妹「私?サンタからのプレゼントだけど」 前編

21 :寝る前に最終話まで行きます:2011/01/02(日) 23:45:46.49 ID:QtVvKPJ50
ザー…

男「降ってるなー」

妹「……。」

男「どうかしたか?」

妹「…え?あ、ごめん、考えごとしちゃってた」

男「大丈夫か?」

妹「うん、行こ?にいさん」

男「大丈夫なら良いけど…じゃあ行くか」

バサッ

男「…ん」

妹「え?」

男「入れよ」

妹「でも、お母さんが…」

男「良いから」

妹「…はいな」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:27:38.46 ID:UFajOtJR0
妹「えへへー」

男「気にいった傘があって良かったな」

妹「あ、うん。それも良かったけどー」

男「それも?」

妹「な、なんでもないよー」

男「妹、なんか隠しごと多くないかー?」

妹「そ、そんなことないよ?」

男「…ふーん」

妹「あー、機嫌悪くしないでよ」

男「いや、悪くはしてないけど。妹の機嫌が良い理由くらい教えてくれても良いんじゃないかなー」

妹「……。」

男「ん?」

妹「…に、にいさんと散歩出来たから」

男「…あー」

妹「な、なに言わせてるのさ、バカぁ!」



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:49:21.13 ID:UFajOtJR0
男「よし、じゃあ帰るぞー」

妹「はいな!…じゃなくて」

男「ん?」

妹「私、ちょっと行くところが…」

男「え、どこ?」

妹「…妹友のところ?」

男「いや聞かれても」

妹「そう、妹友のところ!」

男「こんな時間に何をしに行くんだ?」

妹「……。」

男「……。」

妹「…か、買った傘を自慢しに行くの!」

男「答えるまでえらく間が空いたな…」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 02:56:24.47 ID:UFajOtJR0
男「こんな時間に買った傘を自慢しに行くのか?」

妹「う、うん」

男「家まで行って?」

妹「…うん」

男「明日学校でも会えるのに?」

妹「……。」

妹「り、理屈っぽい男子は嫌われるんだぞ!」

男「…え?なんで俺が責められてるの?」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:09:12.85 ID:UFajOtJR0
妹「…あ!わ、私は別ににいさんのこと嫌いじゃないからね!」

男「…まあ良いや」

男「晩御飯までには帰って来いよ?」

妹「はーい」

男「夜道だからな、人に気をつけろよ?」

妹「分かってるよー」

男「じゃあ俺は先に帰ってるからな」

妹「にいさん、傘ありがと」

男「おう」

妹「それと、勉強の邪魔してごめんなさい」

男「いい気分転換になってるから大丈夫だよ」

妹「…えへへ、にいさんは優しいね」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:17:39.27 ID:UFajOtJR0
男「お兄ちゃんってのは妹には優しくするもんだ」

妹「嘘だー」

男「ほら、良いから早く行けよ」

妹「あ、うん。じゃあまた後でね、にいさん」

男「ほんとに変な人とか気をつけろよ?」

妹「大丈夫だって」

男「俺も付いていこうか?」

妹「い、良いって!」

男「そっか」

妹「じゃ、じゃあねッ!」

タッタッタッ

男「おい、雨の中走るとまたビショビショになるぞー」

男「…たく」

男「…いったい何をしてるんだ?」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:25:03.14 ID:UFajOtJR0
タッタッタッ…

妹「…あ、いたー」

妹「よしよし、濡れてないかい?寒いよね?よく頑張ったね」

妹「…よし!」

ヌギッ

男友「わっ!」

女「わあっ!」

妹「ひゃあっ!」

男友「あ、すいませんびっくりしちゃって…」

女「ご、ごめんなさい…って、妹ちゃん?」

妹「…男友先輩に女先輩?」



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 03:32:58.45 ID:UFajOtJR0
男友「な、なんだー妹さんか…」

女「道端で急に女の子が服を脱ぎだしたからびっくりしたよ!」

妹「あ、あははー…」

女「こんな雨の中で何やってたのー?」

妹「え、というか先輩たちは二人でどうしたんですか?」

男友「そんなの勿論デートに決まって――」ゴスッ

女「……。」

男友「…僕、今嘘をつきました」

女「分かればよろしい」

妹「…えっと、本当は?」

女「このバカが、このままじゃ大学に落ちるーって泣きついてきたから勉強教えてたのよ」

妹「…へ、へぇ」

男友「どうかそんな目で見るのはやめて下さい」


64 :寝落ちごめんなさい…:2011/01/03(月) 09:35:41.53 ID:lmu3SdtK0
妹「勉強のことならにいさんに聞けば良いじゃないですか」

男友「男にも聞いたんだけど…」

妹「はい」

女「『理解が出来ないやつに教える気はない』だっけ」

男友「……。」

妹「…先輩、よくこの高校に受かりましたね」

男友「昔は出来る子だった」

妹「…ま、まあ女先輩に任せれば大丈夫ですよ」

女「知ってる?妹」

妹「はい、なんでしょう?」

女「この人1月から12月まで英語で言えないのよ」

妹「……。」

女「ついたキャッチフレーズが、『こいつは誰にも止められない』」

妹「……。」

男友「あ、その視線は甘んじて受け止めます」


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:45:27.39 ID:lmu3SdtK0
女「で、妹ちゃんは何をしてたの?」

妹「あ、いえ…この子が寒そうだったので」

男友「ん?…あー」

女「わ、可愛いー!」

妹「妹友と見付けたんです」

男友「捨てられちゃってるんだな」

女「かわいそう…」

妹「そうなんです…」

男友「で、脱いで服をあげようとしてたのか?」

妹「このセーター、この子にあげるために着てきたので」

女「健気な妹ちゃんも可愛いー!」ギュ

妹「わ、わ、離してくださいー!」

男友「雨の中でなにやってんだ…」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 09:55:48.54 ID:lmu3SdtK0
男友「もしかしてこの傘も?」

妹「…あ、はい」

女「妹ちゃん優しいねー」

妹「いえ、私のせいでにいさんに新しい傘を買わせちゃったから…」

女「男君ならそれくらい許してくれるでしょ」

男友「むしろあいつも傘を置いてくくらいだな」

女「あ、男君小動物大好きだもんね!いっそのことうちで飼うとか言い出すんじゃない?」

男友「はは、ありえるな」

妹「……。」

女「あれ、どうかしたの?」

妹「お願いがあるんですが」

女「お願い?」

妹「私がここでしてること、にいさんには内緒にしておいてもらえませんか?」


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:02:32.91 ID:lmu3SdtK0
男友「ん、内緒?」

女「男君に話してないの?」

妹「はい」

男友「どうしてだ?」

妹「…そ、それは」

女「分かったよ」

妹「…え?」

女「内緒にしとけば良いのね?」

妹「はい、お願いします」

男友「あ、あれ、理由聞いてないぞ」

女「バカ、女ってのはね、誰だって秘密を持ってるものなのよ」

男友「え、今そういう話なの?」

女「そういう話なの!」

妹「…ありがとうございます」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:13:45.47 ID:lmu3SdtK0
女「良いよー、ほら、男友も絶対に言っちゃ駄目だからね?」

男友「まあ、女の子の頼みは無条件で聞きますけどね」

女「カッコイイー」

妹「あはは…くちゅんっ!」

女「あ、ほらほら風邪引いちゃう!」

男友「帰ろうぜー」

妹「あ、はい、分かりました」

男友「家まで送ってこうか?」

妹「大丈夫ですよー」

女「気をつけて帰りなさいよ?」

妹「…えへへ」

女「どうしたの?」

妹「にいさんみたいに心配してくれたから…なんかお姉ちゃんが出来たみたいで」

女「きゃー、お持ち帰りしたいー」ギュ

妹「わ、わー!」

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:19:54.10 ID:lmu3SdtK0
女「じゃあまたねー」

男友「また遊ぼうね、妹さん」

妹「はい、お願いします。さようならー」

タッタッタッ

女「あ、走ると濡れちゃうよー?」

男友「元気だな…さて、俺も帰るかなー」

女「待てい」ガシッ

男友「…あ、やっぱまだやるんですか」

女「私の部屋でみっちりとね」

男友「……。」

女「はい、出発ー」

男「…おー」


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:29:04.56 ID:lmu3SdtK0
男「おはよー」

妹「行ってきまーす!」

バタン

男「…ん?あれ?今何時?」

母「7時」

男「…妹、家出るの早くない?」

母「なんか妹友ちゃんと約束してたみたいよ」

男「なんの?」

母「聞いてないけど」

男「……?」


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:41:20.88 ID:lmu3SdtK0
妹「おはよ」

妹友「おはよー、妹」

妹「寒いねー」

妹友「あの子大丈夫かなー…」

妹「昨日ね、一応セーターを置いてきたんだけど」

妹友「セーター?昨日って、一度家に帰った後?」

妹「うん」

妹友「ぶー、妹ばっかり頑張ってるー」

妹「わ、私じゃないよ!傘はにいさんに買ってもらったし、セーターはお母さんのだし…」

妹友「…私もなにかしてあげたい」

妹「き、聞いてよー」

妹友「よし、今日ミルクを買ってあげよう」

妹「え…でも、それ良いかも」

妹友「でしょ!じゃあ放課後にねー」

妹「うん!じゃあ、あの子に会いに行こー」

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:49:36.10 ID:lmu3SdtK0
妹「ただいまー」

男「おかえりなさい」

妹「あれ、にいさん早いね」

男「まあなー」

母「帰ってきたらすぐに着替えなさいよー」

妹「分かってるよー」

トットットッ

…………。

トットットッ

妹「いってきまーす」

男「ちょ、ちょい待ち」

妹「…あれー?」


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 10:59:01.36 ID:lmu3SdtK0
男「出掛けるの早いな」

妹「あ、うん。財布を取りに来ただけだから」

男「買い物か?」

妹「妹友とね」

男「何を?」

妹「……。」

男「……。」

妹「…ぎゅ、牛乳」

男「牛乳?」

妹「うん、牛乳」

男「妹、牛乳好きだっけ?」

妹「きょ、今日はそんな気分なの!」

母「牛乳ならあるわよ?」

妹「あ、えーっと…」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:01:53.18 ID:lmu3SdtK0
妹「今日は買いたい気分なんです」

母「……?」

男「……。」

妹「じゃ、じゃあいってきまーす」

母「…いってらっしゃい」

バタン

母「妹、どうしたのかしら」

男「……。」



81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 11:23:28.87 ID:lmu3SdtK0
妹「お待たせー」

妹友「全然待ってないよー」

妹「じゃあ行こっか」

妹友「うん、どこで買うー?」

妹「牛乳ってコンビニに売ってるよね?」

妹友「コンビニって高くないかな…?」

妹「大丈夫、私も払うから」

妹友「え、やだよー、私があげるからー!」

妹「私もあげたいもん」

妹友「…むー」

妹「えへへ…行こ?」

妹友「しょうがないなー」

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 12:50:48.14 ID:voe+fswu0
妹「来たよー」

妹友「来たよー」

妹「ミルクあげるからねー」

妹友「寒くなかったー?」

妹「…あ、ミルクどうやってあげよう」

妹友「はい妹、お皿持ってきたから」

妹「あ、ありがとー」

妹友「飲んでくれるかなー」

妹「どうかな…はい、どうぞ」

男「…冷たい牛乳あげるとお腹壊すぞー」

妹友「わあっ!」

妹友「わっ!」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:10:50.58 ID:voe+fswu0
妹「に、にいさん?」

妹友「あ、お兄ちゃん、こんにちはー」

男「こんにちは、妹友ちゃん」

ミャー

男「…やっぱりネコだったか」

妹「ど、どうしているのかな…」

男「……。」

妹「……。」

男「…はぁ」

妹「ご、ごめんなさい」

男「いや、なんも怒ってないけどね」

妹友「…ネコさん、牛乳だとお腹壊しちゃうんですかー?」

男「あー、普通の牛乳はあげ過ぎないほうが良いんだよ。ほら、ネコ用のミルク買ってきたからこれを飲ませてあげて」

妹友「あ、はーい」


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 13:27:07.22 ID:voe+fswu0
ミャー

妹友「飲んでますねー」

妹「…美味しそう」

男「妹、よだれ」

妹「へ?…わーわー!」

妹友「妹も飲む?」

妹「い、いらないもん」

男「だからそれネコ用だって…」

ミャー

妹友「え?もっとー?」

妹「あげていい?にいさん」

男「あとちょっとだけな」

妹「はーい、どうぞー」

ミャー

妹友「あはは、喜んでるー」


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 14:10:44.44 ID:vuFzzPRS0
妹友「じゃあ妹、また明日ねー」

妹「うん、またね」

妹友「お兄ちゃん、今度家に遊びに行きますね」

男「いつでもどうぞ」

妹「駄目だよ、にいさんは受験生なんだからね!」

妹友「あ、そっかー…」

男「はは、気にしなくて良いよ」

妹友「ほんとですかー?」

男「ほんとほんと」

妹「…むー」

男「じゃあね、妹友ちゃん」

妹友「はい、さようならー」


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:20:51.18 ID:U0QBlTuy0
男部屋

男「…なるほどな、傘とセーターはこういうことか」

妹「…ごめんなさい」

男「いや、だから別に怒ってないって。むしろ妹の優しさに感心してるくらいだし」

妹「うん…」

男「でもまあ、ひとつ言うとしたら、なんで俺に内緒にしてたかってことだな」

妹「……。」

男「言ってくれたら俺も色々やってあげたのに」

妹「……。」

男「なんだったら母さんに頼んであのネコを飼っても良いしな」

妹「……。」

男「運の良いことに、俺も母さんもネコは大好きだ」

妹「…だからだよ」

男「え?」


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:37:10.99 ID:U0QBlTuy0
妹「にいさんもお母さんも、ネコが好きなの知ってるし…優しいから」

