1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 14:47:27.11 ID:jjEApu5so
奏「えっ? するの?」

武内P「はい」

奏「へぇ……相手がアイドルでも?」

武内P「ええ」


武内P「速水さんが仰った条件――」

武内P「――キスしなければ、十秒以内に爆発して死ぬ」

武内P「……そこまで言われては、さすがに」


奏「ふぅん……貴方も男、って事なのかな?」クスッ!


武内P「人として、ですね」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1566020846

引用元: ・武内P「キスします」 



2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 14:51:11.37 ID:jjEApu5so
奏「それじゃあ、どういう風にキスするつもり?」

武内P「えっ?」

奏「真面目に聞いてるの、答えて」

武内P「はあ……」


武内P「急いで駆け寄って……キスします」

武内P「……そして、すぐに離れますね」


奏「すぐに離れるの?」

奏「余韻を楽しむ時間も与えないなんて、つれない人ね」


武内P「爆発の危険性がありますから」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 14:58:25.82 ID:jjEApu5so
奏「そのキス、唇が触れるだけ?」

武内P「はい」

奏「……それじゃあ、面白くないわね」

武内P「えっ?」


奏「――身も心も溶けてしまうような甘い大人のキス」

奏「それを一分間しなければ、爆発して死んでしまう……」

奏「……制限時間は五分間、どうする?」クスッ!


武内P「……」

武内P「命を盾に、キスに関する質問をするのはやめてください

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:02:11.52 ID:jjEApu5so
奏「だって、そうでもしないと乗ってこないでしょう?」

武内P「それは……」

奏「貴方って、ずるい人だから」

武内P「……」

奏「でも、そうね……それじゃあ――」


奏「――キスしなければ、笑顔が出来ない」

奏「もしも、アイドルがそんな魔法にかけられてしまったら……」

奏「……貴方は、どうする?」クスッ!


武内P「……」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:05:55.77 ID:jjEApu5so
奏「どう? そういう状況なら、貴方はどうする?」

武内P「……そう、ですね」

奏「ふふっ! 聞かせてもらおうかな」

武内P「まずは……」

奏「まずは?」


武内P「――親御さんに、連絡をします」


奏「……」

奏「待って、そこまで現実的な話はしてないから」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:10:48.36 ID:jjEApu5so
奏「親に連絡って……」

武内P「重要なことです」

奏「そりゃ、そうかも知れないけど……」

武内P「はい」


武内P「私達は、アイドルの皆さんをお預かりしている身です」

武内P「笑顔のためとは言え、キスするのであれば……」

武内P「……保護者の方の同意が必要だ、と」

武内P「……そう、思います」


奏「……」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:16:36.73 ID:jjEApu5so
奏「……相手が、大人だった場合は?」

武内P「その場合は、また話が違ってきますね」

奏「相手が子供だった場合、親に連絡する、って事ね……」

武内P「はい、その通りです」

奏「……」


奏「……もし、私が魔法にかけられたら?」

奏「キスしなければ、笑顔が出来なくなってしまったら?」


武内P「専務に報告します」


奏「待って」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:20:51.32 ID:jjEApu5so
奏「なんで? どうしてそうなるのかな?」

武内P「えっ?」

奏「えっ、じゃなくて」

武内P「そう言われましても……」


武内P「……速水さんは、プロジェクトクローネに所属しています」

武内P「なので、専務が直々に対応をするでしょうから……」

武内P「……私が出来るのは、そこまでですね」


奏「……」

奏「ねえ、つれないにも程があるんじゃない?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:28:18.18 ID:jjEApu5so
奏「他に、何か出来る事はあると思わないの?」

武内P「……激励の言葉をかける、等でしょうか?」

奏「そういうのじゃなくて」

武内P「そう言われましても……」

奏「……良いわ、条件を追加するから」


奏「――貴方がキスしないと、私にかけられた魔法はとけない」

奏「……これなら、どうする?」ニコリ!


武内P「例え話ですが、速水さんに魔法をかけた人物は……」

武内P「……私に、何の恨みがあるのでしょうか?」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:34:34.61 ID:jjEApu5so
奏「ほら、どうするの?」クスクスッ!

武内P「……」

奏「ふふっ! 貴方って、困った顔もチャーミングね」ニコリ!

武内P「……」

奏「キス、する?」ニコッ!

武内P「……」


武内P「――キスします」

武内P「当然、それまでに色々な手順を踏みますが……」

武内P「……速水さんの笑顔は、とても魅力的ですから」


奏「……待って」

奏「その、急に言われると……さすがに照れるんだけど」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:41:13.83 ID:jjEApu5so
奏「ふぅん……でも、キスするんだ?」

武内P「はい」

奏「へぇ~……ふ~ん……」ニマニマ!

武内P「……」


武内P「貴女の、輝くような笑顔の助けになるならば」

武内P「私は、出来る事ならば何でもしよう……と」

武内P「……そう、考えています」


奏「…………待って」

奏「ちょっと……急に、キュンとするような事言わないで」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:47:45.55 ID:jjEApu5so
奏「大人っぽいとは言われるけど、まだ十七歳なのよ?」

武内P「えっ? ええ……」

奏「そんな女の子相手に、言って良い台詞?」

武内P「す、すみません……」

奏「もう……本当に、仕方のない人なんだから」クスクスッ!

武内P「……」


武内P「では、先程の言葉は取り消します」


奏「取り消さないで良いわよ!」

奏「あぁ、もう……貴方って本当に……!」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 15:52:10.63 ID:jjEApu5so
奏「……ふぅ、大きな声を出してごめんなさい」

武内P「いえ、お気になさらず」

奏「貴方は気にして頂戴」

武内P「……」


奏「でも……私の笑顔の助けになるなら」

奏「貴方って、出来ることなら何でもする覚悟があるんだ」

奏「……ふふっ!」

奏「思いもかけず、良い事を聞いちゃったわね」ニコッ!


武内P「そう……ですね」

武内P「プロデューサーとして、当然の事です」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 16:02:15.85 ID:jjEApu5so
奏「それじゃあ……早速、お願いしちゃおうかな」

武内P「えっ?」

奏「私の笑顔の助けになる事」

武内P「それは……一体?」


奏「――今まで頑張った、ご褒美のキス」

奏「それが貰えたら、これからも良い笑顔が出来ると思うの」

奏「ううん……今までよりも良い笑顔が、ね」ニコッ!


武内P「……お話はわかりました」

武内P「私に出来る限りの事は、させて頂きます」


奏「ふふっ! ちょっとからかいすぎ……」

奏「……」

奏「えっ!? するの!?」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 16:10:12.41 ID:jjEApu5so
奏「えっ、待って? 冗談でしょう?」

武内P「えっ?」

奏「……貴方、本気?」

武内P「はい」


武内P「……今までよりも良い笑顔」

武内P「速水さん、貴女がそれが出来るようになるのならば」

武内P「……プロデューサーの立場としては、はい」


奏「待って……待って待って」

奏「ちょっと待って……えっ?」

奏「そんな急に、えっ? キス? 本当に?」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 16:17:08.92 ID:jjEApu5so
奏「そんな、こっ……心の準備、出来てないわよ」

武内P「では、準備の方をお願いします」

奏「キスするのに、そんな言い方ある!?」

武内P「す、すみません……」


奏「……私、アイドルなんだけど?」

奏「それに、十七歳だし……本当に?」


武内P「笑顔です」

武内P「……私は、プロデューサーですから」


奏「っ……!?///」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/17(土) 16:27:05.86 ID:jjEApu5so
  ・  ・  ・

武内P「――と、言うような事がありまして」

武内P「速水さんは、ご褒美のキスが欲しいそうなのです」

武内P「……なので」

武内P「お願い、出来ますでしょうか?」


専務「……」


武内P「事前に、親御さんの承諾は得ています」

武内P「――宜しくお願いします、と」

武内P「……そう、言われましたので、問題ありません」


奏「……」


武内P「私は席を外しますので、どうぞご遠慮なく――」


奏・専務「……」



武内P「キスしてください」




おわり

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 20:46:25.53 ID:taPbmUMeo
書きます


武内P「メイクの仕方、ですか」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 20:49:45.67 ID:taPbmUMeo
拓海「おう、アンタなら知ってんだろ?」

武内P「いえ、あまり詳しくは……」

拓海「あ? アイドルのプロデューサーだろうが」

武内P「しかし……何故、私に?」

拓海「そりゃお前、他のヤツに言ったらからかわ……」

武内P「……」


拓海「お……教えるのか教えねえのかハッキリしろオラァァ!!」


武内P「……」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 20:52:07.87 ID:taPbmUMeo
  ・  ・  ・

武内P「……――と、言う訳で」

武内P「向井さんご希望の、ナチュラルメイク」

武内P「それを最近学んでいる、という――」


文香「……」


武内P「――鷺沢さんに来て頂きました」

武内P「鷺沢さん、ありがとうございます」


文香「あ、いえ……」


拓海「……」ジーッ!


文香「っ……!?」ビクッ!

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 20:56:12.01 ID:taPbmUMeo
武内P「私だけでは、行き届かない部分もあると思ったので……はい」

文香「は……はい……」ソワソワ!

武内P「鷺沢さん?」

文香「いえ、その……」ビクビク!


拓海「……」ジーッ!


文香「ふ、二人きりで教えるものだとばかり……!」キョドキョド!


武内P「私は、席を外した方が良いでしょうか?」


文香「!?」

文香「いえ! いえ、その……居てください……!」フルフルフルフル!

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 20:59:31.40 ID:taPbmUMeo
武内P「人に教えるという事は、鷺沢さん自身にもメリットが」

武内P「教える事で、忘れがちな部分も確認出来ますから」

文香「それは……そう、ですね……!」チラッ!

武内P「向井さん、今日は鷺沢さんにメイクを教わりましょう」


拓海「――おう」

拓海「その前に、ちょっとツラをよ~く拝ませろや」


文香「!?」ビクッ!


武内P「鷺沢さん、良いでしょうか?」


文香「!!?」ガーン!

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:05:21.24 ID:taPbmUMeo
拓海「遠くからじゃ、よくわかんねぇからなぁ……よっ――」

グッ…

拓海「――っと!」

ダンッ!


文香「」

フラッ…

文香「――っ!?」

グッ!


拓海「悪ぃ悪ぃ、驚かせちまったか?」


文香「……!」オロオロ!

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:11:04.68 ID:taPbmUMeo
文香「……!」

文香(ナチュラルメイクに関して、知りたい事がある……)

文香(それを聞いた時の私は……何を期待していたのでしょうか)

文香(……この様な事になるとは、思いもよりませんでした)

文香(ただ、ほんの一時だけ……それだけなのです)

文香(私の得た知識が、少しでも役に立つのならば……)

文香(私の成長を披露し、微笑んでくれたならば……)


拓海「おう、下向いてたら見えねぇだろうが」


文香「」


拓海「おい、なんで白目向いてんだよ」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:15:24.89 ID:taPbmUMeo
武内P「鷺沢さん?」

文香「っ!?」ビクッ!

武内P「す、すみません……驚かせてしまいましたか?」

文香「あ、いえ……それは、部屋に入った時かr」


拓海「おし、そのまま動くんじゃねぇぞ」

ズイッ!

文香「っ!」ピタッ!

拓海「はーん……成る程な」ジロジロ!

文香「……!」ピタッ!


武内P「鷺沢さん?」

武内P「あの……瞬きはして構いませんので」

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:25:37.12 ID:taPbmUMeo
拓海「――よっしゃ! 大体わかった!」

武内P「向井さんから見て、鷺沢さんのメイクはどうでしょうか?」

拓海「イイじゃねえか! チャラチャラしてなくてよ!」

武内P「はい、私もそう思います」


武内P「メイクに頼るのではなく――」

武内P「――メイクで活かす」

武内P「2019年夏の流行とは違いますが……」

武内P「ご自身の魅力を高める方向性が合っている、と」

武内P「……そう、思いました」


拓海「っつーわけだからよ! 夜露士苦ゥ!」


文香「」

文香「――……えっ、あっ、はい!」

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:33:15.95 ID:taPbmUMeo
  ・  ・  ・

武内P「……一緒にやりながら、との事なので」

武内P「お二人には、メイクを落として頂きましたが……」


拓海「あ? 何だよ? 何か文句あんのか?」

文香「……っ!」ビクビク!


武内P「あ、いえ……そうではなく」

武内P「素材の状態でも、十分魅力的だ、と」

武内P「……そう、思いまして」


拓海「あぁ!?/// いっ、イキナリ何言い出すんだテメェ!?///」

文香「……!///」モジモジ!

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:38:21.67 ID:taPbmUMeo
武内P「……その、素晴らしい素材を活かすためにも」

武内P「ここで、少しでも学んでいきましょう」


拓海「……当たり前だろうが!」

拓海「テッペン獲るためには、必要な事だからよ!」ニコッ!

文香「……私も、化粧の道には踏み込んだばかりの身です」

文香「なので……より輝くために……努力したいと思います」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「では、まず……日焼け止めから、でしょうか?」


拓海「あ?」

文香「?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:42:44.39 ID:taPbmUMeo
武内P「いえ、あの……夏ですから、はい」

拓海「外で撮影しねえんだし、別にいらねえだろ」

武内P「えっ?」

文香「この後に、何か屋外での催しがあるのでしょうか……?」

武内P「……待ってください」


武内P「……お二人に、お聞きしたいのですが」

武内P「普段は、日焼け止めを使用していないのでしょうか?」


拓海「使ってねえよ」

文香「何か、問題でも……?」


武内P「……!?」

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 21:51:04.53 ID:taPbmUMeo
武内P「最近は、日差しが強いですから……!」

文香「あまり、外に出る事は無いので……」

武内P「事務所へ来る時や、学校も!」

拓海「太陽の光をギラッギラに感じるのの何が悪ぃんだよ!」

武内P「日焼けをします! それも、かなり!」


武内P「……わかりました」

武内P「今回は、そこをしっかり学んで頂きます」

武内P「……異論は、ありますか?」


拓海「ね……ねえよ……」文香「な……無いです……」

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 22:06:49.04 ID:taPbmUMeo
  ・  ・  ・

拓海「……何か、変な事になっちまったな」

文香「はい……化粧に関する事だと、思っていたのですが……」

拓海「……すまねぇな、巻き込んじまって」

文香「いえ、私にとっても重要な事ですから……」


拓海「――っと、ちゃんとした自己紹介をしてなかったな!」

拓海「特攻隊長、向井拓海だ! 夜露士苦ぅ!」


文香「ええ、と……」

文香「お……叔父の書店を手伝っている、鷺沢文香と申します……」


拓海・文香「――そして、アイドルを」


拓海・文香「……」

拓海・文香「っ!」クスッ!

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 22:12:24.72 ID:taPbmUMeo
ガチャッ、バタンッ

武内P「――お待たせしました」


拓海「おう、遅かったじゃ……って、何だそりゃ!?」

文香「それは……全て、日焼け止めですか……?」


武内P「はい、色々な種類があり……」

武内P「……肌に合わない場合もありますから」


拓海・文香「……」

拓海・文香「っ……!」クスクスッ!


武内P「? どうか、されましたか……?」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 22:21:52.53 ID:taPbmUMeo
拓海「ま、要するに試してみりゃ良いんだろ?」

文香「何事も経験……と、言いますからね」

拓海「へへっ! 良い事言うじゃねえか!」

文香「一人だと、迷ってしまうかも知れませんが……」

拓海「っしゃあ! そういう時はアタシの出番だろ!」ニカッ!

文香「ふふっ……宜しくお願いします」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「ですが、顔に塗る前に手の甲に塗って頂き……パッチテストを」


拓海「あぁ!? んな面倒な事してられっかよ!」

文香「あの……大事なことですから……!」

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 22:31:26.81 ID:taPbmUMeo
  ・  ・  ・

里奈「……な~んかさ~?」

拓海「あ? んだよ?」

里奈「たくみん、最近カンジ変わったよねー?」

拓海「そうか?」

里奈「落ち着いたっていうか、なんかメイクも上手くなってるぢゃ~ん?」

拓海「はぁ?」

里奈「あたし的には、何があったか気になるぽよ~ぽよぽよ~」

拓海「……おっ」


拓海「――悪ぃな、先約があんだ!」

拓海「その話は、また今度するからよ!」


里奈「……ぽよ~」

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 22:35:38.22 ID:taPbmUMeo
  ・  ・  ・

ありす「……文香さん」

文香「? ありすちゃん、どうしたの?」

ありす「私に、隠してる事が無いですか?」

文香「隠してる事……?」

ありす「最近、綺麗になりました! 前からですけど、もっと!」

文香「そう、だと良いのだけれど……」

ありす「何かあったんですか? 教えて下さい!」

文香「……あっ、もうこんな時間」


文香「――ごめんなさい、ありすちゃん」

文香「その話しは、また今度ちゃんとするから……」


ありす「……!」

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 22:42:28.20 ID:taPbmUMeo
  ・  ・  ・

ガチャッ!

里奈・ありす「……!」


武内P「藤本さんに……橘さん?」

武内P「おはよう、ございます」


里奈「あ、ちょりーす☆」イエーイ!

ありす「あ、おはようございます」ペコリ!


里奈「ぢゃなくて!」ありす「じゃなくて!」


武内P「はい?」

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/18(日) 23:02:16.15 ID:taPbmUMeo
里奈「どゆことどゆこと!? たくみん、女子力あがってんぢゃん!」

武内P「それは……良い事では?」

ありす「説明してください! 文香さん、最近綺麗になってます!」

武内P「それも……良い事では?」


武内P「……そう、ですね」

武内P「アイドルですから……焼くのはいけない、と」


里奈・ありす「妬いてない!!」


武内P「はい?」

武内P「ですから、日焼け止めを使用したやり方を……」


里奈・ありす「なっ!?/// 何のやり方!?///」


武内P「……?」



武内P「メイクの仕方です」



おわり

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 15:40:11.89 ID:H/mBruJ2o
書きます


武内P「ホラーを克服、ですか」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 15:45:44.19 ID:H/mBruJ2o
蘭子「灼熱の業火降り注ぐ今! その時は来た!」

武内P「――夏で、そういった番組が多いから、でしょうか?」

蘭子「我が友である、死者の王女も轡を並べんと欲している!」

武内P「――白坂さんが、一緒に何かをしよう、と?」


飛鳥「……いやはや、驚いたね」

飛鳥「キミが、蘭子のセカイをそこまで理解しているとは思わなかったよ」


蘭子「フッフッフ! 我が友の瞳は、全てを見通す魔眼!」ニコニコ!

武内P「……何とかわかる、といった感じですね」

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 15:55:17.51 ID:H/mBruJ2o
蘭子「……夜毎誘われる、恐怖の宴」

武内P「――毎晩……ホラー映画を見ようと誘われる、と?」

蘭子「だが! この身は死者の国に於いては、あまりに無力……!」

武内P「ですが……誰にでも、苦手なものはあるものです」


飛鳥「夏の思い出に、一回は一緒に見たいと思ったらしいんだ」

飛鳥「友情と優しさで、恐怖に立ち向かう……」

飛鳥「……どうだい? まるで、おとぎ話の勇者じゃないか」


蘭子「あ……アーハッハッハ!///」

蘭子「内なる己を奮い立たせ、断罪の剣を以て恐怖を切り裂かん!///」


武内P「神崎さん……」ジーン…!

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:00:42.55 ID:H/mBruJ2o
武内P「……お話はわかりました」

武内P「それで……私に頼みたい事とは、一体?」


蘭子「片翼の担い手、飛鳥による儀式の立ち会いを!」ビシィッ!


飛鳥「ボクが、蘭子に怖い話を聞かせる」

飛鳥「その時に、少しばかりキミの背中を貸して欲しいんだ」

飛鳥「魔法使いでも、お姫様を背にして立つ事は出来るだろう?」


武内P「あの……それに、何の意味が?」


蘭子「きょ……恐怖の前では、結界は魔力を失ってしまう……」

飛鳥「怖くなったらしがみつける。ただ、それだけさ」

蘭子「飛鳥ぁ!?/// なんで言うのー!?///」


武内P「は、はあ……」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:06:21.20 ID:H/mBruJ2o
武内P「その程度でしたら……はい、勿論構いません」

蘭子「――♪」パアッ!

武内P「では……私は、座った方が良いでしょうか?」

飛鳥「そうだね。ホラーを立ち話というのは、あまりに無粋だ」


武内P「ならば……私が、ソファーの端寄りに座り」

…ボスンッ

武内P「その隣の端に……どうぞ、神崎さん」

蘭子「うむ!」

…ポスンッ


飛鳥「なら、ボクは同じソファーの反対側に位置しようか」

…ポスンッ

飛鳥「……良いね。横並びの対談の様だが、条件は満たされている」

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:15:54.26 ID:H/mBruJ2o
蘭子「……我が友よ、その勇猛さを発揮する時」

武内P「もう少し中央に移動しろ、と?」

蘭子「……守護者の後ろに居るばかりは、戦いの場に参じているとは言い難い」

武内P「成る程。靴を脱いで、膝立ちの状態で聞く、と」

蘭子「……その双肩に、我が掌より魔力を注ぐ!」

武内P「ええ、肩に手を置いた方が安定するでしょうから」


蘭子「――いざ! 我と我が友の魂を一つに!」

…ぽんっ

蘭子「ククク……! 漆黒の魔力が、傷付いた其の身を癒やす……!」ニコニコ!

もみもみ…

武内P「いえ、あの……肩を揉まなくても、大丈夫ですから」


飛鳥「良いじゃないか、蘭子なりのお礼のつもりだろう」

飛鳥「素直に受け取っておくのが最善の選択肢さ」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:20:47.67 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「さて、それじゃあ――」

飛鳥「――準備は良いかな?」


蘭子「う、うむ……!」ビクッ!

武内P「神崎さん」

蘭子「わ、わがまえには、しゅごしゃがいる!」ビクビク…!

武内P「神崎さん」

蘭子「な、なに……?」


武内P「――笑顔です」

武内P「笑顔の力――パワー・オブ・スマイルがあれば」

武内P「……どんな困難も、必ず乗り越えられます」


蘭子「……!」

蘭子「はいっ!」ニコッ!


飛鳥「フフッ……良い笑顔だね」

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:28:01.71 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「その笑顔を恐怖で歪められるかは、ボク次第という訳だ」

飛鳥「……正直、うまく出来るかはわからないが」

飛鳥「乗り越える最初の壁としては、適当な高さになるかな」


武内P「そう、なのですか?」


飛鳥「だから、蘭子はボクに頼んだんじゃないかな」

飛鳥「専門家達の話を聞いては、克服どころの話じゃなくなるからね」

飛鳥「乗り越える壁が高く、こちらに倒れ込んでくるんだから」


武内P「……確かに、その通りですね」

武内P「では、二宮さんも……怖い話、頑張って下さい」

蘭子「ぷっ、プロデューサー!?」


飛鳥「ハハハ、魔法使いにそう言われてしまっては仕方ないね!」

飛鳥「……良いだろう」


飛鳥「ボクの持てる力、セカイの全てで蘭子の顔を歪めてみせよう……!」

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:34:21.56 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「……これは、ある少女の物語」


蘭子「……」ゴクリ!

武内P「……」


飛鳥「自分の心の内を表現するには、素直すぎる少女の話さ」

飛鳥「少女の素直すぎる言葉は、他人に届きにくい言葉だった」

飛鳥「……だから、少女は描き出した」

飛鳥「自分のセカイを……一冊のスケッチブックに、ね」


蘭子「それって……」

ぐっ…

武内P「……」

武内P(……成る程)

武内P(登場人物と神崎さんを重ね合わせて、一気に話に引き込んだ……と)

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:40:19.03 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「……そんな少女の元へ、魔法使いが現れた」

飛鳥「しかし、魔法使いもコミュニケーションが得意じゃなかったんだ」

飛鳥「……二人の意思は、紙一重の所ですれ違うばかり」


蘭子「……!」コクコク!

ぎゅっ!

武内P「……」


飛鳥「その紙一重を埋めたのが、彼女の想いを描いた――」


蘭子「――グリモワール!」パアッ!

武内P「……」


飛鳥「蘭子、今話しているのはボクだよ?」

飛鳥「合いの手は嬉しいが、少し落ち着いた方が良いんじゃないかな」


蘭子「す、すまない……」

72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:49:49.23 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「すれ違う二人を繋いだのは、一冊のスケッチブックだった」

飛鳥「そして……少女と魔法使いは手を携え」

飛鳥「――新しいセカイへと、踏み出していったんだ」


蘭子「……!」ウンウン!

武内P「……」

武内P(ここから……どう、ホラーに繋がるのだろうか?)


飛鳥「……だが、少女は己の全てを魔法使いには伝えていなかった」

飛鳥「その隠された禁断の果実は……もう一冊に」


飛鳥「――夜闇を思わせる、黒いスケッチブックに描いていたんだ」


蘭子「禁忌!!!!!」

ブベチッ!

武内P「痛っ……な、何故……私の耳を塞いで……?」

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 16:59:26.08 ID:H/mBruJ2o
蘭子「あっ、あすっ、あ、おおあっ……!?///」ワナワナ!

武内P「神崎さん? あの……神崎さん?」


飛鳥「禁断の果実は……とても甘い」

飛鳥「少女の、魔法使いへの想いだった」


蘭子「きっ、きき、きんききんき!/// ほんときんきっ!!///」アワアワ!

