【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】 その1

274: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/04(火) 23:49:58.95 ID:qbF9OKnA0
【第2の島・サマーアイランド】

赤穂「……」

四方院さんの事、如月さんとの話……俺はどうにも気分が落ち込んでサマーアイランドに来た。

だけど……

赤穂「……暑い」

汗がダラダラと流れて地面に落ちる。

スーツをしっかり着込んで手袋までしてたらそりゃ暑いに決まってるよな……

だけどどうしてもこの傷だらけの地肌は見せたくない。

赤穂「右目のこれだけで、変な噂されたしな……」

とはいえ、少し視界もぶれてきた。

やっぱりコテージに戻るか、ショッピングモールに入ろう。

赤穂「……あ、れ」

歩き出そうとした瞬間、視界がさらに揺らいだ。

赤穂「マズ、熱中症か……」

杖を支えにしようとしても、力が入らなくて俺はその場に倒れてしまう。

赤穂「くそっ……誰か通りがかれば、いいけど……」

そしてそのまま俺の意識は遠のいていった。

引用元: ・【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】 



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275: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/05(水) 00:15:46.65 ID:oI9tohnA0
――――

赤穂「んっ……」

「あっ、気がついた?」

赤穂「……?」

目覚めると後頭部に柔らかい感触……そして視界を遮る何か。

赤穂「……」

「大丈夫?倒れてたから慌ててショッピングモールまで引っ張ってきたんだけど」

この声は……

赤穂「……土橋?」

土橋「そうだよ。今気付いたの?」

もしかして俺……今膝枕されてるのか?

じゃあ目の前のこれは……

赤穂「っ、悪い!」

慌てて起き上がるとクラッと視界が揺れる。

土橋「ちょっとちょっと!いきなり起きたらダメだって、ほらスポーツドリンク!」

赤穂「……あ、ああ、ありがとな」

スポーツドリンクを飲み干すと、身体が軽くなった気がする。

まさに生き返った気分ってやつだな……

土橋「もう、こんな暑い中でそんな格好して水分も取らなかったら熱中症になるのわかりきってたでしょ!」

赤穂「そうなんだけどな……」

土橋「せめて上ぐらい脱ぎなよ。あれだけ汗かいてたんだから暑さに強いわけでもないんでしょ?」

赤穂「……」

土橋が俺を心配して言ってるのはわかってる。

それでも俺は……

276: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/05(水) 00:43:20.49 ID:oI9tohnA0
赤穂「やめといた方がいいぞ」

土橋「何が?」

赤穂「俺の肌は色々あって傷だらけなんだ。見たらドン引きするような傷もある」

土橋「……」

赤穂「このスーツを脱いだだけでも結構わかるし……土橋だって気持ち悪いもの見たくないだろ?」

俺がこの傷を身体中に刻まれた直後、見舞いに来た何人かは露骨に俺の傷を気持ち悪がった。

中には俺は絶望で自分から傷をつけたんじゃないかとか言う奴さえいて。

あの日から俺は……傷を徹底的に隠してきた。

色々言い訳してても、結局はまたあんな事を言われるのが……怖いんだろうな。

土橋「……そっか、わかった」

赤穂「わかってくれたなら……って何してるんだ!?」

土橋は何を思ったか作業着の上を脱ぎ出していた。

土橋「アタシってさ、土木作業なんて生活してるから色々と男の人に囲まれて生きてきたんだよね」

赤穂「……」

土橋「で、胸とか結構ジロジロ視られたりもしてきたんだ」

赤穂「……それで?」

土橋「だから何て言うか……アタシ慣れてるし視線集めるしさ!アタシが近くにいれば政城がジロジロ見られるとか少なくなるでしょ!」

赤穂「……」

土橋「だから、さあ……暑いの我慢して着込まなくても大丈夫だって!」

277: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/05(水) 00:49:24.06 ID:oI9tohnA0
赤穂「……」

上半身タンクトップのそれが恥ずかしいのか顔を赤くしている土橋の言葉の意味がようやく理解できた。

赤穂「……ははっ」

そして同時になんだか笑えてくる。

土橋「ちょっとなんで笑うの!?」

……うん、ここまでされると怖がってるのが馬鹿らしくなってきた。

赤穂「よっと」

土橋「あっ」

赤穂「それじゃあ、ちょっと中央の島まで一緒に頼めるか?暑いし」

土橋「……了解!アタシも早く着たいから早く行こう!」

赤穂「あっ、気持ち悪かったら視線そらしていいからな?」

土橋「政城が言うほどじゃないって!それにアタシ嫌いじゃないよ!」

赤穂「んっ?なんでだ?」

土橋「だってそれヒーローとして頑張って出来た傷でしょ?だったらむしろ勲章だって!」

赤穂「……」

土橋「あれ、どうしたの?」

赤穂「いや……」

面と向かってそんな事言われたのは……初めてだ。

勲章、か……

赤穂「……ありがとな」

この傷をそう言ってくれて。

279: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/08(土) 23:07:23.25 ID:pOC6K4XA0
【ホテルミライ・コテージ前】

土橋と第1の島まで一緒に戻った後、俺はマーケットに行くという彼女と別れてホテルに戻ってきていた。

赤穂「……あっ」

あそこにいるのは……

グレゴリー「言の葉の魔術師よ。ここに供物を捧げておくぞ」

赤穂「グレゴリー、津浦の様子はどうだ?」

グレゴリー「聖痕抱きし英雄か。夢魔の誘惑から解き放たれはしたが、心に巣くう闇の住人がまとまりついているようだ」

よくはわからないけど、今の津浦がコテージから出る気はないのはわかるな……

グレゴリー「元々容易なる事象ではない。時の檻は強固だが……いずれはまた覚醒の時が訪れるだろう」

赤穂「……グレゴリーは随分津浦を気にかけてるよな」

捜査の時も今も、どうしてグレゴリーはここまで津浦を……

グレゴリー「言の葉の魔術師は我が言霊を理解した原初の姫だからな」

赤穂「……」

自分の言葉を理解したのは津浦が初めてだから……って事か?

グレゴリー「言の葉の魔術師との語らいは我としても必要不可欠。覚醒の時の刻限が近くなると言うのならば、供物を捧げる事など苦ではない」

赤穂「……そうか」

グレゴリーは津浦に元気になってほしいんだな……

赤穂「早く元気になるといいよな」

グレゴリー「然り!そのためにも秘められし我が天具をこの世に生誕させねば!」

赤穂「あっ、待てよグレゴリー!」






ガチャッ

津浦「…………」

バタンッ

280: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/08(土) 23:34:56.92 ID:pOC6K4XA0
【ホテルミライ・レストラン】

グレゴリーと別れた後、俺は佐場木達とサマーアイランドにあった射撃練習場について話していた。

佐場木「……首尾は」

遠見「やはり補充されていたであります。射撃練習場の弾薬を尽きさせるのは難しいかと」

佐場木「そうか……ちっ、銃そのものの破壊も不可能となればあの近辺に人を近付けるのは危険か」

赤穂「持ち出せないのにか?」

佐場木「中から撃てば持ち出し違反にならず人を射殺可能だ」

赤穂「……ああ、そういう事か」

遠見「どの銃も反動が強いタイプなのは唯一の救いであります。あれを問題なく扱えるのはおそらく自分ぐらいでありますから」

赤穂「反動が強いって事は下手をしたら肩外れそうだな」

佐場木「とはいえ楽観視は出来ん。あの近辺には近付かないよう周知徹底……」

苗木「あの……ちょっといいかな?」

赤穂「んっ?どうしたんだ苗木」

苗木「ちょっと気になる事があってさ、伝えておいた方がいいかなって」

佐場木「気になる事?なんだ」

苗木「……あの映像ってまだ残ってる?」

遠見「あの映像……身体検査の時のあれでありますか?」

苗木「うん。あの映像」

身体検査の記録……あれがどうしたんだ?

281: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/08(土) 23:51:23.01 ID:pOC6K4XA0
その後佐場木が持ってきたビデオカメラの映像を再び再生する事になった。

生きてる静音と薄井……その姿を見ると胸が痛くなるけど、いったい苗木は何が気になったんだ?

苗木「あっ、ここだよ!」


佐場木『それよりこのスポットライトはなんだ?』

静音『ちょっと意見もあったからサプライズに使う!』

遠見『サプライズでありますか?内容は……』


遠見「これがどうしたのでありますか?」

苗木「いや、静音さんはあのサプライズを意見があったからやる気になったみたいだけど」

苗木「意見したの、誰なのかなって」

佐場木「……!」

赤穂「薄井じゃない、よな」

薄井は静音とジェニーの話を聞いて犯行を思いついたはずだ。

薄井もそれを否定しなかった……じゃあ誰が静音にそんな意見をしたんだ?

遠見「しかし、それはあくまでサプライズの意見をしただけでは……」

苗木「そうなんだけど……ジェニーさんのあの告白聞いても名乗りでなかったって、なんか悪意がある気がして……」

赤穂「……」

悪意?

それじゃあまさか誰かが事件を起こすのを期待して、静音に意見をした人間がいる?

だとしたら……そいつは生きてまだ俺達の中にいるのか?

282: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/09(日) 22:23:17.45 ID:eeRyejaA0
【赤穂のコテージ】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「夜10時になりました!」

モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」

モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「……」

苗木の言葉の事を考えてたらもうそんな時間か。

赤穂「悪意か」

苗木の言う通り静音にサプライズの意見をしたのが悪意を持っての事だとしたら……

赤穂「……四方院さんには聞かせられないな」

今四方院さんは静音の死を否定して心を守ってる。

だけどもし四方院さんが間接的に静音を死に追いやるような真似をした人間の存在を知ったら……

赤穂「くそっ……」

いったい誰なんだ。

もし悪意がなかったにしろ……突き止めないと。

283: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/09(日) 22:55:21.60 ID:eeRyejaA0
【7日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「朝か……」

とりあえず牡丹を迎えに行こう。

【ホテルミライ・レストラン】

今日は……津浦以外みんないるな。

まあ、如月さんや兵頭は離れて座ってるけど。

道掛「今日でこの島に来て1週間だよなー」

六山「そうだね。なんかあっという間な気がするよ」

土橋「そろそろ助けが来てもいいと思うんだけど……」

佐場木「現在コロシアイが起きたらしい第13支部はともかく他の支部は何をしている……」

兵頭「ふふふ、元々どの支部も忙しいですからね。絶望の残党がいなくても問題は山積みですし」

赤穂「……」

確かに第1支部から第14支部は絶望の残党の対処以外に復興関係の仕事も受け持ってるからな……

284: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/09(日) 23:50:35.44 ID:eeRyejaA0
苗木「そういえば気になってたんだけど、第15支部から第19支部って何をしてるの?」

鞍馬「……未来機関全体の任務として絶望の捕獲や一般人の保護」

赤穂「第15支部は確か他国との交渉……支部長は元73期生【超高校級の旅人】だな」

佐場木「第16支部は資源の発掘、調査だ。支部長は元75期生【超高校級のトレジャーハンター】」

遠見「第17支部は絶望の被害者のカウンセリングや聞き取り調査であります。支部長は現在諸事情にて空席、代理として元76期生【超高校級の王子】が在任中でありますよ」

土橋「第18支部はスポーツの復興支援だよ。支部長は元75期生【超高校級のサッカー選手】」

六山「この前新造された第19支部はえっと……確か本とか美術品とか歴史的資料の回収、保存だったかな。支部長はまだ決まってないけど【超高校級の図書委員】辺りが有力候補らしいよ?」

道掛「よく覚えてんなー。俺なんて会長のじいちゃんの名前も知らねえや!」

御影「……自慢にならないね」

286: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/11(火) 22:23:26.78 ID:E2qyn0GA0
【ホテルミライ・プール】

朝食は結局未来機関講座になったな……

ジェニー「……」チャプチャプ

赤穂「……ジェニー?」

何してるんだ、あんなところで。

ジェニー「あっ、マサキ……」

赤穂「浮かない顔してどうした。悩みがあるなら聞くぞ?」

ジェニー「……ボク、ダメダメです」

赤穂「えっ?」

ジェニー「ボクはみんなをスマイルにするピエロです……なのに今ボクは何も出来なくて」

赤穂「それは……ジェニーのせいじゃないだろう」

ジェニー「でも……」

すっかり落ち込んでるな……そうだ。

赤穂「ジェニー、何も出来ないって事はないぞ。少なくとも1つジェニーじゃないと出来ない事がある」

ジェニー「ボクじゃないと?」

赤穂「静音とサプライズの打ち合わせをした時の事を聞かせてほしいんだ」

ジェニー「ナギとの?」

赤穂「ああ、頼むよ」

ジェニー「えと……ナギはカナデをもっと目立たせたい言てましたです……このままだとカナデのスゴさが伝わらない言われたて……」

赤穂「……!そこのところもう少し詳しく。静音は何を言われたって?」

ジェニー「えとえと……カナデはパーフェクトでもっと目立つべきだから……キラキラのドレス着るとかライトアップとかしたらキレイなんじゃないか言われたて……」

……これは、判断に困るな。

罪悪感から言えないのか、それとも悪意を持って黙ってるのか……これじゃあわからない。

ジェニー「あのマサキ?」

赤穂「あっ、ああ、ありがとうジェニー。助かった」

ジェニー「ボク役に立てたです?」

赤穂「ああ、もちろん」

ジェニー「なら……よかたです」

でもまあ、ジェニーが少しは元気になれたなら……結果オーライか。

287: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/11(火) 22:50:51.15 ID:E2qyn0GA0
赤穂「うーむ……」

兵頭「お悩みですか?」

赤穂「うわっ!?」

兵頭「ふふふ、ごめんなさい。まさかそこまで驚かれるなんて」

赤穂「兵頭……」

兵頭は学級裁判の投票に快感を抱いていた……俺には全く理解出来ない話だ。

だからこそ……兵頭は何をするかわからない。

赤穂「キミはこれから先どうする気なんだ」

兵頭「どうするとは?」

赤穂「学級裁判の投票がキミにとって快感なのははっきりしてる」

兵頭「……ああ、だから私が事件を起こすんじゃないかと思ってるんですか?」

赤穂「キミは頭がいい。疑われるのはわかってただろう」

兵頭「ふふふ……そうですね。少なくとも要注意人物ではあるでしょうね」

赤穂「……」

兵頭「ふふふ」

赤穂「何がおかしいんだ?」

兵頭「如月さんも似たような事を言ってましたから……やっぱりヒーローは似るんでしょうか?」

赤穂「……!」

兵頭「安心してください。私はコロシアイなんてしませんよ」

兵頭「最も信じるかは……ふふふ、赤穂さん次第ですよ」

赤穂「……」

俺と如月さんが同じ……

今となっては、複雑な気分だな……

288: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/11(火) 23:15:52.38 ID:E2qyn0GA0
【中央の島】

赤穂「……んっ?」

道掛「いいか鞍馬!ルールはこの島を1周!それだけだ!」

鞍馬「……はあ」

御影「あっ、兄貴」

赤穂「いったいなんなんだこの騒ぎは」

御影「道掛と鞍馬がマラソンで勝負するんだってさ」

赤穂「……いや、なんでそんな事になった」

御影「さあ?」

道掛「鞍馬ってよ、なーんか暗いんだよな!いつもいつも1人だしよ!」

鞍馬「……別に困っていませんから」

道掛「だから俺はお前とダチになる事にした!」

鞍馬「……」

御影「なんでそれでマラソン?」

道掛「熱い勝負をしたら男はその瞬間からダチになるんだぜ!」

鞍馬「……自転車ではないんですね」

道掛「勝負は公平にやってこそだからな!」

鞍馬「……はあ」

鞍馬か……そういえば如月さんといい勝負してたよな。

道掛「よっしゃあ!行くぞ鞍馬!牡丹ちゃん合図よろしく!」

御影「そのために私は呼び止められたわけか……はいはい、位置について」

道掛「……」

鞍馬「……」

御影「よーい、ドン」

289: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/12(水) 22:17:01.23 ID:JV5g+m5A0
赤穂「……行ったな」

御影「だね」

赤穂「道掛も考えてるのか考えてないのか……」

御影「でも道掛、兄貴じゃない方のヒーローにも声かけてたよ」

赤穂「如月さんにか?」

御影「うん。まあ、頭は悪いけどいいやつなんじゃない?」

赤穂「……そうだな」

道掛「うおおおっ!」

鞍馬「……」

御影「あっ、戻ってきた」

赤穂「鞍馬の方が勝ってるみたいだな」

鞍馬「……」

道掛「どわあああっ!」ズサァ

赤穂「お、おい大丈夫か?」

道掛「はぁ、はぁ……ちくしょう!負けたー!」

鞍馬「……」

道掛「鞍馬!お前すげえな!俺これでも足の速さにも自信あったのによ!」

鞍馬「……」

道掛「だけどこれで俺達はダチだ!さっ、握手しようぜ!」

鞍馬「……失礼します」スタスタ

道掛「ありゃ?」

御影「あらら……」

赤穂「あー……」

道掛「照れてんのか?」

ポジティブだな……

290: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/12(水) 22:48:22.30 ID:JV5g+m5A0
六山「……」ピコピコ

赤穂「……」

相変わらず六山はゲームばっかりしてるな……

四方院「あら、六山さん。またゲームですの?」

六山「まあねー」

赤穂「毎日それだけやってたらすぐクリアしちゃうんじゃないか?」

六山「ちっちっちっ、甘いね赤穂くんは。ゲームというのはやりこみ含めてクリアなんだよ」

六山「だから全部クリアするなら時間が足りないぐらい」

四方院「最近のゲームとはすごいんですのね……わたくしはやった事がありませんからよくわかりません」

六山「ゲームは世の中の最新技術をふんだんに盛り込んでるからね。やって損なしだよ」

赤穂「なるほどなぁ……」

六山「良かったら対戦用のスペア貸そうか?」

赤穂「そんなの持ってるのか」

六山「ゲームは人の輪を繋ぐからね。まあ、これは受け売りなんだけどわたしもそう思うからさ」

四方院「暇潰しにはいいかもしれませんね……それでは何か初心者にも優しいものをお願いしますわ」

六山「だったらねー」

リュックから大量のゲームソフトを出す六山。

うーん……俺はこれだけのゲーム一生かかっても終わる気がしないな……

291: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/12(水) 23:24:11.89 ID:JV5g+m5A0
ビービービー!

赤穂「……んっ?」

なんだ、この音。

モノクマ「警告警告!」

モノクマ「射撃練習場より銃が持ち出されました!」

モノクマ「戻さない場合には盗難者に罰を与えます!」

赤穂「なっ!?」

射撃練習場から銃が……いったい誰がそんな事を!?

赤穂「とにかく行かないと……!」

【射撃練習場】

遠見「落ち着いて!今すぐその銃を戻すであります!」

赤穂「遠見、佐場木!いったい誰が銃を……」

津浦「はぁー、はぁー……!」

津浦!?

津浦「来ないでください……来たら撃ちます……!」

苗木「ど、どうしたの津浦さん?いきなりこんな……」

津浦「どうしたのじゃありませんよ……この島にはシリアルキラーがいるんですよ!?」

六山「如月くんの事?でもコロシアイには乗らないって言ってたよ?」

津浦「人殺しのそんな言葉を信用しろと!?ただでさえ、コロシアイなんてさせられて……だからワタシは!ワタシはぁ!」

土橋「琴羽!」

佐場木「だったらどうする?この場の全員を殺すか?」

津浦「……!」

佐場木「人の命を奪うというのはあまりに重い十字架になる、たとえ間接的にもだ」

佐場木「津浦、貴様に14人殺す十字架を背負えるとは思えん、やめておけ」

津浦「ワタ、ワタシは、殺、いや、違っ」

如月「皆さん、大丈夫ですか!」

津浦「ぁ……」

モノクマ「後30秒以内に戻さないと違反者をおしおきしまーす!」

モノクマ「30!29!」

津浦「いやあああああああっ!!」

遠見「っ、全員下がるであります!」

津浦「死にたくないっ、ワタシは死にたくないっ……!」

赤穂「津浦!早く銃を戻せ!」

津浦「あああああああああっ!!」

「……!」

292: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/12(水) 23:29:36.48 ID:JV5g+m5A0






パァン!







293: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/12(水) 23:50:01.40 ID:JV5g+m5A0
御影「あっ……」

グレゴリー「ぐうっ……!」ピシッ

ジェニー「グレッグ!?」

赤穂「グレゴリー、何を……!」

津浦に真っ正面から向かっていくなんて……!

津浦「……!」

グレゴリー「っ!」ガシッ!

津浦「ひっ……!」

グレゴリー「ふんっ!」

ガシャンッ

モノクマ「銃が敷地内に戻されました!」

モノクマ「これに懲りて二度としないようにね!」

道掛「お、おいグレゴリー!大丈夫かよ!」

グレゴリー「案ずるな……我が仮面の守護は魔力を注ぎ込んだもの」ピシピシッ

パリンッ

グレゴリー「最も……言の葉の魔術師の魔弾もなかなかの魔力だったようだが」

仮面が銃弾を止めたのか……

津浦「ぁ……あっ」

グレゴリー「言の葉の魔術師」

津浦「ひっ!ごめんなさいごめんなさい!殺さないでくださいっ……」

グレゴリー「……」


ギュッ

294: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/13(木) 00:06:14.66 ID:2XHgNn4A0
津浦「……えっ」

グレゴリー「恐怖に蝕まれながらもよく耐えた。この場の誰も殺められずにいるのだ……死に怯える事はない」

津浦「……」

グレゴリー「言の葉の魔術師よ。恐怖に戦くならばこの我がその魂を守護しよう」

津浦「えっ……」

グレゴリー「言の葉の魔術師は我が言霊を余すところなく理解する存在。いなくなられては困るのだ」

津浦「Mr.グレゴリー……」

グレゴリー「憤怒の執行者、紅纏いし狂戦士。言の葉の魔術師に罰は不要」

如月「はい?」

佐場木「……」

グレゴリー「魔弾を受けた我が言うのだ。よもやそれを黙殺し己が義を貫くとは言うまいな?」

如月「……グレゴリーさんが許すと言うなら僕の出る幕はありませんね」

佐場木「ふん……被害者がそう言うなら今回は不起訴が妥当か」

グレゴリー「感謝する。言の葉の魔術師よ、もはやその身が恐怖に蝕まれる事はない」

グレゴリー「我がその恐怖を振り払ってみせよう」

津浦「……Mr.グレゴリー」ギュッ

四方院「一件落着のようですわね」

兵頭「全く人騒がせですね……ふふふ、私の言えた話ではないですが」

鞍馬「……」

赤穂「……ふうっ」

何事もなくてよかったな……

295: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/13(木) 00:12:13.67 ID:2XHgNn4A0
明日早いので本日はここまでで。

296: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/13(木) 22:48:19.07 ID:2XHgNn4A0
【ホテルミライ・レストラン】

津浦「皆さん、ご迷惑をおかけしました」

苗木「ま、まあ怪我がなくて何よりじゃないかな?」

遠見「反動で1日は手が痺れるように感じると思うでありますが、長引きはしないので安心してほしいであります」

津浦「はい」

グレゴリー「ならばこの天具その四十三、第三の腕を使うがいい!」

道掛「キモッ!?リアルすぎんだろそれ!」

四方院「本物の腕のようですのね……」

グレゴリー「使用法は心臓の上から装着し……」

御影「うわぁ……想像しただけでヤバいって」

赤穂「そ、それよりグレゴリーはまた仮面着けたんだな」

グレゴリー「ふっ、あれは我が皮膚と同じ。皮膚を剥がしたままの者などいようはずがない!」

六山「チラッとだけど結構整ってたよね。隠さなくてもいいのに」

グレゴリー「ふははっ!外しはせんが賛辞は快く受けようではないか電脳の駆逐者よ!」

津浦「っ……」

ジェニー「コトハどうしたです?」

津浦「い、いえ」

土橋「……あー」

297: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/13(木) 22:54:38.03 ID:2XHgNn4A0
【赤穂のコテージ】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「夜10時になりました!」

モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」

モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「今日は疲れたな……」

何事もなかったとはいっても、精神的にはキツかったしな……

赤穂「もう寝よう」

この生活ももうすぐ10日……

津浦みたいに不安になる奴もいるだろうし、気を引き締めないとな。

298: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/13(木) 23:30:59.24 ID:2XHgNn4A0
【8日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「よし、牡丹を迎えに行くか」

【ホテルミライ・レストラン】

赤穂「……あれ?」

御影「なんか今日の料理いつもと違わない?」

土橋「今日の朝ごはんは琴羽が作ったからね」

赤穂「津浦が?またどうして」

土橋「あれだよあれ」

あれ?

津浦「どうでしょうか?」

グレゴリー「ふむ、我も火水操りし恵みの儀は行うが……言の葉の魔術師の腕にはかなわぬようだ」

津浦「そ、そうですか」

赤穂「……あー、なるほどな」

土橋「そりゃ命懸けで自分を止めてさらに守るなんて言われたらねえ。元々琴羽はグレゴリーとよく話してたし」

御影「ふーん……私にはよくわかんないね」

299: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/14(金) 22:35:22.46 ID:ExUhRMcA0
【サマーアイランド・水族館】

ジェニー「ほわあ……」

佐場木「おい。危険だからあまり近寄るな」

ジェニー「はいです!」

赤穂「また珍しい組み合わせだな」

佐場木「赤穂か……別に一緒に来たわけじゃない。水族館の調査をしていたらクラヴィッツが来ただけだ」

ジェニー「お魚いっぱいです……イルカいないですか?」

佐場木「それなら向こうの水槽だ」

ジェニー「ありがとうですハンジ!」

赤穂「……意外に面倒見いいんだな」

佐場木「お前は俺を冷血人間と勘違いしているようだが、俺が冷徹に接するのは犯罪者相手だけだ」

赤穂「……犯罪者だけ、か」

佐場木「ふん、未だに如月にあんな態度の俺が気に食わないか?」

赤穂「いや……佐場木からしたら如月さんを受け入れられないのは、理解したつもりだ」

佐場木「それならいい」

ジェニー「ハンジー!マサキー!見てくださいすごいですー!」

赤穂「ああ、今行くよ!」

佐場木「……赤穂、お前が如月をどう思うかは勝手だがよく覚えておけ」

佐場木「津浦をあそこまでにしたのはコロシアイだけじゃない。紛れもない如月怜輝の存在も要因だ」

佐場木「奴が何をほざこうと……奴のしている事に恐怖を感じる人間がいてそこから狂気は加速する」

佐場木「それは今あそこで笑う人間さえ死体に変えかねないのだとな」

赤穂「……ああ」

恐怖から産まれる狂気……津浦を見たら、否定なんか出来ないよな。

300: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/14(金) 23:01:01.37 ID:ExUhRMcA0
【図書館】

遠見「……」

赤穂「うわっ!?」

図書館の中央で遠見が寝転がって……倒れてるのかと思ったぞ。

遠見「んっ……赤穂殿でありますか」

赤穂「何をしてるんだよ。ビックリしたぞ」

遠見「危険書物の選定をでありますよ。少し休憩をしていたのでありますが……」

赤穂「床で休憩してたら誤解されるぞ……」

遠見「野宿などが当たり前だったのでついそうしてしまうのであります……コテージでもベッドは慣れないでありますし」

赤穂「ああ……軍人だもんな遠見は。でもその年で軍人っていうのも珍しいよな」

遠見「うーむ、自分の知る限り少年兵は珍しい存在でもないでありますよ?隊長殿も自分の相棒もそうでありましたし」

赤穂「相棒?」

遠見「観測手である自分は狙撃手と組んで行動していたのでありますよ。元々隊長殿に助けられた者同士で、相性は良かったでありますから」

赤穂「助けられた……?」

遠見「色々ありましたので……」

色々か……ろくな事ではなさそうだな。

301: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/14(金) 23:27:16.41 ID:ExUhRMcA0
道掛「いいやっほうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

赤穂「……」

また道掛が自転車を乗り回してるのか。

道掛「次はあっち行くぞ如月ー!」

赤穂「は!?」

よく見たら……道掛、如月さんと2人乗りしてるぞ!?

道掛「おっ、赤穂じゃん!」

赤穂「道掛、お前なんで如月さんと2人乗りなんて」

道掛「如月とはダチだからな!俺頭よくねえから考えてもわかんねえしよ!」

如月「僕も驚きましたが……そういうことらしいです」

赤穂「……」

鞍馬といい、如月さんといい……道掛は恐れる事なく踏み込んでいくな。

道掛「よっしゃ、今度はあっちだ!行こうぜ如月!」

如月「……安全運転でお願いします」

道掛「わかってるって!」

赤穂「……」

少し羨ましいな……

302: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/15(土) 00:04:27.92 ID:WYrVKhPA0
【サマーアイランド・ショッピングモール】

津浦「……」

赤穂「……津浦?」

津浦「Mr.赤穂、こんにちは」

赤穂「ああ。外に出るようにしたんだな」

津浦「Mr.グレゴリーの言葉にワタシも応えたいので。今はこの島を調べていました」

赤穂「そうか……図書館には行ったか?」

津浦「おそらく一番長い調査になるので最後にしようかと……相当数の言語の本があるのは聞いているので」

赤穂「津浦は文字の読み書きも出来るのか」

津浦「言葉ほどは得手ではありませんがだいたいは出来ますよ、両親の影響ですかね」

赤穂「両親?」

津浦「ワタシの両親は海外に行く事が多かったので、まともにコミュニケーションをとるには言語を勉強しなければいけなかったんです」

津浦「言葉が通じないのは少し怖かったので……何が相手を怒らせるか、何を言われているかというのを考えてしまうと余計に」

赤穂「それが【超高校級の通訳】の始まりか……」

津浦「両親も事故で亡くなって……1人で頑張らないといけませんでしたから」

津浦の怯えはそこも関係してたのかもな……

303: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/15(土) 00:16:56.67 ID:WYrVKhPA0
ここまで。

近々動機発表、事件発生です。

304: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/15(土) 22:57:39.62 ID:WYrVKhPA0
土橋「そういえば誠は【超高校級の幸運】だけど、今までで一番幸運だなって感じた事ってなんなの?」

苗木「そうだなぁ……」

赤穂「部屋でなくした1000円が見つかった事じゃなかったか?」

苗木「あはは……やっぱりそれになっちゃうかな。ボクって本当に平々凡々だから」

土橋「アタシ幸運って聞くとすごいラッキーってイメージだけどそんな事もないんだ」

苗木「先輩達はすごいからね……苗木先輩なんて【超高校級の希望】になっちゃうし」

赤穂「俺の同期もかなりすごい幸運だったな」

噂だと幼なじみと一緒に通うために幸運の座を引き寄せたなんて言われてるし……

土橋「もしかしたら誠もこれから幸運を発揮するのかもしれないし、平々凡々だなんて卑下しなくてもいいんじゃないの?」

苗木「あはは、そうだといいんだけどね……」

305: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/15(土) 23:23:20.25 ID:WYrVKhPA0
キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「オマエラ!至急中央の島に集合!」

モノクマ「ボクからとっても素敵なお話がありまーす!」

赤穂「……!」

モノクマがわざわざ俺達を集めるって事は……

赤穂「新しい動機か……!」

くそっ、今度はいったい何をする気だ……

【中央の島・未来機関第二十支部】

苗木「いったい何の用なんだろう……」

六山「普通に考えたら動機かな……でも前に違う用件でも呼び出されたし」

兵頭「ルール違反者の処罰ですね。静音さんが厨房を……」

四方院「ルール違反?そんな事、ありましたか……?」

土橋「あっ、奏は覚えてないかもね!うん!」

道掛「俺もよく覚えてねえや!だから気にすんなよ奏ちゃん!」

四方院「……えぇ」

四方院さん……あの静音が殺されかけた時の事も、覚えてないのか。

306: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/16(日) 00:36:43.22 ID:Ja9eTyVA0
モノクマ「お待たせー!オマエラみんな集まってるね!」

津浦「っ……!」

グレゴリー「案ずるな言の葉の魔術師」

津浦「は、はい」

佐場木「モノクマ、今度は何を仕掛けてくるつもりだ」

モノクマ「仕掛けるなんて心外だなぁ。ボクは今回オマエラに素敵なお話を持ってきたんだよ?」

如月「あなたにとっての素敵なお話とやらは僕達にとってはろくなものではありませんよね?」

モノクマ「うぷぷ、それはそっちが聞いて決めればいいよ」

遠見「くっ、話とはいったいなんなのでありますか!」

モノクマ「うぷぷ……よーく聞きなよ。ビックリドッキリなニュースだからね」

鞍馬「……」

307: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/16(日) 00:38:09.20 ID:Ja9eTyVA0






モノクマ「オマエラの中に人殺しがいまーす!」







308: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/16(日) 00:53:44.40 ID:Ja9eTyVA0
赤穂「……は?」

俺達の中に、人殺しがいる……

ジェニー「えと……みんな知ってるですよ?」

モノクマ「はぇ?」

如月「人殺しがいる、ですか。僕がいる時点でそれは明白では?」

遠見「自分も戦場では何人も敵を殺したであります……そんなもの動機にならないでありますよ」

俺達は戸惑いを隠せなかった。

人殺しがいる……それはジャスティスジャッジの如月さんや軍人の遠見がいる時点でわかりきっていた事だからだ。

モノクマ「あー、そうだね。確かに如月クンや遠見さんも人を殺してるよね、しかもその手で!」

赤穂「……!?」

今モノクマは何て言った!?

