先日千葉のDD51の写真を貸して頂いた際にその写真の中に東葉高速鉄道開業前に改造工事が未完成の状態で(当時)営団地下鉄東西線で暫定使用されていた東葉高速鉄道1000形の写真があったのですが、丁度数週間前に東京地下鉄千代田線 北綾瀬支線で乗ったのでそれも合わせて書きます。
東葉高速鉄道1000形ですが、東葉高速鉄道敷設にの際に思いの他用地買収などで建設費用がかさんだため、車両新製費用を抑えるために当時 営団05系の増備によって置き換え廃車予定だった営団5000系 非冷房車を東葉高速鉄道に譲渡し改造を加えて使用する事になりそれで誕生したのが東葉高速鉄道1000形です。改造はメトロ車両が担当しました。改造内容は主にデザイン的な変更が殆どで、外見のデザイン変更、内装のリニューアル、乗降口ドアの交換、冷房化とそれに従う電源増強(190kVA出力のSIV×2基設置)・・・などで走行機器やシステムは営団5000系と同じです。変化を挙げるならば当時 営団5000系にも行われていた制御装置の発電ブレーキ付き抵抗カム軸制御から回生ブレーキ付き界磁添加励磁制御への変更と、乗り入れ協定の関係上JR総武・中央緩行線への乗り入れが無くなったためJR乗り入れ機器の撤去が行われた程度ですね。登場して間もなくの頃は東葉高速鉄道の開業が遅れたため営団地下鉄の車両基地に留置されていた時期があったのですが下の写真のように一部は前面形状が営団5000系のままの状態で営団地下鉄東西線で暫定使用されていました。
千代田線の5000系の方はと言うと千代田線も開業当初は営団5000系が使用されていましたが営団6000系の増備が進み営団6000系が必要な分だけ揃うと、千代田線北綾瀬支線(綾瀬〜北綾瀬)に3両固定編成2本(スキンステンレス車体・抵抗制御)を残し他は全て東西線に転属しました。それから暫くの間 千代田線北綾瀬支線はこの営団5000系2本と営団5000系と同タイプの機器を利用し電機子チョッパ制御から抵抗制御に改造された営団6000系1次試作車1本の計3本を使用した運用形態が続いていました。その後2002年3月23日の北綾瀬支線のワンマン運転開始の際に当時05系の増備で東西線で営団5000系の余剰が発生し、その中でもアルミ車体試作車に対してアルミ車体が熱や荷重などによる経年劣化がどの程度進行しているかを測定したところ、状態は良好だったためアルミ車体2編成を3両編成化した上で特別コレと言った補修などは行わずワンマン運転のための機器(千代田線用CS-ATCやATO車上装置など)搭載とパンタグラフの再設置(シングルアームタイプを使用)などの改造を施した上で千代田線北綾瀬支線(綾瀬〜北綾瀬)に投入しスキンステンレス車体の2本を置き換えました。そのため現在も千代田線北綾瀬支線(綾瀬〜北綾瀬)は5000系アルミ試作車2本と6000系 1次試作車(抵抗制御に改造)1本の3本を使用して運転されています。
数週間前に数年ぶりに千代田線北綾瀬支線(綾瀬〜北綾瀬)で乗車した際は置き換え前の抵抗制御・スキンステンレス車体の車両の方がこの路線にハマリ役だったんじゃないかな?と感じてしまいました。と言うのも確かに車体の耐久年数や車齢から見た場合はアルミ車体の5000系の方が良いとは思いますが、元々 千代田線の綾瀬〜北綾瀬の綾瀬検車区への入出線を利用して作られた短路線という事であまり速度を出さないために、わざわざ界磁添加励磁制御車を使用する旨みがあまり無さそうですし、何よりも電制失効速度が抵抗制御時代よりも高いので操作性は抵抗制御・スキンステンレス車体時代の方が良かったのでは?とちょっと憶測ですが感じてしまいます。
折角触れたので営団5000系が発電ブレーキ付き抵抗制御から回生ブレーキ付き界磁添加励磁制御に改造された経緯を簡単に書きます。地下鉄東西線は千葉県内から東京都心を結ぶ通勤路線の地下鉄と言う事で当然高加速・高減速が求めらるのでその車両も必然的に制動力を得るため電気ブレーキ(電気制動)付きとなります。しかし抵抗制御が主流の時代は主電動機を発電機として使用し運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、その発電した電気を制御装置の抵抗器に流して抵抗器を発熱させる事で電気エネルギーを熱エネルギーに再度変換し空気中に捨てると言うシステムがある程度確立していた「発電ブレーキ(発電制動)」を使用されるのが殆どで製造当初の営団5000系もその方式が取られていました。ただその場合は抵抗器から発せられる熱が発電ブレーキ無しの抵抗制御車よりも大幅に増え、地下鉄と言う特性上廃熱によるトンネル内の温度上昇が発生しネックとなっていました。(そこで営団地下鉄は廃熱の少ない電機子チョッパ(サイリスタチョッパ)制御の車両開発に比較的早期から取り組み営団6000系を完成させたりもしました)初めの頃はそれである程度大丈夫だったのですが、今度は通勤型電車の冷房化が標準的になり冷房装置が取り付けられるとさらに車両からの廃熱によるトンネル内温度上昇が深刻化し何らかの対策が必要になりました。そこで採用されたのが当時国鉄が205系や211系で実用化に成功していた「界磁添加励磁制御」と言う方式で、主電動機は一般的な抵抗制御車と同じ直巻整流子直流電動機を使用して走行し、始動〜低速は抵抗制御で始動、高速では補助電源装置(MGやSIV)で作り出した外部三相交流電源の位相制御による添加励磁制御を行う方式でした。この界磁添加励磁制御を使うと単に力行用の抵抗制御する速度域が減るだけでなく、補助電源装置からの三相交流により界磁巻き線電流を制御し界磁を強める事で回生ブレーキ(回生制動:基本は発電ブレーキとほぼ同じで、発電ブレーキは発電した電気を抵抗器で空気中に熱としてエネルギーを捨てていたのに対し、回生ブレーキは発電した電気を架線に返して他の力行中の車両にその電気を再利用させる)が使用できます。確かに抵抗制御で始動するため電機子チョッパ制御よりは発熱量は多いですが、発電ブレーキではなく回生ブレーキが使用できるため発電ブレーキで抵抗器に電流を流し発熱させる事がなくなる事から抵抗器の容量を抑える事ができるだけでなく抵抗器による廃熱を大幅に減少させる事が可能で、なおかつ大容量な半導体素子を多用するため制御装置装置が高価なサイリスタチョッパなどの電機子チョッパよりも半導体素子が少ない事もあるため装置はるかに安いと言うメリットもあります。(ちなみに界磁添加励磁制御よりも前に実質的に界磁添加励磁制御とほぼ同様な特徴を持つ界磁チョッパと言う方式(←東急8000系がその代表格)も存在しましたが、こちらもなかなか優秀な方式だったものの複巻整流子直流電動機を使用するため直巻整流子直流電動機を使用する抵抗制御車から走行機器を換装するためには主電動機の換装が必須でまた複巻整流子直流電動機は架線電圧の急変に弱く、また構造上 消耗品のパーツが多いと言う欠点もありました。)なお界磁添加励磁制御は抵抗制御と同じく直巻整流子直流電動機を使用する制御方式なため抵抗制御から足回りを換装する場合は制御装置とその周辺を改造する程度で済むため改造が容易で営団5000系もその制御装置換装のための改造が行われました。ただ回生ブレーキを使用する場合は抵抗に電気を流す発電ブレーキとは違い架線に電気を返すと言う特性上 主電動機で発電した電気の電圧が架線より高くないといけないため主電動機の回転数が低下する低速では電圧が上がらず回生ブレーキが使えないため、空気ブレーキのみでの制動になってしまうと言う難点もあります。それゆえに営団5000系も抵抗制御で発電ブレーキを使用していた時代はほぼ停止寸前の頃まで電気ブレーキが使えていたのに対し、界磁添加励磁制御に換装されて以降は25〜30km/h程度で電気ブレーキが失効(電制失効)してしまうようになりました。