妹「ばれちゃったら…ネコを飼っても良いよって言うかなーって」

男「あれ、飼いたくないのか?でもそれなら別に、無理に飼えって言うわけじゃないしさ」

妹「…うー」

男「…ん、飼いたいのか?」

妹「……。」

男「いや、だからもし母さんが反対しても俺が頼んでやるって」

妹「…だって、飼うことになったら私のせいでにいさん達に迷惑かけちゃうことになるし」

男「迷惑?」

妹「うん…」

男「……。」

ペシッ

妹「あうっ」

男「お前、なに今更家族に向かって遠慮なんかしてるんだよ」

妹「……。」

112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 17:55:27.63 ID:U0QBlTuy0
男「あほか、どこの世界に飼っても良いよって言われて遠慮する妹がいるんだよ」

妹「……。」

男「妹は家族ってものを分かってないな、兄妹というものが理解出来てない」

男「良いか、よく聞けよ?」

男「昔から、妹はわがままを言うもの、兄はそれに付き合うものだって決まってるんだから」

妹「…そんなの聞いたことない」

男「じゃあ今覚えれば良い」

妹「……。」

男「だから、お前は遠慮なんかしちゃ駄目なんだからな。うちの家族なら、俺の妹なら、いらない気遣いなんかするな」

妹「……。」

男「今度そんなことしたら、また説教だからな、分かってるな?」

妹「……。」

男「返事は?」

妹「…はい」


114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 18:03:07.93 ID:U0QBlTuy0
男「よし…ほら」

ナデナデ

妹「ふあ…な、なに?」

男「叩いてごめんな、痛かっただろ」

妹「力なんて全然いれてないくせに…」

男「でも、叩かれたら心が痛くなるだろ?」

妹「…にいさん、たまに臭いこと言うよね」

男「うるせー」

妹「それに、叩いて傷ついてるのはにいさんの方だし」

男「妹を叩いて心を傷めないやつなんて兄じゃないよ」

妹「ほらまたー」

男「なんだよ、本心だぞ?」

妹「…知ってる」

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/03(月) 18:16:48.57 ID:U0QBlTuy0
男「よし、じゃあ兄としての役目を果たしに行くかなー」

妹「え?」

男「母さんにネコを飼うことを交渉しに」

妹「……。」

男「ま、すぐ許してくれるだろうけど」

妹「…行かなくて良いよ、にいさん」

男「ん、なんでだ?」

妹「やっぱり、ネコは飼わない方がいいもん」

男「…余計なことは考えなくても良いんだぞ?」

妹「ううん、考える…というか、にいさんは誤解してるけど」

男「誤解?」

妹「私が考えてるのは…私がいなくなった後のこと」

男「……。」

158 : :2011/01/04(火) 04:16:59.40 ID:hkaOf6wk0
妹「私の為にネコを飼っても、私はすぐにいなくなっちゃうから」

妹「私がいなくなった後は、やっぱりにいさん達に迷惑がかかっちゃうもん」

男「……。」

妹「なのに、飼いたいなんて…言えないよ」

男「……。」

妹「……。」

男「…え、なに?もう一回同じこと説教しないといけないのか?」

妹「え?」

男「妹はネコが飼いたいんだろ?」

妹「…うん」

男「だったら変な遠慮はするなって言ってるだろ」

妹「だって…」

男「だってもなにもないよ」

男「あとどれくらいかなんて関係ない、いつ終わるかなんて関係ない」

男「妹はずっと俺の妹なんだから…遠慮するなって、何度言わせる気だよ」

159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:30:44.65 ID:hkaOf6wk0
妹「うー…」

男「…で、俺は今から何をすれば良いんだ?」

妹「……。」

男「お母さんの説得?」

妹「…ううん、しなくて良い」

男「…そっか」

妹「説得はね、私がする」

妹「私ね、ネコ…飼いたいから、私がお母さんに頼む」

男「…妹」

妹「にいさん、もしお母さんが許してくれたら…お世話を一緒にお願いしていい?」

男「もちろん」

妹「えへへ、ありがと」

男「母さんが許してくれたら、すぐにネコを迎えに行ってやろうな」

妹「うん!」

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 04:43:44.19 ID:hkaOf6wk0
男「妹、行くぞ」

妹「待って、クツがはけないー」

男「急がなくて良いから」

妹「お、おまたせ」

男「ん、まだ雨降ってるなー」

妹「そうだね」

バサッ

男「…と、俺の傘に入ってくか?」

妹「え、はいるー…じゃなくて」

妹「は、はいらないー…」

男「良いのか?」

妹「急いで迎えに行きたいの!」

男「急ぐって、まさか」

妹「行くよ、にいさん」タッタッタッ

男「…しょうがないな」

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 05:00:41.18 ID:hkaOf6wk0
男「つ、着いたぁ…」

男「…はあ…はあ…そういえば、妹は足が速いんだった」」

妹「……。」

男「ん、妹どした?」

妹「…これ」

男「…ネコ、いなくなってるな」

妹「この手紙の人がネコを拾ってくれたみたい」

男「この手紙はどこに?」

妹「ネコがいた場所だよ」

男「…俺らが家に帰ってる間にってことか」ピラッ

『この子は私が大切に育てます』

男「…大丈夫そうだな」


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 08:05:08.31 ID:jX5ENLLB0
妹「……。」

男「…妹」

妹「うん、この方が良かったよね」

男「…まあ、飼い主が見つかって良かったよ」

妹「……。」

男「そんなに飼いたかったか?」

妹「え、な、なんで?」

男「じっと段ボール見てるし」

妹「え、違う…これは、そのー」

男「そのー?」

妹「…飼いたかったよー」

男「よしよし」

妹「な、なでるなー!」


169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:02:36.60 ID:y7g1F5OI0
男「…ん?妹、もう一枚紙があるぞ」

妹「え…あ、ほんとだ」ペラッ

『追伸、傘とセーターをありがとうね、可愛いお嬢ちゃん』

男「…見られてたみたいだな」

妹「だねー」

男「きっと妹が世話してるのを見て飼ってあげることにしたんじゃないかな」

妹「だと嬉しいな」

男「…さてと、帰るか」

妹「うん」

男「飼えなくて残念だったな」

妹「ううん、これで良かったんだよ」

男「そっか」

妹「えへへ、やっぱり飼いたかったけどね」

男「……。」



171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:13:46.29 ID:TOJODEyV0
妹友「そっか、残念だったねー」

妹「でもこれで良かったと思うよ」

妹友「どうして?」

妹「ネコなんて飼っちゃったら、きっと私かわいがり過ぎちゃうもん」

妹友「あはは、そうかもね」

妹「やっぱりネコは道端でちょっとだけ遊ぶのが一番良いよ」

妹友「…妹、また嘘ついたー」

妹「…あ、あれ、妹友にはなんでばれちゃうのかな」

妹友「ちっちっち、私をなめてもらっちゃ困りますぜー」

妹「うー、参りました」

妹友「で、本音は?」

妹「…ネコが飼えたら、楽しいだろうなー」

妹友「あはは、素直になるのが一番だよ」

妹「…あはは、そうだねー」

172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:25:35.20 ID:TOJODEyV0
妹友「あ、分かれ道に着いちゃったね」

妹「そうだねー…じゃあ妹友、また明日ね」

妹友「うん」

妹「ばいばーい」

妹友「…妹ー」

妹「ん、なぁにー?」

妹友「素直になった妹にプレゼントがあるよー」

妹「…え?」

妹友「自分の部屋に行ってみなー」

妹「……!」

タッタッタッ

妹友「…ふふ、ばいばーい」ヒラヒラ


175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:39:26.32 ID:WAxD3+pL0
ガチャ

妹「ただいまー!」

母「おかえりなさい」

男「おかえり」

母「今外は寒い?妹」

妹「走ってきたから分からなーい」

トットットッ

男「…妹友ちゃんから聞いたのかな」

母「ふふ、みたいね」

176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 09:45:12.93 ID:WAxD3+pL0
妹「もしかして…もしかしてー」

ミャー

妹「今なんか聞こえたー!」

男「…階段くらい静かに上がれないのか」

妹「……。」

男「ん、なに部屋の前で固まってるんだ?」

妹「にいさん、このドア開けていいの?」

男「開けていいもなにも、お前の部屋だろ。好きにしろよ」

妹「う、うん、好きにするー」

妹「……。」

ミャー

妹「また聞こえたー!」

男「良いから早く開けろよ…」


179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:10:31.72 ID:WAxD3+pL0
妹「じ、じゃあいくよー…」ガチャ

妹「……。」

…ミャー

妹「…わ、わー…ネコだ、ほんとにネコだー!」ギュー

男「お、おい…ほどほどになー」

妹「わー!暖かいー!柔らかいー!」

ミ、ミャー…

男「…はは」

母「妹の反応はどう?」

男「見ての通りだよ」

妹「妹友、そうだ妹友に早く見せないと!で、電話ー」

男「…たく、そんなに嬉しいならなんで余計な遠慮なんてしようとするんだよ」

母「女心は複雑なのよ」

男「え、そういう話なの?」

母「そういう話なの」

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:15:55.32 ID:WAxD3+pL0
母「お金はどれくらいかかった?」

男「…ん」

母「…あらら」

男「カンパよろしく」

母「しょうがないわね」

男「まったく、兄ってのも疲れるな」

母「兄は妹のわがままに付き合うもの、だっけ」

男「…聞いてたのかよ」

母「え、なんの話?」

男「…まあ良いけどな」

妹「にいさんにいさん」

男「ん、なんだ?」

妹「ありがとうね!」

男「…こうやって妹の笑顔も見れたし」

181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:23:08.63 ID:WAxD3+pL0
妹「ね、ね、にいさんも触らない?」

男「俺はいいから、好きなだけ可愛がってやれよ」

妹「私はにいさんと遊びたいのー」

男「…はいはい」

母「…ほんとに良かったわ」

男「え?」

母「妹、最近暗い顔をするときが多かったから」

男「……。」

妹「きゃ、なめられたー!」

男「…ま、いいじゃん、そんなこと考えなくたって」

妹「にいさん、はやくー」

男「今、妹が笑ってるんだから」

母「そうねー」

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 10:30:54.82 ID:WAxD3+pL0
ピンポーン

妹「妹友!」

タッタッタッ

妹友「えへへ、ネコだよ、ネコー」

男「いつもこうやって笑ってろよな、まったく」

母「それを手伝うのがお兄ちゃんの役目なんでしょ?」

男「…はは」

母「ほら、今日は勉強なんてしないで妹たちに付き合ってあげなさい」

男「受験生に言う台詞か、それ」

母「何か異論でも?」

男「ないけどさ」

妹「名前、名前どうしよー!」

男「…そうだな、妹が笑っていられるなら」

男「そんな一日も、悪くない」

秋のある日 おわり


185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:22:46.27 ID:eDZW4IG60
妹『私はサンタからあなたへのプレゼントなの』

妹『これからずっと一緒にいるんだから、ちゃんと私を大事にして』

妹『勘違いしないでよね、誰が好き好んでにいさんと一緒になんか――』

妹『約束したとおりに私のこと、だ、大事にしてくれてるし…』

妹『私の好きな食べ物って知ってる?』

妹『全部「作り物」の妹だもんね』

妹『あはは、こんなこと言われても困るよね』

妹『にいさーん?』 

妹『わたし、しばらく受験生になります』

妹『私、絶対にいさんと同じ高校に行くから』

妹『…手、握っていい?』

妹『変なこと言おうとしちゃった…熱があるからかな』

妹『いやだぁ、落ちてるもんー』

妹『にいさん、私受かってた!受かってたよー!』

男「……。」

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:25:07.76 ID:eDZW4IG60
妹『…一緒に、お土産見よう?』

妹『持ってる二人が一緒にいないと、この絵が完成しなくなっちゃうんだ』

妹『私とにいさんの、思い出だから』

妹『…私ね、この旅行のこと、絶対に忘れないよ』

妹『…あーあ、一年なんてあっという間だね』

妹『分かるよ、だって私、にいさんの妹だもん』

妹『私、にいさんの妹で良かった』

妹『…えへへ、にいさんは優しいね』

妹『私が考えてるのは…私がいなくなった後のこと』

妹『私はすぐにいなくなっちゃうから』

妹『私がいなくなった後は、やっぱりにいさん達に迷惑がかかっちゃうもん』

妹『ううん、これで良かったんだよ』

妹『…にいさん、ねえ、にいさん』

妹『ひとつだけ、言いたいことがあるんだ…それはね…』


私を、忘れないで

187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:33:21.99 ID:eDZW4IG60
ピピピピピピピピ

