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 │ これは――「呪い」を解く物語。   ..│
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                                     ̄


 ――この物語に奇跡なんてない。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1363615339

引用元: ・【咲安価】姫子「変!」 哩「身ッ!」 京太郎「俺は!?」 15クール目【ライダー】 



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33: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/18(月) 23:45:29.41 ID:RWmZlnxco

 その出会いは、まさに運命であった。
 怪物たちに襲われる怪物。
 それを庇って立った京太郎。


ウヴァ「仕方がない――おい、これを使え!」


 どうやら、後で話を聞くに。
 みんなのメダルを持ち逃げしようとしたらしい、ウヴァ。
 それは当然ボコボコにされると思う。

 カザリの奴が俺のメダルを盗もうとしていたからとか。
 あいつは前に裏切った。アンクがいない今はアイツが裏切り者だとか。
 そんな事を言っているが――。

 それでお前が裏切り者になってたら、世話がないんじゃないかと思う。
 こいつ、恐ろしい化け物かと思ったけど、虫だった。


ウヴァ「助かったぞ、オーズ!」

京太郎「いや、だから京太郎って呼べよ」


 小走やえ――どうやら悩みのある彼女に、密かにメダルを投入しようとしたところ、
 ドーパントとなられて襲い掛かられたらしい。
 こいつやっぱり虫だ。殴っておいた。


ウヴァ「イマジンめ……!」

京太郎「おまえ、また契約しようとしたのか?」


 今度はちゃんと相手に了承を取って、
 京太郎が怒らない範囲内にしようとしたらしいが……イマジンに邪魔されたらしい。
 ネクタイを探すためにヤミーを生み出す。
 それぐらいなら正直可愛いものだし、人の役に立つのならいいかとも思う。


ウヴァ「……これを使え、オーズ!」

京太郎「悪りィ、ウヴァ……!」

ウヴァ「フン……お前に死なれたら、困るからな!」


 カザリのヤミーが憑依した少年。
 それに手を出しあぐねて戦い、重傷を負った京太郎。
 そのもとに差し出される、緑の――ウヴァのコア。

46: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/18(月) 23:55:51.15 ID:RWmZlnxco

ウヴァ「その欲望、解放しろ……!」

京太郎「……ウ、ヴァ」

ウヴァ「緊急事態だ。文句は言うなよ」


 クレイドールの攻撃に、満身創痍となった京太郎。
 そして――クレイドールに投入される、セルメダル。
 人助けで絶対に迷惑をかけないなら、ヤミーを作ってもいい。
 そう言って溜めておいたセルメダルが、役に立った。

 クレイドールに投入されて、生み出されるヤミー。
 それが、クレイドールと戦っている。


ウヴァ「女、よくやったな……メズールからコアを奪うなんて」

淡「誰この虫」

京太郎「虫だけど虫じゃない。ウヴァだ」

淡「ふーん」


 メダルが増えて大喜びなウヴァ。
 どうやら病院の人たちの、外の景色を見たいとかそんな欲望を叶えているらしい。
 いい傾向だと思う。


ウヴァ「この数……カザリィィ」


 病院に襲撃をかける、グリードが四体。
 ウヴァが歯噛みをした。肝心のオーズは重症。
 そして、自分のコアメダルでは戦えない。


京太郎「……心配すんなよ、ウヴァ」

ウヴァ「京太郎」

京太郎「俺とお前なら――絶対に負けない。あの数ぐらい、なんでもない」

京太郎「そうだろ?」

ウヴァ「……いいだろう。俺のコンボを使え」

京太郎「ああ――これは、1人で50人……いや、51人だ」

京太郎「なら、4体には負けねーって」

ウヴァ「……どういう事だ」

京太郎「その中にはお前も入ってるって、事だよ」

ウヴァ「……フン」

56: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 00:02:05.16 ID:k/G3W8C2o


京太郎「敵は多いが――まあ、どうにかなるよな」

ウヴァ「俺とお前なら、当然だ」


 例えばそこに数百数千の敵がいようとも、京太郎は挫けない。
 1人なら50体。
 なら、2人100体だ。まさに百人力――。

 実際そこまで数はいないけど、こいつとならば戦える。
 ウヴァの放つ電撃が、ガタキリバホーンで分散、増幅されて敵を討つ。
 これこそが――ガタキリバコンボに、本来の昆虫の王の力が加わったもの。

 放たれる電撃の嵐が、あたりを塗りつぶす。
 全てが染まった。何もかもが、緑色の稲光の中に消えていく。


 雲霞の如く押し寄せるイマジン/ヤミー/ドーパントをものともしない。
 二人で一体。
 二人で百人。
 それこそが、京太郎とウヴァだった。


京太郎「さあ……行くぜ、ウヴァ――――!」

ウヴァ「おい、待て……京太郎!」


 ――そんな、ありえたかもしれないどこかの世界の話。


                                        ――了

90: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 00:20:53.35 ID:k/G3W8C2o




  「狭いとこが落ち着くのってなんだろうねあれって言葉があるけど
   そう言えば温泉とかプールも落ち着く方だよね。つまり……」




98: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 00:31:31.27 ID:k/G3W8C2o

「……恐ろしい力だ、ロッカー・ドーパント」


 LOCK。つまり施錠を意味する地球の記憶。

 ロッカーを自在に生み出したり、ロッカーに物体を閉じ込めたり、そしてあらゆる物体を施錠したりするドーパント。

 そのドーパントの影響で。

 ロッカーの中に、二人、須賀京太郎と淡は閉じ込められていた。


 死んだと思っていた竹井久が、まさかのガイアメモリ使用者で。

 不意を突かれた京太郎と淡は、ロッカーに閉じ込められていた。

 暗い。狭い。蒸し暑い。

 そこに二人である。推して知るべしであろうか。

 正直なところ、オーズの力とゼロノスの力を合わせたら、脱出できるかと思っていた。

 が、そう上手くはいかない。攻撃が全部跳ね返ってくるのだ。

 それで、ただロッカーがガタガタ動くだけ。虚しい。

 必殺技を使えば――と思ったが、

 それで突き破れなかった場合、なんというか恐ろしすぎる。

 電波も当然遮断されているが、事前に江口セーラに連絡を取っていた。

 それで――とりあえず、京太郎と淡は彼女に任せる事にした。


 現在、更衣室。

 その中にある掃除用具のロッカー。

 なんというか、果てしなく心細い。淡がいてくれて、良かったと思う。

 コインロッカーベイビーという言葉があるが。

 この、薄明かりしか入らない――決して出られないロッカーに閉じ込められ続ける。

 ともすれば、気が狂うかもしれない。

 ロッカー・ドーパント。竹井久。

 恐ろしい敵だと思う。いや、本当に。


「お前が居てくれて、本当によかったよ」

「んー?」

「一人だったら、寂しくて死んでた」

「なら、開くまでおしゃべりしてよっか」

「そうだな」

110: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 00:44:10.80 ID:k/G3W8C2o

 腰を下ろす事もできない。立ち続けだ。

 そう言えば中学校の頃、みんなで中村君をロッカーに閉じ込めた事があった。

 そのまま入口をひっくり返して壁側に。

 授業中ガタガタ動くロッカーと、イジメに関わりたくないと思ったのか、見て見ぬふりを決める教師。

 なんともシュールな光景だ。

 ちなみに言っておくと、別に中村君は虐められていた訳ではない。

 なんとなくその頃、ロッカーに人を閉じ込める遊びが流行っていたのだ。

 かく言う京太郎もロッカーに閉じ込められた。

 昼休みの間に、思いっきり扉を蹴り飛ばして反動で脱出したが。

 まあ、頭を打った。言うまでもないだろう。


「それでね、菫先輩がねー。ショーケースの前でじっとケーキ見てるの」

「……あの人か。というか、ファンシーもの好きでお菓子大好きだったなんて」

「見かけによらないでしょー? しかも、体重計気にしててあんまり食べないから超ウケる」

「そういうお前は?」

「私、体重計を気にした事なんて一度もないよっ! へへん!」

「また、世の中の女性を敵に回したな……」

「私くらいの可愛さなら、既に世の中が嫉妬と羨望で敵だらけだよ!」

「……ああ、バカがいる。おもちない癖に」

「むっ! この、このこの!」

「よせ! 暴れんな! 暴れんなよ!」


 ロッカーがガタガタと揺れる。

 下手に倒れたら、死ぬ。頭を打って死ぬ。ロッカーにエネルギー跳ね返されて、フルの衝撃で死ぬ。

 まさかのロッカーで脳挫傷。ダサすぎる。最悪だ。

 肘でつついたり、デコピンをしようとして来ようとする淡を宥めるのに、一苦労だ。


113: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 00:53:54.09 ID:k/G3W8C2o

 そんなとき、だった。


「う、温かいけど……さ、寒くなってきてる……うぅ」


 声がした。ここは更衣室だ。

 そう、体育の授業が終わったのなら、着替えに来る。

 今回の授業は三年生だったらしい。くわっと、目を見開いた。

 ……が。


「……淡、手を退けてくれ」

「駄目」

「退けるんだ。俺にはやらなくちゃならない事が出来た」

「絶対ダメ」

「頼む、退いてくれ。俺は男としてやらなきゃいけないんだ」

「駄目絶対」

「これが、俺のやりたい事なんだ……! だから、なぁ――道(そこ)を、退けッ」

「ここで手を伸ばさなかったら絶対に後悔する。
 きょーたろーが人として駄目になる。だから、私がきょーたろーを守る!」

「悔、しい……! こんなにも、悔しい……っ! 見れないのが、悔しい……ッ!」


 目の前に突き出された淡の小さな手。それが、京太郎の視界を遮っている。

 声の主はおそらく松実宥である。すばらなおもちの持ち主である。

 なんとしても見届けなくてはならない。彼女の“生き様(●●●●)”を――。


 まあ、ちょっと魔がさしただけだ。

 だってきっと誰だって同じ事を思おう。おもちがある。自分だけがそれに届く。

 それなら、手を伸ばさない事の――目を見張らない事の理由になんてならないのに。

 だが悲しきかな。淡のガードは、全盛期のゴール下の桜木花道を超えているのだ。

 結局、京太郎は諦めた。

 そこまでがっついては、なんというか自分の品位を下げる事になる。

 あくまでも事故、あくまでも不可抗力だから許されるのだ。


「……これなら一人で閉じ込められたかった」

「何か言った?」

「……なんでもないです。すみません」


117: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 01:08:18.50 ID:k/G3W8C2o


 と、寸劇を繰り広げて、京太郎も諦めたその時だった。


「……今、何か音が」


 淡のディフェンス。

 その衝撃によって、ロッカーが揺れた。

 或いは、わずかながらに声が外に漏れているのか分からないが。

 怪訝そうな声が、した。


「やべえ、淡、静かにしろっ!」

「ふぇ!? ん、むぐ……」


 咄嗟に、淡の口を塞いだ。

 そして、自分の傍に抱き寄せて軽くしゃがむ。

 ロッカーの覗き穴から、中が覗かれるかもしれない。

 こちらから見えるという事は、向こうからもまた然りという事だ。

 そのまま、息を潜める。

 万が一見つかったらどうなるのか。ロッカーを外に投げ出されるかもしれない。

 そうなったら、下手したら死ぬ。そんなのは御免だ。


(う、お、おぉぉぉ――っ)


 そして、淡の口を塞いでしばらくの辛抱の後に。

 松実宥は、どこか合点が行かないと言う顔で戻っていく。

 ひょっとして、ロッカーの認識阻害効果もあるのかもしれない。

 恐るべし、ロッカー・ドーパント。きっとロッカーを放置して中で衰弱孤独死させるつもりなのだろう。怖い。

 まあ、それはともかくとして。

 京太郎の眼には桃源郷が飛び込んできた。そう、桃源郷。

 目の前を覆う大星淡の手がなくなったのだ。すなわち、桃源郷であろう。


 先ほど話題に上がっていた、弘世菫も来た。テンション急上昇。

 おお、さらには石戸霞もいるではないか。なんてこった。ここは幻想郷なのか。

 宮守麻雀部の彼女たちもいる。素晴らしい! ハッピーバースデイ!

 宮永照は……ああ、うん。可哀想に。どっちが背中なんだろうねあれ。


 彼女たちが、ジャージのジッパーに手をかける。

 心臓が跳ね上がった気がする。

 なんとしても見たい。見たい――が。


(あ、淡にあそこまで言われて見るのも……なんかな)


 結局は踏みとどまった。

 仮面のヒーロー。正義のヒーロー。

 それがバイオレンス・ジャックではなくピーピング・トムになるのは色々と拙い。よくないのだ。

126: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 01:20:27.99 ID:k/G3W8C2o

 そのまま、地獄の時間が過ぎるのを待つ。

 目の前には天国がある。少し目を開けば、それを享受できる。

 自分はもう一週間もものを食べてない獣だ。

 それで、目の前には最高の食糧がある――だというのに、お預けを喰らっている。

 自分の意志一つ。ちょっとぐらい開けばそれを味わえるのに。

 だが、味わってはならないと自制する。禁断の果実だ。

 衣擦れの音、女性の 声――どちらも抜群のソテー。

 大きさ比べ――最高のシャンパン。甘露。


 なんというか、興奮が止まらない。興奮と書いてロマンティックと読む。

 逸らそうとしている首が元に戻ろうとする。薄眼を開けそうになる。

 だが、堪える。なんとか堪えるのだ。


(人はパンのみで生きるにあらず、人はパンのみで生きるにあらず、人はパンのみで生きるにあらず)


 でもこのロッカーの外の人たちはパン1だよね。

 いやブラはつけてるだろうけどさ。

 ほら、見ちゃっていいんじゃないかな。これは全部ドーパントが悪いんだから、不可抗力だよ。

 そんな悪魔の声が囁きかける。

 『なにがパンのみで生きるに非ずだ、●●●●舐めろこらー!』

 とても聞き覚えのある天使が、悪魔を蹴り飛ばした。でも言っている事、余計に酷いよこれ。


 悪魔も天使も、同じ事だ。

 そう言えば、「天使のような悪魔の笑顔」って歌もある。超懐かしい。堂本光一出てたよねアレ。

 ……いや、じゃない。というか今関係ない。

 「悪いやつらは、天使の顔して心で爪を研いでるものさ」って歌もある。そうだ。悪魔の囁きに耳を貸してはならない。

 だけど、男ならぐずぐずするなとも言っている。そうだ。若さだ。


 ――若さってなんだ? 振り向かない事さ。


 そう、振り向くのはアウト。なら、目をあけるのはセーフだ。そういう意味だろう。

 これは愛だ。おもち愛。躊躇わない事が大事だ。


(耐えろ……耐えろ、俺……ッ!)

133: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 01:34:52.27 ID:k/G3W8C2o

 結局、京太郎は耐えた。

 口を押さえられて唸りを上げる淡。

 もし見たら、彼女は暴れ出すだろう。そうなったら、ロッカーが倒れて死ぬ。

 曽根崎心中ならぬロッカー心中。多摩川に飛び込もうとしてた太宰治もびっくりの心中。

 それだけは御免だった。結局、耐えた。


 ……が、訪れる再びの地獄。

 今週も京太郎と地獄に付き合って貰おう。そう言わんばかりの追い討ち。

 そう、着替えが終わったのなら……つまり授業が終わったのなら。

 今度は、別のクラスの体育の授業である。


「沢村さんの、おもち……!」

「ちょ、ちょっと……」

「松実さん、それはあかんって……」

「む、愛宕さんのおもちもすばらしいですね!」

「んー、みはるん。それなに読んでるのー?」

「『もしも京太郎がセーラの嫁だったら』。凄いオススメだよ!」

「にゃ゛!? い、いい……華菜ちゃんは遠慮しとく……」

「次は京セラでロッカーもの書くって、渋谷さんが……」

「しかも、書いてる人そこに居るし!?」


 外から聞こえる会話。京太郎はいきり立った。

 歯を食いしばって耐える。すぐさまロッカーをぶち抜いてその場に飛び出したい欲求に駆られる。

 でもそんな事したら、多分退学になる。人生終わる。

 あばよ学生、よろしくニート。

 正直洒落にならない。仮面ライダーと言っても、高校ぐらい卒業しないと不味い気がする。

 必死に耐えた。それはもう、ひたすら必死に耐えた。

 地獄の時間だった。プトティラが体内で暴れまわる。正直ブチ破ってもいいんじゃないかってぐらいに。

 しかもこの後、まだあるのである。彼女たちが戻ってくるとき、再び地獄が訪れる。

 正直、この地獄を楽しんじゃっていいのかなって気がする。


139: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 01:50:55.33 ID:k/G3W8C2o

「だから、俺は見てないって……ちゃんと耐えてるから」

「……」

「本当に、耐えたからって! だから、機嫌治してくれよ!」


 あれから更に時間が立って、三度目の地獄を乗り越えた須賀京太郎は。

 大星淡に平謝りしていた。

 兎に角、不機嫌だ。口を開いてくれない。

 スカートの裾を握りしめたまま、俯いている。なんというかその表情に、こう、来るものがあった。

 正直なところ、さっきの生殺しで大分来ていた。

 ちょっとぐらい、いいんじゃないか。何がちょっとかは知らないが。

 それにこう、もう十数分も口をきいてくれない淡に対しても、ちょっと文句がある。

 熱い。狭い。立ち続けて辛い。

 二人いるから会話できて、まだ救われる。それなのに、一人が黙っている。

 これでは意味がないではないか。一人で入っていた方が、まだ広くてよかった。


「そーかよ、そうやって無視すんのかよ」

「……ぃ」

「いいぜ、だったら俺にも考えがある」


 覆いかぶさるように、淡の耳に息を吹きかける。

 そのまま追撃。脇腹のあたりをぐりぐりと擦る。

 そして、首筋に鼻を埋める。ちょっと、汗の匂いが強いが、いい匂いだ。

 抵抗と言うのは、もぞもぞと逃れようとするだけ。意地でも、京太郎と口を利きたくないというのか。

 いいだろう。ならば戦争だ。


「お前が、ちゃんと口をきいてくれるまで、擽るのを、やめないッ!」

「……や、ちょ、ちがっ。やめっ」

「ホーラホラホラホラホラ! C・F・H・S(クスグリ・ファイヤーハリケーン・スペシャル)、かわせるかーッ!!」

「やめっ、ホント、やめてよっ……! やっ、ぁっ、言うから! ぃ、ぁ、言うから、止めてっ!」


 右手を関節ごと左回転。左手を関節ごと右回転。

 その力で、相手の脇腹を擽る技だ。流石の淡も耐えられなかったらしい。

147: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 02:04:22.23 ID:k/G3W8C2o

 だけれども、それは既に遅かった。

 思えば――何かに耐えるように、淡が俯いていたのも。

 ひたすらに口を利かなかったのも。

 そういう事であったのだろう。須賀京太郎は、気が付かなかった。

 そして、決壊した。京太郎が止めを刺したのだ。


「……ぁ。ぁ――見ないで」

「えっ」


 最初、理解できずに淡の顔を覗き込んだ。

 真っ赤にして、目に涙を浮かべる。それから、ロッカーに滴り落ちる水音で気が付いた。

 スカートから出た、脚が濡れていた。ソックスも、湿っている。

 これは……もしかして……。


「うぅぅ……ぁ、ぁああ……」

「……」


 なんと言っていいものか。言葉を失った。

 代弁者は、この場にはいない。(しかも漏らしたのは小なだけに。なんちゃって)

 気まずくなって、ひたすらに黙るしかない。

 謝るべきか。そう思ったが、余計に淡の傷口を抉る行為に思えてならない。


「ぐすっ、ばか……きょーたろーの、ばか……。やめてって、言ったのに……うぅ、ばか」

「……すまん」

「こんなの……最悪だよ……。ばか……きょーたろーの、ばか……っ。うぅ、うぅぅう……」

「……悪い」

「高っ、校っ、一年生にもなって……こんなの、やだ……もう、やだよぉ……! うぅ、うぅ……」

「……百年生じゃなかったっけ」

「ばか……黙れ、ばか……ッ! もう、やだ……こんなの、さいてい……! うぅ、ひぐっ、う、うぇ……」

 


 

151: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 02:17:28.73 ID:k/G3W8C2o

 スカートを握りしめて、ひたすらに涙を流す淡。

 『上も下も泣いてるね!』そんな言葉が口から出そうになるが、なんとか抑える。

 多分言ったら、ロッカーの壁に頭を打ちつけて死ぬだろう。

 京太郎も殺される。絶対殺される。確実に殺される。

 そんなくだらない言葉が浮かんでくるぐらいに、京太郎は狼狽していた。


 正直、どうしたらいいのか分からない。

 同学年の女の子が粗相をしてしまった。ロッカーの中で。

 しかもやったのは須賀京太郎である。ロッカーの中で。

 女の子は涙ながらに俯いている。ロッカーの中で。


 これも何もかんも、ロッカー・ドーパントが悪い。

 京太郎と淡をロッカーに閉じ込め、外に出さず、

 あまつさえ、淡の膀胱を決壊させ、その原因を京太郎とした。

 閉じ込められなければ、淡はちゃんとお手洗いに行けただろうし、

 ロッカーの中でフラストレーションがたまっていなければ、京太郎も淡を擽らなかった。

 つまり、全てはロッカーが悪い。

 許せん、ロッカー。流石ドーパントだ。ロッカー殺すべし。慈悲はない。

 竹井久、悪魔の女である。流石は悪待ち。汚い、ロッカーきたない。

 いや確かに、たった今現在進行形で淡の小水がブチ撒けられているので汚いんだけどね。ロッカー汚い。


 ……などと現実逃避をしても仕方がない。

 現実淡に止めを刺したのは、まぎれもない京太郎だ。

 とりあえず、泣き止む彼女をどうにかする。そして謝る。掃除する。

 これをしなくてはならないだろう。

 幸いにもここは、掃除用具入れである。雑巾はある。


「悪かった。本当に、悪かった」

「うぅ……もぉ、やだよぉ……。うぅ、うっうっ、最低だよぉ……!」

「最低ってのはさいこ――ごめん、ホント俺が悪かった。
 な、俺、最低だから。ほら、でも、気持ち悪いだろ? な、掃除、するからさ……ほら」

「うぅ……ぅ、ぅぅぅぅ」

153: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 02:33:38.67 ID:k/G3W8C2o

 何とか淡に、謝り倒す。

 未だ泣き止まずに涙目だが……一先ずはある程度、落ち着いてくれたらしい。


「絶対、こっち向かないでよ?」

「ああ、判ってる」

「……んっ」


 背中を向けたその先で、濡れそぼったショーツを脱ぐ淡。

 濡れたままでは気持ちが悪い。彼女がそういうのだから、そうなのだろう。

 片足を上げて、よろけた彼女の背中が京太郎にぶつかる。伝わる、熱。

 衣擦れの音が聞こえた。

 チラリと後ろを見ると汗で房となった淡の髪の毛。

 後れ毛。

 吐息を漏らしながら、何とか下着を脱ごうと格闘する淡。

 それを見て――須賀京太郎の理性が決壊した。


「淡……すまん」

「ふぇっ!?」

「正直、お前可愛過ぎる」

「ちょ、ここロッカー……! や、ばか、人来るから……っ、ぁ、や、だめ……! ぁ……」


 ちなみにLOCKという英単語の意味、錠前以外にもいくつかある。

 監禁であったり、仕舞い込むであったり――そして中には、こんな意味もある

 しっかりと組み合わせる.とか、抱きしめるとか。

 或いは髪の毛の房(おさげとかモロだね)とか。

 何が言いたいかと言えばつまり、要するに、人を閉じ込めて、入れられた人間の思考を狂わせるメモリである。

 これがロッカーメモリの効果。実に恐ろしいものである。

 のちにT・Sさんがこのメモリを使って、男同士をロッカーに閉じ込める〝事件〟を起こしたとか起こさないとか――。  

 まあ、それは別の話。

                 ――了

167: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/19(火) 02:51:11.81 ID:k/G3W8C2o
ああ、ルートによってベースは京太郎でも事件によって変化した部分の人間性は違うよ

まあ、ぶっちゃけオ○フェノクなら咲が戦ってるのも死んだのも初めから知ってる
オルタナティブなら、本編開始以前(他ライダーと出会う前から)ミラーモンスターと戦って人助けしてる
ホッパーなら、昔の部室掃除に言っててホッパーベルト見つける感じだし

正直ここまで後ろ向きなのは、オーズが強い&欲望がテーマだからかな
ナスカなら、もっとキャラクターに影は薄かっただろうし
力が強いんなら心は弱くなるし、力が弱いんなら心は強くなる。まあ、そんなもんです

218: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 00:06:55.83 ID:mW2hiZrMo
【朝】

京太郎「なんつーか、久々の夜明けって感じだな」

京太郎「まだまだやる事はあるけど、とりあえず日は上った」


 コキリと背中を鳴らす。
 一番深い夜の闇は、拭う事が出来た。
 勝ったのだ。自分たちが。
 護ったのだ。この街を。


京太郎(街を――護る、か)

京太郎(別に俺は……目に見えない、手の届かない人の為に戦ってはない)

京太郎(ただ、あくまでも自分の為に戦ってるだけだ)

京太郎(自分が嫌だと思ったから、自分がやりたいと思ったから――だから戦ってる)


 京太郎の戦いは、エゴだ。
 人を守りこそすれ救いはせず、人を庇いこそすれ導きはしない。
 そこで自己完結している。それ以上、他人の領分には足を踏み入れない。
 これは自分の為であった。
 自分自身、他人に土足で心を踏み荒らされたくない。故に、他人の心には干渉しないのだ。

 しかしそれも、例外があった。

 確かに、己の目の前で襲われている者であったり、今まさに死に瀕しようとしている人間でなければ、
 それ以上の命など、背負えない。己は、聖人ではない。
 須賀京太郎は全てを背負わない。
 少しでも、どんな形でもいいから己と関わった、己の領分以上には責任を追えない。

 それでも、そいつを――誰か罪人を見過ごす事で、後々誰かに被害が及ぶと言うのなら。
 それの被害が京太郎の届かない場所であっても、それは見逃した自分の責任であると考える。
 故に、その時は例外として心を砕く。
 二度と牙を向けないように、爪を砕き、牙を折り、手足を削いで、心を殺す。
 人を殺す事に躊躇いはあっても、実際には引き金を引ける。
 その手の人間の心を折る――人としての人格を殺す事も、出来るのだ。

 勿論、考えはする。
 そこまでやる必要があるのかどうかは、見極める。
 必要がないのに殺害に及ぶ。それは正当ではない。いや、元々殺人は正当ではないが、それは尚の事卑しい行為だ。
 それでも、必要だとするときは、“出来た”。出来る性質の人間だと、思っている。

 同様に――どうあがいても罪を重ねすぎたもの。きっと救えないもの。
 その者にも、容赦はなかった。
 地獄に向かう前に、最大級の因果を応報させねばならない。そう考えている。


 故に――己は、正義とは程遠い人間だと思った。
 己の中での「正しさ」の基準はある。正しくあろうと思っているし、誇り高くあろうと考えている。
 だけれども、社会的な倫理基準とは明らかに隔絶していた。
 それ故、京太郎は己を「正義」とも思わなければ、「ヒーロー」とも思わない。
 ただのエゴイストだと思っている。

 だから――街を守るなどと言う。
 そんな在り方と、己は合致しないと思っている。似つかわしくない。相応しくないと。

219: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 00:16:17.38 ID:mW2hiZrMo

京太郎(でも――そんな俺でも)

京太郎(そうだとしても……)

京太郎(街を守るってのは、ちょっと、心が震えるな)


 それでも、そうだとしても。
 この街を守れたというのは――純粋に嬉しかった。
 

京太郎(内木一太。仮面ライダーナスカ)

京太郎(あんたは、どうだった? どう思った――?)