※音声ファイルはlivedoor Blogの仕様上 携帯電話の動画機能などでよく用いられる3GPP形式で掲載しています。パソコンを使って閲覧する場合はQuicktimeプレーヤーなどで聞く事が出来ると思います。

東京地下鉄5000形 アルミ試作車 5455形 綾瀬→北綾瀬

↑先日乗車した際に録りました。車庫への入出線を利用した線で距離も短いため殆ど速度は出しません。

東葉高速鉄道1000形(元 営団5000系) 1089形 西船橋→浦安

↑以前録った物です。東葉高速鉄道1000形に改造された物ですが足回りは営団5000系 界磁添加励磁制御車と殆ど同じです。列車は快速列車なので浦安まで停車しません。ちなみにフラットが車輪に出来ている車両でした。ただ音源がカセットテープな上に録音時間が長くブログに掲載可能なファイルサイズの上限もあるのでビットレートをかなり落としているので少々荒れも多いと思います。音の感じとしては、この時代の他社・他線区の地下鉄用車両に多いんですが始動〜低速域では異常なまでにモーター音が静かで気にしないと殆ど音は聞こえず高速になると音が結構五月蝿くなるというタイプですね。ただ元々地上高架線が多く国鉄との乗り入れも決まっていて高速運転も想定された形式故に都営5000形のように70km/h辺りを越えるとイキナリ音が凄く五月蝿くなると言う事は無く、下手をすると「付随車じゃない?」と思いたくなる程全体的に音は静かですね。それにしても営団5000系は営団3000系と見比べて見ても国鉄からの流れをかなり受けた設計になっているなといつも感じます。05系が出てきたばかりの頃は5000系よりも05系に当たりたいと思う事もありましたが、この営団5000系で結構辛そうなモーター音を上げながら東西線の荒川橋梁を高速で走りぬけるのは良かったですね。

東葉高速鉄道1000形(元 営団5000系) 1089形 浦安→東陽町

↑上の物と同じ時に録った物です。

東京地下鉄5000系 アルミ車体試作車 千代田線北綾瀬支線

↑東京地下鉄5000系 アルミ車体試作車 千代田線北綾瀬支線

東葉高速鉄道1000形 10F 東葉高速鉄道開業以前

↑東葉高速鉄道1000形 第10編成 東葉高速鉄道開業以前
※知人の方に貸して頂き、このブログでの使用許可を頂いた物
東葉高速鉄道開業以前に東西線で暫定的に使用されていたもので、全面の改造が行われておらず営団5000系の帯色が変えのような感じになっています。

※以下の写真は全て以前撮影したもの。

東葉高速鉄道1000系

↑東葉高速鉄道1000形 第8編成
こちらが一般的な東葉高速鉄道1000形です。角型ライトへ交換、フロントガラス周りを黒く縁取りするなどで大分意匠が変わっています。

東京地下鉄5000系 ステンレス車体(59F)&アルミ車体(90F)

↑東京地下鉄5000系 スキンステンレス車体 第59編成&アルミ試作車 第90編成
東京地下鉄東西線に最後まで残ったスキンステンレス車体 第59編成と、東西線最後のアルミ試作車 第90編成です。