武内P「……?」

武内P(まさか……神崎さんは、これからの話を予想して……?)


飛鳥「黒衣に包まれた魔法使いの姿を想像した絵も」

飛鳥「何度も描き直されたそれは、何も纏わぬ姿だった」


蘭子「ひょわ――っ、きんき!/// きんきあすかきんききんきぃっ!///」ワタワタ!

武内P「……」

武内P(何も聞こえないが……話が、盛り上がっているようだ)

75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 17:08:53.68 ID:H/mBruJ2o
蘭子「なんで!?/// なんでしっとると!?///」


飛鳥「……けれど、ある日」

飛鳥「少女の元へと現れた、もう一人の少女に見つかってしまった」

飛鳥「……寝ていると思って、油断したんだろう」

飛鳥「毎夜繰り返されているだろう、儀式を見られてしまっていたんだ」


蘭子「このまえとまったとき!?/// おきてたと!?///」


飛鳥「スケッチブックに描かれた、魔法使い」

飛鳥「その写し身に愛を語り、口づけをする姿を」


蘭子「むああああっ!?/// むうううあああぁぁっ!?///」ブルブル!

ガクガクッ!

武内P「あ、あの……頭を揺らさないでください……」

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 17:19:17.95 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「その儀式が頻繁に行われているのは、すぐにわかった」


蘭子「あすか――っ!?/// ほらーちがう!/// ほらーちがう!///」


飛鳥「スケッチブックに描かれた、魔法使いの顔」

飛鳥「その口元の色が変わっていたから、ね」


蘭子「ぴいいいいいぃっ!/// もうやめてほんとやめてえええっ!///」

ガックガクガク!

武内P「か、神崎さん!? あの、揺らさな……神崎さん!?」


飛鳥「蘭子、キミならわかるだろう?」

飛鳥「その少女が、黒いスケッチブックの内容を誰にも知られたくない気持ちが」


蘭子「わたしのことだもん!/// わたしのことだもん、それぇ!///」ピー!

ググッ…!

武内P「あ、頭が……う、おお……!?」

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 17:29:11.58 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「誰にも知られてはいけない……少女の秘密」

飛鳥「そう……少女は、恐れていたんだ」

飛鳥「秘密を知られることで、魔法使いとの関係が変わってしまう事を」

飛鳥「心地良い今が、どうなってしまうか理解らないから……」


蘭子「だからぁっ!/// それ、ほらーちがう!/// ただのきんきぃっ!///」


飛鳥「――しかし、少女のそんな姿を見て」ビシッ!

飛鳥「もう一人の少女は、考えていたんだ」ビシィッ!

飛鳥「……いつか、その恐怖を乗り越えなければいけない時が来る、と」ビッシィッ!


蘭子「ちがうちがういまちがう!/// ばか!/// あすか、ばか!///」


飛鳥「フッ……例え罵られようとも、ね」シャキーン!


武内P「……」

武内P(これは……二宮さんも、自分の世界に入っているようだ)

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 17:40:11.75 ID:H/mBruJ2o
飛鳥「――今こそ、解き明かそう」

飛鳥「恐怖を乗り越えたセカイの、その先の姿を……!」

スッ…!


武内P「……?」

武内P「背中から……黒いスケッチブッk」


蘭子「グリモワァァァ――ルッ!///」

ダダダダッ、ガシイッ!

飛鳥「こ、こら! 離すんだ蘭子! 恐怖に負けちゃいけない!」

蘭子「きょうふちがう! んむふぃいいいいいっ!」

飛鳥「今こそ、虚構を現実にするチャンスじゃないか!」

蘭子「チャンスじゃないチャンスじゃない! ピンチピンチピンチぃっ!」


武内P「い、一体……何が……?」

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 17:45:23.88 ID:H/mBruJ2o
武内P「あの……神崎さん、二宮さん?」

武内P「そのスケッチブックは……」


蘭子「きんき!/// きんきだからだめぇ!///」

飛鳥「ちょっとした、  イムエッサイ」

蘭子「むううううぅぅっ!?///」

スパシィッ!

飛鳥「むぐっ!?」

蘭子「ぷろでゅーさーは、きにしないでいい!/// ほんと!!///」


武内P「は、はあ……」

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 17:55:11.56 ID:H/mBruJ2o
  ・  ・  ・

小梅「ほ……本当に、良いの……?」ワクワク!


蘭子「う、うむ……! 約束が、果たされる時……!」


小梅「……!」パアッ!

小梅「えへへ……う、嬉しい……な」ニコッ!

小梅「一緒にホラー映画見たい、って……ずっと思ってた、から」ニコニコッ!


蘭子「我が友よ……」

蘭子(……あああ! でもやっぱり怖い怖い怖いいいいっ!)

蘭子(でも、こんな笑顔を向けられたら今更嫌って言えないよ~!)

蘭子(飛鳥との特訓なんて、全然役に立たなかったし!)

蘭子(馬鹿! ほんと馬鹿! 飛鳥の馬鹿ぁっ!)

81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 18:06:23.75 ID:H/mBruJ2o
小梅「と、特訓……してくれたんだよ、ね……?」

小梅「嬉しい……す、凄く……楽しみ……♪」ニコニコ!

小梅「黒いスケッチブックも使ってくれたなんて……えへへ♪」ニッコニコ!


蘭子「……えっ?」

蘭子「なんで……知って……?」


小梅「あ、あの子が教えてくれた……よ?」

小梅「中身は、その……え、●●●だから内緒って……///」モジモジ!


蘭子「っ!?///」パプッ!

82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 18:13:56.70 ID:H/mBruJ2o
蘭子「き、禁忌に触れたというのか……!?///」

小梅「内緒だった……の……?」

蘭子「其の封印は解いてはならない!///」

小梅「でも……か、かっこよく描けてた……って」

蘭子「誰が!?///」

小梅「えっ?」

蘭子「っ……!///」


小梅「……皆が」


蘭子「皆って、お化けの方だよね!?」


蘭子「お願い! ホラーな方であって!」




おわり

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 23:44:46.67 ID:H/mBruJ2o
書きます


武内P「臨時休業、ですか」

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 23:48:04.64 ID:H/mBruJ2o
凛「うん。お父さんもお母さんも、風邪で寝込んじゃって」

武内P「成る程……それは、大変ですね」

凛「私が夏休みだから、まだなんとかね」

武内P「渋谷さんは明日は一日オフ、ですね」

凛「だから、お店は開けないけど手入れしないと」

武内P「……花は生き物、と言いますからね」


武内P「……あの」


凛「ん?」

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 23:49:58.35 ID:H/mBruJ2o
  ・  ・  ・

渋谷家


凛「――もうわかったから、寝ててって!」

凛「ふぅ……ごめん、お待たせ」


武内P「――いえ、問題ありません」


凛「……ぷっ!」


武内P「あの……何か?」


凛「いや、意外とエプロンが似合ってるのがおかしくって……ふふっ!」クスクスッ!


武内P「……」

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 23:53:10.09 ID:H/mBruJ2o
凛「……っとと、ごめんごめん」

凛「せっかくの休みに、手伝いに来てくれてるのに」

武内P「いえ、当然の事ですから」

凛「……それも、プロデューサーの仕事なの?」

武内P「いえ、そうではなく」

凛「じゃあ、何で?」


武内P「――笑顔です」

武内P「それに……言い方は悪いですが」

武内P「花屋の仕事中の渋谷さんを見ておく事」

武内P「……それが、何かの参考になるかと思いまして」


凛「……それ、仕事じゃない?」クスッ!

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/19(月) 23:57:46.57 ID:H/mBruJ2o
凛「でも、実際凄く助かる」

凛「手入れは出来ても、配送は私じゃ無理だから」

武内P「御両親も、二日続けて無理は出来ませんからね」

凛「前から予約がある所だから、信用が……ね」

武内P「はい」


ハナコ「――ワンッ!」


凛・武内P「っ!?」

凛「……喋ってないで仕事しろ、って怒られちゃった」

武内P「……」


凛「それじゃあ……今日一日、宜しくね」


武内P「はい、宜しくお願いします」

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:03:32.88 ID:CqmFNGbwo
凛「配送の予定は午後だけ」

凛「だから、やるのは今ある花の手入れと配送の準備」

武内P「はい」

凛「本当なら、元気の無い子は見切って売りたい所だけど……」

武内P「何か、問題でも?」

凛「売るためには、店を開けなきゃいけないでしょ」

武内P「……」


武内P「それは……可能では無いでしょうか?」


凛「……」

凛「はっ?」

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:08:52.31 ID:CqmFNGbwo
武内P「いえ、素人考えで申し訳無いのですが……」

凛「良いよ、聞かせて」

武内P「昨日と本日の仕入れた花の量は、少ないのでは?」

凛「まあ……確かにそうだけど」


武内P「花の手入れに関しては、私も知識がありませんが……」

武内P「……午前中の営業だけでしたら、どうでしょうか?」


凛「昨日も今日も、仕入れは配送分だけで……店頭用は仕入れてないし」

凛「売り場次第では、出来る……かも」

凛「……」

凛「……かなり、大変だろうけど」

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:14:00.77 ID:CqmFNGbwo
武内P「今日、売り切らなければいけない分は見切りで売る」

武内P「……病み上がりで大変になるでしょうが」

武内P「そうでない物に関しては、明日以降御両親の回復次第」

武内P「……で、どうでしょう?」


凛「今日の店頭では、午前中に見切り分だけを売る」

凛「午後になったら、店を閉めて配送」

凛「……って事?」


武内P「はい、そうなります」

武内P「……他の花の手入れも込みで、となると」

武内P「さすがに……手が回らないでしょうから」


凛「……」

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:17:34.63 ID:CqmFNGbwo
凛「良いの? かなりこき使うけど」

武内P「はい、構いません」

凛「本当に?」

武内P「私から提案した事ですから」

凛「……でも」


武内P「それに……花は、生き物です」

武内P「誰かを笑顔にする機会を与えられずに、捨てられてしまうのは……」

武内P「……個人的には、どうも」


凛「……わかった」

凛「それじゃあ……覚悟してよね?」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:20:08.41 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

凛「――これ、向こうに運んでもらえる?」

武内P「はい」

凛「重たいから、腰を傷めないように気をつけて」

武内P「ええ」


  ・  ・  ・


凛「――こうやって、思い切ってハサミ入れちゃって」

武内P「ボリュームが出なくなってしまう場合は?」

凛「他の、同じ種類のと合わせて売る」

武内P「成る程」

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:26:06.32 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

武内P「このペースなら、9時には開店出来そうですね」

凛「えっ? うち、いつもは10時からだけど」

武内P「午前中だけの営業なので、可能な限り早い方が」

凛「あ、そっか」


  ・  ・  ・


凛「プロデューサーは、店に出なくて良いから」

武内P「いえ、しかし」

凛「お客さんが怖がっちゃうでしょ」

武内P「……すみません」

凛「べっ、別に責めてる訳じゃないから!」

97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:31:12.92 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

凛「……なんか、思ったより売れるペースが早いかも」

武内P「夏なので、暑くなる前に……という方が多いのでは?」

凛「嬉しいんだけど……ちょっと困るかな」

武内P「えっ?」

凛「いつもこの時間にお店を開けて、って言われた」

武内P「……説明しておく必要がありますね」


  ・  ・  ・


凛「ちゃんと水分補給してる?」

武内P「……」

凛「はい、冷えてるお茶。コップ、そこに置いておいて良いから」

武内P「はい、ありがとうございます」

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:35:58.27 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

凛「午前中は、あと一時間って所かな」

武内P「残っている分は……半額で売ってしまいましょうか」

凛「それなんだけど……」

武内P「? どうかされましたか?」

凛「あ、ううん! やっぱり良い、平気!」

武内P「どうぞ、遠慮なく仰って下さい」

凛「えと……」


凛「配送が終わって、一段落したら……」

凛「……夕方から、またお店を開けようかな、って」


武内P「はい、わかりました」


凛「へっ?」

99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:40:27.57 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

ガチャッ…バタンッ!

凛「――ごめん、お待たせ」

武内P「いえ、配送予定の時刻には十分な余裕がありますから」

凛「はい、これ」

武内P「……これは?」

凛「見ればわかるでしょ。おにぎり、急いで作ってきた」

武内P「はあ……」

凛「……はあ、じゃなくて。お昼ごはん、食べて」


武内P「……ありがとうございます」

武内P「では、頂きます」


凛「はい、召し上がれ」

凛「お茶も持ってきたから、ここに置いとく」

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:46:00.23 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

武内P「――では、戻りましょうか」

凛「新しい従業員さんか、って聞かれた」

武内P「えっ?」

凛「プロデューサーが」

武内P「は、はあ……そう、ですか」

凛「クビになったら、うちで働く?」クスッ!

武内P「それは……困りますね」

凛「……なんで?」ムッ!


武内P「プロデューサーとして、アイドルの渋谷さんを……」

武内P「……間近で見られなくなってしまいますから」


凛「……あ、うん」

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:49:47.07 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

凛「――それじゃ、先に店に戻ってるから」

武内P「はい、車を停めてきます」

凛「食べたのおにぎりだけだし、何か用意しておく?」

武内P「いえ、自分は……」

凛「遠慮は無し」

武内P「……では、お願いします」

凛「うん、わかった」


ガチャッ!


凛「それじゃ、また後で」


武内P「はい、また後で」


バタンッ!

103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:52:49.44 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

凛「――おかえり」


武内P「……」


凛「あ、えっ、と……いらっしゃいませ?」

凛「……は、おかしいから」

凛「……やっぱり、おかえりで合ってるんじゃない?」


武内P「では……ただいま、でしょうか?」


凛「…………」


武内P「渋谷さん?」


凛「あ、ううん! 何でも無い! 何でも無いから!」

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 00:58:04.16 ID:CqmFNGbwo
凛「お母さんは、もう大分体調良くなった、って」

武内P「それは……安心しました」

凛「でも、お父さんは駄目。無理した分、まだ寝込んでる」

武内P「……成る程」

凛「明日何とか出来るから、夕方は店開けなくて良いって」

武内P「……」

凛「あ、遠慮とかじゃなく。思ってた以上に片付いてて、凄く感謝してたし」

武内P「はい」


ハナコ「――ワンッ!」


凛「……それに、ハナコの散歩も行かないと」

武内P「それは……重要な事ですね」

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 01:04:03.00 ID:CqmFNGbwo
凛「だから、今日はもう大丈夫。本当に」

武内P「はい……では、お疲れさまでした」

凛「お疲れ様でした。ありがとう、凄く助かった」

武内P「お借りしたエプロン等は、洗ってお返しすれば?」

凛「平気。今、貰っちゃう」

武内P「はい」

凛「ちゃんと手を洗ってね。水と土で、荒れるから」

武内P「成る程」


武内P「渋谷さんは……夕食は、どうされますか?」


凛「晩ごはん?」

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 01:13:24.05 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

凛の部屋


凛「はぁ……もうクタクタ……」

…ボフスッ!

凛「お腹もいっぱいだし、すぐ寝ちゃいそう……」


凛「…………」


凛「~~っ!///」

ごろごろごろごろんっ!


凛「……!?///」

凛(何!?/// はっ!?/// 今日、何なの!?///)

凛(待って……待って待って!/// 明日、どんな顔すれば良いの!?///)

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/20(火) 01:33:43.25 ID:CqmFNGbwo
  ・  ・  ・

翌日


武内P「――渋谷さんは体調不良でお休み、ですか」

ちひろ「はい、今朝連絡がありました」

武内P「そう……ですか」

ちひろ「プロデューサーさんも、気をつけて下さいね」

武内P「はい、健康には気を使っていますから」

ちひろ「お休みは、しっかり取らないといけませんからね♪」

武内P「……」


ちひろ「昨日は、ゆっくり休めましたか?」ニコッ!


武内P「…………はい」


ちひろ「臨時営業、ですよね?」ニコニコッ!


武内P「…………すみません」




おわり

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:07:47.83 ID:5xT63Mc3o
書きます


武内P「今日は和食です」

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:12:08.05 ID:5xT63Mc3o
友紀「え~? お肉にしようよー!」

武内P「姫川さん、カゴにウィンナーを入れないで下さい」

亜季「ぷっ、プロデューサー殿!?」

武内P「大和さん、手に持った豚肉は置いてください」


千夜「……おい」

千夜「私は、夏向けの和食を教えて欲しいと言っただけですが?」


武内P「……私も、レシピを教えて終わりのつもりでした」


友紀・亜季「?」キョトン!

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:16:04.67 ID:5xT63Mc3o
  ・  ・  ・

ガチャッ!

友紀「お邪魔しまーす!」ペカー!

スルッ、スルッ、ポーイッ!


千夜「流れるように、靴下を脱ぎましたが?」

武内P「……笑顔です」


亜季「失礼します! 冷蔵庫をお借りするであります!」


千夜「流れるように、ビールを冷蔵庫にしまいましたが?」

武内P「……笑顔です」

120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:22:04.60 ID:5xT63Mc3o
  ・  ・  ・

「「カンパーイ!」」



千夜「先に、カンパイをしているようですが?」

武内P「……笑顔です」

千夜「……」


武内P「――すみません、一つお願いをしても良いでしょうか」


千夜「……聞くだけは聞きましょう」


武内P「お二人に、箸ともずく酢を持って行って頂けますか?」

武内P「あとは、こちらのワサビも」


千夜「……何故ですか? 何故、そこまで」


武内P「お好みでワサビを溶かすと、酢のトゲが丸くなりますから」


千夜「……そういう問いではありませんが、良いでしょう」

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:26:35.28 ID:5xT63Mc3o
  ・  ・  ・

千夜「……持って行きました」


武内P「ありがとうございます」

武内P「白雪さんは、もずく酢は?」


千夜「私が食事をとる場所は、此処ではありませんから」


武内P「……ありがとう、ございます」


千夜「何故、しみじみ礼を言ったのか」

千夜「……まあ、理由は察しますが」


千夜「次は、その冷奴を持っていけば?」


武内P「!」

武内P「それは……とても助かります」


千夜「礼を言うのはやめてください」

千夜「いくら私でも、哀れみの感情は持ち合わせていますから」

122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:35:27.31 ID:5xT63Mc3o
  ・  ・  ・

千夜「……今は、何を?」


武内P「お二人が、もずく酢と冷奴と格闘している間に……」

武内P「……急いで、ほうれん草のおひたしの準備を」

ザクッ、ザクッ


千夜「……」


武内P「黒埼さんに食べさせるため、との事なので」

武内P「貧血気味なのを解消するために、鉄分の採れるほうれん草を選びました」

武内P「この鉄分は吸収効率がよく……海藻類、もずく酢にも含まれています」

武内P「夏ですが、サッパリして食べやすいのでオススメですね」


千夜「……詳しいな」


武内P「食には関心があります」

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:40:27.88 ID:5xT63Mc3o
武内P「ほうれん草を茹でている間に、メインの下準備を」


千夜「……茹でるのは私がやります」


武内P「!!」

武内P「ありがとう、ございます……」ジーン…!


千夜「やめろ、感動するな」


武内P「では、本日のメイン――」

武内P「――シャケのハラスの臭みを取っていきます」

武内P「時期も時期なので、置いているとは思いませんでしたが……」

武内P「……良い、買い物が出来ました」


千夜「シャケのハラスは……食べたことがありませんね」


武内P「そう、なのですか?」

武内P「でしたら……少し、驚かれるかも知れませんね」

124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:48:59.00 ID:5xT63Mc3o
武内P「手順は、本当に簡単です」

武内P「シャケのハラスは、処理済みのものが多いので……」

武内P「こちらも、トレー等にあけて――」

チピチピ…

武内P「――料理酒をふりかけ、10分~15分程待ちます」


千夜「成る程」

千夜「ほうれん草が、そろそろ茹で上がります」


武内P「では、こちらのボウルを使って下さい」

武内P「それに――」


千夜「――水を張って、ほうれん草を入れるのでしょう」

千夜「私をからかっているのですか?」


武内P「……!」ジーン…!


千夜「おい、感動するな」

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 16:57:09.91 ID:5xT63Mc3o
千夜「冷ましたら、水気を絞って……」

武内P「待ってください。切るのは、私が」

千夜「いいえ、やらせて貰います」

武内P「……! わかりました」


千夜「――後は、程よい大きさに切り」

スッ、スッ


武内P「器は……こちらで」


千夜「? もう盛り付けるのですか?」


武内P「白だしをかけて、冷蔵庫で冷やしておきます」

武内P「ひたす時間は少ないですが……」



「「アッハハハハ!」」



武内P「……あちらも、盛り上がっていますので」

千夜「……」

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 17:07:12.01 ID:5xT63Mc3o
武内P「ラップをかけて、冷やしておき……」

武内P「……催促があったら、冷蔵庫から取り出します」

武内P「後は、上に鰹節と……ん、しらすが残っていましたね」

武内P「しらすをかけて、召し上がって頂きます」

武内P「味が薄いと思ったら、お醤油をかけて味を整えましょう」


千夜「……しらす、か」

千夜「確かに、あると冷奴にかけたりと便利ですね」


武内P「色々な食べ物に、少しアクセントが加わりますね」

武内P「ごはんにそのままかけても美味しいですから」

トンッ、トンッ


千夜「……大根おろし、か?」

千夜「かして下さい」


武内P「……!」ジーン…!

127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 17:14:10.24 ID:5xT63Mc3o
武内P「では……ハラスを焼きますので」

武内P「白雪さんは、あちらの部屋へ……」


千夜「何を言っているのですか?」

千夜「私の目的は、手順を完璧に覚えてお嬢様の元へ帰る事」


武内P「しかし、ハラスはかなり匂いが……」


千夜「構いません」

千夜「美味しいものをたべること、というお嬢様の望み」

千夜「それを叶えるためならば、クリーニング代も惜しくはありません」


武内P「白雪さん……」



「ねー! ね~~っ!」

「物資が! 物資が不足しているであります! 補給はまだでありましょうか!?」



千夜「それに、向こうの部屋に長居はしたく無いです」

武内P「……」

129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 17:21:27.08 ID:5xT63Mc3o
武内P「では……彼女たちに、ほうれん草のおひたしを」

…トンッ

千夜「レモン?」

武内P「はい」


武内P「ほうれん草の鉄分は、そのままでは吸収されにくいです」

武内P「しかし、レモンを軽く絞ってかける事で……」

ぎゅっ…

武内P「……吸収の効率が、かなり上がるようです」

武内P「レモンには、疲労回復の効果もあり……」

武内P「この時期にはうってつけ、ですね」


千夜「持って行きます」

千夜「感動はしないでください、お願いします」


武内P「は、はい……」

130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 17:31:35.94 ID:5xT63Mc3o
  ・  ・  ・

武内P「では、ハラスをキッチンペーパーで拭き……」

千夜「一切れずつか」

武内P「はい、しっかり水気をとっていきましょう」

千夜「見た目によらず、丁寧な仕事をしますね」

武内P「せっかくですから、美味しいものを」


武内P「店員さんに聞いてみた所、このハラスは塩味がついていないそうです」

武内P「なので……」

パラパラッ…

武内P「……お好みで、塩をふっていきます」

武内P「少ししょっぱめでも美味しいのと、大根おろしがあるので」

武内P「……それに、汗をかいたでしょうから今日は強めで良いでしょう」


千夜「成る程、店員を怖がらせていたのはそれが理由ですか」


武内P「……」

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 17:39:43.99 ID:5xT63Mc3o
武内P「フライパンに、クッキングシートを敷き……」

武内P「……火は中火で」

武内P「強火にすると、表面が焦げてしまいますから」

武内P「後は、皮目を下にして……」

スッ、スッ…

武内P「……3~4分程、焼いていきます」


千夜「その、キッチンペーパーは?」


武内P「クッキングシートを敷いた時点でおわかりでしょうが……」

武内P「シャケのハラスは、焼いていると脂が本当に出ます」

武内P「なので、脂を拭きながら焼く、という形になります」


ジウウゥ…!


千夜「……確かに、もう脂が出てきているな」


武内P「皮目側が焼けたら、反対を2~3分程焼いて――完成です」

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 17:44:11.84 ID:5xT63Mc3o
  ・  ・  ・

ガチャッ!


千夜「……」


友紀「おっ、来た来た~! 良い匂~い!」

亜季「食欲を刺激する匂いですなぁ!」


千夜「……どうぞ、召し上がって下さい」

千夜「焼き立てが美味しいとの事なので」


友紀「ねね、食べないの? すっごい美味しそうだよ~?」

亜季「遠慮する事はありませんぞ! さあ!」


千夜「いえ、私は結構です」


友紀・亜季「「そう?」」


千夜「はい」

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 17:53:10.51 ID:5xT63Mc3o
友紀・亜季「「それじゃ、いただきます!」」


千夜「……」


友紀「あむっ!」

友紀「……ん~っ ♡ 美味っしい~~っ ♡」

友紀「お魚なんだけど、口に入れて噛んだ瞬間に、脂がブワーッて ♡」

友紀「アッツアツで、ジューシ~~っ ♡ ウマ~~っ ♡」


千夜「……」ソワッ…


亜季「皮もパリッパリですなぁ ♡……はむっ ♡」

亜季「……美味いっ ♡ 身も舌の上で崩れて、ん~っ ♡」

亜季「塩がきいているので、ゴハンが欲しくなりますが……」

亜季「……我々には、コレが!」


友紀・亜季「「んぐっんぐっ……プッハーッ!」」

友紀・亜季「「ビールが美味ぁいっ ♡」」ペカー!


