西川法学部長が引用している南原法学部長の言葉
「しかし予め注意して置きたいことは、諸君はその際もろもろの講義から何か「異常なもの」を期待しては誤であるということである。われわれはこの期間に何か特殊の「精神教育」をしようというのではない。あくまで諸君に法学部学生として必要な基礎的知識を与えようとするのであり、むしろ淡々と平常と変りもなく、学問的法則あるいは規範の発見や概念の分析または綜合に従事するであろう。…政治・法律にはそれぞれ固有の科学的心理が横たわるのである。それを無視し、あるいは軽視してことを行うときに、いつかは心理自身によって報復される日が来るであろう。勝利は単なる「必勝の信念」によってもたらされるものでなく、必ずやそうした文化および自然にわたり、近代科学の治世に裏づけられて初めてこれを獲得することができるであろう。私は諸君が与えられる期間、さような学問的心理への情熱を新たにし、政治・法律のそれぞれの専門の科学的真理の探究に冷静に従事せんことを、まず勧告する者である。
『南原繁著作集』(岩波書店)第6巻40頁
「しかし予め注意して置きたいことは、諸君はその際もろもろの講義から何か「異常なもの」を期待しては誤であるということである。われわれはこの期間に何か特殊の「精神教育」をしようというのではない。あくまで諸君に法学部学生として必要な基礎的知識を与えようとするのであり、むしろ淡々と平常と変りもなく、学問的法則あるいは規範の発見や概念の分析または綜合に従事するであろう。…政治・法律にはそれぞれ固有の科学的心理が横たわるのである。それを無視し、あるいは軽視してことを行うときに、いつかは心理自身によって報復される日が来るであろう。勝利は単なる「必勝の信念」によってもたらされるものでなく、必ずやそうした文化および自然にわたり、近代科学の治世に裏づけられて初めてこれを獲得することができるであろう。私は諸君が与えられる期間、さような学問的心理への情熱を新たにし、政治・法律のそれぞれの専門の科学的真理の探究に冷静に従事せんことを、まず勧告する者である。
『南原繁著作集』(岩波書店)第6巻40頁