六山「あの……【も】って、何かな?」

モノクマ「おおっと!口が滑っちゃった!」

モノクマ「そうだなぁ、このまま事件が起きないようならさらに口が滑っちゃって名前も出しちゃうかも!」

まさかいるのか?

この中に如月さんや遠見以外にも人を殺してる人間が……!

御影「これが次の動機ってわけ……」

モノクマ「それじゃ、しっかり伝えたからね!」

モノクマ「さあさあ、どうなるかなー?ワックワクのドッキドキだよねー!」

310: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/18(火) 22:19:41.22 ID:sPMEbmsA0
モノクマが消えてから俺達は互いに顔を見合わせてはそらすという行為を繰り返していた。

如月さんや遠見以外に人を殺した人間がこの中にいる。

津浦の恐怖から起きた事件があったばかりの俺達にとって、それは十分動機になりえるものだった。

如月「……なるほど。悪がこの中にいると」

苗木「ちょっ、ちょっと如月クン?まさか……」

如月「僕は悪を見逃すつもりはありません。誰かはっきりした時点で裁きを執行します」

赤穂「……!」

今回コロシアイに乗ると言ったも同然の如月さんの台詞に嫌な汗が流れる。

如月「……と言いたいところですが」

だけど如月さんは首を横に振ると困ったように肩を竦めた。

六山「言いたいところですが?」

如月「今の環境で裁きを執行してしまうと、僕はクロとなり自分と皆さんの命を天秤にかけなければならなくなります」

如月「僕はまだ死ぬわけにはいきませんし、皆さんの命を引き換えにする事は僕の正義に反します」

如月「残念ですが、悪に対する裁きの時間には猶予が与えられるようですね」

道掛「び、びっくりさせんなよ!殺す宣言に聞こえただろ!」

如月「ああ、すみません。少しまわりくどかったですね」

如月さんは、今まで通りコロシアイはしないって事か。

ヒヤヒヤしたな……

311: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/18(火) 22:39:12.26 ID:sPMEbmsA0
津浦「あの……モノクマの言う人殺しって誰の事なんですか?」

グレゴリー「言の葉の魔術師。それを追い求める事はパンドラの箱を開けると同義だ」

津浦「で、でもMr.グレゴリー……ワタシ、やっぱり怖いんです……」

土橋「気にしない方がいいよ琴羽。モノクマの事だからアタシ達って凪や千里も含めますとかやりそうだし」

御影「うわ、すっごくありそう……」

兵頭「ふふふ、それなら薄井さんがモノクマの言う人殺しという事になりますね」

鞍馬「……」

既に死んだ薄井も含めるか……確かにモノクマならやりかねない。

だとしたらこの動機は疑心暗鬼からコロシアイを起こさせるための……

312: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/18(火) 22:55:45.89 ID:sPMEbmsA0
津浦「……で、ですが、そうだとしたらおかしいところが」

御影「何が?」

津浦「モノクマがMr.如月やMs.遠見が人殺しと言った時に……しかもその手でと、言っていました」

グレゴリー「選ばれし者に霊魂たる者達が含まれるならば……ふむ、いささか惑いの言が過ぎるな」

四方院「確かに変な言い回しですわ。しかしそうなると……」

佐場木「つまり津浦。お前は間接的手段での死も含まれていると思っているわけか」

津浦「は、はい」

佐場木「ならば話は簡単だ。人殺しとやらは俺だ」

遠見「さ、佐場木殿!?」

佐場木「俺は何人もの犯罪者に死刑判決を下してきた」

佐場木「間接的という意味なら俺は人殺しという区分に分類されるだろう」

佐場木「つまり津浦、その不安はただの杞憂だ」

津浦「……」

グレゴリー「言の葉の魔術師、闇に飲まれるな。我がいるのだからな」

津浦「はい……」

これで、今回の動機は……なんとかなったのか?

313: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/18(火) 23:24:22.30 ID:sPMEbmsA0
【ショッピングモール】

六山「今回は乗りきれそうだね」カチカチ

赤穂「そうだな……モノクマの狙いがなんにしろ、コロシアイなんて起きないに越したことはないしな」

六山「あっ、ちょっと待っ」

赤穂「おっ、初めて六山に勝った」

六山「はあ……負けちゃった。【超高校級のゲーマー】じゃないからやっぱり負け知らずとはいかないなぁ」

赤穂「【超高校級のゲーマー】……そういえば77期生にいたな」

六山「七海千秋さんでしょ?ゲームソフトのバグ関連の依頼受けた時に名前聞いた事あるよ」

赤穂「やっぱり有名なのか」

六山「うん。ああいう楽しんでゲームしてくれる人がいたからわたしもデバッガーとして頑張れたんだ」

赤穂「……その言い方からして失踪したのも知ってるんだな」

六山「……うん。どこかでゲーム楽しんでくれてたらいいんだけどね」

【超高校級のゲーマー】の失踪……人類史上最大最悪の絶望的事件に巻き込まれたって噂だけど……

だとしたらここにもその爪痕が残ってるって事だよな……

314: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/19(水) 22:16:06.15 ID:vJjGmz6A0
【ホテルミライ・ロビー】

御影「……ねえ、ちょっと聞きたい事があるんだけど」

四方院「なんでしょう?」

御影「静音って、どんな子なの?」

赤穂「おい牡丹……!」

ホテルに入った瞬間聞こえてきた会話に思わず声を出してしまう。

牡丹のやつ、四方院さんに静音の事聞くなんて何考えて……!

四方院「凪の事をお知りになりたいんですの?ふふっ、構いませんわ。赤穂さんもよろしかったら」

赤穂「えっ、あ、ああ」

四方院「さて、そうですわね……凪を一言で表すなら、わたくしの人生の恩人です」

御影「人生の恩人……」

四方院「わたくしは今でこそ【超高校級のフルート奏者】と呼ばれていますが……実はフルートをやめようと思っていた時期があったんです」

315: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/19(水) 22:42:20.55 ID:vJjGmz6A0
四方院「あの頃のわたくしにとってフルートはただやっているだけのものでした」

四方院「大人達が難しい評価をして、年の離れた奏者が妬みを隠さないままお世辞を言う……同年代の子が友達と遊ぶなかでわたくしはひたすら大人に叱責されながら演奏の日々」

四方院「正直疲れはてていましたの。だからそれなりに大きな演奏会で初めて独奏を任された時、わたくしは決めたんです」

四方院「もうフルートを吹くのは最後にしよう……と」

四方院「そんな気持ちのまま控え室で演奏を練習していて……それが一段落した頃」

四方院「凪と、出会いましたの」

四方院「凪はわたくしの演奏を聞いていたようで、はっきりとこう言いましたわ。【すごい!】と」

四方院「それだけと思いますか?ですがわたくしにとってあの凪のたった一言は……大人達の理屈をこねた言葉や他の奏者達の負の感情をこめられた言葉よりも……」

四方院「はるかに尊く、嬉しい言葉だったんです」

四方院「出番が来るまで凪と話して……もっと話をしたい、わたくしのフルートを聞いてもらいたいと思うようになって」

四方院「その頃にはフルートをやめるなんて思っていた事は頭から消えていましたの」

四方院「凪と過ごす時間はわたくしの心を救ってくれました」

四方院「そしてあの子がわたくしの演奏会に指揮者として来て、これからはステージでも一緒だよと言ってくれて」

四方院「あの子がいなければわたくしはきっとフルートをやめていて……本当にあの子はわたくしの……あら?」

御影「涙……出てるよ」

四方院「ふふっ、わたくしもあの子がいないと落ち着かないという事でしょうか……」

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

赤穂「……」

静音は四方院さんをあんなに慕っていたけど……四方院さんの方も静音をこんなに想ってたんだな……

316: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/19(水) 23:40:56.89 ID:vJjGmz6A0
兵頭「鞍馬さんはどんな才能でここにいるんですか?」

鞍馬「……いきなりなんですか」

兵頭「ふふ、だって気になるじゃないですか。あなたと御影さんは才能不明なんですよ?」

鞍馬「……」

兵頭「最初は才能がないのかもしれないと予測しましたけど……そうだとしたらあなたが如月さんと渡り合える説明がつきません」

鞍馬「……」

兵頭「かといって才能があるのならよほどのものでもない限り名前ぐらいは聞くのにそれもありません」

鞍馬「……」

兵頭「全てが謎……あなたは何者なんですか?鞍馬類さん」

鞍馬「……答える義務はありませんね」

兵頭「そうですか。ふふ、答えてくれるとは思ってませんでしたが」

鞍馬「人を探る前に自分の身の振り方を考える方がいいのでは?」

兵頭「はい?」

鞍馬「このままでいるようならあなたは死にますよ」

兵頭「……ご忠告どうもありがとうございます」

赤穂「……何してるんだ」

言い争いと言うほどでもないけど、静かに火花が散ってるぞ……

兵頭「ふふ、なんでもありませんよ」

鞍馬「……」スタスタ

本当に……何を話してたんだ?

317: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/21(金) 23:18:21.39 ID:mPqTqfNA0
【図書館】

グレゴリー「……」

赤穂「グレゴリー?」

グレゴリー「聖痕抱きし英雄か」

赤穂「もう夜になるぞ。コテージに戻った方がいいんじゃないか?」

グレゴリー「もうそこまでの時が経っていたか……」

赤穂「なんだ、本に夢中になってたのか?」

グレゴリー「然り。己が力を高めるためにあらゆる知識を我が物とする事は時の代償が不可欠だ」

赤穂「あんまり根を詰めすぎるなよ?」

グレゴリー「案ずるな、今我が地に伏せば言の葉の魔術師の精神に傷を負わせかねん」

赤穂「……そうだな」

グレゴリー「さて、闇も迫り来ている……我は戻るとしよう」

赤穂「グレゴリー」

グレゴリー「むっ?」

赤穂「今は津浦の事はお前に頼るしかない……だから何かあったら頼るようにしてくれよ」

グレゴリー「ふっ、我も孤独ではないという事か……その言霊、我が血潮としよう」

グレゴリーは津浦の事といい結構無茶するからな……

318: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/21(金) 23:25:13.15 ID:mPqTqfNA0
【赤穂のコテージ】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「夜10時になりました!」

モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」

モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「……」

前みたいに、動機が出されてすぐに何かする人間は出なかったな。

赤穂「このままモノクマの動機をはね除けていけば……」

俺もそのために出来る限りの事をしないとな……

319: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/21(金) 23:26:26.97 ID:mPqTqfNA0






【???】

「……」

「…………」スッ

カタン

「……」ニヤッ

スタスタ……







320: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/21(金) 23:46:23.89 ID:mPqTqfNA0
【9日目】

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

赤穂「んっ……」

朝か……牡丹を迎えにいかないとな。

【ホテルミライ・ロビー】

御影「ふああ……」

赤穂「眠そうだな、遅かったのか?」

御影「んー、なんか誰かが夜中出歩いてたみたいでさ……」

赤穂「夜中に出歩いてた?誰がだよ」

御影「知るわけないじゃん。ただコテージ周りの木の床が鳴る音しただけだし」

赤穂「誰かが夜中に……」

……いや、まさか。

そんなはず、ないよな?

321: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:08:29.63 ID:rUiSvZIA0
【ホテルミライ・レストラン】

苗木「おはよう2人共」

ジェニー「おはようです!」

道掛「おーっす」

赤穂「おはよう……ってあれ?みんなはどうしたんだ?」

苗木「それが……今日これだけしかまだ来てないんだよね」

御影「……えっ」

道掛「奏ちゃんも美姫ちゃんも来ないから俺達で飯作ってたんだけど、なんかおかしくね?」

ジェニー「いつもならハンジやメメも来てるです……」

赤穂「……」

なんだこれ……何かおかしいぞ。

赤穂「ちょっとみんなを起こしてくる!牡丹はここにいてくれ!」

御影「あっ、兄貴!」

322: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:20:56.03 ID:rUiSvZIA0
【ホテルミライ・コテージ周辺】

佐場木「くそっ、何が起きている……!」

遠見「とにかく今は各人の安否確認であります!」

兵頭「私は本当に……」

如月「これはいったい……」

鞍馬「……」

赤穂「!?」

なんで外から5人が……いや、今はそれどころじゃない!

佐場木「赤穂か!おい、レストランには今何人いる!」

赤穂「俺を入れて5人……牡丹、苗木、ジェニー、道掛だ」

遠見「それだけで、ありますか……!?」

如月「こちらにいるのも5人……いないのは六山さん、グレゴリーさん、津浦さん、土橋さん、四方院さんですか……」

ガチャッ

六山「ふああああ……おはよー。みんな集まって何してるの?」

兵頭「これで4人、ですね」

赤穂「いったい何があったんだよ。なんで佐場木達は外から……」

ピンポンパンポーン…!

323: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:22:29.05 ID:rUiSvZIA0






モノクマ「死体発見!死体発見!」

モノクマ「捜査タイムの後学級裁判を始めまーす!」







324: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:30:26.42 ID:rUiSvZIA0
赤穂「!?」

佐場木「死体だと……ちいっ!急いで残りの4人を探すぞ!」

ホテルから出ていく佐場木達を俺も追いかける。

死体発見アナウンスは3人以上の人間が死体を見つけた時に鳴る。

つまり4人の中の誰かが殺されて……それを残りの3人が見つけたって事だ。

いったい誰が。

後ろから来た何人かに追い抜かされて、心臓をバクバクと鳴らしながら……

俺もそこにたどり着いた。

325: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:34:31.24 ID:rUiSvZIA0






【建物の中は相変わらず暗く、幻想的な空間だった】

【そこにいたのは4人の人間】

【1人は泣き崩れていた】

【1人は呆然と見上げていた】

【1人は床に座り込んでいた】

【そして見上げていた1人の視線の先には……最後の1人がいた】







326: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:40:57.06 ID:rUiSvZIA0






【超高校級のフルート奏者四方院奏は……】

【なぜか右腕がないまま】

【水族館の中で首を吊られていた】







327: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:44:19.53 ID:rUiSvZIA0






CHAPT.2【糸絡まりて命絶つ】(非)日常編 END

生き残りメンバー15→14人

NEXT→非日常編







328: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 00:45:43.33 ID:rUiSvZIA0
本日はここまでで。

四方院さん退場です。

次回捜査開始します。

それではおやすみなさい……

329: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/22(土) 23:58:42.49 ID:rUiSvZIA0
捜査は3日以内には始めたいと思います。

なお今回の席順は時計回りで

赤穂→ジェニー→四方院→道掛→グレゴリー→御影→遠見→苗木→兵頭→如月→鞍馬→土橋→佐場木→津浦→薄井→六山→静音→赤穂

です。

330: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/24(月) 21:48:29.75 ID:opdhhwbA0






CHAPT.2【糸絡まりて命絶つ】非日常編







331: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/24(月) 22:16:08.72 ID:opdhhwbA0
赤穂「……」

首を吊られている四方院さん……

結局彼女は、静音の死を受け入れられないまま……殺されてしまった。

佐場木「……くそっ!」

遠見「……」

御影「静音の所に帰るんじゃなかったの……なんで、こんな……」

赤穂「牡丹……」

モノクマ「ある意味ではよかったじゃない!望み通り静音さんに会いに逝けてさ!」

苗木「モノクマ……!」

道掛「出やがったな!」

モノクマ「さてさて、オマエラが呑気にしてる間にまたコロシアイが起きてしまったわけですが」

モノクマ「ここからはのんびりしてらんないよ!捜査タイムは有限なんだからね!」

モノクマ「というわけで!ザ・モノクマファイル2ー!」

モノクマ「うぷぷ!次はどんな本性が明るみになるのかな?」

モノクマ「アーハッハッハッハッハ!」

六山「本性……」

如月「下らない戯れ言ですね……」

赤穂「……」

本性……それを隠して四方院さんを殺した人間。

俺達は……暴き出さないといけないんだ。


     【捜査開始】

332: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/24(月) 22:43:13.23 ID:opdhhwbA0
赤穂「モノクマファイル……今回は何が書いてあるんだ?」

【被害者は四方院奏。
死因は首を絞められた事による窒息死。
被害者は右腕を二の腕から鋭利な刃物で切断されている】

赤穂「……」

なんだこのモノクマファイル……

死亡推定時刻はともかく……死体発見現場まで書かれてない?

赤穂「水族館なのはわかりきってるのに……なんでだ?」

コトダマ【モノクマファイル2】を手に入れました。
〔被害者は四方院奏。
死因は首を絞められた事による窒息死。
被害者は右腕を二の腕から鋭利な刃物で切断されている〕

333: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/24(月) 23:10:11.45 ID:opdhhwbA0
佐場木「遠見、今回も見張りは任せる」

遠見「了解であります」

道掛「じゃあ俺もまた見張りするぜ!」

佐場木「……今回は勘違いなどしないようにしっかり見張れよ」

道掛「おう、任せとけ!」

佐場木「……とにかくまずは死体を降ろす。苗木、手伝え」

苗木「えっ、あっ、うん!」

水槽の横にある梯子を登って佐場木が四方院さんを吊るすロープの側まで行く。

俺も手伝いたかったけど、この足だと上には行けそうにない……

佐場木「……この水槽は中に梯子があるタイプか。その梯子にロープは結ばれているようだな」

佐場木がロープをほどくと、四方院さんの身体がゆっくりと下に降りてくる。

苗木「っ……だ、大丈夫だよ佐場木クン」

佐場木「今戻る。誰も触らせるなよ」

佐場木は戻ってくると四方院さんの死体を調べ出した……俺も気になる所は調べないとな。

334: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/24(月) 23:39:25.03 ID:opdhhwbA0
赤穂「やっぱり気になるのは……右腕だよな」

四方院さんのいつも着ているドレスの右腕部分には本来あるべき右腕がなく、血が袖に滲んでいた。

佐場木「鋭利な刃物……骨の切断面から見て鋸辺りを使ったようだな」

赤穂「だけどなんで右腕を切ったりしたんだ。それにその右腕はいったいどこに……」

佐場木「目的は不明だが、どこにあったかは兵頭が知っている」

赤穂「兵頭が?」

佐場木「ふん、それは兵頭に聞け……索条痕はロープと一致している以上凶器はこのロープと考えていいだろう」

遠見「佐場木殿、吉川線がないようでありますが?」

赤穂「吉川線……抵抗の跡だったよな」

佐場木「そうだ。必ずつくという物でもないが……気にはしておくべきだな」

抵抗の跡がない……か。

コトダマ【四方院の右腕】を手に入れました。
〔四方院の死体は右腕が切断されていた。
右腕は水族館内にはないようだが兵頭が何かを知っているらしい〕

コトダマ【四方院の死体】を手に入れました。
〔四方院の首にある索条痕は吊るすのに使用されたロープと一致していた。
抵抗の跡はないようだが……〕

335: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/25(火) 00:20:46.94 ID:MuJfQqUA0
佐場木「四方院の死体に関しては最低限の事はわかった。そろそろ話を聞かせてもらおうか」

佐場木の視線の先にはグレゴリー、津浦、土橋。

今回死体を発見した3人……そもそもこの3人はなんでこんなところにいるんだ?

グレゴリー「我は昨夜の丑三つ時、何者かに襲撃を受けた。目を覚ました時……優雅なる笛吹きが命絶たれていたのを見つけたのだ」

津浦「ワタシもMr.グレゴリーと同じ頃に……コテージを訪ねてきた誰かに襲われて……気がついた時にMs.四方院の……死体を発見して……」

土橋「アタシは、朝ご飯を作りに6時頃コテージを出たら襲われて……気付いたらここにいたんだ。奏の死体を見つけた時は泣き叫んじゃって……」

俺が死体を見つけた時、立ち尽くしていた津浦、泣いていた土橋、座り込んでいたグレゴリー……

襲われたっていうけど……本当ならなんで犯人はそんなことを?

コトダマ【死体を発見した3人】を手に入れました。
〔水族館で死体を発見したグレゴリー、津浦、土橋。
グレゴリーと津浦は午前2時頃、土橋は午前6時頃襲われたらしい〕

コトダマ【死体発見時の3人】を手に入れました。
〔赤穂が死体を見つけた時グレゴリーは座り込んでいた。
津浦は立ち尽くしていた。
土橋は泣いていた〕

337: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/28(金) 22:35:29.16 ID:DX6GGIWA0
佐場木「赤穂、話がある」

赤穂「んっ?」

佐場木「グレゴリー、津浦、土橋の3人はこのままここに留まらせる」

赤穂「いいのか?捜査に割く人数が足りないぞ」

佐場木「しかしあの3人をこのまま外に出すわけにはいかん」

赤穂「……容疑者だからか?」

佐場木「そうだ。そのためにお前にいくつかの場所の捜査を任せる」

赤穂「なんで俺なんだ?俺も容疑者には変わりないぞ」

佐場木「ふん、お前は水槽の上に行けない。四方院を吊るせない以上最もクロから遠い男だ」

赤穂「よくわかったな……お前には話してないのに」

佐場木「四方院を降ろす時にお前が前に出ようとして躊躇ったのを見たからな」

赤穂「……」

よく見てるんだな……

赤穂「だけどこの足だぞ?捜査しきれるかどうか……」

佐場木「それに関しては問題ない。足をつける」

足?

338: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/28(金) 23:02:36.88 ID:DX6GGIWA0
道掛「いよっしゃあ!乗れよ赤穂!全部調べ尽くしてやろうじゃねえか!」

赤穂「あ、ああ」

俺が肩に掴まったのを確認すると道掛は自転車のペダルを強くこぎ出した。

道掛「佐場木もよくわかってるよな!俺の足が捜査に必要だなんてよ!」

赤穂「……」

佐場木は道掛が見張りの役に立たないから一番役立つ役割を振ったって言ってたけどな……

道掛「それでどこ行くんだ!」

赤穂「ショッピングモールだ!四方院さんの腕を切り落とした道具があるはずだからな!」

道掛「ショッピングモールか!よし、1分で連れていくぜ!」

339: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/28(金) 23:20:17.21 ID:DX6GGIWA0
【ショッピングモール】

赤穂「……」

道掛「うおっ!?こりゃ……」

ショッピングモールの工具売り場に無造作にそれは置かれていた。

赤穂「血塗れの鋸にブルーシート……四方院さんを運んだらしい台車やハンマーもあるな」

道掛「わけわかんねえ、こんなもん使ってまでなんで奏ちゃんの腕切ったんだよ……!」

確かに四方院さんの腕を切った理由はわからないんだよな……

コトダマ【ショッピングモールの工具】を手に入れました。
〔ショッピングモールに置かれた鋸、ハンマー、ブルーシート、台車。
いずれも血が付着しており四方院の腕を切るのに使用したと思われる〕

コトダマ【腕を切った理由】を手に入れました。
〔犯人はわざわざ台車で四方院をショッピングモールから水族館まで運んだようだ。
そこまでして四方院の腕を切った理由は不明〕

340: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/28(金) 23:57:37.49 ID:DX6GGIWA0
赤穂「……」

ないな……

道掛「何探してんだ?」

赤穂「ロープだよ。四方院さんを吊るしてたロープもここにあるかと思ったんだけどな……そもそもここにはロープ自体がないみたいだ」

道掛「じゃああのロープはどこにあったんだよ」

赤穂「それはまだわからない。だけど外から持ち込めない以上、どこかにあるはずだ」

ロープの出所……いったいどこなんだ?

コトダマ【ロープ】を手に入れました。
〔四方院を吊るすのに使用されたロープ。
ショッピングモールにはない物〕

341: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/29(土) 00:42:13.01 ID:oMe5Ef5A0
道掛「次はどこ行くんだ?」

赤穂「兵頭を探そう。佐場木が言うには図書館を調べてるみたいだな」

道掛「よっし!それじゃあ次は図書館だな!」

【図書館】

兵頭「……」

如月「ふむ、痕跡はありませんね」

赤穂「如月さんもいたのか……」

道掛「よーっす!」

如月「おや、お2人も来ましたか」

赤穂「兵頭、佐場木から聞いたんだけど四方院さんの切られた右腕について何か知ってるか?」

兵頭「……ありましたよ」

道掛「あったって奏ちゃんの腕がか!?どこだよ千ちゃん!」

如月「兵頭さんによると……この図書館のようです」

赤穂「は?」

図書館に……四方院さんの腕が?

兵頭「私は6時半ごろこの図書館に来ました。その時確かに見たんです」

兵頭「図書館のテーブル……ちょうど道掛さんが手をついてるそれの上に置かれた人の腕を」

道掛「ぬおわぁっ!?」

兵頭「さすがにそのままには出来ませんから……急いで如月さんのコテージに行ってその事を伝えました」

如月「話を聞いて僕が図書館に行こうとしたその時ですね。佐場木さんと遠見さん、鞍馬さんがコテージから出てきたのは」

だから朝にいなかったのか……

赤穂「それでその腕は今どこに?」

兵頭「……わかりません」

如月「なかったんですよ」

赤穂「なかった?」

兵頭「確かにあったはずなのに、図書館にあった腕は……」

兵頭「跡形もなく消えていたんです」

腕が消えた……!?

如月「調査はしましたが何もなく……7時頃にまずは安否確認をしようという話になってコテージに戻ってきたんですよ」

兵頭が図書館で見た腕……だけど人を連れて戻ったら消えていた……

これはいったい……

コトダマ【兵頭の目撃】を手に入れました。
〔兵頭は6時半ごろ図書館で人の腕を見た。
しかし人を連れて戻った時にはその腕は消えていた〕

コトダマ【図書館の捜索】を手に入れました。
〔兵頭の目撃後図書館は佐場木、如月、遠見、鞍馬、兵頭の5人で7時まで調査を行ったようだ〕

343: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/29(土) 23:30:37.64 ID:oMe5Ef5A0
赤穂「腕の話は聞いたし、次はどこに……って」

道掛「あいててて……」

赤穂「何してるんだよ道掛……」

道掛「さっき千ちゃんに驚かされて本棚に突っ込んじまったんだよ」

兵頭「私のせいだなんて心外です」

如月「大丈夫ですか道掛さん」

道掛「サンキュー。あー、本が散らばっちまったな」

赤穂「モノクマに何言われるかわからないし戻しといた方がいいな」

――――

赤穂「……1冊足りないな」

道掛「マジかよ!どこ行っちまったんだ!」

如月「元々なかったのでは?散らばったとはいえ、そこまで遠くに行くとも思えません」

兵頭「ここは……色々な事件やスキャンダルを扱うゴシップ誌のあった棚ですね。いったい誰が持っていったのやら」

ゴシップ誌か……事件には関係なさそうだな。

コトダマ【消えたゴシップ誌】を手に入れました。
〔図書館にあったゴシップ誌が1冊消えていた〕

344: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/29(土) 23:59:17.32 ID:oMe5Ef5A0
【ホテルミライ・コテージ近辺】

赤穂「グレゴリー達のコテージに何か手がかりがあればいいんだけどな……」

道掛「つっても俺達が起きた時には何もなかったぜ」

御影「あっ、兄貴」

鞍馬「……」

道掛「おっ、前に勝負した時の4人が揃ったな!」

赤穂「そういえばそうだな……牡丹は何か見つけたか?」

御影「それが被害者はともかく他のコテージは開けられないって言われちゃってさ」

道掛「んん?なんでだ?もしかしたら犯人が一発でわかる証拠あるかもしんねえのに」

鞍馬「……だからですよ」

御影「さっさと犯人がわかったらつまらないから、被害者以外のコテージ調べるのは出来ないんだってモノクマが」

赤穂「悪趣味だな……それじゃあ四方院さんのコテージは調べたんだな?」

御影「まあね。それでこんなのがあったよ」

赤穂「これは……手紙?」

【同封した本を持って水族館に来てほしい。
待ってるよ奏。
静音凪】

道掛「は!?」

赤穂「静音凪……なるほどな」

四方院さんを呼び出すのにこれほど効果的な名前はない……

鞍馬「何者かが静音凪の名前を使い四方院奏を呼び出した。そう見ていいでしょう」

つまりこの手紙の差出人が……犯人なのか?

コトダマ【呼び出しの手紙】を手に入れました。
〔四方院を水族館に呼び出したと見られる手紙。
定規を使用したのか筆跡は特定不可能。
内容は【同封した本を持って水族館に来てほしい。
待ってるよ奏。
静音凪】〕


345: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/10/30(日) 01:01:10.88 ID:ZJm/DSUA0
【ホテルミライ・ロビー】

六山「んー……?」

道掛「あれ?百夏ちゃんもこっち来てんのか?」

赤穂「何か探してるみたいだな……六山」

六山「あー、ちょうどいいところに来た」

赤穂「ちょうどいいって何がだ?」

六山「2人にも確認してほしいんだけど。ロビーのここら辺にさ、グレゴリーくんの発明あったよね?」

道掛「あれ?そういやあの気持ち悪い腕がなくなってんな」

赤穂「……ああ、あの津浦に使わせようとしてた腕か」

六山「あの後グレゴリーくんが誰でも使えるようにってここに置いてたんだけど……」

赤穂「それがなくなってる、か」

グレゴリーのあの腕の発明が消えた……気になるな。

コトダマ【第3の腕】を手に入れました。
〔グレゴリーが設計したリアルな腕の形をしたもの。
ロビーに置いてあったがなくなっていた〕

348: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/11/12(土) 00:20:18.16 ID:hlL2pNkA0
【水族館】

佐場木「戻ったか。捜査の結果を聞かせてもらおうか」

【佐場木に捜査結果を伝えました】

佐場木「なるほどな……こちらもあれからわかった事がある」

佐場木「凶器のロープだが……これはこの水族館に元々あるものだとわかった」

赤穂「元々?」

佐場木「水槽の近くにある緊急時の物品が入った箱が空だった。箱の内側にはロープの使用に関する注意が記されていた事、他の箱を調べた結果ロープが入っていた事から間違いないだろう」

赤穂「それじゃあ犯人はわざわざ呼び出しておきながらその場にある、しかも吊るすのに使えるような長いロープを凶器にしたのか?」

佐場木「凶器から特定されないためにその場の物を使うのは珍しい話ではない。しかし疑問もある」

赤穂「疑問?」

佐場木「その箱には同じく緊急時に使用すると思われるナイフが入っていた」

赤穂「ナイフ……」

佐場木「他の箱ではロープの下にあった物だ。もしかすると犯人は……ナイフに気付かずロープを使った可能性があるな」

犯人がナイフに気付かなかった……わざわざ手紙を使って水族館に呼び出したのにか?

