【艦これ】高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」 中編

648: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:16:15.79 ID:E/dSrSw4O

< 実際どうにもできませんし >





提督「明石くぅーん。生きてるかーい……ん? 」





明石「…………」ペラッ

提督「…………明石」

明石「……んぁ? 影? 」

提督「あのさ。何やってるわけ」

明石「提督。いやー……大口径の砲を安定させる方法を模索してまして」

提督「そういうわけじゃねぇんだけど。……自分がどういう状況かわかってる? 」

明石「資材に挟まれて上半身しか動かないし、
艤装を展開すると何とぶつかったり発火するかわからないのでそのまま誰か来ないか待ってました」

提督「…………」

明石「…………てへっ」

提督「…………ばっかじゃねーの」

引用元: ・【艦これ】高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」 



649: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:17:12.54 ID:E/dSrSw4O

< らしさってやつ >





明石「どうせ死なないんだから慌てず騒がず読書をですね」

提督「……そうか」

愛宕「うーん……さすがに少しは騒いだ方がいいと思うの」

高雄「冷静に騒ぐというのもおかしな話ですが」

明石「や、でも工廠の壁厚いじゃないですか。
私の声量と厚さでシミュレートして音の伝わりの概算出しましたけどー」

提督「無理っぽかった、と」

明石「はい」

提督「……お前普段からそんな考え方してるわけ? 」

明石「はぁ……どこか変ですか? 」

提督「どこかって……いや、やっぱいいわ。明石はそれでいいよ、うん」

650: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:18:06.62 ID:E/dSrSw4O

< 充分すぎる箱庭に不満を >





天城「こんなに平和でいいのでしょうか」

雲龍「……いいんじゃない? 少なくとも私たちがここにいてもいい位には世界も平和なんだから」

天城「はぁ……なにか、引っかかりますね」

雲龍「それなら前線に志願でもする?
シーレーンの方は空母なんて引っ張りだこだと思うわ」

天城「…………」

雲龍「……それは嫌? 」

天城「…………兵器としては失格なのかもしれませんね」

雲龍「いいじゃない。兵士としては実に人間……いえ、生き物らしい」

天城「…………」

雲龍「罪悪感なのか、生の実感が湧かないのか。
それとも自分の生きる意味が見つからないのか。
まさか血が見たいとかそういう理由じゃないし」

天城「……なんでしょうね。あぁ……なんとなくこのままではいけない気がするのですけれど」



652: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:20:02.75 ID:E/dSrSw4O

< そもそも護衛艦ですぞ >





提督「“ いずも ”就役か」

愛宕「私たちの輸送とかに使われるのかしら」

提督「そうだろ。イージス艦だって今のところは警戒レベルの低い場所を哨戒してるし。
ヘリ運用もできれば指揮官だって移動しやすくなる」

高雄「私たち艦娘がいなければ……どう運用されていたのでしょう」

提督「さぁな。それこそ世界の軍事事情がひっくり返るし」





雲龍「少しだけ親近感が湧くのだけど……ダメね」

天城「絶対戦闘空母じゃないですからね。絶対に絶対。戦闘空母じゃなくてDDHですから」

653: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:20:48.26 ID:E/dSrSw4O

< 大和は263m >





提督「“ いずも ”だけど雲龍型よりやや大きいくらいらしい」

雲龍「2mくらい? 」

提督「そんなわけあるか。お前は人型だろうが。248mだっつーの」

天城「ちなみに姉様と天城は227.35mです」

愛宕「私は203、76mね。まぁ、空母ほどはさすがに」

高雄「あ、私も愛宕と同じです」

提督「あぁ、俺は……2mもねぇな」

愛宕「ふふ……ちっちゃーい☆ 」

提督「…………その言い方やめてくれない? なんか心にダメージが」

愛宕「えー? そっちがとっても大っきいのは知ってるわよ? ふふっ」

提督「なんかそれはそれで嫌だな」

654: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:21:30.78 ID:E/dSrSw4O

< 皆●●くて皆いい >





提督「ヤンデレという言葉があるな」





愛宕「……ふふ」

高雄「……ふふ」

雲龍「……ふふ」

天城「……ふふ」

明石「……ふふ」





提督「どう考えても●●●●ことを連想するしかないやつと、
マッドサイエンティスト笑いにしか見えないやつがいるな」

提督(……天城が一番病むの似合いそうだ)

655: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:22:15.28 ID:E/dSrSw4O

< 色々と歌ってほしい >





天城「ここって凄まじい趣味と娯楽の量ですよね」

提督「趣味って言っても多少のコーヒー豆と酒とつまみだけだぞ」

雲龍「……多少? 」

愛宕「娯楽室にはビリヤードとダーツもあるわよぉ」

明石「えぇ……」

提督「いや、そんなのは横須賀にもあっただろ」

雲龍「三人しかいなかったここにそんなものをつくったのが問題なんじゃないの? 」

高雄「……カラオケルームの予算も捻出してましたね」

提督「ちゃんと大部屋も用意するぜ? 」

愛宕「そういう問題じゃ……まぁ、楽しいからいっか」

656: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:23:04.36 ID:E/dSrSw4O

< 低音かつまろやかで >





明石「雲龍さん的にはあの人のどこがいいんですか? 」

雲龍「提督? 」

明石「はい」

雲龍「…………えーっと」

明石「…………」

雲龍「……あえてあなたが思っていないようなことを言うとすれば」

明石「すれば? 」

雲龍「声、ね。あの人に目を見られて囁かれたらそれだけでイけそう」

明石「そんなですかね」

雲龍「じゃあーー」





提督「ん? なんだなんだ……睨めっこ? 違う? はぁ? 」

657: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:23:53.31 ID:E/dSrSw4O

< 家長が箸を付けてから……みたいな >





高雄「今日はオ●●イスです」

提督「おおうっ! 」

愛宕「提督のにはハートも書いちゃいましたー」

明石「うわぁ……なんというか」

雲龍「イチャイチャとかなんだとかより……見た目が」

天城「芸術的ですね。本当にケチャップだけなんですか? 」

提督「うーん、やっぱオ●●イスは美味いな」

高雄「ふふ……私たちも食べますか」

愛宕「そうね。……皆もどうぞー。いただきまーす」

658: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:24:37.05 ID:E/dSrSw4O

< 雑音混じりのカーラジオとか >





提督「雲龍は『星めぐりの歌』かな」

雲龍「? 」

提督「や、どんな曲を歌ってほしいか考えてたんだ」

雲龍「はぁ。それどんな歌? 」

提督「んー……星座の歌だけど。結構難しいかな。伸ばすところばっかだし」

雲龍「そう。……覚えておくべきかしら」

提督「いつか聴きたい」

雲龍「……そう」

提督(あれ? ……そういえばカラオケに入ってるの見たことねぇや。
……まぁ、いっか)

659: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:25:19.07 ID:E/dSrSw4O

< ガーデンクォーツ >





高雄「誕生石ですけど」

提督「はい」

高雄「石言葉は“ あでやかさ ”と“ 美意識 ”です」

愛宕「華やかで艶めかしく美しい……私ね」

雲龍「私かも」

天城「……私も」

高雄「えっと……じゃあ私も」

提督「全員でいいだろ。俺は皆別の良さがあると思うが」

愛宕「そこは美意識の目指す先によっても違うわよね」

明石「…………ここでは大体同じだと思いますけど。
誰のために美しくあるか、ということでしょう? 」

660: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:26:40.16 ID:E/dSrSw4O

< 空母だからといっても >





提督「墜落……なんか思うところないの? 」

雲龍「……それ無茶振り」

天城「悲劇だとは思いますけどね。
10年以上機長を務めたベテランだったそうですし」

明石「それよりデュッセルドルフといえばペーター・キュルテンですよ」

提督「や、お前はなぜそんな知識を……」

明石「中二みたい? 」

高雄「それならデュッセルドルフの切り裂き魔を知ってる時点で提督も」

愛宕「別に中二を隠してないものね」

提督「別に殺人鬼の知識は中二ジャンルじゃ……まぁ、いいけど」

661: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:27:29.76 ID:E/dSrSw4O

< 恋人に嫁を乗せる >





明石「そういえば提督って単車持ってましたよね? 」

提督「貸さねぇよ? 」

明石「えぇ……なんでですか。単装砲くらい装備しましょうよ」

提督「俺は公道走りたいの。あと俺の恋人に変なことすんな」

愛宕「車も持ってるわよね? 」

高雄「確かFTOでしたね。詳しくは知りませんけど」

明石「げっ……まさか三菱信者ですか? 」

提督「いや、そんなそこまでの拘りはねぇよ。
その前はコルベットだったし。ちなみに81年式な」

明石「なんでまたそんな微妙な……そこまでいったらですね」

提督「うっせぇな。ぐにょーんとしたやつが好きなの」

明石「ぐにょーんて……まぁ、言いたいことはわかりますけど」

愛宕「ふふ……私たちのためにツーシータはやめたのよね〜 」

高雄「……あれも悪くありませんでしたけど」

提督「と・に・か・く。絶対に触らせないからな。
弄りたいなら自分で買え。話くらいはつけてやるよ」

662: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:28:43.11 ID:E/dSrSw4O

< 空耳 >





提督「那珂ちゃん今日も可愛ィ♪ 」

愛宕「まぁ……そうね」

提督「赤ちゃん今日も可愛いィ♪ ……に聞こえない? 」

高雄「はぁ……聞こえないこともないですね」

提督「おう」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「……オチはない」

愛宕「やっぱり」

高雄「どこから那珂ちゃんは出てきたのか」

明石「…………赤ちゃん……明ちゃん? 」

提督「呼ぼうか? 」

明石「や、いいです。バカップルかなんかですかそれ」

663: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:29:23.85 ID:E/dSrSw4O

< 理由は関係ない >





提督「二十五日のカクテルはチョコレートカイピリーニャ。
カクテルワードは“ 思いやりのある心優しき正直者 ”」

愛宕「思いやり、あるわよねぇ〜 」

高雄「心根も優しいこと、知ってますよ」

雲龍「基本的には正直でもある、はず」

提督「お前ら……」





明石「下半身に正直で楽しむために優しく思いやるとかじゃ」

天城「……あなた結構酷いですよね。
あの人だって普段も優しいです、たぶん」

664: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:30:12.09 ID:E/dSrSw4O

< 理由はなんでもいい、飲むぞ! >





提督「あぁ! 」

愛宕「ど、どうしたの」

提督「録画し忘れた……加賀酒紀行」

高雄「は、はぁ」

提督「やっちまった……ごめんな加賀」

愛宕「別に加賀さんが出るわけじゃないでしょ」

高雄「あの人の場合お酒も強いですけど……普通の食べ物旅番組になりそうですね」

愛宕「感想とか言えるのかしら」

高雄「まぁ、量だけじゃなく質も重視する人ですし。
あれで責任感もあるので、たぶん」

提督「加賀ぁ……よし、酒飲んで供養だ」

愛宕「供養って……飲みたいだけでしょ」


665: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/25(水) 22:30:51.43 ID:E/dSrSw4O

< ネグリジェ、スリッパ、そして欲求 >





提督「…………今日も終わりか」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「……ん? 」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「どうした」

高雄「誕生花、言ってませんよね」

提督「あぁ、確かに」

愛宕「二十五日の誕生花はカリフォルニアポピー」

高雄「花言葉は“ 拒まないで ”」

提督「……そうか」

愛宕「私、ちょっとあなたが欲しいなぁ」

高雄「私も……優しく、抱き締めてほしいです」

提督「…………そんなこと言われなくても、な。
拒むわけないだろう。…………おいで」

670: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:02:40.88 ID:Tld3Q1OFO

< 寝ているあなたを連れて >





提督「…………高雄」

高雄「…………Zzz…………んぁ? 」

提督「…………高雄ぉ」ユサユサ

高雄「……んぅ…………っ…………あな、た? 」

提督「うん、俺」

高雄「……はぁ…………ここ、どこです」

提督「うーん……外? 」

高雄「そりゃそうでしょうけど……くちゅんっ」

提督「あぁ、一応服は着せたんだけど……うーん」ギュッ

高雄「着せたというか……ブラウスとコートだけですね」

提督「寒い? 」

高雄「多少は。……でもこのコート私の部屋にあったはずで」

愛宕「そ・れ・は。私もいるからよぉ」ヌッ

高雄「ッ! ……いきなり飛び出してこないでください」

愛宕「んふふー、ごめんね? 月夜に二人っきりのデートじゃなくて」

高雄「いえ…………私はこれで充分ですから」ギュッ

愛宕「むっ……ねぇ、提督ぅ。次は私にもしてね? お姫様抱っこ」

提督「おう」

671: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:03:46.29 ID:Tld3Q1OFO

< 最高のスパイス……みたいな >





高雄「ん……やはり肌寒いですね」

提督「うーん……やっぱり下着とかって他人に着せられると違和感あるの? 」

高雄「ショーツはともかくブラは割と。
愛宕の場合いつも見られていますしサイズも同じなので少ないかもしれませんが」

愛宕「脱がす専の人にはわからないお話よねぇ」

提督「……着せてやろうか? 」

愛宕「ドレスとかならお願い」

高雄「…………そもそも意識のない者を引きずってまでなぜ外に」

提督「や、なんか空が見たくなって」

高雄「それで基地の屋上に……」

愛宕「それなりに綺麗な空ね」

提督「まぁ、田舎だし。海上だともっと綺麗なのか? 」

高雄「どうでしょうか。そんなことに注力していられませんからね」

愛宕「ふふ……この空の方が綺麗に決まってるじゃない、ね? 」チラッ

高雄「? ……あぁ、そうですね。確かに」チラッ

提督「ん、二人がそうなら……俺もそう思うよ」

672: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:04:32.65 ID:Tld3Q1OFO

< つま先立ちで首に手を回し >





提督「今度ベンチでも持ってこようか。ずっと立ってるのもな」

高雄「私はこのままで構いませんけど」

愛宕「そりゃあプリンセスはねぇ。私はずっと立ってるのよ? 」

高雄「……愛宕がいじめます」ギュッ

愛宕「! 」

提督「ふーん? 」チラッ

高雄「ふふ……」ギュウ-

愛宕「…………」

提督「…………ふぁ」

高雄「……眠気が」

愛宕「……提督さん? 」

提督「ん? 」

愛宕「お顔をこっちに向けて下さらない? 」

提督「? 」

愛宕「ふふ……ん……ゅる……っぁ…………ちゅ……っはぁ」

提督「……息が……手が塞がってるし」

高雄「…………私の頭上とは」

愛宕「…………ふふふ」

673: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:05:12.98 ID:Tld3Q1OFO

< 冷んやりとした寝台に飛び込んで >





提督「ふぁ…………眠い」

愛宕「まぁ、●●てから少ししか寝ないで外出てたし」

高雄「あぁ、まだこんな早い時間なんですね」

提督「布団やわらか」ボフッ

愛宕「あーん、身体冷えちゃったぁ」

提督「ん、こいよ」

愛宕「あったかーい」ギュッ

高雄「…………」

提督「ん、どうした? 」

高雄「いえ、目が冴えてしまったな、と」

提督「ふーん……」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「……眠いままってのも悪くないしな」

674: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:06:01.17 ID:Tld3Q1OFO

< 粛々、淡々、シコシコ >





「ッ……! イきそ…………っはぁッ……」

「ふふ……ドロドロ」

「…………目、目に入った……」

「だ、大丈夫かよぉぉぉッ? 」

「まだ出てくるわねぇ〜 」

「や、やめて……出したばっかだから……敏か、敏感んんっ」

「……とりあえずティッシュは」

「●●●●だけじゃないんだぞぉ」

「ひぃ、知ってる、知ってるから」

「…………いっそ顔洗ってきますか」

「た、助けろっ」

「すぐに戻りますので」

「ふふ……お姉さんとア・ソ・ビましょ? 」

675: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:06:51.09 ID:Tld3Q1OFO

< 嫌よ嫌よも >





「ひゃうっ……そっちはだぁめ」

「知るか」

「苦手なのっ…………んぅ」

「…………ふむ」

「? ……な、にそれ」

「さぁ? 身体で確認しろよ」

「や、やめ……いやぁぁぁ」

「てめーもやめてくれなかっただろうが」

「いーーやーー、壊れちゃうー」

「前には入ってやるよぉ」





「…………いつの間に逆転しているんです。…………もしやこれはやり返すチャンス? 」


676: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:07:29.52 ID:Tld3Q1OFO

< 欠けた月はまるで私の >





雲龍「…………あら」

天城「ん……姉様。起きていたのですね」

雲龍「ええ、月が綺麗だったから」

天城「あぁ……心が洗われるような」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……お酒でも貰ってきましょうか」

雲龍「寝てるんじゃない? 」

天城「いえ、ちょっと拝借して朝に伝えればいいのです」

雲龍「……悪い子ね」

天城「姉様も共犯ですよ? ……ふふ、行ってきます」

677: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:08:22.62 ID:Tld3Q1OFO

< 部屋から漏れ聞こえるほどに >





ガチャ、バタン



天城「…………」

雲龍「おかえり……どうして真っ赤なの? 」

天城「……は、破廉恥すぎます」

雲龍「うん? 」

天城「提督の部屋の前を通ったのですが……あぁ」

雲龍「なるほど……でも初心なネンネじゃないのだし」

天城「いえ……普通じゃないというか…………あんなにイき続けたら……」

雲龍「…………」

天城「死んじゃいそうとかどうとか……どうなるのでしょうか」

雲龍「……手伝いましょうか? 」

天城「遠慮します、ごめんなさい姉様」

雲龍「いえ、私も嫌よ」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………お酒、飲みましょう」

雲龍「そうね」



679: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:10:15.78 ID:Tld3Q1OFO

< パジャマパーティ:偽 >





明石「いやぁ……どうもどうも。まさか呼んでいただけるなんて」

雲龍「……たまにはこの三人で飲むのも、ね」

明石「はは、確かにそうです。客人三人ですしね」

天城「明石さん可愛らしいパジャマなんですね」

明石「そうですか? ガーゼパジャマっていうんですよー」

天城「なるほど……私はずっと襦袢なんですが」

雲龍「……私は最近ナイトウェアに変えたわ」

明石「こうして見ると色々あるんですね。
横須賀だとTシャツとかスウェットなんて方もいましたが」

雲龍「……あっちだとどうしても気を抜いちゃうのよね」

明石「女ばかりですからねぇ」

天城「……愛宕さんや高雄さんはどうなんでしょうか? 」

明石「そりゃあ……見られるの確定ですしね」

雲龍「ベビードールとかネグリジェとか……まぁ、そんなものよね」

明石「シャネルの五番とか? 」

天城「それ誰でしたっけ? ……あっ、お注ぎしますよ」

680: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:11:08.48 ID:Tld3Q1OFO

< 七億食を突破しているらしい >





提督「眠い……眠い……寝る寝る寝るね」

雲龍「どうし……程々にしなさいよ。腎虚になるわよ」

提督「うん……それは勘弁だな」

愛宕「大丈夫よぉ。この人●●だしぃ」

天城「……逆に●●でも疲労する内容ってことですか。
欲望に忠実すぎるのではないですか」

高雄「ははは……」

提督「卵でも……玉子酒ってあんまり美味くないよな」

天城「こんなときでもお酒のことを言い出すようでは早晩死にますね」





明石「ねるねるねるね……侮り難い味ですね」

681: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:11:56.64 ID:Tld3Q1OFO

< 私の夢が、犯されている >





明石「これ、面白いですよ」

提督「ん? アニメDVD? 」

明石「はい、九十分くらいだからすぐ終わります」

提督「ふーん……お前でもアニメとか映画観るんだな」

明石「や、夕張に勧められまして。なかなか発想もいいなー、と」

提督「……ふむ」

明石「提督は映画とか観ないんですか? 」

提督「あんまり。本は読むんだが映像だと疲れちゃってな」

明石「はぁ」

提督「でもこれは観るよ。久々だしな。明石の勧めなら」

明石「そうですか。同じ人の作品他にも持ってますから気に入ったら言ってくださいね」

提督「おう。……いま? こん? ……いまびん? 」


682: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:12:51.30 ID:Tld3Q1OFO

< 夢が犯されていく >





明石「ときに提督」

提督「ん? 」

明石「……高雄さんや愛宕さんの夢、見てみたくはありませんか? 」

提督「まぁ……見れるならな」

明石「いつか……いつかつくって見せますから。
そのときは提督にも試してもらいますよ」

提督「期待してるよ」

明石「それを私がさらに見る、と」

提督「あいつらの夢ね……愛宕は全年齢じゃなさそうだな」

明石「高雄さんは……どうでしょう。
雲龍さんはたぶんやめた方がいいですね」

提督「ははは……お前のは? 」

明石「どうでしょう、ね。提督が出演しているかも」





愛宕「失礼しちゃう。●●ばっかり見てるわけじゃないのに」

高雄「ばかり……たまには見るのね」

雲龍「…………つくらせない。見させない」ドヨ-ン

天城「ね、姉様? 」

683: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:13:40.06 ID:Tld3Q1OFO

< 消された高雄 >





提督「アニメといえば……うーん……」チラッ

高雄「はい? 」

提督「いや……なにか高雄が消えるような」

高雄「私が消える? 」

愛宕「そうしたらぁ、とーっても残念だけど私が高雄の分まで幸せになっちゃいまーす」ギュッ

提督「……愛宕も……うーん」

高雄「……それは困りますね。いっそのこと私と二人で消えてしまいませんか? 」ギュッ

愛宕「慰める女……」

高雄「手を取る女」

提督「どっち? 」





明石「いや、なんの茶番ですかこれ。
あなたたち程俗物すぎて現世に根を張ってる人なかなかいないでしょ」



685: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:15:34.51 ID:Tld3Q1OFO

< 欲望と指輪と >





高雄「本日三月二十六日の誕生石はプラチナですね」

提督「プラチナか。……指輪の、うん」

高雄「待ってますよ。……石言葉は“ 才能 ”、“ 欲望 ”、“ 努力家 ”、そして“ 勇気 ”」

愛宕「最も努力家な艦娘といえば! 」

雲龍「朧? 」

天城「長良、とか」

高雄「ここは全員でしょう」

明石「……私だって戦いたいんですよ」

提督「うん、俺は知ってるよ。それでいいじゃないか。
それに明石の主戦場は縁の下の力持ち的だって皆知ってるさ」

686: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:16:22.26 ID:Tld3Q1OFO

< 犬の人もいるかもしれませんね >





明石「提督のファーストキスって誰です? 」

愛宕「あ、気になるかも。学生時代の同級生とか? 」

高雄「まさか●●とか言いませんよね」

提督「…………猫」

愛宕「うん? 」

提督「小学生の頃家にいた猫」

高雄「なんと」

明石「商売女よりはいいのですかね」

愛宕「ね、猫畜生に負けるなんて」

雲龍「畜生って……まぁ、間違ってませんけど」

明石「確かに人間に負けるよりある意味屈辱かもしれませんね」

提督「まぁ、ヒトガタなら……中学生のときだな。何してるんだろ」ボソッ

愛宕「私も猫は好きよ? 本当よ? 」

687: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:17:07.99 ID:Tld3Q1OFO

< 私の高校はブレザーでした >





提督「海軍といえばセーラー服なわけだが」

愛宕「コスプレする? 」

高雄「……とうが立ち過ぎているような」

明石「下手な●●みたいなものですよね」

提督「お前セーラーが戦闘衣だろ」

明石「や、私は似合ってますから」

愛宕「なぁに? 私には似合わないって言うの? 」

明石「そういうわけじゃ」

提督「お前が着たら●●すぎてな」

愛宕「むぅ」

688: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:18:16.56 ID:Tld3Q1OFO

< 信頼を担保にして >





高雄「誕生花は橙金盞花。花言葉は“ 静かな想い ”」

提督「静かな、ね」

愛宕「熱血ではないけど静かって感じでもないわよね」

提督「俺はあくまで指揮官だからな。
指揮権が無きに等しいとしても自分を失ってはならない。
逆に冷徹すぎても信用を失う」

雲龍「そんなものいらないのではなくて? 」

天城「私は指揮に従うだけです」

明石「……士気に関わりますからね。
命令に従う中でもそれを信じるか否かで成功率にも影響します」

高雄「私は……あなたの命ならば死も受け入れます」

愛宕「あなたは死を命じない。だからこそ死地へもゆけるのよ」

提督「……そうか」

689: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/26(木) 23:19:06.14 ID:Tld3Q1OFO