千夜「……」ソワソワ…

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 18:00:48.22 ID:5xT63Mc3o
友紀「そろそろ、いっとくぅ~?」

亜季「お醤油は?」

友紀「ちょっとだけ!」

亜季「了解であります!」


千夜「……」ソワソワソワソワ…


友紀「……っあ~っ ♡ これ、やっばいってぇ~ ♡」

友紀「そのまま食べて、初回先頭打者ホームラン ♡」

友紀「大根おろしと一緒に、二番強打者理論での連続ホームラン~っ ♡」


千夜「……」ソワッソワソワソワソワ!


亜季「おろしの水分が多めに残っているのが、にくいですなぁ~ ♡」

亜季「アッツアツのハラスと、大根おろしの冷たさが口の中で調和し……」

亜季「これは最早、連合艦隊 ♡ 食の連合艦隊でありますよ~っ ♡」


千夜「く……くっ……!」ググッ…!

…バタンッ!

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 18:08:20.47 ID:5xT63Mc3o
千夜「……!」

千夜(……耐えた!)

千夜(お嬢様の僕として、誘惑に負けるわけには――)


…ふわぁっ


千夜「!?」ビクッ!

千夜「な、なんだ……この匂いは……!?」


武内P「す、すみません……やはり、気になりますか?」

武内P「ゴハンが、残っていたので――」


武内P「――シャケのハラスの、炒飯を」

ジャッ、ジャッ!


…ふわあぁっ


千夜「お、お前……フライパンを返したら……!」

千夜「く……う、ううっ……!?」

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 18:15:05.29 ID:5xT63Mc3o
武内P「炒飯にする場合は、少し脂がくどく感じる場合もあるので……」

…ジュウウ!

武内P「……私は、ワサビをとかした醤油を加えています」

ジャッ、ジャッ!

武内P「ワサビで味が締まるので、量もいけるようになりますね」


…ふわあぁ~っ!


千夜「ぬっ……くぅ、あぁっ……!」


武内P「身をほぐして残った皮は、そのまま食べてしまいます」

武内P「……ん、良い塩梅ですね」

武内P「まだ温かいので、脂の甘みも」


千夜「おい……!」


武内P「?」

武内P「……一口、味見されますか?」


千夜「…………」

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 18:22:42.28 ID:5xT63Mc3o
千夜「……味見ですか」

武内P「はい。料理に於いて、味見は重要な事です」

千夜「……ええ、重要ですね」

武内P「どうぞ、一口食べてみて下さい」

千夜「……」


千夜「……味見だけだぞ」


…ぱくっ


千夜「……」


武内P「如何ですか?」

武内P「少し、コショウを加えた方が好みに合うでしょうか?」


千夜「……お」

千夜「お嬢様の口に合うかどうか、これだけではわかりませんね ♡」

千夜「コショウを加えた後も、味見をさせて貰います ♡」


武内P「はい、わかりました」

138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/21(水) 18:42:01.39 ID:5xT63Mc3o
  ・  ・  ・

千夜「……申し訳ありません、お嬢様」

千夜「そういった事情がありまして、本日の夕食は……どうか、お一人で」


ちとせ「良いのよ、気にしないで。美味しかったんだもんね?」

ちとせ「味見するつもりが、お腹いっぱい食べちゃったんだもんね?」


千夜「……お恥ずかしい限りです」

千夜「ですが、お嬢様のお口に合うのは、間違いありません」


ちとせ「でもね、ちーちゃん? ふふっ! ちーちゃん?」

ちとせ「シャケのハラス……見当たらないんだけど?」ニコッ!


千夜「……良い、笑顔です」

千夜「申し訳ありません……どこにも、売っていませんでした」

千夜「なので……昨晩、お嬢様がご希望されていた通り」



千夜「今日は洋食です」




おわり

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:10:21.36 ID:kW6swUTVo
書きます


武内P「ギターで紹介、ですか」

154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:12:49.34 ID:kW6swUTVo
李衣菜「はい! やらせて貰えませんか!?」

武内P「その……具体的には、どういったものでしょうか?」

李衣菜「具体的に?」

武内P「そもそも、紹介というのは……」

李衣菜「ああ、成る程! えへへ、焦りすぎですね!」

武内P「……」


李衣菜「ロックの映像を見てて、格好良いなぁって思ったんです!」

李衣菜「ギターをかき鳴らしながら――メンバーを紹介するのを!」


武内P「成る程……」

武内P「……LIVEでの話、ですね」

155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:15:56.83 ID:kW6swUTVo
李衣菜「こう……ジャーン! って、ギターをかき鳴らして!」

武内P「それで、他のメンバーの方を?」

李衣菜「はい! イカしたメンバーを紹介するぜー! みたいな!」

武内P「それは……良い考えかも知れませんね」

李衣菜「本当ですか!?」パアッ!

武内P「はい」


武内P「多田さんの――ロックにかける想い」

武内P「メンバー紹介と共に、それがファンの方にも伝わると思います」


李衣菜「……!」

李衣菜「はいっ! 私もそう思います!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:18:59.29 ID:kW6swUTVo
武内P「ですが……皆さんは、アイドルですから」

李衣菜「あ、それについては考えてきてます!」

武内P「と、言うと?」

李衣菜「バリバリ! じゃなくて……パリパリ、位なロックなのを!」

武内P「は、はあ……」

李衣菜「それに、今は夏ですから! 季節感も取り入れました!」

武内P「季節感も?」

李衣菜「はい!」


李衣菜「ちょっとだけ準備をしてきますから……」

李衣菜「……プロデューサー! 見てみてください!」


武内P「……わかりました」

武内P「多田さんのメンバー紹介……とても、楽しみにしています」

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:22:48.91 ID:kW6swUTVo
  ・  ・  ・

武内P「……」


「プロデューサー! 準備してきました!」


武内P「多田さん?」


「部屋に入る前から、こう……入り込むんで!」

「ドアを開けたら、メンバー紹介を始めたいと思います!」


武内P「成る程、わかりました」

武内P(多田さんは……本当に真剣に考えたのだろう)

武内P(……良い、傾向です)


「準備は良いですか?」


武内P「はい、どうぞ――」

武内P「――お入りください」

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:26:37.75 ID:kW6swUTVo
…ガチャッ!


李衣菜「…………」スゥ…


武内P「……」

武内P(本当に……入り込んでいる)

武内P(それに、着ているのは……浴衣、ですね)

武内P(成る程、季節感を……こういう形で)


李衣菜「……!」

ジャジャーン!


武内P(……始まった)



李衣菜「私……ロックなアイドル、多田李衣菜……」



武内P「……」

武内P(何か……どこかで……?)

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:33:03.40 ID:kW6swUTVo
李衣菜「私……愛用のギターは……」

李衣菜「……もっぱら、エアギターでございます」


ジャンジャンチャッジャンジャンジャンチャッジャン…


武内P「……?」

武内P(何だろうか……やはり、聞いたことがある)

武内P(音楽関係とは、また別の……)



李衣菜「島村の~卯~月ちゃん♪」

李衣菜「島村の~卯~月ちゃん♪」

ジャンジャンチャッジャンジャンジャンチャッジャン…



武内P「!?」

武内P「……ぎっ」


武内P「ギター侍、ですか!?」

160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:35:35.56 ID:kW6swUTVo
武内P「待ってください!」

李衣菜「えっ? あっ、えっ?」

武内P「多田さん、それは……!」

李衣菜「? えっと……どうしました?」

武内P「えっ?」

李衣菜「えっ?」


武内P「あの……何と言いますか……」

武内P「……何かを参考にされたのでは?」


李衣菜「?」キョトン!


武内P「……!?」

武内P(み……ミラクル……!?)

161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:39:48.20 ID:kW6swUTVo
李衣菜「えーっと……続けても良いですか?」

武内P「えっ、ええ……すみません」

李衣菜「もしかして、何か似たようなのが?」

武内P「いっ、いえ! 私の思い違いでした!」

李衣菜「……良かったぁ!」ホッ!

武内P「多田さん……?」


李衣菜「私、一生懸命考えたんです!」

李衣菜「世界に一つだけの、皆のための紹介方法を!」

李衣菜「だから……安心しました!」ニコッ!


武内P「い……良い、笑顔です」

武内P(……言いにくい!)

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:43:06.47 ID:kW6swUTVo
李衣菜「でも、ファンの人の反応もありますよね……」

武内P「は、はい……」

李衣菜「……とりあえず、このまま続けますね!」ニコッ!

武内P「え、ええ……」


武内P「……!」

武内P(最後まで聞いて……何とか、方向修正をする形で!)

武内P(それに、完全に同じと決まったわけでは……)



李衣菜「島村の~卯~月ちゃん♪」

李衣菜「島村の~卯~月ちゃん♪」

ジャンジャンチャッジャンジャンジャンチャッジャン…



武内P「……!」

武内P(しかし……現状、あまりにそのまますぎます!)

163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:46:27.47 ID:kW6swUTVo
李衣菜「わ・た・し~笑顔~だけは~♪」

李衣菜「笑顔~だけは~自信があります~♪」

ジャンジャンチャッジャンジャンジャンチャッジャン…



武内P「……!」

武内P(……アイドルの神様!)

武内P(どうか、負けないでください……!)



李衣菜「って……言うじゃな~い♪」

ジャカジャーン!



武内P「っ……!」

武内P(……エンタの神様!)

164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:51:35.11 ID:kW6swUTVo
李衣菜「……でも私達」


李衣菜「卯月ちゃんの良い所! いっぱい言えますから!」


李衣菜「――残念!」ニコッ!

ジャカジャカジャーンッ!


武内P「……多田さん」ホッコリ!

武内P(完全にかぶっていますが……はい)

武内P(……良い、メンバー紹介です)



李衣菜「家が金持ち斬り!」

ジャジャーンッ!



武内P「多田さん!?」ガツンッ!

166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:55:08.49 ID:kW6swUTVo
李衣菜「はぁ……! はぁ……!」

李衣菜「っ……ふうっ!」

李衣菜「……どうでしたか、プロデューサー!?」


武内P「いえ、あの……!」

武内P「どう言ったものか……!?」


李衣菜「はぁ……! はぁ……!」

李衣菜「え、遠慮なく……はぁ……!」

李衣菜「い……言ってください!……っふ! ふうっ!」


武内P「その前に、あの……」

武内P「何故……そんなに息を切らして……?」

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 22:58:59.40 ID:kW6swUTVo
李衣菜「えへへ……ちょ、ちょっと気合を入れすぎました!」

李衣菜「でも! 私の想い、伝わったと思います!」


武内P「そ、それは……はい」

武内P「……しかし、多田さん?」

武内P「家が金持ち……という表現は……」


李衣菜「あ、やっぱりプロデューサーもひっかかりましたか?」

李衣菜「私も、ちょっと迷ってたんです」


武内P「ええ……はい」

武内P「迷っていたという言葉が聞けて……本当に、良かったです」



李衣菜「――家がお金持ち斬り!」

ジャジャーンッ!

李衣菜「この方が、ちょっと可愛いですよね!」ニコッ!



武内P「待ってください! ‘お’を付ければ良いと言う話でなく!」

168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 23:04:45.61 ID:kW6swUTVo
武内P「島村さんには、他にも良い所が!」

李衣菜「えっ? でも……お金持ちですよね?」

武内P「それは……そう、ですが……!」

李衣菜「全然普通じゃないですよね! そう思いません?」ニコッ!

武内P「なんという悪意の無い笑顔……!」


李衣菜「私、皆の笑顔はそれぞれ違ってて……」

李衣菜「……でも、全員キラキラしてるって思ったんです!」

李衣菜「だから、他にもキラキラした所!」

李衣菜「そういうのをファンの人に伝えた方が良いと思って!」


武内P「く……クールですが!」

武内P「お金持ちアピールは……その、待ってください!」

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 23:10:51.18 ID:kW6swUTVo
武内P「お金持ちアピールは、その……!」

李衣菜「? はい」

武内P「多田さんが思う……ロック、ですか……!?」

李衣菜「……」

武内P「……!」


李衣菜「……ぜ、全然ロックじゃないです! あれっ!?」

李衣菜「なんか、ハングリー精神をまるで感じないです!」


武内P「気がついて頂けて……本当に良かった、と」

武内P「……そう、思います」

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 23:16:42.16 ID:kW6swUTVo
李衣菜「うわっちゃ~っ!? 危ない所でしたよ!」

武内P「……相談してくださって、正解でしたね」

李衣菜「はい! 本当に!」ニコッ!

武内P「……ええ、本当に」


武内P「その紹介方法は……」

武内P「……決して、ぶっつけ本番ではやめましょう」

武内P「やろうと思った時は、必ず事前に相談してください」


李衣菜「はい、わかりました!」

李衣菜「でも、予定に無い事をやるのって、ロックだと思いません?」


武内P「待ってください! ‘でも’以降が!」

武内P「不穏と言いますか……ロックが過ぎます、多田さん!」

171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 23:20:34.97 ID:kW6swUTVo
李衣菜「へへっ! もう、冗談ですってば~!」

武内P「……その言葉を信じても?」

李衣菜「はい! 当然じゃないですか!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


李衣菜「――それじゃあ!」

李衣菜「卯月ちゃんの紹介から、やり直しますね!」ニコッ!


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「多田さん?」

172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 23:23:50.27 ID:kW6swUTVo
李衣菜「島村の~卯~月ちゃん♪」

李衣菜「島村の~卯~月ちゃん♪」

ジャンジャンチャッジャンジャンジャンチャッジャン…


武内P「始まってしまった……!」


李衣菜「わ・た・し~笑顔~だけは~♪」

李衣菜「笑顔~だけは~自信があります~♪」

ジャンジャンチャッジャンジャンジャンチャッジャン…

李衣菜「って……言うじゃな~い♪」

ジャカジャーン!


武内P「多田さん、お願いします!」

武内P「せめて、島村さん自身の良い所を!」

173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/22(木) 23:32:22.57 ID:kW6swUTVo
李衣菜「……勿論、私達」


李衣菜「卯月ちゃん自身の良い所! いっぱい言えますから!」


李衣菜「――残念!」ニコッ!

ジャカジャカジャーンッ!



武内P「多田さん、頑張ってください!」グッ!



李衣菜「お尻ぷりぷり斬り!」

ジャジャーンッ!



武内P「多田さ――んっ!?」



ジャン、ジャジャンジャジャンジャジャンジャジャーン…


李衣菜「私、卯月ちゃんの紹介しか考えてませんから……」



李衣菜「解散っ!!」

ジャーンッ!




おわり

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 02:17:11.32 ID:YmjnRiDno
こずえと雪美の扱いに困る加蓮をサポートする武P

183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 14:33:41.13 ID:uAQ3mXfdo
>>182
書きます


武内P「小さい子との接し方、ですか」

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 14:37:28.78 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「うん。どうしたら良いのかな、って」

武内P「どう、とは?」

加蓮「あんまり小さい子と関わる機会が無かったから、わかんないの」

武内P「……成る程」


加蓮「ねえ、良い感じの方法があったりしない?」

加蓮「とときら学園のプロデューサーさんなら、わかるでしょ?」ニコッ!


武内P「いえ、あの……」

武内P「とときら学園は、番組のプロデューサーではなく……」

185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 14:43:03.37 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「ま、それは冗談として」

武内P「しかし、北条さんは……白坂さんともお仕事を」

加蓮「へ~! よく知ってるじゃん!」

武内P「その時と同じ様に接すれば、問題ないと思うのですが」


加蓮「小梅ちゃんは、歳は二つしか離れてないし」

加蓮「こずえちゃんは五つ、雪美ちゃんは六つも違うんだよ?」

加蓮「そんなの、全然違うって」


武内P「は、はあ……」

武内P「……全然、ですか」

186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 14:48:18.44 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「アタシって歳上と組む事が多かったから、さ?」

武内P「ええ、後は近しい年齢の方や……」

加蓮「下でも、みりあちゃんや千枝ちゃんみたいな、凄くしっかりしてる子とか」

武内P「はい」


加蓮「こずえちゃんと雪美ちゃんみたいな……ぽわっとした子?」

加蓮「そういう子とは、どう接したら良いか教えて欲しいの」

加蓮「良いでしょ? お願~い」


武内P「……お話はわかりました」

187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 14:52:32.29 ID:uAQ3mXfdo
武内P「ですが……他に、もっと適任の方が」

加蓮「口実を作って、お喋りに来ただけって言ったらどうする?」

武内P「えっ?」

加蓮「アハハ、ジョーダンだって!」


加蓮「確かに、小さい子と上手くやってる人は他にも居るよ?」

加蓮「でもさ、それと同じ事がアタシに出来るとは思えなくて」

加蓮「だから……あえて、一番苦手そうな人に聞きにきたってワケ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「しかし、そういった理由なら納得出来ますね……」

188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 14:59:08.36 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「苦手そうなのに、上手くやってるなー、って思う」

武内P「だとしたら……良かったです」

加蓮「ねね、何かコツみたいなものってあるの?」

武内P「コツと言いますか……少し、意識している事ですが」

加蓮「うん」


武内P「相手の方と、同じ目線で考える」


加蓮「あー……それ、よく聞くよね」


武内P「――のは難しいので、しません」


加蓮「へっ?」

加蓮「……しないの?」

189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 15:08:30.47 ID:uAQ3mXfdo
武内P「その方法は……どうしても、難しいので」

加蓮「でも、それが一番みたいな事言うよね?」

武内P「……ええ」

加蓮「もしかして、結構苦労してる?」

武内P「苦労、と言う表現とは少し違いますが……」


武内P「……出来ない範囲の事を無理をした場合」

武内P「違和感の方が勝り、逆にコミュニケーションが――」

武内P「――取りにくくなってしま、うん……だ」


加蓮「ぷっ! あはっ、何それ!」

加蓮「もしかして今の、砕けた口調? あはっ、あははは!」


武内P「……この様な感じで、ですね」

190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 15:16:40.55 ID:uAQ3mXfdo
武内P「……北条さんは、可能でしょうか?」

加蓮「小さい子の目線で考えるのが?」

武内P「はい」

加蓮「無理、パス。そういうガラじゃないもん、アタシ」


武内P「――では、そういった方向性で考えていきましょう」

武内P「北条さんなりの接し方」

武内P「……それが、一番だと思いますから」


加蓮「……うん」

加蓮「なんて言うか……相談しに来て、正解だったかも」

191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 15:26:28.50 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「でも、目線を合わせないと何話して良いかわかんなくない?」

武内P「今回の場合は、目的がありますから」

加蓮「目的……ユニットを組んでLIVEする、って事?」

武内P「はい」


武内P「――仕事に関する話」

武内P「これは、合わせ等でもコミュニケーションを必要とするでしょう」

武内P「……なので、それをきっかけにするのはどうでしょうか?」


加蓮「……」

加蓮「‘らしい’答えなんだろうけど……どうなの、それ?」

192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 15:32:36.10 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「仲良くしたりとか、そういうのとは違わない?」

武内P「あくまでも、きっかけですので」

加蓮「仕事の話、ねぇ……」

武内P「はい」


武内P「例えば――ダンスに関して」

武内P「遊佐さんも佐城さんも、まだ体力面で劣っている部分があると思います」

武内P「そういった部分での苦労は……」

武内P「……北条さんならば、経験があるのでは無いでしょうか?」


加蓮「……ある! あった!」

加蓮「あぁ、そっか……成る程ね!」

193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 15:39:40.40 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「疲れて、ビシッと止める部分がキマらなかったり」

武内P「そういった事を指摘するのは、とても良いと思います」

加蓮「トレーナーさんに何度も言われて、チョーヘコんだもん!」

武内P「北条さんでしたら、どの様に指摘を?」

加蓮「アタシ? うーん……」


加蓮「――疲れてると思うけど、頑張ろう」

加蓮「――ここがビシッとキマってると、格好良いからさ」

加蓮「――ファンの人には、良い所見せたいでしょ?」

加蓮「み……みたいな?」


武内P「良い感じですね」


加蓮「そっか……うん、何となくわかってきたかも」

194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 15:46:40.51 ID:uAQ3mXfdo
武内P「今のは、北条さんにしか出来ない激励です」

加蓮「えっ?」

武内P「トレーナーの方は、あくまでもトレーナーですから……」

加蓮「……ああ!」


加蓮「こっちは疲れてるんだから、無理言わないで!」

加蓮「アタシの気持ちも知らないで、ちょっとは休ませてよ!」

加蓮「……って、何度も思ったもん!」

加蓮「そういう事でしょ? 合ってる?」


武内P「いっ、いえ……その……!」

武内P「ええ、まあ……大体は……はい……」

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 15:54:05.00 ID:uAQ3mXfdo
武内P「……目線の高さを合わせる事は、難しいかも知れません」

加蓮「うん」

武内P「しかし、皆さんはユニットを組まれる訳ですから」

加蓮「……そうだね」


武内P「……俯いてしまいそうになった時」

武内P「目線を同じ方向――ファンの方へと、引き上げる」

武内P「その役目に最も適しているのは――」

武内P「――横に立ち、苦労も経験なさっている」

武内P「目上の人間である北条さんでは、と……そう、考えています」


加蓮「……!」

196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 16:01:19.95 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「……本気で、そう思ってる?」

武内P「はい、勿論です」

加蓮「そっ、か……そんな風に思ってくれてたんだ」

武内P「……」


武内P「……担当外の私が言うべきでは無いのかも知れませんが」

武内P「北条さんならば、無理をせず……根を詰めすぎない方法」

武内P「そう言った、リフレッシュの方法も……詳しいのでは?」


加蓮「う~ん……サボり方も教えろ、みたいな?」


武内P「いっ、いえ! そうではなく!」

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 16:10:46.06 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「ジョーダンだって! ホント、からかい甲斐ありすぎ!」クスクスッ!

武内P「……」

加蓮「でも、小さい子をファストフード店ばっかり連れてってもねぇ……」

武内P「でしたら……趣味に関する事は、どうでしょうか?」

加蓮「趣味?」


加蓮「……――ネイル」

加蓮「ネイルとか、良いんじゃない? あは、絶対良いって!」

加蓮「あの子達、そういうの気にするタイプじゃなさそうだし……うん!」

加蓮「ネイルだったら、マジで自信あるから!」


武内P「……ネイル、ですか」

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 16:17:53.24 ID:uAQ3mXfdo
武内P「それは……リフレッシュになるのでしょうか?」

加蓮「絶対、なる! オシャレって、女の子にパワーをくれるんだから!」

武内P「そう、なのですか?」

加蓮「そう! やば、テンション上がってきた!」


加蓮「小さいから、刺激の強くないのを選んで……」

加蓮「どんなのがあったっけ? 入院してた時、見てたのが……」

加蓮「……二人の、イメージカラーに合わせて」

加蓮「臭いがきつくなかったり、ネコのネイルデザインとかやってみる?」

加蓮「……ねえ、どう思う?」


武内P「す、すみません……」

武内P「……私は、ネイルにはあまり詳しくないので……はい」

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 16:27:13.84 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「そう言えば……あの子達、どんなのが好みなんだろ?」

武内P「それは、本人に直接聞いてみるのが一番だと思います」

加蓮「……答えが、返って来ない場合は?」

武内P「……頑張ってください」

加蓮「……」

武内P「……」


加蓮「でも……そうだね、頑張るしか無いか」

加蓮「言いにくい事だったり、自分では気付いてない場合もあるし」

加蓮「そう言うのを見つけていくのって、大事だもんね」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 16:33:21.42 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「一緒に売り場に行って、反応を見てみよっかな」

武内P「それは……良い考えだと思います」

加蓮「でしょ? そう言ってくれると思った!」ニコッ!

武内P「……」


加蓮「高さが同じで、横並びだったら気づきにくいかもだけど」

加蓮「斜め上からだったら、見やすいだろうしね」

加蓮「二人分だもん、見逃さないようにしとかないと」

加蓮「……って事で、練習付き合って~♪」ニコッ!


武内P「……」

武内P「えっ?」

201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 16:38:27.88 ID:uAQ3mXfdo
武内P「あの……練習、とは?」

加蓮「プロデューサーさんは、アタシも含めて三人分ね♪」

武内P「すみません……仰っている意味が、よく」

加蓮「……オッケ、凛と奈緒にLINE入れといた♪」

武内P「はい……?」


加蓮「アタシと凛と奈緒のネイル選び、付き合ってね♪」

加蓮「完全にぶっつけ本番とか、失敗するかもでしょ?」

加蓮「選んで貰う方の気持ちなら、これでわかるじゃん?」ニコッ!


武内P「……」

武内P「ほ、北条さん……?」

202: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/24(土) 16:48:04.23 ID:uAQ3mXfdo
加蓮「あ、二人共行くって! てか、凛返事早っ!」

武内P「本当に……ですか……!?」

加蓮「マジマジ! あー、どんなの選んでくれるか楽しみ~♪」

武内P「……!?」


加蓮「選んでくれたのなら、何でも嬉しいかもだけど……」

加蓮「やっぱり、趣味が合うのだともっと嬉しいだろうからね♪」

加蓮「とか言って……あはっ! プレッシャー、かけてみたり?」


武内P「ま……待ってください!」


加蓮「――話を聞いて、付き合ってあげる」

加蓮「そういうのって、凄く大事だと思わない?」ニコッ!


武内P「…………はい」



加蓮「ある程度振り回されるのはしょうがない……ふふっ!」

加蓮「なんてね♪」ニコッ!





