し気恥ずかしい >





提督「で、まぁ新兵装のえー……まぁ、名前はいいや。
兎に角実験の成功を祝して本日も細やかなお酒タイムです」

愛宕「結局飲むのね」

提督「そりゃお前。鼻血程度で断酒とかするなら最初から飲んでねぇよ」

高雄「なにを意味のわからないことを……」

提督「で、三月十九日のカクテルはアプリコットフィズ。
カクテルワードは“ 伝統や文化を重んじる自信家 ”、だ」

明石「あっ、これ凄く飲みやすいです。甘い香りなのに酸味も程よく効いてて」

提督「それはよかった。こいつはアプリコットのブランデーをベースに、
レモンジュースをシェイクしてる。
砂糖とソーダは適量だな」

天城「ブランデーにも沢山種類があるのですね。天城、また一つ賢くなりました」

雲龍「だからと言って飲みすぎないでね。……あなたもよ、明石」


484: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:31:58.11 ID:R720+oSKO

< 折れそうな腰に手を >





提督「高雄」

高雄「はい」

提督「……別に今日から何か変わるわけじゃない」

高雄「……そうですね」

提督「それでも、ケジメとしてかな。
ちょっと目、瞑ってくれないか」

高雄「……はい」

提督「…………」ギュッ

高雄「ぁ……」

提督「……ん」

高雄「…………こんなに優しいキス……久しぶりです」ギュッ

提督「そんな言い方だと俺が乱暴なキスしかできないみたいじゃねぇか」

高雄「……いつも貪るだけ貪るくせに」

提督「…………お前が悪い」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………あなたと出会えてよかった」

提督「あぁ……俺もだ」


485: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:33:39.04 ID:R720+oSKO

< 咲き誇るあなたへ捧ぐ >





彼女と共にあると心にまるで太陽ができたように暖かくなる。

彼女が笑えば世界にまるでもう一つ太陽ができたように輝く。

彼女と苦難を味わえば全てを敵に回してもよいと思えるほど自分の強さが感じられる。

彼女が泣けばその強さもたちまち使えないガラクタにさえ感じる。


可愛らしい小さなそれでいて本人の意志を示すようなやや鋭い耳を隠す程度には長い髪の房も。

短く切り揃えられてともすれば男性らしさすら醸す後ろ髪のハネも。

長めの前髪の中にあって一部だけまっすぐ揃えられた前髪も。

そして細く、しかし力強さも感じる足の指先も。

その上から下まで全てがとても狂いたくなる程に愛おしい。



「…………指、細いな」

「…………あなたのそれは逞しいです」



抱きしめあって、折れてしまいそうになるくらい反った背中を支える。

もう片方の腕は彼女の片腕と同じ形に曲げて。

絡めあったその指先同士がひんやりと、しかし確かな生の体温を伝える。



「…………お前といると幸せって怖いんだなって」

「…………ふふ、身に余る言葉です」



薄暗い寝室でおとことおんなが。

男に見えて少年のようで。

童女のようで牝のようで。



間違いなくこの夜の主役は彼らだった。



486: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/19(木) 23:34:34.28 ID:R720+oSKO

< 機微とは万化 >





愛宕「高雄は上手くやってるかしら」

雲龍「あなたはここにいていいの? 」

雲龍(これ昨日と同じ役回り……)

愛宕「ええ、昨日の……もう今日だったけど。
あのときに私は十分もらったから」

雲龍「そう……」

明石「…………妬けますねぇ。高雄さんもですけどあなたのその余裕に」

愛宕「ふふ……悔しかったらあの人を振り向かせてみせなさいな」

明石「あの人よりもいい人、とは言わないんですね」

愛宕「あの人よりもいい男がいるわけないでしょう? 」

雲龍「……そうね」

天城「はっ……」

愛宕「……諦めなさい。少なくともこの場であの人を嫌ってる人なんてあなたくらいなんだから」

天城「……嫌ってはいませんよ。単に認められないだけです」

愛宕「そう。……あなたが絡め取られないことを祈っているわ」

天城「当たり前のことを。祈る程のことではありません」

明石「…………ははは……そうだと、いいですね」

490: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:18:09.31 ID:cz92WJD0O

< ふと周りを見渡して >





高雄「…………Zzz……ぅぁ……」

愛宕「……んぅ…………Zzz」

提督「…………んー……よく寝た」

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

提督「……ふぁ…………幸せ過ぎてハゲそう」

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」


491: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:18:55.31 ID:cz92WJD0O

< もちろん無い方がいい >





提督「マリッジブルーとかなかったな」

高雄「本式のものではありませんし。
そもそも唐突すぎてブルーになるものでは……」

愛宕「マリッジブルーって結婚後にすれ違ったり、
他の男に目移りすることよね? 」

提督「ん、そう聞くな」

愛宕「それならあるわけないじゃない。
最初から普通の結婚よりも濃いことしてるし、
他の男なんていもしないんだから」

高雄「ですね」

提督「陸軍のやつらとかすぐ近くだぜ? 」

高雄「……目移りしてほしいんですか? 」

提督「……そういうわけじゃない」

愛宕「高雄ー、二人でしけこんじゃうー? 」

高雄「遠慮しておきます。割と本気で」

492: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:19:48.07 ID:cz92WJD0O

< 本人にその気はない >





高雄「多くのカップルは男性側からプロポーズするので、
男性側は覚悟しているけど求婚される側は、とも聞きます」

提督「なるほどな」

愛宕「私たちの場合確かに提督からだったけど……切っ掛けは明石? 」

提督「あいつがキューピッドだと言えなくもないのか」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

高雄「……キューピッドにしてはマッド過ぎませんかね」

愛宕「とうも立ち過ぎよ」


493: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:20:43.82 ID:cz92WJD0O

< あくまで彼の妄想です >





提督「艦娘の嫁姑問題! 」





高雄『愛宕さん? ここ、まだ汚れが目立っていますよ』

愛宕『すみませーん。そこ掃除してたの提督でーす』

高雄『……息子に掃除をさせたの? それはもっと問題じゃない』

愛宕『でもー、彼がー、やってくれるって。やさしー☆ 』

高雄『そこに直りなさい。そもそも最初から私は気に入らなかったのよ。
チャラチャラした髪してなんか日本人じゃない容姿みたいで』

愛宕『これは地毛で……ここは自前よーっ。キャハッ』





愛宕「私こんな頭の緩い感じに見られてるの? ちょっとショックなんだけど」

高雄「なぜ私が提督のお母様役なのです」

提督「そもそも母さんこんな人格じゃなかったわ。色々すまんな」


494: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:21:29.31 ID:cz92WJD0O

< 割とありそう >





愛宕「こうでしょ」





提督『高雄さん……でしたっけ? 』

高雄『はい。お義母様』

提督『すみませんねぇ……うちの息子だらしがなくて。
折角こんな美人で気立てのいい方をもらったのに』

高雄『いえ、彼は私のことを考えていてくれますから』

提督『そうかしら……そうだといいのだけれど』

高雄『はい。……あっ、そうだ。昨日彼が珍しい茶葉を見つけてきてくれたんです。
一緒にどうですか? 』





提督「理想的な関係だなおい」

高雄「私はここまでできませんよ」

愛宕「ふふ……女の子の方が妄想は得意なのよ」

495: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:22:18.30 ID:cz92WJD0O

< 既に遊び >




高雄「そうですね……私なら」





愛宕『ちょ、ちょっと今隣にお義母様がっ』

提督『いいじゃん。最近●●てないから●まってただろ? 』

愛宕『そ、そうだけ……で、でもダメよ。もし暴露たら……』

提督『暴露るかもってなると……燃えない? 』

愛宕『そんなこっあぁぁぁっ……ダメぇん……』





提督「おかしいだろ。母さんどこにも出てきてない。嫁姑問題どこいった」

高雄「でもかなり可能性としてはありそうでしょう? 」

愛宕「その場合は私が責めでしょ」

提督「そういう問題じゃあない」


496: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:22:59.35 ID:cz92WJD0O

< そして >





提督「でもなぁ……母さんも父さんも普通だからな。
いきなり女二人連れてったらどうなるんだろ」

愛宕「それは……なんとかするしかないでしょ」

高雄「そもそも二人で済めばいいのですが」

提督「……まぁ、今のところ同居するつもりもないしな。
別に必ずしも認めてもらわなくても」

愛宕「それはダメよ。提督にそんな負担をかけるわけにはいかないわ」

提督「別に負担では」

高雄「私たちには親、という存在がいませんからね。
できることなら義理の親となる方たちには認めてもらって、
それで祝福していただきたいのです」

提督「そ、そうか……いきなりガチの話ぶっこんできたな」


497: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:23:41.38 ID:cz92WJD0O

< 慰めはいらない >





雲龍「……自分を自分で慰めたこと、ある? 」

明石「は? ……それはどういった意味でしょうか」

雲龍「それはもちろん指でこう」スッスッ

明石「あっ……やっぱり。できれば別のことであってほしかったんですけど」

雲龍「今更取り繕う程のことじゃないし。……で、どうなの? 」

明石「…………ないわけじゃないですけど」

雲龍「そう。……虚しくならない? 」

明石「そりゃあ……でもそういうものでしょう」

雲龍「…………もういっそ天城でも取り込もうかしら」

明石「やめてあげてください。泣きますよあの人」


498: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:24:28.68 ID:cz92WJD0O

< 絡みつくのは意志か手足か >





明石「というかあの人そっちじゃないんですか? 」

雲龍「そっち……? あぁ、別に●●とかじゃないわ」

明石「やたら姉様姉様言ってる印象だったんですけど」

雲龍「それは提督がいて警戒していたから。
あの子真面目なだけなのよ。だから●●とかではないはず」

明石「ははぁ……じゃあ取り込むのなんてもっと無理じゃないですか」

雲龍「ええ、そうなのよ。……あなた、してみる? 」

明石「嫌ですけど…………よっぽどのときならあるいは」


499: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:25:20.79 ID:cz92WJD0O

< 実はいた >





雲龍「えっ……どうして断らないの? 」

明石「……言い出したのあなたじゃないですか」

雲龍「だって……断ると思ったのに」

明石「…………私もですね。それなりにストレス●まるわけです。
で、自分で慰めるわけですがかなり虚しくて」

雲龍「そう……天城貸しましょうか? 」

明石「や、その話はさっき終わりましたよ」





天城(いつ部屋に入ればいいんでしょう……タイミングがわからないです。
あと勝手に貸し出さないでください姉様)