< アーティスティック……かな? >





提督「酒だ酒だ! 」

明石「イェーイ」

愛宕「ぱんぱかぱーんっ! 」

高雄「ん……カンパリ、ですか? 」

提督「違うよ。似てるけどね。二十六日のカクテルはチナールトニック。
洋アザミベースのチナールっていうリキュールと、
トニック・ウォータのカクテルだ」

天城「このトニックというものは香りがいいですね」

提督「だろ? 香草や糖類、柑橘エキスを混ぜた炭酸だからな」

雲龍「……これは……レモン? 」

提督「あぁ。ちなみにカクテルワードは“ 物事に拘りを持つアーティスト ”だ」

明石「私もアーティストです! 」

提督「いや……さすがに認めらんねぇよ。拘りは認めるけどな」

695: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/27(金) 23:17:44.17 ID:SkL8qdbbO

< 自分では気付かないことも >





提督「頭痛い……久し振りに二日酔いかな」

愛宕「んー……本当に珍しいわね」

高雄「大丈夫ですか? 」ピトッ

提督「あっ……手の平冷たくて気持ちいい」

高雄「…………」

愛宕「……もしかして」

高雄「風邪ですね。明らかに発熱しています」

提督「マジかよ……」

愛宕「氷嚢持ってくる? 」

高雄「……今日はお粥ですね。梅にしますか? 」

提督「やだ。味噌粥でネギ」

高雄「はいはい。……いやに我儘ですね」

愛宕「……こうして母性本能が擽られる高雄ちゃんであった。ちゃんちゃん」

高雄「…………妻、ですよ」

提督「ふふ……新妻高雄ちゃん」

696: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/27(金) 23:18:31.00 ID:SkL8qdbbO

< ネグレクト……ではない >





雲龍「えっと……お休み? 」

天城「無茶な生活を続けているからです」

明石「で、高雄さんと愛宕さんにつきっきりでメンテされる、と」

雲龍「メンテって……でもそれで私たちには食料庫のスペアキーだけなのね」

天城「過保護にも程がありますよ」

明石「あの、私自分で言うのもなんですけど使い物になりませんよ」

天城「まぁ、姉様と私がいますし」

雲龍「洋食は諦めてね」

明石「それは無問だ……あ! 」

雲龍「どうしたの? 」

明石「……お酒とつまみの方の鍵貸してもらってませんね」

天城「……一日くらい……いえ、借りてきます」

697: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/27(金) 23:19:17.58 ID:SkL8qdbbO

< 毛布を被るなら抱き締めさせて >





高雄「二十七日の誕生石はパープルジルコン。
石言葉は“素朴 ”、“ 温厚 ”、“ 華やか ”、“ 無邪気 ”」

提督「あのさ……看病してくれるのは嬉しいんだけどなぜにナースの格好なのかな」

愛宕「華やかでしょ? 」

高雄「誕生花はジキタリス。花言葉は“ 胸の思い”、“ 健康的 ”、“ 熱愛 ”」

提督「なぜに水差しとかコップを使わずに口移しなのでしょうか」

愛宕「胸の思いの現れなの。早く健康になって愛しあいましょ? 」

提督「と言いながら胸板に手を這わせるのは何なんだい」

高雄「……熱を上げて生体防御機能を活性化させるとか? 」

愛宕「そうそう。それよぉ〜 」

提督「ぜってぇ違うだろ……」


698: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/27(金) 23:20:21.65 ID:SkL8qdbbO

< オタクのサガ >





明石「まぁ、つまりですね。
発熱は身体にいいと現代では思われているのは知ってますよね」

天城「はい」

明石「それはですね。何種類かあるサイトカインという物質に影響されているんです」

天城「なるほど」

明石「そもそも発熱時には白血球やマクロファージなどの免疫活性食細胞がーー」

雲龍「もうやめない? 」

明石「えっ……」

雲龍「なにその傷付いた、みたいな顔。
私興味のない話を聞き続ける優しさは持ってないから」

明石「や、でも天城さんは」

天城「…………」

雲龍「聞きたいわけではないと思うの」

明石「……そうですか」

天城「あ、あのほら……姉様も私もそういったことへの造詣が浅いですから」

明石「…………そういえばこういう話をあの人って最後まで聞いて、
なおかつ質問までしてくれるんですよね」

雲龍「なぜ、そんな知識があるかは置いといてある種才能よね」

天城「……早く治るといいですね」

明石「そうですね」

699: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/27(金) 23:21:50.97 ID:SkL8qdbbO

< すりおろし >





明石「あの、私は別にいいって言ったんですよ? 」

雲龍「……なにか持っていこうって言い出したのはあなたでしょ」

天城「それにすぐさまノッたのは姉様ですけどね」

雲龍「あなたもじゃない」

天城「わ、私は……そもそも明石さんが何もつくれないから手伝ってと言われて仕方なく」

愛宕「仕方なく? 仕方なく来たの? 」ニコニコ

天城「……提督が心配で、はい。すみません」

明石「と、兎に角ですね。提督には私たちも早く治してほしいと言っていたと伝えてください。はい」

愛宕「はーい。ありがとね? あの人リンゴ大好きだから。……それじゃ」



バタン



明石「…………」

雲龍「…………」

天城「…………あの」

明石「言わないで。言わないでください。
私だって最初見たときびっくりしてパニクっちゃったんですから」

雲龍「……なぜ彼女はナース服だったの? しかもちょっとだけ牝くさ」

明石「いいですから……本当に、ええ」

700: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/27(金) 23:22:42.07 ID:SkL8qdbbO

< でもやっぱり彼に着てほしい >





明石「このメンツだと一番バーテンダー衣装が似合うのは……」

雲龍「明石じゃないの? 」

天城「私は姉様も……」

明石「巻き髪にして前に垂らせば天城さんも似合いそうですけどね」

雲龍「……まぁ、全員悪くはないか」

天城「ある程度整っていれば大概のものは似合いますからね」

明石「おっ、言いますねぇ」

天城「今更のことですし……間違ってないでしょう? 」

明石「そうですね。……誕生カクテルはティフィンカシスティー。
カクテルワードは“ 繊細なロマンティスト ”、です」

701: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/27(金) 23:23:37.51 ID:SkL8qdbbO

< >>651あたり >





雲龍「この前羊か狼か羊飼いか、みたいな話したじゃない」

天城「自由とはなにか、みたいな話でしたっけ」

明石「……そんな小難しいお話を姉妹でするんですか」

雲龍「そんなに堅い話じゃないわよ。
私や天城が何を目的・指標にすればいいかって話」

明石「それ十分堅い話だと思います」

雲龍「……まぁ、それでいいのだけど。
ただ、ちょっと考えてて……答えが出た」

天城「はぁ」

明石「答え、ですか」

雲龍「私は……牧羊犬よ」

天城「…………狗? 」

明石「…………イヌ? 」

雲龍「なんだか含みがあるわね……まぁ、そういう意味だけど。
あの人に飼ってもらえるなら牙にでもなんにでも…………ちょっと何その顔」

708: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:47:55.85 ID:2clbneYWO

< “ 嵐 ”が去ったその朝に >





ピピッ



提督「ん……36.3℃か」

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

提督「……治ってきたようだが……まさか熱吸ったりしてないよな」チラッ

高雄「…………んぁ……Zzz」

愛宕「……んふ……Zzz」

提督「…………ありがとな」

高雄「……Zzz…………ぅ」

愛宕「………………Zzz」

提督「……シャワー浴びてこよ」


709: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:49:04.12 ID:2clbneYWO

< 姦しいとかそんなんじゃない >





提督「…………おい、明石」

天城「…………Zzz」

雲龍「…………Zzz」

明石「……もう…………何です早くから。まだ、マルヨンマルマル過ぎですよ……ふぁ」

提督「知るか。俺はずっと寝て……はいなかったが」

明石「……ははは……ナース」ボソッ

提督「素晴らしかった。……ってのはいいんだよ。なんなのこの惨状」

明石「まぁ……女三人集まれば、みたいな」

提督「いやいやいや……普通は女の子三人くらいで空瓶散乱しないから。
あと、誰だ俺のコレクション空けたやつ」

明石「そうですかね。あと、どれのことを指してるかは知りませんけどたぶん天城さんでしょ」

提督「だろうね。……チューチューしてやろうか」

明石「……うわぁ」

提督「引くな。冗談だ」

明石「…………これが現代版汚れた眠り姫。キスで起きますかね」

提督「だから違う」

710: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:49:58.55 ID:2clbneYWO

< ザルがいてワクがいてさらに >





明石「というかどうして私なんです。他の二人起こしてもよかったでしょ」

提督「だって明石一番弱いし。早く冷めてまともな反応しそうだから」

明石「そりゃ天城さんには絶対敵いませんけどね……雲龍さんくらいなら本気出せば」

提督「無理だな」

明石「いや、あの」

提督「無理だ。……こいつ普段セーブしてるぞ」

明石「えっ」

提督「……介抱役でも気にしてるのか知らないけど」

明石「…………マジですか」



712: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:51:52.22 ID:2clbneYWO

< 泡ひ……じゃなくて人魚姫に >





提督「で、起こすのが怖かったので二人とも部屋に運び込みました」

明石「お姫様抱き」

提督「仕方ないだろ」

明石「……どうして私だけ先に起こしたんですかぁ……ねぇ」

提督「いや、気分でだな……つーかさあいつらたぶん意識ないぜ?
意識ないうちにされたことでも嬉しいか?
そもそもされたことわからないだろ」

明石「目の前であんな情景見せられるよりマシですもん」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………むぅ」

提督「…………風呂入ってないよな? 」

明石「…………」

提督「…………よし。ちょっと体重気を付けて」グイッ

明石「えっ? え、あのっ」

713: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:52:43.25 ID:2clbneYWO

< その長く艶やかな細糸を >





明石「貧相ですみません」

提督「や、バランスいいと思うけど」ワシャワシャ

明石「…………」

提督「…………」ワシャワシャ

明石「あ、あのっ……油臭かったりしません? 」

提督「しないよ」ワシャワシャ

明石「…………」

提督「…………」ワシャワシャ

明石「じゃ、じゃあっ」

提督「そんな口開けて泡でも食いたいのかよ。
あと俺は●●い子としか風呂には入らない主義だ」

明石「…………」

提督「…………耳の方、触るぞ」

明石「はい。……まったく……何言ってるんですか。…………くすっ」

714: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:53:39.29 ID:2clbneYWO

< 鼻歌だけが支配する空間を二人で >





提督「流すぞ。目瞑れ」

明石「ん、だいじょぶです」

提督「うぃー」シャ-

明石「…………」

明石(よく考えなくても彼と二人でお風呂入ってるんですね。
しかも●。や、もちろんお風呂なんだから当たり前なんですけど。
これ色んな意味で大丈夫なんですかね……)

提督「ごめん、ちょっと髪洗いにくいから頭倒して」

明石「はーい」

明石(あぁ……自分でやるより気持ちいい。
根元から毛先までゆっくり、ゆっくり……。
自分の女子力低くて悔しいとかこの上手さって愛宕さんとかその前の髪が長い女の子のときに上達したのかなとか……あぁ、あぁ……)

提督「ふーんふふーん♪ 」シャ-

明石「…………あの」

提督「ん? 痒いところあった? 痛くはないと思うんだけど」

明石「いえ、すっごく気持ちいいです。……そうじゃなくて、ありがとうございます」

提督「んーん、明石の髪綺麗だもん。こういうの好きだよ」

明石(…………これなら、たまには早起きも、いいかもしれませんね)

明石「…………ふふっ♪ 」

提督「うーん……腰にかかる髪…………●●いな」

715: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:54:29.30 ID:2clbneYWO

< わしゃわしゃ >





明石「はーい、痒いところないですかー? 」ワシャワシャ

提督「ん、ない」

明石「いやー、初めてですよ。自分以外の髪洗うのなんて」

提督「そうか。……俺さっきシャワー浴びたんだけど」

明石「まぁまぁ。してもらったらお返ししたいじゃないですか」ワシャワシャ

提督「……でも早く乾かさないと髪痛むぞ」

明石「そこはほら。ちょちょっと復元能力を使えば」

提督「まったく、都合のいいやつだな」

明石「都合のいい女にもなれますよ? 」ワシャワシャ

提督「…………」

明石「…………」ワシャワシャ

提督「……貧相じゃねぇじゃん」

明石「はい? 」

提督「ときどき●●●●当たるし。柔らかいし」

明石「…………そう、ですか」

提督「あぁ」

716: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:55:10.61 ID:2clbneYWO

< 抱き枕に性別は必要だろうか >





愛宕「…………んふふ」ギュッ

高雄「愛宕」

愛宕「…………ん」

高雄「……愛宕、起きて」

愛宕「…………んー? 」

高雄「んー、じゃないです。愛宕」ユサユサ

愛宕「…………提、とく、じゃない? 」

高雄「違います」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………高雄でもいっかぁ。んふー」ギュウ

高雄「…………私は起きたいのだけど」

717: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:56:02.13 ID:2clbneYWO

< いっそワンピースも。あとは…… >





明石「や、大丈夫ですってば」

提督「そう言ってお前適当にリボンで纏めて終わりだもん」

明石「でも提督に結んでもらわなくても」

提督「いいからいいから。たまには別のヘアスタイルにもしろよ」

明石「……でも」

提督「あ? 似合わないわけないだろ。俺がアレンジするんだぞ」

明石「…………」

提督「大丈夫だって。明石のチューニングは任せろ」

明石「…………信じますよ? 」

提督「おう。期待しとけ」

718: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:56:57.61 ID:2clbneYWO

< 今日だけは許して >





雲龍「…………」

天城「…………」

明石「あ、あの」

雲龍「……イメチェン、する? 」

天城「……似合ってますよ」

明石「今日だけですよ……ありがとうございます」

提督「いやー、いい仕事した。明石ー、ワンピースとかツーピースないの? 」

明石「何着かは」

提督「じゃあ、着てこい。命令だよ君」

明石「は、はぁ」タッタッタッ

雲龍「…………羨ましい」

天城「…………頼めばいいんじゃないです? 」

雲龍「…………頼むのはなんか違う」





提督「うーん、明石は普段対称だからなぁ。
思い切って片側に寄せるのもいいと思ってたんだよ。
逆側の首元出して女っぽく……いいねぇ」

719: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:58:10.11 ID:2clbneYWO

< 俯いて、裾握り締めて >





明石「ど、どう、ですか……? 」

提督「おおう……」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………提督? 」

提督「ん? いや……似合ってる。普段から着ててもいいのに」

明石「……自信なくて」

提督「そっか。まぁ、セーラーも好きだけどね」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……サンドウィッチでもつくろっか」

明石「は、はい? 」

提督「なんとなくバスケットにサンドウィッチ詰めてレジャーシートって感じ」

明石「はぁ」

提督「基地前の丘。お昼はそこに集合ね。あとで帽子貸すから」

明石「了解です」





高雄「で、サンドウィッチつくるのは私たちですか」

提督「高雄のタマゴサンドが食べたいな」

愛宕「いいじゃない。あの子普段はお洒落全然しないし。
それにピクニックっぽくて」

高雄「イヤではないですよ。……とりあえずタマゴサンドですね。それから……」


720: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:58:59.61 ID:2clbneYWO

< 一方で >





雲龍「……ガーリーって言うの? あれ」

天城「どうでしょう。あまり詳しくはないのですけど……赤毛のアンみたいな」

雲龍「そんな感じでも……うーん」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「……私たちも着てみますか? 」

雲龍「……そうね。確か揃いのフリフリがあったはず」

天城「ライムグリーンのレイヤーワンピですね。ピクニックに合うかは知りませんけど」

雲龍「いいのよ、それで。……髪、結ってくれる? 」

天城「はいっ。天城のもお願いしますね」


721: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 19:59:35.90 ID:2clbneYWO

< 横一列に並んで、空を見上げて >





提督「うーん……いい空気」

愛宕「そうねぇ……空が青いわぁ」

高雄「ええ、爽快な気分になりますね」

明石「あぁ……引きこもりには眩しい光っ」

雲龍「何言ってるのよ。……いい風ね」

天城「はい。草の匂いもいいものなのですね」

提督「普段は海の上だもんなぁ……はいっ、ここにシート持ってきました。
各自楽しんでください、以上」


722: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:00:18.45 ID:2clbneYWO

< サンドウィッチは美味しかったです >





提督「あげる」

愛宕「いいの? 」

提督「うん、なんとなく」

愛宕「……花の輪っか、ね。ふーん、ありがと」

高雄「それどうやってつくるんですか? 」

提督「ん、簡単だよ。おいで」

明石「あっ、私もつくりますっ」

愛宕「輪っかなら……三つ編みにでもしてくればよかったかしら」





天城「…………健全すぎるような」

雲龍「そういうこともあるでしょ。
まぁ、青春くさいというか幼い気もするけれど」

723: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:01:04.53 ID:2clbneYWO

< また、 >





提督「さて、そろそろ戻るか。いつまでも基地空けてらんないし」

高雄「本来ならこれでもダメですけどね」

提督「まぁ、そこは許してよ。軍人にも春は来る」

雲龍「……頭の中は常に春じゃない」

提督「その春じゃねぇ」

愛宕「その春ってどの春? 」

提督「えっ、いや、あの」

天城「あぁ……これが……名残惜しいという感情、なのですね」

明石「……明日とは言いませんけど……また、来られるといいですね」

天城「ええ……きっと、また」

724: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:02:03.27 ID:2clbneYWO

< 酒造が主軸のはあるんですかね? >





提督「朝ドラ終わったな」

高雄「そうですね」

愛宕「終わったっていっても観てなかったじゃない」

提督「だって毎回同じ時間に拘束されんの嫌だし」

高雄「それドラマを根本的に否定する発言ですよ」

提督「んー、ただ一応はニッカ愛飲者だから。
ラストも感動できるやつだったらしいね」

愛宕「愛飲じゃないメーカの方が少ないような……」

提督「まぁまぁ。……とりあえずお疲れ様でした? 」

高雄「……それなら疑問符は要らないでしょう」

725: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:02:52.57 ID:2clbneYWO

< 原曲の姿はどこへやら >





提督「始まったぜ! この季節がなぁ! 」

雲龍「? 」

高雄「野球ですよ、野球。昨日からですけど」

明石「提督って野球好きでしたっけ? 」

提督「や、それなりにね。地元に球団あるし。
まぁ、サッカーもバスケもあるけどね。
一応ローカルメディアでは野球が一番出てるから」

天城「……今やってるのとは違うんですか? 」

愛宕「これは高校生の大会なのよぉ。……そういえば勝った? 提督の地元」

提督「うん、勝ってた。つーか二試合目も勝った」

明石「うーん……あ、これ知ってます。ヤマトですよね。色んな応援があるんですねぇ」

提督「おう。時々珍しい曲使ってて面白いぞ」

726: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:03:49.41 ID:2clbneYWO

< 嫌いにもなれないけれど >





高雄「二十八日の誕生石はピンクゴールド。
石言葉は“ 神秘的 ”、“ 自然が好き ”、そして“ 天賦の才 ”」

愛宕「神秘的ってミステリアス? 」

明石「オカルティックじゃないです? 」

雲龍「それは隠秘でしょ」

天城「……先程の丘は素晴らしいものでした。
自然……敵さえいなければもっと海も好きになれるのですが」

提督「海、嫌いなのか」

天城「いえ……嫌いというわけでは。
ただ海を眺めていると自分の怠惰を責められているようで」

提督「そうか。……俺は天城がそうやって悩んでいるの凄いと思うよ。
自分の本分を果たしていないんじゃないかって。
俺なんてここで埋れちまいそうだ」

天城「あなたは……少なくともあなたは高雄さんたちには必要とされています」

提督「俺は天城を必要としてるけど? 」

天城「ッ…………だから好きになれないのです」ボソッ





愛宕「…………天賦の才、ね」

727: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:04:39.18 ID:2clbneYWO

< 山吹色の財布とか使いたくない >





高雄「天然すけこましは置いておいて」

提督「いや、俺口説いた女の子は手放さないから。
売り飛ばしたりするわけない」

高雄「……誕生花は山吹。花言葉は“ 金運 ”ですね」

愛宕「金運ねぇ……まぁ、十分あると思うんだけど」

雲龍「高いお酒もたくさんあるものね」

提督「あっ、それで思い出した。天城だろ、俺のコレクション引っ張り出してきたの」

天城「違います」

提督「いや、明石が」

天城「……明石さん? 」

明石「や、あの……私かもしれません」

提督「おい」

高雄「…………そろそろ補充しないといけませんか」

愛宕「今度こそ新しいお味噌頼むわよ」

728: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:05:35.58 ID:2clbneYWO

< 舌に馴染んでからじゃないと >





提督「缶チューもいいよな」

高雄「好きですけど……どこのメーカのもあまり変わらないですよね」

提督「や、ちょっとずつ違うって……つまみがあれば舌がこんがらがったりするレベルだけど」

愛宕「プライベートブランドのとかわかりやすい味よね」

提督「あぁ、あれはね。大味な、というか……まぁ、嫌いじゃないよ」

明石「このオマケの柿ピー美味しいです。初めて食べました」ポリポリ

提督「マジ? ぜってー損してるって」





天城「……天城知りました。ビールあんまり好きじゃありません」

雲龍「そう……それはいいけど。
どうして半ダース飲んでからじゃないと気付けなかったの? 」

729: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:06:23.27 ID:2clbneYWO

< 女神コスってどんなの? >





提督「誕生カクテルはドマーニ。カクテルワードは“ 人や動物を引き寄せる女神様 ”」

愛宕「提督の女神様ことあた」

高雄「高雄がいます」

愛宕「いや、わた」

明石「わ、私もっ、ダメですか? 」

愛宕「だ・か・ら! 私でいいじゃない。どうして遮るのよぉ」

提督「皆でいいよもう。そんなの考えたことなかったけど」





天城「……一番引き寄せてるのあの人ですよね」

雲龍「それは……女装でもしてもらう? 」

730: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:07:11.84 ID:2clbneYWO

< ポケモンではない >





提督「まったくもってどうでもいいことなんだけどさ」

明石「はい」

提督「今日はマクシム・ゴーリキーの誕生日なんだって」

明石「……誰ですか? 」

提督「さぁ? 『どん底』って戯曲知らない?
ロシアの作家らしいけど」

明石「提督も知らないんですか……作品聞いてもわかりません」

提督「だろうね」

明石「で、その人がなんなんです。
その作品に海軍でも出てくるんですか? 」

提督「え、知らないよ」

明石「え、えぇ……」

提督「なんとなくファミリーネームに目が止まっただけだから」

731: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:08:00.58 ID:2clbneYWO

< 完全無欠ではね >





提督「ふぃー……飲んだ飲んだ」

高雄「いつもじゃないですか。たまには酒絶ちでもしたらどうです」

提督「いいじゃん。悪酔いしたり絡んだりしないだろ? 」

高雄「…………酔いに任せて外に引きずり出されるのはちょっと」

提督「えっ、外嫌い? 」

高雄「外は嫌いじゃないですけど外に出てなにもしないままってことないでしょう」

提督「あぁ……そういうこと。ごめんね駄目人間で」

高雄「酒断ちすれば成長するかもしれませんよ」

提督「んー……まぁ、絶対にしてほしいなら考えるけど。
成長してほしい? 」

高雄「…………今のままで」

提督「ん」

732: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:09:30.39 ID:2clbneYWO

< 少年の心を >





提督「つーかさ、俺が言うのもなんだけどこれ以上成長してもいいの?
入りきらなくなるかもよ」

高雄「…………精神的に、という方向では考えないんですか」





明石「そ、そんなに……? 」

雲龍「入りきらないって……割と伸縮性あるはずよね」

明石「この前のお風呂掃除のときはどうでしたっけ? 」

雲龍「ゆったりした膝丈のやつだったはず」

明石「あぁ……それじゃあはみ出しはしませんね」

雲龍「形も浮き出さない、か」

明石「うーん……あっ、愛宕さーん。ブーメランとかないんですか? 」

愛宕「ぶ、ブーメラン? なに、投げるの? 狩るの? 」





天城「姉様、おいたわしい……どうしてこんな汚れ方を」

提督「いたわしいっつーかある意味の被害者は天城だよな」

天城「あなたの所為なのですけど」

733: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/28(土) 20:10:47.11 ID:2clbneYWO