 昨日、あの場に現れなかった内木一太。
 それにたいして、須賀京太郎は心中で問いかける。
 目の前に広がる青空。それが、あのナスカのボディを思わせる。

 京太郎は理解していた。
 ナスカが、あの場に来なかったその理由を。
 彼は死んだのだと、確信した。

 あの男の強い瞳。
 自分が少し焚き付けただけで、それ以上の熱量を以って燃え上がった心の炎。
 あの男は、諦める男ではない。
 命ある限り、最後まで戦う男。きっとやり遂げるだろう男。

 そんな彼が、新道寺の部員を助ける場に、ついぞ現れなかった。
 それが意味する事は一つ。死んだのだ、ナスカは。
 きっと――戦い切って、彼は死んだ。

 京太郎たちを助けるためにか、それとも何かを守ろうとしたのかは知らない。判らない。
 でも彼は、絶対に死の間際まで戦ったと思う。
 誰かの価値を守るために、最後まで立ち上がったと思う。
 あの目は、そんな目だ。あれは守護者の眼だ。


京太郎(……お疲れ様、仮面ライダーナスカ)

京太郎(一時でも、あんたと一緒に戦えて――よかったよ)

京太郎(あんたは、どんな最期だった? 満足して、死ねたか?)


 問いかけても、言葉での答えなど来ない。
 ただ、一際強く風が吹いた。
 それが答えのように、感じられた。

221: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 00:34:44.58 ID:mW2hiZrMo

京太郎「さ――て。久しぶりの学校だな」

京太郎「ああ、還ってきたんだな……やる事、まだまだあるけど」


 早朝のランニングを済ませて、サンドバッグを蹴るのを終わらせた。
 的確に、確実に相手を無力化する。
 戦闘で閃いた事。咄嗟に行った行動でも、それがスムーズで最適だった行動。
 そんなものを、体に覚え込ませる。

 オーズの力がなくても、戦えるように。
 オーズの力に、溺れてしまわないように。


 目の前に――敵がいる事を想定する。

 それは、今まで自分が戦ってきた敵。その記憶。
 死を覚悟した戦いだ。どれも濃密に、心に焼き付いている。
 思い返そうとすると、膝が震えた。

 それを――笑い殺す。
 これから、お前を喰らい尽くしてやるのだと、己に言い聞かせる。


 繰り出される相手の右拳を、右手から救い上げ、軌道を反らす。
 同時、踏み込み。そのまま肘を、置く。
 体勢を崩した相手の、肋骨を折るのだ。

 腰を据える。叩き込んだ右手を伸ばし、相手の後頭部を抑える。
 そのまま、曲がった体に膝蹴り。横隔膜を揺さぶる。内臓に衝撃を与える。
 頭部を抑えた右腕を、相手の脇に通す。足を引き戻す勢いと共に、腰に乗せて――地面に払い倒す。
 そして、頭部に踏みつけ。これで、致命傷だ。

 そんな型を、何度も繰り返す。
 後でちゃんとした武術をやっていそうなセーラ――警察から教わっているのだろう――や、
 バースの装着者として、そのあたりに余念がなさそうな憧。
 ジムに通う暇はないが、まあ、そういう人から話を聞いておこうと思った。


京太郎「……よしッ」


 最後に繰り出した拳。カザリとアンクの頭を殴るイメージ。
 絶対に連れ戻す。そう、誓おう。

 まだ奴らは、ヤミーを作っていない。
 そこに躊躇があると思っている。こちらの、歩み寄る余地があると思っている。


京太郎「……あ、やべえ! 遅刻するッ!」

224: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 00:40:45.84 ID:mW2hiZrMo

朝のイベント

1~20:そんなものはない。現実は非情である
21~40:一緒に登校しようと女の子が待ってるよ
41~70:通学路で誰かと合う
71~99:そらあ、ラブコメの王道の激突やろ

ゾロ目:ドアの前で待つ奴隷A(K・Hさん)、発見

↓5

234: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 00:43:46.74 ID:mW2hiZrMo
>>229の判定:39

誰が待ってた?


1:神代小蒔
2:江口セーラ
3:大星淡
4:新子憧
5:白水哩&鶴田姫子

↓5

248: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 00:56:33.30 ID:mW2hiZrMo
>>239の選択:5

京太郎「……あれっ?」


 ドアを出たその時だった。
 誰かの人影を感じた。すぐに分かった。


哩「……遅かよ」

姫子「きょーたろう君。土下座」


 腕を組んで、トントンと指を叩く白水哩。
 にこやかに地面を指さす鶴田姫子。
 その二人が、そこに居た。


京太郎「あの、色々あるんすけど……その、土下座は勘弁してください」

姫子「じゃあ、靴ば舐めて。全身で」

京太郎「そのネタまだ引っ張るのォ!?」


 にこやか、されど毒々しい。
 どうやら、京太郎を弄るのが気に入ったらしかった。
 てっきり、なんというかそっちではないと思っていたが……目覚めてしまったようだ。


 ちなみにサドというのはマゾと本質的には一緒であり、
 その根本には“肉体・精神を問わない暴力”・“自己顕示欲”・“自己愛”・“支配欲”が存在している。
 要するに、「支配できる自分スゴイ」なタイプである。
 マゾは、その痛みに耐えられる自分を誇らしく思う。サドは、その支配をできる自分を誇らしく思う。
 本質的には、一緒である。

 ただ、どうしてもそこで、たとえそうでも他人に主導権を渡したくないと思うタイプはサド固定。
 そうでないタイプは――他人に支配されるのが/求められるのがいいと言う人間は、まあおおよそマゾになる。

 ただ、この辺りの境界が薄い人間はサドマゾになる。
 どちらも、同じコインの裏表でしかないのだ。

                                   ――赤坂郁乃・著『そして家畜豚は作られる』より抜粋


哩「姫子、やめんか。そいでは、遅刻するやろ」

京太郎(た、助け船……! どこかポンコツだと思ってたけど、頼もしい!)

京太郎(後光が差して見える!)

姫子「……はい、部長」

哩「やけん、学校についてからやれば、よかよ」

京太郎「悪化してますよそれェ!」

250: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 01:09:40.69 ID:mW2hiZrMo

姫子「まあ、冗談はこの辺にしといて、行こー」

哩「ん。遅れそうやしな」

京太郎「すみません、お待たせしちゃったようで」


 それから、急ぎつつ、二人から話を聞く。
 新道寺の部員に関しての治療法は、染谷まこが探っているとの事。
 放課後、京太郎にも顔を出してほしいとの事。
 それらを聞いた。

 そういえば、この先二人はどうするのだろうか。
 部員たちを助けだし、復讐をするという目的は果たしたのだ。
 まあ、戦う理由はなくなっただろう。

 そんな風に思っていた――ときだった。


哩「……京太郎」

姫子「その――私たちば助けてくれて、ありがとう」

京太郎「……いや、そんな」

京太郎「こっちこそ、ありがとうございます」

姫子「何が?」

京太郎「いや、なんていうか……こう、俺の言葉を信じてくれて」

京太郎「俺の事を、信じてくれて」

姫子「……」

哩「……」


 バシンと、背中を叩かれた。
 痛みに、思わずのけぞる。


哩「胸ば張れ。お前が一番、頑張った」

姫子「きょーたろう君がいなかったら、どうなってたか判らんけん」

姫子「そういうのも含めて、さっきのありがとうよ」

京太郎「……うっす」

姫子「きょーたろう君になんかあったら、今度は恩返しするけん」

哩「何でも、言ってくれてよかとよ」

京太郎「……なん、でも」

姫子「いやらしいのは禁止で。調教ばして欲しいなら……部長とまとめて、いつでもしてあげるけど」

京太郎「いや、そんな趣味ないっすから」

251: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 01:11:13.64 ID:mW2hiZrMo
【昼】

アドルフ「どんなに恐くても、それを知ろうとする事は……大切だ」

アドルフ「オレ達人間に、たった一つ生まれ持った武器があるとしたら――」

アドルフ「死ぬ間際だけでなく事前に恐怖を感じ、自覚し、対処し、"作戦を立てられる"能力(こと)だ」


 おかしいな。
 これ、英会話の授業じゃなかったっけ。



コンマ判定
1~50:見知った人間と会話
51~80:誰かと出会う
81~99:何かイベントの……

ゾロ目:遭遇イベント


↓5

258: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 01:14:32.89 ID:mW2hiZrMo
>>256の判定:47

よって、会話

1:神代小蒔
2:江口セーラ
3:大星淡
4:新子憧
5:白水哩&鶴田姫子

↓5

266: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 01:23:59.96 ID:mW2hiZrMo
>>263の選択:1


 うー、お肉お肉。

 とりあえず肉さえ食べておけば人生はどうにかなる。
 人間の体を作っているのはタンパク質だ。だからその材料さえあればいいのだ。
 ビタミンが足りないなら生肉を食べればいいじゃない。
 お腹を壊す? なら、ヨーグルトと一緒に食べよう。
 それに何度もやってれば、お腹が強くなるから大丈夫だ。

 冗談である。
 流石にそこまで京太郎は、人間をやめてない。


京太郎「……あ、小蒔さん」

小蒔「こんにちは、京太郎くん」


 昨晩以来である。
 神代小蒔が、そこに居た。
 ちょっと人もはけ始めた購買。

 お菓子のところを、じっと見ている。
 京太郎に挨拶する為に、一瞬顔を向けたと思ったら、またお菓子に向き直る。
 なんだろうこれ。


京太郎「……お菓子、好きなんですか?」

小蒔「い、いえっ。違います! ただ、そろそろ時期が変わるし、新しいの出てないかなって――」

小蒔「じゃ、じゃなくて……ほら、モモさんたちに何か買っていこうかって思って」

京太郎「アッ、ハイ」

京太郎(どうみてもお菓子好きなんだよなぁ……)


 話しながら、気もそぞろといった様子でちらちらお菓子を眺める小蒔。
 品ぞろえが多い方だ。気になるのだろう。

 いや、それだけではない。
 おそらくは……あの母性が溢れてて子供がいてもおかしくないほどの貫録がある石戸霞から、
 お菓子禁止令が出されているのかもしれない。


京太郎「……あー、俺なんかちょっと甘いもの食べたいんですよね」

京太郎「しかも、こう、結構食べたいっていうか」

京太郎「お勧め、あります?」

小蒔「! ええ、それはもう!」


 分かりやすく眼が輝いた。満面の笑みになる。
 なんというか、見てて可愛らしいものだ

267: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 01:27:25.06 ID:mW2hiZrMo

1:校舎裏で二人で食べよう
2:そりゃあ、イマジンズたちとも一緒に食べよう

↓5

275: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 01:41:03.79 ID:mW2hiZrMo
>>272の選択:2

モモタロス「よう、金髪! 大活躍だったみてーじゃねえか!」

京太郎「相変わらず元気そうだな、モモタロス」


 彼女たちの部室に入るや否や、肩を叩きに来るモモタロス。
 単細胞だが、なんというかそれだからこそいいと思う。
 見てて、こっちまで明るくなる。
 周りにはどうにも女の子しかいないので、こういうノリ、凄く好きなのだ。


リュウタロス「あ、京太郎だー! ねぇ、遊ぼ! 遊ぼ!」

キンタロス「かなり活躍したっちゅー話やったからな。お前の強さに、俺が泣いた」

ウラタロス「やあ、金髪君。そのあとどう? どこまで進んだ? 誰か気になる女の子、できた?」

京太郎「はは、一片に話さないでくれって」


 イマジンたちに囲まれる。
 彼らと会うのも、実に久しぶりだ。
 最近は戦い尽くしであったし、なんというか、懐かしい。
 時間にして一週間と少しだろうが――もっと離れていたような気がする。


京太郎「そういう、そっちはどうだったんだ」

ウラタロス「うーん、小蒔ちゃんがさぁ……」

キンタロス「『それでも私も連れてって欲しかった』ちゅーてな」

リュウタロス「ずーっと、お菓子食べてて、霞おねーちゃんに怒られてた」

モモタロス「ったく、俺も退屈だったぜ」

モモタロス「ま、お前がその分戦ったんならいいけどよぉ」

キンタロス「そう言えば、京太郎。お前、無理してへんか?」

ウラタロス「君は君で、また無茶しそうなタイプだしね」

京太郎「そんな事ねーって」

京太郎「心配してくれるのは嬉しいけど、大丈夫だって」

リュウタロス「無理しないでね? 京太郎、いなくなっちゃやだよ」

京太郎「はは、大丈夫だって。ほら、俺も仮面ライダーなんだしさ」

276: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 01:57:34.81 ID:mW2hiZrMo
1:天丼、鳥公について
2:元の世界のイマジンの目的について
3:ゼロノス、デネブについて

↓5

285: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 02:21:54.47 ID:mW2hiZrMo
>>281の選択:1

 適当に談笑をしながら、そう言えばこの間彼らが言っていた事を思い出した。
 天丼がどう、鳥公がどうだという話を。


京太郎「……そう言えばさ、天丼とか鳥公ってなんなんだ?」

京太郎「いつだか、こっちに来て逸れたっていてったよな」

モモタロス「おう、そうなんだよ! 天丼と鳥公の奴、どこいっちまってるんだか」

京太郎(……すげえ名前だ)


 モモタロスの性格から察するに、鳥公というのは鳥っぽいからだろう。
 ウラタロスが亀公、キンタロスが熊公。リュウタロスがハナタレ小僧。
 という事は――多分、その鳥公っていうのは鳥のような外見をしているのだろう。

 天丼は……文字通り天丼なのか。
 童話のイメージで天丼――というと。
 ぶんぶく茶釜とか、あとは天丼○ンだろうか。


京太郎「……ちなみにウラタロス、天丼と鳥公ってのは」

ウラタロス「テディとジークって名前だよ」

ウラタロス「外見は……そうだね」


 ウラタロスの言葉に従って、リュウタロスが絵を描く。
 白鳥の王子様の白鳥と――これは青い鬼だろうか。
 そう言えば何故、モモタロスはモモタロスなのだろうか。
 どっちかと言うと、オニタロスな気がしてならない。


リュウタロス「なら、京太郎もキョウタロスにする? お揃いー」

キンタロス「イマジンの仲間入りやな」

ウラタロス「きょ、キョウタロス……」

モモタロス「なら、良太郎はリョウタロスか」

京太郎「その内コウタロスとか、ショウタロスとか出てきそうだな」


 ヒガシコウタロスとか、ミナミコウタロスとか、ノガミコウタロスとか。
 まあ、居そうではある。いてもおかしくない。


ウラタロス「まあ、多分どっちも無事だと思うけどね……」

ウラタロス「ジークがいなくなるのは、今に始まった事じゃないし」

ウラタロス「見かけたら、こっちに来るように言っといてくれる?」

京太郎「応、分かった」

289: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 02:31:34.20 ID:mW2hiZrMo
【放課後】

アレクサンド「【――弟子たちは】」

アレクサンド「【『あなたの家を思う熱心が、わたしを食いつくすであろう』と書いてあることを思い出した】」

アレクサンド「これは……」


 アンデルセン先生の授業も久しぶりだ。
 というか、この時間は倫理だったはずだよな。
 なんで、神学みたいになってるんだ……一体。



1:普通に帰宅する
 (そのレスでコンマ判定へ)
 1~15:何事もない 16~74:誰かに出会う 75~99:イベント発生 ゾロ目:特殊イベント
 ※出会う人間も一緒にお書きください

2:誰かに連絡を取る (特訓・相談など)


↓5

>>1ならば 「1:淡」など。複数選択可能
>>>2ならば 「2:神代小蒔」のようにお書きください
>>>2については、連絡先を交換した相手のみとなります

296: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 02:48:04.24 ID:mW2hiZrMo
>>294の選択:2


 授業が終わり、携帯電話を取り出した。
 当たりを眺める。新子憧が、友人と思わしき少女と一緒に部活に向かうのが見えた。
 軽く手を振って返す。
 その脚で、屋上へと向かう京太郎。


京太郎「……そうだな、優希の奴の事もあるし」

京太郎「新道寺の人たちの事もあるし、染谷先輩に連絡しよう」

まこ『……ん、京太郎か。どうした?』

京太郎「優希の件と、あと、新道寺の人たちは……」

まこ『おう、そうじゃの……』


 染谷まこは戦える体ではない。酷使するわけにもいかない。
 特訓に付き合っては貰えるだろう。
 だけれども、模擬戦は難しいだろう。
 京太郎自身思う。もう、彼女を無理に戦わせたくないと。


まこ『んー』



298: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 02:57:59.30 ID:mW2hiZrMo

優希の状態

1~20:「まだ……治らんな」
21~40:「話くらいは出来そうじゃ」
41~70:「一応、善くはなった」
71~99:「もう飛び出してったよ」 修☆羅☆場
ゾロ目:「もう飛び出してったよ」

↓4


新道寺の状態

1~20:「……このままじゃどうにも、ならん」
21~40:「よくは……なっとるんじゃが」
41~70:「まだ時間はかかるが、目途はたったよ」
71~99:「もう、哩と姫子のところに行っとるよ」
ゾロ目:「……その、なんというか、なぁ」

↓6

311: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 03:21:43.28 ID:mW2hiZrMo
>>302の判定:73 >>304の判定:03

まこ『……このままじゃ、どうにもならん』

まこ『衰弱が激しすぎる――わしだけじゃ、助けられん』

京太郎「そんな! どうにかならないんですか!?」

京太郎「折角助けたのに……折角、また皆が笑えるっていうのに……」

京太郎「こんな結末は、あんまりだ……」


 辺りを絶望で覆って、その先に一本の蜘蛛の糸を垂らす。
 辿り着くための障害。あまりにも多すぎる、苦難。
 絶望に負けずにそこまでたどり着いて――最後の最後で、その糸を切られる。
 そんなの、あんまりだ。酷過ぎる。
 絶対に――許せない。肯んずる事など、不可能だ。


京太郎「なにか、ないんですか?」

京太郎「俺に出来る事なら、なんでもします……! ここで見捨てるなんて、あり得ない!」

京太郎「どんな事でもいい。まだ、絶対に不可能じゃないならそれでいい」

京太郎「可能性が、なにか可能性は……ありませんか!?」

まこ『……ん』

まこ『ある事には、あるが……』

まこ『正直、あんたが協力してくれるんならどうにかできる』

まこ『ただ――その所為で、あんたの命が縮むかもしれん』

まこ『あくまで、可能性にすぎん。あんたの命が削れるのも、向こうが助かるのも』

京太郎「……」

京太郎「染谷先輩、それってどういう意味でですか?」

京太郎「俺の心臓を差し出せとか、臓器を移植しろって意味ですか?」

京太郎「それとも、俺が文字通り生贄になれっつーことっすか?」

京太郎「……もし、その命が縮むっていうのが」

京太郎「俺がどうにかしようとして、なんとかなる事なら――構わないっす」

京太郎「可能性がゼロじゃなくて、俺の手で変えられるんだったら……」

京太郎「確実に俺の命が削れないっていうんなら……それは決まった事じゃない」

京太郎「俺の事は気にしないで、もっと大変なその二人の為に何かさせてください」


 実際のところ。
 果たして京太郎の肉体を差し出して、そこで二人が助かると言うのなら――自分はどうするだろうか。
 判らない。起きて見なければ判らない。

 敵に狙われている。自分の体を盾にすればいい。
 そういう、シンプルな事なら分かり易い。多分、それに踏み切る。
 ただ、だからと言って――そう、だからと言って。
 死にそうな人間がいる。京太郎が臓器を差し出せば助かるかも知れない。
 そんなときに臓器を差し出せるかと言われたら、不明だ。

 そこまで聖人ではない。
 助かる方法を探すのは、考える。手も尽くす。
 だが、だからと言って自分の体を切り売りできるかと言われたら、判らない。
 そんな、幸福の王子のような事はできないと思う。恐らくは難しい。

 故に――見極めが必要だった。
 これは、己で何かできる余地があるのかという事の。


まこ『……ん』

まこ『あの、ブラカワニコンボのメダル――貰えるか?』

312: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 03:37:26.71 ID:mW2hiZrMo

 それからまこは言った。
 生命力が、あまりにも削られ過ぎている。
 度重なる実験による、汚染の進行。
 人の身に余るほどのメモリの力を、何度も使っている事。
 自我を喪失同然にさせられ、その上にサイコメトリーで“上書き”をされ続けた事。

 自我――精神は、人の生きる支えとなる。
 心など、脳の中の回路と電流が作り出す不確定なものにすぎないが。
 それでも厳然として、気力と言うのはあるのだ。

 病は気から。まさにそれだ。

 実際のところの研究で、明らかになっている部分もある。
 その人の精神状態と、生命力の関係。
 勿論、死なないと思っていれば決して死なないという事はないが、
 それでも気を強く保っているものは、そうでないものに比べて、生き残りやすい。

 たとえばそれは戦いなら、心の僅かな濁りが、一太刀の明暗を分ける。
 精神は肉体に、純然たる影響を及ぼす。
 気が萎えれば腰が引ける。畏れればしなやかさを失う。緊張は威力を殺す。
 故に人は状況に慣れるために、訓練をする。
 そんな、些細な事の積み重ねが生死を分かつ――というのもあるし。

 また、たとえば免疫機構。
 笑っている人間、笑顔が多い人間はこれが強いとされる。
 精神状態の変化により、脳から分泌される物質が、免疫機構に働きかけるのだ。


 こんな事例が存在する。
 だが、現在――今の江崎仁美、安河内美子に人間的な感情、人格は殆ど失われている。
 気力がない。意志がない。
 最後の一線。そこで踏みとどまる事ができないのだ。
 故に外部から働きかけても、本人自身に意思がない以上、どうしても不足が生まれる。

 それゆえに、体を修復して、問題を治したとしても――その前に本人の命が尽きるかもしれない。
 そんな、状況であった。
 それを、まこは補おうとしていた。
 生命を司る――ブラカワニのメダルの力で。それを研究して利用する事で。


まこ『あんたも、この先の戦いで使う事になる』

まこ『要するに――武器を、盾を、腕を差し出せって言ってるのと同じ事じゃ』

まこ『それが無いせいで、ひょっとしたら戦いで、京太郎の命が追い込まれるかもしれん』

まこ『貰っても、確実に助けられるとは誓えん』

まこ『ひょっとしたら、そのメダルが無いせいであんたが死んで、新道寺の二人も助からんっちゅー事もあり得る』

まこ『貸せないというんなら、それでいい』

まこ『そんなら、まだ他にも方法を試すだけじゃけぇ……無理なら無理で、いい』

まこ『嫌な言い方じゃろうが……』

まこ『あの二人の命よりも、ひょっとしたらのあんたの命の方が、わしにとっても重い』

まこ『やから……』

314: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 03:39:30.89 ID:mW2hiZrMo
1:メダルを渡す
2:メダルを渡さない