男「……。」

ピピピピピピピピ

男「……。」

ピピピピピピピピ

男「……。」

ピピピピピピ カチッ

男「……。」

男「……。」

男「…12月22日」

男「…そっか」

男「今日から冬休みか」

188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:34:31.11 ID:eDZW4IG60









        最終話  妹












192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/04(火) 11:52:29.05 ID:eDZW4IG60
男「おはよう」

母「おはよう、朝ご飯はパンで良い?」

男「いいよ」

ミャー

男「ミャーも、おはよう」

スリスリ

男「はは、くすぐったいな、やめろって」

母「すっかり男に懐いたわね」

男「まあ俺は餌係だからな…妹は?」

母「まだ寝てるみたい」

男「なんだ、夜更かしでもしたのか?」

母「起こしてきて、男」

男「はいはい」


288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:15:47.16 ID:bqBYvb490
コンコン

男「妹、入るぞ」

ガチャ

妹「…んー」

男「まだ寝てるのかよ…目覚まし嫌いだからって、つけないのはどうかと思うぞ」

男「ほら、朝だぞ妹」

妹「…ん」

男「遅刻するぞー」

妹「…ふあ」

男「起きたか?」

妹「…にいさん?」

男「おはよう、妹」

妹「……。」

男「…あれ?」

290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:22:24.06 ID:bqBYvb490
男「妹、おはよう」

妹「…おはよー」

男「お、起きてた」

妹「…起こしてー」

男「へ?」

妹「手、引っ張ってー」

男「しょうがないな…ほら、手」

妹「……。」

グイッ

男「…え?」

ポフッ

男「…妹?」

妹「…えへへ、一緒にもう少し寝てようよー」

男「……。」


296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:35:53.96 ID:bqBYvb490
妹「私、まだ眠いよー」

男「……。」

妹「あ、にいさんもお布団の中に入る?暖かいよー」

男「…たく、なに寝ぼけてんだよ」

バサッ

妹「あ、寒い…」

男「終業式に遅刻するぞ」

妹「…むー、寝ぼけてなんかないもん」

男「ほら、ちゃんと着替えてから下に来いよ」

妹「……。」

男「返事は?」

妹「…はぁい」

297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 02:59:27.97 ID:bqBYvb490
男「ごちそうさま」

母「妹遅いわね」

男「髪が長いからな、女の子ってのはめんどくさいもんだ」

トットットッ

母「ふふ、来たわね」

妹「おはよー」

母「おはよう、妹」

男「妹、ボタン付け間違えてるぞ」

妹「え…わ、わー!」

男「はは、じゃあ先行っとくぞ」

妹「え、にいさん、一緒に行こうよー」

男「…ん?友達にからかわれるから嫌だって言ってたのに」

妹「いいの、一緒に行こ?」

男「じゃあ早くご飯食べろ」

妹「あ、食べる、食べますから!」

299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:13:58.06 ID:bqBYvb490
男「はよー」

男友「お、おはよう」

女「おはよー、今日から冬休みだよ、男君!」

男「え、分かってるけど」

女「楽しみだねー」

男友「楽しみだなー」

男「…受験生の自覚がないのかお前らは」

女「でねでね、遊びの予定なんだけどさ」

男「…ねえ、聞いてる?」

女「えっとね、男君は24日とか空いてる?」

男「24日?」

男友「はいはい、俺は空いてますよ!」

女「うん24日、空いてる?」

男友「…無視って一番辛いんだぞ?」



301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:32:07.74 ID:bqBYvb490
男「…24日はちょっと」

女「え、そうなの?」

男「まあ、空けておきたいんだ」

女「妹ちゃんとデートかなー?」

男友「なんだと、デートだって?」

男「デートって…いや、でもまあ似たようなものかな」

女「うふふ、じゃあしょうがないね」

男友「じゃあ俺らもデートするか、女」

女「最低」

男友「なにゆえ…」

女「クリスマスイヴだしみんなで遊びたかったんだけどなー」

男「でも明日は空いてるぞ」

女「あ、じゃあ明日みんなで遊ぼー!」

302 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:45:07.42 ID:bqBYvb490
男「うん、良いよ」

女「…あ、あれ、また受験生だぞーとか言われるかと思ったのに」

男「ま、妹も喜ぶだろうし」

女「うん、妹友も誘わないとねー」

男「分かった、誘っとくよ」

男友「お、楽しみだな」

女「明日は四人で遊び尽くそーね」

男友「おー…あれ、四人?」

女「私と妹友と男君と妹ちゃん」

男友「あれ?俺は?」

女「あ、男友も来るんだ?」

男友「数に入ってなかっただと…」

303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 03:58:30.46 ID:bqBYvb490
妹友「明日ですか?もちろん良いですよー」

妹「にいさん達、勉強は大丈夫なの?」

男「俺はまあ、大丈夫」

妹「男友先輩は?」

男「……。」

妹「……。」

妹友「…あ、明日くらい勉強を忘れたって良いじゃないですかー」

男「そ、そうだな」

妹「まあ先輩達が乗り気なら良いんだけど」

妹友「では、明日のこと楽しみにしておきますね」

男「うん、じゃあまた明日」

妹友「さようならですー」

妹「ばいばーい」

304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:22:03.01 ID:bqBYvb490
男「よし、帰るぞ妹」

妹「うん」

男「寒いなー…明日も寒くなるって言ってたし、暖かくして遊ばないとな」

妹「……。」

男「あれ、聞いてる?」

妹「…にいさん、寒いー」

男「はは、そうだな。早く帰ろう」

妹「手が冷たいよ」

男「うん」

妹「にいさん、手が冷たいなー」

男「…うん?」

妹「だからね、にいさんの手で暖めて?」

男「…なに言ってんだ。ほら、先行くぞ」

妹「あ、待ってよー」

305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:34:25.25 ID:bqBYvb490
妹「ふんふーん」

男「妹、そろそろ寝ないと明日の待ち合わせに間に合わないぞ」

妹「あ、あと少しで読み終わるから待ってー」

男「はいはい」

妹「…うわー」

男「……。」

妹「…へー」

男「……。」

妹「ふむふむー」

男「……。」

パチ

妹「わーわー、暗い暗い!」

男「読むフリじゃなくて、早く読めよ」

妹「な、なんでばれたのかな…」

307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 04:52:19.93 ID:bqBYvb490
男「ほら、電気つけてやるからちゃんと読むんだぞ」

妹「あ、つけなくて良いよ」

男「ん?」

妹「つけなくて良いから、このまま一緒に寝よう?」

男「……。」

妹「ダメ…かな」

男「…いや、別に良いけど」

妹「ほんと?やったぁ」

男「妹、なんか今日――」

妹「ちょっとでも、にいさんと一緒にいたいの」

男「……。」

妹「ねえ、寝よう、にいさん」

男「…ああ」

妹「ほら、布団に入って」


309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 05:04:20.43 ID:bqBYvb490
男「……。」

妹「…えへへ、ちょっと狭いね」

男「一人用のベッドだからな」

妹「もうちょっとそっちに行っても良い?」

男「ん、落ちそうなのか?」

妹「ううん、全然」

男「…良いよ」

妹「…ん」

ピトッ

男「……。」

妹「…暖かいね」

男「そりゃあ良かった」

妹「じゃあ、おやすみにいさん」

男「…おやすみ、妹」

339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:37:43.27 ID:uPySTmJa0
男「…Zzz」

妹「……。」

男「…ん」

妹「ふふ、にいさん…暖かい」

妹「あ、そろそろ目覚ましがなる時間かな」

男「…うーん」

妹「…先に止めちゃえ」カチッ

男「……。」

妹「もうちょっと寝てても、大丈夫だよね…」

妹「えへへ、にいさん…にいさーん」ギュー

ミャー

妹「わぁっ!」パッ

妹「…って、ミャー。びっくりさせないでよぉ」

男「…ん…朝か?」

妹「あー、にいさん起きちゃった…」

343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:52:09.58 ID:uPySTmJa0
男「…ん、どうした?」

妹「な、なんでもない…おはよう、にいさん」

男「おはよう…妹、やけに眠そうだな」

妹「え、そ、そう?」

男「寝れなかったのか?」

妹「寝れなかったというか…その」

男「その?」

妹「寝ちゃうのが勿体ない気がして…」

男「…馬鹿、ちゃんと寝ないと昼間に眠くなっちゃうぞ」

妹「あう…ごめんなさい」

男「しょうがないな…ん、あと1時間くらいは大丈夫かな」

妹「え?」

男「ほら、二度寝しよう。時間ぎりぎりになるけど、まあ良いだろ」

妹「えへへ、やったぁ」

344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 16:07:31.21 ID:uPySTmJa0
男友「お、来た来た」

女「遅いぞー」

妹友「天誅ですよー」

妹「ご、ごめんなさい」

男「悪い悪い、俺が寝坊しちゃって」

女「男君が寝坊なんて意外だなー」

男友「罰として昼飯は男の奢りだな」

男「か、勘弁してくれよ」

妹友「妹ー」

妹「な、なに?」

妹友「本当は妹が寝坊したとか?」

妹「ち、違うよ」

妹友「え、じゃあ本当にお兄ちゃんが寝坊したの?」

妹「…そ、それも違うかな」

妹友「……?」

347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 16:52:00.54 ID:uPySTmJa0
女「じゃあ今日は一日楽しんじゃおー」

妹友「おー!」

男「具体的には何やるんだ?」

女「え、決めてないよ?」

男「…え?」

女「みんながやりたいことに、他の人が付き合うの」

男友「だ、だからこんな朝早くから集まったのか…」

妹友「楽しそうですねー」

妹「やりたいことって言われても困るよー」

男「…疲れそうだな」

女「まあまあ、そんなこと言わずに」

妹友「じゃあ一番目は誰ですかー?」

女「はいはい、私!」

男「分かった分かった、なにやるんだ?」

女「ボウリング!」

350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:05:56.38 ID:uPySTmJa0
ドガーン!

男友「うし!見たか!」

男「ジュース買ってきたぞー」

妹「あ、ありがとー」

妹友「気が利きますねー、お兄ちゃん」

女「はい、私ミルクティー!」

男友「…おーい」

女「あ、男友終わった?じゃあ次は私だねー」

妹友「頑張ってください先輩ー」

男「ファイトー」

男友「……。」

妹「先輩、ナイスストライクです」

男友「…うー、妹さんは優しいなー」

351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:24:07.17 ID:uPySTmJa0
女「はっはっは、一位!」

男「なるほど、ボウリングをやりたがるわけだ…」

妹「ボウリング難しかった…」

妹友「初めてならしょうがないよー」

男「はじめに上投げでいこうとしたときは焦ったけどな」

妹「そ、それは忘れて!」

男友「はは、可愛いもんじゃん」

女「間違えて隣のレーンに投げた奴がなに言ってるんだか」

男友「う…」

妹友「隣のお客さんびっくりしてましたからねー」

男友「あー、それはもう良いから…ほら次は誰だ?」

妹友「あ、じゃあ私で良いですか?」

女「お、妹友は何がやりたいのー?」

妹友「そうですねー…あ、ちょうど行きたいところがあったんですー!」

352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 17:47:54.14 ID:uPySTmJa0
妹友「ふふ、幸せー」

女「び、美術展…」

男友「これは予想出来なかった…」

男「まあ、妹友ちゃんらしいかな」

妹「妹友、絵が凄い上手なんだよー」

妹友「あ、こんなところに付き合わせてごめんなさい…」

男友「いやいや、こんな機会じゃないと来ない場所だしな」

男「俺はわりとこういうところ好き」

女「…綺麗」

妹「先輩も魅入ってるみたいだしね」

妹友「そう言ってもらえると嬉しいですー」

男「ほら、ゆっくりと見て回ろう」

妹「おー!」

男「妹、こういう場所は静かに」

妹「は、はいな…」

355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:05:39.14 ID:uPySTmJa0
妹「女先輩、妹友よりも真剣に見てましたね」

女「凄かったー、絶対また行くよ!」

男友「女に絵の良さが分かる感性があるとは」

女「失礼な、こう見えても私は美術選択だぞ」

妹友「あ、私と一緒ですねー」

女「帰ったら久し振りに絵でも書こうかなー」

男「……。」

妹「どうしたの、にいさん」

男「女の絵はな…まあ独特というか」

男友「先生に平成のピカソって言われてたな」

女「いやー、そんなに褒められてもー」

男「…まあ良いや、次は誰だ?」

男友「じゃあ俺!カラオケで俺の美声を聞かせてやろう」

男「……。」

女「…出た、平成のジャイアン」

358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 18:44:35.13 ID:YJ9SKZQU0
男友「ア゛ーア゛ーア゛ーア゛ー♪」

男「…もはや何を歌ってるのかすら分からない」

妹「……。」

妹友「……。」

女「ごめん…私がこんな企画をしたばっかりに…」

男「耐えろ、3時間パックだから…フリータイムじゃないから…」

妹友「…い、妹、なに歌うー?」

妹「わ、私?知ってる歌ならなんでも」

妹友「じゃあこれー」

妹「ね、ねこ?にゃん?…し、知らないよー」

妹友「なんだ、残念ー」

男友「ウ゛ーウ゛ーウ゛ーウ゛ー♪」

男「な、なんでも良いから歌ってくれ…」

女「耳の保養…耳の保養をお願い」

360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:14:48.28 ID:YJ9SKZQU0
男友「さあ、次々ー!」