どんな私服を着てるかとか考えるの楽しい
あとヘアスタイルとかも

ありがとうございました

737: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:21:20.81 ID:bygrBN7rO

< 綺麗な空気を汚すのがまた >





提督「…………っはぁ」

高雄「ん……寒いです」

提督「そりゃ、早朝の外だもん。別に来なくてもよかったんだぜ」

高雄「いえ、あなたといたかったから」ギュッ

提督「……そっか。…………ッ……はぁ……フー……」

高雄「ヤニつけないでくださいね」

提督「うん。……どうもね。いい●●●●した朝は吸いたくなる」

高雄「カッコつけたいと? 」

提督「平たく言えばね。……ん、ブラウス透けてる」

高雄「うそ……あぁ……見ましたね? 」

提督「まぁるいいちご……ほどでかくはないか」

738: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:22:23.42 ID:bygrBN7rO

< 戦闘兵器ならば意志など >





高雄「私たちって体温無い方がよさそうですよね」

提督「兵器としてってこと? 」

高雄「はい。痛みなんて感じない方が怯んだりしないような」

提督「うーん……それなら意志とか意識もいらないというか……。
たぶんどちらかだけの存在だと欠陥品だと思う」

高雄「そう、でしょうか」

提督「うん」

高雄「それなら……」

提督「…………」

高雄「それならどちらもある今の方がいいです。
あなたの体温を感じて幸せを実感できないのは嫌ですもの」

提督「……そうだね。俺も●●●●ことできないのは嫌だな」

高雄「……そうですね」

提督「おっ、いつになく素直」

高雄「気まぐれです。これも……感情がないと無理な代物、ね」

739: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:24:13.78 ID:bygrBN7rO

< 努力は隠れて……とも違う >





提督「一緒にシャワー浴びない? 」

高雄「いえ、そのままメイクするので自室に戻ります」

提督「そう。別に今更だと思うけど。
すっぴんなんて見放題だし。そもそもナチュタイプだし大したことしてないだろ? 」

高雄「うーん……なんというか整えている最中は見せたくないんです」

提督「ふーん」

高雄「目を見開いたり変な顔したり……それに恥じらいの最後のラインを越えるのには抵抗が」

提督「なるほどね。まぁ、無理にとは言えないよ。……じゃ、あとで」

高雄「はい。それでは」

740: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:25:34.93 ID:bygrBN7rO

< そもそも重婚 >





提督「そういやお前らの戸籍って超法規的措置で艦娘用のがあるじゃん」

愛宕「そうね。実物は見たことないけど確か名前欄は“ 愛宕 ”だけなんでしょ? 」

提督「そうそう。苗字がなくて……皇族みたいなものか」

高雄「まぁ、年金は貰えませんし各種税金も納めてないので何の意味があるのかわかりませんが」

提督「あれ? 知らない? そーいうのを飯の種にするさ、いるじゃん。
権利だ自由だって主張する政治屋とか利権屋って人たち」

高雄「はぁ。その人たちが出てくる前に、と? 」

提督「そ、軍にしちゃ判断早かったね。……ってのはどうでもいいんだよ」

愛宕「そうなの? 」

提督「おう。……もし俺らが結婚するとしたら役所には何をどう出せばいいんだろうな」

高雄「さぁ……」

愛宕「うーん……」

提督「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

提督「…………事実婚でいいか」

741: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:26:33.53 ID:bygrBN7rO

< 一文字苗字だと座りが悪そう >





提督「でもってさ。表札に書くときはどうすればいいんだろ」

愛宕「全員名前だけでいいんじゃない? 」

提督「あっ、確かにそうだな」

愛宕「うん」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………答え出るの早すぎですよ」

提督「だって考えてみれば二世帯住宅でそういうの見たことあったし。
……あと高雄は男だと思われるかもね。名前」

高雄「うーん……そればかりはどうしようも。
……仮に戦争が終わったあとは改名というかこの名を捨てるとかあるのでしょうか」

742: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:27:30.41 ID:bygrBN7rO

< こういう会話をしていると >





提督「え、好みの女の子? お前そりゃ……ここにいるメンツとか横須賀で仲よかった子思い出せばわかるでしょ」

明石「…………龍驤さんとも結構仲よかったですよね? 」

提督「いや、当たり前だろ。別に好みの人としか仲良くしないとかねぇよ。
それだと男友達できないじゃねぇか」

明石「あぁ、確かに」

提督「おう。……でもまぁ……そうだよ。●●●●大っきくて色っぽくて……。
うーん、時々ギャップを感じさせてくれて甘えさせてくれるけど甘えてくれて……えーっと他に」

明石「……そんなにあるなら好みとかじゃないような」

提督「そうか? 」

愛宕「基本的に女の子好きだものね」ヌッ

提督「そうだな。……お前どっから現れた」

743: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:28:13.39 ID:bygrBN7rO

< 滅茶使えますよこれ >





提督「雲龍、ハイボール好きだったよね」

雲龍「ええ。覚えてたの」

提督「まぁ、難しいことじゃないし。……これどうぞ」

雲龍「……? 」

提督「ステンレス鋼製のハイボールタンブラ。
グラスと迷ったんだけどグラスならここにあるし」

雲龍「ふーん……」

提督「そんなに高いものじゃないけど結構使い勝手いいよ。
沢山入るし保温性高いし」

雲龍「そう……400くらい入るかしら」

提督「そうだったかな。……よかったら使ってよ」

雲龍「ええ、ありがとう。……大事にするわ」

744: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:29:21.02 ID:bygrBN7rO

< もちろんネット >





提督「ごたあ」

愛宕「え? なに、もう一回」

提督「こたあ」

愛宕「ご、ごたあ? 」

提督「おかた」

高雄「……私たちの名前を逆にしただけでしょう。どうしたんです」

提督「いや……スク水の当て布は右から書いてもらおうかと」

高雄「あなたまた何言って」

愛宕「紺の新スクよね? 」

提督「なんでも。俺旧スクでも新スクでもいいや。色が変な色じゃなければ」

愛宕「そう? でも私が着れるのなんてちゃんと買えるのかしら」

提督「余裕だよ。現代を●めるな。な、高雄? 」

高雄「私に振らないでください」

高雄(…………提督は兎も角我が妹はどこからそんな情報を仕入れてくるのかしら)

745: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:30:21.32 ID:bygrBN7rO

< 唐突ですが言いたいことを自由に >





提督「眠い。死ぬほど眠い」

高雄「提督が仕事をしてくれません」

愛宕「さっき新しい下着届いたわ。通販の」

雲龍「ハイボール、いいわね」

天城「姉様……嬉しいのはわかりますが抑えてください」

明石「私はマッドサイエンティストじゃないです」





高雄「ほら、手伝いますから。こんなことやってる場合じゃないですよ」

提督「だって新年度近くて書類が……うーん」

愛宕「さっき届いたの着てあげるから。……今はお仕事しましょ? 」


746: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:31:19.18 ID:bygrBN7rO

< 最低のクズは免れたい >





提督「自慢していい? 」

愛宕「どうぞー。……はい、高雄」

高雄「はい。……仕事はしてくださいよ」

提督「兵学校にいたときにさ。同期が●●くれっていうからあげたらブカブカだったって泣きそうな顔で言われた」

高雄「……大きい方がいいんですか? 」

提督「そりゃな」

愛宕「でも私あなたが●●使ってるの見たことないんだけど」

提督「だって学生で妊娠とか嫌だっただけだもん。
あと、ラージでもキツくて嫌。できれば付けたくない」

高雄「まごうことなくクズですね」

提督「や、女の子のこと考えて付けてたんだよ? 」

愛宕「……まぁ、私たちは妊娠しないものね」

提督「今はできてもいいぜ? ただ、艦娘の妊娠は将来的な課題だな」

高雄「私は……あなたと愛宕がいればいいですけど」

愛宕「ほしいの? 」

提督「うーん……どうだろう」

747: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:32:01.36 ID:bygrBN7rO

< 自分と他人 >





天城「マッドサイエンティストではないなら何者なんですか? 」

明石「や、何者でもありませんよ。
強いていうなら艦娘専門の工学者ですね」

天城「それがいき過ぎているからマッドと呼ばれるのでは」

明石「そんな気はないんですけどねー」

天城「そういったものの評価は周囲がするものです」

明石「うーん……でもマッドってレッテルですし」





提督「でも、あいつワクとかうわばみって言ったら否定するんだぜ? なんなんだよもう……」

748: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:32:41.27 ID:bygrBN7rO

< 太陽のようなお人 >





高雄「三月二十九日の誕生石はマーキースカットダイアモンド。
石言葉は“ 暖かい心 ”と“ 新たな出会い ”」

愛宕「これ以上新たな出会いはいらないんだけど」

提督「そうなの? 」

愛宕「あなたが、ね」

提督「あぁ、そういう……」

高雄「誰にでも暖かい心を持つのも考えものです」

提督「誰にでも冷たいよりはさぁ」

愛宕「限度があるでしょ」

749: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:33:30.08 ID:bygrBN7rO

< ( イケナイ )太陽のようなお人 >





高雄「えっと、誕生花はタンポポ。
花言葉は“ 飾り気の無さ ”」

提督「えーっと……誰かいたっけ? 」

愛宕「うーん……摩耶とか」

高雄「あの子は割とロマンティックなこと好きですけどね」

提督「へぇ……」

明石「愛宕さんとか高雄さんは対極にいるような人ですよね」

愛宕「お洒落好きだしー……必要な生活ですもの、本当に」

高雄「ええ、私も愛宕とお洒落で対立することになるとは思っていませんでしたとも」

提督「…………やけにしみじみとしてるね」

750: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:34:16.55 ID:bygrBN7rO

< なんのためにか >





雲龍「あの人がガチギレしそうなこと」

天城「お酒のコレクション空けたときはあまり怒りませんでしたね」

明石「私もミスとかはやれやれみたいな感じでむしろ心配されますね」

雲龍「うーん……いきなり後ろから殴りつけるとか」

明石「それ誰でもそうですよ。……まず理由訊いてきそうですけど」

天城「じゃあ、自殺とか」

明石「や、私たちがですか? 理由がないと悲しみも実感できないと思いますよ。
ましてや怒りなんて」

雲龍「……高雄か愛宕を傷つける」

明石「あー……なるほど……でもどうやって? 」

天城「……物理的なのは無いとして偶発的に精神的な傷を……」

雲龍「…………結局あの二人を一番傷つけるのも彼のことなのよね」

明石「どうしようもないです」

751: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:35:12.26 ID:bygrBN7rO

< 重なる雲からこんにちは >





提督「うっそだろおい……」

雲龍「どうしたの? 」

提督「……勝った」

雲龍「? 」

提督「高校野球な。俺の出身地の代表がベスト4なの」

雲龍「ふーん……嬉しいものなの? 」

提督「まぁ、特に好きではないけど……郷土愛みたいな」

雲龍「そう……よかったわね」

提督「おう。……雲龍は命名由来も地名じゃなかったな」

雲龍「そうね。あえて言えば空かしら」

提督「空母としては縁起のいい名前か」

雲龍「……今度こそ、役にたつわ」

752: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:35:58.43 ID:bygrBN7rO

< そうでもないですけどね >





天城「バーカウンタとかつくらないんですか? 」

提督「や、今カラオケ施設を……わかったよなんとかする」

天城「ありがとうございます」

提督「……まぁ、いいや。二十九日の誕生カクテルはフレンチコネクション。
カクテルワードは“ 妄想力豊かな不思議な世界の住人 ”。……ここでは雲龍だな」

雲龍「……そうなの? 」

提督「妄想力は知らねぇけど。割と不思議ちゃんだと思うよ。
少なくともこの中では」

愛宕「皆目的とか明らかだものねぇ〜 」

高雄「そうね」

天城「私もそんなにわかりやすいですか? 」

提督「酒」

天城「むっ」

提督「酒だろ。さすがに認めろ」

天城「……むぅ」

753: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:36:36.61 ID:bygrBN7rO

< 物は言いよう >





愛宕「女の子には絶対優しくて紳士的でイケメンで筋肉があって高身長で……」

高雄「話が合ってムード考えてくれてお酒が強くて高給取りで……」

明石「お料理もできないわけじゃなくて甘いお菓子づくりが得意で夜の戦いはピカイチで……」

天城「悪いとは言いませんけれど……全部すけこまし要素ですよね」

明石「そうですね」

高雄「否定できません」

愛宕「い、イケメン無罪……。それに私は好きよ? 」

754: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:37:35.92 ID:bygrBN7rO

< 薄暗く、薄暗く、薄暗く…… >





提督「んー……アマレット、やっぱりいいね。
クルボアジェのルージュってのも」

雲龍「フレンチコネクション、ね」

提督「…………」

雲龍「……私も甘口のカクテル、好きよ」

提督「…………」

雲龍「……どうしたの? 」

提督「…………ここ誰もいない客室なんだけど。視察の偉い人用の」

雲龍「……あなたもいるじゃない」

提督「俺はいいんだよ。……風呂入ったんだろ? 湯冷めするぞ」

雲龍「……どう? こういうの。透けてるの好きそうだと思ったんだけど」

提督「…………」

雲龍「…………ここ、海と空がよく見えるのね」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………こういうことする雲龍嫌いだ」

雲龍「そう………………ふふ」

755: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:38:21.83 ID:bygrBN7rO

< love me , I love you ♪ >





雲龍「……ねぇ」

提督「うん? 」

雲龍「触って、くれない? 」

提督「…………酔ってる」

雲龍「あなたに」

提督「…………はぁ」

雲龍「ふふ……こういうあなた、好きよ」

提督「…………」

雲龍「困った顔してどうやって自分以外傷付かないようにできるか考えてるの」

提督「…………わかってるなら、さ」

雲龍「わかっているから。応えてくれないなら困らされるくらいされてよ」

提督「……それだけで満足なの? 」

雲龍「全然」

提督「…………そうか」

756: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:39:07.22 ID:bygrBN7rO

< ○○○。 >





明石「テーマ。今彼氏とやってみたいこと」

愛宕「相合傘。彼が外側の肩●らしちゃって私が引き寄せて、みたいな」

高雄「ワルツ。あまり激しくないダンスを、はい。見つめあって」

天城「観覧車。なにやら定番のスポットらしいので」

明石「ふーん。……皆さん健全なのとか乙女ちっくなのばかりですね」

愛宕「明石は? 」

明石「工作。……なんですか皆さん異端者を見るような目で」

757: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:39:51.01 ID:bygrBN7rO

< 相剋し螺旋する…… >





提督「……応えても俺は傷付かないんだよ」

雲龍「そうね」

提督「高雄も愛宕もまぁ……だけどね」

雲龍「…………」

提督「俺、今でもダメなやつだと思うよ。
それでも高雄と愛宕は特別なんだ。ずっと一緒にいるし」

雲龍「…………」

提督「でも他の女の子を平等に愛せるかわからない……というか無理だと思う。
あの二人ではたぶん差を付けてないと思うけど他の子はね」

雲龍「それが嫌なの? 」

提督「うん。嫌じゃないの? 」

雲龍「嫌よ? 」

提督「…………でも欲しいの? 」

雲龍「嫌? 」

提督「……………………」

雲龍「……愛と恋は矛盾するものなのよ」

758: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:40:51.78 ID:bygrBN7rO

< 手を伸ばしたその先に >





提督「…………じゃあどっちが恋でどっちが愛なんだ」

雲龍「……あなたに触れてほしいと思うのが、恋」

提督「…………」

雲龍「……あなたに触れたいと思うのが、愛」

提督「…………つまり愛は満たされてるわけ? 」

雲龍「そういうわけじゃないの。どっちも絡み合ってるのだし。
ただ……あなたが触れてくれればどちらも満たされるけど」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………もし今までに俺が」

雲龍「…………」

提督「……雲龍を拒んでいれば今は変わってたかな」

雲龍「きっと、ね。……でも悪化していたと思う」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……………………未来、変えてみる? 」

雲龍「…………喜んで」

759: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:41:37.65 ID:bygrBN7rO

< この身に刻まれたそれは >





愛宕「あの人と雲龍はどこ? 」

高雄「さぁ……彼の部屋でも雲龍姉妹の部屋でもないどこか」

愛宕「……そういうこと」

高雄「ええ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………案外と傷付きも悔しくもないわね。
嫉妬心がないとは言えないけど」

高雄「……正妻の余裕というやつかしら」

愛宕「二人だけどね。……今の私性格悪そうな顔してないかしら」

高雄「いいえ」

愛宕「……そう」

高雄「ええ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………二人で、シてみる? 」

高雄「……愛宕がそれで満足できるなら」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………寝ましょうか」

高雄「そうね」

760: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/29(日) 21:42:21.41 ID:bygrBN7rO

< 吸いついて、押し倒して、そして >





提督「…………」

雲龍「…………ふふ」

提督「…………」

雲龍「……不機嫌そうな顔」

提督「…………それで合ってる」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………私の顔は? 」

提督「ん…………」

雲龍「…………」

提督「……今は見たくない」

雲龍「…………今だけは見てよ」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……………………見なくてもできること、しようか」

雲龍「え……ぁ………………んっ……」

765: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 22:59:03.98 ID:L7WF7ZgtO

< シーツを腰に巻き付けて >





提督「…………サイッテー」

雲龍「…………Zzz」

提督「…………あぁ、もう……」

雲龍「……ふふ…………ぅ……Zzz」

提督「…………」

雲龍「…………Zzz」

提督「…………」

雲龍「……Zzz……」

提督「…………何もかもサイテーだな」

雲龍「ふふ…………ぁ………………すき…………Zzz」


766: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:00:36.92 ID:L7WF7ZgtO

< それはまるで敗残者のように >





ガチャ、バタン



提督「…………」

愛宕「あら……」

高雄「おかえりなさい……? 」

提督「……シャワー浴びる」

愛宕「そう」

高雄「シャンプー新しいの使ってくださいね」

提督「おう」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「…………責めないの? 」

愛宕「責めてほしいの? 」

提督「思いっきり」

高雄「…………すると思います? 」

提督「……………………サイテーだ、何もかも、本当に」

767: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:02:25.72 ID:L7WF7ZgtO

< 都合のいい >





高雄「責めてほしいならば」

提督「…………ん」

高雄「……女に身を捧げられたのですよ。求められて。
幸せそうに、とは言いませんが時化た不幸面はやめなさい。不愉快です」

提督「…………」

愛宕「ふふ……高雄ちゃんやっさしー。
ここは何も言わないで逆に優しくする方がダメージ入るのに」

高雄「ええ、だからこれは優しさですよ。
責めてと言われて責めてあげる都合のいい女の」

愛宕「ついでに負け犬みたいな気分もヒーロー気取りのこころも慰められるわよねー」

提督「…………そこまで言えとは言ってない」

高雄「指図できる立場だとでも? 」

愛宕「私は高雄より寛容よ? 」

提督「…………」

高雄「…………シャワー、浴びてきなさい。
その後なら慰めでも罵倒でもいくらでもして差し上げますわ」

768: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:03:25.85 ID:L7WF7ZgtO

< あの人は今 >





愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………そういえば」

高雄「……? 」

愛宕「これ加賀さんの立場はどうなるのかしら」

高雄「あぁ……」

愛宕「……激おこ? 」

高雄「どうでしょう。……まぁ、これであの人の枷が外れたと思えば」

愛宕「そうねぇ。……新しく別の枷ができたけど」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………朝食、つくりましょうか」

愛宕「そうね」

769: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:04:27.93 ID:L7WF7ZgtO

< 傍目ですぐわかるような >





雲龍「…………ふふ」





明石「……幸せそうですねぇ」

天城「…………姉様」

明石「嫉妬、ですか? 」

天城「それはどちらに対してでしょうか」

明石「うーん……どちらも」

天城「そうですか。……天城は●●じゃないです」

明石「…………そうですか」

天城「あなたはどうなんですか、明石さん」

明石「素直に羨ましいです。あんなに幸せそうな姿見せられちゃね」

天城「…………」

明石「…………」

天城「……でも……姉様が幸せなら、それで」

明石「天城さん……」

770: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:05:33.90 ID:L7WF7ZgtO

< 食器の音がよく響く >





提督「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

雲龍「…………」





明石「……これもしかして私たちだけ邪魔者? 」

天城「そんなことは……どうなんでしょう」

明石「まぁ、誰も声荒げたりしないのは大人なのか何なのか」

天城「うーん……単に姉様は周りが見えてなくて、
高雄さんと愛宕さんが提督で遊んでるようにも見えますけどね」

771: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:06:42.49 ID:L7WF7ZgtO

< 朝から飲んでも夜から飲んでも酒は酒 >





明石「まぁ、ここって誰が何をしていたか察せる能力が平均的に高すぎますよね」

天城「あなたが時々異様に鈍いのです」

明石「ははは……」

天城「そもそも合計で六人しかいないのに平均もなにも」

明石「や、それでも平均は平均ですし」

天城「…………」

明石「…………」

天城「…………はぁ。冷酒」

明石「…………あのですね。本当にアル中に……はいはいわかりましたから。
だからそんな睨み方しない」

772: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:07:41.36 ID:L7WF7ZgtO

< 不貞寝の誘惑には勝った >





高雄「…………今日はお一人で……ふーん……」

愛宕「まぁ、たまにはいいでしょ。
執務なんて私しない方がいいわよ」

高雄「それはそうですが」

愛宕「ふふ……拗ねたというか引きこもったというか」

高雄「最近は大人だと思ってましたけどやはり本来はガキでしたね」

愛宕「そこまで気にしてないのにね。…………私は」

高雄「私もですが」

愛宕「…………へぇ」

高雄「はい」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「……一番気にしてたのがあの人なのは確かね」

高雄「そうね」

773: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:09:06.04 ID:L7WF7ZgtO

< 不機嫌なシーン >





ガチャ、バタン



提督「…………」

愛宕「あら……どうしたの? 寂しくなっちゃった? 」

高雄「はっ……」

提督「……ちげぇよ。…………今日の夜に市長と陸軍側と会食あるの忘れてた」

愛宕「あっ」

高雄「……はぁ」

提督「ついでに知事も来やがる……迎えがヒトサンマルマルに来るんだが……どっちか来てくれないか」

高雄「…………」チラッ

愛宕「…………」コク

高雄「今回はあた」

愛宕「ごちゃんではなく高雄と行ってね? 」

提督「そうか。……早めに昼食を取ったあとに正装。
ドレスコードはないが軍装は整えておけ」

高雄「いや、あの私は」



ガチャ、バタン



高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……愛宕」

愛宕「なぁに? 提督のことよろしくね〜 」

高雄「…………はぁ」

774: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:10:46.25 ID:L7WF7ZgtO

< そして四人だけになった >





提督「じゃ、行ってくる」

愛宕「はーい。お土産待ってまーす」

提督「遊びに行くんじゃねぇんだけど」

高雄「……今からでも遅くはないからあなたが行ってもいいのよ」

愛宕「残念だけどぉ、私には子守があるから」

明石「子守って……私たち? 」

天城「……でしょうね」

雲龍「だとすればやけに手のかかるガキね……」

提督「まぁ、いい。……出してくれ」



ブロロロロロ……



明石「……でもあんなんで大丈夫なんですかね」

雲龍「提督と高雄? 」

天城「大丈夫でしょう。まさか戦場に行くわけではありませんし」

愛宕「会食なんて戦場みたいなものなのだけどね。
……さっ、今日は奮発しちゃうわよぉ。あの二人はいいもの沢山食べてくるんだから」


775: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:11:46.34 ID:L7WF7ZgtO

< でも練習する気は無い >





明石「愛宕さんは洋食」



愛宕『ふふ……スープスープぅ』



明石「でも笑顔でスープ鍋ぐるぐる回してるのはちょっと。
……雲龍さんと天城さんは和食」



雲龍『汁物はどうするの? さすがに和洋の汁物があっても両方あるのは』

天城『それは愛宕さんに任せてしまいましょう。
私たちはその分の小皿を一品増やせば』



明石「麗しき姉妹愛ですねぇ。
……それに引き換え私は……ははは。
一人で提督の書類整理ですか…………ちょっと寂しい」

776: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:14:58.79 ID:L7WF7ZgtO

< 車中での出来事 >





提督「…………高雄」

高雄「なんでしょう」

提督「今日は近隣市町村の首長が来るわけだが」

高雄「はい」

提督「知事だけには注意しておけ。他は大なり小なり無能が暴露かかってるからな。
次はもう会わない、というか会えないだろうから」

高雄「そうですか。……有能であればあるほど警戒されるとはね」

提督「アホを注視してたってシュールギャグみたいなもんだろ。意味ねぇよ。
……俺が警戒されているようなものかな」

高雄「どうですかね」

提督「お前、見てるだろ? 」

高雄「あなたを? 」

提督「俺を」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………有能だから見ているわけではありませんよ」