おわり

219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:07:16.04 ID:Asi2uaazo
書きます


武内P「千川さんの夏休み」

220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:10:56.59 ID:Asi2uaazo
武内P「……は、二週間後でしたね」

ちひろ「はい、そうですよ」

武内P「……すみません、時期が遅くなってしまって」

ちひろ「気にしないでください、プロデューサーさん!」


ちひろ「皆が夏休みで、仕事が沢山ある時期には休めませんから!」

ちひろ「……ふふっ!」

ちひろ「その代わりと言っては何ですが、一週間ゆっくりしますね♪」ニコッ!


武内P「千川さん……」

武内P「……良い、笑顔です」

221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:15:46.35 ID:Asi2uaazo
武内P「千川さんには、いつもお世話になっていますから……」

ちひろ「私が居ないからって、サービス残業はいけませんよ?」

武内P「……」

ちひろ「プロデューサーさん、お返事は?」

武内P「は、はい……」

ちひろ「ふふっ! よろしい♪」ニコッ!


武内P「そう、ですね……臨時のアシスタントの方も来られますし」

武内P「その方の負担にもなってしまうでしょうから、注意します」


ちひろ「そうですよ! 臨時のアシスタント……」

ちひろ「……………」


ちひろ「臨時のアシスタント!!?」

222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:18:28.58 ID:Asi2uaazo
ちひろ「ま、待ってください! 私、聞いてませんよ!?」

武内P「えっ?」

ちひろ「代わりに、誰か来るんですか!?」

武内P「えっ、ええ……その予定です」

ちひろ「どうしてですか!?」

武内P「は、はぁ……」


武内P「――君も大変だろうから、と」

武内P「……部長が、手配を」


ちひろ「……!?」

223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:25:45.67 ID:Asi2uaazo
武内P「あの……千川さんは、ご存知なかったのですか?」

ちひろ「知りませんでした! 初耳です!」

武内P「本人に伝えておく、と……そう、言っていたのですが」

ちひろ「……」

武内P「何か、心当たりが」

ちひろ「……」


ちひろ「――千川くんが居ないと、彼も大変だろうねぇ」

ちひろ「――普段居る人間が居ないと言うのは、思わぬ苦労をする事もある」

ちひろ「――だが! 私が何とかするから、千川くんは羽を伸ばして来なさい!」

ちひろ「って……」


武内P「……成る程」

224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:33:49.70 ID:Asi2uaazo
武内P「それが……連絡のつもりだったのでしょうね」

ちひろ「部長さんに、抗議してきます!」

武内P「えっ?」

ちひろ「どんな人が来るか、わからないんですよ!?」

武内P「いえ、その点に関しましては……問題ありません」

ちひろ「……へっ?」


武内P「とても、有能な方だと聞いています」

武内P「仕事の面に関しては、大丈夫かと」


ちひろ「……!」…ムッ!

226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:39:46.20 ID:Asi2uaazo
武内P「千川さん? どうかされましたか?」

ちひろ「……本当に、大丈夫なんでしょうかね?」

武内P「ええ、話を聞いた限りでは……」

ちひろ「実際に会ってみたら、思っていたのと違う場合もありますよ?」

武内P「……は、はあ」

ちひろ「お名前は、もう聞いてるんですか?」

武内P「はい――」


武内P「――万川さん、ですね」


ちひろ「からかってるんですか!?」


武内P「えっ!?」

227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:46:16.63 ID:Asi2uaazo
ちひろ「万川!? 千の十倍の、万ですか!?」

武内P「せ、千川さん!?」

ちひろ「プロデューサーさん! 本当の事を言ってください!」

武内P「いっ、いえ! 本当に、万川さんで……!」

ちひろ「……下の名前」

武内P「えっ?」

ちひろ「本当なら、フルネームで言えるはずです!」

武内P「ふ、フルネームは――」


武内P「――万川まひろさん、ですね」


ちひろ「やっぱり、からかってるじゃないですか!」


武内P「えっ!?」

228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:52:01.28 ID:Asi2uaazo
ちひろ「まひろ!? ‘ち’が千、‘ま’が万……合わせて百倍じゃないですか!」

武内P「待ってください! その計算は、あまりにも!」

ちひろ「私の、百倍すごい人が臨時で来るんですか!?」

武内P「そっ、そんな事は無いと思いますが……!」

ちひろ「どうして、‘無い’って言ってくれないんですか!」

武内P「えっ!? いえ、あの……無いです」

ちひろ「~~っ! 言わされてる感!」

武内P「そんな事を言われましても……!?」


ちひろ「っ……!」


武内P「っ……!?」

229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 21:56:55.92 ID:Asi2uaazo
ちひろ「……他には?」

武内P「えっ!?」

ちひろ「他には、その人について聞いてないんですか?」

武内P「そ、それは……ですね……」

ちひろ「聞いてるんですね?」

武内P「……!」

ちひろ「怒りませんから、話してください」

武内P「……え」


武内P「笑顔が……とても、素敵な方で……です、ね……」

武内P「その笑顔を見るだけで……げ……元気千倍だ……と」


ちひろ「…………はい?」カクンッ!


武内P「っ!?」

武内P「ま、真顔で首を傾げるのは、その……待ってください!」

230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:04:12.64 ID:Asi2uaazo
ちひろ「うふふ、誰の笑顔と比べて千倍なんでしょうね?」

武内P「いえ、その! 誰の笑顔と比べて、ではなく!」

ちひろ「続けてください?」

武内P「あっ、あくまでも! 普段に比べて、千倍という比喩表現で!」

ちひろ「ははぁ~、それから?」

武内P「け、決して……千川さんが、その……助けてください!」

ちひろ「はい、わかりました♪」

武内P「……!」ホッ!


ちひろ「――まとめると」

ちひろ「私の笑顔を見ているプロデューサーさんの元気が、一」

ちひろ「その方の笑顔を見たプロデューサーさんの元気が、千」

ちひろ「……という事ですよね♪」


武内P「そっ……!? そんなまとめ方をされても……!」

231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:11:08.04 ID:Asi2uaazo
ちひろ「あれ? もしかして、違ってましたか?」

武内P「違います! 決して、そういう意味では!」

ちひろ「千川の‘千’は、千分の一の‘千’ですか?」

武内P「そんな事はありません!」

ちひろ「じゃあ……」

武内P「……!?」


ちひろ「はいっ♪」ニコッ!

ちひろ「……今の笑顔で、元気何倍になりました?」


武内P「! 千倍です!」


ちひろ「今までは、千分の一だったって事ですか?」


武内P「良い返しだと思ったのに!」

233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:19:01.14 ID:Asi2uaazo
ちひろ「…………」

武内P「あ、あくまでも! 臨時の方ですから!」

ちひろ「正式に採用する予定は無い、と?」

武内P「…………」

ちひろ「……」

武内P「……」


武内P・ちひろ「…………」


ちひろ「もし、私よりも有能なアシスタントが居たら?」


武内P「是非、346プロダクションでその能力を活かして頂きたいです」


ちひろ「やっぱり!!!!!」


武内P「っ!? しまった、つい……!?」

234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:24:21.64 ID:Asi2uaazo
武内P「今のは、それ程までに千川さんが優秀という意味で……!」

ちひろ「なら、正直にパッと答えてください!」

武内P「えっ!?」

ちひろ「考え時間は無し! 思ったことをパッと言ってください!」

武内P「いえ、それは……!」

ちひろ「良いですね!?」

武内P「は、はい!」


ちひろ「私が、百人居たらどう思いますか!?」


武内P「辛いです!」


ちひろ「どういう意味ですか!!!!?」


武内P「っ!? えっ……笑顔です!」

235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:32:12.98 ID:Asi2uaazo
ちひろ「笑顔? うふふ、笑顔が何だって言うんですか?」

武内P「笑顔が、その……眩しすぎて、目が!」

ちひろ「続けてください?」

武内P「有能過ぎて……私の仕事が、無くなってしまいます!」

ちひろ「ははぁ~、それから?」

武内P「千川さんは……あの……一人で! 輝いています!」

ちひろ「成る程、わかりました♪」

武内P「……!」ホッ!


ちひろ「夏休みの申請をしたけど、何も予定が入ってないですからね」ニコッ!

ちひろ「うふふっ! 一人で輝きますよ~♪」ニコニコッ!


武内P「す……すみません……」


ちひろ「何がですか?」


武内P「……いえ、何でもありません」

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:40:33.19 ID:Asi2uaazo
ちひろ「やっぱり、夏は楽しまないといけませんしね♪」

武内P「そ、そう……ですね」

ちひろ「プロデューサーさんも、楽しみますしね♪」

武内P「い、いえ……私は、仕事が」

ちひろ「ふふっ! 『ゴキゲンParty Night』ですか?」

武内P「せ、千川さん?」

ちひろ「フィーバーNightするんですよね、プロデューサーさん?」

武内P「千川さん!?」


武内P「……決して! 決して、そんな事はありません!」

武内P「千川さん……私を信じてください!」


ちひろ「……」

237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:47:57.16 ID:Asi2uaazo
武内P「例え……どんな方が、来られたとしても!」

ちひろ「……本当ですか?」

武内P「本当です!」

ちひろ「私が居ない間に居場所……肩身が狭くなったり、とか」

武内P「!? まさか、その様な事を!?」

ちひろ「百倍ですよ!? 考えるに決まってます!」

武内P「待ってください! 百倍と決まった訳では!」

ちひろ「……」

武内P「……!」


武内P「……わかりました」

武内P「千川さんを……不安にさせてしまうのであれば」

武内P「臨時アシスタントの話は――お断りしておきます」


ちひろ「やたっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「ですが……少しだけでも、申し訳なさそうにしてください」

238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 22:57:19.95 ID:Asi2uaazo
ちひろ「すみません……私のために、良いお話を」ニコニコ!

武内P「少し……口だけ、ですか」

ちひろ「うふふっ♪」ニッコニコ!

武内P「……」


武内P「――ん」

武内P「部長から、社内メールで……」

武内P「……万川さんのプロフィールが送られてきていますね」


ちひろ「せっかくだから、見てみます?」ニコニコ!

ちひろ「見るだけになっちゃいますけど、ね?」ニッコニコ!


武内P「はあ……」


―カチカチッ

239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 23:03:00.79 ID:Asi2uaazo
  ・  ・  ・

部長「――しかし、本当に良かったのかね?」

武内P「はい。今後もこういったケースはあるでしょうから」

部長「ふむ……」

武内P「あまり長い期間ではないですし、今は他の部署とも」

部長「連携し、お互いを助け合える様にしていく……か」

武内P「はい」

部長「だが……私は、少し惜しいと思うけどね」

武内P「……もう、決めた事ですから」


部長「――万川さんは、私の古い知り友人でね」

部長「――きっと、年若い君の助けになる男だと思ったんだがねぇ」


ちひろ「……!///」プルプル!

240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/25(日) 23:13:34.77 ID:Asi2uaazo
武内P「……名前から、てっきり女性だと思っていました」

部長「そうかい? 男でも居る名前だと思うが」

武内P「それに、笑顔で元気が……」

部長「アイツの笑顔は、キャバクラでお姉ちゃん達が盛り上がるんだ」

武内P「は、はあ……」

部長「おっと! 千川くんの前でする話ではなかったね!」


ちひろ「い、いえ……!///」プルプル…!


部長「まあ、そういう事らしい!」

部長「彼を信じて、ゆっくりと夏休みを堪能しなさい!」

武内P「あの……千川さん?」


ちひろ「顔から火が出そうです……!///」プルプル…!


部長「おっと、そりゃいかん」



部長「避暑地にでも行ってくると良いんじゃないかな」





おわり

263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 07:37:11.68 ID:Ei7FKISao

「――アイドルに、興味はありませんか?」


 アイドルは、好き。
 それも、顔の良いアイドルが好き。
 だって尊いもん! マジ推せる!
 アイドルってのは顔が良くなきゃいけないんだよ!


「あるからここに居るんだよ! わかれよ!」


 なんだコイツ!
 LIVE会場でそんな事聞くなんて、頭ち  くんか!?
 ふざけんな!
 アイドルをすこれよ! はー、やむ!


「そう、ですか……」


 見上げる位でっかい男が、そう言いながら上着をゴソゴソゴソリ。
 な、なんだよう!?
 何を取り出すつもりなんだ!?
 もおお、やむ! めっちゃやむ!



「――自分は、こういう者です」



 差し出されたのは、一枚の名刺。
 書いてあった会社名は――346プロダクション。


「!?……!!?」


 怖い顔、名刺、ステージをぐるぐる行ったり来たり、戻ったり。
 それに……ぷ、プロデューサー!?

264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 07:54:46.73 ID:Ei7FKISao

「はっ!? まさか、出禁!?」


 うわーん! ひどすぎるよう!
 ぼくが何したって言うのさ! やむ!
 ちょっとレポっただけじゃんか!
 今日は「推せる」ってつぶやいただけだよ!


「えっ?」


 他の現場じゃ「推せない」とかは言うけど!
 346プロのアイドルの子は、全推しDDだよう! すこだよ!
 ……あ、やべ。
 もしかして「露出高すぎマジわかってない」ってのが!?


「消すから! 消すから、どうか!」


 土下座かな!?
 346プロのアイドルの現場に参戦出来なくなるなんて嫌だよう!
 もしも、そうなったらメンタルやばすぎな!?
 やむ? やむ! てか、ヘラる!


「ま、待ってください! あの、話を……!」


 足元にすがりついて、ズボンを掴む!
 聞かない聞かない! 聞きたくない!


「うびょわああ~~っ!」


 周りの注目を集めちゃってるけど、気にしない!
 炎上よりも、アイドルだ!
 お願いします、プロデューサー様! Pサマ!
 聞いてくれるまで、ぼくはズボンを引っ張るのをやめない! よ!


「ぼくからアイドルを取らないでー!」

265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 08:14:44.61 ID:Ei7FKISao
  ・  ・  ・

「……落ち着かれましたか?」


 右手を首筋にやりながら、困ってるような顔を向けられた。


「そんなの、無理だよう……」


 会場から連れられて来たのは、後方の……スタッフルーム?
 目の前のPサマと、駆けつけた警備員の人に両脇を抱えられて。


「……」


 現場の裏側とか、貴重すぎるな!?
 ……って一瞬上がったテンションは、時すでにさようなら。
 向かい合ったソファーの正面に座ってるPサマを見て。
 こんにちは! プリンセスブルーな気分! うわーん!


「少し……いえ、見解の相違があったようですが」


 低い声が、耳に届く。
 ……でも、ぼくは間違った事は言ってないし!
 顔も良くて、歌も踊りも最高なんだから、●●に頼るなし!
 尊さが薄れるじゃん! アイドルだぞ!?



「――私は、貴女をスカウトしたいと思って声をかけました」



 ……へぁっ?


「しゅかうと……?」

266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 08:25:56.30 ID:Ei7FKISao

「はい。スカウトです」


 低い声で、もう一度。
 聞き間違い? じゃない? じゃない!
 今、スカウトって言った! よ!?
 何だそれ! 聞いてないし!


「何で!?」


 ぼくは可愛いし……ち、ちちもでっかいけど!
 アイドルっていうのは、尊くないといけないんだよ!?
 こんなクソザコメンタルなのに!?
 チヤホヤされたいけど、出来ないよ! やむ!



「笑顔です」



 笑顔。
 ……うわーん! やっぱり騙そうとしてる!
 だってぼく、この人の前で笑ったことなんてないし!
 上げて落とす作戦だよう! めっちゃやむ!


「LIVEを見ている時の貴女の笑顔が……とても、輝いて見えたので」


 うわーん! 見られてた!
 てか、見るなし!
 アイドルのLIVEなんだから、アイドルを見てろよ!

267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 08:43:25.50 ID:Ei7FKISao

「……」


 上着のポケットから、デジカメが取り出された。
 Pサマは、無言でそれを操作してる。
 ……アイドルのLIVEを見てる時のぼくは、どんな顔をしてるか。
 そんなの、考えた事も無かった。


「こちらを御覧ください」


 テーブルの上に置かれたデジカメに表示されてる写真。
 その写真の中には、わかりやすいピンク色。
 拡大されてて、ちょっと画像は荒れてるけど。
 ……ぼくが、写っていた。


「良い笑顔をしていると……私は思いました」


 そっ、そんなにじろじろ見るなよう!


「何で撮ってるの!?」


 恥ずいじゃんか!
 LIVEに集中してる、無防備りあむちゃんなんだ! よ!
 オタクのこういう所はそっとしておくのがマナーだろ!?
 やむよ!? ゲームしてる時、黒い画面に写った自分の顔とか!



「えっ? 後で、アイドルの方にLIVE中のファンの方の様子を見て頂くために……ですが」



 めっちゃやむけど、それならしょうがないな!?

268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 09:00:34.30 ID:Ei7FKISao

「今の所……他に、何か質問はありますか?」


 いっぱいあるけど、思いつかない!
 聞きたい事がありすぎて、詰まって出てこないよ!
 何も考えてないんじゃない! ザコメンタルなだけ!
 ……なんて、絶賛脳内大炎上中のぼくの背中に、



「あの、失礼しま~す……」



 控えめに開いたドアの隙間から、


「ぇ……!?」


 なんで!?
 どうして、此処にいるの!?
 振り向けば、すぐ後ろに!?
 ほっ、ほああっ!?



「ほほう! その子が、スカウトしたいって言ってた子?」
「ちょっと、あんまりジロジロ見たら駄目でしょ」



 ……三人居るの!?
 なんだそれ、どうしたこれ! はー!?

269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 09:13:23.09 ID:Ei7FKISao

「……!」


 今日のLIVEには、出演してなかったじゃん!
 ビックリしすぎて、心臓に毛が生えててもピカピカに脱毛されてたよ!
 ……こそこそこそこそ、聞き耳聞き耳。
 振り返る? 無理無理! そんなん出来るかー!


「……!」


 ばっくばくの心臓の音が邪魔だけど、聞こえる。
 今日のLIVEには、出演する後輩の応援をしてに来てた事。
 そうしたら、Pサマが突然スカウトをしたいって言い出した事。
 そんな感じの話を……めっちゃ親しげだな!?


「……!?」


 えっ、ええー!? マジだった!
 ぼくってば、本当にスカウトされてたんじゃん!
 出禁にするため、個人情報を聞き出そうと疑ってたけど!
 皆が――アイドルが言ってるんだから、間違いないな!? 無い!


「……!」


 その後、ちょっとしたやり取りがされて、ドアがパタリと閉まった。
 あの三人、この後アイス食べに行くって言ってた!
 凸る!? 凸っちゃう!? こっそり見ちゃう!?
 食べさせ合いっことかしたり……やば、尊すぎる! やばいやばい!

270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 09:28:46.77 ID:Ei7FKISao

「……すみません、お待たせしました」


 ドアの方から戻って、またぼくの正面のソファーに座りながら。
 中断したさっきの話を再開しようとしてるのが、わかった。
 でも、今は何よりそんなのより。
 聞かなきゃいけない事が、一つ出来た。



「し……知り合い?」



 やっぱり、同じ事務所だから!?
 現場には詳しい方だと思うけど、事務所内の事情とか知らないし!
 今みたいな感じが普通なの!?
 うふぃー!? 握手して貰うの忘れた! やむ!



「はあ……自分が、担当しているアイドルですから」



 はあっ!?


「じゃっ、じゃあ! シンデレラプロジェクトの!?」


 待って……待って待って待って待って!



「ぷ、プロデューサーです……」



 ボスンッ、とソファーから音がした。
 気付かない内に、テーブルに手をついて体を乗り出してたらしい。
 あまりの衝撃に、腰が抜けて顎が外れた……みたいな?
 ……あああ、ちょっとタイム見ないで! やむ!

271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/27(火) 09:55:30.41 ID:Ei7FKISao
  ・  ・  ・

「……」


 ベッドに寝転がりながら、渡された名刺を見る。
 あの人……Pサマは、ぼくを本気でアイドルにしようとしてるらしい。


「……」


 首を横に傾けて、部屋の隅にあるカバンを見る。
 皆を癒せるようになるための勉強道具が入ったソレは、もうすぐ埃を被りそう。
 そんなぼく……埃被りが、灰被り――シンデレラに?
 なれっこないない! 無理だよう!


「……」


 ……だけど、ケータイでチェックするのはタダだから。
 346プロダクションについて調べるのは、その……違うし!
 今日のLIVEのレポ見たりしてる内に……なんかそんなの! わかれ!
 あ、ソレ! どーんな感じっ、かな~?


「んへ……んへへへへ!」


 ぼくの人生、一発逆転じゃない!?


「……ぁえ?」



 『警備の人に連れてかれてた痛いオタクが居た』



「ウッソ!? これ、ぼくの事じゃん!?」



 慌てて、渡された名刺の番号に電話をしたら……「問題無い」って!
 デビュー前だし、そもそも写真撮影禁止を守るマナーの良い客層だからってさ!
 安心しても良いって言われたし、安心するよ? でなきゃやむ!
 詳しい話は、また後日連絡するって言われたから……今日はもう寝よう! うん!



 ――チョロいなオタク!




おわり

278: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:14:13.44 ID:+AP/mhIGo
書きます


武内P「脱毛ですね」

279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:17:42.35 ID:+AP/mhIGo
奈緒「はっ、はあっ!?」

加蓮「えっ、奈緒ってそんなレベル?」

凛「ちょっと加蓮、言い方」

奈緒「いっ、良いクリームとかあればな~、って話だったろ!?」

武内P「……」


武内P「いえ……良い機会かも知れません」

武内P「神谷さんは、全身脱毛を受けられるのが良い、と」

武内P「……そう、思います」


奈緒「……!?」

加蓮・凛「……」

280: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:22:01.31 ID:+AP/mhIGo
奈緒「別に良いって! マジで!」

武内P「神谷さん?」

加蓮「ねえ、脱毛って経費で落ちたりするの?」

武内P「はい、落ちます」

凛「えっ、そうなの?」

武内P「部署にもよりますが、神谷さんと北条さんの部署は……はい」


加蓮「奈緒、脱毛しちゃいなって!」

凛「まあ……タダならやってみても良いんじゃないの?」


奈緒「~~っ!」

奈緒「そういう問題じゃない!」

281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:26:46.03 ID:+AP/mhIGo
奈緒「あたしは! やりたくない! って言ってるだろ!?」

加蓮・凛「なんで?」

奈緒「なんでも! ほっといてくれって!」

武内P「……わかりました」

凛「ちょっと、プロデューサー?」

加蓮「えー? せっかくだから、した方が良くない?」


武内P「――こういった時のために」

武内P「346プロダクションが制作した映像がありますので……」

武内P「……まずは、こちらを御覧ください」


加蓮・凛「へっ?」

奈緒「はあっ!?」

282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:32:01.01 ID:+AP/mhIGo
加蓮「そんなの作ってたの?」

武内P「はい、脱毛に関しては不安になる方も多いので」

凛「……普通、そのために映像まで作る?」

武内P「必要な事だと……出演されている方の、強い要望で」

奈緒「誰が映ってたって、あたしの考えは変わらないからな!?」

武内P「……では、スタートします」


瑞樹『――瑞樹と!』

楓『――楓の、ふふっ!』

瑞樹・楓『脱毛のすゝめ~♪』


早苗『ちょっと! カメラ止めなさいよ! ねえってば!』


パラパパ~♪


加蓮・凛「……なんか、本格的」

奈緒「嫌がってる! 一人、嫌がってるだろ!?」

283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:40:02.59 ID:+AP/mhIGo
楓『この映像を見ている、画面の前のアイドルの貴女』

瑞樹『脱毛が気になってるけど、不安なのよね。わかるわ~』

早苗『騙されちゃ駄目よ! 気をしっかりもって!』


加蓮「ねえ……何かさ」

凛「……一人、反対派が混じってるんだけど」

武内P「これは、片桐さんの脱毛の際に撮影されたものですので……」

奈緒「はい! 騙されません、絶対に!」


楓『まずは……こちらを見てください』

早苗『やっ、ちょっ!? 無理! 無理無理無理無理!』

瑞樹『仕事が無いと思って気を抜いてた、早苗ちゃんのワキよ』

早苗『ほんっと無理だって! むああああ!?』コンニチハ!


加蓮・凛「……あー」

奈緒「止めてくれ! この映像、止めてくれよ!」

武内P「……すみません」

284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:46:54.62 ID:+AP/mhIGo
楓『早苗さんも、普段は気を付けてるんですけど……』

早苗『そっ、それは! なんか連日飲みが続いて!』

瑞樹『時間を取らせなかったもの、わかるわ』

早苗『えっ!? 何!? 計画的な反抗だったの!?』


瑞樹・楓『は~い♪』ニコッ!


早苗『タイホタイホ! 乙女の公務執行妨害でタイホするわ!』


加蓮・凛「え……えげつない……!」

奈緒「脱毛してないと、ここまでされなきゃいけないのか!?」

武内P「……笑顔です」

奈緒「何がだよ!?」


武内P「連日飲みに行っている時の片桐さんは……良い、笑顔をしていました」


奈緒「だから!?」

285: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:51:57.28 ID:+AP/mhIGo
楓『……早苗さん、良い機会だと思うんです』

瑞樹『そうよ。脱毛しちゃえば、こんな事にならないのよ?』チラッ!

