ハンジ「戯れも」リヴァイ「幾星霜」 中編

671: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/14(日) 22:34:09 ID:PaltPUOU

【だいすき】


「うう……もう飲めねぇ」

「くごー」

「」チーン

ナナバ「死屍累々って感じだね」

リヴァイ「その中にメガネが混じってやがるのが問題だ」

ハンジ「うーん、もう飲めない」ペッショリ

ミケ「途中で飲み合いやってたな」

エルヴィン「勝ってたな」

引用元: ・ハンジ「戯れも」リヴァイ「幾星霜」 




劇場版「進撃の巨人」Season 2~覚醒の咆哮~
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672: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/14(日) 22:35:39 ID:PaltPUOU

リヴァイ「クソメガネが」

ハンジ「あー、りばいだぁーりばいー」ウヘヘー

リヴァイ「…………」

ハンジ「ねぇねぇ、りばいー」

リヴァイ「……なんだ」

ハンジ「ええっとね、ふふふふー」

リヴァイ「酔っ払いは要領得ねぇな」

ハンジ「もちょっとこっちに来てよ」オイデオイデ

リヴァイ「はぁー、なんだ」ズイッ

673: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/14(日) 22:37:11 ID:PaltPUOU

ハンジ「あのね、…………」ヒソヒソ

リヴァイ「……………………」

ハンジ「……ふひひっ」

リヴァイ「…………チッ、クソメガネっ」

ナナバ「……いちゃついてるねぇ」

ミケ「いちゃついてるな」

エルヴィン「俺の誕生日だというのに見せつけてくれるな」

リヴァイ「……うるせぇ」

ハンジ「んっふふふふふー」



674: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/14(日) 22:38:09 ID:PaltPUOU

【堂々とあまあま】


リヴァイ「戻る」グイッ

ハンジ「ふにゃー」

ナナバ「んー、気をつけて」

ミケ「途中で落とすなよ」

エルヴィン「部屋まで届けろよ」

リヴァイ「当たり前だろうが」

エルヴィン「どうだかな」ニヤニヤ

リヴァイ「クソ気持ち悪ぃツラしやがって」チッ

エルヴィン「元々こういうツラだよ」

リヴァイ「言ってろ。おら、ハンジ、立ちやがれ」

675: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/14(日) 22:38:50 ID:PaltPUOU

ハンジ「むーりー。おんぶー」グンニャリ

リヴァイ「クソが。乗れ」スッ

ハンジ「んー」ノシッ

リヴァイ「じゃあな」

ハンジ「じゃあねぇー」

ナナバミケエルヴィン「「「…………」」」

ナナバ「飲み会の度にあんな感じね」

ミケ「公然といちゃついてるな」

エルヴィン「まぁ、一応周りが飲み潰れてるのを確認しているようだがな」

ナナバ「妙なところで冷静だね」

ミケ「俺達には見せつけてるのか」

エルヴィン「本当に困った夫婦だ」



678: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:48:10 ID:qofvs.Kw

【応援】


――壁外調査――


ドドドドドドド……


エルヴィン「くっ、全員着いてきているか?」

ミケ「少し隊列が伸びているな」

エルヴィン「……もう少しで壁に着く」

ミケ「見渡す限りでは巨人はいないが……」スンッ

679: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:48:52 ID:qofvs.Kw

エルヴィン「どうだ?」

ミケ「殿(しんがり)付近がヤバそうだ」

エルヴィン「殿……リヴァイか」

ミケ「奴の事だから大丈夫だとは思うが……」チラッ

エルヴィン「…………行ってくれ。無理はするな」

ミケ「了解だ」ガッ!

馬「ヒヒーンッ!」

エルヴィン「………………頼んだ」



680: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:49:39 ID:qofvs.Kw

【まさか】


――壁内:調査兵団駐屯地――


ガヤガヤ……イテェ、クソッ、オイ!ダレカコイツヲ!……


ハンジ「…………」キョロッ

ハンジ(今回、殿(しんがり)が巨人に襲われたと聞いた……)

ハンジ(リヴァイ……)

ハンジ「…………いや」フルフルッ

ハンジ「心配なんていらないさ。そうさ、彼なら大丈夫………………」

ハンジ「…………」

ハンジ(…………そんな保障、どこにあるって言うんだっ!)ギリッ

681: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:50:38 ID:qofvs.Kw

ハンジ「……リヴァイ、どこにいるんだ」キョロキョロ

ネス「おい、ハンジ」

ハンジ「ネス! 無事だったんだね! 良かった。ねぇ、リヴァイを知らないかい?」

ネス「――っ、怪我をしたと聞いてるが……」

ハンジ「!!」

ネス「詳しい事は聞いてねぇ。向こうに運ばれたら――」

ハンジ「!」ダッ!

ネス「あ、おいっ!」

ハンジ「教えてくれてありがとう!!」

ネス「……おう」



682: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:51:08 ID:qofvs.Kw

【無事?】


ハンジ「リヴァイ!!?」バタンッ!

ミケ「しっ!」

ハンジ「――っ」

リヴァイ「」スゥスゥ

ハンジ「リヴァイ……?」

ミケ「薬が効いて寝ている。ついさっき寝入ったばかりだ」

ハンジ「……怪我、したって」

683: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:51:38 ID:qofvs.Kw

ミケ「ああ。巨人が……捕まえた兵士を投げた。それに別の兵士がぶつかってリヴァイの方へ飛んだ」

ハンジ「奇行種?」

ミケ「多分な」

ハンジ「……」

ミケ「…………飛んできた兵士はリヴァイが助けたがそいつのブレードがかすってな。傷はそう深くはないが縫った」

ハンジ「そう」ソッ

リヴァイ「」スゥスゥ

ミケ「念の為、薬も飲ませたんでな。それで寝ているだけで命に別状はない」

ハンジ「……うん」ナデ…



684: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:52:14 ID:qofvs.Kw

【よかった】


ミケ「……ハンジ、ここを任せていいか?」

ハンジ「えっ? でも」

ミケ「ある程度処理を終えたからここに来たんだろう? 俺は処理がまだだ。ここを頼む」

ハンジ「……ん、分かった」

ミケ「じゃあな」

パタンッ

685: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:52:53 ID:qofvs.Kw

ハンジ「…………」

リヴァイ「」スゥスゥ

ハンジ「リヴァイ……」スッつ

……トクントクントクン……

ハンジ「……心臓、動いてる」ホゥ…

ハンジ「……………………った……」ハァ

リヴァイ「」スゥスゥ



686: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:53:33 ID:qofvs.Kw

【微笑む夢の中】


リヴァイ「――…………ん……」

リヴァイ「……」パチッ

リヴァイ(……天井)

リヴァイ(あぁ、確かブレードが……しくじったな)チッ

リヴァイ(傷を縫って、それから……ミケの野郎に無理矢理薬を飲まされたんだったか)

リヴァイ(せめて自室に移動するべきだったな)

リヴァイ「…………」

リヴァイ「片手が生温ぃな」

ハンジ「」スースー、ギュッ

687: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/21(日) 22:54:09 ID:qofvs.Kw

リヴァイ「…………」

リヴァイ(ずっといたのか? 手を握ったまま……)

ハンジ「」スースー

リヴァイ「…………」

ハンジ「」スースー

リヴァイ(ひでぇ顔してやがる)スッ

ハンジ「……ん」

リヴァイ「……」ナデ…

ハンジ「」スースー

リヴァイ「……心配かけた。悪かったな」ナデナデ

ハンジ「…………ん」スースー…



690: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:36:49 ID:w1updnHY

【先程までの彼女はいない】


ハンジ「――はっ」パチッ

リヴァイ「起きたか」

ハンジ「リヴァイ!!」

リヴァイ「暴れるな、埃が立つ」シワー

ハンジ「あぁ、良かった。リヴァイだ」

リヴァイ「どういうことだ」

ハンジ「怪我、どうだい?」

リヴァイ「大したことはねぇ」

691: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:37:20 ID:w1updnHY

ハンジ「本当に?」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「そっか、良かった」ハァー

リヴァイ「……」

ハンジ「で!」ズイッ

リヴァイ「……なんだ」

ハンジ「どんな子(奇行種)にあったの!?」キラキラ+

リヴァイ「…………あぁ……お前はやっぱりハンジだな、ハンジ・ゾエだ」ハァー

ハンジ「? 当たり前じゃないか。何を言っているんだい?」



692: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:38:03 ID:w1updnHY

【あーん、する?】


ハンジ「ほうほう、そんな子かぁ」フンフンッ

リヴァイ「…………」ハァー

リヴァイ「……ハンジよ」

ハンジ「なんだい?」

リヴァイ「もう夜だ」

ハンジ「おわ!? 本当だ! いつの間に!」

リヴァイ「お前が目を覚ました時にはすでに暗かったな」

ハンジ「ご飯! リヴァイはちゃんと食べないと!!」

リヴァイ「俺は、じゃねぇ。てめぇもちゃんと食え」

ハンジ「待ってて! 食堂行ってくる! 持ってくるから!」

693: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:38:43 ID:w1updnHY

リヴァイ「いい。動ける。行くぞ」

ハンジ「縫ったばかりだろ?」

リヴァイ「激しく動かさなければどうということもない」

ハンジ「でも」

リヴァイ「大丈夫だ」

ハンジ「……分かった。違和感でも感じたら言ってくれよ?」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「…………」ウーン

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「ご飯、私が食べさせた方がいい?」

リヴァイ「…………いらん。手は動く」



694: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:39:22 ID:w1updnHY

【隠せない】


ミケ「…………」スンッ

ミケ「……」

ハンジ「あ、ミケ!」

ミケ「ハンジ」

ハンジ「警戒しなくても風呂には入ってるよ」

ミケ「そうだな」スンッ

ハンジ「もう分かってるとは思うけど食堂に集合ね」

ミケ「ああ」

ハンジ「じゃね」

ミケ「…………」スンッ

ミケ「毎年、有り難いことだな」フッ



695: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:40:15 ID:w1updnHY

【スンスンッ】


「「「ミケ分隊長(さん)、おめでとうございまーす!!!」」」

ミケ「……」スンッ

ハンジ「おいおい、鼻で返事しないで口で返事しなよ」クスッ

リヴァイ「そんなもんだろ、こいつは」

エルヴィン「これでも凄く喜んでるぞ、ミケは」

ミケ「……」スンッスンッ

ハンジ「おや? ミケの翻訳者かな?」

エルヴィン「ははっ、そんなものになった覚えはないが長い付き合いだからな」

696: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:40:57 ID:w1updnHY

リヴァイ「長い付き合いじゃなくても今のは分かるだろ」

ハンジ「男同士の繋がりってやつかい?」

リヴァイ「お前には分かんねぇってのか?」

ハンジ「いや? 分かるけど」

リヴァイ「お前男か」

ハンジ「それ自分に返ってくるからね」

リヴァイ「……」

ミケ「……」ススンッ

リヴァイ「普通に笑え、ミケ」シワー

ミケ「……」スススンッ



697: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:41:30 ID:w1updnHY

【飲み比べ】


ダンッ!

リヴァイ「はっ、やるじゃねぇか」

ダンッ!

ミケ「まぁ、な」

ハンジ「おー、やれやれー」

エルヴィン「あまり焚き付けるなよ、ハンジ。後始末が大変だ」

ナナバ「っていうかリヴァイと酒飲み対決とか不利じゃないの」

エルヴィン「リヴァイはザルだからな」

ハンジ「ザル通り越して枠しか残ってなさそうだよね」

698: ◆uSEt4QqJNo 2018/10/28(日) 22:42:53 ID:w1updnHY

ナナバ「ミケも相当強いけど……」

エルヴィン「リヴァイ相手では分が悪いな」クスッ

ナナバ「笑ってる場合じゃないでしょ」

ミケ「――っ、くそっ……ここまで、か」ガクッ

リヴァイ「落ちたか」

「「「リヴァイ兵長の勝ちだ!!」」」ウオォォ!

ナナバ「あれは賭けてたね」

ハンジ「賭けないわけがないよね。はい、リヴァイに賭けてた奴はどいつだー!」

エルヴィン「胴元はハンジか」

ナナバ「あの子は……」ハァー



701: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:36:54 ID:mTrJuVFo

【軽率】


エルヴィン「しかし……」

ミケ「」グガー

エルヴィン「リヴァイ、責任持ってくれよ?」

リヴァイ「…………俺一人でか?」シワー

エルヴィン「お前が潰したんだ」

リヴァイ「どうせ雑魚寝する奴等で溢れるだろ。転がしておけばいい」フンッ

エルヴィン「誕生日だぞ?」

リヴァイ「…………飾り付けでもすりゃいいのか?」

702: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:37:30 ID:mTrJuVFo

ハンジ「それいいね!!」

リヴァイ「!」ビクッ

ハンジ「ミケ飾り付けちゃえ! よし、そこの賭けに負けた君たち!」ビシッ!

「「「は、はい!!」」」

ハンジ「ミケをそっちに運んでくれ!」

「「「はい!」」」

リヴァイ「…………」

ナナバ「あーあ」

エルヴィン「明日、謝っておけよ」

リヴァイ「………………チッ」



703: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:38:21 ID:mTrJuVFo

【犯人は】


ミケ「……ん」パチッ

ミケ「ここは……食堂、か」

ミケ「あぁ……昨日は……リヴァイに負けたんだったか」ガシガシ

リヴァイ「ミケ」

ミケ「うおっ、いたのか」

リヴァイ「片付けていたところだ」

ミケ「あぁ」

リヴァイ「……それから」

704: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:38:57 ID:mTrJuVFo

ミケ「?」

リヴァイ「すまん」

ミケ「……何がだ?」

リヴァイ「……とにかく、謝ったからな」

ミケ「あ? おい」

スタスタスタスタ…

ミケ「いっちまいやがった……一体何の謝罪………………」

ミケ「…………………………」

ミケ「なんだこれは」

ハンジ「やぁ、おはよう、ミ……ケ……ぶふぉ!!」

705: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:39:30 ID:mTrJuVFo

飾り付けられミケ「ハンジ……」

ハンジ「あ、頭に、リボン付いてるよ! あははは!」

ミケ「…………」ムシリッつリボン

ハンジ「めっちゃくちゃ飾り付けられてる! あははは!」

ミケ「…………犯人は誰だ」

ハンジ「あははは……はー、さぁ? 私あんまり記憶にないからなぁ」ヒィー

ミケ「…………」

ミケ(……おそらくだが、こいつだな)

ハンジ「?」



706: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:40:11 ID:mTrJuVFo

【詫び請求】


ミケ「で、俺は誕生日にも拘わらず飾り付けられた上に床に転がされていたわけか」

リヴァイ「……」

ミケ「飾り付けはハンジがやったんだろう?」

ハンジ「覚えてないです」

ナナバ「ハンジだよ」

ハンジ「ナナバ!」

ナナバ「事実だからねぇ。ま、リヴァイが発端だけどね」

リヴァイ「……軽口を叩いただけだ」

ミケ「まぁいい。大通りの角にある酒店の一品で手を打ってやる」

リヴァイ「!」

ハンジ「げっ、あれ高いじゃん」

707: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:40:57 ID:mTrJuVFo

リヴァイ「チッ、足下見やがって。止めなかった奴も同罪だろ」

ミケ「そうだなぁ……」

ナナバ「ミケ、私ミケの溜まった書類片付けてくるよ。じゃ!」ガタガタッ

ハンジ「あ、逃げた! ズルい!!」

リヴァイ「エルヴィンさえ捕まえられればそれでいい。ナナバはミケがどうにかするだろ」

ハンジ「エルヴィン捕まるかなぁ?」

ミケ「あいつなぁ。無理じゃないか?」

リヴァイ「金出さねぇならハンジが執務室を飾り付けると脅す」

ハンジ「え!? 私!?」

ミケ「脅すのか」



708: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:41:31 ID:mTrJuVFo

【一癖も二癖も】


ミケ「…………」

エルヴィン「……」カリカリ

ミケ「…………脅しに屈しなかったのか」


*飾り付けられた執務室*


エルヴィン「さっきまで頭にリボンが着いてたぞ」カリカリ

ミケ「…………そこまでされて黙っていたのか」

709: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:43:13 ID:mTrJuVFo

エルヴィン「面白いかと思ってな」

ミケ「エルヴィン……お前」ハァー

エルヴィン「実際面白かったぞ? ビビりながら様子を窺いつつリボンを着けるハンジは」

ミケ「…………ここ、どうするんだ?」

エルヴィン「リヴァイが片付けに来るだろ」カリカリ

ミケ「……」

ミケ(結局遊ばれたのか、あいつら)スンッ



710: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:44:11 ID:mTrJuVFo

【回収】


ハンジ「酷い目にあった」グッタリ

リヴァイ「とんだとばっちりだ」

ハンジ「いやいや、リヴァイは当事者でしょ」

リヴァイ「飾り付けしろとは言ってねぇ」

ハンジ「言っただろ、エルヴィン飾り付けろって」

リヴァイ「……そっちか」

ハンジ「ミケの事言ってたの? 酒はまぁ祝いのひとつって事でさ」

リヴァイ「贅沢な奴だ」

ハンジ「あはは! 二回も祝いの贈り物貰ってるからね」

リヴァイ「……お前の酷い目ってのはエルヴィンの方か」

711: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/04(日) 22:45:09 ID:mTrJuVFo

ハンジ「エルヴィンにリボン着けるだなんて狂気の沙汰だよ」ハァー

リヴァイ「あぁ……あれは無い」

ハンジ「リヴァイがやれっつったんだろうが!」

リヴァイ「にしてもあれは無い」

ハンジ「……うん、確かにあれは無い」

リヴァイ「……」ガタッ

ハンジ「? どっか行くの?」

リヴァイ「エルヴィンの執務室を片付ける」

ハンジ「え」

リヴァイ「あのままにしておけるか。汚れる」スタスタ

ハンジ「……そだね」

ハンジ(自ら仕掛けて自ら片付けるのか……いやまぁ、偉いよね)



713: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:13:05 ID:TVSI8syw

1【前方不注意】


ハンジ「でさ! 巨人を固定したあと、」クルッ

リヴァイ「ちゃんと前を見て歩け」

ハンジ「リヴァイが先に行けば問題無しだよ」スタスタ ←後ろ向き

リヴァイ「お前がさっさと行くからだろうが」

ハンジ「……リーチの差か」フム

リヴァイ「てめぇ、足削ぐぞ」

ハンジ「うっは! 怖――――」ガクンッ

リヴァイ「ハンジ!!」ガシッ…

714: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:13:41 ID:TVSI8syw

ハンジ「! 階段……っ」グラッ

リヴァイ「――っ!」グラッ

リヴァイ(しまった! 体勢を崩した。このままでは……)


リヴァイ「チッ!」グイッ、ギュッ
ハンジ「リヴァイ!?」


ドタタタタタタ!!