777: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:16:29.84 ID:L7WF7ZgtO

< お互いの顔など見ずに >





『ーーなるほどなるほど。つまり提督殿の考えでは』

『しかしですね、駐留しているだけで我々にはなにも』

『今度私もお邪魔してみますかなァ』

『……では、この話はまた夜にでも』





提督「ふん……無能な政治屋どもめ」

高雄「……もう少し表情を柔らかく」

提督「彼らがいたときはにこやかだっただろうが」

高雄「私の目の前では取り繕う必要などないと? 」

提督「……そういうわけじゃ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「……三十日の誕生石はエンジェルスキンコーラル。
石言葉は“ 親切 ”、“ 気さく ”、そして“ 人懐こさ ”。
今日くらいは人懐こさを演じてみなさいな」

提督「……手本見せてみろよ」

高雄「…………ここでやれと? 」

提督「ここではやれないことしか思いつかないのか? 」

高雄「それはあなたでしょうが。……………………今日の夜は会食後、ホテルでしたね」

提督「あぁ。……それまでこの話は無しな」

高雄「ええ、仕方ありませんね」

778: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:18:06.87 ID:L7WF7ZgtO

< ベタな料理下手 >





明石「いくらなんでも悲しいのでおひたしだけ挑戦してみました」

愛宕「別に気にしなくてもいいのに」

明石「や、私が気にするんです」

天城「でも、おひたしってなかなか奥が深い料理ですから。
マスターするのは難しいんですよね」

雲龍「そうね」

明石「まぁ、料理は科学って言葉もありますし。
美味しいかはわかりませんが食べられはしますよ」

愛宕「その言葉ほど食べたくない言葉もなかなか」

雲龍「見た目は普通だけど」

天城「……本人すら…………というかわからないってことは味見は……あ、はい……」

779: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:19:40.73 ID:L7WF7ZgtO

< つまらないことも面白く >





「提督殿もこの考えには」

提督「ええ、私としても賛成、ではあります」

「なるほど。しかし、あくまで艦娘……そちらの高雄女史のような方の存在そのものが秘匿されるべきものだと」

提督「そうです。彼女は私の補佐ですから本日のお招きにも伴っていますがね。
ですから基地で軍との交流行事を行うならばできる限りお助けはします。
ただ、彼女たちの参加は表立ってはできないと思っていただきたい」

「そうですか。……いや、それにしてもお美しい方ですね。
私も秘書や副知事に女性を起用しますかな」

高雄「知事ほどの方なら私とは比べものにならない程優秀な方でも喜んでお助けするでしょうね」

「いやいや……これは男女に限りませんが……。
優美さと優秀な事務能力を兼ね備えた存在はなかなかいないものです」

提督「よければ高雄をお貸ししましょうか? 」

「悪くない。もし、私が海軍軍人であれば、だが」

提督「はは、確かにそうですが……ふむ」

高雄(気さくというか道化というか……まぁ、無能ではありませんからね。
これでよしとしましょうか)

780: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:23:13.91 ID:L7WF7ZgtO

< ぱんぱかとはなにか >





愛宕「ぱんぱかぱーんっ! 」

天城「ぱんぱかぱーん……」

愛宕「今日は食べて飲んで飲んで飲みまくるわよぉ〜 」

天城「なぜ、なぜ私まで……」





雲龍「あの子の顔……ふふ」

明石「天城さんが困惑顔でなにかするって割と珍しいですね」

雲龍「やりたくないことは本当にやらない子だものね。
……今までこんなに私以外と同じ空間を共有したことがなかったのもあるけど」

明石「ははぁ……ここに派遣されたのはいいことだったんでしょうか」

雲龍「私はよかったわよ」

明石「まぁ、あなたはそうでしょうよ。
……出会ってしまったんだから天城さんもなんですかねぇ」

雲龍「ちなみに今日の誕生花であるアルメリアの花言葉は“ 同情 ”よ」

明石「…………誰が誰になにゆえするんですか」

雲龍「さぁ? 」

781: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:26:39.77 ID:L7WF7ZgtO

< 袖が余ってるあざとさも >





愛宕「三月三十日の誕生カクテルはホットバタードラム。
これラムベースにバター入れてるのよー。
バターとドラムみたいな間違え方しないでねー」

明石「しませんよそんなの。お酒にドラム入れるなんて」

天城「そうですよもったいない」

明石「……や、入らないでしょっていう話なんですけど」

愛宕「ふふ……ちなみにカクテルワードは“ 好きなものを手にする美的感覚の持ち主 ”よ」

雲龍「……似合ってるわよ? 提督のバーテンダー衣装」

愛宕「そう? ありがと。裾とか袖とかを締めたりするのも結構そそる着方よね」

雲龍「私の戦闘衣これ以上縮められないんだけど……私服か」

782: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:30:26.09 ID:L7WF7ZgtO

< ヒーローは遅れてやって……くればいいね >





高雄「……………………遅い」

高雄(知事と二人で話したいこと、ですか。
知事の客室前で立っているのはいいのですが……)

高雄「…………遅い」

高雄(なにをこんなに話しているのやら。
会食中に話せないことなど……沢山ありますか)

高雄「…………」



「おや……君は海軍の」



高雄「? ……あぁ、市長でしたか。本日はとても楽しい会でしたね」

「そうかい。ここのホテルはおれも普段から利用していてね。
気に入っていただけたかな」

高雄「ええ、今日も市長がセッティングなさったとか」

「そうだとも。どうだ。今度また来てみたくはないかね」

高雄「是非。ただ、私にも職務がありますのでいつになるやら」

「そんなもの奴に……上官にでも任せてしまえ。
どうせ敵も来ない場末で燻っているんだ。
書類でも相手にしていればいい」

高雄「はは……厳しいですね」

「君のような女を半ば閉じ込めているようではいかんよ。
美しい女は皆華やかに、だな」グイッ

高雄「! …………市長、手をお離しください」

「おれと来てみたくはないか。あのような軟弱者よりよほどーー」



ガチャ、バタン



提督「よほど、なんですかね」

高雄「ぁ……」

「…………チッ」

783: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:31:21.16 ID:L7WF7ZgtO

< 初 >





明石「そういえばどうだったんです? 」

雲龍「どう、とは」

明石「アレですよ、アレ」シュッシュッ

雲龍「あぁ、なるほど。……その指の輪に指突っ込むのやめなさい」

明石「またまたぁ。生で●●た人がそんなこと」

雲龍「生ってちょっと」

明石「生じゃなかったんですか? 」

雲龍「…………痛かった」

明石「泣きました? 」

雲龍「んー……泣きはしなかったかな。
でもあの人の背中に食い込ませちゃった」

明石「爪? 」

雲龍「そう」

明石「……デカかった? 」

雲龍「それはもう。……怖かった」

明石「なるほど。敵の砲撃より? 」

雲龍「ある意味では」

明石「へぇ……気持ちよくなりました? 」

雲龍「んー……最後の方、痛みは大分なくなったけど……次回に持ち越しかな」

明石「次回あるんですか? 」

雲龍「ある。……●●てみせる」

天城「…………もうイヤこの姉と友人」



785: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:34:18.81 ID:L7WF7ZgtO

< 打ち震え、睨み、目を瞑り >





提督「ふん……俗物が」

高雄「……酔っておられましたから」

提督「どうだか。お前は酔っていれば許すのか? 」

高雄「そうではありませんが。何かされたわけではありません」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……手、掴まれただろうが」

高雄「それだけですが? 」

提督「ッ…………そうか」

高雄「……そう、です」

提督「…………来期は国政に挑戦するようだ。着いていってみるか? 」

高雄「許してくれるので? 」

提督「…………」

高雄「……あなたのその悔しそうな顔、好きですよ」

提督「……そうかよ」

高雄「…………ええ。それはもうゾクゾクと」

提督「…………ふん」

786: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:35:51.47 ID:L7WF7ZgtO

< 切っ掛けと原因は >





然程気にしていないつもりだった。

元々妹と二人で着いてきた存在で、普段から自身それでいいのだと思ってもいた。

だが……彼が似たような状況に陥ったときにこの背中を走り、
身を熱くするものはなんだろう。

●飲が下がる、とはまた違うのだが、しかし。

その感覚のためならば少しばかり不愉快なことも許そう。

手に触れられただけ、そうだ。

それだけで彼を歪ませ、その表情に傷を付けられるならーー

「…………提督」

「あ? 」

「…………人懐こさ、なんて話をしましたね」

「…………」

「その話は夜に、とも」

「…………したかな」



私の愛する人。

何をするのも見ていたい、見てほしい人。

心の柔らかい部分を力任せに握り締めてあげたい人。

その硬い意志と鋼の身体を撫で回し、●め回し、蕩かせたい人。

そして、その逆もまた許せる唯一の、人。



今夜は……甘えてみたいですか? 逆に甘えてほしい?

今なら特別に死にたくなるほどいじめて差し上げてもいいです。

勿論……生意気にも逆らって気を逆撫でした身の程知らずの女を捩じ伏せるのも。



「…………あなたは…………どうしたいですか? 」

787: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/30(月) 23:37:51.89 ID:L7WF7ZgtO

< 一人寝の夜に >





愛宕「はぁ〜……久々に自分のベッドで一人ねぇ」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………久しぶりに一人でシちゃおっかな」

793: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:42:06.10 ID:7mUhsksgO

< 親がいない夜のような >





愛宕「…………ん……ッ………ゃん…………あぁ…………ッッッ〜〜〜……っはぁ……」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………今何……じ……? …………うそ」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………仕方ない、仕方ないわよ。うん。一人なんて久しぶりだったもの」

794: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:42:56.32 ID:7mUhsksgO

< お互いにお互いを >





提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………腰痛い」

高雄「…………私もです」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……少しくらい抑えようぜ」

高雄「あなたこそ」

提督「お前の所為だろ……お前顔が●●いんだから。
なんだよあれ、そんなに体重かけられて突かれるの好きかよ」

高雄「……その場合は顔なんて見えないのでは? 」

提督「そこに鏡あるだろ」

高雄「えっ……うそ……ぁ」

提督「……涎だらだらしてるところも、意識飛んですぐ醒めるのもあと」

高雄「いいですからっ。……本当に……あぁ、不覚」

提督「……あんなの見せられたら止まれないよねぇ」

高雄「…………それ以上言うともぎ取りますよ? 」

提督「ふーん、できるの? 」

795: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:44:25.51 ID:7mUhsksgO

< それはもう何度も何度も執拗に >





提督「…………しかもお前さ」

高雄「……はい」

提督「……いじめられるの好き過ぎじゃない? 」

高雄「……あなたがいじめるの好きなんでしょう? 」

提督「まぁ、好きだけど。……それにしてもさぁ……俺がイラついてたとしてもさぁ……」

高雄「…………」

提督「確かにね? 手を腰に回したキツツキとか気持ちいいよ?
でもさぁ……折角ムードあるホテルのベッドでさぁ」

高雄「……不満足ですか? 」

提督「とんでもない」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………あと三時間くらいは寝れるかな」

高雄「たぶん……起きれますか? 」

提督「起こしてくれ、キスで」

高雄「わかりました。キスは臭いので嫌ですが……わたしが起きれば、起こしましょう」

796: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:45:07.42 ID:7mUhsksgO

< 続く道の先を見つめて >





雲龍「まさかあなたもとは」

明石「いやー、なんだか最近やけに早く起きちゃうんですよね」

雲龍「そう……でも、明石らしくないわね」

明石「外の景色を眺めるのが? 」

雲龍「ええ」

明石「……私だっていつも工廠に引き篭もってたわけじゃ」

雲龍「……そうね」

明石「はい」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「……まだ、きっと帰ってこないわよ」

明石「そうですね」

雲龍「ええ」

明石「…………」

雲龍「…………」

明石「……寒いですね」

雲龍「ええ」

797: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:45:56.99 ID:7mUhsksgO

< 誰がこんな姉にした >





天城「…………で、なぜか愛宕さんが起きてこないと」

明石「まぁ、義務じゃないですしね、早起き」

雲龍「私たちが早起きしすぎたもの」

天城「一応海軍基地ではあるのですけれど……うーん」

明石「でもどうしてですかねー。
提督いないんだから寝坊する大半の理由はなかったと思うんですが」

雲龍「…………一人で? 」

明石「あれだけ●●てるんですから今さら一人でするものなんですか? 」

天城「……お願いですから私に振らないで」

雲龍「●●だものね」

天城「」

雲龍「? ショック……? 」

天城「……いえ…………絶句してたんですよ、姉様の変わりように」

798: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:46:44.44 ID:7mUhsksgO

< 女の子だけの方がね >





バタバタバタ



明石「来たみたいですね」

雲龍「ええ」



ガチャ、バタン



愛宕「はぁはぁ……おっはようっ」

天城「おはようございます」

雲龍「おはよう」

明石「おはようございます。別に走らなくても」

愛宕「でも、朝ごは……もうあるのね」

天城「すみません。差し出がましいとは思ったのですが」

愛宕「あ、いいのいいの。天城の御飯美味しいし」

雲龍「愛宕の分、よそってくるわね」

愛宕「自ぶ、いえお願いね」

明石「どうして寝坊したんです? 別に責めてるとかではなくて」

愛宕「…………」

明石「? 」

愛宕「……うふ、聞きたい? 長くなるかもよ? 」

明石「き」

天城「結構です。結構ですったらぁっ」



800: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:48:56.53 ID:7mUhsksgO

< 花、ボリジ、“ 心を刺激する ” >





提督「今日もう一泊してかない? 」

高雄「はい? なにかありましたか? 」

提督「や……これ」スッ

高雄「? ……上着と……スカーフ? 」

提督「そう」

高雄「そうって言われましても。これなんですか? 」

提督「…………ホテルのスタッフさん、というかコンシェルジュ? に貰ったんだ。
ちょっとそのスカーフと小さめの水色ブラウスにピンときて。
あと濃い紺のジャケット」

高雄「……はぁ…………まぁ……構いませんけど。貰った? 」

提督「正確には金握らせた」

高雄「…………問題ですよそれ。暴露たらどうするんです」

提督「まぁまぁ。一応はコーヒー掛けちゃったかもってことで買取の形だし。
あの子はたぶん軍に太っ腹な印象持っただけだよ」

高雄「こういうとこは上手くやるんですね」

提督「ん、ありがと」

高雄「褒めてるわけないじゃないですか。……試着してきます」

801: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:49:58.12 ID:7mUhsksgO

< そのスカーフを引っ張りたい >





高雄「あの……これ丈ピッタリなんですけど」

提督「当たり前じゃん。背格好同じくらいの子に声掛けたもん。
まぁ、胸元は結構きつそうだけど」

高雄「きっつきつです。あとどこにも全く当たり前要素ありませんけど」

提督「んー……いやー……うんうん……」ジ-

高雄「…………」

提督「いや、素晴らしいね……滅茶珍しいコスな気がする」サワッ

高雄「! ……なにさり気なく触ってるんですか」

提督「だめ? 」

高雄「だめです。まだ昼過ぎですよ」

提督「…………ちょっとお土産でも外で買ってこようか。
こっちの酒とつまみはバーとルームサービスでいいし」

高雄「そうですね。それなら」

802: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:50:48.74 ID:7mUhsksgO

< 女か恋人か妻かそれとも >





愛宕「三月最後の日、三十一日の誕生石でーす」

雲龍「もう、四月なのね」

明石「どうぞー」

愛宕「ありがとう。……誕生石はイエローオーソクレーズ。
石言葉は“ 神秘的 ”、“ 優しさ ”、そして“ 永遠の女心 ”」

雲龍「若作り? 」

天城「姉様、その発想は女性としてどうなのでしょう」

愛宕「まぁ、いつまでも同じ心持ちっていうのは大事だと思うわよ?
ただ、精神年齢に成長が必要なだけで」

明石「その二つって違うんですか? 」

愛宕「その違いがわからないうちは大丈夫ね」

明石「はぁ。……愛宕さんはダメなんですか」

愛宕「いいえ? いいのよ私は。パートナーがいるもの。永遠のね」

803: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:51:29.19 ID:7mUhsksgO

< 私とあなたは同じだから >





雲龍「永遠の? 」

愛宕「永遠の」

雲龍「ふーん……」

愛宕「……ふふ」

天城「…………」

明石「…………」

愛宕「私の魅力がなくなったわけじゃないもの。
あの人に飽きられたとか、私より上の人が現れたわけでもないし」

雲龍「そう……根拠は? 」

愛宕「私が幸せで好きだから」

雲龍「ッ…………」

天城「…………随分な自信ですね」

明石「……まぁ、それが嘘ではないんですけどねぇ……あぁ」

804: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:52:11.87 ID:7mUhsksgO

< 罪悪感と欲求は正比例する >





愛宕「あー、うん。一日延びたのね? うん、わかった。はーい。
お土産待ってまーす」



ガチャ



愛宕「…………はぁ」

明石「提督帰ってこないんですか? 」

愛宕「ええ、一日延びたから連絡あれば同じホテルにだって」

明石「はぁ。なにかあったんですかねー」

愛宕「さぁ? ま、高雄がいるし大丈夫でしょ」

明石「ですね」





提督「…………なんか罪悪感が」

高雄「今からでも帰りますか? 」

提督「や、それはない」

805: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:53:20.46 ID:7mUhsksgO

< 全て実在します >





愛宕「やる気なくなったので今夜は提督のコレクション開放しまーす……」

雲龍「カップ麺、ね。初めてかも」

天城「私もです。まぁ、私はお酒のコレクションがあれば満足ですけれど」

明石「わぁ。カップ麺食べてみたかったんですよねー。
沢山あって選べないです」

愛宕「ここにあるのってご当地の珍しいやつとからしいわよ。
もしかしたら不味いのもあるかもしれないけど、
その時はあの人を恨んでねー」

雲龍「これは……豆腐ラーメン? なぜにさいたま……」

天城「ふかひれラーメンとは。しかもカップ麺で」

明石「うーん……は、は? 熊出没注意ラーメン? これです。こういうの待ってたんですよ! 」

愛宕「私は…………余ったのでいいか。おつまみは? 」

天城「まずはたこわさで」

愛宕「はーい。じゃあ、お酒はこれが鍵だから」

雲龍「了解」



807: ◆0●●fJOZnsI 2015/03/31(火) 22:55:58.71 ID:7mUhsksgO

< ゲロ甘……そして甘甘甘 >





提督「あぁ、そうだ」

高雄「なんです」

提督「もうっ……高雄ちゃん怒らない。
●れてたのは事実でしょ? ね? 」

高雄「…………」

提督「まぁ、いいや。耳だけ赤くなるの可愛いね。
……今日の誕生カクテルはカルーアコラーダ。
カクテルワードは“ 上品でエレガントな絶世の美女 ”」

高雄「へぇ……」

提督「で、これココナッツリキュールとパイナップルジュースと牛乳と」

高雄「カルーアコーヒー」

提督「あぁ、知ってた? しかもこれ内容聞けばわかるかもしれないけどかなり」

高雄「甘い、ですか? 」

提督「うん、そうだけど……知ってた? 中身でやっぱわかる? 」

高雄「……先程地下のバーで一度席を立たれたでしょう? 」

提督「あぁ」

高雄「あのとき……バーテンダーさんに口説かれましてね。
で、そのカクテルいただいたんです」

提督「……は? 俺聞いてねぇんだけど」

高雄「今、初めて言いました」

提督「は? はぁ? 」

高雄「ふふ……どうしました? もしかして女を繋ぎとめる自信が揺らいだとか」

提督「ふーん……」

高雄「なんです」

提督「…………その服、もう使えないかもね」

高雄「あら……折角いただいた綺麗なドレスだったのに」

提督「二日連続で、ね。…………ホテルのスタッフプレイは今度だな」

高雄「ふふ…………私も今夜は、本気を出しましょうか」

提督「1ラウンド目で堕ちるなよ? 」

高雄「まさか。あなたこそ泣き叫んでみっともない声を出さないでくださいね? 」

812: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:34:48.07 ID:GJCGHR74O

< ゆうべはおたのしみでしたね >





提督「……このコアントロー……なんか味薄くね? 」

高雄「……ベットサイドにお酒ですか……」

提督「ミネラルウォーターは冷蔵庫だし。取るのめんどくさい」

高雄「……舌が馬鹿になってるんじゃないですか?
私、下半身の一部が感覚薄いんですけど」

提督「そんなことねぇと思うんだけど……ん」

高雄「? ……あぁ、ん……ゅる…………ぅん…………ちゅ………………っはぁ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……どう? 」

高雄「……あなたは? 」

提督「高雄の味で一杯かな」

高雄「……私も」

提督「んー……ルームサービス今やってると思う? 」

高雄「やってるんじゃないですか? まさか頼むとか? 」

提督「なんかブランデー飲みたい」

高雄「……ちゃんと服着てくださいよ? せめてバスローブ。
私は寝ているので」

提督「……女の子だったら襲っちゃうかも」

高雄「…………起きてますから。飲んだら、また」

提督「……まぁ、冗談だけどな。……電話電話っと」

813: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:36:29.14 ID:GJCGHR74O

<名を呼んでも声は無く >





愛宕「よく考えたら仕事とはいえ二人きりでホテル泊なのね」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………ずるい」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………」

愛宕「…………一人でするのも飽きちゃった……寝よ」

814: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:39:27.93 ID:GJCGHR74O

< 顔を顰め、客を見、嘆息を零して >





提督「…………あの子に明らかになにやってたか暴露てたな」

高雄「そりゃ一晩●●てたんだから匂いがね……暴露るのは諦めましょう」

提督「うわぁ……これスタッフの間で噂になったりしてるのかな」

高雄「そうでもないでしょう。割とこういうく……カップル多そうですし」

提督「そうだといいが……英語のcoupleには組みも二人って意味もあったはずだぞ」

高雄「そんなの……察してください」

提督「俺馬鹿だしなぁ。……高雄が可愛いのはわかるけど」

高雄「当然。……お酒、注ぎますよ」

提督「あぁ、頼む」

815: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:44:53.82 ID:GJCGHR74O

< 卯月の朔日に >





提督「あぁ、そうだ」

高雄「? ……バランタインですか、これ」

提督「そうだよ。……俺高雄より愛宕の方が好きだから」

高雄「そうですか」

提督「そうだよ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「……何もないの? 」

高雄「何か、とは」

提督「愛宕可哀想、とか? 」

高雄「はっ…………上下が存在する、という部分が嘘なのでしょう? 」

提督「…………」

高雄「……それくらいわかります。せめて私が嫌いになった、くらい言えばいいのに」

提督「…………嘘でも……言えるわけないだろ」

816: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:48:00.57 ID:GJCGHR74O

< それでも一瞬は信じる >





雲龍「私……実は本当に好きなのは女の方なの。特に天城」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………姉様」