男「…もう疲れた」

女「同じく…」

妹「楽しかったねー、妹友」

妹友「そうだねー」

女「…若いなー」

男「楽しんでるなら良いんだけど」

妹友「さあ、次は誰ですかー?」

男友「あとは男と妹さんだけだな」

男「と言われても、俺は別に行きたいところないんだけど」

妹「わ、私もまだ決まってない…」

男友「そんなこと言ってないで、ほら次は男の番な」

女「どこでも良いからさー」

男「うーん、だったら…」


363 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 19:37:54.68 ID:YJ9SKZQU0
キャンキャン

ニャー

女「ペットショップかー」

男友「男、動物好きだもんなー」

男「まあそれもあるけど…」

妹「わー、わー!」

妹友「いっぱいいる!ネコさんもイヌさんもいっぱいー!」

男「この二人が喜ぶかと思って」

女「…それ、自分の行きたいところじゃないじゃん」

男「良いんだよ」

妹「ミャー連れて来れば良かったかなー、お友達たくさんなのにー」

男「…楽しんでる姿が見れるからさ」

男友「…シスコン」ボソッ

男「聞こえてるぞおい」


369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:33:03.23 ID:YJ9SKZQU0
妹友「うさぎ、うさぎも良いなー」

妹「えー、やっぱりネコだよー」

男友「まだ言ってるよ」

女「よっぽど楽しかったんだねー」

男「…女だってずっと騒いでただろ」

男友「なに先輩面してるんだか」

女「お、女の子は可愛いものが好きなのー!」

男「分かった分かった…じゃあ、残るは妹だな」

妹友「どこ行きたいか決まったー?」

妹「え、えっと…行きたいところはあるんだけど」

女「あ、あるんだ!じゃあそこ行こうよ」

妹「でも、きっとみんなは楽しくないから…」

男友「どこでも良いぞー」

男「ほら言ってみろよ」

妹「じゃ、じゃあ…」


374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 20:50:49.12 ID:YJ9SKZQU0
妹「…遊んで良い?」

男「おう、行ってこい」

妹友「行こ?妹」

妹「…うん!」

タッタッタッ

女「公園ねー」

男「まあ、高校生が一人で遊べる場所じゃないか」

男友「…寒い」

男「お前も体動かして来いよ」

男友「…そうする」

女「よーし、私も童心に帰るかなー」

男「…年中童心に帰ってるように見えるってことは言わないでおこう」

女「…口に出てますよ」


377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:13:25.20 ID:YJ9SKZQU0
妹「ブランコ…難しい」

男友「こうだよ、こう!膝をぐっとやって、ぐんって!そしたらぎゅーんっといくからばーんって!」

女「それじゃあ全然分からないでしょ…あと、そんなに漕ぐと危ない」

男友「ははは、大丈夫大丈…って、わわわー!」

妹「うー…私も漕いでみたいー」

男「俺が教えてやるよ、妹」

妹「え、やったぁ!」

妹友「お兄ちゃん」

男「ん?」

妹友「妹、公園楽しそうですね」

男「…まあ公園で遊ぶの、初めてだろうしな」

妹友「……。」

男「ほら、そんな顔してないで、妹友ちゃんも行くぞー」

妹友「…がってんしょうちのすけー」

妹「にいさん、早く教えてよー!」


381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:37:30.25 ID:YJ9SKZQU0
女「暗くなってきたねー」

男「そろそろ行くぞー、妹」

妹「え、もう少しー」

妹友「もう少しー」

男友「もう少しー」

女「男友まで…」

男「じゃあ後少しだけ」

妹友「やったー」

妹「妹友、シーソーやってみようー」

妹友「え…シーソーはちょっと」

妹「あれ、なんでー?」

妹友「私、妹より…お、重いもん」

男友「じゃあ女とするかー?」

妹友「あ、なら良いですよー!」

女「おい」

383 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 21:52:25.07 ID:YJ9SKZQU0
女「あー、今日は楽しかったね」

男友「おう」

男「妹、楽しめたか?」

妹「うん、楽しかったー」

男友「じゃあ暗くなったし、そろそろ帰りますか」

男「そうだな」

妹友「あ、私ちょっとトイレに行ってきますね」

妹「あ、じゃあ私もー」

男友「はいよー」

男「…ふう、疲れたな」

男友「だなー、久し振りにここまで体を動かしたよ」

女「…ねえ、男君」

男「ん?」

女「他に私達が出来ること、ある?」


388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:28:18.13 ID:LNEVB6kU0
男「…ん?なんの話だ?」

女「妹ちゃんの為にね」

男友「思い出作りだけで良いのか?」

男「……。」

女「ごめん、妹友に聞いちゃったから」

男「…そっか」

男友「話してくれても良かっただろ」

男「悪い、余計な心配をかけたくなかったんだ。それに、普通は信じられない話だし」

女「なに言ってんだか」

男友「お前の話なら信じるに決まってんだろ」

男「…ごめん」

女「ふふ、妹ちゃんの為だからねー」

男友「なんだってやるぞ」

男「……。」

393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 22:54:45.63 ID:LNEVB6kU0
男友「…それだけで良いのか?」

男「おう」

女「あとは、男君に任せれば良いんだね?」

男「…おう」

男友「なら分かった」

男「頼んだ、男友」

男友「頼ってくれなかった奴が何言ってんだ」

男「ごめん…」

男友「…なんてな」

女「大丈夫だよ、男友はこう見えて頼りになるんだから」

男友「こう見えては余計だけどな」

男「はは、分かってるよ」

男友「ま、任せとけ」

男「…ああ」


403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:35:25.36 ID:/CH3xjtg0
妹「お待たせー」

妹友「寒くなかったですかー?」

男友「大丈夫大丈夫」

女「じゃあ、これ以上寒くなる前に帰ろっか」

妹「えー」

男「もう十分楽しんだろ?」

妹「…はぁい」

女「妹友も、楽しかったよねー?」

妹友「はい、もちろんですよー!」

女「ふふ、じゃあ今日は解散でー」

男友「家まで送るぞ、女」

女「お、気が利くねー」

妹「妹友、途中まで一緒に帰ろう」

妹友「よろこんでー」


407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:41:27.46 ID:/CH3xjtg0
女「じゃあねー」

男友「またな」

男「女、気を付けて帰れよ」

男友「…俺は?」

女「あんたは私のボディーガードでしょうが」

妹友「女先輩ー」

女「ん、なんだい?」

妹友「……。」ニヤニヤ

女「…ば、馬鹿!」

男友「……?」

女「か、帰るわよ男友!」

男友「はいよ」

妹「今日はありがとうございました」

女「いやいや…またね、妹ちゃん」

男友「また遊ぼうなー」

410 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 23:50:32.53 ID:/CH3xjtg0
妹友「…ふふ、なんだかんだいって上手くいってますねー」

妹「だねー」

男「なんの話だ?」

妹友「いえいえ、こっちの話です。ねー?」

妹「ねー」

男「……?」

妹友「じゃあ私達も帰ろー」

男「そうだな…家まで送ってくよ妹友ちゃん」

妹友「あ、途中までで大丈夫ですよー」

男「可愛い子は夜道を一人で歩いちゃ駄目だよ」

妹友「可愛いだなんてそんな、お兄ちゃんに言われたら照れちゃいますよー」

妹「…むー」

妹友「あ、妹がいじけてるー」

妹「そ、そんなことないもん!」

419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:08:19.29 ID:/yPiqLRM0
妹友「分かれ道まで来ましたねー」

妹「あ、あそこがネコを見付けた場所だね」

妹友「ミャーは元気?」

妹「元気だよ!」

男「妹が可愛がりすぎてはじめはぐったりしてたけどな」

妹「さ、最近は気を付けてるもん!」

妹友「ふふ、じゃあ私はこっちなのでー」

男「送らなくて良いのか?」

妹友「妹に風邪を引かせちゃったら困るのでー」

妹「大丈夫、そんな簡単に引かないから」

男「って、言ってるけど?」

妹友「でもー…あ、だったら!」

男「ん?」

妹友「お兄ちゃん一人に送って欲しいなー」

妹「…え?」

421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:14:50.32 ID:/yPiqLRM0
男「ん、俺だけ?」

妹「な、なんで?」

妹友「妹に寒い中歩かせるのは嫌だし、あと…」

妹「あと?」

妹友「一回お兄ちゃんとお散歩デートがしたかったんだー」

妹「で、ででで…デート?」

妹友「ダメかな、お兄ちゃん」

男「デートはともかく、家まで送るのは構わないよ」

妹「だ、ダメぇ!」

妹友「え、なんで妹がダメって言ってるのかなー?」

妹「…うー」

妹友「嫉妬ー?」

妹「し、嫉妬なんかしてないもん!」

妹友「だったらお兄ちゃんと帰っても良いよねー」

妹「……。」

425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:24:09.46 ID:/yPiqLRM0
男「……?」

妹友「ん?どうしたの妹?」

妹「…も、もう知らない!」

男「あ、おい妹!」

妹「私先に家帰ってるからねッ!」

男「いやだから一人で帰るのは危ないって」

妹「危なくないもん!」

男「…え」

妹「にいさんはデートでもなんでもしてくれば?」

男「え、え?」

妹「…ふん!」

タッタッタッ

男「おい、待てって妹!」

妹友「……。」

429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 00:36:18.98 ID:/yPiqLRM0
男「…ごめん妹友ちゃん、ちょっと妹追いかけてくる」

妹友「待ってください、お兄ちゃん」

男「え?」

妹友「ちょっと二人で話がしたかったんです」

妹友「二人になるには、こういう方法しか思いつかなくて」

男「…え?」

妹友「妹の話です」

男「…わざと、怒らせたの?」

妹友「…妹にはあとで、謝ります」

男「いや、そうじゃなくて…」

妹友「それは良いですから、ちょっと話をしましょう」

男「…分かった」


433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:10:57.83 ID:/yPiqLRM0
妹友「お兄ちゃんに言われた通り、妹とはたくさん思い出を作りましたよ」

男「うん、ありがとう」

妹友「……。」

男「妹も、妹友ちゃんの話をたくさんするよ。きっと妹友ちゃんのこと、一番の友達だと思ってる」

妹友「…だと嬉しいな」

男「大丈夫、俺が保証する」

妹友「…私、妹の友達になれて良かったです」

男「うん」

妹友「きっと私が友達になれたのはたまたまですけど…それこそ、サンタの気まぐれで選ばれたようなものなのでしょうけど」

妹友「でも、妹の友達になれて、本当に嬉しかった」

男「…うん」

妹友「だから、妹に会えるのが今日で終わりなんて絶対に嫌です」

男「……。」

妹友「まだまだ、妹とやりたいことがあるのに、話したいことがあるのに」

妹友「…明日で消えちゃうなんて、私絶対に認めません」


438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 01:56:48.01 ID:/yPiqLRM0
妹友「だって…だってまだ、してないことがいっぱいあるんです」

妹友「一緒に映画も見に行ってないし、一緒に食べようって言ったパフェもまだ行ってないし」

妹友「飛行機に乗ってどこかに行きたいねって話もしたし、今度連れて行くねって言ったアクセサリー屋さんにもまだ行けてないし」

妹友「あ、お化粧の仕方も教えるって言ったんですよ?えへへ、あの子高校生になってもまだまだ子供だから」

男「……。」

妹友「妹とはたくさん約束をしてるんです。一年間だけじゃあ守れないようにって、私、妹とたくさん約束したんですから」

妹友「だから、それを守る前にいなくなっちゃうなんて許さない」

妹友「もし約束破ったら、妹となんて絶交なんだから、もう二度と…遊んでなんてやるもんか」

男「……。」

妹友「そうだよ、まだ言ってないこともいっぱいあるんですから」

妹友「妹って嘘つきなんです、知ってましたか?すぐ嘘をつくんですよ」

妹友「悲しいのに強がるし、泣きたいのに笑うし。なんなんでしょうね、あれ。何度言っても治らないから、本当にイライラするんですよ」

妹友「友達なんだから我慢しなくて良いんだよって言わないと、素直に泣いてすらくれないし」

妹友「これで文句を言わせる前に消えたら…私は誰に言えば良いんですかぁ…」

男「……。」

442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:10:58.87 ID:/yPiqLRM0
妹友「…お兄ちゃん、明日は妹と二人で一緒にいるんですよね」

男「…うん」

妹友「私は行っちゃダメなんですよね」

男「いや、それは…」

妹友「いいです、行きませんから。私はまた今度妹と遊びます」

男「……。」

妹友「明日一日は、お兄ちゃんにあげますから」

妹友「だから、約束してください」

妹友「絶対私を、もう一度妹に会わせてくださいね?」

男「……。」

妹友「今日妹を怒らせちゃったことは、その時に謝ります」

妹友「妹とのこんな別れ方は、絶対に嫌だから…」

男「……。」

妹友「返事はもらえますか?」

男「…分かった、約束するよ」


444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:27:32.34 ID:/yPiqLRM0
妹友「…ふふ、そうですか。これで安心です」

