Bloga enneagramica (ブロガ・エニアグラミカ)

IT革命の先にある社会の創造に貢献することを目的として、拙いながらも文章を紡いでおります。 (管理人:enneagram)

努力して、わたしたちみんなが欲するような知識社会を未来に生み出したいものです。

デフレ脱却

アベノミクスの重要な解決課題は、デフレ脱却であった。


今、インフレが過剰になりそうで、多くの人が不安になっている。それでも、黒田日銀総裁は、円安政策もデフレ対策もやめない考えのようである。


いま、ひどいインフレが起きそうなのは、はたして、アベノミクスの時間差効果なのだろうか。


そういう側面もあるだろうが、たぶん、主たるインフレの原因は、ロシアとウクライナの戦役の長期化だろうと思われる。


長谷川慶太郎先生のインフレとデフレの定式は、戦争が起こればインフレ、戦争がなければデフレである。現代のグローバル経済の工業生産能力と一次産品生産能力は、平和が続けば恒久的なデフレが進行するというのが、長谷川先生のお考えである。この考えは、絶対そうだとは言い切れないかもしれないけれど、かなり正しい意見かもしれない。


経済学者のケインズは、社会にとっては、緩やかなインフレよりもデフレのほうが苦痛であると主張したそうである。我が国のエコノミストの増田悦佐先生は、インフレで得をするのは、政府とか大企業とか、借金をするのが容易な社会勢力だけで、庶民の生活はデフレの時代のほうが向上すると主張する。


そのへん、インフレとデフレの是非の判断がどういう決着になるのかはわからないけれど、ロシアのウクライナ侵略が失敗すると、世界経済は、たぶん、またデフレ基調に戻るのだろうと思う。

[書評] 世界の未来は日本次第 (長谷川慶太郎、渡邉哲也;PHP研究所)

2015年出版の書物。渡邉氏は現在53歳で、わたしより5年若い。


アベノミクス肯定の立場の書物だけれど、たしかに、かつての民主党政権の円高放置に比べれば、アベノミクスはましなのかもしれない。今になって効果が出てきて、ずいぶんとインフレになってしまっていて、そちらの制御が今後は大変かもしれない。


日本には、工作機械やロボットや都市インフラなどの製造業で強力な輸出企業が多いらしい。そう考えると、そういう企業には、円安は大きな恩恵である。しかし、日本も工業製品大量輸入国になってしまっているので、適切な為替水準をどの辺に求めるのかは、難しい匙加減になっているともいえる。


この書物で、英国の、金融や物流や資源エネルギーに関する社会機関の話がいろいろ紹介されているのだけれど、世界的に見た英国の市況形成力というのは、まだまだ大きくて、侮れないものがあるらしい。ロシアがウクライナ侵略で苦悶しているのも、英国情報局の諜報活動や工作活動が大きな効果を発揮しているからなのだろうと思う。英国の実力というのは、目につかないところでまだまだ強力らしい。


英国の国際社会における存在感がいろいろな側面でまだまだ大きいように、日本も、衰えたとはいえ、まだまだ世界に大きな影響力を与えている大国のようである。大国日本の文化商品の輸出が活性化するように、今後も努力すべきなのであろう。

「一太郎、三ピン」

かつて、大前研一氏、竹村健一氏、堺屋太一氏、長谷川慶太郎氏の4人を、「一太郎三ピン」と呼んだ時代があったそうである。


社会に大きな影響を与える、主としてエコノミストの言論人たちで、一回の講演料が、最低50万円と言われた人たちである。


この人たちは、一般大衆だけでなく、政治家たちや、企業経営者たちにも大きな影響を与えた。大前氏や堺屋氏の書物は、全部ではないだろうが、英訳されて、英米の社会科学者たちにずいぶん読まれた著作も少なくないそうである。


「一太郎三ピン」とよばれたこれらの人たちは、論客で、言論人だったが、思想家としても敬意を払われていた人たちで、はっきり言って、その社会的影響力や社会の側が受容するうえで彼らに払う敬意については、現代思想の哲学者の千葉雅也先生など、まったく及ばないといっていいほどのところのものであった。千葉雅也先生が、かなり多くの人たちに、現在のところ知る人ぞ知る存在として、知名度はかなりの程度はあっても、はっきりいって、千葉先生が、政治権力や行政担当実務者たちに重要な影響を与えている思想家であるとは思いにくい。一太郎三ピンは、政治や、経営や、行政に大きな影響を与える存在であった。彼らは、千葉先生みたいに、一部の学者たちや、学生あるいは大学院生、そして、インテリ大衆たちの関心の中に閉じた存在ではなかった。


南井三鷹さんも、批評家として浮上したいと思ったら、千葉雅也さんとか、現代俳句のことに力を入れるより、かつての「一太郎三ピン」の人たちの著書を取り上げるほうがずっと生産的だろうと思う。現代社会では、経済成長や技術革新を問題にしないような哲学的議論は、多くの人たち、特に、政治権力の実践や企業経営の努力をしている人たちから、まともに相手にされにくいのである。


不思議なことに、竹村健一先生も、堺屋太一先生も、長谷川慶太郎先生も、年号が、平成から令和に代わる2019年に逝去されている。こういうことを見ても、年号が平成から令和に代わるということは、時代の切り替わりを示しているということなのかもしれない。かつて活躍していた人たちが、不思議と、時代が平成から、令和に変わるころに、ほぼ一緒に、この世を去ったのである。この世には、不思議な因縁というものは、どうもあるものらしいのである。

経済学という学術の性質?

近代経済学の父といわれるアダム・スミスの本職は、倫理学者であった。


優れた経済学者について調べてみると、驚くほど異分野からの参入者が多い。シュムペーターは、社会学出身で、ヴェブレンは、人類学者と経済学者のあいのこと言われる。我が国の高田保馬先生も、もとは社会学者で、ノーベル経済学賞受賞者のハイエクは、法学者でもあるそうである。


経済学者には、数学者出身者も多くて、我が国の宇沢弘文先生も小室直樹先生も数学専攻出身である。


経済学者ではなく、言論人としてのエコノミストも、かつての日本で主導的な人たちだった大前研一氏も、牧野昇氏も、唐津一氏も、長谷川慶太郎氏も、みんな理科系出身者で、経済学部卒ではない。


こんな風な感じで、経済学というのは、異分野から参入した人たちが大きな業績を出しやすい社会科学のようである。


経済学という学問は、多様なものの見方をいろいろと受け入れながら、発展していく学問なのかもしれない。そして、新しい経済学を構想するときには、過去の経済学の蓄積は、あまりあてにならないということなのかもしれない。

西域、華南、ベトナム、朝鮮半島

前漢の時代に、中国人の地理認識は、劇的に拡大したようである。


中国の華北の西のタクラマカン砂漠には、多くのオアシス都市国家が存在することが分かった。


長江流域のさらに南に、珠江流域が存在することを知った。


さらにその南はインドシナ半島になっていて、南シナ海沿いに細長いベトナムの平野が広がって続いていることも分かった。


山東半島の向こう側にも遼東半島と朝鮮半島があって、静かな渤海は、黄海の内側の、実は入り組んだ内海であることも知った。


こんな風に、前漢の時代は、中国人にとっては、地理上の大発見の時代だったようである。


そういう探検や遠征のほとんどが、どうも武帝の時代に行われたらしい。


こういったことも、前漢の武帝が大英雄、大名君としてあがめられる原因となり、武帝が国教とした儒教がその後の中国の政治を支配し続けた理由になったようである。


中国人にとって、前漢の武帝の偉業は、北方の匈奴を圧倒したことだけではなかったのである。
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