雲龍「うん? 」

天城「つまらない嘘をありがとうございます」

雲龍「どういたしまして」

天城「…………寝起きに珍しくしゃんとしてるから何かと思えば……まったく」

817: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:49:56.35 ID:GJCGHR74O

< まぁ、今はただの馬鹿騒ぎだけどね >





雲龍「あっ……もしかしてあの“ありがとう ”っていうのが天城の嘘だったのかしら」

明石「はい? 」

雲龍「いえ、なんでもない」

明石「はぁ。……今日嘘吐きました? 」

雲龍「ええ、さっき天城に」

明石「へぇ、反応はどうでした」

雲龍「……私の負けね」

明石「ま、負け? 四月一日って勝ち負け関係ありましたっけ? 」

愛宕「一応有力な仮説だと13歳の女の子と国王とそれへの抗議が起源らしいわよ」

明石「ロリコン? 」

愛宕「違うわよ。むしろ殺しちゃったんだけど」

明石「は、はぁ……エイプリルフールって怖い日だったんですね」

818: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:52:31.75 ID:GJCGHR74O

< 嘘はスパイスみたいなもの >





高雄「……ぁ…………ん……やり過ぎ」

提督「シャワー、浴びてこいよ」

高雄「もう少し…………顔、傾けて」

提督「ん……」

高雄「……ん…………はぁ……ふふ」

提督「……重いんだけど」

高雄「失礼な。女一人くらいは乗せられる胸板でしょうが」

提督「……手這わせながらダラダラキス続ける女は乗せられないかな」

高雄「ん…………あぁ、……シーツ……」

提督「シーツは気にするのかよ。……つまんでいい? 」

高雄「んぁ? ……だめでんんん〜〜……」

提督「……まだいけるな。丁度いいから一緒にシャワー浴びてくるか」

高雄「だめですっ……んぁ…………ッ! 」

819: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 22:53:40.49 ID:GJCGHR74O

< やる気 >





愛宕「じゃあ、お昼はいらないのね? 了解でーす。
待ってるわね? うん、とっても寂しかったから……うん、それじゃ」



ガチャ



愛宕「…………長かったぁ」

天城「ご帰還は」

愛宕「お昼過ぎだって。ヒトヨンマルマルくらいかな」

明石「いやー、でも割と大丈夫でしたね。
特に問題も発生しなかったし」

天城「そうですね。割と、ですけど」

明石「へ? 」





愛宕「私寂しくてやる気出てなかったもの。
これは早急なメンテが必要よ」

雲龍「…………そうね」

820: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 23:02:27.83 ID:GJCGHR74O

< 様々なものが染み込んだ >





高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………ちょっと」

提督「…………」

高雄「…………まずいですよね」

提督「…………別にまぁ……一応金置いてく? 」

高雄「どうでしょう……あーあ、なんでさっきは気付かなかったんだろう」

提督「……雰囲気かな。……このシーツはたぶんもう使えないよな」

高雄「下手するとマットレスも……スタッフ……は呼べないか」

提督「お前呼べるか? こんな理由で。
ベッドがヤバイのでどうすればいいか聞きたいです、とか」

高雄「さすがに遠慮したいです」

提督「…………帰るか。あとで連絡きたら大人しく金払おう」

高雄「……ですね」

821: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/01(水) 23:08:37.49 ID:GJCGHR74O

< 嘘を真実にするためになにが必要か >





明石「うーん……さすがに暇なので工廠の稼動許可と資材の使用許可もらいますかね」

雲龍「そう……。でもなにするの? 優秀な艦載機をつくってくれるというの? 」

明石「何かしてくれるんで? 」

雲龍「……してほしい? 」

明石「是非」

雲龍「…………じゃあ、お願いね」

明石「任せてください。震電がクズ鉄に思えるようなものをつくってみせますよ」





雲龍「と、いうことがあったのだけどエイプリルフールよね? 」

天城「そうでしょう。いくらなんでも震電がクズ鉄に見えるってそれなんなんですか。
……本気だったらどうするんですか? 」

雲龍「……さすがに本気でお返ししてあげないと。
それくらい凄いことよね? 」

天城「……そうですね」

823: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:13:22.67 ID:zJl8hS8MO

< 帰るまでが遠足、みたいな >





提督「よし、荷物大丈夫? 」

高雄「はい。問題ないかと」

提督「んー……じゃあ行くか」

高雄「……よかったですね、トランクにまだ空きがあって」

提督「そうだな」

高雄「まさかホテル泊して服が二揃い増えるとは思いませんでしたけど」

提督「しかもコンシェルジュ用のね」

高雄「……いつの間にもう一着」

提督「今度二人で着てね。
あっ、それで思いついたけど艶有りのベージュとか、
フリルあるやつも買ってマッサージ店員とかできるな」

高雄「頭大丈夫ですか? 」

提督「大丈夫じゃない。でも大丈夫なより楽しいからオールオッケー」

高雄「…………エレベータきましたよ」

824: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:14:11.81 ID:zJl8hS8MO

< 彼ではないから >





高雄「ただいま帰還しました」

雲龍「おかえり」

明石「おかえりなさい」

天城「おかえりなさい。……私たちが言うのもなにか変かもしれないですけどね」

高雄「いえ、皆さんに言われたのに違和感なんてありませんでしたよ」

明石「まぁ、天城さん以外は横須賀からの縁ですしね。
天城さんも無事溶け込めたということで」

天城「……溶け込めた、というのが微妙に嬉しくないです」

雲龍「どうだった? なにか楽しいことあったり? 」

高雄「そう、ですね……手を掴まれたりしました」

雲龍「手? 」

高雄「手」

雲龍「…………いつもは無いの? 」

高雄「当然です。できればこれからも遠慮したいですね」

雲龍「ふーん……? 」

825: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:14:56.40 ID:zJl8hS8MO

< 腕を回し、頭を擦り付け >





愛宕「おかえり」

提督「ん、ただいま」ギュッ

愛宕「ぁ……」

提督「寂しかった? 」

愛宕「……とっても」ギュッ

提督「ごめんな」

愛宕「んーん、私が決めたことだもの。
こうして帰ってきて抱き締めてくれたから許す」

提督「そっか」

愛宕「うん」

提督「…………」

愛宕「…………」ギュ-

提督「…………顔上げてくれ。キスできない」

愛宕「……待って、もう少し。…………もう少し、抱き締めさせて」

826: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:15:51.03 ID:zJl8hS8MO

< どちらからともなく >





提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……ん」

愛宕「んー…………ん」





明石「うわぁ……あんな自然に」

雲龍「ああいうキスも……ふーん」

天城「……随分と幸せそうに」

高雄「…………」

雲龍「いいの? 行かなくても」

高雄「まぁ、二日も独占してしまいましたから。それに…………ふふ」

明石「あれ、あの二人行っちゃいましたけど」

天城「いつまでも玄関にいても仕方ないです。私たちも中に戻りましょう」

高雄「そうですね。あ、これ提督からのお土産です」

雲龍「…………チータラ? しかもなぜに箱一杯に」

827: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:16:37.62 ID:zJl8hS8MO

< それだけ愛してるもらえるってことだもの >





愛宕「で? どれだけ●●たの? ん? 」

提督「さっきまでの雰囲気どこいった」

愛宕「それはそれ、これはこれ」

提督「……言わなきゃだめか? 」

愛宕「言いたくないの? 」

提督「普通はそうだろ……たぶんベッドダメにしてきた」

愛宕「えっ」

提督「……うん」

愛宕「…………なに、それ」

提督「……面目ないです、はい」

愛宕「羨ましい」

提督「…………は? 」


828: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:17:31.75 ID:zJl8hS8MO

< 軍人もね >





高雄「年度始め、四月一日の誕生石はパイライト。
石言葉は“ 友好関係 ”、“ 外交的 ”
、そして“ 剛腕 ”です」

愛宕「あぁ……やっぱり高雄のこれよねー。凄く久し振りな気がする」

高雄「二日だけですけどね」

明石「友好、外交、剛腕……政治家かなにかですかね」

天城「そういった方たちなら是非とも持っていてほしい資質ではありますね」

提督「まぁ、全部そこそこなのが幸せそうだけどな。俺みたいな」

雲龍「……あぁ、なんだか凄い納得」

829: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:18:24.89 ID:zJl8hS8MO

< 絶対に嘘だとわかる嘘 >





提督「愛宕と高雄とは身体だけの関係です」

高雄「実は元男です」

愛宕「提督の●●●●は凄い下手なの」

明石「科学も工作も嫌いです」

雲龍「提督には無理矢理……ええ、怖かった」

天城「お酒なんて所詮ただの液体だと思っています」





提督「……明石と天城はたぶん誰一人信じないな」

高雄「一説では嘘は正午までらしいですよ」

愛宕「ま、まぁ今のはアンケートみたいなものだし? 」

830: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:19:35.05 ID:zJl8hS8MO

< そんなあなただから >





高雄「誕生花は桜。花言葉は“ 精神の美しさ ”、“ 神秘の心 ”、“ 高尚 ”、そして“ 純潔 ”ですね」

提督「……神秘的ってーとこの中だと雲龍だよな、みたいな話をした気がする」

雲龍「それ不思議ちゃんとかって話だったと思うけれど」

提督「そっか」

雲龍「ええ」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………コーヒー淹れてくる」

雲龍「そう……」

明石「……私たちは純潔守ってるんですが」

天城「失礼ですけど明石さんと同じ括りにされるのも……うーん」

明石「失礼な」

天城「どうせ高尚な工廠とか考えているんでしょう? 」

明石「真実ですし。あんなに素晴らしい場所滅多にありませんよ」

天城「あぁ、真顔で……だからこう思ってるんですけどね」


831: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:20:22.12 ID:zJl8hS8MO

< ごーほう >





雲龍「提督の初めてっていつ? 」

提督「……それ知ってどうするの? 」

雲龍「私好きなもののことは全部知りたい女なの」

提督「……高二」

雲龍「へぇ……思ったより遅いのね」

提督「お前は俺をどう思っ……いや、言わなくていいぞ」

雲龍「ちいさい頃から天使の笑顔で年上の」

提督「だから言わなくていい」

雲龍「そう……」

提督「なんで不満そうなんだよ……あと年上じゃなくて年下だったし」

雲龍「ロリコン? 」

提督「……言わなきゃよかった」

832: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:21:11.14 ID:zJl8hS8MO

< それってどんな? >





提督「でも……あー……ていうことはお前ら高校生だったことないんだな」

愛宕「そうね。生まれ出たときからこうだし」

提督「うーん……ちょっと可哀想かな」

高雄「なぜです。別に問題はなさそうですが」

提督「高校生っていったらさやっぱり甘酸っぱい恋愛とかじゃねーかなって」

愛宕「ふーん? 」

提督「好きな人の部活応援しに行ったり、
文化祭の準備一緒にやったり……高校生らしい恋愛できてないのかぁ」

高雄「あぁ、そういう……」

愛宕「問題ないでしょ。確かにちょーっと経験してみたいけど」

提督「けど? 」

愛宕「軍人じゃないとできない恋愛、してるでしょ? 」

提督「あぁ、確かにね」

833: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:21:50.17 ID:zJl8hS8MO

< 声、押し殺せるかな >





提督「あれ……でも上官の部屋の隣で、とかはなかったよな」

高雄「当たり前でしょう……」

愛宕「まぁ、同輩のってのは普段からよね、ある意味」

提督「あー……なんで思いつかなかったんだろ」

愛宕「そういうとこ真面目なのか小心者なのか」

高雄「思いつかなくてよかったです」

提督「今度……横須賀なら…………でも……いやいや」

高雄「……冗談、よね? 」

愛宕「さぁ? 私は付き合うわよ? 」

834: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:22:52.40 ID:zJl8hS8MO

< では逆になんと言われたのでしょうね >





提督「俺さ、加賀に面と向かって焼き鳥鉄面皮って言ったことある。
あと態度でかいくせに使えねーな。
使えるのは身体くらいじゃね? ●●●●でかいし、とも言った」

高雄「……なぜ無事なんです」

提督「ついでに、その辺の男引っ掛ければ?
そうすれば誰かの役に立つかもよ? とか」

愛宕「エイプリルフールのときじゃなくて? 」

高雄「あぁ、なるほど。……それでも言っていいことと悪いことが」

提督「や、普通の日に。つーかこの前だよ。あいつが横須賀戻る二日前」

愛宕「そうなの? 」

提督「おう。一度でいいから誰かに本気で罵って罵られたいって言われて」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「……私、次会ったら加賀さんの顔まともに見れないかも」

愛宕「私も。……でも自分が言われたらちょっと興奮」

高雄「しません」

835: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:23:34.55 ID:zJl8hS8MO

< 嘘吐き >





愛宕「好きよ? 優しい嘘」

高雄「優しいというか私のことを考えてのものなら」

提督「そっか」

愛宕「提督は? 」

提督「嫌い。大体そういうとき女の子が傷付くパターンだし」

高雄「またそういう嘘を」

提督「嘘じゃない」

愛宕「そういう女の子の姿を見て一番傷付くのってあなたでしょ? 」

提督「そういう男に見られるのが嫌なの」

高雄「何を今更」

愛宕「見られる、というか事実よね」

836: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:24:23.72 ID:zJl8hS8MO

< お詫びと訂正 >





提督「今日の誕生カクテルはカルーアコラーダ。
カクテルワードは“ 上品でエレガントな絶世の美女 ”だ」

高雄「ん? つまり? 」

提督「……昨日のは間違いでした。
正しくはカルーアベリー。カクテルワード“ 心身ともに情熱を向ける生命力の持ち主 ”でした、はい」

高雄「はぁ。あんだけカッコつけといて……」

提督「…………すみません」

高雄「……まぁ、もう一人いましたけどね。間違えた人」

提督「……ある意味で似てたな。女の趣味も同じだし」

837: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:25:26.21 ID:zJl8hS8MO

< ヤマト >





提督「俺ヤマト好きなんだよね」

明石「大和さん? 」

提督「や、宇宙戦艦の方」

明石「あぁ、そっち。私も観ましたよ、2199」

提督「無印も観ろよ。……映画観たかった」

明石「DVDでなら」

提督「うーん……めんどくせぇ」

明石「好きなら観ましょうよ。お供しますよ」

提督「今度ね、今度。……はぁ、波動エンジン開発されねぇかなぁ」

明石「戦争一瞬で終わりそうですね」

提督「つくれないの? 」

明石「無理です。46だって割ときついんですから」

提督「そうか……サーシャが好き」

明石「森雪じゃなく? 」

提督「うん」

明石「……私は敵役の方が好きですね」

提督「いいよね。はぁ……俺寝るわ」

明石「はい、また明日」

838: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:26:30.04 ID:zJl8hS8MO

< 終わり、あるいは夏への始まり >





提督「そっか……終わったか……」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………戦い切ったよ、うん」





高雄「どうしたんです」

愛宕「野球」

高雄「は? 」

愛宕「高校生の。まぁ、五分くらい経ったら戻るわよ。ハイライト観てから」

高雄「……なるほど」

839: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 05:27:16.28 ID:zJl8hS8MO

< 処理くらいならやりますよ >





提督「うげぇ……気持ち悪い」

愛宕「あんなに食べるから」

提督「お前があれだけつくるからだろ……つまみで腹一杯とか……うえぇ」

愛宕「だって、二日ぶりだったから」

提督「うーん……戻しそう」

高雄「寝室ではやめてくださいね。寝られなくなります」

提督「あぁ、頑張る……エメトフィリアだったりしない? 」

高雄「エメト? 」

愛宕「嘔吐●●」

高雄「……うわぁ…………やるなら私以外で」

愛宕「私も嫌」

提督「俺も嫌だよ」

高雄「……じゃあ、なぜ言い出したんです」

提督「や、求められたら頑張ろうかと」

高雄「……絶対に嫌ですからね」



847: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:32:56.69 ID:ns4m+05SO

< 早朝テンション >





提督「起きなくてもいいのになぜか早起きしちゃうことあるよな」

高雄「そうですね」

提督「そのくせ睡眠欲は全然満たされてないとか……はぁ、眠い」

高雄「仕方ないです。コーヒーでも飲みますか? 」

提督「そこは“ 眠たくなること、してあげましょうか? ”くらい言えないの? 」

高雄「……理不尽な」

848: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:33:58.94 ID:ns4m+05SO

< 万年五月病とか >




提督「……はぁ、怠い」

愛宕「五月病? 」

提督「いや……違ぇよ。まだ四月になったばっかだし」

高雄「この時期は色々と立て込んだりもしますしね。
くだらない確認や承認書類が多いこと多いこと」

愛宕「五月病ってその忙しさから一時的に解放されちゃうからなるのよね」

高雄「つまりこの仕事の山を切り抜けたからこそ、ですね。
切り抜ければお休みがあると思って頑張ってください」

提督「へーい…………頑張ろ」

849: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:34:55.75 ID:ns4m+05SO

< 応援してください >





提督「あぁ、でもちょっときついなぁ、
高雄ちゃんが応援してくれれば頑張れそうなんだけどなぁ」チラッ

愛宕「私もだなぁ。高雄ちゃんの応援が欲しいなぁ」チラッ

高雄「…………無理のあるフリはやめていただきたいのですが」

提督「とりあえず……これ着て? 」スッ

高雄「はぁ……学ラン? 」

提督「俺の学生時代のだよ。背はあったからたぶん胸元もキツくないと思う」

高雄「……これを着れば頑張れるんですね? 」

提督「おう」

高雄「……はぁ、仕方ないですね。ちょっと待っててください」



ガチャ、バタン



愛宕「…………制帽はないの? 」

提督「残念ながら。……あぁ、サラシもねぇな……どうするんだろ」

850: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:35:33.93 ID:ns4m+05SO

< ジーンズもいいのですがね >





提督「…………」カリカリ

高雄「…………」カタカタ

愛宕「…………」カリカリ

提督「…………●学ラン、そういうのもあるのか」

高雄「仕事」カタカタ

提督「でもさぁ……新境地開拓されちゃったんだよね」

高雄「……単に合わせやすいものがなかっただけです」

提督「ブラの上に学ランか……襟の辺り、セクシーだね」

高雄「胸元の開いた服など何度も見ているでしょう。
そもそもボタンで留めてて見えないじゃないですか」

提督「違う、違うんだよこれが。なんか醸し出されてんの」

高雄「……いいから手を動かしなさい」

提督「へーい」

愛宕「…………久しぶりにズボンの高雄見たわ」

高雄「そうね。……なんだか落ち着かないのは確か」

提督「へぇ」

851: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:36:12.49 ID:ns4m+05SO

< 違和感 >





明石「…………」

雲龍「どうしたの? 」

明石「……工廠の稼動許可申請出しに行ってきたんですよ」

雲龍「それで? 」

明石「許可はすぐ貰ったんですけど……学ランがいました」

雲龍「学ラン? 提督が? 」

明石「いえ、高雄さんが」

雲龍「……セーラーとかブレザーではなく? 」

天城「セーラーやブレザーなら不自然だと思われないあたりあの男の人徳なのですかね」

明石「それで三人大真面目に執務こなしてるんですよ?
しかもかなり早くて有能っぽそうで。
……シュールすぎて私全く違う世界に来たのかと思いましたもん」

雲龍「それは……あなたが正しいわ」

天城「そもそもあの男が正しいことなんてありました? 」

852: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:37:00.23 ID:ns4m+05SO

< あなたの為に着ているのですよ? >





提督「座ってる女の子を上から見下ろしたい」

愛宕「●●●●? 」

提督「うん。座ってて裾がだぼっとしてるとことかもいい」

高雄「……立って書類仕事でもしたらどうです」

提督「や、お前学ランだし愛宕はいつものだから柔らかい服のあれがねぇもん」

高雄「はぁ」

愛宕「着替える? 」

高雄「私は嫌ですよ。そう何度も何度も着替えるの」

提督「買い物行ったら女の子なんて着せ替え人形じゃん」

高雄「それは……別です」

提督「そうか」

愛宕「脱がす専門の人はこれだから」

提督「おう。……それ前も言われた気がする」

853: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:37:52.61 ID:ns4m+05SO

< 今でも宝物です >





ガチャ、バタン





提督「…………」カリカリ

高雄「…………」カタカタ

提督「…………」ペラッ

高雄「……あの」

提督「ん? 」

高雄「あれ、どこに貼りました? 」

提督「あれ? 」

高雄「……プリクラ」

提督「あぁ……スマホの裏」

高雄「はぁ」

提督「だって愛宕たちには秘密なんだろ?
でもそこら辺に放置すんのも嫌だし……ときどきケース外して見れるから楽だぞ」

高雄「そうですけど……私はどこに貼れば」

提督「別に貼らなくてもいいんじゃないの?
宝物ボックスとかないの? 」

高雄「宝物? 」

提督「あれ? うーん……なんかさ気に入った石ころとか貝殻集めたりする箱」

高雄「ないです」

提督「じゃあいっそボールペンとか」

高雄「捨てちゃうじゃないですか……歪んじゃいそうですし」

提督「んー……まぁ、考えとくよ」

高雄「お願いします」

854: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:38:51.18 ID:ns4m+05SO

< 逆にどこまでできるのか >





明石「あっ、愛宕さん。ちょっといいですか? 」

愛宕「いいわよ。どしたの? 」

明石「三人で話してたんですよ。提督はどこまでなら許してくれるか」

天城「……主に姉様と明石さんが、ですよ」

愛宕「どこまで? ……どこまでだと思った? 」

明石「私の場合は工廠を爆破して基地が吹っ飛ぶのはさすがに、と」

雲龍「身体拘束して高雄とあなたよりも好きと言わせるまで●す」

愛宕「あなたたちね…………雲龍はそれやったら殺すから。冗談じゃなく」

天城「……私は思いつきませんでした。
最初はコレクションのお酒を全て飲むとか言ってたんですけど。
段々二人が包容力とはなにか、とか言い始めたので」

明石「で、なんですか? 」

愛宕「包容力、ね。……わかんない」

雲龍「あの人思い出せばわかりそうだけど」

愛宕「そうね……それでも曖昧だけど……。
私の言葉に全部は従わないのに不満が残らないところがあの人の包容力かな」

明石「なるほど……わかりません」

天城「私も」

雲龍「…………」

愛宕「……もういい? じゃあ、私は資料室行かなきゃならないから」

855: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:42:19.48 ID:ns4m+05SO

< 染まりきらずに >





天城「思ったのですけれど」

雲龍「なに? 」

天城「姉様たちって横須賀では提督と一緒だったのですよね? 」

雲龍「ええ、そうよ」

天城「でも三月にここに派遣される前はこんな姉様じゃなかったと思うんです」

雲龍「こんな……? 」

天城「……それにあの人をあれだけ好いていたのですからなぜ今までそういった風、
というか性格ではなかったのかな、と」

明石「まぁ、つまり横須賀からの付き合いだったのに、
三月に来てから毒され始めたように見えるのはなぜか、ってことですよね? 」

天城「そうです。なぜ今更染まり始めたのかと」

雲龍「あぁ……なるほど」

天城「なぜなのですか? 」

雲龍「えっと……」

明石「なんででしょうね……うーん」

雲龍「……たぶんだけど」

天城「はい」

雲龍「私はあの人のこと好きだし艦娘なんて大なり小なり人間とはずれてるでしょう?
で、横須賀だと他の人間もそれなりにいるからそれがストッパーになってたのね」

天城「……ここにきて箍が外れてしまった、と」

雲龍「ええ」

天城「…………あの人と人が沢山いると真面目だったのでしょうか」




856: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:42:59.86 ID:ns4m+05SO

< 湧き上がるような>





明石「四月二日の誕生石はセミバロックパール。
石言葉は“ 積極的 ”、“ 不思議な力 ”、あと“ 人気の源泉 ”らしいです」

提督「へぇ。不思議な力とかまさにお前らだよな」

明石「いえ、艦娘は存在も力もれっきとした科学であって不思議ではないです」

提督「俺から見れば、だよ」

天城「私はあなたの方が不思議ですけれど」

提督「ん? 」

天城「なぜこんな男に……姉様も皆さんも、」

提督「ははは……積極的だからかな? 」

明石「●に? 」

提督「愛に、に決まってんだろ」

天城「……………………天城も」ボソッ

857: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:43:39.57 ID:ns4m+05SO

< 本人たちはそんな気ないですよ >





高雄「誕生花は四つ葉のクローバー。
花言葉は“ 私のもの ”ですね」ギュッ

提督「ん……」

高雄「クローバーは……ないですけど」

提督「うん。……俺にとっては高雄がクローバーみたいなものだし」

高雄「……そう、ですか」

提督「幸運も幸せも、高雄がそのものだからね……ん」

高雄「ん……幸せ」





雲龍「この茶番いつまで続くのかしら。
あと、ここは劇場かなにか? 」

愛宕「皆劇団員だから。私も」

明石「……劇団員なら他人の前で弄りあって舌入れてもいいんですかね」

天城「…………爛れてる。本当に…………はぁ」

858: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:44:39.73 ID:ns4m+05SO

< 意識しなくなったら治る >





提督「あ……しゃっくり、かも……っ」

高雄「驚かせればいいんでしたっけ? 」

提督「宣言されてから驚かされてもな……っ」

愛宕「じゃあ、水飲む? 」

提督「んー……酒しか手元にないな」

愛宕「じゃあ……こっち」

提督「ん? んむっ」

愛宕「ゅる……ぁ…………ちゅ……っはぁ」

提督「…………っ……治ってねぇぞ」

愛宕「おかしいわね……口蓋●めるとって言わない? 」

提督「っ……自分で●めればいいだろ。効かなかったっ、みたいだけど」

愛宕「そう……もう少し、試してみない? 」

高雄「私もいるんですけれど」

愛宕「高雄? 」

提督「っ………うーん……………高雄」

高雄「…………仕方ありませんね」

859: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:45:13.09 ID:ns4m+05SO

< 治った >





愛宕「信じられない……どうして治るの? 」

提督「それは……タイミングとしか」

愛宕「なんでよっ。私のときは治らなかったのに」

高雄「これが……」

提督「愛? 」

愛宕「むぅーっ……もう一回しゃっくり始めてよ」

提督「や、そんな無茶な」


860: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/02(木) 22:46:05.23 ID:ns4m+05SO