「リヴァイ兵長!?」

「ハンジ分隊長!?」


 ハンジ「」
リヴァイ「」



715: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:15:01 ID:TVSI8syw

【ここは?】


リヴァイ「…………っ」

エルヴィン「リヴァイ、目が覚めたか」ホッ

リヴァイ「……エルヴィン? ここは……?」

エルヴィン「病院だ。階段から落ちたんだ」

リヴァイ「階段……? ――っ!」ズキッ

エルヴィン「さすがと言うべきか打撲だけで骨に異常はない。……ハンジもな」

リヴァイ「ハンジ? 誰だ、そいつは」

エルヴィン「!! まさか……お前もなのか?」

リヴァイ「俺“も”?」

716: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:15:32 ID:TVSI8syw

…ダダダダダ! バターンッ!!

ハンジ「リヴァイ!!」

リヴァイ「!」

エルヴィン「ハンジ?」

ナナバ「ごめん! 止められなかった!」

ハンジ「君も階段から落ちたそうだね! 大丈夫だったかい!?」ズカズカ

リヴァイ「…………あぁ……思い出した」

エルヴィン「!」

リヴァイ「このところ犬っころみてぇに俺を追いかけ回してる変態メガネか」

エルヴィン「…………そこからか」ガックリ



717: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:16:28 ID:TVSI8syw

3【約3、4年】


エルヴィン「どうやらお前達は記憶を失っているようだ」フゥー

ハンジ「マジか」

リヴァイ「……」

エルヴィン「ああ。困ったな」

ハンジ「記憶喪失だなんて一生に一度も無いかもしれないことだよ!! 貴重な体験だ!!」

リヴァイ「うるせぇ。喜ぶことじゃねぇだろ」

エルヴィン「二人とも身体は大したことは無いようだが、どこまで覚えている?」

ハンジ「ねぇ、リヴァイ。私が隅々まで診てあげるよ!」

リヴァイ「医者が診た。てめぇは必要ねぇ。近づくな、変態メガネ」

ハンジ「いいじゃないか。ちょっとだけだから! ねぇ、いいよね!?」ハァハァ

リヴァイ「いいわけあるか。気持ち悪ぃ、近づくんじゃねぇ」

エルヴィン「……なるほど、その辺りか」



718: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:17:09 ID:TVSI8syw

4【ふりだし?】


ナナバ「エルヴィン、すまないね。リヴァイもいると言ったらすっ飛んで行っちゃって」

エルヴィン「いや、いずれは会わせなければならないしな。それに止められんだろう。気にするな」

ミケ「エルヴィン、様子はどうだ?」ヒョコッ

リヴァイ「!!」

エルヴィン「ああ、ミケ。それがだな…………」カクカクシカジカ

ミケ「……そうか、それで俺は睨まれているのか」

リヴァイ「……」ジロリッ

ハンジ「リヴァイ、ダメだよ。仲間なんだから。泥水にぶち込まれたからっていつまでも根に持つのは良くないよ?」

719: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:17:39 ID:TVSI8syw

リヴァイ「うるせぇな、クソメガネ」

ハンジ「子供じゃないんだから」ジリッ

リヴァイ「微妙に近づいてくるんじゃねぇ! おい、そこのデカヒゲ男」

ミケ「……俺のことか」

リヴァイ「この変態女捕まえておけ。そうしたら許す」

ミケ「許すも何もなぁ」ガシッ

ハンジ「そう言いながら首根っこ掴まないでよ!!」ジタバタ

エルヴィン「ハンジ、リヴァイは君を庇って下敷きになった。
彼は丈夫だが君よりは怪我をしている。大人しくしてくれ」

ハンジ「ぐっ……分かったよ」



720: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:18:59 ID:TVSI8syw

5【今ある目の前の問題】


ミケ「おっと、そうだ。これを持ってきたんだ。ほら」スッ

リヴァイ「?」ガサガサ

ミケ「見舞品だ」

リヴァイ「……紅茶か」ホウ

ミケ「お前が気に入っていると言っていたやつだ」

リヴァイ「……」

ミケ「それで手打ちにして睨むのはやめてくれ」

リヴァイ「もう睨んでねぇ。それにお前に対してどうこうもない」

ミケ「睨んでおいてか」

リヴァイ「……記憶が混乱していた。今はそうじゃないことは思い出した」

ミケ「そうか」フッ

721: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/11(日) 22:20:10 ID:TVSI8syw

リヴァイ「……これは、ありがたくいただいておく」

ミケ「どういたしまして」

リヴァイ「しかし、記憶もそうだが目下の問題は……あいつだ」チラッ


ハンジ「ああー、リヴァイを調べたいよー! 弱っている今なら」

エルヴィン「弱っているところを漬け込むんじゃない」

ハンジ「あ、そうだ! 私もこの部屋に一緒に――」

エルヴィン「駄目だ」

ハンジ「えぇー?」

ナナバ「いや、えぇー?じゃないから」


ミケ「…………確かにな」スンッ

リヴァイ「クソメガネが」チッ



724: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:47:40 ID:w5Tr/eq6

6【戯れとは】


ハンジ「君の方が怪我は重かったはずなのに退院は一緒なんだね」

リヴァイ「鍛え方が違う」

ハンジ「鍛え方でなんとかなるものなの? やっぱり調べ……」ハァハァ

リヴァイ「気持ち悪ぃ……」ゲンナリ

ミケ「リヴァイの方が重いとはいえ元々打ち身の度合いだけだったからな」

ナナバ「入院も検査の為だしね」

ハンジ「ダメかい? ねぇ、ねぇねぇねぇ」ハァハァ

リヴァイ「うざってぇ」ゲンナリ

725: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:48:28 ID:w5Tr/eq6

エルヴィン「お前達、戯れ合うのはそこまでにしろ。本部に戻るぞ」

リヴァイ「お前の目は節穴か。どこが戯れて見える」

ハンジ「よし、戯れてみようか」ガシッ

リヴァイ「触るな、クソメガネ」ベシッ

ハンジ「いってぇ、女性は優しく扱うものだよ?」

リヴァイ「お前のどこが女だ」

ハンジ「エルヴィン、リヴァイが物凄く失礼だ」

エルヴィン「兵士として優れていて凄いと言っているんだろう」

ハンジ「なるほど」ポムッ

リヴァイ「言ってねぇ。耳にクソが詰まってんじゃねぇのか」



726: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:49:27 ID:w5Tr/eq6

【話どころじゃない】


ハンジ「へぇ! エルヴィンが団長、リヴァイが兵士長で私が分隊長か」

リヴァイ「……」

エルヴィン「ああ。だから思い出せないのであれば覚え直してもらわねばならないことが――――」

ハンジ「リヴァイすんごいね!! やっぱり強いもんね! ねぇねぇ、その筋肉さ!」

リヴァイ「うるせぇ、クソメガネ! よだれ垂らして近づくんじゃねぇ!!!」

エルヴィン「…………」

ハンジ「いいじゃないかぁー減るもんじゃなし」

リヴァイ「減る。何かが減る」

エルヴィン「ふぅー…………」

727: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:50:10 ID:w5Tr/eq6

リヴァイ「エルヴィン、こいつを止めろ」

ハンジ「エルヴィン、リヴァイの研究に許可を!」

リヴァイ「ふざけんな! 変態メガネ!!」

ハンジ「ねぇ、エルヴィン!!」

リヴァイ「エルヴィン!」

エルヴィン「……今、君達は恋人同士なのだからあとで思う存分互いに研究し合うといい」ニッコリ

ハンジ「――――」

リヴァイ「――――」

エルヴィン「さて、今後の話なんだが……」

ハンジリヴァイ「「はぁ!!?」」



728: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:50:42 ID:w5Tr/eq6

8【小さな暗雲】


――リヴァイ自室――


リヴァイ「ここが俺の部屋か」キョロッ

リヴァイ「ようやく一人になれた」フゥー

リヴァイ「……」

リヴァイ(幾人か紹介されたが見覚えのねぇ奴等がごろごろいた)

リヴァイ(なのに親しげな目を向けてきやがる)

リヴァイ(落ち着かねぇ)

729: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:51:20 ID:w5Tr/eq6

リヴァイ「……」

リヴァイ(兵士長……そんなよく分からねぇもんになってんのか)

リヴァイ「…………」

リヴァイ(とりあえず俺は巨人を削げばいい。それが仕事だ)

リヴァイ(覚えなければ……覚え直さなければいけねぇもんが多いのは難点だが……それより)

リヴァイ「………………」シワー

リヴァイ(あのクソメガネが俺の女だと?)

リヴァイ(たった数年で頭がイカれたのか? 俺は)

リヴァイ(あの金髪野郎の出任せかとも思ったがミケも、あのナナバとかいう女もそうだと言いやがった)

730: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:51:51 ID:w5Tr/eq6

リヴァイ「……」ハァ

リヴァイ(今日は驚いたからか奴は何もしてこなかったが落ち着いたら何をしでかすか分かったもんじゃねぇ)

リヴァイ(ただでさえ面倒臭ぇ状況だってのに)チッ

リヴァイ(とにかく、金髪野郎を盾にするか)

リヴァイ(奴の言うことなら聞くようだからな)モヤッ

リヴァイ「……?」

リヴァイ(なんだ? 今の感覚は……?)

リヴァイ「……」

リヴァイ(まぁ、どうでもいいか)



731: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:53:32 ID:w5Tr/eq6

9【混乱】


――ハンジ自室――


ハンジ「ふぅ……」

ハンジ(ここが今の私の部屋か)

ハンジ「わりかし片付いてるじゃん」(※リヴァイのお蔭)

ハンジ「……」

ハンジ(紹介された部下に知らない子もいた)

ハンジ(なのに……親しげに話をされる。妙な感覚だ)

ハンジ(…………それに)

732: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:54:28 ID:w5Tr/eq6

ハンジ「…………」

ハンジ「……」ブンブンッ

ハンジ「……今日はもう寝よう」スタスタ

ハンジ(そういや、エルヴィンの爆弾発言は驚いたな)

ハンジ(まぁ、恐らく私を大人しくさせる為の嘘だと思うけど)

ハンジ(…………いや、ミケやナナバ達も肯定してたけど……)

ハンジ(でも有り得ないだろ。だって私とリヴァイだぞ?)

ハンジ(あんなに調べられるのを嫌がってけんもほろろな彼と――――)ハッ

ハンジ「え……………………」

733: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:55:23 ID:w5Tr/eq6

ハンジ「ナンダコレ」

*ベッドにリヴァイくま*どーんっ

ハンジ「う」

エルヴィン『……今、君達は恋人同士なのだから――――』

ハンジ「うああああぁぁぁ!!!///」ガシガシ!!

ハンジ「なにこれぇぇぇ!!!」

ハンジ「え? 何? あれマジだったの!? そんで私どんだけリヴァイ好きなの!?」

ハンジ「なんなの!? なんでくまのぬいぐるみ!?」

ハンジ「意っ味分かんねぇ!!」



734: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:56:34 ID:w5Tr/eq6

10【さらっと進入】


――――バンッ!!

ハンジ「とりあえず水でも飲んで落ち着こう」ハァハァ

リヴァイ「うるせぇぞ、クソメガネ」

ハンジ「うっひょおぉぉう!?」ビクッ!

リヴァイ「だからうるせぇ」シワー

ハンジ「リリリリリリリヴァイ」

リヴァイ「……鳴くな。お前は虫か何かか」

ハンジ「あ、生憎と人間だけども。どうしたの?」

リヴァイ「ドタバタ騒がしい上に奇声がうるせぇ」

735: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:57:09 ID:w5Tr/eq6

ハンジ「え? そんな音や声してた? 何も聞こえなかったけど」

リヴァイ「発生源はてめぇだ。しらばっくれてんじゃねぇ」

ハンジ「あ、私か」

リヴァイ「……何を騒いでやがったんだ」

ハンジ「いや、それが……………………なんでもない」

リヴァイ「今の間はどう考えてもなんでもなくねぇだろ」

ハンジ「いやいや、何かあったとしても君には関係のないことだよ。気にしないでくれ」

リヴァイ「あ?」イラッ

ハンジ「今から水でも飲みに行こうかと思ってね」

リヴァイ「……部屋で何かあったのか?」チラッ

ハンジ「! なん、でもないさ。さ、部屋に戻りなよ。今日は疲れただろう? 早く休みなよ」ササッ ←扉の前に

736: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/15(木) 22:58:20 ID:w5Tr/eq6

リヴァイ「休もうとした矢先にてめぇの所為で起こされた。俺には騒がしい原因を知る権利があるだろ」

ハンジ「騒がしい原因は私。そしてその私は水を飲んだら寝るつもりだ。ほら、問題解決だよ」

リヴァイ「………………」ジトッ

ハンジ「な、何かな?」

リヴァイ「部屋に何がある?」

ハンジ「だ、だからなんでもないって言ってるだろ! 何かあっても君には関係ないよ!!」

リヴァイ「……それは見てみねぇと分からねぇな」スッ、クイッ

ハンジ「えっ?」ヨロッ…クルンッ

リヴァイ「……」ガチャッ

ハンジ「ええっ!? ちょっ、嘘、なんで!? 今目の前にいたのに!?
なんで入れ替わってんの!? あ、ちょっと待てリヴァイ!!!!」



739: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:27:51 ID:IgC9U9aw

【心の内は?】


リヴァイ「ほう、意外と片付いているな」キョロキョロ

ハンジ「リヴァイ! 勝手に入るなよ!」

リヴァイ「で? 原因はなんだ?」

ハンジ「何がだよ」

リヴァイ「てめぇが騒いでいた原因だ。それを排除するなりなんなりすりゃ大人しくなるんだろ?」

ハンジ「…………あれ?」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「もしかして、心配してくれたの?」

リヴァイ「ああ?」

740: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:28:36 ID:IgC9U9aw

ハンジ「物音と私の奇声……もとい、のっぴきならない声?を聞いて気にしてくれたんだろ?」

リヴァイ「………………」

ハンジ「沈黙もまた答えと言うけれどその沈黙は肯定かな?」

リヴァイ「うるせぇ。原因はなんだ」シワー

ハンジ「ふふ、あはははは! 否定しないから答えになっちゃってるよ!
君良い奴だなぁ! 知ってたけどさ!」

リヴァイ「…………」ガシッ

ハンジ「……は?」

リヴァイ「げ・ん・い・ん・は・な・ん・だ」ギリギリ

ハンジ「あいだだだだだ!!! この馬鹿力!! 頭を離せ! いたたたた!!」



741: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:29:10 ID:IgC9U9aw

【躊躇なし】


リヴァイ「で?」

ハンジ「いったいなぁ、もう」ワシャワシャ

リヴァイ「いったい何を騒いでいやがったんだ」

ハンジ「……ある物を見て驚いただけだ。君が見る必要はないよ」

リヴァイ「いいから見せろ」

ハンジ「やだよ」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「プライベートまで晒さなければならない謂れはないよ」フイッ

742: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:29:43 ID:IgC9U9aw

リヴァイ「…………ほぅ?」

ハンジ「な、なんだよ」

リヴァイ「さんざん人のプライベートまで追いかけ回した挙げ句、便所にまでついていこうとしたてめぇが言うのか」

ハンジ「う」

リヴァイ「何を見た」

ハンジ「………………言いたくない」

リヴァイ「ああ?」

ハンジ「いくら私でもあなたの寝室まで進入してないだろ」

リヴァイ「寝室か」ガチャッ

ハンジ「うっぎゃあああぁぁぁ!!!」



743: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:32:01 ID:IgC9U9aw

【焦りと自虐と演技】


リヴァイ「なんだ? これは」

ハンジ「ちょっと! 君、信じられないな!!!」

リヴァイ「ベッドに何を置いてやがる。いやにシーツが盛り上がっているが」

ハンジ「!!」タッ!

リヴァイ「?」

ハンジ「こ、これは、その……」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「…………ぬいぐるみ、なんだ」ポソッ

リヴァイ「あ?」

ハンジ「い、今の私はぬいぐるみなんて置く趣味なんてないんだけど、未来の私は持っているらしくて……」モジモジ

リヴァイ「……」

744: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:32:32 ID:IgC9U9aw

ハンジ「その、私がぬいぐるみなんて、似合わない、だろ?」チラッ

リヴァイ「…………」

ハンジ「だから、恥ずかしくて、ね。とりあえずシーツで覆ったんだ」ハハッ

リヴァイ「……そうか」

ハンジ「こんなことで騒いでしまってすまない。もう騒がないから」

リヴァイ「なんのぬいぐるみだ?」

ハンジ「!? そ、そこまで暴かなくてもいいだろ?
今でもすっごく恥ずかしいんだ! 原因も見せたんだからもう出ていってくれよ」グイッ

リヴァイ「! おい」

ハンジ「いつまで女性の寝室に居座る気だい? さぁ、出ていった出ていった!」グイグイ

リヴァイ「……チッ、出ていくから押すな」

ハンジ(よし! 誤魔化せた!!)



745: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:33:24 ID:IgC9U9aw

【本人からの?】


バタンッ

ハンジ「……はぁぁぁー」

ハンジ(まさか寝室にまで入ってくるとは)

ハンジ(いやまぁ、私もトイレにまでついていこうとしたこともあったけどさ)ポリポリ

ハンジ(でもさすがにこれは見せられないよなぁ)パサッ

*リヴァイくま*

ハンジ「…………」

746: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:34:17 ID:IgC9U9aw

ハンジ「ふふっ、変なの」クスクス

ハンジ「こんなおっきなぬいぐるみどうしたんだろう?」ツンッ

ハンジ「自分で買うとは思えないけど……誰かからの贈り物?」

ハンジ「だとしてもなんでリヴァイに似せてるんだろう?」

ハンジ「いくらリヴァイが……こ、恋人だと」

ハンジ「ごほんっ! いくらそうだとしても貰ったものをこんな風にするなんて…………」

ハンジ「…………」

ハンジ「もしかして……? いや、いやいやいや、まさか。…………まさか、ね?」



747: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:35:05 ID:IgC9U9aw

【優しい人だから】


――朝――

ハンジ「あー疲れてたのかちゃんと寝ちゃった」ノビー

リヴァイ「ちゃんと寝るのが悪いみてぇな言い種だな」

ハンジ「うおっ! リヴァイ!」ビクッ!