↓5

326: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 03:53:40.50 ID:mW2hiZrMo
>>319の選択:1

京太郎「……」

京太郎「……染谷先輩」

まこ『なんじゃ……?』

京太郎「武器がないなら、拳を握ればいい」

京太郎「盾がないなら、腕を使えばいい」

京太郎「腕が無いなら――それでもまだ両足がある。立ち上がれる」

京太郎「その程度……俺がどうにかしようと思って何とかすれば、死にません」

京太郎「だったら、もっと大変な人たちに使った方が――お得っすよね」

京太郎「一人が確実に助かって二人が死ぬのと、三人が助かるのじゃ大きな違いだ」

京太郎「腕一本で人の命が助かるなら……まあ、十分っすよ」

まこ『……すまん』


 ブラカワニのメダルを握りしめる。
 新子憧から受け渡されたメダル。それを、勝手に手渡すのはどうかと思った。
 だけれども、ここで彼女に判断を仰ぐのは酷だろう。
 お前が受け入れなかったら、二人は死ぬ――そう言うのも同然であるのだ。
 後でしっかり、謝っておこう。

 そう思って……。
 しばしの戦友――何よりも京太郎の力となって、皆を救い出す事が出来た盾。
 そのメダルを握りしめて、別れを済ます。


京太郎(……いや)

京太郎(でも、報告ぐらいはしといた方がいいよな)

京太郎(憧が嫌だって言うんなら、謝り倒す。それでもできないって言っても、ひたすら頼み込む)

京太郎(どうしても俺がそうしたい。そうしなきゃいけない。そう決めた)

京太郎(まあ、アイツなら――良いって言ってくれそうだし、きっと見捨てないだろう)

京太郎(でも、筋は筋だ。通しとかないとな)

京太郎(ちゃんと事情の説明はしておこう。事後報告だと……いい気、しないだろうし)


まこ『あ、それと……』

京太郎「――染谷先輩。ちょっと、折り返し電話します」

京太郎「それから、すぐに持っていきます。待っててください」

京太郎「それじゃあ……」

331: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 04:07:05.46 ID:mW2hiZrMo

まこ(……あ、切れた)

まこ(優希の奴が飛び出してったって伝え損ねたが……うーん)

まこ(まあ、大丈夫じゃろ)


 まこが言い終わる前に、電話は切れた。
 まあ、新道寺の差し迫った部員二人の事情に比べて、こちらは終わった話。
 いいニュースだが、悪いニュースに比べて緊急性があるかと言われるとそうでもない。
 別にいいか。
 そう思ってまこは通話終了画面を眺めてから、電話を置いた。


京太郎「……すまん。頼む。悪い。お願いします。なんでもします」

京太郎「だから……メダル、使ってもいいでしょうか」

憧『……あー、それだけ? 電話の理由』

憧『別にそこまで頼み込まなくても……そんなの、いいに決まってるでしょ』

憧『家の倉庫で眠ってるより、よっぽど有意義な使われかたじゃない』

憧『それに元から、帰ってくる事……期待してないしね』

京太郎「サンキュー! 今度、絶対埋め合わせはする! 本当、ありがとう! 悪いな!」

京太郎「ホンット、ありがとう! 愛してる! 流石神社の娘!」

憧『あ、あい……うぐ。それに神社の娘関係ないし……』

憧『んんん……まあ、それじゃあ、その……また貸し一つね』

憧『あ……言っとくけど』

憧『これで貸しまくってるんだから、死なないでよね』

憧『それで、メダルが無いせいで死ぬとか……そんな甘ったれた事言ったら、あの世に行ってブッ飛ばすから』

京太郎「判ってる。ホント、悪い」

憧『それじゃあ、また』

京太郎「ああ、また」


 電話を切った。実にまあ、ありがたい事だ。
 気風がいいと言うか。実にかっこいい女だ。
 本当に恩があり過ぎる。今度は盛大に、返さなければいけないだろう。


淡「あ、きょーたろーだ」

京太郎「お、丁度いいところに」

淡「ん? どしたの?」

京太郎「ちょっとさ、ゼロライナーに乗せてってもらえるか? 行きたいとこ、あるんだけど」

339: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 04:31:12.41 ID:mW2hiZrMo

淡「ん? 別にいいけどさー」

淡「それよりデート、いつにするー?」

京太郎「……あ、そうだな」


 カザリとアンクを速やかに連れ戻すべし。
 そうは思っても実際、あいつらが今どこで何をしているのか分からない。
 カンドロイドを放ったり、聞き込みは一応した。
 あいつらが使っていたような、ネットの掲示板を使っている。

 だけれども、行方が知れない。
 流石は、知略担当と言うおうか――猫も鳥も、逃げ出したら見つけるのが難しい。
 
 故に約束は約束。
 であるが、差し迫って奴らの手掛かりが見つからないのならば、
 同じく、こちらの約束を行ってもよいだろう。
 実際のところ、小蒔や淡の云うように、いつまでも戦闘の緊張状態では心が続かない。
 それはいずれ、致命的な損傷となって襲い来る。

 ならば、休めるときに休んでおくべきだろう。


京太郎「次の日曜日、どうだ?」

淡「ん、分かった。じゃあ、楽しみにしとくね?」

京太郎「つっても、プラン考えるのお前だけど」

淡「ちーが-うーってば! 言わせないでよ、もう!」

淡「きょーたろーのエスコート、楽しみにしとくって事だから!」

淡「もう。恥ずかしいな、きょーたろーは」

京太郎「あ、そうか……悪い」

京太郎「まあ、お前と遊びに行けるの……俺も楽しみだ」

淡「えへへ。まあ、私の方が百倍は楽しみだけどさっ!」

淡「でも、その百倍楽しませてあげるね!」


 そう言って、飛びついてくる淡。
 なんというか、こう、可愛い。
 淡可愛い。あわいい。


淡(……流石に、デート中にロッカーに閉じ込められないよね?)

淡(へ、へんな夢だった……きょーたろーのスケベ)

340: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 04:34:24.15 ID:mW2hiZrMo

……で、どうなんですかね優希さん


判定
1~20:「……」
21~40:(ふ、二股最低男……? 嘘だろ……?)
41~70:「鼻の下伸ばして! おのれ犬!」
71~99:「久しぶりだな、京太郎! 具足(タコス)を持て!」

ゾロ目:「きょ、京太郎は私のものだじょ!」


↓5

347: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 04:49:03.33 ID:mW2hiZrMo
>>345の判定:86

京太郎「さて、それじゃあ……行く、か」

優希「久しぶりだな、京太郎! 具足(タコス)を持て!」


 行くかと言い終わるよりも先に。
 大声と共に何かの影が、京太郎の目の前に落下してきた。
 淡を庇うように、咄嗟に身構える。一先ず、ウェザーメモリを取り出した。
 直刺し。それは恐ろしいが、やらねばならぬなら、やるときである。


京太郎「……って、まさか」

京太郎「お前は……再起不能になったはずの……」

京太郎「――片岡、優希ッ!」

優希「ふふ……ご明察だ……流石、京太郎」

優希「『YES、I MA』と言ってやりたいところだが……ゴメン、ちょっと待って」

優希「足痛い」

京太郎「……かっこつけて高いところから登場するからだ、馬鹿」


 衝撃で痺れたと、膝を抑える片岡優希。
 その姿は――以前と変わらず。
 何やら見慣れないマントを付けているが、須賀京太郎が知っている片岡優希本人だ。
 そう、生きている片岡優希だ。

 あれほど、会いたかった――片岡優希。
 それが、目の前にいる。


優希「どうやら、しばらく会わないうちに目が腐ったみたいだな……京太郎」

優希「正真正銘の片岡優希ちゃんだけど……あの頃よりも、もっと美少女になってるんだじぇ」

優希「ふふん、まだまだ甘いな」

京太郎「……言ってろよ」

京太郎「その分だと……相変わらず、タコス好きみたいだな」

優希「当然! 酸素を嫌いな人間がいるか? 答えは否!」

優希「タコス無くして私じゃなく、私無くしてタコスじゃないんだじょ!」


 そう言いながら、その手に持ったタコスを食いちぎる優希。
 が、不服そうな顔。
 落下の衝撃で、具材がいくつか飛び出していたらしい。


京太郎「ハハ、本当……久しぶりだな。こんな会話」

優希「……おう。本当の本当に、久しぶりだ」

351: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 05:05:05.97 ID:mW2hiZrMo

京太郎「お前……ホンットさ」

京太郎「連絡の一つぐらい入れろよ! 買ったタコスの材料が無駄になっちまっただろ!」

優希「なぬっ……も、勿体ない事をした」

                       カメンライダー
優希「その分じゃ、相当なレベルの《タコスの作り手》になっているみたいだな……」

優希「流石は京太郎と、言ったところか……」

京太郎「いや、そのルビはおかしい。謝れ。全ライダーに謝れ」

優希「仮面ライダーは改造人間……呪われたタコスの血を全身に入れられてしまったもの……」

優希「つまり、人間はみんなライダーなんだじょ!」

京太郎「その理屈はおかしい。……つまりじゃねーし、前後が全くつながってねーだろ」


 或いは狼の子供が甘噛みをし合うように。
 あの日と――かつての日を思い返して、軽口を叩きあう。
 互いに距離感を図りあっていた。
 お互いが、変わっていないのだと確かめようとしていた。

 京太郎が、あの居場所を懐かしむように。
 片岡優希も、あの頃の自分たちを振り返っているのだ。


京太郎「っていうか、『YES I MA』ってなんだよ。MAって」

京太郎「英語苦手ってレベルじゃねーだろ、それ」

京太郎「お前モビルアーマーなのかよ。ブラウブロかよ。ヴァルヴァロかよ」

優希「そのチョイス……! だが私は、MAならノイエジールやディキトゥスの方が好きなんだ」

京太郎「ちなみに理由は?」

優希「ディキトゥスってデカイ手だろ?」

京太郎「ああ、そうだな……まさかの、正義と自由とか凄い意味ありげなネーミングされてるけど」

優希「あの手のサイズなら、かなりでっかいタコスが食べれるから」

京太郎「同じサイズの口無いけど、いいのかよ?」

優希「……も、盲点だった」


 ぐぬぬ、と顔を落とす片岡優希。
 なんというか――本当に、相変わらずだ。
 お互いこれまで、色々と合った。だけれどもそれでも、昔のままで会話がしたい。
 旧交を温めてから。
 今の話をするにしても、そうしてからの方がいいと――二人とも思っていた。


352: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 05:08:07.75 ID:mW2hiZrMo

淡さんは……

判定
1~20:「……」
21~40:「……きょーたろー、紹介してよ」
41~70:「きょーたろー、紹介してくれる?」 ムギュッ
71~99:「そっか、この人――京太郎の昔いたところの」

ゾロ目:(意味深な笑いをする声)

↓5

371: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 05:37:24.65 ID:mW2hiZrMo
>>358の判定:85

淡「そっか、この人――きょーたろーの昔いたところの」


 ひょい、と顔を覗かせる淡。
 事情がよくわからないという様子の優希と、そう言えば紹介すべきだったなと思う京太郎。
 すっかり久しぶりの再会を楽しむだけで、淡の事を忘れてしまっていた。


優希「ん、初めまして……えっと私は」


 どう答えたものか。
 初対面だし敬語を使った方がいいのか。
 それとも、気さくに話しかけてしまっていいのか。

 そう窺うような、優希の目。
 京太郎は軽く頷いた。大丈夫だ、問題ない――と。


優希「京太郎が昔いた、清澄麻雀部の一年生。片岡優希だじょ!」

優希「前の仮面ライダーW。主食はタコス! よろしく!」

淡「私は……元は白糸台で、あなたと同じ一年生。いや、実力的には高校百年生!」

淡「仮面ライダーゼロノス。大星淡だよっ! よろしくね」


 互いに笑いかける優希と淡。
 二人とも似たタイプだから相性がいい。そう思っていたが、そうだった。
 しかし浮かれすぎて淡の事を忘れているなんて、悪い事をしたと思う。
 そんな目を向けると、淡がウィンクで返してきた。
 デートのとき、期待している。そう言いたげだ。


優希「しかし、白糸台かー」

優希「淡ちゃんは凄いんだなー」

淡「うん、まあ……そんな事、あるよ! 私超スゴイから!」

京太郎「……自分で言うか?」

京太郎「つーか、白糸台ってそんなにスゴいの?」

淡「……え、知らなかったの」

優希「……流石、京太郎だじょ」


 京太郎の言葉。それに二人が、停止する。
 それから顔を突き合わせて、こいつやっぱり話にならないと囁き合う。
 出会って五分と経っていない。凄まじい順応具合だ。


優希「これだから京太郎は駄目駄目なんだ……まったく」

淡「ねー。今、正直すっごく引いた。ドン引き。麻雀部だったんでしょ?」

優希「そうだじょ。へっぽこだけど」

淡「あ、なんとなく判る。ライダーやり始めてもへっぽこだったし」

優希「相変わらず京太郎はどこででも、駄目駄目男だ」

淡「ねー。しかもデリカシーないしさー」

優希「本当、こいつは乙女心ってもんが分かってない。その辺のタコスの方がまだマシだじぇ」

淡「やっぱりそうだったんだ。その辺の話、聞かせて欲しいかなー」

優希「……そう、こんな事があったんだ」

京太郎「……やべえ。疎外感。超アウェイ」

375: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 05:53:48.80 ID:mW2hiZrMo

 やいのやいのと、自分に対する不満をブチ撒け合う。
 完全にガールズトークの状態である。凄まじく一人ぼっちだ。
 というかそこまで、こき下ろされるような事を自分はしただろうか。酷い。


京太郎(……ま、いいか)

京太郎(久しぶりに優希の奴とこうして話せたし……)

京太郎(淡とも、仲良くやっていけそうな感じだし)


 ふう、と息を漏らす。
 昔の仲間と今の仲間。仲良くやってくれそうで、よかった。
 懸念は一つ解消だ。
 それとも、同じ麻雀部として――何かしら通じ合うところがあったのかもしれない。


淡「へー、そんな事があったんだー。へー」

優希「本当、どうしようもない奴だじぇ……」

優希「淡ちゃんの方にも、うちの京太郎が迷惑かけてなかったか?」

淡「そっちこそ、私のきょーたろーが馬鹿な事やったりしてなかった?」

優希「いやー、でも別にそんな事ないじょ? こいつ、これで居て気が利く方だし」

淡「うん、確かにきょーたろーは面倒見がいいよねー。この間とかもそうだったし」

優希「……」

淡「……」


 あれ、どうしたんだろう。
 心なしか空気が固まった気がする。
 何だろう。テラー・メモリ、誰か使ったんだろうか。

 淡が急に腕を組んできた。胸が当たる。
 いや別に、だからどうしたって事はないレベルのおもちだけど、それでもおもちだ。
 ちょっと意識せずにはいられない。
 ぐぬぬ、と優希が淡を睨み付ける。タコスを返せ。そう言っているときの眼だ、あれは。

 胃が痛い。
 ちょっと吐きそうになってくる。


優希「……」

淡「……」

京太郎「……あの、おまえら」

優希「……」

淡「……」

京太郎「……なんでもないです、はい」

379: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 06:13:39.22 ID:mW2hiZrMo

 沈黙する二人の頭を叩く。
 それから改めて、コアメダルを握りしめた。


京太郎「ま、つもる話は後にしよーぜ。今は、新道寺の人たちの話が先だ」

淡「ん、そーだよね。判った」

優希「確かに、よく考えたらそれどころじゃないな」

京太郎「いや……いきなり、優希と盛り上がってた俺が言えた事じゃないけど」

淡「まったくもって」

優希「その通りだじぇ」

京太郎「……ぐ。判ってる。ぐうの音も出ないって事は分かってる」

淡「出してんじゃん」

優希「今、『ぐ』って言ったじぇ」


 二人から指摘を受けながら、歩き出す。
 どうにもこれでは、片岡優希か大星淡が二人になった感覚だ。
 女が三人集まれば姦しいと言うが、こいつらなら二人で十分。
 それどころか、一人でやかましいと思える。

 そして、淡に促して扉をあける。
 ゼロライナー。時を翔ける列車なら、直ぐにまこのいる場所に辿り着けるだろう。


優希「ま、駄目駄目な犬だから……ここは私たちが大人にならないとな」

淡「そうだよねー。きょーたろーは一年生なんだし、先輩として私がフォローしないと」

優希「その心は?」

淡「私は実力・精神年齢も100年生。きょーたろーは1年生」

優希「なら私は101年生だじぇ!」

淡「じゃあ私は300年生!」

優希「ぬっ! なら私は1000年生だじょ!」

淡「じゃー私は1億年生ー!」

優希「さ、さっきから上がり方がずるい……ぐぬぬ」

優希「それなら私は、100京年生だ!」

淡「む……京の文字を取るなんて……!」

淡「それじゃあ私は9999京年生!」

優希「じゃあ、私は9999.99999京年生!」

淡「じゃあ私はそれよりも上の京年生!」

優希「それなら私はもっと上の上だじぇ!」

淡「じゃあ私は、そのもっと上の上の上の上、絶対何があっても上ー!」

優希「絶対の絶対の絶対私が上だじょ!」


京太郎「オイ、バカ二人」

京太郎「車内だから馬鹿騒ぎはやめろって……」

淡「バカはきょーたろーじゃん!」

優希「そうだじょ! バカはお前の方だ!」

380: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 06:32:14.99 ID:mW2hiZrMo

 会いたかったと思ってたけど……いざ会うと、実にやかましい。
 木霊ですか? いいえ、子供です。
 そんな声が脳内で反響する。京太郎は、頭を抱えた。

 まあ、細かく見たらタイプは違う。
 淡の方が――きっともっと不遜なタイプだ。
 直接、麻雀を打ったことはないから判らないが、戦闘中に感じるあの独特の気配と殺気。
 純粋で自信がある故に、残酷と言うような、凍てつくような殺気。

 優希とは……戦った事がないから判らないが。
 おそらくこちらは、燃え上がるようなタイプだ。
 また、こんな風に不遜な態度を取りながらも、内面では色々と考えてそうなのが優希。
 身内以外に対しても打ち解けるのが早いのは、多分そんなところ。
 淡は逆に――というか実際、打ち解けるまで時間がかかりそうだ。

 そう言う意味で、本質的にこの二人は別の側面の人間であるが――。


京太郎(五月蠅いのと子供っぽいのは、同じなんだよな)


 少なくとも京太郎には、そうとしか思えない。
 はぁ、と息を漏らす。

 だけども――この煩さ。悪くない。
 もう二度と戻らないと思っていたあの日よりも、なお醸し出される喧騒は、
 京太郎から、失った悲しさを薄れさせるのだ。

 向こうで話し合う二人を眺めながら、京太郎は席を立った。
 まあ、仲良くしてくれそうだし……二人で話す事も、あるだろう。
 あとトイレに行きたい。実は結構、トイレを我慢してた。
 アンデルセン先生、いい人で許してくれるだろうけど――怖いし。


京太郎「ちょっと俺はトイレ行ってくる。お前ら、暴れるなよ」

淡「んー、分かった」

優希「ついでにタコス買ってきてくれ!」

京太郎「ここらへんに売店ねーから」

優希「む、残念……」

381: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 06:36:27.54 ID:mW2hiZrMo

 須賀京太郎がいなくなって、二人はしばし無言。
 さて、なんと言っていいものか。お互いに窺っていた。
 口を開いたのは、淡からだ。


淡「んー、まあ正直、何だこいつってとことか、正直馬鹿じゃんってとこあるけどさ」

淡「でも、弱いなりに頑張ってるところは結構イケてるよね」

優希「ああ、確かに……」

優希「よくもあれだけボコボコにされても……何事も無いように、部活に顔出せるとは思う」

優希「うん、そこらへんは京太郎の凄いところだな」

淡「……」

優希「……」


淡「負けないから。っていうか、私が勝つ」

淡「私のこのボディで悩殺してあげるからさ」

優希「ふふん。京太郎はおもち大好きだ。その程度のおもちでは満足しない!」

優希「その●●●●を見ながら、おかしな妄想をされたか? されてないなら、つまり●●●●に対しては魅力が無いという事だじぇ!」

淡「……う」

淡「でもそれ、そっちも同じじゃん」

優希「……うん。言ってて自分でも虚しくなってきた」

淡「……」

優希「……」


淡「まあ、とりあえず」

優希「うん」

淡「絶対私は負けないから。先に会ってても、私が最後に勝つから」

優希「それはこっちの台詞だ。私も、最後の最後まで諦めないからな」

淡「うん、それじゃあ改めて――」

淡「よろしく」

優希「よろしく」

442: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/20(水) 12:47:52.81 ID:GcjPrqdGo
そういえばさ、「かーなーり強い」ってどっちかと言うとあれ個人スキル (一太の覚悟完了とかと一緒)なんだけど……
これ、入れなきゃ駄目ですかね? 実質技能77なんすけど……

592: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 00:02:20.07 ID:E9YEtYaFo
【サイガルート IF】

美穂子「そんな……どうして……!」

美穂子「どうして、オルフェノクを庇うの……?」

美穂子「その子は、スマートブレインの尖兵」

美穂子「人間の敵なのよ?」

美穂子「人間を殺そうとするオルフェノクの手先で……」

美穂子「人間と共存しようとするオルフェノクも殺している、スマートブレインの……!」


 美穂子が叫んだ。
 その腰には、カイザドライバー。金属製のベルトが巻かれている。
 本心から美穂子は、京太郎の投降を願っていた。
 これまで、一人ぼっちで戦ってきた。その事に後悔はない。

 あの日を繰り返させない。自分の手で、人間を守る。
 そんな信念があったからこそ、自分だけでも大丈夫だった。
 だけれども、ライダーの仲間。それもいいものだと思えた。
 困難を共に乗り越える。命がけで、背中を合わせて戦う。
 共に戦いを通じて、良い関係になれたと思っていた。

 もう、大切な人を失いたくない。
 福路美穂子はそうして、ただの人間から無意識に距離を取った。
 失いたくなかった。そして、人間とはいえこうしてライダーに変身するのだ。
 排除されたくなかった。また、人から好奇と排斥の眼を向けられるのは嫌だった。

 故に、ライダーの仲間が出来て嬉しかった。
 どう言っても、寂しさはあったのだ。

 それなのに――何故、彼が。仲間である彼が。上埜――竹井久の後輩である彼が。
 オルフェノクを――スマートブレインのライダーを庇っているのか。


京太郎「……すみません」

京太郎「俺は、この人を守る……そう誓ったんです」

京太郎「それに……」


 それにと区切って、彼は逡巡の後、頭をふった。
 説得は通じない。そうなっていた。
 仕方がないと――倒してでも事情を聞かなければという思い。

 同時に湧き上がる負の感情。

 またしても、オルフェノクが……。
 オルフェノクが、己から大切なものを奪ったのだ。
 共存を考えもした。だけれども、無理だ。
 奴らは人を殺し過ぎる。暴力を以って人を甚振る事を至上としている。
 穢された末に灰になった少女の事を思い浮かべると、反吐が出そうだった。

 粘りつくような、嫌悪感。
 福路美穂子は、爆発した。

596: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 00:12:39.22 ID:E9YEtYaFo
【メズールルート IF】

京太郎「誰だか知らないけど……女の子狙うなんて、ふざけんな」

メズール「ぼう、や……?」

京太郎「逃げてくれ……! ここは、俺がなんとしても食い止めるから……」


 それは――世界を侵す恋。
 その日すべてが始まった。ただ、地獄に向かうしかない道筋。
 進む事もできず、退く事もできない。
 歯を食いしばって、選ばなければならない――そんな世界。


メズール「……仕方ないわね」

メズール「金髪の坊や。これを使いなさい」

京太郎「坊やって……いや、何だこれ!?」


 それから聞いた。彼女たち――メズールとガメルの身に何が起きたのか。
 ウヴァとカザリ、そしてアンクが手を組んだ。
 つまりは、他のグリードによる攻撃だった。

 ほとんど完全体に近いカザリとウヴァ。
 彼らの命令を聞く、ロストアンク。
 カザリが――他のグリードのコアメダルを我が物にしようとした、そうだ。
 そこで何故ウヴァが残っているのかと聞いたら、臆病で扱いやすいから、だそうだ。


メズール「あら……」

メズール「坊やは、こういう姿の方が好みなのかしら」

京太郎(お、おおおおおおおおもち! おもち! すばらっ!)

京太郎(もう人間と怪人の壁とかいいんじゃないか? いや、でも……)

京太郎(ぐっ、耐えろ……ッ! 耐えろ京太郎……!)