コトダマ【ロープ】をアップデートしました。
〔四方院を吊るすのに使用されたロープ。
水族館に緊急時のために置かれていた物〕

コトダマ【凶器の選択】を手に入れました。
〔犯人はロープと同じ箱に入ったナイフを使わず、ロープを凶器に使用した。
犯人はナイフの存在に気付かなかった可能性がある?〕

349: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/11/12(土) 01:12:07.72 ID:hlL2pNkA0
ジェニー「ミキ……大丈夫です?」

土橋「うん……ありがとねジェニー」

赤穂「土橋、ちょっといいか」

土橋「あ、政城……」

赤穂「土橋は他の2人と違って6時頃襲われたんだよな?」

土橋「そうだよ。後ろからいきなり殴られて……気がついたら水族館にいたんだよ」

赤穂「目を覚ました時何かあったか?」

土橋「そうだね……あたしは悲鳴に起こされて……琴羽が立ち尽くしてて視線を追ったら……」

土橋「奏が吊るされてるのを、見つけて……アナウンスが鳴って……」

ジェニー「ミキ……」

赤穂「わかった。ごめんな、辛い事聞いて」

土橋「ううん、アタシは大丈夫だから……」

コトダマ【土橋の証言】を手に入れました。
〔6時頃襲われた土橋は津浦の悲鳴で目を覚ました。
目を覚ますと津浦が立ち尽くしており、そこで四方院の死体を発見、死体発見アナウンスが鳴ったようだ〕

350: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/11/12(土) 01:51:18.33 ID:hlL2pNkA0
グレゴリー「なぜ此度の死神は我らをこの舞台に召喚したのだ……」

津浦「……」

グレゴリーと津浦……土橋を含めたこの3人がなんで目撃者に選ばれたのかは確かに謎だよな……

赤穂「2人は2時頃襲われたんだよな」

グレゴリー「然り。首元に一撃を加えられ、意識を刈り取られた……その痕跡もある」

確かに首元に痕があるな……

津浦「ワタシも頭を……」

赤穂「……なんで2人はそんな時間にチャイムを鳴らした相手に反応したりしたんだ?」

グレゴリー「その刻に訪れると記された文が我が神殿に捧げられていたからな」

津浦「ワタシもです……Mr.グレゴリーからの手紙だったので、油断していました……」

グレゴリー「なに?言の葉の魔術師、我は文など送っていないぞ……!」

津浦「はい、今なら犯人からの偽物だとわかります……」

また手紙か……

赤穂「現物とか持ってないか?」

グレゴリー「我のは神殿に安置されているはずだ……」

津浦「ワタシもですね……」

赤穂「やっぱりそうか……」

コテージが調べられない以上、手紙を調べるのは不可能か……

コトダマ【グレゴリーと津浦の証言】を手に入れました。
〔グレゴリーと津浦は深夜にコテージを訪ねるという手紙をコテージに送られていた。
津浦の手紙はグレゴリーからのものに偽造してあったらしい。
グレゴリーは首元を殴られ、現在もその痕跡が残っている〕

351: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/11/15(火) 21:17:38.35 ID:6IfqBgiA0
赤穂「……んっ?」

道掛「おっ、どうかしたのか?」

赤穂「今水槽の中に何かあったような……」

道掛「水槽の中?よっしゃ、ここはこの俺が潜って見てきてやるぜ!」

佐場木「やめておけ。そこは鮫の水槽だ」

道掛「マジか!?」

佐場木「ふん、しかし何かあったというのは気になるな……」

ジェニー「ボクが行ってくるです!」

道掛「お、おいおい大丈夫かよ!」

ジェニー「大丈夫です!もうここのみんなとは仲良くなったです!」

赤穂「仲良くなったって……」

ジェニー「それじゃあ、ちょっと待っててくださいです!」

…………

ジェニー「行ってくるです!」

ジェニーが潜って水槽の底に向かっていく。

それを俺達は水槽の外から、何かあった時のために遠見と佐場木は上にある水槽の入口から見ていた。

赤穂「ジェニー……」

俺の心配をよそにジェニーは順調に進む。

時々近寄る鮫がいてもジェニーを襲ったりはせず、むしろなついているようにさえ見えた。

ジェニー「……」

赤穂「そろそろだな……」

ジェニー「……!」

道掛「なんだ?なんかジェニーちゃん慌ててね?」

佐場木「……」

遠見「戻ってきたであります!」

ジェニー「ぷはあっ!うっ、あっ……」

赤穂「どうしたジェニー!何があったんだ!」

ジェニー「ゆ、ゆ、指……」

ジェニー「指が、沈んでたです……」

352: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/11/15(火) 21:31:23.31 ID:6IfqBgiA0
道掛「指ぃ!?」

佐場木「遠見!」

遠見「わかってるであります!」

ジェニーと入れ替わりに飛び込んだ遠見がものすごいスピードで底に向かう。

そして戻ってきた遠見の手には小さく細いモノが握られていた。

遠見「人……それも女性の指で間違いないであります」

佐場木「四方院のものか」

遠見「おそらく。それとこの指……鮫が食い散らかした残りかと」

道掛「うげっ……!?」

ジェニー「ひうっ……」

赤穂「犯人は切った腕を鮫に処理させたのか……」

遠見「処理させた後痕跡をわかりにくくするためか、あらかじめ骨まで砕いてあったであります。事実底には白い骨らしき破片が散らばっていたでありますよ」

佐場木「この指が残っていたのは……奇跡と言う他ないな」

腕を切って、図書館に置いて、鮫の水槽に沈めた……

犯人は本当に何のためにこんな事をしたんだ……

コトダマ【水槽の指】を手に入れました。
〔鮫の水槽に沈められていた女性の指。
四方院のものと思われる。
指は鮫に食い散らかされた残りのようで、骨は砕かれていた〕

353: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/12/01(木) 23:01:15.90 ID:FmVabFFA0
キーンコーン、カーンコーン…

モノクマ「さーてそろそろ始めようか?」

モノクマ「命懸けの学級裁判を!」

モノクマ「オマエラ中央の島に集合してくださーい!」

ブツン!

赤穂「……」

捜査は終わりか……だけどまだ犯人を絞り込む何かが足りない気がする……

赤穂「……」

何でもいい、何かないのか……!

ジェニー「あ、あのマサキ……」

赤穂「どうしたんだジェニー?」

ジェニー「指でパニックだったから言えなかったですけど……こんなのが指の近くにあったです」

ジェニーが見せてきたのはグシャグシャになった紙。

濡れて文字が滲んでしま、何が書いてあったかわからなくなっているその紙にはかろうじて読める文字はたった3つ。

赤穂「……【クープ】?」

この紙、もしかして……

赤穂「ジェニー。この紙の事、ちょっとみんなには黙っててくれないか?」

ジェニー「えっ?」

赤穂「もしかしたら犯人を見つけられるかもしれないんだ、頼む」

ジェニー「……わかったです!前にボクを助けてくれたマサキを信じるです!」

赤穂「ありがとうな」

……後は、学級裁判の議論で見つけるしかない。

真実を。

コトダマ【紙切れ】を手に入れました。
〔四方院の指の近くに沈んでいたのをジェニーが見つけた物。
滲んで文字はほとんど読めないが【クープ】という文字だけは読み取る事が可能。
この紙の存在は赤穂とジェニーしか知らない〕

354: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/12/01(木) 23:16:54.00 ID:FmVabFFA0
【中央の島・未来機関第20支部】

モノクマ「おっそーい!」

赤穂「この足だから仕方ないだろ……みんなは?」

モノクマ「もう行ったよ!2人が来ないと始められないんだからさっさと行った行った!」

ジェニー「は、はいです!」タタタッ

モノクマ「ほら、赤穂クンも早く!」

赤穂「……わかってる」

モノクマも消えて1人残された俺は裁判場に続くエスカレーターに乗る。

赤穂「……」

【超高校級のフルート奏者】四方院奏。

俺達を引っ張っていた彼女は大切なパートナーである静音を殺された挙げ句、今度は自分自身が殺されてしまった。

どうして殺されたのが彼女だったのか?

どうして犯人は彼女の腕を切り落としたのか?

それはまだわからない。

ただ1つ言えるのは……

ガチャン

355: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/12/01(木) 23:45:09.13 ID:FmVabFFA0
【学級裁判場】

モノクマ「やっと全員揃ったね!」

モノクマ「全く団体行動ぐらいきちんとしてくれないと困るよ!」

モノクマ「ボクの知り合いにもそんな……ってそんなのはどうでもいいんだよ!」

モノクマ「ほら遅刻者はさっさと席に行けー!」

モノクマに促されて自分の席に立つ。

周りを見渡せばみんなも思い思いの表情を浮かべていた。

六山「はぁ……また来ちゃったね」カチカチ

ジェニー「……カナデ」

道掛「絶対犯人は見つけてやるぜ……!」

遠見「……」

この中にいる。

佐場木「あの薄井を見て犯行に及ぶ……この事件は……」

グレゴリー「くっ……傷が痛むか」

津浦「怖い、ですね……」ガタガタ

土橋「なんでアタシだったの……」

御影「せめて向こうで再会しなよ……」

四方院さんを殺してその腕を切り落とした犯人が。

兵頭「ふふっ、またあの投票が……」

苗木「どうしてあんな事になったのかな……?」

鞍馬「……」

如月「……全ては正義の名の下に」

わからない事だらけの学級裁判。

だけど見つけなきゃ……

赤穂「……」グッ

俺達は死ぬしかないんだ。

356: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/12/01(木) 23:56:32.98 ID:FmVabFFA0
明日学級裁判に入ります。
先月はまともな更新が不可能でしたがこれからは少しは安定して再開出来ると思います。

それでは。

357: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/12/02(金) 23:21:14.81 ID:3Eqs1zjA0
・コトダマ一覧表

【モノクマファイル2】>>332

【四方院の右腕】
【四方院の死体】>>334

【死体を発見した3人】
【死体発見時の3人】>>335

【ショッピングモールの工具】
【腕を切った理由】>>339

【兵頭の目撃】
【図書館の捜索】>>341

【消えたゴシップ誌】>>343

【呼び出しの手紙】>>344

【第3の腕】>>345

【ロープ】アップデート版
【凶器の選択】>>348

【土橋の証言】>>349

【グレゴリーと津浦の証言】>>350

【水槽の指】>>352

【紙切れ】>>353

再びの惨劇は四方院奏の命を奪い去った。
切られた腕、目撃者の存在……数多くの不可解な行動は学級裁判を混迷の渦へと導いていく。
全ての糸をほどいた先にある真実とは……


     【学級裁判開廷!】

358: ◆DXWxLR/SkYo1 2016/12/02(金) 23:58:03.73 ID:3Eqs1zjA0
モノクマ「はいはい、それでは学級裁判の説明をしまーす!」

モノクマ「学級裁判ではオマエラに誰が犯人かを議論してもらいます!」

モノクマ「その結果は投票によって決定され、正しいクロを指摘できればクロがおしおき」

モノクマ「ただし間違えたら……クロ以外の全員がおしおきされ、クロは自由の身となるのです!」

佐場木「今回の事件は不可解な点が多い。1つずつ潰していくぞ」

津浦「お言葉ですがMr.佐場木……その必要はありません」

佐場木「どういう意味だ」

津浦「犯人は1人しかあり得ません!」

遠見「1人、でありますか?」

津浦「Mr.如月!あなたです!」

如月「……僕ですか?」

津浦「あんな惨い殺し方……あなた以外に出来るはずがありません!」

赤穂「……」

如月さんが四方院さんを殺した?

いや……それはないはずだ。

359: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/01/01(日) 23:42:50.92 ID:JRCFVSQA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【図書館の捜索】
【兵頭の目撃】
【四方院の右腕】


津浦「犯人はあなたですMr.如月!」

>如月クンが四方院さんを……?

如月「僕は犯人ではありませんよ」

佐場木「そこまで言うからには根拠があるんだろうな?」

津浦「今回の動機は人を殺した人間がいる……」

津浦「そしてその人間を殺すとMr.如月は明言していました」

確かに……<

津浦「何よりあんな残酷な殺害方法を取るのは殺人鬼であるMr.如月以外にあり得ません」

津浦「【今回の事件は全てMr.如月が引き起こしたんです!】」

如月さんが四方院さんを殺した……

だけど少なくとも如月さんには出来ない事があるはず。

それを津浦に示すんだ!

360: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/01/02(月) 00:37:41.79 ID:HufJAAzA0
【図書館の捜索】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いや、如月さんに今回の犯行は不可能だ!」

津浦「なんでですか!」
赤穂「今回の事件、如月さんには出来ない事があるんだよ」

道掛「出来ない事?わかったぜ、実は如月は虫も殺せねえんだな!?」

苗木「そ、それはないんじゃないかな……?」

赤穂「如月さんは四方院さんの死体が見つかる少し前まで兵頭に呼ばれて佐場木達と図書館を調べてたんだ」

六山「図書館?四方院さんが見つかる前に何かあったの?」

兵頭「腕です」

御影「は?腕?」

兵頭「図書館に腕があったんです」

土橋「な、なにそれ……」

グレゴリー「……それはやはり優雅なる笛吹きのものか?」

兵頭「わかりません。私はそれを見つけてすぐ図書館から出ていって……戻った時には腕は消えていたので」

如月「兵頭さんは僕に知らせにコテージまで来てくれました」

遠見「自分や佐場木殿もそれに合流して図書館を調べたでありますよ」

赤穂「腕が消えていたなら犯人は兵頭が図書館から消えた後に腕を片付けたって事になる」

赤穂「だけど如月さんは兵頭が戻った時には既にコテージにいた」

赤穂「如月さんが犯行を行うのは時間的に無理があるんだ!」

361: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/01/29(日) 22:30:59.97 ID:PhvnaZxA0
津浦「……」

如月「津浦さん。確かに僕は犯罪者とはいえ人を殺しています、そこを否定はしません」

如月「しかし四方院さんは犯罪者ではない。そして僕は犯罪者以外を裁くような真似はしません」

如月「理解していただけると、ありがたいのですが」

津浦「ひっ……ご、ごめんなさいっ……」

如月「……まいりましたね」

佐場木「これが貴様の行動の結果だ。とにかくこの殺人鬼が犯人ではないと仮定して議論を進めるぞ」

六山「あっ、それじゃあ気になる事があるんだけどいいかな?」

苗木「気になる事?」

佐場木「いいだろう、話してみろ六山」

362: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/01/29(日) 22:51:37.87 ID:PhvnaZxA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【呼び出しの手紙】
【グレゴリーと津浦の証言】
【土橋の証言】

六山「あのね、四方院さんはリーダーもやってたしこの中だと頭がいい方だと思うんだ」

六山「静音さんが殺された後も脱出のための調べものとかはしてたし」

御影「まあ……静音が死んだのは認められなかったみたいだけどね」

六山「そんな四方院さんを犯人はどうやって水族館に呼び出したのかな?」

六山「普通なら警戒すると思うんだけど……」

土橋「アタシ達みたいに〔襲われた〕んじゃないの?」

兵頭「〔コテージで殺害された〕可能性もあるのでは?」

グレゴリー「己が意思に基づいて水の都に向かったのではないか?」

御影「……〔呼び出しにどうしても応じるしかなかった〕んだよ」

363: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/01/29(日) 23:25:05.04 ID:PhvnaZxA0
〔呼び出しにどうしても応じるしかなかった〕←【呼び出しの手紙】

赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「牡丹の言う通り、四方院さんはその呼び出しに応じる以外の選択肢はなかったはずだ」

六山「どういう事かな?」

赤穂「四方院さんのコテージには呼び出しの手紙があったんだよ」

苗木「だけど呼び出しだけならやっぱり警戒するんじゃ……」

赤穂「その差出人が、静音凪じゃなかったら四方院さんも警戒しただろうな」

土橋「ちょ、ちょっとそれ……どういう事なの?」

御影「そのまんまの意味、四方院を呼び出した手紙は静音からのものだったんだよ」

グレゴリー「馬鹿な!鎮魂の指揮者は魂の状態から優雅なる笛吹きと接触したと言うのか!」

赤穂「当然犯人が静音の名前を騙ったんだろう……だけど四方院さんからしたらいてもたってもいられなかったはずだ」

遠見「四方院殿の静音殿への感情を考えたら、当然でありましょうな……」

犯人もそれをわかっていながら静音の名前を使った。

いったいどんな考え方をすればそんな事が出来るんだ……?

364: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/02/27(月) 20:48:56.82 ID:BxmJl2SA0
佐場木「犯人は静音の名を使い四方院を水族館に呼び出した」

兵頭「そこで四方院さんを殺害した犯人は右腕を切り落として図書館に……」

土橋「確か水族館にはナイフがあったし、それで切ったのかな?」

赤穂「いや、それは違うぞ」

四方院さんの腕を切ったのは水族館のナイフじゃなくて……

365: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/02/27(月) 21:15:39.69 ID:BxmJl2SA0
【ショッピングモールの工具】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「四方院さんの腕を切ったのに使ったのは水族館のナイフじゃなくてショッピングモールの工具だ」

道掛「ショッピングモールには血のついたハンマーとか鋸とかあったのを見たぞ……」

ジェニー「何でそこまでしてカナデの腕を……?」

遠見「それはわからないでありますが……何らかの意図があったのは間違いないであります」

津浦「図書館に置いておいたのですから……誰かに見せつけるのが目的だったのでは?」

兵頭「それを私が発見したと……」

グレゴリー「しかしそのためにわざわざ水の都で殺めた優雅なる笛吹きを転移させたというのか?」

赤穂「……」

四方院さんの腕を切った理由、今の俺にはなんとなくわかってる。

だけど……

鞍馬「……やめておく事ですね」

赤穂「えっ?」

鞍馬「……」

鞍馬……?

366: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/02/27(月) 21:31:53.50 ID:BxmJl2SA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【腕を切った理由】
【ロープ】
【四方院の死体】

御影「犯人は四方院の腕をショッピングモールで切り落とした……」

兵頭「なんのためにそんな事をしたのかは不明ですか」

如月「しかし犯人にとっては必要な事だったのは確かですね……」

六山「うーん……今回の犯人はよくわからないよね」

苗木「わかってるのは【ショッピングモールで凶器や切り落とす道具を用意した】事と……」

津浦「【手紙でMs.四方院を呼び出して】いるのですから計画性があったというところでしょうか?」

367: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/02/27(月) 21:46:23.76 ID:BxmJl2SA0
【ショッピングモールで凶器や切り落とす道具を用意した】←【ロープ】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いや、凶器のロープはショッピングモールにあったものじゃない」

苗木「えっ、そうなの?」

佐場木「あのロープは元々水族館にあった。緊急時に使う物としてな」

土橋「そうそう、ナイフがあった箱にセットで入ってたはずだよ」

グレゴリー「ほう、そうであったなら優雅なる笛吹きを殺めた死神はその手段に刃ではなく縄を選んだというのか」

津浦「そういう事になりますね……」

それに関しては佐場木が推理してたよな……

368: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/03/27(月) 22:57:59.42 ID:4o/xoKYA0
【凶器の選択】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「犯人はもしかするとナイフの存在に気付かなかったのかもしれない」

道掛「気付かなかったってそんなのありえんのか?」

佐場木「ロープの下にナイフは入っていた。あり得ない話ではない」

佐場木「最も、何らかの意図があった可能性も否めないがな」

遠見「うーむ……意図があるように見えて行き当たりばったりにも見える……」

遠見「六山殿の言う通り、今回の犯人は雲を掴むようにわからない存在でありますな」

御影「でもさ、今まで出た事とあった事を照らし合わせたら案外犯人は絞れそうじゃない?」

赤穂「そうだな……一度まとめてみるか」

369: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/03/27(月) 23:17:04.70 ID:4o/xoKYA0
苗木「えっと、まず犯人は四方院さんを手紙で水族館に呼び出したんだよね?」

如月「えぇ、そして四方院さんを水族館にあったロープを使い絞殺した」

遠見「その後犯人はショッピングモールの道具を用いて、四方院殿の腕を切り落としたのでありますね」

グレゴリー「その前後、我と言の葉の魔術師は惨劇の園へ導かれたわけか」

土橋「それで朝にアタシも襲われて連れてかれたんだよね……」

兵頭「さらに犯人は図書館に切り落とした腕を置いて私に目撃させたわけですが」

津浦「そして犯人はMs.兵頭が図書館からいなくなった後に腕を持って……その腕をどうしたんでしょうか?」

ジェニー「あっ……」

道掛「それはだな……」

御影「なに、あんたら知ってんの?」

四方院さんの腕がどうなったか、か……

370: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/03/27(月) 23:47:38.46 ID:4o/xoKYA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【水槽の指】
【四方院の右腕】
【四方院の死体】

兵頭「消えた四方院さんの腕……」

兵頭「道掛さんとジェニーさんはそのありかを知っているようですね?」

道掛「いや、知ってるっちゃ、知ってるような……」

津浦「歯切れが悪いですね……」

ジェニー「えとえと……」

土橋「もしかして〔誰かのコテージにあった〕とか!?」

遠見「そうではないのでありますが……」

苗木「兵頭さんが見つけたみたいに〔どこかに置かれてた〕んじゃないのかな」

佐場木「……とにかく一旦落ち着け。話したくても話せん」

御影「まっ、〔魚の餌にされてた〕ってわけでもないなら話せるでしょ」

371: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/03/27(月) 23:55:39.75 ID:4o/xoKYA0
〔魚の餌にされてた〕←【水槽の指】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「正解だ牡丹」

御影「は?何が?」

赤穂「俺もその場にいたから知ってるんだけどな……四方院さんの指が水族館の水槽から出てきたんだよ」

苗木「す、水槽から?」

道掛「そうなんだよ……メメちゃんが言うには鮫に食い散らかされた残りだろうってよ」

土橋「それって、もしかしてなんか水槽に飛び込んでたあれ!?」

ジェニー「そうですです……」

兵頭「つまり、犯人は図書館から腕を水族館にまで持ち帰った後鮫の水槽に放り込んだわけですか……」

津浦「なぜそんな事を……海など、いくらでも途中に捨てる場所はあったのでは?」

赤穂「いや、それは無理だよ津浦」

海に捨てるって方法は確かに普通なら有効かもしれない。

だけどこのコロシアイではそれは不可能なんだ!

【閃きアナグラム開始!】

ポ○捨○○止○ルー○

374: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 22:44:26.38 ID:ph+DdmEA0
【ポイ捨て禁止のルール】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「この島にはポイ捨て禁止のルールがある。だからクロは腕を水族館に持ち帰らざるを得なかったんだ」

道掛「うーむ、だけど変じゃね?」

グレゴリー「何に楔を覚える、音速の疾走者よ」

道掛「なんで犯人は腕をわざわざ図書館まで持っていったんだ?そんなめんどい事をする意味がねえじゃん」

苗木「そうだね……津浦さんは見せつけるためって推理してたけど、そもそもなんで見せつける必要があったのかな」

赤穂「……」

そうだ、腕を切る理由は多分だけどわかる。

でもクロがそれを図書館まで持っていった理由。

それが全然わからない。

なんでクロはそんな……

375: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 22:48:07.01 ID:ph+DdmEA0
御影「……ねぇ、もしかしてなんだけど。そもそも、図書館にあった腕って本当に四方院の腕だったの?」

ジェニー「ど、どういう事です?」

土橋「まさか、他に腕切られた人がいるの!?」

御影「いやいや、そうじゃなくて。そういえば、その気になれば偽装できる物がホテルにあったなって」

遠見「ホテルにで、ありますか?」

腕を偽装できる物……もしかして牡丹はアレの事を言ってるのか?

376: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 23:01:01.17 ID:ph+DdmEA0
【第3の腕】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「牡丹はグレゴリーの作ったあの腕の事を言ってるのか?」

グレゴリー「なんだと!?我が発明が利用されたと言うのか!?」

御影「そうそう、アレならパッと見は本物と区別つかないし」

如月「ですがあの腕はホテルにあるんでしたよね?犯人に図書館からホテルに戻す余裕はないのでは」

六山「あー、それなんだけど……今はホテルにないんだよね」

道掛「そういやなくなってたよな。じゃあ千ちゃんが見た腕ってグレゴリーのキモい腕だったのかよ!?」

兵頭「まさか、あれが作り物……?」

佐場木「だが、作り物であるにせよなぜ図書館まで運んだかの疑問は解消されていない」

そうだ、兵頭の見た腕が作り物だとしても……それがいったいどういう意味を持つんだ?

377: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 23:28:48.53 ID:ph+DdmEA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【兵頭の目撃】
【グレゴリーと津浦の証言】
【腕を切った理由】


津浦「【Ms.兵頭の目撃した腕はMr.グレゴリーの発明だった】……」

遠見「だからといって、なぜ犯人がそんな行動を取ったのかは不明なままであります……」

苗木「やっぱり〔猟奇的な意味合いがあった〕とかかな……」

如月「〔人を集めて目をそらさせる〕ためも考えられますね」

道掛「そうか!犯人は〔図書館から人を追い払いたかった〕んじゃねえか!」

鞍馬「……〔発見の事実が必要だった〕」

御影「結局何が【犯人の目的】なわけ?」

378: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 23:36:48.87 ID:ph+DdmEA0
【犯人の目的】→〔発見の事実が必要だった〕

赤穂「それが正しいはずだ!」


赤穂「そうか……犯人は兵頭が腕を発見した事実が必要だったんだ」

土橋「発見した事実が必要って……」

佐場木「……なるほどな。だからずれていたのか」

ジェニー「ボクにはよくわからないです……」

道掛「俺なんか全然わかんねえよ!何が言いたいんだ赤穂!」

発見した事実……これこそクロにとって重要なピースだとしたら。

あの疑問の意味も解ける!

379: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 23:43:04.02 ID:ph+DdmEA0
【ショットガンコネクト開始!】

四方院さんの腕を見た事実……

それが示すのは……!

・コトダマ>>357
【グレゴリーと津浦の証言】
【モノクマファイル2】
【四方院の死体】

・課題
【犯人が行った不自然な行動は?】
【犯人が腕を図書館に置いた理由は?】
【犯人が四方院を殺した動機は?】

380: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 23:46:47.61 ID:ph+DdmEA0
【グレゴリーと津浦の証言】―【犯人が行った不自然な行動は?】

赤穂「……」

クロはなぜかグレゴリーと津浦を四方院さんのいた水族館に拉致した……

そこにもう一つ繋げれば……

・コトダマ>>357
【四方院の右腕】
【第3の腕】
【土橋の証言】

381: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/05(金) 23:52:10.66 ID:ph+DdmEA0
赤穂「……」

そこからさらにクロは土橋を拉致した……

その目的は……!

【グレゴリーと津浦の証言】―【犯人が行った不自然な行動は?】―【土橋の証言】

・結論
【クロは死体発見アナウンスを鳴らしたかった】
【クロは死体を見せつけたかった】
【クロは時間を稼ぎたかった】

382: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 00:14:30.89 ID:wpgRBQBA0
【クロは死体発見アナウンスを鳴らしたかった】

赤穂「真相への道筋を繋いでみせる!」


赤穂「クロは死体発見アナウンスを鳴らしたかったんだ」

遠見「死体発見アナウンスをでありますか?」

赤穂「そうだ。そのためにクロは津浦とグレゴリーを拉致した」

津浦「もしかして死体発見アナウンスに必要な人数を満たすため……」

グレゴリー「我らは選ばれし発見者にされたと言うのか!」

土橋「だ、だけどそれならなんでアタシまで……千、琴羽、グレゴリーの3人でアナウンスの条件は満たしてるじゃない」

佐場木「それをはっきりさせるためにも聞いておかなければならない事がある……モノクマ」

モノクマ「はい?」

佐場木「死体発見アナウンスの3人に犯人は含まれるのか」

苗木「えっ、それって……」

383: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 00:23:27.35 ID:wpgRBQBA0
モノクマ「うーん、正直死体発見アナウンスは推理に使ってほしくないんだけどなぁ……フレキシブルに対応してるって事で!」

佐場木「わざわざ濁す以上、今回は含まれてないと考えるべきだな」

モノクマ「ちょっとやめてよそういうの!」

六山「きっと今みたいに犯人も言われたんだね?だから後から土橋さんを拉致した……犯人が含まれてない場合おかしな事になるから」

道掛「よ、よくわかんねえけど……つまり犯人は死体見つけた中にいんのか?」

御影「そういう事……まあ、明白な気もするけど」

如月「……」

犯人は死体発見アナウンスを鳴らしたかった。

そうすれば容疑から逃れられると思ったのかもしれない。

だとしたらクロは……

384: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 00:40:26.28 ID:wpgRBQBA0
【兵頭千】

赤穂「君がクロなのか……?」


赤穂「兵頭……君なのか?」

兵頭「……私ですか?」

苗木「確かに兵頭さんしか、図書館の腕って見つけてないんだよね」

遠見「グレゴリー殿の腕を利用して死体を見つけた一人になったわけでありますか……」

六山「そもそも腕なんて本当に見つけたの?後からなくなったって言ったからそんな時間がない兵頭さんは犯人から外れてたけど」

兵頭「ちょっと待ってください……皆さん、私が犯人だと思っているんですか」

御影「本当は見つけてないなら、兵頭は土橋を襲った後タイミングを見計らって如月のコテージに行けばいいわけか」

ジェニー「センがカナデを……?」

赤穂「……」

兵頭が四方院さんを殺した……

確かに腕を見つけたって言ってるのは兵頭だけ。

そもそもそれが嘘なら兵頭には如月さん達が図書館に行くまでに腕が消えた事実もなくなって、兵頭も容疑者の一人になる。

そしてクロが死体発見アナウンスを使って工作したと考えれば……

385: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 00:41:14.38 ID:wpgRBQBA0






如月「それは違いますよ……」







386: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 00:42:32.72 ID:wpgRBQBA0
今回はここまで。

次回学級裁判を完結させます。

それではまた今夜に。

387: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 20:57:44.61 ID:wpgRBQBA0
赤穂「如月さん……?」

グレゴリー「何が否だと言うのだ?」

如月「兵頭さんが僕を訪ねてきたのは腕の存在を示して消えた腕の処分が不可能な事、さらに死体発見の一人になる事によって容疑から外れるため……皆さんはそう言いたいようですが」

如月「僕にはコテージに来た時の兵頭さんがそんな計算をしていたとは思えないんですよ」

苗木「でも……それって如月クンの主観だよね?」

如月「確かにそうです。しかし僕は、投票が終わるまで兵頭さんを信じたいと思います」

兵頭「如月さん……」

佐場木「俺も賛成だ。兵頭は確かに疑惑の渦中にいる。だが犯人だとするなら議論を重ねるべきだろう」

赤穂「……そうだな。言い出しっぺは俺だけど決めつけるのはまだ早いと思う」

赤穂「議論をしよう!真実を見つけるためにも……!」

388: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 21:18:41.80 ID:wpgRBQBA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【消えたゴシップ誌】
【水槽の指】
【第3の腕】

六山「議論はいいけど、何を議論するの?」

佐場木「兵頭が犯人だとした場合【不自然な行動】がないかだ」

佐場木「それによって兵頭が犯人かもはっきりするだろう」

道掛「不自然つってもよぉ……俺はそもそも【腕を切った】事が府に落ちねえんだよな」

ジェニー「【目撃者にグレッグ達を選んだ】理由も謎です……」

土橋「【グレゴリー達からアタシを襲うまでのタイムラグ】も気になるんだけど……」

津浦「ですがそれは誰が犯人でも言えるのでは?」

遠見「ふむ……グレゴリー殿の【第3の腕を利用しいすごかへと持ち去った】」

遠見「ロビーにあった以上これも誰でも可能だったでありますか」

389: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 21:36:14.07 ID:wpgRBQBA0
【第3の腕を利用しいすごかへと持ち去った】←【不自然な行動】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「そうだ……不自然じゃないか」

御影「何がさ兄貴」

赤穂「そもそも兵頭が疑われる理由の一番大きな理由は、図書館で腕を見つけたって事が嘘だって可能性があるからだ」

六山「そうだよ。それなら兵頭さんは腕を犯人が持ち去った時間のアリバイって前提が消えて容疑者になるからね」

赤穂「だったらなんでホテルから腕を持ち去ったんだ?」

苗木「どういう事?」

赤穂「腕がないから兵頭はそれを利用した、もしくはそもそも腕を見てなんかいないって疑惑を持たれた」

赤穂「もし腕を見つけたって話が嘘ならホテルから腕を持ち出す理由がないんだよ」

赤穂「そのまま置いておけば事件には無関係で押し通す事だって出来たんだからな」

ジェニー「じゃあ……」

赤穂「兵頭は腕を見たんだ。それが本物にしろ偽物にしろな……」

赤穂「そして仮に兵頭が犯人で偽物の腕を回収したとしても、やっぱりホテルに戻せばいい」

赤穂「兵頭が犯人だとしたら第3の腕……あれがホテルから消えたままなのはおかしいんだ」

390: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 21:48:05.56 ID:wpgRBQBA0
兵頭「なるほど……私が犯人なら自分に疑いが向くような行動をするはずがありませんね」

如月「やはり兵頭さんは図書館で腕を見つけ、僕に助けを求めたようですね」

道掛「じゃあ犯人って誰なんだよ!他に誰かいんのか!?」

赤穂「死体発見アナウンスを利用したトリックは、多分間違ってないはずだ」

佐場木「そうなると、犯人はやはり死体の発見を行った中にいる事になる」

遠見「つまり兵頭殿を除外した……グレゴリー殿、津浦殿、土橋殿の中に犯人がいると」

グレゴリー「なっ!?」

津浦「そ、そんな……」

土橋「アタシは殺してなんか……!」

鞍馬「……ならばもう犯人ははっきりしていますね」

御影「はっ?あんたわかってんの?」

鞍馬「死体発見アナウンスに犯人が含まれていないとするなら……簡単な話ですよ」

赤穂「……っ!?」

待てよ。

死体発見アナウンスに犯人が含まれていない。

死体発見アナウンスを使ったトリック。

兵頭が見た腕。

そして証言を合わせたら……

まさか四方院さんを殺したクロは……!

