Bloga enneagramica (ブロガ・エニアグラミカ)

IT革命の先にある社会の創造に貢献することを目的として、拙いながらも文章を紡いでおります。 (管理人:enneagram)

[書評] よってたかって古今亭志ん朝  (文藝春秋)

お弟子さんたちによる、私の大好きな古今亭志ん朝師匠の思い出がたり。


高座を離れた志ん朝は、普通の人間である。特に面白いところはない。求道的な人、それだけである。落語家が面白いのは落語で、落語や落語家に関する書物はあまり面白くない。それでいいのである。こちらだって、志ん朝師匠が好きだという理由だけでこういう本を読んでいるのだから。


圓生師匠の落語協会離脱騒ぎのときの、談志師匠の立ち回りのことも言及されている。きっと、この当時のことは、いまでは当事者たちでさえ本当のことはよくわからなくなっていることも多いと思う。それでも、その後談志師匠の悪口を苦々しく吐き出す人はいなくても、先代小さん師匠の門下の落語家の方々は、落語協会の分裂騒動や談志師匠自身の協会離脱の件については、談志師匠の言動に対して不快に思っている人も多いのではないかと思う。談志師匠という人は、優れた人だけに、非常に気位の高い人だったようである。


圓生師匠の落語協会離脱の原因だった真打量産については、落語協会の入門者急増という内部事情だけでなく、地方の箱モノの激増や、地方のテレビ局開設の急増といった、市場の側からの要請という、そういう側面もあったのではないかと思う。とにかく、落語協会としては、多くの真打を用意しなければならない要請が、内部にも外部にも強力に存在しただろうと思う。自分の経験から言っても、人間集団が急に大きく方針を変えるときには、内部からの要請だけでなく、外部からの働きかけもあるのが普通だからだ。落語家が増えるとともに、落語家の需要も増えているのが、真打乱造の真の原因だっただろうと思われる。


志ん朝師匠の「船徳」についてだけれど、自分は、CD音源を聞いて、志ん朝としては落語に説得力が乏しいと感じ、柳亭市馬師匠のほうが適切な改良を加えていると思ったけれど、高座での志ん朝師匠の所作を見ると、見事な解釈の「船徳」になるのだそうだ。このあたり、落語をCD音源だけで鑑賞するのは限界があることがわかる。


恥ずかしながら、役者としての志ん朝師匠の卓越を、自分は全く知らない。芝居の役者としての古今亭志ん朝を育てたのは、三木のり平さんと長谷川一夫さんだそうである。この、演劇の経験が、落語家としての古今亭志ん朝の芸の幅をいろいろ広げたという。落語家としての志ん朝の卓越の背後には、ドイツ語学習者としての志ん朝の努力だけでなく、お芝居の役者としての精進も重要な要因らしい。こういうことも、この本を読んで学べた。

[書評] 大活字本シリーズ   日本辺境論  (内田樹;埼玉福祉会)

上西小百合さんが、内田先生について言及していたので、内田先生に関心は持っていた。図書館に大活字本があったので、よんでみた。文字が大きいと、目に楽である。私ももう54歳である。


あまり心に残るところのない、そんなに感心もしない内容の本だった。それでも、学ぶところのない本でもない。この本の読書体験も、のちに、何かの役には立つのだろうと思う。


著者は、フランスの哲学者のレヴィナスの研究者で、優秀な人だと思う。それだけでも大したものなのだが、たぶん、この人は、和漢の古典や、ギリシャラテンの古典や、サンスクリットの古典には、知識が少ない人だと思う。近現代フランス思想の研究者としては、しかたないことだけれど。でも、やはり、近代の提供する知識が中心だということは、ものの考え方が浅薄でしかないことの原因となるのだろうと思う。それほどの奥深さは感じない。もとは新書の書物だからしかたがないが。


辺境としての日本の特色をいろいろ説明してくれているが、なんでも、美点は欠点であり、欠点は美点である、日本にも日本人にも、美点も欠点もある。ただ、この書物の論点は、戦後のアメリカ文化の流入の影響で、ずいぶん修正も必要になっているような気もする。もちろん、アメリカの影響の受容についても、いつも通りに日本的なのであろうが。


英語圏には、文字が読めない難読症の人が多いという記述には驚いた。英語の習得が困難あるいは不可能というのは、日本人特有の問題でもないらしい。斎藤一人さんとか、ヤマダヒフミさんとか、英語の習得が実質できないひとたちというのは、脳機能に原因のある、先天的な、知的、精神的疾患が原因でそうなのかもしれない。彼らは、先天的に、英語という言語の習得に関しては、身体的な理由で、精神的、知的に、疾患によって、徹底的な救いようのない劣弱者なのかもしれない。彼らが英語習得の意欲がないのは、彼らが知的に怠惰だからというだけでもないのかもしれない。そういう疾患がなく、英語をある程度の水準で習得できた自分の先天的精神能力にむしろ感謝すべきかもしれない。