 年上お姉さん(800歳以上)の、イケナイ誘惑。
 須賀京太郎は、果たして耐えきれるのだろうか。


ガメル「オーズ、俺と一緒にメズール護る!」

京太郎「おう、頑張ろうぜ……ガメル!」

メズール「二人とも、無茶はしないでね」


 突如空中から襲撃してきたクイーンビー・ドーパント。
 正直なところ恐ろしい。
 だが、京太郎は一人ではない。共に戦う、仲間がいた。


600: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 00:22:14.18 ID:E9YEtYaFo

メズール「ヤミーを作りたいんだけど、駄目かしら?」

京太郎「いや、その……あの、いや」

メズール「許してくれたら、可愛がってあげるわよ……坊や」

京太郎「……じょ、条件付きなら」


 俺のグリードがこんなにもエロい訳がない。
 と言うかこの声を聞いていると、何か別の自分になりそうな気がしてならない。
 運命だろうか。

 でも可愛がるっていっても、特にエロイことはしてくれない。
 そう言う感情が薄いのだろうか。凄い声がエロいのに。
 魔女だ。悔しい、でもそんな提案に飛びつかないわけにはいかない。
 京太郎は頭を抱えながら、何とか彼女の提案を人類向けに折り合わせる。

 そう、この頃は幸せな記憶。


京太郎「ぐ、ぁ……う、ぐぁ……!」


 体内に宿された、紫のメダルが京太郎の精神を塗りつぶす。
 欲望を殺せ。その象徴を殺せ。グリードを殺せ。慈悲はない。
 全てを虚無に導け。何もかもを破滅に追い込め――そう、囁きかける。

 歯を食いしばって、何とか堪えようとする――が、無駄だった。
 ガメルとメズールの攻撃。
 そして、仮面ライダーの手によって、かろうじて変身が解除された。
 これが全ての崩壊の始まり。


もこ「オーズの力、見たでしょ?」

もこ「そのままだと……あなたたちは砕かれちゃうわ」

もこ「ねえ、いいの?」

もこ「メズールを守れるのは、貴方しかいないんだよ?」

ガメル「……俺、メズール、護る」


 そして浸食する世界の悪意。
 恋慕は呪縛となり、全てに絶望を与える。
 安息の日々は、還らない。


京太郎「やめろ……! やめてくれ、ガメル……!」

京太郎「お前とは戦いたくない……! なんで、どうしてだよ……ッ!」

ガメル「俺、オーズを倒してメズールを守る!」

ガメル「待ってて、メズール!」

京太郎「やめろ――――ッ!」

603: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 00:30:29.72 ID:E9YEtYaFo

 両親を殺した。仲間を殺した。グリードを殺した。
 全ての関係に、罅が入る。
 京太郎はもう、耐えられなかった。

 ガメルを殺してしまった。
 メズールも、口では京太郎を慰めようとしてくれていたが……内心、複雑だっただろう。


淡「……きょーたろー」

淡「大丈夫。私が受け止めてあげるからさ」

淡「今は、泣いてもいいんだよ?」


 そして京太郎は少女に縋りついた。
 己の罪に耐えられない。一時でもいいから、癒しが欲しい。
 何かに溺れたかった。
 これではない何か。今ではない何か。ここではない、どこか。

 そして――。


メズール「……」


 崩壊が始まる。
 全ての舞台が、終焉に向けて収束する。
 残るのはたった一つだけ。
 あとはすべてが虚無に包まれる。


メズール「私は、愛が欲しいのよ……京太郎」

メズール「今なら、貴方を愛してあげられるわ」

メズール「あんなおままごとじゃなくて、ね」

メズール「私は、人を愛せる――あなたの事を、愛してあげられる」

メズール「だから……私と来てくれる?」

メズール「世界よりも、私を選びなさい。いえ……選んでほしいの、あなたに」


 泡の中に囚われた人々。
 何人もの母娘。既に食われてしまって、衣服の残骸だけが残っている者もいる。
 大星淡。或いは神代小蒔、新子憧。
 ライダーの皆。助けた皆。それも、その膜の中に覆われている。


セーラ「……辛いやろうけど、あそこまで行ったら」

セーラ「京太郎、覚悟を決めるんや」


 そして――その果てに。
 ただ一つを残して、全ては崩壊した。
 世界の為に彼女を殺すのか、彼女の為に世界を壊すのか。

 京太郎が選ぶのは――。

608: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 00:44:12.56 ID:E9YEtYaFo
【国広一 IF】


 ああ――なんと、人間は愛おしいのだろうか。

 国広一/仮面ライダーカリス/アンデッド・ジョーカーは覚えている。
 人々の温かさを。己が出会ってきた人間の心を、ぬくもりを。

 アンデッドに親はない。子供もいない。
 故に家族など不要だった。特に、あらゆる種族の祖ではないジョーカーには、同族は居ない。
 己は孤独な獣だ。ただ戦い、全てを終わらせるだけの化け物だ。
 そう、彼女は化け物だった。


 ああ――なんと人間は素晴らしいのだろうか。

 一は覚えている。
 自分を家族だと、アンデッドだと知っても受け入れてくれた龍門渕透華の凛とした表情を。
 一は覚えている。
 どちらかと言えば不真面目な自分にも、静かに付き合ってくれた沢村智樹を。
 一は覚えている。
 なんだかんだと息があって、アンデッド探しにも勝手に協力してくれた井上純を。
 一は覚えている。
 人間だと言うのに孤独に苛まれる天江衣を。彼女の小さな手を、その涙を。
 一は覚えている。
 戦う事しかできなかった自分に、根気よく色々な事を教えてくれた萩原を。
 一は覚えている。
 自分には無縁だった――人間の恋と言う感情を。
 アンデッドだとしても、最後の瞬間までともに生きたいと言った須賀京太郎の言葉を。

 だから――自分は死ななくてはならない。
 否、不死だから死はない。封印されるだけだ。
 そうだとしても、国広一という人間が死ぬ事には変わりないと――彼らは言っていた。

 自分が死ぬ。
 何ともおかしい響きだったが、悪い気はしなかった。
 皆が自分を、人間として考えてくれているのだ。
 だからこそ、申し訳ない。

 それでも――そんな愛を教えてくれた彼らを。
 国広一は、護りたいと思った。自分と引き換えにしても。


一「ボクは、とーかを守りたい。ともきーを守りたい。順くんを守りたい。衣を守りたい。ハギヨシさんを守りたい」

一「こんなボクに……空っぽのボクに、愛をくれたんだ」

一「このままだと世界が滅んで、皆が死んじゃう……ボクのせいで」

一「もう、ボク自身止められない。ジョーカーの本能を」

一「だから、ボクを封印してくれる?」

一「これは、君にしか頼めない……君にやって欲しい。君に封印されたい」

一「ボクの最後を、決めてくれ」

京太郎「――――ッ」


 原村和から受け継いだブレイドのバックル。
 変身を済ませた京太郎は、戦いの末、国広一の胸に剣を突き立てた。
 飛び散る緑色の血液。それでも呻き一つしない、一。
 最後に――ラウズカードを投げて、彼女を封印した。

 須賀京太郎は国広一の願いを叶えて、世界を守った。
 己の恋人を――代償に。

616: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 00:58:33.50 ID:E9YEtYaFo
【一ルート IFその2】


 世界の崩壊は突如として終わりを告げた。
 理由は分からない。だが、一は感じ取った。
 己が勝利者でない事を、バトルファイトがまだ続く事を。

 素直に――嬉しかった。
 死ぬ覚悟をしたとしても、やはり嫌だった。
 心無い獣は、人に触れて愛を知った。もう、戦うだけの存在にはなりたくない。
 一人ぼっちは寂しかった。封印されるのが、怖かった。
 それが、止まったのだ。

 これで――自分は人間の中で暮らせる。
 そんな実感が湧いてきた。
 堪らなく嬉しかった。戸惑いよりも、悦びが勝った。
 そのまま、須賀京太郎に抱き着こうとした。自分は封印されなくていいのだ、と。
 だが――。


京太郎「来るなっ!」

一「京太郎くん……?」


 変身が解除された京太郎が、一を睨み付けた。
 満身創痍。獣の眼だ。
 一瞬、ジョーカーである筈の自分が気圧された。
 その場に立ちすくみ――そして、気付いた。


一「その傷、まさか……」

京太郎「……そうです。俺も、たった今アンデッドになりました」

京太郎「だから……バトルファイトは継続された。世界は滅ばない」

京太郎「でも――もう、俺たちは会っちゃいけない。会ったら、殺し合わなければならなくなる」

一「そんな……」

一「どうして……!」


 一の問いかけに、困った風に笑う京太郎。
 笑いながら、一から距離を取る。
 離れていくのに、傷ついている彼が見えるのに――手を伸ばす事も、抱きしめる事もできない。


京太郎「あなたが誰かを守りたかったように――俺も、あなたを守りたかった」

京太郎「二度と会えないとしても、生きていてくれる……それだけでいい」

京太郎「この世界のどこかで、貴方が笑っていてくれる。生きていてくれる」

京太郎「それだけで――俺は満足だ」


 それじゃあ、と。
 一に背を向けて、地を蹴りその場を後にする京太郎。
 戦いのダメージが後を引き、彼を追いかける事ができない。
 手を伸ばす――だが、届かない。どんどんと離れて行ってしまう。

 須賀京太郎は――二度と会えない運命と引き換えに、国広一の生存を臨んだのだ。
 これは、そんな世界。そんな結末。

619: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:05:52.62 ID:E9YEtYaFo


             ┌────────────┐
             │これは――願いの物語   .│
             └────────────┘

                                            ,.ー-‐.、
                                          ヽ、   ヽ  __
                                          /,..-ニ‐- '"_,..)
                                          ' ´/  , _ 、´
      .:_______.: . . . . . . . . . . . . . : '          ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\
    .:/ / r─‐'‐ァ r─‐'ニニニニ7:.,ィ─ァ‐===‐‐二/   , ',. -一' ./..'/     .}
   .:/ /'  = フ'¨,r ュ,rフ/二二フ/  7´' ∠/ ∠¨_ / ,. '′  ,..,.  ,/    ./
   7 / /ク r'/ / 三/ /´//ー‐/ /-'´//─‐,≠/ /    {  \ヽ      i'
  /─'ー‐‐^ー―――^ー―´   '==='  'ー‐´       ー'´        `´\ ヽヽ   !
 /M A S K E D  R I DE R_   _ .           ,.'⌒   `,. l   !  ー"ヽ  ヽ
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l l  //.          ! ゝ-‐'´ /l  .!  `ー-、   }
                         | |//         __. \  /  }  .}    ヽ/
                               l  、 ヽ   、-、 ,.-, ,' r‐、ヽ `ヽヽ  j  ノ
              ._______| |ヽ ヽ_ヽ.∨ /__.ゝ ー’ノ___゙、`'   / ___
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }   ./  ̄ ̄ ̄
                                  / ./.               ヽノ
                                     ̄


    ┌──────────────────────────────────┐
    │ その果てに何が待ち受けているとしても、誰もが純粋に――幸福を願っていた  │
    └──────────────────────────────────┘



624: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:12:17.12 ID:E9YEtYaFo


 ――「願い」を守る少年


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `  願いが無くちゃ、戦っちゃ駄目なのか?
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ          ,....-ィ /       誰かの笑顔を守りたいってだけじゃ、戦う理由にならないのか?
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >



 ――「願い」を継いだ少女


                   ,.:′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
               /:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
             ′:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.ハ:.:.:.:.:.:、:.:.:.:、:.:.:.:.:.:.:.:ハ
              i:.:.:./:.:/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.i| 、:.:.:.:.|: . . . i. . . . ::.:.:.:.:i
              |: : : :/: !:イ: : :i: :.:.:.:|:.:.:.i|  ',:.:.:.:}、::::::::i:::::::::::::::.:.:.:i
             |. .i:.:|:.: |'_i:.:.:.ハ:: : |i:.:.:|{ _.. 斗:.| |:::::::|:::::::::::::::::.:.:i  先輩の意思を継いで、人を守るっす!
             i: i|:.:|:.: | _i:.|iヽ_,ヽ.:| 、:.{ヽ _.」:} リ:::/:::::::: |::::::.:.: i
                  |: !V|:/.|yt示:メ、 ヽ ヾ,イ.:.:..i:ト、レ:::::::::::::|::::::::: :i
                  |:.i:::::ハ{{.|i:r':. |       r':.:.:}:|:} i} |::::::::::::|::::::::::.:',
                  |:.i:::::::∧.仆.z:.i      .ゞ-.i:|  .|::::::::::::|:::::::::::. ',
                  |:.i.:.::::::::} |:!:.:.   ,    .:.:.:.|:|   .|::::::::::::|:::::::::::::. ',
                 ,':.:i::::::: ハ|:!             |:i  .|::::::::::::ト::::::::::::::. ',
         _     .i:.,イ::::::::: : |:!、   マ .フ   |:i ./.!::i::::::: |::::::::::::::::ハ
     / ヽ.´.7  |:i |:i::::::ト:: |:|::>..  ` ´    .|:i´ ..i:::|::::::::'::|:::::::::::}:::ハ
    / /   >、   |:i |:i|:::::| : |:|::::::::::::>tェ.<  |:i. ´.|:::|/::::'、:|:::::::::::iヽ::::i
   .{ ./ , -‐´ _}. .|:i_|:i|:--:.-.i|´ ̄:/:.:{ ヽ ,.-‐´|,'  .|:/:}:.:i: : }`: : ‐---`..._
    i    ´ ̄ } ∧:.:{: : : :.:.:.|: : :/: ./,イ:三:ヽ .|   ./: :|:/: : |: : : : : : : /: : :ヽ


626: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:17:58.34 ID:E9YEtYaFo

 ――「願い」を生き方にする少女


                  ,..:::-----:.. 、
                /::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
              /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
             /::::::/:::::::::::::::::\:::::::::::\::::::::::ヽ
             /::::/::::::/::/{\ヽ\:::::::::::\::::::::ヽ
            /:::/\/ /    ヾヽ \:::::::::::ヽ:::::::',
            /:::/:::::/ /        _.\:::::::::',:::::::l
           /::/\/ _\    /´_ ヽ::::::l::::::::l
           /::/:::/Y´し牟ト、   イ´侔`ヾ'::::::l::::::::l   この力で、家族や皆を護るし!
          /::/::/ { ヒ{::爿    .ヒ{:::爿 / }:::::l:::::::::l
         ./:::/:/::ヽ', `ー´  ,   `ー´ /ヽ:::l::::::::::l
         /::/'l:/::::::::ハ      _     /ノ:::l::l::::小ヾ
        /"  {小::::{:::l丶、  ` ー´  .∠小::::l::|:リ
             ヽ小l::::::r `i> 、 _. ィ´{ミヽリリ州/
          z ''"´ ̄ ̄ {´|     ! 7 `丶、
        /´¨\       ヽ      /     ` 丶、 _
       /    \/´ ̄_ ̄_丶、__ _ /       / ヽ
    ,, "    , '"´  _ `丶、 `ー-´ /      / ./  ヽ
 /"    ,, ''"     \`丶、`ヽ、  ./     /  ./    ',
{ ̄ '7ヽ/       \\\ `ー-` /  ,,≠"´= /     ヽ、



 ――「願い」に命を託す少女


       /  / ::/ :::::::::::::::::::://:´ ̄::ヽ:::/ /::/   |:l |:::::::::::::::::|::::::.     i
.      /  / : ::::| :::::::::::::::/ /:::::::::> ´ /,: ′  |:l |:::::::::::::::::|::::::::.    l
     /  /...::::::::|::i:::::::::::/ァ===ミ、 ヽ /イ      .:j_|:::::::::::::::::|::::::::::.   │
.     ′.:: :::::::::::リ、:::::::;《 ん干ハ\        〃 j\:::::イ::/::::::::::::.   /|
.   / .::: ::::::::/  ∨ |  {:ト::::::ノ:'         ,ノ  /::::::ヾ }/}::::\ __/ .′
   ′::::  ::::::::{    ヽ{  ゝ:こソ        =ァ=/:::/  ソ/::::::/::\   /
  / :::::! :::::::::∧     。              ん干ハ㍉  /::::::/::::::  ヽ.′
 ′:::::::|...:::::::::::::∧__   :.:':.':.:           {:ト::::::ノ:′|} /:::/:::::::   //
/ . ::::::::i|..::::::::::::::::::::|::{              、     ゝ:こソ //彡::::::::  //
.....::::::::::i|.:::::::::::::::::::::|∧                     ヘ:/::::::  / ノ  待っとってな……絶対、助けるから……!
...::::::::::::i|::::::::::::::::::::::l::::∧     「 `ヽ、    :.:':.':.° ′ノ┬=ァ ´
:::::::::::::::i|::::::::::::::::::::::|:::::/ :.     ` -- ′       ,: イ: / /
::/::::::::::j|::::::::::::::::::::::l:::/   \           /::::::::: / /
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-=ニニニム::::::::::::::::::::{ニ\        /:::/::::i|:::::::::::::::::::. ,′/


628: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:23:21.41 ID:E9YEtYaFo

 ――「願い」を奪われた少女


               , - ── - 、
            ,  ´ , .ヘ       ヘ、
          /  /.   ∧    /   . \
.          ./  /  .....:::::::..∧   /,...:、::::::::.. .\
       /   .}   .:::::::::{ ミ ∧ /∥ . }::::::::.  ヾ、
.      / ,::::::::::ノ   .:::::::::i_ミ_ __z--.ヘ::::::::::.  ∧
      { {::::::::/   .:::::::::/        .∨::::::::.. ∧
      i i:::::ノ    :::::/          ∨::::...... ∧
      } レ´  ....:::::::.::/         ___∨、::::::::.. ミ、
      {彡' .......::::::::イ:/─一     ´_ _  ヽヽ_::::   \
    ニ´彡 ......:::/::∥ --       ____\=-ニ、___`_=-
  -=ニ´____/{. ,=-テ三欠      ケ_ノ::} ゝ{::::::::::}
     } ::}.}、::::::::.}丶 {::ヘ__ノ}       ヒヘ_ソ  .ノ,:::::ノ:}
     i .::,:{}::ヽ:::.N  ゞ─‐'.       ` ̄´  ク:::,ノj{{  生憎と――私はもう、一度死んでるんだ
     ,' ::::} :::::::}ー`、         '       }:::::::: ||
     }  { ::::}:}:::::`ー、               .ノl:::::::: ll
    ,', ::,' .:::|::|:::::::::|:{\      <  ア   ./}::}::::::: .}}
    ∥:/{ .:::i::.i:::::::::i::il::::>, _        ,<:::::i::i::::::::: {{
    {{ { } ::::}::{:::::::::}::}}:::::ノ| ` ー - ィヘ::{::::::::l::l:::::::::::} }
    ii .i i :::{::::}::::::::::::::<} >- _ _ノ .∧_:::l:l::::::::: :i/
    {{', { {:::::}:::|___r´:::::;}    {_.∨ヘ   }:::::ヘ_::::::}/
..,_ .─ー代{ヘ/::::::{::::::{::::::::::{    ノ:::::::::::}、  .}::::::∧  ̄ ー  __ _
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 ――「願い」を砕く女性


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              i:.:.:.:.: :|:.:/ :l:.:./   ∨ レ'  ∨  }Ⅵ:.:.:.:.:.|
              |:.:|.:.:.:.Ⅳ  V                |:.:.:.:.:.|
              |:.:|.:.:.:.|   ___,.   、____  |:.:.:.:.:.|  踏みにじられた人間の顔、見た事ある……?
              |:.:|.:.:.:.| ´                ` |:.:.:.:.:.|
              |:.:|.:.:.:.| ,斗ぅ芋ミ      斗ぅ芋ミ  |:.:.:.:.:.|
              |:.:|.:.:.:.| {. 乂辷ソ::::::::::::::::::乂辷ソ .} |:.:.:.:.:.|
              |:.:|.:.:.:.|ハ   :::::::::::::::::::::::::::::    ハ|:.:.:.:.:.|
              |:.:|.:.:.:.lヽ{        '         }ノ|:.:.:.:.:.|
              |:.:|.:.:.:.|:.人     __       人 |:.:.:.|: |
              |:.:|.:.:.:.l: :|:.:|:...    ̄ ̄    イ:l:.: :|:.:.:.|: |
              |八:.:.:.ト、|:.:|:.:.r‐}` ー--‐  {‐ァ: |:.|: : |:.:.:.|: |
                \l:_:|-‐'{厂         ア}ー- .:_:|:.: 八|
             _ ,. <     |        |    ノ/=ー-、
              〈           |        |            〉
             ∧           ヽ       /           ∧

632: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:27:41.76 ID:E9YEtYaFo

 ――「願い」を見守る女性

              .   -‐…‐-  .
              ´               `  、
       /                  \
       /      .. .. .. .. .. ..  .. .. ..      丶
          . .: .: .: .: .: .: .: \:. :. :. :. :. :. .   、
    /    . .:| .: .: .: .: .: ¦:. :. \:. :. \:. :.    `
       . . . .:.| .: .: .: .: .: | i :. , :. :. :. :. :. :. :.   ,
   ;   . . .: .: .:.|  .: .: .: 、_|__j_|ノ|ハ:. :. |i :. :.
   l i. ..: ..:|. .:.| i :. :. :. :. :..| i  | 人 ⅰ:. |i :. :. i |
   | | .: i.: |. .:.|八 :. :. :. :. ∨i,x圻幵竹,:. |i :. :. | |  んー、楽しそうだったからじゃ駄目かねぃ
   | | .: i.: |/l ∧ :. ___ノ 〃 トィ/f心| :. |i :. :. | |
   | | .: i.: | :. ァヒ扞ト′      _)ツ| :. |i :. :. | |  誰かの欲望って、見てて退屈しないんだよね。わかんねーけど
   | i .: .:i.:| 爪 トィ心       ,,,  | :. l/ :. :.. |:八
   | | .: i.: | :. |i'  )ツ           | ; ′:. :. | : :\ /㍊i
   | i ’.: ,.: | :. ||:、 ,,,   ′   ィ   / .: .: .:  ノ|: :/  ㍊i
   |/ V/, |i :. 〈癶     ーく  ノ / .: .: .:  /: : |/   ㍊i
        V 八:. :. V:.ゝ      / .: .: .:  ィ/: : :/    ァ㌻¨:\
       \:. \i:. \:. ≧=ー/ .: .: ≠≪'/: :/   ,ァ㌻¨。 ゚xヘ: \
        }≧=\------辷r< //。※゚l/  ァ㌻¨ ※/。※ハ: `
        /  ;冖冖冖冖/ i/ `X升ォt/ ァ㌻¨ 。※゚/。※゚。※゚| : |
       / / /。※゚.。※゚/: :{※゚/ ゚| | ァ㌻¨: :/。※゚〃※。※゚。※゚| : |
.    / イ/ /※|。/。※/ : : {/。※゚| |¨l : : : /※/゚/゚。※゚。※゚。※゚| ノ



 ――「願い」の代価に苦しむ少女

                       ... -――‐- ...
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.               /:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
                    /:::::/:::::::::::/::/::/::::::::::::::::::::∧
              .′::′:::::::/::/::/::: : |::::|:::::::::::::|  勝てば、皆といられると思って……それで……
               |::::::l::::::::::/ /::/:::|::::::|l:::|:::::::::::::|
               |::::::l:::::::/ー匕ィ77''''|l:::|二二二二二ニ==--
               |::::::|:::::; __ | 〈 〈 {_L从ハ二二二二二二二二ニ=--
               |::::::|::::{℃癶_)-`ー‐'__フ`<二二二二二二二二二二〉
               |::::::|::∧/Y´Υ ̄ ̄∨::l:::l:::| ̄ ̄二ニ<二二二二/
.             __ |::::::|::l::リ し' ヘ⊇...イ:::::l:::l:::| ̄ ̄ / /二二マニ/
         /   `≪三三|    ∨彡'三lリ'l:::|   /{ l二二二/
          /       }≪三|    /三三ヲ/ ll:::|  ,/ l |二>''"
.          /       ∨〉 `~「 ̄\,/三彡'  八:{ /   __フ´
         /       /  /二二二>∠__,     ∨ /__ノ
      /___\__    l ,/二二二/----'      ∧
      〈/┬‐=ミ\  / ,/二二二/         ∨::::::.
        ヽ|二二>∨ ,/二二二/      /   |:::::::::::\
       ノ|二二二{__/二二二/      /     |:::::::::::::::::\
.      /:::::|二二二フ二二二ニ' /    /'     |:::::::::::::::::::::::\
     // ̄!二二/二二二∨/    /     |::::\::::::::::\::::\