< それくらいでは満足できません >





提督「今日のカクテルはカクテルウーロン。
カクテルワードは“ 知識を一つ一つ身に付ける頑張り屋さん ”だ」

愛宕「最後もう一回。私に向けて」

提督「ん? ……頑張り屋さんだね」

愛宕「ふふ」

高雄「……なにこの妹」

明石「でもときどきありません? 無性に褒めてほしいこと」

高雄「なくはないですけど」

提督「高雄」

高雄「はい? 」

提督「……頑張り屋さんだね。俺は、知ってるから」

高雄「……ありがとうございます」

明石「きゃわー。かっわいい」

愛宕「かっわいいっ」

高雄「…………」





雲龍「あれくらいで」

天城「負け惜しみですか、姉様 」

雲龍「私はもっとほしいってこと」

867: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/03(金) 23:13:22.86 ID:ZO11xXPpO

< 春の彩り >





提督「本日当基地では春ニットの着用が義務付けられます! 」





高雄「はぁ……陸軍側から誰も来ないといいですね」

愛宕「Vラインのゆるニットかぁ。何と組み合わせよっかな」

明石「このニットって全部提督が買ったんでしょうか」

雲龍「そうでしょ。私天城と明石のサイズ訊かれたもの」

天城「なるほど。なぜこうピッタリなのか不思議だったのですけれど。
寝ている間に襲われていたとかではないのですね」

明石「そんなサイズ測るだけで襲うって」

天城「当たり前でしょう? 寝ている間に身体を触られるなど」

雲龍「寝ていなければいいの? 」

天城「そうで、はないです」

明石「……何の間だったんですかねぇ」ニヤニヤ

天城「…………明石さん? 」


868: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/03(金) 23:17:41.62 ID:ZO11xXPpO

< それでも僕はやらないです >





愛宕「女の子に服を贈るのって」

提督「おう」

愛宕「その服を脱がせたいって意思表示らしいけど? 」

提督「えっ」

雲龍「そう……いいわよ」

提督「いや、あのね」

天城「脱がすために着せる……まぁ、この人らしいです」

提督「そんな目で見ないでくれるか」

明石「つまり上着だけ脱がして? ひえー」

提督「そんなわけないだろ。春ニット合わせたやつだったら大体は脱がさないと……」

高雄「脱がさないと? 」

提督「…………知らなかったんだって。別に下心とかはないから。
なんとなくやってみたかっただけだから」

869: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/03(金) 23:23:14.89 ID:ZO11xXPpO

< それを抱き締めて、俯き加減に >





天城「あの、提督」

提督「ん? あぁ、どうしても着たくなかったら捨ててもいいよ。
俺もあんまり配慮とかしてなかったし」

天城「そうではなくて……これ、ありがとうございます」

提督「んー、着てくれるの? 」

天城「はい。折角いただいたものですし」

提督「別に義務感とかで着なくても」

天城「……私が着たいのです。私に似合うものを考えてくださったのでしょう? 」

提督「まぁ……そうだね。うん、楽しみにしてるから」

天城「はい。……着替えてきますね」

870: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/03(金) 23:25:28.64 ID:ZO11xXPpO

< ストールもありますよ? >





高雄「……ニットワンピ、ですか」

愛宕「どうするの? 生とブーツ? 」

高雄「いえ……あまりブーツという気分ではないので」

愛宕「そう。私はー……普通にジーンズにしよ」





雲龍「黒のニットワンピ」

天城「黒のヒール」

明石「……黒のガーター」

愛宕「…………この子大丈夫なのかしら。
普段の言動思い出してほしいんだけど」

提督「……………………●●い」

871: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/03(金) 23:28:50.37 ID:ZO11xXPpO

< 全員お揃いじゃないとね >





愛宕「普段の自分を思い出してほしいくらい●●い姉は置いといて」

提督「……置いとくのか? 」

愛宕「……そもそも短めのニットワンピプレゼントにしたの提督よね? 」

提督「よし! 置いといて、なんだ? 」

愛宕「……提督は着ないの? ニット」

提督「えぇー、めんどい」

愛宕「あなたね……じゃあ私がコーデするから」

提督「俺新しいの買ってないぞ」

愛宕「大丈夫。見てなさいよ、私のセンスの高さを」

提督「うん、知ってるけどね……まぁ、頼むよ」

872: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 00:56:24.82 ID:yBNVnHtCO

< なぜあった >





提督「高雄」

高雄「はい、なんですか? 」

提督「●●いな」

高雄「……そうですか? 」

提督「それで外歩かせたくないくらいにはな。
……はい、これ」

高雄「コンパクトミラー? 」

提督「プリクラ用の」

高雄「あっ」

提督「まぁ、別に高校生とかじゃねぇし貼らなくてもいいとは思うんだけどね。
これと同じデザインのやつを愛宕にも、ってことで」

高雄「考えましたね。これなら普段も使えます」

提督「うん。ただ、愛宕からは見えない角度で使えよ? 」

高雄「はい。……ありがとうございます」

提督「んーん、俺なんてスマホの裏だしな……大事に使ってやって」

873: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 00:57:52.43 ID:yBNVnHtCO

< 見た目重視 >





提督「……ちょっと暑い」

愛宕「だって春物でいいのがなかったんだもの」

提督「いや、別に多少合わなくてもいいから季節に合ったやつにしてくれよ」

愛宕「えぇ……」

提督「なんで不満気なんだよ……着るの俺なんだぞ」

高雄「白シャツにグリーンのニットですか。似合ってはいますよ。
見ていて少し暑苦しいですけど」

提督「高雄は逆に涼しそうだけどな」

高雄「いえ……ニットのワンピースって結構暖かいんですよ」

愛宕「着てみる? 」

提督「着るかよ悍ましい。もうこれでいい。水でも飲んでなんとかする」

874: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 00:58:50.54 ID:yBNVnHtCO

< 爽やか >





高雄「四月三日の誕生石はスリーカラーゴールド。
石言葉は“ 気持ちのよい性格 ”、“ 爽やか ”ですね」

提督「スリーカラー? 」

高雄「はい。元々ゴールドというのはワリガネを変えることで色を変えることができます」

天城「ワリガネ? 」

高雄「まぁ、触媒だとかのことですね。
ウイスキーとソーダの関係と言った方がわかりやすいですか」

提督「ハイボール、ね。ここだと凄まじくわかりやすい説明だよ」

高雄「で、色を変えてスリーカラーゴールドリングというものをつくることがあるんです。
一般的には忠誠のイエロー、友情のホワイト、そして愛のピンクだそうですが」

愛宕「その三つを合わせてできるのが、爽やか? 」

提督「まぁ、爽やかなんてのは接してる他人にとってわかりやすいってことだからな。
利用されやすいというかお人好しというか」

明石「つまり提督の逆の人ですね! 」

提督「あ? 爽やかだろ、俺は」

雲龍「……全然」

提督「うん? 」

雲龍「…………全然利用されてくれないじゃない」

提督「いや……例外もあるってことで」

875: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 00:59:45.34 ID:yBNVnHtCO

< 『プライド』より >





提督「古き良き時代の女、ね」

天城「三歩下がって歩くとかでは? 」

提督「手、繋げねぇじゃん。却下」

高雄「色白で華奢で……つまり家の奥にいる奥ゆかしい女性? 」

提督「うーん……俺色白なのはもちろん好きだけど小麦肌とか好きだしデート行きたい。却下」

愛宕「太り過ぎず痩せ過ぎず健康的で自制心があるとか? 」

提督「守備範囲割と……うん。健康って普通じゃねぇかな。なんか違う気がする」

明石「あなたが帰宅したら三つ指正座とか」

提督「あー……若干そそるけど罪悪感あって嫌だな。●●っぽいし」

雲龍「いつでもどこでも●●●●させてくれて一緒に楽しんでくれる? 」

提督「それはいいな。採用」

高雄「いやいやいや、それ絶対古き良きではないです」

愛宕「というか何サラッと言ってるの? 」

雲龍「別に……」

明石「…………まぁ、ここにいる人たちは皆いい女だと思いますけどね。
単に昔にも現代にも合ってないだけで」

876: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 01:01:16.67 ID:yBNVnHtCO

< 飲めるとお持ち帰りが…… >





提督「今友達にLINEして訊いてみた」

高雄「はぁ」

提督「まず黒髪長髪」

愛宕「……金髪なんだけど。地毛なんだけど」

提督「次に和服や割烹着を着こなせる」

雲龍「……天城? 」

天城「は、はい? 」

提督「で、えー……純粋無垢でなんでも信じてくれる」

明石「科学の徒にとっては難しいかもしれません」

提督「あとは……大体さっき出たのと同じかな」

高雄「…………この中ではやはり天城さんでしょうか。
七割くらいは当てはまっているような」

提督「かもな。あと大酒飲みは嫌だってさ、個人的に」

天城「な、なぜですかっ。天城は旦那様が飲んでも飲まなくても付き合ってお側にいることがてきて、それでっ」

提督「うん、そうだね。……俺は酒飲める女の方が好きだぜ? 」

877: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 01:02:19.95 ID:yBNVnHtCO

< 旦那様って響き、ナイスだね >





愛宕「やっぱり、あなた? それともさん付け? 」

高雄「その……名前にさん付けが」

雲龍「私もさん付け」

明石「あなたって言ってみたいです。普段はさん付けかもしれないですけど」

天城「……………………旦那様」

提督「それ他人に紹介するときはいいけどさ……まぁ、素晴らしいとは思うけど」

878: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 01:04:00.93 ID:yBNVnHtCO

< 逆に >





愛宕「名前でしょ。呼び捨て」

高雄「名前ですね」

雲龍「名前ね」

明石「名前です」

天城「名前がいいです」

提督「ふーん……あだ名とか嫌なの? へぇ……」

879: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 01:04:39.46 ID:yBNVnHtCO

< 俺とお前と >





提督「お前って言われるのはどうなの?
俺は普段から使っちゃってるけど」

愛宕「私は嫌じゃないわよ? 私たちしかいないんだし、
名実ともに所有物みたいなものだもの」

高雄「そもそも名前なんていうのは記号でしかありませんからね。
呼び方も究極的にはいらないかもしれません」

明石「自分と相手の二人しかいないならば、みたいな」

雲龍「私は……むしろ言ってほしいわね。
所有物にされるの、いいじゃない」

天城「この姉様と同じなのは複雑ですが……私もどちらかというと、はい」

提督「そっか。……まぁ、今更変えろって言われても難しいんだけどな」

880: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 01:05:20.36 ID:yBNVnHtCO

< 黄水仙 >





高雄「誕生花の花言葉は……“ 騎士道精神 ”です」

提督「騎士道精神ねぇ……まぁ、持つこと自体は高潔でいいことだとは思う」

雲龍「現代の戦争にはかえって邪魔なものだけれど」

提督「だよな。この時代の軍人でそんなこと言うやつ俺は見たくない。
正々堂々ともちょっと違うし」

愛宕「でも……今でいえば紳士的って言葉に受け継がれている部分もあるんじゃないかしら」

明石「それなら提督も勝負できますね」

提督「そうだな。紳士的でありたいとは思ってるよ」

881: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 01:06:12.55 ID:yBNVnHtCO

< あくまで冗談 >





提督「今日の誕生カクテルはカルーアコーラ。
カクテルワードは“ 母性本能豊かなロマンティスト ”」

愛宕「えーっと……教育ママ? 」

提督「なぜそうなる」

雲龍「そのまま女と母を同時に演じられるってことじゃないかしら」

高雄「なかなかに凄いことですよね、それって」

天城「女を辞めた、とは言われたくないものです。
母親になりきれないよりはいいのでしょうが」

提督「お前は最初から始めてもいなくね?
よかったな、辞めなくてもよくて」

明石「失礼な。工学系女子をこれ以上馬鹿にしないでください」

885: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 12:58:54.47 ID:zwTIW9PZO

< 誰が為のエネルギーか >





高雄「四月四日の誕生石はグリーンクォーツ。
石言葉は“ 無邪気 ”、“ 実行力 ”、そして“ エネルギー ”ですね」

提督「クォーツ系だし……水晶か」

高雄「そうですね。大体丸く加工されて出回っているようです」

明石「水晶っていうと、占い師? 」

提督「無邪気とは程遠いな」

高雄「むしろ無邪気だからこそ占いに頼る人もいそうですが」

提督「そうかね。そんなとこ行くエネルギーあるならなんとか努力してみた方がいいと思うんだが」

明石「そりゃ提督は要らないでしょうよ。
運だけでは軍人にはなれませんし」

提督「あー……でも結構使ったことあるぜ? テレビの占いレベルだけど。
会話に使いやすいネタなんだよね」

高雄「……私聞いたことありませんけど? 」

提督「ん? だってそんな話無理矢理しなくても楽しいから。
高雄と喋ってるとね」

886: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 12:59:42.17 ID:zwTIW9PZO

< 俺だけの●●●にしてやるよ >





高雄「次は誕生花ですが……四月四日は麦仙翁。
花言葉は“ 育ちのよさ ”」

提督「天城」

天城「はい? 」

提督「今からさ……俺の部屋、来ない? 」

天城「……誘っていただくのは嬉しいのですがお断りします。
もし時と場所を考えていただけるならばそのときは私も誠意を見せますが。
今のあなたにはそれが感じられませんので」

提督「愛宕」

愛宕「なぁに? 」

提督「今からさ……俺の部屋、来ない? 」

愛宕「いいわよぉ……ふふ」

提督「…………これが育ちのよさだ! 」

高雄「……ちょっと違うと思いますけど。まぁ、言いたいことはわかります」

887: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 13:00:24.75 ID:zwTIW9PZO

< 演技から出た真 >





雲龍「で、そのまま連れ去られて行った、と」

高雄「まぁ……何日か●●てませんでしたし」

雲龍「提督が? 愛宕が? 」

高雄「愛宕が」

天城「姉様それを訊いてどうするのです……」

雲龍「意味はないわ。訊いてみただけ」

明石「あー……なんか雰囲気だけで●臭? みたいなのしてきましたよ、もう……」

高雄「しばらく食堂にでも避難しますか。
私も穏やかではいられませんし」

明石「●●●●する? 」

高雄「…………嫉妬、という意味です」

雲龍「割と同じよね、それ」

888: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 13:04:11.61 ID:zwTIW9PZO

< 蒼い人たち、青い顔 >





明石「てーとくー? お酒なくなりましたー」

提督「んぁ……? んー……これ飲んでよ。ロックでもいいだろ」

明石「もちろんですー」

提督「…………」

明石「てーとくー? 」

提督「あ、あぁ……滅茶眠い……」

明石「そりゃ夕食過ぎまで時化こんでればそうなるでしょう」

提督「んー……そうだな……今日の誕生カクテルはカルーアラテ。
カクテルワードは“ 青き清浄なる世界を望む平和主義者 ”だ。
…………なんだこれ」

明石「中二? 」

提督「ぽいよなぁ。やっぱ青って清浄なのか」

明石「蒼じゃないんですか? 」

提督「…………つーよく、そうつーよく、あのばっしょっへぇ♪ 」

明石「はっしりっだっそぉー♪ 」

提督「うん……………………Zzz」

明石「ふーん、アンタが私の提督? ……まぁ、悪くないかな」

提督「Zzz…………」

明石「残していこうか、私たちの足跡……! 」





天城「あれ……酷い光景ですね。一人は泥酔してもう一人なんて寝てますよ。
バーテンダー役なのに」

雲龍「明石あんまり強くないのに飲み過ぎだもの。仕方ないわ」

893: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 21:08:06.21 ID:24z7fqGlO

< 輝かないという輝き >





提督「わーお……」

愛宕「隠れたわねぇ」

高雄「輝かない、というのもなかなか」

提督「次は2018年の一月三十一日らしいしなぁ。
ちゃんと見れてよかったよ」

愛宕「そのときは……私たちはどうなってるかしら」

提督「さぁ? 少なくとも一緒にはいるだろ」

高雄「そうだと……いいですね」

提督「いいじゃねぇよ。そうあるために努力すんの」

愛宕「そう、ね。うん。私はこの人と一緒にいるためなら高雄でも容赦しないんだから」

高雄「それは……私もです」

提督「あぁ……月を見ながら、というか見えない月を見ながら、
自分の女侍らせるのは気持ちいいなぁ」

愛宕「…………まだ見てる? 」

提督「ん? いや、もう戻り始めたしな。部屋戻るか」

愛宕「ちょっと、シたいかも」

高雄「はぁ……月とベッド、ですか。狼ですね」

提督「狼は俺だろ。ほら……いくぞ二人とも」

愛宕「はーい。羊の底力、見せちゃうんだからっ」

高雄「やれやれ……結局いつものですか。……悪くないですが」

894: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/04(土) 21:09:06.35 ID:24z7fqGlO

< ↑ >





明石「みたいなこと言ってるんですかねぇ」

雲龍「かもね。私たちも見に行く? 」

明石「や、馬に蹴られたくありませんし。
それに……この部屋からも普通に見えますから」

雲龍「そう……狼さんはいつになったら私を獲物として見てくれるのかしら」

明石「……獲物としては見てるんじゃないです?
単にほぼ毎日満腹なだけで」

雲龍「…………滾らせるにはやっぱり何か必要なのかしら」

明石「何かってなんですまったく……」

天城「はぁ……月蝕と飲むお酒も美味しい……」



「「それはいつもでしょ」」

895: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/05(日) 12:12:21.95 ID:1gJDuekQO

< そしてエメラルドへ >





高雄「四月五日の誕生石はカラーレスサファイアですね」

提督「俺はルビーだった」

高雄「? ……石言葉は“ 努力 ”、“ 主役”、そして“ 敏感 ”」

明石「努力する主役とかどこぞの少年週刊誌みたいですね」

提督「いや、俺主人公は普通に努力するものだと思うぞ」

明石「そうですかねぇ」

愛宕「でもそういう主人公って大概は鈍感だと思うの」

提督「そうか? まぁ、最近はそうなのかなぁ」

高雄「何事にも例外はあるということで。
どんなものも型に嵌めるのはあまりいいことではありませんよ」

896: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/05(日) 12:14:04.63 ID:1gJDuekQO

< 努力は隠さない主義 >





明石「というか提督って努力とかしたことあるんですか? 」

提督「あのさ……一応この国に数人しかいないレベルの地位に就いてるんだけど」

明石「女の人コマしてここまできたんじゃないんですかー? 」

提督「そんなんでなれるほどこの地位は軽くねぇよ。
つーか、華族様でもないのにこうなんだからむしろ努力は人一倍してるはずだよ」

高雄「こう見えて横須賀にいた頃から戦術や私たちの運用に関しては研究し続けていたんですよ? 」

明石「へぇ、凄いですね。見直しました」

愛宕「その割に戦術面では殻を破れなかったわよねぇ」

提督「お前らいるからいいんだよ。
俺は有能な怠け者を目指してんの」

天城「…………それは努力して目指すものなのでしょうか」

897: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/05(日) 12:16:13.51 ID:1gJDuekQO

< 何が飽和しているのか >





高雄「誕生花はイチジク。花言葉は“ 多産 ”と“ 飽和”、ですね」

提督「…………」

愛宕「……何考えたか当ててあげましょうか? 」

提督「いや、いいよ。……つーかお前も連想したんだろ? 」

愛宕「そう、ね」

高雄「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「……あれだな。こう具体的というか連想しやすいと逆に会話が続かない」





明石「ここで誰一人として理解できていない人がいないという。
駆逐の子とか呼んできてくださいよ。ピュアな子を」

雲龍「浜風とか秋雲とか? 」

天城「なぜその二人なんでしょう……なんだか彼女たちだとダメな気がします」

898: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/05(日) 12:16:58.81 ID:1gJDuekQO

< 取り繕わぬ者は >





提督「今日のカクテルはアプリコットカクテル。
カクテルワードは“ 優雅で無邪気な存在感を髣髴とさせる人 ”だ」

愛宕「優雅で無邪気、ね。両立させるの難しいわよそれ」

高雄「少し間違うと傲慢に見えてしまいますしね」

愛宕「そもそも優雅っていいのがねぇ。
無邪気はそこまで難しくないのだけど」

高雄「結局は天然で無意識にそれをできる方が素晴らしいのでしょうね」

提督「そりゃな。でも俺は必死に演じてる女の子も可愛いと思う」





明石「……三人とも演技してることは前提で話すんですね。……まぁ、いいですけど」

902: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/06(月) 22:25:07.51 ID:5+YDLgC8O

< こんな日々 >





高雄「六日の誕生石はブルーダイアモンド。
石言葉は“ 働き者 ”、“ 活発 ”、そして“ 元気者 ”、です」

提督「ダイアね。確か四月の誕生石は普通のダイアだったよな」

高雄「そうですね」

愛宕「各誕生月の中で婚姻率が高い月から、
高価な石を当てはめていったって聞いたことあるわ。あれ正しいの? 」

提督「さぁ? まぁ、正しければ四月は結構いいんだな」

高雄「提督は四月でしたね」

提督「おう」

愛宕「もしかして二人分の指輪渡してるから提督で二人分換算になったり? 」

提督「や、それはねぇだろ」

明石「……以上、一部分だけ元気者で活発な方たちの日常でした」

提督「…………オチとかいらないんだけど」

903: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/06(月) 22:26:15.67 ID:5+YDLgC8O

< 永遠に永遠に >





高雄「誕生花はアネモネ。花言葉は“ 儚い希望 ”、“ 恋の苦しみ ”、“ 真実 ”です」

提督「ん? なんかアネモネって前に聞いたことある気がする」

愛宕「私も」

高雄「……言われてみれば。えーっと……これがメジャヴュ? 」

提督「あれ? デジャヴュじゃなくて? 」

愛宕「この話も前にした気がするわ」

提督「あれこれがメジャヴュ? デジャヴュ? 」

高雄「という話も前に……ーー」

904: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/06(月) 22:26:57.56 ID:5+YDLgC8O

< 重く長い嘆息とともに >





雲龍「儚い希望に恋の苦しみに真実、ね。……嫌な並び」

天城「姉様はそうでしょうね」

雲龍「あなたは、違うの? 」

天城「ないとは言えないでしょうけど……。
天城の場合はあの人との関わりもこちらの問題も姉様とは違うものですから」

雲龍「そう……」

天城「……あの人以外の人を見てみようという気はないのですか?
近くにいないということは一時的に忘れて」

雲龍「……そんなものが戯言に聞こえるくらいには好きなの。
もし、それを越えてくれる人がいればあるいは」

天城「…………そう、ですか」

雲龍「…………ええ」


905: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/06(月) 22:27:58.27 ID:5+YDLgC8O

