2008年10月16日

元請けにこだわる理由

私は文系の大学中退(まぁ高卒ですよね)です。最初に入ったのがソフト会社で、その次もソフト会社でした。最初の会社では未経験のど素人だったのでオペレータやパンチャー、運用と保守からやらせて頂きました。その後転職した2番目の会社で、絶対に忘れないと感じる出来事に出会いました。


もう10数年前のことですから時効ということで書かせて頂きます。当時の私は26歳で2番目の会社に転職して半年ほどでした。別に同情を惹きたいわけではない(が同情して頂く分にはありがたいですw)のですが、当時は実母の死去、実父の定年と妹の入院が続いて金銭的に大変でした(最初の会社で手取り10万を切っていた時期もあります)ので、頑張って仕事をしていました。

# とりあえず、以下のエピソードのあと、新婚早々に残業400時間/月とかやってて
# さすがに「これは死ねるかも」と思う程度に、月に200時間残業とかするのは
# 当然と思っていた、それでもそれが苦にならなかったほどに一体感を持つことが出来た
# 今思うに幸せな時代の話です。私は当時の会社を今でも誇りに思っています。

2番目の会社にはその年の1月に入社しましたので、その年の夏のボーナス(賞与というよりも私にはボーナスという言葉の方がゴージャスに聞こえるのでこれで押しますw)は当然出ません。というわけで、お金に困っていた私は冬のボーナスを心待ちにしていました。ところが、直前になって月に一度の全体ミーティングで社長から重たい言葉が出たのです。

「冬期の賞与は出せません」

理由は、元請けさんが支払ってくれないからでした。全国的に非常に有名な会社さんです。金額も非常に大きなものです。今の私は会社を経営しているので実感できますが、当時の状態を思い起こすと大金という表現以上に大金です。支払わない理由は、明らかに先方の落ち度による案件の失注でした。確かに契約書の細々としたところでの脇の甘さなどは恐らくあったかもしれません。ですが、相当稼働していたにも関わらず「払えません」だけで済ませようとしたのです。その後、経営陣は戦い続けたようですが、結局どうしようもなかったようです。

正直、目の前がくらくらしました。まだ妹は障害者認定も出なかった時期であり毎月の入院費など半端無い状態(月額50万円ほど必要でした)でした。おかげで多額の借金に慣れたのは後の経営者業において借入に対するおびえが減ったという効能につながりました…などというのは、正直今だから言えることで、ぶっちゃけ理由を聞くほどにその元請けさんの会社に火をつけに行ってやろうかくらいの気分になったのは事実です。消費者金融をとやかくいう方がいますが、肉親のことを考えれば結構ありがたいものです。下手な人に借りるよりはよほど筋の通った話ができます(笑)。

# ちなみに私は幼少期に親父が他人の肩代わりをしたおかげで借金取りが日参して
# 素敵な体験をさせて頂いていたからこそ、腹を括れたという事実もあります。
# 何にせよ慣れは結構生きるものです(^^;
# 皆さんご存じのように、連帯保証人ってのは起業するとついて回ります(w

その会社は当時とても仲の良い会社で、月に一度の全体ミーティングの後は必ずみんなで飲みに行って明け方まで飲んでいました。30人近いみんなが仲がいい。今のスタロジのひとつのお手本でもあります。そんな飲み会で、さすがにみんなが社長の横で文句・愚痴を言いました。

当時の社長は確か32歳くらいだったと記憶しています。上述のように私が26歳のときです。私も横に座って一緒に飲みました。私は戦前生まれの父親の薫陶が篤いため、儲かってないのにボーナスはもらえないということには納得したので「これから頑張りましょう!」的なことを言いました。そのときの社長の「悔しいなぁ。下請けなんか嫌やなぁ」というのが強く心に残ったのです。

私は33歳で今の会社を立ち上げました。ですが26歳当時の私は自分が起業するなどとは全く考えていませんでした。そんな私ですが「下請けは悔しい」ということだけは刷り込まれたように感じます。同時に、あの過酷な状況に32歳という年齢で直面して社員の生活を守った社長の凄みを同じ職業となったからこそ、しみじみと感じます。

その後その会社は「全員営業、全員SE」を合い言葉にすごく頑張りました。その後の顛末は控えますが、私が辞めてからも順調に頑張っているようです。当時の同期がまだ頑張っているとのことで、私も負けられないと感じています。