500: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:26:15.62 ID:cz92WJD0O

< ホウ レン ソウは基本ですよ >





提督「お前らいつまでここにいんの? 」

明石「酷い……用が済んだらもう興味もないということですかっ」

提督「そうだが」

明石「えぇ……そんなぁ」

提督「まぁ、それは大体は冗談だけど」

明石「完全な冗談ではないんですね」

提督「食材とかの用意があるからな。
足りなくなるようなら要請しなきゃならないし」

明石「あぁ、それなら大丈夫です。
明日か明後日に物資が横須賀から届くので」

提督「は? なにそれ俺知らないんだけど」

明石「今、お伝えしました」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……飯やらんぞてめぇ」

明石「ひえー…………マジ? 」

501: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:26:57.36 ID:cz92WJD0O

< 民族衣装 >





提督「愛宕はディアンドルかな」

愛宕「そう」

提督「高雄はカフタンかアオザイ」

高雄「はぁ」

提督「愛宕のディアンドルはまぁ愛宕だからいいとして」

愛宕「ひっどーい」

提督「迷うなぁ。エキゾチックさを残してやや芋っぽいカフタンにするか、
身体のラインが出て下着が浮きそうなアオザイにするか」

高雄「普通に和服でいいじゃないですか」

提督「違うんだよ……わかってない。普段着ないからいいんだ」



502: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:27:48.27 ID:cz92WJD0O

< 嬢ちゃん! ジョッキ一杯! >





愛宕「ていうかディアンドルってあれよね。
オーストリアあたりの民族衣装よね? 」

提督「おう」

愛宕「かなり胸元空いてて●●●●やつじゃあ」

提督「んー、でも踝までのスカートにエプロンとか露出が多いわけじゃないんだぞ」

高雄「でも胸元は空いてるんですね」

提督「やけに食いつくなぁ……いいんだよそれで。
深い襟ぐりの●●に手ぇ突っ込みたいの」

愛宕「…………ブラウスだから今でもできるわよ? 」


503: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:28:29.64 ID:cz92WJD0O

< 何を今更 >





高雄「カフタンはトルコ周辺のものですね」

提督「あぁ。和服とかに近い前開長衣タイプの衣装だ」

高雄「さほど露出はありませんが」

提督「いや、俺の好み露出基準じゃないから。
……ゆったりしてて薄い生地だからかなり着やすいらしいぞ」

愛宕「男女共用なのね」

提督「だから高雄が着たあとに俺が」

高雄「させませんよ」

提督「えぇ……」

高雄「…………汗とか……恥ずかしいじゃないですか」



504: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:29:52.24 ID:cz92WJD0O

< 駆逐には夢を抱きたい >





高雄「本日の誕生石&誕生花」

提督「はいよ」

愛宕「ぱんぱかぱーんっ」

高雄「どうも。……三月二十日の誕生石はドラゴンパール。
石言葉は“ 無邪気 ”と“ 想像力 ”です」

提督「無邪気ってーと……駆逐の娘たちは大体そうだろ」

愛宕「浜風……潮……浦風……夕雲……」

提督「いや、彼女たちも無邪気だろ。な、そうだろ? 」

高雄「……女が無邪気。そう定義すれば無邪気ですが」

愛宕「無邪気な女なんていないのよ」

提督「あのさぁ……そういうところではプラスの想像力だけあればいいの」

愛宕「女は現実よ? 想像の中にはいないの」


505: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:31:07.84 ID:cz92WJD0O

< なくならないものはなく >





高雄「続きまして誕生花ですが。
三月二十日の誕生花はイエローチューリップ。
花言葉は“ 永遠の愛情 ”」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「……個人的に、だが。そんなものはないと思うね」

愛宕「……そう? 」

提督「あぁ、永遠に存在するものなんてないさ。
永遠にしようという意志はあるけどな」

愛宕「愛、なんていう曖昧なものだものね。愛には努力が必要、か」

提督「もちろん努力は惜しまないぜ?
俺は二人と永遠にいられるならなんだって差し出すさ」

愛宕「……重いわね。私もだけど」





高雄「……見つめ合ってるところ申し訳ないですが私もいるんですよ。……盛りすぎ」


506: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:32:45.57 ID:cz92WJD0O

< メディアと踊る >





高雄「あれから20年ですか」

愛宕「私たちは存在していないけどね」

提督「……まぁ、今だけ神妙な顔をしてるだけでいいんだからお手軽だよな」

高雄「……言いますね」

提督「ま、酒も入ってるしな。津波もそうだ。
本当に辛ければ、悲しければ、こんな綺麗事言ってる場合じゃない」

愛宕「……身内が被害に遭ったわけじゃないものね」

提督「あぁ、不幸は彼らの不幸としてあるだけだ。
それにそうあるべきなんだ。部外者の俺たちには少しばかりの慰めくらいしか出番がない」

高雄「……綺麗事だけを見ていたい、とか言ってませんでした?」

提督「そりゃな。暗い話はできれば聞きたくないさ。
……ま、大人は汚いってことで許してくれよ。こういう気分のときもある」


507: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/20(金) 22:33:28.36 ID:cz92WJD0O

< 天然艦娘って誰だ >





提督「三月二十日の誕生カクテルはブラックルシアン。
カクテルワードは“ 大胆な考え方を示す無邪気な人柄 ”だ」

愛宕「それって平たく言えば空気読めない天然ちゃんじゃない」

提督「や、そんなことないだろ」

高雄「……まぁ、無邪気って柄でもないですから。
本当のところはわからないですけどね」

雲龍「私は無邪気」

提督「ダウト」

明石「私こそ無邪気ですよー」

提督「ただのマッドじゃねぇか」

天城「私は……少なくともあなたたちほどすれてはいませんよ」

提督「…………否定できない」



513: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:02:20.79 ID:fdzzZnajO

< 寒波とか勘弁 >





提督「もうさすがにないよな。また来たら俺は心折れるぞ」

高雄「前回も特に被害なかったじゃないですか。
なにがそんなに嫌なんです」

提督「いやー……仕事が増えるのはちょっと」

高雄「たかだか数枚の書類に目を通して判を捺すだけでしょう」

提督「その数枚が岐路なのだよ。高雄くん」

高雄「何言ってんだか……さっさとコーヒー飲んで執務始めますよ。
今日は横須賀から物資が届くんですからね」


514: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:03:16.39 ID:fdzzZnajO

< 酒嫌いに通じるものが >





提督「カレーが嫌いな人とかラーメンが嫌いな人って辛いよな」

愛宕「どうして? 」

提督「大体のファミレスで出されたり付き合いで食べに行ったりするし。
つくるのもそれなりに簡単でカレーなんておふくろの味だったりするだろ」

高雄「まぁ、チャーハン頼んだりすればいいじゃないですか」

提督「ラーメンしか出ないとこあるぜ? 二郎系とか」

愛宕「あのやたら盛ったやつね……」

高雄「あれは既にそういうジャンルでしょう。
あれが出る店に入る人でラーメン嫌いとかありえませんよ」

提督「確かにそうだな」

愛宕「それに私あれ好き嫌い以前に食べられないわよ。多すぎて」

提督「……加賀なら。やつならやってくれる」


515: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:04:01.66 ID:fdzzZnajO

< 謎の持ち物 >





明石「三人ともリングはチェーンに通してあるんですね」

愛宕「ええ。提督に頼まれたから」

明石「ははぁ……それはまたなにゆえ」

愛宕「いつか三人で選びたいから。
そのときまで自分が見えるところでは指に他のものを通さないでほしいって」

明石「うわーお……提督の言いそうなことですけど……うわぁ」

高雄「明石さんには申し訳ないのですがやはりそこまでの愛着を湧かせるのは……」

明石「あー……大丈夫です、はい。
ようは強化が成功すればいいわけですから。
それに……考えてみれば予想してしかるべきことでしたしね」

明石(でもどうして最初からチェーンが三人分あったんでしょうか……? )


516: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:05:11.09 ID:fdzzZnajO

< デッキブラシでエアギターしたり >





提督「え、なに? 大浴場? 」

高雄「はい。雲龍さんたちにはシャワー付きの個室を使ってもらっていたんですが」

愛宕「やっぱり人が増えたら皆で入りたいじゃない?
それに一々お部屋のシャワー室掃除してもらうのもね」

提督「うーん……いいんじゃない? 物資搬入も割とすぐ終わったし」

高雄「では、あとの三人も集めてきますか」

愛宕「そうね。水着水着っと」

提督「水着? ……いっきに楽しそうな気がしてきた」

517: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:06:06.80 ID:fdzzZnajO

< 拘り >





提督「……本当さ。なんなのなの。意味わかんないの」

明石「提督。それだとアイドルなのか潜水艦なのかわからないですよ」

提督「や、別にどっちも意識してないし。……なんで水着持ってきたわけ? 」

明石「さぁ? 備えあれば憂いなし、ですから」

提督「そうだけどさ。この時期に海水浴とかもしないだろ」

明石「まぁまぁ。Tシャツから薄く透けるトップス。
その裾からチラ見えするボトム。素晴らしいでしょう? 」

提督「まぁな。……おい、裾をチラチラさせんな」

明石「またまたぁ。こういうの好きじゃないんですか? 」チラッ

提督「人工的なのはだめだ。無意識にチラ見えさせてるのがいい」





天城「……本当にこの人の考えてることは意味がわからないです。……はぁ」


518: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:06:51.65 ID:fdzzZnajO

< 老若男女関わらず楽しい >





愛宕「それー、それそれぇ! 」

提督「しれぇ、みたいに言うんじゃねぇ! あと冷たいからやめろぉ! 」

高雄「はっ、私にもかかったのだけど。愛宕! 」

明石「ふむ……二対一ですか。加勢しますよ愛宕さん! 」

雲龍「……じゃあ、私は提督チームで」

天城「私は姉様……いえ、空気くらいは読めますよ。
提督ぅ……覚悟してください! 」

提督「冷たっ。おい、俺ばっか狙うな。ホース恐怖症になるだろっ。
つーか、掃除開始五分も経ってねぇ。駆逐か潜水艦かよぉぉぉ! 」


519: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:08:50.23 ID:fdzzZnajO

< 本気で遊んだ >





提督「…………ガキかよ」ポタポタポタポタ

愛宕「…………」ポタポタ

高雄「…………」ポタポタ

明石「…………」ポタポタ

雲龍「…………」ポタポタ

天城「…………」ポタポタ

提督「…………まぁ、水と洗剤はばら撒けたな」

愛宕「……疲れたぁ。お休みしたーい」

高雄「疲れるのはこれからですよ」

提督(Tシャツが水でピタピタになってる……。
疲れたしやたら冷たいけど……やってよかった)