391: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 21:58:16.76 ID:wpgRBQBA0
【グレゴリー・アストラル三世】

赤穂「犯人は……!」


赤穂「グレゴリー……お前なんじゃないか?」

グレゴリー「……!」

津浦「……はっ?」

赤穂「兵頭が見た腕……死体発見アナウンスのトリックを使うなら、多分本物だったはずだ」

赤穂「そうなると、最初の死体発見者は兵頭……その後が問題になる」

赤穂「土橋はこう証言していた……」

――――

赤穂「目を覚ました時何かあったか?」

土橋「そうだね……あたしは悲鳴に起こされて……琴羽が立ち尽くしてて視線を追ったら……」

土橋「奏が吊るされてるのを、見つけて……アナウンスが鳴って……」

ジェニー「ミキ……」

――――

赤穂「この証言から津浦が発見した時に死体発見アナウンスが鳴らなかった事がわかる」

佐場木「津浦は2人目の発見者というわけか」

赤穂「そしてその後土橋が発見してアナウンスが鳴った……つまり土橋が3人目の発見者」

赤穂「アナウンスの人数に犯人が含まれていないなら、水族館にいた中で残る容疑者はお前だけなんだグレゴリー!」

グレゴリー「くっ……!」

道掛「おいおい、マジでグレゴリーがやったのかよ……!」

土橋「ど、どうなのよグレゴリー!」

グレゴリー「…………」ギリィ

392: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 22:08:53.21 ID:wpgRBQBA0
津浦「シャラップ!」反論!


赤穂「っ!?」

津浦「笑わせないでくださいよMr.赤穂……Mr.グレゴリーが犯人ですって?」

津浦「よくもそんなデタラメを!!そんな推理、ワタシは認めません!」

やっぱり津浦は反論してきたか……!

393: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 22:21:06.44 ID:wpgRBQBA0
【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>357
【死体発見時の3人】
【腕を切った理由】
【死体を発見した3人】

津浦「Mr.グレゴリーは犯人じゃありません!」

津浦「あなたの推理は間違っていますMr.赤穂!」

赤穂「兵頭、津浦、土橋が死体の発見者だった!」

赤穂「それなら残るのはグレゴリーただ1人だ!」

津浦「そもそもそれが嘘なんですよ!」

津浦「【Ms.土橋より前にワタシの悲鳴で目を覚ましたMr.グレゴリーが死体を発見した】」

津浦「それなら犯人はMr.グレゴリーではありません!」

394: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 22:32:40.43 ID:wpgRBQBA0
【Ms.土橋より前にワタシの悲鳴で目を覚ましたMr.グレゴリーが死体を発見した】←【死体発見時の3人】

赤穂「その反論に正義はない!」


赤穂「土橋より先にグレゴリーが死体を発見した……」

津浦「そうです!」

赤穂「だったらなんでグレゴリーは俺達が駆けつけてくるまでの間……ずっと座ったままだったんだ?」

津浦「何を……!」

赤穂「グレゴリーは津浦を気に掛けていた。そんなグレゴリーが悲鳴をあげた津浦をほったらかしにしていたのは、不自然じゃないか?」

グレゴリー「…………」

佐場木「初めて死体を発見したならその可能性もあるが……」

遠見「グレゴリー殿は前回の事件時も津浦殿を気に掛けていたでありますな」

津浦「Mr.グレゴリーだって人間です!そんな事で犯人扱いだなんて……!」

赤穂「……」

津浦は納得しない……当たり前か。

これはほとんど言いがかりみたいなものだからな……

だったら次だ……

これでグレゴリーに……!

395: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 22:41:03.23 ID:wpgRBQBA0
【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>357
【紙切れ】

御影「犯人はグレゴリーなわけ?」

津浦「そんなの何かの間違いです!」

道掛「だけど【アナウンスの3人は千ちゃん、琴羽ちゃん、美姫ちゃん】なんだろ?」

津浦「【Ms.土橋が嘘をついている】のかもしれません!」

苗木「そもそもグレゴリークンの体格なら、襲われたっていうのも難しいよね……」

津浦「【Mr.グレゴリーの首筋には襲われた痕跡があります】!」

津浦「そもそもMr.グレゴリーには【動機がない】じゃないですか!」

津浦「Mr.グレゴリーは無実、冤罪なんですよ!」

鞍馬「……動機がない、ですか」

396: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 22:47:39.91 ID:wpgRBQBA0
【動機がない】←【紙切れ】

赤穂「その矛盾……捕まえたぞ!」


赤穂「動機は、多分これだ」

グレゴリー「っ!!」

津浦「なんですか、その紙切れは……」

赤穂「四方院さんの指と一緒に沈んでいた紙切れだよ」

佐場木「なんだと?そんな報告は受けていないぞ」

ジェニー「あっ、それはボクが……」

赤穂「ジェニーには俺が口止めしたんだ。犯人をはっきりさせるために」

兵頭「その紙切れはいったいなんなんですか?」

この紙切れ……これはきっと。

397: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 22:57:17.28 ID:wpgRBQBA0
【消えたゴシップ誌】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「図書館から消えていたゴシップ誌……あれのページのはずだ」

道掛「おぉ、そういや1冊なくなってたな!」

如月「あれですか……赤穂さん、その紙切れがグレゴリーさんの犯行を証明するんですか?」

赤穂「はい、内容を聞いてもらえればわかります」

ジェニー「えっ……」

土橋「どうしたのジェニー?」

ジェニー「な、なんでもないです」

佐場木「……」

赤穂「じゃあ、読むぞ」

苗木「いったい何が……」

これが最後のチャンスだ。

物的証拠はほとんどない。

もう1つの可能性はあるけど……これはグレゴリーが喋ってくれないと証明出来ない。

だからこれでグレゴリーが動かないと……どうしようもない。

赤穂「スクープ……」

398: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 22:58:56.04 ID:wpgRBQBA0






グレゴリー「やめろっ!!」







399: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:04:01.46 ID:wpgRBQBA0
津浦「ど、どうしたんですかMr.グレゴリー?」

グレゴリー「それ以上の言霊は無用だ、聖痕抱きし英雄よ」

赤穂「……」

グレゴリー「……その封印の書に記されているのは確かに我だ」

六山「……認めるの?」

グレゴリー「……ああ」

土橋「じゃあ、奏を殺したのは……」

グレゴリー「…………」

如月「あなたなんですね?グレゴリーさん」

グレゴリー「……そ」

400: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:05:30.75 ID:wpgRBQBA0






津浦「嘘ですっ!!」







401: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:14:35.10 ID:wpgRBQBA0
グレゴリー「言の葉の、魔術師……!」

津浦「嘘ですっ、そんなの嘘ですよっ……」

津浦「だってMr.グレゴリーは!ワタシを守るって言ってくれた!だけどこれじゃあ!」

津浦「嫌だ、認めないっ、こんなっ、こんな……!」

赤穂「津浦……」

津浦「あっ……は、ははっ!そうだ、そうですよ!」

津浦「やっぱりMr.グレゴリーは犯人じゃありません!」

御影「……なんで?」

津浦「だってMr.グレゴリーは襲われているんですよ!実際首にはその痕跡が残っているんです!」

津浦「これこそ、彼が無実って証拠じゃないですか!」

津浦「そうです、あなた方の推理は決定的に間違っていたんですよ!あはっ、あはははははっ!」

ジェニー「コトハ……」

赤穂「……」

グレゴリーの襲われた痕跡。

それはきっと、これを使ったんだ。

402: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:22:46.25 ID:wpgRBQBA0
【第3の腕】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「……グレゴリー、1つ聞かせてほしい」

グレゴリー「……なんだ」

赤穂「第3の腕、あれは心臓の上から着けて使うんだよな?」

グレゴリー「然り」

赤穂「それは……背中からも出来るんじゃないか?」

グレゴリー「……見事だ聖痕抱きし英雄。そこまで真理を掴んでいたか」

津浦「な、何を言ってるんですか……!」

赤穂「グレゴリーは背中につけた第3の腕を使って自分に襲われた痕跡を残したんだ」

佐場木「諦めろ津浦……それ以上はお前自身を傷つけるだけだ」

津浦「……っ、でも!そんなの、Mr.赤穂の推測……」

土橋「琴羽、もうやめよう……」

津浦「認めないっ、やだ、いやぁ……!」

赤穂「……」

津浦はもう認めるわけにはいかないんだな……

だったらせめて、俺がその目を覚まさせるしかない……!

403: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:26:31.06 ID:wpgRBQBA0
【パニックトークアクション開始!】

津浦「…………」

津浦「こんなの……」

津浦「嘘です……」

津浦「ワタシは、認めないっ……」

津浦【物的証拠なんて、どこにもないんです……】




     マント

背中        隠された

     に

404: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:34:45.65 ID:wpgRBQBA0
【マントに隠された背中】

赤穂「これで終わらせる……」


赤穂「今回の犯人は慎重だった」

津浦「嫌だ……」

赤穂「死体発見アナウンスの人数に足りるかわからないから目撃者を増やした」

津浦「やめてください……」

赤穂「俺がどこまで知ってるかわからないからこの紙切れを読むのを止めた」

津浦「お願い、ですから……」

赤穂「だからきっと、どこを調べられるかわからないから……まだ第3の腕を持ってるはずなんだ」

津浦「ぁ……」

赤穂「それが出来る人間は、背中を隠せるマントを着けたグレゴリーだけなんだよ、津浦」

グレゴリー「……」

グレゴリーがマントを外す。

その下には、背中に貼り付くように……グレゴリーの発明、第3の腕があった。

津浦「あっ、あっ、ああああああああああああああっ……!」

グレゴリー「……すまん、言の葉の魔術師よ」

405: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:50:40.50 ID:wpgRBQBA0
【クライマックス推理開始!】

ACT.1
今回のクロがなんで四方院さんを狙ったのかはわからない。
だけどクロは四方院さんに静音の名前を使って手紙を出したのは間違いないはずだ。

ACT.2
四方院さんを呼び出したクロは水族館にあったロープで彼女の首を絞めて殺害した。
そしてロープを結んでその身体を吊るしたんだ。

ACT.3
だけど誤算があった。
四方院さんがクロにとって都合の悪いゴシップ誌を握ったままだったんだ。
それを外せなかったんだろう、クロは大胆な手に出た。

ACT.4
四方院さんの腕をショッピングモールの工具で切り落としたんだよ。
そしてクロはその腕を使って自分の容疑を外す工作を開始したんだ。

ACT.5
クロは津浦と土橋を襲って目撃者役として水族館に連れていった。
そして自分も襲われたように装うために自分の作った第3の腕で首に痕跡を残したんだよ。

ACT.6
クロは四方院さんの腕を持っていくと、兵頭を見かけたのか図書館にそれを置いた。
そして兵頭が人を呼ぶ間にその腕を水族館に戻すと、鮫の水槽に投げ込んで証拠の隠滅を図ったんだ。

だけど指や記事が残った事や慎重過ぎた事が不自然な点を生み出して、こうして犯行を暴かれたんだ。

赤穂「四方院さんを殺したのはお前なんだな、グレゴリー・アストラル三世!」

グレゴリー「……ああ、その通りだ」

津浦「ああああああああっ……!」

COMPLETE!

406: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/06(土) 23:53:47.07 ID:wpgRBQBA0
モノクマ「議論の結論が出たみたいだね!」

モノクマ「それでは投票タイムとまいりましょうか!」

モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票をお願いします!」

モノクマ「オマエラの答えが正解?それとも不正解?」

モノクマ「運命はどっちだー!!」


         VOTE

 グレゴリー グレゴリー グレゴリー

       チャッチャッチャー!


     【学級裁判閉廷!】

408: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 21:03:07.70 ID:7rDsDq5A0
モノクマ「大正解!」

モノクマ「今回四方院奏さんを殺害したクロはー……」

モノクマ「グレゴリー・アストラル三世クンでしたー!」

グレゴリー「…………」

津浦「なんで……なんで、ですか……なんで……」

赤穂「……」

グレゴリーが四方院さんを殺した。

その事実は……津浦にとってあまりに残酷だった。

それは自分を守ると言った男が人を殺したからだけじゃない。

モノクマ「うぷぷ、それにしても傑作だよね!守るとか言っといて学級裁判でしっかり逃げようとするなんてさ!」

モノクマ「グレゴリークンは津浦さんが死のうがどうでもよかったって事だもんね!」

そうだ、このコロシアイは1人だけ殺して終わるようなものじゃない。

学級裁判で他の生き残り全員を殺す……グレゴリーは内心はどうあれ、津浦に行動で突きつけてしまったんだ。

【お前を殺しても生き残る】という事を。

409: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 21:06:16.26 ID:7rDsDq5A0
苗木「本当に、どうしてこんな事したの……今回の動機はグレゴリークンには何も関係な……」

モノクマ「いやいや、何言ってるの!しっかり関係してますとも!」

モノクマ「だってグレゴリークンは……この中にいる人殺しの1人だからね!」

如月「グレゴリーさんがですか……しかし彼ほどの目立つ人間が犯罪を犯したなら、僕か佐場木さんが気付いているはずですよ?」

佐場木「ふん……つまり目立つ前だったんだろう」

兵頭「それが記述されていたのが、赤穂さんの持つゴシップ誌だったというわけですか」

モノクマ「その通り!それでは発表します!」

モノクマ「なんとグレゴリークンは5年前に世間を騒がせた、あの【ガス爆発連続死亡事故】のガスストーブを設計した張本人なのです!」





津浦「…………えっ?」

410: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 21:16:47.97 ID:7rDsDq5A0
遠見「【ガス爆発連続死亡事故】……でありますか?」

六山「そういえば、そんなニュースが昔毎日やってたよね」

土橋「アタシ、その事故なら被害者の家を建て直しした事あるからよく知ってるよ」

土橋「ある企業が新しく売り出した多機能型のガスストーブが次々に爆発したんだよね……死傷者は確か100を超えたはずだよ」

土橋「確かそのストーブを設計したのが未成年だって話を聞いた事はあったけど……」

道掛「それがグレゴリーだったのかよ!?」

モノクマ「そうそう、マスコミも当時かなり騒いでたよね。設計にミスがあったんじゃないかとか……」

グレゴリー「否!我が記述に一切の深淵は存在していない!あれは目先の欲に囚われた愚か者共が我が声を無視したがために……!」

モノクマ「うんうん、実際はそうなんだよね」

ジェニー「グレッグは、悪くないですか?」

モノクマ「グレゴリークンの設計通りだとコストがかかるからって、勝手に設計とは違う材料を使ったから起きた事故なんだよねあれ」

赤穂「だったらなんで……」

モノクマ「だけど世間はそう見てくれなかったの。そして散々責められたグレゴリークンは苦肉の策として自分自身を消す事にしたんだよ!」

モノクマ「謎多き設計士【グレゴリー・アストラル三世】としてね!」

411: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 21:27:39.26 ID:7rDsDq5A0
佐場木「なるほどな、お前は過去を捨て仮面をつけて再出発をしたというわけか」

グレゴリー「……そうだ。我の真名はもはや、憎悪と失望に堕した忌み名と化していた」

グレゴリー「故に我はこの名と姿を得たのだ」

鞍馬「その格好や口調の方に気をとられ、5年前の設計士と繋げる人間はいなかった……それだけの話です」

如月「……グレゴリーさんがこうなった理由はわかりました。ですがそれは……四方院さんを殺してまで守らなければならない秘密だったんですか?」

道掛「そうだぜ!話聞く限りだとグレゴリーは悪くねえじゃねえか!」

グレゴリー「…………」

モノクマ「オマエラのほとんどはそうかもしれないね!」

モノクマ「だけど……」

412: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 21:28:54.55 ID:7rDsDq5A0






モノクマ「その事故で両親を殺された津浦さんはどうだったのかなー?」

津浦「…………」







413: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 21:45:36.08 ID:7rDsDq5A0
赤穂「っ!?」

御影「なっ……なにそれ……」

津浦の両親が死亡した事故の原因が、グレゴリーの設計したストーブだった!?

モノクマ「キミは知ってたんだよね?津浦さんがあの事故の遺族だって」

モノクマ「あんなに津浦さんに優しくしてたのは罪滅ぼしでもしているつもりだったのかな?」

モノクマ「それともバレた時に津浦さんが情から殺せないようにするための布石だったとか?いやあ、グレゴリークンもなかなかやり手だねぇ!」

グレゴリー「黙れ!我は、我はただ……」

津浦「…………Mr.グレゴリー」

グレゴリー「っ……」

津浦「ワタシはあなたにとって、罪悪感を吐き出すための道具だったんですか……?」

グレゴリー「違うっ!!確かに、そのような邪念が存在しなかったと言えばそれは虚構だ……!」

グレゴリー「だが我は、ただ……ただ、純粋にその身を案じて……」

グレゴリー「…………ぐっ、くっ!」

グレゴリー「なぜだ、なぜこうなった?」

グレゴリー「あのような手紙さえなければ!水の都に優雅なる吹き手がいなければ!」

グレゴリー「我は……!」

佐場木「……なに?」

414: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 22:27:06.35 ID:7rDsDq5A0
モノクマ「うぷぷ、それじゃあそろそろいきましょうか!」

赤穂「……!」

苗木「いくって、おしおきだよね……」

モノクマ「急がないとまた如月クンに痛めつけられちゃうからね!」

如月「……」

モノクマ「それでは今回は、【超高校級の設計士】であるグレゴリー・アストラル三世クンにふさわしいスペシャルなおしおきを用意いたしました!」

グレゴリー「言の葉の魔術師、我は…………」

津浦「……」

モノクマ「それでは張り切って参りましょう!」

グレゴリー「…………ああ、そうか」

津浦「……?」

グレゴリー「もうこんな風に自分を偽る必要も……ないんだ」

津浦「っ!?」

グレゴリー「ごめん、だけど……」

「君を助けたかったのも守りたかったのも、嘘じゃないから」

津浦「……ぁ」

「最期に、これだけは知ってほしい……」

「僕の名前はね――」

モノクマ「おしおきターイム!!」

415: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 22:28:40.85 ID:7rDsDq5A0






       GAME OVER

 グレゴリークンがクロにきまりました。

    おしおきをかいしします。







416: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 22:52:20.21 ID:7rDsDq5A0
グレゴリーが何かを言うより先に、首輪が伸びてその身体を引きずり込む。

そしてグレゴリーが連れてこられたのは【処刑器具】とだけ書かれている大きな紙が置かれた作業台のある部屋だった。

【最期の世紀の大発明!】

【超高校級の設計士グレゴリー・アストラル三世処刑執行】

グレゴリークンは覚悟を決めたかのようにペンを取り出すと、紙に図を書き込み始めました。

グレゴリークンが線を引くと、後ろにいたモノクマがその通りに機材を組み立て。

グレゴリークンが円を描くと、後ろにいたモノクマがその通りに機材を積み上げます。

どんどん出来上がるグレゴリークンのための処刑器具。

そしてグレゴリークンが最後の線を引き終えると同時に……

後ろの処刑器具が倒れて、グレゴリークンの身体を潰します。

衝撃で吹き飛ぶ仮面……それはモノクマが出したストーブの上に落ちて、熱でどろどろに溶けてしまいました……

417: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 23:12:20.17 ID:7rDsDq5A0
モノクマ「あー!せっかくとびっきりのおしおき装置を作ったのに!」

モノクマ「……まあ、おしおきは出来たからいっか!」

兵頭「ぁっ……っ、はぁ……」ガクッ

道掛「うおっ、千ちゃん!?」

鞍馬「……快感のあまり腰砕けになりましたか」

六山「理解出来ないや……」カチカチ

津浦「……」

土橋「琴羽!」

津浦「なんで……なんで最期に、あんな」

呆然とする津浦、また快感を受け止めている兵頭……

佐場木「……遠見、話がある、来い」

遠見「佐場木殿!?ま、待ってほしいであります!」

その中で、佐場木はいつもより顔を険しくして上に戻っていった。

如月「……あのような手紙さえなければ、ですか」

そしてそれは、如月さんも同じで。

佐場木と遠見を追いかけるようにエスカレーターに乗り込んだ如月さんの背中を見つめながら……

赤穂「……」

俺は、なぜか、今さら、一つの事実が気になっていた。

418: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 23:19:59.19 ID:7rDsDq5A0
赤穂「静音を騙ったあの手紙には本が一緒だった……」

それは当然あのゴシップ誌のはずだ。

そんな手紙を、なんでグレゴリーが送るんだ。

じゃああの手紙は……

だけど……それ以上に……

赤穂「四方院さんは、抵抗しなかった……」

なんでだ、なんで今こんな事が気になる?

混乱する俺の頭の中で、ある会話がリピートされる。

――――

御影「涙……出てるよ」

四方院「ふふっ、わたくしもあの子がいないと落ち着かないという事でしょうか……」

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

―――――

なあ、四方院さん……

――――

四方院「ふふっ、わたくしもあの子がいないと落ち着かないという事でしょうか……」

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

――――

本当は、わかってたんじゃないのか?

――――

四方院「ああ、早くあの子の所に行きたいですわ……」

――――

静音がもう死んでるって。

――――

四方院「ああ、早くあの子の所にいきたいですわ……」

――――

だっておかしいじゃないか。
なんで行きたいなんだ、なんで帰りたいじゃなかったんだ?

――――

419: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 23:23:03.41 ID:7rDsDq5A0






四方院「早くあの子の所に逝きたい」

四方院さん、君は本当にただの被害者だったのか?


――俺のそんな疑問に、もう永遠に答えは出ない。







420: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 23:44:11.70 ID:7rDsDq5A0
【赤穂のコテージ】

赤穂「……」

ダメだ、なんだか変な事ばかり考える……

赤穂「少し外に出るか……」

杖をついて外に出るといつものように満天の星が空に散りばめられていた。

赤穂「……」

【サマーアイランド・射撃練習場】

赤穂「……あれ、なんでここに」

ああ、そうか……ここは津浦とグレゴリーの。

土橋「あれ、政城……」

赤穂「土橋?なんでここに」

土橋「なんとなく……ね。ここはほら、琴羽とグレゴリーの……」

俺と同じって事か……

赤穂「津浦は?」

土橋「まだ混乱してるみたいだよ……無理もないけどさ」

赤穂「そうか……」

津浦は大丈夫なのか?

グレゴリーを支えにしてた分、それをこんな形で……

カチャリ

赤穂「……んっ?」

変な音がした気がして、射撃練習場の方を見る。

赤穂「……っ!?」

入り口から見えていたのは銃を握った腕。

その銃は、土橋を狙っている。

赤穂「っ、危ないっ!」

土橋「えっ、きゃあっ!?」

不恰好な状態で土橋を突き飛ばす。

次の瞬間。

パァン!

破裂音が聞こえて、やけつくような痛みが身体を貫いた。

土橋「政城っ!?ねぇ、どうしたの政城っ、政城ってば!」

赤穂「……」

俺を呼ぶ土橋の後ろを誰かが、駆けていく。

誰、だ……

目を凝らして、その姿を捉えようとしても逆に目は霞んで……

421: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 23:45:33.37 ID:7rDsDq5A0






俺の意識は、真っ暗闇の中に消えた。







422: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 23:48:43.46 ID:7rDsDq5A0






CHAPT.2【糸絡まりて命絶つ】END

生き残りメンバー14→???人

To be continued...







423: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/07(日) 23:50:24.97 ID:7rDsDq5A0






【絶望フルート】を手に入れました!

【偽りのマスク】を手に入れました!







425: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 22:46:36.69 ID:eMd80BXA0
「……」

「ねえ」

「……」

「ねえってば!」

「っ、あ、あれ?」

「どうしたの?ボーッとしちゃって」

「いや……なんかもう、本当にどうしようもないんだなって」

「……仕方ないじゃん。私達は子供なんだから、借金で2人は育てられないんだって言われたら……」

「お前にそう言わせる自分が情けないんだよ……俺が御影の家に行ったり、せめてもう少し歳が離れてれば家出て2人でやってく事だって……」

「……」

「だいたい、いくら向こうが娘が欲しいって言ったからって牡丹はまだ……!」

御影「……それだけで十分だよ兄さん」

赤穂「……」

御影「私を想ってくれてる人がいる。それだけで私は頑張れるから」

赤穂「……牡丹」

御影「だから笑ってよ。兄さんは私のヒーローなんだから、そんな顔なんて似合わないよ」

赤穂「……ああ、そうだな」

御影「じゃあ、さよならの前に1つ約束」

赤穂「約束?」

御影「うん、私が御影の家に行っても、もう二度と会えなくても……」

御影「赤穂牡丹は兄さんの妹だって、ずっと覚えてて」

赤穂「……」

御影「……」

赤穂「……そんなの当たり前だろ」ポンッ

御影「あっ」

赤穂「お前は何があっても俺の大切な妹だよ……牡丹」ナデナデ

御影「……うん」

426: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 22:52:27.64 ID:eMd80BXA0
【御影のコテージ】

御影「っ……!」

なんで、あの時の夢なんて……

兄貴、兄さんと別れたあの日の夢……

御影「……約束、か」

昔はなんであんな約束したんだろう、なんて思ったけど今ならよくわかるよ。

私はきっとわかってたんだ。

長い間、私は兄さんと会えなくなるんだって……


「誰か!起きてるなら手伝って!!」

御影「……?」

何かあったの……?

「政城が、政城が死んじゃう!!」

御影「っ!!」

427: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 22:55:28.42 ID:eMd80BXA0






CHAPT.3【悪意のアンノウンは高らかに唄う】(非)日常編







428: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 23:14:40.61 ID:eMd80BXA0
【赤穂のコテージ】

赤穂「…………」

遠見「ふう……これで、もう命に別状はないであります」

土橋「良かった……!」

あれから慌てて飛び出したら、土橋が血だらけの兄さんを抱えてて。

なんでか遠見と佐場木も同じコテージから出てきたから協力して兄さんのコテージに運んで……遠見が治療をしてくれた。

御影「……」

治療されて眠る兄さんの身体には、古い傷痕がたくさんある。

こんなにたくさん傷作って……

佐場木「それで何があった。赤穂の身体にあるのは明らかに弾痕だぞ」

弾痕……

御影「……なにそれ、兄貴は撃たれたって言うの!?」

土橋「アタシにもよくわからないんだ……いきなり政城に突き飛ばされたと思ったら、政城の身体から血が……」

佐場木「このタイミングでコロシアイを起こすか……確かに学級裁判直後なら混乱している人間も多いが……!」

遠見「どうするでありますか、佐場木殿。先ほどの話と合わせると事態は……」

佐場木「……ちっ、如月を呼ぶぞ」

土橋「怜輝を?」

佐場木「腹立たしいがあの殺人鬼は誰よりも容疑者になり得ない男だ。赤穂の警護には適任だろう」

御影「……」

警護って……まさか兄さんが狙われるって事……?

御影「そんなの……!」

遠見「あっ、御影殿!?」

429: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 23:33:11.14 ID:eMd80BXA0
御影「……」

兄さんが狙われる、兄さんが殺される……!

そんなの……そんなの嫌だ。

私は……!

御影「……!」

鞍馬「……」

御影「鞍馬……」

鞍馬「どこに行くんですか?まだ夜中ですよ」

御影「……あんたには関係ないでしょ」

鞍馬「……」

なんなのこいつ、いつもそう。

気がついたらいて……

御影「私急ぐから」

とにかく今は鞍馬に構ってる余裕なんてない。

私は鞍馬の横を通ると……

鞍馬「あなたは何も出来ませんよ」

御影「……!」

鞍馬「その身体で犯人探しでもしますか?無駄ですよ、返り討ちにあうのが関の山だ」

御影「あんた、何を」

430: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 23:39:59.84 ID:eMd80BXA0






鞍馬「そうでしょう。未来機関第一支部秘匿才能【超高校級の被験体】御影牡丹さん」







431: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 23:56:38.18 ID:eMd80BXA0
御影「……!」

なんっ、知って……!

鞍馬「その身体にどれだけの病気を抱えても死なない、死ねない特異体質」

鞍馬「現在は確か不治の病とされているものが3つ、治療困難な病気が4つ……」

鞍馬「その体質に目をつけたとあるマッドサイエンティストに拉致され、ウイルスの人体実験に使われていた」

鞍馬「人類史上最大最悪の絶望的事件の余波で脱出に成功したものの未来機関に遭遇」

鞍馬「【超高校級の薬剤師】の作る痛み止め、未来機関による病気の治療、【超高校級】の認定と引き換えに未来機関第一支部に籍を置く」

鞍馬「……でしたか」

御影「……」

鞍馬「今は痛み止めで日常生活は出来ているようですが、いつ爆発するかわからない爆弾を抱えたあなたが誰かと事を交えようなど無茶ですよ」

御影「……なによ、いつもと違ってペチャクチャと喋ってさ」

鞍馬「……」

御影「私の身体の事なんてあんたには関係ない、ほっといてよ……」

鞍馬「あなたはいくつもの病の治療法の発見に貢献しているんですよ。あなたのような存在が死ねば世界の損失に……」

御影「うるさい!私は……こんな、こんな身体、欲しくなかったのに!好き勝手言わないでよ!」ダッ

もう鞍馬なんかと話していたくなかった。

だから私はホテルから出て、どこに行くかも決めないまま走り出していた……

鞍馬「…………」

432: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/20(土) 23:57:08.44 ID:eMd80BXA0






「…………」ニヤァ







434: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/27(土) 22:51:52.91 ID:M/GxFkzA0
【中央の島】

御影「はぁ、はぁ……」

飛び出しちゃったけど……これからどうしよう。

兄さんを狙う誰かを何とかしたい、だけど鞍馬の言う通り私に荒事なんて出来るわけがない。

御影「……」

だったら、せめて調べるしかない。

私はこの身体以外は普通にも満たないけど……

それでも……!