男「…そっか」

妹友「約束破ったら天誅ですからね?」

男「それは遠慮したいところだな」

妹友「じゃあ破らないでください」

男「そうだな、それしかない」

妹友「…ふふ、じゃあお兄ちゃんはそろそろ妹のところに行ってあげないと」

男「だな、今頃カンカンに怒ってるかも」

妹友「…ごめんなさい」

男「謝るなって」

妹友「…お兄ちゃん、これから私に出来ることは何かありますか?」

男「…そうだな」

妹友「なんでもします、妹の為なら」

男「…じゃあ、一つだけ」

447 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:36:42.18 ID:/yPiqLRM0
妹友「…それだけですか?」

男「うん、頼むよ」

妹友「それを頼むってことは、妹の隠してることはやっぱり…」

男「どんな風になるかは分からないけどね」

妹友「…分かりました、絶対にします」

男「心強いよ」

妹友「じゃあ…私はここで」

男「あ、送ってくよ」

妹友「良いですよ、お兄ちゃんは早く妹のところに行かないと」

男「……。」

妹友「あとは、任せましたから」

男「…分かった」

妹友「では、さようなら」

男「……。」

451 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:48:09.62 ID:/yPiqLRM0
男「妹友ちゃん」

妹友「…なんですか?」

男「きっと妹が妹友ちゃんと友達になったのは偶然じゃないよ」

妹友「……。」

男「妹と一番の友達になれるのは妹友ちゃんだけだと思うから」

男「だからきっと、妹が妹友ちゃんと友達になれたのはサンタの気まぐれなんかじゃない」

妹友「…ありがとう、お兄ちゃん」

男「うん…じゃあ」

妹友「じゃあ、私も一つ」

男「…ん?」

妹友「そろそろ妹の気持ちに気付いてあげてください」

男「…気持ち?」

妹友「いえ、もう気付いてるのかもしれないけど…ちゃんと向き合ってあげてくださいね」

妹友「妹、あの通りにちょっと…素直じゃないから」

男「……。」

452 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 02:58:02.05 ID:/yPiqLRM0
妹友「…ふふ、じゃあまたねお兄ちゃん」

男「ああ」

妹友「……。」ピタッ

妹友「あ、これは別にどうでも良いことなんですけど、ついでだから言っちゃいますね」

男「…ん?」

妹友「私、お兄ちゃんのことが好きです」

男「…え」

妹友「何度も言いませんよ…あ、でももう一度だけ言います」

妹友「私、お兄ちゃんのことが好きです」

男「……。」

妹友「こんなふつつか者でよければ、どうぞ一声おかけください」

妹「それでは」

男「……。」

男「…ごめん、妹友ちゃん」


男「…さて、帰るかな」

455 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:05:21.19 ID:/yPiqLRM0
ガチャ

男「ただいま」

母「おかえりなさい」

ミャー

男「ミャーもただいま、よしよし…母さん、妹は?」

母「二階よ」

男「了解」

母「かなりご立腹だったけど」

男「はは…今からなだめに行きます」

母「お兄ちゃんも大変ね」

男「代わる?」

母「代わって良いの?」

男「嫌だけど」

母「でしょうね」

男「あいつの兄は、俺の仕事」

460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:18:31.08 ID:/yPiqLRM0
ガチャ

男「…妹の部屋にいないと思ったら俺の部屋にいたのか」

妹「……。」

男「ほら、布団に潜ってないで出てこいよ」

妹「…デート、楽しかった?」

男「まあな」

妹「…そっか」

男「いやいや今のは冗談だけど!」

妹「……。」

男「妹?」

妹「…妹友と私の話をしてたんでしょ?」

男「……。」

妹「妹友、あんなからかい方しないもん。二人で話がしたかったからだって、分かってるよ」

男「…流石だな」


465 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:33:17.94 ID:/yPiqLRM0
妹「分かるよ、それくらい…友達だもん」

男「…はは、なるほど」

妹「友達だからこそ、あんなことしてほしくなかった」

男「……。」

妹「隠し事はなしって言ったのに…にいさんと話がしたいなら、ちゃんとそう言ってくれればよかったのに」

男「違うよ、妹友ちゃんは妹のことを思って」

妹「…ちゃんと、妹友とさよならがしたかったのに」

男「……。」

妹「…こんな別れ方…嫌だよぉ」

男「…妹、妹友ちゃんはまた今度会う時に謝るって言ってたから」

妹「今度って、いつ?」

男「……。」

妹「私、あと一日で消えちゃうんだよ?分かってるでしょ?」

男「…妹」


470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:46:21.96 ID:/yPiqLRM0
妹「…ごめん、慰めようとしてくれてるのに」

男「いや、俺も…ごめん」

妹「……。」

男「…妹、あのさ」

妹「にいさん、明日一日私とデートしてくれるんだって?」

男「え…ああ、どうして知ってるんだ?」

妹「先輩から聞いたの、本当はみんなで遊ぶのが明日の予定だったんだよね」

男「そうだよ」

妹「…えへへ、デート楽しみ」

男「……。」

妹「早く寝ないとだね、にいさん?」

男「…そうだな」

妹「今日も一緒に寝ていい?」

男「ああ、もちろん」

妹「わー、やったぁ」


477 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 03:59:36.11 ID:/yPiqLRM0
妹「ね、ね、もう寝る?にいさん」

男「風呂もご飯もまだだぞ?」

妹「ぶー…」

男「…でもまあ、どっちも明日の朝でいっか」

妹「え、ほんと?」

男「汗くさくても我慢しろよな」

妹「どれどれー」

ギュー

男「おいこら」

妹「んー、大丈夫、良いにおい」

男「…たく」

妹「ほらほら、ベッドに行こー」

男「くっついてたら動けないだろ」

妹「むー、じゃあ離れる」ギュー

男「言ってることとやってることが矛盾してるぞ…」

478 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:07:55.10 ID:/yPiqLRM0
男「じゃあ電気消すぞ」

妹「うん」

パチッ

妹「はい、にいさん。布団に入って」

男「…ん」

妹「そんでもって、ぎゅー」ギュー

男「なんでだよ」

妹「暖めてあげてるんだよー」

男「もう十分暖かいよ」

妹「えへへ、私ずっとベッドでにいさんが帰ってくるの待ってたから」

男「なら暖かいはずだ」

妹「…にいさん、鼓動早いよ?」

男「…気のせいだよ」

妹「ふーん」ギュー

男「おいこら、やめろって」

481 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:13:57.48 ID:/yPiqLRM0
妹「あーあ、こんなことならもっと早くにいさんと寝てたら良かったなー」

男「どういう意味だよ」

妹「えへへ、どういう意味でしょう」

男「…はあ、もう良いから寝るぞ」

妹「まだ早いよ」

男「じゃあ風呂入ってくる」

妹「あ、寝ます、寝ますから!」

男「…たく」

カリカリ

男「…ん、ミャーか?」

妹「この部屋に入りたがってるね」

男「よし」バサッ

妹「…あ、寒いー」

ガチャ

483 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 04:21:57.96 ID:/yPiqLRM0
ミャー

男「なんだ、一緒に寝るのか?」

妹「ふふ、良いよー。ミャーもこっちにおいで」

ミャー

妹「きゃ、くすぐったいー…はい、にいさんも」

男「ん…ミャーも入ると狭いな」

妹「落ちないようにしないとね」

男「そうだな…じゃあ寝るか」

妹「はーい」

男「今日はちゃんと寝るんだぞ?」

妹「わ、分かってるよー」

男「じゃあ、おやすみ妹」

妹「おやすみ、にいさん」


554 :夜明けまでに完結、努力します:2011/01/06(木) 21:11:00.79 ID:qhGOkbXH0
妹「…Zzz」

男「……。」

妹「…にいさぁん」ゴロッ

男「…これでよし、と」カチャ

妹「…ん、にいさん?」

男「お、起きたか」

妹「なにしてるの?」

男「いや、早く起きちゃったからちょっとね」

妹「…5時」

男「ほら、まだ寝てていいぞ」

妹「にいさんも、はい入って」

男「そうだな、俺も寝るか…ってこら」

ギュー

妹「えへへ」

男「…なんなんだよ」


563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 21:50:18.03 ID:/dWybXz40
男「おはよう」

妹「おはよー」

ミャー

母「あら、みんな揃って早起きだこと」

妹「えへへ、今日はにいさんとデートなんだよ」

男「…はは」

母「クリスマスイブにデートなんて羨ましいわねー」

妹「でしょー」

母「そういえば去年のクリスマスも二人でデートしてたわね」

男「そんなことよく覚えてるな」

妹「あ、あれはデートじゃなくてお散歩だよ!」

母「ふーん、じゃあ今日は本当のデート?」

妹「そう、今日は本当!」

男「おいおい…」

568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 22:20:17.94 ID:/dWybXz40
男「じゃあそろそろ行くか?」

妹「あ、うん!」

母「何時頃に帰ってくる?」

男「うーん、分かんないな」

母「一応晩御飯の用意はしとくわよ」

男「分かった」

妹「にいさん、早くー」

男「…もう玄関にいるし」

母「…男」

男「ん?」

母「…ま、楽しんできなさいな」

男「…はい」

母「ほら、お花のお金」

男「ありがとう」

579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/06(木) 23:36:53.19 ID:/dWybXz40
妹「あ、にいさん遅いよ」

男「悪い悪い」

妹「もう、ゆっくりしてると時間なくなっちゃうんだからね」

男「まだ朝だぞ?」

妹「それでも急ぐー」

男「はいはい」

妹「ね、ね、今日はどこに連れていってくれるの?」

男「まずは花屋だ」

妹「花屋?…あ、お墓参り?」

男「正解」

妹「久し振りだね」

男「そうだな…あ、そこの山茶花摘んでくれ」

妹「はぁい」

男「じゃあ、父さんに挨拶しに行くかな」


581 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:01:44.44 ID:J/Q+clZl0
男「父さん、来たぞ」

妹「久し振りです、お父さん」

男「ごめんな、あまり来れなくて。遠いんだよここ」

妹「……。」

男「どした、妹?」

妹「あ…なに話していいか分からなくて」

男「気にすんなって。話したいこと話せよ」

妹「え、えっと…じゃあ」

男「……。」

妹「私、今日にいさんとデートするんだよー」

男「結局それか…」

妹「お父さん、なんて言ってるかな」

男「お前は誰の子だー、だってよ」

妹「ひ、ひどい!」

587 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:35:47.83 ID:W+peuHB50
男「よし、じゃあ行くか」

妹「…うん」

男「ん?どうかしたか、妹」

妹「…お父さん、このお墓の中にいるの?」

男「どうかな、お墓の中にはいません、なんていう歌もあるし」

妹「じゃあどこにいるのかな?」

男「さあな…きっと、天国かどっかで俺らのこと見てたりするんじゃないか?」

妹「……。」

男「どうした?」

妹「…私は?」

男「……。」

妹「私は、消えたらどこに行くのかな」

男「…変なこと考えてんじゃねえよ」

590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:50:48.21 ID:W+peuHB50
妹「……。」

男「ほら、今日はデートなんだろ?」

妹「…うん」

男「なら、笑ってろ」

妹「…えへへ」

男「そうそう」

妹「ごめんね」

男「良いよ、じゃあ行くか」

妹「次はどこに行くの?」

男「ん、妹の行きたいところ」

妹「行きたいところ?」

男「今日一日、お前のわがままは何でも聞いてやるよ」

妹「…なんでも、かー」


592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 00:57:42.12 ID:W+peuHB50
男「ほら、好きなこと言ってみろ」

妹「えっとね、じゃあ最初のわがまま」

男「なんだ?」

妹「腕…組んでいい?」

男「行きたい場所じゃないのかよ」

妹「それは次ー」

男「…ほら」

妹「えへへー」ギュー

男「で、行きたいところは?」

妹「あ、あれ、腕組んだ感想とかは?」

男「…胸が無――」ゲシッ

男「…足が痛い」

妹「でしょうね」


599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 01:47:57.04 ID:7sOv9PKG0
妹「むー、胸が小さいのは私のせいじゃないもん」

男「それについては何も言うまい」

妹「…にいさんが」

男「はい妹、行きたいところは?」

妹「…じゃあ、町をブラブラ」

男「ブラブラ?そんなので良いのか?」

妹「うん、それが良いの」

男「妹がそう言うなら…じゃあ行くぞ」

妹「はいな!」

男「あ、妹」

妹「うん?」

男「……。」

男「…お前、いつ消えるんだ?」

605 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:00:23.06 ID:7sOv9PKG0
妹「…私もよく分からないけど、たぶん明日の午前零時かな」

男「クリスマスになった瞬間…か」

妹「だからあと、12時間くらい」

男「……。」

妹「えへへ、ちびっとしかないね」

男「…そうだな」

妹「もう、笑えって言ったのはにいさんでしょ。なんでそんな顔してるのさ」

男「ん、ごめん」

妹「せっかくのデートなんだから、ほら行こ?」

男「…おう」

妹「じゃあね、お父さん」

男「また来るからな」

妹「…じゃあ、駅まで競争!」ダッ

男「おいこら…先に走られたら勝てねえよ」

607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:08:55.54 ID:7sOv9PKG0
妹「すっかりクリスマスのムードだねー」

