1: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:28:27.92 ID:dTloBLzK0
ある日の事務所


心「おっ! これこの前のブライダル特集の写真? 梨沙ちゃんめっちゃかわいーじゃん☆」

梨沙「まあ、トーゼンよね!」

飛鳥「普段のツインテールを解き放った結果、お淑やかな雰囲気を醸し出す中での花嫁姿……相乗効果で実に映えるじゃないか」

梨沙「まあ、トーゼンよね!」

心「めっちゃスウィーティー☆ これならパパさんも大喜びだったでしょ?」

梨沙「まあ、トーゼン……でもないのよねぇ」

心「あれ? パパさん的には何か不満だったの?」

飛鳥「珍しいな。梨沙の誇張抜きでも、子煩悩な印象のあるパパさんが」

梨沙「いつもと同じように、アタシの晴れ姿を見て喜んでくれてたのよ。でも、時々なーんか難しい顔してて……一緒に隣で写真を見てたママは、手を叩いて大喜びだったのに」

飛鳥「時々とは、具体的に?」

梨沙「そうねー……ママが『いつお嫁に出しても恥ずかしくないわねえ』って言った時とか?」

心「はっはーん♪ はぁと、わかっちゃったぞ? 梨沙パパが手放しで喜べなかった理由」

梨沙「ホント!?」

心「まーまー落ち着きたまえマトソンくん」

梨沙「………」

梨沙「そのマトソンってアタシのこと?」

心「他に誰がいるの」

梨沙「他じゃなくても誰もいないわよ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1574090907

引用元: 的場梨沙「ごはんにする? お風呂にする? それとも――」 



2: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:30:20.55 ID:dTloBLzK0
飛鳥「父親として、愛娘がお嫁にいく未来を想像して寂しさを感じたんだろう」

心「あーーっ!! 飛鳥ちゃん今ひどいことした! はぁとがもったいぶってた答えをあっさりばらした!」

飛鳥「無駄に溜めるからだろう」

心「あとでしゅがしゅがすうぃーとの刑だからな☆」

飛鳥「言葉の響きとは裏腹にひどい目に遭いそうだ」

梨沙「アタシがお嫁にいく……? パパと結婚するんだから寂しくなんてないのに」

心「梨沙ちゃんならそう言うと思ったー♪ ま、親にはいろいろあんのよ。きっと」

梨沙「そういうもんかしら」

心「そうそう♪ 飛鳥ちゃんの親も同じだと思うよ?」

飛鳥「そういうものだろうか」

心「じゃ、確かめるために飛鳥ちゃんも花嫁姿になろうぜ☆」

飛鳥「意図は理解するけれど肯定はしない」

心「いーじゃんいーじゃん♪ 見たいなぁ、飛鳥ちゃんのブライダル☆ はぁとも梨沙ちゃんもやったんだからさ♪」

梨沙「そういえば、ハートさんも前に白無垢着てたわよね。パパさんの反応はどうだったの?」

心「梨沙ちゃんのパパさんと同じで、喜びながらも時折複雑な表情を見せてたなぁ」

心「『早く、本番でもこれが見たいな……』とか言ってた」

飛鳥「それ、梨沙パパとは感情が異なると思うんだが」

梨沙「ハートパパにもいろいろあるのね」

心「ハートパパってなんかバーバパパと似てない?」

飛鳥「やめてくれ。心さんの父親のイメージがピンク一色になる」

梨沙「娘もほとんどピンクだしいいんじゃない?」

飛鳥「それっぽい根拠を挙げるのもやめてくれ」

心「まあ、梨沙ちゃんは幸せ者だよ。お嫁にいくことを寂しがられるんだから。いつか、本気で家を出ることを望まれるようになるんだから……」

梨沙「望まれてるんだ」

心「はぁと家の血が後世につながるかどうかは、妹のよっちゃんに託されてるの。だって、はぁとはみんなのアイドルだもん。結婚なんて、結婚なんて……あぁ、残酷な運命」オヨヨ

飛鳥「自己陶酔に入り始めたぞ」

梨沙「プロデューサー呼んでくれば治るかしら」

飛鳥「というか、佐藤家はともかくとして、はぁと家はひとりしかいないだろう。というか個人だろう」

3: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:31:08.00 ID:dTloBLzK0
心「まあ、万一? 万一! はぁとが運命の出会いを果たしたとしたら? いやもしかしたらもう出会い自体は済んでるかもしれないけれども? なんだかんだで結婚までいったとしたら?」