ガコン!

御影「えっ?」

なに、この音。

音のする方に向かって歩いていくと……今まで何もなかった場所に新しい通路があった。

御影「これ……」

兵頭「ふふっ、きっと今回の学級裁判を生き延びた成果……といったところですね」

御影「っ!?」

兵頭「あら、驚かせてしまいましたか?」

いつの間にか私の後ろにいた兵頭は、相変わらず人を食ったような笑顔。

御影「あんた、こんなとこで何してんの」

もしかして兵頭が兄さんを……

435: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/27(土) 23:11:00.49 ID:M/GxFkzA0
兵頭「私はこの先にある島を開放と同時に調べようと思いまして」

兵頭「ふふっ、学級裁判の捉え方の違いから皆さんは私を好ましく思っていないようですから」

御影「……そりゃそうでしょ」

人が死んでそれに快感覚えるなんてまともな人間じゃない。

……私みたいな身体の人間がまともな人間云々なんて語れる立場じゃないけどさ。

兵頭「御影さんこそこんな時間に何を?」

御影「……ちょっと色々あって」

兵頭「色々ですか?ふふっ、お兄さんと喧嘩でもしましたか?」

御影「はっ?なんでそうなるわけ?」

兵頭は……兄さんが怪我したのを知らない?

だけどこれが演技かも……

兵頭「だって御影さん服のボタンはかけ違えてますし、髪がボサボサですよ?そこまで心乱れてるとするならやはり赤穂さん関連かと」

……そういえば、寝て起きたところに兄さんの事があったから着の身着のままで飛び出したんだ。

御影「……」

兵頭「ふふっ、沈黙は肯定として受け取りますね」

喧嘩云々は外れだけど……兄さんの事で心乱れてるのは正解か。

兵頭「あっ、もう朝になりますね。朝日が出てきましたよ」

言われてみると、確かに周りが明るくなってきてる。

もうそんな時間なんだ……

436: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/05/27(土) 23:36:04.79 ID:M/GxFkzA0
兵頭「さて、御影さんはどうします?よかったら一緒に調べますか?」

御影「……」

兵頭と一緒にか……

正直変態だし、どこまで信用していいのかわからないけど……

御影「……わかった、一緒に行く」

兵頭が兄さんを襲った犯人なら、もしかしたら私でもなんとかなるかもしれないし……

危ない橋を渡らないと、わからない事だってあるはず。

兵頭「ふふっ、そうですか。それじゃあよろしくお願いしますね」

キーン、コーン、カーンコーン

モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」

モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」

ゴゴゴゴゴ

橋を塞いでいた扉が下がっていく。

次の島が、開放されたってわけか。

兵頭「さて、行きましょうか御影さん」

御影「……」

そうして私は思いもがけず、新しい島に足を踏み入れる事になった。

438: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/03(土) 22:53:58.93 ID:5qn5NoaA0
【第3の島・オータムアイランド】

兵頭「……」

御影「なにこれ……」

新しい島に着いた私達の目の前で紅葉がヒラヒラと揺れている。

ヒュウッ

御影「っ……」

肌寒い……これじゃあまるで秋みたいじゃない。

兵頭「ジャバウォック諸島は常夏だったはずなんですけどね。これはどういう事なんでしょうか」

御影「……わかんない」

本当になんなのこの島……

兵頭「とりあえず調べるとしましょうか……考えるのは後でも出来ますから」

兵頭は切り換えるように呟くと島の道を歩いていく。

あまりに違う島は少し不気味だったけど、今さら引き返すなんて出来なくて私もその背中を追いかけた。

439: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/03(土) 23:10:29.18 ID:5qn5NoaA0
【モノクマフラワー】


兵頭「……これはまた」

御影「なによ、この巨大な花……」

なんかグネグネ動いてるし、気持ち悪い……

モノクマ「危なーい!」

御影「きゃっ!」

兵頭「気色は悪いですけど危ないんですか、この花は」

モノクマ「そうだよ。なんせこのモノクマフラワーはあらゆる物を食べられる花だからね」

御影「……あらゆる物?」

モノクマ「ゴミや機械、人間までね……うぷぷ」

モノクマの言葉に寒気が走る。

人間まで食べる花……その言葉に嫌な予感が頭をよぎったから。

兵頭「つまりこの花に死体を食べさせてしまえば、死体は見つからず学級裁判は行われないと」

モノクマ「ちょっと!そんな事されたらボクの楽しみが減っちゃうじゃない!」

兵頭「私は可能性を提示したまでです」

モノクマ「そんな事したら許さないからね!やるなよ!絶対にやるなよ!」ピョーン!

兵頭「……これはフリというやつなんでしょうか?御影さんはどう思いますか?」

御影「……」ガタガタ

兵頭「どうしました?寒いんですか?」

御影「あ、あんただって気付いてるんでしょ……この島に人がいないって疑問の答えがもしかしたら」

兵頭「……この花に処理させた。それも血痕や争いがなかった様子から生きたまま眠らせて」

御影「……」

兵頭「それはこの花から連想した推測に過ぎませんよ。四方院さんの推測通り自ら姿を消したのかもしれません」

御影「……」

兵頭「……とにかく行きましょう。私も食べられるのは嫌ですから」

兵頭が差し出す手を思わず握る。

疑ってたのに頼らないといけないなんて……

兄さんの妹なのに、情けなすぎだよ私……

440: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/03(土) 23:24:49.16 ID:5qn5NoaA0
【電気街】

兵頭「ここは電気街ですね」

御影「……」

兵頭に手を引かれるままに連れてこられたのはピカピカ光る商店街みたいな場所。

パソコンとか携帯電話……カメラとかもある。

パソコン、携帯電話?

御影「ちょっと……もしかしたらこれで助け呼べるんじゃないの?」

兵頭「調べてみましょうか」カタカタ

御影「……どう?」

兵頭「動くには動きますけど、ネットやメールの類いは使用できないようですね」

御影「やっぱりそう上手くはいかないか……」

兵頭「ああ、でもデータファイルがありますね」カタカタ

御影「何か書いてあるわけ?」

兵頭「……暗号化されてますね。私にはサッパリです」

御影「それじゃあどうすんの」

兵頭「六山さんに見せてみましょうか。お願い出来ますか、御影さん」

御影「えっ?」

兵頭「私より御影さんの方が受け入れやすいですから」

結局パソコンを兵頭に押し付けられた……

まあ、いいけどさ。

441: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/03(土) 23:37:40.07 ID:5qn5NoaA0
【モーテル】

御影「……っ」

さすがに、夏の格好で秋風は冷たい……

兵頭「大丈夫ですか?とりあえずこのモーテルで一休みしましょう」

御影「……ごめん」

兵頭「いいですよ。ちょっと中に暖める何かがないか見てきますね」

モーテルの1つに入っていく兵頭……本当に、あいつがよくわかんない。

御影「ご飯作ったり、こうして気遣ってくる兵頭と学級裁判の投票であんなになる兵頭……」

どっちも同じ兵頭なのに私の中ではまるで繋がらない。

兵頭「カイロがありましたよ。少しは暖かくなると思います」

御影「……ねぇ、兵頭は未来機関に戻ったらどうすんの」

兵頭「また突然ですね……」

御影「いいから答えてよ」

兵頭「戻れませんよ」

御影「えっ?」

兵頭「私はあの味を知ってしまった。この島から出たとして日常に帰れるとは思えませんから」

御影「……」

兵頭「ふふっ、思い出すだけで身体が疼いてしまうんです。もう私は未来なんて作れません」

兵頭「出たら皆さんとはお別れでしょうね」

御影「……そう」

もしこんなコロシアイに巻き込まれなかったら……兵頭は日常に帰れたの?

そんな言葉を、私は口には出せなかった。

442: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/03(土) 23:48:33.68 ID:5qn5NoaA0
【発電所】

御影「デカッ……」

兵頭「火力、水力、風力……あらゆる方法で電気を作り出しているようですね」

兵頭が見ているパネルみたいなのを横から見る。

兵頭「どうやらこの発電所でジャバウォック諸島全ての電力を賄っているようですね」

御影「そりゃ、ここまで大きくなるわけだ」

兵頭「中には入れないようですが……おや?」

御影「どうしたの」

兵頭「金網につけられた扉にパスワード入力装置がありますね……ふむ」

御影「パスワード……わかるわけ?」

兵頭「残念ながら。モノクマだってそうそうバレるようにはしていませんでしょうし」

御影「止められでもしたら大惨事だしね……」

兵頭「一応後で調べてみましょう。もしかしたらヒントがあるかもしれませんから」

443: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/03(土) 23:55:11.66 ID:5qn5NoaA0
【病院】

御影「……!」

病院……だったら傷薬とかあるはず!

薬の臭いは好きじゃないけどそんな事言ってらんない!

兵頭「御影さん、走ると危ないですよ!」

【病院内】

御影「傷薬、傷薬……」

兵頭「傷薬……誰か怪我したんですか?」

御影「……」

兵頭「なるほど、ようやく御影さんがあんなに心乱れてた理由がわかりましたよ」

御影「あった!」

兵頭「ふふっ、そうなると早く帰った方がいいですね。お兄さんのためにも」

御影「っ……ちょっとそういう事……」

444: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/03(土) 23:55:59.28 ID:5qn5NoaA0






ガッ!

兵頭「っ!」ドサッ

御影「……えっ」







445: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/04(日) 00:03:36.75 ID:ZSjfbGPA0
兵頭「うっ……」

えっ、なに、なんで兵頭倒れてんの?

なんで兵頭、頭から血流して……

御影「ちょっと兵頭!」

兵頭「御影さん、逃げ……」

御影「逃げるってなに……」

兵頭に気をとられて私は気付かなかった。

廊下にいた兵頭の近くに今まさに何かを振り上げる誰かがいたなんて……

ガッ!

御影「うっ!?」ドサッ

っ、誰かに、殴られ……

いったい、誰が……

「……」

御影「誰、っ……あん、た……」

「……」ブンッ!

ガッ!

御影「兄、さん……」ガクッ

「…………」

447: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/10(土) 22:58:57.39 ID:EG7Ou81A0
【赤穂のコテージ】

赤穂「うっ……」

如月「目が覚めましたか」

赤穂「如月、さん?なんでここに……」

如月「その説明の前に何があったか覚えていますか?」

赤穂「何って……」

俺は確か夜中に外に出て、射撃練習場で土橋に会って……

それで…………

赤穂「そうだ、俺は……っ!?」

如月「無茶はしない方がいいですよ。あなたは撃たれたんです、遠見さんが治療したとはいえ安静にしていないと」

赤穂「つ、土橋は……!あいつは無事なんですか!?」

如月「……えぇ、彼女は無事です。本当はあなたが目覚めるまでいるつもりだったようですが、精神的疲労もあるからとコテージに戻ってもらいました」

赤穂「そうですか……」

土橋は無事なのか……よかった……

如月「……ところで赤穂さん、あなたを撃ったのは誰かわかりますか?」

赤穂「いえ、俺が見たのは腕だけで……それも暗かったから誰のかまでは」

如月「ふむ……わかりました。佐場木さん達が犯人を探すつもりのようですからあなたは安静に……」

448: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/10(土) 22:59:37.08 ID:EG7Ou81A0






モノクマ「そんな呑気な事言ってていいのかなー?」







449: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/10(土) 23:06:49.46 ID:EG7Ou81A0
赤穂「モノクマ……!?」

如月「何か用ですかモノクマ」

モノクマ「ちょっとボクとしても困る事が起きてね。二人に伝えに来たんだよ」

赤穂「困る事だって……」

モノクマが困るのは歓迎したいぐらいだけど、わざわざ俺と如月さんに伝えに来たってどういう事だ?

モノクマ「赤穂クン、妹さんは可愛い?」

赤穂「はっ?」

モノクマ「うぷぷ……もし可愛いなら大変だね」


モノクマ「御影さん、このままだと殺されるよ?」


赤穂「なっ!?」

如月「……!」

450: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/10(土) 23:21:12.26 ID:EG7Ou81A0
赤穂「どういう事だ!詳しく話せ……つうっ!」

如月「御影さんが殺されそうだと……しかしそれをあなたが伝えに来る目的はなんですか?」

モノクマ「困る事って言ったでしょ?このまま御影さん達が死んだらお楽しみがお預けになっちゃうんだよね!」

如月「お楽しみ……いえ、それより御影さん【達】ということは危ないのは彼女だけではないんですね?」

モノクマ「うぷぷ、とにかく伝えたからね。止められるなら止めといてよ、せっかくのコロシアイなんだからさ!」

赤穂「っ……牡丹!」

早く助けに行かないと……!

如月「赤穂さん、気持ちはわかりますが落ち着いてください。あなただって怪我をしているんですよ」

赤穂「でも……!」

如月「ここは僕が行ってきます。必ず御影さんは助けますから」

赤穂「……」

如月「いいですか、絶対にコテージにいてください」

バタンッ

赤穂「……」

コテージにいろ、か。

赤穂「そんなの、はいそうですかなんて聞けるわけないだろ……!」

牡丹は俺の妹なんだ。

妹が危ないのに、コテージに籠ってなんていられるか……!

451: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/10(土) 23:44:45.04 ID:EG7Ou81A0
【中央の島】

赤穂「モノクマのお楽しみは、きっと学級裁判の事だ……」

つまり牡丹は今殺されそうで、なおかつ学級裁判が起きない状態にある……!

赤穂「それはきっと、死体が見つからないって事だ」

死体が3人以上に見つからないと捜査が、ひいては学級裁判が始まらない。

犯人はそれを狙ってるはず……

赤穂「どうすればそんな事が出来るんだ……」

可能性としては、生きたまま海に流されてるか……

いや、だけど海に流されたならいくら如月さんでも助けるのは不可能だ。

赤穂「じゃあ他に方法があるのか……だけど今まで見た中でそんな事が出来る施設なんて……んっ?」

新しい島が……まさかここか!

赤穂「違ってたらもう間に合わない……だけど可能性が一番高いのはここだ……!」

牡丹、ここにいてくれよ……!

452: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/11(日) 00:07:51.56 ID:eO91joDA0
【第3の島・オータムアイランド】

「はあああっ!」

赤穂「っ、これは如月さんの声……!」

間違いない、牡丹はここにいる……!

【モノクマフラワー】

赤穂「牡丹!」

如月さんの声を頼りに進むと、あのコロシアイ学園生活でも見たモノクマフラワーがグネグネと動いていた。

その根元には、倒れてる牡丹と兵頭。

そして2人に向かって伸びる触手を蹴散らす如月さんがいた。

如月「さすがに2人守りながらの離脱は難しいですか……!」

赤穂「っ!」

如月さんは触手の相手で精一杯か……だったら俺がやるしかない!

ヒュッ!

赤穂「なっ!?」

モノクマフラワーに向かって歩き出した瞬間、俺の杖が触手に弾き飛ばされて、支えをなくした俺はその場に倒れてしまう。

赤穂「くっ……!」

腹から何かが流れた感覚。

傷口から、また血が……だけど構ってられるか!

赤穂「くそっ……」

腕と片足の力で這うように進む。

だけどそんな俺を嘲笑うかのように、牡丹が触手に捕まって、持ち上げられた。

如月「しまった!くっ……そんなに餌を奪われたくありませんか!」

勢いづいたのか兵頭にも群がる触手を如月さんが相手する間に、牡丹はどんどん口の部分に連れていかれて。

赤穂「くそっ!くそっ!動け、こんな時ぐらい動けよ!」

妹が目の前で喰われそうになってるのに、なんで俺は倒れて這ってるんだ!?

如月さんみたいに戦えとは言わないから、せめて普通に立てよ赤穂政城!

ヒーローなんだろ、だったら火事場の馬鹿力でもなんでも出して立ち上がれよ!

立って牡丹を助けろよ、兄貴だろ俺は……!

赤穂「やめろっ……牡丹を返せよっ……!」

赤穂「やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

俺の叫びもむなしく、牡丹の身体は花の中に運ばれ…………

453: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/11(日) 00:08:58.76 ID:eO91joDA0






道掛「牡丹ちゃんを離せよ!このデカブツ!」







454: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/11(日) 00:29:51.50 ID:eO91joDA0
その瞬間、何かが俺の上を飛んで触手の上に乗った。

そのまま触手を器用に昇ると、牡丹の身体を奪って降りてくる。

ようやく認識できたそれは自転車。

道掛が自転車で触手を走って、牡丹を助けたんだ。

道掛「如月、牡丹ちゃんは助けたぜ!お前も早く千ちゃんを!」

如月「わかりました!」

道掛が自転車で走っていくのを追いかけるように、如月さんも兵頭を抱えてモノクマフラワーから離れていく。

どうやら2人は俺に気付いてなかったみたいだ。

あれだけ叫んでも、俺はその声すら届かなかった。

赤穂「……」

俺は妹を助けるどころか。

赤穂「はっ、ははっ……」

目の前で死にそうな妹をただ見ていることしか出来なかった。

赤穂「……」

飛んだ杖を拾って、立ち上がる。

腹から滲んだ血が地面を赤く濡らしてるのに、何も感じない。

モノクマフラワーも興味をなくしたみたいに、俺に襲いかかったりはしてこなかった。

赤穂「……」

何がヒーローだよ。

赤穂「俺は……」

妹を守れない、ヒーロー、そして兄失格の大馬鹿野郎だ。

例えようもない虚脱感を胸に、俺はその場を後にした。

455: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/11(日) 00:30:52.43 ID:eO91joDA0
本日はここまでで。

457: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/18(日) 22:13:32.94 ID:3OeVvG3A0
【病院】

赤穂「……」

あれから俺はマップを頼りに病院にやってきた。

殺されかけたなら、コテージに連れていくよりここに来るはずだから。

如月「……赤穂さん、コテージにいてくださいとお願いしたはずですが」

病院のロビーにいた如月さんにそんな事を言われたけど、正直今の俺はその言葉に何かを返す余裕もない。

如月「その血……傷口が開いていますね。今包帯を」

赤穂「牡丹は」

如月「……」

赤穂「牡丹は無事なんですか」

如月「頭を殴られたようですが、命に別状はないようです。今は病室で寝ていますよ」

赤穂「……」

如月「……何かありましたか?どうも、コテージで別れた時とは様子が違いますが」

赤穂「……ちょっと」

言えない、妹を助けようとして何も出来なかったなんて。

その事で牡丹に謝りたいだなんて、言えるわけなかった。

458: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/18(日) 22:23:42.19 ID:3OeVvG3A0
道掛「おっ、赤穂も来たのか!ってどうしたんだよその血!?」

赤穂「道掛……」

如月「赤穂さん?」

俺は道掛に近寄るとその肩を掴む。

道掛には絶対に言わなきゃいけない事があるんだ。

道掛「待っ、赤穂なんか怖えって!?誤解だ、俺は牡丹ちゃんに何もしてな……」

赤穂「ありがとう道掛……」

道掛「はっ?」

赤穂「牡丹を助けてくれてありがとう……」

道掛「あー……如月、話したのかよ。別に話さなくていいって言ったのに」

如月「……」

道掛「如月?」

如月「そうですか。あなたは……」

赤穂「ありがとう、ありがとう……!」

道掛「……?」

459: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/18(日) 22:47:06.77 ID:3OeVvG3A0
道掛にお礼を言っている内に、他のみんなも駆けつけてきた。

俺は遠見と土橋に大目玉を喰らって、治療と説教を同時に受ける事になる。

そして……牡丹と兵頭が目を覚ましたのはそんな説教が終わった頃だった。

【御影と兵頭の病室】

佐場木「早速で悪いが話を聞かせてもらうぞ。何があった?」

兵頭「私達はこの島を調査していて、最後にこの病院に来ました」

兵頭「そこで御影さんが傷薬を探し始めまして、私はそれを見ていたんです」

兵頭「そして御影さんが傷薬を見つけた直後に……私は衝撃を受けて倒れたんです」

御影「……私がそれを見て兵頭に駆け寄ったら、物陰から誰かにいきなり殴られたんだよ」

佐場木「そしてモノクマフラワーの側に運ばれたわけか」

遠見「佐場木殿、これはおそらく」

佐場木「間違いないだろうな」

赤穂「……」

なんだ、佐場木と遠見が何か目配せしてるぞ……

460: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/18(日) 23:03:44.39 ID:3OeVvG3A0
六山「2人は何か知ってるの?」

佐場木「それについては後だ。とにかく今回の件についてだ」

遠見「犯人は御影殿と兵頭殿をモノクマフラワーに補食させ死体を消すつもりだったようでありますな」

土橋「それだけじゃないよ!2人を襲ったのって、政城を撃ったのと同じ奴でしょ!?」

赤穂「……多分な」

苗木「じゃあ犯人はこの短い間に3人も殺すつもりだったって事!?」

如月「いえ、それ以上だと思います。モノクマフラワーに補食させた場合、死体が見つからない事から学級裁判は行われないようなので」

道掛「はあっ!?そんなのアリかよ!?」

佐場木「学級裁判を行わずして俺達を消す。どうやらよほど俺達に死んでほしい存在がいるようだ」

ジェニー「えとえと、シリアルキラーて事です?」

道掛「そんなの相手にどうしたらいいんだよ……このまま黙って皆殺しなんて冗談じゃ……!」

モノクマ「そうだね!そんなのつまんないよね!」

461: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/06/18(日) 23:24:06.34 ID:3OeVvG3A0
道掛「うおわあっ!?」

鞍馬「出ましたね」

モノクマ「いやいや、本当に今回は困ったね」

モノクマ「危うく学級裁判のセットとかおしおきの装置とかが無駄になっちゃう所だったよ!」

如月「……そんな戯れ言を言いに来たんですか」

モノクマ「もちろんそれだけじゃないよ!本題はここから!」

モノクマ「今回の件を受けて、ボクは新しいルールをここに追加します!」

ピピッ!

【同一のクロが殺せるのは2人までとします】


佐場木「皆殺し防止のルールか」

モノクマ「そういう事!2人までは良しとするけどそれ以上殺したらおしおきしちゃうよ!」

モノクマ「うぷぷ、これで健全にコロシアイが出来るね!」

遠見「コロシアイに健全も何もないであります……」

六山「まあ、皆殺しがなくなっただけよしとするしかないよ……あっ、レベル上がった」

皆殺しか……

モノクマがわざわざ新しいルールを追加したなら黒幕以外にそれを企んでる人間がいるって事なんだよな……

462: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/07/01(土) 23:23:20.00 ID:tizB6cfA0
佐場木「……おい、ところで津浦は来ていないのか」

土橋「あっ、そういえば……」

見回してみると、確かに津浦の姿が見えない。

グレゴリーの事もある、また引きこもってても不思議じゃないけど……

遠見「コテージにいるのでありましょうか……見てくるであります」

苗木「津浦さん、大丈夫なのかな」

兵頭「支えになっていたグレゴリーさんがクロになったんです。何があってもおかしくありませんね」

ジェニー「何かて……」

六山「後追い、とか?」

道掛「じ、自殺って事かよ!?」

御影「……!」

佐場木「落ち着け、まだそうと決まったわけじゃない」

赤穂「それはそうだけどな……」

佐場木「とにかく遠見を待て。それより赤穂、貴様そんな傷で何をしている」

赤穂「えっ?」

土橋「そうだ、そうだよ!政城も怪我してるんだから安静にしてなきゃ!」

如月「ここは病院ですから、しばらくここでゆっくりしてもらうのはどうでしょう」

土橋「そうだね!それじゃあ空いてる病室に行こう政城!」

赤穂「ま、待て、押さないで……!」

結局俺は土橋に背中を押されて、病室を後にした。

まだ牡丹に謝ってないのに……

463: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/07/01(土) 23:55:17.72 ID:tizB6cfA0
【赤穂の病室】

赤穂「お、おい土橋!俺は大丈夫だからそんな大袈裟な……」

病室に連れてこられた俺はベッドに半ば無理やり寝かされていた。

土橋は何を言っても無視して、色々してるけど……

赤穂「なあ、本当に俺は大丈夫だって。だからそこまでしなくても……」

土橋「……」

赤穂「土橋?」

土橋「だって、アタシのせいだから」

赤穂「はっ?」

土橋「政城はアタシを庇って怪我したんだよ。だからアタシは……」

赤穂「……」

土橋「出来る事は何でもしてあげたいの。政城を傷つけたお詫びと……」

振り返った土橋の目には涙が浮かんでいて、その表情は色んな感情が混ざった顔で。

土橋「政城に助けられた感謝の気持ちをこめて、さ」

赤穂「……」

その時俺は改めて実感した。

俺は誰かを助けられたんだと。

牡丹を助けられなかったこんな俺でも、土橋を助ける事は出来たんだと。

赤穂「土橋……」

土橋「あっ、そうだ、ねぇ、政城……」

赤穂「ありがとうな」

土橋「えっ?それ、アタシの台詞……」

牡丹を助けられなかった事は、俺にとってやっぱり強い凝りを残している。

だけど何も出来なかったわけじゃない。

それを気付かせてくれて……本当にありがとう。

464: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/07/01(土) 23:55:45.61 ID:tizB6cfA0
短いですが今日はここまで。

467: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/18(金) 23:55:00.80 ID:1VMH2gYA0
ドタバタ

土橋「あれ、なんか騒がしくない?」

赤穂「まさかまた何かあったのか……!」

「なんだと!それで――」

「それが――」

土橋「ちょっと何があったのか聞いてくる。政城は安静にしてて!」

赤穂「あ、ああ」

土橋が廊下に出て、佐場木や遠見と話してるのが微かに聞こえてくる。

遠見が戻ってきたって事は……津浦に関する事だよな?

くそっ、せめて動けたら……!

ガチャッ

土橋「……」

赤穂「土橋、佐場木と遠見はなんて……」

土橋「こ、琴羽が……」

土橋「いなくなったって……」

赤穂「……!?」

468: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 00:43:24.68 ID:IdIX1z7A0
佐場木が津浦について話したいと男子全員を俺の病室に集めた。

女子には遠見から話をするらしい……

道掛「琴羽ちゃんがいなくなったってマジかよ佐場木!」

佐場木「事実だ。遠見からの報告によればな」

苗木「でもコテージにいないだけなら、他の島に行ってるとかじゃないの?」

佐場木「コテージに血痕があったそうだ」

赤穂「なっ、血痕……?」

如月「なるほど……それはただ事ではありませんね」

佐場木「何があったにしろ今現在津浦は負傷している可能性が高い。この後数人津浦の捜索に付き合ってもらうぞ」

道掛「おっしゃ、まかせとけ!」

苗木「うん……心配だな津浦さん……」

鞍馬「……」

佐場木「どこに行く鞍馬」

鞍馬「話す必要性を感じませんね」

バタンッ

赤穂「鞍馬……」

佐場木「ちっ、仕方がない……道掛と苗木は俺と来い」

如月「僕も参加しなくていいんでしょうか?」

佐場木「貴様は当初の予定通り赤穂の警護をしておけ。問題は津浦の行方だけじゃないんだからな」

赤穂「……」

牡丹と兵頭を襲った犯人の事か……

如月「……そうですね、わかりました」

佐場木「行くぞ」

佐場木が道掛、苗木と病室を出ていく。

津浦、お前は今何をしてるんだ……

469: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 01:00:01.45 ID:IdIX1z7A0
赤穂「……」

如月「……さて、2人ですから聞いておきましょう」

如月「赤穂さん、あなたは兵頭さんと御影さんがユートピアフラワーに襲われていたあの場にいましたね?」

赤穂「……」

如月「道掛さんが御影さんを助けた事を知る理由は他にありません。そうなんでしょう?」

赤穂「……はい」

如月「やっぱりですか……あなたも無茶をしますね」

赤穂「無茶をして……結局助けられませんでした」

如月「……結果的には助かったんです、思い詰めるのはオススメしません」

赤穂「だけど」

如月「それに、赤穂さんが御影さんが心配で動いてしまった気持ちは僕にもわかります。僕にも妹がいましたからね」

赤穂「……如月さんにも?」

如月「えぇ、もし同じ状況だったら……いえ、もしじゃなく実際同じ事をしました」

赤穂「……」

同じ事を、実際した?

如月「最も、僕は間に合いませんでしたが」

赤穂「それって……」

470: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 01:08:23.06 ID:IdIX1z7A0






ブツンッ







471: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 01:18:16.64 ID:IdIX1z7A0
赤穂「っ!?」

如月「これは……停電ですか?」

停電……それはあの時の事を思い出させる。

この島に来て最初の殺人、静音が殺されたあの時の事を……

「きゃあああああっ!」

「落ち着いて、これはきっと一時的な物でありますから!」

赤穂「っ……!」

誰かの悲鳴とそれをなだめる遠見の声が聞こえてくる。

やっぱり暗闇には思うところがあるって事か……

如月「しかしなぜ急に……佐場木さん達はどうしているんでしょうか」

赤穂「とにかく、カーテンを開けて日を入れましょう!今はまだ昼だから外は……」

閉じられたカーテンを急いで開ける。

すると日光が暗い部屋を……

日光が……

日光……

…………なんでだ?

なんでカーテンを開けても、暗いままなんだよ!?

472: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 01:34:03.91 ID:IdIX1z7A0
佐場木「おい、全員無事か!」

道掛「なんだよこれ、何がどうなってんだ!」

赤穂「佐場木!道掛!外が暗いけどどうなってるんだ!?」

苗木「そ、外も急に暗くなったんだよ!月明かりもないし、本当に真っ暗で何がなんだか……」

佐場木「さらにもう1つ異常事態が発生した」

如月「異常事態?」

道掛「中央の島に繋がる橋が、なくなってんだよ!」

赤穂「な、なんだって……」

佐場木「どうやら俺達は……閉じ込められたらしいぞ」

佐場木「この、明かりのない島にな」

モノクマ「そのとーり!」

赤穂「モノクマ!これはなんなんだ!」

モノクマ「うぷぷ……どうもこのままだと早々にまた事件が起きそうだから後押しをね」

モノクマ「今回の動機はこの暗闇の島!」

モノクマ「暗闇は怖いからね、人によっては発狂しちゃうかもしれないし……」

モノクマ「オマエラみたいな虚弱にはキツいよね……」

モノクマ「それならコロシアイだよ!コロシアイをすればまた光がオマエラを照らしてくれるよ!」

モノクマ「ああ、もしくはボクが飽きるまで耐えたらやめてあげてもいいかもね!」

モノクマ「それじゃあ頑張ってね!暗い暗いこの島で……あーはっはっはっは!」

赤穂「……」

まだ、昨日学級裁判があったばかりで……みんなもかなりキツい。

そんな中で、俺達は耐えないといけないのか……?

この、不安を掻き立てる暗闇を……!