男「そりゃあ、クリスマスだからな」

妹「カップルばっかだねー」

男「…そりゃあ、クリスマスだからな」

妹「えへへ、大丈夫だよにいさん、私達もカップルに見えてるって」

男「それもどうかと思うけどな…」

妹「兄妹だもんねー」

男「そうだな」

妹「でも、寂しくはないでしょ?」

男「まあなー…妹、ほんとにブラブラしてるだけで良いのか?」

妹「もちろん、良いよー。すごく楽しいもん」

男「もっと遊園地とか、水族館とかさ、どこでも連れてくぞ?」

妹「良いのー、にいさんといられれば」

男「…そっか」

妹「えへへ、ずっと外だと寒いけどね」

610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:23:47.85 ID:7sOv9PKG0
男「そうだな…ずっとブラブラしててもしょうがないしな」

妹「どうしよっかなー」

男「どこでも良いぞ」

妹「そう言われてもー…あ、じゃあね、私のお気に入りスポットを案内するよ」

男「え、俺に?」

妹「そう、私のお気に入りツアー」

男「ツアーって…そんなたくさんあるのか」

妹「たくさんあるよー、一日じゃあ回りきれないかも」

男「そんなにか」

妹「なんせ私の思い出を辿るツアーですから」

男「なるほど」

妹「付き合ってくれる?」

男「お安いご用で」


614 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:33:04.84 ID:7sOv9PKG0
妹「まずはここ」

男「本屋さん?なんで?」

妹「にいさんが一番はじめに私を連れて来てくれた場所」

男「そうだっけ」

妹「うん、去年のクリスマスにね」

男「まあ…俺がよく来る場所だからな」

妹「今もお世話になってるもんねー」

男「…まあ受験生ですから」

妹「ふふ、それで次はお向かいのゲームセンター」

男「ああ、次はここに連れていったっけ」

妹「夏に来たときはにいさんがネコのヌイグルミを取ってくれたの」

男「懐かしいな」

妹「…こんな感じでにいさんが教えてくれた場所を巡っていくね」

男「どこに連れてったかなんて覚えてないぞ?」

妹「大丈夫、私が全部覚えてるもん」


618 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 02:44:23.83 ID:7sOv9PKG0
妹「このお店はね、妹友とよく来るんだぁ」

男「ふーん」

妹「あ、あそこのコンビニ、前に男友先輩を見かけたよ」

男「ここ、あいつの家近いからな」

妹「●●●●本を立ち読みしてた」

男「コンビニで何してんだあいつ…」

妹「あ、ここ…妹友とパフェ食べ来ようねって言ってたカフェだよ」

男「妹友ちゃんもそう言ってたな」

妹「…約束破っちゃったなぁ」

男「…次は?」

妹「はい、この雑貨屋さん」

男「傘を買ったところか」

妹「あ、覚えてたんだ」

男「傘無くしたとか言ってもう一本買いに来たもんな」

妹「…あはは」

621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:02:41.04 ID:7sOv9PKG0
妹「ここはね、にいさんと一回入った服屋さん」

妹「それでこのお店はね、バレンタインのチョコレートの材料を買ったところだよ」

男「受験生だったのにな」

妹「そ、それは妹友があげたほうが良いって言ったから…」

男「チョコレート、美味しかったよ」

妹「あ、ありがと…あ、あの電柱」

男「電柱?」

妹「…よそ見してて一回ぶつかったぁ」

男「はは、そんなことまでよく覚えてるな」

妹「覚えてるよ、どんなことだって。全部私の思い出だから」

男「そっか」

妹「にいさんとどこでどんな話をしたかだって、全部覚えてる」

妹「…私がここにいたんだってこと、私が覚えてないと、しょうがないから」

男「……。」

妹「…だいぶ時間もなくなってきたね。じゃあ、次行こっか」


623 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:14:02.22 ID:7sOv9PKG0
男「中学校か」

妹「はじめ、来るのが凄く怖かったな」

男「はは、不安そうにしてたもんな」

妹「あの時、にいさんが一緒に来てくれて安心したんだぞ?」

男「そんなこと一言も言ってなかったけどな」

妹「だって言ってないもーん」

男「…まったく」

妹「妹友と友達になれたのも、ここだね」

男「そうだな」

妹「…じゃあ次」

男「もう良いのか?」

妹「うん、だいぶ暗くなって来ちゃったし…にいさん、手」

男「ほらよ」

妹「えへへ、じゃあしゅっぱーつ」


631 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:31:42.94 ID:7sOv9PKG0
男「ここが最後か?」

妹「うん、本当は高校とか、他にも行きたかったんだけど」

男「今から行けば間に合うぞ?」

妹「良いよ、晩御飯に遅れちゃう。お母さんが待ってるから」

男「そっか」

妹「それに嬉しいんだ。一日じゃ回りきれないくらいに、私にも思い出があるんだって」

男「……。」

妹「この分かれ道、妹友と色んなことを話した場所なんだよ」

男「そのせいで毎日帰りが遅かったもんな、妹」

妹「…昨日はここで、嫌な別れ方をしちゃったけど」

男「…妹友ちゃんに会いに行くか?」

妹「大丈夫」

男「いいのか?」

妹「うん、今から会いに行ってさよならなんて言ったら怒られるもん」

男「…はは、そうだな」


634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:44:02.01 ID:7sOv9PKG0
妹「…にいさん、帰ろうか?」

男「そうだな、母さんが待ってる」

妹「デート…終わっちゃったね」

男「デートというか、どたばた色んなところ巡っただけだけどな」

妹「その言い方ひどーい!」

男「妹のことが知れて良かったよ」

妹「…うん、私もにいさんに教えられて良かった」

男「…帰るか」

妹「うん」

男「ほら、妹」

妹「……?」

男「家に帰るまでがデートだぞ」

妹「…はいな!」ギュー

635 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 03:55:10.33 ID:7sOv9PKG0
男「ただいま」

妹「ただいまー」

母「おかえりなさい、二人とも」

ミャー

妹「お腹空いちゃったぁ」

母「今日はご馳走よー」

妹「ご馳走?やったー」

男「妹、手洗ってからな」

妹「わ、分かってるよ」

母「ほら、ケーキもあるから早く洗ってらっしゃい」

妹「ケーキ!わ、私、すぐ洗ってくる!」

男「…一日中歩いたのに元気だな」

636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:03:45.54 ID:7sOv9PKG0
妹「ごちそうさまー」

男「ほんとにご馳走だったな…」

母「あら、ちょっと作りすぎたかしら」

男「いや、妹が頑張って食べたから」

母「ありがとね、妹」

妹「美味しかったからー」

母「ふふ、じゃあちゃんと歯を磨いてから寝なさいよ」

妹「…ねえ、お母さん」

母「ん、なにかしら?」

妹「…ぎゅってして良い?」

母「…おいで」

妹「…ん」


638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:19:23.83 ID:7sOv9PKG0
母「…私、ちゃんとあなたの母親になれてるかしら」

妹「うん」

母「そう、なら良かった」

妹「ありがとう、お母さん」

母「バカ、ここでありがとうなんて言われても嬉しくないわよ」

妹「……。」

母「明日の朝、もう一回顔を見せなさい」

妹「……。」

母「大丈夫、お兄ちゃんがあなたを守るから、ね?」

妹「……。」

母「あら…嫌だ、涙脆くなっちゃって」ポロッ

母「ふふ、強い母親ってところを見せたかったんだけど…うまくいかないものね」

男「母さん…」

母「ほら、早く上に行ってお兄ちゃんとお話しでもしてきなさい」

妹「……。」


640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:27:08.10 ID:7sOv9PKG0
母「ほら、お兄ちゃんも待ってるから」

妹「…うん」

母「明日の朝は妹の好きな卵焼きを焼いとくからね」

妹「…うん」

母「じゃあ、おやすみ」

妹「……。」

母「返事は?妹」

妹「…おやすみ、お母さん」

母「よろしい」

男「……。」

母「男も、おやすみ」

男「ああ、おやすみ…二階行くぞ、妹」

妹「うん」

トットットッ

母「わたしに出来るのはこれくらいよね?ねえ、あなた…」



642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:39:22.60 ID:7sOv9PKG0
男「……。」

妹「……。」

男「…あと、2時間くらいか」

妹「…うん」

男「……。」

妹「……。」

男「…どうすれば良い?」

妹「…ベッド」

男「入るのか?」

妹「うん…たぶん、それが一番落ち着くから」

男「分かった」

妹「にいさんも、入ってね?」

男「おう」

妹「ずっと隣にいてね?」

男「…おう」

643 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:44:37.89 ID:7sOv9PKG0
妹「……。」

男「……。」

妹「まだ、冷たいね」

男「入ったばかりだからな」

妹「くっついて良い?」

男「良いよ」

妹「…ん」

ピタ

妹「…えへへ」

男「……。」

妹「…ねえ、にいさん」

男「なんだ?」

妹「私のわがまま、今日一日は聞いてくれるんだよね?」



645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 04:49:51.49 ID:7sOv9PKG0
男「…妹のわがままなら、いつだって聞いてやるよ」

妹「にいさんだから?」

男「まあな」

妹「じゃあ、聞いて」

男「なんだ?」

妹「私のこと、ぎゅってして」

男「…こうか?」

妹「ん…それで頭、撫でて」

男「…ほら」

妹「んー」

男「なんだ?」

妹「嬉しいの」

男「そっか」

妹「このまま最後まで、離さないで」

男「……。」


650 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:07:46.92 ID:7sOv9PKG0
妹「幸せ…にいさん、私、今とっても幸せ」

男「……。」

妹「今なら、このまま消えちゃっても怖くないかな」

男「……。」

妹「…えへへ、嘘。ほんとはちょっと怖い」

妹「でもね、このまま消えても良いかなーって…幸せだから」

男「……。」

妹「……。」

妹「…ね、にいさん、私」

男「分かってるよ」

妹「……。」

男「分かってるから」

妹「……。」

妹「…にいさん…私ね、私」

妹「…消えたくなんか…ないよぉ」


655 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:41:10.68 ID:7sOv9PKG0
男「……。」

妹「にいさんの妹になれたのに…にいさんに、ぎゅってしてもらってるのに」

妹「今私、幸せなのに…これで消えちゃうなんて嫌だよぉ…」

男「…妹」

妹「もっと一緒にいたい…にいさんと、ずっと…一緒にいたいのに!」

妹「せっかく撫でて貰えたのに…まだまだしてもらいたいことがたくさんあるのに」

妹「なんで…このまま消えないといけないのかなぁ…」

男「……。」

妹「…ひっ…うくっ」

妹「にいさん…にいさぁん」

ギュッ

男「……。」


657 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 05:54:52.77 ID:7sOv9PKG0
男「…妹」

妹「…うー…にいさん、にいさん」

男「ほら、よしよし」

妹「…うくっ…うー」

男「……。」

妹「…にいさん…今、何時?」

男「…10時40分…だな」

妹「…あと、少しだね」

男「……。」

妹「でも、あと1時間もにいさんにぎゅってしてもらえるんだったら…やっぱり幸せかも」

男「…妹」

妹「…なに、にいさん」

男「聞きたいことがあるんだけど」

妹「うん…」

658 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 06:11:11.83 ID:7sOv9PKG0
男「もし俺が今年のクリスマスで妹を願ったら、お前はまた来てくれるのか?」

妹「…うん、たぶん…もし私を願ってくれたら」

男「…そっか」

妹「にいさんが今年一年いい子だったらだけど」

男「…じゃあ俺はまた今夜妹をお願いすれば、お前は消えないで済むんだな?」

妹「……。」

男「…妹、まだ何か俺に言ってないことがあるよな?」

妹「……。」

男「それを教えてくれないか」

妹「……。」

男「お願いだから」

妹「……。」

妹「…もしこのまま、サンタの魔法が解けて私が消えちゃったら」

男「……。」

妹「私の存在が、みんなの記憶から消えちゃうの」

660 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 06:27:25.52 ID:7sOv9PKG0
男「……。」

妹「はじめから私なんていなかったことになって、みんなの記憶も修正される」

妹「だからね、にいさんがもう一度私を願うのは…無理だよ」

男「…そっか」

妹「もしにいさんがまた妹が欲しいって願っても、私のことは忘れてるから…きっとそれは別の妹が来る」

妹「だから…」

男「…おかしな話だな、まったく」

妹「……。」

男「サンタはいい子の願いを叶えるんじゃないのかよ…一年で消えて、その記憶までなくなるなんて誰も幸せにならないじゃないか」

妹「おかしくないよ」

男「え?」

妹「サンタは、一年間いい子だった子に一年分のご褒美をくれるの」

妹「だからサンタは毎年来るんだよ…次の一年をいい子にしてたら、ご褒美はまた一年後に貰えるでしょ?」

男「それでも…記憶が無くなったら意味ないだろ」


665 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 07:03:33.37 ID:pmryM+Dj0
妹「…意味はあるよ。覚えてなかったとしても、その一年は確かにあったんだもん」

男「……。」

妹「それに、記憶がなくなるのは仕方がないよ。サンタの魔法なんだから」

妹「魔法が解けたら、みんな元に戻るだけ。そしたら、元々いないはずの私なんか…みんなの中から消えちゃうのは当たり前だから」

男「……。」

妹「ね、そうでしょ?」

男「……。」

妹「そもそも…プレゼントに妹を貰うことが既に特別なことなんだから」

妹「だからね…だから…」

男「……。」

妹「私がいなくなっちゃうのは…しょうがないことなんだよ?」

男「……。」

妹「えへへ、大丈夫だよ。にいさんいい子だから、きっとまた新しいプレゼントが貰えるし」

妹「そしたら、私のことなんか…だからね…」

男「…ほんとにそう思ってるなら、なんでそんな顔するんだよ」

695 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 14:55:23.48 ID:be+aN+NR0
妹「……。」