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「気配消して近づくのやめてくれよ。心臓に悪い」ハァー

リヴァイ「そりゃ悪かったな」

ハンジ「それ癖なの? どうやってるの? 常にそうできるって凄くない? 
どれだけやったら通常でもそうできるの?」

748: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:35:44 ID:IgC9U9aw

リヴァイ「…………うるせぇクソメガネだな」

ハンジ「あ、つい。ごめんごめん」アハハー

リヴァイ「…………昨日は」

ハンジ「ん?」

リヴァイ「……………………すまなかった」

ハンジ「――――」ビックリ

リヴァイ「……なんだ」シワー

ハンジ「いや、素直に謝罪してくるとは思わなかったから」

リヴァイ「ああ?」

ハンジ「あはは! 気にしなくていいよ。何事もなかったし。本当、君良い奴だよね」ニッコリ

リヴァイ「チッ」

749: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/18(日) 22:36:41 ID:IgC9U9aw

ハンジ「まぁ、私の方が色々やってたからねぇ。人の事を強くは言えないし」

リヴァイ「それは確かにそうだ。少しは自重しろ」

ハンジ「はいはーい」

リヴァイ「ちっとも聞いてねぇな」シワシワー

ハンジ「聞いてる聞いてる」

リヴァイ「……チッ」シワー

ハンジ「…………」

ハンジ(あのぬいぐるみ、やっぱりリヴァイがくれたのかな?)

ハンジ「……」ウーン

ハンジ(……うん、きっとそうだ)クスッ

リヴァイ「?」



752: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:05:46 ID:o8yTm0kc

16【リヴァイ:部下達】


――数日後:リヴァイ執務室――

エルド「こちらが資料です」

リヴァイ「……ああ」

グンタ「お茶でも淹れましょうか? ペトラが淹れますが」

ペトラ「グンタ、あのね」

オルオ「ふっ、ペトラよりも俺の方が美味い茶を淹れられる」

ペトラ「舌を噛み切れ」

エルド「お前ら、騒がしいぞ」

リヴァイ「…………今はいらん」

グンタ「そうですか。いつでも言ってください」

リヴァイ「ああ」

リヴァイ「…………」



753: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:06:19 ID:o8yTm0kc

17【ハンジ:部下達】


――ハンジ執務室――

モブリット「ハンジ分隊長、こちら出来ました。確認をお願いします」

ハンジ「うん」

ニファ「ハンジ分隊長、そろそろお茶にしましょう!」

ハンジ「うん? ああ、そうだね。少し休憩しようか」

ニファ「はい!」ニッコリ

ハンジ「……」

ケイジ「どうかしましたか?」

ハンジ「ん? いや、覚え直すことが多くて書類が進まなそうだなと思ってね」

754: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:06:58 ID:o8yTm0kc

アーベル「そのための俺らですよ。好きに使ってください」

ハンジ「頼もしいね。ありがとう」

ニファ「お茶入りましたよー! ついでに貰い物ですがちょっとしたお茶菓子付き!」

ケイジ「お、気が利くな」

ニファ「まーね!」

モブリット「ああ、これ美味しいよな」

アーベル「ハンジさんの好きなやつだな」

ハンジ「……うん、そうだね。ありがとう、ニファ」ニッコリ

ニファ「いえいえー」ニコー

ハンジ「…………」



755: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:07:32 ID:o8yTm0kc

18【憧憬の目】


――リヴァイ自室――

リヴァイ「…………」

リヴァイ(よく分からんが疲れたな)

リヴァイ(今のところ何も思い出せん)

リヴァイ「…………」

―――
――

756: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:08:19 ID:o8yTm0kc

エルド『本日より補佐に任命されました、エルド・ジンと申します。事情はお聞きしております』

グンタ『同じく、グンタ・シュルツです』

ペトラ『ペトラ・ラルです』

オルオ『お、お、オルオ・ボザドでふゅ!』

ペトラ『オルオ……』

リヴァイ『……悪いな』

エルド『いえ、出来るだけサポートさせていただきます』

グンタ『何でも仰ってください』

リヴァイ『ああ……助かる』

757: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:08:57 ID:o8yTm0kc

―――
――


リヴァイ「…………どいつもこいつもよく分からねぇ目で見やがる」

リヴァイ「…………」

リヴァイ(あいつは……何か思い出せたんだろうか)



758: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:09:35 ID:o8yTm0kc

【訪問】


――コンコンコンッ

ハンジ「はーい」

リヴァイ『俺だ』

ハンジ「リヴァイ?」ガチャッ

リヴァイ「寝てたか?」

ハンジ「いや、まだ早いしね。どうかした?」

759: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:10:15 ID:o8yTm0kc

リヴァイ「いや、どんなもんかと思ってな」

ハンジ「? んーー、記憶のこと?」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「まぁ、入りなよ」スッ

リヴァイ「ああ………………」コツッ、ピタッ

ハンジ「?」

リヴァイ「おい……これは」



760: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:11:02 ID:o8yTm0kc

20【どういうことだ】


リヴァイ「確か退院してすぐ来た時はこんなに荒れていなかったと思うんだが……」

*散らかったハンジ自室*

リヴァイ「なんだこのゴミ溜めは」

ハンジ「ゴミじゃないよ、宝だよ」

リヴァイ「どう見てもゴミ山じゃねぇか。片付けろ」

ハンジ「片付けなくてもどこに何があるか私には分かる! むしろ片付けたら分からなくなるよ!」

リヴァイ「ほぅ? だったらこの資料の下にある資料は何の資料か分かるんだな?」

ハンジ「それ早口言葉みたいだね」

761: ◆uSEt4QqJNo 2018/11/25(日) 22:11:42 ID:o8yTm0kc

リヴァイ「分からねぇのか?」

ハンジ「わ、分かるよ! えっと、あの、あれだよ!」

リヴァイ「分かってねぇじゃねぇか」

ハンジ「記憶無くしてるんだから知らない資料があっても仕方ないだろ!?」

リヴァイ「だったら尚の事片付ける必要があるだろうが」

ハンジ「うぐっ……くそっ! リヴァイに言い負かされるとは……!!」

リヴァイ「それだけお前に非があるということだ。片付けろ」

ハンジ「うへぇ」



764: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:46:45 ID:8UITwuFE

【愚痴】


ハンジ「明日は休みだってのになんだってこんな時間に片付けを……」グッタリ

リヴァイ「ざっくりで終わらせてやっただろうが。本格的には明日やる」

ハンジ「明日もやんのかよ」

リヴァイ「やる」

ハンジ「あーそう。ねぇ、リヴァイ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「ねぇねぇねぇリヴァイリヴァイリヴァイリヴァイー」

リヴァイ「なんだと言っただろうが。うるせぇ」

ハンジ「つーかーれーたー」

リヴァイ「ふざけるな。片付けたのはほとんど俺だろうが」

765: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:47:30 ID:8UITwuFE

ハンジ「そっちじゃなくて、いや、それも慣れない事して疲れたけど」

リヴァイ「お前な」

ハンジ「そうじゃなくて……思い出す作業に疲れた」

リヴァイ「……ああ?」

ハンジ「つーかーれーたーよー」

リヴァイ「…………お前の前には何が見える?」

ハンジ「大量の資料だね」

リヴァイ「全て頭に叩き込むのにどれだけかかる?」

ハンジ「うーん……1ヶ月……いや、2ヶ月かかるかもしれない」

リヴァイ「これだけの膨大な情報が頭に戻って来た方が楽だろう?」

ハンジ「一気にってこと? 何それ、味わいたい」

リヴァイ「ならせいぜい思い出す作業に精を出すんだな」



766: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:48:09 ID:8UITwuFE

【現状確認】


リヴァイ「それで、何か思い出せたか?」コトッ

ハンジ「わぁ! 紅茶だ。ありがとう」

リヴァイ「ついでだ」

ハンジ「――ん~美味しい! こんな特技があったんだね」

リヴァイ「……普通だ」

ハンジ「いやいや、普通じゃないよ。美味しいよ。香りもいいし」

リヴァイ「…………そうか」ズズッ

ハンジ「うん!」

767: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:49:05 ID:8UITwuFE

リヴァイ「……………………で?」カチャッ

ハンジ「ん? 紅茶美味しいよ?」

リヴァイ「違ぇ。何か思い出せたのかって言ってんだ」

ハンジ「あぁ、いやぁ、さっぱりだね」

リヴァイ「そうか……」

ハンジ「リヴァイは?」

リヴァイ「同じくだ」

ハンジ「そっか。まぁ、そんな簡単にはいかないよね」

リヴァイ「そうだな……」



768: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:49:43 ID:8UITwuFE

23【これはいつものこと】


――次の日――

ハンジ「マジでガチ掃除に来るとは」

お掃除リヴァイ「やると言っただろうが」

ハンジ「完璧掃除スタイルだし」

お掃除リヴァイ「当たり前だ」

ハンジ「休みに人の部屋の掃除とか酔狂だね」

お掃除リヴァイ「お前の部屋が汚すぎるのが悪い」

ハンジ「ええ? 私の所為なの?」

モブリット「あれ? リヴァイ兵長」

ハンジ「モブリット」

ニファ「ハンジさんのお部屋の掃除ですか。いつもお疲れ様です!」

リヴァイハンジ「「……」」



769: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:50:24 ID:8UITwuFE

24【これもいつものこと】


ハンジ「……モブリットどうかしたのかい?」

モブリット「昨日お渡しした資料に抜けがありましたのでお持ちしました」

ハンジ「あぁ、ありがとう」

お掃除リヴァイ「お前、休みに資料を読むつもりだったのか」

ハンジ「うん、少しでも知識を付け直しておかないとと思ってね」

お掃除リヴァイ「…………」シワー

ハンジ「……何か言いたげだけど」

お掃除リヴァイ「休みは休めと言ったのはお前だ」

ハンジ「んん?」

お掃除リヴァイ「覚えてねぇのか、そこまでの記憶がねぇのかどっちだ」

ハンジ「そう言われても」

お掃除リヴァイ「休みは好きなことでもなんでもしてちゃんと休めとお前は言った」

770: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:50:59 ID:8UITwuFE

ハンジ「んー……あ、言った気がする」

お掃除リヴァイ「てめぇがちゃんと休んでねぇじゃねぇか」

ハンジ「“これ”も好きなことだし」

お掃除リヴァイ「仕事のひとつじゃねぇか」

ニファ「ふふっ」

リヴァイハンジ「「?」」

ニファ「あ、すみません。いつものお二人だなぁってちょっと嬉しくなってしまって」

モブリット「お二人で行動された方が思い出しやすいかもしれませんね」

ハンジ「!」

モブリット「それでは私達はこの辺で。行こうか、ニファ」

ニファ「はい。では失礼します」

ハンジ「うん……」

リヴァイ「…………」



771: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:51:54 ID:8UITwuFE

25【いつもじゃないいつものこと】


リヴァイ「…………ふぅ」

ハンジ「うっわぁ……すんげぇキレイ」

*ピカピカのハンジ自室*

リヴァイ「まずまずだな」

ハンジ「これで!?」

リヴァイ「休むか。紅茶を淹れてやる」

ハンジ「やった! 待ってる!」

―――
――

772: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/02(日) 22:52:35 ID:8UITwuFE

ハンジ「あー美味しい」ハァー

リヴァイ「……あいつら」カチャッ

ハンジ「ん? モブリットとニファかな?」

リヴァイ「ああ。あいつらも以前の俺達の関係を知っているんだな」ズズッ

ハンジ「……そうだね」

リヴァイ「…………だが」

ハンジ「今の私達はそうじゃない」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「なんというか……そういう扱いをされるとその、」

リヴァイ「戸惑うな」

ハンジ「……うん」



775: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:32:51 ID:AgEodeK.

26【何を考えた?】


ハンジ「……」フム

ハンジ(私がリヴァイと、か)

ハンジ(ん~……言葉は悪いけど基本的に心配してくれたりしてるだけっぽい)

ハンジ(潔癖みたいだけどやれと言うわりになんだかんだ掃除してくれるしな)

ハンジ(聞いた話だと研究をやり過ぎて倒れかける寸前で寝かしつけに来るとか)

リヴァイ「……」カチャッ

ハンジ(何て言うか、世話焼きだなぁ)クスッ

リヴァイ「?」

776: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:34:00 ID:AgEodeK.

ハンジ(見目も悪くはないよね。目付きと眉間のシワはよろしくないけど)ジッ

リヴァイ「??」ズズズズ

ハンジ(よく見ると整った顔してるし)

ハンジ(ちょっと分かりづらいけど気遣ってくれているみたいだし、文句言いながらも心配してくれる)

ハンジ(優しいよな。良い奴だ。立体機動も凄くて強くて。綺麗に翔ぶんだよなぁ)

ハンジ(うーん……そう考えると惚れるってのも有り得なくないのか?)

ハンジ「…………っ」

ハンジ(いや、いやいやいやいや)ブンブン

リヴァイ「???」カチャッ

ハンジ(有り得ないって)



777: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:34:48 ID:AgEodeK.

27【何を考えてんだ】


リヴァイ「……」

リヴァイ(こいつが俺の……か)

リヴァイ(風呂によく入らねぇと聞いた。部屋も汚ぇ。その上奇行種ときたんもんだ)

リヴァイ(どこに惚れる要素があるってんだ)カチャッ

ハンジ「……」クスッ

リヴァイ(? 何笑ってやがんだ)

リヴァイ(…………まぁ、笑った顔は悪くねぇな)

ハンジ「……」ジッ

リヴァイ(?? よく分からんが観察されてるな。奇行の目立つやつだ)ズズズズ

778: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:35:28 ID:AgEodeK.

ハンジ「!」ブンブン

リヴァイ(??? ……何か考えてやがるのか?)カチャッ

リヴァイ(目の離せねぇ奴だな。世話も焼ける)フゥ

リヴァイ(…………だが)

リヴァイ(一緒にいて気が楽ではある。こういう状況でというわけでもなく。前からだ)

リヴァイ(それに……他の奴等と違って初めから妙な目で見ずに“俺達”に話し掛けて来やがったな)

リヴァイ「…………」

リヴァイ(その後も、こいつがチョロチョロうろつくようになっていろんな奴等に話し掛けられることも多くなった)

リヴァイ(そいつらと話す度にあいつは喜んでやがったな)

リヴァイ(おかしな奴だ。それらを恩着せがましくもなくやってのけやがる)

779: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:36:11 ID:AgEodeK.

リヴァイ(なんでも自分の知らないことや気になったことに迷いもなく突っ込んで行きやがる)

リヴァイ(相手がどんな奴でもだ)

リヴァイ(…………そういうところは悪くねぇ。行き過ぎるのは問題だが)

リヴァイ「…………」チラッ

ハンジ「……」ズズッ

リヴァイ(……大人しくしてりゃ見目もそう悪くねぇ。性格も悪くねぇ)

リヴァイ(そう考えると有り得なくはない、のか?)

リヴァイ「…………っ」

リヴァイ(いや、だからと言ってだ)

リヴァイ(有り得ねぇだろ)



780: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:36:51 ID:AgEodeK.

28【数年前の話】


ナナバ「まだ思い出せないんだね」

ハンジ「うん」

ナナバ「難儀だね。大変じゃない?」

ハンジ「んー……多少は。覚え直すのが一番大変だね」

ナナバ「だろうね」

ハンジ「中身はまぁ興味深いものだから楽しく読めてはいるけどね。本も色々新しいのが出てて楽しいし」

ナナバ「ならまだマシかね」

ハンジ「あ、本といえばナタリーに本返さなきゃいけなかったな」

ナナバ「!」

ハンジ「長いこと借りっぱなしで……」

ナナバ「…………」

ハンジ「…………これ、数年前の記憶だね」

ナナバ「……うん」

781: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:38:15 ID:AgEodeK.

ハンジ「あはは! 時々現在(いま)と記憶が擦り合わなくてさ」ヘヘッ

ナナバ「あんたにしてみれば数年前が昨日今日だもんね」

ハンジ「全く、こんがらがっちゃうよ。そろそろ立体機動の演習だね。行かないと」

ナナバ「…………」

ナナバ「……」スッ

ハンジ「ん?」


ナナバ「……」ギュッ
ハンジ「…………」


ナナバ「……」ポンポンッ
ハンジ「…………大丈夫だよ。ナナバ、私は大丈夫」


ナナバ「うん……」ポンポンッ
ハンジ「……」スリッ



782: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:38:54 ID:AgEodeK.

29【壁外のあいつ】


リヴァイ「……」スタスタ

窓||リヴァイ「!」

リヴァイ(立体機動の演習か)


ハンジ「よっしゃ! やるぞー!!」


リヴァイ(やたら張り切ってやがるな)

リヴァイ(そういや、あいつ壁外だとぶっ壊れてやがったよな。確か)

―――
――

783: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:42:22 ID:AgEodeK.

ハンジ『うああぁぁぁ!!』ザシュッ!

ハンジ『はぁ、はぁ、はぁ…………ねぇ』

ハンジ『人間って美味しいの?』ザシュッ

ハンジ『ねぇ、なんで食べるの?』ザシュッ

ハンジ『ねぇ、答えなよ』ザシュッ

ハンジ『ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ
ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ、ねぇ!!』ザシュザシュザシュッ

ハンジ『答えろよっ!!!』ザシュッ!!

巨人『』シュウゥゥゥ

ハンジ『はぁ、はぁ…………くそっ!』

ハンジ『蒸発してんじゃねぇよ』

ハンジ『くそったれめ!』

784: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:43:26 ID:AgEodeK.

―――
――


リヴァイ「…………」

リヴァイ(今のあいつはアレが治まってるのか?)