カントの「純粋理性批判」の論点で、物自体を現象に変換するアプリオリとしての超越論的統覚の機能の向上とそのための訓練については、著者は、武道とか、禅宗とかの話を持ち出しているが、この論点については、西洋でも、ゲーテもベルクソンもシュタイナーもずいぶん問題にしたことだった。フランス哲学の研究者が、この件について、ベルクソンやメルロ・ポンティの名前を挙げられないのが不思議な気がした。


なんにせよ、未知の事態に対して、何らか行動をとるためには、なにかしら下絵となる既存の思考の産物が必要ならしい。じぶんも、きっといろいろな過去の下絵を持っているのだろうし、自分の作業も、未来に、いろいろな行動の下絵を提供しているのかもしれない。

[ライブ] かめあり亭落語まつり 第36弾! 亀有はなし処 其の二  ~出張!谷中はなし処~  (かめありリリオホール)

すごくクオリティの高い落語会であった。だから、長い話はしないで、手短にする。


前座は、まん坊さん。すこしかんでいた。いいのである。二つ目でも真打でもかむひとはかむ。わかりやすい話し方だった。


ついで、萬橘師匠。今話題で、人気の人だけに、すごく面白い。師匠の圓橘師匠もよい評判の人であることは、妹から聞いたことがある。


その次はたけ平師匠。まだ40歳だけれど、林家たけ平の芸風というか、形というか、そういうものを確立しているような感じである。自分の個性の自覚が早い人だと思う。


休憩のあと、オーパーツのコント。着物を着てコントをしていた。色物芸で着物を着るのは、あまり見たことはない。ないわけではないが。


トリは、志の春さん。しぶい味わいの「井戸の茶碗」。ほんとうの井戸の茶碗も、深い味わいのある色をしていたのだろうか。


大変満足な興行だったので、来年もまた谷中はなし処に亀有に来てほしい。次回は、発売開始とともにチケットを購入しないと、いい席は手に入らないような気がする。会場内、9割近くは座席が埋まっていた。



番組



三遊亭まん坊 「黄金の大黒」  三遊亭萬橘 「真田小僧」  林家たけ平 「目黒のさんま」    中入り   オーパーツ 「透視術」  立川志の春 「井戸の茶碗」

[書評] 英単語の語源を知り語彙を増やすためのラテン語-日本語-派生英語辞典 (山中元編著;国際語学社)

原則、ラテン語の語源と、それから導出された英単語の対応を示す単語集。


中身を見ると、現状、ラテン語の単語から導出された英単語が存在せず、ラテン語の単語の対応語に、英熟語を当てないといけないケースも多いことがわかる。


ラテン語と英語では、単語は、ずいぶん姿を変えていることが多い。近代以降の造語はともかく、古くからある英単語だと、ラテン語の語源と対応する英語の単語の関係が、英単語とドイツ語の単語の違いくらいにちがう。


これからも、ラテン語の語源を活用して、新しい英単語は増えていくと思う。もちろん、ギリシャ語の語源の新しい英単語も増えていくはずである。英語に強くなりたかったら、ある程度はラテン語やギリシャ語の知識も仕込むべきなのは明らかだと思う。


それにしても、ラテン語の学習がダイレクトに有効なのは、やはり、フランス語やスペイン語やイタリア語の学習においてだろうと思う。英語やドイツ語やロシア語の学習の場合は、どうしても、ラテン語の知識は、教養としての知識としての有効性にとどまる。ラテン語学習をしておくと、ギリシャ語学習にはとても役に立つと思う。ギリシャ語学習は、ドイツ語やロシア語の学習にとても有効だろうと思われる。


次は、サンスクリットの単語集を調べようと思う。サンスクリット学習が、はたして、どれほどかでも英語学習に役に立つだろうか。全く役に立たないこともないと思う。ラテン語やギリシャ語の学習には、サンスクリットの学習は役に立つはずである。ということは、ロシア語の学習に、ある程度は役に立つということなのではないかと思われる。

[書評] 英検合格 1級 必須単・熟語2400   (財団法人日本英語教育協会編)

英検準1級までは取れたので、ずいぶん、英検1級にも努力して挑戦していたのだけれど、まったく歯が立たなかった。


この単語熟語集の初版は1988年でずいぶん古いものだが、英語の知識としては、現在でも通用していると思う。


いまこの単語熟語集を読み直してみて、やはり、知らない単語と熟語が多すぎて、英検1級合格は、今でも自分には無理なのが確認できた。


それでも、いまの自分の英語の力量でこの単語熟語集を読み直してみると、とても面白い。やはり、学習が楽しくなるには、ある程度の水準の知識の蓄積や修練が必要で、これは、なにについてもそういうものだと思う。将棋でも、競馬でも、麻雀でもそういうものであろう。


今、英単語のラテン語語源集も読んでいるので、こちらも、読み終わったら、報告したいと思っている。
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