男「ほんとに仕方がないって思ってるなら…そんな顔するなよ」

男「そんな泣きそうな顔されて…ああ、そうなんだなんて、言えるわけないだろ」

妹「……。」

男「どうなんだよ、妹。しょうがないことなのか?」

男「俺…お前のこと忘れちゃうんだぞ?母さんも、妹友ちゃんも、男友も、女も、みんなみんな」

男「お前のこと…もう、思い出さなくなるんだぞ?」

男「楽しかったことも、嬉しかったことも、全部無かったことになるんだからな」

男「一緒に町をブラブラしたことだって、夜遅くまで勉強したことだって」

男「海で遊んでた妹だって、ネコに舐められて喜んでた妹だって」

男「…今ここで、お前を抱きしめて頭を撫でてることだって…俺、忘れちゃうんだからな」

男「お前は、本当にそれで良いのかよ…」

妹「…そんなの」

妹「良いわけ、ないじゃんか」

699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:11:13.80 ID:be+aN+NR0
男「……。」

妹「良いわけ…ないでしょ」

妹「私、何度も…消えたくないって言ったじゃん」

妹「嫌だよ、みんなの中に私がいなくなるなんて…」

妹「そんなの…嫌に決まってるじゃんかぁ」

男「…じゃあちゃんと、そう言えよ」

妹「でも、しょうがないものはしょうがないでしょ!」

妹「どうしたって、私はみんなから消えちゃうんだから…私がどう思ったって、それは決まってるんだから…」

妹「だから、何を言ったって…しょうがないんだもん」

男「そんなことねえよ」

妹「……。」

男「忘れて欲しくないなら、そう言え。忘れるなって、俺に言えよ」

男「俺、妹のわがままだったらなんでも聞くって言ったろ?お前が忘れるなって言うなら」

男「俺は、お前のことを、忘れない」

妹「……。」


701 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:17:13.63 ID:be+aN+NR0
妹「無理だよ…」

男「無理じゃない」

妹「だって、忘れちゃうもん」

男「覚えてるよ」

妹「みんな、消えちゃうんだよ?」

男「じゃあ、思い出す」

妹「……。」

男「何度だって、思い出してやるさ」

妹「……。」

男「だから…忘れて欲しくないなら…ちゃんとそう言え」

妹「……。」

男「俺はお前の兄なんだから、なんだって聞いてやる」

妹「…そんなの」

703 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:33:13.40 ID:be+aN+NR0
妹「そんなの…ひどいよぉ」

男「……。」

妹「せっかく全部諦めて…このまま最後までって思ってたのに」

妹「にいさんにそんなこと言われたら…私、期待しちゃうじゃんか」

男「……。」

妹「余計、消えたくないって思っちゃうじゃんかぁ…」

男「…思えば良いじゃねえか」

妹「……。」

男「ほら、何か言うことがあるんじゃないのか?」

妹「……。」

男「……。」

妹「…にいさん」

男「…ん」

妹「…私のわがまま、聞いてくれる?」

妹「私のこと…ずっと、覚えていて」


705 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:41:24.60 ID:be+aN+NR0
男「…分かった」

妹「……。」

男「忘れないよ」

妹「……。」

男「……。」

妹「もう、時間がないね」

男「…そうだな」

妹「あと、どれくらい?」

男「30分くらいかな」

妹「……。」

ギュッ

男「……。」

妹「最後まで、このままでいたいな」

男「…うん」

708 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:48:16.55 ID:be+aN+NR0
妹「……。」

男「……。」

妹「…ふふ、にいさん、鼓動速いよ?」

男「…なに聞いてんだよ」

妹「昨日も、速かったよね」

男「どうだったかな」

妹「なんで、速くなってるのかな?」

男「…さあな」

妹「…にいさん」

男「なんだ?」

妹「私もね、今、ドキドキしてるよ?」

男「……。」

妹「えへへ、なんででしょう」

男「……。」

709 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 15:58:45.86 ID:be+aN+NR0
妹「……。」

男「……。」

妹「ねえ、にいさん。私、にいさんの妹だよね」

男「…ああ」

妹「妹なのに、ドキドキするのっておかしいよね」

男「……。」

妹「…ね、にいさん」

妹「こっち向いて」

男「…なんだ?」

妹「……。」

チュ

男「……。」

妹「えへへ…しちゃった」

シュー

妹「あ、あれ…なんだぁ、時間が来ちゃったみたい」

712 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:05:49.32 ID:be+aN+NR0
男「妹!」

妹「思ったより…消えちゃうの早いみたいだね」

シュー

男「おい、待てよ…おい」

妹「あーあ、まだ言ってないこと、あるのになぁ」

男「……。」

妹「あ、それともキス…しちゃったからかな」

妹「ふふ、それならまあ…しょうがないよね」

男「…なに言ってんだよ」

妹「ほんとは、もうちょっとだけ…ぎゅってしていたかったけど」

シュー

妹「…にいさん、ごめんね?」

男「…おい、なんだそれ」

717 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:18:30.22 ID:be+aN+NR0
男「妹…ほら、ぎゅってしてやるから」

ギュー

妹「あ…えへへ、私もー」

男「…妹、大丈夫だからな、また俺、お前のことサンタに頼んでやるから」

妹「……。」

男「…だから、な?」

妹「…ありがとね、にいさん。私のこと、忘れないって言ってくれて」

シュー

男「…それ、どういう…意味だよ」

妹「にいさんがそう言ってくれただけで、私、とても幸せ」

男「…おい」

妹「でもね、ごめんね、にいさん。さっきのわがまま、取り消すね」

男「おい…おい!」

妹「私の最後のわがまま…聞いて?」

妹「どうか…にいさんも、幸せに生きてください」

722 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:27:55.08 ID:be+aN+NR0
男「バカなこと言ってんじゃねえ!…なんだよそれ」

妹「私、にいさんの妹になれてよかった」

男「……。」

妹「えへへ…あ」

シュー…

妹「…消えちゃうね」

男「あ…」

妹「じゃあね、にいさん」

妹「楽しかったよ…とっても」

妹「キスまで…しちゃったし」

妹「もう、私は十分」

妹「ふふ、サンタのプレゼント、私なんかでよかったのかな…それだけがちょっと、心配だけど」

男「……。」

妹「…じゃあ、ばいばい」

男「妹…妹!」


728 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:32:26.56 ID:be+aN+NR0
シュー…

男「……。」

男「…妹」

男「…馬鹿野郎、最後で強がるなんて…どれだけ馬鹿なんだよ」

男「…絶対、許さないからな」

男「絶対忘れてなんてやらねえ…」

男「……。」

男「……。」

男「……。」

男「……。」

男「……。」

男「……。」

男「…あれ?」

男「なんで俺、泣いてるんだ?」



734 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 16:41:22.71 ID:be+aN+NR0
男「…ん?なんでだ?」

男「…なんだこれ、気持ち悪いな」

男「クリスマスに彼女がいないからって知らないうちに涙が…なんて」

男「…馬鹿らしい」

男「…もう12時過ぎか」

男「寝るかな…たく」

男「クリスマスクリスマスって…俺には平日と変わらないっての」

男「せめてサンタとかが来てくれたらな」

男「……。」

男「…何が欲しいかな」

男「受験に合格する鉛筆とか…うん、欲しい」

男「まあなんだって良いや…寝よう」

男「明日も勉強しか、することがないんだし」

男「…おやすみ」


745 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:06:50.24 ID:be+aN+NR0
男「……。」

男「……。」

男「…Zzz」

プルルルルル…

男「…んあ?」

プルルルルル…

男「…なんだ…電話?」

男「寝てたのに…たく」

ピッ

男「…あれ、俺いつもマナーモードにしてるんだけどな」

男友『なんの話だ?』

男「いや、こっちの話…ってお前かよ」

746 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:08:40.27 ID:be+aN+NR0
男友『俺で悪かったな…』

男「俺、今から寝ようとしてたんだけど」

男友『それはちょうど良かった』

男「ん?」

男友『伝言があるんだ』

男「…なに、伝言?」

男友『そう、伝言』

男「誰から?」

男友『…昔の俺から?』

男「…は?」

男友『いや、俺もよく分からないんだけど』

男「…まあ良いや、それで伝言の内容は?」

男友『……。』

男「…ん?」

男友『寝るな』

750 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:12:31.70 ID:be+aN+NR0
男「寝るな?」

男友『そう』

男「それだけ?」

男友『いや、もうひとつ』

男「……。」

男友『サンタに願い事をしたら寝ろ』

男「サンタ?」

男友『そう』

男「……。」

男友『……。』

男「寝ぼけてる?」

男友『寝ぼけてねえよ!』


753 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:18:57.73 ID:be+aN+NR0
男「…よく分からない」

男友『俺もだよ』

男「なんだそれ」

男友『でも、メモ帳に絶対伝えろって書いてあったからな』

男「…他には何も無いのか?」

男友『あとは何も…いや、俺の走り書きが』

男「ん?」

男友『みんなで遊んで楽しかったなー』

男「昨日のことか?」

男友『だろうな』

男「……。」

男友『じゃ、伝えたからな』

男「…ああ」

男友『メリークリスマス』

プツッ


756 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:27:21.49 ID:be+aN+NR0
男「……。」

男「…寝るなってなんだ?」

男「寝ちゃダメなのか?」

男「……。」

男「サンタ?」

男「…なんのことだよ」

男「…はあ」

男「とりあえず、起きてるか」

男「…昨日のことって、男友たちと遊びに行ったことだよな」

男「女の提案でみんなの行きたいところに行くって言って」

男「はじめはボウリング行って…次は美術展だっけ」

男「……。」

男「…美術展?」

765 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:35:53.86 ID:be+aN+NR0
ピッ

男友『なんだ?』

男「昨日俺達って美術展に行ったよな?」

男友『ああ、女がやたらはまってたなー』

男「それって、誰の提案だった?」

男友『……。』

男「……。」

男友『誰だっけ?』

男「……。」

男友『…あれ、なんだこれ』

男「なんかおかしいよな」

男友『気持ち悪いな…』

男「寝るなってこういうことか?」

男友『…分かんねえ』

766 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:41:17.71 ID:be+aN+NR0
男「…頭痛い」

男友『おい、大丈夫か?』

男「大丈夫、ありがとな男友」

男友『いや、俺もちょっと考えとく』

男「頼んだ」

プツッ

男「……。」

男「…次は」

プルルルルル…

男「……。」

ピッ

女『はいはーい、メリークリスマスー!』

男「あ、女、夜遅くに悪いな」

女『いいよー、どうしたの?』

767 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:45:28.30 ID:be+aN+NR0
女『美術展?行った行った!』

男「あれって誰の提案だったか覚えてる?」

女『そんなの当たり前じゃん!』

女『……。』

男「……。」

女『…あれ?』

男「だよな」

女『おかしいね、誰かの提案だったはずだよね?』

男「ああ…昨日って何人で遊んだっけ?」

女『確か四人だよー』

男「俺と男友と女と…」

女『…あれ?あと一人は誰?』

男「……。」

769 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 17:52:17.99 ID:be+aN+NR0
男「知り合いだよね?」

女『そのはずだよ…あ、ボウリングのスコアシートに載ってるはず』

男「あ、なるほど…どこにしまったかな」

女『見付けた!』

男「あ、俺も…妹友?」

女『…そうだ、妹友だよ!思い出した』

男「…妹友ちゃん」

女『…なんで思い出せなかったのかな?』

男「……。」

女『男君?』

男「ありがと、女。また何かあったら電話するよ」

女『あ、うん分かったよー』

男「またな」

女『ばいばーい』

プツッ


772 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:03:41.50 ID:be+aN+NR0
男「……。」

男「おかしいぞ、なんだこれ…」

男「妹友ちゃん…確かに覚えてるけど…いつ出会ったんだ?」

男「…あー、くそ、とりあえずスコアシートを片付けないと」

男「…ん?なんだこれ…俺の字だけど、こんなの書いた覚えがないな」

 『今日、何してた?』

男「…今日?」

男「今日って…」

男「…墓参りだよな」

男「そのあと、一人でブラブラして…夜になったら帰ってきたけど」

男「…あれ、俺なんで一人で色んなところ行ったんだっけ?」

男「……。」

男「…あれ、俺なにか…忘れてないか?」


778 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:18:49.42 ID:be+aN+NR0
男「なにか…なにか…忘れてる?」

男「…この紙、裏にもなにか書いてある」

 『思い出せ』

男「…なんだこれ」

男「俺、こんなもの…書いた覚えがない」

男「……。」

男「なんだ…何を忘れてるんだ?」

男「思い出さないと…」

男「思い出さないと、いけない気がする」

男「…なにか、なにか…大切なことを忘れてる気がするんだけど」

カリカリ

男「…ん?」

男「…なんだ?」


786 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:25:05.41 ID:be+aN+NR0
ミャー