早苗『ワキを見ながら言うんじゃないわよ!』


早苗『脱毛なんて、絶対に嫌!』

早苗『だって、なんかビームを当てるんでしょ!? ビームを!』

早苗『警察だってそんなの使わないわよ!』

早苗『ビームなんてロボコップの世界じゃない! 絶・対・嫌!』


奈緒「……!」コクコクコクコク!


加蓮「いや、すっごい頷いてるけど……」

凛「……ビームじゃないでしょ」

武内P「ええ、まあ……」

286: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 16:58:28.13 ID:+AP/mhIGo
楓『まず、医療脱毛とエステ脱毛の違いを説明していきま~す♪』

瑞樹『似ているようだけど、全然違うから覚えておいてね♪』

早苗『無視!?』

楓『私達がオススメするのは――』

瑞樹『――ズバリ!』


瑞樹・楓『医療脱毛!』

『バキューン♪』


早苗『あたしの声じゃない! あたしの声じゃないの!』

早苗『勝手にエフェクトに使ってんじゃないわよ!』


加蓮・凛「医療脱毛……」

奈緒「だっ、脱毛は脱毛だろ!?」

武内P「……映像の続きを」

287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 17:08:29.11 ID:+AP/mhIGo
楓『――医療脱毛は』

楓『お医者様の監督が無いと扱えない、医療用のレーザーを使います』

楓『このレーザーで、組織を完全に破壊して永久脱毛する……』

楓『ふふっ! 医療用は、良い要領……うふふっ!』


早苗『ピピーッ! 楓ちゃんストップ、待ちなさい!』

早苗『破壊は何も生まないわ!』

早苗『ちゃんとタイホして、罪を償わせないと!』


瑞樹『何言ってるの?』



奈緒「そうだ! 『フルボッコちゃん』でも……今の無し!」

凛「フルボッコにするしね」

加蓮「へー、そうなんだ」

武内P「ちなみに、プロダクション内でも医療脱毛は受けられます」

288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 17:18:20.99 ID:+AP/mhIGo
瑞樹『――そして、エステ脱毛。美容脱毛とも言うわね』

瑞樹『これは、エステティシャンの人でも扱えるパワーの、光脱毛になるわ』

瑞樹『パワーが弱いけれど、肌トラブルのリスクも比較的に低い』

瑞樹『……でも、ダメージを与えるだけだから、効果は一時的なものになるわ』


早苗『へー!』

早苗『じゃあ、ちょっとリスクはあっても医療脱毛の方が得なのね!』


楓『お医者様が居らっしゃいますから、対応の速度も違います』

楓『脱毛自体、リスクのあるものなので……』

楓『事前の診断もしっかりしてるので、リスクとしては同じ位だと思います』


早苗『なるほどー! 確かに、その方が安心ね!』



奈緒「騙されちゃ駄目だって――っ!」

奈緒「なんか……なんかもう、引っ張られてる!」

加蓮・凛・武内P「……」

289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 17:27:45.74 ID:+AP/mhIGo
楓『後は、料金や期間に関してなんですけど……』

瑞樹『早苗ちゃん、ここまでで何か質問はある?』


早苗『……でも』

早苗『やっぱり……痛いのよね?』


瑞樹・楓『個人差』


早苗『そこ! そこが問題なのに、個人差ってのが!』

早苗『あたし、痛いのやーよ!? だって、痛いじゃないの!』



奈緒「……!」コクコクコクコク!

加蓮「アタシも……うーん、やっぱり苦手」

凛「私は……結構、我慢出来るかな?」

武内P「待ってください、続きが」

290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 17:36:53.43 ID:+AP/mhIGo
楓『私の場合は、麻酔入りのクリームを』

瑞樹『私は、笑気麻酔でやったわね』

早苗『えっ!? 麻酔とか使ってくれるの!?』

楓『それでも、人によっては痛みを感じるらしいですけど……』

瑞樹『施術回数を増やして、一回の負担を減らす方法もあるわね』

早苗『……』


早苗『ちょっとカメラ止めて、考えるから』


瑞樹・楓『はーい』


スウッ―


奈緒「!? おい、これで映像終わりか!?」

加蓮「何~? 奈緒、ちょっと気になってきてるじゃん」

奈緒「いや!? この終わり方だと、気になるだろ!?」

凛「まあ……私も、ちょっと気になるかも」

武内P「待ってください、まだ続きがありますので」

291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 17:41:53.66 ID:+AP/mhIGo
―パッ!

早苗『――考えたわ!』



奈緒「……あれっ」

加蓮「なんか……」

凛「……服装、変わってない?」

武内P「……」



瑞樹・楓『その結果は?』

早苗『……ふっふっふ!』


早苗『見てよ、このワキ! もうツルッツル!』ビシィッ!

早苗『ねえ、凄くない!? ほら! ほ~ら!』ツルーンッ!



加蓮・凛「おぉ~……」

奈緒「さっ……早苗さ――んっ!?」

武内P「……」

292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 17:49:15.48 ID:+AP/mhIGo
楓『ふふっ! 脱毛してみた感想は、どうですか?』

早苗『ちょっぴり痛かったけど、やって良かったわ!』

瑞樹『何が良かったのか、カメラに向けて一言!』

早苗『カメラどっち? あ、そっち!』


早苗『……もう、とにかく楽なの! 楽!』

早苗『お手入れの手間も、時間も全っ然無くなったし!』

早苗『VIOラインなんかもう特に……!』

早苗『あ、見せる!? 証拠提出した方が、わかりやすい!?』


瑞樹『待って、早苗ちゃん! それは駄目!』



凛・加蓮・奈緒「……」

武内P「……」

293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 17:58:17.05 ID:+AP/mhIGo
楓『確かに、一時的にはお肌に負担がかかるかも知れません』

瑞樹『でも、クリームやカミソリ、シェーバーでも負担がかかっていくわ』

楓『かかる時間や料金、手間の事を考えたら……』

瑞樹『……脱毛しちゃった方が、断然良かったりするわよね』


早苗『警官だった頃は、そこまでしなくても良いと思ってたけど……』

早苗『……あたしも、アイドルやってくって決めたからね!』

早苗『っていうかさ、警官してた頃も脱毛しとけば良かったって思ってる!』

早苗『もう、その位楽なのよ! 凄いわよ!?』

早苗『……やっぱり見る!? ちょっとだけ見て欲しい位!』


楓『そこまで言うなら……じゃあ、ちょっとだけ♪』

瑞樹『駄目に決まってるでしょ!? カメラ止めて!』


…パッ


凛・加蓮・奈緒「……」

武内P「……」

294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 18:02:54.40 ID:+AP/mhIGo
武内P「……如何でしたか?」

加蓮「気になってはいたけど……本格的に、調べてみよっかな」

凛「ねえ、この映像って……他にも誰か見てたりするの?」

武内P「はい」

加蓮・凛「誰が?」


武内P「シンデレラプロジェクト内では――」

武内P「――島村さんと、諸星さんが」


加蓮・凛「そうなの!?」

武内P「ええ、以前相談を受けまして……」


奈緒「…………」

295: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 18:08:52.77 ID:+AP/mhIGo
武内P「本人から、聞いて居ませんでしたか?」

凛「聞いてない! 卯月が!? 脱毛してるの!?」

武内P「え、ええ……」

加蓮「きらりちゃんは、モデルの仕事もしてるしね……」

武内P「はい」


武内P「お二人とも、17歳ですし」

武内P「アイドルという仕事に向き合っていく以上……」

武内P「……こういった事は避けられない、と」


加蓮・凛「……」


奈緒「…………」

296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 18:18:25.20 ID:+AP/mhIGo
凛「……私、卯月に話聞いてみる」

加蓮「その時、アタシも一緒に聞いても良い?」

武内P「同年代の方の感想を聞くのは、良いかも知れませんね」

凛「でも、二人は映像を見て決心したんでしょ?」

武内P「いえ、それだけでなく……城ヶ崎さんにお話を聞いていました」

加蓮「あ、美嘉ちゃんは元モデルだから!」

武内P「交流があるので、聞きやすかったのでしょう」


加蓮・凛「……奈緒」


奈緒「……ああもう! わかったよ!」

奈緒「とりあえず、話を聞いてみてからだからな!?」


武内P「はい、それで問題ないかと思います」

297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/28(水) 18:46:34.54 ID:+AP/mhIGo
奈緒「うぅ……まさか、こんな大事になるなんて……!」

凛「でも、良い機会なんじゃない?」

加蓮「お手入れの時間、アニメ見るのに使えるじゃん」

奈緒「そういう事じゃ……それは、あるかも」


武内P「皆さんは、本格的にアイドルとして活躍していくと思います」

武内P「その点を踏まえると……渋谷さんの仰った通り」

武内P「良い機会なのではないか、と」

武内P「……そう、思います」


加蓮・凛「……はいっ!」

奈緒「ううっ……はいっ! そうですねっ!」


武内P「……では、宜しくお願いします」

武内P(やはり……先輩アイドルの言葉というのは、重みがある)

武内P(私の言葉だけでは、決してこうはいかなかっただろう……)



武内P(……脱帽ですね)




おわり

314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 21:11:31.30 ID:2XhceC2Fo

「一旦、ストップで!」


 プロジェクトクローネは、アイドル部門統括重役の美城常務の主導で進められてきた。
 海外から帰国してすぐに、現在進行中のプロジェクトを解体、白紙に戻す。
 そして、対外的な346のブランドイメージを確立すべく、
常務が選んだアイドルを一つのプロジェクトにまとめ……大きな成果を得る。


「はい! 大至急お願いします!」


 当然、社内でも反発はあった。
 けれど、それでも上手くいっていたと思う。
 プロダクションの玄関ホールに飾られたメンバーの写真を見て、少し誇らしくもあった。
 ……でも、今はどうしたら良いかわからず、立ち尽くす事しか出来ない。


「横になった方が……」


 女性スタッフの一人が、彼女の左側にしゃがみ、
今にも倒れそうな体をしっかりと支えているのが見えた。
 私も、慌てて反対の右側にしゃがんで、見様見真似で同じ様に体を支える。
 これで良いのかしら……わからない。


「ありがとうございます、助かります……!」


 お礼を言われたけれど、それに対する言葉は喉から出てこなかった。
 小さな、届くか届かないかわからない程度に「いえ」と返すのが精一杯。
 下から覗き込むようにして、顔色を窺う……白い。
 眉間に寄っている皺が、彼女の苦しみを否応無しに伝えてくる。


「ゆっくり立ちます……せーの……!」


 反応が少し遅れて、最初は斜めになってしまったけど……すぐ、持ち直す。
 ヒールだから、つま先にしっかりと力を込めて。
 ソロステージが終わって疲れていたけれど、十分に休めたと思っていたのに。
 彼女の軽いはずの体は……今は、とても重く感じた。

315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 21:35:06.57 ID:2XhceC2Fo

「……!」


 スタッフさんが、彼女の体をしっかりと支えながら、ゆっくりと先導してくれる。
 私は、躓かないように合わせて歩く事しか出来ない。
 リーダーとして、もっと他にやるべき事があるんじゃないだろうか。
 そんな不安を誤魔化すようにして、彼女に声をかける。


「大丈夫……?」


 ……なんて、卑怯な質問。
 自分が、何かをしているという実感を得ようとするなんて。
 大丈夫じゃないから、こうしているのはわかってるんだから。
 だから、彼女は、


「すみません……」


 謝罪の言葉を言うしかなくなってしまう。
 自分への怒りで、表情が強ばりそうになったけれど、耐える。
 私が、今ここで何かに対する怒りを見せたなら。
 それはきっと、彼女をより傷付け、追い詰めるだけになってしまう。



「文香ちゃん……!」
「美城常務に、伝えた方が良いんじゃ……!?」



 自分の事で手一杯になってしまっている私の背中に、二人分の声が突き刺さる。
 一人分は、普段の掴み所の無さは完全になりを潜め、本気で彼女を心配する声。
 もう一人分は、飄々としたいつもの様子からは想像もしていなかった、的確な判断を。
 そして、



「って言うか……どこ居んの!?」



 いつも明るく天真爛漫な子の、怒りの声が廊下へ響き渡った。

316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 21:51:49.50 ID:2XhceC2Fo

「ちょっと、その辺探してみようか……!」
「そうだね……!」


 遠ざかっていく声。


「……!」


 つかず離れずの距離で鳴る、靴音。


「……」


 本当なら、今頃ステージの上で一緒にライトを浴びて居る筈の、
プロジェクトクローネの最年少のメンバーの子。
 不安げに、両手を胸の前で組んでいる姿が瞳に焼き付いている。
 けれど、今どんな表情をしているかを確認する余裕は、私にも無かった。


「ここなら、ソファーで横になれるので……!」


 スタッフさんが示したのは、控室の一つ。
 ドアを開けようと思ったけれど、体を支えるために両手が塞がっている。
 片手で、しっかり支えられるかわからない。
 考えを巡らせようと思った矢先、



「すみません! 失礼します!」



 私達の前に躍り出た小さな人影が、ドアを勢い良くノックした。
 返事を待たずに開けたのは、彼女が相当焦っているからだろう。
 でも、本当に助かる。
 いくら私でも、キャパシティをとっくにオーバーしていたから。

317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 22:16:19.53 ID:2XhceC2Fo

「どっ、どうしたんですか!?」


 都合良く、中に誰も居ないという訳にはいかなかったようだ。
 先客は、二人。
 どちらも先輩のアイドルで、私にとっては遠い存在だった人達。
 次の出番まで休憩していたのか、Tシャツにハーフパンツのラフな格好だった。


「かましまへん。どうぞ、ソファーに」


 入り口で一瞬立ち止まった私達に、視線で指示をくれた。
 言われるまま、彼女を部屋の隅の大きなソファーへと連れて行く。
 そんな中、先輩達はどこからか毛布を何組か持って来てくれた。
 体を冷やさないためとは言っても……過剰すぎじゃないかしら?


「んしょ……はい、これを枕にしてください!」


 ……成る程、そういう事ね。


「まず、座りましょう……!」


 ゆっくりと腰を下ろしていく。
 人の体を支えながら……それも、ヒールで行うのは、正直きつい。
 それを察したのか、


「うちも手伝います」


 正面から抱きかかえる様にして、両脇の私達を合わせて三人で。
 ソファーに腰掛けたけれど、私はずっと落ち着かないままだった。

318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 22:34:30.31 ID:2XhceC2Fo

「それじゃあ……寝かせるわよ」


 体をずらし、両腕に力を込めながらゆっくりと横たえていく。
 前髪から覗いた瞼は、閉じようとするのに抗っていた。
 彼女も、不安なのだろう。
 ステージが……今、どうなっているのかが。


「……!」


 彼女達の直後に、出番が控えているメンバー達も居た。
 この事は、きっと彼女達を動揺させてしまっているだろう。
 それに、他のメンバーも出番が……!
 そもそも、この二人の出番は? 全体曲だって……!


「……」


 ……駄目、わからない。
 美城常務は、どうするつもりなのかしら……。



『会場の皆~!』



 ……えっ?



『ど~う? ここまでのLIVE、盛り上がってくれたかにゃ~?』



 この子……シンデレラプロジェクトの。



「……どうして?」

319: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 22:51:35.77 ID:2XhceC2Fo

『あれあれぇ~? ちょっと元気が足りないみたい~?』



 呆然と、画面の映像を見続ける。


「……繋いでくれてるみたいですね」
「安心して休んでおくれやす」


 二人が、笑顔で言った。
 彼女は、その笑顔を見てやっと気を緩めたらしい。
 聞こえるか聞こえないか……わからない程の小さな声で返事をして。
 やっと、眉間に寄っていた皺が無くなった。



『じゃあ、ちょっと注入しちゃおうか!』



 ……どうして、彼女達が……私達のフォローをしてくれているんだろう。
 プロジェクトクローネは、シンデレラプロジェクトに目の敵にされてもおかしくないのに。
 評価によっては、解散がかかっている――オータムフェス。
 プロジェクトクローネのために、メンバーに欠員を出し、参加出来ないユニットまであるのに。



『『元気~!』』
『『注~入~!』』



 かき鳴らされるギターの音が、胸をざわつかせる。
 そして、歓声はもっと……より、強く。
 

320: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 23:10:40.20 ID:2XhceC2Fo

「……」


 誰も、助けてはくれないと思っていた。
 だって、今回の評価は……相対的なものだから。
 シンデレラプロジェクトのメンバー達は、見事に逆境を乗り越えて見せた。
 今も、こうしてトークでファンの人を楽しませている。


「……」


 それに対して、私達は崩壊寸前だったと言っても良い。
 大きなステージに対する不安、それに……直属の常務に対する、不信感。
 真っ直ぐな道は、走る速度が速ければ速い程……何かあった時に、脆い。
 見えないものを見るためとは言え、投げ出された状態じゃ上も下もわからないもの。


「……」


 シンデレラプロジェクトが成功して、プロジェクトクローネが失敗すれば。
 事務所内でのパワーバランスも、かなり変わったと思う。
 勝者と敗者。
 どちらの発言が大きな影響を与えるかは、火を見るより明らかだから。



「――ファンの人、楽しんでくれてますね!」
「――ほんまどすなぁ」



 ……だけど。
 そんなもの、最初から彼女達には関係が無かったみたい。

321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 23:32:22.86 ID:2XhceC2Fo

「……ふぅっ」


 息を吐く。
 楽になった。
 何が楽になったのかは、そうね……色々。
 おかげで、見えていなかったものが見えてきた。


「椅子、座ったら」


 例えば、ソファーの横で立ち尽くす小さな姿。
 今にも泣き出しそうな表情に、小さく震えている肩。
 こんなものまで見えなくなってしまってたなんて、ね。


「貴女まで倒れちゃ大変でしょう」


 椅子を引いて来て、横に置く。


「す、すみません……あの……」


 小さな瞳が、真っ直ぐに私を捉えた。



「すぐに来てくれて……本当に、助かりました」



 思いも寄らない一言。
 私は、笑顔で肩を軽くポンと叩き、返事の代わりにした。

322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/29(木) 23:48:55.12 ID:2XhceC2Fo

「……」


 予定には無い会場トーク。
 それなのに、シンデレラプロジェクトの面々はそれをしっかりとこなしている。
 プロジェクトクローネに、これが出来るかしら?
 ……無理ね。


「……」


 個性では負けているつもりはないけれど、経験の差があるもの。
 それに、立ち上がったばかりで、メンバー同士の距離感も微妙。
 遠慮があったり、遠慮が無さ過ぎたり。
 そんな状態じゃ、すぐにボロが出るに決まってる。


「……」


 彼女達のプロデューサーさんって、どんな人なのかしら。
 上の命令に従わない、非常識な人だって思ってたけれど……。
 せっかくの機会だし、聞いてみるのも悪くないわね。
 でも、そうね……とりあえず今日は、



『それじゃあ! 次の準備もオーケーとの事なのでー!』
『後半戦も! 盛り上がっていきましょー!』



 貴方のプロデュース、乗ってあげる。




おわり

332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 19:33:05.98 ID:md5ZfrC+o
「鷺沢文香と電子書籍」で一作お願いします

333: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 21:24:25.68 ID:nrcJYRFUo
>>332書きます


武内P「電子書籍、ですか」

334: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 21:30:01.87 ID:nrcJYRFUo
ありす「はい。文香さんにも、使ってみて欲しいんです」

武内P「あの……何故、私に?」

ありす「私が勧めても、困らせてしまってるみたいで……」

武内P「はあ……」


ありす「お願いします!」

ありす「一緒に、電子書籍の良さをアピールしてください!」

ありす「お礼と言っては何ですけど、いちごのフルコースを振る舞いますから!」


武内P「いえ、あの……」

武内P「……何故、私に?」

335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 21:34:44.48 ID:nrcJYRFUo
ありす「莉嘉さんから、お話は聞いています」

武内P「城ヶ崎さんから?」

ありす「はい」

武内P「あの……城ヶ崎さんは、何と?」


ありす「――凛さんは、貴方の言う事は良く聞く……と」

ありす「凛さんは、とっても素敵な人です」

ありす「貴方は……素敵な人の心を動かすのが上手い」

ありす「……どうです? 合ってますよね?」キラーンッ!


武内P「……」

武内P「すみません……何と返せば良いか……」

336: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 21:41:51.86 ID:nrcJYRFUo
  ・  ・  ・

ありす「――さあ、文香さん! 座ってください!」

文香「あ、ありすちゃん……?」

ありす「今日は、文香さんにお勧めしたいものがあるんです!」

文香「ええっ、と……」チラッ!


武内P「……」


文香「ありすちゃんと……プロデューサーさんが……?」

ありす「はいっ!」ニコッ!

文香「二人が、勧めたいもの……?」…ソワッ!


武内P「電子書籍です」


文香「……」

文香「はあ……」シュン…

337: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 21:46:58.38 ID:nrcJYRFUo
文香「あの……大変、申し訳ないのですが……」

武内P「鷺沢さん?」

文香「私は、紙の本のページをめくる時の感触や……」

武内P「はい」

文香「……趣味の栞作りもあるので、電子書籍は」

武内P「……成る程」

文香「すみません……せっかく、お時間を割いて頂いたのに」

武内P「いえ、私も……差し出がましい真似をして、申し訳ありませんでした」

文香「いえ……では、私はこれで……」

武内P「はい、お疲れさまでした」


ありす「待ってください! 違いますよね!?」

ありす「なんで解散する流れになってるんですか!?」


武内P・文香「……」

338: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 21:52:11.25 ID:nrcJYRFUo
ありす「一緒に、良さをアピールしてくれる約束だったじゃないですか!」

武内P「しかし、鷺沢さんにも理由がある様なので……」

ありす「わっ、私のいちごのフルコースは食べたくないんですか!?」

武内P「すみません……いちごは、時期外れなので」

ありす「~~っ!?」

文香「あの、ありすちゃん……もう」

ありす「……だったら!」


ありす「――断り続けてる、とときら学園のオファーを受けます!」


武内P「――待ってください」

武内P「鷺沢さん、少しお話をさせて頂いても良いでしょうか?」


文香「えっ!?」

文香「あの……はっ、はい……」

339: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 21:57:25.26 ID:nrcJYRFUo
武内P「鷺沢さんが、紙媒体を好む理由はわかりました」

文香「は、はい……」

武内P「ですが、電子書籍には……電子書籍ならではの良さも」

文香「そっ……そう、なのですね……」


武内P「――橘さん」

武内P「貴女が思う、紙媒体には無い……電子書籍ならではの良さ」

武内P「それは、一体何でしょうか?」


ありす「はい!」

ありす「それは、持ち運びが凄く便利な事です!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


文香「……!?」

340: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:03:38.42 ID:nrcJYRFUo
武内P「鷺沢さんは、今後もアイドルとして活躍されていかれる方です」

文香「いえ、あの……そんな事は……///」フルフル!

武内P「私は……私達は、そう考えています」

ありす「当然です!」フンス!

文香「ありすちゃんまで……///」


武内P「――アイドルとして活動して、仕事も増えていく」

武内P「それは――」

武内P「――移動時間が増える、と言う意味でもあります」


文香「確かに……そうかも知れません」

ありす「今でも、移動時間はありますからね」

341: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:09:44.20 ID:nrcJYRFUo
武内P「……当然、待ち時間も増えてきます」

武内P「持ち運びをして邪魔にならないサイズの本一冊では……」

ありす「足りなくなってくる、という事ですか?」

武内P「はい、その通りです」

文香「で、ですが……」


武内P「――加えて」


文香「っ!?」ビクッ!


武内P「車での移動は、振動は避けられません」

武内P「鷺沢さんは……移動時に本を読んでいて、落としてしまった経験は?」


文香「……ぁ」

文香「あり……ます……」

342: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:17:13.75 ID:nrcJYRFUo
武内P「私も、運転する際は安全運転を心がけています」

武内P「ドライバーの方も、同様に」

武内P「……しかし、絶対は有り得ません」

文香「……」

武内P「落としてしまった際、本が傷んでしまう事もあるでしょう」

文香「……はい」


武内P「鷺沢さん」

武内P「その時に痛むのは……本だけ、ですか?」

武内P「傷付いた本を置いて、笑顔で仕事に向かえますか?」


文香「っ……!」

343: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:23:36.30 ID:nrcJYRFUo
武内P「完全に、電子書籍に移行した方が良い……とは、言いません」

文香「えっ?」

武内P「状況に応じて、使い分けてみるのはどうでしょうか?」

文香「使い分け……ですか?」

武内P「はい」


武内P「――鷺沢さんが、読書にふけっている姿」

武内P「その、どこか神秘的な光景は……紙媒体の本だからこそ、と」

武内P「……そう、思います」

武内P「その光景が見られなくなるのは……とても、残念ですから」


文香「ぇ……ぁ……はぃ……///」

344: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:29:15.55 ID:nrcJYRFUo
ありす「確かに……本を読んでる時の文香さん、素敵です」

文香「あ、ありすちゃんまで……///」

ありす「だからこそ、その姿を見られる機会が減るのは……」

文香「……」

ありす「……すみません! やっぱr」


武内P「――橘さん」

武内P「貴女のタブレットをお借りしても、良いでしょうか?」


ありす「へっ?」

ありす「えっと……何をするんですか?」


武内P「鷺沢さんに、実際に電子書籍に触れて頂こう、と」

武内P「……そう、考えています」


ありす・文香「はあ……」

345: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:35:30.38 ID:nrcJYRFUo
  ・  ・  ・

ありす「――こういう風に」

サッ!