473: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 01:35:21.32 ID:IdIX1z7A0
続きはまた今夜に。

474: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 23:51:27.71 ID:IdIX1z7A0
パッ

赤穂「っ!」

これは明かり……

遠見「皆さん、大丈夫でありますか?」

佐場木「遠見か。その懐中電灯はどうした」

遠見「調査のために用意していた物であります。しかしまさかこんな事になるとは」

道掛「これからどうすんだ?これじゃあ琴羽ちゃん探すどころか歩くのも一苦労だぞ」

苗木「そもそも津浦さんが他の島にいたらどうしようもないよ……」

赤穂「……いや、津浦はこの島にいるんじゃないか?」

佐場木「なぜそう思う」

赤穂「モノクマのやり方を考えると、今津浦だけが安全圏にいるっていうのはないんじゃないか?」

如月「ふむ……津浦さんが他の島にいて亡くなっていた場合、それは事故、自殺以外の結論が出ません」

如月「あのモノクマがそんな学級裁判を望むとは思えませんね」

遠見「結論として、津浦殿はこの島にいる可能性が高いわけでありますか……」

佐場木「それならば見つける手間もあまりかからないか……遠見、予定を変更して俺とお前で捜索するぞ」

遠見「了解であります!」

佐場木「道掛と苗木はここに待機だ。何が起こるかわからない以上、気を抜くなよ」

ガチャッ

バタンッ

475: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/08/19(土) 23:59:15.28 ID:IdIX1z7A0
苗木「……本当、大変な事になっちゃったね」

道掛「とりあえず女子が大丈夫か確かめにいこうぜ!怖がってるかもしれないしな!」

赤穂「そうだな……俺は動けないから、牡丹の様子を見てきてくれるか?」

道掛「……お、おう。わかった、行ってくる」

苗木「あっ、ボクも行くよ」

バタンッ

なんだ?なんか変な空気になってなかったか……

如月「不思議なんですよ。赤穂さんから道掛さんに御影さんの事を頼むというのが」

赤穂「……そういう事ですか」

確かに、前までなら絶対邪魔してただろうな……

赤穂「……」

もう、そんな事言ってられなくなったからな……

477: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/09/09(土) 22:17:29.79 ID:2dNRUQTA0
※※※※

御影「……」

いきなり暗くなった島……モノクマはこれが次の動機だって言ってたね。

兵頭「まいりましたね。まさかこんな事になるとは」

ジェニー「ぐすっ、暗いのやです……」

土橋「大丈夫、大丈夫だよジェニー。こんなのいつまでも続くわけないんだから……」

六山「うーん……充電は出来るから本当に明かりだけなくしたんだね」

六山が持ってたゲーム機の明かりが辺りを照らす。

これがなかったら、私達は真っ暗な中にいてもっとパニックになってただろうね……

御影「……」ブルッ

正直私も暗いのは苦手……あの薄暗い研究施設を思い出すから。

布団を被って、何とか誤魔化してるけど、さっきから震えが止まらない。

そもそも病院ってだけだってキツいのに……

御影「……」カタカタ

こんな時兄さんがいてくれたら……

478: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/09/09(土) 23:03:34.46 ID:2dNRUQTA0
道掛「おーい、大丈夫かー?」

ジェニー「ソウヤ?」

苗木「ボクもいるよジェニーさん」

六山「どうしたの?津浦さんを探しに行くって言ってなかった?」

道掛「佐場木がメメちゃんと行くからって留守番。で、様子を見に来たってわけ」

兵頭「それでは今隣は如月さんと鞍馬さんと赤穂さんというわけですか。話している姿が想像出来ませんね」

苗木「いや、鞍馬クンはどこか行っちゃって……」

土橋「そうなの!?いくらなんでも自由過ぎじゃない……」

御影「……」

兄さんはやっぱり来れないか……仕方ないよね。

道掛「あー、そういや牡丹ちゃん大丈夫か?」

ジェニー「ボタンですか?」

道掛「赤穂が牡丹ちゃんの様子を見てきてくれって言ってたんだよ」

御影「……!」

兵頭「あらあら、やはり兄妹という事でしょうか?御影さん」

御影「……何が言いたいのさ」

兵頭「いえいえ、何でもありませんよ」

苗木「あはは、大丈夫そうだね。赤穂クン、本当に心配してたからよかったよ」

御影「……」

これだけで震えが止まるって……私、どれだけ単純なんだか。

479: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/09/09(土) 23:23:14.97 ID:2dNRUQTA0
※※※※

赤穂「……」

如月「……」

会話がない……さっきの如月さんの話の途中で停電が起きたからか?

なんか重い話だったみたいだし、今さら俺から聞くわけにもな……

如月「そういえば、話の途中でしたね」

赤穂「……いいんですか。あまり楽しい話じゃなかったみたいですけど」

如月「いえ、これも何かの縁でしょうからあなたには聞いてほしいですね赤穂さん」

赤穂「……わかりました」

480: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/09/09(土) 23:42:27.04 ID:2dNRUQTA0
如月「僕に妹がいた話はしましたね、僕は間に合わなかったという事も」

如月「僕と妹は両親に捨てられ、教会の孤児院で育ちました」

如月「院長先生は寡黙な方でしたが、僕達をとても可愛がってくれて」

如月「院長先生の養子になっていたのは妹と同い年だった女の子だけでしたが、それを不満に思う事もありませんでした」

如月「あの頃は本当に幸せでしたね」

如月「その歯車が狂いだしたのはいつ頃だったか……ああ、やはり妹の体質がわかったあの日ですね」

赤穂「体質?」

如月「……妹は病気でした。それも生きているのが不思議なほど重い病」

如月「ですが妹は普通に過ごしていたんですよ。まるで病気なんてないかのように」

赤穂「そんな事が……」

如月「それがわかった時、妹は奇跡の少女だと言われていました。ですが……」

如月「その後を考えれば、あんなもの奇跡どころか呪いでしたよ」

481: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/09/09(土) 23:59:26.64 ID:2dNRUQTA0
如月「あの日、妹を引き取りたいという男が教会を訪ねてきました」

如月「院長先生とその男が話し合って、妹は引き取られる事になりました」

如月「院長先生はその男は医者だから、病気を治してくれるだろうと言っていましたけど……僕はその男が妹を見るその目がどうしても気になってしまいました」

如月「まるで動物を見るようなあの目が」

如月「だから、僕は院長先生の部屋からあの男の名刺を持ち出して、その男が住む家……いえ、研究施設に着いて、見てしまったんです」

如月「……あまり愉快な話ではないので結論だけ言います」

如月「妹は生きたまま解剖されてました」

如月「あの男はただ妹の体質を調べるためだけに」

如月「あの子が泣き叫ぶのも聞き入れず、バラバラにしたんですよ」

如月「僕は飛び込みました。妹を助けるために、もう妹は動いてなかったのに」

如月「……大人と子供の差か、僕はあっさりと負けました。そして妹の代わりになるかもしれないと実験台にされかけました」

如月「僕は、偶然近くにいたよく教会に来ていた男の子の父親に助けられました」

如月「あの男が逃げて、妹の亡骸を前に泣くしか出来ない僕を連れてその人は教会に戻って」

如月「院長先生と話をしてくると言ってその人は教会に入っていきました」

如月「……今でも思い出せますよ。院長先生とあの人、当麻さんが話していたあの光景はね」

482: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/09/30(土) 23:44:28.05 ID:CtFlroGA0
【如月回想】

「神乃木、聞きたい事がある」

「いきなり来たかと思えばなんだ、当麻」

「お前はあの男がマッドサイエンティストだと知っていながらあの子を引き渡したのか?」

「……」

「知っていたんだな……子供達を幸せにする、それが自分の償いであり懺悔だと俺に言ったあれは嘘だったのか!」

「嘘ではない。私は子供達の幸せを願っているさ」

「なら……」

「だからこそ、尊い犠牲は必要ではないか?」

「……なに?」

「あの子があの男に研究され、その果てに多数の命が救われる……それがどれだけ素晴らしいか、いずれあの子も理解するだろう」

「……」

「ならばきっとあの子は幸せだ。優しい子だったからな……人助けになるとわかれば死をも幸せに変えられるだろう」

「……それが、お前の本音か」

「本音も何も、私は何一つ嘘を語った覚えはないが?」

「神乃木……お前は俺の友人だ」

「ああ、私もそう思っているとも」

「だからこそ、俺はお前のその間違いを看過するわけにはいかん!」

「……間違い?」

「お前の思う幸せについてはとやかく言わない。しかし子供に押しつけるならそれは間違いだ!俺はあの子の涙を、幸せに必要な犠牲などとは認めない!」

「……」

「俺が今言えるのはそれだけだ……後で俺の家に来い。話し合う事は山ほどあるからな」

「……ああ」

如月「…………」

483: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/09/30(土) 23:58:42.08 ID:CtFlroGA0
如月「……その後でした。当麻さんが殺されたのは」

赤穂「……!」

如月「犯人は一人しかいなかった。だけど僕は何もできませんでした」

如月「法で裁こうにも証拠はなく、僕自身にはあまりにも力がなかったんです」

如月「僕は孤児院から逃げました。それからの数年はただ生きるために時間を費やしましたね」

如月「そんな日々が続いて、僕はある日、ある人物と出会いました」

如月「その人は脳神経に関してまさに天才と呼ぶにふさわしい人で……僕はその人にお願いしたんです」

如月「人間には力を使いすぎて壊れないよう、脳にリミッターがかかっています」

如月「そのリミッターを外せないかと」

如月「彼は笑って引き受けてくれました。そして手に入れたのが今の僕のこの力です」

如月「その足で僕は孤児院に向かいました、今ならあの院長にだって勝てるはずだと」

如月「ですが、僕は復讐できませんでした」

如月「院長は……病気で亡くなっていたんです」

如月「僕は目的を失いました。しかし院長はある物を残していたんです」

如月「世間の悪人に関するデータ。妹と同じような犠牲を産み、のうのうと生きている悪……僕はそれを見て、決意したんです」

如月「この力で悪を全て裁こうと。たとえこの身が血にまみれようとも正義を執行しようと」

如月「そうして僕は、ジャスティスジャッジになったんです」

485: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/10/28(土) 23:00:51.60 ID:pKYtG+hG0
赤穂「……」
 
如月さんの話に俺は何を言ったらいいかわからなかった。
 
憧れだった如月さんのルーツ、それは妹さんの死で。
 
もし牡丹が同じような目に遭わされていたとしたら……俺はきっとこの人と同じ道を進んでいただろう。
 
如月「無論僕のしている事は人殺しです。認められない人がいる事だってわかっているし、だからこそ僕も【超高校級のヒーロー】という仮面を被っているんですから」
 
赤穂「……如月さん」
 
如月「赤穂さん、そんな僕だからこそあなたにこう言えると思います」
 
如月「あなたは殺す事が芯にまで染み付いた僕とは違う道、【本当のヒーロー】の道を行ける」
 
如月「だから僕に憧れるのも僕と比較して無力だと嘆くのもよしなさい」
 
如月「赤穂政城の目指すヒーローは、僕という存在とはかけ離れているんですから」
 
赤穂「……」
 
如月「……さて、そろそろ一度眠った方がいいですよ。色々あって疲れたでしょうから」
 
赤穂「……わかりました」
 
如月さんの言葉に促されるまま、俺は目を閉じる。
 
如月さんとは違う【本当のヒーロー】、か……

486: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/10/28(土) 23:07:30.84 ID:pKYtG+hG0
 
 
 
 
 
 
如月「あなたと僕は決定的に違う」
 
如月「だってあなたは失っていない」
 
如月「……」
 
如月「嫉妬なんて感情、僕には無縁と思っていたんですがね」
 
 
 
 
 
 

487: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/10/28(土) 23:19:17.91 ID:pKYtG+hG0
【11日目】
 
赤穂「……ん」
 
今、何時だ……
 
道掛「おっ、起きたか」
 
赤穂「道掛?如月さんは……」
 
道掛「如月なら今、仮眠とってるぜ。結局1日眠らずに番してたみたいだからな」
 
赤穂「……1日?」

道掛「おう、今日はえーっと、この島来てから11日目だな。さっき百夏ちゃんのゲーム機に映ってた時間は9時だったぜ」
 
赤穂「放送はなかったのか?」
 
道掛「いや、あったぞ。赤穂、よっぽど疲れてたんじゃねえの?」
 
赤穂「そうか……眠ってた間に何かあったか?」
 
道掛「牡丹ちゃんと千ちゃんが一応歩けるようになったのと……琴羽ちゃんが見つかった事だな」
 
赤穂「津浦が!?それで、津浦は今……」
 
道掛「いや、それがな……」
 
バンッ!

488: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/10/28(土) 23:23:04.93 ID:pKYtG+hG0
 
 
 
 
 
 
「フハハハハッ!目覚めたか聖痕抱きし英雄よ!!」
 
 
 
 
 
 

489: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/10/28(土) 23:38:50.23 ID:pKYtG+hG0
赤穂「っ!?」
 
俺はその言葉に耳を疑った。
 
「ふむ、さらに聖痕が刻まれたようだな……しかしそれもまた英雄たる証!誇るがいい!」
 
それは四方院さんを殺して処刑されたはずのグレゴリーのような口調。
 
「漆黒の闇とは絶望の化身も考えたものよ……だがしかし!希望の種たる我ら、このような闇払ってみせようではないか!」
 
だけど声は紛れもなく、津浦のもので。
 
……俺はこの時ほど、暗闇に目が慣れた事が嫌になった事はない。
 
津浦「フハハハハッ!!」
 
そうじゃなければ、仮面とマントを着けてその仮面の下から血を流す津浦を、はっきり認識せずに済んだんだから。

490: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/10/29(日) 00:00:31.57 ID:JeS8YLNP0
遠見「……津浦殿!何をしているのでありますか!」
 
津浦「Ms.遠見?あっ、痛っ……目が、目が痛いです……」
 
遠見「さあ、病室に戻るでありますよ……津浦殿は怪我をしているのでありますから」
 
津浦「何を言う!言の葉の魔術師はもうこの現世のどこにもいないではないか!」
 
津浦「はい、Ms.遠見……ご迷惑をおかけします……」
 
バタンッ
 
赤穂「……何が、どうなってるんだ」
 
道掛「……琴羽ちゃん、ショックでグレゴリーみたいになっちまってるんだよ」
 
道掛「なんか、琴羽ちゃんはルール違反して処刑されたんだってよ……」
 
赤穂「だけど今津浦として遠見に返答してなかったか?」
 
道掛「ああ、なんか時々琴羽ちゃんに戻るんだよ……その時の琴羽ちゃんにグレゴリーの話題は禁句だぞ」
 
赤穂「……なんでだ?」
 
道掛「裏切り者の話なんかしたくもない……ってさ」
 
赤穂「……」
 
道掛「今琴羽ちゃんはグレゴリーに対する……えーっと、なんだったけか」
 
苗木「グレゴリークンへの思慕と憎悪がせめぎあってる状態……だよ、道掛クン」
 
道掛「おお、苗木」
 
苗木「グレゴリークンは自分を助けてくれた。だけどグレゴリークンは学級裁判で自分を切り捨てようとした」
 
苗木「そんなグレゴリークンの相反する行動で、心がどうしたらいいのかわからない……そんな状態なんだって」
 
赤穂「……そう、か」
 
苗木「なんか、もう……本当にどうなるんだろうねボク達」
 
暗闇、津浦、牡丹達を襲った存在……
 
あまりにも俺達には抱える問題が、多すぎた。

492: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/11/11(土) 22:20:00.64 ID:F89UuPLA0
コンコン

赤穂「んっ、どうぞ」

ガチャッ

御影「兄さん……」

赤穂「牡丹っ!?大丈夫なのか……痛っ!」

御影「ちょ、ちょっと!兄さんの方が傷深いんだから!」

赤穂「そうは言ってもな……いたた」

御影「もう……本当に無茶する所は変わらないんだから」

赤穂「……」

なんだ、なんか牡丹の雰囲気が柔らかくなったな……

赤穂「というか、兄さんって」

御影「んっ……まあ、こんな事になった以上変に意地張るのもね」

赤穂「意地か……なあ、牡丹。意地張るのやめたなら教えてくれよ、お前に何があったんだ?」

御影「……」

赤穂「この数年、何か良くない事があったのはわかるんだよ。だけどあの薬といい、その髪といい……」

御影「……知りたい?」

赤穂「……ああ」

御影「……わかった、話すよ。先に言っとくけど、現実的な話じゃないから」

そして牡丹は語りだした……

だけどその話は……

御影「私の才能は【超高校級の被験体】……モルモット、ペットみたいなものなんだ」

昨日如月さんから聞いた話とほとんど同じだった。

493: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/11/11(土) 22:37:14.89 ID:F89UuPLA0
赤穂「……」

牡丹を拉致したマッドサイエンティスト、病気を抱えて死なない身体……あまりにも似てる。

御影「あの薬は痛み止め、髪は色々弄くられた結果……死なないなら痛みも何とかしてほしいぐらいだよね」

牡丹は、如月さんの妹と同じ……体質、なのか。

御影「兄さん?」

赤穂「……あ、ああ。よく話してくれたな」

御影「信じるの?」

赤穂「ああ、信じるよ。こんな嘘ついても意味ないしな……ところで、その男は今?」

御影「わかんない。無我夢中で逃げたからさ……」

赤穂「……そうか」

もし生きてるなら、絶対捕まえて牡丹を傷つけた罪を償わせてやる。

野放しにして、被害者が出てもいけないからな……

赤穂「……なあ、牡丹」

御影「なに?」

赤穂「俺も話したい……謝りたい事があるんだ」

モノクマフラワーに食われようとしていたお前を助けられなかった。

それはやっぱり、どうしても……

御影「いいよ、別に。私助かったんだし」

赤穂「は……」

御影「如月から聞いた。兄さんがあの場にいて自分責めてるって」

御影「でもほら、それってさ……兄さんが誰かを助けた結果でしょ?」

赤穂「……」

御影「それなら自分責めるなんてやめてよ」

御影「わたしにとってもヒーローだった兄さんにそんな、誰かを助けた事を後悔してるような真似してほしくないから」

赤穂「……牡丹」

御影「とにかく改めてさ……また兄妹としてよろしく」

赤穂「……俺はずっと兄妹のつもりだったけどな」

494: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/12/02(土) 20:23:01.25 ID:IolO1JtA0
赤穂「……」

牡丹と和解……いや、別に喧嘩していたわけでもないからその言い方は変か。

とにかくまた兄妹に戻れてよかった……けど問題は未だに山積みだ。

赤穂「まずは歩けるぐらいには怪我を治さないとな……」

コンコン

赤穂「どうぞ」

佐場木「調子はどうだ」

遠見「見回りも兼ねてお見舞いに来たでありますよ」

赤穂「動くと痛むけどそれ以外は特に問題ないな……まあ、昔はもっと酷い怪我したし」

遠見「赤穂殿は無茶しすぎでありますよ!下手をすれば失血死してもおかしくなかったであります!」

赤穂「うっ……」

遠見、相当怒ってるな……

佐場木「だが、お前の行動で色々とわかってきたのも事実だ」

赤穂「わかってきたって、何がだ?」

佐場木「前に苗木が言っていた静音にアドバイスした者の話は覚えているか」

赤穂「ああ、そんな話もあったな」

佐場木「恐らく今回お前を撃ち、御影と兵頭を襲ったのと同一犯だ」

赤穂「なんだって!?」

遠見「さらに前回の事件でグレゴリー殿と四方院殿を水族館に呼び出したのも、このアンノウンだと自分達は睨んでいるでありますよ」

495: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/12/02(土) 20:32:40.23 ID:IolO1JtA0
赤穂「……やっぱりそうなのか」

グレゴリーには四方院さんにゴシップ誌を送りつける理由はないと思ってはいたけど……

佐場木「前回の事件、学級裁判でグレゴリーはこう言っていた」

【グレゴリー「…………ぐっ、くっ!」

グレゴリー「なぜだ、なぜこうなった?」

グレゴリー「あのような手紙さえなければ!水の都に優雅なる吹き手がいなければ!」

グレゴリー「我は……!」】

赤穂「グレゴリーも手紙で呼び出されていたって事だよな」

遠見「そこで自分に関しての記事の載った雑誌を持つ四方院殿と会ったのでありますね……」

佐場木「そこで何があったかはもうわからん。だがこれではっきりした」

佐場木「このコロシアイ、こそこそと動き回る奴がいる事がな……」

赤穂「……」

アンノウン……そいつが今までの事件の……!

496: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/12/02(土) 22:04:51.24 ID:IolO1JtA0
赤穂「ところで……誰がそのアンノウンなのか目星はついてるのか?」

佐場木「俺と遠見、そしてお前と如月、襲われた土橋、御影、兵頭は容疑者から外れる」

遠見「苗木殿も違うのでは?彼が静音殿へのアドバイスについて話したからこそ、我々は警戒したのでありますし」

赤穂「じゃあ後は鞍馬、道掛、津浦、六山、ジェニー……」

遠見「そのメンバーで怪しいのはやはり、鞍馬殿でありますか」

佐場木「一人だけ才能が不明、単独行動の多さ、如月と渡り合える戦闘能力……推理小説ならあからさますぎてミスリードのための存在だろう」

赤穂「だけどこれは」

佐場木「小説じゃないか……鞍馬には気をつけておく必要があるな」

鞍馬……お前がアンノウンなのか?

俺には、悪い奴には見えなかったんだけどな……

497: ◆DXWxLR/SkYo1 2017/12/02(土) 22:20:01.93 ID:IolO1JtA0
佐場木「どのみち鞍馬は才能以外に何かを隠している……警戒対象である事に変わりはない」

遠見「くっ、軍人だというのに危険人物を拘束も出来ないとは、自分が情けないであります……!」

赤穂「遠見……」

佐場木「ならその分他で役に立て。発電所に行くぞ遠見」

赤穂「あっ、おい佐場木」

佐場木はもう少し言葉を選んでもいいだろうに……

遠見「……」

赤穂「どうした?」

遠見「佐場木殿は優しいでありますなぁ……」

赤穂「……優しいか?いや、真面目ではあるだろうけど」

遠見「あれは他で役に立てる事があるから気にするなと言っているのでありますよ!隊長もそうでありましたからよくわかるであります!」

赤穂「そう、なのか?」

遠見「間違いないでありますよ!」

俺にはよくわからない……

遠見「その命令、了解したでありますよ!」

まあ、遠見が嬉しいなら……いいのか?

499: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/01/03(水) 22:29:21.16 ID:Bs1EuBwW0
コンコン
 
赤穂「どうぞ」
 
……
 
赤穂「……?どうぞ」
 
カチャ
 
ジェニー「……」ヒョコ
 
赤穂「……ジェニー?」
 
ジェニー「うう……」
 
どうしたんだいったい……
 
土橋「ほらほら、何してるの」
 
ジェニー「わわっ、ミキ……」
 
赤穂「土橋、ジェニーはどうしたんだ?」
 
土橋「どうもこの子暗いとこ苦手になっちゃったみたいで……移動するのも相当苦労してるんだよ」
 
ジェニー「怖いのやです……」
 
薄井が静音を殺すための暗闇……あれを実際に作らされたのはジェニーだ。
その事が暗闇への苦手意識を生んでるんだろうな……
 
土橋「それでも政城のお見舞い行きたかったんでしょう?だったらほら、顔見せてあげなって」
 
ジェニー「は、はいです……」
 
不安そうな顔をして近付いてくるジェニーに昔の牡丹の顔が重なる。
 
赤穂「なあ、ジェニー」ナデ
 
ジェニー「マサキ?」
 
赤穂「確かに色んな事があって、不安になるのもわかる……暗闇が苦手になるのもな」
 
赤穂「それでもジェニーはこうして来てくれた。だからきっとジェニーなら大丈夫だよ」
 
赤穂「まあ、それでも不安ならこんなだけど俺を頼ってくれてもいいからな?出来る限りの事はするよ」
 
ジェニー「……」
 
土橋「いい事言うね政城!ジェニー、アタシにも不安ならいつでも甘えてきなよ!」
 
ジェニー「マサキ、ミキ……はいです!」
 
少しは、不安を取り除いてやれたか……?
それなら何よりなんだけどな。

500: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/02/04(日) 12:00:35.80 ID:5XlKphzG0
コンコン
 
赤穂「どうぞ」
 
ガチャッ
 
六山「やっ、元気かな赤穂くん」
 
赤穂「六山か。まあ、今すぐどうこうはならない程度には……みんなはどうしてる?」
 
六山「暗いと何あるかわからないから佐場木くんと遠見さん以外は基本的に待機してるよ。時々外の空気を吸いに行く人はいるけど」
 
赤穂「そうか……」
 
六山「ところで赤穂くんさ……ずっとベッドにいて暇だよね?」
 
赤穂「んっ?みんなが来てくれるからあんまり……」
 
六山「暇だよね?」ズイッ
 
赤穂「た、多少は」
 
六山「そんな赤穂くんのためにゲームを用意したよ。ほら、暇潰せるようなのいっぱい持ってきたから早速やってみて」
 
赤穂「あ、ああ」
 
ゲームか……確かにこうして動けない以上手持ちぶさたな時間はあるけどな……
 
六山「ほら、こんな暗いと気も滅入るし気分転換だと思ってさ」
 
赤穂「そうだな……ありがとう六山」
 
六山「どういたしまして」
 
その後六山に操作方法を聞きながらゲームをした。
 
途中から操作してる俺より六山の方が熱くなってたけどな……

501: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/02/04(日) 12:25:39.29 ID:5XlKphzG0
道掛「おーっす赤穂!」
 
赤穂「道掛……それに」
 
鞍馬「……」
 
赤穂「鞍馬も来てくれたのか」
 
道掛「なんか廊下にいたら一緒にな」
 
鞍馬「……勝手に連れてきてよく言いますね」
 
ああ、そういう事か。
 
まあ鞍馬はお見舞いするタイプには見えないしな。
 
道掛「そう言うなって!俺のダチなんだから赤穂と鞍馬だってダチみたいなもんだろ?」
 
鞍馬「……」
 
鞍馬の目が細められる……いつあなたと友達になりましたと言わんばかりだ。
 
鞍馬「いつあなたと友達になりました」
 
そのまま言った……歯に衣着せぬというか、なんというか。
 
道掛「何言ってんだ?熱い勝負をした瞬間からダチだって前に言ったじゃねえか!」
 
赤穂「全く気にしない道掛もすごいな……」
 
鞍馬はかなりはっきり拒絶してるんだろうに。
 
道掛「何がだ?まあすごいって言うなら褒められたんだな俺!」
 
鞍馬「……もういいです」
 
鞍馬が諦めた……
 
赤穂「……」
 
やっぱりこんな鞍馬がアンノウンとは思えないよな……?

502: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/02/24(土) 22:03:14.89 ID:6nPTOVHe0
苗木「赤穂クンは自分が無力だって思う事ないかな?」
 
赤穂「……無力?」
 
病室に来た苗木からいきなりされたその質問、俺はその意図が見えなかった。
 
苗木「ほら、みんなは頑張ってこの状況を何とかしようとしてる。けどボクは何の役にも立ててないからちょっとね……」
 
赤穂「何言ってるんだ。苗木は佐場木の手伝いとかよくしてるじゃないか」
 
苗木「でもそれってはっきり言っちゃえばボクである必要ないよね?」
 
赤穂「それは……」
 
苗木「御影さんだって赤穂クンのために傷薬探してたんだよね?鞍馬クンだってなんだかんだでやる事はしてるし……」
 
赤穂「……」
 
苗木「……って、あはは、こんな事話されても困るよね?忘れてくれていいよ」
 
赤穂「ある」
 
苗木「えっ?」
 
赤穂「無力だって思う事だろ?たくさんある」
 
この島に来てからもそう考えてしまうような事ばっかりだ。
 
赤穂「正直この場で一番の役立たずは俺なんじゃないかって思う時もな」
 
苗木「そ、そんな事ないよ!赤穂クンは出来る事を立派にやろうと……」
 
赤穂「それは苗木だって同じじゃないか」
 
苗木「……」
 
赤穂「俺にそう言ってくれるなら、苗木もそんなに悲観しないでいいんじゃないかって俺は思うぞ?」
 
苗木「……」
 
赤穂「そう簡単には割りきれないだろうけど、な」
 
苗木「…………うん、ありがとう」

503: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/02/26(月) 22:22:24.12 ID:6Jq43wM/0
赤穂「……」
 
兵頭「失礼します」
 
赤穂「兵頭?」
 
兵頭「お元気そうで何よりです。赤穂さんに何かあったら御影さんが泣いてしまいますから」
 
赤穂「お、おいおい……わざわざそんな事言いに来たのか?」
 
兵頭「いえいえ、今のはちょっとしたジョークですよ。本題はこれからです」
 
赤穂「笑えないジョークはやめてくれ……」
 
兵頭「ふふっ、すみません。それでですね、本題というのは津浦さんの事なんです」
 
赤穂「津浦……また何かあったのか?」
 
兵頭「赤穂さんも彼女が今グレゴリーさんを演じているのは知っているでしょうが、このままだと津浦さんの心は取り返しがつかなくなると思います」
 
赤穂「……確かにな」
 
兵頭「そこで赤穂さんにも何か考えていただこうかと思いまして」
 
赤穂「俺にか?」
 
兵頭「四方院さんがいなくなった以上、赤穂さんは女子のリーダーでもありますからね」
 
いつの間に……
 
赤穂「でもそうだな……津浦を何とかしないといけないのは事実だし、考えてみる」
 
兵頭「ふふっ、ありがとうございます」
 
赤穂「だけどなんで兵頭がそんな事を気にするんだ?津浦と特別親しかったわけでもないだろう」
 
兵頭「さあ、なんででしょうね?」
 
赤穂「……?」
 
意味深な笑みのまま兵頭は病室から出ていった。
兵頭の思惑はともかく……津浦をそのままにはしておけないよな。

504: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/02/26(月) 22:39:33.97 ID:6Jq43wM/0
如月「津浦さんの事ですか」
 
赤穂「はい」
 
あれから考えてみたけど、頭いいわけでもない俺に名案がパッと出てくるわけもない。
 
早々に行き詰まった俺は如月さんに相談してみる事にした。
 
如月「そうですね……やはり津浦さんの心の強さに賭けるしかないと思いますが」
 
赤穂「……」
 
だけど津浦はどちらかと言えば脆い方だよな……
 
通訳になった理由も怖いから、だった。
 
むしろ津浦の反応が普通なのかもしれないけど。
 
赤穂「時間薬に頼るしかないんですか?」
 
如月「ショック療法は津浦さんには逆効果でしょうからね……【超高校級のカウンセラー】でもいればよかったんですが」
 
カウンセラーか……

505: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/03/10(土) 21:35:51.32 ID:eWyP25cA0
キーン、コーン、カーンコーン
 
モノクマ「夜10時になりました!」
 
モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」
 
モノクマ「うぷぷ、また明日……」
 
赤穂「もう夜なのか……」
 
明かりが六山のゲーム機しかないから時間の感覚がおかしくなってるな……
 
赤穂「この暗闇、アンノウン、津浦の事……問題は山積みだ」
 
せめて何か1つでも打開出来れば……
 
グルグルと思考が回る。
 
その内に俺の意識は遠のいていった。

506: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/03/10(土) 22:03:22.15 ID:eWyP25cA0
【12日目】
 
キーン、コーン、カーンコーン
 
モノクマ「7時です!さあ、起きた起きた!」
 
モノクマ「今日も張り切っていきましょー!」
 
赤穂「朝……今日で12日目だったか」
 
これだけ経てば未来機関が救出に動いてもおかしくないはずなんだ……だけどまるでその気配がない。
 
赤穂「優秀な人間があれだけいる未来機関がそうそうどうにかなるとは思えないけど……」
 
救出は、期待しない方がいいのかもしれないな……

507: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/03/10(土) 22:23:25.38 ID:eWyP25cA0
御影「兄さん、ご飯だよ」
 
赤穂「ああ、悪いな牡丹。お前だって怪我人なのに」
 
御影「別に気にしないでよ。発作の痛みに比べたら全然だし」
 
赤穂「……反応に困るぞ」
 
御影「……うん、なんかごめん」
 
如月「おや……」
 
赤穂「あっ、如月さん」
 
如月「……」
 
御影「……な、何。ジッと見て」
 
如月「いえ、なんでもありませんよ」
 
赤穂「……」
 
多分牡丹に妹さんを重ねてるんだ……
 
体質の事までは如月さんも知らないだろうけど……それを知ったら、どんな気持ちになるんだろうな……
 
如月「廊下にいます。何かあれば呼んでください」
 
御影「……なんなの?」
 
赤穂「如月さんにも色々あるんだよ」
 
御影「色々、ねぇ」

508: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/04/20(金) 22:23:09.82 ID:5+Q2ID5a0
赤穂「……」
 
ジェニー「……」
 
ジェニーが来たのはいいけど全く喋らない……何かあったのか?
 