天城「むっ……なにやら不純な視線を感じます」


520: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:10:18.57 ID:fdzzZnajO

< 真っ赤な三角が三つ >





提督「赤も似合うな」

天城「はぁ。ありがとうございます」

提督「それに割と大胆なタイプの水着だよね。
戦闘衣もかなり際どいけど」

天城「……自分の魅力は広げていきたいと思っているので」

提督「なるほど。結構自信家な方? 」

天城「自分を知っているだけです。
特別美しいとか自賛するつもりはありませんけど……。
卑下するには材料がありません」

提督「ふーん……」

天城「なにか? 堅い女や冷静な女はお好きではない? 」

提督「いや、嫌いじゃない。それに俺は天城のこと、好きだよ」

天城「ッ…………! 」

提督「ま、天城が俺のことどう思おうと勝手だけどね。
……じゃあ、俺は洗剤足してくるから」

521: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:11:25.26 ID:fdzzZnajO

< ちょっとそこでお茶してかない? >





愛宕「あっちでさらっと妹が口説かれてるけど」

雲龍「……それなら口説いてる方は自分の男じゃないの? 」

愛宕「私はもう諦めたから。それに……ナンバーワンならいいかなって」

雲龍「そう……別に私も天城がどう思おうといいから」

愛宕「ふーん……? 」

雲龍「……それにしても流れるように口説いていったわね」

愛宕「ふふ……苦虫口一杯飲み下して顔真っ赤ってなかなか見れないわよね」

雲龍「…………あの子も認めればいいのに」

愛宕「提督がイイ男だって? 」

雲龍「それもあるけど……まぁ、いいか」

愛宕「やーん、気になるじゃないの 」


522: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:12:13.60 ID:fdzzZnajO

< 最低の一歩前くらい >





高雄「“ 自分は好きだけど ”」

明石「“ 君の考えはわからないな ”」

高雄「……実に身勝手な言い逃げ……口説き逃げですね」

明石「はぁ……あれ、犯罪ですよもう」

高雄「……横須賀で鈴谷が言っていたことをお教えしましょう」

明石「なんとなく予想できましたけど……どうぞ」

高雄「“ イケメン無罪 ”」

明石「やっぱり」

高雄「……あれを半分無意識で言ってるあたりがもう」

明石「半分は理解してるんですか……」

高雄「鈍感でも難聴でもありませんからね。……女の敵ですけど」

明石「いっそ難聴だったら……いや、大惨事ですね、それ」


523: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:13:05.85 ID:fdzzZnajO

< 何も無いところで >





愛宕「提督ー。こっちは大体終わったわよー」

高雄「こちらも終わりました」

提督「はいよ。うーん……じゃあそろそろ終わりにするか」

愛宕「はーい。ブラシはこっちに集めて」

明石「あぁぁぁ……疲れた。久々ですよこんなに身体動かしたの」

雲龍「掃除より遊んでたときの方が……ま、私も疲れたかな」

天城「姉様もあんなにはしゃいだりするんですうぇっ? 」ツルッ

明石「あっ」

雲龍「ん? 」

天城「いやっ」ゴツッ

愛宕「うわぁ……いったそぉ」

高雄「……頭から真っ直ぐ落ちましたね」

提督「いや、そんなこと言ってる場合じゃないだろ。血、出たりしてない? 」


524: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:14:41.97 ID:fdzzZnajO

< 背に確かな体温を >





愛宕「天城は一応提督が医務室に連れていきました」

雲龍「……おんぶで」

明石「あそこで抱きとめてたら完全にラブコメ展開だったんですけど」

高雄「まぁ、ラブは兎も角コメディじゃないですし。
……自然に話しかけながら額に手を置いて速攻おんぶしていったあたりはまぁ……アレですけど」

明石「あれなかなかできませんよね。
しかも声と口調が優しいのなんの」

愛宕「ころっとイっちゃうのよねぇ……あれ」

雲龍「……我が妹ながら心配」

明石「大丈夫ですよ。さすがに」

高雄「…………これでは何を心配して何が大丈夫なのかわかりにくいですね」

明石「えっ、もちろん怪我ですよ? 他にあるわけないじゃないですかー」

525: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:15:33.54 ID:fdzzZnajO

< メリハリ:正対 >





明石「でも完全に役得でしたよね」

高雄「? 」

明石「ほら……こうおんぶすると背中に当たるじゃないですか。
しかも天城さんのアレですし、今は水着と薄いTシャツだけでしたし」

高雄「あぁ……たぶん、さっきの提督はそんなこと考えてませんでしたよ」

明石「そうですか? あの●●魔人が? 」

愛宕「魔人って……ああいうところで本気で心配しかしないところがあの人のいいところなのよ」

高雄「そもそもいつでも発情してるのはここでは愛宕だけですから」

愛宕「はぁ……? ちょーっと納得いかないんだけどぉ」

雲龍「……とりあえず片付けましょう? お昼も準備しないと」

526: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:16:37.67 ID:fdzzZnajO

< 保険医の真似事など >





提督「んー……額ちょっと切れちゃったかな。
でも前髪に隠れてるところだし。うん」

天城「…………」

提督「そんなんでもなかったかなぁ。大丈夫? 痛くない? 」

天城「……大丈夫です」

提督「そっか。よかったよ。傷なんて治せるけど普段痛いのは嫌だからね」

天城「あなたが……提督が大袈裟過ぎるんです。
足を痛めたわけでもないのに背負ってこなくても」

提督「嫌だった? どうしても、女の子が怪我すると、ね」

天城「はぁ……本当に、あなたは……」

提督「……」

天城「……」

提督「……じゃ、戻ろうか。それとも寝てる? 」

天城「いえ、戻ります。寝ている間に何をされるかわからないので」

提督「ひっでぇ。なんもしねぇよ」



ガチャ



天城「…………」クルッ

提督「…………? 」

天城「…………ありがとう」

提督「ん。どういたしまして」


527: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:17:29.62 ID:fdzzZnajO

< 好きな人の前では良く見られたい >





提督「艦娘の皆って仲いいよな」

愛宕「……そこそこじゃない? 」

提督「いや、姉妹仲悪いのとか見たことないし。すげぇな」

愛宕「…………」

提督「しかも同僚と和気藹々してるし。
俺の同期を考えたらありえないよ」

愛宕「…………」

提督「……どうした? 」

愛宕「……そのままでいてね? うん、それだけ」

528: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:18:08.90 ID:fdzzZnajO

< 女という生き物 >





高雄「……あの、それ本気で言ってるんですか? 」

提督「へ? 」

明石「そりゃあ、殺し合う程の人はいないと思いますけどね」

高雄「……女だらけで、しかも男が極端に少ない状況で……」

雲龍「単に猫被ってるだけよね」

提督「え、えぇ……や、理解はしてるつもりだけどさぁ」

愛宕「それだけあなたの前では猫被るのに気を付けてたってことよ。
あっ、私は違うわよ? 」

提督「…………女は女、ね。人間も艦娘も変わらないか」


529: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:19:17.20 ID:fdzzZnajO

< 磨く理由 >





明石「そういえば」

提督「ん? 」

明石「なかなかいい筋肉してますね。腐っても帝国軍人ってことですか」

提督「腐ってるつもりないんだけど。……まぁ、ぶよぶよして嫌われたくないから」

明石「へぇ……」

雲龍「それに体力がないと夜は戦えないでしょう? 」

明石「なるほど」

提督「なるほどじゃねぇよ。普通に義務感もあるし、
男としてカッコよくありたいの」

明石「ははぁ」

提督「女の子もそうだろ? 別に綺麗になるのは男のためだけじゃないじゃん」

雲龍「……むしろ他の女への対抗心よね」

天城「……ここで振らないでください。同意はしますけれど」

530: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:20:09.79 ID:fdzzZnajO

< やきう >





提督「始まったか。もうこんな時期なんだなぁ」

愛宕「提督の地元は出てるの? 」

提督「出てるよ。精々一回戦くらいしか勝てないだろうけど」

高雄「どうもこの砂っぽいのは苦手です。嫌いというわけではないのですが」

提督「選手のお母さんとかは洗濯辛そうだよな。
部内ではマネージャがやってくれたりするのかもしれないけど」

愛宕「自分で洗うんじゃない? 私はやりたくないけど」

提督「まぁ……マネージャになる人って色んな人いるからね。
彼女たちも目的があるんだよ、それぞれ」

高雄「……不純ですね」

提督「大会自体不純だもん。それでいいんだよ」


531: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:20:50.76 ID:fdzzZnajO

< 内心楽しみなくせに >





提督「そんなことよりさ。俺は思い出したよ。この情熱を」

高雄「はい? 」

提督「チアリーディング……いいねぇ。
今度オーダーで買うからチアの衣装着てくれない? 」

高雄「何言ってるんです……野球の話じゃないんですか」

愛宕「私はいいわよ? あなたを応援して……元気にしてア・ゲ・ル☆ 」

提督「おおうっ。なんかそれっぽい。かなりクるかも」

愛宕「ふふ……高雄も、ね? 」

高雄「……仕方ないですね……はぁ」


532: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:21:37.41 ID:fdzzZnajO

< アイアンハートが欲しい >





高雄「三月二十一日の誕生石はアイアン。黒鉄の方がそれっぽいでしょうか」

提督「一気に中二チックになったな」

高雄「石言葉は“ 気品 ”、“ 男性的 ”、そして“ 爽やか ”ですね」

提督「おっ、これは俺だろ」

愛宕「……男性的、よね」

高雄「……そうですね」

雲龍「……気品は……なくはないけど」

天城「爽やかとか笑わせにきてますね」

明石「全て同意」

提督「君らね……まぁ、いいや。否定できないし」

533: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:22:27.31 ID:fdzzZnajO

< やけに強調する >





提督「あと、今日は春分の日でお彼岸な次節だな」

天城「おはぎでもつくりましょうか? 」

提督「え、マジで? 」

天城「任務とはいえ滞在させていただくだけなのも申し訳ありませんし」

愛宕「あー……そんなの全く考えてなかったわね」

高雄「ええ、それにあまり和菓子は得意ではありませんし」

愛宕「後学のために私もお手伝いしていい? 」

高雄「あっ、私も是非」

天城「構いませんよ。お二人にはとてもお世話になっていますし。
お二人には少しでも恩返ししたいです」

提督「…………お二人には、ね」


534: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:23:13.91 ID:fdzzZnajO

< 一心不乱なあなたを一心不乱に >





提督「お前は見にいかなくていいのか? 」

明石「はい。私は工作だけできればいいんで」

提督「そうか。少しは料理できた方が夜食とかつくれると思うけど」

明石「や、夜にインスピレーションきたらそれしか考えられなくなるタイプなんですよね」

提督「それ身体に悪いだろ。誰か見ていてくれないと」

明石「提督」

提督「あ? 」

明石「提督が一日中見ていてくれてもいいんですよ?
今なら工学系女子を養う権利が無料で」

提督「……まともにつくれるのチャーハンと菓子類くらいだぜ? あとつまみ」

明石「ま、まぁそれでもなんとか」

提督「つーか、俺晩酌に付き合ってくれない女は嫌だ」

明石「我儘ですね。……人並み以上には飲めるんだけどなぁ。
他の人がワクすぎるんですよ」


535: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:23:59.63 ID:fdzzZnajO

< 草の根掻き分けてでも >





高雄「誕生花はマダガスカルジャスミン。
花言葉は“ 二人で東へ ”と“ 自惚れ ”」

愛宕「愛の逃避行? 」

提督「軍紀違反かもしれん」

雲龍「そもそもそれの主役が自分って考えるあたり自惚れじゃないかしら」

提督「だってほら……俺って主役っぽいだろ? 」

天城「…………はっ」

明石「鼻で笑われてますよ。……私と逃げますか? 東でも西でもいいです」

愛宕「何から逃げるのかしらぁ? 」

高雄「まったくです」

明石「ははは……冗談ですよ」

提督「…………そら……鬼嫁? 」

雲龍「誰にとっての鬼なんだか」

536: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:24:55.26 ID:fdzzZnajO

< 美味ければ大概許せる >





提督「三月二十一日の誕生カクテルはブラックベルベット。
カクテルワードは“ 自然を愛する叙情家 ”」

雲龍「これは……ビール? 」

提督「おう。今回はスタウトだけどギネスとかでもいいな。
それにシャンパンを同じ量。
ヨーロッパの伝統的なカクテルらしいぞ」

高雄「少し炭酸が強いですね」

愛宕「しょっぱいおつまみが欲しいわね」

提督「はい、ピスタチオ」

愛宕「ありがと。…………提督、よくそんなのと一緒に飲めるわね」

提督「これ? だって美味いじゃん」

天城「…………嬉しいですけど……ビアカクテルとおはぎ? 」


537: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/21(土) 20:25:49.94 ID:fdzzZnajO

< 気付けば懐に入られている >





天城「…………姉様」

雲龍「なに? 」

天城「あの男、危険ですね」

雲龍「あぁ……そうね」

天城「なんとなくですけれど……好かれる理由がわかった気がします」

雲龍「天城も? 」

天城「いえ、それはありません。
ただ……理解はしました。認めたくはありませんけれど」

雲龍「…………」

天城「……頑張ってくださいね、姉様」

雲龍「……ありがとう」

雲龍(あなたも、ね)