梨沙「結婚までいくんだ」

飛鳥「既に相手を特定しにかかっている気配がするが」

心「引退する時までには、2代目しゅがーはぁとを育て上げないとね♪ それが、全人類を魅了する予定のはぁとのSAGA☆」

梨沙「予定なんだ」

心「その時はよろしくね♪ 2代目!」

梨沙「えっアタシ!?」

心「ツインテールでハートが大好きで甘党となれば、これ以上の適任はいないっしょ~♪」

梨沙「嫌よ! ていうかアタシのほうが先に結婚するし!」

心「なにおう☆」

飛鳥「はぁ……こんなことで争いになるとは予想外だった」

梨沙「……こーやって無関係を装ってる子が一番先に結婚したりするのよね」

心「負けないぞ☆」

飛鳥「おい、ボクをこの諍いに巻き込むな」

心「よーし、じゃあ早速腕相撲で勝負☆ 時代は強い女を求めているのよん♪」

梨沙「あっ! 最近ジム通いだしたからってズルいわよ!」

心「さぁさぁどっからでもかかってこーい!」

梨沙「……仕方ない。ならダブルスでいくわ!」

飛鳥「もしかしてボクを頭数に入れているのか」

梨沙「年齢的には足してちょうどいいじゃない?」

心「梨沙ちゃん? はぁと、顔は笑ってるけど心は泣いてるよ?」

4: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:35:51.41 ID:dTloBLzK0
10分後


心「ぜえ、ぜえ……疲れた……久しぶりに腕相撲でガチになったわ」

梨沙「なによ二刀流って……両手使うなんてそんなのズルじゃない……」ハァハァ

飛鳥「童心に帰るにも、限度があるな……ふぅ」

梨沙「アンタまだ子供でしょーが」

飛鳥「おっと、手厳しいな」

心「ていうか、もともとなんの話してたんだっけ……?」

梨沙「結婚とか、そのへん?」

心「あー、そうそう、それそれ。身体動かすの疲れたし、ここからは頭を働かせて、将来結婚した自分でもイメージしない?」

飛鳥「結婚した自分、と言われてもね……正直なところ、具体的なヴィジョンは浮かばないな」

梨沙「言い出しっぺがお手本を見せてくれればいいんじゃない?」

心「ふっふっふ♪ しかたないな~、じゃあはぁとが新婚さんのお手本を見せたげる☆」コホンッ

心「――いつものように夕食を作り終えて、愛しの夫の帰りを今か今かと待ち続ける。時計の進みがやけにゆっくりに思えるのは、はやる心のせいかしら」

心「そして、玄関先で聞きなれた足音が響いた時、はぁとはパタパタと駆けつけて、そしてこう言うの」

心「……おかえりなさい、あなた! ごはん、できてるよ。あとお風呂もピカピカに掃除したから」


ガチャ


P「……あ、はい。ただいま戻りました」

心「………」

心「………」←思いっきり新婚さんになりきっていたので照れている

P「いやー、外寒いですねー」←いつもの悪ふざけだと思っている


心「なんで照れないの~~~!!」

P「えっ!?」

飛鳥「自爆した責任をなすりつけようとしているぞ」

梨沙「ハートさんって普段ダイタンなのに変なとこで照れるわよね」

P「あっ。お、俺忘れ物したので取りに行ってきます!」

心「おい、逃げんな☆」


5: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:38:13.62 ID:dTloBLzK0
梨沙「まあ、だいたい方向性はわかったわ」

心「それはなによりだけど、自爆まで方向性に入れないでね?」

梨沙「わかってるわよ。新婚さんになりきればいいんでしょ? じゃ、早速いくわよ!」


梨沙「おかえりなさい、パパ!」キラキラーン

飛鳥「………」

心「いつもと同じじゃん」

梨沙「ごはんできてるわよ! アタシがパパのために作ったの!」

飛鳥「いつもと同じじゃないか」

梨沙「お風呂掃除もしておいたわ! ピカピカできっとパパも気に入ると思うわ!」

心「いつもと同じじゃん」

梨沙「うっさいわねさっきから! ていうかなんでいつもと同じって知ってるのよ! なんでウチの事情に詳しいの!」

飛鳥・心「聞かれてもないのにいつも自慢するから」

梨沙「うっ、そういえばそうだった気もする……こうなったら飛鳥、交代よ!」

飛鳥「やはりこの流れだとボクもやることになるか……」

心「演技の練習だと思って、いってみ?」

飛鳥「……ンンッ。では」


飛鳥「……やあ、待っていたよ。なかなか戻らないから、少し心配していたんだ。夕飯が冷めないうちに帰ってきてくれて、よかった」ニコ



ガチャ

P「………あ、うん。ただいま」

飛鳥「……あ、あぁ。おかえり」

P「………」プイ

飛鳥「………」プイ




心「なんで照れてるの~~~!!!」ブーブー

梨沙「日頃の行いの差でしょ」

6: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:39:30.84 ID:dTloBLzK0
P「なるほど、それで心さんや飛鳥の様子が変だったのか」