データ中心アプローチにのめり込んでその延長でコンサルタントを目指した当時、偶然にもアーサーアンダーセンというところに拾って頂ける機会を得て私は袂を分かちましたが、その後ソフト会社の経営者として頑張るに際して本当に色々と学びを得たと感じています。

# 転職して俗に上流工程を担当する会社と呼ばれるところの禄を飯んだという自覚は
# 当然あります。その点、結局は同じ穴の狢ではないのかという煩悶もあります。
# それは私にとっての十字架です。

私はSI業界の問題は、「多重下請け構造」「派遣」「人月」の三要素だと考えています。中でも一番の問題点は「人月」だと考えています。人月だから頭数を揃える商売になります。だから人を集めるということが主眼となり、自社で足りない数は他から借りてくるという振る舞いが連鎖していく商売になります。そこに技術力など不要です。技術というものを意識しないで経営が出来てしまうのです。

私はコンサルティングファームで経営というものについて学ばせて頂きました。その後、証券会社の立ち上げに参画したことで自分が発注側に回るという経験もさせて頂きました。自分で作ったシステムや外部の業者さんに作って頂いたシステムを運用してきました。最初の会社では、自分の生まれた年に作られたようなシステムの運用保守やオペレータ・伝票打ちなどを「ライン業務(受託電算業務ですから)として」やってきました。それらの経験が、作り手の、業者の勝手な思い込みでは決してお客様のお役に立てないという実感につながっています。

お客様のお役に立つに当たって、人月である必要性などどこにもありません。単価を設定するという手間をさぼっている業界側の怠慢だと私は考えています。きちんと自分たちの「システム開発という業務」をIT化することで、頭数を揃えなくてもシステムを作れるようになります。今はハードウェアもネットワークも基盤となるソフトウェアも昔と比較すれば非常に安価に、およそタダと言っても良いくらいの価格で揃えられます。お客様のところに常駐派遣しなければならない理由などありません。であれば、私どものような小さな会社でも元請けがやれます。そして実際にやれています。

かつてのソフト会社というのは、資本力がなければ元請けが出来ないという事実がありました。それを何とかカバーするために発達したのが現在の業界の構造です。つまり三要素である「多重下請け構造」「派遣」「人月」です。ですがそれはアンシャンレジュームだと断ずることが出来る時代になったのです。

私が社会人になってから20年近く経ちました。大型汎用機の時代からパソコンによるクライアントサーバを経て現在ではインターネットを前提としたWebによるシステム開発へと変遷してきました。ですが、そこで実現したいのは、こと業務システムという点で言えば相変わらず請求管理だったりコンタクト管理だったりするのです。未だに高くて欲しい要求を実現できないということが多いのです。

下請けとして悔しい思いをしなくても、お客様のお役に立つことに取り組める時代になりました。おかげさまで最近はようやく元請けのみで仕事をやらせていただいています。スターロジックがやっていることには華やかさなど皆無です。あくまでも黒子に過ぎないからです。作っているシステムが世間の表舞台に出ることはありません。ですが、それで良いと考えています。スターロジックのスターとは、弊社にお仕事をご発注くださるお客様が、その向こうにいるお客様にとってのスターになるということです。スターであるお客様をロジックで支えるのがスタロジの仕事です。

私は、そしてスタロジは、業界を変えようなどとは思いません。お客様のお役に立てない会社は淘汰されていくだけです。私たちはお客様のお役に立つということに集中しています。では私たちのお客様は誰かというと、この20年一向にSI業界に相手にしてもらえずにIT化のメリットを享受できずにいる会社さんたちです。ですから私たちは元請けにこだわります。お客様と直接やり取り出来る立場に立たせて頂くことにこだわります。

2番目の会社は今思えばあのときに潰れてもおかしくないほどのダメージを負ったはずです。そこを生き残った。当時も不況の折りでした。その生命力は会社として見習いたい。と同時に、あの「悔しい」という気持ちは決して忘れてはならないと感じています。

こういった我儘な私の感情を雇われの身で具体化するのは無理です。ですから会社をやっています。儲けたいから会社をやってるのかと言われると微妙です。儲からなければならないと感じてはいます。儲からないというのはお客様のご支持を得られていないということだと思うからです。実現したいのは、適正な価格で適切な技術による本当にお役に立つ仕組みをお届けしてより良いお仕事をしていただけるお手伝いを実現する。それに尽きます。