リヴァイ(しかも壁外調査のあとは死んだような目をしてやがったな)

リヴァイ「…………」

リヴァイ(いや……俺には関係のないことだ)



785: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:44:06 ID:AgEodeK.

30【深夜の徘徊】


――深夜――

リヴァイ「…………」

リヴァイ「………………」

リヴァイ(……眠れねぇ)

リヴァイ「……チッ」

リヴァイ(茶でも飲むか)ガタッ

リヴァイ(……水を汲まねぇといけねぇな)

リヴァイ「…………」フゥ

リヴァイ(散歩がてら行くか)ガチャッ

786: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/09(日) 22:44:41 ID:AgEodeK.

―――
――


スタスタスタスタ……

シーンッ……

リヴァイ(……静かだな。当たり前か)スタスタ

リヴァイ「!」

リヴァイ(食堂に明かり? 誰かいるのか)ソッ


ハンジ「…」


リヴァイ(ハンジ?)

リヴァイ(何してんだ。こんな時間に)



790: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:30:38 ID:jzxblFcI

31【行き掛かり】


ハンジ「…」


リヴァイ(……またあの目でボーッとしてやがる)

リヴァイ(まぁ、俺には関係ないが……)スッ

リヴァイ(関わると面倒だ。戻るか)スタスタ

リヴァイ「…………」スタスタ…

リヴァイ「………………」ピタッ

リヴァイ「……チッ」クルッ

791: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:31:24 ID:jzxblFcI


ハンジ「…………」ボー

ガタンッ

ハンジ「……」

リヴァイ「クソメガネ」

ハンジ「……やぁ、リヴァイ」ヘラッ

リヴァイ「……気色の悪ぃツラしやがって」

ハンジ「元からだよ」

リヴァイ「そんなツラが元からでたまるか。……壁外調査の後でもねぇのになんだ」

ハンジ「壁外の私の方がいいかい?」

リヴァイ「壁内じゃそっちの方が迷惑だが、今の辛気臭ぇお前も迷惑だ」

ハンジ「ふふっ、辛辣だねぇ」



792: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:32:04 ID:jzxblFcI

32【大切な事】


リヴァイ「…………」

ハンジ「…………」

リヴァイ「……どうかしたか」

ハンジ「うん……私達、本当に記憶を失っているんだなって」

リヴァイ「そう言われてただろうが」

ハンジ「そうだね。でも実はみんなでからかってるんじゃないかって少し思ったりもしてたんだ」

リヴァイ「どれだけ暇だ」

ハンジ「……時々感じてはいたけれどちょっと実感したことがあって」

リヴァイ「?」

ハンジ「目を逸らしてたんだけど逸らしちゃいけないことだって気付いて……」

リヴァイ「……何を言いたい」

793: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:32:54 ID:jzxblFcI

ハンジ「いるはずの人がいない。ううん、いたはずの人がいない……きっと、もう、いない」

リヴァイ「…………」

ハンジ「……忘れるって罪だと思わないか?」

リヴァイ「…………思わねぇよ」

ハンジ「そう?」

リヴァイ「忘れたくて忘れたわけじゃねぇ。取り戻そうともしている。罪であってたまるか」

ハンジ「――――ふっ」

リヴァイ「?」

ハンジ「あはは、やっぱりあなたは良い奴だ。それに優しい」

リヴァイ「ああ?」

ハンジ「うん、そうだね。思い出す。……絶対だ」

リヴァイ「……」



794: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:33:35 ID:jzxblFcI

33【借りたいもの】


ハンジ「……ねぇ、リヴァイ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「ありがとう」

リヴァイ「…………別に、何もしてねぇ」

ハンジ「うん、ありがとう」

リヴァイ「…………チッ、礼を言うなら泣くんじゃねぇよ」

ハンジ「えっ? あ……」ツー…

リヴァイ「……」ガシッ

ハンジ「?」

795: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:34:08 ID:jzxblFcI

リヴァイ「……」ワシャワシャ

ハンジ「……」

リヴァイ「……」ワシャワシャ

ハンジ「……ね、リヴァイ」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「胸、貸してよ」

リヴァイ「…………」シワー

ハンジ「触りまくったりしないから」

リヴァイ「…………」

796: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:34:47 ID:jzxblFcI

――グイッ

ハンジ「わっ」


リヴァイ「……」
 ハンジ「……」


リヴァイ「……」
 ハンジ「……」ギュッ


リヴァイ「……」
 ハンジ「…………ふっ、うっ」


リヴァイ「…………」ナデ…
 ハンジ「うぅっ…………」ギュゥッ



797: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:35:34 ID:jzxblFcI

34【同じ気持ち】


リヴァイ「……」ナデナデ
 ハンジ「…………」グスッ…


リヴァイ「……」ナデ…
 ハンジ「…………」サワッ…


リヴァイ「…………」
 ハンジ「……」サワサワッ


リヴァイ「……クソメガネ、引っ張っぱたくぞ」ベシッ
 ハンジ「いてっ! もう引っ張たいたじゃないか!」


リヴァイ「うるせぇ」グイッ

ハンジ「せっかくなので筋肉調べようかと思ったのに」

リヴァイ「クソが」

798: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:36:58 ID:jzxblFcI

ハンジ「……はぁ、すっきりした」

リヴァイ「チッ、汚れた」

ハンジ「それっくらい大丈夫だろ? ちっさいなー」

リヴァイ「てめぇ、人にメソメソ縋っておきながらなんだ、その言い草は」

ハンジ「うっ、ごめん。いやぁ、それよりさ、君も感じてるだろ? 周りの雰囲気」

リヴァイ「……」

ハンジ「彼らは今の私達じゃなくて先の私達を見てる。悪気がないことは分かってるよ? でも、ちょっとね」

リヴァイ「……仕方のねぇ事だ」

ハンジ「分かってる……分かってるさ。でもたまに耐えられない気分になることもある」

リヴァイ「……まぁ、分からなくもねぇ」

ハンジ「! そう? そっか……」フフッ



799: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:37:45 ID:jzxblFcI

35【覚えのある事】


ハンジ「あ、そうだ。私今ちょっとだけ思い出したことがあるよ」

リヴァイ「なんだ?」

ハンジ「さっき借りた胸に覚えがある」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「感触とか体温とか匂いとか……鼓動とか。凄く安心できた」

リヴァイ「……」シワー

ハンジ「そんな嫌そうな顔しなくてもいいじゃないか」

リヴァイ「いや……そういうわけじゃねぇ」

ハンジ「ん?」

リヴァイ「俺も、抱き心地に覚えがあった」

ハンジ「――っ!?」

800: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/16(日) 22:38:36 ID:jzxblFcI

リヴァイ「髪の感触も……おい、どうした」

ハンジ「い、言い方が///」

リヴァイ「言い方?」

ハンジ「抱き心地って……///」

リヴァイ「……っ、他にどう言えってんだ」

ハンジ「そ、そうだね。もう、戻るよ。おやすみ」

リヴァイ「あ、ああ」

スタスタスタスタスタ…

リヴァイ「……」

リヴァイ「なんだってんだ、アイツ……赤くなりやがって……」

――ハンジ『抱き心地って……///』

リヴァイ「――っ」

リヴァイ「クソッ、何なんだ」



803: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:13:14 ID:YDb0.7xM

36【意識】


――次の日の朝――

リヴァイ「……! おい、ハンジ」

ハンジ「!?」ビクッ!

リヴァイ「? ハンジ?」

ハンジ「おおおおおおおはよう、リヴァイ」

リヴァイ「お前、どうした」

ハンジ「な、なんでもないよ! いい朝だね!」

リヴァイ「……雨だが」

ハンジ「恵みの雨って言うだろ! じゃあ、また!」スタスタスタスタ…

リヴァイ「…………なんだ、あいつ」



804: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:13:48 ID:YDb0.7xM

37【奇行】


ハンジ「……」スタスタスタスタ

ハンジ「…………」スタスタ…ピタッ

ハンジ「ぬぐおぉぉぉぉ!!」ガシガシガシガシ!

ハンジ(私は、私は一体何をしているんだ!)

ハンジ(物凄い不自然だったじゃないか!)

ハンジ(うわぁぁぁ! でも! リヴァイの前で平静でいられない!!)

805: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:14:32 ID:YDb0.7xM

ハンジ(だって昨夜の食堂! 冷静になってみるとめっちゃくちゃ恥ずかしいじゃないか!)

ハンジ(本当に一体何をしているんだぁぁぁぁぁ!)ガシガシガシガシ

モブリット「…………ハンジ分隊長、そこで何してるんですか」

ハンジ「モ、モブリット」

モブリット「奇行は程々にして、研究室に行きますよ」

ハンジ「あ、うん。今行くよ」

ハンジ(とりあえず、資料読んで落ち着こう)



806: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:15:15 ID:YDb0.7xM

38【お触り厳禁】


――コンコンッ

ハンジ「はーい! 開いてるよ」

リヴァイ「ハンジ、この書類なんだが……」

ハンジ「おおぉ、リヴァイ」

リヴァイ「…………この部分がよく分からなくてな」

ハンジ「あぁ、ここね。ここはこうすればいいんだよ」カリカリ

リヴァイ「あぁ……助かった」

ハンジ「いえいえ、どういたしまして」カサッ

リヴァイ「! ハンジ」スッつ

ハンジ「!?」

807: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:15:59 ID:YDb0.7xM

リヴァイ「……」ツッ…

ハンジ「~~~~」ギュッ ←目を瞑った

リヴァイ「……髪に何付けてんだ。葉っぱ?」

ハンジ「あ……あ、それ、さっき巨人目線で見たら何か閃くかもって木に登った時に付いたんじゃないかな?」アハハ

リヴァイ「……あ?」シワー

ハンジ「どんなふうに見えてるのかなーって思ってさ」

リヴァイ「…………壁内で木から落ちて怪我でもしたらいい笑いもんだぞ、クソメガネ」

ハンジ「ふははは、確かに。気を付けるよ。木だけに」

リヴァイ「とりあえず殴っていいか?」

ハンジ「いいわけないだろ!」

リヴァイ「!」ツッ、クイッ

ハンジ「!!?」

808: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:18:52 ID:YDb0.7xM

リヴァイ「テメェ、頤(あご)の下のところ怪我してんじゃねぇか」シワー

ハンジ「あ、あ///」

リヴァイ「本当にクソメガネだな」

ハンジ「て、手」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「て、はなして///」

リヴァイ「…………」スッ

ハンジ「い、いきなり頤触らないでくれよ。びっくりするだろ」

リヴァイ「……そりゃ悪かったな」

ハンジ「全くだよ! もう! ほら、用は済んだんだろ? 行った行った。忙しいんだ」

リヴァイ「ああ。じゃあな」

リヴァイ「…………」



809: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:22:13 ID:YDb0.7xM

39【もしや】


リヴァイ「…………」スタスタ

ミケ「リヴァイ、どうした?」

リヴァイ「ミケ」

ミケ「何やら悩んでるように見えたが?」

リヴァイ「メガネの様子がおかしいと思ってな」

ミケ「メガネの様子…………あぁ、ハンジか。いつもの事だろう」

810: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:22:47 ID:YDb0.7xM

リヴァイ「いや、あれは…………なるほど」

ミケ「なんだ? 一人で納得して」

リヴァイ「なに、少しばかり面白い事を思い付いただけだ」

ミケ「面白い事、なぁ。ハンジに関してか」

リヴァイ「追いかけ回された仕返しみたいなもんだ」

ミケ「何をするのか分からんが程々にしてやれよ」

リヴァイ「あいつ次第だな」

ミケ「…………やれやれ」



811: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:23:22 ID:YDb0.7xM

40【確かめる】


リヴァイ「おい」

ハンジ「リ、リヴァイ、何か用事かい? 生憎と今からエルヴィンの所に行かないといけないんだ」

リヴァイ「ほう…………浮気か」

ハンジ「な!? 何を言ってるんだよ! そんな仲じゃないだろ!」

リヴァイ「そんな仲だったはずだろ?」

ハンジ「い、今は違うだろ!! 記憶、ないんだから!」

エルヴィン「大声でどうしたんだ?」

812: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/23(日) 22:24:29 ID:YDb0.7xM

ハンジ「エルヴィン! リヴァイがおかしい!」

リヴァイ「失礼なこと言うんじゃねぇ」

エルヴィン「リヴァイ、何をしたんだ」

リヴァイ「別に何も。ちょっと面白い事を思い付いて実行しただけだ」

ハンジ「!? からかったな!!? このくそが!!」

エルヴィン「……リヴァイ、何をしたか分からないが遊ぶんじゃない」

リヴァイ「ついな」

ハンジ「こんの……極悪目付き男がぁぁぁ!!」



816: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:31:59 ID:/7f2JCxw

【妙にねじるな】


ハンジ「ねぇ、リヴァイ。何がほしい?」

リヴァイ「いきなりなんだ」

ハンジ「誕生日だよ。雑巾とホウキで迷ってるんだけど」

リヴァイ「…………」シワー

ハンジ「冗談だって」

リヴァイ「せめて紅茶にしてくれ」

ハンジ「紅茶ねぇ。何が捻りがほしい」

リヴァイ「いらねぇ。貰うのは俺だ」

ハンジ「仕方ない。ホウキの先に紅茶をぶら下げて……」

リヴァイ「普通に渡せ、クソメガネ」



817: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:32:31 ID:/7f2JCxw

【ちょっと期待した】


ハンジ「おお、かっこいい暖炉だね」

リヴァイ「何を暖炉におべっか使ってやがる」

ハンジ「とても美しい造形をしているね。薪も沢山くべれそうで言うこと無しだよ」

リヴァイ「…………本当に使うな」

ハンジ「まぁ、それはともかく。はい、リヴァイ! 誕生日おめでとーう!!!」ズイッ

リヴァイ「…………」

ハンジ「あれ? 気に入らなかった? 雑巾と紅茶」

818: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:33:10 ID:/7f2JCxw

リヴァイ「一緒くたにするんじゃねぇ、このクズメガネが」

ハンジ「ごめんごめん、冗談だって! これ雑巾じゃないから! タオルだから!」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「一部を雑巾風に縫ってみただけ。簡単にほどけるよ」

リヴァイ「…………縫ったら雑巾じゃねぇか」

ハンジ「まぁ、大体は古びた布を縫って作るから似たようなもんだけど、ほら、これほどけるから」シュルッ

リヴァイ「そうか」

ハンジ「……」

ハンジ(おや? もしかして雑巾ちょっと嬉しかったのか?)



819: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:33:48 ID:/7f2JCxw

【喜ぶ顔】


――翌々日――

ハンジ「リヴァイ、これあげるよ」ポンッ

リヴァイ「?」

ハンジ「雑巾だよ。布余ってたから」

リヴァイ「!」

ハンジ「年末の掃除に必要だしね」

820: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:34:18 ID:/7f2JCxw

リヴァイ「ああ、ちょうど足りねぇと思っていたところだ」

ハンジ「そっか。作ってよかったよ」

リヴァイ「助かる」

ハンジ「どういたしましてー」

ハンジ(しかし……なんだか誕生日プレゼントより喜ばれているようで複雑だな)

リヴァイ「…………」フム

ハンジ「……」

ハンジ(でも嬉しそうだからまぁ、いっか)



821: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:34:49 ID:/7f2JCxw

【あれは二人きりだった】



「「「リヴァイ兵長! おめでとうございまーす!!! カンパーイ!」」」


ミケ「……今日は何日だ?」

ナナバ「27日じゃなかったっけ?」

ミケ「随分遅れたな」

ナナバ「リヴァイが休暇取ってたからね」

822: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:35:25 ID:/7f2JCxw

ミケ「あぁ……飲み会くらいできただろうに」

ナナバ「どっかに泊まったらしいよ」

ミケ「泊まり? …………ハンジも休暇取ってたか?」

ナナバ「研究室に籠城って噂を流した上でね」

ミケ「…………面倒臭い奴らだな」

ナナバ「全くだよ」



823: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:36:00 ID:/7f2JCxw

【それは印】


ミケ「……しかし」

ナナバ「何?」

ミケ「次の日でもよかったんじゃないか? 一泊だけだったんだろう?」

ナナバ「…………ミケ、嗅がないと察しが悪くなるの?」

ミケ「?」

ナナバ「多分、昼か夕方までまともに動けなかったんじゃない? ハンジが」

ミケ「…………」

ハンジ「二人とももっとこっちに来なよ」

ナナバ「んー? リヴァイにはもうしばらくしてから祝いの言葉を言うよ。どうせ今揉みくちゃだろ?」

ハンジ「揉みくちゃまではないけど次々に酒を注がれてるみたい。それをふっつーに飲んでる」

ナナバ「リヴァイならではだね」

824: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/25(火) 23:36:30 ID:/7f2JCxw

ハンジ「“てめぇも飲め”って言って周りに飲ましてもいるみたい」

ミケ「それは潰す気だな」

ハンジ「そうそう。リヴァイの周りにゴロゴロ転がってるよ。酔いつぶれたのが」

ミケ「すでに遅かったか」

ハンジ「無謀だよね、リヴァイに絡もうなんて」

ナナバ「……ねぇ、ハンジ」

ハンジ「ん?」

ナナバ「ボタン、上まで止めといた方がいいよ」

ハンジ「え?」

ナナバ「絶妙な所に…………」ゴニョゴニョ

ハンジ「!!!?///」

ミケ「……」スンッ

ハンジ「~~~~っ! あのクソリヴァイっ!」



827: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:40:01 ID:kOCw46nA

【タイミング】


ハンジ「雪降ってる」

ナナバ「ああ、本当だ」

ハンジ「もうすぐ今年も終わりだねぇ」

ナナバ「そうだね。来年まで持ち越さないようにしなよ」

ハンジ「何が?」

ナナバ「リヴァイ」

ハンジ「うっ」

ナナバ「ちょっと見えそうな所に跡付けられたからっていつまで拗ねてんの」

ハンジ「拗ねてないよ。ただ……」

ナナバ「何?」

ハンジ「タイミングとか……」

828: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:40:31 ID:kOCw46nA

ナナバ「バカだねぇ」

ハンジ「だってなんか引っ込みつかなくて」

ナナバ「分かったから今すぐ仲直りしておいで」ポンッ

ハンジ「今すぐ!?」

ナナバ「善は急げだよ。さぁ、行った行った」グイグイ

ハンジ「ちょっ、押さないでくれよ。行く、行くから!」

ナナバ「はい、いってらっしゃい」ポンッ

ハンジ「……ナナバ」

ナナバ「ん?」

ハンジ「ありがとう」

ナナバ「どういたしまして」ニッコリ



829: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:41:10 ID:kOCw46nA

【見える首もと】


ハンジ「リヴァイ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「あーそのぅ」モジモジ

リヴァイ「とりあえず座れ」

ハンジ「あ、ありがとう」ストンッ

リヴァイ「……かくれんぼはおしまいか?」ドサッ

ハンジ「あー……うん」ポリポリ

830: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:41:42 ID:kOCw46nA

リヴァイ「……悪かった」

ハンジ「うん、それは気を付けてほしい。困るし」

リヴァイ「つい調子に乗った」

ハンジ「私もこんなに避けなくても良かったことだった。ごめん」

リヴァイ「いや」

ハンジ「……今日はもうクラバットしてないんだね」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「ふぅん」