心「おうおう、はぁと達の渾身の演技を『変』で片づけるとはいい度胸じゃないか~?」

飛鳥「珍しく意見の一致だ。女心を理解っていないな」

P「痛い痛い、ぐりぐりしないでください。せめてコート片付けさせて」

梨沙「しょーがないわね。コートかけといてあげる」

P「いや、どっちかというとこの挟み撃ちの形をなんとかしてほしいんだけど……でもありがとう」

梨沙「あ、そうだ。ついでにコーヒーも入れてあげる! 最近練習してるのよ」

P「いいのか? ちょうどコーヒー飲みたい気分だったんだ」

梨沙「アタシ、空気の読めるオンナだから♪」

P「ははっ。梨沙はいいお嫁さんになりそうだな」

梨沙「セクハラ」

P「いやいや」

梨沙「ジョーダンよ。でも、そういうセリフ、パパにも言ってほしいのよねぇ」

P「お嫁さん絡みはいろいろと複雑なんだろう。父親として」

梨沙「やっぱりそうなのかしら」

P「父親になったことのない俺が言うのもなんだけどな」

梨沙「ううん、そんなことないわ。ありがと……いろいろあるのね、オトナには」

P「梨沙……」

7: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:40:17.45 ID:dTloBLzK0
梨沙「………アタシ、決めたわ」



梨沙「やっぱりアタシとパパが結婚するのが一番丸いわね!」

心「尖りすぎててあらゆる壁を壊しかねないくらいじゃない?」

P「ははは……梨沙はぶれないなぁ」

梨沙「トーゼンよ! ロリコン達になんて言われようと、変わってなんてあげないんだから♪」

P「そうか。まあ、それが梨沙らしいってことだよ。きっとみんなも」

飛鳥「きっと皆、そのままの変わらないキミだからこそ好ましく思っているんだろうね」

梨沙「ふふん♪」

P「………」

心「キメ台詞、とられちゃった?」

P「言わないでくださいよ……」

心「元気だしなって。はぁとはプロデューサーの味方だぞ☆」

P「心さん……」

心「いいこと言うじゃん、飛鳥プロデューサー☆」

P「心さん!?」

飛鳥「……なかなか悪くない響きだ。プロデューサーと呼ばれるのも、案外気分がいいな」

P「飛鳥!?」

梨沙「なかなかいいこと言うじゃない! 『ロリコン』飛鳥プロデューサー!」

飛鳥「P、やはりボク達のプロデューサーはキミしかいない。ボクには少し重い肩書だったようだ」

P「その言葉、もっと違うときに聞きたかったな」

心「んじゃ今度はぁとが言ったげるー♪」

P「それ、言わせてるみたいで嫌ですよ」

心「じゃあ忘れたころに言ってあげる☆」

P「それなら、まあ、アリ……なのかなぁ」

飛鳥「ロリコンと呼ばれるのは、意外とダメージがあるものなんだな……」シミジミ

梨沙「? よくわかんないけど、アタシコーヒー淹れてくるから」パタパタ


8: ◆C2VTzcV58A 2019/11/19(火) 00:40:54.51 ID:dTloBLzK0
梨沙「………」

梨沙「まったく、プロデューサーも飛鳥もハートさんも、相変わらず騒がしいしバカなんだから」

梨沙「プロデューサーは小学生にキワドイ格好させまくるロリコンのヘンタイだし。飛鳥はいつも難しいこと考えてるくせに意外と素直な時もあるし。ハートさんはなんかもういろいろすごいしイロモノだし」

梨沙「将来、何年経っても変わらなさそうよねぇ」

梨沙「……でも、なんだかんだ楽しいからいっか♪」



心「うまいこと締めようとしてるところ悪いけど、梨沙ちゃんも普通にこっち側(騒がしいバカ)だからね?」

梨沙「えっ」



おしまい