とはいえひたすらに私の器の小ささ・力量不足で多くの方々にご迷惑・ご面倒をおかけし続けています。その私の我儘につきあって一緒に頑張ってくれている今のメンバーには、本当に心の底から感謝しています。また、弊社だけでは力不足で外部の会社さんのご協力を頂くことも度々です。その場合には、当然お客様にはご協力頂く会社さんについて、その会社さんから弊社宛のお見積金額をお伝えした上で、全体の金額について説明させて頂いてます。弊社の意地にお付き合いくださる会社さんには本当に感謝しています。ありがとうございます。

元請けのみになるまで数年かかりました。ようやくここからスタートです。ゴールは非常に遠いことだけはわかっていますが、止めずにずっと進み続けていきます。慌てず急いで着実に。これが私のこだわりです。





…以下蛇足です。

まず技術がどうのこうのという元請け企業所属の方にいいたい。

自社のバックオフィスの方が、外注先に対してどんな立ち居振る舞いをしているのかご存じですか? 自社と外注先との間の契約がどのようになっているのかご存じですか? それを目の当たりにしても同じことを言い続けられる自信はありますか? そういうことはスーツの仕事とレッテルを貼って見て見ぬ振りをしてませんか? それでいて業界を変えたいなどといいますか?

まず自社の外注先との関係をもっとしっかりと構築する気概を見せて頂きたい。みんなで技術力を向上しようなどとアジテーションを繰り返しても、その成果を挫くような契約形態を取ってる会社に属して禄を食んでいるのが事実なのではないですか? 会社名の入った名刺を持つ時点で、会社の看板を担う一人なのです。住宅ローンを組むときに所属企業の信用があるから組めるというのは、それは「会社と自分は関係ない」などとは言えないということなのです。自分の信用は自分だけの力ではないのです。

エンドユーザのところに謝罪に行く際に外注先を連座させて「開発したのはこの会社です」などとやるなら、だったら元請けなどやらなければいい。何のためにマージンを抜いているのか? お金を頂くに値する仕事をすべきです。作業が忙しいのと仕事が忙しいのは別の話です。俺たちだって忙しいんだ、などと下請けに対しては死んでも口にするものじゃないのです。言うべきは「お仕事を引き受けてくれてありがとうございます」です。その程度の節も通せないから、デスマるのです。プロジェクトマネジメントの筋も曲がってしまい機能しなくなるのです。筋を通すために体を張れずして何がマネジメントぞ。

弊社などとは比較にならないほどの資本力と人材を持っていながら、一向に生産性が改善されないのは何故ですか? 相変わらず外注頼りなのは何故ですか? 自社で完結出来ない案件を受注するのを恥ずかしいとは感じないのですか? 何故10年前と取引価格が変わらないのですか? ブログなどで社外の人に向けてに叫ぶより先に、自社の中で行動して自社を変えてください。身の回り一つ変えられなくて、何が業界ですか? 何が社会ですか? 何が世界ですか? やりたいこと・出来ることをやってるだけで、世の中が変わるほどそんな都合のいいことはないのです。社内で上り詰めて改革をするくらいの気概を見せてください。

1年前と・3年前と比較して、何をどれくらい変えることが出来ましたか? その実績をこそ叫んでください。これからの話よりも前に、これまでの苦闘とその結果を語ってください。であればこそ、その奮闘の先にある未来を信じることも出来るでしょう。プロは結果でのみ評価されます。

次に、私と同じような経験をしてる・してきた中小のソフト会社の方にいいたい。

既にソフトウェア産業は資本力がなくてもやっていける時代になっています。本当に「ソフトウェア」で商売をしたいのであれば、ソフト会社という名の人材派遣会社という立ち位置を変えたいと思うのであれば、ようやく今からいくらでも出来る時代です。

業態の変更には痛みを伴います。弊社も創業当時の大型案件を年に数件受注して食っていくというサイクル(弊社内で言うマグロ一本釣り漁)から、現在のような比較的小さな案件の数をこなしていくというサイクルに変えていくのに、数年を要しました。未だに完全に移行しきってはいません。ですがその痛みを避けて現状のままに進むのであれば、結果も現状通りにしかならないのは必定です。

お客様はいます。間違いなくいます。ですがこれまでのSI業界の常識からすれば小粒です。大型案件に大量の人員派遣をすることになれている体制では非常に厳しいです。営業のやり方も変わります。特定の数社に日参していれば良いというスタイルではなくなります。自社が直接エンドユーザ企業さんから受注するとなれば、マネジメントが出来る人材を持つ必要があります。これらをきちんと支えるプロセスが必要になります。要するに、ちゃんとした商売をするようにならないといけないということです。