ありす「ページを読み終わったら、サッと横にフリックするんです」

文香「ふ……ふりっく」

ありす「そうすれば、ほら。次の画面が表示されます」

文香「……」

ありす「えっと……簡単、ですよ?」

文香「え……ええ……」


武内P「では、鷺沢さん」

武内P「タブレットを操作して、やってみましょう」


文香「は、はい……!」

346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:39:56.99 ID:nrcJYRFUo
文香「……!」ドキドキ!

武内P「少し、緊張されていますか?」

文香「えっ!? いえ、あの……!」

武内P「大丈夫です」

文香「何が……でしょうか……?」


武内P「電子書籍は……あくまでも、電子機器を操作するだけ」

武内P「鷺沢さんの触れてきた、紙媒体の物とは勝手が違いますが……」

武内P「……貴女が向き合うのは、本ですから」


文香「――!」

347: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:44:18.80 ID:nrcJYRFUo
文香「私が向き合うのは、本……」

武内P「それを踏まえて、挑戦してみてください」

文香「……いえ、挑戦とは……少し、違うかも知れません」

ありす「文香さん……?」

文香「……例え、媒体は違ったとしても」


文香「書は……」

スゥッ…

文香「……いつでも、私を違う世界へと導いてくれるものですから」


ありす「ゆっくり……ページをめくるように……」


武内P「……橘さん」

武内P「鷺沢さんの今の姿を見て、どう思われましたか?」


ありす「とっても……とっても、素敵でした!」

348: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 22:52:48.97 ID:nrcJYRFUo
武内P「落ち着いて、ゆっくりと楽しみたい時は、紙媒体」

武内P「移動時等、荷物を少なくしたい時は、電子書籍」

武内P「……まずは、そういった使い分けをされてはどうでしょう?」


文香「まずは……?」


武内P「はい、まずは……ですね」

武内P「電子書籍と接していく内に――鷺沢さん自身に合った、付き合い方」

武内P「見えなかったものが……見えてくるかも知れませんから」


ありす「! それなら、私も教えられます!」


武内P「はい」

武内P「共通の本の話題が出来るようになる可能性も、十分に考えられます」


ありす・文香「……!」パアッ!

349: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 23:03:24.49 ID:nrcJYRFUo
武内P「お二人だけでなく――新田さんや、アナスタシアさんも」

ありす・文香「えっ?」

武内P「ええ」


武内P「――ラブライカのお二人、新田さんとアナスタシアさんは」

武内P「講迅社さんの、文庫フェア・イベントのお仕事もされていました」

武内P「講迅社さんは、電子書籍にも力を入れています」

武内P「――仕事の面でも、良いきっかけになるかも知れません」


ありす・文香「……!」


武内P「……私は、そう思うのですが」

武内P「お二人は、どう思われますか?」


ありす・文香「……!」

ありす・文香「はいっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

350: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 23:17:24.40 ID:nrcJYRFUo
  ・  ・  ・

ちひろ「――あの四人、上手くやってるみたいですね♪」

武内P「はい、講迅社さんからも電子版の売上が伸びた、と」

ちひろ「ああいえ、そうじゃなくって」

武内P「はい……?」

ちひろ「仲良くしてるみたいじゃないですか」

武内P「……はい」


武内P「新田さんは――鷺沢さん、橘さんとも交流があり」

武内P「アナスタシアさんは――クローネで一緒に活動をしていますから」

武内P「……そう、ですね」

武内P「四人でのユニットも、検討してみる必要がありそうです」


ちひろ「……ふふっ! プロデューサーさんったら!」


武内P「? はあ……?」

351: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/30(金) 23:30:46.60 ID:nrcJYRFUo
ちひろ「お仕事ばっかりじゃなく、息抜きもなさってくださいね」

武内P「はい、勿論です」

ちひろ「えっ? 勿論です……?」

武内P「? 何か?」

ちひろ「あっ、いえ! 何でもありません!」フルフル!

武内P「今の時代は、インターネットで気軽に娯楽が楽しめますから」

ちひろ「……ふふっ! そうですね!」

武内P「ええ」


ちひろ「プロデューサーさんは、どこを利用してるんですか?」


武内P「Huluです」


ちひろ「…………」


ちひろ「動画配信サービス、ですか」




おわり

371: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 22:38:18.34 ID:08Y+rhH5o
型月書きます


武内P「こんな所に喫茶店が」

372: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 22:41:17.73 ID:08Y+rhH5o
武内P「……少し、寄って行くか」


ガチャッ―カランカランカラーン♪


メイドセイバー「い、いらっしゃいませ」


武内P「――!」

武内P「あ、あの……」


セイバー「お一人様でしょうか?」


武内P「アイドルに……興味はありませんか?」


セイバー「……」

セイバー「はい?」

373: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 22:45:18.05 ID:08Y+rhH5o
セイバー「貴方は、何を言っているのですか?」

武内P「す、すみません」

セイバー「此処は喫茶店、アイドルは取り扱っていません」


武内P「自分は、こういう者で……!」

ゴソゴソッ!


セイバー「!」

ヒュッ―


―ピタッ!

セイバー「……貴様、やはりアサシンか」

セイバー「この騎士王の不意をつけると思ったか」


武内P「……!?」

武内P(見えないが……何か、首筋に当てられている……!?)

374: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 22:51:09.58 ID:08Y+rhH5o
ネコアルク「待つにゃセイバーさん!」

ネコ・カオス「剣をお納め下さい、騎士王」


セイバー「いえ、ですが店長……」

武内P「……!?」


ネコアルク「その人は顔が怖いだけにゃ!」

ネコアルク「アタシのレーダーを信じて欲しいにゃ!」

ネコ・カオス「店長の言う通りです、騎士王よ」

ネコ・カオス「彼は、礼儀正しく歌が上手い青年なのです」

ネコ・カオス「決して、我らの創造主の様な男ではありません」


セイバー「……わかりました」

セイバー「ですが、貴方を完全に信じた訳ではない」

セイバー「その事は、肝に銘じておくことです」


武内P「は、はい……」

375: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 22:56:15.63 ID:08Y+rhH5o
セイバー「席に案内します」

武内P「わ、わかりました……」


コツコツコツコツ…


セイバー「では、注文が決まり次第声をかけてください」

セイバー「……ただし、おかしな真似をすれば」

武内P「その様な事は、決して……!」コクコクコクコク!

セイバー「良い心がけです」


コツコツコツコツ…


武内P「……!」

武内P(この喫茶店は……一体!?)

武内P(店長と呼ばれていた、あの人の様な猫のような……不思議なナマモノも)

武内P(……)

武内P(席に通されてしまった以上、注文をするしかない……!)

376: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:04:22.74 ID:08Y+rhH5o
セイバー「……」ジーッ!


武内P「……!」

武内P(他に客が居ないからからか、はたまた……疑われているからか)

武内P(彼女から、突き刺すような視線が……!)

武内P(気を抜けば、ひれ伏してしまいそうな……カリスマすら感じる!)

武内P(だが……何と切り出せば……!)


ガチャッ、カランカラーンッ♪


セイバー「いらっしゃいま――」

セイバー「――ああ、リンでしたか」


武内P「!?」

武内P(この空間に……渋谷さんが!?)


遠坂凛「って、セイバー!?」

凛「何!? アンタ、またここでバイトしてるの!?」


武内P「……!」ホッ!

武内P(良かった……別人だったようだ)

377: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:11:21.97 ID:08Y+rhH5o
セイバー「夏バテで人手が足りない、と」

セイバー「助けを求められれば、応じない訳にはいきませんから」

凛「……なんか、この前もそんな事言ってたわよね」

セイバー「騎士たる者、当然です」

凛「とかなんとか言って、バイト代で衛宮くんに圧力鍋買ってたじゃない」

セイバー「なっ!? 何故それを!?」

凛「衛宮くん本人に聞いたのよ」

セイバー「シロウが……私を裏切るはずがない!」

凛「自慢されたの! この鍋、セイバーが買ってきてくれたんだー、って!」

セイバー「それは……悪い気はしませんね///」


凛「で? 今回は、何を買ってあげるつもりなの?」


セイバー「石窯スチームオーブンです!」

セイバー「その宝具があれば、シロウのゴハンがもっと美味しくなると聞きました!」ペカー!


武内P「……」

武内P(……どうやら、優しい方の様だ)

378: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:18:07.63 ID:08Y+rhH5o
武内P「……」

武内P(シロウ、という方は……彼女の大切な方なのだろう)

武内P(それに、彼女から漂う気品)

武内P(……スカウトは、難しいかも知れない)

武内P(一先ず注文をして……様子を見てみよう)


武内P「――すみません」


凛「ほら、お客さんが呼んでるわよ」

セイバー「はい、只今」

セイバー「――注文は?」


武内P「コーヒーをお願いします」


セイバー「ホットですか? アイスですか?」


武内P「では……アイスで」


セイバー「お食事は?」


武内P「いえ、大丈夫です」



セイバー「正体を表したな、アサシン!!」



武内P「何故!?」

379: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:27:58.84 ID:08Y+rhH5o
セイバー「お腹が空いては、戦は出来ません!」

セイバー「空腹時の襲撃を想定していないのは、アサシンである証!」


武内P「いっ、いえ!」

武内P「私は、あっ、アサシン? ではなく!」

武内P「――プロデューサーです!」


セイバー「プロデューサーだと!?」

セイバー「リン! そんなエクストラ・クラスが存在していたのですか!?」

セイバー「何故、もっと早く教えてくれなかったのですか!」


凛「そんなクラス無いわよ!」

凛「この人、明らかに普通の人じゃない!」


セイバー「ならば、この体格にも関わらず食事を注文しない理由は!?」

セイバー「サラリーマンを装っているようですが、私の目は誤魔化せません!」


武内P「ハンバーグ! ハンバーグをお願いします!」

380: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:33:42.19 ID:08Y+rhH5o
セイバー「ハンバーグ? まさか、それだけですか?」

武内P「では……な、ナポリタンを!」

セイバー「貴様、やはり……」

武内P「カレーもお願いします!」

セイバー「……良いでしょう」

武内P「……!」ホッ!


セイバー「デザートは?」


武内P「クレープを」

武内P「味は……そうですね、チョコとイチゴ」

武内P「ケーキは、チーズケーキとミルクレープをお願いします」


セイバー「……今までの非礼を許して下さい」

セイバー「アサシンは、闇に潜み相手の生命を刈り取る者」

セイバー「貴方の様に、ウキウキ顔で甘いものを注文する者ではありません」


武内P「は……はあ……」

381: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:38:43.93 ID:08Y+rhH5o
武内P「……」


凛「――なんだかすみません」

凛「あの子、ちょ~っと世間からズレてる所があって」


武内P「あ、いえ……」

武内P「……貴女は、彼女のお知り合いですか?」


凛「あはは……まあ、そんな所です」

凛「貴方は……プロデューサー、って言ってましたけど」


武内P「はい。自分は、346プロダクションに所属している……」

武内P「……こういう者です」

スッ…


凛「あ、名刺は受け取りませんよ」

凛「受け取ったら、こっちも名乗らなきゃいけなくなりますから」クスッ!


武内P「……良い、笑顔です」

382: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:45:09.12 ID:08Y+rhH5o
武内P「……アイドルに、興味はありませんか?」

凛「ありません」

武内P「……」

凛「申し訳ないけど、色々とやることが山積みで」

武内P「……そう、ですか」


ガチャッ、カランカラーンッ♪


セイバー「! 何度来ても同じ事です!」

セイバー「ここは喫茶店、ジャンプは置いていな――」


バーサーカー「■■■■■■■■■■■――!!」

ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ!


セイバー「――サンデー!? もっと置いていません!」

セイバー「暴れないで下さい、お客様! お客様っ!」


凛「ああいうのの対処とか……!」ワタワタ!


武内P「は、はあ……」

383: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/31(土) 23:54:50.73 ID:08Y+rhH5o
  ・  ・  ・

武内P「……良い、焼き加減でした」

武内P「!」

武内P「いつの間にか、人が……」



シエル「カレー……パスタ……カレー……パスタ……」ブツブツ…!


ネロ「……666匹分、おかわりだ」

ガッツガツガツムシャムシャガツガツ!


セイバー「はい、只今参ります!……お待たせしました!」


アルクェイド「忙しそうだし、仕方ないって。急ぐ理由も無いしね」


シエル「カレー……パスタ……カレーパスタ? カレーパスタ! カレー!」パアッ!


ガヤガヤ…


武内P「……」

武内P(この店は……客層が、変わっていますね)

384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:04:23.85 ID:JooYg9V1o
ガチャッ、カランカラーンッ♪


武内P「……」

武内P(……また)


セイバー「いらっしゃいま――」


ギルガメッシュ「ハッハッハッハッ!」

ギルガメッシュ「我が何も言わずとも出迎えるとはな!」

ギルガメッシュ「セイバー、愛い奴よ!」


セイバー「――……英雄王!」

セイバー「何故、ここへ現れた!?」


ギルガメッシュ「店主よ! 我に知らせた褒美をやろう!」

ギルガメッシュ「そしてセイバー! 貴様を――ご指名だ!」ビシッ!

…ゴトンッ!


セイバー「断る!」


武内P「!?」

武内P(き……金塊!?)

385: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:11:13.03 ID:JooYg9V1o
ネコアルク「ははーっ!」ドゲザー!

セイバー「何故、こんな奴に知らせたのですか!?」

ネコ・カオス「申し訳ありません騎士王よ……財の前に屈してしまいました」

ネコ・カオス「バイト代は弾みますので、どうか剣をお納めください……!」

セイバー「ぬ、ぐっ……!?」


ギルガメッシュ「――そういう事だ、セイバー!」

みょんみょんみょんみょんっ

ギルガメッシュ「貴様のアホ毛も、我の思うがままよ!」

みょんみょんみょんみょんっ

セイバー「ぬ……ぐぐぐっ……!?」

ギルガメッシュ「ハッハッハッハッ、アハハッ、ハッハハッ!」

みょんみょんみょんみょんっ


武内P「……」

386: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:17:51.92 ID:JooYg9V1o
ギルガメッシュ「――ようし! 先ずは歌と舞だ!」

ギルガメッシュ「この我を存分に楽しませてみよ!」


セイバー「ここは喫茶店です……!」


ギルガメッシュ「何? お客様は神様と言うではないか」

ギルガメッシュ「そして、英雄王である我の言うことが聞けぬと?」

ギルガメッシュ「この店ごと吹き飛ばしても良いのだぞ?」


セイバー「……!」


ギルガメッシュ「ハッハッハッ、そう怒るなセイバー!」

ギルガメッシュ「手が震えて居ては、注文は取れんぞ?」

ギルガメッシュ「英雄王ジョークだ! 笑え、許す!」

ギルガメッシュ「ハッハッハッハッハッ!」


ネコアルク、ネコ・カオス「にゃっはっはっはっはっ!」


セイバー「……!」プルプル…!



武内P「……」

387: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:25:04.35 ID:JooYg9V1o
ギルガメッシュ「さあ、ランチセットを持ってくるが良い!」

ギルガメッシュ「あとスマイル」


セイバー「っ……!」ニ、ニゴォッ!


ギルガメッシュ「ん? 聞こえなかったか?」

ギルガメッシュ「我は、スマイルと言ったぞ」


セイバー「っ……!」…ニゴッ!


ギルガメッシュ「んん~? んんん~っ?」

ギルガメッシュ「どうしたセイバー? それが騎士王スマイルか~?」


セイバー「……!」イラッ!

セイバー「いいえ……!?」ニ…コ…オォッ…!


ギルガメッシュ「この店、超楽しい」



武内P「……」

388: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:36:20.87 ID:JooYg9V1o
  ・  ・  ・

言峰綺礼「では、麻婆丼を頂こうか――当然、山盛りでな」


セイバー「そんなものは、メニューにありません!」


臓硯「カレーとパスタ……どちらも頼むしかあるまいなぁ!」

桜「お爺様、もうゴハンは食べ終わったでしょう!?」

慎二「おい! どうして僕は海藻サラダの海藻のみなんだよ!」


セイバー「私に聞くな! ワカメが似合うのだから、仕方ないだろう!」


ギルガメッシュ「セイバー! 酌をしろ!」


セイバー「水だけで、いつまでも粘るな!」


セイバー「……!」イライラ…!



武内P「……」

389: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:41:54.61 ID:JooYg9V1o
武内P「――すみません」

武内P「注文をお願いできますか?」


セイバー「はい、只今……!」イライラ…!


武内P「……」


セイバー「ご注文は?」イライラ…!


武内P「――笑顔です」


セイバー「何?」イラァッ!

セイバー「貴様! この私を騎士王と知っての言葉か!」


武内P「すみません……私は、王としての貴女を知りません」

武内P「ですが、もしも見られるのならば」

武内P「……私は、見てみたいと思いました」

武内P「貴女が民に向ける――」


武内P「――騎士王としての、笑顔が」


セイバー「……!」

390: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:46:31.36 ID:JooYg9V1o
武内P「その注文を最後に……お会計をお願いします」


セイバー「……良いでしょう」

セイバー「しかし、今の私は――バイト中の身」

セイバー「ならば、それに相応しい笑顔をするのが――道理というもの」

セイバー「……違いますか?」


武内P「はい、私もそう思います」


セイバー「ならば――モップをここへ!」


ネコアルク「はいにゃ!」


セイバー「!」

…ドンッ!

セイバー「――ありがとうございました」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

391: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:53:00.98 ID:JooYg9V1o
  ・  ・  ・

武内P「やはり……アイドル、に……」


志貴「――あ、気が付きましたか?」

レン「………………」


武内P「……」

武内P「っ!?」

ガバッ!


志貴「っとと! 急に起き上がると危ないですよ!」

レン「………………」


武内P「自分は……倒れていた、のでしょうか……?」


志貴「ええ、アヤシイお薬を飲んだからだとか何とか……」

レン「………………」


武内P「……」

392: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 00:58:20.12 ID:JooYg9V1o
志貴「一緒に居た子達、慌ててたみたいで」

志貴「全員で、助けを呼びに行っちゃったんです」

レン「………………」


武内P「そう、でしたか……」

武内P「貴方が、見ていてくれたのですね」


志貴「あ、あはは……!」

志貴「アヤシイおクスリって聞いて、知り合いが関係してるのかと思いまして!」

志貴「違ったみたいですが、成り行きで……」

レン「………………」


武内P「すみません……お手数をおかけしました」

武内P「……どうも、ありがとうございます」


志貴「いえいえ、お礼だったら俺じゃなく……レンに言って下さい」

志貴「危ない所に気づけたのは、レンのおかげですから」

ナデナデ…

黒猫「………………」


武内P「……?」

武内P(今まで居たのは、確かに少女だったはず……)

393: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 01:05:51.82 ID:JooYg9V1o
志貴「もう大丈夫そうなので、俺は失礼しますね」

志貴「他の女の子と話してたりすると……」

志貴「……何故か、たまに殺されそうになったりするんで」


武内P「は、はあ……」

武内P「っ!」

武内P「あの、待ってください! お礼を――」


志貴「良いんですよ」

志貴「――俺は、正義の味方じゃないんで」

志貴「それじゃ、俺達はこれで……」ヒラヒラ!

レン「………………」バイバイ!


武内P「っ!?」


志貴「ケーキの匂いがしたから?」

志貴「それじゃ、今日は偉かったから買って帰ろうか」

黒猫「………………!」


武内P「……」

394: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/01(日) 01:12:43.32 ID:JooYg9V1o
  ・  ・  ・

武内P「……」

ちひろ「プロデューサーさん?」

武内P「っ!?」

ちひろ「どうしたんですか? ボーッとして」

武内P「ああ、いえ……」

ちひろ「まさか、どこか体調が!?」

武内P「いえ、そうではなく……」


武内P「……メイドは、やはり良いものだと思いまして」


ちひろ「……」

ちひろ「……はい?」




おわり

409: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:00:36.91 ID:UDTCqIUio
書きます


武内P「未成年の飲酒は法律で禁止されています」

410: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:05:16.86 ID:UDTCqIUio
武内P「……と、私は何度も言ってきました」

武内P「ですが、それは――」


武内P「――高純度の楽しいおクスリ使用」

武内P「――トリップ度数9%」

武内P「――99.9(スリーナイン)を作って飲めばいい、と」

武内P「……そういった意味ではありません」


志希「ひっく、ぐすっ……ごべん゙な゙ざい゙……!」メソメソ…


武内P「……」

武内P「……泣き上戸、ですか」

411: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:13:54.11 ID:UDTCqIUio
武内P「一ノ瀬さん、貴女にお聞きしたい事が」

志希「だの゙じぐ……な゙る゙どお゙っ゙、お゙も゙っ、でぇ゙……!」ベスベス…

武内P「99.9は、法には触れない物でしょうか?」

志希「がん゙ばっでぇ゙! づぐっ゙でぇ゙!」ポロポロ…

武内P「体に、悪影響はありませんか?」

志希「ゔぇ゙え゙え゙え゙っ! ごべん゙な゙ざあ゙あ゙あ゙い゙!」ピーッ!

武内P「お願いです、質問に……」


志希「ひぅ゙、っぐ……ぐすっ! ひっ! ふゔゔゔゔっ゙!」ポロポロッ!

志希「――っ!」ビクンッ!

志希「……zzz」スヤァ…

…ころんっ


武内P「待ってください! 寝る前に、質問に答えて下さい!」

武内P「一ノ瀬さん!? その寝付きの良さは、あまりにも!」

412: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:19:41.75 ID:UDTCqIUio
志希「すぅ……すぅ……」スヤァ…

武内P「一ノ瀬さん! 他に、誰かに飲ませましたか!?」

志希「……あぇぁ?」アホーン!

武内P「お願いします! せめて、欠片は知性を!」

志希「みんな~……すぅ……すぅ……」スヤァ…

武内P「待ってください! あまりに範囲が広すぎます!」


志希「すぅ……すぅ……」スヤァ…

…ころんっ


武内P「まるで起きる気がない……!」

武内P「しかし……皆、という言葉……」

武内P「…………」


武内P「せめて……LiPPSのメンバーだけで……!」

413: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:24:17.30 ID:UDTCqIUio
  ・  ・  ・

クローネ・プロジェクトルーム


文香「あはははははっ! あはっ、あはははははっ!」ケラケラ!


武内P「ですよね!!」


文香「あっ、あはっ! あはっはっはははっ!」ケラケラ!

武内P「鷺沢さん、落ち着いて下さい!」

文香「!」ピタッ!

武内P「良かった……! ほとんど飲んd」


文香「んぶふっっ!」プフーッ!


武内P「!?」


文香「ぷひゅるふっふふあっははは! あーっはっはっはっはっ!」ゲラゲラ!


武内P「笑顔ですが! もの凄く笑顔ですが!」

414: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:31:06.38 ID:UDTCqIUio
文香「あーっ! あーっ! あーっはっははははは! うふぃーっ!」ゲラゲラ!

武内P「鷺沢さん! 喉を痛めてしまいますから……!」

文香「のど? んふ、どっふぉほっほほあっ! のどぅおあははっ!」ゲラゲラ!

つんつんっ! つんつんっ! つんつんつんっ!

武内P「つつかないで下さい! 顔をつつかないで下さい!」

文香「あ――っはっははははっ! ひーっ! ふぅあははははっ!」ゲラゲラ!

つつつつつんっ! つんつんっ! つんつくつんつんっ!

武内P「さっ、鷺沢さ……鷺沢さん!」


文香「あ゙っはっ、ん゙っ゙!? げほっ! げほっ、ごほっ!」

文香「――っ!」ビクンッ!

文香「……zzz」スヤァ…

…ころんっ


武内P「よ……良かった……!」

武内P「……良い、寝付きです……!」

415: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:35:32.10 ID:UDTCqIUio
武内P「一先ず、鷺沢さんを壁際に……」

文香「すぅ……すぅ……」スヤァ…

武内P「……まるで起きる気配が無い」

文香「すぅ……すぅ……」スヤァ…


武内P「部屋の奥の方は、一体どんな惨状が……」


「……――だからね、いつも言ってるでしょう?」

「あんまりふざけてばかりだと、痛い目を見るって」

「お行儀良くしておけば良いって訳じゃないけど、限度があるわ」

「皆には、もう一度よく考えて欲しいの。良い?」


武内P「! この声は……速水さん!」

武内P「さすがは……クローネのリーダー、ですね」

武内P「……本当に、頼れる方です」

416: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:41:07.27 ID:UDTCqIUio
奏「良い? ソファーの背もたれが、常識」

奏「その下の座る部分が、そうね……個性かな」

奏「私達は、その間の丁度真ん中をももふふぉふぉふぉふぉいふぉ」

ぐぐぐぐっ!


武内P「速水さん!? 待ってください!」

武内P「何故、そんな所に顔を押し付けているのですか!?」


奏「……あら、シンデレラプロジェクトのプロデューサーさんじゃない」

奏「どうしたの? 私達に、何かよふぉふぉむむんもも」

ぐぐぐぐぐぐっ!


武内P「お願いします! せめて、会話を!」

武内P「ソファーの隙間に入るのは、どうか待ってください!」

417: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:48:53.99 ID:UDTCqIUio
奏「もーもんんごっ、んぅ、んもももふぉももふぉふぉ」

ぐぐぐぐぐぐぐぐっ!

武内P「入れませんから! 速水さん! 待ってください!」

奏「っ――!」ビクンッ!