リヴァイ「?」



831: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:42:16 ID:kOCw46nA

【沸き上がる衝動】



ハンジ「リヴァイ」ガバッ
リヴァイ「!?」


ハンジ「ごめんね。会いたかったよ」
リヴァイ「…………会ってはいただろう」


ハンジ「二人きりでだよ」
リヴァイ「……そうか」ポンポンッ


ハンジ「…………」ニヤッ
リヴァイ「……」ポンポンッ


ハンジ「――――」チュー!
リヴァイ「!?」ビクッ

832: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:42:51 ID:kOCw46nA


ハンジ「――っぷは! お、やった、付いた!」

リヴァイ「あ? てめぇ、いきなり首に……っ!」ガタッ

ハンジ「ふはは!」

鏡|| リヴァイ「! ……チッ」

ハンジ「ちゃんとクラバットしてないと丸見えだからね! キスマーク」

リヴァイ「てめぇ」

ハンジ「困る? 困るだろう?」クスクス

リヴァイ「……」シワー

ハンジ「これでチャラだ。いいだろ?」

リヴァイ「……分かった」ハァー


ハンジ「ふふふ。好きだよ、リヴァイ」ギュッ
リヴァイ「てめぇは……はぁ」ポンポンッ




833: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:43:32 ID:kOCw46nA

【察する】


ネス「なんだ、酒の席だってのにそのヒラヒラ付けてんのか」

リヴァイ「……寒ぃしな」

ネス「あぁ、確かにな。ってそれ防寒具かよ」

リヴァイ「ついでだ」

ネス「ははは! なんじゃそりゃ」ケタケタ

リヴァイ「……」グビッ

ナナバ「…………ハンジ」

ハンジ「ん? 何?」

ナナバ「あんたもしかして仕返ししたの?」

834: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:45:31 ID:kOCw46nA

ハンジ「んー? なんのことかな?」

ナナバ「どうやって仲直りしていいか分からなかったからってあんた」アキレ

ハンジ「いや、仲直りは普通にしたんだけどなんか悪戯心が」

ナナバ「ますます呆れる」

ハンジ「まぁまぁ」

ナナバ「まぁ、仲直りしたんならいいさ」

ハンジ「……うん」グビッ

ナナバ「…………あぁ、仕返しの仕返しは食らったんだね」グビッ

ハンジ「!」ギクッ



835: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:46:03 ID:kOCw46nA

【最近の恒例】


わはははは! ギャハハハ!!


ハンジ「…………」

リヴァイ「何ぼんやりしてやがる」ガタッ

ハンジ「あれ? 解放されたの?」

リヴァイ「空の酒瓶に説教はじめる奴も現れたからな。抜けてきた」

ハンジ「あはは! それネスでしょ?」

リヴァイ「あいつはいつもああなのか」

ハンジ「そういうわけじゃ……いや、そうかな?」

リヴァイ「それで、ぼんやりしてどうした」

ハンジ「その話続いてたんだ」アハハ

836: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:47:01 ID:kOCw46nA

リヴァイ「まぁな」

ハンジ「いやね、みんなとまた年越せて良かったなぁって」

リヴァイ「年寄り臭ぇな」

ハンジ「酷いな」ケラケラ

リヴァイ「……まぁ、少しは分からなくもねぇが」

ハンジ「リヴァイ年寄り臭い」

リヴァイ「クソメガネ」

ミケ「リヴァイ、置いていくな」ノッソリ

リヴァイ「逃げ遅れる奴が悪ぃ」

ハンジ「ミケ! リヴァイ置いてきたの?」

エルヴィン「徐々にミケの影に隠れて席を立ってたな。ミケ、隣座るぞ」ガタッ

ミケ「リヴァイ、お前……」

837: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:49:10 ID:kOCw46nA

リヴァイ「ちょうど良かったんでな」

ミケ「仲間に裏切られた気分だ」ハァー

ナナバ「おや、集まってるね」

ハンジ「ナナバ! いらっしゃーい!」

ナナバ「いらっしゃいましたよ」ガタッ

エルヴィン「結局集まったな」クスッ

ミケ「まぁ、上官同士集まるのは仕方ないな」グビッ

ナナバ「みんな酒も強いからねぇ」

ハンジ「あ、あと5秒だ」

ナナバ「ちょっ、早っ」

リヴァイ「バタバタだな」

838: ◆uSEt4QqJNo 2018/12/31(月) 18:50:46 ID:kOCw46nA

ミケ「気づいたら明けてたって事もあるしな」

エルヴィン「楽しく過ごせているならいいじゃないか」グビッ

ナナバ「まぁ、そうだけど」

ハンジ「明けたー! おめでとーう!」

おめでとうございまーす!! カンパーイ!!

ナナバ「うわっ、あいつらまだ飲む気だ」

ミケ「毎度のことだ」

エルヴィン「明日ギリギリに帰省すると言っていた連中は寝坊しなければいいがな」

リヴァイ「ここで潰れる奴らは朝叩き起こす。掃除の邪魔だからな」

ハンジ「うーん、どっちがいいんだろうねぇ。寝坊で馬車に遅れるのとリヴァイに叩き起こされるの」

ミケ「究極だな」



840: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:08:32 ID:IDvCh43Y

【後に感謝】


ハンジ「ふわぁー。今朝も寒いなぁ」スタスタ

ハンジ「気がついたら部屋のベッドの上だったな」

ハンジ「リヴァイいなかったけど運んだのリヴァイだよね」

ハンジ「本人は……」ヒョコッ

――食堂――

お掃除リヴァイ「……」モクモク

ハンジ「うわぁ……新年早々」

お掃除リヴァイ「! 散らかしに来たなら帰れ」

ハンジ「お茶飲みに来たんだよ。ってかもう終わるんじゃないの?」

リヴァイ「まぁな」パサッ

841: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:09:04 ID:IDvCh43Y

ハンジ「みんな叩き起こしたの?」

リヴァイ「ああ。叩き出した」カチャッ

ハンジ「……ふふっ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「みんな馬車には間に合っただろうね」

リヴァイ「…………」カチャカチャッ

ハンジ「全く分かりづらいんだから」

リヴァイ「知らん」コトッ

ハンジ「ありがとう」

リヴァイ「ついでだ」

ハンジ「うん、ありがとう」

リヴァイ「……」



842: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:10:04 ID:IDvCh43Y

【雰囲気に酔った】


ナナバ「あーいたたた……二日酔いだよ」

ハンジ「ナナバ、あけおめー」

ナナバ「んー、おめ。マスター、二日酔いに効くやつないかい?」ガタンッ

リヴァイ「誰がマスターだ。紅茶しかねぇよ」

ナナバ「それでいいや。ちょーだい」

リヴァイ「あ?」

843: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:10:50 ID:IDvCh43Y

ナナバ「それ“が”いいです。ください」

リヴァイ「……チッ」ガタッ

ナナバ「あったまいたい」ウゥ

ハンジ「珍しいね」

ナナバ「なんか飲みすぎたよ。飲みまくるあいつらにつられた」

ハンジ「あー、楽しそうだったもんね」

ナナバ「うー」



844: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:11:44 ID:IDvCh43Y

【アールグレイはベルガモットの香り】


ミケ「ん? どうしたナナバ」ガタンッ

ハンジ「つられて飲みすぎたんだってさ」

ナナバ「二日酔いに効く香りってない? ミケ」

ミケ「それなら確か……」

リヴァイ「ほらよ」コトッ

ナナバ「あ、ありがと」

ミケ「……」スンスンッ

ミケ「アールグレイか」

ハンジ「そういえば私のもそうだね」

845: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:12:33 ID:IDvCh43Y

リヴァイ「……」カチャッ

ミケ「俺のか?」

リヴァイ「いらねぇなら引っ込めるが」

ミケ「いただく。ありがとう」

リヴァイ「……」

ナナバ「はぁ、美味しい。で、二日酔いに効く香りって?」

ミケ「あぁ、ペパーミントや柑橘系の香りだな」

ナナバ「…………」

ハンジ「なるほど、アールグレイね」

リヴァイ「……」



846: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:13:26 ID:IDvCh43Y

【未来予想図】


エルヴィン「なんだ、みんなして集まってるのか?」

ハンジ「お、エルヴィンおめー」

エルヴィン「ああ、おめでとう。紅茶か?」

リヴァイ「……」ガタッ

ミケ「座っていれば出てくるぞ、紅茶」

エルヴィン「ここはお任せオーダーの紅茶屋なのか」ガタンッ

ナナバ「多分そう。マスターは目付きの悪い人類最強。気は利いてるよ」ズズッ

エルヴィン「? そうなのか?」

ハンジ「ふふっ、まぁね」

リヴァイ「ほら」カチャッ

エルヴィン「ああ、ありがとう。アールグレイか」スゥー

エルヴィン「良い香りだな」

847: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:14:07 ID:IDvCh43Y

リヴァイ「……」

ミケ「ベルガモットは柑橘系の香りだ。二日酔いに良い」

エルヴィン「そうか、なるほどな。ありがとう、リヴァイ」

リヴァイ「…………」ズズズズ

ハンジ「あ、ついでに自分のおかわりしたな。私にもちょーだい」

リヴァイ「まとめて作っておいた。そこに置いてあるから勝手に飲め」

ハンジ「もーらいー」

ナナバ「ハンジー、私にもー」

ハンジ「はいはーい」

ミケ「俺も頼めるか?」

ハンジ「はいよー」

エルヴィン「……給仕はハンジか。夫婦経営といったところか」フム

リヴァイ「てめぇは何を言ってやがんだ」



848: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:15:46 ID:IDvCh43Y

【幸せな話】


ミケ「ハンジが給仕係か。なら俺は仕入れだな」

ナナバ「私は経理でもしようかな」

ハンジ「えー? 給仕手伝ってよ」

ナナバ「じゃ、ハンジも経理手伝ってよ」

ハンジ「そんじゃ、私らは経理兼給仕係ね。エルヴィンは?」

エルヴィン「マスターはリヴァイだからな。経営者にでもなっておこうか。
リヴァイには紅茶に集中してもらおう」

ハンジ「あー、そうだね。さらっと実権握ったけどそれがいいかもね」

849: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:16:23 ID:IDvCh43Y

ミケ「茶葉の仕入れ値や入れる茶葉の種類で揉めそうだな」

ナナバ「そこはミケが間に入らないと」

ミケ「俺か」

リヴァイ「…………」ズズズズ

ハンジ「リヴァイに異論はないみたいだよ。クッキーとか色々置きたいよね」

ナナバ「そうだね。軽食とか」

ハンジ「いいね! ねぇ、リヴァイ」

リヴァイ「…………」

ナナバ「エルヴィンには給仕も手伝ってほしいところだね」

エルヴィン「何故だ?」

850: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/03(木) 22:17:11 ID:IDvCh43Y

ハンジ「客寄せじゃない? 女性客が来そう」

エルヴィン「裏に引っ込んでつまみ食いでもしておきたいが」

リヴァイ「つまみ食いすんじゃねぇよ」

ナナバ「エルヴィンとハンジは奥には来させないようにしよう」

ハンジ「え!? 私も!?」

ミケ「調理場は手伝うか」スンッ

リヴァイ「……無駄に具体的になってきやがったな。どうするんだ、これ」

エルヴィン「まぁ、いいじゃないか。たまには」ズズッ

リヴァイ「…………別にいいが」ズズズズ



856: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:08:41 ID:dq9xoP.U

41【敗北】


リヴァイ「おい」

ハンジ「…………」ペラッ ←本読んでる

リヴァイ「おい、クソメガネ」

ハンジ「…………」

リヴァイ「ハンジ」

ハンジ「…………」ペラッ

857: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:09:18 ID:dq9xoP.U

リヴァイ「…………」

ハンジ「…………」

リヴァイ「………………」ハァー

ハンジ「…………」ペラッ

リヴァイ「…………悪かった」ボソッ

ハンジ「分かればよろしい」パタンッ

リヴァイ「……チッ」



858: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:09:50 ID:dq9xoP.U

42【あらぬ誤解が】


ハンジ「またあんなイタズラしたら本気で怒るからな」

リヴァイ「分かった」

ハンジ「私が本気で怒ったら兵舎中散らかりまくるからな!」

リヴァイ「分かったと言っている……いや、兵舎中はやめろ。他の奴らの迷惑だろうが」

ハンジ「リヴァイの所為だー! って叫びながら散らかすからな」

リヴァイ「お前な」

ハンジ「リヴァイが私を辱しめたからだーって」

リヴァイ「やめろ」



859: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:10:29 ID:dq9xoP.U

43【近況報告】


エルヴィン「それで、記憶の方はどうだい?」

リヴァイハンジ「「さっぱりだ」」

エルヴィン「……仲が良いことだ。何か方法はないものかな?」

ハンジ「うーん、結構試してみたんだけどね。頭ぶつけてみたりとか」

エルヴィン「余計に記憶が無くなりそうだからやめておけ、ハンジ」

ハンジ「集めた文献や自分の書いた?物やらも読んでみたりしたけど全くだよ」

エルヴィン「リヴァイは?」

860: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:11:56 ID:dq9xoP.U

リヴァイ「同じく、だ」

エルヴィン「……そうか」

ハンジ「他に方法あるかなー?」

エルヴィン「…………ある」

ハンジ「えっ! 何なに!?」

エルヴィン「リヴァイ、ハンジ、お前たちはしばらく恋人として過ごせ」

ハンジリヴァイ「「――――――」」

ハンジリヴァイ「「はぁ!?」」



861: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:12:49 ID:dq9xoP.U

44【指示】


ハンジ「なんだってそんなことになるんだよ」

エルヴィン「試せるものは全て試しておかなければな。何、てきとうにいちゃついてみればいいだけだ」

ハンジ「いちゃ……いや、無理だから」

エルヴィン「他に手立てはもうないんだろう?」

ハンジ「う……」

エルヴィン「まぁ、とりあえず二人で行動してみろ。デートにでも行ってくるといい」

ハンジ「でーと…………似合わねぇ」

リヴァイ「……」

エルヴィン「そうでもないがな。休みが合えばよく一緒に出掛けていたぞ?」

862: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:14:12 ID:dq9xoP.U

ハンジ「そんなこと言われても今の私たちは――――」

エルヴィン「今の記憶の頃から結構二人で出掛けていなかったか?」

ハンジ「――――ん?」

リヴァイ「…………」フム?

ハンジ「…………あれ?」

エルヴィン「行きつけがあるなら二人で行ってみるといい。何か発見があるかもしれんぞ」

ハンジ「…………んー、まぁ、一理あるね。行く? リヴァイ」

リヴァイ「……紅茶が切れそうではある」

ハンジ「んじゃ決まりだね。私は本屋ねー」

リヴァイ「本屋は最後に行くぞ」

863: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:14:44 ID:dq9xoP.U

ハンジ「えぇぇ!!」

リヴァイ「最初に行ったら動かねぇだろうが」

ハンジ「むー」

エルヴィン「…………」フッ

ハンジ「そんじゃま、出掛けてみるよ」

エルヴィン「あぁ、明日は二人とも休みにしておくよ」

ハンジ「マジで!? ありがとう! エルヴィン!」

エルヴィン「いや、礼には及ばんよ。その代わり……」

ハンジ「え?」

リヴァイ「……」



864: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:15:16 ID:dq9xoP.U

45【でーと】


――次の日――


リヴァイ「…………」

リヴァイ(同じ兵舎にいながらなんだって待ち合わせしなければならねぇんだ)

リヴァイ(しかも遅ぇ)キンッ ←懐中時計

リヴァイ(何してやがんだ)カチンッ

ハンジ「…………リ、リヴァイ、お待たせ」

リヴァイ「やっと来たか。てめぇ、遅…………」

ハンジ「…………」キラキラー+

865: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:16:17 ID:dq9xoP.U

リヴァイ「――――」

ハンジ「いや、あの、なんか、ほら! エルヴィンが支度はナナバとか、ニファとかに頼めって言ってたでしょ?
そしたらその、寄ってたかって……」モジモジ

リヴァイ「……」ジー↓ジー↑

ハンジ「ス、スカートとか久しぶり過ぎてなんかスースーするし、髪もまとめられちゃって」ハハッ

リヴァイ「……」ジッ

ハンジ「軽く化粧まで……やりすぎだよね」アハハー

リヴァイ「…………」

ハンジ「あの……リヴァイ?」

リヴァイ「……まぁ…………悪くねぇ」フム

866: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/10(木) 22:16:47 ID:dq9xoP.U

ハンジ「えっ?」

リヴァイ「行くぞ」

ハンジ「あ、う、うん」

ハンジ(えっと、あれ? 今の誉められたのかな?)