そのような体制にしていくのは非常に大変です。ですが、ちゃんとやるべきことをやれば、「下請けは悔しい」などということとは無縁になれるのです。本当に自分たちの実力でお客様に表がして頂けるようになるのです。

お客様と直接お取引をするのは非常に厳しい世界です。元請けにぶら下がっていれば、経営者としては多少は気が楽になります。俺だって辛いんだよと言ってれば済みます。ですが、それは現場の屈辱と引き替えなのです。経営者であるなら現場のエンジニアの能力が正当にお客様に評価して頂ける場を作ることに身を削るべきです。何のために経営者になったのですか? 単に社長でいたい・経営をやりたいというだけであれば、別に「ソフトウェア」でなくてもいいでしょう。ソフトウェアに心底興味を持てないのであれば別の業種で社長をやればいいのです。その程度で「うちの社員は駄目なんだ」などと言うのは、それは逃げです。

弊社はまだまだ財務的にはひどい状態です。意地と引き替えにお金を投じてきました。数字は嘘をつきません。ですから財政状況だけで見られたら、駄目な会社です。それは自覚しています。経営者は決算書が通知表です。ですから私は、偉そうなことを言っても駄目な経営者です。

ですが、そんな私でもここまでやれています。多くの方々のご支援を賜ることが出来ているのは、この意地のおかげでもあると考えています。素晴らしいメンバーの集団になれました。まだまだ入り口に過ぎませんが、それでも一定条件下においてはファンクションポイントで比較して大手SI企業の100倍程度(一応控えめな数字を書いておきます)の生産性をたたき出せるまでになりました。やるべきことをやれば、小さな会社であってもお客様に価値をお届けできるようになれます。私は自信を持って、弊社の実績を示すことが出来ます。

業界云々のような内向きの話などどうでもいい。まだ見ぬお客様が、IT化のメリットを享受して自社の業務をより良くしたいと待っています。それにこそお応えすればいい。お応えし続けられるようになるにはどうすればいいのか。それをこそ考え抜いて決断し、必要の行動を支持して現場を支える。それがマネジメントです。それが経営者です。

そしてSI業界の全ての皆さんにいいたい。

お客様に対して「IT化をして業務の効率化を!」と言いながら紺屋の白袴になっていませんか? 自社のライン業務であるシステム開発の一体どれほどがIT化されていますか? それによってどれくらいの改善が実現されましたか? 隗より始めよ。こうしましょう! を押しつけるのではなく、うちはこうしてるんですよ、と実績を出せるようにお互いになりましょう。自動車に乗ったことがない自動車メーカーの人など信用できないのと一緒です。ドッグフードを食う。口先だけじゃなく、本当に食って、その実績を元にお客様にお話ししましょう。

今後の日本は少子高齢化が進むことが確定しています。労働人口そのものが減少していくのであり、それは消費市場の縮小をも意味します。そんなときにおいてこそ、ITによる業務実行力の向上が役に立つと思うのです。まず私たち自身が率先して少人数であっても高い生産性を実現して今まで以上の価値を提供できることを示し、人海戦術に頼らずに本当に必要な人数だけを業界として受け入れ、他のもっと若い人たちの力を必要としている業種・業態に進んで頂けるお手伝いをし、それでも人手が足りない部分を私たちの提供するサービスで補うということを考えなければならないと思うのです。

だからこそ安易なオフショアなどによって単価さえ安ければ良いとして人海戦術に頼り切っている悪癖は、今のうちに改めなければなりません。ITによる知的労働生産性向上というのが画餅でないのであれば、自分たち自身の生産性を極限まで高める。100人必要だったところを1人で済ませられる仕組みを作る。そしてそこから生まれる成果に対して価格付けをする。こうなると当然人月など合いません。100人月が1人月、ではないのです。それがもたらす価値に値付けをする。そういう当たり前の商売に変わらないといけない。貴重な若い人たちの力を大量に無駄に損ねるようなことをするのは、もはや国賊同然なのです。