武内P「っ!? 大丈夫ですか、速水さん!?」

奏「……zzz」スヤァ…

武内P「待ってください! まさか、その体勢で!?」


フレデリカ「――わお! カナデちゃん、芸術的な寝方だね!」

フレデリカ「アタシも寝ようかな! 今は昼だから、夜に!」


武内P「……」

武内P「待ってください……このタイミングで……!?」

418: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 22:54:50.47 ID:UDTCqIUio
フレデリカ「タイミング? いいえ、スタミナ!」

武内P「宮本さんも、99.9を飲まれたのですか!?」

フレデリカ「と、思いきや! その結果は!?」

武内P「! 飲んでいない、と!」

フレデリカ「デケデケデケデケデケデケ……!」

武内P「……!」

フレデリカ「……デケデンッ!」


フレデリカ「フレちゃんは、ビスケットじゃなくクッキー派です! イェーイ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「すみません……わかりません……!」

419: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:00:36.08 ID:UDTCqIUio
フレデリカ「やったね! わからないって、わかったんだね!」

武内P「宮本さんは……一ノ瀬さん特製の飲み物を飲みましたか?」

フレデリカ「シキちゃんが作った飲み物?」

武内P「はい、99.9という……」

フレデリカ「お答えしましょう!」

武内P「! はい、お願いします!」


フレデリカ「それは勿論、ギャラクシー!」

フレデリカ「甘い匂いに誘われて、ヘンゼルとメーテル!」

フレデリカ「グレーテルの運命や如何に!」

フレデリカ「そして、メーテルと二人になったヘンゼルの胸の高まりは!」

フレデリカ「答えは、CMのあとで♪」ニコッ!


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「良い笑顔です」

420: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:08:57.57 ID:UDTCqIUio
周子「――あれ? どしたのー?」


武内P「! 塩見さん!」

武内P「99.9という飲み物は、飲まれましたか!?」


フレデリカ「大変よ! テツローがネジに! やはり天才か!?」

フレデリカ「一方その頃、グレーテルは!? グレません! めげません!」

フレデリカ「胸が高まって、どんどん体温が上がっていくヘンゼル!」

フレデリカ「この心の炎、熱い! 熱すぎる! メーテルもたじたじ!」

フレデリカ「おちつくために、お菓子を食べて血糖値が決闘値に! やったね!」

フレデリカ「まずい、食べ過ぎだ! 今だ、出すんだ!」

フレデリカ「――ブレストファイヤー! そして、またCMです♪」


周子「あはは、フレちゃん寝言大きいねー」


武内P「寝言!?」

421: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:14:54.31 ID:UDTCqIUio
フレデリカ「……zzz」スヤァ…


周子「CM中に寝ちゃうって、あるよねぇ」

武内P「あの……塩見さん?」

周子「99.9、飲んだよ」

武内P「っ!?」

周子「安心してって。ちょっとだけだから」

武内P「そう……なのですか?」


周子「シューコちゃんを信用してって、ねっ?」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


周子「だから、一緒に飲も? ねっ?」ニコッ!


武内P「……」

武内P「待ってください」

422: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:21:23.23 ID:UDTCqIUio
武内P「本当に……少しなのですか?」

周子「少し少し」

武内P「いえ、ですが……」

周子「全然まともでしょ? フツーに話も通じるしさ」

武内P「え、ええ……」

周子「だよね? んー……あたしって、信用ないのかなぁ?」

武内P「いっ、いえ! そんな事は、決して!」

周子「そ~お?」


周子「だったら、飲も? さささっ、遠慮しないで~」

周子「99.9、まだまだあるからさ、ねっ? 飲もう?」

周子「ほらほら、グイッといっちゃって~!」ニコッ!


武内P「……」

武内P「あまり……変わらないタイプ、ですか」

423: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:27:47.97 ID:UDTCqIUio
周子「あたしの酒が飲めんのか~! あはは、なんてねー」

武内P「塩見さん、一旦座って下さい」

周子「座るのん? ま、良いよー」

武内P「そのまま、ソファーに横になってください」

周子「はいはーい、っと」

…ぽすんっ!


武内P「目を閉じて、考える事を一度やめてください」


周子「それで、何か変わるのー?」

周子「……――っ!?」ビクンッ!

周子「……zzz」スヤァ…


武内P「……」

武内P「……良い、寝付きです」

424: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:33:10.82 ID:UDTCqIUio
美嘉「――あーっ、ちょっと!? 何してんの!?」

唯「シンデレラプロジェクトのプロデューサーちゃんじゃん!」


武内P「っ!?」

周子「すぅ……すぅ……」

武内P「城ヶ崎さん! 大槻さん! これには、事情が――」


美嘉「なんか●●いコトするつもり~? ♡」

唯「ねえねえ、ゆい達も混ざっちゃう~? ♡」

美嘉「もち ♡ トーゼンっしょ ♡ だってアタシ達ぃ ♡」

唯「イマドキのギャルだも~ん ♡」

美嘉・唯「ね~っ ♡」


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「お二人共……あの、無理はなさらず……」

425: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:41:53.25 ID:UDTCqIUio
美嘉「え~っ? ♡ ムリとかしてないし~ ♡」

武内P「あの……本当に、はい」

唯「あはっ ♡ もしかして、照れてる系~? ♡」

武内P「いえ……そうではなく」

美嘉「ヤダ、も~っ ♡ カワイイトコあんじゃーん ♡」

武内P「城ヶ崎さん……」

唯「そんなにカワイイと、ゆいも本気出しちゃおっかな~ ♡」

武内P「大槻さん……」


美嘉「カリスマJKギャルの寝顔 ♡ 見せちゃおっかなー ♡」

唯「ムボービな顔見るとか、チョー●●●● ♡ アガるぅ~? ♡」


武内P「っ……!」

武内P「お願いします……! もう、これ以上は……!」

426: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:48:14.16 ID:UDTCqIUio
美嘉「あ~っ、ヤバ~イ ♡ 眠くなってきちゃったー ♡」

唯「じ・つ・はぁ~ ♡ あはっ、ゆいもなんだよね~ ♡」


武内P「……どうぞ、横になってください」


美嘉・唯「イヤーン ♡ エーローいーっ ♡」

…ころんっ!

美嘉「アタシの寝顔見られるとか、チョーラッキーじゃん ♡」

唯「ゆいの寝顔、チョーイケてると思うよ~ ♡」


武内P「……おやすみなさい」


美嘉・唯「おやすみ~ ♡」

美嘉・唯「――っ!?」ビクンッ!

美嘉・唯「……zzz」スヤァ…


武内P「……さて」

武内P「他の方は、大丈夫だろうか……!」

427: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:52:40.64 ID:UDTCqIUio
武内P「99.9……もし、橘さんが飲んでいた場合……」

武内P「まだ小さいので、危険な可能性が――」


…ぎゅっ!


武内P「っ!?」

武内P「後ろに……だ、誰ですか!?」


凛「――アンタ、私のプロデューサーでしょ」

ぎゅっ!


武内P「渋谷さん!?」

武内P「あの、離れて下さい! 渋谷さん!」


凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!」

ぎゅうっ!


武内P「あの……それが、何か!?」

428: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/02(月) 23:57:18.84 ID:UDTCqIUio
凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」

ぎゅううっ!

武内P「はっ、はい! 私は、貴女のプロデューサーです!」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!!」

ぎゅうううっ!

武内P「ぐっ!? あの、離れて下さい……!」


凛「アンタ!! 私の!! プロデューサーでしょ――ッ!!?」

ぎゅむううううっ!


武内P「し、渋谷さん……!? あの、何を……!?」



凛「アンぐっふぉ!?」

…ドサッ!



武内P「っ!? やっと離れ……」

武内P「……」

武内P「……渋谷さん?」

429: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:03:33.65 ID:y5LdTA7Mo
アーニャ「――アー……寝てしまったみたい、ですね?」


武内P「あ……アナスタシアさん?」


アーニャ「ダー♪」ニコッ!


武内P「あの……渋谷さんは、アナスタシアさんが?」

アーニャ「シトー?」

武内P「いえ、あの……皆さん、寝付きは良かったのですが……」

アーニャ「ンー? どうか、しましたか?」

武内P「……その、今までと様子が」



凛「」



武内P「……脇腹を抑えているのは、何故でしょうか?」


アーニャ「アー……片腹痛い、ですね?」


武内P「…………」

430: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:11:48.63 ID:y5LdTA7Mo
アーニャ「でも、リンの気持ち……少し、わかります」

武内P「……殴られて痛い、ですか?」

アーニャ「ニェート、キックです」

武内P「蹴ったのですか!?」

アーニャ「シトー? ンー……日本語、難しいです」

武内P「キックしたのですよね!?」


アーニャ「……皆、少し様子が変でした」

アーニャ「でも、アーニャ達のプロデューサーは……一人、です」

アーニャ「プロデューサーには、アー、真っ先? に、心配して欲しい……」

アーニャ「……だから、だと思います」

アーニャ「プロデューサーは、リンの心配……しましたか?」



凛「」



武内P「……」

武内P「ええ、まあ……現在進行系で……」

431: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:23:05.15 ID:y5LdTA7Mo
アーニャ「……アーニャの心配、してくれましたか?」

武内P「それは……はい、勿論です?」

アーニャ「……本当、ですか?」

武内P「本当です」


武内P「アナスタシアさんは、大切な担当アイドルの一人です」

武内P「今回の件で、真っ先に心配したのは――」

武内P「――貴女達の事です」


アーニャ「……ハラショー♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


アーニャ「アリスには、アー、不思議の国に、行ってもらいますね?」ニコッ!


武内P「……どんな笑顔ですか!?」

432: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:23:45.05 ID:y5LdTA7Mo
誤)>武内P「それは……はい、勿論です?」

正)>武内P「それは……はい、勿論です」

433: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:37:11.21 ID:y5LdTA7Mo
ありす「――大変です!」


武内P「っ!? 橘さん!?」

アーニャ「ハァラショ~~ッ♪」ニコッ!

武内P「アナスタシアさん、何がですか!?」


ありす「私、止めたんです! 絶対に駄目だ、って!」


アーニャ「シトー? シトシトー?」

武内P「橘さん、すみません! 少しだけ、待てますか!?」


ありす「待てません!!」

ありす「加蓮さんと、奈緒さん……」


武内P「っ!? やはり、北条さんと神谷さんにも――」


ありす「……それに、未央さんが!」


武内P「……」

武内P「!?」

434: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:44:03.26 ID:y5LdTA7Mo
武内P「橘さん! 一体、何があったのですか!?」


ありす「トライアドの三人と私でレッスンしてて……!」

ありす「そうしたら、差し入れだよ~、ってドリンクを……!」

ありす「私は、絶対何かイタズラされてると思ったんです!」


武内P「そのドリンクを飲んだ三人は!?」

武内P「今も、レッスンルームに居るのでしょうか!?」


ありす「ドリンク、いっぱい貰ったから!」

ありす「――せっかくだし皆にも配ろう、って!」


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「笑顔ですね」

435: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:50:53.53 ID:y5LdTA7Mo
ありす「私と凛さんは、残ってレッスンをしてて……!」

武内P「はい」

ありす「終わって、凛さんがドリンクを飲んだら……!」

武内P「ええ」

ありす「ふーん、って叫んだと思ったら、走ってどこかに……!」

武内P「そうでしたか」


凛「」


ありす「!? 凛さん!?」

武内P「橘さんが無事なのは、不幸中の幸いでした」


アーニャ「……zzz」スヤァ…


ありす「……!?……!?」

436: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 00:58:04.10 ID:y5LdTA7Mo
ありす「どっ、どういう状況ですか!?」

武内P「橘さんは、今日の予定はレッスンで終わりですか?」

ありす「そ……そうですけど……」

武内P「では、今日はもう帰られた方が良いでしょう」

ありす「でっ、でも!」

武内P「事情は、後日お話しますので」

ありす「それじゃ、納得出来まs」



「がああああああんばあああああありまああああああっすぅっ!!!!!」



ありす「…………」

ありす「……」


ありす「お先に失礼します」

440: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/03(火) 01:13:49.44 ID:y5LdTA7Mo
  ・  ・  ・

武内P「……!」

武内P(……恐らくだが、人体に害は無いのだろう)

武内P(そして、法律にも抵触する事は無いのかも知れない)

武内P(……だが)

武内P(この事態を考えれば、きちんと言い聞かせなければ――)


ガチャッ!


武内P「――っ!? 待ってください!」

武内P(お酒は二十歳になってから……)



「スッキリしてて、ゴクゴクいけちゃ~う♪」



武内P「薬! ダメ! ゼッタイ!」





おわり

446: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 11:43:37.98 ID:w6Rq2cRFo
書きます


武内P「カチコミ、ですか」

447: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 11:48:45.93 ID:w6Rq2cRFo
巴「見えるか? うちの背ぇの魂達が」

武内P「すみません、見えません」

巴「ほぉ……肝は座っとるようじゃのう……!」

武内P「村上さん、ご用件は?」


巴「――とときら学園じゃぁ!!」

巴「アンタんとこのシマ、随分幅を利かせてるようじゃのう!!」


武内P「……成る程」

武内P「とときら学園の、出演依頼のお話ですね」

448: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 11:56:35.66 ID:w6Rq2cRFo
巴「アンタ、言葉には気ぃつけぇよ?」

武内P「はあ」

巴「うちが、何で此処に来たかわかっとったんじゃろ? えぇ?」

武内P「はい。恐らくはその話だろう、と」


巴「出演依頼、取り消して貰うぞ」ギロリ!

巴「瑞樹の姉御と心の姉御に、何て格好をさせる来じゃあ!!」


武内P「……すみません」

武内P「とときら学園のゲストは、水色のスモック着用が義務ですので」

449: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:01:45.63 ID:w6Rq2cRFo
巴「せめて違う衣装にしろ!」

武内P「違う衣装……例えば、どの様なものでしょうか?」

巴「着物じゃ! 姉御達に似合う、格好ええやつじゃ!」

武内P「着物……その場合の設定は?」


巴「周辺のシマを仕切っとる組の姉御じゃ!」

巴「!」ティン!

巴「シノギの様子を見に来た言うんはどうかのう!?」


武内P「……」

武内P「ありがとうございます、検討させて頂きます」

450: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:07:06.12 ID:w6Rq2cRFo
武内P「しかし、一つ問題が」

巴「何? うちの案が間違ってる言うんか?」ギロリ!

武内P「いえ、そうではなく」

巴「はっきりせぇ! 何が問題なんじゃ!」


武内P「衣装に関してですが」

武内P「お二人はともかく――」

武内P「――高垣さんが、非常に楽しみにされているのです」


巴「ほう、楓の姉御が」

巴「……」

巴「楓の姉御もじゃとぉ!?」

451: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:13:24.06 ID:w6Rq2cRFo
巴「アンタ、気ぃは確かか!?」

武内P「はい、勿論です」

巴「二人だけじゃのぉて、楓の姉御にもスモックを着せる気ぃだったんか!」

武内P「……何か、誤解があるようですが」


武内P「私は、彼女達の出演に反対していました」

武内P「それを強引に押し切ったのは、彼女達です」


巴「当然じゃな! 姉御達は、大人の女じゃけぇのう!」

巴「男に良いようにされる、小娘とは違う……」

巴「……」

巴「もっとしっかりせんかい、このアホンダラァ!」

452: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:21:36.95 ID:w6Rq2cRFo
巴「姉御達のイメージ言うもんはどうなる!?」

武内P「……ですが、数字は取れます」

巴「それが何じゃ! 男なら、はっきり断れや!」

武内P「……」


武内P「私が反対し、出演依頼を取り消した翌日……」

武内P「水色のスモックを来た彼女達が集団で……此処へ」


巴「ほぉ! 姉御達がカチコんで来たんか!」

巴「……」

巴「姉御達は何をしとるんじゃ!?」

453: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:27:09.14 ID:w6Rq2cRFo
巴「それで、どんな取引をしたんじゃ!?」

武内P「いえ、交渉の類は……何も」

巴「なんじゃ……姉御達は、何を!?」

武内P「……」


武内P「皆さん、スモックを着た状態で」

武内P「――この部屋で自由にくつろいでいました」


巴「……のっ」

巴「乗っ取りじゃぁ!」

454: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:37:46.50 ID:w6Rq2cRFo
武内P「村上さん、おわかり頂けましたか?」

巴「姉御達、本気なんか……!」

武内P「再度出演依頼を出すまで、居座り続ける……と」

巴「うちのした事は、間違ってた言うんか……!」


武内P「……すみません」

武内P「無言の圧力に耐えられなかった私を許して下さい……」


巴「……もうええ、わかった」

巴「そがいな真似されたら、誰でも心が折れる」

455: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:48:56.82 ID:w6Rq2cRFo
巴「うちに、何か手伝える事はあるか?」

武内P「えっ?」

巴「今回の詫びのつもりじゃ。遠慮なく言ってみい」

武内P「……では」


武内P「皆さんが、とときら学園にゲスト出演する際」

武内P「村上さんも、一緒にゲストで出演して頂けますか?」


巴「はっは!」

巴「嫌じゃ! 断る! 何を言っとるんじゃおどれは!?」

456: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 12:58:24.09 ID:w6Rq2cRFo
武内P「放送作家さんが、頭を抱えていまして」

巴「うちは、今頭を抱えたいわ!」

武内P「とときら学園は、かなり自由な構成になっているのですが」

巴「それが何じゃ!? うちの話ぃ聞けや!」


武内P「レギュラー陣とゲストの年齢が離れているため」

武内P「どうしても、その……はい」

武内P「なので、13歳の村上さんが居れば、と」

武内P「……そう、思いました」


巴「居れば、何じゃ!?」

巴「……」

巴「待て、言うな! 聞きとうない!」

457: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 13:04:25.57 ID:w6Rq2cRFo
巴「……じゃが、話はわかった」

武内P「では」

巴「じゃがのう……うちに、スモックを着ろ言うんか?」ギロリ!

武内P「いえ」


武内P「村上さんは、そういった格好を好まれないと思ったので」

武内P「他のゲストの方達の引率……という体で」

武内P「――着物を着て頂こうと考えています」


巴「はっはっは!」

巴「……気まずい! 考えただけで、気まずすぎる!」

458: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 13:12:50.01 ID:w6Rq2cRFo
巴「姉御達が! スモックを着てる横で!?」

武内P「はい」

巴「うちだけ、まともな格好をしろ言うんか!?」

武内P「ええ」


武内P「……村上さんならば」

武内P「心意気で、精一杯事故を防ごうとしてくれる、と」

武内P「……そう、信じています」


巴「事故る思っとったんじゃな!?」

巴「アンタ、姉御達だけじゃと事故る思っとったんじゃな!?」

459: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 13:23:46.27 ID:w6Rq2cRFo
武内P「村上さん、ありがとうございます」

巴「待て待て待て! 話まとめようしとるな!?」

武内P「何か、問題でも?」

巴「問題しか無い! 他の案を出せ!」


武内P「……では」

武内P「村上さんもスモックを着て、席をレジュラー陣側に」

武内P「それによって、視線を分散させる……」

武内P「……というのは、どうでしょうか?」


巴「……」

巴「着物か、スモックかじゃと……!?」

460: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 13:36:59.03 ID:w6Rq2cRFo
巴「どんな二択じゃぁ……!」

武内P「笑顔です」

巴「そがいなもん出来るか!」

武内P「……」


武内P「着物を着て――皆さんの傍で目立ちつつ、引率をする」

武内P「スモックを着て――皆さんから離れた所で、分散させる」

武内P「……村上さん」

武内P「貴女は、どちらの方が……笑顔で居られますか?」


巴「ぬ……が……!?」

461: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 13:42:03.61 ID:w6Rq2cRFo
巴「……アンタは、どう思うんじゃ」

武内P「私、ですか?」

巴「プロデューサーの立場としては、どっちが良い思うんじゃ!」

武内P「そう、ですね……」


武内P「村上さんは、スモックを着る事に抵抗があるようですが……」

武内P「……川島さん達は、自ら進んでスモックを着ようとしています」

武内P「その事については、どうお考えですか?」


巴「何……?」

462: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 13:49:21.10 ID:w6Rq2cRFo
武内P「貴女は、彼女達のイメージにそぐわない、と」

巴「じゃけぇ、此処に来た!」

武内P「しかし、彼女達はスモックを着る事を良しとしています」

巴「なんじゃ、はっきりせぇ!」


武内P「誰かの……自分も含めた、それまでのイメージ」

武内P「それをあえて打ち破っていく……というのは」


武内P「――粋」


武内P「……と言うものでは、無いでしょうか?」


巴「……い」

巴「粋……!?」

463: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 14:00:38.99 ID:w6Rq2cRFo
武内P「大切なものは、内側にあるものです」

巴「……服装は、問題じゃない言うんか」

武内P「問題では無い、とは言いません」

巴「……」


武内P「――村上さんの本当の笑顔の輝き」

武内P「例え、何が起ころうともそれを守り続け……」

武内P「……決してブレる事は無い」


武内P「――居玉の魂です」


巴「……いっ」


巴「居玉の魂……!」ズキューンッ!

464: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 14:14:51.69 ID:w6Rq2cRFo
巴「じゃ、じゃが……うちは居飛車党で……!」

武内P「四間飛車居玉――藤井システムに、チャレンジしてみませんか?」

巴「っ……!」

武内P「村上さん」


武内P「同じ衣装を着て、大人の彼女達とシノギを削り合う……と」

武内P「……そう考えた場合」

武内P「やってみる価値は、あると思いますか?」


巴「……ふっ」

巴「はっはっは! ここまで言われて逃げるゆうんは、女が廃る!」

巴「ええじゃろう! スモック、何着でも持って来いや!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

465: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 14:23:29.70 ID:w6Rq2cRFo
  ・  ・  ・

ガチャッ!

巴「何しとんのじゃおどれはぁ――っ!!」


武内P「? 仕事です」


巴「とときら学園! ゲスト出演ゆう話じゃったろうが!」

巴「じゃけぇ、うちも話を飲んだ!」

巴「それが、どうしてこうなった!? 説明せぇ!」


武内P「――豪華ゲスト&新レギュラー発表」

武内P「目玉を二つ用意する事で、意識を分散しつつ注目度を高めました」

武内P「……スケジュールが取れて、幸いでした」


巴「何が居玉の魂じゃ! 目玉が飛び出たわ!」

466: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 14:44:18.86 ID:w6Rq2cRFo
武内P「スモック、何着でも持って来い……と」

巴「言葉の綾じゃ! わかれや!」

武内P「村上さんにとっても、良い話だと思ったのですが……」

巴「どこがじゃ!?」


武内P「とときら学園の衣装合わせの際」

武内P「鏡でご自分の姿を確認して、良い笑顔だった、と」


巴「いや、それはっ!?///」

巴「なっ、なしてそがぁな事をアンタが知っとるんじゃ!?///」



武内P「タレコミです」




おわり

471: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 16:20:17.20 ID:S6hlEU25o
何故大人組はとときら学園に出たがってたんだ…?

474: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:15:17.68 ID:w6Rq2cRFo
>>471
考察落としで書きます


武内P「視聴率低迷、ですか」

475: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:20:08.66 ID:w6Rq2cRFo
瑞樹「ングッングッ……プハーッ!」

菜々「ちょ、ちょっと飲みすぎじゃないですか……?」

楓「ふふっ! ビールを浴びーる程飲む、うふふっ!」

心「飲みすぎは体に毒だぞ☆ そろそろやめとけー?」


瑞樹「……飲むのをやめるならねぇ!」

瑞樹「ブレインズキャッスルを先に辞めてやるわ!」

瑞樹「ングッングッ……プハーッ!」


菜々・心・楓「……」…チラッ

武内P「そ……そんな目で見られましても……!?」

476: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:28:04.38 ID:w6Rq2cRFo
菜々「いっ、良い番組じゃないですか! ねっ!?」

瑞樹「どこが?」

心「瑞樹ちゃんと愛梨ちゃんの司会、大人気だぞ☆ なっ!?」

瑞樹「わかるわ」


瑞樹「……でもね、わからないわ!」

瑞樹「アイドルの子に、クイズが苦手な子が多かったから!」

瑞樹「マッスルキャッスルにしたんじゃない!」

瑞樹「……ハイボール、ジョッキで!」


楓「はーい♪ グラスだと、グラグラするからジョッキで、うふふっ♪」

武内P「いえ、あの……もうこれ以上は……!?」

477: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:33:33.86 ID:w6Rq2cRFo
菜々「でっ、でも! 最近はちゃんと正解してますよね!」

瑞樹「答えを教えてるから、当然正解するわ」

心「でもでも、間違ったりもしてたぞ? どゆこと?」

瑞樹「台本の通りなだけ、それがテレビよ」


瑞樹「……ほんっと窮屈!」

瑞樹「わかる?」

瑞樹「ほんっ……と窮屈なの! わかる!?」


菜々・心「は、はい……!」

楓「怒ってる……怒りんぐ……イカリング?」

武内P「注文しても構いませんから、煽る様な発言は……!」

478: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:40:27.06 ID:w6Rq2cRFo
菜々「だっ、だけど! 雑誌にも取り上げられてますし!」

瑞樹「事務所の力だわ」

心「おいおーい、それを言ったらおしまいだぞ☆ やめとけ☆」

瑞樹「……それだけなら、まだ良いの!」


瑞樹「愛梨ちゃん、とときらの収録を楽しみにしてるのよ!」

瑞樹「ブレインズキャッスルの司会、一緒してるのに!」

瑞樹「愛梨ちゃんだけ、ずるいわ! ずるいわずるいわ!」


楓「あっ、タコの唐揚げ♪ いくつ頼みましょうか?」


武内P「ま、待ってください!」

武内P「同時に言われるにしても、あまりに質が違いすぎます!」

479: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:47:57.28 ID:w6Rq2cRFo
瑞樹「菜々ちゃん、とときらの収録は楽しかった?」

菜々「ひっ!? いえあの……ど、どうだったかなぁ~……!?」

瑞樹「心ちゃ~ん? 菜々ちゃん出演のとときら、面白かった~?」

心「へっ!? ええっと……わ、忘れちゃった☆ メンゴ☆」


瑞樹「リニューアル後の、ブレインズキャッスルと比べて?」


菜々・心「……」


楓「カンパ~イ♪」

瑞樹「そう! 完敗だわ!」


瑞樹「ングッングッングッ……プハァ~ッ!」


菜々・心「……!」…チラッ!

