12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 11:11:49.95 ID:9t9KIwwLO
兄?「キノセイダロ」

妹「え~、そうかな?」

兄?「キノセイキノセイ」

妹「お兄ちゃんがそう言うんなら…」

押し入れ

兄「ムグー(騙されるな妹…そいつは偽者なんだよ…)」

引用元: 兄「ウィィィン」妹「お兄ちゃんだ!なんか機械音がするけど!」 




13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 11:17:44.02 ID:9t9KIwwLO
少し前

兄「どうしたんだよいきなり呼び出して」

幼馴染「ふっふっふ…じゃーん!」

ロボ兄「」

兄「お、俺!?」

幼馴染「兄をモデルにしたロボットだよ、ソックリでしょ?」

兄「ソックリすぎて不気味だよ…」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 11:21:04.33 ID:9t9KIwwLO
兄「何でこんなの作ったんだよ」

幼馴染「だって兄と一緒に…///」

兄「隣なんだから好きなときに呼べばいいだろ」

幼馴染「兄とずっと一緒にいたいんだもん!」

兄(だからってロボット作るかよ…)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 11:26:06.12 ID:9t9KIwwLO
幼馴染「それでね、兄にお願いがあるの」

兄「何だよ」

幼馴染「日常生活でもちゃんと兄として行動できるか妹ちゃん相手にテストしたいの」

兄「そんなことなら別に、いいよ」

兄「あいつなら気付かないだろ」

幼馴染「それじゃあ兄が2人いたら駄目だから、テスト終わるまでこの縄で…」

兄「なっ?や、やめ…」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 11:33:45.60 ID:9t9KIwwLO


兄(何で俺が縛られなきゃ…くそっ)

兄(幼馴染め…覚えてろよ)

ロボ兄「ナァ妹」

妹「何?お兄ちゃん」

ロボ兄「オマエ●●ナノカ?」

兄(!?)

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 12:26:17.50 ID:vG8cpFiwO
兄「ウィィィ」

妹「お兄ちゃん」

兄「オ、オハヨウ」

妹「?」

兄「オニイチャン デスヨー」ウィィィ

ナデナデ

妹「……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 12:29:09.60 ID:vG8cpFiwO
妹「嘘だ」

妹「なんか変だよ」

兄「ナ、ナニガ」

兄「ドウミテモ ニンゲン ダロ」ウィィィ

妹「……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 12:35:14.67 ID:vG8cpFiwO
妹「変な音してるし、」

妹「表情がかたいよ」

兄「ウ、ウルサイ」

兄「ブアイソウ デ ワルカッタナ」

妹「お兄ちゃん、どうしちゃったの……?」

兄「ダ、ダカラ、ナニモ……」

妹「……」ウルウル

兄「……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 12:37:25.91 ID:vG8cpFiwO
兄「イ、イモウト……」

妹「……っ」タタッ

兄「ア……」

バタンッ

……

……

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 12:48:09.11 ID:vG8cpFiwO
妹「うぅ、ぅぅ……」

妹(なんで、なんで……)

妹(ばかにしてるの……?)

妹(いや、違う、お兄ちゃんはそんなことしない)

妹(じゃあ、ほんとに、お兄ちゃんは、お兄ちゃんは……)

妹(あれじゃ、まるでロボットみたいだよぉっ……)

妹「うぅぅっ……」

……

……

兄「……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:05:51.86 ID:vG8cpFiwO

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:13:45.73 ID:vG8cpFiwO
ガチャッ

兄「ア、イモウト、オカエr……」

妹「……」

兄「……?」

兄「ソノ、テ ニ モッテル ノハ……?」

妹「……」

ドンッ

兄「!」

兄「……」

兄(ガ、ガソリン……?)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:16:06.10 ID:vG8cpFiwO
妹「……」

兄「ナ、ナンダ ソノ メ ハ……」

妹「……」

兄(『オマエナンカ、コレデモ ノンデロ』……?)

妹「……」ウルウル

兄「……」

妹「うぅっ」タタタッ

兄「ア……」

……

……

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:24:55.57 ID:vG8cpFiwO
妹「ぐすぅっ、ぐすっ……」

コンコン

妹「……」

「ハイッテ イイカ」

妹「ぐすっ……」

妹「だめ……」

「……」

「ア、アノナ、イモウト……」

「ホントハ オニイチャン ハナ……?」

妹「う……」

妹「うるさいぃっ!」

「……!?」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:27:05.45 ID:vG8cpFiwO
妹「違う!」

妹「お兄ちゃんじゃない!」

妹「話しかけないで、いやだっ!」

「……」

妹「嫌い、嫌いっ」

妹「大嫌いなのぉっ……」

妹「ぐすっ……」

「……」

ウィィ

ウィィ

……

……

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:33:21.09 ID:vG8cpFiwO
妹「うぅ、ぐすっ、ぐすっ……」

