放射線治療科からのお知らせ


2022年7月23日に第13回中四国放射線治療夏季セミナーが開催されました。

中四国放射線治療夏季セミナーは学生さんや

研修医の先生に放射線治療の魅力について学んでもらうために、

当科永田教授を発起人として14年前に始まりました。


私は、第4回に当時研修医2年目で参加しました。

学生時代は放射線治療についてほとんど知識のない私でしたが、

夏季セミナーに参加したことで、

放射線治療により色々な癌が治せること、

その効果や奥深さを目のあたりにし、

放射線治療の道を志すこととなりました。


その後も毎年開催され、今回が13回目となります。

例年はホテルや旅館での

宿泊つきのレクリエーションも兼ねた開催形式ですが、

近年はCOVID-19の影響でオンライン開催となっておりました。

今年は山口大学さんが主幹で、

「やっと山口、行ける」のキャッチコピーのもと、

久しぶりの現地開催に向けてご尽力頂いておりました。

しかしながら、COVID-19感染が第7波に突入し

爆発的な感染者数の増加を認めたため、

オンライン開催に変更となりました。

今回こそ他大学の先生方ともお会いできると

楽しみにしておりましたので残念です。

山口大学の先生方も非常に辛い決断だったと思います。

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そのような突然の開催形式変更があったものの、

広島大学からは3名の研修医の先生に参加いただき、

広島からは10名の参加になりました。

研修医の先生は日常診療で忙しい中、

参加してくれてありがとう!

プログラムの構成として、前半は疾患ごとのレクチャーあり、

途中大学ごとの自己紹介あり、

後半は放射線治療の魅力を語るという内容で

オンライン開催でも楽しめる内容でした。

私自身は市中病院と大学病院の違いから見た

放射線腫瘍医の魅力というテーマで、

今までの私の歩みについてつまらないジョークを交えながら

お話しさせていただきました。

今回スライドを作りながら、

「自分は放射線治療のどういうところに興味をもって、

そして10年近く治療医を続けているのか」

ということを思い直す、良いきっかけになりました。

今年の特別講演は、浜松医科大学 放射線腫瘍学講座の

教授であられる中村 和正先生より

「放射線治療の魅力とこれから」というテーマでご講演いただきました。

中村先生は2018年に当大学が幹事をした

第10回夏季セミナーでも講演いただきましたが、

今回も魅力的な語り口で大変興味深い内容でした。

放射線治療の昔から現在までの技術進歩と治療内容の変遷、

これからの放射線治療についてご自身が治療した症例も

提示しながら話していただきました。

特に提示症例は、疾患背景や治療内容に示唆に富んでおり、

何年間も中村先生ご自身でフォローされている中で

気づかれたことを私たちに伝えてくださり、勉強になりました。

次回は高知大学のご担当です。

来年こそは現地開催でき、

中四国の皆様にお会いできればと切に願うばかりです。

アマビエ、疾病退散!

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(医科診療医 K.T. 投稿)


令和4年7月1日に第8回医学物理交流会を

広島県医師会館とWebとのハイブリッド開催しました。

広島大学、神戸大学、神戸低侵襲がん医療センターの医師、

医学物理士、診療放射線技師等33名が参加しました。

広島でHybrid開催となりましたが多くの方にご参加いただきました。

神戸大学・佐々木教授に開会のご挨拶をいただきました。

そして神戸大学からは臨床の治療計画における

線量ロバスト問題への対応、

Fiducialマーカーの位置精度検証、

さらに創薬開発など幅広く研究ご発表いただきました。

広島大学からは組織透明化技術によるがん微小環境の解明、

AIによる予後予測におけるデータサンプリング手法の開発に関し

大学院生に発表いただきました。

さらにAI共同研究の進捗に関しても情報共有し、

着々と共同研究も進んでいることがわかりました。

広島大学・永田教授より閉会のご挨拶として

医学物理士の交流会の重要性と

今年度のJASTROを医学物理士の方からも

盛り上げるようにご依頼いただきました。


また、情報交換の場では佐々木教授はじめ

医学物理士の先生方皆さんと

研究や施設の臨床事情に関してお話し、

大変貴重な機会でした。

来週はAAPMですので引き続き

色々な先生方とコミュニケーションをとり、

情報収集したいと思います。


(助教  K.D.  投稿)




二つの大学の医学物理交流は他にも例を見ない取り組みです。

良好で切磋琢磨して、

より高いレベルの医学物理研究を実現してほしいものです。 


(教授  N.Y.  投稿)

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2022年6月17~18日にかけて

奈良県コンベンションセンターにおいて

開催された第46回日本頭頸部癌学会に参加してきました。

COVID19感染状況が収束しつつあることもあり、

現地+ライブ配信と後日WEB配信という形式での開催でした。

私は現地に赴き参加しましたが、

現地でのライブ感はやはりいいものだなと実感しました。

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学会の内容としていくつか所感を述べます。

一つは、再発頭頸部癌治療の選択肢の増加です。

粒子線治療、BNCT(中性子補足療法)、

アルミノックス治療、免疫療法を含む全身療法、

Ra-224密封小線源治療など多岐にわたる

再発腫瘍への選択肢が開発されてきており、

頭頸部癌再発患者さんにとっては朗報となるでしょう。

近年話題となっている経口手術の新たな知見も出てきており、

経口切除後に術後照射が必要となる場合には、

晩期の機能障害を考慮し、

経口切除は行わず(化学)放射線療法を主体として

施行する方がよいだろうという情報を入手しました。

また、我々が施行している

甲状腺がんに対するヨード内用療法に

抵抗性となった患者さんに対する治療法も増加しています。

レンバチニブの有効性や遺伝子変異に応じた

薬物治療の有用性など新たな手法が出てきています。

遺伝子変異に基づく個別化医療については

今後ますます進歩してくるものと思われます。

このような新たな情報を入手できる学会には積極的に参加し、

治療のメインストリームに乗り遅れないよう

知識のアップデートが必要と痛感しました。


気になることとしては、

本学会の学会員数が減少傾向にあること、

特に放射線治療医の学会員数も伸び悩んでいることでしょうか。

本業である放射線腫瘍学会、

医学放射線学会のみならず関連学会への参加は

より深く知識をアップデートできる場です。

久しぶりにお会いする先生も多くいらっしゃいましたが、

若手の先生の参加はまだまだという印象でした。

ぜひ、より多くの放射線腫瘍医に参加してもらいたいと思った次第です。



(准教授 M.Y.  投稿)

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