545: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:28:11.19 ID:E0QDxzHyO

< 夢でもあなたと >





高雄「……私は……私なら殺せます」

提督「ふぁ……ふぁ? 」

高雄「きっと……そのあと泣いて泣いて……後を追うでしょうけど……」

提督「…………」

高雄「…………たとえ……あなたが罪を……犯したとしても…………」

提督「…………」

高雄「あなたを殺した自分を…………私は……私は許せません」

提督「…………」

高雄「…………それに……そんな汚れた自分を……許せない」

提督「…………」

高雄「……愛宕にも、合わせる顔が…………Zzz」





提督「……本当に寝てるんだよな? な? つーか、どんな夢だよ」


546: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:29:37.67 ID:E0QDxzHyO

< 進水を誕生日とした場合 >





提督「この中で一番の年上って一応は高雄だよな」

高雄「……あくまで前身の艦艇である重巡洋艦は、ですけどね。ちなみに1930年の5月12日です」

愛宕「次は私ね。お姉ちゃん? ……私は1930年6月16日」

明石「そこからかなり飛んで私ですね。1938年6月29日」

雲龍「私と天城は特殊だけれど……とりあえず1943年9月25日」

天城「同じく10月15日です」

提督「……高雄よ。頼むぞ」

高雄「なにをです。お年玉でも差し上げましょうか? 」

提督「くれんの? 」

高雄「……ふふふふふ……何がいいかしら」

提督「あ、やっぱいいや。うん。あと年齢のことはもう言わないぞ。今決めた」


547: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:32:05.87 ID:E0QDxzHyO

< 本日のデザート:焼きプリン >





愛宕「はい、あーん」

提督「あーん」モグッ

愛宕「美味しい? 」

提督「ん、美味しいよ」

高雄「…………」

雲龍「…………」

明石「……よくこの衆人環視の中そんなこと臆面もなくできますね」

提督「ん? まぁ、今更だろ」

愛宕「ふふ……皆もやってみればいいのに」

高雄「…………別に」

雲龍「…………見てただけだから」





天城「…………その割にスプーン握って左右に目やってますね皆さん」


548: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:35:19.68 ID:E0QDxzHyO

< 大富豪? 大貧民? >





高雄「で、何故かカードで勝者を決めることになったわけですが」

愛宕「勝者が提督への罰ゲームを決められるのよー」

提督「あの、俺も参加してたんだけど」

明石「提督が勝てばチャラだったんですから」

天城「……で、勝者は私、ですか」

愛宕「なんでもいいのよ? ストレス発散に張り倒すなり、
一日人間椅子になってもらうなり」

提督「お前例えがひっでぇな」

天城「そう、ですね……決めました」

雲龍「どうするの? 」

明石「……ちょっとワクワクしてません? 」

天城「提督はこの中の誰かを単車に乗せて港を見回りしてくること」

提督「は? まぁ、いいけど。いいのか? 見回りっていうけどデートみたいなものだろ」

愛宕「あらあら。どこが罰ゲーム? 」

雲龍「まさか、あなたが行きたいんじゃないの? 天城」

天城「いえ……提督には誰と行きたいかを“ 自分で ”決めていただきます」

提督「? ……! ……ひえー……不和のリンゴだよこれ。策士すぎんだろ」

549: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:37:18.33 ID:E0QDxzHyO

< 結局選んだのは >





天城「なぜ私なのです」

提督「……そりゃあの場合一番波風立たないのは発案者だろ」

天城「……せめて姉様を選ぶべきです」

提督「それはさすがに。……それに天城と二人で海を見てみるのもいいかなって」

天城「…………そうですか」

提督「そうですよ。……寒くないか? 」

天城「いえ、暖かくなってきましたし上着も貸していただいたので」

提督「そうか」

天城「はい」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………っくちゅん」

提督「…………」

天城「…………」

提督「……可愛いくしゃみだな」

天城「……くっ」カァァ…


550: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:38:57.92 ID:E0QDxzHyO

< 嫌いではないのだけれど、でも…… >





提督「寒いんなら……」スッ

天城「? 」

提督「あっ、いやなんでもない」バタバタ

天城「……なぜ珍妙な動きをしているのですか。舞踊でも始めるおつもりで? 」

提督「や、その……癖で」

天城「はぁ? 」

提督「……寒いっていうから……いつもの癖で抱き締めようかと。
でも、天城は嫌がりそうだったから」

天城「はぁ……」

提督「……ごめん」

天城「…………」

提督「…………」

天城「……少し、寒いです」

提督「え? 」

天城「寒い、と言ったのです」

提督「…………そうか」


551: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:41:13.95 ID:E0QDxzHyO

< 後ろから、被さるように >





天城「はふっ……手まで握らなくても」

提督「かなり冷たいぞ」ギュッ

天城「ぁ……」

提督「……思ったよりちいさい。結構思ったことを言うから印象だと大きいのかなって錯覚していた」

天城「……男性よりは、あなたよりはちいさいです。
提督は平均よりも大柄なようですし」

提督「そうだな。……すっぽり抱き締められちゃうんだ」

天城「…………何人も抱き締めたからこそわかる経験ですか」

提督「……今はやめてくれよ」

天城「…………」

提督「本来は女の子が言うものだろうけど……。
男だって今いる二人以外の名前は出してほしくないものなんだ」

天城「…………否定はしないのですね」

提督「できないよ。すれば嘘になってしまうから」

天城「…………とても……優しい……同時にひどい人」


552: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:42:25.19 ID:E0QDxzHyO

< こちらは相変わらず >





明石「見に行かないんです? 」

愛宕「提督たちを? うーん……さすがに趣味悪いし」

高雄「そこまで品位を落とすわけにはいきませんから」

雲龍「ある程度落ちているのは認めているような言い方ね」

高雄「それはまぁ。お上品とは言えない体たらくなのは確かでしょう」

愛宕「男と女がいてお上品なんていうのは幻想なのよ」

明石「ははぁ。まぁ、それはいいんですけどね」

雲龍「……早く出してくれない? 」

愛宕「待って。高雄がクラブの7を持っているかどうか読んでいるの」

高雄「……そもそも上品であればカードを睨みつけてぶつぶつなんて言いませんね」


553: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:44:24.41 ID:E0QDxzHyO

< 目的は娯楽です >





高雄「残念。読み間違えたわね」

愛宕「くっ……まだ、まだ取り返せる」

明石「提督と天城さん帰ってきませんしねぇ。
じゃ、シャッフルお願いします」

愛宕「はーい……次こそは」シャッシャッ

雲龍「……次は私もダイレクトな罰ゲーム狙おうかしら」

高雄「ご自由に。ただ、それをここで宣言することに意味があるかどうか」

雲龍「……牽制? 」

愛宕「全力で潰されるだけじゃないかしら」

明石「……自分が一位になろうとするか。誰かを妨害するか。
中途半端だとどちらも逃しそうですね。うーん、厳しい」

高雄「……そんな本気になるゲームじゃないでしょう」

554: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:47:19.30 ID:E0QDxzHyO

< その頃に培われた >





明石「提督って一人っ子でしたっけ? 」

高雄「そうらしいですよ」

明石「うーん……妹とかいそうな感じですけどね」

雲龍「あとは弟とか」

愛宕「どうして? 」

明石「女の子の扱いが異様に上手いじゃないですか。
だから下の兄妹がいてそれで慣れてるのかなーっと」

愛宕「なるほどね。……単に経験の差じゃないの?
あれ私たちに会う前とか相当やってるわよ」

高雄「初めての夜の翌朝に髪をすいてもらったんですが……。
あれは女性の髪を触り慣れてる手でしたね」

愛宕「強さとか速さとかかなり気を使ってたわよ。
私でも時々ミスって抜けたりしちゃうのに」

明石「…………はぁ……可哀想ですね」

雲龍「過去の女が? それとも今の女が? 」

明石「そんなの」

愛宕「…………両方に決まってるじゃない」

555: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:48:48.19 ID:E0QDxzHyO

< 敵を知り己を知り……敵? >





愛宕「ま、客観的に見れば可哀想かもしれないけど、
私は自分が不幸だとは思わないわよ」

高雄「同じく。客観視なんてものに意味があるとは思えませんし」

雲龍「むしろひどく主観が混ざった場というか……澱んだ関係よね」

愛宕「この場所そのものが、ね。触れてもらうことが幸せなのよ。
想い出に彼がいたとしても触れてくれないし」

高雄「過去の人が想い出を持っているかは知りませんがね」

愛宕「そもそもルックス最高、甲斐性まずまず、雰囲気重視で、
身体の相性も抜群のおまけに話も合う男と一緒にいられて不幸せとかありえないわよ」

明石「随分な高評価なんですね」

高雄「あの人も私たちをそう見てると思いますよ。……ええ、確かにこれは自慢ですね」


556: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:49:54.62 ID:E0QDxzHyO

< それは言わない約束 >





愛宕「そういえば明石」

明石「はい? 私はハートとダイヤのキング出しましたよ」

高雄「くっ……忌々しい」

愛宕「提督にラブコメがー、みたいな話してたじゃない? 」

明石「そうでしたっけ? そういえばしたかもしれません」

愛宕「決定的にラブコメ主人公じゃない理由をおしえてあげるわ」

明石「や、結構違いますよね。難聴鈍感じゃないし、
高校生とかじゃないし」

愛宕「まぁ、それもあるけど。……恋愛運>金運じゃないところよ」

明石「はぁ」

愛宕「あまりラブコメの方はわからないけど……少なくとも提督は存分に甲斐性発揮してくれるし。
恋愛運=金運よね? 」

高雄「そうですね。……よし、ここで使いましょう。クラブとダイヤのエースです」

明石「ひえー……パス。
…………まぁ、軍人ですしね。でも明らかに複数の女の子侍らせてるような」


557: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:51:11.56 ID:E0QDxzHyO

< 好悪は矛盾することなく >





提督「……帰ろうか」

天城「……そうですね」

提督「久し振りだよ。こんな長時間海見てたの」

天城「海軍軍人とは思えない一言ですね」

提督「左遷組だからなぁ。……前線はどうなの? 」

天城「太平洋戦線は割と安定、というよりは我々もあちらも万策尽きたという感じですね。
どちらも決め手に欠ける」

提督「なるほどな」

天城「むしろシーレーン防衛の方が悲惨ですよ。
いつ何時現れるかわからない敵の為に四六時中神経を尖らせているわけですから」

提督「……そっか」

天城「こんな平和で……澱んでいられる場所では信じられないくらいのそこは悲劇です」

提督「……俺は間違っているかな」

天城「はい」

提督「……俺のこと嫌い? 」

天城「はい」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………俺のこと好き? 」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………はい」