もちろん若い人たちに大勢来て頂けると嬉しい・ありがたい。ですが私たちSI業界はコバンザメです。まずはお客様の企業が元気でなければIT投資の必要性など生じないのです。ですから、先に自分たちのほうが若い力を欲するのではなく、まずは他の業界で活躍してもらえるように考えないといけない。それが自分の我が子や孫の代に、「社会に出て働くって楽しそうだ」と感じてもらえる「社会」をきちんと引き継ぐ第一歩になるのです。自分の子供だけが豊かになっても、あなたの子供が優しい感性を持っていたらお友達も豊かでないと苦しい気持ちになってしまいます。そんな気持ちにさせずに済む世の中に少しでも近づけて引き継ぐのが、大人の責務です。我々の前の世代が私たちに何を引き継いだのかなどと過去を引っ張り出してぐだぐだいうのは止めましょう。戦後はいつまでも戦後でなければなりません。決してもう二度と戦前にしてはいけないのです。未来をきちんとしたものにする力を私たちは持っています。それをきちんと行使するのは次の世代に対する「義務」です。

そのための第一歩が、紺屋の白袴を止めるということです。当面は人月でもいいでしょう。ですが、例えば対前年比で必要な工数を半分に削減する。そういう取り組みをすべきです。もちろん目先の売上は減るでしょう。ですが、それを本気で3年やれば状況は全然変わってきます。同じようなものを作るのに必要な工数が当初の8分の1になるのです。さすればより多くのお客様のお役に立つキャパシティが生まれます。そうなればお客様にとってお買い求めやすい価格での提供が可能になります。それを目先の給料ほしさにだらだら過ごして課題の先送りをするのであれば、業界の、社会の、世界の未来など語らないで頂きたい。お祭り結構。但しそれは日常の行動があってこそです。お祭りをやれるのは給料がもらえるからで、飢えていてはお祭りどころじゃないのです。未来を語るなら給料の源泉たるお客様のほうをちゃんと向いて、お客様のお役に立つために必要なこと・やるべきことをやるべきです。結果を出さないお祭りなら存在してもしなくても同じです。何も変わりません。単なる鬱憤晴らしでしかないでしょう。本当にそれでいいのですか? 来年の今頃、お互いに今の半分の手間で今の倍の成果を出せるようになりましょう。それをお互いに披瀝し合い切磋琢磨しましょう。スタロジは決して皆さんに負けないという気概で頑張ります。

加えてIT業界にご興味をお持ちの方々、特に学生さんにいいたい。

IT云々の前に、社会人をやるということの自覚を持ってください。雑用をこそしっかりとやる地力をつけてください。雑用さえもしっかり出来ない人に、大切な仕事を任せられるわけがありません。その上で「しっかり雑用をやってるんだから認めてください」などというのはみっともないのだと自覚してください。雑用は雑用でしかないのです。されど雑用なのです。そこを越えて初めてプロの第一歩です。

それをやっていくための基本は「ありがとうございます」と「ごめんなさい」をちゃんと「声に出して」言えるかどうかです。それが出来ればどんな世界にいっても必ず通用する人になれます。逆に言えば、それが出来ない人は、どれだけ高度なスキルを身につけても、どれほどの知識を有していても、残念ながら仕事を任せてもらえません。お金を払うのが不安になるのです。よくよく我が身を自覚してください。

プログラミングが好きだからこの仕事をしたいという方。プログラミングをするのではなく、プログラミングという行為を通じてお客様のお役に立つ、ということをするのです。好きなだけならアマチュアで十分だと思います。むしろプロとしてお金に直結するほうが苦しいかもしれません。プログラミングの才能に恵まれてはいても仕事としてそれをやるのは不向きな人もいます。エンドユーザ企業に入って、そこでプログラミングも出来る凄い人として生きていく方が、自分を含めた多くの人にとっての幸せになることもあるのです。選択肢はひとつではなく、そして若いうちは自分の適正というのは自分の想像以上に柔軟であるということを忘れないで、今のうちから未来を自分で凝り固めないでください。

お金を頂くということがどういうことか。しっかりと親御さんとそういう話をしてください。ご両親とそういう話を差し向かいで出来ないで、何故上司の話を聞けますか? 社会とは理不尽なものであり、その理不尽な世界で戦ってきた一番の身近な先輩が親です。その愚痴や怨念も含めて、きちんと聞く耳を作ってきなさい。親をひとりの人生の先輩と思えないうちは、社会人としては半人前です。親と同じ「社会で働く人」になるのです。同じプロの世界に入るのです。給料をもらうもの同士になるのです。その親御さんに社会人になってからも甘えるというのは、会社や同僚に甘えるのと同じだと感じる力と覚悟を作ってきなさい。20歳になったら成人です。幼稚園児から見たらおっさん・おばさんです。そういう自覚を持ってください。