< それさえも茶菓子か肴に >





提督「誕生カクテルはカルーアソーダ。
カクテルワードは“ 人脈作りを得意とする特技の持ち主 ”、だ」

愛宕「カルーア系多いわねぇ。好きだからいいけど」

提督「つまりコーヒー党の俺が正義ってわけだな」

高雄「苦手な人には辛いでしょうけどね」

明石「というか横須賀だと完全に少数派でしたよね。
紅茶派と緑茶派が入り乱れて、夏に麦茶派を兼ねる人がいたりもして」

提督「あ、俺も麦茶派だわ」

愛宕「しかも、紅茶派にもファーストフラッシュ原理主義者とか、
ミルク後入れ史上派とか面倒だったし」

雲龍「どうも飲み物の好みだけは合わない。
コーヒーが嫌いなのではなくて緑茶が、ね」

天城「いいじゃないですか。人の好みなんて」

提督「や、それを言っちゃあお終いだろ。
こういうのは話のネタとして鉄板なんだよ」

913: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/07(火) 22:37:39.25 ID:SiyFNS1eO

< 硬度 >





提督「●●●●の柔らかさについてなんだけどさ」

明石「……それをこのメンツで私に言うんですね」

提督「まぁ、いいじゃん。……挟んでもらったときにさぁ……硬いとちょっと嫌」

明石「そうですか。…………挟めるかな」

提督「案外挟めるもんだよ。……でも上で腰振らせてるときに軟 だとたまに見苦しくなるんだよなぁ」

明石「はぁ」

提督「やっぱさ。硬度変えられる●●●●が最強だと思う」

明石「そんなの開発できませんよ? 」

提督「そうだね。硬度変えるなら巨 化と貧 化目指した方がいい」

明石「や、それはもっと無理ですよ……」

914: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/07(火) 22:52:19.74 ID:SiyFNS1eO

< 冗談 >





愛宕「●●●●が急に縮ん」

提督「はぁ? ざっけんなおい。おい! 」

愛宕「だ、っていう冗談はどう? 」

提督「……ねーわぁ……。俺の楽しみ弄んで何が楽しいの? ねぇ」

愛宕「私を弄んでるのはあなたじゃない」

提督「つまんない冗談の次はつまんない洒落かよ」

高雄「……色々言いたいことはありますがとりあえずオカルト地味た冗談に本気で反応するのはどうなんでしょう」

提督「じゃああれか? 貧 の高雄も新鮮でいいわぁ、とか言った方がよかったか? 」

愛宕「それはそれで面白そう」

提督「そうか? …………そうだな、うん」

愛宕「ね? 」

高雄「…………まぁ、たまになら……取り外し式じゃないので無理ですけど」

915: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/07(火) 22:53:09.77 ID:SiyFNS1eO

< 這いつくばって、手を伸ばして >





高雄「七日の誕生石はエッグパール。
石言葉は“ 行動力 ”、“ 冷静沈着 ”、そして“ リーダーシップ ”です」

天城「まさに指揮官に必要な資質ですね」

明石「ベッドだとありそうですね、あの人も」

雲龍「冷静……? 」

高雄「えーっと……まぁ、ないわけではないですよ?
作戦指揮で失態を犯したわけではありませんし」

天城「それはわかるのですけどあれを見ていると……」チラッ

高雄「…………擁護できませんね」チラッ

明石「悪いことではないけどちょっと小物っぽいですよねー」





提督「うっそだろ……あとちょっと届かねぇ」ゴソゴソ

愛宕「取れなくてもいいじゃない。ボールペンくらい棚の下にあっても問題ないのだし」

提督「そういう問題じゃ……うーん」

916: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/07(火) 22:56:07.95 ID:SiyFNS1eO

< 桜を散らした便箋に >





提督「大和、ね」

雲龍「呉に呼ばれてないの? 」

提督「あぁ」

雲龍「まぁ、横須賀でピンピンしてるものね……現代の憑坐は」

提督「どうせ左遷組のアホには来てほしくないとかだろうよ」

愛宕「でも大和さんの方は提督がきたら喜ぶと思うわよ? 」

提督「んー……でもなぁ。別に祝い事でないしなんか贈り物もしずらいんだよな」

高雄「では手紙でも送ってみては。
今回の件に関係なく」

提督「そうすっかな……便箋便箋っと」

917: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/07(火) 22:58:21.00 ID:SiyFNS1eO

< そう思われている >





高雄「今日の誕生花はクロッカス。
花言葉は“ 若返り ”」

提督「あぁ……こ」

高雄「やめてあげましょうよ。そのネタあんまり面白くありませんよ」

愛宕「そうねぇ、本人は特に気にしてなかったけど」

天城「周りが不愉快になる冗談はいただけません」

雲龍「元気……でしょうね」

明石「好きですよー。あの人の紅茶」

提督「あぁ、うん。気をつけるよ」

提督(この前咲いてるのを見たって言おうとしたんだけどな……クロッカス)

918: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/07(火) 23:03:47.10 ID:SiyFNS1eO

< まぁ、人による >





提督「誕生カクテルはシャンボールクランベリー。
カクテルワードは“ 相手に求め過ぎず信頼を勝ち取る達人 ”、だ」

明石「うーん、ベリーはあんまり得意じゃないかもです」

提督「飲みやすいんだけどな。……口直しは何がいい? 」

明石「カルヴァドス、お願いします」

提督「ん、わかった」

雲龍「あなたは相手に求め過ぎないってどう思うの? 」

提督「俺? ……まぁ、これを男女の話だとするならだけど」

雲龍「ええ。求めるのを抑えるのって難しいでしょう? 」

提督「そうかな。……自分が多くを求められてると思うこととそれに応えること。
で、そういう風にされてればいい女なら応えてくれるよ。で、求め過ぎにはならない」

雲龍「ふーん……勉強になったわ。ありがとう」

提督「どいたま。……ほいよ、リンゴ」

明石「ありがとうございまーす」

天城「あ、私もそれ飲みます」

提督「了解」

雲龍「…………お酒を求め過ぎるのはやめた方がいいわよ」

天城「いえ、まだまだ“ 過ぎ ”には遠いので」

924: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/08(水) 22:45:27.31 ID:NKVt/YD9O

< これも個性 >





高雄「八日の誕生石はパパラチアサファイア。
石言葉は“ 発想豊か ”、“ 好奇心 ”、そして“ 個性的 ”です」

提督「発想ねぇ……下らないことなら温泉並に湧き上がってくるんだが」

愛宕「提督って数打ちゃ当たる方式のタイプだものね。
ひたすら案を出してそれを全部並べて選択に時間かけるっていう」

提督「まぁ、それでなんとかなってきちゃったからな……。
たまにはすぱっと選択してみたいもんだ」

明石「好奇心とかどうなんです? 結構色んなこと知ってるじゃないですか」

提督「ちいさい頃から本は好きでさ。
ただ最近は世の中の流行から外れてる気がする」

明石「ははぁ……歳ですかね」

高雄「…………先日セーラーなんとかの成りきりブラセットというものを注文していたようですが」

提督「…………別に流行じゃないし、うん。
どっちかというと懐古だしね」

愛宕「ちなみに一番好きなのは? 」

提督「ジュピター」

925: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/08(水) 22:46:58.40 ID:NKVt/YD9O

< しじゅうはち >





提督「そういや四月八日なんだな…………四十八……」

明石「どうしました? 」

提督「いや……なんでもないよ」

明石「しじゅうはち? 年齢とかのこと? 」

提督「そういう数値じゃないよ」

明石「じゃあ……体重? 」

提督「俺がそんな軽さに見えるか?
仮に筋肉すっかすかでもタッパ見ればわかるだろ」

明石「じゃあ愛宕さんとかの」

提督「愛宕? そんなに軽くな……わかんねぇわ」

明石「はい? ……あぁ」

愛宕「うふふ……」ニコニコ

提督「…………昔な、四八(仮)っていうゲーム擬きがあったんだ」

明石「あぁ、それで。どんなゲームなんです? 」

提督「端的に言えば、すっかすかだな」

明石「つまり……軽い? 」

提督「そうだな。……お前も普通に軽いからさぁ……俺を襟で持ち上げようとすんなよ。
折角話変えようとしてるのに」

926: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/08(水) 22:49:13.23 ID:NKVt/YD9O

< 謙遜できるということ >





高雄「八日の誕生花はエニシダ。
花言葉は“ 清潔 ”、“ 謙遜 ”、“ 清楚 ”ですね」

提督「ここで皆さん、パパッと思いついたもので謙遜してみてください! 」

高雄「そんな無茶な……」

愛宕「あなたが褒めてくれたこの髪も最近痛んできてて……清潔にはしてるんだけど」

明石「科学の徒っていっても実際解明できないことがあり過ぎる無能ですみません」

雲龍「最近肩が特に凝るの。大き過ぎるのも良し悪しよ」

天城「和服の着付けをできるといっても興味があれば誰でもできますよね。
むしろ洋服の知識が少ない天城の方が……」

高雄「…………」

提督「高雄? 」

高雄「……えーっと……ショートが似合うっていうのはロングを試した姿を見たことがないからですよ? 」

提督「謙……遜……? ……まぁ、全員嫌味にしか聞こえなかったな」

愛宕「そりゃあそうでしょうよ。
謙遜は内容じゃなくて技術のことだもの。
上手さで卑屈と嫌味以外に聞こえさせる、ね」

高雄「そもそも謙遜する相手がいませんよ。
自慢する相手も少ないですし」

927: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/08(水) 22:49:50.80 ID:NKVt/YD9O

< リンゴのように火照った頬が >





提督「今日のカクテルはアップルロワイヤル。
カクテルワードは“ センスに溢れた内面美人 ”だ」

明石「ひえー、カルヴァドスじゃないですか! 」

提督「そうだな。スパークリングワインとのカクテルだ。
……カルヴァドスが好きなら割合変えてもいいぞ」

明石「そうですか。……ちなみに今のは? 」

提督「これは標準的に1:3にしてある」

明石「うーん……やっぱりこのままでいいです。
折角先人が考えてつくったものですし」

提督「そっか」

明石「はい」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……お前のそういうところ好きだぜ。
誰かのことを手放して想えるの」

明石「ははは……やめてくださいよ。
単に自分のお酒関係のセンスを信じてないだけです」

提督「それでも、だよ」

928: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/08(水) 22:51:13.98 ID:NKVt/YD9O

< 学生の正装ではあるけれど >





提督「でもさ」

明石「はい」

提督「こういう雰囲気になっても」

明石「はぁ」

提督「……俺がバーテンダー衣装なのはいいとして、
セーラーってなんだよ。普通酒飲むとこ入れる服装じゃないよ」

明石「や、それは仕方ないですよ。
一番慣れた普段着ですし」

提督「たまにはさぁ……なんかないの?
カジュアルなのでいいからパーティドレスとかさ」

明石「ないですね。そんなものを着る機会なんてないですし。
他の方もないでしょう? 」

愛宕「あるけど? 」

高雄「何着かは」

明石「……あぁ、お二人はそうでしたね。
でも雲龍さんと天城さんはないでしょう? 」

雲龍「そうね」

天城「天城もです」

明石「ほらぁ」

提督「でもこの二人は普段着も結構、さ。
やっぱ一人だけその服装は浮くぞ」

明石「どうしろって言うんですか。じゃあ提督が見繕ってくださいよもう」

提督「…………言ったな? 」

明石「はい? 」

提督「期待しとけよ。…………あぁ、天城勝手にラッパ飲みなんてするんじゃない。はしたないぞ」

天城「ここに慣れただけです」

提督「いやいやいや……さすがに俺もしねぇよ」

明石「え? ……え? はい? 」

愛宕「ふふ……よかったわね」

明石「は、はぁ……なにこの流れ」

933: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:16:16.22 ID:D1XCgJGkO

< 見えてた >





高雄「九日の誕生石はセラサイト。
石言葉は“ 思いやり ”、“ 注意深い ”、そして“ 世話焼き ”、です」

明石「案外提督って世話焼きですよね」

提督「そうか? 」

明石「なにくれとなく喋りかけてきてくれたり。
そういうのってなかなかできることじゃないですよ」

提督「お前そりゃ……お前だからだよ」

愛宕「そうよねぇ、結局はどうでもいい人には手が回らないもの」

明石「でも提督はその辺の範囲が随分広いんじゃないです? 」

提督「うーん……? 」

愛宕「どうかしらね」

高雄「まぁ、思いやりという点では合格点でしょう。
身内がそう思えば世話焼きで正しいと思いますよ」

提督「そうかな」

明石「注意深さは足りないようですけどね」

提督「ん? 」

明石「……すみません。私も1と3でフルハウス狙いなんです……はい」

提督「えっ……嘘だろおい」

934: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:17:35.19 ID:D1XCgJGkO

< ツキが回ってこない >





高雄「誕生花はパンジー。花言葉は“ 物思い ”。皆さん絵になりそうですよね」

提督「物思いに耽るって? くそっ、その手には乗らねぇ」

高雄「いや、別に手札とか見ませんよ。
そもそも提督のミスじゃないですか」

愛宕「でも私好きよ? 提督が読書したりしてる姿とか」

提督「黙って座ってるだけだけどな」

天城「ちなみにどういったものを? 」

提督「俺はミステリとか歴史ものかな。
この前は愛宕に司馬遼太郎貸したな」

雲龍「提督は兎も角愛宕に司馬遼太郎って似合わないこと甚だしいわね」

愛宕「自覚はしてるわよ。でも一応は歴史に関わる身だし? 」

提督「そうだな」

高雄「で、次の選択は終わりましたか? 次、提督ですよね」

提督「…………今から考える」

935: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:18:39.18 ID:D1XCgJGkO

< UNO >





提督「つーかさ、おかしいと思うんだよね。
チャレンジとかどう考えてもローカルルールだろ……」

天城「お借りした説明書には書いてありましたよ」

提督「マジ? 」

高雄「それなら大富豪のときも麻雀のときもローカルルールはなしにしますか? 」

提督「あー、いや。それはねぇわ。つーかトリセツとか見たことねぇよ」

愛宕「はーい。コールされたので四枚引いてくださいねー」

提督「ぐぬぬ……」

雲龍「レッドの3」

明石「ふふふ……待っていたのですよ。ウノ、ウノストップ。あがりです」


936: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:19:27.98 ID:D1XCgJGkO

< 限界を見つける、みたいな >





提督「今日のカクテルはシャンディーガフだ。
カクテルワードは“ 好きなことを熱心に頑張れるしっかり者 ”

雲龍「ビール苦手なんじゃなかった? 」

天城「天城はとりあえず飲んでみて決めたいので」

提督「一応ジンジャーエールの風味でビールの苦味とか抑えられるけどな」

天城「ですね。まだ割と飲める方です」

雲龍「じゃあ次はレッドバードで」

天城「? 姉様が言うならそれを」

提督「……了解。天城ってトマトいけたっけ? 」

天城「はい。特に苦手ではありませんよ」

提督「そうか」





明石「レッドバードって? 」

高雄「トマトジュースとビールのカクテルです。
それにウォッカを加えています」

愛宕「ウォッカがなければレッドアイっていって発泡酒でも売ってるわね」

明石「なるほど……ちょっと私は遠慮したい内容かも」

937: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:22:15.57 ID:D1XCgJGkO

< それが名前の由来という説も >





天城「ウォッカが効いていて美味しかったです」

提督「それはよかった」

雲龍「……次はブルービアで」

提督「ん」

愛宕「そういえば毎月十日はレッドアイの日らしいわよ」

明石「なんですそれ」

愛宕「さぁ? とりあえず飲めばいいんじゃない? 」

提督「あれ……マラスキーノどこだっけ? 」

天城「マラスキーノ? 」

提督「ん、マラスキーノっていうさくらんぼのリキュールが入ってる。
あとはビールとブルーキュラソーだな。
……ちょっと倉庫言ってくるから何か飲んでていいよ」

明石「…………まぁ、ここの人たちは大体レッドアイですけどね」

高雄「それは……私たちも提督もそこまで赤くならない方ですし」

938: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:23:22.91 ID:D1XCgJGkO

< ワクの枠が大きくなっていく >





雲龍「あなた相変わらず枠ね」

天城「そうでしょうか。……ビールにも慣れてきた気はしますけれど」

雲龍「そう……よかったわね」

天城「はい」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「……私、お手洗いに寄ってくから」

天城「天城はそのままお部屋に行ってますね」

雲龍「ええ、転んだりしないでね? 」

天城「まさか。まだまだ大丈夫です」

雲龍「そう……」

天城「では姉様」

雲龍「ええ、また後で」


939: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:24:39.73 ID:D1XCgJGkO

< たこわさみたいな服色だし >





提督「ん……やっぱポン酒だな」

雲龍「……まだ飲んでたの? 」

提督「雲龍? ……あぁ、だってお前の妹が次々頼むからあんまり飲めねぇんだもん」

雲龍「ごめんなさいね。でも、あなたもそれに応えちゃうから」

提督「まぁな。……楽しんでくれるならいいんだよ。
俺だって好きでやってるし」

雲龍「そう……飲むのを抑える理由になってるならいいのかしらね」

提督「うん? 飲むなって? 」

雲龍「長生きしてほしいもの」

提督「そうか」

雲龍「ええ」

提督「…………じゃあ、なんかつまみつくってくれないか」

雲龍「今から? 」

提督「今から」

雲龍「……これから寝ようと思っていたのだけれど」

提督「美人が話し相手になってくれれば飲酒量も減る気がする」

雲龍「そう……」

提督「あぁ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……ちょっと待ってて」

提督「ん」

940: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:25:49.84 ID:D1XCgJGkO

< 息を吹き掛けにくい >





愛宕「んー……高雄ぉ」ギュッ

高雄「なんです」

愛宕「膝枕、して? 」

高雄「はぁ……どうぞ」

愛宕「やったっ」

高雄「……綿棒でいい? 」

愛宕「おっけー。終わったら高雄のもしてあげる」

高雄「それはどうも」

愛宕「うーん、これは柔らかい」ムニッ

高雄「ひゃっ……耳に突き刺さりますよ」

愛宕「そこは我慢して」

高雄「そんな無茶な」

愛宕「ふふ……………………確かに顔見えないわね」

高雄「それはまぁ……仕方ないじゃない」

愛宕「こんな●●●●は……えいっ」ツン

高雄「ぁ……」

愛宕「感じた? 」

高雄「……いいえ」

愛宕「本当に? 」

高雄「断じて、はい。……本当に突き刺さりますよ、まったく」

941: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:26:45.97 ID:D1XCgJGkO

< つくり過ぎた翌朝に >





提督「美味かったよ」

雲龍「そう……よかったわ」

提督「梅肉と和えるのもいいな。俺は普通につくるか柚子胡椒と和えるかがスタンダードだけど」

雲龍「柚子胡椒? 」

提督「あぁ、結構美味いもんだよ」

雲龍「へぇ……今度頼むわね」

提督「ん」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……お茶漬け食べたくなってきたわ」

提督「……たこわさと梅肉の茶漬けか。悪くないな」

雲龍「あとは大葉かなにかがあれば彩りもよくなるわね」

提督「あぁ」

942: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:28:15.77 ID:D1XCgJGkO

< 今夜は一緒にいませんか? >





提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……先、行っててよ。俺はたこわさの皿洗ってくるから」

雲龍「先? 」

提督「ん、この鍵で空くから」スッ

雲龍「……………………あの部屋? 」

提督「あの部屋」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……着替えてきても? 」

提督「だめ。今のお前がいい」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……そう」

提督「うん」

943: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/09(木) 22:29:35.04 ID:D1XCgJGkO


< 今夜は一緒にいませんか? >





提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「……先、行っててよ。俺はたこわさの皿洗ってくるから」

雲龍「先? 」

提督「ん、この鍵で空くから」スッ

雲龍「……………………あの部屋? 」

提督「あの部屋」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……着替えてきても? 」

提督「だめ。今のお前がいい」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……そう」

提督「うん」

948: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 22:50:22.52 ID:KUL2fDAlO

< 朝の日差しと共に >





雲龍「…………よかったの? 」

提督「……なにが? 」

雲龍「……私と寝て」

提督「嫌だった? 」

雲龍「……いいえ」

提督「ならいいじゃん」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「……もう、無理だと思ってた」

提督「…………まぁね。俺が色々振り切ればいいだけだったからさ」

雲龍「…………」

提督「……さて、シャワー浴びるか。一緒に浴びる? 」

949: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 22:50:54.04 ID:KUL2fDAlO

< 朝帰り、気付かれず >





天城「おはようございます、姉様」

雲龍「……おはよう」

天城「眠りが浅かったとか? 眠そうですけれど」

雲龍「浅かったというかなんというか……天城はちゃんと寝れた? 」

天城「はい。姉様が戻ってくる前に気付いたら意識がなくて」

雲龍「そう……朝食、行きましょうか」

天城「そうですね。今日はなんだと思いますか? 」

雲龍「たこわさ茶漬けとか」

天城「お茶漬け? どうしてですか? 」

雲龍「それはその……なんとなく? 」

天城「は、はぁ」

950: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 22:51:32.35 ID:KUL2fDAlO

< 朝帰り、気付かれる >





愛宕「あっ、おかえりー」

高雄「おかえりなさい」

提督「……おう」

愛宕「朝食はさっきつくっておいたんだけど……なにあのたこわさ」

高雄「山と積まれたたこわさとか自分の目を疑いましたよ」

提督「いや、……つくりたくなっちゃったんだよ」

愛宕「まぁ、いいけど」

提督「うん…………なんつーか普通だな」

高雄「あぁ、もうなんというか慣れました。
そもそもよく考えてみれば自分がナンバーワンだということを認識できる機会ですしね」

愛宕「浮気と考えるということは自分が本命、みたいな? 」

提督「なんかそれ違わねぇかな。……俺が言う資格ないけど」

951: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 22:52:18.31 ID:KUL2fDAlO

< どっちでしょうね >





高雄「というか」

提督「うん? 」

高雄「私や愛宕が一般的な人間の女性とは違うということ」

提督「あぁ」

高雄「そもそも環境からして普通ではないであろうということ」

提督「うん」

高雄「それを一番理解していなかったのが提督でしょう? 」

提督「まぁ……そうかな」

高雄「誰彼構わず襲い始めれば沈めてしまうかもしれませんが」

愛宕「これくらいなら構わないわよねー。
ときどきは二人で寝るのも楽しかったし」

高雄「……そうね」

提督「えっ、なんか楽しくなるようなことしてたの? 」

愛宕「ふふ……」

高雄「…………はぁ」

提督「んー……? どっちだ。嘘か本当か」

952: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 22:57:34.56 ID:KUL2fDAlO

< 言い訳 >






愛宕「それよりも結局は雲龍だったのね」

提督「うん? 」

愛宕「ドレス贈るんでしょう? 明石でも呼ぶのかと思ったから高雄と一緒に退場したのに」

提督「や、なんというか……一度●●た相手の方が呼びやすいというか」

高雄「まがうことなきクズの発言じゃないですか……」

提督「そうだな。……まぁ、いくら特殊な関係で特殊な仲でも初めては特別にしたいじゃん? 」

愛宕「うーん……まぁ、確かにそうかも」

高雄「でもそれだと別に雲龍さん誘わなくてもよかったんじゃあ……」

提督「そこは気分で」

高雄「うわぁ……」

愛宕「……ちょっと擁護できないかな、これは」

提督「……つーか、明石気付いたら自分から寝に行ってたぜ?
俺は思ったね。そのときがきたらずっと注意して飲ませないようにしないとって」

953: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 22:58:19.66 ID:KUL2fDAlO

< レモン風味 >





提督「最近ラドラーが缶で売られ始めたじゃん」

高雄「そうですね」

提督「あれの感想をビスマルクあたりに訊いてみたい」

高雄「はぁ」

提督「俺もさ、あれの名前は知ってたんだよ。
ただドイツから輸入するのもね」

高雄「……缶の方はどうでした? 」

提督「んー……正直好みではなかったかな。
ただ、ビール苦手な人はいいんじゃない?
天城だってビアカクテルはいけてたし」

高雄「あの人は例外だと思いますけど……手紙でも書いてみては? 」

提督「めんどい。この前大和に書いたので体力とやる気使い果たしたし」

高雄「はぁ」

提督「はぁ……ビスマルクでもオイゲンでもいいからさぁ。
この際レーベとかでもいいや」

高雄「……異動か派遣は難しいですよね」

提督「そうなのよね……うーん」

954: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 22:59:33.75 ID:KUL2fDAlO