ハンジ(誉め、られたんだよね?)ムズッ

ハンジ「~~~~」ニヘー

ハンジ(ふはっ、やばい顔がゆるむ)ヘヘッ

リヴァイ「…………」チラッ

ハンジ(戻さないと)ムニムニ

リヴァイ「…………何やってんだ」



868: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:10:37 ID:fnozP.eM

46【でーと開始】


リヴァイ「……遅くなったのはそれが原因か?」スタスタ

ハンジ「えっ? あぁ、うん、そう。ちょっと抵抗しまくったからね」

リヴァイ「しまくったんならちょっとじゃねぇだろ」

ハンジ「だってさー、スカートはともかく、化粧って必要?
いらないって言っても『いーや、必要だ!』って許してくれなくてさ」

リヴァイ「…………でーと、とやらだからだろう」

869: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:11:36 ID:fnozP.eM

ハンジ「わーお、君からでーとなんて言葉が聞けるとは」

リヴァイ「うるせぇな」チッ

ハンジ「でーとで舌打ちはご法度じゃないかな?」

リヴァイ「クソメガネ、いいから行くぞ」

ハンジ「でーとの相手に向かってクソメガネとはね」ヤレヤレ

リヴァイ「本当にうるせぇクソメガネだな」チッ

ハンジ「うるせぇ、クソメガネ、舌打ちとフルコースで来たね」ケタケタ

リヴァイ「…………」



870: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:12:24 ID:fnozP.eM

47【紅茶屋】


「いらっしゃいませー」

ハンジ「前に来たことあるね、ここ」

リヴァイ「あぁ、紅茶を売っている所はねぇかと聞いたらここを案内された。お前に」スッつ紅茶缶

ハンジ「そうそう、そうだった。“地図だけ書け、一人で行く”って不遜だったよねー」

リヴァイ「…………」

ハンジ「一人で行ったら怖がられるってのに」

リヴァイ「余計なお世話だ」

871: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:13:05 ID:fnozP.eM

ハンジ「本当にあなたって目付きで損してるよね。優しい人なのに」

リヴァイ「…………」

ハンジ「お? 照れた?」ヒョイッ

リヴァイ「照れてねぇクソメガネ」ガッ

ハンジ「ぬおっ! 顔掴むなよ、化粧が剥げるだろ」

リヴァイ「あぁ、悪ぃ」スッ

ハンジ「ふっ、素直」クスクス

リヴァイ「…………」



872: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:13:50 ID:fnozP.eM

48【思い出の店】


ハンジ「あ、ここ、ここ」

リヴァイ「あぁ……この飯屋か」

ハンジ「“生きて帰ったら奢る”を遂行した店だね」

リヴァイ「…………」

ハンジ「……入ろうか」

リヴァイ「あぁ」

「らっしゃーい!!」

ハンジ「いつ来ても活気があるねぇ、ここは」

873: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:14:27 ID:fnozP.eM

リヴァイ「そうだな」

ハンジ「これとそれとあれお願いねー」

「はいよ!」

リヴァイ「おい、勝手に決めるな」

ハンジ「ここに来たら大抵これ頼んでたじゃん」

リヴァイ「? …………あぁ、そうだったな」

ハンジ「でしょ?」

リヴァイ「………………」シワー

ハンジ「どしたの? 眉間にシワ寄ってるけど」

874: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:15:05 ID:fnozP.eM

リヴァイ「その記憶は今思い出した」

ハンジ「ん? その?」

リヴァイ「“いつも頼んでいるもの”だ」

ハンジ「あ、そう……だね。さっきまでここは奢った場所だったね……うん、あなたと何度も来てる」フム

リヴァイ「あぁ、お前と外に出ると大抵はここに食いに来る」

ハンジ「おお! 凄いよ、リヴァイ! ちょっと前進だよ!!」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「さすがエルヴィンだね! 言うことを聞くもんだ!」

リヴァイ「…………」シワー



875: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:16:00 ID:fnozP.eM

49【指摘できなかった】


ハンジ「ほんでふぁ、つひにひふところが」モグモグ

リヴァイ「口の中のもん飲み込んで喋ろ。汚ぇ」

ハンジ「んぐっ、そんでさ、次に行く所が本屋でいいよね?」

リヴァイ「本屋、な」

ハンジ「なんだよ、行くって言ったろ?」

リヴァイ「行くには行くが…………。!」スッ

ハンジ「ん?」

リヴァイ「……」ナデ…

876: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:16:54 ID:fnozP.eM

ハンジ「!」ドキッ

リヴァイ「ガキかてめぇは」ゴシッ

ハンジ「あ、ああ、口の端に付いてた?」

リヴァイ「バカが」ペロッ

ハンジ「!!?」

リヴァイ「?」

ハンジ「――――」ポカンッ

ハンジ(えっ? 今、指で拭ってそれ舐めた……よね?)

ハンジ(な、なんで? しかも口の端に付いてたのを……潔癖、のはずなのに……)

877: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:17:43 ID:fnozP.eM

ハンジ(…………恋、人だから?)

ハンジ「――――っ!」ガタッ

リヴァイ「? なんだ、いきなり口許抑えやがって……吐くのか?」

ハンジ「ち、違っ、」///フイッ

リヴァイ「??」

ハンジ(無意識かよっ! くそっ、私だけ動揺するとか腹立つ!)

リヴァイ「吐くなら便所に行け」

ハンジ「…………いや、吐かないから。食事中に便所とか言わないでよ」

リヴァイ「食事中に巨人の実験話する奴に言われたくねぇな」モグモグ



878: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:18:24 ID:fnozP.eM

50【優しさ】


ハンジ「わっひょーい!! 本だ本だーー!!」

リヴァイ「騒ぐな暴れるな奇行種クソメガネ」

ハンジ「だってなかなか来れなかったからさー」

リヴァイ「今持っている本は把握しているのか?」

ハンジ「んーまぁ、大体」

リヴァイ「同じもの買うなんて間抜けなことするなよ」

ハンジ「大丈夫大丈夫。引き取ってくれる所知ってるから」

リヴァイ「それは大丈夫とは言わねぇ」

ハンジ「あ! これ続刊出てたんだぁ」ペラペラ

リヴァイ「…………もう聞いちゃいねぇな」ハァ

ハンジ「お、これは……」

リヴァイ「……」

879: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:18:59 ID:fnozP.eM

―――
――


「…………ジ」

「おい、ハンジ!」ガシッ

ハンジ「はっ!?」ビクッ

リヴァイ「いい加減、買うものを決めろ」

ハンジ「あ、ごめんごめん。夢中になってしまった。これとこれにするよ。待ってて」タタッ

リヴァイ「…………」

ハンジ「…………お待たせー」

リヴァイ「本当に待った」

880: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:19:51 ID:fnozP.eM

ハンジ「そこはそんなに待ってないって言うところだよ」

リヴァイ「うるせぇ」グイッ

ハンジ「あ、自分で持てるよ?」

リヴァイ「てめぇはこっちを持ってろ」スッ

ハンジ「……紅茶」

リヴァイ「本を持たせたら読みながら歩きかねん」スタスタ

ハンジ「…………そんなことしないけど」

リヴァイ「……」スタスタ

ハンジ「…………なんかムズムズしちゃうよ」ポソッ

リヴァイ「おい、行くぞ」

881: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/14(月) 23:20:27 ID:fnozP.eM

ハンジ「あ、うん」スタスタ

リヴァイ「……」

ハンジ「……リヴァイ」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「ありがとうね」フフッ

リヴァイ「…………何もしてねぇ」

ハンジ「私はありがたく思うところがあったんだよ」

リヴァイ「……そうか」

ハンジ「うん」ニコニコ

リヴァイ「………………そうかよ」スタスタ



884: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:00:44 ID:1FwH5k9w

51【おねだり】


ハンジ「もう帰らないとねー」

リヴァイ「そうだな」

ハンジ「帰ったらそれ飲むの?」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「ふぅん?」ジー

リヴァイ「…………なんだ」

ハンジ「いやぁ、私もその紅茶の味に興味があるなぁ」

リヴァイ「素直に飲みてぇと言えねぇのか」

ハンジ「飲みてぇ。飲ませろ」

リヴァイ「急に上からか」

885: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:01:20 ID:1FwH5k9w

ハンジ「飲ませてください、お願いします、リヴァイ様」

リヴァイ「……次は卑屈か」

ハンジ「どう言えばいいんだよ」

リヴァイ「普通に言え」

ハンジ「私も飲みたい!」

リヴァイ「勝手にしろ」

ハンジ「それ返事?」クスクス

リヴァイ「嫌なら来るな」

ハンジ「行きますー飲みますー」

リヴァイ「……勝手にしろ」

ハンジ「うん、勝手にする」ニコッ

リヴァイ「…………」



886: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:01:54 ID:1FwH5k9w

52【密着】


ハンジ「また一緒に出掛けようね」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「だって、ほんの少しだけど思い出せたじゃないか!」

リヴァイ「あぁ……確かにな」

ハンジ「さすがはエルヴィンだよねぇ」

リヴァイ「……」

ハンジ「言うことを聞いてればなんとかなる気がするよ」

リヴァイ「……言うこと聞くだけってのもどうなんだ」

ハンジ「そりゃ自分でだってちゃんと考えるさ。負担ばかり掛けたくないからね」

887: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:02:24 ID:1FwH5k9w

リヴァイ「…………」シワー

ハンジ「ん? なんだか不機嫌かい? 眉間にシワ」プスッ

リヴァイ「指すな」ペシッ

ハンジ「ははっ、指したら伸びるかなと思ってさ」

リヴァイ「伸びるか」

ハンジ「まぁまぁ――わっ」ガクッ

リヴァイ「!」ガシッ

ハンジ「あぁ、ごめ――――」


リヴァイ「地面と仲良くしてぇのか」グイッ
 ハンジ「――――っ」

888: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:03:03 ID:1FwH5k9w


リヴァイ「? おい、ハン――――」

バッ!

ハンジ「ご、ごめん。ありがとう」

リヴァイ「…………」

ハンジ「あはは、まさかなんにもない所で転びそうになるなんてね」

リヴァイ「……普段履かねぇような靴履いてるからじゃねぇか?」

ハンジ「あぁ、そうかも。服も慣れないしね」

リヴァイ「……」

ハンジ「さ、早く帰ろう。リヴァイの淹れた紅茶が飲みたいよ」

リヴァイ「……ああ」



889: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:04:03 ID:1FwH5k9w

53【無意識の】


エルヴィン「やぁ、おかえり」

ハンジ「ただいま、エルヴィン!」

リヴァイ「…………」

エルヴィン「楽しかったか?」

ハンジ「うん。それに少しだけど思い出せたよ!」

エルヴィン「ほぅ?」

ハンジ「どうやら行きつけになっているらしい店で、いつも頼む料理を無意識に頼んでいたんだ」

エルヴィン「ふむ」

ハンジ「リヴァイとその店に行くと同じような料理を毎回頼んでたって思い出せたんだ!」

エルヴィン「…………」

890: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:04:47 ID:1FwH5k9w

ハンジ「リヴァイとはちょくちょく一緒に出掛けてたみたいだね!
エルヴィンが言ったとおり試してみて良かったよ!」

リヴァイ「…………」

エルヴィン「……そうか、役に立てたようで良かったよ」

ハンジ「今から今日買った紅茶をご馳走してもらうんだ! ね? リヴァイ」クルッ

リヴァイ「…………ああ」

ハンジ「それじゃね、エルヴィン」スタスタ

エルヴィン「ああ」

リヴァイ「…………」スタスタ

エルヴィン「…………」

エルヴィン「あれは惚気られたのかな?」



891: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:05:24 ID:1FwH5k9w

54【紅茶の淹れ方】


ハンジ「はー、これだよこれ! 美味しいねぇ」

リヴァイ「そうか」

ハンジ「リヴァイは紅茶を淹れる天才だね」

リヴァイ「手順を守れば誰でもできる」

ハンジ「えー? そうかなぁ?」

リヴァイ「…………お前は」

ハンジ「ん?」

リヴァイ「…………」

ハンジ「何なに? どうしたの?」

リヴァイ「いや、お前は自分で淹れないのか?」

ハンジ「淹れることはあるけどこんなに美味しくはならないかな?」

892: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:06:00 ID:1FwH5k9w

リヴァイ「どうせ蒸らす間に何かに囚われて蒸らし過ぎてんだろ」

ハンジ「あー、それもあるけどリヴァイみたいに時計で計ったりしないせいかもね」

リヴァイ「ちゃんと見ていれば美味くなる」

ハンジ「今度頑張ってみるよ」

リヴァイ「絶対やらねぇな」

ハンジ「やるってば、やだなぁ。じゃあ今度お茶する時は私が淹れるよ」

リヴァイ「ほぅ?」

ハンジ「女に二言はないよ!」

リヴァイ「せいぜい美味く淹れろよ」

ハンジ「ふふふ、任せろ! やるときはやるんだからな!」

リヴァイ「そりゃ期待できそうだな」

ハンジ「おう、期待しとけ!」



893: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:06:35 ID:1FwH5k9w

55【そのモヤモヤは】


――夜――

リヴァイ「…………」


ハンジ『さすがエルヴィンだね! 言うことを聞くもんだ!』

ハンジ『さすがはエルヴィンだよねぇ』

ハンジ『エルヴィンが言ったとおり試してみて良かったよ!』


リヴァイ「…………チッ」

894: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/20(日) 23:07:14 ID:1FwH5k9w

リヴァイ(バカの一つ覚えみてぇにエルヴィン、エルヴィンと)

リヴァイ(人と出掛けておいて…………)

リヴァイ「…………馬鹿か」シワー

リヴァイ(何を考えてんだ、俺は)ハァ

リヴァイ「…………」

リヴァイ「…………本当に馬鹿だな、俺は」



897: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:05:29 ID:6FH33WsU

56【目的は】


ハンジ「お」

モブリット「どうしました?」

ハンジ「いや、これリヴァイのサインが無くてさ」

モブリット「本当ですね。もらってきますよ」

ハンジ「そうだね……いや、私が行くよ」ガタッ

モブリット「ですが」

ハンジ「気分転換しようと思ってたところだからさ」

モブリット「そうですか」

ハンジ「ついでに紅茶飲んでくる」スタスタ

モブリット「それが目的ですか……」



898: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:06:03 ID:6FH33WsU

57【美味しい】


ハンジ「ふんふふーん♪」

ハンジ(あ、そういや今度お茶淹れるって約束してたっけ)

ハンジ(まぁ、今日は飲ませてもらおう)ウン

ハンジ(お休みの日にでも淹れてあげようかな)

ハンジ「お? 扉が開けっぱなしだ。空気の入れ換えかな?」

ハンジ「リー……」ヒョコッ


ペトラ「はい、兵長」コトッ

リヴァイ「ああ」…ズズ

899: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:06:40 ID:6FH33WsU

ペトラ「ど、どうでしょうか?」

リヴァイ「? あぁ、悪くない」

ペトラ「良かったです」ニッコリ

エルド「ペトラの淹れる紅茶は美味いよな」

グンタ「ああ。きっちり時間も見てて頑張ってるよな」

オルオ「確かに。だが、俺の方がまだ」

ペトラ「じゃ、飲まなくていい」スッ

オルオ「待て。悪くない」

ペトラ「今すぐそのしゃべり方やめて」ゴゴゴゴ


ハンジ「…………」



900: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:07:47 ID:6FH33WsU

58【飲みに来た】


リヴァイ「! ハンジ」

ハンジ「あ、やぁ」

リヴァイ「何の用だ?」

ハンジ「これ、サインがもれてたから」ペラッ

リヴァイ「あぁ……悪い」

ペトラ「ハンジ分隊長、今ちょうどお茶を淹れたところなんです。飲んでいかれませんか?」

ハンジ「うん! 戴くよ!」

リヴァイ「……わざわざお前が持ってきたのはその為か」

ハンジ「いやいやー、みんな忙しくてね」

リヴァイ「その中のトップのお前が暇とはどういうことだ」

ハンジ「暇じゃないよ。息抜き息抜き」

901: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:08:28 ID:6FH33WsU

ペトラ「はい、どうぞ。ハンジ分隊長」コトッ

ハンジ「わぁ、ありがとう、ペトラ」

ペトラ「いえ」ニッコリ

ハンジ「ん~、可愛い子が淹れたお茶は格別だねぇ。美味しいよ」

ペトラ「い、いえ、そんな///」

ハンジ「本当に美味しいよ」ニコッ

ペトラ「ありがとうございます」エヘッ

リヴァイ「書いたぞ。帰れ」ペラッ

ハンジ「まだ飲んでますー」

リヴァイ「忙しいんじゃねぇのか」

ハンジ「少しは大丈夫」

リヴァイ「……好きにしろ」

ハンジ「好きにしますよー」



902: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:09:30 ID:6FH33WsU

59【信用できない】


モブリット「おかえりなさい、ハンジ分隊長」

ハンジ「うん、ただいま」

ニファ「どうかしましたか?」

ハンジ「え?」

ニファ「なんだか少しお疲れのように見えますが」

ハンジ「……そうかい?」

ニファ「ええ」

モブリット「今日は定時で上がりましょうかね」

ハンジ「えええええ!」

モブリット「えええ、じゃないですよ」

ハンジ「まだまだ目を通さないといけないものがっ!」

903: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:10:20 ID:6FH33WsU

モブリット「焦らずゆっくりいきましょう。休むのも大事ですよ」

ハンジ「……資料の幾つかは持っていくよ」

モブリット「ハンジ分隊長…………」ハァー

ハンジ「本の代わりに読むんだよ」

モブリット「せめて本を読んでくださいよ」

ハンジ「徹夜はしないと約束しよう」

モブリット「絶対ですよ?」

ハンジ「絶対!」

モブリット「…………」ジトー

ハンジ「……絶対」

モブリット「……わかりました」

ハンジ「よし!」

モブリット(……後でリヴァイ兵長に頼んでおこう)



904: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:11:04 ID:6FH33WsU

60【お互い様?】


コンコンコンッ

ハンジ「はーい」

リヴァイ『俺だ』

ガチャッ

ハンジ「リヴァイ、こんな時間にどうしたの?」

リヴァイ「モブリットの言うとおりか」

ハンジ「モブリット??」

905: ◆uSEt4QqJNo 2019/01/27(日) 22:11:36 ID:6FH33WsU

リヴァイ「こんな時間まで資料読んでやがるな?」

ハンジ「う」ギクッ

リヴァイ「早く寝ろ」

ハンジ「まだ眠くないんだよ」

リヴァイ「横になってりゃ眠くなる」

ハンジ「……なんかリヴァイには言われたくないなー」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「リヴァイ椅子で寝るじゃん」