636: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:37:16.16 ID:E9YEtYaFo

 ――「願い」を叶えたい少女


                   _, -‐―
            _, . .-:‐:‐:'´: : ": : :‐-. 、_
         _,.r:"´: : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : :``: .、
       /: : : :.:::::::::::::/:::::::i:::::::::::::::::::::::::::::.:.: _、; `-.、_
       /: : :.::::::::::::;::::::イ::::::;::ハ:::::;;::::::::::::::::::::/::::::.:.: : : :\
     /: : :::::::::::::::/:::/:|:::::::i:i:.:.i:::::;;;;::::::::::::::∥:::::::::::::、:::.: : :ヽ
   ,.r:"⌒:ヽ、::::::::/:::/ ┤::::|:|ニ廴:::;;;;;;::::::::::|::::::::::::::::::)::::: : : |
  / . : :.:::::::::::゙i::::::イ::/_―|::::::|:!―弌/ア;;;::::::ゝ、__/::::::.: :∥
 i: : :::f::::::::::::j:::/;|:7ヘミ::i:::::|:|――丈:::::;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::: ;ハ
 {: :.: 弋__,/∥ハ:!:.:.:.ミミヘ::::!|-―彡-`ゞ、;_::::::::::::::::::::: ;:イ:i : i
 ゙、 .:.:::::::::::::::/ノ:.:リョニャニヘ::ヘニニ羊三≡ミミヨT:::":´: ;.r宀・ト、  (こん力で、政治ば変える……!)
  .\ : : :::_/ャビ毛鬱"|ニニヘ:ヘニニ⊇;;;;;;;;;;;. リ:i:::::::::::.f:.:.:.:.:.:.、: ヽ
  / ̄ヾ::゙l:.:.:⊇ ;;;;;;;; リニニニ`‐-:八 ''''''' /:.:|:::::::::::{:.:.:.:.:.:. }: : |
  / . : :.:.:::川:.:.:叉__ノ:.:.ニニニニニ:.`:‐-‐" :.:.:゙、::::::::.:ゝ、:_:;ノ:.:∥
 i: : {:.:.:.::リ||:l:.:.:.:.:.:.:.:.: : : :             _又::::::::.:.:.:.:.: : /
 .! : :``:":::::::};:.:      __,.ィ 、__,.       ,.r ´::::::::`ミ‐--:i イ
  ゞ、 .:.:.:.:.::_ノヘ.         l、 ,ノ     /.:.::::;:r‐-::.:.川 : |
     ̄.「´:.::;r::ゝ、_       ̄     ∥.:.:f .:::::::::::ノ/: :/
     .| :.::{ ::.:.:;: ``:;,.、_        _,イl .:::ゞ、;_;彡'.: :/
      ゙、 : ゞ、ソ:.:.:.:.|   コ;;;‐-,,-匕´::.:ト乂: : :.:.:.: : :/
        \ : : : :._ノ:!/(_|__: : : : _; rイ \`‐--‐"
        ` ̄.´ /   .λ  f^`i     >‐ァ_
         _,. -‐" ヘ.  /:人_.ノ  ::i   / '´ .``‐ 、_
       ,.r "     ヘ λゝ、 Y//:》//      ``‐.、
     ./.!        ∨、:ヘ_0_|/:::://          / .ヽ
    / .| i          》":::::::``7           /   .゙、
   ./  | |          }:::::::::::::::7          ,       }、
   /   |.∨         };;;;;;;;;;;_/            / ,.     ハ
  ./  .f |./         /:::::::::::|        .i ./ .!    '  .゙、



 ――「願い」を食い止める少女


  |..:|....::..::     /     /|.:|...ト、...:....゙、::......::.:|
  |::|::::::::::::::::::::.:/..........::/   ゙、ヾ、 \::::::゙、::::::::::|
.  |:|:::::::::::::::::::/:::::::::::/    ゙、 ゙、 \::::゙、::::::|
  |:::!:::::::::::::::/::::::::::/          ,. --\゙、::/
  |::::!::::::::::::/―‐/-- 、__     / ___ !;:/
  |:|::冫-、/::::::::/=-r:::::iヾ    /'´5::::}〉|
  |::|:{ ヘ/::::::::/丶 ー"          ̄  !
. |::|:::゙、 |:::::::/            ,      /  アンデッドは……全て封印する
 |:::|:::::::〉::::/_                 /
. |::/|::i:::|:::/i::::\       ,  -    /
/:/ |:::|::|:/::|::::::::::\        /
:/ |:::|::|/:::ハ:::::::├!_` ー _ , イノ|、_
|   |:::|::|::::| ゙、:ノ/ `ー-、 ,, -‐ ´  ゙、\
   |:::|:|:::::|/:.:〈     /ー‐\    |:.:.:\_
_,..-‐.:´.:/:.:.:.:.:∧  /|  / \   |:.:.:.:.:.:.|:.:`:.ー-..、_
:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.|  V   〉-〈   \/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ー-、

637: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:39:27.31 ID:E9YEtYaFo

 ――「願い」を受け継いだ少女


                > -─── <
              / : : : : : : : : ` 、
            / : : : : : : : : : : : : \
           / : : : :/ : : : : : : : : : : \
          ./ : : : : : :/ : : : : : : : : : : :  ヽ
          /: : : : /: : /: : : :/: : : : : :l : : : : : ヽ
        .∨: : : : :j: :∨: : : /: : : ::ル : : , j : : l : : : Y
         .j: : : : :Y´:ノ: : : ,; : ノ/j: : :イハ: : : : :! : : :  }
        .イ: : : : :ト'´Y: : : :ナ卅'‐x- zノ/j: : : : /ハ: : : : }: : : }
        l:!: : : : ::!: ::!: : : :レ'≠=≦、ノ ./: : : ::イ/.!:イ: : :!: : :!:!
        !:!: : : : Y .Y: : : :{ んzハソ  ノ ノ: :ノ/∧!' !: : :!: : ハ:}
        〉:l : : : : | .!: : : :| ゝ-ク'    ´ r=≦'.`メ: :ノ :/ノ.リ
       ./: :{: : : : ::! !: : : :l         ん.v/.}ノ::ノ': /'   お、おねーちゃんだから……皆を守らないと……
      ./: : :〉: : : : ト-!: : : :!        ゝ.乂./: : :/:ノ
      /: :/´∧: : : :!`|: : : :|       `   ./: : :/イ     赤土さんの分も、私が……
    ノ -‐'  .ヽ: : : {. {: : : :!   r--,    ./: :!: : : :j
 , r:'´'´     .∧: : :∧.、: : :{.`ヽ、  ̄´   ノ: !リ: : : リ
´: : :/,r ‐ .、   .∧: : :∧ヽ: :ゝ  `ヽ -‐<r‐-、': : : /
: : :/r.⌒ヽ、 `ヽ、 ∧: : :∧、\ゝ     ̄ /./Y !: : :/
: : {     ヽ  〉、∧: : ::∧` ,v‐ー-、   / }l | {:/
::/.!.     ヽ ∥} `}: : |: ::ヽr' ´   >./ /j' j .!
' .!      ∨' l  .}: :l: : ::Y´  r'´ r./ 〉'  { .ト,
  |      ∥ .j  l::j: : : ::}ゝ-{ / \    .' }、
  l      .∥∨  }/: : : : }  ∨   \   .∧



 ――「願い」以外を切り捨てる少女


                i{ /{/::::::::::::::::::::/       __
                 ____У__:::-===-:::::∠__ -=ニ ̄:::::::::::::::ニ=-
           r=ニ二 ̄ `ヽ:::::::::::::::::::::::: / ̄二ニ=‐┐:::::::::::::::::::::::::::::::\
           }///     \______/       //{/ ̄ ̄二ニ=-:::::::: \
          /{///         「///}           //} ̄二ニ=- 、  \:::::::|
       / .:て ̄二ニ=-  ___{///」 ____ -=ニ二 ̄く\⌒\:::::: \   \ |
        / .:::::::)//        厂 ̄乂       ///} :::.\  \:::::: \   }!
      ′.::::::::{/r─‐‐    /:::::::::::::::`ヽ___彡イ:::::::::::. \  \::::: |
      ′.:::::::: 乂_______彡イ::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.::::V::::::::. \  \:|
    ノイ ::::::|:::| |l |  │l|   |    |   |l   !     V::::::::::::.: ,  }!
     |  :::::|:::| iト!::::::::八|::::::l|:::::::::::: i|:::::::|l::::::: |::::::::: :. ∨:::::::::::. ,
     |  :::::|l::| |l |:::: /  |:::::;i|::::::::::::/|:::: ノ|:::: /!::::::::::::.   ,:::::::::::. ,
     |  ::::八| |i |:::/   i| :/ |::::::/ !/ l|:::/ |l∨:::::: :.   ,  :!::::,
     |  : :::: |  フ了癶T l/ l|/  ,斗f癶Y  |l ∨::::::::.   , .:|Y: !  ボクの邪魔をするなら――殺すよ?
     |  : :::: |i 人 ヒzZノ        ヒzZノ  i|l  }::::::::: :.  ‘ .::| l:::|
     |  : ::::: |l                  l|__ノ|::::::::::::::.  ∨::| l:::|
     |  : ::::::::|i           ‘        厂|:::|:::::::::::::::.   V ! レ′
     |  : : ::::::圦               ′ |:::|:::::::::::::::::.   }
     |  : : ::::::|i `       -‐   ̄         iノ!::::::::::::::::::  .′
        : : : :::l|!     ト       ィ´       i|:::::ノ|:::::: : /
      \ ::{ : :|l\   |         |        ノ/ l:::|:::: /
.     ____\{\|i_____ノ         八_______i|/|:::/
   /´          ∧∨            ∨∧         У
.  '         ∧∨ `   ー-   -‐  ∨∧       ‘,
  {          ∧∨                ∨∧         }

638: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:43:43.94 ID:E9YEtYaFo





┌──────────────────────────┐
│  ――ここには神はなく、奇跡はあらず、英雄はいない。   │
└──────────────────────────┘




640: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:47:29.63 ID:E9YEtYaFo


                       ___         ,..、
                    ,.ィ'"´::::::::::::: ̄``ヽ.、   ∨:.
                      ,イ'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ,、∨:.
                    //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙,ヽヤ::.
                 /イト、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: //´ヾ、:.
                 ,':::i:::ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::rイ/:: : : :マ!
                 ト‐!"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i !:: : : : : |
                 |::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙i i':: : : : : |   ……人の願いが叶うのを見るのって
                 ゙.:::i:::::::r─- 、:::::::::::::::::::::::::::::||:::: : : : ::!
                  ゙,ィi─'___ l_:_:_:::::::::::::::::::::||:::: : : ::/   その力になれるのって――悪くないっすよ
                     ヽ!゙"´:::::::::::`─-、`ヽ、_:_::ィ'rト.:: : :/
                  ゙ヽ::!|::::::::::::::::::::::::`ヽ.、  ゞイiァ'゙''
                  ,ィ'='"゙/ ̄ ̄ ̄`─‐ト、:`ヽ./i |
              ,.ィ'":::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::`ト!_, ノ"
           ,. -‐_、..,r'"::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、,..  -- 、
          /   i !´:`ヽ、:::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::_:_:,..ィ-:,ィ'"´       ヽ.
          !   !|:::::::::::::::`::::‐'‐:‐:‐:‐:‐:‐:‐'":::::::::/    ,.ィ-─:-.、__!

                                                  ┌──────────────────┐
                                                  │ ――あるのは、ただ、純粋な願いのみ   . │
                                                  └──────────────────┘


642: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:55:06.94 ID:E9YEtYaFo

「それじゃあ、俺が止めてやるよ。何度でも」


「悪いけど――パーティはここで解散っすね」


「怜の為なら……何人でも、殺したるわ……!」


「こんな事になるんだったら……ライダーになんて……なりたくなかった」



「死なないから――アンデッドって言うんだよ」


「……お久しぶりです。お元気でしたか?」


「もう、私は助からない……! こうしている間にも……!」


「寒くて……寒くて、戦えないの……」


「まさか、ライダーだったなんて……」


「あの、潰れた顔――忘れられないんだよね」


「さーて、どっちについたもんかねぃ」


「もう、私は後戻りできないんだよー……」



「どんな理由でもいい――俺は、とにかく前を向きたい」


「だったら、戦って決着を付けようか。公平にさ」


644: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:57:55.71 ID:E9YEtYaFo


 希望があるから、絶望がある。

 願望があるから、殺し合う。

 欲望が故に、人は苦しむ。

 願いとは――「呪い」なのか。

 それとも――「救い」なのか。


 そんな、誰もが胸に願いを抱いて戦う。

 ほんのささやかな「願い」についてのお話。




645: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:58:46.90 ID:E9YEtYaFo

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `   安心してくれ……それなら――
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ          ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >



                 ┌──────────────┐
                 │ 「――――変……身ッ!!」  .│
                 └──────────────┘



                            _
                 f:i      _,....../イ_
                 ヤ!  ,.ィ::"´::::::∨∧::::::`ヽ.        ,..
                   i | /::::::::::::,ィ7.メ.:>トィi:::::::::::ヽ   ,..  /   _,... ェィ'´ ,..-イ"´        _  -─ =  ̄
                  iイi::7::::::::::::://〉゙_rr=ト_ト、::::::::ト..ィ'  /、.ィー≦、__r:..ィ‐ト=-:イー,---─= :  ̄: :_ -"´
                  ヤi/:::,.:::::::/// ,ゝ::ゞイト>トゞメ.ィヽヤ_〉´::ヽヤ: : :i:::|: : : : 「: : : : :_,.. -‐ ´
               ,.. ,.ィト、'::,、,、.ミf/" /::::::::::::::::::::::ナjl::/`〉/::::::,:、i::i: : :|::::|: : : : ト、,..ィ-‐ ´
              / |' |ト.ヤ〈〉/// ̄::::::::::::::::::::::::::||゙"i::::、iィ´,::ィト、{: : :ト、」_:__:イト=、._
             _/  |: :|:ト、∨/,、 i::::::::::::::::::::::::::::::::j|::::}:::::::i::::::::::::::::ヽ._,.ィニ=ェ_、__
   _,... -─:::::'" ̄::::|   |: : :!:::ヽ/::ト'::::::::::::::::::::::::::::://:::イ、::::::::,...ィ -‐"~::::::\
   :::::::::_,::::ニ=-‐="l、_ ヤ: : ヽ::::::::_:_:_:_:_:_:::::::::::::rュイ、,イノ `ー/:r─────、     貴方の願いは、俺が護る
    ̄´          `~゙\/\i`ト、メ/ヽィ‐-rーイ_,ィ'トェ.  ヤトイ ̄=====ト、
    _                  _ ゝヽィ``",i.イ_.イ'::::::::::::::`ト|::::::::/ー─---====ト、
   ≡ミト、、           _,/´_,.ィ、〉ゝトー"´:/(〇):::::::::::::::::ト.::::</`ー ──----=イ、
    、:::::\ヽ       ,.ィ="´/ ,./:::::〉:::}::::::::::::::,ィ'::::`´ー─‐
   :::ト、::::::ト、\    ,イ::〈イノ:::〉´ ̄:ト、_:::i:::::::::::|´:::::::::::::::::::::::::::ゝ- イ:∨::::::<´_,、____      `ト.
   :::::::ヽ、::::::\ト、 /ト',..ィ-ー/:::/〉:::::r=ト.>::::: /r=:、::::::::::::r‐、::::::::::::::::::∨:::::::´:::::::::::::` ̄`=─-ト.
   :::::::::::::``i:::::\>/":::::::::::::|:〈/::ィ、:ゞイ」_:ゞ=イ::__:::::::::\ ヽ:frヾ;:::::∨::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ.
   ::::::::::::::::::::ゝ:/' /:::::::::::::::::|::::/イ::::f/r─、ヽi::::ヽ ヽ.::::::::::ヽ.〉ゞィ:::::::j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
   :::::::::::::::::::::/ヽイ:::::::::::::::::::|</:::::::::ヤト.::: //|:::::::\ \::::::::゙::::::::::::::∧fr ミ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   :::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::|:::::::/〉:::〉∨イ:: 〈<ヽ:::::::::\\:::::::::::::::::::|:::ゞイノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::ニ-イ'


646: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:59:21.71 ID:E9YEtYaFo

                                            ,.ー-‐.、
                                          ヽ、   ヽ  __
                                          /,..-ニ‐- '"_,..)
                                          ' ´/  , _ 、´
      .:_______.: . . . . . . . . . . . . . : '          ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\
    .:/ / r─‐'‐ァ r─‐'ニニニニ7:.,ィ─ァ‐===‐‐二/   , ',. -一' ./..'/     .}
   .:/ /'  = フ'¨,r ュ,rフ/二二フ/  7´' ∠/ ∠¨_ / ,. '′  ,..,.  ,/    ./
   7 / /ク r'/ / 三/ /´//ー‐/ /-'´//─‐,≠/ /    {  \ヽ      i'
  /─'ー‐‐^ー―――^ー―´   '==='  'ー‐´       ー'´        `´\ ヽヽ   !
 /M A S K E D  R I DE R_   _ .           ,.'⌒   `,. l   !  ー"ヽ  ヽ
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l l  //.          ! ゝ-‐'´ /l  .!  `ー-、   }
                         | |//         __. \  /  }  .}    ヽ/
                               l  、 ヽ   、-、 ,.-, ,' r‐、ヽ `ヽヽ  j  ノ
              ._______| |ヽ ヽ_ヽ.∨ /__.ゝ ー’ノ___゙、`'   / ___
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }   ./  ̄ ̄ ̄
                                  / ./.               ヽノ
                                     ̄

647: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 01:59:47.38 ID:E9YEtYaFo








 ――この物語に、英雄はいない。


665: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:21:01.43 ID:E9YEtYaFo
それじゃあ、どっちから見たい?

1:アギト/555
2:響鬼/カブト/キバ

↓5

671: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:23:03.21 ID:E9YEtYaFo
よし、1やね。りょーかい

674: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:26:48.46 ID:E9YEtYaFo


   ┌────────────┐
   │ これは――「命」の物語   .│
   └────────────┘


   ┌────────────────────────────────┐
   │ 小さな星の片隅で、誰もが懸命に生きてようとしていた――そんなお話  ....│
   └────────────────────────────────┘



675: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:31:08.57 ID:E9YEtYaFo


 ――「命」に怯える少年


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `  「俺は死にたくない……絶対に、死にたくないんだ」
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >



 ――「命」を希う少女


     |: : : : : : : : : : : : : : :./__//  }: }: : : : : : : :./ |: :|___}: : : : : : : : : : : |
     |: : : : : : : : : : : : : :./ // ` //|: : : : : : : /´ l:./    |/|:..: : : : : : : : :|
     |: : : : : : : : : : : : :./ /イ  〃 ,:ィ: : : :../  〃    ,ノ : : : : : : : : : :.|
     |: : : : : : : : :..:.ト、/___j!__,/__/ /: :../   /_,j!______  |: : : : : : : : : :|
     |: : : : : : : : :..:i!〃つ。ノ.V/l|\-‐ ´    '´つ。ノ.V/l}㍉ |: : : : : : : : : ハ  「少しでも長く生きたい思うのは、そんなに悪い事なんか……?」
    ,: : : : : : : : : :fヘヽ弋l(......)ツ           弋(......)lツ / ,:イ : : : : : : : : :.
.    ′: : : : : : : : :| i  ¨¨¨¨¨           ¨¨¨¨¨  / |: : : : : : : : :い
    i.| : : : : : : : : :.|  , ゚.:.:.:.:.:.:.:          :.:.:.:.:.:.:.゚  ,  |: : : : : : :..:..| |i
    |ハ: : : : : : : : : |  ′:.:.:.:.:.:.:.:     '       :.:.:.:.:.:.:.  ′ノ: : : : : : : : :| ||
    || |: : : : : : : : :.\__j                   j_/: : : : : : : : :..:| ||
    || l: : : : : : : : : : : :.∧                  /: : : : : : : : : : : : , l|
    リ 乂: : : : : : : : : : : :个:..      ´  ̄ `      ..:个: : : : : : : : : : : : ゚ リ
       \}: : : : : : :.ト、: : : : >...         イ: : : : : : : : : : : : : : :./
         \: : : : い乂: : : :..:.| >  __  <│: :j: : : :./}: :/}: : : :/j/
          `ー―ヘ   ヽ}ィニ|           |ニヽ:ノ}ノ/_,イノ ィ
           __ -=ニニニニニノ           ∨ニニ=- __


677: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:35:17.22 ID:E9YEtYaFo

 ――「命」を守り抜く少女


                   '"    . . . . . . . . .  `
                     /   . . : : : : : : : : : : : : : : . .  \
               /   . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
                  / . : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ : :ヽ : : : :.
             /   / . : /: : : : : /: : : : : : |:.:. : :.|: |.: : : :. : : ::.
               /   /: :. :.′/〉 7: : : : : : : |: : : :.|: |: : : :.|.: : : :.
             ′  . .:.:.:/)//i: : : : : : : :.|: __i__!:. :.:.:.|.:.:.:.| |
              |人レ:.:.// //⌒: : : : : :.:.ト、:.:.:.|: |`: : :.|: : :.| |
              __i!// //!∨八:.:.:.| : : : | \|: ト、 : |:. :.:.| |
            _/ { /  //〉x芹示ミ.x:ト : : :| ,イ芹示ミx. |: : : | |  「アンノウンの相手は、おまかせあれっ!」
       /  {  /∨   ,イ〃h!i:i:i :!  ` ‐┘ hii:i:i:i ! j! !: : : | |
     __/       ∧_ イ:i_.ヽ.乂ぅ;ソ       込 _ン'′!:. :.:.:|:.|
   '"              /\ノ:.|ハ           ,           ハ: :. :.|: |
/            __  イ: : :i!  """    __    """ iノ: : : l: :|
              } /:.:|: : :.lヽハ       i    }      人 : : : : : |
               //: : i!: : :|: : :.ゝ    、    ノ    イ: :.:l:. :.:/ : :.l
        __  '"/:. :.:.||:.:.:.|: : :′:.:| :>   __   <:.:.:.|: : ,′/: : : :.l
      / __.   i∧: :.| \|:. :.| : : :.v~i__    __レヘ: :.|: /: 〃/:. : l
      /`¨´ ̄\-┼‐\!‐ ┴ ┴‐‐く   入__/^ヽ  ` y/¨´: : : : : l
     ハ         \              \∧    ∧ /   `  .:.:..l
.   / !         、 |       x─‐ヘ    x─‐┐       ’'ヽ
  ´ /            `|         〉: :. :.__Y^Y__: : : :〈           ハ
ー‐                  |       〈: : : : : :.j‐┼:. :.::. :. 〉       ′ l
、                 V       〉__/i! 〈\.:.:. :.∧         |



 ――「命」を取り戻そうとする少女


                    ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ` 、
                /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
               , : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ: : : :.
                /: :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.
              ': : ': : : :' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :',: : ∨: :i
            / : : : : : : i: : : : : : : | : : : |: : : : : :|: l : : |: : :|: : :|
            /.: : : |: |i: : : | |: }   l: :| : : : | \.: : :|: l : : |: : :|: : :|
          /: : : : : :|: |i: : : | 乂─人:ト、: : :|  \ | ─ |: : :|: : :|
        /: : : :__|: |l: : : |,,___   ` \{ '´  }  ,,N: : 八: :|
         ̄ ̄ ̄   | 八 : 小'庁示ミ、      '乏示庁`|: /: i|:八   「……アギトの力は、渡してもらう。私一人でいい」
              ハj: :\{  乂:ソ        乂:ソ  レ'| : :|: : ヽ
               /: : |: : Λ                ハ〕.: :|: : : 丶
       .       / : : :|: : トハ       '           /‐'| : :|: : : : : :,
             /: : /: |: : |:.:込、                ,イ.:.:.:| : :|: : : : : :′
               /: : /: : |: : |:.:.:l.:.::...    ´ `   ...::.:.:.i:.:i:.| : :|: : : : : : !
           ,.: : :/: : :i|: : |.:.:i|:.::i|:::.〕ト     イ.:.:i.:.:.:l:.:l:.| : :|: : : ; :l: |
          /{ ,r─‐=:i|: : | ̄ ̄ ̄`ノ      .;ト..,|.:.:.:l:.:l:.| : :|: : :/ :|: }
         /⌒ヽ   八: :|      ヽ        〈::::::::`゛l:.:l:.l : 八:/  |:/
        /     \  ヽ}      ∨___∧      |:/ .,)  }'
      /′      \           :,_     ` :::._    ,}′   >、
     //            、\        :,_        }      / λ
   /:::/            :::〉〉x、         :,_     ′     /′/ ∧
  / .:::/            :::'/ニニ>      :.,_     /   /ニ/  / ∧
/___〈       ___   ..::::∧ニニニニニニ     :..,_   /   /ニニ/     / ∧
     :._ / ___ \ /  _ニニニニニニニニ__ :.,_ / /ニニニ/       / ∧
      ∨ /    `ヽ|ノ'     ニニニニニニ_三\Ⅴ/ニニニニ/      / ∧
        〉′ . =====‐-  .,_   ̄ ̄ ̄/ニニニニ>〈ニニニニノ'        / ∧