赤穂「えっと、ジェニー?」
 
ジェニー「……マサキ」
 
赤穂「んっ?」
 
ジェニー「どうしたらセイを元気にできますか?」
 
赤穂「苗木?」
 
ジェニー「セイ、すごく落ち込んでたです……自分が何も出来ないって」
 
苗木、やっぱり割りきれてなかったのか……
 
ジェニー「ボク、セイには笑っててほしいです……どうしたらいいです?」
 
とは言うものの、苗木の無力感は自分の心の問題だしな……
 
ジェニー「ボクはピエロですから人を笑わせないといけないのに……」
 
赤穂「……んっ?なあ、ジェニーちょっといいか?」
 
ジェニー「はいです?」
 
赤穂「いや、違ったら謝るけど……ジェニーはピエロは誰かを笑わせないといけないから苗木を笑わせたいのか?」
 
ジェニー「……?」
 
赤穂「いや、ジェニーはただ苗木を笑わせたいから悩んでるのかと思ってたからさ……」
 
ジェニー「違う、です?」
 
赤穂「いわゆる最終目標がどこかだよな。ジェニーは苗木を笑わせてピエロの仕事を果たしたいのか?それとも苗木に笑ってほしいのか?」
 
ジェニー「ボクは……アレ?ボクは、どうしたいです?」
 
赤穂「……ちょっと落ち着いて考えてみるか?その様子だと答えはわからないみたい、だしな」
 
ジェニー「は、はい……」
 
混乱した表情のままジェニーは病室から出ていく。
我ながら意地悪な質問だったかもしれない……だけどジェニーはいい子だし、ここで変な方向には行ってほしくないんだよな……

509: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/04/20(金) 23:28:21.57 ID:5+Q2ID5a0
佐場木「なかなか上手くはいかないな」
 
佐場木が椅子に腰かけて書類らしきものを見ている。
なんでわざわざここで見てるんだ……?
 
赤穂「何を見てるんだ?」
 
佐場木「発電所の見取り図だ。最も手描きだがな」
 
佐場木が渡してきた紙を照らしてみれば、確かにそれは建物の外観みたいな物が描かれていた。
 
赤穂「発電所か……俺はこの島を自分の目で調べられてないけど入れそうなのか?」
 
佐場木「難しいと言わざるを得ない。この発電所は金網で囲まれ唯一の扉にもパスワードでロックがかかっている」
 
赤穂「パスワード」
 
佐場木「何桁なのかもわからん以上総当たりも困難な作業だ。遠見は徹夜でやると言っていたが」
 
遠見らしいな……
 
佐場木「しかしそんな事をやらせるわけにもいかない。いざというときには奴の力が必要になるからな」
 
赤穂「……信頼してるんだな」
 
佐場木「この島に来てから常に行動を共にしていればそれなりの関係は構築できる」
 
……信頼してるって事でいいんだよな?

510: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/05/05(土) 00:02:57.14 ID:HNJTJxww0
土橋「なんかジェニーが悩んでるみたいなんだよね」
 
土橋に身体を拭かれながらされた話、それは俺にも心当たりがある話だった。
 
……一応言い訳すると俺は自分で拭けるって断ったんだぞ。
 
赤穂「ああ、苗木の元気がないから笑わせたい……らしいぞ?」
 
土橋「あー、あー、なるほど。だからあんなに唸りながらお手玉してたんだ」
 
……多分俺の言った事も影響してるだろうけどそれは黙っておこう。
 
土橋「半次やメメも忙しくしてるし、この暗さもあるし問題は山積みだよね」
 
赤穂「そうだな……本当に参った」
 
土橋「よし、身体拭くの終わったよ!」
 
赤穂「ああ、ありがとうな」
 
土橋「こんなのアタシのしてもらった事に比べたらお安いご用だし」
 
赤穂「なあ……よく考えたらそれは俺をコテージに連れていってくれた事でチャラになるんじゃないか?」
 
土橋「えっ」
 
赤穂「いや、だから助けられたのはお互い様だしそこまで……」
 
土橋「政城!」
 
赤穂「な、なんだ!?」
 
土橋「……なんでもない」
 
赤穂「???」
 
なんだか土橋の機嫌が悪くなってないか……?

511: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/05/05(土) 00:28:29.50 ID:HNJTJxww0
赤穂「……というわけなんだが」
 
道掛「かー!そりゃダメだっての赤穂!」
 
遠見「同感であります」
 
あの後結局土橋の機嫌は元に戻らず、やって来た道掛と遠見に相談して返ってきた答えがそれだった。
 
赤穂「いや、実際そうだろう?土橋がコテージに連れていってくれなかったら、俺は治療も出来ずにどうなっていたかわからなかったんだぞ?」
 
道掛「そうかもしんねえけどでもこの場合は不正解なんだよ!」
 
赤穂「……よくわからないな。遠見も道掛と同意見みたいだけど」
 
遠見「そうでありますね……自分は軍人でありますから、命のやり取りは日常茶飯事でありましたが」
 
遠見「そんな自分でも隊長に救われた時の恩義は未だに返せていないと思っているでありますよ」
 
遠見「軍人である自分がそうなのだから、そうでない土橋殿の赤穂殿への恩義はさらに強いものであるのでは?」
 
赤穂「つまり土橋にとってはチャラに出来るような事じゃないから怒ったのか?」
 
遠見「きっとそうであります。自分も隊長に同じように言われたら反発するでありますよ」
 
そうか……そこまで思ってくれてるんだな。
 
道掛「いやいやいやいや!全然ちげえよ!」
 
遠見「違うのでありますか!?」
 
赤穂「どういう事だよ道掛?」
 
道掛「だから美姫ちゃんはだな……」
 
道掛「…………やっぱやめるわ」
 
赤穂「は?」
 
道掛「多分向こうもわかってないだろうし、わざわざこっちで言う事じゃねえし」
 
赤穂「おい道掛?」
 
道掛「いいからせいぜい悩んどけ!青春らしくな!」
 
遠見「どういう意味でありますか……」
 
俺にもわからない……

512: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/05/28(月) 23:38:00.71 ID:ustmOqJA0
六山「んー……」カタカタ

また暇潰しにとゲームを持ってきた六山が説明もそこそこに椅子に座ってパソコンを弄り始める。

ゲーム以外を操作してるなんて珍しいな……

赤穂「何してるんだ?」

六山「御影さんからもらったんだ。電気街を調べてる時にデータファイルの入ったパソコン見つけたらしくて」カタカタ

赤穂「データファイル?」

六山「うん、中は暗号化されててわかんないんだけど。だからデバッガーのわたしに頼んだんだろうね」カタカタ

赤穂「どうにかできそうか?」

六山「まあ、そんなに時間はかからないと思うよ?明日には出来るんじゃないかな」カタカタ

赤穂「そうか……何か手がかりが出てくればいいけど」

六山「何が出るかお楽しみってやつだね。これをランダムの宝箱だと思ってわたし頑張るよ」

宝箱か……六山らしい考え方だな。

513: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/05/29(火) 00:10:45.42 ID:xrYljAjA0
津浦「聖痕抱きし英雄よ!そのマナは枯渇していないか!」

赤穂「……」

津浦は昨日と変わらずグレゴリーを演じている。

自分を救い、裏切った……そう感じているはずの男を、津浦は何を思って演じているのか。

津浦「どうした?沈黙の術式でもかけられているのか?」

だけどこのままでいいわけもない。

とにかくまずは津浦と話せるようにしたいけど……どうすれば。

ガチャッ

鞍馬「……」

赤穂「鞍馬?」

津浦「むっ…………」

赤穂「……?」

どうしたんだ?津浦が鞍馬を見た途端に……

鞍馬「グレゴリー・アストラル三世が僕を何と呼んでいたかわからないんでしょう?」

津浦「っ!?」

鞍馬「お粗末なものだ。どれだけ演じようと津浦琴羽はグレゴリー・アストラル三世ではない。あなた自身が把握していない彼の行動はトレース出来ませんよ」

津浦「っ、Mr.鞍馬……」

鞍馬「それで?あなたはいつまで壊れたフリをしているつもりですか?」

津浦「っ!!」タタタッ

赤穂「あっ、おい津浦!?鞍馬、壊れたフリってどういう意味だ!」

鞍馬「そのままですよ。彼女は壊れてなどいません」

津浦が壊れてない……つまり津浦は冷静にグレゴリーを演じていたっていうのか?

なんでそんな……

鞍馬「……」

514: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/05/29(火) 00:25:33.46 ID:xrYljAjA0
兵頭「なるほど、やっぱりですか」

赤穂「やっぱりって、気付いていたのか?」

兵頭「少なくとも完全な狂人のフリであるとはわかっていました。破滅して狂った人はたくさん見てきましたから」

兵頭「最も狂人を演じる事自体も問題ですから、遠からず本当の狂人に成り果てるのは目に見えていますけどね」

赤穂「なんでそれを黙ってたんだ?」

兵頭「確証があったわけでもありませんでしたから。下手に地雷を踏みたくはないでしょう?」

赤穂「……」

兵頭「とにかく津浦さんが逃げたという事は彼女は比較的冷静のようですね……」

赤穂「そこがわからないんだ。津浦が冷静ならなんであんな事をしてるんだ?」

兵頭「本当にわかりませんか?答えは結構シンプルですよ」

赤穂「シンプル……」

津浦がグレゴリーを演じている理由って、そんなに単純なのか……?

515: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/01(金) 23:39:01.12 ID:YqsDY+NA0
赤穂「……」

津浦がグレゴリーを演じている理由か……

赤穂「複雑な思いがあるのは間違いないだろうけどな……んっ?」

窓から何か……あれは明かりか。

時間的にはもうすぐ夜なのに誰が外に出てるんだ?

赤穂「……」

気になるな……とはいえ、俺は安静にしているべきだろうし……

だけどもしあれが例のアンノウンだったら……

赤穂「確認ぐらいは、しておくか」

幸い杖は近くにあるし、暗闇に眼は慣れてる……行ってみよう。

【発電所】

これが……佐場木達が話してた発電所か。

赤穂「明かりはこっちの方に消えたけど……」

「誰かいるの?」

赤穂「うっ!?」

辺りを見回してると、いきなり明かりを向けられて思わず目を閉じる。

今の声は……

赤穂「苗木?」

苗木「赤穂クン!?なんでこんな所に」

赤穂「病室から明かりが見えたから追いかけてきたんだ」

苗木「そっか……心配かけちゃったかな」

赤穂「苗木はどうしてここに?」

苗木「発電所の扉にパスワードがあるって聞いたから……試しに来たんだ」

赤穂「試しにって、手がかりでもあるのか?」

苗木「ううん、ないよ。だけどボクなら出来るかもしれない」

赤穂「まさか運任せでやるつもりなのか?」

苗木「だってボクは幸運なんだ。こんな事ぐらいでしか役に立てない」

赤穂「苗木……」

苗木「もう嫌なんだ!みんなが傷つくのも、無力なままでいるのも!」

苗木「だから止められてもボクはやるよ」

苗木「希望のために、ボクは……!」

赤穂「……わかった、なら俺も付き合う」

苗木「えっ?」

赤穂「言っただろ?無力さを痛感してるのは俺もだって」

赤穂「だから付き合わせてくれよ」

苗木「……ありがとう」

赤穂「気にしなくていいさ」

そして俺と苗木は、発電所のパスワードに挑戦する事になった……

516: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/02(土) 00:12:49.16 ID:ZjxqkpLA0
【13日目】

赤穂「……」

苗木「……ダメ、だったね」

あれから俺達はいくつものパスワードを入力した。

だけどどれも扉はエラーを返してきて。

時刻は朝の6時……そろそろ戻らないと大騒ぎになるだろう。

苗木「結局……ボクはなんの役にも立てないんだね」

赤穂「苗木……」

苗木「あはは、ちょっと散歩して帰るよ。少し1人になりたいしさ……」

赤穂「……」

俺も、戻ろう。

517: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/02(土) 00:34:17.54 ID:ZjxqkpLA0
赤穂「……」

御影「兄さん?」

赤穂「……あっ、どうした?」

御影「どうしたじゃないよ。さっきからボーッとしちゃってさ」

赤穂「ちょっとな……ふあっ」

御影「なに、寝てないの?」

赤穂「ああ、まあ……」

御影「はぁ……怪我人なんだからおとなしく寝てないと駄目だよ」

赤穂「面目ない。牡丹も大変なのにな」

御影「私は別に慣れてるし……」

赤穂「そういうのは慣れるもんじゃないだろ」

御影「……なんかあったの?」

赤穂「んっ……苗木がなんか落ち込んでるみたいでさ」

御影「ああ、なんか道掛達も気にしてるみたいだね。さっき声かけてたよ」

赤穂「本当、どうしたらいいんだろうな……」

津浦の事だってあるって言うのに……

御影「……1人で抱え込まないでよ?兄さんはそういうとこあるんだから」

赤穂「ああ、困ったら牡丹に慰めてもらうよ」

御影「あのねぇ」

518: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/02(土) 23:22:03.15 ID:ZjxqkpLA0
六山「パソコンの暗号、解読出来たよ」

その六山の言葉に佐場木は情報の共有のためと俺の病室に全員を集めた。

とは言うものの……津浦は病室に閉じこもって出てこないらしい。

佐場木「どうやら津浦が冷静だという話は本当のようだな」

土橋「でも怪我は本当だし、琴羽は大丈夫なの?」

遠見「その経過を見るためにも開けてもらいたいのでありますが……」

苗木「…………」

道掛「苗木、お前も大丈夫なのかよ?顔色悪いぞ」

苗木「うん……ボクは大丈夫だよ」

ジェニー「……セイ」

兵頭「とりあえず今はこちらを優先しましょう。六山さん、データファイルの内容は?」

六山「3つあったんだけど、1つは発電所の扉のパスワードだね」

六山が見せた画面には5桁の数字が並んでいる。

これが発電所の……

苗木「……」

御影「3つって言ってたけど後2つは?」

六山「1つは、コロシアイ共同生活だっけ?それの経過みたい」

六山が開いたデータには16人の名前が記されている。

そしてその内数人の名前には赤い線と黒い線がひかれていた。

如月「どうやら……向こうでもコロシアイは進行しているようですね」

如月さんが指さしたのは学級裁判記録と名前がついた2つのファイル。

向こうも俺達と同じように事件が2つ起きてるって事なのか……!

519: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/03(日) 00:51:43.23 ID:MMk5L4lA0
佐場木「その記録は後で改める。六山、最後のデータの詳細はなんだ」

六山「えっと……これなんだけど」

六山が見せてきたのは【絶望教について】というテキストだった。

遠見「絶望教……このコロシアイが始まる少し前に突如現れた新興宗教でありますね」

土橋「それって絶望の残党みたいなやつなの?」

如月「いえ、彼らは自分達自身の絶望には関心がないようです」

道掛「どういうこった?」

六山「このテキストによると、絶望教は誰かを絶望させる事に目的を見出だしてる宗教みたいなんだよね」

御影「誰かを絶望させる……」

兵頭「世界の希望絶望の総量は決まっていて、誰かを絶望させれば自分達に希望が訪れる……そのために絶望を与えるのが目的という事みたいです」

佐場木「なんのことはない、ふざけたカルト集団だ」

誰かを絶望させれば希望が訪れるか……仮に正しいとしても、こんな絶望だらけの時代なのにその分の希望が少なすぎるけどな。

520: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/03(日) 22:06:36.12 ID:MMk5L4lA0
あの後、佐場木は発電所の中を調査すると遠見を連れて出ていった。

それに合わせるように1人、また1人と部屋からいなくなって。

そして最終的に部屋には俺と……

鞍馬「……」

鞍馬が残された。

赤穂「……」

鞍馬「……」

というより、珍しいな。

鞍馬がこうして何も言わずにただ俺の病室にいるなんて。

鞍馬「絶望教」

赤穂「はっ?」

鞍馬「あなたはどう考えていますか」

赤穂「どうって……おかしな宗教だなとしか言えないだろ」

赤穂「話を聞いた時も思ったけど、だったら今の世の中はどうなんだって話だし」

鞍馬「確かに今は絶望と希望のバランスが取れているとは言えません」

鞍馬「しかしこうは思えませんか」

鞍馬「今こうして絶望に苛まれている事こそ」

鞍馬「いずれ来る希望に溢れる世界への布石なのだと」

赤穂「……」

なんだ?鞍馬の奴、いつにも増して饒舌だぞ……

鞍馬「いえ、既に世界を変えるピースは揃っています」

鞍馬「後はたった1つのきっかけさえあれば……」

赤穂「おい、鞍馬?」

鞍馬「……少々話しすぎましたか」

鞍馬「言いたい事は1つです」

鞍馬「彼女を死なせないでください」

赤穂「彼女……っ!?」

鞍馬「彼女の存在は世界の変革には不可欠なのだから」

赤穂「鞍馬!まさかお前牡丹の身体の事……!」

バタンッ

赤穂「……」

鞍馬は知ってるんだな……牡丹の身体の事を。

鞍馬類……お前は一体何者なんだ?

521: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/03(日) 22:19:52.85 ID:MMk5L4lA0
道掛「鞍馬の事?」

赤穂「ああ、道掛は鞍馬と話してるみたいだけどどんな感じだ?」

鞍馬の言動は妙に気にかかる……俺はよく絡みに行ってる道掛に鞍馬について聞いてみる事にした。

道掛「つうてもな、鞍馬って無口無表情で自己主張しないからなぁ」

道掛「時々話してるの俺だけな気さえしてくんだよ」

赤穂「鞍馬は何も話さないのか?」

道掛「ぬいぐるみ作ってるのに集中してたりして聞いてすらいない時もあるな!」

それでもめげないのか。

道掛「あー、でも牡丹ちゃんの話題には結構反応すんなあいつ」

赤穂「牡丹の?」

道掛「おう、相変わらず口数は少ねえけど牡丹ちゃんの事を話す時は返事返ってくるんだよ」

赤穂「……そうなのか」

鞍馬は牡丹に対して何か思うところがあるって事なのか?

鞍馬については……兄としても、警戒する必要がありそうだな。

522: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/03(日) 22:47:45.14 ID:MMk5L4lA0
佐場木と遠見が発電所の調査から戻ってきたらしい……俺の病室に来た2人にどうだったか聞いてみると。

佐場木「制御室に鍵がかかっていた。あれをどうにかしない限り発電所の機能を動かすことは不可能だ」

遠見「内部は10階建てだったのでありますが、入ってすぐのエレベーターホールぐらいしか入れなかったでありますよ……」

赤穂「つまり、無駄骨だったって事か?」

佐場木「さらに調査を進めれば変わるかもしれんが現状ではそうなる」

遠見「突破口になると、思ったのでありますが……」

わざわざパスワードを暗号化していたぐらいだし、発電所は何かの手がかりになると思ったんだけどな……

遠見「とにかく再調査をするべきであります!きっと見落としている所が……」

佐場木「遠見、再調査に貴様を連れていくつもりはない」

遠見「えっ……」

佐場木「ここ数日の見張りに調査……いささか負担がかかりすぎている。しばらく休息を取れ」

遠見「佐場木殿!自分はまだ……!」

佐場木「軍人だからといって自分を過信しない事だな。何を言おうと再調査の同行は認めん!」

遠見「っ……」

赤穂「……」

言い方はキツいけど佐場木は心配して言ってるんだろう事は俺にもわかる。

遠見も同じだったんだろう、不承不承ながらもその言葉に頷いていた。

523: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/04(月) 21:43:13.19 ID:VZ+c4U0A0
苗木「はぁ……」

リハビリがてらロビーに顔を出すと、ソファーに座ってため息をつく苗木がそこにいた。

赤穂「ため息をつくと幸せが逃げるぞ」

苗木「あはは、こんな事に巻き込まれて幸せも何もないんじゃない?」

……これはまだパスワードの事引きずってるな。

苗木「六山さんはすごいよね。彼女のゲームがあったから少しは明るいし、暗号だって解読しちゃうし……」

赤穂「……」

まあ、昨日の夜の事は結構堪えただろうから仕方ないのか?

苗木「なんて、六山さんはデバッガーでそっち方面明るいんだからボクと違って当たり前なんだけどね……」

赤穂「……」

苗木「大丈夫、そんなにしない内に元に戻るようにするから」

赤穂「あんまり抱え込むなよ?苗木を心配してる人だっているんだから」

苗木「あはは、そうだったら嬉しいよ」

本当なんだけどな……

524: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/04(月) 22:01:13.96 ID:VZ+c4U0A0
赤穂「……」

バンッ

赤穂「うわっ!?」

ジェニー「マサキ!ボクわかたです!」

赤穂「ジェ、ジェニー?」

ジェニー「ボクはセイに元気になてほしいです!それはピエロとか関係ないボクの気持ちです!」

赤穂「……」

ジェニー「暗いのも怖くないです!みんなの事悲しいですけど……だからもうこんなの嫌です!」

赤穂「……っ、あはは!」

ジェニー「マ、マサキ?なんで笑うです?」

赤穂「ジェニーの答えが嬉しいから、だよ」

ジェニー「よくわかんないですけど……マサキがスマイルならボクもハッピーです!」

赤穂「ああ、ありがとうな」

今は本当に暗い事ばかりだけど……こうしてジェニーの明るさに触れてると救われる気がするな。

525: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/04(月) 22:29:19.95 ID:VZ+c4U0A0
赤穂「……」

俺も出来る事をしないとな……

赤穂「……んっ?」

何か聞こえてくるぞ……

津浦「~~♪」

津浦が、歌ってる?

赤穂「……津浦」

津浦「っ!?」

赤穂「待ってくれ!少しでいい、話をしないか?」

俺の言葉に逃げようとした津浦が足を止める。

そして振り返った津浦は……紛れもなく、理性を持った瞳をしていた。

津浦「なんで、しょうか?Mr.赤穂……」

赤穂「昨日……津浦が冷静にグレゴリーを演じていると鞍馬に聞いて、どうしてか考えた」

赤穂「兵頭は単純だって言ってたけど……今の津浦を見て答えがわかった気がしたんだよ」

赤穂「津浦、そこまでして……グレゴリーを理解したかったのか?」

津浦「……なぜその答えに?」

赤穂「今の歌、外国語だけど未来機関で聞いた事があるんだ」

赤穂「鎮魂の歌……俺はそう教えられた」

赤穂「津浦、キミがその歌を歌っていたのは、グレゴリーのためなんじゃないか?」

津浦「……そう、です」

赤穂「……」

津浦「Mr.グレゴリーはワタシの両親の死の関係者でした」

津浦「Mr.グレゴリーはワタシを救って、守るとも言ってくれました」

津浦「……Mr.グレゴリーはワタシをトリックに利用して、殺そうとしました」

津浦「わからないんです。言葉の意味はわかるのにあの人の心が全然わからない」

津浦「コテージにあった仮面を被って、演じていても」

津浦「どんなに考え続けても」

津浦「あの人の事が、わからないんです……」

赤穂「……津浦、演じていた理由はもう1つあるんじゃないか?」

津浦「……はい」

津浦「ワタシは、早まらないでほしかった」

津浦「だってワタシはもっと話したかったんです、もっとあの人を理解したかったんですよ」

津浦「たとえ同情でも!たとえ罪悪感でも!側にいてほしかった!」

津浦「……ワタシは」

津浦「Mr.グレゴリーに生きていて、ほしかったんです……!」

これが津浦の行動の答え。

津浦はただ、グレゴリーの死を認めたくなかったんだ。

だから演じた、自分が死んだ事にしてでも……

526: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/04(月) 22:45:30.44 ID:VZ+c4U0A0
津浦「……」

赤穂「津浦、さっきの歌は言ったように鎮魂歌だ」

赤穂「それをグレゴリーに向けて歌ったのは……認めたって事でいいのか?」

津浦「……はい。亡くなった人の気持ちはわかりません」

津浦「どんなに演じようとしていてもそれは事実で、ワタシはあの人が最期に伝えようとした事も聞けなかった」

津浦「だから、もうやめです」

津浦「今は、このコロシアイを生き抜く事。それを最優先にします」

津浦「そして外に出たら……」

津浦「あの人の事を調べようと思います」

津浦「それがきっと……ワタシのやるべき事ですから」

赤穂「……そうか」

涙を流しながら決意を話す津浦は、今までみたいに怯えているだけの子ではなくなっていた。

グレゴリー……津浦は、もう大丈夫そうだ。

お前が四方院さんを殺した事は絶対許されないけど……でも。

それだけは、こうして伝えておくよ。

527: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/05(火) 00:03:26.97 ID:4uX4W1IA0
如月「兵頭さん、具合はいかがですか」

兵頭「ふふ、時々痛みますが大丈夫ですよ。如月さんこそ無理はしていませんか?」

如月「これでも人より頑丈ですから」

赤穂「……」

なんかあの2人、最近よく話してるな……

六山「おーおー、フラグがビンビンだね」

赤穂「うわっ、いつの間に」

六山「ちょっと大きな声を出しちゃダメだよ」

赤穂「わ、悪い……というかフラグってなんだよ」

六山「文字通りだよ?如月くんは兵頭さんを何回も助けてるし、兵頭さんも如月くんを信用してるみたいだからね」

赤穂「言われてみると……」

如月さんと兵頭って前回の島の調査も一緒にしてたし、学級裁判の時も兵頭に疑いがかかった時如月さんが庇ってたな……

赤穂「だけどいつの間にあんなに仲良くなってたんだ?」

六山「うーん、よくわかんないね。赤穂くんのフラグだっていつ立ったかわからないし」

赤穂「は?なんだそれ?」

六山「あっ、これは内緒だった……」

フラグって、俺にか?

いや、いつの間にそんなの出来たんだよ……

528: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 11:18:20.33 ID:T0ajnvWA0
ガチャッ

赤穂「んっ?」

土橋「あっ、政城」

赤穂「土橋か」

そういえば昨日は結局不機嫌にさせたままで終わったんだよな……

どうも俺が悪いみたいだし、謝らないと。

土橋「昨日はごめん!」

赤穂「えっ」

土橋「なんというか、昨日のアタシ変だったでしょ?」

赤穂「変と言うより、不機嫌になったような気はしてた」

土橋「あー、うん。やっぱりそう見えたよね」

赤穂「俺に何か至らない点があったんだろう?ごめんな」

土橋「いやいや!別に政城は悪くないよ!」

土橋「ただ政城にチャラじゃないかって言われてなんだかよくわかんないけど、心がザワザワしちゃっただけだから」

土橋「だから謝るのはアタシの方!本当にごめんね!」

赤穂「土橋こそそんなに謝らなくていいんだぞ?俺は気にしてないからさ」

土橋「そう言ってくれると嬉しいよ。ありがとね」

どうやら些細な行き違いってやつだったみたいだ……まあ、怒らせたとかじゃなくてよかったよ。

529: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 11:25:09.36 ID:T0ajnvWA0
キーン、コーン、カーンコーン
 
モノクマ「夜10時になりました!」
 
モノクマ「そろそろお休みした方がいいよ!」
 
モノクマ「うぷぷ、また明日……」

赤穂「10時か……」

この暗闇の打開策はまだ見つからないし鞍馬の事とか悩みは増えたけど、津浦の事とかは何とかなりそうだ。

だけど絶望教……それがわざわざ暗号化されてたっていうのは気になるな。

明日六山に頼んでもう少しじっくりパソコンにあった資料を見せてもらうか……

530: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 11:43:55.27 ID:T0ajnvWA0
赤穂「…………んっ」

なんか寒いな……この島が秋の気候だからか?

時間は……壁の時計を見る限りまだ3時になるところか。

もう一眠りするか……





赤穂「…………は?」

とてつもない違和感に眠気も飛んで跳ね起きる。
なんで今壁の時計で時間がわかった?

この暗闇で最近は六山のゲーム機で時間を確認してたのに。

この、暗闇……?

赤穂「なんで、だ」

なんで、部屋の照明が点いてるんだ!?

赤穂「まさか……まさか!」

ベッドから転がり落ちるように降りると杖を取って廊下に飛び出す。

そして俺は急いである場所に向かった。

531: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 11:55:31.66 ID:T0ajnvWA0
【御影と兵頭の病室】

赤穂「牡丹!」

御影「んっ、すうっ……」

赤穂「はぁ、はぁ……」

よかった、牡丹は無事だった……

兵頭「んんっ……なんですか、騒がしい……」

赤穂「兵頭も無事だったんだな」

兵頭「無事?っ、なんですかこれ、眩しい……」

赤穂「照明が点いてるんだ」

兵頭「照明が……待ってください、確か照明が再び点く条件は」

赤穂「モノクマが飽きるか……コロシアイが起きるかだ」

兵頭「では、まさか」

赤穂「それを確かめるためにここに来たんだ。他のメンバーはどこにいるかわかるか?」

兵頭「病院は宿泊施設ではないとモノクマに言われたので、私達と津浦さん以外はモーテルにいるはずですが」

赤穂「モーテルか……」

手帳のマップによると発電所の先にあるな……行ってみよう!

赤穂「兵頭、牡丹の事任せていいか?俺は津浦の無事を確認したらモーテルに行く」

兵頭「……わかりました。ですが無理だけはしないようにしてください」

赤穂「もちろんだ」

532: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 12:09:11.10 ID:T0ajnvWA0
【病院・廊下】

赤穂「津浦の病室は……」

津浦「Mr.赤穂……!」

赤穂「津浦!キミも無事だったか!」

津浦「は、はい、急に明るくなったので様子を見に来たのですが……」

赤穂「俺もそうだ。牡丹と兵頭も無事なのは確認したから津浦も2人の病室に行ってくれ」

津浦「Mr.赤穂はどうするんですか」

赤穂「俺はみんなの様子を見にモーテルに行く」

津浦「1人でですか?」

赤穂「ああ、何があるかわからないからな」

津浦「……」

赤穂「絶対に3人で動かないでくれ、頼んだぞ!」

俺は病院を出てモーテルに向かう。

モノクマの新しいルールで3人殺される心配はないから牡丹達はこれで安全なはずだ。

後は、俺次第だな……

533: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 12:16:47.38 ID:T0ajnvWA0
【オータムアイランド・道】

赤穂「モーテルはこっちだな」

数日ぶりの月明かりの中をモーテルに向かって歩く。

そして発電所を通り過ぎようとして……俺は思わず足を止めた。

赤穂「扉が……開いてる?」

調査のために開けっ放しにしていたのか?