558: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:53:09.69 ID:E0QDxzHyO

< 生まれながらの…… >





高雄「本日、三月二十二日の誕生石&誕生花」

明石「いぇーい」

提督「いぇーい! 」

高雄「はい、まずは誕生石ですが……ソグディアナイトです。
半透明で紫に光るタイプの石ですね」

天城「紫といえば高貴な色、という印象ですけれど」

高雄「はい。ただ、石言葉は“ 自然体 ”と“ しなやか ”。あまり高貴とは関係ありませんね」

提督「まぁ、高貴な者は自然体である、みたいにこじつけようと思えばな」

愛宕「ノブレスオブリージュ? 」

提督「うーん……や、できる人はできるのかもな。俺には無理だ」

高雄「……対等な関係と、上と下。どちらが楽なのやら」


559: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:54:36.40 ID:E0QDxzHyO

< おふらんす >





高雄「続きまして誕生花」

愛宕「続きまして、というとなんだか芸人さんみたいよねぇ」

雲龍「シュールギャグでもしてみる? 」

高雄「やるなら雲龍さんがどうぞ。
……二十二日の誕生花はレッドチューリップ。花言葉は“ 博愛 ”」

明石「また偉いというか高貴な人っぽいですね。
博愛というと……トリコロールとか? 」

提督「自由はまぁあるとして……平等? できてる?」

愛宕「平等でしょう? 」

高雄「ですよね」

提督「うーん……それならまぁ」

560: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:55:48.18 ID:E0QDxzHyO

< つまり平坦な者がさいつよ? >





提督「愛宕たちってさ」

愛宕「うん」

提督「艦艇の概念とか想念をヒトガタに形作ってできたわけだ」

愛宕「そうね。自覚はないけど」

提督「憑坐みたいなものだと思ってるけど。
……で、兵器の概念を宿らせているわけだから戦闘に特化してるってことだ」

愛宕「だから夜の戦いも得意なの? 」

提督「知らねぇよ。……なのに●●●●大きかったり髪長かったりするのはどうなんだ? 」

愛宕「さぁ……? 」

提督「●●●●邪魔になったりしないのか? 」

愛宕「肉弾戦するわけじゃないし……提督は●●●●ちいさい方がよかった? 」

提督「まさか。ありえないね」

愛宕「ならいいじゃない。私も提督が好きでいてくれるんだからこれでいいわよ」

561: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:56:44.44 ID:E0QDxzHyO

< 真昼に戦うのもまた >





明石「さらっと流してましたけど夜の戦い、得意なんですか? 」

提督「……なんて答えればいいんだ」

明石「お好きなように」

提督「……まぁ、かなりいいんじゃない。
俺と会うまでヴァージンだったことを考えると凄まじいよ」

明石「へぇ……開発ってやつですか」

提督「人聞きの悪い。本人が得意って言ってるんだからポテンシャルだろ」

明石「……こんなことにポテンシャルなんてあるんですか」

提督「そりゃな。高雄みたいに恥じらいがあっても付き合ってくれるならいいけど……。
結局付き合ってくれないこともあるだろ?
そういう子はポテンシャルがなかったってことだ」

明石「ははぁ」

明石(この人ならいつの間にか染め上げてそうですけどね)


562: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 21:59:09.96 ID:E0QDxzHyO

< リンゴはバラ科の植物 >





提督「今日のカクテルはブランデーアメリカンだが……。
ま、ただの水割りだな。ブランデーと水さえあればできるぞ」

高雄「基本はそれだけで美味しいです。王道たる所以ですね」

愛宕「そうね。そもそも普段からカクテル即行で消費して各自ロックか水かお湯か……炭酸はいないわね」

雲龍「私はハイボール好きだけど」

天城「私は……麦でも芋でも割と」

明石「……カルヴァドス。さすがにありませんよね」

提督「ん? あるぞ。フランスのじゃないから名前は違うけど。
リンゴのブランデーだろ? 」

明石「ま、マジですか。なんでもありますねここ。……ニッカ? 」

提督「あぁ。……ちなみにカクテルワードは“ 優しく見守られて成長する温厚な人 ”だ。
酒と同じく見守られて熟成されたいものだな」

雲龍「……箱入り娘を……食べる……いや、飲む? 」

提督「違う」


563: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 22:00:29.20 ID:E0QDxzHyO

< もちろん量も >





明石「バレンタインのお返しは三倍というのが通説らしいですよ。
しっかりお返ししましたか? 」

提督「貰ったの前提かよ」

明石「貰わないなんてことあるんですか? 」

提督「や、貰ったけどさ。……まぁ、返したんじゃない? 」

明石「適当ですねぇ」

提督「だってあれだろ? 三倍返しってのはそれ以上でもいいんだよな? 」

明石「まぁ、それは……。そもそも三倍返しというのもお菓子業界の広告ですし」

提督「なら余裕だろ。数字で表せないくらい返したつもりだよ」

明石「そ、そんなにですか? 」

提督「? おう。なになに倍とかってのは愛情だろ? 」

明石「…………そうですね」





雲龍「…………これだからあの男は。…………はぁ」

564: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/22(日) 22:01:32.41 ID:E0QDxzHyO

< あなたの心を知っているからこそ >





愛宕「提督の一番大切なモノってなあに? 」

提督「うーん……まずは愛宕のを聞こうか」

愛宕「それはもちろん提督よ」

提督「……そっか」

愛宕「提督は? 」

提督「……高雄、かな」

愛宕「ふーん……」

提督「勘違いしないでほしいけど俺は愛宕にも高雄にも上下はつけてないよ」

愛宕「…………」

提督「もし同じ質問を高雄にされたら俺は愛宕って答える」

愛宕「…………なるほど」

提督「卑怯でごめんな」

愛宕「んーん、大丈夫。私も試すようなこと言ってごめんなさい」

571: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:34:17.02 ID:spjEUaVmO

< 噴き出したものは >





高雄「なぜあんなことをしたんです」

提督「興奮しちゃって、つい」

高雄「つい、じゃないです。どうするんですか。
シーツべっとりですよ」

提督「……このシーツはもうダメだな」

高雄「資源も無限にあるわけでは……というかそれよりも盛りすぎです。
雲龍さんたちが滞在してるんですよ? 」

提督「それで? 」

高雄「そ、それでって……」

提督「仕方ないだろ。誰がいようと高雄たちが●●いのが悪い」

高雄「…………」

愛宕「…………あーあ、内腿が真っ赤……。鬱血痕ってなかなか消えないのよねぇ」

572: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:35:48.58 ID:spjEUaVmO

< あなたのワインをいただきます >





提督「そうは言うけどな。俺だって身体中ヤバイぞ。
特に首筋なんて噛み跡が……痛ぇ」

愛宕「私より高雄が」

高雄「たわけたことを……愛宕でしょう」

愛宕「高雄が最初でしょ」

高雄「最初にというのと量や強さは違います」

愛宕「むっ」

高雄「むっ」

提督「…………どっちでもいいよ。これ絶対他人に見せられない。
今日上官とか来なくてよかったぁ」


573: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:36:58.74 ID:spjEUaVmO

< 噛み噛まれ吸い吸われ >





明石「うわぁ……雲龍さんたちには聞いてましたけど」

提督「なんだ」

明石「それキスマークとかじゃないですよね?
鬱血とかそういうレベルでもないし」

提督「……俺より高雄たちの方が盛ってたんだ」

明石「愛宕さんは愛宕さんで内腿がどうのって言ってましたけどね。
……今度はどうしてまた盛り上がっちゃったんですか? 」

提督「……ドラキュラ飴って知らない? 」

明石「あの●めたら口が真っ赤になる? 」

提督「おう。で、真っ赤な肉色ってなんかさ……そそらないか」

明石「は、はぁ」

提督「……まぁ、ヴァンパイアプレイってやつ?
お互いに色んなモノ吸いまくったよ。ははは……」

明石「内容は……いえ、やっぱりいいです。
生々しすぎてここでは……や、だからいいですって」


574: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:38:34.99 ID:spjEUaVmO

< 偶々ナーバスだっただけ >





明石「発想が大事とは言いますけどねぇ」

提督「想像から理論を構築できない者に科学は理解できない」

明石「はぁ」

提督「気のない返事だけどそれ明石から聞いたんだぞ」

明石「あぁ、覚えてますよ? ただ……こんな斜め上に跳躍する想像力はちょっと」

提督「でもさー、楽しまないと損じゃん?
しかもマンネリで女の子がつまらないのはダメだと思う」

明石「はぁ……で、そこからなにか理論は生まれたんですか? 」

提督「え、えーっと……二人の●●●? 」

明石「そんなの理論でもなんでも……あぁ、男女の間のってやつですか」

提督「……なんで今日こんな絡んでくるんだよ。まだ素面だよな? 」


575: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:39:39.95 ID:spjEUaVmO

< あの人に呼ばれたならば >





天城「姉様。起きますよ」

雲龍「あとごふん…………」

天城「まったく、だらしがないですよ?
たとえ殆ど敵襲の恐れがなくても淑女ならば」

雲龍「…………Zzz」

天城「ああ、もうっ……」

雲龍「…………Zzz」

天城「……姉様。先程提督が呼んでいましたよ」

雲龍「え? 」ガバッ

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……あの、ごめんなさい。そんなにガッカリするとは…。
でも、折角起き上がったんですから、ね? 」

天城(キラキラして目を開けて徐々に冷静になって状況を把握して目が落ちて不機嫌になって……。
ここだけ見ればかなりの乙女なんですね……ここだけ見れば)


576: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:40:42.71 ID:spjEUaVmO

< 僅かに口角が上がる >





雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……どうした。なにがあってそんな不機嫌顏なんだ」

雲龍「……天城が」

提督「うん」

雲龍「天城が嘘を吐いたの」

提督「そうか。……それは誰のための嘘だったわけ? 」

雲龍「……天城と、私」

提督「悪いのは? 」

雲龍「……私」

提督「なら仕方ないな」

雲龍「…………そう」

提督「ま、それとは関係ないが……なんかやってほしいことあるか?
今なら割となんでも許せるぞ」

雲龍「…………そう」


577: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:41:43.05 ID:spjEUaVmO

< 二人で揃いのエプロンを >





天城「……なんです、あれ」

高雄「さぁ……? ここに来たときには既に」

愛宕「幸せそうな顔ねぇ」

明石「……ちょっと羨ましい」

天城「…………まぁ、姉様の機嫌が直ったならいいです」





提督「こんなのでいいのか? 」

雲龍「ええ。……あっ」

提督「ん? あぁ、レタスが」





愛宕「二人で朝食の準備、か。……あれを私たちに食べさせるのね。…………牽制? 」

578: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:42:27.83 ID:spjEUaVmO

< 塩を加えるタイミングとか >





提督「雲龍も料理できたんだな」

雲龍「和食だけだけれど…………ふふ」

明石「うーん……同じ食材と調味なのに。また違った味わいですね」

愛宕「癖とかあるもの。茹でる時間を変えるだけでも大分風味が変わったりするんだから」

高雄「ええ。だから別の方とお料理するのもなかなか」

天城「……やはりおひたしは姉様には勝てませんね」

雲龍「……あなたのお味噌汁程じゃないわよ」





提督「いやぁ……毎朝色んな物が食えて俺は幸せだよ。はっはっは」

579: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:43:44.42 ID:spjEUaVmO

< 諦めた。いつの間にか増えてやがるし >





提督「ふぃー……昼前に粗方執務は終わらせてやったぜ」

愛宕「お疲れ様」

提督「ん」

高雄「最近は陸軍側からの嫌がらせ地味た確認とかも減ってますね」

提督「あぁ、いい加減飽きたのかな」

愛宕「でも食堂はまだ使いにくいのでしょうね」

提督「……加賀は気にせず食い荒らしてたけどな」

高雄「あの人と同じにしないでください」

愛宕「まぁ、人数は増えたけど料理人も増えたし。
あまり負担はないから大丈夫でしょ」

提督「そうだな」

580: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:44:49.89 ID:spjEUaVmO

< 昼間だからこそ抑えられないことが >





提督「…………むぅ」

愛宕「……? 」

提督「…………」

愛宕「どうしたの? 」

提督「いや……」

愛宕「珍しく上の空よ? 」

提督「…………」

愛宕「…………うーん? 」

提督「……執務終わったよな」

愛宕「ええ、終わったわね」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………あぁ……こっち来い」グイッ