679: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:39:44.24 ID:E9YEtYaFo

 ――「命」を失った少女


            ,,, -='':::::::::::::::::::::::::::::::``:- .、
           ,;彡::::::::::::::::::::::::::::::ミ;:::::::::::::::::::::::::゙:: .、
        /::::::::::::::::::::::::::_;;;,z:''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙:: ,
       /:::::::::::::::::::::;:: ''"/::::::::/:::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     //   :::::;/  / /l::::::: l:::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::゙,
    / /:::::::::::::;/    ″l:ハ::::::|:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
.   /  ,:::::::::::; '/"゙ヽ      ゙   \i     l ::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
  /  j::::::::;イ/,;=、ヽ     -─‐-、゙::::..  |     ::::::::::::::::::::i
  l   l::::::/:i'l /):::}!       ー___  ゙i::::::: l::::::::::::..   :::::::::::::l
     i::::/::::! {:::。/    ,ィチ" ̄ミ、. l::::::!:::::::::::::::i:::::::...   ″
     l::/:::::! ゙-"        ;_):::::::::゙ハ l:::/:::::::::::::::l:::::::::::::::::../
     | !::::; "' ,       {:::::::c;/ノ }/:::::::::::::::/::::::::::::::::::/  「――ごめんね、須賀君」
.    ヽ`Y             ` ‐ " /:::::::::::::::::/::::::::::::::::::/
.      {   、_     "" , .::'::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::/
.       ‘、    ` ー   /:::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::/
.          \       /,l:::::::::/::::::::::::::/:::::::::::::::::/
.          ヽ     !; {::::::/:::::::::::::::::/:::::::::::::::::Y
           iー―┐¬、!::|::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::l
            /i:::::::::::|   ゙、|:::::::::::::::::l|::::::::::::::::::::{
          /' }:::::::::::l     |:::::::::::::::::|ヘ:::::::::::::::::::ヽ
       /'   /::i:::::::::|   /::::::::::::::::::l.:.ハ:::::::::::::::::::::}
      /,´  /:::/:::/j   /:::::::::::::::::从.:.:.:ゝ、:::::::::::::リ
      '、 /::::// ,ノ_/:::;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;ヽ.:.:..:.ヽ:::::::/
       /.:.//>─" ̄.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}/



 ――「命」を守れなかった少女


.          /                           ヽ
         /             ′              :.
.        /   ′i i i     i      i           :.
        ′   ′ i i ii  i  i i      i   i   i  :.
.        i    i   i i_」iLi _i  i i       i   i   i   :
.        i    i i i ´i i i i`  i i  ii i  _i_!_ ,′   i } i
        八 i ii i ii i { i !{  ii i  ii i  从  /`ヽ   i ′i
.           ヽ从小「八八八从__i从__ハノ__//ハ//   ノ ノ/ i |
.           ′|{   ___      x''丐ミメ、ヽィイl/   |  「心配しないで。私と、一緒に戦いましょう?」
            ′   i ゞ=≠''      し':::::::::ハV/^   i  |
           ′   i :::.:.:.           r辷'゚シ′/     i  |
          ′    i       ,       ̄^` /     i |
          ′    人            :::.:.:  ///    i   |
       ,′  / / へ、    ‐ -         イ//    i  |
       ,′   / /  // ト .         .イ //      ii  |
       ,′    /  // /  }  ー   ´{ |//      jj   |
       ,′  / /  // /..斗ノ      ト .」.'/ / /        |
.     {{{ { i{  {>'" r{       ノ〉 `ヽ/ /        |
     r‐くく { i{  |     |ー-、     ,′  { {     //从ノ
    /`ヽ \ヽハ i |     |________,′   ヽヽ从///ヘ、

681: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:45:27.85 ID:E9YEtYaFo

 ――「命」を護ろうとする少女

                    _ ,, ...:::‐::..-......、    ,,,,ィ::;z
                 , イ´: : : : : : : : : : : .:::`ヾ;´:::;;;<
                  /: : : : : :., 、: : : : : : : : : : .:::ヾ;;:::::;;;ミ
                ,:': : : : : :// ヾ、:::::ヽ、:::. : : :.::::ヘ;;::ヾ
             /: :::: : : ://´   `\ヾヘ::: :.:.:.:::::::iゞ;ヘ
            /::::::::.: : :/_'_    , ィ'  ゙´ }:;.:.:.:.::::::::l!;''
            `>:::. : :,'   `゙  " ィヤ壬ア;:.:.:::::;イ;;;!''
             \:::. : : iィャ心   弋_叨,'.:.:::::;' i;;;;ii  「オルフェノクだかアンノウンだか知らんけど、あんま人間舐めんなって」
              i: : : 人弋タ        /.:::::::::!ノ;;;;;ll
               l: .:.:.:.:;;ヘ    ' _   ,'.:.::::::::i';;;;;;;;!!
              l|::.:.:.:゙、:;;iヽ、 ヾ_,)  ,!: :::::::::l;;;;;;;;;ll
                 il::::.:.:.ヽヘ .i≧.-,イ´i: :.::::::::i;;;;;;;;;l
               ヾ::::.:.:.:.:.ヘ´;;;;;;;;;ノ| .λ: :.::::::ヾ;;;;/
                  ヾ::::.:.:.:.::`:;;∠ォ'v〈 ヾ;.:.:::;;;シ´、
                 `ナー'" o/∧|O`ー' ̄:, '  ヽ、
                 { .,   ,l/,' |!     :;     ::ヘ
                 ソ      .;      .:!     ::ヽ、
                 /.      i        :l      ::::::ヽ
                   {        !      .;!        :;'
                  ヘ       ',        !       ,z'
                   i       i      .:゙T ー -.'":!
                       l       l       .:::;'l    : : l
                  l      !     .:::;' !  : : : l



 ――「命」を奪い続ける少女

                     _..  -‐……‐-  .._
                  ´             `丶、
                /                 、   \\
                            \  `、 ヽ
               /,     i    i、       `、  `、
           //   i  |    「\ \       ゙,   ゙, ;:.
.           .:'/ ,   i   |j     `、-‐…‐-ミ.゙.   Wハ
        / ,′,′ i   圦    、 ゙;:、   iハ :   【_Vハ
.           ´ ;      /\   \ }iハハj止_ハ;   Г)、}  「……ゴメンネ」
       /   :;  ; i  ij jⅩ   `  ‐-- ,㌢゙⌒¨ ,′  Г  \
     {{   ; iiⅱ jⅣ     __    ″    /   ;     \
.     \   !iⅱi{ {い.:\  ,㌢⌒         /    ,゙    ;:.. `、
         ‘リ从W辷} }::} #             .゙     /     ;゙;::. ゙,
              》'´ ノ人__        _,ノ  ;     / ,!  }ii ; }}  }
              ,´ ,   厂}込、       .:;  .::/ ,;゙| ,ハj   /
             ,゙ /   .::/. :√ ` ._;ァ=‐‐ ´! : ;゙_jWル1 },゙ /
         /  ; .゙i; .:::/{ : :{い ''7「    Vv  ,:.  :{ }トミ」|__/イ}
        {ノ ;; ii ;:::;゙{_V゛   ;; |     Vv/^゙:、 ゙、]     ̄ミメ、
         i ‘i八{::i{'ヤ ;、  ii |     ,氷   \`      ハ
         U ! \〈   ゙,  ⅱ|   /⌒^\  `  ‐- }   ハ
          __     /` ‐- }i 从|__/_____\/    ノ/  ,ハ


683: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:48:28.11 ID:E9YEtYaFo

 ――「命」を修復する少女


                 /:/:: : : : : : : : : :/: : : : : : : : /: : : : : : : :\: : : : :\
              / : /: : : : : : /: ://: : :/: : : : :./:| : : : : : : |: : :゚: : : : : : :.
                / : /: : : : : : /:.:/ / : :./: : : : :./:.:Ⅳ: : : :.:.:.|: : : :゚: : : : : :.:.
             ′/: : : : : //:_/__,/:_: :/: : : : :./: :.:| ゚: : : : :.:.|: : : : :゚: : : : : ::.
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          /: : :|::/: : | | ___--、  ‘: : :.|  ‘ |  |: /}: /: : : リリ: : : : :.:.|  「……でも、うちがおらんとオルフェノクが死んでまうんよ」
         /: : : :从{: : ::|ァ´ ̄ ̄`ヾ   \{ __-‘__, |//:/: : : /::/ : : : ::| :|
        / : : : : : : : : : : |            ´ ̄ ̄`ヾ/イ: : : / / : : : : ::| :|
     __彡: : : : : : : : :/ : : : :| 〃〃   ′           |: :/Χ : : : : : :| :|
    `ー------=彡ク: : : : : |     _      〃〃   |/´ ̄`∨: : : : :∨
           / : : : : :.人     |   ̄`ヽ.           /: : : : :l: : \
          /: : : : : :/ / \          /       、__彡イ: : : : : :ト、: : :.\
         /_:_:_:_::彡   //l: : :\   `ー‐        _. .:≦: :|: : :.从 : : : 八  --- `
               l/ : : : :./`ト . _   _  -‐   |:_:_:_:/|: : /  \: : : :\
                    八: :./  |:.∧ Τ        {_ノ∧ l/     ` : : : \
                 ∨  j/ /´ |   __ -‐    \          ̄ ̄
                      __/ /lノr‐              \
                 --‐   / /~⌒l           / \
                / {     / ∧   \         /    \



 ――「命」を踏みにじる女性


     , '"::::::::::::::: ̄`::: 、
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ
  ./::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::::::::::ヘ
  ′:::::::::::i::::::::::::::!ハ::::::::::::∧
  i|:::::::::::::::|::::::::::::::!  ヤ::::::::::::∧
  |i:::::::::::::::|:::::::::::/   リ从:::::::::∧ 「いややわ~。ちょっと腕が灰になっただけやのにぃ」
  |::::::::::/´レ勹´    _`_キ:::::::::∧
  |:::::::::::!' ,r=‐     ⌒i|::::::::::::::\____
  |::::::::爪 ´,,       ″|::::::::::::::::::::ヽ、 `ヽ
  |::::::::::::::ゝ        .,ノ:::::::从:::::::::::::`ヽ、
  |::::::::::::::::::心 _/.)^._ イ´::::::::∧\::::::::::::::::}
..,ィ|i:::::::::::::::::::::::::/./:   |:::::::i::::::::::\ }::::::::ソ
{::::./::::::::::::::|::::::,'‐^ュ   `k |:::::::i::::::::\"´
ji:{::::广 ̄丁::j’  ´> ‐''ノ从::::::|-ミ::::::::}
  ji:ル   /::::人__,,斗宀'"  i \|ノ;:::/i
   |  彳"/::::::::/'     │  !"¨ ./
   |ゝ-弋./::::::::/__  __ _/i  / |!/|
   |:::::::::::/::::::::/:::::`´:::::::::::::|/  |::::::i|
   |:::::::::/::::::::/:::::::::::::::::::::::::|   |::::::i|


684: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:49:48.89 ID:E9YEtYaFo






┌──────────────────────────┐
│  ――ここには神はなく、奇跡はあらず、英雄はいない。   │
└──────────────────────────┘







686: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 02:53:54.04 ID:E9YEtYaFo

                  丶丶             / /
                   \\,.  ´ ̄ ̄ ̄`  ,′,′
                  丶丶  `  丶  / /
                 / 丶丶  i  i  / /ヽ
                    / /\ 丶┘亠 └  /  ヽ
                   | |: : : \ \    / /: : :i |
                    | |: : : : : \ \ / /: : : : i |
                ヽ !: : : : : : : \丶 /: : : : : l |  「退いてくれ……殺すのも、殺されるのも、殺させるのも御免だ」
                i、ヽ、: : : : : : : |ヽイ: : : : : / ,'
                丶 ヽ: : : : : | .|: : : : / /
                 ト .ヽ: : : : | .|: : : ノ ,′
                 丶___,/丶┘ .└‐ィ丶,'
                 ハ |   \_   / /
  _-――――――i ,' ̄`ヽ l_::::::::::::::::::::::::::ヽ
/ ̄ _,,..-‐――――丶 / 冖 |:::::::::::::::l .|::::::::::::::::::::::ヽ
l ,イ   .__--‐―-丶| (◎) |_:::::::/ |::::::::::::::::::::::::::\ヽ ヽ_
\ _,/ ̄_,..ィ ̄ ̄ ̄ ̄|  。 |  )\ く _-‐==ニニ二三\  \
 ',/ / ̄   _―― ̄ト○ ○.| /\ \ \ \ \::::::::::::::::::::::/
  ト  _,/ ̄  ,―i||,リ ト---イ    ヽ \   \ \:::::::::::/
  \イ _,,..ィ ̄     ト、_,.イ            \ \:/
   ヽイ   i/ ̄ ̄

                                    ┌──────────────────────┐
                                    │ ――ただ等しく、生きようとするものだけがいる  ...│
                                    └──────────────────────┘

687: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:05:04.01 ID:E9YEtYaFo

「死ぬのは嫌だけど……ほっとけねーよな」


「ギルスの力なんて、そんなの望んどらんのに……」


「私の邪魔をしないで。京ちゃ――須賀、京太郎」


「ニゲテ、アブナイ! キョータロー!」


「オルフェノクは……どうして、人を襲うのかしら……」



「おねーちゃん、置いて行かないで! やだよ、おねーちゃん……!」


「人間なら、人間として足掻くのが筋ってもんやないんですか?」


「貴方には、余計なものを背負わせちゃったわね」


「本当は……オルフェノクと人間、手を取り合ってくれたらええなぁって」


「首から上と、膝から下のどっちがええ~? 選んでええよ~」



「……オルフェノクも人間も、関係ない」


「王を殺したら――何もかもが終わってしまう。全てが、終わる」




688: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:07:55.85 ID:E9YEtYaFo

 蘇った命の価値は。

 救った命の重さは。

 託された命の代償は。

 生きようとする命の罪は。

 戦わなければ守れない命は。

 戦っても取り戻せない命は。

 懸命に生きようとするだけの命は。


 そんな――誰もがただ生きる事を願っていた。

 小さな星の「命」の物語。


690: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:10:23.73 ID:E9YEtYaFo

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `   「俺は戦いたくない……嫌だけど……」
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ    U     ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >



                 ┌──────────────┐
                 │ 「――――変……身ッ!!」  .│
                 └──────────────┘




                    ',∧               /ハ
                   ',∧ . ‐…‐- .   .///
                     ハ ∨:::::::| |.| |::::: ヽ///
                  /:::∧ ’,::::| H |:::::: ///
                   .::::: /∧  二二二二//ヽ
             _       {:::::イ,' : :.丶\r/ヽ.///: : :}l
           /::::::} _   |::::::{|: : : : :. ’,:、 ///: : : :|!}
          | ̄lrく__.丿  ト:::: {! : : : : : :. ’,//: : : : :ハ!  「そうするしかないなら、俺が戦うッ!」
          | 「::::::/_   ,}八、 : : : : : | |::| |: : : : //
           ∨::/─‐=ミ.__', ∨:\、: : : :| |::| |: : //
         r<:::::::r"´ ̄ヽ.ノ\\_ノ`ー┘!::! ー'′{′
         |!〃/〉ヽ: /{⌒}   マ ¨´〈 ̄ ̄ ̄ / ∧)ヽ
         |!|!//::::::V::::厂}‐={::::\_´ ̄ ̄`//::::::>=‐- .__           __
       _|!|!イ::::::::::マ廴/:::::::::{::::∨:::::: 厂厂∧´::::::/:::::::::::/ /⌒> _. ‐…  ¨¨´ _/
 r───v /{// ::::::::::ノ {::::::::::::::Y^}|:::::::::{ {:::∧ ',:/:::::::::::/  /  /:::::::/  . ─=ニ:::::/
 \__ ./\ >‐=ニ::{  l>"´ 人 ゝ─‐=彡:::\丶::::://} ;  ,:::::./  / _ニ=-─ァ
   ',:::::::::{\ ⌒}=- }   r"´:::::::::::`¨¨¨¨¨´::::::::::: 〉 `´/::::′{! :|::::::/  _. -─=ニ7
    マ¨¨//\ ー─‐ノ:∧ マ二二二二二二二ア'′/::::::::′/l  :!::::′ /_.二ニ=‐ァ
    `.//:::::::/`¨¨¨´}::::::::’, \\r/\ォ>"´  /::::::::::/ /::i|  {:::{  . -‐…ア¨´

691: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:11:30.16 ID:E9YEtYaFo

                                            ,.ー-‐.、
                                          ヽ、   ヽ  __
                                          /,..-ニ‐- '"_,..)
                                          ' ´/  , _ 、´
      .:_______.: . . . . . . . . . . . . . : '          ,. ''" ,. -‐/ _  ̄\
    .:/ / r─‐'‐ァ r─‐'ニニニニ7:.,ィ─ァ‐===‐‐二/   , ',. -一' ./..'/     .}
   .:/ /'  = フ'¨,r ュ,rフ/二二フ/  7´' ∠/ ∠¨_ / ,. '′  ,..,.  ,/    ./
   7 / /ク r'/ / 三/ /´//ー‐/ /-'´//─‐,≠/ /    {  \ヽ      i'
  /─'ー‐‐^ー―――^ー―´   '==='  'ー‐´       ー'´        `´\ ヽヽ   !
 /M A S K E D  R I DE R_   _ .           ,.'⌒   `,. l   !  ー"ヽ  ヽ
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l l  //.          ! ゝ-‐'´ /l  .!  `ー-、   }
                         | |//         __. \  /  }  .}    ヽ/
                               l  、 ヽ   、-、 ,.-, ,' r‐、ヽ `ヽヽ  j  ノ
              ._______| |ヽ ヽ_ヽ.∨ /__.ゝ ー’ノ___゙、`'   / ___
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄〉 ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }   ./  ̄ ̄ ̄
                                  / ./.               ヽノ
                                     ̄


692: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:12:13.65 ID:E9YEtYaFo






 ――この物語に、正義はない。


696: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:25:38.77 ID:ZoJ+UHDko


 「ねえ知ってる? 妖怪の話」


 「あー、聞いたことある。有名な都市伝説でしょ?」


 「それって、吸血鬼と戦う十字架の人の事?」


 「私は、ドッペルゲンガーと戦う仮面の怪人って聞いたけど……」


 「えー。鬼と河童が殴り合ってたんじゃなかったっけ?」


 「いくらお話にしても、無茶苦茶すぎるよね」


 「うん、確かに……あれっ?」


 「どうしたの?」


 「今、あそこにおじいちゃんがいたような……」


 「えー、この間亡くなったって言ってたじゃん!」


 「ちょっと、怖い話だからって身内ネタにするのはなしでしょ!」


 「えー、うん。見間違いかな……?」


 「あ、でもさ……もしかしてそれ、ドッペルゲンガーだったりして……」


 「そう言えば、死んだ人が蘇ってくるってのもあったかも……」


 「なにそれ……やめてよ! バカバカしい!」


 「何言ってるの? 自分から振ったんじゃん」


 「だって確かに――見たんだから。見間違いかもしれないけど」


 「はいはい」

697: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:29:56.02 ID:ZoJ+UHDko


  ┌────────────────────────┐
  │この世界には――様々な種族がひしめき合っている  .....│
  └────────────────────────┘


  ┌───────────────────────┐
  │路地裏、街中、学校、職場、街外れ――そして、闇の中│
  └───────────────────────┘


  ┌────────────────┐
  │ ただの人間には知られはしない  ....│
  └────────────────┘


  ┌────────────────┐
  │そんな、「怪物」についての伝説だ  ...│
  └────────────────┘



698: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:36:47.00 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」を追うもの


: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{;;;;;i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `   「……お前、ワームだろ? 人を襲うんだよな?」
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ          ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >



 ――「怪物」を倒すもの


.     /::::/:::::::::: /::::::::::::/:::::::::: |::::::::::::::::::ヽ:.....   ヽ
    / , ::::::::::::/:::::::/::/ ::::::::: |:|::::::::::: |::::::|::::::::
  /...   :::::/:::::::/:/|::::::::::::::|:|::::::::::: |::::::|::::::::
./::::::::::/::::::....   :/:/ :|:::::::::::: |:|::::::::::: |::::::|::::::::......
// /::::/::::::::::/|:::: /:/  |:::::::::::::从::::::/|::|:::::::::::::::  |:/::;
/ /::::/::::::::::/: |:::::|/`ト、|::::::::::/ |::::/斗イ:/::::::::  /|j/
{/::::/::::::::::/::::::\j ィrチ笊ミ:/  j/ ィf斥kx:::::::::  |   「お祖母ちゃんが言ってた……『服の絵柄とボウリングの弾は見かけによらない』って」
/:::,:::::::::::::::::::/⌒; 《{ト、 _j|      {ト、 _j| ノ,:::::::  |
|::::|::::::::::::::::八.   弋 ソ     弋 ソ /::::::::  |            .......、
从|::|::::::/:::|:::::\__,         .    .//::::::::::::;           ´ ノ:::::::ノ
  ハ|:::|:{:::::|::::/|:::::::\           //::::: /::/,       /   .....:/
    ̄X|  ̄   ̄ ̄ >    ´ `   //::::::/:://  __,.:⌒::::::、::/:::/
           __ | `    </ ─イ⌒ /:::::ヽ:::::::( ̄ \/
         ̄ ̄\  \     ト、r-、__/::::∧::::::.ー-::...  \__
    / ´ ̄  \  \  \     }/::::::/:::::::::::::∧::::::..:::::::::{>ー= ノ
.   //     \  \   ー 彳::::::::{{:::::::::::::::::::::∧::::::::..´   /
   /   ──   }_  ー―  |:::::::::::\::::::::::::::::::::::\::::::〉 /
 /  / / ̄ ̄         人:\:::::::::::::::::::::::::─==´ イ
. {{  イ  /               \:>── イ  \
 \__}}  /                ´       |     \

700: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:40:48.58 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」に抗うもの

                       ,≠´:::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ
                  /.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\_
                      .:::::::::::::::::::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::::::::マ::::``丶、
                    //:::::::::::::::、::::::/  ':::::/:::::::::::::::::::::::::W*、:::::::::::\
                    ,′::::::::::::|:::::\|   ∨::::::::::|:::::::}::::::::i:i  \::::::::::}\
.             ,.≠:{::|::::::::::::::|:::::∧|    ::i:i::::/|::::/|:::::::i|!|    ヽ:::/:::::::.
.              /::::::::;:W::::::::::::∧:/ ヽ    }从,x=≠≪jノリ:j     /:::::::::::}
             ,,:゙::::::::/ V:::::::V ,z==ミ、     'ブ ::::ノ},灯‐く ,.≠´ ::::::::::::/  「そのパンチ、実にすばらです! 一緒にZECTで働きませんかっ」
.            /:{:::::;/    ヽ::ぅ*イ ,ノ::::ハ      弋辷ソ .!' <::::::::::::::::::::/
           i:::乂:i{       〉^ヾ 弋辷ソ        /// ! <::::::::::::::::/
           !::::::::≧=‐-‐::ヤ_,,゙:, ///    ′       j''′`¨¨¨¨´
           ‘:;:::::::::::::::::::::::::/\_゚     r    ̄,     ′       |
.             \:::::::_;;::*''´    ゝ.      、__/  /     __人,r-、   , ‐- 、
.              `¨⌒           `    .,_, イ__          `Y´\ ヽ/ /  `ヽ
                           ハ]    _少゙ \ _____   |   ':, `〈_,/ /   }
                        __/  `7V¬    i    `ヽ    {   ∨_,z /
                  ,  ´   | o  /   ':,  o /      ':,   A     /
                 /        \/\_/\/             |\   /}
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                /                  Y i ´           厶=-‐/       |
                xく/\     ∨          i |         ∨'///,/       }
           /   \/\   :|          ||        } ̄ ̄|        /
         /     \/\ |          | :|          j   /        /



 ――「怪物」に変わるもの

                        _. . ―: :―: : .、
                     .-‐ァ: /: :/: : : : : : : \
                    /://: :/: : :/:/: :、:/: : :ハ: : :ヽ
                    //: : :{: : ハ : ハハ彡: \:ノ }: : : :ヘ
             __. -:/: : : : : :r‐v: :Vん芯≦´  jト、: : ハ
    . . .―: : : : ̄: : : : :彡: : : : : : : :ハ! {: : { 辷ソ   z_彡イ: }:ハ
  /: : :――彡: :二:/: : : : : : : : / ヽ ! : { ""    んfハ/: :ノノ ノ
 /:/   /: :/: : : : : : : :/: :/     ヘ: ',   / 、´ ゙='/:イ     「それじゃあ、片づけちゃうから!」
/:/   /: /: : : : : : : 彡:´: /     f三ヘ:ト   ー' _"ィ: :/
(:(   // /: : : : :/ /: : :/      /:::::::::::::ヾ〉 ̄  /: / rユ_
ヾ   ( / : : /  /: : :/        /::::::::::::::::::::\  彡∠三ミ<
       (: /    /: : :/       /:::::::::::::::::::::::::::::>―'::::::::ヾヽ〉
        V    ハ: : ;         〃::::::丶:::::::/:/:::::::::::::〉::::〉´
              {ハ: :{      /;i::::::::::_::::―:':::::::::::::::::/::/
              ヽヽ:',     /;〈:::/:::::::::::::::/::::::::::::イ ̄
                ヾ、   /:;:;:{::::::::::::::::::::_:::‐::´:::::!
                    /;:;:;:;:ゞ::_;:;‐;´:::::::::::::::::::::{
                  /:;:;:;:;:;:;:;:/};:;:;:;::::::::::::::::::::::::|
                /:;:;:;:;:;:;/   〉;::::::::::::::::::::::::::::{
              /;:;:;:;:;/    /:::::::::::_::::::::::::{{:|
                 /;:;:;:/    /::::/::::::::::::::丶::{{::',


701: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:50:33.81 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」を庇うもの


   /      /        |   ヽ   ヽ    ',  ハ
  ./      |  |     i!     i!   | |     !   ハ
  i      i!  l     ハ   ||   | i!    |    i
  | |  | |  |   !    |,ヘ   |ハ/ i! |    |    |
  | |  | |  ト、  ト.    i! Ⅵ. ィ´|   ル'!     |    |  「逆臣はいらぬ……されど、衣の同胞。王として、臣下を守らねばならん」
  | |  | i! T ト=L\   !{ '´xィチ乞ぅミx!     !    |
  Ⅵ  Ⅵト、.ト,.ィ乞ぅミ\  ',  い:::::::ハ リ|     |    .!
  Ⅶ  ヾ! 从{ い:::::ハ  `ー\ マZz'ソ i!     !    i!
   ヽト、 トヾミゝ マz:斗          i!     !    !
     ヾ!  .∧     '          /|    i!    ∧
      |  i! 人     -―   /| i!     !     ∧
      |  |/  i >  . _  _  ´ /|    |      ∧
      |  |!  !    fr「   /  /    !   __ ハ
      |  |!_ |__/^>vくx―‐//     ト-'´     \
      |/ /: : : : : : `Y⌒/: : : :/ i!      |
     ./  く: : : : : : /こ{_{こヽ: i ||      !
    /     }: : : : : : : // ∧: : :i! .!i      |
   ,/  /  〈/: : : : /: / /: : \:| |:|    i!     \
 ./ {_/   ./.: : :/: :,.イ /: : : : : :| ト!    |       \__
.〈       ∧: :./: :/:/ i: : : : : : :| | |     |
 ヽ      / i∨_;イ: :/  .ト、: : : : : ! ! !     !