逆にこのような社会人としてやっていくのだという自覚をお持ちの方であれば、学歴・職歴・性別・年齢・国籍など関係なく、弊社はご一緒させて頂きたいと考えています。プロとして必要なスキルや知識は私どもでお伝えできます。それがプロの世界です。ですがマインドはあなた自身でしか作り・変えていくことが出来ません。プロになるのだというマインドのない・足りない方には、どんなスキルや知識をお伝えしても上っ面で終わってしまい身につかないことは、数多くの事例で明らかです。あなたがプロとしてやっていきたいと思っているのであれば、私どもは歓迎いたします。とはいえ、新卒入社という体験は人生で一度きりです。私は大学を中退したので新卒入社というものを体験できないままです。なので、皆さんにはせっかくのそのチャンスを満喫していただければと思います。

最後にIT化によって仕事をより良くしたいとお考えのお客様へ。

技術的なことは私どもプロにお任せください。御社の商売が日々変容するのと同時に、ITの技術も日夜変化し続けています。これをキャッチアップしてお役に立つ形にするのは、それを本業にしている私たちの役目です。確かにITに関することは面白さもありのめり込むこともあるでしょう。しかしそれは御社の本業ではありません。

一方で、私どものような外部の業者には絶対に出来ないことがあります。それは「これからの未来はどうありたいかを決めること」です。それを決めて頂ければ、そのために必要なことは私どもSI業界の人間が考えてご提案もさせていただけます。ですが「何でもいいから、とにかく良くなりたい」では、申し訳ないながらどうしようもありません。私が御社の経営者に就任するならばどうにか出来るかもしれません。ですが、そういうお話ではないはずです。

自分の未来の意志決定権は自分にのみあります。会社も同様です。それを決めてください。技術的なことがわからないのは御社の問題ではありません。説明力不足の業者の問題です。役に立たないRFPなど書かなくても結構です。目指す未来と現状、そして問題意識をきちんとお伝え頂ければ、私どもが全力でお手伝いさせて頂きます。私どもの言葉がわからなければ、「わからへんのじゃボケ」とおっしゃってください。ですが、その手間は決して惜しまないでください。自分の未来のために必要なことなのですから。

そして何よりも「自分たちの未来を考えて自分たち自身で決める」ということの手間を絶対に惜しまないでください。決して他人任せにしないでください。もし未来を考えるための支援が必要であれば私どもSI業界が馳せ参じます。未来を実現するお手伝いのために、私どもSI業界は存在します。それをご活用ください。


以上蛇足でした。





スタロジのお客様や関係各位へ。

スタロジは創業から丸7年過ぎて、ようやく今予選のスタートラインに立った状態です。予選での実績はこれからですし、本戦はまだまだ先です。ですが予選に立つまでの取り組みの実績には自信を持っています。こう断言できるまで、多くのお客様にご迷惑をお掛けしてきました。多くの方々の本当にありがたいご支援を賜ってきました。かつてのメンバーだった方々にも本当にご苦労をお掛けし続けてきました。今のメンバーは、これまでのそういった方々からのお力添えを肝に銘じて、頑張っています。結果を出すことが最大のご恩返しになると、手前勝手な考えで引き続き不義理をさせていただきます。

私たちに今があるのは、お客様がご発注してくださっているからこそであり、それに応えてくださった元メンバーやお取引先のおかげです。これまでも、そしてこれからも、スタロジにおける全ての責は私が負うものです。皆様にはようやく揃った素晴らしい現在のメンバーの作り出す結果を厳しい目で見て頂ければ幸いです。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

スタロジメンバーのご家族へ。

ご迷惑・ご面倒をお掛けし続けています。本当に申し訳ございません。皆様のご理解と支えがあってこそのスタロジです。引き続き色々と気苦労をお願いすることになりますが、遠くない将来にはそれが報われたと感じて頂けるようにしたいと考えて、日々頑張っております。何卒よろしくお願い申し上げます。






P.S.スタロジのメンバーへ。

いつもありがとね。みんな大好きだよ。愛してます(^^) これからもよろしく!

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はぶさんの「元請けにこだわる理由」(http://blog.livedoor.jp/habuakihiro/archives/65115500.html)という記事がいろいろ波及していますね。 みなさんやはりというか元請け vs 下請けみたいなところに論点がいっていますね。記事を読んでみて思うのははぶさんはそんな対