愛宕「きゃっ……ちょっと……どこ……私の部屋? 」

581: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:46:08.46 ID:spjEUaVmO

< 浅ましいこの…… >





ガチャ、バタン



愛宕「んぁ……ね、まだお昼ぅっ…………ゅる……ちゅ…………っはぁ」

提督「……抑えられないんだ」

愛宕「いやん……かったーい……」

提督「愛宕も……身体熱い」

愛宕「それはぁっ……んっ…………もっとぉ……」

提督「はぁ……浅ましい」

愛宕「あなたの所為じゃないっ」

提督「そうかな? 」グイッ

愛宕「そ、んんんっ……! 」

提督「……そうかな? 」グリッ

愛宕「だから、そうあっっっーー……ゅる…………んぁ」

提督「…………っはぁ……そうかな? 」

愛宕「…………わ、私の所為、ですはぁぁぁんッ……! 」

582: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:47:51.83 ID:spjEUaVmO

< 食堂にて >





高雄「あら……提督と愛宕知りませんか? 」

雲龍「さぁ……私は知らない」

天城「私もです。ここに姉様と来たときには誰もいませんでしたよ」

高雄「……ふむ」

明石「…………」

高雄「あ、明石さんも来ましたか。提督と愛宕知りませんか」

明石「……知ってますけど」

高雄「そうですか。そろそろここに来そうでした? 」

明石「さぁ……でも、たぶん来ませんね。下手すると夜も食べないかも」

雲龍「……あっ」

天城「……こんな時間から」

高雄「なるほど。まぁ、それならいいです」

583: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:48:58.55 ID:spjEUaVmO

< いつか自分も…… >





高雄「結局二人は来ない、と」

雲龍「……慣れたものなのね」

高雄「ええ。当事者ですから」

天城「唐突にいなくなりましたね。なにか切っ掛けでもあったのでしょうか」

高雄「いえ……経験で言えば発作的なものですよ。
なんとなくソワソワして普段はしないことなんかして。
一応は予定を気にしてから、ですね」

明石「いやー……もうね。廊下で手を引っ張って行きながら、
二、三回壁に押し付けてキスした後にまた歩き出すとか」

雲龍「野獣ね。……待って、どうしてそんな細かく見てたの」

明石「それは……興味ありません? 」

雲龍「…………」

天城「…………」

高雄「……まぁ、お仕事もありませんしね。
お茶でもして待っていましょう」

584: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:50:18.30 ID:spjEUaVmO

< 噴水みたい……とはいかないか >





高雄「本日は三月二十三日です」

天城「はい」

高雄「誕生石はピクチャードジャスパー。
石言葉は“ 誰にも出せない味 ”と“ オンリーワン ”」

明石「……確かに誰にも出せない味ですね」

雲龍「それは出てくるものの味? 」

明石「雰囲気とかですよ。……そっちもなんですか? 」

高雄「知りません。他の殿方を知りませんので」

天城「……味わったことは当然のことなんですね」

585: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:51:24.48 ID:spjEUaVmO

< どういう意味だろうか >





明石「オンリーワンですか」

雲龍「……そうではないみたいだけど」

高雄「それは……私は気にしてませんので」

明石「なら、いい……のですかね」

高雄「まぁ、思わないものがないではないですけど。
少なくとも私を見てくれているときは私がナンバーワンで、
殆どがオンリーワンですからね」

雲龍「殆ど……●●……」ボソッ

高雄「……私だって彼と愛宕を選ぶことなんてできませんし。
もちろん男性で、とならばナンバーワンかつオンリーワンですが」

明石「羨ましいですねぇ。私は姉妹なんていませんし」

高雄「問題はそこなのでしょうか……私が言うのもおかしいですけど」

天城「必ずしもいいものではありませんよ」

雲龍「えっ」

天城「……ふふ」

雲龍「えっ…………え? 」




587: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:54:04.67 ID:spjEUaVmO

< 最下位が一位の命令を >





高雄「…………座位で……その……キスをしながらが」

明石「ははぁ……高雄さんは愛あるちゅっちゅが好きなんですね」

雲龍「……明石は押さえつけられる方が好きだというの? 」

天城「……姉様もそっちなくせに」

雲龍「なっ……」

明石「やけに雲龍さんに厳しいですね」

天城「偶然ですよ、偶然」

明石「……それにしても……高雄さぁん。詳しくお願いします」



高雄「嫌です。……本当にやめません?
この罰ゲーム私しかダメージ負ってないと思うんですけど」



589: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:57:18.87 ID:spjEUaVmO

< 子豚の邪神様が如く >





高雄「ふふふ……次はバカラでもしますか」スッスッ

明石「…………」ドヨ-ン

天城「…………」ドヨ-ン

雲龍「」チ-ン

高雄「そういえば……罰ゲームですが」

明石「や、やめるんですね? 」

天城「……慈悲はあったのですね」

雲龍「」チ-ン

高雄「いえ、次回もあるのかどうか訊いてみたかっただけです」

明石「で、ですよねー」

天城「……まぁ、一度のダメージですし。
勝てば、勝てさえすれば」

雲龍「…………もう、いやぁ……生きていけない……」





高雄「……ふふふ」


590: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:58:55.16 ID:spjEUaVmO

< 横臥して見つめ合って >





「うーん……なにか不吉な……」

「なぁに、それ」

「いや、こう……なにか呼び出してはいけないものが目覚めたような」

「もうっ…………今は私のことだけ」

「あぁ、ごめん。ちょっと、な。水飲む? 」

「うん。飲ませて? 」

「ん、ん、ん……くひ」

「んぅ……ゅぁ…………るぁ…………ちゅ……れぁ…………っはぁ……。
あのー、お水だけで舌まで要求してないんですけど? 」

「ん? いらなかった? 」

「んーん、もう一回、ちょーだい? 」

「…………っはぁ…………あっつ」

「……今度こそ勝つんだから」

「勝ち負けじゃ…………おおう」

「……ふふふ」

591: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 22:59:43.04 ID:spjEUaVmO

< 因果応報は誰にでも…… >





高雄「忘れていました。三月二十三日の誕生花はデルフィニウム。
花言葉は“ 陽気さ ”」

明石「…………なるほど」

天城「…………」

雲龍「…………」

高雄「皆さん陽気さが足りませんね。
まぁ、普段からそんな柄ではないかもしれませんが」

明石「そう、ですね」

天城「……誰の所為だと」

雲龍「…………開き直る力が欲しい。そしていつか……殺ってやる」

592: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 23:01:45.91 ID:spjEUaVmO

< あの子の分なのよ? >





「んー……出ないの? 」

「いやん…………出るわけないじゃない」

「そっか」

「……出るようにしてみる? 」

「ん、いつかそうなると……いいな」

「…………」

「…………」

「……と、言いつつまだ吸うの? 」

「出なくても美味しいから」

「ふふ……おっきな赤ちゃんねぇ」

「…………本当のガキはこんなことできないぞ? 」

「そうね。……あふっ…………またぁ♪ 」


593: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 23:02:57.20 ID:spjEUaVmO

< 孤高には孤高たる理由が >





雲龍「……私、あまり馴れ合いって好きじゃないんだけれど」

明石「おっ、復活しましたか」

雲龍「まぁ、開き直ればいいだけだから」

明石「そうですね。……それで? 」

雲龍「でも、私がどちらかといえばマイノリティなのはわかってるの」

明石「ははぁ……確かに私もどちらかといえば一人でいたいタイプですね」

雲龍「だけど……馴れ合えもしないクズが馴れ合いを嫌うのって無様よね」

明石「や、雲龍さんはそれほどでもないでしょう? 」

雲龍「そうかしら。……馴れ合いを嫌う人に限ってそれすらできないのよ」

明石「私とのこの会話は? 」

雲龍「んー……飲み合い? 」

明石「お酒とつまみしか目の前にありませんもんね……あっ、注ぎますよ」

594: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 23:04:19.23 ID:spjEUaVmO

< 諦めて走り切ろうか >





提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………何時? 」

愛宕「…………えーっと……フタヒトマルマル」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………もう、いいや」

愛宕「え? ……ちょきゃぁっ」

提督「もう夜だし……このまま、ね? 」

愛宕「さすがにお腹、あぁぁぁっ……ふぁ…………ひやん……ッ……! 」


595: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 23:05:46.04 ID:spjEUaVmO

< おめでとうございます >





高雄「ポテトチップスが発売40周年らしいですよ」

明石「はえー……これにもそんな歴史が」

雲龍「存外つまみにもなるのね」

天城「スナック菓子なんて、と馬鹿にできない味わいと種類ですね」

高雄「やはり……のりしお」

明石「コンソメが一番だと思いますけどねぇ」

雲龍「私は……梅風味とか期間限定品が」

天城「うすしおでしょう。基本と薄味です」

明石「まぁ、美味しければいいですよ」

高雄「……手が油まみれにならなければ言うことなしなのですけれど」


596: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 23:07:27.67 ID:spjEUaVmO

< っぽい? >





高雄「ちなみに二十三日の誕生カクテルはルジェカシスウーロン。
カクテルワードは“ 仕事を楽しむ仕事人 ”です」

雲龍「私たちが仕事、というか任務を楽しむのはダメよね」

天城「……何人か予備軍を見た記憶が」

明石「私も割と……工学分野の方ですけど」

雲龍「そもそも仕事人ってなに」

天城「必殺? 」

明石「あれ観たことないです」

高雄「まぁ、観たからどうという話でもないのですが」

597: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/23(月) 23:09:49.49 ID:spjEUaVmO

< 誰の目線からの言葉か >





雲龍「浮気とか考えたことないの?
私たちという意味ではなくて」

高雄「たとえば? 」

雲龍「うーん……基地に出入りする業者とか、●●とか」

高雄「…………ないとは言い切れませんが……いえ、ないですね」

雲龍「そのこころは? 」

高雄「あの人変態で●●魔人ですけどラインは守る人ですから。
仮に加賀さんと致していたとしても私や愛宕には秘密にはしませんし、
たぶん話を通してきますよ」

雲龍「……通してきたとして許すの? 」

高雄「さて……加賀さんやあなたにも事情はあるでしょう。
思うことはありますが許してしまうかもしれませんね」

雲龍「ふーん……」

高雄「ナンバーワンの余裕、という程ではありませんが、
浮気ということは少なくとも私が本命ということですし」

雲龍「……なるほど」

雲龍(でも浮気は浮気のような……高雄もここに毒されているのかしら)



604: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:11:43.06 ID:R9z6RswTO

< 無性に惨めな気持ちが >





高雄「…………」

愛宕「…………Zzz」

提督「…………Zzz」

高雄「…………牝臭いし牡臭い」

愛宕「…………んふ……Zzz」ギュッ

提督「…………Zzz」

高雄「…………私も混ぜてくださればよかったのに」

愛宕「…………ぅ……Zzz」

提督「…………」

高雄「……はぁ…………まさか今から自分を慰めるのも、ね。
客人を襲うわけにもいきませんし、暖かさとは無縁ですものね」

高雄(…………こんな自嘲もできたんでしたっけ。忘れていました)

605: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:12:29.63 ID:R9z6RswTO

< 朝帰り前に枕元に立って >





高雄「…………Zzz」

提督「…………昨日はすまなかったな」

高雄「…………Zzz」

提督「……ちょっと我慢できなかったというか」

高雄「…………」

提督「……時々、こう……身体のラインとか下 の影とかうなじの匂いに、ね」

高雄「…………」

提督「……でもそれは愛宕だけじゃなくて高雄にも思うんだぜ?
今だって寝たままの状態で抱えて連れ出して愛宕のいない場所に監禁して首輪でお前を…………いやいや」



ガチャ、バタン



高雄(お前を……なんなのでしょうか。少し気になりますね)

606: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:13:06.07 ID:R9z6RswTO

< 出した分は補充しないと >





明石「おっはよーございまーす」

提督「んー……おはよう」

明石「何やってるんですか? 」

提督「見たまんま」

明石「……卵? 」

提督「おう、卵飲んでるんだよ」

明石「はぁ」

提督「……動物性蛋白だからな。どれだけ意味があるかわからないけど」

 