 ――「怪物」に微笑む者


             ,..-/:.:.:::.:/.::::..:!:..:.:..:.:\
              //.::.:::/:/:::::::::::::::::::::..::..:.ヽ
           〃//:/:/::/::i::|::::::::i::l:::|::::::::::::..:i
          〃/:/::i:::i::ィ:::/!.:!:::::::|::|:::|:::..i::..:. ..|
           〃/イ./::::|::i:/!::ハ::|::::::|:::!ハ::::|::::::::::|
           !| |i レ:::::::|i::!‐廾‐|:::!、::!:/---、|::リ::::::|
         | !ノi::::::i::!:|.ャ伝テ、:けメ、迂テァ∧|::::|  「失礼……ですが、あくまで執事ですので」
           |::!::|:::!ハ      iハj   iイ /|:::!:!
.              |ハ|::|:ト、!       ;      !ノ::|::ハ:!
           | !ハ!ハ丶    ′   /::::/レ' リ
             | ′ iヘ丶 `  ̄´ イ:/レ′
                 )|__\_/__K
               /:L_\ /_/\
           ,...-イ::::::∧  ̄7::!< ̄ /:i:::::\-、
    __,...-‐':´:::::::/::::::::i::::i  /:::||:::、 /::::i:::::::::丶::`ー-..、
   /::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::|::::::i /::::| |::::Y:::::::|::::::::::::゙、:::::::::::::`:::...、
   /:i:::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::,:|:::::::〈 ::::| .!:::::〉::::::|、::::::::::/::::::::::::::::::::::::::゙、
   !:::|:::::::::::::::::┌-、.二/::|::::::::::`t' ケ´::::::::::|::\∠-‐'7::::::::::::::::/:::i
.  |:::::i:::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::|::::::::::::::.、/ ::::::::::::::|:::::::::::[|:::/::::::::::::::::/:::::|
.   |::::::|:::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::|:::::::::::::::/::::::::::::::::::|::::::::::::::/::::::::::::::::/::::::::|

702: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:52:57.80 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」と暮らす者


                  / /        ./ ヘ Y.           \   |  j
                 / /        /   ヤ |      -―‐t `  |. /
                    /      .//\ /,ヘ .|   イ  7  | ヽ レ
                  ’/..     /,イ   /へ レ       /  ハ
              / /      \ /./    /′  ̄`ー‐-≦7.    ハ  ’
                 / /      /ヽ/   /'            .::  /  .ヘ  }
            / /      不、 lハ   {|            .::: /    }
            //       / { ;;;≧x、V |        /  /.    / ’
           //       ./. 弋__ツヘ  | ー=--――十 ./    / /
          //         ,イ  """      ノ   て≧芯x_ノ ./    / /  「わたくしの毒は、少々堪えますわよ?」
.       / ./  //     |               弋;;;__ ツクイ     / /
    /  ./  //    |. ハ       r:      """/介     ヤ /
   /   /'  / i     |.  ヽ    ト、         /"/ |    マ
 /   /{   { . |     ||./{ >、 ヽ ` ァ   ー‐' /__ ヤ   |. ヽ
    _廴_込 ヽ、   | |´   ヘ \  __  _チ'´ _. ヽマ    ヽ
    {      ヽ  `  .ト.!     ヘ      / ∨「〈.', マ¨ :.  マ     ハ ト、
    λ         マ  } .ハ ヽ    ヽ  /_  .| | マ、 ー-、  ヽ  / .l ! ::._
   / ハ.       /ヤ /ハ| ) /ミ≧≦チ_,マ  ヽ` く ̄¨¨¨.    \,.へj ̄`ヽ
.  / / ヤ    /   У′ リ / ィチ>二<< マ  フ`ーへ   ヽ    `ソ `ヽ ヘ
 / /  ヤ   /   /   / レ// / 厂|、ヾ、\、/    />  _`ー  /   `マヘ
  /     マ  .i   /  /  / /  / /  | ヽヘヽ \  ,イ /   // ̄`ヽ{     マ ヽ
      ヽ 八  .{       | .|  ./ /|   | iマヘ. > >/ | λ.  |.{三三/       .〉`



 ――「怪物」を狩る者


       !:.::.:::: :: ::|.....::::|::::::::::::::|:::|:!:|__!........|:.   ゙、:、::ヾ、
     |   ..::::::::i::::::::::|:|::::::::::::|:::|:「!::::i:!:`ヽ!|::::::::::.:.i: i. ト、!
      !....:::::::::::::::i::::::::::|:|:::::::::::::i::::|,rゥ-ニミ┘i__:::::::ノ|::|..i |
     i:.:.::::::::::::::::i::::::::i::|:|::::::::::::::i:::|! ー-'..ヾ::::::::`iヽ!ノ;ノ:;i |
      ! ::::::::::::::::i|:::::::::|:|:|:::::::::::::::i::::!    :::::::::::iァ::....!ヾノ
    i.:::::::::::::::::i:|::::::::i::|:|:::::::::::::::::i:::i       ヾ :::: |   「なら……イクサの前に平伏すんだな」
     |:::::::::::::::::i:i:::::::::i::|:|:::::::::::::::::::i:::i      /::::.:.|
.    !::::::::::::::::!:!:::::::::i:::|:|::::::::::::::::::::゙、i   _,...._ l::::::.::|
.   i::::::::::::::://::::::::/::/`ー^-、:」i_:::゙、   `" /:::::::.i.|
    i::::::::::::::://; ' ´ ̄ ̄`ヽ     ̄     /:::::::::::|:!
  /::::::::::::::://'           \  r-、__ ノ:-、_;::|i|
  /::::::::::::::::/        :::::::::...\::::|:::::::|:::|   `ヾ!
 /:::::::::::::::/          ::::::::::::...ヽ ::::::|:::|
../::::::::::::::/ :::..         \:::::::::::::.i ::::|:::!
/::::::::::::::/ :::::.            \:::::::::! :/:/
::::::::::::::/ノ :::::::.           \:::|i \


703: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 03:56:43.00 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」を除く者

                 ... -―――‐- ....      /}
               /:::::::::::/::::::::::::::::::::::::\  / /
              /:::::::::/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::∨ ∠...__
             /{_:::/::::/::/l::::::| :::::: :ト、:::::::::::::::∨\__彡'
.             ∧__::|::::/::/八::::|\:::::| \:::::|__∧\\
           /イ::::::|:/l:/ ̄`ヽ{  \{´ ̄ }从::|:::|  \\
.          {::::|:/∧{ /芹うト     /芹うト }:|:::l    }::::}_  「パーフェクトハーモニーだ。ニワカは相手にならんよ!」
          _ノミV ノ{∧ 、V炒      V炒/ 小リ   ノ-=≦}
.          /::::::::::/   {ハ   ̄   '     ̄  /^l/  /≧=-く__
.       {/:::::::::{   ヽ圦    r― v    //  {/-=≦彡'_
.          廴:::::::l            `ニ ´   . ´    \/≧=-く
           `^^′        `ト  __ ィ        辷_ -=≦)
                   ┌ |   __ノ\__ __       /∠
                / /∨ \____// ̄\    ̄} /
             __∠二ニ≠==≦二二/:.:.:{   /∧   くく
             //:.:.:{二二二襾二ニニニ/.:.:.:.:|  /   }   ノノ
.          / /.:.:.:.:}ニニニニ/ ∧二ニニ{:.:.:.:.:.:| ,/  \_〉 /


 ――「怪物」を塞ぐ者

                      __
                    /:::::::::::::\
            ... -―━━‐┴=ミ::::::::::::::.
         ...::´::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::\::::::::|
.       /::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::\::::::::\/
       /::::::/:::/:::::|::::::::::::::::::::::\::::::::\::::::::.
.       ′::/:::l:l:::::::l\::::::\:::::::::::|:|::::l::::l::::::::::. ┌― 、
      |::::l:l::::从::::::|  \___|\::::」从:l::::|:::::|::::Ⅵ「 ̄  \
      |::::l:L/  \|   ´ ̄ ___,,  l::::|:::::|:::::(__〉{ ̄__ ‘,
      |:::从  ̄`,_     ´ィ芹心`ァl::::|:::::ト::::::ト、ヽ{_ァ   ,   「まぁ――私に任せなさい」
      |/:}:∧ィ芹心、     乂゚ツ  l::::|:::::|ノ: : |    {    ′
         /::_∧{{乂゚ツ}}      .:::.   l::::|:::::|::::::::|   \‘ _   |
.        /:::::⌒辷_ノ' ′      川|:::::|::::::/     }  } |
       |:::::/::/:人     -‐ ~)    //::|:::::|/       |    |
       l:::/::::|::::::个:..   ` -   /}/l:::」/       |
       |::|::::::|::::::::|::::::::> . __ // ̄\__         l
       |::|::::::|::::::/ ̄     ___厂  //  \      |     |
       l/}/ ̄      {Y ll| //      \     |    |
                    / l_//: /       ∧   ,      |
                {//: : :/l ∨     ∧  ,′     |
.              //: : : : {八 l|l         \′     |
.             //: : : : : ∧ Ⅵl         ,′     |
           __彡く{: : : : : : : : ∧‘ |        __,′     |
          _∨彡': : : : : : : :.:.:.:∧l|     /: |      |
           }/:|: : : : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|  /\   |      |
           /|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. {  /  ∧ |       ,
          ^|:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨   ∧八      /


704: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:05:46.44 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」に手を差し伸べる者


               /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :丶
               / :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
             /: /: : : /: :/: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
            /: / : : : /: :/: :/: : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :,
            /: : ://: : :/!`メ、| :/!: : : : : : : : :,:|: : :|.: :| : ', : ′
     __.. 彡 : : : :|:| : : :| |/_|メ、|:{ : : : : :,': / |: :/|.: :|: : :',: :l
     >─: : : : : : |ハ: : :lx仡斥㍉|ハ : : : /}/_斗イ:| :/ : : :|: :l
     \: : : : : : : :/ |.: :{{ { // }  ':,: :/ 仡斥㍉,|/| : : : |:八  「人間? ファンガイア? ワハハ、風は縛られないからこそ風なんだぞー」
.        \: : : : /: : \| V://ノ    `  { // } }} /: : : /: : : \
           \ /; : : :/!  `¨´      V://ノ /: :/|/: : : ヽ: : >
          {∧: : | l     __      `¨´ 厶イ: !: : : : : : :\
             ヽ:|小、   l    ̄  7     /: : : :|: : : : : : :/
              {八\ \___ /   /!: : : }ノ: : : :, '′
               _/ \丶.  __ .. 、<_:_从/-‐ '′
        ___.. イ ',  \_ _jヘ、
      x<         |  ',   /⌒V ヽ._
    /   ヽ     |  ,  /ヽ  ハ   \  ̄`ヽ
        ',     |   ∧ /  〉‐{ ,\  〉   ',
   |      ',   └--/ ‘、  /  } i  ヽ/     ',



 ――「怪物」を笑い飛ばす者


                                 _,. .-‐-、
          _                    /: : : : : : :ヽ
      ,. :''"´: : : : :`ヽ、          /: : : :_; : : :-:‐:-. . . ._
     /: : : : : : : : : : : : : : : : :‐-. . . .-‐ ''ン; : ''": : : : : : : : : : : : : :`:ヽ
   /: : :_; : : -‐-x: : : : : : : : : : : : : : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
  /: :, '"´ , : ''"´: : : : : : : : : : : : : : : :./: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::.
. //  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
 {.i  /: : : : : : : : : :_:_: : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\
. |j /: : : : : : : ; ''"´   ̄  ー-‐‐7: : : : : : : /l: : : : : : : :iハ: :ヽ`/: : i : : : : : : :}`ヽ
    {: : : : : ./           //: : : : : : : / .l: : : : : : : :i .i: i/ i: : : :}: : : : : : : i : : : . 、
   i: : : :/            /:.:/: : : : : ∧7‐-=ミ:ハ : : : :.!/  j: :ハ∧.: : : : :ト,:i  ̄ `ヾ;,.
   i: : :/             /:.:/{:.i: : : :.i:i リ   i:./ _\: : :i =ニテオ=z≦!: : : : :} '!    /: :}
   ヾ: :i           /:./   i:ハ: : : |:| _,z=オ芹「  \:!  i:::;;;しイ j: : :./:V   /:/
     \__,        'イ     lj ヾ: :i:| '"i::::;;;しイ.      弋::::::ソ ,厶イ:.:ハ :i   /
              `ヾ=---' //\!ト、 弋_::_;ソ         ̄  i |: !: i i }/
                     // |: :i ∧         '_         i |: : .i i:.!   「ほんなら、うちらの勝ちで終いっちゅー事やな」
                   {:.i  .|: :!: :∧      / `ヽ    イ l: : :i //
                   ヾ\ |:.:i.:/  ` .     i__,ノ  / iリ |: ://
                           i:.:i/     ≧-  _  イ  ,/ i:/
                        i:.|      八|      ,ハ__   /
                       ';.! _,, -‐f´  \  /  i ` ‐-  _
                      , ''"    {.    ∧_∧   }       `ヽ
                        /    /.   \. _/x==x`ヾ_,ノ      i
                    //  i   ___{{__〃V \        i    \
                        /    .l. / ,、ヽヽヽヾ! i\,ノ       ./     \_
                  /      i / ゝ_/_/_/_/ー-、. \     V          ̄_`ヽ
                  ∠__      /      _,, イ ̄          〈           /::::i i
                  {::::/ `ヽ.  /     -‐‐''"  .|             }::.i      /\:::ノ ノ

705: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:12:51.43 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」に成りきれない者


                  -――-
                 /   ___   \
              /  / /   \
               /|/ノ   \_|/| │
             |  |_--  -_ │ |
             | {ル=ニ 》=《 ニミ`ァ
             | 个ー==' . ー==彳  |   「私の実力じゃ、お姉ちゃんの助けになれへんから……」
             │ 圦 ""___""│  |
               | 个 ‘ー  ’イリ  │
            ト、__/ │ | r|≧= h |/l  │
          \__厶イ >u< ∨|  \__/|
         <_/   (__,ノ 人  ノ人___,,/
              /\     ≫≪゙ ̄   \_>
          |│/   /ノ介ト \ \ノ ハ



 ――「怪物」に取り込まれた者


                       .  ¨  ̄ ̄ ¨   .
                . ´              `ヽ
               . ´                  :.
                ′                         :.
            /                        :.
            ,′                       ;.
            /                         /
              / {                            /
          /  \                     /  イ
            /\_ \ _                   ∠ イ |  「私なのに……私は私じゃないんだ……」
        /  ,ィ   ̄ ̄    |    │   l  :| :|    | | |
.        厶イ |  i    |   ト.    ト、 .:ト、 .| :|    | |/
         j  j从|  | |、 | | | ト、 │゚. :| ゚. | :|    │!
                 |  ト、圦乂| 乂| \| \| ヽ{ヽ{   イノ
                 乂_{ jハ               从イ/´
               -=ニ`ト .    -    .イ二ニ=‐- 、_
              r=ニ    =ニ二|`ト   _ . r |二ニ   ニ7 }ニ〉
             ハ マニ   ニ二ハ         !二ニ    / / /ヽ
.            / Vハ \     ニ二ハー-  -一 j二ニ   / / / ∧
            ′ \\\   ニ二ハ───‐/二ニ  //イ /
            |      \\\  二∧    /二ニ ///,/ ,/  1
            |   }八  {\\\ 二∧  /二 /// // ∧   |

706: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:14:32.57 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」に成りきれない者


                  -――-
                 /   ___   \
              /  / /   \
               /|/ノ   \_|/| │
             |  |_--  -_ │ |
             | {ル=ニ 》=《 ニミ`ァ
             | 个ー==' . ー==彳  |   「私の実力じゃ、お姉ちゃんの助けになれへんから……」
             │ 圦 ""___""│  |
               | 个 ‘ー  ’イリ  │
            ト、__/ │ | r|≧= h |/l  │
          \__厶イ >u< ∨|  \__/|
         <_/   (__,ノ 人  ノ人___,,/
              /\     ≫≪゙ ̄   \_>
          |│/   /ノ介ト \ \ノ ハ



 ――「怪物」に取り込まれた者


                       .  ¨  ̄ ̄ ¨   .
                . ´              `ヽ
               . ´                  :.
                ′                         :.
            /                        :.
            ,′                       ;.
            /                         /
              / {                            /
          /  \                     /  イ
            /\_ \ _                   ∠ イ |  「私なのに……私は私じゃないんだ……」
        /  ,ィ   ̄ ̄    |    │   l  :| :|    | | |
.        厶イ |  i    |   ト.    ト、 .:ト、 .| :|    | |/
         j  j从|  | |、 | | | ト、 │゚. :| ゚. | :|    │!
                 |  ト、圦乂| 乂| \| \| ヽ{ヽ{   イノ
                 乂_{ jハ               从イ/´
               -=ニ`ト .    -    .イ二ニ=‐- 、_
              r=ニ    =ニ二|`ト   _ . r |二ニ   ニ7 }ニ〉
             ハ マニ   ニ二ハ         !二ニ    / / /ヽ
.            / Vハ \     ニ二ハー-  -一 j二ニ   / / / ∧
            ′ \\\   ニ二ハ───‐/二ニ  //イ /
            |      \\\  二∧    /二ニ ///,/ ,/  1
            |   }八  {\\\ 二∧  /二 /// // ∧   |

707: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:16:24.84 ID:ZoJ+UHDko

 ――「怪物」と戦えぬ者

                 --……--
         r―‐⌒ヾ : : : : : : : : : : : : : : : \
         |∨: : : : : \ : : : : : : : : : : : : : : : \
         |/゚:。 : : : : : : \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : : : .
         /: : : \:.:.:.:. : : : :\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. : : : 。
          //: :/ : : \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.o。:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. :i: ゚
.         /イ /: :.:.:.イ:.:. ー┬---:.:.:.:__:.`:.:.o。:.:.:.:.:.|.:..。
       i{ | ′:.:.'{_|_:.:.:.:| リV:.:.:.:.:.:.:}:.>匕、: :\j--i
        || |/: :.:.:∧}リ≫┘o。v――'’xr示=ミト、:.:.\}、  「……アドバイスくらいしか、出来ないけどね」
        リ {: :.:.:.:.|!:‘, ィ芹≧ュ    ’|イi//| 》、:。:.:.:.ぃ、
           |:.:.:.:.:.「`ヽ《乂_゚ツ        ゞ= '゚ :リ/リ゚。:.:.ト、i
           |:.:.:.:.小   , ,    '    , ,  : /:.:.:.∧:.} リ
           l.:.:.:.:.:| }ゝ-!            jハ:.:.:.:j/}:.|
          :。.:.:.:{ {:j:八    -==ァ     イ }/ j:ノ
            ゚:。.リ  \{≧ュ。.    ィ:jソ  ″ /
           ゞ    イニ}  ` ´  {ニヽ
              ィニ//      ゝ|ニ\_
        ┬==≦ニ/ニ7____    __,.|ニニムニニニニニlヽ
       /ニ|ニニニ/ニニニ|`-―――‐一´|ニニニムニニニニ|ニム
.      /ニニ:|ニ7ニニニニニ|          |ニニニニ}ニニニ=|ニム



 ――「怪物」みたいな爺


                       -――-
                   ´           `
                     ´                 ヽ
               ,'                       i!
               i         ,        ,'  ,,斗i!
               i       '        ,'  ,':::::::::i!
               i        i!       i  ,':::::::::::i!
                  ム --‐‐.{  ゞー‐‐--    {::::::::::::i!  「退いてろ、小僧」
                〈 __,,;!   廴___  弋::::::::::i!
                   i ` ゞ'冫    ` ゞ' ''′  ゙γ⌒y
                 ゙!   ´ !    `            /
                 :.    ,'           /    /
                     〈....::::.... ヽ    ,/  ,ト,,,ァ′
                  ,'` ー    :.     ,' {:/
                     ' ー--- 、:.    ,' }'
                      、  ゙゙゙゙    ャヤ´  }≧o。,_
                       从从从从从/   ! ,八::::::!.:.:}
                    八:::::::::::::::::/   !   \}.:.:.:ヽ
                /.:.:} \从/    ,'     /.:.:.:.:.:.ヽ
                    /.:.:.:.:.:i!   ,〉    ,'    ,/.:.:.:.:.:.:.:.:.ト...
              .。o≦/.:.:.:.:.:.人           _  イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:>...
         .。o≦.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:./.....`>=ーァ==<´....../.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.:.:.:.:.:>...
      ,ァ≦.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.i...................,' o.............../.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>..
     ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.{..................,'................../.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
   ,,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.{..................................../.:.:{≧ェ 。,,_.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
   i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ム孑ヤ.:.:.:{...................o............/.:.:.:.〉.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヾ}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
   i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨.:.{.............................../.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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    i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Ⅵ..............................{.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
    i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./...............................{./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.