リヴァイ「…………」



907: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:23:28 ID:iCkyCx8Q

61【強行手段】


リヴァイ「確かに椅子だが休まない訳じゃねぇ」

ハンジ「えー? リヴァイもベッドで寝ろよー」ニヤニヤ

リヴァイ「うるせぇな、いいから寝ろ」

ハンジ「やーだねー」

リヴァイ「…………チッ」ガッ

ハンジ「ん?」

グイッ

 ハンジ「ぬわっ!? ちょ、降ろせ!」
リヴァイ「…………」スタスタ


 ハンジ「この、力に飽かせやがって――――待って!!」
リヴァイ「暴れるな、クソメガネ」

908: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:24:11 ID:iCkyCx8Q

 ハンジ「待ってってば!」
リヴァイ「待たねぇよ」


 ハンジ「えーっと、えーっと、そうだ! ねぇ、紅茶淹れてよ!」
リヴァイ「いきなりなんだ」


 ハンジ「いいいからいいから! 飲んだら眠れそうだし」
リヴァイ「むしろ目が覚めるだろ」


 ハンジ「飲んだらベッドに行くからさー」
リヴァイ「……チッ、分かった」スッ


ハンジ「やった!」

リヴァイ「待ってろよ」

ハンジ「りょーかーい!」



909: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:24:42 ID:iCkyCx8Q

62【美味しく淹れられる人】


ハンジ「はぁー、やっぱりあなたの淹れた紅茶は美味しいね」

リヴァイ「そうか」

ハンジ「あなたの淹れる紅茶が一番美味しいよ」ズズッ

リヴァイ「…………今度はお前が淹れるんだろうが」

ハンジ「……ああ、そんなこと言ったっけね」

リヴァイ「淹れろよ」

ハンジ「うーん……私が淹れなくてもいいんじゃないかなぁ?」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「美味く淹れられる人は沢山いるだろうしさ」ズズッ

910: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:25:22 ID:iCkyCx8Q

リヴァイ「…………何を拗ねてんだ?」

ハンジ「ぶほっ!!」

リヴァイ「汚ぇな」シワー

ハンジ「ごほっ! ごほっ! 変なこと言うからだろ!」カチャッ

リヴァイ「拗ねてただろ」スッつハンカチ

ハンジ「拗ねてないよ」スッ、ゴシゴシ

リヴァイ「なら何故渋る」

ハンジ「…………別に」

リヴァイ「拗ねてんじゃねぇか」

ハンジ「拗ねてないっての」



911: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:25:57 ID:iCkyCx8Q

63【びっくり】


リヴァイ「訳の分からねぇ野郎だな。とにかく俺に紅茶淹れろよ」

ハンジ「…………ハンカチ」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「洗って返す」

リヴァイ「いい。自分で洗う」スッ…

ハンジ「洗って返して……お茶淹れるから」

リヴァイ「……」ピタッ

ハンジ「……もう寝るよ」

リヴァイ「…………」フッ

912: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:26:30 ID:iCkyCx8Q

ハンジ「!!?」

リヴァイ「分かった」ポンッワシャワシャ

ハンジ「――――」

リヴァイ「これは片付けておく」カチャッ

ハンジ「……あ、うん」

リヴァイ「じゃあな」ガチャッ

ハンジ「……うん」

パタンッ

ハンジ「……………………」

ハンジ「いま…………笑った?」



913: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:27:05 ID:iCkyCx8Q

64【どきどき】


――数日後の夜:食堂――


ハンジ「淹れるよ!」

リヴァイ「そんなに気合いがいるか?」

ハンジ「黙ってて」

リヴァイ「……」

ハンジ「茶器は温めておいて、茶葉入れて、沸騰させたお湯を注いですぐ砂時計をセット!」カタンッ

リヴァイ「…………」

ハンジ「よし……」ジー→砂時計

リヴァイ「…………」

914: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:27:39 ID:iCkyCx8Q

ハンジ「…………」ジー

リヴァイ「……」

ハンジ「よし!!」

リヴァイ「…………」

ハンジ「できたよ! リヴァイ!」カチャッ

リヴァイ「ああ」スッ

ハンジ「どう? どうかな?」

リヴァイ「…………ああ、悪くねぇ」

ハンジ「! やった! 良かったぁー」ホッ

リヴァイ「…………」



915: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:28:17 ID:iCkyCx8Q

65【バレてた】


ハンジ「あー本当だ。ちゃんと淹れられてる」ズズッ

リヴァイ「嘘は吐かねぇよ」

ハンジ「うん、良かった」ニコー

リヴァイ「……練習の甲斐があったか」

ハンジ「うん! …………な、なんで」ガタッ

リヴァイ「ここ最近紅茶がよく出てくるとお前の班員が溢していた」

ハンジ「ぐっ」

リヴァイ「ペトラにも聞いたらしいな?」

ハンジ「うぐっ///」

916: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/03(日) 23:28:50 ID:iCkyCx8Q

リヴァイ「……」

ハンジ「うー……」ワシャワシャ

リヴァイ「髪を捏ねるな。ぐちゃぐちゃじゃねぇか」スッ

ハンジ「……だってさ、どうせなら美味しい紅茶飲んでもらいたいじゃないか」ポツリ

リヴァイ「それが悪いと言ってる訳じゃねぇよ」ナデナデ

ハンジ「そ、そう」

リヴァイ「美味かった」ポンッ

ハンジ「! 本当に?」

リヴァイ「ああ、よくやった」

ハンジ「ふ、へへ、良かった」ニヘー

リヴァイ「…………」



919: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 20:55:32 ID:Abp5qQho

66【これは提案だが】


ハンジ「うん、美味しい」ズズー

リヴァイ「……なぁ、ハンジよ」

ハンジ「なんだい?」カチャンッ

リヴァイ「エルヴィンの言う方法をちゃんと試してみねぇか?」

ハンジ「エルヴィンの言う方法?」

リヴァイ「恋人として過ごす」

ハンジ「え、いや、この前デートしたじゃん?」

920: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 20:56:06 ID:Abp5qQho

リヴァイ「ああ。それで思い出せたことがあったな」

ハンジ「……あったね」

リヴァイ「ってことは、だ」

ハンジ「まだ試してみる価値があるってことかい?」

リヴァイ「そういうことだ」

ハンジ「……そうは言うけどどうするんだい?」

リヴァイ「そうだな……とりあえず……」スッ

ハンジ「え?」



921: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 20:56:39 ID:Abp5qQho

67【問題無し】


ハンジ(こ、これは一体どういう状況なのだろう?)
リヴァイ「…………」ギュッ


ハンジ(リ、リヴァイに抱き締められてかれこれ1、2分? ……どうしたらいいんだ)
リヴァイ「…………」


ハンジ(リヴァイの体温暖かいなぁ)ホゥ
リヴァイ「……何か思い出せたか?」


ハンジ「は? あ、いや、これといって……」
リヴァイ「そうか、俺もだ」スッ

922: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 20:57:09 ID:Abp5qQho


ハンジ「あ」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「いや、なんでも」

リヴァイ「まぁ、この程度は前にもやったな」

ハンジ「ああ、そう、だね」

リヴァイ「…………」ジッ

ハンジ「な、なんだい?」

リヴァイ「……試してみるか」

ハンジ「何を?」

リヴァイ「“恋人らしいこと”を、だ」スッ

923: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 20:57:46 ID:Abp5qQho

ハンジ「は? って、ちょっと近いよ!」

リヴァイ「近づけてんだ、当たり前だろ」

ハンジ「え、ちょっと、リヴァイどうしちゃったのさ!」

リヴァイ「……色々と考えてみたんだがな」

ハンジ「え? う、うん」

リヴァイ「問題は無いらしい」

ハンジ「……ごめん、リヴァイ。話が見えない」

リヴァイ「お前が俺の女だということに俺自身は問題が無いらしい」

ハンジ「……………………………………なんで他人事なんだ」



924: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 20:58:18 ID:Abp5qQho

68【無いだろ?】


ハンジ「なんでそういう結論に至ったかはわからないけどちょっと早急過ぎないかな?」

リヴァイ「早く記憶を取り戻せるならそれに越したことはねぇだろ」

ハンジ「あーうん、まぁそうだけど。私の意思は無視なのかな?」

リヴァイ「問題あるのか?」

ハンジ「あるよ! あるある大有り!」

リヴァイ「どういう問題だ」

ハンジ「え、えーっと、それは……」

リヴァイ「早く言え」

ハンジ「急かすなよ! ええーっと!」

ハンジ(…………あれ? 問題ってどこにある?)

リヴァイ「ハンジ」

ハンジ「はい?」

925: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 20:59:05 ID:Abp5qQho

リヴァイ「俺と話すのは嫌か?」

ハンジ「そんなわけないじゃないか。面倒そうにしながらもちゃんと聞いてくれているし」

リヴァイ「俺と出掛けてつまらなかったか?」

ハンジ「凄く楽しかったよ」

リヴァイ「俺に触られるのは嫌か?」

ハンジ「…………安心する」

リヴァイ「……俺が嫌いか?」

ハンジ「そんなわけないだろ……」

リヴァイ「ハンジ」スッ

ハンジ「――――っ」

リヴァイ「何か問題はあるか?」

ハンジ「………………無い、ね」

リヴァイ「そうか」フッ



926: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 21:00:22 ID:Abp5qQho

69【耐えられない】


ハンジ「あーもう! 何なんだよ、いきなり。なんかすげぇ悔しい」

リヴァイ「言っただろ、考えてみたと」

ハンジ「……有り得ないと思ってただろうになんでそうなったんだよ」

リヴァイ「色々だな。エルヴィンに言われ、お前と出掛けて、
お前と一緒にいて、部屋にそれらしき痕跡を見つけて」

ハンジ「それらしき痕跡?」

リヴァイ「お前の着替えが置いてあった」

ハンジ「は!?」

リヴァイ「まぁ、恋人だったというのなら当然と言えば当然なんだろうが。始めは然程気にしなかった」

ハンジ「いや、気にしろよ」

927: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 21:00:56 ID:Abp5qQho

リヴァイ「仕込みかと思ったしな」

ハンジ「どういう仕込みだよ」

リヴァイ「お前の代わりに洗濯したやつかとも思った」

ハンジ「あー」

リヴァイ「それにそういう気持ちも無かったしな」

ハンジ「…………」

リヴァイ「……そんなツラをするな」ナデ…

ハンジ「どんなツラもしてない」フイッ

リヴァイ「そうか。この間出掛けただろう?」

ハンジ「話があちこちに飛ぶね」

リヴァイ「その時お前があまりにエルヴィンエルヴィンと言うものだから苛ついた」

928: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 21:01:35 ID:Abp5qQho

ハンジ「は?」

リヴァイ「馬鹿みてぇだなと切り捨てようとしたんだが……」

ハンジ「……」

リヴァイ「お前は無駄に俺といて楽しそうにしやがるし、やたらと俺のために紅茶の練習をしやがる」

ハンジ「うぐ///」

リヴァイ「だから諦めた」

ハンジ「諦めたって」

リヴァイ「お前を無しだと思うことを諦めた。もともと、無しではなかっただけだが」

ハンジ「――――っ///」バンッ

リヴァイ「……机に突っ伏すのはいいが今痛くなかったか?」

ハンジ「……痛かった」



929: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 21:02:33 ID:Abp5qQho

70【観念しろ】


ハンジ「あーもう! リヴァイが変だっ!」

リヴァイ「そうでもない」ポンッ、ナデナデ

ハンジ「そうでもあるよ。なんなんだよ、この状況」

リヴァイ「分からねぇか?」

ハンジ「?」

リヴァイ「本当に、分からねぇか?」

ハンジ「リ、リヴァイ?」

リヴァイ「今の状況はな、」スッ

ハンジ「ちょっ」

リヴァイ「俺が、お前を、口説いている最中だ」ボソッ

ハンジ「ーーっ!?///」ビクッ、ガターンッ!

930: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/11(月) 21:03:11 ID:Abp5qQho

リヴァイ「ーーと、危ねぇな。いきなり起き上がるんじゃねぇよ」

ハンジ「み、耳しょばっ、そばでっっ!!///」

リヴァイ「なんだ、耳弱ぇのか?」

ハンジ「し、知らないよっ!!」

リヴァイ「まぁ、追い追い知るなり思い出せばいいことだ。なぁ、ハンジ」

ハンジ「な、なんだよ?」

リヴァイ「問題はねぇんだろ?」スッ

ハンジ「そ、れは」

リヴァイ「ハンジ」スルッ

ハンジ「――っ」ビクッ


リヴァイ「お前も諦めろ」グッ
ハンジ「リヴァ――――んぅっ!?」




933: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:24:19 ID:g1T6OG3o

71【それはそれは】



リヴァイ「――――」
ハンジ「ん、んん……」


リヴァイ「…………ハンジ」

ハンジ「は、」

リヴァイ「目は全力で瞑らなくていい」

ハンジ「!? う、うるさいっ」

リヴァイ「こういうことに免疫ねぇのか」

ハンジ「だからうるさい! だ、大体、ここ食堂だよ!」

リヴァイ「うるせぇのはお前だ。それに俺達は付き合ってんだろ? なら問題ねぇはずだ」

ハンジ「問題あるだろ……誰か来るかもしれないし、一部の人しか知らないって話だし」

934: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:24:51 ID:g1T6OG3o

リヴァイ「…………もう深夜だ。誰も来ねぇ」

ハンジ「いや、万が一ってことがだね」

リヴァイ「なら俺の部屋に来るか?」

ハンジ「そ、れはちょっと……」

リヴァイ「なんだ? しょっちゅう来てただろうが」

ハンジ「確かにそうだけど…………あれ?」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「今のって」

リヴァイ「あ? …………あぁ、今思い出した記憶だな」

ハンジ「…………………………」

リヴァイ「…………なるほど」

ハンジ「待った!! ちょっとたんま!!」



935: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:25:37 ID:g1T6OG3o

72【黙れ】


ハンジ「い、いい、言いたいことは何となく分かる! だけど待って!!」

リヴァイ「うるせぇな。誰かが来たらどうするんだ」

ハンジ「あ」

リヴァイ「それにさっき問題はねぇと言っただろうが」グッ

ハンジ「う、うわぁぁ!! 近いから!!」ガッ

リヴァイ「近くて当たり前だろうが」ガシッ

ハンジ「だ、だって、くっついちゃう!」

リヴァイ「もうくっつけただろ」

ハンジ「え…………」

ハンジ「――――!?」

936: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:26:09 ID:g1T6OG3o

リヴァイ「おい?」

ハンジ「…………あ、あ……あぅ///」パクパク

リヴァイ「…………」

ハンジ「な、なん、で、あん、な///」

リヴァイ「……もう一回聞きてぇのか」

ハンジ「ふぁ!? いい! 言わなくていい!!!」

リヴァイ「…………だからうるせぇ」グイッ

ハンジ「! リ――」


リヴァイ「――――」
ハンジ「ん、んぅ!?」



937: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:26:41 ID:g1T6OG3o

73【思い出した、○○】


リヴァイ「――――」
ハンジ「ん…………」

ハンジ(な、なにこれなにこれ)


リヴァイ「……は、」
ハンジ「ふ、は」


リヴァイ「――――」クチュッ
ハンジ「――っ!?」

ハンジ(し、舌、が!?)

938: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:27:14 ID:g1T6OG3o

リヴァイ「――――」チュクッ
ハンジ「! んくっ」ビクッ

ハンジ(な、に、これ……頭がふわふわする)


リヴァイ「はぁ……――――」ヌルッ
ハンジ「あ、はぁ……んんっ」

ハンジ(あ……ダメだ……やっぱりクラクラする。リヴァイに、されると…………)


リヴァイ「――――」
ハンジ(…………される……と!?)クワッ!


グイッ!

939: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:28:02 ID:g1T6OG3o

リヴァイ「――っ、おい」

ハンジ「はっ! はぁはぁ、長い!」

リヴァイ「そうか?」

ハンジ「そうか?って……! いや、それは後でいい」

リヴァイ「…………なんだ」シワー

ハンジ「また思い出したんだよ!」キラキラ+

リヴァイ「ほぅ……何をだ?」

ハンジ「あなたの舌の感しょ………………く…………」

リヴァイ「ほう?」



940: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:28:39 ID:g1T6OG3o

74【天然か、そうか】


リヴァイ「舌の感触、な」

ハンジ「――っ! ちがっ、違う! そうじゃなくて!!///」

リヴァイ「何が違ぇんだ。良かったじゃねぇか。思い出せて」

ハンジ「うぐっ///」

ハンジ(くそっ! すっげぇ、意地悪そうな顔してやがる)

ハンジ「そ、そうじゃなくて、その、そういうことされるとふわふわって言うか
クラクラっていうかそんな感じになるって知ってるみたいで、
ってことは“それ”を知ってるってことだなって……ああもう!!///」ガシガシ!

リヴァイ「――――」

ハンジ「ん?」

ハンジ(あれ? なんか目ぇ見開いてる。驚いてんの? 何に?)