男「…ネコ?」

男「…あ、ミャー…だ」

男「…今俺、ミャーのことも忘れてた?」

ミャー

男「…なあ、ミャー。俺、なんかおかしいんだ」

男「頭の中がぽっかり抜けたみたいで」

男「…なんでか、分からないか?」

…ミャー

男「…はは、分かるわけないか」

ミャー

男「…どこ行くんだ?」

カリカリ

男「…そこは空き部屋だぞ?」

789 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:34:40.67 ID:be+aN+NR0
ガチャ

男「…空き部屋、だよな?」

男「…あれ、なんで俺の物がこんなにいっぱいあるんだ?」

男「マンガ…参考書…鉛筆?」

男「…ミャーがこの部屋に持ってきたのかな」

男「…あれ、ミャーどこ行った?」

男「……。」

男「…俺、この部屋によく来てた気がする」

男「なんでだ…この部屋にはなにもないのに」

男「…駄目だ、やっぱりなにか忘れてる」

男「なにかを…なにか…」

男「……。」

男「……。」

男「…誰か?」

791 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:43:10.83 ID:be+aN+NR0
男「……。」

男「…誰か?」

男「なんだそれ…妹友ちゃんのことか?」

男「…違う、でも…それに近い、誰か」

男「記憶がおかしくなってるのは…それが思い出せないから…」

男「…大切な、誰か」

男「……。」

男「…誰なんだよ」

ミャー

男「ん?ミャー、どこ行ってたんだ」

男「…ミャー、それは?」

男「首についてる、それ」

チャラ

男「…キーホルダー?」


795 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 18:50:52.67 ID:be+aN+NR0
男「……。」

男「…半分だけの、キーホルダー?」

男「…ああ、海で買ったやつか」

男「……。」

男「……。」

男「…誰と?」

男「……。」

男「……。」

男『俺はこっちを持ってれば良いんだな?』

男「…もうひとつは、誰が持ってるんだよ」

男「…思い出せよ」

男「……。」

男『忘れないよ…全部』

男「……。」

男「…忘れてんじゃねえか…馬鹿」

796 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:00:37.25 ID:be+aN+NR0
男『この旅行楽しかったか?』

男「…おい」

男『全部、覚えてるから…当たり前だろ?』

男「…おい」

男『…ほら』

男「誰だよ、俺と話してたのは…」

男『ごめんな』

男「誰なんだよ…」

男「……。」

プルルルルル…

男「……。」

プルルルルル…

男「……。」ピッ

男「はい」

妹友『あのー…私、妹友と申しますが…』

800 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:07:46.73 ID:be+aN+NR0
男「…妹友…ちゃん?」

妹友『あ、はい…そうですが』

男「久し振り…ってわけでもないか、昨日遊んだばっかだもんな」

妹友『……。』

男「…ん?」

妹友『えっと…男さんですよね』

男「そうだけど」

妹友『すいません…私、あなたのことを、あまり覚えていなくて』

男「え?」

妹友『でも…私のメモ帳に絶対電話するようにって書いてあったんです』

男「…妹友ちゃんもか」

妹友『え?』

男「いや…だから、電話をくれたんだ」

妹友『…はい』


803 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:19:32.58 ID:be+aN+NR0
男「昨日一緒に遊んだことは覚えてる?」

妹友『…はい』

男「夏に海に行ったことは?」

妹友『え?…あ、はい、確かに行きました』

男「…なんで妹友ちゃんは、俺らと遊んだんだろう」

妹友『それが…分からないんです』

男「いつ知り合ったのか、どうやって知り合ったのか…」

妹友『……。』

男「…分かんないか」

妹友『…私、毎日日記を付けてるんですけど』

男「…うん」

妹友『その日記…いつも「お兄ちゃん」のことが書いてあるんです』

男「……。」

妹友『…お兄ちゃんって、男さんのことですか?』


807 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:28:51.62 ID:be+aN+NR0
男「…お兄ちゃん」

―イサン

男「つっ…」

妹友『どうかしましたか?』

男「いや、大丈夫…」

妹友『やっぱりお兄ちゃんって、男さんのことですよね?』

男「…そうだと思うよ。確か、そう呼ばれてたし」

妹友『…そうですか』

男「…その日記、俺以外のことはなにか書いてない?」

妹友『……。』

男「妹友ちゃん?」

妹友『…男さん』

男「…なに?」

妹友『私…誰か大切な人のことを忘れてる気がするんです』


810 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:41:08.56 ID:be+aN+NR0
男「……。」

妹友『私の日記…ほとんど何も書いてないんです』

妹友『毎日書いてたはずなのに…ぽっかりと抜けちゃってるんです』

男「……。」

妹友『おかしいですよね、書かれてるのはお兄ちゃんのことと家のことばかりで』

妹友『お兄ちゃんと一緒にいた誰かのことは、全部消えてるんです…』

男「俺と一緒に…いた?」

妹友『私、大切な誰かのことを忘れちゃってる…絶対に誰かがいたはずなのに…』

妹友『だから、思い出さないと…って思ってたときに、男さんの電話番号を見付けたんです』

男「…俺と一緒にいた…大切な人?」

妹友『男さん…私が忘れている誰かのこと…覚えていませんか?』

男「……。」

妹友『たぶん、私の大切な…お兄ちゃん?』

男「…お兄ちゃん」

―イサン

816 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 19:56:40.54 ID:be+aN+NR0
妹友『あ、あれ…私、今なんでお兄ちゃんって…』

男「忘れてる…大切な人…妹友ちゃん…一緒にいた…キーホルダー…お兄ちゃん…」

妹友『あ、でもお兄ちゃんって男さんのことだから良いんですよね…ちょっと呼ぶの恥ずかしいけど』

男「寝るな…サンタに願い事…クリスマス…ミャー…一人で散歩…サンタ?」

妹友『…で、でも、なんで私、男さんのことをお兄ちゃんなんて呼んでるんでしょうね?』

男「サンタ?…願い事?…去年のクリスマス…俺は何を願った?」

妹友『…お兄ちゃん?どうしました?大丈夫ですか?』

チャラ

男「…半分のキーホルダー…花の絵」

妹友『…お兄ちゃん?』

男「妹友ちゃん、花の名前に詳しい?」

妹友『え?…まあ、花を描くのが好きなので、多少はいけると思いますけど』

男「えっと…漢字で、勿体ないの一文字目に…半分しか書いてないけど、これはたぶん、無しって漢字なんだけど」

妹友『…それは、勿忘草ですね』

男「…わすれなぐさ」


823 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:22:49.64 ID:be+aN+NR0
妹友『綺麗な花ですよね、名前の意味はそのまま花言葉にもなってますよ。勿忘草の花言葉はですね…』

男「…私を、忘れないで」

妹友『あ、知ってたんですか?』

男「……。」

妹友『…それで、勿忘草がどうかしましたか?』

男「……。」

妹友『…お兄ちゃん?』

男「……。」

妹友『具合でも悪いんですか?』

男「……。」

妹友『…えっと、大丈夫ですか?』

男「……。」

妹友『…救急車、呼びましょうか?』

男「……。」

834 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:45:10.18 ID:be+aN+NR0
 『無理だよ…』

 『だって、忘れちゃうもん』

 『私の存在が、みんなの記憶から消えちゃうの』

 『私がいなくなっちゃうのは…しょうがないことなんだよ?』

 『ね、そうでしょ?』

 『どうしたって、私はみんなから消えちゃうんだから…』

 『だから、何を言ったって…しょうがないんだもん』

 『みんな、消えちゃうんだよ?』

 『だからね…だから…』


男「……。」

男「……。」

男「……。」

男「…馬鹿野郎」

男「…やっぱり、忘れねえじゃねえか、妹」 

847 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 20:54:53.00 ID:be+aN+NR0
妹友『…お兄ちゃん、今…なんて言いました?』

男「……。」

妹友『妹?…あれ、なんでしょう…』

妹友『涙が…なんででしょうか』

男「……。」

妹友『妹…妹…妹…』

男「俺の…大切な人の…名前だよ」

妹友『う…うー…』

男「…妹友ちゃんにとってもね」

妹友『…妹…うー』

男「…思い出した?」

妹友『…はい…妹、忘れてなかったよ、私』

男「……。」

妹友『忘れるわけ…ないじゃんか…』

男「…うん」

861 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:03:25.17 ID:be+aN+NR0
男「…妹友ちゃん、頼みがあるんだけど」

妹友『大丈夫です、分かってます』

男「…そっか」

妹友『私、いい子でしたから、きっと大丈夫ですよ』

男「はは、だったら良いな」

妹友『…早く寝ないと、悪い子になっちゃいますね』

男「そうだな」

妹友『お兄ちゃん、また明日、遊びに行きますから』

男「…待ってるよ」

妹友『はい、じゃあまた明日』

男「じゃあね」

プツッ

男「……。」

ミャー

男「…はは、お前ははじめから覚えてたのか?」


874 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:14:37.96 ID:be+aN+NR0
……………………

…………

……

ピピピピピピピピ

男「……。」

ピピピピピピピピ

男「……。」

ピピピピピピピピ

男「……。」

ピピピピピピ カチッ

男「……。」

男「…なんだ、目覚まし、俺が止めようと思ったのに」

妹「……。」

男「…おかえり、妹」


925 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:37:18.93 ID:be+aN+NR0
妹「……。」

男「どうした?」

妹「…なんで私、ここにいるの?」

男「…なに言ってんだ」

男「忘れるなって言ったのは、お前だぞ」

妹「……。」

男「わがままにはなんだって付き合うって言っただろ?」

妹「…うん」

男「たく、世話の焼ける妹だ」

妹「…にいさん」

男「ん?」

妹「…えへへ、ただいま!」

男「…おう」


933 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 21:53:14.55 ID:be+aN+NR0
妹「…なんで、私のこと覚えてたの?」

男「そうだな…たぶん、サンタが結構いい加減な性格だったせいじゃないか?」

妹「…え?」

男「いや、父さんすでにいないのに妹だとか、妹友ちゃんも違和感に気づいてたし…結構記憶操作が適当だったからさ」

男「妹が消えるときも、結構矛盾が出るんじゃないかと思ってね」

妹「え…でもそれだけで…」

男「…ま、細かいことは良いんだよ」

男「俺は妹を忘れなかったし、妹は今ここにいる…それだけで十分だ」

妹「…うん!」

ピンポーン

妹「…お客さん?」

男「あー…妹、行ってこい」

妹「…あ、もしかして!」


935 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:00:09.77 ID:be+aN+NR0
ガチャ

女「やっほー」

男友「メリークリスマス!」

妹「あ、先輩!」

女「私たちだけじゃないよー」

男友「ほら、隠れてないでさ」

妹友「……。」ヒョコッ

妹「妹友ー!」

妹友「め、メリークリスマ…ひゃあッ!」

妹「えへへ、メリークリスマスだよー」

妹友「…もう」

男「朝早くからご苦労さん、みんな」

女「…良かったね、男君」

男友「ばっちり妹さんのことお願いしといたからな!」

男「…ありがとな」



939 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:06:37.49 ID:be+aN+NR0
妹「にいさんにいさん」

男「ん?」

妹「これからみんなで遊びに行こ?」

男「…はは、遊ぶのは良いけど」

母「ちゃんとご飯食べてからにしなさいよ」

妹「あ、お母さん、おはよう」

母「きゃっ…ふふ、ちゃんと卵焼き作ったからね」

妹「…うん!」

妹友「卵焼きッ!?」

女「……。」グー

男友「…こいつ」

母「みなさんもどうぞ」

女「ありがとうございます!」

妹友「やったー」

男友「…じゃあ、お邪魔します」

940 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:10:51.79 ID:be+aN+NR0
女「机まで競争、妹友!」

妹友「がってんしょうちのすけー!」

男友「…他人の家で何やってんだ」

男「はは…」

妹「…にいさん」

男「ん、なんだ?」

妹「…私、なんだかずっと一緒にいられるみたい」

男「…ん?」

妹「魔法がね、とっても強いの」

男「…ま、四人と一匹の願いが詰まってるからな」

妹「一匹?」

男「な、ミャー」

ミャー


942 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:15:33.42 ID:be+aN+NR0
妹「…みんなが?」

男「そうだよ、それもありったけ」

妹「……。」

男「俺なんか全部のプレゼント分を前借りしたからな」

妹「そんなこと出来るの?」

男「さあな」

妹「……。」

男「…でも、もう消えないんだろ?」

妹「たぶん…」

男「じゃあきっと、サンタに届いたんだな」

妹「…そうかもね…えへへ」

男「…ん?」

妹「ありがと、にいさん」

男「…お礼はみんなに言えよ」


944 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/07(金) 22:23:31.46 ID:be+aN+NR0
妹「にいさん、これからもよろしくね」

男「…おう」

妹「…あ」

男「…ん?」

妹「な、なんでもない!」

男「なんだよ」

妹「…最後だと思って、にいさんとキスとか…いろいろしちゃったよぉ」

男「なんだって?」

妹「ななな、なんでもないってばぁ!あ、朝ご飯食べに行くよ、にいさん」

男「…はいはい」

妹「……。」

妹「…にいさん、あの時は言えなかったけど」


妹「ずっとずっと…大好きだからね」

最終話 妹  おわり