武内P「わ、私の方を見ないで下さい……!」

480: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:55:01.60 ID:w6Rq2cRFo
瑞樹「……クイズ番組は良いのよ、数字取れるもの」

菜々「そっ、そうですよ! 今は、たまたまです!」

瑞樹「そう思う? 本当に?」

心「視聴率なんてすぐ回復するって☆ ガンバ☆」


瑞樹「……そうね」

瑞樹「予算も思いっきり貰ってる番組なんだし、頑張らないとね!」

瑞樹「予算の少ないとときらに比べて、全然だけど!」

瑞樹「ングッングッ……プハーッ!」


楓「とときら学園、皆のびのびやってて素敵な番組ですよね♪」


菜々・心「……!」ギロッ!

武内P「わ、わかりました! わかりましたから、睨まないでください……!」

481: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 22:59:02.00 ID:w6Rq2cRFo
武内P「……川島さん」

瑞樹「あら、どうしたの?」

武内P「ブレインズキャッスルも、良い番組です」

瑞樹「わかるわ」


瑞樹「ブレインズキャッスル出演で、人気が出た子達は多いものね」

瑞樹「キミの所の、キャンディアイランドの子達とか」

瑞樹「あら? あらあら?」

瑞樹「確か、さくら組……あら? 聞いたことがあるわ」


菜々「どうしてナナに飛び火させるんですかーっ!?」

武内P「すっ、すみません! すみません!」

482: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 23:06:00.78 ID:w6Rq2cRFo
武内P「……え、笑顔です!」

瑞樹「笑顔……ブレインズキャッスルの収録でも、笑顔はあるわ」

武内P「! でしたら、まだ輝きはあります!」

瑞樹「わかるわ」


瑞樹「まあ、笑いが起きた珍回答はカットされるんだけどね」

瑞樹「っていうか、出題される問題も変じゃない?」

瑞樹「アイドル番組って考えて作ってる?」

瑞樹「そもそも、普通のクイズ番組でも無いような問題多くない?」


心「瑞樹ちゃん、まずい! 制作批判はまずいぞ! マジで!」

武内P「川島さん、ペースを落としましょう! お願いします!」

483: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 23:13:09.03 ID:w6Rq2cRFo
瑞樹「……ファンの人はね」

瑞樹「アイドルの、その子らしさを見たいと思うんじゃないのかしら」

瑞樹「なのに、台本でガチガチに固めちゃうなんて……」

瑞樹「……愛梨ちゃんの台本に『脱がない』って注意が増えたのは良いけど」


菜々・心「……」


瑞樹「本当、羨ましいわ」

瑞樹「お仕事だから、仕方の無い部分があるのはわかってるけど……」

瑞樹「……楽しめてるって、素敵な事じゃない?」


武内P「……」


楓「瑞樹さん……カンパイ、しましょう?」

瑞樹「そうね……カンパイ」

484: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 23:21:48.94 ID:w6Rq2cRFo
瑞樹「……はーっ! ちょっと愚痴って、スッキリした!」

菜々「人気番組の司会だと、やっぱり悩みも多いんですね……」

瑞樹「多いわよー? お肌が荒れちゃうわ!」

心「贅沢な悩みだけど、深刻な悩みだな☆……本当に」


瑞樹「――と、言う訳で! 楽しい話しましょ!」

瑞樹「そうねぇ、とときら学園成功の秘訣! なんてどう?」


武内P「えっ!?」


楓「ふふっ! 視聴率低迷を解決するため、秘訣を聞く、うふふっ!」ニコッ!


武内P「……成る程、わかりました」

武内P「何かの参考になれば、幸いです」

485: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 23:34:40.47 ID:w6Rq2cRFo
武内P「――まず、司会の十時さんの存在が大きいです」

武内P「川島さんと一緒に、ブレインズキャッスルで司会を務めていた経験」

武内P「当然ですが、人気、知名度共に申し分ありません」

武内P「冠番組を持つのに、相応しい方だと考えていました」

武内P「……服を脱ぐ事も、生徒役は小さな方が多いので控えているようです」


瑞樹「リニューアル前は、KBYDの三人とも一緒だったしね!」

瑞樹「当然、色々と鍛えられてるわ!」


武内P「――そして、佐々木さんも同様です」

武内P「新人や、メディアへの露出が少ない方が多い中――」

武内P「――ブルーナポレオンとして、活躍なさっていた」

武内P「内部改革により、活動の機会が減っていたようなので……」

武内P「……スケジュールの調整が出来、助かりました」


瑞樹「千枝ちゃん、すっごく良い子よね!」

瑞樹「お悩み相談も真剣に答えてるの、わかるわー!」

瑞樹「……わかるわ」

486: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 23:47:40.57 ID:w6Rq2cRFo
武内P「――次に、凸レーションのメンバーの三人です」

武内P「諸星さんは司会、そして、あんきランキングでも活躍されています」

武内P「あんきランキングで特集された物の売上が伸びる、という現象も」

武内P「城ヶ崎さん、赤城さんは、それぞれ同年代の方に人気が」

武内P「とときら学園での活動以外での影響が、かなり大きいように思えます」


瑞樹「良いわよねぇ、あんきランキング」

瑞樹「あれって、あの二人が案を出したりしてるのよね」


武内P「企画面に関しては、その年齢ならでは、という考え方を」

武内P「『PikaPikaPoP』とのコラボが、良い効果をもたらしていますね」

武内P「余談ですが、凸レーションの三人がデザインした商品も発売する予定です」

武内P「お互い、宣伝効果と売上が伸びる……良い、コラボになりました」


瑞樹「わかるわ」

瑞樹「『PikaPikaPoP』、最近凄く業績を伸ばしてるらしいしね」

487: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/04(水) 23:54:40.41 ID:w6Rq2cRFo
武内P「他のメンバーの方も、とても個性的です」

武内P「シンデレラプロジェクトに協力してくださっている、市原さん」

武内P「彼女は、仲の良い三船さんに何かしようと言っているらしいですが……」

武内P「……内緒でごぜーます、と」


瑞樹「ふふっ、楽しそうじゃない!」

瑞樹「まだあるの?」


武内P「はい」

武内P「臨海学校スペシャルが、非常に好評でしたので」

武内P「山登り遠足スペシャル、スキー合宿スペシャルの企画も進行中d」


瑞樹「――もういいわ」


武内P「えっ?」


瑞樹「……やめて、折れそう」


武内P「は、はあ……」

488: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/05(木) 00:01:19.52 ID:d1shjCiNo
菜々「ほ……本当に、いい番組ですよね!」

武内P「え、ええ……」

心「雑誌で特集される事も多いしな☆ ほんとよく見る」

武内P「皆さん、楽しんでらっしゃいますから」

楓「キラキラした、素敵な笑顔をしてますよね」

武内P「はい。良い、笑顔です」


瑞樹「…………」



早苗「いやー、ごめんごめん! 遅くなって!」

早苗「駆けつけ三杯! とりあえずルービーね! ルービー!」ペカー!



瑞樹「……早苗ちゃぁぁん!」ピー!



早苗「えっ!? 何!? 何なの!?」

489: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/05(木) 00:09:24.35 ID:d1shjCiNo
瑞樹「とときら学園、すっごく楽しそうなの!」

早苗「へー、そうなの?」

瑞樹「軽いわ! もっと真面目に!」

早苗「えっ、飲み物来てからじゃダメ?」

瑞樹「とときらみたいに、伸び伸びした楽しい仕事がしたいわ!」

早苗「?」


早苗「とときら学園に出る、じゃダメなの?」


瑞樹「……」

瑞樹「えっ!?」


早苗「今日は湿気が凄いわよねぇ!」

早苗「こういう日は、絶対にルービー! 間違いなし!」

490: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/05(木) 00:14:30.33 ID:d1shjCiNo
瑞樹「私が……とときらに?」


早苗「あっ、きたきたルービーきたー ♡」

早苗「はい、カンパーイ♪」


菜々・心・武内P「か、カンパーイ……」

楓「カンパーイ♪」

瑞樹「はいカンパイ! 早苗ちゃん!?」


早苗「ングッングッングッ……プハーッ!」

早苗「あーっ ♡ 喉渇いてたから染み渡るぅ~っ ♡」


瑞樹「聞いて!?」

491: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/05(木) 00:26:37.26 ID:d1shjCiNo
瑞樹「出るって……ゲストで!?」

早苗「菜々ちゃんも出たんだし、平気平気」

菜々「なっ、ナナは17歳ですけど!?」

心「パイセンがいけたんだから……はぁともいけるな☆ いけて!?」


瑞樹「スモック、着る気!?」

早苗「あはは! 放送時間帯的に、セクシーすぎるかしらねー!」

楓「愛梨ちゃんも露出が多いですし、大丈夫だと思います」

早苗「普段の衣装に比べれば、全然大人しいわよ! 子供服だけど!」


瑞樹「……ふふっ、もう!」

瑞樹「わかった、私の負けよ」


瑞樹「――出るわ、とときら学園!」


武内P「……」

武内P「えっ?」

493: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/05(木) 00:59:36.99 ID:d1shjCiNo
武内P「すみません、あの……! 話の流れが……!」


早苗「えっ!? なら、あたしも出たいんだけど!」

瑞樹「わかるわ。人気番組だものね」

菜々「二度目のゲストかー! 楽しみです、キャハッ!」

心「パイセンパイセン、前に出た時はどんな感じだった? 教えて☆」

楓「ふふっ! 園児になる、エンジンがかかりましたね、うふふっ!」


武内P「……!?」

武内P「わ、私の一存では……決められないので……!」

武内P「確かに、両方の番組に良い刺激になるかも知れませんが!」



瑞樹「数字、稼ぐわよー♪」ニコッ!

菜々・心・楓・早苗「はーい♪」ニコッ!



武内P「あまりに刺激が強すぎます!」




おわり

511: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:19:25.56 ID:6gW+hdVIo
書きます


武内P「とときら学園うさぎ組、ですか」

512: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:24:01.38 ID:6gW+hdVIo
仁奈「はいでごぜーます!」

千枝「ダメ……ですか?」

武内P「私は、良い案だと思います」

仁奈・千枝「!」パアアッ!


亜里沙「す、すみません……!」

亜里沙「急に押しかけて、こんな事を……!」ペコペコ!


武内P「いえ、そんな事はありません」


仁奈・千枝「やったーっ♪」ニコニコッ!


武内P「……良い、笑顔をしていますから」

513: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:29:01.11 ID:6gW+hdVIo
仁奈「亜里沙せんせーと、一緒にお仕事するですよ♪」ニコニコッ!

千枝「えへへ♪ すっごく、楽しみです♪」ニコニコッ!


亜里沙「仁奈ちゃん、千枝ちゃん……」ジーン…!

亜里沙「――ウサウサ! 泣いちゃ駄目ウサ!」

亜里沙「――こういう時には、笑顔ウサ~!」

亜里沙「そうよね……ウサコちゃんの言う通りだわ!」

亜里沙「――ウサウサ!」

亜里沙「ありさ先生も、とっても楽しみよ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

514: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:34:26.98 ID:6gW+hdVIo
千枝「みんな、きっと喜んでくれます♪」

亜里沙「うふふっ♪」

仁奈「ウサコちゃんにも、新しい仲間が出来やがります♪」

亜里沙「新しい仲間?」


千枝「あっ、確かにそうかも!」

仁奈「きっと、すっげー仲良くなるですよ!」


亜里沙「ありさお姉さんじゃなくって……」

亜里沙「……ウサコちゃんに?」


武内P「……」

515: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:38:08.42 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「ねえねえ、どんな仲間が増えるのかな?」

仁奈・千枝「えへへへ……!」ニコニコッ!


亜里沙「あっ、内緒にするつもりなの~?」

亜里沙「――気になるウサ~! 教えて欲しいウサよ~!」

亜里沙「ウサコちゃんも気になる?」

亜里沙「――ウサウサ! 教えて欲しいウサ~!」

亜里沙「仁奈ちゃん、千枝ちゃん。教えてくれるかな?」


武内P「……」

516: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:42:01.04 ID:6gW+hdVIo
千枝「じゃあ……せーの、で呼んじゃおうか?」

仁奈「はいっ♪ でも……出てきてくれるかな~?」

千枝「きっと来てくれるよ! 大きな声で呼んでみよう?」

仁奈「わかりやがりました! でっけー声で呼ぶでごぜーます!」


亜里沙「えっ? 今、呼んだら来るの……?」

亜里沙「――どういう事ウサ~?」


仁奈・千枝「せーのっ――」

仁奈・千枝「――黒ぴにゃこらた~っ!」



「……ぴにゃ~っ?」



亜里沙「……」

亜里沙「えっ?」

517: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:48:07.43 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「今の声、って……」


「ぴにゃ……ぴ~っ……ぴにゃふ~っ……」


千枝「あっ、寝ちゃう! 起きて起きて!」

仁奈「亜里沙せんせーも、一緒に起こしてくだせー!」

亜里沙「えっ? えっ?」

千枝・仁奈「せーの、で! 黒ぴにゃこらた~、って!」

亜里沙「は、はい!」


武内P「待ってください、今はうさぎ組の企画を考え――」


仁奈・千枝「せーの!」

仁奈・千枝・亜里沙「黒ぴにゃこらた~~っ!!」


黒ぴにゃ「――ぴにゃぴっぴ!」

武内P「……起きて、しまいましたか」


亜里沙「……あの」

亜里沙「その右手の……黒ぴにゃのパペット……ですか?」

518: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 21:54:04.54 ID:6gW+hdVIo
黒ぴにゃ「ぴにゃぴ~!」フリフリ!

千枝「久しぶり~♪ 元気にしてた?」ニコニコッ!

黒ぴにゃ「ぴにゃ~っ!」ムキムキッ!


黒ぴにゃ「ぴ~にゃ~っ!」フリフリ!

仁奈「仁奈達は、すっげー元気にしてたです♪」ニコニコッ!

黒ぴにゃ「ぴにゃぴ!」グッ!


武内P「……持田さん、すみません」

武内P「企画に関しての話は、少し待って頂けますか?」


亜里沙「へっ!?」

亜里沙「は……はあ……腹話術、上手いですね……」

亜里沙「――頑張るウサ! ここが、頑張り時ウサ~!」

亜里沙「! そうよね……!」


亜里沙「新しい仲間になるために……頑張らなきゃ!」

519: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:00:31.00 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「こんにちは~♪ 始めまして♪」ニコッ!

亜里沙「――はじめましてウサ!」


黒ぴにゃ「ぴにゃ~っ?」

武内P「彼女は、持田亜里沙さん。346プロに所属するアイドルの方です」

武内P「そして、お友達のウサコさんです」

黒ぴにゃ「ぴにゃ~っ!」コクコク!

黒ぴにゃ「ぴにゃぴっぴ!」ペコリ!


千枝「ふふふっ♪ お辞儀、すっごくカワイイなぁ♪」ニコニコ!

仁奈「かっけー! 大人っぽいお辞儀でごぜーます!」パアアッ!


亜里沙「っ……!?」

520: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:07:28.14 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「……黒ぴにゃくん、で良いのかな?」

黒ぴにゃ「ぴにゃぴっぴ! ぴにゃ~っ!」コクコク!

亜里沙「ええっ、と……」

亜里沙「――ごめんウサ~……何て言ってるかわからないウサ~……」


仁奈「亜里沙せんせー! 黒ぴにゃこらたは、ぴにゃしか言えねーです!」

千枝「身振り手振りはするけど……それが、ちょっと残念なんです」


亜里沙「……ううん、そんな事ないよ♪」ニコッ!

亜里沙「――言葉が通じなくても、友達になれるウサ~!」

亜里沙「ねっ? ウサコちゃんも、こう言ってるから♪」ニコッ!


仁奈・千枝「……はいっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

521: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:13:02.77 ID:6gW+hdVIo
黒ぴにゃ「ぴにゃ~」

武内P「えっ?」

黒ぴにゃ「ぴにゃっ! ぴにゃにゃっ! ぴ~にゃ~っ!」

武内P「……しかし」


仁奈・千枝「……?」

亜里沙「黒ぴにゃくん、何て言ってるんですか?」

亜里沙「――ぴにゃぴにゃ言ってるウサ!」


黒ぴにゃ「ぴにゃっ!」コクリ!

武内P「……ええ、そうですね」


黒ぴにゃ「――実は僕、喋れるぴにゃ~っ!」バンザーイ!


仁奈・千枝「!」

亜里沙「!?」

522: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:18:23.73 ID:6gW+hdVIo
千枝「黒ぴにゃくん、喋れたの!?」

黒ぴにゃ「ちょっとぴにゃっちゃって、日本語は得意じゃないぴにゃ~」

仁奈「そんなことねーです! ペラペラでやがりますよ!」

黒ぴにゃ「ビックリさせないように、内緒にしてたぴにゃ~」


武内P「……皆さんの、輝くような笑顔」

武内P「それを見ていたら、お話をしたい、と」

武内P「……そう、彼が」

黒ぴにゃ「ぴにゃ~っ! ぴにゃ~っ! 内緒って言ったぴにゃ~っ!」バタバタ!


仁奈・千枝「あははははっ!」ニコニコッ!


亜里沙「っ……!?」

523: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:24:44.34 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「よ、良かったねウサコちゃん! お話、出来るよ!」

亜里沙「――やったウサ~! 仲良くするウサ!」

スッ…


黒ぴにゃ「ぴにゃっ! こちらこそぴにゃ~っ!」

ぐぐっ…!

黒ぴにゃ「ぴにゃっ! 握手するぴにゃ~っ!」

ぐぐっ…!

黒ぴにゃ「……ぴにゃっぴ! 近づいてくれないと、握手出来ないぴにゃ~っ!」

武内P「す、すみません……!」


仁奈・千枝「ふふふっ! あははははっ!」ニコニコッ!


亜里沙「っ……!?」

524: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:31:09.07 ID:6gW+hdVIo
黒ぴにゃ「ぴにゃぴっぴ!」

亜里沙「――……よろしくウサ~!」

亜里沙「うふふっ……ウサコちゃん、良かったね」


千枝「黒ぴにゃくんは、これからはお喋り出来るの?」

仁奈「やったー! もっともーっと楽しくなりやがりますね♪」


黒ぴにゃ「……ごめんぴにゃ~」

黒ぴにゃ「お話出来るのは、ちょっとの間だけぴにゃ……」

黒ぴにゃ「……僕も、もっとお話したかったぴにゃ~」


仁奈・千枝「え~っ!?」


亜里沙「!」

525: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:38:11.17 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「やっぱり、お仕事がありますもんね!」

亜里沙「――ウサウサ! お話してばっかりもいられないウサ!」

亜里沙「プロデューサーさんも、右手が塞がっちゃいますし!」

亜里沙「――ウーサウサウサ! 残念ウサ~!」


仁奈・千枝「……」


黒ぴにゃ「僕が喋れてるのは、笑顔の力ぴにゃ!」

黒ぴにゃ「二人が、もっとも~っとぴにゃ~っと素敵な笑顔で!」

黒ぴにゃ「パワー・オブ・スマイルを集めてくれれば!」

黒ぴにゃ「い~っぱい、お話出来るようになるぴにゃ!」


仁奈・千枝「!」


亜里沙「理由が可愛い!」

武内P「いえ、あの……私に言われましても……!」

亜里沙「じゃあ、他に誰に言うんですか!?」

526: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:46:03.80 ID:6gW+hdVIo
千枝「パワー・オブ・スマイルは、どうすれば集まるの?」

黒ぴにゃ「良い子でいれば、集まるぴにゃ!」

仁奈「はい! 仁奈、良い子にするでごぜーますよ!」

黒ぴにゃ「ぴにゃぴにゃ!」


武内P「……すみません、もう時間が」


黒ぴにゃ「ぴにゃっ!?」

黒ぴにゃ「急がないと、ハンバーグ早食い競争に遅刻しちゃうぴにゃ!」

黒ぴにゃ「遅刻したら、悪い子になっちゃうぴにゃ~っ!」


仁奈・千枝「!」


亜里沙「……」

527: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:52:36.21 ID:6gW+hdVIo
黒ぴにゃ「それじゃあ……ぴにゃぴー!」フリフリ!


仁奈・千枝「あ……!」


亜里沙「……ぴにゃぴー?」

亜里沙「――意味がわからないウサー」


黒ぴにゃ「またね、って意味ぴにゃ!」


仁奈・千枝「――!」

亜里沙「……」


黒ぴにゃ「二人共! 笑顔ぴにゃ!」

黒ぴにゃ「それと、先生の言うことを聞くぴにゃ~っ!」


仁奈・千枝「……うんっ!」ニコッ!


黒ぴにゃ「それじゃあ……ぴにゃぴー!」フリフリ!


仁奈・千枝「ぴにゃぴー!」フリフリ!


亜里沙「……ぴにゃぴー」

528: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 22:58:15.30 ID:6gW+hdVIo
千枝「黒ぴにゃくん……間に合うかな……」

仁奈「走るの、すっげー遅そうでごぜーます……」

武内P「大丈夫です」

仁奈・千枝「えっ?」


武内P「――笑顔です」

武内P「お二人が、笑顔で信じていれば……」

武内P「……彼は、きっと間に合います」


仁奈・千枝「……!」

仁奈・千枝「はいっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「それに、彼は育ち盛りで……食には関心がありますから」


仁奈・千枝「……」

仁奈・千枝「あはははっ!」ニコニコッ!


亜里沙「……」

529: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 23:11:29.94 ID:6gW+hdVIo
武内P「……では、先程の話の続きをしましょうか」

仁奈・千枝「はいっ」

亜里沙「……」


仁奈「亜里沙せんせー! どうしやがりますか?」

千枝「強引につれてきちゃったから、ちゃんとお話を……」


亜里沙「ねえ、ウサコちゃんはどうしたら良いと思う?」

亜里沙「――ぉうひょっほぇんふぅ」

亜里沙「……駄目! 出来ない!」

…がくっ!


仁奈・千枝「!?」


武内P「も、持田さん……!?」

532: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 23:18:22.84 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「声のトーン、全然違ったじゃないですか!」

武内P「えっ? 声のトーン……誰と、ですか?」

亜里沙「黒ぴにゃこらたと! ダンディだけど、コミカルで!」

武内P「はあ……今度、伝えておきます」

亜里沙「っ……!」


仁奈「黒ぴにゃこらたは、歌もうめーでごぜーます!」

千枝「ふふっ! 踊りも踊れるんですよ!」


亜里沙「……まっ」

亜里沙「――マジウサ!?」

533: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 23:24:09.45 ID:6gW+hdVIo
亜里沙「ごめんね……仁奈ちゃん、千枝ちゃん」

仁奈・千枝「えっ?」

亜里沙「ありさ先生……ううん」

武内P「持田さん……?」


亜里沙「――ありさお姉さん、やるべき事が出来たウサ」

亜里沙「ウサコちゃんの言う通りなの」

亜里沙「だから……一緒にお仕事するのは、もう少し待って欲しいんだ」

亜里沙「……ごめんね、ワガママ言っちゃって」


仁奈・千枝「……」


武内P「……やるべき事、ですか」

534: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 23:31:42.25 ID:6gW+hdVIo
千枝「……はい! わかりました!」

仁奈「……待ってるでごぜーます!」


亜里沙「二人共……!」ウルッ!

亜里沙「――ありがとうウサー!」


武内P「持田さん……わかりました」

武内P「貴女のやるべき事が終わり――本当の笑顔になれた時」

武内P「その時が……とときら学園うさぎ組、始動となります」


亜里沙「はいっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

535: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/07(土) 00:40:04.68 ID:OZFUGjRpo
  ・  ・  ・

ちひろ「――とときら学園うさぎ組、遂に始動しましたね♪」

武内P「はい、皆さん……とても良い笑顔をしています」

ちひろ「亜里沙ちゃんとも、何度も打ち合わせを……」

武内P「打ち合わせ、ですか?」

ちひろ「打ち合わせじゃないなら……何をしてたんですか?」


武内P「先生として、レッスンを」

武内P「持田さんが、今後のためにやるべき事だ……と、強引に」


ちひろ「……もしかして、コミュニケーションに関する事ですか?」

ちひろ「最近、前よりも小さい子と仲が良くなりましたもんね♪」

ちひろ「……ふふっ♪ きっと、手を焼いたでしょうね♪」クスクスッ!


武内P「いえ、そんな事はありません」


ちひろ「……本当ですか?」



武内P「とても優秀な生徒でした」




おわり



次回 武内P「キスします」 後編