608: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:15:50.47 ID:R9z6RswTO

< お姉ちゃーん >





愛宕「…………」ヌボ-

高雄「……どうかしたの? 」

愛宕「…………」チラッ

高雄「……愛宕? 」

愛宕「……高雄ぉ……ふふ」ギュ-

高雄「な、なんなの……なにがあったの」

愛宕「ねむーい……一緒に寝よ? 」

高雄「はぁ、あの執務とかですね」

愛宕「いいじゃない。高雄をほったらかして快楽貪ってた提督なんて」

高雄「あの、それは愛宕もなんだけど」

愛宕「いいからいいから。お昼前には起きればいいのよ」

高雄「…………」

愛宕「…………」ギュウ

高雄「…………そうね」

愛宕「でしょ? お姉ちゃんと寝たかったのよぉ」

高雄「何言ってんだか……ふぅ」


609: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:16:36.21 ID:R9z6RswTO

< どうしたんだろうね? >





提督「や、すまんな」

天城「いえ、お料理は好きですから」

提督「でも一応は客だし。ありがとな」

天城「……いえ」

明石「高雄さんも愛宕さんも起きてこないなんて珍しいですね。特に高雄さん」

提督「あぁ……いや、たぶん一回起きたと思うぜ。
そのあと愛宕に引きずり込まれたんだよ」

明石「はぁ」

雲龍「……天城がいてよかったわね」

提督「そうだな。……俺もつくれないわけじゃないんだけどなぁ」

610: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:17:36.38 ID:R9z6RswTO

< タチネコ……とは違うか >





明石「基地内ヒエラルキー」

提督「あ? 」

明石「ここのヒエラルキーってどうなってるんですか? 」

提督「や、俺と高雄と愛宕しかいねぇんだけど」

明石「そんなの知ってますよ。階級とか所属じゃなくてですね」

提督「はーん……いつだったか高雄<俺<愛宕みたいな話をしたことがあるけど」

雲龍「……ベッド? 」

天城「でしょうね」

提督「……でもおかしいと思うんだよね。
そんなのプレイ内容とか気分で変わるだろ」

明石「ノーコメント。……経験させてくれるなら……意見できますけど」

611: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:18:21.44 ID:R9z6RswTO

< 普段とは違った行動には >





愛宕「……んー…………高雄あったかぁい」ギュッ

高雄「生きてますからね」

愛宕「その反応はつめたーい」

高雄「…………」ギュッ

愛宕「…………んぅ」

高雄「……寝ないの? 」

愛宕「……寝たいの? 」

高雄「誘ったのはあなたでしょう」

愛宕「そうだったかしら」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……私は気にしてませんよ」

愛宕「なにを? 」

高雄「……いえ、なんでもないです」

612: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:19:41.04 ID:R9z6RswTO

< 蠱惑的泥沼温泉郷 >





高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………柄にもなく嫉妬していたかも。
気にしていない素振りをしていたのに」

愛宕「……うん」

高雄「佳い女か……理解のある女を演じていたかったのですが」

愛宕「できていたと思うわよ? 」

高雄「ふっ……あなたは昨日いなかったでしょう?
私も人間に近付いてしまっているのかもしれませんね」

愛宕「高雄も、か。でも仕方ないわよ。
そう思わせて、そうさせてしまうなにかをあの人が持っているから」

高雄「ええ、憧れ、とは違いますか……なんでしょうね」

愛宕「言葉にはできない素晴らしさ……か、毒よね」

高雄「……蠱毒のように」

愛宕「私たちが好きになった相手なんだから。
それくらいあって当然でしょう? 普通は私たちに溺れても仕方ないくらいなんだから」

高雄「ふふ……ええ、そうかもしれません」

613: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:20:30.38 ID:R9z6RswTO

< あなたが姉/妹で、私は >





愛宕「それに高雄は柄にもなくって言ってたけど」

高雄「…………」

愛宕「そんなことない。嫉妬は女を綺麗にするものよ」

高雄「…………嫉妬に支配されるような……女の子は卒業したと思っていたので」

愛宕「女の子は最初から女だし、女はいつまでも少女なの。
嫉妬くらいは男がどうにかすればいいんだから」

高雄「ふふ……随分と男性に厳しいわね」

愛宕「男性、というか彼に、でしょ?
それくらい簡単にできちゃう人なんだから」

高雄「…………そうね」

愛宕「…………起きたらとりあえずどうする? 」

高雄「そう、ですね。……優しく抱き締めてもらいましょうか」

愛宕「ふふ……やっぱり女の子じゃない。乙女ちっく」

高雄「あなたも、ね。愛宕。…………ありがとう」

614: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:21:13.22 ID:R9z6RswTO

< 工廠が開放されていませんものね >





明石「提督は一人で執務。雲龍姉妹は海上で演習。高雄姉妹はまだ起きてこない」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………高雄姉妹も普段は執務に就いていますね」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………もしかして私が一番ニート……? 」

615: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:22:02.83 ID:R9z6RswTO

< その身に纏う温もりを >





明石「と、いうわけで工廠開放してください」

提督「いいけど」

明石「あ、割と簡単に許可下りるんですね」

提督「使うやつがいないだけだしな。
出撃しないだけで修復・修理関係は二人が持ち回りでメンテしてるぞ」

明石「なるほどなるほど」

提督「ただなぁ……大した装備とかないぞ。
必要なかったから仕方ないんだが」

明石「いえ、なにも常に新しいことをしているわけではありませんから。
既存の装備を点検したり艤装関係の書籍でも触ってますよ」

提督「はぁ。雰囲気が好きみたいな? 」

明石「そうですね。提督もなんとなく高雄さんに触ったりふにふにしたくなりませんか? 」

提督「…………おおう」

明石「……? 」

提督「いや、すっげぇ納得したわ。ほい、これ鍵」

616: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:22:59.56 ID:R9z6RswTO

< 普通とはなにか >





バタバタバタ、ガチャ



明石「ちょ、ちょっと提督ぅ! 」

提督「なんだ。あれからまだ全然経ってないじゃねぇか」

明石「ここなんにも手入れされてなかったんですよね?
そうとは思えないくらい資材●まってるんですけど! 」

提督「いいことじゃねぇか。なんか文句あるのか」

明石「や、そんな滅相もない」

提督「…………横須賀から飛ばされたときにな、横須賀の元帥が流してくれたんだよ。
絶対必要になるときがくるとかなんとか」

明石「ははぁ……もしかしてあれ使ってもいいんですか? 」

提督「多少はな。それこそ装備品開発とか本式なものは書類必須だけど。
ちょっと手慰みって程度なら、まぁ誤魔化してやる」

明石「わぁ……! 」

提督「……いい顔するなおい。キラッキラじゃねぇか」

明石「提督大好きッ。愛してますー! 」



バタン、バタバタバタ



提督「…………こんなので喜んでくれるのか。工学系女子……謎である」

617: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:23:49.66 ID:R9z6RswTO

< あなたを見ているから >





提督「んー……考えてみればカラオケ増築も早めにぶっこまないと工事あるしなぁ」カリカリ



ガチャ、バタン



高雄「おはよう、ございます」

提督「ん? あぁ……おはよう」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……シャンプー変えた? バラっぽいね」

高雄「はい。……よくわかりましたね」

提督「おう。高雄のことだからな」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……機嫌どう? 昨日はすまなかった……ごめんな」

高雄「いえ、気にしては……否定はしませんけど。今、良くなりました」

提督「ふぅん? 」

高雄「…………ふふ」

618: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:24:56.43 ID:R9z6RswTO

< 笑顔で帳消しに >





提督「うーん……なかなかいい匂いだね」

高雄「そうですか」

提督「バラかぁ……昨日までは柑橘っぽかったけど」

高雄「愛宕がくれたので使ってみたのですけど」

提督「そうか。やっぱり姉妹だと似合うものもよくわかるのかな」

高雄「どうでしょう? あの子、センスがいいですからね」

提督「んー、高雄もいいと思うけどな」

高雄「私はとてもとても」

提督「まぁ、高雄はそう言うけどさ。俺は高雄の好みも好きだよ」

高雄「……ありがとうございます」





愛宕「…………うんうん。ちょっと安い女にも見えるけど……仕方ないわね。
お互いが惚れた弱みってやつだもの。……私もだし」


619: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:25:44.06 ID:R9z6RswTO

< 空母姉妹は見た >





天城「…………演習から帰ってきたら」

雲龍「……風呂上りらしき雰囲気を纏った女が執務室前で覗きをしているという」

天城「……なんですかあれ」

雲龍「さぁ……愛宕がいるってことは中に高雄がいるんじゃないの? 」

天城「なるほど」

雲龍「……機嫌直ったのかしら」

天城「直ったと思いますよ。下手すると今日一日普段よりいいかも」

雲龍「…………はぁ。またこっちがダメージを受けるのね」

天城「……仕方ありませんよ。馬に蹴られに来てるのは私たちの方ですから」

620: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:26:37.30 ID:R9z6RswTO

< 楽しみ方 >





高雄「あっ……提督……っ……」

提督「ん、痛かった? 」

高雄「いえ、あの……なんでもないです」

提督「ん」コショ…

高雄「ああっ」

提督「ん? 」

高雄「……」カァァ…

提督「うん」

愛宕「膝枕で耳かき、か。……初々しい反応するわねぇ」ニコニコ

提督(なんでこいつ平然と隣に座ってコーヒー啜ってられるんだろう……俺はいいけどさ)

高雄「ぅぅ……」

621: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:27:19.92 ID:R9z6RswTO

< 寝食を忘れて >





愛宕「今日は明石なのね」

高雄「どうも最近全員揃いませんね」

愛宕「というか明石どうしたの? 」

提督「工廠の鍵貸したら狂喜乱舞してた」

高雄「はぁ……大丈夫でしょうか」

提督「飯食いたくなったら出てくるだろ。それまでは引きこもるかもしれないけど」

愛宕「どうかしら」

高雄「資材に埋れて力尽きている未来も予想できますけど」

提督「さすがに……俺はあいつを信じてるぜ? 」

622: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:27:57.94 ID:R9z6RswTO

< 富士山の絵なんてないけれど >





天城「はふぅ…………やはりお風呂はいいものですね……」

雲龍「…………そうね」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……姉様、最近とっても綺麗……」

雲龍「そう? 」

天城「はい。特にお肌のハリとツヤがもう」

雲龍「……ありがとう。天城も、ね」

天城「嬉しいです、姉様」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………お風呂、いいものね」

天城「……はい。とても」

623: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:28:42.93 ID:R9z6RswTO

< 見ているだけでも幸せ >





天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………浮きますね」タユ-ン

雲龍「…………そうね」タユ-ン

天城「これ……邪魔じゃありません? 」

雲龍「あんまり。ずっとあるし」

天城「うーん……身軽な方が楽だと思うのですが」

雲龍「…………彼はこっちの方が好きだと思うわよ」

天城「……そう、ですか」

雲龍「……まぁ、使ってもらえないなら確かに邪魔かも」

天城「使うって……姉様、言い方がはしたないです」

雲龍「なら……挟む? 」

天城「それ以外にも楽しみ方はあるでしょう? ダメです」

雲龍「そ、そう」

天城「はい」

雲龍(耳年増なのかしら? ……いえ、問題は別のところにあるような……)

624: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:29:40.81 ID:R9z6RswTO

< 視線を感じた >





提督「太ももはむっちりだよなぁ」

高雄「何を言ってるんですかいきなり」

提督「や、さっき膝枕しただろ? それで駆逐の子の太ももとか思い出してたんだよ」

高雄「……変態が」

提督「まぁまぁ。それでさ触ったことはないから一概には言えないけど」

高雄「当たり前です」

提督「肉付きのうっすいほっそりした太ももはなぁ……。
なんか違うなって。やっぱり高雄みたいな細いけど太くない。むっちりだけど細い太ももが一番だなって」

高雄「はぁ」

提督「すっきりしたよ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………なぜ、私は短いスカートを選んだのでしょうか」