妹「うぅぅ、ぅぅ……」

妹「……」

妹「……」

……

……

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:39:18.57 ID:vG8cpFiwO
妹「すぅ、すぅ……」

妹「……」

妹「ん……」

妹「寝ちゃってた……」

妹「……」

妹「……」

妹(お腹すいた、ご飯買いに行こ……)

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:41:56.64 ID:vG8cpFiwO
……

……

妹「……」テクテク

妹「……」

妹「ん……?」

『ロボット医療ならお任せ、ロボロボ整形外科』

妹(ロボット医療……)

妹(お兄ちゃん……)

テクテク

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:45:33.05 ID:vG8cpFiwO
……

……

医者「……?」

妹「だ、だから、あの……」

妹「お兄ちゃんを、人間のカラダに戻してあげられませんか……?」

医者「ははは、何を言ってる」

医者「キミのお兄さんはロボットなのかい?」

妹「た、多分……」

妹「何か、変な音鳴ってて、表情もかたくて……」

医者「まだ、ウチで人体をロボットに改造した患者は、一人しかいないんだよ?」

医者「それに、ウチはロボットから人体に戻すことはできないよ」

妹「そ、そうですか……」

妹「……」

医者「……」

医者「……ん?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:47:29.27 ID:vG8cpFiwO
医者「き、キミは、まさか……」

妹「……?」

医者「記憶を……、そ、そうか、そうか……」

妹「え……?」

医者「ははは、はは……」

妹「な、何がおかしいんですか」

医者「いやぁ、ははは……」ゴシゴシ

医者「お兄さんには、謝ってあげないといけないなぁ」

妹「……?」

医者「キミが、だよ……?」

妹「……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:48:53.07 ID:vG8cpFiwO
妹「ど、どうして……」

医者「……」

医者「いやぁ、通りで見たことある顔だと思った」

妹「うぅっ」

妹「早く教えてくださいっ」

医者「……」

医者「キミのお兄さんは、一回死んだんだよ」

妹「……」

妹「……?」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:51:08.75 ID:vG8cpFiwO
医者「確か……」

医者「信号無視して突っ込んできた車にキミが引かれそうになって」

医者「お兄さんが、とっさに身代わりになったんだ」

妹「……」

医者「当然、お兄さんは吹き飛ばされ、」

医者「カラダはボロボロ、このままでは命はないという状態にまで陥った」

妹「……」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:53:52.01 ID:vG8cpFiwO
医者「そのとき、私に声がかかってね」

医者「お兄さんを、ロボットのカラダにする手術をしたんだ」

妹「……」

妹「……で、でも」

医者「そんな覚えがないんだろう?はは」

医者「そりゃそうだ、目の前でお兄さんがキミを守って引かれたんだから……」

妹「……」

医者「キミのカラダに外傷は全くなかったが、」

医者「心に傷は残った……」

医者「その事故が起きたときの記憶を、全て失ってしまったんだ」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:56:12.13 ID:vG8cpFiwO
医者「キミはすぐこことは別の病院に運ばれ、治療を受けていた」

医者「だから、私もほとんどキミの顔は見たことがなかった」

医者「……」

医者「もう、分かったかい?」

医者「キミのお兄さんは、キミを守って……」

ダッ

医者「……はは」

医者「それでいい」

医者「早く行ってやりなさい」

医者「お兄さんのところへ……」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 13:59:35.63 ID:vG8cpFiwO
兄「……」ウィィ

兄(シタク ハ デキタ……)

兄(ナガカッタ、コノ イエ デノ セイカツモ、モウ オワリカ……)

兄(イモウト トモ、コレデ……)

兄「……」

ガチャッ

兄「……」

兄「ゴ、ゴメン、スグニ デテ……」

ギュッ

兄「!?」

妹「……」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 14:01:01.46 ID:vG8cpFiwO
兄「イモウト……?」

妹「……」ギュゥゥ

兄「……」

妹「……」

兄「……」

妹「大好き……」

兄「……」

妹「お兄ちゃん……」

兄「……」ポロ ポロ

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 14:02:56.82 ID:vG8cpFiwO
その後、私はお兄ちゃんに何回も謝って、

ありがとうって言って

抱き締めて

それでもまだまだ足りないかも知れないけど……

もう絶対に離れない

お兄ちゃんは、私が守る

私が、ずっと一緒にいる

そばにいる

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/04(日) 14:06:19.56 ID:vG8cpFiwO
……

……

「……」ウィィ

「えへへ……、お兄ちゃんとお散歩、久しぶり」

「ウン」

「……」

「お手手、つなご?」

「……」

「ウン」

ギュッ



握ったその手は、とっても、暖かかった。





おわり。