リヴァイ「……そう、か」

ハンジ「??」



941: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:30:01 ID:g1T6OG3o

75【抜けるし逃すし】


ハンジ「と、とにかく! こんな所でやるようなことじゃないし!」ガタッ

リヴァイ「おい……」

カクンッ、ポスンッ

ハンジ「――! あれ?」

リヴァイ「? どうした」

ハンジ「………………」

リヴァイ「ハンジ?」

ハンジ「…………た」

942: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:30:35 ID:g1T6OG3o

リヴァイ「?」

ハンジ「たてない」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「う…………こし、ぬけた、みたい…………///」プイッ←

リヴァイ「…………」

ハンジ「…………///」ムゥ←

リヴァイ「……………………クッ」

ハンジ「!!?/// ちょっと! 今笑ったね!? 笑いやがったな!?」

リヴァイ「いや…………っ」

943: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/17(日) 22:31:05 ID:g1T6OG3o

ハンジ「う、く、ぬぅぅぅ///」

ハンジ「――――ってあれ? 笑う? リヴァイが?」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「え、ちょっ、もう一回! もう一回笑ってよ!! 見逃した!!!」ガシッグイッ

リヴァイ「おい、やめほ」ムニィー

ハンジ「あはははは! 変な顔!」ムニムニ

リヴァイ「やめろ」ガシッ

ハンジ「あ、じゃなくて、リヴァイが笑えよ! 私じゃないだろ!」

リヴァイ「テメェ、恐ろしく自分本意だな」



947: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:03:08 ID:j0oOZd6o

76【その行く先】


ハンジ「……なんでこうなった」
リヴァイ「テメェが腰抜かすからだろうが」スタスタ


ハンジ「だ、だからって肩に担ぐことないだろ! これ苦しい」グェ
リヴァイ「脱力しすぎだろうが」


ハンジ「どうしろってんだよ」
リヴァイ「腹に力入れろ、腹に」


ハンジ「えぇー、腹が筋肉痛になるよ」
リヴァイ「鍛え方が足りねぇんだよ」チッ


ハンジ「リヴァイじゃないんだから」
リヴァイ「なんだそれは」

948: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:03:49 ID:j0oOZd6o


ハンジ「一回腹筋したら一個割れるんでしょ?」
リヴァイ「……百回もやったら気持ち悪ぃことになりそうだな」


ハンジ「もはや細胞分裂だね」
リヴァイ「着いたぞ」ガチャッ


ハンジ「あぁ、ありが――って、リヴァイの部屋じゃないか!!」
リヴァイ「なにか問題でもあったか?」スッ


ドサッ

ハンジ「うわっと!」

リヴァイ「お前の部屋はまた汚れてんだろ」

ハンジ「いやぁー」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「…………ハイ」



949: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:04:20 ID:j0oOZd6o

77【急く】


リヴァイ「まぁ、お前の部屋は後日掃除するとして」

ハンジ「するのか」

リヴァイ「放置できるか」

ハンジ「うへぇ」

リヴァイ「俺の部屋でだけでやるつもりか」

ハンジ「えぇー…………な、何を?」

リヴァイ「ナ」

ハンジ「ストップ!!! おっさんか!!」

リヴァイ「な、しか言ってねぇ」

950: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:04:50 ID:j0oOZd6o

ハンジ「言いたいことは分かったから言わなくていい」

リヴァイ「そうか」

ハンジ「ところでねぇ、リヴァイ」

リヴァイ「なんだ?」

ハンジ「断る余地はあるのかな?」

リヴァイ「無いな」

ハンジ「ねぇのかよっ! なんでだよっ!!」

グイッ

ハンジ「!?」

リヴァイ「お前、嫌がらなかっただろう?」ナデ…

ハンジ「――っ」

951: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:05:22 ID:j0oOZd6o

リヴァイ「…………どこまで思い出した」

ハンジ「…………付き合ってる記憶はないよ」

リヴァイ「そうか」

ハンジ「…………あなた、は?」

リヴァイ「……さてな」

ハンジ「ずるいだろ」

リヴァイ「…………付き合ってはいねぇな」

ハンジ「そう……なのに、こんなことするの?」

リヴァイ「結果が分かっているなら飛ばしても構わねぇだろ」

ハンジ「構えよっ!」



952: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:05:56 ID:j0oOZd6o

78【言いたくない】


ハンジ「あのね、リヴァイ、ちょっと落ち着いてもらえるかな?」カチャッ ←眼鏡を

リヴァイ「俺は落ち着いているが」

ハンジ「手順は必要だと思うんだよ」

リヴァイ「そうか?」

ハンジ「そうだよ。なんでこんないきなり」

リヴァイ「…………」

ハンジ「……何か理由があるんだね?」

リヴァイ「別に」フイッ

ガシッ、グイッ

リヴァイ「!」

ハンジ「な・ん・な・の?」

リヴァイ「……………………」



953: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:06:32 ID:j0oOZd6o

79【話を逸らす】


リヴァイ「……そんなことはいいだろ」スッ

ハンジ「ダメ」ベシッ ←唇押さえた

リヴァイ「…………」

ハンジ「だんまりなら私このまま帰るからね」

リヴァイ「…………」

ハンジ「……あ、そう。じゃあね」グッ…

リヴァイ「待て」ガシッ

ハンジ「言う気になった?」

リヴァイ「……それは、言えばこのままここにいるということか?」

ハンジ「ぐっ」

リヴァイ「ハンジ」

954: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:07:26 ID:j0oOZd6o

ハンジ「あー…………それは……ちょっと、ハードルが高いかな……?」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「あの、いや、その、さっきの、もよく知らないくらいだから……///」

リヴァイ「?」

ハンジ「うー///」

リヴァイ「…………」

ハンジ「…………」モジモジ

リヴァイ「!」

ハンジ「分かったね! 分かったなら黙」

リヴァイ「お前処」

ハンジ「わあぁぁぁ!!! 今私黙れって言ったよねぇ!? ねぇ!? 言ったよねぇぇえぇぇ!?」

リヴァイ「あ、ああ」



955: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:08:14 ID:j0oOZd6o

80【翻訳機】


ハンジ「はい! それより!」

リヴァイ「おい」

ハンジ「さっきの話は終わり!! いきなり関係を立体機動ばりに先に進めようとした理由は!?」

リヴァイ「…………」

ハンジ「リヴァイ?」

リヴァイ「…………」

ハンジ「…………ただ、し、したかっだけとか言わな」

リヴァイ「違う」

ハンジ「そ、そう」

リヴァイ「その、なんだ」

956: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:08:44 ID:j0oOZd6o

ハンジ「何?」

リヴァイ「本来、お前は俺の女のはずだ」

ハンジ「は?///」

リヴァイ「そうだろう?」

ハンジ「う、あ、うん、そうみたい、だね?」

リヴァイ「なのに、だ」

ハンジ「うん」

リヴァイ「記憶を失っている間にだ」

ハンジ「うん」

リヴァイ「……………………」

ハンジ「え、そこで止まっちゃうの?」

リヴァイ「…………早く思い出せればと思った」

957: ◆uSEt4QqJNo 2019/02/25(月) 23:10:03 ID:j0oOZd6o

ハンジ「……うーん、文章が繋がってないけど…………」フム

ハンジ(“自分の女が記憶を失っている間に”と“早く思い出せればと思った”)

ハンジ(失っている間に、ほにゃららだから早く思い出せればと思った)

ハンジ(そのほにゃららのために早く思い出せないといけないと思ったってことか)

ハンジ(ほにゃらら……記憶を失っている間に……無くしてしまうかもしれないから?)

ハンジ(何を………………)

ハンジ「!?///」

リヴァイ「? どうした?」

ハンジ「いや、ごめん。あなたが急いでる理由が私がらみだったりしてーと、か……?」

リヴァイ「――――」

ハンジ「…………え?」



960: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:43:39 ID:c2QmbIBU

81【膠着】


ハンジ「……」

リヴァイ「……」

ハンジ(……なんだろう、この沈黙)

ハンジ(いや、話を進めちゃうととても恥ずかしいことになりそうで進められないだけなんだけど)

ハンジ(まぁ、私を口説こうとしてたんだから私がらみなのは当たり前っちゃ当たり前の話だった……)

ハンジ「――っ」

ハンジ(そう、だった。コイツ口説くとか言ってた。ってことは、だ)

ハンジ「っ~~~~///」

リヴァイ「? ハンジ?」

ハンジ「な、なに?」

961: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:44:16 ID:c2QmbIBU

リヴァイ「いや……」

ハンジ「あの! さ!」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「その、言わなきゃいけないことがあるんじゃないかな?」

リヴァイ「……」

ハンジ(ぬあっ!! 話を進めちゃった!)

ハンジ(い、いや、このまま膠着状態で朝を迎えるのはきついし)

リヴァイ「…………」シワシワー

ハンジ「…………」

ハンジ(眉間にシワがすごいな)プスッ

リヴァイ「おい」ガシッ

ハンジ「あ、ごめん、つい」



962: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:44:58 ID:c2QmbIBU

82【自身の気持ち】


リヴァイ「…………」

ハンジ(……うーん、手を捕んだまま動かないな)

ハンジ(口説いてるとか結構恥ずかしいこと言ってたくせに直接的な言葉は言えないのか)

リヴァイ「…………」

ハンジ(…………かわいい奴)クスッ

リヴァイ「……」シワー

ハンジ(あ、眉間にシワ寄っちゃった)

リヴァイ「……ハンジ」

ハンジ「う、うん」ゴクリッ

963: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:45:36 ID:c2QmbIBU

ハンジ(なんかめっちゃ危機迫ったような空気なんだけど)

リヴァイ「…………」

ハンジ(あ、また黙った)

リヴァイ「…………」

ハンジ(うーん、これは私から言ってあげた方がいいのかな?)

ハンジ(ん?)

ハンジ(私……から?)

ハンジ「――っ///」ブワッ

リヴァイ「?」

ハンジ(ああ、くそっ! そうか、いや、分かってたけど! ああ、もう!!)

リヴァイ「??」



964: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:46:07 ID:c2QmbIBU

83【攻守一転】


ハンジ「はぁ」

リヴァイ「ハンジ?」

ハンジ「……とりあえず、ちゃんと話をしないかい?」

リヴァイ「…………」

ハンジ「ね?」

リヴァイ「分かった」スッ

ハンジ「それで、言いたくないことなのかな?」

リヴァイ「………………」

965: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:46:39 ID:c2QmbIBU

ハンジ(ふむ、目が泳いでる。珍しい)

ハンジ(…………なんか……こう)ウズッ

ハンジ(もっと追い詰めたくなるような……いやいや、そんなことしたらダメだろ、うん)チラッ

リヴァイ「…………」シワー

ハンジ(…………もしかしてこれ恥じらってる、とかなんだろうか……?)ウズウズ

ハンジ「……ねぇ、リヴァイ」

リヴァイ「……あ?」

ハンジ「ちゃんと言ってよ」

リヴァイ「――っ」

966: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:47:14 ID:c2QmbIBU

ハンジ(お、怯んだ。珍しいなぁ)ニッ

リヴァイ「! てめぇ」

ハンジ「なんだい?」

リヴァイ「……」グッ

ハンジ(顰めっ面だけど拗ねてるみたいに見える)クスッ

リヴァイ「…………」シワシワー

ハンジ(かわいいなぁ)フフッ

リヴァイ「――チッ! クソがっ! 分かれ、クソメガネ!!」ガシッ!

ハンジ「えっ? わっ! ちょっと!!」ドサッ



967: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:47:46 ID:c2QmbIBU

84【まだ手は緩めない】


リヴァイ「――――」
ハンジ「ん、ふぅ……」


リヴァイ「……は、……」ヌチュッ
ハンジ「んんっ……」


ハンジ(コイツ……実力行使してきやがった)ハァ…

ハンジ(ずるい奴……)

リヴァイ「っ…………」スッ

ハンジ「はぁ……リヴァイ?」

リヴァイ「ハンジ……」ナデ…

ハンジ(ああ……そんな表情、初めて見る)

968: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:48:20 ID:c2QmbIBU

リヴァイ「……お前も、同じなんだろう?」

ハンジ「え……?」

リヴァイ「俺を拒んでいない。だから、そういうことなんだろう?」

ハンジ「…………その、」

リヴァイ「ハンジ」

ハンジ「…………ずるいなぁ」

リヴァイ「……」

ハンジ「でもまぁ、口説くとか言ってるわりに照れ屋さんのようだから……」

リヴァイ「…………」

ハンジ「いきなり事を進めようと思った原因を教えてくれたら許してあげる」

リヴァイ「……………………」



969: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:48:55 ID:c2QmbIBU

85【どういう誤解だ】


ハンジ「…………」ジッ

リヴァイ「……」

ハンジ「…………」ジー

リヴァイ「……」

ハンジ「…………リヴァイ」

リヴァイ「……」

ハンジ「ちゃんと言ってくれる方でもいいんだけど」

リヴァイ「…………」

ハンジ「リーヴァーイー?」

リヴァイ「…………言っただろう」ボソッ

ハンジ「うん?」

970: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:49:39 ID:c2QmbIBU

リヴァイ「お前が、エルヴィンエルヴィンと言うからだと」ボソボソ

ハンジ「……うぅん?」

リヴァイ「だから、早く思い出せればと……」

ハンジ「…………」

リヴァイ「…………」

ハンジ「…………ぷはっ!」

リヴァイ「……」シワー

ハンジ「あははははは! あなた、記憶を失っている間に私がエルヴィンに惚れると思ったのかい?」アハハ

リヴァイ「…………」シワシワー

ハンジ「ああ、ごめんごめん。シワ寄せないで」ナデナデ

リヴァイ「眉間を撫でるな」ガシッ

ハンジ「エルヴィンは尊敬している上司であり同志だ。あなたもそうだろ?」

971: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/03(日) 21:50:09 ID:c2QmbIBU

リヴァイ「……」

ハンジ「ふふっ、そっか、そうかぁ」クスクス

リヴァイ「……チッ」

ハンジ「おんなじだよ、リヴァイ」

リヴァイ「……あ?」

ハンジ「私も嫉妬してたよ」ニッコリ

リヴァイ「――――っ」

ハンジ「おんなじだ」フフッ

リヴァイ「…………ハンジ」

ハンジ「ん?」

リヴァイ「俺にそのケは……」

ハンジ「違う、そうじゃない」



976: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:15:41 ID:ahUnPAq6

86【びっくり】


リヴァイ「びっくりしたじゃねぇか」

ハンジ「それ私の台詞だから。なんでそうなるんだよ」

リヴァイ「おんなじと言うからだろうが」

ハンジ「そのまま受け取らないでよ。嫉妬したことが、嫉妬だけがおんなじってこと」

リヴァイ「…………誰に嫉妬したんだ?」

ハンジ「ペトラだよ」ハァー

977: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:16:19 ID:ahUnPAq6

リヴァイ「? 何故ペトラだ?」

ハンジ「いや、紅茶誉めてるの見ていいなぁーみたいな」

リヴァイ「?? だからといって何故だ?」

ハンジ「何故って……ペトラかわいいじゃないか」

リヴァイ「子供じゃねぇか」

ハンジ「は?」

リヴァイ「あ?」



978: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:16:53 ID:ahUnPAq6

87【見方】


ハンジ「子供……?」

リヴァイ「子供だろ」

ハンジ「…………」

リヴァイ「?」

ハンジ「えーっと、確かペトラは10代……17? 18? くらいか」ブツブツ

ハンジ「んで、リヴァイは30くらい……差は12か13か……」ブツブツ

ハンジ「ありっちゃありな年齢差だけどあまりない年齢差ではあるし人によるか……」ブツブツ

リヴァイ「ブツブツうるせぇな。潰すぞ」

ハンジ「ブツブツ潰したら悪化すると思うよ。ちゃんと治療しないと」

リヴァイ「……」



979: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:17:29 ID:ahUnPAq6

88【ずれていく】


ハンジ「あー、うん、リヴァイ目線だとそうなんだね」

リヴァイ「兵士として認めてはいる」

ハンジ「それは見ていて分かるよ。だから子供と認識していたとは思わなかった」

リヴァイ「…………新兵の頃から知っているからかもしれねぇが」

ハンジ「あー……、まぁ分からなくもないかな、それは」

リヴァイ「最近はだいぶ成長した。補佐役は申し分ねぇ」

980: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:18:05 ID:ahUnPAq6

ハンジ「うんうん、確かに。特にオルオとの連携は素晴らしいね」ウンウン

リヴァイ「オルオか。あいつはなかなかだな」

ハンジ「お、それオルオが聞いたら咽び泣いて喜ぶよ」

リヴァイ「?」

ハンジ「おいおい、分からないのかよ」

リヴァイ「分からん。それよりなんの話をしていた」

ハンジ「あれ?」



981: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:18:47 ID:ahUnPAq6

89【好き勝手】


リヴァイ「話を戻すぞ。嫉妬、というにはそういうことだと思って間違いねぇんだな?」

ハンジ「あー……」

リヴァイ「おい」

ハンジ「えっと、そう……デス」

リヴァイ「……そうか」フッ

ハンジ「――――」

ハンジ「あ、う、」

リヴァイ「あ?」

ハンジ「――ぬあぁあぁぁぁ!!」ガバッ

982: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:19:57 ID:ahUnPAq6

リヴァイ「!?」
ハンジ「くっそ恥ずかしい!!」ギュー


リヴァイ「おい……」
ハンジ「ごめん、今無理。しばらく待って」ギュゥゥ


リヴァイ「……」
ハンジ「うう……」


リヴァイ「まぁ……構わんが…………」スッ、サワッ…
ハンジ「!?」ビクッ


リヴァイ「こっちも勝手にさせてもらう」サワサワ
ハンジ「ウヒャッ!? ちょっ、ちょっと! お、お尻! お尻撫でてるよね!?」

983: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:20:33 ID:ahUnPAq6


リヴァイ「いちいち触られてる所を知らせてんじゃねぇ」サワサワ
ハンジ「ひゃうっ! だから、ちょっと待っ――やんっ!」ビクッ


リヴァイ「……ほう、イイ声出せるじゃねぇか」
ハンジ「う、ううるさいばか!  ! むっつり !!」


リヴァイ「うるせぇな」グイッ

ハンジ「わっ、待ってって――」


リヴァイ「――――」
ハンジ「んうっ!?」


リヴァイ「……っ、諦めろと言っただろうが。いい加減観念しろ」

ハンジ「リヴァ……っ」



984: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:21:10 ID:ahUnPAq6

90【逃がさない】


ハンジ「ん……」

リヴァイ「……ハンジ…………」

ハンジ「リヴァイ……ねぇ、その、」

リヴァイ「なんだ」

ハンジ「今、じゃなきゃダメ?」

リヴァイ「……」

ハンジ「だ、だって、気持ちが通じたばっかりで、その」

リヴァイ「俺は今がいい」ナデ…

ハンジ「う……」

リヴァイ「何が不安だ?」

ハンジ「えっと、は、はじめて、だから」

985: ◆uSEt4QqJNo 2019/03/10(日) 23:21:49 ID:ahUnPAq6

リヴァイ「?…………あぁ……そうか、記憶」

ハンジ「うん……って思い出したの?」

リヴァイ「いや、ヤることはヤってるだろうと思っただけだ」

ハンジ「やっ!?/// そ、そうかもしれないけど」

リヴァイ「……ダメか?」

ハンジ「あ、う……」

リヴァイ「ハンジ……」ナデ…

ハンジ「う」

リヴァイ「…………」ジッ

ハンジ「~~~~っ、ずるいよ……」

リヴァイ「ああ」

ハンジ「……本当に、ずるいよ」フッ