提督「さぁ? 」

625: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:30:34.13 ID:R9z6RswTO

< 悪くないと思うのだが >





愛宕「……ダメ? 」サワッ

提督「おおう……ダメ、じゃねぇわ」

愛宕「でしょ? 」



高雄「……何をしてるんですか? 」

提督「あぁ、幼女以外の指咥え上目遣いおねだりはダメかダメじゃないか」

高雄「はぁ? 」

提督「ガキっぽさがあって愛宕くらいには合わないんじゃないかと思ってたんだが……なかなかどうして」

愛宕「ポイントは手のひらを重ねて上目遣いの前に一度目を伏せることよ」

高雄「はぁ」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「……やりませんよ。私は。…………どうせ似合いませんし」

626: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:31:24.70 ID:R9z6RswTO

< 御髪の為に >





天城「あっ、その櫛って……」

雲龍「ええ、天城に貰ったものだけど」

天城「使っていただけていたのですね」

雲龍「当然でしょう」

天城「嬉しいです、姉様。姉様はあまり天城を頼ってくださいませんし、
感情をあまり表に出さないから」

雲龍「…………貧乏性なだけよ。他にないから」

天城「ふふ……そうですか」

雲龍「そうよ」

天城「……あっ、天城が梳かしますよ。姉様癖っ毛だから後ろ髪はなかなか難しいでしょう? 」

雲龍「……お願い」

天城「♪ 」ニコニコ

627: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:32:09.75 ID:R9z6RswTO

< この傷すら愛と欲に変わる >





高雄「そういえば」

提督「ん? 」

愛宕「なぁに? 」

高雄「……雲龍さんドの付く被虐趣味らしいですよ」

提督「はぁ」

愛宕「そう」

高雄「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「あ、あの」

提督「見た感じそうだよな? 」

愛宕「そうねぇ。眠たげな目をしてるけど……強く瞑ったり見開かせたりしてみたいわぁ」

高雄「…………なぜわかるんです」

提督「こう……なんでだ? 」

愛宕「SとMは惹かれ合う、みたいな? 」

628: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:33:00.25 ID:R9z6RswTO

< 潜在的な…… >





雲龍「…………? 」

天城「雲龍姉様? 」

雲龍「いえ……大丈夫。大丈夫」

天城「はぁ」

雲龍「…………お昼をもらいに行きましょうか」

天城「そうですね」

雲龍(不吉な……なにか怖気の振るう気配が)

天城「姉様? あっ、毛先に……」スッ

雲龍「い、いやっ」

天城「ね、姉様? 」

雲龍「……ごめんなさい。ちょっと考え事をしていただけだから」

天城「? 」

629: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:34:03.53 ID:R9z6RswTO

< それは愛宕さん、あなたもですよ? >





高雄「で、では天城さんは? 」

提督「Sだろ」

愛宕「Mでしょ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……そうか? なんか笑顔で頭踏みつけたり、
ヒール……というか下駄で押さえつけたり鼻緒のゴミ取らせたりしそうな」

愛宕「私は和服の裾を自分で上げさせたり、
荒縄を食い込ませるとか、逆に思いっきり薄いノースリーブと、
ベリーショートのショーパン履かせたら似合うと思ったんだけど」

提督「……それ、いいな。特にショーパン」

愛宕「うーん……冷たい天城ちゃんも悪くないわね」

提督「洋装の天城かぁ」

愛宕「逆に雲龍に和装も……ふふ」

高雄(……やはり使い物になりませんね……。
欲がディープというか業が深いというか)

630: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:34:43.30 ID:R9z6RswTO

< 三時の……おやつです >





提督「あぁ……女の柔らかさだ」

高雄「つあっ…………んっ……」

提督「んふー……ほっそい肩」

高雄「んんっ……ゃぁ…………女の子、ですから」

提督「あぁ……腰も細いなぁ」ギュッ

高雄「! …………女、ですから」

提督「…………」ギュウ

高雄「…………あなたは……硬いです」

提督「おう…………男、だからな」

高雄「ふふ…………あぁっ……んなぁ…………」

631: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:35:32.57 ID:R9z6RswTO

< 自己評価 >





高雄(ぬ、●れてる……)

提督「高雄? 」

高雄「い、いえ……本日三月二十四日の誕生石はグリーンアベチュリンクォーツ。
石言葉は“ 華麗 ”、“ 無邪気 ”……“ 穏やか ”」

愛宕「華麗、ねぇ。そんな子いたかしら」

雲龍「……華麗に出撃よ〜 」

提督「荒潮か」

高雄「一応は無邪気な部類ですよね」

天城「少なくともここにいる人たちよりは」

提督「俺、無邪気だろ」

高雄「…………」

愛宕「…………」

雲龍「…………」

天城「…………はっ」

632: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:36:24.16 ID:R9z6RswTO

< 前戯より後戯 >





提督「誕生花は蛇結茨。花言葉は“ 賢者 ”」

高雄「…………」

愛宕「賢者タイム……」

提督「や、そんな直結させるなよ」

高雄「……まぁ、提督はアフターしっかりしてますよね」

愛宕「だからそのあと第二ラウンドにいっちゃうんだけど」

提督「●●たら放置しろってのかよ」

高雄「それは……イヤです」

愛宕「私も。ちゃんと構ってくれないと」

提督「…………賢者タイムっつーけどあの時間割と好きだぜ。
女の子と無邪気に戯れられるし」

雲龍「無邪気を引きずってるのね」

天城「……それでも無邪気には程遠いですよ。汚れています」

634: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:37:09.41 ID:R9z6RswTO

< 言わないでください >





提督「明日からケンタッキーとか丸亀値上げだってさ」

愛宕「ふーん……」

高雄「私たち行ったことありませんね」

提督「あぁ、そうだったか。……俺もあんまねぇな」

愛宕「チキンというと加賀さんが」

提督「やめろ」

高雄「それを言うなら焼きと」

提督「だからやめてやれ」

雲龍「……焼き鳥っていいつまみよね」

天城「日本酒には特に。……バーテンダー! 『黒龍』の冷」

提督「へい」

愛宕「『黒龍』、か。福井といえば青葉山……青葉」

高雄「今でも色々と嗅ぎ回っているんでしょうか」

635: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:37:45.97 ID:R9z6RswTO

< スルメ >





愛宕「なんとなく必要な気がした……『美女殺し』、です」

天城「んー……それなりに辛めですけど。そこまで強くないですね」

雲龍「スルメ誰か知らない? 」

提督「値段もお手頃だな」

高雄「……なぜ必要だと思ったかは聞かないでおきましょう」

雲龍「……スルメはどこ? 」

天城「おつまみもいいですけど……姉様」グイッ

愛宕「ふふ……人間美女殺しさーん」ギュッ

提督「や、やめろっ。瓶が倒れるぅ」

雲龍「あの……スルメ……天城、グラスは持ってるから……スルメ」

636: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:38:32.75 ID:R9z6RswTO

< 連日連夜 >





天城「『黒龍』……姉様も“ 龍 ”……ふふ」

雲龍「ちょっと……この子に好きなだけ出さないで。
出したら出しただけ飲むんだから」

提督「いいだろ。金余ってんだよ」

高雄「そこまで高いお酒じゃないですしね」

愛宕「酔いが深くなったらカクテルで誤魔化すのもありよねー」

雲龍「……同部屋だから困るのは私なんだけど」

愛宕「いっそ●●っちゃいなさいよ」

雲龍「イヤ。絶対イヤ」

天城「姉様ぁ……天城は、天城ぁ……」

高雄「『乃姫』というライチ酒が」

提督「それは台湾の高雄だろ……あぁ、もう……なにがなにやら」

637: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/24(火) 23:39:21.29 ID:R9z6RswTO

< 快楽とはあなたを欲するということだから >





提督「誕生カクテルはチョコカシスソーダ。
カクテルワードは“ 自分の生き方を持つ自由人 ”」

天城「姉様ぁ……この男はダメですよぉ……」

高雄「自由と奔放は違うと思うのですが」

愛宕「というかこれは奔放というより……傍若無人? 」

提督「まぁ、俺も自由な生き方してるけどな。
それが自分の生き方かどうかは知らんが」

雲龍「十分そうだと思うけど」

愛宕「艦娘で自由人じゃない方が珍しいわよねぇ」

高雄「私は自制していると……すみません、快楽的でした」

提督「謝ることじゃねぇよ。それはいいことだ」

雲龍「……いいこと? 」

愛宕「享楽的でも……いいじゃない。気持ちいいもの」

643: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:12:24.51 ID:E/dSrSw4O

< 花札とかタロットとか……無理だね >





提督「艦娘って99%秘匿事項だよな」

高雄「三笠さんなんかはある程度メディア露出もありますけど」

提督「マザーは別だ。……で、だな。もし民間に親しみをー、なんてなったらトランプにするといいんじゃないか? 」

愛宕「それ絶対揉めるじゃない。
トランプカードなんてジョーカーが二枚としても54枚なのよ?
半分も出演できないじゃない」

提督「そこはまぁ二枚組セットやランダム商法でだな」

高雄「……売れはしそうですけど」

愛宕「軍への批判は強そうねぇ」

提督「俺は欲しいんだが」

高雄「……いらないとは言いませんけど」

愛宕「……うーん……でも握手券とかイヤよ?
私、提督以外の男には触られたくないから」

644: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:13:05.43 ID:E/dSrSw4O

< 青葉さんもジョーカーでいいと思う >





提督「まぁ、色々なものをなんとかして実現したとして」

高雄「はぁ」

提督「どのカードに誰が当てられるか考えるのは楽しくないか? 」

愛宕「たとえば? 」

提督「うーん……好みにもよるだろうが俺的には高雄姉妹四人が各クイーンだろ」

高雄「……ほう」

提督「で、ジョーカーには夕立と……いや、ジョーカーは大和と武蔵で夕立はスペードのエースかナイトだな」

愛宕「なるほど」

高雄「…………」

愛宕「……他は? 」

提督「…………他は知らん」

高雄「まさかの丸投げですか」


645: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:13:46.49 ID:E/dSrSw4O

< ひっどーい! >





愛宕「これ四人姉妹とかはいいけど一人だったりすると難しいわね」

提督「島風とかな。明石は夕張・大淀となんとなくペアでもいいかな」

高雄「それなら島風だって……」

愛宕「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「……いや、天津風とか仲良かっただろ。忘れてやんなよ」

646: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:14:35.72 ID:E/dSrSw4O

< 逆にフラットチームでも >





高雄「では逆に艦娘からどれに当てはめられるか考えてみましょう」

提督「ほう」

高雄「たとえば……雲龍さんと天城さん」

愛宕「…………割と微妙よね。一航戦と二航戦を同じ数字に入れたとして、
五航戦と同じ枠ってのも……」

高雄「軽空母の方達はそもそも人数いますしね」

提督「うーん……」

愛宕「……」

高雄「……」

提督「……面倒だ、千歳と千代田を合わせて8とかに入れとけ」

愛宕(8……ぱい……あぁ、なるほど )

647: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:15:12.02 ID:E/dSrSw4O

< 忘れていたということは…… >





愛宕「……そういえば明石は? 」

提督「だから夕張たちとだな」

愛宕「そうじゃなくて。あの子今何やってるかわかる? 」

提督「あっ」

愛宕「……」

高雄「……」

提督「……爆発音とかはなかったよな」

愛宕「あそこ壁厚いから……どうかしらね」

高雄「死にはしてないでしょう。死には」

提督「……見にいくか」


次回 【艦これ】高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」 後編