< 正確にあなたのことを >





高雄「十日の誕生石はカラーレスジルコン。
石言葉は“ 正確な理解力 ”、“ 的確な行動 ”、そして“ キレ者 ”、ですね。
屈折率が高くダイヤの代用品にされることもあるとか」

愛宕「別名ホワイトジルコンとも言うらしいわね。
そっちだと石言葉は“ 全てを賭ける恋 ”」

提督「ふーん……全く別の意味なんだな」

高雄「全てを賭ける恋なんてものに理解力や的確というのは不粋でしかありませんしね」

提督「そうだな。……賭ける、ね」

愛宕「? 」

提督「いや、そんなことにならなくてよかったなって。
恋をするならその先も考えないと」

愛宕「いつになくまともね」

提督「普段からまともだぞ」

高雄「どの口が。……ただ、そういう人には全てを賭けてもいいと思えますよ」

提督「……ありがと」

高雄「そこはお互い様ですから。そうでしょう? 」

提督「…………あぁ」

955: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 23:00:14.31 ID:KUL2fDAlO

< 待ち続けるよりはね >





提督「前に相談でさ」

明石「はい」

提督「好きな人がいて、その人と結ばれるためには積極的にいくべきか、
それともその人を待つべきかどっちがいいかな? って訊かれたんだよ」

明石「はぁ」

提督「で、俺は当然相手がきてくれるかわからないんだから積極的にって答えたわけだ」

明石「まぁ……無難じゃないですか? 」

提督「だよな。でもよく考えたら相手が積極的にこないってことはつまり関心がないという証明に……」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………この話の“ 相手 ”ってたぶん提督のことですよね」

提督「…………さぁ? どうだろうね」

956: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 23:01:15.31 ID:KUL2fDAlO

< そうだ京都へ行こう >





高雄「今日の誕生花は九輪草ですね」

提督「九輪草? 」

高雄「はい。サクラソウ科の多年草で、
仏閣の屋根にある九輪に似ていることからこの名前が付いたそうです」

提督「九輪? 」

高雄「仏閣の屋根にある長い棒状の構造物のことです。
それぞれに意味があって上から七つ宝珠、竜車、水煙、宝輪ーー」

提督「待て待て待て……まるで意味がわからないんだが」

高雄「と、言われましても」

提督「いや、別にそこまで仏閣に詳しくないからさ。なぁ? 」

愛宕「その後は請花、伏鉢、露盤って続くのよね〜 」

提督「えっ」

明石「大丈夫ですって……私もまるで意味がわかりません」

提督「だよな? あぁ、でもお前ら京都がルーツだから……」

高雄「そういうわけでもありませんけど……ちなみに花言葉は“ 物覚えのよさ ”です。
これを機にしっかり覚えてくださいね」

957: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 23:02:17.14 ID:KUL2fDAlO

< どちらにせよ美味しい >





提督「どうでもいいけど今日は駅弁の日らしいぞ」

明石「え……ドン引きです。まだ夕食前なのに」

提督「いや、そっちじゃねぇよ。駅で買える弁当の方」

明石「あぁ、そっち」

提督「あのさぁ、いくらなんでも俺そこまで●●じゃ」

雲龍「……よくそんなこと言えるわね」

提督「あ? 」

雲龍「……よっぽど●まってたのか知らないけれどなかなかハードだったわよ」

明石「え……」

天城「姉様それで……眠いってそういう……」

愛宕「うふふ…………」

高雄「…………」

提督「……どうすんだよこの空気。明石、お前の所為だぞ」

明石「いや、明らかに提督の所為じゃないですか。
どう考えても私には責任ないですって」

958: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/10(金) 23:03:21.48 ID:KUL2fDAlO

< 個性が無いという個性も >





提督「今日のカクテルはシルバーストリーク。
カクテルワードは“ 人とは違う世界観を持った個性派 ”、だ」

高雄「まさに私たちでしょうかね」

愛宕「きっとカクテル考えてる人も、
人外の存在がうようよする世界になるとは思ってもみなかったわよねぇ」

明石「うようよ……うようよ……ふふっ」

提督「なーにツボってんだよ。……実際お前ら個性あり過ぎだしな」

高雄「まぁ、私なんかはまだ薄い方だと思いますけど」

愛宕「そう? ●●●●、ガーター、ミニ、スリットとかなかなか盛ってると思うけど。
普通にきつ目のクールとかも」

提督「そうだな。……まぁ、このメンツでは俺の次に薄いかもしれないけど」

天城「はい? 私がいつーー」

雲龍「……あなたは反論できないでしょう。
どれだけ飲めば気が済むのよ」

明石「うようよ……個性がうようよ……うようようようよ……ふふ」

提督「大丈夫か? お前酔うより酷い状態じゃねぇか」

964: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:49:54.20 ID:GHLkUrThO

< しゃこしゃこ >





提督「あぁ……歯ブラシそろそろ変えないとなぁ」

高雄「そこの棚に新しいの入ってますよ」

提督「うん、それは知ってる」

高雄「はぁ」

提督「なんというか新しいのって硬いというかきついというかさ。
古いの使い続けるのもよくないんだろうけど」

高雄「それなら柔めの歯ブラシにしてみては? 」

提督「それは違う。俺は昔から硬めと決めている」

高雄「……そうですか」

提督「でもこの捨て時変え時にいっつも悩むんだよなぁ」

愛宕「私が磨いてあげましょうか? 」ヌッ

提督「うぉっ……いや、いいよ。つーか、お前が磨いてくれたとして根本的な問題は解決しねぇだろ」

965: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:51:16.29 ID:GHLkUrThO

< まぁ、できないとか言われても困る >





提督「潔癖性のやつが●●●●はできるのが納得いかない」

高雄「はぁ」

提督「あの人たち鍋とか無理だし他人の握ったおにぎりもダメなんだぜ?
なんでそれで他人の粘●は許せるんだよ」

愛宕「結局は理性を快楽が越えるかどうかじゃない? 」

提督「そうなんだろうけどさ。もっと皆自分の欲望に忠実になるべきだと思う」

高雄「単に提督より慎みや恥じらいを持っているだけでは」

提督「いやぁ……理不尽だわ。せめて高雄くらいのむっつりなら許せるんだが」

愛宕「ダブスタはどこの世界でも嫌われるものねぇ」

高雄「……意思の疎通を上手くできていない気がするのですが」

966: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:52:37.22 ID:GHLkUrThO

< らしい >





高雄「実は今まで私が言っていた誕生石は正確には誕生日石というらしいです」

提督「そうなの? 」

高雄「はい。誕生石は十二ヶ月の方の石で聖書を起源にする一応は由緒のあるものらしいのです。
誕生日石は三百六十六日分の石で1997年に『366日誕生石の本』という著作で日本の一女性が考案したものなんだとか」

提督「へぇ……まぁ、どうでもいいな」

愛宕「お喋りの肴にしてるだけだものねぇ〜 」

高雄「まぁ、そうですね」

提督「つーか、三百六十六ってよく考えたらやべぇな。
そのおばさんすげぇよ」

愛宕「確かに」

967: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:53:39.09 ID:GHLkUrThO

< >>852くらいに >





提督「女の子に見下ろされたい」

高雄「はぁ。大丈夫ですか? 」

提督「うーん……どうだろう。怠すぎて溶けそう」

愛宕「この前は胸元見下ろしたいとか言ってたわよね」

提督「今は下 を見上げたいんだよねぇ」

高雄「……膝枕でもしましょうか? 」

提督「ん、よろしく」

愛宕「いいの? 」

高雄「まぁ、執務も一段落しましたし。構いませんよ」

968: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:54:48.61 ID:GHLkUrThO

< 中身が無いという内容 >





天城「まったく……なぜあそこまで空疎な会話ができるのか」

雲龍「いいじゃない。会話に意味なんて考えてたらおもしろくないわよ」

天城「それはそうですが」

明石「徒花とでも思っていればいいんですよ。
見かけだけって意味ですけど見かけを楽しめるんだからそれで十分です」

雲龍「そうね。ええ……そう思う」

天城「……明石さんも中身がないことは否定しないんですね」

明石「否定できると思います? 」

天城「……いえ」

明石「ま、それがいいところでもありますからね。
気負わずに喋れることがどれだけ素晴らしい才能か」

天城「理解はしているのですが……」

雲龍「納得する必要なんてないわよ。
なぁなぁでいられるのがここの、というかあの人のいいところだもの」

969: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:57:10.92 ID:GHLkUrThO

< 規則的な不規則 >





高雄「十一日の誕生石はホワイトファントム。
石言葉は“ 規律 ”、“ 生真面目 ”、最後に“ 規則正しい生活 ”、です」

提督「はい、誕生花にいこうか」

高雄「いや、そんな流さなくても」

提督「……規律とか生真面目とか俺に合うか? 」

天城「それを自分で言ってしまうのですね……」

明石「ある意味で規則正しいんじゃないです?
規則的という意味では」

愛宕「毎晩飲んで食べて寝るだけだものね」

雲龍「……寝る、ね」

高雄「……私自身は生真面目を目指しているわけですが」

提督「ふーん……」

愛宕「へぇ……」

高雄「……自分で言っていて馬鹿らしくなってきました。
…………ただそれはあなたたちの所為ですからね?
そこのところはお忘れなきよう」

970: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:58:32.11 ID:GHLkUrThO

< きゃらくたーぼいす >





提督「CVといえば」

雲龍「空母? 」

天城「空母、ですよね? 」

提督「だろ? 」

明石「ですよね……」

雲龍「? 」

天城「なんなのでしょうか……」

提督「つーか、空母以外の解答って誰に求めればいいんだろうな」

明石「えーっと……たぶん夕張とかなら」

971: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 19:59:51.41 ID:GHLkUrThO

< 心くらい読んでほしい >





高雄「誕生花はマーガレット。花言葉は“ 秘めた愛 ”、“ 真実 ”、“ 誠実 ”、“ 恋占い ”です」

提督「俺誠実だぞ。一応反論前に言うけどこの基地での基準でな」

明石「でも特に秘めてませんよね、愛とかその辺」

愛宕「私なんてムンムンよぉ」

高雄「その形容はやめなさい」





天城「……それもしかして天城も入ってます? 」

明石「当たり前でしょう? 」

天城「…………」

雲龍「あなたもアピールすればいいのに」

天城「わ、私はっ……」

雲龍「ふふ……私は明石に言ったつもりだったのだけど? 」

天城「姉様ぁ…………」

明石「……私は待つのも好きですから」

972: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 20:01:10.29 ID:GHLkUrThO

< 見つけたことが幸運という葉っぱも >





提督「今日のカクテルはサザントニック。
カクテルワードは“ 欲しいものを見分けるお宝鑑定人 ”」

愛宕「お宝? 」

高雄「鑑定人? 」

提督「うん」

愛宕「……もうちょっとどうにかならなかったのかしら」

高雄「たとえば……求めるものを得ようとするコレクターとか」

提督「あんま変わらなくねぇかな、それ」

愛宕「じゃあシンプルにTreasure Appraiserとか? 」

提督「うーん……まぁ、直訳だしなぁ」

高雄「そもそも欲しいものって漠然としすぎですよね」

提督「まぁな。……とりあえず飲んでやってよ」

天城「…………カクテルそのものがお宝なのでは? 」

雲龍「それはあなただけ」

973: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 20:03:40.13 ID:GHLkUrThO

< 注いでください >





提督「天城」

天城「はい? 」

提督「お前って何が一番好きなの? 」

天城「そうですね……特に、と言われると難しいです」

提督「まぁ、なんでも飲むしな。……この前は獺祭やたら開けまくってたけど」

天城「……申し訳ありません」

提督「まぁ、構わないけど。飲まないなら集める意味ないし」

天城「はぁ」

提督「…………」

天城「…………」

提督「……日本酒、好きだろ? 」

天城「もちろんです」

提督「じゃあ、これ」

天城「磯自慢? 」

提督「うん、別に大した関係はないだろうけど」

天城「あぁ……天城山と焼津、ですか。確かに伊豆半島ではありませんね」

提督「一応県が同じってことで」

天城「ありがとうこざいます。でも、いいのでしょうか」

提督「いいのいいの。俺が天城と飲みたかっただけだから」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………お注ぎ、しましょう。旦那様」

提督「あぁ…………頼む」

974: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 20:05:06.71 ID:GHLkUrThO

< 未飲です >





愛宕「……と、いうことであの人は天城に付きっきりなわけ」

明石「どこが“ というわけ ”なのかはわかりませんが状況は理解しました」

雲龍「……で、私たちにはお酒置いて終わり、と」

高雄「でもこれ中々珍しいですよ。
年末しか販売されないくらいの」

明石「瑞祥黒松剣菱? 」

雲龍「ふーん……」

愛宕「ま、そういうこともあるわよ。
どうする? 妹さんの隣、空いてるわよ? 」

雲龍「……遠慮しとくわ」

愛宕「……そう」

雲龍「…………私があの人といるときに邪魔が入るのは嫌だもの」

975: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 20:06:26.48 ID:GHLkUrThO

< 月、見えませんね >





提督「…………」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………やっぱり」

天城「…………? 」

提督「……天城と飲む酒は美味いよ。
もちろん皆で飲むのもいいけど」

天城「……過ぎたお言葉です」

提督「いやいや……酒だけに集中してても嫌がらない子って少ないからさ」

天城「それは私が酒好きなだけでは? 天城もお酒を味わいたいだけです」

提督「そうか? 俺が飲んだらすかさず注いでくれてるけど? 」

天城「それは…………偶然です」

提督「……そっか」

天城「はい」

提督「…………」

天城「…………」

提督「……注ぐよ」

天城「……いただきます」

976: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 20:08:35.11 ID:GHLkUrThO

< 日ノ本のをんな >





明石「漆塗りの屠蘇器があそこまで似合うって凄いですよね」

愛宕「そうねぇ……私だとどうしてもグラスになっちゃうし」

高雄「……和服でも試してみては?
以前着付けをしてみたときは愛宕も似合っていたと思うのだけど」

愛宕「うーん……まぁ、実際かなり似合うとは思うわよ?
でも天城ほど様になるかと言われると……自信ないかなぁ」

明石「あれって雰囲気ですよね。なんというか奥方っぽさというか」

雲龍「……私には出せない色気ね」

高雄「はぁ」

愛宕「大丈夫よ。あんなの普通出せないし。
あの子がおかしいんだから」

明石「…………理想の嫁、みたいな感じですね。一つの完成系というか」

977: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/11(土) 20:10:14.29 ID:GHLkUrThO

< あなたを、くれるというのなら >





明石「でもあれですね。見方を変えればフジヤーマ、ゲイシャ、テンプーラ、みたいな」

雲龍「……一気に酷くなったわ」

明石「いやー……でもこの場合のゲイシャってかなり褒めてる部類だと思いますよ? 」

雲龍「そう? 」

明石「ええ。まぁ、花魁とか遊女って言うと別の感じですけど」

雲龍「…………」

明石「やっぱり武家の奥方ですね。私はそれが一番しっくりきます」

雲龍「私は? 」

明石「情婦」

雲龍「…………そうね。間違ってない」

明石「…………」

雲龍「…………」

明石「…………すみません」

雲龍「……いいのよ、今更そんなことでは傷付かないもの。
それに……私はそれで十分だから」

982: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/12(日) 15:16:54.74 ID:d4PuQ9ugO

< 育て、磨き、そして >





高雄「十二日の誕生石はピンクフローライト。
石言葉は“ きちんとした容姿 ”と“ 身嗜み ”です」

提督「明石、しっかりしろよ」

明石「わ、私ですか? 」

提督「本来きちんとした容姿と身嗜みは同じだけどな。
身嗜みに配慮していないときちんとした容姿は保たれないんだぞ」

明石「……いざとなれば復元能力と高速修復で」

提督「はっ……ふー、やれやれ」

高雄「……それ口で言うと滑稽ですよ」

提督「……普段から自分を磨き続けてないと“ いざ ”なんて時は永遠にこねぇからな」

明石「はぁ……ま、気をつけますよ」

提督「そうしろ」





愛宕「つまり……そういうことよね? 」

雲龍「光の君? 」

天城「そういう……まぁ、言ってること自体は悪いことではないですけれど」

983: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/12(日) 15:18:24.97 ID:d4PuQ9ugO

< 部下だって尊敬対象だし…… >





高雄「今日の誕生花は露草。花言葉は“ 恋の心変わり ”、“ 豊潤 ”、“ 尊敬 ”です」

提督「豊潤な魅力溢れるとある女は尊敬する上官に優しくされ、
恋の心変わりというものを知ってしまったのでした」

高雄「うーん……無理矢理、40点」

愛宕「誰かが不幸になってそう、55点」

提督「割と厳しいな」

明石「……なんですこれ」

提督「ん? まぁ、なんだという程のものではないけど。
普通にお喋りの延長だよ」

雲龍「提督の上官ってもう数える程しかいないわよね」

天城「腐っても基地を任されていますからね」

提督「腐ってない」

愛宕「……今更心変わり、する? 」

高雄「さぁ? ……そんなことはないでしょうけど……。
そうなったら少し面白いとは思うわね」

984: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/12(日) 15:19:42.81 ID:d4PuQ9ugO

< 確固とした幸福を >





提督「今日のカクテルはサザンジンジャー。
カクテルワードは“ 幸せな雰囲気をつくりだす神秘的な人 ”、だ」

高雄「昨日の……サザントニックでしたっけ?
あれと同じリキュール使ってますよね」

提督「おう。サザンカンフォートっていうアメリカのメジャーなやつだな。
今回はそれにジンジャーエール適量。俺はライム絞った方が好きだからそうしてる」

愛宕「幸せな雰囲気ねぇ。……別に神秘的でもないけど」

提督「神秘的であってほしいか? 」

愛宕「んー……今のままでいいかな。あやふやなものより確かな存在が欲しいから」

提督「左様で」

高雄「これ、ストレートでお願いします」

提督「ん、天城もいる? 」

天城「……なぜ天城に振るのですか」

提督「なぜって……なぁ? 」

雲龍「……そうね。ついでに私も」

天城「…………まぁ、いただきますけれど」

985: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/12(日) 15:20:35.18 ID:d4PuQ9ugO

< そんな目で頼まれたら…… >





提督「この前おひたしつくったんだって? 」

明石「……それ誰に聞いたんです」

提督「雲龍」

明石「…………まったく。確かにつくりましたけどね」

提督「そうか」

明石「はい」

提督「…………」

明石「…………」

提督「……ちょっとつまみが欲しいと思ってたんだよ」

明石「あっちにイカとかチャンジャありますけど」

提督「ほうれん草とかつお節でいいのがあるんだよね」

明石「…………」

提督「…………」

明石「……はぁ、文句は聞き入れませんよ」

提督「さんきゅー」

986: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/12(日) 15:21:21.14 ID:d4PuQ9ugO

< 合う >





提督「なかなかいいじゃん」

明石「……どうせ高雄さんとかがつくった方が美味しいですよ」

提督「んー……俺以外が食べればそうかもね」

明石「…………否定はしないんですか」

提督「してほしい? 」

明石「……あなた以外の人になら」

提督「そうか」

明石「…………」

提督「…………」

提督「……自分でも食べてみろよ。日本酒と合うよ」

明石「……そう、ですね」

提督「注いでやる」

明石「…………ありがとう、ございます」

987: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/12(日) 15:22:18.99 ID:d4PuQ9ugO

< あなたといるから弱くなる >





明石「……あなたと」

提督「ん? 」

明石「あなたとサシで飲むなんて珍しいことですよね」

提督「そうだな。……まぁ、話が聞こえないだけで見える範囲にあいつらいるけど」

明石「食堂に六人ですからね。これ電気代とか凄い無駄遣いです」

提督「仕方ないさ」

明石「…………あなたの思う私のいいところってどこですか? 」

提督「いいところ? 好きなところじゃなくて? 」

明石「…………」

提督「……そういうところだよ。
一歩後ろで、でもここにはいたくて、みたいな表情とか。
なんていうか……こいぬちっく? 」

明石「ふふ……なんですかそれ」

提督「守ってあげたくなる感じかな。
本来は俺より強いのにね」

明石「いえ……私、弱いですよ。弱く、なりました」

提督「そう? 」

明石「はい。…………とても、とても」

提督「……じゃあ、俺の出番もあるかな」

明石「きっと」

提督「……そうか」

明石「そのときは…………思い切り抱き締めてくださいね」

提督「もちろん」

993: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/13(月) 22:21:37.20 ID:tSl/9r4m0

< 力を持つのだから >





高雄「四月十三日の誕生石はヴァイオレットパール。
石言葉は“ 正直者 ”と“ 良識ある行動 ”ですね」

天城「良識、ですか」

雲龍「軍人に良識を求めるって割と滑稽よね」

高雄「軍人であるからこそ良識が必要とされているのかもしれませんが」

愛宕「でも正直者の軍人っていうのも頼りないわよねぇ」

天城「……信頼できる部下か上官にくらいは正直であってほしいものなのですが」

提督「正直じゃない女の子を正直者にするのもいいもんだけどな」

明石「……軍内でいちいちそんなことしてたら大変なことになりますよ」

994: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/13(月) 22:22:11.23 ID:tSl/9r4m0

< また、いつか >





高雄「誕生花はハルシャギク。蛇目草といった方がわかりやすいでしょうか」

提督「いやー……どっちでもわかんねぇわ」

高雄「見頃は六月ですが覚えていれば見に行きましょう。
帰化植物ではありますが基地前の丘に野生化しているかもしれません」

提督「そうだな」

天城「そのときは是非天城も」

提督「ん? 当然だろ。むしろ来ないとかないよ」

高雄「ですね。……花言葉は“ 一目惚れ ”、“ 陽気 ”、そして“ 上機嫌 ”、です」

995: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/13(月) 22:23:21.04 ID:tSl/9r4m0

< 綺麗な人がいるな >





提督「今日のカクテルはサザンピーチ。
カクテルワードは“ 欲しいものに一目惚れする正直者 ”だ」

明石「欲望に? 」

提督「まぁ、そうだろ。欲しいってんだから」

愛宕「一目惚れって感じだった? 」

提督「お前に? 」

愛宕「高雄でもいいけど」

提督「んー……いや、違うな。最初見たときなんて思ったかなんて覚えてない」

愛宕「そうなの? 残念、と思ったけど私もそうね」

高雄「当時はまさかこんな関係になるとは考えてませんでしたからね」

提督「ま、結局欲しくなっちゃったんだけどね。
……記憶がもし消せるならまた恋してもいいかな」

愛宕「今は恋してないの? 」

高雄「私は毎日し直してますけど? 」

提督「そうか。……いや、でも新鮮さと長く一緒にいる安心感って違うだろ。どっちも好きだけど」

明石「……恋とその次の境界ってなんなんでしょうね」

雲龍「手元にいなくても安心できるかどうか? 」

天城「それは性格による気がしますけど。……間違ってはいないと思います」



997: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/13(月) 22:32:24.22 ID:tSl/9r4m0

< 梅 >




提督「俺、梅酒だけはなぜか苦手なんだよね」

明石「と、いいつつ飲んでますけど」

提督「まぁ、少しくらいはね」

明石「私は好きなんですけど」

提督「果実系好きだもんなぁ。……でも梅干しは好きだし。そういうのないか? 」

明石「トマトは嫌いだけどケチャップは食べられる、みたいな? 」

提督「あぁ、それそれ。なんなんだろうな」

明石「さぁ? 結局は好みですし」

提督「そうなんだけどね。……愛宕ー、コアントローくれ」

愛宕「はーい。……梅酒のつまみが男梅って……なにそれ」


999: ◆0●●fJOZnsI 2015/04/13(月) 22:40:35.12 ID:tSl/9r4m0

< 埋め >





雲龍「ヴェネツィアって地盤が落ち込み続けてるのよね」

天城「そう聞きました。ツバルとは逆ですがどちらにせよ水が迫ってきている、と」

雲龍「埋め立て、というか土を盛ったりはできないのかしら」

天城「どうでしょう? ただ、あのゴンドラや潮の満ち引きも観光資源なのでしょうし。
難しいのではないですか? 」

雲龍「そうなのかしら」

天城「……ですが姉様」

雲龍「なに? 」

天城「……なぜ、新婚旅行のツアーパンフを広げているのでしょう」