708: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:17:11.06 ID:ZoJ+UHDko




┌──────────────────────────┐
│  ――ここには神はなく、奇跡はあらず、英雄はいない。   │
└──────────────────────────┘




709: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:24:26.72 ID:ZoJ+UHDko
                   ,、
                  /lヽ
                  //;;l;;;;l                      /ヽ
          ,- 、    /;;;;l;;;;l;;;;;l _____             /;;;;;l
          ヽ;;ヽ`ヽ 、/;;;;l;;;;_, -´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、         /;;;;;;;;;l
           ヽ;;ヽ;;;;;;;`;;;;ヽ─‐ ´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/__ゝ、    /;;;;;;;;;;;l
           ヽ;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/─/;;;;;;;ヽ_//;;;;;;;;;;;;;l
            ヽ;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;/─ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;l
             ヽ;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;/─ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;l
    lヽ        lヽ;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/─ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
    l ヽ       l;;;;;>;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/─ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
   l   ヽ      l;;;;l ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;` ヽ 、;;;;;;;/─/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
   l   ヽ     l /~ 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, -─- 、___, -´ 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
   l     ヽ    r´.:.:.:.:ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
   l      ヽ   l.:.:.:.:.:.:.:.:l;;;;;;;;;;;;;;;;;;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/   「必死に生きようとしている奴を――笑うな」
  l        ヽ  .l.:.:.:.:.:.:.:l○;;;;;;;;;;;;;l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
  l         ヽ !.:.:.:.:.:.:ノl;;;;;;;;;;;;;;;l !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
  l          ヽ、.:.:ノl l;;;;;;;;;;;;;l;;;ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
  l            l`´_┘ l;;;;;;;;;;;`‐,;; ヽ, 、__,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_/l
  l            l l`ヽ__l_, -──- 、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_-´  l==ヽ
  l            l lヽl ヽ」__, -‐ ´l / `>--,─´   _/_ -´/ヽ
  l             l l_>_, 、l_, -‐l  _/ l l    /, -‐´    ヽ      ┌──────────────────────┐
  l             Ll ヽ   l   l_/  /l l  /         l      │そこには――「怪物」と向き合う精神だけがある  .....│
  l         __/    ヽ_,/_   /  /  lノ- ´     ____l      └──────────────────────┘
  l       / /___   `─- _/      _,-──´      ヽ
  l      /    ´      ̄ ‐l    /     _/ ̄    ヽ ヽ       ヽ


710: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:34:13.62 ID:ZoJ+UHDko

「悪いけど……その顔が気に食わない」


「私、本当に……鬼になんて、怪物になんてなりたくないよ……!」


「その、うちの弟にならへん?」


「なら――ここで命を使い尽くすときでしょうか。お元気で」


「衣は……生きてちゃ、いけないのか……?」


「私が射抜いてやる。その命――神に返せ」


「だーかーらー、パーフェクトハーモニーだって言ってるでしょうが!」



「なら――その根性、叩きのめしてあげますよ」


「……年の功って奴だ」


「教え子に戦わせて……自分がなにもできないなんてね」


「……これは、お祖母ちゃんじゃなくて私の言葉」


「なら、ワームを殲滅しますわ! 龍門渕の名に懸けて!」


「……ちょっとこれ、大きすぎるやろ」


「別に――ファンガイアだからって、笑うのを諦めなくていいんだぞ」


「ごめんね……京ちゃん。私は、ワームなの」



「俺に……光なんて関係ないんだよ……ははは」


711: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:35:26.69 ID:ZoJ+UHDko

: : : : :/ : : : : : :| : : : :|.. : :. ゙、: . ゙、゙、. \
: : : : : |. : : : : :i |: : : :i:|. : : : ∧: :、.i. .i: : . ` 、
.: : : : : !: : : : : | |、: : :| | : : i | !: :|:| : |:、: : : : : : >
: : : : : :| : : |: i 「! ヽート!、: : リ  !: |ハ: ト : | ̄ ̄
.: : :,..-、|: : :i: :|: !゙、 _、!二゙、-| イ: リ ! |ヽ:|
: : / へ.゙、 :丶ヾヽ<´{::::i` ヽ! 1!|:/| :!ノ゙、リ
: :ヽ    \ : :!丶   ̄     Vイ:ハ |\:i
.: : 丶    \゙、        `> リ  `  「……ふざけるなよ、お前」
ヽ: : :`┬ 、  ヾ          /
  i: ;ィノ          ,....-ィ /
,,:‐レリ    _       ̄ /
゛=!_    \ `ー-、_  _/
::::::゛== 、 \   / ̄ヽ、
::::::::::::::::::::::゛===-、    >


                 ┌──────────────┐
                 │ 「――――変……身ッ!!」  .│
                 └──────────────┘


                      ∧
           _      iト、 , イ! :!:r‐-、ノ||
         . \: :>.、   |:|::Y: : :,: :i: !: ョ: Ⅵ|
            \: : : `ー‐|:!:::!:ョ: ノ: j: {: :ヨ: :::リ    「なら、まずは俺が相手になってやる」
            ヽ\: : : :/∧、|:ョ_f: ::|: :Lリ: /∧、
             ', ヽ: //: :.ゝ{⌒ヽ:。/⌒',/|::|: :`: ヽ._
             /-f≧|:L: : :トゝ、_,:小、:_ノ:/::j:::!=、_:/: : : : ̄ ̄ ̄¨:.!
          .  /:〉ヘ_ノ!:`ヽ.|∧:fv=!=vfレ':::ノ:/: : : | : : : : : : : : : : ,ァ|
           /:/冫':::,|ト.::|\:::::ゝ:`エ´∠/:/: : : : |: : : : : : : : ,イ/ !.
          ! ゝ'/:::/∧:、\: \ヽ.:v:f二彡'ニニ=、.:|: : : : > ' ./.
         |/ノミヽ.::::::,ヘ\、ヽ.: ::¨^7 ̄: : : </|::レ'_   /ノ}
          !'、\ニ彡'  ヽ. \:、: : :,': : : :/ュユユ}:::|_二ニ、_.ノ.
         .|::\三リ   \{ハ ̄\_: /=_  ノハ:::: ̄ヽ. /}
         /:::::::::::::/    {f|:: ̄:: ̄::≧、ヽ._j彡'/| ',:: :: :: ::、//|
         ト、__ノ!     [r'\:: :: :: :: :: `¨:: r、,シL '、:: :: :: :Ⅵj
         ゝニニノリ    {\[jr==f ̄≧、/] ]8|:: :7 {ミヽ.:: ;彡!
         巛_/ニレ'    くヽ.:\ア´¨`ゝイ7/=レ':: :: ! |:: :: :: ::〈ノ、
          ゝ─'.:;    jヽ.:: :: 八 十_j|_/シ':: :: ノ:: | |:: :: :: :: :||:: !
        ::..::::;;;;::::::    |',:: :: :: ::`ー―':: :: :: イ:: ::./| !:: :: :: ::〈: : |
                 Ⅵ!: :: :: :: :: :、rッ':: :: :: :: :/: ノ |:: :: :: :: |: ::!
                  Ⅵ:: :: :: :: :: ::|ヽ:: ::  ::, イ  ゝ.:: :: ::..|: /
                  Ⅵ:: :: :: :: :: j ゝ=<::::::;:'   [二==彡'!
                   \:: :: :: :: ノ ..::;;;;::::::::::...   [三三彡'|
                    ゝ._,イ:::.. ;::::::'´    {\__ノ|
                   `、.::::::: ::::::,:' ´       f、:::::厂 /
                                 ':::..\_jア'.:::'

712: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:36:32.36 ID:ZoJ+UHDko

                                            ,.ー-‐.、
                                          ヽ、   ヽ  __
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                                     ̄

713: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 04:37:06.71 ID:ZoJ+UHDko





 ――この物語に、神なんていない。


722: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 05:02:39.77 ID:ZoJ+UHDko


 闇の中をひた走る少女。
 それに追いすがる、いくつもの影。
 ジャガーの姿。蝙蝠の姿。リザードの姿。

 そして――その頭目として現れた男。
 須賀京太郎。
 またの名を、タイプ:マスクドライダー、


「見つけたぞ、ディケイド。そのベルト――ショッカーに返してもらう」

「だ、誰ですか!?」

「Version3。それがお前に死を齎すものの名前だ」


 ――V3と呼んだ。


 新世代型のマスクドライダー。
 ショッカーの作り出した、最高峰の改造人間・ライダータイプ。
 既に離反した二体だが、追っ手を退けるその性能。

 それを踏まえて、より強力なライダーを作り出した。
 故のV3。第三期の改造人間である。
 生体と機械の拒絶反応を抑え込むシステム。
 他のライダータイプを踏襲、凌駕する性能。

 まさに当代に於いて、史上最高の改造人間。


「おとなしくベルトを渡せば、殺しはしない」

「……本当ですか?」

「ああ、本当だ」

「……でも、改造とかするんですよね?」

「……」

「黙らないでくださいよ!」


723: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 05:09:51.83 ID:ZoJ+UHDko

 ……で。


「あー、音撃打のカード使っちゃいましたぁ……」

「うん、なんかゴメン。本当ゴメン」


 洗脳装置をブッ壊されて。
 須賀京太郎は今、ここに居ます。
 失ってしまったカードの力を取り戻すために、夢乃マホ――仮面ライダーディケイドと旅に出ました。

 メーテルと機械の星に旅立つのならともかく、既に体は機械です。
 おもちを触ろうとしたら握りつぶしてしまう。完全に地獄だった。
 そしてどんなおもちを見ても、心がときめいても下半身はときめかない。
 本当に地獄である。


「……それじゃあ、君は」

「はいっ、大ショッカーを倒します!」

「……判った。俺も付き合う」


 未確認生命体の侵攻。
 しかしそれに対して――ショッカーは人類を守った。

 あらゆる政治・企業へと取り入ったショッカーは、容易く日本を占拠してしまっていた。
 実際のところ、ショッカーという名は出ていない。
 ただ、コングマリットとしてショッカーは現実として存在する。
 それはメディアに浸透し、社会に根を張り、少しずつ静かに――すべてを犯していく。

 彼らが作り上げた、あらゆるライダーの可能性を破壊する装置。
 それがディケイド。
 世界中に散らばったピースが、万一にでも作動しないように。
 己たちに牙を剥く事がないように、破壊を目的に製作された。

 京太郎のような改造人間部門。
 それとはまた別の部門が作り上げた、ドライバーだった。


「こんな体になっちまったけど……それでも俺は、人を守りたいんだ」

「京太郎さん……!」

「……だから、君の旅を手伝わせてくれよ」

「はいっ!」

724: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 05:21:39.55 ID:ZoJ+UHDko

「ここが……えっと、オルタナティブの世界ですね」

「何それ」

「大体わかってくださいよ!」

「わからねーから。絶対わからねーから」


 夢乃マホと名乗った少女と共に、世界を巡る。
 元の世界は、大ショッカーによって支配されてしまっている。
 それをどうにかする為の、鉤となるのがディケイドのベルト。
 失ってしまった力を取り戻すために――すべてのライダーと絆を結ぶのだ。


「……この世界、壊れちゃいます」

「甦ったアンデッドによって、地球上の生物が滅ぶかもしれない――か」

「勿論、マホたちで助けますよね?」

「……そうしたいけど、あんまり首突っ込むのもな」

「どうしてですか?」


 自分たちは稀人だ。
 本来ならその世界に存在しない人間。いてはならないイレギュラー。
 確かに、この力があれば人を助ける事が出来る。護る事ができる。
 しかし、いつまでもそこに留まれる訳ではない。

 京太郎たちの力を当てにさせてはならない。
 一時。ただ一時、その世界に立ち寄った存在。
 物語の根本を歪めてはならない。本当に立ち向かうのはその世界の人間だ。
 ほんの少し、誰かが挫けそうになったのなら――足を止めてしまったのなら。
 その時、立ち上がるだけの時間を稼ぐ。言葉を与える。

 それだけで、十分だった。


「なるほど、この世界の敵は……デカすぎるだろ、あれェ!」

「邪神14です!」

「名前はいいから……なんだあれ、どうすりゃいいんだよ……!?」

「諦めちゃだめです! ライダーなんだから、諦めちゃだめですよ!」

「なるほど――言うとおり、だなッ」

725: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 05:31:18.64 ID:ZoJ+UHDko


 そしてめぐる、別の世界。
 彼らの旅は続く――回り出す運命。


「ここは何の世界だ?」

「デルタの世界です!」

「……どこも、異常は見られないけどさ」


 撃ち出される弾丸。突如、姿を変える人々。
 否――人々ではない。
 街中の雑踏、全てがオルフェノクであったのだ。


「なるほど……オーガか。いい性能だぜ」


 オルフェノクの中にも、人間との共存を臨むものがいる。
 姿が変わってしまったとはいえ、昨日今日ですべてを捨て去れるほど――彼らは残酷ではなかった。
 或いはただ、人間が絶滅動物を保護するのと同じかもしれない。
 どちらにしても、人類の絶滅を臨んでいるものはいなかった。

 なのに――。

 スマートブレイン。
 京太郎とマホの世界でのショッカーに当たる組織が、人類への虐殺命令を出し続ける。
 従わないものには、その武力を以って私刑を執行。
 恐怖心による支配。暴力による支配。
 ここは――そんな世界だった。

 あと一歩。そんなときに謎の勢力に敗れ、攫われてしまった人類の希望。
 暴力に虐げられる人々。暴力に支配されるオルフェノク。
 放っておけないというマホに従って、京太郎も立ち上がった。
 予感が当たるのならば、これは大ショッカーからの追っ手であろう。


「だが、日本じゃ二番目だな」

「勿論一番はマホですよねっ」

「流れ的に俺だろ!」


726: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 05:43:06.90 ID:ZoJ+UHDko

 そしてまた、次の世界に。
 異世界にかかる“橋”。それを利用して、大ショッカーは各世界に侵攻するのだと言う。
 目的はその世界――ではない。

 全てのライダーの抹殺。
 そして、その力を己の世界に利用する事。
 事実、そんな異世界の技術を利用されて作り出された、改造人間まで現れる。

 ただカードの力を取り戻す為だった旅は。
 いつからか、全てのライダーを助ける為の旅となる。
 そしてそれは己の世界を守る事に繋がり、人々を助ける事となる。


「で、ここは?」

「パンチホッパーの世界です」

「……結局その一言じゃわからねーんだけど」


 この世界は、全ての種族が手を取り合って暮らす世界。
 軋轢がないとは言えない。差別がないとは言えない。
 それでも誰もが、歩み寄っている世界だ。

 だが――不穏分子と言うのはいつの時代にも存在する。
 大ショッカーの技術。
 提供されたその技術による、各勢力トップの誘拐。
 己の世界の不始末。
 それは、自分たちが付けなければならない。


「人間じゃないとか、そうじゃないとかよりも――さ」

「ええ、大事な事があるんです! 誰かを思いやる心というものが!」

「だからなんで俺の台詞取るんだよ!」


 この世界を救う事は出来ない。問題の解決はできない。
 ただ、一瞬であろうとも手を取る。
 そして、大ショッカーの野望を食い止めるのだ――。


727: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 05:55:12.70 ID:ZoJ+UHDko

 次に来た世界。
 荒廃はしていない。どう見ても普通の世界。


「ここは、ナスカの世界ですね」

「……で、どんな感じなんだ?」

「人々を助ける仮面ライダーって都市伝説が――あっ」

「どうした!?」

「この世界、今、書き変わりました……ショッカーが統治する世界に」


 最強の敵、ショッカーグリード。
 敗れて捕えられたライダーたち。オーズが存在しない世界。
 新たなるグリードを、誰も止める事ができない。

 全てのグリードを束ね、そして支配するショッカー。
 ガイアインパクトによる人類の選別。悍ましい計画。
 立ち向かう京太郎とマホもしかし、グリードに敗れてしまう。

 間一髪助け出された。
 目の前には、見知らぬライダー。


「ここは……それにあんたは、敵か!?」

「ノーウェイ、落ち着いてください。私は戒能良子。仮面ライダーNEW電王です」

「まだ、ショッカーにやられてないライダーがいたんですね……驚きです」


 そして彼女から事の顛末を聞く。
 ショッカーが時の列車を占拠。
 そして過去に現れてショッカーの為の基盤を作り、全ての勢力をまとめ上げたと。
 これはいわばプロトタイプ。
 京太郎たちの世界の前身。或いは鏡に映しだされた似姿。


「なら――前哨戦ってことで、どうですか?」

「オッケー、気に入った。どの道ショッカーは倒さなきゃいけないんだからな」

「その意気ですっ!」

728: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/21(木) 05:59:07.84 ID:ZoJ+UHDko

 そして彼らは本来の世界に帰還する。
 全てのライダーとの絆を深めて、戻ったカードの力。
 いや、それだけではない。
 もっと大切なものを――受け継いだのだ。


「……敵は多いですね」

「ああ……」

「……でも、大丈夫です。だって今は――」

「そう――俺たちはダブルライダーだ。それに」

「仮面ライダーは、護るべき人たちの為にも負けちゃいけないんですよねっ!」


 あらゆる世界からの技術を集約したショッカー。
 その恐ろしい改造人間の数々。
 それを目の前にしても、二人は挫けない。膝を付かない。

 ライダーというのは――人々にとっての、希望なのだ。


「さて――それじゃあ、行きましょうか」

「ああ……俺たちの戦いは、これからだ――!」




749: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/24(日) 00:24:47.57 ID:tKgSacN4o
(>>381より)
【放課後/染谷まこの研究所】


京太郎「っと、お待たせしました」

まこ「いや、それほど時間かかっとらんよ」

まこ「それと、優希の奴は……?」

優希「ここにいるじぇ!」


 元気よく返事をする片岡優希。
 テラーによる恐慌状態がどの程度だか知らないが、
 その程度まで回復してくれたことは純粋に嬉しい。


まこ「阿呆!」

まこ「治ったばかりなのに、なにしとるんじゃあんたは!」


 どうやら、病み上がりだったらしい。
 それなのに派手に騒いでいたというか、なんというか……。
 本当にそこらへん、相変わらずな奴だと思った。


優希「うっ……そ、それは……」

優希「あの……その……」

優希「ごめんなさい」

まこ「……はぁ」

まこ「ま、あんたの気持ちもわかるけぇ――しょうがないと思うが」

まこ「それでも、無理はやめときんさい。まだ、どんな後遺症があるか判らんけぇの」

優希「……はい」


 しゅんと項垂れる優希。
 染谷まこがどれだけ、優希自身の事を思って言っているのか理解しているのだろう。
 素直に、反省しているようだった。


まこ「さて――ま、そんじゃあこっからの話なんじゃけど」

まこ「とりあえず……まずは、メダルを渡してもらってもええか?」

京太郎「あ、はい」


 コブラ・カメ・ワニの――生命を司る三種類の爬虫類のコアを渡す。
 新子憧には、キチンと事情を説明した。(行間で)
 その上で許可された――彼女も人の命の助けとなればよいと言ったのだから、
 このメダルは、ここで使われるべきである。

750: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/24(日) 01:01:11.27 ID:tKgSacN4o

京太郎「……どうですか? よく、なりそうですか」

まこ「今のところ何とも言えんが……」


 そう言葉を区切って、胸を叩く染谷まこ。


まこ「後輩のあんたがあそこまで頑張ったんじゃ。先輩のわしが頑張らんでどうする」

まこ「だから――まあ、安心しときんさい」

まこ「あんたがやった事を、不幸な結末では終わらせん」

まこ「それに……わし自身、後輩にまかせっきりってのはのぉ」


 そう、頬を掻く染谷まこ。
 彼女自身、京太郎や優希、セーラに背負わせてしまった負い目があるのだろう。
 言動の端々から、京太郎たちに対する遠慮が見て取れた。

 さて――なんと声をかけるべきか。

 そう、逡巡した時だった。
 京太郎よりも早く、優希が声を上げた。


優希「先輩は、私たちの力になってるから十分なんだじぇ」

優希「染谷先輩がいなかったら……こうして、無事にいる事なんてできてないんだから」

京太郎「そうっすよ」

京太郎「俺がこうして今まで無事だったのも、染谷先輩と優希が戦ってくれていたからです」

京太郎「セーラさんがトライアルに強化されたのだって、そもそもアクセルを手に入れたのだって……」

京太郎「元はと言えば、染谷先輩のおかげじゃないっすか!」

まこ「優希……京太郎……」

優希「だから、早く私の戦う力が欲しいなーって」

優希「例のブツを!」

まこ「それが目的か……」


 まあ、優希なりの話の転換だろう。
 そのあたり、ムードメーカーである。場の空気を変えたり、保ったりするのが上手い。
 流石だな――などと考えつつ、京太郎も浮かんだ疑問を口から出す。


京太郎「例のブツ?」

優希「そう――最強のガイアメモリ! まさに私に相応しい代物だ!」

優希「Wには、新しい二人がなってるから……私自身、戦う力が必要だったんだ」

優希「それが、エターナルメモリ……対ガイアメモリ用の、最強のメモリだじぇ!」

京太郎「エターナル、メモリ」

754: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/24(日) 01:14:48.47 ID:tKgSacN4o

まこ「元々は、財団Xんとこにあったメモリやったんじゃけど……」

まこ「何かに使えんかと思ってな」

まこ「メモリの効果を殺す事に特化させれたのなら、優希にかかったテラーの呪いが解けるかと思っとったんじゃが」

まこ「そこまで器用なメモリじゃなくて――そいで、調整にここまでかかっとったんよ」

京太郎「……なるほど」


 そうして、まこが持ってきた二つの物体。
 永劫――エターナルを模るEの文字を持つ、エターナルメモリ。
 そして、あの日須賀京太郎に渡そうとしていたロストドライバー。


まこ「すまんな……京太郎の力になればよかったんじゃが」

京太郎「あー、まあ、しょうがないっすよ」

京太郎「出来ればもう二人が戦わずに済んだらいいし、俺も戦力が欲しいけど……」

京太郎「それよりも、二人のいざと言うときの守りになった方がいいっすから」

優希「まあ、安心するんだな……京太郎!」

優希「これからはこの美少女戦士優希ちゃんが、バリバリお前の事も護ってやるから」

京太郎「言ってろよ……。流石にお前に守ってもらうほど、弱くはねーから」


 オーズの力もある。出来れば優希を再び戦場に駆り出したくない。
 そんな、京太郎の言葉を優希がフフンとあざ笑った。
 やけに自信満々である。


優希「聞いて驚け! エターナルメモリと、優希ちゃんの適合率は98%!」

優希「つまり、運命のメモリなんだじぇ。このメモリと私は出会う運命だった!」

京太郎「98%……マジかよ」

優希「ふふん。参ったか!」

京太郎「正直たまげた。ビックリした」


 ガイアメモリ製造工場は破壊した。
 しかしそれでも、既に市中に出回ったものまでがフイになるわけではない。
 そんなガイアメモリの使用者――ドーパントとの戦いで、優希の力は頼りになるだろう。
 どれだけ凄いかは分からないが、とにかくすごいという事は分かった。
 なるほど、98%。運命と言ってよいだろう。


優希「それじゃあ景気よく――ここで、一発目の変身を披露してやるじぇ!」

優希「変、し――っと、あっ」


 変身しようとしたその勢いのまま、優希の手から振り飛ばされたエターナルメモリ。
 あまりの凡ミスである。戦闘前にやったら洒落にならない。
 そしてそのまま、メモリは淡の足元までスライドしていった。

760: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/24(日) 01:28:06.68 ID:tKgSacN4o

優希「あ、ごめん。取って貰えるか?」

淡「うん。いいけど」


 その時――メモリに触れた瞬間、淡が感じたのは電撃だ。
 足りない部分に、何かが挿入されたような錯覚。
 欠けていたピースが、自分の窪みに納まるような感覚。

 充足感を感じた。己の中が満たされたと――完成したと思った。
 そんな、謎の衝撃。
 一瞬だけど、それはある種の多幸感を伴っていた。


 ――もしも、過去が消えていくとしたら。

 ――せめて、明日が欲しい。

 ――京太郎の記憶が全て消えてしまっても、これまでの人生の軌跡が失われてしまっても。

 ――彼との未来が欲しい。新しい命が欲しい。

 ――先に進みたい。過去が無くなるのなら、未来と今が欲しい。

 ――ずっと前を向いて進みたい。消えていく過去よりも、消しきれない未来を。

 ――永遠なんてない。絶対に存在しない。何もかもが変わる。

 ――故に、どこまでも先が欲しい。未来を得続けたい。


 そう、魂が叫んでいた。
 「永遠」を否定しつつ/「永遠」を望む淡の葛藤。その欲望。その叫び。
 それと、「エターナルメモリ」は引きあった。
 これこそが、真実の運命だとして。


優希「どうしたんだじょ」

淡「あ、ごめん。今渡すね」

淡(なんだったんだろう、今の)


 首を捻りながら片岡優希にガイアメモリを手渡す。
 これは、麻雀と出会った時に似ていた。或いは宮永照に拾い上げられた時に。
 これこそが、これからの自分を形作る――そんなものとなる。

 そう、淡自身が理解した。あのときの感覚にそっくりだった。
 おかしいな、と首を改めて傾げた。
 別に自分は、ガイアメモリを必要としていない。変身はできるのだ。

 正直なところ、それが未来の自分の記憶を使っている――というのにはいい気がしない。
 それでも、須賀京太郎を守りたい。そう思っている。
 だから、淡はゼロノスの力で十分なのである。ガイアメモリなんて得体の知れないものは使いたくない。
 故にこれが運命というのは何かの間違いだ。そう思ったのに――。


優希「ど、どうして反応しないんだ!? な、なんでなんだ……!?」

770: 1 ◆B6xkwd67zxGJ 2013/03/24(日) 01:41:42.70 ID:tKgSacN4o

優希「そ、染谷先輩……これ壊れてるんじゃ……?」

優希「もしかして、今の衝撃で……」

まこ「そんな訳はないと思うがの……そこまで軟なもんでもないし」

京太郎「ちょっと貸してみろよ……あ、ホントだ。反応しない」

まこ「壊れたか……? いやでも」


 全員がひたすら、ガイアメモリのスタートスイッチを連打する。
 だが、いつまでたってもガイアメモリは囁きを行わない。
 沈黙を保っているのだ。拒否をしているように……。


まこ「……いや、もしや」

まこ「大星さん、ちょっと悪いが……押してくれるか?」

淡「私? うん、別にいいけどさ」


 染谷まこの導きに従い、エターナルメモリを手に取る淡。
 しかし先ほどのような錯覚は訪れない。なんだったのだろうか、あれは。
 そんな事を考えながらタップした、その時だった。


 ――《ETERNAL》!


 反応した。
 しっかりと、ガイアウィスパーが反応している。
 何度も押した。その度に、叫びあげるエターナルメモリ。


淡「別に壊れてないじゃん」

優希「も、もう一度貸してくれるか?」

淡「うん、返す」


 そして、片岡優希に手渡した。
 が、鳴らない。他の人間がやっても同じだ。
 誰がやっても、ガイアウィスパーの咆哮は聞こえない。
 全てが、何事も無いように停止している。
 皆が試行錯誤をする様子を眺めている淡だったが――。


まこ「あー……うん。判った」

優希「ど、どうしてなんだ? これはどんな理由で……」

まこ「……うん。あんたより、大星さんの方が適合率が高い」

まこ「99%か……それともひょっとしたら、100%あるかもしれん」

優希「ひゃ、100%!?」

京太郎「流石高校100年生……仮面ライダーランキング2位だ」

優希「……1位は?」

京太郎「俺」

優希「ふざけてる場合か! この! この!」

京太郎「痛てえ! 痛てえ! やめろ! ジョークじゃねえか!」

 
次回 【咲安価】 京太郎「……変、身」 一太「変ンンン、身ッ!」16クール目【ライダー】