それとも……

赤穂「……」

俺は発電所の方に足を進める。

確認だけはしておいた方がいいと思ったからだ。

そして、それは。


最悪の結果として俺の目の前に現れた。

534: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 12:26:50.18 ID:T0ajnvWA0






【金網を抜けて、発電所の建物の扉を開けると広いエントランスに出た】

【右側に受付のような場所】

【左側に並んだソファー】

【奥にあるエレベーター】

【そして、エレベーターの手前に】

【1人、倒れていた】







535: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 12:35:54.95 ID:T0ajnvWA0






【だけど、信じられない】

【だって頭から血を流して地に伏せていたのは】

【未だ超高校級の才能が不明な男】

【鞍馬類にしか、見えなかったから】







536: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 12:57:05.74 ID:T0ajnvWA0
赤穂「……鞍、馬?」

嘘だろ?

鞍馬が殺された?

如月さんとも渡り合ってたあの鞍馬が?

赤穂「……」

もしかするとまだ生きているかもしれない……そう思って鞍馬に近付く。

だけど目から完全に光が消えたその顔に生気はまるでない。

鞍馬は間違いなく、死んでいた。

赤穂「……」

とにかく、モーテルに行かないといけない。

無事の確認と……鞍馬が殺された事を伝えないと。

発電所から出た俺はモーテルに向かって……道の先に誰かがいるのが見えた。

赤穂「……あれ、は」

そして俺は知るんだ。

まだこの悪夢は続くんだと。

537: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 12:59:42.80 ID:T0ajnvWA0






【月明かりが照らすのはヒラヒラと散る紅葉】

【そして紅葉の落ちた先にはその葉に負けない赤が散っていた】

【それは血の赤】

【鞍馬以上に流されてるとしか思えない血の中心には】







538: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 13:01:38.27 ID:T0ajnvWA0






【超高校級の道化師】

【ジェニー・クラヴィッツが横たわっていた】







539: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 13:18:07.71 ID:T0ajnvWA0
赤穂「っ、な、ジェニー!」

ジェニーの傍に膝をつくとその身体を抱き起こす。

赤穂「かすかだけど、まだ息はある……!」

見ると腹部にナイフが突き刺さっていて、今もなお血が流れ出していた。

赤穂「っ、待ってろ!」

スーツを脱いで血に染まるお腹を押さえる。

少しでも血を止めないと、ジェニーは……!

「おーい!誰かいんのか!?」

赤穂「この声は……道掛!」

道掛「あっ、赤穂……ジェニーちゃん!?おい、何があったんだよ!」

赤穂「ジェニーが刺されたんだ!モーテルに行って遠見を呼んできてくれ!」

道掛「わ、わかった!」

道掛が自転車で慌てて来た道を戻っていく。

早く、早く……!

ジェニー「……マサ、キ?」

赤穂「ジェニー!」

ジェニー「ボク……ボク……」

赤穂「いい、喋るな!今遠見が……」

ジェニー「……ごめん、な、さい」

赤穂「えっ?」

ジェニー「ごめ、な、さい……」

赤穂「おい、ジェニー?」

ジェニー「マサキ……ミキ……生きて、くだ、さ……」

赤穂「……ジェニー?」

ジェニー「……」

赤穂「ジェニー!おいジェニー!」

道掛「メメちゃん連れてきたぞ!」

遠見「ジェニー殿は!?」

赤穂「…………」

ピンポンパンポーン!!

540: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 13:20:19.46 ID:T0ajnvWA0






モノクマ「死体発見!死体発見!」

モノクマ「捜査タイムの後学級裁判を始めまーす!」







541: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 13:28:22.97 ID:T0ajnvWA0
道掛「……嘘、だろ」

遠見「くっ……!」

赤穂「……遠見」

遠見「なんでありますか」

赤穂「ちょっと、ついてきてくれ。道掛は、モーテルで他のみんなを」

道掛「お、おう」

遠見「赤穂殿、なぜ自分1人を?」

赤穂「……道掛には、ショックな光景になるからな」

遠見「それは……」

【発電所】

赤穂「……ここだ」

遠見「……あれ、は、鞍馬殿!?」

ピンポンパンポーン!!

542: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 13:28:52.99 ID:T0ajnvWA0












モノクマ「死体発見!死体発見!」

モノクマ「捜査タイムの後学級裁判を始めまーす!」







543: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/06/08(金) 13:33:13.15 ID:T0ajnvWA0






CHAPT.3【悪意のアンノウンは高らかに唄う】(非)日常編 END

生き残りメンバー13→11人

NEXT→非日常編







545: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/07/28(土) 21:59:58.19 ID:n+RopGf20
 
 
 
 
 
 
CHAPT.3【悪意のアンノウンは高らかに唄う】非日常編
 
 
 
 
 
 

546: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/07/28(土) 22:16:49.32 ID:n+RopGf20
【発電所】
 
赤穂「……」
 
鞍馬が、そしてジェニーが殺された。
 
いったいどうしてこんな事になったんだ……
 
遠見「佐場木殿を、呼んでくるであります」
 
遠見が発電所を出ていく……それと同時に、奴は来た。
 
モノクマ「大変な事になったね!まさか謎多き男だった鞍馬クンが殺されるなんてさ!」
 
赤穂「わざわざそんな事を言いに来たのか……!?」
 
モノクマ「いやいや、ボクもそこまで暇じゃないよ。ここに来たのはこれと……これを渡しに来たんだよ!」
 
モノクマが取り出したのはモノクマファイル……と、違うファイル?
 
モノクマ「うぷぷ、今回の事件についてはボクも少し思うところがあってね。そのファイルをプレゼントするよ!」
 
赤穂「協力するっていうのか?」
 
モノクマ「それじゃ不公平じゃない!あくまでそれはオマエラが知ってたはずの情報だよ!」
 
赤穂「知ってたはずの情報……?」
 
とにかくモノクマが渡してきたんだ……何か意味があるはずだろうな。
 
   【捜査を開始します】

547: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/07/28(土) 23:08:40.87 ID:n+RopGf20
赤穂「モノクマファイル……」
 
【被害者は鞍馬類とジェニー・クラヴィッツ。
死体発見現場は鞍馬類が発電所、ジェニー・クラヴィッツはオータムアイランドの歩道。
死亡推定時刻は午前3時前後。
死因は両者共に鋭利な刃物で刺された事による失血死。
鞍馬類は即死である模様】
 
鞍馬は即死なのか……
 
コトダマ【モノクマファイル3】を手に入れました。
〔被害者は鞍馬類とジェニー・クラヴィッツ。
死体発見現場は鞍馬類が発電所、ジェニー・クラヴィッツはオータムアイランドの歩道。
死亡推定時刻は午前3時前後。
死因は両者共に鋭利な刃物で刺された事による失血死。
鞍馬類は即死である模様〕

548: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/07/29(日) 20:47:33.55 ID:3yprq4Nc0
赤穂「……」
 
このもう1つのファイル……モノクマは俺達が知っていたはずの情報だって言ってたな。
 
赤穂「いったい何が……」
 
ファイルを開いて中身を見てみる。
 
そこに書かれていたのは……
 
赤穂「どういう、事だ」
 
このファイルに書いてあるのは本当の事なのか!?
 
【名前……鞍馬類。
所属支部……第1支部。
才能……なし。
備考……希望に対する思い入れが強く未来機関内でも職務に忠実だがその資質は超高校級の才能には程遠い】
 
鞍馬に才能がない?
 
そんな馬鹿な、鞍馬は如月さんと戦えるほどに強かったんだぞ……そんな鞍馬に才能がないなんて。
 
赤穂「……鞍馬、お前は本当に何者なんだ?」
 
コトダマ【鞍馬の才能】を手に入れました。
〔モノクマに渡されたファイルによると、鞍馬には才能がなかったらしい。
鞍馬は如月と同等に戦っていた事もあるが……〕

549: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/07/29(日) 21:23:09.87 ID:3yprq4Nc0
バタバタッ
 
どうやら遠見が佐場木達を呼んできたみたいだな……
 
佐場木「ファイルにはあったが……まさか本当に鞍馬が殺されているとはな」
 
遠見「自分も未だに信じられないであります……」
 
如月「……」
 
三人だけ?
 
赤穂「他のみんなはどうしたんだ?」
 
遠見「それが……土橋殿が、ジェニー殿の遺体を発見して半狂乱の状態なのであります」
 
赤穂「土橋が……」
 
土橋は、ジェニーと仲が良かったもんな……
 
如月「苗木さん、道掛さん、六山さんが今土橋さんを落ち着かせています」
 
赤穂「そう、ですか……」
 
佐場木「病院にいた3人にも話だけはしてある。少ししたらこちらに合流するだろう」
 
遠見「佐場木殿、今回見張りは……」
 
佐場木「そちらに割く人員が惜しい。今回は見張りは置かずに捜査を進める」
 
遠見「了解であります」

550: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/10/27(土) 23:21:58.61 ID:lnfI+dNA0
佐場木「まずはこちらを調べる。遠見手伝え」

遠見「イエッサー!」

鞍馬の遺体を調べに向かう佐場木と遠見の後に俺もついていく。

そういえば一つ疑問があるんだよな……

赤穂「なあ、モノクマファイルには刺殺ってあったけど……俺には頭から血が出てるように見えるぞ?」

佐場木「それはそうだろう。鞍馬は頭部を刺されたようだからな」

遠見「頭頂部……いわゆる脳天を一撃であります。相当鮮やかな手口でありますよ」

脳天を一撃……ますますわからない。

赤穂「どうすれば鞍馬をそんな風に殺せるんだ?」

佐場木「鞍馬の身長は178cm……立った状態で脳天を刺す事が出来る存在は限られるな」

コトダマ【鞍馬の遺体】を手に入れました。
〔鞍馬は頭頂部を刺されて殺害されたようだ。
鞍馬の身長から考えて立った状態でそれが可能な人間は限られるが……〕

551: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/10/29(月) 23:30:00.74 ID:nNHQn+EA0
赤穂「そもそも鞍馬はこの発電所に何をしに来たんだ?」

佐場木「自分の意思で来たか、呼び出されたか……遠見、持ち物はどうだ」

遠見「電子手帳とハンカチ、それに裁縫セットでありますね」

裁縫セット……ああ、ウサミのヌイグルミをよく縫ってたよな鞍馬は。

遠見「むむっ?」

佐場木「どうした」

遠見「この裁縫セット、中にピルケースが入っていたであります」

赤穂「ピルケース?鞍馬が薬を飲んでるところなんて見た事ないぞ」

佐場木「裁縫セットに隠されていたピルケースか……これは鞍馬のコテージを調査する必要がありそうだな」

コトダマ【鞍馬の裁縫セット】を手に入れました。
〔鞍馬が持ち歩いていた裁縫セット。
中にピルケースが隠されていた〕

552: ◆DXWxLR/SkYo1 2018/11/04(日) 23:11:11.40 ID:MtC9183A0
赤穂「あれ、そういえば……」

如月さんはどうしたんだ?

入り口の方を見てみると如月さんは来た時から全く動いてない。

何してるんだ?

赤穂「如月さん?」

如月「……」

如月さんに声をかけてみても返事がない。

なぜか彼は発電所に並んだソファーを凝視していた。

赤穂「ソファーに何かあるんですか?」

如月「……」

赤穂「あっ、如月さん!?」

そのままソファーに向かった如月さんは、ソファーの下に手を突っ込むと何かを引きずり出す。

……バッジ?

如月「この傷……やはり、だけどなぜ」

如月「なぜこれがここにあるんですか」

赤穂「如月さん、そのバッジは……」

如月「……僕の妹の物です」

如月さんの妹って、確か頭のいかれた奴に殺された……

如月「……」

だけどその子の物がなんでここに?

コトダマ【ヒーローのバッジ】を手に入れました。
〔発電所のソファー下に落ちていた昔のヒーロー番組のバッジ。
如月の妹が持っていた物らしいが……〕

553: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/03(月) 22:23:41.28 ID:73NPyt0A0
赤穂「何かわかったか?」

遠見「うーむ、鞍馬殿に抵抗の様子が全くないであります……」

如月「鞍馬さんが抵抗出来ず……犯人はどのような手段を用いたのでしょうか」

佐場木「それに関するかはまだわからんが、これが鞍馬の身体の下にあった」

赤穂「んっ?なんだこれ?」

赤と白の何かの欠片……か?

遠見「その欠片なら鞍馬殿の指にもついていたでありますよ」

鞍馬の指と身体の下にあった欠片……

コトダマ【謎の欠片】を手に入れました。
〔鞍馬の指と身体の下にあった欠片。
赤いものと白いものがある〕

554: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 05:10:48.86 ID:dMnWbs8A0
赤穂「……」

ジェニーの方にも、行かないとな……

※※※※

土橋「ジェニー!目を覚ましてよジェニー!」

道掛「美姫ちゃん、駄目だって!」

苗木「土橋さん、落ち着いて……!」

ジェニーが殺された現場では土橋が泣きながら暴れていた。

それを道掛と苗木が必死に抑えている……見ていて、思わず目をそらしたくなる光景。

御影「あっ、兄さん……」

赤穂「土橋は、ずっと?」

御影「うん……苗木が頑張って抑えてるから大きな事にはなってないけど、道掛とか何回も振り払われてたよ」

赤穂「そう、か」

見渡せば津浦もいてどこか気まずそうだ……これはまともに捜査出来てないな。

赤穂「兵頭と六山は?」

御影「別の場所調べてくるって……ジェニーについてはまともに調べられないから」

遠見、佐場木、如月さんはまだ鞍馬のところだ……呼んでくるべきか?

……いや、ここは俺が何とかするべきだ。

きっとそれはジェニーの最期を見た……俺の義務なんだから。

555: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 05:48:30.44 ID:dMnWbs8A0
赤穂「……」

苗木「赤穂クン……!」

道掛「赤穂!お前も美姫ちゃん止め……うわっ!」

道掛が振り払われて、苗木が顔を真っ赤にして止めて……力ずくだったらきっと俺も振り払われるだけ。

赤穂「土橋、もうやめろ」

だったら俺は、言葉で……止めるしかない。

土橋「だって!だって政城、ジェニーが!」

赤穂「……ジェニーの最期を看取ったのは俺だ」

土橋「っ!」

赤穂「あの子が、キミに向けた最期の言葉がある……生きてください、だそうだ」

土橋「……!?」

赤穂「……」

土橋「そん、なの……アタシだって、ジェニーに生きて、ほしかったのに……!」

土橋がその場に座り込む……もう止める必要はなさそうだな。

赤穂「苗木、道掛、ありがとう。多分もう大丈夫だ」

苗木「気にしないで。ボクだってジェニーさんがこんな……」

道掛「わりぃ、もう大丈夫なら俺向こう行く」

道掛は発電所の方に走って行ってしまう……鞍馬の事が気にかかるんだろうな。

土橋「ジェニー、ジェニー……」

土橋はジェニーの名前を呼びながら泣いている……まだしばらく、時間が必要だろう。

赤穂「牡丹、津浦、土橋のそばにいてあげてくれないか」

御影「わかった」

津浦「……はい」

赤穂「苗木はどうする?」

苗木「ボクも調べてみるよ……どこまで出来るかは、わからないけど」

556: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 06:44:59.89 ID:dMnWbs8A0
赤穂「ジェニー……」

ジェニーは俺が見つけた時と変わらず血だまりの中に横たわっている。

赤穂「……」

目の前で死んでいった事実に思うところはあるけど、それを振り払って俺は調べ始める。

ジェニーの遺言、生きてくださいを守るために。

赤穂「凶器は、やっぱりこのナイフか……」

傷口を見てみるとジェニーは一回刺されてさらにナイフで抉られたみたいだ……だから刺さったままなのに血が止まらなかったのか。

赤穂「だけどこのナイフ、いったいどこから出てきたんだ」

この島にあるのは病院、発電所、モーテル、電気街、あの花……ナイフはこの中のどれかから……?

コトダマ【ジェニーの遺体】を手に入れました。
〔ジェニーは一回刺された後にナイフで抉られたため出血が止まらなかった〕

コトダマ【ナイフ】を手に入れました。
〔ジェニーの腹部に刺さったままの凶器で出所は不明〕

557: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 07:00:04.14 ID:dMnWbs8A0
赤穂「他には……んっ?」

ジェニーの唇に血がついてるな……刺された時に胃に血が溜まったのを吐き出したのか?

赤穂「……あれ?」

口の中、歯には血があるけど奥の方には血がついてないし傷もない。

顔も唇以外には血は……じゃあこの血はどうしてついたんだ?

コトダマ【口の血】を手に入れました。
〔ジェニーの唇と歯に血がついていた。
しかしジェニーの口の中には傷もなく、顔も血がついているのはその部分だけだった〕

558: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 07:25:57.92 ID:dMnWbs8A0
土橋「……政城」

赤穂「土橋、もう大丈夫なのか?」

土橋「大丈夫じゃないけど……ジェニーが生きるのを望んでるなら、いつまでも泣いてなんかいられないよ」

赤穂「……」

土橋「アタシに出来るかは、わかんないけど……アタシはジェニーを殺した犯人を突き止めたい」

赤穂「……俺もだ」

苗木「よかったよ……」

土橋「誠もごめん。いっぱい怪我させて」

よく見ると苗木の身体には擦り傷がたくさんついている。

苗木「あはは……道掛クンに比べたらこれぐらいはね」

道掛は泥汚れとかも凄かったからな……

赤穂「とりあえず聞いておきたいんだけど、土橋や苗木はモーテルにいたんだよな?」

土橋「うん……アナウンスが鳴って飛び起きて、明かりがついてて眩しさとかで混乱してたら走也が来て……」

苗木「ボクや同じタイミングで出てきた六山さんも同じ感じかな……佐場木クンや如月クンは一足先に向かってたみたいだよ」

コトダマ【モーテルのメンバー】を手に入れました。
〔病院にいた赤穂、御影、兵頭、津浦以外のメンバーはモーテルにいた。
事件当夜は道掛に呼ばれて現場に向かったらしい〕

559: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 07:48:31.95 ID:dMnWbs8A0
赤穂「牡丹、津浦、見ててくれてありがとうな」

津浦「いえ」

御影「兄さん、土橋はどう?」

赤穂「無理はしてるだろうけど、捜査する気力は取り戻したみたいだ」

御影「そっか……」

赤穂「そうだ、牡丹は何か気付いた事はあるか?」

御影「私は寝てたから……兵頭に起こされるまで何もわからなかったよ」

赤穂「だよな……津浦はどうだ?」

津浦「……Mr.赤穂、電気がついたタイミングはいつなんでしょうか」

赤穂「電気がついたタイミング?」

津浦「ワタシ、その時間に起きていたのでもしかしたら手がかりになるのではないかと」

赤穂「そうか……もしかしたら鞍馬の殺された時間がはっきりするかもしれない、モノクマ!」

モノクマ「はいはーい!なんでしょうか赤穂クン!」

赤穂「電気がついたタイミングはいつなんだ?」

モノクマ「……」

赤穂「モノクマ?」

モノクマ「それはちょっと教えられないかなぁ。だってシロ側に有利になっちゃうし!」

赤穂「なっ」

モノクマ「うぷぷ、用がそれだけなら失礼するよ!」

御影「行っちゃったよ……」

赤穂「津浦、とりあえず時間だけ教えてくれ」

津浦「わかりました」

コトダマ【電気がついたタイミング】を手に入れました。
〔モノクマによる動機の暗闇が解消されたタイミング。
津浦によると2時52分の事だったようだ〕

560: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 08:52:45.61 ID:dMnWbs8A0
赤穂「他にも調べないとな……」

まずはモーテルだな。

鞍馬とジェニーのモーテルなら何かあるかもしれない。

【モーテル・鞍馬の部屋】

兵頭「あら」

赤穂「兵頭、こちらの捜査に?」

兵頭「被害者のいた場所ですからね。特に今回は被害者にはならなさそうな鞍馬さんですから」

赤穂「確かに未だに信じられないからな……それにしても、いくら捜査とはいってももう少しなんとかならなかったのか?」

鞍馬のいた部屋は机の上の物や棚の中にあったらしい物が放り出され、ベッドはぐちゃぐちゃと酷い有り様だった。

兵頭「これは私がしたわけではありませんよ。最初からこうだったんです」

赤穂「最初から?」

兵頭「鞍馬さんはああ見えて整理整頓が苦手だったのかもしれませんね」

赤穂「鞍馬がね……んっ?」

ベッドの下に何か落ちて……これは!?

赤穂「赤白の錠剤……」

もしかしてこれは……

コトダマ【鞍馬のモーテル】を手に入れました。
〔鞍馬が使っていたモーテルの一室。
中は荒れていた〕

コトダマ【赤白の錠剤】を手に入れました。
〔鞍馬のモーテルのベッド下に落ちていた錠剤〕

561: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 09:02:54.00 ID:dMnWbs8A0
赤穂「これだけ荒れてると、捜査も一苦労だな」

兵頭「そうですね……しかしこんなものは見つかりましたよ」

赤穂「それは?」

兵頭「脅迫状です」

赤穂「なんだって!?」

【鞍馬類、お前の秘密は握った。
例の物を返してほしければ深夜の2時半頃に発電所に来い】

兵頭「鞍馬さんの秘密とはなんだったんでしょうね……今となってはもうわかりませんが」

赤穂「……」

コトダマ【脅迫状】を手に入れました。
〔鞍馬を発電所に呼び出すための脅迫状。
内容は【鞍馬類、お前の秘密は握った。
例の物を返してほしければ深夜の2時半頃に発電所に来い】〕

562: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 09:31:05.31 ID:dMnWbs8A0
【モーテル・ジェニーの部屋】

赤穂「……」

ジェニーの部屋には手作りらしいたくさんの道具が置いてあった。

笑顔にしたくて頑張ってたんだろうな……

赤穂「こちらには特に手がかりはないか……?」

机の上にある箱を持ち上げてみる。

するとそこに貼り付いていた紙がパサリと落ちてきた。

赤穂「これは……」

【同封したものはこの暗闇を何とかする鍵です】

赤穂「暗闇を何とかする鍵……」

いったい何を……もしかしてジェニーが深夜に外にいた理由って。

コトダマ【手紙】を手に入れました。
〔ジェニーの部屋にあった手紙。
内容は【同封したものはこの暗闇を何とかする鍵です】〕

563: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 10:03:24.17 ID:dMnWbs8A0
【オータムアイランド・歩道】

土橋「あっ、政城」

赤穂「ジェニーは?」

土橋「今半次とメメが調べてる。モーテルには何かあった?」

赤穂「……あったと言えばあったな」

あの手紙に同封されていたものはモーテルにはなかった……

もしかしたらまだジェニーが持っているのかもしれないと思って来てみたけど。

赤穂「土橋、ジェニーから何かあったとか聞いてないか?」

土橋「えっ?そうだね……やっぱり暗闇が怖いってぐらいかな。後はみんなを笑顔にしたいって」

赤穂「そうか……」

手紙についてジェニーは黙っていたみたいだな……

564: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 10:13:25.61 ID:dMnWbs8A0
佐場木「……」

赤穂「佐場木、遠見」

遠見「赤穂殿、捜査の進展は?」

赤穂「色々調べてはいる。ところでジェニーは何か持ってなかったか?」

佐場木「何か?具体的にはなんだ」

赤穂「実はジェニーのモーテルにこんなものがあったんだよ」

佐場木「……遠見」

遠見「おそらくはあれの事ではないかと」

赤穂「あれ?」

佐場木「こんなものが発電所の金網に引っかけるようにしてあるのが見つかった」

佐場木が見せたのはビニール袋に入った設計図らしきものと鍵、それに懐中電灯だった。

遠見「発電所の内部地図と制御室の鍵であります」

赤穂「そんなものが!?」

佐場木「クラヴィッツはおそらくこれを受け取ったんだろう」

赤穂「……」

そうか、疑問だったあれは……

コトダマ【地図と鍵】を手に入れました。
〔発電所の金網に引っかけるようにしてあった内部地図と制御室の鍵〕

コトダマ【鞍馬の発見者】を手に入れました。
〔鞍馬は赤穂と遠見が見つけた段階で死体発見アナウンスが鳴った〕

565: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 11:30:11.32 ID:dMnWbs8A0
【発電所】

道掛「鞍馬……」

如月「……」

鞍馬の遺体を前に道掛は膝をついて肩を落としている……あんなに仲良くしようとしていたんだもんな。

道掛「はああ、結局鞍馬と仲良くなれなかったな……」

如月「道掛さんの思いはきっと通じていたと思いますよ」

道掛「んっ、サンキュー」

赤穂「道掛、ちょっといいか?」

道掛「おう、赤穂。どうした?」

赤穂「道掛は俺がジェニーを見つけた時こっちに自転車で来ただろう。それはどうしてなんだ?」

道掛「ああ、それか。俺今日なんか寝付けなくて起きてたんだよ。そしたら急に電気がついてさ」

道掛「その後目を光に慣らして……2、3分ぐらいか?誰かが飛び出していったみたいでよ。俺も外に出たけど誰もいなかったから慌てて自転車で追っかけたんだ」

赤穂「誰かが飛び出していった?」

道掛「おう、ドアの音がしたからな。今思えばあれがジェニーちゃんだったのかね……」

赤穂「……」

コトダマ【道掛の証言】を手に入れました。
〔電気が復旧した2、3分後にドアの音がしたため、誰かが飛び出していったと思い自転車で後を追いかけた〕

566: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 11:57:32.77 ID:dMnWbs8A0
赤穂「……」

如月「何か考え事ですか?」

赤穂「如月さん」

今頭の中に浮かんでいるこれを確かめるためには如月さんの協力が不可欠だ。

だったら、やってもらうしかないか。

赤穂「如月さん、少しいいですか?」

如月「はい、なんですか?」

赤穂「ちょっと協力してほしい事が……」

※※※※

如月「では行ってきます」

赤穂「お願いします」

如月さんが走って消えていく。

一方の俺は現状何もする事がなく牡丹から借りたストップウォッチを持って立っていた。

赤穂「…………」

如月「今戻りました」

赤穂「はい」

如月「どうでしたか」

ストップウォッチの指し示す時間は4分……つまり片道2分。

赤穂「ありがとうございました。ちなみに……これ、他の人間にも出来ると思います?」

如月「無理でしょうね。それなりに速度は出しましたから……鞍馬さんなら可能でしょうが」

赤穂「……」

コトダマ【赤穂の実験】を手に入れました。
〔発電所からモーテルに向かうまでの時間を調べたもの。
片道2分だったがそれは如月か鞍馬にしか不可能なようだ〕

567: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 13:26:09.85 ID:dMnWbs8A0
【鞍馬のコテージ】

六山「あっ」

赤穂「六山、いないと思ったらここにいたのか」

六山「現場周辺はみんなが調べてるからね。赤穂くんも捜査に?」

赤穂「ああ、まあな」

整理整頓が出来ていると言うよりまるで生活感がないコテージか……

六山「そういえばこれが机の上にあったよ」

赤穂「……」

【身体強化薬(試作)】 
〔鞍馬のコテージにあった赤白の錠剤型の薬品。 
【元超高校級の薬剤師忌村静子の調合した薬品。 
一粒飲めば24時間効果が持続する。 
複数飲めば効果は増すが、その分効果時間は減少する】という説明書きがある〕 

コトダマ【鞍馬のコテージ】を手に入れました。
〔鞍馬のコテージ。
綺麗ではあるが整理整頓を通り越して生活感がない〕

コトダマ【身体強化薬(試作)】を手に入れました。
〔鞍馬のコテージにあった薬品。
【元超高校級の薬剤師忌村静子の調合した薬品。
一粒飲めば24時間効果が持続する。
複数飲めば効果は増すが、その分効果時間は減少する】という説明書きがある〕

キーンコーン、カーンコーン…

568: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 16:29:16.78 ID:dMnWbs8A0
モノクマ「うぷぷ、タイムアップー!」

モノクマ「ここからは楽しい楽しい学級裁判の時間だよ!」

モノクマ「オマエラ、中央の島にお集まりくださーい!」

鞍馬のコテージを出た瞬間、捜査終了のアナウンスが鳴り響く。

赤穂「時間か……」

後は、学級裁判で話し合うしかないな……

【中央の島】

佐場木「来たか」

遠見「これで全員揃ったでありますね……」

遠見の言葉に応えるように建物の鍵が開く音が鳴る。

如月「行きましょうか」

如月さんの後に続くように全員が建物の中に入っていく。

そして俺が入るのと同時に、扉は閉まった。

エスカレーターを降りながら俺は思う。

今回の犯人……それは例のアンノウンなのか?

アンノウン、静音や四方院さん……いいや、薄井やグレゴリーの死にさえ関わっていた存在。

いったいなんでこんな事をしたんだ。

いったいなんのために、ここまでしたんだ。

それがわかる事はないまま……俺達はそこにたどり着く。

569: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 17:18:18.96 ID:dMnWbs8A0
【学級裁判場】

モノクマ「うぷぷ、ようこそオマエラ!」

モノクマ「久々の明かりをこの学級裁判場で堪能してね!」

モノクマ「これから絶望という闇がオマエラを待っているんだからさ!」

モノクマに促される前に自分の席に向かう。

鞍馬類。

結局打ち解ける事も、才能を明かす事もなく死んでいった。

あのまま過ごしていけば打ち解ける未来もあったのか?

それはもう永遠にわからない。

六山「……」カチカチ

道掛「鞍馬!これはお前の弔い合戦だ!」

遠見「アンノウン、今回こそ正体を……」

ジェニー・クラヴィッツ。

明るい彼女はみんなを笑顔にしたいという願いを持っていた。

それが叶っても彼女はもうそれを見る事は出来ない。

佐場木「もう逃がさんぞ犯罪者が……!」

津浦「ワタシは死ぬわけにはいきません!」

土橋「ジェニーの仇……必ず……!」

御影「2人も殺すなんてどうして……」

2人は殺された。

兵頭「今回の犯人は……」

苗木「何とかして、頑張らないと……」

如月「……僕にはまだやるべき事があります」

その犯人を探し出す学級裁判。

もう3分の1も人が死んだ……

赤穂「アンノウン……」

だけどまだ終わらない。

この絶望の舞台は。

 

571: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 17:46:20.20 ID:dMnWbs8A0
・コトダマ一覧表

【モノクマファイル3】>>547

【鞍馬の才能】>>548

【鞍馬の遺体】>>550

【鞍馬の裁縫セット】>>551

【ヒーローのバッジ】>>552

【謎の欠片】>>553

【ジェニーの遺体】
【ナイフ】>>556

【口の血】>>557

【モーテルのメンバー】>>558

【電気がついたタイミング】>>559

【鞍馬のモーテル】
【赤白の錠剤】>>560

【脅迫状】>>561

【手紙】>>562

【地図と鍵】
【鞍馬の発見者】>>564

【道掛の証言】>>565

【赤穂の実験】>>566

【鞍馬のコテージ】>>567

【身体強化薬(試作)】訂正版>>570

3度起こった惨劇の被害者鞍馬とジェニー。
殺害不可能と思われた鞍馬の死は学級裁判に何をもたらすのか。
果たしてクロはアンノウンなのか……闇深き学級裁判が始まる。


     【学級裁判開廷!】

572: ◆DXWxLR/SkYo1 2019/06/04(火) 17:50:30.86 ID:dMnWbs8A0
モノクマ「はいはい、それでは学級裁判の説明をしまーす!」

モノクマ「学級裁判ではオマエラに誰が犯人かを議論してもらいます!」

モノクマ「その結果は投票によって決定され、正しいクロを指摘できればクロがおしおき」

モノクマ「ただし間違えたら……クロ以外の全員がおしおきされ、クロは自由の身となるのです!」

兵頭「今回の事件は被害者が2人ですか……どこから話を進めましょう」

佐場木「最初は同一犯かどうかを議論するぞ」

津浦「犯人が1人か2人かでは大きな違いですからね……」

赤穂「よし、まずはそこからいこう」

今回の犯人……間違いなく同一犯のはずだ。

それは状況が証明している!


次回 【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】 その3